1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:44:28.35 ID:obeOnWLL0

淡「私は実力から言えば高校100年生だよ」ババーン

照「……」キョトン

誠子「……」アッケ

菫「……はぁ」

菫「バカなのか?」

淡「む。バカじゃないよ。高校100年生だよ? すごいんだよ」

淡「今どき年功序列なんて流行らないし、実力主義こそグローバルスタンダードなんだよ」

淡「もうあれだよね。麻雀の実力による進級制度を一刻も早く導入すべきだよね」

淡「何もかも政治が悪いよ」

菫「ふむ。で、その制度を実施したら、麻雀をやっていない学生はどうなるんだ?」

淡「え?」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:45:36.59 ID:obeOnWLL0

菫「全ての高校生が麻雀をやっているわけじゃないんだ。当然考えるべき事柄だろ?」

菫「確かに麻雀はいまや国民的競技で、競技人口も1億人を超えたといわれているが――」

菫「言ってしまえばそれだけだ。全体で言えば、まだやっていない者の方が多いぞ」

淡「そ、それはそうかもしれないけど……」

菫「なら、一部の強者の為に他を切り捨てるか? 傲慢だな」

淡「う……」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:46:18.59 ID:obeOnWLL0

菫「たとえば、だ」

菫「明日から学校の学年は野球の実力で決定するとなったとき、お前は納得できるのか?」

菫「できないだろ? つまりお前が言っているのは――」

照「……菫」

菫「――ん?」

照「言いすぎ」

淡「ううう……」

菫「あっ」

淡「菫先輩のばかーっ!!」ダッ  ガチャッ  バタンっ



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:47:49.71 ID:obeOnWLL0

菫「……」ポツーン

誠子「あー、やっちゃいましたね。弘世先輩」

照「菫……」

菫「すまない。反省してる」

菫「淡に対して悪意があるとか、嫌いとかそういうんじゃないんだ」

菫「ただなんというかだな……あいつ、反応がいちいち面白いだろ?」

菫「だから、淡の言うことはとりあえず否定したくなって」

誠子「弘世先輩――分かります」グッ

菫「だよなっ」

照「分からないで」

菫・誠子「「ごめんなさい」」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:48:45.89 ID:obeOnWLL0

菫「……照。なんか、いつもより語調が強くないか?」

照「菫?」ジロリ

菫「あ、すみません」

誠子(なんか淡が絡むと、宮永先輩の迫力が増す気がするなあ)

照「……ふぅ」

照「それじゃあ、私は淡を探してくるから」

菫「あ、それだったら私が――」

照「また同じことになっても困る」

照「菫は反省しながら、ここで待ってて」

菫「……はい」シュン

誠子(弘世先輩が宮永先輩にたしなめられて、しゅんとしてる……珍しい光景だ)



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:49:37.75 ID:obeOnWLL0

 ―― 売店 ――

照「淡、こんなところにいたんだ」

淡「あっ、テル」

照「淡、大丈夫?」

淡「さっきのこと? うん、まあ大丈夫ですよ」

淡「菫先輩の言うことも一理あるしねー」

淡「でも、むしゃくしゃしたから、お菓子でも自棄食いしちゃおうかなって」

照「おかし……」

淡「ねえ、テルも一緒に選ぶ? それでお菓子パーティするの」

照「うん」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 00:54:29.46 ID:obeOnWLL0

淡「いっぱい買ったねー」トコトコ

照「うん」モグモグ

淡「……」

照「……」モグモグ…コクン

淡「ねえ、テルー」

照「うん?」

淡「高校100年生って、やっぱりテルもおかしいって思う?」

照「……」

淡「うん。自分でも子供っぽいこと言ってるっていうのは分かってるよ」

淡「でも、私もね。何の考えもなしに言ったわけじゃなくてね……」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:01:24.74 ID:obeOnWLL0

照「……淡」

淡「うん」

照「私は別におかしいと思わない」

淡「本当?」

照「うん。実際に淡はそれを言うだけの実力は備えてると思う」

照「それに菫は麻雀をやっていない人は切り捨てるのかって言っていたけど」

淡「うん?」

照「別に麻雀に限定しなければいいだけの話」

照「一芸に秀でた者はその才能に応じて進級させる、とすれば理には適ってる」

照「だから、そんなに気にすることなんて――」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:02:19.92 ID:obeOnWLL0

淡「テルーっ」ダキツキッ

照「えっ?」

淡「んー、やっぱりテルは優しいよね」ホオズリ

照「淡。急に抱きついてこないで」

淡「あっ、もしかして嫌だった?」シュン

照「別に嫌じゃない」

照「でも、急に抱きつかれたら危ないし、首にぶら下がられたら重い」

淡「えー、女の子に重いっていうのはよくないんだよ、テルー」ムーッ

照「私も女の子だから支える体力はない。現に今も限界に近い」フラフラ

淡「はーい」ピョン



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:04:51.27 ID:obeOnWLL0

淡「でも、ありがとうね。テルに認めてもらえて、本当に嬉しかったよ」

照「別にお礼なんていい。思ったことを言っただけだから」

淡「んっとね……宮永照さん」コホン

照「?」

淡「あなたの麻雀の実力と実績を讃え、ここに高校100年生であることを証明します」

照「えっ」キョトン

淡「実力を考えれば、当然テルも高校100年生だよっ」

淡「えへへ。これで同級生だね、テルー」

照「……」

淡「わわっ、びっくりするから急に頭撫でないでよー」

照「いやだった?」ナデナデ

淡「……嫌じゃ、ないです」


カン!



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:07:09.96 ID:obeOnWLL0

 インハイ後
    三年生の教室
         昼休み

モブ江「宮永さん、後輩の子がきてるよー」

照「?」

モブ江「あ、こっちにくるみたい」

淡「テルー」タタタッ

照「淡?」

淡「あ、先輩。案内してくれてありがとうございます」ペッコリン

モブ江「いえいえ、どういたしましてー」

淡「それで、テルー。お昼ご飯ってもう食べちゃった?」

照「ううん。まだだけど」

淡「それじゃあ、一緒に食べようよ」

照「別にいいけど」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:08:23.03 ID:obeOnWLL0

モブ美「あっ、宮永さん。この子って麻雀部の後輩なの?」

モブ子「インハイの中継で見たよ。大将やってた子だよね。確か、大星淡ちゃんだっけ?」

照「うん。そう――」

淡「違うよ」

モブ子「もしかして名前間違っちゃってた? ごめんね」

淡「ううん。名前は合ってるけど」

淡「私はテルの後輩じゃないよ」

モブ江「え?」

モブ美「???」

モブ子「えっと、どういうこと?」

淡「突出した才能に飛び級を認めるなら、私とテルは麻雀の実力において高校100年生」

淡「つまり、同級生なんだよっ」ドヤァ

モブABC(((何この可愛い生き物!?)))



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:11:10.45 ID:obeOnWLL0

淡「ねっ、テルー?」

照「うん。まあ、そういうことになってる」

淡「えへへー」

モブ美「ねえ、ちょっと宮永さん」コッショリ

照「?」

モブ美「何、この子。ちょっとやばくない? 可愛すぎるんだけどっ」ポソポソ

照「うん……私もそう思う」ニッコリ

モブ美(うっわ、宮永さんの笑顔って初めて見たけど、こっちもやっばい……)



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:11:58.61 ID:obeOnWLL0

淡「そういえば、菫先輩っていないの?」

照「うん。菫は部長の引継ぎがあるからって、最近はいつも昼休みはいない」

淡「……引継ぎ」

照「? 淡、どうかした?」

淡「ううん。なんでもないよ。ただ次の部長って誰になるのかなって。たかみ先輩かな?」

照「うん。それで亦野が副部長」

淡「そっかー……そうだよね。もう、そんな時期なんだよね」

淡「菫先輩がいないんじゃ、今日は二人で、だね。テルはお弁当?」

照「ううん。購買で買うつもり」

淡「あは。一緒だ」

照「そうなんだ。わざわざ誘いに来たぐらいだから、お弁当を用意してるのかと思った」

淡「……ごめんなさい。作れないです」

照「……私も」

照・淡「「……」」ズーン…



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:13:42.67 ID:obeOnWLL0

淡「そ、そろそろ行こうよ。食べる時間なくなっちゃうよ」

照「う、うん。そうだね」

照「それじゃあ、私たちは行ってくるから」

モブ江「はい。いってらっしゃいだよー」ガラガラッ ピシャッ


淡『ねえ、テルは何買うのー?』
照『あんドーナツ』
淡『甘くて、安くて、おいしいよねー』
淡『私はたまごロールかなあ。今日は』
淡『今日は暖かいし、中庭で食べようよ』
照『うん』



モブ美「私も麻雀部に入ればよかったかな」ポツリ

モブ江「え、どうしたの急に?」

モブ子「やめておきなよ。うちの麻雀部の実績知ってるでしょ。どうせ3年間牌拾いだよ」

モブ江「え、牌拾いって何?」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:17:56.40 ID:obeOnWLL0

 放課後
  廊下にて


菫「ん、淡じゃないか」

淡「菫先輩。どうしたんですか?」

菫「いや、特に用があったわけじゃないが、見かけたのでな」

菫「そういえば、淡。昼休みにうちの教室にきたらしいな」

淡「うん。テルと一緒にお昼食べようと思って」

淡「菫先輩は部長の引継ぎだったんでしたっけ?」

菫「ああ。なんだかんだで延び延びとなってしまっていてな」

菫「渋谷には悪いが、少しの合間を縫って引継ぎをしているような状況だよ」

菫「今日もこれから引継ぎ作業の予定だしな」

淡「大変そうですね。ご苦労様です」

菫「……」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:20:23.51 ID:obeOnWLL0

淡「あれ? なんでそんななんとも形容しがたい表情を」

菫「なんでだか分からないか?」

淡「まったくもって!」

菫「うん。そうだろうな」

菫「いいかげん、私もお前にいちいちつっこんでいたら会話が成り立たないと学習したよ」

淡「???」

菫「まあ、一応補足しておくか」

菫「ご苦労様、というのは目上の者が相手をねぎらう時に使う言葉なんだよ」

淡「へー」

菫「……はあ。まあ、いいか」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:23:32.54 ID:obeOnWLL0

淡「ふふん。高校100年生ともなれば、そんな些細なことは気にしないものなんだよ」

菫「まだ言ってるのか、それ」

菫「ああ、そういえばクラスの奴から聞いたぞ」

淡「ふえ?」

菫「うちの教室でもそれを言ってたらしいな。それも、照まで巻き込んで」

淡「そういえば、言いましたねー」

淡「あ、もしかして菫先輩も仲間に入りたかったり?」

淡「でも、菫先輩はせいぜい高校70年ぐらいだからなあ」

淡「高校100年仲間に入れてあげるわけにはいかないんですよ」

淡「ああ。そういえば私は高校100年で菫先輩は70年なんだから先輩っていうのも変かな」

淡「これからは、スミレとでも――」

菫「ていっ」スパーン

淡「あたっ」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:26:42.89 ID:obeOnWLL0

淡「いきなり何するんですかー」

菫「教育的指導だ」

淡「えー。何それ」

淡「……もしかして、菫先輩って私のこと嫌いだったりします?」

菫「はあ……そんなわけないだろ」

菫「理由は今言った通りだよ。お前の悪い癖が出ていたからな。それに対する指導だ」

淡「……わかんない」

菫「だろうな。お前自身は無意識のうちに言っているから、気づいてないんだろうさ」

菫「ちょうどいい機会だから、言っておくか。淡」

淡「はい」

菫「お前は、物事を麻雀の実力を基準にして考えすぎだ」

淡「? そうですか?」

菫「ああ。お前は雀力で、他人を格付けしているだろ」

菫「私の実力がお前に及ばないのは……癪ではあるが認めるさ」

菫「だがな――それだけを根拠に、人を見下すなよ」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:30:03.45 ID:obeOnWLL0

淡「え、見下してなんて」

菫「先の100年生発言にしたってそうだろ?」

菫「学年という形にして相手を格付けしている。ご丁寧に数値化までしてな」

菫「そして、相手を自分よりも劣っていると断じている」

菫「お前が他人よりも強いと自負してるからこそ、な」

淡「そんなこと……」

菫「ない、と言い切れるか?」

淡「……」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:35:39.08 ID:obeOnWLL0

菫「まあ、100歩譲って部内ではいいさ。麻雀の実力こそが求められているのだからな」

菫「だけどだ。それを外に持ち出すな」

菫「前にも言っただろ。この世は麻雀が全てじゃないんだから」

菫「いらぬ誤解を受けるだけだぞ」

淡「……うん」

菫「それに、だ」

菫「自覚がないようだから言っておくが、お前は人から注目される立場なんだぞ」

淡「え?」ポカーン



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:37:34.29 ID:obeOnWLL0

菫「何を呆けた表情をしてるんだ」

菫「一年生にして名門白糸台のレギュラー。それも大将を務め」

菫「照と共に史上初のインハイ三連覇の立役者となったんだ。注目されないはずがない」

淡「……あ」

菫「そして、注目されると同時にそれをやっかむ輩も現れる」

菫「そういった連中にとって、今のお前の言動は恰好の餌食だろうな」

菫「詰まらないことで敵を作ってもしょうがないだろ?」

菫「照ほど極端にしろとは言わないが、そろそろそういった配慮も身につけておけ」

菫「まあ、損にはならないだろうから」

淡「菫先輩……」

淡「もしかして、私の為を思って言ってくれてたんですか?」

菫「まったく、お前という奴は……。今まで私が意地悪で言ってるとでも思ってたのか」

淡「うん!」

菫「てりゃ」スパコーン

淡「あうちっ」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:40:15.37 ID:obeOnWLL0

淡「うー。また、きょーいくてきしどー?」

菫「いや。今のは単にイラっとしたから」

淡「ぶー。なんですか、それー」

菫「……まあ、いじわるな気持ちが全くないとは言わないけどな」ボソッ

淡「? 何か言いました?」

菫「いいや?」

菫「それよりも、だ。少しは自覚しろよ?」

菫「これからの部長は渋谷で、副部長は亦野だが――エースはお前なんだから」

淡「あっ……」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:46:02.08 ID:obeOnWLL0

菫「お前のことが嫌いかだって? そんなはずがないだろ」

菫「お前の実力だって誰よりも認めている」

菫「照の後を継げるのはお前しかいないよ、淡」

淡「菫先輩……うん。これからは気をつけます」

菫「ああ、そうするといい」

菫「すまないな、説教くさくなってしまって――も何も、説教そのものだったな」

淡「あはっ」

菫「ふふっ」

菫「ああ、それとだな。淡「あっ、テルと一緒に帰る約束してるんでそろそろ行きますね」」

淡「菫先輩、それじゃあまたねっ」タタタッ

菫「お前が私のことを『スミレ』と呼びたいのなら別に――って、あれ?」ポツーン



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:46:43.96 ID:obeOnWLL0

 校門前。


淡「テルー。お待たせー」

照「ううん。それほど待ってない」

淡「それじゃあ、行きましょー」

照「うん」テクテク

淡「ねえ、テルー。ドーナツ食べていこうよ」

照「ドーナツ」

淡「うん。ポイント貯めて、あのライオンのぬいぐるみも欲しいし」

淡「がおーって吠えるらしいよ。あのぬいぐるみ」※現在は吠えないみたいです

照「わかった。それじゃあ寄っていこうか」

淡「ありがとう。テルー」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:53:08.13 ID:obeOnWLL0

淡「あ、そういえば、さっき菫先輩に会いましたよ」

照「そうなんだ」

淡「これからも引継ぎの作業があるんだって。大変だよね」

照「そうだね。それに、菫は進学するからその準備もしなきゃいけないし」

照「クラスでも大変そうにしてる。倒れなければいいけれど……」

淡「進学……かぁ。菫先輩、大学に行くんだ」

照「菫は頭もいいし、かなりレベルの高いところを狙ってるみたい」

淡「ふぇー。本当、大変そうだー」

照「菫は本当にすごいと思う」

淡「うん。そうだね」

淡「……テルは、どうするつもりなの?」

照「私は、プロになるつもり。菫と違って、私には麻雀しかないから」

淡「そっか。テルならプロでもすぐに頂点に立てるよ」

照「ありがとう」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:54:55.84 ID:obeOnWLL0

淡「そういえば、さっき菫先輩が私のこと褒めてくれたんですよ」

淡「テルの後継者は私だって」

淡「菫先輩が私のことをそんな風に思ってくれてたなんて、ちょっと意外でした」

照「そんなことない。菫はいつも淡のこと褒めてたよ」

照「淡の前では絶対に言わないようにしてたみたいだけど」

淡「えー、なんですかそれー」

照「きっと照れくさかったんだよ」

照「私も菫と一緒。これからの白糸台を引っ張っていくのは淡だと思ってる」

照「それに、私の後を継いでくれるのが淡だったら、個人的にも嬉しい」

淡「えへへ、なんか照れちゃいますね」

淡「そっか、照と菫がいなくなったら、私がエースなんですね」

淡「……」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:56:25.22 ID:obeOnWLL0

淡「……いやだよ」

照「え?」

淡「ねえ、テル」

照「なに?」

淡「私たち、本当に同級生だったらよかったのにね」

淡「私とテルが高校100年生で同級生なら、離れ離れにならないで済むのに」

照「淡……」

淡「白糸台の次期エースとかテルの後継者って言われるのは、嬉しいし、光栄に思うけど」

淡「私はそんなことよりも、テルと一緒にいたかったよ」

淡「いやだよ。テル、私を置いて卒業しないでよ」

淡「私を一人にしないでよ……」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 01:57:34.31 ID:obeOnWLL0

照「……ごめん」

淡「……ううん。私の方こそ、ごめんなさい」

淡「無茶なことを言ってるのは、自分でも分かってるから」

照「……淡」

照「……」ダキッ

淡「わぷっ」

淡「テル? どうしたの?」

照「ちょっと待って。覚悟を決めるから」

淡「???」

照「……うん。よし」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:05:15.50 ID:obeOnWLL0

照「ねえ、淡」

淡「えっと、はい」

照「私と淡は年が違うから、一緒に卒業はできない」

淡「……うん」

照「でも、たとえばね。私と淡が付き合ったとすると、先輩も後輩もない」

照「二人とも一年生だよ。恋人一年生」

照「一年生同士で同級生なんだから、卒業する時ももちろん一緒」

照「……そういうのは、どうかな?」

淡「えっ? テル、それって」

照「……」

淡「もしかして……告白だったり?」

照「……うん」コクリ



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:06:18.02 ID:obeOnWLL0

照「淡が嫌だっていうなら、もちろん無理強いはしないけど……」

淡「嫌なわけなんてないっ」

照「……よかった。それなら」

淡「うん。付き合おうよ、テル。ううん、私の方からお願いしたいぐらいだよ」

淡「テル、私と付き合ってください」

照「うん。こちらこそ、よろしくお願いします」

淡「あはっ。テル、顔が真っ赤だよ」

照「そういう淡も人のこと言えない」

淡「えへへ。嬉しいな。テルと付き合えるなんて、まるで夢みたい」

照「うん。私も同じ」

淡「あ、でも、テルー。さっき一つだけ間違えてたよ」

照「え、なに?」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:09:56.14 ID:obeOnWLL0

淡「二人が恋人になったら、卒業する時も一緒だって言ってたけど」

淡「私とテルが恋人を『卒業』することなんてないよ」

淡「ずっと二人一緒でね。毎日を過ごしていけばそのうち――」

淡「恋人100年生だよ!」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:11:17.05 ID:obeOnWLL0

照「うん。そうだね」

照「すると大変だ。恋人100年生になるには長生きしないと」

淡「うん。でも、二人一緒ならきっと大丈夫だよ」

照「そうだね」

淡「ねえ、テルー」

照「なに?」

淡「大好きっ」

照「うん。私も好きだよ、淡」



もいっこ、カンっ!



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:17:56.11 ID:obeOnWLL0

【おまけ。その後の菫さん】


菫(私はせいぜい高校70年ぐらい――か)

菫(どうも、昨日淡に言われた言葉は、思いのほか私を射抜いていたのか)

菫(あいつらとの差は30年程、か)

菫(まあ、妥当な評価だろうな)

菫(三年間、その差を埋めようと頑張ってきたつもりではあったんだけどな)

菫(まあ、悲嘆しても仕方ないか。別に高校で麻雀をやめるってわけでもないんだ)

菫(いつの日か追いついて、そして追い抜かしてやろうじゃないか)



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:20:30.87 ID:obeOnWLL0

淡「あっ、菫先輩。どうもこんにちはー」

淡「考え事してるみたいですけど、どうしたんですか?」

菫「ああ、淡か。こんにちは。別に何でもないさ」

淡「ふんふむー。そういえば菫先輩は、また部長の引継ぎですか?」

菫「まあな。ようやく目処がついてきたところだ」

淡「いつもお疲れ様です」

菫「ああ、ありがとう」

菫「ん……ところで、お前はどうしてそんな得意気な顔をしてるんだ」

淡「ふふん。私だってちゃんと『お疲れ様』って言えるんだよ」

菫「やるじゃないか。流石は高校100年生ってところか?」

淡「あー。そうだ」

菫「ん?」

淡「私、大星淡は高校100年生を卒業したので、これからは1年生として生きていくよ」

菫「あ、ああ。そうか」

菫「もしかして、私の言ったことを気にして、か?」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:22:02.24 ID:obeOnWLL0

淡「まあ、それもありますけれど……心境というか状況の変化ですかねー。えへへ」

菫(なんか普段以上に締りのない顔をしてるな、こいつ)

菫「いいんじゃないか。無理に背伸びする必要なんてないさ」

菫「そんなことしなくても、ありのままのお前を評価してる人間は多いんだから」

淡「はい。ありがとうございます」

淡「これからはテルと一緒に、一年生同士頑張って生きますね」

菫「ああ、そうしろ……って、は?」

菫「なんで照が……淡「あ、それじゃテルを探してるんでもう行きますねー」」

菫「……なんなんだいったい」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:23:08.30 ID:obeOnWLL0

照「あ、菫」

菫「照か。すれ違いだったな。さっきお前を探してる淡に会ったぞ」

照「そう。それじゃあ、追いかける」

菫「ああ。早くしてやれ。お前を探して迷子になりかねないしな、あいつの場合」

照「うん」

照「……そうだ」

照「菫には言っておかないと」

菫「ん? どうした?」

照「私、淡と付き合うことになったから」

菫「……」

菫「そうか。いいんじゃないか? お似合いだと思うぞ、お前ら二人」

菫「おめでとう、照」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:24:02.82 ID:obeOnWLL0

照「菫……ごめんね」

菫「……何がだ?」

照「ううん……なんでもない」

照「それじゃあ、私は淡を追いかけるから」

菫「ああ、そうしてやれ」

照「菫……ありがとう」

菫「……ああ」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:32:05.73 ID:obeOnWLL0

菫「ふふ、あいつら二人が付き合う、か」

菫「ああ、お似合いだよ。本当に」

菫「思えば私の高校生活は、最初は照を追いかけるのに躍起になって」

菫「三年になってからは淡に振り回されてばかりだったな」

菫「いつまでも同じ関係ではいられない、か」

菫(なんでだろうな。胸に大きな穴が開いたように感じるのは)

菫(幸い、高校生活が終わるまで、もうしばらくの時間がある)

菫「それまでに、気持ちの整理もつくだろうさ」

菫(そして、願わくば――)

菫(あいつらと再会したときに、笑って肩を並べられるようになっていたいな)


もいっこ――カン! 三槓子嶺上開花!



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/17(月) 02:36:31.59 ID:obeOnWLL0

以上で投下終了になります。

淡の100年生発言から、あわあわアホの子可愛い! と思いつつも、
こういった意図があってもいいのになーとつらつらと考えていたらSSになっていました。
菫さんの立ち位置に関しては、皆様の解釈にお任せいたします。
あ、ちなみに菫さんは大好きです。

読んでくださった方、支援くださった方、どうもありがとうございました。


元スレ
淡「100年生だよ!」照「うん。そうだね」