1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 21:55:18.22 ID:d1iEmqEX0

<大雪降りしきる中、小鳥が一人>

小鳥「ガクガクブルブル…」

小鳥「寒い…寒いし…」

小鳥「何よ、この雪ーーー!?」


小鳥「帰る帰りたい帰らせて…」

小鳥「で、電車電車…」


小鳥「何よこの行列…!駅の外まで列が飛び出てるじゃない!」

小鳥「バスバス…」


小鳥「何よこの行列(以下略」

小鳥「もうこうなったら、タクシー、タクシー…」


小鳥「人が並んでるだけでタクシー1台もないしーー」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 21:58:37.07 ID:d1iEmqEX0

小鳥「焦ってもしょうがないわね」

小鳥「まずはどこかで暖を取ろう…」


小鳥(ついでだからアルコールで体を温めよう…)


『申し訳ありませんー』


小鳥「どこもかしこも混んでるじゃないのーっ!」

小鳥「どういうこと?明日は平日よ?なんでどこの居酒屋も混んでるわけ!?」


小鳥「まて、今日は何の日…」

小鳥「成人の、日…」


小鳥「何も今日あわててお酒飲むこともないじゃないのーっ!」

小鳥「明日仕事は?学校は?今日はもう早めに寝たほうがいいんじゃないの?」


小鳥「そ、そんなこと言ってられない!もうどこでもいいから寒くて死ぬ!」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:01:41.06 ID:d1iEmqEX0

小鳥(もう諦めて、いったん事務所に戻ろう…)

小鳥(これはもう災害よ、緊急事態よ。)

小鳥(明日になったら、天気が良くなると信じて…)


小鳥「社内野宿もやむなし」


小鳥(コンビニで、晩御飯買って行こう…)

小鳥(あーもう雪で足元ぐちゃぐちゃ…転んだらお終いだわ…)


小鳥(どんな不恰好な歩き方をしてでも、転倒だけは断固回避…!)



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:05:12.93 ID:d1iEmqEX0

<コンビニ>

「らっしゃいあせー」


小鳥(ふう、建物に入れば大分落ち着くわね)

小鳥(何にしようかしら…)

ズルッ

小鳥「うおぉっ!?」

小鳥「す、滑ったぁ…!」

小鳥(コンビニ店内の床は滑るわね…気を付けないと)


小鳥「あ」

小鳥(『黒いスーガーラーメン』売ってるんだ)

小鳥(番組では『スーガーカップ』だった気もするけど)

小鳥(どんな味なのかしら)


小鳥(怖いもの見たさで1つ買おう…)



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:10:13.61 ID:d1iEmqEX0

小鳥(笑ってはいけないのキャンペーンでもやってるのかしら)


小鳥「あった。明太子ソースのペンネグラタン…」


小鳥(『グラタン 風邪ひいても 俺全然いっちゃうけども…』)

小鳥「ふブッ…!」

小鳥(はっ!いけない、つい思い出し笑いしちゃった…)


小鳥(去年の『笑ってはいけない』、この昼食の即興川柳が面白かったわね)

小鳥(有名人出せば面白い的な風潮があるけど)

小鳥(私は、それはそれで結構好きだけど)


小鳥(テレビマンなら、もっと企画力で勝負してもいいと思うわ)

小鳥(今年の年末には、この系統の企画に期待したいところね!)



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:14:31.74 ID:d1iEmqEX0

小鳥(じゃあ、ペンネグラタンとグラタン風おむすびでいこうかしら)


「884円になりあーす」

小鳥「…1004円で」

「120円のお返しでーす、あーしたー」


小鳥「ふっ…」

小鳥(グラタンとグラタンで、かぶってしまった…)


小鳥(一度この台詞を言ってみたかった)

小鳥(言ってないけど、思っただけだけど)


小鳥「今日は765プロ事務所で事務所飯ね…ってうぎゃあ!!」


ドシーン!!!



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:20:31.80 ID:d1iEmqEX0

小鳥「…ぎゃおおおん!!」

小鳥「冷たい冷た…痛い痛い痛い!」

小鳥「冷たすぎて痛い!!打ったお尻も痛い!!」


ざわっざわっ…


小鳥「はっ!」

小鳥(世間様の冷ややかな注目を浴びてる…に、逃げないと…っ!)



小鳥(いかん…これはいかん…)

小鳥(寒いし、冷たいし)

小鳥(これは絶対に下着まで逝った…)


小鳥(ドンキホーテまで行ければ何か売ってそうだけど…)

小鳥(ダメ、そんな悠長なことをしている暇はない)

小鳥(一刻も早く、この凍り付いた服をキャストオフしないと…っ!)



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:25:17.08 ID:d1iEmqEX0

<何とか事務所に到着>

小鳥「まずは暖房よ、暖房」

カチッ  ゴォー


小鳥「だ、大丈夫だと思うけど…念のためブラインドは閉めて…」

ヌギヌギ

小鳥「あー…。すっかりスカートがぐしょぐしょに…」

小鳥「泥がついてない(目立ってない)のがせめてもの救いね…」


小鳥「これは暖房の前に干して」

小鳥「干してるスカートの代わりに、このひざ掛け用の毛布を…腰に巻いて、っと」


小鳥「これでよし!」シャキーン



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:30:15.26 ID:d1iEmqEX0

小鳥「う、う~ん…」

小鳥(結構下着もダメージが…冷たくて気持ち悪い)


小鳥(でもさすがにノーパンは…こんなところで…)

小鳥(……)

小鳥(とりあえず乾くまで!乾くまでおかせてもらおう…)


ヌギヌギ


小鳥「ふぅ、これでひとまずすっきりー…、じゃなくて、安心したー」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:41:34.60 ID:d1iEmqEX0

小鳥「体が完全に冷え切ったわね…」

小鳥「じゃあ、この『黒いスーガーカップ』をいただくことにしましょ♪」

小鳥「お湯、お湯っと…」


小鳥「へぇ、ノンフライ麺なんだ」

小鳥「結構お値段高いと思ってたけど」

小鳥「中身的にはあの『どこどこ監修本格ラーメン!』みたいなものに近いのかも」


小鳥「熱湯4分」

小鳥「4分なら3分30秒で次工程に移るのが私のジャスティス」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:44:16.38 ID:d1iEmqEX0

小鳥「えっと、時間がたったら、この特製スープと調味油…」


小鳥「調味油、黒っ!」

小鳥「これは高木社長も黒井社長もびっくりの黒さね…今度教えてあげよっと」

小鳥「でもこれ、本当に体に悪くないのかしら…」


小鳥「できたけど…これはもう、トンコツじゃなくて見た目イカスミじゃない…」

小鳥「まあいいわ…いっただきまーす」


ズルズル


小鳥「んー、味は普通にとんこつかな。可もなく不可もなく…」

小鳥「価格を考えたら、ちょっと不可」


小鳥「でも今日は寒いし、こんな状況なので良しとしよう!」 ドヤ



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:48:46.32 ID:d1iEmqEX0

小鳥「…。まだ深々と降ってるわね…もう、あきらめよう」

小鳥「人間、諦めが肝心よ。うん」


小鳥「律子さんがお泊り用の寝袋を隠し持っていたはず…」


ゴソゴソ


小鳥「あれ、ない…」

小鳥「お洗濯にでもだしちゃったのかな…」

小鳥「え~、期待してたのに困っ…あ!あったあった、あるじゃない!」


小鳥「あれ、なんかこれ大きい…」

小鳥「っていうか、ここプロデューサーさんの棚…」



小鳥「プロデューサーさんの、寝袋…」ゴクリ



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:53:45.29 ID:d1iEmqEX0

小鳥「つ、使っても洗って返せばOKよね!?うん!OKだよ?」

小鳥「そうよ、外の天気がこんなだし、事情が事情だし!」

小鳥「話せばわかってもらえるハズ。話せばわかる!」


小鳥「そう!決して、やましい気持ちなど、一切…」 ドキドキ


モゾモゾ…


小鳥「ん~、これはあったかい~♪」

小鳥「思ってたよりフカフカしてるわね、この寝袋。もしかして冬用なのかな?」

小鳥「暖房切っても大丈夫なくらいかも。いい物もってるなあプロデューサーさんっ♪」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:57:10.29 ID:d1iEmqEX0

小鳥(この寝袋で、プロデューサーさんも寝てたのかな…)

小鳥(年末は何度か会社でお泊りしてたみたいだし…)


小鳥「くんくん…」


小鳥(ん…。ほのかにプロデューサーさんの香りが…)


小鳥(なんというか…妙な気持ち)

小鳥(汗のにおいとか、そういう刺激的な匂いじゃない)

小鳥(でも、香水とか石鹸のような甘い匂いでもない)

小鳥(なんだか…気持ちがすごく落ち着く…)

小鳥(落ち着いて…眠く…なる…)





小鳥「zzz…」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 22:59:24.58 ID:d1iEmqEX0

……


P「まいったなぁ…。帰れるのかな今日…」

P「いっそのこと、どこかビジネスホテルで一泊しちゃうか…」

P「でも今月はなんかいろいろあって厳しい…」


P「あ!」


P「事務所に寝袋おいてたっけ。」

P「場合によっては社内野宿もやむなし!」



P「あれ?」

P「事務所の電気…ついてる?」


P「律子でもいるのかな…」



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:02:41.18 ID:d1iEmqEX0

ガチャッ


P「お疲れ様でーす…」


P(誰もいない…でも、電気はついてる…)

P(でも人がいた形跡はあるな)

P(…というか、とんこつラーメンの匂いが)


P「誰かいますかー?」

P「ん」

P「うおっ!?」


小鳥「zzz…」


P「なんだ小鳥さん…」


P「っていうか、な、なんで俺の寝袋で寝てるの…」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:07:19.44 ID:d1iEmqEX0

P「……ん??」


P「あれは…どういうことだ…」

P「暖房の前にスカート…。」

P「いや、それはよしとしよう」


P「その隣の…手のひら大のピンク色の布は……なんだ……」

P「そして、ここで寝ている小鳥さん…」


P(…事件の予感がする。)

P(嫌な予感が、本能が、俺に逃げろと告げている…)


P「気づかれないように、静かに、出よう…。俺は、一切何も見なかった…」


ガンッ!

P「!!!」



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:12:44.93 ID:d1iEmqEX0

小鳥「ん……?」

P(しまった!?)


小鳥「あ、あれ…私、寝ちゃって…」

小鳥「ん?」


P「あ、あはは…おはようございます…」

小鳥「えっと、おはようございま……」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん!??」


P「ききき、気にしないでください!そのまま、そのまま…俺はもう帰りますからっ…!」

小鳥「ま、待ってくださいプロデューサーさん!話せばわかるんですっ!」 ニュルッ



P「……こ、こと…り…さ……」



92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:14:58.32 ID:d1iEmqEX0

小鳥「え?ど、どうしました?」


P「あの…。悪いこと言わないんで…音無…小鳥さん、今すぐ…寝袋に戻ってください…」

P「たぶん、大事なもの…いろいろ置き忘れてると思い…ます…」


小鳥「大事なもの…?」

小鳥「なんだか体の底がスースーするなー。まるで生まれたての私のよう…」

小鳥「………。あ、あれぇ~?腰に巻いてたひざ掛けは…」

小鳥「 っ て い う か  パ  ン  ツ  ど こ い っ た 」


P「あ、あのですね…俺の記憶では暖房の前のところに、それっぽいような物体が……」


小鳥「い」


小鳥「い、いやああああああああああっっっっっ!!!!」



100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:18:53.17 ID:d1iEmqEX0

小鳥「うぅ、えぐっ、うえええええ…」

P「小鳥さん…もう過ぎたことです。忘れましょう、俺も忘れますから…」


小鳥「う、うえっ、ええうう…」

P「大丈夫です、口外とかしませんし、この状況を正確に誰かに伝えられる技量が俺にはありません」


小鳥「ひっひぐっ、あうう、ううぅぅ…」

P「そうですね。ショックですよね…俺も正直色々な意味でショックというかトラウマというか…」


小鳥「あぅ、うが、あうぐっ…ひっく…」

P「あ、す、すいません。トラウマは言いすぎですか…確かに失言でした…」


小鳥「ぐすっ、ううぅ、ひぐぅう…」

P「ええ、そうです、俺もそう思います…。こんな大雪が降る異常気象が悪いんです」



104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:21:59.98 ID:d1iEmqEX0

小鳥「ひっぐ、うぅぅ、えぐ、うぐぅ…」

P「いやいや、責任って…。そんな怖いこと言わないでくださいよ…。」


小鳥「えぇう…あぅう…うえぇん…」

P「あはは…こんな時に冗談なんて、きついなあ、小鳥さん」


小鳥「…う、ぐすっ、ぐすん…」

P「気にしないでください。もともと俺がビジネスホテル泊まる予定だったし。」


小鳥「うえ、えぐ…うぅぅ…」

P「そんなわけにはいきません。小鳥さん置いて、社内野宿なんてさせませんよ?」


小鳥「う…うぅ…うぐっぐ…」

P「そんなことありません。普通です。俺じゃなくても、たとえば社長でもそうするでしょうし」



110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/01/14(月) 23:24:43.94 ID:d1iEmqEX0

小鳥「ひぐっ…うっ…うぅえぅ…」

P「どうしてもっていうなら…今度また、一緒に飲みましょう?今日のことを忘れて、スカッと!」


小鳥「うぅ…はぐっ…うぐううぇえ…」

P「ええもちろん。約束です。」


P「こんな形になっちゃいましたけど…」

P「改めて、今年もよろしくお願いします、小鳥さん」


小鳥「……。よどじぐおでがいじまず…ぐすっ…」



<おしまい>









小鳥「関東のみんなー?明日出かけるときは、転ばないようにするんだぞっ?」 ドヤッ



元スレ
小鳥「大雪で帰れなくなった…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1358168118/