【よしりこss】
人によっては不快な描写がある場合がございます。
エロ、グロ等ではございませんが、ご注意下さい。
2: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:05:35.31 ID:bYuSdtzS.net
内浦某所 夕方
梨子「凄い……綺麗だね。」
善子「でしょ?私がまだ小さい頃、よくお母さんと遊びに来てた場所なの。」
善子「この夕日を眺めてると、お母さんと遊んでた時をおもいだすな……。」
梨子「……。」
善子「……ありがとね。」
梨子「え?」
善子「お母さんが倒れた時、リリーは私の事を必死に助けてくれたでしょ?」
梨子「そんな……、お礼を言われることじゃないよ。」
梨子「私がよっちゃんの立場だったらって思ったら……。」
善子「あなたのお陰で私は立ち直れた……。」
善子「あなたが友達で本当に良かった……。」
梨子「……よっちゃん……。」
善子「……大好き。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日 朝 部室
千歌「梨子ちゃんおはよー!」
梨子「千歌ちゃん!おはよう。」
千歌「最近善子ちゃんも元気になってきたね!」
梨子「うん!お母さんが亡くなったときはずっと暗い顔だったけど、最近何かが吹っ切れたみたいに元気になった気がする。」
千歌「お母さんの事は残念だったけど、やっぱり善子ちゃんはこうじゃないとね。」
ガラガラ
善子「リトルデーモン達!日の登る時よ!おはよう!」
千歌「おはよー!」
梨子「今日も練習頑張ろうね!」
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放課後 校門前
善子「リ、リリー!」ダダダ
梨子「よっちゃん?」
善子「あ、あの……、今日もあの場所に付き合ってもらっても良いかしら?」
梨子「もちろん!」
善子「……!ありがとう!」
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内浦某所 夕方
善子「ごめんね、いつも付き合わせちゃって……。」
梨子「気にしないで、私が付き合いたくてつきあってるだけだから。」
善子「……。」
善子「……私に付き合うのが面倒臭くなったら、直ぐに教えてちょうだい。」
梨子「……よっちゃん……。」
梨子「どうしたの?よっちゃんらしく無いよ?」
梨子「さっきも言ったけど、私は勝手によっちゃんに付き合ってるだけだから。」
梨子「よっちゃんが変な事を思う必要はないよ。」
善子「……。」
善子「リリー、あなたは優しすぎるわよ。」
善子「お母さんが死んじゃった時も……。」
梨子「……?」
善子「……。」
善子「……私は……。」
善子「……。」
善子「……ねえリリー。」
善子「あなた、好きな人とか……居るの?」
梨子「え?ええ!?」
梨子「わ、私に好きな人!?」
善子「う、うん……。」
梨子「わ、私は……。」
梨子「い、いる……かな。」
善子「え……?」
梨子「も、もう!恥ずかしいこと言わせないでよ!」
善子「……そう……だよね。」
梨子「よっちゃん……?」
善子「……そろそろ帰ろうか。」
梨子「え?う、うん……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜 桜内家宅
ピンポーン
梨子「あ、はーい!」
善子「あ、あの……津島善子と申しますが、梨子さんいらっしゃいますか?」
梨子「え?よっちゃん?」
善子「リ、リリー!」
梨子「どうしたの?こんな時間に?」
善子「……少話したい事があるの……。」
善子「大丈夫?」
梨子「う、うん……。」
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夜 三津内浦海岸
善子「ごめんね、こんな時間に。」
梨子「私は大丈夫だけど……、善子ちゃん帰りは大丈夫?もうバスも出てないんじゃない?」
善子「うん、自転車で来たから……。」
梨子「自転車で!?すごく遠いのに……、それにこの辺の夜は真っ暗で危ないよ?」
善子「……やっぱりやさしいのね。」
梨子「え?」
善子「私、もうあなたが居ないと駄目みたい……。」
梨子「……それってどういう……。」
善子「私のお母さんが死んじゃってから、あなたはずっと私のお母さんみたいに接してくれた。」
梨子「そんな……、お母さんだなんて……。」
善子「でもね、私はあなたの事が……。」
善子「……。」
梨子「……?」
善子「……。」
善子「うぅ……、やっぱりこんな事言えないわよ……。」
梨子「???」
梨子「あ!今日は満月だね!」
善子「え?」
善子「あ……、本当だ……。」
梨子「きれいなまん丸……。」
善子「……。」
梨子「……多分だけど、堕天使って満月とかの力で強くなったりするんでしょ?」
梨子「だから、大丈夫だよ。」
梨子「何か伝えたいんでしょ?」
善子「……。」
善子「……そ、そうよ!私は堕天使ヨハネ!」
善子「怖気づく事なんて無いわよ!」
善子「満月の力を受ければ多少の事なんて……!」
善子「……。」
善子「……で、でもその前に聞いておきたい事があるの。」
梨子「ん?」
善子「私、今から本当に気持ち悪いこと言うわ。」
梨子「気持ち悪い事?」
善子「もしかしたら嫌われちゃうような事……。」
善子「でも……、私がどんな子でも……いつもみたいに接してくれる……?」
梨子「……?当たり前だよ。」
善子「本当に本当?」
梨子「本当に本当。」
善子「……じゃ、じゃあ言うわ!」
善子「り、梨子さん、私はあなたの事が好きです!」
梨子「……!」
善子「友達とか……、そういう意味だけじゃなくて、あなたに恋をしちゃったの……。」
善子「あなたに好きな人が居るのは分かってる……、でもこの気持ちを聞いてもらうだけでも良いの……。」
善子「……伝えたかった……。」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「何て……、やっぱりごめん、何でもないの。」
善子「女の子どうしでこんな事……。」
梨子「……。」
梨子「……う、うぅ……ぐすっ……。」
善子「……!」
善子「……やっぱり、気持ち悪いよね……。」
善子「……本当にごめんなさい。」
梨子「ち、違うのぉ!気持ち悪くなんかないよぉ!」
善子「……え?」
梨子「うぐっ……、う、嬉しくて……。」
梨子「私は恋愛何てしちゃいけないと思ってたからぁ……!」
梨子「私もずっとよっちゃんが好きだった!」
梨子「ひぐっ……、でも、こんな気持ち伝えたらきっと嫌われるって思ってぇ!」
梨子「私は死ぬまでこの気持ちを隠さないといけないんだと思ってて……。」
善子「梨子さん……!」
梨子「嬉しい……!嬉しいよお……!」
善子「じゃ、じゃあ……!」
梨子「うん、私も大好き。」
梨子「私と付き合って下さい……!」
善子「う、うわああああああああん!!!!」
善子「あ……ありがとう!ぐすっ……うぇっ……!」
善子「リリー!大好きぃ!」
梨子「私もだよ……!」
善子「もう絶対に離れないぃ!」
梨子「うん……、私も……。」
梨子「大好き……!」
76: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:11:00.48 ID:BnWZ3Vsr.net
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二日後 三津シーパラダイス入り口
梨子「お、おまたせ!」
善子「遅いわよリリー!」
梨子「ご、ごめんね。来る途中にお財布忘れちゃった事に気がついて取りに戻ってたの……。」
善子「もう!仕方ないわね……、行くわよ!」
梨子「うん!」
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三津シーパラダイス
善子「凄いわ!アシカってあんなに大きな声で鳴くのね!」
梨子「うん、凄いね!」
善子「あ、今度はペンギンよ!」
梨子「鞠莉ちゃんがいたらまた変な名前つけちゃいそう。」
善子「そこのペンギン!あなたも今日からリトルデーモンよ!」
梨子「もう!よっちゃんたら……!」
善子「あはは!」
善子「……。」
善子「ねえリリー。」
梨子「ん?」
善子「手繋いでもいい?」
梨子「……!う、うん……。」
善子「あ、ありがと……。」
善子「……。」ギュッ
梨子「……。」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「……って!何か喋ってよ!」
梨子「え、えぇ……、でもちょっと恥ずかしくて……。」
善子「……もう!リリーったら!」
梨子「……うふふ。」
善子「じゃあ次行くわよ!」
梨子「うん!」
少女「おかーさん!あの人達女同士で手を繋いでるよ!」
少女母「コラッ!やめなさい!」
少女「変なのー!」
少女母「いい加減にしなさい!」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「ご、ごめんリリー……、無神経で……。」
梨子「そ、そんな……!謝らないで!」
梨子「よっちゃんは悪くないよ!」
梨子「……あの女の子も、当たり前の事を言っただけだから……。」
善子「……。」
善子「ごめん、手離そっか……。」
梨子「え?あ……、うん。」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「……さ、さあ!気を取り直して続きを見るわよ!」
梨子「うん……。」
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翌日 朝 通学路
善子「リリー!今日は部活も休みだし、あの場所に付き合ってもらってもいい?」
梨子「もちろん!」
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放課後 校門前
梨子(……。)
梨子(よしこちゃん、遅いな……。)
梨子(……。)
花丸「あ!梨子さん!」
ルビィ「あれ?今日も善子ちゃんを待ってるの?」
梨子「……?そうだよ?」
花丸「……もしかして、まだ聞いてないずら?」
梨子「聞いてないって?」
ルビィ「善子ちゃん、クラスの子と喧嘩して途中で家に帰っちゃったんだ……。」
梨子「え……?」
花丸「あんなに怒った善子ちゃん、初めてみたずら……。」
梨子「ど、どうして……。」
花丸「それが、昨日三津シーで女の子と手を繋いでたらしくて……。」
花丸「相手は分からないけど、友達同士って感じじゃなくて、女の子が好きなのか?ってからかわれたみたい。」
梨子「……、そ、そうなんだ……。」
ルビィ「大丈夫かなぁ……?善子ちゃん。」
花丸「心配ずら……。」
梨子「……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜 自宅
梨子(あれから何通かメールしたけど……。)
梨子(全然返事が来ない……。)
梨子(大丈夫かな……。)
梨子(……。)
梨子(……よし。)
梨子(善子ちゃん家に行ってみよう。)
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津島家マンションロビー
ピンポーン
梨子「こ、こんばんは!桜内梨子と言います。善子ちゃんはいらっしゃいますか?」
善子「リ、リリー!」
善子「……。」
梨子「夜にごめんなさい、でもさっき学校で……。」
善子「帰って……!」
梨子「……え?」
善子「……もう私とは関わらないで。」
梨子「え?それって……。」
プツッ……
梨子「え?……。」
梨子「よ、善子ちゃん!善子ちゃん!!」
梨子「何で……、何で……。」
子「……。」
梨子(……そっか。)
梨子(やっぱり善子ちゃん、女の子が好きってバレたくないもんね……。)
梨子(私のせいでバレちゃったんだ……。)
梨子(私と付き合ったりしなければ、友達にからかわれたりはしなかった……。)
梨子(せっかく高校生になって、クラスの和にも入れたのに……。)
梨子「……。」
梨子「……ごめんね。」
梨子「……。」
梨子「……、帰らなきゃ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日 夕方 下校中
千歌「り、梨子ちゃーん!」
梨子「千歌ちゃん……!」
千歌「梨子ちゃん、今日は一緒に帰ろ?」
梨子「う、うん……。」
千歌「……。」
梨子「……。」
千歌「……善子ちゃんとなにか有ったの?」
梨子「え?」
梨子「な、何で……?」
梨子「な、何で……?」
千歌「見れば分かるよ!」
千歌「二人共すごく悲しそうだった……。」
梨子「……。」
梨子「な、何でもないの……。」
千歌「……。」
千歌「嘘つき……。」
梨子「……。」
千歌「本当のことを話して欲しいの……。」
千歌「皆二人の事を心配してるんだよ?」
千歌「もっとみんなの事を頼って欲しい。」
千歌「仲間ってそういうものでしょ?」
梨子「で、でも……、こんな事……。」
梨子「そ、それに善子ちゃんにだって悪いし……。」
千歌「もう!そんな事言ってても仕方ないよ!」
千歌「梨子ちゃんは私の事そんなに信用できないの?」
梨子「そ、そういう訳じゃ……。」
千歌「じゃあ話して!」
梨子「……。」
梨子「私と善子ちゃん、実は……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
千歌「……そっか。」
梨子「うん。」
梨子「……気持ち悪い、よね。」
千歌「気持ち悪くなんて無い!」
千歌「きっと二人共マイナスに考え過ぎなんだよ!」
千歌「水族館の女の子の事だって気にしちゃだめ!」
千歌「女の子同士で手を繋ぐ位よくある事だと思うし。」
千歌「ただ、二人は他の人と違うと勝手に思って過剰に反応しちゃってるんだと思うよ!」
梨子「……。」
千歌「全然変な事じゃない!」
千歌「だから……。」
千歌「善子ちゃんだって、きっと時間が経って冷静になったら許してくれるよ!」
千歌「大切な人なんでしょ?」
千歌「善子ちゃんを信じて少し待ってみよう?」
梨子「……。」
梨子「うん……。」
千歌「きっと大丈夫!仲間だもん!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1週間後 部活動中 休憩時間
果南「じゃあ少し休憩ね!」
曜「はぁ~!疲れた~!」
千歌「もうクタクタだよぉ!」
梨子(あれから大分時間が経ったけど……。)
梨子(……。)
梨子(まだ私と話してくれない……。)
梨子(……そりゃそうだよね、私が居なければこんな事には……。)
梨子(私とデートに行かなければ……。)
梨子(……。)
梨子(……でも、謝らなきゃ……。)
梨子「……よ、善子ちゃん。」
善子「……。」
梨子「あ、あの……。」
善子「話しかけないで。」
梨子「で、でもっ!」
善子「もう関わらないでって言ったじゃない!」
梨子「……!」
鞠莉「ちょっと!善子ちゃん!いい加減にしなさい!」
千歌「そうだよ善子ちゃん!」
善子「……。」
善子「……。」
鞠莉「何があったかは知らないけど、いつまで子供みたいに不貞腐れてるつもりなの?」
鞠莉「梨子ちゃんはあなたに歩み寄ろうとしてるのに!このままじゃああなた達いつまで経ってもこのままじゃない!」
善子「鞠莉さんには関係ない!」
鞠莉「関係なくない!同じAqoursの仲間じゃない!」
善子「うるさい!私はもう梨子さんなんて嫌いなんだから別に……!」
パァン!
鞠莉「バカ!」
善子「痛っ……!」
果南「ちょ、ちょっと鞠莉!」
鞠莉「時間はもう帰ってこないんだよ!?私がダイヤや果南と過ごせなかった日はもう帰ってこない!」
鞠莉「あなた達にはそんな思いして欲しくないの!」
鞠莉「このまま終わりになっちゃったらどうするの?」
鞠莉「明日だって明後日だって……、梨子ちゃんに会える保証なんて無いのよ?」
鞠莉「だから……、嫌いなんて嘘でも言っちゃ駄目だよ……。」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「……梨子さん、私今同級生から虐められてるの。」
梨子「……!」
花丸「……。」
ルビィ「……。」
善子「たったあれだけの事でね。」
善子「せっかく同級生の和に入れそうだったのに、ここに来て靴に画鋲を入れられたり、机に落書きをされたり。」
善子「漫画みたいな陰湿でくだらない虐めよ。」
善子「もちろん花丸とルビィは私を守ろうとしてくれたわ。」
善子「でもね、梨子さん。」
善子「あなたなら原因が分かるでしょ?」
梨子「そ、そんな……。」
ダイヤ「花丸さん!ルビィ!何で私達に伝えませんでしたの!?」
善子「私が口止めしたの。」
花丸「……まる達もなんどもAqoursの皆に相談しようって言ったんだけど……。」
ルビィ「こんな事が皆にバレる方がいじめよりも遥かに辛いって善子ちゃんが……。」
ルビィ「その気持ちも分かるから……、皆にも相談できなくて……。」
善子「全部梨子さんのせい。」
鞠莉「……。」
善子「……。」
善子「……私……。」
善子「……私、部活辞める。」
梨子「……。」
善子「もう私に関わらないで……。」
善子「じゃないと……、私……。」
ダダダ
鞠莉「よ、善子ちゃん!」
鞠莉「……。」
梨子「……う、うぅ……。」
梨子「ぐすっ……、皆……、ごめんなさい……。」
梨子「私のせいだ……。」
梨子「全部……、ひぐっ、私のせい……。」
梨子「ごめんなさい……。」
鞠莉「梨子ちゃん……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1週間後 夕方
梨子(今日も学校サボっちゃった……。)
梨子(でも……、私なんかが顔出したら皆嫌がるよね。)
梨子(……。)
梨子(……凄い雨だな。)
梨子(もう死にたい。)
梨子(……でも私が死んだ所で善子ちゃんは虐められたまま……。)
梨子(彼女は辛いのに、私だけ楽になるなんて……。)
コンコン
梨子(……。)
コンコン
梨子(……?何の音だろう。)
梨子(窓の方から……。)
梨子「!?」
梨子「ま、鞠莉ちゃん!?」
鞠莉「ハーイ!リリー!濡ちゃうから開けてくれる?」
梨子「こ、ここ2階なのにどうやって……。」ガララ
鞠莉「小原家の力デェス!」
梨子「……。」
鞠莉「もう!1週間も学校休むから皆心配してるよ?」
鞠莉「SingやDanceだって、しばらく本番は無いとは言え体が鈍っちゃうしね。」
鞠莉「そろそろシャイニーな所でレッツ……。」
梨子「……善子ちゃんとの事を聞きに来たんでしょ?」
鞠莉「……。」
鞠莉「違うよ。」
梨子「違うって言っても……。」
鞠莉「ちかっちから全部聞いたの。」
梨子「……。」
鞠莉「安心して、私とちかっちしか知らないわ。」
梨子「……私が悪いの。」
鞠莉「……違うよ。」
梨子「私が居なければ善子ちゃんは虐められなかった。」
鞠莉「違う。」
梨子「私が居なければ善子ちゃんはAqoursを辞めることも無かった。」
鞠莉「違う。」
梨子「私が居なければ……。」
鞠莉「違う!」
梨子「……!」
鞠莉「私が居なければ何て言わないで!」
鞠莉「あなたが居なければいけない人だって居るんだよ!」
梨子「……そんなの!どこにも!」
鞠莉「居る!」
梨子「……。」
鞠莉「ここに居る!」
鞠莉「私はあなたが居ないといけないの!」
鞠莉「もちろん善子ちゃんも居なくなったらいけないの!」
鞠莉「あなたが女の子が好きな事とか!」
鞠莉「善子ちゃんと付き合ってた事とか!」
鞠莉「そんな事はどうでも良いの!」
鞠莉「善子ちゃんの虐めだってAqoursの皆で彼女を守ってみせる!」
鞠莉「もう仲間との時間を失いたくない!」
鞠莉「……だからそんな悲しい事言わないでよ……。」
梨子「……。」
ピンポン!ピンポン!ピンポン!
リコサーン!リコサーン!
梨子「……?この声はダイヤさん?」タッタッタ
鞠莉「どしゃぶりなのにあんなに慌ててどうしたのかしら?」
梨子「はい、どうしたの?」ガチャ
ダイヤ「どうして電話に出ませんの!?」
ダイヤ「なんども連絡したのに!」
鞠莉「お、落ち着いてダイヤ、どうしたの?」
ダイヤ「ま、鞠莉さん!なんでここに……!」
ダイヤ「いや!そんな事より!」
ダイヤ「善子さんがトラックに跳ねられて……。」
ダイヤ「……即死ですわ。」
鞠莉「……え?」
梨子「……!」
鞠莉「う、嘘……!」
梨子「あ……、え……?」
鞠莉「な、何で……!」
鞠莉「何で……、こんなタイミングで……!」
梨子「う、嘘だよね?」
ダイヤ「……。」
梨子「冗談なんだよね……?」
ダイヤ「お、落ち着いて下さい!」
梨子「い、嫌!嫌!」
鞠莉「り、梨子ちゃん!」
梨子「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
鞠莉「梨子ちゃん!暴れないで!」
梨子「触らないで!」ドンッ
鞠莉「あっ!」
梨子「うわあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダ
ダイヤ「梨子さん!どこへ行きますの!?」
梨子「うるさい!」ガチャ!
鞠莉「ほ、包丁!?」
鞠莉「……まさか!」
ダイヤ「だ、駄目ですわ!」
梨子「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」ザク ザク グチャ
鞠莉「そんな!血が!」
ダイヤ「す、すぐに救急車を!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2日後 病院
梨子(……。)
梨子(…………。)
梨子(………………。)
梨子(死にたい。)
梨子(何で私はあの時に死ねなかったんだろう?)
梨子(もう全部がどうでもいい……。)
梨子(Aqours も辞めたし、ピアノもヴィオラも絵も。)
梨子(何もやりたくない。)
梨子(……。)
梨子(……死にたい。)
梨子(でもこの病院は自殺すらさせてくれない。)
梨子(少しでも不審な行動をとると人が来る。)
梨子(舌を噛んでもすぐに治療されれば死ねない。)
梨子(死にたい。)
梨子(死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。)
梨子(私はきっとこれからも同じような事を繰り返す。)
梨子(私は普通の女の子とは違うから……。)
梨子(こんな人生……。)
コンコン
梨子(……。)
ハ、ハイルヨー!
ガラガラ
千歌「お、御見舞にきたよー!」
曜「ヨーソロー!」
梨子「……。」
千歌「梨子ちゃんの好きなゆで卵持ってきたよ!」
梨子「……。」
曜「今日は学校でね!千歌ちゃんが――」
千歌「そうそう!それで曜ちゃんがね!」
梨子「……。」
曜「流石に私もツッコんじゃった!」
梨子「……。」
千歌「そ、それから!」
梨子「……。」
梨子「……何で私に構うの?」
曜「え?」
梨子「私は善子ちゃんの最後を最悪な形にした……。」
千歌「と、突然どうしたの……。」
梨子「彼女は虐められながら死んでいった。」
千歌「ち、違うよ……。」
曜「……。」
梨子「……二人にお願いがあるの。」
曜「……!任せて!なんでもやるよ!」
千歌「何かな!?」
梨子「殺して!」
千歌「あ……。」
梨子「私を殺して!殺してよ!」
曜「ああ……。」
梨子「ここじゃ自殺はできないの!だからお願い!私を殺して!」
曜「……駄目だよ、それは。」
梨子「何で!」バンッ!
曜「うあっ!」ガシャン!
千歌「曜ちゃん!」
看護師「ど、どうしました!?」
看護師「大丈夫ですか?」
曜「いてて……、だ、大丈夫です。」
看護師「すみませんが本日の面会はここまでにしていただいてよろしいですか?」
曜「は、はい。すみません。」
千歌「じゃあね……、梨子ちゃん。」
梨子「……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日 病院
コンコン
鞠莉「チャオ、リリー!」
梨子「……。」
鞠莉「昨日ちかっち達も来たんだって?」
梨子「……。」
鞠莉「リリーは友達に恵まれてるね。」
梨子「……。」
鞠莉「早く退院してお礼を言わないとね。」
梨子「……。」
梨子「……死にたいの。」
鞠莉「……だめ。」
梨子「殺して。」
鞠莉「……やだ。」
梨子「何でなの……。」
鞠莉「あなたが死んだら悲しむからだよ。」
鞠莉「私や、Aqours の皆や……。」
鞠莉「善子ちゃんが。」
梨子「……!」
梨子「善子ちゃんが悲しむはずない!」
梨子「私はあの子に辛い思いをさせた!」
梨子「私は嫌われてるの!」
梨子「だから……、死んであの子に謝らなくちゃいけないの。」
梨子「殺してよ……。」
鞠莉「……辛いでしょ?」
梨子「……当たり前じゃない。」
鞠莉「愛しているんだものね。」
梨子「そう!あの子に嫌われても私は愛してるの!」
鞠莉「気持ち、すごく分かるよ。」
鞠莉「つらいよね。」
梨子「じゃあ!」
鞠莉「でもね、あなたが死んだら天国の善子ちゃんも同じ気持ちになるの。」
梨子「だからそんな事……!」
鞠莉「あるよ。」
鞠莉「昨日善子ちゃんの御葬式だったの、知ってるでしょう?」
梨子「……。」
鞠莉「そこで、彼女のお父さんに会ったわ。」
梨子「……!」
鞠莉「あなたにこれを渡してくれと頼まれたの。」
梨子「……これ?」
鞠莉「善子ちゃんがトラックに轢かれたときに持ってたみたい。」
鞠莉「多分これをリリーに届ける途中だったんじゃないかな。」
梨子「手紙……。」
『リリーへ
本当にごめんなさい、私はあなたを傷つけた。
私はあなたと手を繋いでいるところをクラスメイトに見られて、それが尾ひれのついた噂になって虐められてた。でも、幸いあなたの事はバレてなかったみたいなの。
このまま一緒に居たらあなたまで虐めのターゲットになりかねない。だからと言ってこの話をあなたにしても、あなたは絶対に私と別れてくれないと思ったの。
だって、あなたは優しいから……。
だから私は嫌われようと思った。
それでこんな事になってしまったの。
わがままでごめん、めちゃくちゃな事言ってごめん。私は今、心が張り裂けそうなの。
虐めが辛いんじゃない、あなたを傷つけた事が。
やっぱり、リリーやAqoursの皆に相談するべきだった。頼るべきだった。
私は馬鹿だったから今更気がついた。
許してもらえないと思うし、今まで通りの関係に戻れないかもしれない、自己満足だとも思う。
でもどうしても謝りたかった。
本当にごめんなさい。
手紙なんかじゃなくて直接謝らないといけないのは分かってる。
でも、どうしても怖くて……。
本当に本当にごめんなさい。
最後に。
もしかしたらあなたに何かを伝えられるのは最後かもしれないから、一つだけわがままを言いたいの。
それは
"あなたに、ずっと輝いていて欲しい"
私はあなたをずっと愛してます。善子』
梨子「……。」
梨子「……。」
梨子「私も……。」
梨子「愛してる……!」
梨子「う……うぅ……。」
梨子「ひぐっ……うっ……。」
鞠莉「本当にわがままだよね。」
梨子「っ……うん。」
鞠莉「……でも私達も、皆にわがままを言ってきた。」
鞠莉「だから私達は、仲間のわがままに答えないと。」
梨子「……うん!」
鞠莉「梨子ちゃん、あなたは生きないといけないの。」
鞠莉「生きて輝かないといけない。」
鞠莉「それが善子ちゃんの願いだから。」
鞠莉「そして、私達の願いでもあるから!」
梨子「……。」
梨子「うぅ……!」
梨子「う、うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」
梨子「あぁぁぁあ!!!」
梨子「ひぐっ……、善子ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
梨子「好きいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
梨子「愛してるよぉ!」
梨子「うあぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
鞠莉「もう!リリー!」
鞠莉「笑わないと駄目だよ?」
鞠莉「……きっと天国の善子ちゃんも恋人の泣き顔なんて見たくないから。」
終わり。
死ネタは嫌いじゃないけどやっぱり生存を望んじゃうね
何はともあれ乙!
なんとも言えんというか喪失感が凄い
ただこういう作風のssもあっていいと思う
元スレ
善子「リリー、大好きよ……。」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1475323485/
内浦某所 夕方
梨子「凄い……綺麗だね。」
善子「でしょ?私がまだ小さい頃、よくお母さんと遊びに来てた場所なの。」
善子「この夕日を眺めてると、お母さんと遊んでた時をおもいだすな……。」
3: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:06:06.14 ID:bYuSdtzS.net
梨子「……。」
善子「……ありがとね。」
梨子「え?」
善子「お母さんが倒れた時、リリーは私の事を必死に助けてくれたでしょ?」
5: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:06:53.16 ID:bYuSdtzS.net
梨子「そんな……、お礼を言われることじゃないよ。」
梨子「私がよっちゃんの立場だったらって思ったら……。」
善子「あなたのお陰で私は立ち直れた……。」
8: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:07:16.10 ID:bYuSdtzS.net
善子「あなたが友達で本当に良かった……。」
梨子「……よっちゃん……。」
善子「……大好き。」
11: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:11:36.22 ID:bYuSdtzS.net
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翌日 朝 部室
千歌「梨子ちゃんおはよー!」
梨子「千歌ちゃん!おはよう。」
千歌「最近善子ちゃんも元気になってきたね!」
12: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:12:16.09 ID:bYuSdtzS.net
梨子「うん!お母さんが亡くなったときはずっと暗い顔だったけど、最近何かが吹っ切れたみたいに元気になった気がする。」
千歌「お母さんの事は残念だったけど、やっぱり善子ちゃんはこうじゃないとね。」
ガラガラ
善子「リトルデーモン達!日の登る時よ!おはよう!」
千歌「おはよー!」
梨子「今日も練習頑張ろうね!」
14: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:13:49.61 ID:bYuSdtzS.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後 校門前
善子「リ、リリー!」ダダダ
梨子「よっちゃん?」
15: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:14:12.47 ID:bYuSdtzS.net
善子「あ、あの……、今日もあの場所に付き合ってもらっても良いかしら?」
梨子「もちろん!」
善子「……!ありがとう!」
16: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:14:43.34 ID:bYuSdtzS.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
内浦某所 夕方
善子「ごめんね、いつも付き合わせちゃって……。」
梨子「気にしないで、私が付き合いたくてつきあってるだけだから。」
善子「……。」
17: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:15:13.79 ID:bYuSdtzS.net
善子「……私に付き合うのが面倒臭くなったら、直ぐに教えてちょうだい。」
梨子「……よっちゃん……。」
梨子「どうしたの?よっちゃんらしく無いよ?」
梨子「さっきも言ったけど、私は勝手によっちゃんに付き合ってるだけだから。」
18: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:16:51.91 ID:bYuSdtzS.net
梨子「よっちゃんが変な事を思う必要はないよ。」
善子「……。」
善子「リリー、あなたは優しすぎるわよ。」
善子「お母さんが死んじゃった時も……。」
19: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:17:21.85 ID:bYuSdtzS.net
梨子「……?」
善子「……。」
善子「……私は……。」
善子「……。」
善子「……ねえリリー。」
善子「あなた、好きな人とか……居るの?」
20: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:17:55.37 ID:bYuSdtzS.net
梨子「え?ええ!?」
梨子「わ、私に好きな人!?」
善子「う、うん……。」
梨子「わ、私は……。」
24: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:42:29.11 ID:bYuSdtzS.net
梨子「い、いる……かな。」
善子「え……?」
梨子「も、もう!恥ずかしいこと言わせないでよ!」
善子「……そう……だよね。」
25: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:43:17.19 ID:bYuSdtzS.net
梨子「よっちゃん……?」
善子「……そろそろ帰ろうか。」
梨子「え?う、うん……。」
26: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:43:40.09 ID:bYuSdtzS.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜 桜内家宅
ピンポーン
梨子「あ、はーい!」
善子「あ、あの……津島善子と申しますが、梨子さんいらっしゃいますか?」
29: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:57:40.28 ID:bYuSdtzS.net
梨子「え?よっちゃん?」
善子「リ、リリー!」
梨子「どうしたの?こんな時間に?」
善子「……少話したい事があるの……。」
善子「大丈夫?」
梨子「う、うん……。」
30: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:58:15.67 ID:bYuSdtzS.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜 三津内浦海岸
善子「ごめんね、こんな時間に。」
梨子「私は大丈夫だけど……、善子ちゃん帰りは大丈夫?もうバスも出てないんじゃない?」
善子「うん、自転車で来たから……。」
31: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 21:59:24.94 ID:bYuSdtzS.net
梨子「自転車で!?すごく遠いのに……、それにこの辺の夜は真っ暗で危ないよ?」
善子「……やっぱりやさしいのね。」
梨子「え?」
善子「私、もうあなたが居ないと駄目みたい……。」
梨子「……それってどういう……。」
32: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:06:55.67 ID:bYuSdtzS.net
善子「私のお母さんが死んじゃってから、あなたはずっと私のお母さんみたいに接してくれた。」
梨子「そんな……、お母さんだなんて……。」
善子「でもね、私はあなたの事が……。」
善子「……。」
33: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:07:53.23 ID:bYuSdtzS.net
梨子「……?」
善子「……。」
善子「うぅ……、やっぱりこんな事言えないわよ……。」
梨子「???」
梨子「あ!今日は満月だね!」
35: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:13:35.24 ID:bYuSdtzS.net
善子「え?」
善子「あ……、本当だ……。」
梨子「きれいなまん丸……。」
善子「……。」
梨子「……多分だけど、堕天使って満月とかの力で強くなったりするんでしょ?」
36: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:14:11.06 ID:bYuSdtzS.net
梨子「だから、大丈夫だよ。」
梨子「何か伝えたいんでしょ?」
善子「……。」
善子「……そ、そうよ!私は堕天使ヨハネ!」
37: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:14:37.28 ID:bYuSdtzS.net
善子「怖気づく事なんて無いわよ!」
善子「満月の力を受ければ多少の事なんて……!」
善子「……。」
善子「……で、でもその前に聞いておきたい事があるの。」
38: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:15:09.48 ID:bYuSdtzS.net
梨子「ん?」
善子「私、今から本当に気持ち悪いこと言うわ。」
梨子「気持ち悪い事?」
善子「もしかしたら嫌われちゃうような事……。」
39: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:17:16.85 ID:bYuSdtzS.net
善子「でも……、私がどんな子でも……いつもみたいに接してくれる……?」
梨子「……?当たり前だよ。」
善子「本当に本当?」
梨子「本当に本当。」
善子「……じゃ、じゃあ言うわ!」
40: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:18:07.29 ID:bYuSdtzS.net
善子「り、梨子さん、私はあなたの事が好きです!」
梨子「……!」
善子「友達とか……、そういう意味だけじゃなくて、あなたに恋をしちゃったの……。」
善子「あなたに好きな人が居るのは分かってる……、でもこの気持ちを聞いてもらうだけでも良いの……。」
善子「……伝えたかった……。」
41: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:18:48.70 ID:bYuSdtzS.net
善子「……。」
梨子「……。」
善子「何て……、やっぱりごめん、何でもないの。」
善子「女の子どうしでこんな事……。」
梨子「……。」
42: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:19:39.96 ID:bYuSdtzS.net
梨子「……う、うぅ……ぐすっ……。」
善子「……!」
善子「……やっぱり、気持ち悪いよね……。」
善子「……本当にごめんなさい。」
43: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:20:06.19 ID:bYuSdtzS.net
梨子「ち、違うのぉ!気持ち悪くなんかないよぉ!」
善子「……え?」
梨子「うぐっ……、う、嬉しくて……。」
梨子「私は恋愛何てしちゃいけないと思ってたからぁ……!」
44: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:24:56.49 ID:bYuSdtzS.net
梨子「私もずっとよっちゃんが好きだった!」
梨子「ひぐっ……、でも、こんな気持ち伝えたらきっと嫌われるって思ってぇ!」
梨子「私は死ぬまでこの気持ちを隠さないといけないんだと思ってて……。」
善子「梨子さん……!」
45: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:25:28.84 ID:bYuSdtzS.net
梨子「嬉しい……!嬉しいよお……!」
善子「じゃ、じゃあ……!」
梨子「うん、私も大好き。」
梨子「私と付き合って下さい……!」
46: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/01(土) 22:27:19.89 ID:bYuSdtzS.net
善子「う、うわああああああああん!!!!」
善子「あ……ありがとう!ぐすっ……うぇっ……!」
善子「リリー!大好きぃ!」
梨子「私もだよ……!」
善子「もう絶対に離れないぃ!」
梨子「うん……、私も……。」
梨子「大好き……!」
76: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:11:00.48 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
二日後 三津シーパラダイス入り口
梨子「お、おまたせ!」
善子「遅いわよリリー!」
梨子「ご、ごめんね。来る途中にお財布忘れちゃった事に気がついて取りに戻ってたの……。」
善子「もう!仕方ないわね……、行くわよ!」
梨子「うん!」
77: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:11:39.12 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三津シーパラダイス
善子「凄いわ!アシカってあんなに大きな声で鳴くのね!」
梨子「うん、凄いね!」
善子「あ、今度はペンギンよ!」
78: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:12:04.03 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「鞠莉ちゃんがいたらまた変な名前つけちゃいそう。」
善子「そこのペンギン!あなたも今日からリトルデーモンよ!」
梨子「もう!よっちゃんたら……!」
善子「あはは!」
79: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:12:31.96 ID:BnWZ3Vsr.net
善子「……。」
善子「ねえリリー。」
梨子「ん?」
善子「手繋いでもいい?」
80: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:21:46.90 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「……!う、うん……。」
善子「あ、ありがと……。」
善子「……。」ギュッ
梨子「……。」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「……って!何か喋ってよ!」
81: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:27:50.85 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「え、えぇ……、でもちょっと恥ずかしくて……。」
善子「……もう!リリーったら!」
梨子「……うふふ。」
善子「じゃあ次行くわよ!」
梨子「うん!」
83: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:33:55.72 ID:BnWZ3Vsr.net
少女「おかーさん!あの人達女同士で手を繋いでるよ!」
少女母「コラッ!やめなさい!」
少女「変なのー!」
少女母「いい加減にしなさい!」
善子「……。」
梨子「……。」
84: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:35:12.35 ID:BnWZ3Vsr.net
善子「ご、ごめんリリー……、無神経で……。」
梨子「そ、そんな……!謝らないで!」
梨子「よっちゃんは悪くないよ!」
梨子「……あの女の子も、当たり前の事を言っただけだから……。」
善子「……。」
85: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:35:38.91 ID:BnWZ3Vsr.net
善子「ごめん、手離そっか……。」
梨子「え?あ……、うん。」
善子「……。」
梨子「……。」
善子「……さ、さあ!気を取り直して続きを見るわよ!」
梨子「うん……。」
87: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:37:44.80 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日 朝 通学路
善子「リリー!今日は部活も休みだし、あの場所に付き合ってもらってもいい?」
梨子「もちろん!」
88: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:38:13.16 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後 校門前
梨子(……。)
梨子(よしこちゃん、遅いな……。)
梨子(……。)
花丸「あ!梨子さん!」
ルビィ「あれ?今日も善子ちゃんを待ってるの?」
89: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:45:12.21 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「……?そうだよ?」
花丸「……もしかして、まだ聞いてないずら?」
梨子「聞いてないって?」
ルビィ「善子ちゃん、クラスの子と喧嘩して途中で家に帰っちゃったんだ……。」
梨子「え……?」
90: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:47:14.11 ID:BnWZ3Vsr.net
花丸「あんなに怒った善子ちゃん、初めてみたずら……。」
梨子「ど、どうして……。」
花丸「それが、昨日三津シーで女の子と手を繋いでたらしくて……。」
花丸「相手は分からないけど、友達同士って感じじゃなくて、女の子が好きなのか?ってからかわれたみたい。」
91: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:50:15.81 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「……、そ、そうなんだ……。」
ルビィ「大丈夫かなぁ……?善子ちゃん。」
花丸「心配ずら……。」
梨子「……。」
93: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 18:58:48.37 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜 自宅
梨子(あれから何通かメールしたけど……。)
梨子(全然返事が来ない……。)
梨子(大丈夫かな……。)
梨子(……。)
梨子(……よし。)
梨子(善子ちゃん家に行ってみよう。)
104: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 20:58:10.05 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
津島家マンションロビー
ピンポーン
梨子「こ、こんばんは!桜内梨子と言います。善子ちゃんはいらっしゃいますか?」
善子「リ、リリー!」
105: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 20:58:41.07 ID:BnWZ3Vsr.net
善子「……。」
梨子「夜にごめんなさい、でもさっき学校で……。」
善子「帰って……!」
梨子「……え?」
善子「……もう私とは関わらないで。」
106: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 20:59:09.81 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「え?それって……。」
プツッ……
梨子「え?……。」
梨子「よ、善子ちゃん!善子ちゃん!!」
梨子「何で……、何で……。」
107: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 20:59:33.48 ID:BnWZ3Vsr.net
子「……。」
梨子(……そっか。)
梨子(やっぱり善子ちゃん、女の子が好きってバレたくないもんね……。)
梨子(私のせいでバレちゃったんだ……。)
108: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 21:00:05.98 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子(私と付き合ったりしなければ、友達にからかわれたりはしなかった……。)
梨子(せっかく高校生になって、クラスの和にも入れたのに……。)
梨子「……。」
梨子「……ごめんね。」
梨子「……。」
梨子「……、帰らなきゃ。」
119: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 23:00:15.89 ID:BnWZ3Vsr.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日 夕方 下校中
千歌「り、梨子ちゃーん!」
梨子「千歌ちゃん……!」
千歌「梨子ちゃん、今日は一緒に帰ろ?」
梨子「う、うん……。」
120: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 23:15:40.61 ID:BnWZ3Vsr.net
千歌「……。」
梨子「……。」
千歌「……善子ちゃんとなにか有ったの?」
梨子「え?」
梨子「な、何で……?」
121: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 23:17:12.33 ID:BnWZ3Vsr.net
梨子「な、何で……?」
千歌「見れば分かるよ!」
千歌「二人共すごく悲しそうだった……。」
梨子「……。」
梨子「な、何でもないの……。」
122: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 23:20:54.63 ID:BnWZ3Vsr.net
千歌「……。」
千歌「嘘つき……。」
梨子「……。」
千歌「本当のことを話して欲しいの……。」
123: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 23:21:42.52 ID:BnWZ3Vsr.net
千歌「皆二人の事を心配してるんだよ?」
千歌「もっとみんなの事を頼って欲しい。」
千歌「仲間ってそういうものでしょ?」
梨子「で、でも……、こんな事……。」
梨子「そ、それに善子ちゃんにだって悪いし……。」
124: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/02(日) 23:23:23.47 ID:BnWZ3Vsr.net
千歌「もう!そんな事言ってても仕方ないよ!」
千歌「梨子ちゃんは私の事そんなに信用できないの?」
梨子「そ、そういう訳じゃ……。」
千歌「じゃあ話して!」
梨子「……。」
梨子「私と善子ちゃん、実は……。」
136: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:15:21.30 ID:qhC3vQb5.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
千歌「……そっか。」
梨子「うん。」
梨子「……気持ち悪い、よね。」
千歌「気持ち悪くなんて無い!」
137: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:15:47.64 ID:qhC3vQb5.net
千歌「きっと二人共マイナスに考え過ぎなんだよ!」
千歌「水族館の女の子の事だって気にしちゃだめ!」
千歌「女の子同士で手を繋ぐ位よくある事だと思うし。」
千歌「ただ、二人は他の人と違うと勝手に思って過剰に反応しちゃってるんだと思うよ!」
138: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:16:16.71 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……。」
千歌「全然変な事じゃない!」
千歌「だから……。」
千歌「善子ちゃんだって、きっと時間が経って冷静になったら許してくれるよ!」
千歌「大切な人なんでしょ?」
139: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:18:03.79 ID:qhC3vQb5.net
千歌「善子ちゃんを信じて少し待ってみよう?」
梨子「……。」
梨子「うん……。」
千歌「きっと大丈夫!仲間だもん!」
141: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:41:34.87 ID:qhC3vQb5.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1週間後 部活動中 休憩時間
果南「じゃあ少し休憩ね!」
曜「はぁ~!疲れた~!」
千歌「もうクタクタだよぉ!」
142: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:42:16.20 ID:qhC3vQb5.net
梨子(あれから大分時間が経ったけど……。)
梨子(……。)
梨子(まだ私と話してくれない……。)
梨子(……そりゃそうだよね、私が居なければこんな事には……。)
梨子(私とデートに行かなければ……。)
143: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 18:42:41.05 ID:qhC3vQb5.net
梨子(……。)
梨子(……でも、謝らなきゃ……。)
梨子「……よ、善子ちゃん。」
善子「……。」
梨子「あ、あの……。」
144: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:13:52.31 ID:qhC3vQb5.net
善子「話しかけないで。」
梨子「で、でもっ!」
善子「もう関わらないでって言ったじゃない!」
梨子「……!」
鞠莉「ちょっと!善子ちゃん!いい加減にしなさい!」
千歌「そうだよ善子ちゃん!」
善子「……。」
145: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:15:12.98 ID:qhC3vQb5.net
善子「……。」
鞠莉「何があったかは知らないけど、いつまで子供みたいに不貞腐れてるつもりなの?」
鞠莉「梨子ちゃんはあなたに歩み寄ろうとしてるのに!このままじゃああなた達いつまで経ってもこのままじゃない!」
善子「鞠莉さんには関係ない!」
鞠莉「関係なくない!同じAqoursの仲間じゃない!」
善子「うるさい!私はもう梨子さんなんて嫌いなんだから別に……!」
146: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:16:41.13 ID:qhC3vQb5.net
パァン!
鞠莉「バカ!」
善子「痛っ……!」
果南「ちょ、ちょっと鞠莉!」
鞠莉「時間はもう帰ってこないんだよ!?私がダイヤや果南と過ごせなかった日はもう帰ってこない!」
147: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:17:17.63 ID:qhC3vQb5.net
鞠莉「あなた達にはそんな思いして欲しくないの!」
鞠莉「このまま終わりになっちゃったらどうするの?」
鞠莉「明日だって明後日だって……、梨子ちゃんに会える保証なんて無いのよ?」
鞠莉「だから……、嫌いなんて嘘でも言っちゃ駄目だよ……。」
148: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:17:48.03 ID:qhC3vQb5.net
善子「……。」
梨子「……。」
善子「……梨子さん、私今同級生から虐められてるの。」
梨子「……!」
花丸「……。」
ルビィ「……。」
149: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:19:27.38 ID:qhC3vQb5.net
善子「たったあれだけの事でね。」
善子「せっかく同級生の和に入れそうだったのに、ここに来て靴に画鋲を入れられたり、机に落書きをされたり。」
善子「漫画みたいな陰湿でくだらない虐めよ。」
善子「もちろん花丸とルビィは私を守ろうとしてくれたわ。」
善子「でもね、梨子さん。」
善子「あなたなら原因が分かるでしょ?」
150: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:20:30.39 ID:qhC3vQb5.net
梨子「そ、そんな……。」
ダイヤ「花丸さん!ルビィ!何で私達に伝えませんでしたの!?」
善子「私が口止めしたの。」
花丸「……まる達もなんどもAqoursの皆に相談しようって言ったんだけど……。」
ルビィ「こんな事が皆にバレる方がいじめよりも遥かに辛いって善子ちゃんが……。」
ルビィ「その気持ちも分かるから……、皆にも相談できなくて……。」
151: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:22:33.74 ID:qhC3vQb5.net
善子「全部梨子さんのせい。」
鞠莉「……。」
善子「……。」
善子「……私……。」
善子「……私、部活辞める。」
梨子「……。」
152: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:23:09.41 ID:qhC3vQb5.net
善子「もう私に関わらないで……。」
善子「じゃないと……、私……。」
ダダダ
鞠莉「よ、善子ちゃん!」
鞠莉「……。」
153: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 19:23:54.59 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……う、うぅ……。」
梨子「ぐすっ……、皆……、ごめんなさい……。」
梨子「私のせいだ……。」
梨子「全部……、ひぐっ、私のせい……。」
梨子「ごめんなさい……。」
鞠莉「梨子ちゃん……。」
162: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:04:29.52 ID:qhC3vQb5.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1週間後 夕方
梨子(今日も学校サボっちゃった……。)
梨子(でも……、私なんかが顔出したら皆嫌がるよね。)
梨子(……。)
163: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:04:55.09 ID:qhC3vQb5.net
梨子(……凄い雨だな。)
梨子(もう死にたい。)
梨子(……でも私が死んだ所で善子ちゃんは虐められたまま……。)
梨子(彼女は辛いのに、私だけ楽になるなんて……。)
164: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:05:36.37 ID:qhC3vQb5.net
コンコン
梨子(……。)
コンコン
梨子(……?何の音だろう。)
梨子(窓の方から……。)
梨子「!?」
165: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:06:32.53 ID:qhC3vQb5.net
梨子「ま、鞠莉ちゃん!?」
鞠莉「ハーイ!リリー!濡ちゃうから開けてくれる?」
梨子「こ、ここ2階なのにどうやって……。」ガララ
鞠莉「小原家の力デェス!」
梨子「……。」
166: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:07:30.89 ID:qhC3vQb5.net
鞠莉「もう!1週間も学校休むから皆心配してるよ?」
鞠莉「SingやDanceだって、しばらく本番は無いとは言え体が鈍っちゃうしね。」
鞠莉「そろそろシャイニーな所でレッツ……。」
梨子「……善子ちゃんとの事を聞きに来たんでしょ?」
167: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:08:03.01 ID:qhC3vQb5.net
鞠莉「……。」
鞠莉「違うよ。」
梨子「違うって言っても……。」
鞠莉「ちかっちから全部聞いたの。」
梨子「……。」
168: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:09:19.80 ID:qhC3vQb5.net
鞠莉「安心して、私とちかっちしか知らないわ。」
梨子「……私が悪いの。」
鞠莉「……違うよ。」
170: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:09:56.40 ID:qhC3vQb5.net
梨子「私が居なければ善子ちゃんは虐められなかった。」
鞠莉「違う。」
梨子「私が居なければ善子ちゃんはAqoursを辞めることも無かった。」
鞠莉「違う。」
171: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:10:35.58 ID:qhC3vQb5.net
梨子「私が居なければ……。」
鞠莉「違う!」
梨子「……!」
鞠莉「私が居なければ何て言わないで!」
鞠莉「あなたが居なければいけない人だって居るんだよ!」
172: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:11:11.64 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……そんなの!どこにも!」
鞠莉「居る!」
梨子「……。」
鞠莉「ここに居る!」
鞠莉「私はあなたが居ないといけないの!」
鞠莉「もちろん善子ちゃんも居なくなったらいけないの!」
173: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:12:00.73 ID:qhC3vQb5.net
鞠莉「あなたが女の子が好きな事とか!」
鞠莉「善子ちゃんと付き合ってた事とか!」
鞠莉「そんな事はどうでも良いの!」
鞠莉「善子ちゃんの虐めだってAqoursの皆で彼女を守ってみせる!」
174: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 20:12:58.94 ID:qhC3vQb5.net
鞠莉「もう仲間との時間を失いたくない!」
鞠莉「……だからそんな悲しい事言わないでよ……。」
梨子「……。」
ピンポン!ピンポン!ピンポン!
リコサーン!リコサーン!
梨子「……?この声はダイヤさん?」タッタッタ
鞠莉「どしゃぶりなのにあんなに慌ててどうしたのかしら?」
192: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:41:21.10 ID:qhC3vQb5.net
梨子「はい、どうしたの?」ガチャ
ダイヤ「どうして電話に出ませんの!?」
ダイヤ「なんども連絡したのに!」
鞠莉「お、落ち着いてダイヤ、どうしたの?」
ダイヤ「ま、鞠莉さん!なんでここに……!」
ダイヤ「いや!そんな事より!」
193: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:42:16.42 ID:qhC3vQb5.net
ダイヤ「善子さんがトラックに跳ねられて……。」
ダイヤ「……即死ですわ。」
鞠莉「……え?」
梨子「……!」
鞠莉「う、嘘……!」
梨子「あ……、え……?」
鞠莉「な、何で……!」
鞠莉「何で……、こんなタイミングで……!」
梨子「う、嘘だよね?」
ダイヤ「……。」
梨子「冗談なんだよね……?」
ダイヤ「お、落ち着いて下さい!」
195: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:43:24.21 ID:qhC3vQb5.net
梨子「い、嫌!嫌!」
鞠莉「り、梨子ちゃん!」
梨子「いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
鞠莉「梨子ちゃん!暴れないで!」
梨子「触らないで!」ドンッ
鞠莉「あっ!」
梨子「うわあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」ダダダ
197: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:44:33.21 ID:qhC3vQb5.net
ダイヤ「梨子さん!どこへ行きますの!?」
梨子「うるさい!」ガチャ!
鞠莉「ほ、包丁!?」
鞠莉「……まさか!」
ダイヤ「だ、駄目ですわ!」
梨子「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」ザク ザク グチャ
鞠莉「そんな!血が!」
ダイヤ「す、すぐに救急車を!」
198: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:45:05.80 ID:qhC3vQb5.net
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2日後 病院
梨子(……。)
梨子(…………。)
梨子(………………。)
梨子(死にたい。)
梨子(何で私はあの時に死ねなかったんだろう?)
梨子(もう全部がどうでもいい……。)
梨子(Aqours も辞めたし、ピアノもヴィオラも絵も。)
梨子(何もやりたくない。)
梨子(……。)
梨子(……死にたい。)
200: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:45:40.42 ID:qhC3vQb5.net
梨子(でもこの病院は自殺すらさせてくれない。)
梨子(少しでも不審な行動をとると人が来る。)
梨子(舌を噛んでもすぐに治療されれば死ねない。)
梨子(死にたい。)
梨子(死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。)
梨子(私はきっとこれからも同じような事を繰り返す。)
梨子(私は普通の女の子とは違うから……。)
梨子(こんな人生……。)
201: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:46:52.98 ID:qhC3vQb5.net
コンコン
梨子(……。)
ハ、ハイルヨー!
ガラガラ
千歌「お、御見舞にきたよー!」
曜「ヨーソロー!」
梨子「……。」
千歌「梨子ちゃんの好きなゆで卵持ってきたよ!」
梨子「……。」
曜「今日は学校でね!千歌ちゃんが――」
千歌「そうそう!それで曜ちゃんがね!」
梨子「……。」
曜「流石に私もツッコんじゃった!」
梨子「……。」
千歌「そ、それから!」
梨子「……。」
梨子「……何で私に構うの?」
202: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:47:34.41 ID:qhC3vQb5.net
曜「え?」
梨子「私は善子ちゃんの最後を最悪な形にした……。」
千歌「と、突然どうしたの……。」
梨子「彼女は虐められながら死んでいった。」
千歌「ち、違うよ……。」
曜「……。」
梨子「……二人にお願いがあるの。」
曜「……!任せて!なんでもやるよ!」
千歌「何かな!?」
梨子「殺して!」
千歌「あ……。」
梨子「私を殺して!殺してよ!」
曜「ああ……。」
203: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:48:04.36 ID:qhC3vQb5.net
梨子「ここじゃ自殺はできないの!だからお願い!私を殺して!」
曜「……駄目だよ、それは。」
梨子「何で!」バンッ!
曜「うあっ!」ガシャン!
千歌「曜ちゃん!」
看護師「ど、どうしました!?」
看護師「大丈夫ですか?」
曜「いてて……、だ、大丈夫です。」
看護師「すみませんが本日の面会はここまでにしていただいてよろしいですか?」
曜「は、はい。すみません。」
千歌「じゃあね……、梨子ちゃん。」
梨子「……。」
204: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:49:11.55 ID:qhC3vQb5.net
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翌日 病院
コンコン
鞠莉「チャオ、リリー!」
梨子「……。」
鞠莉「昨日ちかっち達も来たんだって?」
梨子「……。」
鞠莉「リリーは友達に恵まれてるね。」
梨子「……。」
鞠莉「早く退院してお礼を言わないとね。」
梨子「……。」
梨子「……死にたいの。」
鞠莉「……だめ。」
梨子「殺して。」
鞠莉「……やだ。」
梨子「何でなの……。」
鞠莉「あなたが死んだら悲しむからだよ。」
鞠莉「私や、Aqours の皆や……。」
鞠莉「善子ちゃんが。」
205: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:49:57.44 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……!」
梨子「善子ちゃんが悲しむはずない!」
梨子「私はあの子に辛い思いをさせた!」
梨子「私は嫌われてるの!」
梨子「だから……、死んであの子に謝らなくちゃいけないの。」
梨子「殺してよ……。」
鞠莉「……辛いでしょ?」
梨子「……当たり前じゃない。」
鞠莉「愛しているんだものね。」
梨子「そう!あの子に嫌われても私は愛してるの!」
鞠莉「気持ち、すごく分かるよ。」
鞠莉「つらいよね。」
206: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:50:28.20 ID:qhC3vQb5.net
梨子「じゃあ!」
鞠莉「でもね、あなたが死んだら天国の善子ちゃんも同じ気持ちになるの。」
梨子「だからそんな事……!」
鞠莉「あるよ。」
鞠莉「昨日善子ちゃんの御葬式だったの、知ってるでしょう?」
梨子「……。」
鞠莉「そこで、彼女のお父さんに会ったわ。」
梨子「……!」
鞠莉「あなたにこれを渡してくれと頼まれたの。」
梨子「……これ?」
鞠莉「善子ちゃんがトラックに轢かれたときに持ってたみたい。」
鞠莉「多分これをリリーに届ける途中だったんじゃないかな。」
梨子「手紙……。」
207: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:51:04.70 ID:qhC3vQb5.net
『リリーへ
本当にごめんなさい、私はあなたを傷つけた。
私はあなたと手を繋いでいるところをクラスメイトに見られて、それが尾ひれのついた噂になって虐められてた。でも、幸いあなたの事はバレてなかったみたいなの。
このまま一緒に居たらあなたまで虐めのターゲットになりかねない。だからと言ってこの話をあなたにしても、あなたは絶対に私と別れてくれないと思ったの。
だって、あなたは優しいから……。
だから私は嫌われようと思った。
それでこんな事になってしまったの。
208: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:51:31.55 ID:qhC3vQb5.net
わがままでごめん、めちゃくちゃな事言ってごめん。私は今、心が張り裂けそうなの。
虐めが辛いんじゃない、あなたを傷つけた事が。
やっぱり、リリーやAqoursの皆に相談するべきだった。頼るべきだった。
私は馬鹿だったから今更気がついた。
許してもらえないと思うし、今まで通りの関係に戻れないかもしれない、自己満足だとも思う。
でもどうしても謝りたかった。
本当にごめんなさい。
手紙なんかじゃなくて直接謝らないといけないのは分かってる。
でも、どうしても怖くて……。
本当に本当にごめんなさい。
209: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:52:10.16 ID:qhC3vQb5.net
最後に。
もしかしたらあなたに何かを伝えられるのは最後かもしれないから、一つだけわがままを言いたいの。
それは
"あなたに、ずっと輝いていて欲しい"
私はあなたをずっと愛してます。善子』
211: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:53:28.46 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……。」
梨子「……。」
梨子「私も……。」
梨子「愛してる……!」
梨子「う……うぅ……。」
梨子「ひぐっ……うっ……。」
鞠莉「本当にわがままだよね。」
梨子「っ……うん。」
鞠莉「……でも私達も、皆にわがままを言ってきた。」
鞠莉「だから私達は、仲間のわがままに答えないと。」
212: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:53:59.00 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……うん!」
鞠莉「梨子ちゃん、あなたは生きないといけないの。」
鞠莉「生きて輝かないといけない。」
鞠莉「それが善子ちゃんの願いだから。」
鞠莉「そして、私達の願いでもあるから!」
214: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:56:12.06 ID:qhC3vQb5.net
梨子「……。」
梨子「うぅ……!」
梨子「う、うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」
梨子「あぁぁぁあ!!!」
梨子「ひぐっ……、善子ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
梨子「好きいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
梨子「愛してるよぉ!」
梨子「うあぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
鞠莉「もう!リリー!」
鞠莉「笑わないと駄目だよ?」
鞠莉「……きっと天国の善子ちゃんも恋人の泣き顔なんて見たくないから。」
216: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 22:57:07.96 ID:qhC3vQb5.net
終わり。
220: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/03(月) 23:09:24.37 ID:WV3xs+ou.net
死ネタは嫌いじゃないけどやっぱり生存を望んじゃうね
何はともあれ乙!
232: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2016/10/04(火) 00:05:51.90 ID:rS7AbYYP.net
なんとも言えんというか喪失感が凄い
ただこういう作風のssもあっていいと思う
善子「リリー、大好きよ……。」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1475323485/