あらすじ
本当はわかってました。だって、あたしはあなたの。


IMCG第10話

前話
ヘレン「IMCG・カーテンコール」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437647301/


設定はドラマ内のものです。

それでは、投下していきます。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439202128




2: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:23:09.53 ID:ngc7RTAI0

OPテーマ

METAL DIVER
歌 西川保奈美・黒川千秋・水野翠



某海岸

浜川愛結奈「絶好の海水浴日和ね!」

浜川愛結奈
IMCGのオペレーター。シュリンクのテストに同行するため、出張中。

兵藤レナ「それ、皮肉?」

柳清良「でしょうね」

兵藤レナ
IMCGの責任者。試験を理由に抜け出してきた。

柳清良
レナ付き職員。競泳水着と救命セットで準備万端。

愛結奈「人もいないし」

古澤頼子「台風ですから」

古澤頼子
IMCGのオペレーター。井村雪菜をIMCGに残し、遊びに来た。

レナ「直撃コースじゃないわよね?」

頼子「はい。大型の台風は九州から四国にかけて上陸予定です」

愛結奈「関東もそのうち雨が降るわよ。今は風で済んでるけど」

頼子「波も高くなってきましたね」

高峯のあ「南東には更にもう一つ……」

池袋晶葉「こっちは関東に上陸しそうだな。次の週末と言ったところか」

池袋晶葉
IMCGの技術主任。今日はドルフィンのテストをしている。

高峯のあ
IMCGの技術職員。正直早く帰りたい。

のあ「でも、人がいないのはいいこと……」

晶葉「試験にはもってこいだ!」

伊集院惠「避難警報出てるもの……賑わってても困るわ」

伊集院惠
IMCG所属の警察官。海に来るのも久しぶりとのこと。

レナ「試験の進行状況は?」

愛結奈「問題ないわよね?」

晶葉「データはほぼ取り終わってる。大切なのは櫂の感想だが」

頼子「櫂さん、聞こえますか」

晶葉「一旦停止してくれ。ここまでの感想が聞きたい」

西島櫂『了解っ!』

西島櫂
シュリンク6、ドルフィンのパイロット。本日のお仕事は、ロボットで水泳をすること。




3: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:23:45.52 ID:ngc7RTAI0

ザパーン……

愛結奈「ドルフィン、立ち上がったわ」

櫂『感想ってなに、晶葉ちゃん?』

晶葉「泳いだ感想だ。イメージ通り動くか?」

櫂『うん。動くよ』

のあ「……正直に」

櫂『……』

レナ「どっちなの?」

櫂『動いてない。なんていうのかな、強く蹴れない感じがする』

晶葉「どう思う、のあ?」

のあ「予想通りね、晶葉」

愛結奈「改善案はもうある感じ?」

晶葉「ああ。櫂、どうしてそう思うか聞かせてくれ」

櫂『なんだろ、ぎゅっと縮んで、ばんってやる感じかな』

愛結奈「これはわかる?」

晶葉「これも予想通りだ。櫂、ありがとう」

櫂『どういたしまして』

レナ「質問していい?」

晶葉「なんだ、レナ」

レナ「櫂ちゃん、波が高くなってるのは感じる?」

櫂『うん。それがどうしたの?』

レナ「どうやって?」

晶葉「ドルフィンの動きをフィードバックしてる。今の所は」

櫂『もっと直接的なセンサーでもいいかも』

レナ「そう。ありがとう」

のあ「運よく……悪条件で良かったわ」

晶葉「バランサーのテストにもなった」

レナ「オーケーね、戻るとしましょうか」

愛結奈「頼子、資材の撤去をするわよ」

頼子「はい」

のあ「シュリンクの撤収を……」

晶葉「櫂、海水を落とすぞ。陸にあがってくれ」

櫂『オーケー。ドルフィン、テスト終了しますっ』

レナ「後は」

清良「ええ。あのお二人ですね」

レナ「この荒波はトレーニングに最適、とか言ってた二人を海から釣り上げてきて。予定があるから、私は戻るわ」




4: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:27:29.90 ID:ngc7RTAI0



某海岸

惠「ドルフィンの搭載が終わったそうよ。先導しつつ帰りましょう」

大和亜季「了解であります。それでは、お先に失礼するであります」

大和亜季
IMCGに派遣されている警察官。筋トレは趣味と実益を兼ね備えたもの。

木場真奈美「ああ、お疲れ様。私も櫂君と戻るとしよう」

木場真奈美
IMCGの職員。趣味は本筋トレと料理。

櫂「んー……」

真奈美「まだ泳ぎ足りないか?」

櫂「いや、そういうわけじゃないんだけどさ」

真奈美「なら、何を悩んでる?」

櫂「上手く言えないんだけど……」

真奈美「大丈夫だ。言ってみろ」

櫂「ドルフィンって、なんだろう」

真奈美「それは実に抽象的だな。物だとしたら、晶葉君が心血を注いで作り上げたロボットだ」

櫂「物じゃなくて、意味は、えっと、ドルフィンである、意味とか」

真奈美「……それは難しいな。櫂君はドルフィンを何だと思ってる?」

櫂「なんだろ……深く考えたことはないなぁ」

真奈美「私達には、意味があるよ。ドルフィンは、最後の砦だ」

櫂「砦?」

真奈美「何にも負けないでくれ。そうじゃないと、『天才』に顔がたたん」

櫂「『天才』って、シュリンクのコアを作った人、だよね。亡くなった、とか」

真奈美「詳しい話は聞いてないか。聞いても、面白い話でもないが」

櫂「聞かない方がいい?」

真奈美「聞くなら、私に聞いてくれ。使命に燃えて、倒れた。運悪く亡くなった。そんな『天才』の話を聞かせてあげよう」

櫂「……そう」

真奈美「雨が降り始めたな。戻るとしようか」




5: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:29:25.95 ID:ngc7RTAI0



IMCG・オペレーションルーム

井村雪菜「ディアーのビット、ですかぁ?」

梅木音葉「ええ……お聞きしたいことが」

井村雪菜
IMCGのオペレーター。送られてきたデータを整理中。

梅木音葉
シュリンク5、ディアーのパイロット。前職は劇団員だったとのこと。

雪菜「フォーンビットですよねぇ、志希さんに聞いたらいかがですかぁ?」

音葉「見当たらないので……」

雪菜「えっと……敷地内にはいますよ?」

音葉「……監視してるのですか」

雪菜「ふらふら~、って失踪しちゃうらしいですよぉ。ディアーを管理している間、との約束とかぁ」

音葉「そうですか……探すのは面倒ですね。雪菜さんにお聞きします」

雪菜「はい、なんですかぁ?」

音葉「過酷な状況下でも……利用は可能でしょうか」

雪菜「過酷?真空とか蒸気の中でも動くらしいですよぉ」

音葉「そうではなく……外部の影響です」

雪菜「えっとぉ、例えば、どんな時でしょうか?」

音葉「雨や風が強い状況では……いかがですか」

雪菜「ああ!台風が近づいてますからぁ、ちょっと待っててくださいねぇ。志希さんの報告書があるはずです」

音葉「……」




6: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:30:22.63 ID:ngc7RTAI0

雪菜「ありましたぁ。一緒に見ましょうかぁ。えっとぉ、まずは風ですねぇ」

音葉「……風速80メートルまでオートバランサーで対応」

雪菜「音葉さんが支えれば、もっと耐えられるみたいですねぇ」

音葉「次は……雨についてですね」

雪菜「レーザー兵器は散乱してしまうみたいですぅ」

音葉「電磁ネットも……微妙ですね」

雪菜「ディアーは大丈夫みたいですぅ。機能は減ってますけどぉ、問題ないとおもいますよぉ」

音葉「ええ……安心しました」

雪菜「あの、音葉さん」

音葉「なに……でしょう」

雪菜「もしかして、悪い予感がしますか?」

音葉「いいえ……悪いは間違いです」

雪菜「悪くはないんですかぁ?」

音葉「冗談ですよ……台風のニュースを聞いて心配になっただけですよ」

雪菜「そうですか……」

音葉「ありがとうございます……お邪魔しました」

雪菜「……そんなこと、気にしてないのに」




7: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:32:22.98 ID:ngc7RTAI0



IMCG女子寮・食堂

櫂「ただいまっ」

相川千夏「お帰りなさい、コーヒーでもいかがかしら?」

槙原志保「オヤツもありますよ♪」

槙原志保
女子寮の寮母さん。いつも優しくて甘い香りがする。

相川千夏
某雑誌の記者。コーヒーを飲む姿が絵になる。

櫂「コーヒーは貰うけど、あれ?」

千夏「記者がコーヒーを飲んでたらいけない?」

櫂「いや、いいよ。あんまり部外者入れないから、ちょっとビックリしただけ。仙崎さんの同僚だよね」

志保「前にもいらっしゃたんですよ」

千夏「避難してきた、のよ。池袋でIMCが出た時にね」

櫂「今日はお仕事?」

千夏「ええ。上司を連れてきたの」

志保「レナさんに取材なんですって」

櫂「ふーん。でも、さっき帰ってきたばっかりじゃない?」

千夏「ええ。私達が早く来過ぎたの」

櫂「同席しなくていいの?」

千夏「ええ、そっちの方が」

櫂「秘密の話なの?」

千夏「さぁ、デスクの考えは私にはわからない」

篠原礼『大型の台風接近により、九州方面の空の便に欠航が出ています。欠航が出ている便は、大分空港行き……』

篠原礼
地元テレビ局のアナウンサー。前任者のファンですら驚く色香。

千夏「帰れるかしら?」

櫂「こっちはそんなに影響ないみたいだけど」

礼『山陽新幹線、信号トラブルのため、ダイヤの乱れが出ています』

櫂「西の方は大荒れだね」

志保「大丈夫です、いざとなったら泊まって行ってくださいな♪」

櫂「部屋の空きはいっぱいあるもんね」

千夏「ええ、そうさせてもらうわ」




8: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:36:36.18 ID:ngc7RTAI0



IMCG・会議室

レナ「……」

清良「……」

柊志乃「はい。ありがとうございました」

柊志乃
千夏と恵磨の上司。某雑誌のデスク記者。

レナ「えっと、これだけ?」

志乃「会社設立の経緯、シュリンク製造に貢献した夭折の『天才』、IMC対策としての警察との協力、それとIMCという人の心から成長する怪物、充分だと思うでしょう?」

レナ「まぁ、それもそうなんだけど」

志乃「良い取材が出来たわ。ちゃんとした記事に出来そう」

レナ「満足してるなら、いいですが」

志乃「それとも、もっと聞き下げてもらいたいのかしら?」

レナ「あら、藪蛇?」

志乃「藪をつつかなくても、蛇は出すつもりだったわ」

清良「……」

レナ「ここで言うという意味は、わかってる?」

志乃「わかっていないかもしれない」

レナ「いいわ。どうぞ」

志乃「IMCって何の略かしら?」

清良「イマジナリー、ミザリー、クリーチャー」

志乃「何かのマークらしいけれど」

レナ「へぇ……」




9: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 19:37:08.88 ID:ngc7RTAI0

志乃「図星かしら」

レナ「わからない」

志乃「そっちは確証がないの。教えてくれないかしら?」

レナ「わからないものは、なんとも」

志乃「ふふっ……それなら、もう一つ」

清良「……」

レナ「なに?」

志乃「誰がIMCのコアになるか、当ててあげましょうか」

清良「司令」

レナ「大丈夫よ、清良ちゃん。教えてくれるなら、教えてほしいわ。対策出来るもの」

志乃「おかしいでしょう。あのIMCが出現する理由を、あなた達は説明する義務があると思うわ」

レナ「あの、じゃ、わからないわ」

ピンポンパンポーン……

レナ「今日はこれで終りよ。私はオペレーションルームへ」

雪菜『皆様、オペレーションルームに集まってくださいねぇ』

志乃「IMC?」

レナ「ええ。清良ちゃん、女子寮まで案内してあげて」

清良「はい。こちらです」

志乃「今日は諦めましょうかしら。これだけ、受け取って。名前だけ書いてあるわ」

レナ「……ご忠告どうも」

志乃「次も取材をお願します……ね」

レナ「ええ。あなたもお気をつけて」




11: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:06:42.89 ID:ngc7RTAI0



IMCG・オペレーションルーム

一ノ瀬志希「ほっほー、すっごい大きいよ~」

一ノ瀬志希
IMCGの技術職員。なぜか、放送後にオペレーションルーム一番乗りだった。

愛結奈「確かに、大きいわね。過去最高?」

頼子「可能性はありますね。攻撃的な印象は受けません」

雪菜「綿菓子の袋みたいですねぇ。ゆっくりと西へと進んでいますぅ」

レナ「出現場所と現在地を教えて」

雪菜「出現場所は、空港ですぅ。屋上デッキで女性がIMCへと変わったということですぅ」

頼子「風と雨の影響で、デッキにほとんど人はいなかったようですね」

愛結奈「空港を離れて、海上を移動中よ。高度は上空約2000メートルから4000メートルくらいを上下動してるわね」

レナ「周辺に飛行機は?」

愛結奈「巻き込まれた飛行機はなし。飛行機での高度でもないし、平気よ」

頼子「ドルフィン、コクピットに注水開始」

レナ「警戒レベルは?」

頼子「最低です。ドルフィンのみ出撃許可」

レナ「了解。音葉ちゃん、ディアーで出撃を」

音葉『あの……出撃不可と聞こえたのですが』

レナ「ええ。ディアーはただの足場よ」

愛結奈「それで、許されるの?」

レナ「他にあるなら、惠ちゃん、用意してくれる?」

頼子「ドルフィンが乗せられて、安定した高度を保てるものをお願いします」

惠『難しいでしょうね』

レナ「ということだから。兵装は全ロックで出撃」

音葉『わかりました……出撃準備を』

レナ「志希ちゃん」

志希「なーに?」

レナ「早く音葉ちゃんのところへ」

志希「あ、そうだった!行ってくる~」

愛結奈「やれやれ」

頼子「ドルフィン、出撃準備完了」

櫂『行けるよっ!』

愛結奈「ディアーの出撃準備を急いで!」

雪菜「ハッチオープン!」

レナ「先行して、状況を確認!ドルフィン、発進!」

櫂『ドルフィン、出ますっ!』




12: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:10:12.25 ID:ngc7RTAI0



IMCG・ドック

志希「音葉ちゃん、目隠しするよー」

音葉「ええ……」

志希「はい、オッケー。固定もばっちし」

音葉「……」

のあ「コアの扉、ロックをするわ……」

音葉「よろしく……お願いします」

パタン……

頼子『ディアー接続開始』

音葉「私は……鳥のように。固定されているのも……嘘です。この目は隠されておらず……耳は外へ」

頼子『接続完了』

愛結奈『兵装ロック確認』

雪菜『ハッチ開きましたぁ』

音葉「ディアー……起動」

頼子『ディアー起動確認』

雪菜『ディアーの固定を解除しましたぁ』

愛結奈『出撃準備完了、レナ?』

レナ『ディアー発進。ドルフィンと合流して』

音葉「行きます……」




13: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:11:32.09 ID:ngc7RTAI0



IMCG・オペレーションルーム

櫂『観察出来てる?』

愛結奈「ええ。発見があるわけでもないけど」

雪菜「表面に花柄が見えてるんですよぉ」

頼子「オシャレ、ではなさそうです」

櫂『接続は無理だよね』

頼子「はい。ディアーが向かっていますので、お待ちください」

音葉『ラ……ララララ……』

櫂『聞こえた』

愛結奈「ディアーが到着したわ」

レナ「前に使えなかった機能でも使いましょうか」

頼子「はい。固定器具の展開」

志希「てんかーい」

雪菜「ディアー、高度を落としてください」

音葉『はい……』

愛結奈「櫂ちゃん、手順はわかる?」

櫂『教えてもらったから大丈夫』

音葉『櫂さん……』

櫂『よし、乗って、これで、こうしてっと』

頼子「簡易的に固定完了」

レナ「ディアー上昇開始」

音葉『行きますよ……』

櫂『ゆっくりね』

雪菜「IMCはゆっくりと西へと移動中」

愛結奈「攻撃傾向はなし」

レナ「フェイズ1移行できそうね」

櫂『うん』

音葉『ええ……攻撃的な音は聞こえません』

レナ「二人ともフェイズ1移行。警戒だけは怠らないで」




14: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:12:10.42 ID:ngc7RTAI0



空港・展望デッキ

惠「亜季ちゃん、特定出来た?」

亜季「申し訳ないであります」

八神マキノ「不特定多数が出入りする場所だもの」

八神マキノ
交通課の警察官。亜季とは同僚だったこともある。

亜季「八神殿、何かつかめたでありますか?」

マキノ「完全に無駄ではなかったわ」

惠「どういうこと?」

マキノ「何便か遅延または欠航が出てるの。その関係者じゃないかしら」

亜季「ふむ」

惠「でも、多すぎるわね」

マキノ「だから、無駄にはならない程度」

亜季「ふむ……」

マキノ「シュリンクが上がってきたわね」

惠「ええ。フェイズ1を開始するそうよ」

マキノ「了解。引き続き、空港内とその周辺の警備を続けます」

亜季「お願いするであります」

惠「私達はIMCを追いましょう」

亜季「了解であります。八神殿、それではまた」




15: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:17:24.19 ID:ngc7RTAI0

10

小春日和の縁側

音葉「……」

櫂「……良い天気だね」

音葉「ええ……」

櫂「秋桜が綺麗に咲いてる」

音葉「……毎年種が飛んでくるのでしょうか」

櫂「そうみたい。でも、秋桜が咲く時期じゃないし」

音葉「季節は秋でしょうか……なぜ」

櫂「今は7月だもんね。ちょっと珍しい」

音葉「ええ……原因なら今の時期の方が」

櫂「じゃあ……なんだろう」

音葉「静かに……人が来ます」

櫂「隠れ……なくてもいいみたいだね」

音葉「気づかれていませんね……」

衛藤美紗希「お母ちゃん、どこー?」

衛藤美紗希
都内でOLをしている女性。今回のIMCのコア。

音葉「彼女……でしょうか」

櫂「たぶん」

美紗希「あっ、アルバム見てたんだぁ」

櫂「本当に気づいてないね」

音葉「ただの映像……のようなものかもしれません」

美紗希「お母ちゃん、アルバム出しっぱなしだよぉ」

櫂「仲良さげだね」

美紗希「なんで、こんな時期に帰って来たのってぇ」

音葉「ええ……」

美紗希「ウチの庭の秋桜好きなんだぁ」

櫂「だから、秋」

美紗希「さっきも聞いたってぇ。うんうん……この時はねぇ」

櫂「ふーむ、なんだと思う、音葉ちゃん?」

音葉「……」

櫂「音葉ちゃん?」

音葉「すみません……聞いてませんでした」

美紗希「もう泣かないでよぉ。大丈夫、来年から社会人だけどぉ、頑張るからぁ」

櫂「何の感情だろ?」

音葉「さぁ……もう少し観察を」

美紗希「だからぁ、お母ちゃんも元気でいてね」




16: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:18:15.95 ID:ngc7RTAI0

11

IMCG・オペレーションルーム

レナ「天気は?」

愛結奈「雨は止んだわね」

頼子「九州は大雨ですが」

雪菜「フェイズ1の進行はありませんねぇ」

惠『伊集院です。お聞きしていいですか』

愛結奈「なに?」

惠『IMCは西側へ移動しています。どこが目的地か推測できますか?』

頼子「了解しました。やってみます」

惠『お願いします。警戒範囲は広げますか』

レナ「現状維持で。海岸には台風と合わせて近づかないように」

惠『了解しました』

レナ「引き続きお願い」

愛結奈「頼子ちゃん、進路予想できる?」

頼子「西側なのは間違いないと思います。やってみますね」

愛結奈「晶葉ちゃん、ちょっと手伝って」

晶葉「データ解析は、のあがいいだろう。頼む」

のあ「……ええ。やってみましょう」




17: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:19:30.68 ID:ngc7RTAI0

12

小春日和の縁側

櫂「あれ……変わった?」

音葉「変わりました……ね」

櫂「時間が変わったのかな」

音葉「秋桜は……咲いてますね」

美紗希「……はぁ」

櫂「髪型と服が変わった」

音葉「学生……時代でしょうか」

櫂「制服だもんね」

美紗希「本当に家を出て大学行った方がいいのかなぁ……お金だって大変だし……」

櫂「悩み事かな」

音葉「……」

櫂「でも、違う気がする」

音葉「コアとなった理由では……ないでしょうね」

櫂「うん。都内にいたもんね」

音葉「お母様が来ましたね……」

櫂「きっと、こっちかな」

音葉「もう少し……見ていましょうか」

櫂「ちょっと、連絡しに戻るね」

音葉「はい……早く戻ってきてくださいね」




18: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:20:06.30 ID:ngc7RTAI0

13

IMCG・オペレーションルーム

櫂『名前?』

愛結奈「そう、名前」

櫂『たしか、ミサキだったかな』

のあ「予測完了……精度は期待しないで聞いて」

頼子「一度神奈川県沖から離れましたが、西への進路を固定」

のあ「このままの進路だと……」

頼子「地図を表示します」

のあ「このままの進路だと……別府湾」

雪菜「別府?」

頼子「現在、台風の暴風域です」

レナ「惠ちゃん」

惠『伊集院です、どうしましたか?』

レナ「名前はミサキ、進路は九州方面。調べられる?」

惠『八神巡査に協力していただきます』

雪菜「あっ!交通情報を出しますねっ!」

愛結奈「遅延、もしくは欠航になってるのは」

頼子「大分空港行き含めた、西日本方面数便」

惠『情報はお伝えします』

レナ「お願い。櫂ちゃんはフェイズ1復帰」

櫂『はいっ!』




19: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:21:15.12 ID:ngc7RTAI0

14

都内の小さなアパート

美紗希「お仕事?うん、平気だよぉ。みんな優しいしぃ」

櫂「ただいま」

音葉「お帰りなさい……」

櫂「なにか、変わった?」

音葉「相変わらず……こちらには気づいていません」

美紗希「ゴールデンウィーク?旅行に行こうと思ってぇ。お父ちゃん、お土産送るねぇ」

音葉「どなたか……わかりましたか」

櫂「まだ。調べてくれてるよ」

音葉「そうです……か」

櫂「音葉ちゃんは何かわかった?」

音葉「悩んでいましたが……都内の大学に進学しました」

櫂「ここは引っ越してきた部屋?」

美紗希「うんうん、お盆には帰るよぉ。お母ちゃんにもよろしくねぇ」

音葉「いいえ……カレンダーを」

櫂「今年?」

音葉「はい……大学時代ではありませんね」

櫂「ふーむ……」

美紗希「うふっ、何か良いものあるといいなぁ」

音葉「……変わります」

櫂「わっ……変わった。今度こそ引っ越す前かな」

音葉「呼ばれていますね……戻ります」

櫂「うん。こっちは任せて」




20: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:22:15.29 ID:ngc7RTAI0

15

IMCG・オペレーションルーム

音葉『……連絡とは』

レナ「惠ちゃん、コアについての情報を」

惠『はい。調査結果はお送りしてあります』

レナ「警察のデータベースにアクセスできる?」

清良「利用範囲は拡大済みよね?」

愛結奈「結果を確認」

頼子「名前は、衛藤美紗希」

雪菜「22歳ですぅ」

愛結奈「職業は会社員」

惠『今日、空席があった大分空港行きのチケットを予約しています』

頼子「IMC出現前に発券しています」

愛結奈「で、その飛行機は出発せず」

惠『カウンターで問い合わせている彼女のことを空港職員が覚えていました』

音葉『……』

レナ「でも、どうして展望デッキにいたの?」

愛結奈「雨も降ってたのよね?」

音葉『急遽、チケットを取った理由は……なんでしょう』

頼子「惠さん」

惠『何かしら?』

頼子「ケータイやバックは見つかってますか」

惠『いいえ』

雪菜「他に理由は……」

愛結奈「勤務先に何か連絡は?」

亜季『大和であります。先ほど確認したであります』

レナ「なんて?」

亜季『身内に不幸があった、と』

雪菜「……一刻も早く帰りたかった」

頼子「飛行機は飛んでいない。新幹線も止まっています」

音葉『なるほど……』

雪菜「呆然とする中で、仕方なくデッキに出たんですねぇ」

愛結奈「IMCに接触されたのは、その時」

頼子「感情は、何でしょうか」

雪菜「音葉さん、カルテを送りますねぇ」

音葉『はい……フェイズ1に戻ります』




21: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:23:46.74 ID:ngc7RTAI0

16

都内の小さなアパート

櫂「大学1年生から同じアパートに住んでるんだ。部屋も綺麗だなぁ、あたしもこれくらい、オシャレした方が。いやいや、無理するのは良くない」

音葉「戻りました……これを」

櫂「カルテ?」

音葉「はい……雪菜さんから頂きました」

櫂「見せて。ふむふむ……」

音葉「展開は……」

櫂「夏になったよ。日付は、あそこ」

音葉「今日……ですね」

櫂「大学時代とか結構優秀だったみたいだよ。頑張り屋さん、って感じ」

音葉「櫂さんが頑張り屋と言うなら……本当でしょうね」

櫂「身内の不幸か……たぶん、お母さんかな」

音葉「そう……なのですか」

櫂「これは勘」

美紗希「はーい♪お父ちゃん、なにぃー……え?」

櫂「電話がかかってきた」

美紗希「……なんで、今、電話してくるの」

音葉「……」

美紗希「なんで、今更!?どうして、教えてくれたかったの!?」

音葉「声を荒げるタイプでは……」

櫂「ないはずだよね」

美紗希「すぐに行く!えっとぉ、えっと、会社に電話して……」

櫂「会社に電話した。理由は身内の不幸」

音葉「ケータイで飛行機を予約しました……」

櫂「いつものカバンだけ準備したね」

美紗希「待ってて……お母ちゃん」

音葉「ほぼ着の身着のままで出て行きました……」

櫂「次は、空港かな」

音葉「ええ……」

櫂「声かけるタイミング、逃さないようにしないと」

音葉「……」




22: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:24:54.79 ID:ngc7RTAI0

17

IMCG女子寮・食堂

持田亜里沙「私ですか?」

持田亜里沙
IMCGの事務職員。本当はゼットテクニカの託児所勤務の予定だった。

志乃「そう、あなた」

亜里沙「私は普通の事務職員ですよ」

志乃「託児所勤務のお話は?」

亜里沙「なくなりました。今はないですけど、時期には」

志乃「どうして……あなたがIMCGに引き抜かれたの?」

亜里沙「うーん……それは兵藤課長と財前副会長の一存としか」

千夏「……」

礼『IMCは依然ゆっくりと西へと進んでいます』

志保「今日は長いですね」

千夏「ここには、何も情報が入らないの?」

亜里沙「はい」

志保「知っても、信じることしかできませんから」

志乃「そう……」

亜里沙「信じてあげましょ♪晶葉ちゃんのシュリンクなら大丈夫!」




23: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:25:50.65 ID:ngc7RTAI0

18

空港・展望デッキ

美紗希「帰れば……良かった」

音葉「デッキへ……来てしまいましたね」

櫂「西を見てないね」

音葉「あまり……方向感覚は優れていないのかもしれません」

美紗希「どうして、ゴールデンウィーク帰らなかったんだろぅ……」

音葉「あの……櫂さん」

櫂「うん」

音葉「私には……かける言葉がわかりません」

美紗希「どうして、ねぇ、どうして、言ってくれなかったの……」

音葉「深い愛情の……その喪失は、私には」

櫂「……うん」

美紗希「お母ちゃん……」

音葉「IMCが出ました……あそこです」

櫂「えっ……カバンの中?」

音葉「どこかで着いていたのでしょうか……」

美紗希「どうして!?どうして、どうして……」

音葉「IMCに動きがありそうです……櫂さん」

櫂「わかった。外はお願い」

音葉「……はい。フェイズ1をお願いします」

櫂「変わった次の場面で、行くよ」




24: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:26:49.69 ID:ngc7RTAI0

19

IMCG・オペレーションルーム

雪菜「IMCの速度が上昇しましたっ!」

頼子「ディアー、フェイズ1より復帰」

レナ「音葉ちゃん、追って」

音葉『はい……』

愛結奈「元気ないわね、疲れたの?」

音葉『いいえ……そういうわけでは』

清良「……」

頼子「ドルフィンの接続継続」

雪菜「フェイズ1、未だに進展はなしですぅ」

愛結奈「IMCに攻撃的反応はなし」

のあ「……そもそも攻撃できるのかしら」

晶葉「わからんな」

愛結奈「ディアーは距離を保って航行」

音葉『はい……』

レナ「さすがに、台風の影響が出る前に終わらせたいわね」

雪菜「IMCに変化ありですぅ!」

頼子「花、秋桜でしょうか」

音葉『何かが……進んだでしょうか』




25: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:28:47.09 ID:ngc7RTAI0

20

秋桜の咲く裏庭

美紗希「……」

櫂「……こんにちは」

美紗希「……」

櫂「縁側じゃなくて、こっちに来たんだ」

美紗希「行けないのぉ……あたしはこっち」

櫂「……」

美紗希「ウチの庭はねぇ、毎年赤い秋桜が咲くの」

櫂「綺麗だね」

美紗希「好きだったの……あの縁側から、いつも一緒に見てぇ」

櫂「……」

美紗希「間違っちゃったぁ……どこから、かな」

櫂「どこから?」

美紗希「見てた、でしょ……?」

櫂「うん……ごめんね」

美紗希「ゴールデンウィークに帰らなかったから?」

櫂「違うよ」

美紗希「電話で声を聞かなかったから?」

櫂「違う」

美紗希「あっちで就職しちゃった、から?」

櫂「違う」

美紗希「……出て行かなければ、良かった?」

櫂「違うよ……応援してくれてたでしょ」

美紗希「美紗希はぁ、大学で勉強した方が良いって」

櫂「言ってくれたのは、お母さんだよね」

美紗希「でもぉ……もういないの」

櫂「そう、なんだ」

美紗希「間違えちゃった、間違えちゃったのぉ……」

櫂「……」

美紗希「どうして、言ってくれなかったの?」

櫂「それは」

美紗希「どうして、言ってくれなかったの!?」

櫂「……」

美紗希「……どうして」

櫂「言わなかったんじゃないかな」

美紗希「わかってるよぉ……心配かけたくないから、黙ってたの」

櫂「わかってるんだ……」

美紗希「それでも、辛いの……」




26: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:31:03.14 ID:ngc7RTAI0

21

IMCG・オペレーションルーム

雪菜「フェイズ1の進行してますぅ」

頼子「IMCが赤くなっています」

愛結奈「移動速度は変わりなし。巨大化の傾向もなし」

音葉『追走を……続けます』

頼子「音葉さん、調子に問題はないですか」

音葉『いいえ……大丈夫です』

雪菜「疲れましたかぁ?」

志希「動くだけなら接続切っても大丈夫だし~」

愛結奈「櫂ちゃんにも異常はないわ」

頼子「これ以上離れるのは、好ましくありませんね」

雪菜「櫂さん、お願いしますぅ」




27: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:31:55.70 ID:ngc7RTAI0

22

秋桜の咲く裏庭

櫂「……」

美紗希「お母ちゃん……もう少しだけ元気でいて欲しかった」

櫂「どうして?」

美紗希「もっと、頑張ってるところ、見せたかったなぁ……まだ、結婚もしてなくてぇ……」

櫂「あたしもわかるよ。うん」

美紗希「良い人もまだいないけどねぇ」

櫂「まだ、早いかな」

美紗希「だから……元気でいて欲しかったなぁ」

櫂「うん」

美紗希「本当はねぇ……気づいてたの」

櫂「え?」

美紗希「ほら……あそこでアルバムを見てたでしょう?」

櫂「あ、うん」

美紗希「思い出も、いっぱい聞きたかったぁ……でも、もう」

櫂「……」

美紗希「お母ちゃんね……痩せてた。机にお薬手帳が出しっぱなしだった。病院の予約が取ってあった」

櫂「……」

美紗希「でもね、言わないから大丈夫だって。だって……」

櫂「だって、そんなこと信じたくない」

美紗希「死んじゃうなんて、信じたくないよぉ……」

櫂「そう……だよね」

美紗希「お父ちゃん、電話になんてほとんど出ないんだよぉ。いつもお母ちゃん任せ……」

櫂「……」




28: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:32:58.85 ID:ngc7RTAI0

美紗希「気づいてたの。でも、甘えちゃった……大丈夫だって、思いたかった」

櫂「……うん」

美紗希「これねぇ……一緒に撮った最後の写真になっちゃった」

櫂「スーツの写真……?」

美紗希「就職祝いにねぇ、買ってくれたのぉ。お母ちゃん……この時も泣いてた」

櫂「お母さん……目が少し赤い」

美紗希「ねぇ……聞いていい?」

櫂「うん」

美紗希「どこで、あたしは間違えちゃったかな」




29: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:33:49.72 ID:ngc7RTAI0

美紗希「どこかなぁ……」

櫂「間違えてない」

美紗希「ううん……違う」

櫂「相手の気持ちがわかってて、そうしたんだから」

美紗希「……」

櫂「だから、間違ってなんかないよ。誰も悪くない」

美紗希「でもぉ……」

櫂「責めないでいいよ。今、必要なのはきっと」

美紗希「……」

櫂「悲しい、って正直に思うことじゃなかな」

美紗希「そう……かも」

櫂「あたしが言うことじゃないと思うけど、間違ってないよ。だから」

美紗希「お母ちゃん……」

櫂「元気をなくしちゃうと悲しいんじゃないかな」

美紗希「うん。わかってるよぉ。あたし、がんばるから。応援してくれたの、忘れないからぁ……」

櫂「行こう」

美紗希「時間がかかっても、絶対に会いに行くからねぇ……でも」

櫂「でも……?」

美紗希「もっと、ずっと、ずーっと、お母ちゃんの娘でいたかったな……」




30: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:35:09.66 ID:ngc7RTAI0

23

IMCG・オペレーションルーム

頼子「フェイズ1完了。ドルフィン、接続解除」

櫂『戻りましたっ!』

愛結奈「フェイズ2への移行を、って、待って!」

雪菜「IMC、消失!」

頼子「コア露出!落ちていきます!」

レナ「受け止めて!」

志希「ディアーの出力上昇させて~」

音葉『加速が……足りません』

櫂『ドルフィン、行きますっ!』

頼子「ドルフィン、ディアーより飛び降りました!」

晶葉「間に合うぞ!櫂!」

櫂『わかってる!』

愛結奈「速度充分よ!」

頼子「コアに接近」

櫂『よし……大丈夫』

雪菜「コアをキャッチしましたぁ!」

愛結奈「まだ終わりじゃないわよ!」




31: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:36:17.37 ID:ngc7RTAI0

頼子「海面が接近中」

晶葉「櫂!なんとか速度を落とせ!」

櫂『やってる!』

のあ「……」

愛結奈「海面にこのまま衝突したら、耐えられないわ!」

レナ「……」

志希「にゃはは~。ダイジョーブ、ダイジョーブ!」

頼子「加速準備完了」

志希「はい、ばーんっ!」

音葉『ディアー行きます……』

櫂『うわっ!』

愛結奈「ディアー、ドルフィンを追い抜いたわ!」

雪菜「減速開始ですぅ!」

音葉『櫂さん……』

櫂『はいっ!』

志希「逆噴射~」

頼子「ディアー再浮上」

櫂『せーのっ!』

雪菜「ディアー、ドルフィンを受け止めましたぁ!」

愛結奈「コアのバイタル確認!」

頼子「成功です」

櫂『よっし!』

愛結奈「IMC反応消滅」

雪菜「司令!」

レナ「オーケー、フェイズ1及びフェイズ2完全完了。お疲れ様!」




32: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:37:40.74 ID:ngc7RTAI0

24

IMCG女子寮・食堂

千夏「お世話になりました」

志保「いえいえ。また来てくださいねー」

千夏「ええ。失礼します」

志乃「……」

千夏「今日はどうでしたか」

志乃「口を割らせるのは大変そうね」

千夏「まだ、決定打不足ですか」

志乃「次のIMCに関しては公表してもいいけど。本質じゃないわ」

千夏「私達は雑誌記者ですからね」

志乃「ええ……欲しいのはキャッチーなスクープじゃないわ」

千夏「この件はアタリ、そうですか」

志乃「アタリではありそうね」

千夏「なら、進めましょう」

志乃「恵磨ちゃんの仮説もあながち間違いじゃなさそうだもの」

千夏「見つかればいいですけど」

志乃「見つかるわよ、きっと」

千夏「はい」

志乃「誰かに見つかる前に戻りましょうか」




33: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:40:27.82 ID:ngc7RTAI0

25

IMCG・オペレーションルーム

櫂「ただいまっ!」

音葉「ただいま……戻りました」

雪菜「音葉さん、櫂さん、お疲れ様ですぅ」

櫂「衛藤さんはどう?」

頼子「意識もはっきりしています。問題はありませんよ」

愛結奈「飛行機は欠航になったけど、新幹線は復旧したわ」

頼子「明日の朝には大分の方へ行けると思いますよ」

櫂「そう、良かった」

雪菜「今回の感情はなんでしたかぁ?悲しみ、ですかぁ?」

音葉「……」

櫂「ううん、違うよ」

頼子「後悔でしょうか」

櫂「それも違うかな」

愛結奈「じゃあ、なに?」




34: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:41:42.54 ID:ngc7RTAI0

櫂「そう簡単には言えないけど、愛情じゃないかな」

雪菜「愛情、複雑な感情ですねぇ」

櫂「うん。色々な悪い感情もつながって、ひとつのものだからさ」

音葉「……そういうものですか」

雪菜「そうですねぇ」

櫂「辛いのはこれからだと思うよ。でも、大丈夫」

愛結奈「……そうね」

櫂「悲しんでばっかりじゃ、誰も報われないもんね」

頼子「……」

雪菜「はいっ!笑顔でいて欲しいですね」

櫂「うん、縁側での笑顔は本当に心からのものだった」

音葉「ええ……そうですね」

櫂「あたしも電話してみようかな」

愛結奈「そういえば、ご両親はパイロットであることは知ってるの?」

櫂「知ってるよ。競泳を辞めたのも知ってる。一応、応援してくれてるよ」

雪菜「仲が良くていいですねぇ」

頼子「はい」

櫂「電話してみよう。またね」

雪菜「はい、今日はお疲れ様でしたぁ」

音葉「……お疲れ様でした」




35: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:43:52.38 ID:ngc7RTAI0

26

IMCG・課長室

レナ「あの記者さん、深くついてきたわね」

清良「どうするつもりですか?」

レナ「どうにもしないわ。探せるところまで探してもらいましょう」

清良「こちらから公開することは」

レナ「数に対しては考えてるわ」

清良「次のIMCについて……なにか策はありますか」

レナ「なんとかなるわ」

清良「本当ですか……?」

レナ「私は天才を信じてるわ。いずれ越えなければいけない壁なら、いつ越えてもいい」

清良「私も信じています。でも」

レナ「どちらにしても同じことなの。わかって」

清良「わかってます。意図は、わかってるつもりです」

レナ「ありがとう。清良ちゃん。でもね、もう止められもしないの」

清良「証明を、ですか」

レナ「そう、証明を。もう止まるわけにはいかないのよ」

清良「……わかりました」

レナ「ごめんね。皆に重りばっかり背負わせてる」

清良「任せてくださいね。それは私の仕事ですから」

レナ「ありがとう。清良ちゃん」

清良「負けないようにしましょう。最後まで」

レナ「わかってる」

EDテーマ

アイの証明
歌 西島櫂・梅木音葉




36: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:45:37.26 ID:ngc7RTAI0

オマケ

PaP「ふむふむ……」

CuP「珍しく真剣に見てますね」

PaP「珍しいは余計だ。仕事はいつも真剣にやってる」

CoP「それは信じておくとして、どうしたんです?」

PaP「美紗希ちゃんにも聞いたんだけどさ」

CuP「この役についてですか?」

CoP「これに関してはPaPの推薦は凄いと思いました」

PaP「そうじゃなくて、頑張ってる姿を見せられる仕事っていいな」

CuP「そういうことですか?」

PaP「良い仕事だ。どこにいても、大切な人に頑張ってる姿を伝えられる」

CoP「それは、同感ですよ」

CuP「がんばりましょう」

おしまい




37: ◆ty.IaxZULXr/ 2015/08/10(月) 20:48:43.75 ID:ngc7RTAI0

あとがき

美紗希には親心すら感じる。演劇とかで活躍してほしい。

次回は、
梅木音葉「IMCG・人非ざるモノの歌がキコエる」
です。

それでは。




38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/10(月) 21:02:28.07 ID:1YT1xV5Y0

乙です

IMCGのメンバーで櫂と真奈美以外にIMCになった人っているのかな?



39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/11(火) 00:58:59.56 ID:cH0iZ/mfo

音葉は木場さんみたいにパイロット引退しないよね?
もししたら櫂の負担がマッハ




元スレ
SS速報VIP:衛藤美紗希「IMCG・秋桜」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439202128/



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