1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:26:02.55 ID:3SxaACizP
穂乃果「こんな日は月を見ながらお団子食べたいよね!」
海未「あ、あの、えっと……」タジタジ
穂乃果「あれ? 海未ちゃんどうかしたの?」
海未「わ、私たちにはまだ早すぎると思います!」ダッ
穂乃果「え? ちょっと海未ちゃん!?」
穂乃果「確かにお月見にはまだ早いけど、何も逃げなくたっていいのに……」ブツブツ
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:30:12.45 ID:3SxaACizP
そのだけ
海未「やあっ!」ブン
海未「はあっ!」ブン
海未(やはり心を鎮めるときは剣道が一番ですね)ブン
穂乃果『月が綺麗だね』
海未(穂乃果は急にあんなことを言ってどういうつもりなのでしょう?)ブン
海未(夏目漱石は『I love you』を『月が綺麗ですね』と訳したといいます)ブン
海未(つ、つまりそういうことなんですよね……?)カアアアアアアア
海未「きゃっ!?」ステン
海未(やはり雑念があっては剣道もままならないのですね)
海未(思えば穂乃果とは昔からずっと一緒で、昔穂乃果と剣道の真似事をしていたときもよくこん
な風に転んだもので――)
海未(スクールアイドルを始めたばかりの時も同じようなことを考えていましたね)フフ
海未(穂乃果は大切な幼馴染で、大切なμ'sの仲間で……)
海未「私は穂乃果をどう思っているのでしょうか?」
海未(などと鏡に問いかけても答えは返ってきませんよね)
海未(私が穂乃果をどう思っているか、そんなことは私自身が一番よくわかっているはずです)
海未(私は穂乃果のことを――)
ソシテーワタシタチハメグリアウー♪
海未「メール、ですか……?」ピッ
海未「穂乃果から……?」
海未「『やっぱり月が綺麗だよ』」
海未「添付ファイルは月の画像……。つまりこれはそういうことなんですよね、穂乃果……?」
自室
海未(月が綺麗ですね、という文句に対してどのように返すのが適切か分かりかねます)
海未(ことり……。そうだ、ことりに相談しましょう)ピピピ
ことり『どうしたの? 海未ちゃん?』
海未「ことりに少し相談がありまして」
ことり『相談? 海未ちゃんが珍しいね』アハハ
ことり『ことりでよかったらいくらでも相談に乗るよ』
海未「ありがとうございます」
海未「実は穂乃果のことなのですが」
ことり『穂乃果ちゃんがどうかしたの? また無理してるとか?』
海未「いえ、そうではなく、今日の帰りなのですが、そ、その、穂乃果に告白されまして……」
ことり『告白!?』
ことり『穂乃果ちゃんが海未ちゃんに!?』
海未「はい、それで、どのように返事したらいいのかわからずにいて……」
ことり『うーん、穂乃果ちゃんが海未ちゃんに……。ちょっと意外かも』
ことり『穂乃果ちゃんってそういうのあんまり興味なさそうだから』アハハ
ことり『それで、海未ちゃんは穂乃果ちゃんのことどう思ってるの?』
海未「私は、その、穂乃果のことは好きです……!」カアアアアアア
ことり『ならオッケーしちゃえばいいんだよ!』
海未「なんといって返事をすればいいのでしょうか……?」
ことり『自分の気持ちを素直に伝えればいいんだよ! 頑張ってね、応援してるから!』ピッ
海未「あ、ことり! 切れてしまいましたね……」
海未「自分の気持ちを、素直に……」
海未「穂乃果のハートを撃ち抜くぞ~! バーン!」ビシッ
海未「何か違いますね……」
海未「コホン……私もそう思います」ニコッ
海未「これでは少し平凡でしょうか……」
海未(そういえば二葉亭四迷は『私、死んでもいいわ』と訳したとか)
海未「私、死んでもいいです」
海未(確かに穂乃果のためになら死ぬことも厭わない)
海未(私にぴったりのセリフかもしれませんね)フフ
海未「早速メールを、いえ、こういうのは電話で……。それよりも直接言った方がいいですね」
海未「『芳林公園に来てください』と、これで大丈夫ですね」
海未「あとは公園で穂乃果が来るのを待って、来たら返事を……」グッ
海未「なんだか緊張しますね……」ドキドキ
ソシテ-♪
海未「穂乃果から、ですね」ピッ
海未「『今行くね、ちょっと待ってて!』」
海未「……いつまでも待ちますよ、なんて」フフ
公園
穂乃果「おーい! 海未ちゃーん! お待たせー!」ブンブン
海未「いえ、こんな夜分遅くに呼び出して申し訳ありません」ペコリ
海未「先ほどの返事をしようと思いまして」
穂乃果「返事?」キョトン
海未「はい、月が綺麗だ、と穂乃果が言ったので」
穂乃果「綺麗だよね! 一緒に食べようと思ってお団子持ってきたんだ!」エヘヘ
海未「穂乃果、私、死んでもいいです」
穂乃果「し、死んでも!? ダメだよ海未ちゃん! 死んだりしちゃダメ!」
海未「べ、別に本当に死ぬわけではなくて比喩表現のようなものです!」
穂乃果「比喩表現? なんの?」
海未「月が綺麗ですね、と同じですよ」カアアアアアア
穂乃果「んー?」キョトン
海未「え?」
海未「も、もしかして、何の他意もなく月が綺麗と言ったんですか?」
穂乃果「他意? 穂乃果はただ月が綺麗だなーって思って海未ちゃんにも見てほしかったから月が
綺麗だね、って言っただけだよ?」
海未「ふ、深い意味はなく、ですか……?」
穂乃果「そもそも深い意味があるの?」
海未「……そうですよね、よくよく考えてみれば穂乃果がそんなこと知っているはずがありません
よね」ブツブツ
海未「勝手に舞い上がってしまった私がバカみたいです……」ポロポロ
穂乃果「深い意味ってどういう意味?」
海未「なんでもありません!」
穂乃果「嘘、海未ちゃん泣いてるもん」
海未「泣いてなんか――」
海未「っ!」ダッ
穂乃果「海未ちゃん!?」
海未(これ以上穂乃果に無様な姿を見せたくありません)
穂乃果「待って!」ガシッ
海未「離してください!」
穂乃果「離さない!」
穂乃果「あのね、私バカだから海未ちゃんがなんで泣いてるのかわからない」
穂乃果「でも、私が何か変なことを言っちゃったせいなんだっていうのはわかるよ」
穂乃果「私の何気ない一言が海未ちゃんを傷つけちゃったんだ、って」
海未「違います! 穂乃果の言葉で傷付いたわけではありません!」バッ
海未「私が勘違いをしたのが原因なんですから……」ウツムキ
海未「1人にしてください!」ダッ
穂乃果「海未ちゃん!」
穂乃果「また、やっちゃったのかな……?」
穂乃果「『月が綺麗だね』に深い意味、って言ってたよね」
穂乃果「どういうことなのか全然わからないよ……」ポロポロ
穂乃果「穂乃果が泣いてどうするの……? 辛いのは海未ちゃんなのに……」
穂乃果「絵里ちゃんなら何か分かるかも……」ピピピ
絵里『もしもし、穂乃果どうしたの?』
穂乃果「海未ちゃんを泣かせちゃった」
穂乃果「私がバカだから、私のせいで海未ちゃんが……」ポロポロ
絵里『穂乃果、今どこにいるの?』
穂乃果「……芳林公園」
絵里『分かった、今から行くから少し待っていて』ピッ
穂乃果「絵里ちゃんにまで心配かけて、私ダメだ……」グスッ
絵里「穂乃果!」
穂乃果「……絵里ちゃん」
絵里「隣いい?」
穂乃果「うん」
絵里「穂乃果、あんまり自分を責めちゃダメ。詳しく知らないから余計なことは言えないけど」
絵里「でも穂乃果は自分を責めすぎよ」
穂乃果「でも――」
絵里「穂乃果」ギュッ
絵里「よければ詳しく話して。落ち着いたらでいいから」
穂乃果「……ありがとう、絵里ちゃん」
穂乃果「あのね、海未ちゃんに呼び出されて公園に来たら、海未ちゃんが『死んでもいい』なんて言い出して」
穂乃果「何かの比喩表現だって言ってたんだけど、私が言った『月が綺麗』に対する返事だとかなんとかで……」
穂乃果「何を言ってるのか全然わからなくて、そしたら海未ちゃんが泣いちゃって……」
絵里「『月が綺麗ですね』『私、死んでもいいわ』ね」
穂乃果「絵里ちゃんは何か知ってるの?」
絵里「割と有名な話よ。夏目漱石と二葉亭四迷の両名が『I love you』をそう訳したっていう」
絵里「海未は『月が綺麗』って言われて告白されたと思っていたのよ」
穂乃果「じゃあ、返事で『死んでもいい』っていうのは……?」
絵里「海未は穂乃果を受け入れたってことね、勘違いではあるけど」
穂乃果「……っ! 絵里ちゃん!」
絵里「海未のところにいくんでしょ? 行ってらっしゃい」セナカポン
穂乃果「ありがとう! これ、お団子あげるね!」スッ
穂乃果「じゃあ絵里ちゃん、また明日!」ダッ
穂乃果「はい、また明日ね」
絵里「……ハラショー」パクッ
絵里「本当に、月が綺麗ね、穂乃果」
絵里「……このお団子しょっぱいわ」
うみべや
海未(穂乃果にみっともないところを見せてしまいました)
海未(明日から穂乃果に会うのが少し気まずいですね……)
フタタビアエタートーキハー♪
海未「……メール?」
海未「穂乃果から……。『お話があるの、今海未ちゃんの家の前にいるから出てきて』」
海未「今穂乃果に合わせる顔なんて……」
『出てきてくれるまで帰らないよ』
『お願いだから、ちょっとだけでいいから出てきて』
海未(本当に帰らないつもりなのでしょうか……?)
海未(……)
海未(少しだけ、何もなかったように会えば)
海未「何もなかったように……」ポツリ
海未「……穂乃果」
穂乃果「海未ちゃん!」
海未「何か御用でしょうか?」
穂乃果「え、えっと、ん、んん!」
穂乃果「つ、月が綺麗ですね!」カアアアアアアア
海未「……え?」キョトン
穂乃果「だ、だから! 月が綺麗ですね、って!」モウ
海未「そ、それは、そういうことでいいんですか……?」
穂乃果「うん、勘違いしちゃってからまわっちゃう海未ちゃんとか全部含めて、改めてこの言葉を言いたいな、って」エヘヘ
海未「……私、死んでもいいわ」カアアアアアアア
穂乃果「なんだかこんな知的な表現私らしくもないよね」アハハ
海未「なんでも日本人の奥ゆかしさを表現したらしいです」フフ
穂乃果「海未ちゃん大好き!」ギューッ
海未「ほ、穂乃果!」カアアアアアアアアアア
穂乃果「うん、やっぱりこっちの方が私らしいかも」エヘヘ
海未「確かに、穂乃果らしさでいえばそうですね」
海未「穂乃果に奥ゆかしいという言葉は似合いませんし」フフ
穂乃果「あー、海未ちゃん私のことバカにしてるでしょ?」
海未「してませんよ。私は穂乃果のそういったところがs」
海未「月が綺麗ですね」ニコッ
おわり
μ'sの誰かに告白されたらわたし、死んでもいいわ
すごい可愛かった
乙乙
元スレ
そのだけ
海未「やあっ!」ブン
海未「はあっ!」ブン
海未(やはり心を鎮めるときは剣道が一番ですね)ブン
穂乃果『月が綺麗だね』
海未(穂乃果は急にあんなことを言ってどういうつもりなのでしょう?)ブン
海未(夏目漱石は『I love you』を『月が綺麗ですね』と訳したといいます)ブン
海未(つ、つまりそういうことなんですよね……?)カアアアアアアア
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:33:20.17 ID:3SxaACizP
海未「きゃっ!?」ステン
海未(やはり雑念があっては剣道もままならないのですね)
海未(思えば穂乃果とは昔からずっと一緒で、昔穂乃果と剣道の真似事をしていたときもよくこん
な風に転んだもので――)
海未(スクールアイドルを始めたばかりの時も同じようなことを考えていましたね)フフ
海未(穂乃果は大切な幼馴染で、大切なμ'sの仲間で……)
海未「私は穂乃果をどう思っているのでしょうか?」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:36:43.11 ID:3SxaACizP
海未(などと鏡に問いかけても答えは返ってきませんよね)
海未(私が穂乃果をどう思っているか、そんなことは私自身が一番よくわかっているはずです)
海未(私は穂乃果のことを――)
ソシテーワタシタチハメグリアウー♪
海未「メール、ですか……?」ピッ
海未「穂乃果から……?」
海未「『やっぱり月が綺麗だよ』」
海未「添付ファイルは月の画像……。つまりこれはそういうことなんですよね、穂乃果……?」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:40:59.15 ID:3SxaACizP
自室
海未(月が綺麗ですね、という文句に対してどのように返すのが適切か分かりかねます)
海未(ことり……。そうだ、ことりに相談しましょう)ピピピ
ことり『どうしたの? 海未ちゃん?』
海未「ことりに少し相談がありまして」
ことり『相談? 海未ちゃんが珍しいね』アハハ
ことり『ことりでよかったらいくらでも相談に乗るよ』
海未「ありがとうございます」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:43:02.46 ID:3SxaACizP
海未「実は穂乃果のことなのですが」
ことり『穂乃果ちゃんがどうかしたの? また無理してるとか?』
海未「いえ、そうではなく、今日の帰りなのですが、そ、その、穂乃果に告白されまして……」
ことり『告白!?』
ことり『穂乃果ちゃんが海未ちゃんに!?』
海未「はい、それで、どのように返事したらいいのかわからずにいて……」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:46:58.08 ID:3SxaACizP
ことり『うーん、穂乃果ちゃんが海未ちゃんに……。ちょっと意外かも』
ことり『穂乃果ちゃんってそういうのあんまり興味なさそうだから』アハハ
ことり『それで、海未ちゃんは穂乃果ちゃんのことどう思ってるの?』
海未「私は、その、穂乃果のことは好きです……!」カアアアアアア
ことり『ならオッケーしちゃえばいいんだよ!』
海未「なんといって返事をすればいいのでしょうか……?」
ことり『自分の気持ちを素直に伝えればいいんだよ! 頑張ってね、応援してるから!』ピッ
海未「あ、ことり! 切れてしまいましたね……」
海未「自分の気持ちを、素直に……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:49:43.00 ID:3SxaACizP
海未「穂乃果のハートを撃ち抜くぞ~! バーン!」ビシッ
海未「何か違いますね……」
海未「コホン……私もそう思います」ニコッ
海未「これでは少し平凡でしょうか……」
海未(そういえば二葉亭四迷は『私、死んでもいいわ』と訳したとか)
海未「私、死んでもいいです」
海未(確かに穂乃果のためになら死ぬことも厭わない)
海未(私にぴったりのセリフかもしれませんね)フフ
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:53:03.78 ID:3SxaACizP
海未「早速メールを、いえ、こういうのは電話で……。それよりも直接言った方がいいですね」
海未「『芳林公園に来てください』と、これで大丈夫ですね」
海未「あとは公園で穂乃果が来るのを待って、来たら返事を……」グッ
海未「なんだか緊張しますね……」ドキドキ
ソシテ-♪
海未「穂乃果から、ですね」ピッ
海未「『今行くね、ちょっと待ってて!』」
海未「……いつまでも待ちますよ、なんて」フフ
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:56:04.23 ID:3SxaACizP
公園
穂乃果「おーい! 海未ちゃーん! お待たせー!」ブンブン
海未「いえ、こんな夜分遅くに呼び出して申し訳ありません」ペコリ
海未「先ほどの返事をしようと思いまして」
穂乃果「返事?」キョトン
海未「はい、月が綺麗だ、と穂乃果が言ったので」
穂乃果「綺麗だよね! 一緒に食べようと思ってお団子持ってきたんだ!」エヘヘ
海未「穂乃果、私、死んでもいいです」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 20:58:28.14 ID:3SxaACizP
穂乃果「し、死んでも!? ダメだよ海未ちゃん! 死んだりしちゃダメ!」
海未「べ、別に本当に死ぬわけではなくて比喩表現のようなものです!」
穂乃果「比喩表現? なんの?」
海未「月が綺麗ですね、と同じですよ」カアアアアアア
穂乃果「んー?」キョトン
海未「え?」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:01:19.86 ID:3SxaACizP
海未「も、もしかして、何の他意もなく月が綺麗と言ったんですか?」
穂乃果「他意? 穂乃果はただ月が綺麗だなーって思って海未ちゃんにも見てほしかったから月が
綺麗だね、って言っただけだよ?」
海未「ふ、深い意味はなく、ですか……?」
穂乃果「そもそも深い意味があるの?」
海未「……そうですよね、よくよく考えてみれば穂乃果がそんなこと知っているはずがありません
よね」ブツブツ
海未「勝手に舞い上がってしまった私がバカみたいです……」ポロポロ
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:03:35.57 ID:3SxaACizP
穂乃果「深い意味ってどういう意味?」
海未「なんでもありません!」
穂乃果「嘘、海未ちゃん泣いてるもん」
海未「泣いてなんか――」
海未「っ!」ダッ
穂乃果「海未ちゃん!?」
海未(これ以上穂乃果に無様な姿を見せたくありません)
穂乃果「待って!」ガシッ
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:06:44.33 ID:3SxaACizP
海未「離してください!」
穂乃果「離さない!」
穂乃果「あのね、私バカだから海未ちゃんがなんで泣いてるのかわからない」
穂乃果「でも、私が何か変なことを言っちゃったせいなんだっていうのはわかるよ」
穂乃果「私の何気ない一言が海未ちゃんを傷つけちゃったんだ、って」
海未「違います! 穂乃果の言葉で傷付いたわけではありません!」バッ
海未「私が勘違いをしたのが原因なんですから……」ウツムキ
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:09:09.92 ID:3SxaACizP
海未「1人にしてください!」ダッ
穂乃果「海未ちゃん!」
穂乃果「また、やっちゃったのかな……?」
穂乃果「『月が綺麗だね』に深い意味、って言ってたよね」
穂乃果「どういうことなのか全然わからないよ……」ポロポロ
穂乃果「穂乃果が泣いてどうするの……? 辛いのは海未ちゃんなのに……」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:13:04.39 ID:3SxaACizP
穂乃果「絵里ちゃんなら何か分かるかも……」ピピピ
絵里『もしもし、穂乃果どうしたの?』
穂乃果「海未ちゃんを泣かせちゃった」
穂乃果「私がバカだから、私のせいで海未ちゃんが……」ポロポロ
絵里『穂乃果、今どこにいるの?』
穂乃果「……芳林公園」
絵里『分かった、今から行くから少し待っていて』ピッ
穂乃果「絵里ちゃんにまで心配かけて、私ダメだ……」グスッ
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:17:13.40 ID:3SxaACizP
絵里「穂乃果!」
穂乃果「……絵里ちゃん」
絵里「隣いい?」
穂乃果「うん」
絵里「穂乃果、あんまり自分を責めちゃダメ。詳しく知らないから余計なことは言えないけど」
絵里「でも穂乃果は自分を責めすぎよ」
穂乃果「でも――」
絵里「穂乃果」ギュッ
絵里「よければ詳しく話して。落ち着いたらでいいから」
穂乃果「……ありがとう、絵里ちゃん」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:21:28.95 ID:3SxaACizP
穂乃果「あのね、海未ちゃんに呼び出されて公園に来たら、海未ちゃんが『死んでもいい』なんて言い出して」
穂乃果「何かの比喩表現だって言ってたんだけど、私が言った『月が綺麗』に対する返事だとかなんとかで……」
穂乃果「何を言ってるのか全然わからなくて、そしたら海未ちゃんが泣いちゃって……」
絵里「『月が綺麗ですね』『私、死んでもいいわ』ね」
穂乃果「絵里ちゃんは何か知ってるの?」
絵里「割と有名な話よ。夏目漱石と二葉亭四迷の両名が『I love you』をそう訳したっていう」
絵里「海未は『月が綺麗』って言われて告白されたと思っていたのよ」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:25:12.42 ID:3SxaACizP
穂乃果「じゃあ、返事で『死んでもいい』っていうのは……?」
絵里「海未は穂乃果を受け入れたってことね、勘違いではあるけど」
穂乃果「……っ! 絵里ちゃん!」
絵里「海未のところにいくんでしょ? 行ってらっしゃい」セナカポン
穂乃果「ありがとう! これ、お団子あげるね!」スッ
穂乃果「じゃあ絵里ちゃん、また明日!」ダッ
穂乃果「はい、また明日ね」
絵里「……ハラショー」パクッ
絵里「本当に、月が綺麗ね、穂乃果」
絵里「……このお団子しょっぱいわ」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:27:03.03 ID:3SxaACizP
うみべや
海未(穂乃果にみっともないところを見せてしまいました)
海未(明日から穂乃果に会うのが少し気まずいですね……)
フタタビアエタートーキハー♪
海未「……メール?」
海未「穂乃果から……。『お話があるの、今海未ちゃんの家の前にいるから出てきて』」
海未「今穂乃果に合わせる顔なんて……」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:29:22.56 ID:3SxaACizP
『出てきてくれるまで帰らないよ』
『お願いだから、ちょっとだけでいいから出てきて』
海未(本当に帰らないつもりなのでしょうか……?)
海未(……)
海未(少しだけ、何もなかったように会えば)
海未「何もなかったように……」ポツリ
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:30:38.85 ID:3SxaACizP
海未「……穂乃果」
穂乃果「海未ちゃん!」
海未「何か御用でしょうか?」
穂乃果「え、えっと、ん、んん!」
穂乃果「つ、月が綺麗ですね!」カアアアアアアア
海未「……え?」キョトン
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:34:13.70 ID:3SxaACizP
穂乃果「だ、だから! 月が綺麗ですね、って!」モウ
海未「そ、それは、そういうことでいいんですか……?」
穂乃果「うん、勘違いしちゃってからまわっちゃう海未ちゃんとか全部含めて、改めてこの言葉を言いたいな、って」エヘヘ
海未「……私、死んでもいいわ」カアアアアアアア
穂乃果「なんだかこんな知的な表現私らしくもないよね」アハハ
海未「なんでも日本人の奥ゆかしさを表現したらしいです」フフ
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:37:23.21 ID:3SxaACizP
穂乃果「海未ちゃん大好き!」ギューッ
海未「ほ、穂乃果!」カアアアアアアアアアア
穂乃果「うん、やっぱりこっちの方が私らしいかも」エヘヘ
海未「確かに、穂乃果らしさでいえばそうですね」
海未「穂乃果に奥ゆかしいという言葉は似合いませんし」フフ
穂乃果「あー、海未ちゃん私のことバカにしてるでしょ?」
海未「してませんよ。私は穂乃果のそういったところがs」
海未「月が綺麗ですね」ニコッ
おわり
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 21:38:30.88 ID:3SxaACizP
μ'sの誰かに告白されたらわたし、死んでもいいわ
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/05(日) 22:22:11.71 ID:Ox5xDPAJ0
すごい可愛かった
乙乙
穂乃果「月が綺麗だね」海未「!?」
曜「・・・・・」
千歌「死んでる…!」