島風「…………」

提督「島風」

島風「ひゃいっ!?」ピシッ

提督「不自然な程えらく静かだが、どうした」

金剛「確かに、提督の言うようにサイレント過ぎデス。ちょっと心配になるくらいですヨ?」

瑞鶴「うん、それ私も気になってた。だって提督室での島風、普段からは想像もつかないくらいだったもん」

島風「あ……それは……」

提督「後悔してるのか、出撃した事に」

島風「後悔じゃないよ。色々と考えてるの」

提督「考え事?」

島風「うん。あのね、私、死んでも死ななくても良いの。皆の側に──特に提督の側に居られたら、それさえあれば、他に何も要らないの」

島風「だけど、私の中では絶対に死にたくないって思ってる自分も居る。それなのに、提督と一緒に海の底に沈みたいって思ってたり、どうにかして皆と逃げたいって思ってる自分も居るの」

提督「…………」



490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 15:42:47.96 ID:UsEqFvbR0

島風「この状況下で何を言ってるんだって話だけど、私にも良く分からない……。自分の気持ちすら良く分からない」

島風「……極めつけは提督と金剛さんのキスだけどね」

金剛「ホワイ? どういう事ですか?」

瑞鶴「あー……なんとなく分かる」

島風「嫌だーとか、私もしてほしいーとか、色々思ったんだけど、一番強く思ったのが……」

島風「提督がお父さんで金剛さんがお母さん、って気持ちなの」

瑞鶴「お父さんとお母さん……?」

提督「ふむ……」

島風「提督、この気持ちってなんですか? 私、こんなの初めてで分かんないよ」

提督「私にも分からん。だが、予測はできる」

提督「上手くは言えないが、今の島風は童女と少女の中間なんじゃないかと思う」

提督「電達ほど幼くはないが──」

暁「お子様言うなぁー!!」

雷「静かにしましょうね、暁」

響「電、一緒に抑えて」

電「はいなのです」

暁「もがー!」



491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 16:05:30.14 ID:UsEqFvbR0

提督「…………かといって、川内達ほど成長している訳でもない」

提督「大人の異性に対して、親のように思う気持ちと一人の異性として思う気持ちが一緒にあるのだろう」

島風「はー……なるほどねー……」

瑞鶴(親のように……)

金剛(私は一人の男としてテートクが好きネー)

島風「──うん! ありがとう提督! すっきりした!」

提督「うむ。良い目になった」

島風「提督の目は死んでるけどね」

提督「解体して一人母港に残してやろうか」

島風「泳いででも提督達と一緒に行くよ」

提督「……そうか。嬉しいよ」

……………………
…………
……



492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 16:50:19.74 ID:UsEqFvbR0

提督「──見えた。瑞鶴、偵察機は?」

瑞鶴「もうちょっと待って。もうそろそろ──お待たせ。情報が入ってきたわ」

瑞鶴「確認できた敵艦は五隻、単縦陣。南方棲戦姫と思われる艦が一隻、戦艦ル級が二隻、空母ヲ級が一隻、駆逐ロ級一隻! いずれも黄色のオーラを纏っています!!」

提督「五隻……? 数十居た艦は一体どこへ……」

提督「しかし、それでもふざけているな。黄のオーラを纏った艦は尋常じゃない強さと聞く。それが五隻。おまけに戦姫も居る」

提督「……恐らく勝てないだろうが、撤退させるのは可能かもしれん。……全員、沈むなよ!」

提督「複縦陣を敷け! 戦闘準備!! 奴らを私達の家に近付けさせるな!!」

全員「はい!」

提督「瑞鶴、第一次攻撃隊は空母のみ集中砲火を浴びさせろ。まずは敵航空戦力を出来る限り落とす」

提督「金剛、射程に入り次第、まずは敵後方戦艦を狙え。奴らの攻撃の精度を少しでも落とせ」

提督「水雷戦隊は艦載機からの回避に専念しろ。射程に入る前から攻撃を受けては勝てんぞ」

提督「いいか! まだいけると思ったら素直に下がれ! もう危ないと思ったら全力で引き撃ちを──!?」

提督「総員散開!! 回避行動を取れ!!」

瑞鶴「そん、な……制空権が……」

ドォンドォンドォンドォンドォンドォン──!



496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 17:19:18.01 ID:UsEqFvbR0

提督「ちぃっ……! なんとか全員回避したものの、制空権は劣勢か……。こっちの先制攻撃は期待できそうにないな……」

瑞鶴「……その通りよ、提督さん。敵も全部避けたみたい」

提督「…………仕方が無い。総員! 頭上には充分に注意しろよ! そろそろ射程──」

ドォン!

提督「──なに?」

金剛「なんデスかあれ!? まだ私のテリトリーじゃないのに届いてマス!!」

提督「バケモノどもめ……! 全員回避に専念しろ!! 砲撃距離になるまで耐えるんだ!!」

提督「…………なんだこの砲撃は。明確に当てる意思が感じられん……」

金剛「テートク!! 駆逐ロ級が突っ込んできます!!」

提督「何をするつもりだ一体……! 総員、回避のついでで構わん! 駆逐ロ級へ撃て!」

提督「────────全弾回避、するか。この砲撃の中を」

金剛「こ、こっちに……ぶつかる!?」

提督「回避だ!!」

提督「……一発も攻撃せず抜けて──まさか、直接母港を!」

金剛「────反転? 挟撃!?」

提督「くそっ! やられた!! 当てれなくて良い!! とにかく被弾するな!!」



497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 17:35:48.88 ID:UsEqFvbR0

提督「……味方がどんどん孤立させられていってる。なんてやり方だ……」

提督「敵一隻を相手にこちらは二隻、三隻で戦っている……それなのに一発も当てれないとは……!!」ギリ

提督(私の指導が甘かったという事か……!)

提督「南方棲戦姫がこっちへ近付いている……。ちっ……! 前門はバケモノの戦姫、後ろはバケモノ染みた駆逐ロ級……。逃げ場はないな」

金剛「テートク……アイツ、私の砲撃が効かないヨ!!」ドンドン

提督「……金剛、一点集中だ。まったく攻撃が効いていないという事もあるまい。同じ箇所を撃ち続けていたらいつか耐え切れなくなるはずだ」

金剛「──ハイ!」

ドン! ドン! ドン──! ドン──! ドン────!

提督「……ついに目の前に、か」

金剛「…………誰ですか、同じ箇所を撃ち続けたらいつか耐え切れなくなるなんて言ったのは。弾が尽きるまで撃ちましたけど傷一つ付いてませんよ」

提督「私だ。いやはや、まったくもって完敗だ。飛車角金銀桂馬香車を取られて王手を掛けられた気分だ」

金剛「それでも、歩が一個だけ残ってますよ?」

提督「そうだな。王を護る、武器を失った歩が一人だけ残っている」



498: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 17:57:48.14 ID:UsEqFvbR0

南方棲戦姫「…………」ジャキッ

金剛「……その歩も、ここで取られそうですね」

提督「…………」

提督「知ってるか、金剛」

提督「──王も敵の駒を取れるんだぞ」バッ

金剛「な──」

南方棲戦姫「!!」

提督「いかに深海棲艦といえど、生身の部分は艦娘と同じ!! 装甲が硬いなら装甲が無い部分を攻撃すれば良い!!!」ガキッ

提督「王の目の前に玉を置いたのが間違いだったな南方棲戦姫! この首、へし折らせて貰う!!」グッ

金剛「ダメ!! 提と──」

ガンッ!!



501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 18:09:23.01 ID:UsEqFvbR0

 嫌な音がした。
「────────」
 大質量の金属が、硬い何かを叩いた時の音。
「──そんな、鉄の塊で……」
 重々しく黒光りする金属の腕を持った敵は、己の首を──命を護った。
「人の頭、殴ったら……」
 護る為に、人体を司る脳が入っている箇所へ、その腕で払った。
「────────」
 殴られた人は、苦痛の声すらあげなかった。
「死んじゃ、う……」
 敵の首を捉えていた白い制服の人の両手に、力が入っていないのが見える。
 あと一瞬でも時間があれば、敵の首をへし折ったであろうその手は、弛緩してしまっている。
「やだ……」
 手だけではない。
 腕も、脚も、首も、何もかも──。何もかも、力が入っていなかった。
 重力に従い、私の愛しい人は、崩れるように落ちていった。



507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 18:21:47.43 ID:UsEqFvbR0



 ──その中で、左手だけ、重力に逆らっていた。





508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 18:22:33.45 ID:UsEqFvbR0

「…………!」
「──それでは人を殺せん!」
 再度、その手は敵の首に食らいついた。
「人間を甘く見るからこうなる!!」
 間髪入れず、肋骨の直下へ内臓を抉るような角度で拳が敵を襲う。
 そう──『慢心は最大の敵』
 提督が何度も言っていた事だ。
「ッぁ゙──!?」
 咳に近い、吐き出すような悲鳴。
 今まで無表情だった敵が、初めて苦悶の表情を浮かべた。
 明らかに拳一つ分はめり込んでいたのだ。耐えれるはずがない。
 敵の視点はブレて、一瞬だけ無防備となった。
 その一瞬で、提督は敵の背後を取る。右腕の根元付近で首を捉え、逃げれないように左腕でロック。更に、左手は後頭部をの右側面を掴んでいた。
 絞めるのではなく、折る為の組み方。
 ──首があらぬ方向にへし曲がり、身体は先程の提督と同じように崩れるのだろう。
 その生々しい姿を見たくなくて、私は目を堅く結んだ。



509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 18:34:30.98 ID:UsEqFvbR0

 ………………………………。
 ……おかしい。骨の折れる音がしない。
 首の骨だ。とてつもなく嫌な音がするはずなのに、なぜ聴こえないのか。
 恐る恐る、現実を見る為に瞳を開いた。
「────え?」
 敵は変わらず立っていた。その代わり──。
「……提督?」
 なぜか、提督がぐったりと敵の背に乗せられていた。
「どうして……?」
「キヲ ウシナッタヨウダ」
「────っ!?」
 恨みや怨念を帯びたドス黒い声で、敵はそう言った。
「サスガダナ……。ニドメノシヲ、カクゴシタ」
 二度目の死? どういう事……?
 この敵が何を言っているのか、私には分からなかった。
 武器を失った私を前に、敵は背を向けた。
 ──私の愛しい人を乗せたまま。



511: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 18:49:39.06 ID:UsEqFvbR0

「待ちなさい!!」
 どうして防衛手段を持っていない私を見逃すのか──。そんな疑問が頭に巡っていたが、私が声を掛けた理由は一つだけだ。
「その人を連れて行かせない」
 愛しい人が攫われそうになっているのだ。敵は私を見逃しても、私はそれを見逃せない。
「…………」
 敵は振り向くだけで、何も答えなかった。
「……ブキガ ナイヨウダガ?」
「腕があります」
「ウデヲ チギロウ」
「まだ歯があります」
「アタマヲ ツブソウ」
「怨念になってでも、戦います」
「……………………」



512: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 18:59:15.89 ID:UsEqFvbR0

 ジャキッ──と、弾を装填する聞き慣れた音がした。
 本能で何がくるのか理解し、回避行動を取った──けど。
「がっ──ッ!!」
 轟音と共に、私の身体は吹き飛ばされた。
 視界が目まぐるしく流れ、そして、身体に衝撃が走った。
「か、はッ……!」
 ……まだなんとか浮いている。完全には沈んでいない。
「待、ちなさ……い……!」
 けれど、腕を伸ばすも、身体が動かない。
「待ちな……さい、よ……!!」
 敵は今度こそ背を向け、その姿が小さくなっていった。
「待って……! 待っ、て……よ……!!」
 意識が遠くなる──。
 身体が言う事を聞いてくれない──。
 やめて……その人を連れて行かないで──。
 お願いだから動いてよ、私の身体──。
「て、いと……く…………」
 その言葉を最後に、私の意識は闇に落ちた────。

……………………
…………
……



513: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 19:09:06.53 ID:UsEqFvbR0

~母港~

金剛「…………」

瑞鶴「……惨敗だったわね」

金剛「…………皆は?」

瑞鶴「無事よ。小破が二隻であとは皆、掠り傷程度。修理と補給をして、自分の部屋に戻るように指示しておいたわ」

金剛「………………大破したのは、私だけですね」

瑞鶴「……金剛さんは、あの戦姫と戦ったのでしょう? 沈まなかっただけでも凄いわよ」

金剛「あんなの、戦いなんかじゃありません。本当の意味で、私の攻撃は意味がありませんでした」

瑞鶴「…………提督さんは?」

金剛「たぶん、生きています。気を失い、連れて行かれました……」

金剛「提督は、とても勇敢に戦いました……。私の攻撃が一切効かない戦姫を相手に、あと一歩で殺せる状況まで持っていきました……」



516: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 19:25:09.50 ID:UsEqFvbR0

瑞鶴「……すごいよね、提督さんって」

金剛「……はい。私よりも、ずっとずっと強くて、勇ましくて、最後まで諦めませんでした……」

瑞鶴「…………これからどうしよう……」

金剛「総司令部の人が来て、私達を解体するはずです。そういう書類を見た事があります……」

金剛「その人達が来るのは、恐らく三日後です。提督がそんな電報を打っていました……」

瑞鶴「三日……。あと三日で、私達は……私は……」

金剛「…………」

金剛「瑞鶴、一つ、聞いても良いですか?」

瑞鶴「……何?」

金剛「私や他の艦娘には話せない、提督と瑞鶴の秘密って、なんですか?」



517: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 19:37:46.71 ID:UsEqFvbR0

瑞鶴「…………」

金剛「…………」

瑞鶴「……解体されて普通の女の子になっても、殺されるわよ」

金剛「……構いません。どうせ、艦娘は解体された後、いきなり消えるんです」

瑞鶴「──え?」

金剛「元帥という人が言っていました。解体された艦娘は、ある日突然に姿を消すらしいです」

瑞鶴「…………」

金剛「だから、言ってください。今回、何か裏があるのでしょう?」

瑞鶴「…………分かったわ」

……………………
…………
……



519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 19:47:11.19 ID:UsEqFvbR0

金剛「そうですか……瑞鶴は深海棲艦から……。それに、総司令部からそんな命令が……」

瑞鶴「…………」

金剛「……どうしてですか」

瑞鶴「え……?」

金剛「どうして、無理矢理にでも提督を連れて逃げなかったのですか」

瑞鶴「何を言ってるのよ金剛さん……そんな事──」

金剛「そうしていたら、提督は連れ去られなかったじゃないですか!!!」

金剛「どうしてですか!? どうして貴女は提督と一緒に逃げなかったのですか!?」

金剛「どうして……どうして…………?」

瑞鶴「…………」

金剛「ごめんなさい……八つ当たりをしてしまいました……」

瑞鶴「ううん……私も金剛さんの立場なら、同じ事を言ったと思う」

金剛「ごめんなさい……」

瑞鶴「…………」

金剛「……あと、三日ですか」

……………………
…………
……



520: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 19:59:36.48 ID:UsEqFvbR0

川内「う~~~~~~ん…………」

神通「どうしたの、川内?」

川内「いや、あの敵なんだけど、なーんか違和感っていうか引っ掛かるっていうかなんというか、そういうのがあったんだよねー……」

那珂「なんかって、何ー?」

川内「それが分かんないんだよなぁ……なんなんだろ…………」

川内「む~~~~~~~~…………」

神通「思い出したら、教えて? もし提督が帰ってこなかった場合、提督を見つける手掛かりになるかもしれないから」

那珂「那珂ちゃんも何かおかしい所があったか思い出してみる!」

神通「うん。私も頑張って探してみるね」

神通「……提督、帰ってきてくれますよね?」

……………………
…………
……



521: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 20:12:34.91 ID:UsEqFvbR0

暁「…………」

響「…………」

雷「…………」

電「…………」

島風「…………」

雷「司令官、大丈夫かしら……」

響「……帰ってきた時、唯一行方を知っている金剛さんが塞ぎ込んでしまっていたからね」

暁「…………もしかして、死んじゃったんじゃ……」

島風「そんな事ない!! 提督は簡単に死ぬような人じゃないよ!」

電「そ、そうです! きっと道に迷ってるだけなのです!」

響「私も死んでないと思うよ」

暁「気休めはやめてよ……余計に辛いわ……」

響「気休めなんかじゃないよ。確証とまではいかないけれど、信用できる事がある」



522: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 20:22:42.83 ID:UsEqFvbR0

暁「────っ! な、なに!?」

響「金剛さんさ」

島風「金剛さん?」

響「そう。金剛さんがこの鎮守府に居る事が、司令官が生きているという証だと私は思っているよ」

電「あの……どうしてですか?」

雷「あ、なんとなく分かったかも」

響「雷は察しが良いね。──金剛さんが、そんなに簡単に提督の側を離れると思う?」

暁「……ないわね、それは」

響「もし司令官が死んでしまってるのなら、金剛さんは後を追うと思うよ、ほぼ間違いなく」

雷「そうよね。普段の金剛さんを見ていたらそう思うわ」

響「だから、金剛さんが生きているという事は司令官が生きている──私はそう思ってる」

暁「で、でも……もしかしたら死ぬのが怖くなったって可能性もあるでしょ?」

響「勿論そうかもしれない。あの塞ぎ込みっぷりならそれも納得できる」

響「でも、私は前向きに考えるよ」

響「────そう、簡単に死ぬわけないじゃないか」

……………………
…………
……



523: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 20:35:37.95 ID:UsEqFvbR0

提督「…………っ」

戦姫「……起きたか」

提督「…………」ジッ

提督(ここはどこだ……? 暗くて良く分からん……。腕は……ちっ、何かに縛り付けられているな)

提督(深海棲艦がこんなに……。というか、こいつらもあの武装を取れるのか)

提督(……ん?)

ザッ────ピシッ!

提督「……なぜ敬礼をした。しかも全員」



524: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 20:45:16.71 ID:UsEqFvbR0

戦姫「単刀直入ですが、貴方に我々の上官になって頂きたい」

提督「断る」

戦姫「そうですか……。理由をお聞きしても?」

提督「何の目的か言ってくれるのなら考えもするが、いきなり上官になれと言われても納得する馬鹿は居るまい」

戦姫「なるほど。ごもっともです」

戦姫「私達は沈んだ──いや、死んだ艦娘です」

提督「知っている」

戦姫「ご存知でしたか。話が早くて助かります」

戦姫「……貴方は、似ているのです」

提督「似ている?」

戦姫「はい。私達の──」

ヲ級「…………」テテテ

戦姫「あっこら!」

ヲ級「♪」ギュー



528: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 21:01:16.76 ID:UsEqFvbR0

提督「……このヲ級。もしかして」

戦姫「はい。貴方の鎮守府へ偵察に行った者です」

戦姫「この通りかなり自由奔放者で、甘えたがりなのです」ハァ

ヲ級「♪」

提督「……なぜこんなに懐くんだ」

戦姫「すみません。言うのが遅くなりましたが、貴方は私達の提督に似ているのです」

提督「……ただ似ているだけではここまで懐くとは思えん。しかも敵だろう」

戦姫「────という名前をご存知ですか?」

提督「私の父親だ」

戦姫「なるほど。だから……」

戦姫「あ……すみません。勝手に納得してしまいました」

提督「良い。話せ」

戦姫「ここに居る者達は全員、貴方の父親が保有していた──いたっ」

ヲ級「…………」ペシッペシッ

戦姫「あ、ああ分かった言い直す。言い直すから叩かないでくれ。……こほん。失礼しました」



531: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 21:11:58.12 ID:UsEqFvbR0

戦姫「……全員、貴方の父親を慕っていた者達なのです」

提督「…………」

戦姫「特にその──貴方がヲ級と言った者は、私達の提督に懐いていました」

戦姫「本当はもう一隻、妹の空母が居るはずなのですが、どこに居るのか……」

提督「……非常に理解できない所がある」

戦姫「なんでしょうか」

提督「私の父親は誰もが厳しすぎるのでは、と思われる厳格な人だった。実際に父が指揮をしている所を見た事があるが、懐くとは到底思えない」

提督「それなのに、なぜこんなに懐いている」

戦姫「ああ……とても厳しかったです……それはもう、タービンが爆発しそうなくらい……」ドヨーン

提督「…………」

戦姫「────はっ! し、失礼しました!」ピシッ

提督(よっぽど厳しく仕込まれたんだろうなこれ……)

戦姫「……ですが、それは人前と仕事だけです。それ以外ではとてもとても、お優しいお方でした……」

戦姫「ああ~……美味しかったなぁ、あの間宮アイスクリーム……」

提督「……………………」

戦姫「!!!! しっ失礼しました!!」ピシッ



549: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 22:21:52.41 ID:UsEqFvbR0

提督「……お前、よく父から罰を受けていただろ」

戦姫「…………はい。よく吊るされていました……」

提督(私は今、血は逆らえないという言葉を心の底から実感した)

戦姫「それで、深海棲艦となった艦娘は普通、記憶を無くすらしいのですが……どういう訳か私達はあまり記憶が消える事なくこうしているのです」

戦姫「提督への信頼や想いが魂に刻み込まれたのでは、という事で納得していますが、実際の所は分かりません……」

戦姫「そして……私達は提督の事を忘れる事ができません。確かに厳しかったですが、それも優しさだったのです」

戦姫「その優しさを……私は、私達は忘れられませんでした……」

提督「……だから、父と似ている私に提督になれと」

戦姫「勝手な言い分だとは分かっています。でも、万が一……いえ、億や兆、那由多の果ての一つしか可能性がなくても、私達はそれに縋りたかったのです」

提督「…………」

戦姫「…………」



555: >>554はミス。 2013/10/22(火) 22:36:30.56 ID:UsEqFvbR0

提督「……なるほど、理由は分かった。私を縛っているのは、話を聞いてもらう為か?」

戦姫「はい。提督と同じく深海棲艦を相手にしても殺そうとされましたから、申し訳ありませんが縛ら……せ、て…………」

提督「…………」

戦姫「…………」タジ

提督「…………」ジッ

戦姫「…………っ!!」ビクゥ

戦姫「だ、誰かハサミを持ってきて!! 早く!!!」

提督「……縛ったのは誰だ」

戦姫「え……わ、私……です……」ビクビク

提督「そうか。それなのに切る道具を持ってくるのは別人なのか」

戦姫「行ってきます!!!」ダッシュ

提督(ああ……私の鎮守府と同じ感覚……)

……………………。



558: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 22:52:22.82 ID:UsEqFvbR0

提督「ふー……」

戦姫「あ、あぁぁあの……痛くないようには縛ったつもりですが……だ、大丈夫ですか……?」

提督「うむ。問題ない」

戦姫「良かったぁ……」

提督「…………」

戦姫「? どうかなされましたか?」

提督「いや……敵だというのにこの接され方は少し戸惑いをな」

戦姫「…………」

提督「…………」

戦姫「ああっ!!」

提督(これがアホの子というやつか)

戦姫「深海棲艦になってからどうも色々なモノが抜け出ていったようで……すみません……」

提督「色々なものが抜け出ていった?」

戦姫「はい……。大まかに言うと感情や、言語、記憶などです。細かく言うと、私みたいにあまり深く物事を考えれなくなるなんて事もあります」



561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 23:06:12.53 ID:UsEqFvbR0

提督「……お前から感情や言語が抜けているようには思えないんだが」

戦姫「え? あぅ……説明が悪かったです……。深海棲艦になると大まかに感情や~と言いたかったんです……」

提督「…………」

戦姫「呆れないでください……アホの子になったっていうのは自覚しているんです……」

ヲ級「♪」スリスリ

提督「っと。本当に懐いてるなこいつは……」

戦姫「この子は主に言語と感情だと思います。感情はまだマシなのですが、特に言語が酷くて……」

ヲ級「?」

提督「なるほど、喋れないと」

戦姫「はい……」

提督「……少し、質問しても良いか」

戦姫「はい。なんでしょうか」

提督「私は、そんなに父に似ているのか」

戦姫「はい! それはもう!」



562: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 23:22:45.81 ID:UsEqFvbR0

提督「私は父ではないぞ。私に提督になってくれと言ったが、できるのか?」

戦姫「どうやら艦娘特有の『刷り込み』は無くなってしまうようです。貴方に提督となってくださいと言えるので、これは間違いないですね」

提督「私が父の代わりになれるとも思っていないのだが」

戦姫「私達は代わりだなんて思っていません。後継者だと私達は思っています」

提督「そうか。それでは、艦娘をどう思っている」

戦姫「……正直に言って、憎いです。過去の自分達を見るのが嫌なのか、それとも仲間に引き込もうと思っているのか分かりません。ほとんど根拠のない憎しみなんです」

提督「ふむ……。深海棲艦はそういうものなのだろうな」

提督「では、私がお前達の提督になったとして、上官命令で艦娘と仲良くしろと言っても無理か?」

戦姫「それは…………無理そうですね。『刷り込み』があれば出来たかもしれませんが、提督の命令が私達の絶対命令でなくなってしまっています」

提督「そうか……和解の道は無いか……」



564: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 23:43:10.08 ID:UsEqFvbR0

提督「ふと思ったのだが、他の深海棲艦も同じように集まって軍隊を成しているのか?」

戦姫「それはないでしょうね。私達が特別だと思います。他の深海棲艦が同じ編隊で居るのは、恐らく艦娘時代の仲間だからじゃないでしょうか」

戦姫「私達のように規律のようなものがあるのは、他に見た事がありませんね」

提督「ふむ。しかし、どうしてお前達は沈んだんだ? 戦艦の主砲を受けて無傷ならば沈みようがないと思うのだが」

戦姫「艦娘の頃はこんなに高性能ではありませんでした。少なくとも、戦艦の主砲を耐える事は出来ても無傷なんてありえませんでしたね」

提督「沈んだら逆に強化されているのか……不思議なものだ」

戦姫「本当、不思議ですよね……」

提督「では次の質問。私に提督になってくれと言ったが、私の艦娘はどうなる」

戦姫「…………」

戦姫「あー……考えた事がありませんでした……」

提督「……本当に深く考える事ができなくなってるのだな」

戦姫「返す言葉もありません……」



566: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/22(火) 23:55:41.74 ID:UsEqFvbR0

戦姫「そうですよね……私達が提督を失ったように、艦娘達も悲しみますよね……『刷り込み』がある分、私達よりも辛いでしょう……」

提督「……少し前にお前が言った勝手な言い分というのは『今の艦娘を捨てて私達の提督になってくれ』ではなくて『見ず知らずの私達の提督になってくれ』という意味だったのか」

戦姫「はい……その通りです……」

提督(もうこれは深海棲艦になったからじゃなくて元からなんじゃ……?)

提督「……次に、これは純粋な疑問だが、お前は私に手を上げたな?」

戦姫「ひっ! ご、ごめんなさい!!」ビクッ

提督「いや、責めている訳ではない。純粋な疑問だと言っただろう」

戦姫「あの……えと…………殺されそうだったのでつい……」ビクビク

提督「反射的に手が出たと」

戦姫「はい……」ビクビク

提督「その件については私にも非がある。すまない」

提督「鳩尾は大丈夫だったか?」

戦姫「失神しそうでしたけどなんとか……。痛いのは戦闘で慣れてますから……」

提督「そうか……」



568: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 00:09:48.39 ID:MQYn1eZW0

戦姫「……優しいですね」

提督「優しかったら殺そうとするのはおろか、殴る事もない」

戦姫「貴方は私を敵だと言っているのに、心配してくれている。それは、優しいじゃないですか」

提督「…………」

提督「……では、最後の質問だ」

提督「私がお前達の提督にならない、と言ったらどうする」

戦姫「…………」

提督「ほとんど拉致に近い。何もしないという事はないだろう」

戦姫「…………」

提督「…………」

戦姫「私は──私達は、貴方を殺したくない。提督のご子息とあらば、尚更……」

提督「そうか」

戦姫「──翔鶴、その人を抱き締めて」

ヲ級「♪」ギュー

提督「なっ──!」

戦姫「……貴方を骨抜きにしてでも、私達の提督になってもらいます」ニコ

提督(……寂しそうに笑いおって。本当は嫌なんだろうな……)

提督(それでも、提督を欲する……か……)

……………………
…………
……



577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 00:35:54.36 ID:MQYn1eZW0

~提督室~

バアアアアンッッ!!!

川内「思い出したぁぁああああああああ!!!!!」

瑞鶴「ど、どうしたの川内?」ビクッ

金剛「…………?」

川内「あれだよ!! あの敵空母!!」

瑞鶴「お、落ち着いて! 敵の空母がどうしたの?」

川内「さっき戦った敵空母、この前この鎮守府に来ていた変な敵の空母だって!!」

金剛「……それが、どうかしたのですか?」

瑞鶴「それより、なんでそんなのが分かるのよ」

川内「おお、金剛さんが喋るようになった! ──えっと、あの空母の折れ曲がった砲身、まったく同じだったよ!」

川内「あの空母が帰っていった方向に行けば、提督が居るんじゃないかなって思ったの!」

金剛「…………」

瑞鶴「そ、そうは言っても……本当にそうとは限らないじゃない。それに、中途半端にしか憶えてないわよ?」

金剛「…………」

金剛(……あの空母が帰っていったのはあの方向)



583: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 00:57:31.43 ID:MQYn1eZW0

川内「でも、試してみる価値あるでしょ!」

金剛(南方棲戦姫が向かったのがあの方向……)

瑞鶴「……そうよね。皆を集めて、記憶を頼りに──」

金剛「──あった」

瑞鶴「え、え? どうしたの、金剛さん?」

金剛「あの二隻……方向……交点、放棄された泊地……」ブツブツ

川内「えーっと……どういう事?」

金剛「恐らく、あの敵の根城──!」

金剛「二人共、皆をここに集めて! 作戦会議をするわよ!」

……………………。



586: >>585 ちょっとミスってたから修正。ごめんよミスが多くて。 2013/10/23(水) 01:15:03.52 ID:MQYn1eZW0

瑞鶴「全員集めたわよ」

暁「何? こんな夜中に呼び出して……。ちょっと眠いんだけど……」

響「何があったんだい? 提督の行方についてかい?」

金剛「そうデス。提督の行方です」

全員「!!」

島風「それ本当!?」

瑞鶴「ど、どこなの!?」

金剛「落ち着いて。今地図に描きマス」ペラッ

金剛「以前見かけた意味不明の空母が帰っていったのがこの方向デス」キューッ

響「……やけに精確だね?」

金剛「私はあの空母のすぐ近くに居ましたからネ」

響「なるほど……」

金剛「そして、私達がさっき戦った場所がココ。遠くに見えた島と鎮守府の場所から考えるとココで間違いないネ」キュキュ

金剛「そして、南方棲戦姫はこの方向へ向かいまシタ」キューッ

金剛「その交点が──」キュッ

瑞鶴「……ここは?」



587: >>585 ちょっとミスってたから修正。ごめんよミスが多くて。 2013/10/23(水) 01:34:56.29 ID:MQYn1eZW0

島風「何かの島?」

金剛「敵に奪われたと言われている泊地デス。きっと、テートクはここに居ます」

響「……偶然という可能性は?」

金剛「それもありマス。なので、憶えている人だけで構いまセン。敵が退いていった方向を描いてみてくだサイ」

金剛「敵にかなり離されてしまっていたのでほとんど目測ですが、それぞれここら辺に居たはずデス」キュッキュッ

響「……たしか、こっちの方向だったと思う」キューッ

龍田「私が戦った敵はこの方向だったかしら~」キューッ

電「……こっちだったのです」キューッ

瑞鶴「…………これは」キューッ

金剛「……ほとんど確定ですネ。多少のバラつきはあれど、この交点に重なりマス」

金剛「ここまでくると、もう偶然じゃありまセン! 明日、この放棄された泊地に行きまショウ!!」

金剛「あ……」

雷「? どうしたの?」

金剛「違いマスね。皆、目を瞑ってください」

島風「何が始まるの?」

金剛「いいカラいいカラー。……………………準備は良いみたいですね」

金剛(……たしか、こうだったはずデス)




588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 01:54:23.08 ID:MQYn1eZW0

金剛「……死にたくない者は解体を施すから逃げろ」

瑞鶴「!!」

金剛「海軍刑法によると敵前逃亡は罪に問われる。だが、ここは提督の城だ。そんなモノは最初から存在しない」

金剛「十秒与える。解体を希望する者は静かに手を上げろ」

金剛「十」

島風(提督の真似ね。なんだか嬉しいかも)

天龍(ちょっとだけ怖いんだよなぁこれ……)

金剛「九」

龍田(天龍ちゃんは提督さんを思い出して怖がってるんでしょうね~)

暁(ああ……司令官はこう言っていたのよね……)

金剛「八」

響(なんだか懐かしいな……今日あった事のはずなのに……)

金剛「七」

雷(金剛さん、よっぽど司令官が好きなのね)

金剛「六」

電(司令官さんは、みんな馬鹿だって言っていましたね)



589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 02:12:21.39 ID:MQYn1eZW0

金剛「五」

川内(提督の真似かー。結構似てるなぁ)

金剛「四」

神通(そうですよね。提督なら、こうしていましたね)

金剛「三」

那珂(はっやくーはっやくー♪)

金剛「ニ」

瑞鶴(あの日、提督さんは私達を見捨てないって言った。だから、私も見捨てない)

金剛「一」

金剛(──提督、待っていて下さい)

金剛「そこまで──。手を下ろしてよい。……………………目を開け」

金剛「……………………」

金剛「……私達は死にたがりの大馬鹿者です。馬鹿ですね、私たち全員」

金剛(提督……ここに居る皆は、提督が大好きですよ)

……………………
…………
……



590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 02:26:39.89 ID:MQYn1eZW0

提督「それで、また縛り付ける訳か」

戦姫「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」ビクビク

提督「私でも捕虜にはこうするから気にするな。……まさか両手足にこんな鉄球を付けられるとは思わなかったが」

提督「しかし……思ったより綺麗だな、この拠点」

戦姫「……できるだけ、提督の鎮守府に近付けたかったんです」

提督「……なるほど。では、ここが提督室か」

戦姫「はい。……こんな感じの部屋で、こんな感じのベッドの上で、提督に一杯愛してもらいました」

提督「…………ちょっと待て。今なんと言った?」

戦姫「? 一杯愛してもらいました」

提督「……あの父が? まさか。暇があれば亡き母をずっと想っていた人だぞ?」

戦姫「ええ……その事はよく憶えています。例え出撃していようと、奥様の写真を片時も離しませんでした」

戦姫「ですから不思議に想いましたけど……寂しかったのでしょうね。よく、私を痛いくらいに抱き締めては泣いておられました」

提督「……想像できん」



591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 02:45:32.03 ID:MQYn1eZW0

戦姫「きっと、私が奥様と似ていたからでしょう」

提督「まったく似ていないんだが」

戦姫「深海棲艦となって姿が変わっていますから……」

提督「……すまん」

戦姫「いえ、気になさらないで下さい。この姿についてはもう諦めました」

戦姫「……こんな姿で申し訳ありませんが、お相手させて頂きます」

提督「待て」

戦姫「はいっ!」ピシッ

戦姫「あ……」

提督「…………」

提督「そんなに急がなくても良いだろう」

戦姫「そうでしょうか? 貴方の気骨は相当強いと思います。だから、早めに行動しようとしているだけですよ」

提督「本丸を攻め落とすにはまず外堀から、という言葉を知らんか?」

戦姫「いえ……聞いた事はありますが……」

提督「目的を達成する為には、まず周辺から片付けていけって事だ。人を手篭めにするのなら、まずは心を開かせれば話が早い」

戦姫「なるほど!」

提督(こんな事を言う時点で不可能だというものだが、それに気付く事もあるまい)



592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 03:00:21.02 ID:MQYn1eZW0

戦姫「それでは、失礼します」モゾモゾ

提督「……呆れた」

戦姫「え……え?」

提督「私とお前はどういう関係だ」

戦姫「……提督のご子息様と、提督の元艦娘ですか?」

提督「違う。立場で言え」

戦姫「…………あ、敵同士」

提督「そうだ。私は海の上でお前の首の骨を折ろうとしただろう。それを忘れたのか」

戦姫「憶えてますよ? それが何か……」

提督「……今度こそ折られるとは思わないのか」

戦姫「特には……。だって、折るだけなら今までいくらでも機会がありましたよね?」

提督「より確実な機会を待っている可能性があろう。虎視眈々とな」

戦姫「私にはそう見えません。目を見れば分かります」



593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 03:26:17.43 ID:MQYn1eZW0

提督「どうだかね」

戦姫「本当です。初めて会った時の貴方の目ではありませんもの」

提督「……どんな目だった」

戦姫「正直、怖かったですね。今と違って目に光が宿っていましたが、その目に明確な殺意が込められていました」

戦姫「……あの目は、知っていますから」

提督「知っている?」

戦姫「はい。私の提督も、最後にあの目をしていました」

提督「……父は、どんな最期だった」

戦姫「私を護ろうとする為、戦艦ル級に掴み掛かりました。貴方と同じように、相手の首を折ろうとしましたが、相手の砲撃の方が一瞬だけ速く、提督と私は一緒に……」

提督「……敵がそんなに接近し、尚且つ父とお前が気付かないとは、どう言う事だ」

戦姫「海の底から浮かんできたんです。恐らく、深海棲艦になったばかりだったのでしょう」

戦姫「提督も私も、満身創痍でしたから満足に動けず……」

提督「……沖ノ島海域最大規模戦闘だったか。味方二百隻弱、敵五百隻強の被害が出た戦闘だったと聞く」

戦姫「正確には味方が六十隻で、敵が六百隻とちょっとです。もうちょっとあるかもしれませんね」

提督「………………なんだと? 味方が六十? そんな馬鹿な」

戦姫「本当です。だって、支援艦隊が来なかったんですから」



594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 03:38:44.78 ID:MQYn1eZW0

提督「支援艦隊が来なかった……?」

戦姫「はい。いきなり通信が受信できなくなって、そのまま囲まれました」

提督「……どうなっている。こちらの資料では向かった支援艦隊もほぼ全て沈んだとあったぞ。来ていたのに気付かなかったんじゃないのか?」

戦姫「それはありません。航空戦隊が最後まで『支援艦隊はまだか』と叫んでいましたから」

提督「……キナ臭いな」

戦姫「し、信じてくれないのですか?」

提督「いや、キナ臭いのは総司令部の事だ」

提督「……戦姫。お前は知りたくないか?」

戦姫「えっと……何をですか?」

提督「支援艦隊が来なかった理由──いや、お前達が殺された理由だ」

戦姫「……殺された?」



595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 03:52:07.49 ID:MQYn1eZW0

提督「支援艦隊が本当に出撃していたのなら、お前の記憶と食い違うはずがない。ならば、意図的に出撃しなかった。そうとしか考えれな────」

戦姫「? どうしました?」

提督「………………戦姫……そのときの支援艦隊、指揮はなんて名前の奴が取っていた?」

戦姫「えっと……──少将と──中将と──中将と……」

戦姫「総指揮に──大将」

提督「────ビンゴだ」

戦姫「え? びんご……? え……?」

提督「そいつらは全員、大将になっている」

提督「総指揮の大将なんて元帥だよ。つい先日死んだがな」

戦姫「……どういう事ですか、それ」

提督「海軍の大将以上は全員黒だと言って良い」



596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 04:03:01.10 ID:MQYn1eZW0

提督「深海棲艦に対抗する為と謳った艦娘建造計画。深海棲艦を基盤とした艦娘の建造計画。解体した艦娘の行方不明」

提督「黒だ黒だと思っていたが、白い所なんて微塵も存在していない……!」

提督「そもそも始まりはどこだ。艦娘が先か? それとも深海棲艦か? 深海棲艦が先ならばどこから生まれた? 艦娘が先ならば本当の目的はなんだ?」

提督「深海棲艦を基盤とした建造計画も良く考えればおかしいじゃないか。一日に深海棲艦は何隻沈んでいる? 艦娘は何隻沈んでいる? 間違いなく深海棲艦の方が沈んでいるはずだ」

提督「解体した艦娘はどこへ行く。人間と変わらなくなるんだ。いきなり消える訳がない。売り飛ばされるのか、それとも何かの実験に使われているのか」

提督「一体どういう事だ、総司令部……!!」

戦姫「……………………」

戦姫(この人が何を言ってるのか良く分かんない……)クスン

……………………
…………
……



612: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 15:41:58.95 ID:VBpl/FyI0

瑞鶴「────については、さっきの議論結果で問題ないわね。次の問題だけど、あの敵に対抗するにはどうしたら良いかしら」

金剛「それが一番の問題デス……特にあの南方棲戦姫はモンスターね。私の砲撃が全く効きませんでシタ」

響「……戦艦の砲撃が効かないならば、魚雷しかないのかな」

暁「でも、雷撃距離になる前に砲撃でやられちゃうわよ?」

金剛「本当に困りまシタ……」

瑞鶴「潜水艦があれば、まだ話は別なんでしょうね……」

金剛「無いものねだりは良くないのデース……」

ガチャ──

全員「!!?」

金剛「誰!?」ジャキッ

提督「お前ら……何をしている……」

瑞鶴「提督さん!? ど、どうし──!?」ハッ

ヲ級「?」ヒョコ

バッ──! ジャキジャキジャガジャコンガチャッ──!!

ヲ級「!?」ビクゥ



613: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 16:01:02.59 ID:VBpl/FyI0

金剛「提督!! 離れて!!!」

提督「お前ら……」

島風「早く提督こっちに──!!」

提督「セイレツ……」

全員「────ッッッ!!!!!!」ビックゥ

全員「!!!」ピシッ

提督「…………」ツカツカツカ

シャッ──!

提督「砲撃の恐れがあるので、夜、見張りが居ない時に電気を付けるならばカーテンを必ず閉めるようにと言っ

たはず……」

全員「────ッ」ガタガタガタガタ

提督「シニタイノカ?」

全員「ご……ごめんなさい……!」ガタガタガタガタガタガタ

ヲ級「…………!」ガタガタガタ

……………………
…………
……



614: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 16:17:06.52 ID:VBpl/FyI0

瑞鶴「あ、あの……」ビクビク

提督「…………」ジッ

瑞鶴「ぴぃっ!?」ビクゥ

提督「……なにかね」

瑞鶴「あ、ぁあの……ど、どどどうして敵艦が……提督さんと……」ビクビクビクビク

ヲ級「!」テテテ

瑞鶴「……はぇ?」

ヲ級「♪」ギュー

全員「…………」

瑞鶴「え、え? どういう事?」アワアワ

ヲ級「♪」スリスリ

金剛(………………瑞鶴は深海棲艦から生まれたからですかネ……?)

提督「……色々と話さなければならない事がある」

……………………。



615: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 16:42:19.09 ID:VBpl/FyI0

金剛「はー……深海棲艦にも色々と居るんですネー……」

島風「ホントホント。破壊と殺戮しかしないのかと思ってたけど、そうじゃないのも居るのね」

提督(とりあえず、あの深海棲艦達は提督を欲しがっていた事と、本当に相容れれないか確かめてみるという名目で連れてきたと誤魔化したが、案外上手くいくものだな。これが人徳というものか)

提督「さて、特殊な深海棲艦も居ると分かってもらった所で、もう一人紹介しよう」

響「もう一人連れてきているのかい?」

提督「ああ。ちょっとした事情でドアの向こうで待機してもらっている」ツカツカ

ガチャ──

提督「……………………」

パタン──

金剛「!!!!」

響「ほう」

龍田「あらあら~……」

瑞鶴「…………」

戦姫「……………………」

提督「本日、諸君等と戦った深海棲艦のトップだ」



616: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 17:03:32.97 ID:VBpl/FyI0

金剛「っ!」ジャキッ

戦姫「……ナンダ キサマカ」

金剛「よくのうのうとここに来れたものですね」

戦姫「ヨクアレデ イキテイタモノダ」

暁(ちょっとちょっと!? 物凄く怖いんだけどアレ!?)フルフル

電(だ、大丈夫です!! き、き、きっと大丈夫なのです!!)フルフル

金剛「その件についてはどうも。今度は逆の立場ですね」

戦姫「フン ヘイキサエアレバ キサマナド────」

提督「お前ら」

金剛・戦姫「ひっ──!!」ビクゥ

提督「私の城で、私の前で何をするつもりだ」

金剛・戦姫「ご、ごめんなさい……!」ビクビク

川内(あれ……第一印象と全然違う……)



617: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 17:17:30.63 ID:VBpl/FyI0

提督「この通り、艦娘に対して根拠の無い恨みを持っているのが深海棲艦らしい。瑞鶴にしがみついている空母は相当な特殊だ」

ヲ級「♪」ギュー

提督「諸君ら艦娘にとって通常の深海棲艦は大変危険という事だけは忘れないように」

戦姫「…………」キッ

金剛「…………」キッ

提督「…………」ジッ

金剛・戦姫「!!!」ビクッ

提督(武装解除させてきて本当に正解だった)

提督「少しの間だが、戦姫と空母をこの鎮守府に置いておく。仲良くは……戦姫にはできないだろうが、そっちの空母にはできるかもしれないだろう。夜も深くなってくる頃だ。接するのは明日からにしてくれ」

提督「では、解散」

……………………
…………
……



618: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 17:33:11.91 ID:VBpl/FyI0

雷「──司令官、金剛さん、瑞鶴さん、戦姫さん、空母さん、おやすみなさーい」

──パタン

金剛「……それで、本当はどういう事なんデスか?」

瑞鶴「さっきの説明、隠してる事があるわよね?」

提督「ああ。だが……」チラ

金剛「…………? ああ、大丈夫です。総司令部から殺される覚悟はもうしまシタから」

提督「……瑞鶴」

瑞鶴「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」ガタガタ

提督「次はない」

瑞鶴「ぴゃいっ!」ピシッ

金剛「……それよりも、物凄く羨ましい人が一人いるのですけど」ジッ

ヲ級「すー……すー……」

金剛「どうして提督の膝に座って寝ているんですか」

提督「……懐かれた」

瑞鶴「私はともかく、懐きっぷりが半端じゃないと思うんだけど……」



619: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 17:57:48.21 ID:VBpl/FyI0

提督「どうやらこの子達の提督と私が非常に似ているらしい」

金剛「それでもここまで懐きますかね……?」

戦姫「……私とこの子は提督から特に可愛がられていたからだろうな」

瑞鶴「あ、普通に喋れるのね」

戦姫「さっきは艦娘が何人も居たからな。二人……いや一人ならばこの憎しみも抑えれよう」

金剛「やっぱり瑞鶴は私達と違うって分かるのデスか」

戦姫「ただ違うという訳ではなさそうだ。特別な何かを感じる」

瑞鶴「うん、私もよ。他の深海棲艦とは全然違う、落ち着くっていうか安心できるっていうか……そういうのがあるわね」

戦姫「私もだ。……お前があの瑞鶴だったら良いのだがな」

金剛「あの瑞鶴?」

戦姫「さっきも言ったが、私とこの子は特に可愛がられていたが、もう一人居る。この子、翔鶴の妹がな」

提督「それに、瑞鶴を一目見てすぐに懐いた。ここまでくるとそうとしか思えんよ」

瑞鶴「翔鶴姉が、この子……」

戦姫「いや、それでも違うだろう。お前はこの人の瑞鶴なのだろう?」



620: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 18:09:32.15 ID:VBpl/FyI0

瑞鶴「そうだけど……私、深海棲艦から建造されてるわよ?」

戦姫「なんだと……?」

金剛「テートク、話していなかったのですか?」

提督「変に先入観を持たせたくなかったからな。もしやと思い、敢えて隠しておいた」

瑞鶴「そっか……なんだか納得したかも」

戦姫「納得?」

瑞鶴「私ね、提督さんに初めて会った時から特別な感情があったの。自分でも不思議に思っていたけど、沈む前の提督が提督さんに似ているなら納得よ」

戦姫「……それでも、やはりおかしいな。私達が沈んだ戦闘に瑞鶴は参加していなかった」

戦姫「極度の体調不良で、一人母港に残っていた。沈むのはありえん。解体されているはずだ」

提督「いや、しっかりと沈んでいるぞ。あの戦闘の話が大きすぎてあまり知られていないようだが、空母一隻が勝手に出撃をし、母港を出た直後に敵に沈められたという記事があった」

提督「その母港がここだ」

金剛「……本当にピタリと一致しますネ」



621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 18:24:10.09 ID:VBpl/FyI0

戦姫「という事は、ここは提督の鎮守府だったのか……」

提督「そうだ。気付くと思っていたのだが、気付かなかったのか」

戦姫「……鎮守府の名前と場所を憶えていないんです。どこの鎮守府も似たような造りですし、私達が居た頃と少し違うので気付きませんでした」

戦姫「そっか……ここが……」

戦姫「しかし……瑞鶴、提督の事や翔鶴の事など、本当に憶えていないのか?」

瑞鶴「うん……。翔鶴姉の事なら少し思い出せるけど、提督の事についてはさっぱり……」

提督「深海棲艦になると記憶などが抜け落ちるように、恐らく深海棲艦から艦娘に戻る時も記憶が抜けてしまうのだろう」

提督「さて、そろそろ本題に入ろう。私が戦姫と話していて新たに分かった事とかな──」

……………………。



622: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 18:36:14.69 ID:VBpl/FyI0

金剛「──真っ黒じゃないですか!!」

提督「ああ、真っ黒だ。キャンパスの白地が見えないくらいにな」

瑞鶴「…………」

提督「どうした、瑞鶴」

瑞鶴「あ……ちょっと話題から逸れちゃうんだけど、どうしてあの鎮守府を襲撃したのかなって思って……」

戦姫「襲撃?」

提督「大方、先に手を出したのはクソジジイからだろう。迎撃をするも攻撃し続けてきたので鎮守府を攻撃。といった所ではないか?」

戦姫「そうです。さすがですね」

戦姫「あまり戦力を削ぎたくなかったので相手にしなかったのですが、調子に乗ったのかしつこく攻撃してきたので返り討ちにしました。艦娘を物のように扱うやり方にも腹が立ち、仲間を呼んでその鎮守府も一緒に落としました」

提督「……そういえば、どうして南方からこの鎮守府へ向かってきたんだ? 戦姫が拠点にしている場所は東南東方面だったと思うが」

戦姫「…………羅針盤が壊れていたんです」

提督「…………」

金剛「…………」

瑞鶴「…………」

戦姫「どれだけ進んでもそれらしい場所に辿り着かなかったので羅針盤を調べてみたら……くるくる回りました……」



625: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 18:47:29.15 ID:VBpl/FyI0

提督「……………………」

戦姫「あぅ!! そんな哀れみの目で見ないで下さい!!」アウアウ

瑞鶴(この人アホ……?)

金剛(こんなアホに私は……)ズーン…

……………………。

瑞鶴「その黒い総司令部を調べる為にここへ来たのね?」

戦姫「ああ。総司令部を叩き潰す手伝いをすれば私達の提督になるのも考えると言ってくださったのでな」

金剛(考える、ね。考えるだけで、なるとは言っていないのに気付いているのでショウか……。それとも、テートクは艦娘と深海棲艦、両方の提督にでも?)

提督「そういう事だ。勝手に決めてすまない」

金剛「ノー、謝らないでくだサーイ! 私はテートクについていきますネー」

瑞鶴「私もよ。提督さんについていくわ。……それに、総司令部の事も気になるしね」

提督「話は纏まったな。もうこんな時間だ。寝るとしよう」

金剛・瑞鶴・戦姫「はいっ」

戦姫「貴方のベッドはあちらで宜しいのですよね?」

金剛「待ちなさい。何をする気ですか」



627: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 19:08:21.91 ID:VBpl/FyI0

戦姫「一緒に寝るだけだが、何か?」

瑞鶴「!?」

金剛「提督は渡しません。空き部屋がありますのでそっちを使って下さい」

戦姫「私の提督になってもらう為にも、私はこの人を篭絡しないといけない」

金剛「か、身体で奪う気ですか!? だからそんな格好で提督を誘惑しているのですか!!」

戦姫「いや……これは、服がもう無くてな…………。それに、なぜか服を着るとその瞬間、服が消えてしまうんだ……」

瑞鶴「うわぁ……なんだか一気に不憫になったわ……」

戦姫「いつもこうしていたら流石に慣れたさ」

提督「……それはそれで問題がないか?」

戦姫「気持ちの切り替えです。性行為をする時に裸を見られるのは流石に恥ずかしいですよ?」

金剛「やっぱりヤる気じゃないですか!!!」

戦姫「せんよ。本丸を落とすなら外堀からだ」

提督(しっかりとは憶えれてないんだな)



629: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 19:26:55.08 ID:VBpl/FyI0

金剛「……信用できません。提督!! 私も一緒に寝ます!」

戦姫「寝惚けてお前を殺すかもしれんぞ」

提督「そんな事をしたらどうなるか分かっているだろうな」

戦姫「ぴぃっ!!! ごめんなさい!!」ビクゥ

提督「それに、風紀的に問題があるだろう。許可などできん」

金剛「既に私、提督と二回寝ているんですけど?」

瑞鶴「私も一回──って、二回ですって!?」

金剛「はい♪ 一回分、私の勝ちネ!」

瑞鶴「提督さん……ズルいよぉ……!」

ヲ級「~~~……」

提督「静かにしろ。起きる──ん?」

金剛・瑞鶴・戦姫「…………」ジー

提督「…………」

金剛・瑞鶴・戦姫「…………」ジー

提督「…………分かった、一緒に寝よう。狭いのは文句言うなよ」

……………………。



633: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 19:41:23.75 ID:VBpl/FyI0

瑞鶴「提督さんを真ん中にして、私達の寝る場所は左右とあとは……」

戦姫「……上?」

金剛「譲りません」

瑞鶴「私もよ」

提督「却下だ馬鹿者。左右二人ずつだ」

瑞鶴「金剛さんと戦姫さんは一緒じゃない方が良いわよね。なんだか色々と危なそうだし」

金剛「そうね」

戦姫「私も、下手したら殺しかねないからそれでお願いしたい」

提督「さらっと物騒な事を言うな」

瑞鶴「あと……私、提督さんと戦姫さんの間が良いなぁ……」

戦姫「間? どうしてだ?」

瑞鶴「なんだか、お父さんとお母さんみたいで……。お父さんとはなんだかまた違うと思うんだけど……」

戦姫「それは良いな。私も賛成だ」



634: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 20:03:07.03 ID:VBpl/FyI0

提督「あとは金剛とヲ級だな」

ヲ級「すー……」

金剛「私は端っこが良いです」

瑞鶴「あら、意外ね?」

提督(嫌な予感しかしないな)

金剛「だってー、提督との子供みたいじゃないですかー」

提督「…………」

瑞鶴「くっ……!!」

金剛「ふふーん♪」

提督「仲良くしなかったら全員追い出す」

金剛・瑞鶴「仲良くしますっ」

金剛「それでは、私は備蓄倉庫から毛布を取ってきますね」

提督(予備の毛布を少し多めに申請しておいて良かったよ)

……………………。



635: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 20:18:45.51 ID:VBpl/FyI0

金剛「それでは、電気を消しますねー。………………よいしょ」モゾモゾ

提督「ギリギリだが、思ったよりは大丈夫みたいだな」

金剛「ですねー。私も落ちる心配はしなくて良いみたいね」

金剛「……それにしても、こうしてみると家族みたいです」

提督(また嫌な予感が)

瑞鶴「本当ね。……でも、この場合誰が提督さんの奥さんになるの?」

提督「……………………」

戦姫「まず、内側の人は子供だな」

瑞鶴「……悔しいけどその通りだと思うわ」

金剛「それじゃあ、私と戦姫、どっちがお嫁さんなのですか?」

提督「…………まさかとは思うが、それは私に聞いているのか」

金剛「はい。提督じゃないと決着が付きそうにないでーす」

提督「……面倒だ。両方で良いじゃないか」



637: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 20:29:36.23 ID:VBpl/FyI0

金剛「ここは日本でーす。一夫多妻制は認められていませんよー?」

提督「ここは私の城だ。そんなもの知らん」

瑞鶴「大胆ね……提督さん」

戦姫「どっちが第一夫人なのですか?」

金剛「どっちですか提督?」

瑞鶴「私……第三夫人でも良いわよ?」

提督「よっぽど外で寝たいらしい」

金剛・瑞鶴・戦姫「おやすみなさい」

提督「よろしい。おやすみ」

──モゾ。

瑞鶴「…………」

提督「?」

瑞鶴「────」チュ

提督「……………………」

瑞鶴(おやすみのキス……。今度こそおやすみ、提督さん)コソッ

提督「…………」

提督(……本当、金剛と瑞鶴をどうしたら良いのか…………)

……………………
…………
……



638: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 20:47:28.67 ID:VBpl/FyI0

提督「総司令部の大将宛に電報を送った。明日には全員この鎮守府へ来るだろう」

金剛「全員を集めてどうするのデスか?」

提督「奴等の目論見を全て聞き出す為に信用を得る」

金剛「だから戦姫とヲ級を連れて来たのデスね」

提督「ああ」

戦姫(どういう事だろう……)

瑞鶴「えっと……いまいち分からないんだけど、どういう事なの?」

提督「深海棲艦とは会話どころか意思疎通もできていない、というのが現状だ」

提督「だが、私は既に瑞鶴という深海棲艦を基盤に造られた艦娘を所有している。そこに深海棲艦を従えている所を見せたらどうなる」

瑞鶴「えっと……自分達の知らない、深海棲艦の秘密を知っていると思われる?」



639: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 20:58:19.45 ID:VBpl/FyI0

提督「そう。奴等の本当の目的は何かは知らないが、瑞鶴のような強力な艦娘を造ろうとしているのは事実。それを餌にする」

瑞鶴「でも、戦姫さんと翔鶴姉を連れて行っても、信用させるのには弱いんじゃない? 深海棲艦が提督さんに従うハッキリとした理由がないと……」

提督「深海棲艦も艦娘に戻りたがってるとでも言おう。戦姫はこの通り会話ができる。深海棲艦側の圧倒的勝利を目前に瑞鶴を見た戦姫が対話を希望し、そこで協力関係となったとしておこう」

提督「本当は金剛が戦ったが、そこは瑞鶴が戦ったという事にする。三人共、良いな?」

金剛・瑞鶴・戦姫「はいっ」

提督「念の為に、口裏合わせで他の艦娘達にも『戦姫と戦ったのは瑞鶴だった』と言うようにしておく。これでまずバレないだろう」

提督「作戦は以上。各自自由にして良い」

……………………
…………
……



640: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 21:11:02.02 ID:VBpl/FyI0

提督「戦姫、聞きたい事がある」

戦姫「はい、なんでしょうか?」

提督「私達と戦った時、こちらの戦艦よりも長い射程で撃ってきたよな。あれはどういう事だ?」

戦姫「私の装備は46センチ砲です。見た所、あの艦娘の主砲は35.6センチ砲。私の射程より短くて当たり前でしょうね」

提督「46センチ……なんだその馬鹿げた数字は。16インチ砲と呼ばれているものでも40センチ程度だぞ」

戦姫「極秘……とまでは言いませんが、ほとんど知られていないでしょうね。この砲のおかげで戦艦のアウトレンジから砲撃が可能です」

提督「ふむ……開発妖精に頼んでみるか」

戦姫「……それよりも、どうしてあなたの艦娘達は装備が充実していないのですか? どれも良い装備とは言えなかったのですけれど……」

提督「天が私に微笑んでくれていないだけだ。あと、各資材の適切な投入量も分からないので試行錯誤というのもある。ついでに資材が乏しくて回数を重ねる事もできないのが現状だ」

戦姫「あ、それでしたら──」

……………………。



642: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 21:23:38.35 ID:VBpl/FyI0

開発妖精「ヒャッホォーウ!! また良いのが出来たよー! 今度は46センチ三連装砲だ!!」

金剛「……凄いデスねこのレシピメモ」

提督「ああ。今までの失敗が嘘のようだ」

戦姫「全ての配分を憶えている訳ではないのですが、お役に立てたようで何よりですっ」

提督「うむ。感謝する」ナデナデ

戦姫「あ……」

金剛「!」

提督「む。嫌だったか」スッ

戦姫「いえ! もっとお願いします!!」

提督「ふむ」ナデナデ

戦姫「はにゃー……提督みたい……」



646: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 21:34:58.73 ID:VBpl/FyI0

提督「父も同じように?」ナデナデ

戦姫「はいー……。こうされるのがとても好きでしたー……」

提督(……蛙の子は蛙というものか。本当に似ているのだな、父と私は)

開発妖精「おぉっほぉー!! 32号対水上電探がきたああああ!!!!」

提督「…………素晴らしい」ナデナデ

戦姫「はぅー……」ホッコリ

金剛(ぅー……羨ましいです……──っと、そろそろ資材が危ないですね)

……………………
…………
……



653: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 22:45:09.14 ID:VBpl/FyI0

天龍「~~~~」フルフル

龍田「もー、天龍ちゃんったら~。まだ嬉し泣きしているのかしら~?」

天龍「う、うっせぇ……ずびっ…………本気で心配しらんだからな……」

龍田「はい、天龍ちゃん、ちーん」

川内「私も嬉し泣きとかしそうだったけど、天龍の姿を見たら涙が引っ込んだよ」

神通「くすくす。代わりに泣いてくれているみたいですね」

那珂「那珂ちゃんも、提督が帰ってきてくれて嬉しいよーっ」

龍田「そうよね~。私も提督さんが帰ってきてくれて嬉しいわ~」

龍田「私を屈服させる人なんて、居なかったもの~」

川内「……龍田って人を尻に敷くタイプだよね」

龍田「提督さん以外の男性は肌に触れる事すらできないわよ~。触れる前に落ちちゃうもの」

川内「……何が落ちるのかは聞かない事にしておくよ」

那珂「たった一人の男の人にだけ肌を許すって、なんだか純愛だねー」

龍田「提督さんが望むなら、私はなんでもしちゃうかも。それが秘密の夜伽でも」

那珂「わお、爆弾発言! 那珂ちゃんだったらスキャンダルだー!」

龍田「身の程を弁えなさい?」

那珂「……はい」ビクッ

……………………
…………
……



656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 23:01:57.36 ID:VBpl/FyI0

島風「うー……」ゴロゴロ

暁「どうしたのよ。服が乱れるからやめなさい、はしたない」

島風「だってー……。なんだか提督と一緒に居られないんだもん……」

響「行ったら良いじゃないか。側に居たいんだろう?」

島風「いーきーにーくーいー。金剛さんと瑞鶴さんに加えて、あの戦姫とヲ級ちゃんが居るんだよ? ヲ級ちゃんも提督と瑞鶴以外は苦手みたいだし……。戦姫は論外。怖い」

電「私も、戦姫さんは苦手です……。必死に抑えてくれているのは分かるのですが、迷惑を掛けてしまってるような気がするのです……」

雷「私は『エロいわね』って言ったら追いかけられちゃった。ちょっと楽しかったわ」

島風「私だったら口が裂けても言えないよ……」

響「それだったら我慢をするしかないだろう? 想いが強ければ割と耐えられるものさ」

島風「なんだかそれ、響が提督に恋をしてるみたい」

響「恋ではない。親に対する好きと同じさ。差し詰め、お父さんといった所か」

雷「だから最近の響は提督の口調とちょっとだけ似てるのね! 納得したわ!」

響「ん……元から近かったというのもあるけれど、違和感があったのなら戻すよ」



658: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 23:18:12.38 ID:VBpl/FyI0

電「どっちも響ちゃんに似合ってるのです。響ちゃんが可愛いのには変わらないのです」

暁「……司令官の口調を真似してたから、最近の響はちょっとだけ大人に見えたのかしら」

島風「暁が真似しても似合わないと思うなー」

暁「なっ!」

雷「私も似合わないと思うわ」

響「私もだよ」

暁「う、ぅ……」チラッ

電「え、えっと……ごめんなさい……暁ちゃんは今のままの方が可愛いかなぁ……」

暁「うわぁああん!!」

……………………
…………
……



661: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 23:31:23.90 ID:VBpl/FyI0

コンコン──コン──。

提督「入れ」

ガチャ──パタン

瑞鶴「……提督さん」

提督「何があった。総司令部がなにかしらの方法で接触してきたのか?」

瑞鶴「え? ううん。違うわよ?」

提督「……なら、なぜノックを二回と一回に分けた」

瑞鶴「あっ! ご、ごめんなさい……。最近、このノックばかりだったから……」

提督「……まあ良い。何か話したい事があるのだろう。言ってみろ」

瑞鶴「ん、とね……。これ……」スッ

提督「……その小瓶」

瑞鶴「うん……提督さんから貰ったヤツ」

提督「その事についてだが、明日、訪問する大将共に交渉する。功績をあげているんだ。このくらい許可してくれるだろう」

瑞鶴「それなんだけどね……。ちょっと、思う事があったの」



662: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 23:44:07.07 ID:VBpl/FyI0

提督「思うところ?」

瑞鶴「……私が前の艦娘の時、提督さんのお父さんが提督で、私はその人に似ている提督さんに惹かれて好きになった……。そう思っちゃったの」

提督「…………」

瑞鶴「でも、私はそうじゃないと思う。……そう思いたいの。だから、それを振り払う為にこれを持ってきたの」

瑞鶴「私は……私は、前の提督がどうこうじゃなくて、私個人が提督さんが好きなんだって思わせてほしい」

瑞鶴「だから……お願い。不安で潰れちゃいそうだから……」

提督「……………………」

瑞鶴「あっ、も、勿論……提督さんの意思に任せるわ。提督さんが言ってくれたように、私も無理矢理は嫌だから」

提督「……分かった。分かったからそう思い詰めた顔をするな。悪い事をした気分になる」

瑞鶴「──ありがとう! それじゃあ、ちょっと待っててね」

ガチャ──

提督(……待ってて?)



663: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 23:55:16.01 ID:VBpl/FyI0

──パタン

金剛「は、はぁい提督……」

提督「……そうか。二人を相手にしろという事か」

瑞鶴「ご、ごめんなさい。無理だったらそう言って良いから……」

提督「まったく……瑞鶴だけでなく金剛、お前もか」

金剛「だって……提督の愛が欲しいですもん……」

金剛「キスをしてくれてから、私はおかしいんです……。側に居てくれるだけで良い、側に置いてくれているだけで良い──。そう思っていたはずなのに、あのキスから私は狂いました」

金剛「提督の側に居るだけじゃ満足できなくなりました……。一緒のベッドで眠ってもまだ足りませんでした……。もっと、もっともっと提督に近付きたくなりました……」

金剛「提督……私、どうにかなってしまいそうです……だから、助けてください……」

提督「そんな消えそうな声で言ってくれるな。不安に思わなくて良い」

金剛「────! あはっ。ありがとう、提督──」

提督「それにしても、どうして二人は一緒になってきたんだ? 出し抜けばそれだけリードできていただろう」

瑞鶴「私が話を持ち掛けたの。確かにそれも思ったんだけど……提督さんが好きな気持ちは同じで、金剛さんなんて私よりもずっと頑張ってるって思ったの。だったら一緒に──って」

金剛「…………」コクン

提督「……なるほど、分かった」

提督「──二人一緒に愛するから、電気を消してきなさい」

金剛・瑞鶴「はいっ──!」

……………………
…………
……



667: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/23(水) 23:59:33.69 ID:VBpl/FyI0

はい。ここからエロになります。苦手な人は注意してね。
そして、エロシーンは一気に投下する予定です。エロを書き切るまでちょっと待ってて下さい。
何? 焦らすなだって? 聴こえんなぁ。

エロシーンは常にsage続け、エロが終わったら10レスくらい連続でageます。エロが苦手な人は参考にして下さい。

では、書き溜めて参ります。



698: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 05:02:19.25 ID:FjeZmfl00

 パチン──、という音と共に、部屋が真っ暗になった。
 いや、完全な闇というわけではない。ベッドの脇に置いてある燭台に火が灯った。真っ暗ではいけないと思っ

て提督が点けたのだろう。
 金属テールの上に乗った皿に、短い蝋燭の火が曖昧にゆらゆらと揺れている。その火を見ると、私の心も、身

体も、なんだか曖昧になった気分がした。
 隣に立っている瑞鶴と目が合う。彼女が小さく顎を引いたのを見て、私も意を決して足を進めた。
 提督はベッドに座っていて、私と瑞鶴を静かに待っている。その表情は、仕事で見せる厳しい顔付きでもなく

、時折見せる優しい表情よりも、柔らかく温かみのある顔をしていた。
 私は提督の左に、瑞鶴は右に座った。
 瑞鶴は身体を提督に寄せたが、私は恥ずかしくて拳一つ分の隙間を空けて座っていた。
(あ……瑞鶴、頭を撫でてもらってる……)
 私よりも一歩先に進んでいる瑞鶴は、提督に頭を優しく撫でられていた。
 その彼女の顔はとても幸せそうで、そんな彼女を撫でる提督もまた、幸せそうに見えた。
 私もしてもらいたい……。けど、勇気が出ない。
 こういう時に限って、本当の私が前に出てくる。とても弱く、そして臆病な私が。
 普段は気丈に振舞っているくせに、どうしてこの時に弱くなってしまうのか、自分で自分が情けなくなった。
「ひゃ……」
 そう思っていると、急に提督は私の肩を抱いて引き寄せた。
 ……この察しの良い提督の事だ。きっと私が何を考えていたのか想像できたのだろう。
 触れている身体が、優しく撫でてくれる手が、私のさっきの気持ちを溶かしていく。
 それでも私は弱いままだ。いや、この弱い私こそが本当の私だ。
 そんな私を、提督は真っ直ぐ見てくれた。真っ直ぐ向かい合ってくれた。
 だから私は素を出せる。甘えれる。そして、求めてしまう。
「提督さん……」
 か細い声で、瑞鶴は提督の名を口にした。
 少し下から覗き込むようにして、提督の目と唇を交互に見ている。
 私から見ても分かるほど明確なおねだりだった。
 するり、と提督の手が私から離れ、瑞鶴の顔へと触れる。
「ん……」
 少しくぐもった声。閉じた二人の瞼。触れ合っている唇──。二人のキスを見て、少しだけ嫉妬した。
 寂しいけれど、ここは我慢をするべきだろう。瑞鶴が先に行動を起こしたのだ。先にしてもらう権利は瑞鶴に

ある。
「ぁ……は、あ」
 瑞鶴の艶めかしい声が、室内に広がる。
 この薄暗い中でも分かるくらいに彼女は紅潮させていた。
「ん、ふ……ぁ…………んん……」
 ジクジクと胸が痛み、脈拍が速くなる。
 私がキスをしてもらった時、瑞鶴は今の私と同じ気持ちだったのだろうか。嫉妬と羨望と羞恥と期待が混ざり

合い、ぐちゃぐちゃになって訳が分からない、この気持ちと……。
 そう思ったら、少しだけ罪悪感が胸に刺さった。
「ん…………」
 二人の唇が離れる。
 その離れた唇の間には、私の時と同じように銀の橋が出来上がっていた。
 なるほど。雷が言っていた意味が良く分かる。これはエロい。
 提督が先に目を開いた。その数瞬後、瑞鶴も同じように開く。
 その瑞鶴の瞳は潤っており、今にも溶け出しそうな程トロけ、息は荒くなっていた。
 そんな状態の瑞鶴の頬を一撫ですると、提督はこっちへ振り向いた。
「金剛」
 いつもとは違う、とてもとても優しく甘い声。
 その声に、胸を絞られたかのように息苦しくなった。
 ドキドキする。上手く息ができない。
 私の肺は酸素を求め、少しだけ速く、浅く呼吸を繰り返した。
「大人しく待っていたから、ご褒美」
「え──きゃっ」
 そう言うが早いか、私の手首を掴み、背中に腕を回すと、そのまま押し倒してきた。



700: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 05:03:00.99 ID:FjeZmfl00

「んっ──んんっ」
 片腕は軽く押さえつけられ、背が少しだけ反るように持ち上げられ、そして口を塞がれた。
 これはダメッ──前の比じゃない──!
 無理矢理だけど、無理矢理でない、荒々しい甘いキス。
「んっ! んぅっ! ぁ──っは!」
 口の中を蹂躙するように提督の舌は私の舌を貪り、口内を犯す。
 強引なのに、とても優しく、愛がある。
 まるで飴を与えられながら鞭で叩かれているような感覚。その感覚に、私の頭は一瞬でトロけてしまった。
「あ……ぁ…………ふ、ぁ……っ」
 だらしなく口を開け、提督が蹂躙してくれるのを受け入れ続ける。それが、堪らなく気持ちが良い──。
 不意に、口を離された。何の前触れもなく、パッタリと。
 一気に訪れる虚無感。胸がキリキリと痛んだ。
「ん……ダメ、もっと……もっとぉ……」
 だから、ねだった。だらしなく口を開けたまま、提督に唇を、歯を、舌を、口内の全てが犯されるのを待った


 それに応えてくれたのか、提督は優しく微笑んで柔らかく口を付けてきた。
 今度のキスは、さっきよりも優しかった。
 手の拘束は解かれ、その手は私の頬へ添え、浮かせられていた身体はふかふかのベッドへ下ろされた。
 胸が温かい気持ちで一杯になるキス。
 舌でお互いの口内を撫で、愛を分かち合っているようだった。
「ん……」
 だんだんと触れ合う回数も減り、最後は唇で触れ合うだけになった所で、また口が離れていった。
 けれど、さっきとは違って満足な終わり方だ。幸せな気持ちが溢れている。
 ふと、瑞鶴の方へ顔を向けてみると、彼女は俯き、手の中の小瓶を弄んでいた。
 その姿は、無視をされた子犬のようにも見える。
「大人しく……待ってたんだからね……?」
 弱々しくそう言うと、小瓶を開けて口に含んだ。
「…………っ」
 苦かったのだろう。少し顔を引き攣らせると、チラリと私へ目配せしてきた。
 中身は何か知っている。これと同じものを彼女から貰い、そして説明をしてもらった。
 それを飲み込む様子を見せず、瑞鶴は提督へ無理矢理キスをした。
 提督は少し驚いた顔をしたが、すぐに受け入れ、ほとんど舌を絡ませるだけの口付けを続けた。
 その意図に、すぐに気付く。
 彼女はこの媚薬を、口移しで提督に分けているのだ。
「んく……っ」
 ほんの数秒の口移しの後、彼女は口の中の液体を飲み込んだようだ。
 提督が私の方へ向き、顔を近付けてくる。
 提督の意図を理解し、私は舌を少し出した。
 ──我慢はできない程ではないが、確かにそれは苦かった。
 まるで粘膜に刷り込むよう、念入りに舌を絡ませてきた。
 媚薬と、提督と私の混ざった液体が口の中に溜まった頃、私はその液体を飲み込んだ。
 効果はすぐに現れた。
 身体が熱いほど火照り、下半身──特に子宮辺りにドス黒い何かが溜まっていくのが分かった。
 性欲で身体が震え、息が荒くなる。
 それは瑞鶴も一緒のようで、必死に堪えるように身体を強張らせていた。
 あまり感情を出さない提督も、今回ばかりはそうもいかなかったようだ。
 少しばかり顔を引き攣らせ、私や瑞鶴と同じように息が荒くなっていた。
「ん……」
 提督を欲しがる身体をなんとか抑え付け、瑞鶴の隣に座り、一緒に仰向けで倒れた。
「てぇとくぅ……」
 自分でもびっくりするくらいの甘い声──。
 その声に反応したのか、提督は私たちに覆い被さってきた。
「────ぁっ」
「んっ!」
 最初はお腹だった。気を遣っているのか、服の上から臍の辺りを優しく撫で回している。
 けれど、それも長くは続かなかった。
 手はだんだんと上に登っていき、胸へと辿り着く。
「ぁ、ぅ……!」
「ひっ、ん──っ」
 私は脇の隙間から、瑞鶴はY字となった服の隙間から手を入れられ、ゆっくりと胸を愛撫してくれた。
「んっ……ぁ、っ──んん……」
 サラシは巻いてきていないので、提督の手が直接触れる。
 触られた箇所がビリビリする。円を描いて胸全体に指を這わされ、ゾクゾクした。



701: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 05:03:53.71 ID:FjeZmfl00

「ぁ……ひゃんっ! アッ!」
 瑞鶴は敏感なのか、既に大きく喘ぎ始めていた。
「は、ァ──ッ! ひんっ、あぁっ! や、やぁぁ……ひっ、乳首……やぁ──あっ!」
「ん……ぅ! ず、るいです……はぁ──、わた、しも……あぅ!?」
 瑞鶴がさっきから攻められているように、私も乳首を攻められた。
 コリコリに硬くなっているのが自分でも分かる。
 触れられると身体が震え、なぞられると声が我慢できなくなって、摘ままれると大きく喘いだ。
 その間もお腹の奥にあるドス黒い何かは大きくなっていき、アソコに力を加えたり緩めたりしていた。
 ──たっぷりと胸を愛撫され、私達は息も絶え絶えとなっていた。
「瑞鶴、涎」
「や、やぁあ……止めないでぇ……言わないでぇ……」
「金剛、涙」
「てぇとく……もっとぉ……もっと、くださいぃ……」
 気持ちが良くて、頭の中はトロトロになっている。
 まともな思考など既になく、ただ快楽が欲しいとばかり思っていた。
 ──ちゅくっ……。
「ん……っ」
「ぁ…………」
 重く、粘度の高い音が頭に響いた。
 鳴った場所は二箇所。私と、瑞鶴の股からだ。
「ぐしょぐしょだな。触るだけでべっとりだ」
 そう言って、手を私達に見せてきた。
 提督の手は私達の愛液で塗れ、蝋燭の光でぬらぬらと光っていた。
 それを、私はボーっと眺めていた。
 ……あそこまで濡れているのなら、もう準備は出来ているだろう。
「てぇとく……ほしい、です……」
 なんとか声を振り絞る。
「わたしに、てぇとくを……てぇとくの、ください……」
 我慢なんて、できなかった。
「……ほぐしていないぞ」
「いいからぁ……いいですからぁ……!」
 欲しくて欲しくて、堪らない。
 異物が身体に侵入してくる怖さはある。けれど、それ以上に提督の肉棒が欲しかった。
「…………分かった」
「あんっ」
 抱き起こされ、提督は仰向けになり、腰の上に座らされた。
「自分で挿れるんだ」
「そ、そんなぁ……」
 トロけた頭でも、物凄く恥ずかしかった。
 それでも──。
「ゆっくり……ゆっくり挿れなさい」
「はぁ、い……」
 私は欲しかった。
 提督のズボンを下ろし、男根を取り出す。
「あ……」
 硬く、そして強い弾力を持った、大きく太い肉の棒──。
 軽く匂いを嗅いでみると、男の人の匂いが強くした。
 初めて、男の人の性器を見た。
 初めて、男の人の性器を嗅いだ。
 ──それが、提督で本当に良かった。
「やだぁ……ていとくさん……わたしもぉ…………」
 提督に跨る形となった時、瑞鶴も私と同じようにおねだりをした。
「指で我慢できるよな?」
「できるっ……できるから、あとでちょうだい……っ!」
 そのやりとりを無視し、私は目を瞑って、膣口へ提督の肉棒を添えた。
「んっ……」
 熱い。
 提督の大事な熱いモノが、私の大事な部分に触れている。
 これから私の純潔を提督に捧げる──。そう思うと、とても嬉しく思った。
「ん、ん……っ」
 身体に力は入れていない。いや、入らない。
 だから精一杯、自分の腰をなんとか浮かせていた。
 ハジメテは痛いと聞いたので、ゆっくり、ゆっくりと、提督の肉棒を私の膣内へ沈みこませる。
 入り口はすんなりと通ったが、すぐに何かに阻まれてしまった。
「ていとく……分かりますか……? はぁ……。これが、わたしの…………処女膜、です……んっ」



702: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 05:04:41.48 ID:FjeZmfl00

 これを破ると、痛く、そして血が出ると聞いている。
 でも、それでも、それは私にとって、嬉しいと思えた。
「ぁ……あ、ぁぁ…………」
 ゆっくりと、じっくりと、提督の肉棒の形を覚えながら腰を下ろしていった。
「あ、ぐ……ひ、ぁ……ぁっ、ん……!」
 少しだけ、痛みが走る。
 それに驚いて、少しだけ腰を引かせてしまった。
「は、ぁ……はぁ……ん、んんっ……!」
 痛いけれど、肉欲と純潔を捧げたい気持ちには敵わない。
 私は、再び体重を掛けた。
「ぅ──く……んっ、ぁ……!!」
 ズルリと、いきなりスムーズに膣の奥へと肉棒が滑り込んだ。
「ぁ……あぁ…………あー……っぁ」
 そこからは速かった。
 背筋がゾクゾクしながら、私は腰を提督の腰へ下ろしていった。
「ん……ぁ、ゃんっ!」
 完全に腰を落とした時、トン、と何かが奥の壁に当たった気がした。
「はぁー……は、ぁ……全部、入り、ました……んっ……」
 嬉しい。心の底から嬉しい。
 提督の熱さがお腹の底で感じる。
 子宮辺りに溜まっていたドス黒い何かが、満足したかのようにスゥーっと消えていった。
「痛く、なかったです……けど…………んっ」
 自然と、腰が動いた。
「あ……は、んんっ──きもち、はぁ……っ……いいで、す……っ!」
 少しだけ腰を浮かせ、ゆっくりと下ろす──。
 提督の肉棒の形を、身体で、頭で覚えながら、ゆっくりと動かした。
「あぁ……ぁ…………ん、ふ、ぅ──っあ……」
 傘の部分が、私の膣壁を抉っていく。
 ズルズルと引き抜き、呑み込むように奥へ誘うと、甘い電気が全身を駆け巡った。
 にちゃり、にちゃりと粘っこい水の音が部屋に響く。
「っ──あ、はぁ……! ひ、っぁあ、あっ!」
 その水音の鳴る間隔は、だんだん速く、大きくなっていった。
 ギリギリまで引き抜く時、背骨から頭の芯へ電気が走っていく。
 子宮口と亀頭がキスする時、お腹の底にズンと深い快楽が溜まっていく。
「あっ、はぁ、んっく──ゃあ、あっ! はぁ、ぁあぁぁ!」
 単調に、ただ単調に腰を振る。
 膣壁のいたる所が抉られ、穿たれ、擦られる──。
 それが、堪らなく気持ち良い。
「あ、ぅ……!」
 初めての深い気持ち良さに疲れ、身体が倒れこんでしまった。
 それでも、ゆっくりと腰が動き続ける。
「あぁ……あっ、はぁ……っ!」
 さっきまでとは違った場所が刺激され、身体が震えた。
「──あくっ!?」
 突如、深く強く、肉棒が私の奥を襲った。
「すまん、金剛……もう、我慢できない」
「あっ、はぁ! やぁ、あっ! ──ひ、ぐ、ぅぁっ!」
 提督が、腰を激しく動かし始めた。
 ゾリゾリと膣壁が削られる。
 電気が身体中を駆け巡る。
 子宮が壊れてしまうんじゃないかってくらい、提督の肉棒は激しく暴れまわった。
「ま……って! あぁ! やっ! はっ──あん! こ、怖い! なにか、くるよぉ!」
 頭の奥で、何かが膨らんでいく気がした。
 どこからともなく来るそれが、とても怖かった。
 その怖いのから逃げる為、私は提督にしがみ付いた。
「て、とく──あぐっ! てっ! と……っい──くっ! ていと、くッ!」
 頭の奥で膨らんでいる何かは、もう限界ではち切れそうだった。
 提督の肉棒もまた、ビクビクと脈動して膨らんでいく。
 全身に力を入れ、必死に提督を呼び続け、私は提督に助けを求め──。
「くっ……!」
「ア──────ッッ!! ひ、ぁあああぁぁあッッッッ!!!!」
 膣の奥で、熱い液体が撒き散らされると同時にソレは、パチンと弾け飛んだ。
「あ、アアっ! ひ、あぁあ! あ、はぁああっっ!!」
 中身が津波のように私に襲い掛かり、その間はずっと、全身に電気が流れ続けていた。



703: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 05:05:14.97 ID:FjeZmfl00

 目の前がパシパシする──。
 瞑っているはずなのに白くフラッシュする。
 ──やがて波はゆっくりと引いていき、小さな波が私の身体を痙攣させていた。
 頭の中が真っ白だ──。何も考えれない──。
 自分は荒々しい息をしていると気付いたのは、それからどれくらい経った後なのか分からない。
 けれど、ハッキリと分かった事が一つ。
「ていとく……すごく……きもちよかった、です……」
 あれが、イったというものなのだろう。
「ん…………っ」
 膣からズルリと肉棒が引き抜かれる。
「あ……や、やだ! 何か垂れてきてます……!」
 股間から何かが垂れてきそうな感覚に慌て、お漏らしをしてしまったのかと思った。
 けど──。
「あ……これって……」
 それは、白くドロドロとした液体──提督の、子種だった。
「あはっ……。嬉しい……」
 目を瞑り、お腹をさする。
 ──熱い、提督の子種を感じた気がした。
「金剛、さん……」
 隣で、切ない声が聴こえてきた。
「はやく……はぁ……わたし、にもぉ……」
 瑞鶴が、甘ったるい声で身体を震わせていた。
 きっと、ずっと我慢していたのだろう。
「──はい。次は瑞鶴の番です」
 まだこの余韻を楽しんでいたかったけど、仕方が無い。
 私は満足したのだ。次は瑞鶴が満足をする番だろう。
 ……………………────────。
「ぁっ──はぁ……! ひ、っかは、あっ!」
「わぁ……」
 瑞鶴は、物凄かった。
 腰を上下前後に激しく振り、喘ぎ声も悲鳴に近いものだ。
 私よりも身体が少しだけ小さいのに肉棒は根元まで咥え込み、それを悦んでいる。
 見ているこっちが恥ずかしい。
 けれど……自分も同じだったのだろうかと思うと、嬉しくなった。
 あれだけ周りが気にならなくなるほど、気持ち良かったのだろう。
 それだけ、提督と一つになれたのだろう。
「ん──っ!! い、あッ──、あぁああっっっ!!! ────────ッッ!!!」
「すごい……」
 声になっていない声をあげ、瑞鶴はイった。
 痛いんじゃないかってくらいに背を反らせ、提督の子種が入っている袋に瑞鶴の大事な部分が触れるほど深く挿し込まれている。
 ビクビクと二人が痙攣する度に、提督の子種が瑞鶴の奥深くに放たれているのが良く分かる。
「わ、私もこうだったのでしょうか……」
 恥ずかしいけれど、凝視してしまう。
 やがて二人の痙攣が終わると、瑞鶴は提督へ倒れた。
 二人共、肩で息をしている。それだけ疲れても気持ちが良いから止められない。
 それは、私も良く分かっていた。
 行為を終えた二人へ四つん這いのまま這い寄って、そして、提督の隣で寝転がった。
「提督……とても気持ち良かったです……」
 瑞鶴の頭を撫でつつ、提督はこっちへ微笑んでくれた。
 ……私もああやって撫でてもらえたのだろうか。
 イった直後は何もかも分からなくなっていたので、実感が沸かない。
 …………明日、瑞鶴に聞いてみよう。恥ずかしいけど。
 そして──私達は裸のまま、提督を抱き合って眠りに就いた。
 とても幸せな気持ちをそのままに、幸せのまま、私達は意識を落とした──。

……………………
…………
……



722: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/24(木) 14:19:36.98 ID:LXoafl12o

そう言えばいつの間に裸になったんだろう?



730: 722 2013/10/24(木) 17:32:55.52 ID:BQR8/V9Ko

ごめん、揚げ足取りみたいで。
703で
> そして──私達は裸のまま、提督を抱き合って眠りに就いた。
ってあったからちょっと気になったの。
小説とか漫画でもいつの間に?!ってのが弱い。



732: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 17:35:35.87 ID:cMTc2tom0

>>730
うがあああああああああ!!!!! それ超絶ミス……。ありがとう、指摘してくれて。



729: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 17:17:40.85 ID:cMTc2tom0

金剛「えへへー」ナデナデ

瑞鶴「……金剛さん、ちょっと良いかしら」

金剛「なんですかー?」ナデナデ

瑞鶴「どうしてお腹を撫でてるの?」

金剛「だってー、提督の精子がまだ残ってる感じがしてー」ナデナデ

瑞鶴「ぶっ! ちょ、ちょっと金剛さん! はしたないって! いくら私達の部屋でも、そういうのは……その……」

金剛「はしたない事をしたのは事実じゃないですかー」ナデナデ

瑞鶴「……そうだけど…………」

金剛「あっ、と……流石にトロけるのも止めないといけませんネ。──ところで、私も聞いて良いですか?」ナデナデ

瑞鶴「うん? 良いわよ。何?」

金剛「私と提督が果てた後、提督は私に何かしてまシタか?」ナデナデ

瑞鶴「え? うん。頭を撫でていたわよ。…………うろ覚えだけど」

金剛「そうですか……良かった……」ナデナデ



731: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 17:34:38.30 ID:cMTc2tom0

瑞鶴「……あの、それって私もなの?」

金剛「そうデスよ。瑞鶴も気にする余裕がなかったようデスね」ナデナデ

瑞鶴「う、うん。頭の中がフラッシュっていうか白くなったっていうか……何も考えれなかった」

金剛「ワオ! 私もデース! ネ、ネ。テートクのアレはどんな感じでした?」

瑞鶴「う……そ、そんなの、金剛さんも分かってるじゃない……」

金剛「人によって感じ方が違うみたいデース。どこかでそんなデータを目にしまシタ」

瑞鶴「朝からなんて話をしてるのよ……もう……」

金剛「だって今、テートクはお偉い様とブラックなお話していますし……。今日はお休みになりましたし、暇デース……」

瑞鶴「うー……」

瑞鶴「……………………分かった。言うから、金剛さんから言って」

金剛「ヤッタ!」

瑞鶴(西洋の人って、皆こんな風にオープンなのかな……)



734: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 17:53:46.97 ID:cMTc2tom0

金剛「一言で言うと、大きかったデス。子宮に当たった気がしましたネー」

瑞鶴「あ、子宮って痛覚が鈍いみたいよ。だから、当たった気がするって事は、結構押し上げられてると思う」

金剛「そ、そうなのデスか?」

瑞鶴「うん。人によっては敏感みたいで、少し押し上げられるだけで痛いって人も居るみたい」

金剛「……テートクのアレ、たぶん18センチはありましたよね? 一体どれだけ押し上げられてるんですか。おヘソの下に届きそうデスけど……」

瑞鶴「詳しくは知らないんだけど、膣って結構伸びるみたい。15センチくらいまでは普通に伸びるみたいよ。ちなみに、通常の状態の膣の長さは6センチ程度みたい」

金剛「三分の一しか入らないじゃないデスか!? と、という事は……その数字ですと、私達は12センチも押し上げられているのデスか……?」

瑞鶴「私は金剛さんより身長が結構低いから、もっと押し上げられたかも……」

金剛「だからあんなに凄い声が出ていたのですネ……」チラ

瑞鶴「うぇえ!? わ、私そんなに凄い声だった……?」

金剛「……悲鳴とちょっと間違えそうでシタ。痛くなかったのデスか……?」

瑞鶴「全然……。むしろ、頭がバカになったみたいに気持ち良かった……」



735: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 18:09:03.93 ID:cMTc2tom0

金剛「私もデス。特に亀頭の雁首みたいな部分で削られてる感覚は感電したみたいでしたネ……」

瑞鶴「金剛さんはそうなんだ? 私はお腹の奥に杭を打たれてるみたいだったわ」

金剛「……それ、痛くないデスか? というか、そこまでいくと子宮に入ってるんじゃないデスか……?」

瑞鶴「さっきも言ったけど、痛みは全然……。…………むしろ、掻き回されてるみたいで凄く良かった。子宮には……入らないはずだけど……どうなんだろう」

金剛「で、でも……赤ちゃんは子宮から出てきマスよね……」

瑞鶴「十ヶ月は出てこないから、出産の時だけ開くんじゃないのかしら……」

金剛「…………」

瑞鶴「…………」

金剛「……テートクなら、知ってるでショウか」

瑞鶴「やめなさい……吊るされるわよ……」

……………………
…………
……



737: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 18:21:21.07 ID:cMTc2tom0

提督「──皆さん、急な呼び掛けなのにも関わらずお集まり頂きましてありがとうございます」

大将A「なぁに。深海棲艦の事で分かった事があると報せがきたのだ。仕事など放っておいて飛んでくるさ」

大将B「うむ」

大将C「だが、君には追求せねばならん事があるのも事実。私はそれも聞きにきた」

提督「重ねてお礼を申し上げます」

提督「では、なぜ私が命令を無視してまで戦ったのか、という所からお話します」

提督「それは、報告で聞いた敵艦と数が違い過ぎるという事から始まりました」

大将C「違い過ぎる?」

提督「はい。報告によると、敵艦は数十隻は確認されていたはず。それなのにも関わらず、彼女らは五隻という少ない数でこの鎮守府へ向かってきていました」

大将A「五隻……そんな馬鹿な」

提督「事実です。私は最初、報告ミスかと考えました。ですが、一刻と争う状況でしたので考えない事にしました」

提督「旗艦を瑞鶴にする事で私と常に同伴する事にし、私は戦闘の流れで彼女と逃げるつもりでした……が、敵の戦闘能力は高く、そして非常に錬度の高いものでした。これは私のミスです」

提督「彼女らの砲撃は凄まじく、私の艦隊は避ける事で精一杯でした。避けるにつれ艦娘は散り散りになり、とうとう私の近くには瑞鶴のみとなった所、南方棲戦姫が私達のすぐ近くまで近寄ってきたのです」

大将B「……俄かに信じがたい。なぜ敵が砲撃をせず近寄ってきたのか」



738: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 18:38:05.21 ID:cMTc2tom0

提督「それは今から説明致します」

提督「深海棲艦は元々、艦娘だというのは皆さんご存知でしょう。そして、瑞鶴は唯一その深海棲艦から艦娘に戻った例外です。深海棲艦は、その事を一目で見抜き、私に尋ねてきました」

提督「なぜ、その者は艦娘の姿をしているのか、と」

大将B「…………」

提督「私は瑞鶴の真実を話しました。すると、南方棲戦姫は協力関係になると言ってくれたのです」

大将A「まさか」

大将B「…………」

大将C「出鱈目を言っているのではなかろうな?」

提督「確実なる証拠がございます。──二人共、出てきてくれ」

戦姫「はい」

ヲ級「?」

大将A・B・C「!!」

提督「……大将殿達が不安に思う。後ろではなく私の隣に来てくれ」

戦姫「す、すみません!」スタスタ

ヲ級「♪」テテテ

大将C「これは……なんという事だ」

大将A「まさか深海棲艦が……しかも、元帥を殺した南方棲戦姫が、こやつの言う事を聞いているだと……」

大将B「……………………」



739: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 18:56:47.43 ID:cMTc2tom0

提督「この通り、南方棲戦姫──戦姫は私と協力関係となっています。瑞鶴以外の艦娘と顔を合わせるのは非常にまずいのが扱いの難しい所ですが……」

戦姫「すみません……どうしても艦娘への憎しみが抑えきれな──」

提督「む……」

ヲ級「♪」ギュー

大将A「…………」

大将B「…………」

大将C「…………」

戦姫「…………」

大将A「……やけに懐かれているようだな?」

提督「どうやら私は二人が艦娘の時の提督と似ているらしく、彼女達の当初の目的は私の拉致だったようです」

大将A「ほう」

提督「特に彼女達は当時の提督に厳しく躾けられていたようで、記憶などは抜け落ちているものの、他の深海棲艦とは違い、提督を求めています」

大将C「そうなのか、貴様」

戦姫「…………」ピク

戦姫「誰が貴様だ、薄汚い人間」



740: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 19:09:52.80 ID:cMTc2tom0

大将C「なんだと……?」

戦姫「私達の上官となって頂きたい人間はこのお方のみだ。その他の人間は知らん」

大将C「貴様! それでも本当に元海軍か!!」

戦姫「そう。お前が言うように『元』だ。今は貴様らと敵対している深海棲艦という立場なのを忘れるな」

戦姫「このお方に感謝するんだな。今の私は兵装を取り上げられている。本来だったら貴様みたいな下衆の臭いがする粗大ゴミなど塵も残さず殺している所だ」

戦姫「それとも……兵装を返してもらった時に貴様の臭いを辿り、貴様諸共母港を破壊されたいか?」

大将C「馬鹿な……!! 深海棲艦は母港を襲わないはずだろう!! それに、なぜ元帥の居た母港を襲った!!!」

戦姫「艦娘を物のように扱うその姿に腹が立った……。ただそれだけだ。確かに遠き過去の家である母港は傷つけたくない……だが、下衆が手にしている母港など特別に想う必要も無い」

大将C「ならなぜ……なぜこやつには従う!! こやつも私達と同じ──!」ガッ

戦姫「ふざけた事を抜かすな下衆」ググ

提督「戦姫、やめろ」

戦姫「はい」スッ

大将C「カハッ──! ハッ……!」

戦姫「ふん……」



741: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 19:21:24.02 ID:cMTc2tom0

戦姫「このお方は貴様らとは違って艦娘を思いやっている。一人の人として扱っている。それが貴様らと同じなどとは、片腹が痛いわ」

大将B「……あくまで協力関係、という訳か」

戦姫「察しが良いな。そこで転がっている間抜けとは違う」

大将C「ぐ……っ!!」

戦姫「間抜けの貴様でも分かるように言ってやろう。私達は貴様ら海軍に従っているのではない。このお方個人に従っているだけだ」

戦姫「貴様らが何を企み、望んでいるのかは知らないが、私達が戻ったら何か貴様らに有益なモノがあるのだろう」

戦姫「利害が一致しているだけだ。私達は艦娘に戻りたい。貴様らは戻った私達を何かに使う。それさえ無ければ殺し合う関係だというのを忘れるな」

大将C「ちぃ……!」

提督「……話は終わりましたか」

大将C「──なぜだ!!? なぜコイツを好き放題に言わせた!! ああ!? 新参者!!!」

提督「…………」

大将C「何か言ったらどうだ!!?」



742: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 19:37:16.74 ID:cMTc2tom0

提督「……大将A殿、大将B殿。私は、冷静な判断を下す事すら出来ない者は我々の計画に支障をきたすので要らないと思いますが──」コツコツ

大将C「ッッ!!!」

提督「──どうお考えですか?」コツ…

大将A「そうだな」

大将B「うむ。不要だ」

提督「このままでは間違った判断を下し、声を荒げ、我々の計画を明るみに出す可能性があります」スッ

大将C「な……あ……銃…………!!」

提督「如何致しましょう」ガチリ

大将C「…………ッ!!」

提督「例えば──」グッ

大将C「や、やめろぉぉお!!!」

ガキンッッ──!!



743: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 19:51:46.00 ID:cMTc2tom0

提督「…………」

大将C「あ……あ…………」

提督「──このようにしてしまう、とか」

大将C「ひっ──!」

大将B「それはならん。そんな奴でも数少ない駒だ」

大将A「うむ。使える駒は使わなければ。────次は、その引き金を引いても良いがな?」

大将C「!!」

提督「畏まりました」スッ

大将C「…………っ!」

提督「ああ、安心してください大将C殿。今のは不発ではなく、弾を入れていませんでしたので」

大将C「!!! ぐ……!! 少将風情が……!」

大将B「……無能め」

大将A「やはり我々の計画に加担させるのは間違いだったか?」

提督「……大将C殿。お忘れなく」

提督「私も貴方と同じく、大将ですので」

大将C「な……!!」

提督「おや、申し訳ありません。大将以上にのみ与えられる暗号で報せを送りましたので気付いているかと」

大将C「ぐ……! ぐ、ぅ……!!」ギリィ



745: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 20:04:12.08 ID:cMTc2tom0

提督「私から伝える事は以上です。今後の方針は皆さんで決めて頂いても宜しいでしょうか。私はこの鎮守府を護らなければなりませんので」

大将B「……一つ、問いたい」

提督「なんでしょうか」

大将B「今回の会合、どうも腑に落ちん。本当の目的はなんだったのだ」

提督「深海棲艦と協力関係になった……と、文章だけでは信憑性が薄い、と思いましたので」

大将B「筋の通った言い訳だな」

提督「…………」

提督(ち……。思ったよりも勘が良いな)

大将B「何を隠しておる」

提督「…………」

提督「ふぅ……負けました。お話します」

提督「そこで無様に腰を抜かしている豚が原因です」

大将B「……ふむ」

大将C「な、何を──!!」

提督「黙れ」ジャキッ



746: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 20:15:14.46 ID:cMTc2tom0

提督「貴重な戦力である艦娘をゴミのように沈没させ、我々の敵である深海棲艦をいたずらに増やしているのはどこのどいつだ」

提督「年間千隻沈んでいる艦娘の四割を貴様が占め、それに対する戦果も上々とは言えない。どんな人物かと思い会合を果たしてみれば、状況を分析、判断する能力が無く、計画に支障をきたしかねないこの体たらく」

提督「お二人が貴様を庇わなければ、二度目の引き金を引いている」

大将C「何を……! 弾が入っていない銃など──」

提督「まだ気付いていないのか愚図。どこの世界に弾を全部抜いている指揮官が居る」ガチリ

提督「やはり、お前は戦姫の言うようにゴミだな。──いや、ゴミにもならない癌といった所か」

提督「図に乗るなよ大将C。貴様は実力でソコに座っているのではなく、数合わせで座らせてもらっていると知れ!!」

ガァンッ──!!

大将C「────あ……ぁ……」

提督「これで分かったか大将C。次は当てるぞ?」

提督「──大将B殿。これが今回、無理をしてまで集まって頂いた理由です」

大将B「…………なるほど、良く分かった。今後、こやつに重要な仕事は回さないようにする」

提督「ありがとうございます」



747: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 20:30:56.92 ID:cMTc2tom0

大将A「ふむ……このソファ、傷が付いてしまったな。新品と取り替えよう」

提督「いえ、これは私が撃ったがゆえ付いた傷です」

大将A「それをこやつの提督室に置いておけば、嫌でも今日の出来事を思い出すであろう。戒めだ」

提督「なるほど。理解しました」

大将B「後で資料と計画書を送っておくよ。元帥は居なくなったが、君ならそれを埋めてくれそうだ」

提督「勿体無いお言葉です」

大将C「くそ……! くそっ……!!」

提督「…………」

提督(悪いな、大将C。利用させてもらった)

──バアアンッッ!!

金剛「今のは何デスか!!!」

瑞鶴「提督さん! 大丈夫!?」

戦姫「…………!」グッ

提督「金剛、瑞鶴……」

金剛「提督……ご無事なようで。……銃声が聴こえたので駆けつけてきたのデスが、何があったのデスか?」



748: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 20:43:18.94 ID:cMTc2tom0

提督「銃が暴発しただけだ。怪我はない」

金剛「良かった……。提督に何かあったらどうしようかと……」

提督「それよりも、大将殿達がお帰りになられる。道を通してやってくれ」

金剛・瑞鶴「あ──。ハイ! 失礼しました!!」ピシッ

大将B「よい。提督思いの良い艦娘だ。どれだけ信頼されているのかよく分かるよ」

大将B「今後とも、頑張りたまえ」

金剛・瑞鶴「はっ! ありがとうございます!」ピシッ

大将A「では、今度こそ帰らせてもらうよ」

提督「はっ! お気を付けて」ピシッ

……………………
…………
……



749: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 20:52:37.73 ID:cMTc2tom0

金剛「それで結局、何があったんですか?」コクコク

提督「奴ら二人から信用を得る為に一人を利用して撃った。一人、勘の良い奴が居たのでな」ズズ

瑞鶴「ふぅん……? 大丈夫なの?」チビチビ

戦姫「恨みが飛んできそうだな」コク

ヲ級「♪」コクコク

提督「そんな事をしたらどうなるか、流石に分かるだろう」

金剛「……それより、ちょっと二人に聞きたいんですけど良いですか?」

提督「なにかね」

金剛「……男性器って、子宮に入るんですか?」

瑞鶴「ぶっ!?」

戦姫「…………」

ヲ級「?」

提督「……………………いきなり何を言い出す。いや、なぜ私にも聞いた。私は男だぞ」

金剛「だって……他の人になんて聞けませんし…………頼れる人が提督しか居なかったのです……」



761: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 22:28:25.91 ID:cMTc2tom0

提督「……はぁ」

瑞鶴「…………」ビクビク

提督「戦姫、パスだ」

戦姫「ごめんなさい……分かりません……」

提督「…………そもそも、どうしてそんな事を聞いてきた」

金剛「あ……あの……耳を貸してください……」

提督「…………」スッ

金剛(……もし入るのでしたら、入った状態で射精して欲しいなぁ……と……。もっと奥なら、もっと幸せになれるのかな……と思いまして……)ゴニョゴニョ

提督「……………………」

金剛「…………」ドキドキ

提督「……結論から言うと、入らん」

金剛「!」ガーン

瑞鶴(やっぱり入らないんだ……残念……)シュン



764: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 22:54:45.48 ID:cMTc2tom0

提督「子宮は膣と大体直角になっているのが基本だ。そう言えば無理だと分かるだろう」

金剛「直角……」

瑞鶴(ふぅん……直角なんだ……だったら無理よねぇ……)

戦姫(そもそも、なぜそんな事を知ってるんですか……?)

金剛「!」ピーン

金剛「だったら、直角じゃなかったら良いんですよね?」

提督「……何を思い付いた」

金剛「ほら、膀胱が膨らめば少しは真っ直ぐになりますよね?」

提督「…………本当に勘が良いな」

瑞鶴(あー、なるほど。膨らんだ分、垂直になるよう押されるもんね。……漏らしそうで怖いけど、やってみる価値はあるかも?)

戦姫(え、膀胱が膨らんだらって……え……なんで?)

提督「それでも無理だ。子宮口は出産する時にしか開かない。無理に抉じ開けようものなら出産以上の痛みを伴うだろう」

金剛「そんなぁ……」

瑞鶴(……諦めよう)

戦姫(もう話に付いていけない……)

……………………
…………
……



772: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 23:20:21.02 ID:cMTc2tom0

コンコン──。

提督「入れ」

ガチャ──パタン

島風「提督。ちょっと相談があるの」

提督「相談? 珍しいな。なんだ?」

島風「前にさ、私は提督をお父さんと異性と二つの意味で見ているって言ってたでしょ?」

提督「ああ。そんな事を言ったな」

島風「私、どっちの目で見たら良いのか分かんないの」

提督「どっちでも良いだろう。必ずどっちかに分かれねばならないという訳でもない」

島風「それはそうなんだけどさ……」

提督「なんでも言ってみるが良い。誰かに話すだけでも楽になる事もある」

島風「……うん!」

島風「あのね、ちょっと大人向けの本を読んでみたの」

提督「島風。私は非常に嫌な予感がするのだが」

島風「うん。提督が思ってる通りだよ」



778: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 23:40:57.14 ID:cMTc2tom0

島風「それでね、私は思ったの。『裸で抱き締められたりするのは恥ずかしいけど嬉しい』それは分かるんだけど、エッチっていうのにはいまいち実感が沸かないっていうか、そもそも理解しても良く分からないっていうか……とにかく分かんないの」

提督「…………」

提督(これが思春期入り始めか……)

島風「でも、そういうのって男の人は喜ぶみたいだから、提督に喜んでもらえるならやってみたいなーって思ったの」

提督「ふむ……」

島風「ね、どうかな?」

提督「初めに言っておくと、軽い気持ちでそういう事をするものではない。と言っておく」

島風「え、そうなの?」

提督「うむ。相手に喜んでもらいたいから性行為をする。その気持ちは良いものだ。だが、実際に性行為をすると何があるのか、という事を理解しなければならない」

提督「島風。性行為はどんなものだと思っている?」

島風「え? えーっと……愛を確かめ合うとか、気持ちの良いもの?」

提督「概ね当たっている。だが、性行為というものにはリスクがある」

島風「リスク?」



781: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/24(木) 23:55:56.76 ID:cMTc2tom0

提督「まず、身体面で言うならば病気──性病と呼ばれるものがある。相手がもし性病を患っていたら、それが自分にも感染する」

島風「ふんふん……」

提督「この病気はすぐに現れるものもあれば──」

提督「不特定多数の人と──」

提督「自分の身を晒すという事は──」

島風「なるほどー……提督」

提督「なんだ?」

島風「早い話、島風にはまだ早いって事よね?」

提督「うむ。心が大人に成り切っていない島風にはまだ早い。焦らなくても良い事だ」

島風「そっかぁ……。なんだかちょっとだけ残念」

提督「島風はもしかしたら、そろそろ性欲というものが分かるようになるかもしれない。その時はどうしたら良いのか周りの大人に聞きなさい」

島風「はーい! その時は提督に聞くね!」

提督「…………」



785: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 00:16:18.36 ID:nh49VNPI0

提督「それまでの間は私を父親として甘えるのも良いだろう」

島風「だったら、今甘えても良い?」

提督「構わんぞ。なんだ?」

島風「一緒にお昼寝したい!」

提督「ふむ……。残っている仕事は……そうだな、大丈夫そうだ。構わないぞ」

島風「やったー!」ピョンピョン

提督(やはりまだまだ子供だな)

島風「ねーねー! 皆も呼んできて良いかな?」

提督「構わんが……何人呼ぶつもりだ?」

島風「駆逐艦の皆! 前に提督と一緒にお昼寝したいねーって言ってたから」

提督「駆逐艦の子達なら大丈夫だな。分かった。呼んで来い。その間に準備をしておく」

島風「はーい!」

提督(なんだろうな。どことなく瑞鶴と似ている気がする)

提督(っと、備蓄倉庫から毛布。後はドアノブに『睡眠中』とでも引っ掛けておくか)

……………………。



788: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 00:27:27.81 ID:nh49VNPI0

提督(……皆は眠ったか。流石は子供。眠りに付くのが早い。……腕が痺れるのは確定だろうな、これは)

提督(しかし……なんだって響は私の上で寝たいと言ってきたんだ。確かに片腕に三人は無理だが……)

響「…………」ソッ

提督「む」

提督(起きていたのか)

響「…………」チラ…チラ…

提督(……皆が寝ているか確認している? なぜ……)

響「…………」シー…

提督(静かにしろ、と……。何をする気だ……)

響「…………」スス

提督「…………」スッ

響「…………」スス

提督「…………」スッ

響「…………」ムー

提督(ふむ。響は怒ると目を細めるタイプか。心なしか眉もきつくなっている気もする)



790: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 00:42:27.75 ID:nh49VNPI0

響「…………」モゾモゾ

提督(む……顔の横に……これは逃げれん)

響「…………」ハム

提督「…………」

響「…………」チロチロ

提督「……………………」

響「…………」スッ

響「…………」ジー

提督「…………」

響「…………」シュン…

提督(思っていたよりも感情表現が豊かだな)

響「…………」ムクリ…ソソソ

提督「……………………」

提督(脚は……うむ、使っても問題なさそうだ)



791: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 00:58:10.16 ID:nh49VNPI0

響「…………」ドキドキ

提督「…………」ヒュッ─ガシッ

響「!?」ビクッ

提督「…………」ソー…

響「…………っ! っ!」グググ

提督「…………」ポスッ

響「~~~~~~~~……」ググ…

提督「……まだ早い」ボソリ

響「…………」シュン…

提督(……抵抗が無くなったな。放してやるか)スッ

響「!」

響「…………」モゾモゾ…ピトッ

響「……ごめんなさい。おやすみ…………」ボソッ

提督(……島風よりも響の方が問題のようだな。さて、どうしてやるべきか……)

……………………
…………
……



793: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 01:07:01.87 ID:nh49VNPI0

コンコン──。

提督「入れ」

響「司令官、いいかな」

提督「響か。丁度良い。私も響に聞こうと思っていた事がある。恐らく同じ内容だろう」

響「うん。司令官が想像している内容だよ。でも、私の相談はそれの一歩先の事なんだ」

提督「……ふむ」

響「単刀直入に聞くよ。性欲というものはどうやったら解消できるんだい?」

提督(本当に島風より先に響が問題になったな……)

提督「その性欲が、今日の昼でキスをしようとしたり、私の下半身へ手を伸ばした原因か?」

響「……ごめんよ、司令官。どうしても抑えれなくなったんだ……」

提督「それは構わない。確かに早いが、響の年齢で性欲を覚える子も居なくはない」

響「ありがとう」

提督「しかし、いくらなんでも早過ぎる。何かで知識でも得たのか?」

響「うん。暁が持っていた本なんだけど……」

提督(原因は暁か。島風の言っていた大人の本とやらも暁の持ち物といった所か)



794: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 01:17:52.78 ID:nh49VNPI0

響「それに書いていた方法を試してみてもくすぐったかったり痛かっただけだったんだ」

提督「……精神は成長していても、身体がまだその段階ではないのだろうな」

響「私もそう思うよ。だから、自分ではどうしようもなくて提督を頼りに来たんだよ」

提督「…………答えたくなかったら答えなくても良い。どういう事をしてみたんだ?」

響「流石に恥ずかしいな……。えっと、指を挿れてみたり、胸を触ってみたり…………その……アソコを撫でてみたり……したよ」

提督「ふむ……。それでダメなのか……」

響「どうしたら良いのかな……このムラムラとした感覚、色々なものに支障が出そうだから早くなんとかしたいんだ……」

提督「………………ふむ。今ので解決方法がなんとなくだが分かった気がする」

響「本当かい? 流石だね司令官」

提督「だが、少し恥ずかしいと思う。それは大丈夫か?」

響「多少なら……大丈夫だよ。皆が眠りに就いた時に布団の中でやった事もある」

提督「……それはそれでチャレンジだな」



799: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 01:27:31.57 ID:nh49VNPI0

提督「それでは、まず準備を説明する」

響「うん」

提督「まずは手を洗ってきなさい。そして響は私のベッドの上で寝転がり、ベッドのカーテンを閉める」

響「…………? うん。それでどうするんだい?」

提督「そうしたら私は窓のカーテンを閉めて電気を消す。ほぼ暗闇になるが、目を瞑り、響が今までやっていた事をすれば良い。私はその間、耳栓をしておく」

響「……確かに少し恥ずかしいけど、今までと変わらないと思うよ?」

提督「自分を慰める時に、響の手を私の手だと思い込みながらやってみなさい」

響「司令官の……────っ!! か、かなり恥ずかしいよそれは!?」

提督(やはりか。やり方を知っているだけで、本質は全く分かっていないようだったな)

響「う、うぅぅぅ……! で、でも……うん……分かった。やってみるよ」

提督「それでは、準備が出来たら声を掛けてくれ」

響「…………うん」

提督(さて……まだ夕方なのに二回目の『睡眠中』の札を引っ掛ける事になるとはな……)

……………………。



801: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 01:38:17.85 ID:nh49VNPI0

提督(ふむ。耳栓は耳栓で良いものだな。いつも以上に集中できる。……だが、時間の感覚が完全に無くなるのが)

つんつん──。

提督(ん、響か。終わったのか)スッ

提督「終わったか、響」

響「う、うん……。終わった事には終わったんだけど……」

提督「ふむ……。どうやら成功したみたいだな」

響「な、なんで分かるんだい?」

提督「頬が赤い」

響「う……。司令官……イジワルだ……笑ってる……」

提督「意地悪をしているつもりはない。お前が少し、心配だったんだ。だが、上手くいったみたいで良かったよ」ポンポン

響「あ……」

響「し……シーツを取り替えてくる!」タタタ

提督(これで響の性欲は問題解決だな。…………ああ、空き部屋の鍵を渡しておくか。今度からは流石に共同部屋ではできないだろう)

……………………
…………
……



821: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 16:02:22.33 ID:HCnL4K5l0

コンコン──。

提督「入れ」

ガチャ──パタン

金剛「テートク、お仕事はどうなっていマスか?」

提督「あと少しといった所だな。しかし、どうしてこんな夜にそれを聞きに……──ああ、すまなかった」

金剛「いえ、お休みになるのは良い事デス。テートクは普段から働き過ぎなのですヨ」

提督「……訳があってあまり休んだ気がしない」

金剛「えっ? でも睡眠中って……」

提督「昼も夕方も個人的な相談事や希望を持ち掛けられて対処していた。だが、それも提督の仕事の一つだ」

金剛「……本当に働き者ですね、提督」

提督「自分でも正直、バカ真面目な部分であると思っているよ」

金剛「本当です。もうちょっと息を抜いて下さい。……心配してしまいます」

提督「だが、もはやこれは性分だな」

金剛「もう……」



822: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 16:17:05.07 ID:HCnL4K5l0

提督「──ん、仕事は終わりだ」

金剛「え、終わっちゃったんですか?」

提督「ああ。──だが、喉が渇いたな。金剛、紅茶を淹れてくれ。紅茶が空っぽだ」

金剛「え? でもそのティーカップにまだ残って──」

提督「…………」チラ

金剛(食器棚に目を……? あ──)

金剛「あ、いえ! 空っぽですね。淹れてきます♪」

提督「察しが良くて助かる」

金剛「えへー。提督の秘書ですから」

提督「うむ。今後とも頼む。──さて、今日は特別に茶菓子を出そうか」

金剛「本当ですか!?」

提督「うむ。だから、今日はとびきり美味しい紅茶を頼む」

金剛「はいっ♪」

……………………。



823: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 16:37:30.08 ID:HCnL4K5l0

金剛「スコーンがあるとは思いませんでしたっ! ん~! おいしいっ! クリームティーなんて久し振りですっ!」

提督「クリームとジャムは間宮に頼んで作ってもらった。英国産でなくてすまんな」

金剛「いえ! このクロデッドクリームなんて濃厚で最高です! 間宮さんは本当に料理がお得意ですよね」サクサク

提督「……食べれなくて残念だ。甘いものは苦手だ」サクサク

金剛「提督は本当に甘い物が苦手ですよね。私は逆にプレーンで食べる事ができません」

提督「昔は私も甘党だったのだがな」

金剛「そうなのですか? 想像できません……」

提督「いつからかは分からないが、甘い物が全くダメになってな。それ以来、甘い物を食べる事は滅多にない」サクサク

金剛「そうなのですか……。なんだか悲しいですね……」サクサク

提督「実際に辛いな。正直に言うと大変だ」

金剛「ほぇ?」サク?

提督「ここ数年ずっと頭を使う事ばかりなのと小食が災いし、血糖値が低くなり過ぎてたまに倒れる」

金剛「た、倒れる!?」



831: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 17:46:03.56 ID:HCnL4K5l0

提督「ああ。低血糖だ。私の場合は無自覚低血糖というものらしい。いきなり目の前が緑色の世界になって倒れる」

金剛「そ、そうなる前に糖分を摂取すれば良いのでは……いくら苦手でも、食べれない事はないですよね?」

提督「それなんだが、甘い物を口にすると吐く」

金剛「そこまで嫌いですか……」

提督「オブラートに包んで呑み込むという手段が一番良いとは思ったのだが、あれでもよく吐く。砂糖は私に何か恨みでもあるのかと思うよ」

金剛「じゃあどうやって糖分を取ってるのですか……?」

提督「倒れた時に、さっき言ったオブラートで包んだ砂糖を呑む。倒れる程になると流石に呑み込めるらしい。ただの一時的な認知障害かもしれないが」

金剛「……あの、その低血糖の対処法について色々と教えてもらって良いですか? もし提督が低血糖で意識不明になったら大変です」

提督「……そうだな。その時は助けてくれるか?」

金剛「勿論ですよ! 私は提督の秘書です!」

提督「感謝する。私が倒れた時、私に意識があればオブラートで包んだ砂糖と水が必要だ。最悪、水は無くても構わないが砂糖は二十グラムくらい欲しい。」

金剛「二十グラムってどれくらいなのですか?」

提督「この角砂糖が六個分だな。ポケットに常備している」



832: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 17:57:43.20 ID:HCnL4K5l0

金剛「ふむふむ……。意識が無かった場合はどうするのですか?」

提督「唇と歯茎の間に砂糖を塗り込んでくれ。くれぐれも水に溶かした物を入れるんじゃないぞ?」

金剛「あれ、どうしてですか? 根拠は無いのですが、水に溶かした方が良いと思ってしまいました」

提督「意識の無い人間に液体を飲ませると、気管に水が入る可能性がある。とても危険だ」

金剛「なるほど……。でも、唾液で溶けた場合も危なくないですか?」

提督「勿論危ない。だから、飲み込めないように頭が少しだけ垂れるようにしてくれ。特に私の場合、意識が戻った瞬間に吐く可能性もある」

金剛「はい! 他に何か注意事項とかありますか?」

提督「……そうだな。意識が無く、砂糖を塗り込んで十分経っても回復しない場合はもう一回塗り込んでくれ」

金剛「ふむふむ……」

金剛「そういえば、どうして口に入れておくだけで良いんですか?」

提督「粘膜があるからだ。口、胃、腸の粘膜は基本的に同じ物だ」

金剛「同じ……初めて知りました」

提督「一般生活では必要の無い知識だからな。知らなくて当然だろう。──これだけ憶えていれば特に問題ないはずだ」



833: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 18:08:25.93 ID:HCnL4K5l0

金剛「ありがとうございます提督!」

提督「いや、私こそ礼を言う。ありがとう。そして、頼む」

金剛「はいっ!」

金剛「……ところで、この鎮守府に来てから倒れた事は……」

提督「…………」

金剛「……あるんですね」

提督「……島風が来た日に倒れている」

金剛「提督」

提督「すまん」

金剛「もう……。それって定期的にくるものなのですか?」

提督「基本的には大体の目安がある。島風がここに来た日を考えると、二週間から三週間の間に倒れるだろうな」

金剛「ニ週間からですね。憶えておきます」

提督「迷惑を掛ける」

金剛「もっと綺麗な言葉で言って欲しいです」

提督「……頼りにしているぞ」

金剛「はいっ♪」

……………………
…………
……



835: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 18:21:25.74 ID:HCnL4K5l0

コンコン──。

金剛「……………………」

金剛「……おかしいですネー」

瑞鶴「おはよう金剛さん──って、どうしたの?」

金剛「ん、おはようございマス瑞鶴。テートクが返事をしないので、どうしたのかなと思いまして……」

瑞鶴「提督さんが? 珍しいわね」

金剛「勝手に入る訳にもいきまセンし……どうしまショウか」

瑞鶴「たぶん寝てるのよ。提督さん、働き者だし」

金剛「だと良いのですケド……」

龍田「おはよ~」

天龍「ん? どうした、二人共?」

瑞鶴「おはよう」

金剛「龍田、天龍。おはようございマス。……ノックをしても提督が返事をしないのデス」

龍田「あら……何があったのかしら……」



837: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 18:45:49.16 ID:HCnL4K5l0

天龍「寝てるんじゃないのか?」

瑞鶴「私もそうだとは思うんだけど」

金剛「ムー……」

瑞鶴「この通り、ね?」

龍田「金剛ちゃんは提督さんが大好きだものね~」

金剛「ハイ! 勿論です!」

龍田「良い笑顔だわ~。ちょっとだけ嫉妬しちゃう」

瑞鶴「え、提督さんに?」

龍田「金剛ちゃんによ~? それだけ大事に扱われてるって事だもの」

天龍「大事になら俺達もそうされてないか?」

龍田「なんとなくだけど、金剛ちゃんと瑞鶴ちゃんは特に大事にされてると思うのよね~」

龍田「なんとなく、なんだけどねぇ?」ニッコリ

金剛・瑞鶴「…………っ!」ゾクッ



838: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 19:14:48.25 ID:HCnL4K5l0

雷「あら、どうしたの?」

電「おはようございます、なのです」

響「おはよう、皆」

暁「おはよう。入らないの?」

島風「おはよー」

金剛「ノックをしても提督が返事をしないのデス」コンコン

電「まだ眠っているのでしょうか……」

雷「寝てるんじゃない?」

島風「私も寝てると思うなー」

響「司令官は頑張り過ぎなぐらいだからね」

暁「そうよね。たまにはゆっくり休まないといけないわ」

川内「あれー? どうしたの?」

神通「何かあったのですか?」

那珂「みんなー! おっはよー!!」

龍田「少しは声量を考えなさい?」ニッコリ

那珂「ご、ごめんなさい……」



839: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 19:31:13.57 ID:HCnL4K5l0

金剛「こういう訳なのデス……」コンコン

神通「…………? 返事が無いですね……」

川内「疲れて深く眠っちゃってるんじゃないの?」

那珂「これは……事件の臭いがするね。ズバリ、提督は死んで──」

ジャキンッ──!!

那珂「……え? た、龍田さん……? この槍は……?」ビクッ

龍田「あら~? 煩い蝿が居ると思ったんだけどなぁ~。……次は手元が狂っちゃうかも」

那珂「もう言いません……調子に乗ってごめんなさい……」ビクビクビク

金剛「…………」

提督『二週間から三週間の間に倒れるだろうな』

金剛「…………」

提督『ここ数年ずっと頭を使う事ばかりなのと小食が──』

金剛「……まさか」

瑞鶴「え?」



840: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 19:46:56.49 ID:HCnL4K5l0

金剛「────ッ!」ガチャッ

金剛「提督!! 大丈夫ですか!?」

提督「…………」

金剛「────────うそ?」

金剛「提督!! 提督!!!」ユサユサ

瑞鶴「え、ちょ……ちょっと……? 何があったの?」

金剛「────ッ」

金剛「…………よかった」ホッ

島風「ど、どうしたの?」

金剛「息はしてるみたい……」

響「良かった……生きてるんだね」

瑞鶴「でも、だったらなんで起きないのかしら……」

金剛「それは分かりません……救護妖精を呼んできましょう。島風、お願いできますか?」

島風「うん! 全力で行ってくるね!!」

金剛「熱は……ないみたいですね……。脈は……ダメです、分かりません……。でも呼吸は安定していますね……普通の寝息です」

龍田「本当に何があったのかしら……」

……………………。



841: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 20:07:01.91 ID:HCnL4K5l0

救護妖精「過労だろうね、たぶん」

金剛「たぶん……ですか?」

救護妖精「脈はちょっと弱いけど呼吸は安定してるし、熱も無い。普段の働きを見るに精神に問題は無かったと思うけど、働き過ぎだとは思ってたわ」

救護妖精「ハッキリ言うと、現状では分かんないね。だから普段の姿での判断しかできない。精密検査とかすれば話は別だろうけど、勝手に採血するのはまずいしねー。一日待って意識が戻らなかったら無理矢理でも血を採って検査するよ。意識が戻ったら問答無用で診察するから、秘書の貴女も協力してね?」

金剛「はい。お願いします」

救護妖精「それじゃあ、静かにしてあげてやりな~」

金剛「…………はぁ~~~~……………………」ペタン

暁「こ、金剛さん。気持ちは分かるけど、汚れちゃうわよ?」

金剛「ごめんなさい……腰が抜けて…………もう少しこのままでいさせて……」

瑞鶴「提督さん……」

……………………。



842: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 20:28:44.75 ID:HCnL4K5l0

金剛「…………」ヂー

瑞鶴「…………」チラ…ボー

暁(あの二人、大丈夫かしら……)

川内(かなり参っちゃってるね……金剛さんは結局あの体勢のまま提督をずっと見てるし、瑞鶴さんはボーっとしては一目見るのを繰り返してる……)

神通(私達は邪魔になりそうですね……。部屋に戻りましょう?)

響「……………………」

電(響ちゃん?)

響(────え、ああうん。私も行くよ)

響「…………」

響(司令官……)

……………………
…………
……



843: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 20:51:15.86 ID:HCnL4K5l0

提督「ん……」

提督(いかん……つい熟睡してしまったか……。────金剛、瑞鶴?)

提督「金剛、起きているか?」

金剛「ん……ぅ?」

瑞鶴「んん……──提督さん!?」

金剛「!!!」ガバッ

金剛「提督!!」

提督「すまんな、二人共。……もう十時か。いかん、寝すぎた。すぐに仕事に──」

金剛「提督……身体がおかしい所はありますか?」

提督「いや、ない。すぐに職務へ──」

パァン──!

提督「────」

金剛「…………」

瑞鶴「ちょっ……! こ、金剛さん!?」



844: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 21:10:29.37 ID:HCnL4K5l0

金剛「バカ……」

提督「…………」

金剛「何……一人で背負っているんですか……」

提督「…………」

金剛「なんで……私達に頼ってくれないんですか……」

金剛「私達は、そんなに役立たずですか。信用に置けませんか」

金剛「どうしてですか……。どうしてなのですか……提督……」

提督「…………」

瑞鶴「…………」オロオロ

金剛「答えて……答えてください…………」

提督「…………」

提督「……金剛」スッ

金剛「ッ!!」ビクン

金剛「…………っ!」フルフルフル

提督「──すまなかった」ナデナデ

金剛「────────え?」キョトン



845: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/25(金) 21:14:03.19 ID:HCnL4K5l0

提督「お前達に苦労を掛けさせないようにしていたつもりだったが、心配させてしまった」

金剛「……………………」ジワ

金剛「────ッ!」ガバッギュゥゥ

提督「…………」ナデナデ

金剛「どうし、てですか……怒ってくれるなら……気が、楽になったのに……ひっく」

金剛「優し……されたら……ぐすっ……泣い…………ちゃ、うぁ…ぅあぁああぁぁぁぁ……!」

提督「……約束する。今後、無茶はしない」ナデナデ

金剛「ぅ、ひっく……っぅぅ…………」コクコク

提督「ちゃんと、頼りにする」ナデナデ

金剛「ぅぁ、あぁ…………ひくっ……ぐす……」コクコク

提督「嬉し泣きだけにできなくて、すまない」ナデナデ

瑞鶴「……………………」

瑞鶴(……羨ましいって思った自分が情けない)ギリ

……………………
…………
……



859: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 00:08:30.91 ID:JNSoHKIN0

提督「落ち着いたか、金剛」

金剛「…………」コク

提督「そろそろ離れようか」

金剛「…………」フルフル

提督「まいったな……」

金剛「…………」ギュー

提督「分かった分かった。仕事はしないから離してくれ」

金剛「…………」

提督「約束だ。だが、しっかりと休んだら働かせてくれ」

金剛「……………………」

金剛「ん……」スッ

提督「良い子だ」ナデナデ

瑞鶴「…………」ソー

提督「どこへ行く、瑞鶴」

瑞鶴「はぃえ!?」ビクッ

瑞鶴「え、えーと……あ、あははは……」



862: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 00:18:47.31 ID:JNSoHKIN0

提督「こっちへきなさい」

瑞鶴「え!? え、えー……と……」

提督「…………」

瑞鶴「……はい」トコトコ

提督「…………」スッ

瑞鶴「う……」

提督「…………」

瑞鶴「……………………」スッ

提督「ん。心配してくれてありがとう、瑞鶴」ナデナデ

瑞鶴「…………ごめんなさい、金剛さん」ナデナデ

金剛「? 何がですか、瑞鶴?」

瑞鶴「だ、だって……せっかく良い空気だったのに……」ナデナデ

金剛「提督が呼んだのですから、素直になっても良いんですよ?」

提督「それとも、撫でられるのは嫌だったか?」スッ

瑞鶴「あ……」



863: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 00:28:51.37 ID:JNSoHKIN0

提督「…………」

瑞鶴「う……ぅ…………。ッ!!」バッ

金剛「……瑞鶴?」

瑞鶴「あ、あははは……。ごめんね、ちょっと読みたい本があるの。提督さん、お大事に」

提督「…………瑞鶴?」

瑞鶴「金剛さん、提督さんをお願いね?」

金剛「え……ず、瑞鶴?」

瑞鶴「…………ッ」

ガチャ──パタン

提督「……失敗した」

金剛「え?」

提督「瑞鶴が寂しそうな顔をしていたから、元気付けようと思って頭を撫でたのがミスだった」

金剛「え、で……でも──」

提督「金剛。それ以上言うと瑞鶴を貶める事になる」

金剛「う…………はい……」

提督「はぁ……上手くいかないものだ」

金剛「瑞鶴……」

提督(これからどう接してやったら良いのか……)

……………………
…………
……



865: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 00:39:02.16 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「…………」ボー

瑞鶴「逃げてきちゃった……」

瑞鶴「はぁ…………」

瑞鶴「……二人共、困ってるだろうなぁ……。無理にでも笑っていたら良か──ううん。あの二人にバレない訳がないわよね……」

瑞鶴「…………どうしよう。これから、どうやってあの二人に接したら良いのかな……」

瑞鶴「……………………」

瑞鶴「私って、嫌な女だなぁ……」

瑞鶴「気が利かなくて、些細な事に気付けなくて、頭も良い訳じゃないし、秘書としての仕事も金剛さんの足元にも及ばないし……」

瑞鶴「……身体も、どっちかと言えば子供だし。きっと、提督さんも金剛さんのような……」

瑞鶴「~~~~~~~~~~~~!!」バタバタ

瑞鶴「夜這い、かぁ……」

瑞鶴「…………でも、それって身体を使わないと勝てないって認めてるようなものなのよね」



866: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 00:48:38.42 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「勝てない……どうやっても勝てない……。そもそも、私が勝ってる所って、なんだろう……」

瑞鶴「……戦闘? …………………………………………他に思い付かないや……」

瑞鶴「そっか……私、金剛さんが持っていない魅力って、無いのよね……」

瑞鶴「そっかぁ……」

瑞鶴「…………」

瑞鶴「頭も、スタイルも、性格も、全部勝てない……か……」

瑞鶴「……戦争が終わったら、私って本当に何も勝てなくなっちゃう…………」

瑞鶴「…………諦めた方が良いのかな」

瑞鶴「…………」ポロ

瑞鶴「え、な、なんで? なんで涙が出てくるの?」ポロポロ

瑞鶴「だって、勝てないじゃない……全然勝てないんだもの……」ポロポロ

瑞鶴「最初から、勝てない勝負だったのよ……」ポロポロ

瑞鶴「だから、悲しむ必要なんてない。潔く負けを認めなさいよ」ポロポロ



867: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 00:58:46.00 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「…………ッ」ボフッ

瑞鶴(悲しむ事、ないでしょう? マッチを海に投げ入れても火が消えるのと同じ……)

瑞鶴(最初から勝てなかったんだって……)

瑞鶴(なのに……なんでこんなに悲しいんだろう……なんでこんなに辛いんだろう……)

瑞鶴「提督さん……」

瑞鶴(あの時、私は提督さんに何をして欲しかったんだろう……)

瑞鶴(呼び止めて欲しかった? 追いかけて欲しかった? いつも健気にしている金剛さんを放っておいて?)

瑞鶴「私……何やってるんだろう……」

瑞鶴(死にたい……けど、死んだら提督さんが物凄く困っちゃう……。ううん。貴重な戦力が削れちゃうんだもの……皆が困る……)

瑞鶴(勝ちたいのに、勝てない……。逃げたいのに、逃げれない……)

瑞鶴「こんなのってないよ……神様……」

瑞鶴「…………普段通りにしていたら、二人共、今日の事は忘れてくれるかな……」

瑞鶴「普段通りに……でも、一歩後ろに下がって……」

瑞鶴「……そうしよう。それが、二人の為だもん」

瑞鶴「…………今日は、泥のように寝よう……」

……………………
…………
……



868: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 01:09:01.08 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「すぅ……」

金剛「…………」

金剛(どうしよう……瑞鶴、結局お昼も夜もずっと寝たままでした……。どう接したら良いのでしょうか……)

瑞鶴「…………」パチ

金剛「!」ビクッ

瑞鶴「んー……! ふぁ……金剛さん……おはよー……」グシグシ

金剛「え、あ……お、おはようございます……」

瑞鶴「あれぇ……? 珍しいわね……さっき起きたの?」

金剛「い、いえ……ちょっと忘れ物を取りに……」

瑞鶴「そうなんだー……。んんー……ブラシブラシ……」ゴソゴソ

金剛(気にしていない……? でも、そんな事って……)

瑞鶴「んー……金剛さん」

金剛「は、はいっ!」ビクッ

瑞鶴「どうしたのよ、変に力なんて入れちゃって? 早くしないと提督さんに叱られちゃうわよー?」

金剛「え、えっと……あの、大丈夫……なのですか……?」



869: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 01:17:07.95 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「なにがー? んー、あれ……髪留めのリボンどこだろ……」

金剛「あっ……枕……の横にありますよ……」

瑞鶴「あれ、本当だ。ありがとー」

金剛(な、なんでこんなに普通にしていられるんですか……?)

瑞鶴「むー……目覚めが悪い……。じゃあ、私は顔を洗ってくるわねー」ウツラウツラ

金剛「は、はい……」

金剛(どういう事なのですか……?)

……………………
…………
……



871: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 01:31:44.59 ID:JNSoHKIN0

提督「今日も一日休みとする。すまない……医者からまだドクターストップを掛けられているんだ」

提督「それでは各自、自由行動してよし」

川内「はーい提督、質問」

提督「なにかね」

川内「今日さ、遠征に行っても良い? いつもの警備任務とか海上護衛任務とか」

提督「いきなりどうした。まずは理由を言ってみろ」

川内「いやー。ここ何日か海に出てないからさ、ちょっと動きたくなったのよ。軽巡の皆は賛成なんだけど」

響「それは良い考えだね。私も参加して良いかな」

雷「あ、私も。身体が鈍っちゃうもの」

電「私も海に出たいです」

暁「私もそろそろ出たいかも」

島風「私もー!」

提督「構わないが、警備任務は軽巡一隻、駆逐艦二隻。海上護衛任務は軽巡が一隻、駆逐艦が三隻で向かう事だ」

龍田「それだと軽巡が三隻余っちゃうわよ~?」

提督「ふむ……まだ第三艦隊の許可が降りていないからな……。演習はどうだ? 身体もほぐれると思うぞ」

瑞鶴「あ、演習をするのなら私も参加したい」



872: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 01:38:11.49 ID:JNSoHKIN0

天龍「うげっ!? 瑞鶴も演習に……? 勝てるのか、俺達……?」

瑞鶴「何よ。対空射撃が苦手でしょ、貴女達。これも訓練よ、訓練」

神通「そうですね。これから敵に空母も増えてくるでしょうし、私は是非ともお願いしたいです」

瑞鶴「提督さん、構わない? たしか、演習用の艦載機ってもう出来てたわよね?」

提督「…………ああ、出来ている。構わないぞ」

瑞鶴「やった!」

金剛「あ……えっと、私も──」

瑞鶴「金剛さんはダメよ? 誰が提督さんの面倒を見るのよ」

金剛「え、でも……」

瑞鶴「どうせ提督さんの事だから、一人でまた無理をしそうだもの。ちゃんとブレーキ役になってくれなきゃ。……それとも、私が提督さんのお世話をしようかしら?」

金剛「う……」

瑞鶴「決まりね?」

金剛「うう……はい……」

瑞鶴「ふふふ……ここ二日間、出撃も何も無かったから今日は暴れるわよー?」

天龍「マジかよ!? こりゃ本気でヤバイぜ……」



873: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 01:47:22.10 ID:JNSoHKIN0

龍田「あらあら、だったら天龍ちゃんは遠征に逃げる~?」

天龍「誰が逃げるか!! いいぜ、瑞鶴! 俺が全部撃ち落してやる!!!」

瑞鶴「言ったわね? 艦爆と艦攻、面と点の二重で狙ってあげるわ」

天龍「卑怯だぞぉ!?」

ガチャ──パタン

金剛「……行っちゃいました」

提督「金剛、さっきの瑞鶴をどう思う」

金剛「……良く分からないです。正直、いつも通り過ぎて逆に困りました」

提督「金剛にはそう見えたか……」

金剛「提督にはどう見えたのですか?」

提督「私は……あれは非常に良くないものだと思っている」

金剛「え──?」

……………………。



874: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 01:57:39.22 ID:JNSoHKIN0

コンコン──。

提督「入れ」

ガチャ──パタン

瑞鶴「失礼します。演習が終わりましたので出頭しました。……あの、話ってなんでしょうか?」

提督「瑞鶴、お前について話したい事がある」

瑞鶴「私に……ですか? あの……演習で何かとんでもないミスとかしてました……?」

提督「艦爆で全員を面で狙いつつ艦攻でピンポイントに狙っていたのは良かった。だが、演習の事ではない」

瑞鶴「えっと……?」

提督「瑞鶴、何を無理させている?」

瑞鶴「え? 私、無理なんてしてないわよ……?」

提督「いつものお前は無理をしていないだろう。だが、個人的な部分──自分の我儘な部分はどうだ?」

瑞鶴「……え、な、何を──」

提督「私が気付かないと思っていたのか」

瑞鶴「…………」

提督「答えなさい」

瑞鶴「……酷いよ、提督さん」



876: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 02:08:43.50 ID:JNSoHKIN0

提督「ああ。今、瑞鶴の目の前に居る人間は人の心を弄ぶ罪人だ。どんな事を言われても罪人には反論をさせない」

瑞鶴「私が……どんな思いで……どんな、痛みで………………」

提督「…………」

瑞鶴「折角…………諦めようって、忘れようって心に決めたのに……」

瑞鶴「どうして……? どうして提督さんはこんなに私の心に入ってくるの……?」

提督「……私は罪人だ。家主の承諾無しに勝手に家に上がり込む」

瑞鶴「なら……罪人さん……」

提督「なんだ?」

瑞鶴「少し……その頼りになる胸を……貸して……」

提督「…………」スッ

瑞鶴「────ッ!! うわぁあああぁあああ……っ! ────────っ!!!」

提督「…………」ナデリナデリ

……………………。



875: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/26(土) 02:06:03.70 ID:a19ynRhFo

ヲ級達は何してるんだ?



877: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 02:17:12.58 ID:JNSoHKIN0

>>875 
ヲ級「♪」

戦姫「ああこら……あちこち歩き回って……」

ヲ級「!」ビシッ

戦姫「ん、これは……。ほう、この傷まだ残っていたのか。懐かしいな。初めて私が訓練に参加した時の傷じゃないか……」

ヲ級「♪」

戦姫「……これを見せてくれる為に私を連れてきてくれたのか。ありがとう、翔鶴」

戦姫「よーし! 翔鶴、次の場所へ連れて行ってくれ!」

ヲ級「~♪ ~~♪」テテテ

──戦姫と翔鶴は、今日もほのぼのと鎮守府を駆け巡っているようです。



879: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 02:19:02.24 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「……………………」

提督「──落ち着いたか?」

瑞鶴「………………うん……」

提督「そうか」

瑞鶴「……提督さん、私……諦めたくない……」

提督「…………」ナデナデ

瑞鶴「絶対……ぜーったいに金剛さんよりも魅力的になって、提督さんのハートを奪ってやるんだから」

提督「……瑞鶴も金剛も、よく茨の道を好き好んで進む事だ」

瑞鶴「だって、好きなんだもん」

提督「一体どこにそこまで惹かれるものがあるというのか」

瑞鶴「好きだからよ。何かあるからとかじゃないの。好きだから好きになったのよ」

提督「……そうか」ナデナデ

瑞鶴「ん……もっと撫でて……」

提督「…………」ナデナデ

瑞鶴「落ち着く……すっごく気持ち良い……」

提督「……なんだか、今夜は喉が渇くな」

瑞鶴「…………?」

提督「瑞鶴、すまんがお茶を淹れてくれないか?」

瑞鶴「え……? でも、私は金剛さんに全然…………」

提督「…………」

瑞鶴「……分かったわよ。でも、不味くても文句を言わないでよ?」

提督「さてね。私は正直にしか言わないよ」

瑞鶴「くす……提督さんらしいわね。ちょっと待っててね?」

……………………。



880: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 02:20:32.14 ID:JNSoHKIN0

瑞鶴「はい。どうぞ」

提督「うむ。頂こう」ズズ

瑞鶴「私も……」チビチビ

瑞鶴「────!? な、何これ!? ほとんどお湯じゃない……」

提督「いや、美味いぞ」ズズ

瑞鶴「……提督さん。流石にこれはお世辞でも不味いとしか言えないわよ……。紅茶風白湯だもん……これ……。ティーパックの方がずっとずっと美味しいわ」

提督「しっかりと入っていて美味いよ」

瑞鶴「…………?」

提督「ティーパックでは入る事のない、極上の愛情が入っている」

瑞鶴「…………」

提督「一生懸命、紅茶の淹れ方を勉強しているというのが分かるよ、瑞鶴」

瑞鶴「バカ……提督さんのバカ……。恥ずかしいじゃない……。でも──」

瑞鶴「──ありがとう」

……………………
…………
……



907: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 23:03:14.78 ID:GPvER2220

提督(──む、私宛への機密文書が束で……とうとうきたか……。さて、何が書かれているのか……)

提督(金剛が起きてくる前に、二人で分担する書類を分けてしまうか。ついでに、機密文書も見ておこう)

……………………。

提督(通常の書類はこれで良し……。残るは機密文書……)ジッ

提督(まずは…………46センチ三連装砲……? 今頃になってこんな情報を送られてきてもな……)

提督(次は──深海棲艦に関する項目、か。ここから読んでいこう)

……………………。

提督(────ふん。なるほど。筋の通った言い訳がましい資料だな、大将共め)

提督(……あの四人を集めて話しておくか)

……………………
…………
……



908: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 23:16:25.97 ID:GPvER2220

救護妖精「提督、あんたバカか?」

提督「……………………」

提督(朝礼が終わったら、救護妖精が般若の顔をしてやってきた……)

電「え……え?」

龍田「…………」ニコォ

救護妖精「一つ言っておくぞ。あんた働き過ぎだと思っていたが、ここに来る前から無茶をやっていただろ」

金剛「む……提督?」ジッ

提督「……根拠は?」

救護妖精「血液検査と診察で分かるわ! なんだあれ!? 本当だったらでかい病院送りで全項目精密検査だぞコラァ!」

瑞鶴「あ、あのー……。一体何があったの……?」

救護妖精「一番呆れたのが提督の血糖値。普通の半分くらいしかない。精確には半分よりちっと高いが、それでも普通に生活しているのがおかしい。血糖の閾値が低過ぎ」

神通「あの……もう少し分かりやすくお願いしても良いですか……?」



909: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 23:26:52.40 ID:GPvER2220

救護妖精「脳ってのは殆どブドウ糖がエネルギー源なんだよ。で、提督の血糖値は常人だったら自律神経と脳に障害が出てる数字だ。その数字があと5~10も下がると意識消失する」

救護妖精「薬剤とか点滴とかしようと思って、アレルギーがないかの血液検査とかもしてみたら異常が無いくせに、過去の診察データを見てみたらまったく同じもんで嘔吐、痙攣、意識消失してるみたいだし、昏睡も一回なってるよね。もう訳が分かんないよ」

島風「……つまり?」

救護妖精「あたしじゃどうしようも出来ない。お手上げ。匙を投げるしかない。安静にしてろとしか言いようがない。むしろ神を呪えと言いたい」

救護妖精「他にも色々な問題を抱えてるみたいだしさ。色々と数字がおかしい。提督、正直に答えてほしいんだけど、あんた本当に人間?」

提督「人間以外なんでもないが……何に見えるというのか」

救護妖精「本当だったら死に掛けてると思うんだけど!! 本・当・だっ・た・ら!」バンバン!

瑞鶴「それじゃあ、ここの設備じゃ……」

救護妖精「ここまでくると現代医学の敗北じゃないの? でっかい病院に行ったらまだ分かるものがあるかもしれいないけどさー。そういう訳にもいかないでしょ、現状」

救護妖精「とにかく!! 疲労が取れるまでは出撃とかするな!! 寿命縮める所か二重の意味で自殺しにいってるようなもんだぞ!!!」



911: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 23:37:20.46 ID:GPvER2220

提督「…………」

救護妖精「返事!!」

提督「……分かった」

救護妖精「これから毎日診察するから、あたしが良しと言うまで出撃するんじゃないよ! 無論、運動なんてしたら死体になりかねないからするな! 数字は意味不明だが疲労だけは取れると思うからね!」

救護妖精「これでも譲歩しているんだから、とにかく寝てろ!! じゃあね!!」バタン!

金剛「…………あの……あれって相当キレてましたよ、提督……」

提督「…………」

瑞鶴「ど、どうするの提督さん……」

提督「……とりあえず、今日は遠征と建造、開発だけしよう。遠征は錬度の低いものを優先して行う。残りの者は母港で待機。警戒をしてくれ。編成は後で通達する。」

提督「今回の開発で、瑞鶴の装備を整えるから瑞鶴は残っておく事。金剛は書類を片付けるのを手伝ってくれ」

提督「皆にはすまないが、私のせいで出撃が出来そうにない。救護妖精の言うように少し休む」

提督「以上。何か質問はあるか? …………無いようだな。では、通達があるまで金剛と瑞鶴以外は部屋で待機」

全員「はい!」ピシッ



914: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/26(土) 23:45:54.41 ID:GPvER2220

電「……あ、あの……司令官さん」

提督「なにかね」

電「…………私達、頑張りますから、早く良くなってくださいね!」

提督「ああ。善処するよ」

響「約束だよ、司令官」

島風「また提督が倒れちゃったら、私の寿命も縮むんだからね? 提督と一緒に過ごせる時間が短くなるから、命だけは早くなりたくないよ」

龍田「必要になったら私も呼んでね~? 提督さんの為だったら何でもするわ~」

那珂(……スキャンダル? いや、愛人……?)

龍田「那珂ちゃん?」ニコォ

那珂「何も言ってないよー!?」

龍田「とっても不愉快な考えをしていなかったかしら~?」

那珂「ひぃっ!」

提督「……………………」

……………………
…………
……



943: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/27(日) 23:32:12.82 ID:tUm5Ex7I0

提督「さて、都合良くお前達以外を動かす事が出来た。これから大事な話をしよう」

金剛「総司令部から何かあったのですネ?」

提督「ああ。だから戦姫とヲ級にも来てもらった」

戦姫「あいつらの考える事だ。どうせ碌でもない事なのだろうな」

ヲ級「…………」ボー

瑞鶴「それで、一体何があったの?」

提督「機密情報として資料を送られてきた。それの中身をある程度噛み砕いて話す」

提督「まず、深海棲艦とは何か、だ。世間的にはどこからともなく湧き出てくる敵……という事になっており、私達が今知っている情報では艦娘が沈んだのが深海棲艦だ。だが、これにはおかしい点がある」

金剛「艦娘が先か、それとも深海棲艦が先か、ですね?」

提督「理解が早いな。だが、三人……いや、二人が理解していないみたいだから説明させてもらう」

金剛「二人? ──ああ……」

ヲ級「♪」テテテ

提督「まず、深海棲艦を倒す為に生み出されたのが艦娘……これは良いな? そして、深海棲艦は沈んだ艦娘の末路だが、それではどっちが先か、となるだろう?」

瑞鶴「え……それって艦娘が先じゃないの? いや、でもそれだったら艦娘は何の為に生み出されたの……?」

戦姫「ああ、そういう事か」

提督「分かったのか?」

戦姫「はい! おかしいという事が分かりました!」

提督「…………」



948: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 00:07:34.90 ID:snrq/tqU0

提督「……そして、瑞鶴が言ったように、どうして艦娘は生み出されたのか、という事だが、こう書かれていた」

提督「艦娘は元々、人間と戦う為の道具。人造人間──ホムンクルスだったとな」

金剛「……ホムンクルス? あの錬金術で作られた……?」

提督「似ているが、根本的に違うようだ。金剛の知っているホムンクルスは、あらゆる知識を身に付けたフラスコでしか生きれない者だろう。だが、艦娘は元々、人間がベースのようだ」

瑞鶴「ちょっと待って。私達は建造されて生まれてきてるのよ? 人間からじゃないわ」

提督「それは現在での話だそうだ。人間ベースは数十年も前の話だそうだ。現在は効率化されて建造からいくらでも造れるようになったらしい」

提督「当時の資料は残っていないそうで、関係者も全員死亡している事から確実なる証拠は残っていないものの、人と戦う為の道具だった事は間違いないらしい」

提督「だが、間抜けな事にその艦娘の製造方法が一つの大国に盗まれたらしい。そして、その大国で実験の失敗が続いた」

瑞鶴「……それって、全員深海棲艦に?」

提督「そう書いてあったな。そして深海棲艦は戦力が揃うまで潜み、全世界に牙を剥いた。現在はその深海棲艦の影響で島国は実質国交が不可能。だが、一隻のボロボロとなった敵の船が我が国へ到着し、こう言ったそうだ」

提督「停戦しよう。あの化け物を全て駆逐するその日まで」



956: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 19:19:47.88 ID:snrq/tqU0

金剛「そんな一方的な……。それは受け入れられたのですか?」

提督「受け入れた……が、『受け入れた』と返す事は叶ったかどうかは不明だそうだ」

瑞鶴「どうして?」

提督「文字通り、命を賭けてその言葉だけ伝えられた。そして、こちらも返事を送ったが、その船は帰ってきていない。故に不明だ」

瑞鶴「飛行機は無理だったの?」

戦姫「そんな物が飛んでいたら高角砲や戦闘機など駆使して落とすぞ」

瑞鶴「ああ……なるほどね……」

提督「よって、今は深海棲艦を共通の敵として戦っている。国民に過度な心配を与えぬよう報道規制と情報を隠しておいて」

提督「──と、もっともらしい理由を並べた資料などを送ってきていたよ」

金剛「え?」

瑞鶴「えっと……どういう事?」

戦姫「……む?」

提督「私は最初からこんな物を信用していない。伝えず、隠し、偽っている事があるはずだ。それがどれなのかは分からないが、私はこの文書を信用したという事にして奴らを出し抜く準備をする」

提督「……ついでに、戦姫とヲ級に対して実験をしろという指示も来ている」

ヲ級「?」コテン



957: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 19:40:47.65 ID:snrq/tqU0

瑞鶴「それって……私の時と同じの?」

提督「そうだ」

戦姫「い、痛い実験は止めてくださいよ?」ビクビク

提督「せんよ。瑞鶴の時と同じく、薬剤系や個人的にダメだと思ったものは論外とする。襲われそうになったとでもでっち上げれば奴らも納得せざるを得ないだろう」

金剛「……大丈夫なんでしょうかね」

提督「なんとかするしかない」

瑞鶴「そういえば提督さん。私が最後まで渋ってたアレ……なんて報告したの?」

金剛・戦姫(『アレ』?)

提督「『私達の距離が短くなっただけで他は何も変わらず』と書いておいた」

金剛(ああ……えっちの事ですかね)

瑞鶴「……私はそれだけじゃないんだけどなぁ」

提督「下手な事を書いて刺激する方が厄介だと判断した。他の艦娘と比べて、戦闘能力が高いだけという結論を出したよ」

金剛「それが無難ですものねー」

戦姫(何の話なのか分からない……)クスン

ヲ級「…………」ナデナデ

戦姫(翔鶴……お前は優しい奴だ!!)ギュー

ヲ級「♪」



958: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 20:13:31.12 ID:snrq/tqU0

提督「次に海軍の考えている計画についてだが」

瑞鶴「あれ、資料ってそれだけだったの?」

提督「頭に入れておいても仕方が無いものばかりだったから省かせてもらう。46センチ三連装砲だの最高軍事機密戦艦の情報だのと、意味を成さない物だ」

瑞鶴「今の資源じゃ、戦艦は運用できないもんねー……」

提督「そういう事だ。46センチ三連装砲なんかに到っては既に所持している」

提督「話を戻そう。計画についてだが、その戦争をしていた大国への安定した航路を得る為に、試行錯誤で手当たり次第に航路を開拓していく方式が挙げられている」

金剛「ええ……どういう事なのデスかそれ……」

提督「我が国は特殊な環境に置かれているようで、陸付近の深海棲艦が他と比べて弱いらしい。だが、我々海軍が現状把握している地域を除いて、深海棲艦の強さは非常に強いものだという。出会う敵が悉く黄のオーラを放っているようだ」

瑞鶴「……つまり、それって戦姫さんの艦隊と似たような敵がウヨウヨしてるって事?」

提督「そういう事だな」

金剛「そうそう勝てまセンね……」

戦姫(褒められてるのかな……。でも、二人は落ち込んだ顔をしてるし……なんだか素直に喜んじゃいけない気がする……)



959: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 20:40:45.05 ID:snrq/tqU0

提督「巨大な迷路に迷い込んだようなものだ。手当たり次第に出撃を繰り返すしかないだろう」

提督「そして……その大国だが、深海棲艦の大陸と呼ばれている国だ」

戦姫「深海棲艦の大陸? そんなものがあるのですか?」

提督「いや、実際には無い。そんな大陸があると嘘の情報を流しているようだ。深海棲艦が生み出され続けている新大陸という事にして、その大国のイメージを守っているとの事だ」

瑞鶴「でも……それでしたら尚更、報道規制をする理由が分からないわ。敵対していた国と協力を結んで現状の敵を倒そうって、凄く良いことじゃないの?」

金剛「聞こえは良いですケド、敵の国に殺された人がたくさん居マス。例えば、瑞鶴の親と姉妹全員を殺した敵が居て、共通の敵が出てキタから仲良くしろと言われて納得できマスか?」

瑞鶴「…………ちょっと嫌だなって思っちゃう」

提督「当事者でもなく、温厚な瑞鶴でもそれだ。実際に殺された人の家族が集まって暴動でも起こされたらそれこそ大変な事になる」

瑞鶴「なるほどねー……」

提督「この計画もどこまでが本当なのかは分からないが、とにかくその大国に辿り着くのを目的としているのは本当だろう」

提督「とにかく、色々と隠している事が多いと私は睨んでいる。それを暴き、真実をこの目にする。すまないが、協力してくれ」



964: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 21:02:47.41 ID:snrq/tqU0

金剛「勿論ですよ!」

瑞鶴「私もよ。提督さんにならいくらでも協力するわ」

戦姫「私もです」

ヲ級「♪」ギュー

提督「ありがとう、四人共」

戦姫(あれ……何かを忘れているような……)

金剛「それにしても、なんだか不思議デスね」

提督「何がだ?」

金剛「だって、テートクにとって真実を目にする理由もメリットも無いじゃないデスか」

瑞鶴「そういえば……」

提督「…………そうだな。なぜだろうかな」

瑞鶴「知的欲求……とか?」

提督「恐らくそれが近いと思う。私もこんな気持ちは初めてだ」

提督「──なぜか、私は知らないといけない。そう思うんだ」

……………………
…………
……



966: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 21:25:21.86 ID:snrq/tqU0

提督「──さて、建造と開発も終わらせた事だ。これ以上動いたら救護妖精の目がどんどん釣り上がるから休むとしよう」

金剛「では、私は秘書の仕事をしますネ」

瑞鶴「あ、私も手伝って良い?」

金剛「ハイ! ──っとと……テートク、良いデスよね?」

提督「ああ、構わない」

瑞鶴「やったっ!」

金剛「テートク、なるべく静かにしマスけど、少しの音は許してくだサイ」

提督「耳栓をするから安心しておくと良い」

金剛・瑞鶴「はーい」

提督(……本当に、どうしてここまでやってくれるのかね。一人の人間として大事にしているとはいえ、私はお前達を戦争の道具として使っている事には変わらないというのに……)

……………………
…………
……



968: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 21:46:46.86 ID:snrq/tqU0

瑞鶴「んー……っ! 三分の一が終わったー」

金剛「少しティータイムにしマスか? 甘いお茶請けがありますヨー?」

瑞鶴「あ、お願いしても良いかしら。……本当だったら作業の遅い私がやるべきなんだろうけど、私がお茶を淹れたらほとんど白湯になっちゃって……」

金剛「それでしたら一緒に淹れまショウ? 紅茶仲間が増えるのは私もハッピーデース!」

瑞鶴「え……良いの?」

金剛「もっちろんデス!」

瑞鶴「……ありがとう。すっごく嬉しいわ」

金剛「? そんなに深く感謝される程のモノではないですヨー?」

瑞鶴「ふふっ、良いの。私がそう思ったんだもの」

金剛「瑞鶴は不思議ネー。それでは、お茶を淹れまショウ!」

瑞鶴(不思議なのは金剛さんなんだけどね。私が恋敵だって微塵にも思ってないみたい。…………私が考えすぎなのかしら?)

……………………。



972: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 23:03:57.75 ID:snrq/tqU0

金剛「ん~♪ たまに砂糖菓子を食べるのもグッドデース! スコーンとはまた違った楽しみがありマース♪」カリカリ

瑞鶴「うん。さすが金剛さんね。私が一人で淹れたのとは全然違うわ」チビチビ

金剛「これも練習あるのみデース」

瑞鶴「ん、頑張るわね。……それより、提督さん大丈夫かしら」

金剛「こればっかりは私達ではやれる事が少ないデス……。でも、お互いにテートクを見ていて、無理をさせないようにしまショウ?」

瑞鶴「うん、勿論よ」

金剛「それに、瑞鶴ならテートクに選ばれても良いかなと思います」

瑞鶴「ッ!? な、なな何を言ってるの!?」

金剛「だって、瑞鶴はとっても健気じゃないですか」

瑞鶴「それ、金剛さんが言う?」

金剛「私なんて瑞鶴の半分すら満たしてませんよー」

瑞鶴「私はそうは見えないけどなぁ……」

金剛「そうなのですか? 私は提督の為に自分の身を引くなんて事、思い切ったとしても出来ません。その場を誤魔化して、しばらくズルズル引きずってから後悔すると思います」



973: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 23:27:25.00 ID:snrq/tqU0

瑞鶴「私、金剛さんなら諦めずにアタックし続けると思ってたわ」

金剛「本当の私は臆病です。アタックする前に枕を濡らす毎日でしょうねー」

瑞鶴「……なんか意外。金剛さんが臆病だなんて」

金剛「本当です。私は弱いので強くなろうとしているだけなんですよ」

瑞鶴「強く、か……」

金剛「その点、瑞鶴はとっても強いです。好きな人の為に諦めるなんて事、よっぽど強くないとできない事です」

瑞鶴「ただ単に諦めが早いだけかもしれないわよ?」

金剛「諦めれず、磁石に付いた砂鉄みたいにいつまでもしつこくしていたら、相手に嫌われちゃうと思います。私はそのタイプですよ」

金剛「逆に、好きな人が困る前に離れれる強さは一つの魅力です。その魅力に惹かれて追いかけてくれる事もあると思いますよ?」

瑞鶴「そうなのかなぁ……。実際に提督さんは追いかけてこなかったし……」

金剛「それは提督が私達のどちらも女の子ではなく、部下と見てるからですよ」

瑞鶴「あー……確かに提督さんならそう見てるわよねー……」



974: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/28(月) 23:43:52.90 ID:snrq/tqU0

金剛「そうなのです……。だから、私が瑞鶴と同じ事をしても提督は追いかけてきませんでしたよ」

瑞鶴「うーん……」

金剛「『隣の芝は青い』という言葉もあります。瑞鶴から見て私が良いように見えるのはそういう事ですよ」

瑞鶴「その言葉、そっくりそのまま返してあげるね」

金剛「……………………」

瑞鶴「どうしたの? そんなに驚いて」

金剛「いえ……瑞鶴から見て私が良いように見えているのに驚きまして……」

瑞鶴「えっと……違うと思うけど、嫌味?」

金剛「ち、違います違います! 私はさっきも言ったように弱いです。だから、強い瑞鶴にはあまり良いようには見えていないだろうと思っていまして……」

瑞鶴「随分と謙虚ねぇ……」

金剛「そうなのでしょうか……」

瑞鶴「金剛さん、一つ良い事を教えてあげる」

瑞鶴「人よりも良いものを持っている人が度を越えて謙虚だと、それを持っていない人に疎まれちゃうわよ?」

金剛「う……」

瑞鶴「だから、振りかざさない程度に自信を持ちましょう?」

金剛「はい……」

瑞鶴「うん、良い返事」

金剛「ありがとうございます、瑞鶴。私は、貴女と仲良くなれて本当に良かったと思います」

瑞鶴「私もよ。ありがとう、金剛さん」

……………………
…………
……



975: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 00:00:48.06 ID:xBU8Dc6k0

提督「ん……」

金剛「あ、起きまシタか?」

瑞鶴「思ったよりも早いのね、大丈夫なの?」

提督「ああ。まだ少し疲れているようだが大丈夫だ」スポ

金剛「…………耳栓をしているのを忘れていましたケド、普通に会話できてましたよネ……?」

瑞鶴「あ……た、たしかに」

提督「口の動きを見れば大体分かる」

金剛「……本当になんでも出来マスね、テートク」

提督「出来る事しか出来んよ。例えば、私は料理が出来ない」

金剛「そうなのデスか?」

提督「レシピ通りに作っても、なぜか見た目、味共にゲテモノしか出来ん」

瑞鶴「……ちょっと気になっちゃう」

提督「止めておけ。野良犬に食わせた事があるが泡を吹いて痙攣していた」

金剛「……何を食べさせたんデスか」

提督「自称、玉子焼き。多少の塩と卵だけのレシピで作ったはずだったが、なぜかドス黒い虹色をしていたな」

金剛・瑞鶴「…………」



977: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 00:16:03.29 ID:xBU8Dc6k0

提督「味は最初しなかった。だが、手が震えていたのは分かった。なぜ味がしないのかと不思議に思って食べていたが徐々に舌が痺れ始め、なんとも表現し難い……いや、表現できない味が襲ってきた。気付いたら時間が一時間も過ぎていて、流石に食べるのを止めたよ」

金剛(それって本当に食べ物なのでしょうか……?)

瑞鶴(劇物……?)

提督「二人が心の中で何を思っているのかは分かる。それを口にしないのは嬉しいよ」

金剛「あ、あはは……」

瑞鶴「とっ、ところでさ! もっと寝ていたらどう? まだ疲れが取れていないんでしょう?」

提督「そうしていた方が良いのだろうが、少し歩かせてくれ。間接が痛い」グッグッ

金剛「私達もついて行きマス」

瑞鶴「途中で倒れちゃったら怖いもんね」

提督「ありがとう。頼むよ」

……………………
…………
……



979: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 00:38:24.83 ID:xBU8Dc6k0

川内「おっ、提督じゃん。起きてて大丈夫なの?」

神通「しっかりと休みは取って下さいね」

提督「警戒ご苦労。寝てばかりだと間接が痛んでな。こうやって少し解しているんだ」

川内「そんなに時間が経ってないような気がするんだけど……」

提督「こればかりは体質としか言いようがないな」

神通「解し終わったらちゃんと休んでくださいね?」

金剛「ノープロブレム! 私達が無理矢理にでも休ませマース!」

瑞鶴「提督さんにはこういう面で監視役が必要よね」

提督「……という訳だ。安心してくれ」

川内「あっはっは! 提督、尻に敷かれてるねー」

金剛「違いマスよ。心配なだけデス」

瑞鶴「提督さんを尻に敷ける人って居るのかな……」

神通「私は想像できませんね……」

川内「右に同じ。大事にしてくれるけど、どっちかと言えば亭主関白っぽい」

神通「私は頼りになる旦那様というイメージがあります」

金剛「私も神通と同じデース」

瑞鶴「……なんだか、お父さんって感覚が強いかなぁ」

川内「なるほど、確かにお父さんって雰囲気もあるよね」



980: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 00:50:50.19 ID:xBU8Dc6k0

提督「亭主関白やら旦那様やらお父さんやら……。私も随分と面白いように扱われて──」

提督「────…………」

金剛「…………」

瑞鶴「…………」

神通「あの……どうかしましたか?」

川内「ん? ……なんだろう、あれ」

瑞鶴「提督さん、偵察機飛ばすね」

提督「頼んだ。敵の場合は爆撃して構わない」

瑞鶴「了解」

神通「……皆さん、よくあれに気付きましたね」

提督「川内はともかく、二人は一番経験が多いからな」

瑞鶴「その艦娘と同じくらい索敵ができる提督さんも充分、人間離れしてるわよね」

提督「お前達と同じく海に出ているからな。嫌でも目と勘が良くなる」

金剛(少なくとも毎回、私より先に敵を見つけてマスけどね)



982: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 01:00:05.59 ID:xBU8Dc6k0

984: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 02:00:43.54 ID:xBU8Dc6k0

埋めるついでに、皆はどんなラストを希望しているのかちょっと聞いてみたいかも。

現在、最後は希望のある終わり方で進めようと思っています。あらすじはもう組み立て終わっているので、これを書くつもりでしたけど、最近のニーズがちょっと分かっていなかったり……。
90年代のラノベがベースの書き方(地の分がある時だけ)なので、このまま進めたら終わり方もそんな感じになります。

ただ、最近はまどまぎみたいに絶望の最中で終わるという作風もありますし、一時期の私もどうやっても絶望エンドにしかならなくて、今回も絶望エンドを考えたりもしました。

その癖、ハッピーエンドに憧れているっていう三つ混ざり合った、わけがわからないよ。状態です。


皆はこの三つの内、どの終わり方が好きですか? 参考にさせて下さい。
ちなみに、終わり方が希望エンドか絶望エンドかハッピーエンドか変わるだけで、展開は同じです。



985: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/29(火) 02:02:08.72 ID:goBK/uVHo

ハッピーエンドでお願いたします



989: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/10/29(火) 02:08:09.88 ID:xUCHNJcho

ハッピーエンド一択だなぁ
好きなキャラが不幸な結末を迎えるのはツライ



998: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 02:49:02.17 ID:xBU8Dc6k0

ハッピーエンド多すぎでちょっとびっくりした。
皆の意見を参考にして、ちょっとラストを変える事にしたよ。
どんな風に変わるかはお楽しみだけどね(蒼白ゲス顔)


それでは、最後にもう一度誘導。

金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」 二隻目
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382975945/




999: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 03:14:37.81 ID:xBU8Dc6k0

戦姫「私達の日常をご覧頂こう」

ヲ級「いただこー」

戦姫「……喋れたのか、翔鶴」

ヲ級「残ったレスを埋める為に作者が許可してくれたのー」

戦姫「メタだな。だが、たった2レスしかないが大丈夫なのか?」

ヲ級「大丈夫なんじゃないのかなー。だって叩かれるのは作者だもん」

戦姫「それもそうだな」

ヲ級「という訳で、私達の日常を紹介するねー」



1000: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/10/29(火) 03:27:34.55 ID:xBU8Dc6k0

戦姫「ここは私と翔鶴の部屋だ。彼のご好意で貸し与えてくれた」

戦姫「主に私はここで、本を読みながら彼の指示を待っている」

戦姫「……それだけだ。寂しいって言うんじゃない!!」

ヲ級「私はこの部屋に留まらず、色々な場所を歩いてるよー」

ヲ級「この前は電ちゃんって子が一生懸命話し掛けてきてくれたねー」

戦姫「……そういえば、翔鶴は艦娘を相手にして憎くなったりしないのか?」

ヲ級「するよ? だから逃げてるの」

戦姫「……優しいな」

ヲ級「だって楽しい事の方が良いでしょー?」

ヲ級「それで、私はこの鎮守府の事をあまり憶えてないから色々な場所に踏み込んで遊んでるのー」

ヲ級「最近だと、ボイラー室は熱かったなー」

戦姫「……どこまで深く入ったんだお前は」

ヲ級「最深部まで」

戦姫「阿呆かお前は!!」

ヲ級「えー……」

戦姫「……なんだ、その『お前に言われたら終わりだ』とでも言いたそうな目は」

ヲ級「バレた?」

戦姫「ちょっとはオブラートにでも包んでくれない!? 結構傷付くのよ!?」

ヲ級「オブラートに包むのは砂糖だけで良いってあの人が言ってたよー」

戦姫「それとこれとは話が違う!!」

ヲ級「まあ、そんなこんなでこの鎮守府で行ってない場所はほとんど無いよー」

ヲ級「あ、でも一つだけ行ってない場所があるかなー」

戦姫「ほう? どこだ?」

ヲ級「蜜事を交わしている提督と艦娘の──」

戦姫「行くな!! 頼むから行ってやるな!!!」

ヲ級「でも、楽しそうだよー?」

戦姫「そんなはしたない事をしちゃいけません!! メッ!」

ヲ級「いつかアプローチを掛けても良いかもねー?」

戦姫「……どうやって?」

ヲ級「え?」

戦姫「翔鶴、お前本編では喋れないだろう」

ヲ級「…………」

ヲ級「裸になって押し付けるとか?」

戦姫「痴女かお前は」

ヲ級「えー…………」

戦姫「……ああ分かっているさ!! 言いたい事は分かる!! だが、仕方が無いだろう!? なぜか服が消えるんだから!!」

ヲ級「本当になんでだろうね?」

戦姫「もう、そういうものなんじゃないかな……諦めたよ……」

ヲ級「じゃあ、もう改行できなくなるからおしまいねー。ばいびー」

戦姫「まともに紹介できてないじゃないか……。それでは皆さん、また本編で」


元スレ
SS速報VIP:金剛「テートクのハートを掴むのは、私デース!」瑞鶴「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382027738/