1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:53:22.22 ID:oB0ZBHyW0

岡部「んぬッハハハハハ! 助手よぉ、相変わらずの出目だなぁ!」

紅莉栖「くっ……! 岡部のくせに……! さっきからチートでも使ってるんじゃないの?!」

岡部「ふん! この魔手に宿る能力、『財宝を生み出す智将(スキル・アンドヴァラナウト)』を舐めるでない!」

まゆり「あ、わーい。阪神優勝したよー」

岡部「ぐぬぅっ!?」

ダル「あー、オカリン乙。さっきの物件見逃さなけりゃ……」

紅莉栖「ぷふっ、智将(笑)」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:54:32.47 ID:oB0ZBHyW0

ダル「んお、もうこんな時間とな」

紅莉栖「あら、気づかなかった。やっぱりゲームしてると時間の感覚が狂うわね」

まゆり「それじゃ、まゆしぃはそろそろおいとまするのです」

岡部「む、そうか。途中まで見送ってやろう」

まゆり「大丈夫だよー。オカリン最近色々忙しかったから、ゆっくり休んで」

岡部「しかしだな……」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:55:36.29 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「心配なら私が途中まで送るわよ。あんたはさっさとシャワーでも浴びて寝てなさい」

岡部「ぐっ」

ダル「牧瀬氏マジ本妻オーラぱねぇっす。そしてさよならのキスプリーズですねわかりますん」

紅莉栖「脳の皺一つずつ広げていってやろうか?」

ダル「ンギモッヂイイイイイイイ!!!」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:56:45.61 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「それじゃ、おやすみなさい」

まゆり「オカリンまた明日ねー」

岡部「うむ、気を付けて帰れよ」

ダル「乙ー」


パタン



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:57:22.91 ID:oB0ZBHyW0

ダル「ほほぅ、それぐらいのことでわざわざ短期バイト登録したアカウントはこちらですか」

岡部「ぐぬっ?! き、貴様、何故それを……?!」

ダル「オカリン……一応このマシン設定してんの僕なんだし、履歴ぐらいは管理してたほうがいいと思われ」

岡部「……俺だ。ついに我が右腕がこの俺に反旗を翻した。これも機関の懐柔によるものなのか……?!」

ダル「だめだこいつ、はやくなんとかしないと」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:58:32.03 ID:oB0ZBHyW0

ダル「で、そんなに稼いでなんの準備したん?」

岡部「き、貴様には関係ないだろう」

ダル「牧瀬氏との夜のランデブーですかそうですか爆発しろ」

岡部「ええい黙れ! 彼女持ちの貴様に言われたくないわ!」

ダル「フヒヒwwwwwwウィッスwwwwwwwサーセンwwwww」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 22:59:28.95 ID:oB0ZBHyW0

ダル「て、オカリンこそ牧瀬氏とようやくくっついた癖になに言うのん」

岡部「ぐぬぬ……」

ダル「昨日も牧瀬氏迎えに行って、そのまま今日同伴出勤とかマジなんなん。見せつけるにもほどがある。訴訟」

岡部「ぐぬぬ……」

ダル「べっつにいいけどぉ? さすがに目の前で見せつけられたらソウルジェム真っ黒になるレベル」

岡部「ぐぬぬ……」

ダル「オカリン天丼は2度までなのだぜ」

岡部「うぎぎ……」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:00:36.69 ID:oB0ZBHyW0

ダル「で、どうせ高級ホテルとかとって朝までギシアンコースですねもげろ。僕は由季たんに慰めてもらってくるお」

岡部「ギシアンなぞするかHENTAI!」

ダル「へ?」

岡部「ん?」



14: 5,6の間 2012/10/08(月) 23:02:04.20 ID:oB0ZBHyW0

岡部「ああ、やれやれ……」ドサッ

ダル「オカリンマジ乙。昨日結局あんま寝てないんじゃね?」

岡部「んん、そんなことはないが……」

ダル「牧瀬氏も急に帰国決めるとかマジ鬼畜ですしおすし。オカリンの寿命がストレスでマッハ」

岡部「別に大したことはしてはいない。精々遊び道具や食料など買い足してたぐらいだろう」



15: 12から 2012/10/08(月) 23:03:59.38 ID:oB0ZBHyW0

ダル「え、いや……しないん?」

岡部「そ、そんなこと改めて聞くな!」

ダル「いや、だって、するだろ、JK。嫁と一晩一緒なんだろ?」

岡部「嫁て……俺はそこまでがっつかんわ馬鹿者」

ダル「……んん?」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:05:41.34 ID:oB0ZBHyW0

ダル「……オカリン、牧瀬氏と付き合ってるんよな?」

岡部「ぬ……う、うむ……」

ダル「で、昨日半年ぶりぐらいに会って、同じホテル泊まって?」

岡部「……」

ダル「……もしかしてなんもしてないん?」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:08:00.52 ID:oB0ZBHyW0

岡部「……き、キスぐらいなら」

ダル「生殺しでしょそれ」

岡部「ぐっ……」

ダル「……まさか、告白してからは?」

岡部「……」

ダル「……oh。オカリン、性別どころか人間かすら疑うレベル」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:09:27.07 ID:oB0ZBHyW0

岡部「し、仕方ないだろう! あいつとて帰国直後で疲れてたし、無理強いなぞできん!」

ダル「いやいやいやいや、僕らと別れ際の牧瀬氏、あからさまキラッキラにwktkしてたじゃん」

岡部「な……」

ダル「やー、さすがに気づいてないとかはナシな。あれで気づかんとかラノベ主人公でもないわー」

岡部「……」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:11:14.83 ID:oB0ZBHyW0

ダル「なんつーかさ、オカリン牧瀬氏の事、変な方向で気遣いすぎじゃね?」

岡部「む」

ダル「普段あんだけ痴話喧嘩してんのに、たまに壊れ物触るみたいにびびったり、牧瀬氏そこまでやわじゃないと思うの

ぜ?」

岡部「それは、そうだが……」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:12:57.38 ID:oB0ZBHyW0

ダル「別に愛想つきたとかじゃないんでしょ?」

岡部「そ、そんなことはない!」

ダル「じゃあいいんじゃね。多少強めに行っても、牧瀬氏ならマジで嫌だったらちゃんと言うし。つかオカリンがヘタれすぎ

んのな」

岡部「ぐぅ……」

ダル「付き合ってそれなり経って、同じ部屋泊まって手すらださんとか、マジ遺伝子レベルで本当に男か調べるべき」

岡部「や、やかましい!」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:15:03.88 ID:oB0ZBHyW0

ダル「まぁ、オカリンがいいなら別にいいけど……結局、なんなん? ぶっちゃけオカリン、牧瀬氏と会ってからちょっと異常っしょ」

岡部「……」

ダル「まゆ氏への過保護さが増した上に、牧瀬氏には最初からクライマックス状態だし……なんかあったん?」

岡部「……あの時、俺は」

岡部「紅莉栖と出会った、俺達は……あの夏……」



岡部「……いや、なにもなかったさ。なにもな」

ダル「オカリン……」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:16:48.03 ID:oB0ZBHyW0

岡部「ほら、もう遅くなった。お前もそろそろ帰るがいい」

ダル「……わかったお。んじゃ、乙」

岡部「ああ、おやすみ」

ダル「あ、そうそう。そんなオカリンに、プレゼントだお」

岡部「ん?」

ダル「はいこれ」

岡部「……近藤さんなど持ち歩くな!!」

ダル「ホポショイwwwwwwオカリン脱童貞支援とか、マジ優しすぎワロスwwwwwじゃあのwwwwwww」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:18:22.47 ID:oB0ZBHyW0




バタン

岡部「……」

岡部「……馬鹿が……」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:19:44.85 ID:oB0ZBHyW0






まゆり「わー、星が綺麗だねぇ」

紅莉栖「そうね。この時期は空気も冷たくなってるから、空が透き通って見えそう」

まゆり「えっへへー。綺麗な夜にクリスちゃんとデートなのです」

紅莉栖「ふふ、光栄ね」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:21:17.53 ID:oB0ZBHyW0

まゆり「ねぇクリスちゃん、最近オカリンとどうかな?」

紅莉栖「ふぇっ? どうって……」

まゆり「あのね、まゆしぃ、なんだか最近、クリスちゃんが元気ないなって思うのです」

紅莉栖「そ、そんなことないわよ。それに最近って言ったって、こっちにきたばかりじゃない」

まゆり「んー。なんていうかね、電話でお話ししてた時からっていうか、なんだかすっきりしないのです」

紅莉栖「……」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:22:57.13 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「……別になんでもないわよ」

まゆり「なんでもないことないよー。クリスちゃんがそんなだと、まゆしぃは心配なのです」

紅莉栖「まゆり……」

まゆり「……やっぱり、オカリンのことなのかな?」

紅莉栖「っ……」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:24:30.80 ID:oB0ZBHyW0

まゆり「えっへへー。まゆしぃはオカリンのことならなんでもわかるから、聞いてくれていいんだよ?」

紅莉栖「……」

まゆり「クリスちゃんと一緒にいるオカリンはすごく楽しそうで、それを見るまゆしぃもとっても幸せだから」

まゆり「だから、クリスちゃんも笑ってオカリンの隣にいてくれると、まゆしぃは嬉しいのです」

紅莉栖「……うん。ありがとまゆり」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:25:38.17 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「……まゆりはさ。岡部の態度、どう思う?」

まゆり「オカリンの?」

紅莉栖「なんていうか、いっつも憎まれ口叩く癖に、たまに妙に優しくなるというか、どこか距離を作ってくるというか……」

まゆり「んー……」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:27:27.20 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「……岡部から歩み寄ってくれて、やっと近づけたのに、それでもこれ以上近づけなくて……」

紅莉栖「その、付き合ってるっていっても、なんだか形だけな気がして……」

紅莉栖「岡部は、正直、私のことなんて、それほど意識してなかったのかなって……」

まゆり「それは違うよー」

紅莉栖「え?」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:29:26.94 ID:oB0ZBHyW0

まゆり「オカリンはねぇ、興味ない人に、あんなに必死にならないんだよ」

紅莉栖「でも……」

まゆり「オカリンは、クリスちゃんのことを大事に考えすぎなんだと思うな」

紅莉栖「どういうこと?」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:31:14.41 ID:oB0ZBHyW0

まゆり「すごく紅莉栖ちゃんが大切で、本当は傍にいたいと思ってるけど、クリスちゃんの迷惑にならないかなーって、き

っとそんなこと考えてるんだよ」

紅莉栖「別に、私は迷惑だなんて……」

まゆり「それを、オカリンに言った?」

紅莉栖「それ、は……」

まゆり「うん、オカリンからそんなこと言わないもんね。だから、これはオカリンも悪いのです」

紅莉栖「まゆり……」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:33:15.46 ID:oB0ZBHyW0

まゆり「だから、クリスちゃんはそんなに気を張らなくていいと思うな。オカリンは、いつだってクリスちゃんのこと考えてくれてるから」

紅莉栖「……まゆりは、優しいわね」

まゆり「そんなことないよー。まゆしぃはみんなが笑顔でいてくれるのが一番なのです」

紅莉栖「ふふっ……サンクスまゆり」

まゆり「えへへー。どういたしまして」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:34:53.35 ID:oB0ZBHyW0

まゆり「それじゃ、そろそろ電車きちゃうから」

紅莉栖「ええ。それじゃ、また明日ね」

まゆり「うん。クリスちゃんばいばーい」

紅莉栖「グッナイまゆり」




紅莉栖「……」

紅莉栖「岡部の気持ちかぁ……」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:36:28.47 ID:oB0ZBHyW0






紅莉栖「またラボに戻ってきちゃったわけだけど……」

紅莉栖「これは一種の思考実験の観測のためであって他意はない。うん」

紅莉栖「べ、別に岡部の気持ちを問いただそうとか、そういうのは全然ないから!」

紅莉栖「……」

紅莉栖「……さっさと入ろう」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:38:00.66 ID:oB0ZBHyW0

ガチャッ

紅莉栖「は、ハロー岡部! どうせまだ寝てないだろうから喝入れに戻ってきただけで別にあんたに聞きたいこととか全然ないけどとりあえずちょっと話があるからとりあえずそこに……」



紅莉栖「……いないし」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:39:29.72 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「まったく電気もつけっぱなしで……買い物でも行ってるのかしら?」

紅莉栖「全く、白衣も脱ぎっぱなし……って、濡れてるじゃないの」

紅莉栖「ああ、机の上のボトルひっくり返したのね……ドジッ子乙」

紅莉栖「もう、乾かすなら干しとかないとしわになっちゃうじゃない」





紅莉栖「……岡部の白衣……」ゴクリ



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:41:35.61 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「まったく電気もつけっぱなしで……買い物でも行ってるのかしら?」

紅莉栖「全く、白衣も脱ぎっぱなし……って、濡れてるじゃないの」

紅莉栖「ああ、机の上のボトルひっくり返したのね……ドジッ子乙」

紅莉栖「もう、乾かすなら干しとかないとしわになっちゃうじゃない」





紅莉栖「……岡部の白衣……」ゴクリ



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:42:25.23 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「……いや、待つのよ牧瀬紅莉栖。これは罠。いつ岡部が帰還するかわからないリスキーな状況で、これはあま

りに無謀」

紅莉栖「でも、昨日のおあずけ食らってからのこのトラップ……これはあまりにも強大……!」

紅莉栖「落ち着くのよ……KOOLになりなさい牧瀬紅莉栖……!」





紅莉栖「……」

紅莉栖「……ちょ、ちょっとだけなら」

紅莉栖「少し、ほんの少しだけ、その、さきっちょだけだから!」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:43:42.20 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「……岡部の白衣……」

紅莉栖「……あう」

紅莉栖「はぁ……岡部の……」ぎゅうぅ



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:47:24.24 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「んー……岡部ぇ……」すりすり

紅莉栖「岡部の匂いが……んふぅ……」

紅莉栖「んっ……岡部……」

紅莉栖「……ん? なんか固いのが……ポケット?」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:50:11.25 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「んー……よっと」ゴソッ

紅莉栖「あら、これって……まゆりが好きな……」

紅莉栖「……うーぱ? でも、こんな色あったかしら」

紅莉栖「……ああ! そういえばまゆりが、レアなメタルのやつがあるって言ってたような」



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:52:41.21 ID:oB0ZBHyW0

紅莉栖「なんでまた岡部のポケットに……まゆりへのプレゼント?」

紅莉栖「……あれ、私、これって初めてみたわよね……?」

紅莉栖「なんだか、どこかでみたことあるような……それに、なんか物足りない気がするし……」





――ああー、待って待って。名前書かなくちゃ


紅莉栖「……そうよ、確かここに、まゆりの名前、が」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:55:28.92 ID:oB0ZBHyW0

――娘が親より優秀でいい道理などない……っ!


紅莉栖「っ……あ、れ……?」


――俺は、お前を助けられない……っ


紅莉栖「あ、たま……いた、い……っ」


――どこかの世界線の私を、見つけてもらうために……!


紅莉栖「ぅあっ……!!」





――俺は、お前が好きだ



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:57:15.81 ID:oB0ZBHyW0






紅莉栖「……」

紅莉栖「嘘……」

紅莉栖「だって、私……」

紅莉栖「私……私は……」

紅莉栖「ぁ……ああ……」

紅莉栖「ああぁ……っ!」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/08(月) 23:59:15.26 ID:oB0ZBHyW0






ガチャッ

岡部「まったく、ドクペの買い置きを忘れるとは、迂闊だった……」

岡部「よっと……ん? 白衣はソファに掛けてたはずだったが……ずれて落ちたか」

岡部「はやく乾かさねば、この予備が最後だと言うのに……む」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:00:52.09 ID:/3ZgWliK0

まゆり『トゥットゥルー☆ まゆしぃだよー』

岡部「まゆりか。電車には乗れたか?」

まゆり『うん! クリスちゃんといっぱいお話ししちゃった』

岡部「そうか。良かったな」




66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:03:24.77 ID:/3ZgWliK0

まゆり『あのねあのね、クリスちゃん、もしかして近いうちにオカリンにお話があるかもしれないから、ちゃんと聞いてあげてね?』

岡部「話? なんのことだ?」

まゆり『んふふー。内緒なのです。それじゃ、おやすみなさーい』

岡部「あ、こらまゆり!」

岡部「まったく……あいつがなんの話だ?」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:09:32.78 ID:/3ZgWliK0

岡部「確かにあれは価値はあるが、まさかこんなところにあるなんて誰かが知ってるはずもあるまい……」

岡部「……」

岡部「……もしや……?!」



カチッ

『おかけになった番号は、現在電波の届かないところにいるか……』

岡部「くそっ! 紅莉栖!」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:11:20.76 ID:/3ZgWliK0

岡部「はっ…はっ……!」

岡部「(紅莉栖がラボに戻り、なにがあったか)」

岡部「(もし偶然メタルうーぱを発見し、RSが発動したとしたら……?)」

岡部「(気づかない中での世界線移動を恐れ、拠り所としてあいつを持ち歩いていたが、まさかこんなことに……!)」

岡部「(ホテルを既にチェックアウトしてることは確認済み。考えられるところは……!)」



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:13:21.55 ID:/3ZgWliK0

岡部「(駅前に来たが……もしや、既に出た後か……? それとも、俺の取り越し苦労か……)」





ガラガラガラガラ

紅莉栖「あっ……!」

岡部「クリスティーナ……」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:15:02.10 ID:/3ZgWliK0

岡部「……こんな夜中に、スーツケースを持ってどこに行く。終電はとうに過ぎたぞ」

紅莉栖「あ、あんたには……関係ない」

岡部「関係ないことはない。ラボメンの同行を逐一知っておくのが、ラボメンリーダーとしての俺の責務だ」

紅莉栖「ストーカーかおのれは……」

岡部「なんとでもいうがいい。それより答えろ、どこへ行こうとしていた?」

紅莉栖「だ、だからあんたには」

岡部「紅莉栖!」

紅莉栖「っ!」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:17:33.46 ID:/3ZgWliK0

岡部「……どこへ行こうとしていたんだ?」

紅莉栖「お、か……」

岡部「ただの気まぐれならかまわん。俺を毛嫌いしたが故というのも別にいい。だから、正直に教えてくれ」

岡部「お前は、何故、どこに行こうとしていた?」

紅莉栖「……」



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:18:50.47 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「……アメリカに、帰ろうと……明日の、チケット予約して、空港で夜明かししようって……」

岡部「どうして。ラボメンへの報告もなしにか?」

紅莉栖「それは……」

岡部「別に俺に愛想が尽きたのなら、それをぶちまけてからでも遅くなかろう。遠慮する貴様でもあるまい」

紅莉栖「ち、ちがう……そんなんじゃ……」

岡部「じゃあ、どうして」



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:20:17.85 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「……全部、思い出したの」

岡部「……」

紅莉栖「あんたが、まゆりを助けようと必死になって、私のことまでどうにかしようと躍起になって、あんたが傷ついていっ

て」

岡部「……紅莉栖」

紅莉栖「やめろって言ってるのに、あんたは死に物狂いでタイムリープして、どうにかなりそうになって」

岡部「紅莉栖」

紅莉栖「あの時も、私が刺されたのに、すごく辛そうな岡部の顔が……っ!」

岡部「紅莉栖!」



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:21:49.48 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「っ、ごめんな、さい……ごめんね、岡部……!」

岡部「なにを謝る……お前が今謝ることなどないはずだろう」

紅莉栖「だ、って、岡部ががんばってくれてたのに、私は、何も覚えてなくて……お礼だって言えてなくて……」

岡部「礼なら、再開したあの日に聞いた」

紅莉栖「違う……! 今までの世界線で、まゆりと私のためにがんばってくれた、あんたによ…っ」

紅莉栖「それなのに……、今まで見たいに、あんたと目が合わせられなくて……!」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:23:39.93 ID:/3ZgWliK0

岡部「……全て、俺の思うままにやっただけだ。貴様が気にすることはなにもない」

紅莉栖「でも……!」

岡部「ありがとう、紅莉栖」

紅莉栖「!」

岡部「お前のその言葉で、あの夏は、俺にとって以外にも、意味を持つことができた」

岡部「だから……それで十分だ」

紅莉栖「岡部ぇ……っ!」

岡部「ん……」

紅莉栖「ぐすっ……岡部……」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:26:03.47 ID:/3ZgWliK0




岡部「……それで、だ」

紅莉栖「え……?」

岡部「結局、貴様が帰ろうとしていた理由にはなってないわけだが」

紅莉栖「っ……だ、だから、さっき言ったじゃない」

岡部「それだけで急に日本を去る理由にはならないだろう? 少なくとも、何も言わずに出ていくようなお前じゃない」

紅莉栖「……岡部の癖に、変な所鋭いのね……」



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:27:43.14 ID:/3ZgWliK0

岡部「で、結局のところどうなんだ?」

紅莉栖「……け、軽蔑……しない?」

岡部「今更何を。蒙古斑すら確認した貴様が何を言おうとなにもかわらん」

紅莉栖「だからそんなものない!……ほんっとあんたって、空気読もうとしないわよね……」

岡部「フハハ。それこそ今更ではないか」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:29:31.58 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「……全部思い出したって、言ったでしょ?」

岡部「ああ」

紅莉栖「思い出したのは……記憶だけじゃないの」

岡部「……? どういうことだ」

紅莉栖「……元々、人間の脳は、記憶回路の近くに情動を司る回路があって、密接に関連してると言われてるんだけど……」

岡部「待て。能書きはいいから簡潔に話せ」

紅莉栖「だ、だから……」

岡部「ん?」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:32:17.13 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「……あ、あんたが……」

岡部「?」

紅莉栖「あんたを……岡部を好きっていう、感情まで、全部、流れ込んできて……」

岡部「……」

岡部「……。……んぬぅっ……?!」



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:36:10.51 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「岡部と過ごした世界線分の気持ちが、全部一気に飛び込んできて……」

紅莉栖「このままだと、私は岡部といるとき、自分で自分を保てない気がして……」

紅莉栖「岡部の枷になるような存在になりたくなかったから……」

紅莉栖「だから……あんたの顔を見る前に、日本を発とうって……」

岡部「……それが、この結果か?」

紅莉栖「……うん」



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:39:05.00 ID:/3ZgWliK0

岡部「……」

紅莉栖「……」

岡部「……」

紅莉栖「……」

岡部「……馬鹿め」ビシッ

紅莉栖「あいたっ!?」



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:43:00.45 ID:/3ZgWliK0

岡部「馬鹿め馬鹿め馬鹿め馬鹿め馬鹿め」ビシビシビシビシビシ

紅莉栖「あだだだだだだだ」

岡部「そして最後に……ぶわぁくぁめ!」ビシィッ

紅莉栖「たはぁっ?! なにをする!」

岡部「何とは……貴様の馬鹿さ加減に心底呆れ果てているのではないか! このトウヘンボクリスめが!」

紅莉栖「なっ?! ブーメラン乙!」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:47:29.89 ID:/3ZgWliK0

岡部「……お前が思い出した世界線で、相対していたのは、誰だと思っている」

紅莉栖「え……」

岡部「お前と共に笑い、苦しみ、過ごしたのは、この俺だ」

岡部「お前が受け取ってきた程度の感情を、俺が持ち合わせてこなかったと思っているのか?」

紅莉栖「岡部……」



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:51:14.02 ID:/3ZgWliK0

岡部「枷だと? この世界を騙した鳳凰院凶真を、縛れるものなら縛りつけてみるがいい」

紅莉栖「お、かべ」

岡部「……好きだ、紅莉栖」

紅莉栖「っ!」

岡部「貴様が俺を拒絶しない限り……俺は、お前の傍にいる」

紅莉栖「ぅっ……おか、べ……」

紅莉栖「ぐすっ……おかべぇ……!」ぎゅう

岡部「うむ……」



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:55:01.69 ID:/3ZgWliK0




紅莉栖「……ごめん、遅くなっちゃったわね」

岡部「かまわん。どの道、ラボで寝るだけだ」

紅莉栖「……その、よかったらで、いいんだけど」

岡部「ん?」

紅莉栖「ちょっと、ホテルまで付き合ってくれない? もし部屋取れなかったら、そのままラボまで行くから……」

岡部「まぁ、それぐらい構わんが……」

紅莉栖「ん」



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 00:57:14.68 ID:/3ZgWliK0

岡部「どうだ?」

紅莉栖「空き部屋あるって。なんとかとってもらえた」

岡部「そうか」

紅莉栖「えっと……折角だし、ちょっと上がらない? 私、まだ寝れそうにないし……」

岡部「む、むぅ……まぁ、少しなら大丈夫だが」

紅莉栖「じゃ、決まりね」

岡部「うむ……」



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/09(火) 01:01:11.71 ID:/3ZgWliK0

岡部「ここか?」

紅莉栖「ええ」

岡部「それじゃ、失礼するぞ」



ガチャッ

紅莉栖「ねぇ岡部」

岡部「なん……っ?!」

紅莉栖「んっ……!」ぎゅう



92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:03:47.63 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「……ぱはっ……!」

岡部「く、紅莉栖……?!」

紅莉栖「……さっき言ったでしょう、今までの感情が一気に流れ込んできたって」

岡部「あ、ああ……」

紅莉栖「あれだけあんたへの想いが溢れ出してきてるのに……もう、抑えなんて効くはずないじゃない……!」

岡部「し、かし……」



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:06:58.19 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「岡部……お願い、本当のこと言って」

紅莉栖「あんたは……私と、こういうこと、したい……?」

岡部「……っ!」




95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:10:42.47 ID:/3ZgWliK0

岡部「……俺だって、言った筈だ。どれだけの想いを、ここまで持ち越してきたのかと……」

岡部「手を出して、失うのが恐ろしくて近づけなかったお前に、どれだけ触れたかったか……っ!」ぎゅう

紅莉栖「んん……っ!」

岡部「……いいんだな? 本当に……」

紅莉栖「……その言葉、もっと前に聞きたかったわよ」

岡部「そうか……すまなかったな」

紅莉栖「ん……」





岡部「(ダルめ……まさか、ここでお前に礼を言うことになるとはな……)」



98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:15:30.13 ID:/3ZgWliK0





――翌日



<キーミーヲーヒトリジメーシテモイーカナー?

ダル「んんー」カタカタ


ガチャッ

ダル「んお、おはようオカリン」

岡部「ああ、おはよう」



99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:18:44.09 ID:/3ZgWliK0

ダル「……どしたん? なんか疲れてる割にイキイキしてるけど」

岡部「んぁっ?! そ、そんなことはないぞぉ」

ダル「んー……?」

岡部「……な、なんだその目は」

ダル「……オカリン、今夜は赤飯ですねわかります!」

岡部「うああああやかましいこのダルがあああ!!」



100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:21:00.46 ID:/3ZgWliK0

ダル「いやはや、僕としても魔法使いの誓いを先抜けしちゃった身ですしおすし、少し心配だったんだお」

岡部「うぎぎ……」

ダル「で、牧瀬氏はどしたん?」

岡部「ぐ……もう少ししたら、来るはずだが」

ダル「mjd? じゃあ、今日はもう帰るわ」

岡部「なに? まだ昼前ではないか」



101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:23:04.04 ID:/3ZgWliK0

バタンッ


岡部「まったく、あいつは……」

岡部「……そんなにわかりやすいのか、俺は」

岡部「くっ……俺だ、作戦の続行に障害が生じた……スキルを上げるために必要物資の輸送を頼む……!」



ガチャッ

紅莉栖「あ」

岡部「あ」



102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:25:34.09 ID:/3ZgWliK0

紅莉栖「……」

岡部「……」

岡部・紅莉栖「「あの」」

紅莉栖「……」

岡部「……」

紅莉栖「……んんっ!」

岡部「ゴホンっ!」



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:28:49.33 ID:/3ZgWliK0





紅莉栖「……ただいま、岡部」

岡部「うむ。よくきた、紅莉栖」





――全ての世界線の私から、ありがとうを、あなたに。



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:32:23.53 ID:/3ZgWliK0

another-002308-104



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:34:20.64 ID:/3ZgWliK0

長々とお付き合いいただきありがとうございました。
久々の投稿で最初gdgdになってしまい、お見苦しくてすみませんでした……。
またご縁があれば、よろしくお願いします。



108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/09(火) 01:36:27.60 ID:MAIVOu5B0

面白かったぞー!
乙!




元スレ
紅莉栖「メタルうーぱ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349704402/