SS速報VIP:兵藤レナ「遊んで行かない?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362832266/
1: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:31:06.61 ID:jh1+DT720
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362832266/
1: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:31:06.61 ID:jh1+DT720
―ラスベガス・カジノにて―
ワイワイ ガヤガヤ
レナ「お姉さん、遊んで行かない?」
真奈美「ん?私の事か?」ピタ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1362832266
2: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:32:16.06 ID:jh1+DT720
レナ「そうよ。ポーカーでもブラックジャックでも何でもいいわよ」シャッ、シャッ
真奈美「すまない。生憎カードゲームはさっぱりなんだ。それにさっきルーレットで
大負けしてしてチップも無いしな」
レナ「あらら、遅かったか。ルーレットはリモコン操作してるから、止めとけって
言おうとしたんだけどね」
真奈美「おいおい、ディーラーがそんな事をバラしてもいいのか?それは犯罪だろう」
レナ「いいのよ私今日でクビだし。もうこんなカジノ知るかっての」プンプン
真奈美「それはご愁傷様だな。そういえば他のテーブルは盛況なのに、ここは暇そうだな。
何か関係あるのか?」
レナ「なかなか鋭いねお姉さん。実は昨日ここにすんごい強運の日本人の女の子が遊びに
来たみたいでさ。それでウチのカジノ大損出したらしいんだよ。もうオーナー
カンカンで」
真奈美「へえ、それで同じ日本人のあなたがとばっちりを受けたと」
レナ「そうなのよ。私昨日休みだったんだけど、今日出勤したら『あのフジヤマナスコは
お前の仲間だろう!』とか怒鳴り散らされて、ディーラー仲間にも総スカンで
もうワケわかんない。ムカついたからこっちから辞表出してやったわ」
真奈美「フジヤマナスコ?その女の子の名前か。随分縁起が良いな。私がカモにされた
のも、彼女のとばっちりというわけか」
レナ「ごめんね本当に。ま、そういうわけだから今日は日本人は大人しくしてた方が
いいわよ。私も退屈だし、ゆっくりおしゃべりでもしましょうよ」
真奈美「それじゃお言葉に甘えよう。自己紹介が遅れたな、私は木場真奈美だ。
ボーカルインストラクターの仕事でここに来ている」
レナ「兵藤レナよ。見ての通りディーラー……だったんだけどクビになっちゃったから
無職ね。まあ、また他のカジノでディーラーになるけどね♪」
真奈美「さて、しかしカジノに来たのにただおしゃべりをしているだけでは黒服に追い
出されてしまうな。せっかくだからカードゲームを教えてくれないか?」
レナ「いいわよ。でもその前に……」チラ
夏美「はあ!? ちょっと!今この玉不自然な動きしたわよ!あんたイカサマしてるんじゃ
ないでしょうね!? 」ギャーギャー
レナ「あそこでカモられてる気の毒なスチュワーデスさんを助けてあげてくれないかしら。
カジノ側の人間の私が堂々と行くわけにもいかなくてさ」
真奈美「そうだな。実は私も気になっていた。じゃあちょっと待っててくれ」スタスタ
***
夏美「あ~もうサイアク!ちょっと日本人の小娘にボロ負けしただけで私までカモに
されるなんて、ベガスも質が落ちたわね!マカオの方が紳士的だったわよ!」
真奈美「しっ、声が大きい。只でさえ私達は目を付けられているんだ。あまり騒ぐと
つまみ出されるぞ」
夏美「あ、ごめんなさいせっかく助けてくれたのに。でもレナさん、よく私がスッチー
だって分かりましたね。今制服着てないのに」
レナ「ふふ、これでもディーラーだからお客さんを見る目はあるのよ。立ち振る舞いが
客室乗務員のそれだったから分かりやすかったわ」
真奈美「夏美と言ったかな。君のそのスカーフは会社のものじゃないのか?結び方に
多少のアレンジは加えているようだが、分かる人には分かるぞ」
夏美「え、バレる?ウチのスカーフ地味だから気づかれないと思ったんだけどなあ」
レナ「そこから足がついて、『おたくの会社のスッチーがウチのカジノに言いがかりを
つけてきた』ってクレームが入ったりして♪」
夏美「ちょ、ちょっとやめて下さいよ!不幸続きで現実になりそう!」シュルシュル
レナ「冗談よ冗談。ま、クビになったら私と仲良く仕事探しましょうか。それとも
夏美は結婚するのかしら。スッチーってモテるんでしょ?」
夏美「そんな事ないですよ。それに今はまだ人生を楽しみたいっていうか、結婚はまだ
考えてませんね。レナさんこそ彼氏とかいないんですか?」
レナ「いないわよ。プロポーズされた事もあるけど、みんな私より弱いんですもの。
最低でも、私の為に人生賭けてくれるような度胸のある人がいいわね」
真奈美「レナさんは根っからのギャンブラーだな。それでは相手の男も大変だ」
夏美「真奈美は仕事一筋!って感じだね。そもそも結婚に興味なさそう」
真奈美「これでも料理は得意なんだぞ。いつでも家庭に入る準備は出来ている」フフン
夏美「ウソ!? 何気に女子力高い!? 信じられない!! 」
真奈美「……どうやら君とはじっくり話し合う必要があるみたいだな」ポキポキ
レナ「こらこら、ケンカならゲームでやりなさい。ここはそういう場なんだから」
夏美「じょ、冗談だよ冗談!ほら、皆で楽しくトランプしましょ?」アセアセ
真奈美「そうだな。じゃあレートは500ドルで」ニヤリ
夏美「え?わ、私スッカラカンなんだけど……」サアア
レナ「気合入れなさい夏美。勝負する前から真奈美に負けてるわよ」シュッ、シュッ
真奈美「私は勝負に負けるのが大嫌いでね。手加減はしないぞ」
夏美「う、うう…ええい、こうなったら全力で行くわよ!」
***
真奈美「ストレートフラッシュ。また私の勝ちだな」
夏美「うう、2ペア…… 真奈美ホントにポーカー初めてなの?メッチャ強いんだけど……」ガクリ
真奈美「今まで敬遠していたが、カードゲームも意外と楽しいな。ま、100ドルに負けて
おいてあげるよ」
レナ「もう夏美はダメみたいね。次は私とやる?」
真奈美「う~ん、やめておくよ。何だかレナさんには勝てる気がしないんだ」
レナ「そう?私の見立てでは五分五分の勝負になると思うけど。でもそういう勝負勘って
大事よ。ギャンブルはそれを見誤ったら破滅するからね」
真奈美「私も伊達に戦ってないさ。相手が自分より強いか弱いかくらいは分かるつもりだ。
時には撤退する勇気も必要だと思っている」
夏美「うう、引き際を見誤ったあ……」ガックシ
レナ「まあまあ、夏美ちゃんも良い勉強になったでしょう。じゃあ良い時間だし、
そろそろお開きにして……」
バタンッ!ドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
「Freeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeze!! 」
ジャキジャキジャキジャキ!
夏美「え!? 何!? なんなの!? 」
レナ「あちゃ~、どうやらイカサマしてるのがバレちゃったみたいだね。ま、私は関与
してないからしらばっくれるし、夏美達もさっさと解放されるわよ」
真奈美「そうか?それにしてはあそこにいる警察官、何だか私達の事を見ている気が
するのだが……」チラ
Police「Hey Pretty Sanae!! Let’t go!! 」HAHAHA!!
早苗「普通に呼べっての…… あ~お姉さん達、ちょっとおまわりさんに話を聞かせて
くれないかな~?」スタスタ
レナ「あら可愛らしい♪ 日本の婦警さんがどうしてここに?」ニコニコ
夏美「ちっちゃいね~お嬢ちゃん。新人さんかな?」ナデナデ
真奈美「こらこらやめろ夏美。何だいプリティーサナエ。私達に何か用か?」ニヤニヤ
早苗「……私こう見えても28なんだけど。名誉棄損で全員しょっぴくわよ?」イラッ
夏美「え、ウソ!? そんなにちっちゃいのに私より年上なの!? 」ギョッ
真奈美「いや、しかし出る所は出ているな。トランジスタグラマーってやつか」マジマジ
レナ「バストは私と同じくらいかしら。これは女として負けたことになるの……?」ウ~ン
早苗「何だか調子狂うなあ…… お姉さん達今の自分の立場わかってる?私はここの
オーナーからあんたらが結託して、イカサマディーラーとサクラになって他の客
からチップを巻き上げてるって聞いたんだけど」
夏美「はあっ!? 何それっ!? 全く身に覚えがないんだけどっ!? 」ガタッ
真奈美「そもそも私達3人は今日会ったばかりだ。何かの間違いではないのか?」
早苗「う~ん、でもオーナーも他のディーラーも、全員あんたらが悪いって言ってるわよ?
昨日も別の子使って散々荒稼ぎしたんでしょ?」
レナ「ちょっと待って、その子は私達と全く関係ないわよ。そもそもイカサマしてた
のはオーナーだし……」ハッ
早苗「ふ~ん、どうやらこのカジノがイカサマしてたのは本当みたいね。とりあえず
詳しい話は署で聞かせてもらおっか。はい、全員連行~♪」
Police「「「「「Yes, Ma’am!! 」」」」」ドドドドドドドド
夏美「ぎゃ―――っ!! 横暴だ―――っ!! 職権濫用だ―――っ!! 」ジタバタ
真奈美「気安く触るな、自分で歩くさ。やれやれ、今日は厄日だな……」ハア
レナ「私も運をごっそり失った気分よ……」ゲンナリ
早苗「全く、何が悲しくてラスベガスまで来て仕事しなくちゃいけないのよ。
視察旅行だって聞いてたからワクワクしてたのに……」ブツブツ
***
―三日後・都内居酒屋にて―
レナ「で、何とか無罪だって証明されて全員無事に日本に帰って来たんだけど……」
夏美「私は一ヶ月の謹慎処分。勤務時間外だったけど、事件に巻き込まれるような場所で
遊んでいたのがダメだったみたい。最悪だわ……」ガックリ
真奈美「私はフリーだからそういう事は無いのだが、雇い主に契約を切られてしまった。
どうやら私の雇用主が例のオーナーと縁のある人物だったみたいで、逆恨み
されてしまったらしい」
レナ「本当に悪かったわね二人とも。あの時私があなた達をさっさと帰らせておけば、
こんな事にはならなかったでしょうに……」
夏美「ううん、レナさんは悪くないよ。カモられてた私を助けてくれたんだし、何だ
かんだで結構楽しんでたしね」
真奈美「そうさ、私達はたまたま運が悪かっただけだ。それにラスベガス警察内部まで
行った事のある観光客はそうはいるまい。なかなか貴重な体験だったよ」
レナ「そう言ってくれると助かるわ。私も向こうのディーラー達から目を付けられ
ちゃったから、ほとぼりが冷めるまで日本でのんびりするつもり。どうやら
フジヤマナスコちゃんに運気を吸い取られちゃったみたいだし、ギャンブルも
しばらくはお休みかな」
夏美「私も最近ずっと働き詰めだったし、休暇だと思ってゆっくり休もうかな。ていうか
もう25だし、スッチー辞めて婚活でもしようかしら」
真奈美「おいおい、ドロップアウトするにはまだ早いだろう。でも確かに、たまには
ゆっくり自分の今後を考えるのも悪くないかもな。過程はどうあれ、機会を
与えてくれた事を感謝するよ」ニコ
レナ「ええそうね。久しぶりに実家に帰って親孝行するわ。ありがと」ニコ
夏美「私も普段は休めないから助かったわ。ありがと………………早苗さん♪」ニコ
早苗「ほんっっっと―――――に、申し訳ありませんでしたぁ―――――っっっ!!!!!!」ドゲザー
レナ「もういいわよ。別に怒ってないし。ただあの時もうちょーっとだけ、私達の
お話を聞いて欲しかったなーって思ってるだけよ~♪」ニコニコ
真奈美「まあまあそんなに責めてあげるな。彼女は自分の職務を全うしただけなのだから。
そのおかげで誰かが仕事を失ったとしても仕方あるまい」ウンウン
夏美「まだ私はクビになってないわよ。でも会社に戻っても、地味~な国内線に回される
んだろうなあ~……」ハア
早苗「ホントマジすみません。気の済むまで叩くなり蹴るなり好きにしてください。
ちっちゃくてもプリティーでも何でもいいです。ここも私が持ちますから好きな
だけ注文して下さい……」シクシク
レナ「ウソよウソ。本当に怒ってないから。それにあなたもここにいるって事は、何らか
の処分を受けたんでしょ?」
早苗「三ヶ月の停職と減給…… アメ公め、全部私に責任を押し付けやがって。二度と
カジノなんか行くもんか。あんな娯楽は日本に必要ないわ……」ブツブツ
真奈美「早苗さんもずいぶん理不尽な目に遭ったんだな。だったら私達は仲間だ。奇妙な
縁で知り合ったが、これから仲良くしようじゃないか」
夏美「ま、本当についてなかっただけよね私達。嫌な事はさっさと忘れましょ」
早苗「本当にありがとう…… みんなが優しい人で良かった…… 気休めになるか
分からないけど、首謀者のカジノのオーナーとベガスの署長には帰ってくる前に
ケツに回し蹴り叩き込んどいたから……」グス
レナ「(むしろそれが原因で……)」
真奈美「(理不尽な処分を受けたのでは……?)」
夏美「あはは、やるねえ早苗さん♪じゃあスッキリした事だし、4人の出会いを祝して
乾杯といきましょうか~!」
レナ・真奈美・夏美・早苗「「「「カンパ~~~イッ!! 」」」」
***
早苗「うう~、署長のわからずや~…… 警察なんてやめてやる~……」ヒック
夏美「チラっとカジノのぞいただけなのに、ど~してそんなに怒られるんだよ~……
だったら合コンで乱[ピ――]してるヤツらはどうなんだよ~!」ヒック
レナ「あらあら、二人ともすっかり潰れちゃったわね」
真奈美「勤め人には勤め人にしか分からない苦労があるのだろう。私達はある程度
融通が利くからな」
レナ「そうね。今までギャンブル一本で好き勝手やって生きて来たわ。でもたまに思う
のよね。普通に就職してOLしていたらどんな生活してただろうって」
真奈美「私は最初は勤め人だったが、次第に周囲と合わなくなってフリーに転向したな。
組織に属して働くという生き方は、私には向いてなかったようだ」
レナ「真奈美がOLしてる姿はちょっと考えられないかも。あなたはなるべくして
なったって感じがするわよ」
真奈美「私もレナさんに会った時そう思ったぞ。カジノがあんなに似合う日本人がいる
とは思わなかった。だからあの時、思わず足を止めてしまったんだ」
レナ「そう言ってもらえると嬉しいわ。でも正直、ディーラーもそろそろ飽きてたのよね。
別に嫌じゃないんだけど、ベガスの舞台でライトを浴びて踊ってる人達を見てると
テーブルでカード切ってる自分が地味に思えてきちゃって」
真奈美「ショービジネスの世界は不思議だな。私もボーカルトレーナーとして裏方で指導
する立場だが、たまに教え子達のように舞台に立ちたくなる事がある。今の仕事
は自分の天職だと思ってるのだが、ステージを眺めていると迷いが生じる」
レナ「いっその事、ふたりで転職してみる?人生賭けた勝負なんて何度も出来ないわよ」
真奈美「ギャンブルはしばらく休むんじゃなかったのか?それに私はもう25だぞ?表舞台
で輝けるような年では……」
レナ「そんな事ないわよ。女の子はいつまでもシンデレラなんだから♪ 真奈美キレイだし、
私だってまだまだ若い子には負けないわよ♪」
「そうですっ!! 全然大丈夫ですっ!! 」バッ
レナ・真奈美「「へ?」」キョトン
P「あ、すみません突然。おふたりの会話が自然と耳に入って来てしまいまして……
私こういう者です。ぜひお二人をアイドルとしてスカウトさせて下さい!」サッ
レナ「アイドル事務所のプロデューサーさん?真奈美、この事務所知ってる?」
真奈美「聞いたことある名前だな。確かトレーナーの友達がレッスンをしていたと思う。
P君、トレーナー四姉妹を知っているか?」
P「トレさん達のお知り合いでしたか!彼女達にはウチの子達が世話になってます。
あなたもトレーナーを?」
真奈美「ああ、私はボーカル専門だがな。しかし君もなかなか酔狂な男だな。この私を
スカウトするなんて、アイドルはそんなに人材不足なのか?それとも私を求めて
いるのは君の趣味なのかな?」ニヤリ
P「俺の趣味です!いや、俺だけじゃありません!世の男性の多くが、真奈美さんのような
アイドルを求めていると断言できます!」キッパリ
真奈美「そ、そういう台詞はもっと若い子にだな……」カアア
レナ「ふふ、面白い人ねあなた。ラスベガスには劣るけど、日本のショービジネスも
面白そうね」
P「何を言ってるんですか!レナさんだったらすぐにでもラスベガスの舞台に立てる
アイドルになれますよ!俺が必ず連れて行ってみせます!」
レナ「へえ……大きく出たわね。それじゃあなたが私のパートナーにふさわしいかどうか、
勝負させてくれない?」
P「へ?勝負ですか?スポーツや格闘技はあんまり……」
レナ「簡単なトランプゲームよ。私から一本でも取ったらあなたの話を聞いてあげるわ。
真奈美もいいわね?」
真奈美「お、おいレナさん、そんな勝手に……」
レナ「大丈夫よ。それにこれくらいの勝負に勝てなかったらこっちからお断りよ。私達は
そんなに安くないんだから。それに人生を賭けたゲームなんてスリリングじゃない?
だからさ、真奈美も一緒に―――――」
―――――遊んで行かない?
END
―おまけ―
P「ポーカーですか…… ちょっとやった事がないから助っ人呼んでもいいですか?」
レナ「いいわよ。でもゲームをするのはあなただからね?」
P「ええもちろん。お~い茄子、ちょっと来てくれ~」
茄子「は~い、どうしたんですか~?」ヒョコ
P「お前確かこの前、旅行先でポーカーやったって言ってたよな?ちょっとアドバイス
してくれないか?」
真奈美「なんだ、連れがいたのか。こんなに可愛い彼女を放っておいて他の女性を口説く
とは、君は節操のない男だな」
P「違いますよ。茄子はウチの事務所のアイドルです。今日は現場から直帰だったから、
晩飯ついでに飲んでたんですよ」
茄子「はじめまして。 鷹富士茄子と申します。ナスじゃなくてカコですよ~♪」ニコニコ
真奈美「随分縁起の良い名前だな。これは強力な助っ人だ。なあレナさん?」
レナ「」ダラダラ
真奈美「レナさん?」キョトン
レナ「真奈美、あなた気付かないの……?」ゴクリ
真奈美「……?何の話をしてるんだ?彼女がどうかしたのか?」
レナ「面白いわ…… ベガスで吸い取られた私の運、今ここで取り戻すっ!! 」カッ
――――その後、レナはP(茄子付き)に30連敗し、真奈美はもちろん酔いつぶれて
寝ていた夏美と早苗も連れて事務所に行きましたとさ。
おわり
以上。レナさんかっこいいよレナさんという事で。
しかし実際、茄子と勝負したらどっちが強いのかな?
やみのま!
乙です面白かったです!
元スレ
SS速報VIP:兵藤レナ「遊んで行かない?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362832266/
レナ「そうよ。ポーカーでもブラックジャックでも何でもいいわよ」シャッ、シャッ
真奈美「すまない。生憎カードゲームはさっぱりなんだ。それにさっきルーレットで
大負けしてしてチップも無いしな」
レナ「あらら、遅かったか。ルーレットはリモコン操作してるから、止めとけって
言おうとしたんだけどね」
真奈美「おいおい、ディーラーがそんな事をバラしてもいいのか?それは犯罪だろう」
3: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:33:31.14 ID:jh1+DT720
レナ「いいのよ私今日でクビだし。もうこんなカジノ知るかっての」プンプン
真奈美「それはご愁傷様だな。そういえば他のテーブルは盛況なのに、ここは暇そうだな。
何か関係あるのか?」
レナ「なかなか鋭いねお姉さん。実は昨日ここにすんごい強運の日本人の女の子が遊びに
来たみたいでさ。それでウチのカジノ大損出したらしいんだよ。もうオーナー
カンカンで」
4: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:34:44.23 ID:jh1+DT720
真奈美「へえ、それで同じ日本人のあなたがとばっちりを受けたと」
レナ「そうなのよ。私昨日休みだったんだけど、今日出勤したら『あのフジヤマナスコは
お前の仲間だろう!』とか怒鳴り散らされて、ディーラー仲間にも総スカンで
もうワケわかんない。ムカついたからこっちから辞表出してやったわ」
真奈美「フジヤマナスコ?その女の子の名前か。随分縁起が良いな。私がカモにされた
のも、彼女のとばっちりというわけか」
レナ「ごめんね本当に。ま、そういうわけだから今日は日本人は大人しくしてた方が
いいわよ。私も退屈だし、ゆっくりおしゃべりでもしましょうよ」
5: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:35:39.31 ID:jh1+DT720
真奈美「それじゃお言葉に甘えよう。自己紹介が遅れたな、私は木場真奈美だ。
ボーカルインストラクターの仕事でここに来ている」
レナ「兵藤レナよ。見ての通りディーラー……だったんだけどクビになっちゃったから
無職ね。まあ、また他のカジノでディーラーになるけどね♪」
真奈美「さて、しかしカジノに来たのにただおしゃべりをしているだけでは黒服に追い
出されてしまうな。せっかくだからカードゲームを教えてくれないか?」
6: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:36:24.18 ID:jh1+DT720
レナ「いいわよ。でもその前に……」チラ
夏美「はあ!? ちょっと!今この玉不自然な動きしたわよ!あんたイカサマしてるんじゃ
ないでしょうね!? 」ギャーギャー
レナ「あそこでカモられてる気の毒なスチュワーデスさんを助けてあげてくれないかしら。
カジノ側の人間の私が堂々と行くわけにもいかなくてさ」
真奈美「そうだな。実は私も気になっていた。じゃあちょっと待っててくれ」スタスタ
7: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:37:10.56 ID:jh1+DT720
***
夏美「あ~もうサイアク!ちょっと日本人の小娘にボロ負けしただけで私までカモに
されるなんて、ベガスも質が落ちたわね!マカオの方が紳士的だったわよ!」
真奈美「しっ、声が大きい。只でさえ私達は目を付けられているんだ。あまり騒ぐと
つまみ出されるぞ」
夏美「あ、ごめんなさいせっかく助けてくれたのに。でもレナさん、よく私がスッチー
だって分かりましたね。今制服着てないのに」
8: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:38:18.91 ID:jh1+DT720
レナ「ふふ、これでもディーラーだからお客さんを見る目はあるのよ。立ち振る舞いが
客室乗務員のそれだったから分かりやすかったわ」
真奈美「夏美と言ったかな。君のそのスカーフは会社のものじゃないのか?結び方に
多少のアレンジは加えているようだが、分かる人には分かるぞ」
夏美「え、バレる?ウチのスカーフ地味だから気づかれないと思ったんだけどなあ」
9: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:39:27.96 ID:jh1+DT720
レナ「そこから足がついて、『おたくの会社のスッチーがウチのカジノに言いがかりを
つけてきた』ってクレームが入ったりして♪」
夏美「ちょ、ちょっとやめて下さいよ!不幸続きで現実になりそう!」シュルシュル
レナ「冗談よ冗談。ま、クビになったら私と仲良く仕事探しましょうか。それとも
夏美は結婚するのかしら。スッチーってモテるんでしょ?」
10: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:40:12.34 ID:jh1+DT720
夏美「そんな事ないですよ。それに今はまだ人生を楽しみたいっていうか、結婚はまだ
考えてませんね。レナさんこそ彼氏とかいないんですか?」
レナ「いないわよ。プロポーズされた事もあるけど、みんな私より弱いんですもの。
最低でも、私の為に人生賭けてくれるような度胸のある人がいいわね」
真奈美「レナさんは根っからのギャンブラーだな。それでは相手の男も大変だ」
11: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:41:45.43 ID:jh1+DT720
夏美「真奈美は仕事一筋!って感じだね。そもそも結婚に興味なさそう」
真奈美「これでも料理は得意なんだぞ。いつでも家庭に入る準備は出来ている」フフン
夏美「ウソ!? 何気に女子力高い!? 信じられない!! 」
真奈美「……どうやら君とはじっくり話し合う必要があるみたいだな」ポキポキ
12: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:42:31.67 ID:jh1+DT720
レナ「こらこら、ケンカならゲームでやりなさい。ここはそういう場なんだから」
夏美「じょ、冗談だよ冗談!ほら、皆で楽しくトランプしましょ?」アセアセ
真奈美「そうだな。じゃあレートは500ドルで」ニヤリ
夏美「え?わ、私スッカラカンなんだけど……」サアア
13: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:43:10.90 ID:jh1+DT720
レナ「気合入れなさい夏美。勝負する前から真奈美に負けてるわよ」シュッ、シュッ
真奈美「私は勝負に負けるのが大嫌いでね。手加減はしないぞ」
夏美「う、うう…ええい、こうなったら全力で行くわよ!」
14: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:44:02.60 ID:jh1+DT720
***
真奈美「ストレートフラッシュ。また私の勝ちだな」
夏美「うう、2ペア…… 真奈美ホントにポーカー初めてなの?メッチャ強いんだけど……」ガクリ
真奈美「今まで敬遠していたが、カードゲームも意外と楽しいな。ま、100ドルに負けて
おいてあげるよ」
15: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:44:57.19 ID:jh1+DT720
レナ「もう夏美はダメみたいね。次は私とやる?」
真奈美「う~ん、やめておくよ。何だかレナさんには勝てる気がしないんだ」
レナ「そう?私の見立てでは五分五分の勝負になると思うけど。でもそういう勝負勘って
大事よ。ギャンブルはそれを見誤ったら破滅するからね」
16: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:45:54.05 ID:jh1+DT720
真奈美「私も伊達に戦ってないさ。相手が自分より強いか弱いかくらいは分かるつもりだ。
時には撤退する勇気も必要だと思っている」
夏美「うう、引き際を見誤ったあ……」ガックシ
17: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:47:26.09 ID:jh1+DT720
レナ「まあまあ、夏美ちゃんも良い勉強になったでしょう。じゃあ良い時間だし、
そろそろお開きにして……」
バタンッ!ドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
「Freeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeze!! 」
ジャキジャキジャキジャキ!
夏美「え!? 何!? なんなの!? 」
レナ「あちゃ~、どうやらイカサマしてるのがバレちゃったみたいだね。ま、私は関与
してないからしらばっくれるし、夏美達もさっさと解放されるわよ」
18: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:49:20.22 ID:jh1+DT720
真奈美「そうか?それにしてはあそこにいる警察官、何だか私達の事を見ている気が
するのだが……」チラ
Police「Hey Pretty Sanae!! Let’t go!! 」HAHAHA!!
早苗「普通に呼べっての…… あ~お姉さん達、ちょっとおまわりさんに話を聞かせて
くれないかな~?」スタスタ
19: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:50:25.44 ID:jh1+DT720
レナ「あら可愛らしい♪ 日本の婦警さんがどうしてここに?」ニコニコ
夏美「ちっちゃいね~お嬢ちゃん。新人さんかな?」ナデナデ
真奈美「こらこらやめろ夏美。何だいプリティーサナエ。私達に何か用か?」ニヤニヤ
早苗「……私こう見えても28なんだけど。名誉棄損で全員しょっぴくわよ?」イラッ
20: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:51:32.89 ID:jh1+DT720
夏美「え、ウソ!? そんなにちっちゃいのに私より年上なの!? 」ギョッ
真奈美「いや、しかし出る所は出ているな。トランジスタグラマーってやつか」マジマジ
レナ「バストは私と同じくらいかしら。これは女として負けたことになるの……?」ウ~ン
早苗「何だか調子狂うなあ…… お姉さん達今の自分の立場わかってる?私はここの
オーナーからあんたらが結託して、イカサマディーラーとサクラになって他の客
からチップを巻き上げてるって聞いたんだけど」
21: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:52:22.32 ID:jh1+DT720
夏美「はあっ!? 何それっ!? 全く身に覚えがないんだけどっ!? 」ガタッ
真奈美「そもそも私達3人は今日会ったばかりだ。何かの間違いではないのか?」
早苗「う~ん、でもオーナーも他のディーラーも、全員あんたらが悪いって言ってるわよ?
昨日も別の子使って散々荒稼ぎしたんでしょ?」
レナ「ちょっと待って、その子は私達と全く関係ないわよ。そもそもイカサマしてた
のはオーナーだし……」ハッ
22: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:53:38.87 ID:jh1+DT720
早苗「ふ~ん、どうやらこのカジノがイカサマしてたのは本当みたいね。とりあえず
詳しい話は署で聞かせてもらおっか。はい、全員連行~♪」
Police「「「「「Yes, Ma’am!! 」」」」」ドドドドドドドド
夏美「ぎゃ―――っ!! 横暴だ―――っ!! 職権濫用だ―――っ!! 」ジタバタ
23: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:54:52.29 ID:jh1+DT720
真奈美「気安く触るな、自分で歩くさ。やれやれ、今日は厄日だな……」ハア
レナ「私も運をごっそり失った気分よ……」ゲンナリ
早苗「全く、何が悲しくてラスベガスまで来て仕事しなくちゃいけないのよ。
視察旅行だって聞いてたからワクワクしてたのに……」ブツブツ
24: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:56:13.39 ID:jh1+DT720
***
―三日後・都内居酒屋にて―
レナ「で、何とか無罪だって証明されて全員無事に日本に帰って来たんだけど……」
夏美「私は一ヶ月の謹慎処分。勤務時間外だったけど、事件に巻き込まれるような場所で
遊んでいたのがダメだったみたい。最悪だわ……」ガックリ
真奈美「私はフリーだからそういう事は無いのだが、雇い主に契約を切られてしまった。
どうやら私の雇用主が例のオーナーと縁のある人物だったみたいで、逆恨み
されてしまったらしい」
25: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:57:11.12 ID:jh1+DT720
レナ「本当に悪かったわね二人とも。あの時私があなた達をさっさと帰らせておけば、
こんな事にはならなかったでしょうに……」
夏美「ううん、レナさんは悪くないよ。カモられてた私を助けてくれたんだし、何だ
かんだで結構楽しんでたしね」
真奈美「そうさ、私達はたまたま運が悪かっただけだ。それにラスベガス警察内部まで
行った事のある観光客はそうはいるまい。なかなか貴重な体験だったよ」
26: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:58:21.55 ID:jh1+DT720
レナ「そう言ってくれると助かるわ。私も向こうのディーラー達から目を付けられ
ちゃったから、ほとぼりが冷めるまで日本でのんびりするつもり。どうやら
フジヤマナスコちゃんに運気を吸い取られちゃったみたいだし、ギャンブルも
しばらくはお休みかな」
夏美「私も最近ずっと働き詰めだったし、休暇だと思ってゆっくり休もうかな。ていうか
もう25だし、スッチー辞めて婚活でもしようかしら」
27: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 21:59:28.56 ID:jh1+DT720
真奈美「おいおい、ドロップアウトするにはまだ早いだろう。でも確かに、たまには
ゆっくり自分の今後を考えるのも悪くないかもな。過程はどうあれ、機会を
与えてくれた事を感謝するよ」ニコ
レナ「ええそうね。久しぶりに実家に帰って親孝行するわ。ありがと」ニコ
夏美「私も普段は休めないから助かったわ。ありがと………………早苗さん♪」ニコ
28: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:01:25.93 ID:jh1+DT720
早苗「ほんっっっと―――――に、申し訳ありませんでしたぁ―――――っっっ!!!!!!」ドゲザー
レナ「もういいわよ。別に怒ってないし。ただあの時もうちょーっとだけ、私達の
お話を聞いて欲しかったなーって思ってるだけよ~♪」ニコニコ
真奈美「まあまあそんなに責めてあげるな。彼女は自分の職務を全うしただけなのだから。
そのおかげで誰かが仕事を失ったとしても仕方あるまい」ウンウン
夏美「まだ私はクビになってないわよ。でも会社に戻っても、地味~な国内線に回される
んだろうなあ~……」ハア
29: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:02:45.28 ID:jh1+DT720
早苗「ホントマジすみません。気の済むまで叩くなり蹴るなり好きにしてください。
ちっちゃくてもプリティーでも何でもいいです。ここも私が持ちますから好きな
だけ注文して下さい……」シクシク
レナ「ウソよウソ。本当に怒ってないから。それにあなたもここにいるって事は、何らか
の処分を受けたんでしょ?」
早苗「三ヶ月の停職と減給…… アメ公め、全部私に責任を押し付けやがって。二度と
カジノなんか行くもんか。あんな娯楽は日本に必要ないわ……」ブツブツ
30: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:03:46.37 ID:jh1+DT720
真奈美「早苗さんもずいぶん理不尽な目に遭ったんだな。だったら私達は仲間だ。奇妙な
縁で知り合ったが、これから仲良くしようじゃないか」
夏美「ま、本当についてなかっただけよね私達。嫌な事はさっさと忘れましょ」
早苗「本当にありがとう…… みんなが優しい人で良かった…… 気休めになるか
分からないけど、首謀者のカジノのオーナーとベガスの署長には帰ってくる前に
ケツに回し蹴り叩き込んどいたから……」グス
レナ「(むしろそれが原因で……)」
真奈美「(理不尽な処分を受けたのでは……?)」
31: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:04:31.94 ID:jh1+DT720
夏美「あはは、やるねえ早苗さん♪じゃあスッキリした事だし、4人の出会いを祝して
乾杯といきましょうか~!」
レナ・真奈美・夏美・早苗「「「「カンパ~~~イッ!! 」」」」
32: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:05:37.05 ID:jh1+DT720
***
早苗「うう~、署長のわからずや~…… 警察なんてやめてやる~……」ヒック
夏美「チラっとカジノのぞいただけなのに、ど~してそんなに怒られるんだよ~……
だったら合コンで乱[ピ――]してるヤツらはどうなんだよ~!」ヒック
レナ「あらあら、二人ともすっかり潰れちゃったわね」
真奈美「勤め人には勤め人にしか分からない苦労があるのだろう。私達はある程度
融通が利くからな」
33: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:07:16.63 ID:jh1+DT720
レナ「そうね。今までギャンブル一本で好き勝手やって生きて来たわ。でもたまに思う
のよね。普通に就職してOLしていたらどんな生活してただろうって」
真奈美「私は最初は勤め人だったが、次第に周囲と合わなくなってフリーに転向したな。
組織に属して働くという生き方は、私には向いてなかったようだ」
レナ「真奈美がOLしてる姿はちょっと考えられないかも。あなたはなるべくして
なったって感じがするわよ」
真奈美「私もレナさんに会った時そう思ったぞ。カジノがあんなに似合う日本人がいる
とは思わなかった。だからあの時、思わず足を止めてしまったんだ」
35: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:10:52.04 ID:jh1+DT720
レナ「そう言ってもらえると嬉しいわ。でも正直、ディーラーもそろそろ飽きてたのよね。
別に嫌じゃないんだけど、ベガスの舞台でライトを浴びて踊ってる人達を見てると
テーブルでカード切ってる自分が地味に思えてきちゃって」
真奈美「ショービジネスの世界は不思議だな。私もボーカルトレーナーとして裏方で指導
する立場だが、たまに教え子達のように舞台に立ちたくなる事がある。今の仕事
は自分の天職だと思ってるのだが、ステージを眺めていると迷いが生じる」
36: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:11:59.06 ID:jh1+DT720
レナ「いっその事、ふたりで転職してみる?人生賭けた勝負なんて何度も出来ないわよ」
真奈美「ギャンブルはしばらく休むんじゃなかったのか?それに私はもう25だぞ?表舞台
で輝けるような年では……」
レナ「そんな事ないわよ。女の子はいつまでもシンデレラなんだから♪ 真奈美キレイだし、
私だってまだまだ若い子には負けないわよ♪」
37: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:13:15.74 ID:jh1+DT720
「そうですっ!! 全然大丈夫ですっ!! 」バッ
レナ・真奈美「「へ?」」キョトン
P「あ、すみません突然。おふたりの会話が自然と耳に入って来てしまいまして……
私こういう者です。ぜひお二人をアイドルとしてスカウトさせて下さい!」サッ
レナ「アイドル事務所のプロデューサーさん?真奈美、この事務所知ってる?」
真奈美「聞いたことある名前だな。確かトレーナーの友達がレッスンをしていたと思う。
P君、トレーナー四姉妹を知っているか?」
38: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:14:43.22 ID:jh1+DT720
P「トレさん達のお知り合いでしたか!彼女達にはウチの子達が世話になってます。
あなたもトレーナーを?」
真奈美「ああ、私はボーカル専門だがな。しかし君もなかなか酔狂な男だな。この私を
スカウトするなんて、アイドルはそんなに人材不足なのか?それとも私を求めて
いるのは君の趣味なのかな?」ニヤリ
P「俺の趣味です!いや、俺だけじゃありません!世の男性の多くが、真奈美さんのような
アイドルを求めていると断言できます!」キッパリ
真奈美「そ、そういう台詞はもっと若い子にだな……」カアア
39: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:16:08.03 ID:jh1+DT720
レナ「ふふ、面白い人ねあなた。ラスベガスには劣るけど、日本のショービジネスも
面白そうね」
P「何を言ってるんですか!レナさんだったらすぐにでもラスベガスの舞台に立てる
アイドルになれますよ!俺が必ず連れて行ってみせます!」
レナ「へえ……大きく出たわね。それじゃあなたが私のパートナーにふさわしいかどうか、
勝負させてくれない?」
P「へ?勝負ですか?スポーツや格闘技はあんまり……」
40: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:18:42.32 ID:jh1+DT720
レナ「簡単なトランプゲームよ。私から一本でも取ったらあなたの話を聞いてあげるわ。
真奈美もいいわね?」
真奈美「お、おいレナさん、そんな勝手に……」
レナ「大丈夫よ。それにこれくらいの勝負に勝てなかったらこっちからお断りよ。私達は
そんなに安くないんだから。それに人生を賭けたゲームなんてスリリングじゃない?
だからさ、真奈美も一緒に―――――」
―――――遊んで行かない?
END
41: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:19:48.61 ID:jh1+DT720
―おまけ―
P「ポーカーですか…… ちょっとやった事がないから助っ人呼んでもいいですか?」
レナ「いいわよ。でもゲームをするのはあなただからね?」
42: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:21:01.93 ID:jh1+DT720
P「ええもちろん。お~い茄子、ちょっと来てくれ~」
茄子「は~い、どうしたんですか~?」ヒョコ
P「お前確かこの前、旅行先でポーカーやったって言ってたよな?ちょっとアドバイス
してくれないか?」
43: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:22:29.07 ID:jh1+DT720
真奈美「なんだ、連れがいたのか。こんなに可愛い彼女を放っておいて他の女性を口説く
とは、君は節操のない男だな」
P「違いますよ。茄子はウチの事務所のアイドルです。今日は現場から直帰だったから、
晩飯ついでに飲んでたんですよ」
茄子「はじめまして。 鷹富士茄子と申します。ナスじゃなくてカコですよ~♪」ニコニコ
44: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:23:21.92 ID:jh1+DT720
真奈美「随分縁起の良い名前だな。これは強力な助っ人だ。なあレナさん?」
レナ「」ダラダラ
真奈美「レナさん?」キョトン
レナ「真奈美、あなた気付かないの……?」ゴクリ
真奈美「……?何の話をしてるんだ?彼女がどうかしたのか?」
45: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:24:43.80 ID:jh1+DT720
レナ「面白いわ…… ベガスで吸い取られた私の運、今ここで取り戻すっ!! 」カッ
――――その後、レナはP(茄子付き)に30連敗し、真奈美はもちろん酔いつぶれて
寝ていた夏美と早苗も連れて事務所に行きましたとさ。
おわり
46: 1 ◆7.ApW6XF9E 2013/03/09(土) 22:26:16.17 ID:jh1+DT720
以上。レナさんかっこいいよレナさんという事で。
しかし実際、茄子と勝負したらどっちが強いのかな?
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 22:54:45.99 ID:EFdcIGgX0
やみのま!
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/03/09(土) 23:05:14.72 ID:U9IzcVni0
乙です面白かったです!
SS速報VIP:兵藤レナ「遊んで行かない?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362832266/