前スレ
提督「艦むすの感情」



SS速報VIP:映画『艦これ』 -平和を守るために
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426824530/



1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:08:50.92

映画『艦これ』 -平和を守るために
製作:○鎮守府

●この映画はフィクションであり、実在の団体、事件とは無関係です。

――


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426824530



2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:09:26.55

提督「コンコン 失礼します」

元帥「よく来た。まあ座りなさい」

提督「失礼します」

元帥は、提督に背を向けたまま、話す。

元帥「話は聞いているか?」

提督「はい! ○鎮守府にて、海軍の生物兵器、『艦娘』の指揮を取らせていただけると」

元帥「その通り……何か、私に直接聞きたいことはあるか?」

提督「いえ!」

元帥「では、明日からよろしく頼む」

提督「はい!」

提督は元帥に向かって敬礼をする。そして、元帥の部屋から出た。

――



3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:10:18.53

深海棲艦との戦争に作られた艦娘は、計135人。全員が、鎮守府の講堂に集まった。

提督「私が、君らの指揮を取る。よろしく頼む」

シーンとした講堂に、大きな拍手。誰一人として、話そうとするものはいない。全員、直立している。

提督「戦争に大切なのは、味方を信頼することだ。私のことも、信頼して欲しい。では、解散!」

艦娘たちは、小走りで、自分たちの部屋へ戻っていく。

中には、小学生かと思えるくらい幼い子もいるが、そんな子も、きちんと、軍人らしい行動をしているのだ。

――



4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:10:47.55

今まで大きな出撃もなく、艦娘の訓練も、問題なく出来ている。

艦娘たちは、徐々に私に心を開き始めた。



5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:11:44.38

提督「そこでバランスを上手く。耐えろ! よし! そこで砲撃だ!」

今、私が指導しているのは、『潮』、という駆逐艦の少女だ。

バランス感覚が弱く、艤装をつけた状態での海上移動も、未だ不安定だ。

提督「よしっ! ……その砲撃で最後にしよう」

潮は訓練の最後、見事、的に命中させた。他の子に比べれば遅いが、着実に、上達している。



6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:12:38.59

潮「ハァ、ハァ」

提督「疲れたか?」

潮「いえ……大丈夫です」

提督「そうか、私はこれから出撃だ。先輩とかに練習は見てもらってくれ。この調子なら、近いうちに、お前も出撃できるぞ」

潮「ほ、本当ですか! ……嬉しいです」

――



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:13:30.58

出撃は、基本は、戦場の様子を艤装のトランシーバを通して、執務室で聞いているだけである。

作戦中断を伝えることもあるが。



8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:14:03.64

ドガン
夕立「提督! 夕立の魚雷が入りました。全敵艦が轟沈しました!」

提督「よくやった! 周りに敵はいないか? 何度も言うが、潜水艦にも気をつけろよ。存在は確定していないが」

夕立「えー……周りに敵はいないっぽ、いないです!」

提督「よし、帰投してくれ」

夕立「了解です!」

プツ。トランシーバのサイドスイッチから指を離す。何かあったら、連絡が入るはずだ。

――



9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:15:09.10

夕立「提督さん、帰投しました」

提督「ご苦労。無事でなによりだ」

満潮「……あんたは何もしていないじゃない」ボソッ

提督「はは、すまないな……」

夕立「提督さんは悪くないっぽい! 満潮ちゃんは酷いっぽい!」

必死に私を弁護してくれる夕立を見て、私は、平和というものを、強く望む。

早くこの戦争を終わらせ、この子達を、クローン生物とは言っても、産みの親の元へ返してあげたいと、しみじみ思うのだ。


このときの私には、この後の残酷な未来など、想像も出来なかった……

――



10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:16:10.59

曙「いっけぇー! ……やった! 轟沈よ!」

提督「よくやった、曙!」

曙「ふんっ、こんなもんよ。私に感謝しなさい!」

提督「ああ、本当にありがたいよ。よくやった、曙」

曙「そ、そんなに褒めても……ありがとう」

提督「よしっ、周りに敵はいないか?」

曙「確認済みよ」



11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:17:12.89

漣「ん? ……曙、あれって」

曙「んん? ……うぁっ!」

提督「っ! どうした!」

曙「う、海から攻撃が……」

提督「それは潜水艦だ! 海上の、潜望鏡を探せ!」

曙「せ、潜水艦って……ああっ! さ、漣、大丈夫?」

漣の声は、私には聞こえない。



12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:17:55.02

提督「全員、帰投せよ! 繰り返す、全員、帰投せよ!」

曙「……皆! 帰投してって、クソ提督が……」

ドガン

提督「曙!」

曙「ああ……ねぇ、海の底って……」

プツ。

それから曙は応答しなかった。

潮「司令官! 潮です! ご命令を」

提督「あ、ああ! 全員、ただちに帰投せよ!」

――



13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:19:52.96

潮「失礼します……」

提督「潮……戦況は? 曙は無事なのか? 漣も……」

潮「……轟沈です。二人とも、沈みました……」

提督「……」

潮は、うつむき、震えながら言った。

潮「大破4艦、……轟沈……2艦です」

提督「……了解した、ドッグに入りなさい……」

潮「……はい……うっ…うっ……」

潮は、泣きながら、執務室から、出て行った。

提督「……曙、漣」



14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:20:33.98

私の脳裏には、今まで沈めた深海棲艦のことが、浮かんできた。その後すぐに、艦娘との日常が。


曙『……あんま、見ないでくれますか?』

曙『この、クソ提督!』

曙『こんだけ? 対したことないわね』


漣『よろしくおねがいします、ご主人様』

漣『ふざけてるように思われがちですが、本気だせば、こんなもんですよ♪』

漣『キタコレ!』



15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:21:03.70

提督「……」

私の目からは、不思議と、涙は出なかった。
理由はよく分からないが、涙が出なかった。

――



16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:21:45.39

今まで優勢だった私の軍隊は、日に日に、深海棲艦に負かされていった。

とにかく、時間がなかった。鎮守府に派遣されてから、一秒たりとも無駄な時間は使わなかったが、私の胸には、まだ、余裕があった頃の鎮守府への後悔が、渦巻いていた。

――



17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:23:28.98

提督「もう少しで遠征組の援助が来る! 耐えてくれ!」

飛龍「了解! ……痛っ」

大潮「わぁっ!」

飛龍「大潮ちゃん! 大丈夫!?」

大潮「うう……大潮はまだ、だいじょうぶ!」ドン

ドガン
大潮の砲撃が、敵艦に命中。轟沈させる



18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:25:17.56

大潮「やった」
ドガン

飛龍「大潮ちゃん! ……このー!」

飛龍の砲撃は敵艦に当たらず、敵艦の砲撃は、飛龍に当たる。

提督「飛龍!」

飛龍「ま、まだ、大丈夫だよ……それに、このまま帰投するわけにもいかないじゃない……」

飛龍の言う通り、この場で帰投させては、深海棲艦と本土決戦に持ち込まれる可能性があった。



19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:25:49.34

荒潮「皆さ~ん! 援助に来ました!」

龍驤「飛龍! しっかりせい!」

飛龍「……ああ、助けが来たね……よかっ」
ドガン

提督「っ……荒潮を旗艦とし、攻撃を再開せよ!」

――



20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:26:50.64

荒潮「……提督、報告よ……」

提督「ああ、すまない」

荒潮「提督は悪くないわ……ただ、」

提督「報告を頼む……」

荒潮「……轟沈3名、大破5名、中破2名です。轟沈は飛龍、大潮、龍驤です……」

提督「……龍驤もか……」

荒潮「飛龍さんに近づいたとき、敵艦の砲撃が飛龍に命中、不幸にも誘爆を起こして、龍驤さんも……」



21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 13:28:17.40

提督「……そうか、わかった」

荒潮「提督……ただ、敵艦隊は全滅できたじゃない!」

提督「……そう、だな、ありがとう」

荒潮が執務室から出て行った後、提督はしばらく、外を眺めていた。
日差しを反射して、海は綺麗に輝いている。

提督「……皆、すまない」

提督は海に向かって、脱帽した。

――



24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:48:51.43

>>21
最後、提督→私 に訂正です。ごめんなさい



25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:49:23.42

艦娘の間には、『出撃したら、生きては帰れない』という、不安な空気が強くなる。
そして、轟沈は毎日のように出る。

今朝見かけた子が、夜にはもういない。
そんなことは、当たり前だった。

――



26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:50:02.89

艦娘の人数が、最初の3分の1ほどになった。
しかし、深海棲艦も、相対的に、弱体化していく。

駆逐艦でも、戦艦に止めを刺すことが出来るまで、艦娘たちの錬度は上がっていた。

しかし、それと、艦娘の轟沈は別だった

――



27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:51:05.44

霞「沈みなさい!」

ドガン
霞「きゃっ! う、嘘でしょ」

ドガン
霞「」

提督「霞! 応答せよ!」

朝潮「司令官、ここは朝潮が旗艦を代理します!」

提督「朝潮! 頼む!」



28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:51:51.77

ドガン
朝潮「っ…… これで勝ったつもり? 突撃!」

ドガン

深海棲艦の砲撃が、加賀に当たる。

朝潮「あ、加賀さん」

加賀「頭に来ました」ブーン



29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:52:22.72

ドガン
朝潮「」

加賀「朝潮!」
ドガン


これが、深海棲艦との最後の戦いだった。最後まで生き残った艦は、加賀のみだった。



30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:53:00.42

加賀「ヒュー……ヒュー……」

提督「加賀……ありがとう。帰投してくれ」

加賀「ヒュー……提督、ちょっと、休んでもいいかしら」

提督「ああ、……かまわんが」

加賀「ヒュー・・・」

プツ。

加賀との連絡が、途絶えた。その後、声が枯れるくらい、繰り返し、トランシーバに向かって叫んだが、加賀の声は、二度と聞こえなかった。

――
――



31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:53:35.77

深海棲艦との戦いが終わり、鎮守府は解体されることとなった。
にぎやかだった鎮守府には、もう、提督しかいない。

聞こえるのは、海の小波のみだ。

荷物をまとめ終わった提督は、艦娘たちの部屋の片づけを始める。女の子の部屋に入るのは抵抗があるが、執務の一環だ。



32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:54:20.43

コンコン
中に入ると、彼女たちの私物。しわくちゃになったベッド。全てが、あの時の状態で保存されている。

かつての、彼女たちの姿が浮かんでくる。



33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:54:49.22

龍田『さあ、死にたい艦はどこかしら♪』

雪風『ゆきかぜは、沈みません!』

大鯨『無事に帰ってこれて、よかった♪』

満潮『はぁ、なんでこんな部隊に配属されたのかしら』

吹雪『いやっ、沈むのは、嫌だよぉ!』

赤城『……ごめんなさい、雷撃処分、してください』

電『次に生まれてくるときは、平和な世界だと、いいなぁ……』




34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:55:27.79

提督「……」ツー

ああ、涙が出てきた。胸が痛い。嗚咽を抑えることができない。

私は部屋の窓から海に向かい、敬礼をした。目の前はぼやけているが、海は、平和だった。
それは、彼女たち、艦娘たちが守った平和と言っても良いかもしれない。

――



35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:56:03.04

今日、鎮守府が破壊される。艦娘たちの遺物は、ちゃんと、産みの親の元へ送った。

私は、鎮守府から少し離れた、砂浜に来た。鎮守府でやったように、再度、海に向かって敬礼をした。今度は泣かなかった。

平和を守ってくれて、ありがとう。
私は心の中でそう唱え、数秒、目を閉じた後、本部へ向かった。












潮「オーケーです!」

提督「よっしゃあああああああああああああ!!!!!!!」



36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:57:04.49

監督:長門、提督
監督補佐:睦月、吹雪
脚本:提督、睦月、山城
元帥の声:天龍
その他制作:(省略、○鎮守府の艦娘の皆さん)

加賀「……なんでこんなに暗い脚本なのかしら」

赤城「提督が、『どうせなら事実と逆を行こう』って言っていました」

加賀「捻くれ者ね」



37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:57:33.83

カメラの裏側からぞろぞろと出てくる艦娘たち。

夕立「提督さん! 迫真の演技だったっぽい!」

青葉「お疲れ様です! 今の心情、一言お願いします!」

陸奥「お疲れ様! 提督」

鎮守府主催の映画の撮影が、全て終わったのだ。



38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:58:31.37

提督「ああ、ありがとう。お前らの演技もすごかったぞ!」

満潮「・・・ありがとう」

電「そういわれると、嬉しいのです」

青葉「あっ、提督! 編集は、青葉におまかせ!」

提督「ああ、頼もしいよ」

撮影セットを片付け、鎮守府に戻っていく。

――



39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 16:59:07.24

提督「えーでは、映画の撮影終了、そしてなんといっても、深海棲艦の撲滅、おめでとう! 一足早いが、宴会だ! 一人として欠けることなく、戦い抜いてくれたことには、私からも、感謝を申し上げたい。ありがとう。では、堅苦しいことは抜きにして、乾杯!」

艦娘「乾杯!」

深海棲艦の撲滅に成功したのは3日前の話だ。その後、即席で小さな宴会を開いたとき、

・・・
・・




40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:00:03.28

睦月「提督、私、映画作りたいです!」

提督「映画? って睦月お前、なんで酒飲んでんだよ!」

北上「いーじゃんいーじゃん、一口くらいさ!」

提督「お前もギリでアウトだぞ! ……で映画とは?」

北上「え、何気にスルー?」

睦月「うん、鎮守府のみんなで簡単な映画を作るの!」

北上「いーじゃん楽しそーじゃん」

提督「随分酔ってるな……しかし、135人もこの鎮守府にいるわけだが……」

夕張「カメラとマイクは工廠に結構な数あったよ~」

睦月「ね、提督、どう?」

提督「……反対するやつは?」

誰も、手を上げない。

提督「なら、いいんじゃないか?」


・・
・・・



41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:00:57.95

と、こんな感じで始まった映画撮影。3日で全撮影が終わり、後は編集作業のみとなった。

始め興味なさげにしていた霞や初雪、満潮のような面子も、なんだかんだで楽しそうに動いていた。

陸奥『あれ…島風ちゃーん』

島風『おうっ?』

陸奥『ごめん、レンズ拭くやつ、霧島から借りてきて』

島風『おうっ!』ヒュン



42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:01:37.16

北上「いやー撮影おわったねぇ大井っち……私の場面はなかったけど」

大井「大丈夫ですよ北上さん。スタッフロールには全員載りますから……にしても、やっと終わったって、感じですよね」

北上「うん、なんか、生まれた頃からずっとって感じがするから、なんか終わったのが不思議……」

大井「……これで、平和になったんですよ」

北上「そうだね、大井っち……」



43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:02:10.85

大潮「どっかーん!」

朝潮「きゃっ! お、大潮、びっくりした、って何やってるの!?」

大潮「う~ん、やっぱり朝潮が一番大きいよ」ナデナデ

朝潮「ちょ、ちょっとやめて」///

霞「…くだらない」

大潮「霞は一番小さいもんねぇ」ニヤニヤ

霞「むっ……そ、そんなことないわよ」

霰「…チラッ…チラッ」

霞「な、なに見てんのよ!」///



44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:02:51.39

古鷹「……ねえ青葉」

青葉「はい、何ですか?」

古鷹「青葉は、鎮守府を出た後、どうするの?」

青葉「う~ん、とりあえずは親のところに行ってみます。全く記憶にないのですが……」

衣笠「だよね~、顔とか全く覚えていないし、会わないっていうのもなんかね~」

青葉「ですよね、いっそのこと、この鎮守府でこれからも生活したほうが、なんかしっくりきます」



45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:03:52.39

北上「暁ちゃ~ん、レディっていうならこれ飲めるよねぇ」アハアハ

電「北上さんが大変なのです!」

暁「も、も、もちろんよ! 大人のレディなんだから!」

北上「ほらほら~、コップに注いであげるよ~」トクトク

大井「き、北上さん、それはちょっと……」

暁「うっ……」

雷「暁、無理しなくていいのよ」

響「というよりも、飲んじゃだめ」

暁「あ、暁の本気をみるのよぉー!」ガバア

電「暁ちゃん!」

響「暁、大丈夫かい?」

暁「うぷっ……ちょ、ちょっと、おトイレに行ってくる……」

北上「ごめん、さすがに反省してる」

提督「北上コラァー!」

北上「ヒェー!」



46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:04:57.68

鎮守府は、非常時のために残され、艦娘たちは、産みの親の元へと帰る。その後は、その親の元で、生活する。これが、本来の予定であった。


……事実は小説よりも奇なり、とは言うが。さて……

――
――



47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:05:32.81

ここで、艦娘について、まとめておく。

艦娘は、戦争のための存在である。
突如、日本近海に現れた謎の生物『深海棲艦』を倒すため、クローン技術によって作られた生物兵器である。
普通の人間よりも、生命力、筋力を強くされ、また、目的の大きさまでの成長は非常に早い。言語能力の取得も早い。

――



48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:06:08.74

提督「……どういうことですか?」

元帥「君の気持ちはよく分かる、一番近くで、あの娘たちを見てきたんだからな……」

提督「だから! どういう意味なんですか!」

提督は思わず、声を上げてしまった。元帥に対して。

提督「…私の無礼、申し訳ありません」

元帥「良い、気にするな。……しかし、これが世間の現実なんだ」

提督「詳しく、話を聞かせてください」



49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:07:34.10

元帥「…君は『クローン』と聞いたとき、何を思い浮かべるか?」

提督「…人工的に作られた、生き物と」

元帥「それは君が、艦娘に接してきた、クローンに接してきたから言えることだ。世間の民間人は違う。クローンである艦娘を、人造人間やターミネーターのように見ている」

提督「! それは大きな誤解です。艦娘は、クローンであっても生物です。もちろん、人間との相違点はいくつか上げられますが、彼女たちはそれを自覚し、己の意志でコントロールすることができる。これは、人間と同様の心を持っている証拠です!」

元帥「君の言い分はよく分かる。しかし、世間は違う。……事実、製造の際に協力してもらった、『産みの親』135名は全員、艦娘の受け取り、扶養を拒否している」

提督「……腹を痛くして産んだ、自分の子どもにも関わらず……」

元帥「特別手当が数百万出るからな……これが世論というものだ。どれだけ、艦娘に対する偏見が強いかが分かるだろう。」



50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:08:27.80

元帥「軍部はこれまで、艦娘たちの将来を考え、艦娘の顔は公開してこなかった」

元帥「しかし、戦争が終結し、艦娘を産みの親に返すと軍部が発表してからは、それの反対運動があらゆるところで起きている」

元帥「そこで軍部は、……」

元帥「殺処分という選択肢を、取らざるを得なかった」

元帥「……全て、仕方のないことなんだ……」



51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:09:05.71

提督「……」

元帥「……来週の今日、艦娘たちの殺処分が予定されている。君から、艦娘に伝えて欲しい」

元帥「ただ、もしそれで艦娘たちが暴動を起こした場合、軍部は、海外にも応援を要請して、艦娘を相手に戦争を起こす」

元帥「生命力や筋力がいくらか強いといっても、所詮、『生物』なんだ」

提督「……分かりました。失礼します……」

元帥「本当に、すまない……」

提督は元帥の部屋を出て、鎮守府の帰路についた。途中、電車の中で泣いた。

大の大人が涙を流す姿は、同じ車両の女子高生に笑われたが、提督には、どうでも良いことだった。

――



52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:09:40.59

時雨「提督から、緊急召集だって」

夕立「なんだか、不自然っぽい」

綾波「何か、あったのかしら……」

初雪「また戦争とかだったら、やだなぁ……」



53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:10:25.59

提督「集まってくれて、ありがとう。非常に大事な話だ。不在の者はいないか?」

ザワザワ、アッ、アノコハ? ソコニイルヨ

提督「…いないようだな。非常に、諸君にとって、ショッキングな話となるかも知れないが、最後まで、落ち着いて、聞いて欲しい」

龍田「まあ、ショッキングな話って」

天龍「まさか、また深海棲艦と戦争か? ったく、やめてくれよ」

提督「……まず、結論から伝える」

提督「君たちの産みの親は、全員、君たちの引取りを拒否した」

シーン… デモ、ソレデモヨクナ~イ? アンマキニシナイ デモ、ソレジャワタシタチハドウナルノ



54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:11:36.58

提督は、自分の感情を消すことで、艦娘たちに、残酷すぎる現実を伝えようとした。

提督「さらに、君たちは一週間後、殺処分をされることとなった。この経緯を、全て話す」

天龍「っ! はあ!? ふ、ふざけんなよ! なんで、国のために戦った俺たちが、……殺されなきゃなんねぇんだ!」

龍田「天龍ちゃん、今は落ち着きましょう。……一番辛いのは、提督よ」

天龍「……ちくしょう!」

他の艦娘は、皆、ポカンとしている。



55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:12:27.24

提督はその後、元帥に伝えられたことを全て話した。艦娘を世に出すことへの反対運動のこと、艦娘への激しい偏見のこと、そして最後に、艦娘が暴動を起こせば、世界が鎮圧しようとすること。もちろん、そうなれば、提督の命も助からないだろう。

提督「……つまり、君たちはターミネーターのような、殺人生物としてのレッテルを世間に貼られてしまい、それらを世間に出すことに対しての非難が……うぐっ……うっ……」

提督は、耐えることができなかった。

あまりにも理不尽な世間の目への怒りと、目の前の艦娘が、来週には死んでしまうということへの悲しみ、不憫さが、提督を襲う。

押さえようとしても押さえきれず、どんどん膨らんでいく。



56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:13:32.70

怒りで赤くなっていた天龍も、その提督の姿を見て、静かに泣き出した。

天龍だけではない、他の艦娘たちも、静かに泣き始める。深海棲艦との戦争が始まって2年。当時は小さかった駆逐艦の子も、大きく、頼もしく成長した。

本当に、色々なことがあった、2年間だった。

その経緯を間近で見てきた提督、艦娘にとって、一週間後の理不尽な殺処分は、あまりにもショックが大きかった。自分たちにとって、何のための、2年間だったのか……

提督「…………すまない、よって、一週間後の今日、君たちの殺処分が行われる。失踪を図ったとしても、軍部は君たちの顔写真を持っている……以上、報告は終わった。何か、質問のあるものは」

誰も、口を開かない。

提督「……解散してくれ。私の力不足で、申し訳ない」



57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:14:03.85

しばらく、たたずんでいた艦娘も、パラパラと部屋に戻り始める。

泣き出す駆逐艦の子をあやめる重巡洋艦や戦艦の子。

提督はずっとうつむき、静かに泣いていた。

最後まで残ったのは、青葉だけだった。



58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:14:57.93

提督「……お前は、帰らないのか?」

青葉「……ちょっと、考え事をしていまして」

提督「そうか……」

提督はゆっくり、部屋に戻ろうとする。



59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:15:25.28

青葉「司令官」

提督「……どうした」

青葉「……映画、楽しみにしててくださいね」ニコッ

提督「……ああ、別に、お前の好きなように過ごしてもいいんだぞ」

青葉「いえ、やり残して死ぬのは、気持ち悪いですから」

提督「お前はすごいよ……じゃあ」

提督は、青葉の方を振り返らず、講堂を出た。
青葉はずっと、何かを考えていた。

――



60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:16:37.49

カタカタ、カチッ、カタカタ

加古「青葉~、何やってるの?」

青葉「あっ、すみません、起こしてしまって……映画の編集です」

加古「……よくやるね。あたし、あの話聞いたら、なんか眠れないよ」

青葉「加古さんまで眠れないとは……」カタ、カチッ

加古「体壊さないようにね、青葉」

青葉「はい、おやすみなさい」



61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:17:12.48

カタ、カチッ、カタカタカタ、カチカチッ

青葉「カタカチカチ……カチッ……これで、完成かな」

古鷹「……あおば~」

青葉「うわっ! ……って古鷹さん、おはようございます」

古鷹「……映画の編集? そうか、青葉編集だったもんね……」

青葉「はい……もうちょっとで終わりそうですよ」

古鷹「……青葉」

古鷹はベッドから起き、青葉に後ろから抱きついた



62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:18:08.46

古鷹「……死ぬのは、怖いよ……」

青葉「……」

青葉「もう、古鷹さんはお姉ちゃんなんですから、しっかりしましょうよ!」

古鷹「……青葉は強いね、羨ましい……」

青葉「……死ぬときは、みんな一緒ですよ」

古鷹「……うん、そうだね。おやすみ、青葉。早く寝てね」

青葉「もう少し、がんばります」

古鷹はベッドに入ってゆく。そして青葉は、カメラとパソコンを接続して、作業を開始する。

――



63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:18:35.75

チュンチュン

青葉「あ、外が明るくなってる……でもこれで、完成しました。皆にばれないようにですが、通しで見て確認もしましたし、大丈夫でしょう」

衣笠「んん~……あ、青葉おはよう」

青葉「おはようございます」ゴソゴソ

衣笠「なんかやってた?」

青葉「ちょっと、映画の編集をしていまして」

衣笠「さすが! 期待してるね!」

青葉「ありがとうございます」ニコッ

――



64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:19:25.49

青葉「司令官、映画が完成しましたよ!」

提督「ん? ……ああ、そうか……いつ、放映できる?」

青葉「プロジェクターとかの準備があるので、余裕を持って、明日からでお願いします」

提督「そうか、俺もこの後本部に行かなきゃならないから、明日放映しよう。ありがとな」

青葉「いえいえ!」

提督「……やけに元気だな」

青葉「最後の一週間を笑って過ごして、最後の日に、思い切り泣くんです……」

青葉「もし、最後の日が来ればですけどね」ボソッ

提督「ん?」

青葉「司令官、行ってらっしゃい!」

提督「ああ、……行ってくるよ」

――



65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:20:56.15

提督「失礼します」

元帥「・・・わざわざ済まない。艦娘諸君には、伝えてくれたか?」

提督「はい……皆、泣いていました。今日の鎮守府は、全体的に静かだったように思えます」

元帥「……そうか、本当にすまない」

提督「いえ……仕方のないこととは、理解しています」

提督「……私、艦娘を本当の娘みたいに、思ったことがあるんです」

提督「若造の私でも慕ってくれて、失敗したときも、励ましてくれて……」

提督「そんな子が、戦争が終わった後で死ぬなんて……」

元帥「もう良い、帰ってよい」

提督「……失礼します」

バタン
元帥「本当に、済まない……」

――



66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:21:45.93

青葉「んー……時間かかるなぁ」

卯月「青葉さ~ん! なにやってるぴょん?」

青葉「あっ、うーちゃん、こ、これは見ちゃダメです!」アセアセ

卯月「いけないものぴょん?」

青葉「いえ、そんなものでは、映画のビデオです。明日、放映ですよ!」

卯月「映画みれるぴょん!」

青葉「はい! 楽しみにしててくださいね!」

卯月「ぴょんぴょん! うれしいぴょん!」

青葉「……ふう、見られなくてよかった。サプライズですから……」

――



67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:22:25.45

青葉「はーい! 明日の11時から講堂にて、[映画『艦これ』 -平和を守るため]が放映されます! ぜひぜひ、全員見てください!」

天龍「映画かぁ……忘れかけてたぜ」

龍田「鎮守府最後の、思い出でしょうね……」

雪風「ねぼうしないで、絶対見にいきます!」

瑞鳳「……なんだか、もう懐かしく感じる」

祥鳳「…短かったわね……」

提督「鎮守府最後の、思い出だな……色々、あったよ」

――



68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:23:02.23

青葉「プロジェクター、よし。パソコン、ムービー、よし」

青葉「それでパブリックにして……」

青葉「皆さん! お待たせしました。これより、[映画『艦これ』 -平和を守るため]を放送いたします! 拍手!」

パチパチパチ

さすがに、大拍手とまではいかないが、艦娘たちは、少しずつ、予定された死に、向き合いつつあった。

青葉「では、放映します!」

映画は、オープニングテーマなしで、いきなり始まった。冒頭、いきなり天龍むき出しの元帥の声に、笑いがこぼれた。



69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:23:33.15

そして、戦闘のシーン。稚拙なカメラワークながらも、雰囲気はなかなか出ている。もちろん、深海棲艦は出てこない。

ドガン。曙の轟沈。艦娘たちの涙を誘った。そして、肝心の曙は……号泣していた。

曙「ううっ……この、クソ提督、クソ……クソッ……うっ」ボロボロ

ルルルルルルルル

提督の電話が鳴り響く。元帥からだった。

提督「・・・すまん」

提督は講堂から出て行き、電話に出た。



70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:24:09.21

提督「もしもし、提督ですが」

元帥「おい! 貴様は何のつもりだ?」

提督「はい?」

元帥「軍部で大変な騒ぎになっているぞ!」

提督「・・・すいません、なんのことだか」

元帥「とぼけるな! 動画共有サイトOURTUBEで、艦娘たちの映像を2本流出したんだろうが!」

提督「はっ!?」



71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:25:46.37

講堂の中にいた艦娘たちは、映画よりも、外から聞こえてくる提督の電話のほうに、意識が移っていた。

提督「鎮守府の内部を撮影した覚えはありません。マスコミの仕業では」

元帥「違う! 艦娘が、向けられるカメラに向かって手をかざしたり、ピースしたりする様子まで取られているらしい。どう考えても、貴様の仕業だ!」

提督「しかし……私はカメラを所持していません。まして撮影なんて」

元帥「言い訳はいい! そっちにヘリが向かっている。今すぐ、本部まで来い!」

提督「げ、元帥殿!」

プツ。ツー、ツー、



72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:26:33.45

何人かの艦娘は、講堂から出ていた。

夕立「……提督さん、何かあったっぽい?」

提督「……お前らの移った映像が、流出したらしい」

エッ、ソレッテ… ナンカモンダイナノ? ダッテ…ネエ

提督「……ちょっと、本部に行ってくる」バラバラバラバラ

外には既に、ヘリがきていた。

青葉「……えー、どうせなら司令官と一緒に観たいと思うので、映画は繰上げましょう」

映画の放映は中止となった。

――



73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:27:18.24

元帥「貴様! …まさかここまでするとは」

提督「ですから、私には何を言っているのか」

元帥「とぼけるな! これを見ろ!」

OURTUBE上で流れる、一本の動画。確かに、戦中の鎮守府の日常を撮っている。
ユーザー名 wareaoba

提督「……これは」

元帥「やっと認めたか…この責任、どう取る」

提督「うちの重巡、青葉が撮ったものです。間違いありません」



74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:27:57.31

元帥「……」

提督「彼女が変な感じはしていました……私の管理不足です。申し訳ありません」

元帥「…これは、艦娘のやったことなのか」

スイマセーン、オハナシヲ アノドウガノジッタイヲオタズネシタク

元帥「……外では、マスコミどもが騒いでいる。この動画は、今も世界中から、閲覧されている」



75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:28:47.97

提督「……申し訳、ありません」

元帥「良い、疑ってすまなかった。そうか、艦娘か……君は早く、鎮守府に戻りなさい。仕事が入るかもしれない」

提督「……元帥殿?」

元帥「記者会見をする! あとこいつを、鎮守府にもどしてくれ!」

軍人「はい!」

――



76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:29:20.73

男1「……これが、艦娘なのか」

男2「可愛い子ばっかじゃねえか」

男3「提督って、この子たちの指揮をとるんだろ……いいなぁ」


女1「どっかの女子高みたいwww」

女2「でも……なんか可愛いよね」

女1「……うん」



77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:30:00.80

動画の流出により、世論は一変した。

ターミネーターや人造人間のような、危険生物と思われていた艦娘は、実際には、可愛らしく、人間らしい少女だった。

艦娘を世間に出すことへの反対運動の代わりに、艦娘の殺処分の反対運動が、各地で、しかも、前者よりも大規模で、行われた。



78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:30:31.41

デモ隊1「艦娘も人間として、基本的人権の保障をするべきである」

デモ隊2「クローンといえども、生命を持つことに変わりはない」

デモ隊3「殺処分の判断は、理不尽この上ない」



79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:30:58.71

この運動に対して、軍部は、殺処分に至った経緯を丁寧に公開した上、即行で殺処分を取り消した。

ただ、問題なのは、艦娘のこれからである。

――



80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:31:39.90

講堂にて、提督が、軍部からの情報を艦娘に伝える。

提督「皆、喜んで欲しい。君たちの殺処分は中止になった!」

…ン? モウヨクワカンナイッポイ ドッチナノ?

提督「昨日、鎮守府の内部映像が流出した。それにより、君たちの本当の姿が明らかとなり、世論が変わった…今まではただの偏見だったからな」

提督「よって、君たちは後日、一般人として、生活することが可能となる。まだ詳細は決まっていないが、おめでとう」

…トリアエズ、オメデトウ ヨカッタネ ヨカッタヨカッタ…



82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:32:25.79

提督「ゴホン、この件にあたり、一人の英雄を称えたい。青葉! 来い!」

青葉「えっ、え~?」

提督「いいからいいから」

青葉はとぼとぼと、提督の隣に来る。

提督「今回流出した映像は、青葉が製作し、故意に流したものと判明した。無断でやったのは感心しないが、彼女のおかげで、君たちは殺処分を免れたと言えるだろう」



83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:33:10.99

…パチパチパチ…パチパチパチパチパチパチ
パチパチパチパチパチパチパチ

電「青葉さん、ありがとうなのです!」

多摩「青葉ちゃんすごいにゃ~」

古鷹「あおば~、すごいよ!」

パチパチパチパチ

青葉「う~、青葉のキャラじゃないのに」

提督「ハハッ、それなりことをしたんだ。素直に喜べ!」



84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:34:26.85

その後、艦娘に、最低1年間の義務教育を受けた後に、日本人と同様の全権利が与えられることが、正式に決まった。

義務教育を修了した後は、艦娘たちは、それぞれの未来へと歩んでいった。

提督は、深海棲艦撲滅の実績から、海軍にて、それなりの地位を得た。

映像流出によって顔が知られている艦娘たちにとって、最初の社会生活は特に過ごしにくかっただろう。

そんなとき、鎮守府の仲間を頼っただろう。

生を共にした、仲間なのだから。

-FIN



85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 17:35:13.38

これにて完結です。
レスをくださった方、ありがとうございます。

質問があれば、どうぞ。



90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 18:03:04.11


面白かったです



93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/20(金) 20:26:48.26


後日談とか見てみたいな



95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:07:25.96

後日談を落とそうと思います。

*注意
艦娘の終戦後を描くため、私の独自設定、妄想が非常に濃くなっています。



96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:08:19.49

深海棲艦の撲滅から、早2年目の3月。全ての艦娘が、義務教育を修了した。そして社会に出た艦娘には、普通の日本人と同様に、苗字が与えられた。

提督は艦娘に対してお祝いをしたいと願ったが、艦娘は、今では普通の日本人。プライバシー保護の観点で、艦娘の個人情報が、提督に教えられることはなかった。

提督は国民栄誉賞を受賞し、軽く有名人となった。しかし、提督は、艦娘のその後を未だに知らない。

――



97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:10:03.41

【後日談1】

春の半ば、3月。
提督は飲み会の帰り。

提督(二二〇〇か……二次会に行かなくてよかった)

提督(……眠い、帰ったら風呂入らずに即行で寝よう)ウツラウツラ

??「…スッ」

提督(隣に誰か? 席はガラ空きなのに……)

??「…司令官?」

提督「っ、んん?」

提督(あっ、もう司令官じゃないのに)



98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:10:53.07

朝潮「やっぱり、司令官ですね! お久しぶりです!」

提督「お、おお。えーと、大海、朝潮か」

朝潮「はい! 『大海朝潮』です」

艦娘の苗字は、どれも、海にちなんだものだった。
朝潮型には、大海(ヒロミ)という苗字が与えられた。そして姉妹艦は、戸籍上は姉妹となった。

提督「ああ、俺も会えて嬉しいよ。今は、何をしているんだ?」

朝潮「はい、朝潮型みんなで一緒にアパート暮らしです。高卒認定試験を目指して、勉強するんです」



100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:11:44.18

提督「高認かあ、ってことは大学に行くのか?」

朝潮「はい、やっぱり学歴は必要なので」

提督「そうだよなぁ……」

朝潮の持つ袋の中には、生物基礎、化学基礎、数学I、世界史A、日本史A、現代社会、コミュニケーション英語の教科書と高認試験の過去問。

教科書は限られた書店でしか、定価で手に入らない。
また、6人姉妹にも関わらず、全教科、一冊ずつしか、入っていない。

提督「……生活の方はどうだ?」

朝潮「はい…やっぱり進学となると、結構厳しいです。しかも私たち、まだ17歳の扱いなので、アルバイトもできなくて……」



101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:13:17.50

艦娘の給金は、たったの1千万前後。戦争に勝ったとはいっても、人間でない相手との戦争のために、賠償金は発生しなかった。

この金額では、駆逐艦のような若い子には、生活は厳しかった。

ツギハ~テテテテス、テテテテス
朝潮「あっ、私、次なんです。…司令官、会えてよかったです」

提督「…俺もこの辺りなんだ。もう少し話したいし、見送るよ」

実際は、もう一つ先の駅が、提督の家の最寄りだったが、やっと会えた艦娘だ。これで別れるのは、心残りだった。

朝潮「あ、は、はい! あの…ありがとうございます」

提督「あと、せっかくだし、電話番号を交換しよう。次会えるかなんて、分からないしな」



102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:14:29.69

それから、歩きながら、提督と朝潮たちの色々なことを話し合った。

朝潮姉妹は、義務教育を2年受けて、修了したてだということ。暮らしは始まったばかりで、ようやく、引越しの片付け、買出しが終わったということ。

提督は、国民栄誉賞を受賞したこと(朝潮は知らなかった)。プライバシー保護のために、艦娘と連絡が取れなかったこと。

そしてとうとう、朝潮たちの家まで来た。

朝潮「ご同行、ありがとうございます。あの……よければ、お茶でも飲みませんか?」

提督「良いのか? ならお邪魔するよ」

提督(事案とか……起きないよな)



103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:15:52.51

チャリーン
朝潮「ただいまー!」

朝潮型「おかえりー(なさい)!」

満潮「ヒョイッ おつかれさま、って//////////!!!」

満潮は提督を見るなり、顔を赤くして部屋に戻る。

他の子たちも玄関まで来て、霞以外は、手を取って歓迎してくれた。
霞は満潮と同様に、部屋に戻ってしまった。

大潮「司令官! お久しぶりです!」

霰「……会えて、うれしい……」

荒潮「あら~。朝潮が提督を逆ナンパする日がくるなんて、うふふふふふ♪」

朝潮「ち、違うよ荒潮! たまたま電車で会って!」///



104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:17:08.74

提督(ああ、成長したんだなぁ……)

提督(朝潮型も、もう高校生。かつての幼かった朝潮型では、もうない)

提督(そういえば、朝潮もやわらかくなったなぁ)

朝潮「ささっ、司令官。どうぞ!」///

朝潮は顔を真っ赤にしながら、提督を部屋に入れる。

満潮・霞「……」///

朝潮「今、お茶出します。麦茶ですが」

朝潮「あっ、これ、教科書だよ」

霞「スッ ガサガサ、ズラーッ」

大潮「うわぁー、厚い……」

霰「高認、一発じゃ厳しいよね……」

満潮「……こんな英文、読めないわ」



105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:17:51.86

提督(チラッ……英文法がないのか、それは厳しいな)

満潮「……プイッ」///

提督「ああ、すまない、満潮」

満潮「……」

その後、朝潮の注いでくれたお茶を飲みながら談笑した。提督は、久々の艦娘との会話を、朝潮たちは、提督との会話を、懐かしく感じた。



106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:18:41.91

朝潮「私と大潮、荒潮、霞は看護の専門学校に行こうと思っているんです」

提督「看護か、お前ららしいな。他の二人は?」

満潮「……私は、短大に行って語学を……奨学金を受けながら……」

霰「プログラムの専門学校に……」

提督「そうか、頑張れよ……(霰がプログラマとは意外だった)」

提督「おっ、もう二三〇〇か。じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。久しぶりに話せて楽しかった。ありがとな」

提督「あっ、それと満潮。英語をやるんだったら、文法書はもっといた方がいいぞ。英語の読み方だからな」

満潮「あ、ありがとう……」

朝潮「では、司令官、さようなら。またいつか、会いましょうね」

朝潮に見送られて、提督は再び帰路についた。



107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:20:13.10

満潮「……はぁ~疲れた……」

大潮「なんでそんなに緊張してたの?」

満潮「だって……嫌味とか、色々言っちゃったし」

大潮「…司令官は多分気にしてないと思うけど」

満潮「でも……チラッ」

霞「チラッ」

満潮・霞「……」/////フルフル

大潮(震えてる……)

朝潮(これってもしかして……こ、恋!?)///

荒潮(あらあら、みんな可愛いわね~♪)

ルルルルルルルルル

朝潮「あっ、私が出るわ」

-FIN



108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:22:00.60

【後日談2】

休日。提督はネットで、朝潮型の言っていた進路について、検索をかけていた。

提督(看護の短大って少ないんだな……情報もよく分からんし……)

提督(おっ、外語大にも短大が存在するのか)

提督(プログラムの専門学校って、パソコンが必要だよな。俺でよければ買ってあげたいが、インターネット環境とかになれば、家の問題だし……)

ピンポーン
提督「はいはーい」
ガチャ



109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:22:50.76

赤城「提督! お久しぶりです!」

加賀「お久しぶりです」

提督「お、え、えーと……波中(ハナカ)赤城と波中加賀か」

赤城「はい。姉妹ではありませんが、同じ一航船として、同じ苗字をもらいました」

提督「そうかそうか。……まあ、よければ入れ」

赤城「失礼します♪」

加賀「お邪魔します」

――



110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:24:12.07

赤城「引っ越し祝いで朝潮ちゃん家に電話したら、『司令官に会いました!』って嬉しそうに言ってきたんですよ」

提督「それで俺の住所が分かったのか」

加賀「それより、どうして私たちに連絡くれなかったのでしょうか? 気付いた時には貴方はいませんでした」

提督「あ、ああ…艦娘の個人情報はプライバシーの侵害と言われてな、俺でも教えてもらえなかったんだよ。直後は上官として、寝れないくらい慌ただしかったしな」

加賀「……そうだったんですか」

加賀(この人が見捨てるわけない。そう信じて、良かった)



111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:25:33.99

提督「…それより、お前らは今、何してんだ?」

赤城「はい! 日弓連の弓道講師として、活動しています」

提督「おお! すごいじゃないか」

加賀「道のりは、相応に大変でしたが」

赤城「そうなんです。武器の矢と重さがまるで違って。普通の矢で練習をしようにも、級位を持っていないので初心者向けセミナーみたいのに通うしかなかったんです」

加賀「矢に慣れるのには多少苦労はしましたが、慣れたらすぐに段位を受け取れました」

加賀「しかし、段位を受けたからといって、すぐに講師になれるわけではありません」

赤城「はい。審査とか、登録とか色々あって……でも、薄給ですが、弓道の指導員として、今は活動しています。少々不安ですが、唯一の取り柄なので……」



112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:26:27.56

提督「う~ん…皆、苦労してるんだなぁ……ん? 矢を買って、鎮守府の道場で練習とかは無理だったのか?」

赤城「それが……」

加賀「鎮守府は一般公開していないと、軍部の人に言われました。私たちはもう民間人ですから」

提督「……そうか」

提督(軍部も、もう少し柔軟な対応はなかったのか?)

加賀「ただ、さすがに講師の給料では生活できないので、アルバイトを複数やっています」

赤城「コンビニで面接を受けると、最初は雰囲気が良かったのに、履歴書を見た瞬間、店長が顔色を変えて不採用とかもありました。…ちょっと…悲しかったです」



113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:27:40.12

加賀「…赤城さん、そろそろ」

赤城「あっ、もうそんな時間ですか。提督、色々話せて楽しかったです」

提督「おう、俺も楽しかったよ、じゃあな」

加賀「また、いつか、お会いしましょう」

二人は小走りで、玄関まで行く。

赤城「あっ、提督。国民栄誉賞の受賞、おめでとうございます!」
バタン



114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/25(水) 22:30:00.34

提督(ああ、そんなこともあったなぁ……)

提督にとって、国民として栄誉を称えられたことよりも、かつても艦娘と再会を果たせた喜びの方が、今は、大きくなっていた。

-FIN



120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:10:36.48

【後日談3】
二一〇〇。提督はビールを飲みながら、テレビを見て、寛いでいる。

司会「本日の、マンデースペシャルは、ある、居酒屋さんのお話です。VTR、どうぞ」

**VTR**
「帰り道にい~い匂い。ふらっと寄ってみたくなるこの居酒屋さん『海守(ミモリ)』。中を覗くと、ちらほら、お客さんがいます。みなさん楽しそうです」

「女将さんの名前は『海守鳳翔』さん」

提督「!」



121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:11:05.06

提督「鳳翔……よく、お店を持ちたいと言っていたが、夢、叶えたのか」

提督「おめでとう、鳳翔」

「朝の仕入れから、店構え、掃除、料理、片付けまで、全部鳳翔さん一人でやっています。すっご~い」

「そんな鳳翔さんに、色々と尋ねてみました」



122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:12:00.34

鳳翔「えー、最初は中々お客さんが来てくれませんでした。一日のお客さんが0人なんてことも、よくありました」

鳳翔「最初の半年は、ずっと赤字でしたね。お店を構えるときにもいくらか借金をしてしまったので、本当に、苦しかったです」

鳳翔「でも……あるお客さんが会社の宴会に使ってくれて、それから、なんとか営むことができました。私のお店を利用してくださる、全てのお客さんに、感謝しています」

「――ありがとうございます。いや~素晴らしい。お話の最中に、私も煮物をひとくち。うん、これはおいしい。居酒屋『海守』の未来が、明るいとよいですね」
***

提督「カリカリ 住所はここか、ちょっと遠いな」

提督「近いうちに、行ってみたいものだ」ゴクゴク

-FIN



123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:12:49.82

【後日談4】
提督は仕事の用事で、隣の県まで新幹線で行くこととなった。若い軍人対象の講演会だ。
講演会自体はそこまで長いものではなく、昼休みを2時間ほどもらった。

休憩時間中、見知らぬ街をぶらぶらと観光している。



124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:14:01.78

??「しれいかーん!」

提督「!」

雷「やっぱり司令官ね! 久しぶり!」

提督「おおっ! 偶然だな! …お前らも」

電「司令官さん、お久しぶりなのです」

暁「司令官♪ ちょっとは大人っぽくなったでしょ」

響「久しぶり。急にいなくなるから、心配したよ」

提督「ああ、すまない。……これから、用事とかあるか? 無ければ話したいのだが」



125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:15:35.99

暁「あー……ちょっと」

電「学校があります」

提督「学校? (もう昼だが)」

響「私たちは、定時制の高校に昼夜で通っているんだよ」

雷「義務教育中に受験したのよ」

提督「ああ、そうかそうか…学費とか、大丈夫か?」



*定時制の昼夜とは、昼と夜の両方に学校に通うことです。



126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:16:47.52

暁「今は17歳だけど、もう少しで18歳になるわ。そしたら、学校を夜だけにして、昼はアルバイトをするの!」

提督「ああ、なるほど……賢いな」

提督(朝潮型もこうすればよかったのに……)

提督「……高校を卒業した後とかは、決まっているのか?」

電「電は……獣医さんに……一回受けてだめだったら、フリーターをやりますが」

雷「私は保母さんを目指して、専門学校に通うつもりよ」

響「まだ、明確に決まっていないんだ」

暁「私は、公務員の高卒枠ってのを狙うわ! 勉強しながらそっちの勉強も、ちょっとだけど始めているの」



127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:17:43.66

提督「……お前らは立派だな」ナデナデ

暁「ひゃあ! ……ありがとう」

提督(皆、夢を持って、前に進んでいる)

雷「し、司令官。ちょっと学校があるから……」

提督「おおっ! 悪かった。そうだ、電話番号だけ交換しよう サラサラ ほい!」

雷「ありがとう、電話するわ。じゃあ、さよなら司令官!」スタスタスタ

電「あっ、みんな置いてかないで」タッタッタ

提督(……立派になったなぁ)

――



128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:20:19.28

二二〇〇。提督は新幹線で自宅に帰ってきたばかりで、ソファーでボーっとしていた。

ルルルルルルルルル
ガチャ
提督「もしもし提督です」

雷「司令官? 広海(ヒロミ)雷です」

提督「おお、雷か。どうした?」

雷「いや、特に用事は……勉強でしばらく会えないけど、全部片付いたら、みんなで、どこかに行きましょう……ってね」

提督「うん……約束する。だから今は、学業に専念してくれ。……お前らの人生だからな」

雷「うん、ありがとう。……じゃあね」
ガチャ

-FIN



129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:21:27.49

【後日談5】
まだ、隣の県にいた頃。
講演が終わり、その後の作業も終わり、一六〇〇。
せっかくだからここで早めの夕食をとってから、自宅に帰ろうと思っていた。

サイゼリヤに入り、ピザとドリアを頼む。



130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:22:21.74

提督(久々に入ったな……中々うまい)

??「では、お先に失礼しまーす」

提督(ん、もしや)

提督「…海風さん!」

瑞鳳「はいっ!? ……あっ……」トコトコトコ

瑞鳳「提督、すっごい久しぶり。元気だった?」

提督「おう、元気だったよ。まさかこんなところで会えるなんてな……時間、大丈夫か? 少し話したい」



131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:22:50.56

瑞鳳「うん♪ バイトも終わったから、大丈夫よ」

提督「そうか…ところで、お前たちは今、どうなんだ?」

瑞鳳「私は、バイト3つ掛け持ちして、フリーターをやっているの。祥鳳は思い切って、料理学校に通って……いつか二人で、料理店を開ければなと、姉妹で思っているんです」

提督「そうか……店ができたら、俺も通うよ」

瑞鳳「ふふ、ありがとう……そうだ、よければ、アドレス交換しませんか?」

提督「ああ、良いぞ」



132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/26(木) 19:24:04.03

二人はメアドを交換した。瑞鳳は、今時は珍しいPHSを使っていた。

提督「そうだ、鳳翔さんがお店を開いたらしい。テレビでインタビューを受けていたんだ」

瑞鳳「本当!? ……すごいなぁ、ちょっと、羨ましい」

提督「お前たちもいつか、そうなるよ。俺でよければ、相談にも乗る」

瑞鳳「……もしよければ、近いうちに、一緒に鳳翔さんのお店に、行かない?」

提督「え? ……結構離れているが、大丈夫か?」

瑞鳳「多少は、お休みもありますから」

提督「……なら、いつか行こう」

瑞鳳「約束ですよ♪」

二人は別れた。会話した時間は30分ほどだったが、提督は、色々な現実を、瑞鳳から感じた。

-FIN



136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:32:39.31

【後日談6】

鳳翔「……」

鳳翔「電気代、もったいないわね」

鳳翔「でも消しちゃうと、お店がやっているかわからないし……」

鳳翔「ふふ……お客さんなんて、もう、来ないわよ……」



137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:33:10.61

チャリーン
鳳翔「! い、いらっしゃいませ……あっ……」アセアセ

提督「……今、やってますか?」

提督が、鳳翔さんの店『海守』にやってきた。



138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:33:55.60

鳳翔「……提督。お久しぶりです」

提督「ああ、久しぶり」

鳳翔「あっ、どうぞおかけになってください」

赤城「鳳翔さん!」

加賀「お久しぶりです」

鳳翔「赤城に加賀……」



139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:34:30.56

瑞鳳「こんばんは♪」

鳳翔「づほちゃんまで……」

瑞鳳「あっ、祥鳳は忙しいみたいなので来てません」

提督「急に押しかけて、申し訳ない。住所しか知らなかったので」

鳳翔「いえいえ……むしろ……うれしいです」

提督「まずは熱燗4本で。ほら、お前らも食え。俺のおごりだ」

赤城「はい、いただきます♪」

提督「……多少は遠慮してくれな」



140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:35:24.49

鳳翔(ああ、なんだか懐かしい、この空気)

鳳翔(……あのころに、戻れたらいいのに……)

ピッ 
テレビの音が流れる。

提督「煮物を頼む」

瑞鳳「あっ、私もお願いします」

鳳翔「はい、煮物二つですね」

テレビ「ヒ素殺人事件について、加害者と被害者の関係が明らかになってきました」

鳳翔「」ピクッ



141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:35:57.33

テレビ「加害者の女性は、男について、あの人にとっての私の存在価値は、私がしょブツ」

鳳翔「……別の番組にしましょう……」

赤城「殺人事件なんて」チビチビ

加賀「生命の尊さを、知らないのでしょう……」チビチビ

瑞鳳「こわ~い……」

提督「ここの近所だよな、鳳翔は、大丈夫だったのか?」

鳳翔「は、はい……特には」



142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:37:02.90

提督「おっ、そうだ。この店がテレビで紹介されているのを、偶然見たんだよ」

鳳翔「ああ、はい。ありがとうございます」

赤城「えっ! テレビにも出たんですか?」

加賀「さすがに驚きました」

鳳翔「はい、一応……」

提督「……なんか、気分が悪そうだが、大丈夫か?」

鳳翔「はい、大丈夫です……」

瑞鳳「鳳翔さん! 煮物が!」



143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:37:32.18

鳳翔「えっ? あっ! ……あー……」

煮物は焦げてしまった。元々量も、多く作っていなかった。

鳳翔「……ごめんなさい、煮物、失敗しちゃいました……」

鳳翔(もう、消えてしまいたい……)

提督「……少し、疲れているみたいだな」

赤城「トントン 加賀さん」ヒソヒソ

加賀「はい?」



144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:38:03.49

赤城「料理がほとんどありません。流しもきれいですし」

加賀「……確かに、不自然ですね」

赤城「もしかして、お客さん、入っていないのでは?」

鳳翔「ビクッ……」

赤城「あっ……ごめんなさい、変なこと言ってしまって」

鳳翔「いえ…………本当のことです」



145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:38:30.73

鳳翔「ここのところ、お客さんは全く来ていません」

提督「……」

瑞鳳「……」

加賀「……」

赤城「……」

鳳翔「さっきのヒ素事件の犯人。あれ、私の、お母さんみたいなんです」

・・・
・・




146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:39:25.89

ガラッ
顔のこわばったオバサンが、店に入ってくる。

鳳翔「いらっしゃいませ~」

客1「鳳翔さん、熱燗追加で」

鳳翔「はい。少々お待ちください」

オバサン「鳳翔……お前」

鳳翔「はい? ……私でしょうか?」

オバサン「お前……ニヤァ」

オバサン「みなさ~ん! この女はあの艦娘ですよ!」

鳳翔「!」



147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:40:05.54

オバサン「よく分かんない生き物を殺しまくった、血で汚れたあの艦娘なんですよ~!」

鳳翔「ちょ、ちょっと……」

客1「鳳翔さん、本当なんですか?」

鳳翔「え、ええ、はい。隠していたわけでは、ないのですが……」

オバサン「はあ!? 隠していたにきまってるでしょう! だって艦娘だってばらしたら、毒盛れないじゃあ~ん!」

客たち「ザワッ 毒?」

鳳翔「ちょ、ちょっと! 私は毒なんて盛りません! なんでそんな嘘を……」

オバサン「アハハハハハハ!! ……私はねぇ、」

オバサン「あんたの母親なんだよぉ~だ!」

鳳翔「!」



148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:40:40.90

オバサン「あんたがあの時何をしたのか、どんな娘だったか、覚えているんだよ~!」

鳳翔「……すみません、私は覚えていません」

オバサン「キャハハハハハハ!! ぱぱぱぱぱぴぷぺぽぉ~レロレロレロレロ」プルプル

オバサン「いやっほぉ~う」ダダダダダダ

オバサンは店から走って出て行った。店内は、しんとしていた。

客1「……鳳翔さん、あなた、元艦娘だったのか……」

鳳翔「……はい、隠していたわけでは、ありません……」フルフル

鳳翔「言うタイミングを、計っていたんです」フル…ポロポロ

鳳翔「ごめんなさい……信じてくれたのに……ごめんなさい」ポロポロポロ



149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:41:36.71

常連の客たちはその後、鳳翔さんを元気づけた。

翌日、近所で殺人事件が起きたと報道された。殺された男性は、ヒ素による中毒死。殺人犯と思われる女性は、その男性の夫だった。

そしてその女性は鳳翔さんの店に来た女性であり、あとで軍部に確かめに行ったところ、確かに、鳳翔さんの『産みの親』だった。

ただ、あのオバサンがなぜ、鳳翔さんを自分のクローンの子どもと見破れたのかは、謎だった。


・・
・・・



150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:43:33.84

鳳翔「あの日から、私の店に、お客さんは来なくなった」

鳳翔「常連のお客さんも、来なくなっちゃった」

鳳翔「皆が私を避けようとする」

鳳翔「はあ、もう、疲れちゃた……」

鳳翔さんの手元には、艦娘の時の給金の残り、500万円が残っている。
店の借金は約1千万円。

一年間で義務教育をして、同時に料理も独学でやり。
経営なども勉強して、色んなことを考えて、程よい建物を探して。
そうして、店を構えた。
それが、あの数分で、壊されたのだ。



151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:44:11.92

提督「鳳翔……俺でよければ、相談に乗ったのに」

鳳翔「もう、おわりなんです。こういうお店は信用が第一。それを、失ってしまったんです。……それに、嘘は、私もつきましたから」

加賀「……ちょっと、電話かけますね」

加賀「ルルルルル あ、もしもし隼鷹。急ですが、今から会いませんか? …はい、では、住所をメールで送ります。では後ほど。 プッ 川内型の皆さんを呼びました。……小さな、宴会でも開きませんか?」

赤城「それは良いですね! お金は、提督が出してくれますし」

提督「……おう、いくらでも食え!」

赤城「ありがとうございます♪」

鳳翔「皆さん……」



152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:45:29.02

提督「鳳翔、煮物、作ってくれないか?」

赤城「私は焼き魚3尾で」

加賀「私もそれでお願いします」

鳳翔「……はい、承りました。ありがとう、ございます」

提督「ところで加賀、川内型は今どうしてんだ?」

加賀「このあたりに住んでいると聞いています」



153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:46:41.38

加賀「川内は定時制高校と夜勤のパート」

加賀「那珂はアイドル事務所に応募したら書類審査で落とされ、今は立ち直り、通信制の高校に通いながらアルバイト」

加賀「神通も同じく、通信制高校に通いながらアルバイトをしているようです」

提督「那珂……まあ、元気そうで何よりだ」

鳳翔(……辛いのは、みんな同じなのでしょうか……)トントントン

――



154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:47:52.18

川内「よー! って提督!! ひっさしぶりじゃん!」

那珂「提督! ……お久しぶりです、成海(ナリミ)那珂です」ペコリ

神通「お久しぶりです。お元気でしたか?」

その後、提督のおごりで、小さな宴会をした。『姦し』というように、酒の入った若い女の宴会は、非常ににぎやかだった(6割は川内の大声、夜テンション+酒)



155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:48:20.12

〇〇〇〇。宴会は終了し、全員、帰宅した。
居酒屋『海守』が、ここまでにぎやかになったのは、初めてだった。

鳳翔は、静かになった店内を、感傷に浸りながら、ボーっとしていた。

鳳翔(皆さん、ありがとう……おかげでもう少し、がんばれそうです)

ガラッ
客1「……まだ、やっていますか?」

鳳翔「ええ、大丈夫です」

客1「最近ずっと来れなくて、ごめんなさい」

鳳翔「いえいえ、ご贔屓、ありがとうございます」



156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:50:29.93

客1「……急なのですが、4日後、会社の飲み会がありまして、貸し切りで使わせていただきたいのですが……」

鳳翔「えっ! も、もちろん、大歓迎です。ありがとうございます!」

客1「それと……」

その客、ポケットの中から、小箱を取り出した。

客1「私と、結婚を前提に、付き合ってください!」

鳳翔「えっ…………えーと、その、えー……/////」

海守鳳翔、現在25歳。和服と落ち着いた性格から上に見られがちだが、まだ、華の20代である。



157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:51:00.36

鳳翔「……私、艦娘ですよ……」

客1「関係ありません。私は、鳳翔さんの人柄に惚れました」

鳳翔「でも…………すみません、少し、考えさせてください」

客1「…ありがとうございます。良いお返事を期待して、待っています」

その客は酒を何杯か飲みながら鳳翔にアピールし、帰って行った。

鳳翔「まだ、初恋の人は……諦めていません」

-FIN



158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:51:30.46

【後日談7】

一一〇〇。
提督は買い物に出かけ、アパートに戻ってきた。

漣「あ! ご主人様、おかえりなさい!」

隣人「ジー……」

提督「おわっ、漣、っバ、バカッ、少しは周りを見ろ!」

隣人「こんにちは」ニコッ

提督「あっ、こんにちは(笑顔が……)」



159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:52:02.93

漣「それより、早く私たちを部屋に入れてください!」

提督「……ガチャッ ……いいぞ」

漣「さすがご主人様♪ 話が早い」スタスタ

潮「お、お邪魔しまーす」

曙「……」キョロキョロ

朧「お邪魔します」

提督「麦茶でいいな」

漣「キタコレ!」



160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:52:28.91

曙「ちょ、ちょっと、……少しは静かに……」

漣「あっ、もしかしてぼの、照れてる?」

曙「て、照れてなんて……」

提督「ほい ゴトッ お前らは今、どうしてる?」

漣「全員、通信制の高校に通ってます。バイトもしています」

提督「ほう、卒業後は、何か考えているのか?」



161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:53:02.07

漣「私は、プログラマになりたいのでそっちの専門学校に」

朧「あたしは看護の方に、興味があるな」

潮「わ、私も看護師に……」

朧「あ、そうだったの?」

潮「はい……」

漣「ぼのは?」

曙「……アニマルトレーナー」ボソッ

漣「ん? もっかい」

曙「あ、アニマルトレーナー」ボソッ

漣「もっと大きい声で」

曙「アニマルトレーナー!」

漣(キタコレ!)



162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:53:32.92

提督「動物が好きなのか?」

曙「割と……」

提督「そうか……頑張れよ。俺にはこんなことしか言えないが……」

曙「……ありがとう」

漣「では、私たちはもう帰りますね」

提督「おおそうか、早いな」

漣「じつは、これから学校の登校日なんです。学校がご主人様の家の近くだったので、ちょっと寄ってみたんですよ」



163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:54:06.16

提督「それは、わざわざ済まないな……なんで俺の住所がバレてんだ?」

朧「艦娘なら、みんな知っていますよ」

漣「艦娘のアナログネットワーク、甘く見ないでください♪」

提督(マジか……)

漣「では、私たちはこれにて、さようなら!」

朧「お邪魔しました」

潮「あっ、国民栄誉賞、おめでとうございます」

漣「ぼのー、行くよー!」

曙「……また会いましょう……提督」

提督(初めてまともに呼んでくれた)

潮「お、お邪魔しましたー!」

曙「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!」ダダダダダ

-FIN



164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 18:56:03.38

閲覧してくれた方、ありがとうございます。

そろそろ新しい娘の執筆をやめ、今まで出てきた駆逐艦娘の未来を書こうと思っています。



165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 23:13:44.53




166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/27(金) 23:18:20.44




167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 23:15:50.06

レス、ありがとうございます。

考えていた設定を落とします。
非常に妄想が濃いので、閲覧にはご注意を。



168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 23:16:57.06

【朝潮型のその後】

一年で全科目を終わらせ、40点ギリギリで、高卒認定を取る。勉強していた一年間、アルバイトはしなかった。

・朝潮、大潮、荒潮、霞
無事、全員同じ、3年制看護専門学校に入学。
別の職に行こうかと迷った時期もあったが、看護師として、就職。休みが中々取れないが、それなりにやりがいを感じている。

・満潮
偏差値としては低いが、外語短大に入学。卒業。
中学英語の塾講師として就活をした際、元艦娘、高認、レベルの低い外語短大、のため、相当苦労したが、なんとか就職できた。

・霰
プログラムの専門学校に入学。入学祝いに、提督にパソコン(ネットブック)を買ってもらう。アプリ開発のコースに進む。
グレーな企業に就職。3時間までは残業代なし、交通費支給なし。しかし、そこそこ楽しんでいる。


【暁型のその後】

定時制高校卒業後、それぞれの道へ

・電
獣医の道は、早めに諦めた。勉強、仕事に加えて国立理IIIの勉強は無理がありすぎた。
お金の流れに興味を持ち、商学部に進学し、企業に就職。

・暁
希望通り、公務員として採用される。

・響
図書館司書を目指したが、挫折。
書店の契約社員として、働く。

・雷
高校卒業後に、ホームヘルパーの資格を取得。介護の仕事に就く。

高校を卒業した時、約束通り、提督に水族館に連れて行ってもらった。


【綾波型 第七駆逐隊のその後】

・漣
プログラマになったが、社畜。しかし、それなりに仕事は楽しんでいる。

・朧
ホームヘルパー

・潮
看護師

・曙
アニマル専門学校に入ったが、動物の心、気持ちがわからない。
自分は親身に接しているつもりでも、動物には伝わらない。それが悔しくて、先輩や先生とのトラブルもあり、アニマルトレーナーの道を挫折した。
色々あった後、企業の事務職に就く。



169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 23:17:25.92

【おまけ】

居酒屋『海守』にて

鳳翔「わざわざごめんなさい」

瑞鳳「いえいえ、それより、お話って何ですか?」

鳳翔「うん、づほちゃんは確か、お姉さんと一緒に、お店を持ちたいのよね」

瑞鳳「はい ……持てるかどうか、先が全く見えませんが」

鳳翔「……もしよければ、私のこのお店、づほちゃんに、あげようと思うの」

瑞鳳「えっ! ……でも、鳳翔さんは?」

鳳翔「ふふふ……」

鳳翔は、隠していた左手を見せる。
薬指には、銀色の指輪。



170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 23:17:56.46

鳳翔「私、結婚することになったの」

瑞鳳「! おめでとうございます! それで、私たちにお店を?」

鳳翔「ええ、どうかしら?」

瑞鳳「もちろん、もらいます! ありがとうございます、鳳翔さん!」

鳳翔「ありがとう。小さいお店だけど、よろしくね」

瑞鳳「はい!」

-FIN



171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 23:18:58.30

今まで閲覧してくださった方、心の底から、感謝申し上げます。ありがとうございます。

他にも、長門が会社を興したり、青葉が探偵をやっていたり、隼鷹がバーで働いていたり、という設定があったのですが、書くのはやめました。
アマチュア二次創作は、やめたいときにやめるのが一番だと思います。


前スレ
提督「艦むすの感情」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425806585/


むやみに安価を取ったのが失敗だったかなと、今でも後悔している作品ですが、設定はこの話とつながるところもあります。

機会ができたら、艦娘がクローンという設定で、よりちゃんとした作品を書きたいなと思っています。また会えたら、再度よろしくお願いします。



172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/03/30(月) 23:30:56.85


貴殿か



173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2015/04/01(水) 21:12:44.50

乙でした



元スレ
SS速報VIP:映画『艦これ』 -平和を守るために
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426824530/