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SS速報R:【エロゲ風安価】春香「魔法戦士ですよ、魔法戦士!」その4
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367  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/22(金) 23:38:26.63 ID:88LqvvuK0
朝起きた俺と、それから765プロを待っていたのはあらゆる意味での地獄だった。

TVのニュースも新聞各紙もブラックジャンボ関連のニュースを伝えている。
それだけならばいつも通りだが、その件数がとても今までの比じゃなかった。

TVに映るどこかのコメンテーターとやらが、訳知り顔で解説をしている。
連中の活動に時間的周期がある可能性、月の満ち欠けが云々、内部分裂の予兆がどうの。
思わず鼻で笑ってしまう。
そういうことじゃなくて、あっちの総帥が本格的に動き始めた、というだけのことだ。

もちろんその活発化の結果として被害者も激増しており、そのことが少なからず俺の心を痛めつける。
言ってみればこの事態すべてを引き起こしたのは、うかつにも響と接触した俺。
この際もっと言えば、連中の最終目標も俺だ。

だが、最悪の物言いであることを自覚した上で言えば、それらは今のところ対岸の火事、
というか自分たちには「まだ」見えないところで起きている悲劇であり、
もちろんそれを最小限に、未然に食い止める努力を必死でしなければいけないし、するつもりではあるが、
まだそれなりに平静に対応できるたぐいのものだった、と言える。

それよりももっと直接的な事態、というか、被害が、765プロを直撃していた。

貴音「貴方様、響の所在をご存じありませんか?」

事務所に入るやいなや、不安げな顔をした貴音と鉢合わせてしまい、
そしていま二番目に聞かれたくないことを聞かれる。

P「……いや、とくに聞いてないな。まだ時間はあるし、そのうち来るんじゃないか?」

貴音「そう、だとよいのですが… しかし響はいつもなら、このくらいの時間には来ておりますのに」

純粋に響のことを心配しているだろう貴音の表情と、嘘をついた罪悪感が一緒になって胸を締め付ける。
だけど、昨日までいっしょにいた事務所の仲間がブラックジャンボのボスだった、なんて話、
いずれみんなに伝えなくてはいけないとはいえ、どんなタイミングでどう言い出せばいい?

だが、そうだ。こっちは二番目だ。

伊織「あら、貴音。どうしたの、あんたが沈んでるなんて珍しいじゃない?」

貴音「おはようございます、伊織。実は、響が…」

伊織「……そういえば見てないわね。どこかで猫でも追っかけてるんじゃないの」

貴音とたわいもない話をしていた伊織がこちらに気づき、軽く手をあげてあいさつする。

伊織「あー、おはよう。ところであんた、ちょっと聞きたいんだけど」

P「…おう、伊織、おはよう。どうした?」

どうか違う話題であってくれ、あのことだけは聞かないでくれ、と祈る。
しかし現実は残酷だった。

伊織「けさ用事があって連絡したんだけど、やよいが返事くれないのよ。あんた、何か聞いてない?」
368  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/22(金) 23:46:12.38 ID:88LqvvuK0
昨日、ようやく歩ける程度まで回復した千早と、ろくに口もきけなくなった春香と一緒に
ぐちゃぐちゃになった事務所の整理をしていたところへ、美希と雪歩が入ってきたときのことが忘れられない。

雪歩はどんな恐ろしげな犬と出くわしたときにも見せたことのないおびえ切った表情で、
常に、次の瞬間には自分の足もとに落とし穴が空くんじゃないか、といった調子で警戒しつづけていた。
美希は……あの美希が、完全に表情の抜け落ちた顔で、ただそこに突っ立っていた。

二人のあまりの異様さに俺たち三人はしばらく声も出せず、
ようやく立ち直った俺が二人に、なにがあった、と問いただす直前。

美希がたったひとこと、投げ出すようにつぶやいた。

「やよいが、響に連れてかれたの」

それだけですべてを悟った千早と春香は糸が切れたように床に崩れ落ち、
我に返った雪歩と俺がふたりをなんとかなだめているうち、美希はいつの間にか姿を消していた。

俺と春香、それに千早は、結果的にやよいを見殺しにした。

雪歩の話によると、やよいも千早や美希と同様、すでにマジシャンとして覚醒していたらしい。
そのやよいを、ほとんど不意打ちに近い状況ではあったそうだが、響は正面から連れ去った、という。
もちろんその場に居合わせた美希も雪歩も全力で阻止しようとしたが、
響はやよいを連れて、ふたりに手を振ってお別れを告げていった、らしい。

覚醒から間もない雪歩は別として、おそらく今事務所にいる中でもっともポテンシャルの高い美希が、
まったく手を抜くことなく全力でかかって、そもそも相手にされなかった、という現実。
そして、やよいが実際にいなくなり、今朝のこの時点で連絡もつかず、もちろん事務所へも来ていない事実。

四人のマジシャンが揃い、これからブラックジャンボを相手に戦っていこう、という矢先の出来事に、
俺も、春香をはじめとするマジシャンたちも、一向に方策が見いだせないでいる。



「プロデューサー!それに春香さん、千早さんっ♥ いーませんかー!」


そのとき、窓の外、おそらく事務所外の道路から、俺を、春香と千早を呼ぶ、大きな声が響いた。
369  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 00:04:49.07 ID:olCQ9H9N0
伊織「あらっ、あの声…まったく、無事なのはいいけど、ちゃんと連らきゃっ!?」

とっさに動けずにいた俺を置いて、声に反応し窓の方に向かおうとした伊織。
その伊織を突き飛ばしかけたのも気づかない様子で、千早が一散に窓際に駆け寄る。

あずさ「あら~、千早ちゃん?そんなに焦ってどうしたの?」

鍵を乱暴に外すのももどかしく、千早は勢いよくガラスをスライドさせて窓を開け放ち、
ほとんど上半身を外に出すかっこうで下をのぞきこむ。

律子「千早っ、ちょっとあんた、何してるの!?危ないでしょう、落ちるわよ!」

あわてた様子の律子が駆け寄り、室内に千早を引き戻そうとする。
だが千早は窓枠をしっかりと握りしめているらしく、律子の力ではびくともしない。

律子「さっきの声、やよいでしょ?あんたのやよい好きもいいけど……」

そこで律子がふ、と目線を上げ、同時に俺は異変に気が付いた。

千早が下をのぞき込んだまま固まっているのはいいとして、事務所の前の道路に車が通っていない。
たまたま信号待ち、ということでもなく、窓を開け放っているのに、そもそも走行音のたぐいが聞こえない。

律子「え……?なに、これ……?」

律子の放心したような声につられ、俺も窓の外に目をやる。

事務所の入ったビル、その外壁から数メートルほど空間をあけて、
すりガラスのようなぼんやりとした半透明の壁が、ビル全体を包んでいた。



いま外から聞こえたのは、間違いなくやよいの声でした。
…わたしが言えた義理じゃないけど、よかった、やよい、無事だったんだ!!
安心のあまり涙がこぼれそうになるのをこらえて、窓際の千早ちゃんと、律子さんのところへ向かいます。

千早ちゃんは下を見たまま一言も言葉を発しません。
わたしと一緒で……ううん、いつもわたしよりずっとやよいを気にかけてる千早ちゃんだから、
きっと顔を見ただけで胸がいっぱいになっちゃってるんです。

なぜか目線が上を向いたまま固まっている律子さんのわきを抜けて、わたしも窓から顔を出しました。

春香「やよい、やよいでしょ!?心配し」

やよい「あっ、春香さん、春香さんだぁ♥」

そして、真っ黒なマジシャン衣装に身を包み、大きな大きなトンカチみたいなものを手にしたやよいと、目が合いました。

370  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 00:25:55.28 ID:olCQ9H9N0
このあとの行動について選択肢安価です。どちらを選んでも戦闘に入ります。 
なお、いずれの選択肢を選んだ場合も、規定のターン数を耐えきれば引き分けになります。 
 
 
幹部やよい【120 55 65 400】 
 
 
1.春香と千早の2人でやよいの撃退に挑む。(3ターン制限) 2人の合算ステータスで戦闘:【82 70 105 82】 
 ※こちらを選んだ場合、戦闘結果と別に、コンマ判定で未覚醒の誰かが連れ去られる可能性があります。 
 
2.春香か千早のいずれか1人でやよいの注意を引く。(2ターン制限) こちらを選ぶ際は春香と千早のどちらかも指定してください。 
 ※こちらを選んだ場合は未覚醒のアイドルたちに影響はありません。 
 
 
やよいは規定ターン数が過ぎると帰還するため、その時点で強制的に戦闘終了となります。 
 
 
 
↓1~3で多数決 
371 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 00:28:02.22 ID:apCOMKhP0
1
375  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 00:50:07.99 ID:olCQ9H9N0
安価1了解しました。この次のレスあたりから戦闘コンマをとります、お待たせしてます。

---------------------------------


春香「………え?」

目の前の光景に、頭が追いつきません。
やよい、ちっちゃいけど元気いっぱいで、見てるまわりがつい笑顔になって、いつも礼儀正しくて、
おうちではお姉さんとしてがんばってて、アイドルとしても常に前向き、一生懸命な女の子。

わたしの知ってるやよいは、そういう子です。
そういう子、でした。

なのに、いま、道路に立ってこっちを見て、にこにこ手を振ってるやよいは。

顔や声はわたしの知ってるやよいにそっくりなのに、違います。
黒いマジシャンの衣装を着てるからとか、大きな武器を持ってるからとか、そういうことじゃなくて。

つい昨日、これと同じ気持ち悪さを感じたことを、いやでも思い出してしまいます。
事務所で、同じように……笑顔を浮かべて、ブラックジャンボのボスだ、って名乗った響ちゃんと、そっくりです。

たぶん千早ちゃんも一目見て、わたしと同じことに気づいたんだと思います。
響ちゃんが、4人目のマジシャン候補をもらっていく、といったのは本気のことで。
それで…わたしたちが迷っていたせいで、連れて行かれてしまったやよいが
響ちゃんの手で、ブラックジャンボの幹部として、生まれ変わらされちゃったんだ、って。

やよい「春香さーん、千早さーん、見てくださいっ♥わたし、響さんのお手伝いすることになったんですー!」

言葉だけ聞いていたら、ぜんぜんおかしくなかったはずでした。
響ちゃんがしなきゃいけないなにか大変なことがあって、それをやよいがお手伝いする、なんて、
そんなこと、事務所でふつうに起こる毎日のことだったはずなのに。

やよい「えへへ、今日はまず、ごあいさつしよーと思って!よかったら降りてきてくーださいっ!」

……正直に言って、響ちゃんを見たときに感じたほどのプレッシャーは、ないかもしれません。
ただ、それでも。
ずっと無邪気に…一見、無邪気に笑ったままこっちを見上げるやよいから感じるオーラ、みたいなものは
なんていうか、どす黒くて、そばにいるだけで気分が悪くなってしまいそうな、そんな感じ…

美希「……そこ、どいて、春香。ミキがいってくるの」

すぐ後ろに来ていた美希に気付かず、口の中で小さく悲鳴をあげてしまいました。
そんなことにもまったく興味がないようすで、美希は淡々と言葉を続けます。

美希「ミキ、なんにもできなかった。ミキがしっかりしてたら、やよいはあんなコトになってなかったのに」

まだやよいをじっと見つめたままの姿勢で固まっている千早ちゃんと、
放っておいたら今すぐにでも窓から飛び降りてやよいに向かっていってしまいそうな美希。
ここはやよいの言う通り、素直にみんなで下りて行く方がまだマシかな、と思っていると…

やよい「あ、美希さん?美希さんもいずれ、ぜひごしょーたいしたいんですけど、きょうは春香さんと千早さんがいいかなーって」

やよいがそう言った瞬間、道路に面しているのと逆側の窓に、なにか粘着質なものがぶつかる音がしました。
376  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 01:07:21.31 ID:olCQ9H9N0
真美「ひっ、なにっ!?」

亜美「うあああーっ、き、キモっ!?」

廊下側の窓、下半分のくもりガラスの向こうに、わらわらと触手が蠢いているのが影になって見えました。
い、いつの間に、こんな!?

雪歩「…!み、みんなっ、窓から離れてっ、わたしの後ろにいてぇ!」

雪歩がけん制するように前に出て、まだ覚醒していないみんなは慌てて窓から離れました。
今のところ、すぐにガラスを割って襲い掛かってくる、ということはないみたいですが、それも時間の問題です…!

やよい「おねがいします、今日は、春香さんと千早さんに、来てもらいたいんですー!♥」

やよい「美希さんがどうしても来るっていうなら、イソギンチャクさんたちにも暴れてもらうことになっちゃうかもー!」

美希が、ぎり、っと音がするほど強く歯を食いしばって、外向きの窓から一歩下がりました。

あの、やよいが、脅迫……というか、条件を出して人を脅すようなことを言っている、
というそれだけで、わたしは頭がおかしくなりそうでした。ああ、外にいるあの子は本当に
わたしの知っているやよいじゃなくなってるんだ、という思いで、胸がしめつけられそうになります。

千早「……………シャイニング・チハヤ、ショウ・アップ」

静かに呟く声がして、そっちを見たときにはすでに、千早ちゃんは変身を済ませていました。
そして当然のようにその手の中には、あの鋭くて大きな音符の鎌があります。

春香「え、ちょ、ちょっと、千早ちゃん……?」

千早「何をしているの、春香。呼ばれているのはあなたもでしょう」

春香「でも、だって、待ってよ!やよいと戦うつもりなの!?」

千早「あれは高槻さんじゃないわ。ブラックジャンボの、幹部よ」

わたしの必死の説得を千早ちゃんは音速で切って捨てました。
でも、と食い下がろうとして、千早ちゃんが唇をいまにも破れそうなほど強く噛んでいることに気づきます。

千早「……美希、高槻さんのことは、あなたが悪いんじゃない。これは慰めでもなんでもなくて、ただの事実よ」

窓の外、「ブラックジャンボ幹部」を見据えたまま、千早ちゃんが呟くように言いました。
その言葉を聞いた美希が、よくわからない、という表情をしてこっちを向きます。

千早「私と、春香にも、責任があるの。言い訳はしないわ、帰ってきたら、説明させて」

美希「………ミキ、よくわかんないけど。それなら、まずはちゃんと帰ってきてよ、千早さん」

千早「ええ。改めて、いいかしら、春香」

春香「わかったよ、千早ちゃん。美希、雪歩、事務所をその間、よろしくね」

美希「あれくらいならどーってことないの。だよね、雪歩」

雪歩「う、うう、……うん!わたしもできることやるから、春香ちゃん、千早ちゃん、気を付けて!」

一瞬のあと、室内を光が満たして、四人のシャインマジシャンが初めて一堂にそろいました。





※正直遅い時間になったので人揃わないかもしれない、そのときは明日土曜の夜にでも。
 毎度遅筆なせいで本当にごめんなさい。



戦闘コンマを取らせていただきます。(1ターン目)


春香&千早 【82 70 105 82】

 やよい  【120 55 65 400】


↓1~4
377 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 01:10:33.85 ID:apCOMKhP0
378 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 01:11:27.46 ID:s3UdtWu5o
379 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 01:12:14.87 ID:apCOMKhP0
いけ
380 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 01:27:52.17 ID:amQLbZArO
連投すみませんでした。このレスと共々抜いてください
386  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 16:30:47.39 ID:olCQ9H9N0
事務所と、事務所内のみんなを萩原さんと美希に託し、私と春香は窓から外の道路へと飛び降りる。
生身ならよくて大けが、もっと悪いことにだってなる可能性のある行動でも、
マジシャンに変身している今の私たちにとってはなんといって問題にはならない。

…最後に振り返ったとき、プロデューサーが心配そうにこちらを見ていた気がしたけれど、
そのことにあえて意識は向けず、現状の打開策だけに集中することにした。

着地するまでのわずかな時間に、事務所の防衛について考えをめぐらせる。

マジシャンとして目覚め、わたしを救ってくれた時のことを引き合いに出すまでもなく、
誰かのために覚悟を決めた萩原さんは日頃の印象とまるで違う、とても頼もしい一面を見せる。
加えて、性格的には冷静かつ慎重だから、美希とコンビを組むには理想的だと思えた。

美希については、心配するようなことはなにもない。あの子はあれで気配りが上手だし、
まだ不慣れな萩原さんが一緒であれば、無理はせず、彼女のサポートもしてくれると信じられる。

あのふたりならきっと大丈夫。加えてプロデューサーもあちらにいるのだから、
なにか不測の事態でも起きない限りは安全だろう。

だから、実質的な問題は、事務所をビルごと取り囲んでいる壁のようなものの存在、これがひとつ。
そしてもうひとつが、道路上に降り立ったわたしたち二人を出迎えた、「幹部」だった。

やよい「うっうー♥ 急にごめんなさい、春香さん、千早さん!来てくれて、わたし、うれしいですー」

マジシャンの衣装に身を包んだ隣の春香が、ぐ、っと手を強く握りしめるのが見えた。
声もそっくり、顔も瓜二つ、ぴょんぴょんと跳ねる動きに合わせて揺れる髪型も色も前と同じ。

そういう外見だけを見たらやはり高槻さんにしか見えない。
だけど、真っ黒な衣装を間近で見て、笑顔の裏からにじみ出てくる威圧感を肌で感じて、
わかりきっていたことをもう一度確信させられる。目の前にいるのはやはり、高槻さんじゃない。

やよい「えっと、ブラックジャンボ幹部、高槻やよいですっ♥ よろしくお願いしまーすっ!」

私が警戒しつつ考えている間に目の前の「幹部」は自己紹介を元気な声で述べ、
深く頭を下げながら両手を鳥の翼のように跳ね上げる、独特のおじぎをしてみせる。

春香「やよい…響ちゃんと、なにかあったの?やよいは響ちゃんと一緒にいるの?」

震える声で尋ねる春香に満面の笑みを向け、「幹部」は答えた。

やよい「はい!わたし、いーっぱい『ちょーきょー』してもらって、響さんの家族になったんれすっ♥」

春香「………っっ!!」

嫌味や皮肉のたぐいではない、心から嬉しくてたまらない、という調子の言葉が響く。
あまつさえその目がなにか素敵なものを思い出すようにとろんと蕩けているのが見てとれて、
なんとか保とうとしていた冷静さが崩れそうになるのを感じ、どうにか踏みとどまる。

千早「……それで?いくつか、聞いてもかまわないかしら」

やよい「うーんと、そうですね……おはなしもいいですけど、まずは遊びましょうよぉ♥」

言うが早いか、目の前の小柄な「幹部」が地面を蹴った。





あんまり急で、まったく反応できなくて、そのおかげでわたしは命拾いしました。

やよい「……あれー? おかしいなぁ、イキすぎちゃったみたいですー」

千早ちゃんとわたしの間を突風が吹き抜けたかと思うと、目の前にいたやよいの姿が消えていて、
あわてて振り返ると、わたしたちから少し離れたところにやよいが立ち、小首をかしげながらぶつぶつ言っています。

さっきのは風じゃなくて、ものすごい勢いで突っ込んできたやよいだったんだ、とそこで気づきました。
変に動いてよけようとしたらどうなっていたかと思うと、一気に背筋が寒くなります。

わたしと違って、千早ちゃんは動きを目で追えていたみたいですが、それでも驚きを隠せない様子でした。

それも当然だと思います。だって…やよいは、最初からずっとかついでいるやたらと大きなハンマー、
あれを持ったままで今の速度が出てたんですから……

ほっぺたをつーっと流れる汗のしずくをぬぐうでもなく、
やよいを油断なくじっと見つめたままで、千早ちゃんがつぶやきました。

千早「…春香。はっきり言っておくわ。今のは私の全力とほぼ同じくらいの速さよ」
387  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 16:32:14.12 ID:olCQ9H9N0

【戦闘結果:春香&千早の攻撃!(190vs111)→ダメージ97(169-72):400-97=303 戦闘継続】


春香(そんな……!?)

思わず声にしそうになって、あわてて口をおさえます。
プロデューサーさんに聞いた話では、元になってるゲームでもマジシャンはそれぞれに特徴があって、
これは得意だけどこの分野はイマイチ、みたいなのが決まってるんだそうです。

それでいくと、千早ちゃんはスピードタイプ、そしてわたしはバランスタイプだって話でした。
その千早ちゃんと同じくらいの速度、ってことは、やよいもおなじスピードタイプ、なんでしょうか?

やよい「うーっ……よーし、次はちゃんとねらいますよー!」

…ただ、片手でハンマーをぶんぶん振り回す様子なんかを見てると、なにか違うような気がします。
むしろ得意分野は別にあって、そこまで得意じゃないスピードですらものすごく速いんじゃないか、って。

千早「……春香。ぶっつけ本番だけれど、あれを試してみるべきじゃないかしら」

春香「あれ、って…ああ、ゲームの方であったやつ?」

千早ちゃんに言われるまで、すっかり忘れていました。

例のゲームで出てくる技、みたいなもので、魔法少女なんてファンタジーなものになってるくせに
千早ちゃんもわたしも、こんなアニメや漫画のお約束みたいなの、きっと使わないよね、と笑っていたけれど。

千早「あれくらいしか私は手を思いつかなかったの。春香に別案があれば、そちらに乗るけど」

春香「ううん、わたしもそれしかないと思う。やろう、千早ちゃん。やよいを、元にもどしてあげよう」

千早「………ええ。必ず」

わたしはあえて、目の前のブラックジャンボ幹部のことを、言葉に出して、やよい、と呼んで。

それを聞いた千早ちゃんは、一瞬ちらっとわたしの方を見たけれど、とくに訂正しませんでした。

いまはそれで十分です。まずはきっちり勝ってから考えます!

春香「じゃあ…わたしから行ってみていいかな、千早ちゃん」

千早「いつでもいいわ。春香に合わせる!」

春香「ありがと。それじゃ、いくよっ!」


「「ユニゾンソウル・シンクロナイズ!」」
388  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 16:40:04.64 ID:olCQ9H9N0
うまくいかないとき、悩んだときはからだを動かしたほうがいい、と経験的に知っていたので、
やよいはもちろん今回もそうすることにした。自分の身長ほどもある巨大なハンマーを持ち上げ、
まずは右手でぐるぐると数回、それから日頃あまり持たないほうの左手に持ちかえてそちらでも数回。

やよい(うん、なんか、さっきより調子いいかも!)

響から強大な力を授かったばかりで、やよいの意識と身体はいまひとつバランスがとれておらず
最初の一撃を豪快に外してしまったのもそこに原因があったが、本人はまだ自覚していない。
とはいえ、昔からの習慣で準備運動を行うなどしたことで、少しずつだがそのズレは補正されつつある。

やよい「じゃあ春香さん、千早さん、こんどこそ……」

言いかけて、目の前の二人の姿が消えていることに気づく。
おかしいな、と考えるより前にやよいの身体が宙に浮いた。

やよい「はわ、っ」

地面すれすれを飛ぶように突っ込んできた真っ赤なものにかち上げられた、と意識する間もなく、
滞空しているやよいの身体に弾丸のような勢いで青いかたまりが突撃してくる。

やよい「え、わあっっ、ひゃあああああっ!?」

防御の意識もなく、文字通り地に足のついていない状態ではなすすべもなく、
やよいの小柄な体は軽々と弾き飛ばされ、道路で何度かバウンドしながらかなりの距離を吹っ飛んだ。



春香「………」

……こ、これ、や、やりすぎ、なんじゃ!?

合体技、っていうんでしょうか、この「ユニゾンソウル・シンクロナイズ」は
マジシャンどうしの能力を単純にプラスして、しかもそのマジシャンが二人だったら二人とも、
足した合計の力を使えるようになる技だ、っていう話、だったんですが……

マジシャン同士の感覚が共有される、っていう副作用みたいなものが出る場合もあるらしいですけど、
それって特にデメリットとも思えないし、これ、ひょっとしてめちゃくちゃ強いんじゃ!?

って、はしゃいでる場合じゃありません!

千早ちゃんのスピードをわけてもらったわたしと、わたしの能力をまんべんなく上乗せされた千早ちゃん。
いくら相手がブラックジャンボの幹部だっていっても、強化された状態のマジシャン、
それもふたりぶんの攻撃をあんなにモロに受けちゃったら……… その、ケガ、とか、死……!

千早「春香。気を抜いている場合じゃないわ」

春香「いやでも、だって千早ちゃん、今のって、あれ、もう」

やよい「いったたぁ……♥ ああ、でも、痛いのも、きもちいい、ですね、っ♥♥」

春香「え………」

ちょっとすすけた感じになってこそいるけれど、見たところ無傷のやよいが、遠くでにいいっ、と笑いました。









20~22時くらいに再開予定です。
例によって、それまでにコンマが揃っていればその結果踏まえたところから話が進みます。


やよい戦2ターン目の戦闘コンマを取ります。

↓1~4
389 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 16:44:22.58 ID:Pv8U5iXoo
390 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 16:50:36.35 ID:EVQ4EiQgO
A
391 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 16:51:30.46 ID:/rRkBX4rO
.
392 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 16:53:39.58 ID:k5eoINSF0
ぅゎゃょぃこゎぃ
393  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 17:42:57.35 ID:olCQ9H9N0
【戦闘結果:春香&千早の攻撃!(163vs100)→ダメージ15(128-113):303-15=288 戦闘継続】 
 
やよい「すごいですーっ、ふたりとも♥!今のって、どうやったんですかっ!?」 
 
かなり離れたところで立ち上がったやよいは、ケガをするどころか、衣装にすら傷一つないままでした。 
そして、知らない面白いものを見つけたときのおどろきで顔をいっぱいにして、にこやかに話しかけてきます。 
 
春香「え、そんな、さっきのあれ………ぜんぜん効いてないってこと!?」 
 
千早「落ち着いて。おそらく、相当な体力があるか、防御する能力に長けているか、よ」 
 
やよい「ああ、やっぱり春香さんと千早さんは、かっこいいです…はやくいっしょに、家族になりたいよぉ♥♥」 
 
千早ちゃんとわたしが話しているうちに、うっとりした表情に変わって、やよいはとろんとした声でつぶやきました。 
 
 
 
 
 
千早(………あの表情、声、それに、さっき言っていた『調教』、という言葉…) 
 
つとめて考えないようにしていたが、おそらく、彼女………「幹部」はいま、 
ブラックジャンボに襲われた被害者や、あの晩の春香と同じように、身体を、おかしくされている。 
頬を上気させ、戦闘中だというのに足をもじもじとこすり合わせるようなしぐさをしきりに繰り返し、 
その目は春香と私のほうばかりをずっと見ていて……私たちの、ほう? 
 
やよい「えへへー、ふたりとも、こんどは、ふたりがきもちよくなる番、ですっ♥♥」 
 
千早「っ?!春香、よけてっ!!」 
 
春香「え」 
 
そのスタートには予備動作も何もなくて、あっと思った瞬間には開いていた距離をほぼ一瞬で詰められていた。 
 
迷っている余裕はない。 
とっさに春香を突き飛ばし、その反動を使って私もなんとか「幹部」の攻撃の軌道上から身体をどける。 
 
なにかを叩いたというよりも爆破したような音がして、道路のアスファルトが粉々になってはじけ飛んだ。 
漆黒の巨大な鉄鎚が深々と路面にめり込んで、隙間からは、しゅうう、と湯気のようなものまで立っている。 
 
あまりの威力に言葉を失う。でも、だからと言って見ているだけではいけない! 
 
千早(あの様子なら、武器をすぐには抜けないはず!) 
 
転んでこそいるが、春香が無事なのは視界の端で見えていた。今は起き上がるのを待つ余裕はない。 
ごめんなさい、とひとまず心の中で春香にお詫びをして、私は一気に加速する。 
 
まだ武器を構え直していない、どころかこちらに背中を向けている、これなら―― 
 
ぶうん、と風を切る音がした。 
 
ぎりぎりの判断が間に合った。縦に突っ込む軌道はそのままにはるか手前で踏み切って、 
相手の頭上を大きく飛び越えながら、鎌の刃をひっかけるように当てる。 
どこかをかすったような感触はいちおうあるにはあったけれど、おそらくほとんどダメージになっていない。 
 
その私の踏み切り位置の一歩先を、ほんの数瞬遅れで黒い鉄塊が横殴りに通り過ぎた。 
あのまままっすぐ突っ込んでいたら、今のが、完全に当たっていた……! 
 
やよい「うーっ、これもだめですかー……いいアイディアだーって思ったのに」 
 
片手で鉄鎚を軽々と支え、頬をぷくっと不満げにふくらせて、彼女…「幹部」は言った。 
 
 
 
 
 
3ターン目の戦闘コンマを取ります。 
 
↓1~4 
394 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 17:44:07.11 ID:quOc7i43o
うりゃ
395 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 17:52:41.36 ID:s3UdtWu5o
396 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 17:56:33.79 ID:apCOMKhP0
いけ
397 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 17:58:56.50 ID:/oIED9n6O
おりゃ
403  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 20:09:27.07 ID:olCQ9H9N0
【戦闘結果:春香&千早の攻撃!(232vs101)→ダメージ56(161-105):288-56=232 戦闘終了(規定ターン経過)】

ひらりと着地する千早ちゃんのそばへ、わたしはやよいを大きくまわりこんで駆け寄ります。
ついさっき、やよいが道路にハンマーを叩きつけたときのことを思い出せば、
いくらふたり分の力を得ているわたしたちでも、あれが当たったら、きっとただじゃすみません。

春香「千早ちゃんっ!よかった、無事……」

千早ちゃんが顔色をなくし、ひどく汗をかいていることに気がついて、
わたしの声は尻すぼみになってしまいます。
離れて見ていたわたしでも怖かったくらいだから、そのやよいの一撃を
間近で、肌で味わった千早ちゃんが、それどころじゃないのは当たり前でした。

千早「………ごめんなさい、春香。また私、冷静さを欠いていたわ」

春香「え? また、って?」

千早「ああ…萩原さんの覚醒した夜は、春香と一緒ではなかったわね」

千早ちゃんがぼそっと謝りの言葉を口にしました。
よくわからないけど、千早ちゃんがつい冷静でなくなってしまった理由はわたしにもわかっていました。

相手がやよいだから、です。千早ちゃんはずっとやよいのことを「幹部」って呼んでたけど、
本当はただ認めたくなかっただけで、そしてもちろんなんとか元に戻してあげたいんだって、
横で見てたわたしにはそんなこと、ずっとわかってました。

それなら、まずは、目の前のやよいを、やっつけ…る、とは言わないまでも
おとなしく言うことを聞いてくれそうな状態にしてあげなくちゃいけません。

少なくともここでやよいに勝てないようじゃ、やよいはもちろん、
大ボスの響ちゃんを元に戻してあげることなんて、きっと夢のまた夢です。

春香「とりあえず千早ちゃん、また力合わせてやってみようよ」

千早「わかったわ。それなら、もう少し距離をとってからがよさそうね」

自然と、どの技でいくか、ということは、話し合うまでもなく伝わっていたみたいでした。
千早ちゃんの返事を合図にして、わたしと千早ちゃん、それぞれの手に暖かな光が集中していきます。



やよい(んーっ、千早さんはとくにすばしっこいから、なかなか当たんないです……)

あえて隙を見せてふいうちをかける、という、やよい本人としては最高の作戦を実行しても
思うように春香にも千早にも攻撃を加えることができず、やよいはじわじわとストレスをためていた。

やよい(こんなんじゃ、ふたりとも連れてってあげられないのに…なにかいい方法、いい方法…)

ただ、やよいの行動の根底にあるのは、歪み切ってはいるもののあくまで善意と好意だった。
春香と千早にも、ひいては事務所のみんなにも、自分が味わった極上の快楽を早く体験させてあげたい!

だがそのためにはまず、おとなしくついてきてくれる状態にしなくてはいけない。
一度攻撃を当てられれば自分のペースにできる自信はあるのだが、その一撃がなかなか入らない。

やよい(……!あ、あれって、シャインボールかな?)

考え込んでいるうちに春香と千早のふたりは距離をとり、攻撃態勢を整えていた。
ここからすぐに距離を詰めて攻撃に移るのは無理でも、飛んでくるボールをかわすのはかんたんだ。

そう思ったやよいの視界が、なんの前触れもなく、ずぐん、と揺れた。
404  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 20:18:29.73 ID:olCQ9H9N0
春香「そろそろいけそうかな、千早ちゃん」

千早「ええ、それにこれだけ離れていれば、少なくともさっきみたいな奇襲は受けずに済むはず」

千早ちゃんは左手を、わたしは右手をそれぞれ伸ばし、手のひらを重ねてやよいに向けます。
マジシャンになった女の子なら、誰でも…わたしでも使える、シャインボール。
そのままだと大した威力はないかもしれません。だけど、千早ちゃんとわたしのふたり分なら!

もちろん、やよいがそのまま素直に当たってくれるとは思えません。
それならそれで、わたしたちは2人いるんだから、協力すればきっとなんとかなります。

千早「撃つのは春香のタイミングでお願い。ちゃんと合わせるから、安心して」

春香「よーし…… いくよっ、ツイン・シャインボール!!」

わたしたちの手から放たれた光の球は見る間にぐんっと大きくなり、
ふつうに撃ったシャインボールよりずっと速く、やよいに向かって飛んで行きます。

やよいがどう対応するか、よけるのか、弾こうとするのか、
千早ちゃんとわたしはその動きを見逃さないように、じっと注目して………あ、れ?

巨大なシャインボールがぐんぐん近づいているのに、やよいはよけるどころか、そっちを見てもいませんでした。




やよい「はーっ♥ はっ、はーんん、んっ♥♥♥ あっ、な、なんれぇっ♥♥」

魔力の集中が乱れ、ハンマーの形状を維持しておくことすら困難になる。
春香と千早がなにか構えて集中していることもすっかり目に入らず、
やよいはひたすらに息を乱し、唇の端からはだらしなく舌先をのぞかせ、頬を真っ赤に上気させる。

やよい(らめっ、らめれすっ♥ はるかさん、と、ちはや、さん、つれてかなきゃなのにっ♥♥)

意思に反して身体じゅうがそれぞれ勝手に震えを起こし、立っているのがやっとのやよい。
そのやよいを目がけ放たれたツイン・シャインボールが直撃し、あたりが閃光に包まれた。



春香「ひゃああっ!?」

シャインボールが炸裂し、かなりの光量があたりに満ちて、不意をつかれた春香が悲鳴をあげる。
間一髪、私はなんとか目を手で覆うことができたが、それでも網膜に焼付いた明かりはかなりのものだ。

目を閉じ、できるだけ早い回復を図りつつ、私の頭をひとつの疑念が占める。

千早(なぜ避けなかったの?余裕の表れ、ともとれるけれど……でも命中する前の様子は、まるで…)

とはいえ、あくまで戦闘中なのだから、当たらないよりは当たったほうがいいに決まっている。
いくら幹部とはいえ強化された私たちふたりが十分に集中して放った攻撃なのだから、
それだけで倒せるということはなくても、まさか無傷ということはないだろう。

少しずつ光が薄れ、あたりの様子が見えるように……


やよい「あひぃ、っ♥♥ く、くだしゃいいっ、おくすりほしいですっ♥♥♥ 早く、はやくえっちしてぇぇ♥♥」

千早「…っ!?」


……なるより前に、目よりも先に私の耳が、その場で起きていることを把握する。
405  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 20:31:47.30 ID:olCQ9H9N0
……「幹部」はまだなんとか立つだけの体力はあるようだったが、
少しつつかれでもしたら今にも倒れてしまいそうな状態だった。

身体を支える細い脚はがくがくと震えつづけ、顔は真っ赤に紅潮し、
その口からは、はっ、はっ、と短く浅い息が漏れ、そして卑猥な言葉がこぼれ続ける。

春香「……え、えっ、やよ、い?何してるの、ちょっとっ!?」

私とほぼ同時、この異様な状況に春香も気づいたようで、顔を赤くして焦った声をあげる。

春香「ど、どうしよう千早ちゃん!?まさかこれ、さっきのシャインボールのせい!?」

千早「…いいえ、違うわ。これはたぶん……」

その先の言葉をどうしても継げなくなる。これはおそらく我那……ブラックジャンボ総帥の仕業で、
どうしてそれがわかるかといえば、先日凌辱を受けた春香の症状と似ているからだ、
……などという話を、いったいどうやって春香本人に伝えればいいの?

それに加え、ふたり分の全力に近いシャインボールの直撃を、
しかもあの無防備すぎる状態で受けたはずなのに、大した痛手にはなっていない。
そのことはむしろ、私に……私たちにとっての痛手だった。
仮にも切り札だったはずの合体技でもこの程度ということなら、これからどう戦えばいい?

やよい「あ、あんっ♥♥らめっ、もうがまんできないれす♥♥♥」

動けずにいる春香と私の前で、彼女はついに下着のなかへ手を突っ込んだ。
そのまま自分で、その……性器のあたりをいじり始め、声の切羽詰まった調子が少しおさまる。

春香「やよいっ!?やめてよっ、な、なにやって……!」

「あーもうっ、やよい、だから自分言ったじゃないかー!?まだ事務所に遊びに行くのは早いぞ、ってぇ!」

見かねた春香が駆け寄ろうとしたときに、さらに焦りを帯びた声がその場に響いた。



なんの前触れもなく、やよいの少し手前の空中に黒い魔法陣が音もなく描かれました。
その中心から真っ黒のブーツを履いた足先が最初にのぞいたかと思うと、
それに続いて、闇そのものみたいな、真っ黒な格好の響ちゃんが、姿を現します。

響「ほらやよい、お薬持ってきたから。はい、これ、落ち着いて飲んで」

やよい「あっ、ひびきしゃん、っ…?ああっ、それ、おくすり、おくすりっ♥♥」

響「はいはい、こぼさないように気をつけるんだぞー?」

響ちゃんが小さなびんを取り出しました。白っぽい、どろっとした液体で満たされてます。
そしてそれを目にしたやよいがすごい勢いでびんに飛びつくのを、呆然と見ることしかできません。

やよいが夢中になってのどを鳴らし、びんの中身を飲み始めたのを見届けると
響ちゃんは安心したようにほっと息をついて、それからわたしたちの方に向き直りました。
406  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 20:41:39.09 ID:olCQ9H9N0
響「ごめんなー、二人とも。今日はやよい、自分に黙って勝手に出かけちゃったんだ」

千早「…どういうこと?それに、薬というのはなんなの?」

さっきまでのやよいとは比べものにならない、つい昨日事務所で味わったばかりの威圧感。
それのせいでろくに喋れもしないわたしの隣で、油断なく身構えたままの千早ちゃんが尋ねました。

春香「……まさか、響ちゃん、薬って、なにか危ないものをやよいに飲ませてるの!?」

さっきのやよいの様子を見てしまったわたしも、中毒症状、という言葉が頭に浮かんで
プレッシャーのことも忘れて思わず響ちゃんに怒鳴ってしまいます。

響「やめてよ春香、人聞き悪いなぁ。ヤクザや暴力団じゃないんだから、そんなことしないぞ」

いかにも心外だ、という顔で響ちゃんは手を振りました。

響「やよい、媚薬粘液のけっこうな中毒になっちゃってさー。1日に何回かは摂取しないと、最悪死んじゃうんだ」

千早「っ、それはあなたが中毒にさせたんでしょう!?春……ほかの被害者の女性と同じで!!」

え?
最悪、やよいが、死んじゃう?

その内容も、それをごく普通のことみたいに言う響ちゃんの口ぶりもショックが強すぎて、
珍しく声を荒げて響ちゃんを責める千早ちゃんの言葉も、ろくに頭に入りません。

響「うん、だからこうやって、ちゃんと迎えに来たんだってば」

千早ちゃんの言葉にもとくに動じることなく、響ちゃんは普通の調子で話をつづけました。

響「そもそも安定するまで外出はまだしないほうがいいって、自分、何度も言ったんだぞ、ホントに」

響「でもどうしても春香と千早に会いたいって、勝手にイソ助も何匹か連れ出しちゃってさぁ……」

春香「……いそすけ?」

響「ああ、春香にもおなじみの…… わかってる、わかってるって千早。言わないよ」

わたしの疑問になにか言おうとした響ちゃんでしたが、千早ちゃんの方を見てなぜか口をつぐみます。



響「まあ、でも……そうだなー。なりゆきとはいえせっかく来たんだし、今後のこと説明させてもらおうかな?」

千早「今後のことですって……?」

響「うん。自分の、っていうか、ブラックジャンボの予定、っていうか」

少しの沈黙のあとで、響ちゃんはそんなことを言いました。




>>370で予告していた安価を取ります。はるちはが善戦したので被害率は低めで。

コンマ01-10 今回の制御主であるやよいの変調により触手生物が暴走、未覚醒組の誰かが連れ去られます。
 ※こっちになった場合は誰が連れて行かれたのかの安価と、何をされるかの安価が別途発生します。

コンマそれ以外 今回は特に誰も連れて行かれません。事務所防衛成功です。

↓2
408 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 20:44:00.31 ID:apCOMKhP0
a
410  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 21:08:37.40 ID:olCQ9H9N0
響「まあ、予定っていっても単純さー。これからそっちと自分たちとでさ、はないちもんめ、やろっ!」

春香「はないちもんめ…って、あーの子がほーしい、っていう、あの?」

響「そうそう!勝ーってうーれしいはーないーちもーんめ、ってやつ!」

響ちゃんがにこにこしながら提案してくる内容は、よく意味がわかりませんでした。
最後にそんな遊びをしたの、小学生のころだったかなあ、とわたしがぼんやり考えていると。

千早「………どうせ拒否権はないのでしょう?」

千早ちゃんが怒りを隠そうともしない声で、静かにそう言いました。
急なその変化でわたしはついびくっとしてしまい、同時に疑問が浮かびます。
千早ちゃん、はないちもんめ、したことないのかな…?

そして次の響ちゃんの言葉を聞いて、わたしは自分ののんきさを心から後悔しました。


響「まあね!だからまだ覚醒してない残り7人、そっちが守れるか、自分たちが幹部としていただいちゃうか、競争さー!」


春香「そ、そんなっ!?」

マジシャンだったやよいが連れて行かれちゃっただけでも大変なことで、
そしてそのやよいも幹部としてとんでもない強さになってしまってたのに、
これ以上誰かを連れて行かれでもしたら、ますます助けてあげるのが大変になっちゃう…!

千早「具体的なルールはあるの?」

頭がうまく働かないわたしをよそに、静かな声で千早ちゃんが言いました。

……なんで、そんなこと、聞いてるの?

春香「千早ちゃんっ!?」

気が付いた時には叫んでいました。そんなわたしを千早ちゃんは、冷ややかな目で見返します。

千早「落ち着いて、春香。まずは話を聞かないと、どうにもならないでしょう」

春香「だって、だってもし負けたら、誰かまた連れて行かれちゃうんだよ!?わたしそんなの絶対」

千早「現に私たちのせいで一人奪われてしまったでしょう!?それに相手はやろうと思えば今すぐにでもそれができるのよ!!」

千早ちゃんがいつにない大声を上げて、その内容が心に深く突き刺さって……
わたしも千早ちゃんも、それ以上なにも言えなくなってしまいます。

響「……ま、そういうこと。これでも自分、だいぶチャンスあげてるんだからね?」

にやにやと笑いながら、千早ちゃんとわたしを交互に見て、響ちゃんが言いました。

411  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 21:16:14.21 ID:olCQ9H9N0
ということで、本編進める前に、先に考えているシステムの説明をさせてもらいます。すごく長いです。

現状、マジシャンおよびブラックジャンボそれぞれの目的としては

 マジシャンサイド(おもに春香):ブラックジャンボの殲滅≒響とやよいを元に戻す
 ブラックジャンボ(というか響):765アイドル11人(※やよい陥落済のため)&プロデューサーを陥落させる

となっています。


今後のシステムとして現在、以下のようなものを考えました。
まず1回、最初のターンを試してみたく思っています。


1.ターン開始時、候補生7人がどこにいるかを提示します。(これについてはこちらで決めさせていただきます)

(例)「ダンスレッスン場」に「真・亜美・真美」
   「レコーディングスタジオ」に「あずさ・貴音」
   「事務所」に「律子・伊織」

  といった感じです。

2.マジシャン(現在4人/今後増える可能性あり)の「誰がどこの警護に当たるか」を安価で指定してもらいます。

(例)春香と千早がダンスレッスン場、美希と雪歩が事務所を担当し、
   今回はレコーディングスタジオは襲撃されないとふんであえて護衛なし

3.ブラックジャンボ側の出撃戦力がどこへ向かうかをコンマで指定してもらいます。
  出撃戦力はある程度均等になるようにこちらで割り振ります。

(例)部隊1 【30 25 30 40】
   部隊2 【50 10 15 30】
   やよい 【70 20 25 130】 ※あくまで例です。

  上記の三部隊が襲撃してくるとして、それぞれの向かう先が
  コンマ00-33でダンスレッスン場、34-67でレコーディングスタジオ、68-99で事務所、といった感じです。


4.襲撃された場所をマジシャンが警護していた場合は、今まで同様の戦闘を行います。

  同じ場所に二人以上のマジシャンがいたり、同じ場所にブラックジャンボの攻撃部隊が二部隊以上来たりした場合は
  単純に能力値を合計したものとして扱い、その戦闘の間は共有します(体力半分になったからマジシャン1人戦闘不能、とかはなし)。

  首尾よく撃退できればマジシャンの能力値が上昇し、かつその場にいた候補生の誰かがマジシャンとして覚醒します。

  敗北した場合はエロい目に遭います。
  ある程度敗北回数が増えたら洗脳を受ける、あるいは悪堕ちする、などで寝返るとかも考えています。

5.襲撃された場所をマジシャンが警護していなかった場合、逃走できるかどうかのコンマ判定
 (厳しめ、高くても成功率3割くらい?)を経て、逃走できなかった候補生が1名が連れて行かれて幹部or尖兵化します。


6.4or5の終了後は訓練ターンです。マジシャンの誰か一人の能力値を上昇させる(成功率7割くらい?)か、
  候補生の誰かを覚醒させることを試みることができます(成功率1~2割くらい、低め)。

  以降、ブラックジャンボの攻撃部隊の戦力は1ターンごとに必ず10ずつくらい上がっていきます。
  既存のマジシャンのトレーニングは成功すれば能力値+20くらい(各パラメータ5ずつ上がるイメージ)、
  新たなマジシャンを覚醒させられれば戦力値としては一気にもっと増える計算になります。


  バランスよく各所を守るか、ある程度ヤマを張るか、みたいな。

  悪堕ちした元マジシャンや覚醒前に連れて行かれてブラックジャンボに引き込まれた候補生に関しても
  以降ブラックジャンボ側の兵力として出撃してくるので、撃破できれば再度寝返ってくるよ、と。

  ブラックジャンボ側の行動指針を>>1が決めてもよいですが、それより完全ランダムなほうが
  コンマ安価スレらしいし、なんくるない精神が出ているような気がしました。
413  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 21:23:36.71 ID:olCQ9H9N0
正直ちょっとややこしすぎる気がしてきた。
やっぱり少し考える時間ください。

ぶっちゃけた話手間を省くなら、襲撃対象を誰、警護担当マジシャンが誰(複数でも)、
というところを安価で決めてもらい、それに応じてこっちが敵を用意して戦闘、でいい気がしてきました。

そっちのが楽は楽です。
上記のだとコンマだけで今まで以上にレス数消化しまくるという話ですし。

仮に上記のとこのレスのとだったらどっちがいいですか。
415 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 21:29:35.37 ID:apCOMKhP0
3代目がやりやすくて続けられるほうがいいと思います。あまり細かいと参加者が集まるのに時間がかかり、進まなくなりそうな気もするので、自分は簡略化された方がいいと思います。
421  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 22:26:19.94 ID:olCQ9H9N0
響「ってことで、今日は『うちの』やよいが迷惑かけてごめんなー。ちゃんと事務所のイソ助たちも引き取ってくぞ」

唐突な宣戦布告にすっかり返事のできなくなったわたしと千早ちゃんをよそに、響ちゃんが帰り支度を始めます。
いつの間にかぐったりと倒れ込み、眠ってしまったらしいやよい。その顔の近くに、空になったぴんが転がっていました。

響「まったくやよいったら。気持ちはわかんなくもないけど、もうちょっとちゃんと躾けとかなきゃだめだなぁ」

遊び疲れて眠ってしまった子どもを見るお母さんのような表情で、でも、響ちゃんは平然と恐ろしいことを口にします。
わたしの視線に気づいたようで、響ちゃんはかすかな笑みを浮かべたままこちらを見ました。

響「ん、なに、春香? うちの教育方針になんか意見でもあるの?」

さっきまでのわたしなら、その言葉だけでふるえ上がってしまって、何も言えなくなっていたと思います。
でも、いまは違いました。こんなのは絶対に間違ってるって、わたしの心が叫んでいます。

春香「今すぐには、勝てないかも、だけど…でもいま事務所にいるみんなは絶対に渡さないよ、響ちゃん!」

ひゅー、と軽く口笛の音がしました。
わたしをまじまじと見つめる響ちゃんの顔には、さっきまでの嫌味な笑いはもう張り付いていません。

春香「それに、やよいも、そして響ちゃん自身も、ぜったい元通りに戻してみせる!」

響「……へえー、さすがはヒロインって感じだなー、春香。その春香が家族になる日を楽しみに待ってるよ、自分」

にやりと笑った響ちゃんが指を鳴らすと、倒れているやよいと、響ちゃんの姿が次第に薄れ
だんだんと透明になって、その場の風景に溶け込んでいくように見えます。

それと同時に、ぱりぱりという、氷にひびが入るときのような音が周囲から響いてきました。
はっとした千早ちゃんとわたしがあたりを見回すと、事務所をビルごと覆っていたくもりガラスのような壁が
少しずつ割れて、崩れ、かけらになってこぼれ落ちるように消えていきます。

響「驚かなくていいよ、あれ、バリアみたいなやつでね? 中でいっぱい暴れても周囲に影響ないし、音とかも聞こえないんだ」

もうずいぶん薄れて向こう側が見えるくらいになってしまった響ちゃんがそう言います。

響「まあ、張り方変えたら、外から中の様子が見えるようにしたりもできるんだけどね。それはまた、いずれってことで」

声だけになった響ちゃんは最後にそういうと、やよいと一緒に、完全に姿が消えてしまいます。
まわりのバリア?もだいぶ崩れてきて、少しずつ空がもとの色に戻り、そして車や町の音が聞こえてきていました。

千早「……春香。まずは、中に戻りましょう」

春香「………うん。そう、だね、千早ちゃん」

これからわたしたちを待っている、みんなに事情を説明する、という
大変すぎる仕事のことは、いまだけは考えないようにしようと思いました。
422  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 22:46:36.41 ID:olCQ9H9N0
事務所に通じる廊下は、巨大なナメクジでも這い回ったかのようにぬるぬるした何かで光っていた。
外側の窓のガラスにも同じ粘ついたなにかが大量に、いたるところに付着していて、
「幹部」が連れてきた生物たちの多さに今更ながら身震いがした。

ドアを開ける。
同時に、予期はしていたけれど、聞きたくなかった数々の声、悲鳴、罵声が耳になだれこんでくる。


「ねえっ、聞いてんの?!やよいに何があったの!?さっきのあれはなんなの、答えなさい、答えろぉっ!!」

水瀬さんが、プロデューサーを文字通りにゆさぶっていた。
その小柄な身体のいったいどこからそんな力が出てくるのか、と思わせる勢いだった。
プロデューサーはぐらぐらと揺れながら、なにも答えない。
ああ、そうか、答えないのではなくて、答えられないのだろう、とぼんやり思う。

「………響、なぜです、なに、ゆえ…貴女も志を同じくして、鍛錬を積んでいたのではなかったのですか…?」

四条さんはただ、窓の外にうつろな目を向けていた。
その言葉は平坦で、今にも消えてしまいそうにかすれていて、本人まで一緒に消えてしまいそうで。

亜美や真美、それに相当奮闘したらしく衣装のあちこちが傷んで見える、変身したままの萩原さんまでが
なんとか元気づけようと必死に声をかけているが、聞こえているかどうかも定かではない。

美希「……おかえり、千早さん、春香。ねえ、出てく前に行ってたハナシって、なんなのか聞かせて」

こちらはすでに変身を解いていた美希が近づいてくる。
そうだ、美希に約束したのは私自身だ。ここで黙っていたとして、私の罪は変わらない。
私はあらためて、高槻さんが喪われた経緯について説明するための覚悟を決めた。






いま事務所で顔を合わせているのは、マジシャンとして目覚めているわたしたち4人…
千早ちゃんと雪歩、美希、わたし。それからプロデューサーさんと、小鳥さんだけでした。
あまりの混乱に、今日はいったん全員帰宅するように、と、プロデューサーさんからの指示があったせいです。

朝の段階でいなくなっていたふたりが、ラックジャンボのトップと、その腹心の部下で。
そのうちのひとりは、みんなの前であんな、恥ずかしい姿を見せて…混乱しないほうがおかしい話でした。

響ちゃんから告げられた「はないちもんめ」についてわたしが説明し終わって、しばらくの沈黙のあと。
雪歩がぽつりと口にしました。

雪歩「それなら、いま動けるわたしたち4人で手分けして、みんなを守るしか、ないですよね」

P「でも、どれだけの敵が来るかもわからないんだ、条件が相手に有利すぎる!」

美希「………だけど実際、響がホンキで来たらたぶん、ミキたち誰も勝てないの。まだチャンスはあるって思うな」


それ以上、誰も何も言わず、気詰まりな時間が過ぎて行きます……
423  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/23(土) 22:57:46.45 ID:olCQ9H9N0
※例のシステムですが、せっかく考えたものですので、1度、試してみることに決めました。
 よろしくお願いします。


----------------------------------------


響「…さーて、っと!よーし、記念すべき初回だし、ここはぱーっと戦力つぎ込んで……あ、でも、うーん」

ブラックジャンボ総帥室で、響は紙を何枚も広げて出撃戦力案を練っていた。

響(いきなり自分が行く、ってのもインパクトがあって……いや、ダメダメ。最初からそれはズルになっちゃう)

響(むしろ最初はボーナスゲームみたいなまず負けない感じにして、あとからのギャップで絶望感を演出!これかな?)

響(……それもなーんか違うなあ。こう、絶対勝てない、ってほどじゃないけど、場合によっては危ない、みたいな…)



響「……よしっ! 決ーめたっ、これで行くぞ!」

楽しげにひとりで叫ぶと、響はメモを片手に部屋から駆け出して行った。





今回のブラックジャンボの戦力分布は以下の通りです。

のちほどコンマ判定で出撃先が決まります。


部隊1【40 35 30 25】
部隊2【25 30 35 40】
部隊3【20 40 25 35】






----------------------------------------

 なお先ほどの記述では「勝った場合はその場に居合わせた候補生一人が覚醒」としていましたが
 この仕組みにするとマジシャン側の戦力拡大がえらいことになるように思いましたので、
 暫定的に
 「居合わせた候補生のひとりは今後の拉致られ対象にならなくなる
  +そのアイドルについては各ターン終了後に自動コンマ判定、通ったらマジシャンとして覚醒」
 という感じにしてみます。開始前から二転三転して恐縮ですが、調整のためということでお付き合いください。
424  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 23:08:54.37 ID:olCQ9H9N0
春香「それじゃ、プロデューサーさん。今日のみんなのスケジュール、教えてください」

P「……ああ、わかった。こうなってる」

いつもみんなのスケジュールを記入しているホワイトボードとは別の、
少し小さいサイズのものをプロデューサーさんが転がして持ってきてくれます。

それには、次のように書いてありました。


本日の予定

「レッスン場」にてダンスレッスン:貴音・亜美
「スタジオ」にてレコーディング:あずさ・真・真美
「事務所」待機、事務作業手伝い:律子・伊織


春香「…このどこかに、響ちゃんが、誰かを狙ってやってくる、ってこと、ですね」

はないちもんめ、だなんて、冗談にしてもぜんぜん笑えません。

千早「分散してくるのか、一か所に集中してくるのか……せめてそれがわかれば、手の打ちようがあるのに…」

千早ちゃんも、苦虫をかみつぶしたような顔をしています。

雪歩「やっぱり、最低ひとりはそれぞれの場所にいたほうがいいんじゃあ……」

美希「そのひとりのところに全部の敵が来ちゃう、って可能性もあるんだよ?」

美希と雪歩の言葉に、わたしも含め、誰も正解がわからない、という顔になってしまいます……




それではまず、マジシャンの配置を決定します。

「春香・千早・雪歩・美希」の「計4名」について、
「レッスン場」「スタジオ」「事務所」のそれぞれどこに向かわせるかを指定してください。

各自のパラメータは以下です。

シャインマジシャン(4名)
春香 【40 40 40 47】
千早 【42 30 65 35】
雪歩 【30 65 35 40】
美希 【55 40 50 30】


↓2
427 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:16:24.15 ID:Pv8U5iXoo
春香レッスン場
千早雪歩スタジオ
美希事務所
431  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 23:23:10.31 ID:olCQ9H9N0
説明不足で申し訳ないです。気を付けます。


なお、出撃先が決まり次第、最大4回×3か所=12回分の戦闘コンマ(1ターンだけで!)を取ることになります。
今回に関しては多少連投していただいて構わないので、ご協力をお願いします。



でh続いて、ブラックジャンボ側の出撃先を決定します。
これはコンマで自動的に決まりますので、とくに内容を書いてもらう必要はありません。


コンマ00-33 レッスン場
コンマ34-67 スタジオ
コンマ68-99 事務所


部隊1【40 35 30 25】
部隊2【25 30 35 40】
部隊3【20 40 25 35】


↓1コンマ 部隊1 
↓2コンマ 部隊2
↓3コンマ 部隊3
432 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:23:50.33 ID:Ymn+Ldqd0
433 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:25:11.80 ID:3r4Jl8/YO
A
434 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:25:13.09 ID:apCOMKhP0
436  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 23:31:28.66 ID:olCQ9H9N0
戦闘の組み合わせが決定しました。

@レッスン場
春香  【40 40 40 47】
vs
襲撃部隊【60 75 55 60】(部隊1+部隊2)

@事務所
美希  【55 40 50 30】
vs
襲撃部隊【25 30 35 40】



スタジオは襲撃を受けないため千早・雪歩は戦闘を行わず、
あずさ・真・真美の3名は今回特にエロい目には遭いません。


※今回仮にマジシャン側の敗北があった場合、戦闘描写より前に

 【人がいるうちにエロ内容指定の安価を取ります】。

 いろいろ考えておかれてください。
 マジシャン1名につき2つくらい取る予定です。


続いて、一気に戦闘コンマを取ります。

↓1~4 レッスン場戦闘分
↓5~8 事務所戦闘分
437 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:31:59.68 ID:3r4Jl8/YO
A
438 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:32:33.44 ID:Ymn+Ldqd0
B
439 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:32:55.83 ID:apCOMKhP0
あい
440 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:33:53.17 ID:jnJqKTKCO
441 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:34:01.72 ID:3r4Jl8/YO
D
442 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:34:28.61 ID:DJaD0u/cO
443 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:34:31.61 ID:Ymn+Ldqd0
444 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:34:46.96 ID:apCOMKhP0
a
445  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 23:36:21.21 ID:olCQ9H9N0
※とりあえず例によって両戦場での1ターン目ダメージ0が確定しました(汗)
 この>>1のレスは無視して、あとコンマ8つ分追加させてください。お手数かけます。
446 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:37:33.36 ID:iq/yIGXEO
447 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:37:51.21 ID:DJaD0u/cO
いけ
448 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:37:55.30 ID:Ymn+Ldqd0
しゃーないしゃーない
449 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:38:03.61 ID:apCOMKhP0
450 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:38:39.63 ID:DJaD0u/cO
ついてないな
451 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:38:42.32 ID:3r4Jl8/YO
くっ
452 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:38:56.87 ID:apCOMKhP0
仕方ないですよ
453 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:39:38.25 ID:iq/yIGXEO
454  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 23:47:13.34 ID:olCQ9H9N0
ミキミキは勝ち確定です。ありがとうございます。

今度は>>446と>>447の結果、@レッスン場の機動力が同値になるっていう。
なんですかねこれ。

機動力で春香が上回ってた場合はダメージ通らず仕切り直し、
機動力で敵が上回ってた場合は51ダメージ通って一発KOだったんですが。

運を天に任せます。

↓1~2で@レッスン場の機動力コンマを取り直します。
↓1が春香、↓2が敵。ダメージ計算コンマはそのまま保持とします。
455 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:47:46.87 ID:Ymn+Ldqd0
へい
456 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:47:50.45 ID:apCOMKhP0
a
459  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/23(土) 23:59:11.59 ID:olCQ9H9N0
>>458
その場合、逃走できるかどうかのコンマ判定をとるつもりです。
マジシャンが被害担当の分、護衛なしで襲撃されたときよりはぬるめ(成否50:50くらい)で。


オーケー春香さん、あなたは強い人だ。(都合3回ダメージなし)

@事務所
【戦闘結果:美希の攻撃!(113vs67)→ダメージ87(142-55):40-87<0 撃破!】


どうしようこれ……
せめてダメージ動いてくれよと思うのは>>1がゲス顔勢だからというだけではないと思います。

ここまでドローが続くようだと少し式の見直しが必要な時期かもしれません。

ダメージのコンマ3回目はまだ取ってないという言い訳で泣きの1回やらせてください。
耐久力移動があってどっちも生存してたら今回は戦闘終了とします。

↓1~4 戦闘コンマ
460 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/23(土) 23:59:48.14 ID:3r4Jl8/YO
w
461 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 00:00:42.78 ID:ri5nGWLp0
ike
462 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 00:01:07.21 ID:tRgPKohZo
463 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 00:01:11.41 ID:H60Ty2YdO
今度こそ
465  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 00:05:44.64 ID:rhjTYtYb0
戦闘結果:敵の攻撃!(54vs133)→ダメージ40(101-61):47-40=7 戦闘継続】

春香さん耐久が7残りました。本当にすごい。



ゲームマスターにあるまじき偏った安価取りをしたことをお詫びします。
でも正直、そっちの安価書きたかったんです。ごめんなさい。
475  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/24(日) 14:04:56.71 ID:rhjTYtYb0
律子に頼まれて、もらったメモをもとに、資料の並んだラックからいくつかのファイルを選び出す。
そして戻ろうとしたわたしの目の前に、そいつがなんの前触れもなく落ちてきた。

べちょ、と汚らしい大きな水音を立てて、それはドアとわたしの間の床にはりついた。
ほとんど透明な、でも少しだけ濁った液体のようなそれが、うぞうぞと這いずる。

亜美と真美が前に、これによく似たおもちゃを事務所でいじっていたことがあった。
ぬるぬるして伸びて、どこにでもべたべたとくっつく……そう、スライム、というやつだ。

でもあのときのおもちゃはせいぜい片手いっぱいくらいの量だった。
これはそんなレベルじゃない。人ひとりくらいなら、まるごと包んでしまえそうな…

伊織(………こ、これ、って、え!?どこから!?いや、それより、逃げ、でも、ドア…!)


「でこちゃん。ごめんね、ちょーっとだけ壁のほうに下がってて?」


伊織「え?」

パニックに陥りかけたわたしに、天気の話でもするような気楽さの、聞きなれた声が届く。

美希「シャイニング・ミキ、ショウアップ、なの」

ドアの向こうに姿を現した美希が一瞬のうちに光に包まれ、マジシャンに姿を変えた。
そしてそのまま手にしたなにかを、わたしの目の前の怪物に向ける。

美希「アイドルの事務所にカッテに入り込むなんて、マナーがぜんぜんなってないって思うな!」

美希が言い終わらないうちに耳をつんざく音がした。うごめくゲル状のなにかの一部がはじけて
壁に飛び散り、そのしずくがわたしの服や髪のすれすれをかすめていく。

伊織「きゃあっ!? ……っぶないわね、わたしにかかるとこだったわよ!?」

美希「だから下がって、ってミキ言ったのに…あ、それ、まだ生きてるよ、でこちゃん」

伊織「ひ、いっ!?」

安心半分、怒り半分で美希の方へ行こうとしたわたしを美希が制した。
確かによく見ると、吹き飛ばされた残り、床のスライム、の、本体?はまだ動いていた。
真ん中あたりが盛り上がっていて、でも、美希相手に怯えているようにも見える。

美希「こいつら、よく狙って弱点に当てなきゃいけないから、めんどくさいの」

美希「ムダに体力だけはあって、ほかのとこ攻撃しても、あんまり効かないみたいだし……」

あくびでもしそうな雰囲気のまま、美希はふたたび手にした大型の拳銃の引き金に指をかけた。

美希「さてと、それじゃおヒキトリねがうの。スター・シュートっ!」



再生や動きの制御を司るコアの部分を星形の弾に一撃で射抜かれ、スライムがゆっくりと消失する。
しかし、その場にいるふたりはそれにまったく注意を払う様子もない。

伊織「弱点あるって知ってるなら最初っからそこに当てなさいよ!?生きた心地しなかったわよ!」

美希「でこちゃん、まずミキにお礼くらい言ってくれてもいいんじゃない?」

今になって安心したためか、いつも以上に激しく美希に突っかかる伊織。
それを適当にいなしつつ、美希の関心は別のところに向いていた。

美希(………音も立てずに、ミキにもすぐには気づかせずに、事務所の中に出てくるなんて)

美希(たぶん響が、直接テレポートさせて来たんだ…これからは、もっと注意、しとかなきゃ)

律子「ちょっと、さっきすごい音が、…って、え…… え? い、伊織、美希、大丈夫なのっ!?」

美希「あー、律子…さん。だいじょーぶだよ、もう終わったし、ミキ、負けたりしないから」

内心の不安を一切表に出すことなく、美希はやってきた律子に笑顔を向けた。



【戦闘結果:美希の攻撃!(122vs96)→ダメージ0(116-121<0):戦闘継続】
【戦闘結果:美希の攻撃!(113vs67)→ダメージ87(142-55):40-87<0 撃破!】

【「事務所」の防衛に成功しました】


※ミキミキがガンスリンガーなのはただの趣味です
※「いちいち動くよりこのほうが早いの」とか言いそうかなーって
476  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/24(日) 14:41:26.66 ID:rhjTYtYb0

「ウゴッ、ウガアアア!」

春香「っああっ、はああああっ!!」

シャインシールドの展開が、なんとかぎりぎり間に合いました。
振り下ろされた棍棒みたいなものが空中で大きく弾かれて跳ね返ります。

豚と人をでたらめに混ぜ合わせたみたいな生き物と、わたしは向き合っていました。

レッスン場の片隅では亜美が耳をふさいで縮こまっていて、
その亜美をかばうように抱きしめている貴音さんも、小刻みな身体の震えを隠せていません。

わたしが、しっかりしないと、ふたりが連れて行かれちゃう!!
つい力が抜けてしまいそうになるのを、気持ちを奮い立たせてこらえます。

ただ明らかに、今の相手は、わたしより格が上でした。
さっきの攻撃だって、シールド越しにわたしの腕にまで衝撃が伝わってきたし、
この調子じゃいつまで防ぎ続けることができるかわかりません。

そのとき目の前の相手が、構えていた棍棒のようなものをすっと下げました。
何をするつもりなのか警戒して見ていると、相手は唇をひきつったように動かします。

「ググ。コ、ガ、カカッテ、コイ、グルル」

何も持っていないほうの手で、ぎこちない手招きのような動きまでしてみせる相手。

罠、かもしれません。
でも、これだけわたしのことを見くびっているうちがチャンスなのは間違いありません!

シャインボールを撃つために集中するには時間も距離も足りませんでした。
だからわたしは、千早ちゃんと協力してやよいと戦ったときのイメージを思い起こします。

春香(だいじょうぶ、きっと行ける…)

真正面からかかって行ってもたぶん通用しないはず。
それなら、やよいにやったみたいに、上下の動きをまぜて!

わたしは一気に加速して、相手の足もと近くにまで駆け寄りました。
予想外のスピードだったのか、豚さんみたいな鼻の上にのぞいている小さな目がいっぱいに見開かれます。
よしっ、いけそう、このまま――

ぱし、っと軽い音がして、相手が突き出した左手に、
わたしの全体重をのせた右手のパンチが受け止められました。

春香「あ」

そのまま無造作に、にぎりしめた右のこぶしをつかまれて、ぐいっと引き上げられます。

春香「まっ」

て、と言い切るより早く、宙にぶらんと吊り下げられたわたしの左のわき腹に、なにかが衝突しました。
477  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/24(日) 15:01:27.39 ID:rhjTYtYb0
なにか大きなものが、カベか、棚に、すごい勢いでぶつかった。
それといっしょにいろんなものが落っこちたかなんかで、もっとすっごい音がした。

貴音「は……春香っ!?」

お姫ちんがめったに出さないよーな大声で叫んで、亜美をかかえてる腕に、ぎゅっと力が入る。

ああ……、さっきの音、やっぱり、はるるんがなんかひどい目にあったんだ…!!

どうしても亜美は、そっちが見れない。はるるんがどんな風になってるのかなんて見たくないし、
それに、さっきからはるるんにヒドいことばっかりしてるブタみたいなのも見たくない!!

ふっと、亜美を包んでくれてたあったかい感じがなくなった。
いきなりすぎて、思わず亜美は目を開く。

亜美「おひめ、ちん……?な、なにして」

貴音「も、物の怪、もうよいでしょう!?春香にも亜美にも手を出さぬと確約なさい、わたくし、が――」

ぶるぶる震えながら、お姫ちんが亜美を隠すみたいに立って、両手をおおきく広げてた。

亜美からはその背中しか見えない。だけど、ブタみたいなのの鼻息は、いやでも聞こえちゃう。
なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ、はるるんも、お姫ちんも……

でも、なんとか、って、どーやって?


『そこに跪いて』


どっかで聞いたことあるような、でもぜんぜん違うような、そんな声がしたとたん。
いきなり頭をおさえつけられる感じがして、ブタみたいなのと、
お姫ちんと、もちろん亜美もいっしょに、床にぺたんと座りこむみたいになった。





物の怪のもつ棍棒でしたたか殴り飛ばされ、壁際に突っ込んだはずの春香が、立っていました。
ただ、明らかにその身にまとうものが違います。

先ほどまで、まじしゃんとして奮戦していた春香の衣装は、目に鮮やかな赤を基調としていたはず。
ですが、いま壁際に立ち、底冷えのする声を発した春香の衣装は、そのほとんどが黒く染まっておりました。

目で見てわかるだけでなく、身にまとうものが違うのはその雰囲気も同じでした。
いまの春香からは、瘴気とでも呼びたくなるほどの威圧的ななにかが放たれ続けていて
おそらくわたくしや、物の怪までが思わず膝を折ったのも、それのせいなのでしょう。
同じく床に這いつくばっている亜美も、まったく口を開こうとしません。

貴音(……あれ、は?)

そして春香の指先から細いなにかが伸び、物の怪の全身を縛めていることに、わたくしはようやく気づきました。

春香『かなりキツいけど、あんた1匹くらいなら今すぐ殺せる。逃げ帰るかどうか、3秒で決めて。3、2、』

春香がみっつ数え終わる前に、かき消すようにして物の怪が姿を消しました。



亜美もわたくしも声を出せないでいるうち、ふと室内を支配していた威圧感が消え去ります。
それと同時に壁際に立っていた春香が、ふらりと大きくよろめきました。

亜美「はるるんっ!?」

貴音「春香っ!!」

春香のもとへと弾かれたように駆け出す亜美に、わたくしも慌てて続きます。
ゆっくりと床へ倒れ込む春香。
その身体を包む衣装が真っ赤なものに戻っていることに、今更のように気づきました。


【戦闘結果:敵の攻撃!(108vs198)→ダメージ0(77-105<0):戦闘継続】
【戦闘結果:春香の攻撃!(127vs100)→ダメージ0(70-136<0):戦闘継続】
【戦闘結果:敵の攻撃!(54vs133)→ダメージ40(101-61):46-40=6 規定により戦闘終了】


※春香さんの耐久力は46でした。申し訳ありません、何か所かで47と誤記していたはずです(展開には影響はありません)。

※イメージ的に2周目のタイタン的なものとスライムさんにご登場いただきました。
 ◆MTFYlAtjLqN7氏、事後報告をお許しください。
478  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/24(日) 15:33:29.05 ID:rhjTYtYb0
お知らせ:システム関係について多少改定し、もう1度やってみます。

・戦闘ダメージ計算について以下の修正を加えます。 一言で言うと?→【ゾロ目をさらに優遇】

 機動力計算のコンマでゾロ目が出た場合
 →機動力は従来通り(機動力+機動力コンマ)×2で計算した上で、【(攻撃力+ダメージコンマ)を2倍にして計算します】
  ※ゾロ目計算込みでも機動力がそもそも敵を上回れなかった場合は特に関係がありません。

  また、00/99が出た場合は【攻撃権確定+防御力無視(攻撃力2倍の恩恵は無し)】とします。

 ダメージ計算のコンマでゾロ目が出た場合
 →ダメージ計算は従来通り2倍にして計算した上で、戦闘が継続した場合、【次回の(機動力+機動力コンマ)を2倍にして計算します】

  また、00/99が出た場合は【防御力無視】、00は100扱いで計算します。

 なお、機動力・ダメージの両方のコンマでゾロ目が揃った場合は、相手もゾロ目揃いでない限り一撃必殺です(従来通り)。

 前回のような同値が出た場合は、そのコンマ(機動力なら機動力、ダメージならダメージ)のみまず取り直しとします。

 1割のゾロ目がどれだけ出るかはさておき、せっかくゾロ目でたまにしかとれない先制とったのにダメージなしとかはせめて避けたい。


・また、はないちもんめ(仮)について、以下のようにシステムを設定します。

 マジシャンが防衛に成功した場合:
 ・マジシャンの能力値が上昇します。その際、特化型のマジシャンは特化能力が優先的に上がります。
  今回の春香さんに関しては不利な勝負を耐えきったので全能力値+5とします。【40 40 40 47】→【45 45 45 52】

 ・その場所にいた未覚醒組のうち1人について覚醒可能のフラグが立ちます。(誰になるかは安価で指定)
  基本覚醒率は25%で、たとえば1人目は00~24、2人目は25~50というように覚醒判定のコンマ値を埋めていき、
  覚醒可能フラグ持ちが4人になれば必ずひとりは覚醒できるものとします。

  重要:つまり、覚醒可能になってても、覚醒できる前に別の回で逃げ損ねた場合は幹部にされてしまうことにしました。

  個人的に重要:エロ安価的には「土壇場で覚醒したものの直後になす術もなく捕まって……」とかもすごくいいと思います。

 マジシャンが防衛に失敗した場合:
 ・エロ安価が出ます。昨晩の質問にもありますが、内容は基本丸投げです。
 (魔法で場所を転移させられるとか魔法で戦闘員がたくさん転移してくるとか、いざとなれば魔法がどうにかしてくれます)

 ・そのときその場所にいた未覚醒組1人1人について、逃走できるかどうかをコンマで判定します。

  マジシャンが1撃で体力フルから敗北した場合のみ、逃げる時間がほとんどなかった、ということで逃走成功率25%、
  それ以外の場合は逃げられるだけの時間をマジシャンが稼いでくれたということで逃走成功率60%としてみます。(コンマ判定)

  複数人が逃げ損ねた場合、マジシャンとまとめてエロい目に遭う、もしくは個々でそれぞれエロい目に遭います。安価次第です。
  逃げ損ねた子は最終的に幹部化します。

 マジシャンが守っていなかったところを襲撃された場合:
 ・そのときその場所にいた未覚醒組1人1人について、逃走できるかどうかをコンマで判定します。
  これは厳しめ成功10%(ゾロ目のみ助かる、あとはアウト)の予定です。逃げられなければエロ安価です。

 襲撃してくる敵戦力について:
 今現在のマジシャン側能力値合計は690前後となっています。
 (春香【45 45 45 52】187 千早【42 30 65 35】167 雪歩【30 65 35 40】170 美希【55 40 50 30】175)

 昨日の敵戦力合計は360でした。次回については少しその合計を高くし、450を予定しています。

 その上で、襲撃先のコンマを取る際、響の介入があるかどうかコンマを追加します。
 45%の当たり(※マジシャン側にとって)の場合、そのままですが、それ以外を引くと敵戦力が底上げされます。
 最悪のハズレ(※マジシャン側にとって)を引くと敵戦力値が650にまで跳ね上がります。


また例によって長いですがこんな予定でいってみたいと思います。
480  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/24(日) 16:12:24.05 ID:rhjTYtYb0
千早「昨日はごめんなさい、美希。あずささんたちの警護に気を取られすぎていたわ」

事務所に入ってった瞬間に千早さんに頭を下げられて、びっくりしちゃう。
千早さんってばそういうところ、ホントにまじめなんだから。

美希「だいじょーぶだよ千早さん。すごい弱っちいやつだったから、ミキひとりでラクショーだったの!」

雪歩「わぁ……さすが美希ちゃん、言うことがかっこいいなぁ…」

美希「なに言ってるの、雪歩だって、それくらい当たり前だー、ってなっとかないとダメだよ?」

雪歩にちょっとジョークを言いつつ、そういえば春香が見当たらないことに気づいた。

美希「あれ、春香は?きのうはすっごい大変だったって聞いてるけど、おやすみなの?」

雪歩「え?」

千早「………そういえば、いないわね。さっき会ったし、来てはいるはずだけれど…」

レッスン場にいた亜美と貴音の話だと、春香はかなりピンチになっちゃってたのに
そこから一気にやりかえして貴音と亜美を守り切った、ってことみたい。

でも、それをミキに聞かせてくれた亜美も、貴音も、なんでかその話をするのが
あんまり楽しくないみたいで、そこまで詳しいことは聞かせてくれなかった。

たしかに、まだマジシャンじゃないふたりにとってはすごくコワかっただろうし、
思い出したいようなことじゃないのもトーゼン、なのかも。

だから春香と直接おハナシしようと思ってたのに、もう、どこ行っちゃったんだろ?







事務所のトイレの個室の鍵はいま、赤いマークに切り替わり、中に誰かが入っていることを示していた。

「………っ、ん、んんっ! ふーっ、ふぅっ、ん、んん~っ!」

押し殺した声が、その中からひそやかに響く。
481  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 16:37:08.64 ID:rhjTYtYb0
春香(だ、だめっ、ここ事務所なんだよっ!?わたし、どうして、こんなっ……)

個室内の壁に寄りかかってなんとか倒れないように身体を支えつつ、
春香はしきりに熱い息を吐き、身体をくねらせていた。



昨日、痛烈な一撃を受けたところで記憶が途切れ、目を覚ましたところで
敵を自分が一瞬で撃退した、と亜美と貴音から聞かされ、春香自身が誰よりも驚いた。

ただ、そのときのことを詳しく聞いてもいまひとつ要領を得なかった。
おしゃべりなはずの亜美は口をつぐんでしまうし、貴音のほうも
「あれではまるで、春香ではなくなっ……いえ、忘れてください、なんでもないのです」
などと、いつも以上に煙に巻くようなことしか言ってくれない。



それ以上の異変が夜、家に帰ってから訪れた。

春香(……や、だ!?気のせいだと思ったのに!?)

自室に入り、ドアを閉めると即座に鍵をかけ、おそるおそる春香はショーツに触れた。
そっと触ったその指が即座に湿るほどに、濡れている。

春香「………っ、は、ああっ!」

そして、ショーツ越しにほんの少し触れただけの指、それが引き金となって
ベッドに倒れ込むのももどかしく、春香は自分の身体を一心に慰め始める。

春香「あ、ん、んんっ!お、おっぱい、おっぱいも…っ」

家族に聞かれてしまうかも、ということすら考えられず、熱に浮かされたようにつぶやきながら
ブラウスのボタンをちぎってしまいそうな勢いで、前を開いて大きくはだけさせる。
ホックをはずすその一瞬の時間すら惜しくて、裏返しになるのも構わず
ブラを大きく上にずらし、露わになった白い双丘のてっぺんを指でつまむ。

春香「ん、ふぅ、くぅぅっ!だめっ、た、足りないぃ、もっと……っ」

左手の指をせわしなく動かして、乳首を何度も何度もこすり立てながら
春香の右手は当然のように、ショーツの中にもぐり込んだ。
やわらかい陰毛の感触が指とてのひらを順に通過し、そして、指先が震源地に触れる。

春香「っ、あ、ひあんっ!? ~~~~~~~~、ぅっっ、~~!!!!」

声を出すわけにはいかない、と今更のように思い出し、
口元近くのブラウスのえりを思い切り強くかみしめて声を殺す。
それでも間断なく走る震えを抑えることはできず、ベッドの上で春香は身体をわななかせる。

春香(ど、どうして、これ…… ま、まだしたい、こんなんじゃたりない、いぃ…!)

以前におそるおそる触れたときとは比べものにならない快感に襲われた上に、
それでもまったく満たされていない自分の感覚に、春香はとまどうばかりだった。



そして、今。家を出る直前にもがまんできなくなり、自身を慰めたばかりだというのに、
ここはほかのアイドルたちやプロデューサーだっている事務所のトイレだというのに、
春香はブラジャーとショーツの中に忍び込ませた指の動きを止められないでいた。






----------------------------

>>472で触れていた仕組みについて導入します。

春香が別のマジシャンといっしょに防衛を担当する際、
感覚が共有されてしまうことで合計能力値が低下する恐れがあります。

ただ、今回は雰囲気だけです。
次回以降、コンマ次第で発生する予定です。




こんな時間ですけど次あたりでコンマを取る予定なので、時間のある方はご参加ください。
483  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 16:50:43.31 ID:rhjTYtYb0
響「誰も連れてこれなかった、だってー!?で、でも、レッスン場にはブタ衛門が行ったんでしょ!?」

襲撃部隊がなかなか戻ってこなかったため、これはきっと何人か捕まえたに違いない、
とうきうきしていた響を待っていたのは、1部隊は撃退され、1部隊は撃破された、という知らせだった。

そばに控えているやよいにはふごふご、と鼻を鳴らしているだけにしか聞こえないが、
大きい体を縮こまらせて響の前でぺこぺこしている生き物が、いろいろ弁解を並べているらしい。

響「は!?自分みたいな怖い雰囲気のマジシャンがいた!?そんなウソでごまかせると思うの!?」

はーっ、と深くため息をつき、響は目を閉じて首を振る。

響「……ま、仕方ないか。とにかくブタ衛門、おつかれさま。しばらくお休みしてていいよ」

一瞬だけほっとしたような表情を浮かべ、そそくさと生き物…ブタ衛門が退出していく。
なにを言ったものかわからず、やよいがただそれを見送ってから向き直ると、響と目が合った。

やよい「え、っと、その」

響「うわーん!最初だからってちょっと優しめにしたら、春香のやつー!!」

やよい「わわっ!?響さん、落ち着いてくださいーっ!」

目に涙までためて抱きついてくる響を受け止めつつ、やよいは必死になだめにかかる。




響「……それでさ、やよい。どうしたらいいと思う?」

やよい「うーん………あっ!こんどはちょっとずつわけてみる、っていうのはどーですか?」




今回のブラックジャンボの戦力分布は以下の通りです。

のちほどコンマ判定で出撃先が決まります。

戦力1【25 25 25 15】
戦力2【25 25 15 25】
戦力3【25 15 25 25】
戦力4【15 25 25 25】
戦力5【23 22 23 22】

能力値合計:450(90*5) ※マジシャン能力値合計 693
484  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 17:05:06.94 ID:rhjTYtYb0
すみません、未覚醒組がマジシャンになる際のことについて説明を忘れていました。

まず、大まかに各自のタイプを規定しました。完全に>>1のイメージです。

あずさ:体力寄りバランス型
 律子:防御寄りバランス型
 貴音:攻撃寄りバランス型
  真:攻撃・機動特化型(美希に近い)
 伊織:攻撃特化型
 亜美:機動特化型
 真美:機動寄りバランス型

覚醒可能になるフラグについては>>478をご参照ください。

戦闘がひととおり終わったらまず、誰か覚醒するかどうかのコンマ判定を行います。(>>478)

誰かが覚醒するとなった場合、続いて能力値合計がどの程度になるかをコンマで判定します。
その判定は以下のイメージです。

初期春香クラス(トータル160)40%
初期雪歩クラス(トータル170)30%
後期覚醒クラス(トータル180)20%
ゾロが出た場合(トータル190)10%

これで決まった数値を上記のタイプに従って割り振ります。
485  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 17:10:31.70 ID:rhjTYtYb0
千早「きょうも予定としては3か所なんですね、プロデューサー」

P「ああ、だけどたまたまだ。今後は4か所以上にみんなが出かけるってこともありえる」

雪歩「てことはその場合、ぜんぶ守ろうと思ったら…1人1か所、ってことになっちゃうんですかぁ…」

美希「昨日ミキが戦ったみたいなラクな相手ならいいけど、そうじゃなかったら……ちょっと大変かも」



本日の予定

「レッスン場」にてボーカルレッスン:真・伊織
「フォトスタジオ」にて写真撮影  :あずさ・律子・貴音
「野外イベント場」にてイベント参加:亜美・真美



各自のパラメータは以下です。

シャインマジシャン(4名)
春香 【45 45 45 51】 ※前回戦闘にて全能力値が成長しています
千早 【42 30 65 35】
雪歩 【30 65 35 40】
美希 【60 40 50 30】 ※前回戦闘にて攻撃力が+5されています


「春香・千早・雪歩・美希」の「計4名」について、
「レッスン場」「(フォト)スタジオ」「野外イベント場」のそれぞれどこに向かわせるかを
1レスですべて指定してください。


↓1
486 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 17:19:32.64 ID:ri5nGWLp0
春香 千早 フォトスタジオ
雪歩 レッスン
美希 野外イベント
490 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:08:46.06 ID:wq69qWmzO
すみません、質問です。
春香の後遺症ですが、もう安価内容にも使っていいですか?
491  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 19:30:01.27 ID:rhjTYtYb0
>>490
春香が敗北した場合はもちろんOKです。

で、あれだ。覚醒待機組が誰になってるかって話を忘れてました。
まずその指定を安価でお願いします。

↓1 貴音(攻撃寄りバランス型)or亜美(機動特化型)

↓2 あずさ(耐久寄りバランス型)or真(攻撃&機動特化型)or真美(機動寄りバランス型)

↓3 律子(防御寄りバランス型)or伊織(攻撃特化型)


今回、ここで指定された3人が全員連れ去られることなく残り、
かつ今回の襲撃でどこか1か所でも防衛に成功すれば
次回襲撃前に1人、新しいマジシャンが確定で増えます。
492 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:32:37.18 ID:WZAVVtr0o
亜美
495 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:37:18.86 ID:ri5nGWLp0
>>493訂正
496 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:38:02.22 ID:wq69qWmzO
律子
498  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 19:41:32.59 ID:rhjTYtYb0
毎回、コンマだったり指定だったりが入り乱れていてすみません。
できるだけわかりやすく説明をするようにしますので、ご協力をお願いします。

今回は単純に、各選択肢において書き込んでもらった先着順で亜美・真・律子とさせていただきます。



では続いて、ブラックジャンボ側の出撃先を決定します。

これはコンマで自動的に決まりますので、とくに内容を書いてもらう必要はありません。


コンマ00-33 レッスン場
コンマ34-67 フォトスタジオ
コンマ68-99 野外イベント場


戦力1【25 25 25 15】
戦力2【25 25 15 25】
戦力3【25 15 25 25】
戦力4【15 25 25 25】
戦力5【23 22 23 22】

能力値合計:450(90*5) ※マジシャン能力値合計 693



また、今回から、響の介入による戦力底上げの可能性を加えてみます。

コンマ01~45「ふふん、今回はうまくいくに決まってるさー♪」
 (敵戦力に変更はありません)

コンマ46~84「これじゃちょっと弱すぎる、かな?全体的にプラスしとこっと」
 (敵戦力1~4の全能力値が+5されます) ※敵能力値合計80上昇

コンマ85~98「あっ、そうだ! 1部だけサプライズっぽく、強くしちゃったりして」
 (敵戦力5が以下の能力値にパワーアップします 【55 55 55 55】)※敵能力値合計130上昇

コンマゾロ目「あんまりナメてもらっちゃ困るぞ!ブラックジャンボの怖さ、思い知らせてやる!!」
 (全敵戦力の全能力値が+10されます)※敵能力値合計200上昇



繰り返しになりますが、ここはコンマのみです。


↓1~5のコンマで戦力1~5の出撃先を決定した上で、
↓6のコンマで響の介入による戦力の補強があるかどうかを決定します。
499 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:44:21.42 ID:WZAVVtr0o
ほい
500 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:46:12.43 ID:ri5nGWLp0
a
501 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:46:29.85 ID:wq69qWmzO
いく
502 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:49:57.06 ID:xUKHdVyKO
503 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:50:03.62 ID:ysM3Zh2VO
くっ
504 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:51:17.16 ID:MFjInq58o
506  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 19:58:06.03 ID:rhjTYtYb0
戦闘の組み合わせが決定しました。

@レッスン場
雪歩  【30 65 35 40】
vs
襲撃部隊【15 25 25 25】(戦力4)

@フォトスタジオ
春香&千早【87 75 110 86】
vs
襲撃部隊 【73 72 63 62】(戦力1+2+5)

@野外イベント場
美希  【60 40 50 30】
vs
襲撃部隊【25 15 25 25】 (戦力3)

響の介入は今回行われず、敵の戦力値はこのままです。




続いて、一気に戦闘コンマを取ります。 (ゾロ目計算に多少の変更があります >>478)

↓1~4 レッスン場戦闘分
↓5~8 スタジオ戦闘分
↓9~12 イベント場戦闘分
507 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:58:37.31 ID:xUKHdVyKO
508 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 19:59:35.96 ID:WZAVVtr0o
とお
509 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:00:08.82 ID:ri5nGWLp0
a
510 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:00:46.49 ID:wq69qWmzO
511 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:01:32.43 ID:ysM3Zh2VO
あらー
512 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:02:44.66 ID:wq69qWmzO
さぁ
513 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:03:03.56 ID:ri5nGWLp0
いけ
514 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:03:13.38 ID:WZAVVtr0o
ヤバイ
515 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:03:20.13 ID:ysM3Zh2VO
もう
516 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:03:46.80 ID:xUKHdVyKO
くっ
517 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:04:09.23 ID:wq69qWmzO
518 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:04:26.47 ID:ri5nGWLp0
ww
520  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 20:13:38.94 ID:rhjTYtYb0
なんという完全なる消化試合。

そう思っていましたが>>512でえらいことに。ゾロ目計算変えた日にえらいことに。

@レッスン場(雪歩)
【戦闘結果:敵の攻撃!(66vs121)→ダメージ0(74-161<0):戦闘継続】

@フォトスタジオ(春香&千早)
【戦闘結果:敵の攻撃!(153vs258)→ダメージ91(2*(73+38)-131=91):86-91<0 敗北】

@野外イベント場(美希) 13 80 23 47
【戦闘結果:敵の攻撃!(63vs105)→ダメージ9(72-63=9):30-9=21 戦闘継続】



【朗報】春香&千早に関しては確定でエロ安価が出ます


とりあえず戦闘コンマ2ターン目取らせてください。
↓1~4 レッスン場
↓5~8 イベント場
521 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:15:05.94 ID:xUKHdVyKO
s
522 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:15:08.04 ID:WZAVVtr0o
ほい
523 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:15:50.46 ID:ri5nGWLp0
524 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:16:04.10 ID:wq69qWmzO
あい
525 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:16:53.75 ID:ysM3Zh2VO
526 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:17:26.68 ID:ri5nGWLp0
ww
527 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/24(日) 20:18:06.30 ID:ysM3Zh2VO
かあ
528 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:18:11.54 ID:WZAVVtr0o
h
530  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 20:22:18.66 ID:rhjTYtYb0
@レッスン場(雪歩)
【戦闘結果:敵の攻撃!(129vs29)→ダメージ41(76-35):25-41<0 撃破!】

@野外イベント場(美希)
【戦闘結果:敵の攻撃!(125vs93)→ダメージ21(90-69):25-21=4 戦闘継続】

この数値でおおむね攻撃型の美希の一撃もらって死なないとかどうなってるんだ…
今回のターンで美希が事故りでもしない限りイベント場での戦闘は終了とします。というか多分終わります。

↓1~4 イベント場戦闘コンマ
532 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:23:11.60 ID:xUKHdVyKO
q
533 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:23:55.22 ID:WZAVVtr0o
へい
534 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:23:57.34 ID:ri5nGWLp0
a
535 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/24(日) 20:24:29.60 ID:ysM3Zh2VO
まあ
536  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 20:33:08.14 ID:rhjTYtYb0
ゾロ目は出ても所詮雑魚の悲しさ、美希の機動力に届かな…しまった、防御時に2倍にするかどうか決めてなかった…
>>478で規定するのを忘れてました、次回からは機動力足りなかった場合の防御数値2倍もありにします。

今回は(今からのフォトスタジオのほうがそれどころではないため)特別裁定により美希勝利とします。

@野外イベント場(美希)
【戦闘結果:美希の攻撃!(110vs94)→ダメージ19(94-75):4-19<0 撃破!】



では続きまして、フォトスタジオにいた3名についての逃走判定を行います。
逃げそびれるとエロ巻き添え+幹部化です(最大5人プレイまで可能性があることになります)。

そしてこれも出会いがしらの一撃KOだったため厳しい方の判定です。

一発勝負、ゾロ目等は関係なし。
コンマ00~24であれば辛くも逃げ切れますが、それ以外の場合は捕まります。


【重要】次あたりで誰が被害に合うか判明の上、エロ内容指定の安価を取ることになります。

逃走判定

※ここはまだコンマです

↓1 あずさ
↓2 律子
↓3 貴音
537 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:33:51.86 ID:WZAVVtr0o
538 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:34:05.59 ID:xUKHdVyKO
h
539 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:34:42.31 ID:ri5nGWLp0
a
540  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 20:44:50.48 ID:rhjTYtYb0
なんという大事故すぐる………
いきなり四天王揃っちゃってブラックジャンボ笑い止まらないですねこれ……

今までの>>1の傾向からして、5人分となると1週間くらいは余裕でかかることと思いますが
これだけの荒ぶるコンマですからそれもいいでしょう。

はい、お待たせしました。エロ関係の内容安価です。


みなさんの妄想とかを信じて丸投げで行きます。

今回の被害者は以下5名です。

春香(マジシャン・ふた化もあり)千早(マジシャン)
律子(覚醒可能フラグありなので、マジシャン化してから云々とかもあり、一般人扱いでもどっちでも)
あずさ・貴音(非マジシャン、フラグ立ってないので一般人として)


誰かアイドル指定してその子が受ける内容でもよし、
複数人指定してとかでもよし、
受ける対象は指定しないでプレイ内容だけ書くもよし。
相手についても怪人とか戦闘員とか一般人とかお好みで。

こちらでなんとか調整できるものであることを望みつつ。
前回よろしくミックスとかしつつ考えます。

好みだけ言わせてもらえば、全員一律ふたなり化とかそういう画一的なのはちょっと、とか思わないでもないです。
それから毎度言ってますがグロスカはちょっとつらいです。

改めて大変お待たせしました。

↓1~5で好きな内容を書いてください。
541 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:46:33.94 ID:MFjInq58o
貴音
響とナメクジの交接のようなレズセックス
542 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:47:00.29 ID:xUKHdVyKO
千早を触手で嬲ったうえ、去り際に乳首に寄生触手を埋め込んでいく
常に勃起して敏感になる感じで
543 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:47:19.78 ID:wq69qWmzO
未覚醒組は、粘液で身体中をベトベトにして自慰を始める。互いに胸や身体を擦り付けて慰めあい、貝合わせをする。
544 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:47:44.67 ID:ysM3Zh2VO
合体した強化スライスに取り込まれおかされる。媚薬粘液で春香は後遺症発現。他も全員発情。春香は千早をフェラから始め犯す。千早も春香を犯す。
545 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 20:49:56.49 ID:SiCwARNN0
フォトスタジオという事で、皆さんの綺麗な体を、
一枚ずつ服を剥ぎとりながら写真撮影をしてあげる
脱がしたり押さえつけたり無理矢理ポーズを取らせたり撮影したりするのは敵の戦闘員
547  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/04/24(日) 20:58:52.40 ID:rhjTYtYb0
なんだお前ら最低かつ最高のコンビネーションだな!!!!(褒め言葉)

流れとしては>>545 >>543 >>544 >>542 >>541 で綺麗にまとまりそう。
配慮してくださったんだとしたら本当にありがとうございます。

そしてよく考えたら現在覚醒フラグの立ってる亜美・真は無事で、
かつレッスン場とイベント場にそれぞれフラグ立ってない伊織と真美が残っているため
次回から新マジシャンが1名参戦することになります。


↓1 誰が覚醒するかの判定コンマ

00-24 亜美 25-49 真 50-74 伊織 75-99真


↓2 その際の強さ判定コンマ


01-43 初期春香クラス(トータル160)
45-76 初期雪歩クラス(トータル170)
78-98 後期覚醒クラス(トータル180)
ゾロ  最初から全開(トータル190)
548 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 21:00:29.73 ID:WZAVVtr0o
ほい
549 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage] 2016/04/24(日) 21:00:52.99 ID:xUKHdVyKO
M
571  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/29(金) 23:21:25.35 ID:gjunl2Rz0
P「じゃあ、今日の割り振りっていうか、配置をもう一度確認をしよう。まず真と伊織に関しては、雪歩。頼むぞ」 

きょう1日の、事務所のみんな――つまり、まだマジシャンとしては覚醒していないみんなの予定を確認した後で、 
千早ちゃんと美希ちゃん、そしてわたしは、プロデューサーの机のまわりに集まります。 
目的はもちろん、「もうひとつのほうの予定」について打ち合わせておくためでした。 

先日の響ちゃんの宣戦布告以来、事務所のメンバーがレッスンやお仕事に行くときには 
基本的に、4人のマジシャンのうち最低でも誰か1人が必ず同行するかたちで予定が組まれるようになりました。 
ただでさえ忙しいプロデューサーはそのせいで、さらにやる事が増えて、苦労が絶えないみたいです。 

P「ちょうどレッスン日程が一緒でよかった。もちろん、何もなかったら、普通にレッスンをがんばってくれ」 

雪歩「は、ひゃいっ!…で、でも、うう、きょうはわたし一人で大丈夫かなぁ……」 

いきなり話を振られて、わたしはついつい声が裏返ってしまいます。 
前回は先輩の千早ちゃんとふたりだったから安心だったし、そのとき受け持ちだったスタジオには 
たまたま響ちゃ…ブラックジャンボの人たちは来なかったけど、今回はどうだか、もちろんわからないわけで…… 

千早「大丈夫、私が保証するわ。萩原さんは誰かを守る役割にはうってつけだから。何度も言うけど、自信を持って」 

わたしの不安を察したのか、千早ちゃんが優しく励ましの言葉をかけてくれました。 
千早ちゃんはあの夜以来、わたしのことをずいぶん買ってくれてるみたいなので、期待に応えなきゃ、って気持ちになります。 

雪歩「……う、うん、ありがとう、千早ちゃん!わたし、がんばってみる!」 

美希「そのイキなの。きょうは真くんとでこちゃんのこと、頼んだからね、雪歩。あはっ☆」 

美希ちゃんに言われて、あらためて身が引きしまる思いがしました。 
そうだ……もしも何かあったとき、真ちゃんや伊織ちゃんを守ってあげられるのはわたししかいないんだ! 

プロデューサーは続けて手元のメモに目を落とすと、美希ちゃんに声をかけました。 

P「で、亜美と真美が参加するイベント会場には美希が待機、と。ああ、俺も同行するからよろしくな」 

美希「えー?べつにミキひとりでもだいじょーぶだよ?」 

軽い憎まれ口みたいなのを叩きつつ、美希ちゃん、ほんのちょっとだけ口元が笑ってます。 
なんだかんだでプロデューサーのこと信頼してるみたいだし、もしかしたら、それ以上の感情も、なんて…? 

P「会場が広いし、それに亜美真美に美希ってだけだとちょっとこう、年齢的にな。ま、保護者みたいなもんだ」 

美希「ふーん。でもどーせ、なにかあったら戦うのってミキなのに」 

P「…それを言われると弱っちまうな。まあでも、いざというときの避難誘導くらいは俺でもできるだろ」 

美希ちゃんの反論に少し言葉を詰まらせながらも、プロデューサーさんは千早ちゃんのほうへ向きなおり… 
そして話しかけようとして、なにかを思い出したように言葉を途切れさせます。 

雪歩(………?) 

美希「……あれ、そーいえば春香どこ? 千早さん、知ってる?」 

千早「えっ…? うっかりしていたわ、見ていないわね」 

どうしたのかな、とわたしが思うのと、美希ちゃんが口を開いたのはほぼ同時でした。 
そういえば、春香ちゃんの姿が見当たりません。 

美希「……まさか事務所にまた敵さんが入り込んでるとかってこと、ない…よね?」 

美希ちゃんの何気ないひとことで、わたしたちの間に一気に緊張が走ります。 
573  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/29(金) 23:34:42.26 ID:gjunl2Rz0

…この間は事務所のなかにもかかわらず伊織ちゃんがいきなり襲われて、その敵を美希ちゃんが撃退した、
という話は美希ちゃんから聞いていました。まさか……このほんのちょっとのうちに、春香ちゃんが!?

春香「っ、ご……ごめんなさいっ、遅れちゃい、ました!」

と、ぱたぱたと軽い足音を立てて当の春香ちゃん本人がわたしたち4人のところへ駆け寄ってきて、
わたしはもちろん、千早ちゃん、それにあの美希ちゃんまで、安心のあまり小さくため息をつきました。

美希「ふぅー……ドジもほどほどにしといてね、春香。心臓にわるいの」

P「あのなあ春香。俺、いつも通り、全体のミーティングの後でこっちのミーティングするって言ったよな?」

春香「は、はいっ、すみません!ちょっと、…その、おなかの具合が、で、お手洗いに……」

美希ちゃんとプロデューサーのとげのある声に何度も頭を下げる春香ちゃん。

遅れてることに気がついて、よっぽど急いで走ってきたんだと思います。
よく見たら春香ちゃんはだいぶ汗をかいていて、それに息もずいぶん上がってました。

雪歩(遅れちゃったって気がついて、一生懸命走ってきたんだろうなあ…春香ちゃんらしいよ)

プロデューサーも言い始めた手前、いくつかお小言を追加します。
その言葉にひたすら謝りながら話を聞く春香ちゃんの顔は、なんだかずいぶん赤く染まってるように見えました。
…ふふっ、そんなに恥ずかしがらなくたって大丈夫なのに。




P「ま、そろそろ移動もあるし、確認を続けるか。改めて、春香、それに千早。ふたりには……」

ひとしきりマジシャンとしての気構えみたいなものについてお話をしたあと、
プロデューサーは改めて、春香ちゃんと千早ちゃんの今日の予定について確認を始めます。

春香「はいっ!写真の撮影スタジオで、表向きは見学させてもらう、ってことにして」

千早「……実際には、あずささんと四条さん、引率と打ち合わせのために同行する律子、その3人の護衛ですね」

P「ああ。1人の差とはいえほかの2か所よりメンバーが多いから、お前たち2人に行ってもらう」

「「はいっ!」」

ようやく息が落ち着いてきたようすの春香ちゃんと、その隣に静かに立つ千早ちゃんが、力強くうなずきます。

P「前回大変な思いして成長した春香と、もともとマジシャン歴の長い千早だから大丈夫だと思うが、くれぐれも気をつけろよ」

プロデューサーは二人にそう言うと、自分の荷物を整理し始めました。

P「それじゃ、各自、持ち場へ移動して警戒をたのむ。あ、美希はちょっと待っててくれ、準備できたら声かけるからな」

美希「りょーかい、なの」

雪歩「じゃ、じゃあ、わたし、行ってきます。みんな、気をつけてね!」

四人にあいさつをして、わたしは伊織ちゃん、真ちゃんを探しに戻ります。

春香「こっちは二人だから大丈夫だよ。雪歩こそ無理しないで、気をつけて!」

春香ちゃんが明るく笑って、手を振ってくれました。
574  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/29(金) 23:51:31.15 ID:gjunl2Rz0
亜美「そんじゃ、会場に来てくれたおともだちのみんなーっ、準備はおっけーかなー!?」

真美「みんなで声を合わせてよんでみよーっ!いっくよぉ、さーん、にーぃ、いーち、せーぇのぉ!」

今回、亜美と真美に野外イベントのMCとして声がかかった理由はごく単純で、
このたび新しく作られた着ぐるみ系のゆるキャラが双子という設定だからという話だった。
そういう安直なオファーは嫌がるんじゃないかと心配していたが、ふたりとも最初から案外乗り気で
いまのところ大きなミスなんかもなく、イベントは順調に進行している。

いや、進行して「いた」。

「……っきゃああああああああああ!?」

メインMCを担当していた女性がステージ上で金切り声をあげ、その拍子にスピーカーがひどいハウリングを起こす。
客の大半はいきなりの大音響に襲われ、わけもわからずあたりを見回したり、遅れて耳をふさいだりするばかりだ。

本来、亜美と真美、それに観客のコールに応えてゆるキャラが出てくるはずだったステージ上に、
場違いなものが出現していた。宙に大きく描き出された黒い魔法陣から、なにかがずるりと落ちてくる。

美希「シャイニング・ミキ、ショウ・アップっ!! もー、タイミング最悪なのっ!!」

パニックの中で誰よりも早く美希が動いた。
俺が見ている前ですばやくマジシャンに変身すると、混乱する観客たちの頭上を一気に飛び越えて
そのまま亜美と真美、そしてメインMCが身動きもできずに震えているステージへと駆け上がる。

美希「せめてイベント終わるの待つくらいできなきゃ、アイドルには嫌われちゃうよ?」

ステージ上に現れた怪物――以前千早と雪歩を襲った狼男、あれによく似た感じの奴が
遠吠えに似た声を上げるのにも構わず、不敵な笑みを浮かべたまま、美希は大型の拳銃を引き抜いた。

P(……頼むぞ、美希)

こうなると俺に、直接美希を手助けする手段はない。
あの場にのこのこ出て行ったところでかえって邪魔になるだけだ。

そうだ、事務所で話していたとおりせめて避難誘導を手伝おう、と考えたところで、俺は異変に気がついた。

この異様な状況にもかかわらず、周囲の観客が逃げだしていく様子がない。
ショーや演出のたぐいじゃないってことがまだ伝わってないのか?

そうじゃなくて、逃げ出そうとはしているが、観客が進めないんだ、とわかるまでに少し時間がかかった。
イベント会場全体が、先日やよいが事務所に襲来したときと同じ、結界だかバリアだかに包まれていた。



美希(…見た感じ、こいつはそんなに強いカンジしないの)

ねらいはぴったり合わせたままで、ミキは目の前のイヌ人間から目をそらさない。
動物と向き合ってるこーいうときに目をそらしたら負けだって、たしか…響が言ってた気がする。

美希(………やめやめ。もう、その響は…)

……今回このイヌ人間を送り込んできたのも、ほぼ間違いなく響のハズ。
ただ、ここに来るのが亜美と真美だとか、ミキがガードしてるとかってことまではわかんなかったのかもしれない。
だって、雪歩の居場所がわかってたらそっちにこのイヌを行かせるだろうし。

美希(それで…このイヌが亜美と真美をさらってったら、響はなにするつもりなの…!?)

そう考えただけで頭がかっと熱くなって、同時に左腕にも一気に熱が押し寄せた。

美希「っつぅぅっ!?」

P「美希っ!?」

叫び声と衝撃がいっぺんにやってきて、ようやくミキは我に返った。
ぼんやり考えごとしちゃってたところを一気に、無理やりみたいに現実に引き戻される。

なんていうか、すっごくムカムカした。相手にじゃなくて、まだぜんぜん割りきれてないミキに対して。

美希(ミキはバカなの!?戦ってる最中にぼーっとしてたら、こうなるに決まってる!)

美希(響のこと考えるより先に、まずは目の前の悪いヤツやっつけなきゃ、身近な人だって守れないの!)

あのイヌに思いっきりひっかかれたっぽいカンジがする。ただ、ラッキーなことに
とくに血とかは出てないし、ちゃんと指も、腕全体も動く。もちろんちょっぴりイタいけど。

美希「……ふーっ。そーだよね、ホンキでやんなきゃダメ、だよね」

どーせ相手に言葉は通じてないはずだから、ミキ自身に言い聞かせるつもりで言う。
これやるの疲れるからほんとはあんまりスキじゃないけど、これからは慣れとかなくちゃ。
575  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 00:04:32.81 ID:lvK1ePiu0
なにも持ってない左手にも、意識をぐっと集中させる。
前にやったときはたしか、さいしょからずっとそこにあった、持ってた、ってイメージで…

美希「よし……っと。もーいーよ、お待たせっ☆」

せっかく始めるまえの合図をしてあげたのに、イヌ人間がじりっ、と一歩、うしろに下がるのが見えた。
あはっ、それ、動物どうしのケンカなら、自分の負けを認めた、ってことになるんじゃない?

美希「アクション映画なんかでよく見るよねこれ。マネっこも、たまにはいいかな」

いろいろ考えるのはあとでもできる。まずは、このイヌ人間をきっちりやっつけてから!

美希「一丁でも当てられるけど、どーせなら二丁のほうがかっこいいし、それに倍撃ててオトクなのっ!」



魔法少女だと思っていたら、次の瞬間には美希が二丁拳銃の女ガンマンみたいなスタイルになっていた。
そしてその美希が、それこそ映画のアクション女優顔負けの動きで敵を追いつめるのを、俺は呆然とただ見ていた。

最初に棒立ちのまま一撃をもらったときにはどうしたのかと思ったが、そのあとは何かふっきれでもしたのか
ステージの上をところ狭しと動き回り、狼男をすっかり翻弄し、それでいて亜美や真美たちMCにはもちろん
観客の方にも危害が及ぶことのないよう注意を払い、自分の動きで相手の動きをうまく誘導している。

そして、美希が左手に携えた拳銃から放たれた星型の弾が狼男の右足を射抜き、相手をその場に縫いとめた。
そのことを俺が認識するのとほぼ同時、こんどは右手の銃が即座に火を噴き、狼男の心臓部を撃ちぬく。

美希「ばーん☆ …ってね。ぼーっとしてたとはいえ、ミキに一発当てたのはほめてあげるの」

撃ちぬかれた狼男の身体は、ステージに倒れるよりも早く、その実体が薄れて消滅してゆく。

P「美希!」

亜美「わーん、ミキミキありがとー!!怖かったよー!」

真美「それよりミキミキ、腕だいじょうぶ!?なんか当たってなかった!?」

ようやくまともに動くようになった足に喝を入れると、俺はステージに駆け寄った。
さっきまでメインMCの女性と身を寄せ合って震えていた亜美と真美もやっと動けるようになり、
俺がその場にたどり着くころには二人で美希に抱きつき、泣くやらわめくやら、わんわんと大声を上げていた。

しがみつく二人の頭をやさしく撫でてやりつつ、美希は俺に声をかける。

美希「……弱すぎるの」

一瞬、俺のことを言っているのか、と勘違いしかけ、それから今の狼男の話なのだと気づく。

P「まあ、強すぎるよりはいいよ。それより美希、さっきのでケガとかしてないか?」

美希「そうじゃなくて。今のヤツ、ハニーから見ててどうだった?前見たっていうヤツと強さ、いっしょ?」

自分のことなどどうでもいいと言わんばかりの調子で話を続ける美希。
そこで俺も、ようやく美希の「弱すぎる」という発言の真意に気づいた。

見た目こそ千早と雪歩が戦った相手によく似ているが、前回の奴はここまでモロくはなかった気がする。
千早に斬りつけられたり、腹を深々と貫かれたりしてもなお執念深く生きていた姿を今更思い出した。

P「……確かに、以前の方が強かったかもしれない。再生怪人、みたいな、使い回しとかってことか?」

美希「そこはミキにはわかんないけど…これって、本命じゃない、ってことなんじゃ………?」

P「本命じゃないって…… そ、そうかっ!?」

美希のことばをそっくりそのままおうむ返しにしてから、やっとその重要性がわかった。
つまり、ここに来たこいつはただのダミー、せいぜい美希の足止め役程度にすぎなくて
別の場所の方に、もっと強い、本命の襲撃部隊が向かってる、ってことか!?

P「くそっ! この分じゃここのイベントはどうせ中止になるはずだ、美希、すぐ移動しよう!」

美希「ま、待って!今いる観客のみんなに、ミキのこと忘れる例の魔法をかけとかなくちゃ……」

P「ああ、そうだったな……わかった、できるだけ早くしてくれ!一人でいる雪歩が危ない!」

美希「わかってるのっ、ちょっとだけ時間ちょーだい!」

例の結界だかバリアだかは少しずつ薄れつつあるが、まだ一般人が通れない状態には変わりないらしく
観客はざわめいたままで、そのなかにはこっちを指さしたり、写真を撮ったりしている人もいるようだった。
今回の場合、下手をすると変身するその場まで見られている可能性もあるわけで、
名前や顔が世間にそのままバレてしまうと、今後の活動に差し支えてしまうおそれは否定できない。

そうなる前に、この場の全員にまとめて魔法をかけるべく、美希が少しずつ精神統一を始めた。


【戦闘結果:敵の攻撃!(63vs105)→ダメージ9(72-63=9):30-9=21 戦闘継続】
【戦闘結果:美希の攻撃!(125vs93)→ダメージ21(90-69):25-21=4 戦闘継続】
【戦闘結果:美希の攻撃!(110vs94)→ダメージ19(94-75):4-19<0 撃破!】
576  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 00:23:53.12 ID:lvK1ePiu0
びたん、と、レッスン場の床になにかが張り付くような音がしました。
わたしがそっちを見る前に、レッスン担当の先生が悲鳴を上げ、続けて伊織ちゃんが叫ぶ声がします。

伊織「ひぃぃっ!?こ、こんどは何っ!?」

真「……っ!?」

そっちを見るまでもありませんでした。
なんだかねばつくような、気持ちの悪い空気が、伊織ちゃんの見ているあたりから漂ってきてます。
その何かをわたしより先に見ちゃった真ちゃんが、息をのむ音も聞こえてきました。

雪歩「っ……シャイニング・ユキホ、ショウ・アップ、っ!!」

あれこれ考えるより前にとっさに叫び、わたしはすぐマジシャンに変身しました。
先生はあまりの衝撃の連続に声も出せないでいるみたいです。
ああ、そうだ、先生にはあとでこのことを忘れてもらわなきゃダメなんでした……

雪歩(………う、わ………うう、っ!)

そして振り向いてスコップをかまえたわたしの目の前にいたのは、虫さんでした。

それも、かぶとむしとかくわがたとかみたいな、触ったら固そうなタイプじゃなくて
いかにもやわらかそうな、いもむし、という言葉が似合いそうなものでした。
それこそかぶとむしの幼虫とか、そういうのに似ている気がします。

ただ、大きさはぜんぜん似ていませんでした。
これ………人ひとりとほとんど同じか、どうかすると、それよりも大きそうな…

雪歩(……だ、ダメダメ!ここにはわたししかマジシャンいないんだから、わたしがしっかりしなきゃ!)

一目見て悲鳴を上げそうになったのを必死でがまんします。
わたしがこれをやっつけなくちゃ、伊織ちゃんや真ちゃんになにがあるか……

と、わたしの見ている前で、その虫さんがぶよぶよした白い体を震わせ始めました。
うう……なんで、こんな、ますます気持ち悪いですぅ…………

でもひょっとして、さっき落っこちてきたときの打ち所が悪かったのかな?
なんて思っていると、

伊織「………えっ?」

真「い、伊織っ、危ないっ!?」

虫さんはいきなり、口からなにか液体のようなものを吐き出して、それはまっすぐ伊織ちゃんと真ちゃんのほう、に、
真ちゃんが伊織ちゃんをかばって走り込むのが、スローモーションみたいに見えて………



雪歩「だめえええええっ!!」

自分でも、こんなに素早くからだが動かせるとは思いませんでした。
ふたりをかばう位置にぎりぎり割り込み、手にしたスコップで液体のような何かを受けとめて、すぐに叩き落とします。

じゅっ、と音がして、スコップの先端が溶け落ちました。
………これ、たまたま氷だから、かもしれないけど、もし伊織ちゃんや、真ちゃんが、浴びちゃってたら…!!
577  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 00:35:39.64 ID:lvK1ePiu0
雪歩「………もうわたし、怒っちゃいましたぁっ!!」

わたしを狙ってくるんならともかく、いきなり真ちゃんや伊織ちゃんを攻撃するなんて許せないっ!!

また虫さんはぶるぶると震えています。さっきのあれをやるつもりかもしれません、それならっ!

雪歩「てえええーいいっ!!」

すかさず生み出した二本目のスコップ、こんどはあえて大きさを小さ目にして、それを思いっきり投げつけます!

ちょうどこっちを向いていた虫さんの頭?の部分にわたしの投げたスコップが突き刺さるように直撃し、
一瞬でその全身が凍りつき、かけらになって砕け散りました。


【戦闘結果:敵の攻撃!(66vs121)→ダメージ0(74-161<0):戦闘継続】
【戦闘結果:雪歩の攻撃!(129vs29)→ダメージ41(76-35):25-41<0 撃破!】




雪歩「真ちゃん、それに伊織ちゃんも大丈夫っ!?ケガしてない、どうもなってないよね!?」

伊織「おかげさまでわたしは無事よ…… 雪歩はもちろん、真、あんたも、ありがと……」

真「…………ボクもさっきは無我夢中って感じだったよ。雪歩がいてくれて、本当によかった……」

とりあえずの平穏が戻ったレッスン場で、まだ顔色を悪くしている二人と、それからわたしと。
特に伊織ちゃんはこの間の事務所でも襲撃を受けてるわけだからショックは強いだろうし、
でも真ちゃんは真ちゃんで、間近でこういうのを見ちゃうのは初めてだから、それはそれできっと大変で……

美希「雪歩ぉっ、大丈夫!?」

P「無事か!?真、伊織も……ああ、三人とも!」

ちょうどそのとき、大声を上げてドアを開け放ち、美希ちゃんとプロデューサーが室内に突入してきました。
わたしももちろんびっくりしたし、真ちゃんや伊織ちゃんもそうだったみたいですが
一番かわいそうだったのは先生で、このショックがダメ押しになったらしく、気絶してしまいます。

雪歩「ああっ、先生っ!? ……プロデューサー、美希ちゃんも、どうしてここに?」



雪歩「ああ、なるほど……囮と本命、ってことかぁ………」

美希「その様子だと、雪歩のとこもそんなにタイヘンじゃなかったみたいだね」

美希ちゃんのところには、最初にわたしがやっつけたわんちゃんもどきが来たんだそうです。
正直な話、逆じゃなくて、ほんとによかったですぅ……

P「となると今回、向こうの本命は春香と千早のところ、ってことか」

美希「んーと、それならそんなに心配いらないかも。千早さんがいて、春香までいるんだもん」

急に興味をなくしたみたいになっちゃう美希ちゃん。千早ちゃんのことを信頼してるんだな、と考えると同時に、
わたしのことはしっかり心配してくれたんだ、ということに思い至って、今更ながらうれしくなります。

P「まあ、念のためってこともある。少し休んで先生が無事回復したら、いちおうフォトスタジオに向かおう」

プロデューサーがそう言って、わたしたちはそれぞれ、すっかり荒れてしまったレッスン場の片づけを始めました。
578  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 00:40:17.29 ID:lvK1ePiu0
律子「…ええ、特に大きな変更はないということで。では、本日はどうぞよろしくお願い致します」

スタッフ「はい、それじゃよろしくお願いします。あ、君、三浦さんと四条さんをご案内して」

律子がスタジオ側の担当者と細かい段取りなどの打ち合わせをしている間に、
あずささんと四条さんは撮影に備え、衣装やメイクを本番通りに仕上げるべく更衣室へと向かった。
今回はステージ衣装などではなく、アイドルの普段の顔、をイメージした写真を撮ると聞いている。

私と春香は打ち合わせの通り、プロダクションの同僚、特に撮影慣れしている二人の仕事ぶりを学ぶために
撮影現場に同行させてもらっているという設定で、怪しまれたりはしていない……と思う。

それよりも私には、さっきから少しだけ気になっていることがあった。

千早「……春香、本当に体調は大丈夫なの?顔がまだ少し赤いわ、熱でもあるんじゃあ…」

春香と私にも親切なスタッフの方がわざわざ椅子を用意してくれていて、
私たちはスタジオの一角で腰かけさせてもらっているのだけれど、隣にいる春香の調子がどうもおかしい。
呼吸が浅く、ペースが速く、そして照明が少なくて薄暗いこの場所でも頬が紅潮して見える。

春香「え!?…ううん、そんなことないよ千早ちゃん!ほ、ほら、きっと、空調とか、照明の熱とかで……」

なのに、何度聞いても春香は同じ答えを返す。
なに言いづらいことでもあるの?とわたしが尋ねそうになった瞬間、春香のほうが先に声を上げた。

春香「あっ、あずささん、貴音さんも!二人とも戻ってきたよ、千早ちゃん」

少しわざとらしいようにも思えるその声で目をやると、着替えた二人がちょうどスタジオに入ってくるところだった。

あずさ「ああ、お待たせしちゃいました………今日の撮影、よろしくお願いします~」

貴音「本日はお世話になります。ふつつか者ではございますが、精一杯努めますので、どうぞよしなに」

スタッフ「いえいえ、こちらこそ、いいの撮らせてもらえるよう頑張ります。……三浦さんと四条さん入りまーす!」

あずささんと四条さんのあいさつにスタッフさんのリーダーらしき人が答え、大きな声でスタジオ中に合図をする。
それに対し、あちこちで忙しく動き回る人たちの間から、うーい、はーい!などと、思い思いの返事が響いた。

改めて、まったくのギャラリーとしての立場から見てみると、あの二人は本当に写真映えがする。
まずモデルばりに身長が高い。それだけで被写体としての魅力はぐっと増すというのに、
二人が二人ともへたなグラビアモデル程度では相手にならないプロポーションを誇っているので
ほぼ普段着にもかかわらず、女優か、大物モデルか、というオーラが漂っているように見える。

それに、今回の撮影対象ではないけれど、プロデューサーの立場の律子だって実は相当なものだ。
いちおう身長だけは私のほうが少し高いが、全体的なプロポーションということではとうてい敵わない。
いま身に着けているいつものパンツスーツでそのまま撮影されていたとしても変な感じはしないし、
最近あまり見かけていないけれど、普段着を適当に見繕ってくればすぐに三人目のモデルとして通用しそう。

……正直に言うと、特にあずささんや四条さんに関しては、ちょっとだけ、羨ましいと思わないわけではない。
でもむしろそれ以上に、今後一緒に撮影されることだけは絶対に避けたい、という思いの方が強い。

春香「うわあ……やっぱりあずささんも貴音さんも、かっこいいし、きれいだなぁ…」

私の葛藤を知ってか知らずか、ただのいちファンのような無邪気さで、春香が感嘆の声を上げた。
579  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 00:49:29.01 ID:lvK1ePiu0
スタッフ「じゃ、次はお一人ずつ行きましょうか。そしたらまず三浦さん、お願いします」

あずさ「は~い」

律子「ああ、貴音はちょっとこっち来て。さっきのポーズのとき、少し髪が乱れてたから」

貴音「なんと、気づいておりませんでした…お手数をかけます、律子嬢」


あずささんと貴音さんの撮影はだいたい順調に進んでました。
スタッフさんたちは手際がよくて、それに感じのいい人たちで、すごくスムーズです。

それでも、いい写真が撮れそうだ、という以上にうきうきした感じが伝わってくるのはきっと、
今回のモデルがあの二人だからに違いありません。
あんなに背が高くて、スタイルもばつぐんで、おまけに二人ともとびっきりの美人。
そしてとどめに今をときめく現役アイドルなんですから、男の人ならはりきっちゃうのも当然です!
…なーんて、わたしの手柄でもないのに、つい自慢しちゃったりして。


……そんなことをいろいろ考えて気をまぎらわせようとしても、どうしても、変な感じが抜けません。

となりの千早ちゃんにはなんとなく気づかれちゃっている感じがします。

さっき事務所でマジシャン4人で集まって打ち合わせをするのに遅れちゃったのも、
それからここで座っている間、頭が、身体がなんとなくふわふわしてぽーっとしちゃってるのも、
全部、昨日の夜から続いてる、おなかにたまってる熱っぽい感じのせいです。

その上に、これ…… 時間がたつにつれ、ちょっとずつ、ひどくなっている感じがします。

春香(うう…、じ、事務所のトイレで……シてから、まだそんなに時間、経ってないのに……!)



千早ちゃんが言う通り、わたし、本当に熱でもあるのかもしれない、と思ったところで。

千早「……? 春香、外からなにか聞こえない?」

春香「えっ? 外っていったら」

「おいちょっと、勝手に入ってもらっちゃ困、がはっ!?」

千早ちゃんがそう言った直後に、外から言い争うような声が聞こえたかと思うと
スタッフさんのひとりが外から突き飛ばされでもしたのか、スタジオ内にもんどりうって転がってきます。

「な、なんだあんたたち、今は撮影ちゅ……うわああっ!?」

「きゃあああああ!!え、ちょっ、危ないっ!?」

同時に、開いたドアから真っ黒い全身タイツみたいなかっこうの人たちがたくさんなだれ込んできました!
ドア近くにいたスタッフさんともみあいになったり、入ってきた勢いで撮影機材のケーブルをひっかけたりと
スタジオ内はあっという間に大混乱に陥ってしまいます。

春香「ち、千早ちゃん!?あれって!」

千早「十中八九、あれはブラックジャンボの手先でしょうね。準備はいい、春香?」

あせってパニックになりかけたわたしを、千早ちゃんの冷静な声が落ち着かせてくれます。
そうだ、この間はわたし一人でも大丈夫だったんです、きょうは千早ちゃんも一緒なんだから絶対いける!

春香「う、うんっ、大丈夫!行こう!」

千早ちゃんとわたしは二人で声を揃え、シャインマジシャンへと変身します!
580  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 00:54:19.86 ID:lvK1ePiu0
律子(こいつら…特にここを狙ってきたのかしら?いや、わざわざマジシャン二人いるところに来る理由はないわね)

いきなりの乱入者にびっくりしたのは事実だけど、いつまでも驚いてるわけにはいかない。
ちょうどスタジオ内で一緒にいる時でまだよかった、と安心しつつ、私は前を見据えたまま声をかける。

律子「あずささん。貴音も。私の後ろから動かないで」

貴音「しかし、律子嬢!」

あずさ「そうですよ律子さん、危ないですっ!」

ふたりの焦ったような声が背中に飛んでくる。こんなときだというのに、
そういえばこの二人が焦るのなんてめったに見聞きしないなぁ、と思うと、ほんの少しだけおかしくなった。

目の前にうようよしているのは「悪の組織の戦闘員」のステレオタイプ、そのものだった。
歌舞伎の黒子よろしく全身真っ黒のかっこうで、顔の部分にだけいくつか穴の空いたマスク、
銀行強盗がかぶってる目出し帽みたいなのを身に着けている。

律子(これでしゃべりが片言だったら、もうまさに雑魚戦闘員、ってところね)

しかしなぜか、連中はすぐには襲い掛かってこなかった。。
なんとなく私と後ろの二人を遠巻きにして、様子をうかがっている感じがする。

身長でいえば10?p以上高い二人をちびの私がかばう、というのも変な話だけど、
アイドルとプロデューサーが両方危険なら、もちろんアイドルの方が守られなきゃいけない。
少なくとも見たところ、この「戦闘員」たちの中身は人間っぽいので、きっと対処のしようはある。

それに、もしこの場に私たち3人しかいないのならそりゃ絶望的だろうけど、
ほかにもずっと心強い、頼りになる仲間がいてくれるからこそ、私も多少は無理ができるのだ。

「シャイニング・ハルカ、ショウアーップ!」
「シャイニング・チハヤ、ショウ・アップ」

「ウギャーッ!」「ウガーッ!」

そう考えたのとほぼ同時。最高のタイミングで救いの声が室内に響き、
目の前の「戦闘員」がふたりくらいまとめて壁の方まで吹っ飛んでいく。

律子「……ふう、ありがと。これで私、もうあんまり無茶する必要ないわね?」

春香「もちろんですよっ、律子さん!3人でいっしょに、危なくないように下がっててください」

千早「くれぐれも無理はしないで、律子。怪我でもしたら大変よ」

マジシャンの衣装に身を包んだ春香と千早が、にっこりと笑ってそう言った。
581  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 01:01:34.82 ID:lvK1ePiu0
黒い装束に身を包んだ「戦闘員」は、ざっと見て30人くらいはいるだろうか。
先ほど春香と一緒に先制攻撃を加えたときの手ごたえからして
相手は普通の人間だが、おそらくなにかしら身体などを強化する魔法がかかっている。

その証拠に、けっこうな勢いで壁際につっこんだはずのさっきの2人も
多少ぎこちない動きではあるが起き上がり、集団のなかに再び加わっている。
1人ずつを相手にする分には問題ないと思うけれど、これだけの数を同時に相手するのは多少不安がある。

それに、私の知る限り、こうも堂々と人間がブラックジャンボの手先をしているのは初めて見た。
いよいよ我那……「総帥」が、なりふり構わず戦力を投入し始めているということなのかもしれない。

これだけの人数で攻めてきたということは、美希や萩原さんの担当しているそれぞれの場所も
同じくらいの規模で襲撃されている可能性が高い。ここは早く片付けて、彼女たちの救援に回るべきだろう。

千早「…春香。今回も、例のユニゾンソウルで行きましょう」

春香「……え?あ、ああ、うん」

千早「? どうしたの、なにか不安なことでも?」

春香「い、いや、そんなことないよ!じゃあ千早ちゃんからやってくれる?」

春香の態度に少しだけ違和感を抱きつつも、私は手早く戦闘を済ませるために精神を集中させる。
少し遅れて春香も集中を開始し、そして私たちは同時に叫んだ。

「「ユニゾンソウル・シンクロナイズ!!」」




「ウギャーッ!?」

またひとり黒タイツの人が軽々と宙を舞いました。
……正直、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ不安はあったんですけど、
いざ実際に千早ちゃんとのユニゾンソウルをまた使ってみると、なんの心配もいりませんでした。

むしろ、さっきまでずっと離れなかった火照りみたいな感覚がさっぱり消えて、
いつも以上に身体が軽快に動かせてるような気がします。
千早ちゃんの方がわたしより強い分、うまく治療された、みたいなことなのかな?

「ウガアアー!!」

千早ちゃんとわたしは二手に分かれて、つぎつぎに飛びかかってくる黒タイツの人たちをさばきます。
といっても、手で押しのけたり、軽くはたいたりする程度なのですが、そのたびに彼らは
叫び声をあげつつ吹っ飛んでいって、壁にぶつかったり、機材の山に景気よく突っ込んだりします。

………うわっ、あれ、機械は大丈夫かな? あとでちゃんとお詫びしなきゃ…

もともとのスタジオの人たちは、乱闘がひどくなった時点でめいめい脱出していました。
いまここに残っているのはわたしたち5人と、それから黒タイツの人たちだけ。
さっき千早ちゃんにも言われたとおり、今回のこの人たちはそんなにめちゃくちゃ強い、というわけじゃないので
早くやっつけて、美希や、雪歩のお手伝いに回ってあげられるようにしないと!
582  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 01:02:45.39 ID:lvK1ePiu0
仲間の人たちがかんたんに返り討ちに遭い続けているのを見てしまったせいか、
まだたくさん残っている黒タイツの人たちは少し腰が引けているみたいでした。
そのまま、千早ちゃんとわたしの目の前で、頭を突き合わせるようにしてなにかを始めます。

「……おい、どうなってんだよ、話が違うぞ…」
「やべえ…コレ、よくて意識不明とか…」
「数の暴力でいけるつったの誰だよ。あんなのに勝てるわけねーじゃん」

ぼそぼそと話す声が聞えてきて、わたしも、隣の千早ちゃんもたぶん、目を丸くしました。
こ、この人たち、しゃべれたんだ!?

千早「……なら話が早いわ、投降して。貴方たちも痛い目は見たくないでしょう?」

少しだけ戸惑いながらも千早ちゃんが声をかけますが、
黒タイツさんたちは直接返事をせず、あくまで自分たちの間だけで話を続けています。
この人たち、響ちゃんに操られてるのかと思ったけど、そうでもないのかな…?

「くっそ、完全にナメられてるぞ」
「………よし。こうなったら、響様からあずかったやつ使ってみようぜ」
「いいのかよ、それ、1人1個しか支給されてないし、使ったら補充はナシとか聞いたけど」
「どのみちこのままだと俺ら全滅だろ!それっ!」
「あ、バカ!……つってもあれか、ほかに手段ねーか。よっと!」
「マジかよお前ら。俺はやらねーからな」
「勝手にしろよ、死んでから後悔しとけ」

よくわからない口論のような会話が続くうち、その中の誰かがなにかをいきなり放り投げたみたいでした。
それを合図にして、しゃべっていた黒タイツさんたちの何人かが、同じように持っているものを投げ始めます。
あまり大きくないものだということはわかるんですが、スタジオ内が薄暗いせいで、はっきりとは見えません。

続けざまに、ぱりん、ぱりんと、ガラスが割れる音がしました。

春香(あの音……いったい何を投げたんだろ?お皿とか…びんとか?)

すると、てんでばらばらの方向にそれぞれなにか投げられたあたりから、しゅうしゅうと泡の立つような音が鳴り始めます。

千早「…!春香、油断しないで。なにか来るわ」

春香「う、うんっ!」

わたしと千早ちゃんは万一にそなえて、律子さんたちが自分たちの背中に隠れるように位置取りしつつ
黒タイツさんたちの集団と、正体不明の音のそれぞれに油断なく気を配ります。

しばらくして、音のしていたあたりに現れたのは…

春香「………なにあれ?千早ちゃん、あれ見たことある?」

スタジオ内の何か所かに、半透明のぷるぷるふるえるゼリーのようなものが転がっています。
ひとつひとつのサイズはそれなりに大きくて、ちょっと大きめの一人用ソファくらいですが…
移動しているのか、そもそも生きているのかどうかも、よくわからない感じです。

千早「…スライム、ね。何度か戦ったことがあるわ。気をつければ、そう苦戦はしないはずよ」

千早ちゃんが気の抜けたような声で言いました。

「ちょ…おい、あんだけもったいぶって出てくるのスライムとか。嫌がらせかよ」
「うわあ、これぜってー死んだわ」
「もっとイイ目見れると思ったのに…なんのためにブラックジャンボ入ったかわかんねー……」
「ポ○モンかっての……それならそれでもうちょいマシなやつがよかったです、響様ぁ……」

黒タイツの人たちもこれは相当予想外だったのか、ずいぶんと凹んでしまっています。

千早「まあ、なんでもいいけれど……それじゃ春香、あなたは彼らの対処を」

呆れた顔のままで千早ちゃんがそう言いました。

さっきからわたし、ユニゾンソウルのおかげで元気が有り余ってる感じがします。
よーし、せっかくだから、わたしもたまには成長したとこ、千早ちゃんに見せてあげよう!

春香「いいよ、わたしがあのスライム?全部やっつけてくるよ!」
583  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 01:04:22.36 ID:lvK1ePiu0
やっつけてくる、と叫んだ春香はその勢いのまま、近くのスライムへと一直線に向かっていく。
その背中がうきうきしているようにすら見えて、思わず苦笑してしまった。

おそらく、さっきまでの体調の悪さがユニゾンソウルで治ったことに安心して、一時的にハイになっているのだろう。
副作用のことで私自身少し不安があったけれど、実際に試してみると特に問題はなくて、安心したのは事実だ。
それに今回の敵戦闘員たちはさほど強くもなかったし、簡単に勝てたことで、少し楽しくなってしまっているのかも。
あまり褒めたことではないかもしれないが、その気持ちはわからなくもなかった。

春香がゆっくりと近づいてもスライムはほとんど反応すらしていない。
あれなら春香に任せておいても大丈夫だろう。そもそもスライムは非常に動きが遅くて、
体力だけは無駄にあるが、弱点であるコアの部分さえうまく突けば、とても簡単に……

千早(………?)

春香は、スライムと戦った経験があっただろうか?

私の知っているかぎり、ないはずだ。

私も一番最初にあれと戦った際は、切っても突いても延々と動き続ける相手の秘密がなかなかわからなくて、
完全に消滅させてやるまでにけっこうな時間をかけてしまった覚えがある。

春香の右手が光っている。さすがに直接は触れたくなくて、シャインボールを使うつもりなのだろう。

私が自主的にパトロールを始めていちばんよく遭遇したのは、春香を辱めたイソギンチャク型触手生物をのぞけば
小刻みに震え続けるスライムたちだった。彼らは街灯のない路地や、公園の暗がりなど、至る所に潜んでいた。

そう、たいていは夜だったし、そして今は照明の多くないスタジオ内だから、すぐには気付かなかった。

私が今まで遭遇したスライムはすべて、ほんのり緑がかったような色で、向こう側が透けるほど透明度が高かった。

今まさに春香が攻撃を加えようとしている相手のような、半透明の白濁色はしていなかった。

春香「今日はしっかり決めちゃいますよっ!行くよ、シャインボー」

千早「春香、待って!不用意に攻撃をしては駄――」

春香「え?」


私の叫びは一瞬遅く、春香の手からシャインボールが放たれる。
それが白濁色のスライムに着弾した瞬間、水風船が破裂するような勢いでスライムが爆散した。


春香「え、あっ、きゃああああ……!?わぷぅっ!?」

律子「な、……なんなのっ?」

あずさ「きゃあああ~!?」

貴音「春香っ!?」

「うおっ!?」
「ひいいっ!」
「うひゃあああああ!」

千早「…!」

あまりの勢いに、至近距離でその炸裂にさらされた春香はもちろん、推移を見守っていた律子たち三人、
そしてさらに距離が離れている戦闘員たちまでが思わず驚愕の叫びを上げる。
私が一緒になって叫ばなかったのは、それよりも春香の安全の方がずっと気になっていたからというだけだ。

やがてあたりが静かになると、暗さに慣れてきた私の目に、床に座り込んでいるらしい人影が見えた。

春香「…………っ、はぁあー……び、びっくりしたぁ……!」
584  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 01:05:01.39 ID:lvK1ePiu0

千早「春香っ!!」

春香「あ…ち、千早ちゃん?」

スライムも戦闘員たちもまだ残っているというのに、思わず春香に駆け寄らずにはいられない。
私を見て目をぱちくりさせているその姿に、フォローが足りなかった自分のふがいなさを改めて痛感する。

千早「スライムには弱点があって、そこを的確に攻撃しないと倒せないの。教えていなかった私のミスだわ、ごめんなさい……」

春香「そ、そうなんだ!?そんなことも知らないで、調子に乗っちゃって……わたしこそごめんね」

春香は私の説明を聞いて目を丸くしている。やっぱりだ。
さっき春香が自分が行くと言い出した時に無理にでも止めておかなければいけなかった。

春香「でも、そうか、それで変なとこ攻撃すると、さっきみたいに爆発しちゃうんだね?」

千早「…いいえ?正しくない部位を攻撃してしまった場合は、延々再生し続けるだけよ」

春香「えっ?」

今度は私が困惑させられる番だった。
確かに、再生力が売りのスライムが、自ら飛び散ってしまってはなんの意味もないはずなのに…
今相手にしているこれは、私が知っているのとはまったくの別種だと思ったほうがよさそうだ。

春香「ふえー、それにしても、顔とか身体とかべとべとだよぉ…実はちょっと、口にまで入っちゃって。ぺっぺっ!」

衣装や髪、顔、至る所に飛び散ったスライムまみれになってしまった春香が、大げさにつばを吐くようなまねをして言う。
よく見ると春香の後ろの壁や天井近くにまで白っぽい粘液のようなものがこびりついていて、
しかもそれがわずかながら震えているのが目に入った。あれでまだ生きている、ということらしい。

そこまで考えたとき、視界が急に揺れた。



春香(……え? えっ、な、に、これ…!?)

朝から何度か感じていたあの感覚がいきなり、それも何倍にも強くなって戻ってきた、そんな感じでした。
頭にかーっと血がのぼったようになって、まわりの音が、よく聞こえない気がします。

春香(うそ、っ、だって………、さっきまで、なんともなかった、のに!?)

気がついたときには、意識しないまま、自分でスカートの下に手を伸ばしそうになっていました。
もちろんすぐにわたしは手を引っ込めようとしましたが、その動きのためだけにものすごく力を入れなくちゃいけません。

春香(やだ……こんなときなのに、あそこ、触りたいっ、やだ、なん、で!?)

気持ちよくなりたい、というすごくシンプルな考えが、頭の中を、どんどん塗りつぶしていきます……



全身が、焼けるように、熱い。とくに下腹部で、なにかが燃え盛っている錯覚すらしてしまいそうになる。
自然と呼吸が浅くなり、汗が止まらず、何度も何度も唾を飲み込んでしまう。

足に力が全く入らなくなって、気を抜くとすぐに倒れてしまいそうだった。
そんな真似をしたが最後、敵に今が絶好のチャンスですと大声で教えるようなものだ。
私は歯を食いしばって全身に力を入れ、目立たないように鎌の柄で身体を支えつつ、平静を装う。

千早(これは、……おそらく、さっき、春香が浴びた、スライム、の………!)

今までに私は、被害者の女性がその餌食になってしまうのを嫌というほど見てきた。
それに、ほかでもない春香があの夜、その身体を徹底的に狂わされ、嬲り抜かれたのも、私は見てしまっている。

千早(媚薬……っ、それも、「体内」にはほとんど入っていないのに…………、感覚を共有、しているだけの、私まで、こんな、っ!?)

まずい、と直感が告げる。
これは、ブラックジャンボが一般人を相手にすることを想定した汎用のスライムではなく、
もっと強力な、つまり、マジシャンを相手に…虜にすることを目的に、作られた……!

そして、その同じスライムがあと何体か、よく見えない薄暗がりのなかで、蠢いている……
585  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 01:06:22.76 ID:lvK1ePiu0
ぐじゅ、と汚らしい音が思ったよりも近くで聞こえ、私は弾かれたようにそちらに目をやる。
いつの間にか春香のすぐそばまで、別のスライムが近づいていた。

千早「春香、頭を、下げてっ!」

春香「ふ、ぇっ?」

熱っぽいとき特有のとろんとした目のまま、私の言葉に応えてというよりたまたまそのタイミングで脱力した、
という感じで春香の頭がすっと下がる。それで十分だった。

千早「く、っ!」

勢いを止めずに鎌を振りぬき、春香の後ろで伸び縮みしているスライムのコア部分を貫く。
芯のあるぶよぶよしたなにかが半透明の身体の中できゅっと縮み、そのまま全体が溶けるように床にへばりついた。

千早(まず、は、一体……!)

透明度が低い分だけ少し勝手は違うものの、やはりスライムである以上、弱点のコアを攻撃されたら
さっきの春香のときのように飛び散ることはなく、そのまま消滅してしまうのは同じらしい。それがわかったのは収穫だ。

ただ、思った以上に状況はよくなかった。それどころか悪化している。
春香は今や完全に床に座り込んでいて、視線はただぼんやりと宙にさまよっている。
おそらく無意識なのだろう、口の端からは舌が少しだけのぞいていて、はっ、はっ、と切れ切れに息をつく。

私のお尻のあたりに妙な感覚があった。
なにも触れていないはずなのに、板のようなものが押し付けられているような…

その正体が、床で座っている春香のお尻の感覚そのものだとようやく気づき、戦慄した。
春香の感覚が私の感覚を侵食していく速度が、これじゃあまりにも早すぎる!

このままでは私まで動けなくなってしまう。
そうなる前に、最低限、残りのスライムは片付けておかなくてはならない。
気を抜けば震えそうになる足にぐっと力を入れて、私は残りのスライムを数える。
3……、いや、4体。それぞれの距離はそう近くない。いける、はずだ。

もっとも近い個体を目指して一気に駆け出す。
その一歩一歩の衝撃が足を伝い、脛から膝を超え、太ももを余すところなくしびれさせ、
そしてその勢いのまま足の付け根、下腹部のあたりを断続的に直撃する。

千早(はっ、は、あっ……余計なこと、は、考えては駄目!)

すれ違いざまにコアを一撃で潰し、その身体が崩れるのもろくに見ないまま、私は次のスライムを狙う。
こいつらは確かにタフではあるけれどスピードはないし、感覚もそれほど鋭くない、このまま、

千早(っ、~~~っっ!?)

ずくん、と音すら聞こえそうなほどの、今までで最大級の激震が全身に走り、ついバランスを崩してしまう。

千早「しま、っ」

その拍子に攻撃の軌道にもずれが生じ、頭が事態を理解するより前に、目の前の軟体が爆散した。
たちまちのうちに私の全身は、春香の感覚を経由してではなく、直接、飛び散ったスライムにまみれてしまう。

千早「っ、あ、あああっ!?くぅっ、あ、あつい、いっ!」

春香「ひぃっ、ああああああっ!?な、なんでぇっ、こんにゃああ、っ!」

身体を襲う熱に耐えきれず私が床に転がってしまうのと、春香の叫びが響いたのはどちらが先だったか。
春香から私へ、私から春香へ、お互いの身体を焼く熱さが行き来してオーバーヒートを起こしてしまっている。

それでもなんとか起き上がれたのは、ひとえに春香を守りたい、助けたい、その一心のおかげだった。

千早(だ、め、はるかが、動けないぶん、私、がっ)

さっき仕留めたのが1体、いま、仕留めそこなったとはいえ無力化したものが1体。
残りは2体、まだ、きっと、どうにかでき――


ぱりんっ。


ついさっき聞いた、なにかが割れる軽い音が響いた。

ぱりんっ、ぱりんっ、ぱりんぱりんぱりんぱりんっ

それがなんの音なのかは覚えている。でも、頭が理解を拒否している。

「よおーし、もう例のびん持ってるやついねーな?」
「響様疑ってほんとすみませんでした。これマジ最高のアイテムです」
「しかしまあ、さすがに同情しなくもないわ、これ」
「な、さっきすぐ使わないで取っといて、結果的にはよかったろ」



「つーことで、シャイニング・チハヤちゃん。そのスライム、あと20体くらい追加しといたから、ま、がんば」
586  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 01:08:36.42 ID:lvK1ePiu0
いよいよ、本格的に、立っていることが難しくなってきた。 
なかば這いずるようにして、私は春香のところまで、なんとか退却する。 
 
千早「春香、春、香!聞こえる?返事を、して」 
 
春香の肩をつかんで、揺さぶっているのに、同時に、自分の肩をつかんでいるような、感覚がある。 
例の、副作用が、ここまで、進行して、しまっている…… 
 
焦る私の目の前で、スライムたちが、信じがたい行動を、とり始めた。 
 
千早「……そ、そんな!?」 
 
ぶちゅん、ずちゅん、と胸の悪くなるような、水音が続く。 
スライム同士が、おたがいに、まとわりついて、くっついている。 
当然、それを、繰り返せば繰り返すほど、スライムは、体積を、大きさを増していく……! 
 
やがて、水音が止む。 
そこに残った、のは、天井につかえてしまいそうな、小山のような、半透明の、スライム。 
 
ただ、所詮はスライムの頭脳、ということ、なのか、私は勝機を見いだせた。 
くっつくごとに、コアの数も、倍になるはずだが、そのコアがほぼ全部、同じ場所に、位置している。 
 
あれをまとめて、貫ければ、おそらく、一撃で、すべて倒せる。 
 
春香「……やろ、う、千早ちゃん。ツイン・シャインボール、だよ」 
 
千早「春香。もう、大丈夫?」 
 
いつの間にか、春香は、ある程度正気を取り戻していたよう、だった。 
がくがくと、全身をけいれんさせて、いる。おそらく私も、似たようなものだろう。 
 
春香の右手が、ぶるぶる、震えながら、スライムの中心部を狙って、掲げられた。 
私も、左手をそっと、その手に寄せて、春香の右手の甲に、左のてのひらで触れる。 
 
春香「んん、んっ!」 
 
千早「くふぅっ……!?」 
 
たった、それだけの接触で、ふたりとも声がおさえきれない。 
でも、負けては駄目、ここであの巨大化した、スライムを倒す! 
 
春香「いく、よ、千早ちゃん!」 
 
千早「ええ!ツイン・シャ」 
 
ぶびゅちゅうっ! 
 
春香「あっ、ひゃああああんっ!?」 
 
千早「んはあああああっ!!!」 
 
全身を襲う熱の激しさに、何をされたのかも認識できない。 
床に、貼り付けられたかのように、身動きがとれない。 
 
巨大スライムが、身体の一部を切り離し、飛ばしてきたのだ、と、ようやくわかった。 
そのせいで、隣の春香ごと、スライムの重みで、押し倒されて、いる。 
 
わかった、ところで、何にも、なら 
 
ぐちゅちゅんっ、ちゅぶぅぅっ 
 
春香「あひっ、や、やめへえええっ!?」 
 
千早「いっあああっ、ひいいいいいいっ!!」 
 
すぐに、巨大なスライム本体の一部が、伸びてきて、私と、春香を、まとめて捕える。 
 
つかまれたときの刺激は、私たちの意識を、刈り取るのには、十分だった。 
590  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 22:10:09.63 ID:lvK1ePiu0
あずさ「あ、ああ…そんな……!」

貴音「く……春香、千早っ!!」

春香ちゃんと、千早ちゃん。ふたりともぐったりとしてしまったまま、身動き一つしません。
そしてマジシャンのお洋服をまとったふたりの身体が、ものすごく大きなぶよぶよしたものの中に
ゆっくり引き寄せられて、ずぶずぶと飲み込まれていくのを、わたしたちは見ていることしかできません。

「おお。ド雑魚だと思ってたがすげえ有能じゃねえか、こいつ」
「そもそもスライムって合体とかできたのな」
「最初から中身も含めて知らせといてもらいたかったわ。寿命縮んだぞ、マジで」
「バッカお前。その微妙に抜けてるのこそ、響様のいいところだろ」
「ホンマそれな」

撮影の途中でいきなり入ってきた人たち、そしてあの、大きなおばけを生み出した人たち。
春香ちゃんと千早ちゃんを捕まえて安心したようで、適当なことを言って、へらへら笑い合っています。
もう間違いありません、この人たち、響ちゃん、というか、ブラックジャンボの……

律子「…ダメ、つながらない……!ここ圏外のはずないのに、どうして!?」

さっきから何度も、プロデューサーさんや美希ちゃん、雪歩ちゃんに連絡を取ろうと
律子さんがスマホを操作しているのですが、うまくいかないみたいでした。
もちろんわたしも、それから貴音ちゃんも同じです。建物のなかとはいえ、町中なのに…!

「結界発生装置も要らなかったなー。スライムが自力でそこまでやってくれるとは」
「マジで俺ら来る必要あったかって話…そういや誰か本部に連絡とった?」
「あ、さっき送っといた。マジシャン二人捕獲成功、それから……候補三人もほぼ確保、つって」
「なあなあ、これって結構な戦果だよなあ?ボーナスとか出ねえかな」
「それもいいけど、むしろ俺は役得があるほうが嬉しいんだが」
「へへへ、役得、な。ホントお願いしますよ響様!」

なに候補、と言ったのかよく聞き取れないでいるうち、黒づくめの人たちが、いっせいにこちらを見ました。
いやらしい笑いを浮かべて、値踏みするようなその視線に、思わずぞっとします。

「で、返事は?」
「それはまだ……お、来たっぽい」
「マジかよ、なんて?早く聞かせろよ、おい」
「………へへ、『撮影』、俺らで続けろだとさ」
「ハァ?ンだよそれ、邪魔した分おとなしくお仕事終わらせてやれってか?」
「バーカ、興奮しすぎだ、話は最後まで聞けよ。つまり……」

誰かひとりが、ほかの仲間の人たちに説明をしているみたいです。
はじめ静かに聞き入っていた集団が、話が進むにつれて、徐々に興奮を抑えきれなくなっているように感じました。

律子さんも、貴音ちゃんも、わたしも、できることならすぐ逃げ出したいけど
春香ちゃんと千早ちゃんをそのまましくわけにはいかないですし、
現実問題として、一か所しかない出入り口を抑えられていて、どうしようもありません。

やがて話が終ったらしく、黒い集団の中からひとりが進み出て、こっちに近づいてきました。
貴音ちゃんとわたしをかばうように立つ律子さんの背中に緊張が走ります。

「えーと、765プロのアイドル三浦あずささん、四条貴音さん、それにプロデューサーの秋月律子さん、で合ってますよね」

「まあお三方ともお気づきだとは思いますけど、俺ら、ブラックジャンボの戦闘員でーす」

笑いだすのを無理やりこらえているような声と表情で、その人は切り出しました。

「うちのボス…響様から、指示がありましたんで。中断してる写真撮影のお手伝い、させてもらいますよ」

一瞬、意味がわかりませんでした。たしかにスタジオのスタッフさんはみんないなくなっちゃってるけど、
撮影のお手伝いをすることで、この人たちになにかメリットはあるのかしら?

わたしが抱いた疑問の答えは、すぐに最悪の形で告げられました。

「ただ、まあ…できあがる写真のレーティングはたぶん、18禁になっちゃいますけど」

くくく、へへへ、というような、低い男の人たちの笑い声だけが、スタジオに響き渡ります…
591  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 22:16:12.10 ID:lvK1ePiu0
律子「ち、近づかないでっ!あんたたち、こんなことしてただで済むとでも思ってるの!?」

「おーおー、威勢いいなあ。アイドルを守るプロデューサーの鑑、ってやつだねえ」
「その顔もせっかくだから撮っとこう。はーいチーズっ」

かしゃっ、という音とともに強い光がたかれ、わたくしたちの目を焼きます。

律子「う、っ!?ふ、ふざけたマネを……!」

律子嬢が腕をいっぱいに広げ、あずさとわたくしの前に、かばうように立ちはだかっておりました。
周囲には黒装束の男たちで人垣ができており、突破して逃げる、ということはほぼ不可能に見えます。

頼みの綱だったはずの春香と千早は、異形の怪物の表面に手足を半ば埋め込まれ、宙に浮かされていました。
ふたりとも先ほどから身じろぎすらせず、わたくしたちは無事を祈るよりほかありません。

「まあまあ、そんなカッカせずに。まずは3人、そのまま並んで1枚撮らせてくださいよ」

律子「勝手なことばかり言って、誰がそんなこと――」

「秋月さーん、こっちには人質がいるんだってこと、忘れてません?」

律子嬢がごく小さく、しかしはっきりと息を呑みました。
そう、万にひとつ、わたくしたちだけがこの場からうまく逃げられたとしても、
それでは囚われの身の春香と千早を見殺しにしてしまうことになります。

「普通ならあんたらを人質にマジシャンたちに言うこと聞かせるんだろうけど、まあ、どっちでも一緒ですよね」
「そうそう。言うこと聞きたくないならそれでもいいけど、その場合、あの二人はどうなっちゃうのかな~」

貴音「………わたくしたちに、何をしろというのですか」

律子「た、貴音っ!?」

よもやわたくしが要求を呑むとは思っていなかったのでしょう、律子嬢が慌てたように声を上げます。

「ああうん、だから写真を撮らせてくれって言ってるでしょ?そしたらほら、3人、ちゃんと並んで」

貴音「……律子嬢。ここは、言われたとおりにするよりありませんでしょう」

律子「で、でも、そんなことしてたら、要求がどんどんエスカレートしてくるに決まって…!」

かろうじておたがいに聞こえる程度の小声で、律子嬢とわたくしは言葉を交わします。
律子嬢の不安も痛いほどわかりますし、わたくしとてまったく本意ではありませんが、状況を考えれば致し方ありません。

貴音「春香か千早が、あるいは雪歩や美希が、動いてくれるのを待つほかございません。今は、時間を稼ぐことを考えるべきかと」

律子「それは…でも、そしたらあんたもあずささんも、どんな目に遭わされるか!」

貴音「……っ」

確かに、わたくしたち三人に先ほどから突き刺さってくる下卑た視線からして、
これから禄でもないことを命じられるのは火を見るよりも明らかでした。

貴音「………それでも、ほかに手がない以上は…律子嬢は、なにか代案をお持ちですか…?」

律子「あるわけないじゃない…!だからなんとか、ほかの手を考えてるんでしょう……!?」

なおも小声で言葉を交わしつつ、あずさにも声をかけ、わたくしとあずさは律子嬢の横に並び立ちます。

「いいっすねー、秋月さんもさすが元アイドルだけあってほかお二人に負けてない。じゃあ撮りまーす」

もともとはこのすたじおの備品であったはずの機材を我が物顔に使い、黒装束どもが撮影を始めました。
強い光を何度も、いろいろな方向から浴びせられ、それ自体はいつもの撮影と変わらないはずですが
すぐにでもこの場を立ち去りたい嫌悪感だけが、胸の内に強く広がります。

「ほらほら、アイドルと元アイドルなんでしょ。笑顔足りてないですよー、笑顔」

せっつかれ、無理やりに笑いを浮かべるあずさ、律子嬢、そしてわたくし。
そのさまを写真におさめんとして、何度も何度も光が明滅しました。

「うし、3人揃って立ちポーズはもういいな。そしたらこれから、本格的に行きましょうか」

にやにや笑いをもはや隠そうともしない首領格の男が口にしたのを合図に、
同じような不快な笑みをたたえた黒装束どもがじりじりと距離をつめ、わたくしたちに近づいてきました。
592  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 22:21:52.53 ID:lvK1ePiu0
律子「やっ、やめろって言ってるでしょう!?あっ、こら、やめて、勝手に撮るなぁ!」

じたばたと暴れる律子さんが、寄ってたかってジャケットを無理やりに剥ぎとられました。
その叫び声がとても聞いていられなくて、つい耳をふさぎたくなりますが、
まわりをたくさんの男の人に囲まれているこの状況じゃ、それもできません。

「おお~、すげえ、あっちの二人にも負けてねー」
「むしろ小柄なぶんだけ、よけい迫力があるっつーの?へへへ」

ごくシンプルな白いシャツとスーツのパンツ、という姿にされてしまった律子さんは
自分の身体を隠そうとするように両腕で抱いていて、それを黒づくめの人たちが容赦なく撮影します。


「うわ、これだけでマジいい匂いするわ…さすがアイドルの私物、たまんねえ」

貴音「くっ、なにをして……痴れ者っ!返しなさい!」

「銀色の王女、だっけか?その気の強い顔サイコー!ほらほら、こっちに視線ちょーだい貴音ちゃん!」

貴音ちゃんも状況は似たようなものでした。
肩に羽織っていた、ゆったりとしたえんじ色のショールを取り上げられて
食って掛かるその表情を、げらげら笑いながらあの人たちがカメラにおさめています。


「さーて、あずささん。年上として、後輩ふたりに手本みせてやってくださいよー」

ねっとりとからみつくような声といっしょに、急に肩に手をかけられて、びくっと身体が震えました。

「俺ら、アイドルの大事な身体に乱暴とかしたくないんですよ。でもこのままだと、あっちの二人とか、いずれ……ねえ?」

あずさ「な、何をしろ、って言うんですか……?」

質問する声が、どうしても震えてしまいます。それを聞いた相手は、平然と答えました。

「簡単っすよ。少しずつ脱いでってください、そしたら俺ら、手は出さないんで」

あずさ「~~っ!」

きょうの撮影は普段着のイメージということだったので、わたしがいま着ているのはほんとうにごく普通のお洋服です。
下はストレッチの少し入った動きやすいジーンズに、膝下までの茶色いレザーブーツ。
そして上に着てるのっていったら、編みこみで柄の入ったミドルゲージのニット、だけ。
これ……上と下のどっちを脱いでも、すぐ、下着になっちゃう……!

どうしよう……でも、早くしなくちゃ、律子さんや貴音ちゃん、それに春香ちゃん、千早ちゃんが、危ない目に、

律子「きゃあああああああっ!?やだっ、いやあああ、お願いやめてぇっ!」

びりっ、となにかを破る音がして、律子さんの悲鳴が室内に響き渡りました。

あずさ「律子さんっ!?」

貴音「り、律子嬢!」

あわててそっちを見ると、律子さんが羽交い絞めにされて、さっきよりもひどく暴れているのが目に入りました。
白いシャツの前が大きくはだけられていて、さらにその下に着ていたタンクトップを
羽交い絞めにしているのとは別の黒ずくめの男がたくし上げ、薄めのグリーンのブラが露わにされてしまっています。

わたしはもちろん、同時にそれを見てしまった貴音ちゃんですら、すぐには声も出せませんでした。
いま自分の目で見て、耳で聞いたものが、とても信じられない気持ちです。
いつもしっかりしていて、几帳面で、あんなに頼もしい律子さんが……悲鳴をあげて、暴れるなんて…

「だーから、おとなしくしてりゃこんなことしないって言ってんだろ?あーあ、見ろ、シャツ破いちまったよ」

律子「……ひ、っ、いやああ、やだ、もう、やめてえ………」

律子さんは今ではぼろぼろと涙をこぼしていました。
とても見ていられなくなって、わたしはつい大声を張り上げます。

あずさ「や、やめてくださいっ!わたしが、その……ぬ、脱ぎますから!! 律子さんにひどいことしないで!」

貴音「………」

貴音ちゃんの方から衣擦れの音がして、わたしはそっちに目をやります。
ちょうどジャンパースカートのボタンをはずし始めた貴音ちゃんと目が合いました。

貴音「あずさ……貴女だけに、辱めは受けさせません。わたくしも、ご相伴しましょう」

あずさ「…………どうもありがとう、貴音ちゃん」

いつも守られて、導かれてばかりのわたしだから、こんなときくらい律子さんを助けてあげないと…!
覚悟を決めてわたしは、ニットのすそに手をかけます。
593  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 22:29:37.14 ID:lvK1ePiu0
手を交差させてすそをつかみ、上にずらすように持ち上げて、まずはニットから頭を抜く。
ただその動きをしている間もカメラのシャッター音がずっと鳴っていて、恥ずかしくて、死んでしまいそうです。

あずさ(でも、そう、律子さんの味わった悔しさとか、つらさとかに比べたら!)

これは単なる水着のグラビア撮影なんだ、と強く思い込んで、恥ずかしい気持ちを追い払いました。
ゆっくりと手も引き抜いて、わたしは完全に脱げたニットをそっと床に下ろします。
でも、どうしても不安な感じがぬぐえなくて、つい胸をおさえるように両腕を組んでしまうわたしを
さらに多くのフラッシュとシャッター音が取り囲んで、まるで追いつめられているような気持ちになってしまいます…

「すっげ……何カップつったっけ、もうあれだけで何回ヌけるか………」
「全体のスタイルもいいけど、やっぱおっぱい見ちゃうよなー」
「これで撮影だけとか生殺しにもほどがあるわ。くそ、せめて目に焼き付けとこ」

好き勝手なことを言っている声は、できるだけ聞かないようにしました。
こんな透けるつくりのニットをブラの上に直接着るようなまねはさすがにできないから、
いまのわたしはキャミソールにジーンズ、それにブーツをはいている、ひどくバランスの悪いかっこうです。

「おいおいおいたまんねえよ……なんだあの尻。ああ、見てるだけでイきそう」
「なんのために俺らブラックジャンボ入ったと思ってんだよー、これでおあずけとかないわー」

ヤジというか、はやすような声がして貴音ちゃんの方に目を向けると、
ちょうど貴音ちゃんはジャンパースカートから足を抜こうとしているところでした。

ストッキングに包まれた、わたしから見てもうらやましいきれいなラインの足がむき出しになっています。
えんじ色のスカートがするりと床に落ち、貴音ちゃんは胸元にギャザーの寄ったシャツだけを着て
下半身はストッキングとその中の下着以外、なにも身に着けていない状態になってしまいました。

「いいぞー、堂々といい脱ぎっぷりだった!アイドル無理でもストリップ嬢ならトップとれんじゃね?」
「もちろん全部、ばっちり撮ったから安心してね、貴音ちゃーん。うへへ」

その貴音ちゃんにも容赦なくフラッシュの雨が浴びせられ、シャッター音が一段と激しくなりました。
とくに貴音ちゃんの場合、やっぱり……その、お尻がチャームポイントなせいか
黒づくめの集団は貴音ちゃんの後ろ後ろに回り込んで写真を撮ろうとします。

貴音ちゃんも最初はそのたびに向きを変え、シャツのすそを精一杯前後で引っ張って
ショーツができるだけ見えないようにしていたのですが、周囲をぐるりと囲まれていては
けっきょく無意味だということがわかってしまい、今ではただ立って耐えているみたいでした。

貴音「…………っ、う、ぅっ……」

恥ずかしさのせいでしょう、貴音ちゃんは顔が真っ赤になってしまっています。
声や涙が出ないように、唇をぎゅっと強く噛みしめているのが、わたしのところから見てもわかりました。
こんな貴音ちゃんを見るのももちろん初めてで、わたしのほうが胸が痛くなってしまいます。

律子「あ……ああ、貴音、それにあずささんも……ごめんなさい、守ってあげられなくて、う、ううっ」

貴音「こ、この下種ども、これで満足なのでしょう!?好きに嗤っていなさい、今に、そなたらなど……っ!」

あずさ(春香ちゃん、千早ちゃん……美希ちゃん、雪歩ちゃん、プロデューサーさん! おねがい、わたしたちを助けて…!)

いちおうは羽交い絞めから解放されて、乱れた服装のまま座り込んで涙している律子さんと、
泣いてしまいそうな顔のまま精一杯の叫びを上げ、それすら写真に撮られ続けている貴音ちゃんを見ながら、
届くかどうかはわからなくても、わたしは祈らずにはいられませんでした。



「で、さ。まだ覚醒してない子だけ脱がして、こっちは脱がさないのって不公平だと思うわけよ俺」

なにか、言っている声がします。

「あー、まあ、その気持ちはわからんでもない。じゃあとりあえず、触ってみ」
「言われなくても……ってあっ痛ぅぅっっ!?」

スカートのすそが、なんとなく、揺れたような気がしました。

「う、お、なんだこれ!?痛、ってか熱っ!?」
「だってその子ら、マジシャンだし。衣装にも魔力みたいなもん込められてるんだろ、たぶん」
「なんだよそれ!俺らみたいなザコは服触るのも無理ってか!?」
「そういうことらしいぞ。拘束状態を撮るくらいにしといたほうが身のためだな」

春香(あ、れ……わた、し、なにしてたっけ……?)

千早「……春香。目が、覚めた、のね?」

春香「え、……あ、千早、ちゃん?え、っ、あっ、なにこれっ!?」

「お。ようやくお目覚めかい、シャイニング・ハルカちゃん」

黒タイツの戦闘員?みたいな人が、わたしを見てにやりと笑いました。
594  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 22:41:03.69 ID:lvK1ePiu0
春香(えっと、えっと……、わたし千早ちゃんと一緒に戦ってて、そう、スライム、……爆発して…!)

だんだんと、いろんなことが、ジグソーパズルみたいにばらばらな状態で浮かんできます。
それで、スライムがくっついて、大きくなって…

春香「…っ!?ちょっと、律子さんっ、あずささん、貴音さんまでっ!?な、なんてことさせてるのっ!?」

そこでようやく、スタジオの照明が強く当たっているあたりで起きていることに気づき、
わたしは思わず大声で叫んでしまいました。ど、どうして三人とも、服、脱がされて……!?
しかもよく見ると、その三人を囲んだ黒タイツたちはカメラを構えて写真まで撮ってるみたいでした。
三人が望んで撮影させてるわけがありません、すぐにこんなこと、やめさせなくちゃ!!

「おー、最後まで寝てた方のマジシャン様も目が覚めたか」
「シャイニング・チハヤは静かなもんだったけど、シャイニング・ハルカのほうはにぎやかつーか、うるせえな」
「まあどのみち、何ができるわけでもねーし。撮影続行と行こうぜ」

わたしの声に何人かの黒タイツたちがこちらを向いたけど、すぐ興味をなくしたように視線を戻してしまいます。
無視なんかさせません、隣にいる千早ちゃんと一緒なら、あのくらいの人数はすぐにでも……

…………あれ?

隣の千早ちゃんとわたしの目線は、だいたい同じくらいの高さです。
一番近くにいる黒タイツの人たちは、わたしより少し目線が低い位置にいます。
そして、いま気がついたんですが、足が地面についてる感じがしなくて、手もなんか、うまく、動かない?
正確に言えば動かせないわけじゃないんですけど、水の中に入ってるみたいな感じで、反応が鈍い、というか……

違和感の正体がわからないままなので、とりあえず千早ちゃんと話をしてみようと顔を横に向けて、
そこでわたしは自分の後ろに、なにかすごく大きな塊があることに気づきました。
そして、その塊の中に自分が手と足を半分くらい突っ込んでいて、全身をちょっと反らせた姿勢で拘束されていることにも。

春香「え……っ、ちょっ、こ、これっ!?さ、さっきの巨大スライムっ!?」

おぼろげだった記憶が少しずつ鮮明になって、いろんなことを追加で思い出します。
そう、大きくなったスライムをやっつけるために、千早ちゃんと一緒にツイン・シャインボールを撃とうとして、
その前になにか熱くてぬるぬるしたものを、浴びせられたような……

混乱しつつも改めて隣の千早ちゃんの顔をよく見て、わたしはその顔色の悪さに驚きました。
冷や汗をびっしりかいていて、それなのにほっぺただけは熱があるときみたいに赤くなっています。
わたしと目が合って、その千早ちゃんがか細い声で言いました。

千早「春香……私も、できる限り、耐えるから、あなたも、がんばって…」

春香「耐えるって、千早ちゃん、な、んんんっ、ああああっ!?」

千早「………くぅ、っ、やっぱり、意識が覚醒して、る、ほう、が、っ……!ひんっ、ひぃぃっ!!」

急激に襲い掛かってきた感覚のせいで、はっきりと、さっきまでのことを思い出しました。
これっ、さっき、スライムを全身に浴びた後の、あの感じ、っ……!!

春香「ひっ、やああっ、なにこれぇぇっ!?熱いっ、おなか熱いよぉぉ……!」

千早「は、春香お願いっ、あんまり、動かないで……!私まで、刺激をっ、受けてしま、うううっ!?」

手足をぶよぶよしたスライムに取り込まれてはいますが、外に出ている身体はある程度動かせるぶん
わたしはつい自由になる腰や肩をひねり、よじってしまい、そのことがより状況を悪化させます。
千早ちゃんはわたしより早く目覚めていたせいか、その間にこの熱っぽい感覚が身体じゅうにたまっていたみたいで
その千早ちゃんが感じているどろどろとした熱さが、わたしの身体にもすぐ広がっていきました。

春香「いやっ、だめっ、これ、やだあっ!?あ、ああっ、ふあああんっ!?」

千早「………っく、ふぅっ、はっ、はあっ、こ、こんな、感覚………う、っ、ああああっ!!」

千早ちゃんのためにもがまんしなきゃ、と必死に思うのに、身体がどうしても言うことを聞いてくれません。
そしてわたしがようやく少し落ち着けたころには千早ちゃんから感覚が伝わってきて、無限ループになってしまいます。

「へへへ、いいぞマジシャン様、どんどん踊れよ。おら、腰は動かせるだろ、もっと振っちまえ」
「これを撮らないならいったい何撮るんだって話だよな。エロすぎる…!」

身体をくねらせて悶え、声をおさえきれないわたしたちのことも、彼らは写真に撮り始めたみたいでした。
シャッターの音とフラッシュの光がまるで拍子をとっているみたいに聞こえて、
千早ちゃんとわたしはスライムに捕まえられたまま、恥ずかしいダンスを踊らされてしまいます。

「でもこれも見るだけ、撮影だけとか、生殺しひどすぎねえか。いや撮るし、見るけどさ」
「しゃーねーだろ、響様のご命令なんだ。それにお前もさっきの見てたろ、ダメージ覚悟でお触りするか?」
「…いや、それはいい。やめとく」

見られて、撮られてるのが死ぬほど恥ずかしいのに、わたしも千早ちゃんも、声も、動きも、止められません……
595  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 22:52:07.97 ID:lvK1ePiu0
あずさ「は、春香ちゃんっ!!」

貴音「千早っ!どうか気を確かに…!!」

律子「二人とも!?あ、あんたたちね、あの子たちにいったい何したのっ!?」

無事に目を覚ましてくれたと思ったら、怪物に捕えられた春香と千早のふたりがすぐに声を上げて動き始め、
……いや、はっきり言おう、喘ぎながら悶え始め、私たち3人は自分たちの状況も忘れて叫ぶ。
その間にも、下卑た笑いや冗談めいたものを口にしつつ、連中は嬉々として春香たちを撮影対象にしはじめた。

「あ?俺らはなんもしてないぜ。実際、あの子らにぽんぽんぶっ飛ばされるの見てただろ」

目の前の男に心底馬鹿にしたような答えを返され、言葉に詰まる。
たしかにさっき見ていた実力差でいえば、こいつらが二人に手を出せていたとはとても思えない。
あの途中から出てきた、スライム、とかいうのがなにか二人に仕掛けたのだろう。

律子「く……い、いいからとにかくやめさせて!あの子たちを撮影するのは目的じゃないんでしょ!?」

「あーでも確かに撮れとは言われてねーけど、撮るなとも言われてないしな」
「そうそう。いい被写体がそこにあったら、つい写したくなるのがカメラマンのサガだろ」

………自分のでもない機材を適当に使って、私たちの恥ずかしい写真ばかり撮っておいての言い草に
はらわたが煮えくり返りそうになるが、このまま春香と千早をあの状態にしておくわけにはいかないと思い、ぐっとこらえる。
なんとか二人が解放されないことには私たち全員、どんどん状況が悪くなるばかりだ。

律子「………い、いい被写体、があれば、いいのね?」

「まあね。思わずふるいつきたくなる、みてーなのがあれば」
「そうそう、たとえば、敏腕女プロデューサー様が自分から……お?」

さっきは思わず叫んで、こらえきれずに泣いてしまって、あずささんと貴音にはきっと、私以上に恥ずかしい思いをさせた。
せめてここで私が身体を張れば、二人や、春香と千早を助けることにつなげられる。

律子「元、とはいえ、アイドルの下着姿が拝めるわよ。せいぜい、撮影でもなんでもしたらいいわ」

こんなの、現役でアイドルしてた頃に何度もやった撮影とぜんぜん違わない。
ただ衣装がちょっと派手というか、露出が多めのやつなだけだ、と思い込んで、わたしはスラックスの前ボタンに手をかけた。

きょうはたくさん動くだろうから歩きやすいように、と選んだローヒールのパンプスを先に脱ぐ。
下ろした足からスタジオの床の冷たい感覚が背筋を駆け抜ける感じがして、ぞわっと肌が粟立った。
たぶんこの寒気は床のせいだけじゃないんだろうけど、そこを考えるのはやめにする。

大丈夫、こんなの、水着みたいなものじゃない。見せるつもりじゃなかったのを見せることになっただけ。
何度も心の中で唱えながら、ゆっくりと片足ずつ、スラックスから引き抜いていく。
後ろから見ていた連中がひゅう、と口笛のような音を立てたり、なにか話したりしている気配を感じる。

「おおっ、やっぱりブラジャーとパンティはセットのやつか。うんうん、それでこそだよ」
「真っ白じゃなくてほんのり緑ってのもわかってるわ。シンプルな中にちょっとだけオシャレ心を、みたいな?」
「それに装飾一切なしじゃなくて、レースの飾りがさりげなく入ってるあの感じ。正直、そそる」

……大丈夫、なにも聞こえてなんかない。あんなのヤジみたいなもので、気にするほうがバカなんだ。
少し火照ったように感じるふとももや脛にスタジオのひんやりした空気がふれて、また身震いをしてしまう。
スラックスを完全に両足から脱ぐと、私はさっき乱暴にまくり上げられたタンクトップにも手をかけて、
あれこれ考えてしまわないうちに一気に引きはがすようにして脱ぎ捨てた。

見も知らぬ男どもに、ブラとショーツだけの姿を思い切り晒すことになり、本当は死ぬほど恥ずかしい。
狂ったようにフラッシュがたかれ、シャッター音も途切れることなく鳴りつづけている。
あれがすべてわたしの下着姿を保存している光と音なんだ、と考えると頭がおかしくなってしまいそうだった。
でも、これで連中の注意を引けるならそれでいい、あずささんや貴音、それに春香たちが――


あずさ「きゃああああっ……や、やめてくださいっ!?」

貴音「く、あ、ああっ!?そんな、乱暴はお止しなさっ、きゃ、嫌ああっ!」


ほとんど同時にふたり分の悲鳴が響き、はっとして目をやると、戦闘員たちがあずささんと貴音に群がるところだった。

律子「な、なにやってるの!?そんな……私が被写体になってやるって言ったでしょう!?」

「いやあ、もう最高つーか神だと思うよ?めちゃくちゃ撮らせてもらったし、正直今も興奮してるし」

私にレンズを向け、立て続けにシャッターを切っている戦闘員の一人がしみじみと答えた。

「たださあ、『いい被写体』がいっぱいあるならそりゃ、ひとつよりふたつ、みっつのがイイじゃん。それだけっしょ」
596  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 23:06:11.93 ID:lvK1ePiu0
「おとなしくしてりゃ怪我はさせないって。そらっ!」

貴音「ひっ……!?あ、ああ、な、なんということ、を……!」

釦を外すこともないまま胸元の布地を力任せに左右に引きちぎられ、しゃつが一瞬でぼろきれになりました。
抗おうにも後ろから別の黒装束に腕を抑えられている状況では、どうにもなりません。

「お、このシャツびりびりな感じ、襲われてるみたいでいい絵面じゃね?撮っとけ撮っとけ」
「うわあ、しかも泣きそうになってるぜ、ぴったりじゃん!おいシャッターチャンスだぞ、急げwww」
「手え出すなとは言われてるけど、これくらいはまあ許容範囲だよな」

ほんとうに、ほんとうに見下げ果てた連中です……!
だというのにわたくしの身体には力がほとんど入らないどころか、恐怖に震えてしまう始末でした。

なぜ…なぜわたくしたちが、このような目に遭わねばならないのでしょうか?
この連中を率いている首魁が、わたくしが……友と信じていた、あの響である、というのは、事実なのでしょうか?

「なあなあ、上破ったんなら下もいいよな?」
「お、じゃあ俺こっちの足もーらい」
「お前もひょっとして同じ趣味か?いやあ、やってみたかったんだよな」
「すっげえわかるわ。じゃあ、せーので行こうぜ……せーぇのっ」

わたくしの左右にやってきた黒装束たちがよくわからない言葉を交わしていました。
それに気づいて抗議の声を上げるより前に、彼らはかがみこんでわたくしの足に触れ、そして。

びぃっ、びびぃっ、と、しゃつを裂かれたときよりは小さな音がして、
わたくしの足のあちこちに、ひやりとした空気の感覚が触れるようになります。

貴音「なっ………、な、なにをしているのです!?」

実際に黒装束どもがしている具体的な行為はわかっていても、つい問わずにはいられません。
そうするうちにも履いていた長靴下がどんどん引き裂かれ、あちこち穴だらけになってゆきます。

貴音「おやめなさい!脱げと言われれば自身で脱ぎますっ、ですからっ!!」

すっかり混乱してしまい、わたくしは自身でもよくわからないことを口走ります。

「そうじゃないんだよ貴音ちゃん。ストッキング破くのにロマン感じる男って、案外いるんだわ」
「そうそう、ついに実現できるとあっちゃ、脱いでもらうなんてもったいない」
「で、被写体的にはますますいい感じになったな。…お?泣いちゃう?泣いちゃう?」

貴音「あ、ああ……ひど、い、なぜっ、このような、ひ、ぐっ、う、うぅ、ぅええ……」

もう限界でした。
絶対にこのような連中に見せてなるものか、と思っていた涙がこぼれおち、
あとからぼろぼろと流れてしまうのを、わたくしは、止めることすらできません……

「あーあーあ、泣いちゃった。ストッキングのお前らのせいだかんなこれ」
「そうかあ?シャツ破いたやつさえいなきゃ、俺らも自重したぞ」
「ま、大丈夫だろ。きっとまたすぐ『このゲスども!』とか言ってくれるって」
「ああ、さっきのアレな、正直すっげえよかった。また聞きたいわ」

黒装束どもがなにか話しているのも、いまのわたくしの耳にはとうてい入りませんでした。




あずさ(ああ…た、貴音ちゃん……)

いつも不思議な空気を漂わせていて、凛としたたたずまいが素敵な貴音ちゃん。
その貴音ちゃんが今は、ぼろぼろと涙をこぼし、子供のように泣いています。

律子さんのときと同じようにシャツを破られただけじゃなく、ストッキングもあちこち引き裂かれ、
わたしが見ていることしかできないうちに、下のキャミソールまで無理やり脱がされてしまいました。
下着姿にされる間も、ずっと貴音ちゃんは泣いていて、もちろん撮影も続いたままです。

あずさ「ひ、ひどい、どうしてこんな……!」

無意識についつぶやいてしまったわたしに、黒づくめのひとりが律儀に答えました。

「いやまあ、ブラックジャンボってもともとああいう感じの集団なんで。じゃ、失礼しまーす」

あずさ「え、ああっ!? いやああっ!!」

逃げる間もなく取り囲まれて、まずキャミソールをめちゃくちゃな勢いで引っ張り上げられました。
顔と頭が覆われて何も見えなくなってしまい、そのわたしが抵抗をするより早く
身体をぐいっと抱え上げられ、浮かされた状態にされてしまいます。

両足のブーツを引っ張られはじめてようやく、ああ、ブーツとジーンズをどっちも脱がすつもりなんだ、と気づいて、
はじめにすぐ足先が、それからゆっくりと足全体が、スタジオの空気に晒されていきました。
597  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 23:27:17.53 ID:lvK1ePiu0
「あっちはずいぶん派手にやってんな。あんな襲うみたいなやり方、トラウマになるんじゃねえの」
「むしろそれが目的かもな。ここで覚醒されないようにする、とか」

飽きもせず、私たちを写真におさめつつ、戦闘員たちが雑談している。

律子が意を決し、自分から下着姿になった直後、戦闘員たちは、あずささんと四条さんにも、襲いかかった。
3人とも、それぞれ下着姿にされてしまうのを、私は、ただ見ていることしかできない。

千早(……でも、さっきまでに比べれば、身体の熱は、だいぶ、おさまって来ている………)

とはいえ少しでも気を抜くと、つい声を出してしまいそうになる。
できるだけ身じろぎせず、可能な限り違うことを考えて、自分の身体に意識を向けないようにする。
あまりにも工夫がないと自分でも思うけれど、現状で私にできる最善の対応はこの程度でしかない。

それは隣の春香にしても変わらないようで、さっきからお互いじっとし、ほとんど口を開いてもいない。
もちろん、辱めを受けている3人を見捨てるようなつもりはさらさらなかった。
そのための力をできるだけ蓄えて、今は機をうかがうしかない。

「ところで、このスライムの野郎はマジシャンの衣装思いっきり触ってるよな」
「ん?ああ、そうだな。ブーツとか思いっきり体内に入れてるし」
「こいつ、それで痛いとか感じねえのかよ。不公平だろ」
「不公平って……まー、俺らみたいな一般人に毛の生えたようなのと違って、魔力とかあるんじゃねえの」

撮影している連中は本当にどうでもいい、くだらないにもほどがある話を始めた。
なんとかこの拘束を抜け出したら、私たち5人分の恨みをこめて、一番に叩きのめしてやらなくてはいけない。

「待てよ?てことはだ、こいつに命令すれば、マジシャン脱がせたりとかできるんじゃね?」
「無理だろ……つーかお前、こだわりすぎだろ」
「まあ試すだけならタダだ。おーいスライムよぉ、シャイニング・チハヤの服破って脱がしてくれ!」

ご丁寧に手を口のそばに当てて戦闘員が叫ぶが、スライムは相変わらずの蠕動運動を繰り返すだけで、特に反応しない。
内容を聞いた時には一瞬焦ったものの、この分なら特に問題はなさそうだった。

「……ちっ、ダメか」
「そもそも聞こえてないだろ、耳とかなさそうだし。たくさん撮れたんだからそれで満足しとけよ」
「せめてポーズくらいいろいろ取らせたいと思わねえのかお前。ほらたとえば、二人並んでM字開脚させるとか――」

春香「あ、きゃあっ!?」

千早「うああっ!?」

「うおっ!」
「なんだ!?」

ぐにょん、とスライムが背後で大きくうごめき、軟質の身体の一部、特に私の足を飲み込んでいるあたりが
いきなり芯をもったように固い感触に変わった。足がつかまれたように感じて困惑しているうちに、
スライムの内部でぐいぐいと引っ張って動かされ、抵抗することもできないまま体制を変えられてしまう。

春香「やだ……っ、こんな恰好…」

千早「…くっ……!?」

両手は相変わらず上げているのに近い状態のままで、足をアルファベットのMの字に近い形に大きく開かされた。
足首からひざあたりまでがスライムに飲み込まれているのは先ほどまでと変わっていないけれど、
さっきまで背中とスライムの間に空間が多少残っていたのが、今では完全に密着している。

当然、こんな姿勢でいると、マジシャンの短いスカートではショーツが隠せず、完全に露わになってしまう。
春香も、私ですら、そのことに気付いて顔を真っ赤にするが、それ以上手の打ちようがない。

「………こいつ、言うこと聞いたよな。今」

ぽかんとした表情のままで、くだらない話をしていたうちの一人がつぶやくように言った。
もうひとりも同じように呆然としつつ、返事をする…… のではなかった。

「えーと、じゃあ……シャイニング・チハヤの胸を、はだけさせろ」

千早「あっ……!?い、やっ、なにを!?」

その言葉が終わるより前に、私の背中にくっついているスライムの動きが急に活発になった。
脇の下から半透明の身体が触手のように伸びあがり、私の衣装の胸元に伸びてくる。
手足の自由を奪われている私は、ただそれを見ていることしかできない。

しばらくふらふらとさまよっていたそれは、ようやく目標を見つけたというように
衣装の襟ぐりの中心に近づき、軟質の先端部を深くひっかけ、そして、

千早「ひっ、きゃあああっ!?」

私の衣装を思い切り、下着ごとずり下げて、お……乳房を、露出させてしまう。

春香「そ、そんな、千早ちゃんっ…大丈夫!?」
598  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 23:38:11.93 ID:lvK1ePiu0
「…なるほど、さっきお前、『破って脱がせ』つったろ?」
「えっと、そう、だったっけか。たぶんそう、……かもしれん、忘れたわ」
「要はこいつ、できないこと命じられたらやらないんだ。衣装を破れるほどは強くないけど、ずらすことはできる的な」
「お前スゲーな。よくさっきのだけでわかったな、それ」

黒タイツのひとたちの話は、ほとんど頭に入ってきませんでした。
いきなりのことに放心してしまっているように見える千早ちゃんに、わたしは必死で声をかけます。

春香「千早ちゃん……」

千早「私は、大丈夫…それより、春香、もっとまずいのは、っ」

春香「え?」

足を中途半端に折り曲げた変な姿勢になってるせいで、
今は千早ちゃんもわたしも、ショーツが、その、丸見え、に、なってしまってます…
その上、衣装をずらされ、おっぱいまで見えるようにされてしまった千早ちゃんを
心配するわたしに向けて、千早ちゃんはそんなことを言いました。

どういう意味?と聞くより前に、黒タイツの人たちの声が上がり始めます。

「まずはお揃いにしてやんねーとな。シャイニング・ハルカのおっぱいも出してやれ、スライム!」

春香「え……ああっ、そんな、ああぁっ!」

さっき千早ちゃんがされたのとまったく同じように、わたしの背後からもスライムの一部が伸びてきたと思うと
ぐいっと衣装を引き下ろされて、わたしのおっぱいまで、外に晒されてしまいました。
恥ずかしさで顔が真っ赤になる千早ちゃんとわたしにレンズが向けられ、何度もシャッターの音が聞えます。

「こういうのが撮りたかったんだよわかるか!?M字開脚でスライムに拘束されておっぱい丸出しの魔法戦士、それも二人だぞ!?」
「必死すぎて引くわ。……ただ、まあ、こういう組織にいるくらいだし、正直俺も気持ちはわかる」

で、でも、確かにすっごく恥ずかしいけど、これならまだがまんできます。
さっきからけっこう時間も経ってるから、あの身体が変になりそうな感覚もわりと薄れて……

春香「……あ」

さっきまでスライムにせいぜい、取り込まれていた手と足くらいでしか触ってなかったわたしたち、ですが、
今では姿勢を変えられて、まず背中がほぼぴったりとくっついてしまってます。

これに触れてからわたしがおかしくなっちゃったのは明らかで、できるだけ、触っちゃダメなはずなのに。

それに、スライムが、今まではなんの命令もなかったのでじっとしてただけ、だとしたら?

「よーし。もっと動きのある写真撮りたいんだよな……お前のが命令うめーだろ、なんかいいの頼む」
「まあ、要は、二人とも活発に動くようになりゃいいわけだ。なら単純だろ、『二人とももっと感じさせろ』」

ぬぱぁ……くちゃっ。

黒タイツの人の言葉にはっきりと応えて、スライムの身体のあちこちが、蛇みたいに首をもたげます。
千早ちゃんのまわりにも、わたしのまわりにも、たくさん、たくさん揺れています。

千早(い、今はだめ……、せっかく、多少は感覚が、薄れてきていたところなのに……!)

春香「……ひ、や、いや、もう、さっきみたいなのはだめっ!」

わたしたちの必死のお願いは、もちろん、聞き入れてもらえるわけがありませんでした。





春香「や、だぁっ、さわらない、でっ!?ひいっ、また、おかしくなっちゃうっ、いやあああ!!」

千早「だめっ、だめ…春香、落ちつい、てっ、ふたりとも流されたらっ、あ、ああんっ!?」

スライムに捕えられた春香と千早の絶叫が響き続けている。

巨大な本体から無数の触手のようなものが伸びあがり、二人の身体のいたるところを弄っている、ように見える。
春香も千早も、自由のきかない身体を何度も大きく震わせ、とろけかけた叫び声が止められないでいるようだった。

あずささんと貴音、それに私は、3人ともブラとショーツのみの姿にされて1か所に集められていた。
最初、ずっと泣きじゃくっていた貴音はあずささんに優しく抱きしめられ、あやすような言葉をかけられて
今ではある程度立ち直っていたが、こんどは春香と千早のほうがひどいことになってしまっている。

私たち全員が助かるかどうかとか以前に、あのままでは二人の身体や精神がおそらくもたない。
そう考えた私の心を読みでもしたかのようなタイミングで、戦闘員が口を開いた。

「シャイニング・ハルカとシャイニング・チハヤを助けたいんだろ?ん?」
「じゃあ、3人には『ひと肌』脱いでもらわないとな。つって、もうひとつしかねえかwww」
599  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/04/30(土) 23:54:28.14 ID:lvK1ePiu0
「なーんでこっち向いて脱がねえかな。どうせそのあと見せるんだったら一緒だろ?」
「そこはまあ、意地みたいなのがあるんだろう。それくらい好きにさせてやれよ」

あずさ、律子、貴音の3人は、はやし立てるブラックジャンボの戦闘員たちに背を向けたまま、
ゆっくりと手を伸ばしていく。たまたまフロントホックのタイプを身に着けていた律子は胸の前へ、
あずさと貴音は少し前かがみの姿勢になって、背中の中央あたりへ。

戦闘員たちの要求はひどくシンプルで、そして品性下劣にもほどがあるものだった。
シャイニング・ハルカとシャイニング・チハヤに対するスライムの責めをやめてほしければ、
3人が自身で下着をすべて脱ぎ、生まれたままの姿で被写体になれ、というのがその内容だった。

なぜか目的が「撮影のみ」に限定なのは戦闘員全員が徹底しているようで、
ここまでの間で身体に直接手を出されていないのも含め、3人にとっては多少の気休めではあった。
そうは言っても、アイドルとして、それ以前にそれぞれひとりの若い女性として、
不特定多数の男の前で、何も身に着けない姿をさらすことに抵抗を感じないわけがない。

しかし、自分たちを守るためにこの場にいる春香と千早がいま受けている責苦のことを思えば、
3人に残された選択肢はひとつしかなかった。

それぞれほんの一瞬にも満たないくらいの逡巡ののち、3人はほとんど同時にブラジャーのホックをはずす。
765プロのアイドルの中でも、とくに上位に位置するサイズを誇る3人のバストが支えを失って弾むように大きく揺れ、
その動きが背中側からでも少しだけ垣間見えて、戦闘員たちの目をくぎ付けにする。

薄い緑と、それぞれ濃い紫、臙脂色のブラジャーが主を離れてひらりと床に落ち、
露わになった3人の背中と落下したブラジャーのそれぞれに、大量のフラッシュが浴びせられた。

あずさも律子も、そして貴音も、おたがい一言も発することなく、視線を交わすわけでもない。
春香と千早を助けたい一心と、誰かひとりにだけ恥を背負わせたくない、という強い気持ちが今の3人を支えていた。

それぞれが黙ったまま、ショーツに手をかけると、少しずつずり下げて片足ずつ脱いでいく。
誰かがつばを飲み込む音がやけに大きくその場に響いた。
いつの間にか戦闘員たちもすっかり声を上げなくなり、その様子に食い入るように見入っている。

3人の両足がショーツを抜け出てから、振り返るまでには少しだけ長い時間がかかった。

やはりそのまま全裸を晒すのは耐えられないのか、3人は3人とも腕と手を使い、
それぞれ乳房と、陰部が丸見えになってしまわないように隠していた。
しかし、その様子を見た戦闘員たちからは、容赦ない罵声が浴びせられる。
もちろんその間もシャッター音は断続的に鳴り響き、3人のあられもない姿の撮影は続いている。

「今更隠してんじゃねえよ、もったいぶるな!」
「アイドルならどーせ枕くらいヤってんだろうが。俺らにも見せてくれよ、ええ?」
「そういう態度とれる立場か?マジシャンたち助けたいんだろう?」
「まっすぐ立てよ、まっすぐ。気をつけしろ!」

恥ずかしさに顔を真っ赤にし、あるいはぽろぽろと涙をこぼしながら、
3人はゆっくりと手と腕をどけ、気をつけに近い姿勢をとった。

一段と、シャッター音とフラッシュの明滅する頻度が上がり、3人は思わず顔をしかめる。
戦闘員たちは撮影を続けながら、好き放題に品定めめいた放言を始めた。

「へえー。銀髪の子ってやっぱりアソコの毛も銀っぽいのな。グレーっていうか」
「貴音ちゃんおっぱいもいいけど、やっぱりあずさちゃんのオッパイの迫力は、生だとすげえな」
「おっぱい星人かよお前。でもまあ、確かに、あれは思いっきりわしづかみしてえ…!」
「おいお前らりっちゃんにも触れてやれよ、比較対象がすごすぎるだけでスタイル超いいんだぞ?」
「ああ、相当着やせしてるよなありゃ。スーツの中にとんだ凶器が入ってやがった」
「凶器と言えば貴音ちゃんの尻の話を忘れちゃいかんやろ」
「うむ、あずさちゃんの胸と貴音ちゃんのデカ尻、それにりっちゃんのメガネか」
「馬鹿かお前」

「……あーっと、それよりさ、3人とも。大事なもんまた忘れてるぜ」

聞くに堪えない男たちの言葉に耳をふさぎたくなっていた3人に、意外な言葉がかけられる。
それぞれ不審に思うあずさ、律子、貴音に、男はにやにや笑って言い放った。

「笑顔だよ笑顔。写真撮ってもらうときに笑わないなんてアイドル失格だろ?」
「おめーも失礼だ。元アイドルとアイドルって、ちゃんと言えよ」
「あー!確かにそうだ、こりゃ失礼」

「じゃあ、改めてアイドルと元アイドルさんたち。とびっきりの笑顔で、目線こっちにくださーいww」

引きつり切った笑みをなんとか顔に張りつけた3人に、またシャッター音とフラッシュの津波が襲いかかった。
615  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/05/03(火) 23:53:43.93 ID:fYwxVbAM0
千早「………はぁーっ、はっ、はぁ…っ、んんっ!?や、ああっ!」

春香「うぁ……ぁぁ、も、やら、ぁ、あんっ、ひぃぃっ……」

いま私が感じているのが春香の感覚なのか、それとも私自身の感覚なのか、ひどく曖昧だった。
ついさっきまで粘つく体の一部を触手のように伸ばし、春香と私の身体を弄び続けていたスライムは
命令を受けて動きを止めていて、私たちはまた手足を半ば飲み込まれ、拘束されただけの状態に戻されている。

そのはず…なのに、はだけさせられてしまった胸や、腋の下や、肩からひじあたりにかけての腕や背中、
ひざ、太もも……全身至る所でまだ、ぬめるスライムにつつかれ、撫でまわされ、吸い付かれている感覚が消えない。
加えて、まるで春香と私がひとりの人間として融合してしまったかのように感覚が共有されているせいで、
お互いの身体に充満しきっている到底隠すことのできないほてり、それが倍化されたように感じてしまう。

春香「あ、はああん、っ!?なん、でぇ、もうスライム、動いてないのにぃ…!?」

千早「…っく、あああぁ……… はぁ、っ、春香っ、そう、落ち着いてっ、もうこいつは、今…」

春香「なのに、どう、してぇぇ……千早、ちゃん、ごめんっ、わたし、きのうから身体ヘンでっ……ひああんっっ!!」

千早「やっ、あ、あひぃぃ!? だ、大丈夫………だいじょう、ぶ、だから、春香、くふぅぅ!?」

春香も私も、悲鳴に似た声を思わず上げてしまうことも、身体をつい震わせてしまうこともこらえきれず、
そしてできることといえばお互いに声をかけて励まし合うくらいしかない。

さっきも時間が経つことでそれなりに効果が薄まっていたのだから、またある程度待てば、きっとチャンスはある。
ただ、それまでに春香と私がどの程度回復できているか、そもそも本当に回復できるのか、不安は尽きない。

千早(…それでも、やらなければ駄目!なぜスライムが動きを止めたかを考えたら……!)

戦闘員たちはスタジオの機材を勝手に使い、まだしつこく撮影を続けている連中がほとんどだった。
何重にも取り巻かれたその中心にいるあずささんに律子、そして四条さんは………一切、なにも身に着けていない。
手で裸体を隠すことすら許されないまま、三人は悪意に満ちたレンズに見つめられ続けている。

千早(………ごめんなさい、私たちが、不甲斐ないせいで………あんな、恥ずかしい思いをさせてしまって……)

千早(だからせめて、三人が作ってくれたこの勝機は絶対に無駄にはしない…!)

春香のものか私のものかもわからない熱っぽい感覚の波に耐えつつ、私が決意を新たにしたそのとき
スタジオ中心近くのなにもない空間で、大きな黒い魔法陣が一気に展開された。




一部なりとも身を覆いたくともそれも叶わず、下卑た言葉を、嘲笑を浴びせられ、そしてひたすらに撮影される。
そのような地獄が永劫と思えるほどに続き、あずさと律子嬢の心が死んでいくさまが目に見えるようでした。
おそらく、二人の目には、わたくしも似たようなものに見えていることでしょう。

春香と千早を嬲っていた怪物は約束通り責め手を止めはしましたが、二人が無事かどうかも定かではありません。
このままわたくしたちは、この悪鬼のごとき黒装束どもの慰み者になりつづけるほかないのでしょうか……?

そう考え、ますます絶望を深めてゆくわたくしの目に、奇妙なものが映りました。
音も立てず宙に円盤のようなものが浮かび上がり、その中心部からなにか……いえ、誰かが床に降り立ちます。

闇が人の形をとってそこに現れたのか、と思い違いをしてしまうほど…濃密で、邪悪な気配が一気にあたりを満たしました。
つい今しがたまで騒いでいた黒装束どもすら、ひと呼吸もしないうち、水を打ったように静まり返ります。
その異様さに気づいてもいないかのように、その者たち……そう、一人ではなく、二人、それが、ゆったりと歩み始めます。

「ここまでうまくいくなんて予想外さー、嬉しいなぁ♪ これも全部やよいのおかげだぞ、ホントにありがとね」

「えへへー、お役にたててうれしいですっ♥♥ これで家族も、それに『かんぶ』も増やせちゃうんじゃないですかー?」

底抜けに明るく、それゆえにかえって背筋が寒くなりそうな声で、楽しげな会話が聞こえてきました。
わたくしは、その声をどちらともよく知っております。もちろん声のみでなく、その主のこともよく知って、
………知っている、と思っておりましたが、果たして本当にそうなのか、最早わかったものではありませんでした。

黒装束たちは一切の私語をやめ、それに撮影の作業も中断し、響の一挙手一投足を注視しています。
そしてあずさも律子嬢も、わたくしも、急に静まり返った場の雰囲気と響の放つ雰囲気に呑まれ、声が出せません。
その静寂のなかをやよいと響が談笑しつつ歩みを進めてくる状況は、異様としか形容できないものでした。

ひとしきりお喋りを終えたところで、その場のほぼ全員が自身に注目していることに気がついたのか
響はようやく顔を上げ、周囲をきょろきょろと見回すようなしぐさを見せました。
そしてその目が、一糸纏わぬ姿でただ立ち尽くしているわたくしたち三人の上に止まります。

響「やっほー、あずささん、律子、それに貴音も、撮影お疲れ!どう、うまく行った?」

一瞬ののち、表情を変えることも声色が変わることもなく、まったく平静に、こともなげに。
愛くるしいとすら呼べそうな笑みを満面に浮かべて、響はそう言いました。

ああ、わたくしの知る響はもうここにはいないのだ、と、そのときようやく理解しました。
616  ◆8K4B/3Nlpc[saga] 2016/05/04(水) 00:03:16.11 ID:EorhVgoa0
響ちゃんの言葉を聞いた貴音ちゃんは、声も出せずに固まっているみたいでした。
無理もありません。事務所の中でも特に仲がよかったからこそ、さっきの言葉が信じられないんでしょう。
わたしだって、響ちゃんがあんまり軽い調子で言うせいで思わず耳を疑いました。
いま何も着てないのなんて一目見ればわかるはずなのに、あんな、ただのお仕事あとのあいさつ、みたいな……

やよい「あっ……あれ!春香さん、それに千早さーんっ♥」

わたしたちが何か言うより前に、響ちゃんの隣のやよいちゃんが、あの大きなぶよぶよした怪物と
その中に半分閉じ込められてしまっている春香ちゃん、そして千早ちゃんに目をとめました。
やよいちゃんはそのまま一目散に、目を輝かせてそっちの方へ走っていきます。

響「こらこら、やよい。嬉しいのはわかるけど、あんまり走ると危ないぞー?」

苦笑した響ちゃんが声をかけ、はーい!という元気いっぱいの返事が聞こえました。
声だけなら響ちゃんとやよいちゃんのふたりが普通におしゃべりしているようにしか聞こえないのに、
その奥底のほうには、前のふたりとぜんぜん違う、どろどろした闇みたいなものが存在する気がしてしまいます。

やよいちゃんの背中を見送った響ちゃんは、改めてわたしたちのほうに向き直りました。

響「それにしてもやっぱり、あずささんと貴音のスタイル、すっごいなぁ……自分、自身なくしちゃいそうだぞ」

うつむきかげんになって自分の身体に目を落としながら、響ちゃんはちょっとすねるような声で言います。

響「律子も二人と並んでぜんぜん負けてないし。三人とも、たとえ服着てたとしても、男のひとがほっとかないよね」

あずさ「ひ、響ちゃん……お願い、もう、こんなひどい撮影なんてやめさせて!」

律子「そうよ、私たち、ちゃんとこいつらの言うことに従ったわ……せめて貴音とあずささんは、解放してあげて…」

自分のかっこうも状況も、そして響ちゃんから感じるプレッシャーのことも忘れて、わたしは思わず叫んでいました。
それをきっかけにして律子さんも、同じように声を上げます。

響「うん、あずささん、それに律子もごめんね、あとちょっと待ってて。すぐに三人とも、しっかり解放してあげるからね」

わたしたち二人の声を聞いた響ちゃんは最初、はっとしたような顔を見せたあと、
すぐにまたにっこりと笑って、そしてずいぶん予想外のことを口にしました。
聞き間違いじゃなければいま、「解放してあげる」って………それってつまり、逃がしてくれる、ってこと、でしょうか。
本当に、よかった……響ちゃん、根っから悪い人になっちゃったわけじゃないのかもしれません!!
すごくつらかったこの時間も無駄じゃなかったと思うと、わたしは少しだけ救われたような気がしました。



やよい「春香さーん♥千早さんっ、わたしですーっ!おはなししましょー!」

ここにいないはずなのに、どうしてやよいの声がするんだろう…と思って、しばらく閉じ続けていた目を開けると
スライムに拘束された千早ちゃんとわたしを見上げているやよいと目が合いました。
隣の千早ちゃんは耐えているのか、意識がないのか、やよいの声に反応しないし、目を閉じたままです。

春香「やよ……い?どうして、ここにっ、ふあああっ!!」

やよい「あ、春香さん、気持ちいいんですか!?きもちいいんですねっ♥♥えへへ、わたしとおそろいですー♥」

少しだけしゃべった拍子にまた全身を電流が走り抜けて、わたしは思わず叫んでしまいました。
それを聞いたやよいがにこにこして、見当違いのことを話しかけてきます。

春香「ちが…うよっ、身体が、ちょっとヘン、なだけ……で、気持ちよくなんか、なってない、ってばぁ…」

やよい「でも春香さん、えっちな声になってますっ♥それにお顔も、すごくえっちですよー?」

春香「なっ……そんなこと、ひんっ、ないっ!」

やよい「だってこのスライムさん、響さんの特製なんですよ!あのおくすり、えーと……えーと、びや、びよ………く?うーんと」

響「あー、おしい。正解は『媚薬粘液』だぞ、やよい」

やよい「あっ、響さん♥ そ、そうでした、また間違えちゃいましたー♥♥」

響「大好物の名前を間違えちゃうなんて、やよいはドジだなぁ。でもそこが最高にかわいいさー♪」

いつの間にかやよいのすぐそばには響ちゃんが寄ってきていて、やよいをぎゅっと抱きしめ、ほおずりなんかしてます。
ごく普通の光景だったはずのそのスキンシップも、今となっては異様な威圧感を放っていました。

春香「びや……く、粘液?響ちゃん、それっていったい何?」

響「あれ、わかんない?そっちで寝たふりしてる千早はもう知ってるみたいだけど、春香は聞いてないの?」

はっと隣の千早ちゃんに目を向けると、わずかに身体が震えたのがわかりました。
よかった…少なくとも意識がなくなってるわけじゃなかったみたいです。

響「まー、説明の前にまずは移動しようか。二人とも連れてこっちおいで、スラ美」

響ちゃんのその声が終わらないうちに、わたしたちを拘束しているスライム全体がゆっくりと這って動き始めました。
617  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:15:34.31 ID:EorhVgoa0
春香たち連れてくるからちょっと待っててね、と私たちに言い置いて、響はやよいの方へ歩いて行った。
こっちに完全に背を向けているこの隙になんとか逃げ出す、それか、なにか反撃の手を探すことができるはず……
そう思ったのに、私の足はなぜか、今立っているところからびくとも動かせなくなっていた。
いや、それどころか、考えることや視線をさまよわせることはできるのに、手や足が、むしろ全身が、そもそも動かせない。

律子(…これもなにか、魔法の力、ということなの……?)

自由になる視線を動かして確認する。さっきまでの撮影でほぼ横並びになっているあずささんと貴音の姿は
視界の端でぎりぎり捉えることができたものの、静止している。たぶん、私と同じで身体を動かせなくなっている。

周囲の戦闘員たちはまだカメラを手に持ってはいたが、それを撮影に使うのは響が来て以来ぱったり止めていたし、
それにあれだけぺちゃくちゃ喋っていたはずが今では完全に無言を貫き通していて、逆にそれが不気味だった。

にゅちゅ、ずずず、じゅるじゅる、ずる、ずるっ……

春香「い……あっ、や……!ひぃ、ん、だ、だめ……」

千早「………く、あ、ひぎっ!? はぁ、っ、はぁーっ…」

粘っこい水音とともにかなりの重量・質量があるものを引きずるような気配がして、そいつが徐々に近づいてきた。
春香と千早をその身体で捕縛している巨大なスライムが、あずささんや貴音の、そして私の視界に入ってくる。

同時に、一時おさまっていた春香と千早の声……嬌声、が、距離が近づいたこともあってまた聞こえ始めた。
おそらくスライムが移動する際に起きる振動が刺激になってしまっているのだろう。

その巨体から少し離れて、響と、それからやよいがゆっくりと歩いてついてくる。
響がごく自然にこちらを見て歩いてくる一方、隣のやよいはぴょんぴょんとスキップでもするような足取りで、
スライムに磔にされている状態の春香や千早のほうを、ときおりやたら嬉しそうに見やる。

やがて響とやよい、それにスライムが私たちのすぐ目の前にまでやってきた。
身体は動かせないまま何が始まるのかと緊張している私たちの前で、響がまず口を開いた。

響「えっと………戦闘員のみんな、まずはおつかれー!おかげでマジシャンと幹部候補、合わせて5人もつかまえられたぞ!」

混じりけなしの笑顔を浮かべ、隣のやよいも巻き込んで、響はぱちぱちと拍手までしてみせる。
対して褒められている戦闘員たちは全員が完全な直立不動の姿勢をとり、ただの一言も口にしない。
その様子はまるで軍隊で、さっきまでの軽薄で下品な言動が嘘みたいだった。

響「本格的な襲撃はまだ2回目なのに大手柄さー!今度なんかごほうび考えとくから、期待しててね」

饒舌に響だけがにこにこ顔でしゃべり、やよいがその横で黙ったまま嬉しそうな笑顔を浮かべる中で、演説めいた話は続く。

響「じゃあ、もうここには最低限の人数いてくれたらいいや。5人くらいで十分かな?残りの人は先に撤収しちゃって」

響が言い終わるが早いか、一糸乱れぬ、という言葉がふさわしい迅速さで戦闘員たちは行動を始めた。
私たちや春香たちの撮影に使っていた機材を整理したり、記録に使っていたメディアを取り出したりしている。
間もなく集団から5人ほどが機材を持ったまま離れ、残りは響の前に隊列を作って並んだ。

響「はーい、そしたら送るぞー。あ、帰ったら撮った画像の整理とか編集とか、しといてくれてもいいよ」

気楽な調子で響が言うと、30人ほどの戦闘員がちょうどおさまるくらいのサイズの魔法陣?が床に浮かび上がり、
次の瞬間にはその中にいた全員が音もなく姿を消した。

律子(………期待してなかったけど、もしかすると、チャンスはあるかもしれない…!)

さっきあずささんと私の言葉に対して響が言った、「ちゃんと解放してあげる」という言葉。
せいぜいただの口約束か私の聞き違いだろうと思っていたが、これだけ戦闘員の人数を減らして
春香と千早を私たちとひとところに集めた、ということは、響は本気で解放してくれるつもりがあるのかもしれない。

さっきまでの屈辱的な撮影も、戦闘員たちの口ぶりからすると響の指示によるものらしかった。
そこから考えても、このまま無条件で解放されるとはさすがに思えないが、むしろ多少の困難な条件でも
今となっては大して変わらない。5人揃って脱出できることが、まずは何よりも大事だ。

……それにしても、まだ身体が動かせない。声は出せるかと思って試してみたけど、それも無理だった。
あずささんと貴音と私、いつまでこの金縛り状態を強いられ続けなくちゃいけないんだろう?
まずはこれを解いてもらわないと始まらない。そんなことを考えつつ、私は響の言葉を待つ。



響「よーし、スラ美、そのへんで止まってー。ほら春香、千早、見てよこれ!三人ともほんとに綺麗で、モデルみたいだよね」

あずささん、律子、四条さんの三人は、時を止められでもしたように立ったまま微動だにしない。
それぞれに女性的なプロポーションを惜しげもなくさらしていて、美術品のような美しさすら感じさせるのは確かだけれど…
これも「総帥」が魔法で三人の動きを制限しているのだろうか? 私たちには、無事を祈ることしかできない。

春香「……あずささん、律子さん、貴音さん……わたしたちのせいで、あんな……本当にっ、ごめんなさい………!」

三人の姿を目の前にして、さっきまで繰り広げられていた非道な行為を改めて思い出してしまったのだろう、
春香はぽろぽろと涙をこぼしながら謝罪の言葉を口にする。

やよい「あ、あれれ!?春香さん、急にどうしちゃったんですかっ!?」

おろおろしながら高つ……「幹部」が口にすることばは、純粋に春香を気遣う気持ちから出ているようにしか聞こえなくて
むしろその、本気で春香が泣いている理由が理解できないらしい、という事実がよりいっそう私の心を暗くしてしまう。
618  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:24:03.76 ID:EorhVgoa0
彫像のように立ったままの三人と、スライムに埋め込まれたままの私たち二人を満足げに見回してから、「総帥」が口を開く。

響「そしたらみんな集まったところで、改めて紹介させてもらおうかな。じゃーん、スライムのスラ美!」

その名前はついさっき呼んでいたのを聞いた、なんて口を挟むのは控えておくことにした。
今、圧倒的に場の支配権を持っているのはあちらなのだから、下手な刺激を与えるのはまずい。

やよい「うっうー!響さんが今回、マジシャンむけにって新しく『かいはつ』した特製さんなんですー♥」

千早「………!」

さっき春香が説明を聞かされているとき、その内容は私の耳にも入っていた。
やはりこれは特にマジシャン対策として投入された、新種のスライムだったのだ。
何度も見た、戦ったことのある、格下の相手だと油断してしまったことを悔やんでも、もう遅い。

響「そうそう!ただ、とりあえず実地試験くらいのつもりだったから、いきなり大成功しちゃうなんて嬉しい誤算さー」

そう言って「総帥」はふふん、と自慢げに胸を張る。
まさにその実地試験であっさりやられてしまった春香も私も、悔しさにほぞを噛むしかない。

響「まあ開発っていってもべつに、複雑なことはしてないんだよね。まずは、複数で合体できるようにしたのがひとつで…」

ずいぶん大きくなって私たちを拘束しているスライムを見やりながら彼女は説明を続ける。

響「もうひとつは、スライムの体を構成してる粘液の成分を変えただけ。千早は、それに春香も、よくわかってる……ねっ?」

春香「きゃ、あああああんっ!!」

千早「ひううぅっ!?」

含み笑いを隠そうともしないまま彼女は言い、そして急に手を伸ばして春香のむき出しにされた胸を、ぎゅっと強くつかんだ。
完全に不意を突かれてしまった春香も、私も、情けない声を抑えられない。

響「そうそう。律子たち三人は身体動かせないだけで、自分の説明とか今の二人のかわいい悲鳴とかはちゃんと聞こえてるぞ」

付け足すように言って、説明は続く。今まで私たちの上げた恥ずかしい声を聞かれていないわけがないのだけれど、
こうやって改めて言葉にされるとより恥ずかしさが増してしまう。

でも……つまりこの説明は、私たちではなく律子たち三人に聞かせたくて行っている、ということ?
私たち二人は彼女の真意がわからないままだし、そもそも拘束されていては何もできず、おとなしく話を聞くしかない。

響「でね、三人とも、春香と千早があんあん言ってるのって半分くらいはスラ美のせいなんだ。勘違いしないであげてね?」

やよい「そう、そうなんです!べつに春香さんや千早さんだけが特にえっちってことじゃないですよっ!」

ますます聞きたくない話題が始まる。事細かに説明して、私たちのほうを精神的に辱めようというつもりなのだろうか?
隣の春香は顔を真っ赤にして押し黙ってしまっている。私もたぶん同じだろう、顔が紅潮しているのが自分でもわかってしまう。

響「要はこの子、体がぜーんぶ媚薬粘液でできてるから、ちょっと触っただけでえっちになっちゃうの。ね、やよい?」

やよい「はいっ♥何度かテストで戦ったんですけど、もう、すっごいきもちよくしてもらっちゃいました♥♥えへへ…」

響「マジシャンにも効くくらいの濃度とスライムとしての強度を両立させるの大変だったけど、やよいのおかげでうまくいったさー」

……やはり、だいたい予想していたとおりだった。スライム自体の体色の微妙な違いもそうだし、
飛び散った破片を浴びただけで特に攻撃を受けてはいない春香が急に変調をきたしたのも、そういうことなら説明がつく。

マジシャン向けに調整されているというのはつまり、媚薬の濃度を上げることで効きを強めてあるのだろう。
どこまで卑怯でいやらしくて、女性を馬鹿にした敵なのだろうか。

響「ま、いろいろ説明しても伝わんないよなー。みんなにも体感してもらったほうが早いよね」

彼女の言った言葉が理解できないでいるうちに、背後のスライムが大きく蠢いた。
ぐぱっ、と音を立てて、本体の上の方がラッパのような形に広がる。

千早「…………え!? 待って、そんな、何をっ?!」

その行動の意味するところを察するのも、制止しようと声を上げるのも、なにもかもが遅かった。

ぶじゅびゅっ、びちゃあっ!

胸の悪くなりそうな水音が響いて、同時に背後のスライムの体積が少し減ったような感じすら覚える。
広がったスライムの先端部分から大量の粘液が糸を引きつつ噴出し、動けない三人にたっぷりと浴びせかけられた。
619  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:27:55.51 ID:EorhVgoa0
春香「あ、あぁ………!」

むわっと鼻をつく強烈に生臭いにおいが漂ってきて、鼻が曲がっちゃいそうです。
でも、いまの問題はそんなことじゃなくて……

春香「あ………あずささんっ、律子さん!!貴音さんっ!?」

響ちゃんの魔法?のせいか、ねばねばした液体を勢いよく浴びせられても三人の体は転んだりせず、立ったままでした。
それはいいとして、さっきの説明がほんとなんだったら…千早ちゃんやわたしをおかしくしているこれが
マジシャン向けの特別製だっていうなら、それをまだマジシャンになってない三人が浴びちゃった場合、って…!
動けなくても音を聞いたりはできるってことは、三人とも感覚自体は機能してるはずだから……そんなの絶対だめです!!

春香「響ちゃんっ!?やめて、やめさせて!!」

響「えっ、やめさせる………って、なにを?春香」

わたしの叫びにきょとんとした顔で答える響ちゃん。隣のやよいも無邪気にこちらを見て首をかしげています。

春香「三人とも絶対おかしくなっちゃう!!お願い、やめてよ、今度こそはわたしと千早ちゃんがかわりになるからぁ!」

本当はやよいを目の前にして言えたことじゃないけど、もう今はそんなの気にしてる場合じゃありません。
また事務所の仲間を、友達を失うのは絶対にいや!千早ちゃんだって同じ気持ちのはずです!

響「なに勘違いしてるのか知らないけど……こないだのあれは初回ボーナスで、今度はもう春香たちに選択権はないよ?」

春香「え?」

ほんのり困惑の混ざった、え、こんな常識も知らないの?とでもいいたげな顔で、響ちゃんは言いました。

響「もー…自分この間、はないちもんめだって言ったじゃないかー。あれ、負けた組はメンバー取られるだけでしょ?」

響「約束通りみんな、こっちの幹部にするんだ♪そのための準備してるだけだから、大丈夫だって」

顔が真っ青になるのが自分でもわかりました。
響ちゃんとやよいだけでも事務所のみんなのショックはひどかったのに、今度はいっぺんに三人もだなんて!?

春香「そんな、待って…ちょっと待って!じゃ、じゃあ…、三人とも連れて行っちゃうつもりなの!?」

響「え、うん。そうだけど」

千早「待ちなさい!はないちもんめだというのなら一人だけにするのがせめてもの筋でしょう!?」

千早ちゃんが叫び声というより怒鳴り声を上げて、響ちゃんとわたしの会話に割り込んできます。

響「あ、なるほど、そうか、言われてみれば……んー、一理あるね。じゃあ、やよいの次は誰を見殺しにするの?千早は」

千早「………っ!?」

痛いところを突かれて千早ちゃんがひるみ、わたしも言葉を継げなくなります。

ちょっとのんびりしてるけどいざというときは頼もしいみんなのお姉さんで、びっくりするくらい歌の上手なあずささん。
竜宮小町を一人で率いてて、すっごく頭がよくて、自分にもみんなにも厳しいようで、本当はみんなにとても優しい律子さん。
なんだか不思議で大人びてて、いつも静かに微笑んでるけど、でも実はすごくかわいいところがいっぱい隠れてる貴音さん。

誰かひとりを差し出す、なんて、選べるわけがありません。
千早ちゃんとわたしの考えを読んだみたいな絶妙のタイミングで響ちゃんが言いました。

響「……ね?それならもう、三人まとめて連れてっちゃう方がむしろ優しいんじゃない?」




ただでさえ最悪の状況が、どんどん悪化していく。

千早(どう、したら………交渉材料はなにもない、三人とも、春香も私も動けない…! このままじゃ、三人ともっ!)

現状で、すでに奪われた高槻さんを取り戻すことだって絶望的に難しいというのに
このうえ三人も失ってしまったら、それこそほとんど奪還が不可能になってしまいかねない。
もっと言えばその三人が同じような「幹部」になりでもしたら、単純な人数比で4対5になってしまう。
一応は数で勝っていてすら今のこの惨状だというのに、数でも負けるようになったらもう一巻の終わりだ。

どんなに頭を絞っても、ただ焦るばかりで、この不利な局面を打開できるアイディアなんて、なにひとつ浮かばない。


響「さて、と。そろそろ約束どおり、解放してあげないとかわいそうだよね」

その声に反応し、なにがそろそろなのか、と顔を上げた私の目の前で、「総帥」がぱちんと指を鳴らした。
620  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:28:27.08 ID:EorhVgoa0
響ちゃんが大きなお化けごと春香ちゃん、千早ちゃんを引き連れて戻ってきて、
いろんなことを得意げに説明してくれるのを、わたしはどこか遠くの国の出来事みたいにぼんやりと聞いていました。

話を聞いたり、視線を動かしたりはできても、身体を動かすことはぜんぜんできないままでした。
やよいちゃんが顔を赤くして、とっても気持ちよかった、なんて言っていて、やっぱりこの子も響ちゃんも
わたしが知っている二人とはどこかもう違っちゃっているんだ、と思うと、すごく悲しくなります。

ただそれでも、響ちゃんはさっき「解放する」って言ってくれました。
たぶんこの説明が終わったら、わたしたちも……

……?

なんだか変な音がして、わたし身体の表面をぬるぬるしたなにかが流れ落ちていきます。
あまり気持ちよくはないので、できればぬぐいたいんだけど、まだ身体が動かせないのでそうもいきません。
これ、なにかしら……




響によく似たどこかの誰かがなにかしら喋っておりましたが、何を言っているのかは理解できませんでした。
その隣にはこれもやよいによく似たどこかの誰かがおりましたが、やはり何を言っているのかは理解できません。

ただひとつだけ、確信していることがございました。

わたくしは、わたくしの知っている響とやよいを、なんとしても取り戻さなくてはなりません。

いまは何かしら妖術のたぐいで身体の動きを縛られておりますが、これが動くようになった暁には
春香や千早と、また美希や雪歩とも協力し、可能ならばわたくし自身がまじしゃんになってでも
二人を取り戻さねばなりません。そのためには、まずこの苦境を、どうにかして脱しなくては。

深く物思いに耽っていたために、すぐには何が起きたのかわかりませんでした。

水よりもだいぶ粘つく液体が上から降り注ぎ、わたくしの裸体を滑り落ちてゆきます。




響が嬉々としてしゃべる、お手製だというスライムだかの説明を聞きたくもないのに聞かされて、気分は最悪だった。
つまり、さっきから春香と千早の様子がおかしかったのはこれに、その…性的な責めを受けていたせい、だと。

身体さえ動けば響の横っ面を張り飛ばしてやりたい気分だった。
あんたはそんなものを事務所の仲間に、友達に、仕掛けて喜ぶような子じゃないでしょう、と怒鳴ってやりたかった。

なにが媚薬粘液だ。
つまり、そんなからめ手に頼らないとマジシャンに勝てないって白状してるのと同じことじゃない!

そして、わざわざマジシャン専用を謳うということはさぞかし強力なのだろう。
春香にしても千早にしても芯の強い子なのに、そのふたりをあれだけおかしくしてしまうのだから
もし相手がマジシャンでもない一般人に使いでもしたら、あっという間に……

この場にいる、「マジシャンでもない一般人」のことを考えて、一気に背筋が寒くなった。

それに、よく考えたら、……「からめ手に頼らないとマジシャンに勝てない」んじゃなくて、
正しくは…「なくても勝てるけど、それを使えばより簡単に勝てる」から使う、ということ………?

………たぶん、耐えられる。たぶん、問題ないはずだ。たぶん。
あずささんもいる、貴音もいる、それに春香も千早もいる。
みんなが見てるんだから、大丈夫。大丈夫な、はず。

でも、もし…もしも耐えられなかったら?


「―――  みんなにも体感してもらったほうが早いよね」


響の声にはっとすると、視界の上の端っこの方でスライムがうぞうぞと蠢いているのがかろうじて見え、
やめて、とわたしが声にならない声をあげるのと同時に、上の方から濁流がかぶさってくる。

肌の上を、液体というより個体に近いようなかたまりが流れていくのだけ、やけに鮮明に感じ取れた。
621  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:30:23.03 ID:EorhVgoa0
魔物たちの媚薬粘液にもある程度は耐性をもつシャインマジシャンたちですら易々と発情させてしまう、響特製スライムの粘液。
それを全身くまなく浴びせかけられた全裸の三人に、一目でわかるような変化は生じていない。
しかし、魔法で動きを止められているだけのその身体には着実に媚毒が染み渡り、牝の感覚を狂わせつつあった。



あずさ(…………な、に!?心臓っ、心臓、破裂しちゃ、い、いや、死!?どくどくって、止ま、らないい!?)

響の魔法によって身体の自由が利かないあずさは、全身がひとつの心臓になった錯覚にひたすら怯え続けていた。
まるで耳の真裏に心臓そのものが居座っているかのように、自分の鼓動のひとつひとつがはっきりと聞こえ、
それどころかその動きに合わせて心室や心房の筋肉が動くさまを目の前に見ている気分になってしまう。

本当にまだ自分の心臓が本来あるべき左胸にあるのかすら曖昧で、今すぐに胸をさわって確認したいのに
手も足もまったく動かせず、鼓動とともに全身がどんどん熱を帯びてくる感覚に耐えるしかない。

そのくせ、身体の表面いたるところに付着しているらしいぬるぬるした液体のようなものだけは
やけにその存在感を主張し、それが触れている箇所はあずさの体の中の熱と呼応して焼けるような熱さを伝えてくる。

あずさ(あつい、だ、めえ!?は、はやく、胸、触らないと、かくにん、しないとぉっ!!)




全身がひどい悪寒に襲われ、脂汗が皮膚をつたう不快感がいつまでも消えない。

貴音(く……うっ、これ、はっ………!?)

自身の短く切れ切れな呼吸の音がやけに大きく響いている気がして、焦燥感を煽り立てられる。
貴音も年相応の女性として、性的なことに関する知識がないわけでも、自身を慰めた経験がないわけでもなかったが
その範疇を遥かに超えた激烈な刺激に感覚が振り切れる寸前で、ただ身体全体を支配する熱としか感じられない。

貴音(春香、千早……貴女たちも、この汚らわしい物の怪に、っ、身体を……狂わ、されて………!)

あちこちにへばりついた粘性の液体がそこからじわじわと身体に染み込み、甘美な毒となる想像が頭を占め続ける。

貴音(………このような様では、いけ、ません…っ……!気を、強く持たねば…!)

そこで、知らず知らずのうちに自身の口からひとすじ涎をこぼしていることに、肌を流れる感触で気づき、貴音は戦慄した。




身体の中から焼き殺される恐怖に律子は叫び声を上げた。
その叫びはもちろん音となって空気を震わすこともなければ、その場の誰にも届くことはない。

律子(ひぃ、あ、あああ、っ!?な、に、うそ!?死んじゃう!?私死ぬっ、おな、か、だめ、熱、いぃっ!!)

人並み以上の知識こそあっても性に対する無意識の嫌悪感が強い律子にとって、
暴力的に押し付けられた許容量以上の快感はまさに禁断の果実であった。
これまで、自分で、あくまでも控えめにその身体を慰める以上のことを経験してこなかったところに
あまりにもその刺激は強すぎて、正常な脳のはたらきをあっという間に奪われてしまう。

自身の見識に見当たらない未知の感覚に対する恐怖で思考を瞬時に塗りつぶされて、
それをさらに神経の末端まで焼きつぶすかのような快感が上書きしていくのを、律子はただ傍観するしかない。

律子(これ……いや、気持ちいい、のっ!?こわい、こんな、やだ、身体動くように、なったらっ!?)



響「さて、と。そろそろ約束どおり、解放してあげないとかわいそうだよね」



あずさ(あ、ああ、やっ、と……!)

貴音(…………耐え、なければ、春香と千早を……見習うのです、耐えねば……!!)

律子(や、いやああっ、今はまだだめぇぇ!解放なんてしなくていいっ!!)

その響の声があずさには号砲に、貴音には地獄の門が開く音に、律子には死刑宣告に聞こえ、
そしてごく軽い音を立ててその指が鳴らされた。
622  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:31:14.16 ID:EorhVgoa0
響ちゃんは言い終わるとちょっとだけもったいぶって、右手で、指ぱっちんをしました。
目で見てわかる動きはただそれだけで、ほかには何も変わったことはありません。

あずさ「う、あ、あああぁぁぁああ!!?」

貴音「………………くぅぅっっ!!!」

律子「ひ、ぃ、ぃぎいぃぃぃぃ………」

一瞬の後、ただ立っていた三人がそれぞれにがくんと姿勢を崩しそうになって、ぎりぎり踏みとどまりました。
押し殺そうとしていた声のしっぽが、意味を持たない音となって漏れ出てきます。
響ちゃんが三人の身体をまた動けるようにしたんだって、そのときようやくわかりました。

あずささんも律子さんも貴音さんも、みんな、息が明らかに荒くなっていました。
足を内股にして、両方の太ももをしきりにこすりあわせるしぐさを繰り返していて
しきりに唾を飲み込み、何度も何度も舌先が行き来して、唇を舐めています。

お互いがお互いを見る目も、本当はもちろん相手を心配しているはずなのに、それぞれに許可を求めあうような視線…
まるで、「まだ我慢できる?」「もう我慢しなくてもいい?」と確認し合っているようにしか見えません。

わたしたちの身体をおかしくしているのと同じ、スライムの粘液。
三人がその影響を受けてしまっているのは確実でした。

その髪や顔から始まって、肩や胸元、おなか、背中、それに脚……あらゆるところにべとべとの液体がまとわりついているのに、
それをぬぐい落とす動作すら自由にはできないようで、三人ともただ、なんとか立ったままで耐えています。

響「お、おお!?すごいなー、てっきり三人とも、解除したら即どうにかなっちゃうと思ったのに」

それですらよっぽど予想外だったのでしょう、響ちゃんが目を真ん丸にして呟きます。

貴音「……あず、さ、律子嬢。このような、卑怯な罠に……負け、…ては、なり、ませ、んんっ」

顔が紅潮するどころか血の気がほぼ引いてしまって、いつも以上に白く見える肌の貴音さんが口を開きました。
しゃべるのも一苦労という感じで、文字を区切るようにしながら、一言一言を紡ぎます。

貴音「この程度、んっ!………三人いれば、きっと、耐えられます、っ…」

声をかけられたほうのあずささんと律子さんは、言葉を発することももう難しいみたいでした。
ただそれでも、あずささんは貴音さんと目を合わせ、苦しげな顔だけど、はっきりとうなずいてみせます。

律子さんも同じように、貴音さんと、それからあずささんのほうに目を向けて
小さくうなずいたかと思うと……そのまま、崩れ落ちるように倒れ込みました。

貴音「り、つこ、嬢っんひぃ!?」

あずさ「律、子、さ、んんっ、はあんっ!」

律子さんを心配して声を上げることすら自分の身体への刺激になってしまって、短い喘ぎ声をあげる二人。

律子「あ、ふぁ、ああああんっ、や、いや、ああああああああああああっ!?」

悪夢みたいな撮影を後であの粘液を浴びて、体力も精神力も消耗しきっていたのかもしれません。
そして、ごく小さくうなずくだけの動作で最後の力を使い切ってしまったのか、
律子さんは、自分の身体が床に倒れて接触するその衝撃に耐えきることができませんでした。

大きな声で叫び、横たわって身体をびくびくと大きく震わせる律子さんの股間からは
ぴゅっ、ぴゅっ、と、途切れ途切れに透明な液体が噴き出します。

律子「あ……あ、やらぁぁ………あずさしゃん、貴音、ぇ、見ないで、見ないれぇ……!」

あずさ「う、嘘……そんな、律子さん………」

貴音「……あずさ、わたくしたち、腰を、下ろしましょう、ゆっくり、と……です、っ……」

数メートル、ほんの数歩歩けば手の届く距離に倒れている律子さんの手助けもできないまま、
同じ状況になることを避けるためか、あずささんと貴音さんはじっくり時間をかけ、とりあえず床に座りこみました。
それだけの動きなのに二人の息はさっき以上に上がっていて、顔や体の赤みもより増してしまっています。

響ちゃんもやよいも、声すらかけず興味深そうに三人の様子を眺めているだけで、直接手を出す気はないみたいでした。
黒タイツの人たちはさっきまでの騒ぎっぷりが嘘みたいにおとなしく、カメラマンに徹しています。

千早ちゃんもわたしも、助けになることはもちろん、声をかけることもできず、ただ見ていることしかできません。

それからしばらくは、誰もしゃべりませんでした。
ただ三人の荒くなった息遣いと、ときどきカメラの立てる駆動音だけが響きます。

その沈黙をついに破ったのは、律子さんでした。
623  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:32:00.88 ID:EorhVgoa0
律子「………ん、っ、あ、ふぁっ……も、どうでも、いいっ………」

仰向けになって床から起き上がれないまま、律子さんの震える手がゆっくりと動いていきます。
左手は自分の左の胸元に、そして右手は、おなかをなでるような動きをしつつ、そのまま、少しずつ下へ、下へ……

貴音「りつこ、嬢っ!?なにを、おやめなさい、ぃっ!」

あずさ「律子、さん、律子さんん!!落ち着いてください、っ、そんな、だめ、です!」

千早「律子っ、気を、しっかり持って!!あずささんと、四条さんも一緒なのよ、がんばって!」

目の前の光景が信じられなくて声も出せないわたしをよそに、千早ちゃんや、
律子さんのそばで腰を下ろしていた貴音さんやあずささんがいっせいに呼びかけるけれど
熱に浮かされているかのように、律子さんの目はどこも見ていなくて、みんなの声も聞こえていません。

律子さんの手が動くのに合わせて、肌を覆っている粘液がこすれて、くちょ、ぐちゅ、と湿った音を立てます。
寝転んだままの律子さんの目はとろんとしていて、何が見えているのかもはっきりしません。

律子「もっと、気持ちよくなりたい、の………それだけ、……」

あずさ「やめて、もうやめてください、りつ、こさんっ……あひぃっ!?」

貴音さんよりも少し位置の近いあずささんが、ゆっくり這って律子さんに近づこうとしました。
しかし、その微妙な動きすら刺激になってしまうのかうまく動けず、律子さんに助けの手を差し伸べられません。

律子さんの左手は今では、粘液まみれの自分のおっぱいを好き放題に弄り回し始めていました。
下からすくいあげるようにして左のおっぱいを持ち上げると、揉むというより握るように強く力を加えます。
ぎゅっ、と手のひらに力を込めるそのたびに、律子さんはくふぅ、と満たされたような息を吐き出し、
その指や手のひらのすき間からは押しつぶされた粘液がぶじゅっと滲み出してきます。

律子「く……んん、っ、あ、………ひぃん、いいっ!」

律子さんはそれから人差し指をそっと伸ばすと、手のひらを動かすのと同時に乳首を軽くひっかき、
そのわずかな指先の動きだけで全身を小刻みに震わせ、甘く鼻にかかった声を漏らします。

千早ちゃんやわたしはもちろん、一番そばで見ている貴音さんもあずささんも、制止の声をかけることができません。
もう止められないと心のどこかで諦めてしまったからなのか、それとも、つい見入ってしまっているのか…

後のほうの考え方がごく自然に頭に浮かんできて、しかもそれを否定していないことにそこで気づいて、自分でがく然としました。

そしてついに律子さんの右手が、長い移動を終えて、膣口の少し上で存在を主張している突起に届きます。
今まで粘液をかきわけていたときよりもはるかに大きな水音を立てて、律子さんは両手をせわしなく動かし始めました。

律子「あっ、あ、あ、これっ、いいっ!ず、ずっとこうしたかったのぉ、っ、もうがまんなんて無理ぃぃっ!」

充血しきって皮すらむけているクリトリスを、右手の指で押しつぶすみたいにしてこねまわしながら
律子さんの左手はさっきまでよりも激しくおっぱいを握り、ぐにゅぐにゅ変形させ続けています。

律子「あふあああんっ、いいぃっ、気持ち、いいっ………おっぱいもクリトリスも最高なのっ、気持ちいいのおっ♥」

律子さんはまるで、気持ちいい、以外の言葉を忘れてしまったみたいでした。
うっとりとした顔で、声で、わたしたちが見ていることも忘れて、オ○ニーに夢中になってしまっています。

あずさ「律子さん、ぐす、っ、律子さぁんっ……!お願いですっ、もう、そんなことやめて、やめてくださいっ……!!」

気がつくと、あずささん一人だけが何度も、何度も呼びかけていました。
ぽろぽろと涙をこぼしながら、這いずるように律子さんに近づいて、震える手を必死で伸ばしています。

あずささんのその手が届くちょうどその寸前、仰向けで行為に耽っていた律子さんがぐっと背を弓なりにそらし、
足をぴんと伸ばしてつっぱる様子が見えました。
左手はおっぱいを潰してしまいそうなほど強く握り、親指と人差し指は乳首をぎゅっとひねりあげ、
右手の人差し指と中指がクリトリスをしっかりと挟み込んで、タイミングを合わせてしごき上げます。

律子「あひいいいっ!あ、っ、ダメ、きちゃうっ、ダメぇぇっ、イクっイクぅぅぅっ♥♥」

ぷっしゃぁぁっ、ぷしゃっ……!

ひときわ大きな声で律子さんが叫んで、股間から透明な液体がさっきよりもずっと勢いよく吹き出すのを、
千早ちゃんもわたしも、貴音さんも、そしてすぐそばで手をのばすあずささんも、呆然と見守るしかありませんでした。



誰も口を開けず、動けもしない中で、響ちゃんが横たわる律子さんのところまでゆっくりと歩いていきます。
律子さんはまだ仰向けに寝転んでいて、大きく肩で息をしつつ、快楽の余韻に浸っているみたいに見えました。
その律子さんに響ちゃんは、楽しそうに話しかけます。

響「ふふ、すごかったね、律子ぉ?実は自分、律子が最初にオチちゃうかな、って思ってたんだー♪」

響「いつも真面目にがんばって、みんなの面倒見てさ。いろいろため込んでたんでしょ?もうそういうの、気にしなくてもよくなるからね」

そう言うと響ちゃんは律子さんのわきにかがみこみ、頭の下に手を入れて、上半身を軽く起こさせました。
そして律子さんの顔をのぞきこむように自分の顔を近づけていって、

響「約束通り、これで解放してあげるぞ。理性とか、規則とか、そういうメンドクサイもの全部から、ね」

ぐったりと、でもうっとりとしているようにも見える律子さんの鼻の頭に、やさしくキスをしました。
624  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/04(水) 00:33:06.92 ID:EorhVgoa0
どうして……このタイミングで、響ちゃんが、律子さんに、その…キス、を………?

ついさっきまで律子さんが繰り広げていたショッキングな行為のこともすっかりどこかに行ってしまうくらい、
わたしの頭は疑問でいっぱいになっていました。

それにいま響ちゃんは「約束通り解放してあげる」って言ったみたいに聞こえたけど、
律子さんのことはもうこれで許してあげる、という意味なんでしょうか。
そうなんだとしたら、わたしはともかく、律子さんは助かるってことだから、まずは嬉し……

響「お待たせっ。じゃ、次はあずささんの番だね」

あずさ「ひゃ、はああんっ!?やめ、て、響ちゃんっ!?」

律子さんに這って近づこうとしたときの姿勢で、上半身をかろうじて起こした状態のわたしのそばに、
いつの間にか響ちゃんがやってきていました。響ちゃんは手を伸ばすと
わたしのおっぱいに付いていたべとべとの液をにちゃにちゃと指で音を立ててこねまわし、
そこから全身に走るしびれるような感覚に、わたしは思わず悲鳴をあげてしまいます。

律子「あーずさ、さん……っ♥」

さらに、響ちゃんの後ろから声がしてそちらに目をやると、律子さんもこっちへ来てくれているところでした。
ひょっとして律子さん、さっき響ちゃんに何かしてもらって、少し元気になれたんでしょうか?

あずさ(あ、ああ、律子さん………よかった、正気に……!)

身体を動かすとあちこちが刺激されてしまって、声が出そうになりますが、それは必死で我慢します。
すぐに立ち上がるのはやっぱり無理でしたけど、なんとか普通に身体を起こして、座ることまではできました。

律子さんはふやけたような笑顔を浮かべたまま、ふらふらとわたしのほうに寄ってきて、

律子「ああっ、あずささんっ、あずささんっ♥♥」

あずさ「え、あっ!?り、律子さんっ、なにをっ、きゃああっ!?」

その律子さんが一気にしなだれかかるように体重をかけてきて、わたしはそのまま押し倒されてしまいました。
律子さんの身体にへばりついている粘液と、わたしの身体にまとわりついている粘液が触れ、
混じりあって、ぐちょぐちょと汚らしい音を立てています。

律子「あずささんだって、気持ちいいでしょう?いいんですよ、正直になっちゃいましょう、ねっ?」

あずさ「律子さんっ、あ、いやっ、やめ、ひゃああんっ!?」

わたしにのしかかる律子さんは、目が完全にすわっていました。
その両手で、ぎゅっぎゅっと音がしそうなほど乱暴におっぱいをもみほぐされて、悲鳴が抑えられません。

あずさ「ひびき、ちゃんっ、あひっ!律子さんにっ、なにをしたの!?」

律子さんの手をなんとか抑えようともがきながら、わたしはすぐそばの響ちゃんに叫びました。

響「基本的にはやよいにしたのと一緒だよ、あずささん。自分はちょっとキスしただけさー」

わたしたちが格闘している様子をにこにこしたまま見ている響ちゃんが答えます。
さっき、響ちゃんが律子さんにしたキス、あれで律子さんがおかしくなってしまった、ということなの?

響「媚薬粘液が効いてるところ、もっとエッチにするだけの魔法だけど…律子の場合、タガが外れちゃったのかも」

あずさ「タガ、って、きゃ、んひぃぃぃぃっ♥」

律子「あずささん、一緒に気持ちよくなりましょう?私、あずささんのこといっぱい気持ちよくしてあげますから、ね、ね」

響ちゃんとの話に気を取られたスキに律子さんの指がわたしの乳首に触って、思わず力が抜けてしまいました。
そのタイミングを見逃さず、律子さんは自分のおっぱいでわたしのおっぱいを押しつぶすように上半身を重ねてきます。

体格的にはわたしのほうが大きくても、身体のあちこちから伝わってくる感覚のせいで力がうまく入らないし、
それに律子さんを跳ね飛ばしたりして万一けがでもさせちゃったら、と思うと、あまり本気で暴れられません…

響「律子はさ、きっとあずささんに憧れてて、それに甘えたかったんだと思うんだ、自分」

あずさ「え、っ?」

響ちゃんに急にそんなことを言われて、わたしはつい聞き返してしまいます。

響「事務所で唯一年上で、お姉さんみたいな包容力があって、アイドルとしての実力もばっちりでさ」

律子さん、が、わたしに…?この今の態度も、日頃あまり表に出ていない部分の現れ、ということ?

あずさ「で、でも、それとこれとは、別でっ」

響「うん、だからふたりで一緒に気持ちよくなれるように、自分がお手伝いしてあげる。律子、いい?」

あずさ「え!?」

気が付いたときには、すでに遅くて。
わたしの右の乳首に、律子さんが、左の乳首には響ちゃんが、吸い付いていました。
629  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/05(木) 23:32:43.35 ID:FQ9D68Gk0
律子「あずささん…ほんろに綺麗れす、肌も、そえに、スタイルも……」

あずさ「ひ、ああっ!律子さ、だめっ、そんな、吸わ、ないで、……きゃあんっ!?」

響ちゃんがわたしの乳首に口をつけたのはほんの一瞬、ちゅっと音を立てて軽く吸われただけでした。
それから響ちゃんはすぐにわたしから離れて、今ではじっとわたしを……わたしたち二人を、見ているだけです。

さっき、身動きできなかったときに感じていた以上に、心臓が、どきどき言っています。
その音がうるさすぎて、なにか言っている律子さんの声が、ほとんど聞こえません。

律子「そして、このおっぱい……♥プロデューサーどのだって、吸ったことないですよねっ、私が最初で、嬉しいです……」

さっきから律子さんはわたしの右のおっぱいに、赤ちゃんみたいに吸い付いて離れてくれません。
がんばって暴れたりすれば振りほどけるかもしれない、と思っても、力がうまく入らないし……それに、

律子「おいしいです…お乳はまだ出なくても、ミルクみたいな、甘くていいにおい……んっ♥」

あずさ「あひぃぃんっ!」

律子さんは舌をこまかく動かして乳首をつっついたり、わたしの肌についている粘液をかき集めてまぶしつけてきたり…
そしてときには、今みたいに、歯を軽くたてて甘く噛みついてきたり。
そのたびにわたしは、全身に走る甘い電流みたいな感覚をがまんできなくて、力が抜けてしまいます。

…こんなの、律子さんじゃない、律子さんは絶対、こんなことしない!
頭ではそうわかっていても、目の前でほおを赤らめてわたしを見つめているその顔は、まぎれもない律子さんで……

それに、もともとふたりとも粘液で身体がべたべただったのが、今ではお腹やおっぱい、足、腕がふれ合うたびに
ねちょねちょと音を立てながらお互い塗りひろげ合うような状態で、ますますどろどろになっていきます。

触れたところがますます熱くなっていくのはわかっても、取り除くことも、逃げ出すこともわたしにはできません。
このままじゃ、わたしも律子さんみたいに、おかしくなっちゃう…!?

律子「んふ……あ、そうら、こっちだけじゃ、足りないれすよね、あずささん?ふふ、えいっ、えいっ♥」

あずさ「あ、ああ!?だめ、です律子さんっ、らめっ、つよすぎぃぃっ!?」

右の乳首を口に含んだまま、律子さんはゆっくりと右手を伸ばすと、わたしの左のおっぱいを思い切りつかみました。
左手では同じように右のおっぱいを握りしめてきて、そのまま左右をばらばらの強さとリズムでもみほぐされます。

あずさ「やめっ、やめてええ!おっぱい、熱いんですっ、そんなぎゅうって、されたらぁ!?」

ただでさえ焼けてしまいそうなところをさらに刺激されて、わたしは必死で叫びますが、律子さんは手をゆるめてくれません。

律子「あずささん、可愛いです…♥こんな素敵なおっぱいなんだから、自分でもいっぱい触ってたんでしょう?」

あずさ「ち……ちがっ、そんなこ、と、ふああああっ!!」

律子「ぷは……嘘は、だめですよ、素直になりましょう?じゃないとまた、今みたいに噛みながらぎゅってしますよ?」

…図星をつかれて、つい反射的にうそをついて否定したわたしにお仕置きするみたいに、
律子さんは右の乳首を強めに噛みながら左の乳首を指でつまんで、きゅうっとひねりあげました。
それだけでわたしの身体は、意思とはほとんど関係なくびくびくと大きくはねてしまいます。

あずさ「ひ…っ、ご、ごめんなさ、いっ……うそつきませんから、律子さん、それ、もう、やめてくださいぃ……」

律子「ですよね?あずささん、おっぱいがいいんですよね?すっごく気持ちいいですよね?」

頭がぐちゃぐちゃで、泣きそうになりながら謝るわたしに、律子さんは紅潮した顔で底抜けの笑顔を向けました。
大好きなはずの律子さんの笑顔が、ただ怖くて……わたしが、すぐに答えられないでいると。

律子「いいんですよ、私はわかってます…なんたって、あずささんのプロデューサーは私、ですからっ♥」

その笑顔のままで律子さんは、さっきよりも激しくわたしのおっぱいをこね回し始めました。

あずさ「あ、ひいいっ!いやああっ!?らめっ、律子さ、んん、ひゃっ、やめ、ってぇ!?」

自分で、その………するときだって、こんなに激しくさわったり、しないのに、
こんなにぎゅうぎゅうって、絞り上げるみたいにされて、…どうして、ぜんぜん、痛くないの!?
というより、痛くないどころじゃなくて……

律子「ああ、あずささん、今すっごいエッチな顔になってますよ♥伊織や亜美に、見せてあげたいくらいっ!」

あずさ「やあっ、言わないで、そんなのちがいます、ひぃぃん!」

自分でも息を荒くしながら、律子さんは手の動きをどんどん強めて、その合間合間で舌や唇を使って乳首を吸い上げ、
指でも転がしたりはじいたり、いろんなやりかたでわたしの乳首とおっぱい全体をおもちゃにしてしまいます。

あずさ「やだ、いやれすっ、りつ……こ、律子さん、あぁんっ!きちゃうっ、来ちゃいますっ、ゆるしてぇ、ああぁ!?」

手を動かして、身体を起こして、わたしにのしかかる律子さんをはねのければ済むはずなのに、力が入りません。
首をふっていやいやをすることしかできないわたしを、目を細めて見下ろし、律子さんがにやりと口をゆがめました。
630  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/05(木) 23:42:16.32 ID:FQ9D68Gk0
律子「いいんですよ、あずささん♥見ててあげますから、ほら、イっちゃいましょう『気持ちいい』……ってっ!!」

叫ぶように言うと、律子さんはわたしの右の乳首に勢いをつけてむしゃぶりつき、今まででいちばん強く歯を立てました。
同時に左のおっぱいも力をこめて握りつぶされ、ちぎれそうなほど強く乳首をつねられてしまいます。

こんなこと、されて、耐えるなんて、無理、っ、

あずさ「ひっぃ、あ、ああああぁぁーーーーーーーっ!?い、いい、ですっ、おっぱい気持ちいいぃぃぃっっ♥♥!?」

何をされたか、とかを理解する前に、言われた通りに叫んでしまって、それが引き金みたいになって。
目の前が真っ白になって、自分の身体ががくがくと震えているのすら、どこか人ごとみたいに感じて、しまいます。

律子「よかった、あずささんのこと、イかせてあげられました♥おっぱいだけでちゃんとイけたんですね、私が見込んだ通りですっ♥」

あずさ「あ…………、あ、い、いや、ぁ………」

レッスンのあととか、ステージのあととかに、何度もわたしに見せてくれた、律子さんの満面の笑み。
それが今も、わたしに向けられています。

あずさ(やだ……ぁ、その顔で、わたしを見ない、でぇ……!)

律子「……でも、あずささん、実は私はまだなんです…今度は、一緒に………ね♥♥」

起き上がることもできず、ただ息をつくわたしに……にちゃり、と粘つく音を立てながら、律子さんがゆっくりと絡みつきます。
わたしの身体の上を這いあがってくる律子さんのおっぱいが、わたしのおっぱいをゆっくりと押しつぶすみたいにして、
その間に挟まれた粘液がぬるん、とすべって逃げるように動くその感触を、……きもちいい、と思ってしまいました。

あずさ「や……やめて、ください、律子さん!?わたし、いま、……イっちゃったばっかり、ひぃぃぃんっ♥」

律子「だからいいんじゃないですか、あずささん。これから、何度だってイってもらいますからね」

わたしを見下ろす体勢になった律子さんは、わざわざ乳首どうしをこすりあわせて刺激を加えてきて
たったそれだけで、わたしはまた、頭が真っ白になりかけるのを、必死でこらえるしかありません。

と、律子さんはいったん身体を少し起こしました。その動きでくっついていた乳首が離れ、
その間に例の粘液が橋みたいにかかって糸を引いているのも、はっきり見えてしまいます。

律子「このぬるぬるしたのがイイんだって、あずささんも、わかってるでしょう?だから、まずは…」

あずさ「えっ……きゃあああっ!?」

そういうと、今度は勢いをつけて、律子さんはまたわたしに身体をあずけてきました。
それだけじゃなくて、その全身を使って、お互いの身体の粘液をさらに塗り込めようとして
色んなところをこすりつけてきます。もちろん、わたしは律子さんに離れてもらいたくて力を入れますが、

あずさ(う、嘘……は、はがせないっ!?)

律子「私だって元アイドルですよ、あずささん♥私の方が背が低いから、力ならすぐ勝てる、と思ってました?」

あずさ「やめ、律子さん、こんなのおかしい、です!?もとに戻ってっ、やめてくださ、ふあああっ!?」

律子「やめませんよ、絶対やめないです♥もっと一緒に、ぐちゃぐちゃになっちゃうまで、やりますから♥」

足を律子さんの足でからめとられて、手をおさえつけられて、おなかとおなかが何度も触れあいます。
そのたびに全身あちこちからぬちょぬちょ、ぐちゅぐちゅ、と水っぽい音がして、それを聞いているだけで
頭の中まで同じ音を立てながらかき混ぜられている気分になってしまい、どんどん力が抜けていきます。

そして、わたしのおっぱいと、律子さんのおっぱいが、お餅をまとめちゃうみたいに絡みながら
ぐにゅぐにゅとかたちを変えて、その全体にどんどん白っぽい粘液が塗り伸ばされてしまいます。

あずさ(そんな、また、おっぱいから熱くなって…これだめっ、逃げなくちゃ!?)

どうすればいいのかはわかっていても、律子さんにがっちり全身を抑えられていて、逃げられません。
そのとき、身体をこすりつけている律子さんの右手がゆっくりと違う動きを始めたのに気付きました。

あずさ「えっ…!?り、律子さん!?そ、そっちはぁっ!」

律子「だってあずささん、おっぱいだけじゃ物足りないでしょう?大丈夫、任せてください」

あずさ「いや、嫌ぁっ!?いらない、ですっ、あはぁぁっ、だめっ、です、律子さぁん!?」

わたしの抗議なんてぜんぜん気にしていない様子で、律子さんはゆっくりと手を滑らせていきます。
おっぱいのすぐ下あたりから始まって、わたしのおなかの上を、じわじわと舐めるみたいに。
ときどきその辺りについている粘液を手のひらがすくいとって、にゅるんと肌に塗り込んできて
その生暖かいねばつきが気持ち悪いはずなのに、わたしの身体全体が大きく、甘いしびれで震えてしまいます。

律子「今日は普段着撮影なのに、アンダーの処理もばっちりですね、あずささん♥いつでも脱げるように、準備してるんですか?」

その言葉にはっとした瞬間、ぬちゅ、とわざとみたいに音をさせて、律子さんの指がわたしのアンダーヘアをかき回しました。
誰にも触らせたことなんてない場所をくちゅくちゅと混ぜられ、恥ずかしさで死んでしまいたくて、声も出せません。
それなのに身体はどんどん熱くなって、そして心臓の音がさっき以上にうるさすぎて、ほかには何も聞こえないくらいになっています。
631  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/05(木) 23:52:07.70 ID:FQ9D68Gk0
律子さんはなぜかそこで、いったん手を止めました。
でも、そんな中途半端なところで止めるくらいならもう、早く、手を先に進めてほしい……

あずさ(……!?わたし……な、なにを考えてるの!?)

自分でも、まったくわけがわかりませんでした。頭に一瞬浮かんでしまったその考えを必死で追い出します。
そんなことより、律子さんの手が片方空いてるいまなら、思いっきり力を入れたら逃げ出せるはずで……

くちゅっ

あずさ「いぎっっ!?ひあああああああああぁぁぁんんんっっ!?」

雷に打たれたんだと思いました。

律子さんの指先がそこに触れた瞬間、さっき乳首を噛まれたり、つねられたりしたときと、比べものにならない快感が
わたしのクリトリスを中心にして、足先から頭までを一瞬で焼きつくします。

律子「ふふ、おっぱいもいいけど、やっぱりクリトリス直接のほうが効いちゃいますか」

なのに、律子さんはそれに気づくと、もっと細かく、そしてしつこく右手を動かし始めました。

あずさ「あ、お、おおおおっ!?り、りつこ、しゃ、りつこしゃあん、それっ、そえ、ええええっ!!」

気がつくとよだれがいっぱい、口からこぼれてしまっています。
で、でも、そんなことより、これっすぐ止めてもらわなきゃ、だめになる、変になっ、ちゃ、う!?

言いたいことの半分もまともに言葉にできないまま、わたしは叫んでいました。
振り付けとかを確認するわたしの質問に答えてくれるときと同じ、ごく普通の口調で律子さんは返事をします。

律子「はい、『それ』がなんですか、あずささん?ああ、もっと激しくですね、わかりました」

あずさ「ち、ちが、ひぎぃぃっ、あっ、あひぃぃいいいぃ!!」

自分では見えないけど、きっともうむきだしになってしまってるわたしのクリトリスを
律子さんが細い指でまわりの粘液をからめつけながら挟んで、つまんで、しゅっしゅっとこすり上げて、
そのいち往復も終わらないうちに、わたしは何度も、何度も、雷に打たれる錯覚を味わわされてしまいます。

律子「あずささん、まだ我慢してるでしょう?私、わかるんですよ?ずっと一緒ですから」

空いている左手でわたしのおっぱいを揉みしだきながら、右手はずっとクリトリスに刺激を加えながら、律子さんは言います。
目の前がずっとちかちかしていてほとんど何も見えないわたしは、もう、叫びながらその声を聞くくらいしかできません。

あずさ「やめ、っへえええ!!もう、ゆるひてっ、やめてくらさいっ、りつこ、しゃぁあん!!」

律子「ね、いいでしょう?もう気持ちよくなっちゃいましょう?運命の人なんていなくても、こんなに気持ちいいんですよ♥」

何度も襲ってくる快感の波の中で、その言葉がするっと、わたしの耳に、心に、滑り込んできました。

あずさ(運命の……ひと……?)

だれかのことが、一瞬、あたまに浮かんだ気がしました。
でもそのかおが、どうしても、思い出せません。

律子「私が一緒にいてあげます♥プロデューサーとして責任もって、気持ちいいのプロデュースしてあげますから、ねっ♥」

あずさ「りつこ、さんが、プロデューサーさん……わたしの、プロデューサー、さん……?」

律子「そうですよ、前からそう、なにも変わらないです♥♥この際私が運命の人ってことで、もういいじゃないですか♥」

熱に、浮かされたように、りつこさんは、そういうと、わたしのクリトリスをまたぎゅうっと力いっぱいねじるようにして、
それといっしょに今度は左の乳首に、つよく、吸いついて、ひだり手で、右のおっぱいをにぎりつぶしてきました。

あずさ「あひぃぃぃ~~~~~っ!?いや、っ、あっ、い、イくっ、イっちゃいますっ、イくぅぅぅぅ!?」

かってに全身が、なみうつみたいに震えて、そしてあそこから、ぷしゃっ、と液体が吹き出るのがわかりました。

律子「あはっ、あずささん、潮まで吹いちゃうくらいよかったんですね♥これで、私ともお揃いです♥」


りつこさんが、とても嬉しそうで、わたしもうれしくなって、ゆっくり目を閉じました。
632  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 00:05:44.41 ID:BNNAzk9c0
どれだけ強く耳を塞いでも、ぐちゅぐちゅと鳴り響く水音が忍び込んできて、座り込んだままのわたくしの頭をかき乱します。
そして、それに負けず劣らず大きな嬌声……ふたり分の嬌声も、また。

あずさ「律子さん、りつこさんっ♥わたし、おっぱい気持ちいいですっ、律子さん、律子さんもぉっ♥」

律子「あ、あんっ、あずささん、あずささんあずささんっ♥もっと、もっとっ、ぬちょぬちょ動いてぇ♥」

あずさと律子嬢は、全身をあの粘つく液にまみれさせ、ひたすらに絡み合っておりました。
両腕はお互いを強く抱きすくめ、上下にゆさゆさと揺れる動きで乳房をこすり合わせ、そのたびにはしたなく声を上げます。
ふたりとも乳房がとくに立派なせいで、まるで両者の胸板の間になにか別の生物が挟み込まれ、
そこから逃げ出そうと肉色の身体を必死でうねらせているかのようでした。

貴音「あずさ、律子嬢っ……!!おやめなさい、正気を…気を、確かに持つのですっ!!」

もはや無駄であると、二人にはおそらくもう届かないと知りつつも、わたくしは叫ばずにはいられません。

律子「あずささんっ、いいです、最高ですっ♥♥おっぱいだけじゃなくて、あそこもっ、お○んこもっ♥」

あずさ「ひゃああんん!?りつこ、さん、そんな急に、突き上げるみたいな、ひどいですっ♥♥」

もちろん、律子嬢の叫びも、あずさの甘える声も、わたくしに返したものではありませんでした。
今のふたりにはきっと、腕の中にいるお互いしか目に入っていないのでしょう。

律子嬢もあずさも、膝を、互いの足の間に……股間に、割り込ませるように組み合っていました。
自身にたっぷりと纏わりついていた粘液をそれぞれ塗り込むようにして、夢中になって動かしています。
響き続ける水音は、粘液のたてるものなのか…ふたり自身に由来しているものなのか、もう判然としません。

律子「ずっと一緒ですっ、あずさしゃん…♥んんっ、ちゅ、ん、ふむっ……」

あずさ「んむ、ぅ、あ、りつこ、さんん、っ♥舌、もっと出してくらさい、ああ、ん、む……」

言葉をなくしただ見ているしかないわたくしの前で、ふたりはそのままお互いの舌を貪るような接吻をはじめ、
すぐに舌と舌とが絡みあう、別の生々しい潤んだ音が響き始めました。その間もふたりの身体は絶えず動き続け、
ぬめる液体をこすりつけ合う……これももう、先ほどから、何度も見せつけられている光景です。

「うんうん、ふたりとも素直になれたみたいだなー。よかったよかった」

能天気ともいえる声がして、わたくしは精一杯の怒りを込めてそちらを振り返り、睨みつけます。
相手はそのわたくしの剣幕に面食らったような顔で返事をしました。

響「た、貴音、どうしたの?なにか怒ってる?」

少しだけ困ったように下がった眉も、わたくしの名前を呼ぶその声も、すべてわたくしの記憶の中と
寸分たがわぬものとしか見えず、聞こえず、そのことがよけいに怒りを掻き立てます。

貴音「響!ふたりを惑わすのをやめて、すぐ正気に戻しなさい!」

響「どうして?」

本当にわからない、という調子で返事をされ、わたくしは言葉に詰まってしまいました。
それを気にするふうでもなく、響は話を続けます。

響「もともと身体動くようになったら、すぐあんな感じになるはずだったんだ。待たせて悪いことしちゃったさー」

貴音「なにを言っているのですか!?あれが…あのようなものが、ふたりに良い状況であるはずが!」

響「でも喜んでるでしょ。あんなに嬉しそうだし、気持ちいいって言ってるぞ?」

話がまったく通じていないことに恐怖に近いものを覚えつつ、わたくしは抗議を続けます。

貴音「それは貴女が、例の物の怪の体液でふたりを狂わせたのでしょう!?それはふたりの本意では……」

響「そうだよ、そういう意味じゃ、貴音のほうがもーっと我慢強いよね……でも、さ」

貴音「あ…っ、なにを、あっ、うぁぁっ、ひいぃぃっ!?」

唐突に響がすぐそばにしゃがみこみ、わたくしの太股の外側から、臀部にかけて、なぞるように撫でました。
その小さな手のひらがへばりついた粘液をずるりと塗り伸ばしていく動きに思わず身震いし、
わたくしの喉からはひとりでに、悲鳴に似たはしたない声がほとばしり出てしまいます。

響「自分、知ってるんだぞー。すぐに逃げられないどころか、もう立ってられないくらいなんだよね、貴音?」

立ち上がった響はにやにや笑いを浮かべ、わたくしを見下ろしていました。
あずさや律子嬢を、やよいを、そしてこの響を、なんとしても元の姿に戻さなくては…
わたくしは決意を新たにし、目をそらさずに響を見返します。

響「ま、貴音はもうちょっと、あずささんと律子でも見ててよ。なんだったら混ざってもいいぞー」

しかし響はすぐに興味を失ったように目線をわたくしから外し、失敬極まりないことを言い残して歩み始めました。
どこへ、と問うまでもなく、その向かう先は物の怪に捕らわれた春香と千早の下であることがわかります。

かつての友の背中にどう声をかけてよいかわからず、身体の震えを抑えるように、わたくしは自身を抱きすくめます。
あずさと律子嬢の艶声だけが、絶えることなく続いていました。
633  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 00:22:57.80 ID:BNNAzk9c0
春香(あ、ああ、律子さん、あずささん、まで……!)

スライムに埋め込まれた千早ちゃんとわたしが見ている前で、あずささんと律子さんが抱き合っていました。
でもそれは、ただ抱き合っている、というんじゃなくて。

ふたりともさっきスライムに粘液を浴びせられたせいで、身体じゅうすでにべとべとだったのが
そのまま抱き合って、からみあって、おたがいに全身が光って見えるくらいに粘液まみれになってしまっています。
服はまったく着てない裸のままで、お…おっぱいをこすりつけあったり、舌を食べちゃうみたいなキスをしたり…

おっとりしたみんなのお姉さん、って感じのあずささんと、スーツをビシっと着こなすやり手プロデューサーそのものの律子さん。
事務所の中でもいちばん年上の頼れるふたりが、あんな、本能だけで生きてる、動物かなにか、みたいに……

春香(ひどい……さっき響ちゃんの言ってた、なんとか粘液、のせいなんだ…!)

わたしの知ってるふたりなら、絶対にあんなことするはずがありません。
千早ちゃんやわたしのこともおかしくしてる後ろのスライム、これがすべて元凶、ってことで間違いないと思います。
じゃあ、これを作ったのは響ちゃんなんだから、響ちゃんならきっともとに戻すことだってできるはず。

そう考えたちょうどそのとき、やよいを後ろに連れて、響ちゃんがこっちへ来るのが目に入りました。

響「ずっとほったらかしでごめんごめん!でもあずささんと律子見てて、春香も千早もエッチな気分になってきたんじゃない?」

あくまでも明るく、にこにこ顔で声をかけてくる響ちゃん。千早ちゃんもわたしも、すぐにはそれに返事ができません。

実際問題として響ちゃんの言うことは、完全な的はずれ、というわけじゃありませんでした。

さっきから千早ちゃんとわたしは、ユニゾンソウルの魔法の副作用で、お互いの感じたことを共有してしまう変な状態になっています。
そして、律子さんたち三人の行動で助けてもらうまで、このいやらしいスライムに全身をおもちゃにされていたせいで…
まだわたしたちの身体の調子はおかしくて、特に、しつこくいじられたおっぱいや、おなかの奥の方に、じんじんと熱い感じが残っていました。

その状態で、あんなふうにいやらしく声を上げて抱き合うあずささんと律子さんのさまをたっぷり見せつけられてしまい、
わたしも、そしてたぶん、千早ちゃんも…身体がうずくような感じが抑えきれてないのは、本当、だと思います。

ただ、それでも、シャインマジシャンとして、事務所の仲間として、言うべきことは決まっていました。

春香「そんなことより、響ちゃん。卑怯な手をつかって律子さんやあずささんをいじめるのはやめて!」

響「んー?ねー春香、卑怯な手ってなんのこと?」

とぼけた顔をして笑ってみせる響ちゃんにいらいらさせられてしまい、わたしはさらに叫びます。

春香「あの粘液で、ふたりを…その、おかしくしちゃったんでしょ?マジシャン用なんて言って、それをふつうの人相手に使うなんてズルだよっ!」

響「うーん、マジシャンにもよく効くようにしたってだけなんだけど、それでズルって言われてもなあ…」

困り顔でつぶやいた響ちゃんでしたが、少しの間の後、急にいたずらっぽい笑顔を浮かべてわたしと千早ちゃんの方を見ます。
一見、見慣れた笑顔のようで、その裏にどす黒い悪意のようなものが見えた気がしました。

響「………じゃあ、春香の考え方なら、マジシャンに使う分にはズルじゃないよね?」

春香「え…むぅぅーっ!?」

響ちゃんが言い終わらないうちに、わたしの顔の横あたりでいきなりスライムの半透明の身体が盛り上がりました。
それは一気にわたしの口元に伸びてきて、べとべとした液状の身体をほっぺたや鼻のあたりになすりつけてきます。

千早「春香、っ!?」

わたしのお口に入るのを狙っていたみたいです。間一髪、急いで口を閉じたのが間に合いました。
千早ちゃんもわたしと同時に顔のあたりにへばりつかれる感触が伝わってしまったらしくて、顔をしかめています。
わたしは声は出さずに千早ちゃんのほうを向いてうなずき、まずは無事だってことを伝えます。
スキを見せないように、唇を結んで、歯もしっかり噛みしめて…

唇のはしっこから、にゅるん、とした感触と一緒にゼリーみたいなものが入ってきて、歯に触りました。

春香「え、ぅ、むぁ、んぶぅぅっ!!」

びっくりしてつい口を開けてしまったところにまた半透明のかたまりが殺到してきて、今度はいっぺんにお口を埋め尽くされました。

春香(そう、だ…こんな液体みたいなの、口閉じたくらいじゃ、隙間から、無理やり、っ!?)

噛みつこうと歯を立ててみたけど、そもそも固体じゃないので勢いよく上下の歯を噛み合わせちゃうだけです。
舌を使って押し出そうにも、ねばねばした液体のなかを泳ぐだけで、まったく効果がありません。

春香(い…、息、しづらい、よぉ……)

ふさがれているのは今のところお口だけで、鼻から息を吸ったり吐いたりはできてますが、
口の中に大量の水がたまっているような状態で、すごく息苦しいです。それに、鼻のすぐそばにスライムの本体が伸びているせいで、

春香(においも、これ……気持ち悪い、なまぐさい!こんなの嗅ぎたくない、のにっ…!!)

でも、響ちゃんは、どうしてこんなことを…わたしが口答えしたの、そんなに気に入らなかったんでしょうか?
そう考えたわたしが目線を動かすと、寒気がしそうな笑いを浮かべた響ちゃんと、目が合いました。
634  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 00:33:32.86 ID:BNNAzk9c0
響「よーし、スラ美。とりあえず春香にごちそうしてあげて」

春香「……? ん…… ん、んん!? んん、んぶっ、んんうーっ、むぐぅぅーっ!!」

ごちそうっていったいなんだろう、と想像するより前に、現実を思い知らされました。

わたしのお口をいっぱいにしていたスライムが急に爆発した、そんなふうに感じます。
実際にはたぶんそうじゃなくて、わたしののどに一番近いあたりで、大量のどろどろしたものが放出されたみたいでした。
急な侵入で反射的に吐いてしまいそうになりますが、お口を完全に埋め尽くされているのでそれもできず、
そして液体はどんどん新しく追加されていくので、そのまま飲み込まされてしまいます。

春香「んぐっ、ごく…っ、ごくっ、ごくっ……」

春香(い、いやあああ!?これ、す、スライム直接飲まされてるのっ!?やだ、そんな、やだぁぁっ!)

どれくらい飲まされたかもわからないうち、お口の中の圧力が少なくなり始めました。
たっぷり溜まっていた液体が少しずつ減っていくような感じがして、
最後ににちゃぁっ、という音を立てて、わたしのお口をふさいでいたスライムが離れて行きます。

春香「っ、はぁっ!!ぷはーっ、え、お、おえっ……げほっ!」

まず何よりも新鮮な空気がほしくて、大きく息をついたあとで、飲まされたものを吐き出そうとがんばりますが
すでにお腹の中にすべり落ちてしまったみたいで、せき以外にはなにも出てきませんでした。

千早「春香、春香っ!?大丈夫、しっかりして!?」

千早ちゃんが顔を真っ青にしつつ、声をかけてくれます。きっと千早ちゃんもわたしの感覚が伝わって気持ち悪かったはずなのに、
無理させちゃってることが申し訳なくて、わたしはせめて笑顔で返事をしました。

春香「えほ、……大丈夫、だよ、千早ちゃん。これくらいわたし、なんてことない!」

…つー、っと、こめかみを汗が流れます。おなかの熱っぽい感じが、このわずかな間に、少し、少しだけ…強くなった、気がします。
千早ちゃんにも感覚で伝わっているとは思うけど、でも直接言って心配はかけたくないし、わたしの気のせいかもしれないし…

響「ふっふっふ、シャイニング・ハルカ。我々ブラックジャンボの対マジシャン用特製スライム、その媚薬粘液のお味はどうだ……?」

響ちゃんがいきなり芝居がかったことを言い出して、わたしも千早ちゃんも思わずそっちを向きます。
最初は悪そうな顔をしてちょっと胸をそらしていた響ちゃんでしたが、わたしたちの視線に耐えかねたのか、すぐに姿勢を正しました。

響「…なんだよー、ふたりともノリ悪いなぁ。で、改めて春香、感想は?」

春香「こんなヘンなものちょっと飲まされたって、わたしは平気だよ。おいしくないし、くさいし、響ちゃん料理ヘタになっちゃったんじゃない?」

あえて強がりを言って、響ちゃんにはわたしの感じている気持ちの悪さを悟らせないようにします。
すると響ちゃんは、にやっと笑って言いました。

響「ふぅーん、そうかぁ。じゃあ春香、今ので、なにか思い出すようなことはない?」

春香「え? 思い出すような、こと……?」

今度ははったりでもなんでもなく、響ちゃんの言ったことが純粋にわからなくて、思わず聞き返します。
響ちゃんの言葉を聞いた千早ちゃんがはっと息を呑む音がして、なにか言おうとする気配がしました。

響「まあ、そうだよね。『ほとんど同じ状況』じゃないと、思い出すものも思い出せないよなー。じゃ、スラ美」

その千早ちゃんを待つことなく、響ちゃんは暗い笑いを浮かべたまま、指をぱちんと鳴らしました。

春香「は、っ!?いやっ、やだ、また、ん、んん、むぅぅぅっ!?」

たちまち、またわたしのお口めがけてスライムが伸びあがってきて、顔を左右に振って抵抗しても
頭を後ろからおさえられ、そのままお口を完全にふさがれてしまいます。

春香(なんで、また……こんなっ!?お口じゅうぬるぬるして気持ち悪いぃ!)

しかも今度は、さっきより動きがずっと激しくて、のどの奥のほうへぐいぐいと押し進んできます。
また吐きそうになるけど、やっぱり物理的にお口をふさがれていて、苦しいだけで吐くこともできません。

春香(……え、こ、今度はなに!?)

ひじのあたりをつーっとなでられるような感触があって、お口をふさがれたまま視線だけを上に向けます。
すると、上に伸ばした状態でひじのちょっと手前までスライムに飲み込まれているわたしの手、
その手を伝って、スライムがじわじわと垂れ落ちるように進んできているのが目に入りました。

春香(な、なにをしようと、してるの……?伝わられた肌が、くすぐったくて、べとべとするぅ……)

上から流れ落ちてくるスライムの量が少ないせいか、速度ははちみつを垂らしてるような感じでとても遅く、
それが肌の上をゆっくりなぞっていく感覚がかえってはっきり感じられてしまう気がします。

と、そのとき、なんの前触れもなくお口をいっぱいにしていたほうのスライムが脈を打つみたいに震えて、
さっきと同じどろどろした液体をわたしののどに向けて放ちます。

春香(また、これ……!?気持ち悪いっ……やだぁ、こんなの飲みたくないよぉっ!)

どんなにいやだと思っても吐き出すことも、飲み込まずにいることもできないのもさっきと同じで、
わたしはまた、熱くてのどにまとわりつくような、ひどいにおいの粘液を飲み込むしかありませんでした。
635  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 00:51:05.18 ID:BNNAzk9c0
春香(……っ、これ…まずい…っ……!?)

さっきは、気のせい、でなんとか自分をごまかせたけど、今度はそうはいきませんでした。

粘液を飲み込まされたおなかが、今でははっきりと熱をもってしまっていました。
さらに、時間がたったおかげで少しはマシになっていた全身の感覚がまた鋭くなってるように感じ、
気を抜くと身体のあちこちに震えが走り、力が抜けちゃいそうになります。

春香(だ、だめ、弱気になったら!千早ちゃんも一緒に耐えてるんだから、気をしっかり持っ、!?)

急に強く触られた感じがして上を見ると、垂れ落ちるスライムの量が一気に増えていました。
勢いのついた粘っこい半透明の液体がわたしの腕を伝ってどんどん下へ落ちて行き、
その流れで皮膚をなでられるだけで、全身に甘いしびれが細かな波のように走ります。

量がもっと増えて、今ではわたしの腕はほとんど全体をスライムで覆われてしまいました。
流れ落ちる先頭部分はそのままわたしの肩まで伝ってくると、そこでぐにょぐにょとかたちを変え、
そしてそのまま、ぶじゅっ!と汚らしい音を立てて、わたしの腋の下に吸い付いてきました。

春香「んんんんんーっ!?んん、んむぅ、もご、んんー!!」

まさかそんなことをされるとは考えてもいなくて思わず声を上げますが、口をふさがれていて変な音にしかなりません。
わたしのことは完全に無視して、腋にへばりついたスライムはその全身を使い、
揉むような、舐めるような、なんとも言いようのない動きでわたしに刺激を加えてきます。

くすぐられるのともただ触られるのとも違うその動きと、触られたところから伝わってくる熱の激しさに
わたしは自由になる身体を揺すって叫びを上げ続けますが、その声はすべてお口の中のスライムに奪われてしまいます。

さらに、声を出す権利すら与えないと言わんばかりに、お口のスライムがまた粘液を吐き出しました。
気持ち悪さと嫌悪感で、わたしはつい無意識に涙をこぼしてしまいますが、それでも強制的に飲み込まされ続けます。

春香(あ……だめ、なのに、あたま………、ぼーっと、してきちゃ……おなか、あついぃ…)

息苦しさとひどいにおい、そしてどんどん強くなるおなかと全身の熱に意識がぼんやりしてくるのを感じながら、
わたしはこのスライムの粘液責めについて、回らない頭で考えていました。

春香(これ…スライムの本体が、そもそも粘液でできてるってことは……こうやって一度、お口とかに入り込まれちゃったら…)

本体があの大きさだから、ちょっとやそっとわたしが飲んだくらいで減るわけがありません。
……つまり、むこうが飽きちゃうか、わたしが飲み込めなくなるまで、ずっと飲まされ続けるしかない、って…こと?

そのとき、両方の腋の下でぐちゅぐちゅとうごめいていたスライムが、少しずつ形を変え始めました。
わき腹を伝って、わたしの身体の前に、ずるずると移動して……そのままおっぱい全体に、ゆっくりまとわりついてきます。
何をするつもりかなんて、聞かなくてもわかってしまいました。

春香「ん、んん、っ……んーっ、んむぅーーっ!んんっ、んんー!?」

お口をいっぱいにふさがれたまま首を振っていやいやをしますが、おっぱいにへばりつくスライムの動きも、
もちろんお口の中のスライムも動きも止まらないし、離れていってくれることもありません。

春香(や、だ、いまはだめ、いまはだめっ、お願い、やめてっ!?)

今やスライムがわたしのおっぱいをほぼ全部、両方とも覆ってしまっていました。
なのに、乳首の部分は少しだけ穴が空いたみたいになって、あえてさわらないようにしてるみたいです。

もちろん、このいやらしいスライムが、そのまま許してくれるなんて甘い話はありませんでした。
震えが抑えられないままわたしが見ている目の前で、ぬちゃっ、と音を立て、スライムの体の一部が触手のように伸びてきます。

春香(いや、いやっ!おっぱいだけでも耐えられそうにないのにっ、そんな、乳首までなんて!?)

ふらふらと動くその先端が何度もわたしの乳首に近づいて、ぎりぎり触れるかどうかというところで離れます。
そのたびにわたしの心臓はうるさいくらいに音を立てて、不安と、恐怖と、ほんの少しの期待を煽られてしまいます。

そして、ついに……ちゅぶっ!

春香「~~~~~っ、むぅ、ぉ、ぉっ!?んんーーーーっ、んぅーーっ!」

乳首全体を飲み込むようにスライム触手に食いつかれた瞬間、目の前が真っ白になって、意識が飛びそうになります。
でも、それと同時におっぱい全体にまとわりついていたスライムが一斉に激しく動き始め、
たくさんの手や指で同時につつきまわされ、つよく揉みこまれ、こねくり回される感触で、気を失うこともできません。

強烈すぎる快感でわけがわからなくなっているわたしにさらに追い打ちをかけるように、
またお口の中にどろどろの粘液が注がれました。ほとんど考える余裕も何もなく、ただ反射的に、
息苦しくならないように、わたしはその熱くてひどいにおいの粘液を、のどを鳴らして飲み込みます。

春香(……あ、だめなの、に………これ飲んだら、もっと、からだ、熱くなっちゃうのにっ………)

たっぷり飲み込んだあとでようやく思い出しますが、先に思い出してたら吐き出せるってわけでもないし、
どのみち飲むしかないんだったら、早く飲んじゃったほうが、少しは、マシ、かもしれません…

春香(……あ、れ?)

お口の中の圧迫感がまたすっと引いていく感じがして、いれかわりに新鮮な空気が入ってきました。

本当は、気持ちいいはずなのに……お口のなか、ねばねばしてなくて、くさくもないのが、さみしい、気も、します…
636  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 01:00:19.61 ID:BNNAzk9c0
響「……で、どう?シャイニング・ハルカ。マジシャン用特濃媚薬粘液のお味は?そんで、『思い出した』?」

ブラックジャンボの「総帥」が相変わらずの笑顔で、春香に質問していた。
スライムは一時的に動きをとめ、単に春香の身体を拘束しているだけの状態に戻っていたが、
春香は目の焦点がもう完全に合っておらず、そもそも、質問されたことを認識できているかどうかすら、怪しい。

彼女がしようとしていることは明白だった。春香に、あの夜の凌辱の記憶を取り戻させようとしている。
それがわかっていて、私は彼女を止めることが、できない。制止するひとことすら、口に出せない。

からだ全体が、熱くて、もどかしくて、そして自分の鼓動の音だけが、やけにしつこく聞こえる。

私の胃の中で、気を抜けばすぐにもあふれかえりそうな量の媚薬粘液が、たぽん、たぽんと音を立てていた。
溜まり溜まった水面が波を立てているさますら見える気がして、そのひと揺れごとに、身体の熱がかっと燃え上がる。
それを飲ませ続けるために口にもぐりこんできたスライムのせいで、あごもがくがくと震えたままだし、
口のなか全体が粘液に触れつづけていたからか、ひどく熱をもっていて、気持ち悪い。
なのに、口寂しい、なにか咥えたい、舐めたい、飲み込みたい…そんな考えが頭をよぎって、背筋が寒くなってしまう。

千早(ちが、う……違う、のに…!)

上からも、腕を伝ってスライムが流れ落ちてきて、まず……腋を、徹底的に汚された。

まだマジシャンなんてものになるよりずっと前、事務所で、春香や我那覇さんからふざけてくすぐられたことがあった。
そのときの、むずむずする、でもどこか心地よい、軽くさわやかな感触をまだ覚えている。

同じ腋への接触なのに、スライムのそれは似ても似つかない、不快で、執拗で、ただ機械的に快感を送り込もうとする動きだった。
ねばねばする軟体に吸い付かれ、腋下のくぼみの隅々までをじっとり舐めしゃぶられ、
そんな動きですら自分の身体にあの妖しい熱を呼び起こすことに愕然とさせられた。

腋を蹂躙しきったスライムは、そこから這い進み、私の胸……乳房を、ゆっくりと征服していった。
山を登る様にじわじわと侵食され、頂点に位置する、…乳首、だけを残して表面を覆われたあと、
さんざんじらしてから両方の乳首をまとめて急襲され、強く吸われ、つままれ、転がされた。
さらにそれまで放置されていた乳房全体も、指を立てるようにして押され、揉まれ、絞られて……

千早(………違う、惑わされては駄目っ!!私は、春香が受けた感覚を…、共有、しているだけ…!)

頭では、理解しているつもりだった。春香の受ける凌辱がすべて、私にもフィードバックされると知っていたはずだった。
なにもできないのならせめて、春香とともに耐えようと、そう思ったはずだった。

それなのに今では、あらゆる凌辱の名残が……皮膚を這いずるスライムのねばねばする体や、
乳首をつまむ芯のある軟質の感触、腋にへばりついて未知の感覚を無理やりに教え込んできた塊、
そして…何度も、何度も食道を通って胃に溜まり、いやらしい熱を呼び起こす媚薬粘液の流れ……
そういうものがすべて私自身の体験で、私自身の身体にまだ残っているような、圧倒的な存在感を伝えてくる。

ただひとつ救いがあった。春香はまだ、あの最悪の記憶は思い出していない。
それに、あれだけ意識がもうろうとしていれば…ひどい言い方ではあるけど、これから思い出す余裕もない、はずだ。

響「お、シャイニング・チハヤも出来上がってきてるね。わざわざ同じ体験するとか、ひょっとして千早ってマゾなの?」

千早「な、っ……~~~~っ、く、っ?!」

響「あはは、わざわざ自分で感じるようにしちゃうなんて、ホントにマゾなのかー」

からかうように言われ反論しようとして、その声を出すだけのことで全身が燃える感覚がいっそう強まり、
私は言い返すことなく歯を食いしばり、声を上げてしまわないように抑えることしかできない。

千早「………!?」

その私の両足をゆっくりとなにかが這い上がってくる感触があり、急いで視線を下に落とす。
何もない。膝から下はスライムに捕えられてはいるが、特に目立った動きはしていない……
にもかかわらず、ゆっくりと粘液が上ってきて、その通ったあとが焼けるように熱くなっていく感覚だけがある。

春香「ひ、ぁぁ……ん、も、やだ、ぁ………」

はっと目をやると、春香の両足を少しずつ飲み込むように、半透明のスライムが伸び上がり始めていた。

あの夜春香に起きたことや、その責任が私にあることは決して忘れないと誓っていたけれど、
春香が具体的に何をされたのか、ということについては、できるだけ思い出さないようにしていた。
いま「総帥」がスライムを使って春香に加えた数々の凌辱行為は、
あの夜、イソギンチャク型の触手生物たちが春香を慰みものにしていたときの再現に違いなくて、

春香「…………ん、ふ、ぅっ…!ふぁ、ん……」

千早「あ、はぁ、んんっ!?」

その瞬間、春香と私は同時にスライムで「口をいっぱいにされて」しまい、思考能力を奪われてしまう。
さらに、侵入してきた軟体生物は間髪を入れずまた液を吐き出し、のどにからみつく、胃を焼くその熱が、
私と春香が抵抗するわずかな気力すら奪って、そのまま媚薬粘液漬けにしていくようだった。

千早(い、いけな、い……このまま、じゃ…)
637  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 01:11:43.13 ID:BNNAzk9c0
春香(ん………あ、また、きてる、飲まなきゃ…………)

お口の中でゆらゆらしてるねばねばを、ゆっくりのどに送り込んでいきます。
一気に飲もうとすると、ひっかかっちゃうときがあるので、ごくっ、ごくっ、と、のどを鳴らしながら。
その一口ごとに、のどとかおなかがあったかくなる感じがして、気持ちいい、です。

春香(なんか、前にも…こんなこと、あったような)

隣の千早ちゃんも、なんとなく、目がとろーんってしてる気がします。えへへ、おそろいだね。

ソックスがじわじわずり上がってくるみたいな感じがして、下を見ると、わたしの太もものだいぶ上まで
いつの間にかスライムの体でおおわれてました。なんかこれ、半透明のサイハイソックスみたいで面白いかも…

相変わらずおっぱいはスライムでほとんどカバーされちゃってて、かえって服を着てるみたいです。
でも、ときどきぐにゅっと力をくわえられると、つい声が出ちゃうときがあります。

スライムはどんどん上ってきて、ついにマジシャンのスカートの下にもぐりこんで、わたしの足の付け根にまでたどりつきました。
手も足も全部、スライムにコーティングされたみたいになって…覆われたところが、すごく熱いです。

春香(……どうして、わたし、こんなことになってるんだっけ?シャインマジシャン、だから?)

足の付け根のスライムはそのまま、スカートの下でさらに動き続けています。
布地に染み込むほど水っぽくはないみたいで、ショーツの足回りの部分から器用にもぐり込んで、
わたしの…お尻のほうに、どんどん侵入してきちゃいました。
これっ……恥ずかしい……けど、あったかい手で包まれてるみたいで、きもちいい、かも……

スライムはさらに、ショーツのクロッチ部分を浮かせて、前側にも体を滑り込ませます。
そのままゆっくりと上に伸びて、わたしの

春香(………っ!?こ、これ、わたし、たしか、知って、っ)

春香「むぐぉぉぉぉっっ、んむぅうぅぅ!?んんんっ、ん、んんん~~~~~~~っっっ♥♥!!!」

なにか思い出しそうになった瞬間、勃起しきったクリトリスを思い切り押しつぶされて、一気に意識が戻りました。
それを待っていたかのように、わたしの全身あらゆるところのスライムが動き始めます。

春香「んんんぅぅ、んんぐっ!?ん、ごぐ、っ、んぐ、ぐ、ごくっ、………♥」

お口の中のスライムはポンプにつながったホースみたいになっていました。
どくどくとひっきりなしに震え続け、湧き水みたいにあとからあとから粘液があふれてきて
わたしは溺れないように、必死でそれを飲み込み続けます。

春香(こ、こんなっ、!おなか、破裂、しちゃうう!!!)

おっぱいにへばりついたスライムはさっきより大きくなって、同時に腋にも刺激を加えてきました。
乳首がちぎれちゃいそうなほど強く引っ張られたかと思うとやさしく転がされたり、
ぴんと弾かれた次の瞬間には舌で舐めながら吸われるような動きを加えられたり、
そしてその間じゅう、おっぱい自体も乱暴に揉まれ、ひっぱられ、こねられ続けます。

春香(いやっ、いやぁぁっ!?無理ぃっ、クリトリスだめぇっ♥おっぱいと乳首、同時にいじめないでぇぇ!?)

まるでわたしの声を聞いていたみたいに、スライムの動きがより激しくなりました。
お口に粘液を注ぎ続けていたスライムがぬぽっと音を立てて抜け落ち、でもその勢いはまったく止まらなくて
流れ出すべとべとの液でわたしは顔中をすっかりコーティングされてしまいます。

春香「ぷ、ぁぁん、っ!?やだっ、やめ、あついぃっ♥顔にかけるの、やだぁっ♥」

なぜスライムがわたしに粘液を飲ませ続けるのをやめたのか、理由はすぐにわかりました。

春香「ひぃあぁぁっ♥らめっ、それらめぇっ!?しこしこってするのやあぁっ、らめぇぇぇっ♥♥♥」

ショーツの中のスライムがクリトリスにしっかりとからみつき、芯のある部分を器用に使って
吸い上げるようにしながらしごき始め、わたしはもう絶叫するしかありませんでした。
涙まで流してしまい、大声を上げるわたしが面白いのか、わたしが叫べば叫ぶほど
スライムの動きがねちっこくなって、そして同時におっぱいや、腋までいじめられてしまいます。

春香「これっ、知ってるぅっ、わたしはじめてじゃないいっ♥だめなのに腰っ、腰振っちゃうぅっ♥♥」

足も手もすっかり飲み込まれてほとんど動けない状態だけど、動かないって選択肢はなくて、
貧乏ゆすり程度の揺れかたしかできないまま、わたしは必死に腰を前後させていました。

春香(熱いっ、あついぃ、クリトリス、クリトリス溶けちゃうっ!!!)

春香「…………ひ、ひんっ!? や、な、なに、これぇぇ!?」

快感にもみくちゃにされながら、なにかヘンだ、と思った時にはもう変化が起きていました。
わたしのショーツを押しのけるようにして、本来あるはずのないものが、そこに存在しちゃってます。

春香(お……お○ん、ちん、そ、そうだ、これ、わたしのお○んちん………!!)

春香(なんっ、でわたし、これのこと、知って)

はまってはいけない最後のピース、それがはまる音を聞いた気がしました。
その瞬間、わたしの頭のどこかにかかっていた鍵みたいなものがはずれます。
638  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/06(金) 01:19:30.90 ID:BNNAzk9c0
一瞬だけ春香の動きが止まり、その目が大きく、大きく見開かれるのを、私ははっきりと見てしまった。

春香「あ、あ、あああああ、ああああああああああああああーーーーーーっ!?」

全身をスライムにからめとられ身体の自由を奪われた春香が、これまで以上の声で絶叫する。

春香「や、やだぁあっ、イソギンチャクもういやぁぁあああ♥♥♥!?触手はいや、おちん○ん搾っちゃいやぁぁああっ♥♥♥♥」

とめどなく涙を流す春香は過去と現在の快楽を同時に身体に叩き込まれ、完全な恐慌状態に陥っていた。
せめて、「そっち」は現実じゃない、貴女の記憶が混乱してるだけ、と声をかけたいのに、それすらもできない。

春香「たすけっ、ぷろりゅーさーさんっ、たすけて、くらしゃいぃ♥♥わたし、おかしくなる、まじしゃんできなくなっちゃいまひゅぅ♥♥♥」

呂律も回らなくなった声で、この場にいもしないプロデューサーに助けを求めるほど錯乱してしまっている。
いや、春香の目にだけは確かに、あの夜の触手生物に捕えられ、転がされているプロデューサーが見えているのだろう。

おそらくは、自分の身体を好きに弄び、さんざん汚し尽くしたイソギンチャクたちでさえも。

もちろん現実のこの場には、そいつらのかわりに……春香を凌辱する、悪夢のような巨大スライムがいる。
そして、当然、春香の混乱しきった意識でも、それが与えてくる快楽ははっきり感じ取れてしまう。

春香「スライム、スライムもだめ、だめ♥これ以上わたしのことえっちにしないでぇっ、粘液いやぁぁっ、もうゆるしてぇ♥♥♥」

言葉こそ拒否しているが、その声はもう完全にとろけているようにしか聞こえなくて、
耳も感覚器官も見当たらないスライムがまるでそれを愉しんで、より激しい凌辱を加えているようにすら見える。

……私自身も、ほとんど限界だった。

千早(………こ、んな、 …………はる、か、は、あのとき…!?)

私がほぼ全力で封じていた春香の記憶のフラッシュバックは、ほんの一瞬で春香と私の神経を焼き切った。

その一部始終はまったく見ていなかったはずの私がすべて知っている、触手生物と遭遇して、それなりに互角に戦い、一般人を救おうとし、

そして一瞬の隙をついてプロデューサーごと捕えられまず居合わせた女性を触手で犯し抜くところをまざまざと見せつけられ
プロデューサーの命を盾に触手を舐めて奉仕することを強制されそのまま何度も何度も何度も媚薬粘液を飲まされて
身体の自由を奪われて触手で弄り回され乳首もおっぱいもクリトリスも敏感なところはすべて徹底的に開発され続けて
ついにはクリトリスを肥大化させられ男性器のような大きさにされて特別製の触手で何度も何度も何度も何度も何度も――――

千早(……、は、ぁ…、っ!? 記憶に………の、飲まれてしま、う!?)

私は春香ではない、と、いちいち考えていなくては存在があやふやになるほどの、強烈な記憶。

その過去の快楽と、いま現在の快感が、春香と私の全身を支配している。
声を出すことはおろか、いまの私は指の一本ですら、自由に動かせない。

もう春香のことを助けるなんて次元ではなく、自分が正気を保つためだけに必死で耐えている私の目の前で、
巨大スライムは春香に…そして私に、いよいよ引導を渡そうとしているようだった。

手と足をほとんど固定され、ただ泣き叫ぶだけの春香に向けて、上からスライムの一部がゆっくりと伸びてくる。

春香「……そ、そんな♥、うそ、でしょ?」

さんざん嬲られたあとなのに、媚薬の効果がそこにも及んでいるのか、春香の…男性器、は、まだ反り返っていた。
ショーツの布地を押しのけ、さらにスカートを押し上げてそこから部分的に顔をのぞかせている。

つい今まで男性器を弄ばれていたと思っていたのが、ただのフラッシュバックに過ぎなかった、ということに気づき、
春香の顔色が、青くなるのを通り越し、一気に白くなるのが見えた。

春香「ま、っ」

ずぷちゅうっ!

春香「―――――――――っ、あ♥♥♥ …………んひぎぃぃぃぃっ!?♥♥」

近づいてきたスライムが鞘のようなかたちに変形し、春香の男性器を飲み込んだ瞬間、春香は即座に失神し、そして覚醒する。
そして、そのことにもお構いなしにスライムは上下にしごく動きを始め、春香と私にとっての地獄が始まった。

春香の胸を、腋を、包み込んだ手や足を、わき腹やおなかまでを全身刺激しながら、スライムは春香の男性器を吸い、搾り上げる。
その動きのすべてが直接私の神経をすべて焼き潰し、あっという間に、それこそ失神しているのか、まだ意識があるのかもわからなくなる。

春香「こんにゃっ、むりぃ、もうでちゃう、出しちゃうっ♥♥♥おちん○ん液でちゃうぅ~~~っっ♥♥」

私の股間には男性器なんて、ない……ないはず、なのに、その中をなにかとても熱いものが迸り出るのを、確かに感じる。
絶叫した春香の頭がかくん、と落ちるのと、私の意識がブラックアウトするのはどちらが先だったか、わからなかった。
644  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/08(日) 23:45:02.68 ID:vd50Mh/P0
やよい「響さん、響さん!今の見ましたかー?春香さんと千早さん、気を失っちゃうのも同時でしたーっ♥♥」

響「うん、もちろん自分も見てたぞ。まぁ感覚つながってる状態だから当たり前なんだけど、さすがって感じだよね」

スライムに吊るされたまま気を失い、首を垂れるだけになった春香と千早の姿を
やよいは飛び跳ねながら満面の笑みで、そして響は苦笑をその顔に浮かべて見上げている。

響「しっかし二人とも、こんな調子で大丈夫かー?記憶戻ったくらいで失神してたらこの先大変だよ?」

響がからかうように声をかけても、春香も千早も意識が戻ることはなく、当然のように返事もない。
春香の受けた感覚を共有してしまった千早と異なり、直接媚薬スライムに全身を嬲られた春香のほうは
顔から始まり、むき出しにされた胸も、衣装の至る所も粘液まみれでねとねとにされ、妖しく光ってすら見える。

やよい「春香さんにもお○んちん生えてた、なんて知らなかったです。うっうー、おそろいでうれしいなぁ♥」

響のとなりでやよいが言った。自分まで媚薬にあてられたかのようにうっとりと目じりを下げ、頬が紅潮していて、
よく見るとやよいの黒く短いスカートをその下から棒状のなにかが強く高く押し上げているのが見て取れる。

響「あははは、実はあれ、自分の指示ってわけじゃないんだけど…でも気持ちいいみたいだし、なんくるないか」

そもそもやよいのそれが生えた原因も本当は事故みたいなものなんだけど、と響は内心そっとひとりごちる。
と、その耳にまた別の悲鳴か嬌声のようなものが飛び込んできて、響も、それからやよいもそちらに目を向けた。



貴音「ひ、っ、おやめなさい二人ともっ!正気に戻って、あひっ、やめ、るのですっ……!?」

すっかり目の焦点が合わなくなったあずさと、律子嬢の二人が、座り込んだわたくしの両側にしゃがみこんでいました。
そしてわたくしの言葉には返事もせず、もちろん耳を貸すこともなく、ただひたすらに、じっくりと、
自分たちの身体にたっぷりと粘りついたあの物の怪の体液を手ですくいとり、わたくしの身になすりつけてきます。

わたくしの腕は左右の二本しかありません。それにそもそも、ちゃんと直立できておれば腰を入れて抵抗もできるでしょうが
床にへたりこんでいる現状では力がろくに入らず、しなだれかからんばかりに迫ってくる二人を押しとどめられません。

響がわたくしたち三人を置いて春香と千早のほうへ向かったのち、できうる限りこの粘液を身体からぬぐい落とし
少しだけ症状がおさまった、と思ったところだというのに、こんなことをされてしまっては…!

貴音「ああっ、いやああっ…、あずさ、そのようなっ!?」

左側から寄ってきたあずさが恍惚とした笑みを浮かべ、わたくしの手首をしっかりとつかんだまま
もう片方のてのひらにぷるぷると震える粘液のかたまりを乗せ、そのままわたくしの胸へ手を寄せてきました。
不用意に動くとそれだけで刺激を受けてしまうわたくしは、おののきながらその動きを見守るよりありません。

あずさ「貴音ちゃんのりっぱなおっぱいも、しっかりねとねとにしとかないとね~♥」

熱い吐息とともにそんな言葉を吐き出したあずさは、少し掲げた手をゆっくりと傾け、
わたくしの乳房にそのすくいとった粘液を少しずつ垂らして、徐々に全体を濡らしてゆきます。

貴音「くぅ、ぅん、っ、………あ、あずさの方が、よほど、立派なものを、っはああああんっ!」

液が触れたところからすぐにまた疼くような熱が広がり始め、誤魔化すために軽口を叩こうとしたところで
いきなりあずさが粘液まみれの手で直接わたくしの乳房をつかみ、力をこめてこねまわし始めました。
不意をつかれて声をあげてしまったところに、ぐちゅ、ぐちゅっ、と厭らしい音を立てて粘液ごと揉みしだかれ、
その音と、あずさの手が伝えてくる得体のしれない感覚が、わたくしの理性を激しく責め立てます。

貴音「やめ、なさっ、ひあっ、ひぃぃんっ!?止めて、やめて、ください、あ、ずさっ!」

あずさ「小さい方が敏感なんてよく聞くけど、大きくたってきもちいいもの~。ね、貴音ちゃんも、そう思うでしょ」

貴音「そんな、気持ちよくなどっ……あっ、あ、ふぁぁぁぁ!?」

あずさは座ったままどんどんと距離を詰めてきて、今ではほとんど抱きつくようにしてわたくしの左半身に密着していました。
乳房やお腹の柔らかく、やけどしそうに熱い感触と一緒に、その表面を覆うぬるぬるの粘液にも纏わりつかれてしまいます。

あずさ「ウソつくのはめっ、よ、貴音ちゃん。正直になっちゃいなさい?」

あずさ自身もすっかり熱っぽくうるんだ声になっていて、耳元で囁かれるだけでも震えてしまいそうになるというのに
さらにあずさは何を思ったのか、わたくしの左の耳たぶを甘く食み、……さらに、舌を、わたくしの耳のなか、に!?

貴音「な、舐めてはなりません、あ、あずさ!?すぐにおやめ、なさいっ、そんな、ぁあ、あ…!」

はぁ、はぁ、という熱い吐息が、あずさの舌や唾液が立てる音が、直接、耳の中に響いているように聞こえ、
先ほどとは比べものにならないほどうるさく……頭の中すべてを舐め上げられているような感覚に、全身が痺れてしまいます。

あずさ「んちゅ、っ…あら~、うふふ、貴音ちゃん、耳が弱いのかしら。律子さ~ん、律子さんも試してあげてください♥」

貴音「た、試す、とは…?まさか、あ、きゃぁぁ!」

律子「はいはい、じっとする。それじゃあ、折角だからまずは、と………ん、っ」

右側から密かににじり寄ってきた律子嬢に、あずさと同様、乳房を押し付けるようにして組みつかれ、動きを封じられました。
律子嬢は口や顔のまわりに残っていた粘液を指でにちゃにちゃとかき集め、それをねっとりと自分で舐めとる様をわたくしに見せつけます。
なぜ、そんなことを…と訝しく思った瞬間、律子嬢は口中にねばつく液を溜めこんだまま、わたくしの右耳にしゃぶりつきました。
645  ◆8K4B/3Nlpc[saga sage] 2016/05/08(日) 23:51:01.78 ID:vd50Mh/P0
貴音「あひっ、あ、あぁぁっ!?だめ、ですっ、律子嬢っ、だめです、やめて……」

あずさのときよりもさらに激しい水音が、鼓膜を通じ、わたくしの脳髄に直接ゆさぶりをかけてきます。
粘液の中で自在に動く律子嬢の舌先が、わたくしの耳朶のあちこちをつつき、這い回り、その刺激に声が抑えられません。

律子「はぁ、れるっ…、んちゅ…… 今更恥ずかしがることもないでしょ。だって気持ちいいんでしょう?」

貴音「違います、そんな、ちが、いますっ……わたくしは…」

ここで認めてしまうわけにはいかない、と強く念じ、わたくしは反論を試みますが、左右から交互に悪魔が囁きかけてきました。

律子「ふうん、じゃあつまり、貴音は耳を責められるだけじゃぜんぜん満足できないってことね?」

あずさ「まあ…でも貴音ちゃんったら食いしん坊さんだもの、エッチなことだって欲張りで当然よね~。うふふふ♥」

貴音「え………?あっ、きゃひぃいいんっ!?」

左側のあずさが今度は両手で、わたくしの両の乳房を指が食い込むほど握り、そのまま左右それぞれをぐにゅぐにゅと弄びました。
言葉も交わさないままそのあずさとぴったり息を合わせて、右側の律子嬢は左手を伸ばし、わたくしの…お尻、を、むずと掴みます。
いつの間にかわたくしの腕は二人の手から自由になっているというのに、強すぎる刺激に翻弄され、動かすことすらできません。

あずさ「やっぱり、貴音ちゃんはおっぱいが弱点だと思うんです~♥だって律子さん見てください、この大きさですよ?」

むにゅっ、むぎゅぅ、と音すら聞こえてきそうなほどにわたくしの乳房を嬲りながら、あずさが律子に話しかけました。
ゆっくりと撫でさするような動きで徐々に中心へ、下へ手を滑らせていく律子嬢もそれに応えます。

律子「あのですねあずささん、その理屈だと貴音の性感帯はお尻以外ありえないですよ。ほらっ、この大きさなんですから♥」

貴音「は、放しなさいっ、いいかげんになさい二人ともっ!!恥ずかしいとは思わ、あはぁぁあああっ、あ、やぁ、ぁ!?」

この際虚勢でもなんでもまず解放してもらわなくては、と焦って叫んだ言葉は、わたくし自身の嬌声で立ち消えてしまいました。
あずさは手を、指を巧みに動かして乳房を執拗に弄びつつ、わたくしの乳首にちゅっとついばむように吸い付き、
律子嬢の指は尻たぶをそっと押し広げ、わたくしの……ふ、不浄の穴のすぐ近くを、さっと掠めるように撫でさすります。

あずさ「うふふ、可愛い声…♥貴音ちゃんのはずかしい声なんてめったに聞けないから、もっと聞かせてほしいかもっ♥」

律子「だから何が恥ずかしいの、気持ちいいでしょ♥この中ならあんた一番年下なのよ、無理しないでいいかげん素直になりなさい」

貴音「ひ……ぃや、ああ、………あう、っ!」

もはやわたくしは、身体を起こしたままにしていることすらかないませんでした。
力が抜け、両側に組みついている二人もろとも倒れ込み、仰向けに寝転がった姿勢になってしまいます。
それでもあずさも律子嬢も離れてくれず、両側から乳房やお腹を押し付けられ、挟み込まれたままで、動けません。

息も絶え絶えのわたくしをはさんで、あずさと律子嬢が顔だけを少し起こし、目配せをするのが見えた気がしました。
この期に及んで、いったいなにをしようというのでしょうか…?
答えはすぐに最悪の形でわかりました。

貴音「ひゃあああっ!?あ、ああっ、いやっ…!だめっ、だめですっ、やめな、さ……やめて、いや、耳はぁっ!?」

両側からわたくしの頭を挟み込むようにして、あずさと律子嬢がいっせいにわたくしの耳にむしゃぶりつきました。
それと合わせて二人はそれぞれ、片手をわたくしの乳房に、もう片方の手はお尻に伸ばしてきて
強さも動かし方もまるで統一感のない、滅茶苦茶な動きでもみほぐし、こね回します。

貴音(ああ、あああ……音がっ、この音は、いけませんん…、頭を、かき乱されて、しまい、ますっ……)

ぐちゅぐちゅ、ちゅぷちゅぷと卑猥な水音を立てて、二人の舌は独立した生き物のようにわたくしの耳をはい回り、
その音とそこから広がり続ける身体の熱だけがわたくしの認識を埋め尽くしていくようでした。

二人が手や舌だけを用いるのでなく、粘液まみれの身体ごとわたくしに左右両側からからみついてくるせいで
わたくしの全身もあっという間にどろどろした液体にへばりつかれた状態へと逆戻りさせられてしまいます。

貴音(いやぁ、ぁ……ま、また身体が、狂わされてしまう……!このままでは、わたくしまで、春香や、千早のように…っ)

つい先ほどまで春香たちを襲っていた地獄の責めを嫌でも思い出してしまい、背筋が寒くなります。
その間にもあずさと律子嬢は、わたくしの耳をしつこくねぶりつつ、時おり耳元で囁くのをやめません。

あずさ「くすくす…本当にお耳、弱いのね、貴音ちゃん♥うふふ、それじゃあ……ふぅーっ」

そよ風にも及ばないくらいに優しく息を吹きかけられ、舐めしゃぶられて熱くなった耳をよけい熱くさせられ、

律子「まだすました顔してられるのは素直にすごいけど…よだれ垂れてるわよ、貴音。ん、くちゅ、っ、…♥」

まったく意識しないままに身体だけが反応してしまっていることを指摘され、余計に全身のうずきを意識させられ。

胸もお尻もいじりまわされ、両耳を責められ、二人の全身で擦りたてられていては、耐えきれるものではありませんでした。

貴音「だ、めっ、お許しを、っ…なにか来てしまい、ますっ、ゆるしっ、お許しくださいいっ!?」

いけない、と思ったときにはすでに、わたくしは口に出して許しを乞うてしまっていました。
それに応えるように二人は両手に力をこめてわたくしの乳房とお尻を強く鷲掴みにし、そして耳を一際音高く舐め上げます。

貴音「ああああぁっ、わ、わたくし、っ、あ、あっひぃぃぃいい~~~っっ!?」

目の前が瞬時に光で満ちて何も見えなくなり、身体がどこまでも浮いていくような、沈んでいくような感覚に襲われ、そして意識が霧散しました。


【エロゲ風安価】春香「魔法戦士ですよ、魔法戦士!」その4【中編2】に続く



元スレ
SS速報R:【エロゲ風安価】春香「魔法戦士ですよ、魔法戦士!」その4
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