過去作
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
1: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 08:53:11.44 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「いいわね。もちろんオーケーよ!」
曜「ほんとに?やったぁ!」
鞠莉「ふふっ♪」ニコニコ
鞠莉(曜の方から誘ってくれるなんて思わなかったな♪)
曜「それじゃ、はい、これっ!」つカフェOーレ
鞠莉「えっ」
曜「ん?」
2: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 08:54:13.24 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「これ、なの?」
曜「うん!」
鞠莉「あ、ああー。そっか、うん…」
曜「あれれ、微妙だった?」
鞠莉「微妙っていうか、想像と違ってたっていうか…」
曜「想像と違う?でもこれ、コーヒーでしょ?」
鞠莉「いや、そういうことじゃなくて。確かにそこもイメージと違ったんだけど」
曜「あ、そっか!鞠莉ちゃんコーヒー通だから、逆にこういうのは普段飲んだことないとか、そういうことだよね!」
鞠莉「う、うーん」
鞠莉「…まあ、確かに最近飲んだ記憶はないわね」
曜「あ、やっぱり?バリエーションも多くてさ、甘さ控えめとかもあるんだよ」
曜「私、苦いの得意じゃないから、これは通常バージョンだけどねー」
鞠莉「あら」
鞠莉(苦いのがダメなのに、わざわざコーヒー持ってきてくれたんだ)クス
曜「ん、どうかした?」
鞠莉「いーえ♪」
鞠莉「じゃ、早速いただきましょうか」
曜「そうだね!いただきまーす!」チュー
鞠莉(これ、本当に久しぶりね。最後に飲んだのはいつだろう?)
曜「うん、美味しい!」
鞠莉「どれどれ…んっ」チュー
鞠莉(あ、あまい。コーヒーを思い浮かべてたせいで余計に…)
鞠莉(思い起こせば、最後に飲んだのはおそらく高校に入る前だろうし。甘いのは当たり前よね…)
曜「んー♪」チュー
鞠莉(…でも、美味しい)ニコ
曜「お味はどう?」
鞠莉「結構甘いのね。疲れててリフレッシュしたい時なんかはちょうどいいかも」
曜「え、甘いの?私はこれなら何とか、って感じなんだけど」
鞠莉「どれだけ苦手なのよ」クスクス
曜「もしかして、鞠莉ちゃんコーヒーをブラックで飲めちゃったり?」
鞠莉「そりゃ、ね」
曜「すごーい!鞠莉ちゃん、おっとなー!」
鞠莉「大袈裟ね。すごいことでも何でもないわ」
曜「いやいやご謙遜を。そっかー。やっぱり三年生は違うなあ」
鞠莉「ふふっ、学年は関係ないと思うよ?」
曜「うーむ、私も頑張らなきゃだなー」
鞠莉「頑張る?」
曜「あ。実はね、最近コーヒー飲めるようになりたくて、少しずつ飲み始めたんだ」
鞠莉「へぇ」
曜「けど、あの苦さがどうも慣れないっていうか、まだ美味しさがわからないっていうか」
鞠莉「飲んだ経験が少ないだけで、嫌いなわけじゃないんでしょ?なら大丈夫よ」
曜「んー…」
鞠莉「曜?」
曜「なら、お願いがあるんだけど…時々でいいから、またコーヒーに付き合ってくれる?」
鞠莉「私に?」
曜「うん!コーヒーのこととか飲み方とか、色々教えて欲しいんだ」
曜「そして、ゆくゆくはブラックが飲めるように鍛えてもらえないかなーって」
鞠莉(コーヒーを飲むって、鍛えが必要なものだったかなぁ)
曜「お願いします、鞠莉ちゃん先生!いや、鞠莉ちゃん師匠!」
鞠莉「んー…」
鞠莉「…ふむ。コーヒー好きとして、そこまで頼まれたら断れませねぇ」
曜「!」
鞠莉「いいわ。マリーがお伴しましょう」
曜「わあ、ありがとう!」
鞠莉「けど、苦手の克服はすぐにというわけにはいかないわ。道は長く険しいよ?」
曜「望むところだよ!また今度、差し入れがてら持ってくるから、よろしくね!」ニコッ
鞠莉「!」
鞠莉「ええ、楽しみにまってるわ♪」
翌日、理事長室
鞠莉「んー…」カタカタ
コンコン
鞠莉「はーい」
「私です、曜です」
鞠莉「!」
鞠莉「入ってー」
ガチャ
曜「へへ、お邪魔しまーす」
鞠莉「どうぞ、今お茶を入れるわね」
曜「あ、待って!今日はこれを持って来たんだよ」
鞠莉「これは、缶コーヒー?」
曜「うん!ミルク多めのやつを買って来たんだ!これなら飲めるかなって!」
曜「コーヒー克服訓練の第一弾だよ!」
鞠莉「そっか、そうだったわね」
曜「はい、鞠莉ちゃんの分!」
鞠莉「ありがとう、いただくわね」
曜「初日ということで、これからご指導のほどよろしくお願いします」フカブカ
鞠莉「こちらこそ…って妙にかたくない?」
曜「鍛錬とは、礼に始まって礼に終わるものなのです」
鞠莉「ふふっ、その言い方、ダイヤみたーい」
曜「あはは、ちょっと意識してみた」
ダイヤ「…っくしゅん!」
千歌「あれ、ダイヤさん風邪?」
果南「誰かが噂してるんじゃない?ダイヤって意外とおモテになるから」ニシシ
ダイヤ「なんですか、その日本語は…っくしゅ!」
鞠莉「缶コーヒーは普段飲まないから、ちょっと新鮮な気分ね」
曜「さて、どうかなー」ゴク
鞠莉「どれどれ…」ゴク
鞠莉(ふむ。昨日のほどじゃないけど、やっぱり甘いわね)
鞠莉(でも、これなら曜も)チラ
曜「よし、大丈夫!」
鞠莉「ん」ニコッ
曜「えへへ、コーヒーだぁ♪」
鞠莉(…良いわね、こういうの)
曜「缶コーヒーってさ、働く人の飲み物ってイメージだよね」
鞠莉「わかるわ」
曜「働く人、オトナの飲み物。ってことは、私もオトナに一歩近づいたってことだよね!」
鞠莉「うーん…ま、小さな一歩だけど大きな一歩、といったところかしらね」クスッ
……………………………………
鞠莉「前回に続いて缶コーヒーね」
曜「だけど前とはちょっと違う。今回はほら、甘さ控えめスッキリタイプだよ!」
鞠莉「甘さ控えめ…曜にとって大きな前進になりそうね」
曜「鞠莉ちゃん先生、いや師匠!お手本をお願いします」
鞠莉「よろしい、仕りましょう」
鞠莉「では、いただきます。んっ…」
曜「どう?」
鞠莉「そうねぇ。キャッチコピーほど甘さが控えてくれてないって印象かな」
曜「つまり甘いと。ということは、私にも飲めるかもってことだね!」
鞠莉「そうね。そういう解釈、嫌いじゃないわ」クス
曜「どれどれ…うん!いける、いけるよ!」
鞠莉「よろしい。特訓の成果ね」
曜「甘さ控えめ克服!いよいよ私もオトナに近づいてるのかなー」
鞠莉「ふふっ、だと良いですねぇ♪」
……………………………………
曜「今日はこれ。すっかりおなじみとなりましたペットボトルのコーヒーです」
鞠莉「手軽に買えるのはいいことだけど、量が多いしデザインが無骨よね」
曜「そこがまたいいんだってさ。飾り気より中身優先の男デザインってやつ?」
鞠莉「なるほど、そういう見方もあるのね」
曜「ブラックとミルク入り、とりあえず2種類買ってみたんだけど…」
鞠莉「じゃあ、私はブラックの方を貰うわね」
曜「うん、ありがと!」
鞠莉「いえいえ、いつもご馳走様です♪」
鞠莉「私もこう言うのは初めてで、実は気になっていたの」
曜「じゃあ初心者同士、仲良くいただいちゃいますか!」
鞠莉「ええ!じゃあ、早速」グイ
曜(凄い!こんなにもいっぱいのブラックコーヒーをゴクゴクと…!)キラキラ
鞠莉(曜の目…なんか、憧れられてる?)
曜「どんな感じ?」
鞠莉「スッキリしてて、ゴクゴク飲めるわ。ブラックコーヒーをゴクゴク飲むって表現には自分でも違和感あるけど」
鞠莉「曜の方はどう?」
曜「微糖タイプでちょっと苦いけど、ミルクはたっぷりだからなんとか飲めるよ!」
鞠莉「それは何よりだわ」
曜「これは発見だね!お砂糖がなくても、ミルクがあればなんとかなるかも!」
鞠莉「うふふ、今日は得るものが多い練習になりそうね」
曜「鞠莉ちゃんのおかげだよ、いつもありがとう!」
鞠莉「いえいえ♪さ、練習が始まる前に飲んじゃいましょう」
曜「うん!」
鞠莉「やっぱり量が多い…」
曜「飲みきれないよぉ…」
……………………………………
曜「前回から引き続いてペットボトルコーヒーですが、今度のは変わり種です」
鞠莉「なにかしら」
曜「こちらです、ドンっ!」
鞠莉「また古典的な演出を…あれ?これって水じゃないの?」
曜「と思うでしょ?違うんだよ。これ、なんと透明なコーヒーなんだって!」
鞠莉「ええっ!?」
曜「お、さすがにびっくりしたみたいだねー」
鞠莉「ジュース、紅茶、ヨーグルトと続く透明飲料ブーム。そのトレンドの波は、ついにコーヒーにも到達したのです」
鞠莉「これがコーヒーですって…驚天動地だわ…」
曜(驚きのあまり、鞠莉ちゃんの口からダイヤさんみたいな難しい言葉が)
ダイヤ「…くしゅん!」
鞠莉「今に限って言えば、たぶん私の方が緊張してると思う」
曜「そうなの?」
鞠莉「透明なコーヒー…これは曜の試練であると同時に、私にとっての壁でもある。それくらいのインパクトよ」
曜「鞠莉ちゃん師匠をそこまで追い詰めるなんて…私はとんでもないものを持ってきちゃったようだね…!」
鞠莉「参ります…いざっ!」グッ
曜「おおっ!」
鞠莉「…ん、んんっ!?」ゴク
曜「どうなの、どうなの鞠莉ちゃん!?」
鞠莉(この味は確かにコーヒー。けど…)
鞠莉(う、うすい…)ゴクゴク
曜「鞠莉ちゃん、おーい!」
鞠莉(なのに、どういうわけかすごく飲めちゃう…)ゴクゴクゴク
曜「鞠莉ちゃん!?応えてよ鞠莉ちゃーん!!」
……………………………………
曜「なんやかんやありまして、本日はついにコンビニコーヒーにチャレンジです」
鞠莉「大胆に話をオミットしたわね」
曜「コーヒー攻略にあたって、コンビニコーヒーは一つの難関であり、節目だとも考えてるんだ」
鞠莉「ほう」
曜「コンビニでのお買い物帰り、片手にはコーヒー。夢にまで見た憧れのシチュエーションだからね!うう、緊張するなあ…」
鞠莉「身構えなくても大丈夫だって。でも、ここじゃミルクや砂糖はそんなに使えないだろうし、どうするの?」
曜「ふふん、よくぞ聞いてくれました。実はね、前もって予習して対策を組んでおいたんだ」
鞠莉「予習と対策、ってどんな?」
曜「これだよ、見て!コーヒーマシンの横にあるこれを!」
鞠莉「どれどれ。まあ、キャラメルシュガー?」
曜「だけじゃないよ!ココアシュガーにシナモンシュガー、バニラシュガーとよりどりみどり!」
鞠莉「随分と豊富ね」
曜「これらを駆使して飲みやすくアレンジすることにより、コーヒー初心者の私でも美味しく飲めちゃう、というわけなのであります!」
鞠莉「なるほど、考えたわね!なら、早速やってみましょうか」
曜「うん!えっと、カップをセットして、ボタンを押す…」ピッ
鞠莉「これでコーヒーの出来上がりってわけね」ピッ
曜「出来上がってからが大事だよ。私好みにアレンジしないと、だからね!」
鞠莉(曜の好み、か。どんなのが好きなんだろう)
曜「さて。出来上がったコーヒーに、このキャラメルシュガーを」スチャ
鞠莉「ん」
曜「ひたすら振るべし、振るべし!振るべし!!」シュバババババ
鞠莉「結構入れるわね…もうそろそろ良いんじゃない?」
曜「まだだよ!もうひと押し、いや10押しくらいは!」バババババ
鞠莉「お、おお…」
鞠莉(表面に浮いて島になっちゃってるじゃない、どれだけ振るのよ)
曜「うりゃりゃりゃりゃー!」バババババ
曜「チューンアップ完了!これで挑戦だよ!」
鞠莉(結局かなり振りかけてたなぁ…でも、缶コーヒーと比べたらマシな方かな)
曜「じゃあ、いただきます!」
鞠莉(そうよ…今まで飲んできたものと比べたら、砂糖もミルクも断然少ない。これまでとは状況が違う…!)
曜「んっ…」
鞠莉(この局面。さあ、どうなるか…)
曜「…にがい!」
鞠莉(ダメなの…!?)
曜「…でも、大丈夫!飲めるよ!」
鞠莉「!」
曜「コンビニコーヒー、クリアだよ鞠莉ちゃん!」
鞠莉「ええ、よく頑張ったわ」
曜「やった、やったよー!」
鞠莉(ふふ、コーヒーくらいで無邪気に喜んじゃって)クスッ
曜「ねぇ鞠莉ちゃん。曜ちゃんブレンド、ちょっと試してみない?」
鞠莉「いいの?じゃあ一口貰うわ」
曜「うん、どーぞ!」
鞠莉「曜の好みが気になってたからね」
曜「お口に合うといいけど」ニコニコ
鞠莉(曜の好きなコーヒーかあ)ドキドキ
鞠莉「いただきます。あ、キャラメルの香りすごい。んっ…」
曜「えへへっ、どう?」
鞠莉「…あまっ!?」
曜「ええっ!?」
……………………………………
曜「へへ、こうやってコーヒー片手に、鞠莉ちゃんと並んで帰る日が来るなんてねー」
鞠莉「ちょっと前までは考えられなかったわね」
曜「鞠莉ちゃんのおかげだよ!ほんとにほんとにありがとう!」
鞠莉「どういたしまして♪あ、そう言えばずっと気になってたことがあるんだけど」
曜「なに?」
鞠莉「今更だけど、どうしてコーヒーを克服しようと頑張ってたの?」
曜「え?えっと…」
鞠莉「理由があるんでしょ。そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」
曜「う、ん…」
鞠莉「ん?どうしたの、いきなりモジモジしちゃって」
曜「…笑わないでね?実は、鞠莉ちゃんと一緒にコーヒーが飲みたいなーって思ってて」
鞠莉「私と?」
曜「うん。理事長室に入った時とか、鞠莉ちゃんの近くにいるときに感じるコーヒーの香り」
曜「その香りにずっと憧れてて。鞠莉ちゃんと一緒に、楽しくコーヒーが飲めたらなって」
鞠莉「!」
曜「だから、なんとかしてコーヒー飲めるようにならなきゃって思ったんだけど、色々頑張ってみても上手くいかなくて…」
鞠莉「それで、私に相談を?」
曜「うん。鞠莉ちゃんに教えてもらえれば、コーヒーの克服もできるし、一緒にいられるし、ちょうど良いかなって…」
鞠莉「一石二鳥の素晴らしいプランってわけね」
曜「…あはは。やっぱり、少し変だよね」
鞠莉「そうね。でも、そのおかげで曜は苦手だったコーヒーが飲めるようになったんだし――」
鞠莉「――私も、楽しかった」
曜「!」
鞠莉「私はそれでいい。それでいいと思うよ?」
曜「鞠莉ちゃん…ありがとう!」
鞠莉「ん、こちらこそ♪」
曜「えへへっ!それじゃ改めまして」
曜「鞠莉ちゃん。今度またコーヒーに付き合ってほしいんだけど、どうかな?」
鞠莉「はい、お伴します♪」
終わり
全弾撃ち尽くしました。コーヒーで距離を縮めていくようまりが書きたかったんです。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
曜「鞠莉ちゃんの分からず屋!」鞠莉「分からず屋は曜の方でしょ!」
ありがとうございました。
健気で可愛い
ようまりありがとう
元スレ
【ようまり】鞠莉「コーヒーに付き合ってほしい?」曜「うん!」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1527378791/
鞠莉「これ、なの?」
曜「うん!」
鞠莉「あ、ああー。そっか、うん…」
曜「あれれ、微妙だった?」
鞠莉「微妙っていうか、想像と違ってたっていうか…」
曜「想像と違う?でもこれ、コーヒーでしょ?」
鞠莉「いや、そういうことじゃなくて。確かにそこもイメージと違ったんだけど」
曜「あ、そっか!鞠莉ちゃんコーヒー通だから、逆にこういうのは普段飲んだことないとか、そういうことだよね!」
鞠莉「う、うーん」
3: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 08:55:57.95 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「…まあ、確かに最近飲んだ記憶はないわね」
曜「あ、やっぱり?バリエーションも多くてさ、甘さ控えめとかもあるんだよ」
曜「私、苦いの得意じゃないから、これは通常バージョンだけどねー」
鞠莉「あら」
鞠莉(苦いのがダメなのに、わざわざコーヒー持ってきてくれたんだ)クス
曜「ん、どうかした?」
鞠莉「いーえ♪」
6: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 08:59:35.39 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「じゃ、早速いただきましょうか」
曜「そうだね!いただきまーす!」チュー
鞠莉(これ、本当に久しぶりね。最後に飲んだのはいつだろう?)
曜「うん、美味しい!」
鞠莉「どれどれ…んっ」チュー
鞠莉(あ、あまい。コーヒーを思い浮かべてたせいで余計に…)
鞠莉(思い起こせば、最後に飲んだのはおそらく高校に入る前だろうし。甘いのは当たり前よね…)
曜「んー♪」チュー
鞠莉(…でも、美味しい)ニコ
7: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:00:20.43 ID:PeZlznJm.net
曜「お味はどう?」
鞠莉「結構甘いのね。疲れててリフレッシュしたい時なんかはちょうどいいかも」
曜「え、甘いの?私はこれなら何とか、って感じなんだけど」
鞠莉「どれだけ苦手なのよ」クスクス
曜「もしかして、鞠莉ちゃんコーヒーをブラックで飲めちゃったり?」
鞠莉「そりゃ、ね」
曜「すごーい!鞠莉ちゃん、おっとなー!」
8: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:01:35.78 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「大袈裟ね。すごいことでも何でもないわ」
曜「いやいやご謙遜を。そっかー。やっぱり三年生は違うなあ」
鞠莉「ふふっ、学年は関係ないと思うよ?」
曜「うーむ、私も頑張らなきゃだなー」
鞠莉「頑張る?」
曜「あ。実はね、最近コーヒー飲めるようになりたくて、少しずつ飲み始めたんだ」
鞠莉「へぇ」
曜「けど、あの苦さがどうも慣れないっていうか、まだ美味しさがわからないっていうか」
9: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:04:29.26 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「飲んだ経験が少ないだけで、嫌いなわけじゃないんでしょ?なら大丈夫よ」
曜「んー…」
鞠莉「曜?」
曜「なら、お願いがあるんだけど…時々でいいから、またコーヒーに付き合ってくれる?」
鞠莉「私に?」
曜「うん!コーヒーのこととか飲み方とか、色々教えて欲しいんだ」
曜「そして、ゆくゆくはブラックが飲めるように鍛えてもらえないかなーって」
鞠莉(コーヒーを飲むって、鍛えが必要なものだったかなぁ)
曜「お願いします、鞠莉ちゃん先生!いや、鞠莉ちゃん師匠!」
鞠莉「んー…」
10: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:05:21.66 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「…ふむ。コーヒー好きとして、そこまで頼まれたら断れませねぇ」
曜「!」
鞠莉「いいわ。マリーがお伴しましょう」
曜「わあ、ありがとう!」
鞠莉「けど、苦手の克服はすぐにというわけにはいかないわ。道は長く険しいよ?」
曜「望むところだよ!また今度、差し入れがてら持ってくるから、よろしくね!」ニコッ
鞠莉「!」
鞠莉「ええ、楽しみにまってるわ♪」
11: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:06:22.21 ID:PeZlznJm.net
翌日、理事長室
鞠莉「んー…」カタカタ
コンコン
鞠莉「はーい」
「私です、曜です」
鞠莉「!」
鞠莉「入ってー」
ガチャ
曜「へへ、お邪魔しまーす」
鞠莉「どうぞ、今お茶を入れるわね」
12: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:07:36.96 ID:PeZlznJm.net
曜「あ、待って!今日はこれを持って来たんだよ」
鞠莉「これは、缶コーヒー?」
曜「うん!ミルク多めのやつを買って来たんだ!これなら飲めるかなって!」
曜「コーヒー克服訓練の第一弾だよ!」
鞠莉「そっか、そうだったわね」
曜「はい、鞠莉ちゃんの分!」
鞠莉「ありがとう、いただくわね」
13: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:10:17.78 ID:PeZlznJm.net
曜「初日ということで、これからご指導のほどよろしくお願いします」フカブカ
鞠莉「こちらこそ…って妙にかたくない?」
曜「鍛錬とは、礼に始まって礼に終わるものなのです」
鞠莉「ふふっ、その言い方、ダイヤみたーい」
曜「あはは、ちょっと意識してみた」
ダイヤ「…っくしゅん!」
千歌「あれ、ダイヤさん風邪?」
果南「誰かが噂してるんじゃない?ダイヤって意外とおモテになるから」ニシシ
ダイヤ「なんですか、その日本語は…っくしゅ!」
14: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:12:47.36 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「缶コーヒーは普段飲まないから、ちょっと新鮮な気分ね」
曜「さて、どうかなー」ゴク
鞠莉「どれどれ…」ゴク
鞠莉(ふむ。昨日のほどじゃないけど、やっぱり甘いわね)
鞠莉(でも、これなら曜も)チラ
曜「よし、大丈夫!」
鞠莉「ん」ニコッ
曜「えへへ、コーヒーだぁ♪」
鞠莉(…良いわね、こういうの)
曜「缶コーヒーってさ、働く人の飲み物ってイメージだよね」
鞠莉「わかるわ」
曜「働く人、オトナの飲み物。ってことは、私もオトナに一歩近づいたってことだよね!」
鞠莉「うーん…ま、小さな一歩だけど大きな一歩、といったところかしらね」クスッ
15: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:13:34.30 ID:PeZlznJm.net
……………………………………
鞠莉「前回に続いて缶コーヒーね」
曜「だけど前とはちょっと違う。今回はほら、甘さ控えめスッキリタイプだよ!」
鞠莉「甘さ控えめ…曜にとって大きな前進になりそうね」
曜「鞠莉ちゃん先生、いや師匠!お手本をお願いします」
鞠莉「よろしい、仕りましょう」
16: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:15:26.03 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「では、いただきます。んっ…」
曜「どう?」
鞠莉「そうねぇ。キャッチコピーほど甘さが控えてくれてないって印象かな」
曜「つまり甘いと。ということは、私にも飲めるかもってことだね!」
鞠莉「そうね。そういう解釈、嫌いじゃないわ」クス
曜「どれどれ…うん!いける、いけるよ!」
鞠莉「よろしい。特訓の成果ね」
曜「甘さ控えめ克服!いよいよ私もオトナに近づいてるのかなー」
鞠莉「ふふっ、だと良いですねぇ♪」
17: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:17:09.64 ID:PeZlznJm.net
……………………………………
曜「今日はこれ。すっかりおなじみとなりましたペットボトルのコーヒーです」
鞠莉「手軽に買えるのはいいことだけど、量が多いしデザインが無骨よね」
曜「そこがまたいいんだってさ。飾り気より中身優先の男デザインってやつ?」
鞠莉「なるほど、そういう見方もあるのね」
曜「ブラックとミルク入り、とりあえず2種類買ってみたんだけど…」
鞠莉「じゃあ、私はブラックの方を貰うわね」
曜「うん、ありがと!」
鞠莉「いえいえ、いつもご馳走様です♪」
18: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:18:42.15 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「私もこう言うのは初めてで、実は気になっていたの」
曜「じゃあ初心者同士、仲良くいただいちゃいますか!」
鞠莉「ええ!じゃあ、早速」グイ
曜(凄い!こんなにもいっぱいのブラックコーヒーをゴクゴクと…!)キラキラ
鞠莉(曜の目…なんか、憧れられてる?)
19: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:19:38.34 ID:PeZlznJm.net
曜「どんな感じ?」
鞠莉「スッキリしてて、ゴクゴク飲めるわ。ブラックコーヒーをゴクゴク飲むって表現には自分でも違和感あるけど」
鞠莉「曜の方はどう?」
曜「微糖タイプでちょっと苦いけど、ミルクはたっぷりだからなんとか飲めるよ!」
鞠莉「それは何よりだわ」
曜「これは発見だね!お砂糖がなくても、ミルクがあればなんとかなるかも!」
鞠莉「うふふ、今日は得るものが多い練習になりそうね」
曜「鞠莉ちゃんのおかげだよ、いつもありがとう!」
鞠莉「いえいえ♪さ、練習が始まる前に飲んじゃいましょう」
曜「うん!」
20: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:20:16.12 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「やっぱり量が多い…」
曜「飲みきれないよぉ…」
23: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:27:29.59 ID:PeZlznJm.net
……………………………………
曜「前回から引き続いてペットボトルコーヒーですが、今度のは変わり種です」
鞠莉「なにかしら」
曜「こちらです、ドンっ!」
鞠莉「また古典的な演出を…あれ?これって水じゃないの?」
曜「と思うでしょ?違うんだよ。これ、なんと透明なコーヒーなんだって!」
鞠莉「ええっ!?」
曜「お、さすがにびっくりしたみたいだねー」
鞠莉「ジュース、紅茶、ヨーグルトと続く透明飲料ブーム。そのトレンドの波は、ついにコーヒーにも到達したのです」
鞠莉「これがコーヒーですって…驚天動地だわ…」
曜(驚きのあまり、鞠莉ちゃんの口からダイヤさんみたいな難しい言葉が)
ダイヤ「…くしゅん!」
24: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:29:05.72 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「今に限って言えば、たぶん私の方が緊張してると思う」
曜「そうなの?」
鞠莉「透明なコーヒー…これは曜の試練であると同時に、私にとっての壁でもある。それくらいのインパクトよ」
曜「鞠莉ちゃん師匠をそこまで追い詰めるなんて…私はとんでもないものを持ってきちゃったようだね…!」
鞠莉「参ります…いざっ!」グッ
曜「おおっ!」
鞠莉「…ん、んんっ!?」ゴク
曜「どうなの、どうなの鞠莉ちゃん!?」
鞠莉(この味は確かにコーヒー。けど…)
鞠莉(う、うすい…)ゴクゴク
曜「鞠莉ちゃん、おーい!」
鞠莉(なのに、どういうわけかすごく飲めちゃう…)ゴクゴクゴク
曜「鞠莉ちゃん!?応えてよ鞠莉ちゃーん!!」
25: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:31:07.32 ID:PeZlznJm.net
……………………………………
曜「なんやかんやありまして、本日はついにコンビニコーヒーにチャレンジです」
鞠莉「大胆に話をオミットしたわね」
曜「コーヒー攻略にあたって、コンビニコーヒーは一つの難関であり、節目だとも考えてるんだ」
鞠莉「ほう」
曜「コンビニでのお買い物帰り、片手にはコーヒー。夢にまで見た憧れのシチュエーションだからね!うう、緊張するなあ…」
鞠莉「身構えなくても大丈夫だって。でも、ここじゃミルクや砂糖はそんなに使えないだろうし、どうするの?」
曜「ふふん、よくぞ聞いてくれました。実はね、前もって予習して対策を組んでおいたんだ」
鞠莉「予習と対策、ってどんな?」
曜「これだよ、見て!コーヒーマシンの横にあるこれを!」
鞠莉「どれどれ。まあ、キャラメルシュガー?」
27: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:32:48.67 ID:PeZlznJm.net
曜「だけじゃないよ!ココアシュガーにシナモンシュガー、バニラシュガーとよりどりみどり!」
鞠莉「随分と豊富ね」
曜「これらを駆使して飲みやすくアレンジすることにより、コーヒー初心者の私でも美味しく飲めちゃう、というわけなのであります!」
鞠莉「なるほど、考えたわね!なら、早速やってみましょうか」
曜「うん!えっと、カップをセットして、ボタンを押す…」ピッ
鞠莉「これでコーヒーの出来上がりってわけね」ピッ
曜「出来上がってからが大事だよ。私好みにアレンジしないと、だからね!」
鞠莉(曜の好み、か。どんなのが好きなんだろう)
29: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:35:57.55 ID:PeZlznJm.net
曜「さて。出来上がったコーヒーに、このキャラメルシュガーを」スチャ
鞠莉「ん」
曜「ひたすら振るべし、振るべし!振るべし!!」シュバババババ
鞠莉「結構入れるわね…もうそろそろ良いんじゃない?」
曜「まだだよ!もうひと押し、いや10押しくらいは!」バババババ
鞠莉「お、おお…」
鞠莉(表面に浮いて島になっちゃってるじゃない、どれだけ振るのよ)
曜「うりゃりゃりゃりゃー!」バババババ
30: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:37:30.41 ID:PeZlznJm.net
曜「チューンアップ完了!これで挑戦だよ!」
鞠莉(結局かなり振りかけてたなぁ…でも、缶コーヒーと比べたらマシな方かな)
曜「じゃあ、いただきます!」
鞠莉(そうよ…今まで飲んできたものと比べたら、砂糖もミルクも断然少ない。これまでとは状況が違う…!)
曜「んっ…」
鞠莉(この局面。さあ、どうなるか…)
曜「…にがい!」
鞠莉(ダメなの…!?)
曜「…でも、大丈夫!飲めるよ!」
鞠莉「!」
曜「コンビニコーヒー、クリアだよ鞠莉ちゃん!」
31: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:40:20.43 ID:PeZlznJm.net
鞠莉「ええ、よく頑張ったわ」
曜「やった、やったよー!」
鞠莉(ふふ、コーヒーくらいで無邪気に喜んじゃって)クスッ
曜「ねぇ鞠莉ちゃん。曜ちゃんブレンド、ちょっと試してみない?」
鞠莉「いいの?じゃあ一口貰うわ」
曜「うん、どーぞ!」
鞠莉「曜の好みが気になってたからね」
曜「お口に合うといいけど」ニコニコ
鞠莉(曜の好きなコーヒーかあ)ドキドキ
鞠莉「いただきます。あ、キャラメルの香りすごい。んっ…」
曜「えへへっ、どう?」
鞠莉「…あまっ!?」
曜「ええっ!?」
32: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:42:42.14 ID:PeZlznJm.net
……………………………………
曜「へへ、こうやってコーヒー片手に、鞠莉ちゃんと並んで帰る日が来るなんてねー」
鞠莉「ちょっと前までは考えられなかったわね」
曜「鞠莉ちゃんのおかげだよ!ほんとにほんとにありがとう!」
鞠莉「どういたしまして♪あ、そう言えばずっと気になってたことがあるんだけど」
曜「なに?」
鞠莉「今更だけど、どうしてコーヒーを克服しようと頑張ってたの?」
曜「え?えっと…」
鞠莉「理由があるんでしょ。そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」
曜「う、ん…」
鞠莉「ん?どうしたの、いきなりモジモジしちゃって」
曜「…笑わないでね?実は、鞠莉ちゃんと一緒にコーヒーが飲みたいなーって思ってて」
鞠莉「私と?」
33: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:44:23.82 ID:PeZlznJm.net
曜「うん。理事長室に入った時とか、鞠莉ちゃんの近くにいるときに感じるコーヒーの香り」
曜「その香りにずっと憧れてて。鞠莉ちゃんと一緒に、楽しくコーヒーが飲めたらなって」
鞠莉「!」
曜「だから、なんとかしてコーヒー飲めるようにならなきゃって思ったんだけど、色々頑張ってみても上手くいかなくて…」
鞠莉「それで、私に相談を?」
曜「うん。鞠莉ちゃんに教えてもらえれば、コーヒーの克服もできるし、一緒にいられるし、ちょうど良いかなって…」
鞠莉「一石二鳥の素晴らしいプランってわけね」
34: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:47:06.04 ID:PeZlznJm.net
曜「…あはは。やっぱり、少し変だよね」
鞠莉「そうね。でも、そのおかげで曜は苦手だったコーヒーが飲めるようになったんだし――」
鞠莉「――私も、楽しかった」
曜「!」
鞠莉「私はそれでいい。それでいいと思うよ?」
曜「鞠莉ちゃん…ありがとう!」
鞠莉「ん、こちらこそ♪」
35: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:48:04.85 ID:PeZlznJm.net
曜「えへへっ!それじゃ改めまして」
曜「鞠莉ちゃん。今度またコーヒーに付き合ってほしいんだけど、どうかな?」
鞠莉「はい、お伴します♪」
終わり
36: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:49:05.42 ID:PeZlznJm.net
全弾撃ち尽くしました。コーヒーで距離を縮めていくようまりが書きたかったんです。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
曜「鞠莉ちゃんの分からず屋!」鞠莉「分からず屋は曜の方でしょ!」
ありがとうございました。
40: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 09:59:12.04 ID:EjC8kr6n.net
健気で可愛い
41: 名無しで叶える物語 2018/05/27(日) 11:07:21.74 ID:SIBCM8NQ.net
ようまりありがとう
【ようまり】鞠莉「コーヒーに付き合ってほしい?」曜「うん!」
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