1: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)20:45:18 ID:P8E


小日向美穂が化け狸だったというシリーズ「こひなたぬき」のSSです。
独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。



2: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)20:46:28 ID:P8E


  ―― 事務所 正午


ちひろ「っん~~~……午前の業務はこんなところですかねぇ」ノビー

P「ふぅー、さてメシだメシだっと」

ちひろ「それじゃ私ちょっと食べてきますね」

P「あ、俺も行きます」

ちひろ「はぁ?」

P「『はぁ?』て」

ちひろ「だってあなた、慕ってくれる美少女アイドル四人から日替わりでお弁当貰う超絶いいご身分なんでしょ?」

P「ぐぅッ、言葉の棘が全身に突き刺さりやがるぜ……!!?」

ちひろ「あら? そういえば今日は机にお弁当箱の包みが無い……。まさか飽きたなんてことないだろうし……」

ちひろ「…………あ! ついに四股かけて愛想尽かされたとか!?」

P「違ぇよ!! 冒頭からなんてこと言うの!?」



3: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)20:49:16 ID:P8E


P「いや、そりゃ四人とも都合のつかない日くらいありますよ。響子は早朝から魚河岸のロケだったし」

ちひろ「ああ、道理で今朝二人ともやたら早かったんですね」

P「美嘉は莉嘉が風邪引いちゃったから看病してて」

ちひろ「最近冷えますからねぇ」

P「まゆは自分が風邪引いちゃって」

ちひろ「かよわい」

P「美穂はめっちゃ寝坊したそうです」

ちひろ「あ~……お布団の誘惑が強まる季節……」

P「というわけで、そりゃあ仕方が無いわと」

ちひろ「ははーん。それでこの美少女事務員とランチを一緒にしようと……まったくつくづく役得な人なんですから」

P「あーはいはい腹減ったから早く行きましょうや」

ちひろ「ちひろチョップ!」プニッ

P「グワーッ!」



4: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)20:50:34 ID:P8E


   〇

 【看板娘帰省につき、本日休業】チーン


ちひろ「えぇ~、カフェお休みですか!?」ガビーン

P「あるんですねそんなこと……ていうか帰省するんだ」

ちひろ「ウサミン・ランチが食べられないなんて……私あれ好きなのに」

P「うーん、しかし今から外に出るにも時間が無い……」

ちひろ「となれば…………」


P・ちひろ「「…………社食」」




5: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)20:52:57 ID:P8E


P・ちひろ「「いやいやいやいやまさかまさかまさか」」ワハハハ

P「あそこ入社したばっかの頃入ったけどぶっちゃけマズかったし」

ちひろ「カツのお肉がティッシュみたいに薄っぺらいし」

P「味噌汁に得体の知れないモン入ってるし」

ちひろ「……うちって結構大手な筈なんですけどね。なんであそこだけああなんでしょう?」

P「ランチ需要はカフェで間に合っちゃってたからじゃないですかね?」

  グゥゥ~…

P・ちひろ「「…………」」

P「背に腹は代えられない……か」

ちひろ「このままだとお腹と背中がくっついちゃいますし……ね」




6: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)21:00:14 ID:P8E


P「ということで、本社地下一階の社食に向かう俺達だった(説明口調)」


ちひろ「……」

P「……」


 【〇×△プロ社員食堂 改め 社員回転寿司】ジャジャーン


P「ぜ、全面改装してる!?」

ちひろ「いつの間にこんなことに……!?」


   ウィーン

晶葉「む? 君は桃華と志希の担当プロデューサー氏ではないか」



7: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)21:06:49 ID:P8E


P「あ! いつかのマッドサイエンティスト!」

晶葉「ワハハ! 褒め言葉だ! そこに天才を付けるとより正確になるな!」

晶葉「まあそれはともかく、昼食に来たんだろう? なら丁度良かった、今新装開店したところなのだ!」

ライラ「ライラさんもお手伝いしましたですよー」ヒョイ

ちひろ「ライラちゃんまで!?」

P「しかし……そうなると、この社食の全面改装は……?」

晶葉「うむ、私が担当した。一フロアをまるまる改造するというのはなかなかエキサイティングだったな!」フンス


P「駅前に立ち食いソバありましたよね?」

ちひろ「ダッシュで行けば間に合いますかねぇ」

晶葉「まあまあ待て待て待つんだ」ウィーンガシッ

P「伸びるロボットアーム!?」グエーッ



8: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)21:09:05 ID:P8E


晶葉「腹が減っては戦は出来ぬというだろう。それに社員価格+開店記念で割引らしいぞ」

P「だって絶対ろくなことにならねーじゃん! メカPが板前とかやってんじゃねぇの!?」

晶葉「安心したまえ。自分の研究ならともかく、受けた依頼ではそこまで無茶をせん」

ライラ「大丈夫でございますよー。テーマパークのように楽しいお店となっておりますです」

P「不安要素しかない」

ちひろ「まあでも、ライラちゃんがそう言うなら……」

晶葉「彼女は優秀な助手だな! 私の作業に文句ひとつ言わず付き合ってくれたぞ!」フンスフンス

ライラ「わたくしも楽しかったでございますよー。ですがー……」

 グゥ~ キュルルル…

ライラ「……ちょっぴり、おなかがすいてしまったでございますねー」

P「……しょうがない。ついでだし、ライラにも昼飯おごっちゃろう」

ちひろ「時間ありませんしね」

ライラ「おおー。わたくしお寿司を食べるの初めてでございますー」ワクワクルンルン



9: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)21:11:48 ID:P8E


P「流石にロボがやってるってことはなさそうだが、しかし……」

ちひろ「案外、普通の回転寿司かもしれないじゃないですか」

P「うーん……まあそうですね。流石に板前さんは普通の……」


  ウイーン

ナターリア「ヘイラッシェー!」

P「あからさまにアイドルなのだ!!!」アイエエエーッ

ナターリア「初めてのお客サンだナ! ささ、座っテ座っテ!」ウキウキ



10: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)21:45:44 ID:P8E


P「うーむ、店内がやたらサイバー……まるで悪の秘密研究所のようだ」

P「ていうか、やたら立体的な寿司レーンだなおい。ミニ四駆のコースかなんかか」

ちひろ「奥の方にベルトコンベアみたいなのありますよ。何乗せるんですかねあれ」

  ウサ ウサ ウサ ウサ

P「ウサちゃんロボがお茶とおしぼり持ってきた……!」

  ウササー シュゴゴー

ちひろ「飛んだ……」

P「というか、確かナターリアさんだよね?」

ナターリア「ウン! ナターリア、スシ大好きだからお手伝いに来たんダ!」

ナターリア「あ、でも……お店、開いたばっかりだかラ、まだおスシ流れてないんダ」

ナターリア「言ってくれたら握るゾ! 何がいい?」ニコニコ



11: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)21:59:57 ID:P8E


P「うーん。じゃあ、マグ……いや、タマゴ……いやマグロで」

ちひろ「えーとそれじゃコハダを……ライラちゃんは?」

ライラ「まだよくわかりませんですねー。何がおいしいのでございましょう?」

ナターリア「うちはなんでもおいしいゾ!」

ライラ「それではこの、オートロ? をお願いしますですよー」

P「最初から攻めっ攻めだな!」

ナターリア「わかった! マグロコハダオートロイッチョー!」

   アイヨー!>

P「奥に誰かいんの?」



12: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)22:07:23 ID:P8E



P「あれ? それじゃナターリアさんは何すんの?」

ナターリア「踊ろうカ?」

P「逆に落ち着かないよ!」

ライラ「あ、ここで手を洗えばいいのでございますか?」

ちひろ「待って待ってライラちゃん火傷しちゃう」

   シュゴオオオーーーーーッ!!

P「レーンに乗ってイニDのようなスピードで寿司が!?」




13: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)22:22:14 ID:P8E



P「えーとそれじゃ、来たことだし……」

三人「「「いただきまーす」」」

P「ではこのマグロを……むッ!?」パクッ

P「こ、これは……! すごく新鮮なマグロだ! まるでついさっきまで泳いでいたかのような……!」

P「この赤身には確かな旨味と共に、躍動する潮流の力強さをも感じる……!」

P「更に握られる段階でいい感じに空気を含んだシャリが、口に入るなりふうわりとほどけて……」

P「旨い! なんという旨い寿司なんだ!」パァン!

ちひろ「なんで柏手打ったんですか今」

P「え、なんか、なんとなく……」

ちひろ「あ、ほんと。おいしいですねこのお寿司!」

ライラ「(なにやら感極まったらしい流暢なアラビア語)!!!」モグムシャー

P「待って何言ってるかわからない日本語で頼む」

ナターリア「ハムハム! ほんとダ! すっごくおいしいナ!」ペカー

P「あ、君は一緒に食べる担当なのね」




14: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)22:27:57 ID:P8E



?「ふっふっふ……そうね、そげぇおいしかね……」

P「はっ、この声は……!?」

P「わずか13歳にして魚捌きを習得し、アイドル料理界にこの子ありと謳われる――首藤葵さん!?」

葵「いかにもっ! 魚料理といえばあたし、すなわちお寿司といえばあたしっちゃ!」ババーン

ライラ「アキハさんとナターリアさんとアオイさんとはお手伝い中に仲良くなったのですよー。みなさんとてもいい人でございますです」

P「しかし、副業ってことになるのか? 社内とはいえいいのかな」

葵「これも修業っちゃけん、よかって偉か人も言うとったよ」

ちひろ「まあ上じゃ17歳がカフェの看板娘してるそうだから問題ないんじゃありません?」

P「妙なところでおおらかな事務所だな……」




15: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)22:39:42 ID:P8E


ナターリア「すごいゾ! アオイはなんでもスシにできるんダ!」

葵「そう……一言にお寿司と言うても、この時代じゃあきい。ひとっくくりにお魚だけのものにもでけん」

葵「せっちいけど、お魚が苦手って人もおるっちゃ」

P「ああ、うちにも一人いるわ」

ナターリア「おいしいんだけどナー」

葵「だからこそ! お魚だけでないお寿司の可能性も模索するべきと! あたしはそう思うっちゃ!!」ババーン

  ウサー! ウササー!

  パパーパパラパー

ちひろ「ウサちゃんのゴージャスなファンファーレが!?」



16: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)22:49:27 ID:P8E


葵「で、お客様第一号の三人には、お魚じゃない変わり種のお寿司を試してもらいたかっちゃけど……」

葵「あ、もちろんお代はいいとよ! 試食ってことになるけえ!」

P「タダ? マジ? じゃあ断る理由が無いな」

ちひろ「大丈夫ですかね。タダより高いものはありませんよ?」

P「ははは、いつもタダ石と各種ガチャの飴と鞭でしばき倒してくる人が言うと違うな」

ちひろ「ちひろポン・パンチ!」ポムン

P「グワーッ!!」

ちひろ「まあいいです。私も気になるし、お願いしてもいいかしら?」


葵「うん、ありがとう! しんけん握るけん待っとってね!」



17: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:04:19 ID:P8E


葵「小手調べに、シャコから握ってみるっちゃ」

P「お、最近あんまり見なくなった奴だ」

ちひろ「エビより歯ごたえがあっておいしいですねぇ」

葵「続いてみょうが!」

P「みょうが? 刻んでそうめんのつゆとかに入れる奴? ん……うまい!」

ライラ「しゃくしゃくでお口さわやかですねー。ライラさん、これ好きでございますよー」

葵「鳥刺し!」

ちひろ「鶏肉のお刺身って、確か九州のお料理だったような……あらおいしい」

P「噛めば噛むほど旨味の染みる鶏肉に、おろししょうがの味がピリッと効いて……」



18: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:05:20 ID:P8E


葵「お茄子の漬物!」

ちひろ「へぇ、茄子のぬか漬けがシャリに……。瑞々しい歯ごたえがニクいですねぇ♪」

ライラ「おふー。カラシさんが染みるでございますよー」

P「茄子さん引けない」ギギギ…

            カコデスヨー♪>


葵「アボカド!」

ちひろ「すっかり市民権を得ましたよね。まあトロにたとえられるくらいですし」

P「猫にアボカド食わすと最悪死んじゃうらしいですけどね」


みく「へぷちっ! ……な、なんか謎の悪寒が走ったにゃあ……」




19: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:07:26 ID:P8E


葵「鯨!」

P「おお、ほとんど肉の味」

葵「松茸!」

ちひろ「輝子ちゃんが好きそうですねぇ」

葵「テレスコ!」

P「テレス……なんて?」

葵「ステレンキョウ!」

ライラ「よくわかりませんですけど、おいしいでございますよー」

葵「そして本日のオススメ、とれたてピチピチのズンドコベロンチョ!」

P「ねえ結局ズンドコベロンチョって何なの?」

ちひろ「え、ズンドコベロンチョ知らないんですか? おっくれってるぅー!」



20: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:11:57 ID:P8E


P「ふぅー……なんだかんだ結構食ったなぁ」

ちひろ「お茶とガリが染みますねぇ~……」

ライラ「ライラさん、おなかいっぱいでございますよー♪」

P「次から次に来るから、流れてくるのを待つ暇もありませんね。回転寿司とは」

ちひろ「でもお寿司はおいしいし、話が広がれば繁盛するんじゃありません?」

ライラ「おー……注文とは、このボタンでするんでございますですか?」

P「そうそう。注文とお会計、っていうか店員呼び出しと、あと……」


【注文】
【お会計】
【世界】


P「世界」



21: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:19:29 ID:P8E


ちひろ「…………押します?」

P「いや…………まあ、やめときますか」

ライラ「おー」ポチー

P「ライラーッ!?」


  カッ!!

ヘレン「ミュージックスタート!!」


P「うわああああヘレンさんだああああああ!!?」



22: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:21:34 ID:P8E



 ♪~ (情熱的なフラメンコ)

ヘレン「ッハァ!」

ヘレン「ヘェイッ!!」

ヘレン「オーレ!!!」

ヘレン「フンハァッ!!!!」

   ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー…………


P「お、踊りながらベルトコンベアを流れていった……」

ちひろ「この出番の為だけに今回登場したんですかあの人……」

ナターリア「ヘレンのダンスはすごいナ……! ナターリア、リスペクトしちゃうゾ!」キラキラ




23: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:36:36 ID:P8E


葵「さて、そろそろ締めのお吸い物を出しちゃるけん」

P「お、ありがたい。いやーどれもおいしかったよ(終盤何食わされてたかわからなかったけど)」

ちひろ「ほんとに。ちょっと変わったお店だけど、味が広まればきっと流行ると思いますよ♪」

葵「へへ……そげえ褒めたってなんも出んよぉ♪」テレテレ

葵「待っとってね。珍しかもんが取れたけえ、おいしい汁物が作れるっちゃ!」

P「珍しいもの?」

葵「うん! あたしも料理するのは初めてなんよ! でも、きっとおいしくするけえね!」

P「そっか。楽しみだなぁ」



24: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:41:09 ID:P8E


ナターリア「持ってきたゾ!」

葵「よっし! 今捌いちゃるけん!」ギラッ


美穂(たぬき)「ぽ、ぽこーっ!! ぽこぽーーーーんっ!!!」ジタバタジタバタ


P「美穂ぉーーーーーーっ!!?」ガビガビーーン



25: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:49:10 ID:P8E


ナターリア「ミ?」

葵「ほ?」

P「あ、ああ、いや……みほ、にほ、にほんの料理文化はまったく尊いものだなぁ~と……」

ちひろ「ふふふふ二人は、どどどどこで、その、たたたたぬきさんを、つつ捕まえたんですか?」

葵「ああ、事務所の中庭の茂みにおったとを捕まえたんよ」

ナターリア「まるまるふかふかで、すっごくおいしそうだナ!」

P(み、美穂……! そんなところで何をしていたんだ……!!)

ちひろ(もしかしてお寝坊さんですか……!!?)

ライラ「あー……」

ライラ「お二人ともー。実はそのたぬきさんは、わたくし達の大切なお友達なのでございますよー」

葵「えっ!?」

P(ナイスライラ!!)



26: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:49:52 ID:P8E


ライラ「事務所からはぐれてしまい、困っていましたです。申し訳ありませんですが、離してはもらえませんでございますか?」

美穂「ぽこ、ぽこっ」モゴモゴジタバタ

ナターリア「そ、そうだったのカ……!」

葵「いけんいけん、危なかとこだったっちゃ!」パッ


美穂「ぽこぉ~~っ!!」ヒシッ

P「ああよしよし、お前一体何してたんだ……!」



27: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/12(金)23:56:19 ID:P8E


葵「あいたー……危うく友達を捌いてしまうとこだったっちゃ。ごめんなさい!」

ナターリア「ご、ごめんナ! 知らなかったんダ!」

P「いやギリギリセーフだから良かったよ。でも、今後事務所で動物を見つけても捕獲したりしないでな?」

P「ひょっとしてひょっとしたらだけど、たぬきだけじゃなくて、うさぎとか狐も見つかるかもだし……」

ナターリア「キツネとウサギもいるのカ!?」

ちひろ「ええまあ、なんというか一応……」

P「あとトナカイ(?)とかも……」

美穂「ぽ、ぽこぉ~~~……」フシュシュシュ



28: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:00:15 ID:yku


ライラ「おや? たぬきさんから、なにやら白い煙のようなものがー……」

ナターリア「ン?」

葵「え?」

ちひろ「あら?」

P「お、おぉ……!?」

P(まさか、安心感のあまり気が抜けて……!?)

美穂「ぽこ……ぽこぉん……」シュルルルル

P「ま……待て! そのままでいい! そのままでいいから!」



29: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:03:09 ID:yku


  ポンッ!!


美穂「ふぇぇ……プロデューサーさぁん……」ムギュー

P「」

ちひろ「」

葵「」

ナターリア「!」

ライラ「おー……」



30: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:06:51 ID:yku


美穂「きゅぅぅぅ……」ギュー

P「」

P「な」

P「なんでもないです」


晶葉「なんでもないわけがあるかぁっ!!!」ババーン


P「うおああああーーーっ!?」



31: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:10:51 ID:yku


晶葉「見たか!? 見たな! 見たぞ!! たぬきが人に化ける瞬間を!!」

晶葉「財団から報告は聞いていたが、やはり実際に見るとインパクトが違うな!」

ナターリア「スゴイスゴイスゴイ! 今、タヌキが人になったよナ!? どうやったんダ!?」

葵「きょ、曲芸ね!? すごかねぇ! そげなこともできると!?」

ちひろ「わわわわ……」

P「いや、これには色々となんというか、アレがアレでですね……」

美穂「ふぃぃ……」グテー


  ギャーギャー ワーワー ヘーイ!



32: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:19:30 ID:yku


  ―― しばらくして


P「……えらい目に遭った」

ちひろ「とんだランチでしたねぇ……」

美穂「うぅ、ご、ごめんなさいぃ……」

ライラ「お寿司、とってもおいしかったでございますねー」ホクホク

P「まあひと悶着あったけど、なんとか丸く収まったし――」


葵『わ、わかった! 色々あるっちゃね! あたし誰にも言わんけえ!』

ナターリア『また来てネ! ナターリアもアオイも待ってるゾ!』


ちひろ「いい子達でしたねぇ」

P「アイドルとしても評判いいですからね。きっとあそこも繁盛するでしょう」

美穂「はぅぅ。私、今回いいとこ無い……」ションボリ

ライラ「よしよしですよー」ナデナデ



33: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:28:40 ID:yku



P「まあ、ギリギリ昼休みが終わる時間には間に合ったわけだし、戻りますか」

ちひろ「そうですねぇ……ところで」チラッ


晶葉(ぎくっ)


美穂「だ、誰かに尾行されてるような……」

ライラ「アキハさんでございますかー?」

晶葉「ふーーむ……バレていたか。私のカムフラージュ技術もまだまだだな」ガササッ

P「そりゃオフィスビルの中で異様に精巧なギリースーツ着てちゃな」




34: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:36:37 ID:yku


晶葉「以前から動向は把握していたのだが、君達の事務所は実に興味深い。琴歌が楽しそうに話していただけはある」

P「……ん?」

晶葉「このところロボと一緒に研究所に籠もってばかりだったからな。やはり実地調査は必要かもしれん……」ブツブツ

晶葉「志希のやつもラボを出たことだし……」モゴモゴ

晶葉「というかその……私も、そろそろ助手の一人くらいは……」モニョモニョ

ちひろ(プロデューサーさん)

美穂(これって、つまり……)

P(フムン)



35: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:39:06 ID:yku


P「あの」

晶葉「!」ザッ

P「えっ距離感……。いやほら、もし良ければなんだけど」

P「君もアイドルをやってみないか?」つ名刺

晶葉「……!」ザザッ

晶葉「ふ~~~~~む。アイドル。アイドルか」

晶葉「なるほど。私の才能を世に知らしめるには、確かに最短とも言える近道かもしれないな……!」

P「そうそう。それに君、可愛いし」

晶葉「かわっ」ザザザッ

P「えっ遠っ!? ナンデ!?」

晶葉「…………なるほど、未知のアプローチを仕掛けてくるわけだな?」



36: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:43:20 ID:yku



晶葉「だが、まだ時期尚早だ! 私はまだ諸君の輪郭を掴んではいない!」

P「輪郭とは」

晶葉「傾向と対策を練ることはいかなる問題においても重要なのだ!」

P「いや、だから、あんま難しいこと考えんでも君すごく可愛いんだから」

晶葉「そういうことではなく!!!」

晶葉「今回の件は貴重なデータとして今後に活かすとしよう! 次に会う時を楽しみにしているがいい!!」

  ウサ ウサー ウササー

ちひろ「ジェットパックを装備したウサちゃんの群れが!?」


晶葉「引き続き、君達の起こす奇妙な事件を楽しみに待っているぞ! ワハハ!! ワーハハハ!!!」

  ドドドドドドドド…………


美穂「…………行っちゃった」

ライラ「お顔が赤かったでございますねー」

P「こ、断られた……」ガックシ



37: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:51:10 ID:yku



  ―― その後 事務所


周子「んお、お疲れさーん。どっかでご飯食べてたん?」

蘭子「煩わしい太陽ね!」テテーン

志希「ありゃ。なつかしー感じの匂いがするね~」クンカクンカ

P「……なんか昼飯食うってだけでどっと疲れましたね」

ちひろ「ええまあ……」

まゆ「げほっ、ごほっ、ぷっぷろでゅ、ん゙ほっ、ごめんなざっ、まゆっ、おべんとうっ」ゲホゴホ

美玲「あーもう、だから寝てろって言っただろ! 無理すんなよなッ!」ワタワタ

みく「なにやらさっき嫌な予感がしたのにゃ……。Pチャンなんか知らない?」

幸子「なんですかなんですか、景気が悪いですねぇ! ボクのカワイさを補給して元気を取り戻したらどうですか!?」フフーン


   ワイワイ……


P「……あ、そうだ。みんな寿司好き?」


 ~オワリ~




38: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:54:16 ID:yku

〇オマケ


周子「あ、そだそだ。プロデューサーさん……」ヒソヒソ

P「ん? なんだ改まって」

周子「いやいや、大したこっちゃないんだけど。ちょっと相談があってさ……」


 ~つづく~



39: ◆DAC.3Z2hLk 2018/10/13(土)00:57:34 ID:yku

おしまいです。SS速報から来ました。

奈緒のお話を書くつもりでしたが、ちょっと作業量の問題で順番が前後します。すみません。
次回からは京都舞台の大長編こひなたぬきが始まると思います。
引き続きこちらでお世話になります。


元スレ
【たぬき】千川ちひろ「社食が回転寿司に魔改造された?」