309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:25:46.41 ID:Sd6hYfzDO


青ピ「ここか…」

第十学区にある墓地に患者着の青い髪の少年がいた。

墓地と言ってもビル内にある墓地である。いくつもの墓が収容されているが、それらの墓が点在している訳ではない。普段は見えないところに収容されており、番号を入力すると墓が出てくるという方式だ。

青ピ「言われるままに来てもうたけどな…」

青い髪の少年の正体はとある高校のデルタフォースの一角。元暗部組織『ウォール』のリーダー。学園都市に七人しかいないLevel5第六位【隠密行動】である。

彼は自分の彼女の墓参りに来ていた。彼女の名前はフレンダ=セイヴェルン。暗部組織『アイテム』の幹部であった。二月程前に『アイテム』のリーダー、Level5第四位【原子崩し】麦野沈利により殺害されていた。





310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:27:54.98 ID:Sd6hYfzDO


青髪ピアスは紙切れで確認しながらフレンダの墓の番号を入力する。

この紙切れはフレンダの部下だった浜面という男からもらったものだ。

青髪ピアスは現実主義者である。『人間、死んだらそこまで』。だから、墓参りに行く意味なんてない。そう思っていた。

だが、件の浜面という男に促されたことと、後日『アイテム』の幹部全員とフレンダの妹のフレメアと共にフレンダの墓を訪れることになっているために、先に自分一人で来たのだった。





311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:29:06.03 ID:Sd6hYfzDO


青ピ「…僕も大概に夢想家やな。先に一人で墓を見たいと思うなんて」

やがて、フレンダの墓が出てきた。墓石ではなく、白くやや小さめの十字架であった。そこには、横書きの英語でフレンダの名前が刻まれていた。

青ピ「…ま、こんなもんやろ」

青髪ピアスはため息を吐く。それも、落胆したように。





312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:30:57.28 ID:Sd6hYfzDO


青ピ「こんなんバッテンにフレンダって書かれてるだけや」

-………


青ピ「こんなんがフレンダな訳あるか。あってたまるか」


-………



青ピ「ようは幻想や幻想。残された人間が自分を慰めるために作っただけのモンや」



-……ト




青ピ「…せやけど」




-…クト





青ピ「だけど、この思い出は…」





-アクト






青ピ「幻想なんかじゃないよな……」






-「結局、アクトは私に惚れてるって訳よ!」






青ピ「フレンダ…」






313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:32:25.90 ID:Sd6hYfzDO






一年前、九月-


「に、逃げろ!俺らの手に負えねぇ!」

「ボス!早くこち…ガ…」

「クソ!怯むなてめぇら!時間稼ぎに撤しやがれ!」

とある操車場。学園都市のとある組織と外部のとある組織間で深夜に機密情報と2000万ドルの取引が行われる。





314: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:33:33.23 ID:Sd6hYfzDO


「アシやられました!逃げられません!」

「何やってんだバカども!」

取引の最中、暗部組織『ウォール』が襲撃。取引現場を押さえる。学園都市のとある組織がこれに抗戦。

「ボス!アシ確保できましたこちらへ!」

「! でかした!」

現場に来ていた学園都市のとある組織、見えない敵を前に壊滅。数名が死亡、十余名が重傷。





315: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:35:53.90 ID:Sd6hYfzDO


「ふぃ~、生きた心地がしなかったぞ」

「危ないところでしたな。」

「まったくだ。危ない橋はもっと慎重に渡るべき…おい、何で止まったんだ?早く出せ!」

「いやいや、あなたには組織のことを残らず全て吐いてもらわねば。影武者殿。」

「! き、貴様!裏切るのか!?」

「何を言っている。もともと仲間ではない。」

「クソが!五年も組織に属していながら…!」

「五年?俺は三日前に初めて貴様を見たのだがな。」

「何を…」

「特殊メイクだ。お前の仲間はとうの昔に塀の内側だ。」

「!? バカな…」

「さあ、全部話してもらおうか。内臓を全て人工臓器にしたくなければ早く吐くんだな。」

学園都市のとある組織、後日『ウォール』の急襲を受け完全に解体。首領及び幹部は全員葬られる。





316: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:37:21.01 ID:Sd6hYfzDO


「ヒ、ヒィ…」

「アンタが外部とのパイプ役か」

「ど、どこだ!どこにいる!」

「教えるわけないだ…ろ!っと」

「グハッ!?」

「ほ~れ、とっとと降参しないともっと痛い目みるぞ?」

「わ、分かった!降参だ!」

「潔いなぁ。ほな、サイナラ」

「グァッ!?」






317: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:38:22.15 ID:Sd6hYfzDO




「あ、霧谷ちゃん?こっち終わったで」

『了解で。横須賀さんも終わったようなんで』

「さよか。外部とのパイプ役は手足縛っとるさかい、適当に尋問したあとどっかの研究所回すように下部組織に言っといてや」

『了解で』

「僕このまま直帰するわ、ほなな」

外部のとある組織、以後学園都市との一切の関わりを絶つ。なお、仲介人は学園都市の闇へと消える。





318: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:40:12.66 ID:Sd6hYfzDO


学園都市の裏路地、とあるビルの非常階段下に姿の無い少年はいた。

青ピ(ここなら誰にも見られないだろ…)

姿の無い少年は周囲を見渡す。当然、人の気配は無い。

青ピ「能力解除、と。あぁ~疲れ…」

???「ウソ!?ちょっとどいてぇ!」

青ピ「ん?うお!?」

急に女の声、次いで上から何かが降ってきた。

???「ったぁ~…」

青ピ「い、一体なにが…ん?」

青髪ピアスは目を丸くする。暗がりでよく見えないが、自分の上に降ってきたのは…

青ピ「女の子?」





319: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/03(土) 23:58:01.69 ID:Sd6hYfzDO

麦野「フレンダは…私が殺した」外伝スタートです。

レスありがとうございます。
本編をご愛顧いただきありがとうございます。
楽しみにしてもらって嬉しいです。

さて、今回の外伝ですが、ほぼ麦のんの出番なしです。
読んでの通り青ピ主体です。
タイトル詐欺とか言わないで
だいたい原作だってタイトルのわりにインデックスさん出てこnゲフンゲフン



320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:36:56.67 ID:sxxswmxDO


-第七学区、病院

<コンコン

???「はーい、どーぞー」

<ガララ

青ピ「…ども」

???「あぁ、アンタか」

青ピ「ホンマすまんかったなあ、完全に僕の不注意やわ」

???「いやいや別にアンタが悪い訳じゃないって!結局、病院まで運んでもらった訳だし!」

青ピ「せやけど、足にヒビ入ってんねやろ?」

???「あー…まあうん。けど、ちゃんと連れてきてくれた訳だし」





321: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:39:07.79 ID:sxxswmxDO


青ピ(まさか一般人と接触してケガさせるなんてな…下手すりゃ巻き込んでるぞ)

昨晩、青髪ピアスの上に落下してきたのは金髪の少女だった。おまけに、ぶつかった際に打ち所が悪かったのか足にヒビが入ってしまったと言う。そのためにギブスをはめ、さらには検査入院となってしまった。


青ピ(こーゆーかわいくて明るい娘は暗い世界に来るべきじゃないよな)

青髪ピアスは深く反省した。もし、昨日の抗争に彼女を巻き込んでいたら彼女もタダではすまない。最悪この街の最下層へまっ逆さま。そんな目にあわせる訳にはいかない。

青ピ「ホンマすまんかった。僕にできることがあったらなんでも言ってや」

???「だからいいって…まさかオシオキ代わってなんて言えないし…」ボソッ

青ピ「なんて?」

???「わ、いやいやなんでもないなんでもない!」

青ピ「?」

少女は何かを呟いたが青髪ピアスには聞き取れなかった。





322: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:42:06.33 ID:sxxswmxDO


???「そ、そう言えばアンタ名前は?結局、まだ教えてもらってない訳よ」

青ピ「え?あー」

青髪ピアスは少しだけ間を空けた。

青ピ(【隠密行動】は裏の通り名みたいなモンだしな…伏せといた方がいいか)



青ピ「山田太郎や」

???「…ホントに?今時そんな名前の日本人なんている訳?」

青ピ「そう思うやろ?僕も気に入っとらんねん。せやから僕のことは青髪ピアスって覚えといてや」

???「アハハ、なにそれ。じゃ、略して青ピって訳よ」

青ピ「かめへんかめへん。ほんで、君の名前は?」



???「私はフレンダ=セイヴェルン。よろしく」






323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:43:52.33 ID:sxxswmxDO




青ピ「ほえー、やっぱ外人さんやったんか」

フレンダ「そういう訳よ。見た目通りでしょ?」

青ピ「まったくや。せやけど、なんで学園都市に?日本語ペラペラやさかい日本育ちかいな」

フレンダ「あー…」

すると、フレンダは何か困ったように目を反らした。

青ピ「…言いたないんやったら言わんでええよ」

フレンダ「あ、そう?」

青ピ「うん。誰でも言いたないことの一つや二つあるモンや」

フレンダ「そ。アンタやっぱいいヤツね」

青ピ「そんなんちゃうて」

青ピ(たぶん言いたくないことはこっちのがいっぱいあるし。こう言っておけば向こうも詮索しないだろ)





324: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:46:23.52 ID:sxxswmxDO


青ピ「それよかホンマに僕ができることあらへんか?とりあえず治療費くらいなら僕が出すさかい…」

フレンダ「だからアンタが気負うことなんか…あ、そうだ」

フレンダは何かを思い出したらしく、ベッド脇の大きな紙袋をガサゴソとあさりはじめた。

青ピ「なんや?」

フレンダ「結局、治療費払うくらいならこれに付き合ってほしい訳よ」

そう言ってフレンダは紙袋からピッ、と何かのチケットを取り出した。カラフルな色彩がやたらと印象的なチケットだった。

青ピ「…遊園地?」

フレンダ「そ。本当は妹と休日に行く予定だったんだけど、結局これだからね」

青ピ「…すまん」

フレンダ「あ、違う違う今のはそーゆーのじゃなくて…ま、いいや。とにかく、脚のギブスが外れる予定日とこの招待券の有効期限が一致してる訳よ」

青ピ「…ほんで?」

フレンダ「もったいないから一緒に行こって訳よ」

青ピ「うぇ!?妹さんはええの!?」

フレンダ「結局、平日だから学校な訳よ。ま、アンタも学校かもしれないけど付き合ってくれるでしょ?」

青髪ピアスだって学校になんか通っていない。だから別に世間的に平日だろうが休日だろうが問題はない。




325: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:47:37.93 ID:sxxswmxDO


だが…

青ピ「…僕でええの?ケガさせた張本人やで?」

フレンダ「だーかーらー、別にいいっての。結局、関西弁なんて聞いてるだけで楽しいし。なんでもするんじゃない訳?」

青ピ「…お供します」

フレンダ「ニャハハ!よろしい!」





326: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:49:47.57 ID:sxxswmxDO


-後日、遊園地前

青髪ピアスは遊園地の前にいた。例のフレンダをエスコートするためだ。

相手がなんのかんの言っても、下手したら相手の人生をメチャクチャにする可能性だってあったのだ。なら、その償いはしっかりせねば。青髪ピアスはそう思っていた。

青ピ(てか、遊園地なんてはじめてだけどな)

青髪ピアスが物心ついた時には『置き去り』の施設にいた。8つのころには研究所に回された。13になるころには暗部デビューだ。遊園地なんてところに行けるわけもない。

なので、実は青髪ピアス自身それなりにワクワクしていた。





327: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:51:16.44 ID:sxxswmxDO


青ピ「お」

フレンダ「ん。待ち合わせの時間より早く来てるわね。かんしんかんしん!」

青ピ「もちろんや。こんなかわええ娘ぉエスコートすんねんから」

フレンダ「ニャハハハハ!よい心がけじゃ!誉めてつかわす!」

青ピ「ははー」

フレンダ「よっし、それじゃ早速攻めかかるぞー!」

青ピ「おー!」





328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:52:22.90 ID:sxxswmxDO




フレンダ「いや~いい景気付けになった訳よ」

青ピ「フリーフォールやったっけ?初っぱなから攻めるなぁ」

フレンダ「平日だからなんでもやりたい放題な訳よ!この後もガンガン行くから覚悟しときなさい!」

青ピ「望むところや!」







329: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:53:31.42 ID:sxxswmxDO




フレンダ「いや~、流石は学園都市!」

青ピ「ジェットコースターってあないな角度で縦スクリューしながら降下するんな。はじめてやったわ」

フレンダ「スリル満点って訳よ!」

青ピ「…酔ったりせぇへんの?」

フレンダ「? 全然?」

青ピ「…さいでっか」

フレンダ「さ、次行くわよ、次~♪」

青ピ「おーう」







330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:55:13.51 ID:sxxswmxDO




フレンダ「結局かなりの代物だったわね!」

青ピ「一回転はおろかほぼ減速なしで高速二回転半して逆さまで止まるバイキングってなんやねん…」

フレンダ「さっすが新装開店って訳よ!」

青ピ「…化け物ばっかや…」ウプッ

フレンダ「さ~て次は…」

青ピ「ちょ、ちょおタンマ!」ガシッ

フレンダ「?」

青ピ「あ、あのアレや!同じ絶叫系でも趣向を変えへん!?」

フレンダ「趣向?」

青ピ「アレや、アレ」

フレンダ「…お化け屋敷ね。結局、小休止の意味合いも兼ねて丁度いいって訳よ」







331: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:57:20.81 ID:sxxswmxDO




フレンダ「ん~、結局可もなく不可もなくってとこね」

青ピ「そうか?昔人体実験しとった研究所なんて学園都市らしい思ったんがなぁ」

フレンダ「学園都市に幽霊って時点で学園都市らしくないって訳よ。結局、あの手のは『どれだけ怖いか』じゃなくて『どれだけ驚いたか』が基準な訳」

青ピ「ふーん、てっきり怖なって腕にしがみついてくる思とったんけどなぁ」

フレンダ「ふふん、私はそんなテンプレ通りの女じゃないって訳よ」

青ピ「む…」

フレンダ「そんじゃ次は…」





332: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 22:58:23.95 ID:sxxswmxDO


従業員「すいませーん」

フレンダ「ん?」

従業員「ただいまカップルでお化け屋敷に入った方は生還記念でお写真撮らせていただいているのですが…」

青ピ「!」ピーン

フレンダ「あ~、私ら別にカップルじゃ…」

青ピ「ええやん撮ろ撮ろ!」ガシッ

フレンダ「え!?ちょっ…」

青ピ「せっかく来たんやから隅々まで楽しまな、やろ?」

フレンダ「…ま、それもそうね」ニコッ

従業員「それじゃいきますねー!ハイ、チーズ!」





333: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 23:01:51.41 ID:sxxswmxDO



フレンダ「あら?撮ったその場で現像される訳?」

青ピ「ポラロイドってヤツやね。しかも学園都市製の」

従業員「詳しいですね。デジタルじゃ嫌だって人のために早く現像する方向で技術が進んだんですよ」

フレンダ「へー、意外な豆知識が増えたわ」

従業員「と、言ってる間に仕上がりました!さ、どうぞこちらが…え?」

フレンダ「…?何?どうしたの?」

従業員「え?え!?」

青ピ「いやぁ~、なかなか怖いお化け屋敷やったんけどなあ…」

従業員「ヒ…」

青ピ「ちょおっとわざとらしすぎるなぁ。僕がおったころはもっと床とかはキレイd」

従業員「うわああああああああああ!」ダダダダダダダダ…

フレンダ「え!?結局どういう訳よ!?」

青ピ「こーゆー訳や」つ写真

フレンダ「ん?」


 楽しそうに笑ってるフレンダ

足がなくて全体的にうっすらしてる青ピの写真

フレンダ「…え?」

青ピ「…あの夜…僕なにもないとこから急に現れたやろ…?」

フレンダ「…ま、まさか…」

青ピ「いやぁ、まさかかわええ女の子にとり憑けるなんてなあ」

フレンダ「ふ…」

青ピ「…実は僕…さっきの研究所で数年前に死んd」

フレンダ「ふにゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああ!」ピューッ!

青ピ「あはは!脚ホンマに完治したみたいやな!」

<ふに゛ゃ!

青ピ「あ、コケた」





334: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 23:03:25.95 ID:sxxswmxDO




青ピ「もお機嫌直してぇな」

フレンダ「…」 ムッスー

青ピ「イヤ、恐がらせよ思ったんは僕が悪いよ?せやけど走ってコケたんは自己責任やん」

フレンダ「ずっと一緒に遊んでた人の足が写らなかったら動転くらいするでしょうが!」 ウガー!

青ピ「スマンスマン。ほらっ、はよ次行こ、次」

フレンダ「…結局、この心のムカムカを取りのぞくには絶叫系しかないって訳よ」

青ピ「え゛」







335: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 23:05:22.50 ID:sxxswmxDO




フレンダ「あ~楽しかった~」ホクホク

青ピ「…アカンふらふらする。これ僕ちゃんとまっすぐ歩けてる?」

フレンダ「もーまんたいもーまんたい」ニヤニヤ

青ピ「結局、絶叫系のオンパレードやったわ。あ、移ってもうた」

フレンダ「でも、ちゃんとファンタジー系でコーヒーカップに乗った訳だし」

青ピ「あない遠心分離器みたいなモンがファンタジーな訳あるか」

フレンダ「細かいことは気にしない♪結局、青ピも楽しんでた訳だし」

青ピ「…せやなぁ。こんな楽しかったんいつぶりかな」

フレンダ「でしょ?結局、来てよかったって訳よ」 ニシシ

青ピ「まったくや」 アハハ





336: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 23:07:36.95 ID:sxxswmxDO


フレンダ「…ね、よかったら晩ご飯も一緒に食べない?結局、ここまで来たら一人で食べるのも味気ない訳よ」

青ピ「せやなぁ。僕もそっちのが…っとスマン、メールや」



青ピ(出揃った、か) ハァ

フレンダ「?どうした訳?」

青ピ「スマン、用事できてもうた」

フレンダ「えー…」

青ピ「堪忍なあ、今すぐ行かなアカンねん」

フレンダ「せっかくの締めくくりがパァな訳よ」 ハァ

青ピ(…恨むぞ。横須賀、霧谷ちゃん)





337: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 23:08:37.60 ID:sxxswmxDO


フレンダ「んじゃ、次は青ピのおごりでご飯って訳ね」

青ピ「…へ?」

フレンダ「最高の一日の締めくくりを台無しにした罪は重いって訳よ」 ニシシ

青ピ「…なんやまた会えるんか」 ハハ

フレンダ「そういう訳よ。ま、結局私も忙しい身だからいつになるかわからないけどね」

青ピ「いやいや、全然かめへんよ」

フレンダ「そ。じゃあまたね青ピ」 フリフリ

青ピ「うん、ほななぁフレンダ」 フリフリ







338: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/04(日) 23:10:23.49 ID:sxxswmxDO





横須賀「ようやく来たか。」

霧谷「遅かったんで」

青ピ「…ああ、スマン」

横須賀(…素直に)

霧谷(…謝った?)

青ピ「…なあ、霧谷ちゃん」

霧谷「はい?」

青ピ「男と外食行くんやったらどんなとこ行きたい?」

霧谷「」 ゾワッ

青ピ「…なんや?」

霧谷「…いや、気味悪すぎてサブイボ総立ちになったんで」

青ピ「シバかれたいんか、おどれコラ」 ビキビキッ

横須賀(…精神感応系能力者による精神汚染ではない、か。) フィー




344: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:42:03.75 ID:fFGwtYLDO


-11月上旬


青ピ「あちゃー」

フレンダ「久しぶりに遊べる訳なのに遅い」 ムスッ

青ピ「スマンなぁ、あのアレ…バイトが長引いてもうてん」

フレンダ「結局、そんな風にどもられたら言い訳にしか聞こえないって訳よ」

青ピ「いやいや、ちゃうねん!ホンマやって!」

青ピ(ただバイトじゃなくて暗部ってだけで)

フレンダ「ま、いいや。私も遅れ気味だった訳だし」

青ピ「あ、ホンマ?」

フレンダ「うん!さっ、早く行こ!」

青ピ「よっしゃ!今日は映画やったな!」





345: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:43:41.05 ID:fFGwtYLDO




フレンダ「…」グス

青ピ「いやぁ~、ええもん観れたわ」ホクホク

フレンダ「結局、ハッピーエンドって訳よ…」ハゥ

青ピ「あはは、確かに感動したけど泣くほどかいな」

フレンダ「私こーゆーA級映画なんて見たの久々だったから…」

青ピ「あー、友達がB級C級映画しか観ないんやったっけ?」

フレンダ「結局、こないだ観せられた腕が三本ある人間による世界救済映画に比べればクオリティが段違いな訳よ」

青ピ「もう設定からして意味分からんわ」

フレンダ「アハハ、私もって訳よ」





346: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:45:34.37 ID:fFGwtYLDO


青ピ「…ホンマ、コロコロ表情変わるなぁ」

フレンダ「ん?そう?」

青ピ「うん、退屈せぇへんわ」

フレンダ「…私も青ピといると退屈しない」

青ピ「…ホンマ?」

フレンダ「うん、むしろもっと一緒に…」

青ピ「!…スマン、ちょお、トイレ」

フレンダ「は?」

青ピ「すぐ、戻るさかい!」ダッ

フレンダ「え、ちょっ……ハァ…結局、男なんて大抵KYな訳よ」






347: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:47:13.89 ID:fFGwtYLDO




???「む。やはりマズったか。」

「おいこら」

???「!」

「何してんだ横須賀テメェ」
横須賀「たまの自由時間を謳歌していたら、見慣れた顔が見慣れない表情をしてたのでな。」

「それでなんで俺に読心なんてしてんだ」

横須賀「アレが今度のターゲットだと思ったのでな。確認しようと思ったのだ。というか早く姿を現せ。」

青ピ「…」

横須賀「っと、そっちか。」

青ピ「あの娘は学園都市の裏側なんて知らん。妙な真似すんな」

横須賀「そうか。なら、ほどほどにしておけ。」

青ピ「あ?」

横須賀「自分の立場を忘れるな、という話だ。」

青ピ「…」

横須賀「…では。」







348: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:49:08.87 ID:fFGwtYLDO




フレンダ「…どこまでトイレ探しに行ってた訳?」

青ピ「スマンなぁ、結局、大って訳や」

フレンダ「サイッテー」 ウワァ

青ピ「あはは、冗談や冗談」

フレンダ「結局、冗談でもそーゆーことを女の子の前で言う時点でアウトって訳よ」

青ピ「堪忍やって。それとな、今度からまたしばらく会えなくなるかも分からへん」

フレンダ「えー?また例のバイトな訳?」

青ピ「そーゆーことや。あんまり連絡つかんくなるかもしれんけど堪忍な」

フレンダ「…そ。結局、寂しくなるわね」

青ピ「…そんな顔しないでくれよ…」

フレンダ「え?」

青ピ「…っとスマン。なんでもないわ」

フレンダ「今…なんて?」

青ピ「あー、なんでもないわ!ほ、ほなな!」ダッ

フレンダ「待っ…行っちゃった…」

フレンダ「…青ピのヤツ標準語じゃなかった?」ウーン







349: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:51:43.93 ID:fFGwtYLDO




青ピ(…これでいい)

青髪ピアスは大通りを歩いていた。世間的に休日なだけあって街は賑わっていた。

青ピ(…肝心なのは住み分けだ。表社会は表社会。裏社会は裏社会。ほいほい交わっていいモンじゃない)

横須賀による忠告。それは自分に関わったがために他人の人生を破綻させるという示唆であった。

青ピ(フレンダはもっとふさわしい男と遊ぶべきだ。…少なくとも後ろ暗い男と付き合うべきじゃない)

一旦そう考えると嫌な考えがどんどん出てくる。

もし、自分と関わったばかりに裏社会の連中に巻き込まれたら?自分と親しいという理由で人質にでもされたら?逆恨みした連中が自分の周りに手を出してきたら?

どのパターンもあり得るし、どのパターンも最悪の結末にしか繋がらない。

青ピ(だからこれでいい。…けど…)

ハァ、と大きなため息をつく。

青ピ(…せめて今日くらいもっと遊べばよかったな)

もはや会わないようにすると決めたとたんに、先ほどまでの楽しい時間がよみがえってくる。

青ピ(あんな楽しい娘は表社会の人間だからもう二度と会わない。でも、裏社会の人間にとってはそんな娘だからこそ楽しい、か。やっぱり神様は意地悪だな)

青ピ(…表社会、か。憧れはあるけど現実的じゃないな)




350: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:54:09.20 ID:fFGwtYLDO



-11月下旬

青ピ「-っちゅう感じや。他に質問は?」

横須賀「特にないな」

霧谷「私もで」

青ピ「ほな、最終確認はこんなモンやな」

とある研究施設の近くに『ウォール』を乗せたキャンピングカーが駐車していた。

依頼内容は借金に困った研究所による技術・利益の違法な外部提供の阻止及び研究所そのものの解体。

阻止には機材やデータなどを消すもよし、首謀者を消すもよし、手段は任せるとのことだった。

解体などは利権書類などを片っ端から盗み出せとのことだった。おそらくは身ぐるみはいで借金返済に充てさせるつもりだろう。





351: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:55:28.40 ID:fFGwtYLDO


青ピ「あ、それからもう一つ」

そして、更に変なオーダーが入っていた。

横須賀「なんだ?」

青ピ「女は殺すな、やって」

霧谷「…フェミニズムこじらせたんで?」

青ピ「ちゃうわボケ」

横須賀「いつもみたいに、苦しませずに殺せ、じゃないのか?」

青ピ「せやから今回は僕のポリシー云々ちゃうっての。上からのお達しや」

横須賀「ふむ。珍しい注文だな。」

霧谷「上の人間がフェミニスト…だったらこんなにコキ使わないで欲しいんで」ハァ

横須賀「ん?お前女だったのか?」

霧谷「ぶっ殺されてぇんで?」 ピキッ

横須賀「冗談だ。ホラ、頼む」

霧谷「ったく…」





352: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:57:49.98 ID:fFGwtYLDO


そんなやり取りが交わされた後、霧谷は手近に置いてあった大きいジュラルミンのケースを開けた。中には特殊メイク用の道具類がきちんと整理されている。

本人曰く、必要最低限ならこの大きさでなんとかなるんで、とのことだ。

今回は大きな陽動の隙に横須賀か青髪ピアスのどちらかが目的を果たすという手筈になっている。潜入捜査ではないので、必要最低限で十分なのだろう。

霧谷のメイクが終わるまでに青髪ピアスはケータイに目をやっていた。

青ピ(あれからほぼ一月…さすがにメールも来なくなったな)

あれから何回かフレンダからメールが来ていたが、青髪ピアスはメールを返さなかった。そうする度に後ろ髪ひかれる思いに駆られたのだが、ことごとくその思いを封じた。

青ピ(これでいい。このまま自然消滅で元通り…)

自分は正しい選択をした。これで何も悲劇は起きない。可能性から根絶やしにした。学園都市第六位の頭脳は自身の行動を褒め称えていた。





353: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 22:59:09.50 ID:fFGwtYLDO


しかし、心の方は

青ピ(…やっぱり連絡したいなぁ) ハァ

頭と真逆のベクトルに向かっていた。

青ピ(あ~、フレンダに会いたい)

日が経つにつれそんな想いが増していった。メールが来なくなってからは二倍速で増していった。

オマケにただでさえつまらない任務が余計につまらないものになった。

青ピ(なんだこのモヤモヤ…絶叫マシーンでも乗ったら消えるかな)

フレンダとはじめて遊びに行った日を思い出して表情がほころぶ。そして、すぐ自己嫌悪に陥る。

青ピ(だからダメだっての!フレンダのことは忘れろ!)




354: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/05(月) 23:02:42.36 ID:fFGwtYLDO


横須賀「ん、バッチリだな。」

霧谷「横須賀さんのガタイのせいで全然研究者っぽくないんで」

横須賀「これでもあの研究者で一番デカイ人間なのだがな。この顔の持ち主は。」

霧谷「どんだけタッパがあっても所詮はインテリなんで。ムキムキの横須賀さんじゃムリがあるんで」

横須賀「なに、要はパニック状態の中でバレなければいいのだ。これで十分。」

霧谷「私のプライドの問題なんで」

横須賀「と言っても、結局これ以上はどうしようもないのだろう?」

霧谷「…まあ、どんなにスゴ腕でもガタイだけはどうしようもない訳で」 ハァ

青ピ「結局とか訳とか言うなや」 イラッ

霧谷「へ?」

横須賀「?」

青ピ「…なんもないわ。準備できたんやったらとっとと行くで」





361: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:09:47.05 ID:Z/7z1W6DO


-同日、夕方

研究所から一人の研究者が出てきた。入れ違いで防弾チョッキを着た青髪ピアスが能力を行使して中へ入る。

【隠密行動】は物理的に閉まっていなければどこにでもフリーパスで入れる。

物理的に閉まっていたら扉なり壁なりを壊さなければいけない。だが、そのための道具も一緒に隠すことができ、ものによっては解体作業の音も消せる。

そのため、青髪ピアスはほぼどこにでも行けるのだ。

「…そんじゃ」

誰も見ていないが、誰も聞いていないが、青髪ピアスは研究所に入ってすぐのロビーで言葉を発した。

「ゲームスタートや」

ピンッ、と青髪ピアスは旧式の手榴弾の安全ピンを外し、更に手榴弾を10個ほどばらまいた。







362: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:12:43.30 ID:Z/7z1W6DO




横須賀「…始まったか。」

研究所の敷地内に変装した横須賀はいた。先ほどの爆発音は開戦の合図だ。続いて警報を知らせるアラームが鳴りはじめた。

本来ならもう少し控え目にやりたいところだが、急に舞い込んできた依頼だ。正面突破もやむを得ない。

横須賀「行くか。」

そう呟くと、横須賀はとある部屋の窓ガラスを思い切り割った。

普段ならこれだけでアラームが鳴るだろうが今は正面での爆発でとっくの昔に鳴っている。おそらく、爆発事件の犯人はパニック状態の人混みをすいすいと通り抜けてすでに研究所の奥深くに侵入しているころだろう。パニックになって人々が行き交えば扉も開く。それが自分のところのリーダーの狙い。

横須賀も似たようなものだった。パニック状態ならばすれ違う研究者の顔など一々確認しない。ガタイの大きさもデカめの白衣でも着ておけばじっくり見られない限りバレやしまい。


窓ガラスから侵入した部屋は、更衣室だった。そこから内側のロックを外して研究所の廊下に出た。アラームに紛れて人の怒声が聞こえてくる。大半の人間は自分たちのしでかそうとしていることがバレたと感付いているのだろう。

半狂乱なら好都合。こっちもとっととやることをやってしまおう。図面はバッチリ頭に入っている。首謀者のリストもバッチリ頭に入っている。





363: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:15:13.63 ID:Z/7z1W6DO


???「お、見ぃつけた」

走り出そうとした瞬間、女の声がした。次いで、背筋が凍った。ほとんど反射的にバックステップを刻んだ。目の前を青白い光が通過?した。その判断は正しかった様で、光が当たったと思われる奥の方の壁は跡形も無く消し飛んでいた。

???「へぇ。今のを躱せんのか…研究者の割に動けるじゃねえの」

声のした方向を見ると二人の女がいた。一人は茶髪のロングヘアー。その後ろにいるもう一人は黒髪のショートカット。

???「さっきからひょろひょろのモヤシばっかでつまんなかったからなぁ。テメェは少しくらい私を楽しませろよ?」

どうやら、この研究所の研究員だと思われているらしい。変装が裏目に出たようだ。

横須賀(コイツらもこの研究所が狙いか…?借金の取り立てにしては物騒過ぎるな。)

だが、考えている暇はなさそうだ。なんせ、向こうはヤル気満々だ。その証拠にさっきと同じ色の光の球体がロングヘアーの周りに浮かんでいる。

???「フレンダのバカがアホみてぇにドッカンドッカンやったせいでイライラしてんだよ。だからテメェでこのストレス解消させてくれ」

横須賀「…よかろう。対能力者戦闘のエキスパートの実力を見せてやる。」







364: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:17:08.31 ID:Z/7z1W6DO




「お、見ぃつけた」

「ガッ…!」

たった今、研究所の三階で首謀者の一人を捉えた。そんでもって鳩尾をぶん殴った。身構えてすらいない人間に鳩尾への打撃。死にはしないだろうが、しばらく立てはしないだろう。

「さぁて、質問タイムです」

研究員「クソ…どこに…」

「この研究所の利権書類を持ち出せる人間は何人いる?」

研究員「だ、誰が…」

「ふぅん、言わないんなら殺すしかないか」

研究員「どの道そのつもりだろ…クソッタレ」

「いやいや、言ったら殺さないって。今回はお前らの違法提携の阻止が目的。機材とデータと利権書類をまるっと出してくれたら命まで奪う必要性なんか無いし」

研究員「…ホ、本当か?」

「もちろん」

研究員「…な、なら案内しましょう。利権書類は金庫の中です。持ち出せる人間は所長である私だけですから…」





365: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:19:25.54 ID:Z/7z1W6DO



研究所内を首謀者の後ろについて歩くことになった。あちこちから怒号と悲鳴が聞こえてくる。この分だと横須賀は随分派手に暴れているようだ。

(アイツ暴れまくったら変装の意味ねぇだろ。殺害現場でも見られたか?)

味方のアホっぷりに首を振ったが別に気にしない。それが原因で横須賀が殺されても自業自得だ。助けに行く義理はない。

研究員「あ、あの…ついてきてますか?」

「おお、とっとと歩け」

研究員「は、はい…」

首謀者である研究員は未だに鳩尾を抑えて歩いている。おかげでかなりノロノロと歩く羽目になった。

研究員「こ、ここです」

「そうか。じゃあな。」

研究員「へ?ぎゃふ!」

研究員の後頭部を思い切りぶん殴った。多分意識を取り戻すにはかなりの時間を要するだろう。

「約束通り殺しはしない。ま、お前もこっちの仲間入りだけど」

そう言って『所長室』と書かれた部屋の扉を開けた。





366: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:24:47.29 ID:Z/7z1W6DO


「…おーおートラップ三昧。まあ、ピアノ線以外は【隠密行動】の前じゃ無意味なんだけどな」

ヒョイ、と足を上げてピアノ線を跨いだ。おそらく、イタチの最後っ屁というやつだ。所長を狙ってきた人間をトラップで仕留めて少しでも追っ手を減らそうとしたのだろう。

「…コイツか」

すぐに金庫は見つかった。部屋の片隅に1メートル半はある頑丈そうな黒い金庫があった。

「さぁて、コイツの出番やな」

そう言って青髪ピアスはポケットから修正テープの様なものを取り出した。そのテープで金庫の側面を縁取る様に長方形を描き、さらに対角線同士を結んでバツ印を描いた。





367: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:26:48.65 ID:Z/7z1W6DO


「そんでちょっと離れて…ほいっと」

仕上げにテープにナイフのようなものを投げつけた。

シュゴッ!、っと言う音とともにテープに沿って爆発が起きた。そして、金庫の側面にはテープの跡に沿って切れ込みが入っていた。

「頑丈だな…オラッ!」

青髪ピアスが側面の上の方に思い切り蹴りを入れた。

ガンッ!、という音とともに上の方から金庫の側面が崩れた。自分の足の上に落ちないように、青髪ピアス急いで飛び退いた。

「…ビンゴ。各種利権書類の方はこれでいいな」

金庫の中身を確認して呟き、右腕に抱える。あとは機材とデータ。場所はあらかた見当ついてるし適当な人間を--





368: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:27:42.31 ID:Z/7z1W6DO


研究員「う…ク、ソがぁ!」

突然研究員の声がした。意外にも早く意識が戻ったらしい。見ると手には拳銃が握られていた。

【隠密行動】を使っている以上、青髪ピアスの場所は正確には分からない。だが、これだけ金庫に手を出していればおおよその場所は分かる。

パァン!という乾いた音が響いた。





369: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:29:28.94 ID:Z/7z1W6DO


「ぐぁ!」

弾丸は青髪ピアスの左腕に命中した。学園都市製の防弾チョッキに当たってくれれば強く押されたと感じる程度で済んだのに、よりにもよって腕に当たってしまった。

青ピ「っの野郎!」

書類をバラまき、右手に拳銃を握る。

再びパァン!という音が部屋に響いた。それとほぼ同時に、研究員は声も出さずに絶命した。





370: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:31:27.87 ID:Z/7z1W6DO


青ピ「っつ~…止血しないと」

左腕の袖を肩口から口と右手を使って破く。そして、今度は防弾チョッキの裏から塗り薬を取り出した。学園都市の止血薬は強力で塗ればとりあえず大半の血は止まる。塗り終えた後、破いた袖を撃たれた箇所にキツく巻き付けた。

青ピ「クソ、油断した…」

傷口から見て、弾は貫通している。動かない方が出血量は減るだろう。だが、大絶賛暴れまくり中の横須賀が来る訳ないし、純粋な戦闘員でもない霧谷がここまで来れる訳もない。残りの仕事はキャンピングカーに戻りながらできる範囲でこなすとし、本格的な仕事は横須賀に託すとしよう。

青ピ(ったく、つまらないからって気ぃ抜きすぎだろ)

床に広がった書類をまとめながらそんなことを考えていた時-





371: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:33:15.85 ID:Z/7z1W6DO




???「………青ピ?」


聞き覚えのある声がした。


青ピ「…えっ?」


そこには…



青ピ「…………フレンダ?」


いるはずのない金髪の少女がそこにいた。





372: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:35:12.34 ID:Z/7z1W6DO



死体のそばで呆然と立ち尽くすフレンダ。それに対して書類を集め終えた体制で顔だけ振り向いたまま固まった青髪ピアス。しばらく二人とも周りの喧騒を忘れて固まっていた。

青ピ(しまった!撃たれた時から演算してねぇ!)

青髪ピアスはなんで自分がバレたのかに先に気付いた。だが、その前に疑問がいくつもある。

フレンダ「…コイツを殺ったのはアンタな訳?」

先に口を開いたのはフレンダだった。

青ピ「…あぁ」

どうしよう。完全にバレた。自分が最低の人間だと。そんな思いで青髪ピアスの頭は軽く絶望の淵まで行った。

青ピ「せ、せやけどなフレンダ…」

なんとか弁明しようと立ち上がる青髪ピアス。

フレンダ「!ちょっとアンタその腕!」

腕の出血に驚いたフレンダが部屋に入ってこようとした。

しかし-




373: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:37:12.44 ID:Z/7z1W6DO


青ピ「!伏せろ!」

フレンダ「え?キャッ!」

間一髪、部屋のトラップであるボウガンの矢がフレンダのベレー帽を射ぬいた。

フレンダ「あ、あっぶな…」

「ちょっと待ってろ、俺がそっち行くから」

フレンダ「え?あれ?青ピ?」

「動くなって!」

いきなり消えた青髪ピアスを探そうとしたフレンダを、【隠密行動】を使った青髪ピアスが制した。

青ピ「…ふぅ」

フレンダ「あ、青ピ!アンタそれ大丈夫な訳!?」

青ピ「大丈夫、とは言い難いな。とりあえず、はよこっから離れよ」

フレンダ「え、ええ。でもえっと…」

青ピ「なんや」

フレンダ「言いたいコトも聞きたいコトもいろいろありすぎるんだっての!」

青ピ「こっちもやっての!せやからひとまずここから…」





374: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:38:47.02 ID:Z/7z1W6DO


フレンダ「!待って危ない!」

青ピ「うぉ!?」

フレンダが青ピの巨体を押し倒した。瞬間、さっきまで二人がいたところを青白い光が通過した。さらに

青ピ「痛だだだだだだ!」

フレンダ「わ、ゴ、ゴメン!」

フレンダが青髪ピアスの左腕を圧迫していた。それに気付いてフレンダはバッと離れた。その服には血がついていた。

青ピ「な、なんだ今の…」

フレンダ「…アンタは早く病院に行って。話すのも聞くのもその後。」

そう言ってフレンダは立ち上がる。

青ピ「ちょっと待て!危険すぎるだろ!」

フレンダ「大丈夫」

フレンダはクスリと笑った。


フレンダ「結局、今のは私の仲間って訳よ」


青ピ「は…?」

それだけ残して、フレンダは走り去った。





375: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:40:29.08 ID:Z/7z1W6DO




青ピ「…とりあえずここに居てもしょうがないな」

青髪ピアスも立ち上がり、研究所の一階を目指した。

おそらく、裏口は逃げ惑う研究員でごった返してる。正面入り口はさっきの手榴弾で瓦礫だらけ。なら、入り口という概念なんてとっぱらって窓から脱出するのが一番手っ取り早い。





376: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/07(水) 21:44:25.95 ID:Z/7z1W6DO


そんなコトを考えて移動していると、無線から音がした。

???『ザザッ…おい!聞こザ゙ッるか?』

青ピ「どした?横須賀」

横須賀『仕事は終わったか!?』

なぜだか、普段冷静な横須賀の声は荒らぶっていた。

青ピ「利権書だけな」

横須賀『それもう土地の利権書以外いらんぞ!下手すりゃこの研究所、物理的に潰れちまう!』

青ピ「お前どんだけ暴れとんねん。つーかさっきビームみたいなん飛んできたけど新兵器か?」

横須賀『俺じゃない!サザッ女だ!うぉザザザザザザッお!』

青ピ「女?」

横須賀『ああ!ロングヘアーのな!めちゃくちゃな能力者だ!対能力者戦闘のエキスパートである俺が逃げるだけで精一杯だ!』

青ピ「お前それ自称やろ」

横須賀『違うわ!とにかく、機材の方もコイツの能力でとうの昔に木っ端微塵のはずだ!俺は離脱すっから首謀者の連中はお前が…』

青ピ「イヤ、僕弾丸一発くらってもうてん。せやから抜けるわ」

横須賀『な、なあ!?ザザッじゃあ首謀者ザザザザザザザザ!?ぜぇ、ぜぇ!』

青ピ「データ潰して終わりでええやろ。多分そいつの能力で今ごろ木っ端微塵やって」

横須賀『そんな不確実な感じでいいのか!?』

青ピ「どの道裏口から逃げたんやったら霧谷ちゃんがやっとるて。まあ、一人は潰したさかいあと二三人位なら脱出ついでに…」

横須賀『つーかあのババァの相手変わってくれっつってんだよ!ザザビブルチじゃザザザザザザね…ぷぎゃああザザザザザザザザザザザザザザザザザザザーーーーーーーーーーーーープッ』

青ピ「…アーメン」






381: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:36:05.58 ID:979ADOjDO


-後日

青ピ「おいこら」

???『なんですか?そんなケンカ腰に』

青髪ピアスは病院から電話をしていた。電話の相手は『ウォール』と学園都市上層部を繋ぐ、正体不明の『電話の男』。

青ピ「どういうことだあの現場は」

???『どう…と申しますと?』

青ピ「…明らかに報告にない勢力がいたぞ。おまけに横須賀をバカみたいに狙ってやがった」

???『…もしかして横須賀君、変装してました?』

青ピ「ああ」

???『あ~、だからですかね。一応「デカい男は殺すな」って指示行ってるハズですが』

青ピ「…っつーことは、やっぱり上層部の勢力か?」

???『ご想像にお任せしますよ。慰謝料として全員に報酬は5割増しで出しますから』

青ピ「8割や」

???『急に関西弁…分かりましたよ』

最後にため息をだけを残して、電話は切れてしまった。

青ピ「…」

横須賀「どうした、浮かない顔して」

青ピ「…お前なんで生きとんねん」 ハァ

横須賀「ふん。言っただろう、対能力者戦闘のエキスパートである、と」

「ハイハイ、どーでもええわ」

そう言って青髪ピアスは姿を消した。





382: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:40:47.69 ID:979ADOjDO


青髪ピアスは昼間の大通りを患者着の上からコートを着て歩いていた。今日は平日なので人通りも少ない。

青ピ「…」

コートの上から左腕を三角巾で吊しながら歩く。奇跡的に骨へのダメージはなかったが、筋繊維がズタボロだし、太い血管にも傷が入っていた。

そんな大ケガでも翌日には往来を歩けるから学園都市の技術はズバ抜けている。本当は入院中のハズなのに、能力を使って抜け出してきたのだが。

青ピ「上層部の部隊、か」

青髪ピアスは先ほどの電話を思い出していた。

青ピ(あんな化け物じみた能力だ。上層部が管理してない方がおかしい…けど)

ひとつだけおかしい。というか納得できない



-「結局、今のは私の仲間って訳よ」



普通に受けとめれば、フレンダはあの化け物能力者の仲間ということだ。しかし-

青ピ(…信じられないな)

どう見たってフレンダは明るい女の子だ。学園都市の裏社会に生きてるような人間じゃない。

青ピ(…一人で妄想しても仕方ないな)

そして青髪ピアスは再び携帯電話を取り出した。






383: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:42:20.10 ID:979ADOjDO


長いコール音の後、相手は電話に出た。

フレンダ『も、もしも~し』

青ピ「何どもっとんねん」クスッ

意外な対応に、青髪ピアスは思わず笑ってしまった。

フレンダ『だ、だってずっと連絡してきてくれないのに急に電話がきたら…』

青ピ「…すまん」

フレンダ『…うん。でも結局、青ピの考えてたことも分かったし』

青ピ「…そうか」

フレンダ『…ねぇ、結局私たちはお互いに話さなきゃいけないことがあると思うんだけど』

青ピ「あぁ、僕もそう思う」






384: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:44:41.99 ID:979ADOjDO




-夜、第七学区病院脇スポーツ公園

青ピ「お」

フレンダ「今日はお互いピッタリって訳ね」

青ピ「せやな」

暗い中、公園の電灯だけが二人を照らしていた。もう12月に入るということもあり、かなり寒かった。

フレンダ「…ねぇ、その腕大丈夫な訳?」

かなりの寒さなので、二人とも厚着をしていたのだが、青髪ピアスは昼間と同様コートの上から三角巾で左腕を吊していた。

青ピ「こんなんかすり傷みたいなもんや」フンス

フレンダ「アハハ、かすり傷で腕吊すの?」

青ピ「僕虚弱体質やねん」

フレンダ「そんなデカい身体して何言ってんだっての」クスクス

一時、場が和んだ。二人でふざけて笑って…なんとも居心地のいい時間。






385: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:46:21.76 ID:979ADOjDO




しかし、やがて沈黙が訪れる。



青ピ「…なぁ」

しばしの沈黙の間、青髪ピアスが切り出した。

フレンダ「なに?」

青ピ「もっかい自己紹介せぇへん?」

フレンダ「…そう、ね。そうしましょ」






386: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:49:39.16 ID:979ADOjDO





青ピ「俺はLevel5第六位の【隠密行動】。本名は自分でも分からない。歳は15。暗部組織『ウォール』のリーダーだ」




フレンダ「私はフレンダ=セイヴェルン。学園都市の六割を占める無能力者よ。歳は14。暗部組織『アイテム』の幹部って訳」








387: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:51:41.50 ID:979ADOjDO


青ピ「…」

フレンダ「…」

青ピ「…やっぱり暗部だったんだな」

フレンダ「青ピもね。しかも超能力者でリーダーって…」

青ピ「そない立派なもんちゃうわ。悪人の代名詞みたいなもんや」

フレンダ「そう、それも聞きたかった訳よ」

そう言って、フレンダはニヤリとしながら指を指した。




388: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:52:54.79 ID:979ADOjDO


青ピ「ん?」

フレンダ「その関西弁と標準語の使い分け」

青ピ「ああ、これか。なんちゅうか…こっちのが和むやろ?」

フレンダ「まあね」

青ピ「それだけの話や。仕事やない時とかはふざけた感じで心に余裕持たせたいっちゅうか…」

フレンダ「…ねぇ、なら今から標準語にして」

青ピ「なんでや?」

フレンダ「結局、真面目な話なのにふざけられちゃ困る訳よ」

青ピ「そらそうy…そうだな」

流れで関西弁で喋りそうになったところで、再び標準語に戻した。

フレンダ「よしよし。…それでね?さっきの自己紹介、もう一文足したい訳よ」

青ピ「…なんだ?」


そしてフレンダは大きく息を吸い込む。





389: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:54:02.42 ID:979ADOjDO





フレンダ「…私は目の前にいる青ピが大好き」








390: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:55:00.94 ID:979ADOjDO


青ピ「…」

フレンダ「連絡がとれなくて…メールも返って来なくて…スゴい淋しかった」

その顔は暗い中でもはっきり分かるほど紅潮していた。そして恥ずかしそうにほほえんでいて…



青ピ(ああ、神様はやっぱり意地悪で、変なとこで気が効くな)



フレンダ「気付いたら青ピに夢中になってた訳。だから-」

青ピ「ダメだ」

まだフレンダが話しているというのに、青髪ピアスはバッサリ切って捨てた。





391: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:56:28.09 ID:979ADOjDO


フレンダ「…え?」

フレンダの表情が一瞬で変わる。さっきまでほほえんでいたのに、今は一気に真顔に戻っている。

青ピ「互いに違う暗部組織に所属してるんだ。片方の情報がうっかり漏れたら…」

フレンダ「それがどういう訳!?結局私はそんなことしないし!」

激昂するフレンダ。しかし青髪ピアスは動じない。

青ピ「うっかりって言ってるだろ。そうなった場合、その暗部組織は壊滅したっておかしくない」

フレンダ「で、でも…」

青ピ「…むしろこうやって会ってるだけでもマズいだろ。もう会わない方がいい」

青髪ピアスは現実主義者だ。淡い幻想よりも現実を見る。

フレンダ「…なんで」

青ピ「仕方ないだろ。それが裏社会って…」

フレンダ「違う」

青ピ「…え?」





392: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:57:11.01 ID:979ADOjDO




フレンダ「なんでそんな顔して言ってる訳?」







393: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 21:58:42.97 ID:979ADOjDO


青ピ「…」

黙り込む青髪ピアス。自分の表情は自分では分からないが、大方予想はついた。きっと考えてることじゃなくて思ってることが顔に出てる。

フレンダ「暗部がどうこうなんて、結局どうでもいい訳よ!アンタだってそう思ってんでしょ!?」

青ピ「だけどな…」

踏ん切りがつかない。現実は甘くないと、頭は理解しているからだ。

フレンダ「…そう。そうよね。結局アンタはリーダーな訳だしね」

青ピ「…」

フレンダ「アンタの判断は正しい。…もう会わない方がいい」

全てを諦めきったように、フレンダは青髪ピアスの考えを肯定し始めた。その顔には仕方ない、という気持ちが見てとれた。

青ピ「…あぁ」

フレンダ「…じゃあね、青ピ。今まで楽しかった」

そう言ってフレンダは背を向けて歩き始めた。小さな背中に淋しさがはっきりと映っていた。

青ピ「…待ってくれ」

フレンダ「…何?」

青髪ピアスの呼び掛けにフレンダは振り向く。

青ピ「…俺も自己紹介にもう一文足していいか?」

フレンダ「え…?」





394: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 22:00:01.27 ID:979ADOjDO





青ピ「俺は目の前にいるフレンダが大好きだ」




フレンダ「え…」

青ピ「…だから」




青ピ「ずっと一緒に居てくれ」








395: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 22:01:06.10 ID:979ADOjDO


フレンダ「…~~~~っ!」ダキッ

青ピ「うおっ、と」

フレンダは顔を真っ赤にして、走って青髪ピアスに抱きついた。反動で青髪ピアスは倒れそうになったがなんとか持ちこたえた。

フレンダ「…ヒグッ…ホントに…ヒッ…一生会えないと、思ったじゃないのよ、バカァ!」

青ピ「ゴメンな」

青髪ピアスの胸で泣きながらに喋るフレンダの言葉が青髪ピアスに突き刺さった。そして、青髪ピアスはそんなフレンダを右腕だけで抱き締めた。

フレンダ「うぅ…」

青ピ「…俺だって一生会えないなんて嫌だから、さ」

フレンダ「…罰としてもうちょっとこのままでいさせて」

青ピ「あぁ、気が済むまでいつまででも」







396: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/08(木) 22:03:12.69 ID:979ADOjDO



フレンダ「ね、今さらだけど左腕大丈夫な訳?」

フレンダが青髪ピアスに抱きついた時、三角巾で吊されてる腕は思い切り圧迫されていた。

青ピ「せやからかすり傷やって。気にせんでええ」

フレンダ「さすがは暗部のリーダー。規格外な訳よ」

青ピ「関係あんの?」

フレンダ「あるわよ。ウチのリーダーだって…」

青ピ「ストップ」

フレンダ「おっと」

青ピ「…お互いの暗部の情報は漏らさない。これが大前提だろ」

フレンダ「そうね、危ないところだったわ」

青ピ「それに、付き合ってんのも隠した方がいいな」

フレンダ「結局、誰かに知られたらマズイことにしかならない訳だしね」

青ピ「綱渡りになるで、こりゃ」 ハハ

フレンダ「いいじゃない?危険な恋。結局、普通に恋愛するより燃えるって訳よ」

青ピ「…せやな、こんな悪人と恋愛しとるんやさかい。危険やわ」

フレンダ「別に悪人だからといってコンプレックスを感じる必要なんかない訳よ。それで言ったら私も悪人だし」

青ピ「…なるほど、悪人同士っちゅうのもええかもな」ニヤッ

フレンダ「ふふん、結局ベストカップルな訳よ」ニヤッ

青ピ「せやな。これからもよろしうな、フレンダ」

フレンダ「こちらこそ、青ピ」





399: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:40:26.22 ID:n1pN+XnDO


-12月下旬、日暮れ

フレンダ「うぅー、さっぶいわ」

青ピ「もうすぐ一年終わってまうからなぁ」

フレンダ「その前にメインイベントな訳よ」

青ピ「せやな。お、雪や」

フレンダ「…結局、ロマンチックな訳よ」

青ピ「ホワイトクリスマスやな」







400: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:41:40.48 ID:n1pN+XnDO




青ピ「ほれ、寒いんやったら」

フレンダ「ん?」

青ピ「手ぇ繋ごうや。ほんで僕のポケットでよければ貸すで」

フレンダ「…ニャハハ、おっじゃまっしまーす!」

青ピ「うわっ!冷たっ!ホンマに寒かったんやな」

フレンダ「そーそー、寒くてしょうがない訳よ。だからもっと暖めて」ダキッ

青ピ「うおぅ!そない腕に抱きつかんでも…」

フレンダ「だーかーら、寒いんだっての♪」

青ピ「…ま、ええか」ニコ

フレンダ「♪」ニコニコ





401: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:42:45.78 ID:n1pN+XnDO


青ピ「…にしても」

フレンダ「うん?」

青ピ「こーゆー抱きつきイベントってもっとこう…男を惑わせるような…」

フレンダ「な~にが言いたい訳?」ピキッ

青ピ「じょ、冗談や冗談!せやから何も取り出さんといてや!」

フレンダ「ふん!結局、厚着してるせいな訳よ!これが夏ならアンタだって…」

青ピ「肋骨の感触が楽しめる?」

フレンダ「よろしい。ならば戦争だ」 スチャ

青ピ「ちょっと待て!往来でそいつはbbbbbb!」






402: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:43:36.81 ID:n1pN+XnDO



フレンダ「結局、見せたいものって何な訳?」

青ピ「ん~、暗なってきたしそろそろええか。あそこや」

フレンダ「?高層ビル?」

青ピ「そ、学園都市で一番高いところや」

フレンダ「…最上階の高級レストラン、とか?」

青ピ「ハズレ~。最上階ってのは近いな」

フレンダ「?」






403: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:44:32.42 ID:n1pN+XnDO



青ピ「よっしゃ。フレンダ、もっかい手ぇ繋ご」

フレンダ「?ハイ」

「よっ」

「え!?わ!スゴい私も消えた!」

「なんか僕の『自分だけの現実』が変化しよったみたいでな。人一人ぐらいまで適用範囲広がっててん」

「そうなんだ。なんか変な感じ」

「こっからは音も消すで。しゃべりかけても聞こえへんから堪忍な」






404: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:46:01.58 ID:n1pN+XnDO


-屋上


青ピ「能力解除、と」

フレンダ「ふわぁ~」キラキラ

青ピ「どうや!『立ち入り禁止の屋上から見る学園都市の夜景ver.クリスマスイルミネーション』や!」

フレンダ「うん…スゴい…」

青ピ「ほい、これ」

フレンダ「ん?」

青ピ「寒いやろ?さっき自販機で買っといたんや」

フレンダ「あ、ありが…」

【いちごおでん】

フレンダ「」

青ピ「ん?どないしたん?」

フレンダ「結局、台無しな訳よ」ハァ

青ピ「何ィ!?」






405: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:47:06.10 ID:n1pN+XnDO



青ピ「ほい、これ」

フレンダ「何?またいちごおでん?」

青ピ「ちゃうちゃう。クリスマスプレゼントや」

フレンダ「お!ありがとっ♪開けてもいい?」

青ピ「かめへんよ」

フレンダ「…ベレー帽?」

青ピ「ほら、あの日ダメになってもうたやろ?」

フレンダ「そうね。結局、思い切り貫通してたわ」

青ピ「せやから新しい帽子をって訳や」

フレンダ「ありがと…どう?似合う?」

青ピ「めちゃめちゃかわええわ!買うた甲斐があったで!」

フレンダ「ニャハハ、大事にするわ♪」






406: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:48:04.83 ID:n1pN+XnDO



フレンダ「結局、私からもある訳よ」

青ピ「おお、彼女からクリスマスプレゼントなんてはじめてやわ!」

フレンダ「私も彼氏からクリスマスプレゼントなんてはじめてだっての。ハイこれ」

青ピ「おおきに!開けてもええ!?」

フレンダ「もちろん!」

青ピ「んー…シルバーのネックレス?」

フレンダ「そ。裏組織のリーダーっぽいでしょ」

青ピ「確かにな…ん?なんか彫って…Act?」

フレンダ「それがもう一つのクリスマスプレゼントって訳よ!」

青ピ「へ?」





407: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:49:18.79 ID:n1pN+XnDO


フレンダ「アンタの名前よ。『アクト』」

青ピ「…アクト?」

フレンダ「そう。アンタ『記憶装置』の弊害で自分の名前が分からなくなったんでしょ?だから私が考えたの」

青ピ「…」

フレンダ「アンタの能力と悪人をかけて『アクト』って訳よ!」

青ピ「…うぅ」グスッ

フレンダ「え!?ゴ、ゴメン!そんなに気に入らなかった!?」

青ピ「…違う」

フレンダ「え?」

青ピ「あの、な…うれしくて…グスッ」

フレンダ「…」

青ピ「【隠密行動】としか、呼ばれてこなかったから…こんな…グスッ人並みな名前が、もらえるなんて…」







408: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 00:51:41.31 ID:n1pN+XnDO




フレンダ「…落ち着いた?」

青ピ「ああ、ちゅうか急にに恥ずかしうなってきてもうた」

フレンダ「結局、恥ずかしがることなんかない訳よ。そんなに喜んでもらえるなら考えた甲斐があったわ」

青ピ「…せやけど、僕だけ2つもプレゼントもらうのは申し訳ないな」

フレンダ「…じゃ、じゃあ、さ」

青ピ「ん?」

フレンダ「こ、ここに、ちょうだい?」

青ピ「唇?…も、もしかして!?」

フレンダ「ん。アクト、のファーストキスが、欲しいって、訳、よ…」プシュー

青ピ「そ、そんな顔真っ赤にすなや!そんなんされたら僕かて緊張して…」

フレンダ「口調」

青ピ「へ?」

フレンダ「こーゆー時は標準語にしてほしい訳よ」

青ピ「な、なんで?」

フレンダ「そっちのがムード出るでしょ?」

青ピ「…うまくできるか分からないぞ…」

フレンダ「結局、それがファーストキスな訳よ」





413: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:44:52.74 ID:n1pN+XnDO


-1月下旬

青ピ「お、あけおめやな」

フレンダ「あけおめね。っつーか結局、正月なんてとうの昔に終わってるけど」

青ピ「しゃあないやん。2つの暗部が同じ日に休日になるなんてめったにないんやさかい。クリスマスが奇跡的やったんや」

フレンダ「ま、それもそっか」

青ピ「この分やとバレンタインやホワイトデーも危ういやろな」

フレンダ「ま、結局会えなかったら送ればいいって訳よ」

青ピ「期待してええの?」

フレンダ「当然!とびきりのヤツあげて悶死させちゃうって訳よ!」

青ピ「またえらいハードル上げたな。ホンマに期待しとくわ。…とりあえず寒なってきたし、はよ行こか」





414: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:46:58.35 ID:n1pN+XnDO



-ゲーセン


青ピ「らっ!」

<ズドン!
<250Kg!

フレンダ「お~、さすがね」

青ピ「ふふん、どんなもんや」 ドヤッ

フレンダ「でもあんなテレフォンパンチじゃ結局実戦では…ってそっか」

青ピ「そ、能力使てれば丸分かりの隙だらけパンチでも大丈夫なんや」

フレンダ「結局、超能力者なんて大概チートな訳よ」

青ピ「言うても僕はギリギリやけどな。自分だけ石ころ帽子状態なんて学園都市にしてみれば誰得やろうし」

フレンダ「ギリギリ?序列的にはアクトの下にもう一人居るんでしょ?」

青ピ「聞いた話やとアレは強力やけど意味不明すぎて第七位らしいで。現段階じゃ解明できへんねんて。けど、言い換えればそんだけ未知の法則を持っとるっちゅうことや。たぶんその未知の法則が解明されて、実用性があれば今の第三位みたいにごぼう抜きで第二位くらいに上がるんとちゃう?」

フレンダ「…なるほど」

青ピ「その能力の測定と観測及び監視っちゅう無期限任務をウチに回されて今どないしy」

フレンダ「ストップ」

青ピ「おっと」

フレンダ「結局、大前提を忘れてんのはアクトな訳よ」ハァ

青ピ「…申し訳ない」







415: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:48:36.42 ID:n1pN+XnDO




フレンダ「…いけっ」

<ウィーン
<ストン

フレンダ「イェイ!4つ目ゲット!」

青ピ「経費600円で早くもぬいぐるみ4つか。店員さん泣くで」 ケラケラ

フレンダ「いいの。結局、他の客から十分ふんだくってるだろうし」

青ピ「それもそやな。でも、こんな腕もっとるんやったらすでに部屋とか景品だらけちゃう?」

フレンダ「まあね、しかもほとんどぬいぐるみ」

青ピ「こない集めてどないすんねん」

フレンダ「ふふん、ぬいぐるみって意外と万能な訳よ。鑑賞できるし、モフモフできるし、プレゼントできるし、爆弾にできるし」

青ピ「なるほどなあ。って爆弾?」

フレンダ「そ。結局ぬいぐるみに爆弾が仕込まれてるなんて誰も思わないから殺りやすい訳よ」

青ピ「またエッグイなあ~」

フレンダ「この話はこの辺にしときましょ。せっかくのデートだし」

青ピ「せやな。…ってまたUFOキャッチャーやるんかいな」







416: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:52:39.32 ID:n1pN+XnDO




フレンダ「ニャハハ、楽しかったわ~」

青ピ「最後のアレめっちゃおもろかったな!っちゅうか大尉おもろすぎるでアレ!」

フレンダ「すっごいカッコつけてたのに結局トラップで振り子状態だったからね。でも、あのタフさは下部組織に欲しいわ」

青ピ「既にウチの幹部にいrっとマズイか」

フレンダ「別にそんくらいいいんじゃない?結局、私もかなり喋っちゃってたし」

青ピ「え?それいつや?」

フレンダ「いろんな時。結局、友達の話は全部幹部の話な訳」

青ピ「…ホンマか?」

フレンダ「ホンマよ」

青ピ「え?暗部の連中とプライベートで遊んどんの?」

フレンダ「うん。ってゆーかほとんど共同生活に近いかな?結局、自宅よりアジトにいる方が多いし」

青ピ「へー…」

フレンダ「アクトはそーゆーのないの?」

青ピ「一切ないな」

フレンダ「なんで?」

青ピ「なんでって…馴れ合うもんちゃうやろ。暗部って」

フレンダ「結局、それじゃつまらない訳よ。いつ死ぬかも分からないならいっぱい遊んでおいた方がお得な訳!」





417: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:54:20.41 ID:n1pN+XnDO


青ピ「…なるほどなあ」

フレンダ「でしょ?」ニシシ

青ピ「イヤ、そっちやのうて」

フレンダ「え?」

青ピ「ずっと疑問やったんや。なんで暗部におんのにフレンダはこんな明るいんやろな、って」

フレンダ「アクトだって明るいわよ?」

青ピ「フレンダの前でだけや。最初会うた時はそうでもなかったやろ」

フレンダ「んー…、言われてみれば…?」

青ピ「そんで、なんとなく疑問が解けたわ。暗部のヤツらと遊んでるからやな。…ちょっとうらやましいわ」

フレンダ「じゃ、アクトも遊べばいい訳よ」

青ピ「…暗部組織の超能力者やで?」

フレンダ「関係ないっての。結局、私のリーダーだって超能力者だし」

青ピ「言うてええんかそれ」

フレンダ「結局、私はアクトがリーダーって知ってるからこれでイーブンな訳よ」

青ピ「そう…かぁ?」

フレンダ「そうなの。で、結局私はそのリーダーと仲良くやってるし、頼りにしてる訳よ」

青ピ「…そうか」

フレンダ「うん。こないだだって危ないところで私を助けて」

青ピ「ストップ。さすがに任務内容はアカン」

フレンダ「っとと。まあ何が言いたいかって言うと、最初から決め付けちゃいけないってこと!」





418: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:55:50.36 ID:n1pN+XnDO


2月上旬-

青ピ「ん。これでええな。下部組織呼んで後片付けさせといてくれ」

霧谷『了解で』

横須賀「では、これで解散だな。俺は下部組織の連中と第七位対策の打ち合わせだから残るぞ。」

青ピ「さよか」

横須賀「ああ。」

青ピ「…」

横須賀「…?」

青ピ「なあ、横須賀」

横須賀「なんだ?」

青ピ「…お前…好きなん何や?」

横須賀「」 ゾワッ

青ピ「…なんや」

横須賀「お前…確かに俺は立場を考えろと言ったが…」

青ピ「は?」

横須賀「だからって俺に切り替えんでm」

青ピ「本気でシバくぞ、おどれコラ」 ビキビキビキッ







419: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:58:02.34 ID:n1pN+XnDO


-2月下旬

霧谷「…いったいどーゆー心境の変化で?…ケホッ」

青ピ「…」

霧谷「任務でドジった人間なんていつもなら見捨ててるはずなんで。それをわざわざ前線から駆けつけて助けるなんて…」

青ピ「…なあ、霧谷ちゃん」

霧谷「はい?」

青ピ「ちょっと前に『ウォール』でカラオケ行ったやろ?」

霧谷「…あの横須賀さんが『モ○娘。メドレー』で満点出したヤツで?」

青ピ「そや。霧谷ちゃんが『恋○メガラバ』歌いながらトランスしたヤツや」

霧谷「忘れてほしいんでっ!」

青ピ「あはは、まあええやん。…ほんでアレ楽しかった?」

霧谷「…ええ、まあ」

青ピ「僕もやねん」

霧谷「…で?」

青ピ「イヤ、せやからもっかいみんなで行きたいし、死なせたなかったんや」

霧谷「…似合わないんで」

青ピ「お前な…」

霧谷「でも、助かったんで。ありがとうございました」ペコリ

青ピ「…さよか。じゃ、今度は霧谷ちゃんおごりな」ハハ

霧谷「左様で」





420: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/09(金) 23:59:30.06 ID:n1pN+XnDO


青ピ「あ、そうや。もう一つ聞きたいことあったんや」

霧谷「はい?」

青ピ「バレンタインのお返しって何あげたらええかな?」

霧谷「」

青ピ「…なんや?」

霧谷「…え?私義理チョコなんてめんどくさいもの渡してないはずなんで」

青ピ「?分かっとるわ。違う娘にもろたんやて」

霧谷「」

青ピ「…何ケータイ取出しとんねん」

霧谷「…あ、横須賀さん?なんかリーダー錯乱したみたいなんで読心して調べてもらいたいんで」

青ピ「錯乱ちゃうわ、こんボケ」 イラッ







421: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 00:00:42.18 ID:Fof1aD1DO


-3月中旬、フレンダ宅

フレンダ「お、おお?」

青ピ「…」

フレンダ「…手作りクッキー?」

青ピ「…すまん。手作りが送られてきたさかい手作りで返そ思て…」

フレンダ「…結局こうなった、と」

青ピ「い、イヤ、形はアレやけどな?ちゃんと味見はしたさかい…」

フレンダ「…ん、おいし」

青ピ「せ、せやろ!?」ホッ

フレンダ「でも、こんなに歪な形じゃ食べる場所によって味が変わっちゃう訳よ。火の通り具合とかで」

青ピ「…来年までに精進します」







422: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 00:02:00.42 ID:Fof1aD1DO




フレンダ「それで?前に言ってたのは結局どうだった訳?」

青ピ「…暗部のヤツらと、ってやつ?」

フレンダ「うん」

青ピ「キチガイ扱いされてもうた」

フレンダ「え゛」

青ピ「でも、まあ前よりは仲良うなった気ぃするわ」

フレンダ「あ、そう。よかった~」ホッ

青ピ「なんや仲良うなってからの方が連携取りやすくなった気もするしな」

フレンダ「当然よ。結局、意志疎通しやすくなるって訳」

青ピ「それに…ちょっと楽しうなったしな」

フレンダ「ふふ、勧めて良かったわ」







423: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 00:03:14.04 ID:Fof1aD1DO




青ピ「…小腹空いてきよったな」

フレンダ「ん?じゃあ、ちょっと待ってて」

青ピ「お?今度は手作りおやつかいな」

フレンダ「そんな手間のかかるもんないっつの」




フレンダ「ハイ、これ」

【サバ缶】

青ピ「」

フレンダ「ん?」

青ピ「…いちごおでんのが絶対マシやで」

フレンダ「はぁ!?あんなゲテ物と一緒にされちゃたまらない訳よ!」





424: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 00:04:28.74 ID:Fof1aD1DO


青ピ「そもそもこれプルタブないやん。缶切りは?」

フレンダ「あ、持ってくるの忘れちゃった」

青ピ「まあいいわ」サッ

フレンダ「?何それ?修正テープ?」

青ピ「コイツを…こう、ふちどってやな…よっ」

ボンッ

フレンダ「おおー!」

青ピ「どや!」

フレンダ「そんな缶切りツールがあったとは…」 ゴクリ

青ピ「イヤ、缶切りツールちゃうわ。本来は鉄板とか焼き切るモンや。これはちょいと威力控え目やけどな」

フレンダ「いいわねそれ!応用効きそうだわ!」

青ピ「実際重宝するで、コレ」

フレンダ「」ジーッ

青ピ「…いる?」

フレンダ「いいの?」

青ピ「まあ、上に言えば支給してもらえるしな。かめへんよ。ホワイトデーやし」

フレンダ「じゃ、ありがたくいただくって訳よ♪」

青ピ「次からは上に言うてな。たぶん型番言えば分かるやろ」







425: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 00:07:14.49 ID:Fof1aD1DO




青ピ「さて、帰ろかな」

フレンダ「え!?帰っちゃうの!?」

青ピ「?結構ええ時間やろ」

フレンダ「まあ…でも彼女の家に来た訳だし、さ」

青ピ「…もしかしてなんか期待しとった?」

フレンダ「へ!?な、なんのことかな~?」

青ピ「」ニヤニヤ

フレンダ「~~~っ!」プシュー

青ピ「あはは!やっぱかわええなぁ!」

フレンダ「るっさい!」

青ピ「すまんすまん。せやけど今日は帰らなアカンねん。明日試験やし」

フレンダ「へ?試験?」

青ピ「そ、高校入試」

フレンダ「え!?学校通うの!?」

青ピ「そうや。もっといろんなヤツと仲良うなった方が人生おもろいと思ってな」

フレンダ「…なんか急にポジティブになっちゃったね」

青ピ「フレンダのおかげや」ニッ

フレンダ「でも、暗部のリーダーこなしながら学校なんて大丈夫な訳?」

青ピ「大丈夫や。上に頼んで『書庫』に適当なデータ上げてもろうたし、授業出れんでもええようにバカ学校選んだし」

フレンダ「…バカ学校なら入試勉強なんていいじゃん。結局、学園都市第六位なんだし」

青ピ「念のためや。今日まで一秒も勉強しとらんし。だから」グイッ

フレンダ「わ、ん」




青ピ「…今日はこれで勘弁してくれ」

フレンダ「…意地悪」





430: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:37:19.86 ID:Fof1aD1DO


-4月上旬、とある高校


青ピ「はじめまして!田中亜久人言います!青髪ピアスて呼んでもろうて結構や!よろしう頼んます!」

小萌「はーい、青髪ちゃんですねー。元気があって大変よろしいのですよー」

青ピ(まさかアレが教師だったとは…やっぱ学校は新鮮だな)

小萌「んー!今年も元気な新入生ちゃんばかりで先生はものすごーくハッピーなのですよー!みなさん不安もあるとは思いますが、充実した高校生活を送ってくださいね!先生相談ならいくらでも乗ってあげちゃうのです!」

青ピ(…なんかめちゃめちゃいい人っぽいな)







431: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:38:54.75 ID:Fof1aD1DO




???「よう、青髪ピアスくん」

青ピ「ん?えーと君は…土御門くんやったっけ?」

土御門「おーっ!早速覚えてもらってるなんて嬉しいぜよ!」

青ピ「そらそうやろ。学校でグラサンなんかかけとったら」

土御門「ハッハッハ、お互い覚えやすい外見だぜい」

青ピ「外見だけやないで。口調もやろ」

土御門「まったくだにゃー。気が合いそうですたい」

青ピ(やっべ、俺以上に口調がスゴいぞコイツ)





432: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:40:11.58 ID:Fof1aD1DO


土御門「ついでに俺のお隣さんも紹介するぜい」

青ピ「お隣さん?」

土御門「おーい!上やーん!」

青ピ「上やん?」

上条「ハイハイ、上条さんですのことよ」

青ピ「ああ、上条くんか。なるほど」

上条「えーと、田中…だっけ?」

青ピ「青ピでええよ青ピで。そっちのが覚えやすいやろ?」

上条「あ、そうか?」

青ピ「ああ。僕も上やんて呼ぶさかい」

青ピ(つーか田中って偽名だし)

上条「そっか。じゃあよろしくな青ピ」

青ピ「こちらこそや、上やん」





433: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:42:45.63 ID:Fof1aD1DO


土御門「いやー、しっかし入学早々ビックリしたぜよ!まっさかあんな幼稚園児みたいな人が先生だったとはにゃー!」

青ピ「せやなぁ。まあけっこうかわえかったけど」

上条「かわいいって…まさかロリコン趣味が?」

青ピ「イヤ、そんなんちゃうわ!」

土御門「じゃあ青ピのストライクゾーンはどこぜよ?」

青ピ「僕か?んー…」

青ピ(フレンダとの出会いを考えると…)

青ピ「…落下型ヒロイン。…!」ハッ


-それに、付き合ってんのも隠した方がいいな

-結局、誰かに知られたらマズイことにしかならない訳だしね


上条「あんなの二次元限定だろ。ちなみに上条さんは年上の…」

青ピ「…-のみならず」

土御門「ん?」




青ピ「義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様金髪黒髪茶髪銀髪ロングヘアセミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテールポニーテールお下げ三つ編み二つ縛りウェーブクセっ毛アホ毛セーラーブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さんメイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんロリショタツンデレチアガールスチュワーデスウエイトレス白ゴス黒ゴスチャイナドレス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様二ーソックスガーターベルト男装の麗人メガネ目隠し眼帯包帯スクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングショット水着バカ水着人外幽霊獣耳娘まであらゆる女性が僕のストライクゾーンやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」




青ピ「」ハァハァ

上条「」


土御門「」



クラス一同「」




青ピ(やっちまった…)ズーン


上条「え、えーと、結局ロリk」

青ピ「ロリだけやない!ロリも好きなんやでぇぇぇ!」(もうヤケクソだちくしょー!)







434: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:45:27.76 ID:Fof1aD1DO


-4月下旬、青髪ピアス宅


フレンダ「ーっ!ーーっ!」バンバン!

青ピ「どんだけ笑とんねん…イヤそら笑うかぁ」ズーン

フレンダ「ヒーッ!死ぬ!死ぬ!っぷははははは!あははははははは!」バンバン!

青ピ「ホンマ…何考えてんねやろ僕…」

フレンダ「テンパりすぎでしょ!学園都市第六位の思考回路ぶっ飛びすぎてるわ!あっははははははは!」ヒーッヒーッ

青ピ「ホンマやなぁ…別に一般人にバレたってかめへんのに…何やってんねやろ」ハァ

フレンダ「あはははは!腹筋切れちゃうってば!」

青ピ「…それ以来僕の評価ドン底やし…さすがの小萌先生も反応に困っとったわ」

フレンダ「そりゃ自分の生徒が史上最強の変態だって分かったrあはははははは、ダ、ダメだわ!発作が!あっはははははは!」

青ピ「変態…せやなぁ…気付いたら僕オタクでドMっちゅう設定になっとったしなぁ」シミジミ

フレンダ「あっはっはっはっはっはっはっはっ!や、やめ!死ぬってば!あっはははははは!」バンバン!

青ピ「…人間テンパると信じられん行動するんやなぁ。最終的に僕新しい動き身につけてん。見てホラ」クネクネ

フレンダ「ーっ!あ、あんたわざと笑わせnっはっはっはっはっ!はははははははは!軟体動物か!あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」ヒーッヒーッ







435: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:47:03.18 ID:Fof1aD1DO



フレンダ「」ピクピク

青ピ「大丈夫か?おい」

フレンダ「だ、大丈…っぷ」クスクス

青ピ「大丈夫ちゃうやん」ハァ

フレンダ「しょ、しょうがないじゃん。そんな話されたら」プルプル

青ピ「…」

フレンダ「…」プルプル

青ピ「」クネクネ

フレンダ「」ブッフー! バンバン!






436: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:48:26.70 ID:Fof1aD1DO




フレンダ「にしても、なんで未だに青ピって呼ばせてる訳?せっかく私が名前考えてあげたのに」

青ピ「大事な大事なファーストネームや。知り合ってすぐのヤツに呼ばせたないんよ」

フレンダ「ふーん…」

青ピ「名前がないから青ピって呼んでもらうのと、名前があるけど青ピって呼ばせるのじゃえらい違いなんやで?アクトって名前は僕ん中じゃ宝物や」

フレンダ「…ホント?」

青ピ「もちろんや!名前もアクト=セイヴェルンしよか本気で迷ったしな。感づかれそうやからやめたけど」

フレンダ「…んふふ、嬉しいわ」







437: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:50:04.88 ID:Fof1aD1DO




フレンダ「ま、結局その感じじゃ浮気の心配はいらないみたいね」

青ピ「どのみちフレンダがおるのに浮気なんてする意味あらへんわ」

フレンダ「結局、男はみんなそうやって言う訳よ」

青ピ「どこ情報や、それ」

フレンダ「友達情報」

青ピ「…さよか」

フレンダ「だから学校ではそのキャラでいてね」

青ピ「嫌や…って言いたいとこやけど案外楽しいしな…でもさすがに…」

フレンダ「いいの。その代わり来年から私もアクトの学校通うって訳よ」

青ピ「お?ホンマ?」

フレンダ「もち!話聞いてみたら結局面白そうだし」

青ピ「よっしゃ!僕ホンマのこと言うと制服デートってしてみたかったんや!」

フレンダ「ニャハハ!いきなり青春街道まっしぐらな訳よ!」







438: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/10(土) 21:51:36.25 ID:Fof1aD1DO




フレンダ「ねえ」

青ピ「ん?」

フレンダ「ホントに浮気しない?」

青ピ「せぇへんて!」

フレンダ「ホントにホント?」

青ピ「…あんなぁ、フレンダ以上の女の子なんか僕ん中におらへんの」

フレンダ「…そう、なの?」

青ピ「…あたりまえだろ?なにがそんな不安なんだ?」

フレンダ「…ョ…」ボソッ

青ピ「ん?」

フレンダ「…プロポーション」

青ピ「…なるほど」

フレンダ「結局、一瞬で納得いっちゃうほど乏しい訳よ…」ニャハハ…

青ピ「別にかまわない」

フレンダ「え?」

青ピ「結局、大事なのは中身って訳だ」

フレンダ「…ありがと」

青ピ「…そんなに気になるなら大きくしてやろうか?」

フレンダ「ふぇ?」

青ピ「よく言うだろ?揉むといろいろ大きくなるらしいぞ」ガバッ

フレンダ「え?ちょっ、まっ、キャッ!」ドサッ

青ピ「…つーか、フレンダ脚キレイだからそれだけでも十分だし」

フレンダ「うぅ…」

青ピ「…やっぱかわいいし」

フレンダ「…ねえ、アクト」

青ピ「ん?」

フレンダ「キス…して…」

青ピ「…いつもの?」

フレンダ「どっちも…いっぱいキスして…」

青ピ「…ああ」






445: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:07:26.54 ID:y/xxJs6DO


-5月中旬、第十三学区とある小学校前

ガヤガヤ ガヤガヤ

フレンダ「んー…、そろそろなんだけどな」

青ピ「いやーみんなちっこいのばっかやな」

フレンダ「そりゃそうでしょ、小学校なんだし」

青ピ「そうやな。みんなかわええわ」

フレンダ「結局ロリコンな訳?」クスクス

青ピ「そーゆーかわええちゃうわ!」







446: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:08:32.90 ID:y/xxJs6DO




フレンダ「あ、いたいた」

青ピ「ん?アレか?」

???「!お姉ちゃん!」

フレンダ「おーう、お疲れフレメア」

フレメア「お疲れ、にゃあ」

青ピ「この娘がフレメアちゃんか?フレンダそっくりやな」

フレメア「?お兄さん誰?」

フレンダ「結局、私が連れてくる男って言ったら一人しかいないって訳よ」

フレメア「!じゃあ、この人が大体いつもお姉ちゃんが話してる『アクト』って人!?」

青ピ「せや、アクトや。はじめまして」

フレメア「フレメア=セイヴェルンです!はじめまして!」







447: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:09:53.72 ID:y/xxJs6DO



-公園

フレンダ「じゃ、私なにか飲み物買ってくるわ」

青ピ「僕行くよ?」

フレンダ「結局、意地悪して【いちごおでん】買ってくるような人には行かせられないって訳よ」

青ピ「バレたか」ハハ

フレンダ「そんじゃ、ちょっと待っててね」 タタタ

青ピ「…美味しいと思うんやけどなあ、【いちごおでん】」

フレメア「」ジーッ

青ピ「ん?なんや?」

フレメア「アクト大きいね」

青ピ「まあ180越えとるからな」

フレメア「でも、大体駒場のお兄ちゃんのが大きい」フフン

青ピ「ほぅ、僕より大きいとなるとかなり大きいな」

フレメア「♪」

フレンダ「おまたせー」

青ピ「お、何買うてきたん?」

フレンダ「はい、【椰子の実サイダー】」

青ピ「まともやな。【サバ缶】かと思ったわ」

フレンダ「自販機に売ってねーっての」

フレメア「お姉ちゃん」

フレンダ「ん?」

フレメア「大体私の勝ち、にゃあ」フフン

フレンダ「は?」







448: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:11:21.63 ID:y/xxJs6DO




青ピ「おや?」

少年「おーい、フレメアー」

フレメア「あ、どうしたの?」

フレンダ「友達?」

フレメア「うん。学校の」

少年「あのさ、俺たち今から缶けりしよう思ってたんだ。だからそれ飲み終わったらくれよ」

フレメア「ん、いいよ」

少年「サンキュー!フレメアもやる?」

フレメア「やる!にゃあ!」

少年「よし!じゃあ行こうぜ!」

フレメア「うん!お姉ちゃんとアクトも行こ!」

フレンダ「え?イヤ私たちは…」

青ピ「よっしゃ行こ!」

フレンダ「え゛、マジ?」

青ピ「ええやん!楽しそうやし!」

<早くー!

フレンダ「…ま、たまにはいっか」







449: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:12:29.18 ID:y/xxJs6DO




フレンダ「よーし、後はアクトだけって訳ね」

フレメア「お姉ちゃん大体強い…」

少年「アレ、フレメアのお姉ちゃん?スゲーな、カッケー」

フレメア「ふふん♪」

フレンダ「さーてどこに…」

「ここや、ここ」

フレンダ「え?」

<スコーン!

青ピ「ホラみんな逃げろー!」

ワアアアアアアア!

フレンダ「ちょっとアクト!結局、能力なんて卑怯な訳よ!」







450: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:13:40.84 ID:y/xxJs6DO




少年「」ジーッ

少年(…今なら…行ける!)ダッ

青ピ「ほい、最後の一人見っけ」

少年「うわぁ!」

フレメア「また何もないとこから出てきた、にゃあ」

フレンダ「結局、大人気ない訳よ」ハァ

少年「ビックリしたぁ…お兄さん空間移動の能力者なの?」

青ピ「ちゃうちゃう。能力者ですらないわ」

フレンダ「ん?」

フレメア「え?でも今も何もないとこから出てきて…」

青ピ「僕の足見てみ」

フレメア「…!?」

少年「う、わ」

青ピ「そう…実は僕…幽r」

フレンダ「やめんか!」バキッ

青ピ「あだっ!」







451: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:16:14.77 ID:y/xxJs6DO


-6月上旬、第三学区とあるホテル


暗部組織『アカデミー』によるテロが発生。フランス大使及びSP・通訳等を人質にホテルを占拠。

30分後、暗部組織『ウォール』が現場に急行。フランス大使ら人質の奪還に成功。

フランス大使等、武器を奪い返したSPの護衛のもとホテルを脱出。この時点で暗部組織『アカデミー』は半数が脱落。





452: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:17:22.64 ID:y/xxJs6DO


「横須賀、そっち何人か行ったで」

横須賀『了解。捕縛する。』

「さあ、お前らももう終わりや」

三階ロビーにてどこからともなく声がする。アナウンスではない。確実にロビーにいる。だが、どこからするかは分からない。

そんな敵に怯えるように、『アカデミー』の残党はロビーの片隅に追いやられていた。下部組織の人員も全て武装しているが、それでも半数が脱落しているのだ。無理もない。

幹部「ふん、終わるのはお前だ」

だが、『アカデミー』の幹部はまだ諦めていない。急場を凌げば、別のプランだってある。たった一つの策のみで学園都市を相手取れるとは思っていない。





453: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:18:40.36 ID:y/xxJs6DO


そして、今回のプランを完遂させるにあたって下準備は整えてきた。

ガシャン!と言う音と共に、ロビーを囲うように設置されていた全ての防火シャッターが降ろされた。

「な!?退路が!?」

フランス大使らを奪還されたのはたしかに誤算だった。しかし、ここで固まったのは誤算ではない。相手を潰すための策だ。

幹部「このロビーにいることが分かれば見えなくても関係ねぇんだよ!撃て!撃ちまくれ!」


ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!








454: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:20:09.87 ID:y/xxJs6DO




青ピ「制圧終わったでぇ。下部組織よこしたって」

霧谷『了解で』

横須賀「…また一段とチートだな。駆動鎧ごと消せるとは。」

青ピ「おかげで仕事がはかどるで。30ミリガトリングでも平気なんよ、コレ」

横須賀「そこまで能力が向上するとはな。ここまで適用範囲が広がれば序列も上がるんじゃないか?」

青ピ「イヤ、上の連中には見せへん。今さら序列なんてどーでもええし。もっと大事なモンがあるしな」

横須賀「駆動鎧支給を頼んだ時点で上の連中も気付いているのではないか?」

青ピ「大丈夫やろ。コレお前が使っとることになっとるし」






455: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:22:11.64 ID:y/xxJs6DO


-キャンピングカー


霧谷「お疲れで」

横須賀「おう。」

青ピ「ほな、帰ろか。出したってやー!」

<ヘイ

ブロロロロロロロロロロロロロロ…

横須賀「そういえば気になったんだが。」

青ピ「ん?」

横須賀「お前なんで最近任務中もエセ関西弁なんだ?」

青ピ「え?」

霧谷「あ、それ私も思ったんで」

青ピ「あー、そういやそうやったか。別に大した理由やあらへんよ。標準語使う条件が変わったんや」

霧谷「…?」

横須賀「…それで『自分だけの現実』が変わって、能力の範囲が広がった。と?」

青ピ「そんなん関係な…イヤ、どうやろな?自分でも分からへんわ」







456: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:24:20.89 ID:y/xxJs6DO



霧谷「それと、なんで最近は全員捕縛なんで?」

横須賀「…そういえばそうだな。殺しはあまりないな」

青ピ「せやったら聞くけど、君ら人殺ししたいか?」

霧谷「…私は殺人狂じゃないんで」

横須賀「同じく、だな。」

青ピ「僕もや。ほんで、それが理由や」

横須賀「それでいいのか?」

青ピ「殺すんも無力化させんのも似たようなモンや。かめへんやろ」

霧谷「左様で」

青ピ「ちゅうても、ムリやったら殺してもええで?特に拘る必要もあらへんわ」

キッ

<着きやした!

横須賀「ご苦労。」

青ピ「さ、風呂入って続きやろか」

霧谷「桃鉄48年目…まだひっくり返せるんで」





457: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:26:41.65 ID:y/xxJs6DO

-6月下旬、とある高校

青ピ「なんや上やん。お疲れやね」

上条「あー…最近いろいろあってな。不幸なのは最近に限らずだけど…」

青ピ「いろいろってなんや?」

上条「…お前には言わねえよ。たぶんめんどくさいコトになる。とにかく不幸なコトだよ」

青ピ「なんやねん薄情やなー。僕と上やんの仲やないの」

土御門「おやぁ?果たしてかわいい女子中学生に迫られるのは不幸って言えるのかにゃー?」

上条「土御門てめえなんで知ってんだよ!」

青ピ「なんや上やん!そんなん不幸どころか幸福の極みやん!」

上条「迫られるってそーゆー迫られるじゃねーんだよ!好意じゃなくて敵意剥き出しで迫られてんの!」

土御門「敵意剥き出しって…」

青ピ「何したんや、上やん…」

上条「なんもしてねーよ!助けようとしただけだって!」

青ピ「…分かったアレや。きっとまたなんかの拍子に胸でも触ったんやろ?」

上条「ねーよ!つーかまたってなんだ!?」

土御門「そしてキメ台詞に「不幸だー!」って言ったんだぜい。そりゃ女の子もキレるぜよ」

上条「だから違うっつってんだろ!話聞けてめえら!」






458: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:28:04.09 ID:y/xxJs6DO



-放課後

青ピ(フレンダのヤツ遅いな…)

青髪ピアスはとある本屋の前に立っていた。フレンダとの待ち合わせのためである。

久々に2つの暗部の休日が重なったのだし、学校をサボって遊ぼうと思ったのだが、
「青髪ちゃん、そろそろ追加課題だけじゃ補いきれなくなりますよ?出席日数的に」
だそうだ。

それでもサボろうとしたが、
「結局、まだアクトの学ラン姿見てない訳よ」
だそうだ。

青ピ「ん?」

フレンダはまだ来ないだろうか。そう思いながら往来を見渡すと、見覚えのあるツンツン頭が大通りを横切って路地裏に飛び込んで行くのが見えた。

青ピ(なんだ?あんな血相変えて…)







459: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:30:05.08 ID:y/xxJs6DO



-路地裏

ツンツン頭が飛び込んだ路地裏に入ると、腰を抜かした女子高生と思われる女が一人、孤軍奮闘するツンツン頭が一人、意気揚々と暴力を振り回すスキルアウトが四人いた。

路地裏に入る際、青髪ピアスは能力を使っていた。なのでケンカしている五人も腰を抜かした女子高生も青髪ピアスに気付かない。

(…穏便に済ませるか)

青髪ピアスは一人ずつ能力を使って脱出させようとした。

なんだか分からないが、気が付いたら助かっていた。そう思ってもらおう。フレンダと遊ぶ前に余計な体力も時間も使いたくない。まずは既に満身創痍のツンツン頭だ。





460: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:31:23.06 ID:y/xxJs6DO


狭い路地裏で周りの人間に当たらないように器用に彼の背後に回り、左肩を掴んだのだが

(ん?なんで消えないんだ?)

ツンツン頭は消えずにそこにいた。彼の右手におかしな力が宿っているのは重々承知である。だが、右手以外なら能力は適用される。そう思っていたのだが、どうやら違うらしい。

上条「!?くっそ!なんだ新手かよ!?」

スキルアウト「ああ!?何言ってんだてめえ!」

どうやら肩を掴んだら、敵の新手だと思われた様だ。気配すら感じとれないスキルアウト達には何のことだか分からないだろうが。





461: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:32:51.43 ID:y/xxJs6DO


(しょうがない。普通にやるか)

めんどくさいが仕方ない。能力を使いながらなら瞬殺だが、上条に味方だと分からせるには能力を解いた方がいいだろう。めちゃくちゃに拳を振り回されてこちらに被害が出るのも難儀だ。

青ピ「さすがに四対一は卑怯やで」

スキルアウト「!?誰だてめえ!?」

上条「青ピ!?いつ来たんだ!?」

青ピ「質問なんてあと回しや上やん。女の子にええとこ見せんのが先やろ」







462: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:35:03.31 ID:y/xxJs6DO




上条「…ふう、助かったぜ青ピ。ってて」

青ピ「大丈夫かいな。っちゅうかなんで四対一なんて無謀な真似したんや?」

上条「イヤ、この娘が囲まれてたから…」

青ピ「それやったらまずは風紀委員か警備員やろ」

上条「そんな悠長な感じじゃなかったんだよ。いてて…」

女子高生「あ、あの!」

上条「ん?」

青ピ「なんや?」

女子高生「助けていただいてありがとうございました!」

上条「あー、別にかまいませんよ。それよりケガないか?」

女子高生「は、はい!おかげさまで…」

上条「そっか。そりゃ良かった」

青ピ「上やんは自分の心配すんのが先やで」

女子高生「す、すいません。私のために…」

上条「あー、大丈夫大丈夫。上条さんはタフネスだけが取り柄ですから」

青ピ「…ええヤツすぎるで上やん」







463: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/12(月) 21:36:54.96 ID:y/xxJs6DO


フレンダ「結局、どーゆー状況な訳?」

上条「へ?」

青ピ「おお、遅かったなフレンダ」

フレンダ「こっちのセリフだっての。私のコトほっといて何してる訳?」

上条「あ、あの~どちらさまでせう?」

フレンダ「私?私はアクトの…」

「秘密や」

「ムグッ」

上条「あれ!?青ピ!?」

女子高生「消え、た?」

「ほなな、上やん。また学校でな」






467: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:00:51.30 ID:CMHImC9DO


-7月上旬、第十九学区


霧谷「やっぱり所持してたんで」

青ピ「…またかいな」

霧谷「なんというか…裏社会もちょろいんで」

横須賀「俺は楽しいがな。」

青ピ「【幻想御手】使うた武装集団の暴走…これで何件目や」







468: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:02:13.26 ID:CMHImC9DO




横須賀「そういえば、『アカデミー』の連中も使っていたな。」

青ピ「あ、そうなん?」

霧谷「あそこの幹部5人中3人が使ってたんで。まあうち2人は能力使う間も無く捕縛したんで」

青ピ「…あー、能力使て後ろから一発で仕留めたさかい」

横須賀「相変わらずチートだな。で、残る一人が俺のところに回ってきた訳だ。」

霧谷「と言っても、横須賀さん少し危なかったんで」

横須賀「何を言う。結果無傷だっただろう?」

霧谷「ビブルチ寸前だったんで。私の援護のおかげなんで」





469: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:03:26.90 ID:CMHImC9DO


青ピ「一番ヤバいのは高位能力者が【幻想御手】を使うコトやな」

霧谷「高位能力者が【幻想御手】に手を出すコトなんてめったに無いんで」

青ピ「僕が一番最初に対峙した使用者が大能力者やってん」

横須賀「…いつの話だ?」

青ピ「先々月の終わりくらいやろか?とある学校の優等生だから穏便に頼むっちゅうコトで単独任務やったんよ」

霧谷「でもそれってほとんど超能力者だったんじゃないんで?」

青ピ「せやから危なかったで。【量子変速】の大能力者や言うてな?そいつが大幅に能力向上したモンやから疑似ブラックホールとか作りだしてたで」

横須賀「…よく勝てたな。」

青ピ「なんや知らんけど、粘っとったら勝手ぶっ倒れよった。きっと脳が追っ付かなかったんやろな」






470: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:05:42.08 ID:CMHImC9DO


-7月下旬、プールサイド


青ピ「」

フレンダ「」ドキドキ

青ピ「…」

フレンダ「ど、どう?」

青ピ「かなりええな」

フレンダ「YES!」グッ

青ピ「せやけど…ちょっと際どすぎひんか?」

フレンダ「結局、水着なんて魅せるために着るんだからちょうどいいの」

青ピ「さよか」

フレンダ「じゃ、早く行こ!ウォータースライダー!」

青ピ「…もうちょい待ってもらえへんやろか」

フレンダ「?お腹でも痛いの?」

青ピ「…せやな、うん。せやから、前屈みの状態から動けへんねん」

フレンダ「…大変ね」ジトー

青ピ「…スマンな、たぶんもう少ししたら治るさかい」






471: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:07:08.72 ID:CMHImC9DO



バッシャーン!


フレンダ「っぷは!」

青ピ「ぷあっ!」

フレンダ「ふぃー、気ん持ちいい!」

青ピ「気持ちええなコレ!ただの滑り台やと思っとったわ!」

フレンダ「訳が違うっての。ホラ、早く退かないと体当たりされるわよ」

青ピ「っと、アカンアカン。そうやった」






472: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:09:39.31 ID:CMHImC9DO



フレンダ「よーし、もう一丁!」

青ピ「ええけど、そろそろ普通に泳がへん?」

フレンダ「えー、結局泳ぐだけならプライベートプールのがいいしなあ」

青ピ「プライベートプール?そんなんあんの?」

フレンダ「うん、暗部のみんなで借りてるの」

青ピ「…稼いどるなぁ」

フレンダ「ウチのリーダーの自腹だけどね」

青ピ「ガチでか」

フレンダ「結局、超能力者ともなると収入が段違いな訳よ。アクトもそんくらいもらってるんでしょ?」

青ピ「まあな。せやけどそんな使わないしなぁ」

フレンダ「そうよね。結局、今まで一緒にいてアクトがお金をばらまくとこなんて見たことないし」

青ピ「中の上の生活ができればそれで十分やん。プラスかわええ彼女が居れば天国やで」

フレンダ「…ニャハハ、相変わらず急に嬉しいこと言ってくれるね」






473: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:11:32.38 ID:CMHImC9DO



-プールサイド

青ピ「いやぁ久しぶりに泳いだで!」

フレンダ「結局、最後の方は一人で泳いでたもんね」

青ピ「ゴメンな、テンション上がって限界目指してもうたわ」

フレンダ「まあ、楽しかったからいいけどね」

青ピ「ならよかったわ。そろそろ着替えよか」

フレンダ「…ねえ」

青ピ「ん?」

フレンダ「この水着似合う?」

青ピ「なんや今さら。最初僕がどうなっとったか覚えてへんの?」

フレンダ「じゃあ…」スッ

青ピ「ぶっ!?」

フレンダ「結局、アクトが能力使ってくれれば周りには気付かれないし」

青ピ「な、なに急にスイッチ入れとんねん!」

フレンダ「ふふ、結局ここんとこアクトが襲ってこないから自分からって訳よ」

青ピ「…」

フレンダ「ホラ、早く能力使って…」






474: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:13:13.09 ID:CMHImC9DO


青ピ「ダメだ」

フレンダ「えー」

青ピ「だって能力使ったら周りに見えなくなるけど、俺らもお互い見えないし」

フレンダ「あ、そっか」

青ピ「それに今ゴムもないしな」

フレンダ「ちぇっ」

青ピ「まあ…でも今日はフレンダの家に泊まろうかな」

フレンダ「ホント!?」

青ピ「あぁ。ぶっちゃけ性ありきの関係にしたくないってだけでさ…俺も限界なんだ」

フレンダ「じゃあ今からずっと標準語ね」

青ピ「なんで?」

フレンダ「あの日言ったでしょ。結局、私の中では関西弁よりも標準語の方がアクトはカッコいい訳よ」

青ピ「最初の頃は関西弁の方が楽しいって言ってたけど」

フレンダ「楽しいのは関西弁。カッコいいのは標準語って訳よ」

青ピ「ははっ、了解です」

フレンダ「それと…」

青ピ「標準語はフレンダの前でだけ、だろ?」

フレンダ「…ニャハハ、結局私ってば独占欲が強いのよん♪」






475: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:14:34.44 ID:CMHImC9DO


-8月上旬

青ピ「やっぱアロハ似合うなあ」

土御門「ハッハッハ、こんなクソ暑い日にはアロハしかないぜよ」

青ピ「入学式ん時から学ランの下はアロハやなかったっけ?」

土御門「アロハシャツは基本的にオールシーズンで着れるんだぜい?」

青ピ「いやいやあらへんやろ」







476: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:15:38.54 ID:CMHImC9DO




青ピ「しっかしこのクソ暑い中ナンパしに行くメリットなんてあんのかいな?」

土御門「知らんのか?青ピ。夏は女を開放的にさせるんだぜぃ?」

青ピ「あー…たしかに」

土御門「…なんぜよそのリアクションは…まさか経験あるのか?」ゴクリ

青ピ「…秘密や」

土御門「何ィ!?ま、まさか青ピに先を越されただと!?」

青ピ「よう言うわ。舞夏ちゃんおるクセに」

土御門「まあな」キリッ

青ピ「あはは、腹立つわ~」イラッ







477: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:16:25.09 ID:CMHImC9DO




青ピ「しかし、コレやったらなんでナンパしに来たのか本格的に意味不明やん」

土御門「…でも、面白いモンが見れたからOKだにゃー」

青ピ「面白いモン?」

土御門「ホラ、アレぜよ」

青ピ「…上やん?と…誰やアレ」

土御門「…シスターっぽいぜよ」







478: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:17:12.07 ID:CMHImC9DO




青ピ「中々に素敵な交渉中なんやけどな~上やん」

土御門「ちなみにその娘誰ぜよ」

上条「…え?あ…」

青ピ「どした?暑さで記憶飛んでんのかいな」

上条「…」

青ピ「冗~談やがな。記憶喪失なんて不思議系電波少女の特権やでぇ?」

土御門「実際その娘誰ぜよ?」

青ピ「もしかして女装少年?女の子にしてはペッタンコすぎるし」

???「」ムカッ

上条「お、お前ら!言っていいコトと悪いコトが…。いくら幼児体型だからって…!」

???「とうま」ピキピキピキッ

上条「はい?」

???「私はイギリス正教に属する修道女です。悔いがあるなら今のうちに聞いてあげてもいいんだよ」


その後、上条の奢りでファーストフード店に行き、食い倒れた巫女さんに会ったりしたのは余談である。





479: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:18:29.64 ID:CMHImC9DO


-8月中旬、第七学区病院

<コンコン

???「はーい、どーぞー」

<ガララ

青ピ「…ども」

???「あぁ、アクトか」

青ピ「…大丈夫なん?フレンダ」

フレンダ「うん。結局大したことないし」






480: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:19:21.71 ID:CMHImC9DO



青ピ「ホイ、コレ。お見舞いの品や」

フレンダ「ん、ありがと。…まさかとは思うけど」

青ピ「【いちごおでん】やないから安心してや。定石通りに果物や」

フレンダ「よかった。結局、いらない心配だったか」

青ピ「なんなら今リンゴの皮ぐらい剥こか?」

フレンダ「できるの?」

青ピ「それなりにな」スチャ

フレンダ「じゃ、お願いするわ」






481: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:20:16.18 ID:CMHImC9DO



青ピ「しかし、元気そうで何よりやわ。入院したなんてメール来たから焦ったで」ショリショリ

フレンダ「ニャハハ、結局メールが打てるんだから重体な訳ないんだって」シャグシャグ

青ピ「それでも焦るもんなんや」ショリショリ

フレンダ「ゴメンね。さすがのフレンダ様もLevel5を相手するのは」

青ピ「ストップ」

フレンダ「っと」

青ピ「…詮索はせぇへん。けど、Level5相手取って五体満足なら大したもんや」

フレンダ「結構ギリギリだったけどね…」ニャハハ…







482: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:21:23.61 ID:CMHImC9DO



青ピ「なあ」

フレンダ「何?」

青ピ「…もう、やめにしないか?」

フレンダ「…なに、を?」

青ピ「…暗部の活動」

フレンダ「…ビックリした~」

青ピ「え?」

フレンダ「一瞬フラれんのかと思ったわ」

青ピ「はぁ!?ありえねぇよ!誰が手放すか!」

フレンダ「結局、あんな切り出し方じゃ勘違いしてもおかしくないっての」

青ピ「…言われてみればそうか…?スマン」

フレンダ「一瞬脳が機能停止しちゃったわ」

青ピ「スマン…でも、あんな告白しといてフったりしないよ」

フレンダ「…ずっと一緒にいてくれ」

青ピ「ヤメロ、ハズイカラ」





483: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:22:44.13 ID:CMHImC9DO



フレンダ「で、なんで急にそんな話になった訳?」

青ピ「…フレンダにケガしてほしくないんだよ」

フレンダ「…」

青ピ「それに、さ。なんつーか…殺しとかもあんまりしてほしくないし」

フレンダ「現実主義者のアクトとは思えない意見ね」

青ピ「…」

フレンダ「結局、そんな簡単に辞められたら誰も暗部になんか残らない訳よ」

青ピ「だよなぁ…」

フレンダ「それに、別に殺しが悪いコトだとも思わないし。結局、人間誰でも何かの犠牲の上に生きてる訳よ。牛なり豚なり。私たちはプラス人間ってだけ」

青ピ「そのプラスがマズいんだろ」

フレンダ「それ兵隊と傭兵って職業全否定してるわよ?」

青ピ「…」

フレンダ「ま、命懸けでお金稼ぐよりはもっと楽に稼ぎたいってのはあるけどね」

青ピ「だったら…」

フレンダ「ムリだっての。アクトは最悪自分で解散宣言すればなんとかなるかもしれない。Level5でリーダーだしね。でも私は別。結局、組織の情報をほとんど知ってる私が抜け出そうとしたら粛正されちゃうって訳」

青ピ「…これ以上ないくらい正論だな」

フレンダ「それにそうなったらフレメアに何されるか…考えたくもないわ」

青ピ「…フレメアちゃんと一緒に暮らしてないのはそういう理由か」

フレンダ「…半分正解。もう半分は私と一緒に暮らして襲撃なんてされたらフレメアを守り切れないから」

青ピ「そう…だな」

フレンダ「あそこの『置き去り』の施設なら大丈夫。セキュリティしっかりしてるし。まあ、アクト相手なら話は別だろうけどね」

青ピ「…」

フレンダ「そんな顔しないの。結局、らしくないよ?」

青ピ「…ああ、そうだな」







484: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/14(水) 21:25:09.79 ID:CMHImC9DO




青ピ「明日も休みの予定やしまた来るわ。フレメアちゃんも連れてこよか?」

フレンダ「あの子が来たら無駄に心配するからいい…って言いたいとこだけど、結局黙ってたら余計に心配するのよね」ハァ

青ピ「二人きりの姉妹なんやから当然やろ…っとそう言えば僕フレメアちゃんの連絡先知らんわ」

フレンダ「じゃ、私から連絡しとくわ。結局、施設の責任者にも許可もらわないといけない訳だし」

青ピ「頼むわ。ほな、お大事にな」

フレンダ「…ねえ」

青ピ「ん?」

フレンダ「…」ジー

青ピ「…」クスッ





青ピ「これでいいか?」

フレンダ「ニャハハ、よろしい!」






487: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:18:24.14 ID:NlLT6s3DO


-8月下旬、とある廃墟

黒妻「今日付でここに飛ばされた黒妻だ」

霧谷「霧谷で」

横須賀「横須賀だ。」

青ピ「そんで僕が『ウォール』のリーダー。Level5第六位の【隠密行動】や」

黒妻「!Level5か…」

青ピ「そうや。話は聞いてるで?武装集団やったスキルアウトの『ビッグスパイダー』を素手で潰したんやろ?」

黒妻「…ああ」

青ピ「大層腕が立つんやな。せやけど、こっちの世界はもっとハードな案件がゴロゴロあるで」

黒妻「そうかよ。だからなんだってんだ」

青ピ「頼もしいな。ところで…」






488: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:19:10.55 ID:NlLT6s3DO


青ピ「黒妻はんカラオケとか行く?」

黒妻「…は?」

青ピ「カラオケや、カラオケ」

黒妻「…なんかの隠語か?」

横須賀「言葉の通りだ。」

黒妻「…イヤ…まあ行くけどよ」

霧谷「何歌うんで?」

黒妻「…QUEENとか」

青ピ「洋楽か!ええな!」

横須賀「たしかにそのジャンル歌うヤツはいなかったな。」

青ピ「せやな!時々僕がうろ覚えでチャレンジするくらいやしな!」

横須賀「そして惨めな気分で中断のパターンだな。」

青ピ「うっさいわ!お前かてちょっと前のアイドルグループ以外やったらそうなるやん!」






489: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:20:31.23 ID:NlLT6s3DO


黒妻「」ポカーン

霧谷「どうしたんで?」

黒妻「…人質と脅しを使われて、学園都市の裏側、しかも殺しまでやるっつうところに追いやられたハズなんだが…」

青ピ「よっしゃ、歓迎パーティーや!カラオケ行くで!」

横須賀「そうだな。平日ならどこも空いているだろう。」

黒妻「…コレが学園都市の闇で暗躍するっつう暗部か?俺がスキルアウト時代に聞いてたモンとはかけ離れてんだが…」

霧谷「ほんの数ヶ月前までは殺伐とした感じだったんで。でも今は殺しもめったに無いんで」

黒妻「へぇ…」

<おお!なんやこの単車!
<ほぅ、RXか。

黒妻「…案外楽しそうだな」

霧谷「…否定はしないんで」

<おーい、はよ行くでぇ!
<俺も久々に転がすか。

黒妻「おう!今行く!」

霧谷「…にしてもまたガチムチ系…もっとインテリ系もいないとメイクの幅も任務の幅も広がらないんで」ハァ






490: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:22:03.09 ID:NlLT6s3DO


-9月上旬、第十一学区


上からの情報によると、第十一学区のとある廃墟にて外部の人身売買組織と学園都市の研究所間で人身売買が行われる模様。

『ウォール』にはその取引の阻止及び売買される人間達の保護が依頼された。

青ピ「ほい、コレ」

作戦決行前のキャンピングカー内で青髪ピアスは黒妻に黒い拳銃を渡そうとした。

黒妻「いらねぇよ、チャカなんて」

だが、黒妻はそれを見るなり顔をしかめて断った。

青ピ「なんでや?」

黒妻「俺ァ人殺しなんかするつもりはねぇ。暗部だろうがどこだろうが自分のルールは守るって決めてんだ」

青ピ「ああ、ほんなら大丈夫や」

黒妻「あ?」

青ピ「コレに装填されてるんは警備員が暴徒鎮圧用に使うてる麻酔ゴム弾や。頭にぶっ放さん限り死ぬコトはあらへん。けど二発ぶち込めばバッファローかて昏倒するで」

黒妻「…」

青ピ「ええから持っとき。どいつもこいつも接近戦に付き合ってくれる訳ちゃうんや」

黒妻「わあったよ」

黒妻は渡された拳銃を渋々受け取りベルトに差し込んむ。青髪ピアスはそれを見ると満足そうに笑って少し離れ、黒妻の他にやり取りを眺めていた横須賀と霧谷とも向かい合った。

青ピ「ほな行こか。いつも通り僕が突っ込む。逃げ回った連中を横須賀が捕縛。黒妻はんは退路確保と同時に霧谷ちゃんの護衛や。霧谷ちゃんは後方支援な。終わったら売買される人間達の確保」

横須賀「おう。」

霧谷「了解で」

黒妻「ああ」

青ピ「ま、たぶん僕と横須賀でコト足りるさかい心配せんでええで」







491: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:25:09.56 ID:NlLT6s3DO




黒妻「はぁー、終わった終わった」

霧谷「…流石で」

黒妻の周りには屈強な男が何人も倒れていた。中には銃やナイフを持った人間もいる。しかし、黒妻は多少の手傷を負い、息を切らしているだけだった。

霧谷「じゃ、私行ってくるんで」

そう言って、霧谷は下部組織の人間を数人引きつれて売買されるはずだった人間達の保護に向かった。

黒妻「おう、気を付けてな」





492: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:27:02.06 ID:NlLT6s3DO



青ピ「あはは…ホンマに拳銃使わへんねや…」

すると、どこからともなく青髪ピアスが姿を現した。

黒妻「お、居たのかよリーダー。つーコトはこいつらわざと仕向けたな?」

青ピ「堪忍してや。伝説のスキルアウトの実力を生で見たかったんや」

黒妻「…良く言えば、だろ?ストレートに新人の力量を計りたかったって言やぁいいじゃねぇか」

青ピ「あはは、お見通しかいな。堪忍してぇな」

黒妻「それで、俺は何点だい?」

青ピ「んー…70点やろか」

黒妻「ハッ、学園都市に来てはじめての高得点だよ」

青ピ「ちょっと詰めが甘いかな。例えばコイツとかな」

すると、青髪ピアスの足元に何かが現れた。しかし、何かという表現が不適切であることがすぐに分かった。

黒妻「!最初に倒したヤツか…」

それは黒妻のところから先頭切って逃げ出そうとした男だった。その男の襟首を青髪ピアスが掴んでおり、男はぐったりと四肢を放っていた。

青ピ「こいつらも必死やからね。物陰から狙っとったで」

黒妻「…スマン。恩に着る」

青ピ「気にせんでええて。僕も詰めが甘くて撃たれた経験あるさかい。むしろ初現場でここまでやれる方が驚きやで」







493: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:29:19.16 ID:NlLT6s3DO

 


霧谷『売買される人達の保護完了したんで』

横須賀『外部組織の連中も粗方連行させたぞ。残りは研究者の護衛もどきだけだ。』

次々に無線から声がした。どうやら、どこも滞りなく各自の役割を果たしたようだ。

青ピ「了解や」

黒妻「…なあ」

怪訝そうな顔で黒妻は青髪ピアスに話しかける。

青ピ「うん?」

黒妻「どうもキナ臭ぇんだよ」

青ピ「…さすがやね。気付いてたんか」

初任務にもかかわらず、黒妻は既に疑問を感じていた。暗部組織の在り方云々という倫理的なものではない。事前情報と現場の差異だ。

黒妻「俺が相手した連中はおよそ研究者と言える人種じゃなかった。このゴツいヤツらが研究者の護衛だと思ったんだが…それなら先に研究者を逃がそうとするだろ?それとも力量計るためにゴツい連中だけを回したのか?」

青ピ「そういう訳とちゃう。僕が倒したのも似たような連中や。せやけど、ここまで上の連中…もっと言うと上の連中と研究所の予定通りや。研究者やないただの下っぱのコイツらは知らんのやろうけど」

そして、青髪ピアスも気付いている。おまけにその疑問に対する答えまで出していた。

黒妻「…どういうことだ?」





494: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:31:16.13 ID:NlLT6s3DO


青ピ「要するに金を払わずに素体と奴隷を確保したいっちゅうことや。僕らが保護して上の連中に任せたら研究所に回されるやろな」

黒妻「な!?」

青ピ「…もちろんそんな真似させへん。霧谷ちゃん、どんな感じや?」

霧谷『20代3人、10代5人、一桁が7人で』

青ピ「…多いな」

横須賀『14歳以上は下部組織に回せ。俺が面倒見る。』

霧谷『日本語喋れないと思いますがよろしいんで?』

横須賀『構わん。ここは学園都市だ。バウリンガルの機器くらいあるだろう。』

霧谷『左様で。…残り9人で』

青ピ「9人か…」

黒妻「…多分俺の方で何人か捌けるぞ」

青ピ「あ、ホンマ?」

黒妻「たしか美偉の後輩に『置き去り』の施設とパイプ持ってる子がいたはずだ。多分なんとかなる」

青ピ「美偉…あぁ、あの写メの風紀委員の娘ぉかいな。ええんか?」

黒妻「俺の勝手な意地と子供の安全なんて比べるまでもねえよ。このために会うならかまわねえ」

青ピ「さよか。助かるで」

黒妻「だが全員いけるかは分からねえぞ?」

青ピ「大丈夫や。僕も『置き去り』の施設とのパイプがない訳やないし」

黒妻「へぇ、意外だな」

霧谷『とりあえず、無線じゃ相談しにくいんで私のとこまで来てほしいんで』

横須賀『こちらは全員移送終わった。もうすぐそっちに下部組織が行くはずだ。引き継いでから来い。』

青ピ「了解や」

黒妻「…しっかしホントにイメージしてたモンとかけ離れてるな」






495: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:34:37.46 ID:NlLT6s3DO


-9月下旬、セブンスミスト

フレンダ「これなんてどう?」

青ピ「んー、ええんやない?」

フレンダ「…もうちょっと具体的なコメントない訳?」

青ピ「そない言うても女の子のファッションなんて分からへんもん」

フレンダ「えー、アクトってけっこうセンスいいから期待してたのに」

青ピ「え?ホンマ?」

フレンダ「うん。なんだろう…場所に合わせて溶け込めてるっていうか…」

青ピ「あー…まあこれくらいならいいか?衣装合わせが…うん、好きなヤツが僕の仲間におってな?暇潰しにそいつのメモ帳読んでたらいつの間にか覚えてたんや」

フレンダ「じゃあ、女の子のファッションも分かるでしょ?」

青ピ「実用的なモンしか興味沸かなかったんや」

フレンダ「現実主義者め…じゃあアクトがかわいいと思う服を言ってよ」

青ピ「フレンダなら何着てもかわええもん」

フレンダ「むー…」

青ピ「なんや?」

フレンダ「かわいいっていうのは嬉しいけど…めんどくさがってない?」

青ピ「本心やがな!誓って!」

フレンダ「…結局、それはそれで張り合いがない訳よ」

青ピ「どないせぇっちゅうねん…」







496: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:35:41.47 ID:NlLT6s3DO




フレンダ「そういえばさ」

青ピ「うん?」

フレンダ「大覇星祭の開会宣言の話って回ってこなかった?」

青ピ「あー、そないな話あったな。仲介役からの話断ったら素人丸出しの追跡で直接交渉しようとしとった学生おったわ。能力使うて雲隠れしたけど」

フレンダ「結局やらなかったみたいだけど、なんで?」

青ピ「僕がLevel5やって分かったら学校中に激震走るで」

フレンダ「あ、そっか」

青ピ「それに暗部に居る人間が全世界規模で顔晒すっちゅうのもマズいやろし」

フレンダ「…やっぱそう?」

青ピ「やっぱって?」

フレンダ「うちのリーダーも同じ理由で断ったからさ~」

青ピ「まあ、そらそうやろ」

フレンダ「代わり私がやるって言ったんだけどね。結局めちゃくちゃキレられたわ」

青ピ「当たり前やん」







497: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:37:42.02 ID:NlLT6s3DO




フレンダ「♪~」ニコニコ

青ピ「けっこう買うたなぁ」

フレンダ「結局、こーゆー大衆向けブランドでも探せばいいものがあるって訳ね。侮ってたわ」

青ピ「せやろ?ブランドもんがええのは当然やけど、こーゆー買い物っちゅうのもおもろいモンやで」

フレンダ「それも例のメモ帳から?」

青ピ「ちゃうちゃう。こーゆーところで馴染むにはここで売ってるような服着るのが一番やろ?せやから前にそのための服探してたんやけど、そん時にそれとは別にええモンみつけてな。それからや」

フレンダ「ふーん…私もまた来ようかな。今度は仲間と」

青ピ「アハハ、僕みたいなヤツがおらんといいなぁ」

フレンダ「? アクトみたいなって?」

青ピ「女の子のファッションがわからんようなヤツや」

フレンダ「…アレ?言ってなかったっけ?」

青ピ「なにを?」

フレンダ「私の組織に男なんていないわよ?」

青ピ「…え?そうなん?」

フレンダ「うん」

青ピ「…ゲームにブチ切れてテレビに風穴空けたっちゅうのも女?」

フレンダ「うん」

青ピ「…一年中ジャージ着てるっちゅうのもムシャクシャして廃車を素手で粉々にしたっちゅうのも女?」

フレンダ「うん」

青ピ「…アカン…僕フレンダの仲間イメージできひん」

フレンダ「結局、私もアクトの仲間のデデデ大王とビブルチ大尉が未だにイメージできないんだけど」

青ピ「最近また増えたで。ミルクヤンキーや。略してミルキー」

フレンダ「ママの味でもする訳?」







498: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:38:36.26 ID:NlLT6s3DO




フレンダ「あっ」

青ピ「ん?」

フレンダ「ねえアクト!アレ撮ろっ!」

青ピ「…プリクラ?」

フレンダ「そ。結局、前にゲーセン行った時は撮らなかった訳だし」

青ピ「…せやったら、僕が撮るの嫌がった理由も覚えておらへんか?」

フレンダ「見つかったら決定的な証拠になるから、でしょ?結局、見つからなければいいって訳よ」

青ピ「万が一ってあるやろ?アカンって」

フレンダ「えー、アクトは撮りたくないの?」

青ピ「イヤ、撮りたくない訳ちゃうわ。せやけどやな」

フレンダ「ダメなの?」ウルウル

青ピ「う…そ、そんな顔したかてな!ダメなモンは」

フレンダ「」ウルウル

青ピ「~~~~ッ!」







499: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:40:16.60 ID:NlLT6s3DO




青ピ「撮ってもうた…」ズーン

フレンダ「ニャハハ、な~に凹んでる訳?結局、アクト最初のショットからノリノリだったし」ニヤニヤ

青ピ「だからこそや…賢者タイムってヤツやろか?」

フレンダ「楽しければいいの!ホラ、落書きするわよ!」

青ピ「落書き?そんなんあるんか?」

フレンダ「うん、こっち来て」

青ピ「ん、分かっ…!?」ピシッ

フレンダ「ニャハハハハ!結局、全部いい感じね!至近距離の笑顔、変顔、ハグ、そしてキスショット!」

青ピ「」

フレンダ「いや~やっぱり撮って良かったって訳よ!ね、アクト!」

青ピ「」

フレンダ「…アクト?」

青ピ「め…」

フレンダ「?」

青ピ「めちゃくちゃ恥ずかしい…」プシュー

フレンダ「」

青ピ「な、なんやねんコレ…コレ…うわぁ…」プシュー

フレンダ「…プ」

青ピ「…往来でキスしたコトもあったよな…こんな風に見られ…うわぁ…」プシュー

フレンダ「あはははははははははは!あっはっはっはっはっはっはっ!」バンバン!

青ピ「!?」

フレンダ「あ、アクト顔真っ赤じゃん!あはははは!か~わいい!」

青ピ「か、かわっ!?せやかて、だっ、おま、コレぇ!」プッシュー

フレンダ「あっはっははははは!もう耳まで!あはははは!」

青ピ「な!?そんな…嘘だろ!?なんで!」ブッシュー

フレンダ「よ~し燃えてきた!もっとラブラブにしてやるわ!」

青ピ「も、もっとって…やめぇや!そんなデカいハートマーク書くな!おい!」アタフタ

フレンダ「結局、さっきから口調がチャンポンになってるよ~ん、と」

青ピ「うわ、フレ、おま、うわああああああああああああああああああ!」







500: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:41:30.86 ID:NlLT6s3DO




フレンダ「ニャハハハハ!あ~楽しかった!」

青ピ「おま…コレ…どこのバカップルやねん」

フレンダ「結局、どうせならおもいっきり恥ずかしいものにしようとした結果って訳よ!」

青ピ「『アクト・フレンダ』『ず~っと一緒(はぁと)』…うわぁ…」プシュー

フレンダ「ニャハハハハ!顔真っ赤だってば!」

青ピ「当たり前やろが!…絶対見せられん…いろんな意味で絶対見せられん…!」

フレンダ「ニャハハ、さて、コレどこに貼ろうかな~」

青ピ「貼る!?貼るんかコレ!?」

フレンダ「結局、好きな人とのラブラブショットだしね。かといって見られる訳にいかないし…定石通りにケータイの電池パックのふたの裏側に」ピト

青ピ「好きな人との…」

フレンダ「アクトにも貼ってほしいな~」ニヤニヤ

青ピ「…よっしゃ!じゃあコレの裏側や!」

フレンダ「あ、私のクリスマスプレゼント。結局、首から下げてシャツの下に入れてた訳ね」

青ピ「せや!寝る時と風呂以外はずっと着けとるからな!ここならバレへん!」ピト

フレンダ「…そんなに大切にしてくれてるんだ」

青ピ「当たり前や。フレンダかてベレー帽気に入ってくれてるやん」

フレンダ「…ありがと」ニシシ






501: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:42:31.53 ID:NlLT6s3DO



青ピ「そうや」

フレンダ「ん?」

青ピ「今日はフレンダがやり残したモンをやった訳やろ?」

フレンダ「ゲーセンでってこと?まあ、そうね」

青ピ「次は僕がやり残したモンをやりたいねん」

フレンダ「? なにかやりたいゲームあったの?」

青ピ「ゲーセンでやり残したんとちゃうねん。遊園地や」

フレンダ「…遊園地?」

青ピ「僕らまだ観覧車乗ってないやろ?」

フレンダ「! なるほど。そう言えば結局乗ってないわ」

青ピ「誰かさんがアホみたいに絶叫マシーンに乗っとったからな」

フレンダ「アホって!遊園地って言ったら絶叫系でしょ!それに、あの頃はまだ付き合ってなかったし!」

青ピ「まあな。せやから一緒に乗ろうや。観覧車」

フレンダ「…いいわよ。だけど、観覧車って言ったら最後の締めくくりな訳よね?」ニヤッ

青ピ「…せめて観覧車の中でいい雰囲気を出せる体力くらいは残させてください」

フレンダ「ニャハハ!考えておいてやろう!」







502: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:45:07.42 ID:NlLT6s3DO




青ピ「ほな、ここらでお開きにしよか」

フレンダ「えー」

青ピ「しゃあないやん。僕夜から任務やって言うたやろ?」

フレンダ「それはいいんだけどさー、たまには家まで送ってくれない訳?」

青ピ「ええけど途中からは能力使いながらやで?」

フレンダ「…ヤダ。普通に家まで送って」

青ピ「アカンて。一緒に家まで行ったらバレるかもしれへんやろ?」

フレンダ「結局、そのくらいじゃバレたりしない訳よ。だから…」

青ピ「ダーメーや」

フレンダ「むぅ」ブスッ

青ピ「今日はプリクラも撮ったし堪忍してや」

フレンダ「じゃあ」

青ピ「ん?」

フレンダ「キスして。お別れのキス」

青ピ「…」

フレンダ「それくらいならいいでしょ?今なら人通りも少ない訳だし。ちょっと小道に入れば…」

青ピ「…ヤダ」

フレンダ「え?キスも?いつもしてるじゃん」

青ピ「…ぃ」ボソッ

フレンダ「え?」

青ピ「…ハズい」

フレンダ「…ぷっ、なにをいまさら」クスクス

青ピ「せ、せやかて傍から見たらあんなんなんやと思うとやな」

フレンダ「よーし、じゃあこのフレンダ様がとっておきの策を授けて進ぜよう!」

青ピ「策?」

フレンダ「そ。だからちょっとしゃがんで耳貸して」

青ピ「? これでええ…ン!?」







503: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/18(日) 00:46:08.43 ID:NlLT6s3DO

 



フレンダ「…っぷは」

青ピ「」

フレンダ「ニャハハ!不意討ち大成功~、って訳よ!」

青ピ「フ、フレンダお前…誰かに見られたら…!」

フレンダ「だ~いじょ~ぶ!『結局、私の母国じゃ軽いスキンシップな訳よ』ってね!」

青ピ「イヤ、言い分はそれでいいけどさ…」

フレンダ「私ね、結局アクトとキスしてる時が一番幸せなの。普通のキスでも濃~いキスでも、どんなキスでも」

青ピ「…」

フレンダ「別にキス魔って訳じゃないわよ?アクトだから幸せなの」

青ピ「…そうか」

フレンダ「アクトはどう?」

青ピ「…俺も幸せだ」

フレンダ「でしょ?だから、キスくらい躊躇わないでほしいって訳よ!」

青ピ「分かった…ってこれじゃあプリクラどおりのバカップルだな」ハハ

フレンダ「結局、アクトは私に惚れてるって訳よ!」ニシシ




507: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:06:17.75 ID:1vdeP2NDO


-10月中旬

青ピ「や、みんな。昨日ぶりやな」

横須賀「…数時間ぶりの間違いだろう。」

霧谷「眠いんで…」

黒妻「ったく、毎日毎日…今日はどんな仕事だ?」

青ピ「なんやあからさまに元気ないなぁ。ま、しゃあないか。今日も今日とて面倒な仕事や」

現在、学園都市はにわかに浮き足立っている。『0930事件』以降、世界は学園都市とイギリス、フランスとロシアに別れ、一触即発の状態となっている。このまま行けば第三次世界大戦が勃発してもおかしくはない。

そんな中で学園都市にはこれを期に今の学園都市の機構を壊そうとする勢力がいくつかある。それ以外にも通常通りにあくどいことに手を染めている組織もあるし、今だからこそ外部に情報を流して巨額の富を得ようとする者もいる。

そんなこんなで現在裏社会に属している人間は大絶賛大忙しだ。




508: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:07:29.56 ID:1vdeP2NDO


霧谷「内から外から…学園都市も業が深いんで」

黒妻「ハッ、一介のスキルアウト崩れからすりゃあ、何を今さらって感じだけどな」

横須賀「それで?具体的な内容は?」

青ピ「名門常盤台中学を襲って学生の回収運動の激化を狙っとるバカども約50人の排除や。上層部連中に首切られたやつらの反乱やと」

黒妻「! 常盤台だと?」

横須賀「どうした?知り合いでもいるのか?」

黒妻「美偉の後輩がな…俺も面識がある子たちだ」

青ピ「…そら手ぇ抜く訳にもいかへんな」

霧谷「でも、私たちが出張る必要があるんで?あそこにはLevel5が二人もいる上に全員Level3以上の能力者のはずなんで」

横須賀「そいつらが全員俺たちの様に戦闘に慣れていればいらないだろうな。しかし、あそこはお嬢様しかおるまい。実戦に慣れている者などほぼ皆無だろう。」

霧谷「…左様で」




509: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:09:43.72 ID:1vdeP2NDO


黒妻「…それに全員が能力者ってのは必ずしも有利って訳じゃねえ。現に俺はそのLevel5の子が対能力者用の機械で苦しんでいる姿を見てる」

青ピ「常盤台を狙っとるんならそのくらいの準備はしとるやろな」

横須賀「…相手の襲撃日時は分かっているのか?」

青ピ「不明や。せやから、早いとここっちから動いた方がええやろな。いつもの手段でいきたいとこやけど…ちょっと難しいやろ」

『ウォール』には定石の手段がある。潜入である。誰かがメイクと変装で敵対勢力の下部組織や用務員などに成り済まし、内情を探るというものだ。

青髪ピアスなら話術で情報を引きずりだしたり、能力を行使してデータを盗める。

横須賀なら読心により情報を得る。異能力ほどしか強度はないが、表層心理くらいなら読める横須賀は適当に話をチラつかせれば大まかな情報は得られる。そこからあたりをつけて更に十分な情報を得るのだ。

しかし、今回はその手は使えない。すでに警戒態勢に入っているであろう敵対勢力が新しく人員を増やす訳もなく、誰かに成り済まそうにもその人物のクセ等を把握する時間もない。完璧に把握する必要もないが、さすがに何も分からずに潜入するのは無謀だ。




510: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:10:37.38 ID:1vdeP2NDO


黒妻「…となると、カチこみか」

青ピ「…そうやね。ただ、AIMジャマーくらいならなんとかなんねんけど、キャパシティダウンが出てくると僕と横須賀はなんもできへん。それどころか、下手すればもっとドぎつい兵器が出てくるかも知れん。黒妻はんが主体になるかもしれんけどかめへんか?」

黒妻「ああ。こっちもようやくドーグの扱いに慣れたころだ」

そう言って黒妻はニヤリと笑う。最初は武器に頼ることをよしとしなかった黒妻だが、ケンカ殺法だけでは効率が悪すぎるので今は最低限の武装をしている。

横須賀「とはいえ、変装はした方がいいだろう。混乱させるにはちょうどいい。」

霧谷「相手組織のデータはないんで?」

青ピ「ほな、一応全員の端末に送っておこか」

そう言って青髪ピアスはケータイを取り出す。そして、上から送られてきた情報を全員の端末に再送信した。





511: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:11:53.74 ID:1vdeP2NDO


青ピ(しっかし…)

青髪ピアスはそのままケータイの画面を見つめる。

青ピ(フレンダのヤツ大丈夫かな…)

ここ数日、フレンダからの連絡は途絶えていた。最後にメールが来たのはもう一週間近く前のコトだ。

青ピ(まあ、ここまで忙しければ仕方ないけど…)

先ほども述べたように、今の学園都市では様々な勢力が暗躍している。『ウォール』もその勢力のひとつ。となれば、フレンダが所属している暗部組織だって忙しいに違いない。

青ピ(まあ今までもこのくらい連絡来ないことはあったしな。おまけに向こうにもLevel5がいるらしいし。それも確実に序列が俺より上の能力者。そりゃいろんな仕事が舞い込んでくるか)

横須賀「…ぃ。おい。聞いているのか。」

青ピ「ん?ああ、スマン聞いとらんかったわ」

黒妻「おいおい、大丈夫かリーダー」

霧谷「疲れてるのはみんな一緒なんで」

青ピ「まったくやね。シャキっとせな」

青ピ(ま、フレンダだってLevel5を相手にしてちょっとの入院するくらいで済むようなヤツだし、平気だろ。その前に俺は自分の心配をするべきだな)







512: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:13:22.61 ID:1vdeP2NDO


-10月下旬

青ピ「はあ?霧谷ちゃんをロシアに回せやと?」

???『ええ、彼女の力が借りたいものでして』

10月18日、ロシアは第三次世界大戦を宣戦布告。翌19日、第三次世界大戦が勃発。大まかな情勢としては学園都市・イギリス連合 対 ロシア・フランス連合の構図となっており、学園都市がロシアと、イギリスがフランスと争っている。

だが、学園都市とロシアの戦争は開戦当初から学園都市がロシアを圧倒していた。学園都市の技術は他国の技術より二~三十年は進んでいる。それだけで、一都市対一国の戦争は一都市が勝っているのだ。

そんな情勢の中で青髪ピアスに『電話の男』から電話がかかってきた。




513: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:14:41.23 ID:1vdeP2NDO


青ピ「誰よりも先に僕が呼ばれると思っとったんやけどな。荷造りして待ってたんやで?」

青髪ピアスの能力は【隠密行動】。潜入から斥侯まで完璧にこなすことができ、戦争で一番肝心な『情報』をほぼノーリスクで完全に入手できる。

???『こちらとしてもそのつもりだったのですが、なにぶん想定外の事態が乱発してましてね。すでに戦場に向かったLevel5が数人いまして…これ以上外部に送り出すのは避けたいのですよ』

青ピ「ふぅん。なんや意外と苦戦しとるんか」

Level5という存在の認識としてあるもののひとつが『軍隊と対等に戦える』。

青髪ピアスも戦争仕様の装備で能力を行使すれば軍隊と対等に戦うこともできるだろう。なにせ見ることも感じることも、機器に反応することもない敵に次々と味方がやられれば、パニック状態に陥って壊滅すること請け合いだ。

戦闘向きでない第五位も、もしかしたら軍隊全体を洗脳で操り味方にできるかもしれない。そうでなくとも半数以上操ることができれば文字通り『軍隊と対等に戦える』。

そんな存在がすでに数人戦場に送り込まれているのだ。『能力開発技術の外部流出』というリスクを孕んでいるというのに。もしかしたら、ロシアを圧倒しているというのは学園都市が内部に向けたプロパガンダかもしれない。




514: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:15:57.62 ID:1vdeP2NDO


???『…ご想像にお任せしますよ。それに、こちらの指示通りに動いてもらえない人間を送りこんでも仕方ないですし』

青ピ「何言うとんねん。ちゃんと任務こなすどころかお前らの手間が省けるようにアフターケアまでしとるやんか。残業代が欲しいくらいやで」

???『そのアフターケアが余計なんですよ。とにかく、霧谷さんにはロシアに向かっていただきます』

青ピ「…まあ、特殊メイクの腕が目当てなんやろ?僕を使わないとなると霧谷ちゃんが居った方が内部潜入の成功率は上がるさかいな」

???『その通りです。彼女が、というよりは彼女も、ですが』

青ピ「後方での仕事ならかめへんが…危険に晒すような真似はさすなよ」

???『…いつのまにかお優しいリーダーになりましたね。なにも霧谷さんを前線で働かせるようなことはしませんよ。そんなことしてもデメリットしかありませんから。では』







515: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:18:30.29 ID:1vdeP2NDO




青ピ「…やってさ」

霧谷「…正気なんで?」

横須賀「まあ無能力者なら外部に出しても差し支えないということだろう。」

霧谷「一応私も開発自体は受けてるんで」

黒妻「ロシアか…10月でも向こうは相当寒いんじゃねえか?」

青ピ「場所にもよるやろうけど、氷点下はいってるやろな」

霧谷「…若干鬱になってきたんで」





516: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:19:47.89 ID:1vdeP2NDO


横須賀「霧谷の心配もいいが、自分たちの心配もした方がいいのではないか?」

黒妻「俺たちの?」

横須賀「霧谷がいなくなれば後方支援の人間がいなくなるだろう。」

青ピ「…せやな」

霧谷はなにも特殊メイクの腕だけが取り柄ではない。監視カメラの映像などから敵の配置等を割り出したり、下部組織の人員の手配をしたりなど、様々なサポートの面でも動けるのだ。

黒妻「…スキルアウト崩れにインテリ分野での活躍を求めるなよ?」

横須賀「俺もさわり程度にしかできん。下部組織連中は黒妻と似たようなもんだ。」

霧谷「…そんなに難しいことでもないんで」

黒妻「るっせえ」

横須賀「ふん。」




517: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:21:17.84 ID:1vdeP2NDO


青ピ「僕はできるで。せやけど、そうなると戦闘そのものがキツくなるしなぁ」

青髪ピアスは学園都市第六位の頭脳を持っている。サポート面でも動けることは間違いないが、そうなると青髪ピアス主体の今までの戦術を改める必要がある。

青ピ「しゃあない。横須賀、お前に僕の駆動鎧貸したるわ」

横須賀「…駆動鎧など乗ったことないが、動けるものなのか?」

青ピ「マスターせえ。基本は普通に動くんとそないに変わらん」

横須賀「…わかった。」

霧谷「横須賀さんがマスターしたら、もはや【内臓潰し】レベルじゃなくなるんで」

黒妻「…なあ、俺も乗っていいか?」

青ピ「ん?せやけどあの一台しかないで」

黒妻「…そうか。イヤ、駄目ならいいんだ」

霧谷「? なんかあるんで?」

黒妻「特になんにもねえよ。ただ、いっぺん乗ってみたいと思っただけさ」

横須賀「気持ちは分かるぞ。」

黒妻「だろ!?こう…なんつうか…ロマンがあんだよ!」

霧谷「よく分からないんで」

青ピ「せやけど、あの駆動鎧サイズが合わんのやないかな。横須賀はちょっとキツいくらいで済むやろうけど、黒妻はんやとたぶんブカブカやで」

黒妻「う…やっぱサイズとかあんのかアレ」

青ピ「タイプによるんやないかな。僕もそないに詳しい訳ちゃうけど」






518: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:23:04.27 ID:1vdeP2NDO



霧谷「と言うか、私がロシア行くって話はどこに行ったんで?」

横須賀「…どっかの店でボルシチでもテイクアウトしてこい。」

黒妻「俺実物のマトリョーシカって見たことねえんだよな」

青ピ「僕はクレムリン宮殿の最奥部の写真見たいなあ」

霧谷「てめえら揃いも揃ってぶっ殺されてぇんで?」ブチブチブチッ

横須賀「冗談だ。気をつけて行け。」

黒妻「ま、最悪の場合「非戦闘員だ」っつって両手上げてれば死なないだろ」

霧谷「ロシア語なんて喋れないんで」

青ピ「そないに心配せんでも危険なことなんてあらへんて。Level5が数人居る現場やで?」








519: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/22(木) 21:25:10.92 ID:1vdeP2NDO




-10月下旬、ロシア国内学園都市陣営某所

???「ここで潜入用の特殊メイクしてくれるのかしら?あんたちょっと頼めるかにゃーん?」

霧谷「え…は、い?」

霧谷(…え?目からビーム出てる?腕からビーム生えてる?)

???「こいつそっくりにしてくれる?」

霧谷「…え?この人でよろしいんで?」

???「ええ」

霧谷「でもこの人日本人…」

???「関係ねぇ!カァンケイねぇぇぇんだよ!メイクすんのか死ぬのか選べオラァ!」バヂヂヂヂッ!

霧谷「は、はい!します!メイクします!」

霧谷(めちゃめちゃ危険な現場なんで!つーかコレ義眼と義手ちゃんとつけられるんで!?どんな素材ならビームに耐えられるんで!?)

???「待っててね♪はぁぁぁぁぁまづらぁ!!」




523: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:08:39.66 ID:5xXl8CPDO


-11月上旬

青ピ「…は?」

???『ですから解散ですよ、解散。『ウォール』はもう用済みということです』

第三次世界対戦はほんの十数日で終戦を迎えた。だが、終戦にあたって不思議な現象が多々起きた。

世界中の教会関連の物が合わさりラピュタになった。
空が金色になった。直後、金色の空を飛ぶ白い天使が世界を戻した。
世界中に加工不能な粗大ゴミが一斉に不法投機された。
等々、およそ理解不能な現象だらけである。

ともあれ、戦争は終結した。学園都市の人的被害は0だと言われるほど、一方的な展開で。

世界中の人々が戦争の終結を以て安堵したころ、学園都市の裏社会では激震が走っていた。





524: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:09:50.45 ID:5xXl8CPDO


青ピ「…そうか。や、よう知らせてくれたな。感謝するで」

???『はい?』

青ピ「要するに、こっから『ウォール』は学園都市に狙われる立場になったっちゅうことやろ?奇襲かけられる前に言うてくれて助かったで」

上から見限られる心当たりならいくらでもある。特にここ最近は。上からの任務をこなしつつ、上の利益を損なうような真似ばかりしてきた。今までは黙認されてきたが、いよいよ堪忍袋の尾が切れたのだろう。

???『ああ、そういうことですか。心配しなくても襲撃も暗殺もありませんよ。『処分』ではなく『解散』ですから』

青ピ「はあ?機密情報を知りすぎてる僕らをみすみす逃がす訳ないやろが」

なにせ暗部には非合法な仕事ばかり回ってくる。それを白日の許に晒されるだけでもこの上なくマズいが、それ以上に暗部の人間は任務の都合上、機密情報も多く知ることになる。それを広められると学園都市が立ち行かなくなるような情報もある。そんな人間たちを野放しにする訳がない。





525: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:11:17.26 ID:5xXl8CPDO


???『…こちらとしてもそう思いますがね。なにぶん上が決めたことですから』

青ピ「…どういうことや」

???『学園都市の仕組みが変わった、というよりも変えられたとでも申しましょうか。どのみちあなたは、イヤ、あなた方はもはや暗部が性に合わないようですし、青春を謳歌してみてはいかがですか?』

青ピ「今まで人の青春片っ端から奪って散々コキ使ってきたヤツのセリフかいな」

???『私の仕事は仲介役。実際にコキ使っていたのは上層部の方々ですよ。奇襲や暗殺を警戒するのはかまいませんが、特になにもいたしませんから。こちらからあなた方に暗部関連での接触はアジトや支給品の回収などを追って連絡するくらいですので。それでは』







526: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:13:09.25 ID:5xXl8CPDO





青ピ「…っちゅう電話が来たんが一昨日の朝や」

霧谷「…」

横須賀「…」

黒妻「…」

青ピ「…まあ、そうなるわなぁ」

『ウォール』のアジト、そのリビングのソファーに座っていたメンバーは全員ポカンとしていた。無理もない。今まで使い捨てのように過密スケジュールで働かせてきた学園都市が急に手のひらを返してきたのだから。

霧谷「ロシアから帰ってきたと思ったらリストラ…どうなってるんで?」

黒妻「本当だってんなら嬉しいが…」

横須賀「にわかに信じがたいな。」

青ピ「そう思ったさかい、この二日間皆をアジトに泊まらせて様子見してたんやけど…なーんもアクションないんや。任務の依頼も奇襲の動きも」

霧谷「…となると、本当なんで?」

横須賀「一体なにがあったんだ?」

青ピ「それが分かったら苦労せえへんて。『電話の男』は曖昧なことしか言わへんかったし、あの番号はもう繋がらんし」






527: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:14:21.28 ID:5xXl8CPDO



黒妻「なあ、前に話したと思うんだが…」

横須賀「なんだ。」

黒妻「俺は昔のスキルアウトの仲間を人質に取られて、更に美偉の過去をダシに脅されて暗部に来たんだ」

霧谷「左様で。まあ、暗部に堕ちた人間なんて皆似たようなもんなんで。人質なり過去の汚点なり」

黒妻「この場合…そう言ったもんはどうなるんだ?」

青ピ「…特になんにもならんのとちゃう?向こうから来い言うたのに向こうから消えろ言うてるんやし」

横須賀「となると、ここにいる全員はお咎めなしで表社会に完全復帰、ということか。」






528: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:15:30.20 ID:5xXl8CPDO



霧谷「…実感無いんで」

黒妻「たしかにな…」

青ピ「ちゅうか皆『ウォール』が解散しても居場所とかあるんか?僕は学校行っとるし…他にもあんねんけど」

黒妻「…蛇谷たちに走り屋グループとしてまたバカやろうとは誘われてるが…」

横須賀「ほう、面白そうだな。」

黒妻「なんなら、横須賀も一緒にやるか?」

霧谷「私も高專行けばそれなりに友達はいるんで」

青ピ「霧谷ちゃんそんなとこ通ってたんか?」

霧谷「ええ、まあ。横須賀さんは?」

横須賀「俺は…削板と原谷達だな。」

青ピ「削板って…第七位か?」

霧谷「監視対象じゃなかったんで?」

横須賀「最初はそうだったのだが…一緒にいるうちに、な。アレは退屈しないぞ。なんせ根性がある。」

黒妻「根性?」






529: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:16:36.06 ID:5xXl8CPDO



青ピ「とにかく、みんな解散しても大丈夫っちゅうことやな?」

横須賀「…そうだな。」

霧谷「とはいえ、あんなにダルかった任務がなくなったのに…寂しいものがあるんで」

黒妻「…つっても、別に解散したからって会わなくなる訳じゃねえだろ?」

青ピ「…せやね。またみんなでカラオケ行ったりツーリング行ったり…むしろ危ないこともなくなってええんとちゃう?」

横須賀「むしろ、というか普通にな。」

霧谷「…なら構わないんで」

黒妻「ハハ、楽しみじゃねえか」






530: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:18:32.12 ID:5xXl8CPDO



霧谷「でも…下部組織の人員はどうするんで?」

青ピ「あー…」

黒妻「訳アリの連中は下部組織に回してたからな…」

横須賀「かまわん。引き続き俺が面倒見る。」

霧谷「よろしいんで?」

横須賀「ああ、しばらくはスキルアウトまがいの集団になると思うが…職さえ見つければ問題あるまい。」

黒妻「…お前自身は大丈夫なのか?」

横須賀「ふん。なんとかなる。この【内臓潰し】の横須賀、言ったことに対して責任くらいは持つ。」

青ピ「…スマン。金ならいくらでも出すさかい」

横須賀「ほう、守銭奴のお前が珍しいな。」

青ピ「もともと上の連中に嫌がらせがしとぉてふんだくってた金や。それにLevel5ともなると暗部の他からもガンガン金が入ってくるんよ」

黒妻「…景気のいい話してんな」

霧谷「うらやましいんで」

横須賀「とはいえ、おそらく残るのは最近下部組織に回した連中くらいだろう。大した人数にはならん。」

青ピ「さよか。ほな、最後にそのふんだくった金で解散パーティーでもやろか」

黒妻「お!いいな!」

横須賀「そうしてくれ。ボスニアの連中もお前らに礼を言いたがっていたぞ。」

霧谷「…ボスニア?」

黒妻「…ああ、人身売買の」

横須賀「最近少しずつ日本語を覚えてきてな。IDの方もなんとか発行できたし、人並みの生活ができるようになったと喜んでいたぞ。」

青ピ「下部組織生活が人並みの生活かいな…」

黒妻「…それなら、これからもっと楽しい人生にしていけばいいさ」

霧谷「違いないんで」

青ピ「…せやね。ほな、今日は思い切りパーっとやろか」







531: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:19:41.51 ID:5xXl8CPDO


翌日、青髪ピアス宅

青ピ(…さて)

昨日は思い切り騒いだ。焼肉屋を貸し切り、飲める人間は酒も空けた。飲めない人間も飲んだ。誰かさん特製ミルクジュースと言う名のカルーアミルクをがぶ飲みして誰かさんがビブルチした。

それはそれは盛り上がり、それはそれは楽しかった。だが、青髪ピアスは少しばかり気がかりがあった。

青ピ(なんで連絡くれないんだろ…フレンダ)

あれからフレンダからの連絡は未だに一切ない。携帯も繋がらない。ようやく繋がったと思ったら『現在使用されておりません』ときた。

青ピ(ケータイぶっ壊したか?まあ、任務中に壊れたなら納得もいくけど…)

なんせ、暗部の現場はほとんどが戦場。携帯電話が壊れるのも日常茶飯事だ。





532: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:20:56.19 ID:5xXl8CPDO


青ピ(…家でグズグズしてても仕方ないか)

そう思い、青髪ピアスは学生服に着替え始める。とりあえずは学校だ。ここのところは任務続きでまともに学校に行けてなかったので、行ける時には行かなければならない。

青ピ(…終わったらフレンダの家でも行ってみるか)

着替え終わり、学生カバンを引っ提げて、早くも放課後の予定を立てる。携帯電話が壊れているなら、こっちから出向いた方が早い。

青ピ(じゃないと俺の方が干からびそうだし)

ローファーに足を突っ込んでドアノブを回す。もうかれこれ一月以上会ってなければ、声も聞いていない。いい加減恋しくて仕方なかった。

青ピ(『青春を謳歌してみてはいかがですか?』か…そうだな、もう命のやり取りをする必要もケガの心配もしなくていいんだ。フツーの学生なんだ)

ドアを開けると肌寒い空気が広がっていた。しかし、だからこそマンションの三階から見た空はより青く見えた。これからは暗部の仕事のせいで会えないということはなくなる。好きな時に会えて、好きなだけ一緒に居られるのだ。





533: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 00:22:43.21 ID:5xXl8CPDO


青ピ(フレンダに会ったら思い切りイチャついてやろ)

そして、シャツの下に着けているネックレスを取り出し、そこに貼ってあるプリクラを見た。緑の下地と大きなピンクのハートを背景に幸せそうな笑顔でキスしている自分と金髪の彼女。その周りに赤く小さなハートが踊っており、極めつけには丸っこいかわいらしい文字で『アクト・フレンダ』『ずーっと一緒(はぁと)』と上下二文に分かれて書かれている。

あまりにこっぱずかしくて、それでいて甘くて、感情が昂ぶって、気付けば自分でも分かる程に顔が真っ赤になっていた。

青ピ「…あ、アカンアカン!まずは学校が先やって!」

自分に言い聞かせるように声に出し、頭を振る。ネックレスを大切にシャツとシャツの間にしまい込んで、学校に向かって走りだした。






534: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:01:25.54 ID:5xXl8CPDO


-同日夕方、学園都市某所

青ピ「♪~」

ようやく学校も終わり、フレンダの家へと向かった。学校自体はつまらない訳ではないのだが、なにせやってる授業の内容が簡単すぎて退屈なのだ。10秒あれば解けそうな問題をノロノロと解説されれば嫌気も差す。

しかし今はそんなものから解放され、愛しの彼女の家に向かっているのだ。自然と鼻歌でも歌いたくなる。

青ピ(そう言えばカラオケデートってまだしたことなかったな)

『ウォール』のメンバーとは散々行ったカラオケもフレンダとは行ったことはなかった。あの薄暗い空間でフレンダと二人きり…考えただけで言葉じゃ表せない感情がどんどん沸いて出てきた。

青ピ(よーし、次のデートはカラオケだな。フレンダって何歌うんだろ)

フレンダの家に向かいながらも次のデートプランを立てていく。もう頭の中は一人の少女のことでいっぱいだ。久々に聞ける彼女の声に、久々に感じることできる彼女の温もりにしばらく思いを馳せていた。




535: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:03:09.22 ID:5xXl8CPDO


(っと、忘れてた)

フレンダの住むマンションまであと少しというところで、青髪ピアスは能力を使った。理由は簡単。見られたくないから。フレンダの家に行く時はいつもそうだった。もし見られて、勘ぐられてしまったらどんな結末が待っているのか…

(ん?でももう見られてもいいのか?)

しかし、それは暗部にいた時の話。もはや暗部でない青髪ピアスはフレンダの彼氏ということを胸を張って宣言しても構わない。

だが、

(学園都市の仕組みが変えられた、ってのが分からないよなぁ。暗部組織について何かが変えられたってのは間違いないはずだけど…完全消滅なのか、規模の縮小なのか)

なにせ与えられた情報が少なすぎる上に曖昧すぎる。これではさすがに判断がつかなかった。

(…念には念を、だ。使い勝手のいい駒を完全消滅させる可能性は低いし。びっくりさせるのも面白いしな)

結局、能力を使いながらマンションに入ることにした。

オートロックの解除番号を打ち込みエントランスに入る。本来住人以外は知らない番号なのだが、青髪ピアスはフレンダから番号を教えてもらっていた。そして、エレベーターに乗るころにはフレンダの驚く顔を思い浮かべてニコニコと笑っていた。




536: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:11:50.60 ID:5xXl8CPDO


(さーて、どんな顔するかな)

青髪ピアスは能力を使ったままフレンダの家の扉の前にたどり着いた。フレンダを驚かせようとするイタズラ心からか、久々にフレンダに会えるからか、心臓はいつもよりも高鳴っており、顔のニヤニヤはどうやっても直せない。

とはいえ、能力を使った状態なら誰かに心音を聞かれることもなく、表情を見られることもない。だからそのままの状態でマンションの一室のインターフォンを鳴らした。

ピンポーン、というお決まりの音が響く。そこからの間、青髪ピアスの心音はさらに高鳴り、ワクワクした気持ちで心は踊った。




537: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:12:51.23 ID:5xXl8CPDO


しばらくして、ガチャ、っという音がインターフォンからした。

『…』

だが、音がしただけでなんの反応もない。確かに出たはずなのだが…

「僕や、僕」

仕方ないからこちらから呼びかける。向こうから見えてるなら、きっと驚いたはずだ。なんの連絡も無しに急に彼氏が訪れたのだから。

???『…Well、どちら様?』

「…は?」

だが、返ってきた声からは驚きよりも疑問の色が強く聞き取れた。というより声の高さも違うなら質も違う。

「あはは、変な真似せんでええがな。ええから出てきてや」

きっとこっちのイタズラにいち早く気付いて悪ノリしてるんだな。青髪ピアスはそう思った。

(まったく、テンプレ通りにいかないなぁ。初めてデートした時もそんな風に笑って言ってたっけか…)

ガチャリ、と扉が開いた。ようやく1ヶ月間恋い焦がれた彼女との対面。青髪ピアスの鼓動が高まる。




538: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:14:46.09 ID:5xXl8CPDO


だが

「うぉわあ!?」

???「」

出てきたのはかわいらしい金髪の彼女ではない。ギョロ目の黒髪ゴスロリ女だった。

???「…Well、人の家に押し掛けて失礼な態度をとった人の顔を一目拝みたいのだけれど」

「え、え…あ…す、すんません」

期待していた状況とのあまりのギャップに狼狽していたが、とりあえず能力を切った。まさか驚かせるつもりがこっちが驚かされるとは。

???「…Alas、さすがにあなたにローリングソバットはできないわ」

青ピ「へ?僕のこと知っとるんか?もしかしてフレンダの知り合いか?」

???「フレンダがどなたかは知らない。However、あなたは知ってる。Level5第六位の【隠密行動】。Add、暗部組織のリーダー格」

青ピ「! なにもんやアンタ…」

青髪ピアスを【隠密行動】として認識している以上、ただの一般人ではない。そして暗部の存在を知ってるあたり明らかに裏社会の住人だ。




539: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:17:09.19 ID:5xXl8CPDO


???「元研究者で…元とある組織の構成員、かしら」

青ピ「元…?」

???「研究者としては首になった。Then、構成員としても首になった。あなたも同じはずだけど」

青ピ「…学園都市の仕組みが、っちゅうやつか?」

???「Exactly、その通りよ」

どうやらこのギョロ目女もどこかの暗部に所属しており、青髪ピアスと同様に追い出された様だ。となると、フレンダと同じ暗部に所属しているのかも知れない。もしかしたら、青髪ピアスよりも事態を把握しているかも知れない。

だが、今はそんなことはどうでもいい。

青ピ「ちゅうかなんでアンタがここから出てきてん?フレンダは?」

???「だからそのフレンダっていうのはどちら様?」

疑問を疑問で返された。青髪ピアスはだんだんイライラしはじめた。ようやく会えるはずの彼女に会えず、訳の分からない問答をしているのだ。ムリもない。

青ピ「だーかーら、この家の住人や。アンタの組織におったやろ?金髪の女の子」




540: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:18:12.93 ID:5xXl8CPDO


???「…私はつい先日ここに越してきた。私が所属していた組織に金髪はいなかった。Because、私はそんな人物は知らない」

青ピ「…はあ?」

つい先日ここに越してきた?何を言っているんだこのギョロ目。

???「私が越してくる一月程前からここは空いていたわ。少々言いづらいけど…前の住人は引っ越したのでは?」

青ピ「…んなアホな…」

青髪ピアスは完全に混乱していた。この女が嘘をついているとは思えない。というか、嘘をつくメリットが見当たらない。ならば、フレンダは本当に引っ越した?何も告げずに?

???「Well、そろそろいいかしら?精神的に不安定になってきた裏の人間の前に立っていたくはない」

青ピ「ちょ、ちょお待ってくれ。なんか私物とか残っておらへんかったか?こう…ベレー帽とか、缶詰とか」

???「私が下見に来た時から備え付けの家具以外は無かったわ。Beside、私を探っても私は前の住人について本当に何も知らない。Because、これ以上の問答は無意味よ」

青ピ「…」

???「…そんな顔されても…申し訳ないけど、あなたの力になれることは何もない。お引き取り願えるかしら?」







541: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:20:23.84 ID:5xXl8CPDO




青ピ(…なにがどうなってんだ…)

青髪ピアスはマンションを出て大通りを歩いていた。ほんの30分前までは同じ道をこれ以上ないほど上機嫌で歩いていたのに、今は微塵もそんな感情はなかった。

青ピ(…フレンダに何かあったのか?連絡も取れないし、家にも居ないなんて…)

青髪ピアスはいよいよ本格的にフレンダの心配をしはじめた。今までも心のどこかで心配してはいたが、それ以上にフレンダとフレンダを取り巻く環境に対する信頼があったために安心しきっていたのだ。

青ピ(…フレンダについて調べるべきだけど…調べていいものか?)

フレンダのことを調べるとなると、フレンダの所属している暗部組織について調べることにもなる。今までは互いの暗部に関する情報はプライベートなものだけに限ってきた。そうでなければ、万が一の場合、どちらかの暗部組織が崩壊してもおかしくはない。




542: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:22:19.27 ID:5xXl8CPDO


青ピ(…関係ない。俺はもう『ウォール』のリーダーじゃないんだ。仮にフレンダの組織が活動してたらそのままその組織で活動すればいいか)

青髪ピアスはLevel5の第六位で今まで暗部組織のリーダーをやっていたのだ。『ウォール』解散の事実を証明した上でならフレンダの組織が青髪ピアスの加入を拒むことはないはずだ。

青ピ(フレンダといるためには再び裏社会に逆戻りの可能性もある、か。やっぱり神様は意地悪で、変なところで気が効いてるな)

そもそも今の青髪ピアスの名前は『悪人』。その名付け親と一緒に再び裏社会に舞い戻れと言われている様なものなのだ。

青ピ「やったるか。情報収集」






543: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:24:04.81 ID:5xXl8CPDO


-同日夜、第十七学区某所

青髪ピアスは今までのルールを侵し、フレンダが所属している暗部組織の情報収集をすることにした。

だが、今の青髪ピアスはただの学生。正攻法で暗部の情報が得られる訳がない。ここは科学の街、学園都市だ。ネット上のセキュリティも通常のものとは段違いである。そんな街だから【守護神】の存在まで噂されている。電撃使いの高位能力者や、相当腕に自信のある者などでなければハッキングなど不可能だ。

青髪ピアスは学園都市第六位の頭脳を有しているが、だからといってハッキングが上手くいく理由にはならない。ことハッキングにおいて必要なのは頭脳よりも技術。そしてセンスだ。

しかし、そもそも青髪ピアスはハッキングなどしない。青髪ピアスが欲しいのはフレンダに関する情報。ならば必要なのはハッキングの技術ではなく、情報収集ができる環境。




544: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:25:06.07 ID:5xXl8CPDO


(またここを使うことになるとはな…)

青髪ピアスは能力を行使してとある小さなビルに潜入していた。実はこのビル、学園都市統括理事会の一人の隠れ家である。今は初老の管理人を除いて誰もいないが、いつでも利用できるようにきっちりと手入れはされている。

学園都市で最高の権限を持つ者のパソコンからならば、ネット上合法的にあらゆる情報を調べられる。青髪ピアスはすでにここを何回か活用している。過去にこのビルの護衛任務が回ってきたことがあり、その際に護衛ついでにセキュリティや勝手について把握していた。

以後、上からの任務に疑問を感じた時などはちょくちょく利用して内情を調べていた。






545: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:26:10.06 ID:5xXl8CPDO



先ほどこっそり拝借したマスターキーを使い、とあるフロアの扉を開ける。もちろん、監視カメラはとうの昔に封殺している。能力も使っているので、万が一にも直接見られることはない。

暗い部屋にはデスクとパソコンが一台、それと椅子だけがおいてあり、両脇にはびっしりと本棚が並んでいた。一歩踏み入ると先ほどまでの固い廊下と違い、柔らかいじゅうたんの感触がした。

(さて…)

早速パソコンを起動させる。最初に簡単なパスワード入力の画面が表示されたが難なく突破する。すると、シンプルな背景といくつかのアイコンが表示された。

(はじめるか、情報収集)

青髪ピアスはカタカタとパソコンを操り始めた。






546: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:28:14.46 ID:5xXl8CPDO



キーワードは『フレンダ=セイヴェルン』、そして彼女の口から一度だけ聞いた組織の名称『アイテム』。それだけを頼りに『書庫』を初めとするあらゆるデータベースから情報を検索する。

(…あった。暗部組織『アイテム』…構成員、麦野沈利、滝壺璃后、絹旗最愛、フレンダ=セイヴェルン…)

目当ての情報はすぐに見つかった。そこには『アイテム』の構成員と写真、簡単なプロフィールが記載されていた。

(やっぱり組織は活動を停止して解散…ん?解散したのは10月9日?)

『ウォール』が解散されるよりも早く『アイテム』は解散されていた。より詳しい情報を知るべく、青髪ピアスは収集を続ける。

(暗部組織同士の抗争!?…『スクール』が学園都市統括理事長との直接交渉権を求めて反乱…『アイテム』『メンバー』が抗戦…)

更なる情報を求めて青髪ピアスはその事件の一連の流れが記載されたページをスクロールしていく。だが、途中で信じられない文字が並んでいた。





547: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:29:17.10 ID:5xXl8CPDO





-その際、フレンダ=セイヴェルンは麦野沈利により殺害され-








548: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:31:02.94 ID:5xXl8CPDO



青ピ「…は?」

頭が真っ白になった。思わず演算も中断した。世界中の何もかもが止まったように思えた。

青ピ「いやいや…んな訳あるか…フレンダやで?」

自分以外にも見えない人間がいるかのように、問いかける。しかし、当然誰も同意しないし否定もしない。ただ、暗い部屋で光るディスプレイには無機質で残酷な文字が変わらず映っていた。

青ピ「ないだろ…だって…一月前まで…一緒に買い物行って…プリクラ撮って……キス……して…」

いくら否定しても文字は変わらない。ずっと同じ文字が映されている。

そして、逆にその文字を肯定するように、次々に個々の情報が繋がる。

連絡がつかなくなったタイミング、解約された携帯電話、マンションの新しい住人…

青ピ「そんな…そんな…」

青髪ピアスの中で様々感情が混ざり合い、ぐちゃぐちゃになる。数分の間、青髪ピアスは微動だにしなかった。できなかった。自分の中で整理が追い付かず、ただただ無機質な文字を見ていた。





549: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:32:02.35 ID:5xXl8CPDO


そして、最後に出てきた感情は…

青ピ「-っざけんな!!こんなことがあるか!!」

怒りだった。

青ピ「許さへんぞ!!絶対に許さへん!!何万回でも苦しめたる!!!『麦野沈利』も!!『垣根帝督』も!!」





550: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:33:11.59 ID:5xXl8CPDO






-麦野沈利、下部組織の人員、浜面仕上により殺害される。これを以て『アイテム』を解散とし-





-垣根帝督、『グループ』構成員、一方通行により殺害される。これを以て『スクール』を解散とし-









551: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/24(土) 22:34:04.90 ID:5xXl8CPDO


青ピ「…は、」

苦しめるべき相手はすでにこの世にいなかった。青髪ピアスのいないところで彼の一番大事な人は殺されて、彼の一番大事な人の仇は取られていた。

青ピ「あはは」

彼の感情は行き場を失い

青ピ「あははははははははは!あはははははははははははははははははははははははは!あはははははははははははははははははははははははは!あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!」

彼自身を破壊した。





552: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 21:51:07.31 ID:ED1qtdBDO


-11月中旬朝、学園都市某所



この世に救いはない。青髪ピアスはそう感じていた。

青ピ「…せっかく…二人で…なのに…」

いつまでもぶつぶつと呟き、ふらふらと学園都市を徘徊していた。完全に無気力だった。今は平日で人もまばらな大通りを歩いていた。

最初のころは携帯電話が何回か振動していた。おそらくは『ウォール』のメンバー、上条や土御門、担任の小萌先生あたりだろう。だが、ろくに確認もしなかった。そんな気も起きなかった。最近では電池が切れたのか振動もしなくなった。

ようやく汚い世界から抜け出せたのに、一緒にいてくれるフレンダはいない。もう命懸けの任務なんてないのにフレンダはいない。ちゃんとした別れの言葉も告げられずに、フレンダはこの世界から居なくなってしまった。

青髪ピアスは現実主義者である。だからフレンダの霊なんて存在しないと思っているし、弔おうとも思わない。だからこそ、フレンダの死はより一層の絶望を青髪ピアスにもたらした。

ただただ残酷な現実だけが青髪ピアスに残った。




553: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 21:52:46.57 ID:ED1qtdBDO


青ピ「フレンダ…」

もう何度呟いたことか。しかし、二度と返事が返ってくることはない。もう二度とコロコロ変わる表情を見ることはできない。楽しそうな笑顔も、ふてくされた顔も、恥ずかしがって赤面する顔も、嬉しそうに微笑む顔も、もう二度と見ることはできない。

青ピ「…フレンダ…」

もはや、頭は正常に機能していない。何かをしようにも脳にも心にも大きな穴が空いていて、すべてその穴の中に落ちては消えていくような気がした。しかし、その穴がふさがることは決してない。

もはや、青髪ピアスの目には世界がまともに映っていない。色素が抜けた訳ではないが、世界を構成している何かが消滅した気がした。そのせいか、何を見ても心が動かない。フレンダを捜すかのように、フレンダとデートしたところもいくつか訪れたが、空しくなるだけだった。

ただただ何をするでもなくふらふらと学園都市の街並みを歩いていく。何を見ても、もはや何も感じないのに、いくら捜しても、もはや想い人はいないのに。






554: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 21:54:20.51 ID:ED1qtdBDO



ふいに、どこからか声がした。

「…ぁ!」

「-!---ぉ!」

どこかのカップルだろう。女の声、次いで男の声がした。何やらはしゃいでいることだけは分かった。

今の青髪ピアスにとって、その楽しそうな声は苦痛でしかなかった。自分にはもうそんな風にはしゃげる相手はいないのだから。踵を返して声のする方とは反対の方向に向うことにした。

だが、不幸にもそのカップルの声はこちらに近づいてくる。それもすごい速さで。どうやら、テンションが上がりすぎておいかけっこが始まったようだ。しかも、青髪ピアスいる歩道の角の先で始まったようだ。仕方ないので、少しでも離れられるように大通りを横切り反対側の歩道に移った。

???「だから悪かったって!勘弁してくれ!」

???「あぁ!?テメェこっちが何分待ったと思ってんだコラァ!」

どうやら、カップルの痴話喧嘩のようだ。しかし、それすらも苦痛でしかない。とっとと離れようと再び歩きはじめる。




555: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 21:57:42.12 ID:ED1qtdBDO


だが、その時青髪ピアスは視界の端に異様なものを見た。それは青白い閃光だった。普通に学園都市で生活していても見ることのできない現象だった。

青ピ「…え?」

ふいに、青髪ピアスの記憶が呼び覚まされる。ちょうど一年程前、青髪ピアスはその閃光を見たことがあった。

青ピ(…ちょっと待て)

急に頭にエンジンがかかる。その閃光はどこで見た?どんな状況だった?あの時彼女はなんて…



-「結局、今のは私の仲間って訳よ」-



青ピ「…まさか!」

青髪ピアスはカップルを追い掛けるために走りはじめる。そして、走りながら能力を行使し、誰からも見られないようにする。


そして、そのカップルに追い付いた。ちょうど、金髪の彼氏の方が諦めたように頭を下げて謝っているところだった。

???「分かった!次は遅れないしなんでもお前の言うこと聞いてやるから!」

それを受けて、茶髪の女のテンションがさらに上がる。

???「ほー、言ったなテメェ!なんでも言うこと聞くんだなあ?」

青髪ピアスはその女の顔を確認するために男の後ろ、女の前に回りこんだ。そして、その顔は見たことのある顔だった。もう何日前か覚えていないが、確かにディスプレイにはそいつの顔が表示されていた。




556: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 21:58:30.56 ID:ED1qtdBDO




(馬鹿な…)



???「ああ!だからもう勘弁!な!?」



麦野「今の言葉忘れんじゃねぇぞ、はーまづらぁ♪」


殺されたはずの【原子崩し】麦野沈利が笑顔でそこにいた。







557: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 21:59:29.84 ID:ED1qtdBDO


青ピ(…)

青髪ピアスはしばらく動けなかった。【原子崩し】の顔を確認した後も、【原子崩し】と金髪の男が去った後も。目の前で起きた現実を信じることができなかった。

青ピ「なんで…?なにが…」

今月に入って何度思ったことか。青髪ピアスの頭を、学園都市第六位の頭脳ですら計り知れない事態が次々に起こる。

青ピ「…はは、何言っとんねん。簡単な話やろ」

青髪ピアスの目に生気が戻る。気力が戻ってくる。

青ピ「…続きがあるんや。あの情報収集だけじゃ足りひんかったっちゅうことやろ」







558: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:01:33.45 ID:ED1qtdBDO


-同日昼、第十七学区某所

青髪ピアスは再び学園都市統括理事会の隠れ家に来ていた。

すぐにパソコンを起動し、再び情報収集をはじめる。今回のキーワードは『フレンダ=セイヴェルン』『アイテム』、そして『麦野沈利』

(…【原子崩し】の損失は学園都市にとって大きな損害となるため、【冥土返し】の技術を用いて蘇生を試みる…結果、蘇生に成功…むちゃくちゃだな)

どうやら、【原子崩し】は完全に致命傷だったのに無理矢理生き返されたようだ。これは学園都市の超能力者に対する異様な固執をはっきり表わしていた。

(…現在は義眼と義手を用いて社会に復帰…なるほどな…)

青髪ピアスの目に異様な光が宿る。

(確定だ。コイツは死ぬまで苦しめる。フレンダに手ぇ出しておきながらあんな顔しやがって!)

青髪ピアスは怒りに燃えた。あの女はフレンダのことなど少しも考えていなかった。じゃなきゃあんなに楽しそうに笑っている訳がない。

(…なんであんなヤツを慕ってたんだ…フレンダ…)

しかし、それでもフレンダは【原子崩し】を慕っていた。強くて頼りになると自分で言っていた。今でも自慢気に語っていた顔は忘れられない。




559: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:02:12.77 ID:ED1qtdBDO


(…待てよ?)

【原子崩し】は殺されたはずなのに生きている。なら、フレンダは?確かに【原子崩し】は学園都市の宝とも言える超能力者だ。だからこそ生かされた。一方でフレンダは無能力者だ。学園都市にしてみれば価値などないかもしれない。

(でも…でも死んだはずの人間が生きてたんだ。フレンダだって)

青髪ピアスはさらに『フレンダ=セイヴェルン』の情報を探し始めた。




560: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:08:35.55 ID:ED1qtdBDO



しかし、いくら探しても前回以上の情報は出てこない。それでも青髪ピアスは諦めなかった。そして、その執念は違う形で実を結ぶ。

(…フレメア=セイヴェルン…なんだこの機密ランクの高さ)

いくら探しても出てこないため『セイヴェルン』の部分にヒットしたフレメアの情報が出てきた。しかし、出てきた情報の機密ランクは完全にただの『置き去り』の子どもに対するものではなかった。


(は!?フレメア=セイヴェルンと共にいた浜面仕上が一方通行と接触したため両者及びフレメア=セイヴェルンの殺害を許可!?)

出てきた情報はフレメアを使って重要人物を殺すというものだった。前回同様、その事件の一連の流れが記載されていた。

(『学園都市の機構は変えられた』んじゃないのか!?なんでこんな連中がフレメアちゃんを…)




561: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:10:40.89 ID:ED1qtdBDO


そこまで考えて、青髪ピアスは悟った。そして、自分の頭を思い切りデスクに叩きつけた。

ゴン!という鈍い音が響き渡る。

青ピ「アホか…神様が、この街が、この世界が、そんなに優しい訳ないやろっ!」

そもそも自分で一度思ったはずだ。『使い勝手のいい駒を学園都市が完全消滅させる訳がない』。

青ピ「…殺害は失敗した、か。感謝せなアカンな、第一位。浜面仕上とその一味。そんで、覚悟せえよ『新入生』のバカ共」

青髪ピアスは立ち上がる。とにかくやらなければならないコトは見つかった。麦野沈利、新入生、統括理事会、思い知らせる必要がある。ことフレメアに至ってはまだ確実に生きているのだ。これ以上自分の世界を奪わせやしない。

青ピ「相変わらず、神様っちゅうのは意地悪で、変なところで気が効いとるな。フレンダを殺した悪魔の生存が、僕がもう一度生きる気力を取り戻すきっかけになるなんてな」








562: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:12:12.61 ID:ED1qtdBDO


-同日夕方、第七学区某所

見つけた。【原子崩し】…アレは…【窒素装甲】か…

絹旗「では、また後程会いましょう」

【窒素装甲】と別れたか。ちょうどいい。あの娘がいると厄介だしな。

麦野「…超感謝してますよ、か」

ああ?何言ってやがる?

麦野「あー…ダメね。確かに柄じゃないわ」

…おい、なんて顔してやがる。そんな幸せそうな顔で笑うな!

麦野「…行くか」

ふざけやがって!フレンダを殺しておきながら!そんな顔してんじゃねぇよ!

麦野「が…!?」

…! へえ。

「今ので倒れへんの。さすがはLevel5の第四位やね。せやけど、さすがにかなり脳震盪起こしとるやろ。大人しう眠っときや」








563: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:13:43.72 ID:ED1qtdBDO


-同時刻、第十七学区某所

管理人「…おお、これはこれは。親船さま」

親船「ご無沙汰しております。最近は伺うことができずに申し訳ございません」

管理人「いえいえ、隠れ家に頻繁に訪れては隠れ家ではなくなってしまいます故。…ご使用でしょうかな?」

親船「ええ。見ての通り体調を崩してしまいまして。使用できますか?」

管理人「常に万全でございます。喉か鼻をやられましたかな?そういえばいつもとお声が違いますな」

親船「ええ、まあ」

管理人「…失礼ですが、そちらのお二人は?」

親船「…おや、この二人を連れてくるのははじめてでしたかしら?大戦の間はなにかと物騒でしたので、新しく増やしたのですよ」

黒服A「お初にお目にかかる。」

黒服B「…どーも」

管理人「…いつもの秘書様はいかがなされました?」



564: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:14:50.68 ID:ED1qtdBDO


親船「…ぁー…大戦中は働かせすぎましたので休暇をとらせました。頑なに必要ないと申しておりましたが、あの者は有事の際にこそ必要な存在。休ませることができるうちに休ませねば」

管理人「なるほど、左様でございますか」

親船「ええ」

管理人「でしたら…おや?」

親船「い、いかがなさいました?」

管理人「いえ、マスターキーの方が…ああ、ありましたありました。」

親船「あ、そ、そうですか」

管理人「いやはやお恥ずかしい。いい加減年ですかな」

親船「おやおや、まだまだ現役でいてもらわなければ困りますよ」

管理人「これは手厳しい。後程、精のつくものでもお持ち致しましょうか?」

親船「いえ、少し休んだら行きますので。お気になさらずに」

管理人「左様でございますか。では、ごゆるりと」







565: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/25(日) 22:15:53.67 ID:ED1qtdBDO




親船「…っはあー、固苦しかったんで。ったく、なんで私が親船最中に変装しなければいけないんで」

黒服A「俺か黒妻にやらせる気か?」

親船「…キモすぎるんで」

黒服B「だろうな。つーかコレ脱いでいいか?スーツなんてそれこそ固苦しいんだが…」

黒服A「用心のためだ。着ておけ。」

黒服B「マジかよ…にしても、自分で自分に特殊メイクなんてできるもんなんだな」

親船「高專の友達に頼んでやってもらったんで」

黒服B「…お前どんな学校通ってるんだ?」

親船「今はそんなことどーでもいいんで。さっさと済ませるべきなんで」

黒服A「そうだな。まったく、何をしているんだウチのリーダーは。」

黒服B「大丈夫だとは思うが…ずっと音信不通で家にも居ないからな。Level5で元暗部のリーダーならどんな組織から狙われてもおかしくねぇ」

親船「それもここで調べれば分かるはずなんで」






566: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 22:56:00.19 ID:FgFjHOyDO




黒服A「この部屋だな。」

親船「ええ」

黒服B「うし、じゃあ頼むぜ。霧谷」

親船「あ、やっぱ私が調べるんで?」

黒服B「適役だろ?」

黒服A「だな。」

親船「まあ構わないんで。…? このパソコン、電源付けっ放しなんで」

黒服B「…前に使った時に消し忘れたんじゃねえか?」

黒服A「それなら管理人が気付くだろう。ここまで手入れされているのだぞ?」

親船「親船最中がここ最近この隠れ家を使った記録もないんで。管理人の反応を見てもそれには違いないんで」

黒服B「じゃあ、ほんの数時間前に誰かがこっそりこの隠れ家を使った時に消し忘れたってことか」

黒服A「…誰かは察しがつくがな。」

親船「ここが親船最中の隠れ家だと知っていて、管理人にも気付かれずに潜入でき、ログインのパスワードも知っている人間…」

黒服B「あの管理人もマスターキーが所定の場所になくて探してたからな…何してんだリーダー」

親船「こうなってくると、リーダーがこのパソコン使って調べていたものを洗った方が早そうなんで」







567: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 22:57:29.84 ID:FgFjHOyDO




親船「キーワードは4つ。『フレンダ=セイヴェルン』『アイテム』『麦野沈利』『フレメア=セイヴェルン』」

黒服B「…フレンダ?」

親船「心当たりあるんで?」

黒服B「ああ、確かリーダーの彼女の名前じゃなかったか?」

親船「は?」

黒服A「」

黒服B「え?違ったか?」

親船「違うもなにも…リーダーに彼女なんている訳が…」

黒服B「いやいや、思い切りキスしてるプリクラ見たしよ。チュープリってやつか?」

親船「」

黒服A「お前…それいつ知ったんだ?」

黒服B「こないだの解散パーティーの時だな。まあそん時お前はビブルチしてたし」

黒服A「お前がジュースだと言って酒など飲ませるからだろうが!」

黒服B「ジュースだろ、カルーアなんて」

親船「解散パーティー…あの日のこと全然覚えてないんで」

黒服B「お前はお前でデスボイスでヘドバンしてたしな」

親船「…マジで?」

黒服B「マジだ。まあリーダーもそれなりに酔い回ってたから覚えてないかもしれねえけどよ」

黒服A「とにかく、アイツは自分の女のことをわざわざこのパソコンで調べていた、と。霧谷。」

親船「了解で」カタカタ

黒服B「なんでもその娘も暗部の人間らしくてな。その娘と付き合いはじめてから人生観変わったって言ってたよ。『ウォール』が解散したからこれからは一緒に居られるっつって嬉しそうに…ああ、そう、その娘だ。金髪の」

親船「…レベル高いんで」

黒服B「ん?無能力者って書いてあっけど?」

親船「…そのレベルじゃなくて女子としてのレベルなんで…」






568: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:11:02.22 ID:FgFjHOyDO



黒服A「! この女…」

親船「知ってるんで?」

黒服A「…ああ。一度アイツとこの女が一緒いたところを見たことがある。」

黒服B「じゃあ、やっぱ彼女に違いねえな」

黒服A「だが、俺はこの女は裏のことはなにも知らないと聞いたぞ。」

親船「…? どういうことなんで?」

黒服B「…今は暗部だって知ってたから…どっかでカミングアウトしたんだろ」

黒服A「…あの頃は知らなかった、ということか」

親船「…それで、この彼女さんの所属している暗部の名前が『アイテム』。私たちと同様に現在は活動を停止…あれ?」

黒服B「どうした?」

親船「! そんな…」

黒服A「なんだ。」

親船「…この人…一月前に殺されてるんで」

黒服A「!」

黒服B「な!?」

親船「…任務中に…粛正?殺害人は麦野沈利…この暗部のリーダー」

黒服A「麦野沈利…!」

黒服B「…マジかよ…じゃあリーダーはさっきそれを知って…お礼参りにでも向かったのか?」

親船「…いえ…それが麦野沈利もこの日殺害されていて…」

黒服A「殺害された?」

黒服B「…マジかよ…」

親船「ええ…」






569: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:12:22.71 ID:FgFjHOyDO



黒服A「麦野沈利とは…【原子崩し】の名前ではなかったか?」

黒服B「【原子崩し】?」

親船「なんでしたっけ、それ」

黒服A「Level5の第四位だ。」

黒服B「…そーいやどっかで聞いたことあるような…」

親船「でも、それがどうしたんで?」

黒服A「仮に第四位が殺されたとなれば…うちの第六位は順位が繰り上がるのではないか?そんな一報が届いてもいいはずだ。」

黒服B「!」

親船「言われてみれば…」

黒服A「単純に上の連中が事を荒げたくないだけかも知れぬが…もっと調べてみる価値はあろう。」

親船「了解で…個人データ出たんで。ってアレ?」

黒服A「」

黒服B「どうした?」

親船「…私この人にロシアで会ったんで」

黒服B「! じゃあやっぱまだ生きてるのか?」

親船「ええ、でも目からビーム出てて腕からビーム生えてたんで」

黒服B「…ビームって生えるもんなのか?」

親船「…それ以外に形容のしようがなかったんで」

黒服A(あの時のロングヘアー…道理で歯が立たぬ訳だ。)








570: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:14:11.42 ID:FgFjHOyDO





親船「…っとまあ、ここまで要約すると『アイテム』は『スクール』交戦。『アイテム』は当時二人が戦闘不能、二人が死亡。うち片方は無理矢理生き返された、ってとこなんで」

黒服B「…ここまで最後のキーワードが出てきてねえけど」

黒服A「『フレメア=セイヴェルン』か…」

親船「ああ、それなら一番最初に調べはついてるんで」

黒服B「は?」

黒服A「どういうことだ?」

親船「このパソコンに触れた時に開かれていたページ…そこに『フレメア=セイヴェルン』のことがつらつらと書かれてたんで」

黒服B「…どんな内容だった?」

親船「詳しくはまだ…なんなら全員で読んだ方が早いんで」







571: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:15:52.51 ID:FgFjHOyDO




黒服A「ふむ…」

親船「…どうやらリーダーの彼女の妹みたいなんで」

黒服B「…ッカヤロ…」ボソッ

黒服A「? どうかしたか?」

黒服B「…イヤ、なんでもねぇ」

黒服B(あんのバカゴリラ…だからやめろっつっただろうが!)

親船「…とにかく、問題なのは妹ちゃんが『新入生』に狙われたページを見て、うちのリーダーがこの部屋を去ったってことなんで」

黒服A「そうだな。…途中で出てきた『多数の駆動鎧』『シルバークロース』はあの時の連中で間違いないな?黒妻。」

親船「なんの話で?」

黒服B「…俺と横須賀でツーリング行こうって日に地下街で駆動鎧の暴動があったんだ。見たことねえキモい形した駆動鎧だったし、どう見ても警備員の正規装備じゃなかった」

黒服A「裏社会は抜けたが、裏社会の事情については知っておいて損はないだろう。かなりおざなりな撤退だったので単車で追跡するのも簡単だったぞ。まあその理由も今分かったが。」

親船「左様で」





572: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:17:06.62 ID:FgFjHOyDO



黒服A「…ここまでくれば、アイツが何をするかも予想がつくな。」

黒服B「お礼参り…イヤ、それだけじゃないか」

親船「リーダーなら…【原子崩し】すら殺すかどうかも怪しいんで」

黒服A「…殺しもせずに裏社会にどんどん引きずり込んできた、優しくて残酷なうちのリーダー様ならな。で、俺たちはどうする?」

黒服B「おいおい、聞くまでもねえだろ?」ニヤリ

親船「リーダーの人生観がこの人と付き合うことで変わったのなら…きっと間接的に恩人なんで」

黒服A「…行くか。準備を整えるなら第三学区のアジトだろう。」






573: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:18:45.01 ID:FgFjHOyDO


-同日夜、第三学区『ウォール』アジト


麦野「…なるほど、フレメアが言ってた『アクト』っていうのはテメェの能力名か」

青ピ「…半分正解や。もう半分は暗部組織のリーダーなんかやっとる『悪人』やから『アクト』や。まあ、アンタに比べたら僕なんかよっぽど善人やろうけどな」

麦野「ああ、そうだろうよ。異論の余地もねえ」

青ピ「ホンマや。ようもフレンダのこと殺しといて、フレメアちゃんと僕の名前が出るような会話ができる仲になれるな。どないな神経しとんねん」

麦野「…あの子と親しくなるつもりはない」

青ピ「いやもうなっとるやんけ」

青髪ピアスは【原子崩し】を捕縛した。姿を消しながら思い切り顎を殴り、それでも倒れなかったのでもう一発いれて完全に気絶させた。

近くで見る恋人の仇はそれはそれは憎らしく、目が覚めてもその態度はやはり憎らしかった。青髪ピアスは今すぐにでもこの女をズタズタにしてやりたい衝動に駆られていた。しかし、それはしない。それ以上に聞きたいことがあった。

青ピ「…なあ、ひとつだけ聞かせてくれへん?」

たった一筋の…どうしても捨てきれなかった希望…

麦野「…なんだ?」







574: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:19:46.72 ID:FgFjHOyDO




青ピ「フレンダは…ホンマに死んだんか?」



麦野「-ッ!」

青ピ「資料を見た限りじゃアンタは確実に致命傷を負ってたはずや!腕が吹っ飛んで!目ん玉くりぬかれて!どてっ腹に5発も銃弾ぶちこまれて!それでもアンタは生きとる!そんなら…そんならフレンダやって!」

フレンダはまだ生きている。ほんの僅かな希望だった。希望、というよりも青髪ピアスの願望だった。あの声も、あの表情も、あの温もりも、諦めることはできなかった。

到底、現実主義者と言える思考回路ではない。どう見てもフレンダは死んでいる可能性の方が高い。だが、青髪ピアスはその現実だけは受け入れたくなかった。





575: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:21:28.11 ID:FgFjHOyDO



そして、やっぱり青髪ピアスのそれは願望だった。


麦野「いいや、あいつは死んだ」



麦野「フレンダは…私が殺した」



やっぱり、この世界はそんなに優しくはなかった。


青ピ「…」


麦野「そこまで調べたならフレンダがどうやって死んだかも知ってるんだろう?胴体真っ二つにされて、上半身はそのまま私が持ち歩いて振り回してたんだ。いくら学園都市の技術でも無理だ」


そして、青髪ピアスが思っているよりも残酷だった。





576: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:22:29.28 ID:FgFjHOyDO


青ピ「…なんでや…なんでそんなマネできるんや!フレンダが何をしたっちゅうんや!」

麦野「アイツが仲間を売ったからさ。あの日敵対していた『スクール』の連中にな」

青ピ「仲間を売った!?お前それ本気で言っとるんか!?」

それだけはあり得ない。あるはずがない。他人と付き合うことを、仲間の大切さを教えてくれたフレンダが仲間を売る訳がない。

麦野「…実際あの日、私らのアジトに『スクール』の連中は襲撃してきた。あそこに私らがいることをしってるってことは…」

青ピ「『スクール』に精神感応系の能力者がいるなんて少しも思わんかったんか!?【未現物質】が生半可な手段使うて優しう尋問したとでも思ったんか!?」

麦野「…」

押し黙る【原子崩し】。まさか本当に気付かなかったのか?自分よりも序列が上の超能力者が?

青ピ「…ホンマのことは知らん。すべて知っとるフレンダはもうおらん。話すことも聞くこともできへん。考えることも感じることも、泣くことも笑うことも、フレンダはもうできへんねん」

麦野「…あぁ」

青ピ「僕かてな、お互いが暗部にいる以上どっちかが死ぬかもしれんと覚悟はしとった。せやけど…せやけど!」




577: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:24:00.26 ID:FgFjHOyDO





青ピ「なんでお前に殺されなアカンねん!お前はフレンダの自慢のリーダーやったとちゃうんかい!!」



麦野「…ぇ…」

青ピ「ことあるごとにお前の自慢しとったんや!うっすらとしか話聞いてないだけの僕かて信頼してることなんて一発で分かった!せやのに……せやのにこんなん……薄情すぎるやろ………」

麦野「…」

いよいよ青髪ピアスは涙を堪えることができなかった。そもそも、今の青髪ピアスがあるのは全てフレンダのおかげだ。フレンダが自分の自慢のリーダーを例に挙げてくれたから青髪ピアスは『ウォール』のメンバーに対して一歩踏み出せた。そのリーダーにフレンダが殺されるなど理不尽でしかない。

青ピ「…グスッ…もう、ええわ」

アジトに保管していた黒妻の銃を握る。チャキ、と銃口を【原子崩し】に向けた。

麦野「-待って!私はまだ」

命乞いする【原子崩し】。それは青髪ピアスには許せないものだった。

青ピ「そうやって命乞いしたフレンダを殺したとちゃうんかい!何を今さらガタガタ抜かしとんのや!」

【原子崩し】は口を閉じた。こんな悪魔でも道理は通じるらしい。

青ピ「…せめてこれから苦しめや。何万回でも後悔せぇ」

パァン、という乾いた音が部屋に響いた。





578: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:25:44.61 ID:FgFjHOyDO


青髪ピアスはしばらく血を流す【原子崩し】を見つめていた。泣いていたせいか肩が上下に小刻みに動き、それに合わせて息も荒くなっていた。

???「よろしかったんで?」

ビクン、と青髪ピアスは身体を強張らせた。後ろから急に声がしたためだ。しかし、振り返らない。

青ピ「何がや」

???「お前の惚れた女はその行為を許すのか?ということだ。」

…まったく、どこで調べてきたのやら。

青ピ「許すも許さないもないやろ。フレンダはもうおらん。僕がなにしようが知ることもできへんし、しゃべることもできん。死んだ人間が許す許さへん言うんは生きとる人間の一方通行な幻想や」

???「相変わらず、現実主義者だな」

青ピ「…ちゅうかな、」

そこで青髪ピアスはようやく振り向く。いつものメンバーがそこにいた。

青ピ「君らなんでこんなとこおんねん!『ウォール』は解散や言うたやろ!」







579: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:26:47.06 ID:FgFjHOyDO




黒妻「悪いなリーダー。俺らアンタが何するか全部知ってるんだ。さすがに【原子崩し】に奇襲かけるとは思わなかったけどな」

青ピ「な…!?…せやったら余計に意味分からんわ。ここが危ないって分かっとってなんで居んねん」

霧谷「私も協力するからに決まってるんで」

青ピ「はあ!?何言うてんの、霧谷ちゃん!」

横須賀「当然、俺と黒妻もだ」

青ピ「はあああ!?」

黒妻「『ウォール』の幹部が総出で当たれば一晩で粗方終わるだろ。この手の計画は早く終わらせるに限る、って言うのはアンタの台詞だぜ?」







580: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:27:28.19 ID:FgFjHOyDO




青ピ「…せやけど、君らにメリットなんかない。少しでも下手踏んだら学園都市を敵に回す。ハイリスク・ノーリターンやんか」

霧谷「まあ、リーダーの彼女と言ったら間接的に命の恩人なんで」

横須賀「世話になった者のためとあらばこの【内臓潰し】の横須賀、惜しみなく力を貸すぞ。」

黒妻「仲間が困ってんなら動く。それだけだよ」







581: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:28:26.19 ID:FgFjHOyDO




青ピ「…ホンマ…なんやねん君ら…仲間甲斐がありすぎるやろ」

青髪ピアスの目から一筋の涙がこぼれた。かつて、暗部組織に君臨していた『悪人』に、今や立派な仲間がいた。

青ピ「もう一度だけ確認させてや。今回は隠ぺいしてくれる理事会も、給料くれるスポンサーも、後始末してくれる下部組織もおらん。おまけに下手踏んだら学園都市の汚い連中そっくりそのまま敵に回すかも知れん。それでも僕に協力してくれるんやな?」

霧谷「当然で」

横須賀「まったく問題はない。」

黒妻「ああ」

青ピ「…ほな、甘えさせてもらうわ!みんな、ホンッマにありがとうな!」





582: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:29:16.83 ID:FgFjHOyDO






黒妻「やんのかい?俺ァ相当強ぇぞ?」





霧谷「追ってこない…が、油断は禁物なんで」






???「この【内臓潰し】の横須賀、幼い少女をダシに使うような根性無し相手に容赦はせんぞ。」






「僕も結構なフェミニストなんやけどね。君と【原子崩し】だけには手加減できひんよ」








583: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:31:16.42 ID:FgFjHOyDO


-後日、第十学区墓地


計画は成功した。そして、青髪ピアスはフレンダの墓の前にいた。


青ピ「フレンダ…」


青髪ピアスの身体が震える。


青ピ「なんでお前が殺されなくちゃいけないんだよ…」


青髪ピアスの目から涙が零れる。


青ピ「来年は、まともなクッキー渡すって、言っただろ…ヒグッ…まだ…観覧車にも……乗って、ないだろっ……うぅ……!!」




青ピ「ずっと…ヒック……一緒に、いて、くれって、言っただろうがぁ…!フレンダぁ!」







584: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:34:14.47 ID:FgFjHOyDO






青ピ「…グスッ……出会うて……別れて………僕の『自分だけの現実』はもうめちゃくちゃや…」



青ピ「ホンマ…一体僕のことどないしたいねん…」



青ピ「『アイテム』の連中…フレメアちゃんの言う通りなんやろうけどな…俺は絶対許さん。お前を殺したヤツを許せるほど、俺は善人じゃない。『悪人』だ」



青ピ「そんな連中にフレメアちゃんのこと託しちまったけど…もう少しだけワガママさせてくれ。俺はまだ納得してないんだ」



青ピ「本当は諦めるつもりだったんだけどな…フレンダがあの時勧めてくれたおかげだよ」



青ピ「…何言うてんやろな…ただのバッテンの前で…」



青ピ「…また来るわ…ほなな、フレンダ」








585: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:36:05.14 ID:FgFjHOyDO


-同日、第十学区某所

青髪ピアスは墓地を出た。うっすらと開かれた細目は泣き腫らして真っ赤だった。顔にも泣いた跡が見てとれる。

患者着のまま廃れた寒い路地をゆっくり歩く。ちょうど一年近く前も同じようなことをしていた。あの頃も今も、頭の中は一人の少女のことでいっぱいだ。

そんなことを考えるとまた涙が溢れてくる。寒さとは別に身体が震えてくる。喉に鼻の奥に奇妙な感覚が訪れる。再び声を上げて泣きたくなる。




586: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:37:02.43 ID:FgFjHOyDO




だが、青髪ピアスは泣かなかった。泣けなかった。


青ピ(…ほらな)



どんなに『自分だけの現実』を崩されようと、破壊されようと、この考えだけは変わらないと思った。




青ピ(いつだって神様は意地悪で、変なところで気が利いてるな)




587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/27(火) 23:38:13.05 ID:FgFjHOyDO





青ピ「や。久しぶりやね、つっちー」








588: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:12:01.00 ID:6ibdM/fDO


土御門「…お、青ピじゃねえか!奇遇だにゃー!」

相変わらず、このクソ寒い中でも学ランの前を全開にし、下にアロハシャツを着て、サングラスをかけている。そんな金髪のクラスメイトは比較的気さくに話しかけてきた。

青ピ「そうやね。第十学区の、人一人殺しても誰にも気付かれへんようなところでばったり会うなんてホンマに奇遇やね」

土御門「…」

黙り込むクラスメイト。見えないはずのサングラスの奥で輝きが消えた気がした。

青ピ「お互い時間の無駄やし、妙な演技はやめよ…僕のことを『処分』しに来たんやろ?」




589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:14:11.02 ID:6ibdM/fDO


土御門「…驚いたな、いつから俺が『こっち側』の人間だと気付いていた?」

土御門を纏っていた空気が変わる。単に話し方が変わっただけじゃない。いつもチャラチャラした男がここまで変わるものかと内心少し驚いた。

青ピ「出会って3日で怪しいと思ってたんやけど、確信したんは学園都市がアビニョンに奇襲しかけた時やね」

土御門「アビニョンだと…?」

青ピ「あん時の罰則草むしり…僕はアビニョン侵攻の偵察任務が入ってきてたんや。せやから草むしりに行かへんかったんけど…後で上やんに謝りに行ったら、もう一人来なかったヤツがいたって言うてたんや」

土御門「…なるほどな。確かにあの罰則の時間帯、俺は理事会の一人から依頼が回ってきていた」

青ピ「僕からも質問ええか?統括理事会の差し金が来た理由は想像つくんやけど…なんでバレたんや?実行時は全員、監視カメラはおろか監視衛星にすら顔を晒しとらんはずや」

【原子崩し】を狙った時は能力を使っていた。『ウォール』のメンバーは監視衛星に映らない非常用通路から応援に駆け付けた。黒妻と霧谷は屋内、『クローゼット』襲撃時は横須賀ごと姿を消していた。移動には駆動鎧を使い、戦闘時には横須賀は特殊スーツ、青髪ピアスは常に能力を使い続けていた。映像に『ウォール』のメンバーが映り込むはずがない。




590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:15:16.44 ID:6ibdM/fDO



土御門「ああ、その通りだ。統括理事会は今も混乱しているよ。連中の中でお前らは容疑者の一部ではあるが犯人ではない」

青ピ「ならなんでお前がここに来とんねん」

土御門「俺は統括理事会の差し金じゃない。統括理事長の差し金だ。アイツはこの街の全てをお前の知らない方法で把握している」

青ピ「…理事長はんか…。暗部のリーダーになった時に一回だけ会うたんやけど、どっからツッコんでええのか分からんかったわ。つーかツッコんでええのか分からんかったわ」

土御門「ハッ、だろうな」

不適に笑う土御門。統括理事長の情報網がどんなものかは分からないが、今はそれは重要ではない。重要なのは、『処分』にきた土御門をどう躱すか。




591: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:17:01.38 ID:6ibdM/fDO


青ピ「…悪いけど、僕はまだ殺される訳にいかんねん。僕にはまだやることがあんねん」

そう、青髪ピアスにはまだやることがある。そのために恋人の妹を恋人の仇に預けてきたのだから。

土御門「…【心理定規】、か?」

青ピ「…ホンマになんでも知ってるんやね。その通りや。【心理定規】は『スクール』唯一の生き残り。フレンダを捕らえた後で『スクール』がフレンダに何をしたのか全て知っとるはず。僕が知りたいのは真実や。僕がやりたいのは復讐や」

これこそが青髪ピアスの計画以上の望み。エクストラステージの内容だ。なぜフレンダは仲間の居場所を吐かされたのか。そして、それ以上に【心理定規】はフレンダが殺されるきっかけになった組織の一員である。

土御門「どうやって真実を知るつもりだ?【心理定規】がまともに真実を吐くとでも?」

青ピ「せやから僕も諦めるつもりやった…せやけど、僕は一人じゃないんや。僕なんかのために動いてくれる仲間がおるんや」

『ウォール』構成員、横須賀。彼の能力は読心である。ならば、例え嘘をつこうとも真実は知ることができる。




592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:18:55.82 ID:6ibdM/fDO


土御門「…異能力者程度の横須賀が大能力者の【心理定規】に対して読心ができるとでも?」

対して、【心理定規】は精神感応系の大能力者。精神系に関するエキスパートの彼女なら当然、自分の精神を防衛するくらいの術は十二分に心得ているはずだ。

青ピ「まともにやったらできへんやろな。せやけど、ふん縛って自白剤ぶち込めば質問に対するYES・NOくらいは分かるはずや」

そもそも、自白剤とはそこまで万能ではない。ここが学園都市であったとしてもだ。せいぜいが意識を朦朧とさせる程度。

だが、朦朧とした意識の中で、【心理定規】が圧倒的不利な状況下でなら?【心理定規】に対して横須賀が読心することも不可能ではないはずだ。

土御門「解せんな。故人のためにそこまで動いて何になる」

青ピ「…それでも動かな気が済まんのや。きっとお前も舞夏ちゃんが殺されたら分かるで」

瞬間、土御門を纏っていた空気が更に変わる。なるほど、この殺気はただの学生に出せるものではない。裏社会で生きる者にしか出せないものだ。





593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:20:37.66 ID:6ibdM/fDO


土御門「…お前何か勘違いしてないか?」

青ピ「…なに?」

土御門「俺はすぐさまお前を殺せという指令を受けた訳じゃない」

青ピ「すぐさま、ね」

あんまりの言い方に青髪ピアスは苦笑した。しかし、目の前の金髪は構わず続ける。

土御門「『ウォール』の暗部復帰。それを条件に今回の件を不問にする。これが学園都市統括理事長からの伝言だ」

青ピ「…ええんか?なんで『学園都市の機構が変えられた』か、もう僕は知っとんねんぞ」

麦野沈利について、アイテムについて、フレンダについて一から調べている時、青髪ピアスは暗部に関する情報を片っ端から調べ上げていた。終戦の折、第一位が統括理事会に向けた脅迫。それが暗部解散の理由の全てだ。

土御門「知った上でなら自業自得だろう。開発中の駆動鎧まで晒しやがって」

土御門の言うことも的を得ている。これを一方通行が許すかは分からないが、口実の材料としては悪くはない。




594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:22:59.42 ID:6ibdM/fDO



しかし、青髪ピアスの答えは決まっている。


青ピ「承知できへんな。僕はともかく、他の連中は暗部なんかにおるべきちゃうんや。そもそも、僕のワガママに付き合ったからもっかい暗部に堕ちろ、なんて言える訳ないやろ」


再び、土御門の殺気が膨れ上がる。サングラスがギラリと光ったように見えた。

土御門「…本気で言ってるのかテメェ。お前がLevel5の第六位だと分かっていて、俺がなんの策も無しにお前の前に立つとでも?」

土御門は両手を自身の後ろに回す。恐らくはその両手には武器が握られていることだろう。

青ピ「この街ができて何年経つと思とんねん。いつまでも科学者が大人やお前ら無能力者の味方やと思うなよ?」

対して青髪ピアスも臨戦体制に入る。患者着で、まともな装備もないが、ハッタリだけでもかます。一触即発の空気が瞬時に出来上がった。






595: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:24:51.88 ID:6ibdM/fDO



土御門「…なあ、青ピ」

ふいに土御門がその体制のまま話しかけてきた。

青ピ「…なんや」

土御門「さっきお前は『妙な演技はやめよ』って言ったな」

青ピ「それがどないしたんや」

土御門「学校で俺や上やんと居た時のお前は…全て『演技』のお前か?」

ほんの少し、殺気がしぼんだ気がした。そして、土御門の声には少しばかり悲しみが感じられた。

青ピ「…ちゃうわ。そりゃ、変態でオタクでドMっちゅうのは演技やけどな。それでも、お前らとおる時は楽しかったで」

青髪ピアスの言葉に嘘偽りはない。実際、学校は楽しかった。友達もたくさんできた。デルタフォースという不名誉なくくりも青髪ピアスにとっては居場所の一つだった。

土御門「…そうか。なら言い方を変えよう」

土御門の両手が再び現れる。その両手にはなにも握られていなかった。それでも青髪ピアスは警戒を解かなかったが、次の土御門の言葉で、行動で、一気に解いてしまった。




596: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:27:25.24 ID:6ibdM/fDO




土御門「頼む。上やんのために、お前の力を貸してくれ」


『処分』に来た学園都市のエージェントは青髪ピアスに対して深々と頭を下げた。



青ピ「…は?」

青髪ピアスは一瞬で混乱した。なぜここで彼の名前が出てくる?混乱している中で土御門は頭を上げた。そこにはもう殺意も戦意も無かった。

土御門「上やんは少し前からある勢力に狙われている。世界規模でな」

青ピ「世界規模?どういうことや」

土御門「お前も知ってるだろう。あの右手だ。そのために第三次世界大戦が勃発したと言っても過言ではない」

青ピ「は…はあ?」

余計に混乱した。確かにあの右手は全ての能力を無に帰す力がある。だが、それだけだ。言わば学園都市内のみで有効な力。世界規模で狙われる意味が分からない。

まして、第三次世界大戦が個人レベル、しかも一学生を狙って引き起こされたとも思えない。




597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:28:48.11 ID:6ibdM/fDO


土御門「おかしいとは思わなかったか?上やんが不自然なまでに入退院を繰り返していたことに。全部が全部とは言わんが、アイツはお人好し故にその勢力と戦い続け、ケガをしていたんだ」

青ピ「…信じられへん。って言いたいとこやけど、上やんならあり得そうやなぁ…」

なんせ、困っている人間を見たらどんなに形勢が不利だろうと自分の手で助けようとする人間だ。それが雪だるま式で大きな問題になっていっても不思議ではない、ような気はする。

土御門「嘘だと思うなら上やん本人に聞いてもらっても構わん。その代わり、上やんを助けてやってくれ」




598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:30:28.84 ID:6ibdM/fDO


青ピ「…その勢力がなんの勢力か知らんけど…ええんか?統括理事長が望んだのは『ウォール』の暗部復帰やろ?上やんの…僕の親友のためだけに『ウォール』をまた暗部組織として活動させることなんかできへんぞ」

土御門「構わないさ。Level5が手元に残るとなれば、アイツも承諾するだろう。それよりもアイツ自身が上やんを利用しようとしていることが問題だ。今はまだギリギリ大丈夫だが…」

青ピ「ちょお待ってや!理事長はんはこの街のこと全部知ってんねやろ?そんなこと言ってええんかいな?」

土御門「俺はアイツの前でもこんな感じだ。今さら機嫌取りに回る気もない」

シレッと言ってのける土御門。そもそも、統括理事長を『アイツ』呼ばわりしている時点で普通ではない。

土御門「それで、力を貸してくれるか?もちろん、貸してくれるなら【心理定規】の情報も把握している限りは全て教えてやる。今後、フレメア=セイヴェルンを狙う勢力があれば真っ先に教えてやる」

土御門の言ってることは確かに魅力的だ。提案を呑めば、あの事件の真実を知ることができる。フレメアを守ることができる。親友を助けることができる。




599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:32:13.15 ID:6ibdM/fDO



ここまで言われて、青髪ピアスは苦笑した。


青ピ(やっぱり神様は意地悪だ。どんだけきれいごとを並べてもまた裏社会に逆戻り。そして変なところで気が利いてる。俺にまた大事な人を守るチャンスをくれたんだからな)


青ピ「ええやろ。大事な親友のためや。一肌脱いだる」


土御門「…スマン。恩に着る」


青ピ「気にせんでええよ。お前のためでもあるんやで、親友」






600: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:35:10.78 ID:6ibdM/fDO




-フレンダ



-もしかしたら、俺はこの先の人生で他のヤツを好きになるかも知れん



-俺は現実主義者だ。亡くなった人間のために目の前の人間を避け続けることが難しいことくらい、今なら分かってるつもりだ



-それでもフレンダからもらったもんは今後一生、全部宝物だ



-そして、俺がお前を愛したことは事実だ。お前が俺を愛してくれたことも事実だ



-これから死ぬまで俺の心から消えないことは確実だ



-恥ずかしがらないでもっと思い切りイチャついてやればよかったな。もっといっぱいキスしてやればよかった



-…もしホンマにあの世ってものがあるなら、また会いに行くわ



-ヨボヨボのじーさんになってても引かんでくれな



-今までありがとな。愛してるぞ



-ほなな



-フレンダ







601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:38:38.49 ID:6ibdM/fDO






麦野「フレンダは…私が殺した」




これにて終幕









602: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/03/28(水) 23:44:13.21 ID:6ibdM/fDO

このSSはここまでです。
ここまで読んでくれた皆さま、本当にありがとうございました。


途中で変なこと言い出して申し訳ありませんでした。
おかげさまで一気にいけました。


外伝が長くなってしまいましたが、最後まで読んでもう一度本編を読んでもらっても面白いかなと思います。


数日経ったらhtml化依頼を出したいと思います。
皆さま本当にありがとうございました。



603: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/03/29(木) 00:01:35.77 ID:O1wHnyCmo



いい話だった、本当に



606: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) 2012/03/29(木) 19:53:06.11 ID:yOLP5VwY0

乙過ぎる
こんなに素敵なフレンダは初めてだ フレンダが好きすぎてやばい



608: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/03/29(木) 22:04:19.29 ID:tr9Skb/k0

今まで読んだ中でも最高のSSだった
>>1乙


元スレ
SS速報VIP:麦野「フレンダは…私が殺した」