過去作
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
1: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:34:10.67 ID:llINxF84.net
ようまり。
2: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:35:12.20 ID:U2fZutuu.net
函館遠征中
鞠莉「えっと、待ち合わせ場所はこの辺のはずなんだけど…」
鞠莉「あれぇ、違った?」ウーム
鞠莉「土地勘が無い出先でいきなり呼び出すなんて。まったく、曜ったら人を迷子にするつもりかしら!」プンスコ
鞠莉「…また、何かあったのかなぁ」
鞠莉(夏のぶっちゃけトークでお節介を焼いてからというもの、曜はなにかと私を頼りにしてくれるようになった)
鞠莉(たわいもないことを話したり、練習後に一緒に寄り道したり…一緒にいる時間も多くなった)
曜『突然ごめんね。今から会って話せないかな。できれば、みんなには内緒で…』
鞠莉(それが遠征中の今、メンバーの目を忍んでいきなりの呼び出し)
鞠莉(オクテの曜のことだもの。よほどのことがあったと考えるべきね)キョロキョロ
曜「…」
鞠莉(いた)
曜「…」ソワソワ
鞠莉(なんだか落ち着かない様子だけど、落ち込んでるわけではなさそうね)
鞠莉(よし…)コホン
鞠莉「はぁい、曜♪」
曜「あ、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「ふふっ。遠征中、いきなりみんなに内緒で会いたい、だなんて」
鞠莉「ロマンチックな話かと期待しちゃったよ?」
鞠莉「やっとマリーに想いを告げるする決心がついたのかなって」クスクス
曜「あはは、残念ながらそういう訳ではないんだー」
鞠莉「まあ!そんな思わせぶりな態度をとる曜は、ギルティでーす!」
曜「ええ!?判定厳しくない!?」
鞠莉「見知らぬ土地、突然の呼び出し、裏切られた期待――」ほっぺ掴み
鞠莉「マリーの心証が悪くなるのも当然デース」むにむにぐいぐい
曜「ひょれをいわへると、はえすほとははなひよー(それを言われると、返す言葉もないよー)」
鞠莉(どうやら、無理してる感じではないみたいね)ニコ
鞠莉「はい、おしまい」パッ
曜「ふぅ…やっと解放されたぁ」ほっぺサスサス
鞠莉「相変わらず曜のほっぺは最高ね。遠征の疲れが癒されるよ~♪」
曜「あはは、それはよくわからないけど…」サスサス
鞠莉「ふふっ。それじゃ、禊が済んだところで本題に入ろうか」
曜「うん!その前に改めて、ごめんね。時間作ってもらっちゃって」
鞠莉「いえいえ」
曜「実は…お願いがあるんだ」
鞠莉「お願い…」
鞠莉(悩み事の相談じゃないってこと?)
曜「うん、お願い。いいかな?」
鞠莉「内容にもよるけど、まずは聞くわ」
曜「うん…あの、笑わないでね」
鞠莉「そんなことするわけアリマセーン!」
鞠莉「…心配しないで話して。ね?」
曜「鞠莉ちゃん…ありがと!」
鞠莉「ん」ニコ
曜「じゃあ話すね。えっと――」
鞠莉「…」ドキドキ
曜「――鞠莉ちゃんのこと、お姉ちゃんって呼んでもいい?」
鞠莉「…ふぇ?」
鞠莉「――要するに、お姉ちゃんに憧れちゃったってこと?」
曜「うん。私、一人っ子だから、妹とかお姉ちゃんって、よくわからないんだけど」
曜「ダイヤさんとルビィちゃんを見て、千歌ちゃんの話を聞いて思ったんだ」
曜「お姉ちゃんって、いつも側に居てくれて。頼りになって、厳しく、暖かく見守ってくれて…そんな存在なんだろうなって」
曜「そういうの、凄く素敵だなって!」
鞠莉「そうね。私にもきょうだいは居ないけど、ダイヤたちを見てるとそうなのかなって思う」
曜「それでね。私にお姉ちゃんが居たらどんな人だろうって考えたら」
曜「真っ先に思い浮かんだのが、鞠莉ちゃんの顔だったんだ」
鞠莉「!」ドキ
曜「なんでかなって自分の中で考えてるうちに、どんどん鞠莉ちゃんに会いたくなってきて」
曜「居ても立ってもいられなくなっちゃって、それで…えへへ」テレテレ
鞠莉(…かわいい)
曜「ね、お願い!少しの間でいいから、鞠莉ちゃんのことお姉ちゃんって呼ばせて!」
曜「他の人には見られないようにするし、鞠莉ちゃんも私のこと妹だと思ってくれていいから!」
鞠莉「うーん、でも…」
曜「お願い!この通りっ!」
鞠莉(…溜め込みがちな曜のことだもの。擬似の姉妹関係でも、思ってる事を話してくれるきっかけにはなるかもしれないし…)
鞠莉(何より、曜にお姉ちゃんって言われるの。悪い気はしないかな)
鞠莉「わかった、いいよ」
曜「!」
鞠莉「曜がここまで真剣に頼んでるんだもの、むげには出来ないわ」
鞠莉「私もきょうだい居ないから、そういうの楽しそうだし、ね?」クスッ
曜「鞠莉ちゃん…!」
ハグッ
鞠莉「!」
曜「ありがと、鞠莉お姉ちゃん!」ムギュッ
鞠莉(こ、これって…!)キュン
曜「へへ、優しくていい匂い。安心する」スリスリ
鞠莉(胸の奥から込み上げてくるこの感覚…曜がとっても愛おしく見えて)ギュ
曜「お姉ちゃーん!」ギュー
鞠莉(新しい境地に目覚めそう…)ナデナデ
…………………
果南「ワンツースリーフォー…」
ダイヤ「はい、ここで一旦休憩にしましょう」
花丸「はぅ~、疲れたずらぁ…」
善子「ふっ…この程度で音をあげるとは…まだまだね…」ハァ…ハァ…
花丸「善子ちゃんこそ痩せ我慢してるくせに、よく言うずら…」
花丸「もっとも、最近は『痩せ』なのかどうか、怪しくなってきたけど」ジトー
善子「そ、それは言うなーっ!」ウガー
曜「鞠莉ちゃん。さっきの所の振り付けなんだけど、どうだった?」
鞠莉「曜だけ少しテンポが早かったかもね。音に頼らず、周りと合わせる事を意識してみたらいいと思うわ」
曜「なるほど。ありがと、次は気をつけるね!」
鞠莉「いえいえ♪水分しっかりね」
曜「はーい!」
花丸「最近、鞠莉ちゃんと曜ちゃん仲良いずらね」ハイタオル
善子「波長が似てるからね、あの2人は」アリガト
花丸「波長?それは気の流れとか、霊的ななにかが同じってこと?」
善子「そ、そこに食いつかないでよ…似た者同士ってことよ、単純に」
花丸「ふーん?」
…………………
曜「…」ソワソワ
鞠莉「お待たせ、曜」
曜「お姉ちゃんっ!」
鞠莉「寒くなかった?」
曜「もらったカイロのおかげで大丈夫!お仕事は終わったの?」
鞠莉「少し残ってはいるけど、明日やればなんとかなるわ。私も曜と一緒に帰りたいし」
曜「そっか、へへっ」ギュ
鞠莉「ん、やっぱり手が冷たくなってる。寒い中、我慢してたんでしょ」
曜「あ、こっちの手はさっきまでカバンを持ってたから…本当に大丈夫だって」
鞠莉「ダメ。寒さも疲れも、知らず知らずのうちに蓄積してダメージになっていくのよ」
鞠莉「コンビニに寄って、温かいものでも買いましょう。待たせたお詫びに、ご馳走するから」
曜「いいの?じゃあ私、ココア!」
鞠莉「はいはい。なら、私も今日はココアにしようかな」
曜「おそろいだねっ!」
…………………
理事長室
鞠莉「んー…」カタカタ
コンコン
鞠莉「はい」
「私です、曜です」
鞠莉「ひとりよ、どうぞー」
ガチャ
曜「やっほー」フリフリ
鞠莉「いらっしゃい。どうかしたの?」
曜「へっへー。はい、差し入れ!」
鞠莉「私に?あら、この匂いは」
曜「曜ちゃん特製、レモンのはちみつ漬けだよ!」
曜「いつもお仕事頑張ってるお姉ちゃんに、気持ちばかりのプレゼントだよ!」
鞠莉「美味しそう…特製ってことは、わざわざ作ってくれたの?」
曜「うん!レモンは鞠莉お姉ちゃんの好きなものだし、何より元気をチャージ出来るかなって!」
鞠莉「ありがとう、嬉しいわ♪」
曜「これね、そのまま食べるのはもちろんだけど、紅茶に入れたりしても美味しいんだ!」
鞠莉「まあ!それは素敵ね」
曜「あ、でもコーヒーにはちょっと合わないかもしれないけど…」
鞠莉「そんなことないわ。コーヒーにはちみつやレモンを入れる飲み方もあるから」
曜「そうなの?ならよかった!」
鞠莉(表情が素直すぎるよ、本当にもう)ニコ
鞠莉「ちょうど一息入れようと思っていた所なの。曜も付き合ってくれる?」
曜「あ、うんっ!」
鞠莉「何がいい?コーヒーは少し苦手だったよね、甘くすればいける?」
曜「えっとね。飲み物もいいんだけど、その…」モジモジ
鞠莉「ん?」
曜「えへへ」ウズウズ
鞠莉「ん、そうだったわね」スッ
鞠莉「曜、おいで」
曜「うんっ!」
曜「お姉ちゃーん」ムギュッ
鞠莉「いつもお姉ちゃんを支えてくれてありがとうね」ナデナデ
曜「へへ、これ好き」
鞠莉「私も。最近はこれが一番の元気の源かも」クスッ
曜「なら、嬉しいなっ」スリスリ
鞠莉(可愛いなぁ…ダイヤのことシスコンって笑えなくなっちゃう)ナデナデ
三年生がフォーメーション練習中
曜「はぁ…」ポケー
ルビィ「曜ちゃんどうしたの、元気ないの?」
曜「あ、ルビィちゃん。ごめんね、大丈夫だよ」ジー
ルビィ(曜ちゃん、お姉ちゃんたちの練習を見てるのかな)
曜「ルビィちゃん」
ルビィ「うん?」
曜「お姉ちゃんってさ、いいよね」
ルビィ「ぴぎぃ!?」
曜「憧れちゃうよぉ…」ポー
ルビィ(曜ちゃん…もしかしてお姉ちゃんのことを…!?)アワアワ
CYaRon!がユニット練習中
鞠莉「はぁ…」ポケー
ダイヤ「どうしたんです。ぼーっとして、鞠莉さんらしくもない」
鞠莉「ああ、ダイヤ。なんでもないんだけど、ちょっとね」ジー
ダイヤ(ルビィたちが練習する様子を見てる?)
鞠莉「ダイヤぁ」
ダイヤ「はい?」
鞠莉「妹ってさぁ、いいよね」
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
鞠莉「可愛いよねぇ…」ポー
ダイヤ(鞠莉さん…まさかルビィのことを…!?)アワアワ
…………………
理事長室
曜(お姉ちゃん、出て行ったきり戻ってこない)
曜(お菓子とコーヒーを出して貰ったけど、ひとりで待つのはどうにも落ち着かないし)ソワソワ
曜(早く戻ってこないかなー)ゴク
曜「んぐ、にがい…」
バタン
鞠莉「…」
曜「あ、お帰りなさい!」
鞠莉「ん…」ツカツカ ストン
曜(あれ?)
鞠莉「はぁ…」イライラ
曜(ひょっとして、おこりんぼモード?)
曜「お姉ちゃん、何かあったの?」
鞠莉「別に…」
曜「そう?」
鞠莉「そう!」
曜(全然そうは見えない)
鞠莉「まったく、果南のアホ…!知らないんだから!」プンスコ
曜「果南ちゃん?喧嘩でもしたの?」
鞠莉「喧嘩じゃないわ。向こうから一方的に突っかかってきたの」
鞠莉「あの頑固オヤジ。いつまで経ってもいつまで経っても相変わらずなんだから!」
曜(さっき、ご機嫌斜めかなん?って言わなくてよかった…)
鞠莉「私の気持ちも知らないで…!」
曜「はいはい。何があったかは聞かないけど、その辺にしよう」
鞠莉「聞いてよ!」
曜「聞いてもいいけど、私が言うことは同じだもん」
鞠莉「聞いて欲しいの!聞くことはカウンセリングの基本だよ!」
曜「そこまで言うなら聞いてもいいけど…先に一つだけ、いい?」
鞠莉「なによ」
曜「早いとこ謝った方がいいよ」
鞠莉「なんでよ!」
曜「果南ちゃん意地っ張りだけど、意外と気にするタイプだから」
曜「今頃、きっと寂しがってるよ」
鞠莉「そんなのわかってる!」
曜「なら、なおさら仲直りしようよ」
鞠莉「私から謝る理由はないもん!」
曜「そうやって時間が経てば経つほど、仲直りはどんどん難しくなるよ」
曜「お姉ちゃんなら、このことがわかるよね?」
鞠莉「う…」
曜「喧嘩が出来るのも仲が良い証拠だけどさ。ありがとうと、ごめんなさいは、早い方がいいんじゃないかな」
鞠莉「…」
曜「ね?」
鞠莉「…うん、そうする」
曜「さ、早く行ってあげて。果南ちゃん、きっと待ってるよ」
鞠莉「うん…!」タッ
バタン
曜「意外と子どもっぽいところもあるんだね」ニコ
曜「ふふ、頑張ってね」ゴク
曜「むぅ、にがぁい…」
…………………
曜「もー、千歌ちゃんと梨子ちゃんの分からず屋ー!」プンスコ
鞠莉「あらあら、仲の良いことで」クスクス
…………………
鞠莉「今日はそろそろ寝ましょうか。さ、おいで」
曜「ん…」モジモジ
鞠莉「勉強教える代わりに、抱き枕になってもらう約束でしょ?」
曜「そうだけど、やっぱり一緒に寝るのは恥ずかしいっていうか…」
鞠莉「ゴーに入ってはゴーに従え。ハグしながら寝るのはマリーの流儀なのデース」
曜「んー…」
鞠莉「ハグは親愛の証だよ。だから、ね?」ポンポン
曜「…わかった。しょうがないね、甘えん坊のお姉ちゃんで」
鞠莉「ふふっ♪マリーとハグして眠れば、きっと良い夢見れるよ?」
曜「本当かなぁ。そんな話、果南ちゃんから聞いたことないけど」クス
鞠莉「それじゃ、電気消すね」
曜「うん」
パチ
鞠莉「ふふ、抱き枕ー」ハグッ
曜「わっ。さ、流石に近すぎない?このままだと暑くなっちゃうかも」
鞠莉「やだ、離さないもーん」ギュ
曜「わわ!」
鞠莉「うふふっ♪」スリスリ
曜(鞠莉ちゃん、嬉しそう)ニコ
鞠莉「また明日ね。おやすみ、曜」
曜「おやすみ、お姉ちゃん」
…………………
曜「zzz…」モゾ
曜「ん、んー…?」モゾモゾ
曜「ふぁぁ…あれえ、まだ暗いじゃん…」
曜「ん…鞠莉ちゃん、どこ…?」
鞠莉「…」
曜「あ、ベッドの隅っこに行っちゃってる」
鞠莉「…」
曜「あんなにくっついて寝たのに…本当、寝てる時まで自由なんだからぁ…ふぁぁ…」
曜「お姉ちゃん、起きてたらこっちおいでー」
鞠莉「…」
曜「反応なし。寝てるのなら、こっちから行っちゃうよー」スッ
鞠莉「…っ」
曜「へへ、お姉ちゃ――」モゾモゾ
鞠莉「うっ…くぅぅ…ひっく…」
曜「!」
鞠莉「う、うう…っ、くっ…」
曜(泣いてる…)
鞠莉「ごめんなさい、みんな…ごめんなさい、ごめんなさい…」
曜「!」
鞠莉「学校…守れなくて…みんなの想い…応えられなくて…」
曜「まり、ちゃん…」
鞠莉「ごめんなさい…ごめんなさい…!」
曜「…!」
ハグッ
曜「大丈夫、鞠莉ちゃんは頑張ったよ」ギュ
鞠莉「わたしが…わたしが…!」
曜「ごめんね…みんなの想いを、鞠莉ちゃんひとりに背負わせちゃって…」ナデナデ
鞠莉「う…うう…!」
曜「いいんだよ、大丈夫だよ」サスサス
…………………
鞠莉「すぅ…すぅ…」
曜「ふふ、可愛い寝顔…」ナデナデ
鞠莉「んふふ…んー…」
曜「…」
鞠莉『また悩みを溜め込んでるでしょう。マリーに誤魔化しは通用しませんよ?』
鞠莉『言ってみて。悩みを外に出さないことには、幸せは入っていかないよ?』
鞠莉『…ん!やっぱり曜はシャイニーな笑顔が一番だよ!』ニコ
曜(鞠莉ちゃん…)
鞠莉「zzz…」
曜「…」ナデナデ
翌日
鞠莉「どうしたの、改まって話がしたいなんて」
曜「うん…」
鞠莉「あ!もしかしてお姉ちゃんに新しいお願いかな?」
曜「うん、お願いがあるんだ…」
鞠莉「もー、マイシスターはおねだりさんですねぇ。いいよ、教えて?」
曜「あのね…」
鞠莉「うん」
曜「…鞠莉ちゃんをお姉ちゃんって呼ぶの、終わりにしたいなって」
鞠莉「…えっ!?」
曜「今まで付き合ってくれてありがとう。とっても嬉しかったよ」
鞠莉「ちょ、ちょっと待って!どうしていきなりそんなこと…」
鞠莉「!わ、私、何かしちゃった?」
曜「ううん、そういうことじゃないんだ」
鞠莉「なら…!」
曜「でもね。私からお願いしたことだから、終わらせるのも私からじゃないとって…」
鞠莉「そんな…」
曜「私ね、とっても嬉しかった。お姉ちゃんが欲しいなんて笑っちゃうようなワガママなのに。鞠莉ちゃんは優しく受け入れてくれて…」
曜「本当のお姉ちゃんみたいに、私のことを温かく包んでくれた…本当に、本当にありがとう」
曜「誰にも言わないって始めた秘密の関係だったけど、この1週間は私にとって、凄く…」
鞠莉「秘密…あ…!」
鞠莉(今わかった。私が承諾したのは曜のためだけじゃなくて…)
鞠莉(たとえ擬似の姉妹関係であっても、曜と新しい関係を作って、秘密を共有できることが嬉しくて…)
曜「凄く、幸せだったよ!」
鞠莉(2人だけの内緒の時間は、私にも大切で、かけがえのないものだったから…だから、こんなにも)
鞠莉「そっか…もうお姉ちゃんは、必要ないんだね…」ウル
鞠莉(こんなにも、悲しいんだ…)
曜「…鞠莉ちゃんがお姉ちゃんは、これでおしまい」
鞠莉「…っ」ウルウル
曜「だけど、その代わり――」ハグッ
鞠莉「きゃ!?」
曜「その代わり、私はここに宣言します」ギュ
鞠莉「せ、宣言…?」
曜「私、渡辺曜は、鞠莉ちゃんのお姉ちゃんになります!」
鞠莉「…ふぇぇ!?」
曜「鞠莉ちゃんが優しく私を包んでくれたように」
曜「鞠莉ちゃんの笑顔は、私が守ってみせる!」
終わり
ようまりはいいぞ
乙
曜お姉ちゃん編も待ってるぞ
元スレ
曜「鞠莉お姉ちゃん!」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1516397650/
函館遠征中
鞠莉「えっと、待ち合わせ場所はこの辺のはずなんだけど…」
鞠莉「あれぇ、違った?」ウーム
鞠莉「土地勘が無い出先でいきなり呼び出すなんて。まったく、曜ったら人を迷子にするつもりかしら!」プンスコ
鞠莉「…また、何かあったのかなぁ」
鞠莉(夏のぶっちゃけトークでお節介を焼いてからというもの、曜はなにかと私を頼りにしてくれるようになった)
鞠莉(たわいもないことを話したり、練習後に一緒に寄り道したり…一緒にいる時間も多くなった)
曜『突然ごめんね。今から会って話せないかな。できれば、みんなには内緒で…』
鞠莉(それが遠征中の今、メンバーの目を忍んでいきなりの呼び出し)
鞠莉(オクテの曜のことだもの。よほどのことがあったと考えるべきね)キョロキョロ
曜「…」
鞠莉(いた)
3: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:36:20.31 ID:U2fZutuu.net
曜「…」ソワソワ
鞠莉(なんだか落ち着かない様子だけど、落ち込んでるわけではなさそうね)
鞠莉(よし…)コホン
鞠莉「はぁい、曜♪」
曜「あ、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「ふふっ。遠征中、いきなりみんなに内緒で会いたい、だなんて」
鞠莉「ロマンチックな話かと期待しちゃったよ?」
4: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:38:57.13 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「やっとマリーに想いを告げるする決心がついたのかなって」クスクス
曜「あはは、残念ながらそういう訳ではないんだー」
鞠莉「まあ!そんな思わせぶりな態度をとる曜は、ギルティでーす!」
曜「ええ!?判定厳しくない!?」
鞠莉「見知らぬ土地、突然の呼び出し、裏切られた期待――」ほっぺ掴み
鞠莉「マリーの心証が悪くなるのも当然デース」むにむにぐいぐい
曜「ひょれをいわへると、はえすほとははなひよー(それを言われると、返す言葉もないよー)」
鞠莉(どうやら、無理してる感じではないみたいね)ニコ
5: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:39:33.32 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「はい、おしまい」パッ
曜「ふぅ…やっと解放されたぁ」ほっぺサスサス
鞠莉「相変わらず曜のほっぺは最高ね。遠征の疲れが癒されるよ~♪」
曜「あはは、それはよくわからないけど…」サスサス
鞠莉「ふふっ。それじゃ、禊が済んだところで本題に入ろうか」
曜「うん!その前に改めて、ごめんね。時間作ってもらっちゃって」
鞠莉「いえいえ」
曜「実は…お願いがあるんだ」
6: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:40:15.05 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「お願い…」
鞠莉(悩み事の相談じゃないってこと?)
曜「うん、お願い。いいかな?」
鞠莉「内容にもよるけど、まずは聞くわ」
曜「うん…あの、笑わないでね」
鞠莉「そんなことするわけアリマセーン!」
鞠莉「…心配しないで話して。ね?」
曜「鞠莉ちゃん…ありがと!」
鞠莉「ん」ニコ
曜「じゃあ話すね。えっと――」
鞠莉「…」ドキドキ
曜「――鞠莉ちゃんのこと、お姉ちゃんって呼んでもいい?」
鞠莉「…ふぇ?」
7: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:40:56.47 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「――要するに、お姉ちゃんに憧れちゃったってこと?」
曜「うん。私、一人っ子だから、妹とかお姉ちゃんって、よくわからないんだけど」
曜「ダイヤさんとルビィちゃんを見て、千歌ちゃんの話を聞いて思ったんだ」
曜「お姉ちゃんって、いつも側に居てくれて。頼りになって、厳しく、暖かく見守ってくれて…そんな存在なんだろうなって」
曜「そういうの、凄く素敵だなって!」
鞠莉「そうね。私にもきょうだいは居ないけど、ダイヤたちを見てるとそうなのかなって思う」
8: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:41:31.18 ID:U2fZutuu.net
曜「それでね。私にお姉ちゃんが居たらどんな人だろうって考えたら」
曜「真っ先に思い浮かんだのが、鞠莉ちゃんの顔だったんだ」
鞠莉「!」ドキ
曜「なんでかなって自分の中で考えてるうちに、どんどん鞠莉ちゃんに会いたくなってきて」
曜「居ても立ってもいられなくなっちゃって、それで…えへへ」テレテレ
鞠莉(…かわいい)
9: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:42:26.88 ID:U2fZutuu.net
曜「ね、お願い!少しの間でいいから、鞠莉ちゃんのことお姉ちゃんって呼ばせて!」
曜「他の人には見られないようにするし、鞠莉ちゃんも私のこと妹だと思ってくれていいから!」
鞠莉「うーん、でも…」
曜「お願い!この通りっ!」
鞠莉(…溜め込みがちな曜のことだもの。擬似の姉妹関係でも、思ってる事を話してくれるきっかけにはなるかもしれないし…)
鞠莉(何より、曜にお姉ちゃんって言われるの。悪い気はしないかな)
10: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:42:57.89 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「わかった、いいよ」
曜「!」
鞠莉「曜がここまで真剣に頼んでるんだもの、むげには出来ないわ」
鞠莉「私もきょうだい居ないから、そういうの楽しそうだし、ね?」クスッ
曜「鞠莉ちゃん…!」
ハグッ
鞠莉「!」
曜「ありがと、鞠莉お姉ちゃん!」ムギュッ
11: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:43:33.62 ID:U2fZutuu.net
鞠莉(こ、これって…!)キュン
曜「へへ、優しくていい匂い。安心する」スリスリ
鞠莉(胸の奥から込み上げてくるこの感覚…曜がとっても愛おしく見えて)ギュ
曜「お姉ちゃーん!」ギュー
鞠莉(新しい境地に目覚めそう…)ナデナデ
12: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:44:19.33 ID:U2fZutuu.net
…………………
果南「ワンツースリーフォー…」
ダイヤ「はい、ここで一旦休憩にしましょう」
花丸「はぅ~、疲れたずらぁ…」
善子「ふっ…この程度で音をあげるとは…まだまだね…」ハァ…ハァ…
花丸「善子ちゃんこそ痩せ我慢してるくせに、よく言うずら…」
花丸「もっとも、最近は『痩せ』なのかどうか、怪しくなってきたけど」ジトー
善子「そ、それは言うなーっ!」ウガー
13: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:44:57.69 ID:U2fZutuu.net
曜「鞠莉ちゃん。さっきの所の振り付けなんだけど、どうだった?」
鞠莉「曜だけ少しテンポが早かったかもね。音に頼らず、周りと合わせる事を意識してみたらいいと思うわ」
曜「なるほど。ありがと、次は気をつけるね!」
鞠莉「いえいえ♪水分しっかりね」
曜「はーい!」
花丸「最近、鞠莉ちゃんと曜ちゃん仲良いずらね」ハイタオル
善子「波長が似てるからね、あの2人は」アリガト
花丸「波長?それは気の流れとか、霊的ななにかが同じってこと?」
善子「そ、そこに食いつかないでよ…似た者同士ってことよ、単純に」
花丸「ふーん?」
14: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:45:35.44 ID:U2fZutuu.net
…………………
曜「…」ソワソワ
鞠莉「お待たせ、曜」
曜「お姉ちゃんっ!」
鞠莉「寒くなかった?」
曜「もらったカイロのおかげで大丈夫!お仕事は終わったの?」
鞠莉「少し残ってはいるけど、明日やればなんとかなるわ。私も曜と一緒に帰りたいし」
曜「そっか、へへっ」ギュ
15: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:46:55.64 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「ん、やっぱり手が冷たくなってる。寒い中、我慢してたんでしょ」
曜「あ、こっちの手はさっきまでカバンを持ってたから…本当に大丈夫だって」
鞠莉「ダメ。寒さも疲れも、知らず知らずのうちに蓄積してダメージになっていくのよ」
鞠莉「コンビニに寄って、温かいものでも買いましょう。待たせたお詫びに、ご馳走するから」
曜「いいの?じゃあ私、ココア!」
鞠莉「はいはい。なら、私も今日はココアにしようかな」
曜「おそろいだねっ!」
16: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:47:24.09 ID:U2fZutuu.net
…………………
理事長室
鞠莉「んー…」カタカタ
コンコン
鞠莉「はい」
「私です、曜です」
鞠莉「ひとりよ、どうぞー」
ガチャ
曜「やっほー」フリフリ
17: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:48:02.01 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「いらっしゃい。どうかしたの?」
曜「へっへー。はい、差し入れ!」
鞠莉「私に?あら、この匂いは」
曜「曜ちゃん特製、レモンのはちみつ漬けだよ!」
曜「いつもお仕事頑張ってるお姉ちゃんに、気持ちばかりのプレゼントだよ!」
鞠莉「美味しそう…特製ってことは、わざわざ作ってくれたの?」
曜「うん!レモンは鞠莉お姉ちゃんの好きなものだし、何より元気をチャージ出来るかなって!」
鞠莉「ありがとう、嬉しいわ♪」
18: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:48:57.54 ID:U2fZutuu.net
曜「これね、そのまま食べるのはもちろんだけど、紅茶に入れたりしても美味しいんだ!」
鞠莉「まあ!それは素敵ね」
曜「あ、でもコーヒーにはちょっと合わないかもしれないけど…」
鞠莉「そんなことないわ。コーヒーにはちみつやレモンを入れる飲み方もあるから」
曜「そうなの?ならよかった!」
鞠莉(表情が素直すぎるよ、本当にもう)ニコ
19: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:49:47.43 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「ちょうど一息入れようと思っていた所なの。曜も付き合ってくれる?」
曜「あ、うんっ!」
鞠莉「何がいい?コーヒーは少し苦手だったよね、甘くすればいける?」
曜「えっとね。飲み物もいいんだけど、その…」モジモジ
鞠莉「ん?」
曜「えへへ」ウズウズ
鞠莉「ん、そうだったわね」スッ
鞠莉「曜、おいで」
曜「うんっ!」
21: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:51:19.24 ID:U2fZutuu.net
曜「お姉ちゃーん」ムギュッ
鞠莉「いつもお姉ちゃんを支えてくれてありがとうね」ナデナデ
曜「へへ、これ好き」
鞠莉「私も。最近はこれが一番の元気の源かも」クスッ
曜「なら、嬉しいなっ」スリスリ
鞠莉(可愛いなぁ…ダイヤのことシスコンって笑えなくなっちゃう)ナデナデ
22: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:52:09.62 ID:U2fZutuu.net
三年生がフォーメーション練習中
曜「はぁ…」ポケー
ルビィ「曜ちゃんどうしたの、元気ないの?」
曜「あ、ルビィちゃん。ごめんね、大丈夫だよ」ジー
ルビィ(曜ちゃん、お姉ちゃんたちの練習を見てるのかな)
曜「ルビィちゃん」
ルビィ「うん?」
曜「お姉ちゃんってさ、いいよね」
ルビィ「ぴぎぃ!?」
曜「憧れちゃうよぉ…」ポー
ルビィ(曜ちゃん…もしかしてお姉ちゃんのことを…!?)アワアワ
23: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:52:46.55 ID:U2fZutuu.net
CYaRon!がユニット練習中
鞠莉「はぁ…」ポケー
ダイヤ「どうしたんです。ぼーっとして、鞠莉さんらしくもない」
鞠莉「ああ、ダイヤ。なんでもないんだけど、ちょっとね」ジー
ダイヤ(ルビィたちが練習する様子を見てる?)
鞠莉「ダイヤぁ」
ダイヤ「はい?」
鞠莉「妹ってさぁ、いいよね」
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
鞠莉「可愛いよねぇ…」ポー
ダイヤ(鞠莉さん…まさかルビィのことを…!?)アワアワ
24: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:53:21.15 ID:U2fZutuu.net
…………………
理事長室
曜(お姉ちゃん、出て行ったきり戻ってこない)
曜(お菓子とコーヒーを出して貰ったけど、ひとりで待つのはどうにも落ち着かないし)ソワソワ
曜(早く戻ってこないかなー)ゴク
曜「んぐ、にがい…」
25: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:53:48.08 ID:U2fZutuu.net
バタン
鞠莉「…」
曜「あ、お帰りなさい!」
鞠莉「ん…」ツカツカ ストン
曜(あれ?)
鞠莉「はぁ…」イライラ
曜(ひょっとして、おこりんぼモード?)
26: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:54:12.48 ID:U2fZutuu.net
曜「お姉ちゃん、何かあったの?」
鞠莉「別に…」
曜「そう?」
鞠莉「そう!」
曜(全然そうは見えない)
27: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:54:45.11 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「まったく、果南のアホ…!知らないんだから!」プンスコ
曜「果南ちゃん?喧嘩でもしたの?」
鞠莉「喧嘩じゃないわ。向こうから一方的に突っかかってきたの」
鞠莉「あの頑固オヤジ。いつまで経ってもいつまで経っても相変わらずなんだから!」
曜(さっき、ご機嫌斜めかなん?って言わなくてよかった…)
28: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:55:21.37 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「私の気持ちも知らないで…!」
曜「はいはい。何があったかは聞かないけど、その辺にしよう」
鞠莉「聞いてよ!」
曜「聞いてもいいけど、私が言うことは同じだもん」
鞠莉「聞いて欲しいの!聞くことはカウンセリングの基本だよ!」
曜「そこまで言うなら聞いてもいいけど…先に一つだけ、いい?」
鞠莉「なによ」
曜「早いとこ謝った方がいいよ」
鞠莉「なんでよ!」
29: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:56:52.78 ID:U2fZutuu.net
曜「果南ちゃん意地っ張りだけど、意外と気にするタイプだから」
曜「今頃、きっと寂しがってるよ」
鞠莉「そんなのわかってる!」
曜「なら、なおさら仲直りしようよ」
鞠莉「私から謝る理由はないもん!」
曜「そうやって時間が経てば経つほど、仲直りはどんどん難しくなるよ」
曜「お姉ちゃんなら、このことがわかるよね?」
鞠莉「う…」
曜「喧嘩が出来るのも仲が良い証拠だけどさ。ありがとうと、ごめんなさいは、早い方がいいんじゃないかな」
鞠莉「…」
30: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 06:57:37.79 ID:U2fZutuu.net
曜「ね?」
鞠莉「…うん、そうする」
曜「さ、早く行ってあげて。果南ちゃん、きっと待ってるよ」
鞠莉「うん…!」タッ
バタン
曜「意外と子どもっぽいところもあるんだね」ニコ
曜「ふふ、頑張ってね」ゴク
曜「むぅ、にがぁい…」
…………………
曜「もー、千歌ちゃんと梨子ちゃんの分からず屋ー!」プンスコ
鞠莉「あらあら、仲の良いことで」クスクス
31: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:02:36.84 ID:U2fZutuu.net
…………………
鞠莉「今日はそろそろ寝ましょうか。さ、おいで」
曜「ん…」モジモジ
鞠莉「勉強教える代わりに、抱き枕になってもらう約束でしょ?」
曜「そうだけど、やっぱり一緒に寝るのは恥ずかしいっていうか…」
鞠莉「ゴーに入ってはゴーに従え。ハグしながら寝るのはマリーの流儀なのデース」
曜「んー…」
鞠莉「ハグは親愛の証だよ。だから、ね?」ポンポン
曜「…わかった。しょうがないね、甘えん坊のお姉ちゃんで」
鞠莉「ふふっ♪マリーとハグして眠れば、きっと良い夢見れるよ?」
曜「本当かなぁ。そんな話、果南ちゃんから聞いたことないけど」クス
32: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:03:37.73 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「それじゃ、電気消すね」
曜「うん」
パチ
鞠莉「ふふ、抱き枕ー」ハグッ
曜「わっ。さ、流石に近すぎない?このままだと暑くなっちゃうかも」
鞠莉「やだ、離さないもーん」ギュ
曜「わわ!」
鞠莉「うふふっ♪」スリスリ
曜(鞠莉ちゃん、嬉しそう)ニコ
鞠莉「また明日ね。おやすみ、曜」
曜「おやすみ、お姉ちゃん」
33: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:04:23.82 ID:U2fZutuu.net
…………………
曜「zzz…」モゾ
曜「ん、んー…?」モゾモゾ
曜「ふぁぁ…あれえ、まだ暗いじゃん…」
曜「ん…鞠莉ちゃん、どこ…?」
鞠莉「…」
曜「あ、ベッドの隅っこに行っちゃってる」
鞠莉「…」
34: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:05:19.77 ID:U2fZutuu.net
曜「あんなにくっついて寝たのに…本当、寝てる時まで自由なんだからぁ…ふぁぁ…」
曜「お姉ちゃん、起きてたらこっちおいでー」
鞠莉「…」
曜「反応なし。寝てるのなら、こっちから行っちゃうよー」スッ
鞠莉「…っ」
曜「へへ、お姉ちゃ――」モゾモゾ
鞠莉「うっ…くぅぅ…ひっく…」
曜「!」
37: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:06:03.76 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「う、うう…っ、くっ…」
曜(泣いてる…)
鞠莉「ごめんなさい、みんな…ごめんなさい、ごめんなさい…」
曜「!」
鞠莉「学校…守れなくて…みんなの想い…応えられなくて…」
曜「まり、ちゃん…」
38: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:07:30.64 ID:U2fZutuu.net
鞠莉「ごめんなさい…ごめんなさい…!」
曜「…!」
ハグッ
曜「大丈夫、鞠莉ちゃんは頑張ったよ」ギュ
鞠莉「わたしが…わたしが…!」
曜「ごめんね…みんなの想いを、鞠莉ちゃんひとりに背負わせちゃって…」ナデナデ
鞠莉「う…うう…!」
曜「いいんだよ、大丈夫だよ」サスサス
39: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:09:12.02 ID:U2fZutuu.net
…………………
鞠莉「すぅ…すぅ…」
曜「ふふ、可愛い寝顔…」ナデナデ
鞠莉「んふふ…んー…」
曜「…」
鞠莉『また悩みを溜め込んでるでしょう。マリーに誤魔化しは通用しませんよ?』
鞠莉『言ってみて。悩みを外に出さないことには、幸せは入っていかないよ?』
鞠莉『…ん!やっぱり曜はシャイニーな笑顔が一番だよ!』ニコ
曜(鞠莉ちゃん…)
鞠莉「zzz…」
曜「…」ナデナデ
40: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:10:20.76 ID:U2fZutuu.net
翌日
鞠莉「どうしたの、改まって話がしたいなんて」
曜「うん…」
鞠莉「あ!もしかしてお姉ちゃんに新しいお願いかな?」
曜「うん、お願いがあるんだ…」
鞠莉「もー、マイシスターはおねだりさんですねぇ。いいよ、教えて?」
曜「あのね…」
鞠莉「うん」
曜「…鞠莉ちゃんをお姉ちゃんって呼ぶの、終わりにしたいなって」
鞠莉「…えっ!?」
41: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:11:06.84 ID:U2fZutuu.net
曜「今まで付き合ってくれてありがとう。とっても嬉しかったよ」
鞠莉「ちょ、ちょっと待って!どうしていきなりそんなこと…」
鞠莉「!わ、私、何かしちゃった?」
曜「ううん、そういうことじゃないんだ」
鞠莉「なら…!」
曜「でもね。私からお願いしたことだから、終わらせるのも私からじゃないとって…」
鞠莉「そんな…」
42: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:14:17.66 ID:U2fZutuu.net
曜「私ね、とっても嬉しかった。お姉ちゃんが欲しいなんて笑っちゃうようなワガママなのに。鞠莉ちゃんは優しく受け入れてくれて…」
曜「本当のお姉ちゃんみたいに、私のことを温かく包んでくれた…本当に、本当にありがとう」
曜「誰にも言わないって始めた秘密の関係だったけど、この1週間は私にとって、凄く…」
鞠莉「秘密…あ…!」
鞠莉(今わかった。私が承諾したのは曜のためだけじゃなくて…)
鞠莉(たとえ擬似の姉妹関係であっても、曜と新しい関係を作って、秘密を共有できることが嬉しくて…)
曜「凄く、幸せだったよ!」
鞠莉(2人だけの内緒の時間は、私にも大切で、かけがえのないものだったから…だから、こんなにも)
鞠莉「そっか…もうお姉ちゃんは、必要ないんだね…」ウル
鞠莉(こんなにも、悲しいんだ…)
43: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:15:55.37 ID:U2fZutuu.net
曜「…鞠莉ちゃんがお姉ちゃんは、これでおしまい」
鞠莉「…っ」ウルウル
曜「だけど、その代わり――」ハグッ
鞠莉「きゃ!?」
曜「その代わり、私はここに宣言します」ギュ
鞠莉「せ、宣言…?」
曜「私、渡辺曜は、鞠莉ちゃんのお姉ちゃんになります!」
鞠莉「…ふぇぇ!?」
44: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:16:20.59 ID:U2fZutuu.net
曜「鞠莉ちゃんが優しく私を包んでくれたように」
曜「鞠莉ちゃんの笑顔は、私が守ってみせる!」
終わり
48: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 07:42:28.11 ID:By+kmd2a.net
ようまりはいいぞ
49: 名無しで叶える物語 2018/01/20(土) 08:20:56.70 ID:VNGMQslw.net
乙
曜お姉ちゃん編も待ってるぞ
曜「鞠莉お姉ちゃん!」
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