提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」【前編】
提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」【中編】
提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」【後編】
SS速報R:提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1476205490/
641: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/27(火) 05:14:16.18 ID:XLJw0dqZ0
提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」【中編】
提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」【後編】
SS速報R:提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1476205490/
641: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/27(火) 05:14:16.18 ID:XLJw0dqZ0
~
提督「……朝?……いや、夕方か」
提督(時計を見るともう午後6時だ。寝落ちしたのか?いや、ここはベッドだ)
提督「ん……っ!!??」ドキッ
「すー……すー……」
提督(ゆっくり起き上がろうとして気がつく。誰かに抱き付かれている。頭の中が真っ白になる)
提督「まさか……まさか、まさか……!!」マッサオ
提督(恐る恐る視線を下へ。布団の膨らみ具合は、明らかに誰かいる。……いや、寝息が聞こえる時点で分かっていた。そしてそこにいるのはプリンツしかありえない)
提督(何も考えられない。俺は……俺はなんてことを……ビスマルクとプリンツにどう償えばいいんだ……!!)
提督(震える手でゆっくりと布団を捲る。俺の胸に抱き付くようにして寝ていたのはプリンツだった)
提督(だが、ここで気がつく。服を着ている!!もちろん俺もだ!!おそらく、酔ってそのまま寝たのだろう)
提督(決して酔った勢いで朝チュンなどしてしまったわけではない!!一気に力が抜けた。俺はなるべくプリンツを起こさないように起きようとする)
プリンツ「んー……だめぇ……」ギュッ
提督(色っぽい寝言に赤面しつつ、強引にかつ丁寧に引きはがす。着替えを持って浴室へ。シャワーを浴びて食事を作る。準備ができたところでプリンツを起こした)
提督「プリンツ、もう夜だぞ」
プリンツ「んー……あとみらーるぅ……?」
提督「起きろ」
プリンツ「大好きですぅ……っ!?アトミラール!?あれ、ここ!?」
提督「俺の家だ。落ち着け」
642: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/27(火) 05:26:56.02 ID:XLJw0dqZ0
プリンツ「あ、そっか……飲んだ後、そのまま寝ちゃったんですね」
提督「そうだろうな」
プリンツ「……今、私何か変な事口走りませんでしたか?」
提督「いや、特に言っていなかったが?」
プリンツ「そうですか……」
提督「食事を作ったんだ。腹が減っているだろう?」
プリンツ「あ、ありがとうございます」
提督「シャワーを浴びていくか?」
プリンツ「はい。あ、でも着替えがありません……」
提督「ああ、そうか……買ってくるか?車でひとっ走りしてくる」
プリンツ「!?……お、お願いします」
提督「っ!!すまん!配慮が足りなかったな……その、サイズとかは?」
プリンツ「その……ゴニョゴニョゴニョです……///」
提督「わ、分かった……///じゃあ行ってくる!!先に食べていてくれ!!」
プリンツ「あ、でも……」
提督(なんてことだ、寝ぼけていた!本当に配慮が足りなかった!自分の至らなさが申し訳ない)
提督(俺はプリンツの言葉を聞かずに車へ向かう。赤い顔を見られるのが恥ずかしかった)
提督(車を出してコンビニに向かったが、なんという不幸だろうか!最後の一個を目の前で取られるコーラを買って他の場所へ)
提督(無事手に入れられたが、店員の視線が痛い……気がする。時間がかかってしまった。すぐに戻る)
提督「プリンツ、今戻った」
プリンツ「あ、提督!このシャツ、洗濯物で畳んであったんですけど……勝手に使わせてもらってますね?」
提督「あ、ああ!気にするな!ほら、これが着替えだ!後は男物で悪いが、俺のを適当に見繕ってくれ!何でもいい!」
プリンツ「ありがとうございます」
提督(プリンツは、なんと彼シャツ状態だった。いや、俺がプリンツの彼氏なわけではないが……)
提督(サイズの大きい俺のシャツが何とかプリンツの大事な所を隠していたが、少しめくれるだけで丸見えだろう……)
提督(さらに胸元はやはりきついのかぱっつんぱっつんになっていてボタンとボタンの間から肌色が見えていた。大変よろしくない)
提督「じゃあ俺はリビングで待ってるからな!帰りは送っていく!」
プリンツ「分かりました。ありがとうございます」
提督(リビングに戻ると食事が二つとも残っていた。待っていてくれたのか)
提督(結局、着替え終わったプリンツと共に食事をとって車で送っていく。宿舎の前で別れ、楽しい時間が終わった寂寥感に浸りつつ家に戻った)
~
ビスマルク「えっ……」
ビスマルク(今日は提督の元へ戻る日だった。移動の車の中で、私は暇をつぶすためにI Phoneをいじっていた)
ビスマルク(それを見つけたのは偶然だった。ただ、ニュースをチェックしていて、そして気になる記事を見つけた)
ビスマルク(それはドイツのメタルバンドが初来日してライブを開いたという記事だ。たしか、プリンツのお気に入り。見てみることにした)
ビスマルク(そして、そのライブの写真。最前列にいたのはプリンツと、……プリンツを後ろから抱くように立っているアトミラールだった)
ビスマルク「……う、嘘。嘘よ、アトミラール……」マッサオ
ビスマルク(そんな事、ありえない。だって、アトミラールは私の……)
ビスマルク「……」フルフルフル
提督『すまないが、明日の夜はちょっと用事があってな。電話できないんだ』
ビスマルク『そうなの?またお友達と?』
提督『ああ、そうだ』
ビスマルク(ライブについて詳しく検索する。他に画像があるかもしれない。すると、またある記事を見つけた)
『クソエロイ金髪美女がライブ前に公衆の面前で立ちバックしてやがるwww』
ビスマルク(なんと、ライブ前に立ちバックをしていた奴がいたらしい。手が震える。まさか……)
ビスマルク(そのページを開いてみる。どうやら立ちバックではなくライブ前にセクシーダンスをしていたカップルについての記事だった)
ビスマルク(そしてアップロードされていた画像に映っていたのは、加工されていたけれど間違いない……!!)
ビスマルク「アトミラール……アトミラール……!!」ウルッ
ビスマルク(信じられない……アトミラールがプリンツと……)
ビスマルク「ぐすっ……あとみらーるぅ……」ポロポロポロ
ビスマルク(どうして……アトミラールは私の……信じられない……なんで……きっと何かの間違いよ)
提督『ビスマルク!!』
ビスマルク「っ!!」
ビスマルク(絶望に押しつぶされそうになった時、アトミラールの顔が脳裏に浮かんだ。あの、私を見つめる強い意志を持った瞳を思い出す)
ビスマルク(そうよ……!!きっと何かの間違いだわ!!あのアトミラールがそんな事するわけないもの!!電話だってずっと欠かさなかったわ!!)
ビスマルク(ただ一緒にライブに行っただけで、あのダンスだってきっと成り行きで踊ることになっただけよ!!)
ビスマルク「そうよ……絶対そうなんだから……アトミラールは、私の夫なんだから……!!」ギュッ ブルブルブル
ビスマルク(ひたすらそう信じる。そうでないと狂ってしまいそうだった。恐れていたことが実際に起きたのなら、私は……)
ビスマルク(あと一時間はかかる。それが煩わしかった。今すぐにワープでもできればいいのに)
~
プリンツ「……」
プリンツ(今日はあの女が戻ってくる日だ。私は、できることは全てやった。アトミラールとの関係をできうる限り深められたと思う)
プリンツ(今すぐに、となればいいけれど。きっとそうはならない。アトミラールはそういう人だから)
プリンツ(そんな簡単に済むのなら、今日までの間で手を出されていただろう。その機会はたくさんあった)
プリンツ(だからこそ好きなんだけど。けど、何もなかったとしても、もう何度も夜を共に過ごしている)
プリンツ(下地はできあがっているんだ。少しずつ、少しずつ、頑張ってきた。そして今日は前哨戦)
プリンツ(何もしなければ、アトミラールはこのままあのビッチに絆されてしまう。けど、そうはさせない)
プリンツ(ここで橋頭堡を確保する。私という存在をアトミラールに刻み込む。そうすれば私の勝利だ)
プリンツ(私とあいつの決戦になれば、勝ってみせる自信がある。私があんな浮気女に負けるわけない)
~
提督(今日は、ビスマルクが戻ってくる日だった。俺は、とうとうこの日が、ここでまたビスマルクと会う日が来たかと感慨深かった)
提督(もうすぐここに戻ってくる。そうしたら思いっきり抱きしめてやる。俺がどんなに寂しいと思っていたか)
提督(そしてどんなに俺が幸せかということを、どんな手段を使ってでも教えてやる。ディナーの予約も完璧、準備は万端だ)
プリンツ『アトミラール!!』
プリンツ『だい……すき……』
提督(プリンツのことが脳裏によぎる。彼女のことは好きだし、感謝している。何でもしてあげたいぐらいに)
提督(だけど、それはLikeの意味だ。俺が一番愛しているのはビスマルクなんだ。それは、変わらない)
提督(待ちきれないという気持ちと少しのモヤモヤを断ち切るように時計を確認する。もうそろそろのはずだった)
プリンツ「アトミラール、失礼します」
提督「プリンツ、どうしたんだ?」
プリンツ「……とうとう今日ですね、アトミラール」
提督「!ああ、そうだ。長かった」
プリンツ「……アトミラールは、あの女を許すんですか?」
提督「!!……プリンツ?」
プリンツ「……場所を変えましょう。ここでは誰が来るか分かりませんから」
提督「……分かった」
提督(時間が気になるが、これは避けては通れない話だ。後回しにすることも許されない)
提督(プリンツについて行き、普段は人が来ない空き部屋に入る。倉庫として使っている場所だ)
プリンツ「アトミラール……ビスマルクが何をしたのかお忘れですか?」
提督「まさか。だが、あれはビスマルクがやりたくてやったことではない」
プリンツ「何故そう言い切れるのですか?」
提督「……あいつは、泣いていたんだ。俺のもとを去る時、セックスの快感で冷静な判断ができる状態になかったにもかかわらずにな」
提督「快楽に蕩けた顔ではない。悲しそうな泣き顔だ。思えば、兆候は……あいつが助けを求めているサインはいくつもあった」
提督「だが俺は気がつけなかった、最後のあの涙の時でさえ。そこからあいつは壊れた。あの男が好きと思い込むしかなかったんだ」
プリンツ「……だとしても、あいつは穢れた存在です。それに、あんなの騙される方が愚かです」
提督「人は、時には思わぬ間違いをすることがある。周りから見ていれば理解不能でも、過ちを犯してしまうことがあるんだ」
プリンツ「それでも過ちは過ちです。あいつのせいでどんなに貴方が傷つき、苦しんだか忘れたわけではないでしょう?」
提督「……だが、それは」
プリンツ「本意でなかった?かもしれませんね。ですが、それでもあなたの傷が癒えるわけではありません」
プリンツ「失望や怒りがありますよね。あんなことをされたのだから当然です。けど、それを無理に押さえつけている」
提督「……それでも、だ。それでも、俺はビスマルクを……」
プリンツ「アトミラール。貴方のビスマルクへの想い……それは本当に愛ですか?」
提督「……何が言いたいんだ?」
プリンツ「本当にビスマルクが好きなのですか?……その気持ちは、憐れみや同情ではありませんか?かつての愛の成れの果てではないんですか?」
提督「ち、違う!!俺は本当に……」
プリンツ「アトミラール」ダキッ
提督「っ!!」
プリンツ「もし、あなたがビスマルクに対して何らかの罪悪感があるなら。……それは間違いです。決してそう思う必要はありません」
プリンツ「アトミラールは、自分の幸せのためにしたいことをしていいんです。それを咎めることなんて、誰にもできない」
提督「プリンツ……」
プリンツ「しがらみなんてすべてなくしてください。周りを見渡してみてください。きっと何か良いアイデアが浮かんでくるはずです」
提督「……」
プリンツ「……ちゅっ」
提督「!!??」
提督(プリンツの言葉に動揺していた俺に、彼女はいきなり口づけする。唇を重ねるだけの、初々しいソフトなキス)
提督(時が止まった。俺は、拒むことも、振り払うこともできなかった。ただ、その暖かさ、プリンツの熱が心地よかった)
提督(しばらくして、我に返る。プリンツは、それを察したのか自ら唇を離した)
プリンツ「……私の、ファーストキスです」ジッ
提督「な、なんで……」
プリンツ「忘れないでくださいね。私は、いつでも貴方の味方で、貴方を見ていますから」
提督「お、俺は……俺は……」
プリンツ「貴方のためなら、何でもできます。では、失礼しますね」
提督(プリンツが部屋を出ていく。俺は、ただ何もできずにいることしかできなかった)
提督(しばらくして、ようやく気力が回復する。何とかして執務室へ向かう。頭がおかしくなりそうだった)
提督(プリンツがまさかあんな行動に出るとは思わなかった。もう誤魔化せない。自覚せざるを得ない。……俺は、今やプリンツも愛している)
提督(また、彼女が言った通り、俺はビスマルクに対して確かに失望や怒りを覚えているのだ)
提督(もちろん、ビスマルクのことを愛しているのは本当だ。ああして奪い返したことに無上の喜びを感じている)
提督(もう一度、二人でやり直す。それを望んでいる。その為に、俺は自らの不満に蓋をしていた)
提督(それがプリンツの言葉で一気に膨れ上がった。バックドラフトのように大きく燃え盛る)
提督(どうしてあんな馬鹿みたいな手に引っかかったのか。どうして一度は完璧に裏切ったのか)
提督(殺してしまいたい。散々に痛めつけて、身も心もすりつぶして、自殺させてやりたい)
提督(自分が大きな罪を犯した汚い人間だと自覚させて、『ごめんなさい、赦して』と泣きすがるのを冷たく切り捨ててやりたい)
提督(もはや言葉にしきれないこのくらい感情をどうすればいいのか。どうすれば満足なのか自分でもわからなかった)
提督「……っ」
提督(そして、執務室前の廊下に来たところで気がつく。扉の前で膝を抱え、体育すわりの格好でうつむいているのは)
ビスマルク「……」
提督(俺がずっと待ち望んでいたはずの女性だった)
~
ビスマルク「……!!」スタスタスタスタ
大和「提督に指揮を任されたわ!!理由が理由だからちょっとアレだけど……っ!?ビスマルク……さん……!!」ビクッ
武蔵「やったじゃないか。やはり提督はお前を評価しているってどうした?っ!!ビスマルク!?久しぶりだな!!その……元気だったか?」
ビスマルク「久しぶり、二人とも。ええ、元気よ。そちらも元気そうで何よりだわ」
ビスマルク(すれ違う皆は、驚きつつもいつも通りの対応。私が何をしてしまったかは知らされていないようだった)
ビスマルク(そうよ。そこまで配慮してくれているアトミラールが、私を……捨てるなんて……ありえない!!)
ビスマルク(急ぎ足で執務室へ向かう。そして、ようやく執務室前の廊下までたどり着いた時に見たのは)
プリンツ「……」スタスタ
提督「……」スタスタ
ビスマルク「……!!」ガーン
ビスマルク(連れたって向こう側へ歩いていくアトミラールとプリンツだった。心が底なしの落とし穴へ落ちていく感じ)
ビスマルク(けど、まだ決まったわけじゃない。ただの話し合いかもしれない。いや、そうに決まってる)
ビスマルク(二人に気がつかれないように後をつける。人気のない方へ行き、確か倉庫のはずの部屋に入っていく)
ビスマルク(この時点で私の心は限界だった。震えが止まらない。耳を当てても、何を話しているのかまで聞き取れない)
ビスマルク(しばらく粘ったが、諦める。気がつかれないことを祈りながら扉を少し開けた)
ビスマルク(隙間からカメラを起動したスマホを差し入れ、中を確認する。画面に映っていたのは)
プリンツ「……」ダキッ チュッ
提督「……」
ビスマルク「…………」サァッ
ビスマルク(プリンツに抱き付かれて、唇を重ねているアトミラールだった。すべてが終わった気がした)
ビスマルク(しばらくの間、固まっていた。二人は未だに口つけを交わしている。これ以上見たくない)
ビスマルク(スマホを抜き出し、気がつかれないようにドアを閉める。ゾンビのように歩いて、いつの間にか執務室前に戻ってきていた)
ビスマルク(立っていられず、座り込む。アトミラールへの怒りが湧き上がってきた)
ビスマルク(よくも……よくもこんなひどいことを……!!殺してやる!!破滅させてやる!!)
ビスマルク(あとで後悔したってもう遅い!!謝られたって赦してやるものか!!だけど、そこで気がつく)
ビスマルク「先にそういうことをしたのは、私の方だ……」ウルッ
ビスマルク(これほどの絶望と憤怒、そして苦痛を受けて、そして私に敵意を向けられ、罵られてもなお)
ビスマルク「アトミラールはあの時、私を……自分が撃たれてまで……」ポロポロポロ
ビスマルク(もう何も考えられなかった。混沌が自分の中で渦巻いていた)
~
提督(俺は、ビスマルクへ歩み寄る。しかし、胸の中には複雑な感情がうごめいていた)
提督(もう気がついてもおかしくないが、しかしビスマルクは気がつかない。あるいは、あえて反応していない)
提督(そもそも、なんであんなところでああしているのか?苛立ちが募る。つかつかと歩いていき、目の前に立つ)
提督「……何をしている?」
ビスマルク「っ……」スッ ジッ ツゥ
提督「!」
提督(声をかけ、顔を上げたビスマルクは泣いていた。涙が流れ、目が赤い)
提督「……ど、どうしたんだ?」
ビスマルク「……プリンツと……付き合っているの?」
提督「!?」
ビスマルク「さっき、貴方のところへ挨拶来た時、見たわ。……プリンツが貴方と向こうへ行っているのを」
提督「……」
ビスマルク「嫌な予感がして、後を追ったの。そしたらあなたとプリンツが話しているのが聞こえたわ」
提督「っ……」
ビスマルク「何を話しているかまで聞き取れなかったから、ドアを開けて中を確認したの」
ビスマルク「そしたら、見えたわ。……貴方がプリンツとキスをしているのが」
提督「……」
ビスマルク「……何か言ってよ」
提督「っ……き、君が言うのか?」
ビスマルク「っ!!ぐすっ……言って、くれたじゃない……戻ってきてくれって。貴方には私が必要だって……」
提督「!!」
ビスマルク「あの男の所に乗り込んで、私にそう言ってくれたじゃない……だから私は、もう何もかもめちゃくちゃでも……」
ビスマルク「それでも、貴方を頼ったのよ……あなたが好き。愛してる。それが、私の本当に本当の想いなの……」
提督「どうしてっ……今更……」
ビスマルク「貴方が言ってくれたからよ……!!貴方が目を覚まさせてくれたからよ……!!」
ビスマルク「私は今、とても苦しい……胸が張り裂けそう!!貴方はプリンツを選ぶの!?」
提督「……」
ビスマルク「なら、なんで私を助けたのよ!!現実でこんな思いをするぐらいなら、たとえ歪な幸せでも、ワルイユメでも……」
ビスマルク「っ……さ、覚めないほうが良かった……!!」
提督「っ!!!!……!!」
提督(あの男を肯定するような発言に、怒りが爆発しかける。しかし、ビスマルクの、なんだかんだあっても好きな子の泣き顔がそれを抑えた)
提督(俺は、ビスマルクを取り返したかった。それは、ビスマルクの為であり、何より俺自身のためだった)
提督(憎い敵に復讐し、好きな女を取り戻すために、その女の歪とはいえ、幸せを破壊しつくしたのだ)
提督(そこで、もし俺がその女を捨てたらどうなる?彼女に残されるのは、絶望だけだろう)
提督(だが、俺の中のこの負の感情ももはや押さえつけることはできない。胃が焼けるように痛い。かすれる声で不満が漏れだす)
提督「……君はなぜ、あんなことをしたんだ?俺は、本当に君が好きで、信じていたのに……」
ビスマルク「っ……」ブルブルブル
提督(俺のその、絞り出すような声に、ビスマルクは可哀そうなほどに震える。恐怖と後悔、痛みのために青い瞳が揺れていた)
提督(口にするだけでもこうなるのか。いや、そうだろうな。ビスマルクは言葉を紡ぐのに苦労して、しかしやっとのことで語り始めた)
ビスマルク「……知ってると思うけれど、私が日本に来た時に初めて整備を担当したのがあの男だったわ」
ビスマルク「日本について何も知らなかった私は、あの男の言う日本式の整備を受けた」
提督「おかしいとは思わなかったのか……!?」
ビスマルク「もちろん、思ったわよ……!!けど、そんなことでいちいち文句を言ったりすると貴方に迷惑が掛かって、嫌われるって……」
ビスマルク「私は貴方が好きだから、万が一嫌われたらって思うと……話せなかった……我慢したわ……」
提督「それで、あの日につながると?」
ビスマルク「整備を拒否した私に、事情を知らないあなたが命令したわ。……だから、受け入れざるを得なかった」
提督「どうしてその時言わなかった!?迷惑をかけるって……整備拒否の時点でかかってると思わなかったのか!?」
ビスマルク「好きな人に、あんな男に穢されてるなんて言えると思う!?私は、……言えなかった」
提督「……」
ビスマルク「……感じたことのない快感、自分の体があの男に変えられていくのが嫌でもわかって、怖かった」
ビスマルク「でも、どうしようもなかったのよ……」
提督「……それが、どうしてあれに繋がる」
ビスマルク「……きっかけは、あなたが寝ているときに前の奥さんの写真を見た時よ」
ビスマルク「この想いはかなうことがないんだと思ったら、どうでもよくなった。全部どうでもいいと思った」
提督「それで股を開くのかお前は……」
ビスマルク「っ……ええ、そうね。結果的に、そうなったわ」
提督「……言い訳があるなら、言ったらどうだ?」
ビスマルク「……今までそういったことをしたことがなかったから、その先を知りたかったってのもあるかも。……後悔しているわ」
提督「なんでそんな馬鹿な真似を……!!」
ビスマルク「自分でも今考えると分からないの……!!けど、あの時はもうどうでも良くて、そうしてもいいって気になっちゃったのよ……!!」
提督「……それで」
ビスマルク「……あの男に抱かれて、はしたなくよがって。……きっとあの時、妊娠した」
ビスマルク「だから貴方を諦めようと思って、遠くから眺めていた時に……告白された」
ビスマルク「泣いたわ。どうしてこんなことになったんだろうって。もう私には提督と一緒になる資格がないんだって」
提督「……」
ビスマルク「……それでも、貴方が私を選んでくれたことが嬉しくて、本当にうれしくて」
ビスマルク「いけないと思っていても、断れなかった。断りたくなかった」
提督「……もしあの後でああならなかったとして、お前はあれとの子供を俺に育てさせるつもりだったのか?」
ビスマルク「……怖くて、貴方の子じゃないのなんて言えなかった。堕胎しようにも、それこそ言わなくちゃできないから……」
提督「……」
ビスマルク「そうね、たぶん悩んでいる間に取り返しがつかない所までいっちゃって、産んでたと思う……」
提督「……」
ビスマルク「……そうしたら、貴方の子供として育てていたかもしれないわ」
提督「はっ……しれないだけか」
ビスマルク「っ……していたわ、きっと……ごめんなさい……」
提督「……続けてくれ」
ビスマルク「……貴方と結ばれて、けどあの男にいろいろされた私は、……貴方の労わるような優しいセックスじゃ満足できなかった……」
ビスマルク「もっと、快楽を貪るような、獣のようなセックスじゃないとダメだったの……でも、言い出せなくて」
ビスマルク「そこにあの男が来て、私を無理矢理犯して……私も抵抗したけ……いえ、抵抗らしいこともできずにされるがままで……」
ビスマルク「久しぶりの、凄い快感を伴うセックスで、頭がおかしくなっちゃって……私を助けようとしたあなたに、あ、あんなひどいことを言っちゃって」
ビスマルク「気がついた時にはもう取返しがつかないことをしてしまった後で、もう私にはあの男しか頼れる人はいないんだって思った」
ビスマルク「だから、私は、あの男を好きになるように、努力したの……」
提督「……チッ」
ビスマルク「っ……そうね、私は頭空っぽのビッチでしょうね……」
ビスマルク「けど、やっと自分を心から騙せた頃になって貴方が私の所に来てくれて」
ビスマルク「そして、まだ間に合うって……や、やり直そうって、言って、くれたからぁ……だからぁ……!!」ウルッ
ビスマルク「かりそめの気持ちなんて吹き飛んだわ!!どんなに自分を偽ろうとしても、やっぱり無理なの……!!」
ビスマルク「お願い、何でもするわ!!だから私を捨てないで……私といて……!!」ガシッ
提督「ビスマルク……」
ビスマルク「ごめんなさい……!!私はバカでした……もう二度としませんから、赦してください」ボロボロボロ
ビスマルク「あ、貴方がいないと……私はもうダメなの……生きていけないの……!!」
提督(俺の脚に縋り付き、涙を流すビスマルク。俺は心が痛かった。……俺は、あの時ビスマルクが何を思っていたのかを知った)
提督(本人からその話をちゃんと聞いたことは初めてだった。どうしてあんなことをしたのか。それを知れて、少しスッキリした)
提督(もちろん、理屈的にはそうかもしれないと思っても心では納得できない。けど、そんなもんだろう)
提督(人の心はそういうものだ。言葉ですべてを表すことはできないだろうし、理屈ですべてを説明することはできないんだ)
提督(怒りもすべては消えていない。けど、それでも俺はビスマルクがどうしようもなく好きなんだ)
提督(だからこそ、俺は……俺は、ビスマルクを立たせる)
提督「ビスマルク、立ってくれ」スッ
ビスマルク「……ええ」グッ
提督(そして執務室の中に入れる。扉の鍵を閉めた)
提督「君は、俺を愛しているのか?誰よりも?あの男よりも?」
ビスマルク「もちろん、誰よりもよ。それに、あんな奴……あんな奴!心から愛した事なんてないわ!」
提督「俺は、気がついてしまった。俺は君に対して怒りを感じているし、報いを受けさせたいと思っている」
ビスマルク「っ!!……」ジワァ
提督「でも、それでも君に対する一番の感情は愛だ。君が、本当に、心から好きなんだ」
ビスマルク「アトミラール……!!」ハッ
提督「どうか、もう二度とあんなことをしないでくれ。ずっと俺だけを愛すると誓ってくれ!!」
ビスマルク「ええ……ええ!!もちろんよ!!もう二度としないわ!!」コクコク
提督「何事も君を失うことに比べれば遥かにましだ。恥ずかしがったりすることは無いから、何かあったらすぐに教えてくれ」
提督「たとえ、俺のセックスが下手だとかそういうことでもだ。いいな?」
ビスマルク「分かったわ。もう二度と騙されたり、付け込まれたりしない」
提督「愛している、ビスマルク。俺を支えてくれ」チュッ
ビスマルク「はい、私も愛しています……!!よろしくお願いします!!……んっふぅ」
提督(ビスマルクに口づけする。久しぶりに感じるビスマルクの味、匂い、体温、そして存在感に幸せとほんの少しの苦しみを感じる)
提督(しばらくして唇を離すと、ビスマルクは名残惜しそうに自分の唇に触れた。そして恥じらう乙女のように告げる)
ビスマルク「アトミラール……その、し足りないわ。あと、……もっとディープなのがしてほしい」
提督「……それは、つまり?」
ビスマルク「私は貴方のものだって刻み込むような、そんなキスで上書きしてほしいの……」
ビスマルク「……あれがやっていたような、下品なキスがお望みか?」
ビスマルク「げ、下品……けど、そうかもしれないわね……」
提督(あんな勘違い男がやるような、舐めまわすようなのがビスマルクの好みなのか……いや、好みにさせられたのか……)
提督「それが、いいのか……」
ビスマルク「……その、無理なら我慢するわ」チラッ
提督「……あの男の影響か?」
ビスマルク「……そう、かも」
提督(ビスマルクがあの男にここまで穢されたのかと思うと吐き気がする。だが、悦ばせるためにはそれが必要か)
提督(……なら、いいだろう。お望みならば、お望みのものをやろうじゃないか)
提督(俺の中の愛憎を全て込めたような、相手のことを考えないようなのをしてやる。まるで強姦のような、そんなやつを)
提督(かつてビスマルクのふりをしてくれていたプリンツが言ったように、そういった性技は勉強した。実験台にしてやる)
提督(だが、そうすんなりとはいかせない。焦らしてからだ)
提督「……悪いが、今はまだ我慢してくれないか。そんな気分じゃないんだ」
ビスマルク「っ……そう、分かったわ」
提督「とりあえず、ひつような手続きなどを済ませてしまおう。来てくれ」
ビスマルク「分かったわ。……」シュン
提督(俺に受け入れられず悲しそうな表情をするビスマルクに、嗜虐心がくすぐられた。もしかしたら、そういう趣味なのかも)
提督(必要な手続きと連絡を済ませる。これでビスマルクは俺の艦隊に艦娘として復帰することになった)
提督「以上で全てだ。何か質問はあるか?」
ビスマルク「ないわ」
提督「よし、では解散。これが家の鍵だ。今日はもう戻っていいぞ」
ビスマルク「Ja wohl. ……」モジモジ
提督「……何だ?」
ビスマルク「あの……今晩、暇かしら?」
提督「……何かあるのか?」
ビスマルク「何かあるのかって……久しぶりの再会じゃない?ディネーとか、付き合ってあげてもいいのよじゃなくて!!」
ビスマルク「ディネーとか、どうかしら?特別な日だし……ね?」
提督「悪いが遠慮させてもらおう。どうやら敵の攻勢が近いらしくてな。忙しんだ」
ビスマルク「あ、そう……なら、何か手伝えることはあるかしら?」
提督「ありがたいが、今はまだないな」
ビスマルク「……分かったわ。夜は帰ってくるでしょ?」
提督「先に食べていてくれ」
ビスマルク「……待つわよ。待ってるから」
提督「そうか、ありがとう」
ビスマルク「ええ……じゃあ、またね」
提督「ああ」
ビスマルク「……」トボトボ
提督(背を向け、悲しげに扉へ向かうビスマルクに気がつかれないように忍び寄る)
ビスマルク「っ!?痛っ!」ビクッ ドンッ
提督(ドアノブに手が伸びたところで、肩を掴み強引に振り向かせる。驚くビスマルクを扉へ押さえつけ、俗にいう壁ドンに近い体勢になる)
提督(軽く頭をうち、顔をしかめるビスマルクを至近距離から睨みつける)
ビスマルク「っ……んぅ!?」
提督(怯えたような表情を浮かべるビスマルクに、俺は強引に唇を重ねた)
ビスマルク「んぅ……ふぅ……れろれろ」
提督(舌をビスマルクの咥内に侵入させる。抵抗なく開かれた口の中では、熱い舌が待ち受けていた)
提督(こわばっていたビスマルクの体がリラックスしていき、舌が絡みあい、手が首へ回されそうになる)
ビスマルク「んっ!?ふぁ……んぁ……」
提督(しかし、させない。手首を掴み、壁に押し付け、拘束する。ビスマルクはされるがままだ)
提督(色っぽい吐息をつきながら、艶めかしく舌を絡ませてくる)
ビスマルク「んふぅ……にゅる……ん゛ん゛!?っ……いはいいはい!!いはいは!!」
提督(舌を引っ込ませると、逃がさないとでもいうようにビスマルクの舌が追いすがってくる。俺はそれに噛みついた)
提督(もちろん、加減はしているがそれでも痛いはずだ。案の定、ビスマルクはくぐもった悲鳴をあげて、痛みを訴える)
ビスマルク「っ……」ジロッ
提督(ビスマルクの舌を解放すると、ビスマルクは口を離して抗議の視線を向けてくる。俺は無言でもう一度ビスマルクの口を貪った)
ビスマルク「んはぁ……ふぅ……にゅる……れろれろ……」
提督(舌を入れ、お望みどおりに貪るようにビスマルクの咥内を蹂躙する)
提督(片手でビスマルクの頭を強く抱き、もう片方の手でビスマルクの背中をなで、だんだんと臀部の方へ手を伸ばす)
ビスマルク「んはぁ……んふぅ……ぁあ……」
提督(ビスマルクが色っぽく熱い吐息を吐いた。手は首にまわし、脚を絡ませ、体を擦りつけてくる)
提督(服をかきあげ、むき出しになった柔らかい尻を、ショーツの上から揉みしだく)
提督(一通り堪能した後、手を前にまわした。ショーツの上からでもわかる。濡れている)
ビスマルク「んぁっ……だめぇ……そこはぁ……っふむぅ……れろ」
提督(ショーツの中に手を侵入させる。恥丘を覆う陰毛をなでつけ、はしたなく濡らしているそこを責めた)
提督(割れ目に沿って指で撫で、固くなっているそれを摘み、こねくり回す。これだけ濡れていれば問題ないだろう。中に指を入れた)
提督(慣らす必要はなさそうだ。指の腹で手前のGスポットをスクラッチするように刺激する)
ビスマルク「んはぁ……!!んぁぁ……!!はぁむ……!!」
提督(ビスマルクの反応に合わせてスピードを速める。俺は、口を離した。唾液の糸が淫らに垂れる)
提督「どうだ?」
ビスマルク「き、気持ちいい!おかしくなっちゃう!」
提督「あの男とどっちがいい?」
ビスマルク「それはぁ!はっ……!あ、貴方ですぅ!」
提督「悩んだな?嘘を吐いただろう。あっちの方がいいと思ってる」
ビスマルク「違う!違うぅ!好きな人にされたほうが良いの!」
提督「だが、気持ちよさでは向こうが上だな?正直になれ」
ビスマルク「ぅぅ……はぁ!は、……はい」
提督「どうされるのが好みなんだ?言ってみろ」
ビスマルク「もっとぉ……!強くして!もっと深く!そぅ……はぁあ!ああ!」
提督(もはや痛くするぐらいの力で刺激する。反応が良くなり、しばらく虐めたところでさらに奥まで指を入れる)
提督(ポルチオとGスポットを責めるようにした。一度、ビスマルクをイかせてしまおう)
ビスマルク「ああ!だめ!来ちゃう!!おかしくなっちゃう!!おかしくなっちゃう!!っ……ああああ!!」
提督(ひときわ強く抱きしめられ、中が締まる。しばらくして、波が収まったらしいビスマルクは少し離れた)
提督(そして、涎をたらしながら蕩けた顔でこちらを見つめている。青い目の中にはハートマークが浮かんでいるようだ)
ビスマルク「はぁー……はぁー……」
提督「少しは上手くなったか?」
ビスマルク「はぁー……す、少しどころか……スゴクうまくなってる……どうしたの……?」
提督「そうか」
提督(俺は、質問に答えず手を振りほどく。そしてしゃがんだ。目の前に、手マ○中にショーツがずり落ちて、秘所が露わになっていた)
提督(淫らな匂いが漂っている。俺は、その秘所に吸い付いた。少ししょっぱいが、ビスマルクの秘書を舐めていると思うと興奮する)
ビスマルク「はぁっ!!つぅ……!!あぁん!!」
提督(舌で突起を刺激し、強く吸う。淫らに響く水音に羞恥を覚えるが、我慢する。ビスマルクは腰が引けるが逃がさない)
提督(舌を中にまで入れる。膣壁を舐めるようにして責める。そしてまた突起へ。立っていられないのか、ビスマルクはずるずると座り込んでしまう)
提督(だが容赦はしない。それがお前の望みのはずだ。狂うほどの快楽で俺を刻み込んでやる。ショーツを剥ぎ取り、クン○を続行した)
ビスマルク「あぁ!!あとみっ!!くぅ……!!あとみらーるぅ!!」
提督「……」ジュルジュルジュル
ビスマルク「わ、たしぃ!!はぁん……!!私、見たぁ……」
ビスマルク「貴方が……っ!!ふぅう!!……プリンツとライブに行ったことぉ!!」
提督「!」ジュル
ビスマルク「はぁっ……画像に映ってた……っ……セクシーダンスまでしてた……」
ビスマルク「私には……友達と予定があるって……どうして言ってくれなかったの……?」
ビスマルク「くぅ……プリンツと……セックスしたの……?」
提督「……」ジュル
ビスマルク「……なにか、言ってよ。ねぇ……」
提督「……」ジュルジュルジュル
ビスマルク「っ!?あっはぁあ!!ダメ!!誤魔化さないでっ!!」
提督「……」ジュルジュルジュル
ビスマルク「っはぁあ!!来ちゃう……来ちゃうううう!!」ビクンビクン
提督「っは……」
ビスマルク「はぁ……はぁ……はぁ……アトミラール……」
提督「……もしそうだとして、お前が俺に何を言うんだ?」
ビスマルク「……知りたいだけなの。何も言うつもりじゃないわ。ただ、気になって仕方がないの」
提督「……俺が妻以外とセックスするとでも思ったか?」
ビスマルク「!」
提督「信じられないか?」
ビスマルク「まさか。信じるわ」
提督「……そこに寝そべろ」
ビスマルク「!お、お布団がおいてなかったかしら。そっちの部屋は仮眠スペースがあったわよね?」
提督「そこに、寝そべろ」
ビスマルク「っ……はい」
提督(ビスマルクが床に寝そべる。俺はいきり立つ自分を解放して、ビスマルクのそこにあてがった)
ビスマルク「あ……」ピトッ
提督「止めたいのなら、最後のチャンスだぞ」
ビスマルク「……きて」
提督「……っ!!」ズプッ
ビスマルク「あぁ!!」ヌププププ
提督(ビスマルクの中は、とても熱くきつかった。俺は思い切り腰を打ち付け、グラインドさせ、スライドさせた)
提督(急所を責める。乱れるビスマルクは、確かに以前は見たことがなかった。初めて、ビスマルクとセックスができた気がした)
ビスマルク「だめぇ!!はっぁああ!!来ちゃうう!!」ギュウッ
提督「っ……いくぞ!!中に出してやる!!」
ビスマルク「ああ!!来て!!綺麗にして!!貴方で上書きしてええええ!!っああああ!!」ビクンビクン
提督「っ!!」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「ああ……はぁ……はぁ……」
提督「くっ……ビスマルク、綺麗にして貰おうか」
ビスマルク「!……はい。ん……あむ。じゅるじゅるじゅる、れろれろれろ」
提督「うっ……ぐっ……」
提督(気だるそうに体を起こし、這いよってきたビスマルクはためらうことなく俺のモノを咥え込んだ)
提督(これもまたあいつに調教されたのだろう。気分が悪くなるが、悲しいかな。男の性は抑えられない)
提督(性感に、再びモノが勃起する。ビスマルクは慣れたように奥まで咥え込み、頭をグラインドさせ、唇や舌で快感を与えてくる)
提督「はぁ……はぁ……くっ……ああ……」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「んぶっ!!んぐぅ……ごくん。じゅるじゅるじゅる」
提督(喉に出す。ビスマルクをまた一つ征服したと感じた。ここももうあの男のものではない。
提督「……もういい。止めろ」
ビスマルク「ん、ふぁい……ぷはっ。……どうするのかしら?」
提督「どうしてほしい?」
ビスマルク「……もっとしてほしい」
提督「何をしてほしい?」
ビスマルク「セックスを……上にのせてくれる?」
提督「……大きくしてみろ。手でな。どうせ仕込まれているんだろ?見せてみろ」
ビスマルク「っ……はい」スッ
提督(手でゆっくりと快感を与えてくる。先端や、カリ、そして竿、挙句の果てに玉まで揉まれ、まさかの指を後ろに突っ込まれた)
提督「!?」ビクッ
ビスマルク「あっ!ごめんなさい!ついいつもの癖で……」スッ
提督「いや、いい。続けろ……」
ビスマルク「はい……」シュン
提督(悔しいが、上手い。すぐに臨戦態勢になってしまう。あいつに教え込まれたんだ。それがたまらなく狂おしかった)
提督「止めろ」
ビスマルク「ん、はい」
提督「立ち上がれ」
ビスマルク「はい……終わり、なの?」チラッ
提督「そこの机に手を付け」
ビスマルク「!は、はい……えっと……」ドキドキ
提督「後ろは試したことがあるか?」
ビスマルク「!……ええ。あるわ……」
提督「そうか……初めては、全部あいつなんだな」
ビスマルク「っ!!……結婚式は、貴方が最初だったわ」ギュッ
提督「!」
ビスマルク「っ!ごめん、なさい」ビクッ
提督「……」ピトッ
ビスマルク「あ、ま、まって!洗ってないからっ、はぁああ……っ!!」ズププププ
提督(唾液や愛液で濡れたものは、ビスマルクの後ろに問題なく入った。きついが、すでに性器として作り替えられている)
提督(俺はこの気持ちをぶつけるように腰を打ち付ける。腹の方へ突き破るようにする)
ビスマルク「うっ……はぁん……つぅ……」ズップズップズップ
提督(ビスマルクは、感じているようだった。それだけ経験したのだ。耐え難い嫉妬をこうして上書きすることで沈める)
提督(後ろから覆いかぶさり、胸や顔を愛撫する。口に手を入れ、舌を弄び、胸の先端にある突起を摘み、いじくりまわす)
提督(大きな胸を揉みしだく。今、ビスマルクは俺のモノだと確認する。淫らに息を吐き、髪を振り乱し、胸を揺らして腰を振るこの女は俺のモノだ)
提督「っ、くぅ……」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「っはあああ!!はぁ……!!はぁ……!!」ビクン
提督(限界を迎え、中に出し切る。これですべてを上書きしたはずだ。……中は)
提督「ん……なんだ、綺麗じゃないか」ズルッ
ビスマルク「そ、そう?良かった……ってそういう問題じゃ!!」
提督「ビスマルク、上に乗りたいなら付き合ってやる。どうする?」
ビスマルク「!……いいの?」
提督「君はいつもどれくらいしていたんだ?」
ビスマルク「……毎日、最低一回はしていたわ」
提督「……週平均は?一日当たり何回だ?」
ビスマルク「……一、二回でしょうね。多い週は三回だったかも」
提督「そうか……分かった。俺はどうすればいい?」
ビスマルク「その……ゴム、ある?後ろに入れたから、もしあるのならした方がいいのだけど」
提督「……ない。なら、シャワー浴びるか」
ビスマルク「ありがとう」
提督(執務室の隣にある仮眠室へ移動する。泊まり込むときの為の部屋だ。もちろん、執務室からしか行けない)
提督(鍵を閉めて、風呂へ向かう。シャワーで流し、ボディーソープで軽く洗った)
提督「君も体を洗うか?」
ビスマルク「いいの?じゃあすこし浴びさせてもらうわね」
提督(二人でシャワーを浴びて、タオルで体を拭く。そして布団をだし、その上に寝そべった)
提督(そしてビスマルクのフ○ラで勃起する。今日四度目だが、頑張らなくては)
ビスマルク「じゃあ、入れるわね」
提督「ああ」
ビスマルク「んっ……ふぁ……」ズププププ
提督(ビスマルクの秘書から先ほどの精液が垂れてくる。その官能的な光景にさらに興奮した)
ビスマルク「っ……はぁ……」グッチュグッチュグッチュ
提督「っ……!!」
提督(ビスマルクのテクはすごかった。俺は、男としての誇りを守るため、ビスマルクが昇りつめるまで必死で耐えた)
ビスマルク「ああ!!いい!!いい!!来ちゃうう!!来ちゃうううう!!」ビクンビクンビクン
提督「っ!!くぁあ!!」ビュルルルル
提督(気絶するかと思った……)
ビスマルク「アトミラール……ごめんね……ごめんね……」ジワッ
提督(ビスマルクが倒れ込んでくる。抱きしめられ、涙声で謝られる。ビスマルクなりに、思うことがあったのだろうか。しばらく、放心する)
提督「ビスマルク……」
ビスマルク「はい……」
提督「良ければ、買い物にでも行かないか?」
ビスマルク「!!行くわ、もちろん!!」ハッ
提督「そうか、行くか。なら、明日にでも行くか」
ビスマルク「ええ……ええ!!」ニコッ
提督(いろいろあった。けど、もう許さなくてはならない。完璧なんてもうありえないのだから)
提督(良い気分ではない。けど、覆水は盆に返らない。あの忌々しい事実は何をしても、もう消えない)
提督(なら、ビスマルクを捨てるか?俺には……プリンツがいてくれる。お前のような売女など知らぬと言って)
提督(先に裏切ったのが悪いと言って、この子を拒絶するか?個人的には、そうしてなじられようとも俺は悪くないと思う)
提督(プリンツと一緒になれば、きっと素晴らしい日々が待っているだろう。とてもよく尽くしてくれて、俺だけを純粋に愛してくれる)
提督(あの笑顔が毎日見られるなら幸せだ。料理だってうまい。美人で、性格だって完璧だ)
提督(それに、あの肉体を味わうことができる。今思い出しても興奮する、あのセクシーダンスの時の感触)
提督(もう十分に女性らしい体つきをしているが、あれでまだ発展途上なのだ。あの瑞々しい肌に指を埋めたい)
提督(男を知らないその秘所に、己を打ち込んで征服してやりたい。誰も味わった事のない極上の女体を独り占めにしたい)
提督(なに、先にやったのはビスマルクだ。身から出た錆だろう。さようならと言われて何を悲しむのか)
提督(罵倒されようともそのままそっくり返してやる。殴り返した方より、先に殴ったほうが悪いのは一目瞭然だ)
提督(……だが、そうしたくない。もはや狂おしいこの感情は愛だとか憎しみだとかそういう次元にない)
提督(殺してしまいたい!!この世に存在するすべての何か悪いモノ、絶望を刻み込んで、すべてを呪わせて地獄へ落としてやりたい!!)
提督(穢れた娼婦、卑劣な裏切り者!!お前のせいで、俺の心に安寧などもはや二度と戻っては来ないのだ)
提督(たとえプリンツのような素晴らしい少女がいくら俺を好きで、一緒になってこの上ない幸せな人生を歩んだとしても)
提督(決してこの傷を癒すことはできない。永遠に俺を蝕むのだ!!)
提督(抱きしめたい!!この世に存在するすべての愛情表現でビスマルクを愛したい!!)
提督(どんなに酷い裏切りをされたとしても、俺は君を忘れられない。もし君が俺の手の届くところにいるなら、抱き締めずにはいられない)
提督(きっといくら言葉を尽くしても、この愛を伝えきるなんて不可能だ!!君の笑顔が見たくてどうしようもない)
提督(君に、俺の隣に居て欲しい。誰かほかの男の隣に居ることなど、見たくない!!耐えられない!!)
提督(……俺は、何が正解なのか分からない。だけど、したいことは分かる。ビスマルクの隣に居たい)
提督(そして俺のこの気持ちを知らせたい。どんなに愛していて、どんなに憎んでいるか)
提督(そして俺に全てを捧げて欲しい。心の底から愛してほしい。……そうだ、だって俺はこの人のことを)
提督(ビスマルクのことを本当に愛しているから。好きで、たまらないから)
提督(俺たちは今、布団で隣り合って寝ていた。緊急の用事はない。大和に後を任せてある)
提督(隣を見る。すると、ビスマルクと目が合った。サファイアのような青い瞳が俺を見つめる)
提督「ビスマルク」
ビスマルク「何かしら?アトミラール」
提督「あした、すごく楽しみだ」
ビスマルク「ええ、私も」
提督(ビスマルクの方に寄って、黙ってその頭を抱く。麦畑のようなサラサラのブロンドヘア)
ビスマルク「ん……」スッ
提督(ビスマルクは、片手を腰にまわしてきて、もう片手で俺の胸に触れる)
提督(密着している。ビスマルクの体温を感じた。……悪くない気分だ)
~
提督(約束を交わして少し寝た後、俺たちは起きてディナーに行った。ビスマルクはすごく驚いて、喜んだ)
提督『ビスマルク、ディナーに行くぞ』
ビスマルク『えっ……!?本当?』
提督『今日は特別な日だろ。何もないとでも思ったか?』
ビスマルク『アトミラール……!!アトミラール!!大好き!!』
提督(雰囲気のあるフレンチだ。と言っても堅苦しいところではない。久しぶりのビスマルクとの食事を楽しんだ後、帰宅する。そこでサプライズがあった)
ビスマルク『アトミラール。この前、ご褒美をあげるって話をしたじゃない?』
提督『ああ。……もしかして?』
ビスマルク『これ……編んでみたの。喜んでもらえれば、いいのだけれど……』
提督『これは、手編みのマフラーか!!ありがとう!これから寒くなってくるからな!』
提督『すごくうれしいよ!!頑張った甲斐があった!』
ビスマルク『良かった……!!もしよければセーターも編むからね!』
提督『ああ、是非頼むよ!」
提督(そして入浴し、寝支度を済ませて眠りについた。もちろん、同じベッドでだ。そして、翌朝)
提督「じゃあ行くか」
ビスマルク「ええ、行きましょう」
提督(車をだして、近くのショッピングモールへ向かう。駐車場が混んでいたため、近くのコインパーキングに停めた)
提督(歩いて少しの所だ。付近も店が立ち並び、瀟洒な街並みだった。何も買うものはない。だが、資金は十分にある)
提督「どこに行こうか?」
ビスマルク「何が買いたいの?」
提督「うーん……そうだな、君の新しい服なんてのはどうだ?」
ビスマルク「えっ?……いいの?」
提督「もちろんだ」
提督(……こちらの機嫌を窺うような瞳、止めて欲しい。そして浮かぶ疑問。あいつには服を買ってもらっていたか?)
提督(聞きたくなったが止めておく。意味のない事だ。いい感じの店に入り、いろいろ見てみる)
提督「どれにする?好きなのを選んでくれ」
ビスマルク「えっと……じゃあアトミラールが選んでくれるかしら?」
提督「俺が?そうだな……」
提督(ビスマルクなら大体なんでも合うが……あえて俺の好みでいかせてもらう)
提督「これなんてどうだ?」
ビスマルク「へぇ……こういうのが好きなの?」
提督「まあな。好きじゃないか?」
ビスマルク「いや、そういう訳じゃないわよ。ふーん……こういうのが良いんだ」
提督「知らなかったか?まああの頃は戦況が厳しくて、こうして服を買いに行くなんてできなかったからな……お、あれもいいな」
ビスマルク「……全く別のジャンルじゃない!何が一番好きなの?」
提督「……気分によりけり、だ」
ビスマルク「何よそれ、困ったわね……」
提督「俺の好みなんて参考程度でいいんだ。その中に気に入ったものがあればそれにすればいいし、なければ自分で見繕ってくれ」
ビスマルク「けど私、アトミラールに選んでほしいの。時間もあるし、いろいろ見て回りましょう?」
提督「……そう、だな」
提督(何で頑なに俺の趣味に合わせようとする?気にいられようとでもしているのか?)
提督(……いや、駄目だ!!それに、今日は楽しむために来たんだ。そんなこと考えるのは止めろ)
提督(心の中で首をもたげる悪い感情と戦いつつ、いろいろと見て回る。一通り試したら次の店へ)
提督(途中で昼食を挟みながら、気が済むまでそれを繰り返す。様々な服を試着して、ちょっとしたファッションショーだった)
提督「お、水着か」
ビスマルク「水着?もう夏も終わっちゃうわよ?」
提督「だが南方なら泳げるだろう。買っていこう」
ビスマルク「そう?ありがとう」
提督「さて、君のセンスを見させてもらおう。自分で選んでみてくれ」
ビスマルク「自分で?……分かったわ」
提督(ビスマルクは、なんと自然に大胆な水着売り場に歩いていく。少し悩んで一番際どい水着を選んだ)
ビスマルク「これにするわ、ちょっと試着してくるわね」
提督「あ、ああ」
提督(それはもはや、アダルトショップで売るべきではないかと思うものだった。マイクロビキニとでも言おうか)
提督(どうしてそんな際どいものをこんなにたくさんあるものの中からあんな自然に選ぶのか)
提督『知っているか?和服を着るときは下着をはかないらしいぞ』
ビスマルク『えっ!?何言ってるのよ!!そんなのはしたないわ!!』
提督『昔の話だがな。悪かったよ。……似合ってるよ、とても』
ビスマルク『あ……そ、そうかしら……///なら、よかったわ』
提督(いつか、たぶんまだそこまで穢される前。あの頃の記憶が思い返される)
提督(あんなのを選ぶようになったのもあの男の影響だと思うと、一気に気分が最悪になった。帰りたい気分だ)
ビスマルク「あの、試着できたんだけど……」
提督「そうか。……!!」
提督(ビスマルクは更衣室のカーテンを開けて、姿を見せる。少し恥じらうようにしているビスマルクの姿はすごいことになっていた)
提督(その豊満な胸の先端を少し覆い隠すだけしか役に立っていない面積の布、露わになっている見事な双丘)
提督(それ以外の豊かな膨らみは惜しげもなくその白い素肌をさらしていた。そして下半身の方)
提督(水着の試着の時、下は下着をはいたままつけるのがマナーだ。もちろん、ビスマルクだって下着をはいている)
提督(それは、ウエストの部分が見えているから確実、なはずだ。だが、かなり際どいもののはずなのにフロント部分が水着しか見えない)
提督(つまり、ビスマルクが今はいている下着はそれだけエロい奴なのだ。それもまた、きっとあいつの趣味)
提督(だが心でなんと思っていても、見とれてしまった。それに気がついて、内心で単純なものだと自分を嘲笑する)
ビスマルク「どう……かしら……?」
提督「い、いいんじゃないか?それにするか?」
ビスマルク「そ、そうね……じゃあそうしましょうか」
提督(『ずいぶんと大胆なんだな』そういった皮肉を言えないのは、そういう格好も悪くないと思っているからか。自分に腹が立つ)
提督(ともかく、水着を買って店を出る。そして服選びに戻った。結局、三着ほど買って一区切りつける)
提督「夕方だ。もう夜になる。帰ろうか」
ビスマルク「ええ、ありがとうね!」
提督「気にするな」
提督(パーキングエリアまでの道をたどる。まだ明るいが、空がオレンジ色になっている。そこで、ふと目に入る店があった)
提督「お、宝飾店か。寄ってみるか」
ビスマルク「えっなにそれ?……ジュエリーショップじゃない」
提督「ネックレスでも選ぶかい?」
ビスマルク「そんな……もう服を買ってもらったわ」
提督「いいんだ、買い物に行ける日なんてそうそうない。俺も今日は羽目を外したいんだ」
ビスマルク「でも……」
提督「いいから気にしないで、好きなものを選んでくれ。妻にプレゼントを買って、いいところを見せたいんだ」
ビスマルク「……うん、分かったわ。けど、私も貴方に何か買うわ」
提督「気にするなって」
ビスマルク「私がそうしたいの!」
提督「そ、そうか……」
ビスマルク「……私、貴方に何もかえせていないから」
提督「!……返す返さないっていうような関係じゃないだろう?それとも、君にとってはそうだったのか?」
ビスマルク「っ!?あ、ち、違うわ!!そんなつもりじゃ……」サァッ
提督「……悪かった。分かってるよ。そうだな、なら君が俺のを見繕ってくれ。俺は君のを選ぶよ」
ビスマルク「いえ、私こそ……そうね、そうしましょう」
提督(接客に出てくる店員に好きに見回りたいと伝え、ショーケースを巡る。色とりどりの宝石や金銀細工)
提督「どれもビスマルクに似合いそうで迷ってしまうな……っ!」
提督(目玉商品を入れたケースの前に来た時、一際輝くそれに目が奪われる。それは、大きなエメラルドのペンダントだった)
提督(まるでオーロラを閉じ込めているかのようなそれは美しい緑色で、キラキラと輝いていた)
プリンツ『アトミラール!!』ニコッ
提督(プリンツの笑顔が思い出される。これは彼女の色だ。きっと似合うに違いない。値段を見るとゼロの数が二つほど多い)
提督「……!!」
提督(文字通り桁が違う。そう簡単に買えるものではない。だが、俺の心は異様に引かれていた)
提督(そういえば、い号作戦の活躍に対して俺はまだ何もしていない。これを送ればきっと喜ぶだろう)
ビスマルク「アトミラール、これなんてどうかしら?きっと似合うと思うのだけれど。……アトミラール?」
提督「あ、いや、何でもない。どうかしたか?」
ビスマルク「……これを見ていたの?」
提督「ああ、まあな」
ビスマルク「さすがに値段が高すぎると思うのだけど……?」
提督「そうだな、ちょっと見てただけだよ。それで?」
提督(……結局、ビスマルクは俺にルビーをあしらったネクタイピンを買った。格調高い逸品だ)
提督(俺は、ビスマルクにサファイアのブレスレットを送った。その澄んだ蒼穹のような青がビスマルクの色だと思ったからだ)
提督(買い物を終えて、外に出ると雷鳴が響いていた。夕立だ!急いで車へ向かうが、間に合わない)
提督(土砂降りの雨で全身がずぶ濡れになる。まあ、買ったものがビニールに包まれていたおかげで無事だったのが幸いだ)
提督(急いで車に乗り込む。シートが濡れるが仕方がない)
提督「ふぅ……夕立か。運が悪かったな」
ビスマルク「ええ、そうね」
提督「ほら、タオルだっ!?」
ビスマルク「ありがとう、アトミラール。……?あ」
提督(ビスマルクの姿に目を奪われる。今日、ビスマルクは白いシャツにネイビーブルーのフィッシュテールスカートで来ていた)
提督(しかし雨に濡れたことで、白いシャツが肌にべったりと張り付いた上に少し透けていた)
提督(黒いレースのブラどころか綺麗な肌までもが見えている。俺の視線につられて自らの姿を確認したビスマルクも、それに気がつく)
提督(ビスマルクは、少し顔を赤らめるとちらりとこちらを上目使いで見る。しばし、見つめ合った)
ビスマルク「……見たいの?」
提督「っ……すまん」
ビスマルク「いいのよ、気にしないで。貴方だもの、嫌じゃないわ。……黒が好みだったものね」
提督「……」カァッ
ビスマルク「……したも、見てみたい?」
提督「!?」
提督(ビスマルクは、ゆっくりと手を伸ばしてスカートの裾を掴むと、ゆっくりとたくし上げていく)
提督(俺は、止めることができなかった。水着を試着していた時からどんな下着なのか気になっていたのだ
提督(そのままビスマルクの下腹部が露わになる。ビスマルクがつけていたのは際どいカットの黒レースだった)
提督(大事な所は守られているが、細い。そしておそらくTバックだろう)
ビスマルク「アトミラール……大きくなってるわ」
提督「っ……!!」
提督(こんなの、耐えられるわけがない。誰だってこんなものを見せられたらこうなる。俺が悪い訳じゃない)
ビスマルク「……私、貴方が欲しいわ」
提督「……家に戻ってからな」
ビスマルク「ホテルに行けばいいじゃない」
提督「!!」
提督(……ホテルなんて連れて行ったことがなかった。つまり、あいつの影響だ。よく考えたら、セックスに誘ってくるような淫乱になったのもそうだろう)
提督(その何気ない一言に一気に頭が冷える。そもそも、君はそんなことを言う奴じゃなかっただろう!!)
ビスマルク『戦艦ビスマルク、抜錨!出撃するわ!私の戦い、見せてあげる!』
提督(俺がホレタあの凛々しいビスマルクと、今目の前にいる娼婦のようなビスマルクが、一致しない)
提督「……よく、ホテルなんて知っているな」
ビスマルク「えっ……いや、その……」
提督(瞳を潤ませ、頬を赤らめ、雌の顔をしていたビスマルクから一気に表情が消える。顔が青ざめていくのが目に見えて分かった)
提督(……その反応が、また気に障った)
ビスマルク「ご、ごめんなさい……私は……」
提督「なぜ謝るんだ?」
ビスマルク「っ……あの……」
提督「……すまないが忘れものに気がついた」
ビスマルク「えっ……?どこ行くの!?雨が降ってるわよ!」
提督(このままだと、手が出そうだった。こいつと一緒に居たくなかった。無視して、車を降りる)
提督「……」
ビスマルク「っ、待って!!」
提督(すると、ビスマルクも車を降りてきた。追いかけようとしてくる。無視だ)
ビスマルク「待ってったら!!」
提督「っ!!いいから、車の中で待ってろ!!忘れ物を取りに行くだけだ!!」
ビスマルク「っ!!私も行く!!」
提督「俺の言うことを聞けないのか!?あいつの言うことは聞いて俺を侮辱したのにな!!」
ビスマルク「……っ!!……」
提督(ビスマルクは酷く傷ついた表情をした。そしてかすれる声で『分かった』とつぶやくと、車に戻る)
提督(衝動的に言ってしまったが、少しせいせいした。雨の中、先ほどの宝飾店に戻る。狂いそうだった)
店員「いらっしゃいませ。っ!?濡れておられるではありませんか!今タオルを用意いたします」
提督「いえ、結構です。濡れていて申し訳ありません。ですが、やはりあのエメラルドが欲しくなったのです。用意していただけませんか?」
提督(心配する店員に謝り、あのエメラルドのネックレスを買う。これをプリンツに渡したら、一体どんな顔をするだろうか?)
提督(きっと喜んでくれるはずだ。もしかしたら、感激のあまり泣いてしまうかもしれないな)
提督(準備ができた宝石を受け取って、車に戻る。冷たい雨にうたれながら歩いてると、落ち着いてきた)
提督(俺は、何をしているのだろうか。この前にもう忘れる、赦すと決めたばかりなのに)
提督(本当に気分が悪い。自分自身に対してだ。車の所まで来ると、ガラス越しにビスマルクが泣いているのが見えた)
提督「違う……俺は、こんなことをしたかったわけじゃ……」
提督(車のドアを開けると、ビスマルクがこちらに気がつく)
ビスマルク「アトミラール……!!」サッサッ
提督(赤い目をしたビスマルクが、ハンカチで目元をぬぐった。震える声で、言葉を紡ぐ)
ビスマルク「ごめんなさい……私、もう二度とあんなこと言わないわ」
提督「もういいんだ。俺の方こそ、すまなかった。俺は……」
ビスマルク「違うわ!!私が悪いの……私が……っ……」
提督「いや、俺が悪いんだ」
ビスマルク「違う!!それだけは、絶対に違う!!」
提督「俺が悪いと言っているだろう!!」
ビスマルク「っ!!ごめんなさい……私……」
提督(悟った。俺たちが、どうするのが一番正解なのかを。今の現状を見て、俺の想いと現実の違いを見て、悟った。そう、)
提督「俺たちは、もう駄目なのかもしれないな」
ビスマルク「!!そんな……駄目じゃないわ!!」
提督「俺は、あのことを気にしないようにしようとした。だが、君の言葉に、行動に、態度に、どうもあいつの影がちらつく」
ビスマルク「っ……どうすれば、いいの……?」
提督「それもまた、気に障る。俺が満足する答えが聞きたいかい?なら、教えてあげる。本心を話してくれ」
ビスマルク「……」
提督「……だが、その本心にも俺はまた不快になるのだろうな」
ビスマルク「……っ」ポロポロポロ
提督「……本当はこんなつもりじゃなかった。今日だって、純粋に君と楽しいことがしたいだけだったんだ。……だけど、駄目みたいだ」
ビスマルク「……私は、楽しかった」
提督「!」
ビスマルク「一緒に買い物をして、服を見て、水着を選んで。お昼だって、美味しかった」
提督「……」
ビスマルク「嫌なことを全部忘れられた。アトミラールとできなかったことをいっぱいしたいって思って、きっとできるって思った」
提督「……あいつとは買い物に行かなかったのか?」
ビスマルク「っ……行ったわ」
提督「楽しくなかったのか?いや、楽しかったはずだ。そうだろう?」
ビスマルク「けど、今日の方が良かった」
提督「何故?サファイアを買ってもらったからか?それとも、服をたくさん買ってもらったから?」
ビスマルク「貴方と、一緒だったからよ……!!」
提督「……!!」
ビスマルク「信じられないなら、今すぐお金を払うわ……そうすれば私を信じてくれるでしょ?」
提督「……あの男は、どうなったか分からないが、きっと死んでいる。あるいは、死んだ方がマシな目に遭っているかもな」
ビスマルク「……そうね」
提督「あの時、俺を選んだお前が殺したようなものだ……!!何も思わないのか?」
ビスマルク「ええ。しいて言えば、せいせいしたし、安心したわ。……これが包み隠さない私の本心。軽蔑した?」
提督「自分が愛した男に対して、その仕打ちか?」
ビスマルク「愛してなんかない。そう思うしかなかっただけ。今は、もう何も感じない」
提督「っ!!……いや、いい。それで、お前が殺した名もなき赤子はどうだ?」
ビスマルク「!」
提督「艦娘だからか?跡も残っていないが、確かにお前は堕胎した。自分と、あの男との子供を殺した」
ビスマルク「……赦される事ではないし、申し訳ないと思うわ。でも、それでも堕ろしたかったの」
提督「何故だ」
ビスマルク「……貴方と、居たかったから」
提督「何故俺の名前が出る……!!俺は堕ろしてくれなんて言っていない!!」
ビスマルク「もし、私が貴方なら、口でなんと言おうが絶対に嫌だと思うから。それに、あの男との繋がりが嫌だった」
提督「……見下げ果てた奴だ。心底軽蔑する。自分のためにあの男も、我が子も殺したのか」
ビスマルク「っ……そうよ」
提督「そこまでして、俺の隣に居たいか」
ビスマルク「ええ」
提督「何故だ!?俺に依存したいのか!?そんなの御免だ!!到底、受け入れられるものではない!!」
ビスマルク「違う。……貴方が、好きだったからよ」
提督「っ!!」
ビスマルク「……私は、貴方といたい。けど、最低の女だわ。自分の本心を言葉にしてみて、改めて分かった」
ビスマルク「貴方の隣に居るのが赦されないぐらい悪い女よね。けど、それでもいっしょにいたかった」
提督「……」
ビスマルク「……だ、だけど、もし貴方が……私といるのが嫌で、苦痛でしかないのなら」
提督(取り繕った表情は、今にも決壊しそうだった。努めて作っているのであろう無表情だが、引きつり、目には涙が浮かんでいる)
ビスマルク「それなら、……ぜ、ぜんぶおわりにしましょう。ぜんぶ、わたしがわるいから。……そ、そんなの、とうぜんだから」
ビスマルク「っ……ごめんなさい。わたしがいえたことじゃ、ないけれど。あなたのしあわせを祈っているわ」
ビスマルク「貴方がしあわせなら、それでいい。きっとすてきな人がみつかる。だって、貴方ですもの。……だから、わたしのことは気にしないで」
提督(けれども、決して目を背けることなく、そう言い切った)
提督「……」
提督(俺は、そこに戦艦ビスマルクの面影を……いや、戦艦ビスマルクを見た)
提督(そこにいたのは、確かにあの凛々しく勇ましい戦艦ビスマルクだった。サファイアのような青い瞳の中)
提督(悲しみや恐怖、後悔などの念が渦巻くその奥底で、輝く信念を見た)
提督「……そこまで。そこまで思っていてくれて、なんであんなことを」
ビスマルク「……わたしが、ばかだったから。本当にそれだけなの。……ごめんなさい」
提督「……」
提督(……なんだかんだ言って、ビスマルクはまだ子供の部類だ。ようやく成人した大学生のようなものだ)
提督(まだ周囲の大人が面倒を見なくてはならないような、そんな子供が、ここまで言うのだ)
提督(卑劣な大人に騙された哀れな子供、誰かに助けてもらいたいはずのビスマルクが、けどもういいと)
提督(俺が幸せなら、それでいいと。そう言うのであれば、それは本当に俺のことを大切に思ってくれているのだろう)
提督「……俺は、本当に君が好きなんだ。だけど、本当に君が憎くて仕方ない」
提督「でも、それでも俺は、君といたい。しかし、今日みたいに君に辛く当たってしまうこともあるだろう」
ビスマルク「……!!」
提督「もちろん、もうそうしないように努力する。だが、またやってしまうかもしれない……」
提督「それでも、いいか?それでも、居てくれるか?」
ビスマルク「もちろん……!!貴方がわたしをうけいれてくれるなら、わたしはずっと一緒に居るわ」
提督(互いに体を寄せ、抱き合う。強く抱きしめ、唇を重ねた。ずっとそうしていて、雨が上がり、周りが暗くなったところで、車を出す)
提督(そしてそのまま帰宅した。手料理を食べ、風呂に入り、寝支度を済ませる)
提督(ビスマルクは先に寝室へ行っている。俺は、書斎にいた)
提督「……」
提督(手には、あのエメラルドペンダントがあった。これをどうするか……)
プリンツ『……私の、ファーストキスです』
プリンツ『忘れないでくださいね。私は、いつでも貴方の味方で、貴方を見ていますから』
プリンツ『貴方のためなら、何でもできます。では、失礼しますね』
提督「プリンツ……」
提督(あの時の言葉が思い出される。……赦されないことだ。プリンツのことも好きだなんて)
提督(だが、あんなに俺を好いていて尽くしてくれる子に惚れるなだなんて無理だとは思わないだろうか?)
提督「……考えるのは止めだ!普通に渡そう。ただの祝いの品にしては少しあれだが、気にするまい」
提督(カバンにしまって、寝室へ向かった。明かりを消して、ビスマルクの隣に入る)
ビスマルク「アトミラール。お休み」
提督「ビスマルク」グイッ
ビスマルク「ん……ふぅ……んちゅっ……」
提督(ビスマルクにキスをする。手を下着の中に潜り込ませる)
提督「いいか?」
ビスマルク「貴方なら、いつでも……!!」
提督(ビスマルクと熱い夜を過ごす。愛撫から始まり、前戯を経てから本番へ。正常位で挿入する)
ビスマルク「ああっ!!あ!!アトミラール!!愛してる!!」
提督「っ……!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(一心不乱に腰を振る。ビスマルクへの愛を確かめるように。そして、プリンツへの気持ちを抑えるように)
提督(結局、その後も一回では終わらずに三回してから寝た。腕の中のビスマルクが愛しかった)
ビスマルク「すぅ……すぅ……」
提督「……」ナデナデ
ビスマルク「ん……すぅ……すぅ……」
提督(俺の妻は、ビスマルクだ。……プリンツのことは、考えないようにした)
~
提督(一日だけの臨時休暇を終え、執務に戻って一週間。現在、ビスマルクは主に再訓練を行っているが、成績は極めて良好だ)
提督「では、開発はこのように頼むぞ」
明石「任せてください!きっといい結果をご報告しますよ!」
提督(開発の指示を出し終え、工廠から司令部へ向かいながら訓練の様子を眺める。どうやら射撃訓練中のようだ)
陸奥「用意……てっ!!」
ドゴォンドゴォンドゴォン
陸奥「弾着……今」
ザブンザブンドガァン
陸奥「長門、大和、夾叉、至近弾。ビスマルク、命中。以上、第二斉射結果」
大和「っ……!!やりますね……!!」ギュッ
長門「見事だ。ブランクを感じさせないな」
ビスマルク「運が良かったのよ。計算しつくした後、当たるか当たらないかを決めるのは運だから」
陸奥「それでも、ねぇ……驚異的な命中率よ、これは」
提督(この分ならすぐに実戦に参加することになる。……できれば、行かないでほしいが)
提督(そんなことを考えていると、司令部へ着いた。執務室へ戻る。その途中で久しぶりにプリンツとすれ違う。っといっても数日ぶりだが)
プリンツ「……こんにちは」ペコッ
提督「プリンツ」
プリンツ「……」スタスタスタ
提督(プリンツは軽く挨拶すると、そのまま歩いていく。この前まで秘書艦を務めてくれていたが、今やそれを務めるのはビスマルクだ)
提督(ビスマルクが戻って以来、プリンツと話す機会があまりない。秘書艦じゃなくなったのに加えて、よく前線に出るようになったからだ)
提督(彼女は戦闘において毎回大きな戦果をあげている。本国やドイツでもその活躍っぷりがニュースになるほどに)
提督(前までは恋b……親しい友人ぐらいの関係だったが、今では普通の上司部下に戻ってしまったようだ)
提督(ついこの間まではずっと一緒に居たのに……深い喪失感と悲しみが襲う)
提督(だが、それでいい。これが正しいあり方なんだ。俺の妻は、ビスマルクだ)
提督(そしてプリンツは、……ただの部下だ。ただ、俺が一番つらかったときに献身的に支えてくれて)
提督(そして俺のことを好いていてくれて、俺も禁断の恋心と愛情を抱いているだけの、……ただの部下だ)
提督(もちろん、俺はビスマルクのことを愛している。この気持ちは決してプリンツが言っていたような愛の残骸なんかではない)
提督(もし二人を選ぶことができればと思うが、選べるのは一人。それが道徳だ。そして俺はもうビスマルクを選んでいる)
提督(決して後悔しているわけではない。しかし、悲しいものは悲しっ!?)
提督「っ!?プリンツ……?」
プリンツ「……!!」ダキッ
提督(プリンツに、後ろから抱きしめられる。背中に当たる柔らかい感触に心臓が高鳴った)
提督「ど、どうしたんだ……?」
プリンツ「……私は、頑張ってますよね?報告書、見てくれましたか?たくさん敵を沈めました」
提督「あ、ああ……!!」
プリンツ「アトミラールの役に、立てていますか?」
提督「もちろんだ!」
プリンツ「ああ、良かったです。……これからも、頑張ります。からぁ……どうか、わ、私を……っ、見ていて、くださいね」ウルッ
提督「ああ、いつでも君を見ているよ」
プリンツ「ほ、本当ですか……っ?けど、私……さ、さびしいよ……!!アトミラール……!!」グスッ
提督「……プリンツ、来てくれ」ガシッ
プリンツ「……?」ギュッ
提督(その震える声音に、我慢できなくなった。だが、彼女を優しく抱きとめるわけにはいかない)
提督(俺たちは、決して結ばれることは無い。ここでプリンツを受け入れることは、互いのためにならないのだ)
提督(胸が苦しい。胃が痛い。だが、そうせざるを得ない。それが道徳というものだ。……けど、これだけは)
提督(これを渡すくらいは、させてほしい。そして、できれば親しい関係でありたいと思う。もちろん健全なやつだ)
提督(手を取り、執務室にプリンツを連れていく。プリンツは固く手を握っていた)
提督「い号作戦では本当によくやってくれた。……これは、そのお礼と祝いの贈り物だ」
プリンツ「えっ?これ……エメラルドですか?」チラッ
提督「まるでオーロラみたいだろう?君の色だ。きっと似合うと思って買った。どうか、受け取ってくれないか?」
プリンツ「アトミラール……!!これ、こんなに大きくて綺麗なものを……きっとすごく高かったのではないですか?」
提督「気にするな。俺の君に対する気持ちに比べれば、些細なものだ」
プリンツ「本当ですか?ありがとうございます……!!その、かけて、くれませんか?」ジッ
提督(涙の浮かんだ上目づかい。勝てるわけがなかった)
提督「分かった」
提督(姿勢を正すプリンツの首に手をまわし、ペンダントをかける。チェーンを繋いだ瞬間、プリンツに抱き付かれた)
提督「っ」
プリンツ「嬉しいです。本当に……嬉しすぎて泣いちゃいます……!!」ギュッ
提督「……プリンツ、君は俺が一番つらい時に一番近くで支えてくれていた。本当にありがとう」ギュッ
提督「感謝しても、し足りない。俺にできることは何でもする。だから、いつでも頼ってくれ」
プリンツ「ありがとうございます、アトミラール。いつか、きっといつか私を……」
提督「君、を……?」
プリンツ「……何でも、ありません。アトミラールこそ、私にできることがあれば何でも言ってくださいね」
提督「ありがとう」
提督(しばし、抱き合う。そしてどちらからともなく離れた。無言だが、心地いい空間)
プリンツ「……では、私は次の出撃の準備がありますので。失礼しますね」
提督「分かった。……プリンツ、気をつけてくれ」
プリンツ「貴方に勝利の栄光を。私は絶対に死にません。いつでも、貴方のもとに帰ってきます」
提督(プリンツが退出し、俺は仕事に戻る。……あそこで抱いてしまってはいけないと、分かっていたが耐えられなかった)
提督(自分の罪深さを考えると胃が痛い。だが、あそこで、プリンツが泣いているのにそれを冷たく切り捨てることはできなかった)
~
提督(次の日、食堂でビスマルクと昼休憩を取っていた時だった。愛妻弁当に舌鼓を打つ)
ビスマルク「どうかしら?美味しい?」
提督「ああ、美味しいよ。……っ!」
ビスマルク「アトミラール?……プリンツ」クルッ
プリンツ「……こんにちは、アトミラール」
提督(プリンツが後から食堂に来た。ビスマルクとプリンツの仲は険悪なままだった。何とかしてあげたいが)
ビスマルク「……私が悪いわ。けど、やっぱりつらいわね。どうにかして仲直りしたいのだけれど」
提督「そうだな。きっとできるさ」
提督(プリンツは、あれ以来ずっとビスマルクを嫌っていた。それは彼女のビスマルクを見る目を見れば分かる)
提督(怒りと嫌悪感が込められているのがはっきりとわかる。……そこに嫉妬が含まれている気がするのは、気のせいだ)
提督(ふと、プリンツがこちらを見ているのに気がついた。視線を向けると、プリンツは妖しい微笑みを浮かべている)
提督(目が合うと、プリンツは胸元からあのペンダントを取り出した。そして……)
プリンツ「……♪」チュッ
提督「!」
提督(エメラルドに口づけする様に、どぎまぎする。いけない、そんなこと、赦されないのに)
ビスマルク「アトミラール?……?どうしたの?」クルッ ジッ
提督「いや、何でもないさ」
提督(ビスマルクは振り向いて俺の視線の先に気がつくと、少し不安そうに、そして嫉妬の怒りを込めてそう尋ねてくる)
提督(それ以外に答えようがなかった。ビスマルクはジッとこちらを見つめ、そして『そう』と呟いた)
提督「ビスマルク」
ビスマルク「何?」
提督「愛してる」
ビスマルク「私も」
提督(俺は、本心からそういった)
~
提督「敵の攻勢ですか……!?」
大将『そうだ、中将。緊急事態につき、私が総指揮を担当する。君たちは私の指揮下に入ってもらうぞ』
提督「分かりました、大将」
大将『そうだな……よし、君には雲竜型三隻を与える。適当な護衛艦を見繕って機動部隊を編成してもらう』
大将『トラックへ移動して、その艦隊でミッドウェーの南に陣取って援護してくれ。場合によっては君たちが要になる』
提督「しかし、一個艦隊単体でそんな敵陣深くにまで突出させるのは危険ではありませんか?」
大将『そんな事を言っていられない戦況なのはわかっているだろう。護衛艦隊は皆船渠にいる』
大将『そちらの指揮に残すのはドイツ軍の艦娘たちと送った一覧の艦娘だ。軽巡以下の水雷戦隊だが、なんとかしてくれ』
提督「分かりました」
大将『いいか、君の任務は攻撃の援護とトラックの防衛だ。厳しいことは分かっているが帝国の興亡はこの一戦にあると言っても過言ではない』
大将『皆が死力を尽くして戦う。君も頑張ってくれ。期待しているぞ』
提督「お任せください」
提督(買い物に行ってからまだ二週間もたっていない。戦況は風雲急を告げていた)
提督(敵の奇襲によりまさかの本土が空襲された。幸いなことに、敵は軍事施設以外を攻撃しなかったが)
提督(攻撃の結果、横須賀が大きな被害を受けた。鎮守府は暫く使用できないだろう。駐留していた艦隊は大きな被害を受けた)
提督(さらに攻撃を実行した機動部隊を始めとした艦隊が、ミッドウェー周辺で集結しつつある)
提督(本土か、マリアナか、あるいはトラックか。攻撃地点は分からないが、大規模な攻勢があるのは確実だ)
提督(この一大事に際して、無事だった俺たちはもちろんのこと、休暇中だった艦娘達も全員招集された)
提督(そして、攻勢が始まる前に敵艦隊に決戦を挑むことになった。大規模な機動部隊同士の、史上最大の航空決戦だ)
赤城『提督、どうかご安心ください。必ずや勝利をもたらして見せます』
加賀『鎧袖一触よ。心配いらないわ。……帰ってきたら、うんと褒めてくださいね』
翔鶴『私、頑張ります。きっとやり遂げて見せます。提督も、どうかお気をつけてください」
瑞鶴『……提督さん。私、怖いよ……お願い、抱きしめて。……あっ……ん、ありがとう。勇気が出た。……行ってくるね』
提督(……きっとうまくいく。今までもそうだった。きっと勝てる。あの子たちが負けるわけない)
提督(決戦に参加する機動部隊、その後の戦闘に備える打撃部隊の皆が出港していき、新たに配備された雲竜型が到着した)
提督(皆、緊張しているが戦意は旺盛、勝利への情熱に燃えていた。この勇敢な少女たちを死なせはしない)
提督(空母三隻の機動部隊、それに加えてトラック防衛の艦隊、配備されている艦娘で編成するとすれば……)
提督「頼まれてくれるか?プリンツ」
プリンツ「任せてください、必ずや空母を守り通して見せます」
提督「敵の主戦力はミッドウェーだ。我が軍の主力もミッドウェーへ向かう。わざわざこちらにまで手を出してくるとは思えないが、気をつけてくれよ」
プリンツ「はい。油断はしませんよ」
提督「うむ。期待している」
提督(編成を終了し、壮行会を簡単に行う。そして、出撃の時が来た。全員で機動部隊を見送る)
提督(勇ましく出港していくプリンツたちが見えなくなるまで、ずっと見守っていた)
~
ヨ級「シレイブへ。シニガミをカクニン。トラックよりシュッコウ。シンロは西。カノウな限りツイセキする」
司令部『リョウカイ。海域の全センスイカンにレンラク。カクジのモチバでタイキ。セッショクを試みよ』
~
プリンツ(出港して早々に敵の潜水艦に発見されたようだった。けどまあ、いつものことだ)
プリンツ(しかし、まだ嫌な感じがする。敵の追跡は振り切ったはずだけど、気分が悪くなる。狙われているような感覚)
プリンツ(正規空母三隻も引き連れていれば、狙われて当然だ。けど、敵にそんな戦力の余裕はないはず)
雲龍「……そろそろ位置に着くわ。艦載機の発艦準備を始めて」
天城&葛城「「了解」」
プリンツ「……!!敵機発見!!」
プリンツ(それは偵察機だった。しかも水上偵察機だ。……つまり、敵艦隊が近くにいる)
雲龍「っ!!あれは水偵……!!敵艦隊が存在する可能性があるわ!!」
プリンツ「偵察機をだしましょう。それと、アトミラールへ連絡を。もうすでに発見されています」
雲龍「ええ、そうね。何機か出して偵察させます。それと、連絡は……オイゲン、お願いできる?」
プリンツ「任せてください」
プリンツ(無線封鎖はもう意味をなさない。躊躇う必要はなかった。私は、アトミラールへ通信を開始する)
プリンツ(状況を説明したところ、援護のために艦隊を編成して送ってくれることになった。偵察の結果が出たらまた連絡することにして交信を終える)
プリンツ(そこで、悪いニュースが入った)
葛城「っ!?そんな……敵艦隊発見しました!!けど……こんなことって……」
雲龍「よくやったわ、葛城。それで、位置と数は?……どうしたの?」
葛城「っ、て、敵艦隊はここから50キロ北の地点です!!数は……数え切れません!!」
「「「「!?」」」」
葛城「少なくとも戦艦が四隻……五隻!!うち一隻はレ級です!!」
雲龍「そんな……確実なの?そう……航空隊を発艦させて!!敵艦隊に攻撃を加えます!!それと直援機もあげて!!」
天城「了解……!!どうしてこんな規模の艦隊がこっちに……!!」
葛城「トラックを責めるにしても、方向がおかしいよ……!!まるで、私たちを沈めに来たみたい……!!」
雲龍「オイゲンさん、提督へ連絡を。撤退を具申します」
プリンツ「っ!!分かりました」
~
提督「以上が現在の状況だ。雲龍たちを失うのは致命的な痛手となる」
提督「幸い、金剛、榛名の艦隊がトラックへ増援として送り込まれてくる。よって君たちにはすぐに出撃して機動部隊の援護に向かってほしい」
ビスマルク「分かったわ、任せて」
暁「分かったわ!あの恩、今こそ返すときね!」
響「やらせないよ、任せて」
雷「助けるわ、必ず!」
電「皆さんが心配なのです……」
明石「工作艦、明石!参ります!修理はお任せください!被害があっても私が必ずトラックまでたどり着けるように直しますよ!」
提督「頼むぞ、皆!救出はもちろん、自身のことも十分気をつけてくれ!相手にはあのレ級がいる」
ビスマルク「了解!必ずプリンツたちを助け出して見せるわ!全員、出撃準備!」
「「「「了解!!」」」」
提督「……ビスマルク!」
ビスマルク「!何かしら?」
提督「……頼んだ」
ビスマルク「任せて!……私は、プリンツと仲直りしたいの。こんなところでお別れ何てごめんよ」
提督「そうか。……きっと仲直りできる。君も十分気をつけて」
ビスマルク「ええ、必ず皆を助け出して見せるわ。……愛しているわ、アトミラール。行ってきます」
提督「俺もだ。愛してるよ、ビスマルク。帰りを待っている」
ビスマルク(愛の言葉を交わし合い、私は先に行った皆を追う。プリンツが心配だった)
ビスマルク(私は、本当にプリンツと仲直りしたかった。前みたいにってのは無理でも、普通に話せる関係に戻りたい)
ビスマルク(だって私は、プリンツのことが好きだから。きっと仲直りできる。そう信じていた)
ビスマルク(だからこそ、こんなところでお別れだなんて絶対に嫌!必ず助け出して見せる!)
~
プリンツ「っ、妨害電波で通信ができない……大丈夫ですか?」
雲龍「ええ、なんとか……けど、機関が損傷したみたい……」
天城「っ……飛行甲板が……!!」
葛城「私は無事ですけど、航空隊はもうほとんど全滅です……」
プリンツ「そうですか……」
プリンツ(交戦の結果、私たちは空母二隻を戦闘不能にさせられ、残った一隻も航空隊が残っていなかった)
プリンツ(だけど悪い事ばかりじゃない。戦闘機隊の活躍や朝潮と荒潮の頑張りもあって、敵もまた航空隊をほとんど失ったはずだ)
プリンツ「とりあえず、撤退しましょう。増援艦隊と合流できれば問題ありません」
雲龍「ええ、そうね。けど、私はもう無理だわ。指揮権は……オイゲン、貴方に譲渡します」
天城「そんなっ!!」
葛城「駄目だよそんなの!!」
雲龍「私は、速度が出せないの。可能な限り逃げ回って囮になるわ。それで時間を稼ぐ」
雲龍「空母を三隻も失っては、戦いは厳しいことになるわ。けど一隻なら」
プリンツ「……分かりました。ではこれより艦隊の指揮は私が執ります。いいですね?」
雲龍「ええ……妹たちをお願い」
天城「っ……うぅ……」ポロポロポロ
葛城「いやぁ!!絶対に嫌!!」ガシッ
雲龍「葛城、聞き分けなさい!!貴方だって艦娘でしょう……!!」
プリンツ「誰が雲龍さんを残していくと言いましたか?私に下された命令は、『空母三隻を護衛せよ』ですよ」
雲龍「……!?」
プリンツ「葛城さん、雲龍さんをお願いします」
雲龍「馬鹿なことを言わないで!!このままじゃ追いつかれるわ!!」
プリンツ「その時は私が時間を稼ぎます!!いいから命令に従いなさい!!」
雲龍「……!!貴女……馬鹿よ……」
プリンツ「すべてはアトミラールのためにです。口を動かす前に足を動かして。行きますよ」
プリンツ(西へ、トラックへと撤退していく。航空隊は来なかった。お願いだからこのまま逃げさせてほしい)
プリンツ(けど、脚が遅くなったこちらはいずれ追いつかれる。それは避けられない。しばらくして、水偵が後方に敵艦隊を発見した)
プリンツ(このままいけば、向こうからも目視される。そうなれば圧倒的な火力の攻撃を加えられて終わりだ)
プリンツ(私は捌き切る自信があるが、他は無理だろう。……決断の、時だった)
プリンツ「……敵艦隊を後方に発見。接近中です」
「「「「……!!」」」」
プリンツ「これより、私は一人で残って敵を食い止めます。指揮権は葛城さんに譲渡します」
葛城「っ……分かりました」
プリンツ「朝潮、荒潮、空母の皆さんを頼むね」
朝潮「必ず。必ずトラックまで送り届けて見せます」
荒潮「お任せください。責任を持って、必ず」
プリンツ「Gut. ……雲龍さん」
雲龍「……何かしら?」
プリンツ(私は、雲龍さんにアトミラールから貰ったペンダントを渡した。もちろん、死ぬ覚悟を決めたわけではない)
プリンツ「壊したりなくしたりしたら困るから、預けます。帰還したら提督に渡してください」
プリンツ「そして、伝えてください。プリンツ・オイゲンが栄光と共に取りに戻りますと」
雲龍「……」コクリ
プリンツ「では、煙幕展張!!行ってください!!」
葛城「残った艦載機を発艦させて、貴女を援護します!!……武運を祈ります」
プリンツ「ありがとうございます。では、また後で」
葛城「はい……必ず……!!」
プリンツ(味方艦隊が離脱していく。私は敵の方へと向き直った。敵が視界に入った瞬間、発砲される)
プリンツ「ふふっ……容赦ないなぁ……」
プリンツ(合わせるべき味方はいない。好き放題に暴れられる。……スイッチが、完璧に入れ替わった)
プリンツ「あはは……さぁ、一生忘れられない思い出にしよう!!」
~
雲龍「オイゲンは、私たちを逃がすために一隻で残ったわ……ごめんなさい……」ポロポロ
ビスマルク「……!!分かったわ」
ビスマルク(撤退中の味方艦隊と合流することに成功した私に知らされたのは、その事実だった)
ビスマルク(プリンツらしい、勇敢な判断だった。別れたのは丁度一時間ほど前らしい)
ビスマルク「まだ、間に合う……きっとまだ間に合う……!!」
明石「雲龍さんを修理しますか?」
ビスマルク「機関の修理にどれくらいかかる?」
明石「十分もかかりません!」
ビスマルク「なら修理して後を追ってきて。私は一人で先にプリンツの所へ向かうわ」
暁「私も行くわじゃなくて行きます!」
ビスマルク「明石の護衛に数が欲しいの。私は大丈夫だから、後からきて」
暁「っ……分かりました……」
明石「了解です!」
ビスマルク(艦隊と別れて、最後にプリンツと別れたという座標へ向かう。焦燥感に焼き尽くされそうだった)
~
ドゴォンドゴォン
レ級「あっ!?あれ!?」シュボッ
プリンツ「っ!?scheißverdammt(クソッタレ)……!!」バスン ボンッ
プリンツ(レ級とほぼ同時に発砲した。レ級の砲弾は最後まで残っていたウィーンを破壊する)
プリンツ(しかし、私の砲弾はレ級の胴体を二分した。奴は、一瞬何が起きたのか分からなかったようだった)
プリンツ(だが、事態を察すると壮絶な狂気を孕んだ笑い声をあげた)
レ級「……はは、ぎゃはははははははは!!すごく楽しかったよ!!さすが灰色のシニガミ!!」
レ級「貴女を殺すためにこれだけの部隊を編成したときは、頭おかしいと思っていたけど!!おかしいのは貴方のツヨサね!!」
プリンツ「本当に私を殺す為だけに……?」
レ級「自分が何をしてきたか振り返ってみれば、分かるんじゃない!?あなた一人に私達が一体どれだけのソンガイをだしたか!!」
レ級「届かなかったのは残念だけど、せめてイッシ報いてやったかな!?あはははははは!!」
プリンツ「黙れ、雌犬め!!」
レ級「また向こうで遊ぼうね!!先に行ってマってるよ!!あははははハハハハハ!!」
プリンツ(本当に純粋な歓喜からくる笑い声に寒気を感じる。しかし、それもレ級が海中に没したことでごぼごぼという音を最後に消え去った)
プリンツ(残りの敵は恐る恐るという様子で私を窺っていた。私は、……もう動けなかった。機関は死にかけだし、武器ももう何もない)
プリンツ(できることと言ったら、最後まで死を恐れずに毅然とした態度でいることだけだ)
リ級A「あいつの最後の砲塔がコワレタ……よな?」
リ級B「レ級までハガタタナイのか……!!」
チ級「あれだけいた味方が皆ヤラレタ……!!こいつ一人で敵艦隊数個分の戦力がアルゾ!!」
タ級「落ち着け。上層部の見立て通り危険な奴だった。レ級は辛くも敗れたが、相手は戦闘力も機動力もウシナッタ!!」
ネ級「早く殺そう!!みんなのカタキだ!!」
タ級「そうだ。 Make ready!!」
プリンツ(残った敵が、砲を構える。アトミラール……私は、貴方と結ばれたかった。涙が溢れそうだ)
タ級「Take aim!!」
プリンツ(処女で死ぬなんて嫌だな。アトミラールとしてみたかった。恐怖で心が張り裂けそう。けど、もう少しの辛抱だ)
タ級「Fiっ!?」ヒューン ドガァン
プリンツ「!?」
プリンツ(指示を出していたタ級が吹き飛ばされる。何が起こったのか)
リ級A「なっなんだ!?何がオコッタ!?」
リ級B「あれをミロ!!」
プリンツ(敵が指さす方向を見る。私の心が一気に沸騰した)
プリンツ「ビスマルク……!!」ギリッ
プリンツ(こちらへ向かって全速で進んでくるのは、あの娼婦だった。厚かましくも未だにアトミラールを束縛する、私の敵)
プリンツ(あんな奴に助けられたと思うだけで、おぞましい何かが私の尊厳を踏みにじっているように感じた)
プリンツ(けど、感情がいくら不快を訴えようとも本能がこのチャンスを逃すまいと素早く行動を始める)
プリンツ(私は、一番近くにいたネ級へと近づいていく。ビスマルクに気を取られている相手は、気がつかない)
リ級A「2人目がいたのか!?しかもセンカンだ!!」
リ級B「ムリダ!!重巡一隻相手でも特別任務部隊一個がほぼセンメツだ!!」
ネ級「とりあえず、コイツを仕留めてニゲよう!!っ!!??」
プリンツ(そう言って振り返った敵のすぐ前に、私がいる。もう武器はない。これからはナイフでも持ってこよう)
プリンツ「……!!」ガシッ
ネ級「なっナニヲ!?」グググッ
プリンツ「あぐっ!!」ガブッ ブチッ
ネ級「ぐぎゃあああああああがぼがぼがぼがぼがぼ」
リ級A「ひぃ!?」
リ級B「……っ!!」
チ級「……あは」
プリンツ(私は、ネ級の顔を掴み、上を向かせる。そして、晒された喉笛に噛みついた。そして躊躇わず食いちぎる)
プリンツ(悲鳴が溢れる血液に遮られる。激しく痙攣する体は良い盾になってくれるだろう)
プリンツ(私は口のなかに残っていた肉塊を吐き出した。喉に流れる血が私の闘争本能をいっそう掻き立てる。体が熱い燃えてしまいそうだ)
プリンツ「ぺっ!!……♪」ギロリ ペロッ
リ級A「あっあっイヤダ!!」
リ級B「くそったれのシニガミめ!!どうしてこんなやつが!!」ドゴォン
チ級「あははははは!!逃げろ逃げろ!!コロサレちゃうぞ!!あはははは!!」
プリンツ「……」ポイッ
ネ級「」ドガァン
リ級B「っ!!体を盾に……!!ま、マッテくれ!!」
プリンツ(仲間が私に食い殺されるというあり得ない光景を目撃した奴らは我先にと逃げ出した)
プリンツ(やつらの後ろ姿を睨み付けていると砲弾が降り注ぎ、何人かが倒れる。暫くして、声がかけられる)
ビスマルク「プリンツ!!無事!?」
プリンツ(私は、ゆっくりとそちらへ向き直る。狂おしい感情、その混沌の嵐におかしくなりそうだった)
プリンツ「私をそう呼ぶな。お前に助けられるなんて、これほどの屈辱は初めてだ……!!」
ビスマルク「っ…… とにかく、何とか生きてるみたいね。無事でよかった」
プリンツ「黙れ!!」
ビスマルク「っ!!……」ビクッ
プリンツ「この売女が!!穢らわしい雌豚が!!いつまでもアトミラールの心のなかに巣食う呪いの元凶が!!」
プリンツ「お前などに助けられたことがまた、私にとって呪いになる!!なんで私を助けた!!」
ビスマルク「貴方が死にそうだったからよ!!」
プリンツ「屈辱の中で生き残るより、名誉ある戦死を遂げる方が私にとって遥かにましだった!!」
ビスマルク「……!!死んでしまったら、何もかもお終いなのよ……?それでいいの?」
プリンツ「っ!!」ビクッ
ビスマルク「……私が気に食わないのは分かるわ。私も、自分が大っ嫌いだもの。でも、それでもお願いだから助けられて頂戴」
ビスマルク「私は、貴方に死んでほしくない。アトミラールだってそう思っているわ。だから、お願い」
プリンツ「アトミラール……アトミラールぅ……」ポロポロポロ
ビスマルク「プリンツ、お願いよ……!!」
プリンツ「なんで……なんであんなことをしたんですか?ビスマルク姉さま……!!」ガシッ
ビスマルク「っ!!」
プリンツ「あれさえなければ、私は……貴女が……!!」ギロリ
プリンツ(大好きなままで!!)
プリンツ「あ、アトミラールと貴女を……!!」ツゥー
プリンツ(祝福できたのに!!)
ビスマルク「……ごめんなさい、プリンツ」
プリンツ「私は……もう我慢できない。諦められない。幸せを、知ってしまったから……それを、忘れられないから……」クラッ
ビスマルク「プリンツ……?プリンツ!?」ダキッ
プリンツ「アトミラール……」
プリンツ(アトミラールに会いたい、抱き締めてほしい。優しい言葉で慰めてほしい。愛してほしい。本当に、切実に)
プリンツ(緊張の糸が切れた私は、意識が遠くなっていくのを感じた。抗おうとしたが、できなかった)
ビスマルク「プリンツ!!」
プリンツ「すぅ……すぅ……」
ビスマルク「!……良かった、プリンツ」
~
明石「……よし、完了!」
プリンツ「……!!」バッ
明石「うわっ!?ビックリした……」
プリンツ「……ここは?」
明石「あいにく、まだ海上ですよ」
プリンツ「……明石?」
明石「はい、工作艦明石です!とりあえず、機関と一番砲塔は応急修理しました。一応は使えるはずです」
プリンツ「ありがとう」
明石「いえ!それにしても一人でよくあそこまで戦えましたね!?正直、信じられないですよ」
電「すごく頑張ったのです!」
暁「尊敬するわ!さすがプリンツね!」
プリンツ(回りを見渡すと、アカシと第六駆逐隊の面々、そしてビスマルクがいた)
プリンツ「……わ、私は」
ビスマルク「!?敵艦隊発見!!」
「「「「!?」」」」
プリンツ(ビスマルクの声に、皆が驚愕してそちらを見る。水平線の彼方から現れたのは先ほどの艦隊と同程度の大規模な敵艦隊だった)
響「こ、これは……まずいね」
雷「どうしよう、逃げなくちゃ!!」
明石「わ、私の速力じゃ逃げきれない……」
ビスマルク「まさか、敵がこんなにこっち方面に戦力を投入しているなんて……」
プリンツ「本当に私を殺すためだけにこれだけの部隊を動かしてるの……?」
ビスマルク「っ!?どういうことなの?」
プリンツ「……さっき戦ったレ級が言ってたの。奴らの目的は、私の撃沈だって」
ビスマルク「そんなバカなことが……!!」
電「ど、どうしますか!?戦っても勝ち目がないのです!!」
暁「お、落ち着きなさい!!こういうときは素数を数えるのよ!!」
雷「そ、そすうって何よ!?」
暁「……!!」
響「1かその数字自身でしか割りきれない数字だよ」
暁「知ってるもん!!」
明石「……っ!!どうやら、ここまでみたいですね。みなさん、すぐに撤退してください」
暁「えっ……」
明石「私の速度じゃ逃げられません。敵が私に食いついている間に離脱を」
響「そ、そんな……」
プリンツ「その必よ」
ビスマルク「その必要はないわ」
プリンツ「!?」
電「ビスマルクさん?」
ビスマルク「私があいつらを足止めするから、その間に撤退を」
明石「け、けど!!そんなことしたら!!」
ビスマルク「アカシ、貴女は艦隊唯一の工作艦よ。失う訳にはいかないわ」
暁「じ、じゃあビスマルクさんは?」
ビスマルク「私があれに負けるとでも思っているのかしら?叩き潰してやるわよ」
暁「わ、私も残るわ!!帝国海軍の誇りにかけて、味方を一隻で残していくわけにはいかないもの!」
響「私もね」
雷「私もよ!」
電「私もなのです!」
ビスマルク「落ち着いて、みんな!撤退するプリンツとアカシの護衛が必要だわ。ここは本当に私一人で大丈夫よ」
暁「な、なに言ってるのよ!護衛が必要なら雷と電に任せるわ!私と響は一緒に戦うわよ!」
雷「暁こそなに言ってるのよ!私が残るからどっちかが護衛にまわりなさいよ!」
ビスマルク「静かに!」
「「「「!」」」」
ビスマルク「みんなの気持ちは嬉しいけど、もう本当に時間がないの。ここは一人で大丈夫だから、撤退して」
響「無茶だよ……死ぬつもりなんですか?」
ビスマルク「お願い、プリンツは私の親友なの。どうか助けてあげて」
「「「「……」」」」
プリンツ「親友?ふざけるな……!!」
暁「プ、プリンツ!?」
プリンツ「お前なんか、お前なんか親友じゃない。私たちの敵だ!!」
響「な、何を言って……」
プリンツ「良い人ぶって恩を売るつもり?それともあわよくば赦してもらおうとでも?」
プリンツ「ふざけるな!!お前の罪は海よりも深く、山よりも高い!そんなことで償えると思うな!」
ビスマルク「分かってるわ。そんなつもりじゃない」
プリンツ「……明石さん、Danke. これでまだ戦えます」
明石「え?あ、ああ……当たり前のことをしただけですよ」
プリンツ「私がここに残って戦う!余計なことをしないで帰れ!売春婦め!」
ビスマルク「……」
雷「ちょ、ちょっと待って!どうしたのよプリンツ!?」
電「落ち着くのです!」
ビスマルク「……プリンツ」
プリンツ「そう呼ぶな!!」
ビスマルク「……わかったわ、オイゲン。なら戦艦娘として言わせてもらうけど、いい加減にしなさい」
プリンツ「なっ!?」
ビスマルク「現状を正しく認識しなさい。私情で動くのは止めて。貴女、それでも軍人なの?」
プリンツ「……!!」
ビスマルク「旗艦として、この場で一番階級が高い士官として全員に命令する。この場は私に任せて帰還せよ。分かった?」
明石「……分かりました。皆、撤退しますよ」
「「「「……了解」」」」
ビスマルク「アカシ、ありがとう」
明石「……武運を祈ります。どうかご無事で」
プリンツ「っ……Ich kann dich nicht riechen(お前なんか大っ嫌いだ)!!」
ビスマルク「Ich hab dich lieb(私は貴女が大好きよ).」
プリンツ「っ!!」ギリッ
明石「オイゲンさん、行きましょう」
プリンツ「……はい」
プリンツ(あの女を置いて、撤退する。一度振り返ると、ビスマルクは悲しげな眼差しでこちらを見ていた)
プリンツ(どうしようもない激情に狂いそうだった。なんで……本当になんであんなことをしたの!?)
プリンツ(あんなことをするような奴がどうしてこんなことを……!!もう意味が分かんない!!)
電「プリンツさん……泣いているんですか?」
プリンツ「えっ……!?」ポロポロ
電「……」ギュッ
プリンツ(電が手を握ってくる。少しだけ落ち着いた。私は、震える手で涙をぬぐった)
プリンツ(砲声が後方から聞こえてくる。もう振り返ることは無かった。ただひたすら前進する)
プリンツ「……ビスマルク、姉さま」
~
ビスマルク(敵の攻撃を避けつつ、反撃する。一つのミスが致命的になりうる。恐れを捨てて、冷静かつ大胆に)
ビスマルク「沈め!!」ドゴォン
「グアッ!?」ドガァン
「馬鹿な……戦艦がイチゲキで!?」
ビスマルク(戦艦に命中、撃沈。あのフッドでさえ沈めたのだから、当然。……重巡が接近、回避、左!)
「反撃しろ!!Fire Fire Fire!!」ドゴォン
「アタレ!!」ドゴォン
ビスマルク「当たるか!!喰らいなさい!!」ドンドンドン
「クソ!!」
ビスマルク(副砲で反撃。装填……完了、奥の戦艦へ照準……)
ビスマルク「Abschieβen(発射)!!」ドゴォン
「ギャァ!!」ドガァン
「戦艦が!!早くナントカしろ!!」
「無茶を言うな!!どうしろってイウンダ!?」
「接近しろ!!数でオセ!!」
「オチロ!!」ドゴォン
「モラッタァッ!!」ドゴォン
ビスマルク「っ!!もう……!!」ガギィン
「アタッタゾ!!」
「シニガミと違って撃てば当たる!!沈めてシマエ!!」
ビスマルク(被弾、小破……!!まだいける!!攻撃を!!手数が足りない!!なら……)
ビスマルク「一基で一隻を狙う!!Feuer!!」ドゴォン
「っ!?」ドガァン
「あっ」ドガァン
「え」ドガァン
「はぁっ!?」ドガァン
「STF201が壊滅!!STF202が突撃する!!ブウンヲ!!」
ビスマルク「っ……人海戦術!!ソ連軍の得意技じゃないのかしら!?」
「怯むな!!ススメ!!」
ビスマルク「私は知らないけどね!!」ドゴォン
ビスマルク(思い出されるのは大西洋、ブレスト沖。ロイヤル・ネイビーとの戦いだ)
ビスマルク(けど、あの時と違って敵はロイヤル・ネイビーじゃない。そして私は全力を出して戦える)
ビスマルク「なら、負けるわけないじゃない……!!さあ、かかってらっしゃい!!ビスマルクの戦い、見せてあげるわ!!」
~
雲龍「以上で報告を終わります……」
提督「……そうか、ご苦労だった」
提督(プリンツは、敵を食い止めるために一人で残った。……いや、プリンツだ。プリンツならきっと無事だ)
雲龍「提督、これを……」
提督「これは……!!どうしたんだ……?」
雲龍「オイゲンが、提督に渡してくれと……『プリンツ・オイゲンが栄光と共に取りに戻ります』とのことです」
提督「っ……そうか」
雲龍「申し訳、ありません……私が被弾しなければ、こんなこと、にはぁ……!!」ポロポロポロ
提督「ここまで大規模な敵艦隊が存在するのは完全に予想外だった。君のせいではない」
雲龍「でも……でもぉ……オイゲンが……」
提督「プリンツならきっと大丈夫だ。あの子は強い。必ず帰ってくる。援軍も、送れるだけ送ったからな」
提督(そうだ、大丈夫だ。栄光と共にこれを取りに戻ってくるんだろう?待っているからな)
~
ビスマルク(どのくらい戦ったのだろうか?帰ればアトミラールにたくさん愛してもらえる。勲章だってもらえるだろう。そうすれば、きっと喜んでくれる)
ビスマルク(だから私は、こんなところで死ぬわけにはいかない。愛するアトミラールのもとへ帰らなくてはならない)
ビスマルク(そのために、この状況を何とかして打開しなくてはならない)
ビスマルク「うっ……!?」ドガァン
「いいぞ!!メイチュウした!!」
「Good job!! Good job!!」
「敵戦艦は大破しているぞ!!もうひとフンバリだ!!」
「奴をぐちゃぐちゃに噛み砕いて吐き出してヤレ!!」
ビスマルク「負けてられないのよ……あんたたちなんかに……!!っ!?」ボンッ
「!!いいぞ、奴の脚はシンダ……!!」
「フフフ……殺せ、コイツの死体を飾ってオクリツケテやろう」
ビスマルク「っ……アトミラール……!!」ギリッ ウルッ
ビスマルク(死にたく、ない……!!)
金剛「Burning Love!!」ドゴォン
「!?」ドガァン
ビスマルク「!?」
榛名「勝手は!!榛名が!!許しません!!」ドゴォン
「ぐはっ!!」ドガァン
「なんだと!?ゾウエンなんて聞いていないぞ!!」
「ミッドウェーのレンチュウは何やってるんだ!?」
金剛「ビスマルクはやらせませんヨ!!突撃デース!!」
「どうする!?コイツをシズメルか!?」
「駄目だ!!向こうへハンゲキしろ!!死にたいのか!?」
「っ……リョウカイ!!」
「撤退だ……テッタイしろ!!」
ビスマルク「……たすかったの?」ボーゼン
金剛「Hey ビスマルク!大丈夫デスカー!?Oh, いつもよりBeautifulデスネ?ウフフ」
榛名「ご無事ですか!?良かったです!提督もさぞお喜びになるでしょう」
ビスマルク「……ははっ、とりあえずアトミラールのハグとキス、それに熱々のコーヒーが欲しいわね」
~
提督「そうか、よくやってくれた金剛!!帰還してくれ」
金剛『Aye, aye, sir!!』
提督「ビスマルクは無事、そしてプリンツも無事だ!良かった……本当に良かった!!」
愛宕「提督、暁ちゃんたちが帰還しました」
提督「そうか!……愛宕?」
提督(良い報告のはずなのに、愛宕の顔は曇っていた。まるで報告することを躊躇うような感じだ)
愛宕「私も詳しくはまだ聞いていません。直接お聞きになってください」
提督(俺はざわつく気持ちを抑え、暁のもとへ向かう。暁は、泣きじゃくっていた)
提督(いや、暁だけでない。第六駆逐隊の面々は、あの響までもが涙を堪えられていない)
提督(明石もまた、沈んだ面持ちだ。……そして、プリンツが居なかった)
提督「……明石、報告を頼む」
明石「提督……」
暁「司令官……!!ごめんなさい……!!私が……私が弱かったから……っ!!」ボロボロボロ
提督(明石から報告を受ける。それは、撤退途中に新たな敵艦隊に遭遇し、貴重な工作艦明石を守るために……)
提督(大破したプリンツが一人で敵艦隊と交戦するために残ったということだった)
~
提督(結局、敵の大規模な攻勢は実行されなかった。決戦の結果、敵の戦力を十分に削ぐことができたのだ)
提督(敵がトラック方面に戦力を送らなかったらどうなっていたか分からない。敵は、プリンツ撃沈の為だけにあれだけの戦力を用意したらしい)
提督(現在、我が軍は大将の指揮でミッドウェーへ攻勢をかけていた。はからずとも敵の守備隊は弱体化しており、)
提督(我が軍の損害は十分にカバーできる範囲であったからだ。慎重論もあったが、大将が強く働きかけた結果、反攻作戦が実行されたのだ)
提督(ともかく、あの戦いから……プリンツが行方不明になってから既に数日が経過していた。……未だにプリンツの行方はわかっていない)
提督(大本営の中には、戦死したものとして扱うべしと言う意見もあった。しかし、そんなことは受け入れられない)
提督(もはや望みはないだろうと言うことはわかっても、もしかしたら生きているかもしれない)
提督(ここで捜索を止めたことで彼女の死を決定付けてしまうかもしれないと考えると、捜索を打ち切ることはできなかった)
提督(執務にも全く身が入らない。気がついたら窓から外を見ている。この前は止められたが、やはり飛行機で捜索に向かってしまおうか?)
ビスマルク「アトミラール、いるかしら?」
提督「ああ、ビスマルクか。どうしたんだ?」
ビスマルク「食事を持ってきたわ」
提督「いや、いらん」
ビスマルク「なに言っているのよ!あれ以来、ろくに食べてないじゃない!」
提督「なにか食べたくなったら勝手に食べているんだ。だから、気にしないでくれ」
ビスマルク「ふざけないで!食べている人がそんなにふらふらしているわけないじゃない!みんな心配しているわ!お願いだから食べてよ!」
提督(っ!!こいつはどうしてそんなことを言っていられるんだ!?プリンツが行方不明なんだぞ!?様々な事に対するイライラが爆発した)
提督「ちっ!!くどいぞ!!いらないと言っているだろう!!」
ビスマルク「っ!」
提督「いいから、余計なことしている暇があれば捜索に出ろ!!」
提督(俺は乱暴に当番表を取り出すと、内容を確認した)
提督「第六駆逐隊が待機になっているはずだ!!彼女たちを連れて今すぐ出撃しろ!!」
ビスマルク「なっ!?私たちは敵襲があったときのために待機しているのよ!?」
提督「ミッドウェーであれだけの戦いが起こっているんだ!!敵も防御に必死でそれどころじゃないだろう!!」
提督「金剛や雲龍たちも捜索にまわしたかったのに、大本営の命令で攻撃させているんだ!!」
ビスマルク「でも……!!」
提督「でもじゃない!!口答えするな!!いいから早く出撃しろ!!軍法会議にかけるぞ!!」
ビスマルク「っ!!落ち着きなさい、アトミラール!!あなt」
提督「お前が俺に意見するのか!?ビスマルク!!よりによってお前が俺を間違っているとでも言うつもりか!?」
ビスマルク「っ!?」
提督「少なくともそれだけ違うと断言できる!!お前なんかに私が間違っているだなんて言わせはしない!!」
提督「少しは自分の行いを省みたらどうなんだ!?ええ!?お前が誰かに間違いを指摘する権利があるとでも思ったのか!?」
ビスマルク「お、落ちt」
提督「プリンツは、お前のせいでおかしくなっていた俺を親身になって支えてくれたんだ!!」
提督「ここでこうしていられるのもプリンツのおかげだ!!さもなければ俺は廃人同然になってどこかで野垂れ死にしていた!!」
提督「俺がプリンツをお前と思い込んでいても、お前の演技までして俺を助けてくれていたんだ!!」
提督「そんなプリンツが、行方不明なんだ……!!俺はプリンツに何もしてあげられていないのに!!」
ビスマルク「……わ、分かったわ。食事はここに置いておくからね。たべ」
提督「さっさっと行け!!どうしてお前のような裏切り者が生き残って!!あんないい子がこんな目に合わなくちゃいけないんだ!!」
提督「プリンツじゃなくておmっ!?」
ビスマルク「!!」ビクッ ジワッ
提督(俺が口走りそうになった言葉に、ビスマルクがこの世の終わりを見たかのような表情になった)
提督(目を見開き、みるみる涙が満ちて、あふれだす。口元を手で押さえて、もう片方の手で胸を押さえていた。震えている)
提督「っ!!いや、違う!!俺は、そんな事……」
ビスマルク「……行ってくるわ」フルフルフル
提督「待ってくれ!!ビスマルク!!」
ビスマルク「……」タッ
提督「待てと言っているだろう!!」タッ
提督(走り去ろうとしたビスマルクは、しかしドアに阻まれた。開けている間に俺がビスマルクの肩を掴む)
ビスマルク「放して!!貴方の命令通りプリンツを探しに行くわよ!!」
提督「話を聞いてくれ!!」
ビスマルク「どうせ私は裏切り者の尻軽ビッチよ!!プリンツじゃなくて私がいなくなればよかったわね!!」
ビスマルク「そうすれば何の気兼ねもなくプリンツと仲良くできるもの!!きっとプリンツとなら」
提督「ビスマルク!!んっ……」チュッ
ビスマルク「んぅ!!嫌!!」バチン
提督「っ!?」
ビスマルク「……!!あ、ち、違う……」
提督(怒り狂うビスマルクに俺は強引に口付けした。しかし、ビスマルクは俺を押し返すと容赦のない張り手を喰らわしてきた)
提督(それはビスマルクにとっても驚きだったらしく、硬直する)
提督「……悪かった。さっきのはつい勢いで言ってしまっただけなんだ。俺は、本当に君を愛している」
提督「君の方が行方不明になれば良かったなんて、思っていない。本当だ」
ビスマルク「……けど、プリンツが、プリンツも好きなんでしょう?」
提督「……!!」
ビスマルク「気がつかないと思った?プリンツがしていたあのペンダント、あのジュエリーショップの目玉商品でしょう?」
提督「……」
ビスマルク「……私は、貴方が好き。貴方に選んでほしい。けど、貴方がプリンツを選びたいのなら、そうして」
提督「……君の言う通りだ。俺は、プリンツも好きだ。けど、君が好きなんだ。君に、一緒に居て欲しい。俺が選んだのは君だ」
ビスマルク「……分かった。捜索に出るわ」バッ タッタッタッ
提督「ビスマルク!!……くっ、ああもう!!」バンッ
提督(走り去るビスマルク、その表情は俯いていたために見ることができなかった。俺は、壁を思いっきり叩いて部屋に戻る)
提督(回らない頭で仕事をこなしていると、誰かが走ってくる音がした。そして執務室の扉が勢いよく開かれる)
川内「提督!」バンッ
提督「……川内か、どうした?」
川内「ビスマルクさんが第六連れて出ちゃったんだけど!!なんで出撃させたの!?」
提督「……手が空いていたからだ。出撃できるのなら捜索にまわすのは当たり前だろう?」
提督「プリンツがもし生き残っているなら、もうそろそろ命がつきてしまう。そうなる前に見つけなくては」
川内「だからって……!!ここの防衛はどうするの!?」
提督「阿武隈たちが警備に出ている。問題ない」
川内「ここは最前線なんだよ!?阿武隈たちは本当に警備だけで、本格的な攻撃をされたら守り切れないんだよ!?」
提督「その本格的な攻撃をしてくる敵は、もういないんだ。全部、プリンツのおかげだ。その英雄を助けるのに何を躊躇う必要がある?」
川内「……!!いい加減にしなよ!!」ギロッ
提督「いい加減にしなよだと……?ふざけるな!!何がいい加減なんだ!?」
川内「オイゲンさんがこんなことになって辛いのはわかるよ!?だからって私情で指揮をとっていいの!?」
提督「なっ!!私情だt」
川内「ビスマルクさん達は万が一ここが攻撃された時のために待機していたんだよ!!それをいきなり捜索にまわすのなんておかしいでしょ!!」
川内「提督の指揮は、この戦争の命運を左右するんだよ!!貴方のミス一つで、戦況なんて軽くひっくり返ったりするんだよ!!」
提督「っ!!」
川内「こんな時こそ冷静になりなよ!!私たちは皆、提督を心配しているんだよ……?」
川内「そこに置いてあるのも食事じゃん……!!きっと誰かが持ってきてくれたんでしょ?提督、誰になんて言われても食べないんだから!!」
提督「……っ」ギリッ
川内「っ!!……提督、ごめんね。ごめんね、役立たずで……」ダキッ
提督「!」
提督(川内に頭を抱き抱えられる。暖かい体温と川内の甘い匂いに気分が落ち着く。川内は優しい手つきで頭を撫でてきた)
川内「ごめんね、辛い思いさせちゃって。提督だけに辛いこと押し付けちゃってるよね……行方不明になったのが、私ならよかったのに」ポロポロポロ
提督「っ!!違う!!そんな事!!」
川内「……ありがとう、そう言ってくれて。私は役立たずだけど、提督のために頑張るよ」
川内「だから、少しだけ、ほんの少しだけでいいから冷静になって。今日は私も警備に出るから」
川内「もし敵が攻めてきたら、私が命を賭してここを……提督を守るよ。だから、安心して」
提督「川内……すまなかった……俺は……」
川内「……落ち着いた?」
提督「ああ」
川内「良かった。帰ってきたらまた来るからね。だから、少しだけ一人になるけど、待ってて?」
提督「……分かった」
提督(落ち着けはした。心配をかけた上に、あたってしまったことが申し訳ない。惨めな気分だった)
提督(しかし、それよりも大切なことは、やはりプリンツのことだった。彼女のことを考えると身が裂ける思いだ)
提督「プリンツ……どうしていなくなってしまったんだ……俺のためなら何でもできるんじゃないのか……?」
提督(川内も出撃し、攻撃の指揮も大将がとっている。今、俺はここで一人だ。他の要員も司令部までは来ない)
提督「なら、生きて帰ってきてくれよ……プリンツ……プリンツ……!!」ボロボロボロ
提督(誰かに見られる心配もない俺は、ひとしきり泣いた。暫くして、落ち着くことができた俺は改めて書類仕事に取りかかった)
提督(数時間かけて今回の戦いの報告書を仕上げ、関連資料などを纏める。行方不明者1名、プリンツ・オイゲンか……)
提督「……」ガタ
提督(疲れた目を休ませようと窓の外を見た時、こちらへ向かってノロノロと進んでくる灰色の影が見えた)
提督「!!!!」ドクンッ
提督(窓に飛びつき、じっと目をこらし、その影を確認する。そして涙が溢れてきた)
提督「プリンツだ……!!プリンツだ!!」
提督(間違いない、あれはプリンツだった。灰色の制服に、雪のように白い肌。そしてまばゆいばかりの金髪)
提督(エメラルドのような緑の瞳と目があったような気がする。安心しきったのか、天使のような微笑みを浮かべた)
提督「プリンツ!!」ダッ
提督(あれほど求め、しかしどこか心のなかでは諦めていた少女。俺は駆け出した。ドアへ体当たりするように開ける)
提督(誰もいない廊下を駆け抜け、階段を飛び降りる。玄関ホールを飛び出て、一目散に港へ)
提督「プリンツー!!」
提督(しかし、見える海原には彼女の影は見えない)
提督「バカな!!プリンツー!!」
提督(もう上陸したのか?いや、辺りを見渡しても彼女の影どころか、人影ひとつない)
提督「プリンツ……!!」
提督(もしかしたら、さっきのは俺の望みが生み出した幻覚か何かだったのだろうか?)
提督「そんな……」
提督(その場に膝をつき、呆然とする。もはや今生で再会することはできないのだろうか?涙が溢れそうになる。すると突然視界に青白い手が入った)
提督「……っ!?」ビクッ
提督(岸壁の下からぬっと伸びて、だん!とその端を掴む。思わずぎょっとしたが、その可能性に思い至り、大慌てで駆け寄る)
提督「プリンツ!!」
提督(その手に飛びつくと、まるで氷のように冷たい。岸壁から下を覗き見ると、虚ろな表情のプリンツいた)
提督(緊急時用の、ただコンクリートを削っただけの梯子をすぐそこまで登ってきていた)
提督「プリンツ!!プリンツ!!」
プリンツ「……」ニコッ パクパク
提督(しかし、俺と目があった瞬間、ぼんやりとした笑みを浮かべる。口がアトミラールと動いた気がした)
提督「もう大丈夫だ!!捕まえたぞ!!もう大丈夫だ!!」
提督(腕を掴み、引っ張りあげる。上半身を何とか引っ張りあげたところで脇の下に手を差し込み抱き上げた)
提督(力なく首に回された手が、プリンツがここにいるという実感をもたらした)
提督「良かった……!!本当に良かった!!プリンツ!!俺はもう駄目かと思っていたんだ……!!」グスッ
プリンツ「……」
提督(プリンツは何事か言おうとしたが、口をパクパクさせるだけで声が出ていない。衰弱しきっている!!とりあえず運ばなくては!!)
提督「プリンツ、一度下ろすぞ!!中へ運ぶ!!」
プリンツ「……」コクッ
提督(こくんとかすかに頷く。プリンツをお姫様のように抱え、揺らしすぎないように急ぐ)
提督「どうする?どうするどうする!?」
提督(この体の冷たさ、意識もはっきりしない。今日はたしか医務室に人がいなかったはず……軍医が急病でこられなかったのだ)
提督(くそっ!!どうしてこんな時に!!このままではプリンツが死んでしまうかもしれない!!)
提督「体を暖めなくては!!それと、水と食べ物だ!!」
提督(そういった類いはどこにある!?食糧庫か!?いや、俺の部屋でいい。あそこなら非常食から救急箱、そしてシャワーまである)
提督(そうと決まれば実行だ。急いで運び、敷いたままの布団に寝かせる……前に濡れた制服を脱がさなくては。それと目立つ外傷がないかチェックだ)
提督(プリンツを畳に寝かせる。艦娘が被弾したときになるように、服はボロボロだ。大変なことになっているのだがそれどころじゃない)
提督(顔は生気がなく、青白い。付着した血痕はどうやらプリンツのものではないようだが……)
提督「すまない、これは治療のためなんだ!!分かってくれ!!」
提督(プリンツの服を鋏で切り、脱がす。白い肌がまぶしくて黒い下着が目に毒だが、見とれる暇はない。改めて全身を確認する)
提督「……外傷はなし、良かった!!」
提督(さすがは艦娘というべきか!!とりあえず、すぐ近くにあった予備のワイシャツを着せる。大きすぎるが気にしない)
提督(敷布団に横たわらせ、掛布団をかける。そして食べ物などをとってこようとすると、服の裾を捕まれた)
プリンツ「……!!」キュッ パクパクパク
提督「どうしたんだ!?」
提督(口をパクパクさせるだけで声が聞こえない。口元に耳を寄せる)
プリンツ「いかないで……」
提督(小さなかすれ声。思わず顔を見ると、緑色の瞳は真っすぐ俺を見つめており、一筋の涙が溢れている)
提督「安心してくれ、食べ物をとってくるだけだ。すぐに戻る」
プリンツ「……」
提督(なおも手は離れなかったが、優しく手をとり、握りしめてから胸の上におく)
提督(棚の中から緊急食糧の箱を開けて、中を確認。乾パンと水を取り出す。ついでにいつでも使えるよう電気ポットのスイッチを入れ、すぐに戻る)
提督「プリンツ、ほら、水だぞ!」サッ
プリンツ「こく……こく……」
提督(丁寧に上半身を抱き起こし、水を少しずつ飲ませる。喉が動き、飲んでいることが分かった)
提督「よし!!」
提督(しかし、この数日間何もたべていないはずだ。長く食べていない人間に水を飲ませ過ぎると、死んでしまう。飲ませるのは少しだけにした)
提督「次は食べ物だ、乾パンだぞ!よく噛んで食べるんだ。いいな?」
プリンツ「……」
提督(包みを破って小さく割る。欠片を口に含ませた)
プリンツ「……」
提督(が、噛まない……!!いや、噛めないのか!?くっ……どうすれば…… っ!!)
提督(思い出されたのは有名な某アニメ映画。主人公が食べ物を食べられなかった時に、ヒロインは自分で噛んでから食べさせていた)
提督(プリンツの口から欠片をとりだし、それを自分の口に含む。噛んで噛んで噛みまくる。液体のようになったそれを、口移しでプリンツに食べさせる)
提督「ん……」
プリンツ「……ごくん」
提督「よし、飲んだ!!」
提督(同じ要領で一食分を食べさせた。しかしまだ意識は朦朧としているようだ)
提督「くそっ!!本当に大丈夫なんだろうな!?」
提督(このまま死んでしまうような気がして、気が気でない。だれか医者に連絡しなくては……)
提督「そうだ、電話だ!!」
提督(ハッと気がつき、携帯を出した。軍医へ連絡する。気がつかなかったらどうしようかと思ったが無事に繋がった)
提督(だいぶ体調が悪そうだったが、こちらの方が重要だ。プリンツの容態について説明し、対処を仰ぐ)
提督(すると、低血糖の可能性が高いということだった。対処法は、ブドウ糖を取らせること。つまり、炭酸飲料が最適だ)
提督(電話を切ると共に、小走りで駆けだす。部屋にある小型の冷蔵庫の中から一番好きといっていたファンタオレンジを取り出した)
提督「……冷たくても大丈夫なのか!?」
提督(そこは聞いていなかった……!!だが、明らかに体を冷やすのは良くないだろう。沸かせていたお湯を少し混ぜることで温くした)
提督「これなら大丈夫なはずだ!プリンツ、ファンタだぞ!」
提督(再び上半身を起こし、ゆっくりと飲ませる。こくこくと動く喉が愛おしい)
提督「生きているんだ……!!」
提督(改めてプリンツの生存を実感する。一度は失ったと諦めかけていた大切な存在。もう絶対放さない!!)
プリンツ「こく……こく……っ!!」パチ
提督(突然、カッとプリンツの目が開かれた。いったいどうしたのだろうか?)
提督「プリンt」
プリンツ「うわあああああああああああ!!」
提督(絶叫が響く。耳が壊れそうだ!!)
提督「っ!!プ、プリンツ!!」
プリンツ「Nein!!Nein!!Nein!!Nein!!Neeeeeeiiiiiin!!」ジタバタ
提督(プリンツは掛布団を蹴り飛ばそうとしているのか、したばたと暴れる。とりあえず布団をどかした)
提督「プリンツ!!落ち着け!!プリンツ!!」
プリンツ「Aaaaahhhh!!Was ist das!?Was läuft!?Wo bin ich!?」
提督「プリンツ!!もう大丈夫だ!!俺の部屋だ、ここは!!」ガシッ
プリンツ「あ、アトミラール!?アトミラール……アトミラール!!」ダキッ
提督「プリンツ!!そうだ、俺だ!!本当に良かった……」ギュッ
プリンツ「んちゅっ」
提督「んむ!?」ビクッ
プリンツ「んはぁ!!んちゅ、んむぅ。れろれろれろ」
提督(錯乱していたプリンツは俺を認識するとともに、少しだけ冷静さを取り戻したように見えた)
提督(何が起こっているのか分からないという表情から、何かを思い出すかのような思案顔)
提督(それから一転、今にも泣きそうな、しかし喜びの余り顔がにやけるのが止められないと言ったような、感情の爆発を湛えた複雑な笑顔だ)
提督(そして、おもむろにこちらへ抱き付き、腕を首にまわし、唇を重ねてきた。ただ、自分の愛情を伝える為だけの、乱暴なキス)
提督(強く押し付けられた唇、こちらの口をこじ開けるかのように舌がねじ込まれる)
提督(されるがまま唇を開くと、すかさず舌が侵入してくる。こちらの舌を求めるように妖しく蠢いた)
提督(そして目当てのモノを探し当てると、獲物を捕らえた蛇のように絡まってくる。首にまわされた腕も、より一層強く抱きしめてくる)
提督(あまりの衝撃に暫く放心していた。が、気を取り戻し、プリンツを落ち着かせようとする)
提督「……!!ん!!んー!!ぷはぁ!!プリンツ、落ちつ」グイッ
プリンツ「んふぅ……ぷはっNein!! いやぁ!!ダメです!!」バチン
提督「いっ!?んぶぅ!!」
プリンツ「んちゅぅ……むちゅぅ……にゅるにゅる、れろれろ、じゅるる」
提督(何とか押し戻したと思ったらまさかのダブルビンタ。そのまま顔を押さえつけられ、再び唇を交わす)
提督(とりあえず落ち着くまではこうしていようと考え、抵抗をやめる。すると、プリンツも顔を強く押さえつけていた手をはなした)
プリンツ「はむぅ……んふぅ……んぅ!んはっ……むふぅ……」グイ
提督(するりと体に手を回され、後ろに倒れる。プリンツに引っ張られるようにして覆いかぶさる)
提督(足を絡ませられ、体を擦りつけられる。服越しとはいえ、柔らかい胸と太ももの感覚に赤面する)
提督(強く求めてくるプリンツに、俺は果たしてあの戦いから今日までどのような気持ちでいたのかということに思い当たった)
提督(一人でここまで戻ってくるまでの日々、想像のできない孤独と恐怖だったのだろう)
提督(プリンツがたまらなく愛おしい。俺は、自分からもプリンツの背と頭に手を添えた。冷たいプリンツの体を温めるように抱き合う)
提督(どのぐらいの間だったろうか?ようやく唇を離したころには、プリンツの体温も十分温まっていた)
プリンツ「……アトミラール」
提督「無事でよかった。本当に。本当に良かった……!!」ギュッ
プリンツ「あっ/// Danke…… 私も、生きて帰ってこれて良かったです」
提督「本当にそうだ。もう二度と居なくならないと誓ってくれ」
プリンツ「はい。私はアトミラールのモノですから」ギュッ
提督「約束だからな?破ったらただじゃおかないぞ。……そうだ、これを返すよ」
プリンツ「はい。……!!これ、ずっと胸ポケットに入れていたんですか?」
提督「いつでも返せるようにな」
プリンツ「アトミラール……!!ありがとうございます。……アトミラール、好きです。貴方を、愛しています」
提督「!!……ありがとう」
プリンツ「……結婚、してくれませんか」ジッ
提督「!」
プリンツ「アトミラールがビスマルク……姉さまを好きなのは知っています」
提督「プリンツ……」
プリンツ「けど、こればかりは一人の女として譲れません。貴方が好きなんです。貴方を思うだけで、すべてが鮮やかに色づく」
プリンツ「心臓がドキドキします。貴方の笑顔を見るだけで私まで笑顔になれる。貴方の真剣な横顔から目が離せない」
プリンツ「貴方の隣にいる為なら何でもできます。貴方が他の女性に笑いかけているのを見ると、心が張り裂けそうです」
プリンツ「どうか私を選んでください。私のすべてを以て貴方に捧げます。貴方を助け、良き妻となれるように全力を尽くします」
提督(うるんだ瞳に、紅潮した頬、上目遣い。胸の前で組まれた手は、神に祈る聖女の様だった)
提督(俺は、プリンツが好きだ。愛していると言える。今すぐにでも結婚したいぐらいに)
提督(だが、それと同じか、それ以上にビスマルクのことを愛していた。たとえ不幸にもすれ違い、想いが穢されたとしても)
提督(俺は、どうすればいいのか分からない。何ということだ!こんな美人が俺を好いてくれているのに!)
提督(ああ、今すぐに抱き付いてキスをしたい!愛したい!結婚して、二人で幸せに暮らして、子宝に恵まれて、孫に囲まれて安らかに二人で旅立ちたい!)
提督(それを望みさえすれば手に入る!だが、悲しげなビスマルクの顔が脳裏に浮かんで離れない!)
提督(あの男さえいなければ、このようなことにならなかったのだろう!!あいつは結局、報いを受けた。当然だ)
提督(しかし、歪な形であったとはいえ、幸せを手に入れたビスマルクを自分の意志でその甘い悪夢から目を覚まさせたのは俺だ)
提督(それはもちろん、たとえ汚されたとしてもビスマルクが忘れられなかったからだ。彼女を愛していたからだ)
提督(赤子殺しの汚名を背負って、背負わせてまで彼女を選んだのは他ならぬ俺自身なのだ!!)
提督(信じがたい難問だ。俺は、今は答えが出せなかった。いや、答えはあるのだろう。だが、今それを言い出せなかった)
提督(今だけは、今だけは絶対にダメだ。短い間でいいからこの残酷な決断を先延ばしにしたかった)
提督「……プリンツ、ありがとう。本当に、心から嬉しい。けど、今はまだ決められない。すまないが、時間をくれないか」
プリンツ「……」
提督(プリンツは、少しだけ目を見開くと、俯いた。もしかしたら察してしまったのかもしれない)
提督(だが、二人と結婚するだなんて倫理的に無理だ。人の道に背く行為だ。すまない…… だが、せめてこの、心地いい空間をもう少しだけ……)
~
プリンツ(私は自分の敗北を察した。私のできることすべてをしたはずだった。この身もこの心もすべて捧げた)
プリンツ(自分の外見だって気にかけてきた。潮風に傷みやすい金髪も紫外線に弱い白い肌も)
プリンツ(体形だっていい感じをキープしている。プロポーションも、まだビスマルクほどではないにしろ、私には伸びしろがある)
プリンツ(性格だって、自画自賛みたいで嫌だけど……悪くないはずだ。皆とも仲良くできているし、気がきく明るい性格とよく言われるし)
プリンツ(食事だって作れるし、家事はもちろん雑用から大事な仕事まで。任されたものは全部完璧にこなしてきた)
プリンツ(進んでアトミラールに尽くしてきた。嫌々ではなく、喜んで!あの人のために何かすることが幸せだった!)
プリンツ(あの人のためにこの身を顧みず戦った!何度も死線を潜り抜けて、相手をなぎ倒してきた!)
プリンツ(それでも……それでもまだ届かないの?……アトミラールのビスマルクへの想いには!!)ギリッ
プリンツ(報われるはずと信じて今まで戦ってきた私の中で、そのことがただの幻想かもしれないと気がついた)
プリンツ(あんな尻軽女なんかが私よりもこの人にふさわしいのに!酷い裏切りをして名誉を失ったあの女なんかがこの人と?)
プリンツ(そんなのは嫌だ!!心の中に昏い感情が胎動する。なんとしてでもこの人が欲しい!!もう残された道は一つしかない)
プリンツ(この人を掠奪する。それこそが唯一の正しい選択。この人を私のモノとして、愛し尽くす)
プリンツ(決して褒められた行為ではないが。しかし、今こそそうすべきだ。でないと後悔する)
プリンツ(今ここで、この人の心を仕留める。この人のすべてを手に入れて私に染める。そこで私を捧げよう)
プリンツ(アトミラールは優しいから、ビスマルクを切り捨てられないだけだ。けど、そんなことは間違っている。悪事を犯した奴らが今こそ酷い報いを受ける番だ)
プリンツ(大丈夫、きっと上手くいくから。幸せな生活が待っている。その為には、今ここで少し乱暴になってでも、頑張らなくては)
提督「プリンツ……」
プリンツ「……そうですか、分かりました」
提督「……ありがとう」
プリンツ「ところで、アトミラール……その、頼みたいことがあるのですが……いいですか?」ジッ
提督「俺にできることなら、なんでも」
プリンツ「その……お風呂に入りたいんですけど……体に力が入らなくて……」モジモジ
提督「!?」
プリンツ「だから、その……お風呂に入れてくれたら嬉しいなって……」チラッ
提督「や、その……誰かが帰ってきた後にした方がいいのではないか?俺は男だぞ」
プリンツ「提督だからいいんです……駄目ですか?」キュッ
提督「しかし……」
プリンツ「とても寒いし、海水とかで体が汚れてて……本当に今すぐ入りたいんです。お願いします」ギュッ
提督「……」
提督(改めて、プリンツの全身を見る。恥ずかしそうに若干俯きかけの、上目遣い。涙に潤んだ緑の瞳赤く染まった頬)
提督(不安そうに肩が小刻みに揺れる。のばされた手が俺の服の裾を掴んでいた)
提督(そういえば、プリンツが身にまとっているのは俺のワイシャツと下着だけだ。噂に聞く裸ワイシャツにとても近い)
提督(男物であるがために形の良い胸が服を圧迫し、その谷間が丸見えだ。そして、裾からちらりと見えるのはプリンツの……秘所を覆う薄布だ)
提督(蠱惑的な装飾の薄布に覆われたそこは、一度も男を受け入れたことがないと思い出してしまう)
提督(今の状況を再認識し、男として興奮してしまった。だが、駄目だそんな事は!しかし、風呂に入れてあげるのは必要だろう。体も冷えているようだし……)
プリンツ「アトミラール……」ウルッ
提督「わ、分かった。しかし、タオルは巻いてもらうぞ」
プリンツ「アトミラール……!!ダンケ!!」
提督「では、行こうか。立てるか?」
プリンツ「……抱っこしてもらっていいですか?」
提督「分かった。ちゃんとつかまってくれよ」
プリンツ「はい。……あん///」
提督(プリンツをお姫様抱っこする。すると首に手を回してしがみついてきた)
プリンツ「重く……無いですか?」ササヤキ
提督(耳元で聞こえるウィスパーボイス。ぞくぞくする)
提督「羽のように軽いよ」
プリンツ「ふふっ……もう絶対放しませんからね」ギュッ ハイライトオフ
提督「何か言ったか?」
プリンツ「いえ、男らしいですねって」
提督「っ!……て、照れるな」
提督(脱衣室でプリンツにバスタオルを渡す。とりあえずアンダーウェア姿になる。別に、一緒に入るわけではないのでこれで十分だろう)
プリンツ「アトミラール、準備できましたって……それで入るんですか?」
提督「もちろん。君の手助けをするだけだからな」
プリンツ「……分かりました。お願いします」
提督「ああ」
提督(プリンツに肩を貸し、浴室へ入る。椅子に座らせ、シャワーを確認。よし、暖かい)
提督「まずは髪からかな?」
プリンツ「はい、お願いします」
提督(プリンツの指示に従う。シャワーで流しながら髪を優しく解かすように洗う。シャンプーをつけて同じようにした)
提督(触り心地がよく、まるで絹の様だ。丁寧に洗った後、泡を流してタオルで軽く拭く。そしてリンスを髪に練り込むようにする)
提督(徹夜の時に秘書艦に使われたりするため、女性用のリンスやシャンプーを置いていたことが吉と出たな……)
提督(シャワーで軽く髪を濯ぎ、俺の仕事は終わりだ。あとは途中で倒れたりした時のために近くで待機すればいい)
提督「よし、終わったぞ。後は体だが……向こうを向いているから洗ってくれ」
プリンツ「えっ?洗ってくれないんですか……?」
提督「なっ何!?」
プリンツ「背中とか洗いにくくて……お願いします」
提督「っ……わ、分かった」
プリンツ「ありがとうございます」ニコッ
提督「ああ。よし、じゃあ洗うぞ」
プリンツ「アトミラール、良ければスポンジとかは使わないで手でやってくれませんか?肌が弱くて」
提督「手で!?あ、いや、分かった。任せろ」
提督(動揺しつつもボディーソープを手にだす。バスタオルを取り払ったプリンツのヒップに向かいそうになる視線を何とかしつつ、背中をなでる)
プリンツ「ひゃん!!アトミラール、ちょっと冷たいです……」ビクッ
提督「す、すまん!!申し訳ない……」
プリンツ「大丈夫ですけど、ちょっと手のひらで温めてからしてくれると嬉しいです」
提督「サンオイルと同じだな!?任せろ」
提督(なでるようにしてプリンツの背中を洗う。しっとりとしていて滑らかな肌触りだ。ひたすら無心を貫く)
プリンツ「んぅ……ふぅ……はぁっ……///」
提督(艶めかしい声が漏れているが気にしない!……よし、こんなもんだろう)
提督「で、できたぞ。後は自分でできるか?」
プリンツ「ま、前も洗ってくれませんか?」
提督「!?」
提督(上気した肌、見返り美人のようにこちらを振り向いたプリンツがねっとりとした声音で頼んでくる)
プリンツ「お願いします……アトミラール。手を上げるのが辛いんです。力が入らなくて……」
提督「そ、そうか……分かった……!!」ゴクリッ
提督(手が震える。興奮に心臓がバクバクと脈打つ。下半身に血液が集まることを、いったい誰が咎められようか)
提督(恐る恐る手を前へ回す。お腹を優しくこすり、手はそのまま上へと移動する)
プリンツ「あふぅ……んっ……ふぁ……///」ピクン
提督(その柔らかくも弾力のある胸をしたから持ち上げるようにして、さすっていく。もちろん、そこで終わるわけではない)
提督(そこで、気がついてしまった)
提督「!?」
提督(た、たっている!!つまりは、そういうことなのか!?プリンツの張りのある、つんと上を向いた胸の先端、突起が固くたっていた)
提督(つまり、プリンツは性的に興奮している状態だ。だが、それは意図せずともなってしまう。現に、俺だって……っ!?)
プリンツ「んはっ……はぁっ……くぅ……///」スリスリ
提督「ぷ、プリンツ!?何をしているんだ!?」
プリンツ「ふぇ?さすがにここを洗ってもらうのは恥ずかしいので……洗いたかった……ですか?」
提督「あ、いや、違うんだ!!すまん、何でもない」
プリンツ「……あ、アトミラールなら、いいです、よ?」
提督「いや、いい!!そこは自分で洗ってくれ!!頼む!!」
プリンツ「はい。んっ……」スリスリ
提督(手を下腹部にあてて何かしているからと言ってそういうことを考えてしまう自分に嫌気がさした。雰囲気にあてられておかしくなっている)
提督(余計なことを考えないようにしつつそのまま上半身を洗う。腕まで洗ったところで、聞いた)
提督「下半身はさすがにあれだよな?自分でできるか?」
プリンツ「……はい、もう大丈夫です。ありがとうございました。洗い終わるまで少し待ってくれますか?」
提督「分かった……!!向こうを向いているから、気にしないでくれ!!」
プリンツ「そうですか、分かりました」
提督(言い訳のように頭で繰り返す。途中で倒れたりする危険があるし、湯船に入る時に助けが必要だ。外へ出るわけにはいけない)
提督(この生殺しの生き地獄を耐えきるために胡坐をかいて心の中で必死に軍艦行進曲を歌っていたところ、体を流す水音が響く)
提督「終わったか?……プリンツ?」
プリンツ「……♪」ダキッ
提督「!?」ビクッ
提督(背中に感じる二つの大きな存在感、そして暖かい体温。耳元に寄せられた口から熱っぽい囁きが漏れる)
プリンツ「ありがとうございます、アトミラール。お礼に、私がアトミラールを洗ってあげますよ」
提督「プリンツ……!?っ!!だ、そこは駄目だ……!!」
提督(プリンツの手が、パンツの中に入ってくる。そしていきり立っている俺のモノを優しく、しかししっかりとつかんできた)
プリンツ「……!!すごく硬くて、熱い……///大きくなってますね。私に興奮してくれたんですか……?私も、アトミラールの立派なこれにすごく興奮しています///」
提督「だ、駄目だプリンツ……!!」
プリンツ「そんなことありません。これはお礼なんですから……♪」シコシコシコ
提督(俺は、抵抗しようとした。しかし、できなかった。プリンツの手が俺のモノをゆっくりと扱き始め、その快楽に抗えなかった)
提督「っ……!!ぐっ……!!はぁっ……!!」ビクッ
提督(片手で俺のモノを扱きつつもう片方の手で俺の乳首をこねくり回す。ぞわぞわとした快感に息が荒くなる)
プリンツ「すごい……ぬるぬるしてきましたね……?気持ち良いですか?」
提督「……っ!!十分に動けるじゃないか……!!」
プリンツ「今、そんな事は重要ではありませんよ。忘れてください。それで、どうですか?気持ちいいですか?」
提督「っ……初めてとは思えないよ……」
プリンツ「そうですか……!!アトミラールに喜んでもらうために、たくさん勉強したんですよ?」
プリンツ「火照ってしまった体を自分で慰めながら、エッチな動画とか本で頑張ったんです」
提督「自分で慰めながら……!?」
プリンツ「そうですよ。そういうのを見れば、興奮しちゃいます。アトミラールに愛してもらえるまでは我慢しようと思っていたんですよ?」
プリンツ「けど、切なくて我慢できなくて。はしたないってわかっていたんですけど……耐えられませんでした」
プリンツ「アトミラールにいっぱい愛してもらうことを妄想しながら、はしたなく指がうごいてしまったんです」
提督「……!!」
提督(プリンツは俺の耳元で自分の痴態を囁く。しかし、この状況ではただただ俺を興奮させるだけだった)
提督(そうこうしている間にもプリンツの手は緩急をつけながら俺のモノを扱く)
提督(カリや裏スジ、亀頭。それに玉袋まで責める手法は上手い。だが、隠そうとしても隠しきれないぎこちなさ)
提督(そして経験のなさからくる手際の悪さは、確かにプリンツに実戦経験がないことを示していた)
提督(だが、それはむしろ興奮する材料としかならない。プリンツという純潔な少女を俺が自分色に染めているような感覚だ)
プリンツ「アトミラール……どうですか……?気持ちいいですか……?」
提督「っ……」ピクッ ピクッ
提督(気持ちいい。もちろんだ。だが、言えない。それを言ってしまうと自分からビスマルクを裏切ってしまう)
提督(抵抗していない時点で何を言うんだと思うかもしれないが、されるのとするのでは天と地ほどの差がある)
提督(俺は、言えなかった)
プリンツ「ぴくぴくしてるってことは気持ちいいんですよね……?けど、ちゃんと言ってもらえないと不安です……」
提督「……」
プリンツ「……アトミラール、こっちを向いてください」
提督「……」
プリンツ「っ!はむっ……んちゅっ……」グイッ
提督「っ!?んっ……!!」
プリンツ「んむっ……れろ……にゅるにゅる……」
提督(無言を貫き、か細い声のこっちを向いてという懇願をも無視した俺に、プリンツは俺の胸を弄っていた手で強引にそちらを向かせる)
提督(そして強引に唇を重ねてきた。肩に感じる柔らかい胸、すぐに熱い舌が絡みついてくる。それと同時に俺のモノを扱く手を激しくした)
提督(プリンツに強引に口づけされて、貪られる。激しくモノを扱かれる。ビスマルクがいるのに。背徳感が快感に変わる)
提督(そして、あのプリンツがというギャップ萌え。さらには強引にされるということの興奮。限界を迎えそうだった)
提督「っ……!!んくっ……!!」ピクンピクン
提督(そして、もう寸前というところで、ぴたりと手が止まった。唇が話され、舌が引き抜かれる)
プリンツ「ぷはっ……腰が浮いてますよ。もうイきそうなんですね?けど、駄目です。まだイかせてあげませんよ」
提督「なっ……!?なんで……!!」
プリンツ「イかせて欲しいんですか?ならそう言ってくれればイかせてあげますよ」
提督「っ……!!」
プリンツ「ただされるがままってのは、ズルいですよ。私は、便利な女じゃ満足できません」
プリンツ「欲しいんです、アトミラールが。愛してほしいんです。結婚してほしいんです。私を、選んでほしいんです」
提督「……俺には、ビスマルクがいる。君のことは好きだ。愛しているよ。けど、俺の妻はビスマルクなんだ」
プリンツ「……アトミラール、こっちを向いてください」
提督「っ!!無理だ……」
プリンツ「……なら、私が前に回りましょう」
提督「プリンツ……!?」
提督(プリンツの形の良い引き締まったヒップが視界に入る。目を逸らせない。そして目の前でこちらを向いた)
提督(剃ってあるのか、毛のないそこはピッチリとした綺麗なスジマンだ。だが、愛液に濡れている)
提督(視線を上げると、美しいお腹を経てからつんと張った大きな胸を見上げる形となる。その先端は桜色で、やはりたっていた)
提督(そして、ようやくプリンツと目が合った。緑色の瞳は爛々と輝いているようだ)
プリンツ「私の体、お気に召してくれましたか?」
提督「っ!!すまん!!」
プリンツ「もっと見てください。アトミラールだけのためにあるんですよ」
提督「俺の……!!いや駄目だ!!」ガタン
プリンツ「……素直になれないアトミラールには、素直になれるようにもっと奉公してあげますからね」
提督(必死の思いで後ろへ下がる。そんな俺に対して、プリンツは獲物を追い詰める女豹のように四つん這いになって這いよって来る)
提督(揺れる胸とヒップに魅了される。不敵な笑みを浮かべたプリンツはいつもとは別種の、正反対の魅力を放っていた)
プリンツ「目を閉じてください……?」
提督(俺は、動けない。壁がある。ただ、言われるがままに目を閉じることしかできなかった)
プリンツ「んっ……んちゅ……れろ……」
提督「んっ……!!」
提督(プリンツが唇を押し付けてきて、舌をねじ込んでくる。再び咥内を蹂躙された。唾液が混ざり合い、それが吸い出される)
プリンツ「ぷはっ……男の人は、好きなんですよね?胸でされること。んっ……」
提督「プリンツ……!!」
提督(そういうとプリンツは唾液を俺のモノにたらし、豊満な胸で挟んだ。胸で扱き、圧迫してくる)
プリンツ「んっ……ふっ……どうですか……?」
提督(さらに、谷間に挿入させられるようにして包み込まれ、固くたっている乳首で敏感な所を刺激してくる)
提督(いやらしく形を変える胸。プリンツに奉公させているという征服感と官能的な光景。男としての満足感を覚える)
プリンツ「イかして欲しいですか?言ってくれればすぐにイかしてあげますよ?」ムニュムニュムニュ
提督「くっ……俺には、ビスマルクが……」
プリンツ「……へぇ?まだ素直になってくれないんですね。こんなに腰が浮いているのに……切なさそうな顔をしているのに……」
提督「……」
プリンツ「……あは、美味しそう。アトミラールのなら、喜んでこういうこともできます。あむ」
提督「!!」
提督(プリンツはパイズリをやめると、ジッとこちらを見つめる。そして視線を俺のモノに落とすと、妖しい笑みを浮かべた)
提督(そして髪を背中に流し、ちろりと舌なめずりすると俺のモノを咥え込んだ。熱に包まれる)
プリンツ「れろれろれろ……じゅるるる、じゅる。じゅぷじゅぷ」
提督「くっ……あぁ……!!」
提督(舐めまわされ、激しく吸われ、耐えがたい快感が俺を襲う。しかし、再び絶頂を迎えようとしたところで止められる)
プリンツ「んはっ……やっぱりお野菜とかバナナとは違いますね。けど、これがアトミラールの味ですか……」
プリンツ「癖になりそうです。……どうですか?イかせて欲しいですか?」
提督「……」
プリンツ「……そうですか」
提督(俺が絶頂を迎えそうになると、フェラを止め、そう聞いてくる。それにこたえられないでいると、ジッと見つめてくるのだ)
プリンツ「……アトミラール、私、頑張りましたよね?敵との戦いも、アトミラールのサポートも」
提督「……ああ」
プリンツ「ご褒美が、欲しいです。少しでも感謝してくれているのなら、ご褒美をください」
提督「……俺にあげられるものなら」
プリンツ「アトミラールしか持っていないもの、です。……貴方の心を、愛をください。これで私を、染めてください。あむ」
提督「っ!!」
提督(見つめながら、俺の心に訴えかけてくる。少しずつ少しずつ、俺の心をこじ開けていくように)
提督(そうして、ある程度射精感がなくなるまで待ってから再びフェラを始める。しかも、どんどんとうまくなっていった)
提督「っ……!!くぁ……!!」
プリンツ「じゅるじゅるじゅる……れろれろれろ……」ジッ
提督(俺の反応をずっと観察して、学習しているのだ。最初の頃にあった手際の悪さは今や全くなくなっていた)
提督(的確なタイミングでせめてくる。俺のモノを咥えながら上目遣いでこちらを見つめてくる。その緑の瞳に吸い込まれそうだ)
提督(どうしてイかせてくれと言わないのか。共犯者に自分からなろうとしないのか。……プリンツを、名実ともに受け入れないのか)
提督(ビスマルクのことなんて忘れて欲しい。プリンツを受け入れて、選んでほしい。結婚してほしい)
提督(そう訴えられているようだった。ビスマルクの名前を出す俺に、彼女を忘れさせようとしている)
『お気をつけ下さい、将軍、嫉妬というものに。それは緑色の目をした怪物で、ひとの心をなぶりものにして、餌食にするのです。』
提督(有名な言葉が頭をよぎる。今のプリンツは、まさにそれのような気がした。だが、その怪物がここまで魅力的だとは聞いていない)
提督(繰り返される快楽と言葉責めに押しつぶされる。理性や良心が本能と欲望に塗りつぶされていく)
プリンツ「アトミラール……辛いですよね。こんなに息が荒くて、ここが痙攣して。けど、私も辛いんです」
プリンツ「アトミラールは気持ちいいかもしれませんが、私はさっきからずっと切なく疼くここを慰めることすらできていないんです」クニッ
プリンツ「貴方の手で、私を女にしてください。男の……アトミラールの味を教えてください」
提督「……かった」
提督(何度焦らされたのだろうか。ここで屈してしまった俺を、誰が責められるというのか。男なら、こんなこと耐えられるわけない)
提督(いくら愛する妻がいるからと言って、その妻を寝取られた時に自分を殺してまでずっと支えてくれていた子が)
提督(助けてくれて、好意を向けてくれているこんな可愛い子が。俺自身も確かな愛を感じている子が)
提督(その魅惑的な裸体をさらしてここまでしているのに耐えられるのであれば、尊敬する)
プリンツ「!!……何ですか?」
提督「分かった。プリンツ、……愛してる。もう限界だ……お前が、欲しい。お前の中で、果てたい」
提督(今の俺は、この焦らしに焦らされて今にも暴発しそうなこれでプリンツのはじめてを奪い)
提督(そしてプリンツの中に全てを吐き出すということしか考えられなくなっていた)
プリンツ「そうですか……そうですか!!けど、もうちょっと早くに言えば良かったですね?もうだめです」
提督「なっ!?そんな……!!」
プリンツ「ふふっそんな顔をしなくても大丈夫ですよ。冗談です。……けど、寂しくて怖かったです」
プリンツ「もし受け入れてくれなかったらどうしようって不安だったんですから。その分、たくさん愛してくださいね?」
提督「ああ、分かった。……部屋に戻ろう」
プリンツ「はい。ふあっ!……アトミラール?」
提督(俺はプリンツを両手でお姫様抱っこする。そして敷いてある布団まで運んだ)
提督(体は十分乾いていた。暖房を強く設定していたおかげで、部屋は十分に暖かい)
提督(俺はプリンツを優しく抱き下ろすとそのまま頭を抱えて唇を交わした。プリンツもまた俺の体に手をまわし、抱き締められる)
プリンツ「んちゅぅ……んはぁ……れろれろ……にゅるにゅる……」
提督(そうして愛を確かめながらも、俺の手は首筋を経て鎖骨をなでてから胸へと到達した。柔らかいそれを優しく揉む)
提督(そしてその先端の桜色の突起を摘み、こねくり回す。まだ開発されていないため反応は薄い)
プリンツ「んふぅ……んあぁ……はぁん……むちゅぅ……」ピクンピクン
提督(しかし、感じてはいるようだ。じれったく思っても、初めての子が相手なら前戯は手を抜いてはいけない)
プリンツ「ぷはっ!アトミラール……む、むねぇ……ちくびぃ……だめぇ……!!」
提督「愛しているよ、プリンツ」
プリンツ「わ、私もでっうひゃぁ!?み、耳舐めちゃダメっ……!!ああ、舌入れないで……!!」
提督(そして指と同じように首筋、鎖骨を経由しながら胸に行くと思わせて転進。脇へ奇襲をかけた)
プリンツ「ひゃん!わ、脇ですか……?くすぐったいですよぅ……はぁっ……!!」
提督(風呂上がりだからだろう。ボディーソープの香りと甘いプリンツの匂いが混じっている)
提督(舌で軽くくすぐるようにしてから、そのまま舌を胸に這わせていく。だがすぐその先端にはいかない)
プリンツ「いやぁ……さきっぽ……焦らさないでぇ……!!切なくておかしくなっちゃいますからぁ……!!」
提督(だが断る。谷間に挟まれるようにしてその底を舐めつつ、もう片方の膨らみへ。プリンツは身を捩り、脚をもじもじとさせている)
提督(十分に焦らした後に、前触れなく乳首へしゃぶりつく。甘噛みし、強く吸い、舌で転がす)
プリンツ「はぁん!!くぅ……アトミラール……変な感じです……!!つぅ……あぁ……!!」ピクン ピクン
提督「じゅるじゅるじゅる……れろれろれろ……」
プリンツ「あ、アトミラール……可愛いです……赤ちゃんみたい……」ニコッ ナデナデ
提督(母性本能を刺激したのか、頬を赤らめ色っぽい吐息を吐きながらも慈愛を湛えた笑みでこちらを優しく見つめている)
提督(そして頭を撫でてきた。今のプリンツはまだ快楽よりも母性を刺激するらしい。開発していくとどうなるのか楽しみだ)
プリンツ「……赤ちゃん、つくりましょうね」
提督「!」
提督(その発言に俺はさらに興奮した。プリンツを孕ませる。素晴らしい事だ。下乳を舐めてそのまま腹へ。臍を舌で抉った)
プリンツ「ひゃっ……!!アトミラール……!!」
提督(そして口をプリンツのお腹から離すと、脚の方へ移動する。プリンツは羞恥の為か内股にして、手で秘所を隠した)
提督「プリンツ……脚を開いて」
プリンツ「これ以上暗くは……なりませんよね……そういえば日中ですし」
提督「ああ。……自分で開いてほしいんだ。手もどかして」
プリンツ「……っ!!……!!……ja」
提督(プリンツは暫く躊躇った後、意を決して脚を少し開いた。そして手もどかし、そのまま顔を覆う)
提督「プリンツ、もっと広く開いて」
プリンツ「!?そ、そんな……恥ずかしいです……!!」
提督「さっき見せつけてきたじゃないか。頼むよ。俺のことが好きなんだろ?」
プリンツ「!!うー……どのくらい開けばいいんですか?」
提督「そうだな……しゃがんだ時みたいに開いてくれ」
プリンツ「ええ!?ちょっと待ってください……!!本気ですか?」
提督「もちろん」
プリンツ「うー……!!……っ!!これで、いいですか……!?」
提督「ああ、バッチリだ……!!」
提督(ピッチリと閉じたプリンツの秘所は、十分に濡れていた。俺は、ゆっくりと手を伸ばし、開いてみた)
提督「……!!」ニチッ クパァ
プリンツ「っ……!!」カァッ
提督(顔は両手で覆われているが、耳まで赤くなっている。プリンツが声を押し殺して恥じらう姿に嗜虐心をくすぐられる)
提督(プリンツのそこは綺麗なピンク色で、ぷっくりと膨らんだクリに、明らかにビスマルクにはなかったものがあった)
提督(少し白みがかったそれが、おそらく処女膜なのだろう。胸が高鳴る。大切なものをこの手で穢すような背徳感)
提督(十分に濡れているようにも見えるがまだ早い。俺はプリンツのクリに舌を伸ばした)
プリンツ「っ!!くぅ……はぁ……!!あぁ……ああ……!!だめぇ……!!」ビクッ ビクッ
提督(口に含み、舌で刺激する。プリンツは腰を震わせ、身を捩る。吐息と喘ぎ声が抑えられていない)
提督(クリを吸い、甘噛みする。それと同時に手を伸ばして胸を愛撫する。それを、激しくしていく)
プリンツ「ま、まってくださいぃ……!!きちゃいます!!きちゃいますからぁ……!!っぁ!!はぁああああ!!」ビクンビクン
提督(絶頂を迎えたプリンツの体が強張って痙攣し、脱力する。愛液の味と匂い。十分に濡れている。本番だ)
提督「プリンツ。入れるよ」
プリンツ「ぁ……イったばっかで……もう少し待ってもらえませんか……?」
提督「無理だ。もう待てない」スッ ピトッ
プリンツ「!! ……分かりました。来てください。……私、とうとうアトミラールと結ばれるんですね」
提督「なるべく痛くないように頑張るよ」
プリンツ「アトミラール……怖いです。キス、してください」
提督(不安そうな表情を浮かべるプリンツにそう懇願される。唇を重ねて舌を絡ませ……奥まで挿入した)
プリンツ「んっ……んふっ……んちゅっ……ん!!んんんんんんんんんん!!」ズッ ブツッ ズププププ
提督(破瓜の痛みに強く俺を抱きしめる。が、それもすぐに緩められた。十分に濡れているため、痛みが少ないのだろう)
提督(しばらく口づけを交わしてから離れる。プリンツは熱っぽくこちらを見つめていた。恥じらいと喜びが浮かんだ微笑みを浮かべている)
プリンツ「うはぁ……熱いのが、入ってきてます。押し広げられちゃう……思ったより痛くなかったです」
提督「ちゃんと前戯したからな。……血が出てるな」
プリンツ「……正真正銘、初めてでしたから。これで私はアトミラールのモノですね」
提督「そうだな。……動くぞ」ユッサユッサユッサ
プリンツ「はい、来てください……んっ!!くぅ!!はぁっ……!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(慣らすようにピストンする。締りが凄い。ピッチリと閉じていたそこを押し広げて、自分専用に作り替えていく感覚)
プリンツ「んはぁ!!すごいぃっ……!!私のここぉ!!アトミラール専用にぃ!!なっちゃいましたぁん!!」パンパンパン
提督(布団を掴みよがり狂うプリンツに、俺は上体を起こして急所をつけるようにする。さらに、同時に手でクリを愛撫する)
プリンツ「んはぁああ!!だめぇ!!壊れちゃう!!私のここがおかしくなっちゃいます!!」
提督「俺はもう君に狂わされてるんだ!!君も壊れてしまえ!!」
提督(よがり狂うにつれて揺れる胸がまたそそる。胸にも手を伸ばして乳首を強くつまみ、指で弄んだ)
提督(部屋にはプリンツの喘ぎ声といやらしい水音、そして肉と肉がぶつかる淫猥な音が響いていた)
提督(クリ責めのおかげもあり、プリンツはもう上り詰めているようだった。俺も、フィニッシュに向けてさらに激しく責め立てる)
プリンツ「ああああ!!だめぇ!!きちゃうぅ!!あいしてます!!アトミラール!!だいすきです!!っぁああああ!!」ビクンビクン
提督「っプリンツ……!!くっはぁ……!!」ビュルルルルルルルルルルルル
提督(最近していなかったことに加えて、焦らすに焦らされていたからだろう。今までで一番長く量が多かった)
プリンツ「ああああああ!!はっ……あぁ、熱い……アトミラールのがいっぱい……」
提督「っ……プリンツ、俺も愛している」
プリンツ「アトミラール……キスしてください……んちゅっ……」
提督(しばらくキスを続けて、絡み合う。そして、一通り満足した後、モノを引き抜いた)
提督(赤い血と白い精液、そして透明な愛液が混じり合ったものがプリンツの秘所から溢れ、俺のモノとの間で糸をひく)
提督(改めて、プリンツと致したことを実感した。達成感と満足感に満たされる。この子は、正真正銘俺だけのものだ)
提督(しばらく二人で並んで寝そべる。余韻に浸っていた。そして、どちらからともなく二回戦目の準備を始める)
提督(唇を交わし、手が互いの体を愛撫する。脚は組まれ、互いの体をこすり合う。俺も臨戦態勢になってきた)
提督「プリンツ……舐めてくれないか」
プリンツ「Ja……もちろんです。んちゅ……はぁむ……れろれろれろ、ぺろぺろぺろ……んちゅ、じゅる。じゅぷぷぷぷ」
提督(プリンツの唇が先端に吸い付き、優しく舌で舐めてくる。そして徐々に飲み込まれていき、根元までがすっかりと飲み込まれてしまった)
プリンツ「じゅるじゅる、んふぅ……じゅぷじゅぷじゅぷ」
提督(勢いよく吸われ、淫らに頭を前後される。熱い舌と柔らかい唇に扱かれ、愛撫され、頭がおかしくなりそうだ)
提督(俺は再び快楽に飲み込まれていく。プリンツの熱っぽい瞳はちらりとこちらを見上げ、表情を窺ってきた)
提督(快楽に表情がとろける俺を確認すると、満足げに目を細めた。俺に奉公することに喜びを感じているようだ)
提督(腰が浮く。もうそろそろ限界だ。俺は、そのままプリンツの口も俺のモノにしたいと思った)
プリンツ「んふぅ……ほろほろいへはふは?」
提督「いや、プリンツ。そのまま続けてくれ。……飲んでくれないか?」
プリンツ「!!はひ……♪じゅぽじゅぽじゅぽ、じゅるじゅるじゅる」
提督(容赦ない口淫、まるで俺のすべてを吸い出そうとしているかのようだった。耐えられることなく限界を迎える)
提督(プリンツの頭を掴むと思いっきり喉奥にまで突っ込む。そして、己を解放した)
提督「うっ……!!」ビュルルルルルルルル
プリンツ「んぐっ!?ふっ……うぅ……んはぁ……」
提督(喉奥に突っ込まれ、ぶちまけられたことで少し苦しそうにしたが、それでもえずくことは無かった)
提督(もの引き抜くと、プリンツの口からはいろいろなものでぐちゃぐちゃになったものが少し溢れた)
プリンツ「んふっ、ぺろ……ふふふ。……ごくん」ニヤッ
提督「!!」
提督(それを妖しく舐めとると、流し目でこちらを見る。薄く微笑み、目をつぶって顎をあげた)
提督(そして喉元が良く見えるように上を向くと、ゴクンと咥内にたまっているであろう俺のモノを飲み込んだ。喉が動く)
提督(言いようもない征服感を感じた。プリンツはもう完全に俺のモノになったというような感覚だ。理性がさらに溶けていく)
プリンツ「アトミラール、どうでしたか?上手くできましたか?」
提督「ああ、とてもよかったよ。流石に要領がいいな」
プリンツ「ありがとうございます♪……」ジッ
提督「どうした?」
プリンツ「……私、もう一度してほしいです」
提督「これで終わりにするとでも思ったか?」
プリンツ「!!」パァッ
提督(そのまま、69の体勢になる。プリンツに舐められながら、プリンツのを舐める)
提督(未だにピッチリと閉じているそこはしかし、もう簡単に指や舌を奥まで受け入れる)
提督(プリンツの秘所をせめ、プリンツにモノを責められる。さらに下腹部に感じる大きな膨らみ。それで、準備は万端になった)
提督「プリンツ、騎乗位ってわかるか?」
プリンツ「んちゅっ……はい、分かります。……上に乗ればいいんですよね?」
提督「そうだ」
提督(横たわる俺を、プリンツがまたぐ。そして膝立ちになって位置を調整。俺はモノをプリンツのそこにあてがう)
プリンツ「うっはぁあ……!!」ヌプッズププププ
提督(プリンツは胸を揺らして快感に堪えながら、奥まで飲み込んだ。そしてゆっくり動き始める)
プリンツ「んっ……はぁ……ああっ……」ヌップヌップヌップ プルンプルン
提督(快感に顔を蕩けさせ、胸をいやらしく揺らし、髪を振り乱しながら腰を振る。暫くその光景を楽しんだ後、俺は腰を打ち付けた)
プリンツ「んあぁ!?はぁっ……!!ああ!!だめぇ!!」
提督(容赦なく突きあげる。先端が子宮に当たる感覚、プリンツが後ろにのけぞり、胸が張られ、一際大きく揺れた)
提督(だがそれでも容赦しない。そのまま突き上げ続ける。プリンツはそれでも頑張っていたが、ついに耐えられなくなった)
提督(俺にしなだれかかるように倒れてきて、ただひたすら耐え続ける。だが、それも長くは続かない)
プリンツ「おかしくなっちゃう!!あとみらーる!!なにかきて、おかしくなっちゃう!!……っああああ!!」ビクンビクン
提督「っぁ……はぁ……!!」ビュルルルルルルルル
提督(プリンツが絶頂を迎えるとともに、中が締まる。それで限界を迎えた俺も再びプリンツの中で果てた)
プリンツ「はぁ……はぁ……アトミラール……すごいです……」
提督「プリンツ、愛しているよ」ダキッ ナデナデ
プリンツ「アトミラール……!!私もです!!ふふっ」
提督(しばらく抱き合い、やがてプリンツが膝立ちになってモノを引き抜いた。白濁液が溢れ、内股を伝う)
プリンツ「……赤ちゃん、出来ちゃうかもしれないですね」
提督「!……そうだな」
プリンツ「名前を考えてあげなくちゃいけませんね。どうしましょうか」
ガチャン
提督「……!!」
プリンツ「えっ!?……貴女ですか」
提督(ドアを開ける音に驚き、そちらを向く。ああ、そうだろうな。窓の外を見れば、もう暗い。そろそろ帰投するころだった)
提督(頭の中が真っ白になる。一気に現実へ引き戻される。ドアを開け、その青い目を見開き驚愕の表情を浮かべていたのは)
ビスマルク「……!!」
提督(俺の妻だった)
提督「ビスマルク……!!」
ビスマルク「アトミラール……プリンツ……なんで……!?」
プリンツ「……何か用ですか?悪いんですけど、あまり人に見られたくないので……終わるまでどっか行っていてくれませんか?」ギロリ
ビスマルク「っ!!ふざけないで!!今すぐ夫から……アトミラールから離れなさい、プリンツ!!」キッ
プリンツ「夫ぉ?どの口が言うんですか。貴女の夫はあのキモデブでしょうに。アトミラールは私の夫です」
ビスマルク「なっ!?」
プリンツ「私はアトミラールと愛を囁き合って、肌を重ねました。貴女のような娼婦と違ってちゃんとはじめてを捧げたんです」ニタァ
ビスマルク「……!!」ギリッ
プリンツ「そもそも、貴女のようなビッチはアトミラールにふさわしくないんです。分かったらさっさと立ち去りなさい」
ビスマルク「……アトミラールは、こんな私でも受け入れてくれた。愛してくれた!!」
ビスマルク「貴女にふさわしいとかふさわしくないとか言われる筋合いはないわ!!いいからどけ!!」ズカズカズカ ドン
プリンツ「っ!?何をっきゃあ!!」ドサッ
ビスマルク「アトミラール……!!これが貴方の答えなの?貴方の望んだことなの!?」ギロッ ウルッ
提督「ビスマルク……俺は……」ガクガクガク
ビスマルク「私のことは……もう愛してないの……?なら、そう言ってよ!!」ポロポロポロ
提督「っ!!違う!!俺は君を愛してる!!」
ビスマルク「アトミラール……!!」パァッ
プリンツ「このっ……よくも!!」バッ
ビスマルク「痛っ……!!離しなさい!!」ドサッ
プリンツ「誰が離すか!!」グググ
ビスマルク「今のを聞いていたでしょ!?アトミラールは私を愛しているのよ!!泥棒猫はさっさと消えなさい!!」
プリンツ「優しいアトミラールが面と向かって嫌いなんて言えるわけないでしょ!!アトミラール!!アトミラールは私が好きなんですよね!?」
提督「っ!!そうだ……君を……愛してる……!!」
プリンツ「ほら!!聞いたでしょう?ビッチ!!アトミラールが本当に愛しているのはこの私です!!」
ビスマルク「それこそ、アトミラールのやさしさでしょ!?レイプ魔にまでそう言ってあげる必要はないわよ!!」
プリンツ「誰がレイプ魔だ!!これは愛のあるセックスだ!!キスもいっぱいしたし、一回目はアトミラールが上になってくれたんだもの!!」
ビスマルク「ふざけないで!!脅迫か何かしたんでしょ!!いいから早く私の上からどいて、出ていきなさい!!」ガシッ グッ
プリンツ「い!?痛い痛い!!離せ!!」ガリッ
ビスマルク「っ!?この……!!」グググッ
提督「止めてくれ……」
提督(ビスマルクがプリンツを突き飛ばし、プリンツがビスマルクを押し倒す。そしてビスマルクが髪を引っ張り、プリンツがひっかく)
提督(俺はそんなキャットファイトを見たくはなかった。すべては、俺の責任だった。胃が焼けるように痛い)
プリンツ「ちっ!!かみ殺すぞ!!」ギリッ
ビスマルク「はっ!!やって見なさい!!その首へし折ってやるわ!!」ガシッ グググッ
提督「止めてくれ、二人とも……!!」
プリンツ「アトミラール!!この女に言ってやってください!!貴方が好きなのは私だって!!お前とは離婚してプリンツと結婚するんだって!!」
ビスマルク「ふざけないで!!アトミラール!!現実を教えてやって!!貴方が愛しているのは妻であるこの私だって!!離婚なんてしないって!!」
提督「俺は……っ!?おえっげほっげほっ!!」ビチャッ
ビスマルク「アトミラール!?」
プリンツ「っ!?アトミラール!?」
提督(視界が暗転していく。吐血したことだけは理解できた。……最後に見たのは、驚愕するビスマルクとプリンツだった)
~
ビスマルク(アトミラールが吐血して気絶した後、私とプリンツはすぐに病院に連絡し、車で連れて行った)
ビスマルク(医者の診断によると、アトミラールの病状はストレスによる胃潰瘍とのことだった)
ビスマルク(幸い、手術の結果、大事ないとのことだった。しかし、安静にしている必要がある)
ビスマルク(戦況も安定していたこともあり、アトミラールは入院するため一足先に日本へ戻った)
ビスマルク(私たちも少し遅れて日本の拠点へ帰還できた。今日は休暇を得ることができたために、お見舞いのために病院を訪れた)
ビスマルク(いけるための花も買ってきた。暇をつぶすための本も持ってきた。好きだと言っていた推理小説だ)
ビスマルク(……いろいろあったけど、私はアトミラールと一緒に生きていきたい。プリンツとのことはなかったことにする)
ビスマルク(そんな事、今は考えたくない。プリンツとは話どころか、顔を合わせることもしていない)
ビスマルク(ただただ、アトミラールが早く回復してくれることを祈るだけだ。早く話をして、思いっきりキスをしたい)
ビスマルク「アトミラール、失礼するわね」
友「お前……!!」
ビスマルク「少将……!!来ていたのね」
友「……聞いたよ。ストレス性の胃潰瘍らしいな」
ビスマルク「ええ……」
友「こいつも、本当に苦労人だな。俺が少しでも肩代わりしてやれればいいんだが」
ビスマルク「……」
友「なあ、ビスマルク。そろそろこいつを解放してやってくれないか?」
ビスマルク「……。ど、……どういうことなの?」
友「ストレスが何か、心当たりがあるんじゃないのか?」
ビスマルク「っ……あれは、プリンツが……」
友「オイゲンが何だ。あいつはむしろこいつを支えてくれている。……どう考えても、ストレスはお前だ」
ビスマルク「ち、違うわ!!アトミラールは私を赦して、受け入れてくれたもの!!愛しているって言ってくれたもの!!」
友「こいつの性格からして、そうだろうな。だが心でどう思っていても、現実的にこいつは倒れるほどストレスを受けているんだ」
友「俺もあの時のお前の言葉もあって様子を見ようと思っていたんだが……やはり無理らしい」
ビスマルク「……!!」
友「お前がしたことを考えれば、当たり前だ。頼むから、こいつを解放してやってくれ。いいな?」
ビスマルク「……」ジワッ ポロポロポロ
友「本当にこいつのことが大切なら、お前の愛が本物なら、きっとそうしてくれると信じている」
ビスマルク「……帰るわ。これを、かわりに渡しておいて」
友「……分かった」
ビスマルク「……っ!!」スタスタスタ
ビスマルク(気がついたら、家に帰ってきていた。そのままベッドに倒れ込む。涙が止まらなかった)
ビスマルク(……少将の言うことは、正しいのかもしれない。アトミラールも、プリンツのことが好きだと言っていた。けど、私を選んだと)
ビスマルク(……アトミラールとプリンツがセックスしていたのを思い返すだけで、気分が最悪になる)
ビスマルク(アトミラールへ対する怒りと悲しみ、失望を感じている。プリンツに対する敵意と憤怒、嫌悪感は抑えきれない)
ビスマルク(アトミラールだって、私がいるのにプリンツとしたのにという気持ちはある。……けど、私がしたことに比べれば、マシだ)
ビスマルク(アトミラールは、私を愛していると言った。けど、私はあの時、あの男のほうが良いと言ってアトミラールの元を去った)
ビスマルク(きっかけは私の愚かさゆえだとしても、そうせざるを得なかった。……誰になんと言われようとも、そう思っている)
ビスマルク(けど、そんな事アトミラールには関係ない。アトミラールからしてみれば、私が裏切ったことに変わりない)
ビスマルク(そもそも、先にしたのは私だ。そんな私が、アトミラールを非難する権利はない)
ビスマルク(アトミラールは、あの男の所まで来てくれて、殴られて、蹴られて、銃で撃たれてまで助けてくれた)
ビスマルク(裏切り者の私を赦して、愛してくれた。私は、もはや言葉にできないくらいあの人が好きだ)
ビスマルク(だからこそ、あの人の幸せを願っている。その為ならば、何でもできる)
提督『俺たちは、もう駄目なのかもしれないな』
ビスマルク(いつかのアトミラールの言葉がリフレインする。……あの人の幸せを私が壊しているのなら、私は……)
~
プリンツ「プリンツ・オイゲン、ただいま帰還しました。任務完了です」
長門「ああ、ご苦労だった。そうだ、オイゲン。お前の申請していた休暇は承認されたぞ」
プリンツ「本当ですか!?やったぁ!!」
プリンツ(ようやくアトミラールのお見舞いに行ける!!本当は付きっきりで看病してあげたいんだけど……)
プリンツ(何を買っていけばいいかな?やっぱり音楽とか?ウォークマンにいろいろ入れて持って行こう!)
プリンツ(何を入れようか悩みながら部屋に戻る。……その、途中だった)
瑞鶴「オイゲン」
プリンツ「瑞鶴さん。戻られたんですね、お疲れ様です。どうしました?」
瑞鶴「ちょっと話があるの。来て」
プリンツ「……?はい」
プリンツ(連れられて屋上まで来る。ということは誰かに聞かれたくない話題ということだ。けど、身に覚えがない)
プリンツ「……あの、何でしょうか?」
瑞鶴「提督さんが倒れた時さ、貴女とビスマルクが一緒に居たらしいじゃん」
プリンツ「そうですよ」
瑞鶴「……何をしてたの?」
プリンツ「……何、とは?」
瑞鶴「お話でもしていたのならそう答えればいいだけじゃん。ってことは言いたくないことをしていたんでしょ?」
プリンツ「……何が言いたいんですか?」
瑞鶴「提督さん、ストレス性の胃潰瘍だってね。……ストレスって、何だろうね?」
プリンツ「あのお立場ですから、いろいろあるのでしょうね」
プリンツ(クソビッチに酷い事されたりとか)
瑞鶴「それもあるだろうけど、私は違うと思うんだよね」
プリンツ「へぇ……じゃあ何だというんですか?」
瑞鶴「……アンタじゃないの?そのストレス」
プリンツ「……私?はは、何を言うのかと思ったら……私が?ありえませんね」
瑞鶴「勿論、アンタだけのせいじゃないだろうけどね。……提督さんってさ、結婚してるでしょ?けど、かなり強引に迫っていたよね」
プリンツ「……」
瑞鶴「そういうのは止めなよ。提督さんは優しいから、いろいろ悩んだりしちゃうんだよ。傷つけないようにって」
プリンツ「アトミラールは私を好きだといってくれました」
瑞鶴「けど、受け入れてはくれなかったでしょ?俺にはビスマルクがいるって」
プリンツ「っ……」
瑞鶴「……私も、前にやっちゃったんだよね。それで、翔鶴姉にすごく怒られた。けど提督さんは変わらず私と仲良くしてくれた」
プリンツ「……私じゃなくて、悪いのは全部ビスマルクです。何も知らずに、知ったような口を聞かないでください!!」
瑞鶴「そうだね、何も知らないよ。……けど、アンタだって何も知らないでしょ?提督さんのことは」
プリンツ「いえ、分かってます!!誰がアトミラールを支えていたと思っているんですか!?」
瑞鶴「いや、分かってない。提督さんが、ビスマルクがいるからって断っているってことはそういうことなんだよ」
プリンツ「どういう事だというんですか!?」
瑞鶴「どんな事情があるにせよ、それを踏まえたうえで提督さんはビスマルクを選んだんでしょ?」
プリンツ「それは……アトミラールが優しいから……!!」
瑞鶴「あの人が、憐れみやらなんやらで人を愛すると思った?貴方がやっていることは提督の気持ちを無視したことでしょ」
瑞鶴「提督のことを自分に都合がいいように解釈して、それで自分を正当化しているつもり?だとしたら、アンタは最低の屑よ」
プリンツ「っ!?」
瑞鶴「これ以上あの人を苦しめないで。……納得できないこともあると思うけど、恋愛なんて、そんな理不尽なことでしょ?」
瑞鶴「誰かが選ばれてそれ以外は皆選ばれない。そういう……クソッタレな世界なんだから」
プリンツ「……わ、私が?アトミラールを苦しめている……?」
瑞鶴「そうよ。こんなことを続けていても、いずれ提督さんはきっぱりとアンタを振るでしょうね」
瑞鶴「でも、それまできっとたくさん悩むわ。悩んで、苦しむわ。私は、提督さんに苦しんで欲しくない」
瑞鶴「提督さんを苦しめるのなら、貴女は敵よ。もしそうなら、私は容赦しない。分かっておいて」
プリンツ「私が……アトミラールの……敵……!!」
プリンツ(ビスマルクや、あの男のような、敵……?私が、アトミラールを苦しめている……?)
提督『だ、駄目だプリンツ……!!』
提督『くっ……俺には、ビスマルクが……』
プリンツ(アトミラールの言葉が思い出される。あそこまでして、まだああ言えるのならそれは……)
プリンツ(それは本当にビスマルクを愛していたということ……いや、私も分かっていた)
プリンツ(アトミラールがビスマルクのことを好きなことぐらい、分かっていた。でも……)
プリンツ(あいつが相応しくないから、だから相応しい私が。そう思っていた……)
プリンツ(けど、私が好きな人を、少なくとも自分の中では正当化して手に入れるチャンスだと考えなかったか?)
プリンツ(その考えが少しもなかったか?……否定、しきれない。だとすれば、私はあの男と同じことをしている)
プリンツ(愛する二人を引き裂いてまで、自分の片思いの相手を寝取ろうとしている……吐き気が込み上げてきた)
プリンツ「……っ!!」ダッ
瑞鶴「プリンツ!!……」
プリンツ(近くのトイレに駆け込む。胃の中の物を全部出してしまったと思うほど吐いた)
プリンツ(涙が止まらない。口を濯いで、なんとか部屋に戻る。そのままベッドにもぐりこんだ)
プリンツ(ひとしきり泣いて、それで少しは落ち着くことができた。考えたくないけど、考えなくちゃいけない)
プリンツ(あの時の瑞鶴さんの目には、大切な人を守るという信念が宿っていた。私も同じ気持ちだから、分かる)
プリンツ(瑞鶴さんがあの時の私なら、さしずめ私はあの男といったところか……随分な立場の変わりように自嘲する)
プリンツ(なら……私は消えなくちゃならない。私は、アトミラールの幸せを壊してしまったのだから)
プリンツ(愛する妻とやり直そうとしているアトミラールを、自分に都合のいい解釈をした私が台無しにしてしまったのだから)
プリンツ(私は最低の屑女だ。けど、この気持ちは……アトミラールを愛する気持ちは本物だ)
プリンツ(あの人の幸せを心から願っている。だから……だから、私は……)
プリンツ「……」ポロポロポロ
プリンツ(……けど、最後にお見舞いくらいしたい。それぐらい、いいよね)
~
提督「……」パチッ
提督(入院してもうすぐ一週間だ。だいぶ元気になった。いろいろあった疲れを取ったと考えれば悪くない)
提督(寝不足だったこともあってほとんど寝て過ごしてしまったが……見舞客が来てくれるのは嬉しいものだな)
提督(心細いのが大分救われた。入院初日には両親が、その後も毎日友人や同僚が来てくれた。つい昨日は帰ってきて早々に友が来てくれたし)
提督「さて、コーラでも買いに行きがてら少し散歩でもするかなっと。っ!?」バッ
プリンツ「っ!?あ、アトミラール……!!」カタカタカタ
提督「……プリンツ」
提督(起き上がった瞬間に視界に入って驚く。ドアから顔だけ出して覗いていたのは、プリンツだった。思い出されるのはあの時のこと)
提督(俺は、混乱したプリンツの誘惑に負けてしまった。取り返しのつかないことをしてしまった)
提督(目を逸らしたい現実だが、どうにかしなくてはならない。そのタイミングが予想より早かっただけだ)
提督(どうすればいいのか。何も考えていなかったが、とりあえず話をするしかない。そうすればすべきことが見えるかもしれない)
提督「……久しぶりだな。その……元気だったか?」
プリンツ「アトミラール……はい。その……すいませんでした」
提督「いや、俺が悪いんだ、あれは……」
プリンツ「違います!!悪いのは、私です……もう二度と、アトミラールとビスマルク……姉さまの邪魔をしたりしません」
提督「っ……プリンツ?」
プリンツ「私は……私は、て、転属を希望しました……!!」ジワァ
提督「!?な、何だって!?」
プリンツ「ドイツに戻ります……もう、二度と会うことはありません。だから、どうか赦してください」ポロポロポロ
提督「ま、待ってくれプリンツ!!どういうことなんだ!?説明しt」
プリンツ「ごめんなさい、アトミラール……!!さようなら……!!っ!!」ダッ
提督「プリンツ!!待ってくれ!!行かないでくれ!!」
提督(プリンツは震えながら涙を流し、口元を抑えながら一方的にそう言い切ると走り去ってしまった)
提督(もちろんすぐに追いかけたが、廊下に出た時にはもう姿が見当たらなかった。エントランスまで行っても、姿は見当たらない)
提督(病院前の道まで出ても、見つけることは出来なかった。裸足で飛び出した俺を追いかけてきた看護師に謝りつつ、自分の病室戻る)
提督(先ほどのプリンツの話、本当だろうか?いや、嘘を言う必要性がない。……何も、考えられない)
提督(部屋に戻ったところで、机の上に置かれた大きな封筒に気がついた。開けると、中には手紙とビスマルクの結婚指輪)
提督(そしてビスマルクの署名が済んでいる離婚届が入っていた。再び衝撃が俺を襲う。あの時のトラウマも誘発された。震える手で手紙を開く)
[アトミラールへ
あの後、いろいろ考えた結果、私は故郷に戻って修道女になる事にしました。
きっかけは私の愚かさの為でした。それで、いつか貴方が言ったようにもう駄目になってしまったのでしょう。
今回の件で私も気がつきました。これ以上一緒に居ても、お互いにただ辛いだけです。ですから、すべて終わりにしましょう。
私のせいであなたをここまで苦しめてしまって本当にごめんなさい。謝っても謝り切れません。
どうか私のことは忘れて、貴方の新しい、本当の幸せを見つけてください。
さようなら]
提督「……」
提督(……最悪の結末を迎えた。俺は、自身の愚かさゆえにすべてを失ってしまった。死にたい気分だ)
提督(昼食が配膳されても、食べる気がしなかった。もはや何も考えられない。そうして、ボーっとしているときだった)
元帥「やあ、中将。失礼するよ」
提督「げ、元帥閣下……!!どうなされたんですか!?」
元帥「我が軍期待の若手が入院したと言われれば、見舞いに来ないわけがないだろう?まあ、ごたごたで遅くなってしまったがね」
提督「そんな、わざわざご足労頂くほどでは……!!」
元帥「なぁに、謙遜するな。私は君にそれだけ期待しているんだ。ほれ、見舞いのメロンだ」
提督「あ、ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、引き続き精進してまいります」
元帥「ああ、頼むよ。……ところで、何か悩みでもあるのかね?」
提督「な、悩みですか?」
元帥「さっきの君はまるで抜け殻の様だったぞ。思いあまって死んでしまわないかと心配になるほどだ」
提督「そんな!!そんなことは……いえ、元帥。実は相談したいことがあるのです」
元帥「私で良ければ、話を聞こう」
提督「……これはプライベートのことで、あまり詳しくは話せません。それでも、聞いてくださいますか?」
元帥「もちろん。ただ、具体的なアドバイスはできなくなるぞ」
提督「ありがとうございます。……ついこの間、私は酷い過ちを犯した結果、取り返しのつかない事になってしまったのです」
元帥「ふむ……」
提督「このままではいけない事だけは分かります。私も、それだけは嫌です。けど、どうすればいいのか分からないんです」
提督「どうするのが正解なのか分かりません。分からないんです……私は……どうすればいいのでしょうか?」
元帥「……ふーむ。一つ聞いておきたいのだが、それは金がらみのことか?もし助けが必要なら私にできることはしよう」
提督「いえ、金がらみのことではありません。物や金が絡んだりする話ではないのです」
元帥「なるほど……ふむ……なら、君がしたいようにすればいいのではないか?」
提督「私がしたいように……?」
元帥「どうするのが正解か分からないと言っていたがね。世の中、何をすれば正解だというようなことは無い」
元帥「そう言ったことを考えないで、君のしたいことをすればいい。あまり周りを気にしすぎずにそうしてみるのも一つの手だ」
提督「正解はない……周りを気にしないで、したいことを……」
元帥「君の人柄からすると、そういうことを悩みすぎるのではないかと思ってね」
元帥「まあ、私も事情が分からないから的外れなことを言っているかもしれない。あくまで参考程度にしておいてくれ」
提督「はい……分かりました。ありがとうございます」
元帥「気にしないでくれ。……さて、君の顔も見れたことだし、すまないが、失礼するよ。ここ一ヵ月でいろいろあったせいで忙しんだ」
元帥「それと、困ったことがあったら何でも言ってくれ。あまり一人で抱え込まないようにな」
提督「はい、ありがとうございます。本日はお忙しいところ、わざわざありがとうございました」
提督(俺の、したいこと……周りを気にしないで、俺のしたいことをすればいい……)
提督(それは、決して許される事でない。人の道に背くことだろう。……だが、それがなんだ)
提督(そうだ。昔はそういうことも普通にあったし、現代でも形を変えて存在する)
提督(もともと、先に勝手をしたのは俺じゃない。あの二人だ。なら、何を躊躇う必要があるのだろうか)
提督(やってやろう。……すくなくとも、あの二人が本気で拒否しない限りは、多少強引でもやってやる)
提督(俺は電話を取り出すと、もう二度とかけることは無いだろうと思っていた番号を入力した)
~
ビスマルク(正式に良心的兵役拒否を申請した私は、司令部で待機することになった。審理が終わるまでの間、缶詰だろう)
ビスマルク(もう何も考えたくなかった。いっその事、死んでしまいたかった。それもいいかもしれない)
ビスマルク(あの人が見ている所で死んでしまったら、あの人を傷つける。けど、見ていない所でなら)
ビスマルク(どうせ汚れたこの身だ。背負う十字架がもう一つ増えたところで地獄行きは変わらない)
ビスマルク(少なくとも、この生き地獄よりはマシだろう。人はぽっかりと胸に穴が開いたまま生きていくことはできない)
ビスマルク(布団に寝そべりながらボーっとしていたところで、足音が聞こえた。それが、私の部屋の前で止まる)
ビスマルク「……?どちら様かしら?」バッ
ビスマルク(……返事もなしに、入ってくるわけでもない。もしかして、殺されたりするのだろうか)
ビスマルク(なら……それなら、それでいい。きっとアトミラールには帰国したと伝えられるだろう)
ガチャッ
提督「……二度目があるとは思わなかったぞ、ビスマルク」
ビスマルク「っ!?アトミラール!!」スクッ
ビスマルク「どうして……ここに……入院しているんじゃ……」
提督「そんなことはどうでもいい。大事なのは貴様の、二度目の裏切りだ」
ビスマルク「っ……」
提督「お前はかつて卑劣な裏切りをして俺の前から去った。その報復として殺してもいいほどだったのに、俺はお前を赦して、愛した」
ビスマルク「……」
提督「それだというのにまたお前は俺を裏切り勝手にどこかへ逃げるというのか?俺の元を去るというのか!?」
ビスマルク「っ……それが、私たちの為でしょ?私の存在はもう貴方にとって毒でしかないわ。私も、もう辛いの」
提督「はっ!!俺も辛いさ!!辛くなったら綺麗事ばかり並べてそう逃げ出すならもうそれでいい!!」
提督「だが、もしお前が俺のことを本気で愛しているのなら今ここで逃げるようにいなくなることだけは止めろ!!」
ビスマルク「っ!!私のせいで貴方は傷ついて、倒れたわ!!私が居なければ貴方はプリンツと何の気兼ねもなく一緒になれるじゃない!!」
ビスマルク「私は、貴方を本当に愛していて、大切に思っているからこそ自分の一番嫌なことを進んでするのよ!!」
ビスマルク「貴方が私にそこまで残って欲しいのであれば、残りましょう!!けど、それは一体何のため!?」
ビスマルク「私という毒を近くに置いておくのは何のため!?私は、貴方のためにいったい何ができるというの!?」
提督「……素直になれ。それが、俺のためにできることだ」
ビスマルク「っ!!素直って……!!私は、貴方が好き。愛しているわ。けど、傷つけたくない……!!」
ビスマルク「私があんなことをしたから、アトミラールを傷つけた。あの時、私は貴女にとっての毒になり果ててしまったのよ」
ビスマルク「言っていたじゃない……もうダメなのかもって。そんなことないって思いたかったけど、やっぱりダメだったのよ……」
提督「俺はもう、お前がどこか知らない場所で生きているのが嫌だ。ビスマルク、殺してしまいたいほど憎らしい……!!」
ビスマルク「……!!」
提督「だからお前を逃がさない!!どこかへお前が逃げるというのなら、俺がお前を殺す。それほどに、愛しているんだ」
ビスマルク「……それは、愛じゃないわ。そんなものが、愛であってほしくない」
提督「いや、愛だ。俺はお前が好きなんだ。君が俺の隣で笑っていてくれれば俺は幸せなんだ」
提督「君の気高い精神も、美しい体も、全部俺だけのモノにしたい。君に俺を愛してもらいたいんだ」
ビスマルク「っ!!言っていることが分からないわよ!!憎いと言ったと思ったら隣で笑っていれば幸せって!!どっちなのよ!?」
提督「言葉にしても伝えられない、この感情は。それほどまでに愛しているんだ」
ビスマルク「……私は、貴方を不幸にするわ。この体も、心も、穢れてる」
提督「そんなことない。君は俺を幸せにしてくれる。そう信じてる」
ビスマルク「でも、駄目よ……そう言って貴方は倒れたじゃない。プリンツのことだって、どうするつもりなのよ?」
ビスマルク「プリンツは……いい子、でしょう?きっと私より貴方を幸せにしてくれるわ」
提督「……君の本心を話してみろよ。本当にそう思っているのか?」
ビスマルク「ええ!!貴方の幸せを、心から!!」
提督「なら、欲望を言ってみろ!!どうしたい?お前は本当に俺から離れたいのか?」
ビスマルク「っ……ええ!!」
提督「嘘だ!!」
ビスマルク「嘘じゃない!!」
提督「ならなんでそんなに涙を流して、辛そうな顔をしている?」
ビスマルク「そ、それは……っ」
提督「ビスマルク……」スタ スタ スタ
ビスマルク「い、嫌!!来ないで!!」ジリ ジリ ジリ
提督(今にも泣きそうな顔で後ずさるビスマルクへ歩み寄る。そのまま手を伸ばし、思いっきり抱きしめた)
提督(柔らかい、女の子の体だ。サラサラの金髪が心地良い。震えるその肩を優しく撫でる。ビスマルクの、爽やかな匂い)
提督「好きだ、愛してる」
ビスマルク「あっ……っ……ぐすっ……うぅ!!」ギュッ
提督「どうしたい?」
ビスマルク「アトミラールと、いたい……!!貴方が好き……!!愛してる……!!」
提督「一緒に来てくれるな」
ビスマルク「Ja……Ja!!」コクコク
提督「っ、良かった……!!……ビスマルク、一つ言わなくちゃいけないことがある」
提督(ビスマルクは、俺の声音が変わったことに気がついたのか、少し不安そうにそう言った)
ビスマルク「……何?」ジッ
提督「プリンツのことだ」
ビスマルク「!!……何?」
提督「君は、彼女をどうしたい?」
ビスマルク「どうって……別に、復讐とかを考えているわけじゃないわ」
提督「……あの時言ったが、俺はプリンツも愛しているんだ」
ビスマルク「……それで?」
提督「プリンツとも、一緒になりたい。……俗にいう、ハーレムってやつだ」
ビスマルク「……!!」ハッ
提督「君に、それを受け入れてもらいたい」
ビスマルク「……本気で言っているの?」
提督「ああ。君たちだって勝手をしてきていたんだ。なら俺だって一つぐらいいいだろう?」
ビスマルク「……嫌って言ったら?」
提督「いいって言ってくれるまで君を説得する」
ビスマルク「どうやって?」
提督「二人纏めて愛せるって証明して」
ビスマルク「愛せるって……んむっ!?」
提督(ビスマルクの唇を奪う。特に抵抗もなく、受け入れられた。舌を絡ませ、体を愛撫する)
ビスマルク「んふぅ……はむぅ……」ナデナデ
提督(しばらくすると、ビスマルクも気分がのってきたのか俺の体を撫で始めた)
提督(そして脚を絡ませ、自らの秘所を足に擦り付け、脚で俺のモノを刺激してくる)
提督(俺はビスマルクの下着の中に手を突っ込んだ。もう濡れていたそこを責める。クリを摘み、中に入れて弱いところを刺激する)
ビスマルク「んっ……はぁ……」ピクン
提督「……認めてくれる気になったか?」ズチュズチュ
ビスマルク「全然よ……ふぅ……あぁ……」ビクン
提督「なら、君がイったら俺の勝ちだ。認めてくれよ」
ビスマルク「な、何それ!?そんなの認めないわよ……!!第一、私が勝つのにどうすればいいのよ……!?」
提督(頑固なビスマルクの心を解かすために、俺はその場にしゃがみ込む。目の前にビスマルクの濡れた秘所がある)
提督(そのままいやらしく指で責める。恥丘を覆う陰毛を撫で、クリを擦り、Gスポットとポルチオまで指が……届いた)
ビスマルク「っ……はぁっ……くぅ……!!」ギロッ
提督(ちらりとビスマルクを見上げると、顔を赤らめながらも歯を食いしばり俺を睨みつけていた)
提督(ここはプリンツにやられた戦法を使わせてもらう。責め続けて、イきそうになったところでやめた)
ビスマルク「ふー……ふー……?」
提督「認めてくれる気になったか?」
ビスマルク「……貴方が私の立場だったらどう思うのかしら?」
提督「俺も似たような立場かと思うが、それでも君が好きでたまらない」
ビスマルク「っ……!!」
提督(無言で見つめ合う。言葉にはしないが、明らかに全然違うと言いたげだ。不満と罪悪感がないまぜになった複雑な表情)
提督「……ビスマルク、そこに座れ」
ビスマルク「……」ストン
提督(ビスマルクは無言でベッドの端に腰かける。開き気味の脚が期待感を示していた)
提督(表情も冷たい感じを出そうとしているが、顔が綻ぶのを抑えきれていない。期待に目を輝かせている)
提督(俺はそのまま秘所に口づけすると思わせて、臍に舌をねじ込む。そして胸に顔を埋めた)
ビスマルク「そ、そっち……?んふっ……はあっ……」
提督(胸を揉み、舐める。先端の突起の近くまで責めるが、そこまではいかない。焦らし続ける)
提督(ついにビスマルクは自分で俺の口元にその硬く張った先端を差し出すように身を捩る。だが、避ける)
ビスマルク「ねぇ……焦らさないで……おかしくなりそう……」
提督「……俺はとっくにおかしくなってる。君がプリンツとのことも受け入れてくれたら、イかしてあげよう」
ビスマルク「っ……ダメ……」
提督「そうか。なら、お預けだな」
ビスマルク「……うぅ」モジモジ
提督(もう少しだけせめてから、再びキスをする。そして耳や首筋を舐めたり、甘噛みしたりする)
提督「俺の愛、分かってくれたか?」
ビスマルク「ん……意地悪だから分からないわ……」
提督「それは君が俺に意地悪をしてくるからだ」
ビスマルク「んふぅ……好きな人が他の女ともなんて、酷いと思わない……?」
提督「君だって酷いことをしたじゃないか。お互い様だと思わないか?」
ビスマルク「でも……今は貴方だけじゃない……それに、あれだってしたくてしたわけじゃ……」
提督「利子の分も含めてこれで手打ちにするんだ。君を蔑ろにするわけじゃない。同じくらい愛してる。いいだろう?」
ビスマルク「っ……でも……」
提督「……なら、もっと誠意を込めてお願いするよ」
提督(いよいよ、ビスマルクの秘所に攻撃をしかける。しかし、敏感な所は避ける。最初は太もも、脚の付け根、そして恥丘)
提督(焦らしに焦らされたビスマルクは、自ら胸を揉もうとする。それを、手を掴んで阻止する)
提督「何をしようとしているんだ?」
ビスマルク「っ……それは……」
提督「それは?」
ビスマルク「……アトミラールが意地悪するから!!……胸を、自分で慰めようとしたの」カァッ
提督「どうやって?」
ビスマルク「どうやってって……!!っ……揉んだり、つまんだりよ……」
提督「どこを揉んで、どこをつまむんだ?」
ビスマルク「っ!!……胸と……乳首よ……」
提督「ほぅ……ここをせめて欲しいのか?」フゥ
ビスマルク「っ!!……は、はい」ゾクゾク
提督「なら、プリンツとのことを受け入れてくれ」
ビスマルク「そ、それはダメ……」
提督「何で?」
ビスマルク「……貴方を独り占めしたいから」
提督「……君はほかの男と楽しんだのに?」
ビスマルク「それはっ……やりたくてやったわけじゃないって……それに、貴方だって一回プリンツとしたでしょ……?」
提督「……独り占めしたいらしいが、君は俺を自分のモノにしたいのか?」
ビスマルク「そうよ……!!」
提督「……悪いが、それはダメだ。俺は、プリンツにも手を付けてしまった。君を忘れられないように、あの子も忘れられない」
ビスマルク「そ、そんなの……最低よ……」
提督「その分、他で挽回するよ。だから、な?」
ビスマルク「……」
提督(やはりこれだけのことだ。心の壁は高く厚い。もっと心を解かさなくては)
提督「胸、切ないんだったよな?」
ビスマルク「えっ?あっ!!はぁああん!?……す、すごいぃ」ビクン
提督(先端をせめる。甘噛みしただけで嬌声が漏れた。焦らせば感度が上がるのは本当らしいな)
提督(そのまま舌で弄び、吸う。ビスマルクは快楽に身を捩らせ、俺の頭を強く抱いてきた)
提督(だが、イかさない。まだまだ焦らす。勝負はこれからだ)
ビスマルク「はぁ……はぁ……な、なんで止めちゃうの……?」
提督「君が俺の頼みにいいよと言わないからだ」
ビスマルク「……当たり前じゃない。嫌よ……」
提督「そうか……」スクッ
ビスマルク「!!……ごくっ」ジッ
提督(ビスマルクの目の前で立ち上がる。目の前に来た俺のモノに目が釘付けになった。口が少し開く)
提督「イかせてほしいか?」
ビスマルク「……」コクン
提督「口で言ってくれないと分からないな」
ビスマルク「っ……イ、イきたいわ……意地悪しないで、イかせて……」
提督「イかせたら認めてくれるな?」
ビスマルク「……考えてあげる」
提督「そうか。なら、どうすればいいか分かるな?」グイッ
ビスマルク「!!あむ。じゅるじゅるじゅる、れろれろれろ」
提督(少し前に突き出した腰に、ビスマルクはおあずけされていた犬のように俺のモノを咥え込んだ)
提督(丁寧に舐めまわし、奉公する。そのまま奉公を続けて、暫くしてちらりとこちらを窺ってそのまま口を離した)
提督(唾液の糸が垂れる。物欲しそうな顔でこちらを上目遣いに伺うビスマルクに、征服欲を満たされた)
提督「……」
ビスマルク「……まだ、続ける?」
提督「どうしてほしい?」
ビスマルク「……い、いれてほしいわ。もう、限界なの。貴方が欲しい」クチッ クパァ
提督(自らの手で秘所を広げて見せるビスマルク。その眼にはハートが浮かんでいるようだ。切なげに眉を寄せ、男を誘うような表情を浮かべている)
提督「……プリンツのこと、良いな?」
ビスマルク「そんなこと、今はなさないでよ……」
提督「大事なことだ」
ビスマルク「……考えておくわ」
提督「……横になれ」
ビスマルク「!!はい……♪」
提督(期待と悦びに蕩けた表情をほころばせ横になる。いれてもらえるだろうと思っているのだろうが、まだダメだ)
ビスマルク「あん!!ふぁ……はぁ……!!」
提督(俺は挿入することなくビスマルクの秘所を舐める。軽く周りを舐め、クリを舌先で弄び、舌の平で舐め上げる)
提督(そして中に挿入し、淫らな音を立てて吸う。ビスマルクの体が震え、腰が浮く。行きそうなのだ。止める)
ビスマルク「はやくぅ……いれてぇ……♪」トロン
提督「君が、いいよと言ったら入れて、イかしてやる」
ビスマルク「!?そんな……こんな生殺し、酷いわ……!!」モジモジ
提督「ビスマルク、愛してるよ。本当だ。絶対に君を寂しがらせたりしない。約束する」
ビスマルク「でもぉ……やだぁ……!!」
提督「そうか……なら、もっと誠意を込めてお願いしなくてはな」
提督(そうして、行く寸前までクンニや手マンをすることを繰り返す。ビスマルクはよがり狂いながらもいけないもどかしさに堪えていた)
ビスマルク「ふぐぅ……私が……私が居ればいいじゃない……!!」
提督「前まではな。けど、プリンツを知って、あの子の心を知った。プリンツは、俺の恩人でもある。欲しくなってしまったんだ」
ビスマルク「そんな……!!」
提督「君が、少しだけ譲歩してくれればみんなで幸せになれる。俺が、して見せる。だから、頼む」
ビスマルク「だ、だめぇ……!!」
提督(ビスマルクはさすがの精神力で耐えていた。しかし、どんなことにも、限界がある)
提督(ビスマルクが本気で嫌なら、逃げれば良かったのだ。それをしない時点で、勝負は決まっていた)
提督(何度繰り返したか分からないこの責めと問答。だんだんとビスマルクの返答は濁っていく。そして、遂にこの時が来た)
ビスマルク「はぁー……はぁー……。……わ」
提督「……何だって?」
ビスマルク「……いいわ、赦してあげる。プリンツともっていうの。だから……だから、いれて……?」ハァー ハァー
提督「そ、そうか、ありがとう……!!ビスマルク、愛してるよ」
ビスマルク「私も愛してる……!!だからぁ……はやくぅ……!!」クパァ
提督「……君は、俺のモノだな?」
ビスマルク「そうよ、私は、貴方のモノ……!!だから、はやくして……!!切なくて、おかしくなりそう……!!」
提督「分かった。……絶対に後悔させない。ありがとう」ツプッ
ビスマルク「き、きたぁっああああああああ!!……っはぁ!!」ズププププ ビクンビクンビクン
提督(あまりに焦らし過ぎたせいで、挿入だけで意識が飛ぶほどの絶頂に達したらしい。目を見開き、声を詰まらせながら痙攣していた)
提督(そのまま、快楽でおかしくするつもりで腰を振る。強く締まったそこは、とろけるような快楽を伝えてくる)
提督(暫くされるがままだったビスマルクは、突如息を吹き返したかのように強く抱きしめてきた)
提督(脚で腰に組み付かれ、がっちりとホールドされる。ビスマルクは、俺の耳元で荒い息をついていた)
ビスマルク「あたまっ……おかしくなっちゃう……動かないで……!!」
提督「ダメだ。君が愛しすぎて、止まらない」パンパンパンパン
ビスマルク「あ、あとみらーるぅ……ほんとに……ダメだからぁ……っ!!ああああ!!」
提督(懇願するビスマルクに対し、俺は強引に腰を振る。こちらもずっとお預けだったのだ。そう簡単に止められない)
提督(獣のように嬌声をあげてよがり狂うビスマルクに、ひたすら己を刻み込む。お前は俺のモノだと教え込む)
提督(そうして俺が絶頂を迎えるころには、ビスマルクは息も絶え絶えになっていた)
提督「くぅ……中に出すぞ……!!」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「はっああああ!!……はぁっ……あふぅ……」ビクンビクン
提督「……ビスマルク、大丈夫か?」
ビスマルク「……こんなになったのって、はじめて」ピクッ ピクッ
提督「喜んでもらえたのなら何よりだ」
ビスマルク「……いうべきなのか、分からないんだけど。アトミラール、貴方あの男よりも全然上手になってるわ」
提督「!!そうか……」
ビスマルク「……本気で、プリンツともこういう関係になるの?」
提督「ああ。……嫌か?」
ビスマルク「もちろん、嫌よ……」
提督「……止めて欲しいかい?」
ビスマルク「……私に二言はないわ。嫌だけど、貴方がしたいようにして。私も、覚悟を決めたわ」
提督「ビスマルク……!!」
ビスマルク「もっとも、プリンツが受け入れるかどうかは別問題よ。もしあの子が嫌がったら、強引にするのは止めて」
提督「もちろんだ。君にだって強引にしていないだろう?」
ビスマルク「どうかしら……けど、言ったことはちゃんと守ってね。……私を、ちゃんと愛して。後悔させないで」
提督「ああ。……じゃあ、行くとするか」
ビスマルク「どこへ?」
提督「俺たちの拠点、プリンツの所だよ。先にシャワーを浴びるかい?」
ビスマルク「……今日じゃなくてもいいんじゃない?まだ説得されたりないんだけど……」モジモジ
提督「プリンツは明日の朝ドイツへ向けて発つんだ。転属を希望したらしい。今日の夜の列車でここ、ドイツ軍司令部へ来る」
ビスマルク「えっプリンツが……!?」
提督「やはり知らないか。プリンツが昨日見舞いに来た時も、君がドイツに帰ることを知らなかったみたいだしな」
ビスマルク「プリンツが……なんで……?」
提督「君と俺との間を邪魔してごめんなさいと謝っていたよ。泣いて、震えていた」
ビスマルク「……」
提督「プリンツが俺たちの拠点を離れる前に話をしなくてはならない。君のことは大佐に話を通してある。来てくれるな?」
ビスマルク「ええ」
提督「……そうだ、ビスマルク。これを」スッ
ビスマルク「!!結婚指輪……持ってきてくれてたの?」
提督「これは君だけのものだからな」
ビスマルク「アトミラール……Danke……!!」ギュッ
~
プリンツ「……」
プリンツ(ここでやるべきことは全部終わらせた。荷物も纏めた。後は夜の列車でドイツ軍司令部まで行くだけだ)
プリンツ(そして向こうで一泊して朝の飛行機で大陸へ渡る。後は本国まで列車で帰還だ)
プリンツ(こうしてここの司令部の屋上からこの拠点を見渡していると、本当に終わりなんだという気分になった)
プリンツ(考えると気分が悪くなる。だから何も考えないようにした。ひたすら敵を殺す。ただ、それだけだ)
プリンツ(もう誰かを好きになることは二度とない。もう御免だった。こんなにひどい気分になるのなら、恋愛なんていらない)
プリンツ(……甘ったるい私好みの赤ワインを、瓶のままグイッと飲む。苦いのは嫌だけど、これは甘い葡萄の味がして好きだ)
プリンツ(お酒を飲まなきゃやっていられなかった。アルコールに溺れる人間の気持ちが今ならよくわかる)
プリンツ(現実がこんなに辛いなら、酔っていなきゃやっていられないんだ。私も、本当に辛くて……もう嫌だった)
プリンツ「……から、か」
プリンツ(これを飲み終わったら出発しようと思っていたんだ。少し早いけど、ここにいるといろいろ思い出して嫌だ)
プリンツ(いや、もう日本と太平洋が嫌だった。早くドイツへ帰りたい。一刻も早くここから去りたい)
プリンツ(空き瓶を持って階段を下りる。少しふらふらするけど問題ない。廊下を歩いてエントランスへ向かう。そのときだった)
プリンツ「……っ!?」ビクッ
提督「……プリンツ」
ビスマルク「……」
プリンツ「あ……なんで……入院しているはずじゃ……」
提督「君もビスマルクのような反応をするんだな」
ビスマルク「誰だって入院しているはずの人がいたらそう聞くわよ」
提督「ふむ……確かにな」
プリンツ「……!!」カタカタカタ
プリンツ(今、一番見たくない光景だった。アトミラールがビスマルクと一緒に並んでいるところ。それだけは見たくなかった)
プリンツ(気分が悪くなる。吐き気が込み上げてきた。……私は、こんな最悪な気分なのに、あの女は!!)
プリンツ(あんな最悪の売女がこんなに幸せな思いをしてどうしてあんなに頑張った私がこんなにひどい目に!!)
プリンツ(怒りで狂ってしまいそうだった。もう何もかも嫌だった。この酒瓶で殴り殺してやりたい)
プリンツ(けど、そんなことをしたらアトミラールが……頭がおかしくなりそうだ。あんなの、見たくない)
提督「プリンツ、昨日ぶりだな」
プリンツ「あ……アトミラール……ごめんなさい……ごめんなさい……うぁっ!!」ダンッ
プリンツ(私は逃げるように後ずさる。けど、足がもつれて転びそうになる。瓶を落として壁に手をついた。何とか転ばずにすむ)
提督「プリンツ!!」ダキッ
プリンツ「っ……!!」
プリンツ(駆け寄ってきたアトミラールに抱きかかえられる。それが、嫌だった。泣いてしまいそうだ)
プリンツ(私のはじめてを捧げたんですよ!!なのにどうして私よりそのビッチが選ばれるんですか!?)
プリンツ(責任を取ってください!!そんな女と離婚して、私と結婚してください!!)
プリンツ(貴方が大変なとき、支えていたのは誰だと思っているんですか!?私は今、死にたいぐらい最悪な気分です!!)
プリンツ(恩を仇で返すつもりじゃないのなら早く私を妻にしてください!!さもなければ、全部皆に言ってしまいますよ!?)
プリンツ(言ってしまいそうだった。私の抱えている不満を全部ぶちまけてしまいそうだった)
プリンツ(けど、そんなことをしたらアトミラールを困らせるだけだ。そんなのは、嫌だった。本能的に手が動いた)
プリンツ「っ!!Nein!!」ドンッ
提督「っ!?」
プリンツ(アトミラールを突き飛ばす。その事実にショックを受ける。壁に寄りかかりながら後ずさった。もう、アトミラールを見れなかった)
プリンツ「っ……!!」ダッ
プリンツ(惨めな醜態をさらす前に、ここから逃げなくちゃいけない。気がついたら、体が動いていた)
プリンツ(諦めなくてはいけない人と、殺したいほど憎い敵に背を向けて、走る。その一歩を踏み出した瞬間だった)
提督「待ってくれ!!」ダキッ
プリンツ「っ!?」
プリンツ(アトミラールに後ろから抱きかかえられた。心が……悲鳴をあげる)
プリンツ「は、離してくださいアトミラール!!止めてください!!」
提督「嫌だ!!」
プリンツ「っ!!このままじゃ私、おかしくなっちゃいます!!いけないのに!!諦めなくちゃいけないのに!!」
提督「プリンツ……!!」
プリンツ「諦められなくなっちゃいます!!この気持ちは、アトミラールを苦しめるだけなのに!!」
プリンツ「っ……ずっと、好きでした……!!アトミラールがその人と結婚する前から、ずっと……!!」
プリンツ「けど、アトミラールが結婚して……!!諦めなくちゃって思っていたら、あんなことが起きて……!!」
プリンツ「アトミラールを支えている間に、想いは強くなっていって……!!その人の酷い行いを知って、私の方が相応しいって思って……!!」
プリンツ「でも、アトミラールはあの人が好きで……!!私の気持ちはアトミラールを苦しめるだけで!!だから!!」
プリンツ「だから、その人とどうかお幸せに!!私は消えます!!それでいいんです!!アトミラールが幸せなら、それで私も……私も……っ!!」ジワッ
プリンツ「私も、しあわせです……!!だから、離してください……!!」ポロポロポロ
提督「プリンツ!!……愛してる」
プリンツ「っ!!??」
プリンツ(心臓が、止まった)
プリンツ「な、なんで……そんなことを……!!私を、からかっているんですか……!?」フルフルフル
提督「馬鹿め、本心だよ。心から愛している。好きだ、プリンツ」
プリンツ(……それを言われたら、もうダメだった。封印が、解けてしまった。Alles kaput(何もかもお終いだ))
プリンツ「……っ!!私も!!私も愛しています!!アトミラールが好きです!!ずっと一緒に……ずっと一緒にいたいです……!!」クルッ ギュッ
プリンツ(思いが溢れた。抑えきれない。アトミラールが好き。それを我慢することができなかった)
~
プリンツ「うぅ……うぅ!!うわああああん!!ああああああん!!」
提督(俺の胸に顔を埋めて泣きじゃくるプリンツを抱きしめる。プリンツもまた俺の服を強く掴む)
提督(本当に辛い思いをさせてしまった……俺は、いったいどれだけこの子を傷つけてしまったのか)
提督(だが……これからは俺が何をしてでもこの子を守る。きっと幸せにして見せる。……だから)
提督(だからもう一度だけ、傷つけることを赦してくれ……プリンツ……暫くして、プリンツが泣き止んでから話しかける)
提督「プリンツ……落ち着いたか?」
プリンツ「はい……愛してます。もう放しません」ギュッ
提督「俺もだ。……君に、言わなくちゃいけないことがある」
プリンツ「……何ですか?」
提督「俺の、今の望みについて……君と、ビスマルクのことだ」
プリンツ「っ!!……望み、ですか?」チラッ
ビスマルク「……」
提督「ああ。……プリンツ、愛している。君と一緒に歩んでいきたい。心の奥底からそう思っている」
提督「……それと同じくらいビスマルクのことも愛している。彼女とも一緒に歩んでいきたいんだ」
プリンツ「……え?えっと……」ジッ
提督「君とビスマルク、二人が欲しい。二人を愛して、二人に愛してもらいたい。二人に俺と一緒に居てもらいたい」
プリンツ「……!!そんな……」ウルッ
提督「人として最低なことを言っている自覚はある。けど、そうせずにはいられないんだ」
プリンツ「……そうですよ。すごく残酷ですよ。変です。普通じゃありません」ギュッ
提督「プリンツ……頼む、どうかそうすることを認めてくれ。君とビスマルク、二人とも大好きでたまらないんだ」
提督「約束する。必ず君を後悔させない。きっと幸せにして見せる。だから、赦してくれないか」
プリンツ「……ビスマルク、姉さまと……話をさせてください」
提督「!」
ビスマルク「構わないわ。……私も、話をしなくちゃと思っていたの」
提督「分かった。……俺は、席を外した方がいいか?」
プリンツ「……いえ、大丈夫です」
提督(プリンツは涙を拭うと、俺から離れてビスマルクに向き直った。ビスマルクもジッとプリンツを見つめている)
提督(しばらく無言の時が続く。青い瞳と緑の瞳が交差した。剣呑な雰囲気だ。ようやく、プリンツが口を開いた)
プリンツ「私は、貴女に憧れていた。理想の人だと思っていた。強く美しく、気高い人だと思っていたから」
プリンツ「……どうして、あんな穢らわしい裏切りをしたの?私は、貴女とアトミラールを祝福していたのに……」
プリンツ「貴女が……好きだったのに!!」
ビスマルク「……私も、あの時の私を……殺してやりたいぐらい嫌い。本当に後悔しているわ」
プリンツ「そんなこと、今ならなんとでも言える!!あそこでアトミラールが来なかったら、こうしてここにいることもないくせに!!」
ビスマルク「っ……」
プリンツ「はっ!!黙っていないで答えたらどう!?」
ビスマルク「……っ!!来ないわよ……!!来たくても、来れるわけないわよ!!」
ビスマルク「あんなことして、赦してもらえるだなんて思えるほど浅ましくないもの!!」
ビスマルク「あの男は……セックスだけは本当に上手かったの!!アトミラールともう結ばれることがないと勘違いして……!!」
ビスマルク「それでヤケクソでアイツに抱かれて、でもその後でアトミラールに告白されて……!!」
ビスマルク「どうすればいいか分からなかった……相応しくないと思っても、好きな人から告白されたのよ……?」
ビスマルク「断るなんて……できなかった……!!」
プリンツ「Scheißversager(最悪の欠陥人間め)!!」
ビスマルク「っ!!うるさい!!貴方なら断れたとでも言うの!?」
プリンツ「私ならヤケクソで誰かと、しかもよりにもよってあんなのと寝るなんてするか!!」
ビスマルク「強引にされたのよ!!」
プリンツ「反撃しなかったから結局やられたんでしょ!?それはもう受け入れているも同じだ、ビッチ!!」
ビスマルク「何も知らないくせに……!!」
プリンツ「知らないし、知りたくもない!!それで、その後はどうなの!?どうしてあんなひどいことをしたの!?」
ビスマルク「っ……!!それは、……あの男とセックスしているのを見られて、あの男に酷いセリフを言わされたからよ!!」
プリンツ「なんでそんなことをした!!なんでそんなことを言った!!意味わからない!!」
ビスマルク「私だって!!私だって、今考えれば分からないわよ……あいつに快楽を教え込まれて……」
ビスマルク「アトミラールの労わるような優しいセックスじゃ満足できなくて、でも言い出せなくて……」
ビスマルク「満足できないだなんて、そんな事言えるわけないじゃない……そう考える自分自身が嫌だった」
ビスマルク「毎晩のように泣いたわ。妊娠した子が誰の子だとか考えたくもなかった」
ビスマルク「言えるわけないわ。アトミラールに、この子は貴方の子じゃなくてあの整備士の子なのだなんて……!!」
ビスマルク「そうやって不安とストレスと、欲求不満と罪悪感ばかりが募っているところに、あの男が現れて」
ビスマルク「ダメだと分かっていたけど、強引にされて、抵抗らしい抵抗もできなくて!!」
ビスマルク「結局、抱かれて、しかも見られて。言わなきゃ止めるとか言われて、気持ちいいのでおかしくなってた私は……」
ビスマルク「あ、アトミラールに……酷いことを言って……!!あとで正気に戻った時は、あの男と車の中だった……!!」
ビスマルク「もう全部終わりなんだって思った。もう私は、この人を頼るしかないんだって、思った」
ビスマルク「だから、あの日アトミラールが私を探して、来てくれて、本当に嬉しかった。救われた」
ビスマルク「私は、もう二度とあんな愚かなことはしない。この心も、体も、全てアトミラールに捧げる。そう誓ったの」
プリンツ「綺麗事を……!!そんなことを言っても、お前の罪はなくならない!!」
ビスマルク「っ!!……分かっているわよ。私だって、分かってる……」ギュッ
提督「……プリンツ。君が俺とビスマルクのために去ろうとしたように、ビスマルクもまた俺と君のために去ろうとしていたんだ」
プリンツ「えっ……!?」
提督「君なら、俺を自分より幸せにできると。泣きながらそう言っていた。……君と、同じだったよ」
プリンツ「貴女が……そんなことを……」
ビスマルク「……」
プリンツ「……私は、女として嫌です。愛する人が他の女ともなんて、耐えられません。貴女は、それでいいんですか?」
ビスマルク「……私だって大歓迎ってわけじゃないわ。嫌よ……でも、優しいアトミラールがそうなるまで追い詰めてしまったのは、私だから」
ビスマルク「だから、貴女さえ良ければ、私は受け入れるわ」
プリンツ「っ!……」
提督「受け入れて、くれるかい?」
プリンツ「……私が本気で嫌だって言ったら、どうしますか?そうなるぐらいなら、すべてを捨ててドイツへ帰ると言ったら?」
提督「何とかして説得する。もう君とビスマルクがいない生活は考えられない。……俺の一回限りの我が儘、受け入れてくれ」
プリンツ「……私が、アトミラールの頼みに嫌というと思いましたか?って言いたいところですけど、今回ばかりは……決断できません」
プリンツ「できるわけないですよ……こんなの、普通じゃない……アトミラール、好きです。愛してます」
プリンツ「おかしくなるほど好きなんです。……だから、もっと私をおかしくしてください。私が、はいって言いたくなるようにしてください」ジッ
提督「!……分かった」
提督(プリンツの、その寂しそうな期待しているような。縋るような表情を浮かべた顔を見れば、どうすればいいのか分かった)
提督「プリンツ、愛してる」ギュッ
プリンツ「あ……ちゅっ」ギュッ
ビスマルク「っ……」
提督(プリンツを抱きしめる。プリンツは腕を首にまわしてきた。そして、キスされる)
提督(目を閉じていないから、視界に入る。その様を見せつけられるようになったビスマルクは、傷ついたように表情を曇らせた)
提督「……ん、プリンツ、ちょっと待ってくれ」
プリンツ「はふっ……どうしましたか?」
提督「ビスマルク、すまないが先に戻っていてくれないか?」
ビスマルク「……結構、くるものね。分かったわ。けど……帰ってきたら、ね?」
提督「ああ」
プリンツ「ダメです、帰らせません」
提督「!?ぷ、プリンツ……?」
プリンツ「ビスマルク……姉さまに、見せつけてください。私を愛する所を。そうしたいです」
ビスマルク「っ!!」
提督「そ、それは……」
提督(酔っているからだろうか。大胆ってレベルじゃないことを言い始めるプリンツ。どうしようか……)
プリンツ「姉さまも見ていた方が安心できるんじゃないですか?自分の知らない所でされるよりは、ナニをしているのか知れていいでしょう?」
ビスマルク「……分かったわ。なら、お望み通り見ててあげる」
提督「っ……し、しかし……」
プリンツ「アトミラールも私達二人を同時に愛すると言ったんですから、それぐらいの覚悟はありますよね?」ジッ
提督「っ!!……分かった。では、仮眠室に行こうか」
プリンツ「はい。……あ、その前に司令部に連絡しなくちゃ」
提督(……俺も男だ。覚悟を決めた。ふらつきながら歩きつつスマホを取り出したプリンツをお姫様抱っこする)
提督(そして複雑な表情でこちらを見つめるビスマルクにアイコンタクトしつつ、仮眠室へ向かう)
提督(部屋に着くころにはプリンツの電話も終わっていた。俺は、プリンツを下ろすと、手伝おうとするプリンツを断りつつ、布団を敷いた)
提督(見られていることに抵抗を感じる。でも、俺も男だ。覚悟を決めた。プリンツを抱き寄せ、唇を貪る)
プリンツ「あふぅ……んちゅ……にゅるにゅる……」
ビスマルク「……」
提督(甘いワインの味がする。舌を絡ませ、体を愛撫。気分がのってきた。手を、背中や頭からヒップへと移し、脚で刺激する)
提督(この子もまた俺の女だ。この甘い匂いも、元気な声も、柔らかな金髪も、雪のように白い肌も、健気な精神も、俺だけのものだ)
プリンツ「んはぁ……アトミラール……もっと触ってください。直接、触れてください」
提督(スカートの下に手を入れ、ショーツの下に手を潜り込ませる。濡れているそこを直接愛撫した)
提督(プリンツの手が俺のベルトを緩める。ズボンの前ボタンを外す。手をパンツに突っ込み、直接、怒張した俺のモノに触れる)
提督(俺はプリンツを布団に横たえる。期待に熱っぽい吐息を吐くプリンツの服を剥ぎ、ブラを強引にずらす)
プリンツ「あんっ!!アトミラール……獣みたいですよ……?ふぁっ!!」プルンッ ドキドキドキ
提督(プリンツの胸を揉み、先端の突起を摘まんでこねくり回す。口付けし、舌で弄び、強く吸う)
プリンツ「んはぁ……ああ……!!はふぅ……なんか、ぞわぞわします……!!んあぁ……」
提督「続けていれば胸でイけるようになるらしい。そうなるまで調教してやるからな」
プリンツ「あぁ……私、アトミラールに調教されて……アトミラール好みの女にされちゃうんですね……!!」
提督「嫌か……?」
プリンツ「まさか!してください、アトミラール。私を、貴方好みに調教して……?」
提督「!!」
提督(そんなことを言われたら、耐えようもない。俺はプリンツの上にの馬乗りになると、大きく張ったモノを露出させる)
プリンツ「……!!」ゴクッ
ビスマルク「……!!」ゴクッ
提督「プリンツ、胸で奉公してくれ」
プリンツ「は、はい……♪」
ビスマルク「っ……」モジモジ
提督(顔を赤らめ、胸で俺のモノを挟み込み、扱く。俺もプリンツの胸の突起を責め続けた。プリンツと見つめ合う)
提督(プリンツははにかみながら頬を赤らめる。花も恥じらう初心な乙女のようなそれと、パイズリのギャップが素晴らしい)
提督(ふと、ビスマルクの方を見る。椅子に座った彼女は胸を押さえて顔を歪ませていた。しかし、頬を赤らめてもじもじとしている)
提督(目が、合った。切ないと訴えかけてくる視線。悲しげな表情が心に訴えかけてくる)
プリンツ「ん……ぺろ」
提督「っ!?」
プリンツ「ぺろぺろぺろ……よそ見しないで、こっちを見て……?」
ビスマルク「っ……アトミラール……!!」
提督(プリンツがパイズリをしつつ、頭を起こして舌を伸ばす。そして俺のモノの先端を舐めた)
提督(視線を落とすと、責めるような上目遣いと目が合う。ちろちろと伸びる舌が艶めかしい)
提督(わざといやらしく見えるようにしている。俺のことを誘惑していることは明らかだった)
プリンツ「んっ……アトミラール……そろそろ私も大切な所を気持ちよくしてもらいたいです」
提督「っ!ああ、分かった」
提督(プリンツの懇願するような声に俺は、プリンツの上をどく。そして足元に回ると、スカートをあげた)
プリンツ「あぁ……はぁん……ふぅっ……アトミラール……」
提督(プリンツ下着の上からそこを愛撫する。黒いレースの下着は湿っていた。クロッチをずらし、秘所を露出させる)
提督(相変わらず無毛のそこはピッチリと閉じている。手で優しく撫でて、開く。焦らしてからクリをせめる)
プリンツ「ふぁ……はぅ……んくっ……んん……ああ!!」ビクン
提督(露出させ、指でなまわし、いじくりまわす。そして指を中に挿入した。Gスポットを責める。ポルチオまでは、一度イかせないと指が届かなそうだ)
提督(ねちねちといやらしく責める。プリンツの体がもじもじと動き、腰が上がってくる)
プリンツ「あふっ……!!いい……!!いいです、アトミラール……!!気持ちいい……!!」ピクン ピクン
ビスマルク「はぁ……はぁ……」モジモジ
提督(十分に前戯ができたところで、いよいよ挿入する。そのままプリンツにのしかかろうとしたところで、止められた)
プリンツ「ま、待ってください、アトミラール……!!上に、乗せてくれませんか?」
提督「上に?分かった」
プリンツ「ふふ、Danke, アトミラール」ニタァ
提督(プリンツは妖艶な笑みを浮かべると寝そべった俺の上にまたがり、膝立ちになる。そして自らの秘所に俺のモノをあてがう)
プリンツ「ここでもキス、しちゃいましたね……?アトミラール」クチッ
提督「ああ、そうだな……!!」
プリンツ「はふっ……ビスマルク姉さま、見てますか……?」
ビスマルク「っ!?」
提督「!!」
プリンツ「ほら。アトミラールのここ、こんなに大きくて固い……ここに入れたら、きっとすごい……!!」ズリュッ ズリュッ
ビスマルク「な、何のつもりなのよ……?」
プリンツ「わかりますよ、同じ女だから。これが欲しくて、切なくて、たまらないんでしょう?」ニヤッ
ビスマルク「っ……!!」
プリンツ「アトミラールの、立派ですよね。女の幸せは、愛する男に抱かれることだと思いません?……これは、私のです」
ビスマルク「ふざけないで……!!あなただけの物でないでしょ!!」
プリンツ「いいえ、今だけは私のモノですよ。ほらぁ……見てくださぁいぃ……っ!!」ズッヌプププププ
提督「うっ……ぐっ……!!」
ビスマルク「あぁ……っ……!!」ブルブルブル
プリンツ「っ、はぁ……奥まできたぁ……赤ちゃんの部屋、ノックされてる……!!」
ビスマルク「くっ……!!」ギロリッ
プリンツ「ふふ……二回目ですね、アトミラール……どうですか、私の中は……?」
提督「っ……すごい締まりだ……!!最高だよ……!!」
プリンツ「ありがとうございます……!!じゃあ、動きますね……?くっ……はぁあ……!!」ヌップ ヌップ
ビスマルク「……!!」
提督(プリンツが淫らに腰を振る。いやらしい水音と嬌声、肉と肉がぶつかる音が響く)
提督(プリンツは蕩けた表情で快感に酔いしれており、胸が動きにつれて誘うように揺れる)
提督(その光景を見せつけられているビスマルクは、大切なものを失ったかのような泣きそうな表情だった)
提督(しかし、頬は紅潮し、息は荒い。意識してかしていないか分からないが、手が秘所にのびていた)
プリンツ「あ、アトミラール!!今は!!今は私だけをっ!!見てください!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督「プリンツ……!!」
プリンツ「む、胸が切ないです……!!どうか触れて、慰めて……?お情けをください……!!」
提督「っ!!」
提督(手を伸ばして、胸に触れる。その柔らかくも張りのある胸を揉みしだき、先端の固い突起を摘まみ、弄る。)
提督(快感が昇りつめてきた。こちらからも腰を打ち付け、突き上げる。一際大きな嬌声が響いた)
プリンツ「ああああ!!いい!!いいです!!アトミラール!!私、狂っちゃいます!!」
提督「プリンツ!!プリンツ!!」
提督(必死で腰を動かす。自身の愛を打ち込むように、何度も何度もそうした)
プリンツ「来ちゃう!!何か来ちゃう!!アトミラール!!愛してます!!愛してるって言ってください!!」
提督「プリンツ、愛してる!!大好きだ!!」
プリンツ「来ちゃう……来ちゃう……っ!!はぁああああああ!!」ビクンビクン
提督「くっ……うっ……!!」ビュルルルルルルルル
提督(プリンツに腰を押し付け、奥で果てる。プリンツを孕ませる行動、本能的にそうしてしまう)
提督(もたれかかってきたプリンツを優しく抱きとめる。互いに求めるように唇を重ねた)
プリンツ「んちゅ……はぁむ……れろれろ……」
ビスマルク「……」
提督(互いの愛を確かめ合い、満足する。口を離し、しばらく見つめ合った。そしてプリンツが膝立ちになる)
プリンツ「はぁ……あふぅ……」ズリュッ ヌプッ ブピュッ
ビスマルク「っ……!!」
提督(プリンツの秘所からモノが引き抜かれた。秘所から白濁液がドロリと俺の下腹部に垂れた)
プリンツ「アトミラールの愛が、もったいないです……ん、じゅる、ぺろぺろ」
提督(その白濁液をプリンツが吸い、舐めとる。そして、手が俺のモノを扱き始め、すべてを舐めとったプリンツが吸い付く)
提督(快楽に再び俺のモノが怒張する。プリンツは口を離し、愛おしげな眼差しで見つめた)
プリンツ「あは……♪まだ足りないみたいですね。どうぞ、もう一度私を使ってください」クパァ
ビスマルク「な!?待ちなさい!!もう一回したでしょ!!次は、私の番よ!!」
プリンツ「……雰囲気が台無しですよ。今は私が愛してもらっているんです。後でにしてください」
プリンツ「それまでは、さっきみたいにはしたなく自分で自分を慰めていてください。独り占めはしませんから」
ビスマルク「っ!!」
提督「プリンツ、独り占めはしないって……?」
プリンツ「私は、何処までもアトミラールについて行きますよ。仕方ありませんから、ビスマルク姉さまも一緒ってのも受け入れます」
提督「プリンツ……!!ありがとう、きっと幸せにする」
プリンツ「はい!……楽しみにしていますからね」
ビスマルク「……でも、だからってまたこんな生殺しなんて。……酷いわ。雰囲気が大事なら私を先に帰らせなさいよ」
プリンツ「一回で満足できると思っていましたか?もう二回はしてもらいたいところです……また?」
提督「っ!!」
ビスマルク「アトミラール……」ジッ
提督「俺も、男だ。こういうことをするからには、二人とも満足させてみせる。とりあえず、まずはプリンツだ」
ビスマルク「そんな……」
プリンツ「アトミラール!!という訳です、姉さま。そこで見ていれば、少しでもアトミラールと私の苦しみが分かるんじゃないですか?」
ビスマルク「うぅ……二人とも満足させるって言ったからね?してくれなかったら……分かってるでしょうね?」
提督「分かってる。さあ、プリンツ。覚悟はいいな?」
プリンツ「はい……♪来てください……!!」
~
提督(あれから、プリンツとビスマルク相手に何とか二人とも満足させることに成功させた。……はずだ)
プリンツ「はぁ……はぁ……あふぅ……」ピクン ピクン
ビスマルク「はぁ……はぁ……すごいぃ……」ピクン ピクン
提督(とりあえずプリンツを手マンとクンニで容赦なくイかせ続けた。そしてバックで挿入してフィニッシュ)
プリンツ『あぁ……あふぅ……』グッタリ ビクンビクン
ビスマルク『はぁ……はぁ……アトミラールぅ……』キュンキュン
提督『ふぅ……よし、ビスマルク。来てくれ』
ビスマルク『っ!!はい……!!んふぅ……んちゅっ……れろれろ……』パァッ ダキッ
提督(そしてずっと自分で自分を慰めていたビスマルク相手に、こちらはちゃんとキスから前戯をしっかりとした)
ビスマルク『アトミラール……上に乗らせて……?』
提督『!!いや、俺が上になるよ』
ビスマルク『さっきプリンツを上に乗せていたじゃない……私の方が上手いわ。ね?証明させて』
プリンツ『……!!』ピクッ
提督『いや、君を俺のモノだって刻み付けたいんだ』
ビスマルク『っ!!で、でも……』
提督『ビスマルク、愛してるよ』グイッ
ビスマルク『あっ……んっはぁああ……!!入ってくる……!!』ズプッ ヌプププププ
提督(そしてプリンツに触発されてか騎乗位をしたがるビスマルクをなだめて、何とか正常位で一発)
提督『っ……!!』パンパンパン
ビスマルク『ああ!!おくぅ!!おくすごいぃ!!きちゃうぅ!!』ズップズップズップ
プリンツ『……ごくっ』ドキドキドキ
提督(プリンツと違ってポルチオにもしっかり反応するので、本気でせめられればプリンツより弱かった)
提督『ビスマルク……!!』ビュルルルルルルルル
ビスマルク『ああああああ!!っはぁ……!!はぁ……はぁ……』ビクンビクンビクン
提督『ふぅ……』
ビスマルク『アトミラール……んちゅっ、んふっ……にゅるにゅるにゅる』
提督『……んは。愛してるよ、ビスマルク』
ビスマルク『んふっ。私も、アトミラール。……ねえ、もう一回しましょ?』
提督『……もちろんだ』
提督(だがその分快楽の要求量が多いので、挿入以外でイかせるのを頑張らなくてはならなかった)
ビスマルク『あぁ……だめぇ……!!ちくびだめぇ……!!きちゃう!!きちゃうからぁ……っぁああああ!!』ビクンビクン プシャァッ
提督『胸を弄られて潮を吹きながらイくか。君は本当に変態だな』
ビスマルク『はぁい……わたしはぁ……むねをいじられてイく……へんたいですぅ……』ビクッ ビクッ
提督(胸も良く開発されているため、なんとか単調にならずに十分にイかせることに成功した)
提督『くっ……はぁ……!!』ビュルルルルルルルル
ビスマルク『ああああああ!!っ……ち、ちがうの……ちょっといまは……びんかんになっちゃってるだけで……ほんとは、もっとぉ……』ギュッ
提督『十分気持ちよかったよ。万全な時の君にして貰うのが楽しみだ』
ビスマルク『アトミラール……』
提督(イかせ続けていたおかげもあり、なんとか戦うことができた。万全の状態だったらと思うと……)
プリンツ『……アトミラール』
提督『プリンツ?』
プリンツ『さっき私、あと二回はって言いましたよね?まだあと一回残ってるんですけど……』
提督『終わりだと思ったか?おいで』
プリンツ『!!はい……♪』
提督(そこである程度回復してきたプリンツがねだってきたので、再び前戯から頑張って正常位で果てる。何とか満足させることに成功した)
プリンツ『ああ……ああ……もう、おかしくなっちゃいました……あとみらーるなしでいきていけません……』ピクン ピクン
提督『俺も君なしじゃ生きていけないよ』
ビスマルク『……』ジッ
提督『ビスマルク……四つん這いになれ』
ビスマルク『はい……♪』
提督(そしてプリンツが息も絶え絶えになっている所で、回復しつつあるビスマルクが回復しきる前に撃破するため攻勢を開始する)
ビスマルク『だめぇ!!アナルでイっちゃう!!変態になっちゃう!!』
提督『お前はすでに変態だ、ビスマルク!!我慢しなくていいからイけ!!』
ビスマルク『違う!!違うぅ!!違うの!!私はっ!!私はぁっ!!ああああああ!!』ビクンビクンビクン
提督『くっはぁ……!!』ビュルルルル
提督(四つん這いにさせて羞恥心を刺激しながら前戯でイかせて弱らせ、最後はアナルセックスで撃破した)
提督(そして今につながる。二人とも布団の上にぐったりと倒れて荒い息をついている。俺は、もう限界だった)
提督(ためていた分以上に搾り取られた。あの二人と同じくらい俺も荒い息をしてぐったりしているだろう)
提督(何も考えられず息を整えていると、二人が動く気配がする。そして近づいてきた)
提督(そのまま這いよってきて、それぞれ俺の左右に別れる。なんと、ダブルフェラしてきた。男の性か、また大きくなってきてしまう)
ビスマルク「んはっ……れろれろれろ……んちゅ……じゅるじゅるじゅる」
プリンツ「ぺろぺろぺろ……れろれろれろ……ちゅっ……にゅるにゅるにゅる」
提督「……もう一回するか?」
ビスマルク「じゅる……いえ、今日はもういいわ。十分満足した。これはただのお掃除よ」ニコッ
プリンツ「ちゅばっ……アトミラールも限界ですよね。ありがとうございます、たくさん愛してくれて」ニコッ
提督「!」
提督(この二人は、もう俺のものだ。人として最悪?言ってろ。何があっても、俺はこの二人が自分から去らない限り、手放さない)
提督(こんな美人を二人も侍らせて、男冥利に尽きるというものだ。絶対に三人で幸せになってやる)
提督「そうか……少し休んだら、家に帰るか」
ビスマルク&プリンツ「「Ja!!」」
~
提督(戦争が終わって数か月が経とうとしていた。人々は平和を享受していた。世界は復興しつつある)
提督(深海棲艦の脅威は消え去り、俺たちも平和を謳歌していた。なんと素晴らしいのだろう)
提督(艦娘達はごく一部を除いて復員した。有事の際にはまた再招集されることになっているが、その日が来ないことを祈る)
提督(ビスマルクとプリンツもまたドイツ軍を退役した。そして、今では俺と共に日本で暮らしている)
提督(いろいろと大変なこともあるが、それでも幸せに暮らしている。そんなある日のことだった)
プリンツ「アトミラール。ちょっといいですか?」
提督「ああ。どうしたんだ?」
プリンツ「その……私の両親に会ってくれませんか?」
提督「君の両親と?」
プリンツ「はい。日本で結婚するって連絡をしたんです。それで、会いたいって言われて……」
プリンツ「私も、会ってもらいたいです。……良いですか?」
提督「もちろんだとも。俺も是非、挨拶させてほしい」
プリンツ「アトミラール!!ありがとうございます!!……それで、その時に結婚式をしたいんですけど、いいですか?」
提督「結婚式!!」
提督(いきなりの話にびっくりする。思えば結婚式は挙げていなかった。いや、あげられていなかったの間違いか)
提督(ウェディングドレスを着るのは女の子の夢だとも聞く。ちょうどいい機会だ。俺も、プリンツと結婚式をしたかった)
プリンツ「……ダメですか?」シュン
提督「まさか!!大歓迎だよ!!」
プリンツ「本当ですか!!」パァッ
提督「ただ、ビスマルクにも話をしなくてはな」
提督(という訳でビスマルクに話をする)
ビスマルク「そうね。里帰りがてら、プリンツとドイツを案内してあげるわ。……まさか、置いていくとか言わないでしょうね?」
提督「まさか!なあ、プリンツ」
プリンツ「ええ、もちろん三人で一緒に行きましょう!ただ、一日だけ私の実家に行かせてください」
ビスマルク「分かったわ。なら私はその時に親戚の所へ挨拶に行ってくる」
ビスマルク「……結婚式には出られないけど、心から祝福しているわ。これからもよろしくね」
プリンツ「ありがとうございます、姉さま!こちらこそよろしくお願いします!」
提督(という訳で、三人でドイツへ行くことになった。いつか行ってみたいと思っていたんだ。楽しみだった)
提督(しかし、両親へ挨拶か……ビスマルクの両親はもう亡くなられていたから、そういったことをしたことは無かったが……)
提督(客観的に見れば、俺は二股をかけている最低男だ。プリンツの両親になんといえばいのだろうか……)
プリンツ「アトミラール、ちょっといいですか?……どうしたんですか?」
提督「ああ。……君のご両親になんといえばいいのかと思ってな」
プリンツ「そんなの、私と結婚しますって言えばいいだけですよ。普通にお喋りすればいいんです」
プリンツ「きっと皆、アトミラールを好きになります。だって、アトミラールですから」
提督「だといいが……」
プリンツ「……余計なことは、言わなくていいですよ」
提督「プリンツ……」
プリンツ「私達の幸せの形は、他人には理解できないでしょう。それが、私の家族であっても」
プリンツ「だからこそ、言う必要はありません。大丈夫です。私を幸せにしてくれるのでしょう?なら、それだけ言えば十分です」
提督「……分かった。ありがとう、プリンツ」
プリンツ「Bitte schön!……ところでアトミラール、ちょっとお願いしたいことがあるんです」
提督「どうしたんだ?」
プリンツ「私の実家に行った時、私が料理を作るんですけど……ドイツ流の作法があるんで、一緒に練習してくれませんか?」
提督「そうなのか?もちろんだ。むしろ、こちらからお願いしたい」
プリンツ「はい、ありがとうございます!」
提督(こうして、練習がてら今日の夕食を一緒に作る。のかと思ったが、調理は全部プリンツがやった)
プリンツ「はい、できました!ではお願いしますね」ゴトン
提督「あ、ああ!任せてくれ」
ビスマルク「腕の見せ所よ、アトミラール」
提督(ドイツでは、どうやら一家の主人がこういった塊肉の料理を切って取り分けるらしい)
提督(まあ、分かっていれば簡単だ。問題なくこなすことができた)
提督「よし、これでどうだ?」
プリンツ「さすがです、アトミラール!!」
ビスマルク「Sehr gut!!まあ、心配していなかったけどね」
提督(そして、とうとうドイツへ行く日が来た。飛行機で約半日かけてドイツへ向かう。そこら辺の街並みでさえ俺にとってはとても洒落て見えた)
提督(二人の案内でドイツを観光して回った。城や教会を見て回り、料理や酒を堪能する)
提督(それと、日本でのマクドナルドのようにケバブの店があることに驚く。あれはトルコとかの料理だと思っていたが、ドイツでも人気なのか)
提督(こうして存分にドイツ観光を楽しんでいたら、とうとうプリンツの両親の元へ挨拶に行く日が来た)
ビスマルク「じゃあ、明後日ね。結婚式、頑張って」
提督「ああ、ありがとう。また明後日」
プリンツ「Danke!また明後日です!」
提督(親戚の所へ向かったビスマルクと別れ、プリンツの故郷へ向かった。とても緊張する)
提督(何か粗相があったらどうしようかと心配していたが、杞憂で済んだ。プリンツの家族はとても良くしてくれた)
提督(料理の切り分けも上手くできたと思う。日本での暮らしなど、いろいろなことを話した)
提督(娘を頼むと言われ、任せてくださいと答えた時は義母が涙を流していた。プリンツも家族と抱き合って泣いていた)
提督(そのままプリンツの実家に泊まる。そして翌日、結婚式だ。準備を済ませて教会へ向かった。プリンツは、あとから来る)
提督(祝いに来てくれたのはプリンツの家族と友人達だ。俺の家族は、死んだことにせざるを得なかった。心が痛いが、仕方がない)
提督(時間になり、結婚式が始まる。瀟洒たウェディングドレスを纏い、バージンロードを父親と歩んでくるプリンツ)
提督(その姿はとても美しくて、見惚れてしまう。感動に震えた。二人で壇上に並ぶ。讃美歌を斉唱し、聖書の朗読を聞く)
提督(そしてプリンツと二人で永遠の愛を宣言し、そのベールをあげて、キスをする)
提督&プリンツ「「私達は、夫婦として、喜びの時も、悲しみの時も、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しい時も」」
提督&プリンツ「「これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓います」」
神父「では、誓いの口づけを」
提督「……」コクッ スッ
プリンツ「……」パチッ クイッ ドキドキドキ
提督(ベールをあげる。とても神聖なことをしている気分になった。プリンツは顎をあげ目を閉じている)
提督「……ん」チュッ
プリンツ「んっ……」
提督(初々しいソフトなキスだった。だが、時間が長かったと思う。よくわからない。プリンツが愛おしくてそれどころではなかったのだ)
提督(キスの後、神父が結婚の宣言をした。結婚証明書にサインをして、讃美歌を歌う)
提督(すべてが終わって、いよいよ退場だ。プリンツと腕を組み、エスコートしながら歩く)
プリンツ「アトミラール」ジッ
提督「どうした?」
プリンツ「ずっと夢だったんです、結婚式。私、今とっても幸せで、感動しています」ニコッ
提督「俺もだよ」ニコッ
提督(皆、笑っていた。やはり、結婚式はこうでなくては。幸せで、笑顔が溢れていなくては)
提督(無事に結婚式が終わり、披露宴という訳ではないが出席してくれた人達と早い夕食を取る)
提督(そのまま泊っていきたい気分だったが、ビスマルクが待っている。丁重に挨拶して、出発した)
提督「ビスマルク!」
ビスマルク「やっと来たわね!どうだった?」
プリンツ「最高でした……!!やっぱり結婚式はいいですよね!!幸せな気持ちになりました!!」
提督「ああ!!プリンツのウェディングドレス姿は最高だったよ!!」
ビスマルク「良かったわね!!……」
プリンツ「Danke!!」
提督「ああ!!じゃあ行くとするか。……」グイッ
プリンツ「はい!」スタスタスタ
ビスマルク「ええ。……っ!?」
提督「……ビスマルク。いろいろあったにせよ、俺は君との結婚式も本当に良かったと思っているよ」
ビスマルク「アトミラール……!!っ!!」ダキッ
提督「ビスマルク」ギュッ
提督(無事にビスマルクと合流してまた観光。そして、帰国だ。思い返してみればドイツに来れて良かった)
提督(プリンツの両親に挨拶できたし、結婚式ができるとは思わなかった。最高の気分だった)
提督(また来たい。いや、必ずまた来る。俺は帰りの飛行機の中でそう思いながら眠りについた)
~
提督(帰国し、日常に戻って一月ほどの経った後。いつものように愛し合い、挿入するためにゴムを付けようとしていた時だった)
プリンツ「アトミラール……私、ゴムなしでしてほしいです」ジッ
提督「プリンツ?」
プリンツ「……アトミラールの赤ちゃんが欲しいです」モジモジ
ビスマルク「えっ!?」
提督「プリンツ……!!君は、まだ若い。そう早まることはないぞ?」
プリンツ「でも、赤ちゃんが欲しいんです……ダメ、ですか?」チラッ
提督「そうか……俺も欲しいと思っていたんだ。頑張ろうな」
プリンツ「アトミラール……!!はい!!」パァッ
ビスマルク「……」
提督(プリンツの言葉に、本能が刺激された。そのまま、乱暴にプリンツに挿入した。そして、一心不乱に腰を振る)
提督「プリンツ……!!プリンツ……!!」パンパンパン
プリンツ「アトミラール!!す、すごいぃ!!熱くて……アトミラールを感じる……!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(プリンツを孕ませることしか頭になかった。生で中出ししてしまう。もう……止められない)
提督「くっ……はぁ……!!」ビュルルルルルルルル
プリンツ「ああああああああ!!……っ!!はぁ……はぁ……」ビクンビクン
提督「はぁ……はぁ……プリンツ……」ズルッ
プリンツ「なか……熱いです……アトミラールのが、たくさん……」ゾクゾク ブピュッ
提督「……!!」ゾクゾクゾク
提督(ぐったりとしたプリンツの秘所からモノを引き抜く。一緒に白濁液が噴き出た。プリンツは、この後ピルを飲まない)
提督(そうすれば、プリンツは孕むかもしれない。子宮に達した俺の精子がプリンツの卵子と混じり合い、着床するかもしれな)
提督(それは、男としてとても興奮する行為だった。プリンツを孕ませる。俺の中の本能が満たされる)
プリンツ「アトミラール……頑張りましょうね……」
提督「ああ……」
提督(その日以来、プリンツと子作りを始めた。ゴムなしのセックス。愛を確かめるだけでなく、お互いの子供を作る行為)
プリンツ「アトミラール!!アトミラール!!胸ぇ!!胸をもっと虐めてください!!」ヌップヌップヌップ
提督「プリンツ……!!騎乗位で腰を振りながらおねだりとは、お前も随分淫乱になったな……!!」パンパンパン モミモミモミ
プリンツ「あぁっ!!アトミラールが!!私をそうしたんですよ!!セキニンとってください!!」ヌップヌップヌップ
提督「プリンツっ……ぐっ!!」ギュッ ビュルルルルルルルル
プリンツ「ち、ちくびぃいいいい!!やああああああ!!はぁ……はぁ……」ビクンビクン ブプッ
提督(ゴムありの時とは比べものにならない快感。プリンツを孕ませる。ただ、それだけに夢中になりそうだった)
プリンツ「後ろからぁ!!のしかかられて……ふぐぅ!!ケモノみたい!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督「孕め、プリンツ!!俺の子を孕め!!」パンパンパン
プリンツ「はぁい!!孕みます!!孕ませてください!!アトミラールとの、赤ちゃんをっぁああああ!!」ビクンビクンビクン
提督「っ!!……プリンツ……愛してる」ベチン ビュルルルルルルルル
プリンツ「あふぅ……はぁ……はぁ……私も……愛してます……」グッタリ ドロッ
提督(プリンツの秘所から白濁液が垂れる。肩を震わせ荒い息を吐くプリンツが愛おしかった。今すぐにでも抱きしめたい)
ビスマルク「……」ギュッ
提督(だが、さすがに気がついた、ビスマルクの様子がおかしいことに。……とてもつらそうな顔をしていた)
提督「……ビスマルク?どうした」
ビスマルク「アトミラール、私……いえ、何でもないわ」
提督「ビスマルク……」チュッ
ビスマルク「んっ……ふぅ……れろれろれろ……んちゅ……」
提督「……ビスマルク、君はとても辛そうだ。何かあるなら言ってくれないか?君の力になりたいんだ」
ビスマルク「んふ……大丈夫。本当に大丈夫よ、アトミラール」ニコッ
提督「……そうか。もう一度、いいかい?」サワッ
ビスマルク「ええ、もちろん……!!」キュン
提督(その後、ビスマルクとの繋がりを感じたくて、抱き締め、まじり合った)
提督(すべてが終わって、二人は俺の左右で眠っていた。ビスマルクのことを、考える)
提督(……俺が思うに、ビスマルクはプリンツと俺が子作りを始めたころから様子がおかしくなった)
提督(最初はビスマルクも子供が欲しくなったのかと思ったが、そう言ってくることもない)
提督(それとなくビスマルクともしたいと言ってみたら、まだ早いとやんわりと断られた)
提督(だが、ビスマルクはプリンツに生中出しをすると毎回悲しそうな顔をしている)
提督(気になるが、それ以外に特におかしいことは無かった。だが何かに悩んでいるのは確かだ)
提督(どうにかしてビスマルクの助けになりたい。しかし、どうすればいいのか分からない)
提督(そして、そうこうしているうちに最高のニュースが届いた。それは、日曜日の朝、惰眠を貪っているときだった))
プリンツ「アトミラール、起きて!!アトミラール!!」
提督「ん……プリンツ?どうしたんだ?」
プリンツ「アトミラール!!これ、見てください!!」スッ
提督「んー?……っ!!プリンツ!!」
提督(差し出されたものは体温計にも見えるソレ。ラインが、二つ浮き出ていた。それが意味することは……!!)
プリンツ「私、妊娠しましたよ!!」ダキッ
提督「プリンツ……!!よくやってくれた!!」ギュッ
プリンツ「はい!!」
提督(プリンツはとても喜んでいた。俺も、とても嬉しかった。そして、ビスマルクも祝福してくれた)
ビスマルク「おめでとう、プリンツ!アトミラール!!」
プリンツ「ビスマルク姉さま、ありがとうございます!!」
提督「ああ、ありがとう!!」
提督(三人で一緒になって以来、最悪になっていたビスマルクとプリンツの関係は少しづつ改善されていった)
提督(そして、今では以前ほどではないにせよかなり良好な関係に戻っていた。心配していたが、良かった)
プリンツ「見てください!!これが母子健康手帳ですよ!!」
ビスマルク「ふふ、良かったわね!!……」ギュッ
提督「……!!」ハッ
提督(今、理解した。何がビスマルクを苦しめているのか。どうして気がつかなかったのか)
提督(馬鹿か俺は……話をしなくてはならない。俺はその後、タイミングを見計らってプリンツに頼みごとをした)
提督「プリンツ」
プリンツ「どうしたの?」
提督「今日、ビスマルクと二人で出かけてきたいんだが……いいかい?」
プリンツ「もちろん。……何か話さなくちゃいけないことがあるんでしょ?」
提督「っ!……よくわかったな」
プリンツ「姉さまの様子がおかしいことには私も気がついていたから。……姉さまのこと、よろしくお願いしますね」
提督「ああ、まかせてくれ」
提督(こうして俺はその晩ビスマルクと二人で出かけることとなった。2人っきりのデートだ)
プリンツ「では、行ってらっしゃい。アトミラール、ビスマルク姉さま」
提督「行ってくるよ」
ビスマルク「行ってくるわ」
提督(車で出かける。クラシックを聴いてレストランでディナーを済ませる。そして、そのまま夜景を見に行った)
ビスマルク「すごい……」
提督「君の為の宝石箱だ。ってのは、クサすぎるか」
ビスマルク「アトミラールに言われるのなら、悪くないわね」
提督「そうか。……」
ビスマルク「……何か、言いたいことがあるんでしょ?」
提督「っ!わかるか……」
ビスマルク「誰だと思っているの?私は、貴方の妻よ」
提督「そうだったな。……子供のことだろう?君が悩んでいるのは」
ビスマルク「やっぱり……分かっちゃう?」
提督「……俺は、君にどうしてあげられる?」
ビスマルク「……私は、いいのかしら。一度堕胎した私に、子供を身籠る資格なんて……あるのかしら?」
提督「あるとも」
ビスマルク「っ!!……どうして、そう思うの?」
提督「償いは何も子供を作らないことじゃない。君がそう思うのも分かるが、だからって子供をつくってはいけないわけないよ」
ビスマルク「……そうかしら?」
提督「そうだとも。俺たちはちゃんと立派に育て上げる。きっとできる。だから、心配しなくていい」
ビスマルク「アトミラール……」
提督「ビスマルク」ギュッ
ビスマルク「あっ……」
提督「ビスマルク、俺は君が好きだ。君に俺の子供を産んで欲しい。頼むよ」ササヤキ
ビスマルク「っ…… J, ja……!!」コクリ
提督「ありがとう……!!」チュッ
ビスマルク「こ、こちらこそ……んぅ!!ん……ちゅっ……」ギュッ
提督(そのままビスマルクと口づけする。互いに強く抱きしめ合い、愛撫し合い、舌を絡ませ合う)
提督(そこで周りに他のカップルがいることに気がつき、赤面しつつ車に戻った。)
提督(ビスマルクを連れてホテルに行く。シャワーを浴びるのももどかしい。部屋に入ってすぐビスマルクを抱き寄せる)
提督(キスをして、ベッドに押し倒し、服を脱がせた)
ビスマルク「あ、アトミラール……汗とかかいてるから、シャワーが浴びたいわ」
提督「我慢できない。良い匂いだから大丈夫だよ」クンクン
ビスマルク「は、恥ずかしいからにおいを嗅がないで……んっ!!」カァッ ビクン
提督(ショーツをずり下ろして、露わになった秘所に吸い付いた。それからじっくりと前戯をしてよがらせる)
提督(何度もイかせてすっかり体ができあがったビスマルクにフェラをさせつつ、自分を慰めさせた)
提督(互いに準備がばっちりできたところで、ビスマルクにおねだりさせる)
提督「どうしてほしいか言ってみな」
ビスマルク「っ!!恥ずかしいわ……」
提督「聞きたいんだ。まだ止めたくはないだろう?」
ビスマルク「……入れてちょうだい」カァッ
提督「違うだろう?孕ませてください、だ」
ビスマルク「!!……は、孕ませてください」ゾクゾクゾク
提督「なら、脚を広げて、自分で開いてくれ」
ビスマルク「もう……!!これで、いいかしら?」クニッ クパァッ
提督「ああ、完璧だ……!!」
ビスマルク「んっ……ふぁああ……!!入ってくる……!!奥まで……入ってる……!!」ズプッ ヌプププププ
提督「ビスマルク……!!子宮がおりてきているみたいだな……?」コツン コツン
ビスマルク「ああ!!も、もっと……もっと私を愛して、孕ませて……?」ビクン
提督「いいだろう……!!」
提督(そのままねちっこくせめる。よがるビスマルクを見ていると精子がたまっていくようだ)
提督(もうこれ以上は無理だというほどまで耐え、いよいよフィニッシュするためにせめたてていく)
提督「ビスマルク!!中に出すぞ!!お前を孕ませてやる!!」パンパンパン
ビスマルク「ああ!!きて!!きてぇ!!あなた!!私を孕ませて!!赤ちゃんを頂戴!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(きゅっと締まる感覚。俺は、この子を孕ませてやるんだ。この子のすべてを、……取り返すんだ)
提督「孕め!!孕め!!孕め!!っ……孕めええええ!!」ベチン ビュルルルルルルルル
ビスマルク「Ja!!Ja!!産んであげる!!産んであげるからっあ、ああああああああ!!」ビクンビクビクン
提督(ビスマルクの一番奥深くで果てる。直接子宮内に注ぎ込むような感覚。本能が満たされる)
ビスマルク「はぁ……はぁ……アトミラール」
提督「……どうした?」
ビスマルク「抱きしめて。キスして」ジッ
提督「もちろんだ」ギュッ
提督(もちろん一回で終わるわけがなかった。その日、結局俺たちはホテルに泊まった。そして翌朝、軽く朝食を取ってから帰宅する)
提督「ただいま」
ビスマルク「ただいま」
プリンツ「おかえりなさい、アトミラール。ビスマルク姉さま」
ビスマルク「プリンツ、あのね……私も、アトミラールと子供をつくることにしたの」
プリンツ「そうですか!頑張ってくださいね!」
ビスマルク「ええ!ありがとう!」
提督(靴を揃えて家に上がる。そしてビスマルクに続いてリビングへ入ろうとしたところだった)
プリンツ「……」グイッ
提督「っ!?」
提督(プリンツに引っ張られる。いきなりのことに俺は反応できない。そのまま壁ドンの体勢になった)
提督「ぷ、プリンツ?」
プリンツ「朝帰りとは聞いていませんでしたよ?」ジッ
提督「す、すまない……!!」
プリンツ「したんですよね?セックス。それも、生で中出しの子づくりセックスですよね?」
提督「そうだ……!!」
プリンツ「それが悪いとは言いませんが、一晩寂しく過ごした私をどう慰めてくれるのか……期待してますからね?」
提督「!!ああ、もちろんだ。プリンツ」チュッ
プリンツ「んっ……ちゅぅ……もう、これだけじゃ足りませんからね!!……朝ごはんは作っておいたんですけど……食べてますよね?」
提督「君が作ってくれたものを食べないわけがないだろう?いただくよ」
プリンツ「!!じゃあ、用意しますね♪」
提督(慰めについては後日、プリンツと一緒に二人っきりでお泊りデートに行くことで満足してもらえた。行先は温泉だった)
提督(混浴の時、周りの男の視線が気に食わなかったが、男として誇らしくもあった。プリンツにも喜んでもらえてよかった)
提督(ともかく、こうして俺はビスマルクとも子づくりを始めた。そして、その努力はすぐに報われた)
ビスマルク「アトミラール、話があるの」モジモジ
提督「どうした?」
ビスマルク「あのね……できたの!!」
提督「ビスマルク……!!良かった!!やったな!!」
ビスマルク「ええ!!アトミラール……貴方と私の赤ちゃんよ!!」
提督(本当にうれしかった。俺とビスマルクの子供だ。いつか穢されてしまった思いが、報われた気がした)
プリンツ「おめでとうございます!!アトミラール!!ビスマルクお姉さま!!」
ビスマルク「ありがとう、プリンツ!!」
提督「ありがとう!!……二人とも、はじめての子育てで大変だろうが、俺もできることは何でもする」
提督「だから、三人で一緒に頑張ろう!!」
ビスマルク&プリンツ「「Ja!!」」
提督(それから数か月。プリンツとビスマルクはともに母子ともに健康で、お腹の子もすくすくと成長していた)
プリンツ「あ、今お腹を蹴ったよ。アトミラール」
提督「おお、そうか!元気な子だな!」ナデナデ
プリンツ「そうだね、ふふ。早く生まれておいで。パパもママも待ってるからね」ナデナデ
ビスマルク「はい、夕食ができたわよ」スタスタ
提督「ビスマルク!できたら呼んでくれっていったろ?君は妊娠しているんだから」スクッ
ビスマルク「不安なのはわかるけど、あまり過保護にしないで。何度も言ったと思うけど、妊婦は体を動かさないとダメなのよ」コト コト
プリンツ「そうですよ。運動しないと、つわりとかいろいろ酷いことになるんだから」
提督「そ、そうか……そうだったな……すまない……」
ビスマルク「謝らないで。私を気遣ってくれたんでしょ?その気持ちは嬉しいわ!」
提督「そう言ってもらえると、幸いだ。……君も、随分お腹が大きくなってきたな」
ビスマルク「ええ、そうね。早くこの子に会いたいわ」ナデナデ
提督(いろいろとあって大変だった。それに、今の俺たちは人から見れば普通じゃないだろう。だが……)
提督「なあ、ビスマルク。プリンツ。俺は今、本当に幸せだ!!」
ビスマルク「どうしたのよ、いきなり」
プリンツ「何かあったの?」
提督「いや、言いたくなったんだ」
ビスマルク「そう。私も、とっても幸せよ!!」ダキッ
プリンツ「私も幸せです!!」ダキッ
提督(二人が満面の笑みで俺の腕に抱き付いてくる。両腕に感じる、大切な二人の体温が心地いい)
提督(願わくは、この幸せが永遠と続きますように。そのためなら俺は努力を惜しまない。俺は、改めて強くそう思った)
どうも、作者です
長らく続いてしまいましたが、これにて完結です
今まで読んでいただきまして、ありがとうございました
いろいろとおかしなところや至らぬところがあったかと思いますが、
よろしければアドバイスなど頂ければ幸いです
あるか分かりませんが、もしあった時の参考にさせていただきたいです
書いてみたいネタがいくつかあるので、かければいいなと思います
後は少し思いついたけど本編で書けなかった小ネタを書き込む予定です
本当にありがとうございました
乙
楽しめて読めたけど、次回作ってことでもいいから加賀みたいなNTRその後みたいな
乙
友と飛龍のエロはやく!
>>880 >>882 が、頑張ります!
ドイツ軍はまあこういう話なら登場せざるを得ないということで出しました
実はドイツ軍はもう少し出番がある予定だったんですが寄り道過ぎるし、
オリキャラは嫌われるかなと思ってカットしました
名前付きが出たのもその名残です
ヨゼフィーネ・メンゲレ大佐の元ネタは皆さんご存知のヨーゼフ・メンゲレ博士です
私は某陽炎が大活躍するノベライズのファンなので、
艦娘の出自はその設定を使わせていただいております
しかし、適正で採用されるなら不採用になる人もいるはず
彼女もまた採用されず、しかし納得がいかなかったため採用された友人だったプリンツを調べて
何が問題だったのかを調べようとしたのです
その結果どうなったかはまあ、読んでいただいた通りです
ドイツ軍は終戦に伴って本国へ帰還しました
プリンツとビスマルクは退役したので、
どこにいるかは把握されていますが何をしているかは特に調べられていません
まあ、もしバレたとしたら問題になるんじゃないかと思いますが、
あの二人なら何とかして隠し通すのでしょう
瑞鶴はすでに失恋から立ち直っていたので、
恐らく新しい恋を見つけていずれ誰かと幸せになると思います
ハーレムについては知りません
提督たちは周りにひた隠しにしているのでばれないでしょう
今はたぶんペンフレンドくらいなのだと思います
もし瑞鶴がハーレムを知ったらどうなるかは分かりません
想いが反転するのか、それなら自分もとなるのか
恐らく提督の対応次第ですけど提督は受け入れないと思います
整合性については申し訳ありません
自分なりに取れているつもりだったのですが、完全に私の力不足です
このSSは
プロローグ "おかしくなった提督の妄想"
一部 "取り返す"
起 実はNTRれておかしくなっていた提督
承 おかしくなった提督と健気なプリンツ
転 提督が正気に戻る
結 ビスマルクを取り返す
二部 "二人と提督"
起 無事に取り戻した提督とプリンツの略奪決意
承 徐々に関係を進展させるプリンツと悩みつつもビスマルクを選ぶ提督
転 極限状態に加え選ばれなかったプリンツが強引に迫って関係を持ってしまう
結 提督の決断
エピローグ"その後"
って感じでした
乙
ハーレム好きだから良かった
元スレ
SS速報R:提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1476205490/
プリンツ「あ、そっか……飲んだ後、そのまま寝ちゃったんですね」
提督「そうだろうな」
プリンツ「……今、私何か変な事口走りませんでしたか?」
提督「いや、特に言っていなかったが?」
プリンツ「そうですか……」
提督「食事を作ったんだ。腹が減っているだろう?」
プリンツ「あ、ありがとうございます」
提督「シャワーを浴びていくか?」
プリンツ「はい。あ、でも着替えがありません……」
提督「ああ、そうか……買ってくるか?車でひとっ走りしてくる」
プリンツ「!?……お、お願いします」
提督「っ!!すまん!配慮が足りなかったな……その、サイズとかは?」
プリンツ「その……ゴニョゴニョゴニョです……///」
提督「わ、分かった……///じゃあ行ってくる!!先に食べていてくれ!!」
プリンツ「あ、でも……」
提督(なんてことだ、寝ぼけていた!本当に配慮が足りなかった!自分の至らなさが申し訳ない)
提督(俺はプリンツの言葉を聞かずに車へ向かう。赤い顔を見られるのが恥ずかしかった)
提督(車を出してコンビニに向かったが、なんという不幸だろうか!最後の一個を目の前で取られるコーラを買って他の場所へ)
提督(無事手に入れられたが、店員の視線が痛い……気がする。時間がかかってしまった。すぐに戻る)
提督「プリンツ、今戻った」
プリンツ「あ、提督!このシャツ、洗濯物で畳んであったんですけど……勝手に使わせてもらってますね?」
提督「あ、ああ!気にするな!ほら、これが着替えだ!後は男物で悪いが、俺のを適当に見繕ってくれ!何でもいい!」
プリンツ「ありがとうございます」
提督(プリンツは、なんと彼シャツ状態だった。いや、俺がプリンツの彼氏なわけではないが……)
提督(サイズの大きい俺のシャツが何とかプリンツの大事な所を隠していたが、少しめくれるだけで丸見えだろう……)
提督(さらに胸元はやはりきついのかぱっつんぱっつんになっていてボタンとボタンの間から肌色が見えていた。大変よろしくない)
提督「じゃあ俺はリビングで待ってるからな!帰りは送っていく!」
プリンツ「分かりました。ありがとうございます」
提督(リビングに戻ると食事が二つとも残っていた。待っていてくれたのか)
提督(結局、着替え終わったプリンツと共に食事をとって車で送っていく。宿舎の前で別れ、楽しい時間が終わった寂寥感に浸りつつ家に戻った)
659: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:06:00.72 ID:5CZ3sfEx0
~
ビスマルク「えっ……」
ビスマルク(今日は提督の元へ戻る日だった。移動の車の中で、私は暇をつぶすためにI Phoneをいじっていた)
ビスマルク(それを見つけたのは偶然だった。ただ、ニュースをチェックしていて、そして気になる記事を見つけた)
ビスマルク(それはドイツのメタルバンドが初来日してライブを開いたという記事だ。たしか、プリンツのお気に入り。見てみることにした)
ビスマルク(そして、そのライブの写真。最前列にいたのはプリンツと、……プリンツを後ろから抱くように立っているアトミラールだった)
ビスマルク「……う、嘘。嘘よ、アトミラール……」マッサオ
ビスマルク(そんな事、ありえない。だって、アトミラールは私の……)
ビスマルク「……」フルフルフル
提督『すまないが、明日の夜はちょっと用事があってな。電話できないんだ』
ビスマルク『そうなの?またお友達と?』
提督『ああ、そうだ』
ビスマルク(ライブについて詳しく検索する。他に画像があるかもしれない。すると、またある記事を見つけた)
『クソエロイ金髪美女がライブ前に公衆の面前で立ちバックしてやがるwww』
ビスマルク(なんと、ライブ前に立ちバックをしていた奴がいたらしい。手が震える。まさか……)
ビスマルク(そのページを開いてみる。どうやら立ちバックではなくライブ前にセクシーダンスをしていたカップルについての記事だった)
ビスマルク(そしてアップロードされていた画像に映っていたのは、加工されていたけれど間違いない……!!)
ビスマルク「アトミラール……アトミラール……!!」ウルッ
ビスマルク(信じられない……アトミラールがプリンツと……)
ビスマルク「ぐすっ……あとみらーるぅ……」ポロポロポロ
ビスマルク(どうして……アトミラールは私の……信じられない……なんで……きっと何かの間違いよ)
提督『ビスマルク!!』
ビスマルク「っ!!」
ビスマルク(絶望に押しつぶされそうになった時、アトミラールの顔が脳裏に浮かんだ。あの、私を見つめる強い意志を持った瞳を思い出す)
ビスマルク(そうよ……!!きっと何かの間違いだわ!!あのアトミラールがそんな事するわけないもの!!電話だってずっと欠かさなかったわ!!)
ビスマルク(ただ一緒にライブに行っただけで、あのダンスだってきっと成り行きで踊ることになっただけよ!!)
ビスマルク「そうよ……絶対そうなんだから……アトミラールは、私の夫なんだから……!!」ギュッ ブルブルブル
ビスマルク(ひたすらそう信じる。そうでないと狂ってしまいそうだった。恐れていたことが実際に起きたのなら、私は……)
ビスマルク(あと一時間はかかる。それが煩わしかった。今すぐにワープでもできればいいのに)
660: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:08:56.03 ID:5CZ3sfEx0
~
プリンツ「……」
プリンツ(今日はあの女が戻ってくる日だ。私は、できることは全てやった。アトミラールとの関係をできうる限り深められたと思う)
プリンツ(今すぐに、となればいいけれど。きっとそうはならない。アトミラールはそういう人だから)
プリンツ(そんな簡単に済むのなら、今日までの間で手を出されていただろう。その機会はたくさんあった)
プリンツ(だからこそ好きなんだけど。けど、何もなかったとしても、もう何度も夜を共に過ごしている)
プリンツ(下地はできあがっているんだ。少しずつ、少しずつ、頑張ってきた。そして今日は前哨戦)
プリンツ(何もしなければ、アトミラールはこのままあのビッチに絆されてしまう。けど、そうはさせない)
プリンツ(ここで橋頭堡を確保する。私という存在をアトミラールに刻み込む。そうすれば私の勝利だ)
プリンツ(私とあいつの決戦になれば、勝ってみせる自信がある。私があんな浮気女に負けるわけない)
~
提督(今日は、ビスマルクが戻ってくる日だった。俺は、とうとうこの日が、ここでまたビスマルクと会う日が来たかと感慨深かった)
提督(もうすぐここに戻ってくる。そうしたら思いっきり抱きしめてやる。俺がどんなに寂しいと思っていたか)
提督(そしてどんなに俺が幸せかということを、どんな手段を使ってでも教えてやる。ディナーの予約も完璧、準備は万端だ)
プリンツ『アトミラール!!』
プリンツ『だい……すき……』
提督(プリンツのことが脳裏によぎる。彼女のことは好きだし、感謝している。何でもしてあげたいぐらいに)
提督(だけど、それはLikeの意味だ。俺が一番愛しているのはビスマルクなんだ。それは、変わらない)
提督(待ちきれないという気持ちと少しのモヤモヤを断ち切るように時計を確認する。もうそろそろのはずだった)
プリンツ「アトミラール、失礼します」
提督「プリンツ、どうしたんだ?」
プリンツ「……とうとう今日ですね、アトミラール」
提督「!ああ、そうだ。長かった」
プリンツ「……アトミラールは、あの女を許すんですか?」
提督「!!……プリンツ?」
プリンツ「……場所を変えましょう。ここでは誰が来るか分かりませんから」
提督「……分かった」
提督(時間が気になるが、これは避けては通れない話だ。後回しにすることも許されない)
提督(プリンツについて行き、普段は人が来ない空き部屋に入る。倉庫として使っている場所だ)
661: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:12:21.73 ID:5CZ3sfEx0
プリンツ「アトミラール……ビスマルクが何をしたのかお忘れですか?」
提督「まさか。だが、あれはビスマルクがやりたくてやったことではない」
プリンツ「何故そう言い切れるのですか?」
提督「……あいつは、泣いていたんだ。俺のもとを去る時、セックスの快感で冷静な判断ができる状態になかったにもかかわらずにな」
提督「快楽に蕩けた顔ではない。悲しそうな泣き顔だ。思えば、兆候は……あいつが助けを求めているサインはいくつもあった」
提督「だが俺は気がつけなかった、最後のあの涙の時でさえ。そこからあいつは壊れた。あの男が好きと思い込むしかなかったんだ」
プリンツ「……だとしても、あいつは穢れた存在です。それに、あんなの騙される方が愚かです」
提督「人は、時には思わぬ間違いをすることがある。周りから見ていれば理解不能でも、過ちを犯してしまうことがあるんだ」
プリンツ「それでも過ちは過ちです。あいつのせいでどんなに貴方が傷つき、苦しんだか忘れたわけではないでしょう?」
提督「……だが、それは」
プリンツ「本意でなかった?かもしれませんね。ですが、それでもあなたの傷が癒えるわけではありません」
プリンツ「失望や怒りがありますよね。あんなことをされたのだから当然です。けど、それを無理に押さえつけている」
提督「……それでも、だ。それでも、俺はビスマルクを……」
プリンツ「アトミラール。貴方のビスマルクへの想い……それは本当に愛ですか?」
提督「……何が言いたいんだ?」
プリンツ「本当にビスマルクが好きなのですか?……その気持ちは、憐れみや同情ではありませんか?かつての愛の成れの果てではないんですか?」
提督「ち、違う!!俺は本当に……」
プリンツ「アトミラール」ダキッ
提督「っ!!」
プリンツ「もし、あなたがビスマルクに対して何らかの罪悪感があるなら。……それは間違いです。決してそう思う必要はありません」
プリンツ「アトミラールは、自分の幸せのためにしたいことをしていいんです。それを咎めることなんて、誰にもできない」
提督「プリンツ……」
プリンツ「しがらみなんてすべてなくしてください。周りを見渡してみてください。きっと何か良いアイデアが浮かんでくるはずです」
提督「……」
プリンツ「……ちゅっ」
提督「!!??」
提督(プリンツの言葉に動揺していた俺に、彼女はいきなり口づけする。唇を重ねるだけの、初々しいソフトなキス)
提督(時が止まった。俺は、拒むことも、振り払うこともできなかった。ただ、その暖かさ、プリンツの熱が心地よかった)
提督(しばらくして、我に返る。プリンツは、それを察したのか自ら唇を離した)
662: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:14:27.07 ID:5CZ3sfEx0
プリンツ「……私の、ファーストキスです」ジッ
提督「な、なんで……」
プリンツ「忘れないでくださいね。私は、いつでも貴方の味方で、貴方を見ていますから」
提督「お、俺は……俺は……」
プリンツ「貴方のためなら、何でもできます。では、失礼しますね」
提督(プリンツが部屋を出ていく。俺は、ただ何もできずにいることしかできなかった)
提督(しばらくして、ようやく気力が回復する。何とかして執務室へ向かう。頭がおかしくなりそうだった)
提督(プリンツがまさかあんな行動に出るとは思わなかった。もう誤魔化せない。自覚せざるを得ない。……俺は、今やプリンツも愛している)
提督(また、彼女が言った通り、俺はビスマルクに対して確かに失望や怒りを覚えているのだ)
提督(もちろん、ビスマルクのことを愛しているのは本当だ。ああして奪い返したことに無上の喜びを感じている)
提督(もう一度、二人でやり直す。それを望んでいる。その為に、俺は自らの不満に蓋をしていた)
提督(それがプリンツの言葉で一気に膨れ上がった。バックドラフトのように大きく燃え盛る)
提督(どうしてあんな馬鹿みたいな手に引っかかったのか。どうして一度は完璧に裏切ったのか)
提督(殺してしまいたい。散々に痛めつけて、身も心もすりつぶして、自殺させてやりたい)
提督(自分が大きな罪を犯した汚い人間だと自覚させて、『ごめんなさい、赦して』と泣きすがるのを冷たく切り捨ててやりたい)
提督(もはや言葉にしきれないこのくらい感情をどうすればいいのか。どうすれば満足なのか自分でもわからなかった)
提督「……っ」
提督(そして、執務室前の廊下に来たところで気がつく。扉の前で膝を抱え、体育すわりの格好でうつむいているのは)
ビスマルク「……」
提督(俺がずっと待ち望んでいたはずの女性だった)
663: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:20:40.77 ID:5CZ3sfEx0
~
ビスマルク「……!!」スタスタスタスタ
大和「提督に指揮を任されたわ!!理由が理由だからちょっとアレだけど……っ!?ビスマルク……さん……!!」ビクッ
武蔵「やったじゃないか。やはり提督はお前を評価しているってどうした?っ!!ビスマルク!?久しぶりだな!!その……元気だったか?」
ビスマルク「久しぶり、二人とも。ええ、元気よ。そちらも元気そうで何よりだわ」
ビスマルク(すれ違う皆は、驚きつつもいつも通りの対応。私が何をしてしまったかは知らされていないようだった)
ビスマルク(そうよ。そこまで配慮してくれているアトミラールが、私を……捨てるなんて……ありえない!!)
ビスマルク(急ぎ足で執務室へ向かう。そして、ようやく執務室前の廊下までたどり着いた時に見たのは)
プリンツ「……」スタスタ
提督「……」スタスタ
ビスマルク「……!!」ガーン
ビスマルク(連れたって向こう側へ歩いていくアトミラールとプリンツだった。心が底なしの落とし穴へ落ちていく感じ)
ビスマルク(けど、まだ決まったわけじゃない。ただの話し合いかもしれない。いや、そうに決まってる)
ビスマルク(二人に気がつかれないように後をつける。人気のない方へ行き、確か倉庫のはずの部屋に入っていく)
ビスマルク(この時点で私の心は限界だった。震えが止まらない。耳を当てても、何を話しているのかまで聞き取れない)
ビスマルク(しばらく粘ったが、諦める。気がつかれないことを祈りながら扉を少し開けた)
ビスマルク(隙間からカメラを起動したスマホを差し入れ、中を確認する。画面に映っていたのは)
プリンツ「……」ダキッ チュッ
提督「……」
ビスマルク「…………」サァッ
ビスマルク(プリンツに抱き付かれて、唇を重ねているアトミラールだった。すべてが終わった気がした)
ビスマルク(しばらくの間、固まっていた。二人は未だに口つけを交わしている。これ以上見たくない)
ビスマルク(スマホを抜き出し、気がつかれないようにドアを閉める。ゾンビのように歩いて、いつの間にか執務室前に戻ってきていた)
ビスマルク(立っていられず、座り込む。アトミラールへの怒りが湧き上がってきた)
ビスマルク(よくも……よくもこんなひどいことを……!!殺してやる!!破滅させてやる!!)
ビスマルク(あとで後悔したってもう遅い!!謝られたって赦してやるものか!!だけど、そこで気がつく)
ビスマルク「先にそういうことをしたのは、私の方だ……」ウルッ
ビスマルク(これほどの絶望と憤怒、そして苦痛を受けて、そして私に敵意を向けられ、罵られてもなお)
ビスマルク「アトミラールはあの時、私を……自分が撃たれてまで……」ポロポロポロ
ビスマルク(もう何も考えられなかった。混沌が自分の中で渦巻いていた)
664: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:22:59.72 ID:5CZ3sfEx0
~
提督(俺は、ビスマルクへ歩み寄る。しかし、胸の中には複雑な感情がうごめいていた)
提督(もう気がついてもおかしくないが、しかしビスマルクは気がつかない。あるいは、あえて反応していない)
提督(そもそも、なんであんなところでああしているのか?苛立ちが募る。つかつかと歩いていき、目の前に立つ)
提督「……何をしている?」
ビスマルク「っ……」スッ ジッ ツゥ
提督「!」
提督(声をかけ、顔を上げたビスマルクは泣いていた。涙が流れ、目が赤い)
提督「……ど、どうしたんだ?」
ビスマルク「……プリンツと……付き合っているの?」
提督「!?」
ビスマルク「さっき、貴方のところへ挨拶来た時、見たわ。……プリンツが貴方と向こうへ行っているのを」
提督「……」
ビスマルク「嫌な予感がして、後を追ったの。そしたらあなたとプリンツが話しているのが聞こえたわ」
提督「っ……」
ビスマルク「何を話しているかまで聞き取れなかったから、ドアを開けて中を確認したの」
ビスマルク「そしたら、見えたわ。……貴方がプリンツとキスをしているのが」
提督「……」
ビスマルク「……何か言ってよ」
提督「っ……き、君が言うのか?」
ビスマルク「っ!!ぐすっ……言って、くれたじゃない……戻ってきてくれって。貴方には私が必要だって……」
提督「!!」
ビスマルク「あの男の所に乗り込んで、私にそう言ってくれたじゃない……だから私は、もう何もかもめちゃくちゃでも……」
ビスマルク「それでも、貴方を頼ったのよ……あなたが好き。愛してる。それが、私の本当に本当の想いなの……」
提督「どうしてっ……今更……」
ビスマルク「貴方が言ってくれたからよ……!!貴方が目を覚まさせてくれたからよ……!!」
ビスマルク「私は今、とても苦しい……胸が張り裂けそう!!貴方はプリンツを選ぶの!?」
提督「……」
ビスマルク「なら、なんで私を助けたのよ!!現実でこんな思いをするぐらいなら、たとえ歪な幸せでも、ワルイユメでも……」
ビスマルク「っ……さ、覚めないほうが良かった……!!」
提督「っ!!!!……!!」
665: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:31:30.20 ID:5CZ3sfEx0
提督(あの男を肯定するような発言に、怒りが爆発しかける。しかし、ビスマルクの、なんだかんだあっても好きな子の泣き顔がそれを抑えた)
提督(俺は、ビスマルクを取り返したかった。それは、ビスマルクの為であり、何より俺自身のためだった)
提督(憎い敵に復讐し、好きな女を取り戻すために、その女の歪とはいえ、幸せを破壊しつくしたのだ)
提督(そこで、もし俺がその女を捨てたらどうなる?彼女に残されるのは、絶望だけだろう)
提督(だが、俺の中のこの負の感情ももはや押さえつけることはできない。胃が焼けるように痛い。かすれる声で不満が漏れだす)
提督「……君はなぜ、あんなことをしたんだ?俺は、本当に君が好きで、信じていたのに……」
ビスマルク「っ……」ブルブルブル
提督(俺のその、絞り出すような声に、ビスマルクは可哀そうなほどに震える。恐怖と後悔、痛みのために青い瞳が揺れていた)
提督(口にするだけでもこうなるのか。いや、そうだろうな。ビスマルクは言葉を紡ぐのに苦労して、しかしやっとのことで語り始めた)
ビスマルク「……知ってると思うけれど、私が日本に来た時に初めて整備を担当したのがあの男だったわ」
ビスマルク「日本について何も知らなかった私は、あの男の言う日本式の整備を受けた」
提督「おかしいとは思わなかったのか……!?」
ビスマルク「もちろん、思ったわよ……!!けど、そんなことでいちいち文句を言ったりすると貴方に迷惑が掛かって、嫌われるって……」
ビスマルク「私は貴方が好きだから、万が一嫌われたらって思うと……話せなかった……我慢したわ……」
提督「それで、あの日につながると?」
ビスマルク「整備を拒否した私に、事情を知らないあなたが命令したわ。……だから、受け入れざるを得なかった」
提督「どうしてその時言わなかった!?迷惑をかけるって……整備拒否の時点でかかってると思わなかったのか!?」
ビスマルク「好きな人に、あんな男に穢されてるなんて言えると思う!?私は、……言えなかった」
提督「……」
ビスマルク「……感じたことのない快感、自分の体があの男に変えられていくのが嫌でもわかって、怖かった」
ビスマルク「でも、どうしようもなかったのよ……」
提督「……それが、どうしてあれに繋がる」
ビスマルク「……きっかけは、あなたが寝ているときに前の奥さんの写真を見た時よ」
ビスマルク「この想いはかなうことがないんだと思ったら、どうでもよくなった。全部どうでもいいと思った」
提督「それで股を開くのかお前は……」
ビスマルク「っ……ええ、そうね。結果的に、そうなったわ」
提督「……言い訳があるなら、言ったらどうだ?」
ビスマルク「……今までそういったことをしたことがなかったから、その先を知りたかったってのもあるかも。……後悔しているわ」
提督「なんでそんな馬鹿な真似を……!!」
ビスマルク「自分でも今考えると分からないの……!!けど、あの時はもうどうでも良くて、そうしてもいいって気になっちゃったのよ……!!」
提督「……それで」
ビスマルク「……あの男に抱かれて、はしたなくよがって。……きっとあの時、妊娠した」
ビスマルク「だから貴方を諦めようと思って、遠くから眺めていた時に……告白された」
ビスマルク「泣いたわ。どうしてこんなことになったんだろうって。もう私には提督と一緒になる資格がないんだって」
666: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:35:22.98 ID:5CZ3sfEx0
提督「……」
ビスマルク「……それでも、貴方が私を選んでくれたことが嬉しくて、本当にうれしくて」
ビスマルク「いけないと思っていても、断れなかった。断りたくなかった」
提督「……もしあの後でああならなかったとして、お前はあれとの子供を俺に育てさせるつもりだったのか?」
ビスマルク「……怖くて、貴方の子じゃないのなんて言えなかった。堕胎しようにも、それこそ言わなくちゃできないから……」
提督「……」
ビスマルク「そうね、たぶん悩んでいる間に取り返しがつかない所までいっちゃって、産んでたと思う……」
提督「……」
ビスマルク「……そうしたら、貴方の子供として育てていたかもしれないわ」
提督「はっ……しれないだけか」
ビスマルク「っ……していたわ、きっと……ごめんなさい……」
提督「……続けてくれ」
ビスマルク「……貴方と結ばれて、けどあの男にいろいろされた私は、……貴方の労わるような優しいセックスじゃ満足できなかった……」
ビスマルク「もっと、快楽を貪るような、獣のようなセックスじゃないとダメだったの……でも、言い出せなくて」
ビスマルク「そこにあの男が来て、私を無理矢理犯して……私も抵抗したけ……いえ、抵抗らしいこともできずにされるがままで……」
ビスマルク「久しぶりの、凄い快感を伴うセックスで、頭がおかしくなっちゃって……私を助けようとしたあなたに、あ、あんなひどいことを言っちゃって」
ビスマルク「気がついた時にはもう取返しがつかないことをしてしまった後で、もう私にはあの男しか頼れる人はいないんだって思った」
ビスマルク「だから、私は、あの男を好きになるように、努力したの……」
提督「……チッ」
ビスマルク「っ……そうね、私は頭空っぽのビッチでしょうね……」
ビスマルク「けど、やっと自分を心から騙せた頃になって貴方が私の所に来てくれて」
ビスマルク「そして、まだ間に合うって……や、やり直そうって、言って、くれたからぁ……だからぁ……!!」ウルッ
ビスマルク「かりそめの気持ちなんて吹き飛んだわ!!どんなに自分を偽ろうとしても、やっぱり無理なの……!!」
ビスマルク「お願い、何でもするわ!!だから私を捨てないで……私といて……!!」ガシッ
提督「ビスマルク……」
ビスマルク「ごめんなさい……!!私はバカでした……もう二度としませんから、赦してください」ボロボロボロ
ビスマルク「あ、貴方がいないと……私はもうダメなの……生きていけないの……!!」
667: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:39:26.72 ID:5CZ3sfEx0
提督(俺の脚に縋り付き、涙を流すビスマルク。俺は心が痛かった。……俺は、あの時ビスマルクが何を思っていたのかを知った)
提督(本人からその話をちゃんと聞いたことは初めてだった。どうしてあんなことをしたのか。それを知れて、少しスッキリした)
提督(もちろん、理屈的にはそうかもしれないと思っても心では納得できない。けど、そんなもんだろう)
提督(人の心はそういうものだ。言葉ですべてを表すことはできないだろうし、理屈ですべてを説明することはできないんだ)
提督(怒りもすべては消えていない。けど、それでも俺はビスマルクがどうしようもなく好きなんだ)
提督(だからこそ、俺は……俺は、ビスマルクを立たせる)
提督「ビスマルク、立ってくれ」スッ
ビスマルク「……ええ」グッ
提督(そして執務室の中に入れる。扉の鍵を閉めた)
提督「君は、俺を愛しているのか?誰よりも?あの男よりも?」
ビスマルク「もちろん、誰よりもよ。それに、あんな奴……あんな奴!心から愛した事なんてないわ!」
提督「俺は、気がついてしまった。俺は君に対して怒りを感じているし、報いを受けさせたいと思っている」
ビスマルク「っ!!……」ジワァ
提督「でも、それでも君に対する一番の感情は愛だ。君が、本当に、心から好きなんだ」
ビスマルク「アトミラール……!!」ハッ
提督「どうか、もう二度とあんなことをしないでくれ。ずっと俺だけを愛すると誓ってくれ!!」
ビスマルク「ええ……ええ!!もちろんよ!!もう二度としないわ!!」コクコク
提督「何事も君を失うことに比べれば遥かにましだ。恥ずかしがったりすることは無いから、何かあったらすぐに教えてくれ」
提督「たとえ、俺のセックスが下手だとかそういうことでもだ。いいな?」
ビスマルク「分かったわ。もう二度と騙されたり、付け込まれたりしない」
提督「愛している、ビスマルク。俺を支えてくれ」チュッ
ビスマルク「はい、私も愛しています……!!よろしくお願いします!!……んっふぅ」
提督(ビスマルクに口づけする。久しぶりに感じるビスマルクの味、匂い、体温、そして存在感に幸せとほんの少しの苦しみを感じる)
提督(しばらくして唇を離すと、ビスマルクは名残惜しそうに自分の唇に触れた。そして恥じらう乙女のように告げる)
ビスマルク「アトミラール……その、し足りないわ。あと、……もっとディープなのがしてほしい」
提督「……それは、つまり?」
ビスマルク「私は貴方のものだって刻み込むような、そんなキスで上書きしてほしいの……」
ビスマルク「……あれがやっていたような、下品なキスがお望みか?」
ビスマルク「げ、下品……けど、そうかもしれないわね……」
提督(あんな勘違い男がやるような、舐めまわすようなのがビスマルクの好みなのか……いや、好みにさせられたのか……)
668: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:41:33.81 ID:5CZ3sfEx0
提督「それが、いいのか……」
ビスマルク「……その、無理なら我慢するわ」チラッ
提督「……あの男の影響か?」
ビスマルク「……そう、かも」
提督(ビスマルクがあの男にここまで穢されたのかと思うと吐き気がする。だが、悦ばせるためにはそれが必要か)
提督(……なら、いいだろう。お望みならば、お望みのものをやろうじゃないか)
提督(俺の中の愛憎を全て込めたような、相手のことを考えないようなのをしてやる。まるで強姦のような、そんなやつを)
提督(かつてビスマルクのふりをしてくれていたプリンツが言ったように、そういった性技は勉強した。実験台にしてやる)
提督(だが、そうすんなりとはいかせない。焦らしてからだ)
提督「……悪いが、今はまだ我慢してくれないか。そんな気分じゃないんだ」
ビスマルク「っ……そう、分かったわ」
提督「とりあえず、ひつような手続きなどを済ませてしまおう。来てくれ」
ビスマルク「分かったわ。……」シュン
提督(俺に受け入れられず悲しそうな表情をするビスマルクに、嗜虐心がくすぐられた。もしかしたら、そういう趣味なのかも)
提督(必要な手続きと連絡を済ませる。これでビスマルクは俺の艦隊に艦娘として復帰することになった)
提督「以上で全てだ。何か質問はあるか?」
ビスマルク「ないわ」
提督「よし、では解散。これが家の鍵だ。今日はもう戻っていいぞ」
ビスマルク「Ja wohl. ……」モジモジ
提督「……何だ?」
ビスマルク「あの……今晩、暇かしら?」
提督「……何かあるのか?」
ビスマルク「何かあるのかって……久しぶりの再会じゃない?ディネーとか、付き合ってあげてもいいのよじゃなくて!!」
ビスマルク「ディネーとか、どうかしら?特別な日だし……ね?」
提督「悪いが遠慮させてもらおう。どうやら敵の攻勢が近いらしくてな。忙しんだ」
ビスマルク「あ、そう……なら、何か手伝えることはあるかしら?」
提督「ありがたいが、今はまだないな」
ビスマルク「……分かったわ。夜は帰ってくるでしょ?」
提督「先に食べていてくれ」
ビスマルク「……待つわよ。待ってるから」
提督「そうか、ありがとう」
ビスマルク「ええ……じゃあ、またね」
提督「ああ」
ビスマルク「……」トボトボ
669: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:44:33.59 ID:5CZ3sfEx0
提督(背を向け、悲しげに扉へ向かうビスマルクに気がつかれないように忍び寄る)
ビスマルク「っ!?痛っ!」ビクッ ドンッ
提督(ドアノブに手が伸びたところで、肩を掴み強引に振り向かせる。驚くビスマルクを扉へ押さえつけ、俗にいう壁ドンに近い体勢になる)
提督(軽く頭をうち、顔をしかめるビスマルクを至近距離から睨みつける)
ビスマルク「っ……んぅ!?」
提督(怯えたような表情を浮かべるビスマルクに、俺は強引に唇を重ねた)
ビスマルク「んぅ……ふぅ……れろれろ」
提督(舌をビスマルクの咥内に侵入させる。抵抗なく開かれた口の中では、熱い舌が待ち受けていた)
提督(こわばっていたビスマルクの体がリラックスしていき、舌が絡みあい、手が首へ回されそうになる)
ビスマルク「んっ!?ふぁ……んぁ……」
提督(しかし、させない。手首を掴み、壁に押し付け、拘束する。ビスマルクはされるがままだ)
提督(色っぽい吐息をつきながら、艶めかしく舌を絡ませてくる)
ビスマルク「んふぅ……にゅる……ん゛ん゛!?っ……いはいいはい!!いはいは!!」
提督(舌を引っ込ませると、逃がさないとでもいうようにビスマルクの舌が追いすがってくる。俺はそれに噛みついた)
提督(もちろん、加減はしているがそれでも痛いはずだ。案の定、ビスマルクはくぐもった悲鳴をあげて、痛みを訴える)
ビスマルク「っ……」ジロッ
提督(ビスマルクの舌を解放すると、ビスマルクは口を離して抗議の視線を向けてくる。俺は無言でもう一度ビスマルクの口を貪った)
ビスマルク「んはぁ……ふぅ……にゅる……れろれろ……」
提督(舌を入れ、お望みどおりに貪るようにビスマルクの咥内を蹂躙する)
提督(片手でビスマルクの頭を強く抱き、もう片方の手でビスマルクの背中をなで、だんだんと臀部の方へ手を伸ばす)
ビスマルク「んはぁ……んふぅ……ぁあ……」
提督(ビスマルクが色っぽく熱い吐息を吐いた。手は首にまわし、脚を絡ませ、体を擦りつけてくる)
提督(服をかきあげ、むき出しになった柔らかい尻を、ショーツの上から揉みしだく)
提督(一通り堪能した後、手を前にまわした。ショーツの上からでもわかる。濡れている)
ビスマルク「んぁっ……だめぇ……そこはぁ……っふむぅ……れろ」
提督(ショーツの中に手を侵入させる。恥丘を覆う陰毛をなでつけ、はしたなく濡らしているそこを責めた)
提督(割れ目に沿って指で撫で、固くなっているそれを摘み、こねくり回す。これだけ濡れていれば問題ないだろう。中に指を入れた)
提督(慣らす必要はなさそうだ。指の腹で手前のGスポットをスクラッチするように刺激する)
ビスマルク「んはぁ……!!んぁぁ……!!はぁむ……!!」
提督(ビスマルクの反応に合わせてスピードを速める。俺は、口を離した。唾液の糸が淫らに垂れる)
670: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:48:56.15 ID:5CZ3sfEx0
提督「どうだ?」
ビスマルク「き、気持ちいい!おかしくなっちゃう!」
提督「あの男とどっちがいい?」
ビスマルク「それはぁ!はっ……!あ、貴方ですぅ!」
提督「悩んだな?嘘を吐いただろう。あっちの方がいいと思ってる」
ビスマルク「違う!違うぅ!好きな人にされたほうが良いの!」
提督「だが、気持ちよさでは向こうが上だな?正直になれ」
ビスマルク「ぅぅ……はぁ!は、……はい」
提督「どうされるのが好みなんだ?言ってみろ」
ビスマルク「もっとぉ……!強くして!もっと深く!そぅ……はぁあ!ああ!」
提督(もはや痛くするぐらいの力で刺激する。反応が良くなり、しばらく虐めたところでさらに奥まで指を入れる)
提督(ポルチオとGスポットを責めるようにした。一度、ビスマルクをイかせてしまおう)
ビスマルク「ああ!だめ!来ちゃう!!おかしくなっちゃう!!おかしくなっちゃう!!っ……ああああ!!」
提督(ひときわ強く抱きしめられ、中が締まる。しばらくして、波が収まったらしいビスマルクは少し離れた)
提督(そして、涎をたらしながら蕩けた顔でこちらを見つめている。青い目の中にはハートマークが浮かんでいるようだ)
ビスマルク「はぁー……はぁー……」
提督「少しは上手くなったか?」
ビスマルク「はぁー……す、少しどころか……スゴクうまくなってる……どうしたの……?」
提督「そうか」
提督(俺は、質問に答えず手を振りほどく。そしてしゃがんだ。目の前に、手マ○中にショーツがずり落ちて、秘所が露わになっていた)
提督(淫らな匂いが漂っている。俺は、その秘所に吸い付いた。少ししょっぱいが、ビスマルクの秘書を舐めていると思うと興奮する)
ビスマルク「はぁっ!!つぅ……!!あぁん!!」
提督(舌で突起を刺激し、強く吸う。淫らに響く水音に羞恥を覚えるが、我慢する。ビスマルクは腰が引けるが逃がさない)
提督(舌を中にまで入れる。膣壁を舐めるようにして責める。そしてまた突起へ。立っていられないのか、ビスマルクはずるずると座り込んでしまう)
提督(だが容赦はしない。それがお前の望みのはずだ。狂うほどの快楽で俺を刻み込んでやる。ショーツを剥ぎ取り、クン○を続行した)
ビスマルク「あぁ!!あとみっ!!くぅ……!!あとみらーるぅ!!」
提督「……」ジュルジュルジュル
ビスマルク「わ、たしぃ!!はぁん……!!私、見たぁ……」
ビスマルク「貴方が……っ!!ふぅう!!……プリンツとライブに行ったことぉ!!」
提督「!」ジュル
ビスマルク「はぁっ……画像に映ってた……っ……セクシーダンスまでしてた……」
ビスマルク「私には……友達と予定があるって……どうして言ってくれなかったの……?」
ビスマルク「くぅ……プリンツと……セックスしたの……?」
671: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:52:22.06 ID:5CZ3sfEx0
提督「……」ジュル
ビスマルク「……なにか、言ってよ。ねぇ……」
提督「……」ジュルジュルジュル
ビスマルク「っ!?あっはぁあ!!ダメ!!誤魔化さないでっ!!」
提督「……」ジュルジュルジュル
ビスマルク「っはぁあ!!来ちゃう……来ちゃうううう!!」ビクンビクン
提督「っは……」
ビスマルク「はぁ……はぁ……はぁ……アトミラール……」
提督「……もしそうだとして、お前が俺に何を言うんだ?」
ビスマルク「……知りたいだけなの。何も言うつもりじゃないわ。ただ、気になって仕方がないの」
提督「……俺が妻以外とセックスするとでも思ったか?」
ビスマルク「!」
提督「信じられないか?」
ビスマルク「まさか。信じるわ」
提督「……そこに寝そべろ」
ビスマルク「!お、お布団がおいてなかったかしら。そっちの部屋は仮眠スペースがあったわよね?」
提督「そこに、寝そべろ」
ビスマルク「っ……はい」
提督(ビスマルクが床に寝そべる。俺はいきり立つ自分を解放して、ビスマルクのそこにあてがった)
ビスマルク「あ……」ピトッ
提督「止めたいのなら、最後のチャンスだぞ」
ビスマルク「……きて」
提督「……っ!!」ズプッ
ビスマルク「あぁ!!」ヌププププ
提督(ビスマルクの中は、とても熱くきつかった。俺は思い切り腰を打ち付け、グラインドさせ、スライドさせた)
提督(急所を責める。乱れるビスマルクは、確かに以前は見たことがなかった。初めて、ビスマルクとセックスができた気がした)
ビスマルク「だめぇ!!はっぁああ!!来ちゃうう!!」ギュウッ
提督「っ……いくぞ!!中に出してやる!!」
ビスマルク「ああ!!来て!!綺麗にして!!貴方で上書きしてええええ!!っああああ!!」ビクンビクン
提督「っ!!」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「ああ……はぁ……はぁ……」
672: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:56:12.52 ID:5CZ3sfEx0
提督「くっ……ビスマルク、綺麗にして貰おうか」
ビスマルク「!……はい。ん……あむ。じゅるじゅるじゅる、れろれろれろ」
提督「うっ……ぐっ……」
提督(気だるそうに体を起こし、這いよってきたビスマルクはためらうことなく俺のモノを咥え込んだ)
提督(これもまたあいつに調教されたのだろう。気分が悪くなるが、悲しいかな。男の性は抑えられない)
提督(性感に、再びモノが勃起する。ビスマルクは慣れたように奥まで咥え込み、頭をグラインドさせ、唇や舌で快感を与えてくる)
提督「はぁ……はぁ……くっ……ああ……」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「んぶっ!!んぐぅ……ごくん。じゅるじゅるじゅる」
提督(喉に出す。ビスマルクをまた一つ征服したと感じた。ここももうあの男のものではない。
提督「……もういい。止めろ」
ビスマルク「ん、ふぁい……ぷはっ。……どうするのかしら?」
提督「どうしてほしい?」
ビスマルク「……もっとしてほしい」
提督「何をしてほしい?」
ビスマルク「セックスを……上にのせてくれる?」
提督「……大きくしてみろ。手でな。どうせ仕込まれているんだろ?見せてみろ」
ビスマルク「っ……はい」スッ
提督(手でゆっくりと快感を与えてくる。先端や、カリ、そして竿、挙句の果てに玉まで揉まれ、まさかの指を後ろに突っ込まれた)
提督「!?」ビクッ
ビスマルク「あっ!ごめんなさい!ついいつもの癖で……」スッ
提督「いや、いい。続けろ……」
ビスマルク「はい……」シュン
提督(悔しいが、上手い。すぐに臨戦態勢になってしまう。あいつに教え込まれたんだ。それがたまらなく狂おしかった)
提督「止めろ」
ビスマルク「ん、はい」
提督「立ち上がれ」
ビスマルク「はい……終わり、なの?」チラッ
提督「そこの机に手を付け」
ビスマルク「!は、はい……えっと……」ドキドキ
提督「後ろは試したことがあるか?」
ビスマルク「!……ええ。あるわ……」
提督「そうか……初めては、全部あいつなんだな」
ビスマルク「っ!!……結婚式は、貴方が最初だったわ」ギュッ
提督「!」
ビスマルク「っ!ごめん、なさい」ビクッ
673: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 02:58:52.66 ID:5CZ3sfEx0
提督「……」ピトッ
ビスマルク「あ、ま、まって!洗ってないからっ、はぁああ……っ!!」ズププププ
提督(唾液や愛液で濡れたものは、ビスマルクの後ろに問題なく入った。きついが、すでに性器として作り替えられている)
提督(俺はこの気持ちをぶつけるように腰を打ち付ける。腹の方へ突き破るようにする)
ビスマルク「うっ……はぁん……つぅ……」ズップズップズップ
提督(ビスマルクは、感じているようだった。それだけ経験したのだ。耐え難い嫉妬をこうして上書きすることで沈める)
提督(後ろから覆いかぶさり、胸や顔を愛撫する。口に手を入れ、舌を弄び、胸の先端にある突起を摘み、いじくりまわす)
提督(大きな胸を揉みしだく。今、ビスマルクは俺のモノだと確認する。淫らに息を吐き、髪を振り乱し、胸を揺らして腰を振るこの女は俺のモノだ)
提督「っ、くぅ……」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「っはあああ!!はぁ……!!はぁ……!!」ビクン
提督(限界を迎え、中に出し切る。これですべてを上書きしたはずだ。……中は)
提督「ん……なんだ、綺麗じゃないか」ズルッ
ビスマルク「そ、そう?良かった……ってそういう問題じゃ!!」
提督「ビスマルク、上に乗りたいなら付き合ってやる。どうする?」
ビスマルク「!……いいの?」
提督「君はいつもどれくらいしていたんだ?」
ビスマルク「……毎日、最低一回はしていたわ」
提督「……週平均は?一日当たり何回だ?」
ビスマルク「……一、二回でしょうね。多い週は三回だったかも」
提督「そうか……分かった。俺はどうすればいい?」
ビスマルク「その……ゴム、ある?後ろに入れたから、もしあるのならした方がいいのだけど」
提督「……ない。なら、シャワー浴びるか」
ビスマルク「ありがとう」
提督(執務室の隣にある仮眠室へ移動する。泊まり込むときの為の部屋だ。もちろん、執務室からしか行けない)
提督(鍵を閉めて、風呂へ向かう。シャワーで流し、ボディーソープで軽く洗った)
提督「君も体を洗うか?」
ビスマルク「いいの?じゃあすこし浴びさせてもらうわね」
提督(二人でシャワーを浴びて、タオルで体を拭く。そして布団をだし、その上に寝そべった)
提督(そしてビスマルクのフ○ラで勃起する。今日四度目だが、頑張らなくては)
674: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 03:02:31.82 ID:5CZ3sfEx0
ビスマルク「じゃあ、入れるわね」
提督「ああ」
ビスマルク「んっ……ふぁ……」ズププププ
提督(ビスマルクの秘書から先ほどの精液が垂れてくる。その官能的な光景にさらに興奮した)
ビスマルク「っ……はぁ……」グッチュグッチュグッチュ
提督「っ……!!」
提督(ビスマルクのテクはすごかった。俺は、男としての誇りを守るため、ビスマルクが昇りつめるまで必死で耐えた)
ビスマルク「ああ!!いい!!いい!!来ちゃうう!!来ちゃうううう!!」ビクンビクンビクン
提督「っ!!くぁあ!!」ビュルルルル
提督(気絶するかと思った……)
ビスマルク「アトミラール……ごめんね……ごめんね……」ジワッ
提督(ビスマルクが倒れ込んでくる。抱きしめられ、涙声で謝られる。ビスマルクなりに、思うことがあったのだろうか。しばらく、放心する)
提督「ビスマルク……」
ビスマルク「はい……」
提督「良ければ、買い物にでも行かないか?」
ビスマルク「!!行くわ、もちろん!!」ハッ
提督「そうか、行くか。なら、明日にでも行くか」
ビスマルク「ええ……ええ!!」ニコッ
提督(いろいろあった。けど、もう許さなくてはならない。完璧なんてもうありえないのだから)
提督(良い気分ではない。けど、覆水は盆に返らない。あの忌々しい事実は何をしても、もう消えない)
提督(なら、ビスマルクを捨てるか?俺には……プリンツがいてくれる。お前のような売女など知らぬと言って)
提督(先に裏切ったのが悪いと言って、この子を拒絶するか?個人的には、そうしてなじられようとも俺は悪くないと思う)
提督(プリンツと一緒になれば、きっと素晴らしい日々が待っているだろう。とてもよく尽くしてくれて、俺だけを純粋に愛してくれる)
提督(あの笑顔が毎日見られるなら幸せだ。料理だってうまい。美人で、性格だって完璧だ)
提督(それに、あの肉体を味わうことができる。今思い出しても興奮する、あのセクシーダンスの時の感触)
提督(もう十分に女性らしい体つきをしているが、あれでまだ発展途上なのだ。あの瑞々しい肌に指を埋めたい)
提督(男を知らないその秘所に、己を打ち込んで征服してやりたい。誰も味わった事のない極上の女体を独り占めにしたい)
提督(なに、先にやったのはビスマルクだ。身から出た錆だろう。さようならと言われて何を悲しむのか)
提督(罵倒されようともそのままそっくり返してやる。殴り返した方より、先に殴ったほうが悪いのは一目瞭然だ)
提督(……だが、そうしたくない。もはや狂おしいこの感情は愛だとか憎しみだとかそういう次元にない)
675: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/28(水) 03:07:19.81 ID:5CZ3sfEx0
提督(殺してしまいたい!!この世に存在するすべての何か悪いモノ、絶望を刻み込んで、すべてを呪わせて地獄へ落としてやりたい!!)
提督(穢れた娼婦、卑劣な裏切り者!!お前のせいで、俺の心に安寧などもはや二度と戻っては来ないのだ)
提督(たとえプリンツのような素晴らしい少女がいくら俺を好きで、一緒になってこの上ない幸せな人生を歩んだとしても)
提督(決してこの傷を癒すことはできない。永遠に俺を蝕むのだ!!)
提督(抱きしめたい!!この世に存在するすべての愛情表現でビスマルクを愛したい!!)
提督(どんなに酷い裏切りをされたとしても、俺は君を忘れられない。もし君が俺の手の届くところにいるなら、抱き締めずにはいられない)
提督(きっといくら言葉を尽くしても、この愛を伝えきるなんて不可能だ!!君の笑顔が見たくてどうしようもない)
提督(君に、俺の隣に居て欲しい。誰かほかの男の隣に居ることなど、見たくない!!耐えられない!!)
提督(……俺は、何が正解なのか分からない。だけど、したいことは分かる。ビスマルクの隣に居たい)
提督(そして俺のこの気持ちを知らせたい。どんなに愛していて、どんなに憎んでいるか)
提督(そして俺に全てを捧げて欲しい。心の底から愛してほしい。……そうだ、だって俺はこの人のことを)
提督(ビスマルクのことを本当に愛しているから。好きで、たまらないから)
提督(俺たちは今、布団で隣り合って寝ていた。緊急の用事はない。大和に後を任せてある)
提督(隣を見る。すると、ビスマルクと目が合った。サファイアのような青い瞳が俺を見つめる)
提督「ビスマルク」
ビスマルク「何かしら?アトミラール」
提督「あした、すごく楽しみだ」
ビスマルク「ええ、私も」
提督(ビスマルクの方に寄って、黙ってその頭を抱く。麦畑のようなサラサラのブロンドヘア)
ビスマルク「ん……」スッ
提督(ビスマルクは、片手を腰にまわしてきて、もう片手で俺の胸に触れる)
提督(密着している。ビスマルクの体温を感じた。……悪くない気分だ)
698: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 03:55:01.76 ID:4/ieWBfE0
~
提督(約束を交わして少し寝た後、俺たちは起きてディナーに行った。ビスマルクはすごく驚いて、喜んだ)
提督『ビスマルク、ディナーに行くぞ』
ビスマルク『えっ……!?本当?』
提督『今日は特別な日だろ。何もないとでも思ったか?』
ビスマルク『アトミラール……!!アトミラール!!大好き!!』
提督(雰囲気のあるフレンチだ。と言っても堅苦しいところではない。久しぶりのビスマルクとの食事を楽しんだ後、帰宅する。そこでサプライズがあった)
ビスマルク『アトミラール。この前、ご褒美をあげるって話をしたじゃない?』
提督『ああ。……もしかして?』
ビスマルク『これ……編んでみたの。喜んでもらえれば、いいのだけれど……』
提督『これは、手編みのマフラーか!!ありがとう!これから寒くなってくるからな!』
提督『すごくうれしいよ!!頑張った甲斐があった!』
ビスマルク『良かった……!!もしよければセーターも編むからね!』
提督『ああ、是非頼むよ!」
提督(そして入浴し、寝支度を済ませて眠りについた。もちろん、同じベッドでだ。そして、翌朝)
提督「じゃあ行くか」
ビスマルク「ええ、行きましょう」
提督(車をだして、近くのショッピングモールへ向かう。駐車場が混んでいたため、近くのコインパーキングに停めた)
提督(歩いて少しの所だ。付近も店が立ち並び、瀟洒な街並みだった。何も買うものはない。だが、資金は十分にある)
提督「どこに行こうか?」
ビスマルク「何が買いたいの?」
提督「うーん……そうだな、君の新しい服なんてのはどうだ?」
ビスマルク「えっ?……いいの?」
提督「もちろんだ」
提督(……こちらの機嫌を窺うような瞳、止めて欲しい。そして浮かぶ疑問。あいつには服を買ってもらっていたか?)
提督(聞きたくなったが止めておく。意味のない事だ。いい感じの店に入り、いろいろ見てみる)
699: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:05:53.06 ID:4/ieWBfE0
提督「どれにする?好きなのを選んでくれ」
ビスマルク「えっと……じゃあアトミラールが選んでくれるかしら?」
提督「俺が?そうだな……」
提督(ビスマルクなら大体なんでも合うが……あえて俺の好みでいかせてもらう)
提督「これなんてどうだ?」
ビスマルク「へぇ……こういうのが好きなの?」
提督「まあな。好きじゃないか?」
ビスマルク「いや、そういう訳じゃないわよ。ふーん……こういうのが良いんだ」
提督「知らなかったか?まああの頃は戦況が厳しくて、こうして服を買いに行くなんてできなかったからな……お、あれもいいな」
ビスマルク「……全く別のジャンルじゃない!何が一番好きなの?」
提督「……気分によりけり、だ」
ビスマルク「何よそれ、困ったわね……」
提督「俺の好みなんて参考程度でいいんだ。その中に気に入ったものがあればそれにすればいいし、なければ自分で見繕ってくれ」
ビスマルク「けど私、アトミラールに選んでほしいの。時間もあるし、いろいろ見て回りましょう?」
提督「……そう、だな」
提督(何で頑なに俺の趣味に合わせようとする?気にいられようとでもしているのか?)
提督(……いや、駄目だ!!それに、今日は楽しむために来たんだ。そんなこと考えるのは止めろ)
提督(心の中で首をもたげる悪い感情と戦いつつ、いろいろと見て回る。一通り試したら次の店へ)
提督(途中で昼食を挟みながら、気が済むまでそれを繰り返す。様々な服を試着して、ちょっとしたファッションショーだった)
提督「お、水着か」
ビスマルク「水着?もう夏も終わっちゃうわよ?」
提督「だが南方なら泳げるだろう。買っていこう」
ビスマルク「そう?ありがとう」
提督「さて、君のセンスを見させてもらおう。自分で選んでみてくれ」
ビスマルク「自分で?……分かったわ」
提督(ビスマルクは、なんと自然に大胆な水着売り場に歩いていく。少し悩んで一番際どい水着を選んだ)
ビスマルク「これにするわ、ちょっと試着してくるわね」
提督「あ、ああ」
提督(それはもはや、アダルトショップで売るべきではないかと思うものだった。マイクロビキニとでも言おうか)
700: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:11:51.09 ID:4/ieWBfE0
提督(どうしてそんな際どいものをこんなにたくさんあるものの中からあんな自然に選ぶのか)
提督『知っているか?和服を着るときは下着をはかないらしいぞ』
ビスマルク『えっ!?何言ってるのよ!!そんなのはしたないわ!!』
提督『昔の話だがな。悪かったよ。……似合ってるよ、とても』
ビスマルク『あ……そ、そうかしら……///なら、よかったわ』
提督(いつか、たぶんまだそこまで穢される前。あの頃の記憶が思い返される)
提督(あんなのを選ぶようになったのもあの男の影響だと思うと、一気に気分が最悪になった。帰りたい気分だ)
ビスマルク「あの、試着できたんだけど……」
提督「そうか。……!!」
提督(ビスマルクは更衣室のカーテンを開けて、姿を見せる。少し恥じらうようにしているビスマルクの姿はすごいことになっていた)
提督(その豊満な胸の先端を少し覆い隠すだけしか役に立っていない面積の布、露わになっている見事な双丘)
提督(それ以外の豊かな膨らみは惜しげもなくその白い素肌をさらしていた。そして下半身の方)
提督(水着の試着の時、下は下着をはいたままつけるのがマナーだ。もちろん、ビスマルクだって下着をはいている)
提督(それは、ウエストの部分が見えているから確実、なはずだ。だが、かなり際どいもののはずなのにフロント部分が水着しか見えない)
提督(つまり、ビスマルクが今はいている下着はそれだけエロい奴なのだ。それもまた、きっとあいつの趣味)
提督(だが心でなんと思っていても、見とれてしまった。それに気がついて、内心で単純なものだと自分を嘲笑する)
ビスマルク「どう……かしら……?」
提督「い、いいんじゃないか?それにするか?」
ビスマルク「そ、そうね……じゃあそうしましょうか」
提督(『ずいぶんと大胆なんだな』そういった皮肉を言えないのは、そういう格好も悪くないと思っているからか。自分に腹が立つ)
提督(ともかく、水着を買って店を出る。そして服選びに戻った。結局、三着ほど買って一区切りつける)
提督「夕方だ。もう夜になる。帰ろうか」
ビスマルク「ええ、ありがとうね!」
提督「気にするな」
701: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:16:34.71 ID:4/ieWBfE0
提督(パーキングエリアまでの道をたどる。まだ明るいが、空がオレンジ色になっている。そこで、ふと目に入る店があった)
提督「お、宝飾店か。寄ってみるか」
ビスマルク「えっなにそれ?……ジュエリーショップじゃない」
提督「ネックレスでも選ぶかい?」
ビスマルク「そんな……もう服を買ってもらったわ」
提督「いいんだ、買い物に行ける日なんてそうそうない。俺も今日は羽目を外したいんだ」
ビスマルク「でも……」
提督「いいから気にしないで、好きなものを選んでくれ。妻にプレゼントを買って、いいところを見せたいんだ」
ビスマルク「……うん、分かったわ。けど、私も貴方に何か買うわ」
提督「気にするなって」
ビスマルク「私がそうしたいの!」
提督「そ、そうか……」
ビスマルク「……私、貴方に何もかえせていないから」
提督「!……返す返さないっていうような関係じゃないだろう?それとも、君にとってはそうだったのか?」
ビスマルク「っ!?あ、ち、違うわ!!そんなつもりじゃ……」サァッ
提督「……悪かった。分かってるよ。そうだな、なら君が俺のを見繕ってくれ。俺は君のを選ぶよ」
ビスマルク「いえ、私こそ……そうね、そうしましょう」
提督(接客に出てくる店員に好きに見回りたいと伝え、ショーケースを巡る。色とりどりの宝石や金銀細工)
提督「どれもビスマルクに似合いそうで迷ってしまうな……っ!」
提督(目玉商品を入れたケースの前に来た時、一際輝くそれに目が奪われる。それは、大きなエメラルドのペンダントだった)
提督(まるでオーロラを閉じ込めているかのようなそれは美しい緑色で、キラキラと輝いていた)
プリンツ『アトミラール!!』ニコッ
提督(プリンツの笑顔が思い出される。これは彼女の色だ。きっと似合うに違いない。値段を見るとゼロの数が二つほど多い)
提督「……!!」
提督(文字通り桁が違う。そう簡単に買えるものではない。だが、俺の心は異様に引かれていた)
提督(そういえば、い号作戦の活躍に対して俺はまだ何もしていない。これを送ればきっと喜ぶだろう)
ビスマルク「アトミラール、これなんてどうかしら?きっと似合うと思うのだけれど。……アトミラール?」
提督「あ、いや、何でもない。どうかしたか?」
ビスマルク「……これを見ていたの?」
提督「ああ、まあな」
702: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:20:37.02 ID:4/ieWBfE0
ビスマルク「さすがに値段が高すぎると思うのだけど……?」
提督「そうだな、ちょっと見てただけだよ。それで?」
提督(……結局、ビスマルクは俺にルビーをあしらったネクタイピンを買った。格調高い逸品だ)
提督(俺は、ビスマルクにサファイアのブレスレットを送った。その澄んだ蒼穹のような青がビスマルクの色だと思ったからだ)
提督(買い物を終えて、外に出ると雷鳴が響いていた。夕立だ!急いで車へ向かうが、間に合わない)
提督(土砂降りの雨で全身がずぶ濡れになる。まあ、買ったものがビニールに包まれていたおかげで無事だったのが幸いだ)
提督(急いで車に乗り込む。シートが濡れるが仕方がない)
提督「ふぅ……夕立か。運が悪かったな」
ビスマルク「ええ、そうね」
提督「ほら、タオルだっ!?」
ビスマルク「ありがとう、アトミラール。……?あ」
提督(ビスマルクの姿に目を奪われる。今日、ビスマルクは白いシャツにネイビーブルーのフィッシュテールスカートで来ていた)
提督(しかし雨に濡れたことで、白いシャツが肌にべったりと張り付いた上に少し透けていた)
提督(黒いレースのブラどころか綺麗な肌までもが見えている。俺の視線につられて自らの姿を確認したビスマルクも、それに気がつく)
提督(ビスマルクは、少し顔を赤らめるとちらりとこちらを上目使いで見る。しばし、見つめ合った)
ビスマルク「……見たいの?」
提督「っ……すまん」
ビスマルク「いいのよ、気にしないで。貴方だもの、嫌じゃないわ。……黒が好みだったものね」
提督「……」カァッ
ビスマルク「……したも、見てみたい?」
提督「!?」
提督(ビスマルクは、ゆっくりと手を伸ばしてスカートの裾を掴むと、ゆっくりとたくし上げていく)
提督(俺は、止めることができなかった。水着を試着していた時からどんな下着なのか気になっていたのだ
提督(そのままビスマルクの下腹部が露わになる。ビスマルクがつけていたのは際どいカットの黒レースだった)
提督(大事な所は守られているが、細い。そしておそらくTバックだろう)
ビスマルク「アトミラール……大きくなってるわ」
提督「っ……!!」
提督(こんなの、耐えられるわけがない。誰だってこんなものを見せられたらこうなる。俺が悪い訳じゃない)
ビスマルク「……私、貴方が欲しいわ」
提督「……家に戻ってからな」
703: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:24:00.15 ID:4/ieWBfE0
ビスマルク「ホテルに行けばいいじゃない」
提督「!!」
提督(……ホテルなんて連れて行ったことがなかった。つまり、あいつの影響だ。よく考えたら、セックスに誘ってくるような淫乱になったのもそうだろう)
提督(その何気ない一言に一気に頭が冷える。そもそも、君はそんなことを言う奴じゃなかっただろう!!)
ビスマルク『戦艦ビスマルク、抜錨!出撃するわ!私の戦い、見せてあげる!』
提督(俺がホレタあの凛々しいビスマルクと、今目の前にいる娼婦のようなビスマルクが、一致しない)
提督「……よく、ホテルなんて知っているな」
ビスマルク「えっ……いや、その……」
提督(瞳を潤ませ、頬を赤らめ、雌の顔をしていたビスマルクから一気に表情が消える。顔が青ざめていくのが目に見えて分かった)
提督(……その反応が、また気に障った)
ビスマルク「ご、ごめんなさい……私は……」
提督「なぜ謝るんだ?」
ビスマルク「っ……あの……」
提督「……すまないが忘れものに気がついた」
ビスマルク「えっ……?どこ行くの!?雨が降ってるわよ!」
提督(このままだと、手が出そうだった。こいつと一緒に居たくなかった。無視して、車を降りる)
提督「……」
ビスマルク「っ、待って!!」
提督(すると、ビスマルクも車を降りてきた。追いかけようとしてくる。無視だ)
ビスマルク「待ってったら!!」
提督「っ!!いいから、車の中で待ってろ!!忘れ物を取りに行くだけだ!!」
ビスマルク「っ!!私も行く!!」
提督「俺の言うことを聞けないのか!?あいつの言うことは聞いて俺を侮辱したのにな!!」
ビスマルク「……っ!!……」
提督(ビスマルクは酷く傷ついた表情をした。そしてかすれる声で『分かった』とつぶやくと、車に戻る)
704: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:26:21.48 ID:4/ieWBfE0
提督(衝動的に言ってしまったが、少しせいせいした。雨の中、先ほどの宝飾店に戻る。狂いそうだった)
店員「いらっしゃいませ。っ!?濡れておられるではありませんか!今タオルを用意いたします」
提督「いえ、結構です。濡れていて申し訳ありません。ですが、やはりあのエメラルドが欲しくなったのです。用意していただけませんか?」
提督(心配する店員に謝り、あのエメラルドのネックレスを買う。これをプリンツに渡したら、一体どんな顔をするだろうか?)
提督(きっと喜んでくれるはずだ。もしかしたら、感激のあまり泣いてしまうかもしれないな)
提督(準備ができた宝石を受け取って、車に戻る。冷たい雨にうたれながら歩いてると、落ち着いてきた)
提督(俺は、何をしているのだろうか。この前にもう忘れる、赦すと決めたばかりなのに)
提督(本当に気分が悪い。自分自身に対してだ。車の所まで来ると、ガラス越しにビスマルクが泣いているのが見えた)
提督「違う……俺は、こんなことをしたかったわけじゃ……」
提督(車のドアを開けると、ビスマルクがこちらに気がつく)
ビスマルク「アトミラール……!!」サッサッ
提督(赤い目をしたビスマルクが、ハンカチで目元をぬぐった。震える声で、言葉を紡ぐ)
ビスマルク「ごめんなさい……私、もう二度とあんなこと言わないわ」
提督「もういいんだ。俺の方こそ、すまなかった。俺は……」
ビスマルク「違うわ!!私が悪いの……私が……っ……」
提督「いや、俺が悪いんだ」
ビスマルク「違う!!それだけは、絶対に違う!!」
提督「俺が悪いと言っているだろう!!」
ビスマルク「っ!!ごめんなさい……私……」
提督(悟った。俺たちが、どうするのが一番正解なのかを。今の現状を見て、俺の想いと現実の違いを見て、悟った。そう、)
提督「俺たちは、もう駄目なのかもしれないな」
705: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:29:48.34 ID:4/ieWBfE0
ビスマルク「!!そんな……駄目じゃないわ!!」
提督「俺は、あのことを気にしないようにしようとした。だが、君の言葉に、行動に、態度に、どうもあいつの影がちらつく」
ビスマルク「っ……どうすれば、いいの……?」
提督「それもまた、気に障る。俺が満足する答えが聞きたいかい?なら、教えてあげる。本心を話してくれ」
ビスマルク「……」
提督「……だが、その本心にも俺はまた不快になるのだろうな」
ビスマルク「……っ」ポロポロポロ
提督「……本当はこんなつもりじゃなかった。今日だって、純粋に君と楽しいことがしたいだけだったんだ。……だけど、駄目みたいだ」
ビスマルク「……私は、楽しかった」
提督「!」
ビスマルク「一緒に買い物をして、服を見て、水着を選んで。お昼だって、美味しかった」
提督「……」
ビスマルク「嫌なことを全部忘れられた。アトミラールとできなかったことをいっぱいしたいって思って、きっとできるって思った」
提督「……あいつとは買い物に行かなかったのか?」
ビスマルク「っ……行ったわ」
提督「楽しくなかったのか?いや、楽しかったはずだ。そうだろう?」
ビスマルク「けど、今日の方が良かった」
提督「何故?サファイアを買ってもらったからか?それとも、服をたくさん買ってもらったから?」
ビスマルク「貴方と、一緒だったからよ……!!」
提督「……!!」
ビスマルク「信じられないなら、今すぐお金を払うわ……そうすれば私を信じてくれるでしょ?」
提督「……あの男は、どうなったか分からないが、きっと死んでいる。あるいは、死んだ方がマシな目に遭っているかもな」
ビスマルク「……そうね」
提督「あの時、俺を選んだお前が殺したようなものだ……!!何も思わないのか?」
ビスマルク「ええ。しいて言えば、せいせいしたし、安心したわ。……これが包み隠さない私の本心。軽蔑した?」
提督「自分が愛した男に対して、その仕打ちか?」
ビスマルク「愛してなんかない。そう思うしかなかっただけ。今は、もう何も感じない」
706: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:33:07.16 ID:4/ieWBfE0
提督「っ!!……いや、いい。それで、お前が殺した名もなき赤子はどうだ?」
ビスマルク「!」
提督「艦娘だからか?跡も残っていないが、確かにお前は堕胎した。自分と、あの男との子供を殺した」
ビスマルク「……赦される事ではないし、申し訳ないと思うわ。でも、それでも堕ろしたかったの」
提督「何故だ」
ビスマルク「……貴方と、居たかったから」
提督「何故俺の名前が出る……!!俺は堕ろしてくれなんて言っていない!!」
ビスマルク「もし、私が貴方なら、口でなんと言おうが絶対に嫌だと思うから。それに、あの男との繋がりが嫌だった」
提督「……見下げ果てた奴だ。心底軽蔑する。自分のためにあの男も、我が子も殺したのか」
ビスマルク「っ……そうよ」
提督「そこまでして、俺の隣に居たいか」
ビスマルク「ええ」
提督「何故だ!?俺に依存したいのか!?そんなの御免だ!!到底、受け入れられるものではない!!」
ビスマルク「違う。……貴方が、好きだったからよ」
提督「っ!!」
ビスマルク「……私は、貴方といたい。けど、最低の女だわ。自分の本心を言葉にしてみて、改めて分かった」
ビスマルク「貴方の隣に居るのが赦されないぐらい悪い女よね。けど、それでもいっしょにいたかった」
提督「……」
ビスマルク「……だ、だけど、もし貴方が……私といるのが嫌で、苦痛でしかないのなら」
提督(取り繕った表情は、今にも決壊しそうだった。努めて作っているのであろう無表情だが、引きつり、目には涙が浮かんでいる)
707: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:36:05.57 ID:4/ieWBfE0
ビスマルク「それなら、……ぜ、ぜんぶおわりにしましょう。ぜんぶ、わたしがわるいから。……そ、そんなの、とうぜんだから」
ビスマルク「っ……ごめんなさい。わたしがいえたことじゃ、ないけれど。あなたのしあわせを祈っているわ」
ビスマルク「貴方がしあわせなら、それでいい。きっとすてきな人がみつかる。だって、貴方ですもの。……だから、わたしのことは気にしないで」
提督(けれども、決して目を背けることなく、そう言い切った)
提督「……」
提督(俺は、そこに戦艦ビスマルクの面影を……いや、戦艦ビスマルクを見た)
提督(そこにいたのは、確かにあの凛々しく勇ましい戦艦ビスマルクだった。サファイアのような青い瞳の中)
提督(悲しみや恐怖、後悔などの念が渦巻くその奥底で、輝く信念を見た)
提督「……そこまで。そこまで思っていてくれて、なんであんなことを」
ビスマルク「……わたしが、ばかだったから。本当にそれだけなの。……ごめんなさい」
提督「……」
提督(……なんだかんだ言って、ビスマルクはまだ子供の部類だ。ようやく成人した大学生のようなものだ)
提督(まだ周囲の大人が面倒を見なくてはならないような、そんな子供が、ここまで言うのだ)
提督(卑劣な大人に騙された哀れな子供、誰かに助けてもらいたいはずのビスマルクが、けどもういいと)
提督(俺が幸せなら、それでいいと。そう言うのであれば、それは本当に俺のことを大切に思ってくれているのだろう)
提督「……俺は、本当に君が好きなんだ。だけど、本当に君が憎くて仕方ない」
提督「でも、それでも俺は、君といたい。しかし、今日みたいに君に辛く当たってしまうこともあるだろう」
ビスマルク「……!!」
提督「もちろん、もうそうしないように努力する。だが、またやってしまうかもしれない……」
提督「それでも、いいか?それでも、居てくれるか?」
ビスマルク「もちろん……!!貴方がわたしをうけいれてくれるなら、わたしはずっと一緒に居るわ」
提督(互いに体を寄せ、抱き合う。強く抱きしめ、唇を重ねた。ずっとそうしていて、雨が上がり、周りが暗くなったところで、車を出す)
708: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/30(金) 04:37:27.88 ID:4/ieWBfE0
提督(そしてそのまま帰宅した。手料理を食べ、風呂に入り、寝支度を済ませる)
提督(ビスマルクは先に寝室へ行っている。俺は、書斎にいた)
提督「……」
提督(手には、あのエメラルドペンダントがあった。これをどうするか……)
プリンツ『……私の、ファーストキスです』
プリンツ『忘れないでくださいね。私は、いつでも貴方の味方で、貴方を見ていますから』
プリンツ『貴方のためなら、何でもできます。では、失礼しますね』
提督「プリンツ……」
提督(あの時の言葉が思い出される。……赦されないことだ。プリンツのことも好きだなんて)
提督(だが、あんなに俺を好いていて尽くしてくれる子に惚れるなだなんて無理だとは思わないだろうか?)
提督「……考えるのは止めだ!普通に渡そう。ただの祝いの品にしては少しあれだが、気にするまい」
提督(カバンにしまって、寝室へ向かった。明かりを消して、ビスマルクの隣に入る)
ビスマルク「アトミラール。お休み」
提督「ビスマルク」グイッ
ビスマルク「ん……ふぅ……んちゅっ……」
提督(ビスマルクにキスをする。手を下着の中に潜り込ませる)
提督「いいか?」
ビスマルク「貴方なら、いつでも……!!」
提督(ビスマルクと熱い夜を過ごす。愛撫から始まり、前戯を経てから本番へ。正常位で挿入する)
ビスマルク「ああっ!!あ!!アトミラール!!愛してる!!」
提督「っ……!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(一心不乱に腰を振る。ビスマルクへの愛を確かめるように。そして、プリンツへの気持ちを抑えるように)
提督(結局、その後も一回では終わらずに三回してから寝た。腕の中のビスマルクが愛しかった)
ビスマルク「すぅ……すぅ……」
提督「……」ナデナデ
ビスマルク「ん……すぅ……すぅ……」
提督(俺の妻は、ビスマルクだ。……プリンツのことは、考えないようにした)
726: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 14:55:43.39 ID:DupNhSLa0
~
提督(一日だけの臨時休暇を終え、執務に戻って一週間。現在、ビスマルクは主に再訓練を行っているが、成績は極めて良好だ)
提督「では、開発はこのように頼むぞ」
明石「任せてください!きっといい結果をご報告しますよ!」
提督(開発の指示を出し終え、工廠から司令部へ向かいながら訓練の様子を眺める。どうやら射撃訓練中のようだ)
陸奥「用意……てっ!!」
ドゴォンドゴォンドゴォン
陸奥「弾着……今」
ザブンザブンドガァン
陸奥「長門、大和、夾叉、至近弾。ビスマルク、命中。以上、第二斉射結果」
大和「っ……!!やりますね……!!」ギュッ
長門「見事だ。ブランクを感じさせないな」
ビスマルク「運が良かったのよ。計算しつくした後、当たるか当たらないかを決めるのは運だから」
陸奥「それでも、ねぇ……驚異的な命中率よ、これは」
提督(この分ならすぐに実戦に参加することになる。……できれば、行かないでほしいが)
提督(そんなことを考えていると、司令部へ着いた。執務室へ戻る。その途中で久しぶりにプリンツとすれ違う。っといっても数日ぶりだが)
プリンツ「……こんにちは」ペコッ
提督「プリンツ」
プリンツ「……」スタスタスタ
提督(プリンツは軽く挨拶すると、そのまま歩いていく。この前まで秘書艦を務めてくれていたが、今やそれを務めるのはビスマルクだ)
提督(ビスマルクが戻って以来、プリンツと話す機会があまりない。秘書艦じゃなくなったのに加えて、よく前線に出るようになったからだ)
提督(彼女は戦闘において毎回大きな戦果をあげている。本国やドイツでもその活躍っぷりがニュースになるほどに)
提督(前までは恋b……親しい友人ぐらいの関係だったが、今では普通の上司部下に戻ってしまったようだ)
提督(ついこの間まではずっと一緒に居たのに……深い喪失感と悲しみが襲う)
提督(だが、それでいい。これが正しいあり方なんだ。俺の妻は、ビスマルクだ)
727: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 14:57:18.83 ID:DupNhSLa0
提督(そしてプリンツは、……ただの部下だ。ただ、俺が一番つらかったときに献身的に支えてくれて)
提督(そして俺のことを好いていてくれて、俺も禁断の恋心と愛情を抱いているだけの、……ただの部下だ)
提督(もちろん、俺はビスマルクのことを愛している。この気持ちは決してプリンツが言っていたような愛の残骸なんかではない)
提督(もし二人を選ぶことができればと思うが、選べるのは一人。それが道徳だ。そして俺はもうビスマルクを選んでいる)
提督(決して後悔しているわけではない。しかし、悲しいものは悲しっ!?)
提督「っ!?プリンツ……?」
プリンツ「……!!」ダキッ
提督(プリンツに、後ろから抱きしめられる。背中に当たる柔らかい感触に心臓が高鳴った)
提督「ど、どうしたんだ……?」
プリンツ「……私は、頑張ってますよね?報告書、見てくれましたか?たくさん敵を沈めました」
提督「あ、ああ……!!」
プリンツ「アトミラールの役に、立てていますか?」
提督「もちろんだ!」
プリンツ「ああ、良かったです。……これからも、頑張ります。からぁ……どうか、わ、私を……っ、見ていて、くださいね」ウルッ
提督「ああ、いつでも君を見ているよ」
プリンツ「ほ、本当ですか……っ?けど、私……さ、さびしいよ……!!アトミラール……!!」グスッ
提督「……プリンツ、来てくれ」ガシッ
プリンツ「……?」ギュッ
提督(その震える声音に、我慢できなくなった。だが、彼女を優しく抱きとめるわけにはいかない)
提督(俺たちは、決して結ばれることは無い。ここでプリンツを受け入れることは、互いのためにならないのだ)
提督(胸が苦しい。胃が痛い。だが、そうせざるを得ない。それが道徳というものだ。……けど、これだけは)
提督(これを渡すくらいは、させてほしい。そして、できれば親しい関係でありたいと思う。もちろん健全なやつだ)
提督(手を取り、執務室にプリンツを連れていく。プリンツは固く手を握っていた)
728: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 14:58:54.41 ID:DupNhSLa0
提督「い号作戦では本当によくやってくれた。……これは、そのお礼と祝いの贈り物だ」
プリンツ「えっ?これ……エメラルドですか?」チラッ
提督「まるでオーロラみたいだろう?君の色だ。きっと似合うと思って買った。どうか、受け取ってくれないか?」
プリンツ「アトミラール……!!これ、こんなに大きくて綺麗なものを……きっとすごく高かったのではないですか?」
提督「気にするな。俺の君に対する気持ちに比べれば、些細なものだ」
プリンツ「本当ですか?ありがとうございます……!!その、かけて、くれませんか?」ジッ
提督(涙の浮かんだ上目づかい。勝てるわけがなかった)
提督「分かった」
提督(姿勢を正すプリンツの首に手をまわし、ペンダントをかける。チェーンを繋いだ瞬間、プリンツに抱き付かれた)
提督「っ」
プリンツ「嬉しいです。本当に……嬉しすぎて泣いちゃいます……!!」ギュッ
提督「……プリンツ、君は俺が一番つらい時に一番近くで支えてくれていた。本当にありがとう」ギュッ
提督「感謝しても、し足りない。俺にできることは何でもする。だから、いつでも頼ってくれ」
プリンツ「ありがとうございます、アトミラール。いつか、きっといつか私を……」
提督「君、を……?」
プリンツ「……何でも、ありません。アトミラールこそ、私にできることがあれば何でも言ってくださいね」
提督「ありがとう」
提督(しばし、抱き合う。そしてどちらからともなく離れた。無言だが、心地いい空間)
プリンツ「……では、私は次の出撃の準備がありますので。失礼しますね」
提督「分かった。……プリンツ、気をつけてくれ」
プリンツ「貴方に勝利の栄光を。私は絶対に死にません。いつでも、貴方のもとに帰ってきます」
提督(プリンツが退出し、俺は仕事に戻る。……あそこで抱いてしまってはいけないと、分かっていたが耐えられなかった)
提督(自分の罪深さを考えると胃が痛い。だが、あそこで、プリンツが泣いているのにそれを冷たく切り捨てることはできなかった)
729: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 15:01:48.07 ID:DupNhSLa0
~
提督(次の日、食堂でビスマルクと昼休憩を取っていた時だった。愛妻弁当に舌鼓を打つ)
ビスマルク「どうかしら?美味しい?」
提督「ああ、美味しいよ。……っ!」
ビスマルク「アトミラール?……プリンツ」クルッ
プリンツ「……こんにちは、アトミラール」
提督(プリンツが後から食堂に来た。ビスマルクとプリンツの仲は険悪なままだった。何とかしてあげたいが)
ビスマルク「……私が悪いわ。けど、やっぱりつらいわね。どうにかして仲直りしたいのだけれど」
提督「そうだな。きっとできるさ」
提督(プリンツは、あれ以来ずっとビスマルクを嫌っていた。それは彼女のビスマルクを見る目を見れば分かる)
提督(怒りと嫌悪感が込められているのがはっきりとわかる。……そこに嫉妬が含まれている気がするのは、気のせいだ)
提督(ふと、プリンツがこちらを見ているのに気がついた。視線を向けると、プリンツは妖しい微笑みを浮かべている)
提督(目が合うと、プリンツは胸元からあのペンダントを取り出した。そして……)
プリンツ「……♪」チュッ
提督「!」
提督(エメラルドに口づけする様に、どぎまぎする。いけない、そんなこと、赦されないのに)
ビスマルク「アトミラール?……?どうしたの?」クルッ ジッ
提督「いや、何でもないさ」
提督(ビスマルクは振り向いて俺の視線の先に気がつくと、少し不安そうに、そして嫉妬の怒りを込めてそう尋ねてくる)
提督(それ以外に答えようがなかった。ビスマルクはジッとこちらを見つめ、そして『そう』と呟いた)
提督「ビスマルク」
ビスマルク「何?」
提督「愛してる」
ビスマルク「私も」
提督(俺は、本心からそういった)
730: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 15:04:02.90 ID:DupNhSLa0
~
提督「敵の攻勢ですか……!?」
大将『そうだ、中将。緊急事態につき、私が総指揮を担当する。君たちは私の指揮下に入ってもらうぞ』
提督「分かりました、大将」
大将『そうだな……よし、君には雲竜型三隻を与える。適当な護衛艦を見繕って機動部隊を編成してもらう』
大将『トラックへ移動して、その艦隊でミッドウェーの南に陣取って援護してくれ。場合によっては君たちが要になる』
提督「しかし、一個艦隊単体でそんな敵陣深くにまで突出させるのは危険ではありませんか?」
大将『そんな事を言っていられない戦況なのはわかっているだろう。護衛艦隊は皆船渠にいる』
大将『そちらの指揮に残すのはドイツ軍の艦娘たちと送った一覧の艦娘だ。軽巡以下の水雷戦隊だが、なんとかしてくれ』
提督「分かりました」
大将『いいか、君の任務は攻撃の援護とトラックの防衛だ。厳しいことは分かっているが帝国の興亡はこの一戦にあると言っても過言ではない』
大将『皆が死力を尽くして戦う。君も頑張ってくれ。期待しているぞ』
提督「お任せください」
提督(買い物に行ってからまだ二週間もたっていない。戦況は風雲急を告げていた)
提督(敵の奇襲によりまさかの本土が空襲された。幸いなことに、敵は軍事施設以外を攻撃しなかったが)
提督(攻撃の結果、横須賀が大きな被害を受けた。鎮守府は暫く使用できないだろう。駐留していた艦隊は大きな被害を受けた)
提督(さらに攻撃を実行した機動部隊を始めとした艦隊が、ミッドウェー周辺で集結しつつある)
提督(本土か、マリアナか、あるいはトラックか。攻撃地点は分からないが、大規模な攻勢があるのは確実だ)
提督(この一大事に際して、無事だった俺たちはもちろんのこと、休暇中だった艦娘達も全員招集された)
731: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 15:06:50.25 ID:DupNhSLa0
提督(そして、攻勢が始まる前に敵艦隊に決戦を挑むことになった。大規模な機動部隊同士の、史上最大の航空決戦だ)
赤城『提督、どうかご安心ください。必ずや勝利をもたらして見せます』
加賀『鎧袖一触よ。心配いらないわ。……帰ってきたら、うんと褒めてくださいね』
翔鶴『私、頑張ります。きっとやり遂げて見せます。提督も、どうかお気をつけてください」
瑞鶴『……提督さん。私、怖いよ……お願い、抱きしめて。……あっ……ん、ありがとう。勇気が出た。……行ってくるね』
提督(……きっとうまくいく。今までもそうだった。きっと勝てる。あの子たちが負けるわけない)
提督(決戦に参加する機動部隊、その後の戦闘に備える打撃部隊の皆が出港していき、新たに配備された雲竜型が到着した)
提督(皆、緊張しているが戦意は旺盛、勝利への情熱に燃えていた。この勇敢な少女たちを死なせはしない)
提督(空母三隻の機動部隊、それに加えてトラック防衛の艦隊、配備されている艦娘で編成するとすれば……)
提督「頼まれてくれるか?プリンツ」
プリンツ「任せてください、必ずや空母を守り通して見せます」
提督「敵の主戦力はミッドウェーだ。我が軍の主力もミッドウェーへ向かう。わざわざこちらにまで手を出してくるとは思えないが、気をつけてくれよ」
プリンツ「はい。油断はしませんよ」
提督「うむ。期待している」
提督(編成を終了し、壮行会を簡単に行う。そして、出撃の時が来た。全員で機動部隊を見送る)
提督(勇ましく出港していくプリンツたちが見えなくなるまで、ずっと見守っていた)
~
ヨ級「シレイブへ。シニガミをカクニン。トラックよりシュッコウ。シンロは西。カノウな限りツイセキする」
司令部『リョウカイ。海域の全センスイカンにレンラク。カクジのモチバでタイキ。セッショクを試みよ』
732: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 18:39:33.95 ID:DupNhSLa0
~
プリンツ(出港して早々に敵の潜水艦に発見されたようだった。けどまあ、いつものことだ)
プリンツ(しかし、まだ嫌な感じがする。敵の追跡は振り切ったはずだけど、気分が悪くなる。狙われているような感覚)
プリンツ(正規空母三隻も引き連れていれば、狙われて当然だ。けど、敵にそんな戦力の余裕はないはず)
雲龍「……そろそろ位置に着くわ。艦載機の発艦準備を始めて」
天城&葛城「「了解」」
プリンツ「……!!敵機発見!!」
プリンツ(それは偵察機だった。しかも水上偵察機だ。……つまり、敵艦隊が近くにいる)
雲龍「っ!!あれは水偵……!!敵艦隊が存在する可能性があるわ!!」
プリンツ「偵察機をだしましょう。それと、アトミラールへ連絡を。もうすでに発見されています」
雲龍「ええ、そうね。何機か出して偵察させます。それと、連絡は……オイゲン、お願いできる?」
プリンツ「任せてください」
プリンツ(無線封鎖はもう意味をなさない。躊躇う必要はなかった。私は、アトミラールへ通信を開始する)
プリンツ(状況を説明したところ、援護のために艦隊を編成して送ってくれることになった。偵察の結果が出たらまた連絡することにして交信を終える)
プリンツ(そこで、悪いニュースが入った)
葛城「っ!?そんな……敵艦隊発見しました!!けど……こんなことって……」
雲龍「よくやったわ、葛城。それで、位置と数は?……どうしたの?」
葛城「っ、て、敵艦隊はここから50キロ北の地点です!!数は……数え切れません!!」
「「「「!?」」」」
葛城「少なくとも戦艦が四隻……五隻!!うち一隻はレ級です!!」
雲龍「そんな……確実なの?そう……航空隊を発艦させて!!敵艦隊に攻撃を加えます!!それと直援機もあげて!!」
天城「了解……!!どうしてこんな規模の艦隊がこっちに……!!」
葛城「トラックを責めるにしても、方向がおかしいよ……!!まるで、私たちを沈めに来たみたい……!!」
雲龍「オイゲンさん、提督へ連絡を。撤退を具申します」
プリンツ「っ!!分かりました」
733: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 18:41:49.62 ID:DupNhSLa0
~
提督「以上が現在の状況だ。雲龍たちを失うのは致命的な痛手となる」
提督「幸い、金剛、榛名の艦隊がトラックへ増援として送り込まれてくる。よって君たちにはすぐに出撃して機動部隊の援護に向かってほしい」
ビスマルク「分かったわ、任せて」
暁「分かったわ!あの恩、今こそ返すときね!」
響「やらせないよ、任せて」
雷「助けるわ、必ず!」
電「皆さんが心配なのです……」
明石「工作艦、明石!参ります!修理はお任せください!被害があっても私が必ずトラックまでたどり着けるように直しますよ!」
提督「頼むぞ、皆!救出はもちろん、自身のことも十分気をつけてくれ!相手にはあのレ級がいる」
ビスマルク「了解!必ずプリンツたちを助け出して見せるわ!全員、出撃準備!」
「「「「了解!!」」」」
提督「……ビスマルク!」
ビスマルク「!何かしら?」
提督「……頼んだ」
ビスマルク「任せて!……私は、プリンツと仲直りしたいの。こんなところでお別れ何てごめんよ」
提督「そうか。……きっと仲直りできる。君も十分気をつけて」
ビスマルク「ええ、必ず皆を助け出して見せるわ。……愛しているわ、アトミラール。行ってきます」
提督「俺もだ。愛してるよ、ビスマルク。帰りを待っている」
ビスマルク(愛の言葉を交わし合い、私は先に行った皆を追う。プリンツが心配だった)
ビスマルク(私は、本当にプリンツと仲直りしたかった。前みたいにってのは無理でも、普通に話せる関係に戻りたい)
ビスマルク(だって私は、プリンツのことが好きだから。きっと仲直りできる。そう信じていた)
ビスマルク(だからこそ、こんなところでお別れだなんて絶対に嫌!必ず助け出して見せる!)
734: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 18:45:16.50 ID:DupNhSLa0
~
プリンツ「っ、妨害電波で通信ができない……大丈夫ですか?」
雲龍「ええ、なんとか……けど、機関が損傷したみたい……」
天城「っ……飛行甲板が……!!」
葛城「私は無事ですけど、航空隊はもうほとんど全滅です……」
プリンツ「そうですか……」
プリンツ(交戦の結果、私たちは空母二隻を戦闘不能にさせられ、残った一隻も航空隊が残っていなかった)
プリンツ(だけど悪い事ばかりじゃない。戦闘機隊の活躍や朝潮と荒潮の頑張りもあって、敵もまた航空隊をほとんど失ったはずだ)
プリンツ「とりあえず、撤退しましょう。増援艦隊と合流できれば問題ありません」
雲龍「ええ、そうね。けど、私はもう無理だわ。指揮権は……オイゲン、貴方に譲渡します」
天城「そんなっ!!」
葛城「駄目だよそんなの!!」
雲龍「私は、速度が出せないの。可能な限り逃げ回って囮になるわ。それで時間を稼ぐ」
雲龍「空母を三隻も失っては、戦いは厳しいことになるわ。けど一隻なら」
プリンツ「……分かりました。ではこれより艦隊の指揮は私が執ります。いいですね?」
雲龍「ええ……妹たちをお願い」
天城「っ……うぅ……」ポロポロポロ
葛城「いやぁ!!絶対に嫌!!」ガシッ
雲龍「葛城、聞き分けなさい!!貴方だって艦娘でしょう……!!」
プリンツ「誰が雲龍さんを残していくと言いましたか?私に下された命令は、『空母三隻を護衛せよ』ですよ」
雲龍「……!?」
プリンツ「葛城さん、雲龍さんをお願いします」
雲龍「馬鹿なことを言わないで!!このままじゃ追いつかれるわ!!」
プリンツ「その時は私が時間を稼ぎます!!いいから命令に従いなさい!!」
雲龍「……!!貴女……馬鹿よ……」
プリンツ「すべてはアトミラールのためにです。口を動かす前に足を動かして。行きますよ」
735: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2016/12/31(土) 18:50:35.88 ID:DupNhSLa0
プリンツ(西へ、トラックへと撤退していく。航空隊は来なかった。お願いだからこのまま逃げさせてほしい)
プリンツ(けど、脚が遅くなったこちらはいずれ追いつかれる。それは避けられない。しばらくして、水偵が後方に敵艦隊を発見した)
プリンツ(このままいけば、向こうからも目視される。そうなれば圧倒的な火力の攻撃を加えられて終わりだ)
プリンツ(私は捌き切る自信があるが、他は無理だろう。……決断の、時だった)
プリンツ「……敵艦隊を後方に発見。接近中です」
「「「「……!!」」」」
プリンツ「これより、私は一人で残って敵を食い止めます。指揮権は葛城さんに譲渡します」
葛城「っ……分かりました」
プリンツ「朝潮、荒潮、空母の皆さんを頼むね」
朝潮「必ず。必ずトラックまで送り届けて見せます」
荒潮「お任せください。責任を持って、必ず」
プリンツ「Gut. ……雲龍さん」
雲龍「……何かしら?」
プリンツ(私は、雲龍さんにアトミラールから貰ったペンダントを渡した。もちろん、死ぬ覚悟を決めたわけではない)
プリンツ「壊したりなくしたりしたら困るから、預けます。帰還したら提督に渡してください」
プリンツ「そして、伝えてください。プリンツ・オイゲンが栄光と共に取りに戻りますと」
雲龍「……」コクリ
プリンツ「では、煙幕展張!!行ってください!!」
葛城「残った艦載機を発艦させて、貴女を援護します!!……武運を祈ります」
プリンツ「ありがとうございます。では、また後で」
葛城「はい……必ず……!!」
プリンツ(味方艦隊が離脱していく。私は敵の方へと向き直った。敵が視界に入った瞬間、発砲される)
プリンツ「ふふっ……容赦ないなぁ……」
プリンツ(合わせるべき味方はいない。好き放題に暴れられる。……スイッチが、完璧に入れ替わった)
プリンツ「あはは……さぁ、一生忘れられない思い出にしよう!!」
741: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 10:36:27.70 ID:1kNYwyCF0
~
雲龍「オイゲンは、私たちを逃がすために一隻で残ったわ……ごめんなさい……」ポロポロ
ビスマルク「……!!分かったわ」
ビスマルク(撤退中の味方艦隊と合流することに成功した私に知らされたのは、その事実だった)
ビスマルク(プリンツらしい、勇敢な判断だった。別れたのは丁度一時間ほど前らしい)
ビスマルク「まだ、間に合う……きっとまだ間に合う……!!」
明石「雲龍さんを修理しますか?」
ビスマルク「機関の修理にどれくらいかかる?」
明石「十分もかかりません!」
ビスマルク「なら修理して後を追ってきて。私は一人で先にプリンツの所へ向かうわ」
暁「私も行くわじゃなくて行きます!」
ビスマルク「明石の護衛に数が欲しいの。私は大丈夫だから、後からきて」
暁「っ……分かりました……」
明石「了解です!」
ビスマルク(艦隊と別れて、最後にプリンツと別れたという座標へ向かう。焦燥感に焼き尽くされそうだった)
742: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 10:43:16.41 ID:1kNYwyCF0
~
ドゴォンドゴォン
レ級「あっ!?あれ!?」シュボッ
プリンツ「っ!?scheißverdammt(クソッタレ)……!!」バスン ボンッ
プリンツ(レ級とほぼ同時に発砲した。レ級の砲弾は最後まで残っていたウィーンを破壊する)
プリンツ(しかし、私の砲弾はレ級の胴体を二分した。奴は、一瞬何が起きたのか分からなかったようだった)
プリンツ(だが、事態を察すると壮絶な狂気を孕んだ笑い声をあげた)
レ級「……はは、ぎゃはははははははは!!すごく楽しかったよ!!さすが灰色のシニガミ!!」
レ級「貴女を殺すためにこれだけの部隊を編成したときは、頭おかしいと思っていたけど!!おかしいのは貴方のツヨサね!!」
プリンツ「本当に私を殺す為だけに……?」
レ級「自分が何をしてきたか振り返ってみれば、分かるんじゃない!?あなた一人に私達が一体どれだけのソンガイをだしたか!!」
レ級「届かなかったのは残念だけど、せめてイッシ報いてやったかな!?あはははははは!!」
プリンツ「黙れ、雌犬め!!」
レ級「また向こうで遊ぼうね!!先に行ってマってるよ!!あははははハハハハハ!!」
プリンツ(本当に純粋な歓喜からくる笑い声に寒気を感じる。しかし、それもレ級が海中に没したことでごぼごぼという音を最後に消え去った)
プリンツ(残りの敵は恐る恐るという様子で私を窺っていた。私は、……もう動けなかった。機関は死にかけだし、武器ももう何もない)
プリンツ(できることと言ったら、最後まで死を恐れずに毅然とした態度でいることだけだ)
リ級A「あいつの最後の砲塔がコワレタ……よな?」
リ級B「レ級までハガタタナイのか……!!」
チ級「あれだけいた味方が皆ヤラレタ……!!こいつ一人で敵艦隊数個分の戦力がアルゾ!!」
タ級「落ち着け。上層部の見立て通り危険な奴だった。レ級は辛くも敗れたが、相手は戦闘力も機動力もウシナッタ!!」
ネ級「早く殺そう!!みんなのカタキだ!!」
タ級「そうだ。 Make ready!!」
プリンツ(残った敵が、砲を構える。アトミラール……私は、貴方と結ばれたかった。涙が溢れそうだ)
タ級「Take aim!!」
プリンツ(処女で死ぬなんて嫌だな。アトミラールとしてみたかった。恐怖で心が張り裂けそう。けど、もう少しの辛抱だ)
744: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 10:58:05.38 ID:1kNYwyCF0
タ級「Fiっ!?」ヒューン ドガァン
プリンツ「!?」
プリンツ(指示を出していたタ級が吹き飛ばされる。何が起こったのか)
リ級A「なっなんだ!?何がオコッタ!?」
リ級B「あれをミロ!!」
プリンツ(敵が指さす方向を見る。私の心が一気に沸騰した)
プリンツ「ビスマルク……!!」ギリッ
プリンツ(こちらへ向かって全速で進んでくるのは、あの娼婦だった。厚かましくも未だにアトミラールを束縛する、私の敵)
プリンツ(あんな奴に助けられたと思うだけで、おぞましい何かが私の尊厳を踏みにじっているように感じた)
プリンツ(けど、感情がいくら不快を訴えようとも本能がこのチャンスを逃すまいと素早く行動を始める)
プリンツ(私は、一番近くにいたネ級へと近づいていく。ビスマルクに気を取られている相手は、気がつかない)
リ級A「2人目がいたのか!?しかもセンカンだ!!」
リ級B「ムリダ!!重巡一隻相手でも特別任務部隊一個がほぼセンメツだ!!」
ネ級「とりあえず、コイツを仕留めてニゲよう!!っ!!??」
プリンツ(そう言って振り返った敵のすぐ前に、私がいる。もう武器はない。これからはナイフでも持ってこよう)
プリンツ「……!!」ガシッ
ネ級「なっナニヲ!?」グググッ
プリンツ「あぐっ!!」ガブッ ブチッ
ネ級「ぐぎゃあああああああがぼがぼがぼがぼがぼ」
リ級A「ひぃ!?」
リ級B「……っ!!」
チ級「……あは」
プリンツ(私は、ネ級の顔を掴み、上を向かせる。そして、晒された喉笛に噛みついた。そして躊躇わず食いちぎる)
プリンツ(悲鳴が溢れる血液に遮られる。激しく痙攣する体は良い盾になってくれるだろう)
プリンツ(私は口のなかに残っていた肉塊を吐き出した。喉に流れる血が私の闘争本能をいっそう掻き立てる。体が熱い燃えてしまいそうだ)
プリンツ「ぺっ!!……♪」ギロリ ペロッ
リ級A「あっあっイヤダ!!」
リ級B「くそったれのシニガミめ!!どうしてこんなやつが!!」ドゴォン
チ級「あははははは!!逃げろ逃げろ!!コロサレちゃうぞ!!あはははは!!」
プリンツ「……」ポイッ
ネ級「」ドガァン
リ級B「っ!!体を盾に……!!ま、マッテくれ!!」
745: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 11:02:01.38 ID:1kNYwyCF0
プリンツ(仲間が私に食い殺されるというあり得ない光景を目撃した奴らは我先にと逃げ出した)
プリンツ(やつらの後ろ姿を睨み付けていると砲弾が降り注ぎ、何人かが倒れる。暫くして、声がかけられる)
ビスマルク「プリンツ!!無事!?」
プリンツ(私は、ゆっくりとそちらへ向き直る。狂おしい感情、その混沌の嵐におかしくなりそうだった)
プリンツ「私をそう呼ぶな。お前に助けられるなんて、これほどの屈辱は初めてだ……!!」
ビスマルク「っ…… とにかく、何とか生きてるみたいね。無事でよかった」
プリンツ「黙れ!!」
ビスマルク「っ!!……」ビクッ
プリンツ「この売女が!!穢らわしい雌豚が!!いつまでもアトミラールの心のなかに巣食う呪いの元凶が!!」
プリンツ「お前などに助けられたことがまた、私にとって呪いになる!!なんで私を助けた!!」
ビスマルク「貴方が死にそうだったからよ!!」
プリンツ「屈辱の中で生き残るより、名誉ある戦死を遂げる方が私にとって遥かにましだった!!」
ビスマルク「……!!死んでしまったら、何もかもお終いなのよ……?それでいいの?」
プリンツ「っ!!」ビクッ
ビスマルク「……私が気に食わないのは分かるわ。私も、自分が大っ嫌いだもの。でも、それでもお願いだから助けられて頂戴」
ビスマルク「私は、貴方に死んでほしくない。アトミラールだってそう思っているわ。だから、お願い」
プリンツ「アトミラール……アトミラールぅ……」ポロポロポロ
ビスマルク「プリンツ、お願いよ……!!」
プリンツ「なんで……なんであんなことをしたんですか?ビスマルク姉さま……!!」ガシッ
ビスマルク「っ!!」
プリンツ「あれさえなければ、私は……貴女が……!!」ギロリ
プリンツ(大好きなままで!!)
プリンツ「あ、アトミラールと貴女を……!!」ツゥー
プリンツ(祝福できたのに!!)
746: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 11:03:24.29 ID:1kNYwyCF0
ビスマルク「……ごめんなさい、プリンツ」
プリンツ「私は……もう我慢できない。諦められない。幸せを、知ってしまったから……それを、忘れられないから……」クラッ
ビスマルク「プリンツ……?プリンツ!?」ダキッ
プリンツ「アトミラール……」
プリンツ(アトミラールに会いたい、抱き締めてほしい。優しい言葉で慰めてほしい。愛してほしい。本当に、切実に)
プリンツ(緊張の糸が切れた私は、意識が遠くなっていくのを感じた。抗おうとしたが、できなかった)
ビスマルク「プリンツ!!」
プリンツ「すぅ……すぅ……」
ビスマルク「!……良かった、プリンツ」
748: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:26:16.14 ID:1kNYwyCF0
~
明石「……よし、完了!」
プリンツ「……!!」バッ
明石「うわっ!?ビックリした……」
プリンツ「……ここは?」
明石「あいにく、まだ海上ですよ」
プリンツ「……明石?」
明石「はい、工作艦明石です!とりあえず、機関と一番砲塔は応急修理しました。一応は使えるはずです」
プリンツ「ありがとう」
明石「いえ!それにしても一人でよくあそこまで戦えましたね!?正直、信じられないですよ」
電「すごく頑張ったのです!」
暁「尊敬するわ!さすがプリンツね!」
プリンツ(回りを見渡すと、アカシと第六駆逐隊の面々、そしてビスマルクがいた)
プリンツ「……わ、私は」
ビスマルク「!?敵艦隊発見!!」
「「「「!?」」」」
プリンツ(ビスマルクの声に、皆が驚愕してそちらを見る。水平線の彼方から現れたのは先ほどの艦隊と同程度の大規模な敵艦隊だった)
響「こ、これは……まずいね」
雷「どうしよう、逃げなくちゃ!!」
明石「わ、私の速力じゃ逃げきれない……」
ビスマルク「まさか、敵がこんなにこっち方面に戦力を投入しているなんて……」
プリンツ「本当に私を殺すためだけにこれだけの部隊を動かしてるの……?」
ビスマルク「っ!?どういうことなの?」
プリンツ「……さっき戦ったレ級が言ってたの。奴らの目的は、私の撃沈だって」
ビスマルク「そんなバカなことが……!!」
電「ど、どうしますか!?戦っても勝ち目がないのです!!」
暁「お、落ち着きなさい!!こういうときは素数を数えるのよ!!」
雷「そ、そすうって何よ!?」
暁「……!!」
響「1かその数字自身でしか割りきれない数字だよ」
暁「知ってるもん!!」
749: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:28:08.37 ID:1kNYwyCF0
明石「……っ!!どうやら、ここまでみたいですね。みなさん、すぐに撤退してください」
暁「えっ……」
明石「私の速度じゃ逃げられません。敵が私に食いついている間に離脱を」
響「そ、そんな……」
プリンツ「その必よ」
ビスマルク「その必要はないわ」
プリンツ「!?」
電「ビスマルクさん?」
ビスマルク「私があいつらを足止めするから、その間に撤退を」
明石「け、けど!!そんなことしたら!!」
ビスマルク「アカシ、貴女は艦隊唯一の工作艦よ。失う訳にはいかないわ」
暁「じ、じゃあビスマルクさんは?」
ビスマルク「私があれに負けるとでも思っているのかしら?叩き潰してやるわよ」
暁「わ、私も残るわ!!帝国海軍の誇りにかけて、味方を一隻で残していくわけにはいかないもの!」
響「私もね」
雷「私もよ!」
電「私もなのです!」
ビスマルク「落ち着いて、みんな!撤退するプリンツとアカシの護衛が必要だわ。ここは本当に私一人で大丈夫よ」
暁「な、なに言ってるのよ!護衛が必要なら雷と電に任せるわ!私と響は一緒に戦うわよ!」
雷「暁こそなに言ってるのよ!私が残るからどっちかが護衛にまわりなさいよ!」
ビスマルク「静かに!」
「「「「!」」」」
ビスマルク「みんなの気持ちは嬉しいけど、もう本当に時間がないの。ここは一人で大丈夫だから、撤退して」
響「無茶だよ……死ぬつもりなんですか?」
ビスマルク「お願い、プリンツは私の親友なの。どうか助けてあげて」
「「「「……」」」」
750: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:30:31.36 ID:1kNYwyCF0
プリンツ「親友?ふざけるな……!!」
暁「プ、プリンツ!?」
プリンツ「お前なんか、お前なんか親友じゃない。私たちの敵だ!!」
響「な、何を言って……」
プリンツ「良い人ぶって恩を売るつもり?それともあわよくば赦してもらおうとでも?」
プリンツ「ふざけるな!!お前の罪は海よりも深く、山よりも高い!そんなことで償えると思うな!」
ビスマルク「分かってるわ。そんなつもりじゃない」
プリンツ「……明石さん、Danke. これでまだ戦えます」
明石「え?あ、ああ……当たり前のことをしただけですよ」
プリンツ「私がここに残って戦う!余計なことをしないで帰れ!売春婦め!」
ビスマルク「……」
雷「ちょ、ちょっと待って!どうしたのよプリンツ!?」
電「落ち着くのです!」
ビスマルク「……プリンツ」
プリンツ「そう呼ぶな!!」
ビスマルク「……わかったわ、オイゲン。なら戦艦娘として言わせてもらうけど、いい加減にしなさい」
プリンツ「なっ!?」
ビスマルク「現状を正しく認識しなさい。私情で動くのは止めて。貴女、それでも軍人なの?」
プリンツ「……!!」
ビスマルク「旗艦として、この場で一番階級が高い士官として全員に命令する。この場は私に任せて帰還せよ。分かった?」
751: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:31:46.11 ID:1kNYwyCF0
明石「……分かりました。皆、撤退しますよ」
「「「「……了解」」」」
ビスマルク「アカシ、ありがとう」
明石「……武運を祈ります。どうかご無事で」
プリンツ「っ……Ich kann dich nicht riechen(お前なんか大っ嫌いだ)!!」
ビスマルク「Ich hab dich lieb(私は貴女が大好きよ).」
プリンツ「っ!!」ギリッ
明石「オイゲンさん、行きましょう」
プリンツ「……はい」
プリンツ(あの女を置いて、撤退する。一度振り返ると、ビスマルクは悲しげな眼差しでこちらを見ていた)
プリンツ(どうしようもない激情に狂いそうだった。なんで……本当になんであんなことをしたの!?)
プリンツ(あんなことをするような奴がどうしてこんなことを……!!もう意味が分かんない!!)
電「プリンツさん……泣いているんですか?」
プリンツ「えっ……!?」ポロポロ
電「……」ギュッ
プリンツ(電が手を握ってくる。少しだけ落ち着いた。私は、震える手で涙をぬぐった)
プリンツ(砲声が後方から聞こえてくる。もう振り返ることは無かった。ただひたすら前進する)
プリンツ「……ビスマルク、姉さま」
752: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:34:58.28 ID:1kNYwyCF0
~
ビスマルク(敵の攻撃を避けつつ、反撃する。一つのミスが致命的になりうる。恐れを捨てて、冷静かつ大胆に)
ビスマルク「沈め!!」ドゴォン
「グアッ!?」ドガァン
「馬鹿な……戦艦がイチゲキで!?」
ビスマルク(戦艦に命中、撃沈。あのフッドでさえ沈めたのだから、当然。……重巡が接近、回避、左!)
「反撃しろ!!Fire Fire Fire!!」ドゴォン
「アタレ!!」ドゴォン
ビスマルク「当たるか!!喰らいなさい!!」ドンドンドン
「クソ!!」
ビスマルク(副砲で反撃。装填……完了、奥の戦艦へ照準……)
ビスマルク「Abschieβen(発射)!!」ドゴォン
「ギャァ!!」ドガァン
「戦艦が!!早くナントカしろ!!」
「無茶を言うな!!どうしろってイウンダ!?」
「接近しろ!!数でオセ!!」
「オチロ!!」ドゴォン
「モラッタァッ!!」ドゴォン
ビスマルク「っ!!もう……!!」ガギィン
「アタッタゾ!!」
「シニガミと違って撃てば当たる!!沈めてシマエ!!」
ビスマルク(被弾、小破……!!まだいける!!攻撃を!!手数が足りない!!なら……)
ビスマルク「一基で一隻を狙う!!Feuer!!」ドゴォン
「っ!?」ドガァン
「あっ」ドガァン
「え」ドガァン
「はぁっ!?」ドガァン
「STF201が壊滅!!STF202が突撃する!!ブウンヲ!!」
ビスマルク「っ……人海戦術!!ソ連軍の得意技じゃないのかしら!?」
「怯むな!!ススメ!!」
ビスマルク「私は知らないけどね!!」ドゴォン
ビスマルク(思い出されるのは大西洋、ブレスト沖。ロイヤル・ネイビーとの戦いだ)
ビスマルク(けど、あの時と違って敵はロイヤル・ネイビーじゃない。そして私は全力を出して戦える)
ビスマルク「なら、負けるわけないじゃない……!!さあ、かかってらっしゃい!!ビスマルクの戦い、見せてあげるわ!!」
753: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:36:22.41 ID:1kNYwyCF0
~
雲龍「以上で報告を終わります……」
提督「……そうか、ご苦労だった」
提督(プリンツは、敵を食い止めるために一人で残った。……いや、プリンツだ。プリンツならきっと無事だ)
雲龍「提督、これを……」
提督「これは……!!どうしたんだ……?」
雲龍「オイゲンが、提督に渡してくれと……『プリンツ・オイゲンが栄光と共に取りに戻ります』とのことです」
提督「っ……そうか」
雲龍「申し訳、ありません……私が被弾しなければ、こんなこと、にはぁ……!!」ポロポロポロ
提督「ここまで大規模な敵艦隊が存在するのは完全に予想外だった。君のせいではない」
雲龍「でも……でもぉ……オイゲンが……」
提督「プリンツならきっと大丈夫だ。あの子は強い。必ず帰ってくる。援軍も、送れるだけ送ったからな」
提督(そうだ、大丈夫だ。栄光と共にこれを取りに戻ってくるんだろう?待っているからな)
754: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:44:28.45 ID:1kNYwyCF0
~
ビスマルク(どのくらい戦ったのだろうか?帰ればアトミラールにたくさん愛してもらえる。勲章だってもらえるだろう。そうすれば、きっと喜んでくれる)
ビスマルク(だから私は、こんなところで死ぬわけにはいかない。愛するアトミラールのもとへ帰らなくてはならない)
ビスマルク(そのために、この状況を何とかして打開しなくてはならない)
ビスマルク「うっ……!?」ドガァン
「いいぞ!!メイチュウした!!」
「Good job!! Good job!!」
「敵戦艦は大破しているぞ!!もうひとフンバリだ!!」
「奴をぐちゃぐちゃに噛み砕いて吐き出してヤレ!!」
ビスマルク「負けてられないのよ……あんたたちなんかに……!!っ!?」ボンッ
「!!いいぞ、奴の脚はシンダ……!!」
「フフフ……殺せ、コイツの死体を飾ってオクリツケテやろう」
ビスマルク「っ……アトミラール……!!」ギリッ ウルッ
ビスマルク(死にたく、ない……!!)
金剛「Burning Love!!」ドゴォン
「!?」ドガァン
ビスマルク「!?」
榛名「勝手は!!榛名が!!許しません!!」ドゴォン
「ぐはっ!!」ドガァン
「なんだと!?ゾウエンなんて聞いていないぞ!!」
「ミッドウェーのレンチュウは何やってるんだ!?」
金剛「ビスマルクはやらせませんヨ!!突撃デース!!」
「どうする!?コイツをシズメルか!?」
「駄目だ!!向こうへハンゲキしろ!!死にたいのか!?」
「っ……リョウカイ!!」
「撤退だ……テッタイしろ!!」
ビスマルク「……たすかったの?」ボーゼン
金剛「Hey ビスマルク!大丈夫デスカー!?Oh, いつもよりBeautifulデスネ?ウフフ」
榛名「ご無事ですか!?良かったです!提督もさぞお喜びになるでしょう」
ビスマルク「……ははっ、とりあえずアトミラールのハグとキス、それに熱々のコーヒーが欲しいわね」
755: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/01(日) 19:47:35.34 ID:1kNYwyCF0
~
提督「そうか、よくやってくれた金剛!!帰還してくれ」
金剛『Aye, aye, sir!!』
提督「ビスマルクは無事、そしてプリンツも無事だ!良かった……本当に良かった!!」
愛宕「提督、暁ちゃんたちが帰還しました」
提督「そうか!……愛宕?」
提督(良い報告のはずなのに、愛宕の顔は曇っていた。まるで報告することを躊躇うような感じだ)
愛宕「私も詳しくはまだ聞いていません。直接お聞きになってください」
提督(俺はざわつく気持ちを抑え、暁のもとへ向かう。暁は、泣きじゃくっていた)
提督(いや、暁だけでない。第六駆逐隊の面々は、あの響までもが涙を堪えられていない)
提督(明石もまた、沈んだ面持ちだ。……そして、プリンツが居なかった)
提督「……明石、報告を頼む」
明石「提督……」
暁「司令官……!!ごめんなさい……!!私が……私が弱かったから……っ!!」ボロボロボロ
提督(明石から報告を受ける。それは、撤退途中に新たな敵艦隊に遭遇し、貴重な工作艦明石を守るために……)
提督(大破したプリンツが一人で敵艦隊と交戦するために残ったということだった)
761: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 00:54:43.73 ID:bEdAZoZ50
~
提督(結局、敵の大規模な攻勢は実行されなかった。決戦の結果、敵の戦力を十分に削ぐことができたのだ)
提督(敵がトラック方面に戦力を送らなかったらどうなっていたか分からない。敵は、プリンツ撃沈の為だけにあれだけの戦力を用意したらしい)
提督(現在、我が軍は大将の指揮でミッドウェーへ攻勢をかけていた。はからずとも敵の守備隊は弱体化しており、)
提督(我が軍の損害は十分にカバーできる範囲であったからだ。慎重論もあったが、大将が強く働きかけた結果、反攻作戦が実行されたのだ)
提督(ともかく、あの戦いから……プリンツが行方不明になってから既に数日が経過していた。……未だにプリンツの行方はわかっていない)
提督(大本営の中には、戦死したものとして扱うべしと言う意見もあった。しかし、そんなことは受け入れられない)
提督(もはや望みはないだろうと言うことはわかっても、もしかしたら生きているかもしれない)
提督(ここで捜索を止めたことで彼女の死を決定付けてしまうかもしれないと考えると、捜索を打ち切ることはできなかった)
提督(執務にも全く身が入らない。気がついたら窓から外を見ている。この前は止められたが、やはり飛行機で捜索に向かってしまおうか?)
ビスマルク「アトミラール、いるかしら?」
提督「ああ、ビスマルクか。どうしたんだ?」
ビスマルク「食事を持ってきたわ」
提督「いや、いらん」
ビスマルク「なに言っているのよ!あれ以来、ろくに食べてないじゃない!」
提督「なにか食べたくなったら勝手に食べているんだ。だから、気にしないでくれ」
ビスマルク「ふざけないで!食べている人がそんなにふらふらしているわけないじゃない!みんな心配しているわ!お願いだから食べてよ!」
提督(っ!!こいつはどうしてそんなことを言っていられるんだ!?プリンツが行方不明なんだぞ!?様々な事に対するイライラが爆発した)
提督「ちっ!!くどいぞ!!いらないと言っているだろう!!」
ビスマルク「っ!」
提督「いいから、余計なことしている暇があれば捜索に出ろ!!」
提督(俺は乱暴に当番表を取り出すと、内容を確認した)
提督「第六駆逐隊が待機になっているはずだ!!彼女たちを連れて今すぐ出撃しろ!!」
ビスマルク「なっ!?私たちは敵襲があったときのために待機しているのよ!?」
提督「ミッドウェーであれだけの戦いが起こっているんだ!!敵も防御に必死でそれどころじゃないだろう!!」
提督「金剛や雲龍たちも捜索にまわしたかったのに、大本営の命令で攻撃させているんだ!!」
ビスマルク「でも……!!」
762: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 00:56:59.09 ID:bEdAZoZ50
提督「でもじゃない!!口答えするな!!いいから早く出撃しろ!!軍法会議にかけるぞ!!」
ビスマルク「っ!!落ち着きなさい、アトミラール!!あなt」
提督「お前が俺に意見するのか!?ビスマルク!!よりによってお前が俺を間違っているとでも言うつもりか!?」
ビスマルク「っ!?」
提督「少なくともそれだけ違うと断言できる!!お前なんかに私が間違っているだなんて言わせはしない!!」
提督「少しは自分の行いを省みたらどうなんだ!?ええ!?お前が誰かに間違いを指摘する権利があるとでも思ったのか!?」
ビスマルク「お、落ちt」
提督「プリンツは、お前のせいでおかしくなっていた俺を親身になって支えてくれたんだ!!」
提督「ここでこうしていられるのもプリンツのおかげだ!!さもなければ俺は廃人同然になってどこかで野垂れ死にしていた!!」
提督「俺がプリンツをお前と思い込んでいても、お前の演技までして俺を助けてくれていたんだ!!」
提督「そんなプリンツが、行方不明なんだ……!!俺はプリンツに何もしてあげられていないのに!!」
ビスマルク「……わ、分かったわ。食事はここに置いておくからね。たべ」
提督「さっさっと行け!!どうしてお前のような裏切り者が生き残って!!あんないい子がこんな目に合わなくちゃいけないんだ!!」
提督「プリンツじゃなくておmっ!?」
ビスマルク「!!」ビクッ ジワッ
提督(俺が口走りそうになった言葉に、ビスマルクがこの世の終わりを見たかのような表情になった)
提督(目を見開き、みるみる涙が満ちて、あふれだす。口元を手で押さえて、もう片方の手で胸を押さえていた。震えている)
提督「っ!!いや、違う!!俺は、そんな事……」
ビスマルク「……行ってくるわ」フルフルフル
提督「待ってくれ!!ビスマルク!!」
ビスマルク「……」タッ
提督「待てと言っているだろう!!」タッ
提督(走り去ろうとしたビスマルクは、しかしドアに阻まれた。開けている間に俺がビスマルクの肩を掴む)
ビスマルク「放して!!貴方の命令通りプリンツを探しに行くわよ!!」
提督「話を聞いてくれ!!」
ビスマルク「どうせ私は裏切り者の尻軽ビッチよ!!プリンツじゃなくて私がいなくなればよかったわね!!」
ビスマルク「そうすれば何の気兼ねもなくプリンツと仲良くできるもの!!きっとプリンツとなら」
提督「ビスマルク!!んっ……」チュッ
ビスマルク「んぅ!!嫌!!」バチン
764: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 00:58:44.85 ID:bEdAZoZ50
提督「っ!?」
ビスマルク「……!!あ、ち、違う……」
提督(怒り狂うビスマルクに俺は強引に口付けした。しかし、ビスマルクは俺を押し返すと容赦のない張り手を喰らわしてきた)
提督(それはビスマルクにとっても驚きだったらしく、硬直する)
提督「……悪かった。さっきのはつい勢いで言ってしまっただけなんだ。俺は、本当に君を愛している」
提督「君の方が行方不明になれば良かったなんて、思っていない。本当だ」
ビスマルク「……けど、プリンツが、プリンツも好きなんでしょう?」
提督「……!!」
ビスマルク「気がつかないと思った?プリンツがしていたあのペンダント、あのジュエリーショップの目玉商品でしょう?」
提督「……」
ビスマルク「……私は、貴方が好き。貴方に選んでほしい。けど、貴方がプリンツを選びたいのなら、そうして」
提督「……君の言う通りだ。俺は、プリンツも好きだ。けど、君が好きなんだ。君に、一緒に居て欲しい。俺が選んだのは君だ」
ビスマルク「……分かった。捜索に出るわ」バッ タッタッタッ
提督「ビスマルク!!……くっ、ああもう!!」バンッ
提督(走り去るビスマルク、その表情は俯いていたために見ることができなかった。俺は、壁を思いっきり叩いて部屋に戻る)
提督(回らない頭で仕事をこなしていると、誰かが走ってくる音がした。そして執務室の扉が勢いよく開かれる)
川内「提督!」バンッ
提督「……川内か、どうした?」
川内「ビスマルクさんが第六連れて出ちゃったんだけど!!なんで出撃させたの!?」
提督「……手が空いていたからだ。出撃できるのなら捜索にまわすのは当たり前だろう?」
提督「プリンツがもし生き残っているなら、もうそろそろ命がつきてしまう。そうなる前に見つけなくては」
川内「だからって……!!ここの防衛はどうするの!?」
提督「阿武隈たちが警備に出ている。問題ない」
川内「ここは最前線なんだよ!?阿武隈たちは本当に警備だけで、本格的な攻撃をされたら守り切れないんだよ!?」
提督「その本格的な攻撃をしてくる敵は、もういないんだ。全部、プリンツのおかげだ。その英雄を助けるのに何を躊躇う必要がある?」
765: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:00:37.41 ID:bEdAZoZ50
川内「……!!いい加減にしなよ!!」ギロッ
提督「いい加減にしなよだと……?ふざけるな!!何がいい加減なんだ!?」
川内「オイゲンさんがこんなことになって辛いのはわかるよ!?だからって私情で指揮をとっていいの!?」
提督「なっ!!私情だt」
川内「ビスマルクさん達は万が一ここが攻撃された時のために待機していたんだよ!!それをいきなり捜索にまわすのなんておかしいでしょ!!」
川内「提督の指揮は、この戦争の命運を左右するんだよ!!貴方のミス一つで、戦況なんて軽くひっくり返ったりするんだよ!!」
提督「っ!!」
川内「こんな時こそ冷静になりなよ!!私たちは皆、提督を心配しているんだよ……?」
川内「そこに置いてあるのも食事じゃん……!!きっと誰かが持ってきてくれたんでしょ?提督、誰になんて言われても食べないんだから!!」
提督「……っ」ギリッ
川内「っ!!……提督、ごめんね。ごめんね、役立たずで……」ダキッ
提督「!」
提督(川内に頭を抱き抱えられる。暖かい体温と川内の甘い匂いに気分が落ち着く。川内は優しい手つきで頭を撫でてきた)
川内「ごめんね、辛い思いさせちゃって。提督だけに辛いこと押し付けちゃってるよね……行方不明になったのが、私ならよかったのに」ポロポロポロ
提督「っ!!違う!!そんな事!!」
川内「……ありがとう、そう言ってくれて。私は役立たずだけど、提督のために頑張るよ」
川内「だから、少しだけ、ほんの少しだけでいいから冷静になって。今日は私も警備に出るから」
川内「もし敵が攻めてきたら、私が命を賭してここを……提督を守るよ。だから、安心して」
提督「川内……すまなかった……俺は……」
川内「……落ち着いた?」
提督「ああ」
川内「良かった。帰ってきたらまた来るからね。だから、少しだけ一人になるけど、待ってて?」
提督「……分かった」
提督(落ち着けはした。心配をかけた上に、あたってしまったことが申し訳ない。惨めな気分だった)
提督(しかし、それよりも大切なことは、やはりプリンツのことだった。彼女のことを考えると身が裂ける思いだ)
提督「プリンツ……どうしていなくなってしまったんだ……俺のためなら何でもできるんじゃないのか……?」
提督(川内も出撃し、攻撃の指揮も大将がとっている。今、俺はここで一人だ。他の要員も司令部までは来ない)
提督「なら、生きて帰ってきてくれよ……プリンツ……プリンツ……!!」ボロボロボロ
提督(誰かに見られる心配もない俺は、ひとしきり泣いた。暫くして、落ち着くことができた俺は改めて書類仕事に取りかかった)
766: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:02:42.87 ID:bEdAZoZ50
提督(数時間かけて今回の戦いの報告書を仕上げ、関連資料などを纏める。行方不明者1名、プリンツ・オイゲンか……)
提督「……」ガタ
提督(疲れた目を休ませようと窓の外を見た時、こちらへ向かってノロノロと進んでくる灰色の影が見えた)
提督「!!!!」ドクンッ
提督(窓に飛びつき、じっと目をこらし、その影を確認する。そして涙が溢れてきた)
提督「プリンツだ……!!プリンツだ!!」
提督(間違いない、あれはプリンツだった。灰色の制服に、雪のように白い肌。そしてまばゆいばかりの金髪)
提督(エメラルドのような緑の瞳と目があったような気がする。安心しきったのか、天使のような微笑みを浮かべた)
提督「プリンツ!!」ダッ
提督(あれほど求め、しかしどこか心のなかでは諦めていた少女。俺は駆け出した。ドアへ体当たりするように開ける)
提督(誰もいない廊下を駆け抜け、階段を飛び降りる。玄関ホールを飛び出て、一目散に港へ)
提督「プリンツー!!」
提督(しかし、見える海原には彼女の影は見えない)
提督「バカな!!プリンツー!!」
提督(もう上陸したのか?いや、辺りを見渡しても彼女の影どころか、人影ひとつない)
提督「プリンツ……!!」
提督(もしかしたら、さっきのは俺の望みが生み出した幻覚か何かだったのだろうか?)
提督「そんな……」
提督(その場に膝をつき、呆然とする。もはや今生で再会することはできないのだろうか?涙が溢れそうになる。すると突然視界に青白い手が入った)
提督「……っ!?」ビクッ
767: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:03:42.84 ID:bEdAZoZ50
提督(岸壁の下からぬっと伸びて、だん!とその端を掴む。思わずぎょっとしたが、その可能性に思い至り、大慌てで駆け寄る)
提督「プリンツ!!」
提督(その手に飛びつくと、まるで氷のように冷たい。岸壁から下を覗き見ると、虚ろな表情のプリンツいた)
提督(緊急時用の、ただコンクリートを削っただけの梯子をすぐそこまで登ってきていた)
提督「プリンツ!!プリンツ!!」
プリンツ「……」ニコッ パクパク
提督(しかし、俺と目があった瞬間、ぼんやりとした笑みを浮かべる。口がアトミラールと動いた気がした)
提督「もう大丈夫だ!!捕まえたぞ!!もう大丈夫だ!!」
提督(腕を掴み、引っ張りあげる。上半身を何とか引っ張りあげたところで脇の下に手を差し込み抱き上げた)
提督(力なく首に回された手が、プリンツがここにいるという実感をもたらした)
提督「良かった……!!本当に良かった!!プリンツ!!俺はもう駄目かと思っていたんだ……!!」グスッ
プリンツ「……」
提督(プリンツは何事か言おうとしたが、口をパクパクさせるだけで声が出ていない。衰弱しきっている!!とりあえず運ばなくては!!)
提督「プリンツ、一度下ろすぞ!!中へ運ぶ!!」
プリンツ「……」コクッ
提督(こくんとかすかに頷く。プリンツをお姫様のように抱え、揺らしすぎないように急ぐ)
提督「どうする?どうするどうする!?」
提督(この体の冷たさ、意識もはっきりしない。今日はたしか医務室に人がいなかったはず……軍医が急病でこられなかったのだ)
提督(くそっ!!どうしてこんな時に!!このままではプリンツが死んでしまうかもしれない!!)
提督「体を暖めなくては!!それと、水と食べ物だ!!」
提督(そういった類いはどこにある!?食糧庫か!?いや、俺の部屋でいい。あそこなら非常食から救急箱、そしてシャワーまである)
提督(そうと決まれば実行だ。急いで運び、敷いたままの布団に寝かせる……前に濡れた制服を脱がさなくては。それと目立つ外傷がないかチェックだ)
提督(プリンツを畳に寝かせる。艦娘が被弾したときになるように、服はボロボロだ。大変なことになっているのだがそれどころじゃない)
提督(顔は生気がなく、青白い。付着した血痕はどうやらプリンツのものではないようだが……)
768: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:06:16.80 ID:bEdAZoZ50
提督「すまない、これは治療のためなんだ!!分かってくれ!!」
提督(プリンツの服を鋏で切り、脱がす。白い肌がまぶしくて黒い下着が目に毒だが、見とれる暇はない。改めて全身を確認する)
提督「……外傷はなし、良かった!!」
提督(さすがは艦娘というべきか!!とりあえず、すぐ近くにあった予備のワイシャツを着せる。大きすぎるが気にしない)
提督(敷布団に横たわらせ、掛布団をかける。そして食べ物などをとってこようとすると、服の裾を捕まれた)
プリンツ「……!!」キュッ パクパクパク
提督「どうしたんだ!?」
提督(口をパクパクさせるだけで声が聞こえない。口元に耳を寄せる)
プリンツ「いかないで……」
提督(小さなかすれ声。思わず顔を見ると、緑色の瞳は真っすぐ俺を見つめており、一筋の涙が溢れている)
提督「安心してくれ、食べ物をとってくるだけだ。すぐに戻る」
プリンツ「……」
提督(なおも手は離れなかったが、優しく手をとり、握りしめてから胸の上におく)
提督(棚の中から緊急食糧の箱を開けて、中を確認。乾パンと水を取り出す。ついでにいつでも使えるよう電気ポットのスイッチを入れ、すぐに戻る)
提督「プリンツ、ほら、水だぞ!」サッ
プリンツ「こく……こく……」
提督(丁寧に上半身を抱き起こし、水を少しずつ飲ませる。喉が動き、飲んでいることが分かった)
提督「よし!!」
提督(しかし、この数日間何もたべていないはずだ。長く食べていない人間に水を飲ませ過ぎると、死んでしまう。飲ませるのは少しだけにした)
提督「次は食べ物だ、乾パンだぞ!よく噛んで食べるんだ。いいな?」
プリンツ「……」
提督(包みを破って小さく割る。欠片を口に含ませた)
プリンツ「……」
提督(が、噛まない……!!いや、噛めないのか!?くっ……どうすれば…… っ!!)
提督(思い出されたのは有名な某アニメ映画。主人公が食べ物を食べられなかった時に、ヒロインは自分で噛んでから食べさせていた)
769: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:08:21.36 ID:bEdAZoZ50
提督(プリンツの口から欠片をとりだし、それを自分の口に含む。噛んで噛んで噛みまくる。液体のようになったそれを、口移しでプリンツに食べさせる)
提督「ん……」
プリンツ「……ごくん」
提督「よし、飲んだ!!」
提督(同じ要領で一食分を食べさせた。しかしまだ意識は朦朧としているようだ)
提督「くそっ!!本当に大丈夫なんだろうな!?」
提督(このまま死んでしまうような気がして、気が気でない。だれか医者に連絡しなくては……)
提督「そうだ、電話だ!!」
提督(ハッと気がつき、携帯を出した。軍医へ連絡する。気がつかなかったらどうしようかと思ったが無事に繋がった)
提督(だいぶ体調が悪そうだったが、こちらの方が重要だ。プリンツの容態について説明し、対処を仰ぐ)
提督(すると、低血糖の可能性が高いということだった。対処法は、ブドウ糖を取らせること。つまり、炭酸飲料が最適だ)
提督(電話を切ると共に、小走りで駆けだす。部屋にある小型の冷蔵庫の中から一番好きといっていたファンタオレンジを取り出した)
提督「……冷たくても大丈夫なのか!?」
提督(そこは聞いていなかった……!!だが、明らかに体を冷やすのは良くないだろう。沸かせていたお湯を少し混ぜることで温くした)
提督「これなら大丈夫なはずだ!プリンツ、ファンタだぞ!」
提督(再び上半身を起こし、ゆっくりと飲ませる。こくこくと動く喉が愛おしい)
提督「生きているんだ……!!」
提督(改めてプリンツの生存を実感する。一度は失ったと諦めかけていた大切な存在。もう絶対放さない!!)
プリンツ「こく……こく……っ!!」パチ
提督(突然、カッとプリンツの目が開かれた。いったいどうしたのだろうか?)
提督「プリンt」
プリンツ「うわあああああああああああ!!」
770: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:10:22.63 ID:bEdAZoZ50
提督(絶叫が響く。耳が壊れそうだ!!)
提督「っ!!プ、プリンツ!!」
プリンツ「Nein!!Nein!!Nein!!Nein!!Neeeeeeiiiiiin!!」ジタバタ
提督(プリンツは掛布団を蹴り飛ばそうとしているのか、したばたと暴れる。とりあえず布団をどかした)
提督「プリンツ!!落ち着け!!プリンツ!!」
プリンツ「Aaaaahhhh!!Was ist das!?Was läuft!?Wo bin ich!?」
提督「プリンツ!!もう大丈夫だ!!俺の部屋だ、ここは!!」ガシッ
プリンツ「あ、アトミラール!?アトミラール……アトミラール!!」ダキッ
提督「プリンツ!!そうだ、俺だ!!本当に良かった……」ギュッ
プリンツ「んちゅっ」
提督「んむ!?」ビクッ
プリンツ「んはぁ!!んちゅ、んむぅ。れろれろれろ」
提督(錯乱していたプリンツは俺を認識するとともに、少しだけ冷静さを取り戻したように見えた)
提督(何が起こっているのか分からないという表情から、何かを思い出すかのような思案顔)
提督(それから一転、今にも泣きそうな、しかし喜びの余り顔がにやけるのが止められないと言ったような、感情の爆発を湛えた複雑な笑顔だ)
提督(そして、おもむろにこちらへ抱き付き、腕を首にまわし、唇を重ねてきた。ただ、自分の愛情を伝える為だけの、乱暴なキス)
提督(強く押し付けられた唇、こちらの口をこじ開けるかのように舌がねじ込まれる)
提督(されるがまま唇を開くと、すかさず舌が侵入してくる。こちらの舌を求めるように妖しく蠢いた)
提督(そして目当てのモノを探し当てると、獲物を捕らえた蛇のように絡まってくる。首にまわされた腕も、より一層強く抱きしめてくる)
提督(あまりの衝撃に暫く放心していた。が、気を取り戻し、プリンツを落ち着かせようとする)
提督「……!!ん!!んー!!ぷはぁ!!プリンツ、落ちつ」グイッ
プリンツ「んふぅ……ぷはっNein!! いやぁ!!ダメです!!」バチン
提督「いっ!?んぶぅ!!」
プリンツ「んちゅぅ……むちゅぅ……にゅるにゅる、れろれろ、じゅるる」
提督(何とか押し戻したと思ったらまさかのダブルビンタ。そのまま顔を押さえつけられ、再び唇を交わす)
771: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:12:55.49 ID:bEdAZoZ50
提督(とりあえず落ち着くまではこうしていようと考え、抵抗をやめる。すると、プリンツも顔を強く押さえつけていた手をはなした)
プリンツ「はむぅ……んふぅ……んぅ!んはっ……むふぅ……」グイ
提督(するりと体に手を回され、後ろに倒れる。プリンツに引っ張られるようにして覆いかぶさる)
提督(足を絡ませられ、体を擦りつけられる。服越しとはいえ、柔らかい胸と太ももの感覚に赤面する)
提督(強く求めてくるプリンツに、俺は果たしてあの戦いから今日までどのような気持ちでいたのかということに思い当たった)
提督(一人でここまで戻ってくるまでの日々、想像のできない孤独と恐怖だったのだろう)
提督(プリンツがたまらなく愛おしい。俺は、自分からもプリンツの背と頭に手を添えた。冷たいプリンツの体を温めるように抱き合う)
提督(どのぐらいの間だったろうか?ようやく唇を離したころには、プリンツの体温も十分温まっていた)
プリンツ「……アトミラール」
提督「無事でよかった。本当に。本当に良かった……!!」ギュッ
プリンツ「あっ/// Danke…… 私も、生きて帰ってこれて良かったです」
提督「本当にそうだ。もう二度と居なくならないと誓ってくれ」
プリンツ「はい。私はアトミラールのモノですから」ギュッ
提督「約束だからな?破ったらただじゃおかないぞ。……そうだ、これを返すよ」
プリンツ「はい。……!!これ、ずっと胸ポケットに入れていたんですか?」
提督「いつでも返せるようにな」
プリンツ「アトミラール……!!ありがとうございます。……アトミラール、好きです。貴方を、愛しています」
提督「!!……ありがとう」
プリンツ「……結婚、してくれませんか」ジッ
提督「!」
プリンツ「アトミラールがビスマルク……姉さまを好きなのは知っています」
提督「プリンツ……」
プリンツ「けど、こればかりは一人の女として譲れません。貴方が好きなんです。貴方を思うだけで、すべてが鮮やかに色づく」
プリンツ「心臓がドキドキします。貴方の笑顔を見るだけで私まで笑顔になれる。貴方の真剣な横顔から目が離せない」
プリンツ「貴方の隣にいる為なら何でもできます。貴方が他の女性に笑いかけているのを見ると、心が張り裂けそうです」
プリンツ「どうか私を選んでください。私のすべてを以て貴方に捧げます。貴方を助け、良き妻となれるように全力を尽くします」
提督(うるんだ瞳に、紅潮した頬、上目遣い。胸の前で組まれた手は、神に祈る聖女の様だった)
提督(俺は、プリンツが好きだ。愛していると言える。今すぐにでも結婚したいぐらいに)
773: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:14:47.70 ID:bEdAZoZ50
提督(だが、それと同じか、それ以上にビスマルクのことを愛していた。たとえ不幸にもすれ違い、想いが穢されたとしても)
提督(俺は、どうすればいいのか分からない。何ということだ!こんな美人が俺を好いてくれているのに!)
提督(ああ、今すぐに抱き付いてキスをしたい!愛したい!結婚して、二人で幸せに暮らして、子宝に恵まれて、孫に囲まれて安らかに二人で旅立ちたい!)
提督(それを望みさえすれば手に入る!だが、悲しげなビスマルクの顔が脳裏に浮かんで離れない!)
提督(あの男さえいなければ、このようなことにならなかったのだろう!!あいつは結局、報いを受けた。当然だ)
提督(しかし、歪な形であったとはいえ、幸せを手に入れたビスマルクを自分の意志でその甘い悪夢から目を覚まさせたのは俺だ)
提督(それはもちろん、たとえ汚されたとしてもビスマルクが忘れられなかったからだ。彼女を愛していたからだ)
提督(赤子殺しの汚名を背負って、背負わせてまで彼女を選んだのは他ならぬ俺自身なのだ!!)
提督(信じがたい難問だ。俺は、今は答えが出せなかった。いや、答えはあるのだろう。だが、今それを言い出せなかった)
提督(今だけは、今だけは絶対にダメだ。短い間でいいからこの残酷な決断を先延ばしにしたかった)
提督「……プリンツ、ありがとう。本当に、心から嬉しい。けど、今はまだ決められない。すまないが、時間をくれないか」
プリンツ「……」
提督(プリンツは、少しだけ目を見開くと、俯いた。もしかしたら察してしまったのかもしれない)
提督(だが、二人と結婚するだなんて倫理的に無理だ。人の道に背く行為だ。すまない…… だが、せめてこの、心地いい空間をもう少しだけ……)
776: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:24:53.02 ID:bEdAZoZ50
~
プリンツ(私は自分の敗北を察した。私のできることすべてをしたはずだった。この身もこの心もすべて捧げた)
プリンツ(自分の外見だって気にかけてきた。潮風に傷みやすい金髪も紫外線に弱い白い肌も)
プリンツ(体形だっていい感じをキープしている。プロポーションも、まだビスマルクほどではないにしろ、私には伸びしろがある)
プリンツ(性格だって、自画自賛みたいで嫌だけど……悪くないはずだ。皆とも仲良くできているし、気がきく明るい性格とよく言われるし)
プリンツ(食事だって作れるし、家事はもちろん雑用から大事な仕事まで。任されたものは全部完璧にこなしてきた)
プリンツ(進んでアトミラールに尽くしてきた。嫌々ではなく、喜んで!あの人のために何かすることが幸せだった!)
プリンツ(あの人のためにこの身を顧みず戦った!何度も死線を潜り抜けて、相手をなぎ倒してきた!)
プリンツ(それでも……それでもまだ届かないの?……アトミラールのビスマルクへの想いには!!)ギリッ
プリンツ(報われるはずと信じて今まで戦ってきた私の中で、そのことがただの幻想かもしれないと気がついた)
プリンツ(あんな尻軽女なんかが私よりもこの人にふさわしいのに!酷い裏切りをして名誉を失ったあの女なんかがこの人と?)
プリンツ(そんなのは嫌だ!!心の中に昏い感情が胎動する。なんとしてでもこの人が欲しい!!もう残された道は一つしかない)
プリンツ(この人を掠奪する。それこそが唯一の正しい選択。この人を私のモノとして、愛し尽くす)
プリンツ(決して褒められた行為ではないが。しかし、今こそそうすべきだ。でないと後悔する)
プリンツ(今ここで、この人の心を仕留める。この人のすべてを手に入れて私に染める。そこで私を捧げよう)
プリンツ(アトミラールは優しいから、ビスマルクを切り捨てられないだけだ。けど、そんなことは間違っている。悪事を犯した奴らが今こそ酷い報いを受ける番だ)
プリンツ(大丈夫、きっと上手くいくから。幸せな生活が待っている。その為には、今ここで少し乱暴になってでも、頑張らなくては)
778: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:28:25.13 ID:bEdAZoZ50
提督「プリンツ……」
プリンツ「……そうですか、分かりました」
提督「……ありがとう」
プリンツ「ところで、アトミラール……その、頼みたいことがあるのですが……いいですか?」ジッ
提督「俺にできることなら、なんでも」
プリンツ「その……お風呂に入りたいんですけど……体に力が入らなくて……」モジモジ
提督「!?」
プリンツ「だから、その……お風呂に入れてくれたら嬉しいなって……」チラッ
提督「や、その……誰かが帰ってきた後にした方がいいのではないか?俺は男だぞ」
プリンツ「提督だからいいんです……駄目ですか?」キュッ
提督「しかし……」
プリンツ「とても寒いし、海水とかで体が汚れてて……本当に今すぐ入りたいんです。お願いします」ギュッ
提督「……」
提督(改めて、プリンツの全身を見る。恥ずかしそうに若干俯きかけの、上目遣い。涙に潤んだ緑の瞳赤く染まった頬)
提督(不安そうに肩が小刻みに揺れる。のばされた手が俺の服の裾を掴んでいた)
提督(そういえば、プリンツが身にまとっているのは俺のワイシャツと下着だけだ。噂に聞く裸ワイシャツにとても近い)
提督(男物であるがために形の良い胸が服を圧迫し、その谷間が丸見えだ。そして、裾からちらりと見えるのはプリンツの……秘所を覆う薄布だ)
提督(蠱惑的な装飾の薄布に覆われたそこは、一度も男を受け入れたことがないと思い出してしまう)
提督(今の状況を再認識し、男として興奮してしまった。だが、駄目だそんな事は!しかし、風呂に入れてあげるのは必要だろう。体も冷えているようだし……)
プリンツ「アトミラール……」ウルッ
提督「わ、分かった。しかし、タオルは巻いてもらうぞ」
プリンツ「アトミラール……!!ダンケ!!」
779: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:31:42.28 ID:bEdAZoZ50
提督「では、行こうか。立てるか?」
プリンツ「……抱っこしてもらっていいですか?」
提督「分かった。ちゃんとつかまってくれよ」
プリンツ「はい。……あん///」
提督(プリンツをお姫様抱っこする。すると首に手を回してしがみついてきた)
プリンツ「重く……無いですか?」ササヤキ
提督(耳元で聞こえるウィスパーボイス。ぞくぞくする)
提督「羽のように軽いよ」
プリンツ「ふふっ……もう絶対放しませんからね」ギュッ ハイライトオフ
提督「何か言ったか?」
プリンツ「いえ、男らしいですねって」
提督「っ!……て、照れるな」
提督(脱衣室でプリンツにバスタオルを渡す。とりあえずアンダーウェア姿になる。別に、一緒に入るわけではないのでこれで十分だろう)
プリンツ「アトミラール、準備できましたって……それで入るんですか?」
提督「もちろん。君の手助けをするだけだからな」
プリンツ「……分かりました。お願いします」
提督「ああ」
提督(プリンツに肩を貸し、浴室へ入る。椅子に座らせ、シャワーを確認。よし、暖かい)
提督「まずは髪からかな?」
プリンツ「はい、お願いします」
提督(プリンツの指示に従う。シャワーで流しながら髪を優しく解かすように洗う。シャンプーをつけて同じようにした)
提督(触り心地がよく、まるで絹の様だ。丁寧に洗った後、泡を流してタオルで軽く拭く。そしてリンスを髪に練り込むようにする)
提督(徹夜の時に秘書艦に使われたりするため、女性用のリンスやシャンプーを置いていたことが吉と出たな……)
提督(シャワーで軽く髪を濯ぎ、俺の仕事は終わりだ。あとは途中で倒れたりした時のために近くで待機すればいい)
780: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:33:27.02 ID:bEdAZoZ50
提督「よし、終わったぞ。後は体だが……向こうを向いているから洗ってくれ」
プリンツ「えっ?洗ってくれないんですか……?」
提督「なっ何!?」
プリンツ「背中とか洗いにくくて……お願いします」
提督「っ……わ、分かった」
プリンツ「ありがとうございます」ニコッ
提督「ああ。よし、じゃあ洗うぞ」
プリンツ「アトミラール、良ければスポンジとかは使わないで手でやってくれませんか?肌が弱くて」
提督「手で!?あ、いや、分かった。任せろ」
提督(動揺しつつもボディーソープを手にだす。バスタオルを取り払ったプリンツのヒップに向かいそうになる視線を何とかしつつ、背中をなでる)
プリンツ「ひゃん!!アトミラール、ちょっと冷たいです……」ビクッ
提督「す、すまん!!申し訳ない……」
プリンツ「大丈夫ですけど、ちょっと手のひらで温めてからしてくれると嬉しいです」
提督「サンオイルと同じだな!?任せろ」
提督(なでるようにしてプリンツの背中を洗う。しっとりとしていて滑らかな肌触りだ。ひたすら無心を貫く)
プリンツ「んぅ……ふぅ……はぁっ……///」
提督(艶めかしい声が漏れているが気にしない!……よし、こんなもんだろう)
提督「で、できたぞ。後は自分でできるか?」
プリンツ「ま、前も洗ってくれませんか?」
提督「!?」
提督(上気した肌、見返り美人のようにこちらを振り向いたプリンツがねっとりとした声音で頼んでくる)
プリンツ「お願いします……アトミラール。手を上げるのが辛いんです。力が入らなくて……」
提督「そ、そうか……分かった……!!」ゴクリッ
提督(手が震える。興奮に心臓がバクバクと脈打つ。下半身に血液が集まることを、いったい誰が咎められようか)
提督(恐る恐る手を前へ回す。お腹を優しくこすり、手はそのまま上へと移動する)
781: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:43:26.92 ID:bEdAZoZ50
プリンツ「あふぅ……んっ……ふぁ……///」ピクン
提督(その柔らかくも弾力のある胸をしたから持ち上げるようにして、さすっていく。もちろん、そこで終わるわけではない)
提督(そこで、気がついてしまった)
提督「!?」
提督(た、たっている!!つまりは、そういうことなのか!?プリンツの張りのある、つんと上を向いた胸の先端、突起が固くたっていた)
提督(つまり、プリンツは性的に興奮している状態だ。だが、それは意図せずともなってしまう。現に、俺だって……っ!?)
プリンツ「んはっ……はぁっ……くぅ……///」スリスリ
提督「ぷ、プリンツ!?何をしているんだ!?」
プリンツ「ふぇ?さすがにここを洗ってもらうのは恥ずかしいので……洗いたかった……ですか?」
提督「あ、いや、違うんだ!!すまん、何でもない」
プリンツ「……あ、アトミラールなら、いいです、よ?」
提督「いや、いい!!そこは自分で洗ってくれ!!頼む!!」
プリンツ「はい。んっ……」スリスリ
提督(手を下腹部にあてて何かしているからと言ってそういうことを考えてしまう自分に嫌気がさした。雰囲気にあてられておかしくなっている)
782: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/02(月) 01:45:34.91 ID:bEdAZoZ50
提督(余計なことを考えないようにしつつそのまま上半身を洗う。腕まで洗ったところで、聞いた)
提督「下半身はさすがにあれだよな?自分でできるか?」
プリンツ「……はい、もう大丈夫です。ありがとうございました。洗い終わるまで少し待ってくれますか?」
提督「分かった……!!向こうを向いているから、気にしないでくれ!!」
プリンツ「そうですか、分かりました」
提督(言い訳のように頭で繰り返す。途中で倒れたりする危険があるし、湯船に入る時に助けが必要だ。外へ出るわけにはいけない)
提督(この生殺しの生き地獄を耐えきるために胡坐をかいて心の中で必死に軍艦行進曲を歌っていたところ、体を流す水音が響く)
提督「終わったか?……プリンツ?」
プリンツ「……♪」ダキッ
提督「!?」ビクッ
提督(背中に感じる二つの大きな存在感、そして暖かい体温。耳元に寄せられた口から熱っぽい囁きが漏れる)
プリンツ「ありがとうございます、アトミラール。お礼に、私がアトミラールを洗ってあげますよ」
提督「プリンツ……!?っ!!だ、そこは駄目だ……!!」
提督(プリンツの手が、パンツの中に入ってくる。そしていきり立っている俺のモノを優しく、しかししっかりとつかんできた)
プリンツ「……!!すごく硬くて、熱い……///大きくなってますね。私に興奮してくれたんですか……?私も、アトミラールの立派なこれにすごく興奮しています///」
提督「だ、駄目だプリンツ……!!」
プリンツ「そんなことありません。これはお礼なんですから……♪」シコシコシコ
提督(俺は、抵抗しようとした。しかし、できなかった。プリンツの手が俺のモノをゆっくりと扱き始め、その快楽に抗えなかった)
794: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:05:46.25 ID:B4g4HJ4d0
提督「っ……!!ぐっ……!!はぁっ……!!」ビクッ
提督(片手で俺のモノを扱きつつもう片方の手で俺の乳首をこねくり回す。ぞわぞわとした快感に息が荒くなる)
プリンツ「すごい……ぬるぬるしてきましたね……?気持ち良いですか?」
提督「……っ!!十分に動けるじゃないか……!!」
プリンツ「今、そんな事は重要ではありませんよ。忘れてください。それで、どうですか?気持ちいいですか?」
提督「っ……初めてとは思えないよ……」
プリンツ「そうですか……!!アトミラールに喜んでもらうために、たくさん勉強したんですよ?」
プリンツ「火照ってしまった体を自分で慰めながら、エッチな動画とか本で頑張ったんです」
提督「自分で慰めながら……!?」
プリンツ「そうですよ。そういうのを見れば、興奮しちゃいます。アトミラールに愛してもらえるまでは我慢しようと思っていたんですよ?」
プリンツ「けど、切なくて我慢できなくて。はしたないってわかっていたんですけど……耐えられませんでした」
プリンツ「アトミラールにいっぱい愛してもらうことを妄想しながら、はしたなく指がうごいてしまったんです」
提督「……!!」
提督(プリンツは俺の耳元で自分の痴態を囁く。しかし、この状況ではただただ俺を興奮させるだけだった)
提督(そうこうしている間にもプリンツの手は緩急をつけながら俺のモノを扱く)
提督(カリや裏スジ、亀頭。それに玉袋まで責める手法は上手い。だが、隠そうとしても隠しきれないぎこちなさ)
提督(そして経験のなさからくる手際の悪さは、確かにプリンツに実戦経験がないことを示していた)
提督(だが、それはむしろ興奮する材料としかならない。プリンツという純潔な少女を俺が自分色に染めているような感覚だ)
795: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:07:36.60 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「アトミラール……どうですか……?気持ちいいですか……?」
提督「っ……」ピクッ ピクッ
提督(気持ちいい。もちろんだ。だが、言えない。それを言ってしまうと自分からビスマルクを裏切ってしまう)
提督(抵抗していない時点で何を言うんだと思うかもしれないが、されるのとするのでは天と地ほどの差がある)
提督(俺は、言えなかった)
プリンツ「ぴくぴくしてるってことは気持ちいいんですよね……?けど、ちゃんと言ってもらえないと不安です……」
提督「……」
プリンツ「……アトミラール、こっちを向いてください」
提督「……」
プリンツ「っ!はむっ……んちゅっ……」グイッ
提督「っ!?んっ……!!」
プリンツ「んむっ……れろ……にゅるにゅる……」
提督(無言を貫き、か細い声のこっちを向いてという懇願をも無視した俺に、プリンツは俺の胸を弄っていた手で強引にそちらを向かせる)
提督(そして強引に唇を重ねてきた。肩に感じる柔らかい胸、すぐに熱い舌が絡みついてくる。それと同時に俺のモノを扱く手を激しくした)
提督(プリンツに強引に口づけされて、貪られる。激しくモノを扱かれる。ビスマルクがいるのに。背徳感が快感に変わる)
提督(そして、あのプリンツがというギャップ萌え。さらには強引にされるということの興奮。限界を迎えそうだった)
提督「っ……!!んくっ……!!」ピクンピクン
提督(そして、もう寸前というところで、ぴたりと手が止まった。唇が話され、舌が引き抜かれる)
796: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:08:34.39 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「ぷはっ……腰が浮いてますよ。もうイきそうなんですね?けど、駄目です。まだイかせてあげませんよ」
提督「なっ……!?なんで……!!」
プリンツ「イかせて欲しいんですか?ならそう言ってくれればイかせてあげますよ」
提督「っ……!!」
プリンツ「ただされるがままってのは、ズルいですよ。私は、便利な女じゃ満足できません」
プリンツ「欲しいんです、アトミラールが。愛してほしいんです。結婚してほしいんです。私を、選んでほしいんです」
提督「……俺には、ビスマルクがいる。君のことは好きだ。愛しているよ。けど、俺の妻はビスマルクなんだ」
プリンツ「……アトミラール、こっちを向いてください」
提督「っ!!無理だ……」
プリンツ「……なら、私が前に回りましょう」
提督「プリンツ……!?」
提督(プリンツの形の良い引き締まったヒップが視界に入る。目を逸らせない。そして目の前でこちらを向いた)
提督(剃ってあるのか、毛のないそこはピッチリとした綺麗なスジマンだ。だが、愛液に濡れている)
提督(視線を上げると、美しいお腹を経てからつんと張った大きな胸を見上げる形となる。その先端は桜色で、やはりたっていた)
提督(そして、ようやくプリンツと目が合った。緑色の瞳は爛々と輝いているようだ)
プリンツ「私の体、お気に召してくれましたか?」
提督「っ!!すまん!!」
プリンツ「もっと見てください。アトミラールだけのためにあるんですよ」
提督「俺の……!!いや駄目だ!!」ガタン
プリンツ「……素直になれないアトミラールには、素直になれるようにもっと奉公してあげますからね」
提督(必死の思いで後ろへ下がる。そんな俺に対して、プリンツは獲物を追い詰める女豹のように四つん這いになって這いよって来る)
提督(揺れる胸とヒップに魅了される。不敵な笑みを浮かべたプリンツはいつもとは別種の、正反対の魅力を放っていた)
プリンツ「目を閉じてください……?」
提督(俺は、動けない。壁がある。ただ、言われるがままに目を閉じることしかできなかった)
797: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:10:26.59 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「んっ……んちゅ……れろ……」
提督「んっ……!!」
提督(プリンツが唇を押し付けてきて、舌をねじ込んでくる。再び咥内を蹂躙された。唾液が混ざり合い、それが吸い出される)
プリンツ「ぷはっ……男の人は、好きなんですよね?胸でされること。んっ……」
提督「プリンツ……!!」
提督(そういうとプリンツは唾液を俺のモノにたらし、豊満な胸で挟んだ。胸で扱き、圧迫してくる)
プリンツ「んっ……ふっ……どうですか……?」
提督(さらに、谷間に挿入させられるようにして包み込まれ、固くたっている乳首で敏感な所を刺激してくる)
提督(いやらしく形を変える胸。プリンツに奉公させているという征服感と官能的な光景。男としての満足感を覚える)
プリンツ「イかして欲しいですか?言ってくれればすぐにイかしてあげますよ?」ムニュムニュムニュ
提督「くっ……俺には、ビスマルクが……」
プリンツ「……へぇ?まだ素直になってくれないんですね。こんなに腰が浮いているのに……切なさそうな顔をしているのに……」
提督「……」
プリンツ「……あは、美味しそう。アトミラールのなら、喜んでこういうこともできます。あむ」
提督「!!」
提督(プリンツはパイズリをやめると、ジッとこちらを見つめる。そして視線を俺のモノに落とすと、妖しい笑みを浮かべた)
提督(そして髪を背中に流し、ちろりと舌なめずりすると俺のモノを咥え込んだ。熱に包まれる)
798: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:11:07.37 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「れろれろれろ……じゅるるる、じゅる。じゅぷじゅぷ」
提督「くっ……あぁ……!!」
提督(舐めまわされ、激しく吸われ、耐えがたい快感が俺を襲う。しかし、再び絶頂を迎えようとしたところで止められる)
プリンツ「んはっ……やっぱりお野菜とかバナナとは違いますね。けど、これがアトミラールの味ですか……」
プリンツ「癖になりそうです。……どうですか?イかせて欲しいですか?」
提督「……」
プリンツ「……そうですか」
提督(俺が絶頂を迎えそうになると、フェラを止め、そう聞いてくる。それにこたえられないでいると、ジッと見つめてくるのだ)
プリンツ「……アトミラール、私、頑張りましたよね?敵との戦いも、アトミラールのサポートも」
提督「……ああ」
プリンツ「ご褒美が、欲しいです。少しでも感謝してくれているのなら、ご褒美をください」
提督「……俺にあげられるものなら」
プリンツ「アトミラールしか持っていないもの、です。……貴方の心を、愛をください。これで私を、染めてください。あむ」
提督「っ!!」
提督(見つめながら、俺の心に訴えかけてくる。少しずつ少しずつ、俺の心をこじ開けていくように)
提督(そうして、ある程度射精感がなくなるまで待ってから再びフェラを始める。しかも、どんどんとうまくなっていった)
提督「っ……!!くぁ……!!」
プリンツ「じゅるじゅるじゅる……れろれろれろ……」ジッ
提督(俺の反応をずっと観察して、学習しているのだ。最初の頃にあった手際の悪さは今や全くなくなっていた)
提督(的確なタイミングでせめてくる。俺のモノを咥えながら上目遣いでこちらを見つめてくる。その緑の瞳に吸い込まれそうだ)
799: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:12:48.99 ID:B4g4HJ4d0
提督(どうしてイかせてくれと言わないのか。共犯者に自分からなろうとしないのか。……プリンツを、名実ともに受け入れないのか)
提督(ビスマルクのことなんて忘れて欲しい。プリンツを受け入れて、選んでほしい。結婚してほしい)
提督(そう訴えられているようだった。ビスマルクの名前を出す俺に、彼女を忘れさせようとしている)
『お気をつけ下さい、将軍、嫉妬というものに。それは緑色の目をした怪物で、ひとの心をなぶりものにして、餌食にするのです。』
提督(有名な言葉が頭をよぎる。今のプリンツは、まさにそれのような気がした。だが、その怪物がここまで魅力的だとは聞いていない)
提督(繰り返される快楽と言葉責めに押しつぶされる。理性や良心が本能と欲望に塗りつぶされていく)
プリンツ「アトミラール……辛いですよね。こんなに息が荒くて、ここが痙攣して。けど、私も辛いんです」
プリンツ「アトミラールは気持ちいいかもしれませんが、私はさっきからずっと切なく疼くここを慰めることすらできていないんです」クニッ
プリンツ「貴方の手で、私を女にしてください。男の……アトミラールの味を教えてください」
提督「……かった」
提督(何度焦らされたのだろうか。ここで屈してしまった俺を、誰が責められるというのか。男なら、こんなこと耐えられるわけない)
提督(いくら愛する妻がいるからと言って、その妻を寝取られた時に自分を殺してまでずっと支えてくれていた子が)
提督(助けてくれて、好意を向けてくれているこんな可愛い子が。俺自身も確かな愛を感じている子が)
提督(その魅惑的な裸体をさらしてここまでしているのに耐えられるのであれば、尊敬する)
プリンツ「!!……何ですか?」
提督「分かった。プリンツ、……愛してる。もう限界だ……お前が、欲しい。お前の中で、果てたい」
提督(今の俺は、この焦らしに焦らされて今にも暴発しそうなこれでプリンツのはじめてを奪い)
提督(そしてプリンツの中に全てを吐き出すということしか考えられなくなっていた)
プリンツ「そうですか……そうですか!!けど、もうちょっと早くに言えば良かったですね?もうだめです」
提督「なっ!?そんな……!!」
800: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:13:51.54 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「ふふっそんな顔をしなくても大丈夫ですよ。冗談です。……けど、寂しくて怖かったです」
プリンツ「もし受け入れてくれなかったらどうしようって不安だったんですから。その分、たくさん愛してくださいね?」
提督「ああ、分かった。……部屋に戻ろう」
プリンツ「はい。ふあっ!……アトミラール?」
提督(俺はプリンツを両手でお姫様抱っこする。そして敷いてある布団まで運んだ)
提督(体は十分乾いていた。暖房を強く設定していたおかげで、部屋は十分に暖かい)
提督(俺はプリンツを優しく抱き下ろすとそのまま頭を抱えて唇を交わした。プリンツもまた俺の体に手をまわし、抱き締められる)
プリンツ「んちゅぅ……んはぁ……れろれろ……にゅるにゅる……」
提督(そうして愛を確かめながらも、俺の手は首筋を経て鎖骨をなでてから胸へと到達した。柔らかいそれを優しく揉む)
提督(そしてその先端の桜色の突起を摘み、こねくり回す。まだ開発されていないため反応は薄い)
プリンツ「んふぅ……んあぁ……はぁん……むちゅぅ……」ピクンピクン
提督(しかし、感じてはいるようだ。じれったく思っても、初めての子が相手なら前戯は手を抜いてはいけない)
プリンツ「ぷはっ!アトミラール……む、むねぇ……ちくびぃ……だめぇ……!!」
提督「愛しているよ、プリンツ」
プリンツ「わ、私もでっうひゃぁ!?み、耳舐めちゃダメっ……!!ああ、舌入れないで……!!」
提督(そして指と同じように首筋、鎖骨を経由しながら胸に行くと思わせて転進。脇へ奇襲をかけた)
プリンツ「ひゃん!わ、脇ですか……?くすぐったいですよぅ……はぁっ……!!」
提督(風呂上がりだからだろう。ボディーソープの香りと甘いプリンツの匂いが混じっている)
提督(舌で軽くくすぐるようにしてから、そのまま舌を胸に這わせていく。だがすぐその先端にはいかない)
プリンツ「いやぁ……さきっぽ……焦らさないでぇ……!!切なくておかしくなっちゃいますからぁ……!!」
提督(だが断る。谷間に挟まれるようにしてその底を舐めつつ、もう片方の膨らみへ。プリンツは身を捩り、脚をもじもじとさせている)
提督(十分に焦らした後に、前触れなく乳首へしゃぶりつく。甘噛みし、強く吸い、舌で転がす)
801: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:14:54.59 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「はぁん!!くぅ……アトミラール……変な感じです……!!つぅ……あぁ……!!」ピクン ピクン
提督「じゅるじゅるじゅる……れろれろれろ……」
プリンツ「あ、アトミラール……可愛いです……赤ちゃんみたい……」ニコッ ナデナデ
提督(母性本能を刺激したのか、頬を赤らめ色っぽい吐息を吐きながらも慈愛を湛えた笑みでこちらを優しく見つめている)
提督(そして頭を撫でてきた。今のプリンツはまだ快楽よりも母性を刺激するらしい。開発していくとどうなるのか楽しみだ)
プリンツ「……赤ちゃん、つくりましょうね」
提督「!」
提督(その発言に俺はさらに興奮した。プリンツを孕ませる。素晴らしい事だ。下乳を舐めてそのまま腹へ。臍を舌で抉った)
プリンツ「ひゃっ……!!アトミラール……!!」
提督(そして口をプリンツのお腹から離すと、脚の方へ移動する。プリンツは羞恥の為か内股にして、手で秘所を隠した)
提督「プリンツ……脚を開いて」
プリンツ「これ以上暗くは……なりませんよね……そういえば日中ですし」
提督「ああ。……自分で開いてほしいんだ。手もどかして」
プリンツ「……っ!!……!!……ja」
提督(プリンツは暫く躊躇った後、意を決して脚を少し開いた。そして手もどかし、そのまま顔を覆う)
提督「プリンツ、もっと広く開いて」
プリンツ「!?そ、そんな……恥ずかしいです……!!」
提督「さっき見せつけてきたじゃないか。頼むよ。俺のことが好きなんだろ?」
プリンツ「!!うー……どのくらい開けばいいんですか?」
提督「そうだな……しゃがんだ時みたいに開いてくれ」
プリンツ「ええ!?ちょっと待ってください……!!本気ですか?」
提督「もちろん」
プリンツ「うー……!!……っ!!これで、いいですか……!?」
提督「ああ、バッチリだ……!!」
802: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:15:54.35 ID:B4g4HJ4d0
提督(ピッチリと閉じたプリンツの秘所は、十分に濡れていた。俺は、ゆっくりと手を伸ばし、開いてみた)
提督「……!!」ニチッ クパァ
プリンツ「っ……!!」カァッ
提督(顔は両手で覆われているが、耳まで赤くなっている。プリンツが声を押し殺して恥じらう姿に嗜虐心をくすぐられる)
提督(プリンツのそこは綺麗なピンク色で、ぷっくりと膨らんだクリに、明らかにビスマルクにはなかったものがあった)
提督(少し白みがかったそれが、おそらく処女膜なのだろう。胸が高鳴る。大切なものをこの手で穢すような背徳感)
提督(十分に濡れているようにも見えるがまだ早い。俺はプリンツのクリに舌を伸ばした)
プリンツ「っ!!くぅ……はぁ……!!あぁ……ああ……!!だめぇ……!!」ビクッ ビクッ
提督(口に含み、舌で刺激する。プリンツは腰を震わせ、身を捩る。吐息と喘ぎ声が抑えられていない)
提督(クリを吸い、甘噛みする。それと同時に手を伸ばして胸を愛撫する。それを、激しくしていく)
プリンツ「ま、まってくださいぃ……!!きちゃいます!!きちゃいますからぁ……!!っぁ!!はぁああああ!!」ビクンビクン
提督(絶頂を迎えたプリンツの体が強張って痙攣し、脱力する。愛液の味と匂い。十分に濡れている。本番だ)
提督「プリンツ。入れるよ」
プリンツ「ぁ……イったばっかで……もう少し待ってもらえませんか……?」
提督「無理だ。もう待てない」スッ ピトッ
プリンツ「!! ……分かりました。来てください。……私、とうとうアトミラールと結ばれるんですね」
提督「なるべく痛くないように頑張るよ」
プリンツ「アトミラール……怖いです。キス、してください」
提督(不安そうな表情を浮かべるプリンツにそう懇願される。唇を重ねて舌を絡ませ……奥まで挿入した)
プリンツ「んっ……んふっ……んちゅっ……ん!!んんんんんんんんんん!!」ズッ ブツッ ズププププ
提督(破瓜の痛みに強く俺を抱きしめる。が、それもすぐに緩められた。十分に濡れているため、痛みが少ないのだろう)
提督(しばらく口づけを交わしてから離れる。プリンツは熱っぽくこちらを見つめていた。恥じらいと喜びが浮かんだ微笑みを浮かべている)
プリンツ「うはぁ……熱いのが、入ってきてます。押し広げられちゃう……思ったより痛くなかったです」
提督「ちゃんと前戯したからな。……血が出てるな」
プリンツ「……正真正銘、初めてでしたから。これで私はアトミラールのモノですね」
803: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:16:41.73 ID:B4g4HJ4d0
提督「そうだな。……動くぞ」ユッサユッサユッサ
プリンツ「はい、来てください……んっ!!くぅ!!はぁっ……!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(慣らすようにピストンする。締りが凄い。ピッチリと閉じていたそこを押し広げて、自分専用に作り替えていく感覚)
プリンツ「んはぁ!!すごいぃっ……!!私のここぉ!!アトミラール専用にぃ!!なっちゃいましたぁん!!」パンパンパン
提督(布団を掴みよがり狂うプリンツに、俺は上体を起こして急所をつけるようにする。さらに、同時に手でクリを愛撫する)
プリンツ「んはぁああ!!だめぇ!!壊れちゃう!!私のここがおかしくなっちゃいます!!」
提督「俺はもう君に狂わされてるんだ!!君も壊れてしまえ!!」
提督(よがり狂うにつれて揺れる胸がまたそそる。胸にも手を伸ばして乳首を強くつまみ、指で弄んだ)
提督(部屋にはプリンツの喘ぎ声といやらしい水音、そして肉と肉がぶつかる淫猥な音が響いていた)
提督(クリ責めのおかげもあり、プリンツはもう上り詰めているようだった。俺も、フィニッシュに向けてさらに激しく責め立てる)
プリンツ「ああああ!!だめぇ!!きちゃうぅ!!あいしてます!!アトミラール!!だいすきです!!っぁああああ!!」ビクンビクン
提督「っプリンツ……!!くっはぁ……!!」ビュルルルルルルルルルルルル
提督(最近していなかったことに加えて、焦らすに焦らされていたからだろう。今までで一番長く量が多かった)
プリンツ「ああああああ!!はっ……あぁ、熱い……アトミラールのがいっぱい……」
提督「っ……プリンツ、俺も愛している」
プリンツ「アトミラール……キスしてください……んちゅっ……」
提督(しばらくキスを続けて、絡み合う。そして、一通り満足した後、モノを引き抜いた)
提督(赤い血と白い精液、そして透明な愛液が混じり合ったものがプリンツの秘所から溢れ、俺のモノとの間で糸をひく)
提督(改めて、プリンツと致したことを実感した。達成感と満足感に満たされる。この子は、正真正銘俺だけのものだ)
提督(しばらく二人で並んで寝そべる。余韻に浸っていた。そして、どちらからともなく二回戦目の準備を始める)
804: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:17:33.33 ID:B4g4HJ4d0
提督(唇を交わし、手が互いの体を愛撫する。脚は組まれ、互いの体をこすり合う。俺も臨戦態勢になってきた)
提督「プリンツ……舐めてくれないか」
プリンツ「Ja……もちろんです。んちゅ……はぁむ……れろれろれろ、ぺろぺろぺろ……んちゅ、じゅる。じゅぷぷぷぷ」
提督(プリンツの唇が先端に吸い付き、優しく舌で舐めてくる。そして徐々に飲み込まれていき、根元までがすっかりと飲み込まれてしまった)
プリンツ「じゅるじゅる、んふぅ……じゅぷじゅぷじゅぷ」
提督(勢いよく吸われ、淫らに頭を前後される。熱い舌と柔らかい唇に扱かれ、愛撫され、頭がおかしくなりそうだ)
提督(俺は再び快楽に飲み込まれていく。プリンツの熱っぽい瞳はちらりとこちらを見上げ、表情を窺ってきた)
提督(快楽に表情がとろける俺を確認すると、満足げに目を細めた。俺に奉公することに喜びを感じているようだ)
提督(腰が浮く。もうそろそろ限界だ。俺は、そのままプリンツの口も俺のモノにしたいと思った)
プリンツ「んふぅ……ほろほろいへはふは?」
提督「いや、プリンツ。そのまま続けてくれ。……飲んでくれないか?」
プリンツ「!!はひ……♪じゅぽじゅぽじゅぽ、じゅるじゅるじゅる」
提督(容赦ない口淫、まるで俺のすべてを吸い出そうとしているかのようだった。耐えられることなく限界を迎える)
提督(プリンツの頭を掴むと思いっきり喉奥にまで突っ込む。そして、己を解放した)
提督「うっ……!!」ビュルルルルルルルル
プリンツ「んぐっ!?ふっ……うぅ……んはぁ……」
提督(喉奥に突っ込まれ、ぶちまけられたことで少し苦しそうにしたが、それでもえずくことは無かった)
提督(もの引き抜くと、プリンツの口からはいろいろなものでぐちゃぐちゃになったものが少し溢れた)
プリンツ「んふっ、ぺろ……ふふふ。……ごくん」ニヤッ
提督「!!」
提督(それを妖しく舐めとると、流し目でこちらを見る。薄く微笑み、目をつぶって顎をあげた)
提督(そして喉元が良く見えるように上を向くと、ゴクンと咥内にたまっているであろう俺のモノを飲み込んだ。喉が動く)
提督(言いようもない征服感を感じた。プリンツはもう完全に俺のモノになったというような感覚だ。理性がさらに溶けていく)
805: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:18:35.01 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「アトミラール、どうでしたか?上手くできましたか?」
提督「ああ、とてもよかったよ。流石に要領がいいな」
プリンツ「ありがとうございます♪……」ジッ
提督「どうした?」
プリンツ「……私、もう一度してほしいです」
提督「これで終わりにするとでも思ったか?」
プリンツ「!!」パァッ
提督(そのまま、69の体勢になる。プリンツに舐められながら、プリンツのを舐める)
提督(未だにピッチリと閉じているそこはしかし、もう簡単に指や舌を奥まで受け入れる)
提督(プリンツの秘所をせめ、プリンツにモノを責められる。さらに下腹部に感じる大きな膨らみ。それで、準備は万端になった)
提督「プリンツ、騎乗位ってわかるか?」
プリンツ「んちゅっ……はい、分かります。……上に乗ればいいんですよね?」
提督「そうだ」
提督(横たわる俺を、プリンツがまたぐ。そして膝立ちになって位置を調整。俺はモノをプリンツのそこにあてがう)
プリンツ「うっはぁあ……!!」ヌプッズププププ
提督(プリンツは胸を揺らして快感に堪えながら、奥まで飲み込んだ。そしてゆっくり動き始める)
プリンツ「んっ……はぁ……ああっ……」ヌップヌップヌップ プルンプルン
提督(快感に顔を蕩けさせ、胸をいやらしく揺らし、髪を振り乱しながら腰を振る。暫くその光景を楽しんだ後、俺は腰を打ち付けた)
806: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/07(土) 22:21:05.49 ID:B4g4HJ4d0
プリンツ「んあぁ!?はぁっ……!!ああ!!だめぇ!!」
提督(容赦なく突きあげる。先端が子宮に当たる感覚、プリンツが後ろにのけぞり、胸が張られ、一際大きく揺れた)
提督(だがそれでも容赦しない。そのまま突き上げ続ける。プリンツはそれでも頑張っていたが、ついに耐えられなくなった)
提督(俺にしなだれかかるように倒れてきて、ただひたすら耐え続ける。だが、それも長くは続かない)
プリンツ「おかしくなっちゃう!!あとみらーる!!なにかきて、おかしくなっちゃう!!……っああああ!!」ビクンビクン
提督「っぁ……はぁ……!!」ビュルルルルルルルル
提督(プリンツが絶頂を迎えるとともに、中が締まる。それで限界を迎えた俺も再びプリンツの中で果てた)
プリンツ「はぁ……はぁ……アトミラール……すごいです……」
提督「プリンツ、愛しているよ」ダキッ ナデナデ
プリンツ「アトミラール……!!私もです!!ふふっ」
提督(しばらく抱き合い、やがてプリンツが膝立ちになってモノを引き抜いた。白濁液が溢れ、内股を伝う)
プリンツ「……赤ちゃん、出来ちゃうかもしれないですね」
提督「!……そうだな」
プリンツ「名前を考えてあげなくちゃいけませんね。どうしましょうか」
ガチャン
提督「……!!」
プリンツ「えっ!?……貴女ですか」
提督(ドアを開ける音に驚き、そちらを向く。ああ、そうだろうな。窓の外を見れば、もう暗い。そろそろ帰投するころだった)
提督(頭の中が真っ白になる。一気に現実へ引き戻される。ドアを開け、その青い目を見開き驚愕の表情を浮かべていたのは)
ビスマルク「……!!」
提督(俺の妻だった)
811: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:13:46.16 ID:4SsAf5Qs0
提督「ビスマルク……!!」
ビスマルク「アトミラール……プリンツ……なんで……!?」
プリンツ「……何か用ですか?悪いんですけど、あまり人に見られたくないので……終わるまでどっか行っていてくれませんか?」ギロリ
ビスマルク「っ!!ふざけないで!!今すぐ夫から……アトミラールから離れなさい、プリンツ!!」キッ
プリンツ「夫ぉ?どの口が言うんですか。貴女の夫はあのキモデブでしょうに。アトミラールは私の夫です」
ビスマルク「なっ!?」
プリンツ「私はアトミラールと愛を囁き合って、肌を重ねました。貴女のような娼婦と違ってちゃんとはじめてを捧げたんです」ニタァ
ビスマルク「……!!」ギリッ
プリンツ「そもそも、貴女のようなビッチはアトミラールにふさわしくないんです。分かったらさっさと立ち去りなさい」
ビスマルク「……アトミラールは、こんな私でも受け入れてくれた。愛してくれた!!」
ビスマルク「貴女にふさわしいとかふさわしくないとか言われる筋合いはないわ!!いいからどけ!!」ズカズカズカ ドン
プリンツ「っ!?何をっきゃあ!!」ドサッ
ビスマルク「アトミラール……!!これが貴方の答えなの?貴方の望んだことなの!?」ギロッ ウルッ
提督「ビスマルク……俺は……」ガクガクガク
ビスマルク「私のことは……もう愛してないの……?なら、そう言ってよ!!」ポロポロポロ
提督「っ!!違う!!俺は君を愛してる!!」
ビスマルク「アトミラール……!!」パァッ
プリンツ「このっ……よくも!!」バッ
ビスマルク「痛っ……!!離しなさい!!」ドサッ
プリンツ「誰が離すか!!」グググ
ビスマルク「今のを聞いていたでしょ!?アトミラールは私を愛しているのよ!!泥棒猫はさっさと消えなさい!!」
プリンツ「優しいアトミラールが面と向かって嫌いなんて言えるわけないでしょ!!アトミラール!!アトミラールは私が好きなんですよね!?」
提督「っ!!そうだ……君を……愛してる……!!」
812: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:17:04.51 ID:4SsAf5Qs0
プリンツ「ほら!!聞いたでしょう?ビッチ!!アトミラールが本当に愛しているのはこの私です!!」
ビスマルク「それこそ、アトミラールのやさしさでしょ!?レイプ魔にまでそう言ってあげる必要はないわよ!!」
プリンツ「誰がレイプ魔だ!!これは愛のあるセックスだ!!キスもいっぱいしたし、一回目はアトミラールが上になってくれたんだもの!!」
ビスマルク「ふざけないで!!脅迫か何かしたんでしょ!!いいから早く私の上からどいて、出ていきなさい!!」ガシッ グッ
プリンツ「い!?痛い痛い!!離せ!!」ガリッ
ビスマルク「っ!?この……!!」グググッ
提督「止めてくれ……」
提督(ビスマルクがプリンツを突き飛ばし、プリンツがビスマルクを押し倒す。そしてビスマルクが髪を引っ張り、プリンツがひっかく)
提督(俺はそんなキャットファイトを見たくはなかった。すべては、俺の責任だった。胃が焼けるように痛い)
プリンツ「ちっ!!かみ殺すぞ!!」ギリッ
ビスマルク「はっ!!やって見なさい!!その首へし折ってやるわ!!」ガシッ グググッ
提督「止めてくれ、二人とも……!!」
プリンツ「アトミラール!!この女に言ってやってください!!貴方が好きなのは私だって!!お前とは離婚してプリンツと結婚するんだって!!」
ビスマルク「ふざけないで!!アトミラール!!現実を教えてやって!!貴方が愛しているのは妻であるこの私だって!!離婚なんてしないって!!」
提督「俺は……っ!?おえっげほっげほっ!!」ビチャッ
ビスマルク「アトミラール!?」
プリンツ「っ!?アトミラール!?」
提督(視界が暗転していく。吐血したことだけは理解できた。……最後に見たのは、驚愕するビスマルクとプリンツだった)
813: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:21:02.67 ID:4SsAf5Qs0
~
ビスマルク(アトミラールが吐血して気絶した後、私とプリンツはすぐに病院に連絡し、車で連れて行った)
ビスマルク(医者の診断によると、アトミラールの病状はストレスによる胃潰瘍とのことだった)
ビスマルク(幸い、手術の結果、大事ないとのことだった。しかし、安静にしている必要がある)
ビスマルク(戦況も安定していたこともあり、アトミラールは入院するため一足先に日本へ戻った)
ビスマルク(私たちも少し遅れて日本の拠点へ帰還できた。今日は休暇を得ることができたために、お見舞いのために病院を訪れた)
ビスマルク(いけるための花も買ってきた。暇をつぶすための本も持ってきた。好きだと言っていた推理小説だ)
ビスマルク(……いろいろあったけど、私はアトミラールと一緒に生きていきたい。プリンツとのことはなかったことにする)
ビスマルク(そんな事、今は考えたくない。プリンツとは話どころか、顔を合わせることもしていない)
ビスマルク(ただただ、アトミラールが早く回復してくれることを祈るだけだ。早く話をして、思いっきりキスをしたい)
ビスマルク「アトミラール、失礼するわね」
友「お前……!!」
ビスマルク「少将……!!来ていたのね」
友「……聞いたよ。ストレス性の胃潰瘍らしいな」
ビスマルク「ええ……」
友「こいつも、本当に苦労人だな。俺が少しでも肩代わりしてやれればいいんだが」
ビスマルク「……」
友「なあ、ビスマルク。そろそろこいつを解放してやってくれないか?」
ビスマルク「……。ど、……どういうことなの?」
友「ストレスが何か、心当たりがあるんじゃないのか?」
ビスマルク「っ……あれは、プリンツが……」
友「オイゲンが何だ。あいつはむしろこいつを支えてくれている。……どう考えても、ストレスはお前だ」
ビスマルク「ち、違うわ!!アトミラールは私を赦して、受け入れてくれたもの!!愛しているって言ってくれたもの!!」
友「こいつの性格からして、そうだろうな。だが心でどう思っていても、現実的にこいつは倒れるほどストレスを受けているんだ」
友「俺もあの時のお前の言葉もあって様子を見ようと思っていたんだが……やはり無理らしい」
814: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:23:12.94 ID:4SsAf5Qs0
ビスマルク「……!!」
友「お前がしたことを考えれば、当たり前だ。頼むから、こいつを解放してやってくれ。いいな?」
ビスマルク「……」ジワッ ポロポロポロ
友「本当にこいつのことが大切なら、お前の愛が本物なら、きっとそうしてくれると信じている」
ビスマルク「……帰るわ。これを、かわりに渡しておいて」
友「……分かった」
ビスマルク「……っ!!」スタスタスタ
ビスマルク(気がついたら、家に帰ってきていた。そのままベッドに倒れ込む。涙が止まらなかった)
ビスマルク(……少将の言うことは、正しいのかもしれない。アトミラールも、プリンツのことが好きだと言っていた。けど、私を選んだと)
ビスマルク(……アトミラールとプリンツがセックスしていたのを思い返すだけで、気分が最悪になる)
ビスマルク(アトミラールへ対する怒りと悲しみ、失望を感じている。プリンツに対する敵意と憤怒、嫌悪感は抑えきれない)
ビスマルク(アトミラールだって、私がいるのにプリンツとしたのにという気持ちはある。……けど、私がしたことに比べれば、マシだ)
ビスマルク(アトミラールは、私を愛していると言った。けど、私はあの時、あの男のほうが良いと言ってアトミラールの元を去った)
ビスマルク(きっかけは私の愚かさゆえだとしても、そうせざるを得なかった。……誰になんと言われようとも、そう思っている)
ビスマルク(けど、そんな事アトミラールには関係ない。アトミラールからしてみれば、私が裏切ったことに変わりない)
ビスマルク(そもそも、先にしたのは私だ。そんな私が、アトミラールを非難する権利はない)
ビスマルク(アトミラールは、あの男の所まで来てくれて、殴られて、蹴られて、銃で撃たれてまで助けてくれた)
ビスマルク(裏切り者の私を赦して、愛してくれた。私は、もはや言葉にできないくらいあの人が好きだ)
ビスマルク(だからこそ、あの人の幸せを願っている。その為ならば、何でもできる)
提督『俺たちは、もう駄目なのかもしれないな』
ビスマルク(いつかのアトミラールの言葉がリフレインする。……あの人の幸せを私が壊しているのなら、私は……)
815: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:24:16.96 ID:4SsAf5Qs0
~
プリンツ「プリンツ・オイゲン、ただいま帰還しました。任務完了です」
長門「ああ、ご苦労だった。そうだ、オイゲン。お前の申請していた休暇は承認されたぞ」
プリンツ「本当ですか!?やったぁ!!」
プリンツ(ようやくアトミラールのお見舞いに行ける!!本当は付きっきりで看病してあげたいんだけど……)
プリンツ(何を買っていけばいいかな?やっぱり音楽とか?ウォークマンにいろいろ入れて持って行こう!)
プリンツ(何を入れようか悩みながら部屋に戻る。……その、途中だった)
瑞鶴「オイゲン」
プリンツ「瑞鶴さん。戻られたんですね、お疲れ様です。どうしました?」
瑞鶴「ちょっと話があるの。来て」
プリンツ「……?はい」
プリンツ(連れられて屋上まで来る。ということは誰かに聞かれたくない話題ということだ。けど、身に覚えがない)
プリンツ「……あの、何でしょうか?」
瑞鶴「提督さんが倒れた時さ、貴女とビスマルクが一緒に居たらしいじゃん」
プリンツ「そうですよ」
瑞鶴「……何をしてたの?」
プリンツ「……何、とは?」
瑞鶴「お話でもしていたのならそう答えればいいだけじゃん。ってことは言いたくないことをしていたんでしょ?」
プリンツ「……何が言いたいんですか?」
瑞鶴「提督さん、ストレス性の胃潰瘍だってね。……ストレスって、何だろうね?」
プリンツ「あのお立場ですから、いろいろあるのでしょうね」
プリンツ(クソビッチに酷い事されたりとか)
瑞鶴「それもあるだろうけど、私は違うと思うんだよね」
プリンツ「へぇ……じゃあ何だというんですか?」
816: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:26:32.16 ID:4SsAf5Qs0
瑞鶴「……アンタじゃないの?そのストレス」
プリンツ「……私?はは、何を言うのかと思ったら……私が?ありえませんね」
瑞鶴「勿論、アンタだけのせいじゃないだろうけどね。……提督さんってさ、結婚してるでしょ?けど、かなり強引に迫っていたよね」
プリンツ「……」
瑞鶴「そういうのは止めなよ。提督さんは優しいから、いろいろ悩んだりしちゃうんだよ。傷つけないようにって」
プリンツ「アトミラールは私を好きだといってくれました」
瑞鶴「けど、受け入れてはくれなかったでしょ?俺にはビスマルクがいるって」
プリンツ「っ……」
瑞鶴「……私も、前にやっちゃったんだよね。それで、翔鶴姉にすごく怒られた。けど提督さんは変わらず私と仲良くしてくれた」
プリンツ「……私じゃなくて、悪いのは全部ビスマルクです。何も知らずに、知ったような口を聞かないでください!!」
瑞鶴「そうだね、何も知らないよ。……けど、アンタだって何も知らないでしょ?提督さんのことは」
プリンツ「いえ、分かってます!!誰がアトミラールを支えていたと思っているんですか!?」
瑞鶴「いや、分かってない。提督さんが、ビスマルクがいるからって断っているってことはそういうことなんだよ」
プリンツ「どういう事だというんですか!?」
瑞鶴「どんな事情があるにせよ、それを踏まえたうえで提督さんはビスマルクを選んだんでしょ?」
プリンツ「それは……アトミラールが優しいから……!!」
瑞鶴「あの人が、憐れみやらなんやらで人を愛すると思った?貴方がやっていることは提督の気持ちを無視したことでしょ」
瑞鶴「提督のことを自分に都合がいいように解釈して、それで自分を正当化しているつもり?だとしたら、アンタは最低の屑よ」
プリンツ「っ!?」
瑞鶴「これ以上あの人を苦しめないで。……納得できないこともあると思うけど、恋愛なんて、そんな理不尽なことでしょ?」
瑞鶴「誰かが選ばれてそれ以外は皆選ばれない。そういう……クソッタレな世界なんだから」
プリンツ「……わ、私が?アトミラールを苦しめている……?」
瑞鶴「そうよ。こんなことを続けていても、いずれ提督さんはきっぱりとアンタを振るでしょうね」
瑞鶴「でも、それまできっとたくさん悩むわ。悩んで、苦しむわ。私は、提督さんに苦しんで欲しくない」
瑞鶴「提督さんを苦しめるのなら、貴女は敵よ。もしそうなら、私は容赦しない。分かっておいて」
プリンツ「私が……アトミラールの……敵……!!」
817: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/09(月) 03:39:53.78 ID:4SsAf5Qs0
プリンツ(ビスマルクや、あの男のような、敵……?私が、アトミラールを苦しめている……?)
提督『だ、駄目だプリンツ……!!』
提督『くっ……俺には、ビスマルクが……』
プリンツ(アトミラールの言葉が思い出される。あそこまでして、まだああ言えるのならそれは……)
プリンツ(それは本当にビスマルクを愛していたということ……いや、私も分かっていた)
プリンツ(アトミラールがビスマルクのことを好きなことぐらい、分かっていた。でも……)
プリンツ(あいつが相応しくないから、だから相応しい私が。そう思っていた……)
プリンツ(けど、私が好きな人を、少なくとも自分の中では正当化して手に入れるチャンスだと考えなかったか?)
プリンツ(その考えが少しもなかったか?……否定、しきれない。だとすれば、私はあの男と同じことをしている)
プリンツ(愛する二人を引き裂いてまで、自分の片思いの相手を寝取ろうとしている……吐き気が込み上げてきた)
プリンツ「……っ!!」ダッ
瑞鶴「プリンツ!!……」
プリンツ(近くのトイレに駆け込む。胃の中の物を全部出してしまったと思うほど吐いた)
プリンツ(涙が止まらない。口を濯いで、なんとか部屋に戻る。そのままベッドにもぐりこんだ)
プリンツ(ひとしきり泣いて、それで少しは落ち着くことができた。考えたくないけど、考えなくちゃいけない)
プリンツ(あの時の瑞鶴さんの目には、大切な人を守るという信念が宿っていた。私も同じ気持ちだから、分かる)
プリンツ(瑞鶴さんがあの時の私なら、さしずめ私はあの男といったところか……随分な立場の変わりように自嘲する)
プリンツ(なら……私は消えなくちゃならない。私は、アトミラールの幸せを壊してしまったのだから)
プリンツ(愛する妻とやり直そうとしているアトミラールを、自分に都合のいい解釈をした私が台無しにしてしまったのだから)
プリンツ(私は最低の屑女だ。けど、この気持ちは……アトミラールを愛する気持ちは本物だ)
プリンツ(あの人の幸せを心から願っている。だから……だから、私は……)
プリンツ「……」ポロポロポロ
プリンツ(……けど、最後にお見舞いくらいしたい。それぐらい、いいよね)
826: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 00:57:58.84 ID:OeXFHpwM0
~
提督「……」パチッ
提督(入院してもうすぐ一週間だ。だいぶ元気になった。いろいろあった疲れを取ったと考えれば悪くない)
提督(寝不足だったこともあってほとんど寝て過ごしてしまったが……見舞客が来てくれるのは嬉しいものだな)
提督(心細いのが大分救われた。入院初日には両親が、その後も毎日友人や同僚が来てくれた。つい昨日は帰ってきて早々に友が来てくれたし)
提督「さて、コーラでも買いに行きがてら少し散歩でもするかなっと。っ!?」バッ
プリンツ「っ!?あ、アトミラール……!!」カタカタカタ
提督「……プリンツ」
提督(起き上がった瞬間に視界に入って驚く。ドアから顔だけ出して覗いていたのは、プリンツだった。思い出されるのはあの時のこと)
提督(俺は、混乱したプリンツの誘惑に負けてしまった。取り返しのつかないことをしてしまった)
提督(目を逸らしたい現実だが、どうにかしなくてはならない。そのタイミングが予想より早かっただけだ)
提督(どうすればいいのか。何も考えていなかったが、とりあえず話をするしかない。そうすればすべきことが見えるかもしれない)
提督「……久しぶりだな。その……元気だったか?」
プリンツ「アトミラール……はい。その……すいませんでした」
提督「いや、俺が悪いんだ、あれは……」
プリンツ「違います!!悪いのは、私です……もう二度と、アトミラールとビスマルク……姉さまの邪魔をしたりしません」
提督「っ……プリンツ?」
プリンツ「私は……私は、て、転属を希望しました……!!」ジワァ
提督「!?な、何だって!?」
プリンツ「ドイツに戻ります……もう、二度と会うことはありません。だから、どうか赦してください」ポロポロポロ
提督「ま、待ってくれプリンツ!!どういうことなんだ!?説明しt」
プリンツ「ごめんなさい、アトミラール……!!さようなら……!!っ!!」ダッ
提督「プリンツ!!待ってくれ!!行かないでくれ!!」
提督(プリンツは震えながら涙を流し、口元を抑えながら一方的にそう言い切ると走り去ってしまった)
提督(もちろんすぐに追いかけたが、廊下に出た時にはもう姿が見当たらなかった。エントランスまで行っても、姿は見当たらない)
提督(病院前の道まで出ても、見つけることは出来なかった。裸足で飛び出した俺を追いかけてきた看護師に謝りつつ、自分の病室戻る)
提督(先ほどのプリンツの話、本当だろうか?いや、嘘を言う必要性がない。……何も、考えられない)
827: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 00:59:09.80 ID:OeXFHpwM0
提督(部屋に戻ったところで、机の上に置かれた大きな封筒に気がついた。開けると、中には手紙とビスマルクの結婚指輪)
提督(そしてビスマルクの署名が済んでいる離婚届が入っていた。再び衝撃が俺を襲う。あの時のトラウマも誘発された。震える手で手紙を開く)
[アトミラールへ
あの後、いろいろ考えた結果、私は故郷に戻って修道女になる事にしました。
きっかけは私の愚かさの為でした。それで、いつか貴方が言ったようにもう駄目になってしまったのでしょう。
今回の件で私も気がつきました。これ以上一緒に居ても、お互いにただ辛いだけです。ですから、すべて終わりにしましょう。
私のせいであなたをここまで苦しめてしまって本当にごめんなさい。謝っても謝り切れません。
どうか私のことは忘れて、貴方の新しい、本当の幸せを見つけてください。
さようなら]
提督「……」
提督(……最悪の結末を迎えた。俺は、自身の愚かさゆえにすべてを失ってしまった。死にたい気分だ)
提督(昼食が配膳されても、食べる気がしなかった。もはや何も考えられない。そうして、ボーっとしているときだった)
元帥「やあ、中将。失礼するよ」
提督「げ、元帥閣下……!!どうなされたんですか!?」
元帥「我が軍期待の若手が入院したと言われれば、見舞いに来ないわけがないだろう?まあ、ごたごたで遅くなってしまったがね」
提督「そんな、わざわざご足労頂くほどでは……!!」
元帥「なぁに、謙遜するな。私は君にそれだけ期待しているんだ。ほれ、見舞いのメロンだ」
提督「あ、ありがとうございます。ご期待に沿えるよう、引き続き精進してまいります」
元帥「ああ、頼むよ。……ところで、何か悩みでもあるのかね?」
提督「な、悩みですか?」
元帥「さっきの君はまるで抜け殻の様だったぞ。思いあまって死んでしまわないかと心配になるほどだ」
提督「そんな!!そんなことは……いえ、元帥。実は相談したいことがあるのです」
元帥「私で良ければ、話を聞こう」
提督「……これはプライベートのことで、あまり詳しくは話せません。それでも、聞いてくださいますか?」
元帥「もちろん。ただ、具体的なアドバイスはできなくなるぞ」
提督「ありがとうございます。……ついこの間、私は酷い過ちを犯した結果、取り返しのつかない事になってしまったのです」
828: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 00:59:55.13 ID:OeXFHpwM0
元帥「ふむ……」
提督「このままではいけない事だけは分かります。私も、それだけは嫌です。けど、どうすればいいのか分からないんです」
提督「どうするのが正解なのか分かりません。分からないんです……私は……どうすればいいのでしょうか?」
元帥「……ふーむ。一つ聞いておきたいのだが、それは金がらみのことか?もし助けが必要なら私にできることはしよう」
提督「いえ、金がらみのことではありません。物や金が絡んだりする話ではないのです」
元帥「なるほど……ふむ……なら、君がしたいようにすればいいのではないか?」
提督「私がしたいように……?」
元帥「どうするのが正解か分からないと言っていたがね。世の中、何をすれば正解だというようなことは無い」
元帥「そう言ったことを考えないで、君のしたいことをすればいい。あまり周りを気にしすぎずにそうしてみるのも一つの手だ」
提督「正解はない……周りを気にしないで、したいことを……」
元帥「君の人柄からすると、そういうことを悩みすぎるのではないかと思ってね」
元帥「まあ、私も事情が分からないから的外れなことを言っているかもしれない。あくまで参考程度にしておいてくれ」
提督「はい……分かりました。ありがとうございます」
元帥「気にしないでくれ。……さて、君の顔も見れたことだし、すまないが、失礼するよ。ここ一ヵ月でいろいろあったせいで忙しんだ」
元帥「それと、困ったことがあったら何でも言ってくれ。あまり一人で抱え込まないようにな」
提督「はい、ありがとうございます。本日はお忙しいところ、わざわざありがとうございました」
提督(俺の、したいこと……周りを気にしないで、俺のしたいことをすればいい……)
提督(それは、決して許される事でない。人の道に背くことだろう。……だが、それがなんだ)
提督(そうだ。昔はそういうことも普通にあったし、現代でも形を変えて存在する)
提督(もともと、先に勝手をしたのは俺じゃない。あの二人だ。なら、何を躊躇う必要があるのだろうか)
提督(やってやろう。……すくなくとも、あの二人が本気で拒否しない限りは、多少強引でもやってやる)
提督(俺は電話を取り出すと、もう二度とかけることは無いだろうと思っていた番号を入力した)
829: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:00:38.68 ID:OeXFHpwM0
~
ビスマルク(正式に良心的兵役拒否を申請した私は、司令部で待機することになった。審理が終わるまでの間、缶詰だろう)
ビスマルク(もう何も考えたくなかった。いっその事、死んでしまいたかった。それもいいかもしれない)
ビスマルク(あの人が見ている所で死んでしまったら、あの人を傷つける。けど、見ていない所でなら)
ビスマルク(どうせ汚れたこの身だ。背負う十字架がもう一つ増えたところで地獄行きは変わらない)
ビスマルク(少なくとも、この生き地獄よりはマシだろう。人はぽっかりと胸に穴が開いたまま生きていくことはできない)
ビスマルク(布団に寝そべりながらボーっとしていたところで、足音が聞こえた。それが、私の部屋の前で止まる)
ビスマルク「……?どちら様かしら?」バッ
ビスマルク(……返事もなしに、入ってくるわけでもない。もしかして、殺されたりするのだろうか)
ビスマルク(なら……それなら、それでいい。きっとアトミラールには帰国したと伝えられるだろう)
ガチャッ
提督「……二度目があるとは思わなかったぞ、ビスマルク」
ビスマルク「っ!?アトミラール!!」スクッ
830: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:01:23.70 ID:OeXFHpwM0
ビスマルク「どうして……ここに……入院しているんじゃ……」
提督「そんなことはどうでもいい。大事なのは貴様の、二度目の裏切りだ」
ビスマルク「っ……」
提督「お前はかつて卑劣な裏切りをして俺の前から去った。その報復として殺してもいいほどだったのに、俺はお前を赦して、愛した」
ビスマルク「……」
提督「それだというのにまたお前は俺を裏切り勝手にどこかへ逃げるというのか?俺の元を去るというのか!?」
ビスマルク「っ……それが、私たちの為でしょ?私の存在はもう貴方にとって毒でしかないわ。私も、もう辛いの」
提督「はっ!!俺も辛いさ!!辛くなったら綺麗事ばかり並べてそう逃げ出すならもうそれでいい!!」
提督「だが、もしお前が俺のことを本気で愛しているのなら今ここで逃げるようにいなくなることだけは止めろ!!」
ビスマルク「っ!!私のせいで貴方は傷ついて、倒れたわ!!私が居なければ貴方はプリンツと何の気兼ねもなく一緒になれるじゃない!!」
ビスマルク「私は、貴方を本当に愛していて、大切に思っているからこそ自分の一番嫌なことを進んでするのよ!!」
ビスマルク「貴方が私にそこまで残って欲しいのであれば、残りましょう!!けど、それは一体何のため!?」
ビスマルク「私という毒を近くに置いておくのは何のため!?私は、貴方のためにいったい何ができるというの!?」
提督「……素直になれ。それが、俺のためにできることだ」
ビスマルク「っ!!素直って……!!私は、貴方が好き。愛しているわ。けど、傷つけたくない……!!」
ビスマルク「私があんなことをしたから、アトミラールを傷つけた。あの時、私は貴女にとっての毒になり果ててしまったのよ」
ビスマルク「言っていたじゃない……もうダメなのかもって。そんなことないって思いたかったけど、やっぱりダメだったのよ……」
提督「俺はもう、お前がどこか知らない場所で生きているのが嫌だ。ビスマルク、殺してしまいたいほど憎らしい……!!」
831: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:01:56.76 ID:OeXFHpwM0
ビスマルク「……!!」
提督「だからお前を逃がさない!!どこかへお前が逃げるというのなら、俺がお前を殺す。それほどに、愛しているんだ」
ビスマルク「……それは、愛じゃないわ。そんなものが、愛であってほしくない」
提督「いや、愛だ。俺はお前が好きなんだ。君が俺の隣で笑っていてくれれば俺は幸せなんだ」
提督「君の気高い精神も、美しい体も、全部俺だけのモノにしたい。君に俺を愛してもらいたいんだ」
ビスマルク「っ!!言っていることが分からないわよ!!憎いと言ったと思ったら隣で笑っていれば幸せって!!どっちなのよ!?」
提督「言葉にしても伝えられない、この感情は。それほどまでに愛しているんだ」
ビスマルク「……私は、貴方を不幸にするわ。この体も、心も、穢れてる」
提督「そんなことない。君は俺を幸せにしてくれる。そう信じてる」
ビスマルク「でも、駄目よ……そう言って貴方は倒れたじゃない。プリンツのことだって、どうするつもりなのよ?」
ビスマルク「プリンツは……いい子、でしょう?きっと私より貴方を幸せにしてくれるわ」
提督「……君の本心を話してみろよ。本当にそう思っているのか?」
ビスマルク「ええ!!貴方の幸せを、心から!!」
提督「なら、欲望を言ってみろ!!どうしたい?お前は本当に俺から離れたいのか?」
ビスマルク「っ……ええ!!」
提督「嘘だ!!」
ビスマルク「嘘じゃない!!」
提督「ならなんでそんなに涙を流して、辛そうな顔をしている?」
ビスマルク「そ、それは……っ」
提督「ビスマルク……」スタ スタ スタ
ビスマルク「い、嫌!!来ないで!!」ジリ ジリ ジリ
提督(今にも泣きそうな顔で後ずさるビスマルクへ歩み寄る。そのまま手を伸ばし、思いっきり抱きしめた)
提督(柔らかい、女の子の体だ。サラサラの金髪が心地良い。震えるその肩を優しく撫でる。ビスマルクの、爽やかな匂い)
提督「好きだ、愛してる」
ビスマルク「あっ……っ……ぐすっ……うぅ!!」ギュッ
提督「どうしたい?」
ビスマルク「アトミラールと、いたい……!!貴方が好き……!!愛してる……!!」
提督「一緒に来てくれるな」
ビスマルク「Ja……Ja!!」コクコク
提督「っ、良かった……!!……ビスマルク、一つ言わなくちゃいけないことがある」
提督(ビスマルクは、俺の声音が変わったことに気がついたのか、少し不安そうにそう言った)
ビスマルク「……何?」ジッ
832: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:02:38.46 ID:OeXFHpwM0
提督「プリンツのことだ」
ビスマルク「!!……何?」
提督「君は、彼女をどうしたい?」
ビスマルク「どうって……別に、復讐とかを考えているわけじゃないわ」
提督「……あの時言ったが、俺はプリンツも愛しているんだ」
ビスマルク「……それで?」
提督「プリンツとも、一緒になりたい。……俗にいう、ハーレムってやつだ」
ビスマルク「……!!」ハッ
提督「君に、それを受け入れてもらいたい」
ビスマルク「……本気で言っているの?」
提督「ああ。君たちだって勝手をしてきていたんだ。なら俺だって一つぐらいいいだろう?」
ビスマルク「……嫌って言ったら?」
提督「いいって言ってくれるまで君を説得する」
ビスマルク「どうやって?」
提督「二人纏めて愛せるって証明して」
ビスマルク「愛せるって……んむっ!?」
提督(ビスマルクの唇を奪う。特に抵抗もなく、受け入れられた。舌を絡ませ、体を愛撫する)
ビスマルク「んふぅ……はむぅ……」ナデナデ
提督(しばらくすると、ビスマルクも気分がのってきたのか俺の体を撫で始めた)
提督(そして脚を絡ませ、自らの秘所を足に擦り付け、脚で俺のモノを刺激してくる)
提督(俺はビスマルクの下着の中に手を突っ込んだ。もう濡れていたそこを責める。クリを摘み、中に入れて弱いところを刺激する)
ビスマルク「んっ……はぁ……」ピクン
提督「……認めてくれる気になったか?」ズチュズチュ
ビスマルク「全然よ……ふぅ……あぁ……」ビクン
提督「なら、君がイったら俺の勝ちだ。認めてくれよ」
ビスマルク「な、何それ!?そんなの認めないわよ……!!第一、私が勝つのにどうすればいいのよ……!?」
提督(頑固なビスマルクの心を解かすために、俺はその場にしゃがみ込む。目の前にビスマルクの濡れた秘所がある)
提督(そのままいやらしく指で責める。恥丘を覆う陰毛を撫で、クリを擦り、Gスポットとポルチオまで指が……届いた)
ビスマルク「っ……はぁっ……くぅ……!!」ギロッ
提督(ちらりとビスマルクを見上げると、顔を赤らめながらも歯を食いしばり俺を睨みつけていた)
提督(ここはプリンツにやられた戦法を使わせてもらう。責め続けて、イきそうになったところでやめた)
ビスマルク「ふー……ふー……?」
833: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:03:24.53 ID:OeXFHpwM0
提督「認めてくれる気になったか?」
ビスマルク「……貴方が私の立場だったらどう思うのかしら?」
提督「俺も似たような立場かと思うが、それでも君が好きでたまらない」
ビスマルク「っ……!!」
提督(無言で見つめ合う。言葉にはしないが、明らかに全然違うと言いたげだ。不満と罪悪感がないまぜになった複雑な表情)
提督「……ビスマルク、そこに座れ」
ビスマルク「……」ストン
提督(ビスマルクは無言でベッドの端に腰かける。開き気味の脚が期待感を示していた)
提督(表情も冷たい感じを出そうとしているが、顔が綻ぶのを抑えきれていない。期待に目を輝かせている)
提督(俺はそのまま秘所に口づけすると思わせて、臍に舌をねじ込む。そして胸に顔を埋めた)
ビスマルク「そ、そっち……?んふっ……はあっ……」
提督(胸を揉み、舐める。先端の突起の近くまで責めるが、そこまではいかない。焦らし続ける)
提督(ついにビスマルクは自分で俺の口元にその硬く張った先端を差し出すように身を捩る。だが、避ける)
ビスマルク「ねぇ……焦らさないで……おかしくなりそう……」
提督「……俺はとっくにおかしくなってる。君がプリンツとのことも受け入れてくれたら、イかしてあげよう」
ビスマルク「っ……ダメ……」
提督「そうか。なら、お預けだな」
ビスマルク「……うぅ」モジモジ
提督(もう少しだけせめてから、再びキスをする。そして耳や首筋を舐めたり、甘噛みしたりする)
提督「俺の愛、分かってくれたか?」
ビスマルク「ん……意地悪だから分からないわ……」
提督「それは君が俺に意地悪をしてくるからだ」
ビスマルク「んふぅ……好きな人が他の女ともなんて、酷いと思わない……?」
提督「君だって酷いことをしたじゃないか。お互い様だと思わないか?」
ビスマルク「でも……今は貴方だけじゃない……それに、あれだってしたくてしたわけじゃ……」
提督「利子の分も含めてこれで手打ちにするんだ。君を蔑ろにするわけじゃない。同じくらい愛してる。いいだろう?」
ビスマルク「っ……でも……」
提督「……なら、もっと誠意を込めてお願いするよ」
提督(いよいよ、ビスマルクの秘所に攻撃をしかける。しかし、敏感な所は避ける。最初は太もも、脚の付け根、そして恥丘)
提督(焦らしに焦らされたビスマルクは、自ら胸を揉もうとする。それを、手を掴んで阻止する)
提督「何をしようとしているんだ?」
834: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:03:56.74 ID:OeXFHpwM0
ビスマルク「っ……それは……」
提督「それは?」
ビスマルク「……アトミラールが意地悪するから!!……胸を、自分で慰めようとしたの」カァッ
提督「どうやって?」
ビスマルク「どうやってって……!!っ……揉んだり、つまんだりよ……」
提督「どこを揉んで、どこをつまむんだ?」
ビスマルク「っ!!……胸と……乳首よ……」
提督「ほぅ……ここをせめて欲しいのか?」フゥ
ビスマルク「っ!!……は、はい」ゾクゾク
提督「なら、プリンツとのことを受け入れてくれ」
ビスマルク「そ、それはダメ……」
提督「何で?」
ビスマルク「……貴方を独り占めしたいから」
提督「……君はほかの男と楽しんだのに?」
ビスマルク「それはっ……やりたくてやったわけじゃないって……それに、貴方だって一回プリンツとしたでしょ……?」
提督「……独り占めしたいらしいが、君は俺を自分のモノにしたいのか?」
ビスマルク「そうよ……!!」
提督「……悪いが、それはダメだ。俺は、プリンツにも手を付けてしまった。君を忘れられないように、あの子も忘れられない」
ビスマルク「そ、そんなの……最低よ……」
提督「その分、他で挽回するよ。だから、な?」
ビスマルク「……」
提督(やはりこれだけのことだ。心の壁は高く厚い。もっと心を解かさなくては)
提督「胸、切ないんだったよな?」
ビスマルク「えっ?あっ!!はぁああん!?……す、すごいぃ」ビクン
提督(先端をせめる。甘噛みしただけで嬌声が漏れた。焦らせば感度が上がるのは本当らしいな)
提督(そのまま舌で弄び、吸う。ビスマルクは快楽に身を捩らせ、俺の頭を強く抱いてきた)
提督(だが、イかさない。まだまだ焦らす。勝負はこれからだ)
ビスマルク「はぁ……はぁ……な、なんで止めちゃうの……?」
提督「君が俺の頼みにいいよと言わないからだ」
ビスマルク「……当たり前じゃない。嫌よ……」
提督「そうか……」スクッ
ビスマルク「!!……ごくっ」ジッ
提督(ビスマルクの目の前で立ち上がる。目の前に来た俺のモノに目が釘付けになった。口が少し開く)
835: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:04:37.22 ID:OeXFHpwM0
提督「イかせてほしいか?」
ビスマルク「……」コクン
提督「口で言ってくれないと分からないな」
ビスマルク「っ……イ、イきたいわ……意地悪しないで、イかせて……」
提督「イかせたら認めてくれるな?」
ビスマルク「……考えてあげる」
提督「そうか。なら、どうすればいいか分かるな?」グイッ
ビスマルク「!!あむ。じゅるじゅるじゅる、れろれろれろ」
提督(少し前に突き出した腰に、ビスマルクはおあずけされていた犬のように俺のモノを咥え込んだ)
提督(丁寧に舐めまわし、奉公する。そのまま奉公を続けて、暫くしてちらりとこちらを窺ってそのまま口を離した)
提督(唾液の糸が垂れる。物欲しそうな顔でこちらを上目遣いに伺うビスマルクに、征服欲を満たされた)
提督「……」
ビスマルク「……まだ、続ける?」
提督「どうしてほしい?」
ビスマルク「……い、いれてほしいわ。もう、限界なの。貴方が欲しい」クチッ クパァ
提督(自らの手で秘所を広げて見せるビスマルク。その眼にはハートが浮かんでいるようだ。切なげに眉を寄せ、男を誘うような表情を浮かべている)
提督「……プリンツのこと、良いな?」
ビスマルク「そんなこと、今はなさないでよ……」
提督「大事なことだ」
ビスマルク「……考えておくわ」
提督「……横になれ」
ビスマルク「!!はい……♪」
提督(期待と悦びに蕩けた表情をほころばせ横になる。いれてもらえるだろうと思っているのだろうが、まだダメだ)
ビスマルク「あん!!ふぁ……はぁ……!!」
提督(俺は挿入することなくビスマルクの秘所を舐める。軽く周りを舐め、クリを舌先で弄び、舌の平で舐め上げる)
提督(そして中に挿入し、淫らな音を立てて吸う。ビスマルクの体が震え、腰が浮く。行きそうなのだ。止める)
ビスマルク「はやくぅ……いれてぇ……♪」トロン
提督「君が、いいよと言ったら入れて、イかしてやる」
ビスマルク「!?そんな……こんな生殺し、酷いわ……!!」モジモジ
提督「ビスマルク、愛してるよ。本当だ。絶対に君を寂しがらせたりしない。約束する」
ビスマルク「でもぉ……やだぁ……!!」
提督「そうか……なら、もっと誠意を込めてお願いしなくてはな」
提督(そうして、行く寸前までクンニや手マンをすることを繰り返す。ビスマルクはよがり狂いながらもいけないもどかしさに堪えていた)
836: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:05:53.49 ID:OeXFHpwM0
ビスマルク「ふぐぅ……私が……私が居ればいいじゃない……!!」
提督「前まではな。けど、プリンツを知って、あの子の心を知った。プリンツは、俺の恩人でもある。欲しくなってしまったんだ」
ビスマルク「そんな……!!」
提督「君が、少しだけ譲歩してくれればみんなで幸せになれる。俺が、して見せる。だから、頼む」
ビスマルク「だ、だめぇ……!!」
提督(ビスマルクはさすがの精神力で耐えていた。しかし、どんなことにも、限界がある)
提督(ビスマルクが本気で嫌なら、逃げれば良かったのだ。それをしない時点で、勝負は決まっていた)
提督(何度繰り返したか分からないこの責めと問答。だんだんとビスマルクの返答は濁っていく。そして、遂にこの時が来た)
ビスマルク「はぁー……はぁー……。……わ」
提督「……何だって?」
ビスマルク「……いいわ、赦してあげる。プリンツともっていうの。だから……だから、いれて……?」ハァー ハァー
提督「そ、そうか、ありがとう……!!ビスマルク、愛してるよ」
ビスマルク「私も愛してる……!!だからぁ……はやくぅ……!!」クパァ
提督「……君は、俺のモノだな?」
ビスマルク「そうよ、私は、貴方のモノ……!!だから、はやくして……!!切なくて、おかしくなりそう……!!」
提督「分かった。……絶対に後悔させない。ありがとう」ツプッ
ビスマルク「き、きたぁっああああああああ!!……っはぁ!!」ズププププ ビクンビクンビクン
提督(あまりに焦らし過ぎたせいで、挿入だけで意識が飛ぶほどの絶頂に達したらしい。目を見開き、声を詰まらせながら痙攣していた)
提督(そのまま、快楽でおかしくするつもりで腰を振る。強く締まったそこは、とろけるような快楽を伝えてくる)
提督(暫くされるがままだったビスマルクは、突如息を吹き返したかのように強く抱きしめてきた)
提督(脚で腰に組み付かれ、がっちりとホールドされる。ビスマルクは、俺の耳元で荒い息をついていた)
ビスマルク「あたまっ……おかしくなっちゃう……動かないで……!!」
提督「ダメだ。君が愛しすぎて、止まらない」パンパンパンパン
ビスマルク「あ、あとみらーるぅ……ほんとに……ダメだからぁ……っ!!ああああ!!」
提督(懇願するビスマルクに対し、俺は強引に腰を振る。こちらもずっとお預けだったのだ。そう簡単に止められない)
提督(獣のように嬌声をあげてよがり狂うビスマルクに、ひたすら己を刻み込む。お前は俺のモノだと教え込む)
提督(そうして俺が絶頂を迎えるころには、ビスマルクは息も絶え絶えになっていた)
提督「くぅ……中に出すぞ……!!」ビュルルルルルルルル
ビスマルク「はっああああ!!……はぁっ……あふぅ……」ビクンビクン
837: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:09:12.97 ID:OeXFHpwM0
提督「……ビスマルク、大丈夫か?」
ビスマルク「……こんなになったのって、はじめて」ピクッ ピクッ
提督「喜んでもらえたのなら何よりだ」
ビスマルク「……いうべきなのか、分からないんだけど。アトミラール、貴方あの男よりも全然上手になってるわ」
提督「!!そうか……」
ビスマルク「……本気で、プリンツともこういう関係になるの?」
提督「ああ。……嫌か?」
ビスマルク「もちろん、嫌よ……」
提督「……止めて欲しいかい?」
ビスマルク「……私に二言はないわ。嫌だけど、貴方がしたいようにして。私も、覚悟を決めたわ」
提督「ビスマルク……!!」
ビスマルク「もっとも、プリンツが受け入れるかどうかは別問題よ。もしあの子が嫌がったら、強引にするのは止めて」
提督「もちろんだ。君にだって強引にしていないだろう?」
ビスマルク「どうかしら……けど、言ったことはちゃんと守ってね。……私を、ちゃんと愛して。後悔させないで」
提督「ああ。……じゃあ、行くとするか」
ビスマルク「どこへ?」
提督「俺たちの拠点、プリンツの所だよ。先にシャワーを浴びるかい?」
ビスマルク「……今日じゃなくてもいいんじゃない?まだ説得されたりないんだけど……」モジモジ
提督「プリンツは明日の朝ドイツへ向けて発つんだ。転属を希望したらしい。今日の夜の列車でここ、ドイツ軍司令部へ来る」
ビスマルク「えっプリンツが……!?」
提督「やはり知らないか。プリンツが昨日見舞いに来た時も、君がドイツに帰ることを知らなかったみたいだしな」
ビスマルク「プリンツが……なんで……?」
提督「君と俺との間を邪魔してごめんなさいと謝っていたよ。泣いて、震えていた」
ビスマルク「……」
提督「プリンツが俺たちの拠点を離れる前に話をしなくてはならない。君のことは大佐に話を通してある。来てくれるな?」
ビスマルク「ええ」
提督「……そうだ、ビスマルク。これを」スッ
ビスマルク「!!結婚指輪……持ってきてくれてたの?」
提督「これは君だけのものだからな」
ビスマルク「アトミラール……Danke……!!」ギュッ
838: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:10:05.75 ID:OeXFHpwM0
~
プリンツ「……」
プリンツ(ここでやるべきことは全部終わらせた。荷物も纏めた。後は夜の列車でドイツ軍司令部まで行くだけだ)
プリンツ(そして向こうで一泊して朝の飛行機で大陸へ渡る。後は本国まで列車で帰還だ)
プリンツ(こうしてここの司令部の屋上からこの拠点を見渡していると、本当に終わりなんだという気分になった)
プリンツ(考えると気分が悪くなる。だから何も考えないようにした。ひたすら敵を殺す。ただ、それだけだ)
プリンツ(もう誰かを好きになることは二度とない。もう御免だった。こんなにひどい気分になるのなら、恋愛なんていらない)
プリンツ(……甘ったるい私好みの赤ワインを、瓶のままグイッと飲む。苦いのは嫌だけど、これは甘い葡萄の味がして好きだ)
プリンツ(お酒を飲まなきゃやっていられなかった。アルコールに溺れる人間の気持ちが今ならよくわかる)
プリンツ(現実がこんなに辛いなら、酔っていなきゃやっていられないんだ。私も、本当に辛くて……もう嫌だった)
プリンツ「……から、か」
プリンツ(これを飲み終わったら出発しようと思っていたんだ。少し早いけど、ここにいるといろいろ思い出して嫌だ)
プリンツ(いや、もう日本と太平洋が嫌だった。早くドイツへ帰りたい。一刻も早くここから去りたい)
プリンツ(空き瓶を持って階段を下りる。少しふらふらするけど問題ない。廊下を歩いてエントランスへ向かう。そのときだった)
プリンツ「……っ!?」ビクッ
提督「……プリンツ」
ビスマルク「……」
プリンツ「あ……なんで……入院しているはずじゃ……」
提督「君もビスマルクのような反応をするんだな」
ビスマルク「誰だって入院しているはずの人がいたらそう聞くわよ」
提督「ふむ……確かにな」
プリンツ「……!!」カタカタカタ
プリンツ(今、一番見たくない光景だった。アトミラールがビスマルクと一緒に並んでいるところ。それだけは見たくなかった)
プリンツ(気分が悪くなる。吐き気が込み上げてきた。……私は、こんな最悪な気分なのに、あの女は!!)
プリンツ(あんな最悪の売女がこんなに幸せな思いをしてどうしてあんなに頑張った私がこんなにひどい目に!!)
プリンツ(怒りで狂ってしまいそうだった。もう何もかも嫌だった。この酒瓶で殴り殺してやりたい)
プリンツ(けど、そんなことをしたらアトミラールが……頭がおかしくなりそうだ。あんなの、見たくない)
提督「プリンツ、昨日ぶりだな」
プリンツ「あ……アトミラール……ごめんなさい……ごめんなさい……うぁっ!!」ダンッ
プリンツ(私は逃げるように後ずさる。けど、足がもつれて転びそうになる。瓶を落として壁に手をついた。何とか転ばずにすむ)
提督「プリンツ!!」ダキッ
839: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:11:14.76 ID:OeXFHpwM0
プリンツ「っ……!!」
プリンツ(駆け寄ってきたアトミラールに抱きかかえられる。それが、嫌だった。泣いてしまいそうだ)
プリンツ(私のはじめてを捧げたんですよ!!なのにどうして私よりそのビッチが選ばれるんですか!?)
プリンツ(責任を取ってください!!そんな女と離婚して、私と結婚してください!!)
プリンツ(貴方が大変なとき、支えていたのは誰だと思っているんですか!?私は今、死にたいぐらい最悪な気分です!!)
プリンツ(恩を仇で返すつもりじゃないのなら早く私を妻にしてください!!さもなければ、全部皆に言ってしまいますよ!?)
プリンツ(言ってしまいそうだった。私の抱えている不満を全部ぶちまけてしまいそうだった)
プリンツ(けど、そんなことをしたらアトミラールを困らせるだけだ。そんなのは、嫌だった。本能的に手が動いた)
プリンツ「っ!!Nein!!」ドンッ
提督「っ!?」
プリンツ(アトミラールを突き飛ばす。その事実にショックを受ける。壁に寄りかかりながら後ずさった。もう、アトミラールを見れなかった)
プリンツ「っ……!!」ダッ
プリンツ(惨めな醜態をさらす前に、ここから逃げなくちゃいけない。気がついたら、体が動いていた)
プリンツ(諦めなくてはいけない人と、殺したいほど憎い敵に背を向けて、走る。その一歩を踏み出した瞬間だった)
提督「待ってくれ!!」ダキッ
プリンツ「っ!?」
プリンツ(アトミラールに後ろから抱きかかえられた。心が……悲鳴をあげる)
プリンツ「は、離してくださいアトミラール!!止めてください!!」
提督「嫌だ!!」
プリンツ「っ!!このままじゃ私、おかしくなっちゃいます!!いけないのに!!諦めなくちゃいけないのに!!」
提督「プリンツ……!!」
プリンツ「諦められなくなっちゃいます!!この気持ちは、アトミラールを苦しめるだけなのに!!」
プリンツ「っ……ずっと、好きでした……!!アトミラールがその人と結婚する前から、ずっと……!!」
プリンツ「けど、アトミラールが結婚して……!!諦めなくちゃって思っていたら、あんなことが起きて……!!」
プリンツ「アトミラールを支えている間に、想いは強くなっていって……!!その人の酷い行いを知って、私の方が相応しいって思って……!!」
プリンツ「でも、アトミラールはあの人が好きで……!!私の気持ちはアトミラールを苦しめるだけで!!だから!!」
プリンツ「だから、その人とどうかお幸せに!!私は消えます!!それでいいんです!!アトミラールが幸せなら、それで私も……私も……っ!!」ジワッ
プリンツ「私も、しあわせです……!!だから、離してください……!!」ポロポロポロ
提督「プリンツ!!……愛してる」
プリンツ「っ!!??」
プリンツ(心臓が、止まった)
プリンツ「な、なんで……そんなことを……!!私を、からかっているんですか……!?」フルフルフル
提督「馬鹿め、本心だよ。心から愛している。好きだ、プリンツ」
プリンツ(……それを言われたら、もうダメだった。封印が、解けてしまった。Alles kaput(何もかもお終いだ))
プリンツ「……っ!!私も!!私も愛しています!!アトミラールが好きです!!ずっと一緒に……ずっと一緒にいたいです……!!」クルッ ギュッ
プリンツ(思いが溢れた。抑えきれない。アトミラールが好き。それを我慢することができなかった)
840: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:13:35.85 ID:OeXFHpwM0
~
プリンツ「うぅ……うぅ!!うわああああん!!ああああああん!!」
提督(俺の胸に顔を埋めて泣きじゃくるプリンツを抱きしめる。プリンツもまた俺の服を強く掴む)
提督(本当に辛い思いをさせてしまった……俺は、いったいどれだけこの子を傷つけてしまったのか)
提督(だが……これからは俺が何をしてでもこの子を守る。きっと幸せにして見せる。……だから)
提督(だからもう一度だけ、傷つけることを赦してくれ……プリンツ……暫くして、プリンツが泣き止んでから話しかける)
提督「プリンツ……落ち着いたか?」
プリンツ「はい……愛してます。もう放しません」ギュッ
提督「俺もだ。……君に、言わなくちゃいけないことがある」
プリンツ「……何ですか?」
提督「俺の、今の望みについて……君と、ビスマルクのことだ」
プリンツ「っ!!……望み、ですか?」チラッ
ビスマルク「……」
提督「ああ。……プリンツ、愛している。君と一緒に歩んでいきたい。心の奥底からそう思っている」
提督「……それと同じくらいビスマルクのことも愛している。彼女とも一緒に歩んでいきたいんだ」
プリンツ「……え?えっと……」ジッ
提督「君とビスマルク、二人が欲しい。二人を愛して、二人に愛してもらいたい。二人に俺と一緒に居てもらいたい」
プリンツ「……!!そんな……」ウルッ
提督「人として最低なことを言っている自覚はある。けど、そうせずにはいられないんだ」
プリンツ「……そうですよ。すごく残酷ですよ。変です。普通じゃありません」ギュッ
提督「プリンツ……頼む、どうかそうすることを認めてくれ。君とビスマルク、二人とも大好きでたまらないんだ」
提督「約束する。必ず君を後悔させない。きっと幸せにして見せる。だから、赦してくれないか」
プリンツ「……ビスマルク、姉さまと……話をさせてください」
提督「!」
ビスマルク「構わないわ。……私も、話をしなくちゃと思っていたの」
提督「分かった。……俺は、席を外した方がいいか?」
プリンツ「……いえ、大丈夫です」
841: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:14:31.06 ID:OeXFHpwM0
提督(プリンツは涙を拭うと、俺から離れてビスマルクに向き直った。ビスマルクもジッとプリンツを見つめている)
提督(しばらく無言の時が続く。青い瞳と緑の瞳が交差した。剣呑な雰囲気だ。ようやく、プリンツが口を開いた)
プリンツ「私は、貴女に憧れていた。理想の人だと思っていた。強く美しく、気高い人だと思っていたから」
プリンツ「……どうして、あんな穢らわしい裏切りをしたの?私は、貴女とアトミラールを祝福していたのに……」
プリンツ「貴女が……好きだったのに!!」
ビスマルク「……私も、あの時の私を……殺してやりたいぐらい嫌い。本当に後悔しているわ」
プリンツ「そんなこと、今ならなんとでも言える!!あそこでアトミラールが来なかったら、こうしてここにいることもないくせに!!」
ビスマルク「っ……」
プリンツ「はっ!!黙っていないで答えたらどう!?」
ビスマルク「……っ!!来ないわよ……!!来たくても、来れるわけないわよ!!」
ビスマルク「あんなことして、赦してもらえるだなんて思えるほど浅ましくないもの!!」
ビスマルク「あの男は……セックスだけは本当に上手かったの!!アトミラールともう結ばれることがないと勘違いして……!!」
ビスマルク「それでヤケクソでアイツに抱かれて、でもその後でアトミラールに告白されて……!!」
ビスマルク「どうすればいいか分からなかった……相応しくないと思っても、好きな人から告白されたのよ……?」
ビスマルク「断るなんて……できなかった……!!」
プリンツ「Scheißversager(最悪の欠陥人間め)!!」
ビスマルク「っ!!うるさい!!貴方なら断れたとでも言うの!?」
プリンツ「私ならヤケクソで誰かと、しかもよりにもよってあんなのと寝るなんてするか!!」
ビスマルク「強引にされたのよ!!」
プリンツ「反撃しなかったから結局やられたんでしょ!?それはもう受け入れているも同じだ、ビッチ!!」
ビスマルク「何も知らないくせに……!!」
プリンツ「知らないし、知りたくもない!!それで、その後はどうなの!?どうしてあんなひどいことをしたの!?」
ビスマルク「っ……!!それは、……あの男とセックスしているのを見られて、あの男に酷いセリフを言わされたからよ!!」
プリンツ「なんでそんなことをした!!なんでそんなことを言った!!意味わからない!!」
842: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:16:36.15 ID:OeXFHpwM0
ビスマルク「私だって!!私だって、今考えれば分からないわよ……あいつに快楽を教え込まれて……」
ビスマルク「アトミラールの労わるような優しいセックスじゃ満足できなくて、でも言い出せなくて……」
ビスマルク「満足できないだなんて、そんな事言えるわけないじゃない……そう考える自分自身が嫌だった」
ビスマルク「毎晩のように泣いたわ。妊娠した子が誰の子だとか考えたくもなかった」
ビスマルク「言えるわけないわ。アトミラールに、この子は貴方の子じゃなくてあの整備士の子なのだなんて……!!」
ビスマルク「そうやって不安とストレスと、欲求不満と罪悪感ばかりが募っているところに、あの男が現れて」
ビスマルク「ダメだと分かっていたけど、強引にされて、抵抗らしい抵抗もできなくて!!」
ビスマルク「結局、抱かれて、しかも見られて。言わなきゃ止めるとか言われて、気持ちいいのでおかしくなってた私は……」
ビスマルク「あ、アトミラールに……酷いことを言って……!!あとで正気に戻った時は、あの男と車の中だった……!!」
ビスマルク「もう全部終わりなんだって思った。もう私は、この人を頼るしかないんだって、思った」
ビスマルク「だから、あの日アトミラールが私を探して、来てくれて、本当に嬉しかった。救われた」
ビスマルク「私は、もう二度とあんな愚かなことはしない。この心も、体も、全てアトミラールに捧げる。そう誓ったの」
プリンツ「綺麗事を……!!そんなことを言っても、お前の罪はなくならない!!」
ビスマルク「っ!!……分かっているわよ。私だって、分かってる……」ギュッ
提督「……プリンツ。君が俺とビスマルクのために去ろうとしたように、ビスマルクもまた俺と君のために去ろうとしていたんだ」
プリンツ「えっ……!?」
提督「君なら、俺を自分より幸せにできると。泣きながらそう言っていた。……君と、同じだったよ」
プリンツ「貴女が……そんなことを……」
ビスマルク「……」
プリンツ「……私は、女として嫌です。愛する人が他の女ともなんて、耐えられません。貴女は、それでいいんですか?」
ビスマルク「……私だって大歓迎ってわけじゃないわ。嫌よ……でも、優しいアトミラールがそうなるまで追い詰めてしまったのは、私だから」
ビスマルク「だから、貴女さえ良ければ、私は受け入れるわ」
プリンツ「っ!……」
提督「受け入れて、くれるかい?」
プリンツ「……私が本気で嫌だって言ったら、どうしますか?そうなるぐらいなら、すべてを捨ててドイツへ帰ると言ったら?」
提督「何とかして説得する。もう君とビスマルクがいない生活は考えられない。……俺の一回限りの我が儘、受け入れてくれ」
843: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:19:08.36 ID:OeXFHpwM0
プリンツ「……私が、アトミラールの頼みに嫌というと思いましたか?って言いたいところですけど、今回ばかりは……決断できません」
プリンツ「できるわけないですよ……こんなの、普通じゃない……アトミラール、好きです。愛してます」
プリンツ「おかしくなるほど好きなんです。……だから、もっと私をおかしくしてください。私が、はいって言いたくなるようにしてください」ジッ
提督「!……分かった」
提督(プリンツの、その寂しそうな期待しているような。縋るような表情を浮かべた顔を見れば、どうすればいいのか分かった)
提督「プリンツ、愛してる」ギュッ
プリンツ「あ……ちゅっ」ギュッ
ビスマルク「っ……」
提督(プリンツを抱きしめる。プリンツは腕を首にまわしてきた。そして、キスされる)
提督(目を閉じていないから、視界に入る。その様を見せつけられるようになったビスマルクは、傷ついたように表情を曇らせた)
提督「……ん、プリンツ、ちょっと待ってくれ」
プリンツ「はふっ……どうしましたか?」
提督「ビスマルク、すまないが先に戻っていてくれないか?」
ビスマルク「……結構、くるものね。分かったわ。けど……帰ってきたら、ね?」
提督「ああ」
プリンツ「ダメです、帰らせません」
提督「!?ぷ、プリンツ……?」
プリンツ「ビスマルク……姉さまに、見せつけてください。私を愛する所を。そうしたいです」
ビスマルク「っ!!」
提督「そ、それは……」
提督(酔っているからだろうか。大胆ってレベルじゃないことを言い始めるプリンツ。どうしようか……)
プリンツ「姉さまも見ていた方が安心できるんじゃないですか?自分の知らない所でされるよりは、ナニをしているのか知れていいでしょう?」
ビスマルク「……分かったわ。なら、お望み通り見ててあげる」
提督「っ……し、しかし……」
プリンツ「アトミラールも私達二人を同時に愛すると言ったんですから、それぐらいの覚悟はありますよね?」ジッ
提督「っ!!……分かった。では、仮眠室に行こうか」
プリンツ「はい。……あ、その前に司令部に連絡しなくちゃ」
提督(……俺も男だ。覚悟を決めた。ふらつきながら歩きつつスマホを取り出したプリンツをお姫様抱っこする)
提督(そして複雑な表情でこちらを見つめるビスマルクにアイコンタクトしつつ、仮眠室へ向かう)
844: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:19:54.75 ID:OeXFHpwM0
提督(部屋に着くころにはプリンツの電話も終わっていた。俺は、プリンツを下ろすと、手伝おうとするプリンツを断りつつ、布団を敷いた)
提督(見られていることに抵抗を感じる。でも、俺も男だ。覚悟を決めた。プリンツを抱き寄せ、唇を貪る)
プリンツ「あふぅ……んちゅ……にゅるにゅる……」
ビスマルク「……」
提督(甘いワインの味がする。舌を絡ませ、体を愛撫。気分がのってきた。手を、背中や頭からヒップへと移し、脚で刺激する)
提督(この子もまた俺の女だ。この甘い匂いも、元気な声も、柔らかな金髪も、雪のように白い肌も、健気な精神も、俺だけのものだ)
プリンツ「んはぁ……アトミラール……もっと触ってください。直接、触れてください」
提督(スカートの下に手を入れ、ショーツの下に手を潜り込ませる。濡れているそこを直接愛撫した)
提督(プリンツの手が俺のベルトを緩める。ズボンの前ボタンを外す。手をパンツに突っ込み、直接、怒張した俺のモノに触れる)
提督(俺はプリンツを布団に横たえる。期待に熱っぽい吐息を吐くプリンツの服を剥ぎ、ブラを強引にずらす)
プリンツ「あんっ!!アトミラール……獣みたいですよ……?ふぁっ!!」プルンッ ドキドキドキ
提督(プリンツの胸を揉み、先端の突起を摘まんでこねくり回す。口付けし、舌で弄び、強く吸う)
プリンツ「んはぁ……ああ……!!はふぅ……なんか、ぞわぞわします……!!んあぁ……」
提督「続けていれば胸でイけるようになるらしい。そうなるまで調教してやるからな」
プリンツ「あぁ……私、アトミラールに調教されて……アトミラール好みの女にされちゃうんですね……!!」
提督「嫌か……?」
プリンツ「まさか!してください、アトミラール。私を、貴方好みに調教して……?」
提督「!!」
提督(そんなことを言われたら、耐えようもない。俺はプリンツの上にの馬乗りになると、大きく張ったモノを露出させる)
プリンツ「……!!」ゴクッ
ビスマルク「……!!」ゴクッ
提督「プリンツ、胸で奉公してくれ」
プリンツ「は、はい……♪」
ビスマルク「っ……」モジモジ
提督(顔を赤らめ、胸で俺のモノを挟み込み、扱く。俺もプリンツの胸の突起を責め続けた。プリンツと見つめ合う)
提督(プリンツははにかみながら頬を赤らめる。花も恥じらう初心な乙女のようなそれと、パイズリのギャップが素晴らしい)
提督(ふと、ビスマルクの方を見る。椅子に座った彼女は胸を押さえて顔を歪ませていた。しかし、頬を赤らめてもじもじとしている)
提督(目が、合った。切ないと訴えかけてくる視線。悲しげな表情が心に訴えかけてくる)
845: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:21:22.95 ID:OeXFHpwM0
プリンツ「ん……ぺろ」
提督「っ!?」
プリンツ「ぺろぺろぺろ……よそ見しないで、こっちを見て……?」
ビスマルク「っ……アトミラール……!!」
提督(プリンツがパイズリをしつつ、頭を起こして舌を伸ばす。そして俺のモノの先端を舐めた)
提督(視線を落とすと、責めるような上目遣いと目が合う。ちろちろと伸びる舌が艶めかしい)
提督(わざといやらしく見えるようにしている。俺のことを誘惑していることは明らかだった)
プリンツ「んっ……アトミラール……そろそろ私も大切な所を気持ちよくしてもらいたいです」
提督「っ!ああ、分かった」
提督(プリンツの懇願するような声に俺は、プリンツの上をどく。そして足元に回ると、スカートをあげた)
プリンツ「あぁ……はぁん……ふぅっ……アトミラール……」
提督(プリンツ下着の上からそこを愛撫する。黒いレースの下着は湿っていた。クロッチをずらし、秘所を露出させる)
提督(相変わらず無毛のそこはピッチリと閉じている。手で優しく撫でて、開く。焦らしてからクリをせめる)
プリンツ「ふぁ……はぅ……んくっ……んん……ああ!!」ビクン
提督(露出させ、指でなまわし、いじくりまわす。そして指を中に挿入した。Gスポットを責める。ポルチオまでは、一度イかせないと指が届かなそうだ)
提督(ねちねちといやらしく責める。プリンツの体がもじもじと動き、腰が上がってくる)
プリンツ「あふっ……!!いい……!!いいです、アトミラール……!!気持ちいい……!!」ピクン ピクン
ビスマルク「はぁ……はぁ……」モジモジ
提督(十分に前戯ができたところで、いよいよ挿入する。そのままプリンツにのしかかろうとしたところで、止められた)
プリンツ「ま、待ってください、アトミラール……!!上に、乗せてくれませんか?」
提督「上に?分かった」
プリンツ「ふふ、Danke, アトミラール」ニタァ
提督(プリンツは妖艶な笑みを浮かべると寝そべった俺の上にまたがり、膝立ちになる。そして自らの秘所に俺のモノをあてがう)
846: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:22:24.41 ID:OeXFHpwM0
プリンツ「ここでもキス、しちゃいましたね……?アトミラール」クチッ
提督「ああ、そうだな……!!」
プリンツ「はふっ……ビスマルク姉さま、見てますか……?」
ビスマルク「っ!?」
提督「!!」
プリンツ「ほら。アトミラールのここ、こんなに大きくて固い……ここに入れたら、きっとすごい……!!」ズリュッ ズリュッ
ビスマルク「な、何のつもりなのよ……?」
プリンツ「わかりますよ、同じ女だから。これが欲しくて、切なくて、たまらないんでしょう?」ニヤッ
ビスマルク「っ……!!」
プリンツ「アトミラールの、立派ですよね。女の幸せは、愛する男に抱かれることだと思いません?……これは、私のです」
ビスマルク「ふざけないで……!!あなただけの物でないでしょ!!」
プリンツ「いいえ、今だけは私のモノですよ。ほらぁ……見てくださぁいぃ……っ!!」ズッヌプププププ
提督「うっ……ぐっ……!!」
ビスマルク「あぁ……っ……!!」ブルブルブル
プリンツ「っ、はぁ……奥まできたぁ……赤ちゃんの部屋、ノックされてる……!!」
ビスマルク「くっ……!!」ギロリッ
プリンツ「ふふ……二回目ですね、アトミラール……どうですか、私の中は……?」
提督「っ……すごい締まりだ……!!最高だよ……!!」
プリンツ「ありがとうございます……!!じゃあ、動きますね……?くっ……はぁあ……!!」ヌップ ヌップ
ビスマルク「……!!」
提督(プリンツが淫らに腰を振る。いやらしい水音と嬌声、肉と肉がぶつかる音が響く)
提督(プリンツは蕩けた表情で快感に酔いしれており、胸が動きにつれて誘うように揺れる)
提督(その光景を見せつけられているビスマルクは、大切なものを失ったかのような泣きそうな表情だった)
提督(しかし、頬は紅潮し、息は荒い。意識してかしていないか分からないが、手が秘所にのびていた)
プリンツ「あ、アトミラール!!今は!!今は私だけをっ!!見てください!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督「プリンツ……!!」
847: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:23:21.86 ID:OeXFHpwM0
プリンツ「む、胸が切ないです……!!どうか触れて、慰めて……?お情けをください……!!」
提督「っ!!」
提督(手を伸ばして、胸に触れる。その柔らかくも張りのある胸を揉みしだき、先端の固い突起を摘まみ、弄る。)
提督(快感が昇りつめてきた。こちらからも腰を打ち付け、突き上げる。一際大きな嬌声が響いた)
プリンツ「ああああ!!いい!!いいです!!アトミラール!!私、狂っちゃいます!!」
提督「プリンツ!!プリンツ!!」
提督(必死で腰を動かす。自身の愛を打ち込むように、何度も何度もそうした)
プリンツ「来ちゃう!!何か来ちゃう!!アトミラール!!愛してます!!愛してるって言ってください!!」
提督「プリンツ、愛してる!!大好きだ!!」
プリンツ「来ちゃう……来ちゃう……っ!!はぁああああああ!!」ビクンビクン
提督「くっ……うっ……!!」ビュルルルルルルルル
提督(プリンツに腰を押し付け、奥で果てる。プリンツを孕ませる行動、本能的にそうしてしまう)
提督(もたれかかってきたプリンツを優しく抱きとめる。互いに求めるように唇を重ねた)
プリンツ「んちゅ……はぁむ……れろれろ……」
ビスマルク「……」
提督(互いの愛を確かめ合い、満足する。口を離し、しばらく見つめ合った。そしてプリンツが膝立ちになる)
プリンツ「はぁ……あふぅ……」ズリュッ ヌプッ ブピュッ
ビスマルク「っ……!!」
提督(プリンツの秘所からモノが引き抜かれた。秘所から白濁液がドロリと俺の下腹部に垂れた)
プリンツ「アトミラールの愛が、もったいないです……ん、じゅる、ぺろぺろ」
提督(その白濁液をプリンツが吸い、舐めとる。そして、手が俺のモノを扱き始め、すべてを舐めとったプリンツが吸い付く)
提督(快楽に再び俺のモノが怒張する。プリンツは口を離し、愛おしげな眼差しで見つめた)
プリンツ「あは……♪まだ足りないみたいですね。どうぞ、もう一度私を使ってください」クパァ
848: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:25:38.44 ID:OeXFHpwM0
ビスマルク「な!?待ちなさい!!もう一回したでしょ!!次は、私の番よ!!」
プリンツ「……雰囲気が台無しですよ。今は私が愛してもらっているんです。後でにしてください」
プリンツ「それまでは、さっきみたいにはしたなく自分で自分を慰めていてください。独り占めはしませんから」
ビスマルク「っ!!」
提督「プリンツ、独り占めはしないって……?」
プリンツ「私は、何処までもアトミラールについて行きますよ。仕方ありませんから、ビスマルク姉さまも一緒ってのも受け入れます」
提督「プリンツ……!!ありがとう、きっと幸せにする」
プリンツ「はい!……楽しみにしていますからね」
ビスマルク「……でも、だからってまたこんな生殺しなんて。……酷いわ。雰囲気が大事なら私を先に帰らせなさいよ」
プリンツ「一回で満足できると思っていましたか?もう二回はしてもらいたいところです……また?」
提督「っ!!」
ビスマルク「アトミラール……」ジッ
提督「俺も、男だ。こういうことをするからには、二人とも満足させてみせる。とりあえず、まずはプリンツだ」
ビスマルク「そんな……」
プリンツ「アトミラール!!という訳です、姉さま。そこで見ていれば、少しでもアトミラールと私の苦しみが分かるんじゃないですか?」
ビスマルク「うぅ……二人とも満足させるって言ったからね?してくれなかったら……分かってるでしょうね?」
提督「分かってる。さあ、プリンツ。覚悟はいいな?」
プリンツ「はい……♪来てください……!!」
849: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:28:46.45 ID:OeXFHpwM0
~
提督(あれから、プリンツとビスマルク相手に何とか二人とも満足させることに成功させた。……はずだ)
プリンツ「はぁ……はぁ……あふぅ……」ピクン ピクン
ビスマルク「はぁ……はぁ……すごいぃ……」ピクン ピクン
提督(とりあえずプリンツを手マンとクンニで容赦なくイかせ続けた。そしてバックで挿入してフィニッシュ)
プリンツ『あぁ……あふぅ……』グッタリ ビクンビクン
ビスマルク『はぁ……はぁ……アトミラールぅ……』キュンキュン
提督『ふぅ……よし、ビスマルク。来てくれ』
ビスマルク『っ!!はい……!!んふぅ……んちゅっ……れろれろ……』パァッ ダキッ
提督(そしてずっと自分で自分を慰めていたビスマルク相手に、こちらはちゃんとキスから前戯をしっかりとした)
ビスマルク『アトミラール……上に乗らせて……?』
提督『!!いや、俺が上になるよ』
ビスマルク『さっきプリンツを上に乗せていたじゃない……私の方が上手いわ。ね?証明させて』
プリンツ『……!!』ピクッ
提督『いや、君を俺のモノだって刻み付けたいんだ』
ビスマルク『っ!!で、でも……』
提督『ビスマルク、愛してるよ』グイッ
ビスマルク『あっ……んっはぁああ……!!入ってくる……!!』ズプッ ヌプププププ
提督(そしてプリンツに触発されてか騎乗位をしたがるビスマルクをなだめて、何とか正常位で一発)
提督『っ……!!』パンパンパン
ビスマルク『ああ!!おくぅ!!おくすごいぃ!!きちゃうぅ!!』ズップズップズップ
プリンツ『……ごくっ』ドキドキドキ
提督(プリンツと違ってポルチオにもしっかり反応するので、本気でせめられればプリンツより弱かった)
850: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:30:31.41 ID:OeXFHpwM0
提督『ビスマルク……!!』ビュルルルルルルルル
ビスマルク『ああああああ!!っはぁ……!!はぁ……はぁ……』ビクンビクンビクン
提督『ふぅ……』
ビスマルク『アトミラール……んちゅっ、んふっ……にゅるにゅるにゅる』
提督『……んは。愛してるよ、ビスマルク』
ビスマルク『んふっ。私も、アトミラール。……ねえ、もう一回しましょ?』
提督『……もちろんだ』
提督(だがその分快楽の要求量が多いので、挿入以外でイかせるのを頑張らなくてはならなかった)
ビスマルク『あぁ……だめぇ……!!ちくびだめぇ……!!きちゃう!!きちゃうからぁ……っぁああああ!!』ビクンビクン プシャァッ
提督『胸を弄られて潮を吹きながらイくか。君は本当に変態だな』
ビスマルク『はぁい……わたしはぁ……むねをいじられてイく……へんたいですぅ……』ビクッ ビクッ
提督(胸も良く開発されているため、なんとか単調にならずに十分にイかせることに成功した)
提督『くっ……はぁ……!!』ビュルルルルルルルル
ビスマルク『ああああああ!!っ……ち、ちがうの……ちょっといまは……びんかんになっちゃってるだけで……ほんとは、もっとぉ……』ギュッ
提督『十分気持ちよかったよ。万全な時の君にして貰うのが楽しみだ』
ビスマルク『アトミラール……』
提督(イかせ続けていたおかげもあり、なんとか戦うことができた。万全の状態だったらと思うと……)
プリンツ『……アトミラール』
提督『プリンツ?』
プリンツ『さっき私、あと二回はって言いましたよね?まだあと一回残ってるんですけど……』
提督『終わりだと思ったか?おいで』
プリンツ『!!はい……♪』
提督(そこである程度回復してきたプリンツがねだってきたので、再び前戯から頑張って正常位で果てる。何とか満足させることに成功した)
851: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/12(木) 01:32:44.60 ID:OeXFHpwM0
プリンツ『ああ……ああ……もう、おかしくなっちゃいました……あとみらーるなしでいきていけません……』ピクン ピクン
提督『俺も君なしじゃ生きていけないよ』
ビスマルク『……』ジッ
提督『ビスマルク……四つん這いになれ』
ビスマルク『はい……♪』
提督(そしてプリンツが息も絶え絶えになっている所で、回復しつつあるビスマルクが回復しきる前に撃破するため攻勢を開始する)
ビスマルク『だめぇ!!アナルでイっちゃう!!変態になっちゃう!!』
提督『お前はすでに変態だ、ビスマルク!!我慢しなくていいからイけ!!』
ビスマルク『違う!!違うぅ!!違うの!!私はっ!!私はぁっ!!ああああああ!!』ビクンビクンビクン
提督『くっはぁ……!!』ビュルルルル
提督(四つん這いにさせて羞恥心を刺激しながら前戯でイかせて弱らせ、最後はアナルセックスで撃破した)
提督(そして今につながる。二人とも布団の上にぐったりと倒れて荒い息をついている。俺は、もう限界だった)
提督(ためていた分以上に搾り取られた。あの二人と同じくらい俺も荒い息をしてぐったりしているだろう)
提督(何も考えられず息を整えていると、二人が動く気配がする。そして近づいてきた)
提督(そのまま這いよってきて、それぞれ俺の左右に別れる。なんと、ダブルフェラしてきた。男の性か、また大きくなってきてしまう)
ビスマルク「んはっ……れろれろれろ……んちゅ……じゅるじゅるじゅる」
プリンツ「ぺろぺろぺろ……れろれろれろ……ちゅっ……にゅるにゅるにゅる」
提督「……もう一回するか?」
ビスマルク「じゅる……いえ、今日はもういいわ。十分満足した。これはただのお掃除よ」ニコッ
プリンツ「ちゅばっ……アトミラールも限界ですよね。ありがとうございます、たくさん愛してくれて」ニコッ
提督「!」
提督(この二人は、もう俺のものだ。人として最悪?言ってろ。何があっても、俺はこの二人が自分から去らない限り、手放さない)
提督(こんな美人を二人も侍らせて、男冥利に尽きるというものだ。絶対に三人で幸せになってやる)
提督「そうか……少し休んだら、家に帰るか」
ビスマルク&プリンツ「「Ja!!」」
861: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 13:59:59.45 ID:qQuwdQPC0
~
提督(戦争が終わって数か月が経とうとしていた。人々は平和を享受していた。世界は復興しつつある)
提督(深海棲艦の脅威は消え去り、俺たちも平和を謳歌していた。なんと素晴らしいのだろう)
提督(艦娘達はごく一部を除いて復員した。有事の際にはまた再招集されることになっているが、その日が来ないことを祈る)
提督(ビスマルクとプリンツもまたドイツ軍を退役した。そして、今では俺と共に日本で暮らしている)
提督(いろいろと大変なこともあるが、それでも幸せに暮らしている。そんなある日のことだった)
プリンツ「アトミラール。ちょっといいですか?」
提督「ああ。どうしたんだ?」
プリンツ「その……私の両親に会ってくれませんか?」
提督「君の両親と?」
プリンツ「はい。日本で結婚するって連絡をしたんです。それで、会いたいって言われて……」
プリンツ「私も、会ってもらいたいです。……良いですか?」
提督「もちろんだとも。俺も是非、挨拶させてほしい」
プリンツ「アトミラール!!ありがとうございます!!……それで、その時に結婚式をしたいんですけど、いいですか?」
提督「結婚式!!」
提督(いきなりの話にびっくりする。思えば結婚式は挙げていなかった。いや、あげられていなかったの間違いか)
提督(ウェディングドレスを着るのは女の子の夢だとも聞く。ちょうどいい機会だ。俺も、プリンツと結婚式をしたかった)
プリンツ「……ダメですか?」シュン
提督「まさか!!大歓迎だよ!!」
プリンツ「本当ですか!!」パァッ
提督「ただ、ビスマルクにも話をしなくてはな」
提督(という訳でビスマルクに話をする)
ビスマルク「そうね。里帰りがてら、プリンツとドイツを案内してあげるわ。……まさか、置いていくとか言わないでしょうね?」
提督「まさか!なあ、プリンツ」
プリンツ「ええ、もちろん三人で一緒に行きましょう!ただ、一日だけ私の実家に行かせてください」
ビスマルク「分かったわ。なら私はその時に親戚の所へ挨拶に行ってくる」
ビスマルク「……結婚式には出られないけど、心から祝福しているわ。これからもよろしくね」
プリンツ「ありがとうございます、姉さま!こちらこそよろしくお願いします!」
提督(という訳で、三人でドイツへ行くことになった。いつか行ってみたいと思っていたんだ。楽しみだった)
862: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:01:40.76 ID:qQuwdQPC0
提督(しかし、両親へ挨拶か……ビスマルクの両親はもう亡くなられていたから、そういったことをしたことは無かったが……)
提督(客観的に見れば、俺は二股をかけている最低男だ。プリンツの両親になんといえばいのだろうか……)
プリンツ「アトミラール、ちょっといいですか?……どうしたんですか?」
提督「ああ。……君のご両親になんといえばいいのかと思ってな」
プリンツ「そんなの、私と結婚しますって言えばいいだけですよ。普通にお喋りすればいいんです」
プリンツ「きっと皆、アトミラールを好きになります。だって、アトミラールですから」
提督「だといいが……」
プリンツ「……余計なことは、言わなくていいですよ」
提督「プリンツ……」
プリンツ「私達の幸せの形は、他人には理解できないでしょう。それが、私の家族であっても」
プリンツ「だからこそ、言う必要はありません。大丈夫です。私を幸せにしてくれるのでしょう?なら、それだけ言えば十分です」
提督「……分かった。ありがとう、プリンツ」
プリンツ「Bitte schön!……ところでアトミラール、ちょっとお願いしたいことがあるんです」
提督「どうしたんだ?」
プリンツ「私の実家に行った時、私が料理を作るんですけど……ドイツ流の作法があるんで、一緒に練習してくれませんか?」
提督「そうなのか?もちろんだ。むしろ、こちらからお願いしたい」
プリンツ「はい、ありがとうございます!」
提督(こうして、練習がてら今日の夕食を一緒に作る。のかと思ったが、調理は全部プリンツがやった)
プリンツ「はい、できました!ではお願いしますね」ゴトン
提督「あ、ああ!任せてくれ」
ビスマルク「腕の見せ所よ、アトミラール」
提督(ドイツでは、どうやら一家の主人がこういった塊肉の料理を切って取り分けるらしい)
提督(まあ、分かっていれば簡単だ。問題なくこなすことができた)
提督「よし、これでどうだ?」
プリンツ「さすがです、アトミラール!!」
ビスマルク「Sehr gut!!まあ、心配していなかったけどね」
863: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:14:48.88 ID:qQuwdQPC0
提督(そして、とうとうドイツへ行く日が来た。飛行機で約半日かけてドイツへ向かう。そこら辺の街並みでさえ俺にとってはとても洒落て見えた)
提督(二人の案内でドイツを観光して回った。城や教会を見て回り、料理や酒を堪能する)
提督(それと、日本でのマクドナルドのようにケバブの店があることに驚く。あれはトルコとかの料理だと思っていたが、ドイツでも人気なのか)
提督(こうして存分にドイツ観光を楽しんでいたら、とうとうプリンツの両親の元へ挨拶に行く日が来た)
ビスマルク「じゃあ、明後日ね。結婚式、頑張って」
提督「ああ、ありがとう。また明後日」
プリンツ「Danke!また明後日です!」
提督(親戚の所へ向かったビスマルクと別れ、プリンツの故郷へ向かった。とても緊張する)
提督(何か粗相があったらどうしようかと心配していたが、杞憂で済んだ。プリンツの家族はとても良くしてくれた)
提督(料理の切り分けも上手くできたと思う。日本での暮らしなど、いろいろなことを話した)
提督(娘を頼むと言われ、任せてくださいと答えた時は義母が涙を流していた。プリンツも家族と抱き合って泣いていた)
提督(そのままプリンツの実家に泊まる。そして翌日、結婚式だ。準備を済ませて教会へ向かった。プリンツは、あとから来る)
提督(祝いに来てくれたのはプリンツの家族と友人達だ。俺の家族は、死んだことにせざるを得なかった。心が痛いが、仕方がない)
提督(時間になり、結婚式が始まる。瀟洒たウェディングドレスを纏い、バージンロードを父親と歩んでくるプリンツ)
提督(その姿はとても美しくて、見惚れてしまう。感動に震えた。二人で壇上に並ぶ。讃美歌を斉唱し、聖書の朗読を聞く)
提督(そしてプリンツと二人で永遠の愛を宣言し、そのベールをあげて、キスをする)
提督&プリンツ「「私達は、夫婦として、喜びの時も、悲しみの時も、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しい時も」」
提督&プリンツ「「これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓います」」
神父「では、誓いの口づけを」
提督「……」コクッ スッ
プリンツ「……」パチッ クイッ ドキドキドキ
提督(ベールをあげる。とても神聖なことをしている気分になった。プリンツは顎をあげ目を閉じている)
提督「……ん」チュッ
プリンツ「んっ……」
提督(初々しいソフトなキスだった。だが、時間が長かったと思う。よくわからない。プリンツが愛おしくてそれどころではなかったのだ)
提督(キスの後、神父が結婚の宣言をした。結婚証明書にサインをして、讃美歌を歌う)
提督(すべてが終わって、いよいよ退場だ。プリンツと腕を組み、エスコートしながら歩く)
プリンツ「アトミラール」ジッ
提督「どうした?」
プリンツ「ずっと夢だったんです、結婚式。私、今とっても幸せで、感動しています」ニコッ
提督「俺もだよ」ニコッ
提督(皆、笑っていた。やはり、結婚式はこうでなくては。幸せで、笑顔が溢れていなくては)
提督(無事に結婚式が終わり、披露宴という訳ではないが出席してくれた人達と早い夕食を取る)
864: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:15:29.08 ID:qQuwdQPC0
提督(そのまま泊っていきたい気分だったが、ビスマルクが待っている。丁重に挨拶して、出発した)
提督「ビスマルク!」
ビスマルク「やっと来たわね!どうだった?」
プリンツ「最高でした……!!やっぱり結婚式はいいですよね!!幸せな気持ちになりました!!」
提督「ああ!!プリンツのウェディングドレス姿は最高だったよ!!」
ビスマルク「良かったわね!!……」
プリンツ「Danke!!」
提督「ああ!!じゃあ行くとするか。……」グイッ
プリンツ「はい!」スタスタスタ
ビスマルク「ええ。……っ!?」
提督「……ビスマルク。いろいろあったにせよ、俺は君との結婚式も本当に良かったと思っているよ」
ビスマルク「アトミラール……!!っ!!」ダキッ
提督「ビスマルク」ギュッ
提督(無事にビスマルクと合流してまた観光。そして、帰国だ。思い返してみればドイツに来れて良かった)
提督(プリンツの両親に挨拶できたし、結婚式ができるとは思わなかった。最高の気分だった)
提督(また来たい。いや、必ずまた来る。俺は帰りの飛行機の中でそう思いながら眠りについた)
865: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:17:11.37 ID:qQuwdQPC0
~
提督(帰国し、日常に戻って一月ほどの経った後。いつものように愛し合い、挿入するためにゴムを付けようとしていた時だった)
プリンツ「アトミラール……私、ゴムなしでしてほしいです」ジッ
提督「プリンツ?」
プリンツ「……アトミラールの赤ちゃんが欲しいです」モジモジ
ビスマルク「えっ!?」
提督「プリンツ……!!君は、まだ若い。そう早まることはないぞ?」
プリンツ「でも、赤ちゃんが欲しいんです……ダメ、ですか?」チラッ
提督「そうか……俺も欲しいと思っていたんだ。頑張ろうな」
プリンツ「アトミラール……!!はい!!」パァッ
ビスマルク「……」
提督(プリンツの言葉に、本能が刺激された。そのまま、乱暴にプリンツに挿入した。そして、一心不乱に腰を振る)
提督「プリンツ……!!プリンツ……!!」パンパンパン
プリンツ「アトミラール!!す、すごいぃ!!熱くて……アトミラールを感じる……!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(プリンツを孕ませることしか頭になかった。生で中出ししてしまう。もう……止められない)
提督「くっ……はぁ……!!」ビュルルルルルルルル
プリンツ「ああああああああ!!……っ!!はぁ……はぁ……」ビクンビクン
提督「はぁ……はぁ……プリンツ……」ズルッ
プリンツ「なか……熱いです……アトミラールのが、たくさん……」ゾクゾク ブピュッ
提督「……!!」ゾクゾクゾク
提督(ぐったりとしたプリンツの秘所からモノを引き抜く。一緒に白濁液が噴き出た。プリンツは、この後ピルを飲まない)
提督(そうすれば、プリンツは孕むかもしれない。子宮に達した俺の精子がプリンツの卵子と混じり合い、着床するかもしれな)
提督(それは、男としてとても興奮する行為だった。プリンツを孕ませる。俺の中の本能が満たされる)
プリンツ「アトミラール……頑張りましょうね……」
提督「ああ……」
866: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:19:10.27 ID:qQuwdQPC0
提督(その日以来、プリンツと子作りを始めた。ゴムなしのセックス。愛を確かめるだけでなく、お互いの子供を作る行為)
プリンツ「アトミラール!!アトミラール!!胸ぇ!!胸をもっと虐めてください!!」ヌップヌップヌップ
提督「プリンツ……!!騎乗位で腰を振りながらおねだりとは、お前も随分淫乱になったな……!!」パンパンパン モミモミモミ
プリンツ「あぁっ!!アトミラールが!!私をそうしたんですよ!!セキニンとってください!!」ヌップヌップヌップ
提督「プリンツっ……ぐっ!!」ギュッ ビュルルルルルルルル
プリンツ「ち、ちくびぃいいいい!!やああああああ!!はぁ……はぁ……」ビクンビクン ブプッ
提督(ゴムありの時とは比べものにならない快感。プリンツを孕ませる。ただ、それだけに夢中になりそうだった)
プリンツ「後ろからぁ!!のしかかられて……ふぐぅ!!ケモノみたい!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督「孕め、プリンツ!!俺の子を孕め!!」パンパンパン
プリンツ「はぁい!!孕みます!!孕ませてください!!アトミラールとの、赤ちゃんをっぁああああ!!」ビクンビクンビクン
提督「っ!!……プリンツ……愛してる」ベチン ビュルルルルルルルル
プリンツ「あふぅ……はぁ……はぁ……私も……愛してます……」グッタリ ドロッ
提督(プリンツの秘所から白濁液が垂れる。肩を震わせ荒い息を吐くプリンツが愛おしかった。今すぐにでも抱きしめたい)
ビスマルク「……」ギュッ
提督(だが、さすがに気がついた、ビスマルクの様子がおかしいことに。……とてもつらそうな顔をしていた)
提督「……ビスマルク?どうした」
ビスマルク「アトミラール、私……いえ、何でもないわ」
提督「ビスマルク……」チュッ
ビスマルク「んっ……ふぅ……れろれろれろ……んちゅ……」
提督「……ビスマルク、君はとても辛そうだ。何かあるなら言ってくれないか?君の力になりたいんだ」
ビスマルク「んふ……大丈夫。本当に大丈夫よ、アトミラール」ニコッ
提督「……そうか。もう一度、いいかい?」サワッ
ビスマルク「ええ、もちろん……!!」キュン
提督(その後、ビスマルクとの繋がりを感じたくて、抱き締め、まじり合った)
867: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:22:04.14 ID:qQuwdQPC0
提督(すべてが終わって、二人は俺の左右で眠っていた。ビスマルクのことを、考える)
提督(……俺が思うに、ビスマルクはプリンツと俺が子作りを始めたころから様子がおかしくなった)
提督(最初はビスマルクも子供が欲しくなったのかと思ったが、そう言ってくることもない)
提督(それとなくビスマルクともしたいと言ってみたら、まだ早いとやんわりと断られた)
提督(だが、ビスマルクはプリンツに生中出しをすると毎回悲しそうな顔をしている)
提督(気になるが、それ以外に特におかしいことは無かった。だが何かに悩んでいるのは確かだ)
提督(どうにかしてビスマルクの助けになりたい。しかし、どうすればいいのか分からない)
提督(そして、そうこうしているうちに最高のニュースが届いた。それは、日曜日の朝、惰眠を貪っているときだった))
プリンツ「アトミラール、起きて!!アトミラール!!」
提督「ん……プリンツ?どうしたんだ?」
プリンツ「アトミラール!!これ、見てください!!」スッ
提督「んー?……っ!!プリンツ!!」
提督(差し出されたものは体温計にも見えるソレ。ラインが、二つ浮き出ていた。それが意味することは……!!)
プリンツ「私、妊娠しましたよ!!」ダキッ
提督「プリンツ……!!よくやってくれた!!」ギュッ
プリンツ「はい!!」
提督(プリンツはとても喜んでいた。俺も、とても嬉しかった。そして、ビスマルクも祝福してくれた)
ビスマルク「おめでとう、プリンツ!アトミラール!!」
プリンツ「ビスマルク姉さま、ありがとうございます!!」
提督「ああ、ありがとう!!」
提督(三人で一緒になって以来、最悪になっていたビスマルクとプリンツの関係は少しづつ改善されていった)
提督(そして、今では以前ほどではないにせよかなり良好な関係に戻っていた。心配していたが、良かった)
プリンツ「見てください!!これが母子健康手帳ですよ!!」
ビスマルク「ふふ、良かったわね!!……」ギュッ
提督「……!!」ハッ
提督(今、理解した。何がビスマルクを苦しめているのか。どうして気がつかなかったのか)
提督(馬鹿か俺は……話をしなくてはならない。俺はその後、タイミングを見計らってプリンツに頼みごとをした)
868: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:24:08.63 ID:qQuwdQPC0
提督「プリンツ」
プリンツ「どうしたの?」
提督「今日、ビスマルクと二人で出かけてきたいんだが……いいかい?」
プリンツ「もちろん。……何か話さなくちゃいけないことがあるんでしょ?」
提督「っ!……よくわかったな」
プリンツ「姉さまの様子がおかしいことには私も気がついていたから。……姉さまのこと、よろしくお願いしますね」
提督「ああ、まかせてくれ」
提督(こうして俺はその晩ビスマルクと二人で出かけることとなった。2人っきりのデートだ)
プリンツ「では、行ってらっしゃい。アトミラール、ビスマルク姉さま」
提督「行ってくるよ」
ビスマルク「行ってくるわ」
提督(車で出かける。クラシックを聴いてレストランでディナーを済ませる。そして、そのまま夜景を見に行った)
ビスマルク「すごい……」
提督「君の為の宝石箱だ。ってのは、クサすぎるか」
ビスマルク「アトミラールに言われるのなら、悪くないわね」
提督「そうか。……」
ビスマルク「……何か、言いたいことがあるんでしょ?」
提督「っ!わかるか……」
ビスマルク「誰だと思っているの?私は、貴方の妻よ」
提督「そうだったな。……子供のことだろう?君が悩んでいるのは」
ビスマルク「やっぱり……分かっちゃう?」
提督「……俺は、君にどうしてあげられる?」
ビスマルク「……私は、いいのかしら。一度堕胎した私に、子供を身籠る資格なんて……あるのかしら?」
提督「あるとも」
ビスマルク「っ!!……どうして、そう思うの?」
提督「償いは何も子供を作らないことじゃない。君がそう思うのも分かるが、だからって子供をつくってはいけないわけないよ」
ビスマルク「……そうかしら?」
提督「そうだとも。俺たちはちゃんと立派に育て上げる。きっとできる。だから、心配しなくていい」
ビスマルク「アトミラール……」
提督「ビスマルク」ギュッ
ビスマルク「あっ……」
提督「ビスマルク、俺は君が好きだ。君に俺の子供を産んで欲しい。頼むよ」ササヤキ
ビスマルク「っ…… J, ja……!!」コクリ
提督「ありがとう……!!」チュッ
ビスマルク「こ、こちらこそ……んぅ!!ん……ちゅっ……」ギュッ
869: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:24:54.10 ID:qQuwdQPC0
提督(そのままビスマルクと口づけする。互いに強く抱きしめ合い、愛撫し合い、舌を絡ませ合う)
提督(そこで周りに他のカップルがいることに気がつき、赤面しつつ車に戻った。)
提督(ビスマルクを連れてホテルに行く。シャワーを浴びるのももどかしい。部屋に入ってすぐビスマルクを抱き寄せる)
提督(キスをして、ベッドに押し倒し、服を脱がせた)
ビスマルク「あ、アトミラール……汗とかかいてるから、シャワーが浴びたいわ」
提督「我慢できない。良い匂いだから大丈夫だよ」クンクン
ビスマルク「は、恥ずかしいからにおいを嗅がないで……んっ!!」カァッ ビクン
提督(ショーツをずり下ろして、露わになった秘所に吸い付いた。それからじっくりと前戯をしてよがらせる)
提督(何度もイかせてすっかり体ができあがったビスマルクにフェラをさせつつ、自分を慰めさせた)
提督(互いに準備がばっちりできたところで、ビスマルクにおねだりさせる)
提督「どうしてほしいか言ってみな」
ビスマルク「っ!!恥ずかしいわ……」
提督「聞きたいんだ。まだ止めたくはないだろう?」
ビスマルク「……入れてちょうだい」カァッ
提督「違うだろう?孕ませてください、だ」
ビスマルク「!!……は、孕ませてください」ゾクゾクゾク
提督「なら、脚を広げて、自分で開いてくれ」
ビスマルク「もう……!!これで、いいかしら?」クニッ クパァッ
提督「ああ、完璧だ……!!」
ビスマルク「んっ……ふぁああ……!!入ってくる……!!奥まで……入ってる……!!」ズプッ ヌプププププ
提督「ビスマルク……!!子宮がおりてきているみたいだな……?」コツン コツン
ビスマルク「ああ!!も、もっと……もっと私を愛して、孕ませて……?」ビクン
提督「いいだろう……!!」
870: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:26:58.34 ID:qQuwdQPC0
提督(そのままねちっこくせめる。よがるビスマルクを見ていると精子がたまっていくようだ)
提督(もうこれ以上は無理だというほどまで耐え、いよいよフィニッシュするためにせめたてていく)
提督「ビスマルク!!中に出すぞ!!お前を孕ませてやる!!」パンパンパン
ビスマルク「ああ!!きて!!きてぇ!!あなた!!私を孕ませて!!赤ちゃんを頂戴!!」ズッチュズッチュズッチュ
提督(きゅっと締まる感覚。俺は、この子を孕ませてやるんだ。この子のすべてを、……取り返すんだ)
提督「孕め!!孕め!!孕め!!っ……孕めええええ!!」ベチン ビュルルルルルルルル
ビスマルク「Ja!!Ja!!産んであげる!!産んであげるからっあ、ああああああああ!!」ビクンビクビクン
提督(ビスマルクの一番奥深くで果てる。直接子宮内に注ぎ込むような感覚。本能が満たされる)
ビスマルク「はぁ……はぁ……アトミラール」
提督「……どうした?」
ビスマルク「抱きしめて。キスして」ジッ
提督「もちろんだ」ギュッ
提督(もちろん一回で終わるわけがなかった。その日、結局俺たちはホテルに泊まった。そして翌朝、軽く朝食を取ってから帰宅する)
提督「ただいま」
ビスマルク「ただいま」
プリンツ「おかえりなさい、アトミラール。ビスマルク姉さま」
ビスマルク「プリンツ、あのね……私も、アトミラールと子供をつくることにしたの」
プリンツ「そうですか!頑張ってくださいね!」
ビスマルク「ええ!ありがとう!」
提督(靴を揃えて家に上がる。そしてビスマルクに続いてリビングへ入ろうとしたところだった)
プリンツ「……」グイッ
提督「っ!?」
提督(プリンツに引っ張られる。いきなりのことに俺は反応できない。そのまま壁ドンの体勢になった)
871: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:28:22.80 ID:qQuwdQPC0
提督「ぷ、プリンツ?」
プリンツ「朝帰りとは聞いていませんでしたよ?」ジッ
提督「す、すまない……!!」
プリンツ「したんですよね?セックス。それも、生で中出しの子づくりセックスですよね?」
提督「そうだ……!!」
プリンツ「それが悪いとは言いませんが、一晩寂しく過ごした私をどう慰めてくれるのか……期待してますからね?」
提督「!!ああ、もちろんだ。プリンツ」チュッ
プリンツ「んっ……ちゅぅ……もう、これだけじゃ足りませんからね!!……朝ごはんは作っておいたんですけど……食べてますよね?」
提督「君が作ってくれたものを食べないわけがないだろう?いただくよ」
プリンツ「!!じゃあ、用意しますね♪」
提督(慰めについては後日、プリンツと一緒に二人っきりでお泊りデートに行くことで満足してもらえた。行先は温泉だった)
提督(混浴の時、周りの男の視線が気に食わなかったが、男として誇らしくもあった。プリンツにも喜んでもらえてよかった)
提督(ともかく、こうして俺はビスマルクとも子づくりを始めた。そして、その努力はすぐに報われた)
ビスマルク「アトミラール、話があるの」モジモジ
提督「どうした?」
ビスマルク「あのね……できたの!!」
提督「ビスマルク……!!良かった!!やったな!!」
ビスマルク「ええ!!アトミラール……貴方と私の赤ちゃんよ!!」
提督(本当にうれしかった。俺とビスマルクの子供だ。いつか穢されてしまった思いが、報われた気がした)
プリンツ「おめでとうございます!!アトミラール!!ビスマルクお姉さま!!」
ビスマルク「ありがとう、プリンツ!!」
提督「ありがとう!!……二人とも、はじめての子育てで大変だろうが、俺もできることは何でもする」
提督「だから、三人で一緒に頑張ろう!!」
ビスマルク&プリンツ「「Ja!!」」
872: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:29:47.30 ID:qQuwdQPC0
提督(それから数か月。プリンツとビスマルクはともに母子ともに健康で、お腹の子もすくすくと成長していた)
プリンツ「あ、今お腹を蹴ったよ。アトミラール」
提督「おお、そうか!元気な子だな!」ナデナデ
プリンツ「そうだね、ふふ。早く生まれておいで。パパもママも待ってるからね」ナデナデ
ビスマルク「はい、夕食ができたわよ」スタスタ
提督「ビスマルク!できたら呼んでくれっていったろ?君は妊娠しているんだから」スクッ
ビスマルク「不安なのはわかるけど、あまり過保護にしないで。何度も言ったと思うけど、妊婦は体を動かさないとダメなのよ」コト コト
プリンツ「そうですよ。運動しないと、つわりとかいろいろ酷いことになるんだから」
提督「そ、そうか……そうだったな……すまない……」
ビスマルク「謝らないで。私を気遣ってくれたんでしょ?その気持ちは嬉しいわ!」
提督「そう言ってもらえると、幸いだ。……君も、随分お腹が大きくなってきたな」
ビスマルク「ええ、そうね。早くこの子に会いたいわ」ナデナデ
提督(いろいろとあって大変だった。それに、今の俺たちは人から見れば普通じゃないだろう。だが……)
提督「なあ、ビスマルク。プリンツ。俺は今、本当に幸せだ!!」
ビスマルク「どうしたのよ、いきなり」
プリンツ「何かあったの?」
提督「いや、言いたくなったんだ」
ビスマルク「そう。私も、とっても幸せよ!!」ダキッ
プリンツ「私も幸せです!!」ダキッ
提督(二人が満面の笑みで俺の腕に抱き付いてくる。両腕に感じる、大切な二人の体温が心地いい)
提督(願わくは、この幸せが永遠と続きますように。そのためなら俺は努力を惜しまない。俺は、改めて強くそう思った)
875: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 14:43:21.94 ID:qQuwdQPC0
どうも、作者です
長らく続いてしまいましたが、これにて完結です
今まで読んでいただきまして、ありがとうございました
いろいろとおかしなところや至らぬところがあったかと思いますが、
よろしければアドバイスなど頂ければ幸いです
あるか分かりませんが、もしあった時の参考にさせていただきたいです
書いてみたいネタがいくつかあるので、かければいいなと思います
後は少し思いついたけど本編で書けなかった小ネタを書き込む予定です
本当にありがとうございました
880: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 16:31:58.63 ID:ZMgQ0Wooo
乙
楽しめて読めたけど、次回作ってことでもいいから加賀みたいなNTRその後みたいな
882: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 19:19:52.11 ID:gWVZsEAA0
乙
友と飛龍のエロはやく!
884: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 20:29:13.16 ID:qQuwdQPC0
>>880 >>882 が、頑張ります!
ドイツ軍はまあこういう話なら登場せざるを得ないということで出しました
実はドイツ軍はもう少し出番がある予定だったんですが寄り道過ぎるし、
オリキャラは嫌われるかなと思ってカットしました
名前付きが出たのもその名残です
ヨゼフィーネ・メンゲレ大佐の元ネタは皆さんご存知のヨーゼフ・メンゲレ博士です
私は某陽炎が大活躍するノベライズのファンなので、
艦娘の出自はその設定を使わせていただいております
しかし、適正で採用されるなら不採用になる人もいるはず
彼女もまた採用されず、しかし納得がいかなかったため採用された友人だったプリンツを調べて
何が問題だったのかを調べようとしたのです
その結果どうなったかはまあ、読んでいただいた通りです
ドイツ軍は終戦に伴って本国へ帰還しました
プリンツとビスマルクは退役したので、
どこにいるかは把握されていますが何をしているかは特に調べられていません
まあ、もしバレたとしたら問題になるんじゃないかと思いますが、
あの二人なら何とかして隠し通すのでしょう
887: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/14(土) 22:26:18.71 ID:qQuwdQPC0
瑞鶴はすでに失恋から立ち直っていたので、
恐らく新しい恋を見つけていずれ誰かと幸せになると思います
ハーレムについては知りません
提督たちは周りにひた隠しにしているのでばれないでしょう
今はたぶんペンフレンドくらいなのだと思います
もし瑞鶴がハーレムを知ったらどうなるかは分かりません
想いが反転するのか、それなら自分もとなるのか
恐らく提督の対応次第ですけど提督は受け入れないと思います
整合性については申し訳ありません
自分なりに取れているつもりだったのですが、完全に私の力不足です
このSSは
プロローグ "おかしくなった提督の妄想"
一部 "取り返す"
起 実はNTRれておかしくなっていた提督
承 おかしくなった提督と健気なプリンツ
転 提督が正気に戻る
結 ビスマルクを取り返す
二部 "二人と提督"
起 無事に取り戻した提督とプリンツの略奪決意
承 徐々に関係を進展させるプリンツと悩みつつもビスマルクを選ぶ提督
転 極限状態に加え選ばれなかったプリンツが強引に迫って関係を持ってしまう
結 提督の決断
エピローグ"その後"
って感じでした
890: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/16(月) 00:49:35.08 ID:SQgyD98yo
乙
ハーレム好きだから良かった
SS速報R:提督「という訳なんだ、うむ」 ビスマルク「……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1476205490/
良かったが特にプリンツの戦闘シーンがよかった。
のめり込めるような戦闘シーンは中々無いから本当素晴らしかったよ。