1: ◆bommVHCpxo 2011/04/12(火) 20:59:53.82 ID:YQRx+wda0

 「私はお前だ、織斑一夏」

 「そして私の名前は――」

 「織斑マドカ、だ」

 「私が私たるために・・・お前の命をもらう」

 すっと差し出されたのは、鈍く光を放つハンドガンだった。

 パァンッ!と、乾いた銃声が響く――。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:09:52.01 ID:YQRx+wda0

 ガン!

一夏「ぐっ・・・」ドサッ

マドカ「・・・ガン?」

一夏「あーびっくりした」ムクリ

マドカ「!?」ビクッ

マドカ「な・・・なぜ平気なんだ」

一夏「ラウラにもらったナイフ・・・これがなければ危なかったぜ」チラッ

マドカ「ナイフホルスター!? な、なぜそんなものを」

一夏「いや、もらったって言ってるじゃないか」キョトン

マドカ「・・・なぜ身に着けているのかと聞いているのだ!」

一夏「だって、かっこいいじゃないか」キリッ

マドカ「」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:12:31.77 ID:YQRx+wda0

 ジュウセイカ!! マサカイチカガ コッチカー イソゲー

マドカ「くっ・・・、急がねば」

 ジャキッ

マドカ「いない!?」

マドカ「ど、どこに・・・!」キョロキョロ

一夏「」スッ

マドカ(後ろか!)

一夏「うぉぉお!」ガバァ!

マドカ(だがこの程度の動きなら余裕で・・・)



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:17:00.95 ID:YQRx+wda0

一夏「うわぁぁぁ何この子可愛いいいいいい!」ギュウウウー

マドカ「ひゃああ!?」

マドカ(しまった・・・! 銃を落とした!)

一夏「ちっちゃい千冬姉だああああ!」スリスリスリスリ

マドカ「ちょっ・・・、お尻にほお擦りするなああ!」ジタバタ

一夏「可愛いいいい!」スリスリスリスリ

マドカ「だ・・・、誰かーーー!!」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:24:17.63 ID:YQRx+wda0

 ―織斑家―

千冬「・・・で、連れて帰ってきたのか」

一夏「おう」ドヤ

千冬「やれやれ・・・」フゥー

マドカ「・・・」

千冬「・・・」チラッ

マドカ「」ビクッ

千冬「織斑マドカ、と言ったか? 何者だ?」

マドカ「お前たちに話すことは無い」プイッ

千冬「・・・」ジロリ

マドカ「あ、ありません・・・」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:29:44.86 ID:YQRx+wda0

マドカ「わ、私を捕らえたとしても・・・、遠隔操作で、ナノマシンで私の心臓を止めることが出来る」

マドカ「・・・情報収集など、不可能だ」

一夏「なんだよそれ・・・、酷いな」

千冬「ボーデヴィッヒ、ジャミングの継続時間はあとどのくらいだ」

ラウラ『はっ、最強度のジャミングをかけておりますので・・・』

ラウラ『デュノアからのエネルギー供給を受けていますが、あと17分ほどです』

千冬「そうか」

マドカ「ふん、残念だったな」

マドカ(私の命も・・・あと17分か)

マドカ(独断専行したのだ。 恐らく既に信号は送信されているだろうしな)



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:35:14.29 ID:YQRx+wda0

一夏「千冬姉・・・、どうするんだ?」

千冬「彼女は多くの基地を襲撃している。 ・・・解放はできない」

一夏「でもこのままじゃ!」

千冬「・・・」

マドカ「・・・」

マドカ「・・・なぜ私の心配をする?」

一夏「そりゃ・・・」

マドカ「私はお前を殺そうとしたのだぞ?」

一夏「そ、そうだけど!」

マドカ「私が死ぬか、お前が死ぬか・・・。 どちらかしか、ないのだ」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:40:47.72 ID:YQRx+wda0

マドカ「織斑千冬・・・、織斑一夏・・・」

マドカ「私はお前たちが憎い。 殺したいほどにな」

マドカ「くくっ、それが出来なかったのは本当に残念だ」

千冬「・・・」

一夏「・・・」

マドカ「あと10分といったところか」

一夏「千冬姉!」

千冬「・・・」チャキッ

一夏「刀!? な、何をするつもりだよ!」

千冬「織斑マドカ、外に出ろ」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:46:44.53 ID:YQRx+wda0

一夏「その刀で何をするつもりだよ! 千冬姉!」

千冬「黙って見ていろ」

一夏「できるかよ!」

マドカ(・・・そうか、ナノマシンで殺される前に、私を斬るか)

マドカ「・・・分かった」

一夏「おい!」

マドカ「うるさいぞ」

マドカ(ナノマシンでの「処分」ではなく・・・、戦士として殺してくれるか)



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 21:53:18.18 ID:YQRx+wda0

千冬「・・・」ザッ

マドカ(いい月だ。 こんな日に死ねるなら)

マドカ「悪くない」

マドカ(傷つけ、奪うだけの人生が終わるのなら)

マドカ「悪くない」

マドカ(織斑千冬・・・、「ねえさん」に殺されるなら・・・)

マドカ「悪くない」

マドカ「死ぬには・・・、いい夜だ」

一夏「やめろって! ふたりとも!」

千冬「・・・」スラリ

一夏「千冬姉!」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 22:05:44.83 ID:YQRx+wda0

一夏「お前もいいのかよ!」

マドカ「・・・何のことだ」

一夏「俺を憎んで! 千冬姉を憎んで! それだけの人生で!」

マドカ「・・・」

一夏「楽しいこともあるんだよ! いくらでも教えてやるよ!」

マドカ「・・・」

一夏「・・・だから、死ぬなんて・・・言わないでくれよ・・・!」

マドカ「・・・」

マドカ「・・・それでも、私には、それしかなかったのだ」

一夏「・・・」

マドカ「もういい・・・。 さぁ、やってくれ、織斑千冬」

千冬「・・・」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 22:26:33.63 ID:YQRx+wda0

千冬「何か勘違いをしているようだが、私は殺すつもりは無いぞ」

マドカ「・・・なんだと?」

千冬「昔、ドイツの山奥で一人の男に会った」

マドカ「・・・?」

千冬「勇者育成業と言っていたな。 うさんくさい男だったよ」

一夏「千冬姉、何の話だよ・・・」

千冬「最後まで聞け。 その男にな、剣技を教わったのだ」

一夏「千冬姉が教わった・・・?」

千冬「まぁ、目の前でやって見せただけで、特に教わってはないのだが・・・」

マドカ「・・・」

千冬「その中にな、「見えざる敵を討つ」という技があった」

一夏「千冬姉、まさか!」

千冬「ナノマシンだけを斬る」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 22:35:41.73 ID:YQRx+wda0

マドカ「そ、そんなこと出来る訳が」

千冬「・・・動くな」スッ

一夏「ち、千冬姉・・・」ゴクリ

マドカ「・・・」

千冬「―――流刀殺法・・・」ググ・・・

千冬「 空 裂 斬 !!」ザン!

 シュゴ―――!!

マドカ「・・・っ!」

千冬「・・・」

千冬「・・・ふぅ」パチン

一夏「ど、どうなったんだ?」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 22:44:56.35 ID:YQRx+wda0

千冬「ボーデヴィッヒ、ジャミングはどうだ?」

ラウラ『まもなくエネルギーが切れます。 ・・・ジャミング終了』

千冬「ご苦労だったな」

ラウラ『はっ、帰還します』

一夏「な、なあ・・・。 体、どうだ?」

マドカ「・・・なんとも、ない」

一夏「・・・ひゃっほーーーい!」ワッショイ!

マドカ「こ、こら、抱き上げるな・・・!」

一夏「はははっ! よかったなぁー!」ワショーイ!

マドカ「や、やめろと言うのに」

千冬「・・・ふふ」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 22:55:16.36 ID:YQRx+wda0

ラウラ「戻りました、教官」

千冬「ああ、お帰り・・・、そうだ、ボーデヴィッヒ」

ラウラ「はっ」

千冬「お前の大砲をな・・・、月のすぐ左・・・もう少し下に・・・」

ラウラ「このくらいでしょうか?」

千冬「よし、撃て」

ラウラ「了解、発射! ・・・って、教官!?」

 キ―――ン・・・      ドカーン

ラウラ「きょ、教官! 何かに当たったようですが!」

千冬「気にするな。 どうせ苦情は来ない」

ラウラ「は、はあ・・・」キョトン

千冬「ふん・・・、覗き見される趣味は無い」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:05:56.89 ID:YQRx+wda0

千冬「これから、どうする気だ?」

マドカ「・・・もう組織には帰れない」

千冬「行くところが無いか?」

マドカ「・・・」コクン

マドカ(元々、あの組織しか知らないし)

マドカ(それに、テロリストだし・・・)

マドカ「・・・」グスン

千冬「なら、ここにいればいい」

まどか「えっ」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:11:02.46 ID:YQRx+wda0

一夏「千冬姉、背の順でいいよな?」

千冬「まあ、いいだろう」

マドカ「えっ? えっ?」

千冬「長女・千冬」

一夏「長男・一夏」

千冬「そして・・・、次女・マドカだ」

マドカ「」ポカーン

マドカ「・・・いい、の?」オズオズ

千冬「構わん」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:17:40.79 ID:YQRx+wda0

マドカ「わ、私はお前たちが憎いと言ったのに」

千冬「知らんな」

一夏「聞いたこと無いぞ」

マドカ「こ、殺そうとした」

千冬「この馬鹿者にはいい刺激だ」

一夏「千冬姉、酷ぇよ」

マドカ「わ、私は・・・お前の・・・」

千冬「お前の素性はもういい。 そして、お前は私を「ねえさん」と呼んだ」

マドカ「き、聞こえていたのか」

千冬「なら・・・、お前は私の妹だろう?」

マドカ「・・・」ジワ

千冬「おいで、マドカ」

マドカ「!」ダッ



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:23:24.54 ID:YQRx+wda0

マドカ「・・・!」ギュー

千冬「ふふ」ギュー

マドカ「・・・ぅ・・・ぐずっ・・・うぇえええええぇええええ」ギュウウウ

千冬「ふふ、突然泣き虫になったな」ナデ ナデ

マドカ「・・・ずっ、だっで、ねえざんがやざじいがらぁぁぁ」ギュウウウ

千冬「よし よし」ナデ ナデ

マドカ「うっ、うっ、びゃああぁぁぁああああ」

―――――――――――――――
―――――――――――――――――

千冬「・・・」ギュー

マドカ「・・・」ギュー

一夏「・・・あのー、おにいちゃんもいるんですがー」ウロウロ

千冬・マドカ「「うるさい馬鹿者」」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:27:35.59 ID:YQRx+wda0

一夏「なぁ、なんて呼ぼう? マドカ? マドカちゃん?」

マドカ「ちゃんとか付けるな。 ・・・マドカでいい」

一夏「わかったよ。 よろしくな、マドカ」ニコッ

マドカ「・・・ふん」ポッ

一夏「なんで赤くなってんだよ」

マドカ「・・・うるさい」

千冬「一夏、風呂の準備をしろ」

一夏「へいへい」

千冬「マドカ、一緒に入るぞ」

マドカ「はっ、はい」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:33:24.63 ID:YQRx+wda0

マドカ(ねえさんに髪を洗ってもらえるなんて・・・)

千冬「すまんな」シャカシャカ

マドカ「えっ?」

千冬「髪、硬いだろう? 私に似たのか」

マドカ「・・・この髪、好きだ、です。 ねえさんに似てるなら、もっと好きだ・・・です」

千冬「・・・そうか」シャカシャカ

 チャポーン

マドカ「・・・浮いてる」

千冬「・・・ん?」

マドカ「・・・大きい」

千冬「お前も、すぐに大きくなる」

マドカ「そうなのか?・・・ですか?」

千冬「お前は私の妹だからな」

マドカ「・・・はい」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:38:12.83 ID:YQRx+wda0

千冬「だがな、これには条件があるんだ」

マドカ「条件」

千冬「好き嫌いはダメだぞ」

マドカ「・・・」

千冬「一夏の作る飯は大抵うまいが、たまに適当に味付け・・・というか、失敗をする」

千冬「そういうのも、文句を言いつつ食べるんだ」

マドカ「文句を言わずに、じゃないのか?・・・ですか?」

千冬「まずいものはまずい。ちゃんと文句を言わないとな」

マドカ「にいさんの料理・・・食べてみたい」クスッ

千冬「ん・・・、やっと笑ったな」

マドカ「!」カァー

マドカ「・・・」パシャパシャ

千冬「ふふ・・・、一夏の料理なら、すぐに食えるさ」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:44:34.48 ID:YQRx+wda0

千冬「あがったぞ」ホカホカ

一夏「麦茶をどうぞ」サッ

千冬「うむ」ゴクゴク

マドカ「・・・」ゴクゴク

一夏「髪を拭きます」フキフキ

千冬「マドカは私が拭いてやろう」フキフキ

マドカ「・・・」

一夏「髪を乾かしますねー」ブオー

千冬「うむ」ブオー

マドカ「・・・」

一夏「コーヒーゼリーが冷えております」ササッ

千冬「うむ」モキュモキュ

マドカ「・・・」モキュモキュ

マドカ(・・・この家、温かい)



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:49:48.93 ID:YQRx+wda0

千冬「今日は一緒に寝るか」

マドカ「はっ、はい」

一夏「俺も?」

千冬「そんなわけあるか、馬鹿者」

マドカ「・・・馬鹿者」

一夏「」ショボーン

千冬「ではな、おやすみ」

一夏「ああ、おやすみ、千冬姉」

マドカ「・・・お、おやすみ・・・、にいさん」

一夏「!」

一夏「あ、ああ! おやすみマドカ!」

マドカ「」マッカー

マドカ「・・・」プイッ

千冬「ふふ・・・、では行こうか」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/12(火) 23:57:33.49 ID:YQRx+wda0

千冬「すまんな、狭くて」

マドカ「いえ、一緒に寝られて嬉しい・・・です」

千冬「そうか」

マドカ「でも、いいのか?・・・ですか?」

千冬「何がだ?」

マドカ「私は、お前たち・・・ふたりを、殺そうと」

千冬「その話はもう済んだ」

マドカ「でも」

千冬「遠慮するな」ギュ

マドカ「むぎゅ」

千冬「私達は家族だ。 ・・・そうだろう?」

マドカ「・・・」コクン

千冬「なら、それでいい。 私と一夏が・・・護ってやる」ギュー

マドカ「・・・ん」ギュー



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/13(水) 00:04:14.53 ID:iOFe6Qtt0

 ―数日後 1年1組―

真耶「・・・今日は転校生を紹介します」

箒「山田先生、なぜあんなに疲れてるんだ?」

一夏「さ、さあ? なんでだろうな?」

真耶「はぁ・・・、事務手続きの面倒は、デュノアさんと比べ物になりませんでした・・・」

真耶「・・・どうぞ、入ってきてください」

  「・・・」トコトコ

セシリア「あ、あの方はっ!?」ガタッ

千冬「オルコット、座れ!」

セシリア「す、すみません」

 「「「「・・・・・・」」」」ポカーン

 「あの子・・・」

 「織斑先生そっくり・・・」

 ザワザワザワ  ザワ・・・ ザワ・・・



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/13(水) 00:25:03.56 ID:iOFe6Qtt0

真耶「で、では自己紹介を・・・」

マドカ「織斑マドカ、だ」

真耶「お、終わりですか?」

マドカ「・・・」

ラウラ「ふん、愛想の無い奴だ」

シャル「えっ」



一夏「よろしくな! マドカ!」

マドカ「・・・織斑と呼べ、馬鹿者」



おわり




45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/13(水) 00:11:28.80 ID:iOFe6Qtt0

おわりました
7巻刊行まであれこれ妄想してたのが、思ったよりあっさり流れたので
妄想してたあれこれを書いてみました
みんな幸せになれるといいですね

お付き合いありがとうございました!



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/13(水) 00:13:17.24 ID:Vd09dsc3O

もうちょっと続けて欲しかったけど面白かった
>>1



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/04/13(水) 00:34:20.92 ID:yuOqMbBq0




元スレ
マドカ「織斑マドカ、だ」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302609593/