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99: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:36:50.78 ID:pqf9HXvk.net

曜「さて、たっぷりお茶も飲んだことだし始めましょう」

善子ママ「え、ええ」

善子「ねぇママ、本当にやるの?」

善子ママ「二人がどんな風にしてたのか気になるもの」

曜「ところでママはペットボトルにした経験ってありますか?」

善子「ないに決まってるでしょ。それと、曜さんのママじゃないから」

善子ママ「善子、もしかしてヤキモチ?」

善子「違うわよ。曜さんがママって言うと曜さんのママのことかと思っちゃう」

曜「元はと言えば私のお母さんがしてたんだけどね」

善子「ペットボトルに!?」

曜「うん。お母さん上手だから今度見てみる?」

善子ママ「いいのかしら……」

善子「いやいや、よくないから」

曜「小さいペットボトルでも二本に分けてできるんだよ」

善子ママ「途中で止められるってこと?」

曜「はい。私も何度かチャレンジしてみたんですけど、我慢してたときは途中で止める余裕なんてなくて」

善子「我慢する前に早めにしろってことね」

曜「その通り! トイレに行けるまで我慢するんじゃなくて、したいと思ったらその場でペットボトルにしちゃうのがいいよ」

善子「トイレまで我慢しなさいよ」

善子ママ「もしかして、それでペットボトルなの?」

善子「え?」

善子ママ「フタができるから持ち運べて便利よね」

曜「そうなんです。もしカバンに入れておいても漏れることはほとんどないし、匂いもしないから安心して持ち運べるの」

善子「カバンに入れとくの? 何か嫌ね……」

曜「たまにキャップがちゃんと締まってなくて漏れてることもあるから気をつけてね」

善子ママ「それは大変かも……」



100: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:37:21.83 ID:pqf9HXvk.net

曜「というわけで、さっそくやってみましょうか」

善子ママ「がんばる」

善子「頑張らなくていいわよ」

曜「それじゃあ……」

曜「そうだ、善子ちゃんが教えてあげなよ」

善子「何で私が!?」

曜「勉強と同じで、人に教えると自分の中で知識が整理されるからより理解が深まるよ」

善子ママ「聞いた? 善子ももっと勉強しなきゃだめよ」

善子「ママこそ聞いてた? 今の、勉強の話じゃないわよ」

曜「さっきと同じくペットボトルは2Lでやりましょう」

善子ママ「うーん……」

曜「どうかしましたか?」

善子ママ「500mLでも十分な気がするわ」

善子「ちょっとママ? 曜さんでさえそう思って500mLにしたら溢れたのよ」

善子ママ「たぶん400mLくらいしか出ないと思うの」

曜「分かりました。それなら500mLでやりましょう」

善子「ちょっと! ここをおしっこまみれにしたいの!?」

曜「実は量が少ないときは500mLの方がコントロールしやすいんだよ」

善子「いらないわよそんな情報!」

善子ママ「もし溢れたら大変だから、何か下に敷いた方が良さそうね」

善子「あ、それならさっき使ったレジャーシートがあるから持ってくるわ」スタッ

曜「ありがとう。何だかんだで善子ちゃんもノリノリだね」

善子「えっ、そ、そんなことないけど」タッ



101: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:37:51.09 ID:pqf9HXvk.net

曜「……」

善子ママ「ふふっ」

曜「どうかしたんですか?」

善子ママ「あの子のあんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見た気がするわ」

曜「私もです」

善子ママ「きっと普段は我慢しているのね」

曜「トイレに一桁しか行かないって言ってましたし」

善子ママ「あ、そっちの話じゃなくて」

曜「あはは、冗談ですよ」

善子ママ「……」

曜「善子ちゃんの笑顔が見たくて色んなことしましたけど……」

曜「やっぱり私だけじゃ無理でした」

善子ママ「そうなの? 曜ちゃんの話してるときすごく嬉しそうなのに」

曜「何かきっかけがないと……善子ちゃんは本当に笑ってはくれないんです」

善子ママ「……」

曜「そのきっかけが、今回はおしっこの練習だったんですよね」

善子ママ「嫌なきっかけね……」

曜「ところで、善子ちゃんっておねしょとかします?」

善子ママ「えっ」

曜「寝ている時じゃなくて起きているときでもいいんですけど」

善子ママ「なぜそのことを」

曜「えっ?」

善子ママ「曜ちゃんがどこで知ったのかは分からないけど、善子にそれ言ったら大変よ」



102: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:39:15.32 ID:pqf9HXvk.net

曜「わ、分かりました」

善子ママ「……くれぐれも、気をつけてね」

曜「……」ゴクリ

善子ママ「あ、戻って来たわ」

善子「お待たせ。ちょっともう汚れてるけど、後で洗えばいいわよね」ファサッ

曜「ん……」クンクン

善子ママ「……」

善子「何よ二人して!」

曜「善子ちゃんのおしっこの匂いがね、フワァーっと来たの」

善子ママ「……」

善子「いいからさっさと始めるわよ!」

曜「じゃあ、誰から行きますか?」

善子「えっ、ママがやるんじゃないの?」

曜「いきなりいけます?」

善子ママ「う、うーん……。どうかしら」

曜「まずは善子ちゃんがお手本見せてあげた方が……」

善子「出るわけないでしょ!? って出てもやらない!!」

曜「じゃあ私が」

善子ママ「さっきしたのにもう出るの?」

曜「善子ちゃんのをたくさん飲んだので」エヘヘ

善子「やめてよ恥ずかしい。さっきキスしたときだって……」

曜「?」

善子「な、何でもないっ!!」カァアア

曜「……」

善子ママ「自分のは飲みたくないわね」

善子「飲んでないわよ」



103: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:39:42.91 ID:pqf9HXvk.net

曜「……」

善子ママ「出そう?」

曜「くすぐらないと出せないかも」

善子「えっ」

曜「善子ちゃん、くすぐらせて」

善子「嫌よ」

善子ママ「くすぐるって?」

善子「あー、曜さんは学校で私の腋をくすぐってきたのよ」

善子ママ「へぇ……。学校でも仲良しなのね」

善子「それで、あまりに興奮しすぎて……」

曜「漏らしちゃったんです」エヘヘ

善子ママ「あら……」

曜「でも、善子ちゃんが手伝ってくれたおかげで無事に帰って来られました」

善子「もう二度とごめんよ」

善子ママ「曜ちゃんはその……漏らしちゃうことあるの?」

曜「あっ、毎日じゃないですよ!? たまーに、間に合わないときがあって……」

善子「週にどれくらいって言ってたっけ」

曜「三日くらいかな」

善子ママ「そ、そうなの……」

善子「それでよく毎日学校行けてるわね」

曜「実は学校で漏らすのってすっごく気持ちいいんだよね」

善子ママ「」

善子「聞きたくなかったわね」



104: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:41:15.63 ID:pqf9HXvk.net

曜「善子ちゃんも今度やってみなよ。一度やると病みつきになるっていうかさ……」

善子ママ「気持ちは分からなくもないわね」

善子「分からないで」

曜「まあ、私のことはいいんだよ。とりあえずくすぐらせて」

善子「だから嫌だってば」

曜「それじゃおしっこできないよ。それでいいの?」

善子「しなくていいから」

善子ママ「……」

善子「ママはどうするの? するなら早くしてよ」

善子ママ「じゃ、じゃあ私をくすぐっていいわよ」

善子「えっ」

曜「いいんですか?」

善子ママ「ええ。くすぐられるだけなら構わないわ」

善子「後悔しても知らないわよ」

善子ママ「そんなにすごいの……?」

善子「すごいわ」

曜「えへへ。千歌ちゃんにも褒められるんだ」

善子ママ「ある意味おしっこより緊張するわね……」

善子「う、うーん……?」

曜「それじゃあ失礼して」スッ

善子ママ「えっ? ちょっと待って。服脱がないとだめなの?」

曜「くすぐりにくいので」

善子ママ「えっと、私が脱ぐのではなくて?」

曜「はい」ヌギヌギ



105: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 22:41:48.29 ID:pqf9HXvk.net

善子ママ「……」

善子「ね、想像以上でしょ」

曜「もちろん、善子ちゃんのママにも脱いでもらいますよ」

善子ママ「ど、どこまで……?」

曜「あ、大丈夫です。上着というか、厚い服だけ脱いでもらえれば十分です」ヌギヌギ

善子ママ「ほっ……」

曜「脱げました」

善子「見れば分かるわよ」

曜「恥ずかしいから見ないでよ」

善子「むしろ少しは恥ずかしそうにしてほしいわね」

曜「あ、そういうのが好き? 何なら善子ちゃんが脱がせてくれてもいいんだよ」

善子ママ「善子……」

善子「何よその目は」

曜「それではママもちょっとだけ脱いでください」

善子ママ「ええ。上着と……ブラウスはそのままで?」

曜「はい! むしろ着てたほうがえっ……ごほん、いいですねすごく!!」

善子「何か今とんでもないことを言いかけなかった?」

善子ママ「はい、脱げたわよ」

曜「それじゃあ最初は脇腹から……」コチョコチョ

善子ママ「……」

曜「おっ、なかなか強いですね」コチョコチョ

善子ママ「……?」

曜「えっ」コチョコチョ

善子ママ「もうちょっと思い切りやってもいいのよ?」

曜「善子ちゃん、いい?」

善子「どうして私に聞くの」

曜「本気出しちゃうよ? どうなっても知らないよ??」

善子「知らないわよ。ママがくすぐり耐性あるのは昔からだし」

曜「ふーん。それじゃ遠慮はいらないよねっ!!!」



107: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 23:04:41.84 ID:pqf9HXvk.net

三十分後

善子ママ「曜ちゃん大丈夫?」

曜「うん……」グスッ

善子ママ「ごめんね、もっとくすぐったがってあげればよかったかな」

曜「善子ちゃんですら堕天させられないのにママなんて無理だったんだよ……」

善子「……」

善子ママ「ごめんなさい」

曜「いいんです……私の力不足ですから」

善子ママ「代わりに私が曜ちゃんをこちょこちょしてあげるから」

曜「え……?」

善子「ママのこちょこちょはすごいわよ」

善子ママ「善子に本気でやったときは三日くらい腰が抜けてたわね」

善子「うっ……思い出したくないわね」

曜「本当ですか?」

善子ママ「ええ。それじゃ覚悟はいい?」

曜「はい!」

善子ママ「……」コチョ

曜「あふぅ♡♡」ビクッ

善子「出たわよママの必殺技が」

善子ママ「曜ちゃんってこんな声も出せるのね」コチョコチョ

曜「んんっ♡♡♡」

善子ママ「まだこんなものじゃないわよ」コチョコチョ



108: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 23:05:41.45 ID:pqf9HXvk.net

曜「だめれす……♡ もうやめへくらはい……♡♡」ビクン

善子ママ「あら?」

曜「あ……♡♡」ショワァァ……

善子「えっ」

善子ママ「善子、ペットボトル」

善子「はい」サッ

善子ママ「ほら、もう出していいわよ」

曜「はい……♡♡」ジョボボ

曜「あぁ……二人に見られながら……」ジョボボ

曜「私おしっこしちゃってるよぅ……♡♡♡」ジョボボ

善子「……」ドキドキ

曜「……」チョロロ……

善子ママ「さすがに500mLは出なかったわね」

曜「さっき出したばっかりなんです」

善子ママ「でも曜ちゃんすごく気持ちよさそうな顔してたわ」

曜「だってママが上手すぎるから……」

善子「」

善子ママ「あら善子、どうしたの?」

善子「いや……何でそんな手慣れてるのかなと思って……」

曜「もしかしてママも普段から?」

善子ママ「ふふ……それは秘密ね」

善子「それでちょうど空のペットボトルがあったのね……」

曜「お願いがあります」



110: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 23:15:48.32 ID:pqf9HXvk.net

善子ママ「何? 悪いけどこの先はダメよ。善子の前だもの」

善子「おい」

曜「私にくすぐりを教えてくれませんか?」

善子ママ「……」

曜「こんな風にくすぐりで相手を失禁させられたらどんなに幸せだろう」

善子「曜さんの幸せの基準どうなってるのよ」

善子ママ「残念だけど、教えられることは何もないわよ。こればっかりは人生経験がないとね」

曜「いったいどんな経験を積んだらなれるんですか」

善子ママ「それは私の口からは言えないわね」

曜「善子ちゃん何か知ってる?」

善子「知るわけないでしょ。それより早く拭いた方がいいわよ」

曜「あ、うん」フキフキ

善子ママ「さてと、このペットボトルはどうする?」

曜「えーと、トイレで捨ててきます」

善子ママ「もったいない」

善子「えっ」

善子ママ「あ、何でもないわよ」

曜「もしかして、飲むの好きなんですか!?」

善子ママ「ええ。と言っても自分のは飲まないけど」

曜「善子ちゃんの?」

善子「まさか。私はそもそもトイレでしかしないから」

曜「うぅ……気になるけど教えてくれないんでしょうね」

善子ママ「ええ。残念だけど」

曜「……」



111: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 23:41:28.24 ID:pqf9HXvk.net

善子ママ「でも……そうね、曜ちゃんにはいいもの見せてもらったし教えてあげなくもないわよ」

善子「待って。私は聞きたくない」

曜「私も……気になるけど聞きたくないです」

善子ママ「あらそう」

曜「それにしても、突然漏らしちゃったのにほとんど溢さないなんてすごいです」

善子ママ「あぁ、さっきの? 考えるより先に体が動いちゃうのよ」

曜「善子ちゃんも判断早かったね」

善子「そりゃもう二回目だしね……」

曜「自分でするのも上手なんですか?」

善子ママ「上手というか、溢したことはないわね」

曜「え、我慢してたときでもですか?」

善子ママ「もちろんよ。この歳で溢してたら恥ずかしいじゃない」

善子「……もう突っ込むのも面倒になってきたわ」

曜「見たいです」

善子「私は見たくない。何で実の親がおしっこするところなんて見なきゃならないのよ」

善子ママ「そうね……。善子には少し刺激が強すぎるかもしれないわ」

曜「えっ」ドキドキ

善子ママ「曜ちゃんなら見ても大丈夫かもね。もう二年生だもの」

善子「は? ママからしたらどっちも子どもじゃない!」

善子ママ「曜ちゃん、見せるのはいいんだけど、一つだけ約束してくれる?」

曜「はい。何でもどうぞ」

善子ママ「善子の友だちやめないでね」



112: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 23:43:19.24 ID:pqf9HXvk.net

善子「え」

曜「やめない!!」

善子ママ「いい返事。それじゃいくわよ」スルリ

曜「えっ、ソファーに座ったままするんですか」

善子ママ「え? たまたまソファーに座ってただけよ。立ってたら立ったままするし寝てたら寝たままするだけのこと」

曜「す、すごい……」

善子「……のかしら?」

善子ママ「こうして平静を装って」スッ

曜「いよいよだね」

善子「……」

善子ママ「……」ショワァ……

曜「すごい! 手元見てないのにぴったり入ってる!」

善子「えっ何その技」

善子ママ「もう少しかしら」ショワァ……

曜「このままだと溢れるんじゃ……?」

善子「あっ、もう少しで溢れるわよ! 止めないと!!」

善子ママ「……………………」チョロロ

曜「すり切りで止めた……!?」

善子「えぇ……」

善子ママ「……」フキフキ

善子ママ「はい、終わり」

曜「もしかして500mLぴったり出しました?」

善子ママ「ええ。あともう少し出せるけど、出したら溢れちゃうもの」

曜「手元も見ないでどうやって分かるんですか? ペットボトルの重さ?」

善子ママ「重さ、入るときの音……。それから匂いかしらね」

善子「……」



113: 名無しで叶える物語 2017/12/22(金) 23:44:13.22 ID:pqf9HXvk.net

曜「そう言われてみると、おしっこって最初と最後で匂いが違いますね」

善子ママ「ええ。最初はまろやかで後半はさっぱりした匂いがするの」

善子ママ「といっても僅かな違いだけどね」

曜「分かります」

善子「分からないで」

善子ママ「あまり意識しすぎてもダメ。周りから見たら様子が変だと思われちゃう」

曜「難しいです……」

善子ママ「毎日やっていれば自然とコツが掴めてくるわよ」

善子ママ「でもそうね、強いて言うなら上手な人のを見て研究することかしら」

曜「私も研究させてください!」

善子ママ「いいけど……。曜ちゃんにはもっと相応しい人がいるんじゃない?」

曜「善子ちゃん?」

善子「へっ?」

善子ママ「ううん、善子なんか見ても勉強にならないでしょう。もっと上手な人が近くにいるわよ」

曜「うーん、誰だろう……?」

善子ママ「身近な人に聞いてみることね」

曜「分かりました。とりあえず千歌ちゃんか梨子ちゃんあたりに聞いてみよう」

善子「あんたのママよ」

善子ママ「善子っ!?」

曜「善子ちゃん、今何て?」

曜「曜さんのママ。私のママにおしっこのイロハを教えた人」



115: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 00:20:34.58 ID:9bpQERWB.net

曜「え……」

善子ママ「知っていたの?」

善子「とにかく、周りの人に変なこと聞くんじゃないわよ」

曜「う、うん……」

善子「私じゃなかったら絶対に嫌いになってると思うわ」

曜「善子ちゃん……」

善子ママ「ね、ねぇどうして? 私、絶対バレないように気をつけていたのに」

善子「あのねぇ、私は娘なのよ? 親の隠し事くらいすぐ分かるわよ」

曜「私、全然気づかなかった……」

善子ママ「これは私たちだけの秘密ね、って約束したんだもの」

曜「嘘……私のお母さんと善子ちゃんの……」

曜「……」

善子「大丈夫? 顔色悪いけど」

曜「ちょっと気分悪いかも……」

善子ママ「無理もないわ。こんな形で知ることになるとは思わなかったでしょうから」

善子「ママはもう少し申し訳なさそうにしてもいいと思う」

善子ママ「これでも申し訳なく思ってるわよ? でも、曜ちゃんのお母さんとそういう関係だったなんて、もう何を言っても弁解しようがないじゃない」

曜「善子ちゃんごめんね」

善子「どうしたのよ急に」

曜「自分のお母さんの性癖を知るのがこんなに気持ち悪いとは……」

善子「ええそうよ。分かってくれて嬉しいわ」

善子ママ「……」

曜「ごめんなさい。今日はもう帰ります」

善子ママ「お母さんのところへ?」

曜「うっ……どうしようかな」

善子「ママ! もうやめなさいよ」

曜「今日は……そうだ、誰かの家に泊めてもらうよ」

善子ママ「ウチに泊まっていってもいいのよ」

善子「何言ってるのよ。嫌に決まってるでしょ」



116: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 00:21:34.32 ID:9bpQERWB.net

曜「……」

善子「曜さん、何かごめんなさい。私も悪気があったわけじゃないの」

善子「ただ、周りの人に曜さんが変なことを聞いて嫌われるのは……」

善子「私も悲しいから」

曜「善子ちゃん」ダキッ

善子「ちょっ……まあいいか」

善子ママ「いずれ話すつもりだったのよ」

善子「えっ?」

善子ママ「隠れてするなんて、何だか悪いことをしているみたいじゃない?」

善子「どちらにしても悪いことじゃないの?」

善子ママ「実はお母さん、善子が生まれるまではおねしょが治らなかったの」

曜「そうなんですかっ!?」

善子「うわっ!? 急に元気になったわね」

善子ママ「ちょうど曜ちゃんが善子と同じ保育園で、ママ友って言うのかしら?」

善子ママ「色々子育ての悩みを聞いてもらったりしていたの」

善子ママ「ある日、一緒にお泊まり会をしようって話になったんだけどね」

善子ママ「私は正直、やりたくなかった」

善子ママ「だって、私がこの歳でおねしょしてるなんて知られたら……」

善子ママ「もう人生終わりよ」

善子「ちょっと待って。この話長くなりそう?」

善子ママ「え? そうね、少し長くなるかも」

善子「じゃあ一旦離れましょうか」グイッ

曜「あ……」

善子「続けていいわよ」

善子ママ「私はおむつをして万全の体制で臨んだわ。でも……」

善子ママ「緊張のせいか、いつもより飲み物ばかり飲んでしまって」

善子ママ「寝ているときにトイレに行きたくなってしまったの」



117: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 00:22:42.92 ID:9bpQERWB.net

善子「それで漏らしたのね……」

善子ママ「いいえ。私は大人だからちゃんと我慢できたわ」

善子ママ「そのうち私がモゾモゾしていたせいで曜ちゃんのお母さんを起こしてしまったの」

善子ママ「『もしかしてトイレに行きたいの?』って……」

善子「いい友だちじゃない」

善子ママ「そこまではね」

善子ママ「でも曜ちゃんのお母さんは、私をトイレに行かせてくれなかったわ」

曜「え?」

善子ママ「『ここでして?』って上目遣いで頼まれたら断れないわよ……」

善子「いや、断りなさいよ」

善子ママ「私は朝まで耐えるつもりだったわ。でもあの人が私にこう言ったの」

善子ママ「『気持ちよくしてあげよっか♡♡』」

善子「……」ドキドキ

曜「……」

善子ママ「あとはもう、言わなくてもわかるわね? そういうことよ」

善子「あ、うん……」

曜「聞きたいです」

善子ママ「え、曜ちゃんさっき嫌がってなかった?」

曜「善子ちゃんがこうしてお母さんと向き合ったのに、私だけ見たくない聞きたくないじゃダメかなって思って……」

善子「曜さんのそういうところ嫌いじゃない」

曜「ありがと」

善子ママ「言わなくても想像つくでしょ? あなたたちももういい歳なんだから」

曜「だめですか?」

善子ママ「……娘と友人の娘を前にして友人との情事を話すほど恥ずかしいことはないわ」

善子「こっちの台詞よ」

曜「まあ、話したくないのを無理やり聞くつもりはないですけど」

善子ママ「とにかく、そのときのあの人のテクニックが忘れられなくてね……」

善子ママ「それから特訓してもらったってわけ」

曜「なるほど」



118: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 00:44:38.94 ID:9bpQERWB.net

善子ママ「曜ちゃんのお母さんに勝てないからって曜ちゃん相手に本気出すなんて、私も大人げないことをしたわね」

曜「善子ちゃん、聞いた?」

善子「何を?」

曜「私たち二人でなら善子ちゃんのママに勝てるかも」

善子「そうね……ってええ!?」

曜「私も負けて終わるのは悔しいし、善子ちゃんも一度くらい誰かを失禁させてみたいでしょ?」

善子「それは……してみたくないわけじゃないわよ? でも自分の親ではやりたくないわね」

曜「よし、決まりだね!」

善子「いやいやいや。何も決まってないから」

曜「そういうことなので、大人しくしてください」

善子ママ「え……本気?」

曜「はい」

善子ママ「……」

善子「私はやらないわよ」

善子ママ「これも娘たちの成長のため、か……」ハァ

善子ママ「わかったわ。私が教えてあげるから、ちゃんとついてくるのよ」

曜「はい!」

善子ママ「善子、返事は?」

善子「えぇ……」

善子ママ「いい? 相手を失禁させることよりも、相手に気持ちよくなってもらうことを考えるのよ」

善子ママ「もちろん、ここで言う気持ちよくなるというのはあなたたちが想像しているみたいな女同士の関係だけではなくて」

善子ママ「もっと広い意味での気持ちいい状態を指すの。例えば、さっき曜ちゃんが言ったくすぐりもその一つね」

曜「あっ……」

善子ママ「実はくすぐりはあの人……曜ちゃんのお母さんの得意技なんだけど、まあそれは置いておくとして」

善子ママ「とりあえず今回はくすぐりでやってみます」

曜「よろしくお願いします」



119: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 00:45:07.21 ID:9bpQERWB.net

善子ママ「まずは相手の緊張を解すことから始めましょう」

善子「上手くくすぐれば緊張なんて解れるんじゃない?」

善子ママ「いいえ。それが素人の陥りやすい落とし穴ね」

曜「思いっきり陥ってました」

善子ママ「緊張の解し方は人それぞれだから一概には言えないけれど……まあ、耳元で愛を囁くとかが定番よね」

曜「『善子ちゃん……好きだよ♡』」ボソッ

善子「ああん♡♡」

曜「こんな感じですか」

善子「いきなり何するのよ!!」

善子ママ「ええ、そんな感じ。あとは今みたいに相手に隙を与えると一気に冷めてしまいかねないので注意ね」

曜「なるほど。テンポよく進まないとですね」

善子ママ「慣れてくるとどうしてもパターン化してしまいがちだけれど、それだと相手もだんだん飽きてくるからそこはうまく考えるの」

曜「耳たぶ噛んでみたりとか?」ハムッ

善子「ひゃん♡♡」ビクン

善子「っていちいちやらなくていいから!」

善子ママ「あの人もよく耳たぶ噛むのよね……さすが親子だわ」

曜「えへへ」

善子ママ「あとは……相手の様子を見ながら少しずつ攻めていくことかしら?」

善子「うわ、いきなり説明がざっくりしたわね」

善子ママ「だって私も曜ちゃんのお母さんとしかしたことないからわからないのよ……」

曜「うーん、あまり気が進まないけど後でお母さんに聞いてみるか……」

善子「やめなさい」

善子ママ「いちばん大切なのは相手を思う気持ちだからね。少しくらい下手でも、逆にそれが燃える……なんて人もいるし」

曜「それも私のお母さんですか?」

善子ママ「ええ」

善子「……」

善子ママ「あとは実際にやってみることね」

曜「よーし、やるぞー!」

善子「やるの……?」



120: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 01:30:02.73 ID:9bpQERWB.net

善子ママ「私が練習相手じゃ嫌かもしれないけど、流れを掴んでくれればそれでいいわ」

曜「何言ってるんですか? 善子ちゃんのママならむしろ大歓迎なんですけど」

善子「それ、私の前で言う?」

善子ママ「……いいわね。今のはだいぶ効いたわよ」

曜「だって善子ちゃんのママ、善子ちゃんとはまた違った可愛さがあるって言うか……」

曜「大人なのに子どもっぽいところもあって、そこがまたいいんだよね」エヘヘ

善子ママ「……」カァアア

善子「……」カァアア

曜「あとはとてもいい匂いがします」クンクン

善子ママ「えっ……ううん、シャンプーの匂いよ」

曜「たぶん、同じボトラーの匂いでしょうか」

善子「えっ」

善子ママ「……」カァアア

曜「この人、きっとおしっこまでいい匂いなんだろうなぁ……って」

曜「もし飲んだらすごく幸せな気持ちになれそうって思ったんです」

善子「……」

曜「だから、その……」

曜「私と」

善子ママ「はい、時間切れです」

曜「えぇ!?」

善子ママ「こんなの全然ダメ。やり直し」

曜「そんなぁ……」シュン

善子ママ「いや、危なかったわ……。相手は娘の友だちなのよ? それを忘れちゃダメ……」

善子「声に出てるわよ」

曜「っ!」ギュッ

善子ママ「こ、今度は抱きつく作戦ね。いいじゃない」



121: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 01:30:52.77 ID:9bpQERWB.net

曜「ママぁ……」

善子ママ「」

善子「ママ? 大丈夫?」

曜「大好き……♡」ギュー

善子ママ「落ち着いて。そう、これは練習、練習なんだからね?」

善子「ね、ねぇ本当に」

曜「ママは私のこと好き……?」

善子ママ「大好きよ」

善子ママ「あっ」

善子「……」

曜「ちゅーしてくれる?」

善子ママ「だ、だめ! 練習だけどそういうのは……」

曜「私のこと嫌いなんだ……」グスッ

善子ママ「んっ」チュー

善子「」

曜「……♡」チュゥゥ

善子ママ「…………」チュゥゥ

善子「何この状況」

曜「ぷはっ。嬉しいです」

善子ママ「これも練習よ。勘違いしないでね」

曜「練習じゃなかったらいいんですか?」

善子ママ「な、何を言っているの? 練習じゃないって、そんなの……」

曜「私、ママのこと本当に好きなのに……」

善子「もうやめましょ。ねぇ」

善子ママ「私だって曜ちゃんのこと好きよ? でもこれ以上はダメ」

曜「どうして?」

善子ママ「善子が見てるわ」



123: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 01:42:26.07 ID:0p8EXX2z.net

善子「そういう問題じゃないわよね」

曜「善子ちゃんも我慢しないでいいんだよ」

善子「いや、誰が実の親なんかに……」

曜「ならどうしてそんなに顔赤くしてるの?」

善子「これはその、恥ずかしいんだから仕方ないでしょうが」

曜「恥ずかしがることなんてないよ? 本当はママに甘えたいくせに……♡」

善子ママ「善子……」ギュッ

善子「えっ、えっ!?」

曜「ごめんなさい、練習は終わりです」スッ

善子ママ「ちょっと曜ちゃん? これ以上はダメだって何度も……」

曜「私、善子ちゃんと同じくらいママのことも好きです」スルスル

善子ママ「脱がさないで……」カァアア

善子「脱がすの上手いわね……」

曜「ふふ……善子ちゃんとお揃いの下着なんて」

善子「そうなのよ。恥ずかしいからやめてっていつも言ってるのに」

善子ママ「セットだと安く買えるのよ……」

曜「でも中身は高級品ですね」サワッ

善子「ちょっと! それどういう意味よ」

善子ママ「あ……♡」

曜「お母さんってことは……」チュゥゥ

善子ママ「やっ……吸っちゃ嫌っ♡♡」ビクッ

曜「……」チュゥゥ……

善子ママ「やめて、何か出ちゃう……♡」ブルッ

ピュッ

曜「ふふ」ペロッ

善子「嘘でしょ……!?」

曜「本当だよ。確かめてみれば?」チュパ



124: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 01:43:16.69 ID:0p8EXX2z.net

善子「い、嫌よ……」

善子ママ「んんぅ♡♡」

曜「ほら、もう一つ空いてる」

善子「じゃ、じゃあ少しだけ……」チュパ

善子ママ「善子っ!!?」ビクン

善子「何よ全然出てこないじゃない……」チュゥゥ

善子ママ「あぁ……♡♡」ブルッ

ピュッピュッ

曜「あはは。さっきより出たね」

善子「……これがミルクの味」

曜「実の娘に吸われるのがそんなによかったんですか?」

善子ママ「い、言わないでぇ……」

善子「……」チュパ

曜「ん……? あれ、もしかして」

善子「……」チュゥゥ

曜「漏らしちゃいました?」

善子ママ「そ、そんなはずっ」

曜「でも下着濡れてますよ」

善子ママ「それはおしっこじゃなくて……っ」

曜「おしっこじゃないなら何だろうなぁ。匂い嗅いでみよう」クンクン

善子ママ「やめてっ! 本当にそこはダメなの!」

曜「……いい匂いがします」クチュ

善子ママ「ああ♡♡♡」ビクンッ

曜「これって……」クチュクチュ



125: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 01:43:40.13 ID:0p8EXX2z.net

善子ママ「♡♡♡」ショワァ

曜「あ」

善子「え」

善子ママ「やだ、見ないでぇ……」ショワァ……

曜「ちゅるっ」

曜「ごくごく」

善子ママ「あぁ……♡♡」チョロロ……

善子「……」

曜「ごく……」ペロッ

善子ママ「……」

善子「……」

曜「善子ちゃんのより意外と爽やかでした」

善子「何でよ!」

善子ママ「善子は全然水飲まないから……っ、たぶん濃くなって……」ハァハァ

善子「そういうこと聞いてるんじゃないわよ!!」

曜「あ、善子ちゃんも飲みたかった? ごめん、全部飲んじゃった」

善子ママ「あと少しなら出せると思う……」

善子「いらない!」

曜「あ、そういえばペットボトル丸々一本分あったね」

善子ママ「……」

善子「……ママ、大丈夫?」

曜「これってわざと出したわけじゃないですよね?」

善子ママ「わざとに決まっているじゃない。これは練習なんだから」

曜「漏らしたんですよね?」

善子ママ「ち、違うわよ」

曜「これは漏らしたときの味です」



126: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 01:54:45.97 ID:0p8EXX2z.net

善子ママ「……そうよ、漏らしたわ」

善子「そこで納得しちゃうのね……」

善子ママ「私の負けよ」

曜「ってことは……」

善子ママ「あなたたちの勝ち」

曜「やったよ善子ちゃん!」ハイタッチ

善子「……」ハイタッチ

善子ママ「私もまだまだだってことがよく分かったわ」

善子「もしかして、甘えられると弱いの?」

善子ママ「そ、そんなことないわよ??」

曜「ママぁ」ダキッ

善子ママ「だからやめてったら……」カァアア

善子「娘として恥ずかしくなってきたわね」ハァ

曜「善子ちゃんもおっぱい吸ってたよね?」

善子「あ、あれは本当に出るのか気になっただけで……」

善子ママ「まさか私も出るとは思わなかったわ」

曜「私のお母さんとのときは出ないんですか?」

善子ママ「善子がまだ小さい頃のときは出たわよ。でも大きくなってからは……」

善子「小さい娘がいるのに親は何やってんのよ」

曜「ってことは、もしかしてお母さんにも勝っちゃった?」

善子ママ「……かもしれないわね」

曜「えっへへー! 帰ったら自慢してやろーっと!」

善子「えっ」

曜「嘘だよ。バレたらママが可哀想でしょ? たぶんもうお母さんとできなくなっちゃうかも」

善子ママ「それは……」

曜「このことは三人の秘密! いい?」



128: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 02:12:19.28 ID:9nr/mUpT.net

善子「言えるわけないでしょ……」

善子ママ「……」

曜「さてと、片付けでもしますか」

善子「そうね」

善子ママ「……」

曜「大丈夫ですか?」

善子ママ「えっ? う、うん……」

曜「また練習させてください」

善子「えっ、まだやるの?」

曜「今日はやらないよ」

善子ママ「ごめんなさい。やっぱりこういうのはよくないと思うの。だから練習は今ので終わり」

曜「ってことは……?」

善子ママ「も、もちろんその先もダメ。曜ちゃんは私なんかより善子を見てあげて」

善子「私!?」

善子ママ「そうよ。善子だって曜ちゃんを独り占めしたいでしょう?」

善子「……」

曜「そうなの?」

善子「あんまりいい気はしないわよ。自分だけじゃなくて他の人ともこういうことしてるのって……」

善子「しかもそれが親だなんて余計にね」

曜「……」ニヤニヤ

善子「気持ち悪い」

曜「いやー、善子ちゃんも私にヤキモチ妬いてくれてるんだと思うとね」ニヤニヤ

善子「……放っといてよ」

曜「心配しなくても善子ちゃんのことも好きだから大丈夫だよー?」ギュー

善子「やめて! 早く片付けるわよ!」

曜「もう、照れちゃってー」アハハ

善子ママ「……」

善子ママ「私も夕飯の支度をしなくちゃ」スタッ



129: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 02:23:26.06 ID:9nr/mUpT.net

 二時間後

曜「はー、いいお湯でした」

善子ママ「善子は?」

曜「今入ってるみたいです」

善子ママ「……」

曜「私の残り湯飲んでないといいんですけどね……」

善子ママ「さすがにそれは……やりかねないわね」

曜「さすがに飲み干してたら引くなぁ」

善子ママ「……」

曜「気を遣ってくれてありがとうございます」

善子ママ「え?」

曜「今日は色々助けてもらいました」

善子ママ「そ、そうかしら」

曜「善子ちゃんと喧嘩したときもそうだし、体を張って教えてもらったこともたくさんあって……」

善子ママ「……」

曜「ママのおしっこも飲めたので満足です」

善子ママ「もうしないわよ。やっぱりおかしいもの」

曜「どうしてですか?」

善子ママ「そんなの……善子が可哀想よ」

曜「……」

善子ママ「もちろん、娘の友だちに手を出すこと自体ダメなんだから」

曜「私はママのこと本当のママみたいに思ってますけど」

善子ママ「それお母さんが聞いたら泣くわよ」

曜「お母さんはお母さんで大切に思ってます」

善子ママ「……」

曜「善子ちゃんが嫌がるようならやめます」

善子ママ「私は?」

曜「嫌でしたか?」

善子ママ「そうじゃないけど」



130: 名無しで叶える物語 2017/12/23(土) 02:26:26.34 ID:9nr/mUpT.net

曜「え、もしかして……善子ちゃんに妬いてたり??」

善子ママ「違うわ。そういうことではなくて、曜ちゃんのためによくないってことよ」

曜「私にとって良いか悪いかは私が考えます」

曜「だから、もし嫌じゃなければなんですけど……」

曜「私にもっと色んなこと教えてください」ギュッ

善子ママ「曜ちゃん、あなたって……」

善子ママ「本当に最低よ」フフッ

曜「よく言われます」エヘヘ


善子ママルート終わり



151: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:39:21.15 ID:SuByO5HL.net

 お風呂

ジャー バシャバシャ

善子(今日は酷い目にあったわね)

ザバー

善子(曜さんがおしっこ大好きなんて知りたくなかったかも……)

チャプン

善子(でも曜さんのおしっこするときの顔……)

善子(……)ドキドキ

善子(あー、思い出したら恥ずかしくなってきたわ)

善子(……)

善子(このお湯……曜さんの匂いがする)ペロッ

善子(温かくて優しい匂い……)

善子(私、曜さんの匂いに全身浸かってるのよね)ドキドキ

善子(……)

善子(ちょっとだけ)チュルッ

善子(……ん?)

善子(……)チュルッ

善子(もしかして曜さん、お湯の中で……)

善子(……)ズズッ

善子(意外とこれは)

善子(……)ゴクゴク



152: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:41:04.82 ID:SuByO5HL.net

「善子ちゃーん?」

善子「げほっ、ごほっ! な、何よ!」

「ううん、起きてるならいいんだ。遅いから寝てるのかと思ったの」

善子「……」

「まさか残り湯飲んでないよね?」

善子「飲まないわよ!!」

「飲んでもいいよ」

善子「曜さんこそ私がお風呂に入ってる間、ママと変なことしないでよね!」

「……」

善子「ちょ、ちょっと返事は?」

ガチャ

曜「ごめん善子ちゃん。実はさ……」

善子「きゃああ!!? 何よ!」

曜「お風呂の中でちょっとしちゃったんだよね」

善子「えっ?」

曜「気持ちよくてうとうとしちゃってさ……」

曜「先に言おうかと思ったんだけど、それだと善子ちゃんが入りにくくなるかなと思って言わなかったの」

善子「まあ、うっすら匂いで分かったわよ」

曜「知ってて入ってるんだね」

善子「別にいいでしょ?」

曜「うん」

善子「ママには言っておきなさいよ」

曜「もう言ったよ」

善子「何て?」

曜「入るのが楽しみね、って言ってた」

善子「うわ……」



153: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:41:35.78 ID:SuByO5HL.net

曜「嘘だよ。善子もときどきやるから気にしなくていいわ、って言ってた」

善子「やらない! 変なこと言わないでよママ!」

曜「……」

善子「何? 言う事言ったならそこ閉めなさいよ」

曜「そうだね……」

ガチャッ

善子「え」

曜「開けたままだと寒いもんね」

善子「ちょっちょっ、どうしてそこで中に入るの」

曜「もう少し善子ちゃんといたいなって思ったんだけど……だめ?」

善子「だめじゃないけど」

曜「えへへ、ありがと」

善子「下着、濡れても知らないわよ」

曜「あ、そうだね。今脱ぐ」スルッ

善子「脱がなくていい!!」

曜「最初から善子ちゃんと入りたいって言えばよかったよ」

善子「え? ああ、そうね……」

曜「ママの前ではちょっと恥ずかしいかなって思って言わなかったんだ」

善子「あんなことしておいて恥ずかしいも何もないでしょ」

曜「わ、私にとってはお風呂って特別な場所だから……」

善子「……そうなの」

曜「うん……」



154: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:42:43.44 ID:SuByO5HL.net

善子「……」

曜「理由聞かないの?」

善子「勝手に話せば? 聞いてあげるわよ」

曜「ほら、お風呂って基本裸で入るじゃん? しかも気持ちいいからつい気持ちが緩んじゃうでしょ」

善子「まあ、リラックスできる場所ではあるわね」

曜「そうなると、やっぱり頭のなかで色々考えちゃって……」

善子「……分かるわ。くだらない悩みとか、色々ね」

曜「『私、善子ちゃんに嫌われてないかな……』とか」

善子「自覚はあったのね」

曜「えっ、嫌いなの?」

善子「正直、ちょっと苦手だったところはあるわ」

善子「曜さんって何するにもこっちの都合なんてお構いなしなんだから」

善子「今日だっていきなりウチに来て、好き勝手やって、いつの間にかママと仲良くなってたりして」

善子「ここは私の家なのよ? なのにまるで曜さんの家みたいだった……」

曜「ごめん……図々しかったかな」

善子「あんな風にママに抱きついて、ママも自分の子どもみたいに優しい顔してて……」

善子「自分の家なのに、他人の家を見てるみたいな感覚だったわ」

曜「ヤキモチ?」

善子「違う! ううん、そうなのかもしれないけど……ちょっと違う」

曜「じゃあ何」

善子「ほら、その……私って一人っ子だし? ちょっと羨ましいっていうか……」

曜「ああ、そういうこと」

善子「そうよ! もう、こんなこと話すつもりなかったのに……」



155: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:43:06.69 ID:SuByO5HL.net

曜「あはは、それがお風呂の怖いところだね」

善子「今のは忘れて。寝言だと思ってくれていいから」

曜「……」ニヤニヤ

善子「だからその顔やめなさいって言ってるでしょう……」

曜「善子お姉ちゃん」

善子「!?」ガタッ

曜「私みたいなのが妹でも嫌じゃない?」

善子「え……普通曜さんがお姉さんなんじゃないの」

曜「あ、そうだったの? てっきり妹が欲しいのかと……」

善子「どっちでもいいわよ、そんなの」

曜「よくないよ」

善子「……」

曜「それとも、双子がよかった?」

善子「あ……それも悪くない、かも」

曜「腹違いの双子だね」

善子「いや、それ双子って言わないし……」

曜「結婚もできるよ?」

善子「できない!! そもそも女同士でしょうが!」ザバッ

曜「冗談なのに」アハハ

善子「曜さんが言うと冗談に聞こえないのよ……」



156: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:43:40.99 ID:SuByO5HL.net

曜「……」

善子「……」

曜「お姉ちゃんと妹、どっちがいい?」

善子「まだその話してたの?」

曜「まあ、私からすれば善子ちゃんは妹みたいな感じだけど」

善子「そ、そうなんだ……」

曜「……」

善子「もういいでしょ。出ていって」チャプン

曜「え? どうしたの急に」

善子「いいから出ていってよ」

曜「何で? 私が妹の方がよかった?」

善子「そういうことじゃないの!」

曜「双子? 双子がよかったの?」

善子「うるさいわね! 恥ずかしいから出ていけって言ってんの!」グイッ

曜「うわぁちょっと押さないでっ」ツルッ

ドシーン!

善子「あ……ごめんなさい」

曜「」

善子「でも曜さんが悪いんだからね。私は謝らないわよ」

曜「」チーン

善子「……」

善子「早く出ていって」

曜「」

善子「え」



157: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:44:08.65 ID:SuByO5HL.net

ザバッ

善子「大丈夫? ねぇ、曜さん」ユサユサ

曜「」

善子「ど、どうしよう……」

善子「ママー! ちょっと来て!!」

「何ー? 今ご飯作ってるから手が離せないんだけどー!」

善子「曜さんが……」

善子「曜さんが死んじゃったの!!」

曜「勝手に殺さないで!」

善子「おわぁっ!!?」ガタッ

曜「まずは呼吸を確かめようよ! それか脈!」

善子「びっくりしたじゃない! 死んだフリなんてやめてよ!」

曜「隙をついてちゅーする予定だったのに……」

善子「バカ! 本当に死んじゃったのかと思ったわよ!!」

曜「あはは、善子ちゃんを置いて死ぬわけないでしょ」

善子「……っ!」

パーン

曜「え……?」ヒリヒリ



158: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:44:53.32 ID:SuByO5HL.net

善子「冗談じゃないわ」

善子「次やったら本気で殺すわよ」

曜「うん……ごめんなさい」

善子「すごい音したから不安になったじゃない……」

曜「けっこう痛かったよ」ヒリヒリ

善子「本当にもう……」グスッ

曜「え? 何で泣くの?」

善子「知らないわよ! 泣いてない!!」

曜「泣いてる」

善子「曜さんなんて嫌いよ……」

曜「そうだね」ギュッ

善子「大嫌いよ」

曜「私は好きだよ」

善子「私は嫌い!!」

曜「……」

善子「……ごめんなさい」

曜「ううん」

善子「どこにも行かないでよね」フキフキ

曜「行かないよ」

善子「……」

曜「ちゅーしてもいい?」

善子「黙ってしなさいよバカ……」



159: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:45:16.73 ID:SuByO5HL.net

曜「……」チュッ

善子「……」

曜「大好きだよ」

善子「ん……」

曜「可愛い」ナデナデ

善子「恥ずかしいからやめて……」

曜「可愛いよ?」

善子「んっ」チュッ

曜「……」

善子「……」チュゥゥ

曜「…………」

善子「…………」チュゥゥ……

曜「……」コチョコチョ

善子「なっ!?」ビクッ

曜「えへへ」コチョコチョ

善子「や、やめっ……」

曜「やめないよ」コチョコチョ

善子「あっ……そこはっ」ビクッ

曜「んー?」コチョコチョ……

善子「あっ♡♡」ビクンッ

ショワァ……

曜「あれ?」



160: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:45:41.82 ID:SuByO5HL.net

善子「だから言ったのに……っ」ブルッ

ジョボボ

曜「もしかして……ここ弱い?」コチョ

善子「んっ♡」ビクンッ

ジョボボ

曜「えへへ、善子ちゃんの弱いところ見つけちゃった」

善子「そんなところ……誰でも弱いに決まってるわよ」

チョロロ……

曜「やっとお漏らししてくれたね」

善子「……だからお風呂って嫌いなの」



161: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:46:16.29 ID:SuByO5HL.net

……

 リビング

曜「あー、気持ちよかったぁ」ホカホカ

善子「バカっ! ママが聞いたら誤解するでしょうが!」

善子ママ「あら、ご飯できてるわよ」

曜「わぁ……ハンバーグだ!」

善子ママ「曜ちゃん、昔から大好きだったでしょ?」

曜「はい! ママのことも大好きです!」ギュー

善子ママ「うふふ」

善子「……」

善子ママ「こほんっ」

曜「?」

善子ママ「善子が泣きそうな顔してるわよ」

曜「ごめん」

善子「してないわよ」

曜「怒った?」

善子「怒ってない。曜さんってこういう人だったなって思っただけ」

曜「やっぱりヤキモチじゃん」

善子「さっきあれだけ私に言っといてママにも言うんだ……」

曜「あはは、善子ちゃんに言ったのは特別だよ?」

善子ママ「曜ちゃんが二回もお風呂に入ったのはそういうことだったのね」

曜「善子ちゃんに殺されかけました」

善子「あれは……謝ったでしょ」

曜「ううん、善子ちゃんが可愛すぎて死ぬかと思ったもん」

善子「そういうことママの前で言う……?」カァアア

善子ママ「やだ、何だか思い出しちゃうわね」



162: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:46:44.45 ID:SuByO5HL.net

善子「何をよ」

善子ママ「曜ちゃんのママとのこと……」

善子「やめてよ気持ち悪い」

善子ママ「曜ちゃんって本当にママとそっくりね」

曜「あまり似てるとは言われないんですけどね」

善子ママ「それは本当の曜ちゃんを知らないからよ」フフッ

善子「……」

善子ママ「あらごめんなさい」

曜「善子ちゃんのヤキモチ顔可愛いなぁ」ニヤニヤ

善子ママ「そうでしょ? こんな顔見られるのも曜ちゃんのおかげね」

善子「もうやだ二人して! ママは早く入ってきなさいよ!」

曜「一緒に食べないんですか?」

善子ママ「あまり遅くに入ると下の人に迷惑だから先に入っちゃうわ」

曜「そ、そうですか……」

善子「心配しなくてもママはお風呂早いから大丈夫よ」

曜「ううん、お風呂で騒ぎすぎて迷惑かけちゃったかなって思って……」

善子ママ「後でお菓子でも持って行くわ。心配しないで」

曜「いえ、私が謝ってきます」

善子「いいわよ。曜さんが来ても『誰?』ってなるだけでしょ」

曜「だから挨拶も兼ねて行くんだよ」

曜「『はじめまして、善子の妻です』って……」

善子ママ「私が行くからやめてね」

曜「えっ」



163: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:47:31.22 ID:SuByO5HL.net

善子「ママ、家ではこんなだけど外では真面目な教師だから」

曜「ああ、そう言われると確かに」

善子ママ「な、何?」

曜「これは後でたくさん授業してもらわないと」ウンウン

善子「どんな授業よ! 気持ち悪いわね!」

善子ママ「うふふ、考えておくわね」

善子「ママも早く入って! ご飯冷めても知らないわよ!」

善子ママ「はいはい」



164: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:48:01.89 ID:SuByO5HL.net

……

曜「ハンバーグ美味しい……♡」ウットリ

善子「すごく幸せそうに食べるわね」

曜「うん♡」

善子「そんなに好きなの?」

曜「世界で一番好き♡」ハムッ

善子「私とどっちが好き?」

曜「えっ」カシャン

善子「い、言ってみただけよ! 急に真顔にならないで!」

曜「悩むなぁ……」

善子「そこは嘘でも私って答えなさいよ……」

曜「善子ちゃんのハンバーグ!」

善子「えっ」

曜「あ、善子ちゃんの作ったハンバーグね? 決して善子ちゃんで作ったハンバーグじゃないから」

善子「それは言われなくても分かってるわ」

曜「今度作ってよ」

善子「私、ラーメンくらいしか作れないわよ」

曜「ラーメン作れるの? 何日もかかるのにすごいね」

善子「いや、お湯沸かして入れるだけだから……」

曜「あはは、知ってる。善子ちゃんインスタントラーメン顔してるもん」

善子「は?」

曜「あ、今のはちょっと例えがよくなかったかな」

善子「あのねぇ、どこに『インスタントラーメン顔』なんて言われて喜ぶ人がいるわけ?」

曜「でもママが作る食事以外はインスタントラーメンなんでしょ?」

善子「ラーメン以外にも焼きそばとか食べるし」

曜「だめだよ、たまに食べるのはいいけどそんな生活してたら体に悪いよ」

善子「放っといて」



165: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:49:04.07 ID:SuByO5HL.net

曜「今はいいかもしれないけど、将来骨粗鬆症になってからじゃ遅いんだからね」

善子「じゃあ曜さんが作りなさいよ」

曜「うん」

善子「え?」

曜「善子ちゃんの食事でしょ? 任せて」

善子「いや、そこは『何で私が作らなきゃいけないの!』とか突っ込みなさいよ」

曜「どうせ一人分作るのも二人分作るのも同じだからさ」

善子「そっか……曜さんのママも仕事で遅いんだったっけ」

曜「そうそう。自然と家事スキルが身につくわけだよなぁ」

善子「いいんだか悪いんだか微妙ね」

曜「でもほら、そのおかげでこうして善子ちゃんにプロポーズしてもらえたわけですし」

善子「何の話?」

曜「さっきの『じゃあ曜さんが作りなさいよ』だよ?」

善子「あれは『栄養バランスを考えた食事を提供しなさいよ』って意味だから」

曜「……」

善子「何を期待してたのよ」

曜「『あなたの味噌汁を毎日飲みたいです』みたいな意味かと」

善子「似てるけど違う!」

曜「じゃあ私に善子ちゃんの食事を作らせて?」

善子「何よそれ。プロポーズ?」

曜「身の回りのお世話をさせて? もちろんトイレのお世話も含めて」

善子「介護! それ介護だから!」

曜「あはは」

善子「もう……」パクッ

曜「結婚するには16歳にならないとだしね」

善子「そういう問題じゃ……。もういいわよ、それで」モグモグ



166: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:51:08.80 ID:SuByO5HL.net

曜「照れてる?」

善子「早く食べなさい」パクッ

曜「はーい……」パクッ

善子「……」モグモグ

曜「本当は善子ちゃんだからね?」

善子「何が」

曜「『ハンバーグと私、どっちが好きなのよ!』ってやつ」

善子「ああ、分かってるわよ」モグモグ

曜「世界で一番好きな食べ物」

善子「私は食べ物じゃない」パクッ

曜「善子ちゃんの世界で一番好きな食べ物は?」

善子「曜さん」モグモグ

曜「」カシャン

善子「だからその反応理不尽だってば!」

曜「私は食べ物じゃないよ……」グスン

善子「面倒くさ……」パクッ

曜「でも善子ちゃんにならハンバーグにされても許しちゃうかな」

善子「怖いこと言わないで」

曜「善子ちゃんに食べられたいな」

善子「気持ち悪い」

曜「た、べ、て??」

善子「恥ずかしくないの?」モグモグ

曜「ちょっとね……」カァアア



167: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:52:36.98 ID:SuByO5HL.net

善子ママ「ふぅ……さっぱりしたわ」

曜「あ、おかえりなさい」

善子ママ「ただいま」

善子「夫婦じゃないんだから」

曜「善子、いい子にしてたか?」

善子「誰よあんた」

曜「パパだよー」

善子ママ「……」パクッ

曜「ただいまのキスはしますか?」

善子ママ「い、いえ」

善子「ママが引いてるからやめて」

曜「うん」シュン

善子ママ「さ、さて私も食べようかしら」

曜「とっても美味しいからぜひ!」

善子ママ「え、ええ。作ったの私なんだけど……」

曜「特にハンバーグがおすすめです!」

善子ママ「そ、そうなの。じゃあ頂こうかしら……」

曜「はい、あーん♡」スッ

善子「やめなさいって!」ガシッ

曜「何? あ、善子ちゃんにもしてあげればよかったね」

善子ママ「あーん」パクッ

善子「ママもいい歳して恥ずかしくないの?」

善子ママ「もぐもぐ……。うーん、美味しい!」

曜「じゃあもう一口♡」スッ

善子「っ!」パクッ

曜「おっと、予想外の獲物が釣れたぞ」

善子「獲物って言うな」モグモグ



168: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:53:53.70 ID:SuByO5HL.net

善子ママ「美味しいでしょ?」

善子「まあまあってところね」モグモグ

善子ママ「好きな人からあーんしてもらうと余計にね」

善子「うぐっ……」

曜「じゃ、じゃあさっきのは私があーんしたから……?」ドキドキ

善子ママ「うふふ」

曜「だめです、善子ちゃんの前で……」カァアア

善子「」プルプル

曜「あ、善子ちゃん喉に詰まらせたな」

善子(いいから助けなさいよ……!)プルプル

曜「世話のやける妹だこと」ポンポン

善子「ごくっ……! はぁ、はぁ」

善子ママ「今のは曜ちゃんが悪かったわね」

曜「えっ、何でですか?」

善子ママ「女の子にあーんするのに一口分が大きすぎるのよ」

曜「あ……」

善子ママ「正しくはこのくらいに小さく切って」スッスッ

善子ママ「あーん」スッ

曜「はむっ」パクッ

善子ママ「このくらいの方が食べやすいでしょ?」

曜「はい……。でもちょっと物足りないかも」モグモグ

善子ママ「そこがポイントなのよ」

曜「え?」

善子ママ「もう一口食べたいと思わなかった?」

曜「思いました」

善子ママ「まあ、これも一つのテクニックかしらね」

曜「……」パァアア

善子「すごい尊敬の眼差しね」



169: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:54:49.21 ID:SuByO5HL.net

曜「また一つ賢くなってしまった……」

善子ママ「曜ちゃんももう大人なんだから、自分のことばかり考えてちゃダメよ?」

曜「はい……気をつけます」

善子「何いいこと言ったみたいな顔してるのよ」

善子ママ「え? さっき『後でたくさん授業してもらわないと』って言うから」

善子「変なところよく覚えてたわね」

曜「ママって学校でどんな授業してるんですか?」

善子ママ「普通の教師よ。少なくともこんなことは教えてないわね」

善子「曜さんは見たことないから知らないでしょうけど、ママは先生モードのときはすごく厳しいのよ」

曜「ひぃ……」

善子ママ「そんなことないわよ? 正しくあるべきものを正すのが教師の仕事だもの」

善子「だから家の中くらいなのよ。こんなに……変わってるのは」

善子ママ「ひどい」

曜「私、先生モードのママにも授業してほしいです」ドキドキ

善子「いや、だから本当にただの真面目な教師なんだって。曜さんが期待してるようなのは一ミリもないわよ」

曜「鞭とか使いますか?」ワクワク

善子「えっ」

善子ママ「曜ちゃんってけっこう変態よね」

善子「今更ね」

曜「……」ムスッ

善子ママ「教育に暴力……言葉も含めて、そういうのは使わない主義なの」

善子「いい先生みたいなこと言って、みんな騙されてるのよ」

曜「私も学校でママみたいな先生に教わりたかったなぁ」

善子ママ「……」

曜「あ、変な意味じゃなくてですよ!?」

善子「いや、分かってるから……」



170: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:57:40.58 ID:SuByO5HL.net

善子ママ「ときどき、本当にこれが正しいのか分からなくなることもあるわ」

善子ママ「結局は私の理想を生徒に押し付けてるだけなのかも……って」

曜「……」

善子ママ「裏で『ババア』なんて呼ばれてるのも知ってるし」

善子ママ「いい先生なんかじゃないわよ、私」

善子「そんな……ババアなんて酷い」

曜「そうですよ! ママはまだ全然若いもん!」

善子ママ「そういう意味じゃないわよ」

善子ママ「たぶん……」

善子「……」

善子ママ「えっ?」

善子「同意を求めないで」

善子ママ「何だか自信がなくなってきたわ……」

曜「私は善子ちゃんのお姉ちゃんって聞いても驚かない自信があります」

善子ママ「本当? ううん、嘘でも嬉しいわ」

善子「いくら何でも無理があるわよ」

曜「何なら善子ちゃんの妹って言われても……」

善子ママ「……」

善子「今のは言わない方がよかったわね」

曜「私もそう思う」

善子ママ「さ、暗い話はやめにして食べましょ」

曜「私は真ん中かなぁ」

善子「ん?」

曜「ほら、私が善子ちゃんのお姉ちゃんなら真ん中でしょ?」

善子「まあ、年齢的にはね」

善子ママ「何の話?」

曜「お姉ちゃぁん」ダキッ

善子「やめなさい」グイッ



171: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 12:58:48.84 ID:SuByO5HL.net

善子ママ「??」

善子「ママも気にしないで。曜さんが私のお姉ちゃんだったら、って話よ」

善子ママ「曜ちゃんが私の妹……」

曜「はい」

善子ママ「どちらかと言うと娘って感じかしらね。ごめんなさい」

曜「がーん」

善子「『妹になる?』なんて言い出さなくてよかったわ」

善子ママ「娘にならなってもいいわよ?」

曜「ええっ、私の!?」

善子「どう考えても無理だから」

曜「あはは、うん。でもそうなると私は善子ちゃんの本当のお姉ちゃんになっちゃうね」

善子ママ「そうねぇ」

曜「それは嫌かなぁ」

善子「そう……」

曜「善子ちゃんとは恋人でいたいもん」

善子ママ「あら」

善子「わ、私も曜さんみたいなお姉ちゃんなんかお断りよ……」カァアア

善子ママ「そうね、曜ちゃんが善子のお姉ちゃんだったら、この子コンプレックスで潰れちゃうかも」フフッ

善子「あんたそれでも親か!」

善子ママ「それに曜ちゃんとこうして……授業することもできなくなっちゃうし」

曜「え?」

善子ママ「実の娘にあんなことできないわよ」

善子「いやいやいや、やってるわ。さっき私にやったわよね」

曜「善子ちゃん、本当はね……」

曜「……」

善子「な、何よ。本当は実の親子じゃなかったなんて言い出さないでよ」



172: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 13:00:52.12 ID:SuByO5HL.net

曜「言おうと思ったけどさすがに酷いかなと思って言わなかったのに」

善子「言おうと思ったのね」

善子ママ「安心して。こんなにそっくりで本当の親子じゃないわけないじゃない」

善子「疑ってないからむしろママが安心してね」

曜「ふふ。何だかんだで仲がいいんですね」

善子ママ「曜ちゃんがいるときだけよ。この子がこんなに素直になるのは」

善子「何でよ! まるで私がいつもは可愛くないみたいじゃない」

曜「いつも可愛いよ」

善子「あっ、そうじゃなくて! 可愛げがないってことよ!」

曜「可愛いよ?」

善子「だから……! もういいっ!」

善子ママ「……」クスクス

曜「本当に可愛いね」

善子「ごちそうさま! 後片付けは私がやるから、食べ終わったら流しに持ってきてよ」スタッ

善子ママ「ありがとう。珍しいこともあるのね」

曜「いつもはお手伝いしないんですか」

善子ママ「しないわよ。帰ってくるなり『ママお腹すいたー』って部屋に行っちゃうんだから」

善子ママ「そのくせご飯ができて呼びに行ってもなかなか来ないし」

善子ママ「すっかり冷めた頃に来て『冷たっ』って文句言うんだから」

曜「酷いなぁ」

善子ママ「それでも残さず食べてくれるんだから、作らないわけにはいかないじゃない?」

曜「こんなに美味しい料理なのに、出来たてで食べないなんてもったいないですね」

善子ママ「ありがとう。善子は美味しいって言ってくれないから……」

曜「さっきも最後のご飯粒まで食べてたから、本当は大好きなんですよ」

善子ママ「だといいんだけど」

曜「だからインスタントラーメンばかり食べるのかなぁ」



174: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 13:42:32.39 ID:xaLjMcfA.net

善子ママ「え?」

曜「ママの料理が食べたいからですよ」

善子ママ「?」

曜「コンビニのお弁当なんて食べてたら、それで満足してるみたいじゃないですか」

善子ママ「そうかしら?」

曜「栄養バランスの悪い食事ばかりしていたらママもちゃんとした食事を食べさせてあげたいって思うでしょ?」

善子ママ「ええ、まあ……」

曜「これは勝てそうにないな」ハァ

善子ママ「何のこと?」

曜「善子ちゃんは私よりもずっとママのことが大好きってことです」

善子ママ「そうかしらね……」

曜「だってママも私より善子ちゃんの方が好きですよね?」

善子ママ「比べられないわよ。好きの種類が違うもの」

曜「」ガタッ

善子ママ「曜ちゃん今すごい勘違いをしたわね」

曜「え、ええ。ママが私のこと……そういう意味で好きなのかと」

善子ママ「……」フフッ

曜「あ、もちろん分かってます。私は娘の友だちですもんね……」

善子ママ「もしそういう意味だって言ったら?」

曜「えっ」

善子ママ「『もし』よ」

曜「二股かけるのはさすがに善子ちゃんに申し訳ないので……ごめんなさい」

善子ママ「それを聞いて安心したわ」

曜「え?」

善子ママ「もし私とも付き合う、なんて言い出したらどうやって別れさせようかと思った」

曜「あ、あぶねー……」(当たり前じゃないですかやだー)

善子ママ「本音出てるわよ」

曜「だってママのことも好きなんだもん……」

善子ママ「そう言ってくれるのは嬉しいけど、善子の前では善子だけを見てあげて」

曜「うぅ……」



175: 名無しで叶える物語 2017/12/24(日) 13:43:21.55 ID:xaLjMcfA.net

善子ママ「あの子、見た目以上にヤキモチ妬いてると思うし、不安に思ってるわよ」

善子ママ「曜ちゃんはもしかしたら私じゃなくてもいいんじゃないか……ってね」

曜「そんなことを……?」

善子ママ「曜ちゃんってちょっぴりデリカシーに欠けるわよね」

曜「私が誰にでもこんなことするって思ったら大間違いです!」バンッ

曜「善子ちゃん!」ダッ

「うわっ、何よ! 洗い物してるんだから抱きつかないでってば!」

善子ママ「ふふ」

「私は善子ちゃんだけだからね」

「は? 意味分かんないんだけど……」

「ママのことも好きだけど、善子ちゃんの好きは特別なんだからね」

「あ、あっそ……。そんなこと言いに来たの?」

「大好きだから言いたかったの」

「ふぅん……」

「善子ちゃんの口からも聞かせて?」

「後でね」

「今じゃなきゃ嫌」

「……」

「言ってよ」

「わ、分かったわよ。私は曜さんが好き。終わり」

「えぇー?」

「大好き! はい終わり!!」

「ちゃんと私を見て言ってよ」

「あっ、バカ! 洗剤まみれに……」

「んっ……」

「あ……♡」

善子ママ「羨ましいわ」

善子ママ「本当にね……」


お風呂&ご飯編終わり



186: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:12:30.67 ID:zm/RM08t.net

 善子の部屋

善子「電気消すわよ」

曜「うん」

善子「……」カチッ

フッ

曜「何だか悪いなぁ」

善子「何がよ」

曜「ママに気を遣わせちゃったかも」

善子「ママはいつも一人で寝てるから大丈夫よ」

曜「やっぱり三人で寝ない?」

善子「……」

曜「それとも私と二人がいい?」

善子「どっちでもいいわよ」

曜「二人がいいって言ってよ」

善子「曜さんはどっちがいいのよ」

曜「二人」

善子「そう……じゃあいいんじゃない」

曜「でもママとも一緒に寝たい」

善子「わがままね」

曜「体が二つあればいいのにな」

善子「……」

曜「善子ちゃんはそう思うときない?」

善子「あるわよ。私が寝ている間に学校行ってくれないかなとか」

曜「学校行くの嫌?」

善子「今は嫌じゃない」

曜「そっか、よかった」

善子「曜さんとも会えるし……」

曜「えへへ。私も善子ちゃんと会えるから好きだよ」



187: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:13:58.05 ID:zm/RM08t.net

善子「家が近いのに学校でしか会わないなんて変な話ね」

曜「おっと、それは私と同棲したいってことかな?」

善子「……」

曜「私もしたいけど、お母さんが一人になっちゃうからなぁ」

善子「お母さん想いなところもあるのね」

曜「あ、お母さんも一緒に住めばいいんじゃないかな?」

善子「何それ」

曜「ママとも毎日会えるでしょ?」

善子「……」

曜「でも何か複雑……」

善子「二兎を追う者は一兎をも得ずって言うわよ」

曜「そうだね。私には善子ちゃんがいればそれで十分……かな?」

善子「言い切ってよ。いちいち不安にさせるんだから」

曜「だってヤキモチ妬くときの善子ちゃんすっごく可愛いんだもん」

善子「だからってやめてよ……」

曜「もし善子ちゃんが寝てる間に私がママとしてたらどう?」

善子「どうもしない」

曜「えー……」

善子「だって曜さんはそんなことしないでしょ?」

曜「分かんないよー?」

善子「ママはしないわよ。あれでも私のこと考えてくれてるし……」

曜「うん。私が妬いちゃうくらい善子ちゃんのこと大好きだもん」

善子「親子だもの」

曜「私はそんな風に愛してもらえてるのかな……」

善子「そう言えば、曜さんって曜さんのママとそこまで仲良くないわよね」

曜「まあね。ママは仕事で忙しいから、私はママのお荷物になりたくないし」

曜「ママには私のことなんて気にしないで仕事してほしいんだ」



188: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:14:52.19 ID:zm/RM08t.net

善子「バカみたい」

曜「ひどい」

善子「どうして私のママにはあんなに甘えられるのに、自分のママには強がるわけ?」

曜「……」

善子「よく分からないわ」

曜「善子ちゃんの言う通りだよ」

曜「本当は私だってお母さんに抱き締めて貰いたいよ」

曜「大好きって言ってほしい……」

曜「おしっこは飲みたくないけど」

善子「聞いてないし今言うことじゃないわね」

曜「善子ちゃんと同じで、甘え方が分からないだけかな」

善子「私とって……」

曜「変だよね? 小さい頃はたくさん甘えてたのに」

善子「まあ、そうよね。でもみんなそんなものだと思うわよ」

善子「小学生くらいまでは親にべったり甘えてても、中学生になると急に大人ぶってみたりして」

善子「私にもそんな時期があったわ……」

曜「今日まで大人ぶってたじゃん」

善子「うるさいわね。そういう曜さんはどうなのよ」

曜「私は……中学生まではべったりだったかな」

曜「お風呂も一緒に入ってたし」

善子「そう……」

曜「でも、だんだんお母さんの仕事も忙しくなって、家に帰ってくる時間も遅くなって……」

曜「仕事で大変なのに家でも大変な思いをさせちゃいけないって、いろいろ自分でするようにしたの」

曜「クラスの子からも何でも自分でやるなんてすごいねーって褒められたりして」

曜「こうして何でもできる曜ちゃんができあがりました」エヘヘ

善子「自分で言うな」

曜「はい、私の話は終わり」

善子「……」



189: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:15:31.70 ID:zm/RM08t.net

曜「こんなこと話したの善子ちゃんが初めてだよ」

善子「家事なんてやめちゃえば?」

曜「な、何で?」

善子「ママに全部やらせたら?」

曜「無理だよ。お母さんは仕事で忙しいんだから」

善子「娘を寂しがらせてまでやることなの? 仕事ってそんなに大切?」

曜「……」

善子「でも仕方ないわよね。ママが働いてくれるから生活できてるんだもの」

曜「そうだよ、私にできることはやらなきゃ」

善子「だから今日は甘えん坊なのね」

曜「え?」

善子「今日は家事してないから」

曜「あ……」

善子「曜さんがいつもどれだけ背伸びしてたのか私には想像つかないけど……」

善子「たまには誰かに甘えたっていいと思うわ」

曜「……」グスッ

善子「私でよければ、いつでも……」

曜「善子ちゃん……」ギュ

善子「……」ナデナデ

曜「手のかかる妹でごめんね?」

善子「あ、私お姉ちゃんだったんだ」

曜「……」

善子「……」

曜「すぅ……」

善子(こうしていると本当に妹ができたみたい……)

善子(私よりも年上で、頑張り屋さんの妹……)

曜「むにゃ……」モゾ

善子(私より大きいのがムカつくけど)フニ

善子(たまにはこういうのもいいか……)

善子「……」スヤァ



190: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:16:37.07 ID:zm/RM08t.net

……

曜(寒い……)ブルブル

曜(ここどこ……?)

曜(海の中……)

曜(……)クンクン

曜(善子ちゃんの匂い……)

曜(善子ちゃん! どこ!?)

曜(私を置いてかないで……)

曜(一人にしないでよ……)

曜「善子ちゃん!」バッ

曜「……」ハァハァ

曜「ゆ、夢か……」

善子「むにゃ……」

曜(可愛い寝顔……)

曜(……)ドキドキ

曜(…………)ドキドキ

曜(……………………)

チュッ

善子「んぅ……」ゴロンッ

曜「あ、布団かけないと風邪引いちゃうよ」ファサッ

曜「……」

曜「冷たい……」

曜「もしかして」クンクン

曜「はぁああ……善子ちゃんの匂いだ……♡」

曜(おねしょ? これっておねしょだよね!?)

曜(……)ゾクゾク

曜(善子ちゃんのおねしょ……)

曜(……)ペロッ



191: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:17:24.62 ID:zm/RM08t.net

曜(うん、まだそんなに時間経ってないね)

曜(……)サワッ

善子「あ……」

曜(うわ、下着までびっしょりだ……)ドキドキ

曜(ちょっとだけ……)

曜(ごめんね?)スルッ

曜(……)スゥー

曜(いい匂い……♡♡)

曜(直接味わいたいけど……)

曜(舐めたら起きちゃうかな)

曜(……)

曜(ごめん)ペロッ

曜(……!)チュゥゥ

曜「やばい……頭がおかしくなりそう」ドキドキ

曜(……)チュゥゥ

善子「んぅ……? 曜さん……?」

曜「ひぃっ! な、何もしてないよ」

善子「だからもう食べられないって……」ムニャ

曜(寝言か……)

曜(もう少しだけ味わってもいいよね……)ペロッ

ジワァ

曜(!!?)ビクッ

曜(善子ちゃん、これ……)チュゥゥ

ジワァ……

曜(出てる? 今出てる……?)

曜(……)ドキドキ

曜(わ……何か私までしたくなってきちゃった)

曜(これだけ濡れてたらしてもバレないかな……?)スルッ

曜(……)ドキドキ



192: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:18:20.34 ID:zm/RM08t.net

曜(ごめん!)ブルッ

ジョボボ

曜(ああ……♡♡)ビクッ

ジョボボ

曜(善子ちゃんごめん……)

曜(善子ちゃんにかけちゃってるよ……♡)

ジョボボ

曜(私のおしっこで善子ちゃんを汚しちゃってる……)ゾクゾク

善子「んん……」モゾ

曜(起きないで……)

ジョボボ

曜(もう少しで終わるから……)

チョロロ……

善子「曜さぁん……」

曜「!?」

ピュッ

曜「はぁ、はぁ……♡」

善子「……」ビッショリ

曜「ごめんなさい」

善子「すぅ……」

曜「ま、まぁ善子ちゃんも私のパジャマ汚したんだし? お互い様だよね」

善子「曜さんの……美味しい……」ムニャ

曜(私のおしっこ? おしっこが美味しいってこと!?)ドキドキ

善子「曜さんのハンバーグ……」

曜「ん?」

善子「……」モグモグ

曜「えーと、今のはどっちの意味だろう」

善子「……」

曜「私が作ったハンバーグだよね? 私でじゃないよね?」



193: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:18:51.57 ID:zm/RM08t.net

善子「すや……」

曜「……」ブルッ

曜(寒気がしてきた……体拭いてこよっと)スタッ

善子「曜さんどこ……?」

曜(すぐ戻るからね)

善子「あ……私が……」

善子「食べたんだっけ……」ムニャ

曜「ひぃい!!?」

ガチャッ バタンッ!



195: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:20:14.29 ID:zm/RM08t.net

 洗面所

曜「怖いよ……! 善子ちゃんどんな夢見てるの……?」ビクビク

曜「……」ブルッ

曜「ビビりすぎて漏らすかと思った……」

曜「……」ハァ

曜(えーと、タオルは……)

曜(あった。でもこれ拭いちゃっていいのかな?)

曜(おしっこの匂いがついたら怒られるかな……)

曜「……」

曜(まあ、洗濯機に入れとけば分からないでしょ)フキフキ

曜(……)フキフキ

曜(…………)フキフキ

曜「はぁ……」

曜「いい匂い……」

曜(持って帰ろっかな)

ガタッ

曜「ん?」

シーン

曜「誰かいるの?」

シーン

曜「あの……」ガチャ……

「こんなところにいたの」

曜「きゃあああ!!!?」ガッターン!

善子ママ「大きな声出さないで! 近所迷惑でしょ!」

曜「な、何だママかぁ……」ドキドキ

善子ママ「どうしたのよこんな遅くに」

曜「えっと……」



196: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:21:20.95 ID:zm/RM08t.net

……

 リビング

善子ママ「はい、ココアよ。温まるから飲んで」コトッ

曜「ありがとうございます」

善子ママ「善子が漏らしたのね」

曜「はい……」

善子ママ「あの子が曜ちゃんと一緒に寝るって言ったとき、おむつするように言ったんだけど」

曜「普通の下着でした」

善子ママ「見たの?」

曜「あ、いえ」

善子ママ「何色だった?」

曜「黒です」

善子ママ「見たのね」

曜「……」

善子ママ「嘘つくの下手すぎるわよ」

曜「誤解しないでくださいね」

善子ママ「ん?」

曜「私、善子ちゃんにそういうことはしてません」

善子ママ「そういう……ああ、子どもができちゃうようなことね」

曜「ただおしっこの匂いを確かめたかっただけなんです」

善子ママ「それで脱がせたと」

曜「はい。下心なんてありません、純粋におしっこのためです」

善子ママ「それは下心って言わないかしら……」

曜「味見もしましたけど」

善子ママ「下心ね」

曜「……そうかもしれません」

善子ママ「あまりうるさく言うつもりはないけど、取り返しのつかないことだけはしないでね」



197: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:22:19.14 ID:zm/RM08t.net

曜「……」コクッ

善子ママ「あなたたちはまだ子どもなんだから、赤ちゃんなんて育てられないのよ」

曜「分かってますよ」

善子ママ「……ならいいけど」

曜「善子ちゃんが悲しむようなことはしたくないです。もちろんママに迷惑をかけるようなことも」

善子ママ「そう」

曜「でも……」

善子ママ「何?」

曜「ものすごく今更なんですけど、私なんかでいいんでしょうか……?」

善子ママ「善子が選んだ人なんだもの、仕方ないじゃない」

曜「……やっぱり反対ですか」

善子ママ「もちろん曜ちゃんのことは私も大好きよ。だからいい子なのも知ってる」

善子ママ「でも善子には……辛い思いをさせたくないの」

曜「そうですよね……」

善子ママ「本当の自分を隠して生きなきゃいけないなんて、こんなに辛いことはないわ」

曜「……」

善子ママ「女の子同士ってのはそういうことなのよ。曜ちゃんも分かっているとは思うけど」

曜「善子ちゃんには……普通に男の人と家庭を作って欲しいですか?」

善子ママ「……」

曜「今は女子校で周りに女の子しかいないけど、大学や会社に行けば男の人との出会いもあるはずです」

曜「私がいることで、善子ちゃんが辛い思いをするかもしれない……」

曜「それだけが嫌なんです」

善子ママ「……」

曜「だからもし私が本当に善子ちゃんのことを思うなら……こんな気持ち伝えるべきじゃなかったのかも」

善子ママ「曜ちゃんが言い出さなくても、善子から言い出したと思うわよ」

曜「そうでしょうか……」

善子ママ「あの子には曜ちゃんしか見えてない……。それは周りに女の子しかいないからかもしれない」

善子ママ「それでも善子が曜ちゃんのことを好きなのは変わらないでしょ?」

曜「……」



198: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:23:08.34 ID:zm/RM08t.net

善子ママ「曜ちゃんだって同じじゃないかしら?」

善子ママ「曜ちゃんくらい可愛かったらきっと彼氏だって見つかると思う……。それでも善子を好きになってくれたのだから」

善子ママ「その気持ちに嘘がないのなら、何も間違ったことなんてしてないんじゃない?」

曜「私は……善子ちゃんのことが好きです」

善子ママ「なら難しく考えることは何もないわ」

曜「……ママは強いですね」

善子ママ「強くなかったら教師なんて保守的な職業は務まらないわよ」

善子ママ「私が同性愛者だなんてバレたら、きっと保護者たちは私をクビにするでしょうね」

善子ママ「自分の娘もそういう目で見られてるのでは、なんて思うでしょうから」

曜「見てないんですか?」

善子ママ「見てないわよ! 曜ちゃんは私を何だと思ってるの」

曜「だって、私のお母さんと付き合ってるのに私にも大好きなんて言うじゃないですか」

善子ママ「曜ちゃんにだけは言われたくないわね」ムスッ

善子ママ「少しは善子の気持ちがわかった?」

曜「はい……」

善子ママ「それと……これは誤解しないで聞いてもらいたいのだけど」

善子ママ「私だって誰でもいいわけじゃないのよ?」

善子ママ「曜ちゃんだからこんな話もするし、私がおしっこ大好きなことも話したの」

善子ママ「このことを知っているのは世界で三人だけよ」

善子ママ「曜ちゃんと、曜ちゃんのお母さん、あとは善子だけなんだからね」

善子ママ「娘でも恋人でもない曜ちゃんにこんなこと教えるなんて……」

善子ママ「私も何を考えてたんだか」フフッ

曜「愛人ですか?」

善子ママ「違うわよ」

曜「じゃあ……やっぱり娘?」

善子ママ「曜ちゃんは曜ちゃんよ」

曜「そんなこと言われたら本気で……浮気しちゃいそうです」



199: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:24:22.09 ID:zm/RM08t.net

善子ママ「あら。今のははぐらかしたつもりなんだけど」

曜「……」

「ママぁ……」

善子ママ「ごめんね善子、起こしちゃったかしら?」

善子「おねしょしちゃった……」グスッ

善子ママ「だからおむつしなさいって言ったでしょ」

善子「ごめんなさい……」

善子ママ「朝になったら片付けるから、それまでは我慢して寝なさい」

善子「はぁい……」

曜(……)

善子ママ「はぁ……」

曜「か、可愛い……♡」

善子ママ「ああ、善子は寝ぼけるといつもあんな感じよ」

曜「……」ドキドキ

善子ママ「曜ちゃんはどうする? おしっこまみれの布団で寝るのが嫌なら私の布団で寝てもいいのよ」

曜「いえ、善子ちゃんのところに戻ります」

善子ママ「そう……ありがとう」

曜「お礼なんてやめてください。むしろこっちがありがとうって感じです」



200: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:25:27.46 ID:zm/RM08t.net

善子ママ「あ、今のは善子のこと気にかけてくれたわけじゃないのね……」

曜「もちろん善子ちゃんのことですよ。ついでにおしっこの匂いに埋もれて眠りたいってのもあります」

善子ママ「……」

曜「匂いに埋もれて眠りたい方が先です」

善子ママ「素直でよろしい」

曜「それじゃ、部屋に戻ります。付き合わせちゃってごめんなさい」スタッ

善子ママ「ううん。私もちょうど眠れなかったし……」

曜「もしかして私が来てるからドキドキしちゃいました?」

善子ママ「違うわよ」

曜「……」シュン

善子ママ「まあ、曜ちゃんのせいではあるけどね」

曜「はい」

善子ママ「おやすみ」

曜「おやすみなさい」

スタスタ

善子ママ(曜ちゃんのせいよ……)



201: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:26:43.13 ID:zm/RM08t.net

……

 朝

「曜さん」ユサユサ

曜「ん……?」パチッ

善子「大変よ」

曜「何が?」

善子「私……おねしょしちゃったみたいなの」

曜「あ……」ビッショリ

善子「ごめんなさい」

曜「ううん、いいよそんなの」

善子「曜さんのパジャマまでビショビショに濡らしちゃって」

曜「気にしないでよ。むしろ善子ちゃんの匂いで幸せなくらいなんだから」

善子「……」

曜「今のは本当だよ?」

善子「まあ、そうでしょうね……」

曜(あれ……? あの後私がここでしたのにほとんど善子ちゃんの匂いしかしないな)クンクン

善子「嗅がないでよ」

曜「なるほどね」

善子「何がなるほどなの」

曜「善子ちゃん、二回漏らしたね」

善子「げっ……」

曜「やっぱり」

善子「どうして……? 匂いは二回目ので上書きされたはず……」

曜「途中で起きたから分かるんだよ」

善子「あっ……。もしかして私のせいで起こしちゃった?」

曜「うん、善子ちゃんの匂いでね」

善子「……」シュン

曜「あ、だから私は嬉しかったんだって。善子ちゃんの匂いを全身で感じられたんだもん」



202: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:27:11.05 ID:zm/RM08t.net

善子「ありがと、気を遣ってくれて」

曜「本当だってば。私がそんな気を遣えるように見える?」

善子「見えない」

曜「でしょ? だから本当なんだよ」

善子「……ありがと」ギュ

曜「うん……。何か悲しくなるね」エヘヘ

善子「お願いがあるんだけど、いい?」

曜「うん、何でも言ってよ」

善子「何でも?」

曜「何でもだよ」

善子「じゃあまずは片付けを手伝ってほしいの」

曜「うん。シーツは洗濯するとして、布団はどうする? ベランダに干せばいい?」

善子「ええ。消臭スプレーがあるからそれを吹いてからね」

曜「了解」ゞ

善子「ママにはバレないようにこっそりお願いね」

曜「え?」

善子「実は……寝る前にママにおむつするように言われたのよ」

曜「うん」

善子「でもそんなの恥ずかしいからしなかったわ」

曜「みたいだね」

善子「ママの言う通りおむつしておけばよかったわね」

曜「え? それじゃ私が困るよ」

善子「何で困るのよ! そんなに私の匂いを浴びたかったわけ?」

曜「もちろん!」

善子「えぇ……」

曜(私の匂いも上書きしてもらったし……)

善子「まあ、曜さんが変態なのはさておき」

曜「ごめん」



206: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:37:51.46 ID:zm/RM08t.net

善子「とりあえず、ママがまだ起きてないか見てきてくれないかしら」

曜「あー、うん。分かった」

善子「こっそりよ! 見てくるだけだからね?」

曜「挨拶は?」

善子「しなくていいわよ」

曜「じゃあ見てきます」スタッ

ガチャ バタン

善子「ふぅ……」

善子(ママが起きてたらこの布団は干せない)

善子(今日の夜になったら臭そうね……)

善子(ん? そうだわ、いいことを思いついた)

善子(……)ニヤニヤ

 リビング

曜「……」スタスタ

曜「誰もいないね」

曜「ママはまだ寝てるのかなぁ」

スタスタ

 ママの部屋

曜「失礼します……」ガチャ

善子ママ「……」スー

曜(うわ、寝相悪っ)

善子ママ「……」

曜(しかも見えちゃってるし)

曜(……)ドキドキ

曜(もしかして……)ピラッ

曜(おお……)ドキドキ

曜(ううん、ダメダメ。確認するだけだもんね)

曜(……)

曜(理性が吹き飛ぶ前に早く戻ろう)

キィ



207: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:44:20.93 ID:zm/RM08t.net

 善子の部屋

ガチャ

曜「ママ寝てたよ」

善子「そう? よかった、じゃあ悪いんだけど布団運ぶの手伝ってもらっていい?」

曜「うん!」グイッ

フワァ

曜「あ……♡」ビクッ

善子「何よ今の声は」

曜「ううん、少し時間が経ったせいか匂いが濃くなってるね」クンクン

善子「いいから早く運んでよ。静かにね」

曜「はーい」

 ベランダ

善子「これでよし。助かったわ、ありがと」

曜「あとは消臭スプレーだっけ」

善子「ええ、少し多めにかけといてくれる?」

曜「うん」シュッシュッ

善子「今日は寒いわね」

曜「そうだね」シュッシュッ

善子「ねぇ、そういえば急に泊まっちゃって大丈夫だったの?」

曜「え、何で?」シュッシュッ

善子「曜さん、ママに連絡した?」

曜「してないよ」シュッシュッ

善子「しなさいよ! 心配してるわよ絶対!」

曜「してないよ。たぶんね」シュッシュッ

善子「いや……そこまで薄情なの?」

曜「お母さん泊まりだったからさ」シュッシュッ

善子「そうなの? でも連絡はした方がいいんじゃないかしら……」



208: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 19:55:47.05 ID:zm/RM08t.net

曜「じゃあメールしとく」スッ

善子「あっ、いや」

曜「ん?」

善子「今からならしない方がいいと思うわ」

曜「どっちなの」

善子「逆に心配するっていうか……その、変な意味で」

曜「ああ、私が善子ちゃんと不純なお付き合いをしてるんじゃないかってことね」

善子「ええ。今でも十分不純なんだけど」

曜「お母さんも薄々気づいてそうだけどねー」

善子「そうなの?」

曜「ほら、ママとお母さん仲いいでしょ? だからある程度伝わってるんじゃないかな」

善子「その『ママとお母さん』って言い方やめて。どっちか分かんなくなる」

曜「お母さんが私のお母さんで、ママが私のママだよ」

善子「説明になってない! って言うか私のママよ!」

曜「善子ちゃんのママは私のママだよ」

善子「どこのガキ大将よ……」

曜「じゃあ私のお母さんはそのまま『お母さん』、善子ちゃんのママのことは『お義母さん』って呼ぶ?」

善子「ごめんなさい、聞き分けられなかったわ」

曜「じゃあ何て呼べばいいの」

善子「普通に『善子ちゃんのママ』って言えばいいんじゃない」

曜「えっ」

善子「何よ、嫌なの?」

曜「ううん。善子ちゃん今、自分のことちゃん付けで呼んだから……」

善子「曜さんにこう呼んでって例を出しただけ! ナルシストみたいに言わないでよ」

曜「決めた。今日一日、自分のことは名前プラスちゃんで呼ぼう」

善子「勝手に決めないで」



209: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 20:06:08.59 ID:zm/RM08t.net

曜「曜ちゃんはいいと思いますぅ」

善子「うわ、気持ち悪い」

曜「じゃあ、私とじゃんけんして負けたら自分のこと『善子ちゃん』って呼んでよ」

善子「何でよ」

曜「あっ、『曜ちゃんと』じゃんけんして負けたらね」

善子「わざわざ言い直さなくていいから……」

曜「最初はグー!」

善子「ちょっと待っ……」

曜「じゃんけんぽん!!」チョキ

善子「てよ!!」グー

曜「あいこでしょ!」パー

善子「あいこじゃないし!」チョキ

曜「あいこ!」チョキ

善子「ずるいわよ!」グー

曜「負けたぁ!!」

善子「あ、三番勝負だったのね」パー

曜「もうだめだ。今年の運は使い果たしちゃってたみたい」

善子「もう年末だものね」

曜「いったい何に使ったんだろうなぁ」

善子「知らないわよ」

曜「むしろ善子ちゃんが使い果たしてなかったことに驚きだよ」

善子「まあ、私は普段あんまりいいことないから……」

曜「私というものを手に入れておきながら! まだ運残ってるの!?」

善子「それを言ったら曜さんもでしょ?」

曜「あ……うん」キョトン

善子「急に素に戻らないで」

曜「もう死んでも後悔しないくらいの幸せだね」

善子「やめてよ縁起でもない」

曜「ハンバーグにされても文句言わないよ」



210: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 20:20:01.45 ID:zm/RM08t.net

善子「??」

曜「今のは忘れて」

「あら、二人とも早いじゃない」

善子「ママっ!?」

曜「おはヨーソロー!」ゞ

善子ママ「あ……」

善子「あ、こ、これは! 違うから!!」

曜「おはヨーソロー……」ゞ

善子ママ「隠さなくてもいいのに」

曜「おは……」

善子「うるさい! しつこいわよ!」

曜「……」グスッ

善子ママ「おはヨーソロー」ゞ

曜「っ!!」パァアア

善子「漏らしたの曜さんだから」

善子ママ「えっ?」

曜「ママがヨーソローしてくれた……嬉しい……」ウットリ

善子「曜さんったら寝る前にトイレ行かなかったんだもの、もしかしたら漏らすんじゃないかと思ったわ」

善子ママ「曜ちゃん?」

曜「はい!」キラキラ

善子ママ「……」

曜「え、ごめんなさい。聞いてませんでした」

善子ママ「曜ちゃんまでおねしょするなんてね……」

曜「してないです」

善子「言い訳するつもり? 見苦しいわよ」

曜「し、しししてないもん」

善子ママ「まあどっちでもいいわ。シーツは洗ったの?」

善子「あっ、今洗おうと思ってたところ! いいわよ、漏らしたのは曜さんだけど私が洗っておいてあげるから!」ダッ

曜「うん……」



211: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 20:26:53.41 ID:zm/RM08t.net

善子ママ「したのね」

曜「はい」

善子ママ「恥ずかしいのは分かるけど、どうして嘘なんてつくのよ」

曜「ごめんなさい……」

善子ママ「別に怒ってるわけじゃないのよ? でも嘘をつかれるのはちょっと悲しいわ」

曜「本当は善子ちゃんにしました」

善子ママ「え?」

曜「おねしょじゃないんです」

曜「私が善子ちゃんにおしっこしました」

善子ママ「」

曜「善子ちゃんの匂いで我慢できなくて……」

曜「かけたくて仕方なかったんです」

善子ママ「すごいわね」

曜「そうですかね」エヘヘ

善子ママ「褒めてないわよ」

曜「あぅ……」

善子ママ「曜ちゃんがそこまでの変態だとは思わなかったわ」

曜「嫌いになりましたか」

善子ママ「ならない」

曜「本当!?」

善子ママ「ならないわよ。でも善子には本当のこと言ってあげて」

曜「……言わないとダメですか?」

善子ママ「言えないようなことをあの子にしたの?」

曜「してません」

善子ママ「じゃあ言えるわね」

曜「……」

善子ママ「言えるわね?」

曜「あの、おしっこを人にかけるのは、言えないようなことじゃないんでしょうか」



212: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 20:45:02.88 ID:zm/RM08t.net

善子ママ「それは曜ちゃん次第ね」

曜「……」

善子ママ「自分でこれはやっちゃダメだなってことくらい分かるわよね?」

曜「……」

善子ママ「寝ている人におしっこをかけるのは、いいこと? それとも悪いこと?」

曜「悪いことです」

善子ママ「分かってるじゃない。自分がされて嫌なことは人にしちゃダメよ」

曜「いえ、私はされたいです」

善子ママ「そういうことを言ってるんじゃないの」

曜「ごめんなさい」

善子ママ「善子はされたいと思うかしら?」

曜「思ってほしい……けど、思ってないと思います」

善子ママ「ええ、たぶんね」

曜「思わせたいです」

善子ママ「聞いてないわ」

曜「でも、このまま黙ってるのはやっぱり卑怯ですよね。きちんと話します」

善子ママ「ええ。そうしてあげて」

曜「善子ちゃん、許してくれるでしょうか……」

善子ママ「さあ?」

曜「私のこと嫌いになりますか?」

善子ママ「本人に聞けば分かることよ」

曜「……」グスッ

善子ママ「……」

善子ママ「ごめんね」ギュ

曜「え……?」

善子ママ「ちょっと言いすぎだわ」

曜「……」

善子ママ「こんなだから生徒に嫌われるのよね……」

曜「そんなことありません」

善子ママ「いいわよ、曜ちゃんだって少し嫌いになったでしょ」



215: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 22:26:43.92 ID:zm/RM08t.net

曜「先生モードのママを見れて嬉しかったです」

善子ママ「先生モードって……。いつも生徒におしっこの仕方について説教してるわけじゃないのよ?」

曜「そうなんですか?」

善子ママ「当たり前でしょう!?」

曜「私は先生モードのママも好きです」

善子ママ「そうやって誤魔化すのやめて。本当に怒るわよ?」

曜「もっと見たいって言ったら怒りますか?」

善子ママ「私は見せたくない。家では見せないって決めてるの」

曜「善子ちゃんにも」

善子ママ「あの子にこそ見せたくないのよ」

曜「えへへ」ニヤニヤ

善子ママ「うっ……何その顔は」

曜「善子ちゃんも知らないママを私が知ってるんだと思うと……」ニヤニヤ

善子ママ「言い方! 善子が聞いたら誤解するわよ」

曜「善子ちゃんに言えないようなことを私にしたんですよね?」ギュ

善子ママ「……っ! だからそんな言い方しないで」

曜「もっとしてもいいんですよ?」

ガラッ!

善子「あー! また二人でコソコソ抱き合ってる!」

善子ママ「こ、これはね! 違うのよ!」パッ

善子「なーにが違うのよ! どう見てもイチャイチャしてたじゃない!」

曜「善子ちゃん遅かったね」

善子「なっ……別にいいでしょ!? 曜さんには関係ない!!」

曜「何怒ってるの」

善子「怒ってないし」

曜「怒ってる」

善子「そりゃ怒るわよ! 本当に曜さんのだったなんて!!」



216: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 22:28:33.67 ID:zm/RM08t.net

曜「えっ……もしかして聞いてた?」

善子「よーく嗅いだら曜さんの匂いがしたの! どうもおかしいなと思ってたのよね」

曜「したよ。私も我慢できなくて……」

善子「だからって私にかけないで!」

善子ママ「よく気づいたわね」

曜「な、何言ってるのかな? よく分かんないや」アハハ

善子「ふーん、認めないつもり?」

善子ママ「往生際が悪いわね」

曜「証拠は? 私が善子ちゃんにかけたって証拠!」

善子「服の背中が濡れてないのに襟が濡れてた」

善子「そもそも自分のおねしょで襟は濡れないでしょ?」

曜「……」

善子ママ「ほらね、だから言ったじゃない」

曜「言われてませんけど」

善子ママ「善子はこういうの許さないわよ」

曜「そ、そうなの?」

善子「当たり前でしょ。どこに寝てる間におしっこかけられて許すバカがいるのよ!」

曜「私は許すよ」

善子「許さなくていいから」

曜「むしろかけてほしいくらいだよ」

曜「あ、でも起こしてくれたらもっと嬉しいな」

善子「私だって起こしてほしかったわよ!!」

曜「えっ」

善子「曜さんだけ楽しむなんてずるい!」

曜「善子ちゃんかけられたかったの?」

善子「なっ……そ、そんなこと言ってないでしょ!?」



217: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 22:29:01.03 ID:zm/RM08t.net

曜「今度かけてあげるね」

善子「……勝手にしなさい」プイッ

善子ママ「でもよく気づいたわね。あれだけ服が濡れていたら分からないんじゃない?」

善子「私のだけじゃこんなにいい匂いするわけないもの……」

曜「え?」

善子「何でもない! とにかく寝てる間に許可なくおしっこをかけるのは禁止!!」

善子ママ「事前に申請すればいいのね……」

善子「黙ってかけられるより百倍ましよ」

曜「分かったよ。次からそうする」

善子ママ「何だかあなた達が遠く感じるわ……」

曜「それと、あんまり外でおしっこおしっこ連呼するのはよくないと思うよ?」

善子「あっ……周りの家に聞こえたかも」

善子ママ「やめてよ善子、私どんな顔してご近所さんに会えばいいの」

曜「気をつけた方がいいよ」アハハ

善子「自分の家じゃないからって……」

善子ママ「知り合いの赤ちゃんを預かってたことにしましょう」

善子「え?」

善子ママ「ええ、それがいいわ。おねしょした布団が干してあっても不自然じゃないし」

曜「ばぶぅ」

善子「やめなさい」



218: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 22:55:29.39 ID:zm/RM08t.net

 リビング

曜「朝ごはんは曜ちゃん特製肉じゃがです」

善子「朝から肉じゃが……」

曜「カツカレーがよかった?」

善子「肉じゃがでいいわよ」

善子ママ「いただきます」

曜「召し上がれ♡」

善子ママ「はむっ……」モグモグ

善子ママ「うん! とっても美味しいわ」

曜「えへへ」

善子「曜さんは料理上手よね」パクッ

曜「ママほどじゃないけどねー」

善子ママ「これだけ上手だと曜ちゃんのお母さんが料理したくなくなるのも分かるわ」

善子「え?」

曜「お母さんがそんなことを?」

善子ママ「あ……今のは独り言だから」

善子「曜さんのママ、料理下手なの?」

曜「どうかな? あんまり美味しくはないけど……」

善子ママ「……」

善子「ママ、食べたことある?」

善子ママ「えっ? な、ないわよ」

曜「でもお母さんが作ってくれたらそれだけで嬉しいよ」

善子ママ「それ、今度お母さんに言ってあげたら?」 

曜「恥ずかしいから嫌です」

善子「恥ずかしさの基準おかしいわよ」

曜「だって自分のお母さんだよ? 恥ずかしいに決まってるよ……」

善子ママ「曜ちゃんが娘だったら家事なんてする気なくすかもね」

善子「遠回しに私の悪口言ってない?」



219: 名無しで叶える物語 2017/12/25(月) 22:56:21.17 ID:zm/RM08t.net

善子ママ「あら、そう聞こえた? ならもう少しお手伝いしてくれてもいいのよ」

善子「……考えとくわ」

善子ママ「曜ちゃんがいないときもお願いね」

善子「べ、別に曜さんがいたからやったわけじゃないわよ」

曜「私が毎日いたら善子ちゃんは毎日ママのお手伝いしたりするのかな」

善子ママ「じゃあ明日も泊まっていく?」

善子「毎日は嫌よ」

曜「嫌なの?」

善子「寝不足で死んじゃうわ」

善子ママ「……えっ?」

曜「誤解です」

善子「誤解も何もないわよ。現に寝不足だし……」

善子ママ「曜ちゃん」

曜「な、何でしょうか……」

善子ママ「後でちょっといいかしら? 二人きりでお話したいことがあるんだけど」

曜「遠慮しときます」

善子ママ「善子にも見せない私、見たいんでしょ?」

善子「は? 曜さんママにそんなこと言ったの?」

曜「いや、言ってな……ううん、言ったけど。言ったけど違う」

善子ママ「ふふ」ニコニコ

曜「ひぇ……」ビクビク

善子「ビビりすぎでしょ」

曜「善子ちゃん、私のハンバーグ食べてくれる?」

善子「え? いいけど」

曜「ありがと……」


おねしょ編 終わり



238: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:38:58.84 ID:0y0OO0N7.net

善子ママ「それはそうと、今日あなた達デートするんですってね」

善子「なっ」

曜「えへへー、実はそうなんです」

善子「デートなの?」

曜「デートだよ」

善子「お買い物じゃなかった?」

曜「ショッピングもデートなの!」

善子「……」

曜「あ、もちろんショッピング以外にも色々する予定だよ」

善子「色々って?」

曜「それはもちろん色々なことだよ。まだ秘密」

善子ママ「……」ジッ

曜「分かってますって。変なことはしません」

善子ママ「今でも十分してると思うけど……」

善子「大丈夫よママ。曜さんはいざとなるとヘタレて何もできなくなっちゃうんだから」

善子ママ「そうなの? 意外かも」

曜「だって恥ずかしいんだもん」

善子ママ「というか『いざとなると』ってことはいざとなったことがあるのね?」

善子「な、ないわよ! いざとなりそうだとヘタレそうってこと!」

曜「意味分かんないよ」



239: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:39:16.73 ID:0y0OO0N7.net

善子ママ「まあいいわ。曜ちゃんのこと信じてるからね」

曜「はい! 善子ちゃんは命に代えても守ります!」ゞ

善子「変なフラグ立てないで!」

善子ママ「遅くなるときは必ず連絡するのよ」

善子「遅くなる前に帰ってきなさいよ、じゃなくて?」

善子ママ「できればそうしてほしいけど」

曜「努力はします」

善子「ええ」

善子ママ「気をつけて行ってらっしゃい」ノシ

曜「はーい!」ノシ

善子「行ってきます」

ガチャ バタン

善子ママ「……」

善子ママ(信じてるからね)



240: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:41:32.05 ID:0y0OO0N7.net

 バスの中

曜「うふふ」ニヤニヤ

善子「何?」

曜「善子ちゃんとデートかぁ」ニヤニヤ

善子「お買い物するだけよ。私だって暇じゃないんだから」

曜「映画は? カラオケは?」

善子「……まあ、考えといてあげるわよ」

曜「よしっ!」グッ

善子「行くとは言ってないわよ」

曜「行こうよー」

善子「行ってもいいけど条件があるわ」

曜「何でも聞くよ」

善子「軽々しく『何でも』なんて言うのやめなさいよ」

曜「それがお願い?」

善子「違う! 今のは曜さんを思って言っただけ」

曜「善子ちゃん以外には言わないよ」

善子「いや、他の人にも言ってるの聞いたわ」

曜「そうだっけ」

善子「何でも安請け合いするの、曜さんの悪いところよ」

曜「うん……気をつけます」

善子「絶対に私の側にいること。いいわね?」

曜「えっ」

善子「何よ、嫌なの?」

曜「善子ちゃんって方向音痴?」

善子「うっ……そうよ! 悪い!?」

善子「って言うか少しはドキドキしてくれても……」ボソボソ

曜「あ! そういうこと!? ずっと一緒にいてってこと?」

善子「だからそう言ってるじゃない!!」

曜「てっきり善子ちゃんが迷子になっちゃうからかと思ったよ」アハハ

善子「それもあるけど……」



241: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:41:53.37 ID:0y0OO0N7.net

曜「もし迷子になっちゃったら電話してくれれば迎えに行くよ」

善子「ずっと手を繋いでいればいいんじゃないの」

曜「……」

善子「とか言ってよ。気が利かないわね」

曜「ちょっと聞いてもいい?」

善子「何よ」

曜「何で今日の善子ちゃんそんなに積極的なの? 本当に善子ちゃん?」

善子「いいでしょデートなんだから!」

曜「善子ちゃんの着ぐるみを着た別人かも……」

善子「ここまでよくできた着ぐるみある?」

曜「自分で言う?」

善子「だから着ぐるみじゃないって」

曜「信じられないから確かめさせて」スッ

善子「待って、それはナシ」

曜「ええー? ますます怪しいな」

善子「ここバスの中よ」

曜「誰も見てないよ」

善子「もし見られたらどうするの」

曜「大丈夫だよ」

善子「……」

曜「……」チュッ

善子「……♡」ドキドキ

曜「……」チュゥゥ

善子「……♡♡」ドキドキ

曜「……」レロッ

善子「!!? げほっ!!」

曜「あれ?」

善子「いきなり舌入れてこないで!」

曜「入れたくなったんだもん」

善子「入れたくなったんだもん、じゃないわよ!」



242: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:43:05.20 ID:0y0OO0N7.net

曜「ごめん」

善子「ここバスの中なのよ? 忘れてない?」

曜「バスの中じゃなかったらいいの?」

善子「……せめて誰もいないところでしなさいよ」

曜「じゃあ楽しみにしてる」

善子「と、とにかく本物の私だって分かったでしょ? って言うか絶対分かっててやったわよね」

曜「善子ちゃんお化粧してる?」

善子「は、はぁ? いきなり何よ」

曜「いつもより可愛いなって」

善子「いつもと同じよ……」

曜「ごめん、いつも可愛いなって」

善子「口紅だけ。いいでしょ、たまにはお洒落しても」

曜「今度メイクしてあげよっか」

善子「そんなに変?」

曜「ううん、そうじゃないよ。善子ちゃん元が可愛いからメイクし甲斐がありそう」

善子「……」

曜「私がメイクなんて柄じゃないかな?」

善子「そ、そんなことないんじゃない? あんまりイメージはないけど……」

曜「まあ、私も梨子ちゃんに教わったんだけどね」

善子「梨子さんに? 梨子さんもメイクするってイメージじゃないわね……」

曜「梨子さんは鞠莉さんに教わったって言ってた」

善子「鞠莉さんなら、まあ分からなくもないかしら」

曜「そして鞠莉さんは善子ちゃんに……」

善子「私教えてないわよ」

曜「インスピレーションを受けたって言ってたよ」

善子「何のインスピレーションよ」

曜「ずばり、堕天使だね」

善子「えっ」

曜「堕天使メイク! ライブでやったらすっごく映えると思うよ!」

善子「それを普段のデートでするの?」



243: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:43:36.78 ID:0y0OO0N7.net

曜「え? うん。ダメかな?」

善子「どう考えても変よ」

曜「善子ちゃんだって堕天使のコスプレしてるじゃん」

善子「今はしてないでしょ!? それに、あれは私じゃなくてヨハネだから!」

曜「私とのときはしないんだね」

善子「今日は私とのデートでしょ?」

曜「うん」

善子「ヨハネともデートしたいなんて言わないでよ」

曜「!!?」ガタッ

善子「な、何なの」

曜「それはそれでアリかも……」ゴクリ

善子「ナシよ!」

曜「善子ちゃん、みんなといるときは『善子ちゃん』って呼ぶと怒るのにね」

善子「い、いいでしょ? 今は二人なんだから……」

曜「ギランッ」ゞ

善子「ポーズが違う! こうよ!」スタッ

ヨハネ「ヨハネ、降臨」ギランッ

曜「善子ちゃん、ここバスの中」

善子「あんたがやらせたんでしょ!!」

曜「いつかヨハネちゃんともしてみたいなぁ……」

善子「それ浮気したいって言ってるみたいなものよね」

曜「私はどんな格好していけばいいんだろ?」

善子「さあ? いつもと同じでいいんじゃない?」

曜「ダメダメ! 堕天使とデートするからには私もそれなりの格好しなきゃ」

善子「あっそ」

曜「善子ちゃんご機嫌斜めだね」

善子「別に。気のせいよ」

曜「善子ちゃんといるのに他の子の話してるときみたいな顔してる」

善子「分かってるなら他の子の話しないでよね」



244: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:44:07.63 ID:0y0OO0N7.net

曜「どっちも善子ちゃんなのに?」

善子「……」

曜「ごめん、いじわるだね」

善子「曜さんには分からないわよ」

曜「え?」

善子「私がどんな思いでヨハネという悪魔を召喚しているのかなんて」

曜「うーん……」

善子「分からなくてもいいけどね」

曜「ヨーソロー降臨っ!」ゞ

善子「……は?」

曜「ごめん、分からなかった」

善子「とにかく今は私だけ見てくれればそれでいいの」

曜「うん」

善子「面倒くさいって思った?」

曜「うん」

善子「嘘でも『そんなことないよ』って言ってほしかったわ」

曜「面倒くさいね」

善子「うっ」

曜「面倒くさい善子ちゃんが好きなんだよ」

善子「何よそれ」カァアア

曜「一緒に居ると楽しいから」

善子「私も」

曜「えへへ」

善子「……」ドキドキ

曜「舌入れていい?」

善子「ダメ」

曜「ケチ」

善子「そういうのは誰もいないところでね」



245: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:44:30.16 ID:0y0OO0N7.net

曜「あーあ、みんな早く降りないかなー」

善子「ちょっ、やめなさいよ! 他の人に聞こえるわよ!」

曜「終点まで行っちゃおうか?」

善子「え?」

曜「このまま善子ちゃんと乗っていたいな」

善子「……」

曜「あ、でも終点ってどこだろう?」

善子「さあね。いつものバスじゃないから分からないわ」

曜「じゃあ行けるところまで……」

善子「ショッピングはどうするのよ」

曜「また今度でいいよ」

善子「……」

曜「ダメ?」

善子「バス代、そんなに持ってない」

曜「どこまで乗っても五百円だよ」

善子「そうなの?」

曜「乗らなきゃ損だよね」

善子「……そうかも」



246: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:45:07.25 ID:0y0OO0N7.net

……

善子「はっ……」ビクッ

ブロロ……

善子「うっかり寝ちゃったわ」

曜「すぅ……」

善子「曜さん、起きて」ユサユサ

曜「せっかく気持ちよく寝てたのにぃ」

善子「ここどこ?」

曜「え?」

善子「何かすごい山の中走ってない?」

曜「うーん……」

善子「そうだ、スマホで地図を見てみればいいのよ」スッ

善子「え……」

曜「どうしたの?」

善子「圏外よ」

曜「えっ、静岡出ちゃったの?」

善子「違うわよ! 電波が来てないってこと!」

曜「いったいどこの無人島だろう」

善子「いや、山とかだと電波来ないところもあるから……」

曜「そうだ、運転手さんに聞いてみよう」

善子「そうね」

曜「あの、すみません」

運転手「……」

曜「今どの辺り走ってるか分かりますか?」

運転手「……」

曜「あのー! 無視ですかー!?」

善子「やめなさいよ。運転に集中してるのよきっと」

曜「……」

善子「いいわ、次で降りましょ」ポチー



247: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:45:37.09 ID:0y0OO0N7.net

 次 止まります

曜「終点まで行くんじゃなかったの?」

善子「ここで降りて戻った方がいいわよ。終点が山奥だったらどうするの」

曜「終点まで行けば折り返しになるんじゃないかな?」

善子「……」

曜「こんなところで降りたら帰りのバスいつ来るか分からないよ」

善子「た、確かに……」

曜「やっぱり終点まで行こう」

善子「ええ、でもボタン押しちゃった」

曜「すみません! ボタン間違えて押しちゃいましたー!!」

ブロロ……

曜「聞こえたよね?」

善子「あれだけ大声で言えばね」

キキッ プシュー

曜「……」

善子「……」

曜「誰も乗る人いないよ」

善子「私たち以外乗ってる人もいないわよ」

曜「あれ? さっきまで半分くらい席埋まってなかった?」

善子「私たちが寝てる間に降りたんでしょ」

曜「そっかー、これでやっと二人きりだね」

善子「……」

曜「ん?」

善子「バス、いつになったら発車するのかしら」

曜「えーと……」

曜「運転手さーん!」

シーン

曜「あれ?」

曜「運転手さんいないよ」

善子「えっ」



248: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:46:07.57 ID:0y0OO0N7.net

曜「もしかしてトイレかな?」

善子「お客さんがいるのに黙って行く?」

曜「漏れそうだったのかも」

善子「だとしても一言断ってから行きなさいよ」

曜「……」ブルッ

善子「どうしたの」

曜「私もトイレ行きたくなってきた……」

善子「えっ」

曜「まだ運転手さん戻って来ないよね? 私も行ってこようかな」

善子「ちょっ、もし戻ってきたらどうするのよ!」

曜「待っててもらうように言ってよ」

善子「ダメって言われたら?」

曜「私たちは待たせるのに?」

善子「確かにそうだけど! その分ダイヤから遅れてるから急がなきゃいけないかもしれないじゃない」

曜「今ダイヤさんの話してないよ」

善子「私もしてないわ」

曜「ひぃい!!?」

善子「違うわよ! 発言したのは私! 定刻から遅れてるってことよ!!」

曜「あ、そっちか……」

善子「紛らわしい名前よね、全く」

曜「よしここで降りよう」

善子「降りるの?」

曜「善子ちゃんの話はしてないよ」

善子「分かるわよ」

曜「ひぃい!!?」

善子「人の名前で遊ばないで!」

曜「ごめんごめん。ふざけてないと漏れそうなんだもん」



249: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:46:37.43 ID:0y0OO0N7.net

善子「分かったわよ、降りて行ってきなさい。運転手さんが戻ってきたら待っててもらえるように頼んでみるわ」

曜「ありがと!」

善子「もしどうしても無理って言われたら私は降りて待ってるからね」

曜「うん!」

善子「早く行きなさい。漏らす前に」

曜「善子ちゃん……」プルプル

善子「えっ」

曜「ペットボトルある?」

善子「あるけど、まだほとんど中身残ってるわよ」

曜「今すぐ全部飲んで」

善子「無理よ! って、まさかここでするつもり!?」

曜「だってもう限界……」

善子「もし溢したら!? 弁償しなきゃならなくなるわ!」

曜「じゃあ善子ちゃん飲んでよ」

善子「嫌よ!!」

曜「どうしてそんないじわる言うの!? 私もう本当に……」

善子「あーもう! あとちょっとだけ我慢しなさい!!」グイッ

曜「わっ、どこ行くの!?」

善子「トイレ! 言っとくけど私の背中で漏らしたら引っ叩くから!」

曜「ありがとう!」

善子「待って! 今のはどっちの意味!?」

曜「えっ、トイレまで連れてってくれるんでしょ?」

善子「そ、そうよ! 他に意味はないわね!」ダッ

タッタッ

曜「善子ちゃぁん……」グスッ

善子「もう少し待って!」タッタッ

曜「もうここでしようよ……」

善子「バカなこと言わないで! こんなところ、誰か来たら見られちゃうでしょ!」

曜「でももう私……」

善子「分かったわよ! あの倉庫の裏でしましょ!」



250: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:47:07.50 ID:0y0OO0N7.net

曜「善子ちゃん……ごめん……」ブルッ

善子「えっ、降ろす! 降ろすから待っ……」

ショワァ……

曜「ごめん! 本当にごめんなさい!」

ジョボボ

善子「……」

曜「でももう限界で……! これでも我慢したんだよ!?」

ジョボボ

善子「……」

曜「だからバスの中でしちゃえばよかったんだよ……」グスッ

ジョボボ

善子「……」

曜「……」

チョロロ……

曜「ごめん」

善子「……」

曜「降ろしてくれる?」

善子「……」ストンッ

曜「あの……本当にごめんね?」

善子「ううっ」

曜「私のこと引っ叩いていいからさ、許してくれる?」

善子「うわぁぁん……!」

曜「な、泣かないでよ。私が悪かったってば!」

善子「もう嫌ぁ……! せっかくのデートだったのにぃ」ポロポロ

曜「だからごめんって」

善子「せっかくお洒落したのにっ……! こんなの……」ポロポロ

曜「……」

善子「曜さんのバカ! 絶対背中でしないでって言ったじゃん!!」

曜「私だってわざとしたわけじゃないよ!」

善子「もういい! 帰る!!」ダッ



251: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:47:50.08 ID:0y0OO0N7.net

曜「待ってよ! あとバスはそっちじゃない!!」ダッ

曜「足速っ……!」

……

曜「はぁっ、善子ちゃん! 待って! 一旦落ち着こう!?」タッタッ

善子「ついてこないで!」タッタッ

曜「足元も悪いしっ……走ると危ないって!!」タッタッ

善子「きゃっ!!?」ズルッ

曜「ほら! だから言ったじゃん!!」ダッ

善子「あっ……」ズルズル

曜「手!!」グイッ

善子「離して!」

曜「離さないっ!!」ズルッ

善子「曜さんも落ちちゃう!」

曜「死んでも離さないっ!!!」ボキッ

善子「あっ……」ズルッ

曜「枝がっ!」ズルッ

善子「きゃああ!!?」ズルズル 

曜「わあああ!!」ズルズル

…………

……



252: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:48:29.58 ID:0y0OO0N7.net

……

…………

善子「……ん」ムクッ

善子「いたた……」

善子「何とか助かった……のかしら」

善子「……」

善子「曜さん」

曜「」

善子「ほっ……。何とか無事みたいね」

曜「」

善子「助けてくれてありがと。一応お礼は言っておくわ」

曜「」

善子「……曜さん?」

善子「ふふ、もうその手には乗らないわよ? 曜さんって死んだふり下手なんだから」

曜「」

善子「ほら、心臓もちゃんと動いてるし息もしてる……」

曜「」

善子「もういいから、早く起きて」ユサユサ

曜「」

善子「本当にもういいって!!」パーン

曜「」ヒリヒリ

善子「……」

曜「」

善子「えっ」

善子「もしかして、これってやばいんじゃ……?」



253: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:48:59.14 ID:0y0OO0N7.net

……

善子(あれからどのくらい経ったのかしら……)

善子(落ちたときにスマホを失くしちゃったから時間すら分からないし)

善子(曜さんは起きないままだし)チラッ

曜「」

善子(どんなに揺すっても叩いても反応はなし)

善子(さすがにふざけてるとも思えない……)

善子(誰か助けに来るのを待つしかないのかしら……)

善子(そもそもここどこなの……?)

善子(何で私こんなところにいるんだっけ……)

善子(……)

善子(悪い夢なら覚めてよ……)

善子(……)

善子「引っ叩いてごめんなさい」スッ

曜「」

善子「かなり赤くなっちゃったわね」ナデナデ

善子「本気でフルスイングかましちゃったもの」

善子「私のせいよね……」

善子「私が走り出さなければこんなことには」

善子「あと方向音痴じゃなければね」

善子「……」

善子(ママ、心配してるかしら……)

善子(……)

善子「寒くなってきたわ」ブルッ

善子「上着羽織りましょう」ファサッ

善子「あ……」クンクン

善子「そっか、腰に巻いてたから……」

善子「……」グスッ

善子「いい加減に起きてよ……」



254: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:49:53.13 ID:0y0OO0N7.net

曜「……」ピクッ

善子「!?」ガタッ

曜「よ……しこ……ちゃ…………」

善子「曜さん! 大丈夫!?」

曜「そこに……いるの……?」

善子「ここよ! 目の前にいるじゃない!」

曜「どこ……?」

善子「ここ!!」ガシッ

曜「真っ暗で見えないよ……」

善子「え……?」

曜「ねぇ、いたら返事して……」

善子「ここにいるわよ!!」

曜「私……死んだのかな」

善子「生きてる! 喋ってるじゃない!!」

曜「あはは……バチがあたったのかな」

曜「ごめんなさいママ……」

曜「約束守れなくて……」グスッ

善子「……っ!!」チュッ

曜「……善子ちゃん?」

善子「そうよ! 分かる!?」

曜「今の……善子ちゃんかな」

善子「私よ!」チュゥゥ

曜「……」ギュ

善子「あ……」

曜「見えないけどここにいるんだね」

曜「声も聞こえないけど……たぶんここに」



255: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:50:17.86 ID:0y0OO0N7.net

善子「いるわよ」チュッ

曜「……」

善子「……」レロッ

曜「……」

善子「……」

曜「……善子ちゃん。聞こえてる?」

善子「何?」

曜「私におしっこかけてくれないかな」

善子「……は??」

曜「そこにいるんだよね? 匂いで分かるよ……」

曜「だからもっと嗅がせてほしいの」

善子「だ、だからっておしっこなんて……」

曜「善子ちゃぁん……」

善子「分かったわよ。こうなったのは私のせいでもあるんだし」スルッ

曜「えへへ」

善子「聞こえてるんじゃない」

曜「善子ちゃん、きっとかけてくれるよね……」

善子「……」

曜「まだかな……」

善子「もうっ」

ショワァ……

曜「……」

ジョボボ

曜「この匂い……」

ジョボボ

曜「善子ちゃんだ」

善子「ええ。曜さんの大好きな……」

ジョボボ

曜「そこにいるんだよね」



256: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:51:07.92 ID:0y0OO0N7.net

善子「いるわよ。ずっと一緒に」

チョロロ……

曜「はぁ……いい匂いだった」

善子「どうも」

曜「音が聞こえないのが残念だけど……」

曜「あと善子ちゃんの恥ずかしがってる姿が見えないのも残念だけど」

善子「……」

曜「大好きだよ」

善子「私もよ」

曜「ありがとう」

善子「えっ?」

曜「私、善子ちゃんに会えてよかったよ」

善子「ねぇ、今の聞こえたの?」

曜「ううん、何となくそんな気がしたの」

善子「聞こえたのね!? ねぇ!!」

曜「……」

ガクッ

善子「え……」

曜「」

善子「嫌よそんなの」

善子「起きてよ。私の声聞こえたんでしょ?」ユサユサ

曜「」

善子「嫌あああああ!!!!」

……

…………

……………………



257: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:51:37.40 ID:0y0OO0N7.net

……………………

…………

……

 次は終点 沼津駅に止まります

「善子ちゃん、まだ?」

善子(あれ……?)

「もう着いちゃうよ」

善子「曜さんっ!?」

曜「うわっ!!? 動いちゃダメ!!」ガシッ

ジョボボ

善子「えっ、えっ!!?」

ジョボボ

曜「ペットボトル、持ってきておいてよかった」

チョロロ……

善子「よ、曜さん何やって……」

曜「善子ちゃんが寝ながらモゾモゾし始めたからおねしょかなって思ったの」

善子「え……それじゃ今の、全部夢……?」

曜「ん?」

善子「私のこと見えてる?」

曜「何言ってるの善子ちゃん」アハハ

曜「さてと、フタをしっかり締めて……」キュッ

曜「後で飲もうっと」ゴソゴソ

善子「私の声聞こえてる?」

曜「んー?」

善子「……っ!!」チュッ

曜「おっと、善子ちゃん大胆だね……」

善子「……」レロッ

曜「……っ!?」ビクッ

善子「……」チュゥゥ



258: 名無しで叶える物語 2017/12/27(水) 00:52:22.44 ID:0y0OO0N7.net

曜「と、とりあえず拭かない?」

善子「そんなの後でいいわよ」

曜「そうかな……」

善子「もう少し、このままでいたいわ」ギュ

曜「終点だよ?」

善子「関係ないわ」

曜「運転手さん来ちゃうよ?」

「あの……お客さん?」

曜「はい、すぐ降りますので」

曜「善子ちゃんも早く」

善子「……」ギュー

「次のお客さんが乗るので降りてください」

曜「はい!」

曜「仕方ないなぁ」グイッ

曜「服につけたら怒るからね?」

善子(曜さんの背中……)

善子(温かい)フフッ

曜「何笑ってんの」

善子「何でもないわよ」

曜「……」

善子「ほっぺたどうしたの? 真っ赤よ」

曜「えっ? ほんとだ」

善子「思い切り手形ついてるわね」

曜「こ、こわ……」ガタガタ


バス編 終わり



275: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 11:56:25.29 ID:8tm0zV6j.net

 沼津駅 トイレ

曜「大丈夫?」

「ええ。服は無事みたい」

曜「そっか。うん、よかったよ」

「助かったわ。でもよく間に合ったわね」

曜「寝言で分かったよ」

「えっ」

曜「夢の中でおしっこしてるみたいだったから」

「私、そんな寝言を……?」

曜「あ、でも口は塞いどいたから他の人には聞かれてないと思うよ」

「そう……。何から何まで悪いわね」

曜「ママにペットボトルでのやり方習っておいてよかったよ。バスの中で溢したら大惨事になるところだった」

「うまくいかなかったらどうしたのよ」

曜「もちろん直飲みだね」

「それ、他の人に見られたら大変よ」

曜「そうだね。まるで私が変態みたいになっちゃうもん」

「変態みたいじゃなくて変態そのものよ」

曜「まあ、でもバスや電車の中って意外と他の人のこと気にしないからね」

「それはみんなが同じことをしているからでしょ? おしっこを飲んでいる人がいたら気づくわよ」

曜「そうかも」

「やっぱりおむつしてくればよかったかしら」

曜「そういえばどうしてしてこなかったの?」

「……」

曜「うん、トイレトレーニング中なんだね」

「違うわよ」

曜「私はとっくに卒業したけど、善子ちゃんはできるかなぁ」

「おねしょはするんでしょ?」

曜「たまにね」

「それ、トレーニングできてないってことよね」

曜「私はわざと漏らしてるからいいんだよ」



276: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:02:19.51 ID:8tm0zV6j.net

「何のために?」

曜「それはもちろん、快感のためかな」

「うわ……」

曜「あっ、どうぞ。空いてます」

「えっ、他に人いたの!?」

曜「さっきからいるよー」

「全部聞かれてたんじゃ……?」

曜「どうかな? みんな気まずそうな顔して出ていったけど」

「聞かれてるじゃない!!」

曜「大丈夫だよ。私はともかく善子ちゃんは個室の中で見られてないんだし」

「曜さんは見られてもいいの?」

曜「別に見られて困るようなことしてないからね」

「……そ、そうなんだ」

曜「でも善子ちゃんが恥ずかしいって言うなら私も隠れるよ」

「そうね、そうしてもらえると助かるわ」

曜「開けるね」ガチャ

善子「えっ」

曜「わぁ……」

善子「バカっ! どうやって開けたのよ! 鍵は!?」

曜「してなかったよ」

善子「早く閉めて!」

曜「うん」バタンッ

善子「鍵!」ガチャン

曜「……」

善子「誰もいなくてよかった……」ホッ

曜「私を個室に連れ込んでどうするつもり?」

善子「あ、トイレの外で待っていてもらえばよかったわね」

曜「私は嫌だよ」

善子「何でよ」



277: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:03:54.00 ID:8tm0zV6j.net

曜「こんな間近で善子ちゃんのお尻を見られるなんて……」ドキドキ

善子「見なくていい!」

曜「そういえばまだ拭き終わってなかったの?」

善子「下着が濡れたから履き替えようと思って」

曜「代わりの下着持ってきてたの? 漏らす前提じゃん」

善子「万が一のことがあるかもしれないでしょ!」

曜「おむつしてくればよかったのに」

善子「……」

曜「私が替えてあげるよ」

善子「そうじゃないわよ! おむつってアウターに響くから嫌なの」

曜「あぁ、そういうこと」

善子「そうよ。今日みたいなタイトなワンピースだと目立つでしょ?」

曜「確かに目立つね。私も経験あるから分かるよ」

善子「あるのね……」

曜「ワンピースなんて似合わないかな?」

善子「そんなこと言ってないわよ」

曜「善子ちゃんはすっごく似合ってるよ?」

善子「ありがと」

曜「でもさ、長いワンピースだと下着替えるの大変じゃない?」

善子「そうなのよ。裾が床に着いちゃいそうだし……」

曜「一旦脱げば?」

善子「嫌よ!」

曜「何で」

善子「曜さんが変な目で見てくるから!」

曜「み、見てないよ」

善子「いいから裾持ってて」

曜「うん……」スッ

善子「もう少し捲くって」



278: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:04:55.86 ID:8tm0zV6j.net

曜「いいの?」

善子「もう少し」

曜「……」クイッ

善子「そのまま持っててよね」スルッ

曜「……」ドキドキ

善子「……手、震えてるけど大丈夫?」

曜「何かすごくいけないことしてる気がする……」ドキドキ

善子「えっ」

曜「善子ちゃんのワンピース捲くって下着見てるんだよ?」

善子「き、着替えなんだから仕方ないでしょ!? 嫌なら目を瞑ってなさい」

曜「……」ジー

善子「見過ぎだから」

曜「はっ……。ごめん見惚れちゃってた」

善子「そこの、新しい下着取ってくれる?」

曜「うん」ヒョイ

曜「可愛い下着だね」

善子「はいありがとう。それじゃこっちは袋に入れて縛って」スッ

曜「善子ちゃんのおしっこパンツ……」

善子「あ、手が汚れちゃうから袋持っててくれればいいわよ」

曜「ううん、持たせて」パッ

善子「あっ! 裾ちゃんと持っててよね!」

曜「まだ温かい……」

善子「聞いてる?」

曜「すぅ……はぁ……」

善子「うわ……」

曜「ごめん、我慢できなくなっちゃった」モゾモゾ

善子「えっ、まさかおしっこ? ちょっと待って一旦退くから」

曜「善子ちゃんの匂い嗅ぎたい」

善子「嫌よ。って言うか今嗅いだじゃない」



279: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:05:54.39 ID:8tm0zV6j.net

曜「直接嗅ぎたいの」

善子「そんなこと言われても出ないわよ」

曜「だから直接だってば」グイッ

善子「きゃっ!?」

曜「ごめんね? でも本当にもう我慢できなくて……」グッ

善子「ば、バカっ! 怒るわよ!?」

曜「あぁ……♡」クンクン

善子「そんなところ嗅いじゃダメ……っ」

曜「ちょっとだけ舐めさせて」ペロッ

善子「ひゃあん♡♡」ビクッ

曜「……っ」チュゥゥ

善子「どこ吸ってるのよ! やめてってば!!」

曜「出して。今すぐここで出してよ」

善子「無理よ……そんなにすぐ出るわけないじゃない」

曜「お願い。ちょっとだけでいいから」

善子「ちょっとも出ないわよ」

曜「私のも出すから」

善子「いらない」

曜「じゃあ私が先に出す」

善子「退くからしていいわよ」

曜「……」グイッ

善子「えっ、ちょっ」

曜「……」スルッ

善子「な、何……?」

曜「顔にかけちゃうよ」

善子「曜さんの……あそこが目の前に……」ドキドキ

曜「かけちゃうからね?」

善子「ダメっ! 絶対にダメ!!」

曜「善子ちゃんが出してくれないなら私が出すしかないじゃん」

善子「出してもいいけどダメ! 服が汚れちゃう!」



280: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:06:55.45 ID:8tm0zV6j.net

曜「じゃあ飲んでよ」

善子「い、嫌よ……」

曜「服、汚れてもいいの?」

善子「よくない……」

曜「出すよ」

善子「ちょっと待っ……」チュッ

曜「んん……」ジワッ

善子「……」チュゥゥ

曜「あ……」

善子「……」ゴクッ

曜「すごく気持ちいい……」

善子「……」ゴクッゴクッ

曜「善子ちゃんが私のおしっこ飲んでるんだよ……?」

曜「私なんかの汚いおしっこを……」

善子「……」ゴクリ

曜「ふぅ……」

善子「……」フキフキ

曜「すごく……よかったよ」

善子「そう」

曜「どうだった?」

善子「思ったよりは嫌じゃない……かも」

曜「えへへ」

善子「また飲んであげてもいいわ」

曜「キスしていい?」

善子「私の口の中、曜さんのおしっこまみれだけど」

曜「大丈夫だよ」チュッ

善子「……」ドキドキ

曜「んぅ……♡」

善子「っ……」



281: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:07:54.70 ID:8tm0zV6j.net

曜「ありがと」パッ

善子「もうお終い?」

曜「本当に我慢できなくなっちゃいそうだからやめとく」

善子「いいって言ったら?」

曜「え?」

善子「我慢しなくてもいいって言ったらどうする?」

曜「え……それって」

善子「いいわよ」ドキドキ

曜「……」

善子「曜さんの好きにして」

曜「ママに怒られちゃうよ?」

善子「黙ってれば分からないでしょ」

曜「……」

善子「早く」

曜「ごめん」

善子「……」

曜「着替えたら次行こう」

善子「は???」

曜「ほら、下着履かせてあげる」

善子「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」

曜「ん?」

善子「今、私何て言ったか聞こえた?」

曜「『ちょ、ちょっと待ちなさいよ』」

善子「その前」

曜「『は???』」

善子「その前よ!! 曜さんの好きにしていいわよって言ったの!!」

曜「うん」

善子「何でもしていいのよ? あ、服を汚すのは嫌だけど」

曜「でもおしっこ出ないんでしょ?」

善子「出ないけど! おしっこ以外にしたいことあるんじゃない?」



283: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:09:46.52 ID:8tm0zV6j.net

曜「うーん、例えば?」

善子「そ、それを私の口から言わせるの?」

善子「……えっちなことに決まってるじゃない」ボソッ

曜「ごめん聞こえなかった」

善子「えっちなことよ!! したいんでしょ!? だからしていいって言ってんの!」

曜「しないよ」

善子「してよ!!」

曜「してほしいの?」

善子「いやっ、そ、そういうわけじゃないけど」

曜「じゃあ着替えて行こう」

善子「え……」

曜「善子ちゃんに酷いことはしないって決めたから」

善子「だからしていいって……」

曜「ママとも約束したし」

善子「お互い黙ってれば分からないでしょ?」

曜「そうかもしれないけど……」

曜「私、善子ちゃんといられなくなったら嫌だもん」

善子「私だって嫌よ。だけどママに決められるのはもっと嫌」

曜「……」

善子「いつまでも子どもじゃないの。ママに言われたからって好きな人と好きなことできないなんて、そんなのおかしいわよね?」

曜「でも……」

善子「あっそう。ふーん? よく分かったわ」

曜「ありがとう」

善子「曜さん本当は私のことなんて好きじゃないんでしょ」

曜「す、好きだよ? 何言ってるの善子ちゃん」

善子「曜さんが好きなのは私じゃなくてママなのよね。だからママの顔色ばかり伺ってるんじゃない?」

曜「……」

善子「ママに頼まれたからこうして付き合ってくれてるだけなのよ」

善子「ママのこと大好きって何度も言ってたものね」

曜「善子ちゃんのことも大好きだよ!」



285: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:11:51.78 ID:8tm0zV6j.net

善子「私のこと『も』? ママのついでなの??」

曜「あっ、その……それは言葉の綾といいますか」

善子「帰りましょ。もう疲れちゃった」

曜「待ってよ。まだバスに乗っただけで何も……」

善子「あぁ、そうだったわね。買い物をしに来たんだった。じゃあさっさと済ませて帰るわよ」ガチャ

曜「……」グイッ

善子「何よ」

曜「そんな風に言われるの、すごく傷つくよ」

善子「あらそう? じゃあどう言えばよかったのかしら」

曜「私が善子ちゃんのこと好きじゃないって? そんなわけないじゃん」

曜「好きじゃない子にこんなことしないよ……」

善子「でもママの次なんでしょ?」

曜「善子ちゃんが一番だよ」

善子「じゃあどうしてよ」

善子「どうして私といるのにママの名前が出てくるわけ!!?」

曜「それは……善子ちゃんとはきちんとお付き合いしたいって思ってるからで」

善子「どうやって信じればいいの? キスはしてくれるしおしっこも飲んでくれる」

善子「でもその先は? どうしてできないの?」

善子「嫌だからじゃないの? 私のことが! ママに嫌われることが!!」

曜「……」

善子「本当に私のことが好きなら証明してよ」

善子「私だけが好きなんだってここで見せてよ」

曜「分かったよ」

曜「どうすれば信じてくれる?」

善子「ママに『大嫌い』って言って」



286: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:12:51.60 ID:8tm0zV6j.net

曜「えっ?」

善子「今すぐ電話して、ママに大嫌いって言って!!」

曜「できるわけないでしょそんなこと」

善子「言えないなら私、曜さんのこと信じられない」

善子「ママじゃなくて私が好きなんだって分かるまでは、私……」

曜「善子ちゃん……」スッ

善子「やめて!」バシッ!

曜「いたっ!? な、何するの」ヒリヒリ

善子「今更遅いのよ」

曜「さっきしてもいいって……」

善子「だったらさっきしなさいよ!! 何でしなかったの?」

曜「……」

善子「いいから早く電話しなさい。じゃないと私、曜さんのこと嫌いになるわよ」

曜「そ、そんな……」

善子「早くして。できないなら今すぐ帰るから」

曜「……」

善子「早く。あと10秒以内にして」

曜「……」

善子「9……8……7……」

曜「……」

善子「6……5……4……」

曜「……」

善子「3……」

曜「するよ」スッ

善子「ちゃんと言うのよ。『ママのことなんて大嫌い』ってね」

曜「……」スッスッ



287: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:14:07.76 ID:8tm0zV6j.net

プルル……

善子「……」

曜「出ないみたいだよ」

善子「出るまで待ちなさい」

プルル……

曜「……」

『もしもし? 曜ちゃん?』

曜「はい……」

『どう? デートは。うまく行ってる?』

曜「……」

『曜ちゃんのこと信じてるからね』

曜「……」

『もしもし? 曜ちゃん聞こえてる?』

善子「早く言いなさいよ」

曜「……」

『曜ちゃん? 善子はいるの?』

曜「私」

『何?』

曜「ママのことが嫌いです」

『……え?』

曜「ごめんなさい……でも私、ママのことが」

曜「……」

『曜ちゃん? 大丈夫??』

曜「ママのこと大嫌いなんです」

『な、何言ってるの? ねぇ曜ちゃん変よ??』

曜「……」

善子「よく言ったわ」

曜「うん……」

善子「もう電話は切っていいから」

『もしもし? 曜ちゃ……』



288: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:15:24.41 ID:8tm0zV6j.net

ピッ

曜「……」

善子「よく言えたじゃない」ギュッ

曜「うん……言えたよ」グスッ

善子「頑張ったわね」ナデナデ

曜「だって……善子ちゃんのこと好きだから……」ポロポロ

善子「何よ、泣くほど好きだったの?」

曜「大好きに決まってるじゃん……」

曜「うぅぅ……! あああぁあぁぁああぁ!!!」

善子「わっ、大きな声出さないで! びっくりするじゃない」

曜「これでいいんだよね!? 私、善子ちゃんのこと好きなんだよね!!?」

善子「ええ、もちろんよ。だから落ち着いて……」

曜「善子ちゃんのこと……大好きなんだよね??」

善子「分かったから……」ナデナデ

曜「大好きなのに……やっと信じてもらえたのに……」

曜「どうしてこんなに嬉しくないの……?」

善子「嬉しいでしょ?」

曜「嬉しくないよ……」

善子「私に大好きって言ってもらえて嬉しいわよね?」

曜「……」

善子「大好きよ」ギュッ

曜「ううっ……」

善子「キス、してもいいわよ」

曜「……」

善子「しないの? じゃあ私から……」スッ

バシッ

曜「……」

善子「何するのよ」

曜「ごめん」



289: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:15:57.65 ID:8tm0zV6j.net

善子「私のこと好きなんでしょう? ならキスくらいさせなさいよ」スッ

チュッ

曜「……」

善子「ふふ」

善子「続き……する?」

曜「帰らなきゃ」

善子「えっ」

曜「今日はもう帰らないと」

善子「は?? 意味が分からないんだけど」

曜「……」ガチャ

善子「待ちなさいよ」グイッ

曜「触らないで」パッ

善子「……っ!」

曜「さよなら」ダッ

タッタッ

善子「……何なのよ」

善子「やっぱり私じゃ不満なんじゃないの」

善子「……」

善子(曜さんが好きなのは私じゃない)

善子(私のおしっこと……私のママ)

善子(私は……)

善子「……」グスッ

善子「それでも好きなの……」ポロポロ



291: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:17:42.01 ID:8tm0zV6j.net

プルル

『もしもし、曜ちゃん? どうしたの』

曜「ごめんなさい!!」

『何かあった?』

曜「私……ママのこと嫌いなんて言ってごめんなさい!」

『急に嫌われたからびっくりしちゃったわよ』

曜「本当は大好きです……」

『そう……』

『善子は?』

曜「……」

『きっとあの子が言わせたのね』

曜「違います」

『庇わなくてもいいわよ。嫉妬深い善子のことだもの、無理なわがままを言ったのでしょう』

曜「……」

『あの子のこと、嫌いになった?』

曜「……分かりません」

『善子もバカねぇ。こんなことして本当に嫌われたらどうするのよ』

曜「善子ちゃんのことは大好きです。でも……」

曜「今の善子ちゃんは……嫌いです」

『……』

曜「善子ちゃん、どうしてあんなこと言ったのかな……」

『善子に嫌いって言ったの?』

曜「いえ……」

『きちんと言ってあげて』

曜「そんな酷いこと言えません」

『本当にあの子のことが好きなら、思ったことを伝えてあげて』

曜「はい……」

『応援してるからね』



292: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:19:02.00 ID:8tm0zV6j.net

曜「……」

善子「……」

曜「あっ」

善子「最低」

曜「善子ちゃん、あのね」

善子「やっぱりママと電話してたのね」

曜「こ、これは違うんだよ。さっきママに嘘ついちゃったから謝らなきゃって……」

善子「ちょっとでも期待した私がバカだったわ」

曜「わ、私……」

善子「さよなら」

曜「善子ちゃんなんて嫌いだよ!!!」

善子「……え?」

曜「善子ちゃんはいつもいじわるだけど、こんなにいじわるな善子ちゃんは嫌い!」

善子「……」

曜「善子ちゃんはいつもわがままだけど、こんなにわがままな……」

善子「何よ、ママに私の悪口でも言ってたの?」

曜「ごめんね」

曜「私も善子ちゃんの立場だったら、たぶん嫉妬しちゃうよね」

曜「自分よりお母さんのことが大切なんだって……言われてるみたいで」

善子「……」

曜「私、善子ちゃんとそういうことする勇気がなかっただけなんだよ」

曜「やったことないから上手くできるか分かんないし」

曜「善子ちゃんに酷いことして嫌われたくないし……」

曜「だから今日はやめとこうって、そう思ったの」



293: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:21:49.46 ID:8tm0zV6j.net

曜「でも……」

曜「私、やっぱり善子ちゃんのことが好き」

曜「本当は善子ちゃんと色んなことしたい」

曜「大好きって言葉じゃなくて伝えたいよ」

曜「私の全部を善子ちゃんにあげたい……」

曜「だから、善子ちゃんの全部を私にください」

善子「……」

曜「お願いします」ペコッ

善子「……」

ザワザワ

曜「こんな私じゃダメかな……?」

善子「何もこんなところで言わなくてもいいじゃない」

曜「だって、今言わなかったらこの先ずっと言えなそうなんだもん」

善子「だからって……みんな見てるわよ」

曜「気にしないよ」

善子「少しはしてよね」

曜「うん」

善子「それで……返事だけど」

曜「……」

善子「こちらこそ、お願いします」ペコッ

パチパチ

パチパチパチパチ

ザワザワ

曜「えへへ、みんなありがとう」

善子「恥ずかしいから早く行きましょ」グイッ

曜「うんっ!」



295: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:24:35.29 ID:8tm0zV6j.net

曜「それで、どこ行くの?」スタスタ

善子「決まってるでしょ、お買い物よ」スタスタ

曜「トイレは?」

善子「行かない」

曜「え、だって善子ちゃんそういうことしたいんじゃ……?」

善子「デートには順番ってものがあるのよ」

曜「……」

善子「何よ、そんなに今すぐしたかったの?」

曜「いや……善子ちゃんの方がしたそうだったって言うか……」

善子「あれは忘れて」

曜「こんな風に冷たくあしらってても私以上に私の体が欲しかったなんて……」ドキドキ

善子「そんなこと言ってないでしょう!?」

曜「私の体が欲しいんじゃないの?」

善子「……欲しいわよ」

曜「やっぱり! 善子ちゃんは私より私の体が……」

善子「じゃあ曜さんは私より私のおしっこが好きじゃないのね?」

曜「」

善子「ごめんなさい、いじわるしちゃったわ」

曜「ごめんなさい」

善子「そこで謝らないでよ。本当に私よりおしっこが好きなのかと思うじゃない」

曜「……」

善子「えっ」

曜「あはは、嘘だよ! 本当は善子ちゃんの方が好き!」ダキッ

善子「歩きにくいから抱きつかないでよ!」

曜「もしこの先善子ちゃんのおしっこが飲めないとしても、善子ちゃんのこと嫌いにならないからね」

善子「言ったわね。もうおしっこは飲ませないし見せないから」

曜「私とえっちできなくても私のこと嫌いにならない?」

善子「な、ならないわよ」

曜「本当かなぁ」

善子「今だってこんなに好きだもの」



296: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:25:15.60 ID:8tm0zV6j.net

曜「それは今日できるって分かってるからでしょ?」

善子「違うわよ!」

曜「じゃあしなくてもいい?」

善子「そ、それは……」

曜「ふふ」ニヤニヤ

善子「曜さんこそ本当に私とおしっこできなくても嫌いにならないでしょうね!?」

曜「ならないよ」

善子「本当に?」

曜「本当だよ。私は善子ちゃんのおしっこも好きだけど、善子ちゃんの方がずーーーっと好きだもん」

善子「……」カァアア

曜「でも残念だなぁ。善子ちゃんのおしっこが二度と飲めないなんて」ハァ

善子「……」

曜「あ、さっきのペットボトル」ガサゴソ

曜「えへへ。これがこの世でただ一つの善子ちゃんのおしっこ」サッ

善子「まだ持ってたの? トイレで捨ててきなさいよ」

曜「間違えた、これママのだ」ガサゴソ

善子「何で持ってきてるのよ!!」

曜「善子ちゃんのはこっち」サッ

善子「両方とも捨ててきて」

曜「な、何で?」

善子「何でもよ!!」



297: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:25:44.32 ID:8tm0zV6j.net

曜「嫌だって言ったら?」

善子「曜さんのこと、嫌いになるかも」

曜「わ、分かったよ。捨ててくるよ……」グスッ

善子「そんなの飲まなくても、新しいの飲ませてあげるわよ」

曜「え」

善子「あ、今のはナシ。忘れて」

曜「言ったね!? 新しいの飲ませてくれるって!!」

善子「……」

曜「善子ちゃんのおしっこ!! 出来たてしぼりたての新鮮おしっこ!!!」

善子「分かったから大きな声で言わないで!!」バシッ!

曜「あいたっ!」

善子「もう……」

曜「……本当に捨てないとダメ?」

善子「ダメ!! 特にママのは絶対捨てて!!」

曜「はぁい……」

善子「私も一緒に行くから」

曜「一人で行けるよ」

善子「曜さんのことだもの、『一口くらい飲んでからでもいいよね……』とか言って飲むに決まってるんだから!」

曜「なぜバレたし」

善子「はぁ……」



298: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:26:43.38 ID:8tm0zV6j.net

 トイレ

曜「……」

善子「さ、他の人が来る前に早く済ませちゃいましょ」

曜「……」キュッキュッ

曜「……」パカッ

曜「……」

善子「どうしたのよ」

曜「本当にダメ?」

善子「しつこいわね! 貸して、私がやる!」バッ

曜「あっ待って!」グッ

善子「貸しなさいってば!!」グイッ

曜「待ってよ! 匂いだけ!!」グイッ

善子「あっ」ツルッ

曜「あっ」パッ

バッシャーン

曜「……」グスッ

善子「床中おしっこまみれに……」

曜「もったいない……」

善子「服は無事?」

曜「うん……」

善子「床、片付けないとね」

曜「すぅぅ……!!」

善子「聞いてる?」

曜「はぁぁ……!!」

善子「タイルの床だからバケツで水汲んで流しましょ」

曜「いい匂い……♡♡」

善子「バカなこと言ってないで早く。他の人が来たら大変だわ」

曜「そうだね。えーと、掃除道具は……」ガサゴソ



299: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:27:27.01 ID:8tm0zV6j.net

善子「バケツで水まいて、デッキブラシで擦りましょ」

曜「あっ、いいもの発見」

善子「掃除中の看板……?」

曜「これを入り口に置いておけば誰も入ってこないよ」

善子「そうね、それが安全だわ」

曜「二人きりだからって変なことしちゃダメだよ?」

善子「分かってるわよ!!」

曜「しないの?」

善子「……」

曜「嘘。デートには順番があるもんね」

善子「ど、どうしてもって言うならここでしても……」カァアア

「善子ちゃん、これどこに置いたらいいかな?」

善子「って聞きなさいよ!!」

曜「えっ? 何か言った?」

善子「適当に入り口から見える位置に置けば大丈夫よ」

曜「うん。ありがとう」

善子「……」

「この辺かなぁ。やっぱりこっちの方が……」

善子「はぁ……。まさかデートでトイレ掃除をすることになるなんてね」ゴシゴシ



301: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:28:48.45 ID:8tm0zV6j.net

曜「うん! こんなものかな!」

善子「ええ」

曜「あっ、今のは」

善子「黙ってなさい」

曜「道具も片付けたし行こう」

善子「ええ。これだけ綺麗になれば文句言われないわよ」

曜「じゃあ手を繋いで……」スッ

善子「え? うん……」スッ

ギュッ

曜「えへへ。善子ちゃんと恋人繋ぎするの初めてかも」

善子「わ、私もよ……生まれて初めてしたわ」

曜「そうなの?」

善子「えっ、曜さんは?」

曜「私は……。でも、善子ちゃんとは初めてだからね!」

善子「私以外ともしたんだ……」

曜「善子ちゃんって意外と心狭い?」

善子「な、何でよ」

曜「大丈夫だよ。恋人繋ぎしたのは善子ちゃんが初めてじゃないけど、私の恋人は善子ちゃんが初めてだから」

善子「そうなの……」ホッ

曜「もし恋人も初めてじゃなかったら嫌?」

善子「……嫌」ギュ

曜「えへへ」ニヤニヤ

善子「気持ち悪いわね」

曜「ヤキモチ善子ちゃんすごく可愛いよ」ナデナデ

善子「うるさいわね! いいでしょ別に!!」

曜「今日はもう離さないからね」ギュ

善子「え……?」

曜「バスでのお願い。忘れたの?」

善子「あ、あぁ! それね! もちろん覚えてるわよ」

曜「忘れてたね」



302: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:30:24.63 ID:8tm0zV6j.net

善子「『一生私の側にいなさい』。ほら、ちゃんと覚えてた」

曜「一日じゃなかった?」

善子「そんなの嫌。曜さんって明日になったら別の人に同じこと言ってそうだもの」

曜「言わないよ」

善子「ならもう一つお願い追加で」

曜「何でも聞くとは言ったけどそれはナシでしょ」

善子「私以外の人に『何でも』なんて絶対言わないで」

曜「え? いいけど何で?」

善子「もし『私と付き合って』なんて言われたらどうするのよ」

曜「あ、確かに」

善子「曜さんっていまいち自分のことよく分かってないわよね」

曜「そうかな?」

善子「自分がどれだけ素敵な人か分かってないじゃない」

曜「そんなの、善子ちゃんだけ分かっててくれればいいよ」

善子「……そうね」

曜「私も一つだけお願いしてもいい?」

善子「ええ。言われなくても曜さんとずっと一緒にいてあげるわよ」

曜「また善子ちゃんのおしっこ飲ませてね」

善子「それだけは嫌」

曜「え? 何でも聞いてくれるんでしょ?」

善子「『何でも聞く』なんて言ってないわ」

曜「そんなぁ……」

善子「他のことなら何でも聞いてあげる」

曜「ん? 今『何でも』って……」

善子「言ったわよ。他のことならね」

曜「じゃあ、私を善子ちゃんのトイレにしてください」

善子「」ヒキ

曜「あっ、今のは誤解だね! 変な言い方してごめん」

善子「酷い言い方ね。雰囲気も何もあったものじゃないわ」

曜「私を善子ちゃんのペットボトルにしてください」



303: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:31:02.80 ID:8tm0zV6j.net

善子「同じじゃない!!」

曜「えっ」

善子「えっ??」

曜「善子ちゃん、ペットボトルを何だと思ってるの?」

善子「あっ! ペットボトルはおしっこするものじゃないわよ!? 知ってるから!!」

曜「ううん、そうじゃなくて」

善子「じゃあ何よ」

曜「ペットボトルは飲む物だよね」

善子「あっ……」

曜「えへへ。私のも飲んでくれるんだ」

善子「飲まない!!」

曜「だーめ。約束したもんね」

善子「こんなのずるいわよ!」

曜「飲みたくないの?」

善子「飲みたくない!」

曜「舐めたくないの?」

善子「舐めたく……もうっ!!」バシッ!

曜「いったぁ!?」ヒリヒリ

善子「本当、曜さんって最低!」

曜「えへへ」

善子「褒めてないわよ」

曜「うん♡」ギュ

善子「……」

曜「さっ、早くデートの続きしよ?」


デート編 前編終わり



311: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:29:56.42 ID:wLzZQm9n.net

 ショッピングモール

善子「ところで曜さん、何を買いに来たの?」

曜「秘密」

善子「教えなさいよ」

曜「まだ教えない」

善子「ふーん。まあいいわ、見てれば分かるわよね」

曜「そうだよ。先に言ったら面白くないもん」

善子「もしかして私へのプレゼントだったり?」

曜「」

善子「ごめん」

曜「何で言っちゃうの」

善子「だからごめんってば」

曜「内緒であげようと思ってたのに」

善子「だったら私のいないときに買いなさいよ……」

曜「だから一人で買いに来るつもりだったよ? でも善子ちゃんが」

曜「『私も一緒に行っていい……?』」ウワメヅカイ

曜「って言うから断れなくて」

善子「そんな言い方したかしら」

曜「したよ! たぶん」

善子「むしろ曜さんから誘ってこなかった?」

曜「だって私じゃ何がいいか分からなかったんだもん」

善子「何でも嬉しいわよ。曜さんが選んでくれたものなら」

曜「じゃあ私のおしっこかな」

善子「お店に売っているものでお願い」

曜「『プレゼントは、わ・た・し♡』ってオチも考えたけどダメかぁ」

善子「……」

曜「それならいいかも、って思った?」

善子「思ってない!」

曜「……」シュン

善子「一瞬思ったわよ! でもそれはダメ」



312: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:42:04.50 ID:wLzZQm9n.net

曜「どうして?」

善子「最初から曜さんは私のものでしょ?」

曜「そ、そうだね」カァアア

善子「何で私が言うと恥ずかしがるのよ」

曜「だって善子ちゃん真面目な顔して言うんだもん」

善子「曜さんはふざけて言ってるの? 私のおしっこ飲みたいとか何とか」

曜「大真面目だよ」

善子「でしょ? なら同じよ」

曜「……」ウーン

善子「別に無理に納得しなくてもいいわよ」

曜「バレちゃったら仕方ない、改めて聞くけどサプライズでプ レゼント貰うとしたら何がいい?」

善子「サプライズなの?」

曜「もちろん! 私としては善子ちゃんの驚いた顔が見たいし……」

善子「もう失敗してるわね」

曜「これはびっくり箱しかないかな?」

善子「そんなの貰って嬉しい?」

曜「嬉しくない」

善子「なら真面目に考えて」

曜「はい」

善子「でも、そうね……」

善子「誕生日でもないのに貰うのは何だか悪い気がしちゃうわね」

曜「私があげたくてあげるんだから気にしないでよ」

善子「私も半分出すから、二人のプ レゼントにしない?」

曜「あっ、お互い相手のプ レゼントを買うってこと?」

善子「あー、それもいいけどそうじゃなくて」

善子「二人の記念になるようなものが欲しいってこと」

曜「」

善子「あれ?」

曜「それって……」カァアア

善子「いや、どんなのを想像したのよ」



313: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:43:12.00 ID:wLzZQm9n.net

曜「エンゲージリングだよ」

善子「買えないわよ!!」

曜「給料三ヶ月分だっけ? 学生だからお小遣い三ヶ月分かな」

善子「三年分でも買えるか怪しいわね……」

曜「えっ、善子ちゃんそんなに貰ってるの?」

善子「三年分よ!」

曜「私なんて三十年かかると思うよ」

善子「いったいどれだけ高いやつ買おうとしてるのよ」

曜「だって私が給料貰うとしたら月百万は下らないでしょ?」

善子「それ、絶対怪しい仕事よ」

曜「水泳選手だよ」

善子「あっ、そうよね。でもそんなに貰えるの?」

曜「分からないけどまあ、そのくらいかな? と思いまして」

善子「たぶん貰えないわよ」

曜「そ、そんな……」

善子「月百万ってかなりの高給取りよね。いくら曜さんに才能があるとはいえいきなり貰えるとは思えない」

曜「私の才能は認めてくれるんだね」

善子「当たり前でしょ」

曜「善子ちゃんがチームの社長ならいくら出す?」

善子「えっ、曜さんをいくらで買うかってこと?」

曜「あっ、変なことはしちゃダメだよ? あくまで一人の選手としてだから」

善子「分かってるわよ。うーん、そうね……」

善子「年俸五百万くらいじゃない? 相場を知らないから当てずっぽうだけど」

曜「うーん、善子ちゃんを養えるか不安だ……」

善子「それだけ貰って不安って……」

曜「決めた。私、善子ちゃんに養ってもらう!」

善子「えぇ!? 私に!?」

曜「嫌?」

善子「嫌じゃないけど……」



314: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:44:34.49 ID:wLzZQm9n.net

曜「月収百万円は期待できるね」

善子「できないわよ! どんな仕事よそれ!」

曜「私が社長なら、専属の秘書に雇うかな」

善子「いったいどんな仕事をさせられるやら……」

曜「私の着せ替え人形になってくれればいいよ」

善子「嫌よ! ただの変態じゃない!」

曜「でも月百万だよ? 年間千二百万だよ?」

善子「うっ……」

曜「ボーナスも出るよ」

善子「いくらよ」

曜「三ヶ月分」

善子「つまり三百万?」

曜「エンゲージリング代」

善子「ずいぶん立派な指輪ね……」

曜「首輪でもいいけど」

善子「犬じゃないんだから……」

曜「わんっ!」ハァハァ

善子「」

曜「あ、引かないでください」

善子「ここじゃ人が見てるから、後でやってくれる?」

曜「やるの!?」

善子「嫌なの?」

曜「嫌じゃないけど……」

善子「じゃあ決まりね」

曜「善子ちゃんもなかなかの変態さんだね」

善子「わ、悪い?」

曜「ううん。ちょうど私の部屋に犬のコスチュームあるから持っていくね」

善子「曜さんの方がずっと変態じゃない!!」

曜「本当は善子ちゃんに着てもらおうと思ってたんだけどね」



315: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:45:56.62 ID:wLzZQm9n.net

善子「着るわけないでしょうが」

曜「うん。だから新曲の衣装にと思って全員分作ったんだ」

善子「うわぁ……」

曜「でも断られちゃった」

善子「当たり前でしょ」

曜「梨子ちゃんに犬をテーマにした曲を作ってってお願いしたんだけど、どうしても書けないんだって」

善子「梨子さんが犬苦手で助かったわ……」

曜「でも猫の曲なら、って作ってくれたんだ」

善子「何やってるのよ梨子さん!!」

曜「私は私で今度は猫の衣装を全員分作らなきゃだから大変なんだ」

善子「そうでしょうね……」

曜「ルビィちゃんも手伝ってくれてるんだけどね」

善子「そんなの手伝わせないであげて……」

曜「ダイヤさんにバレたら怒られちゃうかな?」

善子「私までとばっちりが来ないことを祈るわ」

曜「ルビィちゃんにメールしとくか」スッ

善子「……」グイッ

曜「え?」

善子「今は私とのデート中でしょ?」

曜「そうだけど」

善子「曜さんのスマホ、私が預かるわ」ヒョイ

曜「えぇ……」

善子「私が見てないとすぐ他の子とメールしてるんだもの」

曜「げっ」

善子「私が気づいてないとでも思った?」

曜「だって、メールが来たら返事しないわけにはいかないでしょ?」

善子「それ、他の子だったらキレてるわよ」

曜「う、うーん……? むしろ善子ちゃんくらいじゃないかな」

善子「何よ。不満?」



316: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:47:29.01 ID:wLzZQm9n.net

曜「気にしすぎだよ。私は善子ちゃんといるときは善子ちゃんのことをいちばんに考えてるよ」

善子「私といないときも考えて!」

曜「うん」

善子「だからスマホは没収です」

曜「ヤキモチ善子ちゃんは可愛いけど、これはちょっと面倒くさ善子ちゃんだなぁ」

善子「うっ……」

曜「心配しなくても善子ちゃんが思うようなメールはしてないよ?」

善子「分からないわよそんなの」

曜「じゃあ見ていいよ」

善子「……」スッ

 パスワードを入力してください

善子「0713っと」スッスッ

 ようこそ

曜「何で分かったの!?」

善子「私の誕生日」

曜「そうだけど」

善子「……」ニヤニヤ

曜「わっ」

善子「さてと、メールは……」

曜「見てもいいけど勝手に返信しないでよ」

善子「ん? これ誰かしら。私の知らない人ね」

曜「ああ、それは同じクラスの……」

善子「『今度一緒にランチしませんか?』ですって!?」

曜「誘われたんだけど迷ってるんだよね。その子の両親、厳しいからなかなか許してもらえなくて」

善子「『ごめんなさい。また今度にしましょう』っと」スッスッ

曜「ちょっと! 勝手に返信しないでってば」

善子「送信」スッ

曜「あぁ……」



317: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:48:59.97 ID:wLzZQm9n.net

善子「さて、他のメールは」スッスッ

善子「『曜さん好きです♡♡♡』」

善子「は???」

曜「ち、違っ……これはファンの子からのメールで」

善子「普通はファンの子にアドレス教えなくない?」

曜「だってその子、かなり前からずっと応援してくれててさ……」

善子「しかも何よこの返信」

善子「『ありがとう。私も大好きだよ♡♡』」

曜「」

善子「これは見てはいけないものを見てしまったわ」

曜「だからさ、これはファンとして大好きってことで……」

善子「ハートマークつける必要ある?」

曜「向こうがつけてきたから何となく」

善子「私へのメールにもハートマークなんてつけないじゃない」

曜「う……」

善子「どうして? ファンの子にはつけるのに私にはつけないの?」

曜「続き読んでよ。『これからも応援してくれると嬉しいな♡』ってあるでしょ」

善子「またハートマーク!!」

曜「でもどう読んでもファンレターの返事じゃん!」

善子「怪しい」ジトー

曜「ジト目善子ちゃんも可愛いね」

善子「はっ!? な、何言ってんのよ意味分かんない……」カァアア

曜「善子ちゃんは不意打ちに弱い……と」メモメモ

善子「まだあるわよ。これは曜さんから送ったメールね」スッ

善子「『またおしっこ飲みたいです』」

善子「何よこれ。宛先は……」

善子「ママじゃん!! こんなメール送ってたの!?」

曜「それは認める」

善子「おい」



319: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:51:15.02 ID:wLzZQm9n.net

曜「でもほら、返信読んでみてよ。断られてるでしょ?」

善子「いやそういう問題じゃ……ん?」

善子「『また今度ね』」

曜「ほらね?」

善子「断られてないわよ」

曜「『また今度ね』はやんわり断るときに使う常套句でしょ。って言うかさっき善子ちゃんも使ってた!」

善子「じゃあどうしてそれに『はい! 楽しみです!!』って返信してるのよ」

曜「そ、そんな返信したっけ……?」アハハ

善子「まあ、それっきり返信来てないみたいだけど……」

曜「既読スルーってやつだね。あはは」

善子「他の人にもこんなメール送ってるの?」

曜「まさか。おしっこのことは善子ちゃんとママ以外言ってないよ」

善子「おしっこじゃなくて! さっきからずっと誤解されるような内容ばっかりじゃない!!」

曜「それは読む人が悪いんじゃないかな」

善子「私のせい?」

曜「だってみんな善子ちゃんみたいな誤解してないよ?」

善子「……」

曜「善子ちゃんが勝手に変な意味に捉えてるだけだよ」

善子「そうかもね。疑ってごめんなさい」

曜「ううん。分かってくれればそれでいいよ」

善子「スマホ、返すわ」スッ

曜「ありがとう」

ピロリンッ

善子「ん、何か来た」スッ

曜「返してくれるんじゃなかったのー?」

善子「えーなになに? あ、ママからだわ」スッ

善子「『明日の夜はどう?』」

善子「……」

曜「……」

善子「曜さん、ちょっと」クイクイ



320: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:52:15.34 ID:wLzZQm9n.net

曜「ん?」

善子「このバカ!!」バチーン!

曜「いったぁぁあぁ!!?」

善子「何よこのメール! さっきの『また後でね』は明日の夜のことだったの!?」

曜「し、知らないよ!」

善子「ママもママよ!! 私の曜さんに手を出そうだなんて最低だわ!」

ピロリンッ

曜「また何か来たよ」

善子「話を逸らさないで!」

曜「ママからじゃない?」

善子「そうね、私が返信しておいてあげるわ」スッ

善子「『曜ちゃんごめんなさい、今のは別の人へのメールです』」

曜「ほら! 誤解なんだって!」

善子「私が見てることに気づいて慌てて誤魔化したんじゃないでしょうね……」

曜「善子ちゃんが見てるなんてどうやって分かるの」

善子「……確かに」

曜「何か別の用件で他の人に返信しようと思ったんでしょ。善子ちゃんもあるよね?」

善子「私はないわね。曜さんと違って友達少ないし……」

曜「……」

曜「善子ちゃんのスマホも見せて」

善子「は!? 嫌よ、見せるわけないじゃない」

曜「えへへ」スッ

善子「あっ、いつの間に! 確かポケットに入れておいたはず……」

曜「さっきトイレに置き忘れてたよ」スッ

善子「あ、そう言えば置いたような気が」

 パスワードを入力してください

曜「ここはもちろん私の誕生日だよね」

曜「0417……」スッスッ

 パスワードが違います

曜「えっ」



321: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:53:59.81 ID:wLzZQm9n.net

善子「残念でした。早く返して」

曜「0417」スッスッ

 パスワードが違います

善子「違うってば」

曜「嘘でしょ? 打ち間違えたかな」スッスッ

 ロックされました

善子「ん?」

曜「あ、三回間違えたからか」

善子「えっ!? パスワード入れられないんだけど!?」

曜「今日はもう使えないね」アハハ

善子「何てことしてくれたのよ!!」

曜「心配しなくても明日になれば使えるよ」

善子「酷い! 今日一日どうやって過ごせって言うのよ……」

曜「スマホなんかより私を見て欲しいな」

善子「それ私が言った!!」

曜「言ったっけ?」

善子「直接は言ってないけどそういうことよ!」

曜「最初からそう言ってよ」

善子「私とのデート中はスマホ禁止! の時点で気づきなさいよ!」

曜「でもさぁ」

善子「私のスマホがロックされちゃった以上、曜さんのスマホも渡すわけにはいかないわね」

曜「あっ、返してよ」

善子「明日になったら返すわよ」

曜「えぇ……」

善子「……」

……



323: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:56:47.97 ID:wLzZQm9n.net

善子「曜さん、これなんてどう?」

曜「ここ……写真屋さん?」

善子「そうよ。二人で一枚撮ってもらうの!」

曜「えー」

善子「嫌?」

曜「善子ちゃんはお洒落してるからいいけど私はこんなだし……」

善子「私はいいと思うわよ」

曜「そうだ、お洋服屋さんで良さそうなのを選んでくれない?」

善子「え、私が?」

曜「うん!」

善子「無理よ。曜さんと私じゃ服の好みが違うじゃない」

曜「善子ちゃんの好みで選んでいいんだよ?」

善子「……」

曜「って言うか善子ちゃんの好みで選んでください!」

善子「まあ、そこまで言うなら」

曜「ありがと!」ギュ

善子「分かったからくっつかないで」

曜「だって嬉しいんだもん……」

善子「どんなの選んでも文句言わないでよね」

曜「言わないよ。善子ちゃんが選んでくれたものなら何でも着る」

善子「ほら、その『何でも』ってやめなさいよ」

曜「何でもだよ? ビキニでもメイド服でも何でも着るよ?」

善子「いや、それは私が恥ずかしいから……」

曜「あそこでもいいよ」

善子「ん?」

曜「ペットショップ」

善子「ただの変態よ!!」

曜「あはは、冗談だよ。でも私も首輪見たかったから寄っていこう」

善子「衣装、まだ諦めてなかったのね……」

曜「鋭意制作中であります」ゞ



324: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:57:49.02 ID:wLzZQm9n.net

 ペットショップ

曜「おぉ……」キラキラ

善子「意外と種類があるのね」

曜「善子ちゃんにはこれかなぁ」

善子「何で私」

曜「うん、似合う似合う!」サッ

善子「やめてよ!」

曜「さあ、私に合うのを選んで」

善子「えっ、本当に首輪つけて写真撮るの?」

曜「えっ? 衣装だよ?」

善子「ああ、そうだったわね」

曜「犬のコスプレしてて首輪ならいいけど、この格好で首輪してたらただの変態だね」

善子「どっちもいい勝負だと思うわよ」

曜「千歌ちゃんにはこれ、梨子ちゃんにはこれかなぁ」サッ

善子「全員分買っていくの?」

曜「買わないよ?」

善子「買わないの!?」

曜「これを参考に自分で作るんだよ。本物の犬を繋ぐわけじゃないから金属じゃなくても大丈夫だもん」

善子「そうね。金属だと重そうだし、冬だと冷たそう……」

曜「あ、でも私に選ぶのは気にしなくていいからね?」

善子「ええ。どうせ金属じゃなくなるんだもの」

曜「ああ、そうじゃなくて。私に今つけるやつだよ」

善子「えっ」

曜「私と善子ちゃんで首輪買うって話だったよね?」

善子「聞いてないけど」

曜「あれ? 二人で記念になるようなものを……って話さなかった?」

善子「それが写真よ!!」

曜「あ、あぁ!! それで!?」

善子「いったい何だと思ったのよ」

曜「あはは。どうして急にコスプレ撮影したいなんて言い出したんだろうって思ってた」



325: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:59:16.49 ID:wLzZQm9n.net

善子「言わないでしょ」

曜「じゃあこの首輪はプレゼントってことで」

善子「私も買うの?」

曜「私が善子ちゃんの分を選ぶから、善子ちゃんは私の分を選んでね」

善子「それは分かるけど……」

善子「首輪って意外と高いわね」

曜「小型犬用なら安いよ」

善子「いや、曜さんつけられないでしょこんなの」

曜「善子ちゃんがつけてって言ったら何でもつけるよ」

善子「どう見ても首が絞まるわね」

曜「うん。だから中型犬用にしてくれるとありがたいかなぁ」

善子「そうね。じゃあ……ん?」

曜「あ、そっちは大型犬用だよ」

善子「これ……けっこういい感じかも」ジャラッ

曜「えっ」

善子「これ、つけてみて」ジャラッ

曜「これを?」

善子「ええ。ちょっと大きいけどある程度は調整効くはずよ」

曜「う、うん……」ジャラッ

善子「重そうね」

曜「もろ金属だもんね」

善子「金属アレルギーとか大丈夫よね?」

曜「うん、その心配はないんだけど……」

曜「どうかな?」ジャラッ

善子「なかなか似合ってるわ」

曜「これほとんどただの鎖じゃない?」

善子「その無骨さがまたいい感じよ」

曜「……」

善子「嫌?」



326: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:00:49.82 ID:wLzZQm9n.net

曜「善子ちゃんってかなりハードな変態さん?」

善子「えっ、どうして?」

曜「普通、人に首輪するとしたら革の柔らかそうなやつにしない?」

善子「普通は人にはしないけどね」

曜「こんな鉄の鎖をつけるなんて、それなりのことするってことだよね?」

善子「それなりのことって何よ」

曜「それは……鞭とか使ったり?」

善子「えっ」

曜「『ふふ、もっといい声で鳴きなさい!』ビシッ」

曜「みたいな……」

善子「しないわよ!!」

曜「でも善子ちゃんならいいか」

善子「だからしないって」

曜「四千円! 結構高いね」

善子「えっ? 値段見なかったから分からなかったわ。やめましょう」

曜「私がこれ買うよ。善子ちゃんはさっき私が選んだやつ買って」

善子「何で自分の首輪なんて買わなきゃいけないのよ! バカじゃないの!?」

曜「お互いに自分をペットとしてプレゼントするんだね」

善子「そんなプレゼント嫌!」

曜「私は満更でもないよ」ニヤニヤ

善子「やっぱり曜さんの方がずっと変態よ」

曜「これください!」

店員「いらっしゃいませ」ピッ ピッ

善子「あっ、待って!? 本当に買うの?」

店員「こちら、革のタイプが中型犬用、鉄のタイプは大型犬用となっておりますがお間違えないでしょうか」

曜「はい。私くらいなら大型犬用でも大丈夫ですよね?」

店員「かなり大きいワンちゃんですね。犬種は何ですか?」

曜「私です」

店員「はい?」

善子「えーっと! そう、ボクサー犬よ!! ちょうどこの子くらい大きな!」



328: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:10:26.74 ID:wLzZQm9n.net

店員「そうですか、このくらい大きいワンちゃんですと大型犬用でないと厳しいですね」

善子「そう! よかったわ。ありがとうございます!」

曜「善子ちゃん急にノリノリだね」シュッシュッ

善子「うるさい! あとそれは何!?」

曜「ボクサー犬だからね。ボクシングしてるの」シュッシュッ

店員「そ、それでは、こちらの中型犬用が二千円、大型犬用が四千円。お二つで六千円ですね」

曜「あ、私が二つとも出すから気にしないで」スッ

善子「逆に気にするわよ! ほら、半分出すから」スッ

曜「いいの?」

善子「こんな高いもの貰えないわよ」

店員「こちら、プ レゼント用ですか? ラッピングもいたしますが」

曜「あ、ここでつけていきます」

店員「」

善子「普通の袋でいいです!」

店員「か、かしこまりました」

曜「すみません、私の恋人なんですけど怒りっぽくて」

善子「余計なこと言わんでいい!」バシッ

曜「いてっ! こんな感じです」

店員「仲がよろしいんですね」フフッ

曜「首輪をつけて躾けないといけませんね」

店員「え」

善子「曜さんこそ躾が必要みたいね……」

店員「えぇと……」

曜「冗談ですから気にしないでください」アハハ

店員「あ、ありがとうございました……?」



330: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:13:45.34 ID:wLzZQm9n.net

曜「いやー、いい買い物した!」ジャラッジャラッ

善子「店員さん困ってたわよ」

曜「冗談に決まってるのにねー」ジャラッジャラッ

善子「そうね」

曜「あれ?」

善子「どうしたの?」

曜「冗談だったのに買っちゃった」

善子「冗談だったの?」

曜「そのつもりだけど」

善子「嫌よ、返品しに行くの」

曜「善子ちゃんは本気だったか」

善子「違う!」

曜「まあいいや。これはこれで何か使えると思うし」ジャラッジャラッ

善子「それならいいけど……って言うかそれ歩くたびにジャラジャラうるさいわね」

曜「リュックに入れようか」

善子「そうね。貸して」

曜「はい」

善子「重たっ!!?」ズシッ

曜「だから言ったのに」

善子「こんなのつけるの!?」

曜「善子ちゃんはつけさせたいんでしょ?」

善子「ま、まあそうだけど……」

曜「じゃあ仕方ないね」ズシッ

曜「こんなこともあろうかとリュックで来て正解だったよ」

善子「どんな想定だったのよ……」

曜「首輪も買えたし、写真屋さんに行こうか」

善子「えっ、まさか首輪して撮らないわよね?」

曜「あはは。撮らないよ」

善子「ならいいけど」

曜「そんな姿善子ちゃん以外に見られたくないからね」



331: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:14:14.83 ID:wLzZQm9n.net

善子「……」

曜「結局服はこのままかぁ」

善子「さっきも言ったけど、よく似合ってるわよ」

曜「首輪が?」

善子「服よ!!」

曜「分かってるって」アハハ

善子「もう……」

 写真屋

曜「二人で写真撮ってもらいたいんですけど」

店員「はい、どのような感じにいたしましょう?」

善子「えっと……そうね、記念日っぽい感じで」

店員「失礼ですが、どのような記念日で……」

曜「婚約記念です」

店員「はい?」

善子「た、誕生日です!!」

曜「誰の?」

善子「私のです!!」

曜「えっ、もしかして誕生日って一年に一度じゃないの?」

善子「は?」

店員「衣装のレンタルはされますか?」

曜「どんなのがありますか?」

店員「お誕生日用ですと、女の子はドレスを選ばれる方が多いですね」

善子「まあ、そうよね」

曜「ウェディングドレスはあります?」

善子「ちょっと曜さん?」

店員「ありますけど……お誕生日ですよね?」

曜「いえ、結婚……」

善子「そう! 着てみたかったのよねぇ!!」

店員「かしこまりました。では、そちらの……」



332: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:15:29.11 ID:wLzZQm9n.net

曜「私はタキシードかな?」

店員「タキシード?」

曜「新郎新婦っぽい感じでお願いします」

善子「何言ってるのよ」

店員「えーと、お誕生日なんですよね?」

善子「も、もちろん! 新郎新婦風の写真が撮りたいなー、なんて……」

曜「この子、変わった趣味してますよね」アハハ

店員「え、えぇ」アハハ

善子「後で覚えてなさいよ……」

……

店員「お待たせしました」

善子「ど、どうかしら……?」フリフリ

曜「」

店員「お二人ともよくお似合いですよ」

曜「」

善子「何か言いなさいよ」

曜「いや、善子ちゃんと結婚式だなんて夢でも見てるのかと……」パーン

店員「」ビクッ

曜「夢じゃないみたい」ヒリヒリ

善子「店員さんびっくりしてるわよ」

曜「私もびっくりしてる」

店員「そ、それでは撮影に入りたいと思いますが」

曜「よろしくお願いします!」

善子「お願いします」

店員「では花嫁さんはこちらへ」

善子「違うわよ」

店員「あっ……失礼しました」

曜「善子ちゃん、雰囲気雰囲気」

店員「えーと、新郎さん? はこちらへ」

曜「私も新婦なんですけどね」アハハ



333: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:17:06.60 ID:wLzZQm9n.net

店員「で、では撮りますね」

店員「はい、もっと笑ってー」

曜「にこっ」

善子「……」ニコ

店員「はーい撮ります」

パシャッ

善子「うっ」

曜「あ、善子ちゃんフラッシュ苦手?」

店員「もう一枚行きます」

パシャッ

善子「まぶしっ」

曜「あはは」

店員「えーと、そうですね、新婦さんが目を瞑っちゃってます」

曜「しっかりしてよ」

善子「そ、そんなこと言われたって……」

曜「そうだ、いいこと考えた」

善子「何よ」

曜「これってカメラ目線じゃなくてもいいんですよね?」

店員「ええ、まあ」

曜「じゃあこうしよう」グイッ

善子「きゃっ!?」

曜「こんな感じで」

善子「ちょっと! これじゃキスシーンじゃない!」

曜「本当にしてるわけじゃないよ」

店員「じゃあ撮りますよ」

パシャッ

善子「うっ」

曜「あはは、カメラの方向いてないのに眩しいの?」

善子「眩しいわよ……」

曜「うーん。ちょっと見せてもらってもいいですか?」



334: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:18:13.20 ID:wLzZQm9n.net

店員「どうぞ」サッ

曜「あちゃー、けっこうガッツリ瞑っちゃってるね」

善子「ごめんなさい……」

曜「フラッシュ焚かないとダメですか?」

店員「フラッシュなしだと明るく撮れないので……」

曜「じゃあこうしよう」

曜「善子ちゃんは目を瞑ってキス待ち、私はそんな善子ちゃんにキスしに行く設定で」

善子「恥ずかしい!」

曜「フリだから大丈夫ですよ」

店員「え、えぇ」

曜「じゃあ善子ちゃんはこの辺りで、私はこの辺かな?」

店員「いいですね。撮りますよ」

パシャッ

善子「……」ビクッ

曜「あはは、目を瞑ってても怖いんだ?」

善子「仕方ないでしょ、昔から苦手なんだから」

店員「いい感じに撮れましたよ」

曜「本当ですか!?」

店員「本当の新郎新婦みたいです」

曜「えへへ」

善子「……」カァアア

曜「仕上がりって写真何枚でしたっけ」

店員「三枚ですね。こういう両開きタイプのものになります」

曜「じゃああと二ポーズか」

善子「も、もうこれでいいんじゃない? 一枚だけ額に入れて貰えばそれで……」

曜「えっ? せっかく着たんだしもっと撮ってもらおうよ」

善子「でも恥ずかしいし……」

店員「とってもよくお似合いですよ」

曜「ほら、店員さんも私たちのことお似合いって」

善子「いや、今のは服が似合ってるって意味よ」



335: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:19:07.07 ID:wLzZQm9n.net

曜「そうなんですか?」

店員「えーと……」

善子「店員さんを困らせないの。次のポーズ行くわよ」

曜「急に冷静に戻ったね」

善子「放っといて」

店員「じゃあ次は、こんなポーズはどうでしょう?」

善子「?」

曜「床ドンですか?」

店員「違います!!」

善子「何かごめんなさい」

店員「お二人でダンスをしているイメージだったんですけど」

曜「いいですね! それやりましょう」

善子「……」

店員「では新婦さんはこう、新郎さんはこんなポーズで」

善子「だから新婦じゃ……」

曜「善子ちゃん、手」スッ

善子「え、うん」スッ

曜「こんな感じですか?」

店員「いい感じです。撮りますね」

パシャッ

善子「あっ」ビクッ

曜「また目を瞑っちゃった?」

善子「だって……」

店員「もう一枚行きます」

曜「善子ちゃん、好きだよ♡」ボソッ

パシャッ

善子「えっ!? えっ!!?」カァアア

店員「すごくよく撮れました」

曜「わぁ! 善子ちゃん幸せそうな顔してる」

善子「やだ恥ずかしい!」



336: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:19:55.75 ID:wLzZQm9n.net

店員「まさに新婚さんって感じですね」

曜「じゃああとは床ドンかな」

店員「はい?」

曜「床ドンです」

善子「いや、聞こえてるわよ」

店員「えっと……」

曜「あ、衣装が汚れちゃいますかね?」

店員「いえ、床は綺麗にしてあります」

曜「なら問題ないですね! さっ、善子ちゃんも寝て」

善子「嫌よ!」

曜「ほら、そんなこと言わないで」グイッ

善子「恥ずかしいからやめてってば」

店員「……」

曜「そんなこと言うと無理やり押し倒しちゃうよー?」グイッ

善子「あっ……」

パシャッ パシャッ

善子「ちょっと! 撮るとき声かけなさいよ!」

店員「すみません! でも今しかないって気がして……」

曜「おぉっ!! これは……」

善子「消してよ!? 絶対消してね!?」

曜「これは……いけませんね」

店員「……」カァアア

善子「どんな写真撮ったのよ!」

曜「ほら」

善子「……」カァアア

店員「で、でもよく撮れたと思います」

曜「引き伸ばしてポスターで貰えますか?」

店員「追加料金がかかりますがよろしいですか?」

曜「はい!!」

善子「いや、いくらなのか聞きなさいって」



338: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:23:13.91 ID:gHklwJnr.net

曜「そんなの言い値だよ」

店員「いちばん大きなもので一万円ですね」

曜「じゃあ二セットで」

善子「私は要らないからね!?」

曜「あ、そっか。一緒に暮らすのに二枚も要らないね」

善子「暮らさないから!」

曜「それとデータもください」

店員「かしこまりました」

善子「はぁ……。もういいから脱がせてくれる?」

曜「いいの?」スッ

善子「ここで!? って言うか曜さんに言ったんじゃないわよ!」

店員「えっと……それでは新婦さんの方からお着替えでよろしいですか?」

曜「あ、私は自分で脱げますから大丈夫です」

店員「そうですか、では新婦さんはこちらへ」

善子「だから新婦って言うな」スタスタ

曜「でも似合ってたよ」スタスタ

善子「何で曜さんもついてくるのよ」

曜「え? 女子用の更衣室こっちでしょ?」

善子「そうだけど! その服は男子更衣室のでしょ」

曜「脱いだら置きに行くよ」

善子「はぁ? 最初から向こうで脱げば……」

店員「すみません、次のお客様がいらしたので受付だけ先にしてきてもよろしいでしょうか?」

善子「着替えは?」

店員「受付だけ済ませたらすぐ戻りますので」

曜「はい、いってらっしゃーい」ノシ

店員「すみません」ノシ

善子「ちょっ……他にスタッフいないの?」

曜「そういえばあの人一人しかいないのかな?」

善子「店長にしては若すぎるわね」



340: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:25:10.59 ID:gHklwJnr.net

曜「私たちと同じくらいかな」

善子「……」

曜「善子ちゃん?」

善子「トイレに行きたくなってきたわ」

曜「えっ」

善子「実はさっきから我慢してたんだけど……なかなか言い出せなくて」

曜「ペットボトルあるよ」

善子「とりあえずこれ脱がせなさいよ! もし汚したら弁償よ!?」

曜「脱がせてだなんて……大胆だね」スッ

善子「そういう意味じゃない……っ」

曜「じゃあ自分で脱ぐ? 私ここで見てるから」

善子「こんなの一人で脱げるわけないでしょ!? 破いちゃったらどうするのよ!」

曜「ならちゃんと言ってよ。『脱がせて』って」

善子「ぬ、脱がせて」

曜「もっとこう……」

善子「いいから早く脱がせて!」

曜「了解であります」ゞ

曜「まずは背中のチャックからだね」ジーッ

善子「噛ませないように気をつけてね」

曜「はむっ♡」

善子「ば、バカっ!」

曜「噛んでって言ったじゃん」

善子「耳たぶの話なんてしてない!!」

曜「ほら、腕を下ろしてくれないと脱げないよ?」

善子「う……」スッ

曜「……」スルッ

善子「どこか引っかかってる?」

曜「肩にね」ペロッ

善子「ひゃんっ♡」ビクッ

曜「あはは」スルッ



345: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:52:16.69 ID:gHklwJnr.net

善子「やっと脱げたわ」

曜「ハンガーに掛けておけばいいかな」

善子「ええ。シワにならないようにね」

曜「あとはコルセットかな」

善子「後ろだけ外してくれれば後は自分で外せるからいいわよ」

曜「外すよ?」スッ スッ

善子「……」

曜「……」

善子「早く外してよ」

曜「善子ちゃんの背中、綺麗だね」ツツー

善子「あふっ♡♡」

曜「ん? これ好き?」ツツー

善子「だ、だからやめてって……」

曜「えへへ」ツツー

善子「本当にやめて! 漏れちゃうから!!」

曜「あ、ごめん」スッ

善子「やっと外れたわ。これでトイレに行ける……」

曜「そのタイツ? したまま行くの?」

善子「あぁ!? これも脱がないと!」グイグイ

曜「そんなことしたら切れちゃうよ!!」

善子「だってこれキツくて脱げないんだもの……!」

曜「貸して! 私が脱がせるから!」グイッ

善子「あっちょっと」

曜「ここ座って。いくよ」グッ

善子「うん……」

曜「うわ、これ本当にきついね」グイッ

善子「履くときはそうでもなかったんだけど……」

曜「……っ」グイッ

曜「太腿まで脱げた」

善子「膝伸ばせば一気に行けそう?」



346: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:53:18.83 ID:gHklwJnr.net

曜「善子ちゃん、この下着どうしたの?」

善子「え? ああ、トイレで履き替えたじゃない」

曜「あ、そうだったね。上と違うから変だなと思って」

善子「いいから早く脱がせて」

曜「失礼します……」スルッ

善子「下着じゃないわよバカ!!」バシッ!

曜「もう限界じゃない?」

善子「だから早くしてって言ってるのに……!!」

曜「下手に脱がせようとしてかかったら大変だよ」

善子「そ、そうだけど!」

曜「ペットボトル……はこの体勢だと溢しそうで嫌だなぁ」

善子「いや、何とかいけるんじゃない? 早く持ってきて!」

曜「直飲みしてもいい?」

善子「嫌よ!」

曜「ペットボトルに入りきるかな?」

善子「そ、それは……」

曜「私が飲む方が安全だよね」

善子「……」

曜「どうする?」

善子「……早くしてよ」

曜「え? どっちを?」

善子「曜さんが飲むの!! 早くして!!」

曜「『私のおしっこ、飲んでください』ってお願いして」

善子「本気でぶん殴るわよ」

曜「善子ちゃんのおしっこ飲ませてください」

善子「だから早くしなさいって言って……あ」ブルッ

曜「っ!!」チュゥゥ

善子「あぁ……」

曜「ごくっ……ごくっ……」

善子「溢れてない? 大丈夫?」



347: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:54:12.01 ID:gHklwJnr.net

曜「うん……じゅるっ、大丈夫……じゅるっ」

善子「恥ずかしいから音立てないで」

曜「ぴちゃっ、ちゅるっ」

善子「怒るわよ」

曜「……」チュゥゥ

善子「あ……♡」

曜「ん……っ」レロッ

善子「ちょっと! 舌入れないでってば!!」

曜「だって奥から出てくるんだもん……」

善子「そ、それはおしっこじゃ……」

曜「??」

善子「もう! 勝手にして……」カァアア

曜「もうすぐ終わりそう?」チュルッ

善子「ええ。もう……終わり」

曜「はぁ……美味しかった♡」ペロッ

善子「……」

曜「あれ? 何か残念そうだね」

善子「な、何でよ! いいから拭いて片付けるわよ」

曜「私が舐めたよ」

善子「濡れてることには変わりないでしょうが!!」

曜「自分で言って恥ずかしくならない?」

善子「なっ……!!?」

曜「店員さんも見てるし」

善子「えっ」

店員「……」カァアア

善子「あ、あのっ! これは違うんです……」

曜「大丈夫です! ちゃんと衣装は汚してません!」

店員「あ、はい」

曜「もしかして、店員さんも興味あるんですか?」

店員「えっ、な、何のことでしょう!?」



348: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:54:57.31 ID:gHklwJnr.net

曜「おしっこですよ」

店員「ま、まさか!! 私はそんな……」

曜「じゃあどうしてそんなに真っ赤な顔してるの?」

善子「当たり前でしょ! こんなの見たら誰でも恥ずかしいわよ!!」

店員「あの……もしかしなくても、曜さんですよね?」

曜「えっ」

店員「似てるとは思ったんですけど……」

善子「何よこの子知り合い?」

曜「もしかしてファンの子かな?」

店員「は、はいっ!」

善子「よりによってファンに見られたなんて……もう終わりだわ」

曜「メールありがとう」

店員「はい!! 曜さんのこと大好きで……いつも応援してます!」

善子「あなた、もしかしてハートマーク使いまくってた人?」

店員「え……はい」

曜「そうだったの!? 先に言ってよ」

店員「いえ……プライベートなのに邪魔しちゃ悪いかと思って」

善子「なら最後まで黙ってなさいよ」

店員「あぅ……」

曜「善子ちゃん、この子三年生だよ」

善子「えっ?」

店員「あ、はい! 浦女の三年です」

善子「」

曜「そういえば見たことあるなって思ってたんだ」

店員「覚えててくれたんですかっ!?」

曜「気づかなくてごめん。善子ちゃんに夢中でさ」

店員「曜さんに恋人がいたなんて……」

曜「うん、ごめんね。ファンの子たちには次のライブのときに発表しようかと思ってるんだ」

善子「初めて聞いたわよ」



349: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:55:52.51 ID:gHklwJnr.net

曜「だから、このことは黙っててくれると嬉しいな」

店員「……」

善子「お願い。ファンなら黙っててくれるわよね?」

店員「……」ジーッ

善子「な、何よ」

店員「あなた誰ですか?」

善子「えっ」

曜「あ、そっか。ライブのときは派手な格好してメイクもしてるから分かんないよね」

善子「あっ、ううん! 私はただの通りすがりよ!!」

曜「何言ってるの?」

店員「通りすがりなんですか!?」

善子「そ、そう! 決して同じメンバーとか、浦女の生徒とかじゃないのよ!」

曜「……」

店員「曜さんって見知らぬ女の子に手を出すような人だったんですか……」

曜「わっ、何かすごい誤解されたよ」

善子「そうよ。でもこのことは黙っててくれるわよね? ファンだものね?」

店員「ファンやめようかな……」

曜「やめないで!!」

店員「こんな人だとは思いませんでした。ごめんなさい」

曜「っ!」チュッ

店員「!!?」

善子「えっ」

曜「これで……忘れてくれる?」

店員「……」ドキドキ

善子「今のは何? まるで曜さんがキスしたように見えたけど」

店員「曜さんって……」

店員「キスがすっごく上手なんですね!!」

善子「」

曜「それほどでもないよ」アハハ

店員「私……嬉しいです」



350: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:56:47.66 ID:gHklwJnr.net

曜「これからも私のファンでいてほしいな」

店員「はいっ!!」

善子「曜さん」ギロッ

曜「バレたら困るでしょ? 口止め料だよ」

店員「そうだ、写真撮ってください!」

善子「ダメに決まってるでしょ! どうせSNSにアップされるに決まってるんだから!!」

曜「アップするの?」

店員「しませんよ! そんなことしたら他のファンの人に殺されちゃいます!」

曜「私のファンってそんな子ばっかりなの……?」

善子「私に聞かれても」

店員「ツーショットなのであなたは退いてください」シッシッ

善子「このっ……!」

曜「わーっ! 向こうで撮ろうね!?」グイッ

店員「あっ……♡」ビクッ

曜「ごめん変なところ触っちゃった」

善子「曜さんいい加減にして!」

曜「それじゃ、はいチーズ♡」

パシャッ

店員「きゃっ♡」

曜「もう一枚行っとこう」

パシャッ

店員「うふふ♡」

曜「あと一枚……っ」チュッ

パシャッ

曜「どうかな? よく撮れてると思うよ」



351: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:58:08.21 ID:gHklwJnr.net

店員「♡♡」チーン

曜「善子ちゃん、今のうちに」グイッ

善子「は??? 最後のキス要る!?」

曜「お金ここに置いとくからね! 写真できたら連絡して!」ダッ

善子「ちょっと!! まだ服着てないのに!」

曜「とりあえず上着だけ羽織って行くよ!」グイッ

善子「やだ、せめて下だけでも履かせてー!」

タッタッ

店員「」

店員「あれ? 私なんでこんなところで寝て……」

店員「三万円と、連絡先……?」

店員「こ、こここれって曜さんの字じゃない!?」

店員「もしかして私を三万円で……」

店員「♡」バタンッ

……

曜「はぁっ、はぁっ……」

善子「つ、疲れた……」

曜「善子ちゃん私の背中に乗ってただけじゃん」

善子「とりあえず下、履かせてくれる?」

曜「うん」スッ

善子「あ、自分で履けるからいいわよ」

曜「そっか……」

善子「えーと、言いたいことはたくさんあるんだけど」

曜「ごめん。ああするしか思いつかなくて」

善子「許してあげるわよ」

曜「本当にごめん! 善子ちゃんの前で他の子とキスするなんて……」

善子「だから許してあげるってば」

曜「え?」

善子「だって曜さんのおかげでバレずに済んだんでしょ」

曜「それはそうだけど……」



353: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:00:30.98 ID:gHklwJnr.net

善子「私がいいって言ってるんだからいいの。何か文句ある?」

曜「……ないよ」

善子「それならいいわ」

曜「……」

善子「この後は? そろそろお昼でも食べる?」

曜「うん」

善子「何か食べたいものは?」

曜「ええと……善子ちゃんは?」

善子「私? えっと……」

善子「……曜さん」ボソッ

曜「えっ?」

善子「な、何でもないわよ!」

曜「善子ちゃん、まだお昼だよ?」ニヤニヤ

善子「忘れて!!」

ピコンッ

曜「あ、私のスマホ」

善子「またママかしら」スッ

善子「『三万円も貰えません♡ 曜さんにならタダであげます♡♡♡』」

善子「これってさっきの」

曜「いくら何でもタダで貰っちゃ悪いよね。お金はちゃんと払わないと」

善子「お金を払えばいいの?」

曜「え? だってそういうサービスじゃないの?」

善子「は???」

曜「えっ?? 違うの!?」

善子「曜さんそれ本気で言ってる?」



354: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:01:22.60 ID:gHklwJnr.net

曜「当たり前だよ。三万円って言われたから三万円払ったんだよ!」

善子「曜さんのバカぁああぁ!!」バチーン!!

曜「いったぁぁあぁ!!?」

善子「ファンの子をお金で買うなんて! 信じられない!!」

曜「失礼な! あの子はちゃんと自分からファンになってくれたんだよ!」

曜「自分が気づいてもらえなかったからって八つ当たりしないで!!」

善子「そんなこと言ってないし!! 女の子にお金を払ってそういうことするのがおかしいって言ってんの!!」

曜「善子ちゃんも撮ってもらったじゃん!」

善子「はぁ!!? 私は撮っ……んん??」

曜「善子ちゃんもしかして誤解してる?」

善子「今の写真代の話だったの!!?」

曜「そうだよ!! 何だと思ったの!?」

善子「……」カァアア

曜「今の流れで写真以外にお金払うことあった?」

善子「ないわね」

曜「善子ちゃん、あの子にキスしたのは許してくれたんでしょ?」

善子「……」

曜「いったい何に怒ってたのさ」

善子「やっぱり許さない!」

曜「えっ」

善子「私以外の人にキスするなんて絶対許さない!」

曜「えぇ!?」

善子「許してほしかったら、そうね」

善子「今日買った首輪、今すぐつけて」

曜「えっ、あれつけるの? ここで?」

善子「そうよ。曜さんは私のものだってみんなに教えてあげるわ」

曜「……わかったよ」ゴソゴソ

善子「早くね」

曜「ちょっと動かないでね」カチャカチャ

善子「ええ」



355: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:02:06.63 ID:gHklwJnr.net

曜「はい、できたよ!」

善子「私じゃないわよ!! 曜さんがつけるの!!」

曜「ほら、犬ならちゃんと鳴かないと」

善子「バカなこと言ってないで早く外して!!」

曜「お手」

善子「わん!」スッ

曜「お代わり」

善子「ばうっ!」スッ

曜「ちん……」

善子「いい加減にして!!」

曜「ごめん」カチャカチャ

善子「ったく、何やらせるのよ……」カァアア

曜「善子ちゃん怒ってる?」

善子「見ての通りよ」

曜「すっごい笑顔だよ」

善子「なっ……!? こ、これは違っ」

曜「そんなに夜まで待てないの?」

善子「待つわよ。待つに決まってるでしょ」

曜「どうしてもしたくなったら言ってね」

善子「……うん」

曜「じゃあお昼食べよう」

善子「そうね」

曜「ハンバーグがいいな」

善子「昨日食べたわ」

曜「じゃあハンバーガー」

善子「ほとんど同じよね」

曜「えーと、じゃあ……」

善子「あ、お蕎麦にしない?」

曜「お蕎麦?」

善子「ほら、もうすぐ年越しでしょ」



356: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:02:58.03 ID:gHklwJnr.net

曜「そうだけど、また家で食べるんじゃない?」

善子「そのときはそのときよ」

曜「善子ちゃんがいいならいいけど」

善子「実はちょっとダイエット中なの」

曜「えっ」

善子「みんなには内緒よ」

曜「う、うん……」

善子「曜さんは大丈夫?」

曜「大盛りにするから大丈夫だよ」

善子「ううん、そうじゃなくて。クリスマスとかで食べ過ぎたりしてない?」

曜「そうでもないよ。私の家は特にクリスマスのお祝いしないから」

善子「そうなの?」

曜「善子ちゃんの家にお邪魔すればよかったかな?」

善子「私はずら丸と一緒にルビィの家に泊まってたから」

曜「そうなんだ……」

善子「曜さんこそ、千歌さんや梨子さんと一緒じゃなかったの?」

曜「うん……」

善子「あっ、この話はやめましょうか」

曜「気を遣わなくていいよ。本当はその予定だったんだけど千歌ちゃんが旅館の手伝いで忙しくて中止になったんだ」

善子「じゃあ曜さんは一人寂しく家で過ごしたのね」フフッ

曜「あ、ううん。梨子ちゃんの家に泊まったよ」

善子「えっ」

曜「朝まで同じベッドで寝ちゃった」

善子「……」

曜「あ、何もしてないからね?」

善子「そんなの分かってるわよ……」

曜「善子ちゃんが他の子の話始めたんだよ」

善子「ごめんなさい」

曜「自分で地雷を踏みに行く新しいスタイルだね」

善子「そういうんじゃないわよ」



357: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:04:02.41 ID:gHklwJnr.net

善子「ただ、曜さんがどんなクリスマスを過ごしたか気になっただけ」

曜「クリスマスプレゼントも貰えたから幸せだよ」

善子「何か貰ったの?」

曜「もちろん善子ちゃんだよ」

善子「ば、バカ……」カァアア

……

 蕎麦屋

曜「さて、何食べようか」

善子「うーん、とろろそばがいいかしら」

曜「じゃあ私もそれで!」

曜「注文お願いしまーす!」

店員「はーい」

善子「とろろそば二つで」

曜「私も同じのを」

店員「ご注文は以上でよろしいですか?」

曜「はい」

店員「繰り返します、とろろそばをお二つ……をお二つでよろしかったでしょうか?」

曜「はい!」

善子「いや全然よろしくないわよ。とろろそば四つもいらないから」

曜「私は二つ食べるよ?」

善子「私は二つも食べない!」

曜「お腹空いてるのかと思った」

善子「空いてても同じのは食べないから……」

善子「とろろそば二つキャンセルで」

店員「えーと、とろろそばお二つでよろしいですか?」

曜「とろろそばと天ぷらそばで」

店員「かしこまりました。とろろそば三つと天ぷらそばがお一つですね」

曜「はい!」

善子「ちょっと! 今の聞いてた? とろろそば三つと天ぷらそば一つよ」

曜「だから私、二つ食べるよ?」



358: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:04:51.50 ID:gHklwJnr.net

善子「私は食べないから!」

曜「じゃあどうするの? 訳分かんなくなってきたよ……」

善子「一旦注文はキャンセル、とろろそば一つと天ぷらそば一つで」

店員「とろろそば一つと天ぷらそば一つですね」

善子「はい」

店員「オーダー! とろろ一丁天ぷら一丁!」

店員「とろろ一丁天ぷら一丁!」

曜「え、もしかして一人?」

店員「ええ、実はそうなんです」

曜「一人なのにやまびこしてるの?」

善子「やまびこ?」

曜「注文を大きな声で復唱するやつだよ」

善子「ああ、なるほど」

店員「決まりですので」

善子「何だか変なお店ね」

曜「オーダー! とろろ一丁天ぷら一丁!」

店員「はい?」

曜「やまびこ。どうぞ」

店員「とろろ一丁天ぷら一丁!」

店員「ありがとうございます!」ダッ

曜「ふふ」

善子「四つ出てきても知らないわよ」

曜「だから私二つ食べるって」

善子「私は食べない! って言うかしつこいわよ!」

曜「蕎麦屋あるあるだね」

善子「初めて聞いたわよそんなあるある」

曜「あ、デザート頼むの忘れた」

善子「デザートはまた三時くらいでいいんじゃないかしら」

曜「ダイエットは?」

善子「うっ……やっぱり今日はデザートなし」



360: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:07:31.75 ID:gHklwJnr.net

曜「私は食べるけどね」

善子「曜さんもダメ!」

曜「私はダイエットしてないよ」

善子「してよ」

曜「何で!?」

善子「私一人じゃ続けられるか不安だもの……」

曜「善子ちゃんそもそも太ってないよね?」

善子「太ったのよ」

曜「何キロ?」

善子「ニキロ……」

曜「それ食べた後計らなかった?」

善子「え? 言われてみればそうかも……」

曜「それじゃあ太って当たり前だよ。食べた分の重さも入ってるんだから」

善子「そうだったのね。どうりで太った覚えがないわけだわ」

曜「じゃあデザート食べられるね?」

善子「う……でも半分にしとくわ」

曜「私は一個半か……食べられるかな」

善子「そこは半分ずつ食べるんじゃないの?」

曜「先に言ってよ」

善子「えぇ……」

……

店員「お待たせしましたー!」コトッコトッ

店員「天ぷらそばととろろそばですね」

店員「二つずつです」コトッコトッ

曜「ん?」

善子「ちょっと!!?」

店員「?」

善子「とろろ一丁天ぷら一丁って言ってなかった?」

店員「言いましたよ」

善子「じゃあ何で二個ずつ来てるの?」



362: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:09:59.73 ID:gHklwJnr.net

店員「あ……本当だ!!」

曜「仕方ないですよ、ミスは誰にでもありますから」アハハ

善子「作ってて気づくでしょ普通……」

店員「すみません、すぐお下げします」

曜「え、これ捨てるんですか?」

店員「はい。他に頼まれたお客様がいたらそちらに回すんですけど、今はこの通りですので」

ガラーン

善子「そりゃ忙しくもないのに注文間違えられたらね」

曜「善子ちゃん言い過ぎ」

善子「いつもこんなことばかりしてるんじゃないでしょうね?」

店員「うっ……次やったらクビだと言われてます」

曜「そりゃ大変だ。私たちが食べなきゃクビになっちゃう」

善子「一人しかいないんだから黙ってれば分からないでしょ」

店員「それはできません」

善子「変なところ真面目ね」

店員「あの、もしよろしければお会計は二つ分で構いませんので食べてくださっても結構です」

曜「いいんですか!?」

店員「ええ、どうせ処分するものですから」

善子「そんなことをしたら余計に怒られるんじゃ?」

店員「どうせ今日でクビですから……」グスンッ

曜「奢るよ。食べて」スッ

店員「えっ」

曜「気にしなくていいから」

善子「曜さん? 何もそこまで……」

店員「ありがとうございます!」

曜「いいよ、その代わりこれからも頑張ってね」

店員「はい!」

善子「……」

曜「ん?」

善子「えっと、ここで食べるの?」



363: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:10:39.51 ID:gHklwJnr.net

店員「えっ?」

曜「あ、もしかして善子ちゃん、私と二人で食べたかった?」

善子「……別に」

店員「……」

曜「ごめん、悪いんだけど今日は善子ちゃんの二人で食べたいの」

店員「私こそ気が利かなくてごめんなさい」

曜「うん、また今度ね」ノシ

店員「食べ終わったら呼んでね」ノシ

善子「……」

曜「ごめん、私も気が利かなくて」

善子「いや……いいけど」

善子「何かあの店員さん馴れ馴れしくなかった?」

曜「同じクラスの子だからねー」ズズッ

善子「えっ」

曜「あ、いただきますするの忘れた」パチン

曜「いただきます」

善子「ど、どうぞ……」

曜「……」ズズッ

曜「味はまあまあなんだけど何故かお客さん来ないんだよねここ」

善子「いや、どう考えてもさっきの子が原因よね」

曜「そうかな? おっちょこちょいなところもあるけど可愛いよね」

善子「あっ、またそういうこと言う」

曜「まだバイト始めて半年だから仕方ないね」

善子「半年もやっててあれ!? 向いてないからやめた方がいいわよ」

曜「しっ! 聞こえるよ」

善子「あっ……ごめんなさい」

曜「けどランチはまた今度かぁ」

善子「ん?」

曜「ほら、善子ちゃんも見たでしょ? メールの子だよ」

善子「えっ、あの両親が厳しくてなかなかランチ行けないっていう?」



364: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:11:21.31 ID:gHklwJnr.net

曜「そう。だからこうして仕事中に食べに来たんだけどねー」

善子「いや、せめて私のいないときにしなさいよ……」

曜「善子ちゃんはいいの?」

善子「何が」

曜「私が善子ちゃん以外の子と食べさせ合いっこするの」

善子「食べさせ合いっこ!?」ガタッ

曜「まあ、食べさせ合いっこは冗談だけど」

善子「だから冗談に聞こえないってば……」

曜「二人きりでもお昼食べるくらいはセーフ?」

善子「アウト、と言いたいところだけど……クラスメートなら仕方ないわよね」

曜「あ、いいんだ」

善子「ダメって言ったらどうするのよ」

曜「また善子ちゃんと三人で食べる」

善子「えぇ……」

曜「いい子だからきっと善子ちゃんも仲良くなれるよ」

善子「そ、そういう心配はしてないわよ」

曜「友達少ないみたいだから、善子ちゃんもなってあげてよ」

善子「そんなこと言われてもね……」

店員「あの……」

善子「わっ!? 急に現れないでよびっくりするじゃない!」

店員「ごめんなさい!」

曜「大丈夫だよ。善子ちゃん怒ってるわけじゃないから」

店員「そ、そうなんですか」

善子「びっくりしただけよ」

曜「ごめんね、まだ食べ終わってないんだ」

店員「あ、あの……そば湯いりませんか?」

善子「そば湯って確か……そばの茹で汁よね?」

曜「美容にいいんだよね」

善子「嘘くさいわね」

曜「だって肌つるつるだよ?」



365: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:12:12.90 ID:gHklwJnr.net

店員「……」ツルツル

善子「じゃあ一杯貰うわ」

店員「はい」ジョボボ

善子「その音やめて」

店員「??」

曜「善子ちゃん、この子は一般人だから……」

善子「そうだったわ。ごめん、今のは忘れていいから」

店員「はい……」ジョボボ

曜「……」

善子「……」カァアア

店員「このくらいでいいですか?」チョロロ

善子「あ、うん! いいわよ。ありがとう」ズズッ

曜「私も貰える?」

店員「あ……ごめんなさい。これで最後です」

善子「えっ、そばの茹で汁なんていくらでもあるんじゃないの?」

店員「私が飲んじゃいました」エヘヘ

曜「だから肌がつるつるなのか」ナデ

店員「あぅ……」

善子「むっ」

曜「あはは、善子ちゃんもっと飲みたくなった?」

善子「違うわよ」

店員「ごめんなさい。ほとんどのお客さんはそば湯を出す前に帰っちゃうから……」

曜「私もそば湯飲みたいな」

店員「そばを茹でないと……」

善子「私の飲む?」

曜「そんなにそば湯ばっかり飲んでるんだったらさぁ」ニヤニヤ

善子「あっまさか」

曜「そば湯、出せるんじゃないの?」

店員「……はい?」

善子「あ、忘れて? 曜さんはちょっと頭がおかしいだけだから」



366: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:13:07.37 ID:gHklwJnr.net

曜「ねぇ、働いてる間そば湯以外の飲み物飲む?」

店員「飲まない……かな?」

曜「トイレには何回くらい行く?」

店員「えっ」

善子「言わなくていいから」

曜「正直に」

店員「十回くらい……」

善子「飲みすぎよ」

曜「今日は何回行った?」

店員「今日はまだ三回です」

曜「じゃああと七回分あるね」

善子「ないわよ。まだ飲んでない分があるんだから」

店員「??」

曜「分かんないかなぁ」

店員「ごめんなさい……」

善子「分からなくて正解」ズズッ

曜「自分のおしっこ飲んだことは?」

善子「ぶふっ!!?」ゲホッゴホッ

店員「だ、大丈夫ですか!?」

曜「あるの? ないの?」

店員「え? ごめんなさい、聞いてなかった」

曜「だからおしっ」

善子「」パーン

店員「ひっ」ビクッ

曜「」ヒリヒリ

善子「ごちそうさま。お会計お願いしてもいいかしら?」

店員「あっ、すぐ準備しますのでお待ち下さい!」ダッ

曜「痛いんだけど」ヒリヒリ

善子「曜さん正気?」

曜「だってそば湯飲みたかったんだもん」



367: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:13:51.06 ID:gHklwJnr.net

善子「だからって一般人よ!? そば湯なんて出せるわけ……」

曜「じゃあ善子ちゃんが出してよ」

善子「ん?」

曜「そば湯。全部飲んだでしょ?」

善子「だから飲むか聞いたのに!」

曜「出せるの? 出せないの?」

善子「出せないに決まってるでしょ」

曜「じゃあおしっこでいいや」

善子「何で妥協したみたいになってるのよ……」

曜「あっ、善子ちゃんのおしっこは好きだよ? でも今はそば湯の気分なんだ」

善子「聞いてないわよ」

曜「でも、それだけそば湯飲んだらおしっこにもちょっとは入るよね」

善子「そうかもしれないけど」

曜「うん、じゃあ出して」

善子「嫌よ」

曜「そば湯飲みたいなぁ」ニコニコ

善子「わ、分かったわよ。ここじゃないところでね?」

曜「今飲みたいの!」

善子「嫌よ! 他にお客さんはいないけどさっきの店員さんがいるじゃない」

曜「たぶん自分のことに夢中で気づいてないよ」

善子「いくら何でもおしっこしてる客がいたら気づくわ」

曜「じゃあ私が掘りごたつの中に入るから、善子ちゃんは座ったまましてくれればいいよ」

善子「そうね、それなら……ってしないわよ!」

曜「あっ、こっちに来るよ」サッ

店員「お待たせしました。あれ? 曜さんは?」

善子「さ、さぁ? トイレに行ったんじゃない?」

店員「あ、そうですか……」

「……」スルッ

善子「ひゃっ」

店員「どうしたんですか?」



369: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:16:03.93 ID:gHklwJnr.net

「……」フゥ

善子「あっ♡」

店員「??」

善子「何でもない!」

「……」ペロッ

善子「♡♡」ビクッ

店員「大丈夫ですか? 顔が赤いですけど」

善子「だ、大丈夫だから……」

「……」チュゥゥ

善子「あっふぅ♡」

店員「……」

善子「それより仕事はいいの?」

「……」チュゥゥ

店員「他にお客さんもいないので」

「まだ?」

善子「ごほんっ! あー、のどの調子が」

店員「今、曜さんの声しませんでした?」

善子「あー、気のせいよ。気のせい」

「……」レロッ

善子「……っ♡♡」ビクンッ

店員「風邪ですか? 気をつけてくださいね」

善子「はい……ありが」

チョロロ

善子「……ふぅ」

「……」ゴクッゴクッ

店員「??」

善子「そ、それにしても曜さん遅いわね。何してるのかしら」

「……」ゴクッゴクッ

店員「トイレでも行ったのかな」

善子「そうだ、ちょっと様子見て来てくれない?」



370: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:16:37.07 ID:gHklwJnr.net

店員「え、私ですか?」

「……」ゴクッゴクッ

善子「もしかしたらお腹痛いのかも」

店員「えっまさか食中毒……?」

善子「やめてよ私も食べたのに」

「ぷはぁ」

店員「ん?」

善子「ぷはー! お茶が美味しいわ! お代わり!」

店員「曜さん?」

善子「お代わり!!」

店員「はい……」

スタスタ

「善子ちゃん美味しかったよ」

善子「あっそ。もう少しでバレるとこだったわよ」

「善子ちゃん、もしかして興奮した?」

善子「し、してない!」

「そう? おしっこの味がちょっと変だったから」

善子「そば湯のせいよ。ところでそば湯の味した?」

「全然」

善子「そりゃそうよね。たった今飲んだばかりなんだから」

「後でまたちょうだいね」

善子「どうしてそこまでして私から飲みたいのよ……」

「他の人のを飲んだら嫌じゃないの?」

善子「そば湯ってそもそも人から飲むものじゃないでしょ」

「そうなの? 飲んだことないから分かんないや」

善子「じゃあ私は誰のを飲んだの」

「あの子の」

善子「えっ」

「じゃあ、あの子は誰のを飲んだんだろう……?」

善子「いや、曜さん自分で言ったわよね? そばの茹で汁って」



371: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:17:31.35 ID:gHklwJnr.net

「……」

善子「いいからもう出てきなさいよ。店員さんいないからチャンスよ」

「足、舐めてもいい?」

善子「は??」

「ううん、ごめん。忘れて」モゾモゾ

曜「ふぅ」

善子「おかえり」

曜「ただいま」

善子「それと、さっき何か言わなかった?」

店員「あ、曜さんお帰りです」コトッ

曜「あ、お茶入れてくれたんだ」

店員「はい。それと曜さんにはそば湯です」コトッ

曜「えっ」

店員「飲みたそうにしてたので」

曜「飲んでいい?」

善子「私に聞かないでよ」

曜「それでは……」クンクン

曜「あぁ……いい匂い♡」

善子「ちょっと待って!」ガシッ

曜「あっ返してよ」

善子「……」クンクン

善子「そば湯じゃないの!」バシッ

曜「だからそう言ってるじゃん」ヒリヒリ

店員「??」

曜「善子ちゃんったらそば湯をおしっ」

善子「やめなさい」グイッ

店員「ところで善子さんって曜さんと付き合ってたりします?」

善子「えっ」

曜「えへへ、やっぱりそう見える?」

善子「ただの先輩後輩よ。スクールアイドル部の」



372: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:18:25.70 ID:gHklwJnr.net

店員「あ、そうなんですか?」

善子「ええ」

曜「……」

善子「さて、そろそろ行こうかしら」

曜「うん……」

店員「また来てくださいねー」ノシ

善子「ええ、頑張って」ノシ

曜「……」

……

善子「味はよかったわね」

曜「そうだね」

善子「店員さんも、悪い人じゃないんだけど……」

曜「うん」

善子「また行ってもいいかなってところね」

曜「……」

善子「どうしたのよ、元気ないじゃない」

曜「善子ちゃんってさ」

曜「私と付き合ってることどうして隠すの?」

善子「えっ?」

曜「さっきのおそば屋も、その前の写真屋もそうだったよね」

曜「通りすがりって言ったりただの先輩後輩って言ったり……」

善子「……」

曜「私と付き合ってることってそんなに隠したいことなの?」

善子「だって……こんな関係他の人に知られたくないわよ」

曜「おしっこ飲む間柄なのは言わなくていいよ? でもさ、恋人ってことは言ってもいいんじゃない?」

善子「……」

曜「私と付き合うのってそんなに恥ずかしいことなのかな」

善子「そうじゃないわよ」

曜「そうでしょ。じゃなかったら嘘つく必要ないもん」

善子「……」



374: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:20:22.04 ID:gHklwJnr.net

曜「明日、みんなに言わない?」

善子「えっ……」

曜「せめてAqoursのメンバーだけでもさ」

善子「……」

曜「嫌?」

善子「曜さんは言いたいの?」

曜「言いたい……というよりは認めてもらいたいってのが近いかな」

曜「たぶんみんなおめでとうって言ってくれると思うよ」

善子「……」

曜「ダイヤさん辺りはものすごく反対しそうだけど」

善子「確かに」

曜「コソコソ隠し事をするのが苦手って言うかさ、私ってそういうの向いてないじゃん」

善子「嘘も下手だしね」

曜「それは褒め言葉かな?」

善子「まあ、下手に隠そうとして怪しまれるよりは自分から言うべきなのかもね」

曜「私はそう思うよ」

善子「……」

曜「明日までに考えておいてよ」

善子「分かったわ。もし言うときは一緒にね。抜け駆けはなしよ」

曜「うん」

善子「ってことは、二人だけの秘密は今日までってことね」

曜「おしっこは秘密だよ?」

善子「それは当然。私と曜さんが付き合ってるってことよ」

曜「もし別れたら気まずいかな?」

善子「別れる予定あるの?」

曜「ないよ。善子ちゃんが言い出さない限りは」

善子「私だって、曜さんが言い出さなければそんなつもりないわよ」

曜「えへへ」

善子「それと、みんなの前ではくっついてこないでよね?」

曜「えっ」



375: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:20:58.88 ID:gHklwJnr.net

善子「当たり前でしょ。目の前でイチャイチャされたら周りがやりづらいわよ」

曜「そんなぁ」

善子「バカップルみたいに思われるのも嫌だし」

曜「私は思われてもいいんだけどな」

善子「私が嫌なの! 学校ではこれまで通り普通にね」

曜「それじゃあみんなに言う意味なくない?」

善子「なら言わなくてもいいわよ」

曜「う……」

善子「次のライブで公表するなら、それまでは黙っておくのもいいんじゃない?」

曜「そうだね。善子ちゃんはどうしても私と隠れて付き合いたいみたいだし」

善子「そうじゃないけど」

曜「……」

善子「別に、私と曜さんじゃ釣り合ってないとか、そんなこと思ってないんだから……」ボソボソ

曜「ん?」

善子「もうこの話は終わり! 明日みんなに言いましょ」

曜「うん!」

善子「だから今日のことは二人の秘密に……」

曜「写真は見せてもいいよね?」

善子「写真……? あ、さっきの!? 絶対ダメ!」

曜「せっかく撮ったのに」

善子「あんなの絶対笑われるに決まってるじゃない」

曜「私三万円も出したのに」

善子「今更だけど、確か二万円って言ってなかった?」

曜「ほら、特大引き伸ばし印刷分だよ」

善子「あれ本当に作るのね……」

曜「給料三ヶ月分には程遠いけどね」

善子「え?」

曜「二人の記念にはなったでしょ?」

善子「……まあね」カァアア

曜「出来上がるの楽しみだなぁ」



376: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:22:32.13 ID:gHklwJnr.net

 映画館

曜「何見ようかなー」

善子「えーと、そうね。今やってるのは……」

曜「恋愛モノがいいかなぁ」

善子「こ、これって確かハードな濡れ場もあるやつよね……」ボソボソ

曜「善子ちゃんって怖いの平気?」

善子「えっ? も、もちろん平気よ! 私だって子どもじゃないんだし、こういう映画の一つや二つ……」

曜「?? まあいいや、チケット買ってくるから待ってて」タッ

善子「……」

善子(曜さんとそういう映画見ちゃうんだ……)ドキドキ

善子(映画の途中でキスされちゃったりして)ドキドキ

善子(それで、今日の夜は……)ドキドキ

善子(……)プシュー

善子「」

曜「チケット買えたよ。もう始まるみたいだから急ごう」グッ

善子「えっ……あっ、まだ心の準備がっ」

曜「トイレはさっきしたから大丈夫だよね!」タッタッ

善子「あ、うん……」タッタッ

……

「きゃああああ!!!」

「やめろ、こっちへ来るな!!」バンバンッ

「呪ってやるぅぅうぅ」

「うわああああ!!!」

曜「ひぃ……思ったより怖いね」ビクッ

善子「」



378: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:24:24.47 ID:gHklwJnr.net

「お前だけでも……逃げろ……」

「一緒に生きて帰るって……約束したじゃない……!!」

曜「ううっ……いいシーンだなぁ」ポロポロ

善子「」

曜「ん?」

善子「」

曜「善子ちゃん」ペチペチ

善子「はっ!? あ、曜さん何して……」

「お前と会えて本当に……ぐわあああ!!?」

「きゃー!! ゾンビ!!!」

善子「きゃあああ!!?」

曜「怖がり過ぎだよ」アハハ

善子「曜さんこれラブストーリーじゃなかったの!? こんなの詐欺じゃない!」

曜「ラブストーリーじゃん! 世界のために恋人を殺すのか、それとも恋人のために世界を捨てるのか……うーん、悩む!」

善子「ひぇっ……」

曜「あっ、私はもちろん善子ちゃんだよ!」

「ごめんなさい……」ジャキッ

「やめろ……僕を……殺さないで……」

「あなたのことは好きだけど、私はこの街も大好きだから」

「頼む……」

「さよなら」

パーン

曜「え……」

善子「うわグロいっ!!?」

「完」

「♪~」

曜「いや今の何」

善子「何って血よ!! 撃たれたゾンビがヘリに巻き込まれて……」

曜「ひどい!! そんな……街のために恋人を捨てるなんて!!」グスンッ

善子「いやいやいやゾンビ倒せてハッピーエンドでしょうが」



379: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:25:23.86 ID:gHklwJnr.net

曜「は??」

善子「元が人間だったことすら分からなかったじゃない!」

曜「……善子ちゃんそれ本気で言ってる?」

善子「むしろあそこで助けてたら自分もゾンビ化してバッドエンドよ!」

曜「……私もゾンビになったら殺されちゃうのかな」

善子「そ、それは……」

曜「私は絶対善子ちゃんを選ぶからね」

善子「どちらかと言うと人の意識が残っているうちに殺してほしいわね」

曜「どんな姿になっても善子ちゃんは善子ちゃんだよ」

善子「そんなこと言われたら……私が悪いみたいじゃない」カァアア

曜「それにしてもあの選択はないな」

善子「いや、あるわよ……恋人との未練を断ち切って世界を救ったんだもの」

曜「やっぱり洋画はよく分かんないや」アハハ

善子「ん? 洋画??」

曜「えっ?」

善子「そういえばやたら俳優陣も外国の人が多かったような」

曜「だからホラーも平気? って聞いたじゃん」

善子「えっ!? もしかして隣に貼ってあったゾンビ映画!?」

曜「何だと思ったの」

善子「私はその隣の普通の恋愛モノかと思ってたわ」

曜「あれかなりキツい濡れ描写あるから気まずいかなって思って」

善子「そ、そうなんだ」

曜「知らずに見てたら恥ずかしい思いするとこだったよ?」

善子「知ってたけど……」

曜「善子ちゃんこういうホラー好きそうだし誘ってみたんだけど……ごめんね?」

善子「……」

曜「いやー、それにしても善子ちゃん、何度も私に抱きついてくるからドキドキしちゃったよ」アハハ

善子「えっ私そんなことしてた?」

曜「『曜さん無理ぃ……怖いのぉ……』」ギュッ

曜「って」



380: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:26:08.46 ID:gHklwJnr.net

善子「それは言ってないわね」

曜「言ってほしかったな」

善子「知らないわよ! って言うか私、内容ほとんど覚えてないんだけど」

曜「気絶してたもんね」

善子「やっぱり……」

曜「途中で私がキスしたのに無反応だったよね」

善子「人が気絶してるからって何してんのよ!」

曜「あんまり怖がったら途中で出ればいいかなって思ってたんだけど、気絶してたからそのまま見ちゃった」アハハ

善子「ひどい」

曜「最後のシーン以外は面白かったよ」

善子「どうしても納得いかないみたいね」

曜「いくわけないじゃん」

善子「……」

曜「私は善子ちゃんがゾンビになっても好きだからね」

善子「気持ちは嬉しいけどそのときは殺して」

曜「善子ちゃん無理ぃ……怖いのぉ……」ギュッ

善子「そういうのいいから」

曜「あ、今のは善子ちゃんが怖いんじゃなくて善子ちゃんを失うことが怖いって意味だよ」

善子「聞いてない」

曜「善子ちゃん冷たいなぁ。ゾンビ並みの体温だね」

善子「怒るわよ」

曜「私が温めてあげよっか?」

善子「え……うん」

曜「……」

善子「温めてくれるんでしょ?」

曜「今のは冗談だよ」

善子「もう! だから恋愛モノにしとけばよかったのよ!!」

曜「えぇ……」

善子「怖すぎて漏らすかと思ったじゃない」ボソッ

曜「私のおかげだね」エヘン



382: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:28:00.68 ID:gHklwJnr.net

善子「まあ、そうかもね……」

曜「私はちょっと漏らしたけど」

善子「えっ」

曜「ほんのちょっとね」アハハ

善子「嘘でしょ?」

曜「嗅いでもいいよ」

善子「……」クンクン

曜「ね?」

善子「ちょっとどころじゃないわよこれ」ビチャッ

曜「うん……トイレ行かせて」

……

 トイレ

曜「うわ、意外と濡れたなぁ」フキフキ

善子「怖くなさそうな振りしてたけど本当は怖かったのね」

曜「善子ちゃんの前で恥ずかしい姿は見せられないよ」

善子「いや、今見せてるわ」

曜「いじわる」フキフキ

善子「替えの下着は持ってきた?」

曜「一応ね」

善子「よかった。でも曜さんこそおむつした方がよかったんじゃない?」

曜「善子ちゃんそういうの好きなの?」

善子「え?」

曜「分かった、今夜はおむつ用意しとくね」

善子「何か誤解してるわよ」

曜「彼女におむつさせてデートなんて相当な変態だね」

善子「違うから」

曜「でもしたいんでしょ?」

善子「……まあね」

曜「こんな可愛い服着てるのに実はおむつ履いてるんです……」

曜「ってのが好きなんでしょ?」



383: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:28:32.82 ID:gHklwJnr.net

善子「悪い?」

曜「全然。今度はおむつ履いてデートしよう」

善子「私は履かないからね」

曜「善子ちゃんはしたくなったら私がいるもんね」

善子「トイレじゃないんだから……」

曜「善子ちゃん専用のペットボトルだよ」

善子「それで首輪なのね」

曜「ペットだけに!」

善子「……」ハァ

曜「今のは善子ちゃんが悪くない?」

善子「そうね」フフッ

曜「喉が乾いたらいつでも言ってね。私は善子ちゃんの飲み物でもあるんだから」

善子「喉が乾いたわ」

曜「あ、ごめん。今出しちゃったばっかりだからまた後で」

善子「知らないわよ」チュッ

曜「んっ……」

善子「……」チュゥゥ

曜「ぷはっ……善子ちゃん、こっちからは出ないよ」

善子「黙ってキスくらいさせたらどうなの?」

曜「ごめん」

善子「……っ」チュッ

曜「……」

善子「……ありがと」

曜「……」

善子「早く下履きなさい」

曜「うん」スルッ

善子「今日は楽しかったわ」

曜「私も。色んな善子ちゃんが見られてよかった」

善子「でも……もう終わりなのね」

曜「え?」



384: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:29:29.47 ID:gHklwJnr.net

善子「今日のデートが終わったら、もう明日にはみんなにバラしちゃうんだもの」

曜「まだデザート食べさせ合いっこしてないよ」

善子「ええ、そうね」

曜「じゃあ食べさせ合いっこしよう」

善子「うん」

……

 フードコート

曜「本当に一つでよかったの?」

善子「え? これでも結構大きいわよ」

曜「だって二種類あれば『そっちの味も食べてみたいな♡』って言えるけど」

曜「一種類だと『自分で食べれば?』ってなるじゃん」

善子「言われてみれば……」

曜「『そっちのスプーンも食べてみたいな♡』とか?」

善子「意味が分からないわ」

曜「『間接キスしてもいい?』」

善子「気持ち悪いわね」

曜「『善子ちゃんのスプーン……』」

善子「気持ち悪いからやめてってば」

曜「まあいいや。はい」つ

善子「え? 食べろってこと?」

曜「あーん♡」つ

善子「あ、あーん……」パクッ

曜「美味しい?」

善子「まあまあ、かしら」モグモグ

曜「あーん♡」

善子「はい」つ

曜「ぺろっ」

善子「ひゃああ!? それ私の指だから!」

曜「美味しい♡」

善子「いいから早く食べて」



386: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:31:25.54 ID:gHklwJnr.net

曜「はむっ」パクッ

善子「こんなところ誰かに見られたらどうするのよ」

曜「どうせ明日には言うんだから関係ないよ」つ

善子「ぱくっ……まあ、そうだけど」モグモグ

曜「でも善子ちゃんは学校でお弁当食べさせ合ったりするの嫌なんだよね」

善子「誰も見ていなければいいわよ」

曜「本当!? じゃあみんなに言っておくね!」

善子「言ったら意味ないじゃない!!」

曜「『善子ちゃんと食べさせ合いっこするけど見ないでね!? 写真とか絶対撮らないでね!?』」

善子「本当にやめてよね」

曜「善子ちゃんが嫌がることはしないよ」

善子「そう。安心したわ」

曜「本当に嫌がることはね」

善子「本当に嫌よ」

曜「言ったら私のこと嫌いになる?」

善子「なるかもね」

曜「そっか……じゃあやめとくよ」

善子「私に嫌われなければ何してもいいの?」

曜「嫌われてもやることはやるよ」

善子「じゃあ何で聞いたのよ」

曜「善子ちゃんのためなら何でもするよ」

善子「ほらまた『何でも』って言った」

曜「本当に何でもするもん」

善子「本当にいいのね?」

曜「いいよ」

善子「何があっても私のこと嫌いにならないでよ」

曜「もちろん」

善子「ゾンビになっても?」

曜「……もちろん」

善子「一瞬迷ったわね」



387: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:31:54.30 ID:gHklwJnr.net

曜「じゃあ私がゾンビになったら嫌いになる?」

善子「ならないけど撃つわよ」

曜「酷い」

善子「それが曜さんのためだと思うから」

曜「わ、私も善子ちゃんのためなら撃つよ」

善子「絶対無理ね」

曜「撃つよ! 動くな!!」スチャッ

善子「いいからスプーン置きなさいよ」

曜「無駄な抵抗はやめて私に愛を誓え」

善子「……恥ずかしくないの?」

曜「恥ずかしい」

善子「心配しなくても曜さんのことは大好きよ」パクッ

曜「うん」

善子「やっぱり隣の恋愛モノも見ない?」

曜「えっ」

善子「デートといえばああいう映画見るでしょ普通」

曜「あれ子どもも見ていいのかな」

善子「確か成年指定とかされてなかったと思うけど」

曜「ちょっと恥ずかしいけど善子ちゃんと一緒なら……」ドキドキ

善子「勘違いしないでよ? 別にそういうシーンが見たくて見るわけじゃないんだから」

曜「知ってるよ。私とどさくさに紛れてキスしたり抱きついたりしたいだけでしょ」

善子「それさっきの曜さんじゃない!」

曜「一日に二回も映画見ちゃうなんて相当な変態さんだね」

善子「変態なのかしら……」

曜「今度は漏らさないから!」

善子「私もトイレに行っておくわ」

曜「善子ちゃんには私がいるよ?」

善子「嫌よ。映画館の中なら暗くてバレないとは思うけど……」

曜「それじゃあトイレは行かなくていいね」

善子「話聞いてた?」



388: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:32:50.26 ID:gHklwJnr.net

曜「いいから行こっ」グイッ

善子「あっ、待って本当にトイレ行かないの!?」

……

 映画視聴後

善子「曜さん、もう終わったわよ」

曜「もう無理ぃ……恥ずかしすぎて死にそう」カァアア

善子「恥ずかしがり過ぎよ」

曜「だってあんな……女の子同士であんなこと……」

善子「だからそういうシーンもあるって言ったじゃない」

曜「こんなのほとんどえっろビデオじゃん」

善子「違うわよ!」

曜「見たことあるの?」

善子「ないけど! 本物はこんなものじゃ済まないから!」

曜「見たんだね」

善子「まあ、露骨なのよりこういう方がむしろえっろな気はするわね」

曜「コメントが変態っぽい」

善子「率直な感想よ」

曜「善子ちゃんって私とああいうことしようとしてるんだよね?」

善子「曜さんもいいって言ったじゃない」

曜「やっぱり無理だよ……」

善子「何、私とじゃ嫌なの?」

曜「善子ちゃんとだから無理なんだよ!」

善子「他の人とならいいの!!?」

曜「あ、そうじゃないよ。善子ちゃんとああいうことするなんて私たぶん恥ずかしすぎて死んじゃうよ」

善子「死にはしないわよ」

善子「……たぶん」

曜「やっぱりやめようよ」

善子「……」

曜「分かった、私が寝てる間にしていいから」

善子「それは嫌」



390: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:34:28.97 ID:gHklwJnr.net

曜「何でも好きなことしていいのに」

善子「それじゃ私が一方的に満足して終わりでしょ?」

曜「それでもいいよ。私は善子ちゃんのペットなんだから」

善子「ペットボトルよ!」

曜「首輪買ったじゃん」

善子「買ったけど! 私は曜さんとしたいのよ」

曜「だからしていいって」

善子「ペットボトルでもペットでもなくて曜さんとしたいの!」

曜「だからぁ」

善子「恋人としてしたいの!! こんなの言わせないでよね」

曜「……」

善子「無理なことはしないつもりよ」

曜「分かった、そこまで言うなら頑張る」

善子「嫌だったらちゃんと言ってね?」

曜「言ったらやめてくれる?」

善子「ふふっ」

曜「えっ」

善子「本当に嫌そうだったらね」

曜「いじわる」


デート編 後編 終わり



399: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 13:57:20.28 ID:7OmXVtKi.net

 帰りのバス

善子「すっかり暗くなっちゃったわね」

曜「映画二本も見たからね」

善子「本当はカラオケも行きたかったわ……」

曜「あんまり遅くなるとママを心配させちゃうよ」

善子「……」

曜「ごめん、ママの話出されるの嫌なんだっけ」

善子「まさか忘れてないわよね?」

曜「え?」

善子「この後……このまま帰るつもり?」

曜「あ……も、もちろん覚えてるよ」

善子「……」

曜「実はさ、お母さんに今日は泊まってくるって言ってあるんだ」

善子「どこに?」

曜「ううん。それが決まる前に言ったから」

善子「?」

曜「お母さんの友達が来て一緒に飲むんだってさ。私は邪魔なんだよ」

善子「そんなこと言われたの?」

曜「まさか。私がいたらうるさいからね」

曜「飲みすぎないように気をつけなよ、とか」

善子「曜さんってお母さん思いね」

曜「どうだろ? 本当にお母さんのこと考えてたら『一緒にいたい』って言ってるよ」

善子「……」

曜「そういうわけでごめん、今日も泊めてもらっていいかな? もちろん家事は手伝うからさ」

善子「……」

曜「あれ? 嫌だった?」

善子「今日は曜さんの家に泊めてもらおうと思ってた」

曜「え、あぁ……ごめん」

善子「ううん、私もギリギリまで言わなかったのが悪いし」

曜「また今度ね」



400: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 13:58:17.35 ID:7OmXVtKi.net

善子「も、もし嫌じゃなかったらなんだけど……今日はどこかで泊まったり……」

曜「ホテル?」

善子「ほ、ホテル……」カァアア

曜「でも明日学校だよ」

善子「うん……」

曜「高校生がホテルに泊まるのはどうなんだろう」

善子「な、何もそういうホテルだなんて言ってないわよ」

曜「え? 善子ちゃん、そういうことしたいのかと思った」

善子「……」

曜「まあ、善子ちゃんの家だとママに聞こえちゃうもんね」

善子「ええ。曜さんの家なら二階と一階で聞こえないかなって……」

曜「でも善子ちゃん声大きいからなぁ」

善子「怒るわよ?」

プルル

曜「あ、電話」

曜「……」

善子「いいわよ、出て」

曜「そう? じゃあ」スッ

曜「もしもし、ママ?」

『曜ちゃん、ごめんね? 善子に何度も電話したんだけど出ないから』

曜「ごめんなさい。私のせいです」

『善子は一緒? ちょっと代わってくれない?』

善子「……」

曜「はい」サッ

善子「うん……」

善子「もしもし、何か用?」

『どうして電話に出ないのよ!! 心配したじゃない!!』

曜「うわっ」

善子「仕方ないでしょ、スマホにロック掛かっちゃったんだから」

『えっ?』



401: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 13:59:31.40 ID:7OmXVtKi.net

善子「曜さんにロックされちゃったのよ」

曜「あの、善子ちゃんが私のスマホを見たので私も見てやろうと思ったらパスワードが違って」

『あぁ……』

曜「私はもちろん善子ちゃんの誕生日にしてあるのに善子ちゃんは私の」

善子「余計なこと言わなくていいから」

『そういうことだったのね。善子、あまり曜ちゃんを困らせちゃダメよ』

善子「は? 曜さんが私を困らせてるんだけど?」

『……まあいいわ。曜ちゃんに代わって』

善子「ええ」サッ

『ごめんね、善子ったら勝手に曜ちゃんのスマホを見るなんて』

曜「いいんです。見られて困るようなことしてませんから」

善子「してたわよ」

『善子が曜ちゃんとはぐれたりしてないか心配してたのよ』

曜「あ、それなら大丈夫です。私とずっと恋人繋ぎしてましたから」

善子「だから言わなくていい!」

『ふふっ。ケンカとかしなかった?』

曜「何回かしました」

『あらそう。大丈夫?』

曜「えへへ。ほっぺがちょっと赤くなってるくらいですかね」

『あの子すぐビンタするから……』

曜「ママにもするんですか?」

『私はもう慣れてるから見切れるけどね』

曜「善子ちゃん、ママにビンタはダメだよ」

善子「……」

『そんなことしてるから友達ができないのよ』

善子「うっさい! 他の人にはしてないわよ!!」

曜「ん? それって私だからしてるってこと?」

善子「そ、そうは言ってない! 他の人はビンタされるようなことしないから」

『ケンカになるとすぐ手を出すのやめなさいよ』

善子「私を暴力女みたいに言わないでよ」



402: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:00:15.70 ID:7OmXVtKi.net

曜「そっかぁ。ビンタは『好き』の裏返しってわけだね」ニヤニヤ

善子「その気持ち悪い笑い方やめて」

曜「あ、でも善子ちゃんも何度も真っ赤な顔してました」

『えっ?』

善子「してないわよね」

曜「理由は秘密です」

善子「してないわよね!?」

曜「今だって赤くなってるよ」

善子「な、なってないから……」

『あんまりからかわないであげてね。いじけると厄介よ』

曜「気をつけます」

善子「ママも余計なこと言わないで」

『あ、そうそう。私今夜はお友だちの家に泊まることにしたわ』

曜「そうなんですか」

善子「ん?」

『善子、一人でもちゃんと作って食べなさいよ』

善子「いいわよ、一日くらい食べなくったって……」

『あと一人なんだから必ずおむつして寝なさいよ』

善子「余計なお世話よ!」

『曜ちゃんもどこか泊まってくるんですってね? 気をつけるのよ』

曜「あ……えっと」

善子「何でママが知っているのよ」

『まだ電話中だから……ごめんね? もう少し待ってて』

善子「ちょっとママ? 誰かいるの?」

『えっ? ううん、私一人よ。じゃあそういうことだからお休み』

曜「おやすみなさい」

善子「ちょっと!」

ツーツー

曜「あはは、今日は一人なんだね」



403: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:01:03.98 ID:7OmXVtKi.net

善子「ママって本当に勝手なんだから……」

曜「もしよかったら、夕ご飯だけでも作ってあげようか?」

善子「え? そのまま泊まっていけばいいじゃない」

曜「それはダメ。ママにも内緒で知らない人を家に泊めるなんて……」

善子「知り合いだけど」

曜「そういうことじゃなくて。ママに心配かけちゃだめだよ」

善子「曜さんなんだから心配かけないでしょ。むしろ曜さんが一緒の方が安心するわよあの人」

曜「うーん、でも黙って泊まるのはなぁ」スッ

プルル

善子「変なところ律儀ね」

曜「善子ちゃんとはきちんとお付き合いしたいからね」

プルル

善子「他の子とはそうじゃないお付き合いしてもいいわけ?」

曜「本当に面倒くさ善子ちゃんだなぁ」

善子「何ですってぇ……!」

『も、もしもしっ!?』

曜「あ、ママ? 図々しいお願いなんですけど、今日も泊めてもらえませんか?」

『えっ……あっ、だからダメだってば』

曜「そ、そうですよね! 二日連続はさすがにご迷惑ですよね!!」

『嫌っ、本当にやめてよ』

曜「すみませんでした。失礼します……」

善子「えっ、ママに断られたの?」

曜「ちょっと怒ってるみたいだった」

『だからダメなの! 何度も言わせないでっ……』

曜「ね?」

善子「……」

『もしもし曜? お母さんだけど』

曜「え」

善子「は?」

『今日は善子ちゃんの家に泊まってくるの? 失礼のないようにね』



404: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:01:50.66 ID:7OmXVtKi.net

曜「う、うん……」

『クリスマス一緒にいられなくてごめんね』

曜「……」

『それじゃ、おやすみ』

曜「……」

善子「おやすみって言われてるわよ。返事くらいしなさいよ」

曜「おやっ……すみ……」グスッ

善子「え、何泣いてんの? 気持ち悪いんだけど」

『もしもしっ!? 曜ちゃん!? 今のはええと、その、違うから!! またね!』ピッ

曜「お母さん……ありがとう」グスッ

善子「とんでもないことが判明したわ」

曜「お母さんも私のこと考えててくれたんだね……」

善子「ママが言ってたお友だちって、曜さんのママのことだったのね」

曜「え、そうなの?」

善子「何を聞いてたのよ」

曜「善子ちゃんのママ、もしかして私の家に泊まるの?」

善子「ママに泊まるほど仲のいい友だちなんて他にいないわよ」

曜「あぁ、それで私のお母さんがいたのかぁ」ポンッ

善子「曜さんってもしかしてバカ?」

曜「ん? でもどうしてママは『一人』なんて嘘ついたんだろ?」

曜「私のお母さんとなら隠さなくてもいいのに……」

善子「あのねぇ、電話で様子おかしくなかった?」

曜「そういえばちょっと熱っぽかったかも」

善子「つまり……そういうことよ」

曜「なるほど、ママが風邪引いちゃったからお母さんが看病してあげてるんだね。優しいところもあるなぁ」

善子「は?」

曜「ん? でも何でそれならお母さんが善子ちゃんの家に行かないんだろう??」

曜「病人に家に来させるなんてやっぱり優しくないや」

善子「わざと言ってるのかしら……それとも」

善子「まあいいわ。ママには後で言っておくから」



405: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:02:38.29 ID:7OmXVtKi.net

曜「ごめんね。今日は一人でご飯作って食べてね」

善子「曜さん作ってくれないの?」

曜「あ、家に上がることは断られてないけど……ううん、やめとくよ」

善子「はぁ? いいから泊まっていきなさいよ!」

曜「だから断られたじゃん。私はどこか他を当たるよ」

善子「他って?」

曜「千歌ちゃんか梨子ちゃんに電話してみる」

善子「他の人の家!? ダメに決まってるじゃない!」

曜「まだ聞いてみないと分からないよ」スッ

善子「いいから今夜は泊まっていきなさい」グッ

曜「……何で?」

善子「『何で』??」

曜「あ、善子ちゃんも私と一緒にいたいってこと?」

善子「当たり前でしょ!? そのくらい気づきなさいよ!」

曜「うん、じゃあ二人で泊めてくれるか聞いてみるね」スッ

善子「だ、だからそうじゃないでしょ……」

曜「あ、もしもし? 梨子ちゃん?」

善子「ごめんなさい! 掛け間違えたわ!!」ピッ

善子「はぁ、はぁ……」

曜「何するの」

善子「そんなに私と二人が嫌なの?」

曜「嫌じゃないよ。でも泊まるところが……」

善子「ママ、曜さんが泊まること反対なんてしてないわよ」

曜「してたよ」

善子「だから……それを説明させるの? 私に??」

曜「さっきから善子ちゃんが何言ってるのか全然分かんない」

善子「分かんないならいいわよ。今日は一人で寝るからいい」プイッ

曜「うん……」

善子「……」ムスッ



407: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:05:17.37 ID:7OmXVtKi.net

曜「もしかしていじけた?」

善子「別に」プクー

曜「ごめん」

善子「曜さんは私と二人きりで泊まるとしたらどんなことする?」

曜「え? 一緒にご飯食べて一緒にお風呂入って一緒に寝るかなぁ」

善子「ママと曜さんのお母さんは一緒に泊まるのよ」

曜「……えっ」

善子「ママたちは大人だからそれだけじゃ済まないでしょうね」

曜「そ、そんな……えっ? まさかさっきの電話……」カァアア

善子「だからさっきからそう言ってるでしょ!!」

曜「それでママの声が変だったんだ……」

善子「曜さんのママ、相当いじわるね」

善子「ママが娘と話してるのにやめないんだもの」

善子「バレたらどうするつもりなのよ……」

曜「つ、つまり善子ちゃんも私とそういうことがしたいと」

善子「えっ? あ、あぁ……うん」

曜「……」カァアア

善子「本当、曜さんって気が利かないわよね」

曜「ごめん」

善子「まあ、そういうところも……曜さんらしいと言えばらしいのかしら」

曜「……」カァアア

善子「恥ずかしがり過ぎよ。見てるこっちが恥ずかしくなるわ」

……



408: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:06:04.26 ID:7OmXVtKi.net

 善子の家

曜「お邪魔します」

善子「どうぞ」

曜「何だか……本当に悪いことしてるみたいだね」ドキドキ

善子「まだしてないわよ」

曜「ううん、ママに内緒で家に来ちゃうんだから」

善子「だから知ってるって」

曜「今ごろお母さんたち……」カァアア

善子「勝手に想像して恥ずかしがるのやめて」

曜「善子ちゃんは平気なの?」

善子「何が」

曜「自分もそういうことしようとしてるの」

善子「……平気よ」

曜「もしかして、誰かとしたことある?」

善子「ないけど」

曜「私はあるよ」

善子「えっ!!?」

曜「って言ったら怒るかな」アハハ

善子「あのね、嘘でもそういうこと言わないで」

曜「もし私が誰かとしたことあったら嫌?」

善子「そんなの……嫌に決まってるじゃない」

曜「嫌いになる?」

善子「ならないわよ! ならないけど……曜さんは私とだけすればいいと思う」

曜「……」ニヤニヤ

善子「だからその顔!」

曜「心配しなくても善子ちゃん以外とはしないよ」

善子「したら本気で嫌いになるわよ」

曜「う、うん……」

善子「約束だからね? 私以外とそういうことしないで」

曜「分かった」



409: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:06:57.40 ID:7OmXVtKi.net

善子「これから先ずっとよ!? 死ぬまでしないでね」

曜「もししたら?」

善子「曜さんを殺して私も死ぬ」

曜「ひぇっ……」ビクッ

善子「ってのは冗談だけど、そのときは曜さんのこと好きでいられる自信がないわね」

曜「善子ちゃんもなかなか冗談キツいね」アハハ

善子「浮気しなきゃいいだけの話よ」

曜「しないよ」

善子「絶対?」

曜「絶対」

善子「証明できる?」

曜「……どうすればいいの?」

善子「そんなの……言わなくても分かるでしょ?」

曜「善子ちゃんったら本当に善子ちゃんだね……」グイッ

善子「い、意味分かんないし……」ファサッ

……

曜「はぁ、はぁ……♡」

善子「……♡」

曜「善子ちゃん気持ちよさそうな顔してるね」ナデ

善子「すぅ……」

曜「寝ちゃったか」

曜「さてと、ご飯の支度しないと」スタッ

曜「あ、でもこの格好じゃなぁ……」

曜「暖房のおかげで寒くはないけどね」

曜「……」カチャカチャ

曜「これでよし」

曜「ご飯は何がいいかな」

曜「善子ちゃんの食べたそうなものは……」

善子「すや……」

曜「うん、カツカレーだね」



410: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:07:49.38 ID:7OmXVtKi.net

曜「よーし、作るぞー!」スタスタ

善子「……」

善子「曜さん……」

善子「ふふ」ムニャ

……

「ご飯できたよ」ユサユサ

善子「んぅ……?」

「ご飯」ユサユサ

善子「曜さん何してるの」

曜「ご飯作ってたの。できたから食べよう?」

善子「それは見れば分かるけど……」

曜「ん? あんまりお腹空いてない?」

善子「その格好はどうしたの」

曜「何って、エプロンだよ」

善子「じゃなくて。どうして裸なのよ」

曜「えっ」

善子「裸よね!? 私が寝ぼけて裸に見えてるわけじゃないわよね!?」

曜「やだな、下に着てるってば」クルッ

善子「下着だけじゃない! それほとんど裸よ!」

曜「善子ちゃんこういうの好きかなーって」エヘヘ

善子「だ、大好きだけど……」カァアア

曜「よかった。今日はカツカレーを作ってみたんだよ」

善子「あの……私、ダイエット中って言わなかった?」

曜「えっ、嫌なの?」

善子「ううん、食べたかったのは確かよ」

曜「ちょうどお肉がなかったから豆腐カツカレーなんだけどね」

【参考画像】
http://www.kubosannotofu.co.jp/img/recipe03.jpg



411: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:08:36.89 ID:7OmXVtKi.net

善子「曜さん大好き」

曜「ありがとう」

善子「それにしてもよく私がカツカレー食べたいって分かったわね」

曜「ん? 私が食べたかっただけだよ?」

善子「えっ」

曜「あ、ここは『分かるよ。善子ちゃんの恋人だもん♡』とか言った方がよかったかな」

善子「もういいわよ」

曜「さ、冷めないうちに食べようよ」

善子「ええ」

善子「いただきます」

曜「召し上がれ」

善子「……」キョロキョロ

曜「どうかした?」

善子「あれ、私のスプーンは?」

曜「え? ないよ?」

善子「あったでしょ。食器棚の手前よ」

曜「??」

善子「あ……そういうことね」

善子「あーん……」

曜「……」

善子「あーん!!」

曜「何してるの?」

善子「え!? 曜さんが食べさせてくれるからスプーン要らないってことじゃないの?」

曜「違うよ」

善子「違うの!?」

曜「善子ちゃん自分がどんな立場か分かってないみたいだね」

善子「へ? どういうことよ」

曜「首、気付いてないの?」

善子「首……?」カチャ

善子「あっ! これ首輪!? いつの間に……」



412: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:09:17.10 ID:7OmXVtKi.net

曜「自分が犬だってこと忘れちゃうなんて本当に善子ちゃんだね」アハハ

善子「犬じゃないし!!」

曜「え?」

善子「え??」

曜「さあ、冗談はこのくらいにして早く食べなよ」

善子「だからスプーン……」

曜「怒るよ?」

善子「もしかして私、まだ夢見てるの?」

曜「あはは」

善子「何だ……そういうことなのね。どうりでおかしいと思ったわよ」

善子「なぜか曜さんがほぼ裸エプロンで私の家にいたり、私のために料理作ってくれたり……」

善子「……」

曜「?」

善子「夢なら仕方ない、朝まで見させてもらうわ」ハムッ

曜「あ、本当にそのまま食べるんだ……」

善子「何だか上手く食べられないわね」

曜「犬なんだからもっと顔全体を使って食べないと」

善子「くっ……夢の中じゃなかったらぶん殴ってやりたいわ」

善子「……」パクッ

曜「おっ、上手」

善子「まあね」モグモグ

曜「美味しい?」

善子「美味しいわ。ちょっと薄味だけど、逆に健康的って感じ」モグモグ

曜「本当? 嬉しいな」

善子「これ本当にダイエット食?」

曜「いや、ダイエット食のつもりはなかったんだけど……」

善子「豆腐ってこんなに美味しかったかしら」パクッ

曜「私の愛だね」

善子「……」モグモグ

曜「急に真顔にならないでよ」



413: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:09:57.15 ID:7OmXVtKi.net

善子「だって、曜さんが変なこと言うんだもの」

曜「言っちゃダメ?」

善子「ダメじゃないわよ。夢だもの……」パクッ

曜「それじゃ私もいただきます」スッ

曜「あむっ」

曜「……」モグモグ

善子「美味しい?」

曜「うーん……」モグモグ

善子「何よ、まさか犬用の味付けだから人には美味しくないとか言わないでよね」

曜「百点かな」

善子「甘々ね」

曜「善子ちゃんでも食べられるように甘口にしたからね」

善子「私は激辛でも平気よ」

曜「顔中ヒリヒリするよ?」

善子「あ……確かに」

曜「でも美味しそうでよかった」

善子「犬も人間の味覚と同じなのね……夢だからかしら?」パクッ

曜「お代わりもあるから遠慮しないで食べてね」パクッ

善子「いや、太るわ……」

曜「大丈夫。ちゃんとカロリーは計算してるよ」

善子「そう? じゃあ貰おうかしら」

曜「うん」ニコニコ

善子「お代わり」

曜「お代わり!」スッ

善子「は?」

曜「お代わりって言ったら左手をポン! だよ」

善子「そっか、私犬なんだった……」ポンッ

曜「よくできました」ナデナデ

善子「……」

曜「待っててね、すぐ持ってくるから」スタッ



415: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:12:16.18 ID:7OmXVtKi.net

善子「何よこの夢……幸せじゃない」ニヤニヤ

曜「ふんふーん♪」

善子(曜さん、犬にもこんな食事作ってくれるのね……)

曜「らんららー♪」

善子(私、曜さんの犬で本当によかった……)

曜「はい、お待たせ」

善子「ありがと」スッ

曜「待て」

善子「いただきます」

曜「待て!!」

善子「あ……いちいち面倒くさいわね」ピタッ

曜「まだ待てだよ……?」

善子「はいはい」

曜「よし!」

善子「いただきます」パクッ

曜「うん! いい食べっぷりだね!」

善子「だって美味しいんだもの」モグモグ

曜「私も負けずに食べないと大きくなれないね」パクッ

善子「いや、曜さんは十分大きいから……」

曜「あ、今どこ見て言った?」

善子「何でもないわよ」モグモグ

曜「ふふ」モグモグ

善子「また作ってくれると嬉しいわ」

曜「当たり前でしょ。私は善子ちゃんの飼い主だからね」エヘン

善子「ええ」パクッ

曜「写真、撮ってもいい?」スッ

善子「好きにしたら?」モグモグ

曜「あ、いいんだ……」スッ

パシャッ

善子「きゃうんっ!?」



416: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:12:46.87 ID:7OmXVtKi.net

曜「ごめんごめん、フラッシュ切るの忘れちゃった」

善子「気をつけてよ……」ドキドキ

曜「それにしても今の声、本当に犬みたいな声してたね」アハハ

善子「犬なんだから当然よ」パクッ

曜「それじゃもう一枚」スッ

パシャッ

善子「こ、こら!! フラッシュ切ったんじゃなかったの!?」

曜「ごめん、操作がよく分かんなくて」

善子「貸しなさい。私が設定してあげるから」ヒョイ

曜「ずいぶんハイスペックな犬だな」

善子「当たり前じゃない。ただの犬じゃないんだから」

曜「そうだね」フフッ

善子「はい、これで撮って」スッ

曜「お、善子ちゃんからおねだりとは珍しい」

善子「別に撮ってほしいわけじゃないんだけど……」

曜「はいチーズ」スッ

カシャッ

善子「撮れた?」モグモグ

曜「うん、あとは私も一緒に写りたいね」

善子「いいわよ」

曜「はい善子」スッ

パシャッ

善子「何でまたフラッシュ!? っていうか掛け声!」

曜「あはは、フラッシュにビビる善子ちゃん可愛い」

善子「い、犬は夜行性だから明るい光は苦手なのよ……」

曜「猫じゃなくて?」

善子「わ、私は夜行性の犬なの!!」

曜「あはは、何それ」

善子「もう……フラッシュ本当に苦手なんだからやめてよね」

曜「ごめんね?」



417: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:13:30.03 ID:7OmXVtKi.net

善子「許さない」

曜「許して」

善子「……」モゾモゾ

曜「どうしたの?」

善子「トイレ行ってくるわ」スタッ

曜「善子ちゃんどこ行くの」

善子「トイレよ!」

曜「あっ、犬用のトイレ用意しとけばよかったな……」

善子「何それ。飼い主なのにそんなのもないわけ?」

曜「分かった、うん。私がトイレになれば解決だね」

善子「解決してないわよ」

曜「もしかして大きい方?」

善子「だったらどうなの」

曜「さすがにそっちの趣味はないかな……」

善子「あったら困るわよ。どこに飼い犬のフンを食べる飼い主がいるわけ?」

曜「フンとか言わないで」

善子「じゃあ何て言うのよ。犬なんだからそれしか言い方がないじゃない」

曜「えっと……リトルデーモン?」

善子「えっ、死にたいですって?」

曜「ごめんなさい! 今のは聞かなかったことに……」

善子「まあいいわ、曜さんがトイレでもいいから早くして」

曜「やけに素直だね」

善子「別にいいでしょ」

曜「じゃあ、私が床に寝るからその上でしてくれればいいよ」

善子「ええ」

曜「よっと……はい、どうぞ」ゴロン

善子「口にすればいいの?」

曜「うん」

善子「下着は……あれ? いつ脱いだのかしら」

曜「犬は下着なんてつけないよ」



418: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:14:12.17 ID:7OmXVtKi.net

善子「それもそうね」

曜「……」ドキドキ

善子「ふんっ……」

曜「え? 本当に大きい方なの?」

善子「違うわよ!」

曜「よかった」

善子「……」チョロロ

曜「あぁ……この味♡」ゴクッ

善子「気持ち悪いわね……」ジョボボ

曜「私……犬のおしっこ飲んじゃってるんだね……」ゴクッゴクッ

善子「本当にどうしようもない変態ね」ジョボボ

曜「そんなこと言われると嬉しくなっちゃう」チュゥゥ

善子「や、やめなさいよ! 犬なのよ!?」

曜「犬でも善子ちゃんだよ」チュゥゥ

善子「吸っちゃダメ……っ♡」ビクッ

曜「まだ出るよね? 出していいよ」チュゥゥ

善子「んぅ……♡♡」

曜「ごくっ……」

善子「も、もう終わりだから」

曜「まだ出るよね? 出していいよ」チュゥゥ

善子「いや、だから出ないって」

曜「まだ出るよね? 出して……」

善子「怖いからやめて!」バシッ

曜「いたっ」

善子「怖い夢は苦手なんだからね」

曜「美味しかったよ」ペロッ

善子「あっそ」

曜「さてと、もうごちそうさまでいいのかな?」

善子「え? うん、もう食べ終わったから……」

曜「じゃあ片付けちゃうね」スタッ



419: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:15:18.51 ID:7OmXVtKi.net

善子「えっと、私は?」

曜「いいよ、善子ちゃんは犬なんだから」

善子「そ、そうじゃなくて……」

曜「ああ、口の周りがカレーだらけだもんね」チュッ

善子「ひゃっ!?」

曜「私が綺麗にしてあげるから……」ペロペロ

善子「これじゃどっちが犬か分かんないわね」

曜「私も善子ちゃんの犬になりたいな」

善子「ふふ、覚えてたらね」

曜「はい、綺麗になったよ。でも一応おしぼりで拭いとこうか」ゴシゴシ

善子「もう少し優しく!」

曜「ごめん」フキフキ

善子「……」

曜「下も拭く?」

善子「自分で拭くからいい」ヒョイ

曜「じゃあ片付けしてきちゃうから」スタッ

善子「何から何まで悪いわね」

曜「気にしないで」

善子「……」

……

ザー バシャバシャ

曜(いや……それにしても善子ちゃんがここまでノリノリだとは)ゴシゴシ

曜(そんなにこういうの好きなのかな……)

曜(私じゃなかったらどん引きしてるよ)フフッ

曜(うーん、でもそうなると本当に犬用のトイレが必要かもなぁ)ゴシゴシ

曜(私が大きい方も処理できるようになればいいんだけど……)

曜(こんど挑戦してみる……? いや)

曜(それはさすがに超えちゃいけない気がする……)ゴシゴシ

「わんっ♡」

曜「おわっ!?」ビクッ



421: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:17:15.96 ID:7OmXVtKi.net

善子「くーん……」スリスリ

曜「善子ちゃん何してるの」

善子「飼い犬が甘えてるんだから喜びなさいよ」

曜「う、うん……」

善子「わんわんっ!」

曜「わ、わぁー可愛い……」

善子「ぺろっ」

曜「ひゃあっ!?」ビクッ

善子「……」ペロペロ

曜「ね、ねぇ何で首筋舐めるの? 好きなの?」

善子「好きよ」ペロペロ

曜「大丈夫?」

善子「何がよ」

曜「あのさ、始めた私が言うのもアレだけど……」

曜「善子ちゃん本当に犬になっちゃったの?」

善子「何言ってるの、私は最初から曜さんの犬でしょ」

曜「」ヒキ

善子「いいから早く撫で撫でしなさいよ」

曜「う、うん」ナデナデ

善子「きゅーん……」スリスリ

曜「この子誰だろう……?」

善子「洗い物終わった?」

曜「うん、終わったよ」キュッ

善子「じゃあお風呂♡」

曜「私と?」

善子「何よ、犬となんて入らないなんて言わないでよ」

曜「言わないけど……」

善子「じゃあ早く」グイッ

曜「分かった、分かったから……」



423: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:18:57.58 ID:7OmXVtKi.net

善子「……」グイグイ

曜「……」

善子「お風呂、さっき沸かしておいたの」

曜「すごいワンちゃんだね」

善子「もっと褒めなさいよ」

曜「さ、さすが善子ちゃん!」パチパチ

善子「拍手じゃないでしょ。犬の褒め方知らないの?」

曜「え」

善子「こうよ!」

善子「『ほーら善子ちゃんよくできましたねー!』」ワシャワシャ

曜「」

善子「はい」

曜「よ、善子ちゃんよくできました……」ワシャワシャ

善子「わん♡」

曜「……」

善子「さーて、お風呂お風呂」ガラッ

曜「本当に大丈夫かな善子ちゃん……」

善子「早く曜さんも脱ぎなさいよ」

曜「うん……」ヌギッ

善子「私は犬なんだから洗ってあげてね」

曜「いいの?」

善子「は?」スッ

曜「ううん、それじゃあ失礼します」

ザー

善子「バカっ! 冷たいわよ!!」バシッ!

曜「だから最初は水なんだって!」

ザー

曜「うん、温まってきたね」スッ

ザー

善子「あー」



424: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:19:26.53 ID:7OmXVtKi.net

曜「……」ワシャワシャ

善子「気持ちいい……♡」

曜「シャンプーするから目、気をつけて」プシュ

善子「ええ」

曜「……」モコモコ

善子「……♡」

曜「気持ちいい?」

善子「ええ。人に洗ってもらえるなんて犬って幸せだわ」

曜「そ、そうだね……」モコモコ

善子「私が犬じゃなかったらやってくれないでしょ?」

曜「うーん、どうかなぁ」アハハ

善子「やってくれないわよ」

曜「……」モコモコ

曜「流すよ」

善子「いいわよ」

ザー

バシャバシャ

曜「顔は? 私が洗う?」

善子「当然」

曜「あんまり人の顔って洗うことないな」ムニュ

善子「ほひゃほうへほ」

曜「あはは、善子ちゃん変な顔」モニュ

善子「ほっほひへ……」カァアア

曜「……」チュッ

善子「な、何するのよ! びっくりして目に入ったじゃない!」

曜「うん……私も苦い……」ペッ

善子「痛い痛い! 早く水!」

曜「ごめん! ほら」スッ

ザー

善子「顔は自分で洗えばよかったわ……」



425: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:20:08.03 ID:7OmXVtKi.net

曜「ごめん」

善子「はい、じゃああとは体ね」

曜「……いいのかな」

善子「は? 飼い主なんだからちゃんと洗いなさいよ」

曜「善子ちゃんの体……私が洗っちゃっても」ドキドキ

善子「バカねぇ。犬の体見て興奮してるの?」

曜「そ、そんなこと……」ドキドキ

善子「本当に変態よね、曜さんって」

曜「言わないでよぅ……」カァアア

善子「ふふ」

曜「洗うね……」スッ

善子「って何で胸から……」

曜「あ、ごめん。普通はどこから洗うんだろ?」

善子「いいわよ、好きなところからで」

曜「うん……」モコモコ

善子「ん……♡」ビクッ

曜「落ち着いて私。これは犬の体なんだ……うん、犬の体」ドキドキ

善子「そうよ……。何も恥ずかしがることなんて……っ♡」ビクッ

曜「……」モコモコ

善子「あっ……曜さん上手♡」

曜「お尻も洗わなきゃね……」サワッ

善子「ひゃんっ♡」

曜「……」モミッ

善子「ちょっと」

曜「柔らかい……♡」モミモミ

善子「お尻ばっかり洗わなくていいから……」

曜「だめだ、私……我慢できなくなりそう」ドキドキ

善子「ね、次洗ってよ」

曜「え?」

善子「次」



426: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:20:48.68 ID:7OmXVtKi.net

曜「わ、私にそんなところ洗わせるの……?」

善子「何よ、嫌なの?」

曜「私恥ずかしくて死んじゃうよ」

善子「さっき思いっきり舐めてたけどね」

曜「それはおしっこだから……」

善子「今だって体洗ってるだけじゃない」

曜「そ、そうだけど……」

善子「……まあ、嫌ならいいわ。自分で洗う」

曜「あ、洗うよ! 飼い主だもんね!? 当然だよね!?」

善子「ええ」

曜「……」ドキドキ

善子「……」

曜「……」ドキドキドキドキ

善子「寒くなってきたわ」

曜「私もおしっこしたくなってきちゃった」

善子「えっ」

曜「ここでしてもいいかな? お風呂だからいいよね?」

善子「まあ、シャワーで流せば……」

曜「善子ちゃんごめん……っ!」スタッ

善子「えっ、立ってするの……?」

ジョボボ

善子「わっ!? 何で私にかけ……」

曜「ごめんね……っ! せっかく洗ったのに汚して……!」ジョボボ

善子「そ、そういうことじゃないでしょ」

曜「嫌ならやめるよ? やめるから……!」ジョボボ

善子「止められると思ってるの? それができてたらお漏らしなんてしてないわよ」

曜「うぅ……」ジョボボ

善子「わ、私もまたしたくなってきた……」モゾモゾ

曜「いいよ、しちゃおう? お風呂だから流せばいいよねっ!?」ジョボボ

善子「そ、そうよね……」チョロロ



427: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:21:28.63 ID:7OmXVtKi.net

曜「あぁ……善子ちゃんのおしっこと混ざって……」ジョボボ

善子「私は犬だから恥ずかしくない……犬だから……」チョロロ

曜「善子ちゃんごめんっ!」グイッ

善子「もごっ!?」

曜「飲んでっ! 私のおしっこ飲んで……っ!」

善子「……」ゴクッゴクッ

曜「どうっ!? 犬なのに人間のおしっこ飲んでる気持ちはっ!?」ジョボボ

善子「ぷはっ……犬も飲まないわよ!」ゴクッゴクッ

曜「そうだねっ……こんなの人間だけだよねっ!」ジョボボ

善子「人間も普通は飲まないっ……」ゴクッ

曜「善子ちゃんと私だけっ……!?」ジョボボ

善子「ええ」ゴクッ

曜「善子ちゃん本当に……っ」

善子「私も大好きよ」ギュッ

曜「……っ」

善子「曜さんに飼ってもらえて本当に幸せ」ギュ

曜「わ、私……」

善子「これからも大切にしてあげてね」

曜「私……善子ちゃんの飼い主じゃないよ」

善子「え?」

曜「善子ちゃん、本当に犬になっちゃったわけじゃないよね?」

善子「何言ってるの? 私は犬よ」

曜「鏡、見える? 曇ってて見えないか」キュッキュッ

善子「え……」

曜「思い出してよ」

善子「これって」

曜「善子ちゃんは人間だよ」

善子「……」

曜「ごめんね」ギュ

曜「やっぱり私、人間の善子ちゃんがいい」



429: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:23:24.35 ID:7OmXVtKi.net

善子「な、何よ……夢なんだから仕方ないじゃない」

曜「どんな姿になっても……どんな善子ちゃんでも好きだよ?」

曜「でも……やっぱり善子ちゃんがいいよ……」グスッ

善子「犬になっても私は私でしょ……」

曜「そうだけど! でも私は!!」

曜「善子ちゃんの恋人でいたいんだよ!!!」

善子「……」

曜「飼い主じゃなくて恋人がいいんだよ……」ポロポロ

善子「バカね、犬だって恋人にしちゃいけないわけじゃないでしょ?」

曜「……」グスッ

曜「私のせいだ」

善子「えっ?」

曜「私が善子ちゃんに首輪なんてつけたから」

善子「寝てる間に着けたのよね。気づかなかったわ」

曜「私が善子ちゃんに犬用の味付けで料理したから」

善子「あれ犬用の味付けだったんだ……」

曜「私が善子ちゃんに犬になって欲しいってお願いしたから」

善子「したの?」

曜「嫌だよ……こんな夢覚めてよ……」バシッ!

曜「……」ヒリヒリ

曜「善子ちゃぁん……」グスッ

善子「ね、ねぇもしかしてこれって」

曜「お願いだよぉ……」ポロポロ

善子「夢じゃないの?」

曜「ううっ……」

善子「私、犬なの? 人間なの?」

曜「……」

善子「私どっち!? ねぇ! 教えてよ!!」ガシッ

曜「分かんないよ! 私だって本当に……」

善子「やだ……本当に私、おかしくなっちゃったの?」



431: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:24:57.79 ID:7OmXVtKi.net

曜「……」グスッ

善子「鏡に映った私は人間よね? でも私は犬なの」

曜「もうやだ……」

善子「私って何なの? これ夢なの? ねぇ……」

曜「……」グスッ

善子「そうだわ」

曜「……」

善子「曜さん、私は何?」

曜「分かんない……」グスッ

善子「そうじゃなくて。私は何だったらいいの?」

曜「え……? 善子ちゃんは……」

曜「一つ年下の後輩で、Aqoursのメンバーで、ちょっと生意気だけど可愛い後輩で」

曜「素直じゃないところが逆に可愛くて、でもたまに素直なところも見せてくれて」

曜「ママのことが大好きで、みんなのことも大好きで」

曜「私のこともちょっとは大好きで、そんな善子ちゃんを私も大好きで」

曜「善子ちゃんは……」

曜「私だけの恋人です」ギュッ

善子「……」

曜「……善子ちゃんは人間だよ」

善子「曜さん……っ!」

曜「善子ちゃんは人間だよ!! こんな首輪!!!」カチャカチャ

曜「こんな首輪をしたから!!! 善子ちゃんは!!」カチャカチャ

曜「外れろ!! 善子ちゃんを……!!」カチャカチャ

曜「人間の善子ちゃんを返してっっっ!!!」カチャ

カランッ

曜「はぁ、はぁ……」

曜「やったよ善子ちゃん……!」

曜「善子ちゃん?」

曜「善子ちゃん!!!」

パーン



432: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:27:34.81 ID:7OmXVtKi.net

善子「いったぁ!!!?」

曜「目、覚めた?」

善子「何すんのよこのバカ!!」ブンッ

バチーン!!

曜「ぐえっ!!!」

善子「夢じゃなかったのね」

曜「ゆ、夢じゃないよ」ヒリヒリ

善子「全部夢じゃなかったのね!!?」

曜「今の痛さで覚めないわけないよ……」ヒリヒリ

善子「わ、私全部夢だと思ってて……」

曜「え?」

善子「だっておかしいもの……私の家に曜さんがいて、ほぼ裸エプロンで料理作ってくれて……」

善子「私のことこんなに大切にしてくれるなんて」

善子「夢だと思うに決まってるじゃない!!」

曜「ごめん」

善子「あと私のこと犬だって言うんだもの」

曜「そういう設定だったんだけど」

善子「どこに恋人にスプーンも使わせないでカレー食べさせるバカがいるのよ!!」

曜「ここにいるね」

善子「他にいたら困るわよ! このバカ!!」

曜「善子ちゃんがノリノリだったからこういうの好きなのかと思って」

善子「わ、私はそういう夢だと思って……」

曜「えっ、夢ならやるの?」

善子「仕方ないでしょ!? ああしなかったらせっかく作ってくれた曜さんの料理も食べられないしトイレも行けないし……」

曜「カレーを顔で食べてって言ったあたりで突っ込まれると思ったんだけどな」



434: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:29:11.19 ID:7OmXVtKi.net

善子「……だ、だってそんなの」

曜「もしかして善子ちゃん、本当に犬になりたかったの?」 

善子「なりたくないわよ!」

曜「私の犬でも?」

善子「他にどんな犬になりたいのよ……」

曜「なりたいんだ?」

善子「な、なりたく……」

曜「そういえば首輪選ぶときの善子ちゃん楽しそうだったもんねぇ」ニヤニヤ

善子「バカ! もう知らない!!」

曜「ほら、体洗ってあげるよ」

善子「いいわよ、自分で洗うから!」

曜「そんなこと言わずにさぁ」ニヤニヤ

善子「さっきはあんなに恥ずかしがってたのに」

曜「だって善子ちゃんが犬になってたんだもん」

善子「は? 曜さんこそ普段からそういう願望があったんじゃないの」

曜「私はあるよ」

善子「あるんかい」

曜「だから夢が叶って本当によかったよ……」

善子「嫌な夢ね……」

曜「あ、もちろん善子ちゃんの犬にもなってあげるからね」

善子「ならなくていいから」

曜「ほら、首輪つけて♡」

善子「……」ドキドキ

曜「飼い主様ぁ……」

善子「つけない!!」

曜「つけてよ」

善子「つけないわよ! 私は人間のままの曜さんがいい!!」

曜「あら」

善子「あっ、今のは変な意味じゃないわよ? さっきの私みたいになってほしくないってだけで……」

曜「そんなに私がいいなら、私でいてあげるよ」ギュ



435: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:30:10.28 ID:7OmXVtKi.net

善子「ええ……そうしてちょうだい」

曜「えへへ」

善子「……本当に何なのよもう」

曜「あ、言っとくけどそれただの首輪だからね」

善子「は? 知ってるわよ」

曜「禁断の魔具とかじゃないからね」

善子「分かってる。私はただ雰囲気に飲まれただけよ……」

曜「自分の欲望にじゃないの?」

善子「本当に怒るわよ」

曜「あはは、怒った善子ちゃんも可愛い」ナデナデ

善子「だからって怒らせないで」

曜「私は人間じゃなくなったら殺されちゃうもんね」

善子「えっ」

曜「だってそうでしょ? 映画見た後言ってたじゃん」

曜「こんなに可愛い犬なのになぁ……?」

善子「もう!! 本当に曜さんって嫌いよ!」



436: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:30:38.93 ID:7OmXVtKi.net

曜「えへへ。ほら、つけて」スッ

善子「つけない!」

曜「つけて?」

善子「しつこいわよ」

曜「じゃあ自分でつけちゃう」カチャカチャ

善子「あっ」

曜「わんっ!」

善子「か、可愛い……」ナデナデ

曜「わんわんっ!」

善子「可愛いけどダメ。外して」

曜「わん? わんっ!!」

善子「えっ」

曜「きゅーん……」

善子「えっ!!?」

曜「……」グスッ

善子「嘘よね?」

曜「わふっ」ギュッ

善子「まあ、外せば戻るんだしいいか……」ナデナデ


禁断の魔具(夢オチ)編 終わり



445: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:54:32.30 ID:ggCaMxiU.net

 善子の家

ピピピ

善子「うっ……もう朝なの……?」

ピピピ

曜「むにゃ……」

ピピピ

善子「頭痛い……」

ピピピ

曜「えへへ善子ちゃん……」

ピピピ

善子「もう少し寝かせて……」カチッ

シーン

曜「だから大きい方も大丈夫だってば……」

善子「どんな夢見てんのよ!」パシッ

曜「んあっ!? な、何だ夢か……」

善子「もう準備しないと朝練に遅れちゃう……」

曜「あっ、すぐ朝ごはん作るからね」スタッ

善子「軽いものにしてね……」

曜「うん、ハンバーグだね!」

善子「嫌よ。カツカレーも嫌……」

曜「お茶漬けにしよっか」

善子「ご飯炊いてあるの……?」

曜「もちろん、寝る前にタイマー掛けたからね」

善子「いつセットしたのよ……」

曜「善子ちゃんが寝ちゃった後だよ」

善子「えぇ……? あの後?」

曜「うん。いくら疲れてても翌朝のご飯は作らないと」

善子「何なのその使命感は」

曜「やだな、嫁として当然だよ」

善子「朝から元気ね……」ハァ



446: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:56:24.19 ID:ggCaMxiU.net

曜「あっ、今のは誤解される発言だね。撤回して」

善子「は?」

曜「下ネタはよくないと思います」

善子「どんな頭してたら下ネタに聞こえるのよ」

曜「そこは『女の子でしょ!』って突っ込んでほしいなぁ」

善子「えっ」

曜「ごほん、善子ちゃんは寝ぼけてるみたいだね。顔洗っておいで」

善子「曜さんこそ昨日の残り湯で目を覚ましたほうがいいんじゃない?」

曜「もう冷たくなってるよ」

善子「だからよ」

曜「いやいや、死んじゃうから」

善子「はぁ……何だか疲れたわ。休みたい……」

曜「私はゆっくり休めたけどね」

善子「どこがよ! 結局朝方まで寝かせてくれなかったじゃない!」

曜「エナジードリンクを山ほど飲んだから元気だよ」

善子「あ……私のおしっこのこと?」

曜「もちろん」

善子「私、曜さんのを山ほど飲まされたけどこの通りよ」

曜「私のおしっこには疲労回復効果はないみたいだね」

善子「私のにもないわよ」

曜「今度飲んでみれば?」

善子「自分のを? 冗談じゃないわ……」

曜「私も自分の飲んでみるからさ」

善子「飲んでみなくていいから……」

曜「おっと、朝ごはんの支度するんだった」スタッ



447: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:57:07.55 ID:ggCaMxiU.net

善子「分かってるわよ……」

曜「寝てたら置いていくからね」

善子「……」

曜「知らないよ?」

ガチャ バタン

 キッチン

曜「って言ってもお茶漬けならすぐ作れちゃうからなぁ」ガチャ

曜「うん、具材は冷蔵庫の物で何とかなりそう」バタン

曜「食べやすいように細かく刻んで……」トントン

曜「ご飯にかけるだけ」サッサッ

曜「あとはお茶を淹れるだけかぁ」

曜「……」

曜「善子ちゃーん! まだー!?」

シーン

……

ガチャ

曜「善子ちゃーん?」

善子「すぅ……」

曜「あっ、二度寝してる!」

曜「ほら起きて! 遅刻しちゃうよ?」ユサユサ

善子「眠いのよ……」

曜「起きないとキスしちゃうよ」

善子「……」スヤァ

曜「寝たふりしなくていいから」

善子「うるさいわねぇ、するならしなさいよ」

曜「しない」

善子「しないんだ……」

曜「いいから顔洗っておいで」

善子「分かったわよ……」

曜「ほら起きて!」グイッ



448: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:57:48.59 ID:ggCaMxiU.net

善子「わっ……」

曜「起きた? 起きたね?」ペチペチ

善子「起きたわよ」

曜「このままだとまた寝てそうだから洗面所まで連れてくよ」グイッ

善子「あれ? ここママの部屋じゃないの」

曜「そうだよ」

善子「ってことは……っ!?」バサッ

善子「ふぅ……。おねしょしなくてよかった」

曜「善子ちゃんはしてたけどね」

善子「曜さんが飲んだからセーフってこと?」

曜「そう。善子ちゃんがどうしてもここで寝たいって言うから焦ったよ」

善子「ママのベッドで?」

曜「善子ちゃん寝ぼけると駄々っ子になるから大変で」

善子「……」

曜「可愛かったからいいけどね」

善子「次もしママのベッドで寝ようとしたら殴ってでも止めなさいよ」

曜「何で?」

善子「もし濡らしたら困るからよ」

曜「まあ、そうだね。私も怒られるのは嫌だし」

善子「今日は助かったわ」

曜「うん。じゃあ行こっか」グイッ

善子「はーい……」フワァ

 洗面所

曜「さあどうぞ」

善子「お湯出した?」

曜「ちゃんと温まってるよ」

善子「ありがと……」クイッ

ザー

善子「……」バシャバシャ

曜「……」



449: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:58:26.28 ID:ggCaMxiU.net

善子「何よ」フキフキ

曜「寝起きの善子ちゃんを見られる機会もなかなかないからね」

善子「まあ、そうよね。合宿かお泊りでもしない限りママ以外の誰かに見せることないから」

曜「しばらく見られないんだと思うと寂しいなぁ」

善子「そんなに見たいの?」

曜「見たいよ」

善子「あっそ……」スッ

曜「あ、歯みがきするの?」

善子「ええ」

曜「私が磨いてあげようか」

善子「いいわよ、歯ブラシが変なところに当たって『おえっ』てなりそうだし」

曜「じゃあ私は磨いてね」

善子「『おえっ』てなっても知らないわよ」

曜「わざとやらないでよ」

善子「そこまでいじわるじゃないわよ」

曜「少しは自覚あるんだね……」

善子「いいから早く口開けなさい!」

曜「あーん」

善子「全くもう……」シャッシャッ

曜「……」

善子「もう少し口開けて」

曜「あー」

善子「……」シャッシャッ

曜「……」

善子「こんなものかしら。大体磨けたわよ」

曜「じゃあ今度は私が」

善子「私はいいって」

曜「いいから」

善子「本当にいいって」

曜「そんなに『おえっ』てなるの嫌?」



452: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:07:41.23 ID:ggCaMxiU.net

善子「嫌よ」

曜「じゃあ曜ちゃんの舌歯ブラシで磨いてあげる」

善子「おえっ」

曜「酷い」

善子「さすがに引くわよ」

曜「じゃあ普通の歯ブラシでいいよ」ムスッ

善子「結局自分で磨かせてくれないのね……」

曜「……」シャカシャカ

善子「……」

曜「……」シャカシャカ

善子「うっ」

曜「あ、ごめん」

善子「だからいいって言ったのに」ペッ

曜「やっぱり舌にしておけばよかった」

善子「自分で磨けばよかったわ」

……

 リビング

曜「あっ、ご飯冷めちゃったかな」

善子「お茶漬けだもの、お茶をかければ温まるわよ」

曜「そうだね」ジョボボ

善子「だからその音……」

曜「ん?」ジョボボ

善子「何でもない」カァアア

曜「はい、どうぞ」コトッ

善子「いただきます……」ズズッ

善子「あっつ!!」

曜「だから熱いから気をつけてねって言おうとしたのに」

善子「言ってよ!!」

曜「熱いから気をつけてね」

善子「遅いわよ」ヒリヒリ



453: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:08:32.81 ID:ggCaMxiU.net

曜「善子ちゃんって猫舌?」

善子「え? まあそうね。熱いお茶は冷ましてから飲むタイプよ」

曜「私は犬舌かなぁ」

善子「熱くても平気ってこと?」

曜「冷たい方が苦手かな」アハハ

善子「へぇ」

曜「善子ちゃんは猫舌だから氷水一気飲みできる?」

善子「できないわよ」

曜「えー……。猫舌っていつ役に立つの?」

善子「役には立たないわね」

曜「何だ、ただ可愛いだけか……」ズズッ

善子「可愛いのかしら……?」

曜「『こんな熱いの飲ませようとするなんてぇ……♡』」

曜「みたいな感じ」

善子「……」ズズッ

曜「可愛くないね」

善子「放っといて。それより……」

曜「嘘。可愛いよ♡」

善子「これ、まさかおしっこじゃないわよね?」

曜「えっ? ま、まさか」アハハ

善子「私が猫舌で味が分からないからって変な物食べさせないでよ」ズズッ

曜「いくら私でもご飯におしっこはかけないよ……」アハハ

善子「ならいいけど」ズズッ

曜「……」ドキドキ

善子「何よ、早く食べないとべちゃべちゃになるわよ」

曜「実はおしっこなんだよねこれ」

善子「げほっ!!? な、何ですって!?」

曜「匂いで分かるかと思った」

善子「お、おしっこ……!? これが!?」



454: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:11:17.88 ID:ggCaMxiU.net

曜「正確にはおしっこで淹れたお茶なんだけど」

善子「わーっ!!? ウチの急須で何やってるのよ!!」

曜「あれ、善子ちゃんの家はやらないの?」

善子「やらないわよ!!」

曜「ごめん、綺麗に洗っておくよ」

善子「洗っても嫌よそんなの」

曜「じゃあ新しいの買ってくるから、これはおしっこ用にすればいいね」

善子「おしっこ用って……」

曜「それにしても、おしっこで淹れるとお茶ってこんなにまろやかになるんだね」ズズッ

善子「ま、まあそれはちょっと意外だったわ」ズズッ

曜「朝一番だからかな?」

善子「体に悪そうね……」

曜「ご飯と具はまだあるから、今度は善子ちゃんのおしっこで食べたいな」

善子「私は嫌よ」

曜「何で? 私のは食べてくれたのに」

善子「どうして自分のおしっこで食べなきゃならないわけ?」

曜「じゃあ私だけ食べるから出して」

善子「……自分の、よく平気で食べられるわね」

曜「食わず嫌いはよくないね」アハハ

善子「そういう問題かしら……」ズズッ

曜「善子ちゃん、こういうのも平気なんだ?」

善子「え? 食べ物に使うってこと?」

曜「うん。もっと嫌がるかと思った」

善子「知ってたら絶対食べてないわよ」



455: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:12:04.81 ID:ggCaMxiU.net

曜「知っても食べてるってことは、美味しかったんだね」

善子「まあ、そういうこと……」ズズッ

曜「あ、おしっこはお代わりないからね?」

善子「……うん」

曜「もっと食べたかった?」

善子「……」ズズッ

曜「また今度ね」フフッ

善子「はい、ごちそうさま」ポンッ

曜「お粗末さま」

善子「急須は? 一度洗う?」

曜「え? 本当にやってくれるの?」

善子「……意外と美味しかったから」

曜「だよね!? 美味しいよね!?」

善子「黙って食べたら分からないかも」

曜「いや、さすがに分かるよ」

善子「私は分からなかったわ」

曜「分かってほしかったな……」シュン

善子「仕方ないでしょ猫舌なんだから!!」

曜「うん……」

善子「ほら、出すから急須持ってて」

曜「分かった」スッ

善子「……」

ショワァ

曜「うーん、いい匂い♡」

善子「朝だからちょっと臭いかも」ジョボボ

曜「そんなわけないよ。善子ちゃんのおしっこだもん」クンクン

善子「えぇ……」ジョボボ

曜「このまま飲んでいい?」

善子「ダメ。お茶漬けにするんでしょ」ジョボボ



456: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:13:49.75 ID:ggCaMxiU.net

曜「口つけて飲みたい……」

善子「ダメ! まだ朝なんだからそういうことは……」チョロ

曜「最後の一滴っ」ペロッ

善子「ひゃあん♡」ビクッ

曜「えへへ。善子ちゃんの可愛い声も頂きました」

善子「も、もう……!」カァアア

曜「さて、あとはお茶っ葉を入れてガスで沸かせば……」サッサッ

カチカチッ ボボッ

善子「朝からこんなことしてたの?」

曜「うん。実はもうお弁当も作ってあるんだ」

善子「えっ、いつの間に!?」

曜「ほら、洗濯物も干してあるでしょ」

善子「私と一緒に寝てたじゃないの」

曜「あれは二度寝だよ。やることないから善子ちゃんにいたずらした後寝ちゃったんだ」アハハ

善子「人が寝てるからって変なことしてないでしょうね……」

曜「してないよ」

善子「……」

曜「してほしかった?」

善子「なっ、何でそうなるの!?」

曜「してほしそうな顔してる」

善子「してない……」カァアア

グツグツ

曜「おっ、いい感じ」

善子「こんなにおしっこの匂いがするのにどうして気づかなかったのかしら……」

曜「善子ちゃんが火傷しないようにちょっと冷ましたからね」



458: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:21:49.82 ID:ggCaMxiU.net

善子「まあ、気持ちは嬉しいわ。それでも熱かったけど……」

曜「火傷するのは私だけで十分だよ」

善子「火傷したの? ちゃんと冷やした?」

曜「ううん、善子ちゃんの愛で私のハートが……」

善子「……」ハァ

曜「朝から滑った」

善子「朝だと余計についていけないわ」

曜「さてと」スッ

曜「お代わりお代わり」ジョボボ

曜「うーん、いい匂い♡」

善子「そういえば、お茶っ葉を先に入れてから沸かしたわね」

曜「あ、うん。そこに気づくとはさすが善子ちゃん」

善子「普通はお湯を沸かしてからお茶っ葉に注ぐような気がして……理由は知らないんだけど」

曜「おしっこと同じで、苦味を出さないためだよ」

善子「無理やりおしっこに例えなくていいわよ」

曜「実はお茶が美味しく出せるのは七十度くらいのお湯なんだ」

善子「へぇ。熱い方がよく出そうな気がするわ」

曜「そう。熱いとその分早く出せるんだけど、一緒に苦味まで出ちゃうんだよ」

善子「なるほど。今は時間がなかったから茶葉を入れて沸かしたってことね」

曜「あ、ううん。それもあるんだけど、おしっこの甘さが邪魔しちゃうかなって思ったの」



459: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:23:28.37 ID:ggCaMxiU.net

善子「確かに朝のおしっこって少し甘い匂いがするわね」

曜「だからお茶の香りを強く出したかったってわけ。苦味はおしっこのまろやかさである程度相殺できるかなー、なんて」

善子「……さすがだわ」パチパチ

曜「やめてよ、恥ずかしい」

善子「やっぱり私にもちょうだい」

曜「え、自分のだよ? いいの?」

善子「曜さんがそこまで考えてくれてるなんて思わなかった」

曜「あはは。私はいつだって善子ちゃんのことだけ考えてるよ」

善子「……」

曜「急に素に戻らないでよ。恥ずかしい」

善子「本当にそうしてくれればいいのに、って思っただけよ」

曜「お茶碗貸して。ご飯よそってくる」スッ

善子「ええ。ありがと」サッ

……

曜「はい、どうぞ。善子ちゃん風おしっこ茶漬けだよ」

善子「嫌な名前ね」

曜「メニューには『善子ちゃん風お(しっこ)茶漬け』って書くから大丈夫だよ」アハハ

善子「私風とか書かなくていい」フーフー

曜「うーん、これは紛れもなく善子ちゃんだね。風じゃないね」クンクン

善子「さっきよりおしっこの匂いが強い気がする……」



461: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:25:36.46 ID:ggCaMxiU.net

曜「もう少し時間をかけて出せばよかったかなぁ」

善子「何よ、私のおしっこは曜さんのより臭いってこと?」

曜「そんなこと言ってないよ。こんなに匂いがしちゃったら、食べた人は絶対善子ちゃんのおしっこが飲みたくてたまらなくなっちゃいそうってこと」

善子「他の人に食べさせるの!?」

曜「せっかくだしみんなにも食べてもらおうよ」

善子「嫌よ! 嫌すぎるわ!」

曜「私はもっとみんなにおしっこの良さを分かってもらいたいな……」

善子「分かってほしくないわね……」

曜「特に善子ちゃんのおしっこは世界一だと思う」ズズッ

善子「は? 他に飲んだことあるの!?」

曜「自分のと、善子ちゃんのママのと、善子ちゃんのだけだね」

善子「他の人のは飲まなくていいからね」

曜「さすがにそれは社会的にまずい気がするからね」アハハ

善子「いや、私の恋人としてよ。私のだけ飲めば十分でしょうが」

曜「うん、そうだね」ズズッ

善子「……どう?」

曜「最高」

善子「そう。じゃあ私も」ズズッ

善子「あっつ……くない?」

曜「善子ちゃんのは氷を三つ入れて冷ましたよ」



462: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:26:04.46 ID:ggCaMxiU.net

善子「変なところ気が利くんだから」

曜「えへへ」

善子「褒めてないわよ」ズズッ

曜「……」

善子「ところで、この具も曜さんが?」

曜「うん、作ったよ。冷蔵庫にあったものを切っただけだけど」

善子「お茶漬けの素もあったのに」

曜「おしっこを入れただけの食事を善子ちゃんに出せないよ!」

善子「いや、おしっこはともかく出していいから……」

曜「むしろお湯を入れた食事ばかりしないでよ」

善子「うっ……あれはたまに食べるから美味しいのよ」

曜「それにしても、よく今まで食べ物に使ってみようと思わなかったね?」

善子「普通は思わないわ」

曜「こんなに美味しいのに」ズズッ

善子「おしっこは好きだけど食べ物と合わせたくはないって言うか……分かるでしょ?」

曜「おしっこ好きなんだ?」

善子「好きじゃなかったら食べてないわよ」

曜「練乳をご飯にかけて食べたくはないのと同じかな?」

善子「そうよ。分かってるじゃない」

曜「私は善子ちゃんの練乳ご飯が食べたいけどね」



463: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:26:36.86 ID:ggCaMxiU.net

善子「私の練乳って何!?」

曜「あ、まだ出ないかぁ」

善子「出る予定ないけど」

曜「ママに出してもらうしかなさそうだな……」

善子「やめてよ気持ち悪い」

曜「善子ちゃんも飲んでたのに?」

善子「ご飯と一緒には食べたくないの!」

曜「私かけご飯は?」

善子「卵かけご飯みたいに言わないで」

善子「って言うか誰のだとしてもかけて食べようなんて思わないわよ」

曜「じゃあご飯かけ私?」

善子「ご飯との組み合わせから離れなさいよ……」

曜「うーん、善子ちゃんの好みを理解するにはまだまだ力不足かぁ」

善子「普通の料理でお願い」

曜「普通でいいの?」

善子「いいわよ」

曜「私の愛は?」

善子「それは入れておいて」

曜「うん!」エヘヘ

善子「おしっこじゃなくて気持ちの話ね」



464: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:27:09.84 ID:ggCaMxiU.net

曜「わ、分かってるよ」

善子「……」

曜「食べ終わった? すぐ片付けちゃうから着替えは待っててね」

善子「着替えて待つんじゃなくて?」

曜「私が着替えさせたい」

善子「えぇ……」

……

 善子の部屋

曜「今日はどんな服がいいかなー」

善子「学校行くんだから制服に決まってるでしょ」

曜「あ、そうか……」

善子「着替えるからあっち向いてて」

曜「うん」ジー

善子「あっち向いてて!」

曜「はーい」クルッ

善子「……」スルスルッ

曜「まだー?」

善子「もう少し」スルッ

善子「ん? 何か緩いような」

善子「ってこれ曜さんの制服!」



465: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:27:40.24 ID:ggCaMxiU.net

曜「リボン見なかったの?」

善子「まだつけてないわよ」

曜「じゃあ今日は一日制服交換で」

善子「えっ?」

曜「私は善子ちゃんのを着るね」

善子「いいけど、リボンは戻してね」

曜「リボンもセットだよ」

善子「それバレるやつ」

曜「意外とみんな気が付かないと思うよ」

善子「そうかしら……」

曜「じゃあこうしよう。誰かにバレるまではこのままで、バレたら戻るの」

善子「先生に怒られないといいけど……」

曜「あはは、今日の善子ちゃんは二年生なんだからバレないよ」

善子「えっ、学年まで入れ替わるの!?」

曜「そりゃ一人だけリボンの色が違ったら変だよ」

善子「リボンを交換するという考えはないのね」

曜「分かった、バレたら面倒だから交換してあげるよ」

善子「そもそも自分の制服着ればいいんじゃ……」

曜「はぁ……善子ちゃんの制服♡」クンクン

善子「待って、それがやりたかっただけ?」



466: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:28:12.53 ID:ggCaMxiU.net

曜「今日一日善子ちゃんの匂いに包まれて生活するんだね……」

善子「……お願いだから汚さないでよ」

曜「善子ちゃんの制服、ちょっとキツいね」ピチピチ

善子「曜さん、やっぱりダメ」

曜「大丈夫だよ、約束は守るから」

善子「じゃなくて! どう見てもサイズ合ってないじゃない!」

曜「何とか着れてるよ?」

善子「そんなに胸強調されてたら恥ずかしいわよ……」

曜「あ……」

善子「こんなの他の人に見せないでよ?」

曜「残念」スルスルッ

善子「やっぱりサイズが違うのよ……」シュン

曜「ほら、善子ちゃんも脱いで」スッ

善子「あっ……」ストンッ

曜「ごめん、ホックまで外しちゃった」

善子「無駄に手先が器用なんだから」

曜「うん、やっぱり自分のが落ち着くね」スルッ

善子「そうね」スルスルッ

曜「ちょっと善子ちゃんの匂いもついてるし、これでいいや」

善子「今の短時間で!?」



467: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:28:43.33 ID:ggCaMxiU.net

曜「今の私は犬だからね、嗅覚は人一倍だよ」クンクン

善子「そういえばその首輪まだつけてたのね」

曜「何だか気に入っちゃって……」アハハ

善子「外していきなさいよ」

曜「チョーカーだと思えばそう見えなくもないよね?」

善子「どう見ても首輪よ」

曜「没収されても嫌だし外すか……」カチャカチャ

善子「……」

……

 バス

善子「ねぇ、本当にみんなに言うの?」

曜「言おうよ」

善子「……」

曜「やっぱり嫌?」

善子「誤解されそうで心配なのよ」

曜「誤解って言うと……善子ちゃんと私が不純なお付き合いをしてる、みたいな?」

善子「一言にまとめればそういうことね」

曜「私がいかに本気で善子ちゃんのこと好きなのか熱く語ればいいのかな」

善子「熱くなりすぎて変なこと言いそう」

曜「それとも私たちの熱々ぶりを見てもらうとか」



468: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:29:20.14 ID:ggCaMxiU.net

善子「言い回しが古いわね」

曜「じゃあどんな熱いものならいいの?」

善子「熱さはもういいから」

曜「まあ、私としても善子ちゃんとは遊びだと思われるのは嫌かな」

善子「そう思われるようなことしてるの?」

曜「もちろん私はしてないよ? でも善子ちゃんはそう思ってるじゃん」

善子「……」

曜「本当は思ってるでしょ?」

善子「ほんの少し」

曜「……やっぱりね」フゥ

善子「自覚、あったなら直しなさいよ」

曜「だから公表したいんだよ」

善子「え?」

曜「もちろん私も気をつけるよ? これからは善子ちゃんがいるんだし、他の子に誤解されるようなことはしないようにしなきゃ」

曜「私は善子ちゃんだけの私なんだぞ、って自分にも言い聞かせるつもりでさ」

善子「結局他人任せね」

曜「……」

善子「他の人が曜さんに手を出してくるというよりは、曜さんから手を出さなければいいだけの話でしょ」

曜「手を出すなんて言い方やめてよ」

善子「すぐ人の頭を撫でたり、大好きって軽々しく口にしたり、やたらと抱きついたり」



469: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:29:52.69 ID:ggCaMxiU.net

善子「トイレ行くだけなのに手を繋いだり、ご飯のときあーんってしたり」

善子「あと、人の飲み物を間接キス目的で飲んだりするのやめなさいよ」

曜「そ、そんなことしてないよ……」

善子「誤魔化しても無駄よ。私全部見たことあるもの」

曜「う……」

善子「それとも本当に自覚がないわけ? だとしたら相当悪質ね」

曜「自覚はあります……」

善子「こんなの私じゃなくても嫉妬するわよ」

曜「ヤキモチ善子ちゃんも可愛いよ?」

善子「私が同じこと他の子にしてたら嫌じゃないの?」

曜「え?」

善子「私が他の子にも大好きって言ったりキスしてって言ったり」

善子「頭撫でてって言ったりご飯食べさせてって言うの」

曜「善子ちゃんそんなこと言ってる?」

善子「例えばの話よ」

曜「私にすら言わないじゃん」

善子「大好きは言ってるつもりよ」

曜「えへへ」

善子「……っと! すぐそうやって話を逸らすのもやめて!」

曜「はい……」



470: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:30:25.13 ID:ggCaMxiU.net

善子「いい? 本当に私のことが好きなら約束して」

曜「約束するよ」

善子「何をよ。まだ聞いてないでしょうが」

曜「何でもだよ」

善子「すぐ『何でも』って言うのもやめて」

曜「本当のことなのに」

善子「とにかく、私以外にそういうことはしないで」

曜「善子ちゃん以外に?」

善子「そうよ。普通はそんなことしないんだから」

曜「みんなしてそうだけどなぁ」

善子「しないわよ! 一度でも見たことあるの?」

曜「……ないかも」

善子「でしょ? 普通はそういうのは恋人にしかしないのよ」

曜「……」

善子「曜さんの恋人は私一人でしょ。だから私だけにすればいいの」

曜「……」

善子「え、まさか私以外にも恋人がいるなんて言わないわよね?」

曜「言わないよ!! さすがにそれは私でもしない!」

善子「したらどうする?」

曜「え、私がもし浮気したら?」



471: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:30:53.53 ID:ggCaMxiU.net

善子「そうよ」

曜「えっと……それは善子ちゃんが決めればいいような」

善子「私の言うことを何でも聞くってのはもう約束してるからダメ」

曜「それ以外で? うーん……」

善子「……」

曜「善子ちゃんの犬になるよ」

善子「昨日なったわよ」

曜「鎖で繋いでケージに閉じ込めていいよ」

善子「えっ」

曜「私が善子ちゃんのことしか見えなくなるまでたっぷりおしおきしていいよ」

善子「本当に?」

曜「えっ、ほ、本当だよ?」

善子「言ったわね。撤回は許さないから」

曜「え……もしかして善子ちゃん、そういうことしたいと思ってる?」

善子「さあ? それは曜さん次第かしらね」

曜「ひぇっ……」

善子「今のは半分冗談だけど」

曜「半分も本気なの!?」

善子「悪い!?」

曜「う、ううん……」



472: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:31:26.56 ID:ggCaMxiU.net

善子「何よその目は」

曜「で、でも私が善子ちゃんに飼われたすぎてわざと浮気するかも……」

善子「本気で曜さんのこと嫌いになるわよ」

曜「それは嫌」

善子「だったら冗談でもそんなこと言わないで」

曜「善子ちゃんに嫌われたら私死んじゃうよ」

善子「だから冗談でもそういうことは」

曜「本当だもん」

善子「……」

曜「私、まだ善子ちゃんの恋人として自覚が足りないかもしれないけどさ」

曜「善子ちゃんに嫌な思いはさせたくないよ」

曜「だからいきなり全部はできないかもしれないけど……」

曜「約束する。善子ちゃん以外にはしない」

善子「何をしないの? 言ってみなさい」

曜「すぐ人の頭を撫でたり、大好きって軽々しく口にしたり、やたらと抱きついたり」

曜「トイレ行くだけなのに手を繋いだり、ご飯のときあーんってしたり」

曜「人の飲み物を間接キス目的で飲んだりしないよ」

善子「何で一言一句覚えてるわけ……」

曜「自覚はあるからね」アハハ

善子「本当に悪質ね」



473: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:32:00.83 ID:ggCaMxiU.net

曜「だってヤキモチ善子ちゃんが可愛いんだもん」

善子「だからって今後は絶対にしないで!」

曜「うん」

善子「やっぱり公表して正解だわ」

曜「私もそう思う」

善子「曜さんは私のリトルデーモンだから絶対手を出させないでってみんなに教えなきゃ」

曜「その言い方は誤解されるような気が……」

善子「構わないわよ。それで曜さんが他の子に手を出さなくなるなら」

曜「……」

善子「まずは朝練の前にAqoursのメンバーに言いましょ」

曜「そうだね。でも練習どころじゃなくなったら申し訳ないなぁ」アハハ

善子「そのときはそのときよ。まあ、たぶんみんな切り替えてやるとは思うけど」

曜「うん」

善子「私が言うから、曜さんは余計なこと言わなくていいからね?」

曜「私、そんなに信用ないかな?」

善子「そうじゃないわよ」

曜「じゃあ二人で言おうよ」

善子「変なこと言いそうになったら引っ叩くからね」

曜「言ってから引っ叩いてよ」

善子「それじゃ遅いでしょ?」



474: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:32:35.24 ID:ggCaMxiU.net

曜「うーん、私何回叩かれるんだろう……?」

善子「せいぜい気をつけなさい」

曜「はーい……」

……

 屋上

曜「おはヨーソロー!」ゞ

シーン

曜「あれ?」ポツーン

善子「どうしたのよ」

曜「誰も居ないんだけど……」

善子「え? 今日は朝練なしなんて聞いてないわよ」

曜「私も聞いてない……」

善子「時間的にもそろそろ誰かいてもおかしくないのに」

曜「もうちょっと待ってみようか」

善子「ええ、そうね」

 五分後

曜「つまんなーい」ツンツン

善子「まだ五分しか経ってないわよ」

曜「朝練の時間終わっちゃうよ?」

善子「うーん……」



475: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:33:13.70 ID:ggCaMxiU.net

曜「ねっ、ねっ」トントン

善子「何よ。言っとくけど学校ではべたべたしてこないでよ」

曜「でも公表するんだよね?」

善子「公表はするけどべたべたしていいとは言ってない」

曜「むぅ」プクー

善子「そんな顔しても可愛いだけよ」

曜「……」カァアア

善子「何よ、自分は平気で言うくせに」

曜「恥ずかしいんだもん……」

善子「私に負けず劣らず曜さんも面倒くさいわね」

曜「善子ちゃんほどじゃないよ」アハハ

善子「何ですってぇ!?」

曜「そんな面倒くさ善子ちゃんにはこれ!」サッ

善子「首輪っ!? 置いてきたんじゃなかったの!?」

曜「外したけど置いてくるとは言ってないよ」

善子「そんなもの持ってきて……」

曜「もちろん、善子ちゃんがつけるんだよ」

善子「バカなこと言わないで。もう首輪はこりごりよ」

曜「あはは、じゃあ私が」スッ

善子「ちょっやめなさいって! 誰かに見られたら!」



476: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:33:45.25 ID:ggCaMxiU.net

曜「私がつけてるだけなのに? 善子ちゃんには迷惑かからないと思うけど」

善子「そういう問題じゃないの!」

曜「あ、もしかして自分以外には見せたくない……とか?」ニヤニヤ

善子「べ、別にいいでしょ何でも」

曜「うんうん。ヤキモチ善子ちゃんがやっぱりいちばんだね」

善子「うるさいわね……」カァアア

曜「キスしてもいい?」

善子「はぁっ!? ダメに決まってるでしょ。学校よここ」

曜「誰も見てないよ」

善子「見てなくてもダメ!」

曜「んー……♡」

善子「そんな顔してもダメなものはダメよ」

曜「早くしないとみんな来ちゃうよ」

善子「……」

曜「早くぅ」

善子「……っ」チュッ

ザワッ

曜「えっへへー! 善子ちゃんと学校でキスしちゃった!」

善子「あ、あんたたち……っ!!」

曜「え?」



477: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:34:21.63 ID:ggCaMxiU.net

千歌「曜ちゃんやるーぅ!」ヒューヒュー

ルビィ「おめでとう善子ちゃん!」パチパチ

ダイヤ「お、お二人には後で話があります」カァアア

果南「やめなよダイヤ。まだキスしただけじゃん」

鞠莉「そうよ、挨拶のkissかもしれないでしょ?」ニヤニヤ

ダイヤ「き、キスも校則違反です!!」

曜「そ、そんな校則ありましたっけ……」

ダイヤ「たった今追加しましたわ」

果南「まためちゃくちゃなこと言い出したよこの人は」

鞠莉「職権濫用デース☆」

ダイヤ「鞠莉さんにだけは言われたくありませんわね……」

善子「……」

花丸「よ、善子ちゃん……噂は本当だったの」カァアア

梨子「実際に見るとこんなに恥ずかしいのね……」カァアア

善子「だからやめてって言ったのよ……」カァアア

曜「い、今のは違くて! これはその、みんなが思ってるようなそういうことじゃ……」

千歌「『えっへへー! 善子ちゃんと学校でキスしちゃった!』」グヘヘ

曜「そんな気持ち悪い言い方はしてないよ」

千歌「こんな顔してたよ」グヘヘ

鞠莉「ちゃんと幸せにしてあげるのよ?」



478: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:34:58.42 ID:ggCaMxiU.net

善子「えっ私? 曜さんじゃなくて?」

鞠莉「キスの仕方、後で教えてあげるから……♡」

善子「……」ドキドキ

果南「鞠莉? 善子困ってるじゃん」

鞠莉「今のは少ーし期待しちゃってたわね?」

果南「えっ」

善子「し、してないっ! 微塵もしてないわよ!」

花丸「昨日デートしてたのってやっぱり二人だったずら?」

曜「見てたの?」

ルビィ「花丸ちゃんとお買い物してたら二人の声が聞こえて……」

善子「声かけなさいよ! まさか尾行とかしてないでしょうね!?」

ルビィ「し、してないよ……? 本当だよ?」

花丸「マルたちの行く先にたまたま二人がいただけずら……」

善子「してたんじゃない!」

梨子「ね、ねぇ曜ちゃん? さっき首輪持ってたけどあれ何かな……」

曜「あー、あれはね? 善子ちゃんとふた」

善子「何でもないから!! 曜さんも余計なこと言わないの!」

梨子「後で詳しく聞かせてね……?」

善子「絶対嫌!!」

ダイヤ「詳しい事情は後で聞くとして。時間もありませんので朝練始めますわよ!」



479: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:35:43.94 ID:ggCaMxiU.net

……

 朝練後

善子「曜さんのせいで酷い目にあったわ……」ハァ

曜「何だかんだでみんなおめでとうって言ってくれたね」

善子「そうだけど……たぶん梨子さんあたりは誤解してるわよ」

曜「首輪でそういうことしてるんじゃないかって……そんなわけないのにね」アハハ

善子「えっ」

曜「したね」

善子「絶対内緒だからね? それバレたらもう学校来られなくなるわよ」

曜「首輪のことはともかく、おしっこのことはバレたくないよね」アハハ

善子「当たり前よ! 曜さんと違って私は学校じゃ漏らしてないんだから……」

曜「私がおしっこ好きってことは千歌ちゃんと梨子ちゃんは知ってるんだけど」

善子「教えたの?」

曜「前に尿検査のときに……」

善子「待って、その話聞きたくない」

曜「袋に名前書く前にどっちがどっちのおしっこか分からなくなっちゃってさぁ」

善子「だから聞きたくないってば」

曜「飲んでないよ? 匂いだけで当てたもん」

善子「よく友達やめなかったわね……」

曜「あはは、そんなことで絶交してたらもう何十回も絶交してるよ」



480: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:36:20.58 ID:ggCaMxiU.net

善子「他に何したのよ!!」

曜「聞きたくないんじゃなかったの」

善子「聞きたくない!」

曜「善子ちゃんも誤解されないように気をつけてね」

善子「どう考えても曜さんのせいでしょ……」

曜「私も学校では気をつけないと」

善子「ええ。学校じゃなくても人前では気をつけてよね」

曜「分かった。私も善子ちゃんに嫌われたくないし……」

善子「……」

曜「行こうか? みんな気を遣って先に行ってくれたけどたぶんどこかで聞いてるよ」

善子「……手」ボソッ

曜「何?」

善子「繋いでもいい?」ボソッ

曜「善子ちゃん大好き」ギュッ

善子「こら! 手を繋いでって言ったのよ! 離して!!」

曜「離さないよ」

善子「また誰か見てたらどうするのよ……」カァアア

曜「誤解されるようなことしてないもん」

善子「してる! またダイヤに怒られるわよ?」

曜「私が善子ちゃんのこと好きなのは本当だよ」



481: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:36:58.72 ID:ggCaMxiU.net

善子「……」

曜「善子ちゃんも私のこと好きでしょ?」

善子「……嫌いよ」

曜「そんなぁ」

善子「嫌いだからくっつかないで!」バッ

曜「待ってよ善子ちゃん」

善子「曜さんのことは好きだけど……人前でこういうことするのは嫌い」

曜「……」

善子「手、繋いであげるから。それで我慢しなさい」スッ

曜「えへへ」ギュ


カミングアウト編 終わり



483: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 16:06:06.15 ID:ggCaMxiU.net

お疲れ様でした
いよいよ容量が増えてきて文字数制限がかかるようになってきました
1レズ30行(空行除く)から25行、ついに20行まで減らしている状況です
(ちなみにとっくに10万字超えてます)


カミングアウトとは言ったもののそこまで大掛かりなネタばらしはしてませんね
二人が付き合っていることは薄々他のメンバーも気づいていたようですし

でも曜ちゃんとしてはみんなの前でも遠慮なく善子ちゃんに抱きついたり撫で撫でできるわけですね
善子ちゃんはもう少し二人の秘密にしておきたかったようですが
たぶん少しほっとしているとは思います

ここに来てだいぶ二人のすれ違いはなくなってきたかな?
曜ちゃんが浮気しそう、との指摘がありましたので一応釘は刺したつもりです
善子ちゃんは言うまでもなく重たいですが、曜ちゃんもなかなか重たいことを言いますね
(果たしてそれが本心なのか……という不安はなくはないですが)
どちらにしてもまだ完全に理解し合えていないみたいです



484: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 17:32:43.81 ID:/BnqMQvY.net

乙です
カミングアウトが良い方向に向かうことを祈ろう


元スレ
曜「善子ちゃんをくすぐり続けたら失禁した」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1513854343/