1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:05:03.23 ID:riW2IqWq0
モバマスSSです。
P「さてと…明日は千奈美の家庭訪問か」
千奈美「本当に来るのね」
P「あぁ。行くぞ」
千奈美「…まぁいいわ。電車よね?」
P「そうだな。東京駅に集合でいいか?」
千奈美「構わないわ。久しぶりに地元に帰るのも悪くないわ」
P「たまには親孝行しろよ?」
千奈美「Pさんには言われたくはないわね。それじゃ、さようなら」
P「あぁ、お疲れ様」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370610303
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:07:51.62 ID:riW2IqWq0
以前にモバP「野球は好きかー?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367579294/
モバP「野球とか好きか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368945146/
を書いてました。続きものではないので初見でも平気です。
P「さて…明日は早いことだし事務所で寝るなんてことはしないようにしないと…」
P「ん…?電話来てたのか?」
P「不在着信15件…。誰だ。…友紀?」
P(こんな時間になんだろう…?)ピポパ
P「おいゆ――」
友紀「やっほー!」
P「…は?」キンキン
友紀「あ、Pさん?もう遅いよー!思い出しました!」
P「なんだなんだ?」
友紀「いやね。私はやると思ってたんだよ!ずっと覚えてたんだよ!」
巴「友紀さん、ちょっと代わり。あ、Pけ?」
P「うん。どうした?」
巴「分かりやすく言うとじゃな…北のサムライが発見されたけ」
P「うん?」
巴「さっき、キャッツがサヨナラ打っとぉ」
P「サムライ…キャッツ…。あぁ、小笠選手か。って打ったのか!?」
巴「そうなんじゃ!ウチもキャッツは好かんが思わず立ち上がってしまったけ」
P「なるほどな。それじゃ友紀があんなに喜ぶのも分かるよ」
巴「そういうことじゃき、それじゃ、失礼するの」ガチャ
P「そうかぁ…。小笠選手がなぁ…。動画上がってるかな」
P(お。あったあった…。なるほど延長の代打か)
P「あれ…もうツーストライクだけど本当に打てるのか?」
P「おぉ、フルカウントまできたか」
P「お……来たぁ!!」グッ
P「いやいや、いいなぁ、ベテランがこうやって頑張ってるのを見るのは」
P「…よし、俺も明日から頑張ろう!」
P「ってまだ事務所にいたんだったな。よし、帰るか」バタンッ
P(しかし、凄かったなぁ…)
翌日
P(あれから小笠選手のHR集を見ていて寝るのが遅くなっちゃったなぁ…)
千奈美「Pさん?」
P「お、千奈美か?おはよう」
千奈美「おはよ。どうしたの?また遅くまで仕事?」
P「ん。いや、そういうわけじゃないけど…」
千奈美「一応私の親に会うんだから恥ずかしい恰好はしないでね」
P「いや、分かってるって」
千奈美「ならいいけど」
P「……ふっ!よしスイッチ入った。それじゃ行こうか」
千奈美「そうね。それじゃ行きましょ」
新幹線内
千奈美「そう言えば、親に報告をしてからどんな予定なのかしら?」
P「特に決めてないな。千奈美の予定も入れてない。久々に羽伸ばして実家で羽を伸ばしてもらおうかと思ってさ」
千奈美「あなたはどうするの?」
P「俺か?うーんととりあえず、千奈美の親御さんとの話が長引くかどうかによって変わるけど、俺も予定は入ってない」
千奈美「長引いたら家に泊まってもいいわよ?」
P「そうか。ありがとな」
千奈美「わざわざ来て貰うんだもの。それくらいは当然ね」
駅
P「思ったよりも近いな」
千奈美「そう?個人的には長旅だったのだけれど」
P「この間広島に行ったからなぁ」
千奈美「広島に?」
P「あぁ、巴の実家にな。新幹線だったから結構長旅だったよ」
千奈美「確かに名古屋からさらに向こうだものね…お疲れ様」
P「いや、楽しかったよ。野球見に行ったりお酒飲んだり」
P(日本刀突きつけられたり…)
千奈美「野球見に行ったの?」
P「あぁ。色々あってな」
千奈美「ふーん。なら私と一緒に野球観戦なんてどう?嫌ならお城見たり、水族館行くのもいいけど…」
P「え?あ、そうかぁ、名古屋だもんなぁ」
千奈美「こっちに来る機会なんてそうそうないでしょうし」
P「そうだな。それじゃ、そうするか」
千奈美「決まりね。スポーツはやるのも見るのも嫌いじゃないわ」
P「分かった。そうしよう。それじゃ、先に千奈美の家な」
千奈美「えぇ。分かったわ」
千奈美の実家
P「いい家だな」
千奈美「普通の家よ?」
P「いやいや、立派な家だよ。あぁ、なんか緊張してきたなぁ」
千奈美「何を緊張するのかしら?私が認めたあなたよ?」
P「嬉しいこと言ってくれるな」
千奈美「偶には私だって褒めたりはするわ。さ、入りましょ。玄関前にいつまでもいたら不審者だもの」
P「そうだな」
千奈美「えぇ。そうよ」ガラッ
千奈美「ただいま。お母さん」
千奈美母「あら、お帰り。待ってたよ」
P「失礼します。私、千奈美さんの――」
千奈美母「はいはい。プロデューサーさんね。わざわざ遠くからどうも…」ペコリ
P「いえいえ。これもプロデューサーの仕事ですから。あ、これ、つまらないものですが」
千奈美母「まぁ、何だら」
P「この間、横浜に行ったものでして…シュウマイを」
千奈美「いつの間に準備したの?」
P「まぁな。失礼のないようにな」
千奈美母「ご丁寧にどうも。あ、こんなところではなんですからどうぞ中に…」
P「失礼します」
P「それでは、端的にですが、千奈美さんの活動を報告させて頂きます」
千奈美「私がやった大きいことだと…スポーツ関係の仕事かしら」
P「そうだな。それでは、それについて詳しく説明させていただきます。まず――」
千奈美母「はぁ。色んなことやってたんだら千奈美」
千奈美「私は、Pさんの言う通りやっているだけよ?」
千奈美母「ふふふ。まぁいいわ。えーと…Pさん?これからもよろしくお願いしますね」
P「いえ、こちらこそ末永いお付き合いを…」
千奈美「Pさん、それ誤解招きそうね」
千奈美母「ふふ。そっちの方も期待していいのかしら」
千奈美「さぁね。それは知らないわ」
P「あ、あのお父様の方は…」
千奈美母「ちょっと仕事の都合で帰ってこれないんですよ。ごめんなさいね。何か書類でもあれば、私が代わりにサインしますけど」
P「あ、いえ、そういうわけではないのですが…」
千奈美母「あらそう?ならいいけど。あ、プロデューサーさんはこの後何かご予定が?」
P「えぇ。申し訳ありませんが、ちょっとした用が…」チラッ
千奈美「…そうね」
千奈美母「あらあら。お二人で何かあるのね。それでは私が邪魔するわけにはいきませんね」
千奈美「そんなのじゃないわ。それじゃ、私は今日ここ泊まるから」
千奈美母「やいやい。それでプロデューサーさんは?」
P「私は帰ろうかと…」
千奈美母「もし、電車がないようでしたらお泊りになってくださいね」
P「はい。その時はお願いします」
千奈美「それじゃ行きましょうか」
車内
P「ふぅ…緊張したなぁ」
千奈美「とてもそうは見えなかったわよ」
P「そりゃ見えないように頑張ったからな」
千奈美「流石ね。それじゃ、行きましょうか」
P「おう。行こうか。あ、運転手さん。名古屋ドームまで」
運転手「あいよー」
P「千奈美はどこのチームのファンとかあるのか?」
千奈美「特にないわ。だからホーム側じゃなくても構わないわよ」
P「それは助かる。うちの事務所には一過言ある人たちがいるからさ」
千奈美「…まぁ、それだけ思い入れが強いのね。悪いことじゃないと思うわ」
P「確かにそうだな。何かに一生懸命になるのってのはいいことだよな」
千奈美「そうね。ちなみにあなたはどこのファンとかはあるのかしら?」
P「俺もないよ。強いて言うなら素晴らしい試合がみたいくらいかな」
千奈美「プロをプロデュースするあなたらしい発言ね。確かにプロの仕事を見て何か感じることがあるかもしれないわ」
P「沙紀も似たようなことを言っていたな」
千奈美「本当?それじゃ、今度話してみようかしら。意外に合うのかもしれないわ」
P「あぁ、いい子だぞ」
千奈美「私が言ったのはそういう意味じゃないのだけれど…。まぁいいわ」
P「ん?あ、そろそろ着くみたいだな」
ドーム前
P(うーん…東京に戻る終電はと…21:30か)
P「正直キツいかなぁ…」
千奈美「何がかしら」ズイッ
P「うわっ!いきなりどうした」
千奈美「別に。あぁ、終電の時間かしら?」
P「そうだよ。どうも時間が厳しいな…」
千奈美「そうみたいね。それじゃお母さんにそう伝えとくわ」
P「え?あ、頼む…?」
千奈美「えぇ。分かったわ。それじゃ、ドームに入りましょう」
P「そうだな。お…今日は、パイロンズ対キャッツか」
千奈美「みたいね。そろそろ始まりそうじゃない。早く行きましょう」
P「そ、そうだな」
P「えーと…パノラマのBだから…。お、ここみたいだ」
千奈美「中々壮観ね。ドーム全体が見渡せるわ」
P「意外に安くてよかったな」
P(この間はバックネットだったからいい値段したもんな)
千奈美「始まるみたいね。ちょっとそっちに詰めて貰っていい?」
P「あ、ごめんごめん。あ、すみません」
女の子「いえ。別に構いませんよ」
千奈美「どうかしたのかしら?」
P「いや別になにも。あ、そうだ弁当食べるか?」
千奈美「お弁当?」
P「あぁ。ドーム特製の弁当が…」
女の子「ここのおススメは『ドーム釜飯』か『ステーキ弁当』ですかね」
P「え?あ、どうも」
女の子「画像はこんな感じです」
P「あ、わざわざタブレットを使ってまでご丁寧に。あ、お礼にどちらかを買ってきましょうか?」
女の子「いえ。私は父と来ているので。知らない人から何か貰うのは…」
千奈美「そうね。今のあなたは正直、不審者ね」
P「そうか…。ありがとうございます。この試合の間お隣ですんでお名前だけでも伺っていいですか?」
ありす「橘って言います。早くしないと試合始まっちゃいますけど」
P「あ、ホントだ。どうもありがとう橘さん!それじゃ、千奈美買ってくる!」
千奈美「気をつけなさいよ?転ばないようにね」
P「あぁ、分かってるって」
P「いやー。ただいま。あ、橘さん失礼します」
ありす「いえ、平気ですよ」
P「何とか間に合ったみたいだな。一応どっちも買ってきたけど好きな方、選んでいいぞ」
千奈美「そう。ありがとう。それじゃ、私はこっち貰うわ。ありがとう」
P「おう。…今日の先発は山科か。ってあの人まだ投げれんの?」
ありす「今年で三十年目です」
P「俺が生まれる前から投げてるのかぁ…」
ありす「ちなみに最近また成績が上がってるみたいですよ」
P「あ、データありがとうございます」
ありす「これくらいは当然です」
千奈美「そっちに構ってないで試合見たら?」
P「そうだな」
P「しかし、凄いなぁ…。俺の親父に近い年の人が若い人たちを手玉に取ってるなんて」
ありす「若さだけで勝てるほど甘くはないということですね」
千奈美「そうね」
千奈美「そう言えば、橘さんでしたっけ?あなた、私たちと話していていいの?」
ありす「えぇ。父は別の席で応援してますから」
千奈美「どの席で?」
ありす「多分外野の応援席にいるかと。私はあそこはちょっと苦手でして」
千奈美「へぇ。そうなんだ」
P「橘さんは野球好きなんですか?」
ありす「ま、まぁ、嫌いではありませんよ」
P「やっぱりお父さんの影響ですか?」
ありす「そうですね。その影響が大きいと思います。それでですね」
P「うん。なんですか?」
ありす「こうやって話すのが久々で今日はそれだけで来てよかったと思います」ニコッ
P「特に何もやってないけどね」
千奈美「しかし、ベテランの技ねぇ。何か参考に出来ないかしら」
ありす「お連れの方は何かをやられているんですか?」
千奈美「ん?私?私は一応アイドルやってるの。見えないかもしれないけど」
ありす「アイドル…ですか?あの、歌ったり踊ったりする」
P「そうそう。テレビにもちょくちょく出てる凄い人だよ」
千奈美「何をいきなり…」
ありす「それではあなたはマネージャーさんですか?」
P「いや、俺はプロデューサーだよ」
ありす「プロデューサー。えーと……プロデュースする人なんですね」
P「そうだよ。お、バッター、ルナエルかぁ…」
ありす「まだ、四割台ですから、ここで何かきっかけを作って欲しいです」
千奈美「四割って凄いわね。他の人が三割で頑張ってるのに」
カキーン
P「お、打った!今日はこれで2の1か。打率五割凄いなぁ」
ありす「外角の球に対して手首を返さないで打てるのが素晴らしいですよね」
P「う、うん?」
ありす「以前テレビでそう言ってました」
千奈美「物知りだね。橘さん」
ありす「い、いえそんなことはないですよ」ポッ
P「お、森田が出てきた。雰囲気あるなぁ」
カキーン
P「打ったぁ!」
ありす「きゃっ!ほ、本当ですか?」
千奈美「球こっち来てるって!」
P「流石にここまでは来ないだろうけど凄い当たりだったな」
ありす「ここまで間近でホームランを見ました。まだドキドキしてます」
千奈美「2-0だからまだ分からないわね」
ありす「やっぱり、テレビで見るのとは違いますね」
P「実物は違いますよね」
ありす「そ、そうですね」
千奈美「あ、後ろは続かないんだ…」
P「八回まで無失点って、この人おかしいだろ」
ありす「あ、あのですね。もし、完封すると記録らしいですよ」
千奈美「まぁ、あの年で投げてる時点で凄いわよね」
P「さぁ、なんだかんだで9回もツーアウトになったな」
ありす「あと一人ですね」
千奈美「まさか、ここまで来るとはね」
P「あっ、内野フライだ」
ウグイス嬢「本日の試合は2-0でパイロンズの勝利となりました」
ありす「抑えましたね…」
P「抑えたな…」
千奈美「凄いわね。それに意外に早く終わったわ」
P「まぁ、完封だからな。それじゃ、俺は帰ろうかな」
ありす「帰るってどこに住んでるんですか?」
P「一応東京の方なんだ。今日はたまたま彼女の家に最近の様子を報告しにきたついでにここにきたんだ」
ありす「そうなんですか。私は親が迎えに来るまでここにいます」
千奈美「…どう?Pさん?」
P「そうだな。流石にここに一人で橘さんを残すのはな」
ありす「子供扱いしないで下さい。それより終電は平気なんですか?」
千奈美「もともと、彼は、終電で帰れないと思って宿は取ってあるから平気なのよ」
P「終電に乗れたとしても、モヤモヤが残りそうですから、ちゃんとお父さんが来るまでいさせて下さい」
ありす「まぁ、そこまで言うならいいですけど…」
千奈美(なんだかんだで嬉しそうねこの子)
ありす「多分、ヒーローインタビューを聞いてから迎えに来ると思うので少し時間がありますね」
P「そうなんだ。あ、ごめんちょっとトイレに…」
ありす「はい。――話は変わりますけど、小室千奈美さんですよね?」
千奈美「そうよ。そのタブレットで調べたのかしら」
ありす「はい。そうです。正直、会ってみて、とってもカッコいいと思いました」
千奈美「そ。ありがとね」
ありす「…私は、歌や音楽を将来的にやっていきたいと思うんですよ」
千奈美「そうなの」
ありす「正直、私はアイドルに興味なかったんですよ」
ありす「でも、今日のホームランを見て思いましたけど、写真と実際は違うんですね」
千奈美「ちょうど、その興味ないアイドルをやってる私がいるわけだけど、どう?」
ありす「まだ、分からないんですけど。カッコいいなぁと思いました」
千奈美「それは嬉しい限りね。それで、あなたはアイドルやりたいの?」
ありす「い、いえ、とりあえずアイドルもやってみていいかなって思うようになっただけです。第一、こんな偉そうなこと言ってますけど、どこかでお仕事してるというわけではありませんし…」
千奈美「そういうことみたいだけどあなたの意見を聞きたいわね。Pさん」
ありす「えっ?」
P「どうも。俺は別にいいと思うけど」
ありす「えっ?」
P「本人のやる気次第だし、言ってた通り実物を見るのはいいかもしれないね。はい。これ名刺。来るなら連絡が欲しいな」
ありす「あ、はい。どうもありがとうございます。あ、なら、私の携帯の番号も教えますね。赤外線は出来ますか?」
P「うん。…はい。ありがとう。橘ありすさんだね」
ありす「はい。ただ、名前で呼ばれるのは嫌いなので。あっ、父が来たみたいなんで失礼しますね。それでは今日はありがとうございました」ペコリ
P「見事に終電はなくなったな」
千奈美「まぁ、いいじゃない」
P「仕事に支障はないからいいけどな」
千奈美「それより、どうなの橘さん」
P「ん?スカウトしたからそう考えてくれていいけども」
千奈美「あなたにかかれば宇宙人でもなんでもスカウト出来そうね」
P「そんなことは出来ないって。しかし、本当にいいのか?泊まっても」
千奈美「ホテルに泊まったら勿体ないじゃない。ここまでのお金を出して貰ってるんだし、それくらいはさせてもらうわ」
P「それじゃ、お言葉に甘えて…」
千奈美の実家
P「……」
千奈美「……」
P「大丈夫だ。夏だから俺は外で寝れる」
千奈美「焦らないで。私がもう一個布団を出せばいいだけだから」
P「そ、そうだな」
千奈美「まったく、母さんは…。なにかしら?」
P「い、いや別に」
P(そう言えば、巴の家の時もそんなことあったなぁ…)
千奈美「もう、電気消すわよ」
P「おう」
千奈美「ねぇ。起きてるかしら?」
P「……起きてるぞ」
千奈美「そう。ならちょっといい?」
P「何がだ?」
千奈美「私はあなたに感謝してるわ。あなたがいるから退屈しない。あなたがいるから私は変われたの。感謝してる。…ありがとう」
P「千奈美…」
千奈美「電気消えてるから言えるのよ。もうこんなこと言う機会は当分ないわね。それじゃ改めておやすみなさい」
P「お、おやすみなさい」
P(ボイスレコーダーとか欲しかったなぁ)
P「朝か…」
千奈美「……」スー
P「とりあえず写真でも撮っておこう。さてと、今日のスケジュールを確認してと…」
千奈美「…おはよう。今日はすぐ帰るのよね?」
P「そうだな。俺は向こうでやることあるし」
千奈美「それじゃ、送るわ。朝はどうするの?」
P「いや、朝はいいかな」
千奈美「それじゃ、もう送っていくわね。準備は出来てるのかしら?」
P「俺はいいけど。千奈美はいいのか?」
千奈美「いいえ。ちょっとだけ準備させてもらうわ」
P「さて、誰かからメールが来てたりはないか…」
P「いや、友紀から来てるな。今日は負けたってなんで、試合結果を逐一感想と一緒に送ってくるのかな」
千奈美「ごめん。待たせたわね」
P「いや、平気だよ。悪いな」
千奈美「気にしなくていいわ。それじゃ」
駅
P「それじゃあな。二、三日はゆっくり親孝行しとけよ。これからいつ帰れるかわからないんだし」
千奈美「それじゃ、そうするわ。さよなら」
P「おう。見送りありがとな」
千奈美「…橘さんも事務所に来るといいわね」
P「そうだな」
事務所
P「お疲れ様です」
ちひろ「あ、お帰りなさい」
P「えぇ。ただいまです。そういえばですね、もしかしたらアイドルが増えるかもしれませんよ」
ちひろ「……あれ?千奈美ちゃんのご実家に行ったんじゃなかったんでしたっけ?」
P「えぇ。そうですけど?」
ちひろ「ということはご家族の方をスカウトされたんですか?」
P「いえいえ。そういうわけではないですけど」ピリリリ
P「あ、すみません。はいもしもし」
ありす『失礼します。この携帯はCGプロダクションのプロデューサーさんの携帯でしょうか?』
P「はい。そうですよ。おはようございます」
ありす『おはようございます。それで、昨日のお話なんですけども、ちょっと見学してみたいなと思います』
P「それは良かった」
ありす『都合のいい時間などはありますか?』
P「言ってくれれば、合わせますけど」
ありす『そうですかそれでは――』
友紀「サンキューガッツ!あ、Pさんおはよー。いや、昨日は山科さんに負けちゃったよ。あの人ホント何者よ。しかもパイロンズにはまだ死神谷瀬がいるしさー!でも、ま、最後に勝つのはキャッツだけどね」
ちひろ「友紀ちゃん、今プロデューサーさんお電話中…」
友紀「あ、ごめんごめん」
P「あ、ごめんな」
ありす『いえ、平気です。日時が決まり次第また、折り返し電話を掛けますね』
ありす『それと、そこにいるキャッツファンの方に一言お願いします。負けませんと』
P「はいはい。それじゃ失礼しますね」
友紀「あのぉ…もしかしてやっちゃった?」
P「いや、平気だぞ。別に仕事先ってわけじゃないし」
友紀「よかったぁ…。ん?それじゃどこから?」
P「新しく入るかもしれないアイドルからだな」
友紀「うわぁ、大丈夫かな…」
P「あ、そうそう。キャッツには負けないってさ」
友紀「なぬ?こっちも負けないさ!って言っといて」
巴「なんじゃP、野球好きな子をスカウトしてきたんか」
P「いや、そういうわけじゃないけど…」
巴「そうじゃろ実際。それで、ほれ、ウチのナマーズには何か言ってきたんか?」
P「いや、ないよ」
巴「な、なんじゃと…」
P「まぁ、俺から言えるのは鯉料理にされるなよってことか」
巴「うむ。そんなことないけ、安心しいや」
ちひろ(たまには、私とかにも分かる話題を振って欲しいなぁ…)チラッ
終わりです。
見てくださった方ありがとうございました。
なぜか外国人のハイブリッドが思いつかなかったので、中日のパウエル選手と混ぜてみました。
元スレ
以前にモバP「野球は好きかー?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367579294/
モバP「野球とか好きか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368945146/
を書いてました。続きものではないので初見でも平気です。
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:11:10.91 ID:riW2IqWq0
P「さて…明日は早いことだし事務所で寝るなんてことはしないようにしないと…」
P「ん…?電話来てたのか?」
P「不在着信15件…。誰だ。…友紀?」
P(こんな時間になんだろう…?)ピポパ
P「おいゆ――」
友紀「やっほー!」
P「…は?」キンキン
友紀「あ、Pさん?もう遅いよー!思い出しました!」
P「なんだなんだ?」
友紀「いやね。私はやると思ってたんだよ!ずっと覚えてたんだよ!」
巴「友紀さん、ちょっと代わり。あ、Pけ?」
P「うん。どうした?」
巴「分かりやすく言うとじゃな…北のサムライが発見されたけ」
P「うん?」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:17:29.48 ID:riW2IqWq0
巴「さっき、キャッツがサヨナラ打っとぉ」
P「サムライ…キャッツ…。あぁ、小笠選手か。って打ったのか!?」
巴「そうなんじゃ!ウチもキャッツは好かんが思わず立ち上がってしまったけ」
P「なるほどな。それじゃ友紀があんなに喜ぶのも分かるよ」
巴「そういうことじゃき、それじゃ、失礼するの」ガチャ
P「そうかぁ…。小笠選手がなぁ…。動画上がってるかな」
P(お。あったあった…。なるほど延長の代打か)
P「あれ…もうツーストライクだけど本当に打てるのか?」
P「おぉ、フルカウントまできたか」
P「お……来たぁ!!」グッ
P「いやいや、いいなぁ、ベテランがこうやって頑張ってるのを見るのは」
P「…よし、俺も明日から頑張ろう!」
P「ってまだ事務所にいたんだったな。よし、帰るか」バタンッ
P(しかし、凄かったなぁ…)
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:18:48.74 ID:riW2IqWq0
翌日
P(あれから小笠選手のHR集を見ていて寝るのが遅くなっちゃったなぁ…)
千奈美「Pさん?」
P「お、千奈美か?おはよう」
千奈美「おはよ。どうしたの?また遅くまで仕事?」
P「ん。いや、そういうわけじゃないけど…」
千奈美「一応私の親に会うんだから恥ずかしい恰好はしないでね」
P「いや、分かってるって」
千奈美「ならいいけど」
P「……ふっ!よしスイッチ入った。それじゃ行こうか」
千奈美「そうね。それじゃ行きましょ」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:21:30.50 ID:riW2IqWq0
新幹線内
千奈美「そう言えば、親に報告をしてからどんな予定なのかしら?」
P「特に決めてないな。千奈美の予定も入れてない。久々に羽伸ばして実家で羽を伸ばしてもらおうかと思ってさ」
千奈美「あなたはどうするの?」
P「俺か?うーんととりあえず、千奈美の親御さんとの話が長引くかどうかによって変わるけど、俺も予定は入ってない」
千奈美「長引いたら家に泊まってもいいわよ?」
P「そうか。ありがとな」
千奈美「わざわざ来て貰うんだもの。それくらいは当然ね」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:26:35.94 ID:riW2IqWq0
駅
P「思ったよりも近いな」
千奈美「そう?個人的には長旅だったのだけれど」
P「この間広島に行ったからなぁ」
千奈美「広島に?」
P「あぁ、巴の実家にな。新幹線だったから結構長旅だったよ」
千奈美「確かに名古屋からさらに向こうだものね…お疲れ様」
P「いや、楽しかったよ。野球見に行ったりお酒飲んだり」
P(日本刀突きつけられたり…)
千奈美「野球見に行ったの?」
P「あぁ。色々あってな」
千奈美「ふーん。なら私と一緒に野球観戦なんてどう?嫌ならお城見たり、水族館行くのもいいけど…」
P「え?あ、そうかぁ、名古屋だもんなぁ」
千奈美「こっちに来る機会なんてそうそうないでしょうし」
P「そうだな。それじゃ、そうするか」
千奈美「決まりね。スポーツはやるのも見るのも嫌いじゃないわ」
P「分かった。そうしよう。それじゃ、先に千奈美の家な」
千奈美「えぇ。分かったわ」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:33:24.89 ID:riW2IqWq0
千奈美の実家
P「いい家だな」
千奈美「普通の家よ?」
P「いやいや、立派な家だよ。あぁ、なんか緊張してきたなぁ」
千奈美「何を緊張するのかしら?私が認めたあなたよ?」
P「嬉しいこと言ってくれるな」
千奈美「偶には私だって褒めたりはするわ。さ、入りましょ。玄関前にいつまでもいたら不審者だもの」
P「そうだな」
千奈美「えぇ。そうよ」ガラッ
千奈美「ただいま。お母さん」
千奈美母「あら、お帰り。待ってたよ」
P「失礼します。私、千奈美さんの――」
千奈美母「はいはい。プロデューサーさんね。わざわざ遠くからどうも…」ペコリ
P「いえいえ。これもプロデューサーの仕事ですから。あ、これ、つまらないものですが」
千奈美母「まぁ、何だら」
P「この間、横浜に行ったものでして…シュウマイを」
千奈美「いつの間に準備したの?」
P「まぁな。失礼のないようにな」
千奈美母「ご丁寧にどうも。あ、こんなところではなんですからどうぞ中に…」
P「失礼します」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:41:54.84 ID:riW2IqWq0
P「それでは、端的にですが、千奈美さんの活動を報告させて頂きます」
千奈美「私がやった大きいことだと…スポーツ関係の仕事かしら」
P「そうだな。それでは、それについて詳しく説明させていただきます。まず――」
千奈美母「はぁ。色んなことやってたんだら千奈美」
千奈美「私は、Pさんの言う通りやっているだけよ?」
千奈美母「ふふふ。まぁいいわ。えーと…Pさん?これからもよろしくお願いしますね」
P「いえ、こちらこそ末永いお付き合いを…」
千奈美「Pさん、それ誤解招きそうね」
千奈美母「ふふ。そっちの方も期待していいのかしら」
千奈美「さぁね。それは知らないわ」
P「あ、あのお父様の方は…」
千奈美母「ちょっと仕事の都合で帰ってこれないんですよ。ごめんなさいね。何か書類でもあれば、私が代わりにサインしますけど」
P「あ、いえ、そういうわけではないのですが…」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 22:53:42.73 ID:riW2IqWq0
千奈美母「あらそう?ならいいけど。あ、プロデューサーさんはこの後何かご予定が?」
P「えぇ。申し訳ありませんが、ちょっとした用が…」チラッ
千奈美「…そうね」
千奈美母「あらあら。お二人で何かあるのね。それでは私が邪魔するわけにはいきませんね」
千奈美「そんなのじゃないわ。それじゃ、私は今日ここ泊まるから」
千奈美母「やいやい。それでプロデューサーさんは?」
P「私は帰ろうかと…」
千奈美母「もし、電車がないようでしたらお泊りになってくださいね」
P「はい。その時はお願いします」
千奈美「それじゃ行きましょうか」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:13:04.15 ID:riW2IqWq0
車内
P「ふぅ…緊張したなぁ」
千奈美「とてもそうは見えなかったわよ」
P「そりゃ見えないように頑張ったからな」
千奈美「流石ね。それじゃ、行きましょうか」
P「おう。行こうか。あ、運転手さん。名古屋ドームまで」
運転手「あいよー」
P「千奈美はどこのチームのファンとかあるのか?」
千奈美「特にないわ。だからホーム側じゃなくても構わないわよ」
P「それは助かる。うちの事務所には一過言ある人たちがいるからさ」
千奈美「…まぁ、それだけ思い入れが強いのね。悪いことじゃないと思うわ」
P「確かにそうだな。何かに一生懸命になるのってのはいいことだよな」
千奈美「そうね。ちなみにあなたはどこのファンとかはあるのかしら?」
P「俺もないよ。強いて言うなら素晴らしい試合がみたいくらいかな」
千奈美「プロをプロデュースするあなたらしい発言ね。確かにプロの仕事を見て何か感じることがあるかもしれないわ」
P「沙紀も似たようなことを言っていたな」
千奈美「本当?それじゃ、今度話してみようかしら。意外に合うのかもしれないわ」
P「あぁ、いい子だぞ」
千奈美「私が言ったのはそういう意味じゃないのだけれど…。まぁいいわ」
P「ん?あ、そろそろ着くみたいだな」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:15:33.04 ID:riW2IqWq0
ドーム前
P(うーん…東京に戻る終電はと…21:30か)
P「正直キツいかなぁ…」
千奈美「何がかしら」ズイッ
P「うわっ!いきなりどうした」
千奈美「別に。あぁ、終電の時間かしら?」
P「そうだよ。どうも時間が厳しいな…」
千奈美「そうみたいね。それじゃお母さんにそう伝えとくわ」
P「え?あ、頼む…?」
千奈美「えぇ。分かったわ。それじゃ、ドームに入りましょう」
P「そうだな。お…今日は、パイロンズ対キャッツか」
千奈美「みたいね。そろそろ始まりそうじゃない。早く行きましょう」
P「そ、そうだな」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:17:29.86 ID:riW2IqWq0
P「えーと…パノラマのBだから…。お、ここみたいだ」
千奈美「中々壮観ね。ドーム全体が見渡せるわ」
P「意外に安くてよかったな」
P(この間はバックネットだったからいい値段したもんな)
千奈美「始まるみたいね。ちょっとそっちに詰めて貰っていい?」
P「あ、ごめんごめん。あ、すみません」
女の子「いえ。別に構いませんよ」
千奈美「どうかしたのかしら?」
P「いや別になにも。あ、そうだ弁当食べるか?」
千奈美「お弁当?」
P「あぁ。ドーム特製の弁当が…」
女の子「ここのおススメは『ドーム釜飯』か『ステーキ弁当』ですかね」
P「え?あ、どうも」
女の子「画像はこんな感じです」
P「あ、わざわざタブレットを使ってまでご丁寧に。あ、お礼にどちらかを買ってきましょうか?」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:18:27.71 ID:riW2IqWq0
女の子「いえ。私は父と来ているので。知らない人から何か貰うのは…」
千奈美「そうね。今のあなたは正直、不審者ね」
P「そうか…。ありがとうございます。この試合の間お隣ですんでお名前だけでも伺っていいですか?」
ありす「橘って言います。早くしないと試合始まっちゃいますけど」
P「あ、ホントだ。どうもありがとう橘さん!それじゃ、千奈美買ってくる!」
千奈美「気をつけなさいよ?転ばないようにね」
P「あぁ、分かってるって」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:22:02.63 ID:riW2IqWq0
P「いやー。ただいま。あ、橘さん失礼します」
ありす「いえ、平気ですよ」
P「何とか間に合ったみたいだな。一応どっちも買ってきたけど好きな方、選んでいいぞ」
千奈美「そう。ありがとう。それじゃ、私はこっち貰うわ。ありがとう」
P「おう。…今日の先発は山科か。ってあの人まだ投げれんの?」
ありす「今年で三十年目です」
P「俺が生まれる前から投げてるのかぁ…」
ありす「ちなみに最近また成績が上がってるみたいですよ」
P「あ、データありがとうございます」
ありす「これくらいは当然です」
千奈美「そっちに構ってないで試合見たら?」
P「そうだな」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:26:20.21 ID:riW2IqWq0
P「しかし、凄いなぁ…。俺の親父に近い年の人が若い人たちを手玉に取ってるなんて」
ありす「若さだけで勝てるほど甘くはないということですね」
千奈美「そうね」
千奈美「そう言えば、橘さんでしたっけ?あなた、私たちと話していていいの?」
ありす「えぇ。父は別の席で応援してますから」
千奈美「どの席で?」
ありす「多分外野の応援席にいるかと。私はあそこはちょっと苦手でして」
千奈美「へぇ。そうなんだ」
P「橘さんは野球好きなんですか?」
ありす「ま、まぁ、嫌いではありませんよ」
P「やっぱりお父さんの影響ですか?」
ありす「そうですね。その影響が大きいと思います。それでですね」
P「うん。なんですか?」
ありす「こうやって話すのが久々で今日はそれだけで来てよかったと思います」ニコッ
P「特に何もやってないけどね」
千奈美「しかし、ベテランの技ねぇ。何か参考に出来ないかしら」
ありす「お連れの方は何かをやられているんですか?」
千奈美「ん?私?私は一応アイドルやってるの。見えないかもしれないけど」
ありす「アイドル…ですか?あの、歌ったり踊ったりする」
P「そうそう。テレビにもちょくちょく出てる凄い人だよ」
千奈美「何をいきなり…」
ありす「それではあなたはマネージャーさんですか?」
P「いや、俺はプロデューサーだよ」
ありす「プロデューサー。えーと……プロデュースする人なんですね」
P「そうだよ。お、バッター、ルナエルかぁ…」
ありす「まだ、四割台ですから、ここで何かきっかけを作って欲しいです」
千奈美「四割って凄いわね。他の人が三割で頑張ってるのに」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:33:18.90 ID:riW2IqWq0
カキーン
P「お、打った!今日はこれで2の1か。打率五割凄いなぁ」
ありす「外角の球に対して手首を返さないで打てるのが素晴らしいですよね」
P「う、うん?」
ありす「以前テレビでそう言ってました」
千奈美「物知りだね。橘さん」
ありす「い、いえそんなことはないですよ」ポッ
P「お、森田が出てきた。雰囲気あるなぁ」
カキーン
P「打ったぁ!」
ありす「きゃっ!ほ、本当ですか?」
千奈美「球こっち来てるって!」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:39:36.95 ID:riW2IqWq0
P「流石にここまでは来ないだろうけど凄い当たりだったな」
ありす「ここまで間近でホームランを見ました。まだドキドキしてます」
千奈美「2-0だからまだ分からないわね」
ありす「やっぱり、テレビで見るのとは違いますね」
P「実物は違いますよね」
ありす「そ、そうですね」
千奈美「あ、後ろは続かないんだ…」
P「八回まで無失点って、この人おかしいだろ」
ありす「あ、あのですね。もし、完封すると記録らしいですよ」
千奈美「まぁ、あの年で投げてる時点で凄いわよね」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:46:37.87 ID:riW2IqWq0
P「さぁ、なんだかんだで9回もツーアウトになったな」
ありす「あと一人ですね」
千奈美「まさか、ここまで来るとはね」
P「あっ、内野フライだ」
ウグイス嬢「本日の試合は2-0でパイロンズの勝利となりました」
ありす「抑えましたね…」
P「抑えたな…」
千奈美「凄いわね。それに意外に早く終わったわ」
P「まぁ、完封だからな。それじゃ、俺は帰ろうかな」
ありす「帰るってどこに住んでるんですか?」
P「一応東京の方なんだ。今日はたまたま彼女の家に最近の様子を報告しにきたついでにここにきたんだ」
ありす「そうなんですか。私は親が迎えに来るまでここにいます」
千奈美「…どう?Pさん?」
P「そうだな。流石にここに一人で橘さんを残すのはな」
ありす「子供扱いしないで下さい。それより終電は平気なんですか?」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/07(金) 23:50:45.93 ID:riW2IqWq0
千奈美「もともと、彼は、終電で帰れないと思って宿は取ってあるから平気なのよ」
P「終電に乗れたとしても、モヤモヤが残りそうですから、ちゃんとお父さんが来るまでいさせて下さい」
ありす「まぁ、そこまで言うならいいですけど…」
千奈美(なんだかんだで嬉しそうねこの子)
ありす「多分、ヒーローインタビューを聞いてから迎えに来ると思うので少し時間がありますね」
P「そうなんだ。あ、ごめんちょっとトイレに…」
ありす「はい。――話は変わりますけど、小室千奈美さんですよね?」
千奈美「そうよ。そのタブレットで調べたのかしら」
ありす「はい。そうです。正直、会ってみて、とってもカッコいいと思いました」
千奈美「そ。ありがとね」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:01:58.60 ID:dBb04B3C0
ありす「…私は、歌や音楽を将来的にやっていきたいと思うんですよ」
千奈美「そうなの」
ありす「正直、私はアイドルに興味なかったんですよ」
ありす「でも、今日のホームランを見て思いましたけど、写真と実際は違うんですね」
千奈美「ちょうど、その興味ないアイドルをやってる私がいるわけだけど、どう?」
ありす「まだ、分からないんですけど。カッコいいなぁと思いました」
千奈美「それは嬉しい限りね。それで、あなたはアイドルやりたいの?」
ありす「い、いえ、とりあえずアイドルもやってみていいかなって思うようになっただけです。第一、こんな偉そうなこと言ってますけど、どこかでお仕事してるというわけではありませんし…」
千奈美「そういうことみたいだけどあなたの意見を聞きたいわね。Pさん」
ありす「えっ?」
P「どうも。俺は別にいいと思うけど」
ありす「えっ?」
P「本人のやる気次第だし、言ってた通り実物を見るのはいいかもしれないね。はい。これ名刺。来るなら連絡が欲しいな」
ありす「あ、はい。どうもありがとうございます。あ、なら、私の携帯の番号も教えますね。赤外線は出来ますか?」
P「うん。…はい。ありがとう。橘ありすさんだね」
ありす「はい。ただ、名前で呼ばれるのは嫌いなので。あっ、父が来たみたいなんで失礼しますね。それでは今日はありがとうございました」ペコリ
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:04:52.74 ID:dBb04B3C0
P「見事に終電はなくなったな」
千奈美「まぁ、いいじゃない」
P「仕事に支障はないからいいけどな」
千奈美「それより、どうなの橘さん」
P「ん?スカウトしたからそう考えてくれていいけども」
千奈美「あなたにかかれば宇宙人でもなんでもスカウト出来そうね」
P「そんなことは出来ないって。しかし、本当にいいのか?泊まっても」
千奈美「ホテルに泊まったら勿体ないじゃない。ここまでのお金を出して貰ってるんだし、それくらいはさせてもらうわ」
P「それじゃ、お言葉に甘えて…」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:06:53.60 ID:dBb04B3C0
千奈美の実家
P「……」
千奈美「……」
P「大丈夫だ。夏だから俺は外で寝れる」
千奈美「焦らないで。私がもう一個布団を出せばいいだけだから」
P「そ、そうだな」
千奈美「まったく、母さんは…。なにかしら?」
P「い、いや別に」
P(そう言えば、巴の家の時もそんなことあったなぁ…)
千奈美「もう、電気消すわよ」
P「おう」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:11:58.46 ID:dBb04B3C0
千奈美「ねぇ。起きてるかしら?」
P「……起きてるぞ」
千奈美「そう。ならちょっといい?」
P「何がだ?」
千奈美「私はあなたに感謝してるわ。あなたがいるから退屈しない。あなたがいるから私は変われたの。感謝してる。…ありがとう」
P「千奈美…」
千奈美「電気消えてるから言えるのよ。もうこんなこと言う機会は当分ないわね。それじゃ改めておやすみなさい」
P「お、おやすみなさい」
P(ボイスレコーダーとか欲しかったなぁ)
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:15:05.30 ID:dBb04B3C0
P「朝か…」
千奈美「……」スー
P「とりあえず写真でも撮っておこう。さてと、今日のスケジュールを確認してと…」
千奈美「…おはよう。今日はすぐ帰るのよね?」
P「そうだな。俺は向こうでやることあるし」
千奈美「それじゃ、送るわ。朝はどうするの?」
P「いや、朝はいいかな」
千奈美「それじゃ、もう送っていくわね。準備は出来てるのかしら?」
P「俺はいいけど。千奈美はいいのか?」
千奈美「いいえ。ちょっとだけ準備させてもらうわ」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:15:47.52 ID:dBb04B3C0
P「さて、誰かからメールが来てたりはないか…」
P「いや、友紀から来てるな。今日は負けたってなんで、試合結果を逐一感想と一緒に送ってくるのかな」
千奈美「ごめん。待たせたわね」
P「いや、平気だよ。悪いな」
千奈美「気にしなくていいわ。それじゃ」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:17:19.81 ID:dBb04B3C0
駅
P「それじゃあな。二、三日はゆっくり親孝行しとけよ。これからいつ帰れるかわからないんだし」
千奈美「それじゃ、そうするわ。さよなら」
P「おう。見送りありがとな」
千奈美「…橘さんも事務所に来るといいわね」
P「そうだな」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:21:43.60 ID:dBb04B3C0
事務所
P「お疲れ様です」
ちひろ「あ、お帰りなさい」
P「えぇ。ただいまです。そういえばですね、もしかしたらアイドルが増えるかもしれませんよ」
ちひろ「……あれ?千奈美ちゃんのご実家に行ったんじゃなかったんでしたっけ?」
P「えぇ。そうですけど?」
ちひろ「ということはご家族の方をスカウトされたんですか?」
P「いえいえ。そういうわけではないですけど」ピリリリ
P「あ、すみません。はいもしもし」
ありす『失礼します。この携帯はCGプロダクションのプロデューサーさんの携帯でしょうか?』
P「はい。そうですよ。おはようございます」
ありす『おはようございます。それで、昨日のお話なんですけども、ちょっと見学してみたいなと思います』
P「それは良かった」
ありす『都合のいい時間などはありますか?』
P「言ってくれれば、合わせますけど」
ありす『そうですかそれでは――』
友紀「サンキューガッツ!あ、Pさんおはよー。いや、昨日は山科さんに負けちゃったよ。あの人ホント何者よ。しかもパイロンズにはまだ死神谷瀬がいるしさー!でも、ま、最後に勝つのはキャッツだけどね」
ちひろ「友紀ちゃん、今プロデューサーさんお電話中…」
友紀「あ、ごめんごめん」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:31:05.66 ID:dBb04B3C0
P「あ、ごめんな」
ありす『いえ、平気です。日時が決まり次第また、折り返し電話を掛けますね』
ありす『それと、そこにいるキャッツファンの方に一言お願いします。負けませんと』
P「はいはい。それじゃ失礼しますね」
友紀「あのぉ…もしかしてやっちゃった?」
P「いや、平気だぞ。別に仕事先ってわけじゃないし」
友紀「よかったぁ…。ん?それじゃどこから?」
P「新しく入るかもしれないアイドルからだな」
友紀「うわぁ、大丈夫かな…」
P「あ、そうそう。キャッツには負けないってさ」
友紀「なぬ?こっちも負けないさ!って言っといて」
巴「なんじゃP、野球好きな子をスカウトしてきたんか」
P「いや、そういうわけじゃないけど…」
巴「そうじゃろ実際。それで、ほれ、ウチのナマーズには何か言ってきたんか?」
P「いや、ないよ」
巴「な、なんじゃと…」
P「まぁ、俺から言えるのは鯉料理にされるなよってことか」
巴「うむ。そんなことないけ、安心しいや」
ちひろ(たまには、私とかにも分かる話題を振って欲しいなぁ…)チラッ
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/08(土) 00:36:55.57 ID:dBb04B3C0
終わりです。
見てくださった方ありがとうございました。
なぜか外国人のハイブリッドが思いつかなかったので、中日のパウエル選手と混ぜてみました。
SS速報VIP:モバP「野球なんてどうだ?」