1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 15:57:39 ID:AA/9CdPY


―女の部屋―

女「はぁー……」

女友「ん、どうしたの? ため息なんかついちゃって」

女「……んー」

女友「なんだよー言えよー」

女「んー……んふふ。実はねぇ」

女友「うんうん」



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 15:58:41 ID:AA/9CdPY


女「……私ねぇ、好きな人ができちゃった」

女友「……えー!」

女「んふふ。……中学生にして初恋だぁ。えへへへ」ポワポワ

女友「うわぁ……。で、誰なの?」

女「え~」

女友「言えよう」



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 15:59:33 ID:AA/9CdPY


女「もう……。女友ちゃんだから言うんだからね」

女友「うんうん!」

女「他の人には言っちゃダメだよぉ」

女友「わーかってるって」

女「……男くん」

女友「おぉ、野球部のあいつか!」



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:00:42 ID:AA/9CdPY


女「うん。……んふふ、言っちゃったぁ」ポワーン

女友「ふんふん、なるほどねー」

女「応援してくれる?」

女友「うんうん任せて!」

女「えへへ、ナイショだからね」

女友「うんうん!」



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:03:20 ID:AA/9CdPY


―女友の部屋―

女友「しかし、応援するとは言ったものの、どうしたらいいんだろう」

女友「ナイショって言われた手前、相談もできないしなぁ」

女友「や、待てよ。あいつなら……。電話電話」ピポパ

後輩『はい、もしもし』

女友「あ、後輩ちゃん。まだ起きてた?」

後輩『はい、お風呂に入ってました』



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:04:34 ID:AA/9CdPY


女友「電話だいじょうぶ?」

後輩『はい。どうしました?』

女友「……落ち着いて聞いてね」

後輩『はい』

女友「なんと、女に好きな人ができたんです!」

後輩『はぁ、めでたいですね』

女友「うんうん。それでね、やっぱ応援してあげたいじゃん?」



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:06:04 ID:AA/9CdPY


後輩『はぁ、そうですね』

女友「でも、私もあんまりそういう経験なくってー」シナッ

後輩『はいはい』

女友「どうしたらいいのかな、って」

後輩『アドバイスってことですか?』

女友「うんうん、なにかないかね?」

後輩『うーん……。ところで、女さんの好きな人って?』



8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:08:13 ID:AA/9CdPY


女友「むむ、ナイショだぞ?」

後輩『もちろんです』

女友「野球部のエースで、男くんっていうの」

後輩『あぁ、あの練習熱心で有名な』

女友「そうそう!」

後輩『まずはどんな人かわからないと、アドバイスのしようがないですね』

女友「だよねー。私もあんまり知らないからさ」



9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:09:23 ID:AA/9CdPY


後輩『じゃあ、明日あたり野球部の知り合いに聞いてみます』

女友「頼んでいいの?」

後輩『任せてください』

女友「あ、念を押すけどナイショの話だからね? 後輩ちゃんだから話したけどさ」

後輩『わかってますよ。それじゃあ、お休みなさい』プツ

女友「……いやー、持つべきものは友だねー」

女友「女、がんばれよう!」



10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 16:53:03 ID:AA/9CdPY


―後輩の教室―

委員長「後輩さん、おはようございます」

後輩「おはよう、委員長」

委員長「あら、なんだか眠そうですね」

後輩「中学生になってから、生活リズムが崩れちゃって」

委員長「それはよくないです」

後輩「だいじょうぶだよ。……ところで今日、男子少ないね。遅刻かな?」

委員長「聞いてませんでした? 今日、野球部は公欠ですよ」



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 17:05:00 ID:AA/9CdPY


後輩「えっ、公欠? なんでこのタイミングで……」

委員長「なにかあったんですか?」

後輩「いや、別になんでも……」

委員長「……そうですか」シュン

後輩「……」

委員長「……」

後輩「別に、委員長ならだいじょうぶだよね」ボソ



12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 17:06:57 ID:AA/9CdPY


委員長「……?」

後輩「実はさ、2年の女友さんって人に相談を受けてて」

委員長「はい」

後輩「その内容が、恋愛についてでね」

委員長「まぁ、素敵ですね」

後輩「そう? 私はどうでもいいんだけど、先輩からの頼みだからさ」

委員長「誰に恋してるんですか?」ワクワク



13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 17:09:03 ID:AA/9CdPY


後輩「興味津々だね……」ハァ

委員長「私、少女漫画をいっぱい読んでますから、何か役に立てるかもしれません」

後輩「あ、でも恋してるのは女友さんじゃないんだ」

委員長「誰なんです?」

後輩「……いい? これは委員長だから言うんだよ。他言無用だよ?」

委員長「もちろんです。委員長の肩書きに誓って」

後輩「……」



14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 17:10:27 ID:AA/9CdPY


委員長「……」

後輩「……うん、わかった。じゃあ話すね」

委員長「はいっ」ワクワク

後輩「二年生の女さんっていう人が、野球部の男さんのこと好きなんだって」

委員長「むう、二人とも知らないです……」

後輩「だろうね。まあ、いいよ」

委員長「それで、野球部の方から何か情報を得ようと?」

後輩「うん、そういうことかな」



15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 17:11:37 ID:AA/9CdPY


委員長「なるほど」

後輩「明日でも遅くないし」

委員長「わかりました。そういうことなら、私の方でも考えておきますね」

後輩「助かるよ。正直私もよくわかんなくてさ」

委員長「貸しましょうか、少女漫画」

後輩「たぶんその知識は当てにならないから」

委員長「漫画は小説よりも奇なり、ですよ」

後輩「ダメじゃんそれ」



18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:07:54 ID:AA/9CdPY


―生徒会室―

会長「とまぁ、今日の議題は以上だね。お疲れ様」フゥ

委員長「お疲れ様です、会長」

会長「あぁ、委員長さん。どうだい、慣れたかな?」

委員長「はい。皆さんとてもお優しいので」

会長「うん、いいことだ」

委員長「ありがたいです」



19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:08:49 ID:AA/9CdPY


会長「しかし、それにしては浮かない顔をしてるね」

委員長「そうでしょうか……」

会長「僕でよかったら力になるよ」キリッ

委員長「会長……」キュン

会長「話してごらん」

委員長「実は――」



20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:09:41 ID:AA/9CdPY


会長「――なるほどね。女さんと男くんをくっつけたいと」

委員長「はい。しかし私の知識では役に立たないと友人が言うので……」

会長「ふむ。確かに、漫画と現実は違うからね」

委員長「やっぱり、そうですよね」

会長「安心したまえ。僕が力を貸すと言ったろう」

委員長「会長の手をわずらわせるわけには」



21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:10:43 ID:AA/9CdPY


会長「そんな寂しいことを言わないでくれ。僕は君のことが……」チュッ

委員長「あぁ、いけません会長……」チュッ

会長「ふふふ、僕に任せておくといい」キリッ

委員長「あ、そういえば、これはナイショの話だそうです」

会長「そうか。ナイショだったのか」チュッ

委員長「あぁ、会長……」チュッ



22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:15:40 ID:AA/9CdPY


―三年の教室―

会長「というわけで、何かいい案はないかい?」

先輩「知るかよ。なんで俺に聞くんだよ」

会長「君は女好きだったろう?」

先輩「いや、お前に言われたくねーし」

会長「そのくせ、男友達も多いじゃないか」

先輩「ん、まーな」



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:16:26 ID:AA/9CdPY


会長「女さんと男くんと言うんだが、何か知らないかい?」

先輩「俺は知らねーけど、俺の友達に聞きゃ何かわかるかもな」

会長「だったら聞いておいてくれ」

先輩「やだよ! お前が引き受けたんだろ」

会長「実務をこなすのは部下の仕事だろ?」

先輩「誰が部下だよ!」



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:17:17 ID:AA/9CdPY


会長「この学校の生徒全員さ。僕は会長だからな」

先輩「お前に友達いない理由がよくわかったわ」

会長「使える部下と美しいワイフがいれば十分だ」

先輩「お前マジで中学生か?」

会長「なにはともあれ頼んだよ。友情に、乾杯」キリッ

先輩「つーかなに、それ。他のヤツに聞いていいことなのか?」



25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:18:02 ID:AA/9CdPY


会長「……ナイショで頼む」

先輩「お前遅くね、それ」

会長「いいんだ。君さえ黙っていればな」

先輩「はぁーっ、なんだよそれ」

会長「じゃあな」キラッ

先輩「いちいちウザイなお前」



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:23:03 ID:AA/9CdPY


―廊下―

先輩「あぁもう、めんどくせーな」

先輩「でも無視したらもっとウザイことになりそうだし」

先輩「適当にやっとくか。先ずはメールだな」

先輩「『男ってやつ知ってる?』、一斉送信っと」

先輩「……お、早速返ってきた。『そいつがどうかしたの?』か」



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:24:04 ID:AA/9CdPY


先輩「……あー、ナイショだったっけ。でもまぁ、こいつは信頼がおけるからな」

先輩「言ってもだいじょうぶだろ。『実は……』っと」

先輩「……お、別のやつからも返ってきた。『知ってるけどどうしたの?』か」

先輩「……あー、ナイショなんだよなぁ。でもまぁ、こいつも信頼がおけるからな!」

先輩「言ってもだいじょうぶだろ。『実は……』っと」

先輩「……あ、また別のやつから返ってきた――」



28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:26:54 ID:AA/9CdPY


―二日後―

女「おかっぱ頭の
トイレの花子さんに
殺された女友」ルンルン

女「んふふ。すごぉい、男くんでアイウエオ作文ができちゃった」

三年生A「あ、もしかしてあなたが噂の女さん?」

女「えっ?」

三年生A「うわぁ、かわいいわね!」

女「は、はぁ」



29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:27:51 ID:AA/9CdPY


三年生A「応援してるから、がんばるのよ?」

女「あ、あのぉ、なんの話でしょうか」

三年生A「え、なんの話って、男くんのことだけど」

女「!」

三年生A「狙ってるんでしょ? 付き合えるといいわね」

女「それ、それ誰から聞いたんですか!」クワッ



30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:28:48 ID:AA/9CdPY


三年生A「ちょっ、どうしたのいきなり」

女「誰から聞いたんですかぁ!」グイッ

三年生A「え、え~っと、たしか、三年生Bからだったかな?」

女「どこにいるんです、その人!」

三年生A「今は、教室じゃないかな? ……三年二組」アセアセ

女「……」ゴゴゴ



32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:49:02 ID:AA/9CdPY


――――


三年生B「誰から聞いたっけなぁ。……あ、担任からだ!」

担任「職員会議の時に校長が……」

校長「儂は卒業生のOBくんから……」

OB「小学生の弟に……」

小学生の弟「おかーさんから……」

おかーさん「不倫相手が……」

不倫相手「パートの娘が……」

パートの娘「ツイッターで拡散されてて……」

………

……





33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:51:08 ID:AA/9CdPY


女「――!」ハァハァ

女友「おー、どったの、女?」

女「お前かぁ!」パンチ

女友「べぶっ!」ボコ

女「お前が元凶かぁ!」ジャブ

女友「ちょまっ! 何の話よー!」

女「……ナイショって、言ったのに」プルプル

女友(なに、なんで怒ってるの?)



35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:52:20 ID:AA/9CdPY


女「私、信じてたのに……」プルプル

女友(……ま、まさか)

女友「ちょっと待って女! 今確認するから!」ピポパ

女「なにをよぉ……。もう世界中の人にバレバレなんだよ!?」

女友「それは大げさでしょ! ……っと、後輩?」

後輩『はい、なんでしょう』

女友「しゃべった!?」



36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:53:59 ID:AA/9CdPY


後輩『……あの事ですか?』

女友「うんうん!」

後輩『……すいません、よかれと思って』

女友(私終わったー!)

後輩『もしかして、女さんに……?』

女友「うんうん……。とりあえず、今すぐこっちきて。一組の教室」

女「やっぱり、犯人は女友ちゃんだったんだね」



37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:55:08 ID:AA/9CdPY


女友「……許されざることをしてしまいました」

女「……」

女友「でもね、女を応援したいって思ってたのは本当なの」

女「そんなのっ」

女友「これだけは、信じて」

女「……」

女友「今、もう一人の原因がくるから……」



38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:57:26 ID:AA/9CdPY


――――

後輩「すみませんでした!」

委員長「申し訳ございません」

会長「すまんね」キリッ

先輩「マジごめん!」

女友「なんでこんなにいんのよ!」

女「もうダメだあぁ!」ビエーン



39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 18:58:50 ID:AA/9CdPY


先輩「もとはと言えば会長がよ……」

会長「今はそんなこと言ってる場合じゃないだろう」キリッ

委員長「なんて謝ったらいいか……」

後輩「本当にすみません……」

女友「男二人はマジメに謝れよう!」

女「……もう、いいよ」

女友「女?」



40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:00:18 ID:AA/9CdPY


女「もう、いい。もうダメだもん、私」

後輩「そ、そんなこと」

委員長「そうです。諦めるにはまだ……」

女「だって、みんな知ってるんだよ? これでフられたりしたら、笑い者じゃん」

先輩「まーな」

女友「お前は黙ってろ」

女「せっかくの、初恋だったのに……」



41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:03:51 ID:AA/9CdPY


委員長「女さん……」

会長「……諦めるのは、まだ早いんじゃないか?」キリッ

女「えっ……?」

後輩「会長……?」

会長「常に三手先を読んでこその生徒会長。さぁ、窓の外を見たまえ」



42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:05:25 ID:AA/9CdPY


女友「窓の、外……?」

先輩「おいおい、あいつって……!」



男「女ぁ!」

女友「えぇー!?」

男「女ー! お前の気持ちは伝わったぞ!」

女「あ、あれは……男くん!」

男「多くの人の言葉に乗って、それでも褪せることなく伝わった!」



43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:06:42 ID:AA/9CdPY


女「……」グス

男「それはさながらぁ、延長11回での渾身のストレート!」

女「……うぅ」ポロポロ

男「球威が落ちることなく、俺の心のミットに収まった! ナイスピッチ!」

女「……ふぇ」ポロポロ

男「……俺も、俺もお前が好きだぁー!」

女「私も、男くんが大好きだよぉ!」



44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:07:35 ID:AA/9CdPY


会長「まったく、世話を焼かせる後輩たちだ」ヤレヤレ

女友「なんとか試合終了。無四球完封勝利だねっ」

後輩「まぁ、決勝点は私ですかね」

会長「素晴らしい試合だった。さぁ、ヒーローインタビューといこうか」キラッ

先輩「胴上げが先だろ!」

委員長「いいんでしょうか、これで……」




おわり



45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:07:57 ID:AA/9CdPY

読んでくれた人乙



47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:27:37 ID:VswBDqW.


広がった原因は会長と先輩だな
委員長もたいがいだがww



49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/06/21(木) 19:36:16 ID:xxUU5qxc

乙!
こんなノリ、大好き


元スレ
SS深夜VIP:女「11回裏のストレート」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1340261859/