120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:23:47 ID:CLyUfERQ

専務「そうだ。君には、私の笑顔はどう映る?」

武内P「いえ……見た事が無いので、何とも」

専務「ふむ、そうだったか」

武内P「何故、そのような事を?」


専務「私が笑いかけると、アイドル達が表情を硬くするからです」


武内P「……」

武内P「……なるほど」



121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:27:34 ID:CLyUfERQ

専務「緊張感のある関係も、悪くはない」

武内P「……」

専務「だが、過度な緊張は良い影響を及ぼさない」

武内P「そう……ですね」

専務「そして、何よりも――」


専務「……地味に、ショックでした」


武内P「……」

武内P「……はあ」



122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:29:57 ID:CLyUfERQ

専務「状況は、理解出来ましたね?」

武内P「え、ええ……概ね」

専務「そこで、君に仕事を頼みたい」

武内P「えっ?」


専務「笑顔の力――パワーオブスマイル」

専務「それを私に習得させなさい」


武内P「……」

武内P「えっ!?」



123: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:35:26 ID:CLyUfERQ

武内P「待ってください! その仕事は、あまりにも!」

専務「ふむ……断ると言うのか?」

武内P「業務と言うには、強引すぎます!」

専務「成る程、確かに君の言う通りだ」


専務「所で、君が出社しなかった最後の日はいつだ?」


武内P「只今より、専務スマイルプロジェクト、始動となります」

武内P「専務、宜しくお願いします」


専務「ああ、君には期待している」


武内P「……」



124: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:38:30 ID:CLyUfERQ

武内P「では、早速ですが……笑顔を見せて頂けますか?」

専務「何?」

武内P「現在の、専務の笑顔がどの様なものか、確認を」

専務「ふむ……良いでしょう」


専務「――こうだ」…ニィッ!


武内P「……専務」

武内P「何を企んでいるのですか?」


専務「何も企んでなどいない」



125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:41:53 ID:CLyUfERQ

武内P「……本当ですか? 何も、企んでいないと?」

専務「そう言ったでしょう」

武内P「……私を陥れようと、していませんか?」


専務「愚問だな」


武内P「っ!?」

武内P「やはり……!?」


専務「違う、そちらの意味では無い」



126: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:46:52 ID:CLyUfERQ

専務「私は、何も企んでなどいない」

武内P「では……その想定で、話を進めます」

専務「……まあ、良いでしょう」

武内P「専務、先程拝見した笑顔の感想を……正直に申し上げても?」

専務「許します」


武内P「獰猛な肉食獣の様でした」

武内P「一瞬でも気を抜けば、喉元から食いちぎられる、と」

武内P「……そう、思いました」


専務「……ふむ」

専務「君、少しは気を遣いなさい」



127: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:51:37 ID:CLyUfERQ

武内P「私も……笑顔が下手だと言われますが」

専務「ほう?」

武内P「専務の笑顔は……それ以上かも知れません」

専務「……そこまで言うのなら、君の笑顔も見せてみなさい」

武内P「……わかりました」


武内P「――こうです」ニ゙ゴォッ!


専務「……ふむ」

専務「先程の言葉は、取り消して貰おうか」



128: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 21:55:19 ID:CLyUfERQ

専務「ハッキリと言いましょう、君の笑顔の方がひどい」

武内P「えっ!?」

専務「何故、驚く?」

武内P「私の笑顔が……専務よりもひどいと!?」

専務「……私の足元を見なさい」


専務「恐怖で、震えているのがわかりますか?」プルプル…!


武内P「……!?」



129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:01:29 ID:CLyUfERQ

武内P「そんな……まさか……!?」

専務「……まあ、今は君の笑顔の事は良い」

武内P「……そう、ですね」

専務「だが、私は言われっぱなしでいられる程、大人しくはない」

武内P「えっ?」


専務「何人も手にかけてきた殺し屋の様だった」

専務「ありとあらゆる手段を用い、対象を死に至らしめる」

専務「……そして、殺しを終えた後に浮かべる笑顔」

専務「それが――君の笑顔だ」


武内P「待ってください!……あの、待ってください!」

武内P「……そんなにも、ですか……!?」



130: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:07:28 ID:CLyUfERQ

専務「――さて、話を元に戻そうか」

武内P「…………そうですね」

専務「君は、どうやって私の笑顔を改善するつもりだ?」

武内P「そう……ですね」


武内P「専務……貴女は今、楽しいですか?」

武内P「心の底から、笑顔になれていますか?」


専務「ああ、勿論だ」


武内P「……」

武内P「あ、はい」



131: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:11:45 ID:CLyUfERQ

専務「クローネのメンバーに笑いかける時も、そうだ」

専務「――よくやった、さすが346の看板に相応しい者たちだ」

専務「――私は、君達というアイドルを誇りに思う」

専務「……と、そう思いながら笑顔を向けている」


武内P「……なるほど」

武内P「では、彼女たちが……トップアイドルになった時は?」


専務「……」

専務「フッフッフ……!」ニイィィッ!


武内P「……よく、わかりました」



132: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:18:29 ID:CLyUfERQ

武内P「専務、恐れながら申し上げます」

専務「? 何だ」

武内P「申し訳、ありません」

専務「? 何を謝る」

武内P「万策尽きました」

専務「待ちなさい、諦めるのが早すぎます」

武内P「しかし、私では……とても……!」


専務「君は……とても、サービス精神に溢れているらしいな?」


武内P「最後まで、諦めずに頑張りましょう」

武内P「そうすれば、きっと道は開けます」



133: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:31:48 ID:CLyUfERQ

武内P「……少し、時間を頂いても良いでしょうか?」

専務「何をするつもりだ?」

武内P「あ、いえ……先程の専務の笑顔が、アレでしたので」

専務「君、アレと評するのはやめなさい」


武内P「携帯に保存してある、動物の画像を見て回復しよう、と」

武内P「……そう、思います」

たぷたぷ


専務「私の笑顔は、そんなにも攻撃的か?」

専務「……」

専務「君、いやに手慣れているが……普段からそうして……?」



134: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:37:12 ID:CLyUfERQ

武内P「動物は……無理難題を言いませんから」

専務「ふむ、確かにそうだな」

武内P「……」

専務「? 何を見ている」

武内P「……いえ、何でもありません」

専務「しかし、犬猫の画像に癒やしを求めるとは……」

武内P「……専務」


武内P「私は、犬と猫では、癒やされません」


専務「……あ、ああ……そうか」



135: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:43:55 ID:CLyUfERQ

武内P「……」

専務「な、ならば……何の動物だ?」

武内P「宜しければ……専務も、ご覧になりますか?」

専務「何?」

武内P「本当に、癒やされますので……」

専務「ふむ……君がそこまで言うのなら、一見の価値はありそうですね」

武内P「……どうぞ」

専務「どれ……」


武内P・専務「……」


武内P・専務「……」ホッコリ!



136: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:48:24 ID:CLyUfERQ

武内P「……」ホッコリ!

専務「ペンギン、か」ホッコリ!

武内P「ええ……ペンギンさんです」ホッコリ!

専務「……君、早く次を見せなさい」ホッコリ!

武内P「はい、了解しました」ホッコリ!

専務「……」ホッコリ!

武内P「……動画も、ご覧になりますか?」ホッコリ!

専務「早くしなさい。私は、あまり気が長い方では無い」ホッコリ!


武内P・専務「……」


武内P・専務「……」ホッコリ!



137: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 22:52:56 ID:CLyUfERQ

  ・  ・  ・

武内P「……とても、癒やされましたね」

専務「ああ……悪くない気分だ」

武内P「……専務」

専務「? 何だ」


武内P「無理に……貴女の笑顔を変える必要が、あるのでしょうか?」


専務「……」

専務「……何?」



138: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 23:01:06 ID:CLyUfERQ

専務「君は、私が笑顔を向けても怖がられたままで良いと?」

武内P「いえ、そうではありません」


武内P「私達は、アイドルの方を笑顔にするために居ます」

武内P「私も……あまり、笑顔が得意ではありません」

武内P「ですが――アイドルの方達は、星の様に輝いています」

武内P「それさえ見失わなければ……例え、星の周囲が夜闇であろうと」

武内P「……何の問題も無いと……そう、思います」


専務「私に、笑顔は諦めろと?」


武内P「……」

武内P「有り体に言えば、そうです」



139: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 23:12:13 ID:CLyUfERQ

武内P「無理をする必要は、無いのです」

専務「無理?」


武内P「鳥の羽は、大空へと羽ばたくためだけの物ではありません」

武内P「笑顔もまた、アイドルの方達とは違った方向性もあっても良い、と」

武内P「……そう、思います」


専務「彼女達――アイドルとは違う笑顔で良い、と?」


武内P「はい」

武内P「大空ではなく……海を飛ぶ、ペンギンさんの様に」


専務「……」



140: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/09/08(土) 23:24:10 ID:CLyUfERQ

  ・  ・  ・

武内P「あの……今回は、どんな用件でしょうか?」

専務「前回の、笑顔に関してですが――」


専務「君に言われた様に、笑顔を向ける時――ペンギンさんを意識した」


武内P「……待ってください」

武内P「あの、専務……そういった意味で言ったのでは……!」


専務「すると、アイドル達が緊張する事は無くなった」

専務「むしろ、妙にフレンドリーすぎて……問題になっている」


武内P「……」

武内P「えっ?」


専務「アイドル達に慕われて困っている」



おわり


元スレ
SS深夜VIP:武内P「担当Pの浮気に困っている?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1536074352/