499: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/21(木) 23:36:40.82 ID:HCdmN4Nqo


 私は、今、不機嫌だ。


「……おはよう」


 まず、朝起きたら寝癖がひどくて直すのにとても苦労した。
 そして、ようやく事務所に着くと思ったら、突然の雨に降られた。
 せっかく綺麗に梳かした髪は雨で濡れてしまったし、
事務所に着いた途端雨がピタッと止んだのも腹が立つ。


「おはようございます、渋谷さ――……ん」


 プロデューサーも、そんな私の姿を見て目を見開いて驚いている。
 雨に濡れた姿か、私の不機嫌な顔を見てか……どっちでも良いけど。


「タオル、ある?」


 どうしても言い方がぶっきらぼうになってしまうのを抑えられない。
 プロデューサーが悪い訳じゃないのに、八つ当たりしてしまってる。
 そんな自分にも、腹が立つ。


「……はい、すぐに用意します」


 私は、今、不機嫌だ。



500: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/21(木) 23:44:48.90 ID:HCdmN4Nqo


「……」


 アイツがタオルを用意してる間、持っていたハンドタオルで髪以外を拭いておく。
 大雑把に水滴は払ったけど、それだけだと気分が良くない。
 ソファーに腰掛けて待っていると、足音が後ろから聞こえてきた。


「タオルと、ドライヤーをお持ちしました」
「……ん、ありがと」


 不機嫌だからって、お礼を言わない訳にはいかない。
 それに、プロデューサーはドライヤーまで用意してくれた。
 その心遣いに、私の機嫌は少し良くなる。
 だからこそ、さっきの私の態度が、とても恥ずかしいものだと気付いた。


「あの……渋谷さん?」


 八つ当たりをしてしまった相手に、こちらを気遣ってくれた相手に、なんて態度を。
 そう思うと、不機嫌な今の顔を見せる訳にはいかない。
 だって、この人は、笑顔が好きだから。



501: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/21(木) 23:53:29.63 ID:HCdmN4Nqo


「……」


 だけど、振り返らないのも感じ悪い、よね。
 ……ああもう、どうしてさっきの私はあんなに不機嫌だったんだろう!
 少し朝のセットに気合を入れて、それが駄目になっただけなのに!


「風邪を引いてしまいます」


 また、こうやって優しい言葉をかけてくる。
 プロデューサーは、仕事で私に優しくしてるだけ。
 そう、自分に言い聞かせてみても、優しくしてくれている事に変わりはない。


「……ごめん。なんか、今、無理」


 こんなにみじめな気持ちになったのは、どうしてだろう。
 私に、こんな所があるなんて思ってもみなかった。
 他の皆と比べて大人っぽいと言われる事が多いけど、なんて事ない。
 私は、まだまだ子供なのだ。
 それがどうしてか、今はとても悔しくて、みじめで、動く気になれない。


「すみません。失礼します」


 後ろから聞こえる、低い声。
 何が、と聞く前に、フワリと私の頭に柔らかいタオルの感触を感じた。



502: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 00:02:16.67 ID:hM2/6zoso


「ぷ、プロデューサー?」
「自分では無理と……そう、仰っていたので」


 タオル越しに感じる、大きな手。
 壊れ物を扱うかのように、優しく、とても優しく私の髪についた水滴を拭き取っている。
 それが、とてもくすぐったくて、むずがゆい。
 タオルが、プロデューサーの手が私の髪を撫でる度、
私の不機嫌が消えてなくなってしまっているような感じがする。


「……」
「……」


 お互い、無言。
 と、言うか、何を言えばいいのかわからない。
 ありがとうと感謝の言葉を言うべきか、何をするのかと腹を立てるべきか。


「……だからって、勝手に拭く?」


 プロデューサーに、精一杯の抵抗を試みる。


「申し訳ありません」


 私の抵抗は簡単に受け流され、そのまま髪を拭き続けられた。



503: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 00:10:58.02 ID:hM2/6zoso


「……」


 髪は女の命、って言う言葉がある。
 そうだとすると、今の私はコイツに命を弄ばれている事になるのかな?
 なんだか、納得いかない。


「……」


 でも……うん、悪くないかな。
 プロデューサーは、そもそも私の人生を滅茶苦茶に引っ掻き回したんだから。
 普通の女子高生だった私をアイドルに。
 それに比べれば、髪を拭かれるだなんて、とてもちっぽけだよね。


「プロデューサー、髪を拭くの上手いね」
「そう、でしょうか?」


 そうだよ。
 私の髪、長いからいつも大変なんだよ?
 なのに、プロデューサーは凄く丁寧に、上手くやってくれてる。
 引っ張られたり、絡まったりする感じが全然しないし。


「髪は女性にとって命だと、そういう言葉もありますから。その……必死です」


 ふーん、と素っ気ない返事をしてしまった。
 だって、同じような事を考えてただなんて……その、何、それ!



504: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 00:28:17.72 ID:hM2/6zoso


「……一応、拭き終わったと、思います」
「ん」


 なんだ、もう終わり――……じゃないってば!
 今のだと、もっとプロデューサーに髪を触っていて欲しいみたいでしょ!
 違うから、そんなんじゃないから。


「渋谷さんの髪は、とても綺麗ですから」


 大事にしないといけません、というプロデューサーの声が遠く感じた。


 思い出した。
 今日は、皆は休みだったり、事務所には寄らずに直接現場に向かう事になっている。
 つまり、今日は一日、プロデューサーが付きっきりで行動する事になる。
 だから、いつもより髪のセットに気合が入って、それで、それが――


「ドライヤーは、ご自分で出来るでしょうか?」


 私は、混乱する頭を必死に総動員し、なんとか首を縦に振るのに成功した。
 ……でも、せっかくだし、このまま甘えちゃってドライヤーも……いやいや、違う!
 そんな考えを打ち払うように、首を横に振った。


「あの……どちら、でしょうか?」


 声に出さずに、私は首だけを振って返事した。



おわり



515: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:09:50.14 ID:hM2/6zoso

とりあえず、今でてるのは全部やってみます


>>481書きます



武内P「私と諸星さんが、ですか?」



516: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:11:33.13 ID:hM2/6zoso

莉嘉「うん! チョーお似合いだと思うんだよね☆」

みりあ「うんうん! みりあも、ずっと思ってたの!」

きらり「ちょ、ちょっと、二人とも~!」

武内P「……」

莉嘉「きらりちゃん優しいし、P君どう思う?」

みりあ「ねえねえ、きらりちゃん、可愛いよね?」

武内P「……」



517: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:13:52.19 ID:hM2/6zoso

きらり「こら~! 二人とも、Pちゃんをあんまり困らせちゃメッ、だゆ!」

莉嘉「えー! だって、ホントにそう思うんだもん!」

武内P「いえ……私などには、諸星さんは勿体無い女性だと思います」

みりあ「えー! そんな事ないよ! プロデューサー、カッコイイよ!」

武内P「……」

莉嘉「P君、何気に背が高いし、仕事も出来るし!」

みりあ「きらりちゃんは、プロデューサーの事どう思う?」

きらり「ど、どうって言われても……こ、困るにぃ」



518: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:15:53.89 ID:hM2/6zoso

武内P「城ヶ崎さん、赤城さん」

莉嘉・みりあ「何?」

武内P「確かに、諸星さんはとても、素敵な方です」

莉嘉・みりあ「うん!」

きらり「ぴ、Pちゃん!?///」

武内P「ですが、私はプロデューサーで、彼女はアイドルです」

莉嘉・みりあ・きらり「……」

武内P「なので、あまりそう言った話はよろしくありません」



519: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:18:09.80 ID:hM2/6zoso

莉嘉「……ちぇーっ! つまんないの!」

みりあ「でも、プロデューサーときらりちゃん、本当にお似合いだと思うんだけどなぁ」

莉嘉「アタシ、二人が付き合ったら絶対イイ感じだと思う」

武内P「あの……話が、続いているのですが」

きらり「そ、そうだゆ。もうこの話はおしま~い!」

莉嘉・みりあ「あっ、そうだ!」

武内P・きらり「?」

莉嘉・みりあ「アイドルじゃなかったら、どう!?」



520: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:20:11.58 ID:hM2/6zoso

武内P「アイドルじゃ……」

きらり「……なかったら?」

莉嘉「そう! もし、きらりちゃんがアイドルじゃなかったら!」

みりあ「だったら、プロデューサーと付き合ってもいいよね?」

武内P「しかし、実際は諸星さんはアイドルで……」

莉嘉「もしも、の話だよ! ねっ、それならどう思う?」

みりあ「ねえねえ、きらりちゃんもどう思う?」

武内P・きらり「……」



521: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:23:14.41 ID:hM2/6zoso

武内P「そう、ですね……それは、考えたこともありませんでした」

きらり「きらりも、そういう風に考えたこと、なかったかもかも……」

莉嘉「Pくん! アイドルじゃない場合、きらりちゃんはどう?☆」

武内P「一人の女性として見た時……いえ、諸星さんは17歳ですから」

みりあ「じゃあじゃあ、ハタチ! ハタチくらいだったら?」


武内P「どストライクですね」


莉嘉・みりあ「きゃーっ!///」

きらり「ぴ、Pちゃん!?/// な、な、何言ってるにぃ!?///」



522: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:27:43.41 ID:hM2/6zoso

武内P「諸星さんは、アイドルとして活躍出来る程の魅力を持った方です」

武内P「加えて、優しさ、気配り上手さ、明るさ等、良い点は挙げればキリがありません」

武内P「ご自身の身長に、少しコンプレックスがあるようですが――」

きらり「あ、あの……///」


武内P「こうして並ぶと……はい、可愛らしい女性です」

きらり「……にょ、にょわー……///」



莉嘉「ヤバイ! アタシ達、キューピットになっちゃうカモ☆」

みりあ「ねえねえ、本当に付き合っちゃいなよ!」



523: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:30:58.37 ID:hM2/6zoso

武内P「……いえ、残念ながらそれは有り得ません」

莉嘉・みりあ「なんで!?」

武内P「諸星さんの様な素敵な方が、私を選ぶはずがありませんから」

きらり「~~~っ、Pちゃん!」

武内P「も、諸星さん!?」

きらり「それ以上言うと、きらり、本気で怒っちゃうゆ!」

武内P「あの……何故、でしょうか?」

きらり「Pちゃん! そこに座るにぃ!」

武内P「は、はい」


莉嘉「きらりちゃん……」

みりあ「本気で怒ってる……」



524: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:33:40.69 ID:hM2/6zoso

きらり「あのね、きらりは、Pちゃんにと~っても感謝してるの」

武内P「……」

きらり「きらり、他の皆よりおっきぃから、アイドルなんて無理だと思ってたにぃ」

武内P「……」

きらり「でも、Pちゃんはそんなきらりをキラキラのお姫様にしてくれたんだゆ」

武内P「それは……諸星さん自身の力です」

きらり「今はきらりが喋ってるにぃ! お口、チャ~ック!」

武内P「……」



525: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:37:24.36 ID:hM2/6zoso

きらり「そんなキラキラな夢を叶えてくれたPちゃんが、自分はダメダメだと思ってる」

武内P「……」

きらり「そんなの……それこそダメダメ! ぜーったい、ダメだゆ!」

武内P「……」

きらり「Pちゃんはぁ、ちょーっと誤解されやすいけど、とーっても優しいゆ」

武内P「……」

きらり「Pちゃんと歩いてるとね、きらりは普通の女の子になれるの」

武内P「……」


莉嘉「……ヤバイ、なんかキュンキュンしてきた!」

みりあ「……うわぁ、告白だぁ!」



526: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:40:19.31 ID:hM2/6zoso

きらり「夢を叶えてくれてぇ、キラキラのお姫様にしてくれて」

武内P「……」

きらり「それなのに、ただの女の子にしてくれるなんて、普通は出来ないにぃ!」

武内P「……」

きらり「だから、Pちゃんはもっと自信をもって良いんだゆ!☆」

武内P「……諸星さん」

きらり「それで、笑顔になって、一緒にハピハピするにぃ☆」

武内P「……良い、笑顔です」


莉嘉・みりあ「……」



527: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:43:01.28 ID:hM2/6zoso

莉嘉「イエーイ! 二人共、オメデトーっ!☆」

きらり「おめでとー! えへへっ、みりあも嬉しいな!」

武内P「? 何が……」

きらり「……おめでとうなの~?」

莉嘉「カップル成立に決まってるじゃん☆」

武内P・きらり「!?」

みりあ「ねえねえ、いつ結婚するの?」

武内P・きらり「!?」



528: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:45:08.43 ID:hM2/6zoso

武内P「いえ、今のはそういう話では……」

莉嘉「えーっ!? 二人共、チョーいい感じだったじゃん!」

みりあ「きらりちゃん、プロデューサーの事好きなんだよね?」

きらり「い、今のは違うよ~!/// ちょっと、メッ、ってしただけだにぃ///」

莉嘉・みりあ「あーっ! 赤くなった!」

きらり「も、も~!///」

武内P「……」



529: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:48:24.77 ID:hM2/6zoso

武内P「城ヶ崎さん、赤城さん」

莉嘉・みりあ「何?」

武内P「先程のは例え話で……実際は、諸星さんはアイドルですから」

きらり「そ、そうだゆ! きらりは、キラキラのアイドルだにぃ☆」

莉嘉「それじゃあ……ちょっとさびしいけど」

みりあ「きらりちゃんが……アイドルを辞めて、モデルになったら?」

きらり「ぴ、Pちゃん! 何とかして~!」

武内P「……諸星さんが……アイドルを辞めて……」

莉嘉・みりあ・きらり「……?」

武内P「モデルになったら……ですか……」



530: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:50:41.24 ID:hM2/6zoso

武内P「そう……ですね……」ションボリ

莉嘉「あ、あの……Pくん?」

武内P「アイドルを……辞めて……」ションボリ

みりあ「プロデューサー? お腹痛いの?」

武内P「ああ、いえ……違います……」ションボリ

きらり「なんだか、とっても落ち込んでるように見えるにぃ……」

武内P「はい……想像したら……はい……」ションボリ

莉嘉・みりあ・きらり「……」



531: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:54:30.28 ID:hM2/6zoso

武内P「諸星さんが……アイドルでなくなる……」ションボリ

莉嘉「で、でも! 付き合えるんだよ!?」

武内P「そう、ですね……はい……」ションボリ

みりあ「プロデューサー? ねえ、元気だして?」

武内P「申し訳ありません……ですが……」ションボリ


きらり「き、きらりはアイドルを続けるゆ!☆」


武内P「はい。諸星さんは、とても素晴らしいアイドルです」シャキーン


莉嘉・みりあ「立ち直った!」



532: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 20:59:30.75 ID:hM2/6zoso

武内P「申し訳ありません。想像しただけで、ションボリしてしまいました」

莉嘉「う、うん。なんか、すっごい負のオーラでてたよPくん」

武内P「そう、でしょうか?」

みりあ「ねえねえ、どうしたらプロデューサーときらりちゃんは付き合えるの?」

武内P「それは……わかりません」

きらり「Pちゃん。Pちゃんは、きらりにアイドルで居て欲しい?」

武内P「はい。私は、アイドルの貴女を見守っていきたいと、そう、思います」

きらり「Pちゃん……うぇへへ、恥ずかすぃー☆」

莉嘉・みりあ「……」



533: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:01:18.85 ID:hM2/6zoso

莉嘉「Pくんは、きらりちゃんがアイドルでなくなると落ち込んじゃう」

みりあ「だけど、プロデューサーとアイドルは付き合えない」

莉嘉「モデルになるのもダメ」

みりあ「だけど、二人共お似合いだし……」

莉嘉「二人が付き合うためには……」

莉嘉・みりあ「……う~ん」

莉嘉・みりあ「……」


莉嘉・みりあ「わかった!」



534: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:07:00.04 ID:hM2/6zoso

  ・  ・  ・

ガチャッ

ちひろ「おはようござ――」


莉嘉・みりあ「や・め・ろ! や・め・ろ!」

きらり「ふ、二人とも~!」


ちひろ「……あの、一体何が――」

武内P「……おはようございます」ションボリ

ちひろ「ぷ、プロデューサーさん!? 何です、その負のオーラは!?」

武内P「諸星さんのためにプロデューサーをやめろと言われ……」ションボリ

ちひろ「はい!?」


莉嘉・みりあ「や・め・ろ! や・め・ろ!」


きらり「もうやめてあげて~;;」



おわり



535: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:10:58.83 ID:hM2/6zoso

>>506書きます


武内P「鷺沢さん、もうやめてください」



536: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:12:58.13 ID:hM2/6zoso

武内P「もう、お気持ちは十分伝わりました」

文香「……」

武内P「舞踏会の時のお礼は、はい、もう結構です」

文香「……」

武内P「もう、官能小説を私のデスクに置かないでください」

文香「……」



537: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:15:30.32 ID:hM2/6zoso

武内P「あの、本当にお願いします」

文香「……」スッ

武内P「……普通、このタイミングで官能小説を差し出しますか?」

文香「……」ス・・・

武内P「そうですね、違いますよね」

文香「……」スッ

武内P「フェイントじゃないんですから、差し出さないでください」



538: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:17:11.52 ID:hM2/6zoso

武内P「本の差し入れを辞める事は、出来ませんか?」

文香「……」フルフル

武内P「そう、ですか。出来ませんか」

文香「……」スッ

武内P「受け取りませんからね」

文香「……」ガーン!

武内P「……そんなにショックを受けないでください」



539: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:19:14.06 ID:hM2/6zoso

武内P「内容が、官能小説でなければまだ、受け取れたのですが」

文香「……」ガーン!

武内P「何故、官能小説だけなのでしょうか」

文香「……」ガガーン!

武内P「ショックを受ける時間が長すぎます!」

文香「……」ズガガーン!

武内P「……手強い……!」



540: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:21:15.27 ID:hM2/6zoso

武内P「私は受け取りません。いえ、受け取れません」

文香「……」ズガビガーン!

武内P「あの、どうしてこの世の終わりの様な顔を……」

文香「……」ガガズガビガガーン!

武内P「……ありがとう、ございます」

文香「……!」パアッ!

武内P「良い、笑顔です。……やりにくい……!」



541: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:24:56.21 ID:hM2/6zoso

武内P「わかりました。百歩譲って、受け取るとしましょう」

文香「……」ニコニコ

武内P「しかし、鷺沢さん。これは、無いと思います」

文香「?」キョトン

武内P「この付箋です。なんですか、『ヌキ所!』とは」

文香「そこが……ヌキ所だと、その……わかりやすく」

武内P「その気遣いをもっと他の所に回していただきたかったです」



542: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:28:49.96 ID:hM2/6zoso

武内P「そしてですね、最も問題なのが」

文香「……」

武内P「鷺沢さん、貴女の水着写真が挟まっている事です」

文香「文章だけだと……寂しいかと……」

武内P「貴女は、ご自分の言っている意味がわかっていますか?」

文香「美波さんが……そうしたら良い、と」

武内P「今、全ての線が一本に繋がりました」



543: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:31:03.07 ID:hM2/6zoso

武内P「想定していた中でも、最悪のケースです」

文香「男の人は、喜ぶんですよ……ね?」

武内P「私は、プロデューサーです」

文香「……」

武内P「……」

文香「……使いましたか?」

武内P「使ってません!」



544: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:34:18.24 ID:hM2/6zoso

武内P「鷺沢さん、もっと自分を大切になさってください」

文香「……大切にしている、つもりです」

武内P「ならば、こういった事はやめましょう」

文香「感謝の気持ちに大切なものを差し出すのは……」

武内P「……そうですね、その心がけ自体は素晴らしいと思います」

文香「……」スッ

武内P「これは水着写真……って、橘さんの写真じゃないですか!」

文香「大切な……お友達です」

武内P「感謝の気持ちが大きすぎます! 押しつぶされそうです!」



545: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:37:12.32 ID:hM2/6zoso

武内P「鷺沢さん、もうお気持ちは十分に伝わりましたから」

文香「……」

武内P「官能小説だけ受け取りますから、写真はやめましょう」

文香「……」

武内P「これらの写真はお返しします」スッ

文香「……では、代わりにこれを」スッ

武内P「また水着写真……はい、新田さんのですね」ポイッ



546: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:41:01.53 ID:hM2/6zoso

武内P「しかし……何故、官能小説だけを?」

文香「どんな本が趣味に合うか……わからなかったので」

武内P「それで……あの、何故、官能小説だけを?」

文香「……」

武内P「何か、理由があるのですね」

文香「みなm」

武内P「はい、繋がった線が太くなりました」

文香「……あっ///」

武内P「鷺沢さん、毒されすぎです」



547: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:45:28.23 ID:hM2/6zoso

武内P「鷺沢さん、あまり新田さんの言う事を真に受けないでください」

文香「そう……なんですか?」

武内P「はい」

文香「……本当は、違うものでお礼をしようと思っていました」

武内P「! やはり!」

文香「ですが……美波さんに言われて、官能小説に」

武内P「新田さん……本当に、厄介ですね」

文香「最初は……体でお礼をしようと」

武内P「すみません新田さー――ん!」



548: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:50:13.75 ID:hM2/6zoso

武内P「体でお礼……あの、仕事のお手伝い等、ですよ、ね?」

文香「いえ……私の体を差し出そうと」

武内P「誤解であって欲しかったです」

文香「……そう、本に書いてありました」

武内P「そういうシーンにばかり付箋がありました、ね」

文香「……///」

武内P「……鷺沢さんのご趣味でしたか」



549: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:53:21.48 ID:hM2/6zoso

武内P「鷺沢さん」

文香「……」

武内P「あまり、人の言う事や、本に書いてある事を鵜呑みにしてはいけません」

文香「……」

武内P「良いですね?」

文香「……」

武内P「……今の言葉は鵜呑みしてください」



550: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 21:59:36.70 ID:hM2/6zoso

  ・  ・  ・

武内P「鷺沢さん、この間私が言った言葉を守ってくれていますね」

文香「……」コクリ

武内P「はい、官能小説の差し入れもやめてくださいました」

文香「……」コクリ

武内P「ですが……あの、何故DVDを置くように?」

文香「自分で考えて……間を取ってみました」

武内P「……中身を確認する前で良かったです」

文香「!?」ガーン!

武内P「そんな顔をされても見ませんからね!?」



551: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:04:10.93 ID:hM2/6zoso

武内P「鷺沢さん、これは完全に危険物ですから」

文香「!?」ガガーン!

武内P「頑張ったのに、という顔をしないでください」

文香「!?」ズガガーン!

武内P「くっ……!」

文香「!?」ズガビガーン!

武内P「本当に、手強い……!」



552: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:08:01.50 ID:hM2/6zoso

武内P「うぐお……ぱ……」

文香「!?」ガガズガビガガーン!

武内P「パワーオブスマイル!」

文香「!」

武内P「……正気に、戻られましたか」

文香「……」コクリ

武内P「鷺沢さん。私は、貴女の笑顔はとても素敵だと思います」

文香「……」

武内P「なので、貴女のそんな顔は……見て、いられません」



554: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:13:30.56 ID:hM2/6zoso

武内P「私は、貴女が笑顔で見られれば、それで十分なのです」

文香「……」

武内P「貴女の感謝の気持ちは十分に伝わりました」

文香「……」コクリ

武内P「! わかって、いただけましたか」

文香「……」スッ

武内P「いえ、あの……何故、DVDを差し出すのでしょうか?」

文香「笑顔で……撮りました」ニコリ

武内P「……良い、笑顔です」


武内P「助けてください、千川さ――ん!」



おわり



556: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:22:14.29 ID:hM2/6zoso


 わたしのプロデューサーさんは、とっても優しいです。


「緒方さん、お疲れ様です」
「はい……ありがとう、ございます」


 引っ込み思案だったわたしがここまで頑張れたのも、かな子ちゃんや杏ちゃん、
それに、この人が居たら、です。
 こんな事恥ずかしくて言えないけど、この気持ち、伝わってると良いな。


「……なんて」
「? どうか、しましたか?」
「あっ、いえ……何でもありません」


 いけない、声に出ちゃってた。
 うぅ……変な子に思われちゃったりしてないかな。
 もしそう思われてても……えへへ、きっと、大丈夫。


 ――この人は、わたしを見捨てない。


 だって、見捨てないって言ったもんね。
 わたしがアイドルとして頑張る限り、見捨てないって。
 だから、わたしはいつも頑張ってます。



557: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:30:53.42 ID:hM2/6zoso


 わたしのプロデューサーさんは、とっても忙しいです。


「……それでは、私は次の現場に」
「はい……あの、頑張ってください」

 
 わたし以外にも、担当しているアイドルがいっぱい居ます。
 だから、ずっとわたしに付きっきりという訳にはいきません。
 だけど、必ず現場には顔をだしてくれます。


「はい。緒方さんも、頑張ってください」
「はい。約束……」


 しましたもんね、頑張るって。


「? あの、何か?」
「い、いえ……何でもないです」


 いけない。
 こういうおまじないって、口に出したら効果を失っちゃうんだよね。
 だから、約束の事は大切に心にしまっておかなくちゃ。


 ――そうでないと、見捨てられちゃう。


 よし、今日も頑張ろう。



558: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:36:08.01 ID:hM2/6zoso


 わたしのプロデューサーさんは、とっても責任感が強い。


「……すみません、今日は現場には向かえそうにありません」
「だ、大丈夫ですよ。忙しいから……しょうがないです」


 二期生の事で、前よりももっと忙しそうにしてます。
 だから、最近はこういう事が多くなってきました。
 その度にこうやって謝ってくれるけど、逆に申し訳ない気持ちになっちゃいます。


「申し訳ありません」
「へ、平気です。頑張ります!」
「緒方さん……」


 本当は、ちょっぴり寂しい。
 でも、ワガママなんか言ったらダメだよね。


 ――見捨てられちゃうかもしれない。


「はい……頑張ってください」


 頑張って、見捨てられないようにしないと。



559: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:43:15.98 ID:hM2/6zoso


 わたしのプロデューサーさんは、とっても不器用。


「緒方さん……すみません」
「い、いえ……気にしないでください」


 今日は、お仕事に一緒に言ってくれるはずだったんです。
 けれど、二期生の子達の方でトラブルがあったみたい。
 それで、プロデューサーさんが行かなきゃいけないみたいなんです。


「トラブルですから、しょうがないです」
「ですが……」
「も、もう行かないとですよ!」
「……はい、申し訳ありません」


 えへへ、わたしはワガママなんか言いませんよ。
 安心して、他の子の所に行っても良いですよ。


 ――だけど、見捨てないでくださいね。


「緒方さん、頑張ってください」
「はい。頑張ります」


 だって、こんなに頑張ってるんだもん。



560: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 22:53:49.66 ID:hM2/6zoso


 プロデューサーは、大嘘つき。


「担当を……変わる?」


 どうして?


「緒方さんは、人気、実力共にトップアイドルの仲間入りを果たしました」


 はい、だって、智絵里、頑張りました。


「しかし、現状……私は、貴女のプロデューサーとして相応しくありません」


 なんで?


「スケジュール的な事も含め、貴女の専属プロデューサーを会社では――」


 なんで?


 あれだけ必死に、言われたとおり、 ワガママ言わずに頑張ってきたのに。


「――緒方さん……?」


「なんで、私を見捨てるんですか?」



561: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:04:15.97 ID:hM2/6zoso


「いえ……見捨てるわけではなく……」


 やっぱり、智絵里は見捨てられちゃうんだ。
 約束したのに、えへへ、見捨てられちゃうんだぁ。


「見捨てるんですよ?」
「っ!? それは……」
「プロデューサーは、智絵里を見捨てるんです」
「……申し訳、ありません」


 やっぱり、見捨てるんだ。


「ですが、これは貴女がアイドルとして、今以上に――!」


 そんなの!


「そんなの、一度も、言わなかったです!」
「っ!?」
「頑張れって言うから頑張った! 寂しいけどワガママも言わなかった!」
「緒方さ――」
「なんで? なんで? 智絵里をどうして見捨てるの? なんで? なんでなんでなんで!?」


 見捨てないで、って!


 智絵里は、それしかお願いしなかったのに!



562: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:13:24.01 ID:hM2/6zoso


「……申し訳ありません」


 モウシワケアリマセン。


 何を……言ってるんだろう?
 智絵里は、どうして見捨てるのかを聞いてるのに。


 だって、それがわからないと、また見捨てられちゃう。
 言われた通りに頑張ったのに見捨てられるなら、どうすればいいか教えてよ。


「ねえ、なんで? なんで見捨てるの?」
「……私の、力不足です」


 ……なーんだ、そうだったのか!


 プロデューサーさんは、わたしを見捨てたくて見捨てるわけじゃないんだ!


「――えへへ、良かった! それなら、安心です!」
「緒方さん……? あの、何を――」


「――頑張ってください」


 わたしは、頑張りましたよ?



563: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:23:26.34 ID:hM2/6zoso


 わたしのプロデューサーさんは、とっても優しくて、


「プロデューサーさん。お願い、聞いてくれますよね?」


 とっても忙しくて、


「忙しくても、頑張ってください」


 とっても責任感が強くて、


「ワガママ言わずに、頑張ってください」


 とっても不器用。


「引っ込み思案だったわたしでも出来ました。だから、きっと出来ます」


 すごく驚いてるけど、そうすれば見捨てずに済みますよ!
 わたしも、見捨てられず、とっても嬉しいです!


「緒方さん……!?」


 だから、約束しましょう。
 えへへ、おまじないですよ、プロデューサーさん。


「私は、約束通り頑張ります。だから、プロデューサーさんも頑張ってくださいね」


「幸せの――お呪い」


おわり



564: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:26:37.70 ID:hM2/6zoso

全然関係ないの書きます

メモ>>511-514



武内P「前立腺パンチ……!?」



565: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:30:23.40 ID:hM2/6zoso

武内P「あの、城ヶ崎さん……一体どこでそんな言葉を!?」

莉嘉「えーっとどこだっけなぁ?☆」

武内P「……今後、その単語は使ってはいけませんよ」

莉嘉「うん。そうだね――」


みりあ「――前立腺パーンチ!」

ズブリッ!


莉嘉「いった! 肘までズッポシ☆」

武内P「? 話を聞いていますか、城ヶ崎さん」

莉嘉「!?」


みりあ「……!?」



566: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:31:59.61 ID:hM2/6zoso

莉嘉「あの……ぴ、Pくん?」

武内P「はい、何でしょうか?」

莉嘉「……!?」


みりあ「……!?……!?」

ズブ……ズブズブ……


莉嘉「な、なんともないの?」

武内P「あの……一体、何がでしょうか?」

莉嘉「!?」



567: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:34:34.10 ID:hM2/6zoso

莉嘉「何が、って、その……」

武内P「兎に角……先程の言葉が、今後厳禁です」

莉嘉「……!?」


みりあ「!? 急に吸い込まれっ――」

……シュポンッ!


莉嘉「みっ、みりあちゃん!?」

武内P「? 赤城さんは……居ませんね」

莉嘉「……!?」



568: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:37:28.34 ID:hM2/6zoso

莉嘉「い、今! みりあちゃんが!」

武内P「赤城さんが……どうかされたのでしょうか?」

莉嘉「Pくんに前立腺パンチをして!」

武内P「いや……されて、いませんが」

莉嘉「そのまま中に入っちゃった!」

武内P「あの……意味が、わかりません」

莉嘉「あ、アタシだって自分でも何言ってるかわかんないよー!」

武内P「……」



570: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:41:16.54 ID:hM2/6zoso

莉嘉「みりあちゃん……大丈夫なのかな!?」

武内P「あの……城ヶ崎さん?」

莉嘉「! そうだ、ケータイ! 電話してみよう!」

武内P「はぁ……」

莉嘉「出て……繋がって……!」

武内P「? どこかで、鳴っていますね」レッツゴーハッピー♪

莉嘉「!?」

武内P「どこ……でしょうか?」カガヤイテゼーッタイ♪

莉嘉「……!?」



571: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:45:34.88 ID:hM2/6zoso

武内P「音は……聞こえるのですが」ダッテゼーッタイ♪

莉嘉「中……中から……」

武内P「? 中? 中とは……一体」ゲンキヒャクバイノミーライヘー♪

莉嘉「聞こえる! 中に居るんだよ!」

武内P「この部屋の中に……?」テーヲフッテ♪ コエニダシテ♪

莉嘉「違う! この部屋だけど、そうじゃなくて!」

武内P「……?」イッショダカラ、ダーイジョウブ♪

莉嘉「!? け、圏外になっちゃった!?」

武内P「音も……止まりましたね」



572: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:48:32.15 ID:hM2/6zoso

莉嘉「Pくんお尻! お尻見せて!」

武内P「!? いえ、あの、突然何を!?」

莉嘉「良いから、はやく!」

武内P「?……はぁ」

莉嘉「……!?……!?」

ペタペタ、ペタペタ

武内P「じょ、城ヶ崎さん!? あの、何故撫で回しているのですか!?」

莉嘉「えいっ!」

ゴスッ!

武内P「おうっ!? い、痛いです! やめてください!」

莉嘉「……!?」



573: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:51:16.00 ID:hM2/6zoso

武内P「城ヶ崎さん、今のは本当にいけませんよ」

莉嘉「……Pくん、お尻、なんともない?」

武内P「はい。あの程度でしたら」

莉嘉「……そ、そう」

武内P「もう、あんな事は辞めてくださいね」

莉嘉「……うん。ゴメンね、Pくん」

武内P「……」リカチャン、ユラサナイデー

莉嘉「!?」




575: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:53:55.68 ID:hM2/6zoso

莉嘉「今! 今、みりあちゃんの声が聞こえた!」

武内P「? 私には、聞こえませんでしたが」

莉嘉「Pくんには聞こえないの!?」

武内P「……はぁ」ビックリシタニャ

莉嘉「!?」

武内P「何も、聞こえませんが」キュウニナグルナンテ、ロックダネー

莉嘉「!?」

莉嘉「……!?」



576: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/22(金) 23:58:52.14 ID:hM2/6zoso

莉嘉「いや、いやいやいやいや!」

武内P「……?」ゴメンネー★

莉嘉「お姉ちゃん!?」

武内P「はい?」キニスルコトナイニィ☆

莉嘉「えっ、皆そこに居るの!?」

武内P「あの……そこ、とは?」ダー、カマイマセン

莉嘉「メチャクチャ居るじゃん!?」

武内P「……?」シリダケニ、シリマセン

莉嘉「どんだけいるの!」



577: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:02:56.48 ID:LQENLycJo

武内P「城ヶ崎さん……大丈夫ですか?」ネエネエ、ココアッタカイネ!

莉嘉「Pくんが大丈夫なの!?」

武内P「何も……問題ないと思いますが」ウン、ワルクナイヨネ

莉嘉「あ、アタシも……」

武内P「……?」イヤー、ソレドコロカサイコウダヨ!

莉嘉「アタシも、Pくんの中にいれて!」

武内P「!?」ハイッ♪ ガンバッテヨカッタデス♪



578: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:06:45.32 ID:LQENLycJo

武内P「なっ、何を言っているのですか!?」


スポンッ!

美波「ファイトよ、莉嘉ちゃん!」


莉嘉「!? 首だけお尻から出て――」


シュポンッ!


莉嘉「――引っ込んだ!?」

武内P「あの……本当に、大丈夫ですか?」シリニノマレヨ!

莉嘉「……!?」



579: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:12:58.52 ID:LQENLycJo

武内P「先程から、混乱しているようですが……」クローバー、フエマシタ

莉嘉「!? 体の中で何か栽培されてるよ!?」

武内P「はい?」レバーオイシイ~♪

莉嘉「内蔵いかれちゃってるし!」

武内P「……」キャハッ!ココガウサミンセイデス!

莉嘉「勝手に領土にされてるよ、Pくん!?」

武内P「……城ヶ崎さん」テキトーニイコウヨー

莉嘉「な、何?」

武内P「今すぐ、病院に行きましょう」ロックニイコウゼ!

莉嘉「こっちのセリフだよ!」



580: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:17:18.26 ID:LQENLycJo

莉嘉「あ、アタシもそっちに行く!」

ゴスッ! ゴスッ!

武内P「痛っ!? 痛いっ!? や、やめてください!」ボンバー!?


莉嘉「何で!? 何でアタシだけ入れないの!?」

ゴスッ! ゴスッ!

武内P「ひぎっ!? ひぐうういっ!?」カイテキサハ、ワタシガホショウシヨウ


莉嘉「! そうだ! あれが呪文だったんだ!☆」

ゴスッ! ゴスッ!

武内P「あがっ!? おおぅ!?」ユレルワ



581: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:23:42.88 ID:LQENLycJo

莉嘉「今すぐ、アタシもそっちに行くね☆」

ゴスッ! ゴスッ!

武内P「ひんっ!? ひぎいんっ!?」コレイジョウハ、タイホシチャウワヨ!


莉嘉「いっくよー、Pくん!☆」

ゴスッ! ゴスッ!

武内P「あぐっ!? いぎっ!?」ミンナ、ヒトツニナルデスヨ!


莉嘉「前立腺――」

ゴスッ!

武内P「あがっ――!?」



582: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:26:59.12 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

莉嘉「――パーンチ!」

ゴスッ!

武内P「ぁ痛っ!? じょ、城ヶ崎さん!?」

莉嘉「……あれ? 入れない」

武内P「は、入れない!? な、何を……!?」

莉嘉「Pくんひどい! なんでアタシだけ仲間外れなの!?」

武内P「あの……まだ寝ぼけていらっしゃるようですね」

莉嘉「アタシもお尻に入れて……って、寝ぼけて?」

武内P「……」

莉嘉「……」

莉嘉「あれ? あ、アハハハハ……ゴメーン!」



583: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 00:33:13.07 ID:LQENLycJo

武内P「……気をつけて、ください」

莉嘉「えへへ、アタシは仲間はずれじゃなかったんだね☆」

武内P「はぁ……?」

莉嘉「えへへ☆」

武内P「その……お尻を殴るのは、やめてくださいね」


――スポンッ!

ちひろ「労災、おりないから大変なんですよ」

――シュポンッ!


莉嘉「!?」

武内P「お願いします、城ヶ崎さん」

莉嘉「……」スッ…

武内P「城ヶ崎さん? 拳を振り上げて、何を――」


莉嘉「――前立腺パーンチ!」



おわり



594: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 19:53:42.00 ID:LQENLycJo

>>511>>513書きます


武内P「最近、痴漢被害に遭っています」



595: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 19:56:16.27 ID:LQENLycJo

美波「それでは、これから会議をはじめます」

CPアイドル達「はーい!」

武内P「聞いてください」

美波「第……17回よね、確か」

武内P「かなり多いですね」

美波「第17回、プロデューサー快楽落ち会議、始めるわ!」

CPアイドル達「おー!」

武内P「なんてものを始めるんですか」



596: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 19:58:52.80 ID:LQENLycJo

美波「それじゃあ、痴漢担当の子達から報告をお願い」

未央「おっけー!」

武内P「犯人は、貴女ですか本田さん」

卯月「はいっ♪ 頑張って報告します♪」

武内P「貴女もですか、島村さん」

凛「まあ、特に変わったことはないよ」

武内P「ニュージェネレーションズを解散したくなりました」



597: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:01:35.61 ID:LQENLycJo

美波「プロデューサーさんの反応はどう?」

未央「最近は警戒してて、ちょっとやりにくいかなー」

武内P「私は、今、最大限に警戒しています」

卯月「もうちょっとで、チャックを下ろせる所まではいってたんですけどね」

武内P「何を頑張っているんですか」

凛「私は、お尻をずっと触ってたから気付かれてないと思う」

武内P「気付いてます」



598: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:04:34.22 ID:LQENLycJo

美波「凛ちゃんったら、もう立派な痴女ね!」

凛「ちょっと、イメージが悪いから痴女はやめようって話でしょ」

美波「あっ、そうだった! ゴメンなさい!」

未央「そうだよみなみん! 私達がしてるのは、あくまでも痴漢!」

卯月「はいっ。だって、私達が従うのは――」

CPアイドル達「心のおちんちん!」

美波「……だものね!」

武内P「何ですかそれは」



599: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:07:18.78 ID:LQENLycJo

美波「それで、痴漢を続ければ快楽落ちできそう?」

未央「うーん……どうかな、プロデューサー?」

武内P「まさかの質問で、困惑しています」

卯月「お願いします、参考にしますから」

武内P「何の参考にするつもりですか」

凛「触り方に決まってるでしょ。言わせないでよね」

武内P「聞きたくはありませんでしたよ、私も」



600: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:10:18.32 ID:LQENLycJo

美波「どうですか? 落ちそうですか?」

武内P「落ちません」

美波「口ではこう言ってても、体に聞かないとわからないです」

武内P「何故聞いたのですか?」

美波「だから、痴漢担当ジェネレーションズは、ミッション続行よ!」

未央・卯月・凛「らじゃー!」ニコッ!

武内P「良い、笑顔です」

武内P「ですが、最悪です」



601: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:13:45.40 ID:LQENLycJo

美波「それじゃあ、媚薬担当の子達、報告をお願い」

武内P「何をしてるんですか」

かな子「プロデューサーさん、あんまり効かないみたいなの」

武内P「もう、差し入れは二度と口にしません」

智絵里「体が大きいから……なのかな」

武内P「今、立派に産んでくれた両親への感謝が止まりません」

杏「面倒だから、直接血管にぶちこもうよ~」

武内P「謎の積極性を発揮しないでください」



602: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:17:09.95 ID:LQENLycJo

美波「お薬の濃度が足りないんじゃない?」

かな子「像でも一発で赤玉出る濃さだよ~」

武内P「殺す気ですか」

智絵里「これ以上は……固形になっちゃいます」

武内P「現時点でもドロッドロじゃないですか」

杏「いっそ飴にしてさ、直接尻にぶちこもうよ~」

武内P「せめて口からにしてください」



603: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:19:57.65 ID:LQENLycJo

美波「媚薬アイランドも駄目か……」

武内P「なんですか、その狂気の島は」

美波「どうして媚薬が効かないんですか?」

武内P「スタドリを飲んでいるからかと」

美波「スタドリを飲まないという選択肢は?」

武内P「私の中から、完全に消滅しました」

CPアイドル達「……」ジッ

武内P「私が悪い感じで睨まないでください」



605: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:24:13.13 ID:LQENLycJo

美波「それじゃあ、ふれあい担当! お願い!」

武内P「急に、ほのぼのしたネーミングになりましたね」

莉嘉「ハーイ☆ 多分、右の乳首の感度は上がったよ☆」

みりあ「はいはーい! みりあは、左の乳首ー!」

武内P「何をしているんですか」

きらり「二人共! ちゃんとバランス良くしないと、メッ、だゆ☆」

莉嘉・みりあ「はーい!」

武内P「一体、いつの間に」



606: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:27:10.42 ID:LQENLycJo

美波「それじゃあ、三人には引き続き頑張って貰おうかな!」

武内P「やめさせてください」

莉嘉・みりあ・きらり「はーい!」

武内P「やめてください」

美波「プロデューサーさん! 乳首だけでイケるようになりましょう!」

武内P「なりたくありません」

CPアイドル達「?」

武内P「キョトンとしないでください」



607: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:29:56.06 ID:LQENLycJo

美波「それじゃあ、お色気担当!」

武内P「あまりにも直接的すぎるネーミング」

みく「遂に、みく達の出番にゃ!」

李衣菜「最高にロックな誘惑したよ!」

武内P「あまりにも壊滅的な人選」

美波「それじゃあ、引き続き頑張ってね!」

武内P「報告すら聞かないのなら、何故担当に?」



608: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:34:11.45 ID:LQENLycJo

美波「それじゃあ、最後は私達の報告ね」

武内P「恐ろしいです、とても」

蘭子「ふっふっふ! 我が衣は、戦装束へとなった!」

武内P「最近、少し露出が増えましたね」

アーニャ「ダー。スカートを2センチ、短くしました」

武内P「気づきませんでした」

美波「私は、下着がちょっとセクシーになったの!」

CPアイドル達「おー!」

武内P「あの……いえ、何でもありません」



609: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:37:30.44 ID:LQENLycJo

美波「どうですか? 快楽落ちしそうですか?」

武内P「いえ、私はプロデューサーですから」

CPアイドル達「くっ……!」

武内P「媚薬を盛るのも、勝手に開発するのも、やめてください」

CPアイドル達「……」

武内P「そして、痴女も」

CPアイドル達「痴漢」

武内P「……痴漢も駄目です、絶対」



610: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:40:47.40 ID:LQENLycJo

武内P「そもそも、何故私を快楽落ちさせようなどとなったのですか」

CPアイドル達「……」

武内P「そんなに、私がアヘる滑稽な姿を見たかったのでしょうか」

CPアイドル達「……」

ちひろ「待ってください、プロデューサーさん」

武内P「千川さん」

ちひろ「半分はそうです」

武内P「最悪です」



611: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:45:21.10 ID:LQENLycJo

ちひろ「でも、もう半分は違うんです」

武内P「……聞かせてください」

ちひろ「皆、プロデューサーさんがどんな風に感じるのか気になっただけなんです」

武内P「聞かなかった事にします」

みく「ううん! みくは、自分を曲げないよ!」


武内P「……」

ドンッ!

みく「っ!?」ビクッ!


CPアイドル達「壁ドン……!?」



612: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:52:16.75 ID:LQENLycJo

みく「ぴ、Pチャン……あの、近い……///」

武内P「前川さん?」

みく「な、何……?///」

武内P「エッチな猫には、お仕置きが必要ですか?」

みく「……♡」ジュンジュワー!

……バタリッ

みく「♡」ビクンッ!ビクンッ!


CPアイドル達「!?」

武内P「意外かも知れませんが……」

CPアイドル達「……」

武内P「私はSです」

CPアイドル達「!!?」



613: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 20:57:07.46 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

CPアイドル達「♡」ビクンッ!ビクンッ!

武内P「……――さて」

ちひろ「……!」

武内P「千川さん、残るは貴女だけです」

ちひろ「……ふ、ふふふっ」

武内P「何が、おかしいのでしょうか?」

ちひろ「プロデューサーさん、一つ言っておきます」

武内P「……」

ちひろ「私はMです。しかも、ドのつく程の」

武内P「聞く必要は無かったようですね」



614: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 21:04:01.16 ID:LQENLycJo

ちひろ「いいえ、聞いてください」

武内P「聞きません」

ちひろ「痴漢されるシチュ、大好物なんです」

武内P「そうですか」

ちひろ「そんな感じで、お願いしまぁす♡」

武内P「では、後片付けをお願いします」

ちひろ「えっ、あっ、ちょっと待っ」


ガチャッ…バタンッ


ちひろ「……痴漢では、いけませんか」


ちひろ「放置プレイなので、まあこれはこれで♡」


CPアイドル達「♡」ビクンッ!ビクンッ!



おわり



616: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 22:29:23.25 ID:LQENLycJo


「えっ!? プロデューサーって、結婚してるの!?」


 えええ!? マジで!?
 思わず声をあげちゃったけど……誰だってそうするよね!?
 だって、プロデューサーだよ!? プロデューサー!


「はい……しています」


 自分でも、自分が結婚しているのに違和感があるとわかるんだろうね。
 だって、いつもの右手を首筋にやる癖が出てるもん。


「どんな人!? 美人!? 歳は!?」
「ほ、本田さん……!?」


 私の勢いに驚いたのか、プロデューサーはたじろいだ。
 でも、しょうがなくない?
 こんなの、シンデレラプロジェクト結成以来の大ニュースだもん!
 いやー! 今まで、どうせ結婚どころか恋人も居ないだろうと思ってたよ!


「そう、ですね……」


 しっかし、相変わらず笑うの下手だなぁ。
 苦笑いすら下手だったら、奥さんとはどんな風に接してるんだろ?
 奥さんも無表情とか? うっわ、それはそれで見たい!


「とても……――綺麗な人ですよ」


 奥さんの事を語るプロデューサーの表情は、今まで見たどんな顔より優しかった。
 だから、変に盛り上がっていたのが急に恥ずかしくなって、


「あ……はい」


 気の抜けた返事になっちゃったよ。



617: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 22:43:20.05 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

「まあ、貴女……諸星きらりちゃん?」
「うにゅ?」


 事務所に向かう途中、と~ってもキレイな人に声をかけられたにぃ。
 どこかで見た気がすゆんだけど……どこだっけ~?
 わからないけどぉ、ご挨拶☆


「おはようございま~す☆」 
「あっ、ごめんなさいね、急に声をかけちゃって」


 きらりが挨拶したら、キレイなお姉さんもぉ、


「――おはようございます」


 と~ってもキラキラした笑顔で、挨拶してくれたゆ!
 そしたらね、お姉さんの後ろから、ちらっちらってコッチを見てる子が顔を出したの。
 その子は、きらりからしたらと~っても小さくて、きゃわゆくて、見てるだけでハピハピしちゃう☆


「ほら、ご挨拶。おはようございます、って」


 お姉さんは、その子にご挨拶しなさ~い、って言ったけど、その子はもっと隠れちゃった!
 にょわ~……きらりがおっきくて、怖くいのかなぁ。


「……ん? なあに?」
「……」

 お姉さんが、服をちょいちょいって引っ張られて、コショコショ話を二人は始めちゃった。
 ごめんねぇ、きらり、ちょ~っとおっきぃから怖かったんだよね~?


「……うふふっ! この子ったら、もう!」


 そしたらね、お姉さんが、さっきよりももっとも~っとキラキラした笑顔をしたにぃ。


「きらりちゃんが可愛くて、恥ずかしくて挨拶出来ないんですって!」
「う……うっきゃ~っ!? き、きらりも照れちゃうにぃ!☆」


 きらりがそう言うと、また隠れちゃった!
 でもでも、と~ってもきゃわゆいにぃ☆



618: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 22:58:39.68 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

「えーっ!? Pくんって、結婚してるの!?」


 グループLINEが来てチョービックリだよ!
 未央ちゃんが言うには、Pくんデレデレしてたって!
 アタシというものがありながら……Pくんの浮気者!


「あれ? 莉嘉、アンタ知らなかったの?★」
「お姉ちゃん、知ってたの!?」
「まーね。伊達に先輩アイドルやってないって★」


 がーん! お姉ちゃんが知ってたのに、アタシは知らなかったなんて!
 Pくんは、アタシの担当プロデューサーなんだよ!


「ヒドーイ! 知ってたなら、教えてくれても良かったじゃん!」
「いやいや、普通は知らないと思わない……って、アイツなら自分から言わないか」
「奥さんも恋人も居ないからチャンスだと思ってたのに~!」
「チャンスって……一体、何の話してるの?」


 そんなに決まってるじゃん☆
 もー、だからお姉ちゃんはカレシ出来ないんだよー。


「もちろん! Pくんのおヨメさんの話!」
「……莉嘉、ちょっと来な」
「? 何~?」


 お姉ちゃんは、スマホを操作してチョイチョイと手招きしてきた。
 何? 何か、面白いものでも見せてくれるのカナ。


「この人が、アイツの奥さん」
「……! ヤバ……チョー美人じゃん……!」


 そこに映ってたのは、見たこともない位キレーな人だった。
 神秘的、って言ったら良いのかな……うーん、わかんないよー!
 とにかく、すっごい美人!


「この人、元モデルでさ。今でもたまーに仕事してるみたいだよ」
「ホント!? じゃあじゃあ、お姉ちゃんが一緒になったらサイン貰ってきてよ!☆」
「……アンタ、現役のアイドルでしょ? 普通逆じゃない?」


 あ……そっか☆



619: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 23:17:58.71 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

「おはようございます」
「お……おはようございます」


 事務所の中庭にある芝生で四葉のクローバーを探してたら、声をかけられました。
 うぅ……誰だろう……?
 すごくきれいな人だけど……わたしの事、知ってるのかな?


「緒方智絵里ちゃん、でしょう?」
「は、はい! そうです!」


 思ってる事を言い当てられたみたいで、びっくりして大きな声がでちゃった!
 変な子だと、思われなかったかな?


「いつも、お世話になってます」
「こ、こちらこそ……!」

 
 とても丁寧にお辞儀されたから、わたしもお辞儀しなきゃって……あれ?
 知らない人……だよ、ね?
 いつもお世話って、なんの話だろう?


「……」


 頭の中にいっぱいハテナマークが飛んでるわたしと、
きれいなお姉さんの後ろに隠れてた子の目がバッチリ合っちゃいました。
 わたしが芝生にしゃがみこんでたから、高さが丁度良かったの、かな。


「ごめんなさいね。この子、昔の私に似て、とっても人見知りで」


 お姉さんはそう言うと、その子の頭を優しく撫でました。
 その顔がとっても優しくて、とってもきれいだなって。


「人見知り……あの、わたしもそうだったので、気にしないでください」


 今は、毎日が楽しくて、人見知りもほとんどしなくなりました。
 この子も、そうなると良いなぁ……あっ、そうだ!
 さっき見つけた、コレがあれば!


「はい、コレあげるね。四葉のクローバー」


 わたしが差し出した四葉のクローバーは、おずおずと差し出された小さな手に包まれました。
 えへへ、幸せのおまじないだよ。



620: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 23:33:56.12 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

「おはようございます!」


 煩わしい太陽ね。


「か、神崎さん?」
「わわわっ、煩わしい太陽ね!」
「はい、おはようございます」


 プロデューサーのキョトンとした様子を見て、挨拶を間違えていたのに気付いた。
 間違ってはいないけど、言い直しちゃったけど、そんなのは後回し。
 あの言葉が真実か、問いただすのが先決!


「け、けけっ、こけっ、こ!」
「? ニワトリ……でしょうか」


 焦って出なかった私の焦りを言の葉と思ったのか、
プロデューサーは私の言葉に関してのメモを取り出して解読しようとしている。
 否! 先程のは言の葉でなく、地より沸き立つ探究心の現れ!


「わ、我が友よ!」
「? はい、何でしょうか」
「け、結婚おめでとうございます!」


 違う! そうじゃない!


「あの……結婚したのは大分前ですが、ありがとうございます」
「大分前!? いつの話!?」
「もうすぐ……四年になりますね」


 四年前!? 四年前だなんて……!


「お、おおお!」
「神崎さん?」
「おっ、お、おおお!」
「神崎さん!? あの、神崎さん!?」


「オリンピック! 我が友オリンピック!」


「はい!? あの、意味が……あの、神崎さん、どこへ!?」


「神崎さん! 神崎さーん!」



621: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/23(土) 23:52:25.06 ID:LQENLycJo

  ・  ・  ・

「ドーブラエ ウートラ。おはよう、ございます」
「おはようございます、アナスタシアさん」
「あの……蘭子が、走っていったのは、どうして、です?」
「私にも……よく、わかりません」


 プロデューサーは、右手を首筋にやって困っています。
 だけど、蘭子が走っていってしまった理由、わかります、多分。
 蘭子は、プロデューサーをとても、アー、信頼しています。


「プロデューサー、結婚、していたんですね」
「あの……もう、皆さんがご存知で?」
「ダー♪ 未央が、教えてくれました♪」
「……」


 私の言葉を聞いて、プロデューサーはもっと弱った顔をしました。
 どうしてか、わかりません。


「プロデューサー、困って、いますか?」
「その……どうしていいか、わかりません」
「何が、ですか? 結婚、とっても良い事、です」
「……そう、ですね。はい、その通りです」


 皆、プロデューサーが結婚してると知らなくて、驚いただけ、です。
 だから、プロデューサーは困る必要、無いです。
 私もビックリしましたが、それよりも、もっと、嬉しい!
 プロデューサーには、とても、お世話になっています。
 そんな人が、幸せなのは、とってもステキです。


「プロデューサー、アー、子供はいますか?」
「はい。もう、3歳になります」
「ハラショー♪ 私、見たいです♪」


 3歳……とっても小さくて、可愛いですね?


「……お見せする機会があるとは思わなかったのですが」


 そう言うと、プロデューサーはスマホをいじって、こちらに見せてくれました。


「……フェーヤ」


 そこには……アー、妖精が、映っていました。



624: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 00:18:57.02 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「もー李衣菜ちゃんとはやってられないにゃ!」
「それはこっちの台詞だよ、みくちゃん!」


 これはもう――


「「うー……解散!」」


 何度目になるかわからないやりとり。
 全く、李衣菜ちゃんには困ったもんだよ!
 なーにが、せっかくだからみくちゃんもギターやろうよ、にゃ!
 みくはネコチャンキャラで十分なの!
 にわかが二人になったら、ニワカリスクって言われるのがオチ!


「ふふっ!……うふふっ!」


 いつものやり取りをしてたら、楽しそうな笑い声が聞こえてきたにゃ。
 うー、流石に恥ずかしい……もー! 全部李衣菜ちゃんが悪い!
 って、なんで李衣菜ちゃんも、みくが悪いって目で見てるの!?


「笑っちゃってごめんなさいね……ふふっ、聞いてた通りだったから」


 笑っちゃうのは……まあ、しょうがないとして。


「「聞いてた通り?」」


 あっ、また台詞が被っちゃった。
 李衣菜ちゃん、真似しないでよ!


「ええ。とっても、仲が良い二人が居るって」


 そう、とっても素敵な笑顔で言われたら、何も言い返せない。
 それにしても、凄い美人さん。
 アイドル……じゃないよね。
 だったら、絶対に知ってるはずだもん、こんな綺麗な人。


「主人が、いつもお世話になってます」


 主人……?


「「主人!?」」


 また被ったけど、そんなのを気にしてる場合じゃないにゃ!



625: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 00:31:34.26 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「ほら、ご挨拶しましょうね」


 主人って……はっ? えっ?
 何、もしかして、この凄い美人が例の、プロデューサーの奥さん!?


「……」


 という事は、この子がプロデューサーの娘さん!?
 いやいや、全然似てない!
 髪の毛はフワフワだし、お母さん似すぎるって!


「おはようございます」


 奥さんが、とっても丁寧にお辞儀をしたら、


「……おはよう、ござい、ます」


 なんて、照れくさそうに、はにかみながらペコリとお辞儀してきた。
 その笑顔がとっても可愛くて、いや、なんて言えば良いんだろ!?
 可愛いどころの騒ぎじゃなくて、ああ、これはもう――


「みくちゃん! どうしよう!?」


 と、隣を見たら、


「李衣菜ちゃん……みくは、もう駄目にゃ……あれは可愛すぎるよ」


 みくちゃんが静かに横たわっていた。


「みくちゃーん!?」
「せめて……せめて……一言……!」
「うん……うん……!」
「おはよう――ございます……」


 あ、そうだ。


「おはようございます。初めまして、多田李衣菜です」


 ちゃんと挨拶しないといけないよね。





626: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 00:50:06.85 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「ねえねえ、どっちからプロポーズしたの?」


 だって、結婚するにはプロポーズしないといけないもんね。
 だけど、プロデューサーってそういうの苦手そうなんだもん。
 でもでも、プロポーズは男の人からするって言うし……。
 えへへ、わかんないから聞いちゃった!


「それは……」
「それは!?」
「……」
「もー! いつになったら教えてくれるのー!?」


 さっきから、ずーっとこの繰り返し!
 恥ずかしいのかなぁ?


「それは、しか言ってないよ~!」
「……」


 プロデューサー、右手を首筋にやってすっごく困ってる!


「観念して、はくじょーしなさい!」
「……」


 だけど、気になるんだもん!
 ねえねえ、お願い、教えてプロデューサー!


「……――私です」
「!」


 わーっ! プロデューサーがプロポーズしたんだ!
 いいな、いいな、とってもステキ!
 えへへ、いつかみりあも、プロポーズされたいなぁ。
 でも、プロポーズって何て言ったりするのかな?


「ねえねえ、プロデューサー」
「……はい、何でしょうか?」


 わかんないから、


「何て言ってプロポーズしたの?」
「!? それは……その……!」


 聞いちゃった♪



627: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 01:15:16.91 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「……ふぅ……ふぅ」


 クリスマス・イブの24日に、シンデレラプロジェクトのLIVEがあります。
 とっても緊張するけど……はい、楽しみです♪
 だから、島村卯月、頑張ります♪
 が、頑張りますけど……。


「つ、疲れた~!」


 レッスンが凄くハードで、さすがに疲れちゃいました。
 いっぱい汗をかいちゃったから、すぐシャワーが浴びたいなぁ。


 パチパチパチパチ。


「拍手……?」


 拍手の音が聞こえた方向を見ると、とっても綺麗な人と、
その人によく似た、可愛いらしい子と、トレーナーさんが三人で立ってました。
 拍手をしてるのは……えっと、お子さん? です、よね?
 ちっちゃい手を必死にパチパチさせて……ふふっ、可愛いなぁ。


「島村! もうあがっていいぞ!」
「はっ、はい! ありがとうございました!」


 挨拶、した方がいいのかな?
 あっ、だけど……もう行っちゃうみたい。


「あの、今の二人は……?」


 結局、誰だったんだろう?


「ん? 島村は、何も聞いてないのか? 今、お前達の中で一番の話題だと聞いてたんだが」
「えっ? えっ? あの、ずっとレッスンだったから、何も……」


 トレーナーさんに携帯を確認してみろと言われたので、そうしてみたら、


「えーっ!?」


 色々な情報と、話題に取り残されていた事を知った。



628: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 01:36:42.48 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「――初めまして、新田美波です」
「はい、主人がいつもお世話になってます」


 プロジェクトルームに行く途中で、プロデューサーさんの奥さんに偶然会った。
 自己紹介されたけど、名字も一緒だし、間違いないみたい。
 プロデューサーさんも、こんな美人が奥さんだなんて隅に置けないんだから。


「いえ、こちらこそお世話になりっぱなしで」
「いえいえ、こちらこそ」
「いえいえ、そんな」


 とっても美人で、なんだか不思議な雰囲気のある人だなぁ。
 ニコニコと笑って……うふふ、プロデューサーさんが笑顔好きなのも、この人のせい?
 だとしたら、ちょっとわかるかも。
 だって、とっても素敵な笑顔なんですもの!


「……いえいえ」


 ……。


「「ふふふっ!」」
「?」


 二人して笑ったら、娘さんがキョトンとしてしまった。
 だって、私達の真似をして、その、ああもう、可愛いなぁ!
 ほとんど奥さんに似てるけど、頭の上にチョコンと立った寝癖がお父さん似かしら。
 あっ、表情があんまり変わらないのもそうよね。


「今日は、どういったご用事で?」
「近くまで来たものですから、皆さんに挨拶と――」


 ……と?


「パパ、びっくりさせるの」


 ねー、と言い合う二人に微笑まれてしまった。
 そんな笑顔を向けられてしまっては、


「それじゃあ、内緒にしないといけませんね♪」


 リーダーとして、皆にも伝えておかなくちゃいけないわよね!



629: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 01:51:29.53 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「……りょーかい、っと」


 既読はつけたから、返事は書かなくても大丈夫だよね。
 ってなわけで、もう一眠り、っと。
 別に興味がないわけじゃないけどさ、眠気に勝てないだけなんだよ。
 それに、この後絶対寝てられなくなるからねー。


「騒がしくなりそうだなぁ」


 やれやれ、杏の平穏な今日はもうすぐおしまいだよ。
 でもま、面白いものが見られそうだから良いか。
 ふふふ、杏を働かせようとするプロデューサーに、天罰なのだー!
 はーっはっはっは!


「……」


 ま、杏はなんとなくわかってたんだけどね。
 奥さんでも居ない限り、あのプロデューサーまともに生活出来ないでしょ。
 仕事熱心というか、それしか頭にないみたいでさ。
 杏には全然理解できないよ、あの情熱は。


「……」


 それにしても、なんだか眠くないなぁ。
 杏としたことが、これからのドタバタが楽しみで眠れないなんて、らしくないってば。
 まあ良いか、飴でも舐めてゴロゴロしてようかなー。


「……」


 ありゃ、残り一個しかないや。
 もー、ちゃんと補充しといてよね、困っちゃうじゃんか。
 全く、これじゃあ杏が食べる分が無いよ、トホホだね。



630: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 02:15:05.55 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「もうすぐ、プロデューサーの居るプロジェクトルームです」


 プロジェクトルームに向かう途中、美波と、


「ごめんなさいね、案内して貰っちゃって」


 プロデューサーの奥さんと、


「りんちゃん♪」


 娘さんに出会った。
 美波は、道中でトレーナーに呼び止められてしまった。
 だから、今は、私と、奥さんと、娘さんの三人だけ。


「な、なあに?」
「……えへへ」
「あ、あはは」


 それに、娘さんに妙に懐かれてしまった!
 こ、こういうの初めてだから、ど、どうしたらいいの!?
 こういう時に限って、皆居ないのはなんで!?
 未央とか卯月とか……というか、私以外は得意そうなのに!


「うふふっ、この子がこんなに懐くなんて、珍しいんですよ?」
「りんちゃん♪」
「は、はぁい~……は、はぁ、そうなんですか」


 本当に? すっごくニコニコして、全然お父さん要素無いよ?
 目もクリクリしてて、髪の毛もフワフワで……あ、寝癖がそれっぽいかも。


「りんちゃん♪」
「はぁい~♪」


 ……可愛い。
 ああもう、顔がニヤけるの止められない!


 誰か、何とかして!



631: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 02:31:22.95 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

 クリスマス。
 それは、恋人達が愛を語らい、親子が絆を深め合い、子供がサンタに夢を願う日。
 そして、私達シンデレラプロジェクトのメンバーにとっては、大切なLIVEの日になる。


「でもやっぱり、クリスマスと言ったらケーキだよね~♪」


 私は、今デパートの製菓材料コーナーに来ている。
 この時期になると普段は並ばないものが所狭しと並び、
次から次へと目移りしてしまって何を買うか決めるに決められない。


「へー! プロデューサーさんの奥さんと娘さんが来てるんだ!」


 が、既読スルー。


 ごめんね皆、私、クリスマスケーキを作ることしか考えられないの!
 だって、LIVEの後の打ち上げでは、カロリー制限がなくなるんだよ!?
 美味しいケーキが食べ放題……うーん、楽しみすぎてどうにかなりそうだよー!


「……!」


 ここで、天啓。


 奥さんと娘さんが来ているのなら、お土産にケーキを買って行っても……許される!
 あわわ、早く材料を買って、お土産のケーキを選ばなくちゃ!
 奥さんと娘さんの前では、さすがのプロデューサーも甘くならざるを得ないよね!


「うふふっ、5個は大丈夫かなー?」


 美味しいから大丈夫だよ~!


「甘いの、最高ー!」



つづく!



643: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 21:27:15.33 ID:gvArRziTo


「クリスマスLIVE、お疲れ様でした」


 私の言葉を聞いて、シンデレラプロジェクトの全員が、良い笑顔で「はい」と返事をした。
 今日のLIVEはとても素晴らしく、ファンの方達だけでなく、
スタッフ全員も彼女達に魅了されていたと思う。
 勿論、言うまでもなく私もその内の一人だ。


「休憩後、少し時間を空けて打ち上げ会場の方へ移動します」


 まだ興奮冷めやらぬのか、彼女達は頬を上気させている。
 しかし、いつまでもこうしてはいられない。
 プロジェクトのメンバーは、新田さんを除いては18歳以下で構成されている。
 なので、夜の22時以降の行動には制限がかかってしまう。


「事前にご説明していた通り、参加するのは皆さんと、そして――」


「――ちょっと待ったぁ!」


「……本田さん?」


 私と、という言葉を言う前に、まだ肩で息をしている本田さんに待ったをかけられた。
 何か、問題でもあったのだろうか。


「そうにゃ! Pチャン!」
「その先は――」


 前川さんに、多田さんまで……何を?


「「――言わせない!」」


 二人の声が、しっかりと重なる。
 それだけでなく、見れば、メンバー全員がうんうんと頷いていた。



644: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 21:39:00.36 ID:gvArRziTo


「何か……問題でも、ありましたか?」


 疑問を素直に投げかける。
 私は、こう言う時に相手の思っている事を察するのが苦手だ。
 今まで彼女達と関わってきて、それが痛いほどわかった。


「問題アリだよ! Pくんは、打ち上げに来ちゃぜーったいダメ!」
「その……それは、どういう意味でしょうか……?」


 気付かぬ内に、また何かやってしまっていたようだ。
 城ヶ崎さんが、とても怒っているのが私にもわかる。
 彼女は感情の起伏は激しいが、この様に怒った姿は見たことがない。


「Pちゃん! Pちゃんは~、打ち上げに来たらメッ、だゆ!」
「……」


 いつも天真爛漫な諸星さんにまで、言われてしまった。
 どうやら、私はとんでもない事をしでかしたらしい。


「ねえねえ、プロデューサー! 今日は何の日か知ってる?」
「今日ですか? 今日は……」


 赤城さんに聞かれたが、当然知っている。
 今日は、クリスマス・イブ。
 皆さんのクリスマスLIVEが行われた、記念すべき日だ。


「はい、クリスマス・イブです」


 迷わずに答えたのだが、その答えは彼女達の納得のいくものではなかったらしい。
 彼女達が、口々に私にダメ出ししてくるのが、その証拠だ。



645: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 21:49:28.67 ID:gvArRziTo


「ほんっと、Pチャンはダメにゃ! みく達の言いたいこと、わかってないでしょ!」
「まあ、プロデューサーらしいと言ったららしいけど……」


 前川さんと多田さんが、私に詰め寄ってきた。
 先程も、私の言葉を彼女達は遮ったが、何か意図がある様に思える。


「打ち上げとは言え、遅くまで仕事なんてロックじゃないにゃ!」
「プロデューサーは、ネコみたいに家でおとなしくしててください!」


 ……どうやら、二人は――いや、プロジェクトメンバーの全員が、
私が打ち上げに参加するのが許せないらしい。
 現に、私に本題とも言うべき事柄を突きつけた彼女達は、
他のメンバーと手を打ち合わせて「言ってやった!」と笑っている。


「ってなわけで、帰った帰ったー!」


 本田さんが、カラカラと笑いながら私に帰れと言ってくる。
 しかし、そこに悪意は微塵もなく、本当に楽しそうな、良い笑顔だ。
 そしてそれは、プロジェクトメンバー全員に言える事。


「あの……皆さん?」


 だから、私には尚更わからない。
 癖で右手を首筋にやってしまい、それを見たメンバー達はクスクスと笑いだした。



646: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 22:02:53.45 ID:gvArRziTo


「見ててよとは言ったけど、今日は良いから」


 渋谷さんが、呆れたように笑いながらこちらを見ている。


「プロデューサーは、やることが残ってるでしょ」
「やる事……ですか?」


 言われてみても、思い当たる仕事は無い。
 この日のために、念入りに計画をしてきたのだ。
 それに、もしもやる事が残っているならば、帰っている場合ではない。


「ダー。プロデューサーは、帰るべき、です」


 アナスタシアさんが、真っすぐにこちらを見て、言った。
 クリスマスLIVEの衣装はサンタクロースをモチーフにしたもので、
彼女の銀色の髪も相まって、まるでクリスマスという日がそこに居るかのよう。
 そんな彼女の真剣な瞳に、私は少し気圧された。


「クリスマス、はっ!」


 突然、緒方さんが大声を上げた。
 メンバー達も驚いたようで、一斉に緒方さんに視線が集まる。
 だが、彼女はその視線に一歩も怯むこと無く、


「家族、一緒じゃなきゃダメなんですっ!」


 そう、言った。


「皆さん……」


 そして、私は理解した。
 彼女達が、私に家に帰れと言っている訳を。



647: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 22:21:06.04 ID:gvArRziTo


「ですが、彼女達も……頑張ってこい、と」


 プロジェクトのメンバー達のために頑張れ、そう言って今朝も送り出してくれた。
 帰りが遅くなるかも知れないと告げても、二人は笑っていた。
 そんな彼女達のためにこそ、最後までやり遂げなければならない。
 そう、思っていた。


「三人とも、杏達の事を大切に想ってるのが、逆にタチ悪いよねー」


 双葉さんは、はぁとため息をついた。
 確かに、彼女達もプロジェクトメンバーをとても応援している。
 だから、そんな彼女達にも、私の担当するシンデレラ達の輝く姿を見せたいと思う。
 それが私の誇れる仕事……プロデューサーの、仕事だからだ。


「我が友よ! 汝と、汝と魂を同じくする者達に、祝福を授けようぞ!」


 嗚呼、本当に彼女達には驚かされる。
 神崎さんの言葉が、頭ではなく……そうですね、魂で理解できたと思います。
 フンスと鼻息荒くこちらを見ている神崎さんは、とても輝いて見えた。


「プロデューサーさん、今日の皆の衣装を見てください」


 島村さんの言葉に従い、プロジェクトメンバー全員の姿を眺める。


「今日の私達は、アイドルでサンタさんなんです」


 だが、私は彼女達の衣装を見ていた訳ではない。


「プロデューサーさん達家族に、笑顔のサプライズプレゼントですよ♪」


 シンデレラプロジェクトメンバー達の、輝くような笑顔を見ていた。



648: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 22:32:19.98 ID:gvArRziTo


「スタッフさん達には、私から話しておきますから」


 新田さんが、後のフォローは任せろと言ってきた。


「……なーんて、事前にある程度の人には言ってあったんです」


 彼女は、最初のメンバー達の公演で倒れてから、より強くなった。
 新田さん自身の成長もあるが、何より人を頼る事を覚えた。
 やはり、彼女をリーダーに指名して正解だった。


「それではもう……帰るしかありませんね」


 そうと決まったのなら、早く家に帰ろう。
 でなければ、彼女達の想いが無駄になってしまう。


「ほら、今日は寒いから、スタッフコートも着て帰んなよ!」


 本田さんは、そう言うと後ろから私の背中にスタッフ用のベンチコートをかけてきた。
 これを着て帰れというのは恥ずかしいが……いや、着て帰ろう。


「それでは皆さん、お先に失礼します」


 私は、彼女達の、良い笑顔によって送り出された。



649: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/24(日) 22:59:28.76 ID:gvArRziTo

  ・  ・  ・

「……もしもし」


 突然帰って驚かせる、というような器用な真似は私には似合わない。
 だから、今日は言っていたよりも早めに帰ると電話をした。


 私が何か怒らせるような事をしたのかと問われたので、苦笑。
 似ていると言われたのはいつだったか……思い出せない。
 だが、私も同じようなことを考えたと伝えたら、
コロコロと鈴の音を転がすような、美しい笑い声が聞こえてきた。


 そして次に聞こえてきたのは、とても可愛らしい声。
 その声を聞いて、私の歩く速度が少し速まった。
 働く姿を……その成果を見てもらいたいという気持ちは、ある。
 だが、今はそれ以上に、彼女を抱き上げたいという気持ちが強い。


「……」


 通話が終わり、私はより一層歩く速度を速めた。
 まだ距離はあるが……いや、もう、走ってしまおう。
 私は、私の担当するアイドル達に完全に負け、追い立てられたのだ。
 そんな私がゆっくりと歩くなど、到底許されない。


「はっ……! はっ……!」


 白い吐息が、すぐに温度を無くし透明になる。
 だが、無口な車輪の蒸気機関は、もっと速く、もっと速くと私の足を加速させる。
 帰り道に気をつけて、という言葉に従い、運行自体は安全なものだが。


 私は、チラリと来ているコートに目をやった。


 プレゼントのラッピングのような、クリスマスカラーの、赤。


 しかし、サンタクロースカラー、とは言わない。


 何故なら、私の帰りを起きて待っていると、そう、言っていたから。



おわり



657: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 04:32:59.80 ID:RpGx4DLXo

良い子は寝てる時間だと思うので書きます
>>648と>>649の間かどっかに挟んでください



658: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 05:06:31.84 ID:RpGx4DLXo


「今日は、お疲れ様でしたー!」


 プロデューサーさんは帰り、打ち上げには私達だけで参加する事になった。
 今のも、何度目の乾杯かはわからない。
 わからないけれど、今の私を止める人は居ない、という事だけはわかる。


「かな子ちゃん、その箱は何……?」
「クリームが溶けちゃうから、スタッフさんに頼んでおいたんだ~」


 そう言いながら、箱に入っていた宝物をゆっくりと引き出した。


「凄い……! クリスマスケーキ……!」
「うふふ♪ 今日のために、とっても頑張ったんだよ~♪」


 この時のために、二日がかりで用意してきた特製のケーキ。
 普通のケーキと思って食べたら、きっと皆ビックリするだろうなー。


「おい凛! 加蓮! 笑ってないで、何とかしてくれ―!?」
「応援してるよ、奈緒」
「良かったね、クリスマスに素敵なお嫁さんが出来て」
「うふふっ♪ なお、助けは来ない模様♪」
「この人、メチャクチャ酔っ払ってるから無理だって!」


 プロジェクトメンバー以外にも、同じ事務所のアイドル達も来ている。
 でも大丈夫、こんな事もあろうかと、ケーキはいっぱい用意してきたんだー。


「生クリームたっぷりで、とっても美味しそう……」


 智絵里ちゃんが、切り分けられた真っ白いケーキをその口に運んでいく。
 うふふ、どんな反応をするか、とっても楽しみ!


「! これ、生クリームじゃ……ない?」
「そうなの! ホワイトチョコのクリームなんだよー」
「パッと見、普通の生クリームと見分けがつかないね……」


 色とりどりのフルーツが中に入った、ホワイトチョコクリームのケーキ。
 イチゴのショートケーキだと思って食べたら、びっくりすること間違い無し、だよね。
 それが、私が皆のために作ってきた特製のケーキだ。


「それじゃあ、私も自分のを食べようかな……」


 そう言って、また新たに箱からケーキ……クリスマスと言えば、ブッシュ・ド・ノエル!
 ブッシュ・ド・ノエルを丸々一本、切り分けずにそのままフォークを入れていく。
 周りの人達がそれを驚いた顔で見てきたが、私はいつもの様に、笑顔で答える。


「美味しいから大丈夫だよ~♪」



662: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:33:36.28 ID:RpGx4DLXo

メモ>>514、>>638>>639


>>641>>656書きます


武内P「そろそろ射精の時間ですね」



663: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:35:30.36 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「あっ、もうそんな時間ですか?」

武内P「はい。お手数ですが、よろしくお願いします」

ちひろ「わかりました」

武内P「では、準備が整い次第LINEします」

ちひろ「はーい」

ガチャッ…バタン


未央・卯月・凛「……」

未央・卯月・凛「……!?」



664: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:37:21.35 ID:RpGx4DLXo

未央「ちっ、ちひろさん?」

ちひろ「? どうかしたの、未央ちゃん?」

卯月「いやいや! どうかしてるのは、二人がですよ!?」

ちひろ「二人……未央ちゃんと、凛ちゃん?」

凛「違うから! プロデューサーと、ちひろさんがおかしいの!」

ちひろ「……あの、何が?」

未央・卯月・凛「!?」



665: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:39:27.69 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「私達がおかしい……仕事の事かしら?」

未央「じゃなくて! さっきのやりとり!」

ちひろ「さっきって……ああ、射精管理の事?」

卯月「どうしてそんな何でもない感じなんですか!?」

ちひろ「だって、当たり前の事だもの」

凛「いやいや! 明らかにおかしいから!」

ちひろ「? 射精させてあげないと、大変でしょう?」

未央・卯月・凛「!?」



666: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:41:28.00 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「射精させないと、ずっとオナ禁する事になっちゃうもの」

未央「おっ、おお、オナ禁!?」

ちひろ「そうよ。だから、定期的に出してあげるの」

卯月「だ、出してあげるって……///」

ちひろ「これも、事務員の立派な仕事なのよ」エッヘン

凛「そんな事務作業、聞いたことないから!」

ちひろ「あら、言ってなかったかしら?」

未央・卯月・凛「……!?」



667: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:44:52.54 ID:RpGx4DLXo

ヒュポンッ♪

ちひろ「あっ、プロデューサーさん、トイレに着いたみたい」

未央「と、トイレって……えっ、本当に!?」

ちひろ「『OK?』っと」

卯月「なんですか! そのスタンプ、何を聞いてるんですか!?」

ちひろ「えっ? 射精させていいかを聞いてるんだけど……」

凛「この距離で、何をする気なの!?」

ちひろ「それは勿論、P射精スイッチを押すのよ」

未央・卯月・凛「……!?」



669: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:47:24.17 ID:RpGx4DLXo

ヒュポンッ♪

ちひろ「『GO!』ね。はーい、それじゃあスイッチ――」

未央「ストップストーップ! その手のスイッチ、何!?」

ちひろ「? P射精スイッチだけど……?」

卯月「そ、それを押すとどうなるんですか?」

ちひろ「当然、プロデューサーさんが射精するわ」

凛「当然って何!? 頭がおかしくなりそう!」

ちひろ「えいっ」

ポチッ!

未央・卯月・凛「!?」



670: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:50:30.08 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「まずは一回、と」

未央「今ので、その……何!? 何が起こったの!?」

ちひろ「それは言うまでもなく、射精よ」

卯月「そ、そのスイッチを押すと、その、出ちゃうんですか!?」

ちひろ「ええ。二回目は、少し時間を空けてあげるの」

凛「い、今まで、そんな事してたって言うの!?」

ちひろ「これも、お仕事ですから」

未央・卯月・凛「……!?」



671: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:53:32.41 ID:RpGx4DLXo

ヒュポンッ♪

ちひろ「『GO!』? あらあら、今日は元気ですね」

未央「ちょ、ちょっとそのスイッチ見せて!」

ちひろ「? 良かったら、押してみる?」

卯月「へうぅ!? だ、だって、押したら、出るんですよね!?」

ちひろ「ええ、出るわよ」

凛「スイッチで出るわけないでしょ!? こんなので――」

ポチッ!

未央・卯月「! 押した!?」



672: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:56:29.62 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「凛ちゃん、プロデューサーさんを射精させちゃったわね♪」

凛「有り得ない。二人してからかってるんでしょ?」

ちひろ「そんな事ありません。私達は、真面目ですよ」

未央「スイッチ一つで射精なんて、聞いたこと無いよ!」

ちひろ「プロデューサーというお仕事は、大変なんですよ」

卯月「!? ぷ、プロデューサーになると、まさか……」

ちひろ「全員、射精はスイッチ式になります」

未央・卯月・凛「!?」



673: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 19:58:52.63 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「だって、そうでないと困っちゃうでしょう?」

未央「困るって何が!?」

ちひろ「プロデューサーが、アイドルに手を出して……」

卯月「そういう次元の話じゃなくなってると思います!」

ちひろ「もしも妊娠なんてしたら!」

凛「だから……スイッチで、その、定期的に出してるって事?」

ちひろ「さすが凛ちゃん。一回スイッチを押しただけはあるわね♪」

凛「その褒め方やめて!」

未央・卯月「……」



674: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:03:01.91 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「プロデューサーになると、その人専用スイッチが作られて」

未央「こんな事が、私達がアイドルやってる裏で起こってたなんて!」

ちひろ「定期的に射精させるよう、事務員に渡されるの」

卯月「その……何回か、出させないといけないんですか?」

ちひろ「そうね、プロデューサーさんは一回につき四発ね」

凛「す、すご……じゃなくて! おかしいと思わないの!?」

ちひろ「? 何が?」

未央・卯月・凛「……!?」



675: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:05:36.29 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「射精管理は、事務員の大切なお仕事の一つです」

未央・卯月・凛「……!」

ちひろ「プロデューサーになると、オナニーも禁止になりますから」

未央・卯月・凛「……!?」

ちひろ「だから、ちゃんとスイッチを押して、出させてあげないと、ね♪」

未央・卯月・凛「……」

ヒュポッ♪

ちひろ「あっ、次の準備が整ったみたい」

未央・卯月・凛「!」



676: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:08:43.15 ID:RpGx4DLXo

未央「はい! はいはーい!」

ちひろ「? どうしたの、未央ちゃん?」

未央「私にも! 私にもスイッチ押させて!」

卯月「ず、ずるいです未央ちゃん! 私も、押してみたいです!」

ちひろ「ふ、二人共?」

凛「待って。私も、もう一回押さないと気がすまない」

未央「しぶりんは一回押したじゃん!」

卯月「そうですよ! 凛ちゃん、私達にも押させてください!」

ちひろ「えいっ」

ポチッ!

未央・卯月・凛「!?」



677: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:12:03.38 ID:RpGx4DLXo

未央「ちひろさん、なんで押しちゃうの!?」

ちひろ「え、だって……待たせても可哀想じゃない」

卯月「チャンス、残り一回しかなくなっちゃったじゃないですか!」

ちひろ「え、ええっ!? そんな事言われても……!?」

凛「ちひろさん。スイッチ、こっちに渡してよ」

ちひろ「!? ダメです!」

未央・卯月・凛「……」

ちひろ「さ、三人共……!? あの、落ち着いて……!?」

未央・卯月・凛「……」



678: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:16:05.11 ID:RpGx4DLXo

未央「私さ、バスの停車ボタンとか押したくなっちゃうんだよねー」

ちひろ「ど、どうして今その話を」

卯月「あっ、それなんとなくわかります」

ちひろ「ふ、二人共……!?」

凛「ジャーンケン……」

ちひろ「! ジャンケンで、誰が押すか決めるのね!?」

未央・卯月・凛「ポンッ」

ちひろ「……だ、誰に決まったの?」

未央・卯月・凛「生ハムメロン、で」

ちひろ「掛け声を決めるジャンケン!?」



680: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:18:54.05 ID:RpGx4DLXo

ヒュポッ♪

ちひろ「『GO!』って! もう、なんでこのタイミングで!?」

未央「三人! 三人同時に押すから!」

ちひろ「ほ、本当に!?」

卯月「はいっ♪ 島村卯月、頑張ります♪」

ちひろ「信じて……良いのね?」

凛「ちゃんと見ててよね」

ちひろ「それじゃあ……一回よ! 一回だけよ!」

未央・卯月・凛「はいっ!」ニコッ

ちひろ「……良い、笑顔ですね」



681: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:21:56.73 ID:RpGx4DLXo

未央「生!」

ポチポチポチポチポチポチ!


ちひろ「押しすぎ! 押しすぎいいいっ!?」


卯月「ハム!」

ポチポチポチポチポチポチ!


ちひろ「死んじゃう! 死んじゃいますから!」


凛「メローン!」

グッ…………


ちひろ「せめて離してあげて! 出っぱなしになっちゃうから!」

ちひろ「ぷ……ぷ……」

ちひろ「プロデューサーさああああああん!」



683: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:27:13.24 ID:RpGx4DLXo

  ・  ・  ・

武内P「死ぬかと、思いました」

ちひろ「……すみませんでした」

武内P「死ぬかと、思いました」

ちひろ「はい……はい……申し訳ありませんでした」

武内P「今回の事で、射精管理の問題点について会議がありました」

ちひろ「……」

武内P「そして、管理する人間も、管理される側の人間の立場を理解しなければならない、と」

ちひろ「はい……あの、それは……どういう……?」



武内P「そろそろ絶頂の時間ですね」



おわり



684: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:39:22.97 ID:RpGx4DLXo

>>638書きます


武内P「三村さんが、池に!」



685: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:41:48.43 ID:RpGx4DLXo

武内P(頭のどこかで、これは夢だとわかっている)

武内P(わかってはいるが、万が一夢でないという可能性もある)

武内P(だから……私は彼女を――三村さんを助けなければならない!)


ザバーッ!


武内P「!? 池から、何かが……!?」


専務「――三村かな子を池に落としたのは、キミか?」


武内P「安心しました。これは悪夢ですね」



686: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:44:29.12 ID:RpGx4DLXo

専務「悪夢? キミは何を言っている」

武内P「いえ、こちらの話です」

専務「もう一度聞こう。三村かな子を池に落としたのは、キミか?」

武内P「いえ、私ではありません」

専務「何?」

武内P「転がったお菓子を追って、自ら池に飛び込んでいきましたから」

専務「それが、キミの言うパワーオブスマイルか?」

武内P「違います」



687: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:46:24.19 ID:RpGx4DLXo

専務「良いでしょう。質問を変えます」

武内P「はい」

専務「キミが落としたのは、この三村かな子くんか?」


かな子A「ケーキ食べたーい」


武内P「はい、そうです」

専務「話は最後まで聞き給え」

武内P「……」



688: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:48:25.21 ID:RpGx4DLXo

専務「それとも、この三村かな子くんか?」


かな子B「クッキー食べたーい」


武内P「あの、先程と違いが、よく……」

専務「話は最後まで聞き給え」

武内P「……」

専務「それとも、この三村かな子くんか?」


かな子C「クレープ食べたーい」


武内P「あの……皆さん、同じに見えるのですが」

専務「違う。よく見給え」

武内P「……」



689: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:52:17.51 ID:RpGx4DLXo

専務「まず、彼女だが」

かな子A「ケーキ美味しい~」

専務「髪が、普通の三村かな子くんよりも綺麗だ」

武内P「よく、わかりません」

専務「10%ほど美しい。キューティクルは私が保証しよう」

かな子B「クッキー美味しい~」

専務「そして、彼女は肌が10%ほど綺麗で、」

かな子C「クレープ美味しい~」

専務「彼女が、普通の三村かな子くんだ」

武内P「……そう、ですか」



690: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:54:59.06 ID:RpGx4DLXo

専務「さて、もう一度聞こう」

武内P「……」

専務「キミが落としたのは、どの三村かな子くんだ?」

武内P「Cで」

専務「何? キミは、綺麗な彼女達よりも、普通の三村かな子くんを選ぶと?」

武内P「Cで」

専務「もっと、輝きたいとは思わないのか?」

武内P「Cで」

専務「どうやら、私達は平行線のようだな」

武内P「Cで!」



691: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 20:59:06.24 ID:RpGx4DLXo

専務「……良いでしょう。よく、わかりました」

武内P「わかって、頂けましたか」

専務「キミは有能だ。期待している」

武内P「ありがとう、ございます」

専務「それでは、三人の三村かな子くんを受け取りなさい」

武内P「……は?」

かな子ABC「マシュマロ食べたーい」

武内P「待ってください! これでは、エンゲル係数が危険すぎます!」

専務「ふむ、それが個性か」

武内P「そうですが……あの、一人で十分ですから!」



692: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:01:30.56 ID:RpGx4DLXo

武内P「……――待ってください!」

ガバッ!

武内P「はぁ……! はぁ……!」

武内P「……」

武内P「夢だとわかっていても……何と、恐ろしい」

武内P「……」

武内P「もう一度、寝直しますか」



693: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:04:35.52 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「貴方が落としたのは、どのかな子ちゃんですか?」

武内P「……見せて、頂けますか」

ちひろ「まず、このかな子ちゃんは――」


かな子D「間食は、あまりしないですー」


ちひろ「――スリムで、綺麗です」

武内P「D! Dでお願いします!」

ちひろ「もう! 話は最後まで聞いてください!」

武内P「……」



694: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:08:44.09 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「そして、次のかな子ちゃんは――」


かな子E「biscuit食べたーい」


ちひろ「発音が綺麗です」

武内P「Dで」

ちひろ「待って、よく見てください」

武内P「……?」


かな子「biscuit美味しーい」


ちひろ「なんと、サービスで食べ方も綺麗なんですよ!」

武内P「Dで」



695: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:12:36.60 ID:RpGx4DLXo

ちひろ「そして、残るかな子ちゃんは――」

武内P「Dで」


かな子C「皆に、ケーキ作ってきたんですー」


ちひろ「普通で、心が綺麗です」

武内P「……!」

ちひろ「さあ、貴方が池に突き落としたかな子ちゃんは、どの子ですか?」

武内P「待ってください! そんな流れだったのですか!?」


かな子CDE「……!」ジッ


武内P「ものすごく恨みがましい目で見てるじゃないですか!」

武内P「私が、そんな事をするなど有り得ません!」



696: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:16:14.70 ID:RpGx4DLXo

武内P「……――待ってください!」

ガバッ!

武内P「はぁ……! はぁ……!」

武内P「……」

武内P「全く……時間が進んでいない……」

武内P「……」

武内P「もう一度……寝直そう」



697: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:22:24.65 ID:RpGx4DLXo

楓「はーい、貴方が落としたのはどのかな子ちゃんですか?」

武内P「Cです」

楓「まだ話してる途中ですよ。Cだけに、シーッ、です」

武内P「……」

楓「このかな子ちゃん?」


かな子F「夢のティアラ♪ みつけるから♪」


武内P「歌声が、ほんの少し綺麗ですね」

楓「綺麗だなんて、そんな」

武内P「貴女の話はしていません」



698: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:26:05.19 ID:RpGx4DLXo

楓「それとも、このかな子ちゃん?」


かな子G「チョコレート食べたーい」キラリン


武内P「目が、ほんの少し綺麗ですね」

楓「私、左右で目の色が違うんですよ」

武内P「貴女の話はしていません」


かな子G「チョコレート美味しいー」キラリン


武内P「Gだけに、ジーッと見つめてきますね」

楓「!?」



700: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:33:00.51 ID:RpGx4DLXo

楓「Cが普通のかな子ちゃんです。それで、どの子です?」

武内P「あの、何か……怒っていますか?」

楓「いいえ、別に。それで、どの子です?」

武内P「では……Cで」

楓「はぁ、そうですか」

武内P「……今度、飲みに付き合いますから」

楓「は~い♪ それじゃあ、正直者には、全部のかな子ちゃんを差し上げま~す♪」

武内P「!?」



701: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:36:43.64 ID:RpGx4DLXo

  ・  ・  ・

武内P「……とても、恐ろしい夢を見た気がします」

ガチャッ!


ちひろ「ぷっ、プロデューサーさん、来てください!」


武内P「? 千川さん、そんなに焦って……どうかされましたか?」


ちひろ「かな子ちゃんが、沢山!」


武内P「!?」

武内P「何が綺麗な三村さんですか!?」


ちひろ「……はい?」



702: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 21:42:22.27 ID:RpGx4DLXo

  ・  ・  ・

かな子「す、すみません……ちょっと、ケーキを作りすぎちゃって~」

武内P「いえ、運ぶのを手伝う程度……何ともありませんから」

かな子「皆、喜んでくれるかな~」ニコニコ

武内P「……良い、笑顔です」

かな子「えっ? 私、笑ってました?」

武内P「やはり、三村さんは、いつもの三村さんが一番ですね」

かな子「えへへ、プロデューサーさんは、Cの私を選んでくれるんですね♪」

武内P「はい。Cの三村さんを……」

武内P「……」


武内P「えっ?」



おわり



704: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 22:29:05.29 ID:RpGx4DLXo


「……すぅ……すぅ」


 プロジェクトルームに行くと、プロデューサーが居眠りをしていた。
 いつもの無表情はなりを潜め、安らかな寝顔を見せている。
 最近は、仕事大変そうですもんね。
 だから、仕事中に居眠りするのも仕方ないのかも。


「……すぅ……すぅ」


 私だって、授業中とかウトウトしちゃう事あるし。
 やっぱり、夜遅くまでギターの練習をしてるのがいけないのかも。
 でもねプロデューサー、それでも私は寝てないですよ?
 だって、自分が好きなことをして眠いのに、やるべき事に手を抜くのは格好悪いですから。


 なんて、ちょっとした現実逃避をしてみても、目の前の状況に変わりはない。
 今、この場に居るのは私と、プロデューサーだけ。
 だから、この状況を何とか出来るのは、起きている私だけ。


「……すぅ……すぅ」


 プロデューサー、私にこんな姿を見られたと知ったらどんな顔するかな。
 ……駄目、絶対に、気付かれずに何とかしなくちゃ。


「……すぅ……すぅ」


 プロデューサー。


 全裸で居眠りは、ロックすぎますよ。



705: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 22:37:36.31 ID:RpGx4DLXo


「……すぅ……すぅ」


 こんな時、他の皆だったらどうするのかな。
 やっぱり、声を上げて逃げちゃう、よね、絶対。
 だけど、ここで逃げ出すのは――ロックじゃない。


「……ん、んん」


 プロデューサー、目を覚ましたんですか?
 だったら、私にこんな姿を見られたと気付かないよう、すぐに逃げないと!


 そう、思ったけれど、違った。
 プロデューサーは、横向きだった態勢では寝苦しかったのか、
ゴロリと体を転がし、仰向けに、大の字の態勢に移行した。


「……っ!?」
「……すぅ……すぅ」


 思わず上げそうになった悲鳴を手で抑える。
 そりゃそうだよね、全裸だもん。
 全裸で仰向けに寝たら、そりゃあ見えるよね。


「……すぅ……すぅ」


 寝息を立てているプロデューサーに腹が立つ。
 愚息を勃てているプロデューサーに腹が立つ。


 あっ、今のロックっぽくない?



706: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 22:47:40.85 ID:RpGx4DLXo


「……すぅ……すぅ」


 ロックのLIVEでは、テンションが上がって全裸になる人も居るそうだ。
 プロデューサーがもしそうだとしたら……ギターをアレで支えれば楽そう。


 私は、驚くほど冷静だった。
 プロデューサーが眠っているからか、事態の異常性が私の感覚を麻痺させているのか……。
 きっと、みくちゃんだったら大騒ぎして大変な事になってたよね。
 やっぱり、私はクールでロックなアイドルだ。


「……すぅ……すぅ」


 それにしても、本当にスヤスヤ寝てるなぁ。
 寝てる状態でも、あんなに元気になるものなの?
 わっかんないなぁ……そうだ! なつきちなら、知ってるかも!


 ――パシャリ!


「……ん……んん」
「……」


 セーフ!
 シャッター音で起きたらどうしようかと思ったけど、大丈夫だった!
 この写真をなつきちに送って、と。


『寝てるのに、こんなに元気になるの?』


 ……っと。



707: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 22:55:56.14 ID:RpGx4DLXo


Hey Boys! Rockin’ Emotion♪


「!?」
「……すぅ……すぅ」


 電話!?
 ちょっ、ちょっと待ってなつきち!
 電話なんかしたら、プロデューサーが起きちゃうじゃんか!?


Hey Yeah! ついてきなよ♪


「っ……!」
「……ん……んんん」


 はやく! はやく切らないと、プロデューサーが起きちゃう!
 急げ急げ急げ急げ!
 ……よし! 切った!


「……ん……んん」
「……!」


 ドクリドクリと、心臓の音が聞こえる。
 ゴクリとツバを飲む音すら、鮮明に聞こえる。


「……すぅ……すぅ」


 プロデューサーは、起きなかった。
 私は、ロックの神に感謝した。



708: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 23:12:09.33 ID:RpGx4DLXo


「……すぅ……すぅ」


 安らかな寝息を立て、勃てているプロデューサーの姿を確認する。
 どうやら、起きる心配はなさそうだ。


 でも、また電話がかかってきたら今度は起きちゃうかも。
 そうなる前に、携帯をマナーモードにして、と……よし、オッケー。
 うわわ! またなつきちから着信がきてる!
 ゴメンなつきち! 今は、電話に出られないんだよー!


「……すぅ……すぅ」


 プロデューサーの寝息をBGMに、私はまた、着信を切った。
 すると今度は、


『すぐプロジェクトルームに向かうから』


 と、なつきちからLINEが入った。
 まずい! このままじゃ、絶対にまずいって!
 あああ、さっき撮った写真の背景で、プロジェクトルームに居るってバレたんだ!
 やっぱりなつきちは凄い……って、言ってる場合じゃないってば!


「プロデューサー! 起きてください!」
「……すぅ……すぅ」
「なつきちが来ちゃいますから! はやく!」


 全裸でプロジェクトルームで居眠りしてる姿なんて、他の皆にバレたら大変ですよ!
 はやく起きてください、プロデューサー!



709: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 23:23:36.13 ID:RpGx4DLXo


「プロデューサー、起きて!」
「……ん、んん」


 プロデューサーの肩を掴んでゆさゆさと揺すって、大声で声をかける。
 よっぽど疲れてたんだろうなぁ、全然起きないんだよ。
 私だったら、こんな大声で話しかけられたら耳がキーンってなっちゃう。


「プロデューサー!」
「……んん」


 肩を揺する度に、下半身の方もブルンブルンと揺れているが、気にしていられない。
 私は、この人のおかげでアイドルとしてここまでやってこられたのだ。
 自分には無い可能性を示され、また、曖昧だったロックの在り方を気付かせてくれた。
 そんなプロデューサーが、全裸で居眠りしてたとバレたら……?


「プロデューサー!」


 最悪の場合も、あり得る。
 そんなの……そんなの絶対に嫌だ!
 お願いします、目を開けてください、プロデューサー!


「……多田さん?」


 必死の声が届いたのか、プロデューサーはゆっくりと目を開けた。
 その頬に、ポタリ、ポタリと雫の跡がついていく。
 私は、自分でも知らぬ間に、


「何故……泣いて、いるのですか?」


 涙を流していた。



710: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/25(月) 23:41:20.23 ID:RpGx4DLXo


「だって……プロデューサーが、うっく、目を覚まさな……ひっく!」


 あぁ、泣くつもりなんて無かったのに、かっこ悪いなぁ。
 これじゃあ、クールさの欠片も無いよ。


「すみません……少し、居眠りをしてしまいました」


 知ってますよ、そんなの!


「ですが……多田さんの声が聞こえ、目が、覚めました」
「ひっく……ぐすっ!」
「なのでどうか……泣かないでください」


 プロデューサーの声がとても困っている。
 その調子が、あまりにもいつも通りで、笑いが込み上げてきた。
 泣きながらクスクスと笑う私を見て、プロデューサーは右手を首筋に。


「……はいっ!」


 これなら心配ない、大丈夫だ。
 私がロックと信じるものが、ロックなように――


「私がプロデューサーと信じるものが、プロデューサーですから!」


「……良い、笑顔です」


 全裸でも、居眠りしても、この人は私のプロデューサーなのだ!
 最高にロックで、最高なプロデューサーだ!


 ガチャリと、大きな音を立てて扉が開いた。
 そうだ、なつきちに自慢しよう!
 この人が、私のプロデューサーだ! って!


「見て、なつきち!」


 凄いんだよ、私のプロデューサーは!



おわり



711: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:04:46.24 ID:8EuqIeCio

>.>>639書きます


武内P「それでは、私は着替えてきます」



712: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:08:09.61 ID:8EuqIeCio

未央「さて、このドアの向こうではプロデューサーが着替えています」

凛「それじゃあ、ドアを開けようか」

卯月「凛ちゃん、飛ばしますね」


美波「駄目よ! そんな事しちゃ!」


アーニャ「美波? 熱でも、あるんですか?」


美波「もうちょっと待たないと、まだ脱いでないわ!」


アーニャ「ハラショー、さすがですね、美波」



713: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:12:40.33 ID:8EuqIeCio

蘭子「一糸纏わぬ姿の我が友……ふふふ、心躍るわ!」

智絵里「あの……パンツは履いてると思う、よ?」

杏「わかってないなぁ、パンツを履いてるから良いんだよ~」


きらり「杏ちゃん! そんな事言っちゃ、メッ、だゆ!」


杏「きらり?」


きらり「アイドルなんだから、きゃわゆくおパンツって言わないと!」


杏「えー、どっちでも良いじゃん」



714: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:14:53.84 ID:8EuqIeCio

莉嘉「お姉ちゃんも呼んで良い?☆」

みりあ「美嘉ちゃん、すっごく喜ぶと思うなー!」

かな子「ふ、二人共、やめておきなよ~!」


莉嘉・みりあ「えっ!?」


かな子「人が増えたら、取り分が減っちゃう~!」


莉嘉・みりあ「そっか!」



715: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:18:04.52 ID:8EuqIeCio

みく「そろそろ突入にゃ!」

李衣菜「オッケー! せーので、突入しよう!」


CPアイドル達「せーの!」


ガチャッ


武内P「……」

CPアイドル達「……」

武内P「……」

CPアイドル達「……」



716: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:21:01.65 ID:8EuqIeCio

武内P「皆さんに、ご質問があります」

CPアイドル達「……」

武内P「何故、私が着替えている所に突入しようと?」

卯月「一人で着替えるのは、寂しいかなと思って」

武内P「そんな事はありません」

凛「そんな言い方ってない! 私達の気持ちも考えてよ!」

武内P「考えたくありません」



717: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:24:43.76 ID:8EuqIeCio

武内P「相手が男性とは言え、着替えを覗くのは犯罪です」

未央「確かに、私達は罪作りな女達! 嗚呼、なんて事なのかしら!」

武内P「演技風では誤魔化されませんよ」

蘭子「……我が友の着替え、見たかった」ムスッ

武内P「可愛らしく言わないでください」

杏「面倒だから、もうここで着替えてよ」

武内P「明らかにおかしい選択肢ですね」



718: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:27:24.12 ID:8EuqIeCio

武内P「今後、こういった事はやめてください」

智絵里「見捨てないで……くださいね」

武内P「同情を引きつつ服を脱がそうとしないでください」

かな子「美味しいから大丈夫ですよ~」

武内P「やめてください。手を離してください」

きらり「ハピハピするにぃ☆」

武内P「私はしませんから」



719: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:29:52.17 ID:8EuqIeCio

莉嘉・みりあ「よいではないか! よいではないか!」

武内P「よくありません! よくありません!」

美波「だったら、どうすれば良いんですか?」

武内P「何が、でしょうか」

CPアイドル達「プロデューサーの着替えを見る方法」

武内P「……はい?」

CPアイドル達「プロデューサーの着替えを見る方法」

武内P「あの、聞こえなかった訳ではありませんから」



720: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:33:17.08 ID:8EuqIeCio

武内P「あの……何故、皆さんは私の着替えが見たいのですか?」

CPアイドル達「なんとなく」

武内P「最悪です。特に理由なく見たいという事ですね」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「良い、笑顔です」

CPアイドル達「……」ジッ

武内P「見られても、着替えませんよ」

CPアイドル達「!?」

武内P「ショックを受けられても困ります」



721: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:37:37.69 ID:8EuqIeCio

武内P「千川さん」

ちひろ「はい?」

武内P「助けてください」

ちひろ「皆、プロデューサーさんの着替えを覗いちゃ駄目ですよー」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「!? 素直……!?」

CPアイドル達「……」

武内P「……!?」



722: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:40:53.64 ID:8EuqIeCio

ちひろ「皆、なんとなくプロデューサーさんの着替えが見たかったんです」

武内P「……はぁ」

ちひろ「とてもまっすぐ、純粋な気持ちで」

武内P「それは、とても困りますね」

ちひろ「だから、天使みたいに大胆になっちゃっただけなんです」

武内P「私には悪魔に思えましたが」


未央「見て、めっちゃよく撮れてる」


武内P「!?」



723: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:43:47.56 ID:8EuqIeCio

武内P「あの、撮れてる、と聞こえたのですが」

CPアイドル達「……」

武内P「まさかとは思いますが……」

CPアイドル達「……」

武内P「盗撮、ですか?」

CPアイドル達「……」フルフルフルフル!

武内P「あの、首を振る勢いが強くて頬がえらい事になっています」



724: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:47:40.73 ID:8EuqIeCio

武内P「本田さん」

未央「……」

武内P「後ろに隠しているものをこちらへ」

未央「……」モゾモゾ

凛「……」モゾモゾ

卯月「……」モゾモゾ

武内P「他の人に後ろ手で移動させないでください」



725: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:51:51.61 ID:8EuqIeCio

美波「シンデレラプロジェクト!」

武内P「!?」


美波「ファイトぉ……!」

CPアイドル達「……!」

ワチャワチャ


武内P「これでは……誰が持っているかわからない……!?」


CPアイドル達「おーっ!」

武内P「……はい、前川さん。後ろのものをこちらへ」

CPアイドル達「……!?」

武内P「いや、一人だけ手を後ろにしていたらわかりますよ」



726: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:53:50.23 ID:8EuqIeCio

武内P「千川さん」

ちひろ「はい?」

武内P「助けてください」

ちひろ「はい、カメラを渡してあげましょうねー」

みく「はい」

武内P「!? 素直……!?」

CPアイドル達「……」

武内P「……!?」



727: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 00:57:59.09 ID:8EuqIeCio

ちひろ「皆、本当になんとなくプロデューサーさんの着替えが見たかったんです」

武内P「……はぁ」

ちひろ「隙を生じぬ二段構えだったんです」

武内P「……」

ちひろ「だから、悪魔のように細心になっちゃっただけなんです」

武内P「……」


卯月「見てください! データ転送、うまくいってます!」


武内P「……」



728: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 01:04:52.54 ID:8EuqIeCio

武内P「皆さんが、私の着替えをなんとなく見たいというのは理解しました」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「そのために、天使にも悪魔にもなる、と」

CPアイドル達「はいっ!」

武内P「良い、笑顔です」

CPアイドル達「ありがとうございました!」

武内P「皆さんは、私が何をしても許す仏だと思っているようですね」

CPアイドル達「……?」


武内P「私は今から鬼になります」


おわり



735: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 22:47:33.88 ID:8EuqIeCio

ちょっと短いクロス書きます


美神「横島クン、346プロからの依頼よ」



736: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 22:51:32.70 ID:8EuqIeCio

横島「346プロってあの……アイドル事務所の!?」

美神「ええ。そこの女子寮に悪霊が出たみたいなの」

横島「!? 女子寮に……悪霊が……!?」

美神「それも、相当厄介な奴らしいわ」

横島「大変じゃないですか!? さあ、今すぐ行きましょう!」


美神「だから、今回アンタは留守番よ」


横島「!? なんでですか!?」

美神「アンタ、絶対問題起こすもの」

横島「何を言うんですか! この目を見てくださいよ!」ドヨーン

美神「……ものの見事に濁ってるわね」


https://www.youtube.com/watch?v=avngzfSBvZc





737: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 22:56:04.21 ID:8EuqIeCio

  ・  ・  ・

横島「生まれる前から愛してました――ッ!」

ちひろ「キャ――ッ!?」


横島「ボカァもう、ボカァ――ッ!」

ちひろ「イヤ――ッ!?」


美神・早苗「何をしとるかアンタはああっ!」

ギリギリッ!

横島「ああっ!? 二人のボディコン美女にだなんて……ああっ……!」ビクンビクンッ


ちひろ「はぁ……はぁ……!」

おキヌ「あの、大丈夫ですか?」

ちひろ「はい、何とか……って、浮いてる……!?」

おキヌ「はい! 私、幽霊ですから!」

ちひろ「……本当に大丈夫なのかしら……!?」


横島「あ――ッ!? そ、そこは……だ、ダメ――ッ!」ビクンビクンッ



739: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:02:37.08 ID:8EuqIeCio

  ・  ・  ・

横島「しっかし、本当に悪霊なんて出るんスか~?」

ズリズリ

ちひろ「スマキのまま這って移動してる……!?」

美神「気にしないで。いつもの事だから」

おキヌ「横島サーン、頑張ってくださーい」

ちひろ「は……はぁ」


美神「それで? 悪霊って言ったのは……」

小梅「私、だよ……正確には……この子……」

ちひろ「……だ、そうなんです」

美神「ふーん? 続けて」

ちひろ「最近、女子寮でその……下着がなくなったり……」


横島「! 俺にはわかる! この先に悪霊が! しかも大量に!」


小梅「そ、その先は……ランドリー……だよ……」

ちひろ「……!」ヒクヒク



740: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:07:29.08 ID:8EuqIeCio

ちひろ「写真を撮られている気がするって子も居て……」


横島「女子寮の写真……これは資料! そう、資料なんだ――ッ!」

パシャパシャ!


ちひろ「あの……」

美神・おキヌ「?」

ちひろ「あの人が……犯人では……!?」


横島「アイドル達が吸っている空気……! 染み渡る……染み渡るぞオオ――ッ!」


美神「アンタはちょっと静かにせんか――ッ!」

ゲシゲシッ!

横島「ああっ!? ひどいっ……!?」



741: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:13:21.85 ID:8EuqIeCio

横島「なっ、何も殴るこたぁ無いじゃないですか……!?」

美神「殴ってないわよ、イヤね横島クン」

おヌキ「はーい! 踏んだんですよね、美神さん!」

美神「正解!」


ちひろ「あの……!? こっちは真面目に話してるんですけど……!?」ヒクヒク


美神「お……おほほほほ! これも、リラックスするためなのよ!」

横島「嫌だなぁ、美神さんが緊張なんてするわけ――」

ゲシッ!

横島「ぶっ!?」

美神「良いから話を合わせなさい! この依頼、報酬がすっごく良いんだから!」ボソボソ

横島「そ……そんなにスか……?」ボソボソ

美神「失敗したら……そうね……アンタを東京湾に沈めるだけじゃ足りないわ」ボソボソ


横島「安心してくださいッ! この、ゴーストスイーパー横島が解決してみせますよ!」キリッ!


ちひろ「だ……大丈夫なのかしら……!?」



743: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:19:03.96 ID:8EuqIeCio

小梅「お願い……悪霊、何とかして……」

横島「任せとけって。こっちもプロだから、ちゃんとやるさ」

小梅「この子も……すっごく、怖がってるの……」

横島「そうなのか?」


横島「安心しな! 絶対、何とかするさ!」

グッ!


小梅「! この子が……見えるの……?」

横島「見えるケド……それが……?」

小梅「……!」パアアッ


ちひろ「なッ……何も無い所に向かってサムズアップ……!?」


美神「あー……こういうリアクション新鮮ねー」

おキヌ「あのー、私が見えるのは?」

美神「大人の事情よ」



744: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:25:51.41 ID:8EuqIeCio

小梅「女子寮を……お願いします……!」

横島「おう! 悪霊なんか、極楽にいかせてやるぜ!」


横島「――美神さんがッ!」

グッ!


小梅・ちひろ「……!」だああーっ!

美神「横島クン……アンタ、恥ずかしくないの……!?」

おキヌ「今のはかっこ悪いですよ、横島サン……!?」

横島「だってしょうがないでしょう……!? 俺はまだ見習いですよ……!?」

小梅・ちひろ・美神・おキヌ「……」


横島「お……俺だって……! もっと後の設定なら活躍出来るんや……!」

横島「でも……この時の設定じゃないとダメなんや……!」


ちひろ「あの……メタ発言が多すぎません……!?」

美神「こんなもんだったわよ」



745: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:32:17.50 ID:8EuqIeCio

横島「チクショオオ――ッ!」


『男……女子寮に男が居る……!』


見鬼くん「あっち! あっち!」

おキヌ「! 美神さん! 見鬼くんに反応が!」

美神「うっわ! 懐かしい!」

おキヌ「美神さん!? 戻ってきてください!」

美神「あったあった! テレビと漫画で扱いに差があるのよね!」

おキヌ「へ――ん!? 美神さは――ん!?」ビー!


小梅「この声……!」ビクビク

横島「今の声が悪霊……!? って、何で男に怒ってるんだ……!?」


悪霊『アイドルも、この女子寮も全部俺のもんだ――ッ!』


美神・横島・おキヌ「……」



746: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:37:24.92 ID:8EuqIeCio

美神「ねえ……あれが悪霊……?」


悪霊『誰にも渡さへん! 渡さへんぞオオ――ッ!』


横島「被ってるのはパンツ……!? 変態じゃないか……!?」

おキヌ「あの……横島サン、ポケットから何か……」

横島「ああっ!? いや、これは……!?」

美神「……」

スルッ

美神・おキヌ・小梅「……」


横島「――パンツが、俺のポケットに入りたいって言ったんですよ」ファサッ


美神「ドサクサに紛れて何やっとるか――ッ!?」

ゲシゲシッ!

横島「あ――ッ!?」


悪霊『あのー……無視しないでもらえます……?』


おキヌ「すっ、すみません! すぐすみますから!」ペコペコ



747: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:44:17.08 ID:8EuqIeCio

悪霊『……ゴホン!』


美神「待ってるなんて、案外律儀な奴ね」ボソボソ

横島「いやでも、完全に変態ですよ」ボソボソ


悪霊『……ゴホンゴホン!』


おキヌ「あれが……言ってた悪霊ですか?」ボソボソ

小梅「うん……皆、凄く困ってるの……」ボソボソ


悪霊『あーもう! 感じ悪いなお前ら!?』


美神「スキありッ!」

ヒュッ!


悪霊『危なああいッ!?』


美神「チッ! 外したか!」

横島「でも、この手でサクッといけそうですね!」ボソボソ

おキヌ「でも……ちょっと可哀想じゃないですか?」ボソボソ

小梅「いっぱい悪さしたから……こらしめないと……」ボソボソ


悪霊『聞こえてるからな……!? 全部聞こえてるからなお前ら……!?』



749: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:49:13.81 ID:8EuqIeCio

悪霊『全く! これだから普通の女は!』

パシャパシャ!


横島「!? 写真を撮り出した……!?」

美神「何かの攻撃!? まずい、油断した――!?」


悪霊『あ――ッ! イイよ、小梅タン! 凄くイイ――ッ!』

パシャパシャ!


小梅「お、オフだから……撮らないで……!」


悪霊『この写真……これは資料! そう、資料なんだ――ッ!』

パシャパシャ!


横島「アイツ! 無理矢理写真を撮るなんて、なんて奴だッ!?」

おキヌ「どこかで聞いたセリフなんですけど……!?」



750: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/26(火) 23:55:21.16 ID:8EuqIeCio

悪霊『アイドル達が吸っている空気……! 染み渡る……染み渡るぞオオ――ッ!』


横島「美神サン! とっとと除霊しちゃってください!」

美神「そうしたいのは山々なんだけど……!」

おキヌ「!? まさか、そんなに強い悪霊なんですか!?」


美神「あんなのに触りたくないのよ!」ドーン


横島・おキヌ「……!」だああーっ!

美神「横島クン、アンタがなんとかしなさい」

横島「お……俺がですか……!?」

美神「アレ、アンタの仲間でしょ?」

横島「違ーわい! なんで悪霊の仲間扱いなんですか!?」


悪霊『ボカァもう、ボカァ――ッ!』


横島「お前も紛らわしい事言うなコラ――ッ!?」



751: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 00:00:23.36 ID:dzcU8BSRo

悪霊『小梅タン……! ハァハァ……! 小梅タン……!』

ズアァァァ!


小梅「ひっ……!?」


美神「! アイツ……横島クンと同じ、煩悩を力にする奴みたい……!」

おキヌ「それじゃあ、すぐにでもやっつけないと!?」

横島「おキヌちゃん……キミだけは信じてたのに……」ツーッ

おキヌ「ああっ!? そういう意味じゃなくて……!?」


悪霊『小梅タアアア――ンッ!』

グワッ!


小梅「……!?」


美神「まずいッ! 横島クン、これを使いなさい!」

横島「! これは――ッ!?」



752: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 00:04:46.88 ID:dzcU8BSRo

悪霊『可愛いよオオオ――ッ!』

グワッ!

横島「だりゃあああ――ッ!」

ガキィン!

悪霊『何ッ!? 受け止めた……!?』

横島「ヘッ、どうやら俺とお前の力は互角のよーだなッ!」

悪霊『お前……顔にパンツを……!? やだ、変態!?』

横島「お前に言われとーないわい!」


おキヌ「大丈夫ですか!?」

小梅「う、うん……」

美神「どうやら、うまくいったみたいね!」

小梅「そういえば……ちひろさん、は……?」

美神「アイツが出た時点ですぐ気絶してたわよ?」


ちひろ「」チーン



753: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 00:11:13.06 ID:dzcU8BSRo

横島「さあッ! 諦めて、極楽に行きやがれ!」

悪霊『グウウッ!? 何故、お前の方が力が強い……!?』

横島「ハーッハッハッハ! コイツを見ろ!」

悪霊『パンツに……染みが……!?』

横島「どこの誰のかは知らんが、これを被った俺は無敵じゃ――ッ!」

悪霊『ぐううっ……!? そんな……俺は消えるのか……!?』

横島「さあ! 極楽に――」


悪霊『もう……女子浴場を覗けないなんて……!』


横島「何ッ……!?」

悪霊『ああ……さらば、乳、尻、ふともも……!』

横島「待てッ! 諦めるなッ!」

悪霊『お前……何を……!?』

横島「写真! 写真とかは残ってないのかッ!?」

悪霊『お前……』

横島「悪霊……」

ガシッ!


美神「スキあり」

スバーッ!


横島・悪霊「『あああ――――ッ!?」』



754: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 00:16:57.26 ID:dzcU8BSRo

  ・  ・  ・

美神「ちゅうちゅうたこかいな……っと!」

おキヌ「うわー! 凄い量のお金ですね!」

美神「大手事務所だからねー、この不景気に凄いわよ」

おキヌ「それで……あのー……」


横島「やっぱり普通の女はダメだよな!」

悪霊『お前もわかるか、アイドルの良さが!』

横島「おお! 見ろ、小梅ちゃんが写真送ってくれたぞ!」

悪霊『ええ子や……! ホンマええ子や……!』

横島「ああっ! 俺たちで、この笑顔を守っていこうぜッ!」

悪霊『もちろんだぜ!』

ガシッ!


おキヌ「なんか……ついてきちゃったんですけど……!?」

美神「ほっときゃその内飽きるでしょ」


横島・悪霊「『ハーッハッハッハ! ハーッハッハッハ!」』



おわり



759: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 01:00:12.05 ID:dzcU8BSRo


「……ふぅ」


 突然の、雨。
 午前中は降らない予報だったのに、なんて気まぐれな雨なのかしら。
 事務所まではもう少しの距離だけど、カフェの軒先で雨宿り。


「ホットコーヒーで、ホッと一息……」


 ついてるだけの時間は……ないわよね。
 あぁ、それにしてもついてないわ。
 どうして、よりによって折り畳み傘を持っていない時に、こんな――


「……高垣さん?」


 ――なんて、思っていたら、よく見知った顔がこちらを見ていた。
 いつもの無表情の彼だけど、驚いているのがわかる。
 ……と言うか、そんなにキョトンとする必要は無いと思いません?
 私だって、こういう時もあります。


「――おはようございます」


 だから、あえていつも通りの朝の挨拶をする。
 こんなの、なんて事ないですよ、という強がりも込めて。


「おはよう、ございます」


 そんな強がりを意に介さず、彼もまた、いつも通りに挨拶してきた。
 左手にカバン、右手に傘を持っているのに、その姿勢はとても綺麗。



760: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 01:13:28.35 ID:dzcU8BSRo


「あの……よろしければ、これを」


 この人はとても不器用だけど、手先まで不器用な訳ではない。
 器用に、左手に持っていたカバンを右手の指で持つと、
ポケットから青いハンカチを取り出してこちらに差し出してきた。


「すみません、お借りします」


 それには何の意味も込められていないのだろうけど、
きちんと傘くらいは持って出てください、と言われているような気がした。
 ……たまたまなんです! いつもは、持ってますからね!
 なんて、私の考え過ぎよね。


「……」
「……」


 パタパタと、せめて上品にハンカチを使おうと心がける。
 そんな私の姿を彼は無言で見つめている。


「……」


 彼は、いつの間にか右手の指にかけていたカバンを左手に持ち直していた。
 それには意味が込められているのが、わかる。
 私がハンカチを返そうとしたら、きっと、こう言うのだ。
 手が塞がっているので、ハンカチはそのまま使ってくださって結構です、と。


「……」


 私は、無言で左手を動かし、水滴をハンカチに染み込ませていく。
 手持ち無沙汰な右手は、一体どうしていようかしらと考えながら。



761: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 01:27:10.68 ID:dzcU8BSRo


「ありがとうございました。お陰様で、助かりました」
「いえ。偶然ですが、通りがかって良かったです」


 そう言うと、彼は右手を差し出して来た。
 あら? 私が思っていたのとは、違ってたみたい。
 あっ、そうよね、小指でカバンを持てるんだもの、
ハンカチを受け取るくらい、訳ないわよね。


「はい、お返しします」


 洗って返した方が良いわよね、なんて考えてたのが無駄になっちゃった。
 柔軟剤を使うと吸水性が下がるけど、この人はどっち派? なんて。


「では、これを」


 そんな事を考えながら彼の指にハンカチを引っ掛けると、
彼の右手が私の左手を優しく包み込んだ。
 何故、そんな事をするのかと思った次の瞬間には、彼の手は離れていた。
 そして、私の手には――


「……――傘?」


 が、握らされていた。
 あの、私に傘を渡してしまったら、貴方が濡れてしまうんじゃ――


「それでは、失礼します」
「……ちょっ、ちょっと!?」


 彼は、可愛らしくペコリと頭を下げると私の言葉を聞かずに走り出した。


「待ってください!」


 そんな彼を追って、私も走り出した。
 だって、私に傘を渡しちゃったら、貴方が濡れちゃうじゃないですか!



762: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 01:40:09.64 ID:dzcU8BSRo


「!? 高垣さん!?」
「待ってくださいって言ってるでしょ!?」


 私はバッグを肩にかけ、右手に傘。
 対する彼は、左手にカバンを持っているだけ。
 距離は、どんどん離れていく。


「っ……!」


 元々、走るのは得意じゃないのよ!
 それなのに、私だけ傘を持って走ってたら、追いつけるわけないじゃない!
 バッグも揺れてとっても気になるし……!


「ああっ、もう!」


 さしていた傘を閉じて右手に持ち、バッグを左手にしっかり持つ。
 これで、とっても走りやすくなったわ!
 なのに、彼ったら、


「か、傘をさしてください!」


 なんて、戻ってきちゃうのよ?
 これから、レッスンで鍛えた私の走りを見せようと思ったのに……得意じゃないけど。


「これは、お返しします!」


 焦ってるみたいだけど、焦ったのはこっちです!
 貴方が使うはずの傘を私に渡しちゃったら、


「「濡れますから!」」


 言葉は、同じ。


 考えている事も、同じ。



763: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 01:52:34.48 ID:dzcU8BSRo


「……」
「……」


 とっても似ているのに、私達の考えは交わらない平行線。
 傘を差し出す私に、受け取らない彼。
 雨は、しとしとと降り続いている。


「……」
「……」


 観念したのか、彼は私の差し出す傘を受け取った。
 そして、すぐさま傘を開く。
 もう、受け取るなら受け取るで、最初から素直に受け取ってください。
 おかげで、濡れちゃったじゃないですか。


「……」
「……」


 ……もう! なんで、開いた傘を私に差し出すんですか!?
 ああ、どんどん雨に濡れて……!


「……!」
「あ、あの、高垣さん!?」


 ふふっ、これなら貴方も傘に入らざるを得ませんよね?
 私は、差し出された彼の右腕をパタンと両手で折りたたみ、
空に向かって真っすぐ差されている傘の下に入り込んだ。



764: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 02:11:03.47 ID:dzcU8BSRo


「しかし、これは……!」


 事務所までもうすぐなんですから、ワガママ言わないでください。
 走ったお陰で、本当にもうちょっとなんですから。
 ちょっとだけ、ほんの、少しだけです。


「はい、しゅっぱ~つ!」
「……!」


 私は、バッグを肩にかけ、とっても大きな折りたたみ傘を差しながら歩き出した。
 けれど、この折りたたみ傘はとっても頑固で、
いくら私が傾けようとしても、器用に手首を使って反対に傾けてくる。
 こんなに使いにくい傘は、生まれて初めてだわ!


「あの……手を……!」
「離したら、傘はどっちに傾くと思います?」


 貴方の考えている事なんて、お見通しです。
 私は、伊達にアイドルじゃないんですよ。
 プロデューサーの人の考える事なんて、わかっちゃうんですから。


「そうではなく、ですね……」


 口ごもる彼の言葉を聞いて、考えている事がわかった。
 私は慌てて、彼から手を離した。
 傾きそうになった傘は、彼のいつもの癖と打ち消しあって、そのまま真っすぐ天に向けられていた。



765: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 02:34:54.31 ID:dzcU8BSRo


 自分の年齢を考えなさい、高垣楓。
 相合傘位で恥ずかしがる様な歳でも無いでしょうに。
 それに、スタッフさんが差してくれた傘に入るなんて、普通にある事でしょう?
 彼はプロデューサーなんだし、そう思えば良いのよ。


 ……でも、今は出勤前なのよね。


「「っ!?」」


 そう思って彼を見たら、視線がバッチリと合ってしまった。
 その気まずさを誤魔化すために、
さっき渡されたハンカチで、濡れた所をパタパタとはたく。


「あ、あの……私は、結構ですので……」
「す、すみません……」


 だって、これは元々貴方のハンカチなんだから!
 ちょっと間違えちゃうのも、仕方ないと思います!


「ですが……ありがとう、ございます」


 正しいはずなのに、間違いで。


 謝ったら、お礼を言われて。


 なんだか、とってもおかしな話よね、これって。


「……ふふっ!」
「高垣さん?」


 傘は、雨に濡れないためにあるのに。


 それを使わせるために雨に濡れるのは、おかしい話だ。


「傘は、活かさないと……いけませんね♪」



おわり



772: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:10:32.80 ID:dzcU8BSRo

書きます


武内P「来年は、戌年です」



773: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:13:09.15 ID:dzcU8BSRo

武内P「なので、お二人には干支である犬の衣装での撮影をお願いします」

アーニャ「ダー。わかりました」

凛「あのさ、どうして私達なの?」

武内P「調べた所、お二人がプロジェクト内でもそのイメージが強い、と」

凛「ふーん」

アーニャ「そうなの、ですね」



774: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:15:01.38 ID:dzcU8BSRo

武内P「アナスタシアさんが、シンデレラプロジェクトから」

アーニャ「ダー」

凛「ん?」

武内P「渋谷さんが、プロジェクトクローネから、という形になります」

凛「待って」

武内P「はい? 何か、問題でも?」

凛「どうして、私がクローネで、アーニャがCPからなの」

武内P・アーニャ「……?」



775: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:17:03.27 ID:dzcU8BSRo

武内P「それが……何か、問題でしょうか」

アーニャ「リンは、CPからが良い、ですか?」

凛「別に……そういうわけじゃないけど」

武内P「……わかりました。では、クローネからはアナスタシアさんが、という事で」

アーニャ「ダー、問題ない、です」

凛「待って」

武内P・アーニャ「……?」



776: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:19:18.13 ID:dzcU8BSRo

武内P「まだ……何か、問題でも?」

凛「プロデューサーは、アーニャの方を選んだの?」

武内P「!? いえ、そういう訳では……」

凛「だったら説明して。なんで、アーニャがCPからだったの」

アーニャ「リン、落ち着いてください」

凛「……ごめん。なんか、熱くなっちゃって」

武内P「……」



777: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:21:57.49 ID:dzcU8BSRo

武内P「わかりました。ご説明させていただきます」

凛「……納得の行く理由を聞かせて」

武内P「まず、CPでのアナスタシアさんのユニット名が」

アーニャ「ラブライカ、だからですね?」

武内P「はい。その通りです」

アーニャ「それで、アー、納得がいきました」

凛「……?」

武内P「では、次に――」

凛「ま、待って待って!」

武内P・アーニャ「……?」



778: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:25:33.52 ID:dzcU8BSRo

武内P「あの……何か、問題でも?」

凛「今のじゃわからないから!」

アーニャ「……アー、すみません。説明不足、でした」

凛「い、いや……良いよ」

武内P「ラブライカのユニット名は、お二人のイメージをそのままつけたものです」

凛「ラブ……愛はわかるけど……」

武内P「ライカは、ライカ犬から取っています」

凛「……続けて」



779: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:28:56.46 ID:dzcU8BSRo

武内P「ライカとはロシアの宇宙船――」

アーニャ「――スプートニクに乗っていた、犬の名前、です」

凛「ロシアの宇宙船に乗ってた犬の名前……」

武内P「はい」

凛「アーニャのイメージはわかった。でも、美波が愛なのは何で?」

アーニャ「美波は、可愛い。とっても愛らしい人――愛人、です!」

凛「ストップ。今のは、言っちゃダメなやつだから」

アーニャ「シトー?」

武内P「……!」ハラハラ



780: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:31:26.61 ID:dzcU8BSRo

凛「それで……次に?」

武内P「それは……その……」

凛「何」

武内P「言うことを……はい、その、ですね……」

凛「聞こえない。もっとハッキリ喋って」

アーニャ「リン、落ち着いてください」

凛「……ごめん、なんか熱くなっちゃって」

武内P「……」



781: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:34:50.04 ID:dzcU8BSRo

武内P「その……素直に、言う事を聞いてくださるので……」

アーニャ「ダー。プロデューサーの言う事は、とても、正しいです」

凛「私も、言う事聞いてるけど」

武内P「そ、そう……ですね」

凛「……」

武内P「……」

凛「……」

武内P「で、では最後に」

凛「待って」

武内P「!?」



782: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:38:01.93 ID:dzcU8BSRo

凛「今の、私が言う事を聞かないって意味?」

武内P「そ、そういう事では、決して!」

凛「そういう風にしか聞こえなかった」

武内P「……」

凛「納得の行く説明を聞かせて」

アーニャ「今のリンは、犬のおまわりさん、ですね!」

凛「ほら、アーニャも犬っぽいって言ってる!」

武内P「……困ってしまっているのは私なのですが」

凛「は?」

武内P「……何でも、ありません」



783: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:43:14.00 ID:dzcU8BSRo

凛「と言うか、アーニャのイメージは猫なんじゃないの?」

武内P「それは恐らく、前川さんの言っていたあーにゃんという呼称ですね」

アーニャ「とても、可愛い呼び方です♪」

凛「そうだよ。だから、私の方が犬のイメージが強いと思う」

武内P「……はい。ですので、渋谷さんがCPから、という形に」

アーニャ「そして、私がクローネから、ですね」

凛「待って。まだ、納得できない」

武内P「……!?」



784: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:46:45.61 ID:dzcU8BSRo

武内P「あの……まだ、何か問題でも……?」

凛「言わされてる感がすっごいする」

アーニャ「そう、ですか?」

凛「うん。プロデューサー、本当はアーニャをCPからにしたい感じがする」

アーニャ「それは……アー、嬉しいですが、困ってしまいますね?」

武内P「アナスタシアさん……」ホッコリ

凛「! やっぱり……!」

武内P「あっ、いえ……今のは……!?」



785: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:50:14.97 ID:dzcU8BSRo

凛「まだ理由が残ってるんでしょ。最後まで聞かせて」

武内P「いえ、あの……もう……」

凛「聞かなきゃ納得出来ない」

アーニャ「リン、落ち着いてください」

凛「……ごめん、なんか熱くなっちゃって」

武内P「……」



786: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 22:58:29.09 ID:dzcU8BSRo

武内P「……では、最後の理由を説明させていただきます」

凛「早く聞かせて」

武内P「その……渋谷さんは、とても厳しく……」

凛「……厳しく?」

武内P「飼い犬の躾をするイメージが、私の中にあり……」

凛「……だから?」

武内P「し、渋谷さん自身が犬という発想が私になく……」

凛「ふーん」

武内P「……!」ドキドキ

凛「まあ、悪くないかな」

武内P「……お分かりいただけたようで、幸いです」ホッ



787: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 23:03:35.00 ID:dzcU8BSRo

アーニャ「リン、アー、納得出来ましたか?」

凛「まあね。そういう事なら、って感じ」

アーニャ「ハラショー♪ ちゃんと納得して、リンは偉いです♪」

ナデナデ

凛「ちょっ、ちょっとアーニャ!?」

アーニャ「~♪」

凛「も、もう……!///」

武内P「……」



788: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 23:07:40.27 ID:dzcU8BSRo

凛「とりあえず、納得したから企画は最初のままで良い」

武内P「それで……宜しいのですか?」

凛「良いよ。それに、仕事なんだからワガママ言っても仕方ないでしょ」

アーニャ「リンは、素直な良い子ですね♪」

凛「べ、別にそういうんじゃないから」

武内P「……では、CPからはアナスタシアさん」

アーニャ「ダー」

武内P「プロジェクトクローネからは、渋谷さんが、という形でお願いします」

凛「うん、わかった」

武内P「……」



789: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 23:12:10.08 ID:dzcU8BSRo

  ・  ・  ・

武内P「ありがとうございます。おかげで、助かりました」

アーニャ「ニェート。当たり前のことをしただけ、です」

武内P「いえ、アナスタシアさんが居なければ、今頃どうなっていたか……」

アーニャ「私は、アー、良い子でしたか?」

武内P「そう、ですね。はい、とても」

アーニャ「良い子の頭は……撫でないと、いけません、ね?」

武内P「……アナスタシアさん?」

アーニャ「ガフガフ!」

武内P「……!?」



790: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 23:15:51.26 ID:dzcU8BSRo

武内P「しかし、あの……!?」

アーニャ「ガフガフ!」

武内P「いえ、アイドルの方の頭を撫でるというのは……!」

アーニャ「ガフガフ!」

武内P「その……!?」

アーニャ「ガフガフ!」

武内P「……!?」

アーニャ「ガフガフ!」

武内P「……」



791: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/27(水) 23:21:50.01 ID:dzcU8BSRo

  ・  ・  ・

ちひろ「撮影、とってもスムーズにいったみたいじゃないですか」

武内P「そう、ですね」

ちひろ「二人共、本当に阿吽の呼吸って感じだったそうですね!」

武内P「……そう、ですね」

ちひろ「プロデューサーさん?」

武内P「ああ、いえ……阿吽の呼吸と聞いて、少し」

ちひろ「阿吽の呼吸で……ああ!」

武内P「彼女達は、犬などではなく――」

ちひろ「プロデューサーさんを守る、こm」

武内P「金剛力士像に睨まれた様に、恐ろしかったな、と」

ちひろ「……」


ちひろ「はい?」



おわり



802: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 00:38:07.33 ID:NgsabcPAo


「ふっふっふ! 二人きりになるなんて、キミも油断したね~」


 狭いロープウェイの中で、志希が蠱惑的に微笑んだ。
 獲物を見る猫科のような目付きに普段のオレは怯むが、今はそれどころではない。
 山頂までおおよそ15分……耐えられるか?


「さあ、思いっきりハスハスさせて貰おうかな」


 目を細め、今にもこちらの自由を奪い己の欲望のままに行動しようとする志希。
 彼女のそんな所にはオレも困ってしまうが、それも魅力の一つ。
 無理に押さえつけようとすれば、それが失われてしまう可能性もある。
 志希には、いつも気ままで、自由で居て欲しいと思っている。


「なあ、聞いて欲しい事があるんだ」


 そんな志希に、オレは今から重大な事を告げようと思う。
 いつにない、オレの真剣な眼差しに、志希はピクリと反応した。


「んー? 何かにゃ~?」


 オレとお前は、プロデューサーとアイドルだ。
 いつもはこう言って志希を止めているのだが、今は違う。
 より一層目を細め、こちらの様子をうかがう志希に、告げた。


「めっちゃオナラしたい」


 志希の目が、大きく見開かれた。



803: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 00:50:04.87 ID:NgsabcPAo


「……そう言って、あたしを止めようとしてるんだよね?」


 志希の怪訝そうな目に対し、オレの目は真剣そのもの。
 だが、彼女はオレの言葉をそのまま受け取ろうとはしない。
 化学者特有の性なのだろうか、それとも彼女自身が信じたくないだけか。


「ううん? すっごくオナラしたいよ?」


 オレは、ペロリと舌を出し、右手でコツンと自分の頭を叩いた。
 中々にイカしたテヘペロが決まったもんだぜ、へへ。


「……我慢は?」
「出来るのと出来ないの、フィフティーフィフティーだ」


 と、言いはしたものの……実際はまあ、我慢出来ないだろうな、という感じだ。
 しかし、志希を無闇に怖がらせる訳にはいかない。
 彼女は、大切なオレの担当するアイドルなんだから――!


「……Final answer?」


 おっ、懐かしい、クイズミリオネアじゃないか。
 それにしても、さすがは海外で生活してただけあって、発音が綺麗だな。
 思わず惚れ惚れしたぞ。


「ファイナルアンサー」
「……」


 見つめ合う、オレ達。
 しかし、その視線には甘い感情など、一切込められていない。


「助けてえええええ!」


 おいおい、そこはヘルプじゃないのか。



804: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 01:01:35.91 ID:NgsabcPAo


「いやああああ!」


 こんなにも取り乱す志希を見たのは、初めてだ。
 無防備、と言っても差し支えない程、今の彼女は混乱している。
 カリカリと、外に出して欲しいとねだる猫のようにロープウェイの窓を引っ掻いている。


「まあまあ、落ち着けって」
「出してええええ!」


 何が、志希をここまで恐怖させているのだろうか。
 匂いに敏感な彼女だから、とても嫌がるとは思ったが……。


「そんなに窓をひっかいたら、綺麗な爪が傷ついちゃうぞ」
「ヘルプ! ヘールプ!」


 それだけは、なんとしても避けなければならない。
 オナラ一つでアイドルに傷をつけるなど、プロデューサー失格だ。
 それに何より、今の志希は痛々しくて見ていられない。
 しかし、彼女は窓を引っ掻くのをやめようとしない。


「おい! やめろって――」


 ……っぶなぁい!
 今、ちょこびっと大声を出した時に腹に力が入り、バフリといきそうだったぞ!


「……!?」


 言葉を中断したオレを志希は怯えた様子で見ている。
 普段は見られない彼女も、これはこれで魅力的に見えるから不思議だ。


「……セーフ」


 オレの言葉を聞いて、志希は心底安堵していた。
 それを見て、オラなんだかワクワクすっぞ!



805: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 01:13:41.76 ID:NgsabcPAo


「なあ、どうしてそんなに怯えてるんだ?」


 オレは、当然の疑問を口にした。
 オナラが出そうとは言え、今の志希の怖がり方は異常だ。
 まさか、彼女自身に何か異常が起こっていて、
オレのオナラをきっかけに更に大きな問題が起きる……!?


「……オデン、食べたでしょ」


 大正解。
 コイツ、オレの知らない間にまた匂いを嗅いでやがったのか。
 問題になるからやめなさいって、プロデューサーいつも言ってるでしょ!


「ああ。今朝と……うん、昨日の夜も」
「昨日の夜も……!?」


 さすがの志希も、昨日の晩御飯の匂いまでは判別出来ないらしい。
 オレの答えを聞いて、その顔を絶望に歪めている。
 しかし、オデンを食べたから……一体何だってんだ?


「硫化水素……!」
「あん?」


 りゅうかすいそ?
 申し訳ないが、オレはそういった知識に詳しくない。


「卵、何個食べた!?」


 志希が、それまでにない必死さでオレに問いかけてきた。
 卵を何個食べたかって、えーと、確か……。


「昨日の夜と合わせて、5個だな」


 オレの答えを聞くと、志希の目からは光が失われた。
 こいつは……生きることを諦めた目だ。



806: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 01:27:20.10 ID:NgsabcPAo


「なあ、卵をいくつ食べたかは、重要なのか?」
「……そうだね、志希ちゃんが説明してあげようー」


 生きることを諦めるという事は、死ぬ覚悟を決める事にとてもよく似ている。
 そのせいか、志希はいつもの調子を少し取り戻したようだ。
 出来の悪い生徒に教えを授ける教師のように、志希は人差し指をピンと立てた。


「オナラが臭いのは、どうしてかにゃー?」
「ウンコが臭いからだ」


 ウンコは臭い、だから、オナラも臭い。
 あまりにも完璧な回答すぎて、志希は言葉を失ったようだ。


「卵の白身には、硫化水素という物質が含まれてるんだよ」


 あれ? オレの回答が話の流れに全く関わってないぞ?


「そして、オデンの卵は白身の部分がそのまま体内に入っていく」


 やばいな、もう話についていけない。
 ちなみに、オレはオデンの卵は二口で食べる派だ。
 最初は3割程度にパクリとかぶりつき、残りの7割を辛子と一緒にいただく。


「白身に閉じ込められた硫化水素は、消化器官の中で他の有機物と化合して――」


 余談だが、アイドルはウンコなんかしない、と言う言葉がある。
 確かに、彼女達はウンコなんかしないのかも知れない。
 アイドルというのは、とても輝いていて、オレ達に夢と希望を与えてくれる。


 そんな、ウンコなんかしないはずのアイドルがウンコをしたら?
 めっちゃお得に感じるな!? な!?



807: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 01:40:21.79 ID:NgsabcPAo


「――臭いの原因、硫化物の気体になるのでーす!」


 イエーイと、両手をバンザイし笑う志希。
 しかし、その目にはいつもの快活さは微塵も無く、ただ絶望があるのみ。


「つまり……ゆで卵を食べるとオナラが臭くなる、って事か?」
「そういう事♪」


 ゆで卵はアウト……なら、移動中に食べた温泉卵はセーフだな。


「ちなみに、昨日の夜から大きい方は?」
「大きい方ってお前……女の子がそういう事を聞くなよな」
「ちっちっち! これは、とても大事な質問なのだよ!」


 口調は軽いが、何か、希望にすがっているような感じがする。
 オレは、プロデューサーだ。
 アイドルの考えている事はなんとなくだがわかるし、
志希が何か希望を見つけたというのなら、望み通りの答えを返そう。


「シタヨ。トテモ、タクサンデタ」


 完・璧。


「あたし、アイドルになって初めて後悔してる」
「そんな!? どうして!?」
「どうしてって、そんなの――」


 やばい。


「……!」


 今、大声出したから出そうになった。
 少し待てと志希に右手でハンドシグナルを送る。
 やれやれ、いつもこうやって素直に言う事を聞いてくれると助かるんだけどな。



808: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 01:54:05.64 ID:NgsabcPAo


「あっあっあっあっ!」
「あー! あー!」


 まるで音を合わせる合唱隊の様に、俺たちの声がロープウェイ内に響いた。
 流石の志希も、危険を感じ取ったのかまた取り乱している。


「あっ、ひっ、ふうぅ……!」
「出してー! ここからあたしを出してー!」


 そうだ、諦めるな!
 オレは知っているぞ!
 お前は、才能にあぐらをかいているだけの人間じゃない!
 諦めず、自分の納得いくまで足掻き続けるだけの根性もある奴だ!


「ふぅ……! ふうぅ……!」


 それに比べてオレは何だ!?
 オナラの一つも我慢出来やしない……これじゃ、コイツのプロデューサー失格だ!
 どうすれば……くそっ! 一体、どうすりゃ良いっていうんだチクショウ!


「っ!」


 スカすか!?


「……!」


 何の解決にもなってねえ!
 何か……オナラを止める何かあれば……!


「……」


 ポケットをまさぐってみる。
 そして、オレは見つけた……見つけてしまった。
 上着のポケットに入っていた、ちひろさんに渡された、スタドリを。



809: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 02:08:21.46 ID:NgsabcPAo


「……――なあ、志希。初めて会った時の事、覚えてるか?」


 あの時は、コイツがいきなり匂いを嗅いできたんだよな。
 頭の変な子だな、と初めは思ってたよ。
 だけど、お前はオレの予想を越えた、最高にイカれた……イカしたアイドルになった。


「きゅ、急に何を……!?」
「コレを使う。だからもう、怖がらなくて良いぞ」


 オレは、手に持ったスタドリを志希に見せつけた。
 その手が震えているのは、オナラを我慢しているのと……恐怖。
 そう、オレは恐怖している。


「す、スタドリの成分には、消臭効果があるものは含まれてないよ……!?」
「……」


 驚いたな。
 ギフテッドのお前でも、全然見当違いの答えを出す時があるんだな。
 こいつは一本取ってやったぜ。


「おいおい、オレは上の口からなんて言ったか?」
「えっ……?」


 お前の絶望は、オレが止める!
 さあ、答え合わせの時間だ!


「コイツを下の口――ケツにぶち込み、オナラが出ないよう栓をするのさ!」


 志希の、頼もしいものを見るような目……じゃねえな、アレ。
 何て言うか……そう、信じられないものを見る目だアレ。



810: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 02:19:32.68 ID:NgsabcPAo


「……本気?」
「うん」
「……正気?」
「うん」
「狂気!」


 それは、普段お前が言われてる事だろうに。
 まあ、お前が狂気と思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな。


「ってなわけで」
「へっ?」


 志希は、俺がスタドリを渡すとなんとも間の抜けた声を出した。
 しかし、それを指摘している時間は残されていない。
 可及的速やかに、実行せねばならないミッションがあるのだから。


「頼んだ!」


 尻をぷりんと突き出し、志希に向ける。


「はっ!?」


 スタドリは――50。


「バッチ来いやああ――ッ!」


 もってくれよ、俺のケツ!


「あたしがやるの!?」
「!? 他に誰が!?」


 この場には、オレとお前しか居ないんだぞ!?



811: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 02:39:19.23 ID:NgsabcPAo


「ズボンの上からで良い! 早く!」


 いたいけな少女に肛門を晒す事は出来ない。
 故に、オレが出したケツ論。
 それは、遠慮なく、一切の慈悲もなく、ズボンの上からスタドリをぶち込む事だ。


「で、出来ない!」
「遠慮するな! 思いっきり来い!」
「無理!」
「ははっ、お前にも……そういう優しい所があったんだな」
「優しさが理由じゃないから!」


 優しさ以外の、ケツにスタドリをぶち込めない理由?
 愛しさと、切なさと、心強さとかか? ええい、わからん!
 わからんが、オレに言えるのはこれだけだ!


「早くしろ! もう、時間がない!」
「そ、そんな事言われても……!?」
「さっきから大声を出してたから、我慢の限界が早まった!」
「なら、なんで大声だしたの!?」


 ……言われてみればそうだな。
 おとなしくしてれば、到着するまで我慢出来てたんじゃねえか、これ。


「なんか、テンション上がっちゃって」


 天才ですら辿り着けなかった答えにオレが至った。
 その事に気分を良くし、ついつい声が大きくなってしまった。
 今後は、こういう事の無いように反省しないといけないな。


「……あはは」


 志希の、乾いた笑い。
 オレは、気まずさを誤魔化すためにそれに重ねるように笑った。


「あっはっは! 悪い悪い!」


 その拍子に、ケツからバフリ。
 トワレなんて生易しいもんじゃない、毒ガス兵器と言っても過言ではない代物が。
 反省をしないといけないとは言ったが、まだしてなかったからセーフだ。
 今後は、こういう事の無いように反省しないといけないな。



おわり



812: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 02:39:45.19 ID:HcQm04PPO

武Pモノじゃないものもやるのか



813: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 02:42:30.05 ID:NgsabcPAo

アニメ未登場だったのでオレがやりました
武内Pじゃなくて申し訳ない
おやすみなさい



814: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:36:54.23 ID:NgsabcPAo

書きます


武内P「アナルブレスケアです」



815: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:38:38.85 ID:NgsabcPAo

美嘉「……は?」

武内P「アナルブレスケアです」

美嘉「いや、別に聞こえなかったワケじゃないんだケド」

武内P「……そろそろ時間ですね」

美嘉「時間って、何の?」

武内P「城ヶ崎さんの、新時代の幕開けの時間です」

美嘉「……は?」



816: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:40:55.92 ID:NgsabcPAo

武内P「……」ゴソゴソ

美嘉「え、何そのごっつい機械」

武内P「これは、ラジカセですね」

美嘉「へー! 実物、初めてみた★」

武内P「……」

ポチッ

~♪

美嘉「あっ、これアタシの『TOKIMEKIエスカレート』じゃん★」

武内P「……」



817: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:43:56.80 ID:NgsabcPAo

武内P「……」

~♪

美嘉「カリスマJKアイドルの生歌、聞いとく? なーんてね★」

~♪

美嘉「TOKIMEKIどこまでも~エスカレート~♪」

~♪

美嘉「サイダーみたいにはじける恋モ――」


ぱちゅんっ!


美嘉「ド――――ンッ!?」ケアァ!


武内P「……」



818: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:47:47.38 ID:NgsabcPAo

~♪

美嘉「はーっ!? 何!? あっ、は、あーっ!?」ケアァ!

~♪

美嘉「あっ、あっつう!? あっつい! あっつい!」ケアァ!

~♪

美嘉「何!? 何なの!? はーっ!? あーっ!?」ケアァ!

~♪

武内P「……」

ポチッ

美嘉「ヤバい! これマジでヤバいって! あーっ!」ケアァ

武内P「……」



819: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:50:12.69 ID:NgsabcPAo

  ・  ・  ・

美嘉「……ちょっと! ちゃんと説明してよ!」

武内P「このVTRを御覧ください」

美嘉「……は?」

武内P「……」

ガチャガチャ…ポチッ

美嘉「何それ?」

武内P「テレビデオです」


専務『専務の美城だ』


美嘉「え? 専務? 何で?」



820: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:53:34.64 ID:NgsabcPAo

専務『城ヶ崎美嘉くん。私は、キミには失望した』


美嘉「……開幕から、めっちゃ感じ悪いんだケド」

武内P「……」


専務『私の提示した方向性に逆らった事は許そう』

専務『確かに、当初のキミは私の意に反しながらも非常に優秀だった』


美嘉「……なんだ、褒める時は褒めるんじゃん★」

武内P「……」


専務『しかし、今のキミは何だ? カリスマの欠片も感じないではないか』


美嘉「……」

武内P「……」



821: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 19:58:09.31 ID:NgsabcPAo

専務『故に、キミにはアナルブレスケアをして貰う』


美嘉「えっ? 故にって、えっ?」

武内P「こちらが資料になります」


専務『安心しなさい。我が346プロと小林製薬が総力を上げてキミのために開発した』


美嘉「……マジ?」

武内P「はい、残念ながら」


専務『――アナルブレスケア専用ブレスケアで、カリスマを取り戻しなさい』


美嘉「アタシのために頑張った感出してるのイラッとするんだけど!?」

武内P「……」



822: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:02:37.82 ID:NgsabcPAo

  ・  ・  ・

美嘉「……詳しく聞かせて」

武内P「アナルブレスケアには、新時代の幕開けをさせる力があります」

美嘉「……それで」

武内P「カリスマとは、常に時代を切り開いていく者の事です」

美嘉「……続けて」

武内P「残弾は後二発、頑張ってください」

美嘉「最悪! 担当呼んで、担当!」

武内P「彼は、今日から二週間の休暇を取りハワイにバカンスに」

美嘉「んああああああ!」



824: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:07:42.60 ID:NgsabcPAo

美嘉「いつの間にそんなもの仕込んだの!?」

武内P「朝食に、妹さん――城ヶ崎莉嘉さんが仕込みました」

美嘉「帰ったら泣くまで叱る!」

武内P「待ってください!」

美嘉「!?」

武内P「彼女も、貴女のためを思ってした事なのです」

美嘉「……莉嘉」

武内P「本来は経口摂取ではないのですが、さすが小林製薬さんですね」

美嘉「……」



825: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:11:46.07 ID:NgsabcPAo

美嘉「っていうか、なんでアンタが関わってるの?」

武内P「……上の命令には、はい、逆らえませんので」

美嘉「そっ……か」

武内P「申し訳ありません。止めは、したのですが」

美嘉「良いよ、別に。だって、元々最近のアタシがだらしなかったのが悪いんだし」

武内P「城ヶ崎さん……」

ポチッ

~♪

美嘉「は!? え!? もう次!?」



826: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:16:44.72 ID:NgsabcPAo

武内P「資料にもありましたが、二発目は最初のものよりも威力が高いです」

~♪

美嘉「威力って! ってか、はぁ!? さっきよりも!?」

~♪

武内P「TOKIMEKIどこまでも~エスカレート~♪」

~♪

美嘉「いやいや、アンタが歌うの!? 何のために――」


ぱちゅんっ!


美嘉「きはああああああん!?」ケアアァン!


武内P「……」



827: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:19:31.78 ID:NgsabcPAo

~♪

美嘉「ぐおおおおああっ!?」ケアアァン!

~♪

美嘉「ああああっ!? こっこ、あっ、ああああっ!?」ケアアァン!

~♪

美嘉「いたいたたたいたいたいたいたいたい!!」ケアアァン!

~♪

武内P「……」

ポチッ

美嘉「ついてる!? アタシのお尻ついてる!? ついてる!?」ケアアァン!

武内P「……」



828: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:24:47.52 ID:NgsabcPAo

  ・  ・  ・

美嘉「次は!? 次はいつくるの!?」

武内P「申し訳ありません。タイミングは、伝えてはならない、と」

美嘉「そんなの、お尻に爆弾抱えてるようなもんじゃん!」

武内P「それも醍醐味だと、そう、小林製薬さんが」

美嘉「それなら……しょうがないか」

武内P「城ヶ崎さん……大丈夫、ですか?」

美嘉「カリスマのためだもん! 頑張るしか無いっしょ★」

武内P「……良い、笑顔です」



829: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:28:59.41 ID:NgsabcPAo

  ・  ・  ・

美嘉「……って事があってさ、アタシ、ブレスケア苦手なんだー」

奏「そ……そうなのね」

美嘉「だからゴメンね★ 気持ちだけ受け取っとくから★」

奏「最近、美嘉がたくましいのはそういう理由があったのね」

美嘉「もー、たくましいってやめてよ! もっと、別の言い方があるでしょ!」

奏「……ふふっ、そうね」

美嘉・奏「カリスマ」

美嘉・奏「……!」クスクス



830: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:31:40.05 ID:NgsabcPAo

奏「あの、それで……」

美嘉「ん? 何ー?」

奏「最後の一発は……どうなったの?」

美嘉「今もアタシの中にあるよー★」

奏「はい!?」

美嘉「なーんてね★ 多分、三発ってのは嘘だったんだと思う」

奏「……嘘?」

美嘉「そ、嘘」



831: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:35:30.25 ID:NgsabcPAo

美嘉「アタシの中には、いつ爆発するかわからない爆弾がある」

美嘉「だからさ、爆発するまでは、常に全力でアイドルをやろう、って」

美嘉「……えへへ、ちょっとカッコつけすぎかな★」

奏「……いいえ、とても、ステキだと思うわ」

美嘉「本当にそう思う?」

奏「私としても、美嘉のそういう所は見習わないといけないと思うわ」

美嘉「本当に?」

奏「ええ。……って、妙に念押ししてくるけど、何なの?」

美嘉「……」



832: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:40:24.55 ID:NgsabcPAo

ガチャッ

武内P「……失礼します」

奏「あら、シンデレラプロジェクトの、プロデューサーさん」

武内P「おはようございます、速水さん」

奏「ふふっ、今日もとってもチャーミングね」


美嘉「はやく! はやくアナルブレスケア専用ブレスケアケアを!」


奏「み、美嘉!? 一体、どうしたの!?」

美嘉「……ごめん、奏」

奏「ごめんって、何を……」

奏「……」

奏「っ!?」



833: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:45:20.46 ID:NgsabcPAo

奏「美嘉……まさか!?」

美嘉「最初の威力が1とすると、二発目が2なんだって」

武内P「どうぞ、こちらです」

奏「待って! どうして、私に威力の解説をしてるの!?」

美嘉「……ゴクン。これで解除? 解除? ねえ、解除!?」

武内P「はい。長い間、お疲れ様でした」

奏「私の質問に答えてちょうだい!」


美嘉「三発目の威力が10って聞かされたら……奏はどうする?」


奏「……!?」



834: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:52:03.00 ID:NgsabcPAo

美嘉「アタシさ、もう新時代の幕を開くしか無いと思ったんだ」

美嘉「カリスマJKギャル……そこに、小悪魔要素を追加しようってね★」

奏「いいえ……美嘉、貴女は悪魔に魂を売ったのよ」

美嘉「売りなんかしないって! アタシ、アイドルだし★」

奏「……良い、笑顔ね」

美嘉「やっぱり、アタシってカリスマがあるからね★」

奏「教えて、プロデューサーさん。私の爆弾は、いつ爆発するのかしら?」

武内P「……」ゴソゴソ

奏「ラジカセ……もうすぐ、なのね」



835: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 20:55:17.05 ID:NgsabcPAo

美嘉「奏、頑張って!★」

奏「ふふっ、頑張ったら、貴方にご褒美のキスが貰えるのかしら?」

武内P「……」

ポチッ

~♪

美嘉「さすが奏★ こんな時でも……って」

奏「……」

~♪

美嘉「『TOKIMEKIエスカレート』!? は!? 何で!?」



836: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 21:01:06.60 ID:NgsabcPAo

武内P「……間に、合いませんでした」

~♪

美嘉「だって解除って! 解除って言ったもん!」

奏「諦めるしかないみたいね、美嘉」

~♪

美嘉「ヤダヤダヤダヤダ! ムリムリムリムリ!」

~♪

奏「サイダーみたいにはじける恋モ――」


ぱちゅんっ!



837: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 21:06:11.68 ID:NgsabcPAo

  ・  ・  ・

奏「……とっても怖いのね、アナルブレスケアって」

武内P「そう、ですね」

奏「安心させた所を爆発だなんて……とっても悪い人」

武内P「……」

奏「これは……ふふっ、そんな悪い唇は、塞ぐ必要があるわよね」

武内P「速水さん。貴女のその言動が、上層部で問題視されています」

奏「あら、そうなの?」

武内P「……」

ポチッ

~♪

奏「えっ? 『Hotel Moonside』? えっ?」

奏「えっ!?」



838: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 21:13:23.75 ID:NgsabcPAo

奏「ちょっと待って!? 美嘉を安心させるための、フェイクじゃ!?」

武内P「……ありません」

~♪

奏「問題視って……どうして今さら!?」

武内P「詳しい説明は後ほど。速水さんの事は、小林製薬さんも応援しています」

~♪

奏「や、嫌……! やめて……!」

武内P「――ワン、トゥー、キス」


ぱちゅんっ!



おわり



841: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:38:43.61 ID:NgsabcPAo

書きます


武内P「可愛い、ですか」



842: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:40:05.33 ID:NgsabcPAo

未央「そう! 可愛いと言ってもらいたい!」

武内P「その……何故、でしょうか?」

卯月「プロデューサーさんにそう言ってもらった事なかったな、って」

武内P「そう、でしょうか」

凛「うん。言ってもらってないね」

武内P「……」



843: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:41:06.76 ID:NgsabcPAo

未央「別に良いじゃん、減るものじゃないんだしさ!」

武内P「はぁ……」

卯月「あの……もしかして、可愛いって思ってない、とか?」

武内P「!? いえ、決してそんなことは!」

凛「だったら良いでしょ、別に」

武内P「……」



844: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:42:26.48 ID:NgsabcPAo

未央「さあさあ、どんと来なさい!」

武内P「皆さんは、とても可愛らしく、素晴らしいアイドルです」

卯月「そういうのじゃなくて、ですね」

武内P「? はい?」

凛「ただ、普通に可愛いって言えば良いの」

武内P「はぁ……」



845: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:45:23.63 ID:NgsabcPAo

未央「ハイ、セイ! 可愛い!」

武内P「あの……何故、そのような事を気になさるので?」

卯月「輿水幸子ちゃん、知ってますよね?」

武内P「はい、勿論」

凛「あの子、毎日プロデューサーにカワイイって言ってもらってるんだって」

武内P「そう……なのですか」



846: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:47:09.88 ID:NgsabcPAo

未央「そう! これは、社内格差ってやつだよ!」

武内P「そ、そこまでの問題とは、思えないのですが」

卯月「わ、私! プロデューサーさんに可愛いって言って貰いたいです!」

武内P「し、島村さん!?」

凛「二人共こう言ってる事だし、言ってあげたら?」

武内P「……わかり、ました」



847: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:50:02.81 ID:NgsabcPAo

武内P「それで……皆さんが気持ちよくアイドルに専念出来るのでしたら」

未央「あのー……もしかして、嫌々言う感じ?」

武内P「あっ、いえ、その……」

卯月「うぅ……困らせちゃったみたいで、すみません」

武内P「その……」

凛「何? ハッキリ言ったら?」


武内P「少し……いえ、かなり気恥ずかしく……はい」


未央・卯月・凛「……」

未央・卯月・凛(可愛い)



848: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:52:43.18 ID:NgsabcPAo

未央「やばいよ……なんか、思ってたのより凄いのが来そう」

卯月「な、なんだかとっても緊張してきました」

凛「ふーん。そういうものかな」

武内P「……覚悟は決まりました」

未央「覚悟って」

卯月「こ、こっちもです!」

凛「卯月まで」

武内P「……頑張ります」



849: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 22:57:06.23 ID:NgsabcPAo

未央「それじゃあ、私から言って貰おうかなー」

武内P「本田さんから、ですね」

未央「さあ、カモーン!」

武内P「……」


武内P「本田さん、貴女の明るさにはいつも助けられています」

武内P「新しい事に挑戦する姿勢、仲間を思いやる気持ち」

武内P「そのどれもが素晴らしく、とても輝いています」

武内P「……一度、辞めると仰っていた時、私は諦めなくて本当に良かった」

武内P「失礼……無駄に、長くなってしまいましたね」

武内P「本田さん、貴女は、とても可愛いですよ」


卯月・凛「なんか凄いのきた!?」


未央「……プロデューサー」ツーッ


卯月・凛「泣いた!?」



850: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:00:52.81 ID:NgsabcPAo

未央「ず、ずるいよ……今のは反則、ちょっと待って……ぐすっ」

武内P「あの……!? 何か、私は気に障る事を……!?」

未央「可愛いだけなのに、ひっく……色々言ってるじゃん……うっく」

武内P「私が、本田さんをどう可愛いと思っているかを……言った方が良いかと」

未央「……さっきみたいに、思ってるんだ」

武内P「はい。貴女は、私の可愛い担当アイドルです」

未央「……えへへっ! それじゃあ、笑ってないとね!」ニコッ

武内P「……良い、笑顔です」


卯月・凛「……」



851: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:04:19.52 ID:NgsabcPAo

未央「……いやー、良かった。想像以上に良かった」

卯月「良いなぁ……未央ちゃん、羨ましいです!」

凛「私は微妙かな。あんなに語られても、困るかも」

未央「さあて、それじゃあ次はどっち?」

卯月「はいっ! はいっ!」

未央「おっ! しまむー、アピール凄いね~!」

凛「飛び跳ねちゃって……ふふっ、なんだか子供みたい」

卯月「プロデューサーさん! 私も、今みたいな感じでお願いします!」

武内P「……わかり、ました」



852: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:11:13.44 ID:NgsabcPAo

卯月「……さ、さあ、どこからでも!」

武内P「では……後ろからで」

卯月「はい!? あ、あの、プロデューサーさん!?」

武内P「……」


武内P「こうして見ると、島村さんの背中はとても小さいですね」

武内P「こんな小さな背中に、とてもキラキラした夢を乗せている」

武内P「貴女にあるのは、笑顔だけではありません。決して」

武内P「……しかし、貴女の最大の魅力は、やはり輝くような笑顔です」

武内P「私は、これからも、貴女の笑顔を見続けたいと思っています」

武内P「島村さん、貴女は、とても可愛いですよ」


未央・凛「……」


卯月「……」ツーッ


未央・凛「鼻血!?」



854: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:14:48.22 ID:NgsabcPAo

卯月「あわっ、わ、あわわわ!」ポタポタ

武内P「だっ、大丈夫ですか!? 島村さん!?」

卯月「な、なんだか顔が熱くなったとおぼったら……!」ポタポタ

武内P「これを! これを鼻に詰めてください!」

卯月「ず、ずみまぜん~!」

武内P「……島村さんの笑顔を見られるのは、少しだけお預けのようですね」

卯月「あ、あははは……鼻血を止める゙の、頑張りま゙す♪」

武内P「はい、頑張ってください」


未央・凛「……」



855: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:19:41.41 ID:NgsabcPAo

卯月「後ろからって……ずごいです」

未央「しまむー、今アイドルにあるまじき感じになってるよ」

凛「……ふーん。そんなに良いもの?」

卯月「はい゙っ♪」

未央「しぶりんも言って貰ったらわかるって!」

凛「……それじゃあ、ついでに私も言ってもらおうかな」

卯月「凛ちゃん゙! 気をつけでくださいね゙!」

未央「しぶりんも素直じゃないんだから!」

武内P「……わかり、ました」



856: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:22:57.37 ID:NgsabcPAo

凛「……ほら、言ってよ」

武内P「はい」

凛「べ、別に、無理しなくて良いから」

武内P「……」


武内P「渋谷さん、可愛いですよ」


凛「……」

武内P「……」

凛「……」

武内P「……」

凛「は?」

武内P「?」


未央・卯月「……!」



857: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:27:32.33 ID:NgsabcPAo

武内P「あの……何か?」

凛「何か、じゃなくてさ」

武内P「……?」

凛「短い」

武内P「無理をしなくて良いと、そう、仰ったので……はい」

凛「短い」

武内P「いえ、あの……申し訳、ありませんでした」

凛「……」

武内P「……」

凛「で?」

武内P「?」


未央・卯月「……!!」



858: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:30:41.74 ID:NgsabcPAo

凛「私は、短いって言ったんだけど」

武内P「はい、なので、謝罪を……」

凛「謝ってほしい訳じゃない」

武内P「あの……渋谷さんは、何をお望みなのでしょうか?」

凛「……聞く!?」

武内P「申し訳ありません……こういった事を察するのが、苦手なもので」

凛「……」

武内P「……」

凛「……べ、別に」


未央・卯月「……!?」



859: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:34:45.30 ID:NgsabcPAo

未央「プロデューサー! しぶりんにも長台詞を!」

卯月「お願いしま゙す!」

スポンッ!

卯月「凛ちゃんにも、どういう風に可愛いと思ってるか言ってください!」

武内P「!? 渋谷さんは、それをお望みだったのですか!?」

凛「……」


凛「そ、そんなんじゃないから」


未央「しぶりいいいいん!?」

卯月「凛ちゃああああん!?」


武内P「では……一体何を……!?」


未央・卯月「あー、もう!」



860: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:40:24.45 ID:NgsabcPAo

未央「素直になりなって、しぶりん!」

凛「も、もう良いから」

卯月「良くないです! 涙目じゃないですか!」

凛「こ、これは……目にゴミが……ぐすっ」


武内P「!? こんな時は……千川さん、千川さんはどこに……!?」オロオロ


未央「驚きの頼りなさ!」

卯月「プロデューサーさんが凛ちゃんをなぐさめるんですよ!」

武内P「私が……ですか……!?」

凛「なぐさめ……とか、いらない……っく」

武内P「……!?」



861: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:50:03.58 ID:NgsabcPAo

武内P「その……渋谷さんは、とても可愛いと思います」

凛「……私の、どこが可愛いと思うの」

武内P「そう……ですね」


武内P「私の考えが正しいかはわかりません」

武内P「ですが、渋谷さん。貴女は今、拗ねている……のではないかと思いました」

武内P「他の二人に比べ、自分への言葉が少なすぎる、と」

武内P「……しかし、私の先程の言葉は、言い表せない、色々な意味が込められています」

武内P「なので、もう一度同じ事を言わせてください」

武内P「渋谷さん、可愛いですよ」


凛「ふーん。まあ、悪くないかな」


未央「立ち直りはええ!」

卯月「凛ちゃん、ちょろいです!」



862: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/29(金) 23:56:06.82 ID:NgsabcPAo

  ・  ・  ・

ちひろ「へー、そんな事があったんですか」

武内P「……とても、困りました」

ちひろ「私もその場にいたら、可愛いって言って貰えました?」

武内P「……」

ちひろ「ちょっと! 困らないでくださいよ!」

武内P「すみません、どう反応したら良いか、よく……」

ちひろ「女の子は、可愛いって言って貰いたいものなんですよ」

武内P「女の子は……成る程」


武内P「では、千川さんに言う必要は無い、という事ですね」


ちひろ「……」


ちひろ「は?」



おわり



866: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 22:08:18.53 ID:wsMv2Zf9o


「ん……!」


 体がだるい……昨日は飲みすぎたかしら。
 ええと、確か、私と、プロデューサーさんと、部長さんと三人で飲んだのよね。
 年末だけど、カウントダウンLIVEや、新年にちなんだ企画の子も居るから、
ずっと忘年会が出来なくて、それで――


「――って……!?」


 ここ、どこ!?


 必要最低限のものしかない、殺風景な部屋。
 唯一それらしい家具のデスクの上にはパソコンがあり、
脇には書類と思わしき紙の束がまとめて置いてある。
 そして、そんな部屋の隅に――


「ぷ、プロデューサーさん!?」


 プロデューサーさんが、コートにくるまり小さくなって横になっていた。


「……おはよう、ございます」


 その声はとても弱々しく、お酒のせいか少しかすれていた。



867: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 22:17:51.25 ID:wsMv2Zf9o

  ・  ・  ・

「本当に……ご迷惑をおかけしました……!」


 ああ、もう!
 今年も終わりだって言うのに、最後の最後でこんな失敗をするなんて!


「お気に、なさらないでください」
「しますよ!」
「……」


 彼が言うには、昨夜の私は相当に酔っ払っていたらしい。
 最終的には歩くこともままならず、タクシーで帰る事になったと言う。
 しかし、タクシーに乗り込んだ途端眠ってしまい、
プロデューサーさんが自宅に連れ帰った、という話だ。


「ベッドを占領した挙句……プロデューサーさんを床で寝かせるなんて……!」
「いえ……寝ていませんので、大丈夫です」
「もっと大丈夫じゃないですよ、それ!」
「……」


 プロデューサーさんは、右手を首筋にやりっぱなしだ。


「かなり酔っていらしたので……見ていなければ、危険かと」
「そのために、ずっと起きてたんですか!?」
「その……寒くて、目が冴えてしまっていただけですので」
「~~っ!?」


 この人は、どうしていつもこうなんだろう。



868: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 22:27:33.60 ID:wsMv2Zf9o


「あのですね! 別に、放って置いてくれても良かったんです!」


 いつも、プロデューサーさんに自分を大切にしろ、と言っているのに。
 私のために自分を犠牲にするなど、そんな必要は無かったのに。


「いえ、それは出来ません」


 もう、どうしてこんなに頑固なの!
 同僚の言う事は、きちんと聞くものですよ!


「どうしてですか!」


 本当なら、今、この場で怒れる立場じゃないというのはわかる。
 けれど、この人は今言っておかなければまた同じ事を繰り返す。
 自己嫌悪に陥りながらも、私はプロデューサーさんに強い口調で接した。


「それは……その……」


 プロデューサーさんが、急に口ごもる。
 さっきはキッパリと言い切っていたのに、この歯切れの悪さは何なの。


「ちゃんと仰ってください!」


 私が問い詰めると、プロデューサーさんは観念した顔で言った。


「昨夜……もう少し、私も大事にしろ、と……仰っていたので」


 聞かなければよかった!



869: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 22:39:10.82 ID:wsMv2Zf9o


「あの……私、そんな事言ってたんですか!?」


 どうしよう、全然覚えてない!
 そりゃあ、アイドルの子達に比べて私の扱いが軽いと思った事はありますよ?
 でも、そんなの当たり前の事だし、それについてどうこう思ったりは――


「……」


 ……――無くは、無い。
 だって、この人はとっても真剣に、アイドルの子達の事を考えている。
 自分がどうなろうと知ったことかと言わんばかりに、身を粉にして励んでいる。


「……すみません、大声出しちゃって」


 ――そんな風に想われるって、どんな気持ちなんだろう。


 ……そう、思った事は、ある。
 確かに、今のこの状況はその結果なのかもしれない。
 だけど、こういう風に知りたくはなかったし、
少しお酒が残っているせいか、大声を出して気分が悪い。


「いえ……お気に、なさらず」
「……」


 何と言えば良いのか、わからない。
 わからないから、何も、言えない。


 



870: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 22:54:12.25 ID:wsMv2Zf9o


「ご迷惑をおかけしました」


 とても、いたたまれない気持ち。
 これ以上は、プロデューサーさんの顔を見ていられない。
 それに、今にも泣きそうな私の顔を見せるわけにはいかない。


「私、帰ります。ありがとうございました、プロデューサーさん」
「……千川さん?」


 だって、しょうがないじゃない。
 この人は、今の私と一緒に居ても困っちゃうだけなんだから。
 プロデューサーを支える事務員としても、一人の人間としても失格だ。


「また連絡しますから、お話はその時に――」


 その言葉は最後まで続けられる事は無かった。
 慌てて立ち上がろうとした結果、足がもつれ――


「――へぶっ!?」


 ――私は、盛大に、顔からすっ転んだからだ。


「せっ、千川さん!?」


 プロデューサーさんの慌てた声が耳に入ったが、私はそれどころではなかった。
 おでこも鼻もジンジン痛いし、情けなくて情けなくてしょうがない。
 恥の上塗りにも程がある、こんなのもう、もう――!


「ふひいいいん……!」


 泣くしかないじゃないの!



871: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 23:14:17.37 ID:wsMv2Zf9o

  ・  ・  ・

「……」
「……」


 二人で、小さなテーブルを囲み、コンビニのおにぎりとカップのお味噌汁を啜る。
 しじみのお味噌汁なのは、こんな状況なのにちょっと嬉しい。


「……」
「……」


 プロデューサーさんは、泣き出した私を慰めはしなかった。
 ただ一言、「15分程で戻ります」と言って出かけ、色々と買ってきてくれたのだ。
 昨夜の大事にしろという言葉と、さっきの私の放って置いてという言葉。
 そのどちらにも従った結果が、これだったのだろう。


「……」
「……」


 あそこで抱きしめて慰める、と言う選択肢は彼には無い。
 そんな器用な真似が出来る人なら、もっと色々と話は簡単に済んでいた。


「……手、出してくれればこんな思いはしなかったのに」
「っ!?」


 所謂、お持ち帰り、というやつだ。
 だけど、プロデューサーさんは絶対に酔った女性に手を出すような人じゃないし、
そんな生真面目で、不器用で、とても信頼出来る人だからこそ、
大切にされる気持ちが気になったのだ。


「ゴホッ!……ゴホ……!」
「あの、だ、大丈夫ですか……?」


 プロデューサーさんが、突然むせた。
 背中をさすろうかと腰を上げた私を、彼は手で制した。


「……」


 気まずそうに目を背けるプロデューサーさん。
 私は所在なくまた座り直し、もそもそとおにぎりにかぶりついた。



872: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 23:30:53.93 ID:wsMv2Zf9o


「……千川さん」


 呼吸の落ち着いたプロデューサーさんが、居住まいを正した。


「……はい」


 きっと、今からお説教が始まるんだわ。
 いつもは私がお説教する側なのに、とっても情けない。


「私は、その……酔った女性に……てっ、手を出せる人間ではありません」
「っ!?」


 突然、何を!?


「ので……はい……申し訳ありませんでした……!」


 そう言うと、プロデューサーさんは突然その場に土下座した。
 今の言葉も泣きそうな感じになっていて、本当にどうしたら良いかわからない。
 もう! 何で貴方がそんな真似をするんですか!?


「かっ、顔をあげてください! プロデューサーさん!」
「いえ……私の不甲斐なさが……千川さんに、はっ、恥をかかせる結果に……!」


 顔を上げてって言ってるじゃないですか!
 それに、私が恥ずかしい思いをしたのは自業自得です!


「とにかく! 顔をあげてくださ――」


 プロデューサーさんの体を起こすため、慌てて立ち上がろうとした。
 その結果――


「ぐえっ!?」
「んおっ!?」


 また、同じ失敗を繰り返してしまった。
 しかも今度は、土下座するプロデューサーさんの体に、上半身を投げ出し十字になる形で。



873: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 23:47:02.41 ID:wsMv2Zf9o


「……」
「……」


 今の私は、土下座するプロデューサーさんの体に干されたタオルの様だ。
 両手は綺麗に伸び切ってしまっているし、傍から見たらとても滑稽な姿だろう。
 だけど、もう涙は十分に流した後だ。


「「……ぷっ!」」


 だから、今はもう、笑ってしまおう。
 気のせいか、プロデューサーさんの笑い声も聞こえた気がするし、ね。


「ふふふっ……! もう、嫌になっちゃいますよ……!」
「……いつも、ミスをしない千川さんらしくありませんね」


 よいしょと、プロデューサーさんから体を離し、座り直す。
 すると、プロデューサーさんも自然と体を起こし、座り直した。


「知りませんでした? オフの私って、結構ドジなんですよ」
「それは……意外でした」


 とても、優しい口調。
 ああ、この人は仕事中以外はこういう声で話すのね。
 そう考えると……さっきまでの接し方は、プライベートだと思ってなかったのかしら。


「事務員でも、プライベートは普通の女の子ですから」


 ちゃんと、知っておいてくださいね!


「はい。とても、可愛らしい寝顔でしたから」
「はいっ!?」


 見てたんですか!?
 って、それは見ただろうけど……今、言います!?
 それに、何ですかその顔! もう、全く――


「良い笑顔ですね!」



おわり



874: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/30(土) 23:49:14.02 ID:wsMv2Zf9o

新年開幕一発目はウンコ書きます
おやすみなさい、良いお年を!



880: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 12:14:42.39 ID:vKkmJcvio

新年明けましておめでとう御座います
早速、書き初めをしたいと思います
しかし、ただのウンコでは芸が無いので、きんがしんねんの七文字をレスの上にすえて



881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 12:27:30.94 ID:vKkmJcvio


 気が狂いそうだ。
 いや、この光景を現実のものとして捉えるには、正気というものは邪魔でしかない。


「明けまして、おめでとうございます」


 シンデレラプロジェクトのメンバー達、全員が揃って新年の挨拶をしてきた。
 それというのも、大晦日の昨晩から、彼女達は全員で事務所に泊まっていたからだ。
 全員、御両親に許可を取っての、プロジェクトメンバー全員での年越し。
 その会場に、プロジェクトルームが選ばれたのは自然な流れだろう。


「あ……いえ……その」


 事務所に敷き詰められた布団の上で笑っている、プロジェクトメンバー達。
 その笑顔はとても清々しく、新年の挨拶に相応しいと言えるだろう。


「……」


 だが、彼女達の頬には涙が流れた後があり、所謂泣き笑いだったのだ。
 そして、まくられた掛け布団から覗く敷布団には、全員染みが広がっている。
 悲しい……とても悲しいことに、その染みには、茶色いものが混じっていた。


 ――新年早々、まさかの全員寝グソ。


「明けまして……おめでとうございます」


 確かに、新年を迎えられた事はめでたい。
 願わくば、無事に迎えたかった。


 私は、2018年が始まって早々、右手を首筋にやり困り果ててしまった。
 ぷんと漂ってくる臭いに顔をしかめなかったのは、どんな顔をすれば良いかわからないからだ。



882: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 12:44:26.17 ID:vKkmJcvio


「んー、プロデューサー、元気無い?」


 一人が、立ち尽くし呆然とする私を心配して声をかけてきた。
 この状況で元気いっぱいでいられる人間が、世界にどれ程存在するというのか。
 少なくとも私は、14人の、10代の少女が寝グソをして元気でいられる人間ではありませんよ。


「いえ……私の事は、はい」


 私の心配をするよりも先に、貴女達はまずご自分の心配をするべきです。
 全員、何らかの体調不良によってこうなってしまったのだろうか。
 だとすれば、迂闊に事務所での年越しに許可を出したのは失敗だった。


「どう? アイドルの、パジャマ姿だよ」


 心底どうでも良いです……とは、言える空気では無い。
 私は、プロデューサーとして、少しは彼女達の事を理解してきているつもりだ。
 それが故に、今、すぐに彼女達の寝グソについて触れるのは得策ではないと理解出来る。


「はい……皆さん、とても可愛らしいと思います」


 本当ならば、私が彼女達の寝間着姿を見ることは予定に無かった。
 私が事務所に着く頃には、全員身支度を整え、布団を運び出す手筈になっていたからだ。
 そして、揃って初詣に行く筈だった。


「きゃわゆいって、うっきゃーっ! はずかすぃー☆」


 寝間着姿を可愛いと言われ恥ずかしがる前に、もっと、別の所を恥じて欲しい。
 そう思うのだが、全員が満更でもない表情をしているので、かける言葉を失う。
 口を引き結び……ああ、駄目だ鼻で息をしたら、臭いがモロにきた。



883: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 12:59:31.01 ID:vKkmJcvio


 我慢しようと思っても、さすがにそろそろ私の鼻が限界だ。
 それに、彼女達もこれ以上私に自分達のこんな醜態を見られるのは嫌だろう。


「それでは……私は、席を外しますね」


 私に出来るのは、何も見なかったことにし、彼女達が後処理を終えるのを待つ事のみ。
 そして、この忌まわしい記憶に――臭いものに蓋をする。
 2018年は始まったばかり、少しばかりスタート時の記憶が無かったとて、問題は無い。


「逃げないでよ!」
「っ!?」


 部屋から出ようとする私を呼び止める声。
 その言葉に反応し動きを止めてメンバー達を見ると、
全員が、先程の声の主と同じ様な視線で私をここに縫い止めようとしていた。


 彼女達は、私に何をしろというのか?


「しっ、しかし! 私がここに居るのは――」
「見捨てないで、くださいね?」
「っ……!?」


 見捨てる、見捨てない以前の問題だと、私はそう考えます。
 年頃の、14人の少女達が一斉に寝グソをした時の正しい対応はわからない。
 私は、彼女達自身が何とかするべき問題だろうと思ったのが、どうやらそうではないらしい。
 そう、14対、28の瞳がゆう便……いや、雄弁に語っていた。


「我が友よ。私達は、夜明けと共に、より深き魂の絆で結ばれた!」


 一瞬、何を言っているのか理解出来なかった……いや、したくはなかっただけだ。
 彼女達は、私にも、今、ここで脱糞しろと言うのだ。



885: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 13:11:39.27 ID:vKkmJcvio


「しかし……それは……!?」


 寝グソをしたのは、彼女達自身の責任だ。
 なのに、何故私までここでしなければならないのか。
 そう、視線に乗せて問いかける。


「責任を取るのが――」


 ぼぷっ!


「――プロデューサーの仕事にゃ」
「また出た? ロックだね」


 わからない……責任の取り方が、何故私が脱糞する事になるのか。
 プロジェクトメンバー達が笑いながら頷いている。
 まるで、私がここでそうするのが当然のように笑いあっている。


「全員、アー、夢を見てこうなりました」
「夢……ですか?」


 正月と言えば、初夢。
 その初夢で、彼女達はいったいどんな悪夢を見たというのか。


「それは……一体……!?」


 どんな悪夢を見れば、全員寝グソをするなどという状況が生まれるのか。


「はいっ♪ 皆、プロデューサーさんの夢をみたんですよ♪」
「……!?」


 悪夢の正体は、私だった。



887: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 13:25:10.40 ID:vKkmJcvio


「んふふ! まさか、皆で同じ夢を見るなんてね~」


 彼女達は、本当に全員私の夢を見たようだ。
 それに関して、思う所が無いわけでも無いが……。
 しかし、それでも全員寝グソをするとは、一体どんな夢だったのだろうか。


「私、食べ物以外の初夢は初めてだったなー」


 普段通りに見えて、やはり彼女達の様子は普通ではない。


「ねえねえ! どんな夢だったと思う?」


 楽しそうに、私に問いかけてくるその姿が痛々しい。


「私が……その、怖がらせるようなもの、でしょうか?」


 直接的ではないにせよ、私がこの状況を作り出した原因のようだ。


「違うよPくん! むしろ、ちょっとカッコよかったよ☆」


 ……はい?


 私が格好いい姿を夢に見て……彼女達は寝グソをしたというのか。
 まるで理解が追いつかないし、到底理解出来るものではないだろう。
 また、理解したいとも思わないが……・知らなければならない。


「教えてください……皆さんは、一体どんな夢を見たのでしょうか?」



888: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 13:38:51.41 ID:vKkmJcvio


「ねえ、プロデューサーさん」


 それは、答えを聞くことを恐怖する私をなだめるような、とても優しい声。


「初夢は……正夢になるんですって」
「……」


 一富士、二鷹、三なすび、というのも有名だが、そちらも有名な話だ。
 そして、見た初夢の内容を人に話さなければ、正夢になるとも。


「っ――!?」


 彼女達は、今の、この状況を夢に見たというのか!?
 だから、見た夢の内容を具体的に話さず、視線だけで私に訴えかけてくる……そういう事なのか!?


「ま、待ってください!」


 もしそうだとしても、出来るわけが無い!
 夢と希望をファンに届けるのがアイドルだとしても、私はそんなプロデュースは――


「シンデレラプロジェクト! ファイトぉぉぉ……」


「おーっ!」


 ――していないのに!
 なのに、何故そんなに息を合わせて煽ってくるんですか、皆さん!



889: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 13:58:25.78 ID:vKkmJcvio


「んー……まだ足りないみたいだから、もう一回ね!」
「足りる、足りないの問題ではなく……!?」


 本当に、やめてください。


「シンデレラプロジェクト! ファイトぉぉぉ……」


「おーっ!」


 これが、彼女達のパワーオブスマイルだと言うのか。
 こんな狂気に満ちた笑顔の力など、クソ食らえだと、私は思う。


「……皆さんの仰りたいことは、理解出来ました」


 ピタリと、掛け声が止まる。
 そして、今か今かと私の開ウンを待つ、忠犬のような彼女達を見て、
ああ、今年は戌年だな、と新たに始まった2018年のこれからに思いを馳せた。


「しかし、申し訳ありません」


 腰をしっかりと曲げ、プロジェクトメンバーに謝罪。
 ざわつく彼女達に、夢ではない、現実を告げる。


「家で、してきてしまったので……出せません」


 私のお腹の中の福袋は、既に売り切れ……空っぽだったのだ。


「……」


 響き渡る怒号と悲鳴。
 今年もいい年でありますようにと、切実にこの時思った。



おわり



894: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:36:00.04 ID:vKkmJcvio

年末と新年でバランスが整ったので、書きます
非武内Pで申し訳ない


俺P「ちょっとヤダ、何よ!」鷺沢文香「!?」



895: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:41:07.92 ID:vKkmJcvio

文香「貴方は一体……?」

俺P「見りゃわかんでしょ、プロデューサーよ」


文香「私に……御用でしょうか?」

俺P「頭見て、まぶしそうにすんじゃないわよ」


文香「すみません、そんなつもりは無かったのですが……っ」

俺P「腹見て、驚いた顔すんじゃないわよ」


文香「……その、喋り方、は」

俺P「喋り方を聞いて、複雑そうな顔すんじゃないわよ」


俺P「って、アタシの事はどうだっていいのよ!」



896: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:44:56.12 ID:vKkmJcvio

俺P「アンタ、一体なんでこんな所で本読んでるのよ」

文香「あの……どこかで、お会いしたことが?」

俺P「アタシの事はどうだって良いっつってんでしょ」

文香「……今は、休憩時間中なので」

俺P「そうね。休憩時間に休むのは、とっても大事だわ」

文香「……」

俺P「でもね、アンタアイドルでしょ? アイドルがすっぴん晒してんじゃないわよ!」

文香「あの、それは……!?」

俺P「……」

俺P「あ、もしもし、ちっひ? アタシよアタシ!」

俺P「今からショッピングに行くわよ!」



897: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:50:18.29 ID:vKkmJcvio

俺P「は? 何を企んでるのかって? アンタじゃないんだから!」

俺P「なんか辛気臭い子がすっぴんで居るから、化粧品買いに行くのよ!」

俺P「なんで私が? アンタ、ベタベタ塗りたくるの得意でしょ!」

俺P「五分後に玄関前集合よ! 遅れんじゃないわよブス!」

俺P「……ふぅ、待たせたわね」

文香「あの、もしかして、私も同行するのでしょうか……?」

俺P「そうに決まってんでしょ」

文香「ですが、しかし……」

俺P「つべこべ言ってないで行くわよ!」

文香「……何故、ですか?」

俺P「アタシがプロデューサーだからよ」



898: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 16:56:34.55 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

ちひろ「ごめんなさいね文香ちゃん、プロデューサーさん強引だから……」

文香「いえ、私も化粧に関しては困っていたものですから」

ちひろ「アイドルだから、普段から少しは慣れておかないとですもんね」


俺P「ハァ……! ヒィ……!」


文香「これから、どこへ行くんですか?」

ちひろ「ちょっと大きなデパートの、化粧品売り場、かしら」

文香「!? い、いきなりそのような所に……ですか」


俺P「ちょっと……! ホヒィ……! 待ちなさいよ……!」


ちひろ「ええ。プロデューサーさんが、プレゼントしてくれる、って♪」

文香「そ、それは……あまりにも……!?」

ちひろ「ねー、プロデューサーさん!」


俺P「フヒィ……! アタシの足見なさいよ! 尺が違うのよ、尺が!」



899: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:05:15.71 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「ああ、ヤダ! アタシこの臭いホント駄目!」

ちひろ「化粧品、いい匂いだと思うんですけど」

俺P「メス臭すぎるのよ! 男の汗の匂いの香水持ってきてちょうだい!」

ちひろ「そんなの置いてませんよ!」

文香「あの……」

俺P「好きに選びなさいよ。遠慮なんかしたらぶっとばすわよ」

文香「何を……どうすれば良いか、わからないのです」

俺P「教えてやんなさいよちっひ、得意でしょ」

ちひろ「私も、そこまで詳しくないですよ?」

俺P「まー、白々しい! 一体何人の男に貢がせてるのかしらね!」

ちひろ「人聞きの悪い言い方はやめてください!」

俺P「兎に角、こんなちひろでも居れば、一人で来るよりはマシでしょ」

ちひろ「こんなって何ですか! こんな、って!」

文香「あの……どうして、ここまでしてくださるのですか?」

俺P「さっきも言ったでしょ」

俺P「アタシがプロデューサーだからよ」



901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:14:12.24 ID:vKkmJcvio

俺P「良い、文子」

俺P「アイドルってのは、見た目も大事なのよ」

文香「……あの」

俺P「何よ」

文香「文子ではなく……文香、です」

俺P「そんなのどっちだって良いわよ! 面倒だから、ふみふみで良いわ!」

文香「ふ……ふみふみ、ですか」

俺P「良い、アンタはこれから仕事で色んな人の前に出るのよ」

俺P「それなのに、普段から化粧の一つもしないでどうするの」

俺P「慣れない化粧をして、それを気にしてたら仕事になんないじゃない」

文香「……それは、はい、その通りだと思います」

俺P「元は悪くないし、ちょっと辛気臭いけど、その体は稼げるわよー!」

ちひろ「プロデューサーさん、それ、セクハラですよ」

俺P「女同士なんだから良いじゃないの! ねー、ふみふみ!」

文香「は……はい。お、女同士……?」

ちひろ「文香ちゃん、あんまりそうやって甘やかさない方がいいですよ」

俺P「ごちゃごちゃうっさいわね!」

俺P「アンタ達がマゴマゴしてる間、アタシは街行くマッチョ鑑賞でもしてくるわ!」



902: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:24:20.83 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「ちょっと、アンタ達! 調子に乗って買いすぎよ!」

ちひろ「プロデューサーさん、見た目通り太っ腹ですね♪」

俺P「ホントもう、ブス!」

文香「あの、本当に、お金の方は……」

俺P「お金の心配より、アンタはもっと気にする事が山ほどあんでしょ!」

ちひろ「気にしなくて大丈夫ですよ」

俺P「アンタは気にしなさいよ、ちっひ!」

ちひろ「これはですね、プロデューサーさん流の投資なんです」

文香「投資、ですか? すみません、あまり、そう言った事に詳しくないもので……」

ちひろ「文香ちゃんが可愛くなって、いっぱい活躍するための、先行投資です」

文香「成る程……そういう考え方も、あるのですね」

俺P「ちひろー! コレ、アンタ用の化粧品でしょ!?」

ちひろ「……あ、バレちゃいました?」

俺P「はん! 化粧如きで、アンタの本性が隠せると思わないことね!」

文香「……ふふふっ」

俺P「笑い事じゃないわよ!」



903: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:31:44.68 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

文香「あの……どう、でしょうか?」

俺P「何がよ」

文香「化粧をしてみたのですが……」

俺P「アタシの目には、辛気臭いブスしか映ってないわ」

文香「そう、ですか……」

俺P「そうよ。買い物帰りの時のアンタが、一番マシだったわ」

文香「買い物帰りの私、ですか」

ちひろ「プロデューサーさん。ハッキリ言ってあげたらどうですか?」

文香「……?」

ちひろ「文香ちゃん、この人は、笑ってる時の方が可愛いって言いたいんですよ」

俺P「ちょっと! 勝手にアタシのセリフを取らないでちょうだい!」

文香「可愛い、ですか……? 私が」

俺P「マシって言っただけでしょ! ふみふみ、調子に乗んじゃないわよ!?」

文香「は、はい……!」



904: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:38:38.59 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「全くもう! どうしてアタシが女に貢物しなきゃなんないのよ!」

俺P「貢ぐんだったら、マッチョに貢ぐっつーの!」

俺P「でもま、ブスのままいられるよりはマシよね」

俺P「あとは、誰に連絡入れとけば良いかしら」

俺P「もっさい前髪もなんとかするとして……」

俺P「ああもう! 本当面倒くさい子!」

俺P「どうしてこの事務所って、ああいう子ばっかりなのかしら!」

俺P「たまには素直な、言う事聞く子の担当をして楽したいわよ!」


「あー! プロデューサーでごぜーます!」


俺P「あっ、コラ! やめなさい、おチビ!」

俺P「腹を触るんじゃな、って、頭ペチペチもやめなさいよ!」



905: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:47:36.26 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

文香「……はぁ……はぁ」

ルキトレ「今日の基礎レッスンは終了。各自、体を冷やさないようにしておけよ」

文香「……はぁ……はぁ」


俺P「ちょっとヤダ、何よ!」


文香「ぷ、プロデューサー……?」

俺P「ふみふみ、アンタなんでそんなにヘバってるのよ!」

文香「こういった事は経験が無く……ついていくのがやっとです」

俺P「そんなエッチな体で未経験なんて、どうかしてるわ」

文香「は、はい……?」

俺P「アンタには、基礎レッスンの前にやる事があるみたいね」

文香「あの、それは、一体……」

俺P「走るのよ! そして、肉を食うの! 肉を!」

文香「走るのはわかるのですが……お肉を食べる、というのは?」

俺P「体力つけるには、肉を食べるのが一番だからよ」



906: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 17:57:16.72 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「いくわよふみふみ! 走るのよ!」

文香「あの、それは」

俺P「電動アシストの三輪自転車よ」

文香「そんなものまで、事務所にはあるのですね」

俺P「馬鹿言ってんじゃないわよ。アタシ専用の愛車よ」

文香「専用、ですか?」

俺P「事務所の電動自転車は二輪だからね」

俺P「アタシが乗ったらすぐに悲鳴をあげて逝ったわ」

文香「それは……」

俺P「さあ、話はおしまい! 行くわよ、ふみふみ!」

文香「はっ、はい!」

俺P「ギャランドゥ号、発進!」


  ・  ・  ・


俺P「アタシはタクシーで帰るから。気をつけて戻ってきなさい」

文香「あの、電池が切れたアレは、どうするのですか?」

俺P「あとでちっひに回収させるわ」



907: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:05:24.07 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「ああ、いやらしい! ふみふみは、ホントエッチね!」

文香「あの、もう、からかわないでください……///」

俺P「宣材写真の撮影で水着だなんて、何をアピールするつもりだったのかしら!」

文香「私が、浅はかでした……///」

俺P「まあでも、そのやる気は褒めたげる」

文香「プロデューサー……?」

俺P「良い? アンタ、元はとっても良いのよ」

文香「そう、でしょうか……まだ、自信がありません」

俺P「アタシが言うんだから間違いないわ」

俺P「だって、アタシはプロデューサーだから」

文香「……」

俺P「ほら、もう! またすぐそうやってブスになる!」

むにむにっ

文香「ふっ、ふろひゅーはー?」

俺P「アタシの前でブスで居るなんて、承知しないわよ!」



908: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:18:28.42 ID:vKkmJcvio

俺P「アンタは、アイドルなのよ」

俺P「気合を入れるのは良いけど、ちゃんと笑顔で」

文香「……はいっ」

俺P「ちょっとふみふみ~? アタシの言う事聞いてたかしら?」

むにむにっ

文香「……ふぁい」

俺P「ほら、しっかり笑顔で、仕事がバシバシくるような宣材写真を撮ってきなさい!」

文香「私に、出来るでしょうか?」

俺P「そんなの知らないわよ。とりあえず、今できるだけの事はしなさい」

文香「……わかりました」

文香「今の私に出来る精一杯……見てて、くださいますか?」

俺P「ちょっと見なさいふみふみ! あのスタッフ、良い筋肉してると思わない!?」

文香「……ふふふっ、それでは、行ってきますね」

俺P「さっさと行ってきなさい。帰りは肉食いに行くわよ、肉!」


俺P「……やりゃあ出来るじゃないの」

俺P「って、ちょっとアンタ達! 何見てんのよ!」



909: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:27:20.08 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「ゴッフアァァ……!」

ちひろ「もう! ホント、プロデューサーさんのそういう所嫌い!」

俺P「悪いわね、ちっひ。仕事終わりのビールに、ゲップはつきものなの」

ちひろ「女の子達と食事してるんですから、考えてください!」

俺P「達? おかしいわね、アタシにはふみふみしか見えないわ」

文香「……」

ちひろ「はぁ!?……ごく、ごく……!」

ダンッ!

ちひろ「私だって、まだ女の子です!」

俺P「豪快にビール飲み干しといて馬鹿言ってんじゃないわよ!」

文香「その、ちひろさんは……とっても可愛らしい方だと思います」

ちひろ「聞きました!? ねえ、聞きましたか!?」

俺P「生二つ、追加お願いしま~す♪」

ちひろ「華麗にスルーしないでくださいよ!」

文香「……ふふふっ」



910: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:33:45.29 ID:vKkmJcvio

俺P「ピーチクパーチクうっさいわねぇ、せっかくの焼肉なのに!」

ちひろ「誰のせいだと思ってるんですか、全く!」

文香「お二人は、とても仲が良いのですね」

俺P「大丈夫、ふみふみ? それ、お酒じゃないわよね?」

ちひろ「文香ちゃんは未成年ですから、そうだとしたら困ります」

俺P「やっぱりオレンジジュースにしないよ。オレンジ」

ちひろ「プロデューサーさん、何気にオレンジジュース好きですよね」

俺P「子供心を忘れない、純真な大人の女……それがアタシよ」

ちひろ「女って、さりげなく嘘をつかないでください」

俺P「嘘は女のアクセサリー」

ちひろ「だったら、プロデューサーさんには関係ないですね」

俺P「あーっ! やっと肉が来たわ! アタシの可愛いベイビーちゃん達!」

ちひろ「文香ちゃん! 遠慮してたら、すぐになくなっちゃいますからね!」

文香「は、はい……頑張ります……!」



911: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:42:11.42 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

ちひろ「プロデューサーさん!」

俺P「何よちっひ、怖い顔して。小ジワが増えるわよ」

ちひろ「まだありません! じゃなくて!」

俺P「そう思いたい、ちひろなのであった……」

ちひろ「誤魔化さないでください!」


ちひろ「なんで、文香ちゃんの担当を辞めたんですか!?」


俺P「業務命令よ」

ちひろ「業務命令!?」

俺P「アタシも、所詮はただのサラリースーパーガール……」

俺P「上の命令には、逆らえないわ」

ちひろ「……さりげなく自分を上げないでください」


俺P「プロジェクトクローネ、って聞いてない?」



912: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 18:51:45.07 ID:vKkmJcvio

俺P「346プロが打ち出した、とっても大きな企画」

俺P「それに、あの子が選ばれたのよ」

ちひろ「でも、担当を外れる必要なんて!」

俺P「ちひろ。これは、あの子にとって大きなチャンスなの」

ちひろ「でも……!」

俺P「アタシが担当を続けるより、絶対に良い経験になるわ」

ちひろ「……文香ちゃんは、何て言ってたんですか?」

俺P「わかりました、って言ってたわ」

ちひろ「それは、プロデューサーさんが、そう言ったからでしょ!?」

俺P「ちひろ!」

ちひろ「……すみません、プロデューサーさんのお気持ちを考えずに」

俺P「ふん! アタシは、面倒な子の担当を外れて清々したわ!」

ちひろ「……」

俺P「オーッホッホッホ! 精々、今後の活躍に期待しようじゃないの!」

ちひろ「……今夜は飲みに行きましょう。奢りますよ」

俺P「馬鹿言ってんじゃないわよ。割り勘よ」



913: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:00:43.89 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

ちひろ「……文香ちゃん、レッスン頑張ってるみたいですね」

俺P「初めてが大舞台だからね。頑張ってもらわないと困るわよ」

ちひろ「走るのも、続けてるみたいです」

俺P「ギャランドゥ号はホコリ被ってきたわ」

ちひろ「二人で、ユニットを組むって」

俺P「おチビ達の一人でしょ。あの子はしっかりしてるから、大丈夫よ」

ちひろ「……詳しいですね」

俺P「何よ、何か文句ある?」

ちひろ「いいえ、別に」

俺P「絶対に、レッスンは見に行かないわよ」

ちひろ「……どうしてですか」

俺P「合わせる顔が無いからよ。わかんでしょ」

ちひろ「……」

俺P「……」



914: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:08:19.63 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「……!」ハラハラ

ちひろ「もうすぐ、文香ちゃん達の番ですね」

俺P「言われなくてもわかってるわよ!」ハラハラ


ちひろ「……あら? プログラムに、変更?」


俺P「!?」

ブボッ!


ちひろ「あっ、臭い!? ちょっ、あ、ホント臭い!」

俺P「ひぎいい!? ちっひ! アンタのオナラ臭すぎるわよ!?」

ちひろ「はぁ!?」


俺P「こんな所には居られないわ! 一刻も早く逃げないと!」

ダッ!……ドシドシドシドシ!


ちひろ「あっ、ちょっと、もう!」

ちひろ「……本当、素直じゃないんですから」

ちひろ「……――違いますよ!? 今の、私じゃないですからね!?」



915: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:15:24.30 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「あのおバカ……! 何やってんのよ……!」

ドシドシドシドシ!


俺P「絶対、何か、あっ……フヒィ……!」

ドシドシドシドシ!


俺P「ハヒィ……! ホヒィ……!」

ドシドシ……ドシン


俺P「はーっ……! ぶふぅーっ……!」

俺P「ひーっ……! ふぶるふぅーっ……!」


「あの……どうして、ここに?」


俺P「!」

俺P「ちょっ……ちょっ、と待ちなさい……! すーっ、はーっ!」



916: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:22:26.74 ID:vKkmJcvio

俺P「すーっ! はーっ!」


「あの……文香さん、急に具合が悪くなっちゃって……!」

「私、どうしたら良いか……わからなくて……!」


俺P「かーっ!」

ブボボッ!


「あっ!? くっ、臭い……!」

「な、何で急に……!?」


俺P「人がオナラをするのに、理由なんてないわ」

俺P「それよりアンタ! 何しょぼくれた顔してんのよ!」


「で、でも……!」


俺P「アンタは、いつもアタシがお腹触られてるのを見てる時みたいにね!」

俺P「ヘラヘラ笑って、ドーンと構えて待ってなさい! クソする時みたいに!」



917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:27:30.70 ID:vKkmJcvio

俺P「そんな顔で、ファンを魅了できると思ってんの?」

俺P「アイドル舐めんじゃないわよ、オナラ食らわすわよ!」


「もっ、もうくらいました!」


俺P「あらヤダ、そうだったかしら。そんな昔のことは忘れたわ」

俺P「……でもま、その調子で待ってなさい」

俺P「あの子だったら、絶対に戻ってくるから、ね」


「……はいっ!」


俺P「いい返事ね。それじゃあ、アタシは行くわ」

ブボッ!


「!? 臭っ……もう、やめてください!」


俺P「加速装置よ! それに、そんな先の事はわからないわ!」

ドシドシドシドシ!



918: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:36:11.09 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

文香「……」


俺P「ああヤダ、おおヤダ、ホントヤダ!」


文香「!?」

俺P「ハァ~イ、ふみふみ」

文香「プロデューサー……」

俺P「はーっ! 相っ変わらず辛気臭い顔してるわねぇ!」

文香「……すみません、私」

俺P「なんで謝るのよ! アタシは、もうアンタの担当じゃないのよ?」

文香「そう、ですね……そうでした」

俺P「だから、アンタはアタシに謝る必要なんか無いの」

文香「その……どうして、ここに?」

俺P「そんなの決まってんじゃないの」


俺P「アタシは、ふみふみを友達だと思ってるからよ」


文香「……!」



919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:44:49.58 ID:vKkmJcvio

文香「友達……ですか?」

俺P「一緒に買い物して、一緒に焼肉食ったのよ。そんなの、もう友達でしょ」

文香「……」

俺P「あら、それともハゲで、デブで、オカマの友達はいらないかしら?」

文香「……!」フルフル

俺P「だったら、アタシがここに来ても問題ないわね!」

文香「……私、プロデューサーに見放されてしまったと、思っていました」


俺P「何言ってんの。アタシが担当を外れたのは、友達だと思ってたからよ」

俺P「アンタみたいな稼ぎそうなアイドル、プロデューサーのアタシが手放すはず無いじゃない!」

俺P「だけど、友達だと思ったからこそ、担当を外れた」

俺P「アタシはね、友達の成功を本当に祈れる程、ケツの穴がでかいの」

俺P「……締りは良いのよ!? そこ、勘違いしないでよね!」


文香「……!」



920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 19:55:57.51 ID:vKkmJcvio

俺P「アタシは、ふみふみの担当じゃあないけどさ」

文香「……」

俺P「それだけの、仕事だけの関係ってのも寂しいと思わない?」

文香「……友人や、恋人等、でしょうか」

俺P「そうねぇ……アンタが強火でマッチョな艶男だったら、恋人もありね!」

文香「そ、それはもう、別人だと思います……!」

俺P「そ。だから、アンタはアンタ、ふみふみのままで、アタシのダチよ」

文香「こんな事を言われる時が来るなんて……想像もしていませんでした」

俺P「よくあるセリフじゃない。読書量が足りないんじゃない?」


文香「いえ……完全に別人だったら恋人になった、という方です」


俺P「何よ、そんな頭の悪いセリフ……誰が言ったのかしらね?」


文香・俺P「……」

文香「……ふふふっ、さあ、誰だったでしょうか。思い出せません」

俺P「良い顔するようになったわね! LIVE、気合いれてきなさい!」


俺P「打ち上げは、当然焼肉よ!」



921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 20:02:07.41 ID:vKkmJcvio

  ・  ・  ・

俺P「ああ、ヤダヤダ! なんであの子以外にも焼肉に来たのよ!」

俺P「メスじゃなくて、オスに囲まれてーわー! 男だらけの謝肉祭してーわー!」

俺P「掘れる男はモテるのよ! 覚えておきなさい!」

俺P「……」

俺P「あら? なぁにあの子」

俺P「此処に居るって事はアイドルって事よね?」

俺P「……ああん、もう! 面倒くさいわね!」


ドタドタドタドタ!


俺P「ちょっとヤダ、何よ!」




おわり



929: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 22:38:40.80 ID:vKkmJcvio


「ねえ……き、キスってどう思う?」


 アタシは、意を決して聞いた。
 こんな事、他の誰にも言えない。
 だけど、コイツだったら、聞いても良いカナと思える。


「……城ヶ崎さん?」


 だって、こんなに驚いた顔をしてるんだよ?
 いい大人が、キスに関する質問をされただけで狼狽えちゃう。
 普通だったらさ、ウケルー、とか思うんだろうけど、アタシは違う。
 だってさ、その、真面目な奴の方が、信用出来るじゃん?


「か、勘違いしないでね! キスくらい経験あるから!★」


 ……莉嘉とか、女の子とばっかりだけど。
 でも、別にそれは言わなくても良いよね。
 ず、ズルとかじゃなくて! な、なんとなく!


「どう思うとは……その、質問の意味がよく、わからないのですが」


 右手を首筋にやって、困った顔してる。
 もー! コイツは、相変わらず鈍いんだから!
 どう思うかって聞いたら……アレ?


「アハハ……ゴメン、アタシもよくわかんないや」


 最近、アタシはこういった色恋の事でイジられるのが多くなった。
 だから、何となく、聞いてみたかったのだ。
 何となくだから、質問に大した意味が無いのは……しょうがないでしょ!



930: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 22:52:06.44 ID:vKkmJcvio


「城ヶ崎さんは、何故、そのような質問を?」


 そりゃ、疑問に思うのもトーゼンだよね。
 けどさ、べ、別に仕事の手を止めてまで親身になってくれなくても良いのに。


「し、仕事……良い、の?」
「はい。城ヶ崎さんが、悩んでおられるようですから」


 コイツには、アタシが悩んでるように見えたらしい。
 別にさ、悩むまではいってないよ。
 邪魔して悪いな―、って思ったの、勘違いさせちゃったカナ。


「……」


 でも、コイツには悪いんだケド、こういうのって嬉しかったりするんだよね。
 真面目で、融通のきかない、仕事人間がさ、
アタシが悩んでるカモって思って、その手を止めて相談に乗ろうとしてくれる。
 これって、チョー贅沢な話なんじゃない?


「ほら……アタシって、ギャルなイメージで売ってるでしょ?」
「はい」


 だったらさ、ちょっと位甘えてもイイ……よね★
 まだ、アタシの中でもまとまってないケド、それも含めて聞いてみよう。
 コイツだったら、何かイイ答えを出してくれる……カモ!


「ギャルだったらさ、キスとか、え、エッチとか、バンバンするのが普通カナ、って」


 言っちゃった!


「っ……!?」


 あ、聞かなきゃ良かった、って顔してる!



931: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 23:03:30.64 ID:vKkmJcvio


「ごっ、ゴメン! やっぱり、今のナシ!」
「そ、そう……ですか」


 アタシが慌てて言葉を取り消すと、心底ホッとした顔をされた。
 うー、何かイイアドバイスが貰えるカモと思ったケド、やっぱり無理か。
 ……まあ、そうだよね。
 だって、コイツだもん。


「すみません……それに関しては、お力になれそうもありません」


 本当に申し訳ないと思ってるのか、大きい体をこれでもかって程小さくしてる。
 それがなんだかカワイイ、って思うのはアタシだけじゃないと思うんだよね。
 顔は表情が変わりにくくて、何考えてるかわかんない時が多いケド★


「い、イイって! ただ、何となく聞いてみただけだし!」
「……」


 そっ、何となく……って、アレ? ちょっと待って?
 何か、今の質問の仕方って……!?


「それに!? アタシは、安売りするタイプじゃないから!?」
「っ!?」


 待って待って!
 今の質問は、そういうのじゃないから!
 勘違いなんて、許さないんだからね!


「わかった!? わかったらホラ、返事!」
「はっ、はい!」
「よし!★」


 オッケー! これで、変な誤解されずに済んだ!



932: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 23:15:57.88 ID:vKkmJcvio


「城ヶ崎さんが、そういった方面で真面目なのは、存じているつもりです」
「はい?」


 えっ、何でコイツが知ってるの?
 ……ああ、そっか。


「莉嘉から、何て聞いてるの?」


 そう聞くと、サッと表情が青ざめたように見えた。
 バレないとでも思ったの? チョーウケるんですケド。


「それは……その、ですね」
「ホラホラー、怒らないから言ってみ?★」


 しどろもどろになるのも、からかい甲斐があるジャン★
 あー、皆がアタシをイジってる時って、こういう気分なのカナ。
 これは正直……エヘヘ、楽しいわ!


「彼氏がいた事は無いだろう……と」
「うぐっ!?」


 莉嘉、そんな事言ってるの!?
 いや、そりゃまあアイドルやってる訳だから、そういうの良くないし!
 アタシは、カリスマJKで、アイドルなんだから!


「……申し訳、ありません」
「謝らないでくれる!?」


 ヤバ、今のアタシ、チョーダサいんですけど。
 うぅ……莉嘉のバカ!



933: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 23:29:58.06 ID:vKkmJcvio


「……わかってるなら、もう正直に言うね」


 もう、今更コイツの前で格好つける必要は無いと知って、ちょっと楽になった。
 十分に恥はかいたんだから、こうなったらもうヤケ。
 洗いざらい話してみよう。


「アタシ、ギャルで売ってるのに、そういうの経験なくてさ」
「……」


 凄く、真剣な表情。


「だから、そういうので最近イジられるんだ」
「……」


 言葉を挟むこと無く、アタシの話に耳を傾けてくれてる。


「あっ、それがイヤだって事じゃなくてね?」
「……」


 だからか、自然と思ってる事が口に出せる。


「やっぱり、おかしいのかな、変なのかな、ってちょっぴり不安になるんだよ、ね」


 そう、アタシは不安だった。
 ギャルなイメージでアイドルとしてやっているのに、てんでウブで。
 もしかしたら、カリスマJKとしてやってきたのは、失敗だったのカナ、って。
 現に、この前も常務――今は専務か――にも、方向性を変えるよう言われたし。


「いえ、不安に思う必要は、無いと思います」


 そんなアタシの不安を吹き飛ばすかのような、とても力強い声が響いた。



934: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/01(月) 23:47:48.37 ID:vKkmJcvio


「……どうして?」


 どうして、コイツはこんなにもハッキリと言い切れるのだろう。


「間違いなく、貴女は――カリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉です」


 どうして、コイツはこんなにも真っすぐとアタシを見るのだろう。


「確かに、ギャルとしてのイメージ上、そういった経験に話が行くのは仕方の無い事です」


 だから、その事で――!


「しかし、貴女は、その様な小さな事に左右されるべきではありません」


 小さな事!?
 アタシの不安が、小さな事だって言うの!?


「それらが霞むほどの輝きを貴女は放っている。私は、そう考えます」


「っ――!」


 視線と、言葉に射抜かれたような気がした。
 ものの見事に、コイツはアタシの中にある不安を綺麗に撃ち落としたのだ。
 最近の、モヤモヤとした感情が消え去り、一気に視界が広がった気がする。



935: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 00:06:45.70 ID:XX1hCNlJo


「……そっか。アンタは、そう思うんだ」
「はい」


 もの凄くわかりにくいケド、優しく微笑みかけられた。
 その表情にドキリとさせられたのは、絶対言わない。
 だってそんなの……はっ、恥ずかしいじゃん!


「エヘヘ……言われてみれば、アタシもそう思う!★」


 だから、カリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉の笑顔で対抗。
 知ってるよー、アンタが、


「……良い、笑顔です」


 笑顔に弱い、って★


「それにしてもアンタ、力になれないって言ってたケドさ。そんなコト無いよ」


 だからこれは、弱ったアンタへの追撃。
 やられっぱなしは、性に合わないしね!


「城ヶ崎さん? あの、何を……?」


 アタシが近づくと、不思議そうな目で見てくる。
 そんな頬に、キスの恩返し――


「っ!?……――おおおわあっ!?」


 ――をしようとしたら、仰け反って椅子ごと豪快に後ろに倒れ込んだ。
 どうやら、アタシのキスの販売はまだまだ先になりそうだ。



おわり
 



944: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:14:37.89 ID:XX1hCNlJo

次スレは考えてなかった、というか>>383を完全に忘れてました
見ないとですね

とりあえず、締めます


武内P「アイドルは、ウンコなんかしない」



945: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:16:28.22 ID:XX1hCNlJo

武内P「……そう、昔の私は思っていました」

楓「……まあ」

武内P「……そして、今でもそう信じたい、私が居ます」

楓「……それは、残念ですね」

武内P「……しますか」

楓「……聞きますか」

武内P「……」

楓「……」



946: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:18:19.43 ID:XX1hCNlJo

武内P「……アイドルは、ファンに夢を与えるものです」

楓「……そう、ですね」

武内P「そして、私は貴女のファンです」

楓「……そう、ですか」

武内P「……しますか」

楓「……言わせますか」

武内P「……」

楓「……」



947: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:20:20.68 ID:XX1hCNlJo

武内P「……貴女は、トップアイドルです」

楓「……そう、なのでしょうか」

武内P「少なくとも、私は、そう思います」

楓「……ふふっ、少し、照れてしまいますね」

武内P「……なので、その」

楓「……申し訳ありません」

武内P「……」

楓「……」



948: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:23:07.24 ID:XX1hCNlJo

武内P「……何かの、間違いの可能性は」

楓「……間違い、ですか」

武内P「……実は、している気がするだけ、では」

楓「……します」

武内P「……そう、ですか。そうですか……」

楓「……何と言って良いのか、よく、わかりません」

武内P「……」

楓「……」



949: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:25:16.45 ID:XX1hCNlJo

武内P「高垣さん、貴女はとても美しい女性です」

楓「……ありがとうございます」

武内P「……なので、実はアンコだったり」

楓「……その案、困ります」

武内P「……ですよね」

楓「……はい」

武内P「……」

楓「……」



950: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:28:05.28 ID:XX1hCNlJo

武内P「……その、今朝は」

楓「……聞きますか」

武内P「……申し訳、ありません」

楓「……しました」

武内P「……」カキカキ

楓「!? あの、メモを取ってるんですか!?」

武内P「……いえ、心を落ち着けるため一人で○×ゲームを」

楓「……」

武内P「……」



951: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:31:16.78 ID:XX1hCNlJo

武内P「……もしや、毎朝」

楓「……まあ、いや、さ」

武内P「……健康的、ですね」

楓「……ありがとうございます」

武内P「……良い事、ですね」

楓「……そう、ですね」

武内P「……」

楓「……」



952: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:33:17.00 ID:XX1hCNlJo

武内P「……便秘、などは」

楓「……聞きますか」

武内P「……申し訳、ありません」

楓「……無縁です」

武内P「……それが、美しさの秘訣かも知れませんね」

楓「……そう、なのでしょうかね」

武内P「……」

楓「……」



953: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:36:00.37 ID:XX1hCNlJo

武内P「……臭いは、薔薇の香りでは」

楓「……ありません」

武内P「……臭い、ですか」

楓「……すみません、それはちょっと」

武内P「……申し訳、ありません」

楓「……いえ、お気になさらず」

武内P「……」

楓「……」



954: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:38:49.44 ID:XX1hCNlJo

武内P「……実は、少ししか出ない」

楓「……事は、無いです」

武内P「……大量、ですか」

楓「……あの、デリカシー」

武内P「……申し訳、ありません」

楓「……はい、気にしてください」

武内P「……」

楓「……」



955: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:42:10.23 ID:XX1hCNlJo

武内P「……お酒を飲んだ翌朝は」

楓「――苦しくて、溢れ出すの~♪」

武内P・楓「立ち尽くす風の~な~か~で~♪」

楓「……まあ、座りますけど」

武内P「……洋式、ですか」

楓「……」

武内P「……」



956: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:44:20.03 ID:XX1hCNlJo

武内P「……ウォシュレット」

楓「……はい」

武内P「……良い、ですよね」

楓「……はい」

武内P「……」

楓「……ふふっ」

武内P「……高垣さん?」

楓「……変な所で似てるな、って思ったら、つい」

武内P「……」



957: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:47:34.62 ID:XX1hCNlJo

武内P「……私は、間違っていたようです」

楓「……」

武内P「高垣さんも、ウンコをする」

楓「ちょっと、言い直してください!」

バシバシ!

武内P「……アイドルも、ウンコをする」

楓「……はい、それで」

武内P「……」

楓「……」



958: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:51:07.89 ID:XX1hCNlJo

武内P「……本当は、わかっていました」

楓「……」

武内P「しかし、高垣さんがウンコするなら、全員するでしょう」

楓「ちょっと、私の責任みたいに言わないでください!」

バシバシ!

武内P「……トップアイドルでもするなら、全員するでしょう」

楓「……まあ、それで」

武内P「……」

楓「……」



959: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 21:56:02.74 ID:XX1hCNlJo

武内P「……アイドルも、ウンコをするのですね」

楓「……はい、全員します」

武内P「……輝いていたりは」

楓「……しません」

武内P「……実は」

楓「……輝いていませんから」

武内P「……」

楓「……」



960: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 22:00:34.11 ID:XX1hCNlJo

武内P「……ウンコをしても、貴女達アイドルは輝いている」

楓「……まあ、そう、ですね」

武内P「その輝きは、ウンコの上に成り立っている」

楓「ちょっと、言い方!」

バシバシ

武内P「大の事など、アイドルの輝きの前では、小さな事だと」

楓「……?」

武内P「貴女達アイドルは、とても輝いている、という意味です」

楓「まあ……ありがとう、ございます」



962: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 22:07:53.05 ID:XX1hCNlJo

楓「……すみません、ちょっと」

武内P「……あの、まさか」

楓「……お腹の調子が、今朝から悪くて」

武内P「!? 待ってください! それでは、まさか貴女は――」

楓「!」

バシバシ!

武内P「――……!」



楓「……失礼します」

ツカツカツカツカ…


武内P「……」


武内P「下痢、ですか」


楓「……!」

ツカツカツカツカ…バシバシ!



おわり



963: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 22:11:36.86 ID:XX1hCNlJo

964: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 22:18:31.06 ID:XX1hCNlJo

このスレは試行錯誤で、昔のネタ、ギミック等、色々とやってみました
その結果か、初めて自分の書いたもので「うくく」と声を出して笑えました


こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう


おかげで、昔もひっくるめて最高の1レスが出来ました



966: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/02(火) 22:36:48.38 ID:XX1hCNlJo

>>383に関してですが、今からMマス見てきます
んで、見終わったら書きます

次スレはまあ、気が向いたらってことで
考えて書いてないので、今まで書いたものを覚えてないからネタ被りしそうで

このスレは多分、思い出深くなります
6年以上前の俺の書いたものを読んでた人も見てたっぽいですから

では、見てきます



972: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:24:13.68 ID:pDgUYG1Vo

書きます


武内P「スカウト、ですか」



973: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:27:10.24 ID:pDgUYG1Vo

石川P「はい」

武内P「あの……スカウトとは、私をアイドルに……という意味でしょうか?」

石川P「はい。っと、遅れてすみません、こちらが名刺になります」

武内P「これはご丁寧に……で、ではなく、何故、私をアイドルに……!?」

石川P「笑顔です」

武内P「……!?」


未央「めっちゃ助けを求めてる」

凛「面白そうだから、少し見てようか」



974: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:30:53.69 ID:pDgUYG1Vo

武内P「え、笑顔、ですか」

石川P「はい。貴方は……笑顔がとても好きそうな感じがしまして」

武内P「それは……合っています、が」

石川P「でしょう? 僕のプロデューサーとしての勘が、是非スカウトすべきだ、と」

武内P「……!?」


卯月「すぐに断らないのは……」

美嘉「自分がスカウトで苦労してるから、だろうねー★」



975: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:36:30.73 ID:pDgUYG1Vo

蘭子「我が友が……アイドルに……?」

ほわほわ~ん


  ・  ・  ・


武内P『甘い時間スウィートな~レッスンあげる~♪』


蘭子「我が友―! 我が友ー!」


武内P『おいでどうぞお望みのまま~聴くよ~♪』


蘭子「我が友ー! 我が友ー!」


武内P『恋のレクチャー予約NG~♪』


蘭子「我が友……! 我が友……!」ポロポロッ


武内P『大人のマネにはま~だ~少し~早すぎるでしょ♪』


蘭子「うぅ、わがとも……! わがともぉ……!」ポロポロッ



976: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:39:48.70 ID:pDgUYG1Vo

蘭子「魂の饗宴、しかと見届ける!」

美波「でも、プロデューサーさんがアイドルになったら……」

アイドル達「?」

美波「男女のユニットでの曲も出せるわね♪」

アイドル達「!」

ほわほわ~ん



977: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:44:29.54 ID:pDgUYG1Vo

武内P「私達の、ユニットとしての初LIVEですね」

卯月「緊張、してます?」


  ・  ・  ・


武内P「いえ……それが、意外にも」

未央「へー! プロデューサー、案外度胸あるじゃん!」


  ・  ・  ・


武内P「貴女が隣に居る事が、心強いからでしょう」

凛「……ふーん。そういうもの?」


  ・  ・  ・


未央・卯月・凛「……サイコー」



978: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:47:21.34 ID:pDgUYG1Vo

みく「でも、アイドルやったらみく達のケアが出来なくなるにゃ」

李衣菜「プロデューサー、ただでさえ忙しそうだもんね」

かな子「それはそれで好都合だよ~♪」

智絵里「でも……それはちょっと寂しいかも」

杏「だったらさー、レッスンとか一緒にすれば良いんじゃない?」

アイドル達「!」

ほわほわ~ん



979: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:51:43.97 ID:pDgUYG1Vo

莉嘉「お疲れ様っ、Pくん!☆」

武内P「お疲れ様です」


  ・  ・  ・


みりあ「えへへっ! でも、一緒にレッスン出来て楽しいなー!」

武内P「あっ、赤城さん……今くっつかれては、その……!」


  ・  ・  ・


きらり「あっ、ゴメンにぃ! 汗でぇ、ベトベトしちゃってたゆ」

武内P「その……シャツが透けて……はい、申し訳ありません」


  ・  ・  ・


莉嘉・みりあ・きらり「きゃーっ!///」



980: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 11:55:48.76 ID:pDgUYG1Vo

アーニャ「……ハラショー! 良い事、いっぱいです!」

アイドル達「!」ウンウン


石川P「お返事はすぐに、とは言いません」

武内P「あ……いえ、私は……」

石川P「ですが、貴方ならきっと、アイドルとして輝けます」

武内P「……!?」タスケテクダサイ!


アイドル達「……」フイッ


武内P「!?」



981: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:00:36.55 ID:pDgUYG1Vo

石川P「僕で良ければ、そんな貴方の力にならせてください」

武内P「しかし……それは……!」

石川P「貴方が、ファンの方達を笑顔にする手助けを」

武内P「……」

石川P「そして、見たことのない景色を見ましょう」

武内P「……!?」タスケテクダサイ!タスケテクダサイ!


アイドル達「……」フイッ


武内P「!?」


ピエール「あーっ! ここにいたんだ!」


アイドル達「!?」



982: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:04:44.21 ID:pDgUYG1Vo

ピエール「すっごく探しちゃった!」

石川P「す、すみません。少し、スカウトに夢中になってしまって」

ピエール「スカウト?」

石川P「はい。彼を」

武内P「……」

ピエール「うわー! 新しい、仲間!? 嬉しいなー!」

武内P「あの、いえ……私は……」

ピエール「えっ……違う、の?」キュルンッ

武内P「……!?」


アイドル達「……」



983: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:08:46.46 ID:pDgUYG1Vo

未央「……可愛くない?」

卯月「……可愛い、です」

凛「……何か、デレデレしてる」

蘭子「……魂の繋がりが、断ち切られようとしている」

アーニャ「……ニェート、あれは、アー、良くない、です」

智絵里「……見捨てられちゃう?」

かな子「……クッキー美味しい~♪」

杏「……そもそも、別の事務所の人じゃない? あれ」

アイドル達「!」



984: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:10:58.11 ID:pDgUYG1Vo

莉嘉「……事務所が違うってコトは」

みりあ「……ねえねえ、プロデューサー、取られちゃうの?」

きらり「……うゆ……アイドルになったら、そう、なるにぃ」

みく「……プロデューサー兼、アイドルという手も」

李衣菜「……事務所が違うから、難しいと思う」

美波「……」

ほわほわ~ん



985: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:16:12.24 ID:pDgUYG1Vo

武内P「LIVE、頑張りましょう」

ピエール「うん! ボク、頑張る!」

武内P「会場の緊張も、ほぐれているようですね」

ピエール「エヘヘ!」

武内P「笑顔で、楽しんでください」

ピエール「はーい!」

武内P「良い、笑顔です」


武内P「やはり、後楽園ホールは最高ですね」


  ・  ・  ・


美波「――待って皆!」

アイドル達「!?」

美波「大事なのはプロデューサーさんの気持ち、でしょ?」

アイドル達「……」



986: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:22:55.27 ID:pDgUYG1Vo

美波「確かに、プロデューサーさんが居なくなるのは寂しいわ」

アイドル達「……」

美波「でもね、怖がってちゃ、前に進めない」

アイドル達「……」

美波「……プロデューサーさんが選んだ道なら、応援してあげなきゃ!」

アイドル達「……!」

美波「精一杯の笑顔で、後ろの前に進むのを応援してあげましょ!」

アイドル達「後ろの……?」


美嘉「えっ? 皆、アイツいらないの?」


アイドル達「!?」



987: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:30:29.24 ID:pDgUYG1Vo

美嘉「皆がいらないなら、アタシが貰っちゃおっかなー★」

アイドル達「……!?」


武内P「……しかし、私は」

石川P「気が向いたら、で結構です。いつでも待っていますから」

武内P「……」


美嘉「ホーラ! 黙ってないで、アンタも名刺渡しなって!」

バシッ!


武内P「じょ、城ヶ崎さん……!?」

石川P「カリスマJKアイドルの、城ヶ崎美嘉さん……? は、はじめまして」

ピエール「わふー! はじめましてー!」

美嘉「はじめまして★ ホラ、はやく!」

武内P「……」



988: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:35:21.38 ID:pDgUYG1Vo

  ・  ・  ・

ちひろ「……ふふっ、大変だったみたいですね」

武内P「……」

ちひろ「もしかしたら、本当にアイドルになっちゃってたかも?」

武内P「……いえ、それは有り得ません」

ちひろ「あら、どうしてですか?」

武内P「私は、プロデューサーとして、皆さんの笑顔を見ていきたいですから」

ちひろ「まあ、仕事熱心ですね」

武内P「……」



989: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 12:42:53.95 ID:pDgUYG1Vo

ちひろ「でも、可能性としてはあると思います」

武内P「……私がアイドルに、ですか?」

ちひろ「ええ。だって、プロデューサーさん、歌は得意でしょう?」

武内P「……何故、それを……!?」

ちひろ「事務員は、何でもお見通しなんですよ♪」

武内P「……答えに、なっていないのですが」

ちひろ「うーん……何て言えば良いのかしら」

武内P「……」



ちひろ「理由あって、ですかね♪」



おわり



991: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 13:06:23.88 ID:pDgUYG1Vo

ピエールくんのちんぽの事しか考えられないので、休憩後1レスもので刻みます



992: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 14:39:12.41 ID:pDgUYG1Vo


「……」


 いやー、まさか、プロデューサーのこんな無防備な姿を見るとはね。
 だけどね、そこは杏の特等席なんだよ?
 プロデューサーが寝たら、クッションが潰れちゃうってば。


「……」


 まあ、気持ちはわからないでもないけどね。
 にっしっし、これで杏がそこから離れたくない気持ちがわかったんじゃないかな。
 今後はさ、杏がそこで寝てたら起こさなくて良いからね。
 働くのなんて、働き者に任せておけば良いんだよ。


「……」


 プロデューサーはその働き者の内の一人だけど、ね。
 だけど、それでもそうやってダラダラする時間も大事だと思うよー。
 働きっぱなしじゃあ疲れちゃうって。
 杏だって、ダラダラするのとゴロゴロするの、メリハリを付けてるんだから。


「よっこいしょ、っと」


 おいおい、いくら杏が軽いからって、上に乗っても起きないなんてある?
 どんだけ疲れてるのさ、全く。
 しっかり休んで疲れを取るのも、仕事の内って言うじゃんね。
 仕事しないなんて、けしからんね!


「ふわぁ~あ」


 ってなわけで、杏はこれからお仕事といきます。
 プロデューサーも一緒だから、サボりじゃなくてお仕事だよ、お仕事。
 ……それにしても、妙に寝心地が良いじゃん。
 やるねー、プロデューサー。


「こういう仕事なら、大歓迎だよー……」


 起きた時の事? そんなの考えないよ!
 杏はそんなに仕事熱心じゃないのだ、はっはっはー!


おわり



993: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 15:01:32.22 ID:pDgUYG1Vo


「プロデューサーさん、ちょっと待って下さい」
「? はい」


 席を外そうとした時、新田さんに呼び止められた。
 新田さんは立ち上がり、パタパタと私に歩み寄ってくる。
 一体、何の用事だろうか?
 必要な連絡事項は、伝え終わっていた筈だが。


「ネクタイ、曲がってますよ」


 新田さんはそう言うと、私のネクタイに手をかけた。


「すみません、気づきませんでした」
「前に注意されたんですから、しっかりしないと」


 確かに、その通りだ。
 クライアントが最初に会うのは私で、だからこそ身だしなみには気をつけねば、と。
 そう、思っていたのだが、最近は気が緩んでいたのかも知れない。


「はい、これでバッチリです♪」


 新田さんは、微笑みながらそう言った。
 それは、とてもまぶしい、良い笑顔だった。
 その輝きに当てられてか、普段言わないような言葉が、口をついて出た。


「――新田さんは、良い奥さんになりそうですね」
「ふえっ!?」


 私の言葉に、新田さんは驚いて目を丸くした。
 大人びているとは言え、19歳の彼女に言うような言葉ではなかったか。


「も、もう! 急に何を言うんですか!」
「……申し訳ありません。それでは、行ってきます」


 見れば、耳まで赤くなっている。
 怒らせてしまったようだ……今後はこういう事の無い様、反省しなければ。


「はい、行ってらっしゃい♪」


 そんな私を新田さんは、とても良い笑顔で送り出してくれた。



おわり



994: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 15:27:12.93 ID:pDgUYG1Vo


「……ん」


 なんだろう……私、揺れてる?
 あれ? でも、さっきまで事務所に居たのに、何で揺れてるんだろ?


「――気が、付きましたか?」
「……ええっ!? なんっ、ななな、なんっ!?」


 なっ、なんでシンデレラプロジェクトのプロデューサーさんが……!?
 それに、えっ、これ、お姫様だっこ~!?
 はっ!? えっ!? なんで!?


「すみません……また、気絶されてしまったので」
「……!?」


 そう言えば、曲がり角で何かにぶつかって、それで――


「す、すみません~! 私、また、失礼な事を~!」
「いえ、お気になさらず」


 って言ってくれてるけど、あぁぁやっぱり気にしてるぅ!
 顔を見られただけで気絶なんて、落ち込むに決まってるよ~!


「それよりも、どこか、痛む所はありませんか?」
「なっ、なっ、無いです! すみません~!」
「今、医務室に向かっていますので、少々お待ち下さい」
「はっ、はい~!」


 そ、そっか……医務室に連れてってくれてるんだ……。
 えへへ、顔は怖いけど、やっぱり優しい人だな~。
 こういう時は、お礼を言わないといけないよね!


「ありがとうございます♪」
「……良い、笑顔です」


 そう言うと、とっても優しい顔で微笑まれた。
 私は、今の状況を思い出し、あえなく本日二度目の気絶をする事となった。



おわり



995: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 16:05:16.95 ID:pDgUYG1Vo


「ホットコーヒーで、ホッと一息、ですか?」


 談話スペースで、缶コーヒーを片手に座っている彼を見つけた。
 ここで見かけるなんて、初めてじゃないかしら?
 うふふっ、普段無い事が起きるなんて、もしかしたら今日はついてるのかも。


「高垣さん……お疲れ様です」
「はい、お疲れ様です」


 挨拶として言ったけど、この人は本当に疲れてるみたい。
 いつもより、心なしか声に元気がない気がするもの。


「お仕事、忙しいみたいですね」
「そうですね……ですが、有り難い事です」
「まあ、仕事熱心ですね」


 この人は、本当に、心からそう思っているのだろう。
 体は疲れていても、自分の担当する子達、これから担当するであろう子達のため、
自分が忙しいのはとっても喜ばしい事だと考えているのだ。
 ……ちょっとだけ、からかっちゃおうかしら。


「お仕事、大変じゃないですか?」
「いえ、大変だと思ったことはありません」


 もう、間髪入れずに答えちゃうんですから。
 からかい甲斐が無いですよ、全くもう!


「高垣さんも、お仕事の方は大変では?」
「いいえ。そんなの、思った事ありません」


 私の答えを聞いて、彼はそうだと思いましたと頷き、微笑んだ。
 まあ、この人ったら、私をからかったのね! 失礼しちゃうわ!


「――それでは、私は、これで」
「はい。また」


 私をからかったからか、声にいつもの張りが戻ったみたい。
 子供みたいな所があるんですから……仕方ない人ですね、もう。



おわり



996: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 20:58:59.30 ID:pDgUYG1Vo


 カラリと、そう、絶望を告げる音がトイレの個室に響きました。
 何気なく入った場所に、あるべき物が無いというのは、こんな気持ちなのですね。
 この気持ちは、書の中では体験の出来ない、非常に貴重なものかもしれません。


「……」


 嗚呼、どうして私はカバンを預けてしまったのでしょうか。
 あの中には、携帯が入っているというのに、これでは助けが呼べません。
 勿論、大声を出すという選択肢もありますが、それは、少し恥ずかしいと思ってしまいます。
 けれど、他に手は……無いのでしょうね。


「あっ、ありすちゃーん!」


 入り口で待っている、ありすちゃんに声をかけます。
 けれど、待てども待てども、ありすちゃんは現れません。
 もう一度、声をあげてみましょう。


「ありすちゃーん!」


 最初よりも、大きな声が出た気がします。
 私の焦りが、声にも現れたのでしょうか……とても、大きな声でした。
 けれど、一向にありすちゃんが現れる気配はありません。


「……!」


 もしかしたら、ありすちゃんに何かあったのでは、という疑念が湧き上がります。
 今の、私以上の危機にありすちゃんが直面していたとしたら?
 返事も出来ず、逆に私の助けを待っているのだとしたら?


「!」


 私は、まとめた髪の毛も、たくし上げたスカートもそのままに、個室を飛び出しました。


「文香さん、トイレの紙がきれてるかもって、用務員、さん、が……」


 良かった、ありすちゃんに何かがあったわけでは無かったようです。
 しかし、困りました……もう一度トイレの個室に入ったら、二度と外に出たくないと思ってしまいそうです。



おわり



997: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:21:30.11 ID:pDgUYG1Vo


「未央ちゃん、なんだか顔色が悪いですよ?」


 しまむーが、とっても心配そうに声をかけてくる。
 でもさ、その心配の原因は、しまむー自身にあるんだよ、ね。


「そ、そう?」


 私は、気付いてしまった。
 しまむーの髪の一房、その先端にへばりつく、茶色い物体に。
 髪の毛が長いと大変というのは、こういう事でもある。


「未央、もしかして……気付いた?」
「しぶりん」


 しぶりんが、チラチラとしまむーの髪の先に目を向けている。
 どうやら、しぶりんもしまむーの異常事態に気付いていたらしい。
 どちらが、どうやって、しまむーにその事実を告げるか。
 今は、それが問題――


「未央ちゃんも、ですか?」
「へっ?」


 ――しまむーが、チラチラとしぶりんの腰辺りに目を向けている。


「あっ」


 居ますね。


「あっ……って、どうしたの?」
「ううん! 何でもないよ! 何でも!」


 どっちもかよ!
 私達は友達だけどさ、そういう所で変な仲の良さ発揮するのやめてくれない!?


「言ってよ、未央」
「言ってください、未央ちゃん」


 こんな事になるなら、私も髪を伸ばしておけば良かったなんて、疎外感。
 私ってさ、こういう時についてないんだよね。



おわり



998: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:27:34.37 ID:pDgUYG1Vo

皆さんは、好きなアイドルは誰ですか?
俺は、片桐早苗さんが大好きです


あたしが無理って思わなかったら、それって無理じゃないもの。
人の可能性、ナメてかかるやつなんて逮捕よ、逮捕!!

それで……プロデューサー君はどうする?


[やりすぎお姉さん]片桐早苗の、この台詞に完全にやられました
たかが絵の、それも、どっかのオッサンが考えた台詞なのにですよ


そして、新年のスカチケ販売がありましたね


ありがとう、片桐早苗さん


貴女は、俺の中で最高のアイドルです


<美味しいコーヒー……こーひーん質の豆なんでしょうね、うふふふっ♪


いらっしゃいませ、高垣楓さん



999: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/04(木) 21:41:33.62 ID:pDgUYG1Vo

では、またどこかで



元スレ
SS速報VIP:武内P「便秘、ですか」
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