1: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:17:59.65 ID:3GXlLi+S.net

少女「?」

海未「…すみません、人違いでした。では」


それにしてもよく似ている。小さい頃に


少女「あ、ママ!」

「ダメよ?勝手に走って行っちゃ。……すみませんでした」

海未「いえ」

少女「待って!」

海未「え?」

少女「あげる!…飴」



2: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:18:59.44 ID:3GXlLi+S.net

海未「あぁ…」


子供と話すときは目線を合わせてあげないと…


海未「ありがとう」

少女「じゃあねー」



穂乃果「へぇ?私に似てる子かぁ」

ことり「妹がいたなんてぇ~」

穂乃果「妹はいるけどね…」



3: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:19:54.83 ID:3GXlLi+S.net

海未「食べます?飴。ちょうど3つあるんですよ」

穂乃果「わーい!もらうね」

ことり「シュワシュワ~~♡」コロコロ

海未「…」カリっ

穂乃果「あー!海未ひゃん、もうかじっちゃったの?!コロコロ…もったいない」

海未「えっ?」

ことり「焦っちゃダメだよ~」コロッ コロッ

海未「…」ボリッ..

海未「…」



5: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:20:55.38 ID:3GXlLi+S.net

久しぶりに会っても変わらない。話しの内容はあの頃の事

少し変わったのは将来の話をするようになったこと

将来 一般的な女性は結婚して子供を産んで育てていく

第二の人生を始めることは幸せなのでしょう でも私はまだそんなことは

帰り道、今朝と同じ道を通った


少女「……あれ?」

海未「おや…」



6: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:21:37.94 ID:3GXlLi+S.net

少女「また会ったね」


目線を合わせないと…


海未「よいしょ…。…お母さんと一緒じゃないんですか??」

少女「うん」

海未「もう暗くなりますから早くお家に帰りなさい」

少女「…どうしてお姉ちゃんは敬語……なの?」

海未「…うむ、何故ですかね…。意識したことはありませんでした。癖…ですかね」

少女「ふーん…」

海未「さぁ」



8: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:22:19.59 ID:3GXlLi+S.net

少女「ママと喧嘩した…」


あぁ これは長くなりそうです
脈路もなく突然こうして突拍子もない事を こんなところもどことなく似ている


海未「…どうして?」

少女「引っ越し、しなきゃいけないんだって」

海未「…」

少女「お友達と離れるのイヤだから、やだって。でもしょうがないからって…でもイヤなんだ…」

海未「そう…」



9: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:23:15.69 ID:3GXlLi+S.net

なんと言ってあげればいいのか分からない
子供には理解できない大人の事情というものがある事

そして例え友達と離れる事になってもその記憶と思い出はキラキラと輝いた宝物になる事も


少女「…らららんらん…らららんらん…」

海未「?!」


少女「らーらーらー……らーらーらーらららー…」


らららん、らららん…え? どうしてこの曲を?


海未「その歌、知ってるよ」



10: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:23:52.52 ID:3GXlLi+S.net

少女「あれ?なんで敬語やめたの?」

海未「へっっ?!あ、いやぁ……つい…」

少女「私が子供だから?」

海未「…まぁ…そういうことです。それにさっき言われてので…つい」

少女「いいよ!じゃあ敬語キンシね」

海未「はぁ……。…って違う違う!もう帰らないと…お母さん心配するから」

少女「イヤだ」

海未「参りましたね…。私は帰りますから」



11: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:24:35.60 ID:3GXlLi+S.net

少女「また敬語だー!!」

海未(ウガー!!!!!)

海未「…」

少女「…?」

海未「家まで送るから」

少女「…うん」


どうしてこんな事に…
せめて穂乃果達がいてくれれば相手をしてくれたでしょうに



12: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:25:20.21 ID:3GXlLi+S.net



「あぁ…わざわざありがとうございました…ほら、お礼して?」

海未「いえ、たまたま通りかかっただけですから。帰り道でしたし」

少女「え?お姉ちゃんもお家この辺なの???」

海未「えっ………」

少女「じゃあさ明日も待ってるから遊んでよ!」

「こらこら…困らせないの…」

少女「いいでしょ?!」

海未「…」



13: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:26:05.17 ID:3GXlLi+S.net

少女「…もう遊んでくれないの……?」

海未「明日も同じ時間に通るとは限らないですからね…」

少女「じゃあさ」

海未「それに。お母さんを困らせるのはいけませんよ」

「そうよねぇ…」

海未「……え?」

「実はもうすぐ引っ越すんです。だから荷造りやらなんやらで構ってあげられなくて」



14: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:26:38.27 ID:3GXlLi+S.net

海未「そうでしたか…」

少女「…」

「…」


仕方ないですよね 聞いてしまった以上は
そうです、穂乃果やことりも誘って一緒なら…


海未「…では…明日、朝10時に迎えにきます。いいですか?」

「…まぁ」

少女「…うん!!」



15: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:28:02.08 ID:3GXlLi+S.net

はぁ 夕食までご馳走になってしまうとは
それにやっぱり子供は苦手です。だいたい何をして遊ぶものなんですかね

海未「そうだ。2人からの連絡は…?」ポチ

海未「はぁ…ほっとしました。2人が来てくれるというなら安心ですかね」



穂乃果「おっはよー!」

ことり「おはよ。それにしても海未ちゃんからお誘いがあるなんて珍しいよね?」

海未「あぁ…」

少女「…」ヒョコッ



16: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:28:43.16 ID:3GXlLi+S.net

ことり「ん?」

穂乃果「ほぇ?」

少女「…」

海未「…」

穂乃果「海未ちゃん。……その女の子は?」

ことり「ハッ………!!!!………」

海未「実は…」



穂乃果「なんだぁ~びっくりしたよ」

ことり「本当に!!心臓止まっちゃったよ…でも穂乃果ちゃんにそっくりだね?かわいー♡」



17: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:29:04.01 ID:3GXlLi+S.net

少女「えへへ…ほんとだ」

海未「そういうわけなので、宜しく頼みます。さっ、行きますか」

ことり「どこに?」

海未「え?あ………決めてませんでした」

穂乃果「えー?海未ちゃんが誘ったのに??本当は穂乃果達に決めさせようとしたんでしょ」

海未「ち、違いますよ…」

少女「遊園地がいいなぁ…」

ことり「遊園地かぁ。いいね!」



18: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:29:39.75 ID:3GXlLi+S.net

穂乃果「いいねぇ!私達も久しぶりだし!じゃあ決定~!」

遊園地… これなら楽しんでくれそうですね
それにしても2人がいるだけでもこれほどまでに違うとは。2人が繋いでくれれば

少女「はやく!」ギュ

海未「あ!ちょっと走らないで…」

穂乃果「おぉ~元気だねぇ~!」

ことり「なんか3人の子供みたいだねっ」

穂乃果「ぇえ…」



20: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:30:01.95 ID:3GXlLi+S.net



ことり「着いた着いた♩」

少女「お腹すいた…」

ことり「かわいい♡」

海未「ではどこかでお昼にしましょうか」

穂乃果「ちょっとトイレ…」

ことり「あ、私も~」

海未「私も…」



21: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:30:45.86 ID:3GXlLi+S.net

ことり「海未ちゃんは後で。1人になっちゃうでしょ?」

海未「そんなぁ…」

少女「?海未ちゃんもお腹すいてるの?」ポンポンッ

海未「うっ…お腹を押さないでください……」

えっ?今…海未ちゃん…と?」

少女「あははっ!海未ちゃんのお顔変な顔になってる~!」キャハハッ!

海未「…ちょっ!やめてください…恥ずかしいですから……」

海未「ふふ…っふふふ」



22: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:31:33.17 ID:3GXlLi+S.net

少女「おもしろーい!!」

なんでしょうか この気持ちは…
少しだけ慣れてきたのかもしれません



少女「美味しい!」クルクル

海未「ほら…口にケチャップついてますよ…」フキフキ

ことり「…」モグモグ

海未「あー、今度はこぼしてます…ヒョイパクッ」



23: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:32:08.40 ID:3GXlLi+S.net

穂乃果「…」モグモグ ジ-

少女「海未ちゃん全然食べてない。まだお腹痛いの?」

海未「え?あなたがちゃんと食べてくれないから自分のが食べれないんですよ」

少女「じゃあ私が海未ちゃんに食べさせてあげるー、はいっ」

海未「…」

ことり「…」

穂乃果「…」

海未「…パク」モグモグ..



24: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:32:44.83 ID:3GXlLi+S.net

少女「はやく!次も、はいっ」

海未「ちょっほ…まっへくははい……」モグ

少女「あーん」

海未「あー…モグっ。モグモグ……うんおいひーへふ」

穂乃果「海未ちゃんお母さんみたいだね」

ことり「子供に食べさせてもらってかわいい」クスクス

海未「仕方ないじゃないですか!こうして子供のノリに合わせてあげるのがいいんですよきっと」



26: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:33:38.40 ID:3GXlLi+S.net

海未「それにお母さんだなんて…やめてくださいよ」

海未「…この子の………。………」

穂乃果「…?どしたの?」

海未「えっと……名前は……?」

少女「…」

ことり(あっ 確かに)

海未「……名前はなんというのですか?」

少女「…」



27: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:34:04.00 ID:3GXlLi+S.net

穂乃果「お名前は?なんていうの??」

ことり「…?」

少女「…言わないと、ダメ?」

海未「…」

穂乃果「…」

ことり「うーん…」

海未「いえ。大丈夫ですよ」

少女「…」



28: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:34:58.20 ID:3GXlLi+S.net

穂乃果「海未ちゃん…」

ことり「まぁまぁ。みんな食べ終わったし、乗り物乗ろっか」

少女「うん!」ダ-ッシュ!

海未「あ!待てー!」タッタッタッ..


穂乃果「どうしたんだろう?」

ことり「んー…まぁいいんじゃないかな。……海未ちゃんは少しだけ寂しそうだったように見えたけど」

穂乃果「分かった!キラキラネームだったり?!」

ことり「」

穂乃果「ん?」



29: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:35:34.49 ID:3GXlLi+S.net

少女「あれ!あれ乗りたい!!」

海未「……ジェットコースター…ですか…」

穂乃果「わーい!私大好きー!」

ことり「私もー!」

少女「はやく!!」グイグイ

海未「あぁっ ちょっと待ってください……今乗ったら食べたものが」

穂乃果「じゃあ海未ちゃんはこの子と隣ね!ことりちゃーん!隣!」



30: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:36:10.56 ID:3GXlLi+S.net

ことり「海未ちゃんはちゃんと見ててあげてね」

海未「分かってますよ!……」

少女「…怖いんでしょ?」

海未「違います」

穂乃果「くっくっく…」

ことり「海未ちゃんはジェットコースター嫌いだよねぇ。いっつもなんやかんや理由つけて待ってるって言うもんね~」

海未「違いますってば!」



31: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:36:55.51 ID:3GXlLi+S.net

< キャー!!!……

海未「…」チョロ.

ことり「でもここのは結構怖そうだね…」

穂乃果「大丈夫?」

少女「へーきだよ!」

穂乃果「おぉ…すごいね~」

ことり「海未ちゃんの手握ってあげててね」

少女「しょうがないなー」

海未「」



32: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 03:37:31.08 ID:3GXlLi+S.net

ヒィぃいい~~~!!!!!!・・・・・・・・・

………
……




50: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:42:03.95 ID:qhZI+8pt.net

それから日が暮れるまで遊んでしまっていました
不思議と 子供への苦手意識も消えて気づけば穂乃果もことりも

私も子供のように乗り物に乗ってはしゃいで



穂乃果「じゃあ」

海未「ええ。今日はありがとうございました」

ことり「楽しかったー??」

少女「うんっ!すっごく!… また会えるといいなぁ…」

穂乃果「もちろんだよ!次も海未ちゃんにどこ行くか考えてもらおーっと!」

ことり「あ、それさんせーい」

海未「まったく… さぁ」

少女「バイバーイ!!」



51: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:44:47.29 ID:qhZI+8pt.net



2人が帰ったあと 少しだけ心配でした

会話が続くか いえ。会話は続きます
何故なら彼女が勝手に喋りかけてくるから

心配なのは楽しい会話になっているかどうか

彼女も話しかけはするものの私の返事の卒なさに物足りなさを感じているのでは

そんなことを考えると少し胸が苦しくなるような気がして

2人が帰ったあとだからいつもと違う、もっと友達らしい会話ができるように心構


 
『…何でなのよ!!!!…………』


  
海未「…?!」

少女「…」



52: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:45:54.86 ID:qhZI+8pt.net

海未「この声…どこかで」

少女「海未ちゃん」

海未「…はい?」

少女「ここで大丈夫だよ。もうお家すぐそこだから」


声色が少し曇っているように見えました

日も暮れ街灯しか頼りのない中でどんな顔をしているか想像できてしまって

そう さっきの声は…


少女「…ここでいいってば」

海未「…」



53: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:48:53.70 ID:qhZI+8pt.net

少女「楽しかった。…また……ううん… バイバイ」

海未「…」


そういうわけにはいかない…と言い出せない自分がいて
きちんと家の玄関まで送るべき。こういう場面では、と

しかし か細い声で手を振りながら少しずつ離れていく彼女にも見せたくない事がある事を察してしまって

今日縮まった距離をどうすれば保ったまま別れられるか分からないまま背中が見えなくなるまで見送り



夜、床に着いてもずっと考えた

引っ越し

大人になってからは珍しくもない事

でもあの歳でのそれは、もしかしたら人生を左右するかもしれないことで

当然彼女だけでなく両親だって揉めるでしょう

そんな両親の姿を家の中で見てしまうであろう彼女の事を考えると妙な感情が生まれた



54: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:50:14.23 ID:qhZI+8pt.net

翌日


…あ、いました


海未「おはようございます」

少女「あ…」

海未「…?」

少女「っ…」スタスタ

海未「えっ ちょっと…?」


私に気づくなり逃げるように家の方に帰っていく
何故です…?

次の日も… 毎日行くのも気が引けるので1日間隔をあけてまた同じ道を通って

それでも同じように私を見つけると去っていく



55: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:52:31.41 ID:qhZI+8pt.net

意味が分かりませんでした

と、気づけば1週間が経とうとした時にまるでこれではストーカーの様ではと思い その日から彼女のいるその道をわざと通らないようにしました



<全然連絡ないけど


あぁ…って え?もしかしてそんなに期待して待ってたんですか?


<すみません。色々あって彼女と会えなくて

<喧嘩でもしたの?

<まさか海未ちゃん、子供相手にも関わらずガミガミ言ったんじゃ…

<そんな事してません!

<そっかあ…


と言っても今日で10日 もしかしたらもう引っ越したのではと思いました

私なりに色々考えて、もしかしてあの日 遊園地に行った日にやはり玄関先まで送らなかった事にもしかしたら親御さんが怒って会うのを止められているとか…

でもあの場の雰囲気で無理やり家まで送るのも彼女が嫌がるような気もしましたし

…と何度も頭の中で繰り広げた自問自答に嫌気がさして穂乃果達からの連絡を無視しました


海未「…明日、もう一度だけ行ってみますか。…最後…」



56: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:54:01.94 ID:qhZI+8pt.net

翌日


少女「海未ちゃん…」

海未「あっ」

少女「…」

海未「…?」

海未「今日は……逃げないのですか?」

少女「逃げてたわけじゃないよ。…」

海未「そうですか」


理由なんてどうでもよくなった
またたわいもない話を喋りかけてきてくれないかと思っていたのに


少女「今日が最後だから…」


え…



57: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:55:58.42 ID:qhZI+8pt.net

少女「もしかしたら今日は会えるかもって思って。海未ちゃんがまたこの道通るかもって思って…待ってたの」

海未「…」


こんな再会を求めて来たわけではなかった

無邪気に話す彼女の笑った顔が見たくて、引っ越すまでの間近くの公園ででも遊んだりして

ちゃんと引っ越していく彼女の背中を見送りたかった
私なりの気持ちを何か形にしてあげたりもしたかった

それが今のこの空気ではとても想像していた和やかな最後にはならなそうで

無理にでも時間をもらう方法は…な


少女「っ…」タッ

海未「?!どこに…?!そっちは家の方向では………」



58: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:57:49.69 ID:qhZI+8pt.net

海未「……待って!!」

少女「っ……はぁっ…」


子供の走るスピードなんて…


海未「どうしたんです……いきなり走り出したら危ないじゃないですか…」

少女「………遊園地…行きたい……から」

海未「…え」


救われた気がしました

時間がない中で彼女にしてあげられる事…

こうして話さずに空いてしまったわずか10日間ほどを埋めるために何か口実を考えなければと思っていたのに…

また突拍子もない事を言い出して
私の手を引く小さな手に救われた気がしました



59: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 04:59:34.16 ID:qhZI+8pt.net



<一応連絡しておきます。彼女は明日引っ越すみたいです。突然ですけど

<えー??????私も穂乃果ちゃんも急に言われても会いに行けないよぅ

<よかったね海未ちゃん。会えたんだね

<はい

<今日が最後なのでまた2人で遊園地に行ってきます

<え?また?

<はい


海未「なんでも…乗りたかった……ものが……あったみたいで……と」ポチポチ..

少女「何してるの?」

海未「穂乃果とことりに連絡してるんですよ。2人供、また会いたかったと言ってましたよ」



60: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:00:30.55 ID:qhZI+8pt.net

海未「それより、お母さん達に連絡しなければいけませんよね」

少女「もう言ってあるよ」

海未「え?会えるかも分からなかったのにですか?」

少女「これ」サッ

海未「え… スマホ持ってたんですか………………」

少女「うん」

海未「それ……早く言ってくださいよ……」


私がどれだけ悩んだと思ってるんですか…


海未「れ、れ、 連……、えーーっと…」

少女「なんて言ったの?」

海未「いや…その、………いや」


海未「なんでもありません」



61: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:01:23.72 ID:qhZI+8pt.net



少女「着いた!」

海未「今日は少し空いてますね」

少女「お腹空いた…」

海未「またですか」

少女「あ!風船もらえるよ!!来て!」

海未「待って」


今なら自然に…


海未「迷子になったらいけませんから。手」

少女「……うんっ」ニコ



62: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:02:52.14 ID:qhZI+8pt.net



海未「お土産、何か買いますか?」

少女「いいの?!」

海未「えぇ。最……、…記念に」

少女「じゃあ~…」



海未「またあれ、乗りますか」

少女「ジェットコースター?いいの?」

海未「えぇ」

少女「怖くないの?怖いでしょ?無理しなくてもいいよ?」

海未「だから平気ですってば。それにまた〇〇に乗りたかった~など言っても。………」

少女「……うん」

少女「じゃあ、並ぼう?」

海未「……はい」



海未「少し疲れましたね…。あそこに座りましょう」

少女「えー?」

海未「ゆっくり景色を眺めるのも悪くないですよ」

少女「分かったよ…おばちゃん海未ちゃん」

海未「はいはい…」



63: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:04:30.87 ID:qhZI+8pt.net

少女「…」

海未「…」

少女「…」

海未「今日は、少し早めに帰りましょうか。また心配をかけてしまうのも悪いので」

少女「……うん」


何を話しましょうか
………もう日が暮れますね

いやいや いえ、もしかしたら今はこのまま静かに時間が流れるのを待つのもいいのかもしれませんね

…最後、なんですかね


少女「え?」

海未「え?」

少女「うん。最後…かもね」



64: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:05:32.62 ID:qhZI+8pt.net

海未「え?今私、何か言ってました?」

少女「最後なんですかねって」

海未「あ、あぁ!あの~……あれです。最後というのは え~………えっと。え~…と」

少女「…」


少女「……もう座ってるの飽きた。よっ」

海未「えっ」

少女「並ぼう?観覧車」

海未「…はい」



65: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:06:11.94 ID:qhZI+8pt.net



海未「一周15分ですか」

少女「15分?意外と長い」

海未「そうですか?」

少女「また座ってられるね!」

海未「そうですね。別に座るのが好きなんじゃないんですけどね、ふふっ」

少女「1人で笑ってる…」



海未「…」

少女「見てみて!高いよ!夕焼けも綺麗!」

海未「えぇ」

少女「わ~……」



66: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:07:38.26 ID:qhZI+8pt.net

海未「…」

少女「高いところ怖い?」

海未「いえ?平気ですよ」

少女「そっか!」

海未「…」

少女「楽しかったなぁ…」

海未「そうですか。……よかったです」

少女「うん」

海未「…」

少女「…」

海未「…」

少女「また来たいな」

海未「…」



67: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:14:41.97 ID:qhZI+8pt.net

少女「最後じゃないよね?」

海未「…はい」


 
幼い頃の約束なんてきっと大きくなったら忘れて


  
少女「今日海未ちゃんに会えなかったら嫌だった」

海未「……どうして?」

少女「海未ちゃんは会わなくてもよかった?」

海未「………いいえ」

少女「会えてよかった?」

海未「はい、」


   
これからたくさん友達が出来て また新しい景色を見て


    
少女「本当はもっと遊びたかったな。海未ちゃんはお家の近くに来てくれてたのに」

海未「…」

少女「お母さんに、あんまり迷惑かけると嫌われちゃうよって」

海未「…」

少女「でもあとちょっとしか会えなくなっちゃうから、海未ちゃんの顔 ちょっとでもいいから見たくて」

少女「だから毎朝待ってたんだ」


   
そうだったんですね 嫌われたわけじゃなかったんですね


      
少女「…」

海未「…」

少女「この歌 知ってる?」

少女「~♪」


     
歌を歌えば ほら 心にある蕾は 花を咲かせる


          
海未「っ……、あの………」

海未「名前を教えてください」



68: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 05:15:09.29 ID:qhZI+8pt.net

終わり、



70: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 06:05:26.98 ID:F4keZjmo.net

全体的にやさしかった




73: 配布UR小泉花陽(さくらんぼ)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 10:03:35.90 ID:Mjsjvilo.net

ちょっと切ないけど心温まる優しいお話



元スレ
海未(22)「穂乃果?穂乃果じゃないです……か…??ん?……穂乃果じゃありませんね」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1483467479/