―――エアコンのリモコンの電池が切れていた泰葉のお部屋
ジリジリ……
扇風機「ぶぅーん……」
泰葉「はぁ……」グデ…
加蓮「……あづい……」ダラン…
泰葉「…………」
加蓮「泰葉ぁ……」
泰葉「なに……?」
加蓮「……これ……ほんとに窓開いてんの……?」
泰葉「……全開……。風……全然吹いてない……」
加蓮「死ぬ……死んじゃう……」
泰葉「扇風機……熱風が……あぁ……」
2: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:38:28 ID:vlU
ミーンミンミンミン…
ミーーーーーンミンミンミンミンミン…
泰葉「空が……青いね……」
加蓮「……雲……、白い……」
泰葉「綿飴……屋台……」
加蓮「お祭り……?」
泰葉「花火……納涼……肝試し……」
加蓮「なんで連想ゲーム……」
泰葉「なにかしてないと意識飛びそうで……。はぁ、かき氷食べたい……」
加蓮「アイス無いの……?」
泰葉「さっきので最後……」
加蓮「うぅ……このままじゃ干からびちゃう……!」
泰葉「李衣菜……アイスも買ってきてくれないかな……」
加蓮「そういえばどこまで電池買いに行ったの……? コンビニそんな遠くなくない……?」
泰葉「うん、確かに遅いかも……」
加蓮「ちょっと電話かけてみるね……」プルルルル
泰葉「お願い……。あぁ暑い……」
スマホ「ぴりりりりりりっ!」
泰葉「え?」
加蓮「は?」プルルルル
スマホ「ぴりりりりりりりりり」
泰葉「…………」
加蓮「…………」プルルルル
スマホ「ぴりりりりりりりりり」
加蓮「…………」プルルル…ピッ
スマホ「ぴりりりrぷつっ」
泰葉「…………」
加蓮「…………」…フルフル
泰葉「……李衣菜……」
加蓮「あ、の、ば、かぁぁぁあ……!!」ワナワナ…!
ミーーンミンミンミン…
ピーポーピーポー…
ミーーーーーンミンミンミンミンミン…
加蓮「スマホ忘れてくとかありえない……ほんっとバカじゃないの……!」
泰葉「に、人間誰しも失敗はあるから……」
加蓮「これで私ら死んだら呪ってやる……!」
泰葉「あ……そしたら私たちお化けに……。うふ、あはは。肝試し……ふふふっ」
加蓮「ちょ、気を強く持って泰葉」
泰葉「いっそ気が狂った方が楽かも……。こんな暑さ耐え切れない……」
加蓮「やめてよ縁起でもない……」
泰葉「暑い……暑い……。暑い暑い暑い……!」
加蓮「ああもううるさっ――!」
ぶーん……ばたばたばた、ぴとっ
加蓮「え」
泰葉「あ……」
網戸のセミ「み゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!」
「「あああああああああああ!!!」」
セミ「みいいいいいいいいいい!!!」
加蓮「ちょっ泰葉閉めて窓閉めて閉めて閉めてッ!!」
泰葉「閉めたら蒸し風呂になっちゃうでしょ絶対イヤ!!」
加蓮「どーせ風吹いてないんだからいいでしょ!!」
泰葉「加蓮デコピン、デコピンで追い払って、早く!!」
加蓮「はあ!?!? やだやだやだやだ無理無理無理無理ぜったい無理ッ!!」
セミ「みいいいいいいいじじじじじじじじじ!!!!」
泰葉「早くなんとかしてーっ!!」
加蓮「きもいきもいきもいーっ!!」
―――
――
―
セミ「じっ……」ブーン…
泰葉「はぁ、はぁ……! や、やっと……どこか行った……」グッタリ
加蓮「…………」
泰葉「うぅ……もういや……! 李衣菜ぁ……早く帰ってきて……」
加蓮「……………………」
泰葉「……加蓮?」
加蓮「………………………………あつい」ヌギヌギ…
泰葉「!?」
加蓮「汗べったべた……死ぬ……死ぬくらいなら脱ぐ……!!」ヌギッ
泰葉「なにして、加蓮っ!? ちょっと、着て、着てっ!」
加蓮「あぁ解放感……♪ 泰葉も脱いだら?」
泰葉「下着姿になるくらいなら死んだ方がマシです!」
加蓮「??? これ水着だよ? ここはビーチだよ泰葉、ほら青い空白い雲うふふえへへ」ヘラヘラ
泰葉「わ、分かった! 今すぐ水風呂に入りましょう、ねっ!?」グイグイ
――しゃわわわわわわ……
加蓮「はぁぁぁぁ……生き返るぅぅぅ……♪♪」
泰葉「最初からこうすれば良かった……。ふう……」チャプチャプ…
加蓮「ああ天国……もう最高、私お風呂に住む……♪」シャワワワ…
泰葉「はいはい……。もう、女の子なんだから最低ライン考えて……」
加蓮「だって限界だったんだもん。暑いのが悪いの」
泰葉「だからって……。はぁ……」
加蓮「ふふ、私たちの仲でしょ。こうして裸の付き合いするくらいっ」
泰葉「時と場合って言葉知ってる?」
加蓮「はい詰めて詰めて~、私も入る~♪」チャプン
泰葉「あっちょっと、もうっ」
加蓮「んー、やっぱりすぐぬるくなっちゃうね」チャプチャプ
泰葉「あんまり冷たくしすぎたら風邪ひいちゃうし仕方ないよ」チャポチャポ
加蓮「氷入れるわけにもいかないよねー」
泰葉「冷やし加蓮始めました」
加蓮「えっ食べるの? 私食べられちゃう?」
泰葉「でも冷え切った身体と紫色の唇が問題になって販売停止です」
加蓮「あはは、残念~♪」
泰葉「ふふふっ。どう、体冷えた?」
加蓮「うーん、まだちょっと火照ってるかなぁ……触ってみて?」
泰葉「ん。……うん、そうかも。熱中症かな……」
加蓮「ううん、気分は悪くないから平気だよ」
泰葉「そう、良かった」パシャ
加蓮「ゎぷ。そういう泰葉は?」パシャッ
泰葉「あっぷ。私も大丈夫……えい、えい」パチャパチャ
加蓮「やっ、溺れちゃう溺れちゃうっ」
泰葉「まぁ私たちはいいとして……李衣菜、本当にどうしたのかな」
加蓮「どうせ私たちのことなんかほったらかしで涼んでるんじゃない?」
泰葉「もしかして……どこかで具合悪くなって動けない、とか」
加蓮「え、ちょっと……それはシャレになんないんだけど」
泰葉「だってこんなに暑いし……それにさっき救急車の音も聞こえたような」
加蓮「…………」ピチョン…
泰葉「…………」チャプ…
加蓮「……ど、どうしよ……!?」
泰葉「どうしようって、本当なら探しに行かなきゃ……!」
加蓮「や、泰葉すぐ体洗って! 私出掛ける準備しとくから!」ザバッ
泰葉「わ、分かった!」ザブ
がちゃ
李衣菜「――2人ともただいまー。洗濯機回ってたから入ってると思ったよー、私もあとで入るねっ」
加蓮「」
泰葉「」
李衣菜「……あれ? おーい、どしたの? 暑くてフリーズ?」
泰葉「…………」ポタポタ
加蓮「…………」ピチョーン
李衣菜「あ、エアコンの電池替えといたよ。今フルパワーで部屋冷やしてるから――」
「「……りいなぁぁぁぁぁぁあああっ!」」ベチャアッ
李衣菜「ってなあああああああっ!!?? ちょっ濡れ、放して、なにっ!? ちょっと待って落ち着いてよ泰葉、加蓮~っ!」
―――
エアコン「ごおおおおおお」
加蓮「――はいパピコっ」
泰葉「ぁむっ。……ちゅー」
加蓮「んちゅー……ぷは」
泰葉「……うぅっ……!」
加蓮「くぅぅ……!」
「「生きてるっ!」」
李衣菜「大げさだなぁ……。お風呂上がったよー」トテトテ
泰葉「大げさなものですか。李衣菜は私たちの苦労を知らないからそんなこと言えるの。セミとか」
李衣菜「セミって。なにしてたの?」
加蓮「『なにしてたの』はこっちのセリフ。李衣菜こそどこほっつき歩いてたの?」
李衣菜「や、電池のついでにアイス買ってこうって。でもコンビニには2人の好きなの売ってなくて、だからスーパーに……」
泰葉「それなら一旦帰ってきてほしかったな……そしたらなんの心配もいらなかったのに」
加蓮「そもそもスマホ忘れるとかありえないし」
李衣菜「ぅぐ、それはごめんってば……!」
加蓮「だーめ、許さないんだから。私たちを心配させた罰として洗濯物干してよね」
李衣菜「えぇーまた汗かいちゃうじゃん……ベランダ超暑そう」
加蓮「罰なんだから当然でしょ。はいよろしく♪」
李衣菜「うぅ、私だってアイス食べたいのに……」
泰葉「大丈夫、加蓮が食べちゃわないようにちゃんと取っておくから」
李衣菜「あはは……お願いね、泰葉」
加蓮「ちょっとー、そこまで鬼じゃないからね私っ」
―――ベランダ
李衣菜「――はぁ。夏だなぁ」バサッ
李衣菜「もうちょっと手加減してほしいなぁ、太陽……」
李衣菜「――よいしょ。ふぅ」
ぱたぱた……
李衣菜「お、風吹いてきた……へへ、これならすぐ乾くな」
李衣菜「うーんっ……夏っ。ロックだ!」ノビーッ
李衣菜「――――」ノビーッ
加蓮「……なに背伸びしてるんだろ?」ペロペロ
泰葉「ふふ、さあ。夏を感じてるんじゃないかな」シャクシャク
加蓮「あは、なにそれ。そっち一口ちょうだいっ」
泰葉「え、さっきあげたじゃない」
加蓮「もう一口いいでしょ~。隙ありっ♪」シャクッ
泰葉「あっ、じゃあ私もっ」ペロッ
加蓮「――っ。――♪」キャイキャイ
泰葉「――、――!」キャイキャイ
李衣菜「な、なんか楽しそう……!」
がららっ
李衣菜「ちょっとー、私も混ぜてよー!」
泰葉「あああ、そんなに食べないで加蓮っ!」
加蓮「んふー、そっちも美味しい♪ って李衣菜、暑いから早く閉めてっ」
李衣菜「ああうん、はいはいっと――」カララ…
ぶーん……ばたばたばた――ひゅっ
李衣菜「えっ――!」
加蓮「は――」
泰葉「あ――!?」
入り込んだセミ「み゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!」
「「「いっ……!!!??」」」
「「「――ッやああぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁああああああああぁぁぁああああッッッ!!!!!!??????」」」
アアアアアアアアアアア――――!!!
アアアアアアアア――
アアアアア…
―――事務所
ミーンミンミンミン…
P「――はっ。悲痛な叫び声が聞こえた気がする」
ちひろ「プロデューサーさーん、麦茶飲みます~?」
おわり
というお話だったのさ
暑いからって開けっ放しには気をつけよう
おつ
セミが入るぐらい茶飯事だぞ(田舎民感)
元スレ
モバP「だりやすかれんと真夏日」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1502123803/
ミーンミンミンミン…
ミーーーーーンミンミンミンミンミン…
泰葉「空が……青いね……」
加蓮「……雲……、白い……」
泰葉「綿飴……屋台……」
加蓮「お祭り……?」
泰葉「花火……納涼……肝試し……」
加蓮「なんで連想ゲーム……」
泰葉「なにかしてないと意識飛びそうで……。はぁ、かき氷食べたい……」
3: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:40:24 ID:vlU
加蓮「アイス無いの……?」
泰葉「さっきので最後……」
加蓮「うぅ……このままじゃ干からびちゃう……!」
泰葉「李衣菜……アイスも買ってきてくれないかな……」
加蓮「そういえばどこまで電池買いに行ったの……? コンビニそんな遠くなくない……?」
泰葉「うん、確かに遅いかも……」
4: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:41:43 ID:vlU
加蓮「ちょっと電話かけてみるね……」プルルルル
泰葉「お願い……。あぁ暑い……」
スマホ「ぴりりりりりりっ!」
泰葉「え?」
加蓮「は?」プルルルル
スマホ「ぴりりりりりりりりり」
5: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:43:15 ID:vlU
泰葉「…………」
加蓮「…………」プルルルル
スマホ「ぴりりりりりりりりり」
加蓮「…………」プルルル…ピッ
スマホ「ぴりりりrぷつっ」
泰葉「…………」
加蓮「…………」…フルフル
泰葉「……李衣菜……」
加蓮「あ、の、ば、かぁぁぁあ……!!」ワナワナ…!
6: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:45:16 ID:vlU
ミーーンミンミンミン…
ピーポーピーポー…
ミーーーーーンミンミンミンミンミン…
加蓮「スマホ忘れてくとかありえない……ほんっとバカじゃないの……!」
泰葉「に、人間誰しも失敗はあるから……」
加蓮「これで私ら死んだら呪ってやる……!」
泰葉「あ……そしたら私たちお化けに……。うふ、あはは。肝試し……ふふふっ」
加蓮「ちょ、気を強く持って泰葉」
7: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:46:34 ID:vlU
泰葉「いっそ気が狂った方が楽かも……。こんな暑さ耐え切れない……」
加蓮「やめてよ縁起でもない……」
泰葉「暑い……暑い……。暑い暑い暑い……!」
加蓮「ああもううるさっ――!」
ぶーん……ばたばたばた、ぴとっ
加蓮「え」
泰葉「あ……」
網戸のセミ「み゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!」
「「あああああああああああ!!!」」
8: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:49:38 ID:vlU
セミ「みいいいいいいいいいい!!!」
加蓮「ちょっ泰葉閉めて窓閉めて閉めて閉めてッ!!」
泰葉「閉めたら蒸し風呂になっちゃうでしょ絶対イヤ!!」
加蓮「どーせ風吹いてないんだからいいでしょ!!」
泰葉「加蓮デコピン、デコピンで追い払って、早く!!」
加蓮「はあ!?!? やだやだやだやだ無理無理無理無理ぜったい無理ッ!!」
セミ「みいいいいいいいじじじじじじじじじ!!!!」
泰葉「早くなんとかしてーっ!!」
加蓮「きもいきもいきもいーっ!!」
―――
――
―
9: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:51:11 ID:vlU
セミ「じっ……」ブーン…
泰葉「はぁ、はぁ……! や、やっと……どこか行った……」グッタリ
加蓮「…………」
泰葉「うぅ……もういや……! 李衣菜ぁ……早く帰ってきて……」
加蓮「……………………」
泰葉「……加蓮?」
加蓮「………………………………あつい」ヌギヌギ…
泰葉「!?」
10: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:52:21 ID:vlU
加蓮「汗べったべた……死ぬ……死ぬくらいなら脱ぐ……!!」ヌギッ
泰葉「なにして、加蓮っ!? ちょっと、着て、着てっ!」
加蓮「あぁ解放感……♪ 泰葉も脱いだら?」
泰葉「下着姿になるくらいなら死んだ方がマシです!」
加蓮「??? これ水着だよ? ここはビーチだよ泰葉、ほら青い空白い雲うふふえへへ」ヘラヘラ
泰葉「わ、分かった! 今すぐ水風呂に入りましょう、ねっ!?」グイグイ
11: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:53:47 ID:vlU
――しゃわわわわわわ……
加蓮「はぁぁぁぁ……生き返るぅぅぅ……♪♪」
泰葉「最初からこうすれば良かった……。ふう……」チャプチャプ…
加蓮「ああ天国……もう最高、私お風呂に住む……♪」シャワワワ…
泰葉「はいはい……。もう、女の子なんだから最低ライン考えて……」
12: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:55:10 ID:vlU
加蓮「だって限界だったんだもん。暑いのが悪いの」
泰葉「だからって……。はぁ……」
加蓮「ふふ、私たちの仲でしょ。こうして裸の付き合いするくらいっ」
泰葉「時と場合って言葉知ってる?」
加蓮「はい詰めて詰めて~、私も入る~♪」チャプン
泰葉「あっちょっと、もうっ」
13: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:57:53 ID:vlU
加蓮「んー、やっぱりすぐぬるくなっちゃうね」チャプチャプ
泰葉「あんまり冷たくしすぎたら風邪ひいちゃうし仕方ないよ」チャポチャポ
加蓮「氷入れるわけにもいかないよねー」
泰葉「冷やし加蓮始めました」
加蓮「えっ食べるの? 私食べられちゃう?」
泰葉「でも冷え切った身体と紫色の唇が問題になって販売停止です」
加蓮「あはは、残念~♪」
14: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)01:59:24 ID:vlU
泰葉「ふふふっ。どう、体冷えた?」
加蓮「うーん、まだちょっと火照ってるかなぁ……触ってみて?」
泰葉「ん。……うん、そうかも。熱中症かな……」
加蓮「ううん、気分は悪くないから平気だよ」
泰葉「そう、良かった」パシャ
加蓮「ゎぷ。そういう泰葉は?」パシャッ
泰葉「あっぷ。私も大丈夫……えい、えい」パチャパチャ
加蓮「やっ、溺れちゃう溺れちゃうっ」
15: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:01:20 ID:vlU
泰葉「まぁ私たちはいいとして……李衣菜、本当にどうしたのかな」
加蓮「どうせ私たちのことなんかほったらかしで涼んでるんじゃない?」
泰葉「もしかして……どこかで具合悪くなって動けない、とか」
加蓮「え、ちょっと……それはシャレになんないんだけど」
泰葉「だってこんなに暑いし……それにさっき救急車の音も聞こえたような」
16: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:02:54 ID:vlU
加蓮「…………」ピチョン…
泰葉「…………」チャプ…
加蓮「……ど、どうしよ……!?」
泰葉「どうしようって、本当なら探しに行かなきゃ……!」
加蓮「や、泰葉すぐ体洗って! 私出掛ける準備しとくから!」ザバッ
泰葉「わ、分かった!」ザブ
がちゃ
李衣菜「――2人ともただいまー。洗濯機回ってたから入ってると思ったよー、私もあとで入るねっ」
加蓮「」
泰葉「」
17: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:04:30 ID:vlU
李衣菜「……あれ? おーい、どしたの? 暑くてフリーズ?」
泰葉「…………」ポタポタ
加蓮「…………」ピチョーン
李衣菜「あ、エアコンの電池替えといたよ。今フルパワーで部屋冷やしてるから――」
「「……りいなぁぁぁぁぁぁあああっ!」」ベチャアッ
李衣菜「ってなあああああああっ!!?? ちょっ濡れ、放して、なにっ!? ちょっと待って落ち着いてよ泰葉、加蓮~っ!」
18: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:05:41 ID:vlU
―――
エアコン「ごおおおおおお」
加蓮「――はいパピコっ」
泰葉「ぁむっ。……ちゅー」
加蓮「んちゅー……ぷは」
泰葉「……うぅっ……!」
加蓮「くぅぅ……!」
「「生きてるっ!」」
李衣菜「大げさだなぁ……。お風呂上がったよー」トテトテ
19: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:07:07 ID:vlU
泰葉「大げさなものですか。李衣菜は私たちの苦労を知らないからそんなこと言えるの。セミとか」
李衣菜「セミって。なにしてたの?」
加蓮「『なにしてたの』はこっちのセリフ。李衣菜こそどこほっつき歩いてたの?」
李衣菜「や、電池のついでにアイス買ってこうって。でもコンビニには2人の好きなの売ってなくて、だからスーパーに……」
泰葉「それなら一旦帰ってきてほしかったな……そしたらなんの心配もいらなかったのに」
加蓮「そもそもスマホ忘れるとかありえないし」
李衣菜「ぅぐ、それはごめんってば……!」
20: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:08:33 ID:vlU
加蓮「だーめ、許さないんだから。私たちを心配させた罰として洗濯物干してよね」
李衣菜「えぇーまた汗かいちゃうじゃん……ベランダ超暑そう」
加蓮「罰なんだから当然でしょ。はいよろしく♪」
李衣菜「うぅ、私だってアイス食べたいのに……」
泰葉「大丈夫、加蓮が食べちゃわないようにちゃんと取っておくから」
李衣菜「あはは……お願いね、泰葉」
加蓮「ちょっとー、そこまで鬼じゃないからね私っ」
21: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:10:32 ID:vlU
―――ベランダ
李衣菜「――はぁ。夏だなぁ」バサッ
李衣菜「もうちょっと手加減してほしいなぁ、太陽……」
李衣菜「――よいしょ。ふぅ」
ぱたぱた……
李衣菜「お、風吹いてきた……へへ、これならすぐ乾くな」
李衣菜「うーんっ……夏っ。ロックだ!」ノビーッ
22: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:12:00 ID:vlU
李衣菜「――――」ノビーッ
加蓮「……なに背伸びしてるんだろ?」ペロペロ
泰葉「ふふ、さあ。夏を感じてるんじゃないかな」シャクシャク
加蓮「あは、なにそれ。そっち一口ちょうだいっ」
泰葉「え、さっきあげたじゃない」
加蓮「もう一口いいでしょ~。隙ありっ♪」シャクッ
泰葉「あっ、じゃあ私もっ」ペロッ
23: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:13:20 ID:vlU
加蓮「――っ。――♪」キャイキャイ
泰葉「――、――!」キャイキャイ
李衣菜「な、なんか楽しそう……!」
がららっ
李衣菜「ちょっとー、私も混ぜてよー!」
泰葉「あああ、そんなに食べないで加蓮っ!」
加蓮「んふー、そっちも美味しい♪ って李衣菜、暑いから早く閉めてっ」
24: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:15:43 ID:vlU
李衣菜「ああうん、はいはいっと――」カララ…
ぶーん……ばたばたばた――ひゅっ
李衣菜「えっ――!」
加蓮「は――」
泰葉「あ――!?」
入り込んだセミ「み゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!」
「「「いっ……!!!??」」」
25: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:17:16 ID:vlU
「「「――ッやああぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁああああああああぁぁぁああああッッッ!!!!!!??????」」」
アアアアアアアアアアア――――!!!
アアアアアアアア――
アアアアア…
26: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:18:14 ID:vlU
―――事務所
ミーンミンミンミン…
P「――はっ。悲痛な叫び声が聞こえた気がする」
ちひろ「プロデューサーさーん、麦茶飲みます~?」
おわり
27: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:19:12 ID:vlU
というお話だったのさ
暑いからって開けっ放しには気をつけよう
28: ◆5F5enKB7wjS6 2017/08/08(火)02:19:55 ID:vlU
29: 名無しさん@おーぷん 2017/08/08(火)02:20:11 ID:7fD
おつ
セミが入るぐらい茶飯事だぞ(田舎民感)
モバP「だりやすかれんと真夏日」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1502123803/