以前建てた、健夜「咲ちゃん、アイス買ってきたよ」
の、続きです

・咲さんのキャラがかなり改変されてます
・すこやんが咲さんのコーチになってます
・後輩にマホがいます
・インハイ観戦にきてます

これらを心に置いておいて貰えれば、過去作は読まなくても大丈夫だと思います。

今回、阿知賀テイスト強めかも

のんびり更新です。よろしくお願いします

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2: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:27:05.51 ID:foBdv+OC0


【インターハイ2日目・Aブロック第2試合】



怜「リーチ」ビシッ


玄(園城寺さんのツモ切りリーチ!)ビクッ


玄(牌譜や映像で見た事と同じ事が起こるとしたら……)


美幸(誰かが鳴かないと……!!)


ソフィア(キッついわぁ)


怜「ツモ 3000,6000」ゴゴゴゴ


玄「はぅっ!!」



恒子『先鋒戦決着ぅぅぅぅぅぅ!!!』


恒子『まさしく圧倒的!!!千里山女子、園城寺怜選手!!!+48000点と他校を大きく突き放しましたぁぁぁ!!!』





3: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:28:43.87 ID:foBdv+OC0



怜「お疲れ様」


美幸「お疲れっしたぁ~……」


ソフィア「きっつ……」


玄「お疲れさまでした……」グスッ



健夜『この対局での和了りのほとんどが園城寺選手、そしてその全てがツモ切り立直からの1発ツモでしたね』


健夜『これは凄いです』


恒子『大きく突き放されはしましたがまだ先鋒戦!!他校もまだまだ巻き返せるぞおお!!』



健夜(ふぅ……)


健夜(咲ちゃん、何やってるかな)


―――――
――――――――――
――――――――――――――――



4: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:29:45.87 ID:foBdv+OC0



【Aブロック会場・観戦室】



「このアナウンサー大阪のおばちゃん並に元気ええな」


咲「……」ペロペロ


「格下相手とは言え、怜も中々やるやん?」


「…ま、ウチらの方が強いけどな!」


咲「……」


咲「あなた誰ですか……」チラ


「はっ!?ウチを知らんて、ホンマに言っとるん!?」


咲「……もしかして姫松高校の方ですか?」ペロペロ


「なんや、知っとるやないか。そりゃ、天下の姫松を知らん訳あらへんよな!」アッハッハ


咲「……」ペロ


「てか、自分さっきから何食べとるん?」





5: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:30:25.01 ID:foBdv+OC0



咲「なにって…見てわかりませんかアイスですよ」


咲「あ、大阪にはアイスが存在して無いんでしたっけ?すみません」ペコ


「なんでやねん!!」ベシッ


咲「あぅ」


「アイス言うたら大阪のたこ焼きアイスやろ!」


咲「うぇ……」


「いや今のツッコむとこやて」


咲(面倒くさい……)



由子「やっと見つけたのよー」


「ん?」


「なんや、由子かいな」





6: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:31:01.74 ID:foBdv+OC0


由子「なんや、じゃないのよー」


由子「洋榎がおらへんからミーティング出来ないって恭子がカンカンよー」


洋榎「げっ、忘れとった!!」


洋榎「はよ戻らんと!怒られんのはイヤやー!!!」タッタッタ


咲「……」


由子「相変わらず忙しないのよー…」ハァ


由子「……」チラ


咲「……」メガアウ


由子「私服……?観戦しに来た子なん?」


咲「え?あ、はい」





7: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:31:30.08 ID:foBdv+OC0



由子「……」コホン


由子「大阪姫松、応援よろしくぅ!!なのよー」フリフリ


咲「え?あ、はい……」フリ


由子「ほな、またねー」タッタッタ


咲「……行っちゃった」


咲「洋榎さん……って言ってたな、あの人」


咲「観戦してたらいきなり話しかけてきたから何となく会話してたけど……」


咲「初対面でツッコミ入れられるとは思ってもみなかったよ」フゥ


咲「……?」チラ


咲「あ、アイス溶けてる!!っていうかベトベト!」ベットリ


咲「……最悪」





8: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:32:30.80 ID:foBdv+OC0

―――――――――――――――――――


【Aブロック2回戦 昼休憩】



健夜「ふう……やっと休憩…」


恒子「おっ疲れー!一緒にご飯食べ行こう!さぁさぁ!」


健夜「あー……」


恒子「もしかして、誰か先約が?」


健夜「ううん、そういう訳じゃ」


健夜「ちょっと待ってね?」つケータイ


恒子「小鍛治健夜!愛人とのランチを電話でキャンセル!」キャッキャッ


健夜「違うから!!……1人追加してもいいかな?」


恒子「うん?も、もしかして愛人を私に紹介……!?」


健夜「だから違うって!!」プルルルル





9: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:33:09.16 ID:foBdv+OC0



恒子「にゃはは!おっけーおっけー!」


健夜「もぅ…………あ、もしもし咲ちゃん?」


『うわっ……本当にこんな小さい機械で電話できるんだ……』


健夜(何時代からやってきたの……)


『もしもし、何か用ですか?』


健夜「あ、うん。お昼なんだけど……」


――――――
―――――――――――
―――――――――――――――――



10: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:34:27.11 ID:foBdv+OC0


【インターハイ会場・関係者食堂】



咲「あの、私ここに入っても良かったんですか?」


健夜「だいじ」


恒子「大丈夫大丈夫!!けど、その首からかけてる証明書とったらダメだよー」


咲「あ、はい…」


恒子「やー!それにしても、こんな可愛い子教え子がいるのに黙ってたなんて!!すこやんの薄情者ー!」ウリウリ


健夜「あぅ」


咲「可愛い教え子……」テレ


恒子「かーわーいーいー!」キャー


恒子「宮永咲ちゃんって言ったっけ!私はスーパーアナウンサー福与恒子!」


健夜「自分で言うことじゃないよ…」


咲「あはは……」





11: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:35:31.07 ID:foBdv+OC0


咏「あっれー?小鍛治プロに恒子ちゃんじゃね?」パタパタ


理沙「…こんにちはっ」プンスコ


健夜「咏ちゃんに理沙ちゃん」


はやり「はやや~☆皆揃って何やってるのかな~☆」キャルン


良子「Good morningです皆さん」


咲(お昼じゃん)


恒子「おわっ、トッププロが集結…」


健夜「皆揃って…どうしたの?」


咏「どうしたって、お昼食べに来た以外に無くねー?」パタパタ


咲(扇子に着物……テレビのキャラ作りじゃなかったんだ)





12: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:35:57.10 ID:foBdv+OC0



理沙「ご飯!」プンスコ


咲(なんで怒ってる風なんだろ?)


はやり「はやりはぁ、アイドルだからぁ、お昼は食べないぞ☆」キラン


咲(このプロきつい……)


はやり「はやや?★」


咲「」∥彡サッ


健夜「皆一気に集まるなんて、偶然だね」


はやり「だね~☆」


咏「やー、今年のインハイも盛り上がってて何よりっすねー」





13: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:37:12.86 ID:foBdv+OC0


咲(あっちはあっちで話してるし…なるべく存在感を消してご飯食べちゃお)

ワイワイ ガヤガヤ


咲「……」パクパク

咲「あ、この鮭美味し……味覚えてお父さんに出してあげよう」モキュモキュ



良子「アナタは選手では無いんですか?」スッ


咲「ひぅっ!!??」ビクッ


咲(い、いつの間に後ろに!?)


良子「おっとソーリー、驚かせてしまいましたか」


咲「か、戒能プロ……(だったよね?)」


良子「高校生ですね?見たところ制服では無さそうだったので少し興味が」


咲「えと、私は」





14: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:39:03.22 ID:foBdv+OC0



咏「うっひょー!何その子!すっげー!私服だよ私服ー!」キャッキャッ


はやり「こんな子大会に出てたかな☆」


理沙「……誰!」プンスコ


健夜「あ、えと、この子は……」


咲(いつの間にか皆こっち見てるし……)


恒子「聞いて驚け皆の衆!」


恒子「この子は、なんと小鍛治プロの隠し子であるぞー!!」






健夜「……へっ」





15: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:39:29.59 ID:foBdv+OC0



咏「なっ……!?」


良子「あ、アンビリバボーです…」


理沙「……意外な真実!」プンスコプンスコ


はやり「は、はやや~★おい健夜、どういう事かな★」ピクピク


健夜「いやいやいや!何言ってんの恒子ちゃん!!」


咲「そうです。こんな人がお母さんだなんて、そんなオカルトありません」


健夜「そんなに拒絶されると逆に傷付くね!?」


恒子「なははっ!実は~」





16: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:43:04.06 ID:foBdv+OC0

―――――――――――――――――――



咏「へぇ~?地元の高校の教え子ねぇ~?」ジロジロ


咲(ち、近い……っ)


はやり「健夜が高校のコーチやってたなんて初耳だぞ☆」


理沙「おどろき!」プンスカ


健夜「まあ、地元に移ったついでみたいな感じだよ」


はやり「ついででこんな女の子誑かして、やっぱり悪魔だね☆」


健夜「誑かして!?」


咲「ついで……」ムスッ


良子「にしても勿体無いですね。小鍛冶プロの教え子なら麻雀も打てるんでしょう」


咲「い、いえ……私はそんなに」





17: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:43:36.93 ID:foBdv+OC0



健夜「もう、良子ちゃん意地悪したらダメだよ?」


咲「え?」


健夜「トッププロなんだから、目の前の人が打てるか打てないか、分からない訳ないよ」



咲「確かに……」


良子「そーりーそーりー。ちょっとした出来心です」


咏「見た感じ、かなーり打てそうじゃね?……知らんけど」


はやり「うーん、はやりはそういうのに疎いから分かんなーい☆」


理沙「そんな訳ない!」プンスカ


はやり「はや?★」


理沙「な、なんでも!」プンプン





18: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 02:44:10.45 ID:foBdv+OC0


咲「えっと……」


健夜「……」


健夜「ごめんっ、こーこちゃん。ちょっと用事思い出したから、また後でね!」スッ

咲「あっ」


咏「え、行っちゃうんすか?」


健夜「あはは、また後でね!」タッタッタ


良子「行ってしまいましたね」


はやり「健夜もしっかり教育者してるんだね☆」


咏「うん?どゆこと?」


理沙「にぶちん!」プンスカ



恒子(っていうか、このプロ勢の中に私一人だけ置いていかれるとキツいよすこやん!!!!)





22: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 12:52:29.22 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――


咲「どうしたんですか、急に抜け出して?」


健夜「ふぅ…いや、だって咲ちゃん困ってたから」


咲「へっ?」


健夜「うん?」ニコッ


咲「……」


咲「も、もう。急すぎてご飯残してきちゃいましたよ」プイッ


健夜「あれ!?機嫌悪くなってる!?」


咲「別に。ついでの私の機嫌なんてどうでも良いんじゃないですか?」ブスッ

咲「私、ついでなんでしょう」


健夜「えっ?……それで怒ってるの?」


咲「怒ってないですから!もう、良いです」フイッ


咲「あ、ほらもうこんな時間ですよ?打ち合わせとかあるんじゃないですか」





23: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 12:54:12.91 ID:foBdv+OC0



健夜「え?そんなはず……わっ!この時計時間止まってる!」


咲「アホですか」ハァ


健夜「うぅ」


咲「全く…… 」スッ


咲「はい、これ」つ腕時計


健夜「え?」


咲「無かったら困るでしょう」


健夜「で、でも」


咲「良いですから」グイッ


健夜「あ、ありがと、咲ちゃん」


咲「か、貸すだけですからっ!」


健夜「じゃあ、二つあっても邪魔になっちゃうし、私の付けててくれるかな」スッ


咲「あっ、何勝手に……」


健夜「いいからいいからっ」←咲の手首につける





24: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 12:55:14.03 ID:foBdv+OC0



咲「……」ジーッ


健夜「咲ちゃん?」


咲「あ、いえ、何でもありません。私はこの動いていない意味の無い時計で我慢しますので」


咲「早く行ったらどうですか?あと三十分しかありませんよっ」


健夜「うん!それじゃあ、また電話するね」


咲「分かりました」コク


咲「……」チラ


咲「……健夜さんの時計…」





咲「~~♪」








健夜「はぁ、まさか時計壊れてるなんてなぁ…」


健夜「……ん?」


健夜「腕時計を交換」


健夜「……」


健夜(なんか恥ずかしいな……///)テレ




25: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:02:12.15 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――

【Aブロック2回戦・大将戦】


穏乃『ロン、6400!』


恒子「決まったぁぁぁぁぁ!!Aブロック2回戦大将戦を制したのは、千里山女子と阿知賀女子だぁぁぁぁ!!!」


健夜「阿知賀女子、高鴨穏乃選手の最後まで勝ちを諦めない姿勢に、牌が答えていましたね」


健夜「しかし、準決勝にはあの白糸台高校と新道寺女子、そして今回大敗を喫した千里山女子が出てきます。」


健夜「阿知賀女子には厳しい戦いとなるでしょう」


恒子「さすが!若い子に厳しい小鍛冶プロですね!」


健夜「厳しくないよっ!」


健夜「なんにせよ、準決勝は明後日からの開始ですからね。何が起こるかは分かりません」

恒子「お前らぁぁぁ!!明後日の準決勝も見逃すなぁぁ!!」

健夜「お前らとか言ったらダメだよ!?」




健夜(阿知賀……赤土晴絵さんか)


――――――――――――――――――――





26: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:14:34.41 ID:foBdv+OC0




咲「健夜さん、また随分と厳しい事言ってましたね」


健夜「え、咲ちゃんまで!?」


咲(無意識か……)


咲「まあ、私も同じ意見ですけど」

咲「というか、Bブロックに比べてAブロックの2回戦は随分とレベルが低いんですね」


健夜「咲ちゃんも相当だよ……」


健夜「まあ、Aブロックには第一シードの白糸台高校が入ってるからね。バランスを取ってるんだと思うよ」


咲「へー。でもBブロックには神代小蒔さんがいますよね」


健夜「まあシード辺りのバランスは運営が考える事だからね」アハハ




27: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:15:23.52 ID:foBdv+OC0


咲「私、Bブロックの方の会場見てこようかな」

健夜「神代さんを見に?」

咲「あと、姫松と臨海もですかね」

健夜「うーん、良いけど大丈夫?私はこっちの会場から出られないし、マホちゃんも今居ないし」

健夜「もし迷子になったら……」



咲「……我慢します」






28: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:17:01.08 ID:foBdv+OC0



咲「でも、少し勿体ないですね」


健夜「なにが?」


咲「阿知賀の面々。ほぼ全員が特殊なのに、準決勝で潰されちゃうんですから」


健夜「あぁ、確かに面白そうな子達だったね。特に先鋒の子」


健夜「あの子がいたら、咲ちゃんでも裏ドラの支配権取られちゃうかも」クスクス


咲「それは無いですけど……って、あれは」




穏乃『このままじゃ……』

憧『なに弱気になってんのよ!』


玄『お、落ち着いてっ』


晴絵『……』




咲「あれって、阿知賀の人じゃないです?」


健夜「本当だ。なんか揉めてる?(赤土さんだ……)」


咲「あんな通路の真ん中で……」ハァ





29: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:18:43.60 ID:foBdv+OC0




晴絵「まあ、私も今のままでは論外だと思う」


灼「はるちゃん…?」


宥「寒い…」プルプル


憧「晴絵!アンタまで……っ」



『私も概ね同じ意見ですかね』テクテク

『ちょ、咲ちゃん!?』





玄「!?」ビクッ


晴絵(な、何だ……?)ブルッ


宥「誰……?」


穏乃「あ、あれって……」


憧「小鍛冶健夜!?」


灼(はるちゃんの……っ!)





30: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:19:58.38 ID:foBdv+OC0



咲「通路塞がれて通れないので、少しどいてもらえ……」ピタ


咲「……」


咲「……ん?」ジーッ


晴絵「っっ」ピクッ


健夜「咲ちゃん?」


咲「んー?」ジーッ


咲「……あの、もしかして」


晴絵(な、何だ……?)





31: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:20:53.21 ID:foBdv+OC0


咲「違ってたら申し訳ないんですけど、赤土晴絵さんですか?」


晴絵「え?」


咲「10年前、インハイで健夜さん相手にハネ直を決めた赤土晴絵さんですか?」


晴絵「あ、あぁ…私は赤土晴絵だけど…」チラッ


健夜「あはは…」ニガワライ


咲「!!」パァ


咲「ちょっと健夜さん!何で教えてくれなかったんですか?」


健夜「いや、てっきりもう知ってる物かと……」


咲「知りませんよ!全く、これだから健夜さんは健夜さんなんですよ!」


健夜「え、それどういう事!?」





32: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:22:24.87 ID:foBdv+OC0



穏乃「あ、あの!!」


咲「え?」チラッ


穏乃「あっ、いや……」ビクッ


咲「???」クビカシゲ


健夜「いや、いきなり知らない子が自分たちのコーチを見て目を輝かせてたら気になるよ」


健夜「すみません赤土さん、お取り込み中に」ペコ


晴絵「い、いえ。こっちが道塞いでたんですから」


晴絵「もしかして、その子が一部で噂になってる?」


健夜「うわ…本当に噂になってたんですね…はい、そうです。できれば内密にお願いします」





33: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:23:31.20 ID:foBdv+OC0



咲(なんか世間話始めちゃった……)チラッ


玄「っ」ピクッ


咲(改めて間近で見ると、皆可愛いな……そして5人中3人おモチが…)


咲「べ、別に気にしてなんか無いもん……」


咲「……」ズーン


憧(ちょっと誰か、この子の事聞きなさいよ!)

穏乃(わ、私は無理!)

宥(寒い……)プルプル

灼(はるちゃんの事知ってたし、はるちゃんの知り合い?)

玄(小鍛冶プロと一緒にいたね……でも赤土さんは知らない風だったよ?)

憧(もー!訳わかんない!)





34: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:42:16.29 ID:foBdv+OC0



咲「……奈良県代表阿知賀女子学院」


5人「!!」ピクッ


咲「松実玄さん。ドラが集まりやすい。しかしそのせいか手が読まれやすく、防御面が脆い」


玄「えっ…?」


咲「松実宥さん。玄さんのお姉ちゃんで、こちらは萬子、赤色が入っている牌が集まりやすい。手は読まれ易いが、技術とセンスが良いのでさほどのデメリットにはならない」


宥「私の事……」


咲「新子憧さん。目立つ能力はないが、地力は断トツで高い。特に鳴きがとても上手。しかし、先を読む力が欠けているため、一歩攻め切れない所がある」


咲「鷺森灼さん。正直、私にはよく分からない能力。何らかの法則性はありそうだけど、筒子が鍵という事、待ちが関係してる事はほぼ確実」


憧(いきなり何!?怖すぎでしょ!)



咲「そして……」ジーッ


穏乃「っっ」ピクッ


咲「あの」


穏乃「は、はいっ!?」





35: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:42:46.71 ID:foBdv+OC0



咲「その、ジャージの下って何か履いているんですか?」


穏乃「……えっ?」


咲「だから、そのジャージの下……」


健夜「咲ちゃん、そろそろホテル戻ろっか」


晴絵「お前らも、戻って休むぞ」


咲「えっ!?帰っちゃうんですか!? 」バッ


晴絵「お、おおう……」


咲「残念……10年前のインターハイの映像、見たのはつい最近だったんですけど」


咲「負けちゃったとは言え、あの健夜さんにハネ直させた何て凄いなって思ってました」


晴絵「……負けたのに、か…?」


咲「え?はい。だって、まだ若くて全盛期だった健夜さんにハネ直ですよ?とっても凄いと思います」


健夜「まだ若くてって余計な一言だよ!!」





36: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:43:31.13 ID:foBdv+OC0



咲「赤土さんは私が2番目に尊敬してる人なんです。だから出来たらお話したかったんですけど…」


健夜「早く帰らないと。マホちゃん迎えに行かなきゃだし」


咲「残念です。それじゃあ、また機会がありましたらお話聞かせてくださいね」ペッコリン


晴絵「……あぁ、ありがとう」ニコッ


健夜「では、失礼します」ペコ


咲「……」ジーッ


穏乃「??」


健夜「咲ちゃん?」


咲「あ、すみません。今行きます」タッタッタ





玄「行っちゃったのです」

憧「晴絵、今のは?」

宥「咲ちゃんって言ってたね……」

晴絵「あぁ、その話はホテル戻ってからにしよう」

晴絵(準決は明後日……どうにかできるか?)





37: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:53:18.55 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――


【夕方・咲宿泊ホテル】


咲「……」


健夜「高鴨さんのこと?」


咲「え?」


健夜「さっきから考えてるの、高鴨さんの事でしょ」


咲「よく分かりましたね」


健夜「ふふっ、何年咲ちゃんと一緒に居ると思ってるの?」


咲「いや、たった3年くらいですけど……」


咲「健夜さんは、あの高鴨穏乃さんを見てどう思いましたか?」





38: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 13:55:50.35 ID:foBdv+OC0



健夜「うーん、特に何も?」


咲「やっぱりですか」


健夜「って事は、咲ちゃんも?」


咲「はい。何も感じませんでした……」




2人「「何かがあるのに」」





咲「……」


健夜「……」


咲「ま、考えるだけ無駄ですかね。本当に何も無いだけかもです」


健夜「そうだね。どの道、明後日の準決勝を抜けるのは難しいと思うし」





39: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:02:18.45 ID:foBdv+OC0


健夜「おっと、じゃあそろそろマホちゃんを駅まで迎えに行ってくるね」


咲「本当に私は付いていかなくていいんですか?」


健夜「うん。もしも迷われたりしたら、目も当てられないからね……」


咲「う、うるさいですねっ」



健夜「それじゃあ行ってきます」


咲「はい、いってらっしゃいです。気をつけてくださいね」フリフリ

健夜「うん」ニコ



バタン




咲「……ふぅ」





40: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:05:24.01 ID:foBdv+OC0



咲「そういえば、マホちゃんは追試大丈夫だったのかな…連絡ないけど」


咲「もう、世話が焼けるなぁ」クスクス




ピンポーン



咲「!?」ビクッ


咲「ビックリした……忘れ物でもしたのかな」テクテク


咲「はーい」


咲「健夜さん……物忘れが酷いからアラフォーなんてからかわれ」

ガチャ


穏乃「み、宮永さん!!」


咲「……」


咲「え?」





41: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:08:30.84 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――


【数分前、阿知賀女子・宿泊ホテル】




穏乃「こ、小鍛冶プロの教え子!?」


灼「宮永咲……」


晴絵「正確に言えば、地元の高校の生徒とそのコーチという関係だそうだ」


玄「私達と赤土さんみたいな感じですか?」


晴絵「まあ、そんな感じかな」


憧「それはまた……とんでもない子だった訳ね」


宥「可愛らしい子だったよね」


灼「でも、不気味だった」


玄「そういえば、何で私たちの事を……」


晴絵「そりゃ、数分前まで対局してたんだ。見られててもおかしくないだろ」


玄「そっか……」





42: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:09:06.63 ID:foBdv+OC0



晴絵「どの道、あの子の事を考えている暇はない。アンタ達は今日、千里山に何点差つけられた?」


憧「6万点……」


晴絵「明後日の準決勝には、それより強い白糸台が出てくる」


晴絵「さっきも言ったが、今のままでは論外だ」


5人「……」グッ


穏乃「……あの」


晴絵「ん?」




穏乃「宮永さんと小鍛冶さんのホテルの部屋、教えてください」






43: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:17:51.38 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――

【咲、宿泊ホテル】




咲「高鴨さん?」


穏乃「あの、その……」


咲「……?」


晴絵「いきなり押し掛けてきてすまない」


咲「赤土さん!」


晴絵「あれ、小鍛冶プロは居ないのか?」


咲「はい。今さっき出かけていきました」


晴絵「そうか……ほら、シズ」


穏乃「」コク





44: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:18:26.06 ID:foBdv+OC0



穏乃「あの、宮永咲さん」


咲「はい?」


穏乃「私と、私達と……」


穏乃「麻雀を打ってくれませんか」


咲「……」


玄「私からもお願いしますっ!今度こそ……園城寺さんに勝ちたいんですっ!!」


灼「準決勝は、何としてでも越えていきたい」


憧「私からもお願い」


宥「お願いします……」


咲「……」


咲「……あの、こんな事は言いたくないんですが」


咲「もし、私と打つことで何かを期待してるとしたら」


咲「私と打っても、何も変わらないと思いますよ?」





45: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:21:10.02 ID:foBdv+OC0



穏乃「そ、そんな事!」


咲「では何が変わるんでしょう?


咲「仮に今日、明日と一緒に特打をするとしましょう」


咲「2日、たった2日打つだけで、今日6万点差付けられた千里山と、白糸台、新道寺を相手に出来るまで変わると思いますか?」


穏乃「……っっ」


咲「……」



咲「赤土さんは、どう思うんですか?」


晴絵「……私も、宮永さんと同じ意見だ」


晴絵「世の中はそんなに甘くは無い」

咲「なら」


晴絵「でも、何もせずに諦めるのも……違うと思うんだ」


咲「……」


晴絵「正直さっきまで、私はもう諦めていた」


晴絵「でも、この子達はまだ何とかなると、諦めたくない、出来ることがあるならやりたいと」


晴絵「そう言った。なら、私はこの子達の意見を尊重したいと思う」

晴絵「何より、私も思い出させて貰った。諦めて、立ち止まっていても何も変わらないって事を」





46: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:23:39.65 ID:foBdv+OC0


咲「……私が、あなた達よりも麻雀が弱いかもしれませんよ?」


穏乃「それは無いと確信してたんだ」


咲「何故?」


穏乃「……小鍛冶プロの、教え子なんだから」


咲「……」ピクッ


穏乃「どう、ですか?」


咲「……成程。健夜さんの教え子なんだから私達に負けるような雑魚ではないでしょ」


咲「そういう意味ですか」


穏乃「え?いやっ」


晴絵「ああ、だから示してくれないか?私からも、頼む」ペコ



咲「……良いでしょう。私も、久々に知らない人と打ちたいと思っていましたし」




47: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:26:33.87 ID:foBdv+OC0



咲「それに、諦めたらダメという点に関しては私も同意見ですので」


5人「!!」


穏乃「ありがとう、宮永さん!」


玄「じゃあさっそく雀卓がある所に……」


咲「いえ、その必要は無いですよ。どうぞ上がってください」


宥「え?」


咲「この部屋、健夜さんが張り切っちゃって無駄に広いんです。雀卓なら二つ置いてありますよ」

憧「うわっ、ホントだ広っ」

玄(スイートルームみたい……)




咲「……始めましょうか」ニコッ





48: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:34:04.59 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――


健夜「ま、まさか私が迷子になるなんて」


マホ「仕方がないですよー、東京の駅って迷路みたいですし!」


健夜「マホちゃんは優しいね…それと良かったよ、追試1発で合格できて」


マホ「えへへ、早く宮永先輩に会いたかったですから!」


健夜「そっか…っと、やっと帰ってこれたね」


マホ「宮永先輩、怒ってないでしょうか?」


健夜「あはは、大丈……?」


マホ「あれ、中に誰か居るみたいですよ?」



健夜(もしかして……)





49: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:35:03.71 ID:foBdv+OC0



咲「ロン、12000の……何本場でしたっけ、6本場?です。松実玄さんのトビですね」


玄「うぅ……っ」レイプメ


咲「あ、健夜さんお帰りなさい。マホちゃんも!」


健夜「う、うん。ただいま」


マホ「宮永先輩!マホ、追試1発合格でした!」ギュー


咲「あはは、出来たら追試を受けなくて済むようになると良いね」ナデナデ


マホ「えへへ……///」


健夜「……」チラッ



穏乃「か、勝てない……」

灼「異常……」

宥「玄ちゃん……」

憧「ヤバすぎでしょ……」



健夜「咲ちゃん、これは……」


マホ「あ、マホも気になってたです。この人たちは誰ですか?」



咲「実は……」





50: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:37:37.70 ID:foBdv+OC0


―――――――――――――――――――

健夜「なるほど…」


晴絵「すみません、いきなりで」


健夜「いえ、私は咲ちゃんさえ良いなら問題は無いですけど」


マホ「でもでも、これって意味あるんですか?」


マホ「宮永先輩、普通に打ってるのに余裕じゃないですか。その宮永先輩にすら勝てなかったら無駄だと思うです」


咲「こらマホちゃん、失礼でしょ」ムニ


マホ「あぅ」


穏乃「普通に……?」


咲「まあでも、確かにそうかも…」


玄「えっ……」


宥「そ、それって…」


咲「あ、いえ。協力を辞めるって事じゃないですよ」


穏乃「ほっ…」





51: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:39:15.94 ID:foBdv+OC0



咲(ただ闇雲に打っても意味は無いか……)


咲「マホちゃん、ちょっと頼んでも」


マホ「良いですよ!宮永先輩の頼みなら何でも聞くです!」


咲「そ、そう?」


健夜「咲ちゃん、私はどうすればいいかな」


咲「健夜さんは立場上、あんまり関わったらダメでしょう。今は赤土さんとお話してて良いですよ」


晴絵「え゛」


健夜「そっか、じゃあ何かあったら遠慮なく言ってね」


咲「はい」


晴絵「え゛」






53: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:42:23.23 ID:foBdv+OC0



咲「……さて」ピタ

咲「改めて自己紹介しますね」クルッ



咲「茨城県、つくば女子校一年。宮永咲です」


マホ「つくば校付属、つくば中学校二年。夢乃マホです」


玄「あ、阿知賀女子先鋒、松実玄です」


宥「次鋒、松美宥……です」


憧「中堅、新子憧よ」


灼「副将、鷺森灼」


穏乃「大将、高鴨穏乃です!!」


咲「まずは……」


穏乃「特打ですね!」




咲「近くの銭湯に行きましょう」



5人「……」



5人「「「「え?」」」」





54: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:45:07.25 ID:foBdv+OC0

――――――――――――――――――――

【ちかくのせんとー!】



咲「はふぅ…」チャポン


咲「温かい…」


マホ「健夜さんは来なかったんですねー」ポカポカ


咲「うん。赤土さんと対策でも練ってるんだと思うよ」


マホ「それってダメなんじゃ……?」


咲「まあ、ギリギリのラインの助言しかしないと思う。それに、赤土さんは一人でも充分凄いんだよ?」


マホ「むー……マホも先輩に褒めて貰いたいです」


咲「あはは、全部終わったら褒めてあげるね」


マホ「やたっ!頑張ります!」





55: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:46:02.02 ID:foBdv+OC0



穏乃「あ、あの……麻雀は…?」


憧「正直、温泉なんて来てる場合じゃ」


咲「皆さんは少しリラックスが必要です。焦っていても良い練習は出来ませんよ」


マホ「見てください宮永先輩!クラゲです~」


咲「おおっ、すごいねマホちゃん。どうやってやるの?」


マホ「ここをこうやって……沈める!」


咲「おぉぉぉ!スゴいね」


憧(なんかさっきと雰囲気違うわね…)


玄「なんの話してるの?」


宥「お風呂あったかーい…」ポワポワ


咲「あ、お二人と……も」


玄「??」ポヨーン


宥「あったかーい」ボイーン


咲「……」ブクブク


マホ「宮永先輩が沈んでいきます!?」


咲(悔しくなんてない……!)



――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――



56: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:49:47.27 ID:foBdv+OC0


【ほてるにきかん!】



咲「さて、では始めましょうか」


咲「この部屋には雀卓が二台ありますが、人数は7人で1人足りないのでさっそく健夜さんを使いましょう」


健夜「使いましょうって……よろしくね」


咲「でも、あくまでも数合わせとして入ってもらうだけなので、さすがに健夜さんには手を抜いて打ってもらいます」


健夜「うん、分かったよ。10巡までは和了らない」



穏乃「ほ、本当に親しいんだね……」コソコソ

憧「小鍛冶プロが凄い舐められてる気もするけど……」コソコソ





57: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:51:39.65 ID:foBdv+OC0



咲「卓の分け方ですが、健夜さんと準決勝の相手を想定した場合を話し合ってこちらで考えました」


A卓
・宮永咲
・松実玄
・新子憧
・鷺森灼


B卓
・夢乃マホ
・小鍛冶健夜
・松実宥
・高鴨穏乃



咲「この分け方にした理由、その他諸々は卓に付いたあとで私とマホちゃんが話しますので、とりあえず卓に付きましょう」


健夜「あ、ちょっと良いかな」


咲「ダメです」


健夜「ええ!?」





58: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 14:52:56.97 ID:foBdv+OC0



咲「嘘です。どうかしましたか?」


健夜「赤土さんから伝言で、私は私でお前達の役に立てる行動を取るからお前達も頑張れ。信じてるぞ」


健夜「だそうです」


穏乃「赤土さん……」


咲「健夜さんは私にそんな事一度も言ってくれた事ないので、羨ましい限りですね」



健夜「えっ?」


咲「はい、では始めましょう」


宥(本当に仲が良いの……?)


灼(ツンデレ……)




64: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 22:53:56.13 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――

【阿知賀強化ミニ合宿・A卓】


咲「では、改めてよろしくお願いします」


憧「宮永さ……ねえ、咲って呼んでもいい?」

咲「えっ?」


憧「あ、いや、ダメだったら良いのよ?」


咲「あ、いや、その、うん……大丈夫…だけど……」


憧「そっか、なら咲って呼ぶわね」


玄「わ、私も!咲ちゃんって呼ぶのです」


灼「よろしく、咲」


咲「……」

憧「どうかしたの?」





65: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 22:54:39.31 ID:foBdv+OC0



咲「い、いや」


『咲ちゃんは女子高生の友達っぽい事に慣れてないだけだから、気にしないでいいよ』

『下の名前呼びって友達っぽい事なんですかー?』


咲「う、うるさいですよ健夜さん!!」


『あはは、ごめんごめんっ!』


咲「……もう…」チラッ


憧「……」ニヤニヤ


玄「咲ちゃん」ニコニコ


灼「意外と可愛い所もある……」フッ


咲「~~~ッッッ/////」カァ


咲「と、とにかく!新子さん、松実さん、鷺森さんをこちらに呼んだ理由は……いや、体験してもらった方が早いですね」


咲「とりあえず、東風戦を3局やりましょう」


憧「分かったわ」


玄「よろしくねっ」


灼「よろしく」






66: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 22:56:38.77 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――

【B卓】



『う、うるさいですよ健夜さん!!』


健夜「ふふっ、咲ちゃん可愛い」


マホ「では、こちらも始めましょう!」


宥「えと、夢乃さん……?よろしくね」


穏乃「よろしくお願いしますっ!」


マホ「マホの方が年下ですから、マホで構いませんよ?」


宥「じゃ、じゃあ……マホちゃん」


穏乃「よろしくっ、マホちゃん!」


マホ「はい。ヨロシクお願いするです」


マホ「さっそく、お2人がこっちに来た理由ですが……えっと……」





67: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 22:57:36.90 ID:foBdv+OC0



マホ「な、何だったでしょうか……?」オロオロ


健夜「私から説明するね」


マホ「ごめんなさいです……」シュン


健夜「まず、この組み分けの基準は準決勝でそれぞれが戦う相手で、最も手強い相手を想定した結果です」


穏乃「うぅん……?」


健夜「松実宥さんなら、次鋒戦で最も手強いのはやはり白糸台の弘世菫さんでしょう」





68: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 22:58:08.69 ID:foBdv+OC0


健夜「そして大将……こちらは他の3人は皆手強い」


マホ「だからマホなんですね!」


宥「……??」


健夜「まあ、やってみれば分かるから、とりあえず何局か打ってみよっか」


穏乃「はい!」


宥「よろしくお願いします」


マホ「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



穏乃(宇宙……?)





69: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:04:56.95 ID:foBdv+OC0



――――――――――――――――――――

【A卓】


咲「はい、最後も私のトップですね」


咲 127000
憧 92000
玄93000
灼 88000



憧「つ、強い……っ!」


玄(……?)


灼「咲意外マイナス……」


咲「松実さん、何か言いたそうですね」


玄「へっ!?あ、その……なんだか、普通に強かったなって」


咲「……そう打ちましたから」





70: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:05:32.48 ID:foBdv+OC0


咲「さてこの卓分けは、それぞれが注意すべき相手を想定した場合で分けています」


咲「準決勝、松実さんが注意すべきは宮永照、鷺森さんは新道寺の白水哩、新子さんは千里山の江口セーラ」


咲「私が見た限りでは、この3人以外は特に驚異に成り得ません」


咲「しかし、この3人だけは別次元に強い」


玄「えっ、園城寺さんは……?」


咲「あの方は……強いですが、非常に不安定です。それに、相手はあの宮永照。園城寺さんでも抑えるのが手一杯で気にする必要はないでしょう」


咲「いや、一人では抑えることすら出来ないかもですね」


玄「そんなに…」


咲「宮永照は少し特殊ですが、この3人に共通することは技量の高さと打点の高さ」





71: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:06:18.56 ID:foBdv+OC0



咲「この数局、松実さんが言ったように私は普通に打ちました」


咲「そしてこの結果です。加えて、今の私よりもあの3人は強い」


咲「今の打ち方の私に負けるようでは、勝ち抜けるのは難しいでしょうね」


咲「まず新子さんへの課題は、私に普通に勝つこと」


憧「1つ、いい?」


咲「はい」


憧「白糸台の渋谷尭深には注意しなくていいの?」


咲「あぁ…。あの人は、ラス親になった時以外は注意は必要ありません」


咲「そして、ラス親には必ずならないので大丈夫です」





72: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:07:36.88 ID:foBdv+OC0



憧「ラス親でなくても、役満が出る可能性は高いのよね?」


咲「それは新子さん次第です。状況を見て、即座に点数を切り捨てる判断が出来れば防げるかもしれません」


憧「……やってやるわ」グッ


咲「そして鷺森さん。本番でのあなたの仕事は白水哩が縛りを掛けた局に出来るだけ和了らせないことです」


咲「白水哩の和了りは、大将戦にも響く。それを踏まえて、鷺森さんの課題は超早和了り、それと縛りの察知」


灼「縛りの、察知……?そんな事…」

咲「出来ます。少なくとも、ビデオを見た限り私には出来ました」


咲「私も翻数を縛って、配牌時に宣言するのでそれを止めてみてください」


咲「縛った時と普通の時。この微妙な打牌の差、打ち筋、捨牌の違い、それらを感じ取るように」


灼「ま、待って。咲は縛りをかけて、それで和了れるの?」


咲「その点はご心配なく。…私は点数調整が得意ですから」


灼「……?」





73: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:08:32.62 ID:foBdv+OC0



咲「最後に松実さん」


玄「はいっ」


咲「はっきり言います。松実さんでは宮永照に勝つ事はできません」

玄「……」


憧「ちょっと咲!そんなにはっきり言うこと」


咲「それじゃあ、何て言えば?適当に、頑張れば勝てますよ!なんて言って宮永照にカモられてこればいいと?」

憧「そ、それは……」


玄「いいの、憧ちゃん。分かってた事だから」


憧「玄……」


咲「私は、松実さんではと言いました。そもそも、一人で宮永照に勝つ必要はありません」


灼「どういう事?」


咲「これも体験してもらった方が早いですね……健夜さん!ちょっと来てくれますか?」オーイ




74: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:12:07.75 ID:foBdv+OC0


――――――――――――――――――――

【B卓】


マホ「ダブリー」


穏乃(またっ!?)


マホ「カン、ツモ18000」

宥(これって……)プルプル


マホ「リーチ、1発4000オール」

マホ「ポン、チー、ツモ、1000.2000」

マホ「それです、掴みましたね。ロン8000」



健夜「終局、だね」


マホ「どんどん行きますよー」





75: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:12:37.01 ID:foBdv+OC0



穏乃「マホちゃん、今のは……」


マホ「白糸台の大星淡、弘世菫、千里山の清水谷竜華のコピーです」


宥「こ、コピー?」


健夜「マホちゃんは1度見た能力を再現できるの」


マホ「こんな事もできちゃいますよ?」


マホ「まずは松実宥……」

マホ「そして宮永先輩……」

マホ「カン!もう1個、カン!カン!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

マホ「ツモ、清一、断幺九、トイトイ、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花」



穏乃「な、ななななな!?」


宥「こんなのって……」


マホ「えへへ、できましたーっ!」




76: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:16:03.65 ID:foBdv+OC0


健夜「松実宥さんの萬子集めと、咲ちゃんの嶺上開花の組み合わせだね」

穏乃(嶺上開花……?)


健夜「あれ、でもそれやるとマホちゃんって……」


マホ「ぁ……もうマホ限界です……1時間休憩です……」グテー


健夜「体力使い果たすんだったよね」


マホ「し、しくじりましたぁ……」


健夜「高鴨さんと松実宥さんには、コピー状態のマホちゃんと対局して大星さん、弘世さん、清水谷さんの打ち方に慣れて貰います」


穏乃「新道寺の鶴田姫子さんは……」


健夜「あの選手は副将次第と言った面が大きいので、今高鴨さんに出来る事はないです」





77: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:16:55.42 ID:foBdv+OC0



健夜「咲ちゃんが鷺森さんへ、白水さんへの何かを助言しているはずですが、リザベーションが発動してしまえば止める術は無いので、対策は必要ありません」


穏乃「み、宮永さんや小鍛冶プロでも止められないんですか!?」


健夜「んー……私たちは試したことないから何とも」


『健夜さん!ちょっと来てくれますか?』


健夜「ん?ごめん、呼ばれちゃったから席外すね」


穏乃「あ、はい!」


健夜「なにー?」テクテク





78: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:17:24.24 ID:foBdv+OC0



マホ「はふぅ……よし、落ち着いたです!どんどん対局していきま」


マホ「あれ、健夜さんは?」


宥「宮永さんに呼ばれてあっちの卓に行ったよ?」


マホ「じゃあもうしばらく休憩です……」グテー



穏乃(麻雀してる時とは随分違うんだなぁ)






79: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:21:43.10 ID:foBdv+OC0



――――――――――――――――――

【A卓】


健夜「咲ちゃん、どうしたの?」


咲「健夜さん、この3人と5割本気で打っててください」


憧「えっ!?」


玄「こ、小鍛冶プロと!?」


灼「本気……?」


健夜「え、良いの?」


咲「はい。宮永照対策の準備みたいなものです。2局ほど打った後で、1人ずつ私と交代して健夜さんと打ちます」


健夜「……なる程ね。まあそうするしかないよね、宮永さん相手は」


咲「はい」





80: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/28(日) 23:22:45.79 ID:foBdv+OC0



咲「では、あっちの卓は私が入ってくるのでよろしくお願いします」


健夜「分かったよ」


憧「え、ちょ咲!?」


健夜「……じゃ、やろうか」ゾゾゾゾゾゾ


憧「ひうっ!?」


玄「ひ、ひぃ……」プルプル


灼(この人がハルちゃんの…)ゴゴ





89: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:48:37.10 ID:jXeHdZKF0

【B卓】



マホ「ふぅぅ……」グテー


マホ「」チョンチョン


マホ「はい?」ムニュ


咲「疲れちゃった?」ニコッ


マホ「宮永先輩!!」バッ


宥「宮永さん」


咲「その、あっちの3人は私を咲って呼んでるので、2人も咲でいいですよ」


穏乃「じゃあ咲!改めて、私達に協力してくれて本当にありがとう」


宥「ありがとう」


咲「お礼は準決勝を突破できたら言ってください。私たちもできる限りの協力はしますが、突破できる確率は低いですから」


宥「それでも、ありがとう。咲ちゃんは温かいね」


咲「……そんなことないです」





90: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:50:10.08 ID:jXeHdZKF0



マホ「健夜さんが戻ってくるまで、宮永先輩が打ってくれるんですか?」


咲「ううん、ていうかマホちゃんまだ疲れてるでしょ」


咲「もう、無闇にコピーを組み合わせたらダメっていつも言ってるでしょ?」


マホ「うぅ、ごめんなさい……」シュン


咲「でも、今日はまだチョンボしてないね」ポフ


マホ「!!」


咲「偉い偉い」ナデナデ

マホ「てへへ……えへへへ…」ニヘラー


咲「さて」ピタ


マホ「ぁ……」ショボン



咲「どうですか?問題なく打ててます?」





91: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:51:19.01 ID:jXeHdZKF0



穏乃「あ、うん。マホちゃんの力には驚いたけど」

宥「本当に、弓で狙われてるみたい…… 」



咲「……」チラッ


咲「ん、これってまだ対局の途中?」


マホ「はい!南二局で私がバてちゃって、丁度先輩が健夜さんを呼んだので、途中です」


咲「へー……」チラ

穏乃「??」


咲「……」


咲「じゃあ、やっぱり南3、4局は私と打ちましょう。マホちゃんは普通に打つだけで良いから」


穏乃「え?わかった!」

宥「よろしくお願いします」


マホ「マホはチョンボだけしないように気をつけるです…」


咲「うん。じゃあよろしくお願いします」





92: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:52:50.14 ID:jXeHdZKF0


…………………………………………………


咲「カン」

咲「ツモ、嶺上開花4000オールの4本場」


穏乃「また嶺上開花……っ!」


宥「これって……」


マホ「いつ見ても凄いです!」


咲「……五本場」


咲(やっぱり思い過ごし?)


穏乃「チー!」


咲「え?」


穏乃「え?」


咲「あ、いや、ごめんね」


咲(今の鳴きで槓材がマホちゃんに移った……)





93: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:53:39.71 ID:jXeHdZKF0



マホ「ありゃ…聴牌だったのに……残念です」スッ


咲「ポン」

咲「カン」


穏乃(またっ)


咲「……?」


咲「またカン、ツモ嶺上開花6000オール」


咲「和了りやめです」


穏乃「ふあぁぁぁ強すぎる!!」


宥「凄い……」


マホ「うーん……?」





94: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:54:35.17 ID:jXeHdZKF0



咲「高鴨さん」


穏乃「うん?」


咲「高鴨さんって、後半から調子出てくるタイプですか?」


穏乃「え?うーんどうだろう?考えてみればそうかも!」


穏乃「ほら、局の頂上が近づいてくるじゃない?それが山みたいで」エヘヘ


咲「!!」


マホ「山が好きなんですかー?」


穏乃「うん、小さい頃からよく近くの山で遊んでてね」


マホ「へー」





95: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:55:55.72 ID:jXeHdZKF0



咲「……それじゃあ、マホちゃん引き続きよろしくね」


マホ「え、もう行っちゃうんですかー?」


咲「うん、そろそろあっちも終わりそうだしね」


マホ「分かりました!」


穏乃「行っちゃった」


宥「何だか考えてたね」



マホ(大星淡さんをコピーしてた時に感じた違和感は……うーん、まだ確信は持てませんね)





96: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:57:48.88 ID:jXeHdZKF0


【A卓】



咲「健夜さん、調子は……」


憧「」

灼「」

玄「」


咲「あらら…」


健夜「あ、咲ちゃん。丁度こっちも終わった所だよ」


咲「どうしでした?実際に打ってみて」


健夜「うーん……正直、やっぱり今のままじゃ厳しいかな」


咲「こちらの3人は、とにかく対局の積み重ねですからね」





97: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:58:46.02 ID:jXeHdZKF0



憧「あぶなっ、意識飛びかけてた!」


玄「これが小鍛冶プロ」


灼「悔しいけど凄すぎる…」


咲「では、鷺森さん、新子さんの順番で私と交代してもう2局ほど行きましょう」


咲「松実さんはずっと入っていてください」


玄「う、うん」


健夜「私はまた5割?」


咲「別に、全力でも良いですよ?」


憧「はっ!?無理無理無理!!」


玄「死んじゃうよ!」





98: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 16:59:47.13 ID:jXeHdZKF0


咲「冗談です。流石に私も死んじゃいます」


健夜「あはは」


灼(本当かな)


咲「では、お2人は普段通りに打ってくださいね」


玄「さっきは普段通りに打っても1回も和了れなかったんだけど……」


咲「大丈夫ですから。あ、交代している間は向こうの卓に入って来てください」


鷺森「ん、了解」


咲「では、始めましょうか」


健夜(咲ちゃん楽しそうだなぁ)クスクス





99: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:01:08.67 ID:jXeHdZKF0


――――――――――――――――――――



憧「……嘘…」


玄「か、勝った……?」


憧 112000
玄106000
咲 101000
健夜 81000



咲「はい、おつかれ様でした」


健夜「5割じゃ厳しかったなぁ…」


憧「な、何で……!?」


咲「それは後で答えます。鷺森さん!終わりました、交代です」


灼「ん、よろしく。結果はどうだった?」


咲「それは対局した後で。とりあえず打ちましょう」


玄(今の局……まさか……)


咲「では、よろしくお願いします」





101: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:04:09.47 ID:jXeHdZKF0



――――――――――――――――――――



灼「え……勝った……?」


玄(やっぱりだ、咲ちゃんは私にはドラ近くを鳴かせたり、灼ちゃんには鳴きで筒子をツモらせていたり)


玄(小鍛冶プロが和了りそうなら誰かに振込み、または即流ししてサポートしてる)


玄(サポート?協力……)


玄「!!」


咲「おつかれ様でした。松実さん、答えは出そうですか?」


玄「…正直、私には無理かもって感じだけど……うん、やるよ!」



咲「…はい」ニコッ


玄(ていうか、咲ちゃんのはサポートってレベルじゃないよ!掌で転がされてるみたいだった……)


健夜「一方的にやられた私って……」





102: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:05:33.00 ID:jXeHdZKF0



咲「健夜さんも、ありがとうございました」ニコッ


健夜「!!」


健夜「えへ、えへへ。うん、どう致しましてっ!」


咲「では、健夜さんはあちらに戻って続けてください。私たちは私たちの対局を時間まで続けましょう」


憧「って、さっき勝てたのはなんでなの?」


灼「私も気になる」


咲「それは戻ったら松実さんに聞いてください」


咲「では、打ちましょうか」



――――――
――――――――――――
――――――――――――――――――――




103: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:07:23.85 ID:jXeHdZKF0


【ミニ合宿終了】



穏乃「今日はほんっっとうにありがとうございました!!」


玄「ありがとうっ!」


憧「ありがとね」


宥「ありがとうございました……!」


灼「ありがとう」


咲「いえ……ほんの数時間打っただけですから」


穏乃「でも、お陰で何か掴めたような」


憧「私も」


咲「自惚れてはいけません」


咲「皆さん、初めよりはかなり良くなったと思いますが、それでも付け焼刃程度です。実際に通用するかは、分かりません」





104: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:08:43.03 ID:jXeHdZKF0



咲「後は明日一日、できる限り頑張ってくださいね」

咲「赤土さんならきっと、何か皆さんの役に立つ事をしてくれるはずです」


玄「咲ちゃんありがとうっ!」ギュー


咲「ぅわわっ!?」


宥「私も、ありがとう」ギュー


憧「あ、ならアタシも!」ギュー


灼「空気を読んで私も」ギュー


咲「わわっ、ちょ、苦し……」


穏乃「うおおおおお!ありがとう!!」ガバッ


咲「ちょっ、きゃうっ!!」バタッ


穏乃「あははははっ!!」





105: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:09:18.72 ID:jXeHdZKF0



健夜「羨ましい……」


マホ「健夜さん、声に出てますー」


健夜「はっ」


咲「と、とりあえずですね!」


咲「今日はもう遅いので、気をつけて戻ってください」


5人「「「ありがとうございましたー!!」」」


咲「あ、高鴨さん!」



穏乃「??」





106: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:09:49.33 ID:jXeHdZKF0



咲「……いや、頑張ってくださいね」


穏乃「もちろんっ!!それじゃあねっ」


咲「はい」



バタン


咲「……」


健夜「ふぅ、おつかれ様」


マホ「お疲れ様です!帰ってきて早々こんな楽しいイベントが待ってるなんてマホ思ってなかったです!」


健夜「あはは、それは私もだよ。咲ちゃんがこんなに肩入れするなんて……」


健夜「咲ちゃん?」





107: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:11:17.80 ID:jXeHdZKF0



咲「……」スースー


マホ「ね、寝てる!?」


健夜「ふふ、珍しく張り切ってたもんね」スッ


咲「んぅ……」


健夜「お疲れ様」ナデナデ


マホ「健夜さん、明日はオフですかー?」


健夜「うん、折角だし3人でどこか行く?」


マホ「良いですね!明日、先輩にもどこか行きたい所が無いか聞いてみましょう!」


健夜「じゃあベッドに運んでっと」ヨイショ


マホ「あれ、宮永先輩着替えなくて良いんでしょうか?」


健夜「確かに、シワになっちゃうね」





108: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 17:15:24.01 ID:jXeHdZKF0



マホ「せんぱーい?起きてくださいー」ユサユサ


咲「んん……」スヤスヤ


マホ「せんぱいってばー」ユサユサ


咲「むにゃ…」スヤスヤ



健夜「起きないね」


マホ「ですね……」


健夜「……」


マホ「……」


健夜「起きないなら……」


マホ「……仕方がないですねっ」


2人「「これは仕方の無いこと!」」グッ


ヌギヌギ ハダシロイデス…
チョットサワッテモイイカナ…? アー!ズルイデス マホモ!



?「割愛じゃ、すまんの」


_______________
______________________________
____________________________________________




116: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:02:46.16 ID:jXeHdZKF0


―――――――――――――――――――

【朝】


咲「……んぅ…」ムク


咲「ん…朝……?私寝てた…いつの間に……」フワァ


咲「…あれ?パジャマなんて着てたかな……」


マホ「あ、先輩おはようございます!」


健夜「朝ごはん買ってきたよ」


咲「おはようございます、マホちゃん健夜さん」


咲「すみません、私いつの間にか寝てたみたいで」


健夜「へっ!?あ、ううん!大丈夫だよ、ね?マホちゃん!」


マホ「はい!むしろご馳走様でした!」





117: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:03:14.09 ID:jXeHdZKF0



咲「ごち…?まあいいや」


咲「私パジャマなんていつ着替えましたっけ?」


健夜「え、ななな、ななんでそんな事聞くの?」


咲「は?いや、寝ぼけて着替えてたなら恥ずかしいなって思っただけですけど……?」


咲「……何でそんなに慌ててるんですか?」


健夜「あ、いや、うん!自分で着替えてたよ!」


マホ「はい、しっかり意識もありましたー」


咲「そっか…マホちゃんが言うならそうなんだね。良かった」


健夜「ほっ…」


マホ「それより!健夜さんは今日オフみたいなんですけどぉ……」チラチラ


咲「あれ、打ち合わせとか無いんですね」


健夜「うん。事前に大まかな打ち合わせは終わらせてあるから」





118: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:03:41.53 ID:jXeHdZKF0



咲「へー。じゃあどうします?ホテルで麻雀でも」


マホ「……」チラチラ


咲「……?マホちゃん?」


マホ「あ、あの……宮永先輩さえ良ければ、どこかに行きたいなぁ……なんて…」チラチラ


咲「どこか?」


健夜「折角だから、東京見物でもしない?」


咲「……?」カンガエ


咲「!!」リカイ


咲「…えぇー……外暑い…」チラ


マホ「えっ…」ウルウル


咲「ぐぬぬ……」





119: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:04:09.30 ID:jXeHdZKF0



咲「ね、ねえマホちゃん?ホテルで麻雀じゃやなのかな?」


健夜(咲ちゃん外出苦手だからね)


マホ「マホ、宮永先輩と久しぶりにお出かけしたいと思ってたです……」


健夜(あれ、私は?)


咲「ぐぬぬぬぬ……」


咲「はぁ……マホちゃんには敵わないなあ…」


咲「良いよ、久々に3人で出掛けよっか」


マホ「!!やりましたぁ!」パァッ


健夜「良かったね、マホちゃん」





120: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:04:43.15 ID:jXeHdZKF0



咲「それで、どこに行くんです?」


健夜「…スカイツリーとか?」


咲「うわ、ビックリするほどベタですね」


健夜「うるさいよっ!」


マホ「あの、特に無ければ、マホが考えたルートにしませんか?」


咲「そんなの考えてくれたの?」


マホ「はいっ!一生懸命頑張りました!」


咲「これが出来る子ですよ、健夜さん?」


健夜「つ、次は私も頑張るもん」


咲「はいはい、期待しないで待ってますね」クスクス





121: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:05:28.64 ID:jXeHdZKF0



咲「じゃ、折角ならたくさん遊べる方が良いしさっそく行こっか」


マホ「ま、待ってください先輩!」


咲「うん?」


マホ「あの……」


咲「??」


マホ「パジャマのままです……っ!」


咲「あ……////」


健夜「朝ごはんも食べてないしね」


マホ(こういうちょっと抜けてる所も可愛いです)


健夜(何だかんだで楽しみにしてるんだよね……可愛い)





122: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:06:10.11 ID:jXeHdZKF0

―――――――――――――――――――


【東京観光だいじぇすと!】


咲「凄いおっきい……」


マホ「こんなにおっきいんですねー」


健夜「修学旅行以来だなぁ雷門」

咲「健夜さんの修学旅行って、私生まれてますかね?」


健夜「」ガーン


―――――――――――――――――――



123: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:06:40.92 ID:jXeHdZKF0

―――――――――――――――――――



メイド「そこのアナタ可愛いですねーっ!良かったらどうぞ!」


咲「えっ?」ウケトリ


メイド「そこのメイド喫茶のチラシですっ」

咲「へぇ、メイド喫茶……」


メイド「学生さん?凄く可愛いです」ニコッ


咲「そ、そんなことないと思います…」


メイド「良かったら寄っていって…」


マホ「あ!宮永先輩いました!」


健夜「もう、ちょっと目を離したらこうなんだから」


メイド「あら、お二人も素敵ですねっ!よければメイド体験とか」


健夜「えっ、メイド?」


メイド「お姉さんは猫耳とか似合いそうですね!」


健夜「お、お姉さん!」パァ


メイド「美味しいお菓子もありますよ!」


咲「お菓子……!」パァ


マホ「あはは、すみません。私たちそういうのはちょっとー、失礼しますです!」

―――――――――――――――――――



124: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:07:55.30 ID:jXeHdZKF0

―――――――――――――――――――



『マジでー!?』キャハハ
『チョーウケるねー!』キャハハ


咲「こ、ここは何ともまあ……」


健夜「竹下通り……若い子がいっぱいだね」


マホ「宮永先輩!私たちもアゲて行かなきゃダメですよ!」


咲「あ、アゲて?」


健夜「コピーしちゃった」


マホ「ちょーウケますね!」


咲「な、何が!?」

―――――――――――――――――――



125: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:08:40.36 ID:jXeHdZKF0

―――――――――――――――――――


咲「ひっ、ひいっ……」プルプル

マホ「だ、だだだだだ大丈夫ですよ!ガラスの床なんですから!」プルプル


健夜「結局スカイツリーも来てるし……」


咲「ちょ、ちょっと待って……1.2 3で行こっ?」


マホ「そ、そうですね!そうしましょう……っ」


咲「い、いくよ?1.2の」

健夜「わっ!!」


2人「「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」」


健夜「あはははっ!」




――――――――――――――――――――


健夜「ちょ、2人ともごめんってばー!」


咲「ねえ、マホちゃん誰か知らない人が着いてくるよ?」

マホ「お巡りさん呼びましょうか」


健夜「機嫌直してー!!」


―――――――――――――――――――



126: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:12:22.62 ID:jXeHdZKF0


【かえりのでんしゃ!】



咲「ふぅ…久々にこんなに遊んだかも…」


マホ「今日はありがとうございます!マホのワガママ叶えてくれてっ」


咲「ううん、お礼なら健夜さんに……あれ」


健夜「んん……」スヤスヤ


マホ「えへへ、寝ちゃってますね」


咲「起きた時には1人で終点だ」


マホ「泣いちゃいますよ、きっと」アハハ


咲「ふふっ、まあ……一番気を使ってくれてたもんね」スッ


咲「ありがとうございます、おつかれ様でした」ナデナデ





127: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:13:08.67 ID:jXeHdZKF0



マホ「主に気を使ったのは宮永先輩の迷子にですね」クスクス


咲「う、うるさいなっ!」プンスカ


健夜「んぅ……?」


健夜「私寝てた……?」パチ


咲「あ……」←撫でてる


健夜「えっ?」←撫でられてる


咲「え、えっとこれは……その……/////」


健夜「なんだ夢かぁ……」


咲「えっ」


健夜「えへへ……」スヤスヤ





128: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:13:36.55 ID:jXeHdZKF0



マホ「また寝ちゃいましたね」


咲「よ、良かったぁ……」ホッ


咲「こんな所見られたら、恥ずかしくて死んじゃう所だった……」


マホ「宮永先輩は健夜さん大好きなんですね。マホ、ちょっとじぇらしーです」


咲「べ、別にそんなんじゃ……」

ワイワイ ヤイヤイ




健夜(~~~~~~ッッ/////)





129: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:14:59.21 ID:jXeHdZKF0

―――――――――――――――――――

【インターハイAブロック準決勝】



恒子「さあさあ!高校生雀士達の夏の祭典、インターハイもいよいよ終盤戦!!Aブロック準決勝だあああああ!!」


健夜「今年もとてもレベルの高い選手ばかりで、凄く見応えがありますね」


恒子「そしてそして!Aブロック準決勝で死闘を繰り広げる高校は、どこも強豪揃い!!まずは、福岡県代表、新道寺女子!!」


恒子「北部九州最強のチームと呼ばれているこの高校ですが、見どころは何処ですか?」


健夜「やはり、副将の鶴田選手、大将の白水選手でしょう。この2人のコンボはプロでも止められる人は多くありません」


恒子「すこやんでも?」


健夜「わ、私は試したことないから……」


恒子「意地でもできないと言わない姿勢には、わたくし最早感服致します!」


健夜「別に意地なんて張ってないからね!?」




130: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:15:36.40 ID:jXeHdZKF0


健夜「コホン、しかし先鋒の花田選手にもある意味では注目すべきでしょう」


恒子「宮永照選手との戦いだからですか?」


健夜「はい。これは花田選手だけに言える事ではありませんね。各校の先鋒が、どう宮永照選手を止めるのか」


健夜「そこに注目したいです」




恒子「なるほど。ではでは、続いて!」


恒子「北大阪代表、千里山女子!!Bブロックに出場している姫松高校と、大阪の2大名門と呼ばれている高校です!」


恒子「今年も、シード校と呼ぶに相応しい戦いを見せてくれました!」


健夜「このチームは非常に安定していますね。特に先鋒、中堅、大将の3人の3年生は素晴らしい能力を持っています」






132: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:18:42.82 ID:jXeHdZKF0



恒子「続きまして、こちらは悲願の10年ぶりのインターハイ出場を果たし、準決勝進出という大快挙を果たしました!」


恒子「奈良県代表、阿知賀女子学院!!」


健夜「このチームも、中々面白い選手がたくさん集まっています。特に先鋒の松実玄選手のドラを集める力は、宮永照選手の打点を下げる役割を持てるでしょう」


健夜「しかし、2回戦の結果だけをみれば如何せん、他の3校と比べ実力不足感が否めません。この2日間でどう変わったのかも見どころでしょうね」




恒子「そして最後!!インターハイといえばこの高校!!一昨年、昨年と二度連続優勝を果たし、圧倒的な実力で準決勝まで登り詰めてきました」


恒子「西東京代表、白糸台高校おおおおおおおお!!!!」


健夜「このチームについてはほぼ言う事はありません。先鋒の宮永照選手は言わずもがな、他の選手も白糸台の先発に選ばれるだけの実力を持っています」





133: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:19:34.48 ID:jXeHdZKF0


恒子「そういえば、このチームには天照大神って呼ばれてる牌に愛された子?の選手が2人も居るんですね!」


健夜「そうですね……長野県龍門渕高校の、天江衣選手、鹿児島県永水女子の神代小蒔選手に加えて」


健夜「白糸台の宮永照選手、そして大星淡選手。この4名の選手は牌に愛されている様な闘牌を見せる」


健夜「その内の1人、白糸台大将の大星淡選手にも注目したいですね」


恒子「さあさあ、見どころしかないAブロック準決勝!!先鋒戦はーっ!!」



恒子「CMの後!!」ビシッ

『おつかれ様でーす』


恒子「ふぃぃ……」




健夜(阿知賀女子……咲ちゃんが言っていた事が確かなら……)


健夜(……高鴨穏乃さんか)





134: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:22:28.15 ID:jXeHdZKF0


――――――――――――――――――――

【Aブロック準決勝・観戦会場】


咲「お姉ちゃん、ラスボスみたいな扱い受けてるな……」


マホ「宮永先輩のお姉さんって、あの対局室で読書してる人ですか?」


咲「うん。そうだよ」


マホ「先輩にとっても似てますね……特に髪型!」


咲「よく言われるよ」


マホ「でもでも、雰囲気はあんまり似てませんね。お姉さんの方はクールな感じですけど、宮永先輩は可愛い感じです!」


マホ「いや、でも麻雀に関わってる時の先輩はキリッとしてカッコイイ感じですし……似てるかもです!」


咲(どっちなの……)


咲「まあ、お姉ちゃんはあれでもお菓子が大好きだったり、意外と優しかったりして可愛い所もあるんだよ?」




135: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:23:06.81 ID:jXeHdZKF0



マホ「へぇ~……そういえば、何で先輩は茨城で、お姉さんは東京に住んでるんですか?」


咲「んー、私が中学生に入った辺りの頃に、お父さんとお母さんがそれぞれ茨城と東京に転勤になっちゃってね」


マホ「そういえば先輩のお母さんはプロ雀士でしたね」


咲「うん。東京のチームに移籍する事になって。それで、お姉ちゃんは中学3年生だったから、強豪白糸台があって丁度良いって理由でお母さんに付いて東京行ったの」


マホ「それで先輩はお父さんに付いて茨城に来たんですねー」


咲「そういう事」


マホ「健夜さんが地元の茨城のチームに移籍したのも、それくらいの年ですよね確か」


咲「そうだったかな?」


マホ「マホ、健夜さんと先輩の出会いのキッカケも知りたいです!」


咲「えぇっ……」


マホ「わくわく」


咲「……まあいっか。あれは確か、4月の終盤頃だったかな」




136: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:23:55.17 ID:jXeHdZKF0


――――――――――――――――――――


【咲・中学1年、春】



咲「うぅ……ここ何処ぉ……?」ウルウル


咲「やっぱり、慣れない土地で買い物なんて1人で来るんじゃ無かったよ……」

咲「でも一緒に来れる友達なんて、まだ居ないし……」


咲「はあ…」


咲「ん?あれって…」


〈つくばプリージングチキンズ〉



咲「チキンって、鶏肉の事だよね?」

咲「……」グゥゥ





137: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:24:22.12 ID:jXeHdZKF0



咲「……お腹空いたし、あそこで休憩しよう」テクテク


ガチャ


咲「すみま」


「ロン!8000」
「チー!ポン!」
「ツモ!1000.2000!」


咲「えっ?麻雀……?」テクテク

咲(なんで麻雀?)


咲(最近流行りの、麻雀喫茶っていう奴なのかな?)


咲(ど、どうしたら良いんだろう……店員さん来ないし……空いてる卓に入ったら注文取りに来てくれるのかな……)





138: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:25:08.27 ID:jXeHdZKF0



咲「うーん……さすがに知らない大人と打つのは怖い……あっ」


女性「……」

咲(あの人弱そうだし、女の人だし入れて貰おう)


咲「すみません、打ちたいんですけど!」

健夜「えっ、誰?誰かの娘さん?」


咲「え、娘?私のお父さんは宮永界ですけど……」


健夜「宮永さん?そんな人ウチのチームに居たかな…」


咲「……チーム?」


健夜「ま、いっか。暇潰しなら、私と打つ?」


健夜「残念ながら、私は他の人と打たせて貰えないから2人麻雀になっちゃうけど」





139: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:26:19.62 ID:jXeHdZKF0



咲「あ、はい。それで大丈夫です。えっと、あと食べ物とか……」


健夜「ふふっ、見かけによらず注文してくるねアナタ」


健夜「おーい!軽く食べれる物持ってきてもらって良いかな!」


モブ「……?小鍛冶さん、その子は?」

健夜「分かんないけど、気にしないで」

モブ「は、はぁ…」


健夜「さて、じゃあやろっか」


咲「は、はい(あれ、もしかして入る場所間違えた?)」





140: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:28:28.34 ID:jXeHdZKF0


……………………………………………………


咲「ロン、3900」

健夜「ふぅ、終局だね」

健夜 27600
咲 22400


健夜「……?」


咲「お強いですね」


健夜「そうかな。2人麻雀の東風なんだし、運だよ」


健夜「アナタこそ、中々面白い打ち方するんだね」


咲「私は宮永咲って言います。……そんな事ないと、思います」


健夜「私は小鍛冶健夜。まあそういう事にしておこっかな」





141: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:28:57.78 ID:jXeHdZKF0



咲「……小鍛冶、健夜……?」


咲「ってあの、元世界2位の?」


健夜「あはは、さすがに名前言ったらバレちゃうか」


健夜「驚いt」


咲「" これで "世界2位?」


健夜「」ピクッ


咲「これならお姉ちゃんの方がよっぽど強いや」


健夜「」ピクピク





142: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:29:46.19 ID:jXeHdZKF0



健夜「ちょっと、そこの2人卓に着いてくれないかな」


咲「えっ?」


健夜「ふふっ、咲ちゃん。今度は4人打ちしよっか」


咲「さっき他の人とは打たせて貰えないって……」


健夜「良いから、ね?」


咲「は、はあ……良いですけど」


健夜「……よろしくね」ゴゴゴゴゴゴゴ





145: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:30:56.85 ID:jXeHdZKF0


……………………………………………………

健夜 189000
咲 104500
モブA 62000
モブB 45500



咲「終局ですね」


モブA B「」チーン


咲「……さっきは手を抜いてたんですか?」


健夜「うん、まあ……でも今回は5割くらいは本気で打ったんだけどな」


咲「本気は、出さないんですか」


健夜「そのセリフは咲ちゃんにそのまま返したいかな」

咲「私は……」


健夜「それに、さすがに小学生相手に本気はね」





146: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:31:44.42 ID:jXeHdZKF0



咲「…………小学生?」


健夜「えっ、小学生……だよね?」


咲「私、中学生なんですけど」


健夜「えっ……」


咲「……」ジトーッ


健夜「あ、あははは……いやぁ、うん、若く見えていいね!!」アセアセ


咲「小鍛冶さんと違って、私は若く見られたって嬉しくないです!!」


咲「でりかしーが欠けてるんじゃないですか?はぁ、これだからアラサーは!」


健夜「まだアラサーじゃないよっ!!」





147: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:32:25.23 ID:jXeHdZKF0



咲「……もう帰ります、さよなら!」テクテク

ガチャ

咲「べーっ」


バタンッ


健夜「行っちゃった……」

健夜「……」チラ


健夜「5割は本気出したんだけど…」


健夜(プラマイゼロ……)





148: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:33:36.80 ID:jXeHdZKF0


――――――――――――――――――――

【回想終わり】


咲「まあそれで、色々あって健夜さんが私しか部員の居なかった麻雀部……って言っても廃部寸前だったんだけど」


咲「にコーチとして来て、地元のヒーロー小鍛冶プロの権力で麻雀部の廃部は無くなったの。それから2年後にマホちゃんが入ってきて」


マホ「今に至る訳ですね!」


マホ「チキンだけ見て飲食店だと勘違いしちゃうなんて、宮永先輩可愛いです」


咲「引っ越して来たばかりで、そんなプロチームの名前なんて知らなかったから」


咲「っと、話してる内に始まるね」





149: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:34:22.72 ID:jXeHdZKF0



恒子『テレビの前、スクリーンの前のお前らぁぁぁぁ!!CM明けたぞぉぉ!!』

健夜『またスポンサーからクレーム来るよ!?』


咲「さて」



煌『2回戦では宮永さんにボッコボコにやられたけど、今日の日は負けませんよ?』

怜『ほな、よろしく』

玄『よ、よろしくお願いしますっ!』

照『よろしくお願いします』



咲「松実さんはどう出るかな?」



恒子『Aブロック準決勝、先鋒戦……』

恒子『スタートですっっっっっっ!!!!』





150: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/29(月) 22:41:36.18 ID:jXeHdZKF0

書き忘れていました、
照との関係は、比較的良好な設定です。



155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 01:38:16.37 ID:iGCQOrp/o

待って、咲ちゃんその色々の部分をもっと詳しく
まあでも、先ずは準決勝だけど



157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 04:36:11.21 ID:KbzEhUIEO

そろそろ親に咲ちゃん紹介するレベルすこやん




162: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 12:09:42.78 ID:hwfBP9GG0

色々感想ありがとうございます。嬉しいです。
2人の過去も後ほど書く予定ですっ

ミス
咲の二局目→100500点でプラマイゼロです。



163: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:04:06.73 ID:hwfBP9GG0


【先鋒戦】





玄(ドラはいつも通り来てくれてる……けど)チラ


照「……」


玄(今日は宮永照さん、チャンピオンが居るんだ!)


玄(思い出せ……咲ちゃんとの特訓を…)


玄(……あれ、宮永……?)


玄「……」ジーッ

照「……?」


玄「えっ!?」ガタッ





164: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:05:04.28 ID:hwfBP9GG0



怜「な、なんやどないしたん?」


煌「何かありましたか?」


玄「あっ、すみません……何でもありません」


玄(あの角みたいな髪……宮永…)



玄(ま、ままままままさか、チャンピオンって咲ちゃんのお姉さん!?)



怜「リーチ!」ドンッ


玄(そ、そんな事考えてる暇じゃ無かった!!園城寺さんのツモ切りリーチ!)

怜「ツモ、2000.4000」





165: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:05:31.89 ID:hwfBP9GG0



恒子『決まったぁぁぁ!!準決勝先鋒戦、最初の和了りは千里山女子、園城寺怜!!』

健夜『ツモ切りリーチからの一発ツモ。この選手の特徴ですね』


恒子『しかし東一局はもう終わりですね』


健夜『はい。ここからです』





玄(さすが園城寺さ……っ!?)ズズズズズ


照「……」


玄(な、何……今の……?何か、大事な物を見られちゃったみたいな…)


怜(今の、船Qが言っとったやつか……)


煌(慣れませんねーこの感覚)



玄(そういえば、赤土さんが宮永さんは最初の一局は様子見するって……)


玄(てことは、次からが本番!)





166: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:11:17.89 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――

【観戦室】



マホ「マホにはあれ、マネできません」


咲「照魔鏡?」


マホ「いえ、園城寺って人の方です」


咲「あぁ……あれは、少し特殊だからね」


マホ「特殊ですかぁ?確かに数巡先まで見えるなんて普通じゃないと思いますけど……」


咲「まあまあ、それはまた後でね」


マホ「はーい。それで、先輩は誰を応援してるんですか?」





167: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:12:09.84 ID:hwfBP9GG0



咲「え?特に誰も……」


マホ「お姉さんとか、松実さんとかじゃないんですか?」


咲「それはまぁ……お姉ちゃんに応援なんて必要無いと思うし」


咲「松実さん達とは半日一緒に麻雀打っただけだしね。期待はしてるけど」


マホ「先輩らしいですね」クスクス


咲「何が?」


マホ「なーんでもないです♪」


マホ(ふふっ、素直じゃないですね)


照『ツモ、1000.2000』


マホ「あ……」


咲「始まった……どうなるかな」



_______________
______________________________
_____________________________________________




168: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:12:58.48 ID:hwfBP9GG0




恒子『ぜ、前半戦終了ーーーッッ!!』


健夜『予想してはいましたが、これは……』


恒子『まさに圧倒的!!前半戦、宮永選手以外が和了る事が出来たのはたったの2回!!』


恒子『前半戦のみで+66000点を獲得したのは白糸台高校、宮永照!!!』


健夜『各選手は協力して宮永選手を止めようとしていました。しかしこの結果……これは後半戦、どうなるのか分かりませんね』


恒子『誰かこのとてつもない選手を止める事は出来るのかぁぁぁぁ!!!』






169: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:13:37.62 ID:hwfBP9GG0



マホ「うわぁ……先輩のお姉さん、めっちゃくちゃです」


咲「それでもこの点差で収まってるのは、松実さんがドラを抱えているのと、南場の親を他の2人が全力で流したおかげだね」


マホ「ドラが来てたらどうなってたんでしょう……」


咲「間違いなくトビ……いや、トビはないかな……?」


咲(何でこんな人が新道寺の先鋒?って思ってたけど……そういう事か)


咲(私はあんまりそういうやり方は好きじゃないな)


マホ「でも、やっぱり松実さんは練習した事をすっかり忘れてしまってるです」


咲「ううん、覚えてはいると思う。鳴けそうな所を積極的に出してるし」


咲「でも、やっぱりドラを切れないっていうデメリットは厳しい……」





170: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:14:08.16 ID:hwfBP9GG0



マホ「お姉さんに狙われてますね」


咲(……松実さん)チラ


玄『……うぅ…』フラフラ

咲「……」



咲「私、ちょっとお手洗い行ってくるね」


マホ「一人で大丈夫ですか?」


咲「私、高校生だから!」


マホ「あ、これ迷子になったな……って思ったら、そこから動かずに電話してくださいね」



咲「最近、マホちゃんの保護者感が凄い……」





171: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:19:51.24 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――

【Aブロック会場・とある廊下】




玄「……うぅ…」グスッ


玄「点棒…いっぱい取られちゃった……」


玄「合わせる顔がないよ…皆にも、咲ちゃん達にも……」


咲「あ、じゃあ来ない方が良かったですかね?」


玄「えっ……?」



咲「なにしょげてるんですか。捨てられた子犬みたいな顔して」

咲「はい、飲みますか?」つ お茶





172: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:22:33.87 ID:hwfBP9GG0




玄「咲ちゃん……なんで……?」


咲「飲まないなら良いです」


玄「あ、の、飲む!有り難く頂くよ!」つウケトリ


玄「んっ……」ゴクゴク


咲「間接キスですね」


玄「ぶーーーーっっっ!!」




玄「えっ!?!?/////」カァ





173: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:23:18.22 ID:hwfBP9GG0



咲「嘘ですよ、なに赤くなってるんですか」


玄「も、もう!咲ちゃん!!」


咲「あはは、すみませんって」


玄「もう……急に現れたと思ったら…」


咲「でも、その表情ですよ」


玄「えっ?」


咲「打ってる時、ちっとも楽しそうじゃ無かったですから」


玄「そ、それは……宮永さんが……って、そうだ!!」


玄「チャンピオンって咲ちゃんのお姉さん!?」


咲「さてどうでしょう?お姉ちゃんに勝ったら教えてあげます」





174: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:24:33.05 ID:hwfBP9GG0



玄「今お姉ちゃんって言ったよね……」


咲「あ……今のは忘れてください」


玄「えへへ、咲ちゃんって意外と抜けてる所あるよね」


咲「現在進行形で不抜けてる松実さんには言われたくないです。」


玄「ふ、不抜けてなんか……」


咲「知ってます。見ていましたよ、頑張っていましたね」


玄「っっ……」ジワッ


玄「…でも……宮永さんには通じなかった……」グスッ


玄「折角咲ちゃんや皆が特訓してくれたのに……」





175: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:25:08.66 ID:hwfBP9GG0



咲「いえ、松実さんがドラを抱えているお陰であの程度の被害で済んだんです」


玄「でもっ、いっぱい振り込んじゃったし……」


咲「まだ前半戦じゃないですか」


玄「でも……」


咲「でもでもでもでもって、どうして松実さんはそんなに自分に自信が無いんです?」


玄「自信を持てる私なんて居ないから……っ!!」


咲「なっ……」


咲「私が応援しているんです……っ。少しは期待に応えようとか、そういうのは無いんですか……?」


玄「……へっ…?」


咲「あっ……」





176: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:26:03.91 ID:hwfBP9GG0


咲「……もう良いです。せいぜい最後の局も、宮永照に苛められてください」


咲「このままでは全国放送で公開処刑ですね。楽しみにしてます。では」スタスタ


玄「さ、咲ちゃん待っ」


アナウンス『休憩時間残り2分です。選手は速やかに対局室へ……』


玄「あ……」


玄「……」テクテク





咲「……」チラ


玄「……」トボトボ


咲「……もう」スタスタ





177: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:27:30.93 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――

【観戦室】



マホ「あ、先輩おかえりなさいです。」


咲「うん、ただいま」


マホ「どうでしたか?松実さんの様子は」


咲「……」




咲「え、今なんて?」


マホ「ですから、松実さんの様子はどうでした?」


咲「……なんで分かったの」





178: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:27:58.49 ID:hwfBP9GG0



マホ「マホは宮永先輩の事ならなんでも分かっちゃいますから♪」


咲「…知らないよ、あんな人の事なんて」プイッ


マホ(あらら……何があったんでしょう)




恒子『さあさあ、準決勝先鋒戦、後半戦が今!!始まります!』


健夜『最初の親は花田さんですが、もう宮永選手の様子見はありません』


健夜『各選手、自分に出せる以上の力を出せないと、食い殺されてしまいますね』





179: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:29:59.15 ID:hwfBP9GG0



【対局室】



玄(咲ちゃん……)タン



照「ロン、2000」


玄「あっ……」



怜(阿知賀の……)

煌(ちょっとヤバいですねー)




照「ロン、3900」


玄「えっ……?」


玄(ホンイツ……?あれ、いつの間に鳴いて…)





180: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:30:29.26 ID:hwfBP9GG0


怜(これはアカン!阿知賀の、意識が別のとこに行っとる!)


玄(また点棒取られちゃった……ダメだな私…)


玄(やっぱりこんな私、咲ちゃんに応援してもらう資格なんて無いよ)


玄(出来ることなんてドラを抱えるだけ……勝てっこないよ……)


玄(もういっその事諦めちゃえば……)

玄(……)




玄(……諦、め……?)





181: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:31:14.52 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【回想・ミニ合宿】



憧「あー!また完敗……」


灼「正直、勝てるビジョンが全く見えない……」


玄「もう無理だよー……」


咲「何言ってるんですか、ほら次行きますよ」


玄「やっぱり、今の咲ちゃんも止められない私じゃチャンピオンを止めるなんて……」


咲「良いですか、松実さん」



咲「対局中に一番してはいけない事、それは諦める事です」





182: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:32:19.10 ID:hwfBP9GG0


玄「それは……分かるけど…」


咲「分かる?はい、では諦めてはいけない理由を言ってみてください」


玄「……試合は最後までどうなるか分からない……から?」


咲「ぶー、全然違います」


咲「大体、本気で諦めようと思う状況に陥った時はもう何をしても大抵無駄です。速やかに諦めましょう」


憧「言ってること矛盾しすぎでしょ!?」


咲「冗談です。諦めるという事は、なんの役にも立たない、でくの坊が一人増えると言う事」


咲「ここで準決勝を思い浮かべましょう。相手はあの宮永照、松実さんが諦めてしまえば怪物を止めるのは園城寺さんと花田さんです」


咲「それも、でくの坊が飛ばされない様に配慮もしなきゃいけない」


玄「で、でくの坊を連呼されると傷つくよ……」





183: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:33:33.07 ID:hwfBP9GG0



咲「詰まる所、迷惑なんです。一緒に卓に着いている2人にもですし、宮永照だってヤル気のない人を相手にしてもつまらないでしょう」


咲「分かりましたか?なので、諦めるくらいなら卓を引っくり返して滅茶苦茶にした後で失格になってください」


『ちょっと咲ちゃん、何不穏なこと言ってるの!?』


咲「松実さんにはドラが集まる。それだけで充分な役割を果たすんです」


咲「忘れてはいけません。それは充分な効力を発している事を」


咲「絶望的な状況に陥った時、きっと諦めようと思ってしまうでしょう。宮永照はそういう相手です」



咲「なので諦めたくなった時は、その事を思い出してください」






184: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:34:29.54 ID:hwfBP9GG0



咲「全く相手になってない訳じゃない、むしろ宮永照へ最大の妨害をしているのは自分だ、と」


玄「うん……」


灼「咲は槓ドラ乗せてくるから、あんまり妨害にはならないけど」


咲「ちょ、せっかく良い話してたんですから!」

憧「あはははっ!」


玄「……ふふっ」ニコッ


_______________
______________________________
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185: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:38:04.53 ID:hwfBP9GG0


玄(ダメだ……諦めちゃ…)


『いえ、松実さんがドラを抱えているお陰であの程度の被害で済んだんです』

『私が応援しているんです……っ。少しは期待に応えようとか、そういうの無いんですか……?』


玄(私、忘れてた……何も出来てない事なんてない、私は宮永さんにドラを行くのを防げてる)


玄(そうだ、それだけで充分妨害にはなってるはず……問題は、そこからもう1歩、どう進むか)


玄(園城寺さんも花田さんも、何とか宮永さんを止めようと頑張ってるんだ)


玄(私だけ諦めるなんて……できないよね)



玄(ごめんね、咲ちゃん。ありがとう)

玄「……」フゥ


玄「よしっ、頑張るよっ」ゴッ





186: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:38:36.30 ID:hwfBP9GG0



怜(なんや……?少し空気が変わった……?)


煌(スバラです、共に頑張りましょう)


照(前半戦の時やさっきとは明らかに何かが違う……鏡を使う……?)


照(……いや、それは危険か)

照(……面白い)フッ



玄(宮永さん笑ってる……なんていうか、そっくりだな咲ちゃんに……不敵な笑みが)


玄(って、ダメダメ!今は対局に集中しなくちゃ)


玄(応援してくれてる人が、たくさんいるんだから)





187: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:40:04.17 ID:hwfBP9GG0



【観戦室】




咲「……ふーん」


マホ「何とか首の皮一枚繋がった感じですねー」


咲「気持ちを入れ替えただけで勝てる相手じゃないけどね」


マホ「またまたぁ、先輩のその顔には良かったって書いてありますよ?」


咲「そんな事ないもん」プイッ


咲「!!」ピクッ



咲「……そろそろか」


マホ「え?」





188: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:41:36.51 ID:hwfBP9GG0


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

恒子『跳満ツモおおおおおおお!!南入して親は再び宮永照!!ラス親にして跳満ツモです!!』


健夜『これで4連続和了……これは非常にまずい状況です』


恒子『南4局4本番!!この時点で2位の千里山女子と1位白糸台高校の点差は約10万点!!』


恒子『かつてこれ程点差のついた先鋒戦があったでしょうか!!!』


健夜『他3校の選手も、出せる力以上の力を出しているように感じます。しかし、これは……』

健夜『前半戦より速さも打点もケタ違いです』


恒子『跳満をツモり、勿論親は続行!!!その目はまるで、獲物を前にした肉食獣!!続ける、誰かの息の根を止めるまでっ!!』




健夜(ここで止めないと、最悪の事態は免れないけど……)

健夜(松実さんはドラを……)





189: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:42:48.69 ID:hwfBP9GG0



咲「松実さんも良くやった、やったけどこれは覚悟しなくちゃいけないね」


マホ「トビですか?」


咲「うん……新道寺の花田さんの能力は誰も飛ばさせない能力だと思う。」


咲「プロと打っても一度も飛ばなかったって話もあるし……けど、宮永照と対局したことは無い」


マホ「何事にも上限はあるって事ですね」


咲「次来るであろう倍満を止められなければ、そこで試合は終局」


マホ「次からは役満地獄ですかー?おっそろしいです……」





190: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:43:23.74 ID:hwfBP9GG0



咲「後半戦入ってから……正確には、阿知賀のでくの坊に命が宿ってからのお姉ちゃんは調子が良すぎる」


咲(松実さんの変化に反応したか……)


マホ「あっ」


咲「来たね。これを止める事ができなかったら……」


照『リーチ』ゴゴゴゴゴゴゴ



恒子『白糸台宮永選手、ツモれば倍満の清一色手を聴牌!!リーチです!!』

健夜『これを止める事ができなければ……』





健夜『終わります』

咲「終わる」





191: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:46:53.44 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――


【対局室】



照「リーチ」ゴゴゴゴゴゴゴ


玄(つ、強すぎるよ……!!)


怜(これまでは、他2人の協力もあってなんとか宮永の親は流せてきた……でも、よりによってラス親で連荘て、ラスボスかいな)


煌(さすがはチャンピオンですね……格が違います)



怜(ふぅ……正直、もう身体クタクタや……こんなん小学生の頃のマラソン大会以来やで、ほんま……)


怜(はぁ……なんで麻雀打ってマラソンと同じ気分にならなアカンねん……もう投げなしたいなぁ…)


怜(投げ出したいけど……)チラ


玄「……」


怜(阿知賀のはまだ諦めてへんな……最初に諦めそうになった時はどないしよ思ったけど)


怜(でも、この子と新道寺のが協力してくれてたお陰で、想定してたよりは体力消耗してへんわ……)





192: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:47:30.84 ID:hwfBP9GG0



怜(ほんならまあ……)


怜(もう1回だけ無茶するわ……)


怜(…戻ったら竜華に怒られるやろなぁ……膝枕、してもらいたいわ…ごめんな……)

怜(……)スッ


怜(トリプル……)


怜(3巡先や……ッッ!!)ゴッッッッ


怜「うっ……!!」クラッ


玄「園城寺さん!?」


怜「大丈夫や……自分の事に集中せぇ!」ハァハァ



玄(園城寺さん……)





193: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:49:00.23 ID:hwfBP9GG0



玄(こんな時咲ちゃんなら……)

玄(ふふ、ダメだな私。私は咲ちゃんじゃないし、あんな事言われた後なのに……)




玄(……あんな事…?)


『……もう良いです。せいぜい最後の局も、宮永照に苛められてください』

『このままでは全国放送で公開処刑ですね。楽しみにしてます。では』


玄(待って……?最後の局も……?このままでは……?)


玄(最後の局、つまり今この状況のこと……。でも、苛められてください……?)


玄(それなら、今までもやられっぱなしだったんだし、最後の局 "まで" って言うはずだよね……考えすぎ?)





194: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:49:59.70 ID:hwfBP9GG0



玄(そもそも、何で咲ちゃんがあのタイミングで私に会いに来たか……)


玄(普通なら励ましに来た……けど、咲ちゃんは普通じゃない。勿論、励ましに来てくれたって言うのもあるかもしれないけど…)


玄(考えて……最後の局も。という事はあのままの私では、止められるはずの最後の局も止められないという事……)


玄(あのままの私……不抜けて、自分の役割すらも忘れていた私……役割…)


玄(思い出せ……宮永照には1人では勝てない、私はドラを……抱える……)


玄(ドラ……リーチ……協力……)







玄「……」


玄「そういう事……」ポロ





195: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:51:47.43 ID:hwfBP9GG0



煌(涙……?)


怜(ここで来るんか!!阿知賀の松実玄!)ハァハァ

怜(なら、これや……!)タン


煌「ポン!」

煌(その涙は、諦めの涙ではありませんね)


煌(ならば不肖、花田煌!最後までお供致しましょう!!)


怜「ぽん……っ!!」

照「……!!」


玄(小さい頃お母さんにずっと言われてた、ドラを大切にしなさいって)


玄(それ以来、自分からドラを捨てる事は無かったけど……)



玄(ごめんね、私はあなたと同じくらい大切な仲間が出来たの……)スッ




196: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:54:11.04 ID:hwfBP9GG0

――――――――――――――――――――


恒子『あ、阿知賀女子松実玄選手、これは!?』


健夜『驚きました……』


健夜『宮永選手は、松実選手がドラを切れない事を知っていた。知っていたからこそリーチを掛けた』


健夜『ドラが出ないと決めつけて……しかし』




健夜(私自身も、二度経験した事だった)



【観戦室】

マホ「決めつけたから、リーチ……」


咲「そう。対局者の特性を完璧に見破る宮永照なら、ドラは必ず出ないと決めつける」


咲「でも……」




咲 健夜「『人は、予想を越えてくる』」





197: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:56:10.70 ID:hwfBP9GG0



玄(もう二度と戻ってきてくれないかもしれない……けど……)


玄「リーチ!!」ダンッ

玄(私は待ってるっっ!!)



怜「ポンっ!!」

怜(改変完了……!)


照「……ッッ」チャッ

怜(そうやチャンピオン、それが阿知賀の……)



照「……」タン

怜(当たり牌や)



玄「ロン!!」


玄「リーチ断幺九 一盃口ドラ7……16000の4本場は17200ですっ!!!」






198: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 13:58:32.14 ID:hwfBP9GG0




恒子『せ、先鋒戦決着ーーーーーーッッッ!!!』


恒子『チャンピオンがこんなに大きく振り込んだのはいつ以来でしょうか!!』


健夜『今のは、これ以外道が無いと言っていいほどの各校の打ち回しでした』


健夜『どこか一つの高校だけでも諦めていれば、この結果は有り得ません』


健夜『やはり、インターハイは面白い』


恒子『そんなAブロック、準決勝先鋒戦を締めくくったのは阿知賀女子、松実玄ーーー!!!!』



ワアアアアアアアアアアアア!!!



先鋒戦・最終結果

白糸台176800
千里山 83000
阿知賀 73200
新道67000



~Aブロック準決勝先鋒戦、終局~





199: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:00:16.62 ID:hwfBP9GG0


【観戦室】



咲「……」


マホ「す、凄い……」


咲「私、ちょっと外の空気吸ってくるね」


マホ「え?」


マホ「……はい。でもすぐ戻ってきてくださいね」ニコッ


咲「うんっ」スタスタ


マホ「……ふぅ」



マホ「本当に凄かった……けど…」チラ






200: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:01:09.91 ID:hwfBP9GG0



照『ありがとうございました』

玄『お疲れ様でした!』

怜『お、お疲れさん……』ハァハァ

煌『スバラな対局ありがとうございました!』



マホ「最後のお姉さんのリーチ……あれは多分…」


マホ「ふふっ、やっぱり姉妹似てますです」ニコッ





201: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:01:55.20 ID:hwfBP9GG0


【会場・外】



咲「……ふぅ」


咲「今の対局は凄かった……凄かったけど……」



『私ね、ドラを捨てるとしばらく来なくなっちゃうんだ』


『しばらく?』


『うん。最後に捨てたのは中1の頃だったんだけど……一年間、来てくれなかったんだ』


『……そうなんですか…』


『でも、小学生の時に捨てちゃった時は3日後くらいには戻ってきたの』


『何ですかそれ……随分と気分屋なドラなんですね』


『あはは、そうなんだー』クスクス

『…………』




咲「……」





202: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:03:15.21 ID:hwfBP9GG0



咲「もし……」

咲「もしも一昨日の夜、私達と特訓なんてせずに赤土さんと対策を練っていれば……」



咲「松実さんがドラを捨てる以外の筋道だってあったんじゃ……」

咲「……」グッ




「なに言ってるの、咲ちゃん」


咲「!?」バッ


玄「えへへ」


咲「……松実さん」





203: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:04:20.36 ID:hwfBP9GG0


玄「もー、探したよー?控え室に戻ってすぐに観戦室に行ってもマホちゃんしか居ないんだもん」


咲「何しに来たんですか」


玄「え?それはお礼を言いに…」


咲「お礼?あんな事言われた後でお礼なんて、松実さんって意外とアレなんでs」


玄「本当にありがとう」ニコッ


咲「ッッ」


玄「諦めそうになった時、咲ちゃんの言葉を思い出した」


玄「ドラを抱えるその先の、そこからもう1歩進んだ私に出来ること。咲ちゃんとの特訓で、その事に気付けた」


玄「きっと、咲ちゃんとの特訓が無ければ、咲ちゃんの言葉がなければ私は自分からドラを捨てるなんて、想像すらできなかったと思う」


咲「……しっかり自分で辿りついた……辿り着いてしまった決論でしょう」





204: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:06:31.92 ID:hwfBP9GG0



玄「ううん、導いてくれたのは咲ちゃんだよ」


咲「あんな、たった一試合の為だけにドラを捨てて……。分かってます、ドラを捨てる以外の道なんて、無かった……」


咲「それでもっ!もう2度とドラが来なかったらどうするんですか……?」


玄「それでも良いの」


咲「良い訳が」


玄「良いの」


咲「なんで……っ」


玄「阿知賀の皆、地元で応援してくれてる人達、マホちゃん、小鍛冶さん。それに咲ちゃん」


玄「皆、ドラと同じくらい大切な存在なの。だから、皆をこの先に導いていけるなら、私は満足なんだ」ニコッ





205: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:07:42.18 ID:hwfBP9GG0



咲「なっ……」


玄「って、えへへ……なんだか恥ずかしいね」テレテレ


咲「そ、そんな理由で……?」


玄「私にとっては大切な理由だよ」


咲「……」


玄「だから、ありがとう咲ちゃん」


咲「あなたは本当に……」


玄「うん?」ニコッ


咲「……だ、大体!前半戦であんな不抜けた試合をするから、皆を不安にさせるんです!!」


玄「また言われた!?」





206: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:08:14.71 ID:hwfBP9GG0



咲「そもそも、大量失点した大戦犯がそんな事言ったって無駄ですよっ!」


玄「大戦犯!?」


玄「うう…まさかこんなに言われるとは……」


咲「でもまあ……」


玄「こ、今度は何を……っ!?」





咲「とっても素敵な対局でした」


咲「お疲れさま、大変でしたね」ニコッ





207: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:09:16.42 ID:hwfBP9GG0


玄「えっ……?」


咲「大量失点して大戦犯ですが、私にとっては凄く格好良かったですよ」


玄「咲ちゃん……?」


咲「きっと松実さんにとって、辛い対局でしたよね」


玄「っっ……」


咲「なので、お疲れさまでした。良く頑張りましたね」


玄「咲ちゃん……っ」ジワッ



咲「……誰にも言わないので、今だけは特別に良いですよ」スッ


玄「ありがとう……咲ちゃん……」ギュッ


咲「……はい」ナデナデ





208: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:10:39.37 ID:hwfBP9GG0



玄「うぅ……ひっぐ……」ポロポロ


咲「素敵でした、松実さん」ギュッ


玄「ドラ……!!もう来てくれないかもしれない……!!」ポロポロ


咲「はい、そうですね……でも、阿知賀の皆は居ます」ナデナデ


玄「いっぱい点棒取られちゃった……っっ!!」


咲「はい、そうですね……でも、とっても素敵で恰好良かったです。きっと皆が取り返してくれます」


玄「辛かった……怖かった…皆の夢を私が終わらせちゃうんじゃないかって……!!」ギュゥ


咲「はい……そうですね……でも、皆の夢を繋げたのは松実さんです」ギュッ


玄「うっ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!」ボロボロ




咲「よく頑張りましたね……素敵でしたよ、玄さん」ナデナデ



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209: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:11:52.82 ID:hwfBP9GG0




咲「……落ち着きましたか?」


玄「ぐすっ……うん、なんかごめんねっ?」ハナレ


咲「い、いえ……」チラ


玄「………」ジーッ


咲「……っっ」


咲「こ、この事皆にバラしたら怒りますからね!?」


玄「それは本来私が言うべきセリフじゃないかな?」


玄「…バラしたりしないよ、2人の秘密」


咲「わ、分かってるなら良いんです……」





210: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:12:47.71 ID:hwfBP9GG0


玄(年下の胸の中で号泣したなんて、死んでも言えない!!)



会場く ワアアアアアアアアアアア!!



咲「えっ、今何時ですか!?」


玄「えっと……はい」つ 時計見せる


咲「あぁ!?もう次鋒戦どころか中堅戦の始まりですよ!!」


玄「へっ!?次鋒戦終わっちゃったの!?」


咲「玄さん何分泣いてたんですか……!!」


玄「さっそくそんな大きな声で秘密言わないで!?」


咲「あーあ…中堅戦間に合うかn」


咲「!?」バッ


玄「きゅ、急にどうしたの?」





211: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 14:15:04.08 ID:hwfBP9GG0



『ののかー!早く早く!』

『そんなに急いでも、もう始まっていますよ……』

『相変わらず麻雀以外はお子ちゃまだじぇ』

『子供じゃない!』



咲「……あれは…」


玄「え、の、和ちゃん!?」


和「えっ?」

優希「じょ?」

「ほう……?」



咲「あなたは…」


衣「妙な気配がするとは思っていたが……これは想像以上だ」ニヤ





217: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:39:12.23 ID:hwfBP9GG0


【偶然の出会い】



咲「天江衣ちゃん……」


衣「ちゃんではなく!!」


玄「和ちゃん!」


和「玄さん……!?」


優希「んん?のどちゃんのお友達か?」


和「先ほど話した、昔奈良にいた時の友達です」


優希「ってことは、今私たちが試合を見に来た阿知賀女子の選手か!」


玄「久しぶり、和ちゃん。いつかは会うだろうと思ってたけど……」


和「本当に……お久しぶりです。穏乃達は元気ですか?」


玄「うん、とってもね」





218: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:40:32.88 ID:hwfBP9GG0


優希「そっちの私服の子も、のどちゃんの友達かー?」


和「いえ……可愛らしい方ですが、違いますね」


玄「あ!紹介するね、この子は……」チラ


玄「うっ……!?」ビクッ


咲「……衣ちゃん」ゴゴゴゴゴゴゴ

衣「ちゃんではなく……」ゴゴゴゴゴゴゴ


玄(な、何これ……!!辛い!そのオーラお姉さんよりも辛いよ!)

和「???」


衣「ののか達に付いてこちらの会場に来てみれば……思わぬ財宝に出会ったものだ」


咲「牌に愛された子筆頭の天江衣ちゃんにそんな事言って貰えるなんて、光栄だね」



衣 咲「……ふふふふふ」ゴゴゴゴゴゴゴ





219: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:41:17.68 ID:hwfBP9GG0



玄「さ、咲ちゃん……」プルプル


咲「!!玄さん、すみません」


和「天江さん、お友達になれたようで良かったです」


衣「ふふふっ……」


優希「今のはそんな生優しい空気じゃ無かったと思うじぇ」


咲「玄さん、この人たちは?」


和「長野県代表、清澄高校副将、原村和です」


咲(えっ、私、玄さんに聞いたのに……)


和「以後、お見知りおきを」


咲「っていう事は、準決勝に?」


優希「いや、負けたじぇ!2回戦で!私は片岡優希、よろしくな!」


咲(じゃあなんでお見知りおき……?)





220: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:42:26.74 ID:hwfBP9GG0



咲「ていうか負けた……?」チラ


衣「なんだ?」


咲「いえ……衣ちゃんを倒してきた高校が2回戦で負けるなんて、意外で」


衣「ちゃ・ん・で・は・な・く!!」プンプン


和「これは言い訳みたいになってしまいますが……うちの大将の選手が1回戦後に高熱を出してしまって」


衣「……衣を倒したのもそやつだ。衣の一番の友達!」


優希「それで、私たちの高校は補欠部員なんて居なかったから、棄権しようって言ったんだけど、その子が出るって聞かなくてな」


玄「それはまた……なんと言うか」


和「まあ、あの人が本調子で出られなかった事に後悔がないと言えば嘘になりますが、自分の全力を出した結果ですので」


優希「悔いはないじぇ!」





221: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:43:03.54 ID:hwfBP9GG0



衣「だから、衣が代わりに出てやると言ったのに!」


和「それは無理ですって。常識的に考えてください」


衣「むむむ……」


咲(そういえば健夜さんが言ってた……長野県の天江衣を倒した無名校の一年生……)


咲(得意技は確か……)


和「私達は取材と一緒に、個室で試合を見させてもらう事になっているのですが」


和「よければ一緒にどうですか?」


優希「タコスもあるじぇ!」


咲「あ、私タコス嫌い」


優希「がーーーーん!!!」


玄「私はさすがに……そういう訳にはいかないから、控え室に戻るよ 」


咲「私も、後輩を1人で待たせちゃってるので、すみません」





222: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:44:40.80 ID:hwfBP9GG0



和「そういえばまだ試合中でした。こちらこそ申し訳ありません」


衣「ののか!試合終わっちゃう!」


和「では、玄さん。穏乃や憧によろしく伝えておいてください」


玄「良かったら電話番号教えてくれない?色々落ち着いたら皆で会いに行くよ」


和「それは盲点でした……では、これ番号です」


玄「うん、また連絡するね」


和「……はいっ。では、玄さん宮永さん、また」


優希「じゃあな!」


衣「咲とはいつか卓の上で相見えたいものだ」


咲「満月の夜に、ね」ニコ

衣「ほう……?」ニヤ


玄「ま、またねーっ!」フリフリ



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223: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:51:23.28 ID:hwfBP9GG0



咲「……では、私たちも戻りましょうか」


玄「あ、あの!咲ちゃん!」


咲「はい?」


玄「その……私たちも、ケータイの番号交換しておかない?」


咲「え、何でですか?」


玄「な、何でって言われると……したいから?」


咲「したいからって……」

玄「ダメかな…?」


咲「あの、色々協力をしたり、胸の中で泣かれたりはしましたけど」


咲「元を辿れば……というか、そもそも私達はこんな頻繁に会う間柄じゃないんですよ?」





224: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:52:28.10 ID:hwfBP9GG0


玄「そ、それは……」


咲「実際、一昨日に別れた後はもう会うつもりなんて微塵もありませんでしたし」


咲「まあ、今日はあまりにも不抜けた玄さんが見ていられなくて、行ってしまいましたけど」


咲「なので、別に連絡先の交換とかそんなのは」


玄「あー、焦れったいよっ!私達は友達!うん、友達だから連絡先の交換くらい普通だよっ」


玄「はい、これ私の番号とメールアドレス!」


咲「ちょ、押し付けられてもっ」


玄「要らなかったら捨てても良いから!ね!」


玄「それじゃあ、また!」タッタッタ


咲「ちょ、ちょっと玄さん!」


玄「ばいばい!」




咲「……行っちゃった」





225: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:53:06.67 ID:hwfBP9GG0



咲「こんなの渡されたって困るよ……」チラ


咲「……メールか…」


咲「メールのやり方……」ウーン


咲「べ、別にしたくてする訳じゃないし……」


咲「……うーん…こうかな…?違った……」ポチポチ




咲「説明書持っててよかった……」ポチポチ





226: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:53:54.21 ID:hwfBP9GG0


……………………………………………………


玄「急がないと憧ちゃんの試合まで終わっちゃう!」タッタッタ


テレレーン♪


玄「メール?和ちゃんかな……」カチャ


玄「……えっ」


From?咲

To ?玄さん

……………………………………

バカ玄さん
仮に決勝に行けたとしても、もう協力はしないので会いに来ないでください。





玄「咲ちゃん……」グスッ


玄「やっぱり迷惑に感じてたのかな……あれ、まだ下がある?」


玄「けど見てる暇ないや!ごめん咲ちゃんっ、返信は控え室戻った後!」タッタッタ






227: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 16:56:15.89 ID:hwfBP9GG0



From 咲

To 玄

……………………………………

ばか玄さん
仮に決勝に行けたとしても、もう協力はしないので会いに来ないでください。












でも、泣きたくなった時やどうしても相談したい時は連絡しても良いです

では、また。 宮永咲より



………………………………………………



一方、咲



咲「……返信来ないし…」


咲「……もう少し待とうかな…」





228: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:01:00.70 ID:hwfBP9GG0


【観戦室】




咲「ごめんねマホちゃん、おまたせっ」


マホ「あっ、宮永先輩!遅いです!」プンプン


咲「本当に面目ないよ……」


マホ「えへへ、大丈夫ですよ」


マホ「でも、次鋒戦終わるまで戻ってこないとは思ってませんでしたー」


咲「ちょっと色々あって……」


マホ「今丁度、中堅戦の途中休憩なので次鋒戦の内容を教えましょうか?」


咲「ん、じゃあお願い。できれば、中堅戦の前半戦のことも」


マホ「はい!……って言っても、特に驚くべきことは起こってないですね」





229: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:02:09.08 ID:hwfBP9GG0



咲「じゃあ、私が事前に予想してた通り?」


マホ「はい、大方。次鋒戦では松実宥さんの活躍で白糸台の点数が削れて、千里山との差がつまりました」


マホ「それと、新道寺の次鋒さんが意外とやり手で、全体的に差が縮まった結果でしたね」


咲「ふんふむ……」


マホ「これは少し予想外だったんですけど、白糸台の弘世菫さんには癖があるみたいですね」


咲「癖?」


マホ「はいです。千里山、清水谷さんのゾーンをコピーしてくまなく探した結果、誰かを狙う時視点と指の動きに変化を見られました」


咲「癖を探す……なんて言うのかな、キッカケになったのは?」


マホ「松実宥さんが、弘世菫さんからの狙い撃ちを全て躱していましたです」


マホ「さすがに、マホのコピーとのわずかな対局だけで、全弾躱すなんて……と思ったので探してみたら」


咲「案の定だった訳か……」


咲(お姉ちゃんは気づかなかったのかな)





230: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:02:43.22 ID:hwfBP9GG0



咲「やっぱり、赤土さんが癖を見抜いたのかな」


マホ「そこまでは……。でも、そう考えるのが妥当だと思うです」


咲「なるほどね……ありがと。じゃあ中堅戦の前半戦は?」


マホ「はい。こっちはほぼ全て宮永先輩の読み通りに進んでます」


咲「江口セーラが暴れた?」


マホ「はい。新子憧さんも踏ん張ってますけど、なんとも……」


マホ「それに、江口セーラさんが1.2回戦の時よりも、更に火力が高く、速度が早くなっています」


咲「インターハイの魔法だね……」


咲「あ、渋谷尭深のこれまでの最初の捨牌は?」


マホ「確実に暗記はしてないですけど、三元牌が多かったので確実に大三元狙いです」


マホ「江口セーラさんが連荘を結構していたので、かなりストックが貯まってるかもですね」





231: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:03:25.10 ID:hwfBP9GG0



咲「あとは後半戦次第、か」


マホ「でも、このまま行けば仮に大三元を和了ったとしてもマイナス分は取り返せないと思うです」


咲「つまり、中堅戦も1位とそれ以下の点差が縮まる試合になるのかな」


マホ「……これ、言っていいのか分からないんですけど」


咲「うん?」


マホ「……正直、お姉さんの活躍で白糸台には期待してましたです。なのに…」


咲「ま、まだ中堅戦の前半戦だから!そういう事言うのは良くないと思うな私」


咲「……同意見だけど」ボソッ


マホ「ボソって言っても聞こえましたよ今」


咲「コホン、まあ実際、次鋒の弘世菫さんはかなり強いと思う」


咲「赤土さんに癖を見抜かれなければ、キツい状況は続いたと思うよ」





232: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:04:21.02 ID:hwfBP9GG0



マホ「確かに、松実宥さん以外は躱せていなかったです」


咲「でしょう?それに、玄さんのお姉さんもかなり強いしね」


マホ「玄さん?」


咲「あっ、な、何でもないっ!」アセアセ


咲「とにかく、中堅副将と凌いだとしても、大将には鶴田姫子がいるからね」


マホ「リザベーション、でしたっけ。あれもマホにはコピーできない技です」


咲「あれは2人でやる、コンビ打ちみたいな物だしね……多分、私とマホちゃんなら出来ると思うよ」


マホ「えっ、本当ですか!なら今度やりましょう!」


咲「いや……それは…考えとくね!」





233: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:04:53.00 ID:hwfBP9GG0



マホ「えー……何でですかぁ」


咲「何でも!」


マホ「むー……あれ、大星淡さんは気にしなくて大丈夫なんですか?」


咲「あの子は……少なくとも準決勝の内は大丈夫だと思う。いや、高鴨さん次第かな」


マホ「へー…じゃあ、副将からの見どころは新道寺ですね!」


咲「うん、私も早く見たいな……リザベーション」


咲「っと、後半戦始まるね」


マホ「あ!大事な事に言い忘れてました!」


咲「え?」


マホ「千里山の江口セーラさん、前半戦が始まる前にジャンプして空中で一回転して着地してました!」


咲「なにそれ………」





234: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:08:26.78 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――

恒子『中堅戦終了っっっ!!!』


恒子『白糸台、渋谷尭深選手の大三元により中堅戦終了です!!』


健夜『今のは分かっていても防げなかったでしょうね』


恒子『しかし!千里山女子の江口セーラ選手が驚異の+36000点と、1位白糸台高校との差を大きく縮めました!!』


恒子『続いて、阿知賀女子、新子憧選手も+12600点と大躍進!』


恒子『大きく凹んだ新道寺ですが、副将にはエースの白水哩選手が控えています!!』





235: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:08:54.59 ID:hwfBP9GG0



健夜『副将戦一番の注目選手ですね。この選手と大将の選手のコンビネーションにも期待しています』


恒子『さあさあ!!注目の準決勝副将戦はっっ!!!』


恒子『昼休憩の、後おおおおおお!!!』


健夜(それにしても、白糸台高校は調子が悪いのかな……)


健夜(次鋒の選手はかなり良かったけど、何で松実宥さんは躱せたんだろう?)


健夜(……後で咲ちゃん達に聞こう)





236: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:09:48.52 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――



咲「凄かったね、オーラスの渋谷尭深の手牌」


マホ「ですね…大三元に応えるように、ストック以外の牌も比較的揃いやすい牌がきていました」


咲「でも、新子さんも踏ん張った。これで白糸台との点差も……」


マホ「結局、阿知賀を応援してるんですねー?」


咲「……まあ、どこか1校くらい応援しないとつまんないかなって思っただけだよ」


マホ「へー」ニコニコ


ピロリーーン♪


咲「ん?」


マホ「メール?」


咲「そうみたい……」ポチポチ




237: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:10:39.48 ID:hwfBP9GG0


マホ「健夜さんですか?」


咲「んーどうだろう……あれ、これどうやってやるんだっけ……」ポチポチ


咲「……あ、こうか」ポチポチ



From 玄さん

To 咲
………………………………………………

さっそくメールくれるなんて(ノ*°▽°)ノ
嬉しいな、ありがとう!

お言葉に甘えて、そういう時は頼らせて貰うね。

あ、そうそう!中堅戦終わって昼休憩だけど、良かったら一緒にどうかな?
皆も会いたがってるし……。

………………………………………………


咲「あの人は全く……」ハァ


マホ「……じーっ」←気になる


咲「あぁ、玄さ……松実玄さんから。さっき色々ね」


マホ(なるほど……だから名前で)





238: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:11:07.18 ID:hwfBP9GG0


マホ「へー!ふふっ、別に玄さんって呼んでても良いんじゃないですかー?」


咲「そ、それはいいのっ!」


プルルルルル プルルルルルル


咲「今度は電話……あ、健夜さんだ」


マホ「先輩のケータイさんも随分忙しくなりましたね」クスクス


咲「1人のアドレスが新しく入っただけだよ」


ピッ


咲「はい、もしもし?」




239: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:11:46.14 ID:hwfBP9GG0



健夜『あ、咲ちゃん?』


咲「違いますって言ったら切るんですか?」


健夜『まず誘拐を疑うよ……迷子になって拐われるとかありそうだし』


咲「ぐっ……言うようになりましたね。……どうかしましたか?」


健夜『それがお昼なんだけど、私打ち合わせが入っちゃって』


咲「はい」


健夜『悪いんだけど、マホちゃんと2人で食べててもらえる?』


咲「それは良いですけど……。私たちの事よりも仕事を選んだんですね」


健夜『えっ!?』


咲「冗談ですよ。仕返しです。分かりました、お疲れさまです」




240: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:13:03.84 ID:hwfBP9GG0



健夜『ビックリした……うん、ありがとう』


健夜『はぁ……もうクタクタだよ』


咲「あはは…あのアナウンサーの人、エネルギー凄いですからね」


健夜『そうなんだよー……っと、いけない、いけない』


健夜『そうそう、1つ白糸台の弘世さんについて聞きたいんだけど』


咲「あぁ、白糸台の次鋒なら、赤土さんが癖を見抜いたみたいです」


咲「癖自体もマホちゃんが確認しています」


健夜『癖?……気づかなかったな』


咲「私もですよ。赤土さん、健夜さんに壊された割に充分生きてますね。安心しました」


健夜『嫌なこと言わないで!?』


健夜『あ、ごめん、もう時間だ』


咲「はい、ではお仕事頑張ってください」


健夜『うん、ありがと!またね』


咲「はい、また」ピッ






241: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:14:00.81 ID:hwfBP9GG0



マホ「健夜さん、なんて言ってました?」


咲「お昼、打ち合わせ入ったから2人で食べてって」


マホ「えっ、それは残念ですね」


咲「仕事を選んだ健夜さんに慈悲はないよ」クスクス



咲「さて、お昼か…」





242: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:14:47.82 ID:hwfBP9GG0



――――――――――――――――――――

【数分前阿知賀・控え室】


玄「……」ソワソワ


穏乃「玄さん、なにソワソワしてるんですか?」


玄「へっ、あ、いや、何でもないよ!」アセアセ


晴絵「今のところ、順調に点差も縮めていけてる。もう一踏ん張りだ」


灼「次は私……」


穏乃「うはぁ!!私の出番ももうすぐだー!」


宥「ふぁ、ふぁいと!」グッ





243: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:15:21.70 ID:hwfBP9GG0


憧「ただいまー」ガチャ


穏乃「あ、憧!おかえり!」

玄「おかえり、憧ちゃん」

宥「お疲れさま」

灼「やったね、プラス収支」



憧「うん……でも、大三元は止められなかったし、江口セーラにも稼ぎ負けた…」


晴絵「憧は充分自分の仕事をやったさ。胸を張れ」


憧「ありがと、晴絵」


晴絵「さてと、じゃあ昼飯でも食べに行こっか!」


玄「あ、あの!」


晴絵「うおっ」ビクッ


宥「玄ちゃん?」


玄「ちょっとした提案が……」つ ケータイ





244: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:16:48.39 ID:hwfBP9GG0


【現在】



穏乃「……」ジーッ


憧「……」ゴクリ


宥「……」プルプル


灼「……」チラチラ


晴絵「……」クスッ


玄「へ、返信来ないのです……」


憧「やっぱりダメだったんじゃない?もう会いに来ないでって書いてあったんでしょ?」


玄「で、でも、また連絡してもいいとも書いて」


灼「お昼誘って良いって事では無いと思」


宥「社交辞令とか…」


玄「うっ」グサッ





245: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:17:15.96 ID:hwfBP9GG0



穏乃「ていうか、玄さんいつの間にそんな咲と仲良く?」


玄「へっ!?」


憧「確かに、いつの間にメアド交換する仲に……」


憧「先鋒戦後、お手洗いの後和に会って話し込んでたら遅くなったんだっけ?」


宥「私の試合見てもらえなかった」ズーン


穏乃「なんか怪しい……」ジトーッ


玄「あうっ、えっと……」


ピロリーン♪


5人「「「!!!!」」」


玄「き、来た!」





246: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:18:25.26 ID:hwfBP9GG0



穏乃「は、早くメール開いてください!」


憧「ど、どうせ断られてるわよ……」チラッチラッ


灼「……」←興味津々


宥「わ、私ももう一回会いたいな」


晴絵「随分と懐いたもんだなぁ……」クスクス


玄「じゃ、じゃあ……!」ポチポチ




From?咲ちゃん

To? 玄

…………………………………………

ホントにばか玄さんですね

会いませんってメールした数分後にお昼を誘うその神経には、驚きです。

お昼の誘いは、すみませんが受けられません。


ですがもし、もしも今日の準決勝を無事突破する事が出来たら、晩ご飯をご一緒しましょう。
期待しています


PS,赤土さん、癖の件お見事です。それを活かしたお姉さんも。

……………………………………………………




247: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:19:52.51 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――


【観戦室】

マホ「良かったんですか?断って」


咲「うん。準決勝も終わってないのにそう頻繁に関わるのは、ね」


マホ「それもそうですね。健夜さんも仲間はずれになっちゃいますし」


咲「そういう事」


咲「さて、昼休憩は50分か……マホちゃん何か食べたいものある?」


マホ「うーん……」


咲「特になければ、近くの喫茶店とか」


マホ「あ、それ良いですね!」


咲「この会場の食堂でもいいよ?」


マホ「あ、それも良いかも……」





248: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:20:52.75 ID:hwfBP9GG0



咲「……マクド○ルド」


マホ「それも良いですね……」


咲「ファミレスとか?」


マホ「捨てがたいです……」


咲「焼肉」


マホ「あー!その手もありますね…」


咲「ぷっ……ぎ、銀座のお寿司屋さんとか?」


マホ「むむむ……それも捨てがたいです…」


咲(ふふっ……全部肯定して面白い)





249: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:21:34.21 ID:hwfBP9GG0



マホ「って、あれ?銀座のお寿司屋さんなんて無理ですよね!?」


咲「小鍛冶プロにツケておいてください、とか言えば意外といけるかもよ?」


マホ「や、やってみますか……?」


咲「冗談だから!それやって、ウチはツケ無理ですとか言われたら……」


マホ「言われたら……?」ゴクリ


咲「食い逃げ……そして捕まり牢屋?」


マホ「ひぃっ!!だ、ダメですね!大人しく喫茶店にしておきましょう!」


咲「ふふっ、そうだね。じゃあ行こっか」


マホ「あ、先輩待ってください!」


咲「うん?」




250: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 17:22:04.88 ID:hwfBP9GG0



マホ「はい」つ 手

咲「え?」



マホ「もし迷子になられたりしたら、マホ探し切れる自身が無いので」 つ手


咲「こ、この年になって2つも下の子に手を引かれるのは……」


マホ「そんなの気にしなくても良いですよ!」


マホ「むしろ、迷子になってしまう方が避けるべき事態です」


咲「うぅ……確かに、迷子になる確率も高いし……」スッ


咲「よろしく…お願いします////」ペコ


マホ「はいっ!ではレッツゴーです!」ニコニコ





258: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:20:22.76 ID:hwfBP9GG0


――――――――――――――――――――


【再会】



マホ「ケータイで調べたら、この辺りに良いお店があるみたいですねー」

咲「……」


マホ「ホットドッグが美味しいらしいですよー」


咲「……ねえ」

マホ「はい?」


咲「なんか、道行く人が私たちの事見てる気がするんだけど気のせいかな」


マホ「仲の良い姉妹みたいで微笑ましいなー、っていう視線ですよきっと」


咲「そうかな?」

マホ「はい!手を繋いでる事なんて誰も気にしてません」


咲「……そうかなぁ…」




259: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:21:26.83 ID:hwfBP9GG0



咲「まあ良いけどさ」


咲「そうそう、この前マホちゃんの家に行ったとk」


マホ「……」ピタッ


咲「わわっ!ど、どうしたの急に立ち止まって」


マホ「先輩……」ササッ


咲「な、なに?後ろに隠れて……」

マホ「……」




260: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:22:03.18 ID:hwfBP9GG0



「咲……?」


咲「えっ……」ビクッ


咲(こ、この声……)


「サキ?サキって誰?」


「本当に来てたんだ、咲」


「無視!?」





咲「お、お姉ちゃん……?」


照「久しぶり」





261: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:30:34.49 ID:hwfBP9GG0

―――――――――――――――――――――――


咲「お、お姉ちゃん……」


照「お父さんから電話で来るとは聞いてたけど、会わなかったから嘘かと思ってた」


咲「……いくらお父さんでも、そんな嘘つかないよ」アハハ


咲「あと、大会中に会いに行ったら迷惑かなって」


照「そんな事はない。咲は今からご飯?」


咲「うん、丁度お姉ちゃん達が出てきたお店にね」





262: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:31:20.57 ID:hwfBP9GG0



照「そう。……あれ、そっちの子が手紙に書いてあった?」チラ

咲「あ、うん」


マホ「ゆ、夢乃マホです……先輩にはいつもお世話になってて…」


照「私は宮永照、咲の姉」


マホ「は、はい…その、試合見てたので知ってます…」


咲「お姉ちゃん、その睨むみたいな目つきやめてあげて?マホちゃん怖がってる」


照「えっ……笑ってたつもりなんだけど…」


咲「…相変わらずだね」




「あ、の、さぁ!!」

「そろそろ私も会話に混ぜて貰えないかな!」





263: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:31:54.79 ID:hwfBP9GG0



照「淡、少し静かに」


咲「……大星淡さん」


淡「おっ、知ってんの!?まあ当たり前だよねっ!」


淡「そうですとも、私こそが白糸台大将の大星淡!」


淡「麻雀の強さは高校100年生だよっ!☆」



咲「……お姉ちゃんがいつもお世話になってます」


照「えっ、別にお世話には……」


淡「やだなぁテル!今のは軽い挨拶みたいなもんでしょ!なに本気で返してるの?」


淡「ねっ?」


咲「……」





264: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:36:22.52 ID:hwfBP9GG0



照「咲……色々話したい事もあるけど、元気だった?」


淡「また無視!」


咲「うん、そこそこね。」

咲「お姉ちゃんは……元気そうだったね。試合、見てたよ」


照「あぁ。あの3人は手強かった……特に阿知賀」


照「まさかドラを切ってくるなんてね。前半戦とはまるで別人みたいだった」


照「楽しかった」



咲「……そっか」ニコ





265: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:39:01.24 ID:hwfBP9GG0



淡「えー?そうかなぁ……」


淡「私にはただのドラ倉庫にしか見えなかったけど……最後のだって、苦し紛れがたまたま上手くいったんじゃないの?」


咲「」ピクッ


照「淡。淡も見てたでしょ?あれは偶然でできる代物じゃない」


照「つまり、あれが出来る程の選手だと言うこと」


淡「対局したテルがそう言うならそうなんだろうけどさ……」


淡「まっ、誰が来てもこの私が皆ぶっ倒してあげるから、見ててよね!」

照「淡、そんなに傲慢な態度だと……」




咲「……自分の身の程を見誤ると、足元を掬われますよ」




267: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:41:00.47 ID:hwfBP9GG0



マホ「せ、先輩」ギュ


淡「……もしかして、今のは私に言ったのかな?」ゴッ


咲「…だとしたら?」


淡「テルの妹の癖に、自分の身の程すら弁えられないんだね」ゴゴゴ

咲「……」


淡「……」ゴゴゴゴゴゴ


咲「……」

マホ「先輩……」クイクイ


咲「……」ハァ



咲「……マホちゃん、行こっか」


マホ「は、はいっ」ホッ





269: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:43:01.92 ID:hwfBP9GG0


照「咲」


咲「じゃあ、またねお姉ちゃん、大星淡さん」


咲「大星さんは大将戦、期待してますね」


照「咲、大会中はちょっと会うの厳しいと思うから……」


咲「分かってるよ。また連絡するね」


照「ん」


咲「では」テクテク


マホ「す、すみませんっ、失礼しますです」タッタッタ





270: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:44:17.61 ID:hwfBP9GG0



淡「…なんなの、アイツ!」


淡「テルの妹だからって、ちょっと調子に乗りすぎじゃない?」


照「今のは淡も悪い。例え自分が対局してなくても、戦った相手を侮辱するのはダメ」


淡「……ふんっ」


淡「サキって、テルの妹なのにあんまり大したこと無さそうじゃん」


照「……どうしてそう思った?」


淡「だって、なーんにも感じなかったもん!」


照「……そう」


照「ほら、早く帰ろう。菫に怒られる」


淡「そうだねー」


照「……」




271: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:53:31.87 ID:hwfBP9GG0



【喫茶店】



咲「ごめんね、マホちゃん」


マホ「え?」


咲「なんか嫌な空気にさせちゃって」

マホ「そ、そんな!マホだって、ちょっとカチンと来てましたし」


マホ「宮永先輩は間違ったことなんてしてませんよ」


咲「……そうかな」


マホ「そうです!」


咲「……」シュン



マホ「……よしっ」





272: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:54:06.74 ID:hwfBP9GG0


マホ「宮永先輩、はいっあーんです!」スッ


咲「えっ?」


マホ「ほらっ!」


咲「あ、あーん……」パク

マホ「どうですか?」


咲「……おいひい」モグモグ


マホ「ふふっ、良かったです」


咲「……ありがとう」ニコ

マホ「~~~っっ/////」カァ


咲「??」




マホ「そ、それにしても!あれが白糸台の大星淡さんですか」





273: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:54:48.18 ID:hwfBP9GG0



咲「そうだね……ちょっと予想外だったかも」


マホ「あの性格が、ですか?」


咲「それもあるけど……」


咲「予想以上に厄介そう、かも」

マホ「え?」


咲「あの子の能力は、予選で1度だけ見せたダブリーからの山の角でカン、次巡にツモで槓裏モロ乗り」


マホ「はい。マホがコピー出来た訳ですから、あれは能力ですね」


咲「でも多分、それだけじゃない」


マホ「そうなんですか?」





274: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:57:05.39 ID:hwfBP9GG0



咲「考えてみて?もし、ダブリーを掛けたとしても、山の角でカンするまで和了れないとしたら」


マホ「角に辿りつく前に、大星淡さんが誰かに振り込む可能性や、誰かが和了る可能性が高い……ですか?」


咲「そう。勿論、誰かが大星淡に振り込む可能性だって高い訳だけど、カンをする前にツモしてもロンしてもダブリーのみ」


マホ「大星淡さんはダブリーを発動した場合、山の角でカンするまでロンもツモもしない……」


咲「そう考えると、おかしいよね。そんな能力、インターハイっていう舞台で通用する訳がない」


マホ「なら、他にどんな能力が?」



咲「分からない……けど、似たような人に最近会った」


マホ「最近ですか?」


咲「うん」





275: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/30(火) 22:58:21.96 ID:hwfBP9GG0



咲「……まあ、数時間後には大将戦だし、それまでお楽しみにしておこっか」


マホ「それもそうですね!あ、店員さんオレンジジュースください!」


咲「私もお願いします」





咲(……自分の能力発動域まで誰にも和了らせない手段…)

咲(龍門渕の天江衣は、海底撈月を得意としていた。そして、その能力を最大限に活用するための手段が、一向聴地獄)

咲(とすると、大星淡は……)





280: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 01:58:00.42 ID:n1rqIRQK0


――――――――――――――――――――



マホ「あ、そこのテレビでこれまでのダイジェストやってます」



咲「あれはBブロックの方だね」


マホ「Bブロックはまだ2回戦が終わったばかりなんですねー」


咲「明日Aブロックは休みで、Bブロックの準決勝、その次の日は両方休みで5位決定戦、次の日が最終日の決勝戦っていう予定みたい」

咲「あ、神代小蒔……」


マホ「ちゅ、九蓮宝燈和了ってますよ?」


咲「流石に次元が違うね、この神代小蒔は」


マホ「確か、神様を降ろす……でしたか?そんなの本当に出来るんでしょうかー?」





281: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 01:59:17.67 ID:n1rqIRQK0



咲「少なくとも、憑依系の能力者は複数人いるね」


咲「ほら、この永水の大将も……」


咲「あ、見ちゃダメ!」サッ


マホ「わわっ!?み、宮永先輩?急に目隠ししないでくださいー!」


咲「見たらダメだから!」

マホ「なんでですかー!」


咲(な、なななななんなのこの人!)

咲(鹿児島、永水女子……とんでもない物を持ってるよ……べ、別に悔しくはないけど)



咲「あ、副将に移った。はい、マホちゃんもう良いよ」





282: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 02:00:11.74 ID:n1rqIRQK0



咲(ていうか、よく見たらマホちゃんも結構……)クッ


マホ「び、ビックリしました」


咲「ごめんね?ちょっと刺激が強い選手が出てたかr……見ちゃダメ!!」サッ


マホ「またですか!?」


咲(な、なんなのBブロック!!そのBって、BIGのBなの!?大きさで勝負してるの!?)

咲(あ、この人玄さんの友達の……確か原村和。へぇ、インターミドルのチャンプだったんだ)


咲(これは……デジタル?いや、にしては若干オカルト染みてる)


咲(オカルト並のデジタルか……そういえば、ネトマ界にそんな話が…)





283: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 02:02:22.99 ID:n1rqIRQK0



咲(……ていうか、なんでペンギン抱いてるの?顔は可愛いし、スタイルは良いし、ちょっとキャラ付け贅沢すぎないかな)


咲(永水の副将は………小四喜、鬼門か。モノクルさんに押さえ込まれた結果だね)


咲「あ、ごめんねマホちゃん、もういいよ」スッ

マホ「み、宮永先輩……」


咲「お、怒った……?」


マホ「その……マホ、激しいのは嫌いじゃありませんけど……ここでは人の目がですね…/////」ドキドキ


咲「……?」


マホ「えへへ////」


咲「あ、もうこんな時間。そろそろ会場に戻ろっか」


マホ「は、はいです!」


マホ「あ、マホ明日のBブロックの準決勝、見に行きたいんですけど…」


咲「ずっと目隠しで音声だけになると思うけど……良い?」


マホ「嫌ですよ!?」


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287: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:05:55.98 ID:n1rqIRQK0

【閑話・宮永咲と……】


~インハイ期間中、ある時~




咲「健夜さん、ジュース買ってくるから待っててって言ってたけど」


咲「遅いし、ここで立って待ってるのも暑いし疲れたよ…」


咲「また誰かに見つかって話してるのかな?」


咲「……」カンガエ


咲「……ちょっと近くのベンチ探すくらい大丈夫、だよね」


咲「ケータイもあるし、うん。大丈夫っ」


咲「……迷子になりませんように」



咲「それにしても暑いなぁ……」テクテク




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288: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:07:02.93 ID:n1rqIRQK0



咲「やっとベンチ見つけたよ…結構歩いた気がするけど…」


咲「気のせいかな」


咲「やっと座れる……」テクテク


咲「……ふぅ」スワリ


咲「……ん?」チラ


小蒔「……」アセアセ


咲「……」





咲(えっ?)





289: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:07:46.88 ID:n1rqIRQK0



咲(この人……神代小蒔…だよね?)


咲(しまった、ベンチしか見えてなかった……隣に座っちゃったよ)


小蒔「……」チラチラ


咲(な、なんか凄い気にされてる……そりゃ当たり前か…)

咲(いきなり知らない人が隣に座ってきたら誰だってビックリするよね)


咲「……」フゥ


咲「あ、あの」


小蒔「は、はい!!わ、私何か失礼な事でもしたでしょうか!?」ビクッ



咲「え?あ、いや、その……」

咲(テレビで見るのと全然雰囲気違うな……)





290: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:08:36.73 ID:n1rqIRQK0



咲「神代小蒔さん、ですよね。鹿児島県、永水女子の」


小蒔「へっ?あ、はい!神代小蒔と申します!」

咲「テレビで試合見てて、凄いなって思ってました」


小蒔「そ、そうですか?ふふっ、少し嬉しいです」


咲「……」

小蒔「……」





咲(き、気まずい……)





291: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:09:36.89 ID:n1rqIRQK0



咲「えっと、すみません、隣に座ってしまって」


小蒔「いえいえ!お気になさらずっ」


咲「……」

小蒔「……」




咲「えっと、いい天気ですね?」


小蒔「そうですね!もう少し風が吹いてくれたら、もっと良いのですがっ」


咲「あの、もう少し落ち着いて貰っても良いですよ……?」

咲「別に私、怪しい者ではないので……」



小蒔「へっ?」





292: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:10:34.02 ID:n1rqIRQK0


咲「いや、何となく落ち着かない風だったので…すみません、いきなり隣に座られて困りますよね」


小蒔「そ、そんな事ありません!」


小蒔「……ふぅ。申し訳ありません、私、見知らぬ人…それも同年代の方と話すのに慣れていなくて…」


小蒔「緊張してしまって…」


咲「そうなんですか?」

小蒔「はい…」


咲「……意外と普通の女の子なんですね」


小蒔「えっ…?」


咲「あ、すみません。今の発言は失礼でした」





293: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:11:03.91 ID:n1rqIRQK0



小蒔「いえ!その、どういう意味で……?」


咲「いや…テレビで試合を拝見しましたが、対局中は……その、凄く圧倒的で迫力があるなって思ってたんです」


咲「でも、こうして間近で見て話してみると……その、失礼かもしれませんが、普通の人だったんだなーって」


小蒔「普通……」


咲「すみません、牌に愛された子なんて呼ばれてる神代さんに、そんな事」


小蒔「……」


咲「あ、あの……?」

咲(やばっ、怒って最上位の神様とか降ろされちゃったらどうしよう……対抗できるかな…)


小蒔「……」グスッ



咲「泣くほど!?」




294: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:12:01.09 ID:n1rqIRQK0


咲「あの、ごめんなさいっ、私……」


小蒔「違うんです、この涙は……嬉しくてっ」


小蒔「有難うございます」ニコッ


咲「えっ……」



小蒔「……私、昔から自分は普通じゃないって周りの皆から言われて、育ってきたんです」


咲「……」


小蒔「実家の神社の長女として産まれて、この身に神様を宿して……」


小蒔「ずっと、あなたは特別な子って言われてきました」





295: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:13:21.77 ID:n1rqIRQK0



小蒔「それが、嫌な意味でない事は分かっています……」


小蒔「けれど最近では、麻雀ですら牌に愛された子なんて言われてしまって」

小蒔「段々、特別味が大きくなっていく自分が、怖くなって……」


小蒔「いつか、普通の皆と、仲良くできない日が来てしまうんじゃないかと……」


咲「……」


小蒔「だから、貴方に普通って言ってもらえて……初めて会った貴方にそう言ってもらえて、嬉しいんです」


咲「ひょっとして、こんな所で一人で座っていたのは……?」


小蒔「はい……きっと今頃、チームの皆が私を探していると思います」


咲「……はぁ」





296: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:29:39.43 ID:n1rqIRQK0



小蒔「心配をかけてしまっているでしょうか……」


咲「アホですか」

小蒔「えっ」


咲「心配を掛けているだろうかって、そんな申し訳なく思う位なら、抜け出して来なければ良いんですよ」


小蒔「それは…」



咲「もう…なんで私が知り合う年上の人は、こうも抜けているのか……」ハァ


咲「良いですか?別に、あなたは特別でもなんでもありません」


小蒔「!!」



297: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:30:09.48 ID:n1rqIRQK0



咲「まず、身体に神様ですが」

咲「……すみません、さすがにそれは特別ですかね」


小蒔「は、はい…」

咲「ですが、私だって同じくらい特別です」


小蒔「それは、どうしてですか……?」


咲「聞いて驚いてください」

小蒔「は、はい……」ゴクリ





咲「私は、元世界2位の小鍛冶健夜プロを意のままに操れる存在ですっ」





298: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:31:20.08 ID:n1rqIRQK0



小蒔「……え?」


咲「この年であの人をコキ使えるのは、私位でしょう」フンス


小蒔「えっと……」

咲「何ですか?」





小蒔「その、小鍛冶健夜さんとは…誰なんですか?」





咲「……」

小蒔「す、すみませんっ…私、有名人とかそのような話に疎くて……」


咲「んふっ……いえ……こちらこそ何かすみません……」ククク


咲「ぷっ、健夜さん……知名度低っ…」アハハ





299: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:32:26.95 ID:n1rqIRQK0



咲「まあそうですね……分かりやすく言えば、麻雀で神代さんと宮永照さんと天江衣さんを同時に相手しても」


咲「捻り潰せる人を、私は従えてるんです。下僕と言っても……いや、従者……?」


咲「まあ、神代さんの神様みたいに私に味方してくれるんです」


小蒔「そんな方が居たんですね……」


咲「それとですね、私は神代さんの最上位の神様相手でも、きっと余裕で相手に出来るでしょう」

咲「牌に愛された子?ちゃんちゃら可笑しいですね」


咲「あなた達が牌に愛された子なら、私やマホちゃんは、牌と結婚した子と呼んで欲しいです」



小蒔「おぉ……!!」キラキラ



咲(あれ、本当に信じてるのかな……純粋過ぎない?神代さん)






300: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:33:51.31 ID:n1rqIRQK0



咲「ま、まあ、今の話は軽く盛りました」


咲「神代さんに最上位の神様を降ろされたら、私でも……ギリギリの戦いになるでしょう」


咲「とにかく!」

小蒔「は、はいっ!!」


咲「私も、つい最近知り合った人達に、この子は特別な子だと思われています。……多分」


咲「ですが、私は特別ではありません。容姿、普通。性格、普通。学力、普通」


咲「私は、普通です。そう自負しています」


咲「よって、私と同じくらい特別な扱いを受けている、特別な力を宿している神代さん」


咲「あなたも、ごく普通の女子高生です」





301: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:34:40.67 ID:n1rqIRQK0



咲「何故なら、私とあなたは同じ存在だから」

咲「あなたと同じ存在の私が普通なら、あなたも普通なんです」


咲「仮に!あなたの事を特別だ、と言う人が居るとしましょう」


咲「それでも、あなたは特別にはなりません」


咲「何故なら、あなたと同じ特別な存在は、少なくとももう一人、私が居るんですから」


咲「……特別の称号は、オンリーワンにだけ与えられるんです」



小蒔「……」

咲(全く筋通ってないけど……どうかな)





302: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:35:33.48 ID:n1rqIRQK0



小蒔「正直……」


咲「はい」


小蒔「言っている事はあまり良く分かりませんでした……」

咲(ですよねー…)


小蒔「けど……」ニコッ

咲「!!」



小蒔「私は……普通、なんですよね」





303: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:36:14.38 ID:n1rqIRQK0



咲「はい、普通で……」チラ


咲「いや、一部を除いて普通ですね……」クッ


小蒔「えぇ!?」

小蒔「ど、どこを直せば全部普通になれるんでしょうか!」


咲「……直せないので諦めてください…ていうか、直そうとするなんて私への嫌味です」


小蒔「えぇ……?」

咲「まあ、そこは気にしないでください」


咲「良いですね?」


小蒔「わ、分かりました!」


咲(ふぅ……なんか放っておけなくて、適当に慰めちゃったけど……上手くいったのかな?)





304: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:37:11.82 ID:n1rqIRQK0



小蒔「……」ジーッ


咲「何です?綺麗な方にあまり見つめられると、照れちゃいます」


小蒔「ご、ごめんなさいっ!/////」

小蒔「その、初対面なのに、不思議と心を許せてしまう方だな……って思いまして」


咲「つまり、告白ですか?」


小蒔「えっ!?/////そ、そんな……あの、私そんなつもりではっ/////」


咲「ふふ、冗談ですよ。可愛らしい反応しますね」クスクス


小蒔「も、もう!!からかわないでください!////」





305: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:37:54.15 ID:n1rqIRQK0



小蒔「そうだ!あの、お名前を伺っても……?」

咲「そういえば名乗っていませんでしたね」


咲「私は宮永咲。インターハイには観戦に来ました」


小蒔「咲さん……」

咲「咲さんはやめてください……誰も呼んでいないので、少しこそばゆいです」


小蒔「……なら、咲さんと呼びたいです」


咲「えぇ……」

小蒔「……」チラチラ


咲「まあ、それでいいです」

咲「……特別、ですよ?」


小蒔「!!」ジワッ



小蒔「はいっ!」ニコッ





306: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:38:49.47 ID:n1rqIRQK0

――――――――――――――――――――

【宮永咲と神代小蒔】




咲「へぇ……それじゃあ、いつでも強い神様を降ろせる訳ではないんですね」


小蒔「はい。事前に、神様サイクルを調整して大会の本番などで強い神様を降ろせるようにするんです」


咲「か、神様サイクル」

咲(何それ……)


咲「ちなみに、この前2回戦の映像を見たんですけど、あの時はどの位の神様だったんですか?」


小蒔「そうですね…確か、5番目の神様だったはずです」

咲「ご、5番目ですか?」


小蒔「はい。神様は弱い方から順にしか降ろせない様になっているので」


咲「へぇ……」

咲(あれで5番目……?まだ4回も進化を残してるって……)





307: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:39:23.77 ID:n1rqIRQK0



小蒔「でも、降ろしている時の記憶は曖昧で、気付いたら点が増えたり減ったりしているんです」


咲「ふんふむ…神様を使うんじゃなくて、完璧に憑依させるんですね」


咲(戒能プロや北海道のあの人とは根本から違うのか)


咲「神様に憑依させるんじゃなくて、神様を自分の意思で動かす事はできない感じですか?」


小蒔「神様を自分で動かすなんてとんでもないっ!そんな失礼なことは……」


咲「えー、身体を貸して上げてるんですよ?その位してくれないと、神様の宿し損じゃないですか」


小蒔「そ、それは考えた事がありませんでした……」

小蒔「咲さんは凄いです!」


咲「いえ、それが出来たら神代さんは物凄く強くなるだろうなって思って」


小蒔「ふふっ、有難うございます」





308: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:43:43.36 ID:n1rqIRQK0


小蒔「ですが、残念ながら多分できません……」


咲「そうなんですか……それは残念です」


小蒔「咲さんは、私に強くなって欲しいんですか?」


咲「うーん、どちらでも良いですが、私なら最強状態の神代さんと戦いたいですかね」


小蒔「そうなんですか……」


咲「後、決勝戦に鍛えて欲しい選手も出てくるので」


小蒔「鍛えて欲しい……?」


咲「あ、この話は良いです。……そもそも、決勝に出られるかすら分かりませんし」



309: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:44:50.97 ID:n1rqIRQK0



咲「強いといえば、大将の方も凄いですよね」

小蒔「霞ちゃんですか?」


咲「そう、石戸霞さん」


小蒔「はい!霞ちゃんはとっても凄いんです!」


咲「好きですか?」


小蒔「はいっ!大好きです」

咲「私よりも?」


小蒔「えっ……」

咲「私よりも好きですか?」


小蒔「そ、それは……/////その…」

小蒔「さ、咲さん!イジワルな質問禁止です!////」


咲「ぷっ…神代さん、からかいがいがあって可愛いです」クスクス

小蒔「咲さん!/////」プンスカ


咲「あはは、すみませんっ」





咲「……っと、そろそろ時間みたいですね」チラ


小蒔「えっ…?」チラ





310: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:45:39.21 ID:n1rqIRQK0



霞「やっと見つけたわ、小蒔ちゃん」


小蒔「霞ちゃん……」


初美「探しましたよー!姫様!」


小蒔「初美ちゃんも……」


霞「もう、あまり心配を掛けさせないで欲しいわ?」


初美「控え室で待ってる2人も心配してますよー!」



小蒔「ごめんなさい……」





311: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:46:26.49 ID:n1rqIRQK0



霞「私たちも、ごめんなさいね」

小蒔「えっ……?」


霞「小蒔ちゃんが、何か悩んでいたのは、何となく感じていたわ」

霞「けれど、小蒔ちゃんはいつでも自分の中に溜め込んでしまうから……」


初美「今回は自分から打ち明けて欲しくて、待ってたんですけどねー」


小蒔「それは……」


霞「小蒔ちゃん。私たちは、チームメイトである前に、昔から一緒の友達よ?」


初美「はい!親友ですよー!」

霞「だから、遠慮なんて要らないの」





312: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:47:08.19 ID:n1rqIRQK0



初美「でもでも、お胸の成長の悩みは相談しない方がいいですよー!」


初美「霞ちゃんに相談すると、何を言われても嫌味にしか感じませんからねー!」


霞「ちょっと、真面目な話をしているんだから茶化さないの」


初美「私のお胸の話だって大真面目ですよー!!失礼な!」プンスコ


小蒔「ふふっ……」クスクス

小蒔「霞ちゃん、初美ちゃん、有難うございます」ニコッ


初美「あれあれー?この様子だと、悩みが解決している様ですよー?」


霞「ここで一人で考えている内に、解決したのかしら?」


小蒔「そうだ!お2人にも紹介しますね!」




小蒔「咲さ……」





313: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:47:55.88 ID:n1rqIRQK0



小蒔「あれ……?」



初美「紹介ですかー?誰もいませんけどー」

霞「あらあら…夢でも見ていたのかしら?」クスクス


小蒔「……」

小蒔「はいっ、そうみたいですっ」クス


初美「とりあえず、控え室に戻りますよー!早く2人を安心させてあげなきゃです!」

霞「そうね。行きましょ?小蒔ちゃん」


小蒔「……はいっ、行きましょう!」


小蒔(有難うございます、咲さん)



小蒔(このお礼は、いつかまた…)ニコッ





314: ◆.4Vb7WGlxQ 2016/08/31(水) 16:49:03.18 ID:n1rqIRQK0


…………………………………………




咲「……」プルルルル プルルルルル


咲「あ、もしもし健夜さんですか?」


咲「……はぁ?健夜さんが遅いからいけないんで……」


咲「ご、ごめんなさい……私が悪かったです…はい……」




咲「なので迎えに来てください……」グスン



閑話・カン!



健夜「いよいよ開戦インターハイ」咲「私は観戦」【後編】に続く



元スレ
SS速報VIP:健夜「いよいよ開戦インターハイ」咲「私は観戦」
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