こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました春雨の話を書いていきます。

>>504
  瑞鳳、了解しました。

それでは投下いたします。



506: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 20:55:32.93 ID:yU9JlAEr0

 ―19時過ぎ、駆逐艦寮―

白露「あー、お腹空いたな~…」

時雨「遠征帰りだからね…大分遅くなっちゃったよ…」

春雨「皆、演習お疲れさま!」

村雨「あ、春雨ちゃん」

春雨「晩御飯を作っておきましたから、皆で食べましょう!」

白露「おっ、やったー!メニューは?」

春雨「麻婆―」

時雨「あ、やっぱり…」

春雨「豆腐!」

村雨「わーい!」



507: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 21:04:15.35 ID:yU9JlAEr0

【必殺料理人】

 ―翌日19時過ぎ、駆逐艦寮―

磯風「何故だろうか……」

浦風「……………………」

磯風「しっかりとレシピ本を見て…」

谷風「……………………」

磯風「ちゃんと内容を理解したというのに…」

浜風「……………………」


磯風「なぜ失敗してしまうのだろうか…」

浦風&谷風&浜風「」チーン


提督「なんですか、このダークマターは」

磯風「あ、司令。駆逐艦寮に何か用が?」

提督「いえ、ただ他の駆逐艦の方から‶駆逐艦寮で異臭がする‶という報告があったんですが」

磯風「?」

提督「…大体理解できました。また作ったんですか?」

磯風「いや、ちゃんと手順通りにやったんだが、それでも上手くいかなかったんだ…」

提督「…で、なぜこの方たちは気絶しているんですか?」

磯風「いやあ、せっかくこの磯風が作ったのだから、食べてもらおうと思って」

提督(この様子じゃ今日はもう起きませんね…)



508: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 21:13:13.26 ID:yU9JlAEr0

 ―同時刻、戦艦寮―

比叡「さあ、比叡特製カレーです!皆さん、たんと食べてください!」

金剛「……………………Oh,とても個性的な色をしていますネ…まさか、青いカレー何て…」

榛名「あはは…榛名、初めて見ましたね……」

伊勢(霧島……記録課でラッキーだったね…)

金剛「Ah,ヒエー?チョットいいですカ?」

比叡「はい?なんでしょうか?」

金剛「ティーセットをMeの部屋から取ってきてくれませんカ?」

比叡「?分かりました、ちょっと待っててください」タタタ

金剛「さあハルナ、今の内デス!このバイオ兵器をすぐに処理するのデス!」

榛名「は、はい!」

日向「後の事に関しては安心しろ!私がそっくりに作ってあるものがあるから!」

扶桑(青いカレーを意図的に作るって…どうやって…?)

比叡「お待たせしましたー…って、なんで皆さん汗かいてるんですか?」

金剛「あ、Ah…み、皆おなかが空いてて我慢してたんデース…」

比叡「ふーん………」



509: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 21:26:07.98 ID:yU9JlAEr0

 ―翌日10時過ぎ、執務室―

提督「…事情は大体わかりました」

浜風「磯風も努力している事は間違ってはいないのですが、あの失敗作に毎回つき合わされると、さすがに体がもちません…」

金剛「ヒエーも、ヒエーなりに頑張ってはいるんですガ、どうしても失敗してしまうんデス……」

提督「……健康状態も芳しくない方も増えていますからね……というか、貴女たちは磯風さんや比叡さんが料理している隣で見ているのでは?」

浜風「途中までは見ているのですが、『じろじろ見られると集中できない』と言われて台所から締め出されるんです……」

金剛「ヒエーも同じ感じデース…」

提督「おそらく貴女たちが見ていないところで失敗するのでしょう。しかし、磯風さんも比叡さんも、ちゃんとできないなりに努力をしているんですよね?

   ですから、努力しているところは褒めてあげたいところなのですが……」

浜風&金剛「…………………」

提督「一番いいのは、料理の上手な人に教えてもらうのが一番なのですが……」

浜風「間宮さんは食堂の切り盛りで手一杯ですし……」

金剛「鳳翔さんハ、普段から鎮守府の家事をしているから忙しいでしょうシ……」

提督「……要は、料理が上手な人でしたらいいんですよね?」


 ―数分後、駆逐艦寮―

提督「…と言うわけで、貴女の力を借りたいんです。春雨さん」

春雨「それは構いませんけど……どうして私が?」

提督「春雨さんは普段から自炊しておりますし、その料理の腕は他の駆逐艦の皆さんからも上々です。その腕を見込んで、磯風さんと比叡さんに、

   料理を教えてもらいたいんです」

春雨「……分かりました。この春雨、不肖ながら、頑張ります!」



510: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 21:36:54.85 ID:yU9JlAEr0

 ―16時過ぎ、特別艦寮・キッチン―

春雨「では、頑張りましょう!」

磯風「うむ、よろしく頼む」

比叡「むー…戦艦のお姉さんが駆逐艦の子に料理を教わるのって、なんだか不満……」

提督「貴女の料理の腕ってそんな事にこだわっていられないくらい絶望的なんですから、少しは我慢してください」

比叡「私の料理って、そこまでだめですかね?皆さん、食べた後は涙ながらに『美味しい』って言ってましたよ?」

提督「その涙は別の意味でしょう…。では、春雨さん、よろしくお願いします」

春雨「はい、分かりました!では、始めましょう!」

磯風&比叡「はーい」

春雨「今回のメニューはカレーですね。定番中の定番です」

磯風「私は作れない事はないが…」

比叡「私だって、カレー何てお茶の子さいさいですよ」

提督「普通カレーはピンクだの青だの奇抜な色はしていませんよ」


春雨「材料の切り方が雑ですよ?もっと丁寧に切ってください」

磯風「しかし、戦場ではそんな時間と手間を掛けるわけには…」

春雨「今は戦場の事を気にしないでください」


春雨「あ、比叡さん。そのタバスコはどうするつもりなんですか?」

比叡「あ、いえ。アレンジを……」

春雨「アレンジは料理ができるようになってからにしてください。不慣れな間はレシピ通りに作ればいいんですよ」



511: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 21:54:26.55 ID:yU9JlAEr0

 ―数時間後―

磯風「ううむ…今回は一段と疲れたぞ……」

比叡「はー…いつも通り作ってたらこんなに疲れたりはしないのに……」

春雨「今回の料理で分かった事があります」

磯風&比叡「?」

春雨「磯風ちゃんは材料の切り方や分量が雑ですし、比叡さんはやたらアレンジをしたがるって感じですね」

磯風「え、私はそんなに雑だったか?」

春雨「雑でしたよ。ほとんど目分量だったでしょう?今まで美味しくできなかったのはそれが原因です」

磯風「むぅ…分かった。以後、気を付けよう」

春雨「比叡さんも、かつては御召艦で、料理は老舗ホテル並みだって話だったのに、なんで今はこうなっているんですか」

比叡「それはその……レシピ通りに作るんじゃ、他人の敷いたレールの上を走っているだけでつまらない、と思ってしまったから…」

春雨「そんな事は、料理がしっかりできるようになってからにしてください」

提督「あ、終わりました?」

春雨「はい、終わりました。2人とも、まだ上手とは言えませんが、前よりはマシになったと思います」

提督「春雨さんは、料理に関しては手加減とかしませんね」

春雨「そうですね……料理は、食べてくれた人に‶美味しい‶って言ってもらいたいし、自分の作った料理で皆が笑顔になってくれるのでしたら、

   それほどまでに嬉しい事はありませんから…」

磯風&比叡「……………………」

春雨「ですから、2人とも、食べてくれる人が笑顔になってくれるように、料理は愛情と丹精を込めて作りましょうね」ニコ

磯風「……ああ、そうだな」

比叡「そう…ですね」

春雨「……さて、このお2人の作った失敗作はどうしましょうか……」

提督「当然、本人に食べてもらいましょう」

磯風&比叡「えっ」


【終わり】



512: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/09(月) 22:01:40.77 ID:yU9JlAEr0

【キャラクター紹介】

≪春雨≫

白露型駆逐艦五番艦。艦娘No.205。優しい笑顔と長い薄ピンクの髪がトレードマークの、おとなしめな女の子。白露型の姉妹艦とは仲が良く、その中でも

村雨や夕立とは特に仲が良い。由良や明石とも仲良し。料理が得意で、その腕は駆逐艦の中でもトップクラス、鎮守府でも評判が良い。出撃も遠征も、

そつなくこなす事ができるが、特に鼠輸送任務は大得意。

好きな言葉は『無病息災』。



519: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 20:58:51.79 ID:Qd53wLe20

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました伊勢の話を書いていきます。

>>515-517
  瑞鶴、愛宕、ダメ提督製造機連中(雷、浦風、夕雲でよろしいでしょうか?)了解しました。

それでは、投下いたします。



520: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 21:03:00.06 ID:Qd53wLe20

 ―15時過ぎ、カレー洋制圧戦・Dマス(東方主力艦隊)―

ズッドオオオオオオオン

戦艦ル級flagship「グオオオオオオ……」撃沈

伊勢「よっしゃ、敵艦隊旗艦撃滅成功っと!祥鳳、古鷹、援護ありがとね!」

祥鳳「え、ええ…」

古鷹「こ、こちらこそ」

伊勢「?2人ともどうしたのさ?」

祥鳳&古鷹「い、いえ。なんでもないです」

伊勢「???」




521: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 21:13:11.39 ID:Qd53wLe20

【仲直り】

 ―19時過ぎ、食堂―

伊勢「うーん……」

日向「伊勢?どうかしたのか?」

伊勢「あ、日向聞いてよ!それがさ~、祥鳳と古鷹がなんだか冷たいんだよ、最近」

日向「?どういう事だ?」

伊勢「詳しくはね、これこれしかじかなんだよ」

日向「なるほどな……それはつまり、あれだ」

伊勢「?」


日向「沖ノ島の一件で、2人は伊勢に対して恐怖を抱いているんだ」


伊勢「……………………」

日向「……どうした?」

伊勢「そっか……皆の敵を、と思ってやったんだけど……余計なお世話だったのかな…」

日向「いや、そうは言ってないさ。ただ、あの時のお前の行動が、私を含めて、あの時あの場にた皆を恐怖させたんだ。特に、繊細な性格をしている、

   古鷹と祥鳳は特にな」

伊勢「……別に、恐怖を植え付けるつもりはなかったんだよ」

日向「伊勢にその気はなくても、あの2人は心に相当な傷を負っているぞ」

伊勢「………どうすればいいのかな」

日向「簡単だ。2人の誤解を解けばいいのさ」



522: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 21:24:39.50 ID:Qd53wLe20

 ―20時過ぎ、戦艦寮―

伊勢「誤解を解く……つまり、仲直りって事だよね…。どうすればいいんだろ…」

金剛「Oh,イセ?そんな悩んだ顔して、どうしたんデスカー?」

伊勢「あ、金剛…。実はね、ちょっと仲直りしたい人がいるんだけど、どうやって仲直りすればいいのか困っちゃって」

金剛「Ah,そんな事デスカー?ならバ、簡単デース!お茶に誘うのデース!」

伊勢「お茶?」

金剛「そうデース!お茶を飲んで気分が落ち着いたところデ、仲直りの話を切り出せバ、関係がこじれる可能性は低くなりマース!」

伊勢「そうか……なるほど…」

金剛「ワタシのティーセットをお貸ししますのデ、頑張ってくださいネ!」

伊勢「金剛……ありがと、やってみる!」


 ―翌日10時過ぎ、休憩室―

伊勢「ごめんね、休日なのに呼び出しちゃって…」コポコポ

祥鳳「いえ……お気になさらず…」

古鷹「それで、私達に話とは…?」

伊勢「まま、まずは一杯飲んでみて」

祥鳳「では……」スッ

古鷹「いただきます……」スッ

ゴクッ

祥鳳&古鷹「!!」ドクン

伊勢「?どうかしたの?」

祥鳳「……ちょっと、お花を摘んできます…」ガタッ

古鷹「……ちょっと、神様のいる場所に行ってきます…」ガタッ

伊勢「?」

 結局、祥鳳と古鷹は腹痛で寝込むこととなった。



524: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 21:39:55.04 ID:Qd53wLe20

 ―19時過ぎ、食堂―

伊勢「結局、祥鳳と古鷹、戻ってこなかったな……」モクモク

伊勢「…そう言えば、今日日向は遠征だったっけか……」

リットリオ「伊勢さん、失礼します。お隣、よろしいですか?」

伊勢「リットリオ……別にいいよ、どうぞ」

リットリオ「それでは、失礼しますね」ガタッ

伊勢「あ、そうだリットリオ。ちょっと聞きたいんだけどいいかな?」

リットリオ「はい、何でしょう?」

伊勢「仲直りしたい人がいるんだけど、どうすればいいのかな」

リットリオ「……仲直り、ですか」

伊勢「そ、仲直り」

リットリオ「……それならば、拳で語りましょう!」

伊勢「…え、拳?」

リットリオ「日本の漫画には、喧嘩してしまった時は拳をぶつけ合い、お互いを理解するシーンが良くあります。それにあやかって、殴り合いましょう!」

伊勢「う、うーん……」

伊勢(たまに川内や秋雲から借りる漫画にも、それっぽいシーンがあるし…間違ってはいないのかな…)

伊勢「そ、そうだね。やってみるよ」

リットリオ「あ、でも流石に殴り合うのはやりすぎだと思うんで、演習でもいいと思いますね」

伊勢「……分かった、やってみる。ありがとね」



525: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 21:51:05.17 ID:Qd53wLe20

 ―翌日10時過ぎ、演習海域―

祥鳳「一体どういう事でしょう…」武装済み

古鷹「昨日はお茶に誘ってくれて、今日は演習……」武装済み

伊勢「よーっし、じゃあ始めようか!」武装済み

祥鳳「…何か考えがあっての事でしょう。私達の練度を上げるためとか…」

古鷹「…そっか。じゃあ、伊勢さんのその考えに応えられるように、勝ちましょう!」


 ―1時間後―

祥鳳&古鷹「」撃沈判定

伊勢「あれ?手加減したはずなんだけど…」


 ―数十分後、執務室―

提督「そりゃ、46cm砲+12mm30連装噴進砲+32号水上電探+15.2cm三連装副砲を装備してたら、手加減してても軽空母・重巡洋艦は容易く沈められますよ」

伊勢「そっか……装備がいけなかったか……」

提督「というか、昨日あたりから、祥鳳さんや古鷹さんにやたら接触してますけど、どうしたんですか?」

伊勢「……実は、沖ノ島での一件で祥鳳と古鷹が私に恐怖してるって日向が言うから、何とか仲良くしようと考えて…色々仲良くなれる方法を模索して…」

提督「演習で一方的なリンチで仲良くなれるはずがないでしょう」

伊勢「でも、リットリオから『喧嘩した時は拳で語れば仲直りできる』っていうから…」

提督「それは二次元上での話だけですし、日本の文化を微妙にはき違えているイタリアの知識を鵜呑みにしないでください」

伊勢「無駄だったのか……」

提督「というか、何を謝るためだけに苦労しているんですか」

伊勢「へ?」

提督「ぶっちゃけた話……」



526: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/10(火) 22:05:00.05 ID:Qd53wLe20

 ―18時過ぎ、休憩室―

伊勢「……あの時私は、皆がやられたこと、それと旗艦である私の不甲斐なさにカッと来て、あのル級flagshipを倒す事にしか頭になくて…」

祥鳳&古鷹「………………」

伊勢「……それで、私はル級をただただ潰して潰してとにかくつぶした……だから、あそこまでむごいことを…」

祥鳳&古鷹「………………」

伊勢「だから、それで2人に恐怖を植え付けちゃったのなら……ごめんなさい」

祥鳳&古鷹「………………」

伊勢「2人を怖がらせちゃって、ごめんなさい」

祥鳳「………あの時、てっきり私は、伊勢さんは『やられたらやり返す』精神の持ち主だったのかと思ってました」

伊勢「どこの半沢直樹…」

古鷹「私も、伊勢さんは本当は残虐な性格なんだと思ってました……」

伊勢「…確かに、そう思われてもいいような事をしちゃったよ」

祥鳳「でも、私達の事を思ってくれたのでしたら、それは嬉しい限りです」

古鷹「ええ。祥鳳さんの言う通りです。今まで伊勢さんに対して恐怖していたことを、私達が逆に謝りたいくらいですね」

伊勢「祥鳳…古鷹……」


提督「最初から、真向に謝ればいいだけの話ですよ」

日向「確かに、何かの形で示すより、言葉で示した方がいいからな」



 ―同時刻、沖ノ島海域・Jマス(敵侵攻中核艦隊)―

戦艦ル級flagship「伊勢……恐ロシイ子ッ…!」

駆逐二級elite「ドウシマシタ急ニ!?」


【終わり】



532: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 21:03:44.11 ID:KLZNe0uf0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました秋雲の話を書いていきます。

また、明日に投下する話は、『対人恐怖の提督』になりますので、よろしくお願いします。

それでは、投下します。



533: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 21:10:24.84 ID:KLZNe0uf0

 ―13時過ぎ、資料室―

提督『この資料を取ってきてください』

秋雲「まったくもー……オータムクラウド先生も冬に向けて頑張らなくちゃあいけないというのに、それでもあの提督は無条件で秘書艦指名とか……。

   ま、いいけどね」ウロウロ

秋雲「えーっと…どこにあるんだろ、一体……ん?」


『この箱、開けるべからず』


秋雲「……開けるなって言われると、開けてみたくなっちゃうんだよね~」ゴソゴソ

秋雲「でも、何が入ってるんだろ……提督秘蔵のエロ本?なわけないよ―」パカッ


(箱一杯に詰め込まれている薄い本)ギッチリ


秋雲「ね……………………………」



534: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 21:20:39.16 ID:KLZNe0uf0

【同人誌と鎮守府事情】

 ―数分後、執務室―

秋雲「提督、これは一体何なのかな~?」

提督「その前に、頼んだ資料を持ってこなかった上に開放厳禁の箱を勝手に開けた挙句持ち出してきた貴女を呵責したいんですけど」

秋雲「今の秋雲からすれば、提督の言葉が完全に‶親にエロ本が見つかった時に言い訳をする中学生‶にしか聞こえないんだけど~」

提督「解体してやろうか」

秋雲「それは勘弁して。んで、真面目な話、この薄い本って何?」

提督「その同人誌は、内容が海軍の機密にかかわっていたり、一般読者に対して間違った海軍の常識を吹聴するような内容のものです」

秋雲「一通り表紙を見てみたけど、『削除対象』ってハンコが押されているのもその理由?」

提督「はい。ちなみに、貴女の作成した同人誌に削除対象のものはありませんでした」

秋雲「ま、秋雲も曲がりなりにも海軍総司令部で働いているからね。下手な事はそうそう書けないよ」

提督「本当なら、海軍を淫らに描写するこのような同人誌は全て規制したいものなんですけど、それは流石に厳しすぎるという意見が多かったので、

   却下となりました」

秋雲「それってつまりあれでしょ?18禁の同人誌は全部ダメー!って事でしょ?」

提督「そうなりますね」

秋雲「そうなったら困るよ~。秋雲の同人誌のほとんどって、そっち方面のが多いんだし~」

提督「まあ、海軍の機密に関する事を書いていなければいいんですけど」



535: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 21:30:24.73 ID:KLZNe0uf0

秋雲「そう言えば、ショタ・ロリ提督とかの本は規制してないんだね。間違っているのに」

提督「ええ、ロリショタ提督とかも間違っているんですよ、海軍としては。提督となれるのは、海軍学校で2年間の教育期間を経て、提督の適性あり、

   と判断された者のみです。そして、海軍学校には18歳以上の人しか入学できませんし、飛び級で入学する事も不可能です。つまり単純計算で、

   提督になれる方の最低年齢は20歳です。ですから、これらの本も規制したいんですけど…」

秋雲「でも、規制はしないんだね。どうして?」

提督「………一部の需要が多かったから、ですね」

秋雲「ああ………陸奥さん、自分がモデルの同人誌がショタ提督との絡みか凌辱系しかないって怒ってたから、純愛系描いてあげようかな…」

提督「ぜひそうしてあげてください」

秋雲「ところで提督、その書類は?さっきは無かったけど」

提督「ああ、これですか。つい先ほど、新たにブラック鎮守府の報告がありましたので」

秋雲「また見つかったの~?もうこれでいくつ目?」

提督「さあ、私がここに就いてから実に十幾つ目でしょうか」

秋雲「…今さらなんだけど、ブラック鎮守府の定義って何なの?同人誌でもたまに見るけど」

提督「艦娘の心身状態を顧みずに出撃や演習を繰り返す鎮守府ですね」

秋雲「もちっと分かりやすくお願いします…」

提督「……まず、分かりやすく言いますと……損傷を負っていても無理に出撃させる鎮守府です。具体的には、中破、小破などの万全ではない状態で、

   深海棲艦と戦わせる感じですね」

秋雲「そう言えば……ウチって、体力がマックスの状態じゃなきゃ出撃させてくれないよね」

提督「万が一で、沈んでしまう可能性もありますから」



536: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 21:45:03.71 ID:KLZNe0uf0

秋雲「うーん……でも、それって難しいんじゃないかな?資材とかの関係で入渠に手が回らない鎮守府もあるし…」

提督「そうであれば、その艦娘を出撃させないか、出撃自体を控えればいいだけの話です。資材が少ないからと言う理由で入渠させずに出撃させるのは、

   許される理由にはなりません。まあ、手持ちの艦娘が少ない、と言う理由であれば仕方がありませんけど」

秋雲「確かにねぇ……」

提督「他には、艦娘の生活環境が著しく低い、ですね」

秋雲「え?」

提督「最低限度の食事も睡眠も与えず、昼夜ぶっ続けで艦娘を運用する鎮守府です」

秋雲「そんな鎮守府あるんだ……」

提督「残念ながら、あるんです」

秋雲「あ、艦娘に暴力を振るうのも、ダメなんでしょ?」

提督「当たり前です。艦娘に暴力と言うのは、拳で殴るか、性的な暴行を加えるかのどちらかに大きく分かれます。つまり……」ガサゴソ


『ほぉら、もっといい感じで泣けよ一航戦様ァ!』

『だめ…やめ……』

『まだまだ満足できねえんだよ、メス豚ぁ。もっとアソコ締めろぉ!』

『もう…らめぇ……』


提督「こういうことしてる鎮守府大体アウト!!」パシコンパシコンパシコン

秋雲「うわぁ……凌辱系って、見てるだけでも結構クる……同人誌書いてる秋雲が言うのもあれだけど…」

提督「まあ、ブラック鎮守府の提督は大体ろくな末路をたどりませんから」



537: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 21:55:26.97 ID:KLZNe0uf0

秋雲「ブラック鎮守府の提督や、加害者ってどうなっちゃうの?」

提督「加害者が艦娘だった場合は即刻解体、提督や整備員などの人間の場合は…」マドノソトミル

秋雲「?」


提督「シベリア送りです」


秋雲「刑罰ひどくない!?」

提督「ロシア側との協定でもあるんです、これ。もしロシアが深海棲艦の襲撃を受けた場合日本は全面的に協力する代わりに、ブラック鎮守府の連中を、

   シベリアの強制労働施設で死ぬまで働かせるという協定が」

秋雲「えらいひどい協定だな!」

提督「ロシア側は大いに喜んでいましたよ。『日本に守ってもらえる上に労働力をこちらに流してくれるとは、日本はなんて優しいんだろう』、と」

秋雲「あー…最近になってロシアがやけに友好的になったのってそれが理由か……」

提督「……話が少しそれますが、凌辱系も需要があるせいで規制する事が困難なんです」

秋雲「…仮に、仮にだよ?海軍の凌辱系の薄い本見て興奮した奴が海軍に入ってきたら、どうするの?」

提督「まず、そのような輩が海軍に入る事自体あり得ません。話したかどうかはわかりませんが、提督に慣れる資格があるのは妖精さんが見える人で、

   勉強は二の次です。そして、邪な心を持っているものに妖精さんを見る事はできません。妖精さんが見えるのは、優しい心を持つ人だけですよ」

秋雲「それでも、ブラック鎮守府っていうのはできちゃうんだよね…」

提督「ええ、やはり、艦娘が自分の思うような戦果を挙げられない、連日の資材消費や書類整理で心が荒んでいき、最後にはブラック鎮守府になってしまう、

   と言う感じです」

秋雲「……前々から気になってたんだけど、ブラック鎮守府ってどうして分かるの?」

提督「それにもまた、妖精さんが関わってくるんです」

秋雲「妖精さんが?」



538: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 22:05:38.76 ID:KLZNe0uf0

提督「…実は、この事実を知っているのは海軍総司令部のわずかな人だけなんですが……」ヒソヒソ

秋雲「ほほう……」


提督「海軍総司令部を含む全ての鎮守府には、提督にも艦娘にも見えない謎の妖精さんが住んでいるんです」


秋雲「え、そんな妖精さんがいるんだ…」

提督「ただ、私と司令長官だけが見る事ができます。そしてその妖精は、各鎮守府にそれぞれ2~3人いて、そこの提督や整備員の様子を監視しているんです。

   まさに、海軍の007」

秋雲「秋雲達には見えないの?」

提督「残念ながら。話を戻して、その妖精さんが、監視している提督や整備員がブラック鎮守府に値するアクションを取った場合、妖精さんネットワーク、

   まあ独自の情報伝達網を用いて、各鎮守府に情報をリーク、最終的には総司令部に情報が上がってくるんです。そして、その情報を参照にして、

   ブラック鎮守府の摘発をするんです。その後のブラック鎮守府の調査は、憲兵団の仕事ですね」

秋雲「はー……鎮守府の事は、妖精さんがみんな見ているんだねぇ…」

提督「その妖精さんは、鎮守府に提督が着任した瞬間から生まれ、今日この日まで監視しているんです」

秋雲「…そのことを知ってたら、下手なことできないね」

提督「まあ、これは海軍でも最重要機密事項ですから。下手に言いふらしたら更迭/解体モノですからね」

秋雲「おお…怖いね…」


提督「ですよね、青葉さん」


秋雲「えっ」

青葉「青葉、ナニモキイテナイデスヨー」


【終わり】



539: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/11(水) 22:11:41.11 ID:KLZNe0uf0

【キャラクター紹介】

≪秋雲≫

陽炎型駆逐艦十九番艦。艦娘No.132。ドヤ顔とその口から除く白い歯が眩しい好奇心旺盛な女の子。制服は夕雲型のものだが、秋雲自身は陽炎型。ゆえに、

秋雲は夕雲型と間違われてしまう事が多々あるが、秋雲自身は気にしていない。イラストを描くのが大好きで、鎮守府の皆をモデルによく絵を描いている。

同人誌も書いており、夏と冬のイベントには毎回参加している。よく巻雲や他の艦娘を巻き込んで同人誌作成をしている凄い迷惑イラストレーター。

好きな言葉は『芸は身を助ける』。



545: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 21:27:24.64 ID:T4CJMEww0

こんばんは、>>1です。

今日は、対人恐怖の提督の話を書いていきます。

>>544
  五月雨、了解しました。


それでは、投下いたします。



546: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 21:30:43.06 ID:T4CJMEww0

 ―16時過ぎ、執務室―

提督「羽黒さん」

羽黒「は、はい?」

提督「明日、いすみ第壱拾鎮守府へ向かいますが、ご一緒しますか?」

羽黒「?なぜ、私を誘ったんですか?」

提督「そこの提督は、前にも少し話した提督がいるんです」

羽黒「前に話た方、ですか?」

提督「ええ、対人恐怖症の提督です」

羽黒「……あ」



547: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 21:34:49.39 ID:T4CJMEww0

【対人恐怖、疑心暗鬼】

 ―翌日10時過ぎ、いすみ第壱拾鎮守府正門―

提督「さあ、着きましたよ」

羽黒「対人恐怖なのに、会う事ができるんですか……」

提督「ええ。ある条件が付いてきますが」ピンポーン

羽黒「?」

ガチャリ

『はい』

提督「海軍司令本部の斑です。視察に参りました」

『分かりました、少々お待ちください』

ガチャン

羽黒「今の方が、ここの司令官さんですか?」

提督「はい」

羽黒「なんだか、普通そうですし、会うのを拒むような感じもありませんでしたけど…」

提督「今は、大丈夫なんでしょう」

羽黒「今は?」

ガチャ

扶桑「お待たせいたしました、斑提督」

提督「ありがとうございます。では、入りましょう」



548: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 21:44:27.12 ID:T4CJMEww0

 ―数分後、執務室前―

コンコン

扶桑「提督、斑補佐官がいらっしゃいました」

??『ありがとうございます、では、入ってください』

扶桑「では、どうぞ」ガチャ

提督「失礼します」

羽黒「し、失礼します」

 執務室に入った提督と羽黒の目の先には、こちらに背を向けて座っている男がいた。その男は、くるりと椅子を回してこちらに顔を向ける。しかし…

羽黒「………え?」


 その提督は、顔が見えなかった。首から上が、機械のようなもので覆われていたからである。

 首の部分は、青を基調とした機械で大きく覆われており、喉仏があるあたりにはスピーカーが付いていた。

 そして提督の顔は、白を基調とした機械的なマスクで髪の毛まで覆われている。目の部分に青く光るレンズがはめられていて、顔の下半分には、

弧を描くように透明なアクリル板がはめ込まれている。そのアクリル板の奥に見える提督の口は、少し笑っているようにも見えた。


いすみ鎮守府提督『お久しぶりです、斑提督。そして、そちらの羽黒さんは、初めましてですね』

 その提督の声は、どこか機械じみていて、首を覆っている機械のスピーカーの部分から聞こえていた。

羽黒「は、初めましてっ!羽黒です」

臨憧『私は、いすみ第拾鎮守府の提督、臨憧 夕(りんどう ゆう)と申します。以後、お見知りおきを』

羽黒「は、はい」

 羽黒は、不思議な気分だった。まるで、ロボットと会話しているようだったのだから。



549: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 21:53:24.60 ID:T4CJMEww0

臨憧『それにしても、斑提督とお会いするのは、いつぶりでしょうか』

提督「そうですねぇ……前に、一度司令本部に来た時以来ですかね?」

 提督と、臨憧と名乗る男(?)が話している様子を見て、羽黒は違和感を覚えた。

羽黒「……あれ?」

 そう、この臨憧提督がはめているマスクのアクリル板から覗く唇が、ピクリとも動いていない。提督と話しているのに、ただ唇は笑っているだけだ。

提督「?どうしました?」

羽黒「あの…臨憧司令官って、口が動いてないのに、話せてる…?」

臨憧『ああ、これですか。気にしないでください。私は声帯を潰してしまっているので、口を動かして話す必要が無いんです。私が今話しているのは、

   脳の信号を読み取って、このスピーカーで音声を発しているだけです』

羽黒「声帯が潰れてるって……深海棲艦にやられたんですか?」


臨憧『いえ、これは自分からやった事です』


羽黒「へっ…!?」

提督「………………………」

臨憧『理由は……聞かない方がいいでしょう。聞いたところで、貴女方に私の人生を分かるはずもない』

扶桑「………お茶を、淹れて来ます」

臨憧『ああ、すみませんね、扶桑さん』

パタン

提督「……貴方の性格、やはりまだ直っていないんですね」

臨憧『性格というより、性根でしょうか。治そうとしても、治せないものなんです』



550: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 22:07:00.65 ID:T4CJMEww0

羽黒「司令官……なぜ、この臨憧司令官は、こんな機械を身に着けているんでしょうか…」

提督「…それは、臨憧提督自身の口から聞くといいかもしれませんね」

臨憧『………貴方は、前からそう言う方でしたね』

提督「これが私の主義でもありますので」

臨憧『…最初に言っておきますが、話したところで同情を誘うつもりもありません。それだけは、理解しておいてください』

羽黒「…はい」

臨憧『……私はこれまでの人生で、「人間はそう簡単に信じられるものではない」という事を骨の髄まで思い知らされました』


 臨憧夕の人生は、裏切りと失望の連続でしかなかった。

 親しくなった友人は、簡単に臨憧を裏切り、別の者とつるんで臨憧を蹴落とした。成績が上で、人望もあった臨憧を妬んだその『親友』は、

クラスの連中に偽りの情報を流して臨憧をクラスから孤立させた。それが結果的に、恩師でもある先生から得ていた信頼を失う事にもなった。

 臨憧は、親友などと言うものは信じられないと悟った。


 恋心を抱いた女性は、簡単に他の男と寝るような尻軽だった。甘い言葉で臨憧を誘惑し、臨憧の心に付け入って抱いていた淡い恋心を大いに弄んだ。

その『恋人』の本性に気づく事ができなかった臨憧自身にも非はあると言えるが、臨憧の気持ちを分かっているような事を言っていただけにショックだった。

 臨憧は、恋人などと言うものは偽りでしかないと悟った。


 社会人で先輩と仰いだ人は、自分に過酷な仕事ばかりを任せる外道だった。自分に対して好印象を持たれるような言動を臨憧が入社した時から繰り返し、

確固たる信頼関係を築く事ができたと臨憧が認識してきた頃になり、その男は林道を蹴落とすような言動をし始めた。

 臨憧は、先輩などと言うものはただの上下関係を表す言葉でしかないと悟った。



551: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 22:15:22.39 ID:T4CJMEww0

 その繰り返しの中で、臨憧は最後に悟った。

 人間など、信じられないと。

 両親はそれでも臨憧の味方をしてくれたが、その時の臨憧には、それすらも疑わしいとしか思えなかった。ただ、自分を利用するために味方している、と。

 臨憧は、多くの人間から裏切られたことで心が腐り、自殺を図った。

 包丁を喉に突き立てて死のうと考えたが、なぜか死ぬ事ができなかった。


臨憧「…………………ぅ」

 臨憧が目を覚ましたのは、どこかの病室だった。目だけを動かして周りを見ると、部屋には自分しかいないようだった。そして体を起こそうとすると、

首が動かない。それと同時に、首に鋭い激痛が走る。

臨憧「………………ぁ……ぇ……!!」

 そこで気づく。ろくに声も出せない事に。声帯が潰れてしまったのだろう。

臨憧「……………………ぉ………」

 しかし、臨憧はそんな事がどうでもよかった。死ねなかったことに対して、臨憧は落胆する。そして、ふと窓の外に体を向ける。

 すると……

臨憧「…………!?」

 窓の外に見える木の枝に、何か、小さな人間が見えるではないか。

臨憧「…………な…………ぃ……」

 その小さな人間は、こちらを見てひそひそと何かを言っている。

 その直後、外からバタバタというあわただしい足音が聞こえてきた。臨憧は反射的に病室の入り口を見る。そして、ガラッと扉が開かれた。

医師「目を覚ましたのかね!?」

 その医師と臨憧の目があった瞬間。

臨憧「……………………………」

 臨憧の意識は突然途切れた。



552: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 22:22:55.58 ID:T4CJMEww0

 次に目を覚ますと、意識が途切れたのと同じ時間のように見えたが、日にちは結構進んでいるようだった。

臨憧「…………………」

 臨憧は体を起こす、前に起きた時に比べると、痛みは幾分かは和らいでいた。

 そして、脇の机に置いてある『臨憧 夕殿へ』と書かれている手紙に気づく。

臨憧「………………?」

 臨憧は、その手紙を取って中身を確認する。

 一通り読んだ後で、臨憧はその手紙の内容を理解して……。

臨憧「………………………」ニヤ

 かすかに笑った。



臨憧『その手紙は、特例で海軍学校への入学を許可するものでした』

羽黒「特例?」

提督「基本的に、身体に著しい障害を持つ者は提督として着任できません。臨憧さんは、声帯が潰れて声も発する事ができない上に、人間と肉眼で、

   目を合わせるとアレルギーが発生するような方ですから…しかし」

臨憧『私が病室で見た、木の枝に立っている小さな人間、あれは妖精さんでした』

提督「そして、妖精さんネットワークで海軍総司令部へ臨憧さんの事が伝わり、妖精さんが見えるという事で特例で海軍学校入学が許可された…」

臨憧『その恩恵で、この首の装置と顔のマスクを得る事ができました。言葉を話せないというのは、とても不便ですし、人と顔を合わせられないのも、

   また不便でしたから』

羽黒「……人と顔を合わせられないって……」



553: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 22:34:38.03 ID:T4CJMEww0

臨憧『これまで何人もの人間に裏切られ、だまされてきたことで、私は人間と言うものを信じる事ができなくなってしまいました。そして、対人恐怖症に…。

   私の症状は、肉眼で人の顔を見ると、脳が勝手に意識を途切らせてしまう、と言うものです』

提督「要するに、人の顔を直に見ると気絶する、と言うわけです」

臨憧『この症状は、私が眠っている間に脳のスキャンをされ、発見されたそうです。現代では治療法は存在しません。ですが、海軍学校に入学する事で、

   そのお詫びと言う形でこのマスクと首の装置をいただけたのです』

羽黒「そのマスクにはどんな意味が……」

臨憧『人の顔を見ても失神する事が無いように、脳に特殊な信号とリラックスを与える電波を与えているんです。まあ、この方が過ごしやすいですから』

提督「つまり、今ここでマスクを外せば…」

臨憧『おそらく、失神してしまうでしょう。失神しない可能性は0とも言えませんが。なぜか、信頼できる方に関しては肉眼で顔を見ても失神しません。

   まあ、親ぐらいしかいませんが』

羽黒「……つまり、貴女にとって司令官さんは、信頼できない、と」

臨憧『……はい』

羽黒「そんな、誰も信用できないような方が、どうして提督を……?」

臨憧『私も元々、提督になることに関してはあまり乗り気ではありませんでした。海軍に入ったのも、私のこの不自由な体を補助してくれる機器目当てと、

   何かをしていなければすぐにまた、人を疑いすぐに自殺するような人生を送りそうな気がして』

羽黒「……………」

臨憧『ですが、提督となって艦娘の子たちと接しているうちに、私は少しだけ変わる事ができたような気がしたのです』

羽黒「?」

臨憧『これまで接してきた人間は、私を裏切るような方たちで、腹の内に何をため込んでいるかわからないような人間ばかりでしたが、艦娘は違いました。

   皆、裏表のない感情と言葉で私に接してきてくれて、こんな姿の私にも優しく接してくれている方ばかりでした』

提督「…………ですけど、それで解決したわけじゃないんでしょう?」



554: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 22:45:53.09 ID:T4CJMEww0

臨憧『最初の内は、優しく接してくれている皆さんに対して、私も心を開こうとしたのですが、そこで思い出したのです。これまでに私を裏切った者たちも、

   同じように最初は優しく接して最終的には裏切り蹴落としてきた…。もしかすると、ここの艦娘の方たちも同じなのではないか?そう一度疑い始めると、

   その可能性をぬぐえなくなってしまったんです』

提督&羽黒「………………………」

臨憧『ですから、今この鎮守府にいる艦娘の方々を私は真に信頼しているわけではありません。まあ、本当に信頼している方もいますけど』

提督「……それは、先ほどからお茶を淹れに行ったまま帰ってこない扶桑さんですか?」

臨憧『…………………………人の心を見透かす能力をお持ちですか』

提督「私にはマインドスキャンはできません。あくまで、この前の貴方と扶桑さんのやり取りを見て予測したまでです」

臨憧『ふふっ…………扶桑さんは、今休憩室で待機させています。この私の過去を聞かれて私から離れられても困りますから。必要でしたら、

   呼び戻しましょうか』

提督「いえ、結構です。今回の目的は、あくまでここの視察ですから」

臨憧『ああ、そうでしたね。私の過去を聞かせるために招いたわけではありませんでした。では、早速参りましょう』

提督「お願いします」

羽黒「……………」


 ―数時間後、帰り道―

羽黒「……あのような方も、提督になる事ができるんですね」

提督「提督と言うものは、みな何かしらのトラウマやつらい過去を抱えているものです。みなしごである私や、両親がいない提督もたくさんいますし、

   あの瑞理提督もまた、過去に傷を負っているんです」

羽黒「………あの司令官は、いつか自分の症状を克服できる時が来るんでしょうか……」

提督「彼は一応、あれでも人を信じられるように努力はしているんです。その努力が報われれば、症状は回復するでしょう」

羽黒「……司令官さんは、私達の事を信じてくれているんですか?」

提督「私ですか?もちろんですよ」

羽黒「…そうですか」ニコ


【続く?】



555: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/12(木) 22:55:05.23 ID:T4CJMEww0

【キャラクター紹介】

≪臨憧 夕(りんどう ゆう)≫

関東・いすみ第壱拾鎮守府提督。年齢は21歳。常にマスクとマフラー型装置を装着している、対人恐怖症(肉眼で信頼できる者以外の顔を見ると気絶)の男性。

子供の時から、親友、恋人、先輩など親しい人間から裏切られて蹴落とされた経験があり、それの積み重ねによって対人恐怖症になる。提督になった事で、

多少回復してきたがそれでもまだ艦娘の事は完全には信用できていない。鎮守府で最も信頼できる艦娘は扶桑。趣味は読書。

好きな言葉は『晴耕雨読』。


[マスク]

臨憧夕が常時顔に装着している装置。臨憧が人の顔を見てもすぐに気絶しないように、脳に特別な電気信号とリラックス効果のある電気信号を送っている。

この装置をつけてずに臨憧が人の顔を見ると、脳が勝手に意識を途絶させてしまう。


[マフラー型装置]

臨憧夕が常時首に装着している装置。自殺未遂によって声帯を潰してしまったために喋れなくなったので、会話をサポートするために海軍が開発した。

脳に取り付けた端子で脳からの信号を受け取り、受け取った信号を人工音声に切り替えてスピーカーから発する。この装置が無ければ臨憧は会話が行えない。



559: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 21:12:50.24 ID:6rwxVxPy0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました瑞鳳の話を書いていきます。

それでは、投下いたします。



560: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 21:17:33.07 ID:6rwxVxPy0

 ―23時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

瑞鳳「うーんっと……」カチャカチャ

祥鳳「……すー…すー…」

瑞鳳「このパーツを取り付ければ……」カチャリ、カチャリ

祥鳳「……すー…すー…」

瑞鳳「…できたっ!フレーム完成!」

祥鳳「むにゃ……むにゃ……」

瑞鳳「さて、次は色を付けないと…」



561: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 21:23:04.80 ID:6rwxVxPy0

【空に憧れて】

 ―翌日8時過ぎ、食堂―

瑞鳳「うー………」ズズズ

龍驤「どないしたん、瑞鳳?えらい眠そうやな」

祥鳳「また昨日、夜遅くまでプラモを作っていたのよ」

龍驤「また徹夜したんかいな」

瑞鳳「一度作り始めると……途中で終わらせるのがなんか…」

龍驤「今度は何を作ったん?」

瑞鳳「…九七式艦攻(村田隊)……」

龍驤「あんたも好きやなぁ……」

瑞鳳「あ、そう言えば龍驤。この前頼まれてたの、できたよ」

龍驤「お、ホンマか?じゃあ後で、運動場でやってみよ!」

瑞鳳「うん、わかった!」

祥鳳「もう……ほんとに2人とも好きね……」



562: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 21:44:07.10 ID:6rwxVxPy0

 ―10時過ぎ、執務室―

提督「新しい装備の提案、ですか」

赤城「ええ、詳細はそちらを」

提督「…………デコイの艦載機?」

赤城「具体的には、デコイの艦載機を飛ばして敵の目を引き付け、敵がそちらに気を取られているすきに反対方向から艦載機や他の皆さんで攻撃する、

   と言った形です」

提督「…確かに、そうすればいいかもと思いますが…それでしたら、攻撃を終えた艦載機や、運用している艦載機を別個で操れば…」

赤城「…提督、艦載機の運用は、提督が思っているほど簡単ではありません。自分の脳内で指示を構築し、艦載機に乗っている妖精さんへ伝える……。

   言ってしまえば簡単ですが、実際にやるのはとても困難です。艦載機1機ずつに指示を出すのはとても難しいですし……その中の数機の艦載機に、

   『敵を引き付けるように操縦しろ』と指示するのも、難しいんです」

提督「……あれですか。同じ九七式艦攻の妖精さんに、『敵を攻撃しろ』と言う指示と『敵を引き付けろ』と言う指示を同時にするのは難しい、と」

赤城「そういう事です。艦爆も艦攻も艦戦も、敵艦載機と戦ったり敵の艦を沈めたりと、役割はあります。仮に艦爆に敵を引き付ける役割を任せると、

   敵艦を沈められる可能性も低くなってしまいますから……。それならばいっそ…」

提督「初めからデコイ用の艦載機を用意し、そのデコイには初めから『敵を引き付けろ』と指示を出しておけば、後は艦攻などの攻撃用艦載機の運用に、

   意識を集中できるというわけでですか」

赤城「はい」

提督「……分かりました。しかし、この赤城さんの新装備案を承認するにしても、新装備開発担当の夕張さんは、次の大規模作戦に向けての新装備開発で、

   てんてこ舞いですし、明石さんも多忙です…。申し訳ございませんが、この艦載機が実現するのは少し先になってしまいますが……」

赤城「…仕方ありませんね。本来は、大規模作戦に備えて提案するつもりでしたし…」

バルルルルルルルル!!!

提督「?」クルッ

赤城「…窓の外の……天山(六〇一空)の艦載機でしょうか……」

提督「……………………」



563: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 21:49:58.30 ID:6rwxVxPy0

 ―数分後、運動場―

ブーン

龍驤「おー…さすがは瑞鳳やなぁ~……扱いがホンマに上手いわ~」

瑞鳳「え~、それほどでもないって~」


提督「瑞鳳さん、龍驤さん」スタスタ


龍驤「あ、提督」

瑞鳳「て、提督…どうしたんだろ…怒ってるみたい…」

提督「今日、私は艦載機の練習運用を認めた覚えはありませんが」

瑞鳳「へ?」

提督「あれですよ、あれ。天山(六〇一空)。勝手に装備倉庫から持ち出したんですか。でしたら厳重注意を…」

龍驤「あー、ちゃうちゃう!あれ、ニセモンや!」

提督「偽物?」

瑞鳳「ちょっとまってね……よい、しょ」ガチャガチャ

提督(リモコン?)

キイイイイン

瑞鳳「これ、ラジコンなんです」

提督「あ、そうだったんですか」

龍驤「にしても、キミが見間違えるくらい精巧に作られてるんやから、やっぱ瑞鳳はすごいなぁ~」

瑞鳳「それほどでもないよ~」

提督「え、これ瑞鳳さんが作ったんですか?」



564: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 21:58:31.87 ID:6rwxVxPy0

瑞鳳「流石にモーターとリモコンは違うけど、フレームは私が作ったんだよ」

提督「フレームなんて作れるんですか」

瑞鳳「ホビーショップによく売ってるよ?自分で色を塗って組み立てて……」

龍驤「瑞鳳、趣味が艦載機プラモづくりなんやから、部屋がプラモでいっぱいや!でも、瑞鳳の作るプラモって本物そっくりやし…」

提督「………なるほど」

瑞鳳「?どうかしましたの?」

提督「瑞鳳さん、よろしければ、貴女の部屋のプラモデルも見せていただいてもよろしいでしょうか」

瑞鳳「へ、別に構わないけど?」


 ―十数分後、軽空母寮・祥鳳&祥鳳の部屋(祥鳳は演習中)―

提督「…これは、すごい数ですね」

龍驤「お、これは朝話してた、九七式艦攻(村田隊)か?」

瑞鳳「そう、上手くできてる?」

提督「そうですね……本物そっくりです」

瑞鳳「でも、あんまり増えすぎちゃって、祥鳳から『いい加減にして』って言われちゃって…」

提督「でしょうね。部屋の半分が艦載機のプラモとかで埋まってますし」

瑞鳳「それで、他の空母の皆におすそ分けをしてるんだけど、それでも減らなくて…」

龍驤「うちの部屋にもあるで。零式艦上戦闘機が」

提督「…それらすべて、瑞鳳さんが作ったんですか?」

瑞鳳「何度も言うけど、フレームやパーツは市販のを買って、それに自分で色を塗って、それを組み立てて、こんな感じにできるの」

提督「……瑞鳳さん、今後、お仕事を任せる可能性がありますので、お願いします」

瑞鳳「へ?」



565: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 22:10:32.67 ID:6rwxVxPy0

 ―15時過ぎ、工廠―

提督「明石さん、今お時間よろしいでしょうか?」

明石「はい?どうしました?」

提督「1つ、作ってもらいたいものがあるんですが」

明石「何を作ってほしいんです?大きさによって、時間が大体変わりますけど…」

提督「これを…」スッ

明石「これ……九九式艦爆の矢?まさか、開発ですか?」

提督「いえ、この九九式艦爆と同じ大きさの艦載機のフレームとパーツを、作ってもらいたいんですけど」

明石「????」

提督「…要するに、組み立てたらこの九九式艦爆と同じぐらいの大きさになるようなプラモデルのパーツ部分を、作ってもらいたいんです」

明石「あ、あー…えー……はい。分かりました!それぐらいでしたら、ちゃちゃっとできちゃいますから」

提督「ああ、それと材料にはボーキサイトを使ってください」

明石「えっ」


 ―数日後、執務室―

瑞鳳「…これは?」

提督「艦載機プラモデルのパーツです」

瑞鳳「いや、それはわかるんだけど…具体的には…」

提督「赤城さんから、新装備の提案として‶デコイ艦載機‶がありまして、それの試作品と言った感じです。もともと敵の目を引き付けるのが目的ですから、

   通常の艦載機装備と同じように精巧に作る必要はありませんし、さらにプラモデルのようにすれば他の皆さんも手軽に作れるようになります。

   まずは、プラモデル作りが得意な瑞鳳さんに作って運用してもらい、感想を聞かせてもらえればと」

瑞鳳「なるほど…ちなみに材料は何?プラスチックの重さじゃないけど…」

提督「一応、それっぽさは分かるように、ボーキサイトを使っています。しかし、通常の艦載機を開発するより、はるかに資材の量は少なめです」

瑞鳳「ハイブリッドだね…色は?」

提督「貴女のご自由にどうぞ」



567: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 22:17:33.38 ID:6rwxVxPy0

 ―21時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

祥鳳「は~…今日も疲れた…」ガチャ

瑞鳳「………うーん…」

祥鳳「瑞鳳?またプラモデル?」

瑞鳳「ううん、新しい艦載機の試作品のテスト」

祥鳳「へ?」

瑞鳳「色は……敵を引き付けやすい赤にしようかな……」

祥鳳(色!?赤!?)


 ―試験運用後―

提督「いかがでしたか?」

瑞鳳「うーん…やっぱり、普通の艦載機とは違う感じがしたけど、扱いやすいって感じはあったよ」

提督「なるほど……その辺りはまた試行を繰り返さないと…」

バァン

提督&瑞鳳「?」

夕張「提督、新装備の開発にどうして一枚噛ませてくれなかったの!?」

提督「いえ、貴女には次の大規模作戦報酬となる新装備の開発と研究を任せたからですけど」

夕張「どうして、新しい艦載機開発試験何て面白そうなイベントに、参加させてくれないの~……」


【終わり】



568: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/14(土) 22:22:19.27 ID:6rwxVxPy0

【キャラクター紹介】

≪瑞鳳≫

祥鳳型軽空母二番艦。艦娘No.112(改はNo.113)。栗色の長い髪と、屈託のない明るい笑顔が特徴の優しい女の子。艦載機が大好きで、休日のほとんどを

艦載機のプラモ作成に費やしている。料理が得意で、その中でも得意な料理は卵焼き。その腕は、鳳翔や間宮も認めるほどである。同型艦のはずなのに、

祥鳳より胸が小さい…というか胸が小さい事が悩み。よくつるんでいる龍驤は親友。最近、新しい装備のテストという仕事を提督から任される。

好きな言葉は『青天白日』。



573: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:02:44.55 ID:V3DGdNGs0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました瑞鶴の話を書いていきます。

それでは、投下いたします。



574: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:08:41.95 ID:V3DGdNGs0

 ―16時過ぎ、珊瑚諸島沖・Dマス(敵機動部隊本隊)―

ズドオオオン

装甲空母姫「クウ…ッ!」大破

瑞鶴「よっし、あと少しよ!」

装甲空母鬼「フン、馬鹿メ」バシュシュ

キイイイン

翔鶴「まず……っ、全員対空姿勢―」

バババババババ

ドオオオン

翔鶴「きゃあああっ!?」大破

瑞鶴「あっ、翔鶴姉!?」



575: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:19:38.13 ID:V3DGdNGs0

【幸運の女神】

 ―17時過ぎ、執務室―

瑞鶴「……装甲空母姫の撃沈には成功。なお、我が艦隊の被害は、飛鷹さんが小破、古鷹さんが中破、翔鶴姉が大破です」

提督「また翔鶴さんが大破ですか……。青葉さん、今のドックの空き状況は?」

青葉「えーっとですね、今は第一ドックと第二ドックは前の出撃で被弾した飛龍さんと長門さんが使用してまして、第三ドックと第四ドックは空いています」

提督「飛龍さんと長門さんの残り入渠時間は?」

青葉「飛龍さんが残り1時間と13分、長門さんが2時間と24分です」

提督「瑞鶴さん、先ほど述べた被弾者の入渠時間は?」

瑞鶴「妖精さんからの報告だと、飛鷹さんが1時間46分、古鷹さんが2時間28分で、翔鶴姉は12時間以上だね」

提督「もう今日は出撃する予定はないが…。翔鶴さんには申し訳ないですが、高速修復剤でを使って回復してもらいましょう。その後第三ドックに飛鷹さん、

   第四ドックに古鷹さんを入居させて下さい。申し訳ございませんが、4時間以上入渠する艦娘に高速修復剤を使うわけにはいきませんから…」

瑞鶴「分かりました」

提督「それと、翔鶴さんは明日の出撃を蒼龍さんに代わってもらいましょう。…それにしても……また翔鶴さんが大破ですか」

瑞鶴「そうなのよ……もう大破しないで帰ってきた日なんてないくらい……」

青葉「青葉の記録だと、最後に大破せずに帰ってきたのは今から1年前ですね。それも、中破」

提督「結局被弾する事には変わらないんですか」

瑞鶴「なにせ、鎮守府正面海域に出撃しても、敵のラッキーパンチでワンパン大破させられたもん」

提督「ラッキーにもほどがあるでしょう」



576: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:24:39.43 ID:V3DGdNGs0

瑞鶴「…じゃあ、報告も終わったし、失礼するね」

提督「ええ、お疲れさまでした。詳細な報告書は、明日の夕方まででお願いします」

瑞鶴「りょーかい」

パタン

提督「……翔鶴さんは、日頃から不幸にさいなまれていますからねぇ。出撃でもこれじゃ、心が疲れるでしょうに」

青葉「ホントですねぇ。青葉だったら耐えられません」

提督「それより……気になる事があるんですが」

青葉「なんでしょうか?」

提督「………青葉さん、すみませんが3日間の間、翔鶴さんと瑞鶴さんの生活を監視していただけませんか」

青葉「見返りは?」

提督「新しいカメラと、有給休暇3日でどうでしょう」

青葉「青葉にお任せーっ!」


 ―19時過ぎ、食堂―

瑞鶴「翔鶴姉、あっちのテーブルで食べよ!」

翔鶴「ええ、構いませんよ」

ズルッ

翔鶴「きゃあっ!?」

瑞鶴「翔鶴姉!?」

鳳翔「あ、床に油のぬめりが。掃除のし直しですね」



577: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:30:17.52 ID:V3DGdNGs0

 ―20時半過ぎ、浴場―

カポーン

翔鶴「はぁ……出撃した後のお風呂って、気持ちいい…」

瑞鶴「翔鶴姉、背中洗ってあげるよ!」

翔鶴「あら、いいのかしら?じゃあ……」ザバァ

ズルッ

翔鶴「へぶっ!?」ゴチン

瑞鶴「ああっ、翔鶴姉!お湯に沈んでいく!」

蒼龍「あー、湯船で足が滑ったのか…」


 ―22時過ぎ、空母寮・翔鶴&瑞鶴の部屋―

翔鶴「はあ、疲れた…」バサッ

瑞鶴「それじゃ、お休み。翔鶴姉」バサッ

翔鶴「ええ、お休み。瑞鶴」

バキィッ

翔鶴「ぎゃっ!?」ドサッ

瑞鶴「翔鶴姉~!?」

翔鶴「ベットの底が抜けるなんて……現実でもあるのね…」


 ―翌日10時過ぎ、ショッピングモール―

翔鶴「あっ、財布が無い!鞄に穴が…!!」

瑞鶴「ええっ!?それじゃ何も買えないじゃない!」

翔鶴「もういやぁ……」メソメソ



578: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:39:13.98 ID:V3DGdNGs0

 ―数日後、執務室―

提督「3日間の間、貴女たちの行動を監視させていただきました」

瑞鶴「は、はあ!?何それ、もろプライバシーの侵害じゃない!」

翔鶴「瑞鶴、少し落ち着いて……」

提督「直接監視してたのは青葉さんです。私は別に何も見ていません」

瑞鶴「じゃあ何のために青葉に監視を…?」

提督「翔鶴さんが普段から運が無い、不幸だと言っている上に、出撃でも被弾率が高いので、少し確かめたいことがあったんです」

瑞鶴&翔鶴「?」

提督「翔鶴さんが不幸になるときは、大体瑞鶴さんが一緒にいるという事です」

翔鶴「なっ…?」

瑞鶴「ちょ、それって私が翔鶴姉の運を吸い取ってるって言い方じゃない!」

提督「……そもそも、艦娘の運と言うのは、まだ未解明な部分が多いんですよ。艦娘のステータスの1つとして‶運‶と言うものがありますけど、それが何か、

   影響を及ぼしているのかどうかもまだ分かっていません。一部の提督は、『被弾率が低い』『攻撃の命中率が高い』『夜戦で強くなる』といった噂が

   横行していますが、それらはまだ実証されていません」

翔鶴「確かに……私や扶桑さんに山城さん、陸奥さんも『運が悪い』って言うだけで…」

提督「分からないゆえに、運がどういうシステムなのかもわかりません。運のいい艦娘と一緒にいると運を吸われるとか、それとは逆に、運の悪い艦娘が

   1艦隊に2人以上いると、逆に運が上がる、とかそういう話も出てきますが。それもまた未解明です」

瑞鶴「そっか……じゃあ、運が高い私が翔鶴姉と一緒にいたから翔鶴姉の運がどんどん悪くなっていくって事か…」



579: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:48:22.97 ID:V3DGdNGs0

提督「まあ、私も『運の悪い翔鶴さんと運のいい瑞鶴さんが一緒の艦隊に居たらトントンで運が普通並みになるんじゃ?』と思って一緒の艦隊にしたんですが」

瑞鶴「この提督さん意外とあほだ!?」

提督「まあ、姉妹艦同士の方が色々やりやすいというのもありますし……。そこで、1つ提案があります」

翔鶴&瑞鶴「?」

提督「しばらくの間、翔鶴さんと瑞鶴さんは離れて生活してもらいたい」

瑞鶴「ええっ!?」

提督「これは、先ほど言った‶艦娘の運‶の実態を探るためでもあります。具体的には、翔鶴さんを運の値が平均程度の方ばかりの艦隊に組み込んで、被弾率が

   下がるかどうかを確かめ、なおかつ翔鶴さんが不幸な目に遭う事態が怒らなくなるかどうかを確かめようと」

翔鶴「……分かりました」

瑞鶴「翔鶴姉!?」

翔鶴「期間はどれぐらいでしょうか?」

提督「大体1週間ほどでしょうか」

瑞鶴「ええええ………」

提督「では、寝る時は翔鶴さんは飛龍さんと部屋を代わってください」

翔鶴「分かりました」

瑞鶴「うぇぇ…翔鶴姉……」

提督「………………」


 ―数分後、廊下―

提督「……本当によかったんですか?」

翔鶴「ええ」

提督「一応、今回の‶運の実証‶という事で瑞鶴さんと引き離しましたけど、瑞鶴さんは相当悲しがっていましたよ」



580: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 21:54:00.75 ID:V3DGdNGs0

翔鶴「ですけど、瑞鶴は私に依存しているところが若干ありますし、ここで少し、姉離れをさせた方がいいかと思いまして」

提督「…素直に『私と離れて生活して』と言えないあたり、翔鶴さんも甘いですね」

翔鶴「ええ。自覚しています」


 ―数日後―

飛龍「提督に言われた通り、翔鶴と瑞鶴は引き離して、出撃・演習・食事・入浴・入渠・睡眠を全て別々にさせてみたけど…」

提督「結果はどうでしたか?」

飛龍「うーん…翔鶴は被弾率が下がった感じがしなくもないし、不幸に見舞われることも少なくなったって本人は言ってたけど……」

提督「なるほど…」

飛龍「でも瑞鶴がね…」

提督「?」

飛龍「瑞鶴がなぜか敵への命中率が下がったり、毎日毎日溜息をついてたりして、なんかいつもの瑞鶴じゃないなーって」

提督「………………」


 ―20時過ぎ、中庭―

瑞鶴「………はぁ」

提督「瑞鶴さん」スタスタ

瑞鶴「あ、提督さん……」

提督「どうかしましたか?」

瑞鶴「べ、別になんでも…」プイッ

提督「…明らかに何かある感じでしょう?」

瑞鶴「……聞いてもらえる?」

提督「もちろん」



581: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 22:03:21.87 ID:V3DGdNGs0

瑞鶴「…私が着任したのって、翔鶴姉より後じゃない?」

提督「ええ。先に翔鶴さんが着任してました」

瑞鶴「で、翔鶴姉は運が低くていつも不幸な目に遭って、私は幸運の空母……。それで、翔鶴姉が少しでも不幸な目に遭わないように私が翔鶴姉のそばにいる、

   そう決めた」

提督「………………」

瑞鶴「……でも、この前の提督の説明で、私が翔鶴姉の運を吸っている、って事だったんだと思うと…すごくいやで…」

提督「……あれは、あくまで一説です。本気にしてはいけませんよ」

瑞鶴「うん…そうも思っているけど……。翔鶴姉とはずっと一緒にいたから、こうして別々で生活しているのもなんだかつらいなあ、って」

提督「………………」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

提督「やはり、運に関しては分からずじまいという事で、2人の別居生活は終了とします」

瑞鶴「はぁ~…よかったぁ~…」

翔鶴「私がいなくて寂しかったかしら?」

瑞鶴「そりゃもう…!」

提督「今後は、運の解明にはもう少し他の鎮守府の協力も仰ぐ必要がありますか……」


翔鶴「………また、大破してしまいました…」

瑞鶴「あれれ~…」

提督「…ぶっちゃけ、出撃する度に被弾して帰ってくると、資材を半端なく消費するんで何とかしてもらいたいんですが……」スッ

翔鶴「?」

提督「なぜか最近、翔鶴さんに限っては無いと思いますけど、自らが不幸という事を利用して多少注意や戦闘を怠っている、と私は思うんですが?」ゴゴゴ

翔鶴「ありませぇん!」


【終わり】



582: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 22:07:39.16 ID:V3DGdNGs0

【おまけ】

提督「ちなみに…」

翔鶴&瑞鶴「?」

提督「運の低い方たちが大破で帰ってくることが多いので、冗談で『いっそ、まるゆさんを近代化改修に使ってしまおうか』と言ったら…」

翔鶴&瑞鶴「?」


提督「近くにいた木曾さんに、喉元に刀を突き付けられて『お前が永遠の闇を見る事も辞さないなら、やってもいい』と脅されました」


翔鶴&瑞鶴「」

提督「あの時の木曾さんの目、flagship並みの邪悪な目つきでした」

翔鶴「木曾ちゃん……まるゆちゃんのこと好きすぎでしょう…」

瑞鶴「というか、この提督さんがそんな状況に陥る事自体が驚きなんだけど…」



583: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/15(日) 22:12:03.99 ID:V3DGdNGs0

【キャラクター紹介】

≪瑞鶴≫

翔鶴型正規空母二番艦。艦娘No.107(改はNo.108、改二はNo.262、改二甲はNo.207)。ツインテールが特徴の、さばっとした性格の親しみやすいお姉さん。

幸運の空母と言われているが、本人は『ただ一生懸命に戦ってきただけ』と言っている。姉の翔鶴とは常に一緒にいるくらい仲良しで、翔鶴が姉として好き。

五航戦をバカにする加賀とは前まで仲が悪かったが、今では和解している。七面鳥(ターキー)は禁句。龍驤、瑞鳳、大鳳とは仲が良い。

好きな言葉は『青天の霹靂』。



588: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 20:55:29.69 ID:JWin6EFx0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました愛宕の話を書いていきます。

また、愛宕の話の後の話は、深海提督の話になりました。

>>585
  祥鳳、了解しました。

それでは、投下していきます。



589: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:00:13.06 ID:JWin6EFx0

 ―3日前、重巡洋艦寮・高雄&愛宕の部屋―

愛宕「うちの提督ったら、釣れないわよね~」

高雄「それ、どういう意味で言ってるのかしら?」

愛宕「いや、ことあるごとにアプローチしてるんだけどぉ、全然反応してくれないのよ~」

高雄「それ自分で言うのって……。それに、反応を示さないのなら、アプローチ止めちゃえばいいじゃない」

愛宕「でもね、理性に耐えているようにも見えて、それがまた可愛いのよ~♪」

高雄(ダメだこの高雄型二番艦)

高雄「もう、そんなにアプローチして提督の反応を見るのが楽しいんだったら、いっそデートにでも誘えばいいじゃない」

愛宕「……………………」

高雄(あら?)

愛宕「それ、いいわね!」

高雄「あ、しまった」



590: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:07:47.42 ID:JWin6EFx0

【ショッピングと女】

 ―翌日11時過ぎ、執務室―

提督「…………………」カリカリカリカリ

コンコン

提督「………どうぞ」

愛宕「失礼しま~す」ガチャ

提督「無駄なアプローチでしたら勘弁してください。大規模作戦前で書類が山積してるんですから」

愛宕「聞きましたよ、提督?最近また徹夜が続いているとか」

提督「そうですね……もう徹夜何日目だったか。まあ、理由はさっき言った通り、大規模作戦前だからですよ」

愛宕「気分転換に、出かけましょうよ?」

提督「だめです。外出できるほど余裕がないんですよ」

愛宕「んもう、そんな事ばっかり言って~。私みたいな金髪美人と一緒に出掛けられるのよ~?光栄でしょ?」

提督「それを自分で言うんですか。というかあなたと一緒に出掛けるんですか。ですけどさっき言った通り、大規模作戦前で休めないんですよ」

ガチャ

提督&愛宕「?」

司令長官「そんな事言って、黎明君は全然休まないんでしょ?大規模作戦中はもちろんだけど、大規模作戦が終わった後は後始末が忙しくて休めないとか、

     結局休まないじゃない」

加賀「大規模作戦中に連日徹夜が原因で倒れてもらっては、こちらとしても困るわ」

提督「…………………」



591: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:15:25.00 ID:JWin6EFx0

司令長官「大規模作戦は明後日からだし、今日か明日に気分転換に休んだらどう?愛宕君の言う通り、一緒に出掛けるのもよしだし」

加賀「その間の業務は、私が代行しておくから心配はいらないわ」

提督「………………………」

愛宕「ね、提督~?」

提督「…………分かりました、愛宕さんの提案に乗りましょう」

愛宕「やった!」

提督「ただし、出かけるのは明日です。今日はまだ仕事が残っていますので、これだけはやらせていただきます。加賀さん」

加賀「はい」

提督「明日の業務への引継ぎは、今日のフタマルマルマル(20時00分)に、執務室で行いますので、よろしくお願いいたします」

加賀「分かったわ」

愛宕(働き過ぎの提督を休ませるって名目でデートに誘う作戦、大成功~♪)


 ―翌日10時過ぎ、正門―

提督「では、加賀さん、司令長官。留守の間はよろしくお願いいたします」

司令長官「うん、分かった」

加賀「任されたわ。できれば、お土産の1つでも欲しいところね」

提督「考えておきます」

愛宕「じゃ、行ってきま~す♪」


司令長官「愛宕君も、やるようになったねぇ」

加賀「…あの人、前に‶アプローチを断る提督の反応が面白い‶って言って提督にちょっかいをかけてるらしいけれど、彼女提督に対する好意に

   気づいていないんじゃないかしら?」

司令長官「愛宕君、そんな感じあるからねぇ」



592: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:22:22.93 ID:JWin6EFx0

提督「で、行き先は?」

愛宕「最近できた話題のショッピングモールよ。電車で1時間ぐらいの場所」


 ―約1時間後、ショッピングモール―

提督「で、何で貴女は自然に腕に抱き付いているんですか」

愛宕「え~、だって人が多いし~」

提督「暑苦しいんですけど、正直」

愛宕(素直じゃないんだから~)

提督「…それにしても、大規模作戦前に鎮守府を空けて、提督代理の加賀さんに仕事を任せてしまって大丈夫だったのだろうか…。いかん不安になって来た…」

愛宕「も~、せっかく楽しいショッピングなのに、仕事の事は忘れましょうよ~」

??「提督~」

提督&愛宕「?」クルッ


夕張「提督、次はあの店に行こ!」

瑞理「任せて~、何でも買ってあげちゃうよ~」


提督「(ゴミ虫を見る目)」

愛宕「あら、あの人って確か第壱拾参鎮守府の提督さんじゃ…」

提督「見なかったことにして行きましょう」

愛宕「挨拶しなくていいのかしら~?」

提督「誰が休日に、好き好んで犬猿の仲の奴と話さなくちゃならないんですか」


夕張「でも、大規模作戦前日に鎮守府を休みにしちゃっていいの?」

瑞理「大丈夫大丈夫。鎮守府が1日休みなったくらいで別に死ぬわけじゃないんだし、書類がちょっと増えるくらいだから別に問題ないよ~」



593: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:29:37.11 ID:JWin6EFx0

提督「ふん」バキィ

瑞理「ぶへぼっ!?」

夕張「!?えっ、提督!?」

愛宕「さっき話したくないって……」

提督「こちとら3日連続徹夜で書類を片付けてる身だというのに、この男の言い分がなんかムカつきました。反省も後悔もしていません」

瑞理「完全に八つ当たりじゃねえかこの冷血提督!」

提督「作戦要領を全て考案して決定するこちらの身にもなって下さい。」

瑞理「まったく……ところで、お前と愛宕ちゃんは何?デート?」

提督「いえ、そういうわけでは」

瑞理「ふーん、やっぱ結局お前も巨乳派だったのか。やーい、巨乳派のむっつり提督~」

提督「……………いますよねぇ、男女が一緒にいると『お前ら付き合ってんの~』ってバカにしてくる思考回路が子供みたいな男」

瑞理「」ピクッ

提督「女と見れば誰彼見境なく侍らせるろくでなしのスケコマシハーレムクソ野郎に、むっつりとは言われたくありません」

瑞理「………ああ、そっか。お前枯れてんのか」

提督「刻んで魚の餌にしてやろうか」

瑞理「やってみろ、返り討ちにしてやるよ」

愛宕「ハイハイ2人ともストーップ!!」

夕張「ここ公共の場だから!そういういざこざは勘弁して!!」

ザワ・・・ザワ・・・

愛宕「まったくこの2人ときたら……少しは仲良くできないの?」

提督&瑞理「こんな奴と仲良くなれる可能性なんてこれっぽっちもない」

提督&瑞理「……………………………」ギリギリギリギリ

夕張「おお、綺麗にシンクロしたわね」



594: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:34:10.31 ID:JWin6EFx0

愛宕「まあまあ2人とも……そうだ、ここで会ったのも何かの縁だし、ここは皆で一緒にショッピングしましょ?ね?」

夕張「そ、そうしよう!ね、提督?」

瑞理「夕張ちゃんがそう言うんなら……仕方ないかな」

提督「…仕方ないですねぇ」

瑞理「まったく、今日は何て日だ。せっかくの休日だというのに、こんな奴と会うなんて」

提督「最強の雪風提督が何言ってるんですか」


 ―数分後、アクセサリー店―

愛宕「色々な種類があるわね~…」

提督「私は男性ですから、こういったもののセンスは分かりかねますが…

夕張「わ~、このリボン可愛い~欲しいな~」キラキラ

瑞理「買ってあげようか?」

夕張「え、いいの?」

提督「ああ、夕張さん。そのリボン、貸していただいてもいいですか?」

夕張「え、あ、はい」スッ

提督「どうも」スタスタ

夕張&瑞理&愛宕「?」

提督「すみません、これ1つ」

店員「はーい。650円になりまーす」

夕張&瑞理&愛宕「!?」

店員「ありがとうございました~」

提督「夕張さん、これどうぞ」

夕張「あ、ありがとうございます…」



595: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:49:15.91 ID:JWin6EFx0

瑞理「お前っ!何他人の鎮守府の艦娘たぶらかしてんだ!?」

提督「いえ、こういった時は女性の買いたいものを男性が買ってあげるべきなのでしょう?そのルールに乗っかったわけです。それに、貴女も前に一度、

   私の鎮守府の方をたぶらかしたでしょう」

瑞理「こんの…いけしゃあしゃあと……愛宕ちゃん!」

愛宕「へっ、な、何かしらぁ?」

瑞理「僕が買ってあげるから、何でも欲しいもの言ってみて!」

愛宕「え、ええっ?」

瑞理「あっちの方かな?あっちの方に色々あるから行ってみよう!女の子は男に欲しいものをおねだりしていいって特権があるんだから!」スタスタ

愛宕「ちょ、あれ~?」グイグイ

提督&夕張(何言ってんだかわからない…)

提督「まったくあの男は……」

夕張「あはは…でも、あれがデフォですから…」

提督「…夕張さんも大変でしょう?」

夕張「?何がですか?」

提督「あんな女たらしが提督じゃ、貴女もセクハラされたりするのでは?」

夕張「あー……確かにそういう事もされますけど…」

提督(否定はしないのか)

夕張「あの人は、ちゃんと私達の個性を把握してくれていますし、私達にできない事はやってくれます。そして何より、あの人はとても優しい方です。

   セクハラでエロいところが目立つ提督ですけど、本当は優しい方です」

提督「………………………………」

夕張「斑提督も、少しはあの人と仲良くした方がいいと思いますよ」

提督「……考えておきます」



596: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 21:56:41.20 ID:JWin6EFx0

 ―同時刻―

瑞理「まったくあの男は……」

愛宕「あはは…でも、あれがデフォだから…」

瑞理「…愛宕ちゃんも大変でしょ?」

愛宕「?何がかしら?」

瑞理「あんなドS冷血堅物が提督じゃ、愛宕ちゃんも退屈してるんじゃないの?」

愛宕「あー……確かにそういうところはあるけど…」

瑞理(否定はしないのか)

愛宕「あの人は、ちゃんと私達の個性を把握してくれて、私達にできない事はやってくれているわ。そして何より、あの人はとっても優しい方よ。 ドSで、

   冷血堅物なところが目立つけど、本当は優しい方よ」

瑞理「………………………………」

愛宕「瑞理提督も、少しはあの人と仲良くした方がいいと思うわ」

瑞理「……考えておくよ」


 ―数十分後―

夕張「あ、お帰りなさい~」

提督「愛宕さん、どうでしたか?」

愛宕「結構楽しめたわよ~。話もいろいろ聞いてもらったし」

瑞理「夕張ちゃん、こいつに何かされなかった?」

夕張「ううん、色々話を聞いてもらったから」

提督&瑞理「でも、こいつと仲良くした方がいいって、100%不可能だ」

提督&瑞理「………………………………」フンギイイイイイイイイイイイイイイイイイ

愛宕&夕張(絶対この2人仲が良いでしょ)



597: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 22:07:38.64 ID:JWin6EFx0

 ―14時過ぎ―

ざわ……ざわ…

提督「?何かあったんですか?」

愛宕「なんかぁ、カップルの痴話喧嘩みたい」


『あんたってサイテー!私のほかに彼女が10人もいたなんて!』

『待ってくれ、俺には11人の中から1人を選ぶなんてできなかったんだ!皆、魅力的で可愛かったから…!』

『そんな都合のいい事言って責任逃れしようとするなんて……クズ!下種の極み!!もう知らない!』

『ま、待って、話を聞いてくれ~!!』


夕張「なんか、あの男の人が11股してたみたい」

愛宕「あらあら~…」

提督&瑞理「………………………」

提督「……女性ばかりの鎮守府でも、このような問題が起こりかねないんですよね」

瑞理「……うん、僕の鎮守府でも怒り得るってことだよね」

提督「……このような事が無いよう、お互い気を付けましょう」

瑞理「……そうだね、そうしよう」

愛宕&夕張(共感した!?)


 ―帰り道・列車内―

提督「今日はいい気分転換になりました。誘ってくださってありがとうございます」

愛宕「い、いえいえ、別にいいのよ~?」

提督「明日からの大規模作戦、頑張りましょう」

愛宕「そ、そうね…」

愛宕(2人の仲が少しだけ縮まったのはいいことだけれど、それの原因が女性との交際問題って、女の私からしたら凄い微妙な気持ちなのよね…)


【終わり】



598: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/17(火) 22:12:10.36 ID:JWin6EFx0

【キャラクター紹介】

≪愛宕≫

高雄型重巡洋艦二番艦。艦娘No.60。大きな胸と艦橋が特徴の、色々ふかふかしているお姉さん。普段は穏やかに振る舞い、ぱんぱかぱーんと開放的に皆と

接している。身体のフカフカは駆逐艦の皆に人気。提督に対してはアプローチを仕掛けているが全く報われない。しかし反応を示さない事についても、

面白がっている。それが好意からくる行動という事に本人は気付いていない。若干太っているようにも見えるが実際はただの着ぶくれ。

好きな言葉は『後は野となれ山となれ』。



604: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 21:30:28.20 ID:ylGlsAM20

こんばんは、>>1です。遅くなってしまいました。

今日は、深海提督の話を書いていきます。

>>603
  利根、了解しました。

それでは、投下いたします。



605: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 21:33:44.46 ID:ylGlsAM20

 ―20時過ぎ、深海棲艦・本拠地―

装甲空母姫「ツイニ、我ラガ艦隊ニ、人間ノ提督ガ着任スル事トナッタノカ」

港湾棲姫「ハイ……地上世界ニテ、我々ノ提督トナル素質ノアル者ヲ探シ、見ツケタノデス」

装甲空母姫「ソウカ……期待シタイモノダ」

南方棲戦鬼「デハ……早速、ソノ者ヲ迎エル準備ヲスルトシマスカ」

装甲空母姫「無論ダ。快ク、‶我ラノ世界‶へ迎エヨウ」



606: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 21:39:12.06 ID:ylGlsAM20

【深き海で】

 ―翌日12時―

男「………………」

装甲空母姫「ヨウコソ、深海棲艦ノ世界ヘ」

港湾棲姫「我々ハ、アナタノ事ヲ快ク迎エルワ」

南方棲戦鬼「コレカラ我々ハアナタノ駒……。好キナヨウニ使ッテクダサイ」

男(以下深海提督)「……なら、1つだけ質問させてくれ」

装甲空母姫「何カ?」

深海提督「……なんだ、この雰囲気」


レ級「はっはっは!このターキーもーらった!」

北方棲姫「あっ、それほっぽの分!」

泊地水鬼「こらこら……まだいただきますも言ってないのに…」

空母棲姫「ねえ、早く食べちゃわない?私特製のケーキが美味しくなくなっちゃう」


港湾棲姫「?何、とは?」

深海提督「これが人類の敵・深海棲艦の雰囲気か!全然イメージと違うよ!なんだこのほのぼのとした雰囲気!というか、この転校生歓迎会みたいな雰囲気!」

南方棲戦鬼「言っただろう?快く迎えるって」

港湾棲姫「新しく来た人を迎えるために、パーティを開くのは当然でしょう?」

深海提督「……一理あるから反論できないんだよな…」



607: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 21:44:35.27 ID:ylGlsAM20

深海提督「そもそも……お前ら本当に深海棲艦なのか?」

レ級「もぐもぐ……そだよ~。君みたいな元一般人にはなじみが無いかな?」

深海提督「新聞とかでチラッと見たことがある程度だよ……ていうか、俺が元一般人だって事を知ってんの?」

北方棲姫「昨日、こーわんから教えてもらった」

深海提督「………そもそも、昨日ひどい目に遭ったんだぞ?」


 ―昨日、海沿いの道―

男「へー…深海棲艦によって沿岸都市が襲撃…か」

男「………ふん」

ザバァ

男「ん?」クルッ

??「ソノ目……気ニ入ッタ…」

男「なん、お前っ―!?」

ガスッ


深海提督「いきなり誰かが俺を殴ったと思ったら、目覚めたら薄暗い部屋だったんだぞ…」

港湾棲姫「あ、貴方を殴ったの、私…」

深海提督「お前かよ!」

港湾棲姫「ご、ごめんなさい……痛かった?」

深海提督「痛いよそりゃ……殴られただけで気絶するなんて経験、初めてだったからな…」

港湾棲姫「提督の初めて……きゃっ///」

深海提督「何想像してるんだお前」



608: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 21:51:33.56 ID:ylGlsAM20

深海提督「そもそも、なんで俺を深海棲艦の提督に何て仕立て上げるんだ?」

装甲空母姫「そうね……まあ、大きな理由は……」チラッ

深海提督「?」

装甲空母姫「……貴方のその瞳の奥に、何かどす黒い感情が見えたから、かしら」

深海提督「………………」

装甲空母姫「その感情は、そうね……何か、悲しみとか痛みとか、そんな感じの感情が色々混じったようなものね」

深海提督「…………分かったような口を」

泊地水鬼「装甲空母姫さんは、人を見る目がありますから」

南方棲戦鬼「あー、じゃあつまり、装甲空母姫の言ってる事はあたりって事かな?」

深海提督「帰るぞ」ガタッ

港湾棲姫「あーあー、待って待って!」

空母棲姫「帰ろうとしても、無駄よ」

深海提督「なんで」

空母棲姫「ここ、深海2000mよ」

深海提督「まて、その理屈だと俺は水圧で死んでる事になる!」

空母棲姫「大丈夫よ。この本拠地はそういう物理法則が通用しない造りになってるから」

深海提督「流石は深海棲艦……何でもありって事か」

装甲空母姫「それと、貴方の脳内には特殊な装置が埋め込んである。貴方が我々の支配下から逃れようとした瞬間に、その脳内の装置が作動して、

      貴方の脳を破壊するわ」

深海提督「くっ……いつの間にそんなことを……」



609: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 21:56:41.03 ID:ylGlsAM20

北方棲姫「ねー、それよりターキー、ケーキ!」

レ級「早くしないと私が全部食べちゃうぞ~」

深海提督「…敵陣地のど真ん中で…なんか食欲湧かないな……」

装甲空母姫「あら、もしかして菜食主義者だったかしら?」

港湾棲姫「えっそんな…せっかく丹精込めて作ったのに……」シュン

深海提督「そういう問題じゃねえよ!あーもー、分かった!食うよ!食えばいいんでしょ!」

港湾棲姫「………」パアアア

深海提督「まったく……」パクッ

深海提督「……………うめぇ」

港湾棲姫「!!」パアアアアアア

空母棲姫(あの子分かりやすいわねぇ)

レ級「じゃあこの唐揚げは私のもの!」

泊地水鬼「あっ、レ級ちゃん、ちゃんとサラダも食べてね?」

レ級「えー、野菜きらーい」

南方棲戦鬼「じゃあレ級はサラダを食べるまでケーキ無しな」

レ級「な、なにいい!?」

北方棲姫「じゃあ、レ級の分のケーキもほっぽがもらう!」

港湾棲姫「ええ、いいわよ。たんと食べてね」

レ級「わー、分かった分かった!サラダ下さい食べるから!」


深海提督「………………」

深海提督(……なんだこの………家族みたいな感じは……)



610: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 22:04:00.01 ID:ylGlsAM20

 ―18時過ぎ、執務室―

装甲空母姫「……って感じ、大体わかったかしら?」

深海提督「…大体わかったよ。ただ……」

装甲空母姫「?」

深海提督「お前らが、何で提督を求めてるんだ?お前らは今のままでも十分強いだろう?」

装甲空母姫「そうね……艦娘達は、提督と言う司令官がいるから、新たな戦術を次々学ぶ事ができて強くなれる。そして、提督を信じる事でまた強くなる。

      そして、今の深海棲艦と艦娘の戦力の差は同等かこちらが若干劣るほど……。そこで、よ」

深海提督「?」

装甲空母姫「もし私達に、艦娘と同じく司令官と言う信じられる者がいたら、私達はもっと強くなれるんじゃないか、って思ったの」

深海提督「…つまり、俺はただお前らが強くなるためのダシって事じゃんか。下らない…」

装甲空母姫「そうでもないわ。現に、レ級も北方棲姫も港湾棲姫も、今日会ったばかりの貴方に親しくしてくれたでしょう?」

深海提督「……………」

装甲空母姫「まあ、あれよ。皆、異性が見てくれてると頑張れるじゃない?」

深海提督「俺は男だから女の感情なんざまったくわからん」

装甲空母姫「でも、貴方もここが気に入ったんじゃないかしら?さっきの歓迎会で、貴方は私達に優しい目を向けてくれてたから」

深海提督「…自分でもわからなかったが気づいてたのか」

装甲空母姫「私はこれでも、人を見る目はあるから」

深海提督「泊地水鬼の言った通りか……。まあ、悪くはないかな」

装甲空母姫「なら、しばらくの間はここに居たら?私達を指揮するというのは楽しいだろうし、貴方も退屈しないと思うわよ」

深海提督「……そうだな」


【終わり】



611: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/18(水) 22:08:22.67 ID:ylGlsAM20

【キャラクター紹介】

≪深海提督≫

深海棲艦本拠地に、提督として着任した男。本名は不明。年齢は27歳。海沿いの道を歩いていたところを、装甲空母姫の命で地上世界近くに来ていた、

港湾棲姫に襲撃され、深海棲艦本拠地に連れてこられる。過去に何らかの経験を持ち、悲しみや痛みなどの様々な負の感情が混ざったような心を持ち、

それが深海提督に選ばれた理由だと、装甲空母姫は言っている。おそらく深海棲艦の提督という事を除けば、本作で一番まともな人かもしれない。

好きな言葉は『深謀遠慮』。



616: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:00:44.88 ID:dInqNrEg0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありましたダメ提督製造機連中の話を書いていきます。

>>613
  三川艦隊、了解しました。メンバーは古鷹、加古、青葉、衣笠、天龍、鳥海でよろしいでしょうか?


それでは、投下していきます。


E-2の攻略固定編成を見て、発狂しそうになった。



617: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:04:59.80 ID:dInqNrEg0

 ―19時過ぎ、食堂―

雷「大規模作戦始まっちゃったわね~…」

浦風「そうじゃのぉ……。皆大規模作戦で忙しそうだもんのぉ」

夕雲「でも、装甲も薄い、火力も低い私達の出番って、そんなにないんじゃないかしらぁ?」

雷「だったらせめて、司令官の手伝いもしたいところなのに、司令官ったら…」


提督『私は大丈夫ですから。皆さんは、今は深海棲艦と戦う事に集中し、皆さんが無事に帰ってこられることを願いましょう』


浦風「あの提督さん、そがぁな事ばっかり言うとるがね…」

夕雲「最近、提督徹夜ばっかりって話よ?」

雷「後で司令官の部屋に行ってみようかしら」

夕雲「そうね、そうしましょう」



618: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:12:13.11 ID:dInqNrEg0

【休め提督】

 ―数十分後、執務室―

コンコン

提督『どうぞ』

雷「失礼するわ、司令官!」ガチャ

浦風「テゴに来たよぉ」

夕雲「私達にできる事があったら、何でもおっしゃってくださいね?」


(部屋に所狭しと積まれている紙の束)



雷&浦風&夕雲「」

提督「ああ、下手に動くと、積まれた紙の束が崩れてしまうので、気を付けてください」

雷「な、なんなのよこの紙束の数!」

浦風「紙の家でも作れそうなぐらいの量じゃのぉ」

夕雲「これ、全部読むんですか?」

提督「そっちの半分は二晩寝ずに読んだ方です。そっちの方は、まだ読んでいません」



619: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:23:29.23 ID:dInqNrEg0

夕雲「これ、全部大規模作戦の書類…?」

浦風「データ関係の書類なら、記録課の霧島先輩や鳥海先輩の持ち分じゃないん?」

提督「いえ…彼女たちは……」

雷「?」


提督「大規模作戦開始から2日目、各鎮守府から送られてくる膨大な量のデータ処理をした結果、過労で倒れました」


夕雲&浦風&雷「!?」

提督「今はそれぞれの自室で、榛名さんと摩耶さんが看病しています。結果、データ関係の書類も、私が見る事になったんです」

雷「この量を…一人で?」

夕雲「で、でも…夕張さんや大淀さんは?彼女たちもデータ処理が得意でしょ…?」

提督「夕張さんは新装備開発によって疲労がたまっていたので流石に仕事を任せられませんし、大淀さんは各鎮守府への情報伝達と作戦概要説明で、

   手一杯なんですよ」

雷&夕雲&浦風「…………………」

提督「一応、妙高さんとか高雄さんとかにも仕事を頼んでいますが、それでも減らないんです…」

雷&夕雲&浦風「…………………」

提督「さ、貴女たちは早く休んでください。明日になったら、出撃するかもしれませんし、編成の変更で遠征を急遽行う事になるかもしれないですし」

雷&夕雲&浦風「…………………」



621: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:32:49.31 ID:dInqNrEg0

 ―浴場―

かっぽーん

雷「…………」

夕雲「ねえ、雷ちゃん」

雷「…何?」

夕雲「…今、貴女が何を考えているか、分かる気がするわ」

雷「……私もよ」

浦風「ウチにも、2人の考えとる事が何となく分かるよ」

雷「………………」

夕雲「………………」

浦風「………………」

3人「司令官/提督/提督さんのお手伝いしよう!」

神通「風呂ぐらい……静に入らせてください……」

3人「あ、ごめんなさい…」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

提督「…………はぁ」

雷「?司令官、どうしたの?」

提督「いえ…第2海域の編成がとてつもなくヘビーで……」

雷「?どうして?」

提督「各鎮守府からの報告だと、海路を固定させられる編成が、神通さん、雪風さん、浜風さん、三日月さん、皐月さんを組み込む編成のようですが……」

雷「え、でも……」

提督「雪風さんも浜風さんも練度が低いですし、三日月さんに限っては最近ここに来たばかりです。これでは、海路固定編成を組む事ができません。よって、

   海路固定を無視した編成にしたのですが、今度は重巡リ級flagshipが夜戦で大盤振る舞い……もう、胃薬が無ければやってられません」ゴクッ

雷「大丈夫…?な、何か私にできる事があったら言ってね?」

提督「……では、1つお願いしたいのですが…」

雷「?」



622: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:43:51.39 ID:dInqNrEg0

提督「先ほど第一艦隊が帰投し、編成を若干変えて出撃させようと思うのです。そこで、貴女に参加していただきたい」

雷「ええっ!?私が!?む、無理無理!そんなの無理だって!」

提督「お願いします。私と、この鎮守府を助けると思って、お願いします」

雷「よーっし、やる気出てきたわ!やってやるー!」


 ―数時間後―

雷「ぼっこぼこにされたわよ!うわーん!」

浦風「雷、提督さんの口車にええがぃに乗せられたんじゃのぉ…」

夕雲「じゃあ、次は私が行こうかしら」

雷「た、頼んだわよ…夕雲…!がくっ」

夕雲「はいはい、雷ちゃんはドックへ行きましょうね~」


 ―十数分後、執務室―

夕雲「提督、何か手伝ってほしい事はありますか?」

提督「やっぱり、‶ダメ提督製造機‶達が来る結果になりましたか」

夕雲「ダメ提督製造機って?」クスッ

提督「他の鎮守府では、夕雲さんと雷さん、浦風さんは提督の仕事をほとんどやってしまい提督を甘やかしてしまうから、そう呼ばれているんですよ」

夕雲「あら…それは光栄ですね。ふふっ」

提督「褒めてませんよ……しかしそうですね…では、夕雲さんそっちの書類を取ってくれますか?」

夕雲「これかしら?」グッ

夕雲「お、重い……」フラフラ



623: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:50:18.68 ID:dInqNrEg0

提督「あんまり無理して運ぶと…」

夕雲「きゃっ!?」グラッ

ドッシャアアアアアアン

夕雲「きゅ~……」

提督「まあ、そうなりますよね」


 ―15時過ぎ、執務室―

浦風「提督さん、ウチにテゴしてほしい事はある?」

提督「今度は浦風さんですか……しかし、貴女は昨日夜間遠征帰りでしょう?今日は休んでくださって結構ですよ」

浦風「それは嫌じゃ」

提督「何でですか?」

浦風「提督さんが1人で苦しんでいる姿を見たら、おちおち休んでもいられないよ」

提督「………………」

浦風「…どうしたん?」

提督「……疲れているせいか、すごいその言葉が体に染み渡る…泣きそうです」

浦風「苦しかったんじゃのぉ。ええよ、今はウチに甘えても」ダキッ

提督「………では、仕事を手伝ってください」

浦風「任せとき!」


雷「……これは…(入渠中)」

夕雲「と、とんだ伏兵がいたものね……(療養中)」


【終わり】



624: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/19(木) 21:57:13.06 ID:dInqNrEg0

【キャラクター紹介】

≪浦風≫

陽炎型駆逐艦十一番艦。艦娘No.168。青い髪とやんわりとした広島弁が特徴的な、明るい女の子。陽炎型の中では比較的最近鎮守府に着任してきた。当初、

提督の雰囲気に押されて畏怖に近い感情を抱いていたが、今ではただ優しい提督と認識している。他の陽炎型はもちろん、金剛とも仲が良い。料理が上手で、

特に得意なのは広島焼。しかし磯風の料理の実験台にされるのは勘弁。胸部装甲が駆逐艦離れしている。戦闘好きな一面もある。

好きな言葉は『勝負は時の運』。



630: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:15:31.51 ID:YLbCKr1I0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました五月雨の話を書いていきます。

>>628
  高雄&妙高、了解しました。

それでは、投下いたします。



631: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:19:54.63 ID:YLbCKr1I0

 ―16時過ぎ、執務室―

大淀「提督!」ガチャ

提督「大淀さん……どうかしたんですか?ノックもなしに」

大淀「先ほど最上さん率いる連合艦隊から電文が……!」

提督&五月雨「!」

大淀「『補給物資の輸送に成功、輸送作戦完遂』……第3海域、攻略成功です!」

五月雨「やったぁ~!」ピョン

提督「よかったですねぇ…。では、最上さん達は今から戻ってくるという事で?」

大淀「ええ……新しく仲間に迎える方を引き連れて……」

五月雨「じゃあ私、最上さん達と新しい艦娘の方の出迎えに行ってきます!」タタッ

提督「あ……お願いします」



632: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:27:56.81 ID:YLbCKr1I0

【準初期艦】

 ―17時前、鎮守府付近海上―

ザザザザ

鹿島「海軍総司令部…ですか…」

吹雪「ええ、私達の鎮守府は他と違いまして…海軍関係の仕事もしなくちゃならないんですよね……」

鹿島「それはまた…やりがいがありそうですね」

吹雪「安心してください!私達が優しく指導させていただきますから!」

鹿島「ありがとうございます。それで、吹雪さんは初期艦と言う話でしたけど…」

吹雪「はい、その通りです!」

五月雨「吹雪ちゃーん!」

吹雪「あれ、五月雨ちゃん?どうしたの?」

五月雨「じつはこれこれしかじかで」

吹雪「あ、そうだったんだ…。じゃあ、鹿島さんを司令官のところに連れて行ってくれるかな?」

五月雨「うん、分かった!吹雪ちゃん達は、入渠ドックへ行ってて!」

鹿島「?」


 ―十数分後、執務室―

鹿島「練習巡洋艦・鹿島、着任しました。よろしくお願いいたします」

提督「よろしくお願いいたします、私がここの提督です。私達は、貴女を快く迎えます」

鹿島「ありがとうございます」ペコリ

提督「聞いているかもしれませんが、ここは海軍総司令部という事で、他の鎮守府とは少し勝手が違い、さらに1人当たりの仕事の量もまた変わってきます。

   一応こちらで、仕事の量は調整しますが、それでもよろしいでしょうか?」



633: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:33:35.41 ID:YLbCKr1I0

鹿島「大丈夫です。とても、遣り甲斐がありそうでワクワクします」ニコッ

提督「嬉しそうで何よりです。分からない事がありましたら、他の皆さんにどんどん聞いてください」

鹿島「はい、分かりました」

提督「それと、貴女の姉である香取さんは今、多分寮にいますのでよろしければ後ほどお会いするといいでしょう」

鹿島「ほんとですか?」

提督「では、五月雨さん。すみませんが、そこの棚にある艦娘図録に、鹿島さんの名前だけ書き加えていただけますか?写真撮影と装備や性能のチェックは、

   また後日に行いますので」

五月雨「はい、分かりました!」タタタッ

鹿島「?艦娘図録?」

提督「私が保管している、この鎮守府の艦娘達のリストみたいなものです」

五月雨「きゃあっ!?」

ドッシャーン

鹿島「!?」ビクッ

提督「あー、またやってしまいましたか」

五月雨「うううう…」

鹿島「だ、大丈夫ですか!?」

五月雨「は、はい…」

提督「急に転ぶなんて、どうしたんですか?」



634: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:34:46.89 ID:YLbCKr1I0

五月雨「思ったより…図録が重くて……」

提督「大丈夫ですか?」

鹿島「あのー、提督



635: ShiftキーとEnterキーって近いからもう 2015/11/20(金) 21:42:30.23 ID:YLbCKr1I0

五月雨「思ったより…図録が重くて…」

提督「大丈夫ですか?」

五月雨「だ、だいじょぶです」

鹿島「あのー、提督さん?」

提督「はい?」

鹿島「五月雨さんって、さっきも何もないところで転んだり、出合い頭に涼風ちゃんとぶつかったりしてましたけど、もしかして……」

提督「もしかしなくてもドジです」

五月雨「改めて真正面から言われると…辛いです」

鹿島「やっぱり……」

提督「しかし、ドジっ子と侮れませんよ?」

鹿島「え?」

提督「五月雨さんは、私が提督として着任してからかなり初期に来てくれたんですよ」

鹿島「え、でも確か初期艦は吹雪ちゃんって聞きましたけど…」

五月雨「えっと…それは…」

提督「私が提督となり、最初に建造した方が五月雨さんですよ」

鹿島「あ、そうだったんですか…」

五月雨「あの時の提督って、今よりずっと怖かったですもん…」

提督「あの時は、まだちょっと心の傷が癒えていませんでしたからねぇ…」

鹿島「心の傷!?」

提督「まあ、色々あったんですよ」

五月雨(この提督、実は結構怖くてS気質なところがあるんですよ)ヒソヒソ

鹿島(へぇ……それはまた、面白そうですね)ヒソヒソ

提督「聞こえてるぞ、女子のヒソヒソ話」



636: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:52:56.37 ID:YLbCKr1I0

鹿島「でも…こんなドジな子が初期に来ていたなんて……うっかりどこかでドジで沈んでしまうような事になってると思ったけど…」

五月雨「流石の私でも怒りますよっ!」

提督「いえいえ、それでも彼女は凄いんですよ」

鹿島「?」

五月雨「攻略困難と謳われていた沖ノ島海域と、北方海域艦隊決戦にも参加してたんですよっ!」

鹿島「えっ、すごいです!」

提督「それも、そのどちらの出撃でも夜戦にて戦艦を撃沈するという功績も上げていますから。それもありまして、練度は吹雪さんに次いで駆逐艦の中で、

   最高です」

鹿島「思いのほかベテランだった!」

五月雨「でしょう?」フンス

提督「っと……それより五月雨さん…また一つお願いが」

五月雨「あ、何でしょうか?」

提督「すみませんが、第4海域の資料が隣の部屋にあったはずですから、取ってきてもらえませんか?」

五月雨「はい、お任せください!」

提督「ああ言った風に、最初期から私の下に居ましたから、鎮守府の事は大体は分かっています。そして、私に従順です」

鹿島「従順って……」

提督「そして、先ほどのような華々しい戦果も挙げていて、この鎮守府でもベテランと言っても過言ではないのですが…」

鹿島「?」


五月雨「きゃーっ!?」ズベシャッ
↑さっき散らばった紙を踏んづけてころんだ


提督「ああいう日常的なドジのせいで、ベテランっぽさが全く感じられないんです」

鹿島「マッチポンプ……」


【終わり】



637: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/20(金) 21:59:22.17 ID:YLbCKr1I0

【キャラクター紹介】

≪五月雨≫

白露型駆逐艦六番艦。艦娘No.83。蒼い髪とあどけない笑顔が可愛らしい、元気で健気な女の子。自他ともに認めるドジっ子で、日常的にオーソドックスな

ドジをやらかす(佐藤と塩を間違える、パンチラなど)。しかし実は鎮守府最古参組で、あ号艦隊決戦と北方海域艦隊決戦にも参加し、その上夜戦で戦艦を

撃沈せしめたすごいベテラン。初期艦である吹雪と、涼風と仲が良い。白露型と中々認識してもらえないのが少し悩み。

好きな言葉は『為せば成る』。



644: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/21(土) 21:16:12.94 ID:t9NLSDgY0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました祥鳳の話を書いていきます。

また、祥鳳の話のは、『イベント期間中の北国鎮守府』になりました。

それでは、投下していきます。



645: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/21(土) 21:18:33.46 ID:t9NLSDgY0

 ―11時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

祥鳳「今日、少し暖かいわね…」

瑞鳳「そうだね…平年より少し高いって、さっき天気予報で言ってた…」

祥鳳「こうも暑いと…上着をこうしなきゃ…」ヌギッ

瑞鳳「もう……祥鳳も女の人なんだから、そんな簡単に服をはだけさせちゃだめだよ…」

祥鳳「でも暑いんだもの…」

瑞鳳「私はこれで我慢してるのに……」

祥鳳「…っと、そんな事より、提督に呼ばれているんだった…。行かなきゃ、じゃあね」

パタン

瑞鳳「…あの格好で提督の前に行くのって…」



646: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/21(土) 21:27:45.10 ID:t9NLSDgY0

【服装議論】

 ―数分後、執務室―

提督「瑞鳳さんのいう事はもっともです。女性がそう簡単に服をはだけさせるんじゃありません」

祥鳳「今日、暖かいんですよ?この服装のままじゃ、汗ばんで気持ち悪いんです…」

提督「戦闘中ならまだしも、ここは室内で、私も男性ですし少しは控えていただきたいです。もしその格好で外に出ようものなら、奇異の目で見られるか、

   性犯罪の被害者になってしまいますよ」

祥鳳「それはまあ……っていうか、私はそこまで非常識じゃありませんよ」

提督「……まあ、人に服装どうこう言われて腹が立つ私が、祥鳳さんに注意できる筋合いじゃありませんけど…」

祥鳳「え……提督って、服のセンスに口出しされたくないんですか?」

提督「そうですねぇ。服は着れればいいですし、さほど奇抜なデザインでもない限りは着ても構わないと思っています」

祥鳳「うーん…最近の男性はファッションにも気を使っているって聞きましたけど…」

提督「正直、ファッションなんてどうでもいいと思っています。ほかにもっと、知恵を使うところがあるでしょうと私は言いたいんです」

祥鳳「そう言えば…私服の提督って、どのような格好なんですか?」

提督「その日の気分によりますね。まあ、自分が着たい服を着ている、と言った感じです。他人の目なんてあまり気にしませんし…それに……」


提督「他人の服装を見てケラケラ笑う人なんて、見た目でしか人を判断できない残念な人と私は認識してますから」

祥鳳「うわぁ……」


提督「まあ、服装に関する問題は、海軍でも問題が多々あるんですけどね」

祥鳳「へ?」



647: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/21(土) 21:37:29.74 ID:t9NLSDgY0

提督「バレンタインの時、時雨さんとか睦月さんとかが、なぜかバレンタインの調理道具を持って出撃しましたよね?」

祥鳳「ああ…確かにそんな事が…」

提督「それに私が気付いたのは、彼女たちが数回出撃した後で、当然本人とその時の旗艦には厳重注意を施しました。戦闘と関係ないものを持っていくとは、

   万が一で沈んでしまったらどうするのか、と注意しました」

祥鳳「でも確か……その時のみなさんって、‶雰囲気で‶と言ってましたね…」

提督「当然拳骨をして、さらに出撃禁止を命令しましたし…」

祥鳳「しかし、夏は水着で出撃してた人もいましたよね?」

提督「あの水着、ただの水着だと思ってるでしょう」

祥鳳「へ?」

提督「あれ、市販の水着に妖精さんが何らかの力を施して、戦闘でも傷つかないようになっているんです」

祥鳳「そ、そんなことが!?」

提督「今の浴衣にだってそうですよ。まあ、クリスマスの時の服装は、さして戦闘に支障を及ぼしていませんでしたからスルーしましたけど」

祥鳳「妖精さんって……凄い…」

提督「別に鎮守府で着る分には全然構いません。しかし、戦闘ともなれば話は別です。いつ沈んでしまうかもわからないという緊張感漂う状態なのに、

   そんな水着と言う肌を大きく露出させる服装とは…いかがなものかと思います。祥鳳さんのそれも一緒です」

祥鳳「は、はい……」



648: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/21(土) 21:48:10.02 ID:t9NLSDgY0

提督「さらに問題がもう1つ」

祥鳳「まだあるんですか?」

提督「出撃で被弾する度に、服が破れたりしてしまうでしょう?」

祥鳳「ああ……私達はあまり気にしてませんけど……」

提督「あれ、服装を直しているのは‶縫合妖精‶と呼ばれている、妖精さんです」

祥鳳「ここでまたしても妖精さん!?」

提督「結構な数いますよ。顔はみな違いますけど、実に50人以上います」

祥鳳「そんな数いて顔がみんな同じでしたらよほど怖いですけど…」

提督「そして、この服が破れてしまう、という事にもまた問題があるんです」

提督「中破・大破で服装がボロボロなのに、女性のあられもない姿を見たいがために入渠させないという提督も最近増えてきているんです」

祥鳳「うぅ……なんの羞恥プレイですか…」

提督「実際に、総司令部に向けて迷惑だと直訴してきた艦娘がいまして、そのような行動をとり、かつ艦娘の方が嫌だと申告してきた場合に限り、

   その提督はブラック提督としてシベリア送りとなります」

祥鳳「ああ……」

提督「服装と言うものは、デリケートであり、気を付けなければならないものですからね」

祥鳳「私のこの格好も、気を付けなければ、ですね」


 ―同時刻、第壱拾参鎮守府・執務室―

瑞鶴「ねぇ…提督さん……いつまでこの格好でいればいいの?」大破

瑞理「もうちょっとだけ、もうちょっと」

瑞鶴「もう……いい加減入渠したいんだけど」

瑞理「ちょっと待って、僕が君と火遊びしてからにしてー!」ピョン


提督「なぜか今、すごい不快な気分になりました」

祥鳳「?」


【終わり】



649: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/21(土) 21:51:42.04 ID:t9NLSDgY0

【キャラクター紹介】

≪祥鳳≫

祥鳳型軽空母一番艦。艦娘No.94。長い髪と、胸にサラシと言う開放的な服装が特徴の、頑張り屋のお姉さん。普段は朗らかに笑っているが、戦闘に入ると、

一転して直情的になる。そしてMVPを取った時は子供のようにはしゃぐ。見た目は優しそうだが、本当は熱い性格をしており、皆を良く励ましたりもする。

室内にいる時の服装は普通の着物だが、戦闘時は着物の左半分をはだけさせる。暑い場合は室内でも脱ぐ。服をはだけさせることに抵抗があまりない。

好きな言葉は『立つ鳥跡を濁さず』。



654: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 21:15:14.87 ID:Poz4LWWp0

こんばんは、>>1です。

今日は、‶イベント期間中の北国鎮守府‶の話を書いていきます。

なお、>>1提督心の叫びが若干含まれていますので、ご了承ください。

それでは、投下していきます。



655: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 21:18:41.94 ID:Poz4LWWp0

 ―11月18日・21時過ぎ、小樽第鉢拾伍鎮守府・執務室―

手稲「‶突撃!海上輸送作戦‶、ですか」

響「大規模作戦かい?」

手稲「いや、期間が2週間弱と、普段より少し短い。それに、海域も前回のように多くはない。中規模作戦と言ったところかな」

響「じゃあ、私達も出撃する事になるのかな」

手稲「うーん…そうしたいんだけど…」チラッ

響「?窓の外に何かあるのかい?」

手稲「…そろそろ、この近海荒れる時期だからねぇ」

響「…そっか」



656: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 21:27:35.51 ID:Poz4LWWp0

【北の海は荒れて】

 ―19時過ぎ、食堂―

ТV『北海道の近海では、この時期になりますとやはり海が荒れてきてしまい、北海道沿岸は全域で高波警報が出ています』

長波「あー、もうこの時期じゃ北海道の鎮守府は出撃できないのかー」パクパク

提督「そうですね。この時期の大規模作戦に参加してくる北海道方面の鎮守府は、結構少ないですね」パクパク

早霜「……海が荒れてるのに出撃する鎮守府もあるなんて…無謀、ね」モソ、モソ

提督「まあ、言ってしまえばそうですが」パクパク

長波「でもさー、そうなると北海道側の鎮守府って不利じゃね?大規模作戦で仲間にできる艦娘もいないし、勲章ももらえないし…」

提督「そう言った面の救済もあります」

早霜「……例えば、どんな?」

提督「まず、資源を各2000贈呈します」

長波「えっ、そんなに?」

提督「遠征にも出せないのだから当然でしょう。後他には、勲章を各鎮守府に1つずつ差し上げます」

早霜「……そんなにホイホイ勲章をあげるなんて、勲章としての価値が下がってしまうのでは?」

提督「まあ、仕方ありませんから」

長波「でも確か、この時期って遠征も出撃も演習もできないんだろ?いいな~」

提督「こちとらそんな事言ってる場合じゃないんですよ。各鎮守府からの攻略情報をまとめる上に、私の鎮守府も作戦を攻略しなければならないのに……」

長波「て、提督?」

提督「畜生め……駆逐水鬼…潜水棲姫…戦艦棲姫……許すまじ」

長波「な、なあ…この提督…大丈夫か?」

早霜「……何日も連続で徹夜している上に新しく入ってきた鹿島さん以外で貴重な艦娘が来ていないから、イライラが頂点に近づいているのよ」



657: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 21:37:02.89 ID:Poz4LWWp0

 ―大規模作戦発令2日目・10時過ぎ、第鉢拾伍鎮守府・講堂―

手稲「えー…わが鎮守府近海にも波浪警報が出ているため、出撃は困難な状況にあります」

皆「………………」

手稲「ですので、休み以外の艦娘の方々は、いつでも出撃できる状態にしておいて、各自待機しておいてください」

皆「はーい!」

手稲「明石さんは工廠で待機、間宮さんと伊良湖さんは食堂でいつも通りにしていてください」

明石&間宮&伊良湖「分かりました」


 ―同時刻、第壱鎮守府執務室―

神通「て、提督……第2海域攻略にはドラム缶が必要です…」

提督「まさか大規模作戦でドラム缶が必要になる日が来ようとは……」

神通「それと……海域ボスのいる場所まで行くには、特定の海域を通過したうえ、ドラム缶を特定数以上運んで、その上にそこまで行ける固定メンバーは、

   私と浜風ちゃん、雪風ちゃん、三日月ちゃん、皐月ちゃんで……」

提督「なんだその固定条件!つまりはその方たちに数回以上連続で出撃させなければならないって事ですか!ブラック鎮守府にしたいんですか!誰だ、

   そんな面倒な攻略様式に決めたバカは!」ガーッ!!

神通「ひ、ひぃっ!提督が、キレたぁぁ!」


軽巡棲姫『ヘックシュン!……ウゥ……誰カガ私ノ噂話ヲシテイルノカシラ……」



658: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 21:45:40.25 ID:Poz4LWWp0

 ―大規模作戦発令3日目・11時、第鉢拾伍鎮守府・講堂―

手稲「えー、今日は近海の海はあまり荒れていませんが、遠洋の方はまだ荒れていますので、今日は鎮守府近海の哨戒とします」

皆「はーい」

手稲「基本的に軽巡洋艦と駆逐艦の方を起用します。駆逐艦と軽巡洋艦の方で休みでない方は各自いつでも出撃できる状態で待機。その他の方は………

   もうすぐ雪の季節になりますので、雪かき用の道具の準備と手入れをお願いします」

皆「了解でーす!」

手稲「ああ、それと哨戒に向かう方は、できるようであれば漁船の護衛もできればお願いします」


 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

あきつ丸「提督殿……どうやら第3海域は、輸送任務用の特別な連合艦隊のシステムが実装されたそうであります」

提督「輸送任務用?」

あきつ丸「そして、ボスを倒すためにはドラム缶を複数個持っていき、ボス艦隊に勝利して輸送物資を運ばなければならないようであります。さらに、

     今回の作戦で空母は起用できないのであります」

提督「またか!またそんな面倒くさいシステムの海域か!なんなんだ、今回の作戦少し攻略方法が変すぎやしませんか!?しかもドラム缶積んでしまったら、

   火力不足で敵艦隊旗艦を倒せなくてS勝利が超困難になって、レアな艦娘の方を迎え入れる事ができなくなってしまうんです!ド畜生めが!誰だよ、

   そんな面倒な攻略方法設定しやがった馬鹿野郎は!」

あきつ丸「お、落ち着いてください、提督殿!お気を確かに!」


水母棲姫『ハクチュン…!ウゥ……風邪カシラ……一応、るる飲ンデオコウカシラ』



659: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 21:53:24.39 ID:Poz4LWWp0

 ―大規模作戦発令4日目19時過ぎ、第鉢拾伍鎮守府・講堂―

響「ただいま、司令官」

手稲「おや響、お帰り」

響「今日最後の哨戒任務が終わったよ」

手稲「ご苦労様。明日からは近海もまた荒れ模様らしいし、明日はまた鎮守府籠りになってしまうかな…ははは」

響「この鎮守府、冬の間は引きこもりみたいだよね」

手稲「身もふたもないような表現はやめなさい」


 ―同時刻、第壱鎮守府・執務室―

大淀「…提督、連合艦隊が第4海域ボス海域から電文を送ってきました」

提督「戦果はどうでしたか?」

大淀「……敵旗艦の潜水棲姫の撃破には成功…ただ、戦艦棲姫を倒せなかったためにS勝利できず、A勝利でした……」

提督「ホントなんなんだ戦艦棲姫!お前必要ないだろ!お前のせいでS勝利が困難なんだよ!S勝利できないから今作戦限定艦娘はおろか、貴重な艦娘が

   手に入んないんだよ!大体何で潜水棲姫のお供がそんな凶暴なんなんだ!せめてお供は潜水艦で固定するかもっと軽い奴にしなさいよ、丙作戦なのに!

   せめて、空母ヲ級改flagshipぐらいにしとけ、戦艦棲姫いらんがな!もういっそのこと、お前がボスになっちまえ!!」ウガーーーーーーーーー!!!

大淀「て、提督がご乱心なさった~!」


潜水棲姫『フェックシュン……風邪カシラ……』

戦艦棲姫『大丈夫?気ヲツケナサイネ』



660: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/22(日) 22:01:34.03 ID:Poz4LWWp0

 ―大規模作戦発令5日目、第壱鎮守府・執務室―

提督「また補給作戦か!!もうたくさんだ!私がやりたいのは敵旗艦を倒してゲージを破壊する、爽快感溢れる大規模作戦だったのに!それなのになんなんだ、

   またしてもドラム缶必須の海域か!それとPT小鬼群が腹が立つんですよ!体力がたった9しかないのに全然倒せないし雷撃戦で大ダメージ与えるし!

   ドラム缶のせいで火力不足でボスを倒しきれないし!というか今回のイベント、新規艦娘が少なすぎるのにそのくせしてS勝利が取りにくい強さだし!

   なんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」スペペペペペペペペペペペペペペペペペペーン

司令長官「だ、誰か手伝って!黎明君を休ませるんだ!強制的にでも休ませよう!!」

長門「任せろ、この私が正気に戻してやる!」

扶桑「あの提督がここまで乱心するなんて……」

山城「もう、一週間ぐらい徹夜してるって話もあるわ…」


 ―同時刻、第鉢拾伍鎮守府・執務室―

手稲「今頃、大規模作戦は順調に進んでいるかな」

響「参加したかったかい?」

手稲「いえ、皆さんが傷つくのを見ているのはいたたまれませんし、正当な理由があってイベントに参加しなくてもいいというのであれば、参加しない方が

   いいですよ」

響「…司令官って、存外怠けものなんだね」

手稲「ははは…最近そう思いはじめましてね」


 ―数十分後、第壱鎮守府・執務室―

提督「フーッ!フーッ!!」

間宮「て、提督!少々お茶とスイーツで休憩にでもしましょう!」

明石「作戦どころじゃないよ、これ!」


【終わり】



666: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 21:10:02.88 ID:aiq2ERD40

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました‶利根のカタパルト不調‶の話を書いていきます。

>>662,>>664
  遠征組、秋月、了解しました。ただ、遠征組って睦月型の事でよろしいでしょうか?

>>663
  くっ。


それでは、投下していきます。



668: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 21:15:15.75 ID:aiq2ERD40

 ―15時過ぎ、食堂―

提督「……ふぅ。すみません、落ち着きました」

司令長官「黎明君、徹夜のし過ぎは体を壊すよ?」

間宮「っていうか、精神が壊れかかってましたよ?」

大淀「ともかく、今日の夜はもうお休みになられた方が良いと思います」

提督「そうですね……まあ、書類が片付いてきた頃ですし、今日は休みますかね」

長門「書類が残っているのなら、私に任せておけ」

加賀「私にもね」

提督「すみません…お願いします」


 ―数十分後、執務室―

利根「あー、スマンが提督…いま良いか?」ガチャ

提督「利根さん、どうしたんですか」

利根「その……だな……」

提督「?」

利根「演習を……したいのだ」



669: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 21:24:37.13 ID:aiq2ERD40

【不機嫌カタパルト】

提督「演習、ですか?」

利根「うむ、その通りじゃ」

提督「なぜ、今?」

利根「知っての通りだが、今吾輩たちは第5海域・バニラ湾に出撃して居るだろう?」

提督「ええ、そうですね。やっと忌々しい補給ゲージを破壊しましたから」

利根「それで、そこに出撃している艦隊は川内、時雨、江風、夕立、浦風、北上だったな?」

提督「ええ、どうやら川内さん、時雨さん、江風さんを同じ艦隊に編成し、さらに軽巡洋艦と駆逐艦を合計5隻編成しなければ出撃できないので………」

利根「しかも、江風はまだ改造していない、未改造状態ではないか」

提督「…正直、江風さんには悪い事をしてしまったと思っています。この大規模作戦が終わったら、江風さんに何かお礼でもしなければ…」

利根「それで、1つ思ったのじゃ」

提督「?」

利根「練度がまだ低い江風が嫌がらずに出撃しており、順調に練度を上げてきている。しかして、吾輩たちはどうだろう?」

提督「つまり?」

利根「吾輩たちはまだ大規模作戦で出撃しておらんし、最近になって体が鈍ってきたと実感している。まあ、他の大規模作戦に出撃していない者たちは、

   休めると喜んでおったが、吾輩はどうもそうはいかんのだ」

提督「なるほど………利根さんは、案外真面目なのですね。普段は落ち着きがない言動で、筑摩さんに頼りっきりでしたし…」

利根「その言い方では吾輩が子供っぽいようではないか!お主、今まで吾輩の事を何だと思っておったのじゃ!?」

提督「子供っぽい」



670: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 21:34:00.12 ID:aiq2ERD40

提督「別に演習をするのは構いませんが、今の時期だと、どの鎮守府の第一艦隊も大規模作戦攻略のためにかなり高練度の編成を組んでいますけど、それでも

   よろしいんですか?」

利根「戦う相手が強ければ強いほど、吾輩の戦闘欲も掻き立てられるモノじゃ!」

提督「そんなもんなんですか……では、演習を行うのは明日、旗艦は利根さんで、他のメンバーはこちらで決めさせていただいてよろしいでしょうか?」

利根「合点じゃ!」


 ―翌日10時前、演習海域―

利根「さーて、腕の見せどころじゃな!」

筑摩「利根姉さん、カタパルトの調子はどうですか?」

利根「万全じゃ!演習前に何度も検査したからのう」

飛龍「そのセリフ、前に一緒に出撃した時も聞きましたよ?」

蒼龍「そうそう、それで結局故障しちゃって」

利根「あ、あの時は!」

比叡「はいはい、皆さん世間話はそのぐらいにしましょう。もうすぐ演習が始まりますよ」パチパチ

阿武隈「頑張らなくっちゃ……」ムン

利根「提督曰く、演習を受け付けている鎮守府の中で、強くも弱くもない艦隊を選んだそうじゃ…楽しみだのう」

筑摩「ええ、頑張りましょう!」


 ―約1時間後―

ズッドオオオオオンン

飛龍「大和型が来てるなんて聞いてないわよ!」中破

筑摩「おそらく……相手方の鎮守府が直前で編成を変えたんでしょう…小癪な」小破

利根「任せるのじゃ!大和型など、吾輩の弾着観測射撃の前では赤子も同然!」ガシャン

蒼龍(すっごい死亡フラグ)

利根「まずは零式水上偵察機、発艦!敵艦の位置を―」



671: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 21:39:46.15 ID:aiq2ERD40

ガチャガチャ

利根「むっ?」

ガチャガチャ

筑摩「?姉さん、どうしたんですか?」

比叡「まさか、またカタパルト不調ですか?」

蒼龍「あはは、そんなことないでしょ~?」小破

阿武隈「そうですよね、演習前に何度もチェックしたって言ってましたし」


利根「カタパルトが不調じゃ!」


全員「なにいいいいいいいいいいいいいいい!?」

筑摩「姉さん、本当ですか!?」

利根「本当じゃ!ここで吾輩が嘘をつくメリットが見つからん!」

零式水上偵察機妖精「何で動かないのー?分かんない!」

利根「むぅ……妖精さんでも分からんようじゃ…」

阿武隈「あ、あのー……」

利根「なんじゃ、どうした阿武隈?」

阿武隈「向こうの大和さん、こちらに照準を―」

ズドゴオオオオオオオオオオン

利根「あひいいいいいいいいい…………」大破

筑摩「姉さーん!!」


 ―12時前、執務室―

利根「すまぬ…提督……お主の期待に応えられなかった……」

提督「いえ、貴女が謝る事はありません。実は、演習を申し込んだ時とさっきの演習での編成、誤差がありました」



673: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 21:51:39.44 ID:aiq2ERD40

利根「分かっておる。吾輩も、事前に今回の演習では相手方の艦隊に大和型は組まれていないとお主から聞いておったし」

提督「向こうの鎮守府に何らかの理由があるにしろ、こちらに連絡もせず勝手に編成変えた向こうは完全に違反です。規定でも、編成の変更がある場合は、

   必ず相手方にその旨を連絡するように決められていますから」

利根「むぅ………」

提督「ただ、あそこの鎮守府は別に常習犯と言うわけではありませんし、知らなかったのでしょう。各資源マイナス2000で勘弁してあげます」

利根「結構な代償を……その没収した資源はどうするのじゃ?」

提督「まだ設立してから間もない鎮守府に分配します。こちらがこの演習で勝利したのであればまだペナルティーも課さずに許す事は出来ましたけれど、

   今回の演習でこちらはD敗北を喫してしまいましたから、当然と言えるでしょう」

利根「しかし……やはり吾輩のカタパルトが不調を起こしたせいで…」

提督「そのことなんですけど……」

利根「なんじゃ?」

提督「利根さんのカタパルトは、出撃・演習では必ずと言っていいほど高確率で故障しますよね?他の皆さんからもそのような事を聞きました」

利根「そうなのじゃ……明石に見てもらった上で、妖精と一緒に点検をして、ちゃんと異常がないことを確認したというのに、なぜか故障して……」

提督「しかし、1回目の戦闘で故障したものの、2回目の戦闘で故障が見られなかった事で、戦闘に支障が出なかったと」

利根「うむ……前にオリョール海に出撃した時の話なんじゃが、1回目の戦闘―Cマス(敵巡洋艦隊)での戦闘でカタパルトが故障してしまったんじゃが、

   2回目の戦闘―Fマス(敵強襲揚陸艦隊)での戦闘では直っておったんじゃよ」

提督「なるほど………その原因は、妖精さんにもわからないと」

利根「うむ、首を振って『何でだろう、分かんない』と言っておったぞ」

提督「分かりました……一度、本格的に明石さんに点検してもらいましょうか」

利根「む?」



674: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 22:00:07.37 ID:aiq2ERD40

 ―13時半過ぎ、工廠―

明石「利根さんのカタパルトですか?」

提督「一度、本格的に点検をすべきかと思いまして」

明石「あー、確かにそうですね……。私が損傷を直す時も、艤装は妖精さんに直してもらってるし……一度、私自身の手で点検する必要もあるかも…」ワキワキ

提督「その手つきを止めなさい」

利根「しかして、その間吾輩のカタパルトはどうするのじゃ?」

提督「筑摩さんのを借りましょうか」

利根「筑摩のをか?そんなこと…できるのだろうか…」

提督「多分できますよ。同型艦ですし」

明石「私も……できると思いますね」

利根「む、分かったのじゃ!では明石、よろしく頼むぞ」

明石「はい、お任せください」

提督「……カタパルトの不調ですか…」

明石「?」

提督「おそらく、軍艦であった‶重巡洋艦・利根‶の時の事象が反映されているんでしょうね」

明石「ああ、私たち艦娘にはそういう事がありますからねぇ」

提督「艦娘のメカニズムは未だ不明瞭です。ただ、今現在で分かっているのは、皆さんは過去の軍艦の記憶と事象を記憶し、それに伴う艤装と性格、

   トラウマ……。おそらく利根さんのカタパルトも、それと同じなのでしょう」

明石「確かにそうですねぇ…まあ、おそらくカタパルト不調は利根さんのだけだと思いますが…」


 ―数日後、執務室―

利根「すまぬ提督…筑摩のカタパルトを借りて演習をしたら、故障が起きて……」

提督「ますます分らなくなった」


【終わり】



675: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/24(火) 22:05:09.07 ID:aiq2ERD40

【キャラクター紹介】

≪利根≫

利根型重巡洋艦一番艦。艦娘No.63(改二はNo.188)。威厳のある言葉遣いと屈託のない笑顔が特徴の、頼りになるお姉さん。妹の筑摩が世話焼きなせいか、

利根自身は筑摩に頼りっきりなところもある。2人の身長差から、筑摩が姉と間違われることも。カタパルト不調にいつも悩まされておりその原因は不明。

実は積極的な面もあり、自ら進んで出撃・演習を志願する事も。改二になるのに改装設計図が必要な事に疑問を抱いている。日々是牛乳。

好きな言葉は『将を射んとする者はまず馬を射よ』。



681: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:12:13.64 ID:jddew44k0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました三川艦隊の話を書いていきます。

>>678-679
  では、貧乏性の秋月の話で、まとめてしまってよろしいでしょうか?


それでは、投下していきます。



682: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:15:58.11 ID:jddew44k0

 ―9時過ぎ、重巡洋艦・青葉&衣笠の部屋―

青葉「あーあ…大規模作戦中と言うのに、暇ですねぇ…」

衣笠「そうだね……別に演習も無し、遠征もなしで…出撃とかないし…」

青葉「今攻略している第5海域は、水雷戦隊じゃなきゃだめで、雷巡と航巡が有効っての言うのがもっぱらの噂ですし、私達が起用される可能性は低いです」

衣笠「でも、ここまで何もないと、暇だよね~…」

青葉「あー…じゃあ気晴らしに間宮さんのところにでも行きますか?」

衣笠「間宮さんのところに?何で?朝からいきなりスイーツは嫌だよ」

青葉「いえいえ、おそらく待機中であろう方々にインタビューして何かいいネタを見つけるんですよ」

衣笠「そんな理由だと思ったよ」



683: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:22:13.78 ID:jddew44k0

【三川艦隊で】

 ―数分後、食堂―

古鷹&加古「あっ」

天龍「おっ」

鳥海「あら」

青葉&衣笠「あ」

古鷹「どうかしたの、2人とも?」

青葉「いやー…あまりに暇すぎて、暇つぶしに何かあるかなって食堂へ…」

衣笠「そういう古鷹と加古は?」

古鷹「私達も大体同じ理由…あと、加古があまりにも寝過ぎるから…」

加古「あたしゃ休めるんだったら1日中休みたいけど、古鷹が起こしてきて…」

青葉「ははっ、加古らしいですねぇ」

加古「そう言えば、天龍は?いつも龍田と一緒なのに…」

天龍「龍田なら今、各鎮守府への電文と通達で忙しいぜ」

古鷹「龍田ちゃんが?珍しいね……いつもは大淀さんがやってるイメージがあるけど…」

天龍「なんでも、第4海域で大淀を出撃させて疲れてるだろうからって、比較的そっち方面の事が得意な龍田が代役を務めてるんだと」

青葉「……なんか、龍田さんが鎮守府へ通達って言われると、何か脅してるイメージが強い気が……」

衣笠「あー、青葉?そういうのはあんまり本人の前で言わない方がいいって…」

青葉「え、本人?」クルッ


龍田「………………………」ニコォ



684: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:30:25.78 ID:jddew44k0

 ―数秒後―

青葉「」チーン

龍田「じゃあ、失礼するわね~」

加古「あの数秒で青葉をここまでに…やはり天才か」

衣笠「青葉、大丈夫~?」

青葉「か、かろうじて……」プルプル

天龍「あ、鳥海はどういう理由で?いつも摩耶さんと一緒じゃなかったっけか?」

鳥海「摩耶姉さんは、第1海域で出撃して、大きなダメージ受けちゃったから、提督から休むように言われてるんです。で、今はぐっすり…」

加古「いーなー…あたしもグッスリ眠りたい…」

青葉「そんな事言ってますけど、加古って朝礼の時ほとんど遅刻してますよ?私達よりもぐっすり寝てるじゃないですか」

加古「平日の睡眠と休日の睡眠は別もんなんだよ~」

天龍「まあ、分からなくはないが…」

古鷹「…それにしても、久々だね」

衣笠「何が?」

古鷹「元‶三川艦隊‶で集まるのって」

天龍&青葉&衣笠&鳥海「あ…………」

古鷹「あの時は、考えられなかった事だよね……。同じ艦隊のメンバーで、今はこうして女の子の体を持って、話をする事ができるなんて…」

加古「あー、あー、やめやめ!そんな辛気臭い話は無しにしてよ!せっかくの休日がなんかダメになる気分!」

青葉「そ、そうですよ古鷹~…もー、古鷹は変なところで真面目になって~」

衣笠「でも、その真面目なところが古鷹のいいとこだよね」

青葉「で、提督から一目置かれていると噂が広がっているんですよね、分かる分かる」

古鷹「ええっ!?やっ、そんなぁ、そんなことないよぉ!私は別に提督なんて―」



685: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:36:34.32 ID:jddew44k0

衣笠「嫌いなの?」

古鷹「そんなわけない――――――――あ」

青葉「青葉、聞いちゃいました」ニヤニヤ

衣笠「ほうほう」ニヤニヤ

天龍「おやおや」ニヤニヤ

鳥海「あらあら」クスクス

加古「ZZZZZ……」

古鷹「も、もおおおおおおおおお」


 ―同時刻、執務室―

提督「……くしゅっ」

龍田「あら~、提督~?くしゃみなんて珍しいわね~」

提督「…最近、急に寒くなってきましたからねぇ…風邪に気を付けなければ……」


 ―食堂―

天龍「しかし…暇だな……」

鳥海「そうですね……出撃が無くて休めるのはいいんですけど……」

加古「ZZZZZZ…………」

古鷹「いっ、いい加減に起きて!」ゴスッ

加古「うぶふぅ………」ムクッ

青葉「あ、チャンバラでもしますか?」

衣笠「チャンバラ?」

青葉「ええ、屋内演習場は空いていますし」

古鷹「あ、面白そう!」

青葉「じゃ、早速やりましょう!」



686: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:44:01.77 ID:jddew44k0

 ―1時間後、屋内演習場―

衣笠「うぅ……強すぎる……」

鳥海「くっ………」

古鷹「あ、あれ?手加減したつもりなんだけど…」

天龍「この俺が負ける…だと?」

青葉「いやぁ……古鷹は相変わらず強いですねぇ……」

加古「そうなんだよなぁ……一度も勝った事なんてねーし…」

衣笠「流石武勲艦だね」

古鷹「たまたまだよ~」

天龍「……………………」ドヨーン

衣笠「あれ、天龍どしたの?」

鳥海「あれですよ。常に帯剣して戦闘でも剣術で戦ってるのに、ただのチャンバラで負けてしまった事に打ちひしがれてるんですよ」

天龍「ただの…チャンバラに……」

加古「鳥海って何気にひどい事言ってるよな……」ヒソヒソ

青葉「あ、あれですよ…破天荒な姉がいるから、たまの休日くらいストレスを発散したいんですよ…」ヒソヒソ

衣笠「青葉、あんたも結構ひどい事言ってるよ…」ヒソヒソ

古鷹「あ、あれって霧島さん?」


鳥海「あ、霧島さん」

霧島「あら、鳥海さん。せっかくの休日、満喫してるかしら?」

鳥海「ええ、まあ……」

霧島「私も、大規模作戦が終わってからは、休みをもらえるようになってるけれど……」



687: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:50:59.58 ID:jddew44k0

鳥海「すみません…私だけ……私なんて、4連徹夜でギブアップしてしまって……でも、霧島さんはもう5連徹夜でしょう?すごいです」

霧島「いえ、貴女も十分頑張ってるわ。じゃ、せっかくの休日を楽しみなさいね。私はちょっと気晴らしに歩いていただけだから」スタスタ

鳥海「は、はいっ!」


古鷹「………鳥海さん、今日昼ごはん奢ってあげるよ」

鳥海「?ありがとうございます」

加古「このコーラ、やるよ…」

鳥海「ど、どうも……」

青葉「鳥海さん、今度仕事代わってあげますよ…」

鳥海「?どうしたんですか、急に?」


 ―数時間後、重巡洋艦寮・休憩室―

青葉「しかし、暇ですねぇ……」

加古「だー、もー、昼めし食って眠いんだし、寝かせてよ~」

古鷹「もう、しょうがないなぁ……」

衣笠「まぁ、私も眠かったし……ふわぁぁ…」

天龍「俺も…少し……」

青葉「むぅ……ただでさえ鎮守府の中は暖かいゆえ、ご飯を食べた後の満腹感で皆さん緊張が切れてしまってるのでしょうか……」

鳥海「私は……どうしようかしら……」

青葉「貴女はむしろ寝た方がいいですって」



688: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/25(水) 21:57:10.15 ID:jddew44k0

 ―数分後―

加古「ぐー……かー……」

古鷹「すぅ………すぅ………」

天龍「…すー……すー……」

青葉「すぴー……すぴー……」

衣笠「ふー……ひー……」

鳥海「ス……ぴ……」


那智「む?どうしたんだ、こいつら。6人で川の字に寝てるとは…」

妙高「日頃の出撃で疲れているのよ、きっと。寝かせてあげましょう」

足柄「それにしても、皆気持ちよさそうに寝てるわね~」

羽黒「でも、皆さん……」スッ

那智「?」


羽黒「皆さん、手握ってますよ?」


妙高「あら」クスッ

足柄「へぇ~…結構ロマンチックじゃない」

那智「なんだ、手を握ってほしいのか」

足柄「違うわよっ」


 ―20時過ぎ―

青葉「しまった!もう20時です!!」

古鷹「ええっ!?寝過ごしちゃった!!どうしよう!?」

加古「あー腹減った……起きる…」

鳥海「……うう……データ……頭が……」

衣笠「鳥海、目を覚まして!!」

天龍「夢でも仕事とか…どんだけ仕事中毒なんだよ、鳥海…」


【終わり】



695: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:07:50.64 ID:tR/70j1q0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました高雄&妙高の話を書いていきます。

>>691-692
 では、秋月の話は‶貧乏性の秋月‶で行きます。

また、高雄&妙高の話の後は、‶ハーレム鎮守府の整備員‶の話になりました。


それでは、投下していきます。



696: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:10:56.02 ID:tR/70j1q0

 ―10時過ぎ、執務室―

提督「えー、データ課の霧島さんと鳥海さんですが、連日の徹夜と書類整理によって、疲労度が大変な事になりました」

高雄「ええ、存じております。鳥海は今、摩耶と一緒に部屋におります」

提督「そこで、貴女方2人には、少しの間だけデータ課で仕事をしていただきたいのですが……」

妙高「構いませんわ」

高雄「私も同じくです」

提督「では、申し訳ございませんが、少しの間よろしくお願いいたします」

高雄&妙高「はい!」



697: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:17:32.64 ID:tR/70j1q0

【隣の芝は青い】

 ―10時過ぎ、データ課室―

高雄「よいしょ…っと」ドサッ

高雄「ふー……すごい数の書類ね……」

妙高「まあ、この国の全ての鎮守府の戦力データがここに集中してるんだから、当然と言えば当然よね」

高雄「それで、この戦力データをもとに戦績表に反映していくと…」

妙高「しかもそのすべてが手書き……気が遠くなりそうね……」

高雄「まあ、地道にやっていくしかないわね…」

妙高「そうね……はぁ、腱鞘炎になりそう……」


 ―約1時間経過―

高雄「………………………」カリカリカリカリ

妙高「………………………」カリカリカリカリ

高雄「ふぅ………疲れたわね…」コキコキ

妙高「そうね~……」ノビー

高雄「んっん~…!」ノビー

プルン

妙高「……………」

妙高(大丈夫……私は平均かそれ以上あるわ……)

高雄「?どうかしたの?」

妙高「あ、ううん…何でもないわよ」アセッ



698: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:30:11.25 ID:tR/70j1q0

妙高「それにしても、霧島さんと鳥海さんは凄いわねぇ…」

高雄「?急にどうしたの?」

妙高「この部屋のデータ、全部霧島さんと2人で分担で処理してるんでしょう?凄いじゃない。私達も同じ2人でやってるのに1時間で音を上げて…」

高雄「まあ……確かにそうねぇ」

妙高「そういう意味も含めて、霧島さんと鳥海さんは凄いって言ったのよ。それに鳥海さんは武勲艦って言うし…羨ましいわね~、そんな根気強い妹がいて…」

高雄「何言ってんの、貴女には那智さんがいるじゃない」

妙高「確かに那智は根気強いけど、どこか女性らしさが欠けてるって感じがしなくもないのよ」

高雄「ああ…分かるわね…なんとなくだけど。でも、提督に褒められたら少し照れるのも女性らしさって言えないかしら?」


那智『司令官。リランカ島の攻略に成功したぞ』

提督『お疲れ様です。そして、よく頑張ってくれました。ありがとうございます』

那智『ふ、ふんっ。別に、これしきの事…!///』


妙高「あれ、女性らしさって言うのかしら…」

高雄「それに比べてうちの次女の愛宕ったら…提督を誘惑する事しか頭にないような感じがするし…」

妙高「でも、彼女は結構女子力高いわよ?この前なんて、自前のクッキーを駆逐艦のみんなに配ってたそうじゃない」


愛宕『みんな~、遠征お疲れさま♪ご褒美に、私特製のクッキーをプレゼントするわね~』

駆逐艦ズ『わーい!愛宕先輩、ありがとー!』

愛宕『ふふふ、どういたしまして~』


高雄「まあ、あの子は料理が元々得意だから…」



699: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:37:35.95 ID:tR/70j1q0

高雄「というか、女子力の高い妹って、羽黒ちゃんがいるじゃない」

妙高「うーん…羽黒って、女子力がそこまで高いかしら…?」

高雄「高いわよ~。提督の秘書艦してる時なんて、さりげなくコーヒーを注いであげてるし…」


羽黒『し、司令官さん…その…どうぞ』カチャ

提督『おや、すみませんね』

羽黒『い、いえ…これしきの事…』


高雄「その他色々、妙高の見てないところで頑張ってるのよ?彼女」

妙高「そうだったの……羽黒ったら、おどおどしてて泣き虫なイメージが強くって…」

高雄「姉としてそれはどうなの……」

妙高「でも、摩耶ちゃんみたいな妹も欲しかったな~…」

高雄「え?摩耶が?」

妙高「あの、いつもは反抗的な態度を取っているようで、時折見せる素直な表情と言葉に胸を打たれるというか…」


摩耶『……何であの時かばったんだよ』

赤城『あの時貴女は、あと一歩のところで轟沈するところでした…。それに、大切な仲間を失いたくなかったから…です』

摩耶『……………ありがと、な』


高雄「でも、それ言ったら足柄さんも似たような感じじゃない」

妙高「うーん……足柄は…ただ戦う事が楽しくて仕方ない…ちょっと女性としてどうなの、ってところがあるし…」



700: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:43:58.08 ID:tR/70j1q0

高雄「でも、彼女と一緒に出撃した時、結構楽しかったわよ?」


足柄『戦場が!勝利が私を呼んでいるわ!!』

高雄『ふふっ、どんな戦いになるのかしら、楽しみね』

足柄『でも、心配する事はないわ。私がいるんだから、勝利は間違いなしよ!』


高雄「彼女の言葉には、戦意高揚の効力もあるのかしら」

妙高「そんな効力絶対ないと思うわ」

高雄「でも、自分の妹の魅力って、案外自分じゃ気づかないものよねぇ」

妙高「確かにそうね……。それで、他人の妹の魅力にばかり目が行って羨ましくなって……」

高雄「って、こんな話無し無しね。さ、早く仕事に戻りましょう」

妙高「そうね、まだ仕事はたくさんあるから……」

高雄「あー、でも羽黒ちゃんの守ってあげたい感じはいいわね…」

妙高「それなら、鳥海ちゃんの女の子らしさと武勲艦としての働きを併せ持ってるのもまた……」


提督(おばちゃん同士の井戸端会議か)


【終わり】



701: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/27(金) 21:55:30.23 ID:tR/70j1q0

【キャラクター紹介】

≪高雄≫

高雄型重巡洋艦一番艦。艦娘No.59。おっとりした感じでふかふかな体が特徴の優しいお姉さん。かつては御召艦としての役割も務めていたためか、女子力は

意外と高め。妙高と仲が良く、よく一緒に食事を摂ったり出かけたりしている。後輩の指導に関しては優しくも厳しいスタイルを貫き、深海棲艦との戦闘では、

一切の躊躇と遠慮をしない。ふくよかなスタイルに加えて『馬鹿め』という言葉遣いから、一部鎮守府のマゾ提督には人気の様子。

好きな言葉は『千里の道も一歩より』。


≪妙高≫

妙高型重巡洋艦一番艦。艦娘No.55(改二はNo.191)。シックなどこか大人じみた雰囲気が特徴の、優しいお姉さん。個性豊かな妙高型をまとめる姉であり、

その真面目性格を提督から認められている、優秀な人。戦闘スタイルは慎重派で、突っ走り過ぎる足柄をたしなめる役割も請け負う。怒ってしまった時は、

逆に穏やかな笑みを浮かべて周りを戦かせる。怒らせると怖い人。歳の事とか雑コラとかで馬鹿にしてはならない。

好きな言葉は『転ばぬ先の杖』。



706: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:02:26.94 ID:T3yu7zPO0

こんばんは、>>1です。

今日は、‶ハーレム鎮守府の整備員‶の話を書いていきます。

>>705
 深海提督、了解しました。

それでは、投下していきます。



707: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:06:25.04 ID:T3yu7zPO0

 ―15時過ぎ、第壱拾参鎮守府・工廠―

明石「……っこいしょっと……ふぅ~…」ガシャァン

瑞理「明石ちゃん、お疲れさま~」

明石「ああ、提督…お疲れ様です…」

瑞理「?疲れてるようだけど」

明石「ええ……大規模作戦で負傷する艦娘の艤装が増えて……それで疲れが溜まっちゃって…」

瑞理「なんなら、手っ取り早く疲れを抜く方法があるけど…」ワキワキ

明石「夜のお相手ならお断りですよ」

瑞理「ありゃ残念……けど、明石ちゃんの負担が増えてきてるのは確かだしなぁ……」

明石「いえ、私の苦労何て提督に比べれば……」

瑞理「…そろそろ、整備員を雇おうかな」



708: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:18:21.53 ID:T3yu7zPO0

【直すのは人の手】

 ―17時過ぎ、第壱鎮守府・執務室―

瑞理『と言うわけで、整備員を1人雇いたいんだけど』

提督「…事情は分かりました。しかし、そう言った話は直に会って話していただきたかったのですが」

瑞理『だってお前の顔直に見るの何て嫌だったし。あ、整備員の子は可愛い子にしてね~』プツッ

提督「…まったく」カチャン

比叡「?司令?さっきの方は?」

提督「瑞理さんからです。工廠の人手不足解消のために整備員を1人雇いたいとのことです。まったく、大規模作戦中に仕事を増やしてくれる…」

比叡「あれ?そう言った整備員とかの話って、総司令部に直接来るんですか?」

提督「ええ、機関関係の部署は今は存在しませんし、総司令部で総括しているんです」

比叡「…そもそも、整備員ってどうやって養成してるんですか?」

提督「それはですね…海軍学校で整備員も養成してるんです」

比叡「?」

提督「海軍学校には、提督になるための学科である司令科と、整備員等工業関係の仕事に携わるための機関科の2つに分かれているんです。鎮守府で働く

   整備員は、ほとんどこの機関科の学科を修了した方たちです」

比叡「ふむふむ……あれ、1つ気になったんですけど…」

提督「はい?」

比叡「海軍学校を卒業して、すぐに鎮守府で働くって事、できるんですか?」

提督「そう言った事例は、今のところ、そこそこある程度です」

比叡「あ、やっぱりですか」



709: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:30:20.38 ID:T3yu7zPO0

提督「整備員を雇いたい鎮守府もあるにはありますが、あまり多くはありません。せいぜい、全国の3~4割と言ったところでしょう。そのぐらいの数しか、

   整備員を雇ったりはしませんので、必然的にどこの鎮守府にも属さない整備員の方もいらっしゃいます」

比叡「その方々って、鎮守府に雇われるまではどうするんですか?」

提督「どこかの鎮守府が求人を出すまでは、海軍付属の施設で働いてもらっています。工場や、訓練所等……まあ、色々あります。そして整備員を雇いたい

   鎮守府の提督が、総司令部に連絡をして、こちら側がその鎮守府へ配属させる整備員をリストから探し、そこへ行かせると言った感じです」

比叡「はぇ~……」

提督「……後、鎮守府側はある程度、雇いたい整備員の方の希望を出す事ができるんです」

比叡「?希望?」

提督「一番多い希望が『女性であること』。鎮守府で働いている方はほぼ全員が女性です。男性を雇うと、不純な関係が構築されるかもしれない。それを恐れ、

   最初から女性整備員を希望する方が最近増えてきています」

比叡「女性整備員って…いるんですか?」

提督「けっこういますねぇ。艦娘の存在が公になってから、同じ女性が海に出て深海棲艦と戦っているのだから、私達にも何かができるかもしれない、と考え、

   提督業を志望する女性も増えてきています。もちろん、機関科を希望する女性も増えてきています」

比叡「あー…女性の私が言うのもアレですけど、女性って同じ女性が頑張ってるのを見ると、感化されることが良くありますからねぇ…」

提督「…まあ、ほかの希望条件と言えば、『ある程度の資格・免許を持っている事』、『身体能力が高い事』、『博識がある者』などなど……結構細かく、

   希望できます」

比叡「結構あるんだ……」

提督「……しかし、先ほどの瑞理さんは、特に理由を述べるまでもなく『可愛い子をお願い』とのたまってました」

比叡「あからさまに自分の趣味ですよね……」

提督「そうです。ですから……」

比叡「?」

提督「私がムカつく奴の鎮守府に、そんな自己中心的であいまいな理由で希望してきた通りの人材を送ると思うかって話ですよ」

比叡「嗚呼……」



710: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:37:31.91 ID:T3yu7zPO0

 ―数日後・10時、第壱拾参鎮守府・執務室


禊「初めまして!禊 秀平(みそぎ しゅうへい)です!よろしくお願いします!」←可でも不可でもない容姿の男


瑞理「何でよりにもよって野郎を雇わせたんだ」

提督「もし女性を貴方の鎮守府で働かせたら、貴方が女性に現を抜かして執務に身が入らないだろうからと言う、私の気遣いです」

瑞理「そんな気遣いいらん」

禊「あ、あの……」

瑞理「ああ、ごめんごめん。別に君が嫌だってわけじゃないんだ。僕はこの鎮守府の提督の瑞理 兆だよ。よろしくね」スッ

禊「あ、はい!よろしくお願いいします、瑞理提督!」アクシュ

瑞理「瑞理提督なんて堅苦しいから、‶瑞理さん‶でもいいよ」

禊「あ…分かりました、瑞理さん」

瑞理「さて……色々教えたいところなんだけど…」

コンコン

川内『川内でーす…第一艦隊が帰投しましたぁ~…』

瑞理「入ってどうぞ~」

ガチャ

川内「失礼しまーす……」大破

禊「んなっ!?」

瑞理「お疲れちゃん。どうだった?」

川内「それがね…って斑提督…こんにちは」ペコリ

提督「こんにちは」ペコリ



711: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:45:09.69 ID:T3yu7zPO0

川内「それで……そっちの人は?」

瑞理「彼は、禊君。今日からうちで働くことになった整備員だよ」

川内「へー…」ジロジロ

禊「う……な、何か…?」

川内「私は川内!よろしくね!好きなものは月と星と夜戦です!」

禊「み、禊です。よろしくお願いします…」アクシュ

瑞理「それで、バニラ湾はどうだった?」

川内「いやぁ…やっぱり駆逐水鬼が強いねぇ……A勝利がいっぱいいっぱいかな…」

瑞理「そっか……まあ、いいや。川内ちゃんと…あと損傷を負ったのは?」

川内「江風ちゃんが中破、時雨ちゃんが小破だよ」

瑞理「確か、ドックは全部空いてたよね?じゃあ、3人は入渠して構わないから。それと、夕立ちゃんを呼んできてくれるかな?夕立ちゃんは無傷でしょ?

   それと、川内ちゃんは報告書はまた後日でいいから」

川内「あ、うん。分かった~」

瑞理「…まあ、こんな感じで今は大規模作戦中で忙しいんだ。ゆっくり案内したり説明したいところなんだけど、こんなだから詳しい説明はまた今度にして、

   とりあえず工廠に向かってくれないかな?そこが君の主な仕事場になるだろうから」

禊「あ、はい!」

瑞理「工廠の勝手は、明石ちゃんに訊いた方が早いと思うしね」

提督「では、私はこれで。禊さん、頑張ってくださいね」

禊「はい!頑張ります!」



712: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:51:38.91 ID:T3yu7zPO0

 ―数分後、工廠―

明石「君がここで働く禊君か~。私が明石!よろしくね」

禊「よろしくお願いします!」

明石「じゃあ、早速で悪いんだけど…」チラッ

禊「?」

明石「この被弾した艤装を運ぶの、手伝ってくれないかな?」

禊「あ、はい!」

明石「その後は、壊れた部分を修復しなくちゃならないし…」


 ―18時過ぎ、工廠―

明石「ふぅ~……終わった~……」

禊「結構きついですね…」

明石「いやぁ、君が手伝ってくれたおかげで、普段よりも体力を使わなくて済んだし、結構余裕をもって作業できたよ。ありがとね」ニコッ

禊「い、いえ……」ドキッ

ガラガラー

瑞理「禊君いる?」

禊「あ、はい!ここにいます!」

瑞理「出撃や仕事がひと段落着いたから、鎮守府の事を説明しようと思って」

禊「分かりました、すぐに向かいます」

瑞理「工廠の事は明石ちゃんに教わったかな?」

禊「大丈夫です」

瑞理「じゃ、執務室へ行こうか。明石ちゃんも一緒にね」

明石「了解です!」



713: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 21:58:26.76 ID:T3yu7zPO0

 ―19時過ぎ、執務室―

瑞理「…とまあ、大体こんな感じ。後、禊君には工廠関係の仕事のほかに、雑務とかも手伝ってもらったりもしちゃうけど、いいかな?」

禊「頑張ります!……けど、ちょっと不安で…」

瑞理「まあ、分からない事があったら何でも聞いてくれていいからね。あ、そうだ…」

禊「?」

瑞理「禊君の部屋とかどうしよう……」

明石「あ、よろしければ工廠にある、私の部屋の隣の空部屋使います?」

瑞理「あれ、あそこ空いてたっけ?」

明石「ええ、掃除すれば綺麗になりますよ」

瑞理「じゃあ、禊君。君の部屋は明石ちゃんの隣の部屋でいいかな?」

禊「俺は構いませんけど…」

禊(明石さんの隣の部屋か……)


 ―数日後、工廠―

明石「あ、禊君!ちょっちいいかな?」

禊「はい?」

明石「この書類、提督のところに持って行ってくれないかな?」

禊「あ、分かりました」

明石「お願いね」ニコ

禊「は、はい!」


 ―数分後、執務室前―

禊「瑞理さーん、明石さんからの書類を―」



714: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 22:02:53.24 ID:T3yu7zPO0

『だ……めぇ、イ……クぅぅっ…!!』

禊「」

禊「」

禊「」

禊「……………落ち着け秀平、きっと尋ねた時間が悪かったんだ。また時間を改めて来よう」


 ―13時過ぎ―

禊「瑞理さーん―」

『もっと……もっとしてぇ……!』

禊「」


 ―15時過ぎ―

禊「瑞理―」

『だめだめぇ……そっちは違うぅ……!』

禊「」


 ―17時過ぎ―

禊「ミズーリ……」

『あはぁっ!これ気持ちイイよぉぉ~…ッ!!』

禊「」


 ―19時過ぎ、食堂―

禊「……………なんなんだ…一体……」

明石「あー…聞いちゃったのか~…何度も執務室に行っては戻ってを繰り返してたから何かと思ったけど……」

禊「明石さんは……知ってるんですか…」



715: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 22:08:13.02 ID:T3yu7zPO0

明石「まあ、私も曲りなりにもここの艦娘だしね」

禊「……明石さんも……その………あんな事を…?」

明石「いやいや、私は流石に簡単に体を明け渡したりはしないから。まだ夜戦(意味深)の経験はないし。せいぜい胸とかお尻とかを触られたくらいだから」

禊「せいぜい!?」

明石「というか、斑さんから聞いてなかったの?ウチの提督はそういう人だって」

禊「………そう言えば……」


 ―数日前、第壱鎮守府・執務室―

提督『貴方には、明日から東海・伊豆第壱拾参鎮守府で働いていただきます』

禊『はい!』

提督『あー、ちなみに……そこの提督は少々あれですので、気を付けてください』

禊『?』


禊「アレ…って、そういう意味だったんですね」

明石「あはは、まあ頑張ってね」

禊「…なんだか、ここは自分の常識を犯されそうな気がします…」

明石「まあ私達艦娘もそもそも常識を逸してる存在のようなもんだしね~…」


【終わり】



716: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/29(日) 22:14:34.16 ID:T3yu7zPO0

【キャラクター紹介】

≪禊 宗平(みそぎ しゅうへい)≫

東海・伊豆第壱拾参鎮守府で働いている整備員の男性。年齢は20歳。容姿はそこそこ、可でも不可でもないと言った感じ。海軍学校の頃は機関科に所属し、

システム関係の学科を学んでいた。しかし成績は突出して良いというわけではない。少し泣き虫なところもあり、少しきつい言われ方をしただけで泣く事も。

瑞理提督の事は(スケコマシと言うところを除けば)信頼はしている。明石に対して恋に近い感情を抱いている。

好きな言葉は『布衣之交』。



720: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 21:09:40.77 ID:4IRznxTj0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストで消化し忘れてしまった初期空母・祥鳳の話を書いていきます。

それでは、投下します。



721: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 21:13:10.76 ID:4IRznxTj0

 ―6時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

ピピピピピ

祥鳳「う………あさ…?」ピッ

祥鳳「秘書艦の当番になると、朝早く起きなきゃならないから、少し大変ね……」

瑞鳳「す~……す~……」

祥鳳「もう…瑞鳳ったらまた遅くまでプラモデルを作ってたのね?夜更かしは体に悪いって何度も言ってるのに…」シュルッ、パサッ

瑞鳳「むにゅ……卵焼き……」

祥鳳「……ま、今日は休みだからいいか」

瑞鳳「く~……食べたい……」

祥鳳「じゃあ、私はお先に、ね」

パタン



722: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 21:21:44.47 ID:4IRznxTj0

【小柄な空母】

 ―9時過ぎ、執務室―

提督「祥鳳さん、この書類なんですけど…」

祥鳳「ああ、その書類でしたらこちらに…」

瑞鳳「なーんか、祥鳳って秘書艦の期間長い気がするな~…」

祥鳳「あら、そうかしら?」

瑞鳳「絶対そうだって。私は提督の初期艦を務めてる期間って大体2~3日だけど、祥鳳とか吹雪ちゃんとかは、大体1週間くらいしてるじゃない。なんで?」

   提督のひいき?」

提督「贔屓などではありませんよ。あ~いや、贔屓…なのか?」

瑞鳳「?何よ、まどろっこしいわね…」

提督「祥鳳さんは、私が提督として着任してから間もないころに着任した方ですので、それなりに付き合いが長いんです。そういう方は、他の方たちと比べて、

   少々長い期間秘書艦を任せております」

祥鳳「吹雪ちゃんは、初期艦だから?」

提督「ええ。また、着任後最初に建造したのが五月雨さんだったため、彼女もまた秘書艦としての期間が長いです。さらに、初期着任の方ほどではないけれど、

   それなりに長い付き合いをしている方は他の皆さんより少し秘書艦の期間が長いです」

瑞鳳「じゃあ、最近来た私はまだまだって事?」

提督「まあ、そうなりますね」



723: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 21:32:54.04 ID:4IRznxTj0

祥鳳「そう言えば、提督と初めてお会いしてから、もう4年も経ったんですね…」

提督「そうでしたねぇ……あの時は、製油所地帯沿岸で少々苦戦していましたからねぇ…」

瑞鳳「ああ、必然的に祥鳳が初めての空母なんだ。赤城さんかと思った」

提督「ええ。赤城さんは、敵艦隊の空母を撃沈する事で、邂逅する事ができますから。ですが、敵編成に空母が組み込まれるのは、南西諸島防衛線付近ですし」

祥鳳「でも、あの時は苦戦しましたね…」

提督「ですが、あの時は祥鳳さんが来てくれたおかげで、戦況が一気に優勢になりましたから……」


 ―4年前・16時過ぎ、執務室―

吹雪「申し訳ございません、司令官……。敵の中枢艦隊と思しき艦隊と交戦しましたが、勝利できませんでした……」中破

提督「いえ、皆さんが無事に帰ってきてくれただけで何よりです。それにしても、何度戦っても勝てませんねぇ……」ウーン

神通「雷撃戦でも、夜戦に持ち込んでも、倒しきる事ができません……」

提督「それはやはり、装備がまだ不十分だという事でしょう」

吹雪「そんなっ、それは私達が力不足なだけで…!」

提督「いえ、自分を卑下するような事はしないでください。貴女たちは装備に頼らずとも十分に強いですから」

吹雪「……………」

提督「しかし……いつまでもこんなところで足踏みしてるようではだめです。そろそろ、戦力増強のために、空母または戦艦を建造しましょう」

神通「戦艦ですか?」

提督「幸いにも、資材に余裕はありますから」



724: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 21:40:12.16 ID:4IRznxTj0

 ―数分後、工廠―

工廠妖精「建造ですかー?」

提督「はい。それも、戦艦もしくは空母を」

工廠妖精「そうなりますとー、消費する資材が少々多めになりますけどー、いいんですかー?」

提督「構いません」

工廠妖精「分かりましたー。では、資材の配分はこのリストから選んでくださーい。オリジナルでも構いませーん」ペラッ

提督「…では、この燃料:400、弾薬:30、鋼材:600、ボーキサイト:30のレシピでお願いします」

工廠妖精「了解でーす」

ゴゴゴゴゴゴン

工廠妖精「ではではー、建造開始ー!!」

ガシャン


[1号建造ドック…建造時間残り02:40:00]


工廠妖精「あー、提督さん、ごめんなさーい…」

提督「?何か?」

工廠妖精「建造時間2時間40分ってー、戦艦じゃなくて空母なんですよねー」

提督「」

工廠妖精「まー、建造ではよくあることですって、どんまいどんま―げぶぅ!?」

提督「……………」ギギギギギ

吹雪「し、司令官落ち着いて!!」

神通「製油所地帯沿岸をクリアできなくてストレスがマッハ状態なんです!静まってくださーい!!」



725: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 21:46:34.88 ID:4IRznxTj0

 ―約2時間半後―

提督「先ほどは失礼しました」

工廠妖精「い、いえいえ……あ、それより建造した方、そちらで待っていますよー」

提督「分かりました、では、呼んでいただけますか?」

工廠妖精「分かりましたー。おーい!」

ガラッ


祥鳳「初めまして、軽空母・祥鳳です。ちょっと小柄ですけど、ぜひ提督の機動部隊に加えてくださいね」ニコッ


提督&吹雪&神通「……………………」

祥鳳「?あの、何か?」

提督&吹雪&神通「……………………………」ジー

祥鳳「?」

(左半身の着物がはだけてそれなりに大きい胸がサラシだけで隠されてる)


提督&吹雪&神通「………………痴女?」

祥鳳「違いますっ!!」


瑞鳳「初対面の印象が痴女ってたまったもんじゃないわね…」

祥鳳「ホントですよ!それも、吹雪ちゃんはともかく神通ちゃんにまで痴女って言われて……」

提督(吹雪さんが‶痴女‶と言う事に違和感は感じないのか)



726: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/11/30(月) 22:00:37.08 ID:4IRznxTj0

提督「それで、祥鳳さんのおかげで敵艦隊を発見する事も容易になり、敵の攻撃を回避する事と敵へ攻撃を命中させることも容易になりました。いわば、

   祥鳳さんのおかげで私の艦隊はまた一歩強くなる事ができたという事です」

瑞鳳「それで結果的に、製油所沿岸地帯は攻略できたんでしょ?」

提督「当たり前ですよ。でなければ今、私達は珊瑚諸島沖まで来れていません。まあ、祥鳳さんに加えて、攻略途中で仲間に加えた青葉さんも含めてようやく、

   製油所沿岸地帯を攻略する事ができました」

瑞鳳「へ~…」

提督「あの時、祥鳳さんが弓を放って何をするのかと思ったら敵を殲滅……圧巻でした」

祥鳳「ええ……正直、私は自分が何をやっているのかは、本当の意味では理解できていませんでした。ただ、あの時こうするべきであると、脳が勝手に判断し…

   体が勝手に動いたんです。これが、空母である私の動きなのだと、あの時初めて知りました」

提督「まあ、着任当初は痴女と言うイメージが濃すぎて…」

祥鳳「そういう話はやめてくださいって!というか、今は普通に着物を着てるでしょう!?」

瑞鳳「あー、祥鳳?ちょっと悪いんだけど…」

祥鳳「あ、ごめんなさい。どうかしたの?」

瑞鳳「祥鳳って、新しく着任した子の教育係も務めてるわよね?吹雪ちゃんとかと一緒に…。今は、鹿島さんとか、酒匂さんとか、嵐ちゃんとか…」

祥鳳「ええ、そうね」

瑞鳳「その子たち、実戦訓練の後、口々に祥鳳の事『痴女っぽい人だったね~』って言ってたわよ」

祥鳳「………………」

提督「実戦訓練でも着物をはだけさせていたんですか?」

祥鳳「…………はぁ…」

提督「まあ、痴女っぽい空母っていうのも、乙だと思いますよ」

祥鳳「どこがですかぁ!?」


【終わり】



731: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:04:40.13 ID:3PF3ZhiL0

こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました遠征組の話を書いていきます。

>>729
  大井、了解しました。

それでは、投下していきます。



732: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:09:23.56 ID:3PF3ZhiL0

 ―9時前、鎮守府付近―

ザザザザ…

天龍「ふ~…やっと鎮守府の近くまで帰ってきたぜ…」

初雪「眠い……もう無理……」

深雪「ほらほら、あと少しで鎮守府だからさ!寝るなっての!」

初雪「寝ながら航行……はっ、もしかして凄い事かも」

天龍「全然すごくねーって…あふぁ…」

深雪「天龍先輩も眠そうですね~」

天龍「ったりめーだろ…何せ大体12時間ぐらい寝ずで海に出てたんだから……」

天龍「にしても…俺も敵とボカボカやり合いたいってのに…アイツときたら俺を演習か潜水艦哨戒にしか出さねーから…」

深雪「ふわ~…ねむてー…」



733: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:16:04.27 ID:3PF3ZhiL0

【遠征軍】

 ―数時間前、講堂―

提督「えー、本日夜間出発の遠征部隊は、艦隊決戦援護作戦、囮機動部隊支援作戦、資源輸送任務へと向かってもらいます。後ほど編成表を張り出しますので、

   確認をお願いします」

皆『はーい』

龍田「あーあ…私はまた艦隊決戦援護作戦だろうな~」

磯風「ん?なぜだ?」

龍田「昨日は天龍ちゃんが夜出発したから~、今日は天龍ちゃんの妹の私が遠征なんだと思ってね~」

磯風「ここの鎮守府には、俗にいう遠征組と言うのは存在しないのか?」

龍田「ウチの提督はね~、大体重巡洋艦と軽巡洋艦、それと駆逐艦を遠征に起用してるんだけど~、ローテーションがちゃんと組まれてるのよ~。だから、

   出撃せず遠征にしか出さない、なんてことはないのよ~」

磯風「なるほど……アイツは、艦娘思いなのだな」

龍田「そうね~、私もそう思う。でも、やっぱり私や天龍ちゃんみたいな旧式の軽巡洋艦って、難関海域とかには出してもらえないから~、大体遠征か、

   鎮守府近海の潜水艦哨戒任務しか出してくれないの~」



734: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:23:01.74 ID:3PF3ZhiL0

 ―9時半過ぎ、執務室―

天龍「遠征が終わったぜ~……」

提督「お疲れ様です。して、遠征の方は?」

天龍「ん。何とか成功したぜ。支援砲撃しかなかったけど、敵は全滅だ」

提督「素晴らしい、上出来です」

天龍「ところで、だ。提督よ」

提督「はい?」

天龍「たまには俺も出撃させてくれよ」

提督「出撃ならさせてるじゃないですか」

天龍「出撃っつったって、キス島の1戦撤退か、鎮守府近海の潜水艦哨戒しかねーじゃねーか!俺が言いたいのはそう言うのじゃなくて、敵を全滅させる、

   硝煙の匂い漂う戦闘が好きなんだよ!」

提督「キス島でも潜水艦哨戒でも硝煙漂ってるじゃないですか」

天龍「だーかーらー、そういうんじゃなくて!」

提督「じゃあ、どういう事ですか」

天龍「俺が戦いたいのは、軽巡とか駆逐イ級とかちゃちなのじゃねぇ。戦艦ル級とか、空母ヲ級とか、そういう強い奴なんだよ!」

提督「まったく……本当に貴女って戦闘が好きですよね。色気より覇気ですか」



735: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:25:54.53 ID:3PF3ZhiL0

 ―同時刻、廊下―

龍田「あーあ、やっぱり私が旗艦で艦隊決戦援護作戦か~」

睦月「あ、龍田さん!」

龍田「あら~、睦月ちゃんに如月ちゃんに皐月ちゃん。貴女たちも私と同じ遠征よね~?」

睦月「はい!睦月、頑張っちゃうから!」

如月「夜更かしはお肌に悪いのよね~」

龍田「私も同意見ね~。まったく~、あの提督ったら女の子の事情も少しは知ってほしいわ~」

皐月「あはは……逆に、僕たち女の子が遠征に出なかったら、誰が遠征に行くのかな……」

龍田「………………提督が



736: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:31:26.98 ID:3PF3ZhiL0

皐月「無理だって!」

龍田「あら~、まだ言い終わってないのにひどいわね~。誰も提督が直接遠征に出るなんてまだ言ってないじゃない」

睦月「あ、あははそうだよね~」

龍田「提督が直接遠征に行けばいいじゃない」

皐月「言っちゃったよ!」

龍田「‶まだ‶言ってないって言ったじゃない~。まあそれは置いといて、私達や艦遠征組は日中の出撃は免除されてて仮眠も許可されてるけど~、貴女たちは、

   どうする?」

睦月「睦月、演習したいにゃし!」

皐月「演習で、遠征に向けて気合を入れたいんだ!」

龍田「あら、じゃあ私もご一緒しようかしら~?」

如月「演習もお肌が痛んじゃうのに~」

皐月「如月…お肌の事を心配してちゃ、艦娘の役割が何もできないと思うよ…」

龍田「じゃあ~、一緒に遠征に行く古鷹先輩と加古先輩も誘いましょうか~」


隼鷹「まさか…今日遠征とは、な…」

飛鷹「どうかしたの?」

隼鷹「今夜は那智と千歳と一緒に飲む予定だったんだよ~!!」

長月「いいんじゃないか?禁酒をするのにちょうどいい」

隼鷹「この駆逐艦め!はっ、そうだ!今から飲んじゃえば―」

菊月「いいわけないだろうが!!」



737: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:49:26.70 ID:3PF3ZhiL0

 ―執務室―

提督「前も言いましたけれど、出撃で深海棲艦を倒す事も重要ですが、遠征で資源を運び、自他国の船団を護衛する事もとても重要なんですよ?」

天龍「そりゃ前に聞いた。それでも、艦娘の本分は深海棲艦をぶっ倒す事だ。それを全うできないんじゃ、俺の機嫌は収まらねぇよ」

提督「…そもそも、天龍さんや龍田さんは自前の業物…その剣や薙刀で敵と戦う、いわゆる近接戦が得意でしたよね?」

天龍「ああ。一応、連装砲とかも使えるが、こっちの方が手になじむ」

提督「ですが、近接戦は敵に隙を突かれるとすぐにけがを負ってしまうでしょう。さらに、戦艦相手では、そこまで近づくまでに被弾してしまう可能性も、

   無きにしも非ずでしょう」

天龍「む………」

提督「貴女たちと同じように業物の刀を使う木曾さんは、近接戦闘と魚雷による雷撃を得意としています。ですから、木曾さんの方が強力な敵との戦闘に

   向いていると言えます。しかし、天龍さんも龍田さんも性能の問題ですが、火力も雷装も特筆して強いというわけではございませんし……。ですから、

   貴女たち2人は難しい戦闘には出しづらいと言えます」

天龍「それは分かってる。百も承知だ。けど、やっぱり敵と戦うのが艦娘の存在意義!それを果たしてぇんだ!」

提督「…………………」

天龍「…………………」

提督「……分かりました。では、ヒトヨンマルマル(14時00分)に、第一艦隊がオリョール海へ出撃予定です。その編成の大井さんを天龍さんに変更します。

   これでよろしいですか?」

天龍「おう!それで十分だぜ!オリョール海なら、空母も戦艦もいる!申し分ねーぜ」

提督「では、出撃するまでに、仮眠や風呂を済ませておいてください」

天龍「了解だ!」



738: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:54:41.12 ID:3PF3ZhiL0

 ―16時過ぎ―

皐月「やったね、大勝利だ!」

睦月「睦月、やる気が滾ってきたにゃしぃ!!」

如月「私も…今なら頑張れそうだわ…!」

龍田「私もよ~。じゃあ、夕飯までお昼寝しましょうか~。仮眠もかねて、ね」

加古「あー…演習終わったら無性に眠くなってきた…寝る。ぐおー」

古鷹「ここで寝ちゃだめでしょ!起きて~!!」


隼鷹「酒…ビール……焼酎……」

長月「あー、隼鷹先輩……甘酒、飲むか?」

隼鷹「の、飲むぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

菊月「どこの卵焼き軽空母だ」


望月「遠征なんて休みて~…」

卯月「卯月、演習楽しみだぴょん!」

弥生「うーちゃん…遠征前にはしゃいだら、疲れちゃうよ…」

三日月(私…胃薬持って行った方がいいかしら…)



 ―同時刻、執務室―

天龍「」大破

提督「それがこのザマである」

天龍「泣きてぇ…」


【終わり】



739: >>1 ◆aKZmxL4TCc 2015/12/01(火) 21:59:56.70 ID:3PF3ZhiL0

【キャラクター紹介】

≪天龍≫

天龍型軽巡洋艦一番艦。艦娘No.28。ショートヘアと左目の眼帯が特徴の、オラオラ系のお姉さん。見た目は怖いが性格は優しくて、駆逐艦の世話が大好き。

他の軽巡洋艦に比べて性能が劣っており、それが原因であまり難関海域に出撃気ないことが悩み。戦闘では自前の刀を使った近接戦闘と奇襲を得意とする。

妹の龍田にはいつもいじられている。かっこつけた発言を自分で言ったら自分から恥ずかしくなる。『フフ、怖いか?』はもはや自虐ネタ。

好きな言葉は『孤軍奮闘』。




【艦これ】総司令部の日常【4/4】に続く



元スレ
SS速報VIP:【艦これ】総司令部の日常
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