ことり「花になろう」【前編】

ことり「花になろう」【後編】



SS速報VIP:ことり「花になろう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1505220426/



207: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:31:17.80 ID:Ohmi38x40

キーンコーンカーンコーン

穂乃果「あ、いけない早く戻らないと!」

ことり「う、うん!」

ギュッ

ことり「!」

穂乃果「いこっ!」

ことり(強く手を握られた、ほのかな高揚感がことりの全身をかけて太陽の温かみを直で感じてた)

ことり(それからは昨日よりもずっとずっと明るい時間だった)

ことり(精一杯楽しむからには疲れるなんて概念はどこにもないんだから、悔いのないようにするってことはやれるところまでやるってことなんだから)


ことり(そこからのことりと穂乃果ちゃんはいつだって本気モードだった)


海未「…?何かありました?」

穂乃果「ううん!何もないよ!」

海未「しかしですね…ダンスのキレも歌唱も昨日とは別人レベルで…」

絵里「それはことりも同じよ」

ことり「えへへ」

真姫「なんかあったの?」

ことり「ううん!ただやる気が昨日よりあるだけ!」

穂乃果「そうそう!私もそんな感じ!」




208: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:33:10.56 ID:Ohmi38x40

希「…ふふっだってよみんなーウチらも負けてられんよ?」

花陽「その通りです!私たちも頑張りましょう!」

凛「おぉ…!二人ともやる気にゃ…」

にこ「闘志を感じられるわね…」

海未「ですがやる気があるのはいいことです!みんなもやる気を出していきましょう!」

のぞことほのぱな「おー!」

真姫「お、おー?」

凛「おー!」

にこ「あーい」

絵里「ふふふっ」クスッ

ことり(練習はより楽しい時間に変わってた)

ことり(コンディションがバッチリだからダンスも歌もよく出来るし雰囲気もすごくいい、この上ないくらいに今を楽しんでた)

ことり(そして気付けばあっという間に帰りだった)


穂乃果『今日は希ちゃん絵里ちゃんにこちゃんと死ぬほど遊んでくるから先帰るね!』


ことり(穂乃果ちゃんはそう言ってあの三人を強引に引っ張って帰ってった)




209: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:35:33.74 ID:Ohmi38x40

ことり(だから、今日は海未ちゃんと二人だった)

スタスタスタ

海未「今日のことりはいつもとは段違いで輝いてましたよ」

ことり「そ、そう?」

海未「ええ、何かいいことありましたよね?」

ことり「まぁね」フフンッ

海未「私に教えてはくれないのですか?」プクー

ことり「んー秘密!」

海未「あ、酷いです!教えてくれてもいいじゃないですか」

ことり「だーめっ」

海未「もう…」

海未「…でもことりはホントにスッキリとした顔になりましたね」

ことり「え?」

海未「一週間前からでしょうか?なんとなく違和感を感じてたんです、ことりの顔に」

ことり「ことりの…顔?」

海未「感覚的な問題ですよ、いつものことりとはなんか違うなって思ったんです」

海未「歪がある…というかしこりがあるような顔をしてて、ですがことりは何か面白いことが会った時は本当に嬉しそうに笑うんです」

海未「ですが違和感は消えませんでした、あんないい笑顔をしてるのにどうしてでしょうと思いました」

海未「…ですがいい顔になりましたね、ことり」

ことり「えへへ」



210: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:38:12.37 ID:Ohmi38x40

海未「まったく…挙句の果てには穂乃果までことりとおんなじ違和感を感じさせてたんですから心配させないでください」

ことり「あはは…ごめんね」

海未「…ことりと穂乃果の間での問題なんでしょう?」

ことり「…うん、そうだね」

海未「ことりと穂乃果の顔が晴れたのは嬉しいですが、穂乃果とことりの問題に私が関われないのは少し……残念です…」

ことり「あっ…」

ことり(泡沫の笑顔をして下を向いて両手の人差し指を合わせツンツンしてた)

ことり(少し、という言葉の後の海未ちゃんは何か言いたげだった、喉にまで上がってた言葉だったけど次に出た言葉はその言葉じゃなくて残念という言葉だった)

ことり「あ、えっとそういうわけじゃないんだよ?そんな巻き込みたくなくて」

海未「分かってます、ですが何故か心にきてしまって…」アハハ

ことり「海未ちゃん…」

海未「ふふふっ私の悪いクセなんです」

海未「迷惑だって分かっていてもどうしても関わりたくなってしまって…穂乃果にはこんなこと言えませんけどね、私は二人の仲がこじれるのがとても怖いんです」

ことり「…!」




211: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:40:45.46 ID:Ohmi38x40

海未「…普段は穂乃果にあーだこーだ言ってますけど、正直いってあれも言った後に激しく後悔してしまうんです」

海未「考えすぎかもって思うんですけどやっぱり同じ事を毎回考えてしまうんです」


海未「明日穂乃果がいなくなったら、私は一生後悔してしまうのではないのかと」


ことり「!!!」

海未「でも、もし明日死ぬって分かってたなら話は違うんです、縁起でもない話ですけどもし穂乃果が明日死ぬとしてそれが分かれば私は穂乃果に精一杯のお礼をします、もちろん言葉だけじゃなくて態度でも行動でもお礼をします」

海未「ただ…もちろん穂乃果は明日に死なないですし私もそんな素直なことを穂乃果にさらけ出すなんてことは出来ません、もちろんそれはことりにもみんなにも」


海未「だからこそ私はみんなの役に立ちたいんです」


海未「正直に言えば今回の件は悔しいです」

海未「こんなのただの痛い勘違いだって分かってるんですけど私はこうあるべきだ、と思うんです」


海未「お節介なくらいが私らしいと」


海未「ですから私は無理やりにでも穂乃果とことりの問題に介入したかったです」



212: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:42:55.39 ID:Ohmi38x40

海未「…そしてこれはことりにだけお話するのですが」


海未「本当の私というのは、全てを元通りにしたがる平和主義者なのではないか、と思います」


ことり「平和主義者…」

海未「逆にそれが私のチカラでもあります、これは私自身小さい頃から自覚を持ってきたことなので自信を持って言えますが私は―――――――」


海未「あのメンバーの中では誰よりも相手を思う気持ちと相手を理解する気持ちを持っていると思ってます」


ことり「………」

海未「私は友達もあまりいませんでしたしそういう人間関係はかなり大切にしてきたつもりでしたから」

ことり「う、うん…」

海未「…ってなんで私こんな話してるんでしょう…すいません」

ことり「…」

海未「…まぁ何が言いたいのかというと」



海未「困った時は、泣きたい時は、縋りたい時はいつでも頼ってください」



海未「私はことりの困り果てた姿なんて見たくありませんから、もちろんみんなのもそうですけど」




213: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:44:49.58 ID:Ohmi38x40

ことり「海未ちゃん…!」ウルウル

ギューッ

海未「もう…ことりも穂乃果に似てきましたか?」クスッ

ことり「からかわないでよぉ…」ポロッ

海未「何があったかはわかりませんが、とりあえず解決したみたいでよかったです」


海未「これから頑張っていきましょうね?」


ことり「うんっ!」

ことり(海未ちゃんのチカラ、それは優しすぎること)

ことり(みんなのチカラ、形程度ならなんとなく分かってるつもりだったけどいざ触れてみて分かるんだ)


ことり(みんな眩しすぎるチカラを持ってるんだなって)


ことり(穂乃果ちゃん言ってたよね)


ことり(こんな数えきれない花びらがあるのにそんな中で穂乃果ちゃんはことりという花びらを掴んだ、と)


ことり(つまりはそういうことなんだ、ことりと海未ちゃんが出逢ったのだって、ことりがみんなと出逢ったのだって奇跡なんだ、夢みたいな出来事なんだ)


ことり(こんな夢みたいな出来事が起こってることに驚きと喜びを感じ続けたんだ)





214: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:46:12.70 ID:Ohmi38x40

ヒラヒラヒラ

ことり「!」

海未「花びら…?ここら辺にこのような花びらが散る花は…」

ことり(ふと、ひらひら落ちる花びらを掴んだ)


ことり(これがみんなとの出逢いなんだろう)


ことり(何気ない感じだけど、その何気ない感じにとんでもないほど低い確率の奇跡が存在して人生の一生を変えてしまうほどの運命がそこにはある)

ことり「ふふふっ」

ことり「ねえ海未ちゃん!」

海未「なんでしょう?」

ことり「近いうち…うーんと後一週間以内に穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりの三人でどこか遊びにいこうよ!」

海未「いいですね!是非行きましょう!」

ことり「うんっ!」

ことり(一週間後、そこには二度目の人生最大の悲しみが待ってるというのにことりは呑気だった)




215: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:47:37.33 ID:Ohmi38x40



ことり(ただ、これでいいんだ)


ことり(これが穂乃果ちゃんの望んだこと、海未ちゃんの望んだこと、希ちゃんの望んだこと、花陽ちゃんの望んだこと)


ことり(ことりが望んだこと)


ことり(この一週間、悔いのないように楽しむことが今ことりのやるべきことだと決心がついたんだ)

ことり(だからこそ後一日と後一日と時間を求めてしまうから、時の流れは無情にも早く感じるようになっちゃうんだ)



216: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:49:05.82 ID:Ohmi38x40

~次の日

にこ「ああぁ……」ゲッソリ

凛「うわー…にこちゃんどうしたの…」

ことり「随分疲れたみたいで…」

にこ「当たり前よ…あいつよ…あいつのせいよ…」

凛「あいつ?」

にこ「穂乃果しかいないじゃない…あいつが昨日放課後から私たち三年生三人を連れてかっ飛ばしたせいで今日にまで影響してるのよ…」

ことり「かっ飛ばしたって…」

凛「バイクにでも乗ってきたの?」

にこ「まさかそんなわけないでしょ、デザート屋でなんか食べたりアクセサリーショップで色々見たり…あぁそうよゲーセンで暴れまくったせいだわ…」

ことり「暴れまくったって…」



217: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 20:56:46.39 ID:Ohmi38x40

にこ「そのままよ…エアホッケーをするつもりが希と穂乃果が闘志燃やして空中戦始めるしクレーンゲームでは絵里があまりにも下手すぎて取ってあげようかって言ってるのにあいつプライド高すぎるせいでなんとか自分で取ろうとするのよ!」

にこ「おかげで1000円程度で取れる景品を5000円かけて取る超無駄遣いをしてたし、しかもそれで何が酷いって絵里本人は全然損した気分じゃないってとこがあまりにもひどすぎたわ」

にこ「それに聞いてよ、ダンスゲームでは穂乃果が最高難易度でやったせいで絵里も対抗心燃やして遊びでやるつもりがまさか息切らすほどにまでなるなんて思わないでしょ?しかもその後すぐにマリカーを四人でするのがまた滑稽なこと」

にこ「全員アイテムはランダムなはずなのに希にだけ強いアイテムが来るからもう全然勝てなくて!!」

にこ「でも希を一位じゃなくて二位にしたときはざまあああ!って思ったわこの私のアイテムで二位に引きずり落としたんだから!」

にこ「……あっ」

凛「楽しそうだねー」

ことり「ねっホントに楽しそうだね」クスクス

にこ「ち、違うのよ!」

凛「うんうん知ってるよー疲れたとかいいながらにこちゃんが一番楽しんでるんでしょー?知ってる知ってるー」クスクス

にこ「だああああ!違う違うちがーう!!」

ことり「ふふふっ」




218: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:00:37.96 ID:Ohmi38x40

希「朝から盛り上がってるやん」

凛「あ、希ちゃん!」

希「学年の違う三人がここの廊下に集まってお話してるのもなかなか無いシチュエーションやね」

にこ「言われてみればそうね」

ことり「そうだね」

希「にこっちの声聞こえてたんやけど昨日は楽しかったなぁ、あそこまで盛り上がったのも久々だったなぁ」

にこ「ことりや凛も誘いたかったわね」

希「そうやね、すごい盛り上がりやったんよ?」

凛「えーそんなにすごいなら凛も行きたかったなー」

にこ「…でもまぁ行かないほうがよかったわよ、おかげさまで私は疲労がやばいし……」ドヨーン

希「体力がないなぁにこっちは」

にこ「なによ…というかなんで希はそんな余裕そうなのよ」

希「そりゃあバイトで体力は使ってるしそれなりにはあるんよ?というかこれ前に行ったやん」

にこ「いやまぁね」



219: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:01:37.94 ID:Ohmi38x40

凛「今度凛たちも連れてってね!」

ことり「あ、ことりも!」

希「そうやね、今度はみんなで行こうか」

ことり「うん!」

キーンコーンカーンコーン

希「あ、いっけないもうそんな時間なんや…」

にこ「じゃあね、二人とも」

凛「うん!ばいばーい!」フリフリ

ことり「ばいばいっ」

希「ばいばーい」フリフリ

スタスタスタ

ことり「はぁ」

ことり(時の流れは実に早いモノだった)

ことり(チャイムが鳴り席についた、席について次時計を見た頃にはもう終わりの時間だった)

ことり(その間は瞬くほど一瞬のこと、ことりはただポカーンと唖然をしてるのみだった)



220: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:03:18.28 ID:Ohmi38x40

ことり「イメージの貧困は、イメージが過剰なことだけではなくて、例えばテレビを通じてみんなが同時に同じイメージを受け取っていることからも生じている」

ことり「どんなイメージも共有されているような世界ではあらゆることが“あ、あれだね”“知ってる知ってる”“もう分かってるよ”で済まされてしまうことになる」

「はい、ありがとうございました」

「次園田さん読んでください」

海未「はい」

海未「そこではそれぞれの人が持つ単独性は失われて、みんなが―――――――」

ことり(ただの授業なのに過ぎる時間はは早かった、時間というのはことりたちに楽しむ時間を中々与えてくれなかったんだ)

海未「誰でもない、なんとなく“みんな”みたいな存在になってしまう」

ことり(今日、想像力についてという授業をした)

ことり(ことりにはあまり関係ない話のような気がしたけどことりは真剣に聞いてた)

ことり(なんだかためになる話のような気がして真剣に聞いてた)




221: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:04:09.35 ID:Ohmi38x40

海未「想像力、というのは“実際に経験していないことを、こうではないかと推し量る“ものである」


海未「いくら同じイメージを共有していても、他の人の経験やその時の気持ちは、本当は見えていないのだ」


ことり「…!」

ことり(心のグサッときた)

ことり(ことりの全てを全否定された気持ちになった)

ことり(ただ教科書に書いてある文ってだけなのに、何故かことりの喉元に何かが突き刺さる感覚がした)

ことり(そうするとどうだろう、ことりが次の瞬間何をしたか、答えは簡単だった)


ガタッ


海未「!」

穂乃果「ことりちゃん…?」



ことり「そんなことない!」






222: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:07:25.47 ID:Ohmi38x40

~その後

ことり「うー…うぅ…」

穂乃果「よしよしことりちゃん」ナデナデ

海未「まったく…考えすぎなのですよ」

穂乃果「そうだよ!」

海未「ことりは想像力が豊かすぎです、あの短い文で自分のことを指してると想像するのはことりくらいですよ」

ことり「だってぇ…」

穂乃果「…ふふっでもその豊かさがことりちゃんのいいところだと思う!」

海未「…まぁそうですね」クスッ

ことり「ふぇ…?」

凛「やーやー!三人ともー!」

穂乃果「あれ?凛ちゃん?」

海未「どうしてここに…」

スタスタスタ

ことり「どうしたの?」

凛「どうしたのもこうしたのも今日は凛のクラスとことりちゃんたちのクラスの合同体育だよー!」

穂乃果「え?!そうなの?!」



223: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:09:36.68 ID:Ohmi38x40

「ええそうよ」

ことり「!」

穂乃果「真姫ちゃん!」

真姫「合同体育って何するものなのかしら…」

海未「合同…ちょっと想像できませんね…」

ことり「合同…なんかみんなでわいわいやるんじゃないかな?」

真姫「まさか…」

花陽「二人ともー!」

凛「あ、かよちーん!」フリフリ

花陽「もー…なんで授業が終わったと同時にことりちゃんたちのところへ駆け出すのさぁ…」

凛「だって合同じゃん!」

真姫「ご、ごめんなさい花陽」



224: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:11:09.43 ID:Ohmi38x40

花陽「別にいいけど…」ツンツン

海未「あれは気にしてますね…」

ことり「う、うん」アハハ

花陽「そ、それで…」



ヒューン!

ズサー…


花陽「なんでドッジボールなんかやってるんですかー!!!」


凛「かよちんこれは遊びじゃないよ!」


凛「授業だよ!」


花陽「なんでドッジボールが授業?!」

穂乃果「忘れたの花陽ちゃん?!今日は合同体育だよ?!」

花陽「合同体育なら体育してくださいよ!」

穂乃果「もう走ったじゃん!残って時間でドッジボールをするのは当然だよ!」

花陽「小学校か!」




225: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:13:34.24 ID:Ohmi38x40

海未「どこを見てるんですか二人とも!まずはあなたたちから外野送りにしてあげましょうか!」ブンッ!

穂乃果「うわぁ?!」

花陽「ぴゃっ…」

凛「もー海未ちゃん手加減してあげてよー!」

海未「敵に情けをかけるほど私は優しくありません」

ことり「あははは…」

ことり(ホントは超優しいクセに…)

穂乃果「くっ…ことりちゃんと海未ちゃんと真姫ちゃんが敵なんて…!」

凛「ここはとりあえず敵の主力の海未ちゃんを落とそう!」

穂乃果「もちろん!」

花陽「そ、そうだね」

シュッ

凛「はいキャッチ!」

凛「そしてこれを海未ちゃんにー…」


凛「と見せかけて真姫ちゃんにシュート!!」


シュッ!!

真姫「うぇえ?!?!」




226: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:14:42.08 ID:Ohmi38x40

スッ

穂乃果「あ、しゃがんだ」

凛「ちぇー今度から足狙おっと」

真姫「なんで私なのよ!」

凛「だって隅っこでずっと逃げてるんだもん!」

真姫「そりゃあ得意じゃないから逃げるのは当たり前でしょ!」

ことり「ま、まぁ二人とも落ち着いて」

ことり(昼前、ドッジボールをした)

ことり(童心にかえってのことらしいけどたまにはこういうのも悪くはないと思う)

海未「ことり、はいどうぞ」

ことり「えっ?!ことりが投げるの?!」

真姫「そうよ!ぶちかましてきなさい!!」

ことり「えぇ?!」




227: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:15:49.23 ID:Ohmi38x40

ことり「じゃ、じゃあ…えいっ!」

穂乃果「よっと!キャッチ!」ニヘヘ

凛「おー!穂乃果ちゃんも投げてきなよ!」

花陽「うん!頑張って!」

穂乃果「うん!ほいっとー!ことりちゃーん!」ブンッ

ことり「きゃっ…」キャッチ

海未「ことり!これは穂乃果からの挑戦状ですよ!穂乃果に投げましょう!」

ことり「う、うん!」

ことり「えいっ!」

穂乃果「にひひーキャッチー!」

ことり「あうぅ…」

穂乃果「これでも食らえー!」ブンッ!

ことり「わわわ」キャッチ

花陽「おお…」

真姫「いい勝負してるわね…」



228: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:17:18.69 ID:Ohmi38x40

ことり「えいっ!」

穂乃果「とお!」

ことり「やあっ!」

穂乃果「それっ!」

海未「熱いですね…」

凛「これは邪魔出来ないにゃ…」

ことり「ふふふっ!」

穂乃果「あはははっ!!」

ことり(久々に汗水流す体験をしたと思う)

ことり(ダンスをしてる時以上に盛り上がってそれは熱かった)

ことり(そして不思議なことに空気中に散乱する汗が煌いてた)

ことり(その光景は他の人にとってどう見えてたんだろう、答えはすぐにやってきた)

穂乃果「ほいっとー!」

ことり「ひゃっ…」ドンッ

真姫「あっ」

花陽「あっ…」

ことり「あちゃー…負けちゃった」

穂乃果「よっしゃー!勝ったー!」



229: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:19:23.37 ID:Ohmi38x40

凛「おお、おめでとう!」

海未「残念でしたね…」

ことり「う、うん…」

海未「ですがあの時のことりの姿、最高にかっこよかったです」

真姫「ええ!見てるこっちにまで熱気が伝わってきたわ!」

花陽「うん!すごかった!」

凛「ことりちゃんも結構やるねっ!」

「お疲れ様!」

「頑張ったね!」

「めっちゃ燃えた!」

ことり「あは…えへへへ…」

ことり(穂乃果ちゃんとの勝負には負けちゃったけどみんなが歓声をくれた)

ことり(みんながくれる歓声が心地よくて、なんだかクセになっちゃいそうで)

ことり(もしかしらライブっていうのもあんな感じなのかなって想像してたらなんだか高揚が止まらなくて、お腹の辺りからすーっと力が抜けていくような感覚に陥ってた)



230: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:20:29.38 ID:Ohmi38x40

穂乃果「えへへ、ことりちゃんやるね」

ことり「穂乃果ちゃんこそっ」

穂乃果「あははっ」

ことり「えへへ」

ことり(もちろん最後は笑顔、後一週間しかないっていうのが分かってるから)


ことり(その“楽しさ”がより身に沁みた)


ことり(楽しいがすごく楽しいに変わって、悲しいがすごく悲しいに変わっていった)


ことり(お昼は三年生のみんなと食べた)

希「それで大丈夫なん?」

ことり「大丈夫って?」

希「衣装だよ、お金もかかるし第一大変やん」

ことり「大丈夫だよ、絵里ちゃんとかにこちゃんも手伝ってくれてるし」

にこ「まぁ悪くはないわよ、もう何人かは完成してるし」

希「そっか、ならよかったよ」

にこ「…でも私と絵里はただのアシスタントだからね、ことりはあまり無理するんじゃないわよ?」

ことり「分かってるよ」




231: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:21:40.95 ID:Ohmi38x40

絵里「…空、青いわね」

希「急にどうしたん?」

にこ「そうよ」

絵里「…自分語りだけどいい?」

ことり「うん、いいよ」

にこ「別にいいわよ」

希「うん、ウチもいいよ」

絵里「じゃあ…言うわね」

絵里「…私、みんなと出逢ってからこの青い空と、オレンジ色の空しか見てない気がするのよ」

絵里「あ、あと曇り空も」

ことり「どういうこと?」

絵里「夜に空を見上げる時がないの、ふと空を見上げるとその空は毎回青色なのよ」

にこ「なんか…深そうね…」

絵里「…そうね、深いかも」

絵里「私ね、空って何も考えてない時に見上げるものだと思ってた」

希「思ってた?」

絵里「ええ、昼休みはよく見上げてたわ、何も考えてなくていい時間だったから」

絵里「でもそれは夜も同じだったはずなの、宿題してご飯食べてお風呂入って後は自由だったはずなの」


絵里「それに夜の空には綺麗な星があるでしょ?この青空とは違う美しさがある」


にこ「ふむ…」



232: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:22:52.91 ID:Ohmi38x40

絵里「条件は夜も昼も同じであるはずなのに、何故私は夜空を見ないの…いや見なかったのかしら」

絵里「…ねえなんでだと思う?」

にこ「えっ…私に聞くの…」

絵里「ええ、というかみんなに聞きたい」

希「そうやねぇ…単純に昼の空が好きだった、或いは夜はえりちも他にやりたいことがあったから、とかかな?昼休みはほーんと仕事もないし遊ぶ道具もないしなーんもしなくていいからね」

絵里「なるほどね」

にこ「じゃあ私はこう、昼は何も考えてなくていい時間とか言ってたけど本当は悩み事がめちゃくちゃあって、だからこそ無限に広がる青い空を見て忘れたかった、私が空を見る時は何かあった時何か忘れたいがために見るのよ」

絵里「なるほど、いい回答ね」

にこ「違うの?いやそもそもこれはクイズなの?」

絵里「…まぁクイズみたいなものかしら」

絵里「ことりはどう?」


ことり「…太陽が見たかったから、かな」


絵里「…!へえ面白いわね、どうしてそう思うの?」



233: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:25:10.64 ID:Ohmi38x40

ことり「半分は希ちゃんと同じかな、太陽がある昼が大好きだったというのが大まかな答え」

ことり「そもそもことりは絵里ちゃんと全く逆だった、夜によく空を見上げてた」

ことり「理由は簡単、月が好きだったから」

希「月が好きだった?」

ことり「そうだよ、あの静かに光る感じが“今の”ことりにはお似合いだと思ったから」

ことり「…ただこの昼頃にある太陽という存在はもっと好きだった」

ことり「どんなに曇っていても光を見せてくれる太陽が好きだった」

ことり「…まぁことりは太陽を見ようとはしなかったけど」

にこ「どうして?」

ことり「それは…なんでだろうね」

ことり(にこちゃんの問いをことりは軽く流した)

ことり(見ない理由なんて簡単だ、穂乃果ちゃんがこの世にいない昼で太陽を見るとどうしてもあの忌々しい記憶が脳裏を過るから)


ことり(ただ、それでも太陽は大好きのままだった)





234: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:26:20.13 ID:Ohmi38x40

ことり「でもね、最近は絵里ちゃんと全く同じ」

ことり「この時間帯に黄昏るように空を見てる」

ことり「だから絵里ちゃんのそのどうしてそう思うという質問に対して返す答えは」


ことり「ことりも太陽が大好きだから、かな」


ことり「ついでに言えば絵里ちゃんは夜、空が見れる状況下にいなかったんじゃないの?」

絵里「というと?」

ことり「簡単に言えば、気付いたらもう朝になってたというのが毎日あると言えばいいのかな」

絵里「…なるほどね、ことりはすごいわね、全部正解よ」

にこ「えっ…」

希「わーお」

絵里「そうなの、夜の空って何故か見れないの」

絵里「時間の流れが異常に早くてね、さっきも言ったけどふと思い見上げればその空は青かったの」

希「確かにウチもその感覚は分かる気がする、夜なんて一瞬でさっ…気付いたら朝になってるもん」

にこ「あー…まぁ私の家はちびもいるから忙しいってのもあるけど確かに夜の空は全然見ないわね…」




235: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:27:19.33 ID:Ohmi38x40

絵里「最近になるまで全然分からなかったけど、その最近になってようやく分かったの」

にこ「何に?」

絵里「この時間が異常に早く感じる理由は」


絵里「みんなと会うのを楽しみにしてるからなんだって」


ことり「!」

希「おぉ~いいこといいやんえりちー!」ツンツン

絵里「やめっつつかないでよ!」

希「あははーごめんって」

にこ「へぇ…い、いいこというじゃない」

希「突然の告白に、にこっち困惑してるやん」クスッ

絵里「ごめんなさいね、にこ」

にこ「ふんっいいわよ別に」

ことり「ふふふっ」クスッ

にこ「何よ!」

ことり「なんでもないよー」ニコニコ

にこ「なんでもなくないでしょ!」

ことり「なんでもないって~!」



236: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:29:41.65 ID:Ohmi38x40

絵里「やれやれ…」


希「今が最高、やね」


ことり(絵里ちゃんの話にはとても共感できた、絵里ちゃんも強ちことりと似た心境をしてたのかもしれないなんて親近感がわき始めてた)

ことり(ちょっと真面目な話もしたけどそれを押し止めるように明るい話もすぐに流れ込んできた)

希「それでな!えりちがにこっちのことばっか狙っててな」

にこ「ホントよ!私の事ばっか狙ってるのは何なのよ絵里!」

絵里「だ、だって希のところ行ったらボコボコにされちゃうし穂乃果も一応経験者っぽくて私で太刀打ちできるのがにこくらいしかいなかったのよ!」

にこ「それで私だけ狙うのはおかしいわよ!」

ことり「まぁまぁ」アハハ

希「でも、意外にその行動は賢いんよね」

ことり「確かにそうだね」

絵里「で、でしょ?」



237: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:31:20.71 ID:Ohmi38x40

希「うむっえりちは考えて動けるから意外にセンスあったりするんやない?」

絵里「ほ、ホント?!」

にこ「今はへたくそだけど」

絵里「あうぅ…」

ことり「ふぁ、ファイトだよ」

ことり(そんな話をしてたら昼も終わってた、午後の授業も同じようにすぐ終わった)

ことり(こんなにも誰かと会うのを、誰かとお話するのを楽しみにしてたなんて当たり前の事すぎて逆に自覚が持ててなかったんだ)

ことり(絵里ちゃんのあの一言で気付かされた、今思えばすごくその通りだと思った)

ことり(放課後はいつもと変わらずダンスレッスンだった)

海未「はい、わん、つー、すりー、ふぉー」

凛「ほっほっほっほ」

海未「凛、駆け出し過ぎです、ダンスはもっと遅くていいんですよ」

凛「はーい」

絵里「ことり、そこもうちょっと胸張って」

ことり「こ、こう?」

絵里「そうそう、それを忘れないで」

ことり「う、うん」



238: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:32:47.37 ID:Ohmi38x40

にこ「ふー…相変わらずダンスっていうのは疲れるわね…」

花陽「で、でも始めたての頃と比べると大分マシに…」

にこ「ええそうね…」

穂乃果「まだまだこれから!がんば」

ポツンッ

穂乃果「わっ…?」

ポツ…ポツ…

ポツポツポツ

ザーザーザー…

凛「わわわ!雨だー!」

真姫「うぇええ?!は、早く室内に入らないと!」

花陽「待ってー!」

絵里「最悪ね…放課後はここくらいしかダンス練習で使える場所ないし…」

海未「ダンスレッスンは中止ですかね…」

ことり「そうだね」

スタスタスタ

ことり(突然の雨にダンスレッスンは中止、発声練習かなと思ったけどは今日は解散になった)

ことり(多分真姫ちゃんとか海未ちゃんは残って発声練習すると思うけどことりは傘を持ってきてなくて雨が酷くなる前に帰った)




239: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:34:04.35 ID:Ohmi38x40

ことり「…嘘つき」

ことり(下駄箱から出ようとした時、ふと呟いた)

ことり(昨日見た天気予報に騙された)

ことり「はぁ…」

ことり(下駄箱からことりの家までびしょ濡れマラソンの開幕が見えてきてなんともやるせない気持ちになった)

凛「ことりちゃん!」

ことり「ん?凛ちゃん?」

凛「そ、その…」

ことり「…?」


凛「か…傘、入る?」






240: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:35:19.73 ID:Ohmi38x40



ことり「ふふふっありがとう、凛ちゃん」

凛「ううん、これくらい当然だよ」

ザーザーザー

ことり「雨…すごいね」

凛「突然だったね」

ことり「そうだね」

ザーザーザー

凛「………」

ことり「………」

ことり(会話が長く続かなかった、実はいうと凛ちゃんとことりの二人っきりっていうのは滅多になくてこういう時、何を話していいんだか全く分からない)

ことり(お互い中学生カップルの成り始めみたいに前とは違う方向を向いてなんだか気まずかった)

ことり(そんな気まずさを振り払ったのは凛ちゃんの方だった)




241: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:36:51.60 ID:Ohmi38x40

凛「…今日、かっこよかったよ」

ことり「あ、ありがとう」

凛「見てたらね、心が熱くなったんだ、穂乃果ちゃんとことりちゃんの熱気を感じ取ったって凛は思った」

凛「思わず弾けたくなるような、応援したくなるような気持ちになった」

凛「あ、それにね、感じ取ったのは凛だけじゃない、多分あそこにいた人のほとんどが熱気を感じ取ってたと思う」

凛「そうすると自然に凛は思ったんだ」

ことり「思った?」

凛「うん、そう」


凛「これ、この気持ちってもしかしたらライブに通ずるものがあるんじゃないかなって」


ことり「…そっか」

凛「そう!だから凛、早くもライブの日が楽しみになってきちゃって」エヘヘ

ことり「…うん!ことりもとっても楽しみ!」

凛「でしょー?!そう考えたらなんか心が踊っちゃってね」

ことり「ふふふっ凛ちゃんらしいね」

凛「えー?凛らしいって何さー」

ことり「可愛いって意味だよー」クスッ

凛「もーからかわないでよー!」

ことり「からかってないってー」



242: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:39:11.95 ID:Ohmi38x40

スタスタスタ

凛「…あ、凛じゃあ学校戻るね!」

ことり「が、学校…?!」

ことり「…あっ」

ことり(そうだった、凛ちゃんの家とことりの家は方向が真逆、凛ちゃんが帰りにこっちの道に来ることはないんだ)

ことり「ちょ、ちょっと待ってじゃあここまで来たの?」

凛「それはことりちゃんに濡れないように送るためだよ」

凛「あ、傘は月曜日の明々後日返してくれればいいから!」

凛「じゃあねっ!」ダッ

ことり「あ、ちょっと!」

ことり(大粒の雨に打たれながら大きい水たまりの上を駆けていった、傘を貸してくれるというのなら尚更凛ちゃんがここまでくる理由が分からない)

ことり「…なんだったんだろう」

ことり(そう思いながら黄色の傘をさして帰った)

ことり(今度凛ちゃんにはお礼をしないと、そうことりの責任感が強く警告してた)




243: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:42:48.17 ID:Ohmi38x40

ことり(そして時刻は次の日の昼)

ことり「…」ダダダダ

ことりママ「それが例の出し物の衣装ってやつ?」

ことり「そうだよ、後絵里ちゃんと希ちゃんとにこちゃんのだけなんだから」

ことりママ「あら、もうそんなに進んで…というか絵里ちゃんや希ちゃんも出るの?」

ことり「うんっそうだよ」

ことりママ「何するか…聞いていい?この間も聞いたけど」

ことり「…いいよ、ライブをする」

ことりママ「ライブ?」

ことり「ダンスを踊りながら歌を歌うの」

ことりママ「えっ…そんなことできるの?」

ことり「うんっなんとか出来てるよ」

ことりママ「そう…ならいいけど」

ことりママ「というか歌って?何の歌?」

ことり「オリジナル曲だよ、音ノ木坂祭りのためだけに作ったオリジナル曲」



244: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:45:30.45 ID:Ohmi38x40

ことりママ「あらまぁ…どんな曲なの?」


ことり「…これから未来を進む人たちに向けての歌かな」


ことりママ「…?なんか深そうね」

ことり「…どうかな」

ことりママ「とりあえずことりたちが順調そうなら私は何よりよ、私も見に行くから頑張ってよね」

ことり「えー…見に来なくていいよー!」

ことりママ「ダメよ、愛すべき我が娘のステージを見ない親がどこにいるのよ!」

ことり「はぁ…」

ことりママ「まぁ頑張りなさい、海未ちゃんや穂乃果ちゃんもいるんでしょ?」

ことり「う、うん!」

ことりママ「そういうダンスとかっていうのはみんなで協力しないといけないんだから」


ことりママ「互いが互いを本当に信頼できる関係であるのが重要なのよ」


ことり「わ、わかってるよー」

ことりママ「ならいいけど」クスッ




245: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 21:51:31.23 ID:Ohmi38x40

ことりママ「そういえば…」

ことり「ん?」

ことりママ「凛ちゃんいるじゃない?」

ことり「あ、うん」

ことりママ「凛ちゃん風邪ひいちゃったらしいわよ、凛ちゃんもきっと見せ物の中のメンバーでしょ?練習の方はちゃんと体調管理とか出来てるんでしょうね?」

ことり「え…」

ことりママ「別にことりたちのやり方にケチつけるつもりはないけど」


ことりママ「あまり無理しないようにね…?」


ことり「う、うん分かってる」

ことり「ちょっと凛ちゃんの家行ってくるね!」

ことりママ「いってらっしゃい」フリフリ

ことり(ことりのせいだ、と思ってミシンを止め黄色の傘を持ち水たまりに青空が映る外に飛び出した)



246: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:01:47.08 ID:Ohmi38x40

ことり「じゃーんぷっ!」ピョーン

ことり(水たまりなんてなんのその、高く跳んで乗り越えた)

ことり「ふぅ…はぁ…」

ことり(息を切らしながらも走った、急ぐ必要なんて全く無かったのにことりの体はものすごく急いでた)

ことり(車のよく通る街中を超えて、音ノ木坂高校を通り過ぎて、小さな子供たちがボール遊びをしてる住宅街を抜けた

ことり(途中花屋に寄ってお花を買ったりスーパーでリンゴをいくつか買った)

ことり(そしてまた走ってようやく…)

ことり「ついたぁ…」

スタスタスタ

ピンポーン

「はーい」

ガチャッ

ことり「あ、こんにちは」

凛ママ「おー!ことりちゃん!どうしたの?」

ことり「風邪をひいたときいて凛ちゃんのお見舞いに…」

ことり「あ、これどうぞ…」

ことり(凛ちゃんのお母さんにお花とリンゴを渡した)



247: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:03:39.00 ID:Ohmi38x40

凛ママ「あらー悪いわね…でも大丈夫?風邪移っちゃうかもよ?」

ことり「大丈夫です!」

凛ママ「そ、そう…なら行ってきな、二階だよ」

ことり「はい、お邪魔します」

スタスタスタ

トントン

「いいよー」

ガチャッ

ことり「お邪魔します」

凛「あれ…ことりちゃん…」

ことり「ご、ごめんね…ことりが傘持ってきてなかったばっかりに…」

凛「ち、違うよ!凛が好きでやったことだから!」

凛「だから…別にことりちゃんは悪くないよ?」

ことり「…凛ちゃんは優しいね」

凛「……ううん」

ことり「え?」

凛「とりあえずどこか座ってよ、そこの凛のイスでもいいよ」

ことり「あ、うん」ストンッ



248: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:05:16.56 ID:Ohmi38x40

ことり「熱とかは大丈夫?」

凛「うん!そこまで酷いやつじゃないから大丈夫!」

ことり「そっか、ならよかったよ」

ことり「…」

凛「…」

ことり(凛ちゃんのお部屋にきては如何せん会話が続かない)

ことり(だから凛ちゃんの部屋をきょろきょろと見てた)

ことり(凛ちゃんの部屋は何年前というレベルで久々だったけど昔とさほど変わってなかった)

ことり(…いや、変わってるのかもしれない)

ことり「これ…」

凛「…あ、それは……」アセアセ

ことり(縦長の鏡の横にはそれはそれは綺麗な)


ことり(純白のワンピースがあった)


ことり「…凛ちゃんが着たらきっと可愛いよ」

凛「えっ…」

ことり「まだ着てないでしょ?」

凛「ど、どうしてそう思うの?」




249: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:06:52.49 ID:Ohmi38x40

ことり「値札がついてるもん…」


ことり「…18900円」


凛「!」ギクッ

ことり「凛ちゃんは可愛いよ?」

凛「…ずるいよ、ことりちゃんは」

ことり「えっ?」

凛「ことりちゃんに言われたら本当に凛が可愛いって錯覚しちゃいそうなんだもん!」

ことり「錯覚なんかじゃないよ!本当に可愛いから!」

凛「っ……」

ことり「…」

凛「…はぁ、あのメンバーの中ならことりちゃんが一番女の子らしいって思ってたんだ」

ことり「ことりが?」

凛「うん、手芸とかお菓子作りとか出来るし頭もいいし何より可愛いし」

凛「そんなことりちゃんに、そして後にかよちんに背中を押されたんだからみんなと一緒にステージたたないとって思ったんだ」


凛「…だからお礼がしたかったんだ」


ことり「お礼?」



250: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:09:01.24 ID:Ohmi38x40

凛「凛に出来ることなんて限られてるからさ、絵里ちゃんのような頭脳はないし穂乃果ちゃんのような人を喜ばせる天性の才能もない」

凛「真姫ちゃんのような歌を作ったりする特技があれば海未ちゃんのように強い人でもない」

凛「だから昨日みたいに身近で、凛でも出来そうなことでお返ししたかったんだ」


凛「凛のチカラは、そのくらいのことしか出来ないから」アハハ


ことり「…!」

ことり(凛ちゃんの控えめな笑いに心が震えあがった、自分をよく理解しているから、理解しているからこそ分かる自分の限界に絶望してる顔だった)

ことり(この時ことりの頭に凄まじいほどの電流が走った、思わず目を丸くしてしまうような、何か大切なことを思い出す…いや気付くような感じだった)

ことり(だから次の言葉を喋る時はまず口を“い”にしてから喋った)

ことり「…凛ちゃん」

凛「なに?」

ことり「もしかしたらだけどさ…」

凛「…うん」

ことり「凛ちゃんって…凛ちゃんがあの時ライブをしようと思わなかったのってさ」


ことり「自分と他の人に存在してる差を見たくなかったからじゃないの?」


凛「!!!」



251: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:11:14.06 ID:Ohmi38x40

ことり「…違う?」

ことり(違うのか、と疑問形で聞いたけど凛ちゃんの目は既に丸くなってた、だから確信したよ)

ことり(この問いに間違いはないってね)

ことり「…それは結果的に自分が可愛くないからっていう建前でもあって本音でもある理由を盾にして」


ことり「本質的な理由をいえばそれは他の人との差に絶望したくなかった、そうでしょ?」


凛「………」ウルウル

ことり「あ、やっ…ち、違うのこうじゃないの?って思って…あ、えっと…」

凛「どうして…気付いちゃうのかな…」ポロッ

ことり「!」

ことり(凛ちゃんは泣くことはなかったけど頬に一粒、そしてまた一粒と涙を流してた)

ことり(ことりのインスピレーションは間違ってなかったみたいだった)

凛「…そうだよ、ことりちゃんの言う通りだよ」

凛「今は、一番可愛いって思ってたことりちゃんに可愛いって言ってもらってなんとか首の皮一枚繋げてる状態なんだ」

ことり「…」



252: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:13:23.78 ID:Ohmi38x40

凛「…あ、でもね!ちゃんとライブはやるよ!昨日言ったけどすごく楽しみにしてるし」

ことり「りん…ちゃんっ…」

ことり(違う、凛ちゃんの本心はそんな簡単な言葉だけじゃ振り切れない)


ことり(ことりは凛ちゃんの本心を聴きたい)


ことり(聞いて、みんなが最高の状態であのステージにたてる状態にしたい)

ことり(ここまで話してくれた凛ちゃんを、連れていかないと)



ことり(ここで凛ちゃんの中にある輝きを気付かせてあげることが今の“ことりの役目”であるんだから)



ことり「凛ちゃん」

ナデナデ

ギューッ

凛「にゃっ…」



253: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:14:53.31 ID:Ohmi38x40

ことり「…凛ちゃんはね、誰かと一緒にいてあげることで凛ちゃんのチカラは発揮されるんだよ」

ことり「凛ちゃんがいうこれくらいのことっていうのは力量の問題じゃなくてそのチカラがそれであるっていう意味なんだ」

凛「ん…?」

ことり「つまりはね」


ことり「凛ちゃんのチカラっていうのは誰かと一緒にいることで発揮される、傷を舐めるようなくすぐったい優しさなんだよ」


ことり「きっとこれから凛ちゃんと一緒にいる人全員はこう思うよ」


ことり「凛ちゃんと一緒にいるだけで救われるって」


凛「そ、そんなことないよ…」

ことり「そんななの!」

ことり「凛ちゃんはとにかく可愛いの!愛らしいの!見てるとギュッと抱きしめたくなるの!」

ギューッ!

凛「うぐっ…」

ことり「だからもっと自分に自信を持っていいの!凛ちゃんが他の人と劣ってるところなんて少しくらいしかないから!」

凛「そ、そうなの…?」



254: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:15:53.16 ID:Ohmi38x40

ことり「そう!この前もいったけど凛ちゃんが一番可愛いの!」

ことり「だから、もっと本気で楽しも?」


ことり「ことりはみんなと不安なんて持たずにあのステージに立ちたいの!」


ことり「あそこで本気で楽しみたいの!!」


ことり「憂鬱なんて全て後々!イヤなことなんて全て投げ捨てて笑顔で、汗が無限に出るくらい動いて、心いっぱいに表現してあそこで本当の本気で楽しみたい!」


ことり「凛ちゃんは違う?」


凛「…違わない」

凛「凛もそうしたい…」


凛「凛もそうしたい!」


ことり「でしょ?だからいこうよ、やろうよ!」




255: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:17:11.28 ID:Ohmi38x40




ことり「本気で!」






256: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:17:59.41 ID:Ohmi38x40

凛「うんっ!」

ことり(凛ちゃんは決して他の人と劣ってたりはしない、それは何を比べても劣りはしない)

ことり(凛ちゃんのチカラは直接的な強さは持たないチカラだとことりは思う、誰かといることで、誰かといるだけで発揮される癒しのチカラ)


ことり(凛ちゃんにしかない“可愛い”のチカラ)


ことり(…ホントにずるいチカラだよ)

凛「えへへ、ことりちゃーん」

ギューッ

ことり「もお…風邪が移ったら凛ちゃんが責任とってよ?」

凛「ことりちゃんからくっついてきたらことりちゃんが悪いもーん」

ことり「まったく…」アハハ

ことり(凛ちゃんが元気になって何よりだった、その後ちょっとだけお話をして帰った)

ことり(凛ちゃんが自分の良さに気付いてくれただけで今日凛ちゃんの家にきた甲斐があったと満足してた)




257: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:20:20.12 ID:Ohmi38x40

ことり(帰り、小さい時よく穂乃果ちゃんと海未ちゃんとで遊んでた公園に寄った)

ことり(ブランコが空いてたからブランコを軽くこいでた)

「わー!待ってー!」

「こっちこっちー!」

ことり「…ふふふっ」

ことり(小さい子たちが鬼ごっこをしてた、ことりはそれになんとなく懐かしさを感じて自然とほほ笑んでた)

キィコ キィコ

ことり(ブランコが揺れて軋む音が寂しく響いた)

ことり(またこの音も、懐かしさにめり込むような音だった)

「わっ!そこ水たまりあるからみんな気を付けてよー!」

「分かってるよー!」

ことり「…水たまりか」

ことり「そういえば昔穂乃果ちゃんが…」

ことり(昔穂乃果ちゃんがこの公園で水たまりを跳び超えるって駄々こねてた時があった)

ことり(何回も跳びこえようとして十何回目でやっと跳べた、当たり前だけど今のことりならあのくらいの水たまりは簡単に跳べると思う)



258: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:21:45.78 ID:Ohmi38x40

ことり「…よしっ」

ダッ

タッタッタッ!


ことり「跳べるっ!」


ピョーンッ

ことり(そして何を思ったのか小さな子たちに紛れて水たまりに向かって高く跳躍した)

ことり(無意識だったのかな、その行動はことり自身でも理解出来ないくらい突然だった)

ビシャッ!

ことり「ひゃっ?!」

ことり「!」

ことり(まず、結果からいってことりはびしょ濡れだった)

ことり(そして、次に気付いたのはことりの落ちた水たまりは公園の水たまりではないということ)

ピチャッピチャッ

ことり「これ…」


ことり「この花びら…この花…」



ことり「この花畑…!」



ことり「…間違いない、あの時の……」

ことり(あの時のお花畑だった、穂乃果ちゃんが連れてきた…のかは分からないけど穂乃果ちゃんがいたあのお花畑)



259: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:23:42.24 ID:Ohmi38x40

ことり「あ、いけない」

ことり(カバンが水たまりのど真ん中に置かれてるのに気付いて取りに行った)

ピチャッピチャッピチャッ

ことり(この水たまり、実際歩いてみると分かるけど結構深くて正直いえば水たまりというよりかは湖に近い感じなような気がした)

ピチャッピチャッ

ことり(カバンを取り後ろを向くと赤い花が大々と広がり、よくよく見ると花の無い道には穂乃果ちゃんが踏みしめたと思われる足跡があった)

ことり(そして前を向くと地平線の彼方まで広がる白い花々が見える)

ピチャッピチャッ

ことり(濡れたカバンを抱きしめてその白い花畑に向かった)

ことり(何枚、何十枚、何百枚、何千枚の花びらがひらひらと飛んでた)

ことり(その何枚もの花びらがことりの服や肌、顔にぺたぺたとくっついてきた)

ことり(ただおかしなことにその花びらは一定以上経つと勝手にことりの元から離れていくんだ)

ことり(…別に変なモノは感じてないけど、何も感じてないと言えばそれはウソになる)




260: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:26:59.26 ID:Ohmi38x40

ピチャッピチャッ

ことり「よしっ」

ことり(まぁとりあえず白い花畑に足をつけようとしたんだ)

ことり(ただ、次の瞬間ことりは後ろを振り返ることになる)

ことり(そしてこれまた結論から言ってことりはその白い花畑に足を踏み入れることはなかったんだ)

ことり(その“出来事”が起こったせいで…)


「ダメっ!!」


ことり「?!」ピクッ

ことり「誰?!」

ことり「…あれ?」

ことり(後ろから声が聞こえたからすぐに後ろを振り向いた、だけど後ろに人はいなかった)

ことり(この花畑は広すぎるからもしかしたら目に届かないところにいるのかも、そう思ったけどことりが聞いた声の声量はかなり大きく近かった感じがした)

ことり(だけど、そんな人影はどこにも見当たらない)

ことり「…何なんだろう」

ことり(声が気になって白い花畑の逆方向である赤い花が咲く花畑を目指して歩いた)




261: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:28:19.32 ID:Ohmi38x40

ピチャッピチャッピチャッ

ことり「…びしょびしょ」

ことり(真ん中にいけばいくほど深くなっていって、おかげで靴下はびしょ濡れ、そのせいもあって足がなんとなく重い気がした)

ことり「よいしょ…よいしょ…」

ことり(なんとか足を進めて今度は赤い花の咲く地に足をつけようとした)

ことり「よい…しょ」

ことり(足をつけた、ただその地に降り立った瞬間、声が聞こえたんだ、大きな声が後ろから)


ことり(そして聞こえてきたその声は紛れもない“太陽の声”だった)



262: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:29:27.87 ID:Ohmi38x40




「よーしっ!もう一回!」



ことり「!!」

ことり「穂乃果ちゃん?!」

ことり(後ろを振り向いた…と同時に)


ことり(ことりの視界はブラックアウトした)


ことり(ただ、そのブラックアウトする前に微かに見えたんだ)


ことり(白い花畑に立って手を振る穂乃果ちゃんが)


ことり(だけど、それをことりの記憶に留めておくことは出来なかった、あまりにも瞬間的すぎてすぐにその景色は記憶に残らなかった)

ことり(またしても不思議体験をした、あの世界は一体何だというのだろう)

ことり(全てが謎すぎて一つの解明にも繋がらない)




263: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:32:13.71 ID:Ohmi38x40

ことり「ん…んっ…?」

ことり「ここは…」


ことり「…家だ」


ことり(目を覚ませば案の定、家のベッドで寝てた)

ことり「…あれ?濡れてる……」

ことり(足が濡れてた、靴下は履いてないし勉強机に置かれてるカバンもあの世界ほどではないけど濡れてた)

ことり「…どういうこと?」

ことり(あまりにも難解すぎる現象で混乱した、あの花畑の世界は何?現実なの?現実ならなぜことりは濡れてるの?なぜことりは家で目を覚ますの?)

ことり(…分からない、分からないことだらけで思わず後ろ髪をかいた)

ことり(それであの世界の謎に戸惑ってると突然お母さんの声がした)

「ことりー!ご飯よー!」

ことり「あ、うん!」

ことり(ことりの思考が、なのかな、それとも運命が、なのかな…一度あのことは忘れるようにと促されているようだった)

ことり「…ま、いっか」

ことり(ただことりはそれに従った、理由は分からないけど強いていうなら難しいことは全部後回しにしたくてとにかく今は穂乃果ちゃんがいる日常を楽しんでいたかった、というのが理由かな)

ことり(だからとりあえずこの件は後回しにしたんだ)

ことり(後に色々思ったこともあったけどことりの考えが後でいいっていうならそれは後でいいんだ)




264: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:34:57.25 ID:Ohmi38x40

ことり(そして次、時間を意識する頃はもう既に次の日だった)

ピンポーン

ことり「はーい」

ガチャッ

穂乃果「やっほー!」

海未「こんにちはことり」

ことり「あ、あれ穂乃果ちゃん?!海未ちゃんまでどうしたの?!」

海未「いえ今お暇ですか?」

ことり「あ、うん大丈夫だよ」

穂乃果「なら遊びにいこうよ!」

ことり「遊びに?」

穂乃果「うん!そうだよ!」

海未「言ってたではありませんか近いうち私たち三人で遊ぼうと」

ことり「あ、うん!そうだったね!」

ことり「ちょ、ちょっと待ってて準備するから!」アセアセ

タッタッタッ

海未「まったく…ことりは突然のことだとすぐ焦るんですから…」

穂乃果「アドリブに弱いもんね」クスッ

海未「ええホントですよ」




265: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:36:32.18 ID:Ohmi38x40

ことり(日曜日、穂乃果ちゃんと海未ちゃんとことりの三人で遊ぶことになった)

ことり(突然でちょっと驚いたけどすごく嬉しかった)

ことり「…そうだよね、後少ししかないんだもん」


ことり「たっぷり遊ばなきゃ…!」


ことり(そう思ってありったけのお金を持ってさいっこうに可愛いと思うファッションをして外に出た)

穂乃果「わお…ことりちゃんその服…」

海未「随分と…は、破廉恥で…」

ことり「えへへ」

ことり(気合いをいれる方向を間違えて胸元をちょっと見せつけるような服を着てきちゃった、これじゃあ可愛いとは別で、なんというかデートに行くときみたいな感じになっちゃって)

ザワザワ ヤザワザワ

ことり「うぅ…」

穂乃果「すごーい!ことりちゃん注目の的だよ!」

海未「そりゃあことりがそんな服着たらなりますよ…」

ことり「着てくる服間違えたぁ…」




266: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:37:14.60 ID:Ohmi38x40

穂乃果「私も着てくればよかったー…ん?いや着てくればいいんだ!」

海未「な、なんでですか!」

穂乃果「えっ…いやー…だってね…?」チラッ

ことり「!」

ことり(穂乃果ちゃんの言いたいことはよく分かった、もう数日後にはいなくなっちゃうんだから何をしたって後悔なんてないんだよね)

ことり(だからことりは穂乃果ちゃんに助け船を送ることにした)

ことり「そりゃあ気の変わりようだよね?穂乃果ちゃん」

穂乃果「そうそう!よしっ!そうと決まればせくしーな服を着よう!私の家にごー!!」

ことり「おー!」

グイッ

海未「なんでですかぁ!」ズルズル




267: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:39:36.88 ID:Ohmi38x40



穂乃果「わー!すごいすごい!」


穂乃果「大人だよっ!」


海未「……」

ことり「ん?海未ちゃんどうしたの?」

海未「…あ、いや二人ともなんかすごく大人っぽくて魅了され…ってなんで私まで着てるんですか!」

穂乃果「そりゃあ三人いるんだから三人着るものでしょ!」

ことり「でも二人ともすごく可愛い!いや綺麗なのかな?」

穂乃果「なんかこういうの初めてだからすごい楽しいね!」

ことり「ねっ!」

海未「…まぁ」

穂乃果「よーし!これで街中に出発だー!」

ことり「おー!」

海未「はぁ?!」

ことり(ことりほど派手じゃなかったけど二人もセクシーな感じの服を着て街中に飛び出した)

ことり(もちろん街中に足を踏み入れれば大量の視線を感じるし辺りがざわつき始める)

ことり(そんな街では色々なところに寄りそして遊んだ)




268: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:40:36.34 ID:Ohmi38x40

ことり(ゲーセンに寄った、ただのゲームに命をかけた感覚で遊ぶほどのノリで盛り上がった)

ことり「おらおらおらぁ!!」ドドドド!

穂乃果「ことりちゃん左は任せたよ!!」ドドドド!

ことり「了解!」

海未「ふ、二人熱くなりすぎでは…」ドドド

穂乃果「このくらいが普通だよ!」

ことり「最初から最後までクライマックスだよ!!」

海未「は、はぁ…」

海未「…っ?!ひぃ?!なんですか気持ち悪い生物は…」

穂乃果「いくよ!ことりちゃん!海未ちゃん!」

ことり「うん!」

海未「は、はい!」


穂乃果「よーし!ここで負けたら死だからね!」


海未「はいっ!」

ことり「うんっ!」




269: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:41:16.98 ID:Ohmi38x40

ことり(ゲームセンターで遊んだ、疲れることを知らないままで限界に挑戦した)

穂乃果「よーし!もちろん最高難易度の最難関やるよ!」

海未「はぁ?!無理ですよ!これダンスゲームですよ?!」

ことり「いいじゃんやってみようよ!」

海未「なんでさっきからことりは穂乃果寄りの意見なんですか!」

ことり「いいのっ!今日は遊びつくすって決めたんだから!」

穂乃果「そうだよ海未ちゃん!遊びつくすよ!」

海未「え、えぇ…」

穂乃果「ほっよっ!」

海未「はっふっ!」

ことり「二人とも頑張れ!」



270: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:41:59.79 ID:Ohmi38x40

ことり(ゲームセンターで知った、限界なんて存在しないこしないことに)

ことり「すっごいすっごいよ穂乃果ちゃん!」

海未「こ、こんな大量のメダル何に使うんですか!!!」

穂乃果「まだまだ増やすよー!!」

ことり「次はこれやろうよ!」

穂乃果「いいね!!もうどんどん増やしていこう!」

海未「いくらなんでも増やし過ぎですよ!!」

海未「なんですか50000枚って!!」

穂乃果「この強運の穂乃果に限れば余裕だよ」キリッ

海未「今日帰れますかこれ…」

穂乃果「いざとなったら預ければいいじゃん!」

ことり「そうだよ!」

海未「ま、まぁそうですけど…」



271: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:42:54.93 ID:Ohmi38x40

ことり(その後も色んな場所に寄った、カラオケにいった、ボーリングをした、ダーツをした)

ことり(アクセサリーショップに寄った、コスプレをした、動物園にいった)


ことり(ずっと楽しんでた)


ことり(帰り、海辺によった)

ことり(水平線の彼方に見える夕日を見ながら歩くとピチャっという音がした)

ことり「ふふふっそれっ!」

ビシャッ!

穂乃果「きゃっ!やったなー!それそれっ!」

ことり「あはっ!海未ちゃんも食らえ!」

海未「ちょっ!やりましたね…」

海未「ほらほらほらっ!」

ビシャビシャッ!

穂乃果「あははっ!」

ことり「えいっ!」

海未「もうびしょ濡れになったって知りませんからね!!」




272: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:44:03.43 ID:Ohmi38x40

ピチャピチャッ!

穂乃果「あはは!あは…あははは……」

穂乃果「あはっ…うぅ…ぐすっ…あははっは…」


ポロポロ…ポロポロ…


海未「穂乃果…?」

ことり「…あはっ…あはは…」ポロポロ

海未「ことりまで…どうしたんですか…?」

ことり「う、ううん…!なんでもない…よっ!」ニコニコ

ポロポロ…

海未「いやそれでなんでもないわけないじゃないですか!」

ことり「なんでもないったらなんでもないの!」

ことり「ねっ!穂乃果ちゃん!」

ポロポロ…

穂乃果「うんっ!」

ポロポロ…




273: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:45:17.02 ID:Ohmi38x40

ことり(いよいよことりの心も感極まってきちゃった)


ことり(この三人でこんなに楽しく遊べるのが嬉しくて、でも悲しくて)


ことり(今という今がホントに面白くて、でもそんな面白さももうじき消えてしまいそうで)


ことり(もう、ことりは何を感じればいいのか分からなくなっちゃって、ことりの頭の中がもうぐっちゃぐちゃで)


ことり(笑いながらも泣いてちゃって、そんな中で感情の波でぐちゃぐちゃに心荒らされたことりはどうすればいいのか分からなくてただ、時の流れで動く何かに身を任せてた)


ことり「えへへへへ…!」

穂乃果「あははは…!!」

海未「ふ、二人ともどうしたんですか…」

ことり「なんでもない!ただ、楽しくて!」

穂乃果「そうそう!楽しくて!」


ポロポロポロ…


海未「穂乃果…ことり…」

ことり(今が楽しすぎて、今日の…ううん今までの幸せを一つ一つ意識して数えていく度にこれから変わっていく未来に恐怖を覚えてしまって、自分が何考えてるのかよくわからなくなっちゃって)



274: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:47:19.22 ID:Ohmi38x40




「ねぇ!ことりちゃん!海未ちゃん!」



ことり(そんな時声がしたんだ)


ことり(再臨する恐怖に怯えていたら、太陽に等しい眩しい声が聞こえたんだ)

ことり(ことりはその声の生る方向へ顔を向けた)


穂乃果「四日後のライブ!ぜーったいに楽しくやろうね!!」


海未「は、はい!」

ことり「…うんっ!」

穂乃果「私ねー!ライブまでの四日間、何に対しても本気でやるよー!」

穂乃果「だからー!二人も本気でやろー!!」

ことり(穂乃果ちゃんはことりたちにじゃなく夕日に向かって叫んでた)

ことり(だからことりもそれ同様に夕日に向かって叫んだ)

ことり「分かったー!!ことりも本気でやるねー!」




275: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:49:07.21 ID:Ohmi38x40

穂乃果「あはは!」

ことり「えへへっ!」

キラキラキラ…

ことり(涙はもうさよなら、涙が無くなれば残るのは笑顔だけ)

ことり(今日、お出かけしてほんと良かった)

ことり(もうこの感動は言葉じゃ表しきれないよ、幸せ過ぎて…楽しすぎて…!)

海未「…仕方ありませんね」


海未「私も本気ですよー!!」


海未「本気で穂乃果とことりが好きですー!!」


穂乃果「おー!海未ちゃん言ったなー!」


穂乃果「私もことりちゃんと海未ちゃんが本気で好きー!!!」


ことり「ことりもっ!」


ことり「ことりも穂乃果ちゃんと海未ちゃんが好き!本気で好きだよー!!!」


穂乃果「あははっ」

ことり「えへへっ」

海未「うふふっ」

ことり(あぁ…この出逢いに感謝しないと、そう思ってしまうんだ)



276: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:50:09.32 ID:Ohmi38x40

ことり(ことりの真横にいる太陽がいつか無くなるとしたら、もっと感謝しないと)


ことり(無くなることが分かってるなら、ずっと感謝しないと)


ことり(その後びしょびしょになりながら帰った)

ことり(お母さんに怒られた、でもことりは怒られてすごく嬉しかった)

ことり(お母さんに心配された、でもことりは心配されて嬉しかった)

ことり(感じたもの全てが“素晴らしいモノ”に変わってた)


ことり(ことりは、もう穂乃果ちゃんが消えてしまうことを受け入れたんだ)


ことり(後は楽しむだけ、違うかな?)

ことり(不安なんてないよ、もう楽しむだけ)

ことり「…おやすみなさい」

ことり(今日は色々やって疲れちゃったから早くも明日へとトリップした)



277: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:51:00.78 ID:Ohmi38x40

ことり(そして次の日に聞こえてくるのはうるさい目覚まし時計の音)

チリリリリリリーン

ことり「…!」

チリリリリ ガチャッ


ことり「おはようっ!」





278: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:53:02.24 ID:Ohmi38x40

~学校、昼

キーンコーンカーンコーン

ことり「はぁ…疲れたぁ…」

にこ「あんたも人気者ね」

ことり「違うよぉ…」

にこ「パソコン開いたらびびったわよ、ことりたち二年生の写真がネットにアップされてて何事かと思ったら超美人が街中を歩いてるとか書いてあってなんだと思ったわよ」

ことり「まさか話題になるなんて…」

にこ「いいやあの二人はまた別の方向だけどあんたは話題になると思うわよ」

ことり「な、なんで?」

にこ「その無自覚なのが腹立つのよ」

ことり「無自覚…?なんか…ごめん…」

にこ「…はぁ別に良いわよ、そうよねことりってそういう人だものね」

ことり「…?」

ことり(次の日の昼、にこちゃんとお昼を食べることになった)

ことり(穂乃果ちゃんと海未ちゃんは絵里ちゃんと真姫ちゃんとでライブの話し合いをするみたいでことりはひとりぼっちだったから丁度よかった)

ことり(暇なお昼に話し相手が出来るのはすごく嬉しいんだけど、話の雲行きがちょっと怪しかった)



279: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:54:54.23 ID:Ohmi38x40

にこ「ことりは小さい時から控えめだったわよね」

ことり「うん、そうだね」

にこ「私はもっと自分を出していけばいいのにってずっと思ってた」

ことり「え?」

にこ「だって昨日話題になったみたいに可愛いんだもの、ああいう服こそことりの良さがよく映えるしなんで前からああいう服を着なかったのか不思議が仕方がないわ)

ことり「だ、だってそれはそんな…ことりには…」

にこ「それ!それなのよ!」

ことり「…?」

にこ「それのせいでダメダメなのよ、ことりは」

ことり「えっ…」


にこ「とても今のことりのままじゃセンターなんて任せられない」


ことり「!」




280: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:56:23.63 ID:Ohmi38x40

にこ「まずね、気迫がない」

ことり「気迫…」

にこ「練習中見てて何にも感じられないの、ただ踊ってるだけで」

にこ「絵里も言ってたでしょ?」


にこ「練習は真剣にやって本番は楽しめばいいって」


にこ「あの程度がことりの真剣だっていうならセンターなんてやめて、あんなんじゃ私はやりたくない」

ことり「…」

にこ「それにね、ことりの一番って教えられたことをちゃんとやろうとする義務感でしょ?」

にこ「義務感が一番だっていうなら尚更センターなんてやる資格はないわ」


にこ「おとなしく絵里か海未にでもセンターを譲っときなさい」


ことり「…」

ことり(にこちゃんの言うことが最もだなと思った)

ことり(だからことりはこう言った)



281: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:57:37.45 ID:Ohmi38x40

ことり「…うん、分かった」


ことり「じゃあ…その二人のどっちかにセンター…譲るね…」


ポロポロ…

にこ「っ!?ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

ことり「…?」

にこ「今の場面は私センターやりたいって奮いをたてる場面でしょ?!なんでそんなすぐに認めちゃうのよ!!」

ことり「えっ…だってにこちゃんが…」

にこ「違うの!あ、えっと…その…」

ことり「…?」

ことり(にこちゃんにきっついことを言われてものすごくへこんだ、けどその後にこちゃんが慌ただしくして何かを言おうとしてたんだ)




282: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 22:59:38.37 ID:Ohmi38x40

にこ「ん、んん!」

にこ「…私はね、小さい時からアイドルになりたかった」

ことり「…うん、知ってるよ」

にこ「笑顔って言葉に惹かれてアイドルっていう職業にものすごく憧れを感じた」

にこ「でもまぁ私の家庭ってホント無理が出来るような家庭じゃなくて、ちびたちもいるからお金を無理して使って不自由な生活は出来ないし、私がいなかったら家にはちびたちしかいないから時間も取れないの」

にこ「それだけで諦めるような夢だったっていったら違うけど、人の命かかってるくらいなんだから諦めるしかなかった」

ことり「…」

にこ「そんな時、私の近くに南ことりというさいっこうに可愛いのに、アイドルとして最高のポテンシャルを持ってるのにそれを無下にするじんぶちゅ…がいた」

ことり「じ、じんぶちゅ…?」

にこ「うるさい!人物よ!悪い?!」

ことり「い、いやーあはは…」

にこ「…まぁいいわ、私は当時ことりに対して腹が立ったわ」


にこ「アイドルじゃなくても、他の事に対しても活かせる個性を持ってるのにそれを使おうとしないから」


にこ「私には持ってないもの全てをことりが持ってたのにそれを使おうとしないから」


ことり「…」



283: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:01:08.44 ID:Ohmi38x40

にこ「中学校の頃、学年全体でやる劇にヒロインとして抜擢された時あったわよね」

ことり「あ、うん…」

にこ「私はやっとことりが輝ける時が来るのねって思った、実はいうとね、イライラしたのは最初だけ、もう後はずっとことりを応援してた」

ことり「え?」

にこ「こんなにもすごいチカラを持ってる人が近くにいて、それに対して私は夢を追いかけることも出来ないんだからそりゃあ夢に追いつける人を応援するしかないでしょ?」


にこ「口では言わないけど何か私でもしてあげられることをするの、それが私なりの優しさだから」


にこ「…でもね、ことりはそのヒロイン抜擢のやつでさえも他の人に譲った」

にこ「流石に頭にきたわね、あの時は」

ことり「えっ…ご、ごめん…」

にこ「別に良いわよ、昔のことだし」

にこ「ねえことり、あなたってものすごいチカラを持ってるのよ?」

ことり「ものすごいチカラ…?」


穂乃果『…ふふふっことりちゃんの持ってるチカラはすごいんだよ?』


ことり(穂乃果ちゃんも言ってた、一体何なんだろうことりのチカラって)




284: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:02:33.08 ID:Ohmi38x40

にこ「それに気付けないのがことりの最大の弱点なの」

にこ「最高に可愛いし頭もいいしまず人としての個性もバッチリある、それなのにその自分のステータスに気付けないし気付いたとしてもそれを使わないのがことりの最大の失敗なの」

ことり「ことりの…失敗…」

にこ「そうよ、だからねこの際包み隠さず私のスタンスを切り離していうけど」



にこ「今度のステージ、あんたがセンターやるんだから思いっきりことり自身という“自分”を出しなさい」



ことり「自分を出す…?」

にこ「ええそうよ、やっとことりが主役になってステージに立てるの、だからこそこの主役というステージではことりがいつも演じてる脇役のような控えめな感じはいらない」


にこ「今回はことりが主役なんだから遠慮は必要ないの」


ことり「…」

にこ「きっとこんなこと誰も言ってくれないと思うから私が言った、絵里は気付いても多分何かを恐れて言わないだろうし希は気付いてもあえて言わない、穂乃果も同じだし海未や花陽はことりのやり方に任せるだろうし凛や真姫ちゃんはそもそも気付かない」

にこ「だから私がいうの、私がことりの背中を精一杯押すの」


にこ「ことりを応援するの」


ことり「!」





285: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:04:29.71 ID:Ohmi38x40

にこ「さっきダメダメっていったのはことりにもっと頑張ってほしかった、もっと自分を出してほしかったの」

にこ「技術的な面でならもう問題ない、けどまだ最後に、ことりの良さを出し切れてないから」


にこ「それをにこが出させてあげたかったの」



にこ「私のチカラは、誰よりも強く相手の背中を押してあげることだから」



ことり「…!!」

にこ「…この大人気アイドルのにこにーに背中を押されたんだから絶対に頑張りなさいよね?」


ことり「うん…!うんっ!!」

にこ「まったく…ことりが泣くから私まで泣きそうになったじゃない…」

にこ「後…ごめんなさいね、こんな不器用で」

ことり「ううん…いいの、ありがとう」


ことり「ことり…自分を出してみる!」


にこ「ええ!頑張りなさいよね!」

ことり「うんっ!」




286: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:06:12.08 ID:Ohmi38x40

ことり(にこちゃんのチカラ、それは他の人に言えないことをハッキリ言えること)

ことり(それは悪い意味にも繋がっちゃうかもだけど、本音が言えるっていうのはすごくいいことだと思う)

ことり(にこちゃんは根っから優しい人だから、どんなに強くっていっても優しいんだ)

ことり(ことりはにこちゃんの言葉を聞いて心底安心した、そしてにこちゃんに背中を押してもらったんだからこれは頑張らないといけないってそう強く思った)

ことり(なんか不思議だな…きっとこれがにこちゃんのチカラの強さなんだと思う)


ことり(にこちゃんに背中を押された瞬間体が軽くなるようなそんな感覚を覚えちゃって)


ことり(練習も頑張れそうな気がした)

ことり「ほっほっほっ!!」

絵里「はい、そこで決めポーズ!」

ことり「はいっ!」ビシッ

海未「おお…」

絵里「腕をあげたわね…なんか前と全然違うわ…その…気迫っていうか…」

海未「ええ分かります、なんか自然と魅せられるような感じになりました」

にこ「…ふふっ」

希「なんやにこっち急ににやけて気持ち悪い」

にこ「ぬぁんでよ!笑ったら悪いの?!」

希「急に笑うから奇妙さがあるんよ、にこっちの場合は特に」

にこ「私の場合って何よ!」




287: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:06:58.32 ID:Ohmi38x40

凛「いやーことりちゃん輝いてるねー」

穂乃果「そうだね!私も感激しちゃった!」

真姫「なんかもう…オーラを感じるわよね」

花陽「あ、分かります!なんかものすごいピカピカなオーラですよね!」

真姫「そうそう」

ことり「ふふふっ」

ことり(ことり、少しは変われたかな、心の中で自分に、誰かに問いかける)

ことり(にこちゃんのおかげであのステージを更にいいものに出来そうだよ)


ことり(あのステージは九人の本当の本気の想いを乗せて踊るステージだから)


ことり(また一つ、ことりは想いを紡ぐんだ)

ことり(センターの役目はしっかり果たすよ、にこちゃん)


ことり「よーしっ!もうちょっと頑張る!絵里ちゃんやろ!」





288: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:11:04.59 ID:Ohmi38x40

~その後、家

ガチャッ

ことり「ただいまー」

ことりママ「おかえりなさい、練習の方は順調?」

ことり「うん!順調だよ」

ことりママ「そう、ならよかったわ」

ことりママ「今から何するの?」

ことり「衣装を作るよ」

ことりママ「じゃあ私にも手伝わせてくれない?」

ことり「…え?」




ことりママ「手芸なんて久しぶりね」

ことり「ほんと、さっき聞いた時は出来るか不安だったけど意外に出来るじゃん」

ことりママ「当たり前よ、これでもことりのお母さんをしてるんだから」

ことり「伊達にね」クスッ



289: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:13:19.08 ID:Ohmi38x40

ことりママ「…みんなとは上手くやってる?」

ことり「うん、上手くやってるよ」

ことりママ「そう、希ちゃんとかとはどう?」

ことり「仲良くしてるよ、希ちゃんは小さい時から頼り甲斐があってみんなのお姉さんだよ」

ことりママ「ええそうね…希ちゃんはそうだったわね」

ことり「どうしたの?急に」

ことりママ「いや昔のことりとはもう違うんだなって」

ことり「昔のことり?」

ことりママ「昔のことりは引っ込み思案で、友達も中々作れずにいたじゃない」

ことりママ「…我が子が成長してる姿を見るのは意外と泣けてくるのよ」ウルッ

ことり「お母さん…」

ことりママ「最近のことりはね、すっごく楽しそうなの」

ことりママ「朝は元気な声でおはようって言ってくるし帰ってきたら楽しそうな声でただいまって言うからなんだか私まで嬉しくなってね」

ことりママ「小さい時のことりを思い出したの、無邪気でいつも泥だらけになって帰ってくるから、何をしたんだろうって毎回思いながら洗濯をしてたわ」

ことり「あぁ…えっと…そんな時もあったね」アハハ



290: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:15:18.30 ID:Ohmi38x40

ことりママ「でも中学生になって身の丈を知ったのかしら?急におとなしくなっちゃって」

ことりママ「私は最近の元気なことりが好きなんだけど?」

ことり「むー…身の丈を知ったって学校の理事長が生徒に向かっていう言葉じゃないでしょ」

ことりママ「我が子だからセーフ」フフッ

ことり「困った理事長だね…」

ことりママ「いいのいいの♪」

ことりママ「…まぁきっとことりの近くにいるみんながことりの毎日を楽しくしてるんだって思って、感謝しなさいよ?みんなに」

ことり「それはもちろん!」

ことりママ「ならいいけど」クスッ

ことり「…ねえお母さん」

ことりママ「何?」

ことり「音ノ木坂祭りのステージ…来なくていいって言ったけど、やっぱり…見に来ていいよ」


ことり「…最高のステージにするから」


ことりママ「…!」パアアア



291: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:16:51.57 ID:Ohmi38x40

ことりママ「言われなくても行くわよ!カメラもバッチリ持っとくから任せておきなさい!!」

ことり「そ、そんなことまでしなくていい!」

ことりママ「いいや、可愛い我が子のステージをカメラに収めないなんてもったいなさすぎるわ!」

ことりママ「待ってなさいことり、高性能のカメラでことりのステージをおさえとくから」キラキラ

ことり「はぁ…」

ことり(親バカとはまさにこのこと、まぁそれがお母さんのいいところでもあるんだけど)


ことり(ことりの晴れ舞台、みんなの晴れ舞台を本気で見てほしい、それがことりの想い)


ことり(その想いの強さに、ことりの持ってた針も形を歪ませた)

ことり「あれ…」

ことりママ「あら…珍しいこともあるものね」

ことり「そ、そうだね」アハハ

ことり(お母さんが一緒にやってくれたから衣装作りはかなり捗った)

ことり(ここまでくるとホントに本格的で、本番がより楽しみになってきた)


ことり(不安も悲しみもない、楽しみだけがあるんだから)





292: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:18:58.38 ID:Ohmi38x40

ことり「…さあ、出発だよ」


ことり(ふと呟いた歌詞のワンフレーズ)

ことり(ことりの心は既に乗り気だ、衣装作りをやめ、一日にやることをやってすぐに寝た)

ことり(その日が待ち遠しくて、みんなと会うのが楽しみで)


ことり(早く太陽が見たくて)


ことり「おやすみぃ…zzz」


ことり(誰もいない部屋に一言、おやすみの言葉をかけて今日を終えた)


ピピピピピピ!


ことり(そしてすぐに次の日はやってくる)



絵里「みんなっ!音ノ木坂祭りまであと二日よー!!」

希「おー盛り上がってんなーえりち」

海未「テンションがハイですね」

絵里「当然よ!ここまで頑張ってきたんだから本番は楽しんでいくわよ!」

穂乃果「おー!」

花陽「お、おー!」

真姫「おー?」



293: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:20:45.09 ID:Ohmi38x40

凛「おー!」モグモグ

にこ「こらっ食べながら大声を出さないこと、口から出るわよ?」

凛「えへへごめんごめん」

希「おーにこおかあさーん!」

穂乃果「私を養って~!」

ギューッ

にこ「どわぁ?!急にこっちくんなっ!」ペシッ

穂乃果「ぶーにこちゃん酷いなー…」

海未「ふっふふふふ…」

にこ「あ?何よ?」

海未「い、いや…にこがお母さんって聞いたらなんか笑っちゃって」

にこ「はあああ??!それバカにしてるわよね?!」

海未「い、いえ…ぷっふふふ…」

にこ「あぁ!いっちょやるかこの破廉恥野郎!」

海未「破廉恥野郎ってなんですか?!」



294: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:21:56.00 ID:Ohmi38x40

希「ネーミングセンスバツやね」

凛「海未ちゃんだかららぶあろ」

海未「凛、死にたいですか?」ニコッ

凛「い、いえ…」

絵里「海未が怖い…」ビクビク

ことり「絵里ちゃんが怯えてどうするの…」

キーンコーンカーンコーン

花陽「あ、あれ?!もうそんな時間?!教室戻らないと!」

にこ「このチャイムは昼の始まりよ?授業がみんな思った以上に早く終わったらこうやって集まったんじゃない」

花陽「あ、あれ…?」

ことり「ふふふっ」クスッ

穂乃果「あはは…」

花陽「うぅ…」カアアア



295: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:24:05.64 ID:Ohmi38x40

凛「はぁ~今日も疲れたねー」

希「ホントやね~…」

海未「特に何もしてないような気がするのですが」

穂乃果「いやいやもう座ってるだけで疲れるじゃん!」

海未「それは穂乃果だけです!」

凛「いや~凛は頭の方が疲れたよ~」

花陽「あ、私はお腹が疲れたかな…」グウウ

ことり「あはは…花陽ちゃん食いしん坊だね…」

真姫「色々疲れすぎでしょ…」

絵里「そうよ、今日はまだまだあるわよ?」

穂乃果「まぁね」


穂乃果「…後二日か」


ことり「…!」

ことり(控えめな笑みを浮かべて穂乃果ちゃんはそう言った)

ことり「…そうだね」

ことり(後二日、それは色んな意味で後二日)

ことり(でも、もう振り返らないって決めたから)



296: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:25:36.32 ID:Ohmi38x40

ことり「はい、タッチ♪」

海未「はえ?」

ことり「むふふー海未ちゃんが鬼-!」

凛「わー!逃げろー!」

希「お、鬼ごっこやね!屋上だからちょうどいいやん!」

穂乃果「お、やるやるー!」

花陽「え、え…みんな待ってよー!」

絵里「楽しそうじゃない!海未は10秒数えなさいよー!」

にこ「きゅ、急すぎない?!」

真姫「ほんとそれよ!なんで急に鬼ごっこなんか!」

ことり「気分だよー!!」


海未「ええええ?!なんで私が鬼なんですか?!」


穂乃果「早く早く!」

凛「こっこまでおいでー!!」




297: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:26:23.54 ID:Ohmi38x40

海未「え…お、お昼はどうするんですか?!」

希「そんなの後ででいいよー!」

海未「むぅ…仕方ありませんね…」

海未「じゃあ手始めに真姫!あなたを捕まえます!」ダッ

真姫「っ?!なんで私?!」

海未「まてまてまてー!」

真姫「ちょ…まっ…ここ狭い!!」

にこ「狭いくらいがちょうどいいのよ」

真姫「くっ…ここは誰かになすりつける!」

穂乃果「うわっこっちきた!」

凛「逃げろ逃げろー!」

ことり「おー!」

花陽「ま、まって~…」

ことり「あははははっ!」

ことり(無理矢理にでも流れを変えるのがことり式、もう残りの二日は悲しい思いはしたくないからね)



298: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:27:47.13 ID:Ohmi38x40

にこ「あっつ…」

ことり「ぶふぅ~…」

希「いやー走った走った」

海未「結局お昼食べれてないじゃないですか!」

凛「いいんだよ海未ちゃん!楽しみは放課後にとっておこう!」

海未「もう楽しみでもなんでもないですよ!」

花陽「うぅ…ぐすっ…お昼がぁ…!」

真姫「よしよし…」ナデナデ

絵里「あははっまぁ残りちょっとあるし食べたい人は急いで食べちゃいなさい」

穂乃果「今日もパンが上手いっ!」パクッ

にこ「はっや…」

ことり(お昼が終わる頃にはみんな汗びっしょびしょだった)

ことり(お昼は急いで食べて昼の終わりのチャイムがなれば一斉に自分の教室に戻っていく)

ことり(ただ、もう残りの時間は音ノ木坂祭りでやることをまとめるような時間だった)




299: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:30:58.97 ID:Ohmi38x40

「ことりちゃんたち出し物するんだよね?」

「頑張って!」

ことり「う、うん!」

「何するのー?」

ことり「それは秘密っ!」

ことり(ここのクラスは学校のお祭りの定番中の定番、メイドカフェをする)

ことり(接客や呼び込み、何か作る人などの係決めをしそれに対して何が必要かなどの確認をした)

ことり(元々そういうのはもっと前から話し合ってたんだけど最終確認って意味で最後にひとまとめ)

ことり(明日は朝から飾り付けや品の準備をしたりで忙しくなりそうだ)

ことり(話し合いが終われば今日のHRは終わり、明日は大変な一日になるからそれの備えだね)


ことり(明後日はもっと大変だけど…)


ことり(そんなHRの終わり、穂乃果ちゃんは凛ちゃんと遊ぶらしくて海未ちゃんは弓道部に顔を出すみたいでことり一人、廊下を歩いてた時)

ことり「あ、絵里ちゃん」

絵里「あら、ことり」

ことり「何してるの?」

絵里「生徒会の仕事よ、こんな早く帰れる日でも生徒会はやることがあるっていうのはホント憂鬱よ…」




300: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:32:27.29 ID:Ohmi38x40

ことり「じゃあ手伝うよ」

絵里「いいわよ、大変よ?」

ことり「ううん大丈夫!」

ことり「ほらっ!やろっ?」

絵里「え、ええ」

スタスタスタ

絵里「あら、あれは」

ことり「真姫ちゃん!」

真姫「二人とも…」

絵里「真姫は帰り?」

真姫「ええ、まぁ」

ことり「じゃあことりたちと一緒に生徒会のお仕事しよ!」

真姫「…えっ?」



スタスタスタ

真姫「ことりって生徒会だっけ?」

ことり「ううん違うよ、今日は絵里ちゃんのお手伝い」



301: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:35:11.77 ID:Ohmi38x40

絵里「ごめんなさいね、真姫まで巻き込んで」

ことり「えっ?」

真姫「えっ…」

絵里「…あ、違うの!わざとじゃないの!」

真姫「お、面白いわね」

絵里「やめて!面白くないなら面白くないって言って!」

ことり「絵里ちゃん強く生きよう…」

絵里「当たり前よ!」

ことり「…」

真姫「…」

絵里「…ぷっ」

絵里「あはははは!」

ことり「ふふふふっ」

真姫「まったく…」



302: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:36:47.85 ID:Ohmi38x40

絵里「私たち、小さい時からこのノリね」

ことり「ねっ」

真姫「そうなの?」

絵里「ええそれは仲良しこよしだったわよ」

真姫「そうなの…」

真姫「…私ね、ことりや絵里たちの輪に入れてすごく嬉しい」

ことり(突然真面目な顔をし、丁度空いてた窓辺から外に顔を出して真姫ちゃんはふとそう言った)

絵里「ええ、私も真姫と出会えてすごく嬉しい」

ことり「ことりも!」

真姫「ありがとう」

絵里「私もあのグループに入れたこと、いつ思ってもすごく嬉しかったわ」

ことり(絵里ちゃんは真姫ちゃんの隣の壁に背中を寄せながら、優しい声でそう言った)



303: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:38:55.30 ID:Ohmi38x40

絵里「私ね、すごく思うんだけどもしみんなに会ってなかったら今頃どうしてたのかしら」

ことり「うーん…分からない…」

絵里「ええそうね、分からないのよ」


絵里「でも怖いの」


真姫「怖い?」

絵里「私は小さい頃から接し方が不器用不器用って言われ続けてきた」

絵里「だから希やにこ、穂乃果やことりと逢ってなんとか人との接し方を学んだの」

絵里「そんな中で私は一つの到達点に辿り着いた」

ことり「到達点?」


絵里「私、みんなが頼ってくれるような賢い人になればいいんだって思った日があった」


絵里「だから超勉強して今では生徒会長!」

絵里「今の私がここにこうしているのはみんながいたからなの」

絵里「だからこそ怖いの」


絵里「みんなと出逢わずに、人との接し方を、歩き方を知らない私が今ここにいたらどうなってたのかが」


ことり「…」

真姫「…」

絵里「…ふふっごめんなさい、こんな話になっちゃって」

ことり「ううんことりも同じようなこと思ったことある分かるよ」

真姫「やっぱり…そういうものなのね」

絵里「ええそういうものなの」



304: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:40:27.29 ID:Ohmi38x40

絵里「だからさっき言った通り、困ったことがあればなんでも相談しなさい?」



絵里「私のチカラはその人にしてあげられることに全力を尽せることだから」



絵里「みんなにいじられたりしてるけどこれでも私は」


絵里「賢い可愛いエリーチカ、なんだから♪」フフンッ


ことり「ふふふっそうだね」

真姫「珍しく頼り甲斐あるじゃない」

絵里「なによ珍しくって!」

真姫「冗談よ、絵里がしっかりしてるっていうのは全員が知ってるから大丈夫だと思うわよ」

絵里「そ、そう…」

真姫「…ねえついで私の話も聞いてくれない?」

ことり「うん、いいよ」

絵里「分かったわ」



305: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:42:36.30 ID:Ohmi38x40

真姫「私もさっき言った通り、みんなに出逢えてホントによかった」

真姫「…元々私って友達とか全然いなくて、小学校も中学校もほとんど一人で過ごしてきた」

ことり「そ、そうなんだ…」

真姫「ええ、だからついこの前、約一週間半前、穂乃果に出会った時は身体が火照るような“熱さ
”を感じた」

絵里「ふむ…」

真姫「話っていってもね、ほんの少ししかないの」

真姫「私が言いたいことはただ一つ」


真姫「これからも、どうぞよろしくお願いしますってね」


絵里「ええ!」

ことり「もちろん!」



306: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:44:00.05 ID:Ohmi38x40

真姫「それで、私みんなと一緒にいて分かったの」

ことり「?」


真姫「私の出来ること、それは私にか出来ないことでみんなを輝かせること」



真姫「それが本当の私のチカラ」



ことり「…!」

ことり(真姫ちゃんの目は輝いてた)

ことり(穂乃果ちゃんのような自分という存在だけで輝く瞳をしてた)

ことり(絵里ちゃんもそうだった、ピカピカな笑顔をしてた)

真姫「だから私にだって頼っていいんだからね、これでも頭はかなりいい方なんだから」

絵里「知ってるよわよーそれ、学年一位らしいじゃない」

真姫「当然よ!」

ことり「す、すごい…」



307: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:45:52.39 ID:Ohmi38x40

絵里「ふふ、こんなところに出逢えて私たち、幸せね」

真姫「ええそうね」

ことり「うんっ!」

絵里「…大切にしていきましょう、このグループを」

真姫「そりゃあね」

ことり「それはみんな同じだよ」


ことり「みんな同じ気持ちを持ってる、それは間違いないよ」


海未『いくら同じイメージを共有していても、他の人の経験やその時の気持ちは、本当は見えていないのだ』


ことり(あの言葉は違う、そうことりの経験が物語ってる)

ことり(絵里ちゃんも真姫ちゃんも、みんな同じ)


ことり(みんながみんなに、出逢えてよかったって思ってた)


ことり(その言葉が、何よりの証明だ)

ことり(本当は見えていないなんてただの屁理屈だ)

ことり「…」ギュッ

ことり(胸元にあるリボンをぎゅっと掴んだ)


ことり(ことりの心はもう、折れない)


ことり(一つの矢だと簡単折れてしまっても、九つ束ねれば折れない)

ことり(もう、本番はすぐそこなんだ)

ことり(残りの二日、ただ楽しむだけじゃ終わらせない)


ことり(この二日間にことりの一年分の、ううんもっと一生分の元気を込めるよ)





308: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:47:03.24 ID:Ohmi38x40

絵里「明日は音ノ木坂祭り準備よ?明後日もだけどちゃんと体調管理はするのよ?」

ことり「もちろん!」

真姫「分かってるわよ」

絵里「…ホントに生徒会の仕事手伝うの?」

ことり「それはそうだよ!」

ことり「…あ、なんかまずかった?」

絵里「い、いやホント時間かかるわよ?今日早く帰れるしもったいなかなーって」アハハ

真姫「別に私は家に帰っても暇だし」

ことり「私も大丈夫!」

ことり(その後真姫ちゃんと絵里ちゃんの生徒会の仕事を手伝った)




309: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:48:08.89 ID:Ohmi38x40

ことり(三人だったからすぐに終わった、外に出て正門を抜けた)

スタスタスタ

ピタッ

ことり「…」

ことり(立ち止まり後ろを振り向いた)

ことり(学校のまたその奥に見える藍色の空が今の時間の遅さを示してた)


ことり(すぐってどのくらいだろう、一日かな、一時間かな)


ことり(ことりのすぐっていうのはホントに、何時間だろうと一瞬のことだった)




310: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:49:36.69 ID:Ohmi38x40

ことり(だからすぐに時間は過ぎ、気付けば学校は祭りの準備で大騒ぎだった)

ことり「わわわわわっ!」

穂乃果「こ、ことりちゃん落ち着いて運ぼう!」

ことり「う、うん!」

穂乃果「よいしょ…よいしょ…」

ことり「ふう…」

穂乃果「やっぱり機材系は重たいね…」

ことり「ねっ…」

希「おーやってるか諸君たち」

穂乃果「あー!希ちゃんどうしてここに?」

希「ちょっと必要なもの取りに行くついでに」

ことり「そっか、そっちは順調?」

希「まあまあかな、まぁやるのはなんてたって平日だからお客さんも文化祭ほど大量にくるわけやないし隅から隅まで完璧にする必要はないんやないかな」

ことり「まぁ確かに…」




311: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:50:59.30 ID:Ohmi38x40

穂乃果「でもでも出来るところまではやるよ!」

希「そうやね!じゃあウチはいくね!」

ことり「うん!わかった、ばいばい」

希「ばいばーい」

スタスタスタ

穂乃果「さて、メイド服は…ってあれは…」

ことり「…!!」


海未「ちょ、ちょっとカメラこっちに向けないでください!」


ことほの「海未ちゃん!」

ことり「おーい!海未ちゃーん!」

穂乃果「何やってるのー!」



312: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:53:12.36 ID:Ohmi38x40

海未「ほ、穂乃果…ことり…」

ことり「きゃー!!可愛いー!!!」

モギューッ

海未「ぐふぅ…」

穂乃果「すごいすごい!海未ちゃんメイドだ!!」

穂乃果「…ところで何でこんなに人がいるの?」

海未「た、試しに着てみてって言われてきたらいっぱい人がきちゃって…」

ことり「そりゃあ海未ちゃん可愛いんだもん!いつもは凛としててカッコいいのにメイド服を着た時の可愛さギャップ萌えがすごすぎるんだよ!!」

海未「は、はぁ…?」

ことり「これはお客さんの数も期待できるね!」

穂乃果「おお!」

ことり「とりあえず海未ちゃんもそこで突っ立ってないで早く準備に移るよ!」

海未「は、はい!」

海未「で、では失礼いたします!続きは明日のお祭りでさせていただきます!」

「きゃー!!」

「絶対行きますー!!!」

穂乃果「すごい人気…」

ことり「海未ちゃん後輩にも先輩にもモテモテだから…」アハハ




313: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:55:03.51 ID:Ohmi38x40

スタスタスタ

「ねー!ことりー!」

ことり「あれ?絵里ちゃん?」

絵里「今こっち体育館の飾りつけしてるんだけど、出し物の確認とかあるの!」

絵里「だからちょっと来てー!」

ことり「あ、うん!」

ことり「ご、ごめん行ってくるね」

穂乃果「うん!行ってらっしゃい!」

海未「いってらっしゃい」

タッタッタッ

絵里「よしっ行きましょう?」

ことり「うん!」



314: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:56:23.22 ID:Ohmi38x40

タッタッタッ!

絵里「お待たせ!連れてきたわ!」

「あ、ことりちゃん!」

ことり「ごめん待たせちゃって」

「ううん!大丈夫!」

絵里「えっとさっき言った通りことりを中心とした九人で歌とダンスを披露するの」

絵里「CDはもうそっちにいってるでしょ?」

「はい!」

絵里「衣装とかもこっちで準備してあって、今日の朝ことりから預かったわ」

絵里「それでお願いがあるんだけど」

「お願い?」

絵里「私たちのやるステージは本物よ、だから最後にしてほしいの」


絵里「私たちが最高のパフォーマンスをするから」


ことり「えぇ?!絵里ちゃんちょっと?!」

「はい!分かりました!超期待してます!」

絵里「ふふふっ任せときなさい」



315: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:57:52.80 ID:Ohmi38x40

絵里「よーしっ!MVP取るわよ!」

ことり「えむぶいぴー?」

絵里「出し物で一番すごいと思ったところに送られる称号よ!これ取って最高の思い出にしましょう!」

ことり「す、すごいね気合いが…」

絵里「当然よ!でもそういうのを取る取らないの前に」


絵里「思いっきり、本気で楽しみましょう?」


ことり「…!」

ことり「うんっ!」

「リハーサルしまーす!出し物を出す人たちはこっちに集まってくださーい!」

絵里「はーい」

ことり「は、はーい!」

ことり(体育館の内装を見れば分かるけど、この空間は“本気”だった)

ことり(私たちが躍るにさいっこうの舞台、さいっこうの熱気を集められる空間だった)




316: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/13(水) 23:58:55.58 ID:Ohmi38x40

「スポットライト準備おっけー!」

「音楽いいよー!」

「マイクもバッチリ!」

ことり「……」


ドクンッ


ことり(私、ここで踊るんだ、そう胸が高鳴った)


ことり(今日はただのリハーサルでみんな出し物を披露するわけじゃないけど、そのリハーサルでさえ見ようとギャラリーが少し来てた)

ことり(ざわざわと聞こえる喧騒に緊張感を感じた)

「最後-ことりさんたちのーえっとー…」


絵里「μ’s!希命名!グループ名はμ’sよ!!」


「最後はみゅ、μ’s!」

絵里「さっことりいくわよ」

ことり「う、うん」



317: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:01:02.73 ID:2Lo9u+rk0

スタスタスタ

ことり「!」

ことり(いざ本気の場所で本気のステージに立つと分かる)

ことり(ここで踊る偉大さと難しさが)

ことり「…」

プルプル

ことり(足が震えてた)

ことり(ものすごく怖くなった)

「はい、そこでμ’sの出し物が終わってそこで少し間を開けてMVPの発表に移る、という感じで!」

絵里「ことり、戻るわよ」

ことり「あ、うん!」

スタスタスタ

ことり「………」

ブルブル

ことり(まだ足は震えてた)

ことり(あのステージに立ち、スポットライトに照らされた時、ことりは緊張感のあまり爆発しそうになった)

ことり(これで当日はあれを、あのダンスをたくさんの人の前で踊るんだ)

ことり(ずっと踊るつもりで頑張ってきたけど、今になってその踊ることが果てしなく遠く見えた)



318: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:03:32.75 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…」

ドクンッ

ことり「!」

ことり(胸に両手を当てると聞こえる鼓動、あのステージに対して混乱やどよめき、後は恐怖を覚えてる証拠だった)

ことり「…」ゴシゴシ

ことり(額に流れる汗、ことりは何かに焦りだしてた)

ことり(あのステージに怖気ついちゃったのかな、とにかくことりの心が今のままじゃダメって危険信号と警告を鳴らし続けてる)

絵里「…どうだった?あのステージ」

ことり「…!あ、えっと…ものすごく緊張した…」

絵里「でしょうね、だってあのステージに立ってたことりは全然笑顔じゃなかったもの」クスッ

ことり「絵里ちゃんは…ああいうの平気なの?」

絵里「もちろんっ仮にもバレエをしてたのよ?人前で踊ることくらい慣れっこよ」

ことり「…」




319: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:07:41.27 ID:2Lo9u+rk0

絵里「…答えはすぐに見つかるわよ」

ことり「え?」


絵里「さっきステージには欠けてるものがある、だからことりはあそこで笑うことさえ出来なかった」


ことり「欠けてるもの…?」

絵里「その答えはすぐに出るから、今は今に集中しなさい」

ことり「う、うん…」

ことり(リハーサルを終えて教室に戻った)

ことり(そしたら穂乃果ちゃんがとんでもないことを言いだした)


ことり「お泊り?!」


穂乃果「そう!学校にお泊り…出来ないかな…?」

海未「む、無茶かと…」

ことり「…ううん!無茶じゃない!お母さんに頼んでみる!」

穂乃果「うん!お願い!」

海未「ええ?!大丈夫なのですか?!」

ことり「大丈夫!お母さん優しいから!」

タッタッタッ!

海未「あ、ちょっと!」



320: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:08:25.39 ID:2Lo9u+rk0

ことり「絶対説得しないと…!」

ことり(やってそうでやってなかったお泊り、とても楽しそうだと思った)

ことり(穂乃果ちゃんと過ごす時間も残り少ないんだ、さいっこうに楽しめる時間を作らないと)

ガチャンッ!

ことり「お母さん!!」

ことりママ「ど、どうしたのことり…」


ことり「今日学校でお泊りさせて!!」





321: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:09:54.43 ID:2Lo9u+rk0

~夜

凛「んにゃあああ!!!ごきぶりいいいい!!!」

花陽「ぴゃああああああ!!!?」

海未「きゃああああああ?!?」

にこ「うっわ…」

穂乃果「な、なんか早いね…出るの…」

希「まぁ廊下なのが救いやん、早く調理室にいこ?」

穂乃果「あ、そうだね」

ことり「…」キョロキョロ

希「ん?どうしたん?」

ことり「ご、ゴキブリもういないかなって…」

穂乃果「あははは!大丈夫だよ!」




322: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:11:11.21 ID:2Lo9u+rk0

希「あっ!ゴキブリ!!」

ことり「っ?!」

ことり「きゃあああああああああ?!?!」ピョンピョン

希「あっははははは!嘘だよウソ!」

真姫「ぷっくくく…ぷはっ…」

穂乃果「ことりちゃんか~わいい~」クスクス

ことり「も、もー!希ちゃんっ!!」プンプン

絵里「からかうのも大概にしときなさいよ希は…」

希「あははごめんって」

にこ「あ、ゴキブリ」

絵里「ひゃああっ?!」ビクゥ!

絵里「っていないじゃない!」

にこ「ふっ…」

絵里「にこ!あなたねぇ…」

穂乃果「あはは…でもやっぱり学校でお泊りするのはなんかワクワクするし楽しいね!」

凛「ねっ!」



323: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:11:50.83 ID:2Lo9u+rk0

海未「まさか本当に受諾するなんて…」

ことり「お母さん、なんだかんだすごく甘い人だから…」

プワプワプワ


ことりママ『お泊り…?!そういうのは事前に報告を入れないとダメなんだけど…?』

ことり『えっ…じゃあ…』シュンッ

ことりママ『……でも今回は特別よ?いいわよお泊りして』

ことり『ホント?!』キラキラ

ことりママ『教室とかは飾りつけやらなんやらでごっちゃだろうし寝る時はここを使いなさい、料理は調理室を使いなさい』

ことりママ『食材とかは大丈夫?私が持っていこうか?』

ことり『あ、うんじゃあお願い』

ことりママ『ええ分かったわ』


プワプワプワ…

ことり「…甘いなぁ」

ことり(改めて感じる親バカさ、でもこの甘さに感謝しないといけない)

ことり(ことりもいいお母さんを持ったなって悔しいけどなんだか誇りに思ってきちゃって、今日だからこそ言えるけどことりのお母さんは最高のお母さんだった)


ことり(そして今、学校の薄暗い廊下を歩く九人の姿がある)





324: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:13:04.70 ID:2Lo9u+rk0

にこ「料理は私主体でやるからちゃんとやりなさいよ、食べるものなんだから」

凛「わかってるよ~」

穂乃果「もちろん!本気でやるよ!」

ことり「ついたね、ちょっと待ってて鍵開けるから」

ガチャッ

ガララ

にこ「そこに食材置いといて、作るのは無難にカレーよ」

花陽「おお!!」

希「定番やね!」

凛「テンションあがるにゃー!」


絵里「よしっ!料理作るわよー!」


「おー!」


ことり(みんなでカレーを作った、こんな経験滅多にないと思う)



325: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:17:25.88 ID:2Lo9u+rk0

にこ「だー!にんじんの皮向きはもっと丁寧にやりなさい!」

穂乃果「ご、ごめんなんか難しくって」アハハ

絵里「こ、こう?」

ことり「そうそう、そんな感じ」

希「ふふふっ玉ねぎの切り方も知らんの?えりちは」クスクス

絵里「だ、だって玉ねぎを切ることなんてないから仕方ないじゃない!」

真姫「ことりは流石ね」

ことり「ま、まぁお料理好きだからね」

花陽「ご飯炊けたよー!!」

希「お、いいね」

にこ「こっちももう出来てるわ、後はあいつらだけね」

ことり「ことりのはもう大丈夫だよ」

絵里「うぅ…ぐすっ…」ポロポロ

希「玉ねぎ切っただけでそんな泣くんか…」



326: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:18:26.27 ID:2Lo9u+rk0

凛「凛もいいよー!」

穂乃果「私もー!」

にこ「んー…あんたらは相変わらず雑だけどいいわ、妥協するわ」

穂乃果「やったー!」

凛「いえーい!」

ことり(みんなと一緒にいる泡沫の時間の中で感じるものは些細なことでも膨張してとても大きなものに感じた)

ことり(息を吸うタイミングが重なったり、連鎖するようにあくびをしたり、喋るタイミングがかぶったり、そんな些細なことが嬉しく楽しく照れくさく感じた)

ことり(まぁ結局何を思っても最後に感じるのは)


ことり(ホントに楽しかった、ということ)


ことり(カレーを食べ終わったら次はどうしようという話になった)

ことり(色んな案が飛んだけど採用されたのはこれだった)



327: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:19:30.27 ID:2Lo9u+rk0



穂乃果「屋上に行かない?」


ことり「屋上?」

穂乃果「うんっ!星とかあると思って!」

希「いいやん、みんなで夜空を見に行こうや!」

絵里「そうね、そうしましょう」

凛「よーしっ!いっくにゃー!」

花陽「おー!」

真姫「お、おー」

にこ「おー」

ことり(屋上に上り夜空を見ることだった)

ことり(食器を洗ってやることをやって調理室から出た、如何せん廊下にはゴキブリがいたからドタバタ走りながら屋上についた)



328: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:22:40.49 ID:2Lo9u+rk0

ことり「うわあ…!」

穂乃果「すごーい!」

海未「…綺麗ですね」

ことり(まず屋上に出て放たれた言葉は、驚きと魅了の言葉だった)

絵里「幻想的ね」

にこ「…そうね」

希「ええなぁこういうの」

凛「…」

花陽「どうしたのそんなぽかーんとしちゃって」

凛「あ、ううんすごく綺麗で見惚れちゃって…」アハハ

真姫「綺麗ね…」

ことり(幻想的な空に全員が見惚れてた)

ことり(ことりの瞳には満天の星が映ってた、久々の夜空で夜の景色も忘れてしまってた)

ことり(月が光ってた、白く黄色く光ってた)

ことり(月が綺麗で、星が綺麗で、次第にその夜空が滲みだした)

ことり「…」

ポロポロ

穂乃果「わぁ?!ことりちゃん泣いてどうしたの?!」

ことり「あ、ううん…綺麗で…」

海未「ふふふっ想像力豊かなことりは何を想像したのですか?」クスッ

ことり「も、もーからかわないでよ」

海未「すいませんね」フフッ

ことり「もー…」



329: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:23:55.20 ID:2Lo9u+rk0



穂乃果「…明日、頑張ろうね」


ことり「もちろん!」

海未「はいっ!」

絵里「超頑張るわよ!」

希「精一杯楽しもな!」

にこ「弾ける準備は出来てるわよ!」

凛「凛もっ!」

花陽「頑張りましょう!」

真姫「本気でやるわよ!」


「おー!」


穂乃果「…ふふっ」

絵里「あはは」

ことり「えへへっ」

凛「んふふふ」




330: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:25:39.46 ID:2Lo9u+rk0

にこ「さっ理事長室に戻るわよ」

希「戻ったらトランプとかジェンガとかで遊ぼっか!」

真姫「いいわね、負けないわよ」

凛「凛もいくいく!」

花陽「私も!」

スタスタスタ

ことり(夜景と夜空に満足したのか、みんなは帰っていった)

ことり(そして三年生、一年生のみんなが屋上から離れた時のこと)

海未「穂乃果とことりはどうしますか?」

ことり「ことりはもうちょっとここにいたいかな」

穂乃果「私も」

海未「そうですか、じゃあ先行ってますね」

穂乃果「うん!後でいくよ」

ことり「ことりも!」

海未「はい、それでは」

スタスタスタ

ガチャンッ




331: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:26:52.99 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…」

穂乃果「…」

ことり(海未ちゃんも理事長室に戻り穂乃果ちゃんとことりの二人っきりになったんだ)

ことり(だからこそ、話す内容もちょっぴり切ない話だった)


穂乃果「……“明日”だね」


ことり「…そうだね」

穂乃果「さよならは…言わないよ」

穂乃果「私とことりちゃんはいつでも一緒、そうでしょ?」

ことり「…うん」

ことり「いつ…消えちゃうの?」

穂乃果「分からない…けど、ダンスを終えるまでは消えないと思う」

ことり「そっか…」

穂乃果「私ね、みんなで、みんなと一緒に何か大きなことをするのが夢だったの」



332: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:28:18.18 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…」

穂乃果「欲張りをいえばもっともっと大きなこと、たくさんしたかったけど私が生きれるのは二週間だけだから、あのステージでみんなで踊れるっていうのはホントに嬉しかった」


穂乃果「だからあのステージに悲しみはいらない」


穂乃果「例え私の命日だとしても、あのステージだけはさいっこうのステージにしよ…?」ウルウル

ことり「…!」

ことり(穂乃果ちゃんの潤んだ瞳をみてこっちまで泣きそうになった)

ことり(ことりは穂乃果ちゃんと別れること、人生で最大の不幸だと思ってる)


ことり(ただ、穂乃果ちゃんにとっては明日という日を迎えることが全ての終わりであることにことりとの差を感じるんだ)


ことり(一番泣きたいのは、一番悲しいのは穂乃果ちゃんであることをことりは知ってる)


ことり「…泣かないでよ」

穂乃果「えへへ…ごめんね…」




333: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:29:55.98 ID:2Lo9u+rk0

ことり「悲しいことはやめよう?もうみんなのところいこうよ!」

タッタッタッ

ことり(本番前に辛い思いなんてしたくないから、穂乃果ちゃんの泣き顔なんて見たくないから、また別れに怯えるのが怖いから)

ことり(無理矢理話をぶった切ってみんなのところへ行こうとした)


ことり(そんな時、聞こえた)


ことり(後ろから、響くような叫ぶような囁くような声が聞こえた)


穂乃果「ことりちゃん」

ことり「!」

フワァ…

ことり(振り返った瞬間、浮遊感を感じた)

ことり(そして次に感じるのは生暖かい風と無数に飛び散る花びらの舞)

ことり「穂乃果…ちゃん?」

ことり(そして次第に見えるのは大きな水たまりのその向こうの白い花畑に凛々しく立つ穂乃果ちゃんの姿)



334: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:31:24.01 ID:2Lo9u+rk0



『よーしっ!もう一回!』


ことり『!!』

ことり『穂乃果ちゃん?!』


ことり「!」

ことり(あの時の続きなのかな、あのブラックアウトした視界の続きなのかな)

ことり(全く頭になかったあの記憶が突然脳裏を過った)

ことり(空は、夜でもなく昼でもなく)


ことり(日が沈もうとしてる夕方だった)


穂乃果「ねえことりちゃーん!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ちょっとお話しようよー!」

ことり「お話ー?!」

穂乃果「そうだよー!」




335: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:32:47.00 ID:2Lo9u+rk0

ことり「何なの話ってー!」

穂乃果「えっとねー!ことりちゃんはねー!」

ピチャピチャッ

ことり「!」

ことり(喋りながら、あの水たまりを歩いて穂乃果ちゃんはこっちへ向かってきた)

穂乃果「みんなに信用されてるんだよ!」

穂乃果「この二週間、みんなの想い聞かなかったー?!」

ことり「みんなの想い…」



336: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:34:22.18 ID:2Lo9u+rk0



希『もし、本当にそういうことが起こったらウチはそうするかな』


花陽『“本当の”小泉花陽は、みんなに“本気の”エールを送る人だから♪』


海未『困った時は、泣きたい時は、縋りたい時はいつでも頼ってください』


凛『…だからお礼がしたかったんだ』


にこ『私のチカラは、誰よりも強く相手の背中を押してあげることだから』


絵里『私のチカラはその人にしてあげられることに全力を尽せることだから』


真姫『これからも、どうぞよろしくお願いしますってね』





337: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:35:05.40 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…聞いたよ!聞いた!」

穂乃果「どう思った?どう感じた?」

ピチャピチャッ

ことり「ことり、頑張らなきゃって思った!困った時は手を貸してくれて!相手が悩んでる時はことりが手を貸す!ううん!手を差し伸べる!」


ことり「今あそこにいる九人がさいっこうのメンバーだと思った!」


ことり「その人にしか出来ないことを尊重して!本気で笑いあって本気で何かをして本気で今という日を走り抜ける!」

ことり「本気の集団だよ!いつだって!ずっとずっとことりたちは!」

穂乃果「そうでしょー!だからこそことりちゃんはもう大丈夫なんだよ!」

ことり「大丈夫?」

穂乃果「私がいなくてももう大丈夫!」


穂乃果「ことりちゃんは強いから!」



338: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:35:37.01 ID:2Lo9u+rk0





穂乃果「ことりちゃんのチカラは既に輝きだしてるから!!!」







339: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:36:40.47 ID:2Lo9u+rk0

ことり「ことりの…チカラ…?」

穂乃果「うん!」

ピチャッピチャッ

穂乃果「ことりちゃん、この前はこの水たまり飛び越えられなかったでしょ?」


ことり『跳べるっ!』


穂乃果「あの時のことりちゃんにはみんなの想いがなかったら飛べなかった!」

穂乃果「ことりちゃんがまだ自分のチカラを発揮出来てなかったから飛べなかった!」


穂乃果「でももう“翔べる”よ!」


穂乃果「翼なんていらない!ことりちゃんの足だけで!駆けて翔んで!」


ギュッ

ことり「!」

ことり(ことりの手と穂乃果ちゃんの手が合わさった)

ことり(その瞬間花びらは空高く舞い上がった、下から上へと突き抜ける風と花びら)

ことり(それはどこまでも、空高く空高く宇宙へと舞い上がっていく)



340: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:38:37.82 ID:2Lo9u+rk0

ことり「と、翔ぶって」

穂乃果「そのままだよ!この水たまりを翔び越える!」

ことり「え、えぇ?!無理だよ!」


穂乃果「無理じゃない!」


ことり「!」

穂乃果「もう、明日この空になる頃には私はいない」

穂乃果「今度はことりちゃんの番」



穂乃果「ことりちゃんがみんなを引っ張る、みんなの太陽になる番だよ」



ことり「!!」

穂乃果「ほらっ!あそこに足跡があるでしょ?」

ことり「う、うん」

ことり(ことりの後ろの坂にはこちらへと向かう足跡がしっかりと残ってた)




341: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:39:21.79 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「あれが私の足跡、あれが私の翔んだ軌跡」

穂乃果「次はことりちゃんが翔ぶんだよ、ことりちゃんがその道に」



穂乃果「新しい軌跡/奇跡を生むんだよ!!」



ことり「!」

穂乃果「だから走って!」

穂乃果「あの坂のてっぺんから!あの坂のてっぺんから走って翔んで!」

ことり「…うん!」

ことり「ことり翔ぶよ!」

穂乃果「うんっ!」

スタスタスタ

ことり「すー…はー…」

ことり(坂のてっぺんに上り目を瞑って深呼吸をした)



342: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:40:31.74 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…よしっ」

ことり「行くよ!」

穂乃果「うん!」

ダッ

タッタッタッ! タッタッタッ!


穂乃果「いっけええええええええええ!!!」

ことり「はああああああああああああッ!!!」


ピョーンッ!


ことり(浮いた、空高く翔んだ)


ことり(空へと続く花びらと一緒に翔んだ)


ことり(翔び空中に浮いてる間に聞こえた)

ことり(穂乃果ちゃんの言葉)


穂乃果「ことりちゃん」


ことり「!」

ことり「穂乃果ちゃん?」




343: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:41:37.17 ID:2Lo9u+rk0



穂乃果「私のチカラはみんなを本気にさせること」


穂乃果「みんなを引っ張ってやる気を出させてみんなで楽しめる場を作ること」

穂乃果「ことりちゃんが翔んだ今、私の役目はもう終わった」

穂乃果「…頑張れ!ことりちゃん!ずっと応援してる!」

穂乃果「後は楽しもう!後は笑おう!」

穂乃果「ことりちゃんのチカラで!」


穂乃果「ことりちゃんはホントにすごいチカラの持ち主だよ!」


ことり「何それ?!ことりのチカラって何なの?!」


穂乃果「ことりちゃんのチカラは―――――――!」


ことり(その声が耳に届いた瞬間ことりは白い花畑に足をつけた)

ことり(そして同時に視界が)


ことり(ホワイトアウトした)





344: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:42:06.99 ID:2Lo9u+rk0

「正解は、一つじゃないよ」


「ことりちゃんがそう思ったなら、それが正解なんだから」


「明日、頑張ろうね」



345: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:42:34.44 ID:2Lo9u+rk0




「私とことりちゃんの“最後の日”」






346: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:43:31.35 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…はっ!」

絵里「おきなさーい!朝よー!」

海未「絵里、もうちょっと静かにした方が…」

絵里「こうでもしないと起きない人がいるのよー!」

穂乃果「むにゃむにゃ…あと五分…」

絵里「ほらっ!」

海未「まったく…」

ことり「…朝」

ことり(気付いたら朝だった、あの水たまりの場所を翔んでから記憶がない)

ことり(もう、本番は目の前だった)

にこ「うるさいわね…」

真姫「ホント何よ…」

絵里「やっと目が覚めたわね、今日よ!音ノ木坂祭り!」

花陽「うぅん…?もう朝…?」

海未「おはようございます花陽」

花陽「お、おはよう」

凛「ぐー…ぐー…zzz」




347: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:44:50.16 ID:2Lo9u+rk0

ガチャッ

希「お、みんな起きてるやん!」

ことり「希ちゃん、起きてたんだ」

希「ウチはいつも早起きやからね、それより早く着替えよう?みんなそれぞれクラスで使う服あるやろ?」

海未「そうでした…メイド服って意外に着るの大変なんですよね…」

ことり「ふふふっじゃあことりが手伝うから」

海未「す、すいません」

絵里「こらっ!穂乃果おきなさーい!」

穂乃果「うわー!遅刻ー!!?」

穂乃果「…て、あれ?」

にこ「なにやってんだか…」

ことり「あはは…」

凛「んん…」

海未「おはようございます、凛」

凛「あぁおはよう…」

真姫「凛には珍しいひっくいテンションね…」

花陽「凛ちゃん寝起きには弱いから…」アハハ



348: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:45:40.68 ID:2Lo9u+rk0

海未「じゃあ穂乃果、ことりメイド服に着替えますよ?」

穂乃果「あ、うん!」

ことり「はーい」

海未「あ、お手洗いに行くので先に行っててください」

ことり「分かったよ」

ガチャッ




349: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:47:42.11 ID:2Lo9u+rk0

スタスタスタ

穂乃果「…もうすぐだね」

ことり「そうだね」

ことり「…!穂乃果ちゃんそれ…!」

穂乃果「…ん、あぁ大丈夫、ステージが終わるまでは持つから」

ことり「う、うん…」

ことり(穂乃果ちゃんの体が透けてた)

ことり(少ししたら元に戻ったけどなんか実感しちゃったんだ)


ことり(本当に終わりが近づいてるんだって)


ことり「…よしっこれで大丈夫」

穂乃果「うわー!メイド服ってかわいいね!」ヒラヒラ

海未「ええお二人ともすごく似合ってますね」

穂乃果「海未ちゃんも似合ってるよ~!」

海未「そ、そうですか?ありがとうございます」テレッ

ことり「ふふふっ」クスッ

ことり「じゃあ穂乃果ちゃんは今日、呼び込みお願いね」

穂乃果「うん!任された!」




350: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:50:40.25 ID:2Lo9u+rk0

ことり「私はお料理作る係と接客の兼業だからよろしくね」

海未「分かりました」

穂乃果「海未ちゃんは何係だっけ?」


海未「…マスコット係と接客の兼業です」


穂乃果「マスコット係?」

海未「お客さんと写真を撮ったりご奉仕する係だそうで…」

ことり「海未ちゃん可愛いからマスコットに選ばれて当然だよ♪」

海未「うぅ…」

ことり(朝早くから三人で盛り上がった)

ことり(時間が立てばクラスのみんながきて各自準備に取り掛かってた)

希「お、メイド服いいね~後でお客さんとしていくな~」

穂乃果「おお!そのなにその恰好!」

希「魔女やで?ウチらはお化け屋敷をするんだけどウチは呼び込み係やから怖くない恰好でも大丈夫!」

ことり「ふふふっ可愛いね」




351: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:52:28.78 ID:2Lo9u+rk0

凛「にゃー!ソーラン!ソーラン!」

海未「あれは…」

真姫「ちょ、ちょっと待ちなさいって!」

穂乃果「おーい!凛ちゃーん!」

凛「えっへへー!みんなー!」

ことり「その服ははっぴ?」

凛「そうそう!凛のクラスは無難に射的とかそういうのをするから!」

海未「なるほど…」

ことり「真姫ちゃんも凛ちゃんも似合ってるね♪」

真姫「あ、ありがとう…」

凛「えへへっ!」

ことり(みんなも準備万全のようでことりたちに顔を見せに来てた)




352: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:55:50.26 ID:2Lo9u+rk0



絵里「音ノ木坂祭り、始まりよ!!」


ことり(そして始まった音ノ木坂祭り、平日とはいえどお客さんの数は文化祭と勝るとも劣らないほどの大盛況だった)

ことり「いらっしゃいませ♪」

海未「い、いらっしゃいませ!」

ことり(ここのクラスには海未ちゃんもいて、穂乃果ちゃんの元気いっぱいな呼び込みもあってお客さんが行列を作るほどだった)

海未「ことり!ご指名入ってますよ!」

ことり「え、またことり?!」

「いいよ!私たちで作っとくから行ってきな!」

ことり「う、うんごめんね」

スタスタスタ

ことり「いらっしゃいませ♪今日はどうなさいますか?お料理ですか?写真撮影ですか?」


ことり「それともわ・た・しですか?」ニコッ


ことり「…ふふふっなんて冗談です、どうなさいますか?」

ことり(不思議なことにことりが人気だった)

ことり(それに海未ちゃんもいたからホントにホントに休める時間が無くて、大変だった)

ことり(でも、この時間が楽しくて楽しくて仕方がなくて、呼び込みを終え帰ってきた穂乃果ちゃんも接客に参加して更なる混沌の渦を巻き起こした)



353: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:56:33.09 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「いらっしゃいませ!」

海未「いらっしゃいましぇ…ううぅ…!」

穂乃果「あははー!海未ちゃん噛んだー!」

海未「う、うるさいです!」

ことり「あはは…」

ことり(時計を見るたびに小さい方の針が大きく動いてて、気付けば昼が過ぎてた)

海未「ことり!ご指名入ってます!」

ことり「い、今いく!」

ことり「ごめん任せるね」

「いってらっしゃい!」

穂乃果「ことりちゃんご指名きてるよー!」

ことり「ま、待ってぇ~!」

絵里「ことり!そろそろ準備しないと間に合わないわよ!」

ことり「え、えぇ~?!」




354: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:57:29.07 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「じゃあそっちいこっ!」

海未「す、すいません!私たち穂乃果、ことり、海未は体育館の見せ物ステージでダンスと歌を披露させていただきます!よかったらそちらの方でもよろしくお願いします!」

ワーワーワー!

海未「いきましょう、ことり、穂乃果」

ことり「うん!」

穂乃果「ほいさっさ!」

絵里「よしっ行きましょう」

タッタッタッ!

絵里「というかそっちは大盛況ね!」

ことり「お客さんが全然減らないよ!」

海未「ホントですよ!もう休める時がなくて」

穂乃果「ねー!」

絵里「いいじゃない!人気の証拠よ?」

穂乃果「そうだね!」



355: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 00:59:44.98 ID:2Lo9u+rk0

絵里「衣装は理事長室に置いてあるからそこで着替えましょう」

穂乃果「うん!」

海未「分かりました」

ことり「了解!」

ことり(理事長室で衣装に着替えた、事前にサイズは確認してことりが完璧に仕上げてきたから衣装問題は特になかった)

凛「うわー!すごいよこれ!」

穂乃果「ねっ!すごいすごい!」

にこ「いい衣装じゃない」

花陽「そうだね!」

ことり「…よしっ」

海未「頑張りましょうね」

希「楽しんでいこうな?」

穂乃果「超盛り上げちゃうよ!」



356: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:00:43.01 ID:2Lo9u+rk0

ことり「よしっ!体育館に向かうよ!」


「おー!」


ことり(体育館のステージ裏に向かった、今ちょうどことりたちのラストステージから一つ前の出し物が行われてる)

ことり(来るなりなんなりで曲や人数の最中確認をし、後は待つだけになった)

ことり「…」


ドクンッ


ことり「…っ」

ことり(そして襲うはあの時の恐怖)

ことり(怖くて喋ることも笑うことも出来なかったあのステージ、緊張感、圧迫感、失敗出来ないという気持ちから生まれる強い念)

ワーワーワー!

ことり「うっ…」クラッ

ことり(耳の奥にまで響き渡る歓声で目が眩んだ)

ことり(ここで踊れるのかな、ここで歌えるのかな、ここで楽しめるのかな)

ことり(そんな三つの思いが心の中でくるくるくるくる回ってる)



357: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:01:48.54 ID:2Lo9u+rk0

トンッ

ことり「!」

ことり(そんな時肩に何かを感じた、何かが置かれるようなそんな感覚)


穂乃果「ことりちゃんはもう、一人じゃないよ」


穂乃果「みんないる、みんないるから怖くない」

穂乃果「みんながついてるから失敗だって恐れない」

穂乃果「みんなを信じることで乗り切れるんだ、ことりちゃんはもう一人じゃない」


穂乃果「ことりちゃんには信じる相手がいるから、大丈夫」


絵里「…分かった?ことり、あの時の答え」


絵里『さっきステージには欠けてるものがある、だからことりはあそこで笑うことさえ出来なかった』


ことり「!!」




358: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:02:56.82 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…」チラッ

海未「ふふふっ任せてください」

にこ「私が背中を押してやったんだからぜぇったいに楽しくするわよ!」

花陽「この機会を逃していつ楽しむんですか!今しかありません!」

希「その通り!お客さんをウチラの本気《カオス》の渦に巻き込んじゃうよ!」

凛「ことりちゃんが教えてくれたんだからね!輝くことの楽しさを!」

真姫「ここまで来たんだから頑張りましょう、最後の最期まで、本気よ」

「頑張れ!」

「応援してるよ!」

「期待してるぞ~!」

ことり「みんな…!」

ことり(あの時の答え、分かったよ絵里ちゃん)

ことり(そういうことなんだね、欠けたものって)

ことり(…そうだよね、あの時はなかった)

ことり(いなかった)


ことり(みんな、という存在がなかったんだもん)


ことり(みんなとならどこまでもいける、みんなとなら笑いあえる)



ことり(みんなとならこのステージで踊れる!)






359: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:04:23.81 ID:2Lo9u+rk0

ことり「よーしっ!みんな頑張ろう!」


「おー!」


穂乃果「始める前に何かしよ!」

海未「何か?」

穂乃果「みんなピースして!」

凛「ピース?」

穂乃果「そうそう!これをこうやって繋げるの!」

絵里「おお」

希「なんかいいねこれ」

穂乃果「でしょー?この状態でえっと…ことりちゃん耳貸して!」

ことり「え?あ、うん」

穂乃果「えっとね―――――」ゴニョゴニョ

ことり「…うん!分かった!」



360: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:05:12.78 ID:2Lo9u+rk0

ことり「μ’s!番号言っていくよ!」

にこ「番号?」

真姫「なにそれ?」

ことり「いち!」

穂乃果「に!」

海未「え、あ、さんっ!」

凛「じゃあ凛はよん!」

花陽「じゃあ私も続いてごっ!」

真姫「ろ、ろく!」

希「じゃあななもーらい!ななっ!」

にこ「じゃあはち!」

絵里「きゅう!」



ことり「μ’s!ミュージックスタート!」



「おー!!」





361: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:06:38.03 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「あはは!みんなノリいい~!」

真姫「何かするならちゃんと言いなさいよ…」

希「でもでもいいやん!ウチららしくて」

絵里「そうね、とにかく何も考えずに前へ突っ走る姿勢はちょっと合ってるかも」

ことり「えへへ」

「μ’sのみんな!もうだよ!」

ことり「!」

にこ「きたわね」

海未「楽しみましょうね!」

絵里「ええ!」

凛「よーしいっくにゃー!!」

真姫「すー…はー…よしっ準備おっけーよ!」

花陽「私も!」

希「みんな見といてよー!ウチらのステージ!」

「続きましてラストステージを飾るのは、この学校の生徒九人で結成されたグループ」


「μ’sの皆さんです!」


ウオオオオオオ!




362: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:07:54.98 ID:2Lo9u+rk0

ことり「よしっ!いくよ!」

タッタッタッ

ことり「皆さんこんにちは!μ’sです!」

ことり「私たちμ’sは今日のために!今日のこのステージのためにダンスを練習し歌を作り、それを歌えるようにしてきました!」

ことり「笑いがあってちょっぴり涙があって、時に問題があったりしました!」

ことり「そんな大量の想いが詰まった今日の一曲、聴いてください!」



ことり「Wonderful Rush!」



ことり(辺りが静まった、スポットライトの光とことりたちの想いだけが輝くこのステージ、注目はもちろんステージに立つみんなと、センターのことりだった)




363: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:09:42.75 ID:2Lo9u+rk0

「Dan dan ココロ!Dan dan アツク!夢いっぱい叶えてみせるっ!」

「Dan dan ススム!Dan dan ハジケル~!」


ことり「未来をしっかり見てっ!」


「Hi hi ススメ!まだまだLet's go!Hi hi ススメ!ほらほらlet's go!!」

ことり(歌が始まると同時に歓声が沸きあがった、一部の人はサイリウムを持ってたみたいで観客の間にはちらちらと光が見えた)

ことり(まだ始まりだというのに会場のボルテージはMAXといっていいほどだった)

ことり(ダンスも歌も完璧、このステージは見る人を魅了するパフォーマンスそのものだったと思う)



364: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:10:48.11 ID:2Lo9u+rk0

「これからのWonderful Rush!みんな幸せになるため~!」

「新しい世界♪探し行こうよ~!」

「迷ったらWonderful Rush!僕は~輝きを信じて~♪」

「遥か遠くの虹だけど…そうきっと掴んで!」

「uh~hi!」

ワーワーワー!

ことり(会場の熱気は更に熱くなった、このステージでは汗も煌いて何もかもが輝きだしてたんだ)




365: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:11:24.30 ID:2Lo9u+rk0

「Hi hi ススメ!まだまだLet's go!Hi hi ススメ!ほらほらLet's go!!」


ことり「未来をつかまえて!」

にこ「人生気分で上下左右♪」

真姫「運命ときに急展開!」

花陽「最低↓!」

穂乃果「最高↑!」

希「最大↑!」

海未「最新↑!」


えりりん「Let's go!遠くに Super jump!!」ピョーン!


ことり(よく見れば観客の数は体育館じゃ入りきらないほどのフルだった、熱気が、歓声が、私たちの声が体育館の外にまで聞こえて、それにみんなつられてくるんだ)

ことり(時々歌って踊ってるとみんなと目が合う、それに合わせてウィンクをするんだけど、それだけで伝わってくるんだ)


ことり(今がどんなに楽しいか、見える瞳が全てを語ってるんだ)


ことり(それは言わずもさいっこうの、さいっだいの、さいっしんの本気のステージだった)





366: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:12:23.50 ID:2Lo9u+rk0

海未「大事だよ♪」

ほのえり「なんだっけ?」

花陽「小さな努力!」

のぞりん「そうだった!」

にこ「いまが好きで♪」

ことまき「愛なんだ?」

穂乃果「ぶつかるんだ!!」

うみえり「そうなんだ!」

希「勢いよくね♪」

りんぱな「大胆に?」

真姫「一生懸命!」

ことにこ「そうだった!」

絵里「勢いつけて♪」

ほのうみ「大胆に?」


「一生懸命だっ!!」


ことり(瞳と瞳を合わせて掛け合いのバトンタッチをした、笑顔も忘れてないよ)





367: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:12:57.83 ID:2Lo9u+rk0

「始まりのWonderful stage!みんな次の場所立つんだ~♪」

「めぐり逢う季節~新鮮な景色~♪」

「胸はずむWonderful stage!ぼくが~目指すのは綺麗な~♪」

「遥か遠くの虹だから…さぁ、出発だよっ!!」


パチンッ


ことり「!」

穂乃果「?!」

真姫「うそ…」

絵里「こんな時に…!」

ことり(歌が止まった、照明が消えた、何かのトラブルだと思う)



368: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:13:54.13 ID:2Lo9u+rk0

ザワザワ ヤザワザワ

ことり(ざわつく観客とステージの上のみんな)

ことり「…」


ギュッ


ことり(ただ、ことりは焦らなかった)


ことり(心の中にあるのはただ一つの未来と答え)

ことり(口から出たものはことりの執念と想い)


ことり(あぁ、これなんだ、これが私のチカラなんだ)

ことり(なんで気付かなかったんだろう)

ことり(ことりのチカラって、こんなにもすごいものだったんだ)




369: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:16:10.52 ID:2Lo9u+rk0

ことり「すー…はー…」

ことり(ことりのチカラは)

ことり「…よしっ」

ことり(誰よりも明るく)

ことり「いくよっ」

ことり(誰よりも優しく)

ことり「はー…」

ことり(誰よりも楽しく)



ことり「Wonderful…♪」



ことり(みんなを幸せにすること!)



ことり(無理矢理を押し通して不可能を可能にすること!)


ことり(みんなを引っ張って楽しい未来を作ること!)


ことり(真姫ちゃんごめん、ここのWonderfulは真姫ちゃんのパートだったけど…今は…仕方ないよね)



370: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:16:38.40 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…」チラッ

真姫「!」パチパチッ

ことり「ふふっ」

ことり(真姫ちゃんの方に向いたらウィンクをしてくれた、いいよって瞳が語ってた)

ことり「…」チラッ

にこ「!」コクンッ

ことり(次のパートはにこちゃんだ、にこちゃんに顔を向けてバトンタッチをした)

ガタンッ

ことり(スポットライトも照明も回復した、音楽は出ないけど熱気ならまだまだある)

ことり(もう、輝ける準備は出来てるよ)


ことり(もう、本気でやれる準備は出来てるよ!)





371: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:19:00.84 ID:2Lo9u+rk0

にこ「Wao!どうしようか?Dreams Come True!」

にこ「当然!Let's go!」


「Three!Two!One!ZERO!」


「Hi hi Super jump!Oh yeah Super jump!」

「Life is Wonder!まだまだ Let's go!」

「Hi hi Super jump!Oh yeah Super jump!!」


ことにこまき「Life is Wonder!Wonderful Rush!」


「はいっ!」





372: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:21:18.17 ID:2Lo9u+rk0

ことり「もっと近くで~語りあいたいな~♪」

ことり(ことりの想いはみんなに、観客に届いてるだろうか)

ことり「頷いた君とどこまで♪走ろうか~?」

ことり(ことりの瞳は輝いてるだろうか)

真姫「果てまで~♪」

ことり「走ればいいさっ♪」

ことり(ことりの心は限界を迎えてるのだろうか)

にこ「限界なにそれ?No Thank you!OK!」

ことり「Oh Yeah~♪」

ことり(…うん、そうだよね)

ことり(限界なんてないよ、どこまでもずっとずっといける)

ことり(みんなとなら、出来ないことなんてないよ)

ことり(ことり、もう決まってたよ、穂乃果ちゃんがずっと傍にいてくれたから、辛い時にそっと支えてくれたのは穂乃果ちゃんだったから)

ことり(この出逢いに再び感謝して、この出逢いに一生の運命を感じて、この出逢いを無駄にしない)




374: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:23:43.90 ID:2Lo9u+rk0



ことり(ことりは一生、幸せでい続ける!)


ことり(絶望にも負けない!一人じゃないから!みんなを笑顔にしてみせる!一人じゃないから!)

ことり(穂乃果ちゃんがいなくても笑ってみせる!一人じゃないからっ!!)


ことり(だから…ことりの隣、ずっと歩いてくれるよね?)


ことり「みんな…」


「心配いらない All right!!」


ことり「!」

絵里「当たり前でしょ?」

希「いつでも一緒やん♪」

にこ「しょうがないわねぇ…」

凛「凛はいつでもみんなと一緒だよ!」

花陽「私だって!」

真姫「多少の無理くらい突っ走ってやりましょうよ!」

海未「私たちは、九人で一つですから!」


穂乃果「ことりちゃん、私もずっと一緒だよ!」





375: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:24:31.80 ID:2Lo9u+rk0

ことり「えぇ?!みんな…どうして…?」

海未「ことりの考えてることくらいわかりますよ」

絵里「ねっ」

希「ねー」

ことり「えぇ?!そ、そんなわかりやすかったかな…」

にこ「ええわかりやすすぎよ」

真姫「…でもわかりやすすぎるからこそ」

凛「ことりちゃんの本心が聴けた!」

花陽「私たちも後に続くよ!」

穂乃果「いこう!」


ことり「みんなっ…!」


ポロポロ…


ことり(このみんなのところが、ことりがいるべき場所だってこと、痛いほど感じた)

ことり(幸せすぎて涙が出てきた、涙を流しながら思ったんだ、誓ったんだ、決意したんだ)



376: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:26:18.78 ID:2Lo9u+rk0



ことり「このステージ、踊り切るよ!」


「うんっ!」


~~~♪


ことり(歌が流れ出した、さいっこうのタイミングだよ)


ことり(これなら、精一杯輝けるねっ!)


「これからのWonderful Rush!みんな幸せになるため~♪」

「新しい世界~♪探しに行こうよ~♪」

「迷ったらWonderful Rush!僕は輝きを信じて~♪」

「遥か遠くの虹だけど~」


「いつか手にする!」





377: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:27:03.91 ID:2Lo9u+rk0

「Wonderful stage!みんな次の場所立つんだ~♪」

「めぐり逢う季節♪新鮮な景色~♪」

「胸はずむWonderful stage!僕が目指すのは綺麗な~♪」

「遥か遠くの虹だから…さぁ、出発だよ!」

「uh~hi!」


「Dan dan ココロ!!Dan dan アツク!!夢いっぱい叶えてみせるっ!!」

「Dan dan ススム!!Dan dan ハジケル~!!」



「未来をしっかり見てっ!!」



「Uh~Hi!!」


ワアアアアアアアア!ウオオオオオオオオ!


ことり「ありがとうございました!」

アンコール!アンコール!アンコール!

ことり「ええ…アンコール…?!」

真姫「歌用意してないわよ?」

絵里「困ったわね…」




378: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:27:53.57 ID:2Lo9u+rk0

ことり「どうする…?穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…ふふふっもう決まってるんじゃない?」

にこ「え?」

穂乃果「ことりちゃんはもうどう答えるか、心の中で決心がついてると思うんだけど違うかな?」

ことり「…ふふっ正解」

海未「なんだ、でしたらそれを言ってくださいよ」

ことり「…いいの?」

希「渋る必要なんてないよ、主役《センター》はことりちゃんだよ?」

ことり「…うん!」


ことり「皆さん!」


ことり「大変申し訳ないのですが今日はアンコール用の曲を用意してなかったのでアンコールをすることは出来ません!」


花陽「えぇ?!そういう?!」

凛「意外にゃ…」



379: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:29:00.50 ID:2Lo9u+rk0



ことり「ですが!安心してください!」



ことり「次回のステージは文化祭!」



ことり「文化祭で皆さんが楽しめるパフォーマンスをご用意しておきますので、文化祭も是非!」


ことり「私たちのステージを見に来てください!」


ワアアアアアアアアアアア!!


ことり「えへへ」

希「なるほど」

絵里「いい答えじゃない」

凛「おお!ってことはまた出来るんだね?!また踊れるんだね?!」

真姫「ええ」



380: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:29:37.33 ID:2Lo9u+rk0

海未「あはは…ことりらしい…んですかね」アハハ

花陽「これはまた頑張らないといけませんね!」

穂乃果「ことりちゃん、やっぱりすごいよ」

ことり「えへへ、そうかな?」

穂乃果「うんっ!」


「μ’sの皆さんありがとうございました!素晴らしいダンスと歌でしたね!」


ことり「いこっか」

穂乃果「うんっ!」

海未「はいっ!」

スタスタスタ

ことり(ステージ裏に戻りほっと一息をついた)



381: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:30:39.35 ID:2Lo9u+rk0

絵里「お疲れ様!最高のステージだったわ!」

希「ねっ!」

海未「歌とかが無くなった時はどうなるかと思いましたがことりのおかげで助かりましたね」

真姫「ありがとう、ことりのおかげで乗り切れたわ」

ことり「ううんいいのいいの!」

凛「次回も頑張るよー!」

にこ「ええ!」

花陽「もちろんだよ!」

絵里「次回は三曲くらいやっちゃう?」

海未「えぇ?!それは負担が大きいのでは…?」

真姫「私は別にいいわよ?」

希「おっじゃあやっちゃう?」


「あははははは!」


ことり(みんなで笑うのも束の間、とうとうの魔法が解ける鐘も間近なようだった)



382: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:31:50.70 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「!」

ことり「穂乃果ちゃん…!それ…!」

穂乃果「…終わりが近づいてるんだ」

穂乃果「…行かなきゃ」ダッ

絵里「あ、穂乃果?!」

ことり「っ!」ダッ

海未「こ、ことり?!」

タッタッタッ!

ことり「どこいくの?!」

穂乃果「神社だよ!帰りはあそこだから!」

ことり「…!行っちゃうの…?」

ピタッ

穂乃果「…うん、ごめん」

ことり「……そっか、じゃあ最後までついてっていい?」

穂乃果「……うん、いいよ」

タッタッタッ!

ことり(穂乃果ちゃんの背中を追いかけた)

ことり(ライブ後だというのに穂乃果ちゃんの足は速くて、時々追いつけなくなりそうな時があった)

ことり(ことりの後ろにみんなの姿はなかった、Wonderful Rushの衣装を着たままで街中を二人で駆け抜けてた)

ことり(出し物の方はどうなったのかな、MVP取れたかな)


ことり(…取れてるといいな)





383: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:33:12.49 ID:2Lo9u+rk0

「えぇ~MVPの発表です!」

ザワザワ ザワザワ

「MVPは…」


「μ’sの皆さんです!」


オオオオオオオオ!!


「それではμ’sの皆さんに登場していだきましょう!」

「どうぞ!」

シーン…

「…あれ?」

ことりママ「うふふふっごめんなさい、ちょっとμ’sの皆さんは席を外してて」

「理事長!?」

ことりママ「代わりに、センターの南ことりさんから皆さんへ向けてのメッセージを預かっています」

ことりママ「えー今回はMVPになった感想の代わりとしてこれを読ませていただきますね」




385: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:34:02.45 ID:2Lo9u+rk0

ペラペラ

ことりママ「では読みます」


「皆さん、この度は私たちμ’sのステージを見ていただき誠にありがとうございます」

「大変申し訳ないのですがおそらく今この場には私たちμ’sはいないと思います」

「ですから感想をいうことは出来ませんが、ちょっとしたお話を皆さんに聞いてもらおうと思ってこのメッセージを残しました」


ことり「穂乃果ちゃんまってぇ~…」

穂乃果「ほらほらっ!速く速く~!」





386: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:35:00.99 ID:2Lo9u+rk0

「今回歌ったこのWonderful Rushという歌はみんなに楽しい未来があるんだよ、という想いを込めた歌です」

「だから曲も歌詞もとにかく元気で、明るいモノにしたんです」

「ですが元々、この歌にはちょっとした秘話があるんです」


穂乃果「後半分!」

ことり「速いよぉ~…」





387: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:36:11.52 ID:2Lo9u+rk0

「始まりは二週間前、私はとある大切な親友と出逢いました」

「久々の再開に胸をはずませました、そしてその親友がいたことにより毎日がものすごく楽しくなって、いつしか時を忘れてしまったんです」

「そんな中で丁度再開してから一週間が経ったとき、その親友からこんなことを言われました」


「私は後一週間しか生きれない、と」


ザワザワ ザワザワ


穂乃果「…クレープ買ってこうか!」

ことり「い、いいの?」

穂乃果「うん!いいよ!私が奢るよ!」





388: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:36:50.14 ID:2Lo9u+rk0

「私は酷く絶望しました、その一週間の余命に私はどうすることも出来なくてただ死に近づく時間に恐怖を感じていました」

「そんな時、私の他の親友がこんなことを言ってくれたんです」


「残り一週間しかなくてどうにもできないなら、その一週間で精一杯楽しむのがその人の為でもあって自分のためでもある、と」


「その言葉は心にグサッと刺さりました、そして同時にこれだ、と思いました」

「その後、その親友と思いっきり遊びました」

「カラオケにいってゲームセンターによってコスプレをしてそしてこうやって歌とダンスをして…」


穂乃果「…もうすぐだね」

ことり「…そうだね」





389: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:37:28.26 ID:2Lo9u+rk0



「…それでお気づきの方もいるかもしれません、その親友の命日は今日なんです」


ザワザワ ザワザワ


「だから、その親友のためにさいっこうのステージを踊りたかった」

「そしてその親友のさいっこうの舞台を用意したかった」

「ここまで聞いて何の話だ、って思うかもしれませんがこの会場を皆さんが盛り上げてくれたこと、大いに感謝します」

「皆さんのおかげで親友のために、さいっこうのステージでライブをすることが出来ました」

「だから、このメッセージを聞いてる今はきっと私はその親友と会ってるのだと思います」

「勝手ながら申し訳ないありません、今ここにμ’sがいないのは私の我が儘です」

「ライブの最後に言った通り、次のステージは文化祭です」


「その時にまた、皆さんに会えるのをお待ちしております」


ことりママ「…以上です」





391: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:40:02.20 ID:2Lo9u+rk0

タッタッタッ!

穂乃果「…ついたね」

ことり「…うん」

穂乃果「…!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん…!」

ことり(穂乃果ちゃんの体は更に透けてた)

ことり(まだ触れられるけどもうちょっとしたら、完全に消えてしまいそうだった)

ことり「穂乃果ちゃん…!」


ことり「ほのがぢゃん!!」


ポロポロポロ…


穂乃果「ことりちゃん…!泣かないでよ…ッ!!」

穂乃果「いきなり神社にきて…そんな…泣かれたら…私だって…」ギリッ


ポロポロ…





392: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:41:27.50 ID:2Lo9u+rk0

ことり「ふぇええええええええん!!!」

穂乃果「うわああああああああ…!」

ギューッ

ことり「もっと一緒に…!もっと一緒にいたいよぉ…!!」

穂乃果「私だって…!私だってもっといたいよ…!」

ことり「ねえ行かないでよ…!!行かないでよ!!」

穂乃果「無理なんだよぉ…うえええぇぇん…!!」

穂乃果「この二週間…さいっこうに楽しかったね…!」

ことり「うんっ…!」

穂乃果「いっぱい遊んでいっぱいバカやっていっぱい本気を出した…!」

穂乃果「もっともっと遊びたかったね…!!」

ことり「うんっ…!!」

ことり(涙を堪えようとしても無限に出てくる涙を止めれなかった)

ことり(もう泣かないって密かに決めてたのにどうして別れというのはこんなにも切なくて心にくるんだろう)

ことり(段々と感触が薄れる穂乃果ちゃんの体、それでもことりはまだ穂乃果ちゃんの体を必死に掴んでた)




393: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:42:40.70 ID:2Lo9u+rk0

ことり「穂乃果ちゃん…穂乃果ちゃん…!」

穂乃果「ことりちゃん、私ことりちゃんのことだいっすきだよ…!」


穂乃果「世界で一番好き…!宇宙で一番好き…!!前世でも前前世でも来世でもずっとずっと一生いっちばん大好き!!!」


ことり「ことりだって穂乃果ちゃんのことが大好き!!」


ことり「世界で一番!この世で一番!宇宙で一番!どこの時代の誰よりもずっとずっとずーっと大好き!!!」


ヒラヒラヒラ


ことり(花びらが舞ってた)

ことり(もう、終わりなのかもしれない)

ことり(ただ、皮肉にもこの若干オレンジ色の空に赤い花びらが舞うこの光景は綺麗だった)

ことり(ことりたちの叫びも“何か”と共鳴してどこまでも木霊してた)



394: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:43:36.39 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「この世界での出逢い、ずっと忘れないよ!」


穂乃果「私という花とことりちゃんという花が出逢った奇跡!」


穂乃果「花びらとして舞い、その花びらが重なった奇跡!!」


穂乃果「私は一生忘れない!来世になっても絶対に忘れない!」


ことり「ことりだっておんなじだよ!!」


ことり「穂乃果ちゃんはことりの運命の人だよ!」


ことり「来世でも絶対に会おうね!」


穂乃果「もちろん!」

タッタッタッ!

ことり「あ、穂乃果ちゃん!」

ことり(突然走り出して門の下をくぐりことりと穂乃果ちゃんが出逢ったあの場所に辿り着いた)



395: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:44:55.14 ID:2Lo9u+rk0

穂乃果「…えへへ、もう時間みたい」

ことり「…!」ウルッ

穂乃果「さよならは…言わないよ」


穂乃果「来世でまた逢うんだもん…でも、やっぱり言うよ」


穂乃果「さようなら」


ことり「!」

ポロポロ…

ことり「うぅ…ぐすっ…ひぐっ…」ゴシゴシ

穂乃果「…勘違いしないでね、さようならっていうのは」


穂乃果「いつかまたねの意味だよ」


ことり「えっ…」

穂乃果「きっと私が消えたら世界はまた、私が死んだ世界に戻ると思う」


穂乃果「でも、消えないよ」


穂乃果「私がこの二週間に残した軌跡と想いは、どこにもいかない」

穂乃果「ことりちゃん自身が持ってくれてるしこの世界にも形として残ってるし」

穂乃果「ことりちゃん、最後にもう一度だけいうね」



穂乃果「大好きだよ、ことりちゃん」






396: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:45:23.68 ID:2Lo9u+rk0

キラキラ


ことり「!!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ありがとうことりちゃん、この二週間は私の宝物」

穂乃果「あ、あとこれだけは忘れないで」


穂乃果「私はいつでもことりちゃんの傍に――――――――」





397: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:46:12.94 ID:2Lo9u+rk0





「いるからね♪」







398: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:47:05.71 ID:2Lo9u+rk0

キラキラキラ…


ことり「穂乃果ちゃん…!」

ことり「…うああああああああ…!」

ことり「ああああああああああああああ!!!」

ことり「うぅうおぇっ…ひっ…うぐぅ…!!」

ことり(穂乃果ちゃんは消えた)

ことり(穂乃果ちゃんと踊って歌って最高に楽しんだのにどうしてことりの心はこんなにも悔しがってるんだろう?)


ことり(なんでこんなにも涙が出るんだろう?)





399: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:48:46.82 ID:2Lo9u+rk0

ことり「ひっ…ぐすっうっ…」

ことり「うはあはあああああん…」

ギューッ

ことり「!」

ことり(大きな声を出してただ泣いてた時、後ろから誰かが肩に手をかけるよう優しく抱きついてきたんだ)


ことり「海未…ちゃん…?」


海未「何があったかわかりませんが、きっと辛いことがあったんでしょう?」

ことり「うぅ…うん…!」

海未「そうですか…」


ギューッ


ことり「…」

海未「今は…何も言いません…」

海未「今は…」


海未「本気で泣いてもいいですよ…?」


ことり「…うぅ…うああああああああ…!」

ことり(その時は海未ちゃんに抱き着いてずっと泣いた)




400: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:50:36.56 ID:2Lo9u+rk0



海未「…パーティーでもしましょっか!」



ことり「…ぅえ?」



海未「泣いてたら穂乃果も悲しみますよ!ほらっ!早く早く!」



ことり「わわわー!」



ことり(その後はみんなでパーティーをした、あまりことりは盛り上がれなかったけどそれでも楽しさだけは伝わってきた)

ことり(だから、穂乃果ちゃんがいない今でも楽しいという感情を感じられるのだから)



ことり(ことりもまた、この人生を楽しく生きないとね)






401: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:51:43.91 ID:2Lo9u+rk0

~一ヶ月後

キーンコーンカーンコーン

ことり「さよならー!」

タッタッタッ!

海未「あ、ことり!明日忘れないでくださいよー?」

ことり「はいはーい!」

タッタッタッ!

凛「あ、ことりちゃん!」

ことり「凛ちゃん!どうしたの?」

凛「えへへーねえ見てよ見てよ~この白いワンピースの凛!!」

ことり「おお!可愛いいい!!」

凛「えへへ…ことりちゃんのその言葉が聞きたくって~」デレデレ

ことり「可愛いよ!凛ちゃん!」

花陽「ま、待って~!」

真姫「こらー!その姿で学校中を走り回るなー!」

凛「えへへ~ごめんねことりちゃんに見せたくて!」

真姫「まったく…」



402: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:52:39.59 ID:2Lo9u+rk0

花陽「ことりちゃんは今帰るところ?」

ことり「ん?んーまぁ10分程度だけど用事があってね」

花陽「…?よくわからないけどそっか」

絵里「あ、ことり!」

ことり「あ、絵里ちゃんどうしたの?」

絵里「…今日何の日か分かる?」

ことり「…え?分からない」

真姫「なんかあったっけ?」

花陽「なんかの記念日とか?」

凛「あ、誰かの誕生日?!」

絵里「ちっがーう!今日はお泊り会する約束だったでしょ!真姫の家で!」

真姫「…あ、そうだった」

ことり「そうだったー?!」

凛「え、みんな忘れてたの?」

花陽「私も度忘れしてた…」




403: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:53:37.16 ID:2Lo9u+rk0

絵里「もー!せっかくの楽しみが無に帰すところだったわよ!」

ことり「あははごめんね?家に帰ってすぐ準備するね!」

絵里「え、ええ」

凛「じゃあ凛も準備してこよっとー!」

真姫「あ、その着替えてから外に出なさいよね!」

凛「わかってるー!」

花陽「じゃあ私も準備するね、そのまま真姫ちゃんの家向かえばいいかな?」

真姫「え、ええいいわよ」

花陽「分かった、じゃあね」

ことり「うん!ばいばい!」

絵里「よしっこれで」


希「後は希だけね!」


絵里「そうそう!」

絵里「ってあれ?!」

希「ふっふ~んえりちの探してるのんたん登場やで~」




404: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:54:03.12 ID:2Lo9u+rk0

ことり「希ちゃん!」

希「お泊りならバッチリ覚えてるから安心しとき~」

絵里「ならいいけど…」

ことり「じゃあとりあえずことりはいくね!」

希「ほーい」

絵里「真姫の家よ~」

ことり「はーい!」

タッタッタッ!



405: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:54:29.77 ID:2Lo9u+rk0

希「…最近のことりちゃん、変わったね」

絵里「ええ、ものすごく変わったわ」

希「まるで穂乃果ちゃんみたいやん」

絵里「ええ、穂乃果みたい…だけど厳密にいえば違うのかしら」

希「…そうやね、ウチもそう思う」

絵里「なんか、ことりの姿をみてると私も頑張らなきゃって思うのよ」

希「奇遇やね、ウチもそうなんよ」


絵里「…あれがことりのチカラなのかしらね」





406: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:54:57.23 ID:2Lo9u+rk0

ことり「ふふふっ」

ことり(穂乃果ちゃんがいなくなって一ヶ月が経った)

ことり(穂乃果ちゃんが消えちゃったのは悲しかったけどもう大丈夫、今ではみんなと仲良く過ごしてる)

ことり(そして一ヶ月経った今でも、あの二週間を鮮明に覚えてる)


ことり(忘れるはずのないさいっこうの二週間を)


ことり(喜怒哀楽だけじゃ表現出来ない多すぎて激しすぎる感情の数々とみんなで笑いあったあの光景)

ことり(寂しくなったらその二週間を思い出してる)

ことり(それだけ大事な人との記憶だったから)




407: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:55:37.54 ID:2Lo9u+rk0

真姫「ことり!」

ことり「!」

ことり「真姫ちゃん?」

真姫「ねえ突然だけど話を聞いてくれない?」

ことり「う、うんいいけど」


真姫「私ね、このグループにはもう一人、誰かがいたような気がするのよ」


ことり「!」

真姫「そう考えると心にぽっかりと穴が空いたような感覚がするの」

真姫「それでこの感覚は何なんだろうと思って…」

ことり「…」

ギューッ

真姫「うぇっ?!どうしたのことり…」

ことり(真姫ちゃんは感覚で覚えてるんだ)

ことり(あの二週間を、本物ではあったけど幻でもあったあの二週間を)

ことり(だから、ことりはそっと抱きしめた)



408: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:56:54.87 ID:2Lo9u+rk0

ことり「…九人いたのかもしれないね」

ことり「九人…うん、でも今は八人だから」


ことり「真姫ちゃんのその心の穴はことりで埋めて?」


ことり(ことりはそう言った、この世界に穂乃果ちゃんはもういない)

ことり(だからことりが頑張っていく)



ことり「…お参りしてこっと」

スタスタスタ

ことり「…よしっ」

ことり(真姫ちゃんと別れ、正門を抜け少し歩いて階段を上り境内に入った)

ことり(もう、悲しさなんてないよ)

ことり(今でも穂乃果ちゃんが近くにいてくれるから、何も悲しくなんかない)




409: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:58:10.19 ID:2Lo9u+rk0

ポツ…ポツポツ…

ことり「ひゃっ?!あ、雨?!」

ことり(デジャヴを感じる突然の雨、梅雨も終わったと思うんだけどそれはそれは奇妙な雨だった)

ザーザーザーザー…

ことり「…ふふふっ」

スタスタスタ

ことり(ただ、今日の、今のことりは違う)

ことり(雨も素直に受け止めることりだから、“歩いて”お賽銭に向かった)

ことり「うひゃあ…結構濡れちゃったなー…」アハハ

ことり「ま、とりあえず!」

チャリン…パン…パン!

ことり「………」

ことり「…うん、これで穂乃果ちゃんも安心だね」

ことり「…」

ことり(“隣、いいですか?”という言葉を待ってたことりがいたのかもしれない)

ことり(あの時はそうだった、穂乃果ちゃんが突然現れてそれでそれで…)

ことり(…ふふふっなんでこんなに焦ってるんだろう)




410: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 01:59:23.53 ID:2Lo9u+rk0

ことり(穂乃果ちゃんには感謝しないといけない)

ことり(穂乃果ちゃんがことりに残したもの)



ことり(それは“今”という現実の宝物)



ことり(今がすごく楽しい、今がすごく面白い)

ことり(さいっこうの人生だよ、ことりの人生は)

ことり「…」

ことり(ねえ穂乃果ちゃん、今ことりの近くにいるのかな?)

ことり(ことり、すごく楽しく生きてるよ)

ことり(“あの時”とは違うよ)

ことり(それもこれも全て、穂乃果ちゃんのおかげだよ)




411: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 02:00:28.27 ID:2Lo9u+rk0

ことり「すぅ…」



ことり「雨、止めー!!!」



ザー…ポツポツ……ポツッ…

キラキラキラ…

ことり「わぁ…?!」

ことり(ことりの想いよ、時を超え永遠に響け)

ことり(喜び、悲しみ、怒り、楽しみ、全ては花びらであること)

ことり(ことりはまだ“花”であること)


ことり(これから咲き誇っていこう)


ことり(これからまた花を咲かせよう)





412: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 02:01:47.76 ID:2Lo9u+rk0

ことり(そして明日も)

ことり(明後日も)

ことり(来週も)

ことり(再来週も)

ことり(来月も)

ことり(来年も)

ことり(十年後も)

ことり(来世も)

ことり(来来世も)

ことり(来来来世も)

ことり(来来来来世も)

ことり(その先の未来時代永劫にずっとずっとずっとずーっとずーっとずーっっと!)



413: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 02:02:31.02 ID:2Lo9u+rk0




ことり「たまたまだよね、きっと」






414: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 02:02:59.79 ID:2Lo9u+rk0



ことり(穂乃果ちゃんの傍で――――――――――――)




ことり(――――――――花になろう)




END



415: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 02:05:25.07 ID:2Lo9u+rk0

ということで終わりです
ここまで見てくれた方本当にありがとうございました
次回もまたよろしくお願いします
https://i.imgur.com/ejtUfum.jpg



417: ◆iEoVz.17Z2 2017/09/14(木) 02:09:56.52 ID:2Lo9u+rk0
元スレ
SS速報VIP:ことり「花になろう」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1505220426/