SS速報VIP:【ガルパン】ボラギノールフィンガーみほエリ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1528195408/



1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/05(火) 19:43:28.32 ID:+7b65lbrO


みほ(引っ越しの準備、もう終わっちゃった)

みほ(持っていくもの、ほとんどないもんね……)

みほ(全部ここに置いていくんだ……何もかも……)

みほ「……ボコは私と一緒に行こうね。ずーっと、ずっと、一緒だもんね……」

みほ「……。」

みほ(大洗かぁ……どんなところなのかなぁ)

みほ(お友達、たくさんできるかな)

みほ(ううん、自分から積極的に作らなきゃだよね)

みほ(もう、私にはなんにもないもん。……何もかも、全部初めから……やりなおしだから……)

みほ(……。)

みほ(……今までの私は、なんだったんだろうね……)

みほ「……ね、ボコ」

みほ「……。私なりに、一所懸命に頑張ってきたんだけどね……」

みほ「……。」

みほ「……ね、大洗でも一緒に、頑張ろうね……ボコ……」


 ぎゅうううう


みほ「……。……寂しい……」

みほ「お姉ちゃん、心配してるかな、……怒ってるかな……」

みほ「……友達、ちゃんと……できるかなぁ……戦車に乗れなくても、私と友達になってくれるかなぁ……」

みほ「私は……っ、っく、うぅ、ひっ……お姉ちゃん、小梅さん………………エリカさん……」



 ——————もおぉぉぉ知らん! あんたの勝手には付き合ってられない、どこへでも勝手にいけーっ!——————



みほ(っ……エリカさん……)

みほ(あんなにずっと、楽しかったのに……っ、もう、……っ)

みほ「……うぅ……っぇぐ……」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1528195408




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/05(火) 19:46:21.00 ID:+7b65lbrO




 <コンコン



みほ「ッ……!?」

菊代『お嬢様、いらっしゃいますか?』

みほ「あっ、ずびっ……う、うん、なぁに?」

菊代『お友達の方がいらっしゃっていますよ』

みほ「えっ」

菊代『玄関でお待ちいただいていますが、こちらへご案内いたしましょうか?』

みほ「あっ、だめ!……ちょ、ちょっとまって、すぐ行くと伝えて。私が玄関までいくから」

みほ(涙、ふかなきゃ……)

菊代『……、では、そのようにお伝えいたしますね』

みほ「うん……」


 とたとたとた……


みほ「あ……誰なのか聞きそびれちゃった……ごしごし、うぅ、目が赤いよぅ……」

みほ(でも、嬉しいな。小梅さんかな。私のこと、随分、心配してくれていたもんね……)
  




 ——————————————————————————————



3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/05(火) 19:47:59.12 ID:+7b65lbrO



 トタトタトタトタトタ


みほ(この長い廊下ともお別れかぁ……)

 トタトタトタ

みほ(曲がり角の先の玄関……明日、そこから出ていって……私はもう、この家には戻ってこれないのかなぁ……)


 トタトタトタ……トッ


みほ「ごめんなさい! お待たせして——————」


 ——————……ッ


みほ「え……」

 キシ……


エリカ「………………。」


みほ「どうして……」




 ——————————————————



5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/05(火) 20:51:05.44 ID:Msm4tNzCO


:みほの部屋


 キィィィィ……バタン


みほ(エリカさん、何をしにきたんだろう……)

エリカ「……、部屋、ほとんどそのままにしていくのね」

みほ「あ、うん……大洗には、ほとんど何ももっていかないから」

エリカ「……。何もかも、ほうりだしていくってわけね」

みほ「……、うん、そうだよ」

エリカ「……。」

みほ(……エリカさん、まだ、怒ってる……)

みほ(けど……どの事を怒ってるのかな。あはは、もう、たくさんありすぎてわからないや……)

みほ(……でも……)

みほ「会いに、来てくれたの? エリカさん」

みほ(喜んで、いいの……?)

エリカ「……。」

みほ「……。」

エリカ「……怒鳴ったことは、謝る」

みほ「え……」

エリカ「勝手にしろって、その気持ちは今も一緒。けど……どなることはなかった。あんたなりに悩んだのは分かる。だから怒鳴ったは、悪かったと思ってる」

みほ「……。」

みほ(それは、これからも友達でいてくれるって、ことなのかな。でも……勝手にしろって気持ちは今も一緒だって……)

みほ(……ッ、やっぱりもう、私には、何もわからないよ)

みほ「……エリカさん、どうして会いにきてくれたの?」

みほ(一体、何をしにきたの?)




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/05(火) 20:57:24.78 ID:Msm4tNzCO


エリカ「……ッ、来ちゃ悪い? 私とみほは、別れの挨拶をする程度の仲ですらなかった?」

みほ「そ、そうじゃないけど……、……でも……」

エリカ「最後くらい、はっきり言いたいこといいなさいよ!」

みほ(……ッ!!!)

みほ「さ……最後なら、だったらなんで来たのっ!? 最後なら、もう、謝る意味なんてないよ! なんで……」

みほ(もしかしてって、思ったのに……)

みほ(わかんない……もう、わかんないよぉ)




エリカ「……ッ、最後、だからでしょうがっ……」

みほ「……わかんないよ……」

みほ(最後って、私はそんな事決めてない。決めたのは、誰なんですか……)



エリカ「……っ、ああもぅっ……そうよ、最後よ、何もかもこれが最後ッ……」

みほ「……エリカさん……」

エリカ「ッ……みほ」

みほ「……。」

エリカ「おしり、だしなさいよ」

みほ「……え?」

エリカ「……あんたにこれを塗るのも……最後でしょ」



 ごそごそ————————ぱっ


みほ「————あっ……」

エリカ「…………。」



 『ボラギノール』



エリカ「どうせもうみほは戦車には乗らないんだから……これからはもう、心配ないでしょ。だからこれが……最後」

みほ「……。」

  


    ——————大会に優勝したら、今度は私が、エリカさんに塗ってあげるね——————



 ——————……ふん! あんたのおかげで私の人生めちゃくちゃよ! ……絶対に勝つわよ、みほ————————




  ——————うん……!——————




みほ「…………エリカさん…………」

エリカ「……。」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/05(火) 20:58:26.55 ID:Msm4tNzCO



みほ「…………エリカさん…………」

エリカ「……。」

みほ「……お風呂で、おしりだけでも洗ってくるね。荷造りで……やっぱりちょっとだけ、汗かいちゃったから……」

エリカ「……ええ」

みほ「うん……待ってて」


 ————————キィィッィィ……バタン


みほ「……。」

みほ「……ッ」


(ドクン、ドクン、ドクン……)


みほ「……エリカさん……」






11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 21:37:24.72 ID:uF088SE7O

:西住家お風呂

 シャワワワワワワ……


みほ(……私は、期待をしてしていいのかな……)

みほ(エリカさんも本当は私とお別れをしたくないんだって、そう思ってるって……)

みほ(……。)


 ——————最後、だからでしょうがっ……!


みほ(……。やっぱり、わかんないよ。……エリカさんの意地悪。私、エリカさんのこと、結局なにもわかってないのかな……)

みほ「……どうしてエリカさんは、今まで私のおしりに薬を塗ってくれたんだろう」

みほ(でも、それを言うなら私だって……どうして当たり前のように、エリカさんに薬を塗ってもらっていたの?。エリカさんは、家族でもないのに、おしりに薬を塗ってもらうだなんて普通は、おかしいのに……お互いにそう思ってたはずなのに……)

みほ(……。)

みほ「……エリカさんと初めて、お互いのおしりの事を話合ったのって……いつだったかな……」





 ————————————————————————————————————————————————


みほ(——そうだ、あれはまだ私たちが高等部に入って間もないころ——)

みほ(私とエリカさんはルームメイトになって——)

みほ(相変わらず人見知りな私は、エリカさんとまだまだ打ち解けきれていなくて——)








12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 21:40:52.78 ID:uF088SE7O

 ————————————————————————————————————————————————







:早朝、学園艦寮・みほとエリカの共同部屋




みほ(逸見さんは朝ごはん前の自主トレかぁ……熱心だなぁ)


 ……むずむずっ……


みほ(んっ)

みほ(はぁ、高校の練習はやっぱりとってもハードだよ……おしり、せっかく治りかけてたのにな)

みほ(……逸見さんがいないうちに、お薬、塗っちゃおっかな)

みほ(いつもはお手洗いでこっそりだけど……逸見さんいないし、いいよね)


 しゅる、しゅる……ごそごそ


みほ(市販品は効果が弱い気がするよ……また病院にこっそり、処方箋をもらいに行かなきゃ)

みほ(お母さんに話が伝わったら、また怒られるもん……西住流なのに軟弱だって……)

みほ「……。」

 ぬりぬり

みほ(……ん……いろんな態勢を試したけど、やっぱり四つん這いの姿勢が一番……トイレだと、この姿勢はできないもんね……)


 ぺとぺと——————



 ——ガチャッ

みほ(え————!?)

エリカ「西住さん、忘れ物を——……ッ!?」

みほ「あ、い、逸見さ……!」




13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 21:43:50.08 ID:uF088SE7O


エリカ「ッ!!!!????、な————何してるのよ! 信じらんない!」

みほ「あ、あのっ」

エリカ「ありえない!ありえない! 共同部屋なのよ!? 私がいないからって————」

みほ「!? !?」

みほ(え、え、おしりに薬を塗るのってそんなに変!? 私、子供の頃からずっとだし、感覚がズレちゃってる……!?)

みほ「ご、ごめんなさい! いつもはトイレでぬってるんだけど……!」

エリカ「ット、トイレでって、聞いてないわよそんな事!! 最低よ西住さんって————ん、え?」

エリカ「……ぬる……って?」

みほ「……えと、あの、これ……」

みほ(あぁ、もう、隠し通せない……)



 『ボラギノール』



エリカ「……!」

みほ(……うぅ、恥ずかしいな。おしりのこと人に話すのって、お医者さん以外じゃ久しぶりだし……)

みほ(……それに……)

みほ(隊長の妹のくせにって……きっとまた思われるのかな……)




14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 21:47:33.85 ID:uF088SE7O


エリカ「あ、あぁ……なるほど……」

みほ「ごめんなさい、逸見さんがいないからと思って、……つい……」

エリカ「うぇ、あ……う、ううん、いいの。私こそ怒鳴ってごめんなさい、謝るわ。西住さん」

みほ「う、ううん。あの、じゃあ、私、お手洗いへいってくるから……」

エリカ「あっ……ま、待って!」

みほ「え?」

エリカ「……その……」

みほ「……?」

エリカ「……。……っ、き、気にしなくていいからっ」

みほ「え……?」

エリカ「いちいちトイレまで行くのはメンドクサイでしょ。だから……これからは、気にせず部屋でぬってくれて……いいから」

みほ「でも、逸見さんに、迷惑だと思うし」

エリカ「かまわないっていってるでしょ」

みほ「ううん、悪いよ。子供の時から慣れてるから、いまさら面倒って感じないし——」

エリカ「……っ! い、いいって言ってるのっ!」

みほ「!?」

エリカ「……ああもう! これを、見て!」

みほ「え……」

みほ(逸見さんはなぜかちょっぴり頬の赤いまま、机の引き出しから愛用のポシェットを乱暴に取り出して——————)

みほ(そして、そのポシェットのチャックを開けて、逸見さんが中から取り出したのは——————)


 チィィィィ……バッ


みほ「……あ……!?」



 『ボラギノール』



みほ「……!! い……逸見さん、も……?」

エリカ「……っ」





15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 21:52:40.22 ID:uF088SE7O


エリカ「……ああもうっ、恥ずかしい……」

みほ「……そう、だったんだ……」

エリカ「わ……私だってねぇ、西住さんに負けないくらい、真剣に戦車道やってるんだから!」

みほ「え……」

エリカ「だから、辛いのはわかるし! だから……気にせず、部屋でぬってくれていいわよ……わ、私だって、そうできたほうが助かるし……」

みほ(……!)

みほ「……い、逸見さんっ」

エリカ「……な、なによ」

みほ「……えと、ありがとう……」

エリカ「へ……」

みほ「……、あり、がとう……」

エリカ「ッ……っよ、よくわかんないけど、もういい! 恥ずかしいし、走ってくるから! ゆっくり塗ってなさい!」

みほ「うん、頑張ってね、逸見さん、……いってらっしゃい」

エリカ「~~~~ッ!」

 バタン!!

みほ「——……。」


みほ(……。嬉しい……)


みほ(逸見さん、辛いねって、言ってくれた……逸見さんは、私の気持ちを分かってくれるんだ……)

みほ「逸見さんって、怖い人かと思っていたけど……いい人、なのかな……?」

みほ「……えへへ、じゃあ、このまま塗っちゃお……」






 ……ぬり、ぬり、ぺと、ぺと……






 ————————————————————————————————————…………。



16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 21:56:57.49 ID:uF088SE7O


みほ(そうして、私はエリカさんと少しずつ打ち解けられるようになって)

みほ(おしりのケアだとか、いろんな事をおしゃべりして————)

みほ(『エリカさん』、『みほ』、って名前で呼び合うようにもなって……)

みほ(いつのころからか、お互いが部屋にいても気にせずおしりに薬を塗れるようになった。)

みほ(私はその時……生まれて初めて、本当の親友ができたと思った——————)

 ————————————————————————————————————————————————






 ——西住家お風呂——


 しゃわわわわわわ……キュッ……


みほ(……。)

みほ「……懐かしいな、何もかも。あの頃は……とっても楽しかった……おしりは、痛かったけど……」


 ぺち、ぺち……くぃっ……


みほ(今ではもう、ぱっと見ただけじゃ、ごく普通のおしり……)

みほ(私のおしりがこんなに綺麗になったのは、全部エリカさんのおかげなんだ……)

みほ(……。)

みほ「戻りたいな、もう一度、あの頃に……」




17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/06(水) 22:02:03.47 ID:uF088SE7O


 :西住家、廊下

 キシ、キシ、キシ

みほ(いろいろ考えてたら、けっこう時間がたっちゃった。お風呂が長いって、エリカさんに、怒られるかな……)

菊代「——お嬢様?」

みほ「あ……菊代さん」

菊代「汗を流していらしたのですね」

みほ「うん」

菊代「ところで……お部屋にお茶とお菓子をお持ちいたしましょうか?」

みほ「あ……ううん、いいの。しばらく、エリカさんとゆっくりお話しをするから……」

菊代「……、そうですか。かしこまりました、では」

みほ「うん」

 <とた、とた、とた

みほ(……。)

みほ(ありがとう、菊代さん。何も聞かないでくれて……)





 :みほの部屋

 キィィィィィッィィ……バタン
 
みほ「……エリカさん、お待たせ」

エリカ「……、」

エリカ「おしり、よく洗ったんでしょうね」

みほ「……うん、綺麗だよ」

みほ(エリカさんと初めて会ったときよりも、ずっと、ずっと……)

エリカ「……そう。」

みほ「……」

エリカ「じゃあ、さっさとベッドにうつ伏せになって」

みほ「……うん……」

みほ(……。)


 ドクン、ドクン、ドクン……


みほ(……エリカ、さん……)




 ——————————————————————————————————————————————————————




22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:10:04.61 ID:FZJMKhXaO




 しゅる、すっ……


みほ(エリカさんはどういうつもりで、ここにいるんだろう……)

みほ(でも、聞けない)

みほ(聞いたら、エリカさんは帰ってしまう……そんな気がする……)


エリカ「……。」

みほ(……脱いだパンツは……枕元に、おいておけばいっか)


 キシ……


みほ「……お願いします」

エリカ「……ええ」


 ギシィ……きしぃ……


みほ(……。)

みほ(エリカさんが、ベッドに膝をつく。その重みでベッドがたわんで、横たわっている私の体もまた、緩やかに上下する)

みほ(なんだか、お母さんの腕にだかれている赤ちゃんのような心地になれて……私はいつも、この瞬間が好き……)

 きしぃ……きしぃ……

みほ(エリカさんが膝立ちになって私をまたぐ……エリカさんが動くたび、ベッドが私を優しく揺らし続けてくれる。いつまでも、この時間が続けばいいのに)

みほ(……そうだ、私がいいって言うまでベッドを揺らし続けてって……結局、お願いしそびれちゃったなぁ……)

エリカ「……おしり、開くわよ」

みほ「あ……うん」

みほ(エリカさんは、私のおしりに触れるまえはいつもそうやって一言声をかけてくれた)


 ぐにっ……


みほ(……。)

みほ(一瞬、かすかな空気の流れが、おしりの奥をそよいだように感じた……)




23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:11:09.77 ID:FZJMKhXaO


エリカ「……。もう、ほとんど痕はないのね」

みほ「……」


みほ(エリカさんに薬を塗ってもらっている時、私いつも、おしりの眼でエリカさんの瞳を見つめてる)


みほ(エリカさんがどんな顔でいるのか、よく、わかってた)


みほ(だけど、今は……エリカさんの表情が、わからない……)


エリカ「……。」


 ……きゅ、ぽん、……ムリムリ……っ……


みほ(ボラギノールが絞り出される音が聞こえてる、けど……エリカさん、今、どんな顔をしてるの?)

みほ(なんだか不安で、胸の奥が、少し苦しい……)

みほ「……。」

みほ(……でもやっぱり何も言えない……何かを言ってしまったら……エリカさんはきっと、薬を塗ることをやめてしまう)

みほ(これが最後なら、最後の時間を、大切にしなきゃ……)

みほ(そんな強迫観念が、私の口元を抑える)

エリカ「じゃあ、塗るわよ」

みほ「……はい」


 ……ぬとっ……


みほ(っ……)

エリカ「……。」

みほ(エリカさんの表情は分からない。……けど……エリカさんの指先は、やっぱり優しい)




24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:15:05.31 ID:FZJMKhXaO




 ————そうだ、いつだったか……この人は一体どんな顔をして私のおしりに触れているんだろうって、不思議に思ったことがある———



 そしてある時、私は実際にそれを確かめたんだ。



 首を思いっきりひねって、エリカさんの顔を振り返って……



 そうして……私は見た。私のおしりを見つめる、そのエリカさんの表情を——————



『————………ふむ……』



 エリカさんの瞳は——そうまるで作戦図面に食い入っているような——とっても真剣なまなざしをしていて——



 ——その目つきの鋭さに、私は、ドキッとした。



 あるいはもし、その時にエリカさんが、気恥ずかしそうな、あるいは気持ち悪そうな、そんな顔をしていたなら——きっと私はもう二度と、エリカさんに薬の塗付をお願いしなかったと思う。



 でも、エリカさんの瞳はとてもまっすぐで——————いかにすれば効果的に薬を塗布できるか、それのみをまっすぐに見据えていて——



 食い入るようなその視線と、すらりと伸ばされた右腕————それはなんだかまるで、三月のライオンみたいで——



 この人にこれからも薬を塗ってもらいたいなって、私は心から思った————





みほ(————……。エリカさんは今も、そんな瞳をしてくれているのかな……)

 ぴた、ぴた、


みほ(……相変わらず、上手だなぁ……)

みほ(私のために、たくさん思考錯誤してくれたんだ……)





25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:19:01.61 ID:FZJMKhXaO



 ぺと、ぺと……


みほ(エリカさんの五本の指さきは、エリカさんに似てとっても頼りになる……)

みほ(親指と小指は鉗子みたいに働いて、しっかりとおしりを開いてくれて——)

みほ(それから人差し指と薬指とは、患部がよく見えるように、細やかに皮膚を押し伸ばしする)

みほ(そうして目標がしっかり露出したら——中指が、十分な量のボラギノールを適切にぬりつける……)

みほ(左手だって負けてないよ。左手の親指で、おしりの少し下の会陰の部分を、つぼを圧迫するみたいに、くっ、くっ、と繰り返し押してくれる)

みほ(そうすると、神経が刺激されて、血の巡りもよくなって、お薬がよりよく効くって……)

みほ(本当に、全部エリカさんのおかげなんだ。私が今まで頑張ってこれたのは……)


みほ「……ん……」

みほ(心地よくて、ちょっぴり眠くなってきちゃうくらい)

エリカ「……。」

 くっ、くっ、くっ、……ぬり……

みほ(エリカさんがなぜ家に来てくれたのか、さっきまであんなに不安だったのに)

みほ(こうしていると、なんだかそんなことも、どうでもよくなってくる。そんなんじゃ、いけないのに)

みほ(でも、エリカさんの指が……すごく優しいから……)

みほ「——……。」

みほ(……もうどれだけ前になるのかな……エリカさんが初めておしりにお薬を塗ってくれたのは——————)







 ———————————————————————————————————————————————



みほ(そうだ——ドジな私は、練習中に戦車のキューボラから転落して……)

みほ(幸い大きな怪我はなかったけど、打撲で両腕を痛めちゃって、おまけに指先を何本も突き指……)

みほ(腕を曲げるだけでもズキズキして、とても自分では薬を塗れなくなっちゃって——————)







26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:19:47.61 ID:FZJMKhXaO

 ———————————————————————————————————————————————



:学園寮・共同部屋



みほ「ううううう、もう少しぃ……」

エリカ「……。」

みほ「もうちょっとでおしりに指がとどくよぉ……」

エリカ「……。」

みほ「ううううううううううううううううううううう」

エリカ「~~~っ、ちょっとみほ! アンタうるさい!」

みほ「っ……」

エリカ「いちいち実況しなくていい! もう少し静かにやってよ!」

みほ「ご、ごめんなさい……」

エリカ「もう……」

みほ「静かに、静かに……」

エリカ「……」

みほ「……痛っ、……っ、っ」

みほ「……~~~~~~~っ!!」

エリカ「ぁぁぁぁ、もぉ! ……イライラする……」

みほ「気にせず勉強を続けてください……」

エリカ「集中できるわけないでしょ……。おしり丸出しのルームメイトが隣でウンウン唸ってるんだから……」

みほ「だってぇ」

エリカ「……ハァ……もういい。貸して」

みほ「へ?」

エリカ「その腕と指じゃそもそも無理にきまってるでしょ……やってあげるから、ほら」

みほ「!? !!?? や……やだ! やだやだ!! 絶対やだ!」




27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:21:47.10 ID:FZJMKhXaO


エリカ「あのね、しかたないでしょ」

みほ「エ、エリカさんて……けっこう、変態?」

エリカ「……。じゃあいい。病院にでも行ってきなさいよ」

みほ「病院……」

エリカ「何科か知らないけど、受付で事情を伝えれば、看護師さんかお医者様が対応してくれるでしょ。おしりにくすりを塗ってくださいって」

みほ「えぇ……。」

みほ「……。」

みほ「……。」

みほ「……。」

みほ「……やだ、恥ずかしい……」

エリカ「なら隊長にお願いする?」

みほ「う……」

みほ(……エリカさんの意地悪……私がおしりのこと、お姉ちゃんに隠してるのを知ってるくせに……)

みほ(……子供の頃なら、なんでも話せたのになぁ……)

みほ(……。)

みほ「……うー……う、うぅぅぅ~~~~……」

エリカ「……。」

みほ「……エリカさぁん」

エリカ「なに」

みほ「お……お願いします」

エリカ「……ったく……」




28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/07(木) 22:28:42.21 ID:FZJMKhXaO


みほ「じゃ、じゃあ、これ」

エリカ「え? これ、座薬じゃないの。塗り薬から変えたの?」

みほ「実は……戦車から落ちた時、おしりを打っちゃって……ちょっと、痛みがひどくて……」

エリカ「もぉ~……何やってんの」

みほ「優しくいれてください……」

エリカ「ハァ……ほら、おしり上げて、足開いて、さっさと終わらせるわよ、こっちは勉強中なんだから」

みほ「っ、う、うん……」


 ……きしぃ……きしっ……


みほ「ん、しょ……」

みほ(は、恥ずかしいよぉ……)

みほ「こ、こんな感じで、いい……?」

エリカ「……っ」ゴクリ

みほ「あっ、い、今、エリカさん今ウワッって顔したぁ! ……『これくらい何でもないわよ』って感じだったくせに……」

エリカ「う、うるさい! 他人のおしりをこんな間近で見るのは初めてなんだから! 平気な顔してるほうがおかしいでしょっ!」

みほ「うぅ、もうなんでもいいから早くお願いします……」

エリカ「わ、わかってるわよ……。」

エリカ「……っ、い、いくわよ」フルフル

みほ(だ、大丈夫なのかな)

みほ「え、エリカさんやっぱり——」

エリカ「え……えいっ!」

 ずぶっ!

みほ(ッ~~~~~~~!!!!!????) 

エリカ「は、入った……! ……あ、あれ? みほ?」

みほ「っっっっ……え、ゑリカさん、だから、もう少し、優しくって……」

エリカ「え、え! ……うあっ!!??、ち、血っ!? 血が!!」

みほ「ううぅぅぅぅう」

エリカごごごごめん緊張してっ! 本当にごめんなさいみほ! だ、大丈夫!?」

みほ「おおおおぉぉお……」

エリカ「ど、どうしようどうしよう」

みほ「ふぐぅぅぅぅ……うぅ、ベッドが汚れちゃう前に滅菌ガーゼをお願いします……それで圧迫してくださいぃ……」

エリカ「あわわわ……き、救急箱っ……」


 ——————————————————————————————————————————————————————————————————————


みほ(……ふふ、いろいろあったよね……)

みほ(……。……私の16年の全部が、産まれてからのすべてが、この熊本にある……)

みほ(……その何もかもを置き去りにして——————)

みほ(私は大洗へ行く……)

みほ(———————————………………。)
 
みほ(思い出と、淋しさと……胸の奥が、いっぱいになる……辛い)

みほ(私は、もしかするとちょっぴり自暴自棄な気持ちになっていたのかもしれない)

みほ(この時わたしは……決して言ってはいけない事を————エリカさんへ向けて、口にしてしまったのでした……)




38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/10(日) 09:45:51.25 ID:5jMgs4QVO


 ————————————…………。


エリカ「ねぇ、みほ」


みほ(……)


エリカ「みほは覚えてる? 私と喧嘩したときの事」


みほ「————……っ……ん、ぁ」


エリカ「————みほ?」



みほ「あ……、う、うん……」

みほ(いけない、私、寝ちゃいそうになってた。エリカさんの指先があんまりにも気持ちよくて……)


 ……くに、くに……


みほ(あぅ、枕によだれが……うつ伏せでよかった、エリカさんに顔を見られていなくて……絶対すごくだらしない顔になっちゃってた)

みほ「もちろん覚えてるよ……忘れられないよ」



 ————今年負けたからって何よ! 来年勝てばいいじゃない! 来年こそ勝って、私のおしりに薬をぬりなさいよ!————



 ……エリカさんは分かってないよ……お母さんがどれだけ厳しい人か、西住のお家にいることがどれだけ辛いか……



 ————だったら、見返してやりなさいよ! 甘ったれてないで、来年こそ勝って師範を見返してやりなさい!


  
 ……そういう問題じゃないよ……! エリカさんには分からないんだよ……



 ————っ……!!!!



みほ(……。私はもっと、私の気持ちをきちんと言葉にしなきゃいけなかったんだと思う。どこまでもどこまでも話は平行線で————結局————)



 ————もおぉぉぉ知らん! あんたの勝手には付き合ってられない、どこへでも勝手にいけーっ!————




みほ(————……。)




39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/10(日) 09:52:47.84 ID:5jMgs4QVO


エリカ「私は……後悔してる」


みほ(————うつ伏せになった私の背中に————おしりから昇ってうなじへ————エリカさんの声が伝う————)


みほ「……エリカさん……」

エリカ「私って怒りっぽいし、すぐムキになる。……治さなきゃって、中学の頃からずっと思ってる。そのくせ、ぜんぜん治せてない」

みほ(その声には、何かを押し殺したような響きが————そう感じるのは私の頭がまだボケっとしてるだからなのか————)

みほ「……。」

エリカ「……あなたとの話を、あんな風に終わらせるべきじゃなかった、もっと最後まで良く話あうべきだったって……後悔してる」

みほ(……嬉しい……)

みほ「ううん、私のほうこそ……」

エリカ「……。……みほ」

 ————エリカさんの指先に、ぐっと、力が籠る。

みほ「っ……」

 エリカさんの指先の熱が、私のおしりへ流れ込む————

エリカ「……みほ、聞いて」

みほ「……なん、ですか……?」

みほ(っ……エリカさんの指、おしりの中に入っちゃいそうだよ……)

エリカ「今から私と一緒に、師範のところへ行って」

みほ「……え?」

エリカ「転校を取り消してほしいって、一緒に師範にお願いしましょう。」

みほ「……!?」


みほ(……、)

みほ(……、)

みほ(……っ)

 ————熱い……エリカさんの指が熱い……熱くて熱くて、私のおしり、燃えてる……


みほ(そっか……エリカさんは私を引き留めにきてくれたんだ————)


   ————お腹の中をジリジリと焦がされていく————エリカさんの指先がおしりの中で引火して私のお腹が内側で燃え上がって————その炎の熱で目頭が熱くなる————


みほ(すごく嬉しい……でも……)

みほ(ダメだよエリカさん……黒森峰は————お母さんは————わたしの戦車道を、絶対に認めてくれない……そんな事をしたらきっとエリカさんまで怒られちゃう……)

エリカ「みほ」

みほ(エリカにそれをどう伝えればいい? エリカさんと喧嘩を繰り返したくない……いったいどう言えばわかってもらえるんだろう……!?)

エリカ「……みほ!」

みほ(…………っ)



40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/10(日) 09:58:43.12 ID:5jMgs4QVO





 ————みほ。あなたには西住流を名乗る資格がありません。戦車道を止めなさい————




みほ(……っ!!!!)


みほ(嫌い、嫌い……! お母さんなんて大嫌い……!!!)

みほ(……お母さんが……お母さんさえいなければ、私とエリカさんが、こんなに悩まなくてもいいのに……!)



 ————その時、わたしはお母さんがあんまりにも恨めしくて————お姉ちゃんの事さえも頭から消えていたんだと思う————



みほ(嬉しさと、悔しさと、恨めしさと、いろんな気持ちがごちゃごちゃになって————)


 ————わたしにはもう、おしりのエリカさんだけが大切で————


みほ「……エリカさん……」

みほ(震えだしそうな声を必死にとりつくろう)

みほ「私……西住のお家に生まれなければよかった」

エリカ「……は?」

みほ「普通のお家に生まれて、黒森峰じゃないどこか別の学校で戦車道をして……そこで、エリカさんと出会えればよかった……」

エリカ「……!!」


 ————もしもこの時、もう少しだけでも私に想像力があれば————あるいはせめて、落ち着いて物事を考える心の余裕があれば————

  ————その言葉がエリカさんにどういう風に伝わるか————

    ————その言葉がエリカさんのこれまでを否定してはいないか————

  ————それを、心のなかで確かめる事ができたのかもしれない。でも私には

 ————そのどちらもが欠けていた————


みほ「いっそもう、エリカさんも一緒に転校できたらいいのに……」

エリカ「……っ!!!!」

 ————エリカさんの指先が小刻みに震える。

みほ(……?)

 ————エリカさんはぐっと堪えようとしてくれていたんだと思う。

 ————でもけっきょくは……やっぱりダメだったんだと思う。


みほ「……エリカさん?」

みほ(いぶかしんだ私が振り返ろうとした次の瞬間————)





 ————————————————ずぶッッ……!





みほ「————————ッ!!!???」



 私のおしりに、エリカさんがめりこんだ————





51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:49:15.01 ID:2t9c6/UhO


みほ「あ、あぁ……んぁああっーーー……!」

エリカ「っ……」

みほ「ぬい、てっ、ぬいてよぉ! エリカさんっ……! あぁっ……!」

みほ(想像してたより痛くはないけど……! エリカさんの指が私のおしりの中にっ! やだ……! 恥ずかしい!! 恥ずかしいよ……!!)

エリカ「……このぉっ……!!」


 ぐりっ……


みほ「!!! んぁああーーーっ……!! やめてっ、やめ、てぇ……!」

みほ(おしりが……切ないよぉっ……!)

みほ「エリカさん、駄目……ぬいて……! どうして、こんな事……ひどい……」

エリカ「……みほ、私と一緒に師範のところへ行って」

みほ「ッ……エリカさんの馬鹿! こんな酷い事をされて、そんな話、何をいってるの……!?」

エリカ「っ……先輩たちの陰口、あんただってしってるでしょ……っ」

みほ「だから何、ですかぁっ……はぅっ……」

エリカ「アンタは弱虫で意気地なしで……確かに先輩の言う通り、黒森峰の副隊長には相応しくないかもしれない……」

みほ「……っ」

エリカ「……だからって、言われっぱなしでいいの!?」

みほ「……!?」

エリカ「私はあんたのおしりをずっと見てきた……誰よりもあんたのおしりを知ってる! だから……負けるな!」

みほ「!? ……!? エリカさんが何を言ってるのか、私、ぜんぜん分からないっ……あぅっ……!」

エリカ「見返してやりなさいよ! 自分だって西住流なんだって、ただの妹じゃないって!」

エリカ「私が、あんたの穴は、全部ふさいであげるから……」


みほ「────……っ」


みほ(…………っ)


みほ(なんで……)


みほ(どうしてお母さんも、エリカさんも、勝手な事ばかり言うの……!?)


みほ「……エリカさんの馬鹿! エリカさんも、お母さんと一緒だよ……勝手だよ……!」

エリカ「……!?」




52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:50:11.55 ID:2t9c6/UhO


みほ「私に押し付けないで……私は見返してやりたいだなんて思ってない……」

エリカ「……っ」

エリカ「じゃあ……じゃあアンタは、なんで戦車道を続けてきたのよ……!?」

みほ「私は──」


 ──田んぼの畦道を──お姉ちゃんと一緒に──二号にのって──

みほ「……皆と一緒に戦車道をしたい、みんなと力を合わせて……一緒に……エリカさんと……あの一瞬一瞬が好きだから、だから私は、戦車道を……」

エリカ「……っ……」

エリカ「……意気地なしっ……!」

みほ「……!」

みほ「……どうして……どうして私ばっかり!」

みほ「──エリカさんだって、私のわがままを聞いてよ! 私と一緒に来てよ!」


 ──ぎゅうううううう!!!!


エリカ「──!? みほ!?」


 ──私は全身の力をおしりに絞って、括約筋で力いっぱいエリカさんの指を締め付ける──


 ピリッ……


みほ「あぅっ……!?」

エリカ「バ、バカ! アンタ何してるのよ!?」

みほ(痛っ……!! 痛い、おしり、痛いよぉっ……! ……でも、離さない……!)


 ぎゅ、ぎゅっ、ぎゅうううううう!!


エリカ「や、止めなさい! ──裂けるわよ!!?」


みほ(裂け──) 

 ゾッ……




53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:51:07.09 ID:2t9c6/UhO


みほ(──~~~っ、でも、私は!)

 ぎゅっ!!

みほ(はうあぁああ……ッ)

みほ「はぁっっ、はなしませんっ……! 絶対にエリカさんの指、離しません……!」

エリカ「────!!?」

みほ「お母さんも、エリカさんも──っ……どうして私の気持ちをわかってくれないんですか……!? ──ぁ痛っ! あああっ!」

 ──ピリピりッ……!

みほ(~~~~~~ッッ)

エリカ「みほ! 力を抜きなさい! みほ!」

みほ「ッ、はぁっ、私ぁ、エリカさんの言う通りに戦車道続けます……! あぁぉんっ!」

エリカ「……!?」

みほ「私、頑張ってお母さんを見返します。だから……私と一緒にエリカさんも転校してください!」

エリカ「っ、またそれっ……!? ふざけたことばかり言てんじゃないわよ!!」

みほ「ふざけてません!」

エリカ「……っ!?」

みほ「サンダースでもいい、継続高校でもいい、──プラウダ高校だってかまわないですっ……私はエリカさんと一緒になら戦車道を続けますだから一緒に……行こっ、エリカさっ──あああうぅぅううーーっ!」

エリカ「っ、冗談じゃないわよ……!」

みほ「……ッ……」


 ──くやしいけど、本当は私だってわかってた──


 ──エリカさんが、黒森峰から違う学園へ転校なんてするはずがない。エリカさんは真剣に黒森味で頑張ってきたんだもん──


 それでも私は、どうしても駄々をこねずにはいられなかった。──


 ──だけど──


 ──私の体は、もう、限界を迎えて──




 ビリィっ……!!

みほ(ア゛ッッッ……!!!!!!????)





54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:51:54.57 ID:2t9c6/UhO



 ──それまでよりも数段激しい激痛みが雷のように私の体を駆け抜け──


みほ(………………っ……は、あ……!!)


 もう、身体に力が入らなくて──


 ……ユル……


エリカ「……あ……」

みほ(私の脱力を感じ取ったエリカさんが、ゆっくりと中指を引きぬいていく)


 ……ぬぽっ……


みほ「つぁッ……!」

みほ(それだけの刺激でも、おしりに激痛が走る)

エリカ「……あ……!?」

みほ(エリカさんが息を飲む。きっと……エリカさんの指に、血が……)

みほ(でも私にはそれを確認する余裕がない。脱力してベッドにうつ伏せになったまま小刻みな呼吸を繰り返す。体が痙攣して、おしりがビリビリする……)

みほ「……ハッ、ハッ……ハッ、ハッ……」

エリカ「……。アンタ……ほんとにバカよ……」

みほ「……。」

みほ(……エリカさん、ごめんなさい。エリカさんが私のために頑張ってくれたものを、私、全部だめにしちゃった……)

エリカ「……。薬箱、使うわよ」

みほ「……。」

みほ(その後エリカさんは始終無言で──けれど優しく手慣れた手つきで、私のおしりを丁寧に手当てしてくれた──)



みほ(──そして、たぶんこれが最後の手当てなんだって──私もエリカさんも、そう感じてたと思う──)




 ────────────────────




55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:53:47.26 ID:2t9c6/UhO


みほ(手当が終わって──少しの間、私たちは無言だった。けれど、少しして──)



エリカ「丁度いいから貴方にあげる。……選別」

みほ(エリカさんが、床に置いてあった自分のリュックを手に取る)

みほ「……?」

エリカ「ほんとは、これからもよろしくって、そう伝える意味で今日わたそうと思ってたんだけどね。……あんたはきっと、説得に応じてくれるって、思ってたから」

みほ(リュックの中をまさぐり──それを取り出し、私の枕元に投げた。私のパンツが、下敷きになる。)


 ぼすっ……


みほ「……これは……」


『ボラギノール軟膏徳用500mg瓶』


みほ(……! おっきい……)




56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:54:36.95 ID:2t9c6/UhO


エリカ「本来なら貴方にこれを渡す義理はもうない。でも……貴方のおしりを傷つけたのは私だから。……これだけあれば、大洗に行ってもしばらく持つでしょ。ネットでしか買えないんだからね、それ」

みほ「……。お金、払うよ」

エリカ「……! お金なんて、いらないわよっ……!!」

みほ「……。」


みほ(エリカさんが苛立たし気にリュックを肩にかける)

みほ(あ……エリカさんが、いっちゃう……)

みほ「……エリカさん」

エリカ「……。……あんた、普通の学校で私に出合いたかったって、さっき、そう言ったわよね」

みほ「……」

エリカ「……その通りかもね」

みほ「え……」




57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:56:17.35 ID:2t9c6/UhO


エリカ「黒森峰みたいな強豪校じゃなく、一回戦で敗退するような弱小校にいたほうがあんたにとっては……幸せだったのかもしれない」

みほ「。……」

エリカ「でも、これだけは言っとく」

みほ「……なんですか」

エリカ「もしあんたと私がそこで出合ってたとしても────それは、私じゃない。私に似た、違う誰かだから。それに……そこにいるのは、きっと貴方でもない」

みほ「……。」

みほ(エリカさんのその言葉の意味を、私はなんとか理解しようとするけれど……)

エリカ「じゃあね」

みほ「あっ……っ、エリカさん待って。一つだけ、教えてください……」

エリカ「……なに」

みほ「エリカさんはどうして今までずっと……私のおしりに薬を塗ってくれたんですか」

エリカ「……。今さらもう、どうだっていいでしょ」

みほ「そんな事、ない……」

エリカ「……。いいえ、もう、どうでもいい。……全部、ちゃんと忘れなさいよ」

みほ「え……?」

エリカ「全部忘れて、新しい学校で楽しく過ごしなさい。……中途半端に戦車道や黒森峰を懐かしんだりしないで。そんなの……私、許さないから」

みほ「……。」

エリカ「……じゃあね、さよなら、みほ」

みほ「……あ……」



みほ(エリカさんはもう、立ち止まることも、振り返ることもなく……)


 ……キィイィ……バタン

 ……と、と、と、と……と……

みほ(ドアの向こう、廊下尾を歩くエリカさんの足音が遠のいて行く……)




58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:57:24.66 ID:2t9c6/UhO


みほ「……。」

 ──私、許さないから──

みほ「……。最後の最後まで、……勝手だよ……」

 ズキン……

みほ「……ッ……」

 ズキン、ズキン……

みほ「っ……エリカさんの馬鹿……。忘れられない、忘れられるわけない……」

みほ「おしりも心も、こんなに痛いのに……」



みほ(……これからは、お薬、自分一人で塗らなきゃいけないんだ……)


みほ(──私のパンツを下敷きにする、徳用ボラギノール500mg瓶──ずっしりとして、とても重い……)


みほ「……。エリカさん……」

 ──赤い涙が一雫、ツッと流れて、ベッドを染めた──




 ─────────────────────────────────………………。






 ─────────────────────────………………。





 ────────────────────………………。




 ───────────────………………。



 ─────…………。

 ──………。

 ……。








 ザァァァァァン……



        ザァァアァン……


     ゾォォォォンン……






みほ「──わぁ、これが大洗の海……」






59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:57:56.18 ID:2t9c6/UhO




 
        ザァァアァン……


     ゴォォォォンン……





みほ(熊本の海と全然違う。湾じゃないんだ。それに、島が一つもない)

みほ(どこまでも、どこまでも、全部、ずっと海……)


みほ「わ、あんなところに鳥居がたってる。)


 ザァァァァン……


みほ(……。青空と、春の嵐……風は少し強いけど、海も空も、どこまでも真っ青で……)

みほ「はぁ~、自由って、こーいうのを言うのかなぁ……なんちゃって」


みほ(果ての無い眺めが、ふさぎがちだった私の心をさえも少しだけ晴れやかにしてくれる……──けれど)


 ズキンッ……!


みほ(っ! おしりの痛みは……まだ、消えないや)

みほ「……ん、しょ……と」

みほ(背負っていたリュックを下ろして、チャックを開ける)


 ちぃぃぃぃぃ……


みほ(鞄の中にあるのは──)



 ──『ボラギノール軟膏 徳用500mg瓶』──



みほ「……。」

みほ(……エリカさん……)







60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 19:58:59.57 ID:2t9c6/UhO



 ──頑張りなさいよ。私はもう、貴方にこれを塗ってあげられないけれど──


みほ(きっと、そういう意味だったんだって──私は勝手にそう思ってる)

みほ(……でも、エリカさんはもう、私のことなんて忘れちゃうのかもしれないけれど……)


 ……ズキン……


みほ「……っ」


みほ(顔をしかめる──悲しくて、心が痛くて、膝を抱えて座り込んでしまいそうになった──その時だった)



 ────……ボォォォッ……ォォオオォォォ……オオォオォオオン……



みほ「……あ?」

みほ(この音は……学園艦の汽笛)

みほ「……」

みほ(砂浜に背を伸ばし──音のしたほう、海の彼方へ、じっと目を凝らす。)

みほ「……あ……」

みほ(──遠く遠く、遥か彼方の水平線──空と海とが交わるその境界に、巨大な何かがその影を現しつつある──)


みほ「あれが、大洗の学園艦」



 

……ボォォォッォォオオォォォオオォオォオオン……





みほ「……あそこで、私の新しい生活が始まるんだ。戦車道の無い、私の新しい日々」

みほ「……っ」

みほ(ないまぜになった期待と不安が、胸の奥から湧きあがってくる)

みほ「お友達、沢山できるといいなぁ」


 ……ズキンっ


みほ(ッ……)


 ──忘れなさい──


みほ(……。)





61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/11(月) 20:00:40.11 ID:2t9c6/UhO



みほ(……この瓶が空っぽになるころには、きっと、幸せな日々を、迎えられてる。そうなるように、絶対、頑張る)



みほ「──だから──」

みほ「エリカさん。もう少しの間だけ、私に力を貸してください」


 ……すっ……


 ──中指でジェルをひとすくいする。ひんやりとして気持ちの良いジェルが指先をおおう──

 ──あたりに誰もいないのを確認してから、スカートの中にそっと腕を潜り込ませる──


みほ「……ん……」


みほ(まだ、エリカさんの指みたいには器用にできないけれど──)


 ──スカートの中、小指を使って下着をずらし、親指と薬指でおしりを開く──そして


 ぺちょぺちょ


みほ(ん、ぁ……。)

 ──冷たいジェルの感触が、ジンジンと熱を持っていた患部に気持ち良い……


みほ「……ふぅ……」

みほ(──人差し指が遊兵になってる。まだまだだ。エリカさんならきっと──もっと効率よく塗るよ──)


 ──そんな事を考えている間にも、学園艦の影が、その影をますますとはっきりさせている──


 ……ボォォォォッォォォォ


 巨大になってゆく大気の鳴動が遠くの海から私を包み込む。

 過敏になった私のおしりが、その振動を確かにとらえていた。






 

 ~ボラギノール軟膏徳用500mg瓶:使いきるまであと480mg~



 ────────────────────────────────




65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 22:56:03.46 ID:+EfwMb0jO

──────────────────────────


────────────────


──────


 冬:大洗海岸


   ……ざぁぁぁぁぁん



      ……ぞおおぉぉぉぉん……




みほ(……あの日と同じ波の音。大洗の海は何も変わっていない……)




  <お銀「よおおし船出だ! 波頭を超えるぞ!」

  <ラム「おやぶーん、寒いし止めない?」

  <お銀「何ぬるいことを──おぁ!? おアアアアアア!?」

  <ラム「わーーー!? オヤブンが波にさらわれた!?」

  <フリント「助けるぞ村上ーッ!!」

  <村上「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!」




みほ(私は、変われたのかなぁ……)

みほ「……。」

みほ(そう思いたいけどね……)


 ──カパッ……

  「ボラギノール軟膏徳用500mg瓶:残量──10mg」


みほ(……残りはもうこれだけ……長かったような、あっという間だったような……)


 ……ぞぞおぞおおおん


   さぁぁぁぁぁぁぁぁん……


  <オヤブーーーーン! ヒキアゲロ!!

  <ウォリャアアアアアア!!


みほ(でも、私に皆から沢山の思い出を与えてもらった。それだけは間違いないよね)

みほ(こうして目を閉じれば、いつだって思い出せるもん……)



 ────────────────────……。




66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:01:50.18 ID:+EfwMb0jO






 ──ダージリンさんのおしりを始めて知った時のこと──あれはそう、サンダース戦が終わった後……ダージリンさんが一人で会いに来てくれて──






みほ「ダージリンさん! 試合、見に来てくれたんですね!」

ダージリン「とても見どころのある試合でしたわよ。大洗の健闘をたたえて、このハンカチーフを是非みほさんに──」

 ごそっ──ぽとっ

みほ(? ダージリンさんのポケットから、何かが──)


 ──『ボラギノール軟膏20mg』


みほ(……!!?)

ダージリン「っあっ!!!! み、みみみみみほさん!!! これはっそのっ! 違いますのっ! そうではなくてッッッ!!!!」

みほ「……ダージリンさん……」

ダージリン「ああああ……ペペペペペコには……ペコにはどうかナイショに……」

みほ(……うふふ……)

みほ「……ダージリンさん、そんなに恥ずかしがらないでください。これを……見てくれますか?」

ダージリン「……え?」

みほ「……実は、私も──」



 ──『ボラギノール軟膏徳用500mg瓶』

              ドンッ……!



ダージリン「……!!!! まぁ……! なんてこと……!」

みほ「……えへへ。ダージリンさんも皆には内緒にしてくださいね。おしりの事……チームのみんなには、ナイショにしてるので……」

ダージリン「みほさん……」

みほ「……心配、かけちゃいますもんね……」

ダージリン「……っ!」

ダージリン「……ふふ……ふふふ」

ダージリン「乙女のひめゴト、これも淑女のたしなみですわよね……?」

みほ「! はい……!」





 ──ふふ……でも結局、華さんにだけはバレちゃったんだよね…… ──







67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:02:31.48 ID:+EfwMb0jO





 ──準決勝、プラウダ高校との試合が終わって──




みほ(痛ぅっ……身体が冷えてるのに、無理にアンコウ踊りを踊ったからかなぁ、おしりが痛いよぅ……アンコウ踊りって、おしりの動きが激しいから……)

華「……みほさん? どうかしましたか? もしかしてご気分がすぐれないのでは……」

みほ「あ……ううん。大丈夫、ちょっと、体が冷えちゃっただけだから……」

華「……。みほさん、私の勘違いかもしれませんが、もしかして……おしりが、痛むのでは」

みほ「エ……ッ!!!!???」


みほ(ど、どうして、それを……!)


華「……。……やはり、そうだったのですね……」

みほ「……華さん……。……っ、ごめんなさい、黙っていて」

華「いいえ、気になさらないでください。隊長である自分が周りに心配をかけてはいけないと、そう考えてくださったのでしょう?」

みほ「う、うん……でも、華さんにはばれちゃったね……」

華「……。……着物を着て正座をしているとね、みほさん……おしりがとっても、締め付けられてしまうのですよ。そうでなくても、私はおしりが大きいというのに……」

みほ「え……」

みほ(……あ──────!?)

みほ「じゃあ、華さん、もしかして、華さんも──」

華「……。」

 ──こくん

みほ(……!!)

華「私、いつも懐にこれを──」


 ──『ボラギノール軟膏20mg』


みほ「……!」

華「だから、みほさんのちょっとした仕草から分かってしまいました。……私とみほさんは、きっと同じだなって」

みほ「……華、さん……!!!」







 ──……。

 ── 思い出がとめどなくあふれてくる…… ──










68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:03:52.94 ID:+EfwMb0jO




 ──エキシビジョンマッチの後、みんなで訪れた潮騒の湯──



ノンナ「──見抜かれてしまいましたね。……みほさんのいう通り──私は外痔核です」

みほ「そうですか……。やっぱり、ノンナさんも……」

みほ(──バスタオルでおしり拭く時、ノンナさんはどこか慎重だった──私はすぐにピンときました──)

ノンナ「……みほさん。常に同志カチューシャを肩車しているでしょう? それが長時間椅子に座っている時であっても」

みほ「え……?」

みほ(カチューシャさんを肩車したまま、椅子に座る──)

みほ「……あ」

みほ(そっか……それで、おしりが圧迫され続けて血のめぐりが……)

ノンナ「でも私はかまいません」

みほ「え……?」

ノンナ「私はこれからもずっとずっとそうしていくつもりです。たとえ、私のおしりがどうなろうとも」

みほ「で、でも……」

ノンナ「同志カチューシャと共にある時間は──私のおしりなどよりもはるかに大切でかけがえのないものなのです」

みほ「……ノンナさん……」

ノンナ「みほさん、カチューシャには黙っていてくれますか?」

みほ「え……。」

みほ「カチューシャは……とても優しい人だから……」

みほ「……! だけど、それじゃあノンナさんのおしりが……!」

ノンナ「心配はいりませんよ。どうなってもとは言いましたが……カチューシャを悲しませるような無茶はしません」

みほ「っ……はい! ……はいっ……!!」

みほ(……ノンナさん……!)






 ──そして……そう、愛里寿ちゃんだって──



 


 ──選抜戦の試合直後──

みほ(私たちが健闘をたたえ合っているところへ愛里寿ちゃんがボコカーに乗ってやってきた──そして、愛里寿ちゃんボコカーから降りるその一瞬──大きく足を跨いだほんの一瞬──)

愛里寿「ッ……」

みほ(──!)

みほ(愛里寿ちゃんの表情がわずかに歪んだ)

みほ(そして、愛里寿ちゃんは私の視線に気づいて──)

みほ(だから、そのあと、ちょっぴり恥ずかしそうな顔をしてたよね──)

愛里寿「……勲章……」

みほ「愛里寿さん……」

みほ(恥ずかしがることなんて何もないよ、愛里寿ちゃん。私は愛里寿ちゃんを尊敬してる……)

みほ(小さな体で小さななおしりを支えて──真剣に戦ってくれたんだ……私やお姉ちゃんと……)





69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:07:42.11 ID:+EfwMb0jO





 ──愛里寿ちゃんの大洗体験入学──夜のお泊り会、楽しかったなぁ……




愛里寿「っ、みほさん、そんなとこ、駄目、触ったら汚いよぅ……」

みほ「ううん、愛里寿ちゃんのおしりはとっても綺麗だよ……緊張しないで、ゆっくり力を抜いて……?」

愛里寿「っ……」

みほ「会陰のところをこうするとね、とっても気持ちいいんだよ……?」

 くっ、くっ……

愛里寿「……っ……」

みほ「……愛里寿ちゃんのおしりはボコだね……ずっとずっと、頑張ってきたんだもん」

愛里寿「ボコ……? ん……みほさん、気持ちいぃ……」

みほ「……ふふふ、じゃあ、塗るね」


 ぬり、ぬり……


愛里寿「……っ……」


 ──誰かのおしりに薬をぬってあげる──それは私にとって初めての体験だった──


みほ(……えへへ、なんだか、お母さんになったみたい……)

みほ「……。」

みほ(……お母さん……?)


 ──……そういえば、この時に感じた不思議な感覚──それが何だったのか、私はまだ理解できずにいる…… ────




 ──────────────────……。



  ざぁぁぁぁぁぁん……



      ……ぞぉぉぉぉぉぉぉぉん



 
 <ムラカミ! マウストゥーマウスダ!!

 <ウォリャァァァァァァ!




みほ「…………。」

 ──皆それぞれに何かを抱えて──それでも挫けずに頑張ってる──素晴らしい人たちに、私は囲まれてるんだ──

みほ「皆さん、本当に、ありがとうございます。私……戦車道を続けていてよかった」

みほ「……でも……」

 ──だけどもう一人、私は知っている──ずっとずっと一人で、必死に戦い続けてきた人を──



みほ「……エリカさん」




70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:09:42.24 ID:+EfwMb0jO


 ……ズキンッ

みほ「っ……」


みほ(……あの日……)

みほ(戦車道大会の、トーナメント抽選会の日……)





 ──……戦車喫茶、ルクレール……──




 ────────────

 エリカ『み──副隊長? ……あぁ、元でしたね』

 みほ『エリ──逸見さん……』

 ────エリカさんって本気で怒ると一周して逆に笑顔になる。だけど、言葉はやっぱりすごくトゲトゲしくなっていて──あの時私は罪悪感でいっぱいになって──ほとんどエリカさんと目が合わせられなかった──

 優花里「──西住殿の判断は間違っていませんでした!」

 みほ(違うの優花里さん、エリカさんが怒ってるのは……それだけじゃなくて……)

 沙織「何あれ感じ悪ーい」

 華「ほんとです」

 みほ(本当は私がいけないの。だけど皆……ありがとう……)



 ──私はそのあとお手洗いにいって(お薬を塗りたくて……)、そして私は、そこで──


 エリカ「……っ!」

 みほ「……!!」



 ──エリカさんと鉢合わせをしてしまった……

 ──エリカさんは私を個室トイレに無理やりにつれこんで、そして──



 エリカ「おしり、出しなさいよ……」

 みほ「……!?」

 エリカ「お友達ができてよかったわね……お祝いに薬をぬってあげるから──脱ぎなさいよっ!」

 みほ「!? ……っ、嫌、です……っ」

 エリカ「……っ」

 みほ「戦車道のことを黙っていたのは謝ります。──でも、こんなの、嫌だよ……!」 

 エリカ「っ……もういい……。貴方がどこで何をしようと私には関係ない。けど……わたしはアンタなんかには絶対負けないから……」

  ギィィィィィ……

 みほ「っ! 待って、エリカさん」

 エリカ「……。」

 みほ「……エリカさんのくれたボラギノール、ずっと大切に使っています」

 エリカ「……。」

 みほ「転校してしばらくは全然お友達ができなくて……私、毎晩おしりにくすりをぬりながらエリカさんの事思い出してた……」

 エリカ「……それで寂しくなって、ノコノコ戦車道に戻ってきたの?」

 みほ「ち、違います! 戦車道をまた始めたのは、ちゃんと理由があって……」




71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:11:00.59 ID:+EfwMb0jO


 エリカ「……貴方って本当に何もかも中途半端なのね。全部忘れろって、そう言ったはずよ」

 みほ「私は忘れたくないです……エリカさんと一緒に黒森峰にいたこと──」

 エリカ「私は忘れる」

 みほ「──!」

 エリカ「だから──さよなら」

 ……バタン。

 みほ「……。」



 ──私は声を殺して泣いて──泣きながらおしりにボラギノールをぬった……



 ──────────────────────────


みほ「────────…………。」






 ……ざぁぁぁぁぁん……


      ……ぞぉぉぉぉおおおぉん


   ……アキラメルナ! ムラカミィィィィ……



みほ(………………エリカさん、今頃どうしてるのかな……)

みほ(無限軌道杯の準備で忙しくしてるのかな……)


 ──「ボラギノール軟膏徳用500mg瓶:

               残量──10mg」

みほ(……。)

みほ「電話、してみよっかな……」





 ────────────────────────。




 とぅるるるるるるるるる、とぅるるるるるるるるる


みほ「……。」

みほ(電話、でてくれるかな……)

みほ(も、もしかして、私の番号、消しちゃってたりするのかな……)


 とぅるるるるるるる、とぅるるるるる──ぴっ


みほ(……!)


 ────『もしもし。 ……みほ?』


みほ(あ……!)




72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:12:44.63 ID:+EfwMb0jO


みほ「はい……エリカさん」

エリカ『……。何?』


みほ(う……不機嫌そうではないけど、ちょっとメンドクさそう……)


みほ「今、大丈夫?」

エリカ『ええ』

みほ「あの……実は、ボラギノールがとうとうなくなっちゃって……」

エリカ『……、ふぅん』

みほ「それで、インターネットのどこで買えるか、教えてほしいなって」

エリカ『あぁ……メーカーのホームページの商品案内ページに申し込みコーナーがあって……あー……ていうか、まずは会員登録しなきゃだめなのよね……』

みほ「? 会員登録っていうのも、ホームページでできるのかな」

エリカ『そうだけど──ああもう、メンドクサイわね。……学園艦の住所、教えなさいよ』

みほ「え?」

エリカ『着払いで送ってあげる』

みほ「え……ありがとう」

エリカ『ええ。後でメールして』

みほ「うん」

エリカ『……で、それだけ?』

みほ「あ、えと……今度の無限軌道杯、黒森峰の隊長はエリカさんなんだよね?」

エリカ『そうよ』

みほ「が、頑張ってください!」

エリカ『……さすが優勝校様は余裕ね。一応貴方達は敵なんだけど』

みほ「あ……う、うん、そうなんだけど……」

エリカ『……。あのさ』

みほ「なんですか」

エリカ『なんで貴方、今回は副隊長なの?』

みほ「え……それは、えっと、いろいろ事情があって……」

エリカ『ふぅん……まぁいいけど。とにかく、薬は送るから』

みほ「うん、ありがとう」

エリカ『じゃ、切るわよ』

みほ「うん。さよなら、エリカさん」

エリカ『ん……じゃあね、みほ』

みほ(あ……)


 ────ぷっ……






73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/15(金) 23:16:09.97 ID:+EfwMb0jO



みほ「……名前で呼んでくれた。」

みほ「それに……なんだか意外と普通に喋れちゃった……」

みほ(……。)



 ざぁぁぁぁぁん……


   ぞおぉぉぉぉん……


  ……ソンナ……カシラ! カシラアァァァァァ!




みほ(…………。)

みほ(ふふ……さめさんチームの皆さん、楽しそうだなぁ……海難ゴッコ……)

みほ「……はぁ~……」

みほ「……よしっ。私も無限軌道杯、頑張ろっと……!」



 ─────────────────────────。


 ~数日後:みほの自宅~


みほ(──ボラギノール、そろそろ届くかなぁ。もう、あと数回分しか残ってないよぅ……20mgだけ買っちゃおうかな……)


 ──ぴんぽ~ん──


みほ「あ……!」


 とたとたとたとた……


みほ「は~い! 今でます!」

みほ(よかったぁ、これでたっぷりと──)


 ────ガチャ、っきぃぃぃぃぃぃ……


みほ「おまたせし───」

みほ「──────……っ!?」




エリカ「……。こんばんわ」



みほ「…………エッッッ──────」








82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:33:34.05 ID:EpU7ymOJO


みほ(玄関を開けるとマンションの廊下にエリカさんが立っていました──)


みほ「──……えと……」


みほ(動きやすそうな白のチュニックにクリーム色のサルエルパンツ、それと……両手にそれぞれ伊勢丹の紙袋? 黒森峰の制服とは全然違う色合いのエリカさんは、ちょっぴり睨むように私をじっとみていて──)

みほ(私は、おばけとか幽霊を見ちゃったみたいなまん丸な目をしてたと思う。)

みほ「ど……っ、……」

みほ(『どうしてここに?』『どうやってここに?』『一人で?』『九州って遠いのに』、言葉がもみくちゃになって、結局何も言えない……)

エリカ「……すごく寒いの。出来たら入れてもらえない?」

みほ「あ……」

みほ(エリカさんが頭を払うとぱらぱらと雪が舞った)

みほ(学園艦はいつの間にか雪雲の下に入って──廊下の天井が途切れた先には灰色の空がずっと遠くまでつながっていて舞い落ちてくる雪のつぶてが弾幕になってお向かいさん家がぼやけてる。そんな景色を肩越しに、エリカさんの銀の髪……)

みほ(……ゆうれいじゃなくて雪女さんみたい……)

みほ「……う、うん、入って……」

エリカ「お邪魔するわね。……今、一人?」

みほ「うん……」

エリカ「そう、よかった」

 トタ、トタ……

みほ(……エリカさんがなぜか大洗の艦にいて、私の家に入ってくる──)

エリカ「関東って、海の上でもやっぱり寒いのね。もっと厚着をしてくればよかった」

みほ「あ、うん……九州よりは、寒いよね」

みほ(……香水、つけてる……)

 キィィィィ……バタン

みほ(玄関を閉める。外の景色と切り離される。……閉じた玄関にエリカさんと二人きり)

みほ(大洗のみんなが遠くにいってしまった気がする)

エリカ「……。」

みほ(エリカさん、何をしにきたんだろう……)

みほ(……あ……なんだか前にも同じような事が……)


 ……ズキンっ……


みほ(……。)

みほ(私、エリカさんに会うと緊張しちゃうんだ。……嫌だな……)







 ────────────────────────



83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:34:41.98 ID:EpU7ymOJO



みほ「エリカさん、これホットチョコレート。暖まるから……」

エリカ「ん……ありがとう。相変わらず好きなのね」

みほ「うん。」

みほ(甘すぎーってよくバカにされたなぁ。エリカさんこそハンバーグー!って。懐かしいなぁ……)

みほ「……よい、しょ……」

 ごそっ……



みほ(エリカさんと、コタツをはさんで向かい合う……こんなのいつぶりだろ)

みほ(……けど……)



エリカ「……ズズ……、おいしい」

みほ「……。」


みほ(やっぱりちょっと落ち着かない……)


エリカ「……ほんとは、玄関で荷物だけ渡してさっさと帰ろうと思ってたんだけどね。もう、なんでこんなに寒いのよ……」

みほ「私が家にいるときでよかったよ……。連絡してくれたら、よかったのに」

エリカ「べつに、いなきゃいないで、かまわなかったから」

みほ「……そっか」



みほ(……私に電話、したくなかったのかな。でも、だったら、家にきくれたりはしないかなぁ……)

みほ(うぅ……、いろいろ考えちゃうよう……)



エリカ「……昨日、師範と一緒に東京へきたのよ。連盟と西住流の会合でね」

みほ「あ……そう、なんだ」

エリカ「隊長はドイツへ行ってしまったし、妹の誰かさんもいないしで、おかげで私が付き人役を押し付けられた」

みほ「う……でも、それだけエリカさんがお母さんに認められてるってことじゃないかな……」

エリカ「どうだかね。……とにかく、そういうわけで関東まで来たし、貴方に送るよう師範に頼まれてたものもあったし……ついでにここまで、ってわけ」

みほ「……」


みほ(……わざわざこの艦まで来る説明にはなってないよね……? けど、言うの、ちょっと怖い……)


みほ「えと、お母さんから私に、荷物……?」

エリカ「そ。……渡すもの渡したらさっさと帰る。だから時間はとらせないわ」

みほ「……。」









84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:36:06.98 ID:EpU7ymOJO


みほ(……『よかったら泊っていきませんか?』の一言が頭の中でぐるぐる回ってる。けど、緊張してるもう一人の私が抵抗……その言葉を言わせてくれない)

みほ(……エリカさんにとっての私との距離感って、今、どうなってるのかな……)

みほ(大会が終わって、選抜戦を一緒に戦って、少しづつ普通に会話できるようになってる気もするけど……)

みほ(やっぱり、私のことまだ怒ってるのかな)

みほ(……やだな……気持ちが分からないって。不安。落ち着かないし……やっぱり緊張しちゃう……)

みほ(……エリカさんは、あんなに……私のおしりを見てくれた人なのにね……)

みほ(いろんな考えが、頭の中をぐるぐるぐるぐる……)



 ──そんな私の心を励ますきっかけは──やっぱり、ボラギノールでした──



エリカ「──じゃ、まずこれ。頼まれてたボラギノール」


 ……ごとっ
 
   <ボラギノール軟膏徳用500mg>


みほ「あ……。ありがとう。よかったぁ……えっといくらだっけ。お金を払わなくちゃ」

エリカ「あぁ……お金ならもういいわ」

みほ「え? でも……」

エリカ「師範が、貴方の代わりに払ってくれたから」

みほ「……へ!?」

みほ(???)

みほ「お……お母さんが……?」

エリカ「ええ。飛行機の中で世間話に貴方の事を話してね。その時に薬のことを話したら、払ってくれたわ」

みほ「そ、そうなんだ……けど……お母さん、怒ってなかった……?」

エリカ「?」

みほ「軟弱なおしりだって、すごく怒られた事があって……高校生になる少し前に……」

エリカ「べつに怒ってはいなかったけど。ていうか、師範からこれ貴方に。新宿の伊勢丹で一緒に買ったのよ」

みほ「?」



 ボフッ……



みほ「あ、これって……」



 <テンピュール円座クッション:16980円>

 

みほ「い、いちまっ……!?」

エリカ「値段に見合った良い品だそうよ。師範もずっと愛用してるって」

みほ(……え?)




85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:37:24.17 ID:EpU7ymOJO


みほ「お母さんも愛用って……あ、予防のため……?」

エリカ「……。」

エリカ「……貴方、やっぱり知らないみたいだけど──」

みほ「うん……?」

エリカ「師範自身も────中学のときからずっと重い痔持ちだって、そう言ってたわよ」

みほ「え……!? で、でも、お母さんは、私のおしりの事をあんなに怒って……」

エリカ「それは、おしりが痛いくらいで泣きごとを言うなってことでしょう? 師範らしいじゃないの」

みほ「それは、そうかもしれないけど…………お母さんが……痔……そんな素振り、一度も見たことなかったのに……」

エリカ「弱い姿を見せたくなかったんでしょ」

みほ「……どうして今更、こんな高価なクッションを買ってくれたんだろう……」

エリカ「ん……、島田流に勝利した事への褒美……とか?」

みほ「そう……なのかな?」

エリカ「結果を出したなら目をかけてやらないこともない……って、私はそういうの、やっぱり師範らしいと思うけど」

みほ「結果……」

みほ(……、……とにかく、びっくり……。…そうだったんだ……)

エリカ「……そういえば、飛行機の中で師範から聞いたけど」

みほ「?」

エリカ「師範、貴方を産む時にいきみすぎておしりが大爆発したそうよ。おかげで貴方、産まれた直後に血だらけになってたって」

みほ「ふぇええええ!?」

エリカ「珍しく笑って話してくれたわね。なんか、普通のおばさんみたいで、ちょっとびっくりした」

みほ(え、えと……えと、えと……)

みほ「え、エリカさんちょっと待ってっ、……私、何が何だか……よくわからない……」

みほ(急に、私のしらないことがいっぱいすぎて……!)

エリカ「わからないも何も、聞いた通りでしょう。それと──はい、これ、一番大事なあずかりもの」

みほ「ふぇぇ……こ、今度はなに……?」


 どさっ……


みほ「────、……え……」


 [黒森峰大学:戦車道特待生・申請書類]


みほ「………………。」




86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:39:43.48 ID:EpU7ymOJO


エリカ「はい、ちゃんと渡したからね」

みほ「……お母さん、が、これを……私に?」

エリカ「…………。……私だって、どうしてって思ったけど」

みほ「……だよね……」

エリカ「師範に聞いたら……貴方は次女だから、だって」

みほ「?? どういうこと……?」

エリカ「師範からの伝言──『貴方は一応の勝利を獲得してはいるので西住流としての未熟さについては現段階ではいくらかの考慮をします』だって。──負けた私としてはすっごく複雑だけど。……よかったわね」

みほ「えと……エリカさん、お母さんの伝言……どういう意味だと思う……?」

エリカ「自分で考えなさいよ。……まぁ……西住流は隊長がしっかり継いでくれそうだから貴方はもう適当でいいや……とか?」

みほ「そ、そうなのかな」

エリカ「……だから、私は知らないわよ。師範に電話して直接聞けば?」

みほ「……。」

みほ(イジワル……)


みほ「……うーん……そういえば、エリカさんは、黒森峰の大学にいくの?」

エリカ「逆に聞くけど、行かないと思う?」

みほ「えと……じゃあ、エリカさんも、お母さんからこの書類を……?」

エリカ「……。」

エリカ「……まだ、私はもらってないけど」

みほ「……あ、そ、そうなんだ」

みほ(──ああああああああ余計な事聞いちゃったよぉぉぉ……)

みほ(で、でも、だったらお母さん意地悪すぎるよ………、なんでエリカさんにこの書類を……)


エリカ「………………。」


みほ(……うぅ、気まずいよぅ……)

みほ(うぅ……)


エリカ「……。……確かに今はまだもらってはいないけど──」

みほ「う、うん」

エリカ「『あなたの隊長としての働きに期待してる』って、師範に言われた。……そういうことでしょ」

みほ「あ……エリカさんはこれから黒森峰の隊長だもんね」

エリカ「必ず期待に応えてみ……私は逃げ出したりしないからね」

みほ「……。」


みほ(……あはは、なんだかもう、言われ慣れちゃった……)

みほ「……うん、エリカさんなら絶対に大丈夫だよ……」

エリカ「…………。」



みほ(……それにしても……)

みほ(大学……私が黒森峰……?)




87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:40:48.56 ID:EpU7ymOJO


みほ(……。)

みほ(……だけど、まったく考えたことがないわけじゃない……)

みほ(ただ、お母さんから急に言われると……なんだか戸惑っちゃう……)


エリカ「……。」

エリカ「私は──」

みほ「?」

エリカ「──私は、アンタが黒森大に進学するのは、やめておいたほうがいいんじゃないか……って、正直思った」

みほ「…………。」

エリカ「また逃げ出すハメになったら目も当てられないし。それに、こっちとしても妙な戦術で隊の統率を乱されるのは迷惑」

エリカ「……ただ……」

みほ「……?」

エリカ「いろんな人間がいたほうが部隊は強くなる、って……隊長は言ってた」

みほ「……。」

エリカ「それとこうも言ってたわね──見方によってはむしろ、自分たちの柔軟性や応用力に欠けているところがある……って、ね」

みほ「……エリカさんも……そう思うの……?」

エリカ「……。わたしは……代理とはいえ隊長を任されて、今まで気づかなかったことにいろいろと気づかされる。……隊長の言う事も間違ってないって、正直……時々、思う」

みほ「……。」

エリカ「だから……まぁ、貴方がこの先も戦車道を続けるつもりなら、選択しとして考えてみていいんじゃないの? ……って、思えなくも、なくはない……、かも、ね」

みほ「……!」

エリカ「ていうか……ほんっっと、一般人からしたら羨ましい身分よね」

みほ「え、ええ?」

エリカ「だって、大学の方から自分を手招きしてくれるんだから。……ああけど貴方、あのへんなクマを作ってるメーカーに就職したいって言ってたっけ? だとしたら余計なおせっかいなのかしらね。」

みほ「え……そ、そんな前の話、覚えてくれてたんだ……」

エリカ「っ……べつに……バカみたいな発言だったからよ」

みほ「バカって……ひどい……」



みほ(……だけど、エリカさんは………………もしかして、私を黒森峰の大学に誘ってくれてる……?)


みほ「…………。」


みほ(それを聞いたら、もしそうだったとしても、エリカさんは怒っちゃうかもしれない。……でも……これだけはやっぱりエリカさんにちゃんと聞いておきたい──)




88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:43:15.84 ID:EpU7ymOJO


みほ「あ、あのぅ、エリカさん……」

エリカ「なに? 用事は済んだし、そろそろ帰りたいんだけど」

みほ「あ、もうちょっとだけ……えと、もしかして今日は、私を黒森峰の大学に誘うために、わざわざ会いに……来てくれたのかな、って……」

エリカ「…………っ」



みほ(……う……)

みほ(ちょっぴり、エリカさんの口がとがって、眉間にしわが……)



エリカ「……。」


エリカ「……。」


エリカ「………………。」



みほ(……やっぱり怒らせちゃった、かな……)



エリカ「……知らない」

みほ(え……)

みほ「……えと……知らないって……?」

エリカ「……ッ」

エリカ「だから、知らないって、いってんのよっ」

み「ッ! ご、ごめんなさい……」


エリカ「……。」

エリカ「……ハァ……」


みほ(あぅ……気まずい、やっぱり言わなきゃよかったのかな……)

みほ(……エリカさん、このまま帰っちゃうのかな。……やだな、せっかく……)


エリカ「……」


みほ(ケイさんみたいに、こんな時でも自信を持っていられたら、いいのに……)

みほ「…………。」


エリカ「……あの、さ」

みほ「は、はい……」




89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:44:44.04 ID:EpU7ymOJO


エリカ「私……ずっと前に、『あんたなんかには絶対に負けない』、てタンカ切ったわよね」

みほ「え……。……うん……」


みほ(戦車道大会のトーナメント抽選の後に、ルクレールのお手洗いで……)


エリカ「そのくせ、決勝ではあっさり負けて、選抜戦ではアンタの指揮下にいれられて……」

みほ「…………。」

エリカ「だから次の無限軌道杯では絶対負けない……って息まいてたら、なんかアンタは副隊長だし……。何なの?」

みほ「い、色々あって……」

エリカ「……おまけにいつのまにか師範までもがアンタの事を多少なりとも認めてるようなそぶりをしてる。ホント、何なの。私以外、みーーーーーんなあんたのこと認めてるの? なんかもう私……バカみたい。私一人だけが、貴方にずっとツンツンしてる。私はそれを間違ってないと思ってる……そのはずなのに……ああもう、何なの、すっごいモヤモヤする──」
みほ「……え、え……」

みほ(あぅ、不満をすっごいぶつけられてる……エ、エリカさんは私にそれを言うために来たのかなぁ……)

みほ(……けど……)

みほ(どうしてなのかな、そう思うと──)

みほ(ちょっとだけ、嬉しい)

みほ(…………。)


エリカ「──あんたはアンタで普通に電話かけてくるし。ちょっと待って?私とみほはこんな感じだったっけ?って電話きった後しばらく考えちゃったわよ」


みほ(エリカさんが素直に私に文句を言ってくれる。なんだかまるで、昔に、戻ったみたいで、エリカさんがぶつぶつ言うのを聞いていると、怖いけど、やっぱり少しほっとする)


みほ「でも、私が黒森峰にいたころだって、エリカさんはいつもツンツンしてたから……エリカさんらしいよ」

エリカ「……、なに、私のこと、バカにしてる?」

みほ「う、ううん。……えと、それにね、電話をしたとき、ぜんぜん普通じゃないよ、私、すごく緊張した」

エリカ「……。」

みほ「エリカさんは、私の番号なんかとっくに削除してるんじゃないかなって」

エリカ「貴方、私の番号消してたの?」

みほ「う、ううん、消さないよ!」

エリカ「……そ、そう……。」

みほ「だけど……エリカさんは私のこと忘れるっていってたから……もしかしてって……」

エリカ「……。まぁ、一時期はたしかに着信拒否にしてたけど……」

みほ「そ、っか……。」

エリカ「……。」


みほ(口をつぐんで、そっぽを向くエリカさん)

みほ(私はそのエリカさんの横顔からなぜだか目が離せない)


みほ「……?」 

みほ(あれ?)

みほ(こたつの向こうにいるはずのエリカさんの顔が──急に、なんだか近くなって見える)




91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:46:40.96 ID:EpU7ymOJO



みほ(…………。)


みほ「……エリカさん、黒森峰の隊長になるって、どんな感じ?」

エリカ「は?」

みほ「やっぱり、大変?」

エリカ「そりゃまぁ、大変に決まってるわよ」

みほ「そうだよねぇ……」


みほ(……エリカさんの顔つき、隊長さんになって、少し凛々しくなった? 私も隊長だけど、私はあんまりかわらないのにな……。エリカさん頬っぺた、ちょっと、しもやけたのかな。ちょっぴり、赤いかな……)


エリカ「まぁ……アンタも分かってるでしょうけど、黒森峰の戦い方は隊長の指揮に全てがかかってる。だからたしかにプレッシャーはある。でも──だからこそ、私のこれまでを全部ぶつけられる──」

みほ(エリカさんの唇が、ナメクジみたいにもぞもぞして、今ちょっと、ぷちゅって、開いた。かわいい……)

エリカ「けど、ちょこちょこ思い知らされるのよね……自分がいかにこれまで隊長にたよりきっていたか……分かってはいた、つもりだったけど、ね。……って、もう、何アンタにこんなこと、話してるのよ……ハァ」
 
みほ(吐息、あったかそう……今ならホットチョコレートのにおい、するのかなぁ)


みほ(そんな事を考えながら──なんだか楽しいなぁ……て、思っていたら、突然)


みほ「……オェッ」

エリカ「?」


みほ(船酔いでげろげろするみたいに、いきなり、喉の奥から謝罪の言葉がせりあがってきた)


みほ「っ、あの、エリカさん」

エリカ「? 何よ」

みほ「……あの……」

みほ「ごめんなさい、黒森峰をやめたこと」

エリカ「は? 何、急に」

みほ「私は大洗に転校してすごくよかったと思っていて、黒森峰にいても私はたぶん結局だめだっと思うけど……やっぱり、ごめんなさい」

エリカ「……待って。ホントになんなの」

みほ(エリカさんは怒るでもなく非難するでもなく、ただただ怪訝そうに──と言うよりもいっそ不気味そうに私を凝視していて──でも私の嘔吐はいっこうに止まらず)

みほ「エリカさんが引きとめてくれたのに、一緒に戦車道を続けたかったのに、黒森峰を続けられなくて、だから、本当に……ごめんなさい……」

エリカ「…………。」

みほ(吐き出し終えて、ようやくちょっとだけ息を吸い込む余裕がでてきてくると……今更だけど、ちょっと心配になる。エリカさんはどう思うだろう)

エリカ「……………………。」

みほ「……あの……」

みほ(エリカさんはしばらくずっと無言のまま……。)


エリカ「……。」


みほ(あ……眉間にしわが寄ってる……)

みほ(お母さんによって鍛えられた私の察知能力が、今、ビンビンに反応してる)

みほ(私、これから、叱られる、かも)




92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:49:34.41 ID:EpU7ymOJO


エリカ「……貴方が」

みほ「……っ」

エリカ「もしも貴方が、なんの才能もないただの甘ったれのヘボだったら、泣いて土下座するまで罵ってやるのに」

みほ「え……」

エリカ「だけど今のところ勝者は貴方で……私は西住流だから私には何も言えない。……それがすっごく腹立つ……」

みほ(……? ??)

みほ(私が目を白黒させていると、急に、エリカさんはにらみつけるような目で──)

エリカ「──それで?」

みほ「え?」

エリカ「貴方が私に謝りたいのは分かったわ。私は黙って聞く。聞くしかない。……で? 謝って、貴方はそれからどうしたいの」

みほ「どう、したいって……」

みほ(???)

エリカ「……もー、いらいらするわね……。じゃあ、どういう気持ちだったのか、選びなさいよ」

みほ「??」

エリカ「その一、『後悔してるしちゃんと謝ったから、私は黒森峰に出戻りしたいです』」

みほ「……へ!?」

エリカ「その二、『後悔してるしちゃんと謝ったから、もう許してね。お互い全部水にながそうね。これからはまたお友達に戻ろうね』」

みほ「!? ……!?!?」

エリカ「その三、『とくに何も考えてないけど、とりあえず謝りたいので謝りました。あとはお任せです』…………どれ? どういう気持ちで貴方は私に謝ったの」

みほ「えっ……その、あぅ……、えと……」

エリカ「……。」


みほ(……エリカさんの細くなった目は、まさにお母さんみたいで……うぅ)


みほ「……っ、そ、『その四』、は、ありですか……?」

エリカ「ほお」




93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:50:18.83 ID:EpU7ymOJO


みほ「……わ、『私はこれからも精一杯戦車道を続けます……ので、できればこれからもよろしくお願いできたら嬉しいな……』です……。」

エリカ「…………。……その三よりの、その二?」

みほ「か、簡単に水に流してもらえる、なんて思ってない……です……」

エリカ「……ふん……。その一だったら、ひっぱたいてたけど」

みほ「その一は……ごめんなさい、今のところ、ないです……」

エリカ「……。あ、そ……まぁなんだっていいけど、とにかく大学のこと、よく考えなさいよね」

みほ「へ? う、うん……」

エリカ「……それじゃ、いいかげん本当にそろそろ帰るわ」

みほ「え……」

みほ(その四への返事は、結局くれないんだ……)

エリカ「東京で師範と合流しなきゃいけないの」

みほ「あ……そうなんだ」

エリカ「預かってた荷物はちゃんと全部渡したからね、……ほんとのほんとに、ちゃんと、よく考えなさいよ?」

みほ「わ、わかってるよぅ……」

みほ(……。)


みほ(エリカさんって、やっぱり私のこと……)

みほ(……。)

みほ(……うん、聞きたいことまだまだ色々あるけれど……)

みほ(……でも、今はこれでいいよね。……こうやって少しづつ、仲直りしていけるといいな……)





みほ(──唐突なお別れに、戸惑も不安も、私の気持ちは何もかもがそのままにされちゃった。だけど──)

エリカ「はぁ~あ、よい、しょっと……」

みほ(──コタツから立ち上がるエリカさんが、ちょっぴり機嫌良さそうに見えるのは、きっと私の思い込みじゃないよね……?)




みほ「えと、忘れ物、ない?」

エリカ「うん」

みほ(エリカさんが玄関に向かう。その背中に、ちょっぴり名残惜しさを感じながら──)





みほ(──私はふと、それに気づいた)







94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:51:55.06 ID:EpU7ymOJO




みほ「……?」


みほ(エリカさんのスカートのおしり──その薄黄色の生地のに、じわりと──梅干しみたいな大きさの、ふちのぼやけた赤丸が──)

みほ(…………??)



 ……じわぁ……



みほ「──────────あっ!!!!!??」




みほ(試合中に突然の奇襲を受けた時と同じで、さっと背筋が冷たくなる)

みほ(こわばった喉で、鋭く呼びかける……)

みほ「──エリカさん、待って。まだ……帰らないで」

エリカ「? 何よ?」

みほ「おしりを、見せてください」

エリカ「は?」

みほ「……っ、……………………おしりから……血がでてます」

エリカ「え──」



エリカ「─────────────!?」




みほ(エリカさんも慌てて、身をよじり、自分のおしりを確認する──)

エリカ「あっ……!?」

みほ(おしりの染みにギョッとして、エリカさんも固まる……)


みほ「……たぶん、内地から学園艦までずっとヘリだったからおしりに負担があったんだと思います。気温も低かったし……」


みほ(それに……戦車道の訓練も、ずいぶん根を詰めていたはず。そのうえ、九州から東京への飛行機、急激な気圧変化……)

エリカ「……もうっ、情けないわねっ……」




95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:55:06.69 ID:EpU7ymOJO


みほ「あのっ! すぐベッドにバスタオルを敷きます! おしりを出してうつ伏せになってください、私が確認を……!」

エリカ「っ……いえ結構よ。自分で確認する。お風呂と、あと手鏡を貸してもらえるかしら」

みほ「で、でも、中途半端は危険だと思います。ちゃんと手当てしないと。私なら、どうすればいいかは、見れば分かると思うから……」

エリカ「だから、いいってば! ただ悪いけれど下着とガーゼとあと生理用品も譲ってほしい。それと……できたら、スカートかズボンも貸しても──」

みほ「──エリカさんダメ!」 

エリカ「っ、なんなのよ!? 変な時だけしつこいわね! 私だって一応焦ってるんだから!!」

みほ「っ……でもやっぱりしっかり確認しないと、駄目です! ──もしものことがあったら、どうするんですか……!!」

エリカ「うるわいわよ大げさね! とにかく、自分のおしりは自分でなんとかするからほっといて!」


みほ「っ……」


みほ「……」


みほ「…………っ」


みほ「……~~~~~~っ!」


みほ「──エリカさん、ごめんなさい……!」


エリカ「は?」

みほ「私──知ってるんです」

エリカ「は? 何の話よ!」






 ──みほ、この件を私がお前に話したこと──エリカには黙っていてほしい──エリカが、傷ついてしまうだろうから──






みほ(──っ、お姉ちゃん、約束を破ってごめんなさい……でも……っ)





みほ「戦車道全国大会の決勝、大洗と黒森峰の試合……その前日の夜、エリカさんは……」

エリカ「──!?」

みほ「エリカさんは……エリカさんは……! 机の角でおしりを強打して!」

エリカ「…………!!!!!!!!」




96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:56:52.54 ID:EpU7ymOJO


みほ「そのせいで! エリカさんは決勝の時、実力の半分もだせていなかった!!!」

エリカ「………………………!!!!! ど……どうしてあんたがそれを知っているのよ!!!」

みほ「……ドイツの……お姉ちゃんから……」

エリカ「──────!!!!」
 
みほ「聞いてください、お姉ちゃんは決してエリカを裏切ったわけじゃありません。ただ、私を心配して」

エリカ「……心配って、なによ……」

みほ「お姉ちゃんは言ってました……『無限軌道杯では決してエリカを甘く見るな。油断すれば大洗はあっという間に負ける。エリカの根性は私などとは比べ物にもならない。エリカは、強い』って。……ほんとは、黙っていろって、言われてました……」

みほ「……だから、無限軌道杯では全力を出せるように、おしりには万全をつくさせてください!」

エリカ「……。」

みほ「エリカさん……!」




エリカ「……………。」



エリカ「………………………ッ」



エリカ「バカに、してた……?」



みほ「え──?」


エリカ「私のこと、ずっと心の中で笑ってた? 肝心の決勝でなん役に立てない口先だけの偉そうなバカがいるって……こないだの電話の時も、今日もずっと……!!! アンタもっ……隊長も……!!!!!」

みほ「……!!!」

みほ「──ち、違います! 逆です!」

エリカ「なにがよ!」

みほ「私達はエリカさんをとっても尊敬してます……!」

エリカ「嘘!」

みほ「信じてください! 決勝のあの日、私を含めてチームのメンバーは誰もエリカさんがおしりを負傷してるだなんてまったく気づきませんでした。戦う前も、戦う後も、エリカさんはいつも通りで………………エリカさんはきっと、涙がでるほど自分を責めていたはずなのに……。」

エリカ「……っ」

みほ「……私は去年の決勝の後、黒森峰から逃げ出しました。でもエリカさんは違います……。皆に認められるくらいに、お母さんに認められるくらいに、逃げずに黒森峰で頑張ってます! エリカさんはすごいです! エリカさんは……ド根性です!!」

エリカ「……。」




97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:58:27.13 ID:EpU7ymOJO


みほ「だけど……いくらお母さんがエリカさんを認めていても、二度目のおしりはもう許してくれないかもしれないです……」

エリカ「…………くっ……」

みほ「もしもおしりのことでまた試合が上手くいかなくて、今度こそエリカさんがダメになっちゃったらって……私、そんなの……絶対に嫌ですっ! ……考えただけで辛いです……。……だから! だからどうかお願いです、万全を尽くさせてください、エリカさん……!」

エリカ「……っ」



エリカ「……ッッ」



エリカ「……~~~~~~ッッッ!!」



エリカ「ッ、アンタばっかり、ふざけんじゃないわよ!!」

みほ「!?」

エリカ「……私だって……」

エリカ「私だって、アンタが戦車道をやめて西住流をすてて普通の人みたいに生きてくんだって──そんな事、考えたくなかった!!! あんたのおしりに、私はずっとはげまされてきたのに!!!」

みほ「──────!?」

エリカ「なのにアンタは、ノコノコ戦車道にもどってきて、中途半端そうな連中とへらへら笑って……っ、だから私、あの時喫茶店のトイレで……アンタのおしりを────私が治した分まで全部ズタズタに引き裂いてやるって、本気で思ってた……!!」


みほ「……っ!!」


みほ(ズタズタ……ッ)


 ぞくっ……


みほ(……ッ……)

みほ(……ッッッッッ!!!)

みほ「……たっ、、、だったら、わかりました、──好きにしていいです!」

エリカ「!?」

みほ「私のおしりエリカさんの好きにしてください!!!」

エリカ「!!!!???」





98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 22:58:56.05 ID:EpU7ymOJO



 ばっ……しゅる、しゅるっ……!


エリカ「ちょ……なに人前でパンツぬいでんのよ!?」

みほ「エリカさんの気がすむまで私のおしりをズタズタにしていいです!」

エリカ「な……!?」

みほ「だけどそれは──エリカさんのおしりを手当てしてからじゃないとダメです!」

エリカ「……!!!!!」

みほ「それだけは絶対に譲れません! だから、エリカさんのおしり──私に見せてください……!!」

エリカ「っ……!!」

みほ「……エリカさん……お願い……!」




エリカ「…………………っ」



エリカ……………ぐっ…………ッ!!!!」



エリカ「……~~~~~~っ……あぁ、もぉ……っ……!!!!」




エリカ「…………………………おしりを見せたこと、誰にも、まほ隊長にも! 絶対に……! 絶対に秘密にしてよ!!??」




みほ「……! もちろん絶対に言いません、約束しますっ」

エリカ「玄関のかぎ、閉まってるわよね」

みほ「うん!」

エリカ「今日、この後、誰もこないわよね」

みほ「うん!!」

エリカ「あんたのおしり、本当にメチャクチャにするから!」

みほ「っ……は、はい……っ!!!」

エリカ「………………────わかった、みほ…………──」

みほ「──!!」

エリカ「私のおしりを────見て────」



みほ「────────!!!!」








         はいっ………………!!!








 ────────────────────────




99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:00:48.50 ID:EpU7ymOJO





    ……シャァァァァァァァァァ……



みほ(エリカさん、そろそろシャワーから出てくるかな? おしりの血をさっと洗い流すだけだから……)


    ……シャァァァァァァァ……キュッ…


みほ「……手当の準備はこれでいいかな……」


みほ(滅菌ガーゼ、消毒液、ウェットティッシュ、綿棒、私の指にぬる馬油…………あ、そうだ、買ってきてもらったボラギノール、開けちゃおう)


 かぱっ……


みほ「……うん。開けたての良い香り」



みほ(……。私のおしり、本当にズタズタにされちゃうのかな……)

 

 ゾクッ……

みほ「……っ」

みほ(……今のうちに、綺麗な写真、撮っておこうかな……)



 ──ガチャ……

みほ(あ……)



エリカ「お待たせ……」

みほ(Tシャツと、下半身にはバスタオルをまいて……エリカさん、ちょっぴり不安そう)



みほ(私のおしりを撮影するタイミング、逃しちゃった)



エリカ「……、…………ねぇ、ほんとに見せなきゃだめかしら」

みほ「おしりが湯冷めしちゃう前に、早くはじめないと……」

エリカ「……。……ええ、そうね……」

みほ「ベッドにバスタオルを敷いたから、うつ伏せになってください」

エリカ「わ、わかったわよ……。……じゃ、じゃあ……失礼するわね」


 ギシィッ……




100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:02:49.14 ID:EpU7ymOJO


エリカ「っ……」


みほ「無理に、四つん這らなくていいよ、そのままうつ伏せに」

エリカ「え、ええ…………本当に、大丈夫なんでしょうね」

みほ「心配しないで。私だって子供のころからケアしてきたんだもん。……それに……」

エリカ「……?」

みほ「エリカさんの上手なやり方を、体でずっと教わってきたから」

エリカ「……。」

みほ「それじゃあ……エリカさんの足、跨ぐねりになるね」

エリカ「っ……って、あんた、下着をちゃんとはきなさいよ」

みほ「……ううん。手当が終わったら……次は、私の番だから。……エリカさんと約束、したから……」

エリカ「…………」


 ぎしっ……


みほ「ん、しょ……」

みほ(エリカさんの足を、両膝でまたぐ──)

みほ「おしりのバスタオル、とるね」

エリカ「え、ええ……」


 ……しゅるっ……


みほ(……っ……)

みほ(エリカさんのおしり──……おしりそれ自体は黒森峰のころに何度もみてる。同じ部屋でいつもボラギノールをぬっていたから……)

みほ(けれど、こうして見下ろすのは──見下ろすだけじゃない、これから、私は──)

みほ「……ッ」

みほ(──ダメ、しっかり、しなきゃっ──!)

みほ(今度は私が、エリカさんのおしりを助けなきゃ……!)




 ──すぅ、はぁ……




みほ(パンツァー・フォー……!!)











101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:04:03.48 ID:EpU7ymOJO






みほ「──それではエリカさん、最初はしばらくマッサージをして、それから次に患部の状況を確認、その後に状況に応じて手当てをしようと思います」

エリカ「え、ええ」


みほ「それじゃ触るね。手、温めておいたから、冷たくはないはずです」

エリカ「お、お願い……」


 さわっ……


エリカ「……っ」


みほ(まずはおしりの周りでリラックスしてもらう……。骨盤骨突起や大殿筋を、こねるようにやさしくマッサージ……)

 ……もっ、もっ……


エリカ「ん……」


みほ(おしりのお肉、やわらかい……今でもしっかり走りこんでるんだ。おしりの形もとってもきれい……)


 ……もっ、もっ……くぱっ……


みほ(……! 一瞬、おしりが開いて奥のほうが見えた。……いた……。小さいのと、ほかにも小指くらいの大きいのが……やっぱりかなり、重いんだ)

みほ(でも──だとすると、私にできるのはあくまで一時しのぎの応急処置で……明日にでもちゃんと病院へ──)



エリカ「ね、ねぇ、みほ」

みほ「……あっ、ごめんなさい、痛かったですか?」

エリカ「そうじゃなくて……何か、しゃべってよ。黙ってやられると、なんだか……」

みほ「あ……そ、そうだよね、ごめんなさい」

みほ(いけない、つい集中しすぎちゃた……エリカさんはいつも必ず、何かおしゃべりをしていてくれたよね……)

みほ「……ほんというと、エリカさんのおしり初めてだったから、やっぱり少し、緊張しちゃってて……」

エリカ「まぁ……私だって、初めてあなたのおしりに座薬を入れたときは、ね……」

みほ「……あ~……」




 ……ずぶっ!


       ──あううぅぅうぅ!──




みほ「……あはは……あの時は、ものすごく痛かったよ……」

エリカ「悪かったわよ……。……ねぇ、まさかあの時の復讐をしようだなんて考えてないでしょうね」

みほ「思ってないよ! わたし、真剣にエリカさんのおしりを心配してるんだよっ」

エリカ「なら、いいけど……」


 ……もみ、もみ……





102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:05:05.79 ID:EpU7ymOJO



エリカ「そっちは、最近おしりどうなのよ」

みほ「私?」

エリカ「結構なペースで、ボラギノール、使ってるみたいだけど」

みほ「そうだね……ごまかしごまかし、って感じかなぁ」


みほ(このあと、ズタズタにされるのかもしれないけど……うぅ)


エリカ「そ、か。……そういえば、さ」

みほ「?」

エリカ「おしり、切れてたところは、その後、大丈夫だったわけ? ほら、熊本の実家で……」

みほ「……あ……」

みほ(そんな事もあったよね……)

みほ「……うん、なんとか大丈夫だったよ」

エリカ「そう……」

みほ「転校してからしばらくは、全然お友達もできなくて……戦車にものってなくって」

エリカ「……。」


 ……もっ、もっ……


みほ「その間に、ずいぶん治っちゃったんだぁ。全体の根治までは、やっぱりいかなかったけどね」

エリカ「ふぅん……。」

みほ「……あのままずっと戦車に乗っていなかったら、おしりだけは、今ごろつるつるだったかも……なんてね……」

エリカ「……。私は、たとえおしりがズタボロになったって、戦車にのってみせる」

みほ「ん……うん、そうだね……」


 ──ノンナさんも、華さんも、ダージリンさんも……アリスちゃんも……きっとそうやって決心をしてるんだ……


エリカ「……。」



 もみぃ……もみぃ……



みほ(ん……そろそろ、いいかな)

みほ「エリカさん、足を開いてもらえますか? 中を良く確認したいので」

エリカ「え……あぁ、わかった……」


 ぎし……きし……




103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:05:48.25 ID:EpU7ymOJO


みほ「おしりを左右に開くね……」

エリカ「お、おっけぃ……」

みほ(よぉし……ここからはもっともっと慎重にならなきゃ)

みほ(両手の親指と人差し指をつかって、しっかりと、けれどやわらかく──ゆっくりと開く……)

 ……くにっ、ぐにっ…

エリカ「……うっ……」

 ……ぐぱ……

みほ(────あ……)





おしり「────────…………、」

 ────────……はじめまして…………。





みほ(……。長い間ずっとそばにいたはずなのに──ようやく、会えたね……)

みほ(初めて見る……貴方の顔──ふふ……、少し、お岩さんみたいです。だけど……ずっとずっと頑張ってきた素敵なおしりです……)





エリカ「……ど、どう……?」

みほ「……はい、小さい豆と、少し大きな豆が、二つとびでてます」

エリカ「っ……そう、やっぱり出てるのね……」

みほ「小さいほうのおまめさんが少し破れたみたい。だから血が出たんだと思う……」

エリカ「いっそつぶれきったほうがよかったのかもね……」

みほ「そうだね……出血面から化膿しないないように、一応消毒もしないと。けど、その前にちょっと触るね。指先には馬油をつけるから、そんなに刺激はしないと思う」

エリカ「え、ええ、お願い……」

みほ「……。」


 ……ぷるん、ぷるん……


エリカ「ッ」

みほ(……うん。小さいおまめさんも、出血は収まってる。大きいおまめさんはまだ表皮がしっかりしてるから、今すぐに破れたりはしなさそう……)

みほ「──ひとまず、今のところこれ以上の出血はないと思います」

エリカ「そう、よかった……」




104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:06:42.83 ID:EpU7ymOJO


みほ「だけど……ここまで大きくなるっていうことは、もう、現状の対処ではごまかしきれなくなってるとういこと」

エリカ「そう、ね……」

みほ「お医者様に適切なステロイド薬を処方してもらわないと……」

エリカ「……。そうね、熊本に帰ったら、すぐに病院へ行く」


みほ(──……。ううん、だめ、それだと遅すぎるかも……──)


みほ「……もう一度、触るね」

 ……ぷに、ぷにぃ……

みほ「うん……押し込めば、今ならまだ中に入りそう」

エリカ「で、できる?」

みほ「大丈夫。自分でも何度かやったことがあるから。外に露出させておくよりかは、入れてしまったほうがいいです。それと──」

エリカ「?」

みほ「やっぱり、熊本に帰ってからでは危険です。長距離移動には耐えられないかもしれない……。明日、学園艦の病院へ行きましょう」

エリカ「……けど、師範が……」

みほ「お母さんには、電話で連絡をするしかないです。情けない報告はしたくない、って思う気持ちはわかるけど……破裂するハメになったらお母さんの心象はずっと悪いはずです。だから、お母さんに連絡して今日は家に泊って行ってください。明日、一緒に病院へ行きましょう」

エリカ「……。……ぷっ、あはは……っ」

みほ「ふぇ?」

エリカ「ごめんなさい……貴方が黒森峰でもこれぐらいに頼もしければ、色々なことが、もっと違っていたでしょうに、ってね。笑っちゃうわよ。戦車では頼りなかったのに、貴方、こんな時だけはたよりになるんだもの」

みほ「も、もう……私、大洗では、結構頑張ってます……」

エリカ「……ええ。……それくらい、私だってわかってる……」

みほ「……。」

エリカ「……。」

みほ「それじゃ……押し込む前にマッサージをするね。ほぐしてからじゃないと、痛いかもしれないから」

エリカ「え? あ、ああ……」

みほ「いくよ」


 ……くっ、くっ……


エリカ「……! んぁっ……ぁっ……、なにこれ、声でるっ……」

みほ(会陰の部分を、人差し指、中指、薬指の先で三点押し。やっぱり少し、こわばってる……エリカさんの体が引き締まっているのもあるとは思うけど、やっぱり、緊張で力がはいってるんだと思う。指先に強い弾力が返ってくる。括約筋もつられて固くなってるはず)

みほ(もう片方の腕の指先もつかって、おしりの谷間の上部付近を、おしたり、のの字にくゆらせて……)




105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:07:33.98 ID:EpU7ymOJO


エリカ「……ぅぁ……うぅ……」

みほ(……。少しづつ、ほぐれてきてかな……。──スゥ)


 はふうぅうううぅう~~~


エリカ「きゃ!? ちょっと! なんで息を吐きかけるのよ!」

みほ「子供のころ、お姉ちゃんが耳かきをしてくれた時によくふぁーってしてくれました。あったかくて、体のこわばりがぬけていくんです」


 はぁぁぁああ~


エリカ「ぅぃ……」


みほ「うん……だんだん会陰の張りも柔らかくなってきたよ」

エリカ「い、言わなくていいぁ……うぁっ……」

みほ「消毒液も、今のうちにササっと塗ってしまうね」


 ちょん、ちょん、


エリカ「ん……」

みほ「ぴりぴりしますか?」

エリカ「ううん、そうでもない。」

みほ「よかった──では、エリカさん、これから指で押し込むね。ちょっとおしりに違和感があると思うけど」

エリカ「わ、わかった」

みほ「でも大丈夫ですよ、指先にはボラギノールをたっぷりつけておくので、こすれたりはしないです」

エリカ「う、うん」

みほ「……ふふ」

エリカ「な、何よ?」

みほ「エリカさんが素直だなぁって」

エリカ「っ……お、おしりを丸出しで偉そうにしてたら、バカみたいじゃない」

みほ「あはは、そうかもね。……じゃあ、エリカさんが持ってきてくれたボラギノールを、と……」



 ……カパッ……



みほ(……お母さんがお金を出してくれたボラギノール……最初の一塗りは、エリカさんのために使うね……)

みほ(人差し指の第二関節まで、たっぷりと……)


 ぬと、ぬと、ぬと





106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:08:43.75 ID:EpU7ymOJO


エリカ「うー……うぅ……」

みほ「エリカさん、緊張すると思うけど、あまりおしりに力を入れちゃだめです」

エリカ「わ、わかってるけど」

みほ「あんまり力んだら、私みたいに切れちゃいます」

エリカ「ぎぃ……」


 ぬり、ぬり


みほ(……うん、これでよし……)

みほ「では、エリカさん」

エリカ「……っ」

みほ「痛かったら、いってくださいね」

エリカ「あ、あいぃ……」

みほ(ふふ、野太い桂利奈ちゃん)

みほ「では、始めますっ」

エリカ「~~~~っ」




 ──────ぬぷっ……ぐっ……ぐぐっ……!




エリカ「……ぁぃぃっ……!!!!」


みほ(っ……少し、括約筋に力が入ってる……っ、エリカさんのあったかいのが指先をぐいぐい締め付けてる……っ)


みほ「エリカさん、深呼吸だよ。小さいほうはもう終わるからっ」


エリカ「っ、は、はぁぁああぁあ……はぁぁあああうぅぅぃぃ……」


みほ(……っ、……ん……──────入った……!)


みほ「エリカさん、指、ぬきます!」

エリカ「は、はやくぅううっ……」


 ぬぽんっ!


エリカ「っ!! ……っ、はぁぁぁぁ……あぁぁああぁおぅ……」

みほ「……うん、外に戻ってこないし、指先に血もついてない。まずは第一段階、成功です」

エリカ「はぁぁ……ね、ねぇ、指、どれくらいまで入ってたの……?」

みほ「えっと、第一関節の少し先くらい……2センチくらいかな」

エリカ「そ、そう……根っこまで入ってるかと思った……」

みほ「あはは……じゃあ次、大きいほうもやっちゃうね」

エリカ「う……そうか、まだもう一つあるのね……」

みほ「次のは少し大きいから、もっとおしりに力を抜いていてほしいです……」

エリカ「う、うん……」


みほ(……もしも血包を変に圧迫することになったら、もしかするとそれがきっかけでやぶけちゃうかもしれない……)

みほ(慎重にいかないと……)





107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:13:06.38 ID:EpU7ymOJO


エリカ「……で、でも、あんたの指が私のおしりに入ってくるんだもん、どうしたって力んじゃうわよ……」

みほ「……うーん……」


みほ(大きいほうは自分でやってもらったほうがいいのかな……ううん、よく見ずに押し込んでもしも傷をつけてしまったら危ない……)

みほ(じゃあ手鏡をつかって自分で見ながら……? ……だめ、手元の視認性に限界がある……万が一の危険が……)


みほ(……あ、そうだ!)



みほ「エリカさん、そのまま軽く四つん這いになって、おしりに手を伸ばすことはできますか?」

エリカ「え?」

みほ「エリカさんの指さきを私がリードするから、自分の指で押し込むというのはどうでしょう。正しく押し込めているかどうか、私がリアルタイムで目視確認をするので……」

エリカ「……、……。……だ、駄目、いや……」

みほ「だめ、ですか?」

エリカ「だって……あんたが見てる目の前で自分のおしりに指をいれるなんて……なんか嫌っ、屈辱よっ!」

みほ「そ、そうですか……?」

みほ(……指を入れられるのと、あんまり変わりないと思うけど……)

エリカ「……もういいから……私はみほの指を信用する、できるだけ力を抜く、だから……やってしまって、お願い」

みほ「……! はい……! ……ありがとう、エリカさん」

エリカ「……う、うるさいっ……」

みほ「絶対、成功させます……っ」


みほ(考えて──指を入れる前に、できることは全部やっておかないと……!)

みほ(そうだ、馬油を少し指さきに塗っておこう。きっとそのほうがボラギノールだけの時よりも滑りやすさが増すはずだよね)

みほ(それに、おしりにもなじませておいたほうがいいよね。なんとか抵抗をへらしていかないと。ほかに、なにかできることはないかな。)

みほ(あ……万が一出血した場合の対処も考えておかなきゃ。いざというときに慌てちゃだめ。もしそうなったらいよいよ時間との勝負──)


エリカ「──もう、貴方、なんて顔してるのよ……」

みほ「──ふぇ?」



みほ(おしりから顔を上げると──エリカさんが、腰と首をひねって私の顔を振り返っていて──ちょっぴり笑っていました)



エリカ「いったいどんな顔をして私のおしりを見てるのかと思ったら……貴方、今までに見たことないくらい真剣な顔つきをしてるんだもの」

みほ「そ、そう……?」

エリカ「……ふふ……なんだか、ほんのちょっとだけ──師範みたいだった」

みほ「……おかあ、さん?」

みほ(私が……?)





108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:13:51.48 ID:EpU7ymOJO


エリカ「ほんのちょっとよ、ほんの3%くらいだけどね」

みほ「……。」

エリカ「けど、ま……そんな顔つきされたら、安心してまかせるしかないじゃない……」

みほ「……エリカさん……」

エリカ「──みほにまかせるわよ。私のおしり──」

みほ「……! はい……っ!」

みほ「──それではこれより、後段作戦を開始します、あらゆる自体に、臨機応変に対処していきます……!」

エリカ「……!」


みほ「──すぅ、はぁ……。……では、改めてっ──!」





 


       ──パンツァー・フォーッ!!







 ズブッ……!!!   






 ──試合終了! 勝者──大洗女子──!!!


 …………────────────────。











109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:14:48.83 ID:EpU7ymOJO









みほ「──じゃあエリカさん、私、シャワーを浴びてくるね」

エリカ「うーい……」

みほ「おしり……まだ傷い……?」

エリカ「ううん。痛くはないの。ただ、感覚が残っててね。……アンタの指の」

みほ「そっか……」

エリカ「まあ、気にせずシャワーを浴びてきて。私もその間に師範に連絡をしておく。……うー、そっちも緊張する……」

みほ「あ、そうだ……、お母さんにボラギノール代とクッション、ありがとうって、伝えてくれるかな……それと、大学の案内書も……」

エリカ「そういうのは自分で──……まぁ、いいわ……ひとまず、伝えておく。でも、ちゃんとおりをみて自分の口からもありがとうを言いなさいよ?」

みほ「う、うん……じゃあ、お願いします……」








 ──────────────────。





110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:16:02.56 ID:EpU7ymOJO





 しゃわわわわわわわわ……


みほ「はぁ……シャワー気持ちいい……」

みほ(やっぱり緊張してたんだ、汗、いっぱいかいてた……)

みほ「でもとにかく、上手くいってよかった」

みほ「だから……次は、私のおしりの番……」

 ──私が治した分まで全部ズタズタに引き裂いてやろうって、本気で思ってた──

みほ「……っ」

みほ(エリカさんが本当にそこまでやるとは思わない、けど……)



 ──私だって、アンタが戦車道をやめて西住流をすてて普通の人みたいに生きてくんだって──そんな事、考えたくなかった!!!── 



みほ「……エリカさんが、そんなふうに思っててくれたんなんて……」

みほ(嬉しい……だからこそ私、エリカさんに何をされても、受け入れてあげたい……)

みほ「……。黒森峰をやめて大洗にきて──私、大切なものがいっぱいできた。」

みほ(けど、私の思いでの中のとても深い部分には……やっぱり今でもエリカさんがいる……)

みほ「……どうしてなんだろう……黒森峰よりも大洗のほうが、私にとっては明るい思いでなんだけどな……」



 しゃわわわわわわわ……



みほ(……。おしり、ほぐしておかなきゃ)

みほ「乱暴に扱われても、少しでも、耐えられるように……」


 くに、くに


みほ(……みんな、元気かな……)

みほ(沙織さん、麻子さん、華さん、優花里さん、今ごろ、何をしてるかな)

みほ(私がこんなことしてるとは……誰も思ってないよね……)


 くに、くに


みほ「……あ、そういえば……」

みほ(エリカさん、無事にお母さんとお話しできたかな? 私がお風呂に入っている間に、連絡をしておくって言ってたけれど……)




 しゃわわわわわわ…………




 ────────────────────。








111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:19:07.68 ID:EpU7ymOJO





みほ「エリカさんおまたせ──あれ? エリカさん?」

エリカ「……。」

みほ(エリカさん、パンツも履かずにベッドに顔を突っ伏してる……おしり冷えちゃう……)

エリカ「……うー……」

みほ「あ……もしかしてお母さん、怒ってた……?」

エリカ「ううん、違う。そうじゃなくて私……しず、しゅ、しゅじゅちゅ、するかも……」

みほ「えっ、手術?」

エリカ「とりあえず明日この艦の病院へいってお医者様の判断を仰ぐけど、なるべく大会前にスパッと切ってしまう方向で考えようって……って師範が」

みほ「あ~……」

エリカ「はぁ……手術とか……不安……メスとか、怖い」

みほ「うん、怖いよね……」

エリカ「……うぅ……」

みほ「……エリカさん、とりあえずパンツ……おしり冷えるとよくないよ」

エリカ「うぅ……」


 はき、はき


エリカ「あぁ、そういえば、師範から伝言」

みほ「っ……う、うん……」

エリカ「『礼の連絡は一切不要。それよりもまず無限軌道杯で恥ずかしくない結果をのこすように』……だって」

みほ「え……じゃあ、私は電話、しないほうがいいのかな」

エリカ「そうね、連絡不要って言ってたし。でも、だったら──」

みほ「?」

エリカ「『大会頑張ります。ありがとう』とか、端的にさらっと潜り込ませてメールを打っておけばいいんじゃない?」

みほ「そっか……うんっ、そうするね、ありがとう」

エリカ「それにしても、しゅずつ……不安でもう口も回らないわよ……」

みほ「あはは……」

エリカ「……。まぁ、うだうだ言ってても仕方ないわ……とりあえずは明日の病院次第……」

みほ「そうだねー……」

みほ「……。」

 きしり……


みほ(枕に顔を突っ伏しているエリカさんの傍に、そっと座る……)

みほ(『はじめますか?』って、声にだすのは恥ずかしくて……)

みほ「……。」


 ドクン……ドクン……




112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:19:54.10 ID:EpU7ymOJO


みほ(上はちゃんとパジャマを着ているけれど、下はパンツもはかずに、バスタオルを巻いただけ……いつもとは違う感触が、おしりにちょっぴりドキドキした)


エリカ「……。はぁ~」

みほ「……。」




みほ(──なんとなく、ひょっとしたら今日はこのままなし崩し的にお休みなさいの流れになるのかな~って──)

みほ(安心してしまうような、ものたりないような──私がそんな気持ちをいだいていると──)




 さわっ……



みほ「……っ」

みほ(エリカさんの手が、私のおしりに触れた。バスタオルの上からでも、押し当てられた手のひらの熱が伝わってくる……)





みほ「………………っ」

 ドクン…ドクン……ドクンッ……!





エリカ「……あなたが私にしてくれたことも、私が貴方にすることも……絶対だれにも言わないでよ」

みほ「……う、うん……わかってる……」

エリカ「もしも誰かにいったら────────貴方をころして私もしぬ」

みほ「……ッ!?」

 ぞくっ……

エリカ「……こんなこと、誰かに知られたしんだも同然だものね、貴方も私も」

みほ「……っ。……うん。絶対に秘密だよ。私とエリカさんだけの、……秘密」

エリカ「……。」


エリカ「…………おしり…………見せて」


みほ(……………ッ)





113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:21:25.98 ID:EpU7ymOJO



みほ「……ベッドに、寝れば、いい、のかな」

エリカ「いいえ……カーペットの上にブランケットを敷いて、そこに寝そべって」

みほ「え……う、うん……」

 ……バサッ……

エリカ「うつ伏せになって。……バスタオルを外して」

みほ「……っ……」

 しゅる……ぱさ……

みほ「ん……」

みほ(──おしりを出したまま、床にうつ伏せで寝そべる……変な感じ……マッサージ屋さんも、こんな感じなのかな……)




 ──マッサージ屋でおしりを出したこと──ないけどね──


      ──うほっ!──




みほ(……っ)

みほ(お銀さん……サメさんチームのみなさん……、会長……っ……お姉ちゃん……!)

みほ(みんなの顔が浮かぶ──だめ、恥ずかしいよ……)


エリカ「──じゃあ、そのまま足を開いて。今度は私が、貴方の足の間に入るから」

みほ(……ッ……)

みほ(おずおずと足を開く、時々ガニ股になりそうになって、少し恥ずかしい……。エリカさんがベッドの上からズルリと這うように床におりてきて──おしりが痛いのかな?──そのまま匍匐前進して、目指す先には……私のおしり……)

みほ(そっか、ベッドでは二人一緒に縦には並べないから……だから床で)


エリカ「……、ふぅ……」

みほ(……っ、この感じ久しぶり……。エリカさんと私が、見つめ合ってる)

エリカ「ふぅん、ちゃんとケアしてるのね。思ってたよりも綺麗なのね」

みほ「……っ」

みほ(寝転がって漫画を読む時みたいに、エリカさんが今、私のおしりを見つめてる……怖くて、不安で、恥ずかしくて……逃げ出しちゃいそう……)



みほ(──────ダメ!)

みほ(逃げたり、しない。もう、逃げない。私はそう、決めた……)






114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:22:20.12 ID:EpU7ymOJO



エリカ「いつぶりかしらね」

みほ「熊本、以来だよ」

エリカ「そっか……。」

みほ「……。」

エリカ「……ねえ」

おしり「なんですか……?」

エリカ「こっちの学校でも……おしりに薬を縫ってくれるような誰かさんは、ちゃんと見つかった?」

みほ「っ……ううん」

エリカ「ふぅん……そう」

みほ(アンコウチームのみんななら、お願いすれば、もしかして塗ってくれるかもしれない……でも……)

みほ(エリカさん以外の人には、どうしても頼めなかった)

みほ「……そんな頭のおかしな人、そうそういないです」

エリカ「ふん……ま、そうでしょうね」

みほ(……。)

エリカ「馬油、使わせてもらうわよ」

みほ「え? うん……」



みほ(あ、馬油、使ってくれるんだ。……じゃあやっぱり、そんなに酷いことをするわけじゃ──)

みほ(と、私が甘い考えを抱いた次の瞬間──)


 ──ずぶぅっ!

みほ「あっ……!?」

みほ(──エリカさんの戒めが私の楽観を貫いた)


みほ「っ……」

みほ(無警告でおしりに指を……!?)





115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/24(日) 23:24:24.86 ID:EpU7ymOJO


 ……ぐり、ぐり……


みほ「あぅっ……!」

みほ(っ、おへそに、響く、腰が、浮いちゃうっ……) 

みほ「うぁ、エリカ、さっ……!」

 ……ずぼ、ぐりっ

みほ「……っ」

みほ(傷がついちゃうほど乱暴ではないけど……でもっ……優しくはないっ……あぁっ!)


エリカ「……今更、貴方を傷けたいとは思ってない。……だけど……」

みほ「っ……」

エリカ「私は貴方のことでさんざん苦しんだ。だから……私の気がすむまで、好きにさせてもらうから」

みほ「……っ」

エリカ「……でも、本当に痛かったらちゃんと言ってよね────みほ」

みほ(……っ!!)

みほ「──うん、いいよっ……エリカさんの好きにして。私は──絶対逃げないから……!」

エリカ「……うん、ありがとう…………みほ……」

 ……ぐりぐりっ……!!


みほ(ンーーーーーッッ……っ)




みほ(大洗の誰も、私がいまこんなことをしてるだんて、絶対に知らない……)

みほ(絶対に誰にも言えない、二人だけの秘密のヒメゴト。私とエリカさんの何百日ぶりの夜──)

みほ「……っ」




みほ(──ダージリンさん、これも、乙女の秘め事なんですか、淑女の人達がしてることなんですか、ダージリンさんっ──)

 ダージリン『…………。』

 ──ダージリンさんは微笑を浮かべたまま何も言わずに私を見つめてる──その隣でオレンジペコさんがちょっぴり困った表情で小さく首をかしげて──


みほ(……そっか、そうですよね。……ヒメゴトを誰かに話しちゃ、しちゃいけませんよね……)



みほ「────…………っ」

エリカ「……。」


 ぐり、ぐり……





 ────────────────────────












129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 19:58:02.87 ID:5MB8nyF1O


 ──最初の五分間──それはとてもとても激しい五分間でした。緊張のとぎれる瞬間なんか一時もなくて──まるで大学選抜戦の最後の五分間を──あの苛烈な五分間を、思い返しているようでした──




 ぐっ……ぐりっ……

みほ「あぅっ……!?」

エリカ「一応、指先にはボラギノールを塗ってある。……治療だと思いなさい」

みほ「っ……」

みほ(その言葉とは裏腹に、その指先の力強い機動はまるでエリカさんの大好きな浸透突破戦術──ううん、そんな生易しさじゃない、これ、まるでダージリンさんの強襲浸透戦術──)

エリカ「……っ」

 ……ずぽ、ずぽ、ずぽ、ずぽ……

みほ(──前進と後退を交互に激しく繰り返して──そう、今度は行進間射撃……っ)

 ぐりっ……ぎゃるるるるるるるるるっ

みほ(──超進地旋回っ!? 違う、ただの超進地旋回じゃない、これって、もう──アリスちゃんの行進間超進地旋回……!? 

みほ(あぁっ……履帯が切れちゃうっ……!!)




 ──涙でにじんだ視界の中──写真に写った大洗のみんなの笑顔が──私を見つめてる──

 ──皆で一緒に手をつないでとったその写真──私とエリカさんは今、手をつないでいるのかな──?



 
みほ(……違うっ、こんなのは、違うよぅっ……)



 ──手を繋ぐって自分じゃない誰の暖かさを感じること──


 ──こんなの、触れ合いなんかじゃない。暖かくなんてない、……熱いよぅっ! エリカさん、そこ、もう、内臓だよぉっ……──


 ぐりっ……


みほ「……あぁうッ!!」




     

    ──私の身体の中に今エリカさんが居る……好き放題に暴れてる──強襲浸透で隊列は分断されてすでに部隊は滅茶苦茶……



             ……どこからが私の身体でどこからがエリカさんの身体なの? ……大混戦だよ! 




 だめっ、いったん距離を撮らなきゃ! このままじゃ、バラバラにされちゃう、熱いのは私のおしりなのエリカさんの指どっちなのかもうわからないよっ……こわいっ、

        もうっ、よくわからないよぉっ……!!!



                   私がいなくなっちゃう……!






みほ「──エリカさんっ、待ってっ、お願いです、ちょっと待って、くださいっ……!」




130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 19:58:41.94 ID:5MB8nyF1O


エリカ「……。」


 ……ぬぽ。


みほ「ッ……っ……はぁ、っ、はぁっ……」


みほ(っ、苦しい──呼吸が、止まっちゃってた……)


みほ「はぁ、はぁ……」

エリカ「ごめん、痛くした? イボは避けてるつもりだったけど」

みほ(……!)

みほ(ほんとだ──あれだけさんざんにかく乱されたのに、そういう痛みは全然ない──エリカさん、ちゃんと避けてくれてたんだ……)

みほ(あんなに強引な感じだったのに……)

みほ「大丈夫、痛くはないよ。……ふぅ……。」

エリカ「……。落ち着いた?」

みほ「は、はい……ごめんなさい、中断してしまって──」

エリカ「──じゃあ、また行くわよ」

みほ「……ッッ」


 ズッ──ズボズボズボズボズボズボッ!!!!


みほ「……!!!!!!」


 ──粗塩を丹念に塗りこむようにボラギノールを擦り付けられる──


      ──治療と暴力との曖昧な境界線。私の悲鳴は大洗の誰にも届かない──



──私達はいったい、何をやっているんだろう。──どうしてこんなことになってしまったんだろう──



みほ(ふと、そんなことが頭に浮かぶけど──私にはその先を考える余裕なんてない)


 ズボズボズボズボズボグリュルルルルルルルっ!!


みほ「──ッッッ!!」

 ──おしりを穿つエリカさんの指先──今、それだけが私の世界のすべてだった──




 ────────────────────────。




131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 19:59:10.08 ID:5MB8nyF1O






 ──長い長い5分が過ぎて、エリカさんの指は唐突にその動きを止めた。


エリカ「……。……ふぅ」


 ──ちゅぽん……


みほ(っ……、……?)

みほ「エリカ、さん……?」

エリカ「……。」

  ……じぃん、じぃん……

みほ(……おしり、びりびりする……)

エリカ「……限界ね」

みほ「え?」

エリカ「これ以上やったら、切れるわよ」

みほ「っ、……い、いいよ、エリカさんの好きにして……」

エリカ「……バカ。私はあんたのおしりを滅茶苦茶にしてやりたいけど──でも、傷つけたいわけじゃない.
さっきも言ったでしょ」

みほ「……。」

エリカ「ただし、これで終わりだなんて、勘違いしないでよ。まだまだこれからだから」

みほ「え……」

エリカ「ボラギノールと馬油、使わせてもらうわよ」

みほ「う、うん……」

みほ(……次は、何をするんだろう………)


エリカ「……。」

 ……ぬり、ぬり……


みほ「あ……?」


 ……もみ、もみ、ぬり、ぬり……






132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:00:18.25 ID:5MB8nyF1O


みほ「……あの、エリカさん……?」

エリカ「黙ってて」

みほ「え……」

エリカ「私がいいっていうまで、口を閉じてて」

みほ「わ、わかりました……」

みほ(……??)

みほ(まぁ、何でも受け入れるって、決めてたもんね……)









  ……ぬり、ぬり






                        もみ、もみ……



        くり、くり……







       


             ぬり、ぬり……もみ、ぬり……








   くにゅ、くにゅ……






みほ(…………………………。)







 ────────────────────────────────────。




みほ(────────…………。)



みほ(……もう一時間もずっと……。)









133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:00:56.23 ID:5MB8nyF1O


エリカ「…………。」


 ……もみもみ……


みほ(エリカさんは一言もしゃべらずにずーっと私のおしりを……すごく優しく、丹念に丹念に……溝の一本一本にまで、ボラギノールを塗布していくみたいに……)

みほ(べつに今更恥ずかしくはないし、とっても気持ちいいんだけど……)

みほ(エリカさんは今、何を思ってるのかな……)

みほ「……。」


 ぐぅ~……


みほ「あっ」

みほ(お腹が……)

エリカ「……ん?」

みほ「えと……エリカさんはお腹、空かない……?」

エリカ「あぁ……いつのまにかもう八時なのね。そうね、ちょっと、空いてきたわね……」

みほ「せっかくだし、一緒にお食事しにいく?」

エリカ「うーん……まだ少し、おしりが怖いのよね」

みほ「そっか」

エリカ「出前みたいなのは?」

みほ「えと、お弁当屋さんでもいい?」

エリカ「ええ、十分よ」

みほ「じゃあ、電話するね」

エリカ「お願い」

みほ「エリカさんは何にする?」

エリカ「そうね……」



 ──そんな当たり前の会話がなんだかとっても奇妙で……ちょっぴり可笑しい。つい数十秒前まで、私とエリカさんは……。




みほ「あ、もしもし、お弁当の配達をお願いしたいんですけど……」

 ──くに、くに

みほ「っ、……エ、エリカさんっ!」

エリカ「……ふふん」


 ──おしりを触られながらお弁当屋さんに電話するのも、生まれて初めての体験でした──……





134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:02:07.83 ID:5MB8nyF1O



みほ(エリカさんはハンバーグデラックスを、私は親子丼を、それぞれ注文)

みほ(さすがに二人とも一度ちゃんと服を着て、念入りに両手をハンドソープ……)


みほ「いただきます。」

エリカ「いただきます。」


みほ(食事中は戦車道のお話しでそれなりにお話が弾みました)

みほ(なんだか本当に、黒森峰の艦にいるみたい……)


みほ「ごちそうさま」

エリカ「ごちそうさま」


エリカ「……。」

エリカ「……おしり見せてよ」

みほ(あはは、やっぱり)

みほ「うん、いいよ。……あ、だけど……」

エリカ「?」

みほ「もうすぐテレビでボコのアニメがあって……」

エリカ「べつに、あんたは見てていいわよ。私は勝手に触ってるから」

みほ「そ、そっか」



みほ(お弁当をかたずけた後、二人でブランケットの上に一の字になって──)



 <やーってやーるやってーやるー



みほ「あ、エリカさんごめんなさい。ちょっと今、ボコがやられるところだから、あんまり指を激しくしないでほしいかも……」

エリカ「はいはい」

みほ「あぁー、ボコ、頑張ってボコ……」

エリカ「……。」

 くに、くに。






135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:03:04.36 ID:5MB8nyF1O



みほ(アニメが終わって夜の9時。テレビを消すと、部屋の中に再び静かな時間がやってきました)

みほ(そして、エリカさんは相変わらず──)


エリカ「……。」

 くに、くに……


みほ(やっぱり、私のおしりを、ずーっとずーっと)

みほ(おしりのあ……キューボラの周りを円を描くように指でなぞってみたり、少し開いて中の様子をうかがってみたり、大殿筋をマッサージしてみたり──……まさに、黒森峰にいたころにしてくれていたマッサージそのもの……)

みほ(エリカさんは今、何を考えているんだろう……)

みほ「……ねぇ、エリカさん」

エリカ「何?」

みほ「ちょっとだけなら、お話ししてもいい?」

エリカ「ちょっとだけならね」


 くり、くり。


みほ「えと、エリカさんって、おしりが大好きなの……? もう二時間近くも私のおしり触ってるよ……」

エリカ「……人を変態みたいに言わないで。おしりなんて好きじゃないわよ。汚いし」

みほ「で、でも、じゃあ、どうして」

エリカ「……。」

みほ「あの……」

エリカ「……おしゃべりはおしまい」

みほ「え~……」

みほ(……。)

みほ(まぁ…………エリカさんが自分の気持ちを言葉にしてくれたことなんて、今までだってほとんどなかったもんね……)

みほ(……そのせいで私は時々とっても不安な気持ちになるけれど──)



 ──でも、考えてみればエリカさんはいつだって気持ちをちゃんと私に表現してくれてた──

 ──言葉ではなく、その行動で。熊本の時だって、今日だって、私に会いにきてくれた……


みほ(……。)

みほ(黒森峰にいるはずのエリカさんが私の家にいて、私のおしりに何時間も薬をぬってくれてる……それがきっと、一番大切な事……)





136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:05:55.05 ID:5MB8nyF1O





 ──電源を切ったTVの画面──見上げればそこに、おしりをだして横たわる一人の女の子が私を見つめてる……





 ──ふふ、貴方は一体何を考えているの? おしりを出して、変な人……





 ──そのおしりに伸びる二本の腕、手首から上は画面の外に見切れているけれど──その二本の手首は優しく優しく、つきたてのお餅をこねるように丹念に────


みほ(……あ)


 ちらっと、スクリーンの端にエリカさんの顔が……。


 エリカさんは相変わらずの鋭い瞳で私のおしりを──






みほ(……え?)




 ──エリカさんの、切なそうな瞳が、私のおしりを見つめてる──


みほ(…………え…………?)


 ──どこか悲し気なその眉の形。唇が少し開いて苦し気にあえぐように、舌の先が見え隠れ────





みほ(……!?)



みほ(………………!!!!???)



みほ(………………えっ!? えっ!!!!??)





 ──エリカさんの顔が、いっそう私のおしりに近づく、まるで私のおしりがエリカさんを食べちゃうみたに────ううん、違う! エリカさんこそ、私のおしりを食べちゃおうとしてる──!!?? 






 あ、あ、唇が、ベロが……今にも私のおしりに触れちゃいそうなくらいに───食べ、食べっ……共食い……!?





みほ(……っ)


 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……!!!!








137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:07:00.45 ID:5MB8nyF1O






みほ(あ……あ、あああ……ぞうなんだ……!)

みほ(ずっと前から……ずっとずっとそうだったんだ!!!)




みほ(……どうしよう……)




みほ(どうしようどうしよう……)




みほ(……どうしようっ!!!)



みほ(どうしようお姉ちゃん!!)


みほ(どうしよう沙織さん!?)



みほ(どうしよう優花里さん華さん麻子さん!)











   ……私………………




       …………エリカさんのこと…………ずっと前から好きだったんです……………………













ボラギノールフィンガーみほエリ

~完~




138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 20:09:05.28 ID:5MB8nyF1O

以上です。
最後までありがとうございました。お楽しみいただけたのなら幸いです。

このSSはリズと青い鳥に触発されて書きました。
あの二人も痔になればこれくらいはすると思います。




141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 23:23:03.86 ID:5MB8nyF1O

以下
>>137の
好きだったんです……からの直接の続きです。



142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 23:27:59.09 ID:5MB8nyF1O

みほ「──エリカさんっ!!」

エリカ「──ッ!? いきなり大きな声を出さないでよ!」

みほ(あ、今エリカさんの驚いた吐息が、おしりに……っ、吐息がとどく距離で私のおしりをっ)

みほ「エリカさん、どうか答えてください……」

エリカ「……何よ」

みほ「エリカさんは今、どんな顔をして私のおしりをケアしてくれていたんですか」

エリカ「……っ!?、どんなってべつに……普通よ。どんな顔をしてると思ってたの」




みほ(…………。)




みほ「私、ときどき思うことがあるんです。私って……マザコンなのかなって……」

エリカ「……は?」

みほ「私が小学生のころ、お母さんがよく私のおしりにボラギノールを縫ってくれてました。私はそのころからおしりが弱くて……」

エリカ「……。」

みほ「おしりにボラギノールを縫てくれてるときのお母さん、すごく、まじめで、キリッとしてて恰好よくて……私……エリカさんはお母さんに似てるなって、思うことがありました。」

エリカ「貴方が何を言いたいのか……全然わからないわ」

みほ「私はお母さんの事が苦手です。でも、……エリカさんがお母さんに似てるなって思って……私がエリカさんにだけおしりを見せてたのも、きっと……」

エリカ「…………私は、あんたの子守係じゃないわよ」

みほ「……だったら、教えてください。エリカさんは……どんな顔をしていたんですか……お母さんみたいな顔では、なかったんですか……?」



エリカ「……」


エリカ「……」


エリカ「……っ」


エリカ「っ、普通だって、いってんのよっ……」


みほ(────────────…………。)




143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/30(土) 23:38:38.42 ID:5MB8nyF1O


みほ「エリカさん、ごめんなさい……」

エリカ「ごめんごめんって、何がよ! あんたの謝罪はいつもいつもイライラするのよ!!」

みほ「………………テレビ画面を……見てください…………。」

エリカ「はぁ!?」

みほ「テレビ画面に、私は見えますか? ──私がどんな顔をしているか──エリカさんの角度からでも、見えますか」

エリカ「あぁ? ……あぁ、まぁ、たしかに反射して見えてるけどそれが──」



 ────────────…………………あ?、


エリカ「──────────────っ!」

みほ「……。」

エリカ「……っ、……み、ほ…………っ」


みほ(エリカさんの声が、震える──)


みほ「……教えてください……」

エリカ「……、」

みほ「……どんな顔を──」

みほ「エリカさんは──していたんですか」


エリカ「………………………………このっ……!!!」

エリカ「────何なのよあんたはぁ!!!??」


 ずぶっ!!


みほ「あ痛……っ!!??」

みほ(ボラギノールの塗りが浅い──摩擦が強い……!?)


エリカ「いつも何なのよあんたは!! 大会の時も!!!  今日も!!」



 ぐりぃっ──



みほ「あぎっ!?」



144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/01(日) 00:08:19.88 ID:cxOcuABaO


エリカ「なんであんたは勝手に私のことを見透かすのよ! 私が隠してることを──勝手にのぞき見するよ!!!」

エリカ「私が知らないところで……!!!」

エリカ「────バカにしてんのかぁああああっ!!!!!」



 ぐりゅ! ──────…………プツッ……


みほ「ッ、っ、ひいっ、あっ……!」

みほ(…………っ!!!!)

みほ「……っ、ごめんなさい、だからっ、エリカさんも、見てください……!!」

エリカ「あぁ!? もっとわかるように言いなさいよ!」

みほ「おしりにお薬を塗られてるとき、私がどんな顔をしてるのか──エリカさんも見てください……!」

エリカ「…………!?」

みほ「私の顔のをすぐそばで、見てください──」



 ──おしりには眼なんてついていない────私はどうしてそんな当たり前のことに、今まで気が付かなかったんだろう──



みほ「エリカさんの目で、私の目を、見つめていてください……!!」

エリカ「………………。」



 ──『私はエリカさんがどんな顔をしているか全部わかってる』そんなのは全部……私の思い込みでしかなかった……


みほ「……私もエリカさんの瞳、間近でみていたいです……」

エリカ「……」



 ──黒森峰から逃げ出す、そのずっとずっと前から……私達は偽りの瞳で──見つめあうふりをしていたんだ──



エリカ「……………………。」


 ……ずっ……


みほ(私の足の間にいたエリカさんが、匍匐前進で移動を開始する──)

 
 ずり、ずり、


みほ(私の足元から、私の隣へ──二人、二の字になって隣り合う……)


エリカ「……。」

みほ(あ……エリカさんの顔、赤い。目じりに……涙……?)

みほ(……私もきっと、似たようなものだよね……)

みほ「……エリカ、さん……」

みほ(私の本当の瞳が、エリカさんの瞳を見つめる……肩が触れ合距離で、お互いの虹彩の構造を、確認しあえるほどの距離で……)

みほ「このまま、私のおしりに……ボラギノールをお願いします……」

エリカ「……!!!」




148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:23:49.97 ID:F50zWQcpO


エリカ「鼻っ面を突き合せたままボラギノールを塗れ……って……」

エリカ「はっ……あんたって、どうしようもない変態だったのね」

みほ「……。」

エリカ「そりゃそうよね。でなきゃ、自分のしりを他人に触らせたりはしないわよね」

エリカ「ホント笑っちゃうわよ……あんたのせいで、……あんたに出合ったせいで、私の人生は滅茶苦茶よ……」


みほ(……エリカさんの瞳の奥で、何と何かかが戦ってる。私達が培ってきた普通の当たり前と、私達の中だけでしか生きられない普通じゃない何かと)


エリカ「隊長が知ったら何ていうと思う? こんなこと師範が知ったら? ……私は、きっと、軽蔑される……」

みほ「エリカさん……」


みほ(そっと、ボラギノールの瓶を、エリカさんの鼻先に添える)


 私達を繋いでくれたボラギノール──
 
 ひき肉と玉ねぎとグリーンピースと……いろんな材料を繋ぐように、私達の間の色々なものを、ボラギノールは繋いでくれた。


みほ「私も、ハンバーグが、大好きです」

エリカ「………………っ」



みほ(こめられた気持ちが伝わったのかどうか、相変わらず私はエリカさんの気持ちを推し量りきれない)

みほ(だけど──エリカさんの手が、おずおずとボラギノールを目指していく)


 くり、くり、……かぱっ



みほ(500mg弱のボラギノールの海が、私達の間に横たわる──ちょっぴりお薬くさい潮の香りと──)

みほ(でもそれは私達を隔てるものではなくて、むしろ私達を繋いでくれる海の道)

エリカ「……っ……」

みほ(バルバスバウが海原を割るように、エリカさんの指先が、ボラギノールの海へとわけいっていく)



 ……ぬと……


 
みほ(引き上げられた指、第二関節までたっぷりとボラギノールに覆われて──エリカさんの指先はボラギノールそのもの──)


エリカ「……。」


 エリカさんの瞳にはまだ迷いの色が強いです。でも、エリカさんの腕はゆっくりとではあるけれど、私のおしりへと向かってる。




149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:24:44.19 ID:F50zWQcpO


みほ「……全部、秘密です。私とエリカさんだけの。絶対に、誰にも、言いません」

エリカ「……っ」


 エリカさんの掌底が私のおしりに添えられる。もう、あとは、その指を振り下ろすだけ──


みほ「エリカさん……」


 両手を伸ばして、お互いの前髪をかきあげる──四つの球体が、何にも遮られずに向かい合う。お互いの姿を教えてくれる不思議な球体……。


みほ「……触って、ほしいです……」

エリカ「……!!!!」

 ──つぷっ

みほ「あ……!」

 待ち焦がれた刺激が、やっと……
 

 ぬり、ぬり……


みほ(……嬉しい……)

 何度となく経験してきた感触だったと思う。今更はじめての刺激ではなかったと思う。

 ──なのに……

みほ(でも、なに、これ、今までと全然ちがう)

みほ(……っ……)

 眉間にしわがよる、口を閉じていられない、喉の奥から変な声が漏れそうになる──頬が熱くなる──それを全部エリカさんに見られてる。

みほ(っ!?)

 ふいに、ものすごい気恥ずかしさに襲われる。自分が今どんな表情をしているのかが全然よくわからない。……それなのに、エリカさんに全部みられてる!

みほ「……待ってっ、エリカさん、待って、ごめんなさい、やっぱり恥ずかしい……」

 思わず両手で表情を隠す。
 その私の手を──エリカさんの手が強引にもぎはがした。

みほ「あ……!?」

エリカ「……みほ……っ」




150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:26:43.09 ID:F50zWQcpO


 ぐりぃっ……!!



 エリカさんがおでこを押し当ててくる。

 視界いっぱいの、エリカさんの瞳。

 誰とも経験したことのない接近戦。頭が一瞬、真っ白になる。

みほ「エリカさっ──」

エリカ「──あんた、ずっとそんな顔をしてたの」

エリカ「私に薬を塗られながら、ずっとそんな顔をしてたの」

みほ「……!?」


 おでこをぐりぐりとこすりつけられながら──鼻先をツンツンと小突き合わせながら──それでもエリカさんの指はおしりに薬を塗り続ける──


みほ「エリカさんこそ……っ」

エリカ「……?」

みほ「私、エリカさんの事お母さんみたいって思ってたのに──今のエリカさんは、全然お母さんには似てないです」

エリカ「……っ」

みほ「自分が今どんな顔をしてるか──エリカさんこそ、わかってるんですか……っ」

エリカ「っ、偉そうにしてんじゃないわよっ、マザコンみほっ」

 ごっ!

みほ「……っ……!?」

 頭突きをされたあと、エリカさんの指先が激しく動いてボラギノールを私のおしりへすりこんくる。 

エリカ「……このっ、このぉ……!」

みほ「うぁっ……あぅっ……!?」

 とってもとっても恥ずかしいけれど、私はもう自分の顔を隠さない。

 エリカさんも自分の表情を隠したりはしない。

 その絶対のルールを私たちは瞳と瞳で示しあう。

みほ(……エリカさん……っ)

エリカ「……はぁぁっ……あぁぁっ……」

みほ(エリカさん、今すごく情けない顔だよ。泣き出しそうな顔だよ。口が半開きになって、鼻の穴まで全部見えてる。──きっと私も今、同じような表情をしてるんだ……!)


 ──どうしよう!?

 私達これからどうしよう!?

 ねぇエリカさん!!!

 私達これからどうしたらいいと思う……!?


 ──お腹がペコペコで今にも倒れそうになりながら、ずっとずっと食べ物を探し求めてさ迷っていたかわいそうなトラさん。

 そのトラさんの目の前に──突然、おいしそうなハンバーグがあらわれて──

 だから本当なら、今すぐにでもかぶりつきたいのに──!


みほ(だけど、できない……)

みほ(私たちはハンバーグじゃないないもん、人間だもん、かぶりついたり、できないよ……)




151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:29:09.06 ID:F50zWQcpO


 いてもたってもいられずに、どうにもこうにもならなくて、藁の代わりにエリカさんの体にしがみつく。

エリカ「っ、みほ……?」
  
 考えてみると、エリカさんの体に抱き着くのはこれが初めてで──私はもうエリカさんの体の感触に、自分を抑えられなくなった。

みほ「一緒にいく……私、エリカさんと同じ学校にいく……」
 
エリカ「……!?」

みほ「黒森峰の大学へ行きます。また一緒にエリカさんと戦車道がしたいです」

エリカ「──────!!」

 瞬間、私はたしかに見たと思う、エリカさんの瞳孔が、本当のトラさんみたいにぐわっと拡大するのを──

 ぐりぃっ…………!

みほ「あっ……!!?」


 エリカさんの指先が冷静さを欠いた力強さで私のおしりに潜り込む。
 反射的におしりと身をよじって逃げようとする──でも、逃げられなかった。


エリカ「ああもぉおぉぉっ」

 エリカさんが私の体に覆いかぶさって、そのまま万力のような力で身体を締め上げる。おしりの指にもその力の余波が伝わっていてとても痛い。 でも、逃げようにも、どうにもできなかった。

エリカ「みほ! みほ! ……みほ!!」

みほ「……!?」

エリカ「絶対よ! 絶対に一緒の大学に来なさいよ!!!???」

エリカ「約束をやぶったら地の果てまででもおいかけて必ずあんたの直腸を引きずり出してやるから!! みほ、みほ、みほ、みほ! ……みほ、みほ、! みほ……! 一緒にきて!!」

みほ「……はい、っ……はいっ……!!」


 ──裂けちゃうかも……。

 頭の片隅で私が呟く。エリカさんの指先に尋常じゃない力が籠り始めてる……でも、そんなこともうどうでもいい。
 切れたって、裂けたって、私のおしりは絶対にまけない──

みほ「エリカさんっ……エリカさんっ………………………大好き」

エリカ「──────!!!!」




 ──びりぃっ!!






 ──天の岩戸、開く──











 ──────────────────────────────────。



 

 ──────────────────────





 ──────────




152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:30:51.53 ID:F50zWQcpO







みほ(──ん……)


 ──暗い天井が、私を見下ろしてる──


みほ「……?」



みほ(あ……そっか、私、いつの間にか寝ちゃってたんだ……)



 ち……ち……ち……


みほ(時計の秒針の音……夜中の三時……エリカさんは……?)


みほ「……あ」



エリカ「──────……スゥ、スゥ……スゥ」

みほ(ベッドに横たわる私の手を、エリカさんが握ってる。エリカさんはゆかに腰をおろしたまま、ベッドに腕枕をして……)



 
みほ「……。」

みほ(エリカさん、私の手を、ずっと握っててくれたんだ……)



 ……ズキンっ……

みほ(痛っ……)



 数時間前──エリカさんの指にこじ開けられて、私のおしりは裂けた。

みほ(……痛かったなぁ……)

 私は痛みのあまりに泣きだしてしまって──最初はエリカさんはそれを何か感極まった涙だと思っていたみたいだけど──

エリカ『……あ!? みほ!? みほ……!?』

みほ『うぅ、痛い、痛いよぅ……』

 エリカさんは自分の勘違いに気づいた後、顔を青くしながら私の救護をしてくれた。




153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:32:29.59 ID:F50zWQcpO


 止血をして消毒をして、痛み止めもちゃんと飲ませてくれて。

 私はベッドに横向きに寝かされて、エリカさんがずっと、私の手を握っていてくれて握っていてくれた。

 おしりはまだまだ痛かったけれど、エリカさんの額にも冷や汗が浮いていたけど──二人で一緒に、けらけらと笑う。

エリカ『私達って、ホントすくいようの無いバカね──仮にも隊長格だなんて、信じられる?』

 エリカさんは私の気を紛らわそうとしてくれたのか──今まで聞いたことのなかったことを、いくつかポツポツと私に話してくれました。

エリカ『……一年のころ私、つらい時にはいつもあんたのおしりの事を考えてた──』
 
エリカ『大きな失敗をした時、すごく悔しい思いをした時、悔しくて泣いてしまいそうになった時、それに、すごく緊張をした時とかも──みほのおしりのことを考える。そうすると、すごく肩の力が抜けた。それに、西住流の貴方でさえあんなに頑張ってるんだから、私も頑張らなきゃって……』

エリカ『……最初は本当にそれだけだった。でも、時々……あんたのおしりが四六時中頭から離れない日があったりして、……』

エリカ『…………。』

エリカ『私たち、これからたくさん、考えなきゃいけないことがあるわよね。でも……今はまず、目の前のことだけに集中しましょう』

エリカ『大学の話も、いい? いったんは忘れなさいよね? 黒森峰の大学のこと、みんなには黙ってなさいよ。なぜって──あんた、絶対いろいろ顔にでるでしょ』

エリカ『とにかく明日からはぜったいに今まで通りだからね? 大会で私にあっても、気安く話しかけんじゃないわよ!? ……ちょっと、そんな顔しないでよ……』





みほ(──────……。)



 ──熊本を逃げ出したあの日──あの時も、私のおしりは裂けていた。



 おしりが裂けたのと同じように、もう、何もかも取り返しが付かないんだって、一人で思い込んでた。──



みほ(──でも、そんな事なかった。いつか必ずおしりは治る。それに──)

エリカ「────すぅ、すぅ……」

みほ(私は今でも、エリカさんと一緒にいる……)

 ──どうしてこうなってるんだろう──

みほ(……。うん、そんなの、考えるまでもない……みんなの、おかげだよ。今まで出会った、いろんな人たちのおかげ……)

 
 ──私は同じ失敗を何度も何度も繰り返し──結局自分は、同じ場所をグルグル回っているだけなんじゃないかって、恐ろしくなる時もあるけれど──


 そうじゃない、少しづつ、少しづつ……何かが、変わっていく。私たちが、変わりたいと思い続ける限り……


みほ「そうですよね、エリカさん……」


 ──エリカさんの握る手が温かい。その温かい手の中指に、私はそっと口づけをする。


みほ(……少し、お薬臭い……)
 
 エリカさんは手も洗わずに、ずっと私のおしりを見てくれていたんだ。

 またたまらなくなって──私はパクリと、エリカさんの中指をはむ。

みほ(たまらなくなってばかり……だめだなぁ、私……)


 ちゅう、ちゅう……ちゅう、ちゅう

みほ(ん……サルミアッキみたいな味……)


 ちゅうちゅう、ちゅうちゅう。




154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:33:33.91 ID:F50zWQcpO



みほ(エリカさん、起きちゃうかな。……起きて、ほしいな……)


 ちゅうちゅう、ちゅうちゅう……

エリカ「……すぅー、すぅー……」

みほ(……。)

 ……ちゅぽんっ



みほ「はぁ……不味かった……」

みほ(……ごめんね、エリカさん。朝起きたら、エリカさんの指……私のつばで臭いかも……)

 だけど、明日の事を心配するのは何もかも目が覚めてからにしよう。明日は忙しくなる。病院へいって、エリカさんのお見送りをして──だけど、今だけは、まだ──


みほ「……エリカさん、起きて。エリカさん」

エリカ「……、ん、ぁ……みほ?」

みほ「エリカさんもベッドで寝てください。座ったままだと、おしりに悪いよ」

エリカ「ん……むにゃ……」

 エリカさんがずりずりとベッドに這い上がってくる。私は壁側に寄って、エリカさんのスペースを用意する。

エリカ「んぁ……みほ……おしり、だいじょうぶ……?」

みほ「うん。エリカさんが処置してくれたから、大丈夫だよ」

エリカ「そう……明日の朝、また薬をぬるからね……」

みほ「うん。私も、エリカさんのおしりに塗ってあげるね」

エリカ「よろしく…………、……………くー……くー……」

みほ「……。」


 エリカさんのべたつく中指に、私の人差し指を絡ませる。互いのおしりにもぐりこんだ特別な指。

 指キリげんまんをするみたいに、がっちりと、しっかりと──絶対にほどけてしまわないように──


みほ(一緒のベッドで眠るのは……今日が初めてですね。朝になったら、きっとエリカさんに怒られる。何してんのよ、って)

みほ「……ふふ、おやすみなさい、エリカさん……」







 ────────────……。





155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:35:25.52 ID:F50zWQcpO




エリカ「……すぅ、すぅ……」

みほ「……くぅ、くぅ……」


 
 肩を寄せ合い寝息をたてる二人の少女──その少女たちのかたく結ばれた細い指先を──


ボラギノール「────……」


 テーブルの上の一瓶のボラギノールが、静かに静かに、暗闇の中から見守っている。

 昔も、今も。

 これから先も、ずっと、ずっと……。









ガールズ&パンツァー ボラギノールフィンガー





156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:42:07.34 ID:F50zWQcpO

脳内設定では、しほと菊代さんも高校大学と互いのおしりにしょっちゅうボラギノールを塗布しあっていました。
今でも時々。
話の中に盛り込めればなーと思っていましたが、自分の技量では無理でした。

現状でさえ、すでにしっちゃかメッチャかで、読みずらい点が多々あったと思います。
にもかかわらず最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。



157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/02(月) 07:44:38.26 ID:F50zWQcpO

それと>>139にはやっぱり本当にありがとうございます。

見苦しい文章になってしまいましたが、それでもやっぱり、つけたせてより深い満足を得られました。

人の意見って大切だなぁと、心から感謝です。



元スレ
SS速報VIP:【ガルパン】ボラギノールフィンガーみほエリ