1: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:06:59 ID:n/4RxDgQ

男「あ、間違った。度胸無いな、だ」

幼「わざとだろ?そうなんだろ?なぁ、そうなんだろ?」

男「はは、たった一文字違いじゃん」

幼「文字で書くとな?でも口に出したら全然違うよな?」

男「まぁまぁ。落ち着けよ、幼」

幼「……」

男「今問題なのは胸が有るか無いかじゃないだろ?」

幼「お化け屋敷…」ゴクリ



2: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:07:51 ID:n/4RxDgQ

男「いや、幼がどーーしても入りたくないなら別に良いんだぜ?」

幼「は、入るよ!なんだよ、こんなちゃっちいの!」

男「あんま大声で言うなよ。中の人怒っちゃうぞ?」

幼「ふん!別に問題ないつーのっ!」

男「普段より多めに脅かしてくるかもよ?」

幼「っ…!!」

男「ほらほら、どうする?」



3: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:08:32 ID:n/4RxDgQ

受付「あの…どうなさいますか?もし宜しければ、後ろのお客様から先に…」

男「あ、そうですね、俺ら邪魔ですね。ほら幼、ちょっと道あけて…」

幼「わ、私たちから入りますし!」

受付「そ、そうですか?それでは…」

男「幼、大丈夫なん?」

幼「も、もちろんだっつーの!」

受付「それではどうぞ」

幼「おう!ちょちょいとヒネってやるっつーの!」

受付「あの、それはちょっと…」



4: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:09:11 ID:n/4RxDgQ



お化け屋敷内

幼「……」
ぎゅーっ

男「幼、薄暗いんだから、目開けてないと危ないぞ?」

ぱちっ
幼「つ、瞑ってねーよ!ちゃんと開けてるっつーの!」

男「そうか?なら良いんだけど」

幼「…」

男「ほら、幼」

幼「なんだよ、目ならちゃんと…」



5: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:09:53 ID:n/4RxDgQ

男「それは解ったから」
さっ

幼「あ?」

男「ちょっと段差があるから、手出しなよ」

幼「お、おう」
ぎゅうっ

男「ちょっと痛いよ」

幼「し、しっかり握らねーとだろが!」

男「そうだな」
ぎゅっ



6: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:10:42 ID:n/4RxDgQ

幼「さ、さっさと先に進むぞ!」

男「何があっても慌てて走ったりすんなよ」

幼「は、ははっ…そんな事ある訳…」
バサッ
お化けA「ギャーーーー!」

幼「ぎゃーーーーーーっ!!!!!」
ダッ



7: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:11:19 ID:n/4RxDgQ

男「言ったそばから…」
ぐいっ

幼「あ、あわわ…」

男「落ち着け、幼」
ぎゅうっ

幼「あ、あう…」

お化けA(何抱き合ってんだよ、リア充め…)



8: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:12:00 ID:n/4RxDgQ

男「…落ち着いたか?」

幼「お、おう…」

幼「!」
ばっ
幼「つーか、どさくさにまぎれて、抱きついてんじゃねぇ!」

男「だってそうしないと危なかっただろ?」

男「転んで怪我でもしたら大変だし」

幼「…」

男「それに、走って先に進んだら、そこにもお化けがいるんだぞ?」

幼「う…」



9: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:12:41 ID:n/4RxDgQ

男「だからほら、手」
すっ

幼「うん、あ、ありがとう…」
ぎゅっ

男「いつもそんなに素直なら良いのになー」

幼「私はいつでも素直だっつーの」

男「そうかそうか」

幼「…そうだよ」

男「そんじゃ、先に進むぞ?」

幼「お、おうよ」

幼(ちっくしょう…なんでこんな事に…)



10: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:13:36 ID:n/4RxDgQ



4日前

男「は?賭け?」

幼「おう!賭けだ!」

幼「勝負事は何か賭けた方が燃えるだろ?」

男「んー、何を賭けるんだ?言っとくが金は駄目だぞ?」

幼「負けた方が一番苦手な弱点を晒して、克服するってのはどうだ?」

男「弱点…ねぇ?」



11: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:14:33 ID:n/4RxDgQ

幼「どうだ?もちろん受けるだろ?」

男「あー、まぁいいぜ」

幼「うっし!んじゃやろうぜ!」

男「その前に、お互い苦手な事を事前に紙に書いておこうぜ」

幼「あん?」

男「後で、苦手な事を無かった事にしない為にさ」

幼「ははは、良いなそれ。そうしようぜ」

幼「ちゃんと苦手な事書けよ?」

男「そっちこそ」



12: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:15:14 ID:n/4RxDgQ

幼「へへっ、武士に二言はねーぜ」

男「はは、武士なのかよ」

幼「おうよ!心はサムライだぜ!」

男「書いた紙は別々の封筒に入れておこうぜ」

幼「へっへっへ…私が苦手なのは…っと」
カリカリ

男「苦手な事なぁ…」
カリカリ



13: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:16:51 ID:n/4RxDgQ

男「よし、そんじゃ、今日は何の勝負にすっかな?」

幼「へっへー。今日はソフト持参なんだぜ!」

男「お?」

幼「プレステ出せよー」

男「天地を喰らう2?懐かしいなー」

幼「だろだろ?」

男「でもこれでどうやって勝負するんだ?」

幼「最終面クリアした時のスコアで勝負だ!」

男「なるほど、受けてたつぜ」

幼「行くぜっ!」



14: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:17:48 ID:n/4RxDgQ



関羽『敵将、曹操、討ち取ったりー!』
ジャーンジャーーン

幼「う…」

男「さて、最終スコアはどうなるかな?」

幼「私の方が沢山ボスを討ち取ったはずだ!」

男「でも呂布は俺が倒したからなぁ」

幼「むぅ…私の趙雲は負けてない!」



15: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:18:32 ID:n/4RxDgQ



男「…まぁ結果、俺の圧勝だった訳だが」

幼「そんな馬鹿な…」

男「関羽の方が敵の突進を止めやすいし、使いやすいんだよ」

男「あと、幼は空中投げを狙いすぎだよ」

幼「だって、格好良いだろ?空中投げ!」

男「格好良いけど、点数には結びつかないからな」

幼「ぐぐぐ…特訓してきたのにっ!」



16: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:19:20 ID:n/4RxDgQ

男「さーて…幼の苦手な事は何かなー?」
ガサガサ

幼「うぐぐ…」

男「何なに?……お化け?」

幼「そ、そうだよ…私の弱点はお化けだよっ」

男「まぁ、知ってたけどさ」

幼「くっそー!男の弱点を暴くつもりがっ!」

男「さて、どうやって克服するかなぁ?」



17: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:19:58 ID:n/4RxDgQ

幼「お、お化けなんて本当はこの世には居ないんだぜ?」

幼「克服しようがないじゃんか」

男「あー、そう言えば」

幼「な、何だよ」

男「近くの遊園地にお化け屋敷があるじゃんか」

幼「お、お化け屋敷?そんなのあったかな?無かったんじゃないかな?」

男「あそこ、改装して前より怖くなったらしいな」

幼「つ、作り物じゃねーか、ハハ」



18: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:20:45 ID:n/4RxDgQ

男「んじゃ、今度の日曜、一緒に行こうぜ」

幼「わたっ、私は!作り物のお化けは全然怖くねーよ!」

男「それを証明する為にもさ」

幼「に、日曜は用事が…」

男「おいおい、武士に二言は無いんじゃ無かったのかよー」

男「逃げるのか?」

幼「逃げねーよ!解ったよ!行ってやんよ!」

幼「時給制のアルバイトお化けなんざ、片手でヒネってやんよ!」

男「じゃあ、日曜日、朝からな」

幼「お、おぅ…」



19: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:21:28 ID:n/4RxDgQ

遊園地に行く前日

幼「くっそー…まさかこんな事になるとは…」

幼「よりにもよってあそこの遊園地のお化け屋敷かよ…」

幼「私がお化け苦手になった原因じゃねーか!」

幼「正直行きたくねぇ!」

幼「……」

幼「でもなぁ…」

幼「こっちからふっかけた勝負だったしなぁ……」



20: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:23:38 ID:n/4RxDgQ

幼「それに、あれからもう6年くらい経ってるし」

幼「今見たら、結構子供だましかも…」

幼「てか、行くしかねーな!」

幼「私の数少ない弱点を克服するチャンスって考えれば良いんだ!」

幼「そうだ…うんうん、そう考えれば良いんだ!」

幼「それにこれって、デ、デートだし?」

幼「男とデート…」



21: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:24:15 ID:n/4RxDgQ

幼「作り物のお化けをぶっ飛ばして、弱点克服!」

幼「その後、男と遊園地を堪能!」

幼「そして2人はいい感じに……」

幼「おいおい、すげー良い事尽くめじゃねーか!」

幼「ちょっとワクワクしてきたぜ!」

幼「そうとなったら、明日に備えて早く寝るか!」
パチン
幼「……」

幼「……デート」モンモン



22: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:24:53 ID:n/4RxDgQ

翌朝

幼(くっそ…興奮してほとんど眠れなかったぜ……)

男「幼、体調悪いのか?」

幼「んな事ねーよ」

男「ならいいけど…」

幼「さ、行こうぜ!」



23: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:25:29 ID:n/4RxDgQ

現在


お化けB「置いてけぇ…その首、置いてけぇぇぇ!」
ガバーーッ

幼「ぎゃーーーー!」



お化けC「足元に落ちてないですかねぇ…」

幼「な、何がだよ」

お化けC「私のハラワタがぁぁぁぁ」
ガバーーッ

幼「ぎゃーーーーー!」



24: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:26:10 ID:n/4RxDgQ



お化けD「……」
ズルリズルリ

幼「お、おい…あれ、あいつ、か、下半身無くないか?」

男「そう見えるな…」

お化けD「お前の足を俺にくれぇぇぇぇ」
ズルズルズルズル

幼「ぎゃーーーーーー!」



25: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:26:49 ID:n/4RxDgQ

幼「は、速ぇぇ!ど、どんな仕組みだっ!」

お化けD「イヒヒヒ…俺は本物だからなぁ…」

お化けD「仕掛けなんてねぇよ…イヒヒヒ」
ズルズルズルズル

幼「ほ、本物だっ!あの動きは本物のお化けだっ!」

幼「ダメだ!逃げられねぇ!男っ!もう倒すしかねぇ!」
グググッ

男「いや、それは駄目だから」
ガシッ



26: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:27:31 ID:n/4RxDgQ



幼「ハァ、ハァ…逃げ切れたか…」

男「うん、そろそろ出口かな?」

幼「やっと終わりか…」

男「あ、あそこ明るくなってるな」

幼「い、急ごう!男っ!」
ダダダッ

男「あっ!待てっ幼!危ないから走るなっ!」

バリバリバリーー

幼「ギャーーーーーーーーーーー!」
バタッ



27: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:28:26 ID:n/4RxDgQ




幼「……っ!」
ガバッ

男「お、やっと気付いたか。良かった良かった」

幼「て、敵はどうなった?私はどうなったんだ?」

男「出口直前の壁から作り物の手がいっぱい出てきて」

男「それ見て気絶したんだよ」

幼「き、気絶…だと?」

男「頭打たなかったから、大丈夫だと思って救急車は呼んでない」

男「そんで広場のベンチで寝てた訳だ」

男「俺の膝枕でな」



28: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:29:07 ID:n/4RxDgQ

幼「畜生!屈辱だーーっ!」

男「ほら、目が覚めたんならそろそろ帰ろうぜ」

幼「え?今何時だよ?」

男「もう4時回ったな」

幼「気絶じゃなくて、ただ寝てたんじゃねーか!」

幼「だーーーー!何やってんだ私!」

幼「予定が…計画が…くっそーーーー!」

男「取り敢えず落ち着け」



29: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:29:47 ID:n/4RxDgQ

幼「うぐぅ…」

男「まぁ、また来れば良いだろ」

男「遊園地は逃げないし、お化けも克服してないしな?」

幼「……ニヤついてんじゃねぇよ」

男「ところで予定と計画って何だ?何か考えてたのか?」

幼「それはお化けとは関係無いから内緒だっ」

男「ん、そうか」

幼「帰るぞ!男っ!」

男「へいへい」



30: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:30:32 ID:n/4RxDgQ



帰りの電車の中

男「結構混んでるな…」

幼「ん?そうだな…はぁ……」

男「何?まだ落ち込んでる?」

幼「な、何でもねーよ」

男「気になるんだが」



31: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:31:13 ID:n/4RxDgQ

ガタタン
ギューーー
幼「いてててっ」

男「大丈夫か?」

幼「後ろから押された…すげー痛い…」

男「…こっち側に」
ぐいっ
幼「……向かい合わせに立つってどうなんだよ」

男「幼の後ろは壁だし、前は俺の鉄壁のディフェンスだぞ?」

男「幼の事をしっかり守るぜ」

幼「あ、ありがと…」



32: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:31:56 ID:n/4RxDgQ

幼「……顔近けぇな」

男「そこは我慢してくれ」

幼「……別にイヤじゃねぇし」

男「ん、そか」

幼「あ、あのよ、男」

男「ん?」

幼「えっと、その…なんつーかさー」

幼「これ聞くのはルール違反かもしれねーけどよー」

男「何だよ、歯切れ悪いな」

幼「男のよー、じゃk」



33: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:32:35 ID:n/4RxDgQ

ガタタン
ギューッ
男「うぉっと」

幼「だ、大丈夫か、男」

男「大丈夫大丈夫」

男「俺は大丈夫なんだけど…」

幼「ん?」
ぎゅうっ



34: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:33:09 ID:n/4RxDgQ

男「俺の身体に手回しちゃってるんだが?」

幼「……しばらく良いだろ、掴まる所無くて不安定だったし」

男「……あー、うん」

幼「嫌か?」

男「嫌じゃないけどさ…」

幼「何だよ」

男「胸当たってるんだけどさ」

幼「なっ!?」

男「胸無いな」

幼「何だとこの野郎!」



35: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:33:53 ID:n/4RxDgQ

男「でも度胸はあるな」

幼「お、おう…?」

男「電車内で抱きついてきたりってさ」

幼「…こりゃ不可抗力だから良いだろ、別に」

男「あぁ、良いよ」

男「で?さっき何か言いかけたのは何だ?」

幼「あー、あのさー、言いたくなかったらさー、別に答えなくても良いんだけどよー」

男「何だよ」



36: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:34:29 ID:n/4RxDgQ

幼「男の弱点って何だ?」

男「俺の弱点なぁ」

幼「勝負に負けた私に聞く権利無いんだけどよー」

幼「でも、聞いてみたいんだ」

男「何で?」

幼「男って、勉強も運動もソツなくこなすじゃん?」

男「そうか?」



37: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:35:12 ID:n/4RxDgQ

幼「クラスの連中、分け隔て無く接してるだろ?」

男「普通だろ」

幼「先輩や後輩からも頼りにされてるしよー」

男「そうかなぁ」

幼「そうだろ。自覚ねーのかよ」

男「俺は普通だと思うがなぁ」

幼「…あと、男が何かにビビってるの見た事ねーし」

男「んー」



38: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:35:55 ID:n/4RxDgQ


幼「あの賭けの紙に何て書いたんだ?」

男「……」

幼「あ、言いにくいなら良いんだ別に、うん」

男「…悪用しないって約束出来るか?」

幼「悪用?それをネタに脅すとか?しねーよそんな事、ははは」

男「……幼」

幼「なんだよ?」



39: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:37:07 ID:n/4RxDgQ

男「だから、幼だって」

幼「だから、なんだよ」

男「俺の弱点」

幼「は?」

男「俺が一番怖いのは幼さんです」

幼「い、意味がわからねーんだけど」

幼「私が怖いってどう言う意味だよ」



40: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:38:01 ID:n/4RxDgQ

男「あー、結構混んでる電車の中で話す事じゃねーと思うんだけどゴメンな」

幼「ん?なんで謝るんだよ」

ぎゅっ

幼「お、おい、男?」

男「俺、お前の事大好きなんだよ。知ってたか?」

幼「なっ!?」

男「声デカいよ」



41: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:38:45 ID:n/4RxDgQ

幼「な、何言ってんだよいきなり」

男「ん?マジなんだけど」

幼「そんなの電車の中でする話しかよ!」

男「だから最初に謝っただろ」

幼「謝って済む話しかよ!」

男「また声デカくなってるぞ」

幼「でもお前っ…」



42: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:39:26 ID:n/4RxDgQ

男「俺は今、幼の顔を見るのが一番怖い」

幼「何でだよ?」

男「返事を聞くのが怖いから」

幼「んん?」

男「幼はすぐ顔に出るからさ」

男「きっと解かっちまう」

幼「……」



43: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:40:39 ID:n/4RxDgQ

男「幼が今、何を考えているのかが」

男「だから今、幼の事ぎゅっと抱きしめてるの、照れ隠し」

幼「照れ隠し?」

男「今、俺、きっと顔真っ赤だからな」

幼「そ、そうかよ…」

男「だからしばらくこうしてて良いか?」

幼「お、おぅ…」



44: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:41:15 ID:n/4RxDgQ




『次は~薬師如来前、薬師如来前~。お出口、左側になりま~す』

男「おっと…着いちまったな」

幼「……おぅ」
プシュー

男「ほら、降りるぞ」

幼「……」
ぎゅうっ

男「どうした?」

幼「もうちょっと、このままでいたい…」

男「!」

幼「ダメか?」



45: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:41:56 ID:n/4RxDgQ

プシュー
ガタンガタン…
男「…まぁ、こんな事もあるよな」

幼「すまねーな…」

男「……俺も」

幼「ん?」

男「実は俺も、もうしばらく、こうしていたかった」

幼「そっか…へへっ。たまにはこんな事もあるよな?」



46: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:42:42 ID:n/4RxDgQ

男「あぁ…こうなっちゃうのが怖かったんだよなぁ」

幼「何がだよ?」

男「俺が幼の事怖いって言ったのはさー」

男「言っちゃったら、今までの関係が壊れそうで怖かったんだ」

幼「そんなのが怖かったのかよ、はは」

男「俺にとってはかなり重要な事だったんだよ」

幼「私が男の事を嫌いって言う訳ないだろー」

幼「私も男の事が大好きだぜ?昔からなー」

男「お、おぅ…さらっと言うんだな」



47: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:43:43 ID:n/4RxDgQ

幼「何だよ、何か変か?」

男「だってさっき大きな声出しただろ?」

幼「ありゃちょっとビックリしただけだよ」

男「ちょっとビックリ…か」

男「恥ずかしいーとか、拒絶されたらどうしようーとか…」

男「そんなマイナス思考一切無いのな?」

幼「そんな事考えた事ねーな」

幼「嫌いならずっと一緒にいねーよ」

男「仲の良い友達って言うか、兄妹って言うか…」

男「そんな感じには思ってなかったのか?」

幼「全然」



48: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:44:34 ID:n/4RxDgQ

男「はぁ…俺一人がビビってたのかよー」

幼「そうだな、ビビリだなー」

幼「男の弱点は私だったかー……へへー」

男「悪用するなよ?さっき約束しただろ?」

幼「悪用って何だよ」

男「……」

幼「ま、いいや。今こうしてんのが幸せだからー」
ぎゅーっ



49: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:45:24 ID:n/4RxDgQ

男「…あぁ、もう、お前は可愛いなぁ」
ぎゅーーーっ
ナデナデナデ

幼「なっ!?なんだよいきなり!」

男「それが悪用ってんだ」

幼「はぁ?」

男「いつもは乱暴な口調なのに、たまに見せる可愛い仕草が好きだ」

男「幼にそれやられると、俺は抵抗出来なくなっちまうんだよ!」

幼「…ほぅ?」



50: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:46:14 ID:n/4RxDgQ

男「だから…」
ぎゅうっ
幼「へへへっ、こうすれば男は抵抗出来ねーのか?」

男「……だから悪用するなって」

幼「……もうちょっとだけ、な?」

男「……」

幼「なぁ、男」

男「なんだよ」



51: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:48:06 ID:n/4RxDgQ

幼「私は男の事が大好きで」

幼「男は私の事が大好き、で良いのか?」

男「そうだな」

幼「じゃあ、私に言う事があるんじゃねーか?」

男「…そうだな」

男「……………」

幼「……黙ってないで早く言えよ、うりうり」
ぐりぐり



52: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:48:50 ID:n/4RxDgQ

男「止めろちびっ子」

幼「ちびっ子じゃねーよ!」
ぐりぐり

男「…幼さん、俺とお付き合いして下さい」

幼「…ふへへへっ」

男「変な笑い方すんなよ、変態と思われるぞ」

幼「その変な女に告白したのは誰だよ、ふへへっ」

男「俺だな」



53: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:49:26 ID:n/4RxDgQ

男「……で?返事は?」

幼「この顔を見て判断しろよっ」
ぱっ

男「ははっ、幼、何で泣いてんの?」

幼「そっちだって。ふへへっ、訳わかんねーな?」

男「意味わかんねーなー」

幼「私のは嬉し泣きだよ、バーカ」

男「俺のだってそうだよ、バーカ」



54: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:50:15 ID:n/4RxDgQ




『次は~薬師如来前、薬師如来前~。お出口、右側になりま~す』

男「ほら、降りるぞ」

幼「…」

プシュー
ガタンガタン…

男「はー、ちょっと遅くなっちまったな」

幼「そ、そうだな。もう真っ暗だな」

男「早く帰ろうぜ」

幼「あ、あのさ」

男「ん?」



55: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:50:57 ID:n/4RxDgQ

幼「手、繋いで良いか?」

男「…もちろん」
ぎゅっ

幼「…ありがと」

男「……お前、ホントに可愛いなぁ」

幼「……お前、ホントに格好良いなぁ」

男「んじゃ、帰るべ」

幼「そうすんべ!」



56: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:51:31 ID:n/4RxDgQ

幼「行くぞ、男!」
ダッ

男「待て待て!」
ぎゅっ

幼「何だよ、早く帰ろうぜ!」

男「や、ゆっくり歩いて行こうぜ」

男「今夜は月が綺麗だしよ」

幼「キザか!」

男「まぁ、たまにはこう言うのも良いじゃないか」

幼「大人か!」



57: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:52:04 ID:n/4RxDgQ



幼「今日は良い一日だったな」

男「そうだなー。俺史上最高の日になったな」

幼「それは大げさ過ぎだろー」

幼「大体私は半日寝て過ごした様なもんだしな」

男「そう言えば…」

幼「ん?」



58: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:52:44 ID:n/4RxDgQ

男「…俺、幼の顔、ちゃんと見れたなぁ」

幼「ん、そうだな、今見てるな?」

男「俺の弱点、克服出来た」

幼「んん?」

男「だから来週は幼の弱点を克服だな?」

幼「はぁ?」

男「気絶してたからなー」

幼「う…それは…」



59: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:53:21 ID:n/4RxDgQ

男「寝顔可愛かったから別に良いんだけど」

幼「に、ニヤついてんじゃねぇよ!」

男「今度は手離して走ったりすんなよ?」

幼「そ、そうするよ」

男「大丈夫、今度は俺も絶対離さないからな」

幼「おぅ!一度戦った相手に遅れをとるような私じゃねーよ!」

幼「今度こそバイトお化けなんざ、軽くヒネってやるっつーの!」



60: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:55:23 ID:n/4RxDgQ

男「じゃ、来週は別の遊園地に行くか!」

幼「!?」

男「ちょっと遠出だけど、富士急ハイランドに行こうぜ」

幼「そ、そこに何があんだよ」

男「それは行ってのお楽しみ」

幼「そのニヤけ面で大体解った!行かねぇ!富士急ハイランドには行かねぇ!」

男「えー?弱点克服するのが罰ゲームだろ?」



61: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:55:59 ID:n/4RxDgQ

幼「私はもう大丈夫!今日で克服出来た!」

男「えー?本当に?」
チラッ

幼「何だよ…おい、どこ見てんだよ?」

男「いや、あそこの草むらに…」
ガサガサガサ

幼「ギャーーーー!」
ダダッ

男「ちょっ…」
ぐいっ
バタッ



62: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:56:37 ID:n/4RxDgQ

男「いてて…だから急に走るなっつーの」

幼「ご、ごめん、つい…」

男「……」

幼「……」

男「あのさ、俺の上からどいてくれるか?立てないんだが」

幼「男、あ、あのさ…」

男「ん?まさか腰が抜けたとか?」



63: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:57:19 ID:n/4RxDgQ

幼「かばってくれてありがと」

男「いえいえ、彼氏ですから。鉄壁のガードで守るぞ?」

幼「…これ、お礼っ」

ちゅっ

男「!!」

幼「…ファーストキスだな、路上で。にへへー」
がばっ
ぎゅうっ



64: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:57:58 ID:n/4RxDgQ

男「…胸無いな」

幼「なんだとこの野郎!」

男「でもやっぱりすげー度胸だな」

男「いくら人通りが少ないからって、道で、お前……」

男「誰かに見られたらどうすんの?」

幼「別に構わねーよ。私は隠すつもり無いからなー」

男「おまわりさんに怒られるかもだぜ?」



65: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:58:40 ID:n/4RxDgQ

幼「こんな所に警官なんてこねーよ」

男「そうかな?」

幼「ははは、男は心配性だなー」

男「でも、さすがにもうそろそろ立って欲しいんだけど」

幼「んー、もう少し~~」
スリスリ

男「急に甘え出したな、可愛いから良いけど」

幼「んふふ…男に新たな弱点を作ってやるぜ」



66: ◆L0dG93FE2w 2014/07/01(火) 19:59:18 ID:n/4RxDgQ

婦警(道端に転がって抱き合う明らかに未成年の男女……)

近くに居た婦警(これ、注意すべきかな…すべきだよね……)

近くに居た婦警さん(イチャイチャしちゃって)

たまたま近くに居た婦警さん(年齢=彼氏居ない歴の私を馬鹿にしてるのかしら)

たまたま近くに居た婦警さん(27)(……)


たまたま近くに居た年齢=彼氏居ない歴のちょっと可哀想な婦警さん(27歳)「爆発しちゃえ、リア充っ!」
タタタッ


男・幼「!?」



おわり


元スレ
SS深夜VIP:男「胸無いな」 幼馴染「なんだとこの野郎!」
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