1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:16:56.96 ID:nfANqB9K0
シンジ「え?いきなり何言ってんだよ」
アスカ「昨日の訓練のせいで、あたし寝不足なの。学校に行く気しないのよ」
シンジ「それと僕がサボるのと何の関係があるんだよ?第一、アスカが寝不足なのは昨日夜遅くまでゲームやっていたからだろ」
アスカ「はぁ?なんであんたがそんなこと知ってるのよ!まさか覗いたわけ!?」
シンジ「アスカがゲーム相手に叫んだり、壁を蹴ったりしてれば嫌でも分かるよ!おかげで僕まで寝不足だ!」
アスカ「なら丁度いいじゃない。サボりなさいよ」
シンジ「いやだよ!サボるならアスカ一人でサボればいいじゃないか」
アスカ「あんたバカぁ?一人でサボッたら心細いに決まってんでしょ」
シンジ「え?」
アスカ「あ……ひ、一人でサボッてもつまんないからに決まってんでしょ!?そんなのも分からないなんて、アンタ本当に低脳ね!」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:23:11.76 ID:nfANqB9K0
シンジ「低脳って……」
アスカ「じゃ、あたしの分も学校に連絡よろしく」
シンジ「えぇ!?やだよ!」
アスカ「別にいいじゃない!ついででしょ!」
シンジ「アスカがやってよ!大体僕は学校をサボったりしたことないんだから!」
アスカ「あたしだってないわよ!あんたこの優等生であるあたしが経験者だと思ってるの!?」
シンジ「優等生ならサボるなよ!」
アスカ「もぉ!ああ言えばこう言うやつね!分かったわよあたしがやればいいんでしょ、あたしが!」
シンジ「……ほら、受話器」
アスカ「チッ……昼、ラーメン作りなさいよね」
アスカ「……あっ、もしもし」
シンジ「…………」
アスカ「あの、あたしとバカシン……じゃない。碇くんは、今日、欠席したいんですけど」
アスカ「え?何で?なんでって……そりゃ、いろいろあって」
シンジ(大丈夫かよ……?)
アスカ「サボリ?そんなわけないでしょ!先生、あたしの成績表見たことある!?そんなことをする生徒に見えるわけ!?」
シンジ「ちょ、アスカ。逆ギレは……」
アスカ「生理!生理なんですッ!お腹痛くて死にそうなの!だから欠席し・ま・す!」
アスカ「え?バカシンジの理由?……あー、えっと」
シンジ「アスカ、僕は風邪っていうことに、」
アスカ「昨日車に撥ねられて両手両足折ってるの。だから学校には行けません。以上です」
シンジ「アスカぁっ!!」
アスカ「……なによ?そんなに鼻息荒くして」
シンジ「誰が車に撥ねられたんだよ!?そんなことしたら半年は学校に行けないよ!」
アスカ「あんたバカぁ?半年で学校に行けたら苦労しないわよ」
シンジ「ひどい……」
アスカ「済んだことを気にしても仕方ないじゃない。あ~、やっとくつろげる~!」
シンジ「はあ……トウジたち心配しないかな……」
アスカ「さてと。それじゃ、バカシンジ」
シンジ「ああうん。それじゃあ僕は自分の部屋で宿題でもやってくるよ」
アスカ「はぁ!?何言ってんのよ!学校サボッたくせに勉強するバカがどこにいるわけ!?」
シンジ「べ、別にいいじゃないか。アスカは寝不足なんだから、部屋で寝てればいいだろ」
アスカ「学校サボッちゃったのに気持ちよく寝れるわけないでしょぉ!?」
シンジ「ええ……?アスカは寝不足だから、僕を誘ってまで学校を休んだんじゃないの?」
アスカ「そうよ。でも寝れないんだから仕方ないじゃない」
シンジ「何で寝れないんだよ。ひょっとしてサボったことが不安で……」
アスカ「な、なに言ってるのよ!エヴァンゲリオン二号機パイロット、数々の死闘を乗り越えてきたこのアスカ様が、どうしてたかがサボリ程度で心を乱されなきゃいけないわけ!?」
シンジ「じゃあ静かにゲームでもやっててよ……」
アスカ「それじゃ学校と変わらないわ。普段出来ないことをやるのがサボリでしょ」
シンジ「なら何をやるのさ」
アスカ「そうね……ん~……」
シンジ「…………」
アスカ「…………」
シンジ「……ねえ、」
アスカ「あ、あんたの宿題手伝ってあげるわ!」
シンジ「えぇ?」
シンジ「それこそ、学校終わった後でも出来そうだけど」
アスカ「普段のあたしは忙しすぎてそんな暇ないの。っていうか、このあたしが特別に手伝ってあげるんだから感謝しなさいよ」
シンジ「はあ……ま、いいか。それじゃ、よろしく頼むよ」
アスカ「ビシバシいくから覚悟しなさいよ!」
~10分後~
アスカ「あんたバカぁ!?何でこんな問題も分からないわけ!脳みそついてんの!?」
シンジ(……)
アスカ「ここなんて中一で習ったとこじゃない!あんた今まで何を学んできたわけぇ!?」
シンジ(……こうなることは、半分予想していたんだ)
アスカ「あーもうやってらんない!教える相手がこんなに馬鹿なんじゃ話にならないわ!」
シンジ「……アスカは間違っても家庭教師は目指さない方がいいよ」
アスカ「はぁ?どういう意味よ」
シンジ(言った通りの意味だよ……)
アスカ「宿題は止めね。さーてどうしようかしら」
シンジ「今頃みんな、授業受けているんだろうなぁ」
アスカ「あ、の、ねぇ。そういうこと言わないでくれる?サボッている気分が台無しじゃない」
シンジ「第一サボりってそんな何するもんでもないと思うけど……それじゃ、外出て遊びにでも行く?」
アスカ「万が一教師に見つかったらどうするわけ。頭使いなさいよ」
シンジ「じゃあ家で何をするんだ?トランプ?ジェンガ?」
アスカ「そんな庶民くさい遊び。あたしがやるわけないでしょ!」
シンジ「なら一体どうしろと……」
ガチャリ
アスカ「っ!?」
シンジ「だ、誰か帰ってきた……ッ!?」
ミサト「はぁ~~~。つーかーれーたァ~~~」
アスカ「この声はミサトね。そういえば昨夜はネルフにいたんだっけ」
シンジ「ど、どうしよう。ここにいたらサボッたことがバレちゃうよ」
アスカ「隠れるしかないわ!と、とりあえず……あたしの部屋!」
シンジ「待ってよぉっ!」
ミサト「あれー?今シンちゃんの声がしたような……」
ミサト「……リビングにはいない……。気のせいか」
ミサト「早くシャワー浴びて休もうっと~」
アスカ「と、とりあえず大丈夫そうね……」
シンジ「誰かってミサトさん以外いないじゃないか……。僕は何を言っているんだ……」
アスカ「何ぶつぶつ言ってんのよ。はーあ、ミサトがいたんじゃ家にはいらんないわね」
シンジ「でもペンペンが帰ってきた場合も……いやペンペンはそもそも出かけてないし……」
アスカ「あーもう!あんた何の話をして」
ガチャリ
アスカ「!」
シンジ「!」
ミサト「……今、確かにアスカの声がしたはずだけど……」
シンジ(や、やばいやばいやばいっ)
アスカ(ちょっとバカシンジ!何あんたまで布団に隠れているのよ!)
ミサト「アスカー?いるのー?」
シンジ「……」
アスカ「……」
ミサト「やっぱいない、か。そうよね、今頃学校のはずだもの」
シンジ「……」
アスカ「……」
ミサト「声が聞こえるなんて、疲れているのかしら。早く寝ましょう」
シンジ「……」
アスカ「……」ぐぅ~!
ミサト「え?」
シンジ「!?」
アスカ「……あっ」
シンジ(あ、アスカ!?)
アスカ(……お、お腹鳴っちゃった)
ミサト「今変な音がしたわよね!?なに?泥棒!?」
シンジ(どうしようどうしよう!このままじゃマズイよ!)
アスカ(そもそもバカシンジが作った朝食の量が少なかったせいじゃない!絶対許さない!)
ミサト「だ、誰かいるなら出てきなさい!ネルフ戦術作戦部作戦局第一課所属葛城ミサトの家に忍び込むなんて、いい度胸ね!」
シンジ(よく噛まないで言えたな……)
アスカ(早くお昼のラーメン食べたい……)
ペンペン「クワァー!」
ミサト「きゃあ!!」
ペンペン「クワッ、クワッ」
ミサト「ペ、ペンペン……。なに、あなただったの?」
ペンペン「クワァー」
ミサト「でも確かにアスカの部屋から……疲れているのかしら。もういいわ。変に考えるのはよしましょう」
ガチャン
シンジ(た、助かった……)
アスカ(醤油……味噌も捨てがたいわね……)
シンジ「アスカ……ほんと、勘弁してよ」
アスカ「う、うるさいわね。そもそもあんたが……」
シンジ「なんて、言い合っている場合じゃない。ミサトさんにバレない内に家を抜け出そう」
アスカ「そういえば靴も置きっぱなしだったけど、気づかれなかったのは不幸中の幸いね」
シンジ「ほら、行くよ。アスカ」
アスカ「あたしに指図するんじゃ……って、ちょっと待ちなさいよバカシンジ」
シンジ「え?」
アスカ「外に出るってことは、お昼はどうするの?」
シンジ「そりゃもちろん、どこかで外食するしか……」
アスカ「はぁ!?あんたの作るラーメンはどうなるのよ!」
シンジ「ええ!?」
シンジ「今更何を言っているんだよ!」
アスカ「嫌よ!ラーメンが食べれないならサボッた意味ないわ!」
シンジ「主旨が変わっているよ!」
アスカ「家に出るってのはナシ。論外。他の手を考えましょう」
シンジ「そんな無茶な……」
アスカ「ミサトだって寝るんだから、そうしたら変わらないじゃない。それよりも、」
シンジ「それよりも?」
アスカ「靴を隠しに行きましょ。いつバレるか分からないわ」
シンジ「靴ね……」
シンジ「ミサトさんはシャワーに行ったみたい」
アスカ「よし、行くわよバカシンジ」
シンジ「ドキドキするなぁ……」
~数分後~
アスカ「よし。これで完璧ね」
シンジ「あとは各自待機?」
アスカ「ええ、ミサトが寝静まったら落ち合いましょう」
シンジ「部屋に入ってきませんように……」
ミサト「はぁー。いいお湯だったぁ」
アスカ「っ!もう出てきたの!?」
シンジ「ど、どうしようアスカ!ミサトさんがリビングにいたんじゃ部屋まで辿りつけない!」
アスカ「そんなこと分かっているわよ!仕方ないわね……」
シンジ「何か策があるの?」
アスカ「アンタが囮になって、先に行きなさい。あたしはこっそり戻るから」
シンジ「それは囮というより生贄だよ。大体そんなの不公平じゃないか。発案者のアスカが行くべきだ」
アスカ「あんたそれでも男なの?レディを生贄にするわけ?」
シンジ「レディファーストだよアスカ。さあ早く」
アスカ「い・や・よ。バカシンジ、行きなさい」
シンジ「アスカが行ってよ!僕は関係ない!」
アスカ「今更部外者面しないでよ!共犯者でしょ!?」
シンジ「首謀者のアスカが行くべきだ!」
アスカ「部下が死にに行くのよ!」
シンジ「だから外に出ようって行っただろ!」
アスカ「ラーメン!」
ミサト「……二人とも、何やってるわけ?」
~昼~
ミサト「パイロットで大変なのも分かるけど、遊びでサボるのは駄目だからね」
シンジ「すみません……」
アスカ「もう分かったわよ。それよりバカシンジ、早くラーメン」
シンジ「待ってよアスカ。もうすぐ出来るから」
ミサト「シンちゃん、冷蔵庫にまだビールあったっけ?」
シンジ「お昼から飲むんですか……?」
ピンポーン
ミサト「ゲ……」
アスカ「こんな時間に誰かしら」
シンジ「アスカ、今手が放せないから出てきてよ」
アスカ「もう、仕方ないわねぇ」
ミサト「あー、ちょっち、部屋で寝てくるわ……」
アスカ「……ミサトぉ!あんた今日サボッたわねえ!?」
おわり
レイ「碇くん……今日、学校。休まない?」
シンジ「あ、綾波?急にどうしたんだよ」
レイ「別に……」
シンジ「体の調子でも悪いの?休むってこれから?もうすぐ学校に着くと思うけど……」
レイ「体は普通。そう、これから」
シンジ「何かあったの?」
レイ「どうして」
シンジ「いや、綾波がそんなこと言い出すなんて……アスカが言うには、分かるけど」
レイ「……」
シンジ「綾波?」
レイ「変?」
シンジ「へ、変じゃないよ。……そうだね、休もうか。たまにはいいよな」
レイ「……ありがとう」
シンジ「でも先生たちには何て言おうかな」
レイ「?」
シンジ「ほら、口実だよ。僕なんてこの前車に撥ねられたなんて嘘言ったから……」
レイ「碇くん、車に撥ねられたの?」
シンジ「ああいや、それはアスカが勝手に言い出したんだ」
レイ「……」
シンジ「綾波?」
レイ「そう。私に任せて」
シンジ「だ、大丈夫?僕がやってもいいんだけど」
レイ「任せて」
レイ「公衆電話」
シンジ「うん。ここなら怪しまれなさそうだ」
レイ「何の話?」
シンジ「あっ、いや、先生とかに見られたらマズイだろ?」
レイ「?」
シンジ「だから、休むのに登校しているところ見られちゃマズイだろって、そういう意味」
レイ「……そう」
シンジ(何か落ち込んでいるような……いや、どう考えても気のせいだよな)
レイ「じゃ、電話するから」
シンジ「うん。頑張って」
レイ「……もしもし」
シンジ「……」
レイ「綾波レイです。私と碇くんは、欠席します」
シンジ(何て言うつもりなんだろ……)
レイ「……理由。……私と碇くんは、車に撥ねられました」
シンジ「え?」
レイ「はい。立てません。はい。失礼します」
シンジ「……綾波?」
レイ「これで、大丈夫」
シンジ「えっ、何が?どのへんが?」
シンジ(よく分かんないな……。とにかく、また僕は怒られそうだ)
レイ「碇くん」
シンジ「うん?」
レイ「私の家、来る?」
シンジ「えっ……」
シンジ(綾波の家……。カード渡しに行ったとき以来だな。それで、あの時は……)
シンジ「いや、やめとくよ」
レイ「……分かった」
シンジ(あんなことがあって、また行ったんじゃ、どうにも信用ないしな……)
シンジ「よかったら僕の家にしない?」
レイ「?」
シンジ「僕、というかミサトさん家だけど」
レイ「上がっていいの」
シンジ「大丈夫。ミサトさんは仕事だし。アスカは学校だしね」
レイ「……お邪魔する」
シンジ「はは、どうぞどうぞ」
シンジ(……でも、よく考えたら女の子を家に上げるってことだよな。大丈夫なのか?)
レイ「碇くん」
シンジ(しかも二人きり……。密室に、二人きり……)
レイ「碇くん。犬の糞踏んでる」
~10分後~
シンジ「さ、上がってよ」
レイ「お邪魔します」
シンジ「……うん。やっぱ家は誰もいないみたいだ」
レイ「碇くん……慣れてる」
シンジ「え?」
レイ「学校を休む……サボッたこと、あるの?」
シンジ「ああ、えーと。一回アスカとね」
シンジ「でもあの時は酷い目にあったよ。途中でミサトさんが帰ってきちゃうし、アスカは」
シンジ「あ痛っ」
レイ「……」
シンジ「え……?綾波、今、蹴った?」
レイ「ごめんなさい。滑ったの」
シンジ「そ、そう。気をつけてね。スリッパいる?」
レイ「誰の?」
シンジ「だ、誰のって……お客さま用、かな」
レイ「遠慮しておくわ」
シンジ「じゃあとりあえずリビングに行こう」
レイ「コーヒー」
シンジ「え?」
レイ「コーヒー、あるかしら」
シンジ「ああ、今入れるよ」
レイ「いい。私に入れさせて」
レイ「碇くん。甘いほうが好き?」
シンジ「あーえっと、普通くらいかな」
レイ「…………」
シンジ「綾波?」
レイ「普通って、どのくらい?」
シンジ「……やっぱり僕が、」
レイ「碇くんは座ってて」
シンジ「て、適当でいいよ」
レイ「わかった」
レイ「はい、どうぞ」
シンジ「ありがとう、綾波。……あれ、綾波の分は?」
レイ「私はいらないから」
シンジ「そう……何か悪いな。いただきます」
シンジ「ブッフォーーーッッ!!!」
レイ「碇くん……どうかした?」
シンジ「ゴホ、ゲホ……あ、綾波。砂糖と塩、間違えたでしょ……」
レイ「?」
シンジ「あとミルクじゃなくて、これ。何入れたの……固形物があるんだけど」
レイ「見当たらなかったから、ヨーグルトを入れた。牛の絵が書いてあったから……」
シンジ「……」
レイ「……」
レイ「碇くん……私が毒味させたと思っている?」
シンジ「お、思ってない……とは言えない……」
レイ「残った分は、私が飲む」
シンジ「それはやめときなよ綾波!」
レイ「いいの。私が死んでも……代わりはいるもの」
シンジ「さすがに死ぬまではいかないと思うけど……」
シンジ(どうしよ。捨てるのも何か悪いよな……)
シンジ「ええい!」
レイ「碇くんっ」
シンジ「……っ……っ。ぷはあ……」
レイ「碇くん……」
レイ「美味しかった?」
シンジ「ごめん。それはお世辞にも言えない」
レイ「そう……今度、また作るわ」
シンジ「うん。期待してるよ」
レイ「……」
シンジ「……」
レイ「……」
シンジ「……あのさ、何かする?」
レイ「何……するの?」
シンジ「え、いや……どうしよう」
シンジ(綾波といいアスカといい、サボりは計画もなくするものなのかな)
シンジ(いやでも、普通そうか……。だとしたら、これからどうしよう)
レイ「碇くん」
シンジ「うん?」
レイ「誰か、この家に近づいてくる気がする」
シンジ「え?」
ガチャガチャ
アスカ「もーっ!宿題を家に忘れるなんてほんとありえないーッ!」
シンジ「あ、アスカの声だ……」
シンジ「大変だ綾波!急いでどこかに隠れよう!」
レイ「……」
シンジ「僕の部屋!多分アスカは入ってこないから!急ごう!」
ガチャン
アスカ「はあ。こんなヘマやらすなんて、バカシンジじゃないんだから……」
シンジ(ふう。どうにか間に合ったみたいだ……)
シンジ「あれ。綾波?」
アスカ「さてと。あたしの部屋に――ッ!?」
レイ「……」
アスカ「きゃあああっ!!?」
レイ「大きな声を出すと、近所に迷惑よ」
アスカ「え、エコヒイキ!?何であんたがここにいんのよォ!?」
シンジ(あ、綾波!何やってんだ……!?)
レイ「……」
アスカ「答えなさいよ!何であんたがこの家にいるわけ!?どうやって入ったのよ!」
レイ「……それは、問題じゃない」
アスカ「大問題よ!言っとくけどあんた、ただの不法侵入だからね!?」
レイ「……」
アスカ「あくまで黙り通すってワケ……?ふうん、そう。そういうこと」
アスカ「バカシンジ!!いるんでしょ!出て来なさいよ!!」
シンジ(やれやれ……面倒なことになったなぁ……)
レイ「碇くんはいないわ」
アスカ「はぁ?あんたバカでしょ。あんたをこの家に上げるの、あいつくらいしかいないわよ」
レイ「違う。私が、勝手に入ったの」
アスカ「そう。じゃ警察に通報するから」
レイ「間違えた。葛城三佐に許可を貰ったの」
アスカ「ミサトに?何のため?大体あんた、今は学校のはずでしょ?」
レイ「あなたこそ、今は授業中のはずだけど」
アスカ「私は宿題忘れたから遅刻覚悟で取りに帰ったのよ。あんたなんて、学校に向かう気もないようだけど?」
レイ「お腹が痛いの」
アスカ「見え見えの嘘つくんじゃないわよ」
レイ「本当は……そう。碇くんのところに物を取ろうと思って」
アスカ「はぁ?窃盗?」
レイ「碇くんがこの前、間違えて持って帰ってしまったの」
アスカ「何を」
レイ「……」
アスカ「言えないような物なの?」
レイ「生理用品、を」
アスカ「え?」
シンジ(え?)
アスカ「バ、バカシンジが……あんたの……」
レイ「……」
アスカ「し、信じられない……。あいつ、本物の変態じゃない。確かにそれじゃ、言い出し辛いわ……」
レイ「納得してくれた?」
アスカ「あんたのことを許したわけじゃないわよ!止むを得ない事情があったところで、私の許可無しに家に上がるなんてありえないから」
アスカ「ただ……まあ、同情はするわ」
レイ「……」
アスカ「何よ」
レイ「別に……」
アスカ「なに、手伝えっていうの?探すのを」
レイ「そういうわけじゃ、」
アスカ「仕方ないわねえ別にあんたのためとかそういうのじゃ全然ないけどあのバカシンジのことだからもしかしたら私のも盗っていっているかもしれないし仕方なく嫌々探したいだけであってバカシンジの部屋を覗きたいとか、」
アスカ「そういうことじゃないから」
レイ「……そう」
シンジ(大変だ……僕が極度の危ない人になった上、二人して部屋に来るなんて……)
アスカ「それじゃ、入りましょ」
シンジ(とりあえず綾波がいないって言ったんだし、隠れとかないと……布団の中?バレそうだな……)
レイ「失礼します」
シンジ(わあ!もう考えている暇なんてないっ!)
アスカ「ふん。相変わらず汚い部屋ね」
レイ「片付いているけど」
アスカ「雰囲気が汚いって言ってるのよ。いちいち噛み付かないでくれる?」
レイ「……」
アスカ「さて、あのバカシンジのことだから、普通に引き出しとかにしまっているんじゃないかしら」
レイ「……開けるの?」
アスカ「何よ。なにか問題があるっての?」
アスカ「大体このあたしが、わざわざあんたみたいなエコヒイキのために働いてやってんのよ?感謝しなさいよ」
レイ「本当に私のため?」
アスカ「な、なによ」
レイ「実は自分の興味が優先されている……ちがう?」
アスカ「人聞きの悪いこと言うんじゃないわよ!誰がバカシンジの私物に興味沸くもんですか!」
レイ「そう。ならあなたは触らないで」
アスカ「~~~!!もういいわよ!あたしは自分の荷物取って学校行くから!鍵閉めなさいよ!じゃないとエヴァであんたん家潰すから!!」
レイ「それは犯罪行為」
アスカ「バカ!アホ!無表情女!」
レイ「人形とは……言わないのね」
アスカ「…………ふん」
レイ「…………」
シンジ「…………」
レイ「……碇くん、もう大丈夫」
シンジ「ああ、綾波。ありがとう……ありがとう?」
レイ「危ないところだった」
シンジ「うん。僕はもう危ない人だけど」
レイ「どうして?」
シンジ「僕は、綾波の……大事なもの、盗った人なんだろ」
レイ「そうなの?」
シンジ「はあ……もういいや。悪気はないんだし」
レイ「碇くんは……私の大事なものを奪った。……そうかもしれない」
シンジ「え?違うよ?奪ってないよ?」
レイ「私、随分変わってしまったって……自分でもそう思う」
シンジ「何の話?とにかく僕は誓って綾波の……それを、盗ったりしていないから」
レイ「碇くん……」
シンジ「綾波……?」
アスカ「はーいストップ」
シンジ「うわあっ!アスカ!?出て行ったんじゃなかったの!?」
アスカ「うわあ、じゃないわよバカシンジ!よくもこのあたしを騙したわね!!」
アスカ「あんたもよこの変人女!よく堂々と嘘をついてくれたわね!」
レイ「嘘……?嘘じゃない」
アスカ「え?」
レイ「碇くんは……私の大事な物を、奪ったと思う」
シンジ「え?」
アスカ「バカシンジ……あんた本当に」
シンジ「ち、違うよアスカ!綾波なに言っているんだよぉ!」
レイ「碇くん。……ありがとう」
アスカ「きゃああ!おまけにお礼まで言うなんて!一体あんたらどういう関係なのよォ!!」
シンジ「違う!違うんだ!助けて助けてよ父さぁん!!」
ミサト「あんたたち……平日の昼間っから、学校行かずに随分と楽しそうじゃない」
シンジ「ミサトさん!?」
ミサト「学校の先生から連絡があって、探しに来てみれば……案の定ね」
アスカ「ミサト聞いて!この二人変態なの!嫌よあたしこんなやつらと共闘するなんて!!」
レイ「変態?あなたたちは変態なの?碇くんも?」
ミサト「はーいはいはい!もー分かった!」
シンジ「ミサトさん……あの、これには理由が……」
ミサト「いいわよもう。教育面に関しては、こっちにだって責任があるし」
ミサト「ということで今日は、4人で正々堂々サボろうじゃない!」
アスカ「ミサトあんた、あたしたちを口実に抜けてきたのね!」
シンジ「ミサトさん……まあ、いいか」
レイ「……今日は学校、みんなでお休み」
レイ「これが、楽しいってことなのかしら」
終劇
マリ「ワンコくん、今日学校サボろうよー」
マリ「ね?」
シンジ「ね、じゃないですよ……。えっと、真希波さん、でしたっけ」
マリ「マリでいいよ、ワンコくん。それとも下の名前で呼ぶのは恥ずかしい?」
シンジ「…………」
マリ「仕方ないなあ。じゃあワンコくんにちなんで、ニャンコちゃんとお呼び!」
シンジ「……マリさん。何の用ですか?」
マリ「だーかーらー、学校サボろって言いに来ているのさ」
シンジ「大体あなたって、学校通っているんですか?」
マリ「にゃはは、そこは秘密かな。秘密主義の娘がワンコくんは好きでしょ」
シンジ「……じゃあつまり、僕に一方的にサボれと?」
マリ「そうそう。大正解。お礼にさっき拾った5円玉あげよう」
シンジ「いりません。それと、」
シンジ「お断りします」
マリ「えー!なんで!?」
シンジ「なんでって……第一、僕とマリさんがどうして一緒にサボるんですか。ほぼ初対面に近いですよ」
マリ「いいじゃんいいじゃん。零号機と二号機の娘とはサボッたんでしょ?」
シンジ「何故それを……」
マリ「私の情報網を舐めないほうがいいよ~!」
シンジ「というか、だからこそですよ」
マリ「にゃ?」
シンジ「もう二回もサボッて……先生には完全に目ぇつけられているんですから」
マリ「なら尚更、二回も三回も変わんないって」
シンジ「あのね……」
マリ「……哀しいな」
シンジ「え?」
マリ「一人、こんな危ない所に来て友達も出来ず、街を案内してくれる人にも恵まれず……」
マリ「今日も今日とて、一人公園のベンチに座る日々……はあ……」
シンジ「えっと……」
マリ「だれか、心優しい人が私を助けてくれないかにゃあ……」
シンジ「…………分かった、分かりましたよ。サボればいいんでしょ、サボれば……もう」
マリ「さっすがワンコくん!話が分かるじゃーん!それじゃあ特別に私から先生に話を通しておくよ!」
マリ「えーと公衆電話公衆電話……あったあった」
マリ「もっしー?先生ー?」
シンジ「大丈夫かな……一番不安だ」
マリ「お宅の学校の、ワンコくん!あー、碇シンジくんね!そう、腹痛で休み!オーケー?」
シンジ「……理由は一番まともみたいだ」
マリ「え?また車に轢かれたのか?あーそうそう。そういうこと。もうペシャンコで息もしてないから」
マリ「じゃ、そういうことで~!」
シンジ「……」
マリ「よし、完璧」
シンジ「どこがですか!!」
マリ「わわっ。どしたのワンコくん、えらく怒っているね~。生理かな?」
シンジ「はあ……もういいですよ。それじゃ、どこを案内すればいいんですか。あっちの方には、」
マリ「ワンコくん家」
シンジ「……そっちに行くと、」
マリ「ワンコくん家」
シンジ「あのねえ、」
マリ「二人もそこで過ごしたんでしょ?なら私もそこ!決定だね!」
シンジ「もう……勝手にしてください」
マリ「それじゃ行こう!ほーら、早くしないと置いていくぞーっ」
シンジ「僕の家分かるんですか?」
マリ「……ほーら、早くしないと私が迷子になるぞーっ!」
シンジ「何なんだこの人……」
~10分後~
マリ「おお。いいとこに住んでるね~」
シンジ「普通だと思いますけど……」
マリ「ワンコくん、鍵閉めた?」
シンジ「え?はい、もちろん」
マリ「二重ロックね。入れないように。それと念のため靴は隠しておこうか」
シンジ「はあ」
マリ「家に誰もいないか確認させてもらけどいいよね?部屋にも入るよ」
シンジ「ど、どうぞ……」
マリ「いやあ、誰かさんたちの二の舞にはなりたくないからね~」
マリ「よし、準備完了!それじゃさっそく遊ぼうワンコくん」
シンジ「何をしてですか?」
マリ「う~ん。ベーゴマとか」
シンジ「ベ、ベーゴマ?」
マリ「あり、知らない?」
シンジ「いや、知識にはありますけど……さすがに家にはないっていうか」
マリ「じゃあ綾取りかにゃ?」
シンジ「…………」
マリ「どしたのその目は」
シンジ「結構、なんていうか、古き良き遊びを推すんですね……」
マリ「伝統を重んじるのは大切なことだよー?ま、でもないっていうなら仕方ない。じゃあワンコくんの好きなテレビゲームをしよう」
シンジ「別に好きじゃないですけど……」
マリ「メガドライブはある?」
シンジ「ないです」
マリ「セガサターンは」
シンジ「ないです」
マリ「も~。品揃えの悪い店だねー」
シンジ「何にせよ、うちでゲームを持っているのはアスカくらいですよ」
マリ「じゃあ盗って来よう」
シンジ「字が違いやしませんか」
マリ「冗談だよー。いやあ、でも困ったね。サボりって意外と大変」
シンジ「毎回こんな感じになりますよ」
マリ「ワンコくん、朝食とったー?」
シンジ「あ、はい」
マリ「そっかぁ~」
シンジ「……」
マリ「朝ごはん食べたんだぁー。ふーん。へぇー」
シンジ「……」
マリ「いいなー朝ごはんかぁー」
シンジ「……」
マリ「私は朝何も食べてな」
シンジ「作りますよ作ればいいんでしょう!」
マリ「いやあ、悪いね」
シンジ「材料使ったらマズイので、チャーハンくらいしか作れないですけど……」
マリ「おっけーおっけー。ついでにシチューもよろしく」
シンジ「話聞いてましたか?」
マリ「そんな怖い顔しないで、冗談だよ冗談。それじゃあ私はコーヒーでも入れようかな」
シンジ「あ、結構です」
マリ「にゃ?」
シンジ「コーヒーには一度懲りているんで……座って待っててください」
マリ「じゃあお言葉に甘えて、ワンコくんの部屋に行っているよ」
シンジ「リビングのイスに腰掛けていてください」
~10分後~
シンジ「出来ました」
マリ「にゃっは~!美味しそう!食べていい?いい??」
シンジ「どうぞ」
マリ「いっただっきまーす!……うん!すごく美味しい!」
シンジ「そうですか?」
マリ「しゅぎょくうみゃいにょ!!」
シンジ「飲み込んでから話してください」
マリ「とっても美味しいよ!ワンコくんは将来料理人になればいいじゃない?」
シンジ「それは言いすぎですよ」
マリ「いやいや、ほんとほんとっ!」
マリ「~~♪」
シンジ「……そこまで美味しそうに食べてもらえると、嬉しいです」
マリ「にゃはは。ワンコくんはお母さんみたいなことを言うんだね。母性本能をくすぐっちゃったかな?」
シンジ「母性本能って……第一、僕は母親がどういうのか、知らないし」
マリ「本当にそうかな?」
シンジ「え?」
マリ「意外と近くで、優しく見守ってくれているかもしれないにゃ」
シンジ「マリさん?」
マリ「なーんて。私がワンコくんのお嫁さんになれば言えちゃうなぁー!」
シンジ「もう、からかっているんですか?」
マリ「さーてと。お腹も一杯になったし!」
シンジ「帰りますか?」
マリ「……まだ一日は始まったばっかりだよ?」
シンジ「とは言っても、することなんて思いつかないし……」
マリ「あ!そうだ、あれやろう!」
シンジ「何ですか?」
マリ「わんにゃんゲーム」
シンジ「……聞いたことないですね。それも昔の遊びか何かですか?」
マリ「いや、私が今作って発表した」
シンジ「そうですか……」
シンジ「それで、一応聞きますけどどんな遊びなんですか?」
マリ「ワンコくんは犬。私は猫になって、どっちかに従うの」
シンジ「お断りします」
マリ「一回やってみよ!楽しいから!」
シンジ「今さっき作ったくせに経験者みたいなことを言わないでください」
マリ「じゃあ最初に私が猫になるからさ!ほら、にゃぉ~ん☆」
シンジ「……」
マリ「にゃあ~?」
シンジ「……」
シンジ「ね、猫は飼ったことないから……試しにですよ」
シンジ(でも何て言えばいいんだろう……。飼ったことないから本当に分かんないや)
シンジ「お、お手」
マリ「にゃははっ」
シンジ「わ、笑わないでくださいよ!」
マリ「にゃぁ~」
シンジ(手が乗った……。何か、そういう感じの店にいるみたいだ……)
マリ「にゃにゃにゃ」
シンジ「わわっ、そんなくっ付かないでくださいよ!」
マリ「にゃおーん!」
シンジ「手ぇ舐めないでください!マリさぁん!」
~10分後~
シンジ「はあ、はあ……」
マリ「楽しかった?ワンコくん」
シンジ「いや、えっと……」
マリ「どう、敬語使っている相手を好き勝手従わせる気分は?」
シンジ「…………」
マリ「次は私の番だね」
シンジ「あ、僕学校の宿題が残ってたんだったー……」
マリ「逃がさないよ、ワンコく~ん」
シンジ「わ、わん……」
マリ「わー可愛い!ほらおいで~」
シンジ「うう……」
マリ「お手!」
シンジ「わん」
マリ「おすわり!」
シンジ「わん」
マリ「ふせ!」
シンジ「わん……」
マリ「ちんちん!」
シンジ「わん!?」
シンジ「いや、マリさん。それはちょっと……」
マリ「犬語はよく分かんないにゃあー。ほら、ワンコくん、」
マリ「ちんちん」
シンジ「…………」
マリ「どうしたの?分からないかにゃ?」
シンジ「……」
マリ「じゃあゆっくり言ってあげよう」
マリ「ち・ん・ち・ん」
シンジ「……」
マリ「ほらやってみな?仰向けになって、開放的な姿勢になって、」
マリ「やってみてよ」
マリ「さあ!さあ!さあっ!!」
シンジ「帰ります」
マリ「嘘だよ許してワンコくーん!!!」
~10分後~
シンジ「なんだか疲れました……」
マリ「同感。さすがの私もお疲れにゃ」
マリ「さてと、ワンコくんの部屋にでも行って一眠りしてくるかなあ」
シンジ「帰ってください」
マリ「……じゃあ、帰っちゃおうかな」
シンジ「え?」
マリ「うん?どうしたの?」
シンジ「あ……いや、別に。どうぞ帰ってください」
マリ(ふふふ……調教完了)
マリ「……あ」
シンジ「?どうかしたんですか?」
マリ「あーいや、そろそろホントにおいとましようかな」
シンジ「何ですか、急に慌てて」
マリ「にゃはは。こっちの話。それじゃ失礼するよ」
シンジ「マリさん」
マリ「にゃ?」
シンジ「あの、僕も……ここに来たばかりのころは、心細くて、不安も一杯で……」
シンジ「だから、僕でよかったらまた付き合います。割と楽しかったし、ね」
マリ「ワンコくん……」
マリ(やれやれ。本当に調教されたのはこっちだったかにゃ?)
マリ「そいじゃ」
シンジ「はい……ってあれ?どうしてベランダの方から行くんですか?」
マリ「いやいや、気にしないでよ」
シンジ「気にしますよ。危ないですし」
マリ「大丈夫。慣れっこだから……それじゃシンジくん、またね」
シンジ「え?あ……はい」
マリ「後はよろしく!ワンコくん!」
シンジ「え?」
アスカ「こらァッ!バカシンジ開けなさいよ!二重ロックまでしてんじゃないわよォ!!」
レイ「碇くん……私も誘ってほしかった」
ミサト「ちょっとぉ!毎度毎度こっちにまで連絡来られちゃ敵わないわよっ!」
シンジ「家の外から、たくさんの声……あはは、はは」
マリ「あーあ。ワンコくんが私だけのワンコならいいのにねぇー、っと。ぐっばい~」
THE END
おつかれちゃん
やっぱマリかわいい
良かった!乙!
元スレ
アスカ「バカシンジ。今日学校サボリなさいよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354432616/
シンジ「低脳って……」
アスカ「じゃ、あたしの分も学校に連絡よろしく」
シンジ「えぇ!?やだよ!」
アスカ「別にいいじゃない!ついででしょ!」
シンジ「アスカがやってよ!大体僕は学校をサボったりしたことないんだから!」
アスカ「あたしだってないわよ!あんたこの優等生であるあたしが経験者だと思ってるの!?」
シンジ「優等生ならサボるなよ!」
アスカ「もぉ!ああ言えばこう言うやつね!分かったわよあたしがやればいいんでしょ、あたしが!」
シンジ「……ほら、受話器」
アスカ「チッ……昼、ラーメン作りなさいよね」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:29:44.17 ID:nfANqB9K0
アスカ「……あっ、もしもし」
シンジ「…………」
アスカ「あの、あたしとバカシン……じゃない。碇くんは、今日、欠席したいんですけど」
アスカ「え?何で?なんでって……そりゃ、いろいろあって」
シンジ(大丈夫かよ……?)
アスカ「サボリ?そんなわけないでしょ!先生、あたしの成績表見たことある!?そんなことをする生徒に見えるわけ!?」
シンジ「ちょ、アスカ。逆ギレは……」
アスカ「生理!生理なんですッ!お腹痛くて死にそうなの!だから欠席し・ま・す!」
アスカ「え?バカシンジの理由?……あー、えっと」
シンジ「アスカ、僕は風邪っていうことに、」
アスカ「昨日車に撥ねられて両手両足折ってるの。だから学校には行けません。以上です」
シンジ「アスカぁっ!!」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:36:08.09 ID:nfANqB9K0
アスカ「……なによ?そんなに鼻息荒くして」
シンジ「誰が車に撥ねられたんだよ!?そんなことしたら半年は学校に行けないよ!」
アスカ「あんたバカぁ?半年で学校に行けたら苦労しないわよ」
シンジ「ひどい……」
アスカ「済んだことを気にしても仕方ないじゃない。あ~、やっとくつろげる~!」
シンジ「はあ……トウジたち心配しないかな……」
アスカ「さてと。それじゃ、バカシンジ」
シンジ「ああうん。それじゃあ僕は自分の部屋で宿題でもやってくるよ」
アスカ「はぁ!?何言ってんのよ!学校サボッたくせに勉強するバカがどこにいるわけ!?」
シンジ「べ、別にいいじゃないか。アスカは寝不足なんだから、部屋で寝てればいいだろ」
アスカ「学校サボッちゃったのに気持ちよく寝れるわけないでしょぉ!?」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:42:27.64 ID:nfANqB9K0
シンジ「ええ……?アスカは寝不足だから、僕を誘ってまで学校を休んだんじゃないの?」
アスカ「そうよ。でも寝れないんだから仕方ないじゃない」
シンジ「何で寝れないんだよ。ひょっとしてサボったことが不安で……」
アスカ「な、なに言ってるのよ!エヴァンゲリオン二号機パイロット、数々の死闘を乗り越えてきたこのアスカ様が、どうしてたかがサボリ程度で心を乱されなきゃいけないわけ!?」
シンジ「じゃあ静かにゲームでもやっててよ……」
アスカ「それじゃ学校と変わらないわ。普段出来ないことをやるのがサボリでしょ」
シンジ「なら何をやるのさ」
アスカ「そうね……ん~……」
シンジ「…………」
アスカ「…………」
シンジ「……ねえ、」
アスカ「あ、あんたの宿題手伝ってあげるわ!」
シンジ「えぇ?」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:48:26.68 ID:nfANqB9K0
シンジ「それこそ、学校終わった後でも出来そうだけど」
アスカ「普段のあたしは忙しすぎてそんな暇ないの。っていうか、このあたしが特別に手伝ってあげるんだから感謝しなさいよ」
シンジ「はあ……ま、いいか。それじゃ、よろしく頼むよ」
アスカ「ビシバシいくから覚悟しなさいよ!」
~10分後~
アスカ「あんたバカぁ!?何でこんな問題も分からないわけ!脳みそついてんの!?」
シンジ(……)
アスカ「ここなんて中一で習ったとこじゃない!あんた今まで何を学んできたわけぇ!?」
シンジ(……こうなることは、半分予想していたんだ)
アスカ「あーもうやってらんない!教える相手がこんなに馬鹿なんじゃ話にならないわ!」
シンジ「……アスカは間違っても家庭教師は目指さない方がいいよ」
アスカ「はぁ?どういう意味よ」
シンジ(言った通りの意味だよ……)
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:53:28.39 ID:nfANqB9K0
アスカ「宿題は止めね。さーてどうしようかしら」
シンジ「今頃みんな、授業受けているんだろうなぁ」
アスカ「あ、の、ねぇ。そういうこと言わないでくれる?サボッている気分が台無しじゃない」
シンジ「第一サボりってそんな何するもんでもないと思うけど……それじゃ、外出て遊びにでも行く?」
アスカ「万が一教師に見つかったらどうするわけ。頭使いなさいよ」
シンジ「じゃあ家で何をするんだ?トランプ?ジェンガ?」
アスカ「そんな庶民くさい遊び。あたしがやるわけないでしょ!」
シンジ「なら一体どうしろと……」
ガチャリ
アスカ「っ!?」
シンジ「だ、誰か帰ってきた……ッ!?」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 16:58:36.99 ID:nfANqB9K0
ミサト「はぁ~~~。つーかーれーたァ~~~」
アスカ「この声はミサトね。そういえば昨夜はネルフにいたんだっけ」
シンジ「ど、どうしよう。ここにいたらサボッたことがバレちゃうよ」
アスカ「隠れるしかないわ!と、とりあえず……あたしの部屋!」
シンジ「待ってよぉっ!」
ミサト「あれー?今シンちゃんの声がしたような……」
ミサト「……リビングにはいない……。気のせいか」
ミサト「早くシャワー浴びて休もうっと~」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:04:12.14 ID:nfANqB9K0
アスカ「と、とりあえず大丈夫そうね……」
シンジ「誰かってミサトさん以外いないじゃないか……。僕は何を言っているんだ……」
アスカ「何ぶつぶつ言ってんのよ。はーあ、ミサトがいたんじゃ家にはいらんないわね」
シンジ「でもペンペンが帰ってきた場合も……いやペンペンはそもそも出かけてないし……」
アスカ「あーもう!あんた何の話をして」
ガチャリ
アスカ「!」
シンジ「!」
ミサト「……今、確かにアスカの声がしたはずだけど……」
シンジ(や、やばいやばいやばいっ)
アスカ(ちょっとバカシンジ!何あんたまで布団に隠れているのよ!)
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:07:15.69 ID:nfANqB9K0
ミサト「アスカー?いるのー?」
シンジ「……」
アスカ「……」
ミサト「やっぱいない、か。そうよね、今頃学校のはずだもの」
シンジ「……」
アスカ「……」
ミサト「声が聞こえるなんて、疲れているのかしら。早く寝ましょう」
シンジ「……」
アスカ「……」ぐぅ~!
ミサト「え?」
シンジ「!?」
アスカ「……あっ」
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:15:01.82 ID:nfANqB9K0
シンジ(あ、アスカ!?)
アスカ(……お、お腹鳴っちゃった)
ミサト「今変な音がしたわよね!?なに?泥棒!?」
シンジ(どうしようどうしよう!このままじゃマズイよ!)
アスカ(そもそもバカシンジが作った朝食の量が少なかったせいじゃない!絶対許さない!)
ミサト「だ、誰かいるなら出てきなさい!ネルフ戦術作戦部作戦局第一課所属葛城ミサトの家に忍び込むなんて、いい度胸ね!」
シンジ(よく噛まないで言えたな……)
アスカ(早くお昼のラーメン食べたい……)
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:18:01.34 ID:nfANqB9K0
ペンペン「クワァー!」
ミサト「きゃあ!!」
ペンペン「クワッ、クワッ」
ミサト「ペ、ペンペン……。なに、あなただったの?」
ペンペン「クワァー」
ミサト「でも確かにアスカの部屋から……疲れているのかしら。もういいわ。変に考えるのはよしましょう」
ガチャン
シンジ(た、助かった……)
アスカ(醤油……味噌も捨てがたいわね……)
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:21:39.21 ID:nfANqB9K0
シンジ「アスカ……ほんと、勘弁してよ」
アスカ「う、うるさいわね。そもそもあんたが……」
シンジ「なんて、言い合っている場合じゃない。ミサトさんにバレない内に家を抜け出そう」
アスカ「そういえば靴も置きっぱなしだったけど、気づかれなかったのは不幸中の幸いね」
シンジ「ほら、行くよ。アスカ」
アスカ「あたしに指図するんじゃ……って、ちょっと待ちなさいよバカシンジ」
シンジ「え?」
アスカ「外に出るってことは、お昼はどうするの?」
シンジ「そりゃもちろん、どこかで外食するしか……」
アスカ「はぁ!?あんたの作るラーメンはどうなるのよ!」
シンジ「ええ!?」
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:24:14.63 ID:nfANqB9K0
シンジ「今更何を言っているんだよ!」
アスカ「嫌よ!ラーメンが食べれないならサボッた意味ないわ!」
シンジ「主旨が変わっているよ!」
アスカ「家に出るってのはナシ。論外。他の手を考えましょう」
シンジ「そんな無茶な……」
アスカ「ミサトだって寝るんだから、そうしたら変わらないじゃない。それよりも、」
シンジ「それよりも?」
アスカ「靴を隠しに行きましょ。いつバレるか分からないわ」
シンジ「靴ね……」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:27:38.45 ID:nfANqB9K0
シンジ「ミサトさんはシャワーに行ったみたい」
アスカ「よし、行くわよバカシンジ」
シンジ「ドキドキするなぁ……」
~数分後~
アスカ「よし。これで完璧ね」
シンジ「あとは各自待機?」
アスカ「ええ、ミサトが寝静まったら落ち合いましょう」
シンジ「部屋に入ってきませんように……」
ミサト「はぁー。いいお湯だったぁ」
アスカ「っ!もう出てきたの!?」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:34:02.51 ID:nfANqB9K0
シンジ「ど、どうしようアスカ!ミサトさんがリビングにいたんじゃ部屋まで辿りつけない!」
アスカ「そんなこと分かっているわよ!仕方ないわね……」
シンジ「何か策があるの?」
アスカ「アンタが囮になって、先に行きなさい。あたしはこっそり戻るから」
シンジ「それは囮というより生贄だよ。大体そんなの不公平じゃないか。発案者のアスカが行くべきだ」
アスカ「あんたそれでも男なの?レディを生贄にするわけ?」
シンジ「レディファーストだよアスカ。さあ早く」
アスカ「い・や・よ。バカシンジ、行きなさい」
シンジ「アスカが行ってよ!僕は関係ない!」
アスカ「今更部外者面しないでよ!共犯者でしょ!?」
シンジ「首謀者のアスカが行くべきだ!」
アスカ「部下が死にに行くのよ!」
シンジ「だから外に出ようって行っただろ!」
アスカ「ラーメン!」
ミサト「……二人とも、何やってるわけ?」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 17:42:02.16 ID:nfANqB9K0
~昼~
ミサト「パイロットで大変なのも分かるけど、遊びでサボるのは駄目だからね」
シンジ「すみません……」
アスカ「もう分かったわよ。それよりバカシンジ、早くラーメン」
シンジ「待ってよアスカ。もうすぐ出来るから」
ミサト「シンちゃん、冷蔵庫にまだビールあったっけ?」
シンジ「お昼から飲むんですか……?」
ピンポーン
ミサト「ゲ……」
アスカ「こんな時間に誰かしら」
シンジ「アスカ、今手が放せないから出てきてよ」
アスカ「もう、仕方ないわねぇ」
ミサト「あー、ちょっち、部屋で寝てくるわ……」
アスカ「……ミサトぉ!あんた今日サボッたわねえ!?」
おわり
279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:22:23.54 ID:nfANqB9K0
レイ「碇くん……今日、学校。休まない?」
283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:23:07.41 ID:nfANqB9K0
シンジ「あ、綾波?急にどうしたんだよ」
レイ「別に……」
シンジ「体の調子でも悪いの?休むってこれから?もうすぐ学校に着くと思うけど……」
レイ「体は普通。そう、これから」
シンジ「何かあったの?」
レイ「どうして」
シンジ「いや、綾波がそんなこと言い出すなんて……アスカが言うには、分かるけど」
レイ「……」
シンジ「綾波?」
レイ「変?」
シンジ「へ、変じゃないよ。……そうだね、休もうか。たまにはいいよな」
レイ「……ありがとう」
287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:23:56.80 ID:nfANqB9K0
シンジ「でも先生たちには何て言おうかな」
レイ「?」
シンジ「ほら、口実だよ。僕なんてこの前車に撥ねられたなんて嘘言ったから……」
レイ「碇くん、車に撥ねられたの?」
シンジ「ああいや、それはアスカが勝手に言い出したんだ」
レイ「……」
シンジ「綾波?」
レイ「そう。私に任せて」
シンジ「だ、大丈夫?僕がやってもいいんだけど」
レイ「任せて」
290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:24:45.00 ID:nfANqB9K0
レイ「公衆電話」
シンジ「うん。ここなら怪しまれなさそうだ」
レイ「何の話?」
シンジ「あっ、いや、先生とかに見られたらマズイだろ?」
レイ「?」
シンジ「だから、休むのに登校しているところ見られちゃマズイだろって、そういう意味」
レイ「……そう」
シンジ(何か落ち込んでいるような……いや、どう考えても気のせいだよな)
レイ「じゃ、電話するから」
シンジ「うん。頑張って」
291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:25:17.25 ID:nfANqB9K0
レイ「……もしもし」
シンジ「……」
レイ「綾波レイです。私と碇くんは、欠席します」
シンジ(何て言うつもりなんだろ……)
レイ「……理由。……私と碇くんは、車に撥ねられました」
シンジ「え?」
レイ「はい。立てません。はい。失礼します」
シンジ「……綾波?」
レイ「これで、大丈夫」
シンジ「えっ、何が?どのへんが?」
301: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:31:28.30 ID:nfANqB9K0
シンジ(よく分かんないな……。とにかく、また僕は怒られそうだ)
レイ「碇くん」
シンジ「うん?」
レイ「私の家、来る?」
シンジ「えっ……」
シンジ(綾波の家……。カード渡しに行ったとき以来だな。それで、あの時は……)
シンジ「いや、やめとくよ」
レイ「……分かった」
シンジ(あんなことがあって、また行ったんじゃ、どうにも信用ないしな……)
シンジ「よかったら僕の家にしない?」
302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:32:04.40 ID:nfANqB9K0
レイ「?」
シンジ「僕、というかミサトさん家だけど」
レイ「上がっていいの」
シンジ「大丈夫。ミサトさんは仕事だし。アスカは学校だしね」
レイ「……お邪魔する」
シンジ「はは、どうぞどうぞ」
シンジ(……でも、よく考えたら女の子を家に上げるってことだよな。大丈夫なのか?)
レイ「碇くん」
シンジ(しかも二人きり……。密室に、二人きり……)
レイ「碇くん。犬の糞踏んでる」
306: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:36:04.03 ID:nfANqB9K0
~10分後~
シンジ「さ、上がってよ」
レイ「お邪魔します」
シンジ「……うん。やっぱ家は誰もいないみたいだ」
レイ「碇くん……慣れてる」
シンジ「え?」
レイ「学校を休む……サボッたこと、あるの?」
シンジ「ああ、えーと。一回アスカとね」
シンジ「でもあの時は酷い目にあったよ。途中でミサトさんが帰ってきちゃうし、アスカは」
シンジ「あ痛っ」
レイ「……」
シンジ「え……?綾波、今、蹴った?」
レイ「ごめんなさい。滑ったの」
308: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:36:35.84 ID:nfANqB9K0
シンジ「そ、そう。気をつけてね。スリッパいる?」
レイ「誰の?」
シンジ「だ、誰のって……お客さま用、かな」
レイ「遠慮しておくわ」
シンジ「じゃあとりあえずリビングに行こう」
レイ「コーヒー」
シンジ「え?」
レイ「コーヒー、あるかしら」
シンジ「ああ、今入れるよ」
レイ「いい。私に入れさせて」
319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:43:21.59 ID:nfANqB9K0
レイ「碇くん。甘いほうが好き?」
シンジ「あーえっと、普通くらいかな」
レイ「…………」
シンジ「綾波?」
レイ「普通って、どのくらい?」
シンジ「……やっぱり僕が、」
レイ「碇くんは座ってて」
シンジ「て、適当でいいよ」
レイ「わかった」
322: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:43:54.46 ID:nfANqB9K0
レイ「はい、どうぞ」
シンジ「ありがとう、綾波。……あれ、綾波の分は?」
レイ「私はいらないから」
シンジ「そう……何か悪いな。いただきます」
シンジ「ブッフォーーーッッ!!!」
レイ「碇くん……どうかした?」
シンジ「ゴホ、ゲホ……あ、綾波。砂糖と塩、間違えたでしょ……」
レイ「?」
シンジ「あとミルクじゃなくて、これ。何入れたの……固形物があるんだけど」
レイ「見当たらなかったから、ヨーグルトを入れた。牛の絵が書いてあったから……」
シンジ「……」
レイ「……」
336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:49:24.22 ID:nfANqB9K0
レイ「碇くん……私が毒味させたと思っている?」
シンジ「お、思ってない……とは言えない……」
レイ「残った分は、私が飲む」
シンジ「それはやめときなよ綾波!」
レイ「いいの。私が死んでも……代わりはいるもの」
シンジ「さすがに死ぬまではいかないと思うけど……」
シンジ(どうしよ。捨てるのも何か悪いよな……)
シンジ「ええい!」
レイ「碇くんっ」
シンジ「……っ……っ。ぷはあ……」
レイ「碇くん……」
343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:53:10.35 ID:nfANqB9K0
レイ「美味しかった?」
シンジ「ごめん。それはお世辞にも言えない」
レイ「そう……今度、また作るわ」
シンジ「うん。期待してるよ」
レイ「……」
シンジ「……」
レイ「……」
シンジ「……あのさ、何かする?」
レイ「何……するの?」
シンジ「え、いや……どうしよう」
346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:53:42.35 ID:nfANqB9K0
シンジ(綾波といいアスカといい、サボりは計画もなくするものなのかな)
シンジ(いやでも、普通そうか……。だとしたら、これからどうしよう)
レイ「碇くん」
シンジ「うん?」
レイ「誰か、この家に近づいてくる気がする」
シンジ「え?」
ガチャガチャ
アスカ「もーっ!宿題を家に忘れるなんてほんとありえないーッ!」
シンジ「あ、アスカの声だ……」
358: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:58:46.00 ID:nfANqB9K0
シンジ「大変だ綾波!急いでどこかに隠れよう!」
レイ「……」
シンジ「僕の部屋!多分アスカは入ってこないから!急ごう!」
ガチャン
アスカ「はあ。こんなヘマやらすなんて、バカシンジじゃないんだから……」
シンジ(ふう。どうにか間に合ったみたいだ……)
シンジ「あれ。綾波?」
アスカ「さてと。あたしの部屋に――ッ!?」
レイ「……」
アスカ「きゃあああっ!!?」
レイ「大きな声を出すと、近所に迷惑よ」
アスカ「え、エコヒイキ!?何であんたがここにいんのよォ!?」
359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 19:59:30.01 ID:nfANqB9K0
シンジ(あ、綾波!何やってんだ……!?)
レイ「……」
アスカ「答えなさいよ!何であんたがこの家にいるわけ!?どうやって入ったのよ!」
レイ「……それは、問題じゃない」
アスカ「大問題よ!言っとくけどあんた、ただの不法侵入だからね!?」
レイ「……」
アスカ「あくまで黙り通すってワケ……?ふうん、そう。そういうこと」
アスカ「バカシンジ!!いるんでしょ!出て来なさいよ!!」
シンジ(やれやれ……面倒なことになったなぁ……)
レイ「碇くんはいないわ」
362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:00:10.18 ID:nfANqB9K0
アスカ「はぁ?あんたバカでしょ。あんたをこの家に上げるの、あいつくらいしかいないわよ」
レイ「違う。私が、勝手に入ったの」
アスカ「そう。じゃ警察に通報するから」
レイ「間違えた。葛城三佐に許可を貰ったの」
アスカ「ミサトに?何のため?大体あんた、今は学校のはずでしょ?」
レイ「あなたこそ、今は授業中のはずだけど」
アスカ「私は宿題忘れたから遅刻覚悟で取りに帰ったのよ。あんたなんて、学校に向かう気もないようだけど?」
レイ「お腹が痛いの」
アスカ「見え見えの嘘つくんじゃないわよ」
385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:08:13.28 ID:nfANqB9K0
レイ「本当は……そう。碇くんのところに物を取ろうと思って」
アスカ「はぁ?窃盗?」
レイ「碇くんがこの前、間違えて持って帰ってしまったの」
アスカ「何を」
レイ「……」
アスカ「言えないような物なの?」
レイ「生理用品、を」
アスカ「え?」
シンジ(え?)
390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:09:27.90 ID:nfANqB9K0
アスカ「バ、バカシンジが……あんたの……」
レイ「……」
アスカ「し、信じられない……。あいつ、本物の変態じゃない。確かにそれじゃ、言い出し辛いわ……」
レイ「納得してくれた?」
アスカ「あんたのことを許したわけじゃないわよ!止むを得ない事情があったところで、私の許可無しに家に上がるなんてありえないから」
アスカ「ただ……まあ、同情はするわ」
レイ「……」
アスカ「何よ」
レイ「別に……」
アスカ「なに、手伝えっていうの?探すのを」
レイ「そういうわけじゃ、」
アスカ「仕方ないわねえ別にあんたのためとかそういうのじゃ全然ないけどあのバカシンジのことだからもしかしたら私のも盗っていっているかもしれないし仕方なく嫌々探したいだけであってバカシンジの部屋を覗きたいとか、」
アスカ「そういうことじゃないから」
レイ「……そう」
402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:13:50.23 ID:nfANqB9K0
シンジ(大変だ……僕が極度の危ない人になった上、二人して部屋に来るなんて……)
アスカ「それじゃ、入りましょ」
シンジ(とりあえず綾波がいないって言ったんだし、隠れとかないと……布団の中?バレそうだな……)
レイ「失礼します」
シンジ(わあ!もう考えている暇なんてないっ!)
アスカ「ふん。相変わらず汚い部屋ね」
レイ「片付いているけど」
アスカ「雰囲気が汚いって言ってるのよ。いちいち噛み付かないでくれる?」
レイ「……」
アスカ「さて、あのバカシンジのことだから、普通に引き出しとかにしまっているんじゃないかしら」
レイ「……開けるの?」
アスカ「何よ。なにか問題があるっての?」
404: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:14:38.74 ID:nfANqB9K0
アスカ「大体このあたしが、わざわざあんたみたいなエコヒイキのために働いてやってんのよ?感謝しなさいよ」
レイ「本当に私のため?」
アスカ「な、なによ」
レイ「実は自分の興味が優先されている……ちがう?」
アスカ「人聞きの悪いこと言うんじゃないわよ!誰がバカシンジの私物に興味沸くもんですか!」
レイ「そう。ならあなたは触らないで」
アスカ「~~~!!もういいわよ!あたしは自分の荷物取って学校行くから!鍵閉めなさいよ!じゃないとエヴァであんたん家潰すから!!」
レイ「それは犯罪行為」
アスカ「バカ!アホ!無表情女!」
レイ「人形とは……言わないのね」
アスカ「…………ふん」
407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:15:09.49 ID:nfANqB9K0
レイ「…………」
シンジ「…………」
レイ「……碇くん、もう大丈夫」
シンジ「ああ、綾波。ありがとう……ありがとう?」
レイ「危ないところだった」
シンジ「うん。僕はもう危ない人だけど」
レイ「どうして?」
シンジ「僕は、綾波の……大事なもの、盗った人なんだろ」
レイ「そうなの?」
シンジ「はあ……もういいや。悪気はないんだし」
408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:15:45.99 ID:nfANqB9K0
レイ「碇くんは……私の大事なものを奪った。……そうかもしれない」
シンジ「え?違うよ?奪ってないよ?」
レイ「私、随分変わってしまったって……自分でもそう思う」
シンジ「何の話?とにかく僕は誓って綾波の……それを、盗ったりしていないから」
レイ「碇くん……」
シンジ「綾波……?」
アスカ「はーいストップ」
シンジ「うわあっ!アスカ!?出て行ったんじゃなかったの!?」
アスカ「うわあ、じゃないわよバカシンジ!よくもこのあたしを騙したわね!!」
411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:20:23.81 ID:nfANqB9K0
アスカ「あんたもよこの変人女!よく堂々と嘘をついてくれたわね!」
レイ「嘘……?嘘じゃない」
アスカ「え?」
レイ「碇くんは……私の大事な物を、奪ったと思う」
シンジ「え?」
アスカ「バカシンジ……あんた本当に」
シンジ「ち、違うよアスカ!綾波なに言っているんだよぉ!」
レイ「碇くん。……ありがとう」
アスカ「きゃああ!おまけにお礼まで言うなんて!一体あんたらどういう関係なのよォ!!」
シンジ「違う!違うんだ!助けて助けてよ父さぁん!!」
ミサト「あんたたち……平日の昼間っから、学校行かずに随分と楽しそうじゃない」
416: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 20:25:24.16 ID:nfANqB9K0
シンジ「ミサトさん!?」
ミサト「学校の先生から連絡があって、探しに来てみれば……案の定ね」
アスカ「ミサト聞いて!この二人変態なの!嫌よあたしこんなやつらと共闘するなんて!!」
レイ「変態?あなたたちは変態なの?碇くんも?」
ミサト「はーいはいはい!もー分かった!」
シンジ「ミサトさん……あの、これには理由が……」
ミサト「いいわよもう。教育面に関しては、こっちにだって責任があるし」
ミサト「ということで今日は、4人で正々堂々サボろうじゃない!」
アスカ「ミサトあんた、あたしたちを口実に抜けてきたのね!」
シンジ「ミサトさん……まあ、いいか」
レイ「……今日は学校、みんなでお休み」
レイ「これが、楽しいってことなのかしら」
終劇
459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:30:22.18 ID:nfANqB9K0
マリ「ワンコくん、今日学校サボろうよー」
470: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:36:15.72 ID:nfANqB9K0
マリ「ね?」
シンジ「ね、じゃないですよ……。えっと、真希波さん、でしたっけ」
マリ「マリでいいよ、ワンコくん。それとも下の名前で呼ぶのは恥ずかしい?」
シンジ「…………」
マリ「仕方ないなあ。じゃあワンコくんにちなんで、ニャンコちゃんとお呼び!」
シンジ「……マリさん。何の用ですか?」
マリ「だーかーらー、学校サボろって言いに来ているのさ」
シンジ「大体あなたって、学校通っているんですか?」
マリ「にゃはは、そこは秘密かな。秘密主義の娘がワンコくんは好きでしょ」
シンジ「……じゃあつまり、僕に一方的にサボれと?」
マリ「そうそう。大正解。お礼にさっき拾った5円玉あげよう」
シンジ「いりません。それと、」
シンジ「お断りします」
478: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:41:06.31 ID:nfANqB9K0
マリ「えー!なんで!?」
シンジ「なんでって……第一、僕とマリさんがどうして一緒にサボるんですか。ほぼ初対面に近いですよ」
マリ「いいじゃんいいじゃん。零号機と二号機の娘とはサボッたんでしょ?」
シンジ「何故それを……」
マリ「私の情報網を舐めないほうがいいよ~!」
シンジ「というか、だからこそですよ」
マリ「にゃ?」
シンジ「もう二回もサボッて……先生には完全に目ぇつけられているんですから」
マリ「なら尚更、二回も三回も変わんないって」
シンジ「あのね……」
483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:45:54.84 ID:nfANqB9K0
マリ「……哀しいな」
シンジ「え?」
マリ「一人、こんな危ない所に来て友達も出来ず、街を案内してくれる人にも恵まれず……」
マリ「今日も今日とて、一人公園のベンチに座る日々……はあ……」
シンジ「えっと……」
マリ「だれか、心優しい人が私を助けてくれないかにゃあ……」
シンジ「…………分かった、分かりましたよ。サボればいいんでしょ、サボれば……もう」
マリ「さっすがワンコくん!話が分かるじゃーん!それじゃあ特別に私から先生に話を通しておくよ!」
マリ「えーと公衆電話公衆電話……あったあった」
マリ「もっしー?先生ー?」
486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:49:43.53 ID:nfANqB9K0
シンジ「大丈夫かな……一番不安だ」
マリ「お宅の学校の、ワンコくん!あー、碇シンジくんね!そう、腹痛で休み!オーケー?」
シンジ「……理由は一番まともみたいだ」
マリ「え?また車に轢かれたのか?あーそうそう。そういうこと。もうペシャンコで息もしてないから」
マリ「じゃ、そういうことで~!」
シンジ「……」
マリ「よし、完璧」
シンジ「どこがですか!!」
マリ「わわっ。どしたのワンコくん、えらく怒っているね~。生理かな?」
シンジ「はあ……もういいですよ。それじゃ、どこを案内すればいいんですか。あっちの方には、」
マリ「ワンコくん家」
シンジ「……そっちに行くと、」
マリ「ワンコくん家」
490: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:53:32.56 ID:nfANqB9K0
シンジ「あのねえ、」
マリ「二人もそこで過ごしたんでしょ?なら私もそこ!決定だね!」
シンジ「もう……勝手にしてください」
マリ「それじゃ行こう!ほーら、早くしないと置いていくぞーっ」
シンジ「僕の家分かるんですか?」
マリ「……ほーら、早くしないと私が迷子になるぞーっ!」
シンジ「何なんだこの人……」
491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 21:56:23.97 ID:nfANqB9K0
~10分後~
マリ「おお。いいとこに住んでるね~」
シンジ「普通だと思いますけど……」
マリ「ワンコくん、鍵閉めた?」
シンジ「え?はい、もちろん」
マリ「二重ロックね。入れないように。それと念のため靴は隠しておこうか」
シンジ「はあ」
マリ「家に誰もいないか確認させてもらけどいいよね?部屋にも入るよ」
シンジ「ど、どうぞ……」
マリ「いやあ、誰かさんたちの二の舞にはなりたくないからね~」
498: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:02:36.12 ID:nfANqB9K0
マリ「よし、準備完了!それじゃさっそく遊ぼうワンコくん」
シンジ「何をしてですか?」
マリ「う~ん。ベーゴマとか」
シンジ「ベ、ベーゴマ?」
マリ「あり、知らない?」
シンジ「いや、知識にはありますけど……さすがに家にはないっていうか」
マリ「じゃあ綾取りかにゃ?」
シンジ「…………」
マリ「どしたのその目は」
シンジ「結構、なんていうか、古き良き遊びを推すんですね……」
500: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:05:25.59 ID:nfANqB9K0
マリ「伝統を重んじるのは大切なことだよー?ま、でもないっていうなら仕方ない。じゃあワンコくんの好きなテレビゲームをしよう」
シンジ「別に好きじゃないですけど……」
マリ「メガドライブはある?」
シンジ「ないです」
マリ「セガサターンは」
シンジ「ないです」
マリ「も~。品揃えの悪い店だねー」
シンジ「何にせよ、うちでゲームを持っているのはアスカくらいですよ」
マリ「じゃあ盗って来よう」
シンジ「字が違いやしませんか」
502: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:10:00.21 ID:nfANqB9K0
マリ「冗談だよー。いやあ、でも困ったね。サボりって意外と大変」
シンジ「毎回こんな感じになりますよ」
マリ「ワンコくん、朝食とったー?」
シンジ「あ、はい」
マリ「そっかぁ~」
シンジ「……」
マリ「朝ごはん食べたんだぁー。ふーん。へぇー」
シンジ「……」
マリ「いいなー朝ごはんかぁー」
シンジ「……」
マリ「私は朝何も食べてな」
シンジ「作りますよ作ればいいんでしょう!」
506: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:12:52.63 ID:nfANqB9K0
マリ「いやあ、悪いね」
シンジ「材料使ったらマズイので、チャーハンくらいしか作れないですけど……」
マリ「おっけーおっけー。ついでにシチューもよろしく」
シンジ「話聞いてましたか?」
マリ「そんな怖い顔しないで、冗談だよ冗談。それじゃあ私はコーヒーでも入れようかな」
シンジ「あ、結構です」
マリ「にゃ?」
シンジ「コーヒーには一度懲りているんで……座って待っててください」
マリ「じゃあお言葉に甘えて、ワンコくんの部屋に行っているよ」
シンジ「リビングのイスに腰掛けていてください」
509: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:17:38.41 ID:nfANqB9K0
~10分後~
シンジ「出来ました」
マリ「にゃっは~!美味しそう!食べていい?いい??」
シンジ「どうぞ」
マリ「いっただっきまーす!……うん!すごく美味しい!」
シンジ「そうですか?」
マリ「しゅぎょくうみゃいにょ!!」
シンジ「飲み込んでから話してください」
マリ「とっても美味しいよ!ワンコくんは将来料理人になればいいじゃない?」
シンジ「それは言いすぎですよ」
マリ「いやいや、ほんとほんとっ!」
511: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:20:25.86 ID:nfANqB9K0
マリ「~~♪」
シンジ「……そこまで美味しそうに食べてもらえると、嬉しいです」
マリ「にゃはは。ワンコくんはお母さんみたいなことを言うんだね。母性本能をくすぐっちゃったかな?」
シンジ「母性本能って……第一、僕は母親がどういうのか、知らないし」
マリ「本当にそうかな?」
シンジ「え?」
マリ「意外と近くで、優しく見守ってくれているかもしれないにゃ」
シンジ「マリさん?」
マリ「なーんて。私がワンコくんのお嫁さんになれば言えちゃうなぁー!」
シンジ「もう、からかっているんですか?」
513: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:23:13.45 ID:nfANqB9K0
マリ「さーてと。お腹も一杯になったし!」
シンジ「帰りますか?」
マリ「……まだ一日は始まったばっかりだよ?」
シンジ「とは言っても、することなんて思いつかないし……」
マリ「あ!そうだ、あれやろう!」
シンジ「何ですか?」
マリ「わんにゃんゲーム」
シンジ「……聞いたことないですね。それも昔の遊びか何かですか?」
マリ「いや、私が今作って発表した」
シンジ「そうですか……」
516: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:26:03.81 ID:nfANqB9K0
シンジ「それで、一応聞きますけどどんな遊びなんですか?」
マリ「ワンコくんは犬。私は猫になって、どっちかに従うの」
シンジ「お断りします」
マリ「一回やってみよ!楽しいから!」
シンジ「今さっき作ったくせに経験者みたいなことを言わないでください」
マリ「じゃあ最初に私が猫になるからさ!ほら、にゃぉ~ん☆」
シンジ「……」
マリ「にゃあ~?」
シンジ「……」
シンジ「ね、猫は飼ったことないから……試しにですよ」
519: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:28:23.76 ID:nfANqB9K0
シンジ(でも何て言えばいいんだろう……。飼ったことないから本当に分かんないや)
シンジ「お、お手」
マリ「にゃははっ」
シンジ「わ、笑わないでくださいよ!」
マリ「にゃぁ~」
シンジ(手が乗った……。何か、そういう感じの店にいるみたいだ……)
マリ「にゃにゃにゃ」
シンジ「わわっ、そんなくっ付かないでくださいよ!」
マリ「にゃおーん!」
シンジ「手ぇ舐めないでください!マリさぁん!」
520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:30:20.50 ID:nfANqB9K0
~10分後~
シンジ「はあ、はあ……」
マリ「楽しかった?ワンコくん」
シンジ「いや、えっと……」
マリ「どう、敬語使っている相手を好き勝手従わせる気分は?」
シンジ「…………」
マリ「次は私の番だね」
シンジ「あ、僕学校の宿題が残ってたんだったー……」
マリ「逃がさないよ、ワンコく~ん」
526: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:33:25.56 ID:nfANqB9K0
シンジ「わ、わん……」
マリ「わー可愛い!ほらおいで~」
シンジ「うう……」
マリ「お手!」
シンジ「わん」
マリ「おすわり!」
シンジ「わん」
マリ「ふせ!」
シンジ「わん……」
マリ「ちんちん!」
シンジ「わん!?」
531: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:37:41.25 ID:nfANqB9K0
シンジ「いや、マリさん。それはちょっと……」
マリ「犬語はよく分かんないにゃあー。ほら、ワンコくん、」
マリ「ちんちん」
シンジ「…………」
マリ「どうしたの?分からないかにゃ?」
シンジ「……」
マリ「じゃあゆっくり言ってあげよう」
マリ「ち・ん・ち・ん」
シンジ「……」
マリ「ほらやってみな?仰向けになって、開放的な姿勢になって、」
マリ「やってみてよ」
マリ「さあ!さあ!さあっ!!」
シンジ「帰ります」
マリ「嘘だよ許してワンコくーん!!!」
533: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:41:01.29 ID:nfANqB9K0
~10分後~
シンジ「なんだか疲れました……」
マリ「同感。さすがの私もお疲れにゃ」
マリ「さてと、ワンコくんの部屋にでも行って一眠りしてくるかなあ」
シンジ「帰ってください」
マリ「……じゃあ、帰っちゃおうかな」
シンジ「え?」
マリ「うん?どうしたの?」
シンジ「あ……いや、別に。どうぞ帰ってください」
マリ(ふふふ……調教完了)
535: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:45:50.80 ID:nfANqB9K0
マリ「……あ」
シンジ「?どうかしたんですか?」
マリ「あーいや、そろそろホントにおいとましようかな」
シンジ「何ですか、急に慌てて」
マリ「にゃはは。こっちの話。それじゃ失礼するよ」
シンジ「マリさん」
マリ「にゃ?」
シンジ「あの、僕も……ここに来たばかりのころは、心細くて、不安も一杯で……」
シンジ「だから、僕でよかったらまた付き合います。割と楽しかったし、ね」
マリ「ワンコくん……」
マリ(やれやれ。本当に調教されたのはこっちだったかにゃ?)
536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:47:05.10 ID:nfANqB9K0
マリ「そいじゃ」
シンジ「はい……ってあれ?どうしてベランダの方から行くんですか?」
マリ「いやいや、気にしないでよ」
シンジ「気にしますよ。危ないですし」
マリ「大丈夫。慣れっこだから……それじゃシンジくん、またね」
シンジ「え?あ……はい」
マリ「後はよろしく!ワンコくん!」
シンジ「え?」
アスカ「こらァッ!バカシンジ開けなさいよ!二重ロックまでしてんじゃないわよォ!!」
レイ「碇くん……私も誘ってほしかった」
ミサト「ちょっとぉ!毎度毎度こっちにまで連絡来られちゃ敵わないわよっ!」
シンジ「家の外から、たくさんの声……あはは、はは」
マリ「あーあ。ワンコくんが私だけのワンコならいいのにねぇー、っと。ぐっばい~」
THE END
538: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/02(日) 22:47:45.51 ID:5R94tmEs0
おつかれちゃん
やっぱマリかわいい
540: 忍法帖【Lv=27,xxxPT】(1+0:15) 2012/12/02(日) 22:48:01.68 ID:/BqIEI5g0
良かった!乙!
アスカ「バカシンジ。今日学校サボリなさいよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1354432616/