過去作
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
【ようまり】鞠莉「コーヒーに付き合ってほしい?」曜「うん!」
曜「鞠莉ちゃん家にお泊まり」
鞠莉「曜ってさ」曜「うん」
1: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:09:19.56 ID:tnCquaOP.net
ようまり。
2: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:10:31.40 ID:tnCquaOP.net
理事長室
鞠莉「――はい、はい、こちらこそよろしくお願いいたします。失礼します」ピッ
鞠莉「これでよし、と。なんとか区切りがつきそうね…ふぅ」
シーン…
鞠莉「…静かね。それに、なんだか無性に寂しい。最近忙しかったし、頑張りすぎちゃったかな」
鞠莉「こういう時って、誰かに側にいてもらいたい気分…」
コンコン
鞠莉「っ、はい」
「私です、曜です」
鞠莉「!」
「いま、大丈夫ですか?」
鞠莉「私ひとりよ、どうぞ」
「失礼します」
ガチャ
曜「鞠莉ちゃん、やっほー」フリフリ
鞠莉「いらっしゃい。どうしたの?」
曜「特に用ってことはないんだけど。鞠莉ちゃんどうしてるかなって」
鞠莉「あら。用もないのに、わざわざ訪ねてきてくれたの?」
曜「うん!まずかった?」
鞠莉「まさか、大歓迎よ。ちょうど仕事もひと区切りしたところだしね」
曜「えへへ、よかったぁ!」
鞠莉(…曜の明るい笑顔、見てると元気になる)ニコ
曜「ん?」
鞠莉「あ、こほん。なんでもないわ」
鞠莉「立ち話もなんだし、座って。コーヒー飲む?」
曜「あ、私が淹れるよ!」
鞠莉「何言ってるの。お客様をおもてなしするのは、私の仕事よ?」
曜「いいからいいから。鞠莉ちゃんこそ座っててよ」
鞠莉「けど…」
曜「今日は鞠莉ちゃんがおもてなされる日ってことでさ!ゆっくりしてて!」
鞠莉「曜がそこまで言うのなら…じゃあ、お願いね」
曜「任せて!ブラックでいい?」
鞠莉「んー、お砂糖とミルクも。ミルクはたっぷり目で」
曜「ブラック派の鞠莉ちゃんが珍しい。お疲れ様?」
鞠莉「少し、ね」
曜「ん、了解!少し待っててね」
コポコポ…
鞠莉「あ、いい香り…」
鞠莉(…そっか。忙しくて、コーヒーを飲むことさえ忘れてたのね)
曜「よし。こんな感じでどうかなーっと」サトウイレテー
鞠莉「ふふっ…いいわね」
曜「ん、何か言ったー?」ミルクイレテー
鞠莉「いいえ、こっちの話よ」
曜「んー?ならいいけど」カキマゼー
鞠莉(美味しいコーヒーにしようと真剣に頑張ってくれてる。これって、なかなかの贅沢なんじゃないかしら)クスッ
曜「――よしっ、完成!」
曜「はい、本日のコーヒー、お待たせしました!」コト
鞠莉「わあ…」
曜「ご注文通りのミルク多めだよ!お口に合うと嬉しいな」
鞠莉「ありがとう。いただきます」カチャ
曜(さあ、どうかな)ワクワク
鞠莉(なんか、キラキラした目で見られてる)ゴク
鞠莉「あ、美味しい…」
曜「ほんと?」
鞠莉「ええ。甘くて温かくて、体と心に溶け込んでいくみたい」
曜「よっし、やったぁ!」
鞠莉「また腕をあげたわね?」
曜「えへへ、だんだん鞠莉ちゃんの好みがわかってきたよ!」ニコッ
鞠莉「!」
鞠莉「…やっぱり、いいわね」
曜「ん、なにがいいの?」
鞠莉「こっちの話よ」
曜「さっきからそればっかりー。教えてよ、内緒はダメだよ」
鞠莉「んー、どうしよっかなー」
曜「むぅ…ならぶっちゃけトーク!ぶっちゃけトークを所望するであります!」
鞠莉「だーめ。今はコーヒーを楽しむ時間だもの」
曜「えー!トークはいつでも歓迎って言ったのに!あの言葉は嘘だったのぉ!?」
曜「ふふっ。誰もトークしないなんて言ってないわ」
曜「ふぇ?」
鞠莉「言ったでしょ、コーヒーを楽しむ時間だって。曜もコーヒーを飲みながらお話ししましょう」
曜「あ、うんっ!」
鞠莉「というわけで、今度は私が――」
曜「大丈夫、自分でやるっ!」
鞠莉「こらこら。それじゃ話がおかしいわ」
曜「おかしくないよ。鞠莉ちゃんはゆっくりする日なの。鞠莉ちゃんはそのまま、座ったまま、だよ!」
鞠莉「あっ、もう…」クス
曜「すぐ準備しちゃうからねー」コポコポ
鞠莉「あんまり慌てると、火傷するわよー?」
曜「そんなウッカリはしないってば。お代わりは?」
鞠莉「まだ大丈夫」
曜「言ってね、また淹れるから!」
鞠莉「うふふっ。お代わりも自由だなんて。今日は最高のサービスね」
曜「よし、完成っと。ただいまー」カチャ
鞠莉「お帰りなさい。って、ブラックなの?珍しいわね」
曜「今日はそんな気分なんだ、調子もいいしね。これで私も大人の仲間入りっ!」
鞠莉「気分や調子が良くたって、苦いのが得意になるわけじゃないでしょ。大丈夫?」
曜「だいじょーぶ!いただきまーす!」ゴク
曜「んぅ…にがーい…」
鞠莉「だから言ったのに」クスクス
曜「んー、行けるかなって思ったんだけどな…ううっ…」
鞠莉「冒険しすぎちゃったみたいね。ふふっ、ちょっと貸して」カチャ
曜「あっ」
鞠莉「今度こそ私の出番よ。曜のコーヒー、とっても美味しくしてあげるからね」
曜「鞠莉ちゃん…ありがとう!」
鞠莉「ふんふ~ん♪」サトウトミルクマゼー
曜「ふふっ…いいなぁ」
鞠莉「ん、何か言った?」
曜「うん。なんだか凄く嬉しいなって!」
鞠莉「ええ。コーヒーを楽しむって素敵な時間だわ――よし、出来た」
鞠莉「はい、どうぞ」カチャ
曜「わあ、ありがとう!いただきます!」
鞠莉(さ、どうかしら…)ジー
曜「わぁ、おいしー!」
鞠莉「ん♪」
曜「さっすが鞠莉ちゃん、加減が抜群だね!」
鞠莉「私好みのコーヒーを淹れてくれたお礼よ」
曜「へへ、やっぱりこれが一番だぁ」ニコニコ
鞠莉(曜、いい顔してる。素敵ね、こういうのって)ニコッ
曜「ふぅ、ごちそうさま!」
鞠莉「あら、早い」
曜「好きな味だもん!やっぱりコーヒーにはミルクと砂糖が必要だねー」
鞠莉「これに懲りたら、無理してブラックに挑まないことよ。我慢しながらじゃ、せっかくのコーヒーブレイクを楽しめないわ。大切なのは――」
曜「楽しく、リラックスして、心豊かに過ごすこと」
鞠莉「!」
曜「でしょ?」
鞠莉「そうね、そのとおりよ」
曜「えっへへ!」
鞠莉(この子は、本当にもう)クスッ
鞠莉「ありがとう。曜のおかげで最高のコーヒーブレイクだわ」
曜「元気になってくれたみたいでよかったよ!」
鞠莉「元気に…もしかして、心配かけちゃってた?」
曜「んー…少しだけ、ね?」
鞠莉「ごめんなさい。でも、そのおかげでこうして素敵な時間を過ごせたわけだし…怪我の功名ってやつかしらね?」
曜「怪我しちゃったら元も子もないよ。その前に休まないと、だよ?」
鞠莉「はーい、気をつけますっ」
曜「よろしい。へへっ、いつもとは立場が逆だね」
鞠莉「ふふっ、そうね。ふぅ、美味しかった」
曜「お代わりはどうですかー?」
鞠莉「じゃあ、お願いしようかしら」
曜「かしこまりであります!」サッ
鞠莉(本当に美味しかった。体も心も軽くなった感じがする)
曜「さてさて、本日二度目の挑戦ってね」コポコポ
鞠莉(曜のおかげね。私のために…)
鞠莉「…話しかけてもいい?」
曜「いいよー」
鞠莉「さっきは怪我の功名とか言ったけど…本当は最近忙しくて。正直、少し辛かったの」
曜「…うん」
鞠莉「前向きに、ただ前向きにって頑張ってきたんだけど…ダメね。ひとりで頑張ってると、どうしても弱気になってしまって」
曜「…わかるよ。心細くて、誰かに側にいてもらいたくなるよね」
鞠莉「だから、今日は曜が来てくれて良かった」
曜「!」
鞠莉「曜の笑顔も、あたたかくて、甘いコーヒーも。今の私には最高の癒しなの」
鞠莉「本音を話せるのも、こうやってゆったりとした時間を過ごせるのも、曜が来てくれたおかげ。本当にありがとう」
曜「わ…」
鞠莉「ん?」
曜「えっと、そんな風に言ってもらえると思わなかったから…少し照れちゃった…」
鞠莉「あ…」
曜「えへへ…」テレテレ
鞠莉(…かわいい)
曜「ね、私も話していい?」
鞠莉「もちろんよ。これはトークなんだから」
曜「えっとね。私も本当のこと言うと、少しどころか結構心配してたんだ」
鞠莉「えっ?」
曜「忙しいのもそうだけど。もしかしたら、辛いことや寂しい気持ちを、自分の中に閉じ込めちゃってるんじゃないかって」
鞠莉「あっ…」
曜「へへ、私もそういうところあるから。なんとなくわかっちゃうんだ」
鞠莉「…うん」
曜「だから今の話を聞いて、ああやっぱりかって…でもさ、少し安心したよ」
曜「今の鞠莉ちゃん、とってもいい顔してるから」
鞠莉「!」
曜「さっきまではお疲れ様っていうか、元気がない感じに見えたけど。今は心からリラックスしてもらえたんだなってわかるよ」
曜「私が淹れたコーヒーを気に入ってくれて、鞠莉ちゃんの笑顔が見られて…私、とっても嬉しいんだ!」
鞠莉「曜…」
曜「だからさ。ひとりで頑張りすぎないで、いつでも呼んでほしいんだ。私には仕事のお手伝いとかは難しいけど…」
曜「鞠莉ちゃんがお疲れ様の時は、甘くてあったかい、ほっこりするコーヒーを淹れに来るから!」
鞠莉「!」
曜「えへへっ!」
鞠莉「…ふふっ、そうね。腕は確かだし、その技術を見込んで、浦の星理事長の専属バリスタに任命しちゃおうかしら」
曜「おおっ、ありがたき幸せ、最高の名誉です!謹んでお受けいたします…ってね?」
鞠莉「言ったわね。言ったからには、もう契約成立よ?うふふっ♪」
曜「あははっ!さあさあ、冷めないうちにお代わりもどうぞ。さっきのに負けないくらい、きっと美味しくできてるから!」
鞠莉(ありがとう、曜…)
……………………………………
曜「すっかりお邪魔しちゃってごめんね。コーヒーご馳走さまでした!」
鞠莉「来てくれてありがとう。とても楽しかったわ」
曜「私も!」
鞠莉「また、来てね?」
曜「うん!鞠莉ちゃんも無理しちゃダメだよ。またね!」ガチャ
鞠莉「あ…」
鞠莉(行っちゃう、終わっちゃうんだ…またひとり、寂しいな…)
曜「あ、鞠莉ちゃん!」くるっ
鞠莉「ん、何か――」
ハグ
鞠莉「!」
曜「へへ、ぎゅーっ!」
鞠莉「あっ、えっ」
曜「ぎゅーーーっ」
鞠莉「あ、あぅ…!」
鞠莉(よ、曜…!)カァァ
曜「ぎゅーーっ…よしっ!」パッ
鞠莉「あっ…!」
曜「ふふっ、これで元気のチャージ完了だね!」
鞠莉「…どうして?」
曜「ん?」
鞠莉「どうして、私がハグしたいって、わかったの?」
曜「んー。やっぱり、ひとりになるって寂しいし。それに」
鞠莉「それに…?」
曜「言ったでしょ、鞠莉ちゃんの好みがわかってきたって!」
鞠莉「!」
曜「えへへっ、またねー!」フリフリ
バタン タッタッタッ…
鞠莉「あ…」
シーン…
鞠莉「…また静かになっちゃった。だけど、不思議と寂しくない。あったかい」
鞠莉「曜…」ギュ
曜『だんだん鞠莉ちゃんの好みがわかってきたよ!』
曜『楽しく、リラックスして、心豊かに過ごすこと。でしょ?』
曜『元気になってくれたみたいでよかったよ!』
曜『心細くて、誰かに側にいてもらいたくなるよね』
曜『私、とっても嬉しいんだ!』
鞠莉「…そっか、そうだったんだ」
鞠莉「もう、曜のバカ…どうしてくれるのよ」
鞠莉「仕事、手につかなくなっちゃったじゃない…」ドキドキ
終わり
あとがき
全弾撃ち尽くしました。コーヒーと曜ちゃんから癒しをもらう鞠莉ちゃんでした。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
曜「お願いします、鞠莉ちゃん先生!」
ありがとうございました。
元スレ
理事長室
鞠莉「――はい、はい、こちらこそよろしくお願いいたします。失礼します」ピッ
鞠莉「これでよし、と。なんとか区切りがつきそうね…ふぅ」
シーン…
鞠莉「…静かね。それに、なんだか無性に寂しい。最近忙しかったし、頑張りすぎちゃったかな」
鞠莉「こういう時って、誰かに側にいてもらいたい気分…」
コンコン
鞠莉「っ、はい」
3: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:11:14.18 ID:tnCquaOP.net
「私です、曜です」
鞠莉「!」
「いま、大丈夫ですか?」
鞠莉「私ひとりよ、どうぞ」
「失礼します」
ガチャ
曜「鞠莉ちゃん、やっほー」フリフリ
鞠莉「いらっしゃい。どうしたの?」
曜「特に用ってことはないんだけど。鞠莉ちゃんどうしてるかなって」
4: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:12:02.81 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「あら。用もないのに、わざわざ訪ねてきてくれたの?」
曜「うん!まずかった?」
鞠莉「まさか、大歓迎よ。ちょうど仕事もひと区切りしたところだしね」
曜「えへへ、よかったぁ!」
鞠莉(…曜の明るい笑顔、見てると元気になる)ニコ
曜「ん?」
鞠莉「あ、こほん。なんでもないわ」
5: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:12:37.27 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「立ち話もなんだし、座って。コーヒー飲む?」
曜「あ、私が淹れるよ!」
鞠莉「何言ってるの。お客様をおもてなしするのは、私の仕事よ?」
曜「いいからいいから。鞠莉ちゃんこそ座っててよ」
鞠莉「けど…」
曜「今日は鞠莉ちゃんがおもてなされる日ってことでさ!ゆっくりしてて!」
6: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:13:16.71 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「曜がそこまで言うのなら…じゃあ、お願いね」
曜「任せて!ブラックでいい?」
鞠莉「んー、お砂糖とミルクも。ミルクはたっぷり目で」
曜「ブラック派の鞠莉ちゃんが珍しい。お疲れ様?」
鞠莉「少し、ね」
曜「ん、了解!少し待っててね」
コポコポ…
鞠莉「あ、いい香り…」
鞠莉(…そっか。忙しくて、コーヒーを飲むことさえ忘れてたのね)
7: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:14:29.78 ID:tnCquaOP.net
曜「よし。こんな感じでどうかなーっと」サトウイレテー
鞠莉「ふふっ…いいわね」
曜「ん、何か言ったー?」ミルクイレテー
鞠莉「いいえ、こっちの話よ」
曜「んー?ならいいけど」カキマゼー
鞠莉(美味しいコーヒーにしようと真剣に頑張ってくれてる。これって、なかなかの贅沢なんじゃないかしら)クスッ
曜「――よしっ、完成!」
8: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:15:29.19 ID:tnCquaOP.net
曜「はい、本日のコーヒー、お待たせしました!」コト
鞠莉「わあ…」
曜「ご注文通りのミルク多めだよ!お口に合うと嬉しいな」
鞠莉「ありがとう。いただきます」カチャ
曜(さあ、どうかな)ワクワク
鞠莉(なんか、キラキラした目で見られてる)ゴク
鞠莉「あ、美味しい…」
9: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:16:22.53 ID:tnCquaOP.net
曜「ほんと?」
鞠莉「ええ。甘くて温かくて、体と心に溶け込んでいくみたい」
曜「よっし、やったぁ!」
鞠莉「また腕をあげたわね?」
曜「えへへ、だんだん鞠莉ちゃんの好みがわかってきたよ!」ニコッ
鞠莉「!」
鞠莉「…やっぱり、いいわね」
10: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:17:37.19 ID:tnCquaOP.net
曜「ん、なにがいいの?」
鞠莉「こっちの話よ」
曜「さっきからそればっかりー。教えてよ、内緒はダメだよ」
鞠莉「んー、どうしよっかなー」
曜「むぅ…ならぶっちゃけトーク!ぶっちゃけトークを所望するであります!」
鞠莉「だーめ。今はコーヒーを楽しむ時間だもの」
曜「えー!トークはいつでも歓迎って言ったのに!あの言葉は嘘だったのぉ!?」
11: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:18:08.77 ID:tnCquaOP.net
曜「ふふっ。誰もトークしないなんて言ってないわ」
曜「ふぇ?」
鞠莉「言ったでしょ、コーヒーを楽しむ時間だって。曜もコーヒーを飲みながらお話ししましょう」
曜「あ、うんっ!」
鞠莉「というわけで、今度は私が――」
曜「大丈夫、自分でやるっ!」
鞠莉「こらこら。それじゃ話がおかしいわ」
曜「おかしくないよ。鞠莉ちゃんはゆっくりする日なの。鞠莉ちゃんはそのまま、座ったまま、だよ!」
鞠莉「あっ、もう…」クス
12: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:18:57.34 ID:tnCquaOP.net
曜「すぐ準備しちゃうからねー」コポコポ
鞠莉「あんまり慌てると、火傷するわよー?」
曜「そんなウッカリはしないってば。お代わりは?」
鞠莉「まだ大丈夫」
曜「言ってね、また淹れるから!」
鞠莉「うふふっ。お代わりも自由だなんて。今日は最高のサービスね」
13: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:20:38.48 ID:tnCquaOP.net
曜「よし、完成っと。ただいまー」カチャ
鞠莉「お帰りなさい。って、ブラックなの?珍しいわね」
曜「今日はそんな気分なんだ、調子もいいしね。これで私も大人の仲間入りっ!」
鞠莉「気分や調子が良くたって、苦いのが得意になるわけじゃないでしょ。大丈夫?」
曜「だいじょーぶ!いただきまーす!」ゴク
曜「んぅ…にがーい…」
鞠莉「だから言ったのに」クスクス
曜「んー、行けるかなって思ったんだけどな…ううっ…」
14: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:22:12.61 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「冒険しすぎちゃったみたいね。ふふっ、ちょっと貸して」カチャ
曜「あっ」
鞠莉「今度こそ私の出番よ。曜のコーヒー、とっても美味しくしてあげるからね」
曜「鞠莉ちゃん…ありがとう!」
鞠莉「ふんふ~ん♪」サトウトミルクマゼー
曜「ふふっ…いいなぁ」
鞠莉「ん、何か言った?」
曜「うん。なんだか凄く嬉しいなって!」
鞠莉「ええ。コーヒーを楽しむって素敵な時間だわ――よし、出来た」
15: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:23:38.77 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「はい、どうぞ」カチャ
曜「わあ、ありがとう!いただきます!」
鞠莉(さ、どうかしら…)ジー
曜「わぁ、おいしー!」
鞠莉「ん♪」
曜「さっすが鞠莉ちゃん、加減が抜群だね!」
鞠莉「私好みのコーヒーを淹れてくれたお礼よ」
曜「へへ、やっぱりこれが一番だぁ」ニコニコ
鞠莉(曜、いい顔してる。素敵ね、こういうのって)ニコッ
16: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:25:03.68 ID:tnCquaOP.net
曜「ふぅ、ごちそうさま!」
鞠莉「あら、早い」
曜「好きな味だもん!やっぱりコーヒーにはミルクと砂糖が必要だねー」
鞠莉「これに懲りたら、無理してブラックに挑まないことよ。我慢しながらじゃ、せっかくのコーヒーブレイクを楽しめないわ。大切なのは――」
曜「楽しく、リラックスして、心豊かに過ごすこと」
鞠莉「!」
曜「でしょ?」
鞠莉「そうね、そのとおりよ」
曜「えっへへ!」
鞠莉(この子は、本当にもう)クスッ
17: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:25:32.84 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「ありがとう。曜のおかげで最高のコーヒーブレイクだわ」
曜「元気になってくれたみたいでよかったよ!」
鞠莉「元気に…もしかして、心配かけちゃってた?」
曜「んー…少しだけ、ね?」
鞠莉「ごめんなさい。でも、そのおかげでこうして素敵な時間を過ごせたわけだし…怪我の功名ってやつかしらね?」
曜「怪我しちゃったら元も子もないよ。その前に休まないと、だよ?」
鞠莉「はーい、気をつけますっ」
曜「よろしい。へへっ、いつもとは立場が逆だね」
鞠莉「ふふっ、そうね。ふぅ、美味しかった」
18: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:26:19.67 ID:tnCquaOP.net
曜「お代わりはどうですかー?」
鞠莉「じゃあ、お願いしようかしら」
曜「かしこまりであります!」サッ
鞠莉(本当に美味しかった。体も心も軽くなった感じがする)
曜「さてさて、本日二度目の挑戦ってね」コポコポ
鞠莉(曜のおかげね。私のために…)
19: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:26:54.48 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「…話しかけてもいい?」
曜「いいよー」
鞠莉「さっきは怪我の功名とか言ったけど…本当は最近忙しくて。正直、少し辛かったの」
曜「…うん」
鞠莉「前向きに、ただ前向きにって頑張ってきたんだけど…ダメね。ひとりで頑張ってると、どうしても弱気になってしまって」
曜「…わかるよ。心細くて、誰かに側にいてもらいたくなるよね」
鞠莉「だから、今日は曜が来てくれて良かった」
曜「!」
20: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:30:30.66 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「曜の笑顔も、あたたかくて、甘いコーヒーも。今の私には最高の癒しなの」
鞠莉「本音を話せるのも、こうやってゆったりとした時間を過ごせるのも、曜が来てくれたおかげ。本当にありがとう」
曜「わ…」
鞠莉「ん?」
曜「えっと、そんな風に言ってもらえると思わなかったから…少し照れちゃった…」
鞠莉「あ…」
曜「えへへ…」テレテレ
鞠莉(…かわいい)
21: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:30:52.79 ID:tnCquaOP.net
曜「ね、私も話していい?」
鞠莉「もちろんよ。これはトークなんだから」
曜「えっとね。私も本当のこと言うと、少しどころか結構心配してたんだ」
鞠莉「えっ?」
曜「忙しいのもそうだけど。もしかしたら、辛いことや寂しい気持ちを、自分の中に閉じ込めちゃってるんじゃないかって」
鞠莉「あっ…」
曜「へへ、私もそういうところあるから。なんとなくわかっちゃうんだ」
鞠莉「…うん」
22: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:33:39.95 ID:tnCquaOP.net
曜「だから今の話を聞いて、ああやっぱりかって…でもさ、少し安心したよ」
曜「今の鞠莉ちゃん、とってもいい顔してるから」
鞠莉「!」
曜「さっきまではお疲れ様っていうか、元気がない感じに見えたけど。今は心からリラックスしてもらえたんだなってわかるよ」
曜「私が淹れたコーヒーを気に入ってくれて、鞠莉ちゃんの笑顔が見られて…私、とっても嬉しいんだ!」
鞠莉「曜…」
23: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:34:52.96 ID:tnCquaOP.net
曜「だからさ。ひとりで頑張りすぎないで、いつでも呼んでほしいんだ。私には仕事のお手伝いとかは難しいけど…」
曜「鞠莉ちゃんがお疲れ様の時は、甘くてあったかい、ほっこりするコーヒーを淹れに来るから!」
鞠莉「!」
曜「えへへっ!」
鞠莉「…ふふっ、そうね。腕は確かだし、その技術を見込んで、浦の星理事長の専属バリスタに任命しちゃおうかしら」
曜「おおっ、ありがたき幸せ、最高の名誉です!謹んでお受けいたします…ってね?」
鞠莉「言ったわね。言ったからには、もう契約成立よ?うふふっ♪」
曜「あははっ!さあさあ、冷めないうちにお代わりもどうぞ。さっきのに負けないくらい、きっと美味しくできてるから!」
鞠莉(ありがとう、曜…)
24: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:35:24.76 ID:tnCquaOP.net
……………………………………
曜「すっかりお邪魔しちゃってごめんね。コーヒーご馳走さまでした!」
鞠莉「来てくれてありがとう。とても楽しかったわ」
曜「私も!」
鞠莉「また、来てね?」
曜「うん!鞠莉ちゃんも無理しちゃダメだよ。またね!」ガチャ
鞠莉「あ…」
鞠莉(行っちゃう、終わっちゃうんだ…またひとり、寂しいな…)
25: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:36:06.02 ID:tnCquaOP.net
曜「あ、鞠莉ちゃん!」くるっ
鞠莉「ん、何か――」
ハグ
鞠莉「!」
曜「へへ、ぎゅーっ!」
鞠莉「あっ、えっ」
曜「ぎゅーーーっ」
鞠莉「あ、あぅ…!」
鞠莉(よ、曜…!)カァァ
26: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:37:07.96 ID:tnCquaOP.net
曜「ぎゅーーっ…よしっ!」パッ
鞠莉「あっ…!」
曜「ふふっ、これで元気のチャージ完了だね!」
鞠莉「…どうして?」
曜「ん?」
鞠莉「どうして、私がハグしたいって、わかったの?」
曜「んー。やっぱり、ひとりになるって寂しいし。それに」
鞠莉「それに…?」
曜「言ったでしょ、鞠莉ちゃんの好みがわかってきたって!」
鞠莉「!」
27: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:37:46.01 ID:tnCquaOP.net
曜「えへへっ、またねー!」フリフリ
バタン タッタッタッ…
鞠莉「あ…」
シーン…
鞠莉「…また静かになっちゃった。だけど、不思議と寂しくない。あったかい」
鞠莉「曜…」ギュ
28: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:38:31.57 ID:tnCquaOP.net
曜『だんだん鞠莉ちゃんの好みがわかってきたよ!』
曜『楽しく、リラックスして、心豊かに過ごすこと。でしょ?』
曜『元気になってくれたみたいでよかったよ!』
曜『心細くて、誰かに側にいてもらいたくなるよね』
曜『私、とっても嬉しいんだ!』
鞠莉「…そっか、そうだったんだ」
29: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:39:25.10 ID:tnCquaOP.net
鞠莉「もう、曜のバカ…どうしてくれるのよ」
鞠莉「仕事、手につかなくなっちゃったじゃない…」ドキドキ
終わり
30: 名無しで叶える物語 2018/11/30(金) 06:39:54.70 ID:tnCquaOP.net
あとがき
全弾撃ち尽くしました。コーヒーと曜ちゃんから癒しをもらう鞠莉ちゃんでした。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
曜「お願いします、鞠莉ちゃん先生!」
ありがとうございました。
曜「たまには甘いコーヒーを」