#14 そして無一文へ



330: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:41:27.36 ID:1f0vPP/w0

○夜・カジノ

ジャラジャラジャラ

少年エルフ「こんな時間なのに人が結構いるね……」

\ううー あうー/

店内の客は生気なく銀玉を弾いている。

娘「女騎士も最近はこんな感じよね」

少年エルフ「そうなの?」

娘「少し前に迎えに行った時にこんな感じでやってたわ」

少年エルフ「そうなんだ……なんていうか楽しいのかな あれで?」

娘「そうは見えないわね」

ピロピロピロピロ―ン

ジャラジャラジャラ

客「ぐふっぐふふふ」

少年エルフ達は当たり台の客の前まできた



331: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:42:39.71 ID:1f0vPP/w0


娘「ここは当たってるわね」

少年エルフ「……なんだか怖いんだけど」

娘「ねぇエルフ……ボソボソ」

少年エルフ「え? まぁやって見るけど……」

少年エルフは当たり台に近づく。

娘友「何かあった? 娘」

娘友がやってきた。

娘「友 もう売って来たの? 早かったわね」

娘友「まぁ若干買いたたかれたけどね…… それで情報を仕入れてきたけどやっぱりここ変だわ」ボソボソ

娘「というと?」

娘友「ここ数日ほとんどの客が負けっぱなしなのよ それなのに客足は増えてるの」

娘「それはギャンブル依存なんじゃないの?」

娘友「それともう一つはアレよ」




332: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:43:54.33 ID:1f0vPP/w0

娘友が指さすホールの中央にはクリスタル制の透明な箱が設置され、警備兵が四方を固めている。 箱の中には金貨が大量に積みあがっているのが見えた。

娘「なにあれ 金庫?」

娘友「このパチスロの売り上げは全部あそこに転送される仕組みだって 数日前からあんな風に設置されてるとか」

娘「趣味わるいわね」

娘友「まぁ派手だし客の射幸心を煽ってるらしいわ」

娘「それにしてもスゴイ量ね」

娘友「それよ なんでも他のカジノがどんどん店を畳んでるんだって」

娘「他のカジノが?」

娘友「ここに客を全部取られてるから……とも考えられるけど 他のカジノの従業員までこのパチスロをプレイしにくるんだって」

娘「……異常なまでの人気なのね」

娘友「人気だけならいいけど 破産する人も出てきたし市場のほとんどの人が働かずにここに通ってるって」

娘「まってまって それじゃあこのカジノに市場の人やお金が集まっての?」

娘友「そ あの金庫にね」

娘「それであんなに……」




333: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:44:53.00 ID:1f0vPP/w0

少年エルフ「友ちゃんも来たの?」

少年エルフが戻ってきた。

娘友「ええ ところで娘もエルフさんもやらないの?」

少年エルフ「うーん どうしよ」

娘「友やるの?」

娘友「まぁちょっとだけね」

娘「ちょっとねぇ……(友も若干依存なのかしら)」

娘友「じゃあこの台で……」

娘「まって友」

娘友「ん? 何?」

娘「エルフ どう?」ボソボソ

少年エルフ「んー あれかな」ボソボソ

娘友「なになに?」

娘「ねえ友」




334: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:45:48.03 ID:1f0vPP/w0



ピロピロピロ―ン

娘友「よっしゃー確変きたああああ」

娘「まったく……元気ねぇ」

少年エルフ「そろそろ戻らないと」

支配人「おやおや アナタ達はやらないのですか?」

少年エルフ「ヒャ!?」ビクッ

支配人があらわれた。

娘「あら支配人さん 私達はオババ……保護者から賭け事はするなって厳しく言われていたので」

支配人「そうですか ですがたまにはいいものですよ」

娘「でもそろそろ閉店なんじゃないですか?」




335: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:46:31.12 ID:1f0vPP/w0

支配人「そうなんです…… なのでお客さま 確変のところ申し訳ありませんが……」

娘友「ええ!? まだこれからなのよ! 最後までいいじゃない」

支配人「しかし規則ですのでこれ以上は……ねぇ」

支配人は手を娘友にかざした。

ホワワワ

娘「!?……ッ (今なにか妙な気配が)」

少年エルフ「!!」ブルブル

娘友「うぁ~ そうね仕方ないわね」

娘友は手を止めて玉箱をもってカウンターへ歩いていく、どことなくうつろである。

娘「……(友があんなにすんなりと……妙ね)」

支配人「それでは本日はこれまでですので」




336: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:47:03.65 ID:1f0vPP/w0


娘「そうね 帰りましょエルフ……? エルフ?」

少年エルフは真っ青になっている。

少年エルフ「え!? あぁうん帰ろっか」

少年エルフは娘をひっぱって走りだす。

娘「ちょっと?」

タタタ




337: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:48:02.80 ID:1f0vPP/w0

○少年エルフ達のテント

男「支配人が魔物!?」

少年エルフ「最初あった時には感じなかったんだけど…… 魔物みたいな魔力を感じたんだ」

男「魔物がなりすましているのか魔物に憑りつかれているのかどっちかか」

少年エルフ「たぶん憑りついてるかな? 体は人間みたいだったし」

娘「友はさっきなにかされてたけど大丈夫なの?」

娘友「さっき? ん~よくわからないわ」

娘「大丈夫みたいだけど もう友はアレをやらない方がいいかもしれないわね」

娘友「えーそんな」

男「そうだな それにしても支配人が憑りつかれているとなると王子達は大丈夫かな?」

少年エルフ「王女たちまだ戻ってないの? 何処に行ってるの?」

男「お前達と同じくカジノさ」

少年エルフ「でもいなかったよ?」

男「まぁいうなればカジノの裏だな」

少年エルフ「それって……」




338: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:49:05.92 ID:1f0vPP/w0

○閉店後のカジノ

支配人「では保管庫に戻しておきなさい 私は少し出ます」

警護兵「了解です」

ガラガラガラ

支配人と警備兵が金庫を動かして出て行った。

ゴトッ

第七王女「よーしいったの」

第三王子「暗いから気をつけるんだよ」

シュタ

天井裏から第三王子と第七王女が降り立った。

第七王女「潜入成功じゃな」




339: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:49:42.56 ID:1f0vPP/w0


第三王子「ふふっ 昔もこんな風だったねぇ」

第七王女「そうじゃのう三兄ぃ よく一緒に城を抜け出したのう」

第三王子「七ちゃんがここまで出来るようになるなんて思ってなかったけど」

第七王女「それは三兄ぃの教え方がよかったのじゃよ」

第三王子「教えていたわけじゃないけど…… まあいいか」

第七王女「にしてもあの金庫は移動式じゃったんじゃな」

第三王子「そうだね どこに行ったのか見に行こうか」




340: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:50:13.44 ID:1f0vPP/w0

○カジノ裏 保管庫テント

カジノから出た別のテントに金庫の保管庫が設置されており見張りが立っている。

第七王女「ひいふうみい……四人も見張りがおるのう」

第三王子「見張りが多いのは単純だけど効果的な措置だね あれじゃあ近寄れないや」

第七王女「ふーむ ならば次は支配人を調べるのじゃ」




341: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:50:59.33 ID:1f0vPP/w0

○支配人の部屋

第三王子「誰も居ないね どこ行ったんだろ」

第七王女「むしろチャンスじゃ 悪事の証拠を探すのじゃ」

第三王子「別に悪事をしてるって決まったわけじゃ」

第七王女「あんなに金をため込んでおるのは悪事をしておるに決まっておる 時代劇ではだいたいそうじゃ」

第三王子「時代劇って…… 今は現代だよ七ちゃん」

第七王女「時代は続いておるのじゃ…… とこれは帳簿ではないな日記かの?」

第三王子「んー日記というより調査記録だね」

第七王女達は古代遺跡の調査記録を手に入れた。




342: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:52:02.84 ID:1f0vPP/w0

○古代遺跡の調査記録

XX月X日
 ついに現地に到着した。 すぐに調査をして発掘箇所を選定せねば、幻の都の痕跡がこの砂の下にあると思うと興奮して疲れなど気にしていられない。

XX月△日
 発掘をすすめる、遺物がぞくぞくと出てくるが目当ての物が出てこない……都を堕落させて滅亡に追い込んだという遊戯板だ。 遊戯で町が滅ぶなど突飛な話に聞こえるだろうが数々の文献が残っている。 実物を発見して証明したい。

XX月□日
 とうとう発見した古代の遊戯板だ、なんと30枚も見つけたがまだまだ埋まっている。
 なぜか助手がいなくなってしまったので作業には時間がかかる。 そういえば今朝の記憶があいまいだが何をしていたのだろう? そんなことより早くこの遊戯板を全部掘り出さねば。

○○月XX日
 おかしい最近の記憶が途切れている。 私はいつカジノに来たんだ? ここで何を? あの音は一体なんだ? 動いているのか?

■■■■

う■さい■■んだこの音は これはわた■■(これ以上は判別できない)




343: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:53:16.21 ID:1f0vPP/w0

○少年エルフ達のテント

第七王女「ということらしいのじゃ」

娘「これは支配人さんの最後の記録ね」

男「この日付だと俺たちが初めて会った時にはもう憑りつかれていたようだな」

第三王子「へー あのオジサン魔物だったの? なんだか急にカジノに来たと思ったらアレヨアレヨと支配人になってたけど」

男「王子 支配人がカジノに来た時を知ってるのか?」

第三王子「知ってるよその頃にはすでに借金あったから」

男「まったく…… それでどんな様子だった?」

第三王子「スゴクお金が必要だってことであの古代スロットを売り込みにきて自分も雇ってくれって来たんだ。 オーナー達はためしに遊んだらすぐにのめりこんでたよ」

娘友「それであの地位に上り詰めたのね この短期間に」

第七王女「そんなにも人を虜にするとは 魔性のゲームじゃのう」




344: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:54:03.18 ID:1f0vPP/w0

娘「魔物に魔性のゲーム それにしても目的は何かしら? 人をギャンブル中毒にすること?」

男「ギャンブル中毒に? それで何の得があるんだ?」

娘友「お金を巻き上げてはいるみたいだけど」

娘「お金稼ぎする魔物…… 魔物がねぇ?」

男「うーむ」

少年エルフ「……ねぇ友ちゃんはさっきさ途中で止められちゃったけど それはどうして?」

娘友「さっき? それは……閉店だったし」

娘「でも普段ならあんな簡単に諦めないわよね? 大当りの最中だったのに」

娘友「そうね あんなチャンスだったのに…… なんだか急にやる気がなくなったというか」

少年エルフ「”欲しくなくなった”んじゃない?」

娘友「そうね……そうかも でもなんで」

少年エルフ「『欲』だよ 『欲』を取られたんだよ」




345: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:55:11.96 ID:1f0vPP/w0



男「支配人に憑いてる魔物は『欲』を吸い取るのか」

少年エルフ「たぶん スロットゲームはその媒体なんだよ」

娘「欲を引き出した上で吸い取ってるわけね」

娘友「それで客に生気がなかったのかな みんな目がウツロだったしね」

第三王子「たしかにのめりこんでる人ほど楽しくなさそうだったね」

第七王女「そうじゃな女騎士も最後はなにかに追われるかのようだったしの」

男「しかし正体が見えてきたとしても どうするんだ? 借金があるのは事実だしな」

第七王女「なにをいっとる 女騎士や他のものがこんな状態になっておるではないか あのカジノは危険じゃ なんとかするのじゃ!」




346: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/04/30(土) 13:58:15.16 ID:1f0vPP/w0

男「なんとかするといってもな 追い詰められてるのはこっちだぞ 金がないしな」

第七王女「むうぅ」

娘友「お金がない…… そうよ! それよ」

第七王女「何か思いついたのかの?」

娘友「無一文になったら困るのよね」

男「そりゃ誰だってそうだろ」

娘友「だったら…… みんな無一文になればいい」ニヤリ





349: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:37:06.28 ID:d/Y516WV0

#15 古代カジノをぶっつぶせ



350: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:37:43.83 ID:d/Y516WV0

○最終日・カジノ

支配人「それではこれよりパチスロキング決定戦を行います これが今季のラストゲームですので存分にお楽しみください」

\ウオオオオ/

客がなだれ込み座席がどんどん埋まっていく。

男「始まったな のんびりしてていいのか?」

娘「大丈夫よ パパも居るし」

男「王女と王子は?」

娘友「二人ともクタクタで休んでるわ」

男「そうか後は娘が優勝するだけだが……」

娘「そうね そろそろ行くわ」

女騎士「ああうー 私もやるんだーああ」

女騎士は興奮している。

男「こらお前は 止めておけ」



351: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:38:11.43 ID:d/Y516WV0


娘「最後だしいいんじゃない? 何かあったら男が止めたらいいし」

女騎士「そうだよな いいよな? ほら放せ」

男「……これが終わったら戻ってくれるんだろうな? ほら」

男が女騎士を離すと手近の台で遊びはじめた。

女騎士「うふふ うふふ」

男「……本当に頼むぞ 娘」



娘「さてどれにしようかな」

娘はゆっくりと歩く。

少年エルフ「やーめた あっちのが良さそう」

少年エルフが遊んでた台を切り上げて移動する。

娘「じゃあここでやるわ あまりものには福があるのよ……えーとこうかしら?」

隣の客「なんだい姉ちゃん初めてかい? 最終日なのに」

娘「そうね ビギナーズラックって奴をとっておいたのよ」

隣の客「はっはっは そんなの当てにするのかい」





352: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:38:43.42 ID:d/Y516WV0


ピロピロピロ―ンジャジャジャーン

店員「17番台のお客様スタートしました」

ジャラジャラジャラ

娘「あら箱を交換するのも大変ね よいしょ」

支配人「おめでとうございます こちらに積んでおきますね こちらのお客様の対応を」

店員が玉箱を交換して積んでいく、すでに10箱は積まれていた。

隣の客「すげぇな ホントに当てやがった」

支配人「……(ビギナーズラックか まぁ長くは続くまい)」

第七王女「娘ー どうじゃ?」

少年エルフ「うわー すごいことになってるね」

第七王女と王女がやってきた。

娘「まぁ見てのとおりよ エルフは移動するの?」

少年エルフ「そうだねここの王様目指してがんばるよ」

娘「あらそう……私も移動しようかしら」




353: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:39:12.83 ID:d/Y516WV0



娘「やっぱり角はよく出るわねー」

ジャラジャラジャラジャラ

角の台に移動した娘は再び確変を当てていた。

支配人「おめでとうございます あちらに置きますので――(こ こいつは出し過ぎだなんとかしないと)」

娘友「いいながめねー 玉箱のピラミッドよ」

娘の玉箱は20箱以上になっていた。

○数時間後

支配人「お おめでとうございます(なぜだ!? 何が起こっている!?)」

ジャラジャラジャラジャラピロピロピロ―ン

娘「ふわぁ また当たったわね」

「すげぇ どこまで出すんだ?」「クイーンだパチスロクイーンじゃ」「あれはいくらになるんだ?数百万にはなるんじゃないか?」

娘の周りには人だかりができて成り行きを見守っている。

娘「みんな疲れてきてるだろうし これでコーヒーをお願い 全員にね」

店員「かしこまりました」

娘は玉箱をひとつ渡して全員分のコーヒーを注文した。

支配人「(おかしい絶対なにかしている?) あのお客様すこしこちらへ」

娘「あら? まあいいわ少し休憩がてらに」




354: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:39:44.06 ID:d/Y516WV0



女性店員「特に怪しいところはありませんでした」

支配人「なに!? 本当か?」

娘「じゃあ 問題ないわね じゃあ続けるわ…… そうそうお金ちゃんと用意しておいてね そこそこの額になると思うから」

支配人「ぬううううう」

ジャラジャラジャラジャラジャラ

店員「15番のお客さまスタートでーす」

引きつりながらも娘の確変を知らせる店員の声が響く。

支配人「バカな」



店員「そこまで 時間終了となりますー」

娘「あら 終わり? 仕方ないわね」

確変中の台を後にして娘が宣言する。

娘「どう見ても 私の優勝ね? 賞金と換金をお願いできるかしら?」

支配人「ぬううう そ それではこちらへ」

脂汗を流しながらも営業スマイルを浮かべて金庫へ向かう支配人。




355: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:40:10.97 ID:d/Y516WV0


支配人「いくらだ?」

店員「計上中ですが300万以上はあります」

支配人「その程度ならば……少ない額ではないが」ぐぬぬ

ガチャ

支配人が金庫を開ける。

少年エルフ「やったね あれ全部もらえるの?」

娘「そうじゃないわ……下ごしらえは出来てるのよね?」

第七王女「もちろんじゃ 見ものじゃぞ」



支配人「よし 運びだせ」

ボゥ

支配人「ん?」

ボオオオオオオオオオオオォン

支配人「か 金があああああああ」




356: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:41:11.70 ID:d/Y516WV0


なんと金庫の中の金貨が燃えだした。

\うわあああああ/

支配人「金 俺の金が!!」

あっというまに火は消えカードが一枚残された。

カード『悪徳にまみれた金を頂戴したのじゃ byセブンガール』

支配人「な!? バカな…… ふざけやがって」

空になった金庫の中支配人は怒りに震える。

娘「それで 換金と賞金はどうなるのかしら?」

支配人「そ それは」

娘「お金なくなっちゃったみたいね~ だったらこのカジノを商品にもらおうかしら」

支配人「何!? カジノを」

娘友「それとここのカジノが持ってる債権もね」

支配人「なんだと!? そんな」

第七王女「さあ観念するのじゃ」

支配人「ぐぬぬぬぬ」



357: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:41:55.65 ID:d/Y516WV0



店員「支配人」

女性店員「支配人どうしますか?」

支配人「……やらん」

店員「え?」

支配人「やらんやらんやらんやらんぞおおおおおおおおおぼぼああぁぁ!!」

支配人が叫ぶと口から銀色の煙が、いや銀玉が吐き出された。

\キャアア/

男「なんだ!?」

娘「正体を現したわね」

銀玉の塊「ここはワシのカジノだワシの金だワシがゲームだああ」

娘友「きゃああ!」

少年エルフ「危ない 伏せて」

パチスロ台が飛び交い銀玉デーモンに吸い寄せらせていく。




358: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/08(日) 22:42:47.17 ID:d/Y516WV0


ガコンガコンガコンガコン

なんとパチスロ台が合体してその巨体がテントを突き破った。

 \うわああああ/

男「みんな逃げろ 崩れるぞ」

ドドドドド



\グオオオオオ/

パチスロゴーレムが現れた。




361: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:07:47.77 ID:fFF01Ozk0

#16 誰がために金はふる



362: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:08:57.39 ID:fFF01Ozk0

正体をあらわした欲望の銀玉デーモンはパチスロゴーレムを操り娘たちに襲い掛かった!

パチスロゴーレム「ヤッタネ オオアタリィイ!!」

ジャラジャラジャラ

一抱えもある大型の銀玉が辺りに降り注ぐ。

ドドドドドン

\うわあああ/ \キャアアア/

少年エルフ「うわあああ」

娘「パパあぶない」

ガキン

女騎士「大丈夫かエルフ君」

男「女騎士」

少年エルフ「ありがと もう大丈夫なの?」

女騎士「ああ憑き物が落ちたようだ 迷惑をかけて済まなかった」

男「ホント迷惑だったぜ 泣き叫んでねだるお前は……」

ドゴン




363: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:10:31.38 ID:fFF01Ozk0


女騎士「いや 本当にすまなかったな うん」

男「ごふっ…… ま゛ぁ終っだごどだ それよりあの親玉をどうするかだ」

女騎士「さっきのはとんでもない攻撃だが あんな大技連続では出せまい 今がチャンスだ」

男「おい むやみに突っ込むな」

女騎士はパチスロゴーレムに向かって駆け出す。

女騎士「醜態をさらされた恨み晴らさせてもらうぞ」

ダダダ

ジャラララ

女騎士「い?」

吐き出された銀玉がパチスロゴーレムに戻っていく。

女騎士「うおお? なんだなんだ」

大量の銀玉に流されて女騎士はパチスロゴーレムに吸い込まれてしまった。

\うわあああ/

男「あーあ」

娘「大丈夫かしら」

再びパチスロゴーレムが激しい光と音と共に銀玉を吐き出す。

パチスロゴーレム「フィイバアアアアア!!」




364: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:11:15.80 ID:fFF01Ozk0

ジャラジャラジャラ

女騎士「――いやああああああああああ」

女騎士も銀玉と一緒に吐き出され空高く舞い上がった。

第七王女「すごい高いのう」

娘友「ホントねー」

娘「のんきなこと言ってる場合!?」

キンキン

男「やばいな」

ガキンガキン

娘と男が銀玉を防ぎながら言う。

少年エルフ「あのままじゃ落ちちゃうよ」

男「本当に世話のやける」

ダダダダダ

男が落下地点へ駆け出す。




365: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:13:52.51 ID:fFF01Ozk0

女騎士「ひゃああ しぬうううううう」

男「うおおお」

ドドォン ゴロゴロゴロゴロ

男は女騎士を受け止め転がり衝撃を相殺した。

ガバっ

女騎士「わわ 生きてる助かった」

男「当たり前だ はやくどいてくれ重いぞお前 筋肉ばっかりつけてるから余計におも――」

ドゴン

女騎士「ババカヤロー 誰のせいでこうなったと 誰のせいでっ」カアアアア

ドゴンドゴン

マウントポジションで拳を振るう女騎士。





366: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:14:52.36 ID:fFF01Ozk0

少年エルフ「助かったみたいだね」

娘友「男さんやるわね~」

第七王女「女騎士には怒られてばっかりじゃがのう」

娘「そうでもないんじゃない」

少年エルフ「そうなの? あ 戻ってきた」

女騎士と男が戻ってきた。

女騎士「重ね重ね迷惑をかけた」しょんぼり

少年エルフ「怪我しなくてよかったよ」

男「あたたた しかしあれでは近づけないぞ」

娘「だったら魔法ね ”重雷撃”」

カッ ドンガラガッシャーン!!

パチスロゴーレム「ビビビビビビ!!」

第七王女「やったのかえ?」

パチスロゴーレム「ダイヲユラサナイデクダサーイ」

ジャラジャラジャラ




367: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:15:50.56 ID:fFF01Ozk0

少年エルフ「うわぁ!」

娘友「きゃあ!」

男「これくらい跳ね返して」

ガキン

バチバチバチ

男「あばばばばばばっ!」

男は感電してしまった。

娘「あちゃー」

少年エルフ「帯電しちゃってるね」





368: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:16:36.74 ID:fFF01Ozk0

パチスロゴーレム「フィイイバアアアアア!!」

ジャラジャラジャラジャラ

確変モードになったパチスロゴーレムから激しく銀玉が飛び出す。

女騎士「くっ」

ガキンガキン

男「おらおらおら」

ガキンガキン

娘「ちょっと コレ」

ガキンガキン

降り注ぐ銀玉を防ぐので手一杯である。

娘「いつまで続くのよコレ」

第七王女「なにか打開策はないかのう」

少年エルフ「市場にも被害がでてるよ」

\わーーー/ \ぬわーー/

ガシャン どこーん パリーん

あちこちで悲鳴と破壊音が響く。

娘友「ああ~ もったいない」



369: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:17:56.45 ID:fFF01Ozk0

ガシャン ドカァン

女騎士「王女たちは下がっててください」

第七王女「この程度に当たるわらわでないわ」ひょいひょい

軽々と回避する第七王女。

娘友「きゃあ!」コケ

易々と転倒する娘友。

第七王女「友!」ビュビュッ

カカン

投げナイフを放って銀玉をそらした。

娘友「ありがと王女」

第七王女「うむ 早く立つのじゃ」

娘友「って 危ない!」

第七王女の後ろから銀玉が飛んできた。




370: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:19:08.34 ID:fFF01Ozk0


娘友「えいっ!」

娘友はとっさに金貨袋を投げつけた。

ガシャァン バラバラ

第七王女「む!?」

銀玉「マネマネマネ……」

しゅしゅしゅ

娘友「消えた……?」

第七王女「ふむ? いや元の銀玉に戻ったようじゃ」

第七王女は砂の中から元の大きさになった銀玉を拾いあげた。

第七王女「物欲が満たされると元に戻るのかもしれんの」

娘友「そう……だったら」




371: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:20:17.50 ID:fFF01Ozk0



少年エルフ「”風防波”」ギュルル

バシュ バシュシュン

男「エルフ後ろ!」

少年エルフの背後から銀玉が飛んでくる。

少年エルフ「うわぁ」

娘「”炸裂”」

ドドォン

銀玉「キェァー」

銀玉は魔法に弾かれてどこかへ飛んで行った。

少年エルフ「ありがと助かったよ」

娘「危ないから離れないでよ パパ」ぎゅう

少年エルフ「ちょっとちょっとくっつき過ぎ はなれて」カアア

男「しかしキリがないな どうする?」

娘「わたしの雷魔法で……」

少年エルフ「でも効いてないかも……」

娘「そうなのよね」



372: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:21:18.11 ID:fFF01Ozk0

第七王女「ここで真打じゃ」

男「王女?」

娘友「よーし 皆さんいいですかー」

交易商たち「「おおー」」

第七王女と娘友が商人たちを引き連れてきた。

少年エルフ「何するの?」

女騎士「あの銀玉の弱点を見つけたそうだ」

ガラガラガラ

第七王女と娘友が交易商たちを指示して大砲を持ってきた。

少年エルフ「うわぁ 大砲だ」

男「しかしそれなら娘の魔法の方が……」

娘友「まぁ見ててよ 用意はいい?」

\よっしゃー/

第七王女「よーし うてぇー!!」

ドドーン



373: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:24:18.68 ID:fFF01Ozk0

○パチスロゴーレム・コックピット

ヒュ―ン ドドン

銀玉デーモン「む 大砲か? そんなもので」

バラバラバラ ガシャンガシャン

着弾したあたりからパチスロゴーレムが崩れている。

銀玉デーモン「なんだ!? なぜパチスロ台が? あの弾は……カネか!?」

○砂漠

第七王女「よーし効果は抜群じゃー どんどん撃つのじゃー」

ドドォン ドドォン

交易商たちが次々と金貨袋を大砲に詰めては撃ち出していく。

男「これはすごいな」

少年エルフ「うわー キラキラだー」

娘友「ゴールドシャワーよー」

娘「派手ねー」

キラキラキラ

パチスロゴーレム「ウオオオオオン」

ガラガラガラ

動力源の銀玉が次々と魔力を失い、体を構成するパチンコ台が崩れ落ちる。




374: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:26:32.01 ID:fFF01Ozk0

○パチスロゴーレム・コックピット

\物欲パワー低下 物欲パワー低下/

警報が鳴り響くなかで銀玉デーモンは悪態をつく。

銀玉デーモン「くそ! こんな」

ガラガラガラガラ

\物欲パワー低下 両腕崩壊シマシタ/

銀玉デーモン「ああ ちくしょう」

\飛翔体接近 飛翔体接近/

銀玉デーモン「なんだ!? うお!!」

ガラガラガラ

モニターを覗き込もうとしたとたんにモニターが崩壊してコックピットが露出、娘が飛んで来るのが見えた。

銀玉デーモン「おのれえええ」

娘「これで店仕舞いよ ”重雷撃斬”」

ガガガ ジャシャアアアン バリバリバリバリ

銀玉デーモン「ぐああああ カネが 俺のカネェエエエエエエ!!」

真っ二つにされた銀玉デーモンにさらに金貨が降り注いでいく。

半壊したパチスロゴーレムがよろめき砂漠に倒れていく。

ズドドドォオオン

銀玉デーモンとパチスロゴーレムを倒した。




375: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:27:25.40 ID:fFF01Ozk0



少年エルフ「娘ー」

タタタ

娘「パパ」

ひゅるるる

落下する娘を少年エルフが受け止めようと駆け付ける。

少年エルフ「えーい ”旋風”」シュルル

バホォン

風をクッションにして娘を受け止める少年エルフ。

少年エルフ「うわぷぷっ砂かんじゃった」

娘「ふふふ パパの魔法効いてるから着地できたのに」

少年エルフ「あ…… そうだったね」カアア

娘「でもありがと パーパ」ギュウウ

少年エルフ「ちょっとはなれて あーつーいー」カアアアアア




376: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:28:14.54 ID:fFF01Ozk0



男「よーし 娘も無事のようだな」

第七王女「うむ これで一件落着じゃな かっかっかっか」

第三王子「ふわぁあ 終わった?」

あくびしながら第三王子がやってきた。

女騎士「王子!? 何処にいたんですか?」

第三王子「んー? 寝てた」

女騎士「あの騒ぎの中で……」

男「まぁ第三王子だしな」

第七王女「さすが三兄ぃじゃ」

娘友「誉めてるのそれ?」

第三王子「ちょっと見ない間にすごいことになったねー 金貨だらけだ」

砂漠に金貨が散らばっており交易商たちが総出で拾い集めている。




377: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/15(日) 21:29:32.16 ID:fFF01Ozk0

男「商売人はたくましいな……あんなの気が遠くなるぜ」

女騎士「そういえばこの金貨の出どころは何処なんですか? まさかまた借金が……」

第七王女「それは大丈夫じゃよ のう三兄ぃ」

第三王子「そうだね それよりお腹すかない? ご飯にしようよ」

男「そうだな 動きっぱなしで腹ペコだ」

娘友「娘たち読んでくるわ」

タッタッタ

女騎士「ちょっと!? なんか話をそらしてない?」

男「そんなに怒るな余計に腹が減るだろう? それともあれか? まさかお前あのh」

ドゴォン

女騎士の正拳突きが男を吹っとばした。

女騎士「違うわ! バカ」





381: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:19:04.86 ID:nAPh1dIk0

#17 グランド・アビエーション



382: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:22:55.98 ID:nAPh1dIk0

○夜・少年エルフ達のテント

食事をしながら女騎士が事の顛末を聞いた。

女騎士「当たり台がわかってたぁ!?」

娘「まー そういうことね」

女騎士「どうやって?」

少年エルフ「んとね 音がね聞こえてて」

女騎士「音ぉ?」

男「つまり当たり設定の台の音がエルフには聞こえたんだと」

女騎士「えぇ!?」

娘友「わかったのは少し前なんだけどね もっと早くに解っていれば……」ニタリ

娘「友 顔があくどいわよ」

娘友「ホント? てへぺろ」

娘「かわいくないから」

娘友「ぎゃふ」



383: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:26:52.75 ID:nAPh1dIk0

女騎士「でも実際に勝ってたのは娘君じゃないか それはどうして?」

娘「私はパパから当たり台を教えてもらってたのよ」

少年エルフ「そう いろいろ雑談みたいにしてね」

娘「だから台移動した後に当たってたでしょう 私自身には何もないからカジノ側も見抜けなかったのよ」

女騎士「ううむ言われてみれば…… それで娘君が勝てたのは分かるとして 最後にあの大砲の金貨? どこからあんな大金が」

第三王子「そりゃあ あるところから借りたんだよ」

女騎士「あるところって…… そういえば金庫のお金が無くなりましたがまさか盗んで――」

第七王女「違う違う 盗んでなどおらん 隠して偽物と『すり替えた』だけじゃ」

女騎士「それは盗んだっていうんですよ! なんですか二人とも王族としてのっ……」

第三王子「いやいや 本当に盗んではいないよ 保管庫にずっとあったんだもの」

女騎士「はぁ!?」




384: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:30:49.38 ID:nAPh1dIk0


 第三王子は説明する。
 金庫は昼間はカジノに夜は保管庫に警備と共に移動しており近寄れなかったが、警備のいない昼の保管庫に侵入してテントの下に穴を掘って偽金と共に待機。 金庫が戻ってきたら金貨を偽物と入れ替えて朝をまって脱出したという、金貨はそのまま床下に隠したままに。

女騎士「じゃあ金貨が燃えだしたのはなんなんです?」

第七王女「あれはフラッシュペーパーで出来ておったんじゃ パッと燃上がって煙もほとんどでない優れものじゃ。 ああしておけばまるで盗まれたように見えるじゃろう」

女騎士「そんな都合のいいモノがどこで」

娘友「ここは天下のバザールよ たいていの物は手に入るわ」

女騎士「じゃあ最後に撃ち出した金貨は」

第七王女「そうじゃ 娘が優勝して本来得るはずの金貨を保管庫から引っ張りだしたのじゃ だから問題はないのじゃ」

第三王子「セーフだよセーフ」

女騎士「ううむ……それなら いや……なんだろう納得が」

男「まぁ ゆっくり考えろ。 お前は長い事憑りつかれていたわけだし」

女騎士「うっ 言うな……」




385: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:35:50.31 ID:nAPh1dIk0



第七王女「それにしても今回は 魔王の手がかりもなかったのう」

娘友「そうねー 結果としては掘り返した魔物に憑りつかれたってことだしね」

少年エルフ「いいんじゃない? ボク達がなにかしなかったらもっと被害があったかもしれないし」

娘「そうね パパのおかげで化けの皮をはがせたわけだし」

第七王女「まっことそのとおりじゃな 事が大きくなる前に食い止めれたのじゃ それも勇者に勤めじゃて」

第三王子「ゆうしゃ? 最近そういうの流行ってるの?」

男「流行ってるって……」

第七王子「それははどういうことじゃ? わらわが二代目勇者を襲名したのはまだ先月じゃぞ」

第三王子「ふーん たしかねー東の町で勇者を募集してるって……」

女騎士「王子! それ以上はいけな」 第七王子「なんじゃとそれはなんとしても行かねば!!」

男「遅かったな……」




386: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:51:41.38 ID:nAPh1dIk0

女騎士「ぬぅ…… ダメですよ王女 今回は既に調査期間がありませ」 第七王女「イヤじゃ!!」

第三王子「お はじまったねぇ」

第七王女「行くのじゃ! 行かねば二代目勇者の名がすたるのじゃ!」

女騎士「あーもー すたってくださいそんなモノ! わざわざ王女が自ら行く必要があるんですか」

第七王女「あるに決まっておろうわらわは勇者じゃぞ 助けを必要としてるならば行くのが義務じゃ! のう 男 言ってもいいじゃろう」

女騎士「あ! コラ 男に甘えないでください」

男「んー 王女 流石に今回はこれ以上はムリだろ 一旦王都に戻ってから出直さないとな」

第七王女「むー 男までーー 三兄ぃー」

第三王子「えー? うーん 女騎士もそんなに言わなくても少しくらい寄り道したって」

女騎士「王子は何年寄り道してるんですか! 今回は絶対に王都に連れ帰りますよ」

第三王子「あ ハイ」




387: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:53:06.98 ID:nAPh1dIk0


第七王女「うー なんじゃなんじゃ女騎士も男も反対しよって」

娘友「王女 一旦王都にもどってもドラゴンにまた乗せてもらえばいいじゃない どこでもひとっ飛びだし」

娘「そうね」」

第七王女「しかしのう勇者募集じゃぞ わらわはすぐ行きたいのじゃ す・ぐ・に・じゃ!」

少年エルフ「そんなに焦らなくてもきっと募集はまだ終わってないよ…… 多分」

第七王女「そうかのう……エルフはどう思うのじゃ? 困った者を救いに行くのが勇者じゃと思わぬか? の? の?」

少年エルフ「えぇ? そりゃ困ってたら助けなきゃいけないと思うけど……その」

女騎士「エルフ君 王女のわがままに付き合わなくていいんだぞ ほら王女 無理を言わないでください」

第七王女「うぬぬぅ~~ わかったのじゃ わらわはもう寝るのじゃ!!」

ドスドス

第七王女は寝室へ行ってしまった。




388: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:55:42.83 ID:nAPh1dIk0

女騎士「……まったく いつまでたってもわががまなんだから」

男「あーあ 知らねーぞ あれはしばらく尾をひくぞ」

女騎士「だいたい お前が王女付の時の教育がだな……」ガミガミ

男「うお 俺にくるのか? 俺なのか!?」

第三王子「うーん 皆あっちに行こう 長くなるから」

娘友「そうね そうしましょ」

男に説教を続ける女騎士を残して第三王子たちは席を外した。

男「まて 俺を一人にしないでくれー」

女騎士「何が一人にだ私だってお前のせいでなぁ」

男「なんだ 俺のせいでどうしたってんだ!?」

女騎士「お前のせいで……その…… うっさいなだいたい騎士見習いの頃からお前は……」

男「見習いって どこまで遡るんだお前!?」

\ガミガミグチグチ/

\タスケテ/



389: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:57:17.06 ID:nAPh1dIk0



娘友「ご愁傷さまね」

第三王子「いやまったく」

娘「私 王女の様子をみてくるわ」

娘友「そうね アタシも」

娘達は第七王女の様子を見に行った。

第三王子「いやー しかし今回は助かったよ ずいぶんとここのカジノで足止めされたからね 飽き飽きしてたんだ」

少年エルフ「そうなんだ 他にもあちこち旅をしてきたのですか?」

第三王子「そうだね 北方や帝国に行って来て 飽きたからこっちに戻って東の町からここまで来たんだ」

少年エルフ「さっきも言ってましたけど 東の町ってどんなところなんです?」

第三王子「知らないかい?」




390: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 21:59:45.48 ID:nAPh1dIk0


少年エルフ「ええ 僕は南の町からほとんど出たことないので……」

第三王子「そうかい 東の町は港町だよ 湾の中にあるんだ」

少年エルフ「湾…… 海沿いなんですね 海ってどんな感じですか」

第三王子「ん……(本当に出たことないのか) そうだね海はね……」

少年エルフ「はい……はい……」わくわく

少年エルフは第三王子の旅の話を聞いた。



娘「あら 盛り上がってるわね」

娘達が戻ってきた。

少年エルフ「あ おかえり どうだった?」

娘友「王女 ホントに寝ちゃってたわ」

第三王子「そっか なら大丈夫だよ 本当に機嫌がわるかったら寝ないから」

娘「そうなのね 私達ももう寝ましょ 今日は疲れたわ」

少年エルフ「そうだねー」

そういう事になった。



391: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:03:02.17 ID:nAPh1dIk0

○深夜・娘達のテント

カキカキ

娘友「今回はコレがあるからイケるわ ふふふ」

娘友は書き物をしている。

娘友「さて そろそろ寝ようかな…………(その前にお手洗いに)」

娘友はテントを出て手洗いに行こうとした。

バッサバッサ バリバリバリ バサァーッ

突風と大きな影と共にテントが倒壊した。

娘友「きゃああ!? 何?」

女騎士「なんだこれはー」

倒壊したテントから女騎士が叫んだ。

男「何事だ!」

男性用のテントからも叫びが上がった。 見れば男たちのテントも倒壊している。




392: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:09:29.48 ID:nAPh1dIk0


娘友「うわー 何今の? 女騎士さん大丈夫? 娘ー 王女ー? アレ?」

女騎士「……いない 娘君も……」

男「女騎士…… 空から手紙が降ってきたぞ」

女騎士「まさか……」

手紙『ちょっと東の町まで行ってくるのじゃ ちょっと様子を見るだけじゃから女騎士たちはそのまま王都へ帰るのじゃ by 二代目勇者 第七王女』

○上空

バッサバッサ

少年エルフ「うん?」

少年エルフは目を覚ました。

少年エルフ「うわぁあ!? 何? どうなってるの!?」

娘「パパァッ 大丈夫!? これは一体どういうこと!!」

娘と少年エルフはホワイトドラゴンに掴まれて夜空を飛んでいる。

白竜「コワイ顔しないでよ えっとねー」

第七王女「わらわが頼んだのじゃ」




393: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:19:25.27 ID:nAPh1dIk0



娘と少年エルフは第七王女と共にホワイトドラゴンの背に乗っている。

第七王女「ちょっと東の町まで行くのじゃ 白竜ならひとっ飛びじゃからな」

少年エルフ「そうだけど 後で女騎士さんに怒られない?」

第七王女「それは覚悟の上じゃ それに特に問題が無ければすぐ戻ればいいのじゃ」

娘「まぁ そうね どうするかは東の町を見てからでもいいんじゃない」

第七王女「ホントは友も連れて行きたかったんじゃがの」

白竜「あのコは寝床に居なかったから掴み損ねたわ」

第七王女「仕方ないの このまま東の町まで直行じゃ」




394: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:20:25.39 ID:nAPh1dIk0

○砂漠・テント

男「あーあお前がかたくなに反対するから」

女騎士「お前だって渋ったじゃないか」

男「うっ 頭がいたい記憶喪失だ」

女騎士「だったらコレでどうだ ショック療法だ!」

バゴン

男「ぶはっ」

娘友「エルフさんと娘は連れてかれたのね…… さてどうしますかね」

第三王子「んー 何かあった?」

あくびをしながら第三王子が起きてきた。

男「王子……(毎度のことながらホントよく寝てたな) 実は王女がドラゴンに乗って東の町に行ってしまったんだ」

女騎士「ああ!? すっかり王女の荷物も無くなってる フテ寝してると思ったのにいつの間に!?」

第三王子「さすがナナちゃんだね さて僕達はどうするの?」

男「そうだな いくらなんでもほっとくわけにはいかないしな」




395: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:21:59.32 ID:nAPh1dIk0

娘友「東の町なら ここから向かうキャラバンがあったはずよ 交渉したら同行させてもらえるわ」

女騎士「そうか それは助かる」

男「じゃあ俺が馬を借りて王都まで行ってくる 馬なら大森林を突っ切れる」

女騎士「わかった任せた あと王子も連れてってくれないか」

第三王子「ええー!? やっぱり戻らなきゃダメ? 別に王都にもどるのはもう少し……」

女騎士「ダメです 実は兄王がひそかに捜索されてるのをご存知ですか? 心配されてるんですよ」

第三王子「ううーん でもなぁ」

男「俺も一緒にいくから な?」

第三王子「うーん わかった王都に戻るよ 頼むよ男」

男「任せろ」

娘友「あ 実はアタシも王都に届けて欲しい物があるんだけど いい?」

男「おう すぐ用意できるか? 準備が出来たら出発するからな」

娘友「ええすぐに…… これとコレでハイ 王都のアタシんちまでお願いします」

娘友は書類の束を渡した。

男「よし分かった」

女騎士「我々もキャラバンに相談に行かねば…… 友君交渉に付き合ってもらえるか」

娘友「ええ もちろん 忙しくなってきたわね~」




396: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/05/22(日) 22:23:55.24 ID:nAPh1dIk0

○上空・ホワイトドラゴンの背中

娘「なんてことになってるわよ多分」

第七王女「そうか 友はそのうちに来るかの」

娘「多分ね あのコなんだかんだで結局楽しんでるから」

少年エルフ「そう? 僕も楽しいよ初めて見るものいっぱいだから」

第七王女「そうか それはよかったのじゃ」

白竜「そろそろ海が見えるわ」

少年エルフ「うわぁ あれがそう!? 本当に水だらけだ 娘見える?」

娘「フフフ こう暗いと私にはまだ見えないわ」

少年エルフ「あ そっか」

第七王女「見よ もうすぐ日の出じゃ」

娘「ホント 明るくなってきたわね」

少年エルフ「え!? それじゃあ」 白竜「マジでぇ!? 下りるわ掴まって」

ギュウウウウウウウウン

少年エルフ「わああああああああああ」

娘「ちょとおおおおおおおおおおお」

第七王女「やっほおおおおおおおおお」

ホワイトドラゴンと娘達は急降下していった。





400: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:01:30.83 ID:N1jdlEHA0

#18 大漁豊漁勇者祭! ~不気味な岬の物語~



401: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:03:23.36 ID:N1jdlEHA0

○東の町・港

カーンカーンカーン

警鐘が打ち鳴らされている。

見張り番「カニだ―ッ! カニだ―ッ!」

巨大カニ「ブクブクブク」ガチーンガチーン

海から巨大なカニが上がってきて暴れている。

若人A「っしゃー! 一番モリいくぞー」

若人B・C「「うおおー」」

実況者「おっと! 真っ先に向かっていくのは地元の若い衆で結成された漁師チーム 大物ゲットとなるか!?」

若人達の攻撃。

カキンカキン

若人A「かってぇー!?」

若人B「眼をねらえー!」

若人C「届かねぇよ!?」



402: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:04:36.19 ID:N1jdlEHA0


巨大カニ「ブブ?」ブオンブオン

若人達「「グワーっ!!」」

\ワ―ワー/

人々は遠巻きにこの戦いを見物している、露店も開かれお祭りムードだ。

実況者「残念! 巨大なハサミでなぎ払われてしまいました! 続いて突撃していくのは……」

次々とチームが巨大なカニを攻撃するが分厚い殻のために攻撃が効かない。

実況者「このままではここも危なくなります どうしますか町長」

町長「ううむ しかた無い王国兵の皆さんお願いします」

兵士長「よーし いくぞ突撃」

○物陰

???「いいんですか? 倒されちゃいますよ」

???「なあにアレでは武器では倒せないさ」

???「だったら坊がさっさと魔法で……」

???「勇者は最後に登場するものさ まあもうすぐだ……」




403: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:05:35.29 ID:N1jdlEHA0

○港

兵士たちが巨大カニを攻撃するもやはり倒せない。

兵士A「隊長! 槍が折れました硬すぎます」

兵士B「やべぇぞ どうすんだコレ」

兵士C「もう帰っていい?」

兵士長「うむむ 仕方ない勇者丸へ伝令! 砲撃準備」

兵士A「こんなところで大砲使うんですか!?」

兵士長「やむをえん」

兵士C「りょうかーい 伝令いきまーす」

ダダダダ

兵士B「はやっ!?」

実況者「なんと大砲で狙うようです 危険ですので見物の方はおさがりください」

町長「おいおい 町に被害がでるじゃないかヤメロ」

兵士長「アレを放っておくほうが被害でるわい 下がって! よーし撃て―!!」

町長「ちょおまっ」



404: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:06:51.04 ID:N1jdlEHA0


ドォオン ひゅるるる

港に停泊していた船から砲弾が飛んできた。

\おおー/

歓声があがり次いで着弾。

ガキィン

巨大カニ「!!」

ドゴン ドボォン

町長「……」

兵士長「……」

実況者「なんと……弾いてしまいました……」

兵士長「だ……第二射!」

ドォオン ひゅるるる



405: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:07:59.41 ID:N1jdlEHA0


巨大カニ「ギ」ブン

ガギン

実況者「なんと! カニが砲弾を受け止めた! そして振りかぶり……投げた!!」

ブオン どひゅーん

バコォン バキバキ

\うひゃー/

実況者「おおっと王国が誇る勇者丸が吹っ飛んだ! 燃えます傾きます沈んでいきます!」

兵士長「……えーと」

兵士A「逃げろ――っ!」

\ワアアアアア/

港はパニックに陥った。

○物陰

???「よーしお膳立ては上々だ 出るぞ」

???「え!? こっちに人が」

???「どわあああ」

ドタドタドタドタ



406: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:09:05.96 ID:N1jdlEHA0

○港

実況者「カニ一匹がこの町の歴史を終わらせてしまうのでしょうか なんという悲劇でしょうか」

娘達が港に着いた

娘「やっと着いたけど 一体なによコレ? 祭?」

少年エルフ「いやなんか大きなカニが…… 魔物みたいだよ」

第七王女「よーし わらわの出番じゃ!」

シュタタタタ

第七王女が巨大カニに突進していく。

兵士A「おい! 何処にいく危ないぞ」

娘「あーもう パ……エルフ 王女をお願い」

少年エルフ「わかった」

少年エルフも第七王女を追いかける。



407: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:16:30.03 ID:N1jdlEHA0



巨大カニ「ブクブクブク」

ドカン バキン

第七王女「なんじゃ デカいだけで遅いのじゃ」

ひょいひょい

第七王女は身軽に攻撃を避けている。

実況者「突如あらわれた女の子が果敢にもカニに立むかった! なんという身のこなしでしょう」

第七王女「せいっ」

第七王女の投げナイフ。

カッ

巨大カニ「!? キュイイイ」

実況者「刺さったぁ! スローインダガ―が目玉にシューッ!」




408: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:17:39.82 ID:N1jdlEHA0


眼にナイフが刺さった巨大カニは暴れ出した。

バタンドカンバキン

第七王女「おうおう てをつけられんの」

少年エルフ「王女 危ないからこっちに ”風防波”」シュルル

風の防壁が第七王女と少年エルフを包み込む。

娘「行くわよ ”落雷”」

カッ ドンガラガッシャーン

巨大カニ「ギギィ!!」バリバリバリバリ

落雷が巨大カニを貫く。

シュバババ

風の防壁が雷をそらす。

第七王女「ほっほー いつ見ても大迫力じゃな」

少年エルフ「王女 危ないから一人で攻撃しちゃダメだよ 約束したでしょ?」

第七王女「そうであったな しかし体が先に動いてしまったのじゃ許せ」

少年エルフ「もう」



409: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:18:28.53 ID:N1jdlEHA0


巨大カニ「ギギギ」

巨大カニは立ったまま黒焦げになっている。

第七王女「とどめじゃ とうっ」

げしっ

第七王女の飛び蹴りが巨大カニの眼の間に決まり巨大カニは倒れこんでいく。

ドドォン

第七王女「よーし今夜はカニ鍋じゃ!」

娘「もう火は通ってるわよ」

\ワアアアア/

人々は喝采を上げて巨大カニへ殺到する。

実況者「なんと巨大カニを倒したのは飛び入りのお嬢さん達だ!」




410: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:19:25.87 ID:N1jdlEHA0


少年エルフ「うわぁ押さないで んぎゅ」

娘「パパこっちに もう何なのよ」

娘は少年エルフを抱き込んで人混みから守る。

少年エルフ「うぐぐ(やわらかい)」カアアア

第七王女「かっかっかっかっか 一件落着じゃな」

第七王女は焦げた巨大カニの上で快活に笑っている。



411: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/05(日) 22:20:39.04 ID:N1jdlEHA0

○物陰

???「あーあ 先を越されちゃいましたよ」

???「おのれ……あのちんちくりんめ それにしてもあの雷魔法の使い手……」

???「ご存じですか?」

???「いや知らん…… しかし実に美しいな」

???「あぁ…… また坊の悪いクセが」

???「クセというよりもうビョーキよビョーキ」

???「うっさいいくぞ」

???「どこへ」

???「着替えだ」

???「はぁ……恰好ばかり気にして……」

???「見た目だけじゃダメですよー」

???「うっさい 早く来い」

???「はーい」





415: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:51:40.93 ID:4IBbcXjc0

#19 その勇者、バカにつき



416: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:53:32.27 ID:4IBbcXjc0

○町長の家

町長「わたしが町長です」

第七王女「わらわは第七王女じゃ」

町長「いやはや まさか第七王女本人がこんなところにお越しとは…… それに魔物まで退治していただけるとは」

第七王女「なに苦しゅうない それにしても先ほどの魔物はなんじゃ?」

町長「そうですなどこから話したものか…… 最初はたしか一月ほどまえに灯台の明かりが消えたことですな」

第七王女「ほう 灯台とな」

町長「この湾の出口はやたら霧の多い場所でしてそのため岬には古くから灯台があり昼でも灯りをともしてましたがそれが消えたのです」

少年エルフ「単に燃料が無くなったとかじゃないの?」

町長「魔力灯ですしそれは無いでしょう 灯台守もいますし」

第七王女「灯台守はどうしたんじゃ?」

町長「それがわかっておりません 様子を見に行った者が戻って来なかったので王国兵が船で調査に向かうところだったのですが……」

娘「船は燃えて沈んだわね」

町長「ええ 修理に時間がかかるのでそれまで調査は延期になるそうで」




417: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:56:09.11 ID:4IBbcXjc0


第七王女「灯台が使えないのでは不便じゃろう」

町長「おっしゃるとおりで 実はこの町は300年程前に勇者が出航したという由緒ある港で漁や旅の安全を祈願する海上の祭『勇者祭』を行っていたのですが出来なくなってしまいました」

第七王女「ほうそれは見たかったのう」

少年エルフ「でもさっきのもお祭りみたいだったよね?」

町長「ええ 魔物は出るわ海に出れないわなのでいっそのこと魔物退治を祭にしたらこれがなかなかの評判で今では10ばかりの勇者チームが参加してます」

娘「でもさっきのカニは危なかったんじゃない? パニックになってたじゃない」

町長「そうですな あのように王国兵にも手を負えない魔物まで出てくると今後をどうするか……」

第七王女「祭はいつまでの予定じゃったんじゃ?」

町長「そうですな 灯台の調査も含めてだったので灯台の灯りを灯したチームを優勝として終えるつもりでした…… それに成功したチームがまだいないので結局今まで続いておりますが」

第七王女「あいわかった それならばわらわも祭に参加して灯台を再び灯すのじゃ」

町長「本当ですか!? 貴方がたのように強い方が参加していただけると助かります」

第七王女「そうじゃろうそうじゃろう」

町長「だったら王女様たちはカニを倒されたので『カニさんチーム』ということで」

第七王女「うむ わかった」




418: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 18:59:09.30 ID:4IBbcXjc0


娘「まって王女『カニさんチーム』てそれでいいの!?」

第七王女「うん? わらわは好きじゃぞカニ」

娘「そう 王女がいいならそれで……」

少年エルフ「カニ嫌いだった?」

娘「そういうわけじゃないけど……(パパも天然ね)」

町長「では決定ですな この申し込み書に署名を いやぁ期待してますよ」

第七王女「うむ任せるのじゃ」

第七王女は『勇者カニさんチーム』を結成した。




419: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:01:57.72 ID:4IBbcXjc0



???「なるほど王女様ね 魔王を探しに旅立ったと噂を聞いたがまさかアンタ達だったとは」

第七王女「何者じゃ」

魔法勇者があらわれた。

魔法勇者「俺は魔法勇者! いずれ世界を救うものだ」ばーん

町長「ああ『お馬さんチーム』の方ですね 風邪はもうよろしいので」

娘「『お馬さんチーム』」

少年エルフ「風邪ってこの時期に?」

爺僧侶「この町に着くときに坊は馬ごと海に落ちましてな それは盛大に見事な落ちっぷりで……それで『お馬さんチーム』に」

孫僧侶「バカよね~かっこつけようとするから 結局3日間寝込んでいたんですよ ぶふっ」

お伴の老僧侶と孫僧侶があらわれた。

魔法勇者「お前達勝手にでてきて全部言うんじゃねぇ!」

第七王女「それで何の用なんじゃ? 馬勇者よ」

魔法勇者「馬じゃねぇ! とにかく…… お初にお目にかかる美しい姫よ」

魔法勇者はそういってうやうやしく娘の手をとった。




420: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:03:53.88 ID:4IBbcXjc0


娘「私じゃないわよ」

魔法勇者「へ?」

第七王女「わらわが第七王女じゃ」

魔法勇者「え!? このちんちくりんがか ウソだろ!?」

第七王女「誰がちんちくりんじゃ!」

ゲシッ

第七王女の蹴りが魔法勇者のみぞおちに食い込んだ。

魔法勇者「ぐっほお!!」

第七王女「間違えた上にウソだろとはなんじゃ!」

\ぐごご……/

魔法勇者はうずくまっている。

爺僧侶「いやはや坊がご無礼を……」

孫僧侶「ゴメンナサイ 坊っちゃんバカだから」

第七王女「うむ バカならば致し方あるまい」

娘「そうね」

孫僧侶「そうそう」

少年エルフ「そうなの?」



421: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:05:40.25 ID:4IBbcXjc0


魔法勇者「じゃねーよこのヤロ―」ガバっ

第七王女「それでなんの用なんじゃ」

魔法勇者「ああ コホン……そうだな お前たち灯台に行くんだろう危ないから俺が一緒にいってやろう」

第七王女「無用じゃ」

娘「いらないわよ」

少年エルフ「病み上がりだったら無理しないほうが……」

魔法勇者「全員一致かちくしょう!」

孫僧侶「ほら 無理だった」

爺僧侶「まず頼み方がなってませんぞ まったく不甲斐ない」

魔法勇者「お前らもフォローしろよ!」

第七王女「用がそれだけなら失礼するのじゃ」

娘「そうね 明日出発するとして今夜はどうすれば?」

町長「こちらの宿をお使いください今はどこも満室でしょうが これを見せればなんとか部屋を用意してくれるでしょう」

町長の紹介状を手に入れた。



422: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:09:42.34 ID:4IBbcXjc0


第七王女「かたじけない」

娘「じゃ 行きましょ」

娘達は町長の家から出ようとする。

魔法勇者「まて せめて姫……じゃなくて君の名は?」

魔法勇者は娘に問いかける。

娘「……(教えたくないなぁ)娘よ」

魔法勇者「そうか娘君 よかったら今夜食事にでもどうだ」ぐいぐい

娘「ちょっと」イラ

魔法勇者「宿もどうせ同じだろう いいじゃないか ひと晩語り明かそうじゃないか なぁなぁ」

少年エルフ「ん……しょ」ぐい

少年エルフは娘と魔法勇者の間に割って入る。

少年エルフ「だーめ 明日は早いんだから」

魔法勇者「なんだこのガキ」

ドン



423: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:11:30.29 ID:4IBbcXjc0


少年エルフ「あ」

少年エルフは小突かれて帽子が落ちて耳があらわになった。

魔法勇者「あ! お前エルフぞk……」

シュッ

娘「そこまでよ」

魔法勇者「ふがッ!?」

娘は魔法勇者の口にナイフを突っ込んだ、笑顔だが殺気が出ている。

少年エルフ「娘!? 僕は大丈夫だから ちょっと」アセアセ

娘「……エルフは早く帽子をかぶって」

少年エルフ「う うん」

娘「さてと貴方はこの子がエルフ族と思ったかもしれないけど そう見えただけで違うから…… そうよね? ただの耳が長めの男の子よね?」

魔法勇者「ふがっしかっ」

魔法勇者の舌先をナイフがかすめる、口の端も少し切れた。

娘「わかったら頷いて」



424: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:12:46.90 ID:4IBbcXjc0


魔法勇者「」ぶんぶん

魔法勇者はうなづいた。

娘「わかったら行って」

娘は魔法勇者の口からナイフを引き抜いて言い放つ。

魔法勇者「お おう」バタバタ

爺僧侶「……失礼した まったく不甲斐ない」

孫僧侶「娘さんカッコイー じゃねー」

魔法勇者たちは立ち去った。



町長「王女 エルフ族を飼っているのですか!?」

娘「なんですって!!」

娘は憤慨した。

少年エルフ「娘!」

少年エルフがしがみついて娘を引き止める。




425: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:14:43.62 ID:4IBbcXjc0


第七王女「エルフはわらわの弟分じゃ 何ぞ問題があるかのう」

町長「弟分 まぁそういうことでしたらそういうことで……」

少年エルフ「……(弟分)」トオイメ

娘「……」イライラ

町長「ただ この町は魔法国出自の家も多いのです 町ではエルフ族が居るコトは内密に」

娘「言われなくてもそうするわ」

町長「それはよかった」

娘「っ! 行きましょ王女! エルフ!」

娘は少年エルフを引っ張って歩いていく。

少年エルフ「何!? どうしたの?」

第七王女「……ふむやっかいなことにならぬといいが」




426: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:17:14.36 ID:4IBbcXjc0

○夜・酒場

夕食をとりながら少年エルフは魔法国について第七王女から聞いている。

第七王女「魔法国は昔エルフ族狩りを行ったためエルフ族に滅ぼされた国じゃ」

少年エルフ「エルフ族狩り!?」

第七王女「さよう 古来魔法国はエルフ族から魔法を習って発展したのじゃが いつしかエルフ族の魔力特性を利用しようとしたのじゃ」

少年エルフ「そんな……」

娘「エルフ大丈夫? 無理に知らなくてもいいのよ」

少年エルフ「ううん 知っておきたいんだ 王女つづけて」

第七王女「うむ エルフ族は魔法国との戦争に勝ったのじゃが その後帝国が介入して再び戦争になり負けておる 今では魔法国は帝国の一部じゃ」

少年エルフ「そうなんだエルフ族と人が戦争を」

第七王女「ざっと100年程前のことじゃ その時の魔法国の民は周辺国にちらばり魔法使いの家元となったのじゃ 魔法の普及にもつながっておる」

少年エルフ「100年前なのにエルフ族を嫌う人がいるの?」

第七王女「それは……」

娘「エルフ……」



427: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:21:00.53 ID:4IBbcXjc0


第七王女「戦いにおいてエルフ族は圧倒的な魔法を振るったという それゆえ恐怖の対象として伝承されておるんじゃ」

少年エルフ「そうなんだ…… そうだよねこんなに魔力があるんだし……」

娘「大丈夫よ エルフは攻撃魔法は使わないし嫌いでしょ?」

少年エルフ「そうだけど」

第七王女「それにしてもあのバカ勇者がいいふらなさければいいがのう」

娘「そうね アレと一緒の宿はイヤだし別の宿にしましょうよ」

娘は町長の紹介状を振りながら言う。

第七王女「わらわもそう思うがのう 今は祭ゆえにどこも満室なんじゃそうじゃ」

娘「困ったわね」

少年エルフ「ごめんね僕のせいで……」

娘「そんなことないわ あのバカ勇者が余計なことしたせいよ」

第七王女「そうじゃ あのバカがのう」

少年エルフ「でも本当にどうするの?」

娘「うーん」

第七王女「ここらに詳しい者がおればのう」



428: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:23:34.89 ID:4IBbcXjc0


神官「安心してください この町に詳しい旅の僧侶がここにいますよ」二カッ

少年エルフ「あっ 神官さん」

神官があらわれた。

神官「どーもお久しぶりですエルフさん 娘さんに王女サマも」ニコニコ

第七王女「久しぶりじゃのう 魔王温泉いらいじゃの息災であったか」

神官「はい 王女サマもお元気で何より」

娘「それより貴方なんでここに」

神官「いや~ この先の知り合いに顔をだそうと思いまして まぁ船が出てないので足止めを食らってる次第です」

第七王女「それよりここらに詳しいのか? こっそり泊まれる宿を探しておるのじゃが」

神官「ははあ それなら安心安全秘密厳守のステキなお店がありますよ」ニコニコ

少年エルフ「ホント!? どこ?」




429: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/12(日) 19:24:34.96 ID:4IBbcXjc0

○町はずれの酒場?

神官「ここですよー」

ガチャ

姉・妹サキュバス「「いらっしゃいませー」」

たゆんたゆん

扉を開けると双子のサキュバスが豊満な胸を揺らして出迎えてきた。

少年エルフ「あ!」

娘「んな!?」

第七王女「お?」

そこは双子のサキュバスの店だった。





434: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:08:51.44 ID:SbeOzU/y0

#20 シェアハウス・ウィズ・ツインサキュバス



435: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:09:57.64 ID:SbeOzU/y0

○双子サキュバスの店

ガチャ

姉サキュバス・妹サキュバス「「いらっしゃいませー」」

神官「今日もきちゃいましたー」

妹サキュバス「なんだ神官さんか あの話ならお断りよ」

神官「いえいえ今日はステキなお客様も一緒ですよ」

第七王女「なんじゃここは?」

少年エルフ「あの……」

姉サキュバス「きゃーー もしかしてエルフちゃん!?」

少年エルフ「やっぱりお姉さん!?」

神官「おや? お知り合いでしたか」

少年エルフ「ええ ちょっと交流会で……」

姉サキュバス「嬉しいわー わざわざ来てくれたの」



436: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:11:12.05 ID:SbeOzU/y0


シュッ

姉サキュバスは少年エルフにかけよろうとすると前を遮る者があらわれた。

娘「いいえ タダの偶然よグウゼン」ゴゴゴゴゴゴ

姉サキュバス「あら!? アナタ」

少年エルフ「え? 知り合い?」

娘「いーいーえ 知らないわ 初対面よね」ゴゴゴゴ

姉サキュバス「え? ええそうね」

少年エルフ「そうだよね お姉さんは以前交流会で知り合ったの……ご飯食べてそれから……えっと(寝ちゃったんだっけ?)」




437: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:12:29.25 ID:SbeOzU/y0

○???

娘友「……(聞こえますか 今アナタの心へ直接かたりかけています)」

娘友「……(異種族交流会 それはアタシの親父が開催した異種族交流をお題目にした異種族婚活パーティでした)」

娘友「……(そこでエルフさんに目を付けたのがエルフ族を騙った双子サキュバスだったのです)」

娘友「……(あわやエルフさんがその毒牙にかかるその時 乱入した娘は双子サキュバスに鉄拳制裁を加えてエルフさんを救い出しました)」

娘友「……(ちなみにエルフさんはその時の記憶はエナジードレインの影響であやふやになってます)」

娘友「……(それでは続きをお楽しみください)」





438: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:13:32.11 ID:SbeOzU/y0


少年エルフ「えっと?」

娘「あら それはそれはエルフが世話になったわね」ゴゴゴゴ

姉サキュバス「……(コワイ)いえいえこちらも結構なモノを」ドキドキ

第七王女「浅からぬ因縁を感じるのう」

妹サキュバス「とりあえず何しに来たの ホント?」



姉サキュバス「へー それでお姫様と一緒に旅をしてるの」

第七王女「そうじゃ それでこの町に来たのじゃがエルフの耳がばれてしまってのう」

姉サキュバス「そうね 私はエルフちゃんを先に知ってたからそうでもないんだけど…… ヘンな噂話でエルフ族を嫌ってる人はいるわね」

少年エルフ「噂……どんなの?」

姉サキュバス「そうね…… 洪水を起こしたとか竜巻を起こしたとか」

娘「たしかにエルフ族の魔法ならそれくらい出来るわよね」




439: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:15:11.65 ID:SbeOzU/y0


妹サキュバス「巨大化して手が六本で眼から光線をだしたとか」

少年エルフ「ええ!?」

神官「他にも年末に山からおりてきて悪い子供をさらって食べてしまうとか 泳いでる子供の尻からエナジードレインをするとか……」

第七王女「それは違うじゃろ」

神官「まぁ結局はただの噂ですよ 尾ひれがつくのはよくあることです」

少年エルフ「エルフ族ってなんなんだろう」うーん

少年エルフは混乱している。

娘「ただの噂よ 気にしないで」

姉サキュバス「何か飲む? 落ち着くわよ」

姉サキュバスはそういってメニューを渡した。

少年エルフ「ありがとう…… 飲み物いっぱいあるね」

娘「ほとんどお酒よ 私たちが飲めるのはこっちよ」

第七王女「ほうほう……この『ぱふぱふ』とはなんじゃ?」




440: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:16:46.50 ID:SbeOzU/y0


神官「あらら 気づいちゃいましたソレ」

少年エルフ「どんな飲み物なの?」

妹サキュバス「それはね飲み物じゃなくてサービスよ」うふふ

姉サキュバス「試す? 気持ちいいわよ~」うふふ

少年エルフ「えっと?」

姉サキュバス「特別にエルフちゃんは二人でしてあげましょうか」

妹サキュバス「お代は魔力払いでいいから ね?」

少年エルフ「えっとえっと?」

娘「あーら だったら私からして貰おうかしら」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ガシッ

姉サキュバス「え!? ちょっと」

妹サキュバス「まって またアレですか!? ヒィ!!」

娘は双子サキュバスを掴んで隣室へひきづっていく。




441: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:17:41.27 ID:SbeOzU/y0


少年エルフ「娘? えっと……どうしたの」

娘「エルフちょっとまっててね」

バタン

娘は双子サキュバスと共に隣室へいってしまった。


\魔力払いね じゃあコレで/

\まってそれだけはご勘弁を/

\タスケ……/

バリバリバリバリ

\オムネガー!!/

\エリクトリカルパレードー!!/

シュー

ガチャ

娘が隣室から戻ってきた。




442: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/06/19(日) 23:18:16.64 ID:SbeOzU/y0


娘が隣室から戻ってきた。

娘「エルフ 今夜の宿代も払っておいたから」ニッコリ

少年エルフ「……お姉さんたちは?」

娘「もう寝たわ」ニッコリ

少年エルフ「……」

第七王女「わらわ達ももう寝るかの」

神官「そうですね 二階で寝れますよ」





445: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:01:37.67 ID:nJiWXy1h0

#21 シェアハウス・ウィズ・サキュバス2




446: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:04:44.19 ID:nJiWXy1h0

○双子サキュバスの店・二階の部屋

ガチャ

第七王女「ここかの」

少年エルフ「いいのかな勝手に入って」

娘「話はついてるわよ」

神官「ここなら安全ですよ 秘密厳守ですから」

娘「って なんでアナタまで入ってくるのよ」

神官「ええ~ だって部屋はここだけですし」

娘「だからって一緒じゃなくてもいいじゃない」

少年エルフ「娘 そんな言い方しなくても だいたいここを紹介してくれたのは神官さんでしょ?」

娘「うっ」

神官「そうですよね さすがエルフさん 話が分かりますね」

第七王女「それよりシャワーを浴びたいのじゃが?」

娘「そうね…… 潮風でベタベタだしさっぱりしたいわ」

神官「それでしたらあちらに……」




447: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:06:51.30 ID:nJiWXy1h0


神官が指さす方にガラス張りのシャワールームが設置されている。

娘「……」

少年エルフ「なにあれ? あれじゃあ見えちゃうじゃない」

第七王女「ふむ モダンな造りじゃのう」ぬぎぬぎ

第七王女は服を脱ぎ始める。

娘「ちょっと 王女……」

○廊下

ドゲシッ

娘「しばらく待ってなさい!」

神官「ぎゃふ」

神官は廊下に蹴り出された。

神官「やれやれ…… オトコは辛いとろこですね」

少年エルフ「ごめんね なんだか気が立ってるみたいで……」




448: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:08:24.43 ID:nJiWXy1h0


神官「おや エルフさんも追い出されましたか?」

少年エルフ「だって娘もシャワーするんだし出てなきゃ……」

\エルフ? エルフは出なくてもいいのに/

\エルフも一緒に入らぬか/

神官「エルフさんは良かったみたいですよ」

少年エルフ「もう…… 娘も王女さまも子供扱いしないでよ!」

\親子だから別にじゃない/

\子供あつかいなんぞしとらんぞ…… 弟扱いじゃ/

少年エルフ「も~ とにかくダメ 早く済ませて」

\\はーい//

神官「……エルフさんも苦労されてますね」




449: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:10:02.12 ID:nJiWXy1h0



神官と少年エルフが廊下で娘達のシャワーが終わるのをまっている。

少年エルフ「ねぇ 神官さん」

神官「はい 何ですか?」

少年エルフ「その…… 約束覚えてる?」

神官「約束…… 何だったでしょうか?」

少年エルフ「魔王温泉でわかれる時にしたじゃない また会ったら教えてくれるんでしょ?」

神官「あぁ 思い出しました 私の魔力についてでしたよね」

少年エルフ「うん 神官さん普通の人の魔力じゃないよね どうして?」

神官「そうですねー……(どう話したものか) 確かに私は他の方と違います」

少年エルフ「うん……」

神官「そういえば少年エルフさんはサキュバスさん達とお知り合いでしたね?」

少年エルフ「え? うんそうだけど」



450: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:12:54.28 ID:nJiWXy1h0


神官「彼女達の生い立ちは聞いていますか?」

少年エルフ「えっと? この町の出身だったよね」

神官「はい 彼女たちはこの町生まれの普通の人間の姉妹でした」

少年エルフ「普通の人間? でもお姉さんたちって……」

神官「はいサキュバスです 彼女達は成長途中で魔族の血が発現したのです」

少年エルフ「魔族の血?」

神官「はい たまに居るのです混血児の末裔が……その古い血が発現した者がこの数十年で増えています」

少年エルフ「そうなんだ……知らなかった」

神官「無理もありません大抵は人目を避けますから 彼女たちのように町中で暮らしているのは珍しいです」

少年エルフ「そうなんだ でもそれが神官さんとどう関係するの?」

神官「私も彼女たちと一緒ということです」

少年エルフ「え゛っ!? 神官さんもサキュバスなの」

少年エルフは思わず後ずさった。

神官「いやいや違います 私はシャドウ族です」



451: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:15:22.69 ID:nJiWXy1h0


少年エルフ「シャドウ族?」

神官「実体が希薄な影の魔族ですよ 魔力に秀でていたそうで私もその性質が強く現れました」

少年エルフ「そうなんだ」

神官「おかげで聖職者が魔族の末裔なんて! ってことで破門されちゃいましたけど」

少年エルフ「え そうなの!?」

神官「それで途方にくれていたところをある方に拾われまして 同じような魔族の末裔を探してお互いに助け合おうと組合を作ろうとしている最中なのです」

少年エルフ「組合って そんなに沢山いるの?」

神官「いや~ なかなかいませんしサキュバスさん達みたいになかなか賛同してくれない方もいますので」

少年エルフ「そうだったんだ」

神官「どうです? よろしければエルフさんも組合に入りますか?」

少年エルフ「僕が?」

神官「ええ エルフさんは魔族の末裔というわけではありませんが少数派なのは変わりませんし」

少年エルフ「少数派…… それはそうだけど」

神官「どうですかお困り事などありませんか~? 力になりますよ~」




452: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:17:11.22 ID:nJiWXy1h0


少年エルフ「困り事……」

ギィイ

娘「あーら 一体何の勧誘でしょうかね」ゴゴゴゴゴ

神官「ふはっ」

娘が扉を開けて現れた。

娘「エルフ ダメよこんな怪しい奴の話を信じちゃ」

神官「怪しいだなんてそんな これでもレッキとした僧侶ですよ~ やだな~」ハハハ

娘「……まあいいわ 私と王女は済ませたからエルフも済ませてきて 待ってるから」

少年エルフ「うん わかった」

少年エルフは娘たちと入れ替わり部屋にはいる。

神官「エルフさん考えておいてくださいね 急がなくていいので」

少年エルフ「え? うんわかった」




453: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:19:23.75 ID:nJiWXy1h0


○部屋

第七王女「さて寝るのじゃ 岬は歩いては結構かかるそうじゃからの早くに発たねば」

少年エルフ「でも……大きいベットが一つだけだよ どうしよう」

娘「……このサイズなら一緒でも問題はないわね」

神官「そうですね 今夜はみんな仲良く一緒に寝ましょう」ニコニコ

○廊下

ドゲシッ

神官「ぎゃひん」

娘「アンタはそこ!」

バタンッ!

布団でスマキにされた神官が廊下に蹴り出された。

○部屋

娘「まったく……遠慮ってものを知らないのかしら」

少年エルフ「えっと……じゃあ僕も向こうで寝るから」

第七王女「ダメじゃ エルフはここでわらわと寝るのじゃ」ぽんぽん

少年エルフ「イヤです」トオイメ



454: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:25:30.09 ID:nJiWXy1h0


第七王女「むぅ 娘よエルフが反抗期なのじゃ」

少年エルフ「いやそうじゃなくって……」

娘「そうね…… パパ?」

少年エルフ「なに?」

娘「”睡眠”」ポワワーン

少年エルフ「ぅあ……」カクン

第七王女「おっと」

眠ってしまった少年エルフを第七王女が受け止めた。

娘「王女 パパと一緒にそっちで寝てくれる?」

第七王女「うむ わかったのじゃ…… それにしても簡単に魔法にかかったのう」

娘「パパは感受性が高いから…… それじゃあ私はこっちで寝るね」

第七王女「うむ おやすみなのじゃ」

娘はベットの扉側で横になり扉を見つめる。

娘「おやすみ……(パパは私が守る)」



455: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:27:42.47 ID:nJiWXy1h0

○深夜・階段

ミシミシ……

姉サキュバス「この時間ならみんな寝てるわよね」

妹サキュバス「姉さん あれだけやられてるのにまだ狙うの?」

姉サキュバス「もちろんよエルフちゃんのエナジーは極上なんだから 妹ちゃんにも味わさせてあげたいわ」

妹サキュバス「そうなの? まぁ姉さんがいうなら」

○二階廊下

姉サキュバス「あら神官さんが寝てるわ」

神官「スピースピー」

スマキになった神官が廊下で寝ている。

妹サキュバス「メンドクサイからほっときましょ」

姉サキュバス「そうね」



456: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:29:51.11 ID:nJiWXy1h0

○部屋前

双子サキュバスはエルフ達が寝ている部屋の前に来た。

姉サキュバス「よーしここね エルフちゃんの濃厚でありながら若々しさを感じる新鮮なノド越し そして悶える姿~ フフフ あの味をもう一度」じゅるり

妹サキュバス「姉さん大丈夫?」

姉サキュバス「大丈夫よ 二人で吸ってもお腹いっぱいまで吸えるわよ~ 桁外れの魔力なんだから」

妹サキュバス「そうじゃなくて……まあいいわ でもバレたら今度こそ黒焦げにされるわよあの電撃ムスメに その点わかってる?」

姉サキュバス「大丈夫よ いくら狂暴でも人間だもの こんな時間に起きてるわけないわ」

ガチャ……ギィ

姉サキュバス「さて極上エルフちゃんはどこかしら?」

姉サキュバスは扉を細くあけて室内を伺う。 室内で横になっている3人が見える

第七王女「むにゃむにゃ……」

少年エルフ「すーすー」

娘「……」キラン

姉サキュバス「ヒィ!」

バタン

妹サキュバス「姉さん?」



457: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:40:28.38 ID:nJiWXy1h0


姉サキュバス「今 娘さんと目が! 目が合ったわ逃げましょう」アタフタ

妹サキュバス「寝てるっていったのは姉さんでしょ?」

ガチャ

妹サキュバス「半眼あけて寝てるとかじゃ……」

娘「……」ジー

妹サキュバスが覗くと扉越しに娘が凝視している!!

姉・妹サキュバス「「ヒィ!?」」

娘「誰が電撃ムスメですって?」ゴゴゴゴゴゴ

妹サキュバス「あああ そんな滅相も……」ガクガクブルブル

姉サキュバス「そうですす す……”睡眠”」ポワワーン

しかし娘には効かなかった。

妹サキュバス「ウソぉ!? ”誘惑”」ミョミョーン

しかし娘には効かなかった。

娘「……私にその手の魔法は効かないわよ 知ってるでしょ」ゴゴゴゴ




458: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:42:24.34 ID:nJiWXy1h0


姉サキュバス「そんな!? ”幻惑”」シュワワワ

しかし娘には効かなかった。

妹サキュバス「お願い! ”魔封じ”」シュピン

娘は魔法が封じられた!

娘「あ」

妹サキュバス「やったわ!」

姉サキュバス「すごいわ妹ちゃん 魔法が無ければアナタなんて怖く……」

ガッ! ガッ!

娘のアイアンクロー! 娘が双子サキュバスの頭を締め上げる。

ギリギリギリギリッ

姉・妹サキュバス「「ヒイイイイイイイイ」」

娘「静かに…… 下に行きましょうパパが起きちゃうから」ゴゴゴゴ




459: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:46:51.99 ID:nJiWXy1h0



\ヒィ……ゴメンナサイ……/

バタバタズルズル

神官「……んん? おや娘さんこんな時間にどちらへ」

スマキの神官は双子サキュバスを引きずって歩いていく娘に気付いた。

娘「あら? 起きたの」

\タスケ……/

娘「ウルサイっていってるでしょ」

\ハゥ……/

神官は悲壮な双子のサキュバスを見て悟る。

神官「ははあ お姉さんたちが何かやらかしましたか しかし娘さんもそんな事をしてるなんてエルフさんが知ったらどう思うでしょうかね?」

娘「……」

\ヤッタキイテル……/

\イイワモットイッテヤッテ/




460: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:48:22.76 ID:nJiWXy1h0


神官「エルフさん優しい方ですから貴方の行いを知ったらきっと悲しむのでは……」

娘「……大丈夫よ 知られなけばいいから」

神官「え? それはどういう……まって まってください」

娘はスマキの神官をふんずけた。

神官「ぐげぇっ」

神官は気絶した。

○階段

娘「さ 行きましょうか(後で記憶消しておかないと)」

姉サキュバス「あの 下で何を……」ガクガク

娘「そうね 魔法が使えないから…… オババ直伝の”交渉”よ」ニタリ

妹サキュバス「ヒイイ」ガクガク

姉サキュバス「許して……」ブルブル

娘「……それか”しつけ”かな 下で決めるわ」

トントン

姉サキュバス「誰か……」

妹サキュバス「助けて……」

ズルズルズル

双子サキュバスが階段にしがみついて抵抗するが無慈悲に引きずりおろされる。

娘「……自業自得でしょ まったく」

娘はオババの言葉を思い出す。

――オババ『素早く そして徹底的に』




461: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:50:44.45 ID:nJiWXy1h0

○朝・双子エルフの店 一階

少年エルフと台七王女が二階から降りてくる。

第七王女「ふわー よく寝れたのじゃ」

少年エルフ「娘ー? 起きてるの?」

娘「パパ おはよう 先にいただいてるわ」

娘は朝食を食べている。

第七王女「早いのう わらわもいただくのじゃ」

第七王女も席に着く。

少年エルフ「こんな朝ごはんまでありがとうね お姉さん」

姉サキュバス「はひぃっ! エルフちゃんと娘サマのタメでしたらぁ」ビクビク

少年エルフ「え!? どうしたの? 何かあった?」

妹サキュバス「いいえ 何もアリマセン大丈夫です」ビクビク

第七王女「何をそんなに怯えておるんじゃ?」

姉サキュバス「いえ そんな」




462: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:55:58.78 ID:nJiWXy1h0


娘「……そうよ いつも通りよね?」

妹サキュバス「ハイイィ 娘サマの仰る通りです」

少年エルフ「……娘……サマ?」

娘「ほら 早く食べないと 灯台まで結構かかるって話よね」

第七王女「うむ そうじゃったな早く発つ手はずじゃな」

少年エルフ「うん そうだね……?」

モグモグ

少年エルフ「……お姉さんたちは食べないの?」

妹サキュバス「いえ 私達はそんな……」ビクビク

娘「後で食べるって だから早く」

少年エルフ「う うん」

姉サキュバス「そうです早くっ…… うぅダメ戻しそうだわ」ガク

妹サキュバス「姉さんしっかり! 娘サマの前で粗相なんてしたら」ガクガクガクガク




463: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 20:57:03.00 ID:nJiWXy1h0


少年エルフ「あの……お姉さん大丈夫?」

姉サキュバス「えぇ大丈夫よ(あぁなんて天使なのかしら)」

娘「……」ギロリ

姉サキュバス「はぅ!! ぅぐ……」

バタバタバタ

姉サキュバスは逃げ出した。

妹サキュバス「まって一人にしないで」

バタバタバタ

妹サキュバスは逃げ出した。

少年エルフ「娘 夜中になにしてたのホントに?」

娘「そんな別に……ちょっと”お話し”てただけよ ほらもう時間よ先に支度するわ」

バタバタ

娘も逃げるように二階へ上がっていった。

少年エルフ「……」

第七王女「とりあえず食事を済ませるのじゃ」

少年エルフ「……うん」



464: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/03(日) 21:00:26.85 ID:nJiWXy1h0



第七王女「よーし皆の者準備できたの?」

少年エルフ「結構時間かかったねぇ」

娘「誰かさんが遅かったから」

神官「あの? 結局ほどいてくれたのエルフさんでしたよね? ですよね?」

娘「なんで貴方まで来るのよ」

神官「灯台までは道が細いし霧も出ますよ案内が無いと迷いますよ それに灯台守が私の友人でして……」

第七王女「ふむ 知り合いなのか?」

神官「どうせ船で寄るつもりでしたし 貴方たちが歩いて行くならご一緒した方が早いと思いまして」

少年エルフ「そうだったんだ 無事でいるかな? 心配だね」

神官「……そうですね 心配です」

第七王女「ならば急ぐのじゃ しゅぱっーつ」

第七王女たちは岬の灯台へ向かう。





468: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:39:08.65 ID:Pnjt5fO/0

#22 霧の中



469: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:41:49.45 ID:Pnjt5fO/0

○朝・広場

爺僧侶「やはりもうこの町を発ったようですぞ」

魔法勇者「そうか 宿にもいなかったしな……どこに泊まったんだ?」

タッタッタ

孫僧侶「買い出し戻りましたよー」

魔法勇者「ご苦労 よし食事をすませたらもう一度宿屋を一回りするぞ」

爺僧侶「そうですな」

ガサガサ

孫僧侶の買ってきた軽食を食べつつ相談する。

孫僧侶「なんです? また宿屋で聞き込みですか?」モグモグ

魔法勇者「そうだ やっと見つけた手がかりだからな……しかしなんであんなチンチクリンなんかと一緒に」モグモグ

爺僧侶「坊 どのようであれ一国の姫にそのような言いぐさは……」モグモグ

孫僧侶「姫ちゃんやんちゃで可愛いじゃない さっきも朝から元気な挨拶してくれたよ」モグモグ

魔法勇者「やんちゃって……やんちゃにもほどがあるぞ オトコのまたぐら蹴り上げるような奴は……」

爺僧侶「あれは坊も悪いですぞ 従者と姫を間違うなどと……」

モグモグ

魔法勇者「……まて お前いま挨拶したって どこで?」

孫僧侶「え? 屋台で姫ちゃんたちもお弁当買ってたよ『これから灯台にいくのじゃ』って」

魔法勇者・爺僧侶「「ゴホッ!!」」

孫僧侶「うわ きたな」

魔法勇者「バカお前! アイツがいたらあのちびエルフも一緒だろうが 行くぞ! 追いつくぞ」

孫僧侶「まってまって お爺ちゃんが喉つまらせた」

爺僧侶「ゴフッゴホッ」

魔法勇者「ああもう これ飲め 早くしろ!」



470: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:44:13.77 ID:Pnjt5fO/0

○崖っぷちの道

少年エルフ「うわー 霧がスゴイねぇ」

第七王女「潮の香もすごいのじゃ 海の中を歩いておるようじゃな」

娘「ふたりとも足元に気をつけてよ 海におっこちないでね」

少年エルフ「落ちないよ もう」

第七王女「落ちるよりはやく着地するから大丈夫じゃ」

娘「なによそれ」

神官「おや? 道が」

少年エルフ「神官さんどうしたの?」

神官「道が塞がってますね」

道は巨大な岩のようなもので塞がっている。

娘「落石? 困ったわね」

第七王女「これくらい登って……なんじゃ? やけにツルツルした岩じゃのう」

ゴゴッ

少年エルフ「まって! この岩動いてる」

第七王女「なんじゃと?」

ズボォン



471: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:46:08.23 ID:Pnjt5fO/0


少年エルフ「うわああ」

娘「きゃあ」

第七王女「ほおおおお!?」

岩だと思ったのは巨大な巻貝だった! 下から巨大なハサミが伸びてくる。

シャキンシャキン 

神官「またカニですか?」

第七王女「いやこれは ヤドカリじゃ! 巨大ヤドカリじゃ」

巨大ヤドカリが襲い掛かってきた。

カサカサカサ シャキンシャキン

娘「カニだかエビだかしらないけど……もうたくさんよ”雷斬り”」

ズバァン ビリビリ

娘「くっ 硬いわね……」

シャキンシャキン

第七王女「うーむ こんなところで暴れられてものう」ヒョイヒョイ

少年エルフ「ねぇ この崖の下って海でしょ?」

神官「そうですよ」

少年エルフ「だったら……”風弾”」ビュオオオン

巨大ヤドカリ「!?」グラッ

ひゅーん ドボーン

巨大ヤドカリは風で体勢を崩して海に落ちて行った。




472: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:47:39.29 ID:Pnjt5fO/0


娘「凄いわパパ 流石だわ」

神官「ただの風弾であんな巨体を……たいした魔力ですね」

少年エルフ「え? その……僕はあれしか出来ないから」エヘヘ

第七王女「よーし進むのじゃ」

神官「おや足元に気をつけてください…… ウニがいますよ」

第七王女「なに?」



第七王女「海の中みたいじゃといったが……」

少年エルフ「ホントに海の中歩いてるんじゃないよね?」

灯台への崖の道は巨大なイソギンチャクやヒトデ ウニといった磯辺の生き物にあふれていた。 巨大化して。

巨大ウミウシ「……」ヌロン

巨大ウミウシがあらわれた。




473: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:52:53.33 ID:Pnjt5fO/0


少年エルフ「……」

第七王女「……」

のそのそ

娘「……」

神官「……のろいですねぇ」

のそのそ

巨大ウミウシは道を横切っている。

少年エルフ「歩いてるだけだし 待とうよ」

第七王女「そうじゃな」

娘「でもこの巨大海産物は一体なんなの? ここらの特産なの?」

神官「いえいえ こんな巨大なの初めてみますよ異常ですよ」

少年エルフ「これってやっぱり灯台の異変と関係あるのかな?」

神官「どうでしょうね ……でもこんなものが歩き回ってたら普通の人は外に出れないですね」

第七王女「そうじゃな 灯台守も困っておるのかもしれんの」




474: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:54:06.63 ID:Pnjt5fO/0



神官「もう少しですかね」

第七王女「やっとか結構かかったのう」

\キャーー/

第七王女「悲鳴じゃ! 誰かが襲われておる」

ダダダ

第七王女は道を引き返して悲鳴の元へ向かう。

娘「でも後ろからって?」

神官「他にもお客さんがいたんですかね」



孫僧侶「きゃーヘビー!!」

爺僧侶「似てるが違う これはウツボじゃ!!」

魔法勇者「なんだここは? ハァハァ……さっきから無茶苦茶じゃないか……ぜぇぜぇ」

巨大ウツボ「シュルル」

魔法勇者たちが巨大ウツボに襲われている。

孫僧侶「来るな”風刃”」シュバッ

巨大ウツボ「ギュオ」

巨大ウツボに風の刃が当たるが大したダメージにはならない。

爺僧侶「坊 はやく魔法を」ブンブン

爺僧侶はメイスを振り回してけん制をしている。

魔法勇者「まて……走りっぱなしで息が……」

巨大ウツボ「ギュオオオ」

爺僧侶「うおおお」



475: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:55:45.66 ID:Pnjt5fO/0


娘「”電撃”」

バリバリバリッ

巨大ウツボ「ぎゅわあああ」

巨大ウツボは電撃に怯んで逃げ出した。

爺僧侶「おう……助かりました」

第七王女「なんじゃ おぬしらか」

魔法勇者「ふん なんだその……偶然だな」

娘「偶然ってウソでしょ」

孫僧侶「あ 王女ちゃん今朝ぶりー 走って追いかけてきたよ」

爺僧侶「霧の中を走ったせいで何度が大変な目に遭いましたがの」

魔法勇者「だからお前ら全部勝手に言うんじゃねぇ!」

第七王女「ほーう 追いかけてのう なんぞ用があったのかの?」

魔法勇者「別に…… 俺は勇者としての責務を果たしに灯台に行く途中だ」

第七王女「勇者のう…… まぁ勇者を名乗るのは誰でもできるからのう」

魔法勇者「なっ お前だって勝手に二代目とか名乗ってるんじゃねーよ」

第七王女「なんじゃと!」



476: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:57:39.60 ID:Pnjt5fO/0


魔法勇者「お やるか? 言っておくが俺は熱量操作は上位系統まで習得済みだぞ」

第七王女「な~にが上位系統じゃ そんなものこうじゃ」シュッ

第七王女は投げナイフを投げつけた!

少年エルフ「ちょっと王女!?」

魔法勇者「んな!?」

ザシュ

???「キュエエ」

霧の中から魔法勇者を狙っていた何かが引っ込んだ。

第七王女「なんじゃ今のは? またウツボかの」

魔法勇者「やってくれるじゃねえか ”氷牙”」シュキン

魔法勇者は氷の刃を打ち出した。

爺僧侶「な!? 坊!」

第七王女「よっと」ヒョイ

シャキン パキパキ

???「キュエエ」

第七王女「な!?」



477: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 22:58:42.42 ID:Pnjt5fO/0


第七王女が立っていた場所に氷漬けになった触手が落ちている」

魔法勇者「なんだこれは? タコか?」

孫僧侶「ちょっと……今の何?」

娘「気をつけて 霧の中に何かいるわ」

ニュルニュルニュル

バシンバシン

少年エルフ「うわぁ」

霧の中から触手が襲い掛かってきた。

神官「いやはや困りましたね」



478: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:00:10.74 ID:Pnjt5fO/0



孫僧侶「きゃーー」

孫僧侶が触手に捕まり霧の中へ吸い込まれた。

魔法勇者「お前! どこ行った!?」

第七王女「おのれ 姿を現さずに卑怯な!」

娘「王女危ない!」

バシン

少年エルフ「娘!」

娘「痛ぅ ドジったわ……きゃっ」

娘も触手に捕まってしまい霧の中へ消えてしまった。

少年エルフ「娘! こんな霧……”旋風”」ゴオオ

旋風が巻き起こりあたりの霧を散らした。

???「」ニュルニュル

孫僧侶「きゃあああ ナニコレ!?」

魔法勇者「イカぁあ!?」

巨大イカが娘たちを捕まえている。



479: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:02:29.03 ID:Pnjt5fO/0


魔法勇者「魚介類のくせに陸で戦うとは不届きな 食らえ”豪火球”」

ボオォン

巨大イカ「!!」

娘「熱っつ ちょっとお!」

孫僧侶「アタシたちも居るんですよ バカ坊!」

魔法勇者「ぐぬう だったら双高閃熱で……」

神官「豪火球より範囲が広いじゃないですか」

少年エルフ「もっとピンポイントの魔法はできないの?」

魔法勇者「俺はチマチマした魔法は好かん!」

第七王女「だったらわらわが直に切り落としてくれるわ」シュッ

少年エルフ「王女」



巨大イカ「」ウニュルウニュル

巨大イカは魔法に怯んで海に逃げようとしている。

孫僧侶「このっこのっ はなせ」ぺしぺし

娘「……(剣は落としたしあの子がいたんじゃ電撃も……何か手は)」

タタタ

第七王女「いま助けるのじゃ」

孫僧侶「わーたすけてーこっちですー」ジタバタ

第七王女「とーう」

娘「あ 王女ダメ!」

第七王女は高く舞い上がり跳びかかった。




480: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:03:43.93 ID:Pnjt5fO/0


巨大イカ「」シュル

パシ

第七王女「あ」

第七王女は空中で巨大イカに捕まえられてしまった。

娘「遅かった……」

第七王女「ぬかったわ……」

孫僧侶「空中じゃ避けれないですよね」

娘「っていってる場合じゃないわ 落ちるわよ!」

巨大イカは崖から海へ飛び込む。

孫僧侶「きゃああああ」

第七王女「おおおおお」

ザッパーン



少年エルフ「うそ 娘ー!?」

爺僧侶「なんてこと……孫よ」

神官「あ 浮いて来ましたよ」

海面に巨大イカと娘たちが浮かび上がった。

少年エルフ「娘ー! 王女ー!」

神官「……今の衝撃で気を失ってるようですね」




481: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:04:50.95 ID:Pnjt5fO/0


魔法勇者「くそ アイツらが捕まっていなければ俺の魔法で」

爺僧侶「あやつあんな所へ……」

巨大イカ「」ニュルニュルニュル

巨大イカは大きな岩の割れ目にその巨体を滑り込ませていく。

爺僧侶「信じられん あんな巨体が」

魔法勇者「くそ 逃げられるぞ」

みるみるうちに巨大イカはその体の大半を岩の向こうへ滑り込ませた。

少年エルフ「娘ー!」

娘「う…… エルフ……?」

ニュルン

最後に見えていた、捕まえられた娘が闇に消えた。



少年エルフ「そ そんな娘……」

魔法勇者「くそまだ間に合う いくぞ!」

爺僧侶「おやめください 海に飛び込むつもりですか!?」

少年エルフ「あんな所どうやって下りれば……」

神官「あそこは確か……灯台の魔力の間ですよ」

爺僧侶「灯台の? どうしてこんな所にそんなものが」

神官「おや? だってもう灯台ですから」

少年エルフ「え?」

霧の向こうにうっすらと塔らしき物が一瞬見えた。

神官「霧が濃いですからね 気づきませんでしたか」

少年エルフ「じゃあ灯台の地下があの岩の向こうに……」

神官「そのはずですよ」

魔法勇者「よし 行くぞ」



482: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/10(日) 23:06:04.82 ID:Pnjt5fO/0

○灯台・入口

魔法勇者「ここが入口だな」

神官「焦るのはわかりますが あまり軽率に動いては……」

爺僧侶「たしかに中に何が居てもおかしくはありませんな」

少年エルフ「でも早くしないと娘達が」

魔法勇者「ええい もう何が出ようと怯まぬドーンと来い」

バァン

魔法勇者は扉を開け放った。

イカ男A「!」
イカ男B「!」
イカ男C「!」
イカ男D「!」
イカ男E「!」
イカ男F「!」

少年エルフ「ひ……頭が……」

爺僧侶「またイカか!?」

神官「これはまた『イカ人間』ですかね」

イカ男たち「ッ!ッ!!」ニュルニュル

イカ男たちが襲い掛かってきた!

少年エルフ「うわあああ」

魔法勇者「このゲソ野郎!」





485: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:34:33.18 ID:tc6U6LHs0

#23 博士の特殊な愛情



486: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:37:57.55 ID:tc6U6LHs0

○???

ニュルニュルニュル

???「戻ったか今度は何を捕まえた」

巨大イカが使えた娘達を差し出す。

娘「……」

孫僧侶「……」

第七王女「……」

娘達は気絶している。

???「これは素晴らしい! 最高の素材だ」

巨大イカ「」ニュルニュル

???「よくやった 船に運んでおけ 丁重にな」

???『やめろっ こんな子供まで巻きこむな!』

???「貴様…… まだそんなことを」

???『もう計画は終わりだ 皆をもとに……もど……』

???「……うむ よし消えたな……研究は既に私のものだ」

\ドーン ボゴォン/

???「まだ騒がしいのが残っておるな」



487: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:42:38.95 ID:tc6U6LHs0

○灯台一階

ドタドタドタッ

魔法勇者が魔法を連発しながらイカ男を蹴散らしていく。

魔法勇者「どけどけーい”爆裂”」

ドドォン

イカ男「ッッ!!」

イカの焼ける匂いをかきわけ少年エルフ達は駆け抜ける。

少年エルフ「こっちでいいの?」

神官「そうですね 管理室があるはずです」

管理室への扉が見えた。

魔法勇者「ここか?」

ガチャ

少年エルフ「あかないっ!?」

魔法勇者「これしき ”炸裂”」

ボォン

魔法勇者は魔法で扉をふっとばした。



488: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:45:44.60 ID:tc6U6LHs0

○管理室

灯台守「ひゃあああっ お助けー」

神官「おや? 無事でしたか」

魔法勇者「灯台守か」

灯台守「おぬし! それに貴方たちは?」

魔法勇者「俺は魔法勇者だ助けにきたぞ」

灯台守「それはなんとありがたい……急に生物が大きくなってしまって」

少年エルフ「ごめんなさい 詳しく話してる場合じゃないの地下にはどこから行けるの?」

灯台守「地下…… 魔力の間ですかな? あの扉の向こうに階段が」

少年エルフ「ありがとう いこうっ」

灯台守「しかしその先はどうなっているやら…… どうなっても知りませんぞ」

魔法勇者「そうか しかし行かねばならん乙女のピンチなんだ」

爺僧侶「しかしこのご老人を独りにするのも…… 扉をふっとばしてしもうたし」

魔法勇者「う……」

神官「だったら私が残ります 皆さんは先に行ってください」

少年エルフ「わかった ありがとう神官さん」

魔法勇者「よし いくぞ!」

ダダダダッ



489: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:49:22.18 ID:tc6U6LHs0

○地下階段・魔力の間前

魔法勇者「よしここだ 入るぞ」

少年エルフ「うん」

爺僧侶「いつでもいいですぞ」

ガチャッ

○魔力の間

バタン

サクサク

少年エルフ「砂だ…… この部屋海とつながってるんだ」

爺僧侶「こちらには潮だまりが…… 海から魔力を引き出すようですな」

魔法勇者「おかしい…… イカはどこだ?」

爺僧侶「そういえばいませんな まさか孫を連れて海に」

少年エルフ「まって何か聞こえる……」

ポコッポコポコ

魔法勇者「なんだ!? 貝?」

砂の中から一抱えもあるシジミが現れた。



490: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 20:53:35.34 ID:tc6U6LHs0


少年エルフ「うわぁ おっきい」

爺僧侶「これ一つで鍋になりますな」

魔法勇者「言ってる場合か? どんどん出てきたぞ」

ボコボコ

無数の巨大シジミが現れて口を開いた。

巨大シジミ「」パカ―

開いた口から不思議な匂いが漂う。

少年エルフ「……っあ これ吸っちゃ」スースー

少年エルフは眠ってしまった。

魔法勇者「おいチビ助」

爺僧侶「まずいですぞ坊 息を止めてください」

無数の巨大シジミから不思議な匂いが立ちのぼる。

魔法勇者「罠か 逃げるぞ」

魔法勇者は少年エルフを抱えて扉へ向かう。

ガチャン ガチャガチャ

爺僧侶「なぜじゃ!? 開かん!! ぐぅ――」

爺僧侶は眠ってしまった。

魔法勇者「クッ……(ハメられた くそっ)」フラッ

ドサっ

魔法勇者は眠ってしまった。



491: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 21:06:06.20 ID:tc6U6LHs0



ガコン ギィイ

扉が開き灯台守とイカ男達が入ってきた。

灯台守「どうなっても知らんと……警告はしたぞ? よし外にでも放り出しておけ」

神官「まさか あれが貴方の研究成果だったとは」

イカ男たちが少年エルフ達を担ぎ上げる。

灯台守「あんなものは実験作にして失敗作だ」

イカ男達は少年エルフたちを担いで壁の裂け目から外へ出ていく。

神官「あれで失敗ですか? ちゃんと合体生物として機能しているようですが 外の巨大生物もお見事でした」

灯台守「それをお主がいうか」

神官「謙遜しないでください 進化合体の秘法を一部でも解明したのはお手柄ですよ」

灯台守「進化合体か フン……そんなものは手段にすぎん」

神官「おや それなら最強生物とか戦闘生物とかを造るとかがお望みで?」

灯台守「そんなものただの巨大進化させたイカで十分だ ……私の望みは美の境地」フフフ



492: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 21:09:13.71 ID:tc6U6LHs0


神官「美の境地? 人魚でも造るおつもりで?」

灯台守「なんで半魚人なんぞを合成しなきゃならん そんなものより優美で可憐 そして妖艶……それを体現できるのは触手と少女の合体生物”スキュラっ子”に他ならない!」ドーン

神官「す……スキュラっこ?」

灯台守「わからんか? 可憐なる少女にして優美な流線型の触手を下半身に持つ妖艶なる存在…… 少女と触手が合わさり最高に見える! そうは思わんかね?」

神官「えーっと そうかもしれませんね」

灯台守「なんだ? 貴様も私を蔑むのか」

神官「いえそんな…… ただあの子たちを実験台にするのはやめたほうが」

灯台守「なにをいう! あれこそ奇跡だ! 理想だ! あのボディを私は待ってたのだ!!」

神官「しかし……」

灯台守「お主には恩があるが実験を邪魔するというのなら……」わさわさわさ

灯台守の髪が膨れ上がり揺れ動く……灯台守の頭は大きなタコになった。

タコ博士(灯台守)「お主も貝にしてやろうか」ニュルニュル

神官「……いえいえ 滅相もありませんよ博士」



493: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/17(日) 21:11:37.42 ID:tc6U6LHs0


タコ博士「ならば良い 私はさっそく実験の準備にかかる 邪魔しないなら見学を許そう」

神官「そうですか それなら是非」

タコ博士「では船に向かう これを口に含め」

神官「海藻ですか?」

タコ博士「進化合体させた海藻だ 酸素を大量に発生させるから海中でも息ができるぞ」

神官「便利ですね~ って船まで泳ぐのですか!?」

タコ博士「そうだ さっさとしろ! 実験が遅れるだろうが」ニュル

神官「うわっちょっと」

ザッパーン

神官はタコ博士に引っ張られて潮だまりに引きずり込まれた。


○砂浜

魔力の間から放り出された少年エルフ達は砂の上で意識を失っている。

魔法勇者「……ぐ」

爺僧侶「ぬぅ……」

少年エルフ「……うぅん」

さくさく

???「……(この人たちならば)」

ひょい……ズルズルズル

少年エルフは背負われ、魔法勇者と爺僧侶は引きずられていった。





496: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:22:30.97 ID:UcFp3xfI0

#24 私は貝にされました



497: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:23:52.61 ID:UcFp3xfI0

○灯台への道

女騎士と娘友が霧の中を歩いている。

女騎士「まったく王女は勝手にこんなところまで……」

娘友「娘とエルフさんが一緒だけど……早く追いつかなくっちゃね……」

女騎士「そうだな……ん? 行きどまりか?」

道が大きな岩のようなもので塞がれている。

娘友「道を間違えちゃった?」

女騎士「しかし一本道だったはず?」

ゴゴッ

娘友「これ動くわよ!」

女騎士「魔物かっ! だが何がこようとも……」

ワシャワシャ

無数の節足がうごめいている。

娘友「ヒィッ!!」

女騎士「まさか!?」



498: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:25:10.86 ID:UcFp3xfI0


巨大フナムシが現れた!

娘友「イヤ――ゴキブリ―っ!!」

娘友は逃げ出した。

女騎士「まてまてまて反則だぁああああああ!!」

女騎士は逃げ出した。

ダダダ……

巨大フナムシ「?」


○海辺の洞窟

少年エルフ「う……ん」

少年エルフが目を覚ます。

魔法勇者「おう やっと起きたか」

少年エルフ「あ……えっと魔法勇者さん」

魔法勇者「起きれるか? 俺たちはこいつに助けられたんだ」




499: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:26:17.35 ID:UcFp3xfI0


魔法勇者は大きなホタテ貝を指さす。

少年エルフ「貝?」

魔法勇者「驚くなよ」

ホタテ貝が口を開くと人間の顔が現れた。

少年エルフ「うわあああ!?」

ホタテ男「やはり驚かれましたか」

ズズズズ

少年エルフ「えええええええっ!?」

ホタテ男は砂の中から体も引っ張り出して全身を現した。人間の体に貝の頭、顔は貝の中である。

魔法勇者「くっくっく まぁ普通そうなるよな」

少年エルフ「あのあの……あなたは?」

ホタテ男「東の町の者です…… 私は貝にされました」




500: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:29:10.25 ID:UcFp3xfI0



ホタテ男「あの灯台守はもとは魔法国地方の博士だったそうです」

少年エルフ「そうなんだ」

魔法勇者「そこそこ有名だったぞ 俺も名前だけは知ってたからな」

少年エルフ「へぇ…… どうしてそんな人がこの町に?」

ホタテ男「わかりませんが この海が気に入ったようでそれで灯台守をやっていたそうです」

魔法勇者「こんな所気に居るのか? 変人だな」

ホタテ男「たしかに人嫌いで変わった人でした」

少年エルフ「あの……あなたは灯台守の知り合いなんですか?」

ホタテ男「私は月に数回 食料などを運んでました……先月までですが」

魔法勇者「何があったんだ?」

ホタテ男「あの日は灯台の明かりが消え霧が立ちこめてました 霧の中で何かに襲われて気が付くとこんな体にされました」

少年エルフ「ひどい……」

ホタテ男「灯台守は私を見ると失敗作といって 浜に捨てました」

魔法勇者「失敗ねぇ 元々どうしたかったのも不明だな……ヒトとホタテってなぁ」

ホタテ男「私はこんな体では町に戻れません どうか灯台守を倒してもとに戻してください」

少年エルフ「でもそんなこと……」

魔法勇者「迷ってる時間もないぞ 娘……とその他諸々も捕まってるんだ」

少年エルフ「そうだ娘!? 助けにいかなきゃ!」

魔法勇者「そうだな でも簡単にはいけなくてな」

少年エルフ「行けないってどこ? どこに?」

ホタテ男「船です 彼の実験場です」

少年エルフ「船? だったらボートか泳いでいけば」

魔法勇者「そうは言うがな……」



501: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:31:13.54 ID:UcFp3xfI0

○船の一室

娘「ん……」

孫僧侶「起きたー? よかったー」

娘「貴方無事だったの ……王女は?」

孫僧侶「その……ここには二人だけでした 姫ちゃん無事かな」

娘「王女…… それよりこの部屋は?」

孫僧侶「さあ よくわかりません船の中みたいなのですが何か変で」

孫僧侶は床を指さす。

娘「なにこれ照明?」

孫僧侶「天井にはテーブルがぶら下がってます なんで逆さまなんでしょうね~?」

娘「窓はないの?」

孫僧侶「そこですよ 夜なので真っ暗で何処かわかりません」

娘は船室の窓を覗き込む。

娘「……そういうこと」

孫僧侶「どういうことです?」

娘「ここは沈没船よ」

孫僧侶「ええ!?」

娘が指さす窓の向こうに魚が泳いでいる。

娘達は沈没船に閉じ込められていた。



502: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:34:38.31 ID:UcFp3xfI0

○沈没船・実験室

神官「しかし沈没船を実験室にしてるとは……」

タコ博士「ここは静かでよい この体になってからは行き来に不自由はせんからな」ニョロニョロ

神官「それにしても……理想のボディって彼女のことでしたか」

実験室の奥には第七王女が寝かされている。

タコ博士「何だ? おかしいか?」

神官「いえ…… でも他にももっとこうボンキュッボーンな子もいたわけじゃないですかぁ」

タコ博士「まったく お前もか……無駄な凹凸なぞ水中では邪魔でしかないわ 見よ! あの無駄のない曲線をイルカのような美しさだろう」

神官「ソウデスネー」

第七王女「ヌフフ(寝言)」

タコ博士「……」

神官「ヌフフって言いましたよ今」

タコ博士「なぁに些細なことだ コレを見よ 分析結果は”ワガママ”と”無邪気”が高い」

神官「デスヨネー」

タコ博士「身体面では”かしこさ”や”器用さ”がかなりの数値だ 私のムスメに実にふさわしい」

神官「あ 意外です…… ってムスメ? ムスメにするつもりですか!?」




503: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:36:57.69 ID:UcFp3xfI0


タコ博士「そうだ だからこそこの数日 彼女につりあう美触手を選別しておるのではないか」

神官「美……触手……」

ガラガラ

右手がタコ足になったタコ女がガラスケースに入った巨大タコを運んできた。

タコ女A「先ほど勧誘しました」

巨大タコ「……」ニュルニュル

タコ博士「むぅ……太りすぎだバカモンっ 次!」

ガラガラガラ

手足に吸盤がついたタコ女が別のケースを運んでくる。

タコ女B「美脚自慢の帰国子女です」

巨大イカ「……」ペタペタ

タコ博士「長けりゃいいってもんじゃないっ 次っ!」




504: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/24(日) 21:38:14.28 ID:UcFp3xfI0


上半身がタコ……というより巨大タコから生足がぶら下がっているタコ女が別のケースを運んできた。

ガラガラガラガラ

タコ女C「……」ニュル

巨大アンモナイト「……」ウゾウゾ

タコ博士「……よく見つけたな しかし残念だが私が求めるのとは違うのだ わかるか?」

タコ女C「?」

神官「……(タコになっても凝り性は変わりませんね おかげで王女ちゃんがタコ足になるのが免れてますが)」

タコ博士「いいかお前達 私が求めるのはなぁ……」ウダウダ

神官「……さてさて どうしますかね」





507: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 22:51:02.78 ID:FYvTXVe/0

#25 サークンシップ・アドベンチャー



508: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 22:52:38.65 ID:FYvTXVe/0

○沈没船・娘達が閉じ込められている部屋

孫僧侶「やっぱり鍵がかかってますね」

娘「そうね 王女ならすぐ開けれるのだけど……」

孫僧侶「魔法でドッカーンと開けれませんか? ウチの坊ちゃんはよくやってますけど」

娘「出来なくはないけど……ここは海の底よ 外壁まで壊しちゃったら逃げるどころじゃないわ」


タコ女A「おまえらもう起きたのか」

孫僧侶「うわぁ!? 誰?」

タコ女たちが扉の窓から覗き込んでいる。

タコ女A「私たちは博士に仕えるタコ女よ」ニュル

孫僧侶「うわぁ ホントだタコっぽい」




509: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 22:54:21.30 ID:FYvTXVe/0


娘「ふぅん その博士とかいうのがあの巨大イカや生物の元凶なのね」

タコ女B「元凶だと? ふざけた口をきくなよニンゲン あの方は新たなる世界をつくる方なのだ」

娘「あらそう そんなことより王女はどうしたの? あの子も捕まえているんでしょ」

タコ女A「王女? あぁ博士のムスメ候補か……あいつのせいでアタシたちがどれほど苦労してるか……」

タコ女B「ホントにもう タコなりイカなり適当にしてって感じよね」

娘「あの子に何かするつもりね」

タコ女A「心配するなお前たちもいずれ適当な実験に使われるはずだ」ふっふっふ

タコ女B「そしたらうんとコキ使いましょう」うっふっふ

タコ女の二人は笑いながら歩いていった。

孫僧侶「感じ悪ぅ……って 私達もあんな風にされちゃうのでしょうか」

娘「出来る訳ないでしょそんなの」



510: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 22:57:14.69 ID:FYvTXVe/0


孫僧侶「そっか~ それにしてもお腹すいたなぁ」

娘「そうね……(パパ 心配してるだろうな)」

ベチ ピチピチピチ

部屋の中に魚が放り込まれた。

孫僧侶「うわっ 何?」

娘「食事らしいわ…… 彼女が用意してくれたようね」

タコ女C「……」うねうね

孫僧侶「うわー ほとんどタコだ」

タコ女C「……」ニュルニュルニュル

タコ女Cは触手で歩いていく。

娘「あなた…… その ありがとう」

タコ女C「……」ニュル

タコ女Cは足を一本ふると角を曲がって姿をけした。




511: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 22:58:06.15 ID:FYvTXVe/0


孫僧侶「それにしても生かぁ……」

娘「うーん だったら”帯電”」バリバリバリ

娘の手にもった魚が電撃で焼けていく。

魚「」シュー

娘「あつつ 上手くいったわ」

孫僧侶「すごい これもこれも」

娘「ほらこっちを先にたべて 熱いわよ」

孫僧侶「わーい いただきます」

娘は焼けた魚を孫僧侶に渡す。

ぱく もぐもぐ

孫僧侶「……うーん 淡泊な味」

娘「焼いただけだしね ガマンしましょ」




512: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:03:53.85 ID:FYvTXVe/0

○浜辺

ザザーン

少年エルフ「お爺さんひとりで偵察とか大丈夫かな?」

魔法勇者「大丈夫だ爺はベテランだしな 死んでも死なない」

少年エルフ「たしかに大きなお爺さんだったけど」

魔法勇者「……なぁ お前聞いてもいいか?」

少年エルフ「なに?」

魔法勇者「お前以外のエルフ族に会ったことは? 魔法使いのエルフ族に会ったことはないか?」

少年エルフ「え? その……」

魔法勇者「教えてくれ エルフ族が行きそうな場所は? 人間には教えれないか? どこでもいい頼む」

少年エルフ「あの……あのゴメンナサイ 僕は人里育ちで……」

少年エルフは自身の経歴を魔法勇者に話した。

少年エルフ「だからお母さんしか知らなくて……お母さんも居なくなって……僕も他のエルフ族を探してて……」ぐすぐす

魔法勇者「……そうかスマン ハーフエルフだったのか」

少年エルフ「ゴメンなさい 役に立てなくて」

魔法勇者「いや いいんだ」



513: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:08:58.80 ID:FYvTXVe/0


少年エルフ「魔法勇者さんはどうしてエルフ族を探してるの?」

魔法勇者「……そうだな」

○沈没船・娘達が閉じ込められている部屋

孫僧侶「坊ちゃんの一族はエルフ族とゆかりがあって それで坊ちゃんの師匠もエルフ族だったんですよ」

娘「そうだったのね」

孫僧侶「それで何があったのかわかりませんが出て行ったお師匠さんを坊ちゃんは探してるんですよ…… どうせ坊ちゃんに愛想を尽かせて出てったのにね」

娘「……(パパ以外のエルフ族がやっぱり居るんだ)」ドキドキ

孫僧侶「エルフ族が人間から好かれたって向こうからしたら大木がセミに好かれてるようなものでしょうね」

娘「……そうね」

孫僧侶「それで娘さんも他のエルフ族を探してるんですか?」

娘「ええ 近くのエルフ族の里には誰もいなかったし エルフの為にも他のエルフ族を見つけないと……」

孫僧侶「そうですねエルフ族にはエルフ族ですよね」



514: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:11:28.74 ID:FYvTXVe/0

○浜辺

少年エルフ「そうだったんだ」

魔法勇者「まったく自分勝手なオンナだったが一応師匠だしな」

少年エルフ「好きなの?」

魔法勇者「好きィ!? バカいえそうじゃない ただ……尊敬はしてる うん尊敬だ」カアア

少年エルフ「尊敬かぁ(いいなぁ……僕も娘に尊敬されるくらいにならなくちゃ)」

魔法勇者「とにかく お前はエルフ族だ俺よりも師匠と会う確率が高い! 会ったら教えてくれ」

少年エルフ「え? うんわかった」

魔法勇者「そうかよし約束だぞ アイツは片耳が切れていてな……」

\坊ー/

魔法勇者「バカやろう 偵察が大声で戻ってくるな」

少年エルフ「……(お母さんと僕以外のエルフ族の人)」ドキドキ




515: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:13:34.25 ID:FYvTXVe/0

爺僧侶が偵察から戻ってきた。

爺僧侶「偵察してまいりました 貝人殿のいうように灯台は手薄でした」

魔法王子「よし いくぞ」

少年エルフ「うん」

――ホタテ男「沈没船には泳いでいく以外にもひとつだけ方法があります」

灯台に突入する少年エルフ達

ダダダダダダ

魔法王子「うおおおお」

少年エルフ「うわああああ」

――ホタテ男「実験には膨大な魔力が必要とされますが」

イカ男達「!!??」

魔法王子「”爆裂”」

ドドォン

――ホタテ男「その供給源に灯台の魔力を利用してます」

魔法王子「よし登れっ!」

ダダダダダ



516: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:16:00.93 ID:FYvTXVe/0

――ホタテ男「灯台の頂上から沈没船への供給路があるようです」

少年エルフ「えびぃ!?」

エビ男「ッ!」ブンブン

エビ男は襲い掛かってきた。

――ホタテ男「灯台を元のように灯せば供給路内を通れるようになるはず」

ガキィン

少年エルフ「お爺さん!?」

爺僧侶「ここは任せて坊たちは上へ……孫を頼みます」

魔法勇者「任せろ! 行くぞ」

――ホタテ男「ただし 頂上がどうなってるかはたどり着かないとわかりません」

バァン

魔法勇者「ぜぇぜぇ ここか!」

ブワッ

少年エルフ「うわ!? 何?」

魔法勇者が照明室への扉を開けたとたん二人は濃霧に包まれた!



517: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:25:00.23 ID:FYvTXVe/0

○屋上・照明室?

――???『エルフ』

少年エルフ「だれ? 魔法勇者さん?」

――母エルフ「あらエルフ どうしたのこんな所で」

少年エルフ「お母さん!?」

母エルフ「どうしてそんなに驚くの? ほら家に帰りましょう」

少年エルフ「え? うん(あれ? なんだっけ何か忘れたような)」

母エルフは少年エルフの手とって歩き出す。

母エルフ「ほらお腹は空いてない? 晩御飯は何が食べたい?」

少年エルフ「あのねお母さん……なんでもいいや早く帰ろう」

母エルフ「フフ……」




518: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:26:30.09 ID:FYvTXVe/0



少年エルフ「それでね いっぱいあちこちに行ったんだよ娘と一緒に……」ピタ

母エルフ「どうしたの?」

少年エルフ「娘」

母エルフ「エルフ?」

少年エルフ「そうだ娘 娘を助けなきゃ」

母エルフ「どうしたの? こっちにいらっしゃい」

少年エルフ「ごめんなさいお母さん 僕行かなきゃ」

母エルフ「何処へいくの?」

少年エルフ「僕はパパだから! 娘を助けにいかなきゃ!」

母エルフ「フフ……それで」

少年エルフ「”旋風”」ビュオオ

―― それでいいのよ




519: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:28:30.76 ID:FYvTXVe/0

○屋上・照明室

ビュオオオオオオオオオオオッ

風が霧を吹き散らした。

少年エルフ「ううう……ゴメンさないお母さん」

魔法勇者「まて行くな!? ハッ!?」

爺僧侶「今のは幻!?」

巨大蛤「バファ」

照明室の中心に巨大な蛤が霧を断続的に吐き出している。

少年エルフ「この貝が霧を……このぉ! ”竜巻”」

グオオオオオオオオオオオオオッ!!

巨大蛤「」

ゴゴォン ボォン

竜巻が発生して照明室の天蓋が吹き飛ぶ。

爺僧侶「うおおお なんちゅう魔力じゃ」

グオオオオオオオオオオオオオッ!!

巨大蛤「ボフっ」グラッ

巨大蛤が竜巻に巻き上げられて宙に浮かぶ。

魔法勇者「まるで嵐だ! ……流石エルフ族だな」

ブォオン ザブーン

巨大蛤は海へ落ちて行った。

少年エルフ「はぁはぁ……」

魔法勇者「よし 灯台を灯すぞ」



520: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:31:24.62 ID:FYvTXVe/0

○東の町・港

兵士A「凄い風だったな? 何があったんだ」

兵士B「今ので霧が晴れました 勇者丸も修復できてます 行きますか?」

兵士長「出航したいが灯りがなければ……」

女騎士「なんとかなりませんか 王女に何かあってからでは遅いですよ」

兵士長「しかし……」

兵士C「見てください灯りが」

灯台に明かりが灯った。

\おおー/

娘友「これで出航できるわね」

兵士長「ううむ仕方がない……灯台調査に出航する ほかに同行希望者はおるか?」

\いくぜー/ \おれもおれも/

町で待機していた勇者チームが我先に名乗りでる。

兵士長「よーしお前達とお前達も……」

兵士長が勇者チームを選び乗船させていく。



521: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:33:34.99 ID:FYvTXVe/0


女騎士「ずいぶんと活気がいいな」

町長「なにせ勇者祭ができてませんでしたからな この出航をその代わりにしたいのでしょう」

乗船する勇者チームはそれぞれ大きな旗を抱えて乗り込んでくる。

娘友「そうみたいね 皆お祭り好きねぇ」

男「おお女騎士か? 王女はどうした?」

男が現れた。

女騎士「男!? もう追いついたのか 王女はまだ見つかってない船で探しにいくところだ」

男「そうか わかった 兵士長俺も乗っていいか?」

兵士長「おお!? 男殿ではないですか 是非同行してください」

娘友「あら男さんは顔が広いのね」

女騎士「あいつは一応王国一番だし目立つからな……ったく」

兵士長「よーし……(これだけいれば安心だ)出航!」

\うおおおお/

王国所有の船『勇者丸』が無数の旗をなびかせて出航した、乗船できなかったものも各々の小舟で後を追いかけていく。

男「なんだ? 祭か?」



522: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:40:41.06 ID:FYvTXVe/0

○灯台屋上・照明室

魔法勇者「よーし これで灯台は大丈夫だな」

爺僧侶「坊 エルフ殿 供給路らしきものを見つけました」

少年エルフ「ってこれなに? パイプ?」

灯台の頂上から海中へ大きなパイプのような物が垂れ下がっている。

魔法勇者「なるほど進化融合させた生体パーツを伝導路にしていたのかこれなら大量生産できるな」

少年エルフ「でもこれなに? 貝?イソギンチャク?」

爺僧侶「ホヤとかそういう生物のようですな……」

少年エルフ「……ここを通るの?」

魔法勇者「……そうなるな よし爺行け」

爺僧侶「……いやいや 坊からどうぞ」

\いやいやお前が/ \いえいえ坊から先に/

魔法勇者と爺僧侶がパイプの前でもみあう。



523: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:42:13.26 ID:FYvTXVe/0


少年エルフ「そんなことしてる場合じゃ」

魔法勇者「よーし じゃあ年の順だ若い方から……俺は18だ エルフは」

少年エルフ「え? 61」

爺僧侶「おや 同い年ですな」

魔法勇者「しまったぁ!? エルフ族なんだこいつ」

爺僧侶「決まりですな そりゃ」ドン

魔法勇者「あ お前 うわあああああ」

魔法勇者はパイプの中を滑り落ちていった。

\あぁぁぁ/

少年エルフ「大丈夫かな」

爺僧侶「これしき大丈夫です しかし小さなエルフ殿から先にいかせようとするとは……まったく情けない」




524: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/07/31(日) 23:45:30.43 ID:FYvTXVe/0

○沈没船・娘達が閉じ込められている部屋

孫僧侶「すぴーすぴー」

娘「……(エルフ……他のエルフ族……)そんなことよりまず脱出を」ボソ

ぼぅ

扉の向こうが少し明るくなる。

娘「……(また誰か来た? タコ女? いえ……少女?)」

扉の窓から少女が顔をのぞかせる。

ガチャ ギィイ

扉が開いた。

娘「な!?」

少女?「……」

少女は青白い光をまとって立っている。

娘「……(普通じゃない というより生きてないわね)」

少女は幽霊だった。

幽霊少女「……」ぱくぱく

何かを言おうとするが声は聞こえない。

孫僧侶「ん? うわっなんですかあの子 お化け!?」

娘「落ち着いて 危害を加える気はないみたい」

幽霊少女「……」スッ

孫僧侶「消えた……扉もあいてる やったこれで逃げれますよ」

娘「逃げる前にやることがあるわ」





528: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:43:00.80 ID:3xtGTbzh0

#26 サークンシップ・アドベンチャー2




529: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:44:55.31 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・実験室

タコ博士「結局造ったほうが早かったか」

神官「そうなんですね」

水槽に大きなタコが泳いでいる。

タコ博士「こいつに私への忠誠を入力したら合体実験だな」

タコ博士は水槽に付属しているパネルを操作している。

神官「精神操作も出来るのですか?」

タコ博士「おおざっぱだかな」

神官「そんなことが出来るなら王女ちゃんに直にした方が早くないですか?」

タコ博士「人間にはまだ出来ん タコくらいならばすぐに済む」

神官「でもタコが忠誠心があるかどうかなんてわかります?」




530: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:46:34.64 ID:3xtGTbzh0


タコ博士「実績がある 先ほどのタコ女どもはタコを人型に進化させたものだが…… どれも忠実であろう」

神官「え゛っ!? あれタコだけなんですか?」

タコ博士「そうだ 進化誘導因子に人間の血を使っておるがベースはタコだ タコだけでは人型にはできなかったからな」

神官「はぁ……(本当に人間嫌いだな)」

タコ博士「よし……あとは待つだけだな」

神官「あの……毎回こんなに手間がかかるのですか?」

タコ博士「いや 合体させるだけならコレで直ぐだ」

タコ博士は怪しく光る結晶を取り出した。

神官「それは?」

タコ博士「進化合体媒体だ 見せよう」パキッ

タコ博士は結晶を二つに折った。

タコ博士「適当に実験生物を……そうだなこのサメでいいか」

ドスッ

ネコザメ「!?」

タコ博士は手近な水槽のネコザメに結晶を刺した。




531: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:48:11.40 ID:3xtGTbzh0


タコ博士「ふむ 多重合体も可能か試すか……」

タコ女C「?」

ドスッ

タコ博士はタコ女に残りの結晶を差し込んだ。

タコ女C「!?」

ガシャン バシュウン

タコ女とサメが光に包まれる。

神官「な!?」

タコ博士「ふむ 問題は無いようだな」

光が収まるとサメの頭をもったタコ女が現れた。

サメタコ女「?」ニュル

タコ博士「ふむ また頭か……この方法だと簡便だがどう合体するのか不確定なのだ よし行っていいぞ」

サメタコ女「」ニュルニュル

サメタコ女は出て行った。

神官「はー 驚異の生命体になりましたね」

タコ博士「サメ頭ならもう少し賢くなるだろう さて進捗は……」

ビーッ ビーッ!!

神官「なんです!?」

タコ博士「む? 機関室の出力が……故障か? 肝心な時に」




532: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:51:14.95 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・魔導機関室

タコ女A「出力がでてないわよ なにしてんの」

捕虜「ひぃ わかりません何かが魔導機関に詰まったようで」

魔導機関「おわー どこだここは!?」バタバタ

タコ女A「しゃべった……というより誰よ中でふざけているのは」

魔導機関「”爆裂”」

ドドォン

魔導機関が内側から爆破された!

魔法勇者「酷い目にあった……爺のやつ」

タコ女A「な!? 侵入者!侵入者よ!」

タコ女は逃げ出した。

捕虜「おお貴方は一体」

魔法勇者「む? 普通の人間だな捕まっているのか?」

捕虜「はい 我々は船乗りやただの漁師ですイカに捕まってここで働かされてました」




533: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:52:27.62 ID:3xtGTbzh0


するする

爺僧侶「おや……にぎやかですな」

少年エルフ「ケガなかった?」

爺僧侶と少年エルフがロープで降りてきた。

魔法勇者「なんだそれは!? そんなものがあるなら早く言え!」

爺僧侶「いやいや エルフ殿が見つけてくれたのですよ 坊はせっかちでいけませんな」

魔法ゆうしゃ「いやお前のせいだよ!」

少年エルフ「とりあえず皆さんはこのロープを登ってください 灯台に出れます」

\たすかった/ \ありがたい/

捕虜になっていた者がロープを順番に登っていく。

魔法勇者「さてここはこれでいいが……」

少年エルフ「娘たちを探さないと」

爺僧侶「その前にお客ですぞ」

通路からイカ男達が現れた。



534: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:55:27.82 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・廊下

孫僧侶「誰もいませんね」

娘「さっきの爆発音といい何かあったようね」

スゥ

幽霊少女「……」

幽霊少女が現れある部屋を指し示す。

孫僧侶「うわ また出た」

娘「何かを教えたいようね……この部屋は?」


○沈没船・タコ博士の部屋

孫僧侶「うわ汚い 坊ちゃんの部屋みたい」

娘「……研究者の部屋のようね 研究日誌があるわ」



535: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 22:59:39.07 ID:3xtGTbzh0

○博士の日誌

■月■日
あのオトコが持ってきたサンプルからようやく合体の技術も抽出、再現することに成功。既に下等生物の合体には成功した。

■月■日
どれもこれも巨大化傾向が多い。興味深い対象として蛤は自ら特殊な霧を吐き出し地上での活動も可能にした。 この環境では他の水生生物も活動できるようだ。

■月■日
進めもあり自身にタコを合成、手の数が増え非常に便利である。 また水中でも活動が行えるため献体集め、観察が容易になる。

■月■日
献体が手に入ったため実験を行う。近辺で手に入る下等生物で限界点を試した結果、貝まで成功……おそらくそれ以下でも可能性があるが必要性がないため計画はしない。

■月■日
沈没した客船を発見した。 船内を調査したが妻やムスメは見つかる事はなかった、タコばかりだ。 彼女たちの旅行を許したばかりに……このような事が書くべきではない

■日
記憶……いや感情が安定しない。 融合したタコにも精神があったのだろうか? 内なる声が日に日に……


私は新たなる種である。 そして父である、美しい種族と導かなくては……もちろんムスメも美しくなければ



孫僧侶「……かなりヤバい人みたいですね」

娘「そのようね…… つまりお父さんを止めて欲しいのね」

幽霊少女「」コクン

スゥ

幽霊少女は消える寸前に微かにうなづいた。



536: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:03:32.94 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・実験室

第七王女「なんじゃ? ここは」

少年エルフ「よかった王女が起きたよ」

魔法勇者「ようし 後は娘とウチのバカだけだな」

タコ博士「おのれ!」

タコ女B「博士下がって」

魔法勇者「”凍結波”」ヒュオオオ

イカ男達「!?」ピキーン

タコ博士をかばったイカ男が氷漬けになる。

魔法勇者「お前も頭を冷やすかい?」

タコ博士「うぬぬ」



537: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:05:32.15 ID:3xtGTbzh0

少年エルフ「娘は? 孫僧侶さんはどこ?」

第七王女「うむ きりきり白状するのじゃ そうすれば情状酌量の余地はあるぞ」

魔法勇者「お前……(状況わかってるのか?)」

タコ博士「ぬぬ…… ふっ私はそもそも争いは好まない」

少年エルフ「じゃあ 教えてくれるの?」

タコ博士「しかし計画はやり遂げる どのような手段でもな 巨大イカよ!」

ドドォン

巨大イカの触手が壁を突き破った。

第七王女「なんじゃ!?」

タコ博士「仕切り直しだな なにもかも」

巨大イカの触手が引き抜かれた穴から大量の海水が流れ込んできた。 




538: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:06:19.51 ID:3xtGTbzh0

タコ博士「ここは私達のフィールドだ 降参するならは早めがいいぞ」

タコ博士たちは海中へ逃げ込んだ。

魔法勇者「野郎! ”氷牙”」シュキン

魔法勇者の魔法、しかし海中には届かない。

少年エルフ「うわわ どうしよう水が……この部屋沈んじゃう」

第七王女「出口はどこじゃ?」

魔法勇者「あそこだ とりあえず逃げるぞ」

少年エルフたちはせり上がってくる水から逃げる。



539: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:08:08.37 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・廊下

少年エルフ達は水から逃れるために走る。

ダダダダ

魔法勇者「あのタコ野郎信じらんねぇ」

爺僧侶「水中では勝ち目はありませんぞ」

神官「まったくですね」

魔法勇者「ってお前だれだ!?」

少年エルフ「神官さん!? よかった無事だったんだ」

神官「はいなんとか」

第七王女「とにかく脱出じゃ」

ザブザブザブ

バタン



540: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:09:03.40 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・魔導機関室

少年エルフ「ああ!? 脱出路が」

イカ男達「!?」

イカ男達が先回りしていた。

魔法勇者「どけ ゲソ野郎 ”爆裂”」

少年エルフ「まって」

ドドォン

イカ男達「ッ!!」

イカ男達を倒した。

魔法勇者「しゃあ!」

ドドドドド

脱出路が破れて海水が流れこんできた。

魔法勇者「あ」

神官「あ~らら やっちゃいましたね」

爺僧侶「後先考えずに……まったく情けない」

魔法勇者「うっせぇ! とりあえずに逃げるぞ」

少年エルフ「でも後ろは沈んじゃったよ」

通ってきた通路は既に水没している。



541: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:09:50.35 ID:3xtGTbzh0

神官「戻りましょう 途中で上にいく通路がありますおそらく娘さんたちもそっちに」

少年エルフ「本当!? 行こう」

爺僧侶「しかし水中で襲われたら……」

神官「ためらっているほど不利になりますよ」

少年エルフ「僕が先に行くよ……えい」ドボン

第七王女「うむ わらわもじゃ」ドボン

魔法勇者「えーいくそっ いったらぁ」ドボン

少年エルフ達は海中へ飛び込んだ。



542: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:13:34.66 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・水中

少年エルフ「……」すいすい

魔法勇者「……」バタバタ

イカ男「」ニュル―ン

泳いでいる少年エルフ達にイカ男が襲いかかってきた。

魔法勇者「……ガハッ(マズイ 魔法が唱えられん)」

イカ男「……」ニュルニュル

イカ男は触手を伸ばして少年エルフと魔法勇者を拘束する。

少年エルフ「……(この放して)」ポコポコ

魔法勇者「……(ほどけん 溺れさせるつもりか)」バタバタ

シュッ

スパン スパパン

イカ男「!?」ニュ

イカ男は触手が切られ逃げ出した。



543: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:15:17.68 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・食堂

魔法勇者「ぶはぁ!」

少年エルフ「げほげほ ありがとう王女」

第七王女「あれしきで手も足もでなくなるとは魔法勇者とやらと大した事ないのう」

爺僧侶「まったくですなあれぐらい引きちぎれる位でなければ……情けない」

魔法勇者「お前と一緒にするな脳筋!」

神官「それにしてもそのメスはどこで?」

第七王女「このナイフか? さっきの部屋で拾ったのじゃよく切れるのう」

神官「……(手癖が悪いというか抜け目がないというか)」

魔法勇者「よしここから反撃する方法を……」

ドドォン

巨大イカの触手が壁を突き破って襲いかかってきた!

少年エルフ「うわぁ!?」

第七王女「エルフっ!」

触手が少年エルフを掴みあげた。



544: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:17:07.26 ID:3xtGTbzh0

魔法勇者「今助け……」

ドドォン ドドォン

別の触手が壁を破って襲い掛かってきた!

魔法勇者「”氷牙” くそ一気にきやがった」

爺僧侶「こしゃくな」

第七王女「うっとうしいのう」

それぞれが触手と格闘しだした。

神官「うわぁ どうします」



シャキン

少年エルフ「うわっ!?」

少年エルフを掴んでいた触手が切られた。

娘「エルフ 大丈夫」

少年エルフ「娘!?」

娘「パパを汚い手で触るな!! ”電撃”」

バリバリバリバリ



545: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:23:52.34 ID:3xtGTbzh0

娘の電撃が触手と通して巨大イカを感電させた。

シュッ

巨大イカの触手が引っ込んだ。

娘「あぁよかったエルフ ケガない?大丈夫?何もされてない?」ペタペタペタ むぎゅうう

娘は少年エルフの身体を調べてから抱きしめる。

少年エルフ「ちょっと それはこっちのセリフ……んぷ 放して大丈夫だから」カアア

魔法勇者「……えっと どっちが保護者だっけ?」

第七王女「どっちもどっちもじゃな」

爺僧侶「おお孫よ無事だったか」

孫僧侶「お爺ちゃん 坊ちゃんも来てくれたんですね」

魔法勇者「まぁ一応な……」

少年エルフ「あれ…… なんだか音が」

ドドドドドド

孫僧侶「もしかしてこれって」

海水が無数の穴から流れ込んできた。

少年エルフ「うわああああ」

魔法勇者「またかあああ」



546: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:24:56.61 ID:3xtGTbzh0

○沈没船の外・海中

タコ博士「ふうむ 巨大イカでも手を焼くか……」

タコ女B「全員集まりました 仕掛けますか?」

タコ博士「包囲だけにしろ 奴らが弱るまで待つのだ」

タコ女A「なるほど…… どうせ逃げれませんしね」あっはっは

タコ博士「そういうことだ 小一時間もすれば空気が…… なんだ?」

サメタコ女「……ッ」ニュルニュル

タコ女A「うわっキモ!? 今度はサメ」

タコ女B「相変わらず何言ってるのかわからないんだけど?」

サメタコ女「……」ニュルニュル

タコ博士「?」



547: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:27:53.91 ID:3xtGTbzh0

○沈没船・食堂

孫僧侶「どーしましょうこの状況」

少年エルフ達は水没を免れた一角に集まっている。

魔法勇者「攻撃は無くなったが……水位が上がるのが止まらねぇな」

少年エルフ「……どうしよう」

神官「困りましたねぇ」

魔法勇者「お前あのタコ野郎と知り合いならなんとか言ってこいよ」

神官「ええ!? 無理ですってそれが出来たらこんなことになってませんよ」

第七王女「なぜ攻撃してこんのじゃろう」

娘「……多分 酸欠になるのを待っているんじゃない?」

第七王女「ううむ 兵糧攻めじゃな」

爺僧侶「討って出ても水中では分がありませんし耐えるのも長くはもたない……」

幽霊少女「……」スゥ

少年エルフ「うわ!? 君は?」

幽霊少女が現れた。



548: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:30:04.46 ID:3xtGTbzh0

娘「また貴方…… 大丈夫よ敵ではないわ」

神官「おや…… 博士のお嬢さんでは」

魔法勇者「え!? お前幽霊とも知り合いなのか」

神官「いえ幽霊になる以前のお嬢さんですが」

幽霊少女「」スゥ

幽霊少女は神官に近寄ると

神官「?」

パァン

神官「ぶへらっ」

幽霊少女は神官をビンタした。

娘「貴方 こんな子にまで…… サイテー」

神官「違います ゴカイです~」

スゥ

幽霊少女は少年エルフに近寄る。

少年エルフ「え? ……下のタルに海藻? 酸素が出るの?」

神官「ははあ そういうことですか」



549: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:32:26.70 ID:3xtGTbzh0

娘「なによ?」

神官「博士は酸素を大量に発生させる海藻を作ってこの沈没船の空調に利用していました」

魔法勇者「ほう そうだったのか」

神官「それでその海藻は熱と反応して酸素を出します なのでそれを口に含むと水中でも息が出来ます…… コツはいりますが」

少年エルフ「じゃあ その海藻をとってくれば水中でも戦えるの?」

神官「いや無理でしょうね 息が出来るだけです海中でイカやタコには敵いませんよ」

孫僧侶「だったらどうしたら……」

第七王女「その海藻で船の酸素を賄っておったというが具体的にはどうやってじゃ?」

神官「たしか……加熱してましたね 熱いほど反応が大きくなるそうです」

第七王女「なるほど ならばその海藻に熱魔法をかけたらどうなるんじゃ? それも1タル分の量に……」

神官「それは…… 本気ですか!?」

娘「なるほど……可能性はあるわね」

魔法勇者「だったら俺の出番だな」

少年エルフ「……えっと? 何? どうするの?」



550: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/07(日) 23:34:15.94 ID:3xtGTbzh0

○沈没船の外・海中

タコ博士「そろそろ倒れておるかの?」

タコ女A「まってください様子がヘンです」

沈没船「」ゴボン

沈没船から大きな泡がでてきた。

タコ博士「なんじゃ!?」

沈没船「」ゴボゴボゴボゴボゴボ

ボボボボボ

ドボボボボボボォオオオオオオオン!!

沈没船が爆発して海面へ吹きあがっていく。

タコ博士「なにぃいいいいいい!?」





553: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/14(日) 23:52:28.73 ID:bbHUaUhs0

#27 内海の大決斗




554: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/14(日) 23:56:01.01 ID:bbHUaUhs0

○海上・調査船勇者丸の甲板

ザザーン

男「王女無事だといいが 今回は流石に心配だな」

女騎士「そうだな…… 兄王はどう仰っていた?」

男「あー そうだな まぁ一言でいうとキレた」

娘友「はぁ…… やっぱりそうなるよね」

男「連れ戻してたら何らかの処分……まぁ外出禁止だろうな」

女騎士「仕方ない…… とにかく無事に連れ戻さないと」

ザザーン

娘友「ハッ(この二人から波動を感じる……)ちょっと失礼しますね」ソソクサ

女騎士「船酔いか?」

娘友「そんな感じで…… ではごゆっくり」

娘友は二人を残してどこかへ行ってしまった。



555: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/14(日) 23:57:21.42 ID:bbHUaUhs0

娘友「ふむ……流石に旅の疲れがでたか?」

男「今回は長い旅になってるしな」

女騎士「そうだな…… 次に王都にもどったら少しはゆっくりしたいな……」

男「そうだな」

女騎士「……」

男「……」

ザザーン

男「なぁ お前って好きな奴居るのか?」

女騎士「……は?」

男「いやだから 付き合ってる奴いるのか?」

女騎士「なななナニを言っているのだこんな時にふざけるな」ドキドキ

男「いやいやふざけてお前にこんな話はしないぞ そうだろう?」ズイ

女騎士「それは……いやお前それはどういう意味で(チカイチカイ何が起こってるんだ!?)」ドキドキ




556: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/14(日) 23:58:46.12 ID:bbHUaUhs0

ドドドドドド

女騎士「うう……(足元がおぼつかない 船が揺れているのかそれとも)」グラグラ

男「危ない大丈夫か」ガシッ

女騎士「ッ!! なにを!?」カアアアア

男「しゃがめ 揺れてるぞ」

ドドドドド

\爆発か!?/ \前方の海面から噴出!/

グラグラ

男「一体なんだ クジラか!?」

前方の海面が泡立ち何かが下からせり上がってくる。

\ウワー/ \キャー/

女騎士「はわわわ」

ドドドドォオオン

男「な!?」

女騎士「は!?」

海面から沈没船の船首が飛び出して来た。



557: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:00:03.87 ID:KyU93YYc0


\船だ―?/ \人が降って来たぞ!?/

第七王女「天晴なり! 成功じゃー!」シュタ

男・女騎士「「王女!?」」

娘友「なんでこのタイミングで!?」

近くの物陰から娘友は叫んだ。

男・女騎士「「え!?」」

○海面・浮上した沈没船の残骸

神官「いやはやなんとか海面までこれましたね」

浮上した残骸の上に神官がしがみついている。

少年エルフ「うわー」

ドパァン

娘「ぷはぁ エルフ大丈夫?」

吹き飛ばされた娘と少年エルフが着水した。

少年エルフ「はぁはぁ 大丈夫 皆は?」



558: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:01:23.35 ID:KyU93YYc0


\うわあああ/ \きゃあああ/

爺僧侶「坊ちゃん! 孫よ!」

ドゴン

魔法勇者「ふごっ!!」

魔法勇者は残骸の甲板に叩き付けられた!

爺僧侶「ああもう みっともない……」

ドスン

魔法勇者「うごおッ!?」

孫僧侶「きゃあ!? あ……坊ちゃんゴメン」

孫僧侶が魔法勇者の上に降ってきた。

爺僧侶「坊 今のは受け止めるところでしょうが まったく情けない」

孫僧侶「無理よ モヤシの坊ちゃんじゃ」

爺僧侶「それを言うとモヤシに失礼だろう モヤシは結構生命力があるんだぞ」

孫僧侶「そっか じゃあモヤシ以下ということで」

爺僧侶「それぐらいが妥当だの」

魔法勇者「お前らまず俺の心配をしろよ!」



559: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:03:52.73 ID:KyU93YYc0

娘「……あっちも無事みたいね」

少年エルフ「……治癒しないでいいのかな」

娘「僧侶が二人も居るから大丈夫よ」

少年エルフ「そうだよね(お爺さんが魔法使うの見たことないけど……)」

神官「さあさあ ゆっくりできませんよ船が来てるのでアレに乗せてもらいましょう」

神官が近くを航行する勇者丸を示す。

\おーい/ \王女―/ \無事ですかー/

第七王女「今の声は」

少年エルフ「女騎士さん!?」

娘「友も」

第七王女「男も居るのか 見事なタイミングじゃ」


○海上・調査船勇者丸の甲板

男「お前達無事か? ケガはないか」

女騎士「それより一体どうしてこんなことに!?」

少年エルフ「それは……」

娘友「えっと……アレ見た方が早いみたいよ」

一同「「あれ?」」



560: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:05:14.97 ID:KyU93YYc0

タコ博士「うぬぬ おのれ人間め」

巨大イカに乗ったタコ博士が手下達を引き連れて海中から現れた。

\イカだー/ \タコだ―/ \SAN値がピンチ/

突如現れた異形の者に船上はパニックに陥る。

タコ博士「ものども! あのムスメを奪い返せ!」

イカ男達「ッッ」ニュルンニュルン

イカ男たちが勇者丸に襲い掛かってきた!



561: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:07:56.47 ID:KyU93YYc0

○勇者丸の甲板

ニュル べったんべったん

イカ男達が甲板に上がってきて少年エルフ達と町の者を取り囲む。

兵士長「うおおお なんだ!? キモチわりぃ!?」

町長「こんな魔物は見たことがない もしや魔族か!?」

\魔族!?/ \やべぇ/

女騎士「まずいな数が多すぎる」

男「かといって逃げれるわけでもなさそうだ……」

ざわざわ

第七王女「うろたえるでない! こやつらが灯台を占拠しておったのじゃ 東の町の者よ立ち向かうのじゃ これが勇者祭の締めくくりじゃ!」

町長「祭」

\よっしゃー祭じゃー/ \やったるでー/

町の勇者チームが次々とイカ男達たちに挑んでいく。

\\わああああああ//



562: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:09:02.12 ID:KyU93YYc0

娘友「王女もうまい事言うわね」

娘「ほら友 下がってて危ないわ」ズシャ

娘はイカ男を切り捨てながら娘友たちを下がらせる。

女騎士「しかし町の者の加勢があればこの数でもなんとかなるか?」

男「こいつらはともかくあのデカいのはどうするんだ?」

巨大イカが船の前方から近づいてきている。

娘「パパ達は町の人と後方へ アイツは私が魔法でなんとかするわ」

男「よし女騎士 町の者を後ろへ下がらせろ エルフも負傷者に治癒魔法を」

少年エルフ「うん わかった」

第七王女「わらわも巨大イカと戦いたいのじゃ」

女騎士「下がってください 剣ではどうにもなりませんあんな奴」

第七王女「いーやーじゃー わらわは二代目勇者じゃぞ」

女騎士「またはじまった……」

娘友「王女 仲間を守るのも勇者の務めでしょ?」

第七王女「そうじゃが……」



563: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:10:25.18 ID:KyU93YYc0

娘友「ほら見て キャメラよこれでかっこいい所をバンバンとるから」

第七王女「ほう写真か!? よーし町の者を守るのは任せるのじゃ!」

第七王女は後方のイカ男に挑んでいった。

男「いつのまにそんな物を?」

娘友「バザールで買ったのよ これで新聞の記事もばっちりよ」

女騎士「毎度のことながら本当に助かる ありがとう友君」

娘友「いえいえそんなそんな」テレテレ

\友はやくー/

娘友「じゃああのデカブツは任せたわよ」

娘「もちろん」

魔法勇者「おっと魔法なら俺に任せろ 娘は俺の雄姿を見届けてくれ」キリッ

娘「貴方…… 呼び捨てにしないでよ 慣れ慣れしい」

魔法勇者「ぐっ」

孫僧侶「そうですよーナレナレシー」

魔法勇者「やかましい」

爺僧侶「それよりもう目の前ですぞ」

巨大イカが足を振り上げて襲い掛かってきた。



564: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:11:58.30 ID:KyU93YYc0

○甲板前方

魔法勇者「一撃で終わらせる ”多重大爆裂”」キュイイ

タコ博士「なに!? 防御体勢」

巨大イカ「ッ!」ニュルルン

ドドドドドン

連続する大爆発が巨大イカを襲う。

娘「へぇ……(この年でこんな大魔法を)」

孫僧侶「一撃っていいながら連続じゃないですか」

魔法勇者「うっせい」

爺僧侶「しかしこれなら流石の巨大イカも無事ではすみませんな」

もくもく

爆炎が晴れると巨大イカは足を失っていた。

魔法勇者「ほう 耐えたか」

巨大イカ「」ウニニニ

魔法勇者「なに!?」



565: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:20:53.98 ID:KyU93YYc0

失った足がみるみる再生していく。

タコ博士「ふっふっふ こいつにはプラナリア並みの再生力があるぞ」

爺僧侶「ならば畳みかけるまで!坊 再度魔法を……ってどうしました?」

魔法勇者「……今のでガス欠デス」

爺僧侶「あぁまったく肝心なところで!」

孫僧侶「だからバカ坊ちゃんなんですよ もー!」

魔法勇者「うっせぇ ずっと魔法打ちっぱなしだぞ!? これでも魔力はあるほうだろが!」

タコ博士「やかましい」

巨大イカのなぎ払い

ビターン

\ぬわーー/

魔法勇者たちは弾き飛ばされた。

タコ博士「ふっ 人間などこんなものよな」

娘「そうかしら ”落雷”」



566: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:22:35.29 ID:KyU93YYc0

ガラガラガッシャーン

魔法勇者「やったか」

しかし巨大イカには効果がなかった。

孫僧侶「そんな!? 直撃だったのに」

タコ博士「知らんのか 濡れた体では電撃は体表を走るのだこいつには大したダメージにはならん」

娘「へぇ 勉強になるわね」


○甲板後方

少年エルフ達が町の人を守りながら戦っている。

女騎士「まずいな 娘君が苦戦しているのか」ザシュ

男「しかしこっちも手一杯だ」ズバッ

イカ男達を切り捨てながら前方の戦いを伺う。

神官「こっちも負傷者が大勢でてますし動けませんね」

少年エルフ「そうだね って神官さんもこっちだったの?」

神官「そうですよ」



567: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:24:50.53 ID:KyU93YYc0

少年エルフ「だったら治癒魔法を皆に」

神官「あ無理です 魔力もう切れたのでタダの一般人です」

少年エルフ「え そうだったの」

娘友「……(本当にこの人はどうやって僧侶になれたんだろう?)」



ズバッ ザシュッ

しだいに負傷者が増え戦える勇者チームも減り防戦になってきた。

女騎士「くそ……たいして強くないが次から次へと」ズバン

男「そうだな……なぁ女騎士」ザシュッ

女騎士「なんだ?」ズバッ

男「さっきの話のつづきなんだが」ドゲシッ

女騎士「さっきの話? って」カアアアア

男「おっと後ろ」ドスッ

男は女騎士の後ろをイカ男を突き刺した。

女騎士「バカ野郎こんな時に言うことが! 町に戻ってからでいいだろ」ズドン

女騎士は横から来たイカ男を真っ二つにした。



568: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:27:09.18 ID:KyU93YYc0

男「バカ それだとやべぇフラグが立つだろ もういい要件だけ言う」シャキン

女騎士「なんだ? バカ野郎!」ズバッ

男「結婚してくれ」

女騎士「な……」

娘友「キターーー」

少年エルフ「え!? いきなり?」

第七王女「ほう」

神官「あらまぁ」

男「ほらほらぼさっとするな危ないぞ」ズバン

女騎士「//////」プルプル

男「で返事は? こっちは忙しいんだ」

女騎士「こんな場所で……こんな状況で……本気?」カアアア

男「だからお前にふざけてこんなこと言わないって イヤか?」

女騎士「//////」ブンブン

女騎士は高速で首を横に振る。



569: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:29:12.11 ID:KyU93YYc0

男「よーしじゃあ ここでやるか神官 立ち会ってくれ」

少年エルフ「ええーここで!?」

神官「やったことないですけど」

男「適当で」ザシュッ

女騎士「え? え! ここ!? 今!?」

\それでは誓約をしていただきます/

男「お前の気が変わらないうちに…… 俺の気かな?」

女騎士「待て! 変わるな変えるな」ガシッ

\健康な時も病めるときも/

男「手っ取り早く頼む」ズバッ

神官「えーとそうですね 男さんは女騎士さんを変わることなく愛する事を誓いますか」」

男「たぶn」女騎士「っ!」ズドン

男の真横のイカ男が吹っ飛ぶ。

男「誓います」

少年エルフ「こんなのアリ?」

娘友「いいんじゃない 一生忘れられないわよ」

第七王女「まったくじゃの」

少年エルフ「いいんだ」



570: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:30:42.12 ID:KyU93YYc0


神官「女騎士さんは男さんを変わることなく愛する事を誓いますか」

女騎士「は……い 誓います」カアアアア

男「だから手を止めるなって」ズバッ

イカ男「オノレリアジュウっ」

イカ男が船から落ちて行った。

少年エルフ「なんか今しゃべった?」

娘友「さぁ?」

神官「えーと なんだっけ指輪は……ないか じゃあ誓いのキスを」

女騎士「はっ!? まて心の準備が」

男「諦めろ」



571: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:32:29.41 ID:KyU93YYc0

○甲板前方

\わああああああ/ \パチパチパチ/

魔法勇者「なんか後ろ盛り上がってるな 拍手まで」

娘「ホントね」

ドドォン

巨大イカのなぎ払い。

爺僧侶「おうりゃあ」

爺僧侶はメイスで受け流した。

孫僧侶「えーい ”*****”(死の言葉)」

しかし効果はなかった。

孫僧侶「何度やっても効かないかぁ」

娘「……(あの2人も大したものね)」

爺僧侶「まだ魔法は唱えられませんか」

魔法勇者「チマチマした魔法じゃ意味がない もう少し耐えてくれ」

爺僧侶「魔力ぐらい気合いでなんとかしてください まったく情けない」

魔法勇者「気合いでなんとかなるか!」



572: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:33:50.87 ID:KyU93YYc0

爺僧侶「なるますとも」

巨大イカの攻撃。

爺僧侶「ムゥン 防御壁」

ビターン

爺僧侶の仁王立ち! 爺僧侶は大ダメージを受けた。

爺僧侶「ほら御覧なさい」ドクドク

魔法勇者「出来てねーよ! おい治癒魔法を」

孫僧侶「あ 魔力切れましたー」

魔法勇者「お前も人のこと言えねーじゃねーかバカ!」

娘「これしか出来ないけど ”治癒”」パアア

爺僧侶「ぬぅ 助かりました」

娘「……(このままでは呼ぶしかないか 仕方ない)」

魔法勇者「スマン助かった…… どうした?」

娘「うーん キャラじゃないんだけどね……味方をよぶわ」

魔法勇者「味方?」



573: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:35:50.51 ID:KyU93YYc0

娘「先にいっとくけど…… 言われた通りにするだけだからね」

魔法勇者「おう?」

くねくね

娘は不思議な踊りを踊り天高く指さすポーズを決めた。

娘「ホワイトドラゴン カモォー―ン!(高音)」

魔法勇者「……」

孫僧侶「……」

爺僧侶「……」

巨大イカ「……」

タコ博士「……(哀れな 恐怖で狂ったか)」

娘「……」カアア

魔法勇者「えっと 落ち着け な?」

娘「うっさいわね ちょっとまってなさい」

孫僧侶「えっとえっと なんていったらいいか」



574: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:37:00.24 ID:KyU93YYc0

グモモモモ

爺僧侶「む? なんじゃまた巨大イカか? 下からくるぞ」

ザバーン

白竜「ハーイ 娘ちゃん呼んだ?」

魔法勇者「な!?」

爺僧侶「なんと!?」

孫僧侶「ドラゴン!?」

タコ博士「そんな馬鹿な!?」

娘「……”電撃ィ”」

バリバリバリ

白竜「きゃー ビリッとするー」

電撃が白竜を直撃した。

娘「早くきなさいよ まったく」ガー

白竜「ちゃんと来たじゃない もー娘ちゃんの怒りんぼ」



575: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:37:55.02 ID:KyU93YYc0

娘「ハァア!?」

白竜「ハイゴメンナサイ で要件は? 帰るの?」

娘「その前にアレ 倒して」

巨大イカ「」うねうね

白竜「えーイカ? あんまり好きじゃないのよね」

娘「そいつは合成されてコラーゲンたっぷりの美容イカよ」

白竜「いただきます」ゴォオオオオオオ

白竜は燃え盛る炎を吐いた。

タコ博士「なにぃーーーー!?」



576: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:39:57.94 ID:KyU93YYc0

○東の町・祭会場

実況者「というわけで今年の年勇者はドラゴンすら従えている第七王女勇者に決定だ」

\わあああああ/ \王女様バンザーイ/

第七王女「うむ くるしゅうない」

実況者「そして同じカニさんチームの二人も」

\パチパチパチ/

少年エルフ「えへへ 照れるね」

娘「……私は疲れたわ」

パシャッ パシャッ

少年エルフ「?」

娘友「ほら笑って 写真を撮ってるんだから」

娘「もう 王女だけにしておいてよ恥ずかしい」



577: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:41:40.14 ID:KyU93YYc0

実況者「そして飛び入り&結婚おめでとう 男さんと女騎士さん」

\ヒューヒュー/ \オメデトー/

男「はっはっは 祝ってもらえてるぞ」

女騎士「あぁもう こんなことしてる場合じゃ」カアア

娘「そんなことになってるなんでね…… 見たかったわ」

娘友「見る? 撮ってあるわよ~」

娘「ホント? キャメラって便利ね~」

男「はっはっはいい記念だな 後で焼き増してもらうか」

女騎士「……」カアアアア

第七王女「女騎士 わらわからも祝うぞ おめでとうじゃ」

女騎士「……王女」ガシッ

第七王女「なんじゃ?」

女騎士「捕まえましたよ さあ王都に帰りますよ」ゴゴゴゴゴゴ

第七王女「いや もうすこし祭りをじゃな……せっかく優勝したのじゃし」




578: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:42:48.03 ID:KyU93YYc0

女騎士「男」ゴゴゴゴゴ

男「当身」シュドン

第七王女「はひっ」

第七王女は気絶した。

少年エルフ「……遠慮ないね」

男「さすがに今回はワガママが過ぎた これ以上は無理だ」

娘「まー これでやっと帰れるわね」

白竜「じゃあ 帰りましょうか乗って」

少年エルフ達はホワイトドラゴンが掴む馬車に乗り込む。


○東の町・港

魔法勇者「あいつらはもう王都に戻るようだな」

孫僧侶「あたし達はどうします」

爺僧侶「王都へ行きますか?」

魔法勇者「いやエルフから話も聞けたし 一度もどろう」

孫僧侶「そうですね船にも乗れますし」

魔法勇者たちは隣国行きの船に乗り込む。



579: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/15(月) 00:44:09.99 ID:KyU93YYc0

○東の町・町はずれ

神官「うーん エルフさんから勧誘の答えを聞けませんでしたね」

神官「ま 色々収穫はありましたし よしとしましょう」

ホタテ男「神官さま 本当に私のような者が他にも?」

神官「ええもちろん 貴方は新しい方ですが古くからの方もいますよ」

ホタテ男「はぁ?」

神官「会えばわかりますよ」

ホタテ男「わかりました一緒にいきます」

神官「はい では行きましょう」

神官は町はずれの道を歩きだした。

神官「……(エルフさん いずれまた)」


○遠い海上

ザザーンザザーン

タコ博士「ぐぅ」

タコ博士はサメタコ女の背中で目を覚ました。

タコ博士「……お前 他の奴は」

サメタコ女「……」フルフル

タコ博士「匂いが…… そうか私をかばったのか」

サメタコ女「……」ウルウル

タコ博士「国に帰るか……」

サメタコ女「」ニュルニュル

サメタコ女は泳ぎ始めた。





582: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/28(日) 23:55:52.42 ID:hfTCk2OM0

#28 天才第七王女の生活



583: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/28(日) 23:57:34.08 ID:hfTCk2OM0

○王城・離れの書庫

兄王「というわけでお前はしばらくここで頭を冷やせ」

東の町から戻った王女は兄王と第六王子に書庫に連れてこられた。

第七王女「なんじゃと!? 東の町を救ったのにこの扱いはヒドイではないか!」

兄王「その件は王国兵でも処理は出来たはずだ」

第七王女「そんなはずはない あの巨大生物はわらわ達だからこそ対処できたのじゃ さらに謎のタコ面の……」

兄王「だまれ そんなことはどうでもいい。 それよりお前の行程無視の方がよっぽど重大だ 約束しただろう? 規定した行程を守って調査を行うと」

第七王女「ぬ それはそうじゃが…… 事は急を要したのじゃ 勇者としての使命だったのじゃ!」

兄王「言い訳無用 とにかくお前は違反したから罰としてしばらくここに居ろ」

第七王女「それでは調査団はどうするのじゃ 魔王の所在はいまだに掴めておらんのじゃぞ」

兄王「お前の調査したところで国内及び近隣諸国に居ないのは確認できた それで充分だろう」




584: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/28(日) 23:59:30.64 ID:hfTCk2OM0


第七王女「何をいっておるのじゃ 他国に居るかもしれんのじゃぞ早急に調査に乗り出さねば」

兄王「ウチはウチヨソはヨソ 第一お前がドラゴン連れて他国にいってみろ外交問題になるぞ」

第七王女「うぬぬ だったら白竜は留守番で……」

兄王「もういい ほらお前本が好きだろしばらくここで勉強していろ 必要なものは運び入れてある食事も届ける」

第七王女「こんな窓もないような部屋に……監禁ではないか」

第六王子「牢屋でないだけ感謝しろ よし閉じるぞ」

第六王子の合図で宮廷魔術師が呪文を唱える

パキン

第七王女「なんじゃ!?」

第六王子「結界魔法だ 流石のお前も結界からは逃げれんだろう」

第七王女「結界じゃと?」

第七王女が開いた出入り口に手を伸ばすと魔法の壁に触れた。

バン



585: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:00:44.36 ID:+tM/USVM0

第七王女「うぬ おのれこんなもの」バンバン

第六王子「無駄だ無駄だ 常時魔術師が外で見張りにつくあきらめろ」

第七王女「うぬぬ おれれバカ六!」

第六王子「なんだと!? 妹の分際でお前は!」

第七王女「バカと言われて怒るのは本物のバカじゃ まったく器が小さいのう」

第六王子「貴様ァ!! この」

ドガン

第六王子は第七王女に詰め寄ろうとして結界に激突した。

第六王子「はふっ」

第七王女「だからバカじゃといったのじゃ 己で張らせた結界を忘れるとは」

兄王「お前ら 本当に……仲良く出来ないのか」ハァ

第七王女「無理じゃな」フン



586: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:02:30.85 ID:+tM/USVM0

○王城・渡り廊下

兄王と第六王子が廊下を歩いている。

兄王「やれやれ とりあえずこれで一安心だな」

第六王子「はんな奴牢屋でもひひじゃないでふか」

兄王「お前鼻は大丈夫か?」

第六王子「もどっはら治癒まほーをひてもらいまふ」

兄王「そうか」

第三王子「兄貴 あそこまでしなくてもよかったんじゃない?」

第三王子が現れた。

兄王「お前は王女に甘すぎるんだ」

第三王子「兄貴は厳しすぎじゃないかな?」

兄王「お前なぁ…… 今回の王女の暴走はお前にも原因があると報告が上がっているが?」

第三王子「え~と そうだっけなぁ?」はっはっは



587: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:04:03.05 ID:+tM/USVM0


兄王「まぁいい ようやく帰ってきたんだ はやく報告書をまとめてこい」

第三王子「え~ 何年分あると思ってるの? そう簡単には」

兄王「実から出た錆だろうが! 何年ほっつきあるいていたんだバカ野郎 そもそもな……」

第三王子「あ じゃあ報告書まとめるから後で~」スタタタタ

兄王「あ こら…… まぁいい あとお前は王女と面会謝絶だからな」

第三王子「ええ~ そんなぁ」

兄王「お前ら二人そろったらまた逃げ出すだろうが お見通しだ」

第三王子「そんなまさか」はっはっは

第三王子は笑って逃げていった。

兄王「やっぱりそのつもりだったな」

第六王子「いくら三兄上でも結界ではどうしようもありませんよ」

兄王「……お前は魔法を買い被りすぎだ」

第六王子「買い被りですか……」



588: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:06:50.91 ID:+tM/USVM0

○離れの書庫

第七王女「ふぅむ 見事に天井まで結界に囲まれておるな」

天井近くまで積み上げた本の上で第七王女は唸る。

第七王女「窓は無し 通気口は細すぎるし隠し通路もないのう」

パキン

第七王女「む 結界が?」

ガチャ

召使「王女様 お食事です」ガラガラガラ

召使がワゴンで食事を運んできた。

第七王女「今じゃ!」シュッ

召使「きゃっ!?」

ダダダッ

第七王女は素早く扉をくぐりぬけ外へ駆け出した。




589: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:08:08.41 ID:+tM/USVM0


ドガンッ

第七王女「ッ!? あいた~~!?」

外へ出ようとした第七王女は二つめの結界に激突した。

宮廷魔術師A「大丈夫ですか王女?」

宮廷魔術師B「申し訳ありませんが第六王子の指示で二重結界となっております」

第七王女「お~の~れ~バカ六!!」



兄王「まったくお前は半日もじっとしておれんのか」

第七王女「ちょっと外の空気を吸いたかっただけじゃ」

兄王「1人にすると何するかわからんな やはりお前には監視をつける」

女兵士「えっとはじめまして王女サマ」

女兵士があらわれた。



590: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:10:42.68 ID:+tM/USVM0

第七王女「なんじゃ? 女騎士ではないのか」

兄王「……女騎士には休暇を与えた」

第七王女「なんじゃと!? まさか」

兄王「勘違いするな処罰ではない 俺も驚いたというかようやくというか……結婚したそうじゃないか男と」

第七王女「ああそれで」

女兵士「ええー!?」

兄王・第七王女「「!?」」

兄王「君 どうしたんだ?」

女兵士「え! いえあのスイマセン でも結婚ってあの男さんッてたいちょーが……女騎士さんとがですか」

兄王「そうか君は男の元部下だったな そのうち披露宴をするからその時に招待状が行くはずだ」

女兵士「ヒロウエン はぁ そうですか……はい」

兄王「……とりあえず王女を見張っていてくれ いいか?」

女兵士「はい 了解いたしましたのでありまする」ボーゼン

兄王「……(男~ あいつは本当に)」



591: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:13:07.95 ID:+tM/USVM0



第七王女「ふむそうか 男は分隊長だったしのそれでのう」

女兵士「うう~ 王女さまの調査からやっと帰ってきたと思ったら~」えぐえぐ

第七王女「うーむ なんかスマヌ」

女兵士「はぁ~ 女騎士さんかぁ そっかぁ~」ドヨーン

第七王女「……(ううむ この状態の者と四六時中一緒ではかなわんのう)」

女兵士「たいちょーは理想のおとーさんだったのになー おとーさんにしたかったのになー」ぐすぐす

第七王女「そうかおとーさんか……ふむ父上? お主は男を父上にしたかったのか?」

女兵士「え? まぁそーですねーたいちょーと結婚してお父さんになってもらって一生甘いモノを奢ってもらうのが理想でしたねー」

第七王女「(男も大変じゃのう)……しかしそれならばまだ男を父上にする方法がまだあるではないか」

女兵士「え? どういうことです?」



592: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 00:14:49.04 ID:+tM/USVM0

○謁見の間

兄王「というわけで第七王女は旅の疲れから臥せっておる お引き取りを」

娘「かしこまりました それでは失礼します」

娘友「……(本当かな?)」

娘と娘友が退室した。

家老「……第七王女はよいご友人を得られましたな」

兄王「そうだな…… それで第七王女の様子は?」

第六王子「大人しく本を読んでるようです ようやく懲りたかなあのアホも」

兄王「第三王子は?」

家老「部屋で報告書のつづきをまとめさせております」

兄王「そうか早く全部まとめるように伝えてくれ ……こんなこと王女が知ったらまた飛び出してくぞ」



593: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:14:55.61 ID:+tM/USVM0

○離れの書庫

娘と娘友からの手紙を読んでいる第七王女。

第七王女「うーむ兄上め わらわを病気で臥せっておるとうそぶいておるな」

女兵士「娘ちゃんか 元気かな?」

第七王女「なんとかして娘たちにわらわの現状を知らせたいものじゃ」

女兵士「お手紙の返事はどうです?」

第七王女「ここをみてみい 封筒のノリがズレておる 検閲されておるの」

女兵士「あらら ホントだスゴイ用心してますね」

第七王女「ここにあった王家の家宝目録にあったアレがあればこんな所逃げ出せれるのじゃがのう……」

第七王女は手紙をしたためながらいう。



594: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:16:18.56 ID:+tM/USVM0

女兵士「王家の家宝ですか? だったら第三王子さんとかに頼めば」

第七王女「無理じゃ 三兄は監視されておるじゃろうし第一この王都には既に無いのじゃ」

女兵士「え? ないって家宝じゃないんですか?」

第七王女「家宝として姉上の嫁入り道具として持ち出されておる」

女兵士「あらら それじゃあどうしようもないですね」

第七王女「なので 娘たちにそれをとってきてもらうよう手紙を…… よし出来たのじゃ」

第七王女は手紙を女兵士に渡した。

第七王女「これを娘友に届けるように外の者に手配しておくれ」

女兵士「わかりました でも検閲されるんじゃ?」

第七王女「大丈夫じゃ 見られてもワカラン暗号を使用したのじゃ」



595: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:17:14.25 ID:+tM/USVM0

○一週間後・離れの書庫

第七王女「男と女騎士の披露宴も終わったのう 行きたかったのう」

女兵士「そうですねー いけませんでしたねー いきたくもなかったですがー」ぐでぐで

第七王女「男を父上にする件はわらわが話した通りにすればよかろう?」

女兵士「いやそうでしょうけど 急には……」

パキン

ガラガラガラガラ

召使「お食事です 女兵士様もどうぞ」

第七王女「うむ いつもすまんのう」

女兵士「ありがとうございます」

カチャカチャ

食事を始める二人。



596: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:18:01.89 ID:+tM/USVM0

女兵士「はぁ なんだかヤケ食いしたい気分ですね 豚の丸焼きとか」

第七王女「豚の丸焼きのう わらわ一人では無理じゃが…… それじゃ! 丸焼きじゃ!」

女兵士「?」


○別の日・離れの書庫

女兵士「今日は丸焼きらしいですよ」わくわく

第七王女「そうじゃな 準備はよいか?」

女兵士「はい」

パキン

ガラガラガラ

召使が大きな台車を押して入ってきた。

召使「よしょ ふぅ お待たせしましたお食事を……」

第七王女「待っていたのじゃ!」



597: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:19:19.53 ID:+tM/USVM0

○数十分後・離れの書庫の外

ガラガラガラガラ

召使「終わりましたー」

宮廷魔術師A「おわったか 今あける」ゴニョゴニョ

パキン

召使「どもー」

ガラガラガラガラ

召使と大きな台車が書庫から出てきた。

宮廷魔術師B「よくまぁ オンナ二人で豚の丸焼きなんてオソロシイネ」

召使「えー? いやそんなに食べれてないですよ ほとんど残してますって」

パキン

内側の結界が再び張られた。



598: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:20:12.50 ID:+tM/USVM0


宮廷魔術師A「くっちゃべってないで早く外側をあけろ」

宮廷魔術師B「へいへい」ゴニョゴニョ

パキン

外側の結界が開いた。

召使「よし……(今だ)」

ガラガラ

宮廷魔術師B「ねぇねぇ ほとんど残ってるんじゃ俺たちにくれない? お腹へってきちゃって……」

宮廷魔術師Bが大きな台車に手を伸ばそうとする。

召使「だ!? ダメですーだめですぅうううう」

ドドドドド

召使は猛全と走りだした!



599: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:21:10.77 ID:+tM/USVM0


ガラガラガラガラ……

\うおわあああ/ \ごめんなさーい/

第六王子「……なんだ今のは?」

宮廷魔術師A「ハッ 第六王子様今のは第七王女の食事でした」

第六王子「あいつの……妙だな オイ結界を解け あいつらは中に居るのか?」

宮廷魔術師B「え? 出てきたのは召使だけですが?」

第六王子「いいから開けろ」

パキン パキン

○離れの書庫

バァン

第六王子が書庫にはいると椅子で寝ている女兵士と第七王女の寝ているベットが見えた。

宮廷魔術師A「王子! いくらご兄弟でもいきなり女性の部屋にはいるのは……」

第六王子「バカ野郎 これを見ろ」バサッ

第六王子が第七王女の布団をめくると



600: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:22:08.86 ID:+tM/USVM0


豚の丸焼き「……」

宮廷魔術師B「え? どういうことだこれ? お前何をしていた!?」

宮廷魔術師が女兵士に詰め寄ると

ポロ

女兵士の変装が落ちる。

召使「……」フガフガ

女兵士は無理やり変装させられた召使だった。

第六王子「あいつ!」


○王城・渡り廊下

ガラガラガラガシャン

大きな台車から第七王女が飛び出した。

第七王女「よし 成功じゃ」

ガバッ

女兵士「ぷはっ ばれてないですかね?」



601: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:23:08.14 ID:+tM/USVM0

ジリリリリリリリリリリリリリ

警報が鳴り響く。

第七王女「だめじゃな もうバレタようじゃ あのバカ六め」

\いたぞあれか?/

女兵士「うわぁ はや!?」

\こっちだ/

第七王女「むぅ 後ろからも」

女兵士「失敗ですかね」

第七王女「まだじゃ」ヒョイ

第七王女は欄干の上に飛び乗る。

\どよどよ/ \あぶねぇ!?/

女兵士「ええ? まさか!? かなり高いですよ」

第七王女の眼下には川が流れている。



602: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/08/29(月) 01:24:02.30 ID:+tM/USVM0

第七王女「これくらいなら大丈夫じゃ 一緒に来ないのか? 男子にも会えんぞ?」

女兵士「うう~~ 行きます! 行きますよ!」

第七王女「よーい 行くのじゃ!」バッ

\うわああああ/

女兵士「えーい」バッ

第七王女と女兵士は川へ向かって飛び出した。

ドボーンドボーン

第六王子「信じられん! あのアホ」





605: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 16:58:12.62 ID:D63AsyqO0

#29 若き準騎士 男子の悩み



606: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 16:59:45.56 ID:D63AsyqO0

○第七王女たちが戻ってくる前の王都・兵士詰所

騎士団長「退院したのか その後の障りはないのか」

男子「はい 大丈夫です」

*「おお 大丈夫なのかジュニア」

*「すこし痩せたんじゃないか?」

男子「大丈夫です明日から通常任務に就きます」

騎士団長「そうか 一応病み上がりだ無理をするなよ」

男子「はい」




607: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:01:09.77 ID:D63AsyqO0

○王城内兵舎

自室へと向かう男子。

スタスタスタ

男子「……(やっと退院できたんだ 王女が戻ってくるまでは準騎士として勤めをちゃんと果たさなければ)」

召使A「……あ この子」

召使B「どうぞ」スッ

おしゃべりしていた召使たちが男子に道をあけた。

男子「どうも」

スタスタ

男子は自室へ入っていった。

召使A「誰今の? おおきい子ねー」

召使B「知らないの あの男さんの息子よ」

召使A「え! あの近衛兵だった男さん!? へえーあんな大きな子が」

召使B「あの子は男さんと違ってマジメでいいコよ 顔も可愛らしいし王女さまの護衛についてたから将来も有望よ」

召使A「あらー 私も10歳は若ければほっとかないんだけど」

召使B「だったら 私はダメ元でがんばちゃおうかしら」

召使A「あなたチャレンジャーね」



608: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:03:03.51 ID:D63AsyqO0

○自室

自室に戻るとルームメイトの先輩騎士が声をかけてきた。

先輩騎士「おお ジュニア挨拶はすんだのか?」

男子「はい 明日から任務に戻りますよ それとジュニアって呼ばないでくださいよ」

先輩騎士「いやなぁ 男さんの息子だろ その方がわかりやすい」

男子「その呼ばれ方は正直いって 若干イヤなのですが」

先輩騎士「そうかもしれねーがおめーは父親が元近衛兵の男さんだろ そしたらあの剣聖の孫でもあるだろ 超エリートじゃん ちょっとぐらい嫌がらせさせてくれよ」

男子「はぁ……(まぁここまでハッキリいってくれるとむしろラクだよな)」

先輩騎士「だから超エリートジュニアお茶いれてくれー お前の退院手伝ったろ腰がやばいンだわ」

男子「はいはい わかりましたよ先輩」



609: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:06:03.56 ID:D63AsyqO0

○第七王女が戻って来た日・兵士詰所

男子「父上 王女護衛任務お疲れさまです 女騎士さんも」

男子は第七王女の護衛から戻ってきた男と女騎士を出迎えた。

\お疲れさまでーす/ \土産はー/ \コラ/

女騎士「ありがとう男子君 皆 えっと土産話ではないが報告があってな……その……」

男「まぁなんだ 俺たち結婚した」

\ふぇ!?/ \ハァ!?/ \ええー/

女騎士「お前そんないきなり!?」カアア

男子「」

女騎士「男子君も困ってるじゃないか!」

男「いやだってどうやって言ってもショックだろ だったら早めに……」

女騎士「心の準備とかが必要だろうがバカ…… すまない驚かせたか男子君」




610: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:09:15.26 ID:D63AsyqO0


男子「……ええと はい」

*「マジですか男さん」

*「やっと落ち着く気になりましたか」

先輩騎士「よかったですねぇ女騎士さん 嫁ぎ遅れなくて あ 充分遅いか」

ゴン

騎士団長「お前は…… とにかくおめでとう 式はいつやるんだ?」

男「えー 今更式とかなぁ……」

女騎士「なに? まさか本当にアレで済ませる気だったのか!?」

男「いいじゃないか ちゃんと僧侶もいたし」

女騎士「いやいや アレはないだろアレは」

男「じゃあもっかいやるのか? 指輪やらキスやら全部ちゃんとするのか」ニヤニヤ

女騎士「な!」カアアア

男「俺はかまわんぞ]

女騎士「いや…… アレは流石にもう勘弁してほしい……」カアアアアア

男「それじゃあ式にならないじゃないか どうするんだ? やるのかやらないのか?」

女騎士「いや それは その……」カアアア




611: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:10:42.53 ID:D63AsyqO0

先輩騎士「ヒューヒュー アツイねこのこのー」

女騎士「黙れ 貴様らー」ドドド

\ギャー怒ったー/ \退避退避ー/

騎士団長「間をとって披露宴ならどうだ?」

男「なるほど それなら丁度いいな…… 男子? どうした」

男子「……いえ」

男「まさか反対だったか?」

男子「いえ決して」

男「じゃあ相談しなかったから怒ってるのか?」

男子「それもありません 父上のことは父上で決めて下さればよいので」

男「……だったらなんでそんな顔してるんだ」

男子「いえ……その…… この顔は生まれつきです」

男「……(遠まわしにディスられてるのか俺?)」



612: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:14:56.05 ID:D63AsyqO0

○翌日・大通りの喫茶店

男子「というわけですが 俺どうしたらいいですかね」

娘「そんなことで相談にきたの?」

男子「うるさい 俺はエルフさんに相談しにきたんだ」

少年エルフ「えーと 女騎士さんは嫌いだった?」

男子「それはありません 父上と違ってマジメだし人として騎士として尊敬しています ただそのこれからどう接すればよいのか……」

娘友「そうよね 男子君からしたら上司みたいなものだったわけだし 微妙よね」

少年エルフ「そう? 具体的にどんな風に困ってるの?」

男子「それは……うまく言えませんが」




613: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:16:17.75 ID:D63AsyqO0

娘友「母親ってものにどうやって接するのかがわからないとか」

男子「! そうだな……そうかもしれない」

少年エルフ「友ちゃん……(そういえばこの子もお母さんが……)」

娘「そんなの適当でいいじゃない」

男子「それじゃあ失礼だろう 義理とはいえ母親にはそれなりの対応が」

娘「そんなこと言ったってアンタ母親の事覚えてるの?」

男子「もちろんだ…… 俺の母親は厳しい人だった言いつけをやぶった罰に魔法を撃ってくるような……」

娘「それオババよ」

男子「え」

少年エルフ「うん オババだね男もやられてたし君も小さい頃に火球投げられてたよ」

娘「それで火傷を治すのは毎回パパだったのよ 感謝しなさい」

男子「そうだったのか すみませんエルフさん」

娘友「マジで……(オババさんって一体)」




614: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:18:46.49 ID:D63AsyqO0


娘「ほらアンタ小さかったから母親の事なんて覚えてないでしょ」

男子「いやまて他にも覚えているぞ 母親は不器用だった! 俺の髪をきってくれたんだが酷い出来で結局丸刈りにした記憶が……」

娘「アンタねぇ」

少年エルフ「それ娘だよ」

男子「ええ!?」

娘「本当に余計な事は覚えているのね~ 不器用? そりゃ私も子供だったからねぇ」ゴゴゴ

男子「まて子供の頃の話だろう なぁ」

娘「今ならこの剣で器用に斬れるわよ 髪伸びたんじゃない? 斬ろうか」スラッ

男子「まて落ち着け」

ドタバタ

少年エルフ「あーもう いつまでたっても子供なんだから」

娘友「ホント姉弟みたいね」

少年エルフ「そう……?(普通の姉弟って剣でやりあうものなの?)」




615: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:19:56.73 ID:D63AsyqO0



男子「すいませんエルフさん」

少年エルフ「謝らなくていいよ 娘が悪いんだから ”治癒”」パアア

娘「……男子が動くからよ ジッとしてたらちゃんと出来たわ」

娘友「それ以前に店内で勝手に断髪式はじめないでください」

娘「ん……ごめん」

少年エルフ「はいおしまい 他に痛むところない?」

男子「いえ……ありがとうございます」

少年エルフ「そう よかった」ニコ

男子「……(母親か エルフさんが一番イメージに近いよな)」

娘「男子 エルフは私のパパよ」

少年エルフ「え?」

男子「わかってる」

娘友「……(男子×エルフさん アリかしら)」ドキドキ




616: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:20:51.42 ID:D63AsyqO0



少年エルフ「結局相談にのれなかったね ごめん」

男子「いえ いいんです」

少年エルフ「たいしたアドバイスじゃないかもしれないけど 普段通りにしてたらいいんじゃない? そんな無理にこうしようってしなくても」

娘「そうよ アンタはイメージとか思い込みとかにこだわりすぎるから気をつけなさい」

男子「……そうかもしれないな ありがとうエルフさん 娘」



617: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:24:56.06 ID:D63AsyqO0

○後日・披露宴

披露宴は宴もたけなわである。

*「じゃあここでもう一度誓いのキスの再現を」

女騎士「なにぃ!? それはもういいだろ」

*「えー 俺たちみてなーい」

\キースキースキース/

女騎士「おまえらー!」

*「ぎゃー メスゴリラが怒ったー」

*「男ー ちゃんと手綱を握っておいてくださいよー」

男「むしろ俺が握られてる方だぞ」

*「じゃあ夜もですか?」




618: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:25:45.63 ID:D63AsyqO0


男「夜はむしろ女騎士の方が……」

女騎士「男ー!! 何を言おうとしてるー!!」カアアア

男「はっはっは 顔が真っ赤だぞ」

*「紅白でめでたいな」

女騎士「貴様らー そこになおれー」シャキン

男「やべ逃げろ」

バタバタ

女騎士はケーキ入刀用のナイフを振りかざして男達を追いかけ始めた。




619: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:26:43.68 ID:D63AsyqO0



少年エルフ「兵隊の人たちって元気だねー」

男子「まぁ 基本そうですね」

娘「こっちにも元気というか荒れてるのがいるけど」

女薬師「っかぁー もっと強い酒はないの」

ダンッ

女薬師は酒を飲み干すと瓶を机に荒っぽく置く。

少年エルフ「そんなに飲んだら毒だよ その辺でやめておこうよ」

女薬師「なぁにいってんのよぉ 祝いの席でしょ ぶれーこーよぶれーこー」ヒック

8本目の詮を抜く女薬師。

娘友「すごいわね どうしてこんなに荒れてるの?」ボソ

娘「……女薬師は表向きはああいうけど男が好きだったのよ」ボソ

娘友「それで……」



620: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:28:57.71 ID:D63AsyqO0

女薬師「なによ アタシがあんなの好きなわけないでしょ 好きだったらこんなとこ来ないわよ! うおー」ぐびぐび

8本目をラッパ飲みする女薬師。

少年エルフ「こら それ以上だめ! こんなトコで吐いたら僕怒るよ!」

女薬師「なによぉうエルフ わかったわ飲まないわよ」

少年エルフ「本当? よかった」

女薬師「男にのませてくるわよ 男に!」ドスドス

少年エルフ「ええっ!? ちょっとまって女薬師」

大股に歩いていく女薬師を少年エルフは追いかけて行った。

娘「やっと静かになったわね」

男子「王女は来れなかったか まぁ仕方ないよな」

娘友「王女はね なんか閉じ込められてるって噂よ」

男子「そうなのか? 旅の疲れで病気になったと聞いていたが」

娘「男子…… あの王女があれくらいで病気になると本気で思う?」

娘友「まぁ病気は建前よね この前の脱走で怒られたんでしょうね」

男子「そうか 次は一体どうなるんだろうな」

娘「さぁ 王女の事だから次の事は考えていると思うけど」




621: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:30:31.93 ID:D63AsyqO0


娘友「ねぇねぇ 病気ならお見舞いって名目で会いにいってみない? もしかしたら会えるかも」

娘「そうね 言ってみる価値はあるかな 男子はどうする?」

男子「俺は……やめておくよオンナ同士の方が気が楽だろう」

娘「王女はそういうの気にしないと思うけど…… まぁいいわ気が向いたら言いなさい」

男子「ああ」

\うわあああ/ \ガシャーン/ \わははははは/

少年エルフ「ひゃふ 男子くんみんなをとめてぇ」

娘「どうしたのパパ真っ赤よ のまされたの?」

少年エルフ「ちがうよ アレみて」

女薬師「ほら結婚祝いよー」

男「やめろ女薬師 お前らも酔いすぎだー」

*「俺らの気持ちっすよー」

*「ぶれーこーぶれーこー」

男は女薬師と兵隊仲間から次々と酒を頭から浴びせられている。




622: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:31:43.88 ID:D63AsyqO0

娘「うっわ酒臭い あっちに行きましょうパパ」

少年エルフ「でも 早くとめなひと女薬師が……」

男子「わかりました止めてきます」



男子「ほら女薬師さんそれぐらいで……」

男子は女薬師を男から引き離す。

男「おお助かった」

女薬師「なによ男子放しなさい」バタバタ

*「ジュニア邪魔するなよう」

*「マジメか」

男子「先輩たちも悪のりしすぎですよ ほどほどにしないと明日に響きますよ……どうしました?」

先輩兵隊たちが後ずさりする。

女薬師「……う 気持ち悪い」

女薬師の顔は真っ青だ。

男「うわああ男子! 女薬師を向こうに」



623: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:32:20.92 ID:D63AsyqO0



\オロロロロロロロ/ \ウワアアア/ \ヒィイイイイ/

娘友「阿鼻叫喚になったわね」

少年エルフ「ああもう 遅かったかぁ」



624: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:35:50.69 ID:D63AsyqO0

○更に後日・水路沿いの通り

男子は訓練場に向かいながら数日前に男から言われたことを思い出す。

――男「新婚旅行ってわけじゃないから気にしなくていいんだぞ」

男子「いや どう考えても新婚旅行だろう」ボソ

男と女騎士は北の国へ旅行へ行っていた。

男子「それについて行く娘たちもどういうわけだ?」

少年エルフと娘と娘友も同行して旅立っていた。

男子「まぁいい なまった体を鍛え直さないとな」

\男子 これ男子/

男子「?」キョロキョロ

どこからか呼び止められ辺りを見渡す。




625: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:36:57.24 ID:D63AsyqO0

第七王女「ここじゃ」

なんと第七王女が用水路から顔を出して男子を呼んでいる。

男子「王女!? 何してるんですかこんな所でそれにずぶ濡れじゃないですか!?」

第七王女「いいから引き上げるのじゃ」

女兵士「あ 男子君!? すごい偶然」

男子「女兵士さんも!?」

男子は二人を引き上げた。



男子「なぜこんな所に?」

第七王女「それよりどこか着替えれる所に案内するのじゃ」

男子「だったら城に……」

第七王女「バカもん 城から逃げ出してきたのじゃ 兄上はわらわを閉じ込めておったのじゃ」

男子「そんな……」

第七王女「お主はわらわ達を兄上に引き渡したりはせんじゃろう? そうじゃろう」



626: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:37:50.03 ID:D63AsyqO0


男子「でも俺も一応騎士ですし……」

第七王女「うむ しかし兄上からわらわを探すように命は受けておらんな」

男子「はい それはまだ」

第七王女「そしてお主はわらわの騎士じゃ わらわの命令を聞くのは自然のことじゃな」

男子「はぁ 確かに」

第七王女「ならば わらわ達を匿うのじゃ」

男子「しかし…… そんな場所」

女兵士「っくしゅん」

第七王女「ほれ 何処でもよい 早く案内するのじゃ」

男子「むぅ だったら」




627: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:43:30.84 ID:D63AsyqO0

○王城内・兵舎 男子の自室

男子「……」そー

先輩騎士「ジュニアどうした? それより城から招集がかかったぞ お前はどうする?」

男子「招集ですか!? ええっと一応非番ですので」

先輩騎士「そうだったな お前も旅行いけばよかったのに」

\いくぞー/

先輩騎士「おっといかねーと じゃな」

騎士達は集合して城へ向かった。

第七王女「ふむ 丁度出払った所とは好都合じゃな 灯台元暗しじゃ」

男子「うわ 待っててくださいっていいましたよね」

女兵士「だって馬糞くさいんだもん」

男子「女兵士さんまで…… とにかく早く部屋へ」




628: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:45:15.33 ID:D63AsyqO0



男子「入りますよ……ってなんですかその恰好は!?」カアア

第七王女「そうはいってもおぬしの服は大きすぎるのじゃ」

女兵士「ほんとダブダブ」

第七王女と女兵士は男子のシャツを着てダブついている。

男子「ちゃんと下……ズボンも履いて下さい!」カアア

第七王女「むうう だから大きすぎるのじゃ何回裾をまくらなければないないと思うとるのじゃ」

女兵士「それに腰回りも大きすぎてずりおちちゃうよ 他に合う服ないの?」

男子「ありません 第一ここは女性立ち入り禁止ですよ バレたら……」

第七王女「どうせ出払っておるんじゃろう? バレやせん」

ガチャ

女兵士「そうですよねー なんせあたし達を探しにいってるんでしょう」

男子「だからって勝手に出ないでください……なにするんですか?」

第七王女「なにちょっと調べるだけじゃ」



629: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:47:13.72 ID:D63AsyqO0



第七王女「こんなところじゃな」

女兵士「さすがに男性ものだとぴったりとは行きませんね ここキツイ」ぎゅうぎゅう

女兵士は胸を抑える。

男子「……それでこれからどうするつもりですか?」

第七王女「むろん 調査を続けるのじゃ」

男子「調査って また旅立つつもりですか!?」

第七王女「当たり前じゃ 魔王の所在はいまだに掴めておらんのじゃぞわらわの旅はまだまだこれからじゃ」

男子「でもどうやって出ていくつもりですか? 旅の用意もなしに」

第七王女「それはここで揃えたのじゃ」ドサッ

男子「それはここの支給品ですよ」

第七王女「もともとウチ(王家)のじゃろ 問題なかろう」

女兵士「外に馬もいますにすぐに出れますねー」

男子「本当に行くつもりですか」

第七王女「そうじゃ それでお主も準備はよいか?」

男子「準備って 俺もですか!?」



630: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:49:05.30 ID:D63AsyqO0


第七王女「当たり前じゃ わらわの騎士じゃろう? 伴をせい」

女兵士「それとも残ります? 色々なくなったモノの言い訳とか大変になるかもですけど……」

男子「ッ! ……わかりましたお伴しますよ 行きますよ」

女兵士「やったぁ」

第七王女「どうじゃ わらわの言った通りであろう」

男子「はぁ……(王女にはかなわないな)」


○王都の外

夕闇の中男子達を乗せた馬が走っている。

パカッパカッ

第七王女「よし王都脱出成功じゃ」

男子「馬上です あまり動かないでください」

女兵士「いまさらだけど本当に一緒にきてよかった? 男子くん」

男子「……(本当に今更だなぁ) いいですよしばらくは王都から離れたい気分だったので」

女兵士「そっかぁ よかった」ニコニコ



631: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/04(日) 17:49:56.32 ID:D63AsyqO0


男子「それより女兵士さんこそいいのですか? しばらく戻れませんよ」

第七王女「女兵士はお主と一緒のほうが都合がいいのじゃ」

女兵士「王女サマ!」

男子「?」

女兵士「それよりどこに向かうんですか? 何か当ては?」

第七王女「とりあえず帝国領に向かうのじゃ」

男子「本気ですか!? 本当の他国ですよ」

第七王女「勇者に国境は関係ないのじゃ ゆけー!」

第七王女一行は帝国領へ向かう。



635: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:17:56.49 ID:w63duH1T0

#30 娘と少年エルフとオジサンオバサンオジサン?



636: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:20:59.32 ID:w63duH1T0

○山道を走る馬車・車内

ガラガラガラ

男「いやぁ 休暇も貰えたし旅行まで用意してもらって悪いなぁ」

女騎士「本当に兄王と王女に感謝ですね」

少年エルフ「……本当に僕達も同行してよかったの?」

女騎士「もちろんだ べ別にしし新婚旅行とかそんなんじゃないからな!」カアア

少年エルフ「そう? ……(やっぱりコレ王女からの新婚旅行のプレゼントだよねえ?)」

男「まーしばらく骨休みだ 王女もしばらく閉じこ……ゲフンゲフン 休養だからな」

娘友「へー 休養ねー(表向きはそうよね)」

娘「それにしてもまだ着かないの? 谷の国から結構たつでしょ?」

男「なにこの峠を越えれば見えるぞ…… ほら」

ガラガラ

少年エルフ「わぁ」

峠を越えて眼下にレンガ造りの街が見える。

娘「素敵ねぇ」

女騎士「ああ 北の国だ」





637: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:23:09.28 ID:w63duH1T0

○北の国・観光ホテルのスイートルーム

男「本当にいいのか? 部屋は広いし一緒でもかまわんぞ」

娘「何言ってるの せっかく王女が手配したスイートルームなんだから二人だけに決まってるでしょ」

女騎士「いやだから 別にそういうのじゃなくてな」カアアア

娘友「いえいえ これ以上邪魔しちゃ悪いから…… アタシ達は知り合いの宿に泊まるし」

少年エルフ「じゃね ごゆっくり」

バタン

少年エルフ達はスイートルームに男と女騎士を残して出て行った。

女騎士「ああもう 本当にこれじゃあ……」

男「……まぁまぁまぁ せっかくのみんなの好意を無駄にしちゃいけないよな なぁ?」

女騎士「なぁってお前ちょっとまて まだ着いたばっかりだろう!?」



638: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:29:26.61 ID:w63duH1T0

○北の国・宿

少年エルフ「さてと どうしよっか」

娘「……」

娘友「……やっぱり言ってなかったの?」

少年エルフ「なに?」

娘「パパ 実はね私たち王女から手紙をもらってたの」

少年エルフ「どういうこと?」

娘と娘友が話始める。


○王都出発前のある日・娘友の部屋

娘「王女から手紙?」

娘友「ええ それがコレなんだけど」

娘友は手紙を広げた。

娘「……なんだか王女らしくないわね 当たり障りのないというか」

娘友「でしょ それとコレも入っていたの」

娘「コレって……ロウソク?」

娘友「そそ それでココに書いてある『病に焼きミカンが』云々ってあるでしょ」

娘「そうね……焼きミカン……」

娘友「それとこの手紙 行間がけっこう空いてるでしょ」

娘「ああ それでロウソクを」

娘友「わかった? ちょっと火をつけて」

娘「”火球”」ボッ



639: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:31:40.02 ID:w63duH1T0

○北の国・宿

娘友「で あぶり出てきたのがコレ」

娘友は少年エルフにあぶりだしの手紙をみせた。

少年エルフ「へぇ あぶりだしか懐かしい…… えっとなんて書いてあるの?」

あぶり出しの字はやたらと達筆である。

娘「まぁ要約すると王女は結界に閉じ込められてるみたい」

少年エルフ「え!? そうなの」

娘友「それで抜け出すのにこの国にあるお宝を持ってきてほしいんだって」

少年エルフ「おたから? 具体的にはどんな?」

娘「元王家の家宝 変身ベルトだって」

少年エルフ「元家宝ってどういうこと?」

娘友「この国に王女のお姉さんが嫁いだ時の嫁入り道具らしいわ」



640: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:36:04.90 ID:w63duH1T0

○北の国・王宮

皇太子妃(第四王女)「きゃー本当に娘様? 感激だわ」

娘「ありがとうございます…… なぜ私の事を」

皇太子妃(第四王女)「これこれ勇者新聞呼んでるの あなた載ってるでしょ」

娘「本当 でもなにこの新聞 王女と調査隊のことばかりじゃない」

娘友「あらー 言ってなかったっけ? アタシが新聞会社買収したの 王女の活躍と調査隊の結果を届けてるわ」

少年エルフ「いつのまに……」

皇太子妃(第四王女)「他にも男子くんカッコいいわよね~ 今日は居ないの?」

娘「いません…… あと王女からの言伝がここに」

皇太子妃(第四王女)「あらこれ 懐かしいわねあぶり出し コレ教えたのアタシなの」

少年エルフ「ええっとそれで変身のベルトは貸していただけますか?」

皇太子妃(第四王女)「あ うん 出来るならそうしてあげたいんだけどねー いまね ないの」

娘「ないといいますと?」

皇太子妃(第四王女)「しばらく前に海賊に盗まれちゃったの」



641: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:38:24.07 ID:w63duH1T0

○海賊の砦

海賊頭「ふっふっふ念願の変身道具を手に入れたぞ」

子分A「あとは魔力があれば使えますね」

海賊頭「そうだな どこかで魔法使いをさらってだな……」

子分B「おかしらー 大変です海が」

海賊頭「なんだそうぞうしいな」

子分C「海が立ってます」

海賊頭「はぁ?」

子分A「なんだそりゃ」

子分B「とにかくに外を見てください」

海賊頭「なんだありゃ!?」

外を見ると海から垂直に海流が流れている。


○近くの海岸

少年エルフ「んーとあの辺かな? ”大水流”」

バッシャアアアアアンン

ドドドドドド

\どわー/ \ひいー/

娘「パパスゴイわ まるで水龍ね」

娘友「狙い通り海賊が流れてきたわよ」

少年エルフ「娘 やり過ぎちゃダメだよ」

娘「わかってる手加減するわ(とはいっても海水まみれじゃね)……”雷撃”」

バリバリバリドドドーン

\\ウギャアアアアアアアアアア//



642: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:40:19.95 ID:w63duH1T0

○海賊の砦

娘「んー やっぱりあまり意味なかったわね」

海賊頭「」

子分A「」

子分B「」

子分C「」

プスプス……

娘友「いいじゃない 昔から『悪党に人権はない』っていうじゃない」

少年エルフ「いやいや あると思うけど……」

娘「えっと 例の魔法道具は……」

娘友「アレかな このオッサンが装備してるわ」

娘「うわ 面倒くさいわね」

海賊頭「くくく やってくれたなお前達」

娘友「うわ 起きた」

海賊頭「今ので魔力が充填された俺の悲願が達成される!」

娘「離れて! 変身するつもりよ」

少年エルフ「え!?」

海賊頭「とうっ ”変身”!」

ピカーッ

海賊頭のベルトが輝く!

娘友「うおっ まぶし」



643: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:42:55.66 ID:w63duH1T0



少年エルフ「え?」

娘「パパ 見ちゃダメ」

娘友「キモッ」

海賊頭「なんだと!? この美少女海賊に……なってねぇ!? なんじゃこりゃあ!?」

海賊頭はセーラー服で女装したオッサンに変身した。

娘「それはこっちのセリフよヘンタイ! ”電撃”」

バリバリバリ

海賊頭「ギャアアア」

海賊頭を倒した。

ドサッ

海賊頭「ぐ……何をやっても経済効果のあるピチピチの女子高生になりたい人生だっ……た ぐふ」

娘友「最低の最後の言葉ね」

娘「いやいや気絶しただけでしょ」



644: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:45:07.38 ID:w63duH1T0

○山道を走る馬車・車内

ガラガラガラ

娘友「ということで褒美にあっさりと変身ベルトを貰えちゃったわね」

娘「そうね 燃費が悪い上にまともに使えないって話よね」

少年エルフ「まともに使えないってどういうことかな?」

娘友「あの海賊も使ったけど まぁ見れたものじゃなかったわよね そういうことじゃない?」

少年エルフ「えっと魔力充填するから使ってみていい?」ドキドキ

娘「え?」

娘友「あらエルフさんチャレンジャーね~ はいどうぞ」

娘友は変身ベルトを少年エルフに渡した。

少年エルフ「ありがとう…… ”渡魔”」キュイン

少年エルフは変身ベルトに魔力を充填していく。

娘友「何に変身するつもりかな?」ボソ

娘「なんとなく想像はつくけど……」ボソ

少年エルフ「よし……(180センチ180センチ180センチ)”変身”」

ピカ―

娘「いちいち光るのね」

娘友「それはお約束でしょ」



645: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:46:36.21 ID:w63duH1T0


光が収まり変身した少年エルフがあらわれる

少年エルフ(180センチ?)「うわ 娘より高い やったぁ!」

少年エルフが娘を見下ろして喜ぶ。

娘「パパ あの……自分の体をよくみて」

少年エルフ「え? うわぁなにこれ!?」

娘友「うわー エルフさん胴長っ」

少年エルフ(胴長)「えー こんなはずじゃ」

娘友「まぁ まともに使えないっていうのはこういうことなのね」

娘「いいんじゃない? 一応背は伸びたしダックスフンドみたいでカワイイわよ」

少年エルフ(胴長)「こんな180センチやだよ 靴下も履けないじゃない」

娘「だったら私が履かせるわよ 靴下もズボンも下着だっていっそのこと上から下まで全部」ハァハァ

娘友「娘おちつけ それ以上はいけない」



646: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:48:50.74 ID:w63duH1T0

○王都・酒倉

娘達は第七王女の手紙に書かれていたようにホワイトドラゴンの元へ来た。

白竜「なんだか外が騒がしいわね」

娘友「第七王女が脱走したみたい コレ(変身ベルト)はいらなくなっちゃったかな?」

白竜「あらー ちゃんと持ってきてくれたのね懐かしいわソレ」

少年エルフ「知ってるのコレ?」

白竜「知ってるもなにもワタシの物だったから いつの間にか王家の家宝になっちゃってたけど」

娘「でもそれまともに使えないわよ」

白竜「コツがいるのよ 変身後の具体的なイメージがないと思い通りにはいかないから」

娘友「で 王女はそれでどうやって脱走するつもりだったのかしら」

白竜「聞いてないけど……以前相談してたヤツかな? 変身したワタシが王女ちゃんを助けにいくカンジ?」

少年エルフ「そんな相談してたんだ」

白竜「王女ちゃんがアナタ達にソレをとって来させたならきっとそういうこと」

娘「たしかに王女ならそれくらい考えるわね」



647: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:50:39.10 ID:w63duH1T0

少年エルフ「でも王女も逃げ出せたみたいだし どうしよう?」

白竜「あら? 逃げ出した王女ちゃんがどうするかはわからない?」

少年エルフ「えーと?」

娘「調査隊を続行するわね 魔王を見つけるまで」

白竜「だとしたらどこへ?」

娘友「えーと調べたところ以外?」

少年エルフ「それだと範囲が広すぎるよ」

娘「帝国領ね」

白竜「はい正解」

少年エルフ「え?」

娘友「なんで?」

白竜「王女ちゃんには実は一番調べにいきたい場所があったの」

少年エルフ「どこ?」

娘「帝国領北東部 元魔法王国……さらに言えば 勇者と魔王の決戦の地」

白竜「そういうこと 元魔法の根城があった所よ魔王が居る可能性が一番高いわ」

少年エルフ「そんなところが……」



648: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:51:50.59 ID:w63duH1T0

娘「さてと どうしましょうか」

少年エルフ「どうするって?」

白竜「カンタンよ王女ちゃんを追いかけるか そうしないのか」

娘友「そんなの決まってるじゃない一緒にいかなきゃ」

娘「そうよね放っておけないわよね」

少年エルフ「ん~ やっぱりそうだよねぇ」

白竜「じゃ決まりってことで 出かける準備をするわね」

白竜は指に変身ベルトを着けた。

白竜「あ すごい魔力満タンじゃない エルフちゃんね ありがと」

少年エルフ「うん でも着ける場所そこでいいの?」

白竜「そうよ ワタシの指輪なの」

少年エルフ「そうだったんだ」

白竜「それじゃ久しぶりだけど…… ”変身”」

ピカ―



649: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:54:37.80 ID:w63duH1T0

○王都・城門

門番「お……(娘さん達だな 白竜の所からの帰りか)」

娘「お疲れさまー」

門番「うむ」

少年エルフ「お邪魔しましたー」

門番「うむ」

娘友「お勤めごくろうさまです」

門番「うむ」

???「お世話になりましたー」

門番「うむ? ……(4人だったか?)」




少年エルフ「すごいバレなかったね」

白竜(人型)「当たり前よ どうみてもニンゲンだもの」

娘「でもなんでオッサンなのよ それじゃあオネエじゃない」

白竜(人型)「しかたないでしょー 久々だったんだから(まぁ本質から大きく変容できないんだけどね)」

娘友「それじゃ さっそく王女を追いかけましょう」

白竜(人型)「まって準備がいるわ」



650: ◆VEKixXsFvlSQ 2016/09/12(月) 00:55:47.38 ID:w63duH1T0

少年エルフ「白竜も準備がいる?」

白竜(人型)「もちろんよ! ……ちゃんと日焼け対策しなきゃ」

娘「あ~もう この美白マニアは~」

娘友「そーね じゃあウチに寄りましょう新商品のサンプルもあるわ」

白竜(人型)「ホント? いくいく」

タタタタ

娘友と白竜は走り出す。

娘「あーあ こんなんでいいのかしら」

少年エルフ「ほら 行こう娘」

少年エルフが娘を促す。

娘「わかったわ いきましょうエルフ」

少年エルフと娘は走りだした。






少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」【後編】に続く




元スレ
SS速報VIP:少年エルフ「人間の娘を育てたら魔王を探しにいくことになりました」
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