SS速報VIP:一方通行「ほぐし屋さンでェす」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295789505/1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:31:46.00 ID:CX3FjoZ10
占い屋さン
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1294/12946/1294626288.html
こんばんは、今回は番外通行です
はじめに
・パロディネタが含まれますので予めご了承下さい
・独自解釈、独自設定など原作との矛盾点は、このSS内の設定として読んでいただけると幸いです
・キャラ崩壊、あんま仕事してない注意
・グダグダ、ゆるゆるが苦手な方は戻る事をおススメします
・黒子可愛いよ黒子
・書き溜め済みなのでホイホイ投下していきます
以下投下
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1294/12946/1294626288.html
こんばんは、今回は番外通行です
はじめに
・パロディネタが含まれますので予めご了承下さい
・独自解釈、独自設定など原作との矛盾点は、このSS内の設定として読んでいただけると幸いです
・キャラ崩壊、あんま仕事してない注意
・グダグダ、ゆるゆるが苦手な方は戻る事をおススメします
・黒子可愛いよ黒子
・書き溜め済みなのでホイホイ投下していきます
以下投下
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:33:12.35 ID:CX3FjoZ10
一方通行「あー……動くのだりィ」ゴロゴロ
一方通行「手に届く範囲に全てがあればいいのにィ」ゴロゴロ
一方通行「クソガキがいねェと不便だなァ」ゴロゴロ
ピンポーン
一方通行「……」メンドクセ
ピンポーンピンポーン……
一方通行「……」ムシムシ
パリパリッ……ガチャ
番外個体「やっほう第一位、遊びに来たよ」
一方通行「おォ、お前かよ」
番外個体「ていうか出てよ、ミサカだって泥棒みたいな真似したくないんですけど?」
一方通行「めンどくせェもン」ダラーン
番外個体「こんなにやる気のない人も珍しいよね」
番外個体「そのうち死ぬんじゃない?ダラしなさすぎてさ、ぎゃは☆」
一方通行「うっせェなァ」ゴロンゴロン
一方通行「何しに来たンですかァ?」
番外個体「言ったでしょ、遊びにだよ」
一方通行「なァにが『言ったでしょ、あははン』だ」
番外個体「言ってないし!捏造しないでくれる!?」
一方通行「うるさいこと火の如くゥ」
番外個体「残念でしたー、ミサカは電撃使いだし」
一方通行「へェ、おめでとォ」ダラーン
番外個体「……ムカつく反応だなー」
番外個体「上位個体の所には行かなくていいの?」
一方通行「だって追い出されたしよォ」ダラーン
番外個体「いや……そうでもしなきゃアナタ自分で何もしないからじゃん」
一方通行「意外と生きれるもンだなァ、ギリギリ」
番外個体「はぁ……ミサカはこんな人に負けたのが納得いかないよ」
一方通行「あ、缶コーヒー取ってくれェ」ゴロゴロ
番外個体「自分で取れば?」テテテ
パカッ
番外個体「ねぇ、缶コーヒーないよ?」
一方通行「あ……これで最後だったのかァ」
番外個体「くけけ、諦めるこったね」
一方通行「えー」エー
一方通行「買ってきてくンねェ?」
番外個体「イヤだよ、他の人ならまだしもアナタに尽くすなんて」
番外個体「ミサカの生まれた理由忘れたの?」
一方通行「俺を殺す為」
番外個体「大正解―おめでとう、ぎゃは」
一方通行「だってお前俺に勝てないじゃねェか」フフン
番外個体「ぐっ……だからこうして隙を見て殺しにきてるじゃん!」
一方通行「遊びに来たって宣言してたくせにィ」
番外個体「うぐぐ……」
一方通行「コーヒー」
番外個体「イヤだ、上位個体に怒られたくないし」
一方通行「ちっ……自分で行くかァ」
番外個体「いってらっしゃーい」
<ありゃりゃっしたー
一方通行「さて、帰りますかァ」スタスタ
スキルアウトA「見つけたぜ一方通行」
スキルアウトB「弱体化した第一位を今日こそブチ殺してやる」ニヤニヤ
スキルアウトA、Bがあらわれた! ▽
一方通行「……」
一方通行「……ちっ、めンどくせェ」ガシガシ
―――――――。
スキルアウト「」チーン
一方通行「えー」
一方通行「張り合いないンですけどォ」
ザッ……
黒子「ジャッジメントですの!」ババーン
一方通行「あン?」
黒子「あら?一般人がスキルアウトに絡まれているとの通報があったはずですが……」
スキルアウト「」
黒子「……既にのされていますわね」
黒子「あの、これアナタがやったんですの?」
イナイ
黒子「」イネェ
一方通行「……」スタスタ
黒子「ちょ、ちょっとお待ちくださいな!」
一方通行「あァ?どちらさンですかァ?」
黒子「私ジャッジメントの白井黒子と申します」
黒子「スキルアウトに絡まれていたとの事ですが、無事ですか?」
一方通行「へェ、ホクロさンですかァ」
黒子「く・ろ・こ!ですの!」
一方通行「白黒でパンダさンみたいですねェ」
黒子「……」イラッ
黒子「……あれはアナタがやったんですの?」
一方通行「そうだけどォ?」
黒子「あの数をたった1人で……アナタ何者ですの?」
一方通行「ジャッジメントですの!」ババーン
黒子「嘘ですの!絶対嘘ですの!!」
一方通行「レベル5の第一位でェす」ハイ
黒子「」
一方通行「じゃさようならァ」スタスタ
黒子「ちょ、ちょっと待ってくださいな!」
一方通行「なーンなーンですかァ?」
一方通行「俺は今忙しいンですけどォ」ダラーン
黒子「……そうは見えまえんわ」
黒子「あの第一位でしたか、失礼しました……よければ絡まれた時の事を詳しく教えていただけません?」
一方通行「ませン、じゃ」スタスタ
黒子「え、え、ちょっとお待ち下さいまし!」
一方通行「えー、なンですかさっきからァ」モー
黒子「いえ、ジャッジメントとして事情を……」
一方通行「へェジャッジメントなンですかァご苦労様ですさようならァ」スタスタ
黒子「ですから!ちょっとお待ち下さい!!」
一方通行「ちっ、うるせェなァ」
黒子「状況確認だけさせていただますか?」
一方通行「それ終わったら帰っていい?」
黒子「ええ、構いませんわ」
一方通行「しょうがねェなァ」ダルーン
コーヒー買いに行く
↓
スキルアウトに絡まれる・ブチのめす
↓
ちんちくりんに絡まれる・ブチのめしたい ←今ココ
一方通行「じゃお疲れっしたァー」スタスタ
黒子「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
一方通行「なンだよ、帰っていいンだろォ?」
黒子「……ちんちくりんとは私の事ですの?」ヒクヒク
一方通行「うン」
黒子「…………はぁ、もういいですわ」イライラ
一方通行「さようならですの」ペコリ
黒子「やっぱりちょっと待ってくださいな!!」
一方通行「パンダのホクロに転生してから出直して来いですの」スタスタ
黒子「ぐぬぬぬぬぬーーーー!!」ダンダンダン
ーーーーー。
番外個体「おかえりー、遅かったじゃん」
一方通行「スキルアウトとパンダさンに絡まれたァ」フゥ
番外個体「え、パンダなんて歩いてるの!?」
一方通行「おォ、なんか人の話を全然聞かないパンダだった」
番外個体「パンダならしょうがないじゃん」
一方通行「で、なンでお前まだいンの?」
番外個体「えー、だって暇なんだもん、ミサカの相手してよ」
一方通行「俺忙しいしィ」ゴローン
番外個体「寝てるだけじゃん!こっちはお役御免で本当にする事ないんだよ?」
一方通行「マジっすかおやすみィ」ゴロゴロ
番外個体「……とう!」モサッ
一方通行「……重ェ」
番外個体「お、重いとか言うな!モヤシのくせに!!」
番外個体「こうして見るとアナタも意外と背中広……くないねやっぱり」
一方通行「人は俺の事をマッスル神と呼ぶぜェ?」フフン
番外個体「どこら辺がマッスルなんだよ、キャシャリンじゃん」
一方通行「あ、それ気持ちいィ……もっと左ィ」
番外個体「え、こう?」ギュー
一方通行「おォ……ファンタスティックゥ」ボヘー
番外個体「ミサカマッサージの才能あるのかな、なんてね」ギュー
一方通行「……自惚れてンじゃねェよ」
番外個体「な、なんだよう、アナタが気持ち良いって言っんたじゃん」
一方通行「マッサージってのはそンなに甘いもンじゃねェンだ」
番外個体「急に意味わかんない事言わないでくれる?気持ち悪い」
一方通行「こう見えても俺は昔整体技術をかじった事があンだよ」フフン
番外個体「なにそれ?初耳なんですけど」
一方通行「そりゃ今まで黙ってたしなァ」
番外個体「どうして?」
一方通行「俺が整体界に進出すると業界が廃れるからなァ、余りの気持ち良さに」
番外個体「もう意味わからないよアナタ」
一方通行「はン、マッサージのマの字も知らねェガキだもンなァ」
番外個体「アナタの貧相な腕でマッサージできるわけないじゃん、ぎゃは☆」
一方通行「……なンだと?」ピク
番外個体「なにさ、怒った?小さい男だね」
一方通行「それは聞き捨てならねェな」
一方通行「……いいやもう、身体でわからせてやる」グイ
番外個体「うわわ、ちょ、ちょっと!」
一方通行「はいはァい、暴れないでくださいねェ」
番外個体「乗らないで!あ!ど、どこ触って……んっ」
一方通行「ここかァ?ここがええのンかァ?」ギュッギュッ
番外個体「……あれ?気持ちいい」
一方通行「だろォ?」ギュッギュッ
番外個体「何これ、超気持ちいいー……はにゃーん」
一方通行「という事だァ」スッ
番外個体「も、もう終わり?……確かに気持ちよかったけどさぁ」
一方通行「マッサージは世界を救う」ウン
一方通行「……」ポクポクポク
一方通行「!」チーン
番外個体「なに、どうしたの?」
一方通行「決めたァ」ウン
番外個体「な、なにを?」
一方通行「手伝え」
番外個体「だから何を?夜の相手ならお断りだよ、ぎゃは」
一方通行「店開くゥ」
番外個体「……へ?」
一方通行「マッサージってのは素晴らしいもンだ」ウン
番外個体「……は?」
一方通行「ほぐし屋さン、とかいいなァ」
番外個体「病院行けば?」
一方通行「病院よりも手軽にマッサージ受けられる施設っていいだろォ?」
番外個体「頭の病院!アナタのそのおかしな頭見てもらいなって事!」
番外個体「資格とかいらないの?なきゃ問題になりそうじゃん」
一方通行「いらねェよ、学園都市だしィ」
番外個体「なにその理屈」
一方通行「まともな都市が子供の脳いじったりクローン作ったりするかよ」ゴロン
番外個体「……なんかすごい説得力あるね」
一方通行「学園都市で求められるのは資格じゃねェ、実力だァ」
番外個体「……そうかも」
一方通行「よし、手伝え」
番外個体「イヤだと言ったら?ぎゃはは」
一方通行「お前だって俺を殺す以外の生きる理由ができンだろォ?」
番外個体「それは……そうかもしれないけどさ」
一方通行「暇つぶしだ暇つぶしィ」ダラーン
番外個体「……そうだね、暇つぶしに手伝ってあげてもいいよ」
一方通行「じゃやるぞォ」オー
番外個体「……やれやれ」
トーンテーンカーンカーン
一方通行「一方通行と!」
番外個体「ミサカの!」
番外通行「ほぐし屋さン完成!!」ババーン
一方通行「よし、さすがベクトル操作」ウン
番外個体「ミサカの電気があってこそだし!」
一方通行「次は札を作ります」
番外個体「札?」
一方通行「やってますよォ的な」
番外個体「ああ……営業中的なね」
一方通行「開店中はこンなンでいいよなァ?」フヒュゥ
【ほぐし中】
番外個体「……うん、もうそれでいいと思う」
一方通行「じゃ次閉店中はコレ」
【ほぐされ中】
番外個体「なんでさ!それだと意味わかんないじゃん!!」
一方通行「なンで」
番外個体「別にミサカ達がほぐされてる訳じゃないじゃん……もっと閉店ってわかりやすくして」
一方通行「じゃコレ」ドン
【ダラけ中】
番外個体「それじゃ正直すぎるって」
一方通行「はい」バン
【本日の凝りはほぐし終わりました。明日まで凝りに苛まれて下さい】
番外個体「言い方ってもん考えたら?いやミサカも人の事言えないけどさ……」
一方通行「うっせェなァ……じゃこれでいいだろ」
【ほぐし中】
【本日の凝りはほぐし終わりました】
番外個体「……センスないのはその服だけじゃなかったんだね」
一方通行「素人にはわからねェよ」フフン
番外個体「気持ち悪いなぁ……ミサカ既に疲れたんですけど」
一方通行「ほぐしてやろうかァ?」
番外個体「うっさい……ほら、開店するんでしょ?」
【ほぐし中】パタン……
一方通行「ほぐし屋さン、開店でェす」
番外個体「おー」
【ほぐし屋さン】
アナタの凝りをほぐします。
・血行促進
・疲労回復
・痛み緩和
・骨盤矯正etc
ベクトル操作と電気治療によるマッサージです。
一方通行「いいンじゃねェ?」
番外個体「ふふん、ミサカの実力を思い知るがいい!」ブンッ
一方通行「素人なンですけどね」ゴロゴロ
番外個体「うっさい!ミサカを生み出した事を後悔するぐらい気持ちよくしてやる!」
番外個体「ミサカのテクニックでひぃひぃ言わせてやるんだから、ぎゃはは」ブンッ
一方通行「言い方卑猥ィー」ヒュゥー
番外個体「……改めてツッコまれると恥ずかしいからやめて」
一方通行「やっぱ子供だなァ」
番外個体「こ、子供じゃないもん!」フン
開店からしばらく経って―――。
番外個体「……誰も来ないなー」
一方通行「よォ」
番外個体「あ、どこ行ってたの?」
一方通行「ン、ほれ」ポイ
番外個体「何この服?アナタこんな趣味あったの?」
一方通行「ばァか、まともな格好して何がいけないンですかァ?」ヌギヌギ
バサッ
番外個体「……アナタ意外と白衣似合うね」
一方通行「ほれ、さっさと着替えろォ」
番外個体「うぅー、これは公開処刑だー」トボトボ
番外個体「どうかな?ミサカには似合わないと思うんだけど」
一方通行「おォ、いいじゃねェの」ダラーン
番外個体「本当?嘘じゃない?」
一方通行「少なくともあの戦闘服よりは遥かにマシだァ」
番外個体「……そっか、うん」
一方通行「見た目はもうバッチリ整体師だなァ」
番外個体「そうだね、完璧すぎるかも」
一方通行「もうアレだ、国際Aランクほぐし師を名乗る」ウン
番外個体「……資格どころかまだ1人も相手してないじゃん」
一方通行「うっせェなァ……あ」
番外個体「どうしたの?マヌケな顔が更にマヌケになってるよ?」
一方通行「知り合いがいたンだ、ちょっと客として呼んでくるゥ」
番外個体「……ミサカの憎まれ口も全く効果がないね」
黄泉川「へぇ、一方通行がマッサージねぇ」
一方通行「コイツ黄泉川」
番外個体「あ、上位個体の同居人だよね?」
黄泉川「あれ?……一方通行、この子って……」
一方通行「あァ、超電磁砲のクローン」
黄泉川「打ち止めと同じか、よろしくじゃん」
番外個体「ミサカは番外個体、よろしくね」
一方通行「どンな感じにする?」
黄泉川「んー、最近肩凝りが酷いじゃん?」
番外個体(嫌味か!ミサカは貧乳MM遺伝子を怨むよ!)
一方通行「肩かァ、そこにうつ伏せになれ」
黄泉川「はいよー」ゴロン
一方通行「凝ってるところはございませンかァ?」ギュッギュッ
黄泉川「だから肩って言って……あ、気持ちいじゃん」
一方通行「痛かったら言ってくださいねェ」ギュッギュッ
黄泉川「お、おぉ……なんかすごいなコレ……」
一方通行「ベクトルマッサージですゥ」ギュッギュッ
黄泉川「うわぁ……これいいなー……」
一方通行「よし、次は電気でェす」
番外個体「ミサカの出番だね?」
一方通行「おォ、肩になンか丁度いいぐらいの周波数的なアレをやってくれェ」グデーン
番外個体「……よくわかんないけど、わかったよ」
番外個体「強くない?大丈夫かな?」ピリピリ
黄泉川「おぉぉぉー……これも気持ちいいじゃん……」
番外個体「ほ、本当?」
30分後―――。
一方通行「どうだァ?」
黄泉川「……」グルングルン
黄泉川「すごいじゃんよ!すっごい軽くなった気がするじゃん!」
一方通行「よかったなァ」
黄泉川「心配してたけど、どうやら問題なさそうじゃん?」
一方通行「はン、俺は1人でも生きていけますゥ」ゴロゴロ
黄泉川「あっはは、たまには打ち止めにも会いに来るじゃんよ」
一方通行「気が向いたらなァ」
黄泉川「ところで代金は?」
一方通行「初マッサージだから無料でいいでェす」
黄泉川「それはちょっと悪いじゃんよ」
一方通行「あ、なら頼みたい事あンだけどォ」ゴローン
黄泉川「あー……うん、把握した」チラ
番外個体「?」
一方通行「悪ィなァ」
黄泉川「うんにゃ、元々お前がいたところに入るだけだし、問題ないじゃん」
一方通行「番外個体、お前今日から黄泉川ン家に住めェ」
番外個体「え?なんで?」
一方通行「お前どォせ研究所だろ?それより黄泉川ン家で生活した方がいい」ダラダラ
黄泉川「コイツが出てったから空きはあるじゃん、それに打ち止めもいるし」
番外個体「い、いいよ!ミサカは1人でいいの!」
一方通行「うるせェなァ、いいから」
黄泉川「ほら、今日からよろしくじゃん?番外個体」ニコニコ
番外個体「……うん、わかった」
一方通行(超電磁砲と和解してから、負の感情拾うのは減ったみてェだな)ゴロゴロ
一方通行(だからあんなに丸くなったってかァ)
一方通行「まァ、まだ憎まれ口は叩くけどな」ウン
一方通行「それよりも身体への負担が問題だよなァ」
一方通行「……」
一方通行(可能性があるとしたら、『アレ』だけだろォな)
一方通行「……」
一方通行「なンとかならねェもンかねェ」
一方通行「コーヒー飲みてェ」グデーン
黄泉川「たっだいまー」
芳川「おかえりなさい……ってあら?」
打ち止め「あれ?番外個体、どうしたの?」
番外個体「えーっと、あははー」
黄泉川「今日からコイツも家族じゃん!仲良くしろよー?」ナデナデ
番外個体「ぷぁっ、ちょ、ちょっとー」
打ち止め「わーい、番外個体と一緒に住めるの?ってミサカはミサカは新しい家族ができる事を喜んでみる」
芳川「どういう事?」
黄泉川「今日一方通行に頼まれたじゃんよ」
芳川「ああ、なるほどね」
打ち止め「あの人と一緒にいたんだね!ってミサカはミサカは2人が仲良くしてる事を微笑ましく思ってみたり」
番外個体「隙を見て殺してやろうと思ってね、ぎゃは☆」
黄泉川「とにかく、今日はパーッとやるじゃん!」
ーーーーーーーー。
芳川「ここの部屋使っていいから」
番外個体「あ、うん……ありがと」
芳川「一方通行はまた妹達を救う気なのね」
番外個体「え?」
芳川「なんでもないわ、おやすみなさい」
番外個体「お、お……おやすみ、なさい……」
モフンッ……
番外個体「家族かぁ、ミサカには似合わないかな?くけけっ」
番外個体「でも……ちょっとだけ嬉しい、かも」
番外個体「……ふん、モヤシに感謝なんかしてやらないんだから」
番外個体「おやすみ、なさい……か」ニヘラ
次の日―――。
番外個体「やっほう」
一方通行「……」zzz
番外個体「えー……もう店開く時間なんだから起きてよ」
一方通行「ン……番外個体か?」ネムイ
番外個体「ぎゃは、なにそのマヌケ面?隙だらけもいいとこだよ?」
一方通行「なら殺してみるかァ?」ゴローン
番外個体「……そんな事、しないもん」
一方通行「……」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「わわ、何すんのさ!」
一方通行(そンな事しない、かァ)
番外個体「……?」
一方通行「おはようございまァす」ペコリ
番外個体「お、おは、おは……おはよ、う」
一方通行「……」ニヘッ
番外個体「な、なんだよー!笑わないでよ!」
一方通行(ったく、人間味が出てきたじゃねェの)
番外個体「ねね、昨日ね?―――――――」
一方通行(考えてみりゃコイツが1番ガキだもンな……)
番外個体「―――――、――――――」
一方通行(見た目は大人、頭脳は子供ってかァ?)
番外個体「ちょっと!ミサカの話聞いてるの!?」
一方通行「逆バーローだなァ、お前」ウンウン
番外個体「は?」
一方通行「さァて、やりますかァ」
番外個体「お客さん来ないけど」
一方通行「もっと宣伝しないとダメだなァ」グデーン
番外個体「どうする?ミサカがナース服でも着てビラ配りでもしてこようか?うひゃひゃ」
一方通行「変な店だと思われたら困るからなァ、俺行くゥ」
番外個体「あれ?心配してくれるの?やっさしー」
一方通行「うるせェな……客来たら電話しろよォ」スタスタ
番外個体「はーい」
一方通行「さて、宣伝とは言ったものの……どうしましょォ」ダラーン
一方通行「あン?」
黒子「……」テクテク
一方通行「エンカウント率が高いのは仕様ですゥ」ダッ
<ジャッジメントですの!
黒子「えっ?」クルッ
一方通行「そォい!」ゲシッ
ドガッ!
黒子「げふぅっ!」
黒子「ゲホゲホ、な、何事ですの?」
一方通行「おやァ?いつかのパンダさンではないですかァ」
黒子「こないだの……こ、こんにちは」ペコ
黒子「というかいきなり何するんですの!」
一方通行「何がですかァ?」
黒子「いきなりソバットなんて危険ですわよ!!」プンスカ
一方通行「それはすいませンでしたァ」グデーン
黒子「おかげで腰が痛いですの……」サスサス
一方通行「えっ?」
黒子「え?腰が痛いですって……」サスサス
一方通行「何が何いです?えっ?」
黒子「ですから!腰が!痛いんですの!」プンスカ
ガシィッ!
黒子「へっ?」
一方通行「それは大変ですねェ、ぜひほぐし屋さンでベクトルマッサージを」スタスタ
黒子「え、ちょ、ちょっと!」ズルズル
一方通行「もしかしたらヘルニアかもしれませんねェ」スタスタ
黒子「いやいや、アナタのソバットのせいですわ!」ズルズル
一方通行「うるさいンですの!」スタスタ
黒子「どこへ行くんですのぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」ズルズル
番外個体「あ、本当にお客さん連れてきたんだね」
黒子「!?」
一方通行「あン?どうかしましたかァ?」
黒子「お、お姉様、ですの?」
番外個体「はい?」
一方通行「……お前、超電磁砲の知り合いかァ?」
黒子「え、ええ……私はお姉さまの後輩で、ルームメイトでもありますの」
番外個体「あっちゃー……」
一方通行「ふゥン……」
黒子「……」
一方通行「あ、荷物そこ置いてくださァい」
黒子「え!?スルーですの!?なんか意味深な感じになっておりましたのに!」
一方通行「ン、あいつ超電磁砲の姉さン」
黒子「お姉様のお姉様……ですの?」
黒子「初めて聞きましたわ……」
一方通行「いいですかァ?アイツは、超電磁砲のお姉さン」
一方通行「それ以上でも以下でもありませェン」
黒子「ですからs」
一方通行「答えは『はい・YES・わかりました』以外受け付けませェン」
黒子「いやでm」
一方通行「うるっせェぞコラァ!!!てめェはハイって答えりゃいいンだよ!あァ!?」
黒子「はいですの」キリッ
番外個体「あっはは、ゴメンね……ちょっとワケありでさ」
黒子「……わかりました、お姉様のお姉様」
一方通行「よしよしィ」ワシワシ
黒子「な、撫でないでくださいまし!」
番外個体「よし、じゃマッサージ始めようか」ヨォシ
黒子「お姉様のマッサージ……なんて素敵な響きなのd」
一方通行「変な動きしたら血流操作で血管爆発なァ」
黒子「ガッテン承知の介ですわ!」キリッ
一方通行「腰だったよなァ?そこにうつ伏せになってくださァい」
黒子「ちょちょ、ちょっとお待ちください!」
一方通行「なーンなーンですかァ?」ダラーン
黒子「アナタがマッサージするんですの?」
一方通行「そうですけどォ?」
黒子「いや、それは……殿方に触られるのは慣れてないと言いますか……」
一方通行「なるほど、生娘さンという事でよろしいでしょうかァ?中学生だしィ」
黒子「きっ……!」カァッ
番外個体「お客さんとそういう会話は良くないと思うよ?」
一方通行「だってコイツが処zy」
黒子「うわーーーー!うわーーーー!!」バタバタ
黒子「はぁっ……はぁっ……」
一方通行「あのですねェ、卑猥なマッサージをご希望であれば然るべきお店に行ってもらえますゥ?」
黒子「違いますの!ご希望してませんの!!」
一方通行「じゃ黙ってベクトルマッサージされてろこのパンダ」
黒子「パンダ言うなですの!!!」
一方通行「うっせェなァ……はい、痛かったら言ってくださいねェ」ギュッギュッ
黒子「はわっ!く、くすぐったいですの……」
一方通行「そのうち慣れる」ギュッギュッ
黒子「(あ、でもすごい気持ちいいですわねコレ)ホワーン
一方通行「痛かったら右手挙げてくださいねェ」ギュッギュッ
黒子(……今のはちょっと痛いですわ)スッ
一方通行「……」ギュッギュッ
黒子「無視ですか!歯医者さんですか!!」
一方通行「無視と虫歯をかけるなンて、センスないですねェ」ギュッギュッ
黒子「違いますのぉぉぉぉぉ……んにゅぅぅぅぅ」ニヘーン
一方通行「いかがっすかァ」ギュー
黒子「天にも昇る気持ちでふのぉー」ホワーン
一方通行「そのまま死ねばいいと思いまァす」ギュギュー
黒子「いやダメですの!お客にそれはダメですの!!」
一方通行「ほら動かない動かない」ゴリゴリゴリ
黒子「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!い、痛っ!痛いですの!!」
一方通行「良薬口に苦し、ベクトル身体に悪しって言うじゃないですかァ」ゴリゴリ
黒子「言いませんわ!悪いものをお客に施さないでくださいな!」ガバッ
一方通行「うるさいンですの!」ゴキンッ
黒子「ほげっ…………!!」
黒子「」チーン
一方通行「うンうン、人間素直が一番だなァ」ギュッギュッ
黒子「」
番外個体「はい、次はミサカの電気治療だよ」
黒子「おおお、お、お願いしますの!」
番外個体「何を緊張してるのかわからないけどさ、楽にしなよ」
黒子「は、はい!」
番外個体「えいっ」ピリピリ
黒子「はぁんっ……こ、これはまた優しい電気ですことぉ」ホワーン
黒子「とっても気持ち良かったですわ」テカテカ
一方通行「そりゃ良かったなァ」ゴロゴロ
番外個体「いくら?」
一方通行「半額でいいぞォ、特別だァ」フフン
黒子「え!?お金取るんですの!?無理矢理連れてきたのに!」
一方通行「ちっ……パンダさンは金持ってねェのか」
黒子「むっきぃぃぃぃぃ!ありますの!払ってやろうじゃありませんか!!」バリバリッ
番外個体(マジックテープ……)
一方通行「また来てくださいねェ」
黒子「誰が!」プンスカ
一方通行「お帰りはあちらでェす」ポイ
黒子「」ベシャッ
バタン……
一方通行「マッサージって素晴らしくねェ?」
番外個体「でもさっきの人怒ってたよ?」
一方通行「ありゃアレだ、仕様だ」ウン
番外個体「大体、無理矢理引っ張って来るのもダメだと思うけど」
一方通行「ねみィ、だりィ」ゴローン
番外個体「……どうしようもない人間だね、アナタって」
一方通行「はァ?今更知ったのかよ」
番外個体「ミサカはこんな奴の為に作られたのかと思うと……やってられないね」スタスタ
一方通行「はン」ゴロゴロ
一方通行「おォ、お前昼飯食ってきていいぞォ」
番外個体「え、いいの?」
一方通行「客いなくなったし、構わねェよ」
番外個体「わかった、行ってくるね……何か買ってきてあげようか?」
一方通行「コーヒー」ゴローン
番外個体「じゃ砂糖たっぷりのココアでも買ってきてあげるよ、うひゃひゃ」
一方通行「うっぜェ、さっさと行け」
番外個体「ふん、言われなくても行きますよーだ」
バタン……
一方通行「さて、どうすっかなァ」
一方通行「アイツは妹達の中でも特殊だしィ」ゴロゴロ
一方通行「とりあえず……様子見だな」ウン
午後―――。
小萌「こ、こんにちはー」
一方通行「あン?なンですかこのガキはァ」
小萌「む、ガキじゃないですよ!黄泉川センセーから紹介されて来たんです!」
一方通行「黄泉川の知り合いかァ?」
小萌「同僚ですよ、こう見えても高校教師なんですよー?」
一方通行(マジですかァ)
番外個体「……」ジー
小萌「マッサージをお願いできますかー?」
一方通行「おォ、希望のコースを選ンでくださァい」
番外個体「これ、メニュー表」
小萌「ふむふむ……では『30分ベクトルコース』でお願いしますねー」
一方通行「はいよォ」
一方通行「ベクトル指圧をしたいと思いまァす」ハイ
小萌「べ、ベクトル指圧?」
一方通行「凝ってる所はどこですかァ?」
小萌「えーっと、肩、腰、足のむくみが……」
一方通行「了解でェす」
一方通行「……」ホァァァ
一方通行「オラオラオラァァァ!」アータタタタタタタタ
小萌「うひゃぁぁぁ!いたっ……くない!気持ちぃぃぃぃ!!」ホフーン
一方通行「オラァッ!」アタァッ
小萌「」チーン
一方通行「お前はもォ、ほぐれてる」フフン
30分後―――。
小萌「こ、これはいいマッサージでした」
一方通行「そりゃ良かったァ」
小萌「週末の楽しみが増えました、またお願いしますねー」
バタン……
番外個体「あんな小さい人でも先生になれるんだね」
一方通行「能力があれば見た目関係ねェって事だろォ」
一方通行「見た目だけじゃなく、生い立ちも人間を量る事はできねェ」
番外個体「なにそれ、アナタが言ってもギャグにしか聞こえないよ、ぎゃはは」
一方通行「別にィ、独り言だしィ」グデーン
番外個体「ふん……なにさ」
<すいませーん
番外個体「お客来たよ?」
一方通行「お前対応してみろォ」ゴロゴロ
番外個体「む、無理だよ!ミサカ口悪いもん!」
一方通行「知ってるゥ」ポイッ
番外個体「」ベシャッ
おばあちゃん「あらら、大丈夫かい?」
番外個体「は、はい!?な、なな、なんでございますでしょう!?」
おばあちゃん「緊張しなくていいのよ?お嬢ちゃん」
番外個体「はは、はい……ゴメンなさい」ショボン
おばあちゃん「いえいえ、ところでマッサージして貰いたいんだけどねぇ」
番外個体「ねね、この30分の電気コースってのお願いされたよ?」
一方通行「ならお前担当だなァ」
番外個体「無理だって!ミサカまともな会話できないよ!」
一方通行「ばァか、慣れだ慣れェ」
番外個体「うぅ……怨むからね」テクテク
一方通行「……」
一方通行「けっ、お前らに怨まれるのは慣れてますゥ」
―――――。
番外個体「で、では!み、ミサカがやらせて、もも、もらいます!」ハイッ
おばあちゃん「あら、お嬢さんがやってくれるのかい?」
番外個体「ひゃぃっ!」
おばあちゃん「楽にしていいんだよ?じゃあ、よろしくねぇ」ニコニコ
番外個体(はぁ……調子狂っちゃうよ、本当)
バターンッ!
美琴「一方通行!」
一方通行「超電磁砲か、なンですかァ?」
美琴「黒子から聞いたわよ、妹達の誰かといるの?」
一方通行「おォ、今おばあちゃンのマッサージしてるぜェ」
美琴「……どういう事?」
一方通行「……」ドースッカナー
一方通行「……」ハナソッカナー
一方通行「いいや、妹達に関することだ……聞いとけ」
美琴「……なに?」
一方通行「ロシアでの話になるンだけどよォ」
―――――――。
ーーーーー。
美琴「そんな事が……」
一方通行「番外個体は他の妹達と違って負の感情を拾いやすいンだ、俺に対する」
一方通行「俺を殺す目的で製造されたからな、そっちのが都合いいンだよ」
美琴「……でも、打ち止めの件でアンタとは和解したじゃない、一応だけど」
一方通行「まァな、だから負の感情を拾う事は減ってるみてェだ」
一方通行「俺に対して憎まれ口叩く程度だな、今は」
美琴「それでもアンタが殺される危険性も残ってるんじゃないの?」
一方通行「だからどうしたァ?」
美琴「えっ……?」
一方通行「殺されるかもしれねェから逃げろってェのか?」
一方通行「悪いが俺は逃げるつもりはねェ」
美琴「な、なんで?」
番外個体「おばあちゃん、強くない?大丈夫?」ピリピリ
おばあちゃん「うん、大丈夫だよ」
番外個体「そっか、ならいいや」ピリピリ
おばあちゃん「ミサカちゃんって言うの?」
番外個体「あっ……ミサカ、本当の名前ないの」ピリピリ
おばあちゃん「あら……そうなのかい」
番外個体「でもでも、ミサカは全然気にしてないよ?」ピリピリ
おばあちゃん「ゴメンね変なこと聞いて」
番外個体「ううん、ぜーんぜん」
おばあちゃん「ミサカちゃんって呼んでもいいかい?」
番外個体「うぇ!?う、うん……」
おばあちゃん「ミサカちゃん、気持ちいいよ」ニコニコ
番外個体「そう?えへへ、よかったよ」ニヘッ
一方通行「俺が逃げたら死ンだ妹達はどうなンだよ」
美琴「そ、それは……!」
一方通行「妹達と打ち止めを守るって決めたンだ、何があっても逃げるつもりはねェ」
一方通行「番外個体だって妹達の1人だ」
美琴「そう、だね」
一方通行「……守るって決めた以上、俺は死ンでやる事はできねェ」
一方通行「だからって番外個体の存在理由を否定していいわけねェだろ?」
美琴「……」
一方通行「アイツはもうお払い箱な立場なンだ」
一方通行「俺はアイツの違う生きる理由を見つけてやらなきゃなンねェンだよ」
美琴「……」
一方通行「俺のせいで生まれたンだ、俺が手伝うのは当然だろォがよ」
一方通行「……憎まれ口ぐらいなンざ屁でもねェ」
ピピピピピーーー。
番外個体「あ、時間だ」
おばあちゃん「あら、もう終わったのかい?」
おばあちゃん「お話に夢中であっという間だったねぇ」
番外個体「ねね、ミサカのマッサージどうだった?」
おばあちゃん「とっても気持ちよかったよ」
番外個体「本当?嘘じゃない?」
おばあちゃん「嘘なんて言うもんですか、ありがとね」ナデナデ
番外個体「うにゃ!?……うん」ニヘラ
おばあちゃん「よいしょっと……」
番外個体「あ、荷物取ってあげるよ!」トテテテ
美琴「一方通行……」
一方通行「まァ、整体屋さンは俺の暇つぶしがメインだしィ?」ゴローン
美琴「……は?」
一方通行「少しづつでも普通の生活に触れていければとりあえずはいいだろォ」ゴロゴロ
一方通行「どのみち妹達とは死ぬまで、死ンでからも付き合うンだ」
美琴「……」
一方通行「死ンだ妹達にはあの世で何回でも殺されてやンよ」
一方通行「その代わり、今生きてる妹達には精一杯生きてもらう」
一方通行「それが俺の存在理由ですゥ」ダラーン
美琴「アンタ、それでいいの?」
一方通行「いいから今こうしてンだろォが」
美琴「……やっぱり、アンタっておかしいわね」
一方通行「失礼極まりねェな」
一方通行「あー、話し過ぎて疲れた」ゴロゴロ
美琴「埃つくわよ?」
一方通行「キャラじゃねェンだよ、ったく」
美琴「どれが本当のアンタなのかしらね」
一方通行「なにがですかァ?」
美琴「アタシと闘った時の一方通行」
美琴「今目の前にいる、ダラッダラな一方通行」
美琴「……妹達の事を誰よりも考えてる一方通行」
一方通行「決まってンだろォ?ダラダラなのが俺ですゥ」
美琴「あは、もうそれでいいわよ」
ガチャ、バタン
番外個体「マッサージ終わったよ」
おばあちゃん「とっても気持ちよかったよ」
一方通行「おォ、よかったじゃねェか」ゴローン
おばあちゃん「また来てもいいかい?」
一方通行「もちろんだぜェ?なァ?」
番外個体「え、う、うん……ミサカもまた来て欲しい、かな?」
おばあちゃん「じゃ次もよろしくね、ミサカちゃん」
番外個体「え?う、うん!任せてよ!」
ガチャ、バタンーーー。
一方通行「どうやらうまくいったみてェじゃねェの」
番外個体「ふん!あったり前じゃん、ミサカはアナタと違って優秀だもん」
一方通行「あそォ」グデーン
美琴「あ、あのー」
番外個体「えっ……もしかして」
一方通行「オリジナル」
美琴「えっと、その……」
番外個体「お姉様だね、ミサカは番外個体だよ!このモヤシの手伝いをしてます」
番外個体「隙を見て殺そうとしてるけどね、ぎゃはは☆」
美琴「あの、その」
番外個体「……」
美琴「えっと……」
一方通行「お前らバカですかァ?」
美琴「へ?」
一方通行「普通姉妹が会ったらそンなよそよそしくなりませェン」ゴロゴロ
番外個体「……そうだね」
美琴「ぷっ、あはは、そうね」
美琴「私は御坂美琴、よろしくね番外個体」
番外個体「お姉様、ミサカはお姉様の事は怨んでないからね?」
美琴「っ!」
番外個体「お姉様のDNAがなかったらこうして生まれてないんだもん、感謝してるよ」
美琴「あんた……」
番外個体「でもでも、アナタには感謝してやらないけどね、くけけ」
一方通行「うっぜェ」ダラーン
美琴「ゴメン………」
ガシッ!
美琴「え、ちょっ……!」
一方通行「おらおらァ、暗ァい気持ちはマッサージでほぐしましょォ」スタスタ
美琴「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ズルズル
一方通行「番外個体、今日はもう上がっていいぞォ」スタスタ
番外個体「え、本当?」
一方通行「あァ、黄泉川達によろしくなァ」
番外個体「はいはい」スタスタ
美琴「ちょ、助け……」
番外個体「お姉さまは肩に力が入りすぎなんだよ」
美琴「……」
番外個体「その人にほぐしてもらいな、うひゃひゃ」
バタン……
美琴「……ちょっと、変なとこ触ったらぶっ飛ばすからね?」
一方通行「触りたくなる程魅力的ィーなバディになってからほざいてくださァい」グイィ
美琴「何おぉぉう!?うぁぁぁぁー……」
一方通行「ンだよ、ガキのくせに凝ってるじゃねェか」グイグイィィ
美琴「んぅぅぅー、気持ちぃぃぃー」ホワーン
一方通行「ちょっと痛いかもですよォ」ギュッギュッ
美琴「んむぅぁぁぁー……ぉぉぉぅ……」ハニャーン
一方通行「おっさンですねェ」ギュー
美琴「しょうがないでしょぉぉぉぉほほほほぉぉぉーん」ンハァ
一方通行「……」ギュッギュッ
美琴「ふぁぁぁぁ……ぁぁ」
美琴「……」zzz
一方通行「やべェ、ベクトルマッサージ無敵すぎる」ギュッギュッ
美琴「やばいわ、体軽い……」ブンブン
一方通行「だからって三下追っかけ回してやるなよォ」
美琴「なな、なんでアイツの名前が出てくるのよ!」
一方通行「超電磁砲よォ」
美琴「なに?」
一方通行「番外個体に色々教えてやってくれなァ」
美琴「……当たり前よ!アタシはあいつらのお姉さまなのよ?」ブンッ
一方通行「番外個体には発育負けてるンですけどね」ハイッ
美琴「……」イラッ
一方通行「ありゃりゃっしたァ」ポイッ
美琴「」ベシャッ
美琴「なんなのアイツ!やっぱりムカつく!!!」スタスタ
美琴「……黒子の言った通り、気持ちいいじゃない」フンフン
次の日―――。
番外個体「ねぇ、お客さん来ないよ?」
一方通行「来ませンねェ」
番外個体「いいの?ま、お店が潰れようとミサカには関係ないけどね、ぎゃはは」
一方通行「そンな事よりコーヒー淹れろ」ダラーン
番外個体「は?なんでミサカがアナタの為に……」
一方通行「あれェー?番外個体さンはコーヒーも満足に淹れられないンですかァ?」
番外個体「ムッカチーン☆」
番外個体「上等だよ、ミサカがびっくりするくらい美味しいの淹れてあげるんだから!」
番外個体「こんなのMNWで淹れ方調べれば……」ブツブツ
一方通行「泥水かァ?こりゃ」
番外個体「……」ズーン
一方通行「おら、こうやって淹れるンだよ」
番外個体「……知ってるもん」プィ
一方通行「じゃちょっとやってみろォ」
番外個体「……」ムムム
番外個体「……」アワワ
コポポポポ……
番外個体「は、はい、できたよ」コト
一方通行「どれどれェ?」ゴクッ
番外個体「……」ソワソワ
一方通行「……中々のまろみじゃねェか、悪くねェ」ズズー
番外個体「ほ、本当!?やっ……てない!別に嬉しくないし」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「な、やめてよ、ミサカ子供じゃないんだよ!もう!」
一方通行「生まれたばっかりのくせになーに言ってやがりますかァ」ゴロゴロ
番外個体「何なのこの人、すっごいムカつくんですけど」
<すいませーん
一方通行「ほらほら、呼んでますよォ」ゲシッ
番外個体「痛っ!蹴るな!!」
一方通行「打ち止めの次くらいに感情豊かかもしンねェな」
一方通行「よきかなよきかな」ウンウン
番外個体「60分ベクトル電気コースだよー」
一方通行「へいへーい」スタスタ
同時刻、商店街ーーー。
上条「インデックス、福引やってみないか?」
インデックス「福引?」
上条「ああ、スーパーで引換券貰ったんだよ」
インデックス「やりたい!けどとーまやらなくていいの?」
上条「上条さんがやったら……結果は目に見えてると言いますか……」
―――――。
インデックス「あの特等『松坂牛セット』を狙うんだよ!」キラーン
上条「頑張れ!インデックス!!」
インデックス「とりゃー!」
カツン、コロコロ……
カランカラーン
<おめでとうございます!三等、整体無料券です!
上条「え!?マジ!?」
インデックス「松坂牛がよかったんだよ……」
上条「それでも凄いじゃないかインデックス!俺やらなくてよかった!」
インデックス「せっかくだからマッサージしに行く?」
上条「そうだな、行ってみるか!」
インデックス「【ほぐし屋さン】……シンプルすぎてちょっと不安なんだよ」
上条「まぁ無料券だし、お試しって事で気軽に行こうぜ!」
インデックス「そうだね、とーまも日頃の疲れを癒すんだよ!」
上条「インデックス……」ホロリ
インデックス「さー行くよ、とーま!」
一方通行「いらっしゃいまっしィ」グデーン
上条「」
インデックス「あ、いつかのご飯くれた人!」
一方通行「あン?三下と暴食シスターかァ」
上条「え、なんで一方通行が?」
一方通行「ほぐし屋さンですしおすしィ」
インデックス「福引で無料券当たったんだよ!」
一方通行「おォ、じゃ一応そこのメニュー見て決めてくれェ」
番外個体「ねぇ、この料金なんだけどさー」トテトテ
上条「み、御坂!?いや、少し違うか?」
番外個体「あれ、もしかして10032号のお気に入りの人?」
上条「へ?」
インデックス「どれにしようかなー」
ーーーーー。
上条「そんな事があったのか……」
一方通行「ところでコースは決めたかァ?」
上条「あっさりだなオイ!」
インデックス「んと、私はこの30分電磁波コースでお願いするんだよ!」
番外個体「じゃミサカだね、こっちだよ」
インデックス「じゃ、とーま後でねー」スタコラー
上条「……」
一方通行「……」
ガシィッ!
一方通行「30分THE・プラズマコース入りまァす」スタスタ
上条「嘘だろ!?あの時のあの恐怖が!!」ズルズル
一方通行「大丈夫ゥ、天に召されるからァ」
上条「そこは『それぐらい気持ちいい』とかつけて!フォローして!」ズルズル
上条「……うぉぉぉー」
一方通行「……」ギュッギュッ
上条「ぬぉっ……んはぁぁぁぁぁぁぁ」ホワーン
一方通行「あんまり混じりっ気ない純度100%の気持ち悪い声出さないでくださいねェ」ギュッギュッ
上条「ずいぶんストレートですね……でも気持ちいいからさー」ンハァァァ
上条「……なぁ、一方通行」
一方通行「なンですかァ、お客さン」ギュッギュッ
上条「悪いな、お前の事誤解してたみたいだ俺」
一方通行「あン?」ギュー
上条「お前だって、学園都市の犠牲者の1人だもんな」
一方通行「はっ」ギュギュー
上条「正直見直したぜ」
上条「最初会った時は悪魔かと思ったけど」
上条「お前も守るべきものの為に頑張ってるんだもんな」
一方通行「買い被りすぎですよォ」グィィ
上条「そんな事あるもんか」
上条「打ち止めやあの番外個体だって……」
上条「お前がいなかったら命はなかっただろ?」
一方通行「……」ギュッギュッ
上条「俺とお前……似てるのかもなぁ」
一方通行「俺とお前がァ?」
上条「ああ」
一方通行「……三下ァ」
上条「……なんだ?」
一方通行「きンもー☆」メコメコメコッ
上条「ぎゃぁぁぁぁ!イタイイタイ!」
一方通行「第一位様のマッサージでェす、ありがたく受け取れェ」ピプーコリコリコリ
上条「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!死ぬ死ぬ死ぬーーー!!!」
一方通行「凝りという名の幻想をブチ殺すまで少々お待ち下さァい」ミシミシッ
上条「あぁぁぁぁいきゃぁぁぁぁんふらぁぁぁぁぁぁぁっい!!」
―――――。
番外個体「?向こう騒がしいね」パリパリ
インデックス「はぁー、気持ちいいんだよー」タレーン
30分後―――。
一方通行「どォだよ?」
上条「いってぇ……ってアレ?」
上条「疲れが取れた気がする!!」グルングルン
一方通行「だろォ?結構凝ってたからなァ」ダラーン
上条「すげぇ!痛かったけど、終わってみればスッキリだ!」
一方通行「THE・プラズマコースだからなァ」フフン
上条「ありがとう!いやー、これで無料とは得した気分だな」
一方通行「自腹でも来やがれってンだ」
上条「いや、これはまた来たい、うん」ウン
インデックス「とーま!すっごい気持ち良かったんだよ!」テテッ
上条「おお、俺もだ!また来ような!」ニコニコ
インデックス「うん!絶対また来るんだよ!」ニコニコ
一方通行「またのご来店をお待ちしゃしゃー」ペコリ
番外個体「最後までちゃんと言わないとダメじゃないの?」
上条「あはは、またな!」
インデックス「ありがとうなんだよ!」
ガチャ、バタン……
一方通行「さァて、休憩しますかァ」ゴローン
番外個体「ミサカも喉渇いたー!死ぬー!」
一方通行「とりあえずコーヒー淹れてくれェ」
番外個体「ふんっ、次こそ美味しいって言わせてみせるからね!」
一方通行「おォ、楽しみにしてまァす」グデーン
番外個体「美味しすぎて失神しても知らないよ、ぎゃは」トテテッ
一方通行「……ねみィ」ダラーン
ガチャ
番外個体「ねぇ」
一方通行「あン?コーヒーできたのかァ?」
番外個体「アナタに会いたいって人来てるんだけど」
一方通行「あァ?」
エイワス「やぁ、久しぶりだね」
一方通行「……」
エイワス「……」
一方通行「……」
エイワス「……」ヤァ
バタン
ガチャ
エイワス「いきなり閉めるとは不躾すぎると思わないかい?」
一方通行「なンでお前いるンだよ」ゴロンゴロン
エイワス「ふむ、何故とはどういう意味かな?」
一方通行「お前が現出すると打ち止めがヤバイだろォが」
エイワス「大丈夫だ、今回はそういう感じじゃないからな」
一方通行「あ、そういう感じなンですねェ」
エイワス「ああ、そういう体で進めていって欲しい」
一方通行「じゃそういう感じで」
エイワス「よろしく頼む」
一方通行「ところで何しに来たンですかァ?」
エイワス「おかしな事を言う、凝りをほぐしに決まっているじゃないか」
一方通行「てめェみてェな存在にマッサージなンざ必要ねェだろうが」
エイワス「私は興味のある事には全身全霊で挑みたい性格でね」
一方通行「ちっ……何が目的だ?」
エイワス「ベクトルマッサージというものを頼む」
――――――――。
エイワス「なるほど……これは確かに気持ち良いかもしれないな」
一方通行「びっくりするぐらい凝ってませンねェ」ギュッギュッ
エイワス「なぜこんな店を?」
一方通行「気まぐれだ気まぐれェ」ギュッギュッ
エイワス「本当はあのクローン体の為ではないのかい?」
一方通行「……暇つぶしだっつってンだろォが」ギュッギュッ
エイワス「……」
一方通行「なァ」グィィ
エイワス「私ではどうする事もできないよ」
一方通行「心読むンじゃねェよクソが……」グイィ
一方通行「というかてめェならできねェ事なンざねェだろうが」
エイワス「確かに、それは一理ある」
エイワス「だが、それでは意味がないのさ」
一方通行「あン?」ギュッ
エイワス「君が行動を起こす事に意味があるのだよ」
エイワス「君ならそれができる資質がある」
一方通行「はン……資質、ねェ」ギュッギュッ
エイワス「あの時見せた片鱗がその証拠だ」
一方通行「……なンで知ってンだよ」グィィ
エイワス「ふふ、さてね」
一方通行「……」
エイワス「どうした?」
一方通行「善行は悪行の免罪符にはならねェよなァ」
エイワス「ふむ、その通りだ」
エイワス「しかし、一度悪行を犯した者が善行をしてはいけないというわけでもないだろうに」
一方通行「ちっ……」ギュッギュッ
エイワス「君の見ている世界は少々狭いようだ」
一方通行「あン?」
エイワス「怯えてるようじゃ彼女は救えないって事さ」
一方通行「俺が怯えるだァ?はっ、何にだよ」
エイワス「飲まれる事……じゃないかな?」
一方通行「けっ、何しに来たンだてめェはよ」グィィ
エイワス「言っただろう?興味ある事には全身全霊で挑む性格なのだよ」
一方通行「……興味の対象が俺じゃない事を祈るぜェ」グィィ
エイワス「意外だな、君は神を信じていたのかい?」
一方通行「無神論者だよクソッタレ」ギュッギュッ
エイワス「ふむ、また来るよ」
一方通行「もう来ンなクソッタレが」
バタン……
番外個体「ねね、さっきの人なんか光ってなかった?」
一方通行「気のせいじゃねェか」グデーン
番外個体「そっかな?なんか異常に神々しい気がしたんだけど」
一方通行「気のせいだ気のせい」
番外個体「……??」
<すいまっせーん
一方通行「ほら、いってこい」
ライバル・垣根登場―――。
ガチャ、キィ……
番外個体「いらっしゃーい」
垣根「第一位いるか?」
番外個体「えっ?あの人なら今……」
一方通行「おォ、垣根じゃねェの」ゴロゴロ
垣根「久しぶりだな第一位、一方通行」
番外個体「ねね、誰?この人」ヒソヒソ
一方通行「コイツは第二位の垣根帝督」
番外個体「え?第二位?」
垣根「おお、未元物質の垣根だ、よろしくなクローン」
番外個体「ミサカの事知ってるの?」
垣根「コイツから話は大体聞いてるよ」
一方通行「俺と垣根は昔殺し合った仲でなンだよ」
垣根「はは、あん時はお互い死にかけたよな」
番外個体「って事はアナタも結構強いんだね」
垣根「まぁな」
一方通行「今はコイツもほぐし師やってるんだぜェ?」
垣根「ああ、色々あってな……暗部も解散したし」
番外個体(え、レベル5のトップツーは揃って整体師なの?)
番外個体「って事は、アナタが言ってたマッサージかじった事あるっていうのは……」
一方通行「コイツとの整体修行だなァ」
一方通行「今日は何しに来たンですかァ」ゴロゴロ
垣根「いや、お前が店出したって聞いたから様子を見に来てやったんだよ」
一方通行「ずいぶン偉くなったもンですねェ、垣根くン」
垣根「バーカ、ほぐし師としては俺の方が経験が上だ、当然だろうが」
垣根「しっかしいつ見ても細いなーお前」パシッ
一方通行「いてっ、痛ェな、やめろよお前ェ」ドムッ
垣根「イテッ、お前、俺そんな強くやってねーだろ?」バシッ
一方通行「いってェ、なンで顔なンだよお前」ゴスッ
垣根「げふぅっ、お前本気出すなよ」ゴガンッ
一方通行「痛ェ……なンでグーなンだよ、ふざけンなよてめェ」グググ
垣根「わかった悪い悪い、もうやめようぜ、キリがねぇし」グググ
一方通行「いやお前先にやってきたンだろ?ラストラスト、これで終わりなァ」グググ
垣根「いやいや、本当もうキリないからマジで」ググググ
一方通行「いやいやいや、軽く数合わせだからさ、うン」グググ
垣根「いや、本当もういいって」ググググ
番外個体(えー……)
番外個体「なんかいきなり小学生レベルのケンカ始まったんだけど、どうしたらいいの?」
一方通行「上等だコラァァァァァ!!」バッ
垣根「やんのかオラァァァァァ!!」ババッ
番外個体(えー……)
一方通行「前から気に入らねェとは思ってたが、ここで決着つけてやンよ!!」
垣根「やってやろうじゃねぇの!」
垣根「まず俺から行くぜ!」ダッ
一方通行「ぐぁっ!う、腕ひしぎ十字固め……?どこでこんなの……」
垣根「ふん、貧弱な第一位様には抜けられねぇよ!!」ギシギシ
一方通行「ナメンなオラァァァァァァァァァ!!」ガキッ
垣根「何!?」
一方通行「はン、こんなの楽勝で抜けられ……!?」
垣根「」ニタリ
一方通行「か、肩の凝りがほぐれてやがる……」ブンブン
番外個体(えー……)
一方通行「てめェ、極めてる間に足を使って肩の凝りをほぐしやがったな?」ギリッ
垣根「ははっ、これが俺のほぐし師としてのスキルだ!」
一方通行「ベクトルパンチ!」バキィッ
垣根「ぐはっ……ぐ、な、なんだと?」
垣根「氷の様だった指先の冷えが止まった……!?」
一方通行「オラ来いよ三下ァァァァァァ!!」
垣根「上等だよコラァァァァァァァァ!!」
一方通行「ベクトルほぐし!」
垣根「未元物質のひと揉み!」
ガッ!
一方通行(ちっ……ぼやけていた視界がはっきりクリアに見える……!)
垣根(くっ……心なしか肌が潤いを取り戻した気がする……!!)
番外個体(えー……)
バリバリバリッ!
番外個体「2人ともいい加減にしないとミサカがお仕置きするよ?」
一方通行「……ちっ」
垣根「オイオイ、こんな女に言われたぐらいで逃げるっつーのか?」
一方通行「馬鹿野郎ォ……俺はコイツが嫌がる事は極力したくねェンだよ」キラッ
垣根(ヤダ……コイツ、綺麗な目してるジャン……)キュン
一方通行「まだ勝負してェっつーンなら、もう俺の負けでも構わねェよ」
垣根「ば、バカな事言ってんじゃねぇぞコラ!」
一方通行「あァ?」
垣根「お前が第一位である限り、誰相手でも『負ける』事は俺が許さねぇ」キラッ
一方通行(えっ……コイツ、素直でいい子ジャン……)キュン
番外個体「はぁ、バカしかいないね本当」
一方通行「お前は店構えてやってンのか?」
垣根「いや、全国ほぐし行脚から帰ってきたばっかりだ」
番外個体(……またわけのわからない事を)
一方通行「ならここでほぐし師やってみねェ?」
垣根「ああ?いいのか?」
一方通行「あァ、2人しかいねェからな」
垣根「お前もいいのか?」
番外個体「ミサカは別にいいけどさ……疲れそうだけどね」
一方通行「はン、疲れなンざ俺らがほぐしてやるよ」
垣根「ほぐし師だけにな」
垣根<HAHAHAHAHAHA!
番外個体「ウザいのが増えた気がする……はぁ」
ほぐし屋さンにていとくんが加わりました▽ティロリンッ
垣根「ところでお前ら一緒に住んでるのか?」
一方通行「はァ?」
番外個体「な、なに言ってるのさ!こんなモヤシと一緒に住むわけないじゃん!」
垣根「なんだ、つまんね」
番外個体「いきなり何を言い出すかと思ったら……」
垣根「でもお前はそうしたいんじゃねぇの?」ニヤニヤ
番外個体「はぁ!?そ、そんなわけ……」
垣根「俺はこう見えても空気の読める人間でな」
番外個体「そ、それはない!断じてない!」ブンブン
垣根「……」ニヤニヤ
番外個体「ムカつくこの人!ねぇ、アナタからも何か言ってよ!!」プンスカ
一方通行「……」zzz
番外個体「死ね!もうまとめて死ね!!」
次の日―――。
初春「白井さん、ここら辺の巡回はいいんじゃないですか?」
黒子「そうですわね、そろそろ支部へ戻りますわ」
初春「佐天さんがパフェ食べに行こうって言ってましたよ?」
黒子「次の非番にお姉様誘って行きましょうか」
初春「ええ、そうですね」
<あ!大変だァ!
初春「え?」クルッ
黒子「何事ですの?」クルッ
一方通行「喋るパンダ発見!」ゲシッ
ドカッ!
黒子「~~~~~~っ!!!」ゴロゴロゴロ
一方通行「ほぐし屋さンですの!」ハイッ
初春「え?し、白井さん?」
黒子「いったぁぁぁぁぁぁ!!なんですのいきなり!?」ジンジン
一方通行「別にィ」
黒子「人に襲い掛かってきて『別に』で済む訳ないですわ!」サスサス
一方通行「あ、ほぐし屋さンでェす」スッ
初春「チラシ?あ、ありがとうございます」
黒子「人の!話を!聞いてくださいな!!」プンスカ
一方通行「ンとォ、パンダ語はよくわかりませン」
初春「」
黒子「……」プルプル
一方通行「サクサクパンダって美味しいですよねェ」ウン
初春「え、そ、そうですね……美味しいです」
黒子「」
黒子「ジャッジメントとして暴行罪で拘束しますの!」
一方通行「ジャッジメントとして暴行罪で拘束しますの!」ハイッ
黒子「……」イラッ
一方通行「……」フフン
黒子「……」
一方通行「……」
黒子「……」
一方通行「パンダですの!」ハイッ
黒子「こんちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダッ
一方通行「まだまだだなァ」フフン
初春「あの白井さんをここまで振り回すなんて……アナタは一体?」
一方通行「ほぐし屋さン、またの名を学園都市第一位、一方通行でェす」ハイ
初春「」スゲェ
初春「あれ……もしかして、あの時私を助けてくれた人ですか?」
一方通行「あン?もしかしてロシアでウォッカ奢ってくれたオサケスキーコフかァ?」
初春「誰ですかオサケスキーコフって!日本人ですよ私!」
一方通行「知りませェン」
初春「覚えてないですか?あの第二位に襲われてた時……」
一方通行「……」ウーン
初春「思い出してくれました?」
一方通行「一切記憶にございませン」ウン
初春「」
一方通行「ちなみに第二位の垣根も俺ンとこでほぐし師やってるからァ」
初春「」
一方通行「もしよろしければ来てくださァい、じゃ」スタスタ
初春「なんとか対応してる白井さんが凄い…………」
夕方ーーー。
シェリー「マッサージを頼みたいんだけど」
一方通行「了解ィ、コースは?」
シェリー「なんでもいいけどね、凝りだけほぐせれば」
一方通行「結構凝ってる感じですかァ?」
シェリー「そうかも、ガチガチだと思う」
一方通行「どンなもンかちょっと見ていいですかァ?」
シェリー「あー、悪い……私じゃないんだ」
一方通行「あン?」
一方通行「おーい、垣根くゥン」
垣根「呼んだか?」
一方通行「どうやらお前の担当部門だわ」スタスタ
垣根「あ?」
垣根「う、うぉぉぉぉぉぉ!!」モミモミッ
垣根「ちくしょう!覚えてろあの野郎!!」モミモミッ
エリス「グォォォ……」ホワワー
垣根「くっそ、手が痛ぇ!!」ギュッギュッ
垣根「っていうか硬ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
エリス「ォォォォーン……」キモチー
垣根「全国ほぐし師ランキング第二位ナメんなコラァァァァァ!!!」モミモミモミッ
一方通行「ねみィ」ゴローン
番外個体「ちゃんと起きてよ、コーヒー淹れたよ?」コト
一方通行「おォ」ズズー
番外個体「ど、どうかな?」
一方通行「うめェ、このまろみが中々どうして……」ウン
番外個体「で、でっしょー?ミサカ今回自信あったんだー」フフン
ガチャ、バタン
垣根「クッソ手が痛ぇ」
一方通行「よォ」
番外個体「あ、ねぇねぇ、第二位もコーヒー飲む?」
垣根「あ?淹れてくれんのか?」
番外個体「ふふん、しょうがないなー」テテッ
垣根「……なぁ」
一方通行「あン?」ズズー
垣根「身体の調子はどうなんだよ」
一方通行「番外個体かァ?」
垣根「ああ、問題ねぇのか?」
一方通行「いや、ねェわけねェ」
一方通行「負の感情拾ったり、無理矢理発達させたりしてたからな」
一方通行「脳も身体も負担かかりまくりだろォな」
垣根「やっぱりか……カエル医者の所には?」
一方通行「とっくに行ってる、だが結果は変わらねェ」
垣根「そんなに簡単な話じゃねぇ、か」
一方通行「あァ、だが可能性はあるはずだァ」
垣根「なんか手があるのか?」
一方通行「……ベクトルほぐしだ」
垣根「!?」
垣根「ふざけてんのか?」
一方通行「ばァか、よく考えろ」
一方通行「普通の整体で視力が回復したり、肌に潤いが戻ったりするかァ?」
垣根「それって……」
一方通行「俺の『ベクトルほぐし』と、お前の『未元物質のひと揉み』は……」
一方通行「もはや整体の枠を超えてると言っていいだろォな」
垣根「!」
垣根「……つまり、俺たちなら番外個体を」
一方通行「救える可能性はある」ウン
一方通行「だが、今のままの『ベクトルほぐし』じゃ無理だ」
垣根「なら……俺の『未元物質のひと揉み』でも無理だな」
一方通行「だからお前をここに残させたンだよォ」
一方通行「お互いの技術の向上の為になァ……」
一方通行「納得したかァ?」
垣根「……質問」ハイ
一方通行「はい垣根くン」ハイ
垣根「お互い、1回は限りなくレベル6に近づいた身だ」
一方通行「……俺の黒翼モード、お前のメルヘン進化の事か?」
垣根「ああ、だから今のままでも十分治療は可能じゃないか?」
一方通行「いい質問だなァ」
垣根「照れるぜ」
一方通行「だが……よく考えてみろォ」
一方通行「お互いあの状態は狙ってだせたもンじゃねェ」
垣根「……ああ」
一方通行「あれは言わば能力の暴走、その状態で治療なンてしてみろ」
垣根「ど、どうなるんだ?」
一方通行「……ほぐしすぎる」
垣根「!」
一方通行「想像してみろ、豆腐を延々とマッサージするとどうなる?」
垣根「崩れる……」ウン
一方通行「そォだ、治療の力も下手をすれば破壊の力に変わる」
一方通行「今の俺たちじゃそれをコントロールできねェンだ」
垣根「……なるほどな」
一方通行「とりあえずはあの時のような力を自分で自由に扱えるようにしなきゃダメだなァ」
垣根「そうか、いや……そうだな」ウン
一方通行「その可能性があるのは……」
垣根「第一位であるお前と、第二位の俺だけって事か」
一方通行「そういうこったァ」
垣根「……」ウーン
一方通行「あン?」
垣根「……俺たちはこれ以上高みを目指せるのか?」
一方通行「ほぐし師として、俺らがなンて呼ばれてるか知らねェのか?」
神をもほぐす力の片鱗を振るう者
神が住む天界をほぐす力の片鱗を振るう者
一方通行「……俺らにできねェ事はねェ」
垣根「ああ、そうだな」
一方通行「番外個体の為なら、レベル6……神になってやンよ」
垣根「……番外個体の呪いなんざ屁でもねぇ」
番外個体「ねぇ、コーヒー持ってきたよー」
垣根「ああ、悪いな」
番外個体「何話してたの?男2人で気持ち悪いなー、ぎゃはは☆」
一方通行「なンでもねェよ、くそったれェ」ネー
垣根「ああ、なんでもねぇ」ネー
別の日―――。
冥土返し「お疲れ様だったね、今日の調整は終わりだよ」
番外個体「はぁ、やっと終わったね」グルングルン
番外個体「ねね、ミサカ最近頭痛いんだけど、どうしてかな?」
冥土返し「頭が痛い?」
番外個体「うん、時々ズキッと来るんだよね」
冥土返し「ふむ……ネットワークに支障は?」
番外個体「ないと思うよ?問題なく繋げるもん」
冥土返し「わかったよ、少し調べてみることにしよう」
番外個体「ゴメンね、お願いします」
冥土返し「……」
番外個体「?」
冥土返し「……いや、なんでもないよ」
番外個体「そう?」
冥土返し「今日は彼も来ていたね、ちょっと呼んでくれるかい?」
番外個体「あの人?わかったよ」
ガチャ、バタン……
一方通行「よォ、どうなンだ?」
冥土返し「正直良くないね」
一方通行「……具体的には?」
冥土返し「彼女は他の妹達と比べて、身体にかかる負荷が大きいのはわかるね?」
一方通行「あァ」
冥土返し「最近、その負荷が調整でどうにかできる範囲を超えてきたんだよ」
一方通行「なるほどなァ……」
冥土返し「さっき彼女が頭が痛いと言ってきてね」
一方通行「聞いてねェぞ……ンな事」
冥土返し「心配されたくないんだろうね」
一方通行「けっ……それで、どうなンだよ今後は」
冥土返し「……長くはもたない、かな」
一方通行「……」
冥土返し「恐らく彼女は自分でもわかっているはずだね」
一方通行「そうだろォな」
冥土返し「僕としても今後は何とかしたいと思っている」
冥土返し「ただ……」
一方通行「わかってる、言わなくていい」
冥土返し「……そうかね」
一方通行「またよろしく頼むわ」スタスタ
冥土返し「……」
番外個体「ねね、何話してたの?」
一方通行「あン?お前の性格を矯正できねェかって相談」
番外個体「む、失礼なモヤシだねアナタは」
一方通行「どっちが失礼なンだか」グデーン
番外個体「ちょっと、電信柱に寄り掛からないでよ」
一方通行「歩くのだりィ」ヘニョーン
番外個体「犬じゃないんだからさ……もっとしっかりしてよ」
一方通行「……ン」スタスタ
番外個体「ちょ、急に歩き出すのかい!」テテッ
一方通行(しっかりしてよ、かァ)スタスタ
一方通行(助けてよ、くらい言えっつーのォ)スタスタ
番外個体「じゃミサカこっちだから」
一方通行「おォ」
番外個体「はぁ……送ってくよ、位の甲斐性ないのかね」
一方通行「なンで」グデー
番外個体「こんな可愛い女の子が襲われてもいいの?」
一方通行「レベル4に襲い掛かる変態なンざそうそういねェよ」ウン
番外個体「……ちぇっ」
一方通行「明日も遅れるなよ?」
番外個体「アナタこそ寝坊しないでよ」
一方通行「……」フイッ
番外個体「返事!目を見て返事しろ!」
一方通行「へいへい」スタスタ
番外個体「……まったく」
番外個体「……」テクテク
番外個体「なんだろう、最近頭痛くなる頻度が増えた気がする」ズキズキ
番外個体「……」テクテク
番外個体「アレか、このポンコツは限界ですーみたいな?くけけっ」テクテク
番外個体「……」テクテク
番外個体「……ふん、どうしようもないね、ミサカは」
番外個体「どうせならあの人も殺してから死のうかな」
番外個体「あの人を殺して私も死ぬーってか?ぎゃはっ」
番外個体「……くっだらない」テクテク
それからしばらく経った日―――。
垣根「あれ、まだアイツ来てねーの?」
番外個体「知らない、寝坊でしょ大方」
垣根「……なぁ」
番外個体「なに?」
垣根「アイツの呼び方変えてみたら?」
番外個体「へ?」
垣根「愛称とかで呼ぶと一気に仲が深まるぜ?」フフン
番外個体「はぁ?別にミサカ仲深めようとしてないもん」
垣根「へー、じゃ他の女に取られてもいいと」
番外個体「……」ピク
垣根「アイツ結構モテるんだぜ?(知らないけど)」
番外個体「み、ミサカには関係ないし」
垣根「愛称考えてみようぜ」
番外個体「ねぇ、人の話聞いてた?」
垣根「……れーたんってのはどうだ?」
番外個体「……ダメだ、この人も人の話聞かない人種だった」
垣根「れーたん、可愛いじゃねぇの」ウン
番外個体「モヤシで十分だね、あんな奴」
垣根「可愛げのねぇ奴だな……」
番外個体「ミサカに可愛げなんて必要ないの、うひゃひゃ」
ガチャ、バタン
一方通行「おォ……」ネムイ
番外個体「あ、やっほう」
一方通行「なーに話してたンですかァ?楽しげに」
番外個体「いや別に楽しげじゃないけどね」
垣根「愛称を考えてたんだよ」
一方通行「愛称ォ?」
垣根「そうすれば仲良くなれるだろ?」
一方通行「くっだらねェ」グデーン
番外個体「くけけっ、アナタは『れーたん』か『モヤシ』ね』
一方通行「じゃお前は『ミカワ』だなァ」ウン
番外個体「……ミカワ?」
一方通行「ミサカワースト、略してミカワだァ」
番外個体「何その略し方!斬新すぎるっつーの!!」
垣根「くっくっく……サブちゃんみてぇ」プププ
一方通行「さて、今日も張り切ってマッサージしますよォ」
番外個体「おー」オー
垣根「って言っても今日って予約入ってなくねぇ?」
番外個体「あ、そうかも……どうすんのさ?」
一方通行「しょうがねェ、客引きだァ」
番外個体「ミサカはヤダよめんどくさい、そういうのは男の仕事でしょ?ぎゃはっ」
垣根「男女平等だっつの」
一方通行「あァ、俺クラスになると平気で女を殴る」ウン
番外個体「笑えないよ、バカ」
垣根「もうじゃんけんでよくねぇ?」
番外個体「しょうがないなー」
一方通行「えー」グデーン
番外個体「なにさ」
一方通行「俺じゃんけンアレルギーだもン」
番外個体「聞いた事ないよ!ホラ、早く」
垣根「だーさなっきゃまーけよー」
番外個体「さーいしょーはグー」
垣根「じゃーん」コォォォ
一方通行「けェン」ホァァァ
「ホイッ!」
一方通行「ちっ……めンどくせェ」スタスタ
垣根「いってらっしゃーい」
番外個体「なんだ、ただ弱いだけか」
婚后「あらあら、白井さんではありませんか?」
黒子「う、婚后さん……何の用ですの?」
婚后「ずいぶん棘々しいですわね、これだから人生に余裕のない人は……」
黒子「ぐぬぬ、それで、何の用ですの?」
婚后「あら、用が無くては話しかけていけなくて?」
黒子「えっ?」
婚后「せっかく白井さんと仲良くしようと思ってましたのに……」
黒子「そうでしたの、すいまs」
婚后「嘘ですわ」
黒子「……」イラッ
婚后「本当、単純ですわねぇ、おーっほっほっほ」
一方通行「本当ですわねェ、おーっほっほっほ」オホホ
黒子「」
婚后「あら?どちら様ですか?」
一方通行「このパンダさンの知り合いの一方通行と申しますの」ペコリ
婚后「おやおや、これはご丁寧にどうも……私は婚后光子と申します」ペコリ
黒子「ちょちょ、何をしてるんですの!?」
一方通行「え?客引きですけどォ?」
婚后「あら、一方通行さんは何かお店をやってらっしゃるのですか?」
一方通行「えェ、ほぐし屋さンをやっておりますの」オホホ
婚后「あらまぁ、それはご苦労様ですわね」
一方通行「いえいえ、これもジャッジメントの一環ですので」オホホ
黒子「ふざけてるんですの!?2人で打ち合わせでもしてたんですの!?」
婚后「……白井さんの頭大丈夫でしょうか?」ヒソヒソ
一方通行「いえ、少々マズいと思いますの」ヒソヒソ
黒子「うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
黒子「何を!してるんですの!」
一方通行「客引きだっつーのォ」ダラーン
黒子「私にケンカ売りに来たんじゃないですの?」
一方通行「客引きだっつーのォ」グデーン
婚后「あの、白井さん?白井さんはこの方のお店に行った事は?」
黒子「え?1回だけありますわ」
婚后「どうでした?」
黒子「え、ええ、気持ちよかったですの」
婚后「私も行きたいですわ!」ハイッ
黒子「」
一方通行「あ、本当ですかァ?」
婚后「ええ、一度整体というものに行ってみたいと思っておりました」
一方通行「ちょうどいいですねェ、じゃ行きましょうかァ」
婚后「あ、もう1人連れて行ってもよろしいでしょうか?」
一方通行「ン、大丈夫ゥ」
婚后「では、後ほど伺いますので住所をお聞きしても?」
一方通行「ン……これ」サラサラサラ
婚后「ありがとうございます、では後ほど」ササー
黒子「……」
一方通行「お前も来るゥ?」
黒子「ふん、あんな人と一緒にいられませんわ!」
一方通行「……」
黒子「……」
一方通行「……ルゥールルルルルル」チッチッチッチッ
黒子「私は狐じゃありませんの!!」ジダンダッ
婚后「あら?御坂さんですか?」
番外個体「似てるって言われるけどお姉さんだよ」
婚后「そうでしたか、今日はよろしくお願いいたします」
番外個体「こちらこそよろしくね!」
婚后「電気&ベクトルマッサージ……楽しみですわ」ワクワク
一方通行「じゃそっちのベッドに横になってくださァい」
一方通行「お客さンなンかカレー臭いですねェ」フンフン
婚后「え、そうですか?」
―――。
垣根「どうっすかね?痛くないっすか?」ギュッギュッ
エカテリーナ「シャーァァァァァ……」ホワーン
垣根「結構凝ってますね、お客さん」ギュッギュッ
エカテリーナ「シャ?シャァァァ……」ホワワーン
垣根「あっはは、そんな事ないですって」ギュッギュッ
ていとくんがレベル6に一歩近づいた瞬間です。
次の日―――。
一方通行「今日は予約入ってたよなァ?」
垣根「ああ、10時から2人入ってる」
一方通行「……ちょっと試してみるか」
垣根「『ベクトルほぐし』か?」
一方通行「あァ、ちょっと縦の動きを取り入れてみたンだ」
垣根「……横の動きの中に縦の動き入れるのは御法度だぜ?」
一方通行「俺がルールだ、常識は通用しねェ」
垣根「……『未元物質のひと揉み』もそろそろ昇華しないと困るんだけどな」
番外個体「???」
一方通行「……そろそろ行く時間じゃねェ?」
垣根「いいのか?」
一方通行「構わねェよ」
垣根「悪ぃ、じゃちょっと出てくるわ」
番外個体「あれ、サボり?」
垣根「ちげーよ、ヤボ用だ」
――――。
番外個体「ねぇねぇ、第二位はどこ行ったのかな?」
一方通行「女ンとこだァ」ゴローン
番外個体「うひゃー、仕事そっちのけで女と会うってか、さっすが第二位様」
一方通行「そンなンじゃねェよ」
番外個体「?」
一方通行「アイツにもほぐさなきゃなンねェ凝りがあるって事だァ」ゴロゴロ
番外個体「なにそれ、上手いこと言ったつもり?気持ち悪いよ?」
一方通行「メルヘンいないからめんどくせェ」ネムイ
番外個体「もう!予約の時間だよ!」グイグイ
フレンダ「……凝りもせずにまた来たってわけね」
垣根「ほぐし師だけにな」ウン
フレンダ「うるさい、死んで」
垣根「よう」
フレンダ「帰ってくれない?」
垣根「イヤだね」
フレンダ「毎度毎度帰れって言われてるのになんで来るわけ?」
垣根「そこに凝りがあるから」ハイ
フレンダ「……」
垣根「そりゃ、リハビリの為に決まってんだろ?」
フレンダ「誰のせいでこうなったと思ってんの?
垣根「まぁ俺のせいだな」
フレンダ「ふん……」
フレンダ「ま、ビビッて仲間を売った私が言える義理じゃないんだけどね」
フレンダ「……アイテムがどうなったか聞かないの?」
垣根「お、今日は答えてくれるのか?」
フレンダ「……滝壺と浜面、絹旗は亡命」
フレンダ「麦野はまだ病院だよ」
垣根「そんなに重傷だったか?」
フレンダ「精神的な問題だって」
垣根「原子崩しはメンバーと和解したんだよな」
フレンダ「したよ、一応ね……でも、麦野は私を撃った事が許せないみたい」
垣根「自分を責めてるってか」
フレンダ「麦野は暗部のリーダーとして当然の事をしただけ……まぁ結局自業自得な訳なのよ、私はね」
垣根「……」
フレンダ「麦野は悪くない、アイテムがバラバラになったのも私の責任」
垣根「俺が悪いんだよ、全部」
垣根「くっだらねぇ理由で動いてた、俺がさ」
フレンダ「暗部にいた以上、お互い様よ」
フレンダ「もう手遅れ、もう……戻れない」
垣根「……」
フレンダ「……」
垣根「おら、今日の治療始めるぞ」
フレンダ「えー、またー?」
垣根「文句言うな」
フレンダ「結局あんたのマッサージ、痛いから嫌なわけよ」
垣根「うるせぇな、未元シップ持ってきてやったから我慢しろ」
フレンダ「え!?あの温かくて冷たい不思議なシップ?」
垣根「おお、だから今日も耐えろ」
フレンダ「うー、そのシップは魅力的だけど……しょうがないっか」
垣根「よし、じゃ運ぶぞ」ヒョイッ
神裂「ここがインデックスの言ってた……」
ステイル「見た目は普通だな」
神裂「でも効果は抜群と聞きました」
ステイル「どうやら学園都市最強の整体師がいるらしい」
ガチャ、バタン……
一方通行「はいこンにちはァ」
ステイル「知り合いの紹介で来たんだが」
番外個体「じゃあこっちのメニューからコースを選んでね」
神裂「メニュー結構豊富ですね」
神裂「じゃあ私は電気コースで」
ステイル「僕はベクトルコース」
一方通行「こちらどうぞォ」
一方通行「……大分凝ってますねェ」ギュッギュッ
ステイル「おぉぉぉぅう……なんという気持ちよさだ……」
一方通行「普段運動とかしないンですかァ?」
ステイル「うーん、あまり自ら動きたいとは思わないが」
一方通行「偶然ですねェ、俺もですよォ」グィィ
ステイル「はふぅぅぅ……それ、もうちょっと強めでお願いする」
一方通行「了解ィー」グィィィィ
ステイル「おふうぅぅぅぅぅぅううん……」
一方通行「痛くないですかァ?」ムギュゥ
ステイル「oh……大丈夫でぇぇへへへぇぇぇすぅぅ」
一方通行「気持ち悪いですねェ」ギュッギュッ
ステイル「失礼なやつだっふぅぅうぅぅぅん……」ホゲー
番外個体「強かったら言ってね」パリパリ
神裂「あぁ、ちょうどいいですぅぅぅー」ホワーン
番外個体「ねぇ、その格好寒くないの?」
神裂「え?これは私のアイデンティティなので……」
番外個体「ふーん、ならいいんだけどさ」パリパリ
神裂「あ、次右脚重点的にお願いできますか?」
番外個体「え?いいけど……」
神裂「やっぱり、ジーンズ被ってる方がどうしても凝ってしまうんですよねー」
番外個体(どういう理屈なの???)
神裂「ああぁぁぁー……そこ気持ちいいですー」ホワーン
番外個体「うわ、本当に右脚だけすごい凝ってる……」パリパリ
番外個体(ジーンズ履いてるだけでこんなに凝るの?)パリパリ
神裂「……インデックスにお礼を言わねば」ツヤツヤ
ステイル「ああ、僕もそう思う」テカテカ
神裂「今度他のシスター達も連れて来ようかな」
ステイル「噂によるとゴーレムやヘビですらマッサージしてくれるらしい」
神裂「……まさか」
ステイル「次は、イノケンティウスでもお願いしてみよう」
垣根「ぶぇっきしっ!」
フレンダ「ちょ!汚っ!」
垣根「ふん、大方どっかの誰かが俺を噂してるんだろうよ」ズズー
フレンダ「頭までメルヘンってわけね」
垣根「まったく、モテる男は辛いぜぇ」フフン
フレンダ「……とりあえず鼻水拭いたら?」
次の日―――。
番外個体「ねぇねぇ、お姉様に買い物行こうって誘われたんだけど」クイクイ
一方通行「行って来ればァ?」ゴロゴロ
番外個体「いいの?ミサカいないと寂しくて死んじゃうんじゃない?ぎゃは」
一方通行「まったく問題ありませェン」
番外個体「つっまんないのー、お土産買ってきてあげるよ」
一方通行「いらねェ」
番外個体「くけけっ、生クリームたっぷりのクレープでいいよね?」
一方通行「さっさと行けっつーのォ」ポイ
番外個体「」ベシャッ
一方通行「いってらっしゃァい」
番外個体「ムッカつく!」ダンダンダンッ
垣根「おーす、って番外個体は?」
一方通行「超電磁砲と買い物ォ」
垣根「ふーん」
一方通行「……」ダラーン
垣根「どうした?いつも以上に死んでるじゃねぇか」
一方通行「……番外個体を治せる頃には、妹達全員救えるンじゃねェかってなァ」
垣根「ああ、そうかもしれねぇな」
一方通行「お前こそアイテムのガキはどうなンだよ?」
垣根「順調だが……今のままだと限りがあるな、正直」
一方通行「ふゥン、さすがは原子崩しってとこかァ」
垣根「……必ず治してみせるけどな」
一方通行「罪悪感ですかァ?それとも義務感ですかァ?」
垣根「……両方だよクソッタレ」
一方通行「けっ……」ゴロン
ガチャ……バタン
海原「一方通行、来ましたよ」
一方通行「おォ、運がいいな……今日はちょっと機嫌がいいンだ」ダラダラ
海原「そうなんですか?」
一方通行「あァ、自分を客観的に見れたからなァ」
海原「?」
一方通行「なンでもねェ、そこに横になれ」
海原「は、はい……お願いします」
一方通行「12連ベクトルマッサージコースでいいンだよなァ?
海原「ええ、よろしくお願いしますね」
一方通行「お逝きなさァい」モミモミモミモミッ
海原「んっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
一方通行「くかっ……くかきけこかかきくけきききこくけきこきかかかーーー!!」ギュッギュッ
海原「あぁぁぁぁぁぁすてかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
美琴「打ち止めも来ればよかったのに」
番外個体「まぁお土産買うからいいでしょ」
美琴「あ、コレ可愛くない?」ホラ
番外個体「えー、ミサカそんな子供趣味ないよ?」
美琴「何おう!?失礼な妹ね、全く」
番外個体「ぎゃは、それよりミサカはこっちのがいいな」
美琴「猫?あんた猫好きなの?」
番外個体「うーん、そうかもしんない」
美琴「でもこの猫なんか珍しいわね、白くて目が赤い」
番外個体「でっしょー?ミサカ的にそこがポイントなんだよ!」
美琴「……なるほど、一方通行みたいね」
番外個体「は、はぁ!?なんでそこであの人の名前が出てくるの!?」
美琴「アンタは猫っぽいし……そっか、2人をイメージしたわけね?」ニヤニヤ
番外個体「ちっがーう!別にあの人は関係ないの!」
美琴「じゃ別にこれじゃなくてもよくない?」
番外個体「……イヤ、ミサカこれがいい」
美琴「……」ジー
番外個体「な、なんだよう」
美琴「乙女な妹も可愛いなーって?」ニヤニヤ
番外個体「うがー!お子様趣味なお姉さまには言われたくないし!」
美琴「はぁ!?アタシのどこがお子様だっていうの!?」
番外個体「くけけ、だってこんなカエルが好きだしー」
美琴「ぐっ……」
番外個体「それにー」ジー
美琴「ちょっと!ど、どこ見てんのよ!」バッ
番外個体「べっつにー?ミサカ何も言ってないにゃー」ニヤニヤ
美琴「むっきー!やっぱ可愛くないこの子!」
ガチャ、バタン……
打ち止め「おかえりーってミサカはミサカは番外個体に抱きついぶふぅっ!」モフッ
番外個体「飛び込み禁止って言わなかったですかァ?」
打ち止め「あの人の真似しないでってミサカはミサカは番外個体に憤慨してみたり」
番外個体「ぎゃはは、ゴメンね、はいお土産」ポイ
打ち止め「わー、可愛いヘアピンだ!これって番外個体が選んでくれたの?」
番外個体「お姉さまと2人で選んだよ?ミサカにそんな可愛い趣味ないし」
打ち止め「そっかー、ありがとねってミサカはミサカは素直にお礼を言ってみる」
黄泉川「おかえり、ちょうどご飯できたじゃんよ」
番外個体「わーい、ごっはん、ごっはん!」
打ち止め「もー、手を洗わなきゃダメ!ってミサカはミサカは番外個体を連れて洗面所に向かってみたり」
番外個体「うわわ、離せーーー!」ズルズル
黄泉川「手洗ったのかー?」
打ち止め「うん、バッチリだよ!」
番外個体「今日は鍋なんだね、お肉もーらいっ」ヒョイッ
打ち止め「コラ、いただきます言わなきゃダメでしょ!ってミサカはミサカは番外個体を叱ってみる」
黄泉川「あっはは、見た目は妹の癖にしっかりしてるじゃん」
番外個体「うー、口うるさいなー」モキュモキュ
打ち止め「妹を躾けるのも姉の仕事ですってミサカはミサカは胸を張ってみたり」
番外個体「張るだけないじゃん、くけけけ」
打ち止め「むっきー!それは言っちゃダメなんだよ!!」
番外個体「へへーんだ」
芳川「ふふ……」クス
数日後―――。
削板「なぁ、もうちょっと強くできないか?」
番外個体「え?これ以上強くしたらちょっとマズいよ?」
削板「構わん、このままだと温いからな」
番外個体「……わかったよ、後悔しないでね?」
バリバリバリッ!
削板「なぁ、もうちょっと強くできないか?」
番外個体「え!?」
削板「あんまり凝りが取れてる気がしないんだが」
番外個体「ちょ、ちょっと待っててね」
削板「ああ、わかった」
番外個体「ねぇ、あっちのお客さんが全然凝り取れないんだけど」
一方通行「あン?」ゴロゴロ
番外個体「ミサカが結構強くやってもケロッとしてるしさ、ちょっと見てくれない?」
一方通行「めンどくせェなァ」ダラーン
削板「おう、選手交代か?」
一方通行「ちょっと具合見させてもらいますねェ」ギュッギュッ
一方通行「!」
番外個体「ど、どう?」
一方通行「……垣根呼んで来い」
番外個体「わ、わかった!」テテッ
一方通行「お客さン、この凝りによく耐えてましたねェ」
削板「ははは、根性があればなんとかなる!」
垣根「どうした?」
一方通行「お前、『連揉み』は何手までできンだ?」ヒソヒソ
番外個体「何その気持ち悪い専門用語」
垣根「連揉みか……最高のコンディションでで65手ってところだな」ヒソヒソ
一方通行「ちなみに今の体力だと?」ヒソヒソ
垣根「……半分以下だな」ヒソヒソ
一方通行「ちっ、俺がやるかァ」
一方通行「番外個体、頼みがあンだが」
番外個体「な、なに?」
一方通行「今日の営業終わったら俺を家まで運んでくれねェか?」
番外個体「なんならお姫様抱っこで運んであげるようか?」
一方通行「……頼む」スタスタ
番外個体「あ、ちょ……」
番外個体「なんだっていうの?」
番外個体「ねぇ、連揉みって何?」
垣根「……整体技の1つだな」
垣根「俺とアイツは『ベクトルほぐし』と『未元物質のひと揉み』っていう整体奥義を持ってる」
垣根「その2つは、いわゆる万能型なんだ」
番外個体「万能型?」
垣根「ああ、ありとあらゆる症状にオールマイティに対応できるマッサージだ」
番外個体「それで、連揉みってのは?」
垣根「連揉みは、『凝りをほぐす』事だけに特化したマッサージなんだよ」
垣根「ほぐし力だけ見れば、全技の中で2位」
番外個体「?」
垣根「体力の続く限り揉み続ける整体術なんだ」
垣根「だから、体力を使い切ってしまうというデメリットがある」
番外個体「そっか、だからさっき……」
垣根「俺は午前の営業で半分しか体力が残ってねぇ」
垣根「それじゃあの客の凝りはほぐせねぇって判断したんだろ」
番外個体「な、なるほど……」
垣根「しっかし、アイツの連揉みをフルに受けなきゃ取れない凝りって相当だな……」ウーン
垣根「ま、アイツはほぐし師を始めてから連揉みを会得した天才だ」
垣根「安心しろ、大丈夫だろ」
番外個体「っていうかそのネーミングなんとかならないの?」
垣根「えっ?」
番外個体「連揉みとか、ベクトルほぐしとか未元物質のひと揉みとか」
垣根「い、いいセンスじゃねぇか」
番外個体「はっきり言ってミサカはダサすぎると思うよ?」
垣根「」
一方通行「お待たせしましたァ」
削板「おお、よろしく頼む」
一方通行「……本当にいいンですねェ?」
削板「ああ、愛と根性で受け止める!」
一方通行「じゃあ、始めまァす」カチッ
一方通行「……」コォォォォ
一方通行「……行くぜ」
一方通行「正拳揉み、裏揉み、鉤揉み、後ろ回し揉みィ!」モミモミモミモミモミモミッ
削板「うぐっ……んむぅぅぅぅぅぅぅん!!」
一方通行「虎爪揉み、下段揉み、肘揉み、上段回し揉み、背揉みィ!」モミモミモミモミモミッ
削板「ぬぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉっ!なんだこれはぁぁぁぁぁ!?」
一方通行「まだまだァァァァァ!!」モミモミモミモミモミモミモミモミッ
削板「」
番外個体「ほら、着いたよ?」
一方通行「おォ、悪ィな」グデーン
番外個体「全く、本当に体力使い切るなんて……モヤシのくせに、ぎゃは」
一方通行「はン、お前の憎まれ口なンざ痛くも痒くもねェ」ゴローン
番外個体「……ね、ミサカ今日泊まってっていい?」
一方通行「あァ?」
番外個体「これから帰るのめんどくさいんだよー」
一方通行「別にいいけどよォ」グデー
番外個体「あ、泊まるって言っても手は出しちゃダメだよ?ぎゃはは☆」
一方通行「出すだけ体力ありませェン」
番外個体「ふん、どーせ体力あっても関係ないよ、だってアナタへたれだし」
一方通行「疲れたァ」グデー
一方通行「腹減ったンですけどォ」
番外個体「ファミレスでも行く?」
一方通行「めンどくせェ」ゴロンゴロン
番外個体「じゃあミサカが作ってあげようか?なんてね」
一方通行「一応道具だけは揃ってるからよろしくゥ」
番外個体「え!?本当にミサカが作るの!?」
一方通行「えっ?」
番外個体「……ミサカ料理できないもん」
一方通行「食えればいい、出かけるのだりィし」ダラーン
番外個体「くけけ、じゃすっごくマズいの作って殺してあげるよ」
一方通行「期待してますゥ」
番外個体「……うぅ、ピンチだー」トテトテ
番外個体「MNWから情報をゲットしてもいいけど……ダメだ」
番外個体「ここはミサカ完全手作りでびっくりさせてやろう、ぎゃはは☆」
番外個体「卵はどうしよう?」
番外個体「……」ウーン
番外個体「電子レンジ?」ポイッ
ウィーン……
番外個体「……」ジー
ボフンッ!!
番外個体「」ビクッ
一方通行「明日ダスキンでも呼ぶかァ」グデーン
番外個体「ち、違う……卵は必要ない、うん」
番外個体「……なんで自炊しないのに材料まであるんだろう?」
番外個体「次はー、野菜を切るよ」シャキン
サクッサクッ
番外個体「うんうん、皮とか芯に栄養あるって聞いた事あるし」
番外個体「次はコレを茹でます」ハイ
グツグツ……
番外個体「味付けってどうするの?」
番外個体「醤油とか、味噌とかだよね」
ドバドバドバッ
番外個体「よしよし、いい感じだ」ウン
番外個体「あれ?なんか泡出てきたけど……」
デロデローン
一方通行「……」エー
番外個体「し、失敗はしてないよ!ミサカはアナタを殺す為に作ったんだから!」
一方通行「いただきまァす」ヒョイ
番外個体「あっ……」
一方通行「マズい、やっべェ」ゲロゲロー
番外個体「う……そ、そうなるように作ったんだから当たり前じゃん!」
一方通行「うン、うン」ガツガツ
番外個体「へ?」
一方通行「くっそマズい、なンですかこりゃァ?」モグモグ
番外個体「……ふんっ」プイ
一方通行「おら、お前も食ってみろ」ヒョイ
番外個体「……」アーン
一方通行「どうですかァ?」
番外個体「……」モグモグ
番外個体「ぷっ……マズいね、なんだこりゃ」
一方通行「クカカッ、どうしたらこンなまじィのできンだよ」パクパク
番外個体「うひゃひゃ、おっかしーね、ここまでマズいとさ」モグモグ
一方通行「料理できねェとこの先生きていけねェぞ?」モグモグ
番外個体「ふんだ、ミサカにはこの先なんてありませーん」パクパク
一方通行「……」モグモグ
番外個体「……」ハグハグ
一方通行「まっじィ」
番外個体「そうだね」
番外個体「ミサカどこで寝ればいい?」
一方通行「そこらへン」ゴロゴロ
番外個体「普通女の子にベッド譲るものじゃないの?」
一方通行「はン、なァに言ってやがりますかァ」
番外個体「……とう!」モフンッ
一方通行「狭ェ」
番外個体「いいじゃん、ミサカも硬い所で寝たくないし」
一方通行「好きにすればァ?」
番外個体「好きにしますよーだ、ぎゃは☆」
一方通行「もォ眠ィンですけどォ」
番外個体「もう寝るの?」
一方通行「体力使い切ったって言ったろォが」
番外個体「体力ないなー、彼女できた時苦労するよ?」
一方通行「ほっとけェ」
番外個体「……」
一方通行「……」
番外個体「……ねね、もうちょっとお喋りしようよ」
一方通行「……」zzz
番外個体「死ね!このモヤシ!!」
一方通行「……」zzz
番外個体「……」
一方通行「……」zzz
番外個体「……嘘、勝手に死んだらミサカが許さないからね」
番外個体(……頭痛いなぁ)ズキン
次の日―――。
番外個体(うぅー、身体ダルい……)
一方通行「店開けるぞォ」グデー
番外個体(このポンコツめ……)
一方通行「あン?どうした?」
番外個体「え!?な、なんでもない!」
一方通行「ならシャッター開けて来い」
番外個体「ミサカをパシリに使うなんていい度胸してるじゃない」
一方通行「朝一で予約入ってンだ、早くしろォ」
番外個体「はいはーい、わっかりましたー」
番外個体「まったく、モヤシめ」ブツブツ
番外個体「……」
番外個体(……まだ、頑張れるよね?)
ガチャ
一方通行「ようこそほぐし屋さンへ」
一方通行「……あァ?お前らかァ」ダラーン
土御門「海原から聞いて来たぜよ」
結標「すごい気持ちいいって言ってたから」
一方通行「それは否定しませンがねェ」
土御門「じゃ暗部生活の疲れを癒してもらおうかにゃー」
結標「ねぇ、私あなたに身体触られたくないんだけど?」
一方通行「なら電気コースにしとけェ」ゴロゴロ
結標「ああ、噂のクローンね」
一方通行「どうしても俺とか垣根に触られたくないっていうなr」
土御門「ちょっと待て、今なんて言った?」
一方通行「『……あン?お前らかァ』ダラーン」
結標「戻りすぎよ!バカか!!」
土御門「……気のせいか垣根って聞こえた気がするが」
一方通行「気のせいじゃなくねェ?それ」
結標「なんで飄々としてんのよ!垣根ってあの第二位の未元物質!?」
垣根「そうじゃねぇ?」
土御門「なんでそんな奴が……」
一方通行「だってアイツほぐし師だし」
結標「ってちょっと待って!いるわよ!!」ソコニ!!
土御門「え?」
垣根「かきねていとくです!好きなたべものはマンゴスチンです!」ハイッ
土御門「」
結標「」
一方通行「あン?」ゴロゴロ
垣根「あれ?」
土御門「」
結標「」
一方通行「マンゴスチンってのがダメだったンじゃねェ?」
垣根「そうなのか?マンゴスチンアレルギーとか?」
結標「マンゴスチンアレルギーってなに!?」
一方通行「マンゴスチンはガムでしか食った事ねェ」ハイ
垣根「アレうまいよな、うん」ウン
土御門「……頭痛がしてきたぜい」
垣根「頭痛治療コースにするか?」
結標「えー……こんな人だったの、第二位って……」
一方通行「ねみィ」ゴロゴロ
土御門「……で、何で一緒にいるんだ?」
一方通行「ほぐし屋さンだもン」ネー
垣根「そうだな」ネー
結標「仲良しか!あんた達仲悪かったじゃないの!!」
土御門「そうだ、殺しあった仲じゃねぇか」
垣根「そんな凝りはとっくにほぐしてやったぜ」フフン
結標「うまくないから!何得意げな顔してんのよ!!」
一方通行「じゃ結標は電気コース、垣根案内してェ」
垣根「1名様ご案内でーす」スタスタ
結標「ちょ、放せ!話を聞かせてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ズルズル
土御門「……」
一方通行「お前、気まぐれベクトルコースでいい?」
土御門「もうなんでもいいぜよ……」
垣根「こちらでーす」ポイッ
結標「」ベシャ
結標「もう……なんなの一体」ブツブツ
番外個体「あ、お客さんだね、ここに荷物置いてね」
結標(……私は本当にこの遺伝子に縁があるわね)
番外個体「?どうしたの?」
結標「ううん、なんでもないわ」
番外個体「じゃうつ伏せになってね」
結標「……はいはい」
番外個体「ねね、その格好寒くないの?」
結標「寒さでファッションは語れないわよ」
番外個体(ファッション的にもどうかと思うけど……)
番外個体「あの人と仕事仲間だって聞いたけど」
結標「うん、暗部の一員よ」
番外個体「苦労しない?」
結標「……そりゃあもう」
番外個体「くけけ、じゃ今日はミサカが腕を振るって日頃の疲れを癒してあげるよ」
結標「アナタって……」ホロリ
結標「はぁぁぁぁぁぁぁん……気持ちいいぃぃぃぃぃぃ」ホワーン
番外個体「そう?よかったね」ピリピリ
結標「うっほほぉぉぉぉぉい……これはヤバいぃぃぃ」ハワーン
土御門「最近肩が重いんだにゃー」
一方通行「じゃ肩を重点的にやってやる」ヨォシ
土御門「頼むにゃー」
一方通行「アクセラマッサージ・壱式ィ!」グィィィ
土御門「うぉ!?」
一方通行「弐式ィ!」ギュゥゥゥゥ
土御門「おわぁぁぁぁぁ……」
一方通行「参式ィ!!!」ギュッギュッ
土御門「これは……気持ちぃぃぃにゃぁぁぁぁぁぁ……」
一方通行「どうですかァ?」ギュッギュッ
土御門「すごいぜよ、気持ちよ過ぎるぜよ!」
一方通行「零式ィ!!!!」ギュグゥゥゥィィィィ
土御門「や、やめろ!そ、それ以上はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
土御門「」ホクホク
土御門「気持ちよかったぜい……」ツヤツヤ
結標「ええ、これはハマるわね」テカテカ
一方通行「そりゃよござンしたァ」ダラーン
土御門「また来るにゃー」
結標「またお願いね!」
垣根「来週も絶対来てくれよなっ☆」
番外個体「なんか次回予告みたいだね」
一方通行「あじゃっしたァー」ペコ
土御門「ヤバかったにゃー」スタスタ
結標「本当、びっくりした」テクテク
土御門「次から仕事終わったら行くか?」
結標「あ、それ賛成」ハイ
数時間後……
一方通行「よし、今日はこれで終わりなァ」
垣根「お先ー」スタスタ
番外個体「あ、ねぇ」
一方通行「あン?」
番外個体「今日ね、アナタを連れてくるように言われたんだけど……」
一方通行「どうしてですかァ?」
番外個体「みんなでご飯食べるんだって」
一方通行「ふゥン……めんどくせェ」ダラーン
番外個体「ほらほら、しっかり歩かなきゃミサカがお姫さま抱っこしちゃうよ?ぎゃは、超キモい」
一方通行「うるせェなァ……行くかァ」スタスタ
番外個体「あ、ちょっと待ってよ!」テテッ
打ち止め「おかえりーってミサカはミサカは久しぶりのアナタに抱きつぶふぅっ」モフッ
一方通行「はいお疲れ様でェす」
打ち止め「ひどいよ!せっかくのスキンシップを!」
黄泉川「おお、おかえりじゃん」
芳川「おかえりなさい」
番外個体「た、ただいま……」
一方通行「打ち止め、後でちょっと話がある」ヒソヒソ
打ち止め「え?まさかの告はk」ムギュッ
一方通行「さァて、うがい手洗い行きますよォ」スタスタ
番外個体「あ、自分で歩けるってば!オイコラ!離せーーー!」
打ち止め「あぅ……」サスサス
芳川「とりあえず、問題なさそうね」ウン
黄泉川「ああ、元気でやってるじゃんよ」ネー
一方通行「手洗ったら疲れたァ」ゴローン
芳川「……いきなり横になる?普通」
黄泉川「コイツに常識は通用しないじゃんよ、打ち止めと番外個体、皿運んでくれー」
打ち止め「はーいってミサカはミサカは進んでお手伝いする!」テテテッ
番外個体「もう、めんどくさいなぁ」トテトテ
芳川「「ふふ、口では言いながらも素直なのね」
一方通行「こっちもうまくいってるみてェだなァ」ゴロゴロ
芳川「ええ、打ち止めと姉妹のように過ごしてるわよ?」
一方通行「訂正しろォ、姉妹だ」
芳川「……そうだったわね」
一方通行「どっちが姉やってンだァ?」
芳川「正直半々ってところかしら」
芳川「打ち止めの方が生活に関する知識はあるし、番外個体は打ち止めの知らない事を知ってる」
芳川「打ち止めがお姉さんぶってる所は本当に微笑ましいわよ?」
一方通行「ふゥン」ゴロンゴロン
一方通行「まァなンにせよ、2人にとっていい方向に進ンでるならそれでいい」
芳川「ふふ、いよいよ保護者って感じが出てきたわね」
一方通行「はン、うるせェよ」ゴロゴロ
黄泉川「できたじゃんよー」
芳川「あら、ずいぶんごちそうなのね今日は」
打ち止め「久しぶりにみんな揃ったからね!ってミサカはミサカはアナタに同意を求めt」チラッ
一方通行「……」zzz
打ち止め「」
番外個体「この人は本当に堕落しきってるね、ぎゃはは☆」
―――――。
一方通行「さァて、そろそろ帰るかなァ」ネムイ
打ち止め「ちょ、ちょっと待って!ってミサカはミサカはアナタを引き止めてみる!」
一方通行「なーンですかァ?」
打ち止め「いや、さっき話があるって……」
一方通行「……」ウーン
一方通行「おォ」ピコーン
打ち止め「大丈夫かなってミサカはミサカはこの人の将来を心配してみたり」
一方通行「番外個体の事なんだけどよォ」
打ち止め「どうしたの?」
一方通行「まだ負の感情って拾ってるのかァ?」
打ち止め「……うん、拾ってると思うよ?ってミサカはミサカは事実を述べてみる」
一方通行「最近丸くなったけどよォ、減ってンだろォ?」
打ち止め「確かにお姉様との和解から、少しずつ減ってきてるはずだけど……」
打ち止め「……でも」
一方通行「ン?」
打ち止め「身体の方は負担が凄いんじゃないかなってミサカはミサカは推測する」
一方通行「……そうなンだよなァ」
打ち止め「アナタを殺す、その為だけに製造された個体だからね」
打ち止め「今までは番外個体自身、自分の命を軽く見ていたけど……」
一方通行「最近になって変わってきたってかァ」
打ち止め「……ミサカは番外個体が心配」
一方通行「ちっ……」
打ち止め「なんとかしてあげられないかな?ってミサカはミサカはアナタを目をみて訴えてみる」
一方通行「なンとか……ねェ」
一方通行「丸くなったと思ったら……今度は身体がもちませンってかァ」
―――――。
一方通行「ベクトルほぐし、しかねェよな」スタスタ
一方通行「ったく……結局間に合わねェっつーのかよ」
一方通行(俺を殺す為だけに、都合のいいように作られた身体……かァ)
一方通行(リスクなンざこれっぽっちも考えてねェときたもンだ)
一方通行「このままじゃ……やべェな」
一方通行「……」
一方通行「めンどくせェとは言えねェなこりゃ」グデーン
番外個体「あー、頭痛いー」
番外個体「まったく、何でミサカがこんなに苦労しなくちゃいけないのかな」
番外個体(せっかく殺意剥き出しの軍用クローンを引退したのになー……)
番外個体「……」ゴロン
番外個体(いや、だからか)
番外個体(ミサカは幸せな生活は送っちゃダメって事だよね)
番外個体(所詮は使い捨てのゴミってか、ぎゃはは)
番外個体「……」ゴロン
番外個体(死ぬ為に作られたようなもんなのに、死にたくないだって)
番外個体「くけけ、笑っちゃうね」ガバッ
別の日―――。
木山「よろしく頼む」
一方通行「はいよォ」グィィ
一方通行「!」
木山「どうした?」
一方通行「お客さァン……凝りすぎだぜこりゃァ」
木山「最近忙しくてな」ウン
一方通行「ちょっと待ってろ、最高にほぐしてやっから」
垣根「なんだこの凝り具合!?」
一方通行「ここまでひでェと、俺ら2人でやるしかねェ」
木山(え、そんな酷いのか?)
垣根「……アレやるか?」
一方通行「……あァ」
番外個体「アレってなに?」
一方通行「連揉み・裏」
番外個体「……は?」
垣根「連揉みの強化バージョンだ」
一方通行「裏はそのほぐし力ゆえ、下手したら死ぬ」ハイ
木山「え?」
一方通行「死ぬ」ウン
垣根「ほぐしすぎてしまうからな……」フフン
番外個体「そんなのお客にやって大丈夫なの?」
一方通行「だから2人でやるンだよ」
垣根「1人が裏をかけて凝りをほぐすと同時に、もう1人が表をかけて客への負担をほぐす」
一方通行「俺らにしかできねェ荒業だァ」
番外個体「……なんでもいいよ、もうなんか」
垣根「寸分の狂いも許されねぇ……」
一方通行「どっちかがミスをしたらそれで終わりだァ」
木山「えっ」
一方通行「骨とかなンやかンや色々ほぐれてグッチャグチャになる」ウン
木山「……」ガタガタブルブル
垣根「安心しろ、俺らのシンクロ率は400%超えてるんだ」
番外個体「それってヤバくない?」
一方通行「……阿吽の呼吸を見せてやるぜェ」
垣根「ちょっと練習しようぜ」
一方通行「あ」
垣根「うん」
一方通行「よし、カウント頼んだ」ハイ
垣根「オッケー」ヨォシ
番外個体(……本当に大丈夫なの?)
一方通行「よし、行くぞ」
木山「……」ドキドキ
垣根「3・2・1」カッ!
一方通行「また君ィーをーほぐしてるゥー」モミモミモミッ
垣根「いままーでよーりもふーかく」モミモミモミッ
木山「うぐっ!ぬぉぉぉぉぉぉ!?」
一方通行「まだ君ィーをー」モミモミモミモミッ
垣根「ほぐしている……心からー…………………」モミモミモミモミッ
木山「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ホヘーン
木山「またよろしく頼む」テカテカ
一方通行「おォ、よろしくなァ」グデー
番外個体「……どっかで聞いた事ある気がする」
またまた次の日ーーー。
一方通行「ねみィー」ダラーン
一方通行「今日は久しぶりの休みなので、究極のダラクゼーションを開発しまァす」ウン
一方通行「まず寝返りからー」ワンツーワンツー
ピンポーン……バリバリ、ガチャ
番外個体「やっほう、遊びに来たよ」
一方通行「……」エー
番外個体「な、なんだよう」
一方通行「俺はダラクゼーションするンですゥ」ゴロゴロゴロ
番外個体「ダメダメ、今日はミサカに付き合ってもらうんだから」
一方通行「どうしてですかァ?」
番外個体「そりゃアナタを休ませない為の嫌がらせに決まってんじゃん」
一方通行「俺が求めてるのはツンデレーションじゃなくてダラクゼーションですゥ」ゴロンゴロン
番外個体「み、ミサカはツンデレじゃないもん!」
ーーーーーー。
一方通行「で、どうしてショッピングなンでしょう?」グダー
番外個体「だって上位個体とは頻繁に行ってたんでしょ?ミサカだって来たかったもん」
一方通行「へェ、俺とォ?」
番外個体「ぅ……そ、そうだけど?何かおかしい?」
一方通行「なァなァ、これ吸うと声変わるンだってよォ」ホラホラ
番外個体「もうヘリウム吸いすぎて死ねばいいのにね」
一方通行「服だァ?超電磁砲と買いに行ったンじゃねェのかよ」
番外個体「服は何着あってもいいの、女の子は!」
一方通行「女の子、ねェ」
番外個体「そ、そうだよ!ミサカだって女の子なんだから!」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「んにゅぅ……な、なんだよう」
一方通行「女の子女の子ォ」スタスタ
番外個体「……もう、なにさ!」テテテッ
番外個体「ねね、これ可愛いと思わない?」
一方通行「思わねェ」ダラーン
番外個体「即答かよ!っていうか見てから言ってよ!」
一方通行「だいたい着なきゃわかンねェだろうが」
番外個体「……じゃ試着してくるから」テテッ
一方通行「……」
一方通行「一人の女の子、ねェ」
一方通行「その通りだな、うン」ウン
シャッ
番外個体「どど、どう……かな?」
一方通行「やっべェ、このマネキン誰かに似てるゥ」ウーン
番外個体「やっぱり死ね!2、3回死んで来い!!」ダンダンッ
一方通行「おォ、似合うじゃねェか」ウン
番外個体「ほ、本当?変じゃない?」
一方通行「うン、におうにおう」
番外個体「に・あ・う!でしょ!!」
一方通行「それ、そンな感じ」ウン
番外個体「……はぁ、もういいよ」
一方通行「買わないのかァ?」
番外個体「アナタ適当なんだもん、いらない」ショボン
一方通行「はァ……」ヤレヤレ
一方通行「ったく、オラ」ヒョイ
番外個体「あっ……」
一方通行「似合ってましたよォ」スタスタ
番外個体「……当たり前でしょ!ミサカは何でも似合うの!」テテッ
番外個体「ね、ちょっとあそこ寄ってみてもいい?」
一方通行「あァ?アクセサリーなンか興味あンのかお前」
番外個体「そういうわけじゃないけどさ、キラキラしてるから」
一方通行「カラスかお前」
番外個体「ムカつくなその例え」
一方通行「……6つの金貨でいなかったっけか、カラスの敵ィ」グデー
番外個体「ブツブツうるさいなー、ほら行くよ」グイ
一方通行「えー」ズルズル
番外個体「うわ、綺麗なのいっぱい」
一方通行「目が痛ェ」シパシパ
番外個体「あ!」
一方通行「……ン?」
番外個体「わー……」ジー
一方通行「あン?」
番外個体「ねねね、ね、ねってば!」グイグイ
一方通行「なーンなーンですかァ?」ネミィ
番外個体「これ!このネックレス可愛くない?」
一方通行「猫?お前っぽいかもなァ」
番外個体「かーわいーいにゃーん……」キラキラ
一方通行「……」
番外個体「……」キラキラ
一方通行「欲しいのかァ?」
番外個体「うぇ!?い、別に欲しくない!」
一方通行「あそォ、じゃ行きますよォ」スタスタ
番外個体「ぁぅ……」ショボン
一方通行「……」スタスタ
番外個体「……」ショボボン
一方通行「なァ」
番外個体「……なに?」
一方通行「欲しいもンは欲しいって言った方がいいぞォ?」
番外個体「べ、別に……」
番外個体(お姉様と買い物行った時は言えたのになぁ……)
一方通行「クソガキみてェに、とまでは言わねェけどよ」
一方通行「もうちょっと願望に正直になれや」
番外個体「……」
一方通行「女の子、なンだろォ?」
番外個体「!」
番外個体「……ぃ」
一方通行「あァ?」
番外個体「欲しい……あの猫のネックレス、欲しぃ……ょ」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「わわっ!?」
一方通行「買いに行きますかァ」スタスタ
番外個体「い、いいの……?」
一方通行「お前が欲しいってンなら買ってやりますけどォ?」
番外個体「か、買って!ミサカあれがいい!!」
一方通行「おォ、いいぞォ」
番外個体「……今日はアナタの財布カラッカラにするからね!」
一方通行「残念でしたァ、カードなンですゥ」
番外個体「ふっふーんだ……」ニヘラ
とあるコーヒー屋さン―――。
番外個体「ブラックなんて美味しい?」
一方通行「このまろみ……そして、このまろみ……」ズズー
番外個体「ダメだこりゃ」
一方通行「お子様には早いですよォ」グデー
番外個体「お、お子様じゃないし!」
一方通行「じゃ飲ンでみろ」ズイ
番外個体「ぅ……」
番外個体「……」チョビ
番外個体「……うぇ」ニガイ
一方通行「クッカカ、ガキには早かったなァ」
番外個体「うっさい!!」
番外個体「今日もご飯つくりに行ってあげようか?」
一方通行「……」エー
番外個体「な、なにさ!失礼だねアナタ」
一方通行「大丈夫なンですかァ?」
番外個体「……うん、多分」
一方通行「へェ、じゃ頼むわァ」
番外個体「え!?……任せて!」ブンッ
一方通行(黄泉川から聞いてンだよ)
番外個体「なーに作ろっかなー」
一方通行(『最近番外個体が料理の本読み漁ってる』ってなァ……)
番外個体「ねね、何食べたい?」
一方通行「なンでもいい」
番外個体「ふん、張り合いないんだから」テクテク
一方通行(MNW使えば楽勝だろォが……バァカ)スタスタ
ーーーーーー。
一方通行「まっじィ」モグモグ
番外個体「うー……まさか塩と砂糖を間違えるなんて」チクショウ
一方通行「ベタすぎて逆に新鮮だなァ」モグモグ
番外個体(ちゃんと食べてくれるくせに……)
一方通行「素直じゃないンだから……アナタの方がよっぽどツンデレじゃンってか?」モキュモキュ
番外個体「な・ん・で!心が読めるのさ!!!」
一方通行「そりゃ俺の整体技の一つのおかげだなァ」モグモグ
番外個体「嘘だ!絶対嘘だ!!」
一方通行「脳をベクトル操作して、相手の思考を読み取れるように仕組むンだよ」モグモグ
番外個体「そ、そうなの?」
一方通行「まァ、結構負担掛かるから一般人にはできねェけどな」
番外個体「そうなんだ……」
一方通行「嘘ですの」モグモグ
番外個体「死ね!やっぱり今すぐ死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
番外個体「ただいまー」
黄泉川「おかえりじゃん、どうだった?料理は」
番外個体「くけけ、塩と砂糖をわざと間違ってあげたよ」
芳川「なるほど、失敗したわけね」
番外個体「……」ズーン
打ち止め「元気出して、次があるよ!ってミサカはミサカはニヤけながら妹の失敗を慰めてみたり」ニヤニヤ
番外個体「なにさ、ガキンチョめー!」
打ち止め「のわわ、ちょ、ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇ!!」
ドタドタ……
黄泉川「あっはは……元気、じゃん」
芳川「今のところ、ね」
黄泉川「番外個体……なんであの子なんじゃんよ」
芳川「……それは他の妹達にも言える事よ」
ボフンッ
番外個体「はー、今日は楽しかっ……」
番外個体「た、楽しかった、うん」ウン
番外個体「そうだよ、ミサカだって一人の女の子なんだよ」
ゴロンゴロン
番外個体「……猫、可愛いな」シャリ
番外個体「似合う、かな?」セッセセッセ
番外個体「……」ジャーン
番外個体「にっひひー」ボフンッ
次の日―――。
<ありがとうございましたー
一方通行「今日の予約は今ので終わりだよなァ?」ゴロゴロ
垣根「ああ、そうだな」
番外個体「暇だよーすることないよー」
一方通行「じゃ俺寝るゥ」ダラーン
垣根「いや、ダメだろそれ」
番外個体「でも、本当にすることないよ?」
一方通行「そうだなァ……垣根、凝ってそうな奴連れてこい」
垣根「何で俺が!」
番外個体「客連れてこれる男ってカッコイー!」ヒョーゥ
一方通行「客連れてこれる男ってスッテキィー」ヒューゥ
垣根「まぁな、うん」フフン
ていとくんの凝り探し―――。
垣根「……」テクテク
垣根「あ、アイツでよくねぇ?」
垣根「すいまっせーん」タタッ
青ピ「へ?僕ですか?」
垣根「ああ、お前凝ってそうな面してんな」
青ピ「なに言うてるんですか?」
垣根「整体興味ねぇか?」
青ピ「うーん、別に興味ないですわ」
カッ!
ズドォォォォォン!!
青ピ「」
垣根「整体興味ねぇか?」
青ピ「あ、ありますありますめっちゃあります!超肩凝ってたんですわ、うん!」
垣根「うんうん、そうだろうな」スタスタ
青ピ「不幸やーーーーーーーーー!!」ズルズル
番外個体「あ、本当に連れてきた!」
青ピ「おおう!?美女発見!」
番外個体「へ?ミサカの事?」
青ピ「猫目なお姉さんもええなー、ぜひお願いします!」キリッ
ガシッ
青ピ「へ?」
一方通行「ほぐし屋さンへようこそォ」スタスタ
垣根「あ、肩凝ってるらしいぞー」
青ピ「」ズルズル
垣根「次はお前な」
一方通行「なンで」ダラー
垣根「強引はお前の得意技だろ、行って来い」
一方通行「引っ張ってくる活力がねェ」
番外個体「……もう、ビラ配りでいいから」
一方通行「……」エー
垣根「えー、じゃねぇよ」
番外個体「いってらっしゃーい」
一方通行「ンだよ……だりィ」スタスタ
ガチャ、バタン……
垣根「……」ウーン
番外個体「どうしたの?」
垣根「……アイツが客引き=誰かの登場フラグになってる気がする」ズバリ
番外個体「は?」
垣根「いや、こっちの話」
一方通行のビラ配り―――。
ジャッジメント支部―――。
<1・2・3-……
黒子「えっ?」
バターーーーーン!!
一方通行「だァー!」トウッ
黒子「げふぅっ!」
ゴロゴロゴロゴロッ
固法「し、白井さん!?」
ガッシャァァァァァァァァァァァァン!!
一方通行「ほぐし屋さンですの!」ババーン
固法「」ヒィッ
初春「」デタァ
黒子「いったたたた……またアナタですの!?」サスサス
一方通行「あ、ほぐし屋さンでェす」ペコ
固法「え?チラシ?あ、ああ……どうも」
黒子「人をすっ飛ばしておいて放置するなんてどういう了見ですの!?」
一方通行「パソコンとかで肩凝ったら、ぜひ来てくださいねェ」
固法「ああ、は、はい……ありがとうございます」
黒子「聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
一方通行「うるっせェ!仕事の邪魔すンなら帰れ!!」プンスカ
黒子「……」エー
初春「」
一方通行「おォ、お前もいつでも歓迎するからなァ」ウン
初春「え?ええ、ありがとうございます」
黒子「私に!なんの恨みがあってtの狼藉ですの!?」
一方通行「なンでここではパンダなんて飼ってるンですかァ?」
固法「ぱ、パンダ?」
一方通行「白黒でパンダですの!」ハイ
固法「パンダ……くく、ぷっ……」
一方通行「パンダさンは動物園へお帰りくださァい」ポイ
黒子「」ベシャッ
一方通行「この中国産がァ!!」プンスカ
バターーーーン!!
一方通行「あァ、どこまで話しましたっけェ?」
固法「し、白井さんが……ぱっ、パンダって……」プププ
一方通行「そうでしたねェ、中国産はちょっと信用できないですよねェ、餃子的に」アハハハ
初春「……支部が乗っ取られましたなう」カタカタ
黒子「うぇ……ヒッグ……」グスン
黒子「いつか……必ずリベンジしてみせますの!!……グス」チクショウ
番外個体癒しのひと時――――。
番外個体「……」
番外個体「さっきから声かけるだけで逃げられちゃうんですけど」
番外個体「ミサカそんなに目つき悪いかなぁ?」
<ニャーン
番外個体「あれ、猫だ!」タタッ
<ニャ、ニャーン……
番外個体「あ、そっか、電磁波のせいで怖がられるんだった」
番外個体「ゴメンよ、近づかないからね」
<ニャーン
番外個体「……」ジー
番外個体「……」ニヘラ
数日後―――。
番外個体「はぁっ、はぁっ……うぅー」
一方通行「あン?どうしたァ?」ゴロゴロ
番外個体「頭痛ひどいんだよ、最近」ズキズキ
一方通行「……」ウーン
番外個体「ね、悪いけど病院行ってきていいかな?」ズキズキ
一方通行「連れてってやる」
番外個体「ううん、大丈夫……」フラフラ
一方通行「ちっ……無理してンじゃねェよ」
番外個体「余裕、余裕……くけけ」フラフラ
一方通行「……俺も後で行くからなァ」
一方通行(クソ、間に合わねェか)
一方通行(今の俺じゃまだ無理だよなァ……)
一方通行「っざけンな、やってやろォじゃねェか」スクッ
ガチャ、バタン……
垣根「あれ、番外個体どうした?」
一方通行「……」
垣根「……限界か?」
一方通行「わかンねェが……限界は近いはずだ」
垣根「そうか……どうすんだ?」
一方通行「やるしかねェだろうが」
垣根「無理だろ……今の俺たちじゃよ」
一方通行「うるせェ!無理だろうがやらなきゃなンねェンだよ!!」
バタンッ!
垣根「ちっ、先走りやがって……」
垣根「……今日は臨時休業だよクソッタレ」
番外個体「はぁっ……ね、ミサカの身体……どうなの?」
冥土帰し「……」
番外個体「いいよ、正直に言っちゃってさ……」
冥土帰し「……このままじゃもたないね」
番外個体「そっか……はぁっ、最近調子悪いと思った、ら」
<ガチャ、バタン!!
番外個体「誰か……来たみたい、だね」
冥土帰し「ちょっと待っててくれるかい?」スタスタ
番外個体「待ったって……どうしようもないって、うけけ」
番外個体「はぁっ……この、ポンコツ……め」
番外個体(まったく……使えない身体だね、ぎゃは、は)
一方通行「アイツはどうなンだ?」
冥土帰し「……限界が近いようだね」
一方通行「調整で補えないのか?」
冥土帰し「ここまで来たら……もう調整じゃどうしようもない」
一方通行「……俺がなンとかする」
冥土帰し「君がかい?」
一方通行「俺の能力で治せねェものはねェ」
冥土帰し「……」
一方通行「俺しかできねェンだ」
冥土帰し「無理はしちゃダメだ、今の君には限界はある」
一方通行「はっ、今無理しねェでいつするンだよ」スタスタ
バタン……
冥土帰し「ふむ、あの子を救った時とは違うんだがね……」
バタンッ!
番外個体「はぁっ……あれ……仕事は?」ズキズキ
一方通行「そンなもンどうでもいい」
番外個体「はは、潰れても……はぁっ、知らない、よ」
一方通行「俺も知らねェ」
番外個体「頭がさ……割れ、るように……痛いんだよね」
一方通行「てめェの身体が限界だって言ってンだろォな」
番外個体「くけ、け……はぁっ……早い、ね……限界来る、の……」
番外個体「ヤダよ……せっかく、楽しくなっ、てきたのに……」
一方通行「俺がで治してやる」
番外個体「はぁ?……そんなの、無理に……決まってるじゃん……」
一方通行「黙ってろバァカ」スッ
一方通行「ベクトルほぐしに不可能はねェンだ」
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行「……」ギュッ
一方通行「ちっ、ナメンなよクソッタレがァ……」ギリギリ
番外個体「あっは……は、ミサカ、その……表情、トラウマなんだけど……な」
一方通行(打ち止めを救えたンだ、コイツも救えねェわけがねェ)
番外個体「うぐ……はぁっ……」
一方通行「てめェのポンコツな部分なンざ俺がほぐしてやる」
番外個体「無理、だっ……てば、無理に能力使い過ぎたら、アナタの頭……パンクしちゃう、よ」
一方通行「……」
番外個体「ぎゃ、は……無視ですかー……?」
一方通行「……」ズキズキ
一方通行(頭が重てェ……)
一方通行(けっ……こンなンじゃ俺は殺されねェぞォ?)
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行(俺を殺せる権利はあの世の妹達しかねェンだよ……)ズキズキ
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行(ちっくしょ、やっぱ今の実力じゃダメだっつーのかよ……)
一方通行「っざけンなコラ!」ズキズキ
ガララッ
冥土帰し「宜しく頼むね」
垣根「おお、任せとけ」
一方通行「あン?」ズキズキ
垣根「1人で先走ってんじゃねぇよ、早漏野郎」
番外個体「第二位……?アナタ……までなに、してるの?」
垣根「未元物質のひと揉み」
一方通行「あァ?」ズキズキ
垣根「てめぇ1人で無理なら俺が手を貸してやるよ」
一方通行「はァ?」
垣根「第二位の実力をナメんなよ?」
番外個体「バ、カ……?この人みたいな事を、アナタもやる、って……事?」
垣根「そうだ」
番外個体「笑えるね……無理、だよ……」
垣根「言っただろうが、ほぐし師としての経験はコイツより上だ」
垣根「俺に常識は通用しねぇ」
一方通行「は、言ってろ三下ァ……」ズキズキ
垣根「俺は俺でやる、てめぇはベクトルほぐしに集中してろ」
一方通行「わかってンだよボケェ」ズキズキ
番外個体「2人とも……脳に無理させすぎ、たら……死んじゃう、よ?」
一方通行「知るか」
垣根「知らねぇな」
垣根「……ぐっ」ズキンッ
一方通行「はン、今更後悔しても遅ェぞ三下がァ」
垣根「誰が……こんなの屁でもねぇよ」ズキン
一方通行「奇遇だなァ、それだけは同意すンぜ」ズキズキ
番外個体「ば、っかじゃ、ない?……ぎゃは、は……」
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行「クソ……」
一方通行(視力回復までできたンだ、出来るだろォがよ!やれよ!!)
一方通行(なンで良くならねェンだっての……ちくしょうがァ)
番外個体「はっ……あうっ……」
垣根「おいおい、このままじゃやべぇんじゃねぇの!?」ズキン
一方通行「わかってンだよクソが!黙ってろォ!」ズキズキ
一方通行(……わかってンだよ!)
番外個体「はぁっ……うぐっ」
一方通行(怨まれすぎだろ、俺ってよォ……クカカッ)ズキズキ
エイワス「さて、お膳立ては整ったようだ」
エイワス「あとは……如何に飲み込まれないか、だね」
エイワス「反射もベクトル操作もただのおまけに過ぎない……君の能力の本質は別にある」
エイワス「本来人間の力なんて大した事はないのさ」
エイワス「が……君は既に人智を超えた存在なんだ」
エイワス「限界なんて自分で決めるものじゃないよ」
エイワス「……着地点はまだまだ先だ」
エイワス「ふふふ……さぁ、どうなるかな?」
一方通行「はァっ……はァっ……」ズキズキ
垣根「お前大丈夫か?」
一方通行「うるせェ、人の心配してる場合……かよ」
番外個体「無理だって……アナタ、すごい汗……」
垣根「暴走したら元も子もねぇだろうが!」
一方通行「うるっせェンだよ!!」
一方通行「うぐっ……」ズキンッ
垣根「……おい、どうした?」
一方通行「クソ……」ビキッ
番外個体「このままじゃ、アナタも死ぬって、ば……」
一方通行「ぐァ……」ビキビキッ
バサッ!
番外個体「うけ、け……ミサカはその翼も、トラウマだ……ってのに」
垣根「ちっ!結局暴走してんじゃねぇか!!」
一方通行「ぐゥ……うァァァ!!」
垣根「クソッタレが!おい!!」
一方通行「うァァ……ぐゥゥ……!!」
垣根「おい!しっかりしろって!!!」
番外個体「その翼で、はぁっ……引導渡されるなら……」
番外個体「ミサカはいい、かな?……ぎゃはっ……」
一方通行「うぐっ……はァ、はァ……」
番外個体「けっ……きょく、その翼に……負ける運命だったから、さ……」
一方通行「うァァァァァァァァァ!!」ズキズキ
一方通行「ぐゥ……っ!」ズキンッ
垣根「おい!」
一方通行「うぐ……あァァァァ……」ズキズキズキ
垣根「お、おいって!しっかりしろよ!!」
一方通行「mvbaoeajgapojwァァァァっ!!」バサッ
垣根「!?」
一方通行「はァ……はァ……」
番外個体「なに、それ?天使にでも……な、ったつもり?ぎゃは、は」
垣根「おいおい!メルヘンってレベルじゃねぇぞ!?」
一方通行「……っざけてンじゃねェぞクソがァ!!」
一方通行「なーにが『生きられない身体』ですかァ!?」
一方通行「そンなくっだらねェ呪いぜンっぶほぐしてやるよコラァァァァァァ!!」
垣根「なんだよ……このノイズはよ!」ズキズキ
垣根「がっ……」ズキンッ
垣根「ちっ、俺はもう無理か……」ズキズキ
番外個体「うぁ……はぁっ、はぁっ……」
一方通行「俺を誰だと思ってやがる!学園都市最強の第一位!!」
番外個体「うぅ……うぁぁぁぁっ……」
一方通行「ほぐし屋さン、一方通行だァ!!」
一方通行「俺に治せねェもンはねェンだよクソッタレェェェェェェェ!!!」
カッ!
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
番外個体「はぁっ…………」
番外個体「……はぁっ……あ、あれ?」
一方通行「はン……楽勝だっつーのォ」
番外個体「あれ……嘘……?本当に……?」
一方通行「どうだよ、気分はよ……」
番外個体「頭痛が、止まった、よ……?」
番外個体「え、な、なんで?」
一方通行「はン、言っただろォが」
一方通行「ベクトルほぐしに不可能は、ねェ」フラッ
番外個体「ちょ、ちょっと!?」
垣根「おい!ちっ、しっかりしろ!!」
一方通行「身体動かねェよ……クソッタレがァ」グデーン
番外個体「まったく、無茶するねアナタは」
一方通行「無茶じゃねェし、余裕だしィ」ダラーン
番外個体「連揉みっての使った時みたいになってるよ?」
一方通行「あれはただ体力使い切るだけだァ」
番外個体「今回のは?」
一方通行「身体が全く動きませン」
番外個体「バッカじゃない?本当……バカだね、アナタって」
一方通行「……番外個体」
番外個体「……なに?」
一方通行「……」
番外個体「……」ドキドキ
一方通行「ベッドとかに横にしてほしいなァって」
番外個体「あーそうですか!ほらほらほらー!!」ポイッ
一方通行「おォう」モフッ
番外個体「……ふん!」
冥土帰し「……しかし、なんて説明したらいいんだろうね」
一方通行「いらねェよ、整体が奇跡を起こしたで充分ですゥ」
冥土帰し「そうだね、そういうことにしておこうか」
一方通行「番外個体は?」
冥土帰し「恐らくだけど……あとは調整で補える範疇だね」
一方通行「ふゥン……まァ、俺がこれから調整を必要としない身体にしてやる」
冥土帰し「……確かに今の君なら可能かもしれないね」
冥土帰し「あ、ちなみに君はしばらく入院だよ?」
一方通行「……」エー
冥土帰し「無理をして生きてるのが不思議なくらいなんだ、大人しくベッドで寝てなさい」
一方通行「あ、そうしますゥ」ゴロゴロ
冥土帰し「……やれやれ」
一方通行「……」zzz
垣根「けっ、死んだように寝てやがんな」
番外個体「ねね、さっきのあの人ってさ……」
垣根「……ああ」
番外個体「レベル6ってやつになったの?」
垣根「さぁ、それはわかんねぇが」
垣根「でも……そうかもしれないな」
番外個体「……天使とか似合わないっての」
垣根「それは同意するぜ、コイツの方がよっぽどメルヘンだ」
番外個体「……アナタにも感謝するよ」
垣根「いらねぇよバカ」
番外個体「どうしてこうレベル5の人って素直じゃないのかなー」
垣根「はっ、お前に言われたくねぇな」
垣根「じゃ俺も帰って寝るわ」
番外個体「……ありがとね」
垣根「ん」スタスタ
一方通行「……」zzz
番外個体「ね、アナタはどうしてここまでしてくれたの?」
番外個体「罪悪感?義務感?それともただの同情?」
一方通行「……」zzz
番外個体「……そうじゃなかったらミサカは嬉しい、かな?」
一方通行「……」zzz
番外個体「ぎゃは……ありがと」ギュッ
次の日―――。
打ち止め「無事で良かったーってミサカはミサカはアナタに飛びついてみる!」モフッ
一方通行「重てェ」
打ち止め「む、それはレディに対して失礼じゃないのかな!」
一方通行「あーそォ」ゴロン
打ち止め「……ありがとうね、ってミサカはミサカはお礼を述べてみたり」
一方通行「あン?」
打ち止め「番外個体を助けてくれて」
一方通行「あァ」
打ち止め「アナタがお店を開いたのは、番外個体を治す為だったの?」
一方通行「ちげェよ、それは関係ねェ」
打ち止め「本当かなー?ってミサカはミサカは疑いの眼差しを向けてみたり」
一方通行「本当ですしおすしィ」グデーン
打ち止め「でも……」
一方通行「いいじゃねェか、俺もアイツも無事だったンだから……それでよォ」
打ち止め「……そうだね!ってミサカはミサカは大人の対応を取ってみたり」
一方通行「……おォ」
打ち止め「なに?」
一方通行「番外個体の面倒、しっかり見てやれよ」
打ち止め「え?」
一方通行「何も知らない妹を躾けンのは姉の仕事だろォ?」
一方通行「頼りにしてるぜェ?お姉さン」
打ち止め「……うんっ!」
一方通行「じゃ俺は寝るからァ」ゴロゴロ
打ち止め「また来るからねーってミサカはミサカは手を振っt」ブンブン
一方通行「……」zzz
打ち止め「」ハヤイ
さらに3日後―――。
一方通行「よォ」
垣根「番外個体はまだ来てねぇようだな」
一方通行「まァそのうち来ンだろ」ゴロゴロ
垣根「そうか……」
一方通行「……一応いつでもできンぞ」
垣根「……本当か?」
一方通行「コツさえ掴めば楽勝だァ」
垣根「じゃ頼もうかな」
一方通行「こっちはまだ入院中なンだぜェ?」
垣根「知ってるっつーの」
一方通行「ちっ、借りを返すだけだからなァ」スタスタ
垣根「……悪い」
一方通行「オラ、とっとと案内しろボケ」スタスタ
ガララッ
垣根「よう」
フレンダ「なに、また来たの?」
チャラッラチャチャチャーチャッララー
フレンダ「な、何この音楽?」
垣根「今日は特別ゲストをお呼びしています」
フレンダ「ゲスト?」
垣根「『俺に治せねェもンはねェ』、学園都市が生んだ奇跡のほぐし師……」
垣根「一方ぁぁぁぁぁぁ通行ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
垣根<ワァァァァァァァ!!
フレンダ「…………なにが始まるの?」
ガララッ!
一方通行「オラァ!ほぐし屋さンだァ!!」
垣根「よっし、いくぞ!」
一方通行「一方通行と!」ハイ
垣根「垣根の!」ハイ
垣根通行「究・極・整体術!!」ババーン
フレンダ「…………は?」
垣根「はい、巻きで行くよ巻きでー」パンパン
一方通行「てめェが噂のガキだなァ?」
垣根「準備するからちょっと待ってろ」
一方通行「おォ」グデーン
フレンダ「ちょちょ、誰?」
垣根「第一位の一方通行、名前くらいは聞いた事あんだろ?」
フレンダ「」
フレンダ「レベル5のツートップがこんなとこで何してるわけよ!?」
垣根「言ったろ?究極整体術だよ」
フレンダ「え?」
垣根「今の俺たちに治せねぇもんはねぇ」
フレンダ「……それって」
垣根「ああ、お前を治せる」
フレンダ「……は?」
垣根「準備いいかー?」
一方通行「あァ」テンシモード
垣根「俺も大丈夫だ」ファッサー
フレンダ「」
フレンダ「な、なにそれ?」
一方通行「ほぐし屋さン、一方通行の天使モード」ラーラー
垣根「僕のー背中―には羽がーあーるー」ヘイ
フレンダ「」
フレンダ「ちょ、な、何するの?」
一方通行「……行くぜ」ラーラー
垣根「……ああ」
一方通行「ベクトルほぐし!!」
垣根「未元物質のひと揉み!!」
カッ!
一方通行「碧いィーうーさーぎィーほぐし続けるゥー」ラーラー
垣根「どこかーに戻―るあなたーのためー」ヘイ
フレンダ「うわわ、な、何これぇぇぇぇぇ……うにゅぅぅぅぅぅ」ホワーン
フレンダ「頭がホワホワして……もうわかんないーぃぃぃぃ」ハワーン
一方通行「今のォー二人ィーほぐせるものはァー」ラーラー
垣根「きっとー真実―だーけーだからー……………………」ヘイ
フレンダ「うぉぉおう!?うにぃぃぃぃ……」ボヘーン
フレンダ「」
一方通行「金髪のガキ、どうだよ?」ラーラー
フレンダ「……ガキじゃないんだけど?」
一方通行「パツキンのチャンネー、どうだよ?」ラーラー
フレンダ「古っ!その表現ふっる!!」
垣根「ちょっと立ってみろ」
フレンダ「はぁ?そんなの無理に決まっ……」スクッ
フレンダ「」
一方通行「フーララが立ったっ」ヤッタネ
垣根「フーララが立ったっ」ダネ
フレンダ「なんで治ってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
一方通行「レベル6に昇りつめた俺の協力があれば楽勝だァ」ラーラー
フレンダ「」
フレンダ「え?レベル……6?」ガタガタブルブル
一方通行「うン、多分」タブンネ
垣根「ああ、感謝してるぜ」
一方通行「別にィ、借りを返しただけだしィ?」グデーン
フレンダ「」
一方通行「近いうちほぐし屋さン復活するからなァ」ラーラー
垣根「わかった」
フレンダ「」
垣根「あれ?フララ?」
フレンダ「フララ言うな!!」
フレンダ「え、なんで?は?」
フレンダ「ねぇ、ちょっt」クルッ
一方通行「なァ、この天使モードの時のよォ」ダラーン
一方通行「羽根を使って、こう……ランドセルとか作ったら売れそうじゃねェ?」
垣根「……」ウーン
垣根「……いけるな」ウン
一方通行「だよなァ?よし、副業は決まりだな」
垣根「……『天使の羽』って名前はどうだ?」
一方通行「……」ウーン
一方通行「……いけるな」ウン
垣根通行「よし」フフン
フレンダ「いけるかぁぁぁぁぁ!帰ってやれそんな話!!!」
フレンダ「……意味わかんない」
垣根「これがほぐし師だ」フフン
フレンダ「いや、意味わかんないってば」
垣根「治ったんだから細かい事はいいんだよ」
フレンダ「……」
垣根「……原子崩しのとこ、行くんだろ?」
フレンダ「行くよ、もうちょっと……落ち着いたら」
垣根「……」
フレンダ「でも、必ず行くわ」
フレンダ「ありがとね」
垣根「俺に礼言うとか間違えすぎだろ」
フレンダ「そうだけど……うん」
垣根「ん、一応受け取っとく」
一方通行「……疲れたァ」グデーン
一方通行(フララはもう大丈夫として、あとは原子崩しと妹達だなァ)
一方通行(ま、原子崩しの精神的な凝りはフララに任せるしかねェとして)
一方通行「番外個体に妹達、こりゃ忙しくなりますねェ」
ガララッ
番外個体「あー!病室抜け出してどこ行ってたのさ!」
一方通行「口笛がなンで遠くまで聞こえるか調べてきたァ」
番外個体「……は?」
一方通行「オラ、ベクトルほぐしやるから動くンじゃねェよ」
番外個体「あうっ」モフッ
一方通行「今日も元気にほぐしていきますよォ」
番外個体「……ねぇ」
一方通行「あン?」
番外個体「ミサカね、自分でもポンコツな身体がほぐされていくのがわかるんだよ」
一方通行「ほォ」
番外個体「……そうだなー」
一方通行「あァ?」
番外個体「まだまだだよ!」ガバッ
一方通行「……」オモイ
番外個体「目で訴えるな!口で言え!」
一方通行「重てェ」
番外個体「ムッカつく!!」
番外個体「……まだまだなんだから」
一方通行「だからなーにがですかァ?」
番外個体「まだまだ、このポンコツには直すとこがいっぱいあるの」
番外個体「だからそれを全部ほぐすまで、解放してあげないからね!」
一方通行「べっつにィー、元々そのつもりだしィ?」ダラーン
番外個体「……ふん」ギュッ
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「……うぅ」
一方通行「まだまだ子供だなァ」ウン
番外個体「こ、子供じゃないもん!」
番外個体「ミサカはただの女の子なの!」
番外個体「……だから、その……」
一方通行「……」zzz
番外個体「こんにゃろぉぉぉぉぉぉ!!」バリバリバリッ
黄泉川「おー、おかえりじゃん」
芳川「一方通行の様子はどう?」
番外個体「ふん、元気元気!病室抜け出してたくらいね!」プンスカ
黄泉川「あはは、まぁ元気そうで安心したじゃん」
芳川「また近いうち行きましょうか」
黄泉川「ああ、そうするじゃん」
打ち止め「ねぇねぇ、番外個体は身体の調子どうなの?」
番外個体「今のところ問題ないかな、お節介な2人のおかげでね」
打ち止め「よかったねってミサカはミサカは番外個体に抱きついて喜びを表現してみたり」ガバッ
番外個体「わわ、ちょっとー!」
番外個体「よかった、かぁ」
打ち止め「嬉しくないの?ってミサカはミサカは複雑そうな表情の番外個体を心配してみる」
番外個体「それは嬉しいんだけどさ、あの人が……ね」
打ち止め「あの人がどうかしたの?」
番外個体「多分妹達全員、調整を必要としないように治療していくと思うんだ」
打ち止め「え!?妹達全員!?」
番外個体「うん、だからその前に倒れちゃわないかミサカは心配だよ」
打ち止め「へぇー、心配」ニヤニヤ
番外個体「な、なにさ!ミサカが心配したらおかしい!?」
打ち止め「ううん、ぜーんぜん!」ニヤニヤ
番外個体「なーに笑ってやがりますかァ?このクソガキィ」
打ち止め「うわわ、ちょ、ちょっと待って!タイムタイムー!!」
番外個体「うるさいよ!ミサカをからかった罰だー!」
ボフンッ
番外個体「体軽いなー」ゴロゴロ
番外個体「なにさ、チートすぎるじゃん」
番外個体「大体ベクトルほぐしって名前ダサすぎるっての、うひゃひゃ」
ゴロン……
番外個体「……」コテン
番外個体「これから先、一生面倒見させてやる」
番外個体「ミサカを救った事を後悔させてやるんだから、ぎゃはは☆」
番外個体「ふん……」
番外個体「えっへへ……」ゴロンゴロン
ガツンッ!
番外個体「~~~~っ!」ジンジンジン
一方通行「今日からほぐし屋さン復活ですよォ」
番外個体「おー」
一方通行「……なンだよそのでっけェタンコブ」
番外個体「な、なんでもない!!」
垣根「番外個体、指名でお客来てるぞー」
番外個体「ミサカに?」
一方通行「あァ、前に来たおばあちゃンかァ」
番外個体「え?本当?」テテッ
おばあちゃん「ミサカちゃん、またお願いしていい?」
番外個体「任せてよ!ミサカの電気で気持ちよくしてあげる!」
おばあちゃん「ふふ、お願いね」
番外個体「おー!」ブンッ
おばあちゃん「おや、目の下のクマなくなったかな?」
番外個体「あれ?そう?」
おばあちゃん「うん、健康そうで何より」
番外個体「そっか、うん……そっか」ニヘラ
垣根「……よかったじゃねぇか」
一方通行「なンとかなァ」ゴロゴロ
垣根「気のせいか子供っぽくなってねぇか?」
一方通行「元々生まれて間もねェンだ、精神年齢が低くて当たり前ですゥ」
垣根「……そうだな」
一方通行「もう無理する事なくなったから、アレくらいで丁度いいンだよ」
垣根「こっちのもなんとかなったしな」
一方通行「……マッサージは世界を救うンだよ」
垣根「ああ、そうかもしれねぇな」
一方通行「クカカ、あン時の研究者どもが見てたらなンて言うかなァ」
垣根「マッサージしてたらレベル6になりましたってか?誰も予想だにしてなかっただろうな」
一方通行「……いや、気に入らねェが1人だけこうなる事わかってた奴がいるなァ」
垣根「ああ?」
垣根「誰だ?」
一方通行「神よりムカつく野郎ォだよ」
垣根「あん?」
一方通行「……なンでもねェ」
垣根「これから忙しくなるぞ?」
一方通行「はン、世界中飛び回らなきゃならねェしなァ」
垣根「俺も……うん」
一方通行「原子崩しに殺されないようになァ」
垣根「なんだ、心配してんのか?」
一方通行「けっ、するかそンなもン」
垣根「……」
一方通行「……」
垣根「さて、仕事だ」スクッ
一方通行「ほぐしていきますかァ」スクッ
垣根「おお、結構な凝りですねぇ」ギュッギュッ
布束「クローンがいると聞いて見に来ただけなのに……」
垣根「特に肩がやべぇ……」ギュッギュッ
布束「indeed……私はパソコンを使う機会が多いから」
垣根「そっかー、もしかしてどっかの研究者だったりします?」
布束「学習装置を作ったのも私」
垣根「え、マジっすか!?すっげぇ!!ヒョーゥ!!」ギュゥゥゥ
垣根(ところで学習装置ってなんだ?)
布束「oh……」ホワーン
垣根「じゃ今日は『未元メルツヨコヨコ』買って行きません?」
布束「……いただこうかしら」
垣根「へい!まいどありぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ギュゥゥゥッギュゥゥゥゥゥッ
布束「こ、これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」ホフン
美琴「あれ、アンタここで何してんの?」
一方通行「超電磁砲?見てわかるだろうがァ」グデーン
美琴「こんな大通りで横になるのはアンタかホームレスくらいよ……」
一方通行「ただダラけてるわけじゃねェ」ゴロゴロ
美琴「え?」
一方通行「俺はこうして学園都市の大気の流れを読んでるンだ」
美琴「そんなのどうするの?」
一方通行「人探しってとこだなァ」
美琴「人探し?誰を……」
一方通行「来たァ!ビンゴォ!!」ダダッ
美琴「あ、ちょっとー!?」
<誰か助けてェー!
黒子「はっ!誰かがジャッジメントを呼んでますの!」ダダッ
黒子「ジャッジメントですの!」ババーン
一方通行「釣りですた」ハイ
黒子「ちくしょう!ちくしょうですの!!」
一方通行「こんにちはァ」ペコ
黒子「あ、こんにちは」ペコリ
黒子じゃなくって!またアナタですの!?」
黒子「今日も嫌がらせですか!」プンスカ
一方通行「いや、今日はお前に伝えたい事があって来たァ」
黒子「えっ?」ドキン
黒子「そ、それって……」
一方通行「……あァ、お前に対する俺の正直な気持ちだァ」
黒子「ぁぅ……」キュンッ
一方通行「いっつも意地悪してるし、俺口も悪いからさァ」
一方通行「バカ正直に言ったンじゃ恥ずかしいから、あいうえお作文にしてきたンだ」
黒子「あ、あいうえお作文ですの?」
一方通行「それでもよければ聞いてくンねェか?」
黒子「え、ええ……」ドキドキ
一方通行「……」スーハースーハー
黒子「……」ドキドキ
一方通行「よし、『しらいくろこ』で振ってくれェ」
黒子「わ、わかりましたの」ドキドキ
黒子「しー」
一方通行「小動物みたいで可愛くてェ」
黒子「らー」ドキッ
一方通行「来世でも一緒になりてェお前」
黒子「いー」ドキドキ
一方通行「一生大事にしてやるからァ」
黒子「くー」ドキドキ
一方通行「苦楽を俺と2人で越えて行きませンかァ?」
黒子「ろー」ドキドキ
一方通行「ロマンチックな言葉を並べましたがァ」
黒子「こー」ドキドキ
一方通行「これは嘘ですの!」ハイ
黒子「おぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!」ダンダンッ
一方通行「江頭さンのマネですかァ?」
黒子「私がエガちゃんのマネをするわけないですの!」プンプン
一方通行「作文気に入らなかったかァ?」
黒子「からかわれて気に入る人がいるもんですか!」プンスカ
一方通行「……あ!」アソコ
黒子「え?」クルッ
一方通行「はい」ゴキン
黒子「」チーン
一方通行「急にパンダさンが倒れたァ」
一方通行「これは早急に治療が必要ですねェ」スタスタ
黒子「」ズルズル
一方通行「ほぐし屋さンへゴー」スタスタ
黒子「」ズルズル
また別の日―――。
フレンダ「よし……麦野んとこ行こう」ウン
フレンダ「殺されてでも皆に会いに行こう」
フレンダ「絹旗と滝壺にも謝らなきゃ」ウン
フレンダ「……でも怖いぃぃぃぃ!!」
ガララッ!!
一方通行「いいぜェ、てめェらの関係に凝りが残るってンなら!」ババーン
垣根「まずそのフザけた凝りを揉みほぐす!!」ババーン
フレンダ「どっから沸いて出たのよぉぉぉぉぉ!!」
フレンダ「結局なにしにきたの?」
垣根「原子崩しのとこ、俺も行く」
フレンダ「えっ?」
垣根「精神的な凝りまではほぐせないが」
垣根「長い入院生活だと身体も鈍ってるだろうからな」
フレンダ「それって……」
垣根「行くんだろ?謝りに」
フレンダ「う、うん」
垣根「謝って済む話じゃねぇが、俺も謝らなきゃならねぇし」
垣根「どんな凝りでも残らねぇようにするのが一流のほぐし師だ」
フレンダ「……殺されるかもよ?」
垣根「上等」
フレンダ「結局……バカばっかりってわけね」ハァ
垣根「はっ、かもな」
一方通行「まァ俺は行かないンですけどね」ハイ
垣根「えっ?」
一方通行「だって下手に刺激して原子崩されたら危ないしィ」ゴローン
フレンダ「何しに来たの!?」
一方通行『いいぜェ、てめェらの関係に凝りが残るってンなら!』ババーン
一方通行「……を言いにィ?」
フレンダ「ダメだコイツはやくなんとかしないと」
次の日―――。
一方通行「アレ、生きてたンかァ?」ゴロンゴロン
垣根「……意外とな、話通じた」
一方通行「話せばわかってくれたってか?」
垣根「あぁ、『お互い暗部にいた以上はしょうがない』」
垣根「『暗部を抜けた今、アンタだけを憎むのはお門違いだにゃーん』ってよ」
一方通行「……麦のん天使じゃねェか、俺より」
垣根「ちなみに俺もそれ言ったらビーム飛んできた」
一方通行「金髪のガキは?」
垣根「泣きながら抱き合って和解してたよ」
一方通行「そォか……」
垣根<イイハナシダナー
垣根「これから元アイテムのメンバー探しに行くみてぇだ」
一方通行「亡命したっつってたよなァ?」
垣根「原子崩しも凝りをほぐしに動き出したってわけだ」
一方通行「……ほぐれるといいなァ」
垣根「……ああ」
ガチャ
番外個体「ねぇ、10032号が来てるよ?」
一方通行「おォ、呼んでたンだった」
番外個体「忘れてたの?」
一方通行「へっちょり忘れてたァ」グデー
番外個体「へっちょりってなにさ!なんかイヤだな!」
垣根「ははっ、お前のほぐし行脚は全世界だな」
一方通行「ほぐし屋さン、世界進出だぜェ」フフン
番外個体「……は?」
一方通行「ベクトルほぐし……始めるぜェ」
御坂妹「一方通行、よろしくお願いします」
一方通行「おォ、任せとけェ」
御坂妹「……」ドキドキ
一方通行「俺のこの手が真っ赤に燃えるゥ!凝りをほぐせと轟き叫ぶゥ!」ハァァ
番外個体「え、そんなの必要だったっけ?」
一方通行「気分だ気分」
番外個体「あそ」
一方通行「改めて……」コホン
御坂妹「……」ドキドキ
一方通行「俺のこの手が光って唸るゥ!凝りをほぐせと輝き叫ぶゥ!」ホァァ
番外個体「ちょっ、さっきと変わってるじゃん!」
一方通行「いちいちうっせェなァ……」モー
一方通行「とりあえず邪魔しないでくれませン?」
番外個体「ああそうですか、すいませんでしたー」
一方通行「……行くぜ」
一方通行「貴様が銀色の脚ならば!俺は黄金の指ィィィ!」
番外個体「あーもー!やっぱり気になるから統一してよ!!」
一方通行「……」エー
番外個体「大体そんなの必要ないじゃん、さっさと終わらせなよ」
一方通行「ちっ、うっせェなァ……」ブツブツ
御坂妹「……」ドキドキ
一方通行「爆熱!ベクトルほぐし!!!」カッ
御坂妹「おぉぉぉう!?……はにゃぁぁぁぁぁぁ」ホヘーン
一方通行「調整のいらねェ身体にしてやるよォ!!」
御坂妹「これが整体でひゅかぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ニッヘヘーン
御坂妹「……体が軽くなった気がします」
一方通行「だろォ?」グデー
御坂妹「とても不思議な気分です、とミサカはなんとも形容し難い状態に戸惑いを隠せません」
番外個体「だよね?ミサカもそうだもん」
御坂妹「番外個体もベクトルほぐしをしてもらったのですか?」
番外個体「うん、ミサカの場合は皆よりも時間掛かるみたいだけどね」
御坂妹「そう、ですか」
一方通行「心配すンな、俺が責任をもってほぐしきるゥ」ゴロゴロ
番外個体「……その格好で言っても説得力ないよ?」
御坂妹「一方通行、彼女をよろしくお願いします」ペコリ
一方通行「あン?」
御坂妹「番外個体は私たちの妹のようなものですから」
番外個体「……」
御坂妹「容姿は大人でも、生まれて間もない個体であることは否めません」
一方通行「まァなァ」
御坂妹「……改めて、お願いします」ペコリ
一方通行「はン、言われるまでもねェよ」
番外個体「ミサカは一生迷惑かけてやるんだから!」
御坂妹「おや、番外個体は既に生涯の伴侶を決めたのですね、とミサカはニヤニヤした表情を浮かべます」ニヘラ
番外個体「ちっ……ちっがう!そんなんじゃないし!」
御坂妹「やれやれ、いらない所までお姉様から引き継いでしまったのですね」ヤレヤレ
番外個体「いらない所ってなにさ?」
御坂妹「素直になれない、所謂ツンデレというものでしょうね」
番外個体「ミサカはツンデレじゃないもん!」
御坂妹「ツンデレは皆そう言うんですよ、とミサカは知識の乏しい妹に諭します」
番外個体「だから違うって!ねぇ、アナタからも何か言ってよ!!」
一方通行「ダラクゼーション中は一方通行でェす、侵入禁止ィ」ゴロンゴロン
番外個体「」
御坂妹「これから大変そうですね」ニヘラ
番外個体「ほんとだよ……」
御坂妹「では、ミサカはこれで失礼します」ペコリ
一方通行「おォ、またなァ」ダラーン
番外個体「じゃーねー」
ガチャ、バタン……
垣根「さーて、今日の予約はもう終わりか?」
一方通行「もォいいよ今日閉店でェ」グダー
垣根「まだ夕方だけど……いいか」ウン
一方通行「いいな」ウン
番外個体「……ダメだこの人達」
一方通行「ねみィ」ゴロゴロ
番外個体「あ、ねぇ……」
一方通行あァ?」
番外個体「きょ、今日さ……その……」
垣根「泊まりに行って……いい、かな?」モジッ
番外個体「ちょっと!なんで入ってくるの!!」
一方通行「あン?」
番外個体「あーもう、バカ、死んでしまえ」
垣根「ゴメンなさい」ペコ
一方通行「で、なンですかァ?」
番外個体「だーかーら……泊まりに行ってもいい?」
一方通行「なンで」ゴロゴロ
垣根「そりゃお前、泊まってご飯食べるついでにアナタも食べたいっていうサインにk」
番外個体「うっさい!!!」
垣根「……」ゴメス
番外個体「ねね、ダメ?」
一方通行「別にいいけどォ?」
番外個体「ほ、本当!?」
一方通行「垣根はァ?」
垣根「いいのか?だったら俺も行こうk」
番外個体「……」ビリビリッ
垣根「やっべ、俺帰ってアイスエイジ観ないと」
一方通行「え、1?」
垣根「ああ、もちろん1だ」
一方通行「1はサーベルタイガーさンがイケメンだよなァ」ネー
垣根「わかる、アイツだったら俺殺されてもいいもん」ネー
一方通行「いや、俺の方が殺されてもいい」
垣根「いやいや、俺の方が殺されたいって」
一方通行「俺の殺されたい願望の方が30%OFFだァ」
垣根「俺の殺されたい願望の方が改札出てすぐだし」
番外個体「ねぇ、バカがキリないからそこまでにしてくんない?」
垣根「じゃ俺は先に帰るぜ」
一方通行「おォ」
垣根「あ、番外個体よぉ」
番外個体「……なに?」
垣根「避妊はしっかりな」ウン
番外個体「は!?そそ、そんな心配する必要ないに決まってるじゃん!!」
垣根「バカ!否認じゃなくて避妊だって!!」
番外個体「バカはアンタだ!!!」ダンダンッ
垣根「キラキラネーム(笑)なんかつけるなよ?」
番外個体「死ね!死ね!!」
垣根「それでは皆さん」
一方通行「さようならァ」ペコ
番外個体「ちょっと釘!誰か釘持ってきて!!」
一方通行「疲れたァ」グデーン
番外個体「着替えないの?服皺になるよ?」
一方通行「飯ィ」
番外個体「今日こそ……今日こそ……」ブツブツ
一方通行「?」
一方通行「おォ、中々うめェじゃねェか」モグモグ
番外個体「でっしょ!?今日は失敗しなかったもんね」
一方通行「前のはやっぱりわざとじゃねェンじゃねェか」モグモグ
番外個体「うぐっ……」
一方通行「オラ、お前も食え」
番外個体「う、うん」
番外個体「じゃお風呂借りるね」
一方通行「おォ」ネムイ
番外個体「覗いちゃダメだよ?くけけ」
一方通行「ねみィ」ダラーン
番外個体「ぐぅ……ちくしょう」トボトボ
番外個体「上がったよー」ホカホカ
一方通行「……」ジー
番外個体「な、なに?湯上りのミサカの色気に魅せられたかな?」
一方通行「お前、ちょっとこっち来い」
番外個体「なっ……」ドキドキ
一方通行「熱かったら言ってくださいねェ」ゴー
番外個体「……こんな事だろうと思ったよ」
一方通行「お前、いっつも髪ボサボサだよなァ」ゴー
番外個体「むっ、そんな事ないもん」
一方通行「の割りには寝癖絶対つけてるよなァ」ゴー
番外個体「そ、そうかも……」
一方通行「オサレに気を使わないホントのアタシ、デビュー☆みたいなァ?」ゴー
番外個体「……喧嘩売ってる?」
一方通行「もったいねェなァ」ゴー
番外個体「ふん、なにがさ」
一方通行「この髪質好きなンだけどな」サラサラ
番外個体「うぇ!?」
一方通行「痛んだら元も子もねェだろうが」サワサワイジイジ
番外個体「……掬わないでよ」
一方通行「……」ミョンミョンビョーン
番外個体「……ぁぅ」
一方通行「……」ズキューンドキューン
番外個体「う、うにゃぁぁぁぁぁぁ!!!」バッ
一方通行「なンだよいきなりィ」
番外個体「そ、そんなにミサカの髪質が好きなら、上位個体のでも触ってればいいでしょ!!」
一方通行「あ、それもそうだなァ」ダラーン
番外個体「えっ!?」
一方通行「次からそうすっかァ」ウン
番外個体「や、やっぱりダメ!!!」
一方通行「はァ?」モー
一方通行「さて、そろそろ寝ますかァ」
番外個体「とう!」モフンッ
一方通行「ソファで寝ろっつーのォ」
番外個体「……いいじゃん」
一方通行「やれやれだぜェ」ゴローン
番外個体(……この匂い落ち着くなー)スンスン
一方通行「なァ」
番外個体「うひゃ!?な、なに!?」ビクッ
一方通行「お前、今でも俺を殺そうとか思うかァ?」
番外個体「そ、そんなのあったりま…………ううん、思ってないよ」
一方通行「あァ?」
番外個体「なんだろうね、そんな気とっくに失せた」
一方通行「やけに素直じゃねェの」
番外個体「うん、ミサカ自分でも不思議だもん」
一方通行「お前の能力も人の役に立つしなァ」
番外個体「ミサカは軍用クローンだったんだよ?しかもアナタを殺す為だけの」
一方通行「ばァか、現にお前にマッサージされて喜ンでる客いるだろォが」
番外個体「あんなもんで喜ぶなんて、バカな人たちだよね」
一方通行「本当にそう思うかァ?」ゴロゴロ
番外個体「……嘘、ミサカも嬉しい」
一方通行「だろォ?お前はもう軍用クローンなンかじゃねェ」
一方通行「もちろン他の妹達もだけどなァ」
番外個体「そう、かも」
一方通行「俺は暇つぶし、お前も暇つぶし」
一方通行「それでいいじゃねェか」ヘニョーン
番外個体「え?」
一方通行「そン中で妹達だの、ここに来る客だの」
一方通行「そいつらに喜ンで貰えるならそれはそれでいいンだよ」
番外個体「……」
番外個体「うん、ミサカもそう思う」
一方通行「俺も垣根も、元々はクソッタレだったンだ」
番外個体「……」
一方通行「でも、ほぐし師として目覚めた」
一方通行「まァ俺の方が上なンですけどね」ハイ
番外個体「はいはい」
一方通行「『一方通行』と『未元物質』は人を簡単に殺せる」
一方通行「でも『ベクトルほぐし』と『未元物質のひと揉み』は人を癒せる」
一方通行「能力の使い方も、生き方も同じだァ」
番外個体「……」
一方通行「人を癒す為に生きていけばいいじゃねェか」
一方通行「だからもう生まれた理由なンざ忘れちまえ」
番外個体「……うん」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「うわわ、なにするのさ!」
一方通行「はン」
番外個体「……でも、技のネーミングはダサいけどね!ぎゃはは☆」
一方通行「このネーミングのセンスがわからねェようじゃまだまだだなァ」
番外個体「だってセンスないもん!」
番外個体「あ、あの……」
一方通行「ン?」
番外個体「あ、あのね……その……」モジッ
一方通行「あァ?」
番外個体「あーっと、ぁぅ……」モジモジ
一方通行「なンですかァ?」ゴロンゴロン
番外個体「……ありがとう」
一方通行「あン?」
番外個体「ミサカを助けてくれて……ありが、とう」カァッ
一方通行「ククッ……どうしたよいきなり?」
番外個体「……面と向かってお礼、言ってなかったし」
一方通行「けっ、コキ使ってやるから覚悟しとけェ」
番外個体「……ぎゃはっ」
番外個体「上等だよ、ミサカもアナタをコキ使ってやるんだから!一生ね!!」
一方通行「こちらこそ上等ですゥ」ダラーン
一方通行「オラ、寝ますよォ」
番外個体「ふんっ」ギュ
一方通行「……抱き枕じゃないンですけどォ」
番外個体「なにさ、ミサカの豊満なボディを感じれるんだからいいじゃん」
一方通行「ホウマンとホフマンってなンか似てるよなァ」ウン
番外個体「なんかゴツそうだからやめて……」
一方通行「さて、寝るかな」ゴロン
番外個体「……」ギュゥ
一方通行「……」zzz
番外個体「……」ニヘッ
ちょうどその頃――――――――。
垣根「……」ジー
垣根「………………あっ」ハッ
垣根「ディエゴォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」ドバッ
次の日―――。
ガチャ、バタン
垣根「よーす」
番外個体「目どうしたの?すごい腫れてるけど」
垣根「ディエゴ……」グスッ
番外個体「???」
一方通行「おォ、朝一で例の客予約入ってるから、お前よろしくなァ」
垣根「うげ、ビーカーの中でのマッサージは中々大変なんだよなぁ」
一方通行「アイツの整体めンどくせェよなァ」ゴローン
垣根「しかも逆さまになってやがるから尚更な」
一方通行「マッサージ終わった後部屋ビッシャビシャになるしィ」
垣根「もう追加料金取ってもいいんじゃねぇか?」
一方通行「次からそうすっかァ、8兆円くらい」
番外個体(……どんなお客なの?)
垣根「それでな、その客の凝りのほぐされないレベルが……」
一方通行「こないだの客の凝りのほぐされないレベルも中々だったなァ……」
番外個体「はぁ、また意味のわからない話してるし」
番外個体(こんなバカの中にいたら毒気抜かれるって、本当)
垣根「――――!!」
一方通行「――――、―――!」
番外個体(くけけ、ミサカはそれが居心地いいんだけどね)
垣根「はぁ!?てめぇディエゴの牙のまろみバカにしてんのか!!」
一方通行「てめェこそディエゴさンのフォルムのまろみバカにしてンのかコラ!!」
垣根「んだと!?やんのかコラ!!」
一方通行「上等だァ、ほぐしてやるよ……あァ!?」
番外個体「ちょ、なにいきなり喧嘩してんの!?」
番外個体「っていうか大体『まろみ』ってなに?正しい用法用量教えてよ」
<すいませーん
番外個体「あ、お客さんきたよ!」
垣根「最近よく来る奴じゃねぇの?」
一方通行「ならベクトル&電気コースだな」
番外個体「うー、めんどくさいなぁ」トテトテ
一方通行「とか言いつつ楽しげなくせにィ」
番外個体「はぁ?別に楽しそうになんかしてないし」
一方通行「ツンデレー」ヒョーゥ
垣根「番外個体マジ電気」ヒョーゥ
番外個体「……やっぱりムカつく、この人達」
一方通行「あ、今日13時からゴーレムの予約なァ」
垣根「マジかよ!また手が痛くなるじゃねぇか!!」
番外個体「うひゃひゃ、ざまあみろー」スタスタ
番外個体(こんな生き方もいいかもね、くけけ)
番外個体「ミサカの準備はいいよ」
一方通行「あァ」
番外個体「はじめるよー」
一方通行「痛かったら言ってくださいねェ」グイィィ
木原「おぉぉぉぉぉう……」キモチー
番外個体「全然大丈夫そうだね」
一方通行「ベクトルほぐし入りまァす」モミモミーン
木原「あっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!!!」ニヘヘーン
番外個体「ぎゃはは、気持ち良さそうだね」
一方通行「実際気持ちいいンだよ、バァカ」グィィ
おわり
ほぐし屋さン、閉店です
こんなつたない作品に最後までお付き合いいただきありがとうございました
最近黒子が弄られるSSが増えてきて俺歓喜
これからおまけ投下します
本編には一切関係ない、黒子の奮闘です
以下おまけ
白井黒子のリベンジーーー。
黒子「なんなんですのあの方は!いっつもいっつも!」プンスカ
黒子「たまにはあの方に一泡吹かせてあげましょう」ウン
黒子「今日から私は復讐者!リベンジャー黒子ですわ!!」
ザッ!
一方通行「あン?」
黒子「ふっふふ……普段はよくも私をからかってくれておりますわね」
黒子「私はリベンジします!リベンジャー黒子ですの!」ババーン
一方通行「……」
黒子「な、なんですの?」
一方通行「リベンジャー黒子って、パシリのヒーローみたいですねェ」プススー
黒子「……え?」
一方通行「利便戦隊!リベンジャー!みたいなァ?」
黒子「……」イラッ
黒子(落ち着きなさい黒子……相手のペースに巻き込まれてはダメですの)スーハースーハー
一方通行「オラ、コーヒー買って来いやァ」プススー
黒子「……」イライラ
一方通行「リベンジャーブラック、早くゥ」プスススー
黒子「私はアナタに戦線布告いたしますわ」
一方通行「あァ?」
黒子「溜まりに溜まった鬱憤を晴らさせていただk」
ドガァァァァァァァァァン!!!
黒子「ぴぃっ!?」
一方通行「へェ……俺とやるって事だよなァ?」ニタリ
黒子「はっわわわわわわわわ」ブルブル
一方通行「ってェ事は、手加減無用ってわけだァ」
黒子「……」ガタガタプルプル
一方通行「俺が誰かわかってンですかァ?」
黒子「……」ガクガク
一方通行「学園都市最凶最悪の第一位なンですよォ?」
黒子「いいいいえ、そそそ、そののの……」ガクガクプルプル
一方通行「……」
黒子「……」プルプル
一方通行「ちっ……つまンねェ」ダラーン
黒子「……えっ?」
一方通行「もっとこう……『お助けですの!お助けですの!ひぃぃぃぃですの!』とか言えよなァ」
黒子「へっ?」
一方通行「そしたら盛大に笑……可愛げあンのになァ」
黒子「嘘ですの!今盛大に笑うって言おうとしてましたの!!」
一方通行「いいいいえ、そそそ、そののの……」ガクガクプルプル
黒子「ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!」ダンダンッ
黒子「まともに正面から向かって行ったのでは勝ち目はありません」
黒子「レベル5第一位は伊達ではないですわね」
黒子「……おびき寄せて奇襲かけましょう」
<ジャッジメントですの!
一方通行「あン?」
一方通行「……」スタスタ
<あ、あれ?ジャッジメントですの!
一方通行「……」ムシムシ
<で、ですの!ですの!
一方通行「……」スタスタ
黒子「おぉぉぉぉぉぉい!」ババーン
黒子「どうして!無視するんですの!?」
黒子「おびき寄せ作戦は失敗ですわ……」
黒子「こうなったら、いきなり後ろからドつきましょう」
黒子「いつかのソバットの借りを今こそ返す時!」ブンッ
黒子「リベンジャーですの!」バッ
一方通行「反射」ピッキーン
黒子「ふにっ!?」
ゴロゴロゴロゴロ……ズシャァァァァ……
黒子「いったぁ……何が起きたんですの?」サスサス
一方通行「……」
黒子「……」
一方通行「リベンジャーですの!」ハイ
黒子「覚えてろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダダッ
黒子「どうやら如何なる攻撃も反射されてしまうようですのね」
黒子「という事は、普段は触れる事すらできない、と」
黒子「……」ウーン
黒子「!」ハッ
一方通行「なンだよ、また来たのかァ?」
黒子「え、ええ……以前受けたマッサージが余りにも気持ちよかったものでして」
一方通行「まァいいや、ほら横になれェ」
黒子「失礼しますわ」
黒子(ふっふっふ……マッサージを受けている間は直接触れられる)
黒子(チャンスは今ですの!)
一方通行「お客さン、凝ってますねェ」グィィィィ
黒子「おぉぉぉぉぅ……ふにゃぁぁぁぁぁん……」ニッヘヘーン
一方通行「……」ギュッギュッ
黒子「ふみぃ……すぅ……」zzz
黒子「……余りの気持ちよさに目的を忘れてしまいました」
黒子「というか、どうして私がこんなに苦労しなければならないのですか?」
黒子「まったく……」プンスカ
黒子「あの方が私の事が好きとかならまだ納得いきますけども……」
黒子「……」
黒子「!」ハッ
黒子「そうですわ!そうに決まってますの!」
黒子「ふふ、そうでしたか……」
黒子「これで!形勢逆転ですの!!」ブンッ
一方通行「まーたお前ですかァ」
黒子「いっつも絡んでくるのはアナタですの!」
一方通行「で、何の用ですかァ?」
黒子「アナタが私に絡んでくるのは……私の事が好きだからではないですか?」
一方通行「はァ?」
黒子「好きな子にはいたずらしたくなる、その精神だと推測しますの!」
黒子「まぁ、アナタがどうしてもって言うのであれば、デートくらいならしてあげてもよろしくてよ?」フフン
一方通行「……本当かァ?」
黒子「え、えっ?」ドキッ
一方通行「バレちまったかァ……まァいいか、デートしてくれンだろ?」
黒子「え、あの……その、ほ、本当に私の事、すすす好きなのですか?」
一方通行「……」シレッ
黒子「……嘘でしたのね」イラッ
一方通行「動物園でチヤホヤされっとここまで自意識過剰になるンですねェ」ウン
一方通行「バレンタイン当日のクラスの男子かお前」スタスタ
黒子「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」ダバダバダバッ
黒子の凝りはまだまだほぐれないようです……。
おわり
以上です、見てくださった方ありがとうございました
今回はちょっと一方さん頑張って働いてました
わざわざ絵までうpしてくれた方、ありがとうございます
そして黒子可愛いよ黒子、黒子SSがもっと増えればいいね
夜遅くまで付き合ってくれた皆さん、お疲れ様でした
またしばらくしたらHTML化依頼出します
>>1乙
毎度毎度面白いSS感謝ですの!
今回も楽しませてもらいました>>1乙です
終わって早々に次回作が気になって仕方ない
元スレ
一方通行「あー……動くのだりィ」ゴロゴロ
一方通行「手に届く範囲に全てがあればいいのにィ」ゴロゴロ
一方通行「クソガキがいねェと不便だなァ」ゴロゴロ
ピンポーン
一方通行「……」メンドクセ
ピンポーンピンポーン……
一方通行「……」ムシムシ
パリパリッ……ガチャ
番外個体「やっほう第一位、遊びに来たよ」
一方通行「おォ、お前かよ」
番外個体「ていうか出てよ、ミサカだって泥棒みたいな真似したくないんですけど?」
一方通行「めンどくせェもン」ダラーン
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:34:12.78 ID:CX3FjoZ10
番外個体「こんなにやる気のない人も珍しいよね」
番外個体「そのうち死ぬんじゃない?ダラしなさすぎてさ、ぎゃは☆」
一方通行「うっせェなァ」ゴロンゴロン
一方通行「何しに来たンですかァ?」
番外個体「言ったでしょ、遊びにだよ」
一方通行「なァにが『言ったでしょ、あははン』だ」
番外個体「言ってないし!捏造しないでくれる!?」
一方通行「うるさいこと火の如くゥ」
番外個体「残念でしたー、ミサカは電撃使いだし」
一方通行「へェ、おめでとォ」ダラーン
番外個体「……ムカつく反応だなー」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:35:16.57 ID:CX3FjoZ10
番外個体「上位個体の所には行かなくていいの?」
一方通行「だって追い出されたしよォ」ダラーン
番外個体「いや……そうでもしなきゃアナタ自分で何もしないからじゃん」
一方通行「意外と生きれるもンだなァ、ギリギリ」
番外個体「はぁ……ミサカはこんな人に負けたのが納得いかないよ」
一方通行「あ、缶コーヒー取ってくれェ」ゴロゴロ
番外個体「自分で取れば?」テテテ
パカッ
番外個体「ねぇ、缶コーヒーないよ?」
一方通行「あ……これで最後だったのかァ」
番外個体「くけけ、諦めるこったね」
一方通行「えー」エー
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:36:14.14 ID:CX3FjoZ10
一方通行「買ってきてくンねェ?」
番外個体「イヤだよ、他の人ならまだしもアナタに尽くすなんて」
番外個体「ミサカの生まれた理由忘れたの?」
一方通行「俺を殺す為」
番外個体「大正解―おめでとう、ぎゃは」
一方通行「だってお前俺に勝てないじゃねェか」フフン
番外個体「ぐっ……だからこうして隙を見て殺しにきてるじゃん!」
一方通行「遊びに来たって宣言してたくせにィ」
番外個体「うぐぐ……」
一方通行「コーヒー」
番外個体「イヤだ、上位個体に怒られたくないし」
一方通行「ちっ……自分で行くかァ」
番外個体「いってらっしゃーい」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:37:08.64 ID:CX3FjoZ10
<ありゃりゃっしたー
一方通行「さて、帰りますかァ」スタスタ
スキルアウトA「見つけたぜ一方通行」
スキルアウトB「弱体化した第一位を今日こそブチ殺してやる」ニヤニヤ
スキルアウトA、Bがあらわれた! ▽
一方通行「……」
一方通行「……ちっ、めンどくせェ」ガシガシ
―――――――。
スキルアウト「」チーン
一方通行「えー」
一方通行「張り合いないンですけどォ」
ザッ……
黒子「ジャッジメントですの!」ババーン
一方通行「あン?」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:38:55.50 ID:CX3FjoZ10
黒子「あら?一般人がスキルアウトに絡まれているとの通報があったはずですが……」
スキルアウト「」
黒子「……既にのされていますわね」
黒子「あの、これアナタがやったんですの?」
イナイ
黒子「」イネェ
一方通行「……」スタスタ
黒子「ちょ、ちょっとお待ちくださいな!」
一方通行「あァ?どちらさンですかァ?」
黒子「私ジャッジメントの白井黒子と申します」
黒子「スキルアウトに絡まれていたとの事ですが、無事ですか?」
一方通行「へェ、ホクロさンですかァ」
黒子「く・ろ・こ!ですの!」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:40:01.86 ID:CX3FjoZ10
一方通行「白黒でパンダさンみたいですねェ」
黒子「……」イラッ
黒子「……あれはアナタがやったんですの?」
一方通行「そうだけどォ?」
黒子「あの数をたった1人で……アナタ何者ですの?」
一方通行「ジャッジメントですの!」ババーン
黒子「嘘ですの!絶対嘘ですの!!」
一方通行「レベル5の第一位でェす」ハイ
黒子「」
一方通行「じゃさようならァ」スタスタ
黒子「ちょ、ちょっと待ってくださいな!」
一方通行「なーンなーンですかァ?」
一方通行「俺は今忙しいンですけどォ」ダラーン
黒子「……そうは見えまえんわ」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:41:25.09 ID:CX3FjoZ10
黒子「あの第一位でしたか、失礼しました……よければ絡まれた時の事を詳しく教えていただけません?」
一方通行「ませン、じゃ」スタスタ
黒子「え、え、ちょっとお待ち下さいまし!」
一方通行「えー、なンですかさっきからァ」モー
黒子「いえ、ジャッジメントとして事情を……」
一方通行「へェジャッジメントなンですかァご苦労様ですさようならァ」スタスタ
黒子「ですから!ちょっとお待ち下さい!!」
一方通行「ちっ、うるせェなァ」
黒子「状況確認だけさせていただますか?」
一方通行「それ終わったら帰っていい?」
黒子「ええ、構いませんわ」
一方通行「しょうがねェなァ」ダルーン
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:42:31.79 ID:CX3FjoZ10
コーヒー買いに行く
↓
スキルアウトに絡まれる・ブチのめす
↓
ちんちくりんに絡まれる・ブチのめしたい ←今ココ
一方通行「じゃお疲れっしたァー」スタスタ
黒子「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
一方通行「なンだよ、帰っていいンだろォ?」
黒子「……ちんちくりんとは私の事ですの?」ヒクヒク
一方通行「うン」
黒子「…………はぁ、もういいですわ」イライラ
一方通行「さようならですの」ペコリ
黒子「やっぱりちょっと待ってくださいな!!」
一方通行「パンダのホクロに転生してから出直して来いですの」スタスタ
黒子「ぐぬぬぬぬぬーーーー!!」ダンダンダン
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:44:05.98 ID:CX3FjoZ10
ーーーーー。
番外個体「おかえりー、遅かったじゃん」
一方通行「スキルアウトとパンダさンに絡まれたァ」フゥ
番外個体「え、パンダなんて歩いてるの!?」
一方通行「おォ、なんか人の話を全然聞かないパンダだった」
番外個体「パンダならしょうがないじゃん」
一方通行「で、なンでお前まだいンの?」
番外個体「えー、だって暇なんだもん、ミサカの相手してよ」
一方通行「俺忙しいしィ」ゴローン
番外個体「寝てるだけじゃん!こっちはお役御免で本当にする事ないんだよ?」
一方通行「マジっすかおやすみィ」ゴロゴロ
番外個体「……とう!」モサッ
一方通行「……重ェ」
番外個体「お、重いとか言うな!モヤシのくせに!!」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:45:17.83 ID:CX3FjoZ10
番外個体「こうして見るとアナタも意外と背中広……くないねやっぱり」
一方通行「人は俺の事をマッスル神と呼ぶぜェ?」フフン
番外個体「どこら辺がマッスルなんだよ、キャシャリンじゃん」
一方通行「あ、それ気持ちいィ……もっと左ィ」
番外個体「え、こう?」ギュー
一方通行「おォ……ファンタスティックゥ」ボヘー
番外個体「ミサカマッサージの才能あるのかな、なんてね」ギュー
一方通行「……自惚れてンじゃねェよ」
番外個体「な、なんだよう、アナタが気持ち良いって言っんたじゃん」
一方通行「マッサージってのはそンなに甘いもンじゃねェンだ」
番外個体「急に意味わかんない事言わないでくれる?気持ち悪い」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:46:36.33 ID:CX3FjoZ10
一方通行「こう見えても俺は昔整体技術をかじった事があンだよ」フフン
番外個体「なにそれ?初耳なんですけど」
一方通行「そりゃ今まで黙ってたしなァ」
番外個体「どうして?」
一方通行「俺が整体界に進出すると業界が廃れるからなァ、余りの気持ち良さに」
番外個体「もう意味わからないよアナタ」
一方通行「はン、マッサージのマの字も知らねェガキだもンなァ」
番外個体「アナタの貧相な腕でマッサージできるわけないじゃん、ぎゃは☆」
一方通行「……なンだと?」ピク
番外個体「なにさ、怒った?小さい男だね」
一方通行「それは聞き捨てならねェな」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:47:58.91 ID:CX3FjoZ10
一方通行「……いいやもう、身体でわからせてやる」グイ
番外個体「うわわ、ちょ、ちょっと!」
一方通行「はいはァい、暴れないでくださいねェ」
番外個体「乗らないで!あ!ど、どこ触って……んっ」
一方通行「ここかァ?ここがええのンかァ?」ギュッギュッ
番外個体「……あれ?気持ちいい」
一方通行「だろォ?」ギュッギュッ
番外個体「何これ、超気持ちいいー……はにゃーん」
一方通行「という事だァ」スッ
番外個体「も、もう終わり?……確かに気持ちよかったけどさぁ」
一方通行「マッサージは世界を救う」ウン
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:49:06.72 ID:CX3FjoZ10
一方通行「……」ポクポクポク
一方通行「!」チーン
番外個体「なに、どうしたの?」
一方通行「決めたァ」ウン
番外個体「な、なにを?」
一方通行「手伝え」
番外個体「だから何を?夜の相手ならお断りだよ、ぎゃは」
一方通行「店開くゥ」
番外個体「……へ?」
一方通行「マッサージってのは素晴らしいもンだ」ウン
番外個体「……は?」
一方通行「ほぐし屋さン、とかいいなァ」
番外個体「病院行けば?」
一方通行「病院よりも手軽にマッサージ受けられる施設っていいだろォ?」
番外個体「頭の病院!アナタのそのおかしな頭見てもらいなって事!」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:50:12.62 ID:CX3FjoZ10
番外個体「資格とかいらないの?なきゃ問題になりそうじゃん」
一方通行「いらねェよ、学園都市だしィ」
番外個体「なにその理屈」
一方通行「まともな都市が子供の脳いじったりクローン作ったりするかよ」ゴロン
番外個体「……なんかすごい説得力あるね」
一方通行「学園都市で求められるのは資格じゃねェ、実力だァ」
番外個体「……そうかも」
一方通行「よし、手伝え」
番外個体「イヤだと言ったら?ぎゃはは」
一方通行「お前だって俺を殺す以外の生きる理由ができンだろォ?」
番外個体「それは……そうかもしれないけどさ」
一方通行「暇つぶしだ暇つぶしィ」ダラーン
番外個体「……そうだね、暇つぶしに手伝ってあげてもいいよ」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:51:28.35 ID:CX3FjoZ10
一方通行「じゃやるぞォ」オー
番外個体「……やれやれ」
トーンテーンカーンカーン
一方通行「一方通行と!」
番外個体「ミサカの!」
番外通行「ほぐし屋さン完成!!」ババーン
一方通行「よし、さすがベクトル操作」ウン
番外個体「ミサカの電気があってこそだし!」
一方通行「次は札を作ります」
番外個体「札?」
一方通行「やってますよォ的な」
番外個体「ああ……営業中的なね」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:52:53.83 ID:CX3FjoZ10
一方通行「開店中はこンなンでいいよなァ?」フヒュゥ
【ほぐし中】
番外個体「……うん、もうそれでいいと思う」
一方通行「じゃ次閉店中はコレ」
【ほぐされ中】
番外個体「なんでさ!それだと意味わかんないじゃん!!」
一方通行「なンで」
番外個体「別にミサカ達がほぐされてる訳じゃないじゃん……もっと閉店ってわかりやすくして」
一方通行「じゃコレ」ドン
【ダラけ中】
番外個体「それじゃ正直すぎるって」
一方通行「はい」バン
【本日の凝りはほぐし終わりました。明日まで凝りに苛まれて下さい】
番外個体「言い方ってもん考えたら?いやミサカも人の事言えないけどさ……」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:54:02.27 ID:CX3FjoZ10
一方通行「うっせェなァ……じゃこれでいいだろ」
【ほぐし中】
【本日の凝りはほぐし終わりました】
番外個体「……センスないのはその服だけじゃなかったんだね」
一方通行「素人にはわからねェよ」フフン
番外個体「気持ち悪いなぁ……ミサカ既に疲れたんですけど」
一方通行「ほぐしてやろうかァ?」
番外個体「うっさい……ほら、開店するんでしょ?」
【ほぐし中】パタン……
一方通行「ほぐし屋さン、開店でェす」
番外個体「おー」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:55:08.84 ID:CX3FjoZ10
【ほぐし屋さン】
アナタの凝りをほぐします。
・血行促進
・疲労回復
・痛み緩和
・骨盤矯正etc
ベクトル操作と電気治療によるマッサージです。
一方通行「いいンじゃねェ?」
番外個体「ふふん、ミサカの実力を思い知るがいい!」ブンッ
一方通行「素人なンですけどね」ゴロゴロ
番外個体「うっさい!ミサカを生み出した事を後悔するぐらい気持ちよくしてやる!」
番外個体「ミサカのテクニックでひぃひぃ言わせてやるんだから、ぎゃはは」ブンッ
一方通行「言い方卑猥ィー」ヒュゥー
番外個体「……改めてツッコまれると恥ずかしいからやめて」
一方通行「やっぱ子供だなァ」
番外個体「こ、子供じゃないもん!」フン
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:56:18.27 ID:CX3FjoZ10
開店からしばらく経って―――。
番外個体「……誰も来ないなー」
一方通行「よォ」
番外個体「あ、どこ行ってたの?」
一方通行「ン、ほれ」ポイ
番外個体「何この服?アナタこんな趣味あったの?」
一方通行「ばァか、まともな格好して何がいけないンですかァ?」ヌギヌギ
バサッ
番外個体「……アナタ意外と白衣似合うね」
一方通行「ほれ、さっさと着替えろォ」
番外個体「うぅー、これは公開処刑だー」トボトボ
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:57:32.62 ID:CX3FjoZ10
番外個体「どうかな?ミサカには似合わないと思うんだけど」
一方通行「おォ、いいじゃねェの」ダラーン
番外個体「本当?嘘じゃない?」
一方通行「少なくともあの戦闘服よりは遥かにマシだァ」
番外個体「……そっか、うん」
一方通行「見た目はもうバッチリ整体師だなァ」
番外個体「そうだね、完璧すぎるかも」
一方通行「もうアレだ、国際Aランクほぐし師を名乗る」ウン
番外個体「……資格どころかまだ1人も相手してないじゃん」
一方通行「うっせェなァ……あ」
番外個体「どうしたの?マヌケな顔が更にマヌケになってるよ?」
一方通行「知り合いがいたンだ、ちょっと客として呼んでくるゥ」
番外個体「……ミサカの憎まれ口も全く効果がないね」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:58:34.30 ID:CX3FjoZ10
黄泉川「へぇ、一方通行がマッサージねぇ」
一方通行「コイツ黄泉川」
番外個体「あ、上位個体の同居人だよね?」
黄泉川「あれ?……一方通行、この子って……」
一方通行「あァ、超電磁砲のクローン」
黄泉川「打ち止めと同じか、よろしくじゃん」
番外個体「ミサカは番外個体、よろしくね」
一方通行「どンな感じにする?」
黄泉川「んー、最近肩凝りが酷いじゃん?」
番外個体(嫌味か!ミサカは貧乳MM遺伝子を怨むよ!)
一方通行「肩かァ、そこにうつ伏せになれ」
黄泉川「はいよー」ゴロン
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 22:59:52.93 ID:CX3FjoZ10
一方通行「凝ってるところはございませンかァ?」ギュッギュッ
黄泉川「だから肩って言って……あ、気持ちいじゃん」
一方通行「痛かったら言ってくださいねェ」ギュッギュッ
黄泉川「お、おぉ……なんかすごいなコレ……」
一方通行「ベクトルマッサージですゥ」ギュッギュッ
黄泉川「うわぁ……これいいなー……」
一方通行「よし、次は電気でェす」
番外個体「ミサカの出番だね?」
一方通行「おォ、肩になンか丁度いいぐらいの周波数的なアレをやってくれェ」グデーン
番外個体「……よくわかんないけど、わかったよ」
番外個体「強くない?大丈夫かな?」ピリピリ
黄泉川「おぉぉぉー……これも気持ちいいじゃん……」
番外個体「ほ、本当?」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:00:59.09 ID:CX3FjoZ10
30分後―――。
一方通行「どうだァ?」
黄泉川「……」グルングルン
黄泉川「すごいじゃんよ!すっごい軽くなった気がするじゃん!」
一方通行「よかったなァ」
黄泉川「心配してたけど、どうやら問題なさそうじゃん?」
一方通行「はン、俺は1人でも生きていけますゥ」ゴロゴロ
黄泉川「あっはは、たまには打ち止めにも会いに来るじゃんよ」
一方通行「気が向いたらなァ」
黄泉川「ところで代金は?」
一方通行「初マッサージだから無料でいいでェす」
黄泉川「それはちょっと悪いじゃんよ」
一方通行「あ、なら頼みたい事あンだけどォ」ゴローン
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:02:07.97 ID:CX3FjoZ10
黄泉川「あー……うん、把握した」チラ
番外個体「?」
一方通行「悪ィなァ」
黄泉川「うんにゃ、元々お前がいたところに入るだけだし、問題ないじゃん」
一方通行「番外個体、お前今日から黄泉川ン家に住めェ」
番外個体「え?なんで?」
一方通行「お前どォせ研究所だろ?それより黄泉川ン家で生活した方がいい」ダラダラ
黄泉川「コイツが出てったから空きはあるじゃん、それに打ち止めもいるし」
番外個体「い、いいよ!ミサカは1人でいいの!」
一方通行「うるせェなァ、いいから」
黄泉川「ほら、今日からよろしくじゃん?番外個体」ニコニコ
番外個体「……うん、わかった」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:03:40.46 ID:CX3FjoZ10
一方通行(超電磁砲と和解してから、負の感情拾うのは減ったみてェだな)ゴロゴロ
一方通行(だからあんなに丸くなったってかァ)
一方通行「まァ、まだ憎まれ口は叩くけどな」ウン
一方通行「それよりも身体への負担が問題だよなァ」
一方通行「……」
一方通行(可能性があるとしたら、『アレ』だけだろォな)
一方通行「……」
一方通行「なンとかならねェもンかねェ」
一方通行「コーヒー飲みてェ」グデーン
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:04:40.23 ID:CX3FjoZ10
黄泉川「たっだいまー」
芳川「おかえりなさい……ってあら?」
打ち止め「あれ?番外個体、どうしたの?」
番外個体「えーっと、あははー」
黄泉川「今日からコイツも家族じゃん!仲良くしろよー?」ナデナデ
番外個体「ぷぁっ、ちょ、ちょっとー」
打ち止め「わーい、番外個体と一緒に住めるの?ってミサカはミサカは新しい家族ができる事を喜んでみる」
芳川「どういう事?」
黄泉川「今日一方通行に頼まれたじゃんよ」
芳川「ああ、なるほどね」
打ち止め「あの人と一緒にいたんだね!ってミサカはミサカは2人が仲良くしてる事を微笑ましく思ってみたり」
番外個体「隙を見て殺してやろうと思ってね、ぎゃは☆」
黄泉川「とにかく、今日はパーッとやるじゃん!」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:05:55.51 ID:CX3FjoZ10
ーーーーーーーー。
芳川「ここの部屋使っていいから」
番外個体「あ、うん……ありがと」
芳川「一方通行はまた妹達を救う気なのね」
番外個体「え?」
芳川「なんでもないわ、おやすみなさい」
番外個体「お、お……おやすみ、なさい……」
モフンッ……
番外個体「家族かぁ、ミサカには似合わないかな?くけけっ」
番外個体「でも……ちょっとだけ嬉しい、かも」
番外個体「……ふん、モヤシに感謝なんかしてやらないんだから」
番外個体「おやすみ、なさい……か」ニヘラ
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:07:08.28 ID:CX3FjoZ10
次の日―――。
番外個体「やっほう」
一方通行「……」zzz
番外個体「えー……もう店開く時間なんだから起きてよ」
一方通行「ン……番外個体か?」ネムイ
番外個体「ぎゃは、なにそのマヌケ面?隙だらけもいいとこだよ?」
一方通行「なら殺してみるかァ?」ゴローン
番外個体「……そんな事、しないもん」
一方通行「……」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「わわ、何すんのさ!」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:08:09.21 ID:CX3FjoZ10
一方通行(そンな事しない、かァ)
番外個体「……?」
一方通行「おはようございまァす」ペコリ
番外個体「お、おは、おは……おはよ、う」
一方通行「……」ニヘッ
番外個体「な、なんだよー!笑わないでよ!」
一方通行(ったく、人間味が出てきたじゃねェの)
番外個体「ねね、昨日ね?―――――――」
一方通行(考えてみりゃコイツが1番ガキだもンな……)
番外個体「―――――、――――――」
一方通行(見た目は大人、頭脳は子供ってかァ?)
番外個体「ちょっと!ミサカの話聞いてるの!?」
一方通行「逆バーローだなァ、お前」ウンウン
番外個体「は?」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:09:25.55 ID:CX3FjoZ10
一方通行「さァて、やりますかァ」
番外個体「お客さん来ないけど」
一方通行「もっと宣伝しないとダメだなァ」グデーン
番外個体「どうする?ミサカがナース服でも着てビラ配りでもしてこようか?うひゃひゃ」
一方通行「変な店だと思われたら困るからなァ、俺行くゥ」
番外個体「あれ?心配してくれるの?やっさしー」
一方通行「うるせェな……客来たら電話しろよォ」スタスタ
番外個体「はーい」
一方通行「さて、宣伝とは言ったものの……どうしましょォ」ダラーン
一方通行「あン?」
黒子「……」テクテク
一方通行「エンカウント率が高いのは仕様ですゥ」ダッ
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:10:43.53 ID:CX3FjoZ10
<ジャッジメントですの!
黒子「えっ?」クルッ
一方通行「そォい!」ゲシッ
ドガッ!
黒子「げふぅっ!」
黒子「ゲホゲホ、な、何事ですの?」
一方通行「おやァ?いつかのパンダさンではないですかァ」
黒子「こないだの……こ、こんにちは」ペコ
黒子「というかいきなり何するんですの!」
一方通行「何がですかァ?」
黒子「いきなりソバットなんて危険ですわよ!!」プンスカ
一方通行「それはすいませンでしたァ」グデーン
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:12:11.24 ID:CX3FjoZ10
黒子「おかげで腰が痛いですの……」サスサス
一方通行「えっ?」
黒子「え?腰が痛いですって……」サスサス
一方通行「何が何いです?えっ?」
黒子「ですから!腰が!痛いんですの!」プンスカ
ガシィッ!
黒子「へっ?」
一方通行「それは大変ですねェ、ぜひほぐし屋さンでベクトルマッサージを」スタスタ
黒子「え、ちょ、ちょっと!」ズルズル
一方通行「もしかしたらヘルニアかもしれませんねェ」スタスタ
黒子「いやいや、アナタのソバットのせいですわ!」ズルズル
一方通行「うるさいンですの!」スタスタ
黒子「どこへ行くんですのぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」ズルズル
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:13:23.92 ID:CX3FjoZ10
番外個体「あ、本当にお客さん連れてきたんだね」
黒子「!?」
一方通行「あン?どうかしましたかァ?」
黒子「お、お姉様、ですの?」
番外個体「はい?」
一方通行「……お前、超電磁砲の知り合いかァ?」
黒子「え、ええ……私はお姉さまの後輩で、ルームメイトでもありますの」
番外個体「あっちゃー……」
一方通行「ふゥン……」
黒子「……」
一方通行「あ、荷物そこ置いてくださァい」
黒子「え!?スルーですの!?なんか意味深な感じになっておりましたのに!」
一方通行「ン、あいつ超電磁砲の姉さン」
黒子「お姉様のお姉様……ですの?」
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:14:37.70 ID:CX3FjoZ10
黒子「初めて聞きましたわ……」
一方通行「いいですかァ?アイツは、超電磁砲のお姉さン」
一方通行「それ以上でも以下でもありませェン」
黒子「ですからs」
一方通行「答えは『はい・YES・わかりました』以外受け付けませェン」
黒子「いやでm」
一方通行「うるっせェぞコラァ!!!てめェはハイって答えりゃいいンだよ!あァ!?」
黒子「はいですの」キリッ
番外個体「あっはは、ゴメンね……ちょっとワケありでさ」
黒子「……わかりました、お姉様のお姉様」
一方通行「よしよしィ」ワシワシ
黒子「な、撫でないでくださいまし!」
番外個体「よし、じゃマッサージ始めようか」ヨォシ
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:15:43.04 ID:CX3FjoZ10
黒子「お姉様のマッサージ……なんて素敵な響きなのd」
一方通行「変な動きしたら血流操作で血管爆発なァ」
黒子「ガッテン承知の介ですわ!」キリッ
一方通行「腰だったよなァ?そこにうつ伏せになってくださァい」
黒子「ちょちょ、ちょっとお待ちください!」
一方通行「なーンなーンですかァ?」ダラーン
黒子「アナタがマッサージするんですの?」
一方通行「そうですけどォ?」
黒子「いや、それは……殿方に触られるのは慣れてないと言いますか……」
一方通行「なるほど、生娘さンという事でよろしいでしょうかァ?中学生だしィ」
黒子「きっ……!」カァッ
番外個体「お客さんとそういう会話は良くないと思うよ?」
一方通行「だってコイツが処zy」
黒子「うわーーーー!うわーーーー!!」バタバタ
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:16:54.82 ID:CX3FjoZ10
黒子「はぁっ……はぁっ……」
一方通行「あのですねェ、卑猥なマッサージをご希望であれば然るべきお店に行ってもらえますゥ?」
黒子「違いますの!ご希望してませんの!!」
一方通行「じゃ黙ってベクトルマッサージされてろこのパンダ」
黒子「パンダ言うなですの!!!」
一方通行「うっせェなァ……はい、痛かったら言ってくださいねェ」ギュッギュッ
黒子「はわっ!く、くすぐったいですの……」
一方通行「そのうち慣れる」ギュッギュッ
黒子「(あ、でもすごい気持ちいいですわねコレ)ホワーン
一方通行「痛かったら右手挙げてくださいねェ」ギュッギュッ
黒子(……今のはちょっと痛いですわ)スッ
一方通行「……」ギュッギュッ
黒子「無視ですか!歯医者さんですか!!」
一方通行「無視と虫歯をかけるなンて、センスないですねェ」ギュッギュッ
黒子「違いますのぉぉぉぉぉ……んにゅぅぅぅぅ」ニヘーン
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:18:31.66 ID:CX3FjoZ10
一方通行「いかがっすかァ」ギュー
黒子「天にも昇る気持ちでふのぉー」ホワーン
一方通行「そのまま死ねばいいと思いまァす」ギュギュー
黒子「いやダメですの!お客にそれはダメですの!!」
一方通行「ほら動かない動かない」ゴリゴリゴリ
黒子「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!い、痛っ!痛いですの!!」
一方通行「良薬口に苦し、ベクトル身体に悪しって言うじゃないですかァ」ゴリゴリ
黒子「言いませんわ!悪いものをお客に施さないでくださいな!」ガバッ
一方通行「うるさいンですの!」ゴキンッ
黒子「ほげっ…………!!」
黒子「」チーン
一方通行「うンうン、人間素直が一番だなァ」ギュッギュッ
黒子「」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:19:31.92 ID:CX3FjoZ10
番外個体「はい、次はミサカの電気治療だよ」
黒子「おおお、お、お願いしますの!」
番外個体「何を緊張してるのかわからないけどさ、楽にしなよ」
黒子「は、はい!」
番外個体「えいっ」ピリピリ
黒子「はぁんっ……こ、これはまた優しい電気ですことぉ」ホワーン
黒子「とっても気持ち良かったですわ」テカテカ
一方通行「そりゃ良かったなァ」ゴロゴロ
番外個体「いくら?」
一方通行「半額でいいぞォ、特別だァ」フフン
黒子「え!?お金取るんですの!?無理矢理連れてきたのに!」
一方通行「ちっ……パンダさンは金持ってねェのか」
黒子「むっきぃぃぃぃぃ!ありますの!払ってやろうじゃありませんか!!」バリバリッ
番外個体(マジックテープ……)
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:20:28.30 ID:CX3FjoZ10
一方通行「また来てくださいねェ」
黒子「誰が!」プンスカ
一方通行「お帰りはあちらでェす」ポイ
黒子「」ベシャッ
バタン……
一方通行「マッサージって素晴らしくねェ?」
番外個体「でもさっきの人怒ってたよ?」
一方通行「ありゃアレだ、仕様だ」ウン
番外個体「大体、無理矢理引っ張って来るのもダメだと思うけど」
一方通行「ねみィ、だりィ」ゴローン
番外個体「……どうしようもない人間だね、アナタって」
一方通行「はァ?今更知ったのかよ」
番外個体「ミサカはこんな奴の為に作られたのかと思うと……やってられないね」スタスタ
一方通行「はン」ゴロゴロ
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:21:29.00 ID:CX3FjoZ10
一方通行「おォ、お前昼飯食ってきていいぞォ」
番外個体「え、いいの?」
一方通行「客いなくなったし、構わねェよ」
番外個体「わかった、行ってくるね……何か買ってきてあげようか?」
一方通行「コーヒー」ゴローン
番外個体「じゃ砂糖たっぷりのココアでも買ってきてあげるよ、うひゃひゃ」
一方通行「うっぜェ、さっさと行け」
番外個体「ふん、言われなくても行きますよーだ」
バタン……
一方通行「さて、どうすっかなァ」
一方通行「アイツは妹達の中でも特殊だしィ」ゴロゴロ
一方通行「とりあえず……様子見だな」ウン
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:22:31.75 ID:CX3FjoZ10
午後―――。
小萌「こ、こんにちはー」
一方通行「あン?なンですかこのガキはァ」
小萌「む、ガキじゃないですよ!黄泉川センセーから紹介されて来たんです!」
一方通行「黄泉川の知り合いかァ?」
小萌「同僚ですよ、こう見えても高校教師なんですよー?」
一方通行(マジですかァ)
番外個体「……」ジー
小萌「マッサージをお願いできますかー?」
一方通行「おォ、希望のコースを選ンでくださァい」
番外個体「これ、メニュー表」
小萌「ふむふむ……では『30分ベクトルコース』でお願いしますねー」
一方通行「はいよォ」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:23:25.07 ID:CX3FjoZ10
一方通行「ベクトル指圧をしたいと思いまァす」ハイ
小萌「べ、ベクトル指圧?」
一方通行「凝ってる所はどこですかァ?」
小萌「えーっと、肩、腰、足のむくみが……」
一方通行「了解でェす」
一方通行「……」ホァァァ
一方通行「オラオラオラァァァ!」アータタタタタタタタ
小萌「うひゃぁぁぁ!いたっ……くない!気持ちぃぃぃぃ!!」ホフーン
一方通行「オラァッ!」アタァッ
小萌「」チーン
一方通行「お前はもォ、ほぐれてる」フフン
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:24:18.22 ID:CX3FjoZ10
30分後―――。
小萌「こ、これはいいマッサージでした」
一方通行「そりゃ良かったァ」
小萌「週末の楽しみが増えました、またお願いしますねー」
バタン……
番外個体「あんな小さい人でも先生になれるんだね」
一方通行「能力があれば見た目関係ねェって事だろォ」
一方通行「見た目だけじゃなく、生い立ちも人間を量る事はできねェ」
番外個体「なにそれ、アナタが言ってもギャグにしか聞こえないよ、ぎゃはは」
一方通行「別にィ、独り言だしィ」グデーン
番外個体「ふん……なにさ」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:25:11.52 ID:CX3FjoZ10
<すいませーん
番外個体「お客来たよ?」
一方通行「お前対応してみろォ」ゴロゴロ
番外個体「む、無理だよ!ミサカ口悪いもん!」
一方通行「知ってるゥ」ポイッ
番外個体「」ベシャッ
おばあちゃん「あらら、大丈夫かい?」
番外個体「は、はい!?な、なな、なんでございますでしょう!?」
おばあちゃん「緊張しなくていいのよ?お嬢ちゃん」
番外個体「はは、はい……ゴメンなさい」ショボン
おばあちゃん「いえいえ、ところでマッサージして貰いたいんだけどねぇ」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:26:36.56 ID:CX3FjoZ10
番外個体「ねね、この30分の電気コースってのお願いされたよ?」
一方通行「ならお前担当だなァ」
番外個体「無理だって!ミサカまともな会話できないよ!」
一方通行「ばァか、慣れだ慣れェ」
番外個体「うぅ……怨むからね」テクテク
一方通行「……」
一方通行「けっ、お前らに怨まれるのは慣れてますゥ」
―――――。
番外個体「で、では!み、ミサカがやらせて、もも、もらいます!」ハイッ
おばあちゃん「あら、お嬢さんがやってくれるのかい?」
番外個体「ひゃぃっ!」
おばあちゃん「楽にしていいんだよ?じゃあ、よろしくねぇ」ニコニコ
番外個体(はぁ……調子狂っちゃうよ、本当)
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:27:28.51 ID:CX3FjoZ10
バターンッ!
美琴「一方通行!」
一方通行「超電磁砲か、なンですかァ?」
美琴「黒子から聞いたわよ、妹達の誰かといるの?」
一方通行「おォ、今おばあちゃンのマッサージしてるぜェ」
美琴「……どういう事?」
一方通行「……」ドースッカナー
一方通行「……」ハナソッカナー
一方通行「いいや、妹達に関することだ……聞いとけ」
美琴「……なに?」
一方通行「ロシアでの話になるンだけどよォ」
―――――――。
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:28:30.17 ID:CX3FjoZ10
ーーーーー。
美琴「そんな事が……」
一方通行「番外個体は他の妹達と違って負の感情を拾いやすいンだ、俺に対する」
一方通行「俺を殺す目的で製造されたからな、そっちのが都合いいンだよ」
美琴「……でも、打ち止めの件でアンタとは和解したじゃない、一応だけど」
一方通行「まァな、だから負の感情を拾う事は減ってるみてェだ」
一方通行「俺に対して憎まれ口叩く程度だな、今は」
美琴「それでもアンタが殺される危険性も残ってるんじゃないの?」
一方通行「だからどうしたァ?」
美琴「えっ……?」
一方通行「殺されるかもしれねェから逃げろってェのか?」
一方通行「悪いが俺は逃げるつもりはねェ」
美琴「な、なんで?」
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:29:52.55 ID:CX3FjoZ10
番外個体「おばあちゃん、強くない?大丈夫?」ピリピリ
おばあちゃん「うん、大丈夫だよ」
番外個体「そっか、ならいいや」ピリピリ
おばあちゃん「ミサカちゃんって言うの?」
番外個体「あっ……ミサカ、本当の名前ないの」ピリピリ
おばあちゃん「あら……そうなのかい」
番外個体「でもでも、ミサカは全然気にしてないよ?」ピリピリ
おばあちゃん「ゴメンね変なこと聞いて」
番外個体「ううん、ぜーんぜん」
おばあちゃん「ミサカちゃんって呼んでもいいかい?」
番外個体「うぇ!?う、うん……」
おばあちゃん「ミサカちゃん、気持ちいいよ」ニコニコ
番外個体「そう?えへへ、よかったよ」ニヘッ
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:31:00.35 ID:CX3FjoZ10
一方通行「俺が逃げたら死ンだ妹達はどうなンだよ」
美琴「そ、それは……!」
一方通行「妹達と打ち止めを守るって決めたンだ、何があっても逃げるつもりはねェ」
一方通行「番外個体だって妹達の1人だ」
美琴「そう、だね」
一方通行「……守るって決めた以上、俺は死ンでやる事はできねェ」
一方通行「だからって番外個体の存在理由を否定していいわけねェだろ?」
美琴「……」
一方通行「アイツはもうお払い箱な立場なンだ」
一方通行「俺はアイツの違う生きる理由を見つけてやらなきゃなンねェンだよ」
美琴「……」
一方通行「俺のせいで生まれたンだ、俺が手伝うのは当然だろォがよ」
一方通行「……憎まれ口ぐらいなンざ屁でもねェ」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:31:58.79 ID:CX3FjoZ10
ピピピピピーーー。
番外個体「あ、時間だ」
おばあちゃん「あら、もう終わったのかい?」
おばあちゃん「お話に夢中であっという間だったねぇ」
番外個体「ねね、ミサカのマッサージどうだった?」
おばあちゃん「とっても気持ちよかったよ」
番外個体「本当?嘘じゃない?」
おばあちゃん「嘘なんて言うもんですか、ありがとね」ナデナデ
番外個体「うにゃ!?……うん」ニヘラ
おばあちゃん「よいしょっと……」
番外個体「あ、荷物取ってあげるよ!」トテテテ
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:33:14.46 ID:CX3FjoZ10
美琴「一方通行……」
一方通行「まァ、整体屋さンは俺の暇つぶしがメインだしィ?」ゴローン
美琴「……は?」
一方通行「少しづつでも普通の生活に触れていければとりあえずはいいだろォ」ゴロゴロ
一方通行「どのみち妹達とは死ぬまで、死ンでからも付き合うンだ」
美琴「……」
一方通行「死ンだ妹達にはあの世で何回でも殺されてやンよ」
一方通行「その代わり、今生きてる妹達には精一杯生きてもらう」
一方通行「それが俺の存在理由ですゥ」ダラーン
美琴「アンタ、それでいいの?」
一方通行「いいから今こうしてンだろォが」
美琴「……やっぱり、アンタっておかしいわね」
一方通行「失礼極まりねェな」
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:34:19.88 ID:CX3FjoZ10
一方通行「あー、話し過ぎて疲れた」ゴロゴロ
美琴「埃つくわよ?」
一方通行「キャラじゃねェンだよ、ったく」
美琴「どれが本当のアンタなのかしらね」
一方通行「なにがですかァ?」
美琴「アタシと闘った時の一方通行」
美琴「今目の前にいる、ダラッダラな一方通行」
美琴「……妹達の事を誰よりも考えてる一方通行」
一方通行「決まってンだろォ?ダラダラなのが俺ですゥ」
美琴「あは、もうそれでいいわよ」
ガチャ、バタン
番外個体「マッサージ終わったよ」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:35:10.55 ID:CX3FjoZ10
おばあちゃん「とっても気持ちよかったよ」
一方通行「おォ、よかったじゃねェか」ゴローン
おばあちゃん「また来てもいいかい?」
一方通行「もちろんだぜェ?なァ?」
番外個体「え、う、うん……ミサカもまた来て欲しい、かな?」
おばあちゃん「じゃ次もよろしくね、ミサカちゃん」
番外個体「え?う、うん!任せてよ!」
ガチャ、バタンーーー。
一方通行「どうやらうまくいったみてェじゃねェの」
番外個体「ふん!あったり前じゃん、ミサカはアナタと違って優秀だもん」
一方通行「あそォ」グデーン
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:36:09.73 ID:CX3FjoZ10
美琴「あ、あのー」
番外個体「えっ……もしかして」
一方通行「オリジナル」
美琴「えっと、その……」
番外個体「お姉様だね、ミサカは番外個体だよ!このモヤシの手伝いをしてます」
番外個体「隙を見て殺そうとしてるけどね、ぎゃはは☆」
美琴「あの、その」
番外個体「……」
美琴「えっと……」
一方通行「お前らバカですかァ?」
美琴「へ?」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:37:08.03 ID:CX3FjoZ10
一方通行「普通姉妹が会ったらそンなよそよそしくなりませェン」ゴロゴロ
番外個体「……そうだね」
美琴「ぷっ、あはは、そうね」
美琴「私は御坂美琴、よろしくね番外個体」
番外個体「お姉様、ミサカはお姉様の事は怨んでないからね?」
美琴「っ!」
番外個体「お姉様のDNAがなかったらこうして生まれてないんだもん、感謝してるよ」
美琴「あんた……」
番外個体「でもでも、アナタには感謝してやらないけどね、くけけ」
一方通行「うっぜェ」ダラーン
美琴「ゴメン………」
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:38:06.20 ID:CX3FjoZ10
ガシッ!
美琴「え、ちょっ……!」
一方通行「おらおらァ、暗ァい気持ちはマッサージでほぐしましょォ」スタスタ
美琴「ちょっとぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ズルズル
一方通行「番外個体、今日はもう上がっていいぞォ」スタスタ
番外個体「え、本当?」
一方通行「あァ、黄泉川達によろしくなァ」
番外個体「はいはい」スタスタ
美琴「ちょ、助け……」
番外個体「お姉さまは肩に力が入りすぎなんだよ」
美琴「……」
番外個体「その人にほぐしてもらいな、うひゃひゃ」
バタン……
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:39:06.14 ID:CX3FjoZ10
美琴「……ちょっと、変なとこ触ったらぶっ飛ばすからね?」
一方通行「触りたくなる程魅力的ィーなバディになってからほざいてくださァい」グイィ
美琴「何おぉぉう!?うぁぁぁぁー……」
一方通行「ンだよ、ガキのくせに凝ってるじゃねェか」グイグイィィ
美琴「んぅぅぅー、気持ちぃぃぃー」ホワーン
一方通行「ちょっと痛いかもですよォ」ギュッギュッ
美琴「んむぅぁぁぁー……ぉぉぉぅ……」ハニャーン
一方通行「おっさンですねェ」ギュー
美琴「しょうがないでしょぉぉぉぉほほほほぉぉぉーん」ンハァ
一方通行「……」ギュッギュッ
美琴「ふぁぁぁぁ……ぁぁ」
美琴「……」zzz
一方通行「やべェ、ベクトルマッサージ無敵すぎる」ギュッギュッ
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:40:14.52 ID:CX3FjoZ10
美琴「やばいわ、体軽い……」ブンブン
一方通行「だからって三下追っかけ回してやるなよォ」
美琴「なな、なんでアイツの名前が出てくるのよ!」
一方通行「超電磁砲よォ」
美琴「なに?」
一方通行「番外個体に色々教えてやってくれなァ」
美琴「……当たり前よ!アタシはあいつらのお姉さまなのよ?」ブンッ
一方通行「番外個体には発育負けてるンですけどね」ハイッ
美琴「……」イラッ
一方通行「ありゃりゃっしたァ」ポイッ
美琴「」ベシャッ
美琴「なんなのアイツ!やっぱりムカつく!!!」スタスタ
美琴「……黒子の言った通り、気持ちいいじゃない」フンフン
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:41:21.78 ID:CX3FjoZ10
次の日―――。
番外個体「ねぇ、お客さん来ないよ?」
一方通行「来ませンねェ」
番外個体「いいの?ま、お店が潰れようとミサカには関係ないけどね、ぎゃはは」
一方通行「そンな事よりコーヒー淹れろ」ダラーン
番外個体「は?なんでミサカがアナタの為に……」
一方通行「あれェー?番外個体さンはコーヒーも満足に淹れられないンですかァ?」
番外個体「ムッカチーン☆」
番外個体「上等だよ、ミサカがびっくりするくらい美味しいの淹れてあげるんだから!」
番外個体「こんなのMNWで淹れ方調べれば……」ブツブツ
一方通行「泥水かァ?こりゃ」
番外個体「……」ズーン
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:42:21.47 ID:CX3FjoZ10
一方通行「おら、こうやって淹れるンだよ」
番外個体「……知ってるもん」プィ
一方通行「じゃちょっとやってみろォ」
番外個体「……」ムムム
番外個体「……」アワワ
コポポポポ……
番外個体「は、はい、できたよ」コト
一方通行「どれどれェ?」ゴクッ
番外個体「……」ソワソワ
一方通行「……中々のまろみじゃねェか、悪くねェ」ズズー
番外個体「ほ、本当!?やっ……てない!別に嬉しくないし」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「な、やめてよ、ミサカ子供じゃないんだよ!もう!」
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:43:35.16 ID:CX3FjoZ10
一方通行「生まれたばっかりのくせになーに言ってやがりますかァ」ゴロゴロ
番外個体「何なのこの人、すっごいムカつくんですけど」
<すいませーん
一方通行「ほらほら、呼んでますよォ」ゲシッ
番外個体「痛っ!蹴るな!!」
一方通行「打ち止めの次くらいに感情豊かかもしンねェな」
一方通行「よきかなよきかな」ウンウン
番外個体「60分ベクトル電気コースだよー」
一方通行「へいへーい」スタスタ
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:44:38.80 ID:CX3FjoZ10
同時刻、商店街ーーー。
上条「インデックス、福引やってみないか?」
インデックス「福引?」
上条「ああ、スーパーで引換券貰ったんだよ」
インデックス「やりたい!けどとーまやらなくていいの?」
上条「上条さんがやったら……結果は目に見えてると言いますか……」
―――――。
インデックス「あの特等『松坂牛セット』を狙うんだよ!」キラーン
上条「頑張れ!インデックス!!」
インデックス「とりゃー!」
カツン、コロコロ……
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:46:46.22 ID:CX3FjoZ10
カランカラーン
<おめでとうございます!三等、整体無料券です!
上条「え!?マジ!?」
インデックス「松坂牛がよかったんだよ……」
上条「それでも凄いじゃないかインデックス!俺やらなくてよかった!」
インデックス「せっかくだからマッサージしに行く?」
上条「そうだな、行ってみるか!」
インデックス「【ほぐし屋さン】……シンプルすぎてちょっと不安なんだよ」
上条「まぁ無料券だし、お試しって事で気軽に行こうぜ!」
インデックス「そうだね、とーまも日頃の疲れを癒すんだよ!」
上条「インデックス……」ホロリ
インデックス「さー行くよ、とーま!」
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:47:54.48 ID:CX3FjoZ10
一方通行「いらっしゃいまっしィ」グデーン
上条「」
インデックス「あ、いつかのご飯くれた人!」
一方通行「あン?三下と暴食シスターかァ」
上条「え、なんで一方通行が?」
一方通行「ほぐし屋さンですしおすしィ」
インデックス「福引で無料券当たったんだよ!」
一方通行「おォ、じゃ一応そこのメニュー見て決めてくれェ」
番外個体「ねぇ、この料金なんだけどさー」トテトテ
上条「み、御坂!?いや、少し違うか?」
番外個体「あれ、もしかして10032号のお気に入りの人?」
上条「へ?」
インデックス「どれにしようかなー」
78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:49:18.50 ID:CX3FjoZ10
ーーーーー。
上条「そんな事があったのか……」
一方通行「ところでコースは決めたかァ?」
上条「あっさりだなオイ!」
インデックス「んと、私はこの30分電磁波コースでお願いするんだよ!」
番外個体「じゃミサカだね、こっちだよ」
インデックス「じゃ、とーま後でねー」スタコラー
上条「……」
一方通行「……」
ガシィッ!
一方通行「30分THE・プラズマコース入りまァす」スタスタ
上条「嘘だろ!?あの時のあの恐怖が!!」ズルズル
一方通行「大丈夫ゥ、天に召されるからァ」
上条「そこは『それぐらい気持ちいい』とかつけて!フォローして!」ズルズル
79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:50:26.55 ID:CX3FjoZ10
上条「……うぉぉぉー」
一方通行「……」ギュッギュッ
上条「ぬぉっ……んはぁぁぁぁぁぁぁ」ホワーン
一方通行「あんまり混じりっ気ない純度100%の気持ち悪い声出さないでくださいねェ」ギュッギュッ
上条「ずいぶんストレートですね……でも気持ちいいからさー」ンハァァァ
上条「……なぁ、一方通行」
一方通行「なンですかァ、お客さン」ギュッギュッ
上条「悪いな、お前の事誤解してたみたいだ俺」
一方通行「あン?」ギュー
上条「お前だって、学園都市の犠牲者の1人だもんな」
一方通行「はっ」ギュギュー
上条「正直見直したぜ」
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:51:13.05 ID:CX3FjoZ10
上条「最初会った時は悪魔かと思ったけど」
上条「お前も守るべきものの為に頑張ってるんだもんな」
一方通行「買い被りすぎですよォ」グィィ
上条「そんな事あるもんか」
上条「打ち止めやあの番外個体だって……」
上条「お前がいなかったら命はなかっただろ?」
一方通行「……」ギュッギュッ
上条「俺とお前……似てるのかもなぁ」
一方通行「俺とお前がァ?」
上条「ああ」
83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:52:06.30 ID:CX3FjoZ10
一方通行「……三下ァ」
上条「……なんだ?」
一方通行「きンもー☆」メコメコメコッ
上条「ぎゃぁぁぁぁ!イタイイタイ!」
一方通行「第一位様のマッサージでェす、ありがたく受け取れェ」ピプーコリコリコリ
上条「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!死ぬ死ぬ死ぬーーー!!!」
一方通行「凝りという名の幻想をブチ殺すまで少々お待ち下さァい」ミシミシッ
上条「あぁぁぁぁいきゃぁぁぁぁんふらぁぁぁぁぁぁぁっい!!」
―――――。
番外個体「?向こう騒がしいね」パリパリ
インデックス「はぁー、気持ちいいんだよー」タレーン
84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:53:34.08 ID:CX3FjoZ10
30分後―――。
一方通行「どォだよ?」
上条「いってぇ……ってアレ?」
上条「疲れが取れた気がする!!」グルングルン
一方通行「だろォ?結構凝ってたからなァ」ダラーン
上条「すげぇ!痛かったけど、終わってみればスッキリだ!」
一方通行「THE・プラズマコースだからなァ」フフン
上条「ありがとう!いやー、これで無料とは得した気分だな」
一方通行「自腹でも来やがれってンだ」
上条「いや、これはまた来たい、うん」ウン
インデックス「とーま!すっごい気持ち良かったんだよ!」テテッ
上条「おお、俺もだ!また来ような!」ニコニコ
インデックス「うん!絶対また来るんだよ!」ニコニコ
85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:54:27.52 ID:CX3FjoZ10
一方通行「またのご来店をお待ちしゃしゃー」ペコリ
番外個体「最後までちゃんと言わないとダメじゃないの?」
上条「あはは、またな!」
インデックス「ありがとうなんだよ!」
ガチャ、バタン……
一方通行「さァて、休憩しますかァ」ゴローン
番外個体「ミサカも喉渇いたー!死ぬー!」
一方通行「とりあえずコーヒー淹れてくれェ」
番外個体「ふんっ、次こそ美味しいって言わせてみせるからね!」
一方通行「おォ、楽しみにしてまァす」グデーン
番外個体「美味しすぎて失神しても知らないよ、ぎゃは」トテテッ
86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:55:29.87 ID:CX3FjoZ10
一方通行「……ねみィ」ダラーン
ガチャ
番外個体「ねぇ」
一方通行「あン?コーヒーできたのかァ?」
番外個体「アナタに会いたいって人来てるんだけど」
一方通行「あァ?」
エイワス「やぁ、久しぶりだね」
一方通行「……」
エイワス「……」
一方通行「……」
エイワス「……」ヤァ
バタン
87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:56:28.32 ID:CX3FjoZ10
ガチャ
エイワス「いきなり閉めるとは不躾すぎると思わないかい?」
一方通行「なンでお前いるンだよ」ゴロンゴロン
エイワス「ふむ、何故とはどういう意味かな?」
一方通行「お前が現出すると打ち止めがヤバイだろォが」
エイワス「大丈夫だ、今回はそういう感じじゃないからな」
一方通行「あ、そういう感じなンですねェ」
エイワス「ああ、そういう体で進めていって欲しい」
一方通行「じゃそういう感じで」
エイワス「よろしく頼む」
88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:57:26.84 ID:CX3FjoZ10
一方通行「ところで何しに来たンですかァ?」
エイワス「おかしな事を言う、凝りをほぐしに決まっているじゃないか」
一方通行「てめェみてェな存在にマッサージなンざ必要ねェだろうが」
エイワス「私は興味のある事には全身全霊で挑みたい性格でね」
一方通行「ちっ……何が目的だ?」
エイワス「ベクトルマッサージというものを頼む」
――――――――。
エイワス「なるほど……これは確かに気持ち良いかもしれないな」
一方通行「びっくりするぐらい凝ってませンねェ」ギュッギュッ
エイワス「なぜこんな店を?」
一方通行「気まぐれだ気まぐれェ」ギュッギュッ
89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:58:13.13 ID:CX3FjoZ10
エイワス「本当はあのクローン体の為ではないのかい?」
一方通行「……暇つぶしだっつってンだろォが」ギュッギュッ
エイワス「……」
一方通行「なァ」グィィ
エイワス「私ではどうする事もできないよ」
一方通行「心読むンじゃねェよクソが……」グイィ
一方通行「というかてめェならできねェ事なンざねェだろうが」
エイワス「確かに、それは一理ある」
エイワス「だが、それでは意味がないのさ」
一方通行「あン?」ギュッ
エイワス「君が行動を起こす事に意味があるのだよ」
90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/23(日) 23:59:16.07 ID:CX3FjoZ10
エイワス「君ならそれができる資質がある」
一方通行「はン……資質、ねェ」ギュッギュッ
エイワス「あの時見せた片鱗がその証拠だ」
一方通行「……なンで知ってンだよ」グィィ
エイワス「ふふ、さてね」
一方通行「……」
エイワス「どうした?」
一方通行「善行は悪行の免罪符にはならねェよなァ」
エイワス「ふむ、その通りだ」
エイワス「しかし、一度悪行を犯した者が善行をしてはいけないというわけでもないだろうに」
一方通行「ちっ……」ギュッギュッ
91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:00:50.79 ID:NaDMwOWy0
エイワス「君の見ている世界は少々狭いようだ」
一方通行「あン?」
エイワス「怯えてるようじゃ彼女は救えないって事さ」
一方通行「俺が怯えるだァ?はっ、何にだよ」
エイワス「飲まれる事……じゃないかな?」
一方通行「けっ、何しに来たンだてめェはよ」グィィ
エイワス「言っただろう?興味ある事には全身全霊で挑む性格なのだよ」
一方通行「……興味の対象が俺じゃない事を祈るぜェ」グィィ
エイワス「意外だな、君は神を信じていたのかい?」
一方通行「無神論者だよクソッタレ」ギュッギュッ
92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:01:41.60 ID:NaDMwOWy0
エイワス「ふむ、また来るよ」
一方通行「もう来ンなクソッタレが」
バタン……
番外個体「ねね、さっきの人なんか光ってなかった?」
一方通行「気のせいじゃねェか」グデーン
番外個体「そっかな?なんか異常に神々しい気がしたんだけど」
一方通行「気のせいだ気のせい」
番外個体「……??」
<すいまっせーん
一方通行「ほら、いってこい」
93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:03:27.94 ID:NaDMwOWy0
ライバル・垣根登場―――。
ガチャ、キィ……
番外個体「いらっしゃーい」
垣根「第一位いるか?」
番外個体「えっ?あの人なら今……」
一方通行「おォ、垣根じゃねェの」ゴロゴロ
垣根「久しぶりだな第一位、一方通行」
番外個体「ねね、誰?この人」ヒソヒソ
一方通行「コイツは第二位の垣根帝督」
番外個体「え?第二位?」
垣根「おお、未元物質の垣根だ、よろしくなクローン」
番外個体「ミサカの事知ってるの?」
垣根「コイツから話は大体聞いてるよ」
94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:05:05.64 ID:NaDMwOWy0
一方通行「俺と垣根は昔殺し合った仲でなンだよ」
垣根「はは、あん時はお互い死にかけたよな」
番外個体「って事はアナタも結構強いんだね」
垣根「まぁな」
一方通行「今はコイツもほぐし師やってるんだぜェ?」
垣根「ああ、色々あってな……暗部も解散したし」
番外個体(え、レベル5のトップツーは揃って整体師なの?)
番外個体「って事は、アナタが言ってたマッサージかじった事あるっていうのは……」
一方通行「コイツとの整体修行だなァ」
一方通行「今日は何しに来たンですかァ」ゴロゴロ
垣根「いや、お前が店出したって聞いたから様子を見に来てやったんだよ」
一方通行「ずいぶン偉くなったもンですねェ、垣根くン」
垣根「バーカ、ほぐし師としては俺の方が経験が上だ、当然だろうが」
95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:06:15.26 ID:NaDMwOWy0
垣根「しっかしいつ見ても細いなーお前」パシッ
一方通行「いてっ、痛ェな、やめろよお前ェ」ドムッ
垣根「イテッ、お前、俺そんな強くやってねーだろ?」バシッ
一方通行「いってェ、なンで顔なンだよお前」ゴスッ
垣根「げふぅっ、お前本気出すなよ」ゴガンッ
一方通行「痛ェ……なンでグーなンだよ、ふざけンなよてめェ」グググ
垣根「わかった悪い悪い、もうやめようぜ、キリがねぇし」グググ
一方通行「いやお前先にやってきたンだろ?ラストラスト、これで終わりなァ」グググ
垣根「いやいや、本当もうキリないからマジで」ググググ
一方通行「いやいやいや、軽く数合わせだからさ、うン」グググ
垣根「いや、本当もういいって」ググググ
番外個体(えー……)
番外個体「なんかいきなり小学生レベルのケンカ始まったんだけど、どうしたらいいの?」
96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:07:32.03 ID:NaDMwOWy0
一方通行「上等だコラァァァァァ!!」バッ
垣根「やんのかオラァァァァァ!!」ババッ
番外個体(えー……)
一方通行「前から気に入らねェとは思ってたが、ここで決着つけてやンよ!!」
垣根「やってやろうじゃねぇの!」
垣根「まず俺から行くぜ!」ダッ
一方通行「ぐぁっ!う、腕ひしぎ十字固め……?どこでこんなの……」
垣根「ふん、貧弱な第一位様には抜けられねぇよ!!」ギシギシ
一方通行「ナメンなオラァァァァァァァァァ!!」ガキッ
垣根「何!?」
一方通行「はン、こんなの楽勝で抜けられ……!?」
垣根「」ニタリ
一方通行「か、肩の凝りがほぐれてやがる……」ブンブン
番外個体(えー……)
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:08:49.98 ID:NaDMwOWy0
一方通行「てめェ、極めてる間に足を使って肩の凝りをほぐしやがったな?」ギリッ
垣根「ははっ、これが俺のほぐし師としてのスキルだ!」
一方通行「ベクトルパンチ!」バキィッ
垣根「ぐはっ……ぐ、な、なんだと?」
垣根「氷の様だった指先の冷えが止まった……!?」
一方通行「オラ来いよ三下ァァァァァァ!!」
垣根「上等だよコラァァァァァァァァ!!」
一方通行「ベクトルほぐし!」
垣根「未元物質のひと揉み!」
ガッ!
一方通行(ちっ……ぼやけていた視界がはっきりクリアに見える……!)
垣根(くっ……心なしか肌が潤いを取り戻した気がする……!!)
番外個体(えー……)
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:10:05.46 ID:NaDMwOWy0
バリバリバリッ!
番外個体「2人ともいい加減にしないとミサカがお仕置きするよ?」
一方通行「……ちっ」
垣根「オイオイ、こんな女に言われたぐらいで逃げるっつーのか?」
一方通行「馬鹿野郎ォ……俺はコイツが嫌がる事は極力したくねェンだよ」キラッ
垣根(ヤダ……コイツ、綺麗な目してるジャン……)キュン
一方通行「まだ勝負してェっつーンなら、もう俺の負けでも構わねェよ」
垣根「ば、バカな事言ってんじゃねぇぞコラ!」
一方通行「あァ?」
垣根「お前が第一位である限り、誰相手でも『負ける』事は俺が許さねぇ」キラッ
一方通行(えっ……コイツ、素直でいい子ジャン……)キュン
番外個体「はぁ、バカしかいないね本当」
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:11:05.07 ID:NaDMwOWy0
一方通行「お前は店構えてやってンのか?」
垣根「いや、全国ほぐし行脚から帰ってきたばっかりだ」
番外個体(……またわけのわからない事を)
一方通行「ならここでほぐし師やってみねェ?」
垣根「ああ?いいのか?」
一方通行「あァ、2人しかいねェからな」
垣根「お前もいいのか?」
番外個体「ミサカは別にいいけどさ……疲れそうだけどね」
一方通行「はン、疲れなンざ俺らがほぐしてやるよ」
垣根「ほぐし師だけにな」
垣根<HAHAHAHAHAHA!
番外個体「ウザいのが増えた気がする……はぁ」
ほぐし屋さンにていとくんが加わりました▽ティロリンッ
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:12:19.79 ID:NaDMwOWy0
垣根「ところでお前ら一緒に住んでるのか?」
一方通行「はァ?」
番外個体「な、なに言ってるのさ!こんなモヤシと一緒に住むわけないじゃん!」
垣根「なんだ、つまんね」
番外個体「いきなり何を言い出すかと思ったら……」
垣根「でもお前はそうしたいんじゃねぇの?」ニヤニヤ
番外個体「はぁ!?そ、そんなわけ……」
垣根「俺はこう見えても空気の読める人間でな」
番外個体「そ、それはない!断じてない!」ブンブン
垣根「……」ニヤニヤ
番外個体「ムカつくこの人!ねぇ、アナタからも何か言ってよ!!」プンスカ
一方通行「……」zzz
番外個体「死ね!もうまとめて死ね!!」
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:13:22.71 ID:NaDMwOWy0
次の日―――。
初春「白井さん、ここら辺の巡回はいいんじゃないですか?」
黒子「そうですわね、そろそろ支部へ戻りますわ」
初春「佐天さんがパフェ食べに行こうって言ってましたよ?」
黒子「次の非番にお姉様誘って行きましょうか」
初春「ええ、そうですね」
<あ!大変だァ!
初春「え?」クルッ
黒子「何事ですの?」クルッ
一方通行「喋るパンダ発見!」ゲシッ
ドカッ!
黒子「~~~~~~っ!!!」ゴロゴロゴロ
一方通行「ほぐし屋さンですの!」ハイッ
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:14:17.57 ID:NaDMwOWy0
初春「え?し、白井さん?」
黒子「いったぁぁぁぁぁぁ!!なんですのいきなり!?」ジンジン
一方通行「別にィ」
黒子「人に襲い掛かってきて『別に』で済む訳ないですわ!」サスサス
一方通行「あ、ほぐし屋さンでェす」スッ
初春「チラシ?あ、ありがとうございます」
黒子「人の!話を!聞いてくださいな!!」プンスカ
一方通行「ンとォ、パンダ語はよくわかりませン」
初春「」
黒子「……」プルプル
一方通行「サクサクパンダって美味しいですよねェ」ウン
初春「え、そ、そうですね……美味しいです」
黒子「」
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:15:43.29 ID:NaDMwOWy0
黒子「ジャッジメントとして暴行罪で拘束しますの!」
一方通行「ジャッジメントとして暴行罪で拘束しますの!」ハイッ
黒子「……」イラッ
一方通行「……」フフン
黒子「……」
一方通行「……」
黒子「……」
一方通行「パンダですの!」ハイッ
黒子「こんちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダッ
一方通行「まだまだだなァ」フフン
初春「あの白井さんをここまで振り回すなんて……アナタは一体?」
一方通行「ほぐし屋さン、またの名を学園都市第一位、一方通行でェす」ハイ
初春「」スゲェ
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:16:47.56 ID:NaDMwOWy0
初春「あれ……もしかして、あの時私を助けてくれた人ですか?」
一方通行「あン?もしかしてロシアでウォッカ奢ってくれたオサケスキーコフかァ?」
初春「誰ですかオサケスキーコフって!日本人ですよ私!」
一方通行「知りませェン」
初春「覚えてないですか?あの第二位に襲われてた時……」
一方通行「……」ウーン
初春「思い出してくれました?」
一方通行「一切記憶にございませン」ウン
初春「」
一方通行「ちなみに第二位の垣根も俺ンとこでほぐし師やってるからァ」
初春「」
一方通行「もしよろしければ来てくださァい、じゃ」スタスタ
初春「なんとか対応してる白井さんが凄い…………」
106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:17:50.91 ID:NaDMwOWy0
夕方ーーー。
シェリー「マッサージを頼みたいんだけど」
一方通行「了解ィ、コースは?」
シェリー「なんでもいいけどね、凝りだけほぐせれば」
一方通行「結構凝ってる感じですかァ?」
シェリー「そうかも、ガチガチだと思う」
一方通行「どンなもンかちょっと見ていいですかァ?」
シェリー「あー、悪い……私じゃないんだ」
一方通行「あン?」
一方通行「おーい、垣根くゥン」
垣根「呼んだか?」
一方通行「どうやらお前の担当部門だわ」スタスタ
垣根「あ?」
107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:18:51.05 ID:NaDMwOWy0
垣根「う、うぉぉぉぉぉぉ!!」モミモミッ
垣根「ちくしょう!覚えてろあの野郎!!」モミモミッ
エリス「グォォォ……」ホワワー
垣根「くっそ、手が痛ぇ!!」ギュッギュッ
垣根「っていうか硬ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
エリス「ォォォォーン……」キモチー
垣根「全国ほぐし師ランキング第二位ナメんなコラァァァァァ!!!」モミモミモミッ
109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:20:05.88 ID:NaDMwOWy0
一方通行「ねみィ」ゴローン
番外個体「ちゃんと起きてよ、コーヒー淹れたよ?」コト
一方通行「おォ」ズズー
番外個体「ど、どうかな?」
一方通行「うめェ、このまろみが中々どうして……」ウン
番外個体「で、でっしょー?ミサカ今回自信あったんだー」フフン
ガチャ、バタン
垣根「クッソ手が痛ぇ」
一方通行「よォ」
番外個体「あ、ねぇねぇ、第二位もコーヒー飲む?」
垣根「あ?淹れてくれんのか?」
番外個体「ふふん、しょうがないなー」テテッ
垣根「……なぁ」
一方通行「あン?」ズズー
110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:21:14.28 ID:NaDMwOWy0
垣根「身体の調子はどうなんだよ」
一方通行「番外個体かァ?」
垣根「ああ、問題ねぇのか?」
一方通行「いや、ねェわけねェ」
一方通行「負の感情拾ったり、無理矢理発達させたりしてたからな」
一方通行「脳も身体も負担かかりまくりだろォな」
垣根「やっぱりか……カエル医者の所には?」
一方通行「とっくに行ってる、だが結果は変わらねェ」
垣根「そんなに簡単な話じゃねぇ、か」
一方通行「あァ、だが可能性はあるはずだァ」
垣根「なんか手があるのか?」
一方通行「……ベクトルほぐしだ」
垣根「!?」
111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:22:07.98 ID:NaDMwOWy0
垣根「ふざけてんのか?」
一方通行「ばァか、よく考えろ」
一方通行「普通の整体で視力が回復したり、肌に潤いが戻ったりするかァ?」
垣根「それって……」
一方通行「俺の『ベクトルほぐし』と、お前の『未元物質のひと揉み』は……」
一方通行「もはや整体の枠を超えてると言っていいだろォな」
垣根「!」
垣根「……つまり、俺たちなら番外個体を」
一方通行「救える可能性はある」ウン
一方通行「だが、今のままの『ベクトルほぐし』じゃ無理だ」
垣根「なら……俺の『未元物質のひと揉み』でも無理だな」
一方通行「だからお前をここに残させたンだよォ」
一方通行「お互いの技術の向上の為になァ……」
112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:23:17.52 ID:NaDMwOWy0
一方通行「納得したかァ?」
垣根「……質問」ハイ
一方通行「はい垣根くン」ハイ
垣根「お互い、1回は限りなくレベル6に近づいた身だ」
一方通行「……俺の黒翼モード、お前のメルヘン進化の事か?」
垣根「ああ、だから今のままでも十分治療は可能じゃないか?」
一方通行「いい質問だなァ」
垣根「照れるぜ」
一方通行「だが……よく考えてみろォ」
一方通行「お互いあの状態は狙ってだせたもンじゃねェ」
垣根「……ああ」
一方通行「あれは言わば能力の暴走、その状態で治療なンてしてみろ」
垣根「ど、どうなるんだ?」
一方通行「……ほぐしすぎる」
垣根「!」
113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:24:14.80 ID:NaDMwOWy0
一方通行「想像してみろ、豆腐を延々とマッサージするとどうなる?」
垣根「崩れる……」ウン
一方通行「そォだ、治療の力も下手をすれば破壊の力に変わる」
一方通行「今の俺たちじゃそれをコントロールできねェンだ」
垣根「……なるほどな」
一方通行「とりあえずはあの時のような力を自分で自由に扱えるようにしなきゃダメだなァ」
垣根「そうか、いや……そうだな」ウン
一方通行「その可能性があるのは……」
垣根「第一位であるお前と、第二位の俺だけって事か」
一方通行「そういうこったァ」
垣根「……」ウーン
一方通行「あン?」
114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:25:19.35 ID:NaDMwOWy0
垣根「……俺たちはこれ以上高みを目指せるのか?」
一方通行「ほぐし師として、俺らがなンて呼ばれてるか知らねェのか?」
神をもほぐす力の片鱗を振るう者
神が住む天界をほぐす力の片鱗を振るう者
一方通行「……俺らにできねェ事はねェ」
垣根「ああ、そうだな」
一方通行「番外個体の為なら、レベル6……神になってやンよ」
垣根「……番外個体の呪いなんざ屁でもねぇ」
番外個体「ねぇ、コーヒー持ってきたよー」
垣根「ああ、悪いな」
番外個体「何話してたの?男2人で気持ち悪いなー、ぎゃはは☆」
一方通行「なンでもねェよ、くそったれェ」ネー
垣根「ああ、なんでもねぇ」ネー
115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:26:15.72 ID:NaDMwOWy0
別の日―――。
冥土返し「お疲れ様だったね、今日の調整は終わりだよ」
番外個体「はぁ、やっと終わったね」グルングルン
番外個体「ねね、ミサカ最近頭痛いんだけど、どうしてかな?」
冥土返し「頭が痛い?」
番外個体「うん、時々ズキッと来るんだよね」
冥土返し「ふむ……ネットワークに支障は?」
番外個体「ないと思うよ?問題なく繋げるもん」
冥土返し「わかったよ、少し調べてみることにしよう」
番外個体「ゴメンね、お願いします」
冥土返し「……」
番外個体「?」
冥土返し「……いや、なんでもないよ」
番外個体「そう?」
116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:27:09.37 ID:NaDMwOWy0
冥土返し「今日は彼も来ていたね、ちょっと呼んでくれるかい?」
番外個体「あの人?わかったよ」
ガチャ、バタン……
一方通行「よォ、どうなンだ?」
冥土返し「正直良くないね」
一方通行「……具体的には?」
冥土返し「彼女は他の妹達と比べて、身体にかかる負荷が大きいのはわかるね?」
一方通行「あァ」
冥土返し「最近、その負荷が調整でどうにかできる範囲を超えてきたんだよ」
一方通行「なるほどなァ……」
117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:28:06.58 ID:NaDMwOWy0
冥土返し「さっき彼女が頭が痛いと言ってきてね」
一方通行「聞いてねェぞ……ンな事」
冥土返し「心配されたくないんだろうね」
一方通行「けっ……それで、どうなンだよ今後は」
冥土返し「……長くはもたない、かな」
一方通行「……」
冥土返し「恐らく彼女は自分でもわかっているはずだね」
一方通行「そうだろォな」
冥土返し「僕としても今後は何とかしたいと思っている」
冥土返し「ただ……」
一方通行「わかってる、言わなくていい」
冥土返し「……そうかね」
一方通行「またよろしく頼むわ」スタスタ
冥土返し「……」
118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:29:27.69 ID:NaDMwOWy0
番外個体「ねね、何話してたの?」
一方通行「あン?お前の性格を矯正できねェかって相談」
番外個体「む、失礼なモヤシだねアナタは」
一方通行「どっちが失礼なンだか」グデーン
番外個体「ちょっと、電信柱に寄り掛からないでよ」
一方通行「歩くのだりィ」ヘニョーン
番外個体「犬じゃないんだからさ……もっとしっかりしてよ」
一方通行「……ン」スタスタ
番外個体「ちょ、急に歩き出すのかい!」テテッ
一方通行(しっかりしてよ、かァ)スタスタ
一方通行(助けてよ、くらい言えっつーのォ)スタスタ
119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:30:21.04 ID:NaDMwOWy0
番外個体「じゃミサカこっちだから」
一方通行「おォ」
番外個体「はぁ……送ってくよ、位の甲斐性ないのかね」
一方通行「なンで」グデー
番外個体「こんな可愛い女の子が襲われてもいいの?」
一方通行「レベル4に襲い掛かる変態なンざそうそういねェよ」ウン
番外個体「……ちぇっ」
一方通行「明日も遅れるなよ?」
番外個体「アナタこそ寝坊しないでよ」
一方通行「……」フイッ
番外個体「返事!目を見て返事しろ!」
一方通行「へいへい」スタスタ
番外個体「……まったく」
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:31:08.83 ID:NaDMwOWy0
番外個体「……」テクテク
番外個体「なんだろう、最近頭痛くなる頻度が増えた気がする」ズキズキ
番外個体「……」テクテク
番外個体「アレか、このポンコツは限界ですーみたいな?くけけっ」テクテク
番外個体「……」テクテク
番外個体「……ふん、どうしようもないね、ミサカは」
番外個体「どうせならあの人も殺してから死のうかな」
番外個体「あの人を殺して私も死ぬーってか?ぎゃはっ」
番外個体「……くっだらない」テクテク
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:32:29.04 ID:NaDMwOWy0
それからしばらく経った日―――。
垣根「あれ、まだアイツ来てねーの?」
番外個体「知らない、寝坊でしょ大方」
垣根「……なぁ」
番外個体「なに?」
垣根「アイツの呼び方変えてみたら?」
番外個体「へ?」
垣根「愛称とかで呼ぶと一気に仲が深まるぜ?」フフン
番外個体「はぁ?別にミサカ仲深めようとしてないもん」
垣根「へー、じゃ他の女に取られてもいいと」
番外個体「……」ピク
垣根「アイツ結構モテるんだぜ?(知らないけど)」
番外個体「み、ミサカには関係ないし」
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:33:26.72 ID:NaDMwOWy0
垣根「愛称考えてみようぜ」
番外個体「ねぇ、人の話聞いてた?」
垣根「……れーたんってのはどうだ?」
番外個体「……ダメだ、この人も人の話聞かない人種だった」
垣根「れーたん、可愛いじゃねぇの」ウン
番外個体「モヤシで十分だね、あんな奴」
垣根「可愛げのねぇ奴だな……」
番外個体「ミサカに可愛げなんて必要ないの、うひゃひゃ」
ガチャ、バタン
一方通行「おォ……」ネムイ
番外個体「あ、やっほう」
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:34:26.67 ID:NaDMwOWy0
一方通行「なーに話してたンですかァ?楽しげに」
番外個体「いや別に楽しげじゃないけどね」
垣根「愛称を考えてたんだよ」
一方通行「愛称ォ?」
垣根「そうすれば仲良くなれるだろ?」
一方通行「くっだらねェ」グデーン
番外個体「くけけっ、アナタは『れーたん』か『モヤシ』ね』
一方通行「じゃお前は『ミカワ』だなァ」ウン
番外個体「……ミカワ?」
一方通行「ミサカワースト、略してミカワだァ」
番外個体「何その略し方!斬新すぎるっつーの!!」
垣根「くっくっく……サブちゃんみてぇ」プププ
125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:35:17.09 ID:NaDMwOWy0
一方通行「さて、今日も張り切ってマッサージしますよォ」
番外個体「おー」オー
垣根「って言っても今日って予約入ってなくねぇ?」
番外個体「あ、そうかも……どうすんのさ?」
一方通行「しょうがねェ、客引きだァ」
番外個体「ミサカはヤダよめんどくさい、そういうのは男の仕事でしょ?ぎゃはっ」
垣根「男女平等だっつの」
一方通行「あァ、俺クラスになると平気で女を殴る」ウン
番外個体「笑えないよ、バカ」
127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:36:34.97 ID:NaDMwOWy0
垣根「もうじゃんけんでよくねぇ?」
番外個体「しょうがないなー」
一方通行「えー」グデーン
番外個体「なにさ」
一方通行「俺じゃんけンアレルギーだもン」
番外個体「聞いた事ないよ!ホラ、早く」
垣根「だーさなっきゃまーけよー」
番外個体「さーいしょーはグー」
垣根「じゃーん」コォォォ
一方通行「けェン」ホァァァ
「ホイッ!」
一方通行「ちっ……めンどくせェ」スタスタ
垣根「いってらっしゃーい」
番外個体「なんだ、ただ弱いだけか」
128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:37:26.93 ID:NaDMwOWy0
婚后「あらあら、白井さんではありませんか?」
黒子「う、婚后さん……何の用ですの?」
婚后「ずいぶん棘々しいですわね、これだから人生に余裕のない人は……」
黒子「ぐぬぬ、それで、何の用ですの?」
婚后「あら、用が無くては話しかけていけなくて?」
黒子「えっ?」
婚后「せっかく白井さんと仲良くしようと思ってましたのに……」
黒子「そうでしたの、すいまs」
婚后「嘘ですわ」
黒子「……」イラッ
婚后「本当、単純ですわねぇ、おーっほっほっほ」
一方通行「本当ですわねェ、おーっほっほっほ」オホホ
黒子「」
129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:38:21.80 ID:NaDMwOWy0
婚后「あら?どちら様ですか?」
一方通行「このパンダさンの知り合いの一方通行と申しますの」ペコリ
婚后「おやおや、これはご丁寧にどうも……私は婚后光子と申します」ペコリ
黒子「ちょちょ、何をしてるんですの!?」
一方通行「え?客引きですけどォ?」
婚后「あら、一方通行さんは何かお店をやってらっしゃるのですか?」
一方通行「えェ、ほぐし屋さンをやっておりますの」オホホ
婚后「あらまぁ、それはご苦労様ですわね」
一方通行「いえいえ、これもジャッジメントの一環ですので」オホホ
黒子「ふざけてるんですの!?2人で打ち合わせでもしてたんですの!?」
婚后「……白井さんの頭大丈夫でしょうか?」ヒソヒソ
一方通行「いえ、少々マズいと思いますの」ヒソヒソ
黒子「うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:39:15.33 ID:NaDMwOWy0
黒子「何を!してるんですの!」
一方通行「客引きだっつーのォ」ダラーン
黒子「私にケンカ売りに来たんじゃないですの?」
一方通行「客引きだっつーのォ」グデーン
婚后「あの、白井さん?白井さんはこの方のお店に行った事は?」
黒子「え?1回だけありますわ」
婚后「どうでした?」
黒子「え、ええ、気持ちよかったですの」
婚后「私も行きたいですわ!」ハイッ
黒子「」
一方通行「あ、本当ですかァ?」
婚后「ええ、一度整体というものに行ってみたいと思っておりました」
一方通行「ちょうどいいですねェ、じゃ行きましょうかァ」
131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:40:07.52 ID:NaDMwOWy0
婚后「あ、もう1人連れて行ってもよろしいでしょうか?」
一方通行「ン、大丈夫ゥ」
婚后「では、後ほど伺いますので住所をお聞きしても?」
一方通行「ン……これ」サラサラサラ
婚后「ありがとうございます、では後ほど」ササー
黒子「……」
一方通行「お前も来るゥ?」
黒子「ふん、あんな人と一緒にいられませんわ!」
一方通行「……」
黒子「……」
一方通行「……ルゥールルルルルル」チッチッチッチッ
黒子「私は狐じゃありませんの!!」ジダンダッ
132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:41:07.48 ID:NaDMwOWy0
婚后「あら?御坂さんですか?」
番外個体「似てるって言われるけどお姉さんだよ」
婚后「そうでしたか、今日はよろしくお願いいたします」
番外個体「こちらこそよろしくね!」
婚后「電気&ベクトルマッサージ……楽しみですわ」ワクワク
一方通行「じゃそっちのベッドに横になってくださァい」
一方通行「お客さンなンかカレー臭いですねェ」フンフン
婚后「え、そうですか?」
―――。
垣根「どうっすかね?痛くないっすか?」ギュッギュッ
エカテリーナ「シャーァァァァァ……」ホワーン
垣根「結構凝ってますね、お客さん」ギュッギュッ
エカテリーナ「シャ?シャァァァ……」ホワワーン
垣根「あっはは、そんな事ないですって」ギュッギュッ
ていとくんがレベル6に一歩近づいた瞬間です。
133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:42:08.42 ID:NaDMwOWy0
次の日―――。
一方通行「今日は予約入ってたよなァ?」
垣根「ああ、10時から2人入ってる」
一方通行「……ちょっと試してみるか」
垣根「『ベクトルほぐし』か?」
一方通行「あァ、ちょっと縦の動きを取り入れてみたンだ」
垣根「……横の動きの中に縦の動き入れるのは御法度だぜ?」
一方通行「俺がルールだ、常識は通用しねェ」
垣根「……『未元物質のひと揉み』もそろそろ昇華しないと困るんだけどな」
番外個体「???」
一方通行「……そろそろ行く時間じゃねェ?」
垣根「いいのか?」
一方通行「構わねェよ」
134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:43:11.29 ID:NaDMwOWy0
垣根「悪ぃ、じゃちょっと出てくるわ」
番外個体「あれ、サボり?」
垣根「ちげーよ、ヤボ用だ」
――――。
番外個体「ねぇねぇ、第二位はどこ行ったのかな?」
一方通行「女ンとこだァ」ゴローン
番外個体「うひゃー、仕事そっちのけで女と会うってか、さっすが第二位様」
一方通行「そンなンじゃねェよ」
番外個体「?」
一方通行「アイツにもほぐさなきゃなンねェ凝りがあるって事だァ」ゴロゴロ
番外個体「なにそれ、上手いこと言ったつもり?気持ち悪いよ?」
一方通行「メルヘンいないからめんどくせェ」ネムイ
番外個体「もう!予約の時間だよ!」グイグイ
135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:44:06.03 ID:NaDMwOWy0
フレンダ「……凝りもせずにまた来たってわけね」
垣根「ほぐし師だけにな」ウン
フレンダ「うるさい、死んで」
垣根「よう」
フレンダ「帰ってくれない?」
垣根「イヤだね」
フレンダ「毎度毎度帰れって言われてるのになんで来るわけ?」
垣根「そこに凝りがあるから」ハイ
フレンダ「……」
垣根「そりゃ、リハビリの為に決まってんだろ?」
フレンダ「誰のせいでこうなったと思ってんの?
垣根「まぁ俺のせいだな」
フレンダ「ふん……」
フレンダ「ま、ビビッて仲間を売った私が言える義理じゃないんだけどね」
136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:45:13.57 ID:NaDMwOWy0
フレンダ「……アイテムがどうなったか聞かないの?」
垣根「お、今日は答えてくれるのか?」
フレンダ「……滝壺と浜面、絹旗は亡命」
フレンダ「麦野はまだ病院だよ」
垣根「そんなに重傷だったか?」
フレンダ「精神的な問題だって」
垣根「原子崩しはメンバーと和解したんだよな」
フレンダ「したよ、一応ね……でも、麦野は私を撃った事が許せないみたい」
垣根「自分を責めてるってか」
フレンダ「麦野は暗部のリーダーとして当然の事をしただけ……まぁ結局自業自得な訳なのよ、私はね」
垣根「……」
フレンダ「麦野は悪くない、アイテムがバラバラになったのも私の責任」
垣根「俺が悪いんだよ、全部」
137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:46:11.60 ID:NaDMwOWy0
垣根「くっだらねぇ理由で動いてた、俺がさ」
フレンダ「暗部にいた以上、お互い様よ」
フレンダ「もう手遅れ、もう……戻れない」
垣根「……」
フレンダ「……」
垣根「おら、今日の治療始めるぞ」
フレンダ「えー、またー?」
垣根「文句言うな」
フレンダ「結局あんたのマッサージ、痛いから嫌なわけよ」
垣根「うるせぇな、未元シップ持ってきてやったから我慢しろ」
フレンダ「え!?あの温かくて冷たい不思議なシップ?」
垣根「おお、だから今日も耐えろ」
フレンダ「うー、そのシップは魅力的だけど……しょうがないっか」
垣根「よし、じゃ運ぶぞ」ヒョイッ
139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:47:09.14 ID:NaDMwOWy0
神裂「ここがインデックスの言ってた……」
ステイル「見た目は普通だな」
神裂「でも効果は抜群と聞きました」
ステイル「どうやら学園都市最強の整体師がいるらしい」
ガチャ、バタン……
一方通行「はいこンにちはァ」
ステイル「知り合いの紹介で来たんだが」
番外個体「じゃあこっちのメニューからコースを選んでね」
神裂「メニュー結構豊富ですね」
神裂「じゃあ私は電気コースで」
ステイル「僕はベクトルコース」
一方通行「こちらどうぞォ」
140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:48:09.97 ID:NaDMwOWy0
一方通行「……大分凝ってますねェ」ギュッギュッ
ステイル「おぉぉぉぅう……なんという気持ちよさだ……」
一方通行「普段運動とかしないンですかァ?」
ステイル「うーん、あまり自ら動きたいとは思わないが」
一方通行「偶然ですねェ、俺もですよォ」グィィ
ステイル「はふぅぅぅ……それ、もうちょっと強めでお願いする」
一方通行「了解ィー」グィィィィ
ステイル「おふうぅぅぅぅぅぅううん……」
一方通行「痛くないですかァ?」ムギュゥ
ステイル「oh……大丈夫でぇぇへへへぇぇぇすぅぅ」
一方通行「気持ち悪いですねェ」ギュッギュッ
ステイル「失礼なやつだっふぅぅうぅぅぅん……」ホゲー
141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:49:10.65 ID:NaDMwOWy0
番外個体「強かったら言ってね」パリパリ
神裂「あぁ、ちょうどいいですぅぅぅー」ホワーン
番外個体「ねぇ、その格好寒くないの?」
神裂「え?これは私のアイデンティティなので……」
番外個体「ふーん、ならいいんだけどさ」パリパリ
神裂「あ、次右脚重点的にお願いできますか?」
番外個体「え?いいけど……」
神裂「やっぱり、ジーンズ被ってる方がどうしても凝ってしまうんですよねー」
番外個体(どういう理屈なの???)
神裂「ああぁぁぁー……そこ気持ちいいですー」ホワーン
番外個体「うわ、本当に右脚だけすごい凝ってる……」パリパリ
番外個体(ジーンズ履いてるだけでこんなに凝るの?)パリパリ
142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:50:08.44 ID:NaDMwOWy0
神裂「……インデックスにお礼を言わねば」ツヤツヤ
ステイル「ああ、僕もそう思う」テカテカ
神裂「今度他のシスター達も連れて来ようかな」
ステイル「噂によるとゴーレムやヘビですらマッサージしてくれるらしい」
神裂「……まさか」
ステイル「次は、イノケンティウスでもお願いしてみよう」
垣根「ぶぇっきしっ!」
フレンダ「ちょ!汚っ!」
垣根「ふん、大方どっかの誰かが俺を噂してるんだろうよ」ズズー
フレンダ「頭までメルヘンってわけね」
垣根「まったく、モテる男は辛いぜぇ」フフン
フレンダ「……とりあえず鼻水拭いたら?」
143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:51:06.31 ID:NaDMwOWy0
次の日―――。
番外個体「ねぇねぇ、お姉様に買い物行こうって誘われたんだけど」クイクイ
一方通行「行って来ればァ?」ゴロゴロ
番外個体「いいの?ミサカいないと寂しくて死んじゃうんじゃない?ぎゃは」
一方通行「まったく問題ありませェン」
番外個体「つっまんないのー、お土産買ってきてあげるよ」
一方通行「いらねェ」
番外個体「くけけっ、生クリームたっぷりのクレープでいいよね?」
一方通行「さっさと行けっつーのォ」ポイ
番外個体「」ベシャッ
一方通行「いってらっしゃァい」
番外個体「ムッカつく!」ダンダンダンッ
144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:52:07.02 ID:NaDMwOWy0
垣根「おーす、って番外個体は?」
一方通行「超電磁砲と買い物ォ」
垣根「ふーん」
一方通行「……」ダラーン
垣根「どうした?いつも以上に死んでるじゃねぇか」
一方通行「……番外個体を治せる頃には、妹達全員救えるンじゃねェかってなァ」
垣根「ああ、そうかもしれねぇな」
一方通行「お前こそアイテムのガキはどうなンだよ?」
垣根「順調だが……今のままだと限りがあるな、正直」
一方通行「ふゥン、さすがは原子崩しってとこかァ」
垣根「……必ず治してみせるけどな」
一方通行「罪悪感ですかァ?それとも義務感ですかァ?」
垣根「……両方だよクソッタレ」
一方通行「けっ……」ゴロン
145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:53:06.37 ID:NaDMwOWy0
ガチャ……バタン
海原「一方通行、来ましたよ」
一方通行「おォ、運がいいな……今日はちょっと機嫌がいいンだ」ダラダラ
海原「そうなんですか?」
一方通行「あァ、自分を客観的に見れたからなァ」
海原「?」
一方通行「なンでもねェ、そこに横になれ」
海原「は、はい……お願いします」
一方通行「12連ベクトルマッサージコースでいいンだよなァ?
海原「ええ、よろしくお願いしますね」
一方通行「お逝きなさァい」モミモミモミモミッ
海原「んっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
一方通行「くかっ……くかきけこかかきくけきききこくけきこきかかかーーー!!」ギュッギュッ
海原「あぁぁぁぁぁぁすてかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:54:34.79 ID:NaDMwOWy0
美琴「打ち止めも来ればよかったのに」
番外個体「まぁお土産買うからいいでしょ」
美琴「あ、コレ可愛くない?」ホラ
番外個体「えー、ミサカそんな子供趣味ないよ?」
美琴「何おう!?失礼な妹ね、全く」
番外個体「ぎゃは、それよりミサカはこっちのがいいな」
美琴「猫?あんた猫好きなの?」
番外個体「うーん、そうかもしんない」
美琴「でもこの猫なんか珍しいわね、白くて目が赤い」
番外個体「でっしょー?ミサカ的にそこがポイントなんだよ!」
美琴「……なるほど、一方通行みたいね」
番外個体「は、はぁ!?なんでそこであの人の名前が出てくるの!?」
美琴「アンタは猫っぽいし……そっか、2人をイメージしたわけね?」ニヤニヤ
番外個体「ちっがーう!別にあの人は関係ないの!」
147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:55:26.36 ID:NaDMwOWy0
美琴「じゃ別にこれじゃなくてもよくない?」
番外個体「……イヤ、ミサカこれがいい」
美琴「……」ジー
番外個体「な、なんだよう」
美琴「乙女な妹も可愛いなーって?」ニヤニヤ
番外個体「うがー!お子様趣味なお姉さまには言われたくないし!」
美琴「はぁ!?アタシのどこがお子様だっていうの!?」
番外個体「くけけ、だってこんなカエルが好きだしー」
美琴「ぐっ……」
番外個体「それにー」ジー
美琴「ちょっと!ど、どこ見てんのよ!」バッ
番外個体「べっつにー?ミサカ何も言ってないにゃー」ニヤニヤ
美琴「むっきー!やっぱ可愛くないこの子!」
148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:56:23.50 ID:NaDMwOWy0
ガチャ、バタン……
打ち止め「おかえりーってミサカはミサカは番外個体に抱きついぶふぅっ!」モフッ
番外個体「飛び込み禁止って言わなかったですかァ?」
打ち止め「あの人の真似しないでってミサカはミサカは番外個体に憤慨してみたり」
番外個体「ぎゃはは、ゴメンね、はいお土産」ポイ
打ち止め「わー、可愛いヘアピンだ!これって番外個体が選んでくれたの?」
番外個体「お姉さまと2人で選んだよ?ミサカにそんな可愛い趣味ないし」
打ち止め「そっかー、ありがとねってミサカはミサカは素直にお礼を言ってみる」
黄泉川「おかえり、ちょうどご飯できたじゃんよ」
番外個体「わーい、ごっはん、ごっはん!」
打ち止め「もー、手を洗わなきゃダメ!ってミサカはミサカは番外個体を連れて洗面所に向かってみたり」
番外個体「うわわ、離せーーー!」ズルズル
149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:57:07.84 ID:NaDMwOWy0
黄泉川「手洗ったのかー?」
打ち止め「うん、バッチリだよ!」
番外個体「今日は鍋なんだね、お肉もーらいっ」ヒョイッ
打ち止め「コラ、いただきます言わなきゃダメでしょ!ってミサカはミサカは番外個体を叱ってみる」
黄泉川「あっはは、見た目は妹の癖にしっかりしてるじゃん」
番外個体「うー、口うるさいなー」モキュモキュ
打ち止め「妹を躾けるのも姉の仕事ですってミサカはミサカは胸を張ってみたり」
番外個体「張るだけないじゃん、くけけけ」
打ち止め「むっきー!それは言っちゃダメなんだよ!!」
番外個体「へへーんだ」
芳川「ふふ……」クス
151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:58:28.79 ID:NaDMwOWy0
数日後―――。
削板「なぁ、もうちょっと強くできないか?」
番外個体「え?これ以上強くしたらちょっとマズいよ?」
削板「構わん、このままだと温いからな」
番外個体「……わかったよ、後悔しないでね?」
バリバリバリッ!
削板「なぁ、もうちょっと強くできないか?」
番外個体「え!?」
削板「あんまり凝りが取れてる気がしないんだが」
番外個体「ちょ、ちょっと待っててね」
削板「ああ、わかった」
152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:59:26.24 ID:NaDMwOWy0
番外個体「ねぇ、あっちのお客さんが全然凝り取れないんだけど」
一方通行「あン?」ゴロゴロ
番外個体「ミサカが結構強くやってもケロッとしてるしさ、ちょっと見てくれない?」
一方通行「めンどくせェなァ」ダラーン
削板「おう、選手交代か?」
一方通行「ちょっと具合見させてもらいますねェ」ギュッギュッ
一方通行「!」
番外個体「ど、どう?」
一方通行「……垣根呼んで来い」
番外個体「わ、わかった!」テテッ
一方通行「お客さン、この凝りによく耐えてましたねェ」
削板「ははは、根性があればなんとかなる!」
153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:00:10.59 ID:NaDMwOWy0
垣根「どうした?」
一方通行「お前、『連揉み』は何手までできンだ?」ヒソヒソ
番外個体「何その気持ち悪い専門用語」
垣根「連揉みか……最高のコンディションでで65手ってところだな」ヒソヒソ
一方通行「ちなみに今の体力だと?」ヒソヒソ
垣根「……半分以下だな」ヒソヒソ
一方通行「ちっ、俺がやるかァ」
一方通行「番外個体、頼みがあンだが」
番外個体「な、なに?」
一方通行「今日の営業終わったら俺を家まで運んでくれねェか?」
番外個体「なんならお姫様抱っこで運んであげるようか?」
一方通行「……頼む」スタスタ
番外個体「あ、ちょ……」
番外個体「なんだっていうの?」
154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:01:08.21 ID:NaDMwOWy0
番外個体「ねぇ、連揉みって何?」
垣根「……整体技の1つだな」
垣根「俺とアイツは『ベクトルほぐし』と『未元物質のひと揉み』っていう整体奥義を持ってる」
垣根「その2つは、いわゆる万能型なんだ」
番外個体「万能型?」
垣根「ああ、ありとあらゆる症状にオールマイティに対応できるマッサージだ」
番外個体「それで、連揉みってのは?」
垣根「連揉みは、『凝りをほぐす』事だけに特化したマッサージなんだよ」
垣根「ほぐし力だけ見れば、全技の中で2位」
番外個体「?」
垣根「体力の続く限り揉み続ける整体術なんだ」
垣根「だから、体力を使い切ってしまうというデメリットがある」
番外個体「そっか、だからさっき……」
155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:02:08.33 ID:NaDMwOWy0
垣根「俺は午前の営業で半分しか体力が残ってねぇ」
垣根「それじゃあの客の凝りはほぐせねぇって判断したんだろ」
番外個体「な、なるほど……」
垣根「しっかし、アイツの連揉みをフルに受けなきゃ取れない凝りって相当だな……」ウーン
垣根「ま、アイツはほぐし師を始めてから連揉みを会得した天才だ」
垣根「安心しろ、大丈夫だろ」
番外個体「っていうかそのネーミングなんとかならないの?」
垣根「えっ?」
番外個体「連揉みとか、ベクトルほぐしとか未元物質のひと揉みとか」
垣根「い、いいセンスじゃねぇか」
番外個体「はっきり言ってミサカはダサすぎると思うよ?」
垣根「」
156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:03:07.33 ID:NaDMwOWy0
一方通行「お待たせしましたァ」
削板「おお、よろしく頼む」
一方通行「……本当にいいンですねェ?」
削板「ああ、愛と根性で受け止める!」
一方通行「じゃあ、始めまァす」カチッ
一方通行「……」コォォォォ
一方通行「……行くぜ」
一方通行「正拳揉み、裏揉み、鉤揉み、後ろ回し揉みィ!」モミモミモミモミモミモミッ
削板「うぐっ……んむぅぅぅぅぅぅぅん!!」
一方通行「虎爪揉み、下段揉み、肘揉み、上段回し揉み、背揉みィ!」モミモミモミモミモミッ
削板「ぬぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉっ!なんだこれはぁぁぁぁぁ!?」
一方通行「まだまだァァァァァ!!」モミモミモミモミモミモミモミモミッ
削板「」
157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:04:06.96 ID:NaDMwOWy0
番外個体「ほら、着いたよ?」
一方通行「おォ、悪ィな」グデーン
番外個体「全く、本当に体力使い切るなんて……モヤシのくせに、ぎゃは」
一方通行「はン、お前の憎まれ口なンざ痛くも痒くもねェ」ゴローン
番外個体「……ね、ミサカ今日泊まってっていい?」
一方通行「あァ?」
番外個体「これから帰るのめんどくさいんだよー」
一方通行「別にいいけどよォ」グデー
番外個体「あ、泊まるって言っても手は出しちゃダメだよ?ぎゃはは☆」
一方通行「出すだけ体力ありませェン」
番外個体「ふん、どーせ体力あっても関係ないよ、だってアナタへたれだし」
一方通行「疲れたァ」グデー
158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:05:05.56 ID:NaDMwOWy0
一方通行「腹減ったンですけどォ」
番外個体「ファミレスでも行く?」
一方通行「めンどくせェ」ゴロンゴロン
番外個体「じゃあミサカが作ってあげようか?なんてね」
一方通行「一応道具だけは揃ってるからよろしくゥ」
番外個体「え!?本当にミサカが作るの!?」
一方通行「えっ?」
番外個体「……ミサカ料理できないもん」
一方通行「食えればいい、出かけるのだりィし」ダラーン
番外個体「くけけ、じゃすっごくマズいの作って殺してあげるよ」
一方通行「期待してますゥ」
番外個体「……うぅ、ピンチだー」トテトテ
159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:06:06.36 ID:NaDMwOWy0
番外個体「MNWから情報をゲットしてもいいけど……ダメだ」
番外個体「ここはミサカ完全手作りでびっくりさせてやろう、ぎゃはは☆」
番外個体「卵はどうしよう?」
番外個体「……」ウーン
番外個体「電子レンジ?」ポイッ
ウィーン……
番外個体「……」ジー
ボフンッ!!
番外個体「」ビクッ
一方通行「明日ダスキンでも呼ぶかァ」グデーン
160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:07:06.61 ID:NaDMwOWy0
番外個体「ち、違う……卵は必要ない、うん」
番外個体「……なんで自炊しないのに材料まであるんだろう?」
番外個体「次はー、野菜を切るよ」シャキン
サクッサクッ
番外個体「うんうん、皮とか芯に栄養あるって聞いた事あるし」
番外個体「次はコレを茹でます」ハイ
グツグツ……
番外個体「味付けってどうするの?」
番外個体「醤油とか、味噌とかだよね」
ドバドバドバッ
番外個体「よしよし、いい感じだ」ウン
番外個体「あれ?なんか泡出てきたけど……」
161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:08:06.89 ID:NaDMwOWy0
デロデローン
一方通行「……」エー
番外個体「し、失敗はしてないよ!ミサカはアナタを殺す為に作ったんだから!」
一方通行「いただきまァす」ヒョイ
番外個体「あっ……」
一方通行「マズい、やっべェ」ゲロゲロー
番外個体「う……そ、そうなるように作ったんだから当たり前じゃん!」
一方通行「うン、うン」ガツガツ
番外個体「へ?」
一方通行「くっそマズい、なンですかこりゃァ?」モグモグ
番外個体「……ふんっ」プイ
162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:09:05.94 ID:NaDMwOWy0
一方通行「おら、お前も食ってみろ」ヒョイ
番外個体「……」アーン
一方通行「どうですかァ?」
番外個体「……」モグモグ
番外個体「ぷっ……マズいね、なんだこりゃ」
一方通行「クカカッ、どうしたらこンなまじィのできンだよ」パクパク
番外個体「うひゃひゃ、おっかしーね、ここまでマズいとさ」モグモグ
一方通行「料理できねェとこの先生きていけねェぞ?」モグモグ
番外個体「ふんだ、ミサカにはこの先なんてありませーん」パクパク
一方通行「……」モグモグ
番外個体「……」ハグハグ
一方通行「まっじィ」
番外個体「そうだね」
163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:10:05.69 ID:NaDMwOWy0
番外個体「ミサカどこで寝ればいい?」
一方通行「そこらへン」ゴロゴロ
番外個体「普通女の子にベッド譲るものじゃないの?」
一方通行「はン、なァに言ってやがりますかァ」
番外個体「……とう!」モフンッ
一方通行「狭ェ」
番外個体「いいじゃん、ミサカも硬い所で寝たくないし」
一方通行「好きにすればァ?」
番外個体「好きにしますよーだ、ぎゃは☆」
一方通行「もォ眠ィンですけどォ」
164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 01:11:35.68 ID:NaDMwOWy0
番外個体「もう寝るの?」
一方通行「体力使い切ったって言ったろォが」
番外個体「体力ないなー、彼女できた時苦労するよ?」
一方通行「ほっとけェ」
番外個体「……」
一方通行「……」
番外個体「……ねね、もうちょっとお喋りしようよ」
一方通行「……」zzz
番外個体「死ね!このモヤシ!!」
一方通行「……」zzz
番外個体「……」
一方通行「……」zzz
番外個体「……嘘、勝手に死んだらミサカが許さないからね」
番外個体(……頭痛いなぁ)ズキン
193: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:34:39.97 ID:bGvd3/VM0
次の日―――。
番外個体(うぅー、身体ダルい……)
一方通行「店開けるぞォ」グデー
番外個体(このポンコツめ……)
一方通行「あン?どうした?」
番外個体「え!?な、なんでもない!」
一方通行「ならシャッター開けて来い」
番外個体「ミサカをパシリに使うなんていい度胸してるじゃない」
一方通行「朝一で予約入ってンだ、早くしろォ」
番外個体「はいはーい、わっかりましたー」
番外個体「まったく、モヤシめ」ブツブツ
番外個体「……」
番外個体(……まだ、頑張れるよね?)
194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:35:40.10 ID:bGvd3/VM0
ガチャ
一方通行「ようこそほぐし屋さンへ」
一方通行「……あァ?お前らかァ」ダラーン
土御門「海原から聞いて来たぜよ」
結標「すごい気持ちいいって言ってたから」
一方通行「それは否定しませンがねェ」
土御門「じゃ暗部生活の疲れを癒してもらおうかにゃー」
結標「ねぇ、私あなたに身体触られたくないんだけど?」
一方通行「なら電気コースにしとけェ」ゴロゴロ
結標「ああ、噂のクローンね」
一方通行「どうしても俺とか垣根に触られたくないっていうなr」
土御門「ちょっと待て、今なんて言った?」
一方通行「『……あン?お前らかァ』ダラーン」
結標「戻りすぎよ!バカか!!」
195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:36:45.21 ID:bGvd3/VM0
土御門「……気のせいか垣根って聞こえた気がするが」
一方通行「気のせいじゃなくねェ?それ」
結標「なんで飄々としてんのよ!垣根ってあの第二位の未元物質!?」
垣根「そうじゃねぇ?」
土御門「なんでそんな奴が……」
一方通行「だってアイツほぐし師だし」
結標「ってちょっと待って!いるわよ!!」ソコニ!!
土御門「え?」
垣根「かきねていとくです!好きなたべものはマンゴスチンです!」ハイッ
土御門「」
結標「」
一方通行「あン?」ゴロゴロ
196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:38:26.70 ID:bGvd3/VM0
垣根「あれ?」
土御門「」
結標「」
一方通行「マンゴスチンってのがダメだったンじゃねェ?」
垣根「そうなのか?マンゴスチンアレルギーとか?」
結標「マンゴスチンアレルギーってなに!?」
一方通行「マンゴスチンはガムでしか食った事ねェ」ハイ
垣根「アレうまいよな、うん」ウン
土御門「……頭痛がしてきたぜい」
垣根「頭痛治療コースにするか?」
結標「えー……こんな人だったの、第二位って……」
一方通行「ねみィ」ゴロゴロ
197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:39:44.44 ID:bGvd3/VM0
土御門「……で、何で一緒にいるんだ?」
一方通行「ほぐし屋さンだもン」ネー
垣根「そうだな」ネー
結標「仲良しか!あんた達仲悪かったじゃないの!!」
土御門「そうだ、殺しあった仲じゃねぇか」
垣根「そんな凝りはとっくにほぐしてやったぜ」フフン
結標「うまくないから!何得意げな顔してんのよ!!」
一方通行「じゃ結標は電気コース、垣根案内してェ」
垣根「1名様ご案内でーす」スタスタ
結標「ちょ、放せ!話を聞かせてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ズルズル
土御門「……」
一方通行「お前、気まぐれベクトルコースでいい?」
土御門「もうなんでもいいぜよ……」
199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:41:08.04 ID:bGvd3/VM0
垣根「こちらでーす」ポイッ
結標「」ベシャ
結標「もう……なんなの一体」ブツブツ
番外個体「あ、お客さんだね、ここに荷物置いてね」
結標(……私は本当にこの遺伝子に縁があるわね)
番外個体「?どうしたの?」
結標「ううん、なんでもないわ」
番外個体「じゃうつ伏せになってね」
結標「……はいはい」
番外個体「ねね、その格好寒くないの?」
結標「寒さでファッションは語れないわよ」
番外個体(ファッション的にもどうかと思うけど……)
201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:42:11.81 ID:bGvd3/VM0
番外個体「あの人と仕事仲間だって聞いたけど」
結標「うん、暗部の一員よ」
番外個体「苦労しない?」
結標「……そりゃあもう」
番外個体「くけけ、じゃ今日はミサカが腕を振るって日頃の疲れを癒してあげるよ」
結標「アナタって……」ホロリ
結標「はぁぁぁぁぁぁぁん……気持ちいいぃぃぃぃぃぃ」ホワーン
番外個体「そう?よかったね」ピリピリ
結標「うっほほぉぉぉぉぉい……これはヤバいぃぃぃ」ハワーン
202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:43:15.12 ID:bGvd3/VM0
土御門「最近肩が重いんだにゃー」
一方通行「じゃ肩を重点的にやってやる」ヨォシ
土御門「頼むにゃー」
一方通行「アクセラマッサージ・壱式ィ!」グィィィ
土御門「うぉ!?」
一方通行「弐式ィ!」ギュゥゥゥゥ
土御門「おわぁぁぁぁぁ……」
一方通行「参式ィ!!!」ギュッギュッ
土御門「これは……気持ちぃぃぃにゃぁぁぁぁぁぁ……」
一方通行「どうですかァ?」ギュッギュッ
土御門「すごいぜよ、気持ちよ過ぎるぜよ!」
一方通行「零式ィ!!!!」ギュグゥゥゥィィィィ
土御門「や、やめろ!そ、それ以上はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
土御門「」ホクホク
203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:44:22.77 ID:bGvd3/VM0
土御門「気持ちよかったぜい……」ツヤツヤ
結標「ええ、これはハマるわね」テカテカ
一方通行「そりゃよござンしたァ」ダラーン
土御門「また来るにゃー」
結標「またお願いね!」
垣根「来週も絶対来てくれよなっ☆」
番外個体「なんか次回予告みたいだね」
一方通行「あじゃっしたァー」ペコ
土御門「ヤバかったにゃー」スタスタ
結標「本当、びっくりした」テクテク
土御門「次から仕事終わったら行くか?」
結標「あ、それ賛成」ハイ
204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:45:30.72 ID:bGvd3/VM0
数時間後……
一方通行「よし、今日はこれで終わりなァ」
垣根「お先ー」スタスタ
番外個体「あ、ねぇ」
一方通行「あン?」
番外個体「今日ね、アナタを連れてくるように言われたんだけど……」
一方通行「どうしてですかァ?」
番外個体「みんなでご飯食べるんだって」
一方通行「ふゥン……めんどくせェ」ダラーン
番外個体「ほらほら、しっかり歩かなきゃミサカがお姫さま抱っこしちゃうよ?ぎゃは、超キモい」
一方通行「うるせェなァ……行くかァ」スタスタ
番外個体「あ、ちょっと待ってよ!」テテッ
205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:46:32.72 ID:bGvd3/VM0
打ち止め「おかえりーってミサカはミサカは久しぶりのアナタに抱きつぶふぅっ」モフッ
一方通行「はいお疲れ様でェす」
打ち止め「ひどいよ!せっかくのスキンシップを!」
黄泉川「おお、おかえりじゃん」
芳川「おかえりなさい」
番外個体「た、ただいま……」
一方通行「打ち止め、後でちょっと話がある」ヒソヒソ
打ち止め「え?まさかの告はk」ムギュッ
一方通行「さァて、うがい手洗い行きますよォ」スタスタ
番外個体「あ、自分で歩けるってば!オイコラ!離せーーー!」
打ち止め「あぅ……」サスサス
芳川「とりあえず、問題なさそうね」ウン
黄泉川「ああ、元気でやってるじゃんよ」ネー
206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:47:37.03 ID:bGvd3/VM0
一方通行「手洗ったら疲れたァ」ゴローン
芳川「……いきなり横になる?普通」
黄泉川「コイツに常識は通用しないじゃんよ、打ち止めと番外個体、皿運んでくれー」
打ち止め「はーいってミサカはミサカは進んでお手伝いする!」テテテッ
番外個体「もう、めんどくさいなぁ」トテトテ
芳川「「ふふ、口では言いながらも素直なのね」
一方通行「こっちもうまくいってるみてェだなァ」ゴロゴロ
芳川「ええ、打ち止めと姉妹のように過ごしてるわよ?」
一方通行「訂正しろォ、姉妹だ」
芳川「……そうだったわね」
一方通行「どっちが姉やってンだァ?」
芳川「正直半々ってところかしら」
207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:48:36.74 ID:bGvd3/VM0
芳川「打ち止めの方が生活に関する知識はあるし、番外個体は打ち止めの知らない事を知ってる」
芳川「打ち止めがお姉さんぶってる所は本当に微笑ましいわよ?」
一方通行「ふゥン」ゴロンゴロン
一方通行「まァなンにせよ、2人にとっていい方向に進ンでるならそれでいい」
芳川「ふふ、いよいよ保護者って感じが出てきたわね」
一方通行「はン、うるせェよ」ゴロゴロ
黄泉川「できたじゃんよー」
芳川「あら、ずいぶんごちそうなのね今日は」
打ち止め「久しぶりにみんな揃ったからね!ってミサカはミサカはアナタに同意を求めt」チラッ
一方通行「……」zzz
打ち止め「」
番外個体「この人は本当に堕落しきってるね、ぎゃはは☆」
208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:49:53.05 ID:bGvd3/VM0
―――――。
一方通行「さァて、そろそろ帰るかなァ」ネムイ
打ち止め「ちょ、ちょっと待って!ってミサカはミサカはアナタを引き止めてみる!」
一方通行「なーンですかァ?」
打ち止め「いや、さっき話があるって……」
一方通行「……」ウーン
一方通行「おォ」ピコーン
打ち止め「大丈夫かなってミサカはミサカはこの人の将来を心配してみたり」
一方通行「番外個体の事なんだけどよォ」
打ち止め「どうしたの?」
一方通行「まだ負の感情って拾ってるのかァ?」
打ち止め「……うん、拾ってると思うよ?ってミサカはミサカは事実を述べてみる」
一方通行「最近丸くなったけどよォ、減ってンだろォ?」
打ち止め「確かにお姉様との和解から、少しずつ減ってきてるはずだけど……」
209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:51:13.65 ID:bGvd3/VM0
打ち止め「……でも」
一方通行「ン?」
打ち止め「身体の方は負担が凄いんじゃないかなってミサカはミサカは推測する」
一方通行「……そうなンだよなァ」
打ち止め「アナタを殺す、その為だけに製造された個体だからね」
打ち止め「今までは番外個体自身、自分の命を軽く見ていたけど……」
一方通行「最近になって変わってきたってかァ」
打ち止め「……ミサカは番外個体が心配」
一方通行「ちっ……」
打ち止め「なんとかしてあげられないかな?ってミサカはミサカはアナタを目をみて訴えてみる」
一方通行「なンとか……ねェ」
一方通行「丸くなったと思ったら……今度は身体がもちませンってかァ」
210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:52:29.14 ID:bGvd3/VM0
―――――。
一方通行「ベクトルほぐし、しかねェよな」スタスタ
一方通行「ったく……結局間に合わねェっつーのかよ」
一方通行(俺を殺す為だけに、都合のいいように作られた身体……かァ)
一方通行(リスクなンざこれっぽっちも考えてねェときたもンだ)
一方通行「このままじゃ……やべェな」
一方通行「……」
一方通行「めンどくせェとは言えねェなこりゃ」グデーン
211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:53:55.96 ID:bGvd3/VM0
番外個体「あー、頭痛いー」
番外個体「まったく、何でミサカがこんなに苦労しなくちゃいけないのかな」
番外個体(せっかく殺意剥き出しの軍用クローンを引退したのになー……)
番外個体「……」ゴロン
番外個体(いや、だからか)
番外個体(ミサカは幸せな生活は送っちゃダメって事だよね)
番外個体(所詮は使い捨てのゴミってか、ぎゃはは)
番外個体「……」ゴロン
番外個体(死ぬ為に作られたようなもんなのに、死にたくないだって)
番外個体「くけけ、笑っちゃうね」ガバッ
212: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:55:09.06 ID:bGvd3/VM0
別の日―――。
木山「よろしく頼む」
一方通行「はいよォ」グィィ
一方通行「!」
木山「どうした?」
一方通行「お客さァン……凝りすぎだぜこりゃァ」
木山「最近忙しくてな」ウン
一方通行「ちょっと待ってろ、最高にほぐしてやっから」
垣根「なんだこの凝り具合!?」
一方通行「ここまでひでェと、俺ら2人でやるしかねェ」
木山(え、そんな酷いのか?)
垣根「……アレやるか?」
一方通行「……あァ」
213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:56:26.31 ID:bGvd3/VM0
番外個体「アレってなに?」
一方通行「連揉み・裏」
番外個体「……は?」
垣根「連揉みの強化バージョンだ」
一方通行「裏はそのほぐし力ゆえ、下手したら死ぬ」ハイ
木山「え?」
一方通行「死ぬ」ウン
垣根「ほぐしすぎてしまうからな……」フフン
番外個体「そんなのお客にやって大丈夫なの?」
一方通行「だから2人でやるンだよ」
垣根「1人が裏をかけて凝りをほぐすと同時に、もう1人が表をかけて客への負担をほぐす」
一方通行「俺らにしかできねェ荒業だァ」
番外個体「……なんでもいいよ、もうなんか」
214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:57:50.17 ID:bGvd3/VM0
垣根「寸分の狂いも許されねぇ……」
一方通行「どっちかがミスをしたらそれで終わりだァ」
木山「えっ」
一方通行「骨とかなンやかンや色々ほぐれてグッチャグチャになる」ウン
木山「……」ガタガタブルブル
垣根「安心しろ、俺らのシンクロ率は400%超えてるんだ」
番外個体「それってヤバくない?」
一方通行「……阿吽の呼吸を見せてやるぜェ」
垣根「ちょっと練習しようぜ」
一方通行「あ」
垣根「うん」
一方通行「よし、カウント頼んだ」ハイ
垣根「オッケー」ヨォシ
番外個体(……本当に大丈夫なの?)
217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 22:58:51.77 ID:bGvd3/VM0
一方通行「よし、行くぞ」
木山「……」ドキドキ
垣根「3・2・1」カッ!
一方通行「また君ィーをーほぐしてるゥー」モミモミモミッ
垣根「いままーでよーりもふーかく」モミモミモミッ
木山「うぐっ!ぬぉぉぉぉぉぉ!?」
一方通行「まだ君ィーをー」モミモミモミモミッ
垣根「ほぐしている……心からー…………………」モミモミモミモミッ
木山「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ホヘーン
木山「またよろしく頼む」テカテカ
一方通行「おォ、よろしくなァ」グデー
番外個体「……どっかで聞いた事ある気がする」
218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:00:25.86 ID:bGvd3/VM0
またまた次の日ーーー。
一方通行「ねみィー」ダラーン
一方通行「今日は久しぶりの休みなので、究極のダラクゼーションを開発しまァす」ウン
一方通行「まず寝返りからー」ワンツーワンツー
ピンポーン……バリバリ、ガチャ
番外個体「やっほう、遊びに来たよ」
一方通行「……」エー
番外個体「な、なんだよう」
一方通行「俺はダラクゼーションするンですゥ」ゴロゴロゴロ
番外個体「ダメダメ、今日はミサカに付き合ってもらうんだから」
一方通行「どうしてですかァ?」
番外個体「そりゃアナタを休ませない為の嫌がらせに決まってんじゃん」
一方通行「俺が求めてるのはツンデレーションじゃなくてダラクゼーションですゥ」ゴロンゴロン
番外個体「み、ミサカはツンデレじゃないもん!」
219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:01:36.86 ID:bGvd3/VM0
ーーーーーー。
一方通行「で、どうしてショッピングなンでしょう?」グダー
番外個体「だって上位個体とは頻繁に行ってたんでしょ?ミサカだって来たかったもん」
一方通行「へェ、俺とォ?」
番外個体「ぅ……そ、そうだけど?何かおかしい?」
一方通行「なァなァ、これ吸うと声変わるンだってよォ」ホラホラ
番外個体「もうヘリウム吸いすぎて死ねばいいのにね」
一方通行「服だァ?超電磁砲と買いに行ったンじゃねェのかよ」
番外個体「服は何着あってもいいの、女の子は!」
一方通行「女の子、ねェ」
番外個体「そ、そうだよ!ミサカだって女の子なんだから!」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「んにゅぅ……な、なんだよう」
一方通行「女の子女の子ォ」スタスタ
番外個体「……もう、なにさ!」テテテッ
220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:02:45.28 ID:bGvd3/VM0
番外個体「ねね、これ可愛いと思わない?」
一方通行「思わねェ」ダラーン
番外個体「即答かよ!っていうか見てから言ってよ!」
一方通行「だいたい着なきゃわかンねェだろうが」
番外個体「……じゃ試着してくるから」テテッ
一方通行「……」
一方通行「一人の女の子、ねェ」
一方通行「その通りだな、うン」ウン
シャッ
番外個体「どど、どう……かな?」
一方通行「やっべェ、このマネキン誰かに似てるゥ」ウーン
番外個体「やっぱり死ね!2、3回死んで来い!!」ダンダンッ
221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:04:00.58 ID:bGvd3/VM0
一方通行「おォ、似合うじゃねェか」ウン
番外個体「ほ、本当?変じゃない?」
一方通行「うン、におうにおう」
番外個体「に・あ・う!でしょ!!」
一方通行「それ、そンな感じ」ウン
番外個体「……はぁ、もういいよ」
一方通行「買わないのかァ?」
番外個体「アナタ適当なんだもん、いらない」ショボン
一方通行「はァ……」ヤレヤレ
一方通行「ったく、オラ」ヒョイ
番外個体「あっ……」
一方通行「似合ってましたよォ」スタスタ
番外個体「……当たり前でしょ!ミサカは何でも似合うの!」テテッ
222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:05:09.49 ID:bGvd3/VM0
番外個体「ね、ちょっとあそこ寄ってみてもいい?」
一方通行「あァ?アクセサリーなンか興味あンのかお前」
番外個体「そういうわけじゃないけどさ、キラキラしてるから」
一方通行「カラスかお前」
番外個体「ムカつくなその例え」
一方通行「……6つの金貨でいなかったっけか、カラスの敵ィ」グデー
番外個体「ブツブツうるさいなー、ほら行くよ」グイ
一方通行「えー」ズルズル
番外個体「うわ、綺麗なのいっぱい」
一方通行「目が痛ェ」シパシパ
番外個体「あ!」
一方通行「……ン?」
223: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:06:10.65 ID:bGvd3/VM0
番外個体「わー……」ジー
一方通行「あン?」
番外個体「ねねね、ね、ねってば!」グイグイ
一方通行「なーンなーンですかァ?」ネミィ
番外個体「これ!このネックレス可愛くない?」
一方通行「猫?お前っぽいかもなァ」
番外個体「かーわいーいにゃーん……」キラキラ
一方通行「……」
番外個体「……」キラキラ
一方通行「欲しいのかァ?」
番外個体「うぇ!?い、別に欲しくない!」
一方通行「あそォ、じゃ行きますよォ」スタスタ
番外個体「ぁぅ……」ショボン
224: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:07:08.59 ID:bGvd3/VM0
一方通行「……」スタスタ
番外個体「……」ショボボン
一方通行「なァ」
番外個体「……なに?」
一方通行「欲しいもンは欲しいって言った方がいいぞォ?」
番外個体「べ、別に……」
番外個体(お姉様と買い物行った時は言えたのになぁ……)
一方通行「クソガキみてェに、とまでは言わねェけどよ」
一方通行「もうちょっと願望に正直になれや」
番外個体「……」
一方通行「女の子、なンだろォ?」
番外個体「!」
225: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:08:09.11 ID:bGvd3/VM0
番外個体「……ぃ」
一方通行「あァ?」
番外個体「欲しい……あの猫のネックレス、欲しぃ……ょ」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「わわっ!?」
一方通行「買いに行きますかァ」スタスタ
番外個体「い、いいの……?」
一方通行「お前が欲しいってンなら買ってやりますけどォ?」
番外個体「か、買って!ミサカあれがいい!!」
一方通行「おォ、いいぞォ」
番外個体「……今日はアナタの財布カラッカラにするからね!」
一方通行「残念でしたァ、カードなンですゥ」
番外個体「ふっふーんだ……」ニヘラ
227: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:09:28.08 ID:bGvd3/VM0
とあるコーヒー屋さン―――。
番外個体「ブラックなんて美味しい?」
一方通行「このまろみ……そして、このまろみ……」ズズー
番外個体「ダメだこりゃ」
一方通行「お子様には早いですよォ」グデー
番外個体「お、お子様じゃないし!」
一方通行「じゃ飲ンでみろ」ズイ
番外個体「ぅ……」
番外個体「……」チョビ
番外個体「……うぇ」ニガイ
一方通行「クッカカ、ガキには早かったなァ」
番外個体「うっさい!!」
228: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:10:34.80 ID:bGvd3/VM0
番外個体「今日もご飯つくりに行ってあげようか?」
一方通行「……」エー
番外個体「な、なにさ!失礼だねアナタ」
一方通行「大丈夫なンですかァ?」
番外個体「……うん、多分」
一方通行「へェ、じゃ頼むわァ」
番外個体「え!?……任せて!」ブンッ
一方通行(黄泉川から聞いてンだよ)
番外個体「なーに作ろっかなー」
一方通行(『最近番外個体が料理の本読み漁ってる』ってなァ……)
番外個体「ねね、何食べたい?」
一方通行「なンでもいい」
番外個体「ふん、張り合いないんだから」テクテク
一方通行(MNW使えば楽勝だろォが……バァカ)スタスタ
229: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:11:38.75 ID:bGvd3/VM0
ーーーーーー。
一方通行「まっじィ」モグモグ
番外個体「うー……まさか塩と砂糖を間違えるなんて」チクショウ
一方通行「ベタすぎて逆に新鮮だなァ」モグモグ
番外個体(ちゃんと食べてくれるくせに……)
一方通行「素直じゃないンだから……アナタの方がよっぽどツンデレじゃンってか?」モキュモキュ
番外個体「な・ん・で!心が読めるのさ!!!」
一方通行「そりゃ俺の整体技の一つのおかげだなァ」モグモグ
番外個体「嘘だ!絶対嘘だ!!」
一方通行「脳をベクトル操作して、相手の思考を読み取れるように仕組むンだよ」モグモグ
番外個体「そ、そうなの?」
一方通行「まァ、結構負担掛かるから一般人にはできねェけどな」
番外個体「そうなんだ……」
一方通行「嘘ですの」モグモグ
番外個体「死ね!やっぱり今すぐ死ねぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:13:00.12 ID:bGvd3/VM0
番外個体「ただいまー」
黄泉川「おかえりじゃん、どうだった?料理は」
番外個体「くけけ、塩と砂糖をわざと間違ってあげたよ」
芳川「なるほど、失敗したわけね」
番外個体「……」ズーン
打ち止め「元気出して、次があるよ!ってミサカはミサカはニヤけながら妹の失敗を慰めてみたり」ニヤニヤ
番外個体「なにさ、ガキンチョめー!」
打ち止め「のわわ、ちょ、ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇ!!」
ドタドタ……
黄泉川「あっはは……元気、じゃん」
芳川「今のところ、ね」
黄泉川「番外個体……なんであの子なんじゃんよ」
芳川「……それは他の妹達にも言える事よ」
231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:14:15.31 ID:bGvd3/VM0
ボフンッ
番外個体「はー、今日は楽しかっ……」
番外個体「た、楽しかった、うん」ウン
番外個体「そうだよ、ミサカだって一人の女の子なんだよ」
ゴロンゴロン
番外個体「……猫、可愛いな」シャリ
番外個体「似合う、かな?」セッセセッセ
番外個体「……」ジャーン
番外個体「にっひひー」ボフンッ
233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:15:25.08 ID:bGvd3/VM0
次の日―――。
<ありがとうございましたー
一方通行「今日の予約は今ので終わりだよなァ?」ゴロゴロ
垣根「ああ、そうだな」
番外個体「暇だよーすることないよー」
一方通行「じゃ俺寝るゥ」ダラーン
垣根「いや、ダメだろそれ」
番外個体「でも、本当にすることないよ?」
一方通行「そうだなァ……垣根、凝ってそうな奴連れてこい」
垣根「何で俺が!」
番外個体「客連れてこれる男ってカッコイー!」ヒョーゥ
一方通行「客連れてこれる男ってスッテキィー」ヒューゥ
垣根「まぁな、うん」フフン
234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:16:44.26 ID:bGvd3/VM0
ていとくんの凝り探し―――。
垣根「……」テクテク
垣根「あ、アイツでよくねぇ?」
垣根「すいまっせーん」タタッ
青ピ「へ?僕ですか?」
垣根「ああ、お前凝ってそうな面してんな」
青ピ「なに言うてるんですか?」
垣根「整体興味ねぇか?」
青ピ「うーん、別に興味ないですわ」
カッ!
ズドォォォォォン!!
青ピ「」
236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:17:48.27 ID:bGvd3/VM0
垣根「整体興味ねぇか?」
青ピ「あ、ありますありますめっちゃあります!超肩凝ってたんですわ、うん!」
垣根「うんうん、そうだろうな」スタスタ
青ピ「不幸やーーーーーーーーー!!」ズルズル
番外個体「あ、本当に連れてきた!」
青ピ「おおう!?美女発見!」
番外個体「へ?ミサカの事?」
青ピ「猫目なお姉さんもええなー、ぜひお願いします!」キリッ
ガシッ
青ピ「へ?」
一方通行「ほぐし屋さンへようこそォ」スタスタ
垣根「あ、肩凝ってるらしいぞー」
青ピ「」ズルズル
238: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:19:05.95 ID:bGvd3/VM0
垣根「次はお前な」
一方通行「なンで」ダラー
垣根「強引はお前の得意技だろ、行って来い」
一方通行「引っ張ってくる活力がねェ」
番外個体「……もう、ビラ配りでいいから」
一方通行「……」エー
垣根「えー、じゃねぇよ」
番外個体「いってらっしゃーい」
一方通行「ンだよ……だりィ」スタスタ
ガチャ、バタン……
垣根「……」ウーン
番外個体「どうしたの?」
垣根「……アイツが客引き=誰かの登場フラグになってる気がする」ズバリ
番外個体「は?」
垣根「いや、こっちの話」
239: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:20:16.06 ID:bGvd3/VM0
一方通行のビラ配り―――。
ジャッジメント支部―――。
<1・2・3-……
黒子「えっ?」
バターーーーーン!!
一方通行「だァー!」トウッ
黒子「げふぅっ!」
ゴロゴロゴロゴロッ
固法「し、白井さん!?」
ガッシャァァァァァァァァァァァァン!!
一方通行「ほぐし屋さンですの!」ババーン
固法「」ヒィッ
初春「」デタァ
240: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:21:09.84 ID:bGvd3/VM0
黒子「いったたたた……またアナタですの!?」サスサス
一方通行「あ、ほぐし屋さンでェす」ペコ
固法「え?チラシ?あ、ああ……どうも」
黒子「人をすっ飛ばしておいて放置するなんてどういう了見ですの!?」
一方通行「パソコンとかで肩凝ったら、ぜひ来てくださいねェ」
固法「ああ、は、はい……ありがとうございます」
黒子「聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
一方通行「うるっせェ!仕事の邪魔すンなら帰れ!!」プンスカ
黒子「……」エー
初春「」
一方通行「おォ、お前もいつでも歓迎するからなァ」ウン
初春「え?ええ、ありがとうございます」
241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:22:22.50 ID:bGvd3/VM0
黒子「私に!なんの恨みがあってtの狼藉ですの!?」
一方通行「なンでここではパンダなんて飼ってるンですかァ?」
固法「ぱ、パンダ?」
一方通行「白黒でパンダですの!」ハイ
固法「パンダ……くく、ぷっ……」
一方通行「パンダさンは動物園へお帰りくださァい」ポイ
黒子「」ベシャッ
一方通行「この中国産がァ!!」プンスカ
バターーーーン!!
一方通行「あァ、どこまで話しましたっけェ?」
固法「し、白井さんが……ぱっ、パンダって……」プププ
一方通行「そうでしたねェ、中国産はちょっと信用できないですよねェ、餃子的に」アハハハ
初春「……支部が乗っ取られましたなう」カタカタ
黒子「うぇ……ヒッグ……」グスン
黒子「いつか……必ずリベンジしてみせますの!!……グス」チクショウ
242: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:23:42.96 ID:bGvd3/VM0
番外個体癒しのひと時――――。
番外個体「……」
番外個体「さっきから声かけるだけで逃げられちゃうんですけど」
番外個体「ミサカそんなに目つき悪いかなぁ?」
<ニャーン
番外個体「あれ、猫だ!」タタッ
<ニャ、ニャーン……
番外個体「あ、そっか、電磁波のせいで怖がられるんだった」
番外個体「ゴメンよ、近づかないからね」
<ニャーン
番外個体「……」ジー
番外個体「……」ニヘラ
243: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:25:39.66 ID:bGvd3/VM0
数日後―――。
番外個体「はぁっ、はぁっ……うぅー」
一方通行「あン?どうしたァ?」ゴロゴロ
番外個体「頭痛ひどいんだよ、最近」ズキズキ
一方通行「……」ウーン
番外個体「ね、悪いけど病院行ってきていいかな?」ズキズキ
一方通行「連れてってやる」
番外個体「ううん、大丈夫……」フラフラ
一方通行「ちっ……無理してンじゃねェよ」
番外個体「余裕、余裕……くけけ」フラフラ
一方通行「……俺も後で行くからなァ」
一方通行(クソ、間に合わねェか)
一方通行(今の俺じゃまだ無理だよなァ……)
一方通行「っざけンな、やってやろォじゃねェか」スクッ
244: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:26:42.54 ID:bGvd3/VM0
ガチャ、バタン……
垣根「あれ、番外個体どうした?」
一方通行「……」
垣根「……限界か?」
一方通行「わかンねェが……限界は近いはずだ」
垣根「そうか……どうすんだ?」
一方通行「やるしかねェだろうが」
垣根「無理だろ……今の俺たちじゃよ」
一方通行「うるせェ!無理だろうがやらなきゃなンねェンだよ!!」
バタンッ!
垣根「ちっ、先走りやがって……」
垣根「……今日は臨時休業だよクソッタレ」
245: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:27:43.30 ID:bGvd3/VM0
番外個体「はぁっ……ね、ミサカの身体……どうなの?」
冥土帰し「……」
番外個体「いいよ、正直に言っちゃってさ……」
冥土帰し「……このままじゃもたないね」
番外個体「そっか……はぁっ、最近調子悪いと思った、ら」
<ガチャ、バタン!!
番外個体「誰か……来たみたい、だね」
冥土帰し「ちょっと待っててくれるかい?」スタスタ
番外個体「待ったって……どうしようもないって、うけけ」
番外個体「はぁっ……この、ポンコツ……め」
番外個体(まったく……使えない身体だね、ぎゃは、は)
246: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:28:45.41 ID:bGvd3/VM0
一方通行「アイツはどうなンだ?」
冥土帰し「……限界が近いようだね」
一方通行「調整で補えないのか?」
冥土帰し「ここまで来たら……もう調整じゃどうしようもない」
一方通行「……俺がなンとかする」
冥土帰し「君がかい?」
一方通行「俺の能力で治せねェものはねェ」
冥土帰し「……」
一方通行「俺しかできねェンだ」
冥土帰し「無理はしちゃダメだ、今の君には限界はある」
一方通行「はっ、今無理しねェでいつするンだよ」スタスタ
バタン……
冥土帰し「ふむ、あの子を救った時とは違うんだがね……」
247: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:29:44.81 ID:bGvd3/VM0
バタンッ!
番外個体「はぁっ……あれ……仕事は?」ズキズキ
一方通行「そンなもンどうでもいい」
番外個体「はは、潰れても……はぁっ、知らない、よ」
一方通行「俺も知らねェ」
番外個体「頭がさ……割れ、るように……痛いんだよね」
一方通行「てめェの身体が限界だって言ってンだろォな」
番外個体「くけ、け……はぁっ……早い、ね……限界来る、の……」
番外個体「ヤダよ……せっかく、楽しくなっ、てきたのに……」
一方通行「俺がで治してやる」
番外個体「はぁ?……そんなの、無理に……決まってるじゃん……」
一方通行「黙ってろバァカ」スッ
248: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:31:23.14 ID:bGvd3/VM0
一方通行「ベクトルほぐしに不可能はねェンだ」
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行「……」ギュッ
一方通行「ちっ、ナメンなよクソッタレがァ……」ギリギリ
番外個体「あっは……は、ミサカ、その……表情、トラウマなんだけど……な」
一方通行(打ち止めを救えたンだ、コイツも救えねェわけがねェ)
番外個体「うぐ……はぁっ……」
一方通行「てめェのポンコツな部分なンざ俺がほぐしてやる」
番外個体「無理、だっ……てば、無理に能力使い過ぎたら、アナタの頭……パンクしちゃう、よ」
一方通行「……」
番外個体「ぎゃ、は……無視ですかー……?」
250: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:32:17.54 ID:bGvd3/VM0
一方通行「……」ズキズキ
一方通行(頭が重てェ……)
一方通行(けっ……こンなンじゃ俺は殺されねェぞォ?)
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行(俺を殺せる権利はあの世の妹達しかねェンだよ……)ズキズキ
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行(ちっくしょ、やっぱ今の実力じゃダメだっつーのかよ……)
一方通行「っざけンなコラ!」ズキズキ
ガララッ
冥土帰し「宜しく頼むね」
垣根「おお、任せとけ」
一方通行「あン?」ズキズキ
251: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:33:17.77 ID:bGvd3/VM0
垣根「1人で先走ってんじゃねぇよ、早漏野郎」
番外個体「第二位……?アナタ……までなに、してるの?」
垣根「未元物質のひと揉み」
一方通行「あァ?」ズキズキ
垣根「てめぇ1人で無理なら俺が手を貸してやるよ」
一方通行「はァ?」
垣根「第二位の実力をナメんなよ?」
番外個体「バ、カ……?この人みたいな事を、アナタもやる、って……事?」
垣根「そうだ」
番外個体「笑えるね……無理、だよ……」
垣根「言っただろうが、ほぐし師としての経験はコイツより上だ」
垣根「俺に常識は通用しねぇ」
一方通行「は、言ってろ三下ァ……」ズキズキ
252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:34:10.70 ID:bGvd3/VM0
垣根「俺は俺でやる、てめぇはベクトルほぐしに集中してろ」
一方通行「わかってンだよボケェ」ズキズキ
番外個体「2人とも……脳に無理させすぎ、たら……死んじゃう、よ?」
一方通行「知るか」
垣根「知らねぇな」
垣根「……ぐっ」ズキンッ
一方通行「はン、今更後悔しても遅ェぞ三下がァ」
垣根「誰が……こんなの屁でもねぇよ」ズキン
一方通行「奇遇だなァ、それだけは同意すンぜ」ズキズキ
番外個体「ば、っかじゃ、ない?……ぎゃは、は……」
253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:35:08.87 ID:bGvd3/VM0
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
一方通行「クソ……」
一方通行(視力回復までできたンだ、出来るだろォがよ!やれよ!!)
一方通行(なンで良くならねェンだっての……ちくしょうがァ)
番外個体「はっ……あうっ……」
垣根「おいおい、このままじゃやべぇんじゃねぇの!?」ズキン
一方通行「わかってンだよクソが!黙ってろォ!」ズキズキ
一方通行(……わかってンだよ!)
番外個体「はぁっ……うぐっ」
一方通行(怨まれすぎだろ、俺ってよォ……クカカッ)ズキズキ
254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:36:08.93 ID:bGvd3/VM0
エイワス「さて、お膳立ては整ったようだ」
エイワス「あとは……如何に飲み込まれないか、だね」
エイワス「反射もベクトル操作もただのおまけに過ぎない……君の能力の本質は別にある」
エイワス「本来人間の力なんて大した事はないのさ」
エイワス「が……君は既に人智を超えた存在なんだ」
エイワス「限界なんて自分で決めるものじゃないよ」
エイワス「……着地点はまだまだ先だ」
エイワス「ふふふ……さぁ、どうなるかな?」
255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:37:15.76 ID:bGvd3/VM0
一方通行「はァっ……はァっ……」ズキズキ
垣根「お前大丈夫か?」
一方通行「うるせェ、人の心配してる場合……かよ」
番外個体「無理だって……アナタ、すごい汗……」
垣根「暴走したら元も子もねぇだろうが!」
一方通行「うるっせェンだよ!!」
一方通行「うぐっ……」ズキンッ
垣根「……おい、どうした?」
一方通行「クソ……」ビキッ
番外個体「このままじゃ、アナタも死ぬって、ば……」
一方通行「ぐァ……」ビキビキッ
256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:38:14.46 ID:bGvd3/VM0
バサッ!
番外個体「うけ、け……ミサカはその翼も、トラウマだ……ってのに」
垣根「ちっ!結局暴走してんじゃねぇか!!」
一方通行「ぐゥ……うァァァ!!」
垣根「クソッタレが!おい!!」
一方通行「うァァ……ぐゥゥ……!!」
垣根「おい!しっかりしろって!!!」
番外個体「その翼で、はぁっ……引導渡されるなら……」
番外個体「ミサカはいい、かな?……ぎゃはっ……」
一方通行「うぐっ……はァ、はァ……」
番外個体「けっ……きょく、その翼に……負ける運命だったから、さ……」
一方通行「うァァァァァァァァァ!!」ズキズキ
257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:39:20.12 ID:bGvd3/VM0
一方通行「ぐゥ……っ!」ズキンッ
垣根「おい!」
一方通行「うぐ……あァァァァ……」ズキズキズキ
垣根「お、おいって!しっかりしろよ!!」
一方通行「mvbaoeajgapojwァァァァっ!!」バサッ
垣根「!?」
一方通行「はァ……はァ……」
番外個体「なに、それ?天使にでも……な、ったつもり?ぎゃは、は」
垣根「おいおい!メルヘンってレベルじゃねぇぞ!?」
一方通行「……っざけてンじゃねェぞクソがァ!!」
一方通行「なーにが『生きられない身体』ですかァ!?」
一方通行「そンなくっだらねェ呪いぜンっぶほぐしてやるよコラァァァァァァ!!」
垣根「なんだよ……このノイズはよ!」ズキズキ
258: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:40:36.75 ID:bGvd3/VM0
垣根「がっ……」ズキンッ
垣根「ちっ、俺はもう無理か……」ズキズキ
番外個体「うぁ……はぁっ、はぁっ……」
一方通行「俺を誰だと思ってやがる!学園都市最強の第一位!!」
番外個体「うぅ……うぁぁぁぁっ……」
一方通行「ほぐし屋さン、一方通行だァ!!」
一方通行「俺に治せねェもンはねェンだよクソッタレェェェェェェェ!!!」
カッ!
番外個体「はぁっ……はぁっ……」
番外個体「はぁっ…………」
番外個体「……はぁっ……あ、あれ?」
一方通行「はン……楽勝だっつーのォ」
259: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:41:33.79 ID:bGvd3/VM0
番外個体「あれ……嘘……?本当に……?」
一方通行「どうだよ、気分はよ……」
番外個体「頭痛が、止まった、よ……?」
番外個体「え、な、なんで?」
一方通行「はン、言っただろォが」
一方通行「ベクトルほぐしに不可能は、ねェ」フラッ
番外個体「ちょ、ちょっと!?」
垣根「おい!ちっ、しっかりしろ!!」
一方通行「身体動かねェよ……クソッタレがァ」グデーン
260: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:42:35.99 ID:bGvd3/VM0
番外個体「まったく、無茶するねアナタは」
一方通行「無茶じゃねェし、余裕だしィ」ダラーン
番外個体「連揉みっての使った時みたいになってるよ?」
一方通行「あれはただ体力使い切るだけだァ」
番外個体「今回のは?」
一方通行「身体が全く動きませン」
番外個体「バッカじゃない?本当……バカだね、アナタって」
一方通行「……番外個体」
番外個体「……なに?」
一方通行「……」
番外個体「……」ドキドキ
一方通行「ベッドとかに横にしてほしいなァって」
番外個体「あーそうですか!ほらほらほらー!!」ポイッ
一方通行「おォう」モフッ
番外個体「……ふん!」
261: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:43:42.83 ID:bGvd3/VM0
冥土帰し「……しかし、なんて説明したらいいんだろうね」
一方通行「いらねェよ、整体が奇跡を起こしたで充分ですゥ」
冥土帰し「そうだね、そういうことにしておこうか」
一方通行「番外個体は?」
冥土帰し「恐らくだけど……あとは調整で補える範疇だね」
一方通行「ふゥン……まァ、俺がこれから調整を必要としない身体にしてやる」
冥土帰し「……確かに今の君なら可能かもしれないね」
冥土帰し「あ、ちなみに君はしばらく入院だよ?」
一方通行「……」エー
冥土帰し「無理をして生きてるのが不思議なくらいなんだ、大人しくベッドで寝てなさい」
一方通行「あ、そうしますゥ」ゴロゴロ
冥土帰し「……やれやれ」
262: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:44:43.61 ID:bGvd3/VM0
一方通行「……」zzz
垣根「けっ、死んだように寝てやがんな」
番外個体「ねね、さっきのあの人ってさ……」
垣根「……ああ」
番外個体「レベル6ってやつになったの?」
垣根「さぁ、それはわかんねぇが」
垣根「でも……そうかもしれないな」
番外個体「……天使とか似合わないっての」
垣根「それは同意するぜ、コイツの方がよっぽどメルヘンだ」
番外個体「……アナタにも感謝するよ」
垣根「いらねぇよバカ」
番外個体「どうしてこうレベル5の人って素直じゃないのかなー」
垣根「はっ、お前に言われたくねぇな」
263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:45:40.15 ID:bGvd3/VM0
垣根「じゃ俺も帰って寝るわ」
番外個体「……ありがとね」
垣根「ん」スタスタ
一方通行「……」zzz
番外個体「ね、アナタはどうしてここまでしてくれたの?」
番外個体「罪悪感?義務感?それともただの同情?」
一方通行「……」zzz
番外個体「……そうじゃなかったらミサカは嬉しい、かな?」
一方通行「……」zzz
番外個体「ぎゃは……ありがと」ギュッ
265: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:46:43.38 ID:bGvd3/VM0
次の日―――。
打ち止め「無事で良かったーってミサカはミサカはアナタに飛びついてみる!」モフッ
一方通行「重てェ」
打ち止め「む、それはレディに対して失礼じゃないのかな!」
一方通行「あーそォ」ゴロン
打ち止め「……ありがとうね、ってミサカはミサカはお礼を述べてみたり」
一方通行「あン?」
打ち止め「番外個体を助けてくれて」
一方通行「あァ」
打ち止め「アナタがお店を開いたのは、番外個体を治す為だったの?」
一方通行「ちげェよ、それは関係ねェ」
打ち止め「本当かなー?ってミサカはミサカは疑いの眼差しを向けてみたり」
一方通行「本当ですしおすしィ」グデーン
266: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:47:54.30 ID:bGvd3/VM0
打ち止め「でも……」
一方通行「いいじゃねェか、俺もアイツも無事だったンだから……それでよォ」
打ち止め「……そうだね!ってミサカはミサカは大人の対応を取ってみたり」
一方通行「……おォ」
打ち止め「なに?」
一方通行「番外個体の面倒、しっかり見てやれよ」
打ち止め「え?」
一方通行「何も知らない妹を躾けンのは姉の仕事だろォ?」
一方通行「頼りにしてるぜェ?お姉さン」
打ち止め「……うんっ!」
一方通行「じゃ俺は寝るからァ」ゴロゴロ
打ち止め「また来るからねーってミサカはミサカは手を振っt」ブンブン
一方通行「……」zzz
打ち止め「」ハヤイ
267: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:49:09.39 ID:bGvd3/VM0
さらに3日後―――。
一方通行「よォ」
垣根「番外個体はまだ来てねぇようだな」
一方通行「まァそのうち来ンだろ」ゴロゴロ
垣根「そうか……」
一方通行「……一応いつでもできンぞ」
垣根「……本当か?」
一方通行「コツさえ掴めば楽勝だァ」
垣根「じゃ頼もうかな」
一方通行「こっちはまだ入院中なンだぜェ?」
垣根「知ってるっつーの」
一方通行「ちっ、借りを返すだけだからなァ」スタスタ
垣根「……悪い」
一方通行「オラ、とっとと案内しろボケ」スタスタ
268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:50:14.43 ID:bGvd3/VM0
ガララッ
垣根「よう」
フレンダ「なに、また来たの?」
チャラッラチャチャチャーチャッララー
フレンダ「な、何この音楽?」
垣根「今日は特別ゲストをお呼びしています」
フレンダ「ゲスト?」
垣根「『俺に治せねェもンはねェ』、学園都市が生んだ奇跡のほぐし師……」
垣根「一方ぁぁぁぁぁぁ通行ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
垣根<ワァァァァァァァ!!
フレンダ「…………なにが始まるの?」
269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:51:22.67 ID:bGvd3/VM0
ガララッ!
一方通行「オラァ!ほぐし屋さンだァ!!」
垣根「よっし、いくぞ!」
一方通行「一方通行と!」ハイ
垣根「垣根の!」ハイ
垣根通行「究・極・整体術!!」ババーン
フレンダ「…………は?」
垣根「はい、巻きで行くよ巻きでー」パンパン
一方通行「てめェが噂のガキだなァ?」
垣根「準備するからちょっと待ってろ」
一方通行「おォ」グデーン
フレンダ「ちょちょ、誰?」
垣根「第一位の一方通行、名前くらいは聞いた事あんだろ?」
フレンダ「」
270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:52:37.13 ID:bGvd3/VM0
フレンダ「レベル5のツートップがこんなとこで何してるわけよ!?」
垣根「言ったろ?究極整体術だよ」
フレンダ「え?」
垣根「今の俺たちに治せねぇもんはねぇ」
フレンダ「……それって」
垣根「ああ、お前を治せる」
フレンダ「……は?」
垣根「準備いいかー?」
一方通行「あァ」テンシモード
垣根「俺も大丈夫だ」ファッサー
フレンダ「」
フレンダ「な、なにそれ?」
一方通行「ほぐし屋さン、一方通行の天使モード」ラーラー
垣根「僕のー背中―には羽がーあーるー」ヘイ
フレンダ「」
271: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:53:53.76 ID:bGvd3/VM0
フレンダ「ちょ、な、何するの?」
一方通行「……行くぜ」ラーラー
垣根「……ああ」
一方通行「ベクトルほぐし!!」
垣根「未元物質のひと揉み!!」
カッ!
一方通行「碧いィーうーさーぎィーほぐし続けるゥー」ラーラー
垣根「どこかーに戻―るあなたーのためー」ヘイ
フレンダ「うわわ、な、何これぇぇぇぇぇ……うにゅぅぅぅぅぅ」ホワーン
フレンダ「頭がホワホワして……もうわかんないーぃぃぃぃ」ハワーン
一方通行「今のォー二人ィーほぐせるものはァー」ラーラー
垣根「きっとー真実―だーけーだからー……………………」ヘイ
フレンダ「うぉぉおう!?うにぃぃぃぃ……」ボヘーン
272: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:55:19.67 ID:bGvd3/VM0
フレンダ「」
一方通行「金髪のガキ、どうだよ?」ラーラー
フレンダ「……ガキじゃないんだけど?」
一方通行「パツキンのチャンネー、どうだよ?」ラーラー
フレンダ「古っ!その表現ふっる!!」
垣根「ちょっと立ってみろ」
フレンダ「はぁ?そんなの無理に決まっ……」スクッ
フレンダ「」
一方通行「フーララが立ったっ」ヤッタネ
垣根「フーララが立ったっ」ダネ
フレンダ「なんで治ってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
274: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:56:33.62 ID:bGvd3/VM0
一方通行「レベル6に昇りつめた俺の協力があれば楽勝だァ」ラーラー
フレンダ「」
フレンダ「え?レベル……6?」ガタガタブルブル
一方通行「うン、多分」タブンネ
垣根「ああ、感謝してるぜ」
一方通行「別にィ、借りを返しただけだしィ?」グデーン
フレンダ「」
一方通行「近いうちほぐし屋さン復活するからなァ」ラーラー
垣根「わかった」
フレンダ「」
垣根「あれ?フララ?」
フレンダ「フララ言うな!!」
275: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:57:50.23 ID:bGvd3/VM0
フレンダ「え、なんで?は?」
フレンダ「ねぇ、ちょっt」クルッ
一方通行「なァ、この天使モードの時のよォ」ダラーン
一方通行「羽根を使って、こう……ランドセルとか作ったら売れそうじゃねェ?」
垣根「……」ウーン
垣根「……いけるな」ウン
一方通行「だよなァ?よし、副業は決まりだな」
垣根「……『天使の羽』って名前はどうだ?」
一方通行「……」ウーン
一方通行「……いけるな」ウン
垣根通行「よし」フフン
フレンダ「いけるかぁぁぁぁぁ!帰ってやれそんな話!!!」
276: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 23:59:08.59 ID:bGvd3/VM0
フレンダ「……意味わかんない」
垣根「これがほぐし師だ」フフン
フレンダ「いや、意味わかんないってば」
垣根「治ったんだから細かい事はいいんだよ」
フレンダ「……」
垣根「……原子崩しのとこ、行くんだろ?」
フレンダ「行くよ、もうちょっと……落ち着いたら」
垣根「……」
フレンダ「でも、必ず行くわ」
フレンダ「ありがとね」
垣根「俺に礼言うとか間違えすぎだろ」
フレンダ「そうだけど……うん」
垣根「ん、一応受け取っとく」
277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:00:14.69 ID:5o4ito+n0
一方通行「……疲れたァ」グデーン
一方通行(フララはもう大丈夫として、あとは原子崩しと妹達だなァ)
一方通行(ま、原子崩しの精神的な凝りはフララに任せるしかねェとして)
一方通行「番外個体に妹達、こりゃ忙しくなりますねェ」
ガララッ
番外個体「あー!病室抜け出してどこ行ってたのさ!」
一方通行「口笛がなンで遠くまで聞こえるか調べてきたァ」
番外個体「……は?」
一方通行「オラ、ベクトルほぐしやるから動くンじゃねェよ」
番外個体「あうっ」モフッ
278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:01:18.62 ID:5o4ito+n0
一方通行「今日も元気にほぐしていきますよォ」
番外個体「……ねぇ」
一方通行「あン?」
番外個体「ミサカね、自分でもポンコツな身体がほぐされていくのがわかるんだよ」
一方通行「ほォ」
番外個体「……そうだなー」
一方通行「あァ?」
番外個体「まだまだだよ!」ガバッ
一方通行「……」オモイ
番外個体「目で訴えるな!口で言え!」
一方通行「重てェ」
番外個体「ムッカつく!!」
281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:02:10.36 ID:5o4ito+n0
番外個体「……まだまだなんだから」
一方通行「だからなーにがですかァ?」
番外個体「まだまだ、このポンコツには直すとこがいっぱいあるの」
番外個体「だからそれを全部ほぐすまで、解放してあげないからね!」
一方通行「べっつにィー、元々そのつもりだしィ?」ダラーン
番外個体「……ふん」ギュッ
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「……うぅ」
一方通行「まだまだ子供だなァ」ウン
番外個体「こ、子供じゃないもん!」
番外個体「ミサカはただの女の子なの!」
番外個体「……だから、その……」
一方通行「……」zzz
番外個体「こんにゃろぉぉぉぉぉぉ!!」バリバリバリッ
282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:03:21.44 ID:5o4ito+n0
黄泉川「おー、おかえりじゃん」
芳川「一方通行の様子はどう?」
番外個体「ふん、元気元気!病室抜け出してたくらいね!」プンスカ
黄泉川「あはは、まぁ元気そうで安心したじゃん」
芳川「また近いうち行きましょうか」
黄泉川「ああ、そうするじゃん」
打ち止め「ねぇねぇ、番外個体は身体の調子どうなの?」
番外個体「今のところ問題ないかな、お節介な2人のおかげでね」
打ち止め「よかったねってミサカはミサカは番外個体に抱きついて喜びを表現してみたり」ガバッ
番外個体「わわ、ちょっとー!」
283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:04:26.16 ID:5o4ito+n0
番外個体「よかった、かぁ」
打ち止め「嬉しくないの?ってミサカはミサカは複雑そうな表情の番外個体を心配してみる」
番外個体「それは嬉しいんだけどさ、あの人が……ね」
打ち止め「あの人がどうかしたの?」
番外個体「多分妹達全員、調整を必要としないように治療していくと思うんだ」
打ち止め「え!?妹達全員!?」
番外個体「うん、だからその前に倒れちゃわないかミサカは心配だよ」
打ち止め「へぇー、心配」ニヤニヤ
番外個体「な、なにさ!ミサカが心配したらおかしい!?」
打ち止め「ううん、ぜーんぜん!」ニヤニヤ
番外個体「なーに笑ってやがりますかァ?このクソガキィ」
打ち止め「うわわ、ちょ、ちょっと待って!タイムタイムー!!」
番外個体「うるさいよ!ミサカをからかった罰だー!」
284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:05:15.41 ID:5o4ito+n0
ボフンッ
番外個体「体軽いなー」ゴロゴロ
番外個体「なにさ、チートすぎるじゃん」
番外個体「大体ベクトルほぐしって名前ダサすぎるっての、うひゃひゃ」
ゴロン……
番外個体「……」コテン
番外個体「これから先、一生面倒見させてやる」
番外個体「ミサカを救った事を後悔させてやるんだから、ぎゃはは☆」
番外個体「ふん……」
番外個体「えっへへ……」ゴロンゴロン
ガツンッ!
番外個体「~~~~っ!」ジンジンジン
285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:06:56.75 ID:5o4ito+n0
一方通行「今日からほぐし屋さン復活ですよォ」
番外個体「おー」
一方通行「……なンだよそのでっけェタンコブ」
番外個体「な、なんでもない!!」
垣根「番外個体、指名でお客来てるぞー」
番外個体「ミサカに?」
一方通行「あァ、前に来たおばあちゃンかァ」
番外個体「え?本当?」テテッ
おばあちゃん「ミサカちゃん、またお願いしていい?」
番外個体「任せてよ!ミサカの電気で気持ちよくしてあげる!」
おばあちゃん「ふふ、お願いね」
番外個体「おー!」ブンッ
おばあちゃん「おや、目の下のクマなくなったかな?」
番外個体「あれ?そう?」
おばあちゃん「うん、健康そうで何より」
番外個体「そっか、うん……そっか」ニヘラ
286: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:08:08.97 ID:5o4ito+n0
垣根「……よかったじゃねぇか」
一方通行「なンとかなァ」ゴロゴロ
垣根「気のせいか子供っぽくなってねぇか?」
一方通行「元々生まれて間もねェンだ、精神年齢が低くて当たり前ですゥ」
垣根「……そうだな」
一方通行「もう無理する事なくなったから、アレくらいで丁度いいンだよ」
垣根「こっちのもなんとかなったしな」
一方通行「……マッサージは世界を救うンだよ」
垣根「ああ、そうかもしれねぇな」
一方通行「クカカ、あン時の研究者どもが見てたらなンて言うかなァ」
垣根「マッサージしてたらレベル6になりましたってか?誰も予想だにしてなかっただろうな」
一方通行「……いや、気に入らねェが1人だけこうなる事わかってた奴がいるなァ」
垣根「ああ?」
287: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:09:10.33 ID:5o4ito+n0
垣根「誰だ?」
一方通行「神よりムカつく野郎ォだよ」
垣根「あん?」
一方通行「……なンでもねェ」
垣根「これから忙しくなるぞ?」
一方通行「はン、世界中飛び回らなきゃならねェしなァ」
垣根「俺も……うん」
一方通行「原子崩しに殺されないようになァ」
垣根「なんだ、心配してんのか?」
一方通行「けっ、するかそンなもン」
垣根「……」
一方通行「……」
垣根「さて、仕事だ」スクッ
一方通行「ほぐしていきますかァ」スクッ
288: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:10:20.16 ID:5o4ito+n0
垣根「おお、結構な凝りですねぇ」ギュッギュッ
布束「クローンがいると聞いて見に来ただけなのに……」
垣根「特に肩がやべぇ……」ギュッギュッ
布束「indeed……私はパソコンを使う機会が多いから」
垣根「そっかー、もしかしてどっかの研究者だったりします?」
布束「学習装置を作ったのも私」
垣根「え、マジっすか!?すっげぇ!!ヒョーゥ!!」ギュゥゥゥ
垣根(ところで学習装置ってなんだ?)
布束「oh……」ホワーン
垣根「じゃ今日は『未元メルツヨコヨコ』買って行きません?」
布束「……いただこうかしら」
垣根「へい!まいどありぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ギュゥゥゥッギュゥゥゥゥゥッ
布束「こ、これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」ホフン
289: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:11:23.33 ID:5o4ito+n0
美琴「あれ、アンタここで何してんの?」
一方通行「超電磁砲?見てわかるだろうがァ」グデーン
美琴「こんな大通りで横になるのはアンタかホームレスくらいよ……」
一方通行「ただダラけてるわけじゃねェ」ゴロゴロ
美琴「え?」
一方通行「俺はこうして学園都市の大気の流れを読んでるンだ」
美琴「そんなのどうするの?」
一方通行「人探しってとこだなァ」
美琴「人探し?誰を……」
一方通行「来たァ!ビンゴォ!!」ダダッ
美琴「あ、ちょっとー!?」
290: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:12:12.09 ID:5o4ito+n0
<誰か助けてェー!
黒子「はっ!誰かがジャッジメントを呼んでますの!」ダダッ
黒子「ジャッジメントですの!」ババーン
一方通行「釣りですた」ハイ
黒子「ちくしょう!ちくしょうですの!!」
一方通行「こんにちはァ」ペコ
黒子「あ、こんにちは」ペコリ
黒子じゃなくって!またアナタですの!?」
黒子「今日も嫌がらせですか!」プンスカ
一方通行「いや、今日はお前に伝えたい事があって来たァ」
黒子「えっ?」ドキン
291: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:13:12.38 ID:5o4ito+n0
黒子「そ、それって……」
一方通行「……あァ、お前に対する俺の正直な気持ちだァ」
黒子「ぁぅ……」キュンッ
一方通行「いっつも意地悪してるし、俺口も悪いからさァ」
一方通行「バカ正直に言ったンじゃ恥ずかしいから、あいうえお作文にしてきたンだ」
黒子「あ、あいうえお作文ですの?」
一方通行「それでもよければ聞いてくンねェか?」
黒子「え、ええ……」ドキドキ
一方通行「……」スーハースーハー
黒子「……」ドキドキ
一方通行「よし、『しらいくろこ』で振ってくれェ」
黒子「わ、わかりましたの」ドキドキ
292: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:14:07.83 ID:5o4ito+n0
黒子「しー」
一方通行「小動物みたいで可愛くてェ」
黒子「らー」ドキッ
一方通行「来世でも一緒になりてェお前」
黒子「いー」ドキドキ
一方通行「一生大事にしてやるからァ」
黒子「くー」ドキドキ
一方通行「苦楽を俺と2人で越えて行きませンかァ?」
黒子「ろー」ドキドキ
一方通行「ロマンチックな言葉を並べましたがァ」
黒子「こー」ドキドキ
一方通行「これは嘘ですの!」ハイ
黒子「おぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!」ダンダンッ
293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:15:11.90 ID:5o4ito+n0
一方通行「江頭さンのマネですかァ?」
黒子「私がエガちゃんのマネをするわけないですの!」プンプン
一方通行「作文気に入らなかったかァ?」
黒子「からかわれて気に入る人がいるもんですか!」プンスカ
一方通行「……あ!」アソコ
黒子「え?」クルッ
一方通行「はい」ゴキン
黒子「」チーン
一方通行「急にパンダさンが倒れたァ」
一方通行「これは早急に治療が必要ですねェ」スタスタ
黒子「」ズルズル
一方通行「ほぐし屋さンへゴー」スタスタ
黒子「」ズルズル
294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:16:29.13 ID:5o4ito+n0
また別の日―――。
フレンダ「よし……麦野んとこ行こう」ウン
フレンダ「殺されてでも皆に会いに行こう」
フレンダ「絹旗と滝壺にも謝らなきゃ」ウン
フレンダ「……でも怖いぃぃぃぃ!!」
ガララッ!!
一方通行「いいぜェ、てめェらの関係に凝りが残るってンなら!」ババーン
垣根「まずそのフザけた凝りを揉みほぐす!!」ババーン
フレンダ「どっから沸いて出たのよぉぉぉぉぉ!!」
295: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:17:27.26 ID:5o4ito+n0
フレンダ「結局なにしにきたの?」
垣根「原子崩しのとこ、俺も行く」
フレンダ「えっ?」
垣根「精神的な凝りまではほぐせないが」
垣根「長い入院生活だと身体も鈍ってるだろうからな」
フレンダ「それって……」
垣根「行くんだろ?謝りに」
フレンダ「う、うん」
垣根「謝って済む話じゃねぇが、俺も謝らなきゃならねぇし」
垣根「どんな凝りでも残らねぇようにするのが一流のほぐし師だ」
296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:18:20.72 ID:5o4ito+n0
フレンダ「……殺されるかもよ?」
垣根「上等」
フレンダ「結局……バカばっかりってわけね」ハァ
垣根「はっ、かもな」
一方通行「まァ俺は行かないンですけどね」ハイ
垣根「えっ?」
一方通行「だって下手に刺激して原子崩されたら危ないしィ」ゴローン
フレンダ「何しに来たの!?」
一方通行『いいぜェ、てめェらの関係に凝りが残るってンなら!』ババーン
一方通行「……を言いにィ?」
フレンダ「ダメだコイツはやくなんとかしないと」
297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:19:53.17 ID:5o4ito+n0
次の日―――。
一方通行「アレ、生きてたンかァ?」ゴロンゴロン
垣根「……意外とな、話通じた」
一方通行「話せばわかってくれたってか?」
垣根「あぁ、『お互い暗部にいた以上はしょうがない』」
垣根「『暗部を抜けた今、アンタだけを憎むのはお門違いだにゃーん』ってよ」
一方通行「……麦のん天使じゃねェか、俺より」
垣根「ちなみに俺もそれ言ったらビーム飛んできた」
一方通行「金髪のガキは?」
垣根「泣きながら抱き合って和解してたよ」
一方通行「そォか……」
垣根<イイハナシダナー
298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:21:13.11 ID:5o4ito+n0
垣根「これから元アイテムのメンバー探しに行くみてぇだ」
一方通行「亡命したっつってたよなァ?」
垣根「原子崩しも凝りをほぐしに動き出したってわけだ」
一方通行「……ほぐれるといいなァ」
垣根「……ああ」
ガチャ
番外個体「ねぇ、10032号が来てるよ?」
一方通行「おォ、呼んでたンだった」
番外個体「忘れてたの?」
一方通行「へっちょり忘れてたァ」グデー
番外個体「へっちょりってなにさ!なんかイヤだな!」
垣根「ははっ、お前のほぐし行脚は全世界だな」
一方通行「ほぐし屋さン、世界進出だぜェ」フフン
番外個体「……は?」
299: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:22:35.17 ID:5o4ito+n0
一方通行「ベクトルほぐし……始めるぜェ」
御坂妹「一方通行、よろしくお願いします」
一方通行「おォ、任せとけェ」
御坂妹「……」ドキドキ
一方通行「俺のこの手が真っ赤に燃えるゥ!凝りをほぐせと轟き叫ぶゥ!」ハァァ
番外個体「え、そんなの必要だったっけ?」
一方通行「気分だ気分」
番外個体「あそ」
一方通行「改めて……」コホン
御坂妹「……」ドキドキ
一方通行「俺のこの手が光って唸るゥ!凝りをほぐせと輝き叫ぶゥ!」ホァァ
番外個体「ちょっ、さっきと変わってるじゃん!」
一方通行「いちいちうっせェなァ……」モー
300: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:23:54.52 ID:5o4ito+n0
一方通行「とりあえず邪魔しないでくれませン?」
番外個体「ああそうですか、すいませんでしたー」
一方通行「……行くぜ」
一方通行「貴様が銀色の脚ならば!俺は黄金の指ィィィ!」
番外個体「あーもー!やっぱり気になるから統一してよ!!」
一方通行「……」エー
番外個体「大体そんなの必要ないじゃん、さっさと終わらせなよ」
一方通行「ちっ、うっせェなァ……」ブツブツ
御坂妹「……」ドキドキ
一方通行「爆熱!ベクトルほぐし!!!」カッ
御坂妹「おぉぉぉう!?……はにゃぁぁぁぁぁぁ」ホヘーン
一方通行「調整のいらねェ身体にしてやるよォ!!」
御坂妹「これが整体でひゅかぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ニッヘヘーン
301: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:25:08.75 ID:5o4ito+n0
御坂妹「……体が軽くなった気がします」
一方通行「だろォ?」グデー
御坂妹「とても不思議な気分です、とミサカはなんとも形容し難い状態に戸惑いを隠せません」
番外個体「だよね?ミサカもそうだもん」
御坂妹「番外個体もベクトルほぐしをしてもらったのですか?」
番外個体「うん、ミサカの場合は皆よりも時間掛かるみたいだけどね」
御坂妹「そう、ですか」
一方通行「心配すンな、俺が責任をもってほぐしきるゥ」ゴロゴロ
番外個体「……その格好で言っても説得力ないよ?」
御坂妹「一方通行、彼女をよろしくお願いします」ペコリ
302: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:26:12.28 ID:5o4ito+n0
一方通行「あン?」
御坂妹「番外個体は私たちの妹のようなものですから」
番外個体「……」
御坂妹「容姿は大人でも、生まれて間もない個体であることは否めません」
一方通行「まァなァ」
御坂妹「……改めて、お願いします」ペコリ
一方通行「はン、言われるまでもねェよ」
番外個体「ミサカは一生迷惑かけてやるんだから!」
御坂妹「おや、番外個体は既に生涯の伴侶を決めたのですね、とミサカはニヤニヤした表情を浮かべます」ニヘラ
番外個体「ちっ……ちっがう!そんなんじゃないし!」
御坂妹「やれやれ、いらない所までお姉様から引き継いでしまったのですね」ヤレヤレ
303: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:27:16.61 ID:5o4ito+n0
番外個体「いらない所ってなにさ?」
御坂妹「素直になれない、所謂ツンデレというものでしょうね」
番外個体「ミサカはツンデレじゃないもん!」
御坂妹「ツンデレは皆そう言うんですよ、とミサカは知識の乏しい妹に諭します」
番外個体「だから違うって!ねぇ、アナタからも何か言ってよ!!」
一方通行「ダラクゼーション中は一方通行でェす、侵入禁止ィ」ゴロンゴロン
番外個体「」
御坂妹「これから大変そうですね」ニヘラ
番外個体「ほんとだよ……」
304: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:28:12.75 ID:5o4ito+n0
御坂妹「では、ミサカはこれで失礼します」ペコリ
一方通行「おォ、またなァ」ダラーン
番外個体「じゃーねー」
ガチャ、バタン……
垣根「さーて、今日の予約はもう終わりか?」
一方通行「もォいいよ今日閉店でェ」グダー
垣根「まだ夕方だけど……いいか」ウン
一方通行「いいな」ウン
番外個体「……ダメだこの人達」
一方通行「ねみィ」ゴロゴロ
番外個体「あ、ねぇ……」
一方通行あァ?」
番外個体「きょ、今日さ……その……」
垣根「泊まりに行って……いい、かな?」モジッ
番外個体「ちょっと!なんで入ってくるの!!」
一方通行「あン?」
305: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:29:14.75 ID:5o4ito+n0
番外個体「あーもう、バカ、死んでしまえ」
垣根「ゴメンなさい」ペコ
一方通行「で、なンですかァ?」
番外個体「だーかーら……泊まりに行ってもいい?」
一方通行「なンで」ゴロゴロ
垣根「そりゃお前、泊まってご飯食べるついでにアナタも食べたいっていうサインにk」
番外個体「うっさい!!!」
垣根「……」ゴメス
番外個体「ねね、ダメ?」
一方通行「別にいいけどォ?」
番外個体「ほ、本当!?」
306: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:30:17.26 ID:5o4ito+n0
一方通行「垣根はァ?」
垣根「いいのか?だったら俺も行こうk」
番外個体「……」ビリビリッ
垣根「やっべ、俺帰ってアイスエイジ観ないと」
一方通行「え、1?」
垣根「ああ、もちろん1だ」
一方通行「1はサーベルタイガーさンがイケメンだよなァ」ネー
垣根「わかる、アイツだったら俺殺されてもいいもん」ネー
一方通行「いや、俺の方が殺されてもいい」
垣根「いやいや、俺の方が殺されたいって」
一方通行「俺の殺されたい願望の方が30%OFFだァ」
垣根「俺の殺されたい願望の方が改札出てすぐだし」
番外個体「ねぇ、バカがキリないからそこまでにしてくんない?」
307: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:31:19.44 ID:5o4ito+n0
垣根「じゃ俺は先に帰るぜ」
一方通行「おォ」
垣根「あ、番外個体よぉ」
番外個体「……なに?」
垣根「避妊はしっかりな」ウン
番外個体「は!?そそ、そんな心配する必要ないに決まってるじゃん!!」
垣根「バカ!否認じゃなくて避妊だって!!」
番外個体「バカはアンタだ!!!」ダンダンッ
垣根「キラキラネーム(笑)なんかつけるなよ?」
番外個体「死ね!死ね!!」
垣根「それでは皆さん」
一方通行「さようならァ」ペコ
番外個体「ちょっと釘!誰か釘持ってきて!!」
308: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:32:17.07 ID:5o4ito+n0
一方通行「疲れたァ」グデーン
番外個体「着替えないの?服皺になるよ?」
一方通行「飯ィ」
番外個体「今日こそ……今日こそ……」ブツブツ
一方通行「?」
一方通行「おォ、中々うめェじゃねェか」モグモグ
番外個体「でっしょ!?今日は失敗しなかったもんね」
一方通行「前のはやっぱりわざとじゃねェンじゃねェか」モグモグ
番外個体「うぐっ……」
一方通行「オラ、お前も食え」
番外個体「う、うん」
309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:33:18.64 ID:5o4ito+n0
番外個体「じゃお風呂借りるね」
一方通行「おォ」ネムイ
番外個体「覗いちゃダメだよ?くけけ」
一方通行「ねみィ」ダラーン
番外個体「ぐぅ……ちくしょう」トボトボ
番外個体「上がったよー」ホカホカ
一方通行「……」ジー
番外個体「な、なに?湯上りのミサカの色気に魅せられたかな?」
一方通行「お前、ちょっとこっち来い」
番外個体「なっ……」ドキドキ
310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:34:08.08 ID:5o4ito+n0
一方通行「熱かったら言ってくださいねェ」ゴー
番外個体「……こんな事だろうと思ったよ」
一方通行「お前、いっつも髪ボサボサだよなァ」ゴー
番外個体「むっ、そんな事ないもん」
一方通行「の割りには寝癖絶対つけてるよなァ」ゴー
番外個体「そ、そうかも……」
一方通行「オサレに気を使わないホントのアタシ、デビュー☆みたいなァ?」ゴー
番外個体「……喧嘩売ってる?」
一方通行「もったいねェなァ」ゴー
番外個体「ふん、なにがさ」
一方通行「この髪質好きなンだけどな」サラサラ
番外個体「うぇ!?」
311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:35:15.94 ID:5o4ito+n0
一方通行「痛んだら元も子もねェだろうが」サワサワイジイジ
番外個体「……掬わないでよ」
一方通行「……」ミョンミョンビョーン
番外個体「……ぁぅ」
一方通行「……」ズキューンドキューン
番外個体「う、うにゃぁぁぁぁぁぁ!!!」バッ
一方通行「なンだよいきなりィ」
番外個体「そ、そんなにミサカの髪質が好きなら、上位個体のでも触ってればいいでしょ!!」
一方通行「あ、それもそうだなァ」ダラーン
番外個体「えっ!?」
一方通行「次からそうすっかァ」ウン
番外個体「や、やっぱりダメ!!!」
一方通行「はァ?」モー
312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:36:16.61 ID:5o4ito+n0
一方通行「さて、そろそろ寝ますかァ」
番外個体「とう!」モフンッ
一方通行「ソファで寝ろっつーのォ」
番外個体「……いいじゃん」
一方通行「やれやれだぜェ」ゴローン
番外個体(……この匂い落ち着くなー)スンスン
一方通行「なァ」
番外個体「うひゃ!?な、なに!?」ビクッ
一方通行「お前、今でも俺を殺そうとか思うかァ?」
番外個体「そ、そんなのあったりま…………ううん、思ってないよ」
一方通行「あァ?」
番外個体「なんだろうね、そんな気とっくに失せた」
313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:37:16.73 ID:5o4ito+n0
一方通行「やけに素直じゃねェの」
番外個体「うん、ミサカ自分でも不思議だもん」
一方通行「お前の能力も人の役に立つしなァ」
番外個体「ミサカは軍用クローンだったんだよ?しかもアナタを殺す為だけの」
一方通行「ばァか、現にお前にマッサージされて喜ンでる客いるだろォが」
番外個体「あんなもんで喜ぶなんて、バカな人たちだよね」
一方通行「本当にそう思うかァ?」ゴロゴロ
番外個体「……嘘、ミサカも嬉しい」
一方通行「だろォ?お前はもう軍用クローンなンかじゃねェ」
一方通行「もちろン他の妹達もだけどなァ」
番外個体「そう、かも」
314: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:38:08.76 ID:5o4ito+n0
一方通行「俺は暇つぶし、お前も暇つぶし」
一方通行「それでいいじゃねェか」ヘニョーン
番外個体「え?」
一方通行「そン中で妹達だの、ここに来る客だの」
一方通行「そいつらに喜ンで貰えるならそれはそれでいいンだよ」
番外個体「……」
番外個体「うん、ミサカもそう思う」
一方通行「俺も垣根も、元々はクソッタレだったンだ」
番外個体「……」
一方通行「でも、ほぐし師として目覚めた」
一方通行「まァ俺の方が上なンですけどね」ハイ
番外個体「はいはい」
315: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:39:26.88 ID:5o4ito+n0
一方通行「『一方通行』と『未元物質』は人を簡単に殺せる」
一方通行「でも『ベクトルほぐし』と『未元物質のひと揉み』は人を癒せる」
一方通行「能力の使い方も、生き方も同じだァ」
番外個体「……」
一方通行「人を癒す為に生きていけばいいじゃねェか」
一方通行「だからもう生まれた理由なンざ忘れちまえ」
番外個体「……うん」
一方通行「わっしわっしィ」ワシワシ
番外個体「うわわ、なにするのさ!」
一方通行「はン」
番外個体「……でも、技のネーミングはダサいけどね!ぎゃはは☆」
一方通行「このネーミングのセンスがわからねェようじゃまだまだだなァ」
番外個体「だってセンスないもん!」
316: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:40:21.51 ID:5o4ito+n0
番外個体「あ、あの……」
一方通行「ン?」
番外個体「あ、あのね……その……」モジッ
一方通行「あァ?」
番外個体「あーっと、ぁぅ……」モジモジ
一方通行「なンですかァ?」ゴロンゴロン
番外個体「……ありがとう」
一方通行「あン?」
番外個体「ミサカを助けてくれて……ありが、とう」カァッ
一方通行「ククッ……どうしたよいきなり?」
番外個体「……面と向かってお礼、言ってなかったし」
一方通行「けっ、コキ使ってやるから覚悟しとけェ」
番外個体「……ぎゃはっ」
番外個体「上等だよ、ミサカもアナタをコキ使ってやるんだから!一生ね!!」
一方通行「こちらこそ上等ですゥ」ダラーン
317: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:41:25.97 ID:5o4ito+n0
一方通行「オラ、寝ますよォ」
番外個体「ふんっ」ギュ
一方通行「……抱き枕じゃないンですけどォ」
番外個体「なにさ、ミサカの豊満なボディを感じれるんだからいいじゃん」
一方通行「ホウマンとホフマンってなンか似てるよなァ」ウン
番外個体「なんかゴツそうだからやめて……」
一方通行「さて、寝るかな」ゴロン
番外個体「……」ギュゥ
一方通行「……」zzz
番外個体「……」ニヘッ
ちょうどその頃――――――――。
垣根「……」ジー
垣根「………………あっ」ハッ
垣根「ディエゴォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」ドバッ
318: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:43:33.23 ID:5o4ito+n0
次の日―――。
ガチャ、バタン
垣根「よーす」
番外個体「目どうしたの?すごい腫れてるけど」
垣根「ディエゴ……」グスッ
番外個体「???」
一方通行「おォ、朝一で例の客予約入ってるから、お前よろしくなァ」
垣根「うげ、ビーカーの中でのマッサージは中々大変なんだよなぁ」
一方通行「アイツの整体めンどくせェよなァ」ゴローン
垣根「しかも逆さまになってやがるから尚更な」
一方通行「マッサージ終わった後部屋ビッシャビシャになるしィ」
垣根「もう追加料金取ってもいいんじゃねぇか?」
一方通行「次からそうすっかァ、8兆円くらい」
番外個体(……どんなお客なの?)
319: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:44:47.22 ID:5o4ito+n0
垣根「それでな、その客の凝りのほぐされないレベルが……」
一方通行「こないだの客の凝りのほぐされないレベルも中々だったなァ……」
番外個体「はぁ、また意味のわからない話してるし」
番外個体(こんなバカの中にいたら毒気抜かれるって、本当)
垣根「――――!!」
一方通行「――――、―――!」
番外個体(くけけ、ミサカはそれが居心地いいんだけどね)
垣根「はぁ!?てめぇディエゴの牙のまろみバカにしてんのか!!」
一方通行「てめェこそディエゴさンのフォルムのまろみバカにしてンのかコラ!!」
垣根「んだと!?やんのかコラ!!」
一方通行「上等だァ、ほぐしてやるよ……あァ!?」
番外個体「ちょ、なにいきなり喧嘩してんの!?」
番外個体「っていうか大体『まろみ』ってなに?正しい用法用量教えてよ」
320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:46:10.00 ID:5o4ito+n0
<すいませーん
番外個体「あ、お客さんきたよ!」
垣根「最近よく来る奴じゃねぇの?」
一方通行「ならベクトル&電気コースだな」
番外個体「うー、めんどくさいなぁ」トテトテ
一方通行「とか言いつつ楽しげなくせにィ」
番外個体「はぁ?別に楽しそうになんかしてないし」
一方通行「ツンデレー」ヒョーゥ
垣根「番外個体マジ電気」ヒョーゥ
番外個体「……やっぱりムカつく、この人達」
一方通行「あ、今日13時からゴーレムの予約なァ」
垣根「マジかよ!また手が痛くなるじゃねぇか!!」
番外個体「うひゃひゃ、ざまあみろー」スタスタ
番外個体(こんな生き方もいいかもね、くけけ)
321: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:47:32.32 ID:5o4ito+n0
番外個体「ミサカの準備はいいよ」
一方通行「あァ」
番外個体「はじめるよー」
一方通行「痛かったら言ってくださいねェ」グイィィ
木原「おぉぉぉぉぉう……」キモチー
番外個体「全然大丈夫そうだね」
一方通行「ベクトルほぐし入りまァす」モミモミーン
木原「あっふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!!!」ニヘヘーン
番外個体「ぎゃはは、気持ち良さそうだね」
一方通行「実際気持ちいいンだよ、バァカ」グィィ
おわり
323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:49:08.75 ID:5o4ito+n0
ほぐし屋さン、閉店です
こんなつたない作品に最後までお付き合いいただきありがとうございました
最近黒子が弄られるSSが増えてきて俺歓喜
これからおまけ投下します
本編には一切関係ない、黒子の奮闘です
以下おまけ
325: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:50:17.90 ID:5o4ito+n0
白井黒子のリベンジーーー。
黒子「なんなんですのあの方は!いっつもいっつも!」プンスカ
黒子「たまにはあの方に一泡吹かせてあげましょう」ウン
黒子「今日から私は復讐者!リベンジャー黒子ですわ!!」
ザッ!
一方通行「あン?」
黒子「ふっふふ……普段はよくも私をからかってくれておりますわね」
黒子「私はリベンジします!リベンジャー黒子ですの!」ババーン
一方通行「……」
黒子「な、なんですの?」
一方通行「リベンジャー黒子って、パシリのヒーローみたいですねェ」プススー
黒子「……え?」
一方通行「利便戦隊!リベンジャー!みたいなァ?」
黒子「……」イラッ
328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:51:36.66 ID:5o4ito+n0
黒子(落ち着きなさい黒子……相手のペースに巻き込まれてはダメですの)スーハースーハー
一方通行「オラ、コーヒー買って来いやァ」プススー
黒子「……」イライラ
一方通行「リベンジャーブラック、早くゥ」プスススー
黒子「私はアナタに戦線布告いたしますわ」
一方通行「あァ?」
黒子「溜まりに溜まった鬱憤を晴らさせていただk」
ドガァァァァァァァァァン!!!
黒子「ぴぃっ!?」
一方通行「へェ……俺とやるって事だよなァ?」ニタリ
黒子「はっわわわわわわわわ」ブルブル
一方通行「ってェ事は、手加減無用ってわけだァ」
黒子「……」ガタガタプルプル
330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:52:36.16 ID:5o4ito+n0
一方通行「俺が誰かわかってンですかァ?」
黒子「……」ガクガク
一方通行「学園都市最凶最悪の第一位なンですよォ?」
黒子「いいいいえ、そそそ、そののの……」ガクガクプルプル
一方通行「……」
黒子「……」プルプル
一方通行「ちっ……つまンねェ」ダラーン
黒子「……えっ?」
一方通行「もっとこう……『お助けですの!お助けですの!ひぃぃぃぃですの!』とか言えよなァ」
黒子「へっ?」
一方通行「そしたら盛大に笑……可愛げあンのになァ」
黒子「嘘ですの!今盛大に笑うって言おうとしてましたの!!」
一方通行「いいいいえ、そそそ、そののの……」ガクガクプルプル
黒子「ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!」ダンダンッ
332: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:53:32.97 ID:5o4ito+n0
黒子「まともに正面から向かって行ったのでは勝ち目はありません」
黒子「レベル5第一位は伊達ではないですわね」
黒子「……おびき寄せて奇襲かけましょう」
<ジャッジメントですの!
一方通行「あン?」
一方通行「……」スタスタ
<あ、あれ?ジャッジメントですの!
一方通行「……」ムシムシ
<で、ですの!ですの!
一方通行「……」スタスタ
黒子「おぉぉぉぉぉぉい!」ババーン
黒子「どうして!無視するんですの!?」
333: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:54:44.84 ID:5o4ito+n0
黒子「おびき寄せ作戦は失敗ですわ……」
黒子「こうなったら、いきなり後ろからドつきましょう」
黒子「いつかのソバットの借りを今こそ返す時!」ブンッ
黒子「リベンジャーですの!」バッ
一方通行「反射」ピッキーン
黒子「ふにっ!?」
ゴロゴロゴロゴロ……ズシャァァァァ……
黒子「いったぁ……何が起きたんですの?」サスサス
一方通行「……」
黒子「……」
一方通行「リベンジャーですの!」ハイ
黒子「覚えてろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」ダダダダッ
334: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:55:53.79 ID:5o4ito+n0
黒子「どうやら如何なる攻撃も反射されてしまうようですのね」
黒子「という事は、普段は触れる事すらできない、と」
黒子「……」ウーン
黒子「!」ハッ
一方通行「なンだよ、また来たのかァ?」
黒子「え、ええ……以前受けたマッサージが余りにも気持ちよかったものでして」
一方通行「まァいいや、ほら横になれェ」
黒子「失礼しますわ」
黒子(ふっふっふ……マッサージを受けている間は直接触れられる)
黒子(チャンスは今ですの!)
一方通行「お客さン、凝ってますねェ」グィィィィ
黒子「おぉぉぉぉぅ……ふにゃぁぁぁぁぁん……」ニッヘヘーン
一方通行「……」ギュッギュッ
黒子「ふみぃ……すぅ……」zzz
335: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:57:04.50 ID:5o4ito+n0
黒子「……余りの気持ちよさに目的を忘れてしまいました」
黒子「というか、どうして私がこんなに苦労しなければならないのですか?」
黒子「まったく……」プンスカ
黒子「あの方が私の事が好きとかならまだ納得いきますけども……」
黒子「……」
黒子「!」ハッ
黒子「そうですわ!そうに決まってますの!」
黒子「ふふ、そうでしたか……」
黒子「これで!形勢逆転ですの!!」ブンッ
336: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 00:58:07.01 ID:5o4ito+n0
一方通行「まーたお前ですかァ」
黒子「いっつも絡んでくるのはアナタですの!」
一方通行「で、何の用ですかァ?」
黒子「アナタが私に絡んでくるのは……私の事が好きだからではないですか?」
一方通行「はァ?」
黒子「好きな子にはいたずらしたくなる、その精神だと推測しますの!」
黒子「まぁ、アナタがどうしてもって言うのであれば、デートくらいならしてあげてもよろしくてよ?」フフン
一方通行「……本当かァ?」
黒子「え、えっ?」ドキッ
一方通行「バレちまったかァ……まァいいか、デートしてくれンだろ?」
黒子「え、あの……その、ほ、本当に私の事、すすす好きなのですか?」
一方通行「……」シレッ
黒子「……嘘でしたのね」イラッ
一方通行「動物園でチヤホヤされっとここまで自意識過剰になるンですねェ」ウン
一方通行「バレンタイン当日のクラスの男子かお前」スタスタ
黒子「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」ダバダバダバッ
黒子の凝りはまだまだほぐれないようです……。
おわり
339: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 01:00:52.94 ID:5o4ito+n0
以上です、見てくださった方ありがとうございました
今回はちょっと一方さん頑張って働いてました
わざわざ絵までうpしてくれた方、ありがとうございます
そして黒子可愛いよ黒子、黒子SSがもっと増えればいいね
夜遅くまで付き合ってくれた皆さん、お疲れ様でした
またしばらくしたらHTML化依頼出します
350: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 01:12:25.82 ID:vU0nwfNIO
>>1乙
毎度毎度面白いSS感謝ですの!
372: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/25(火) 04:59:47.07 ID:nf5SDhyr0
今回も楽しませてもらいました>>1乙です
終わって早々に次回作が気になって仕方ない
SS速報VIP:一方通行「ほぐし屋さンでェす」