1: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:13:32.07 ID:6WMZ26n5.net

善子「ふたりのヨハネ」


`¶cリ˘ヮ˚)|「の続きよ! ふたりのその後の日常風景を切り取るわ!」

`¶cリ˘ヮ˚)|「思いつく限りのんびりだらだらやるわよ」



2: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:15:52.42 ID:6WMZ26n5.net

~ベランダ~


善子「我が名は堕天使ヨハネ。今宵も現世に────」

善子「────降臨!」ギラン

善子「ククク……月は満ち、暁は【星々の輝き(スタァライト)】によって照らされ────」

善子「そして、新たな導きをここに!」

善子「さあ月よ! 古より空に浮かびし力の象徴よ! いまこそ、いまこそ!」

善子「この『鏡』に新たなる魔力を……!!」

善子「……」ムムムム…

善子「……」グヌヌ…!

鏡「」シーン

善子「全然出来ないじゃない! ちゃんと教えられた通りにしてるのに~!」

善子「魔法陣の形は……間違ってないでしょ? 触媒の綺麗に洗った河原の綺麗な丸い石もある」

善子「ちゃんと事前にチェックしてもらってオーケーももらったのに……」

善子「どうして魔法が発動しないの~!」

「やっぱり善子には魔法の才能はなかったのかしら?」

善子「なんでよ!?」



3: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:16:38.80 ID:6WMZ26n5.net

「だって、この私が魔法の集大成! 私を超える魔法なんてこの世には存在しないのだから!」ギラン

善子「それこそなんでって話よ! あなたはマジックアイテムの効果で生まれたヨハネトークンでしょ!」

「ククク、違うわよ善子? 私はその効果によってデッキから特殊召喚された真なるヨハネ。紛い物のあなたとは違うの」

善子「もともと私がヨハネなんだからね!? 今はあなたに名前を貸してあげてるだけで……っていうか、服を着なさいよ!」

ヨハネ「あら、失礼」

ヨハネ「でもね善子? 私が服を着ないことには意味があるの」

善子「はぁ~?」

ヨハネ「月夜に肌を晒すことで、微量ながらも月の魔力をこの身に蓄えることが!」

善子「それ私が今やろうとしてたやつじゃない!」

ヨハネ「うふふ、ええ、その通り。その通りだから……理解できるでしょう?」

善子「な、なによ……」

ヨハネ「私にはその魔法が使えるということよ! しかもそんな鏡などではなく、我が身に直接!」

善子「!!!」



4: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:17:27.68 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「さあ刮目なさい! 我が魔法を!」

ヨハネ「月の魔力……カモン!」


キラキラキラ…


ヨハネ「ああ、全身に清らかな魔力が蓄えられていくのがわかるわ……!」

善子「ぐぬぬ……」


【魔力吸収】
これぞ新たに生み出した魔法!
微量だけれど、空気中、大気中に漂う魔力を我が身に吸収することができるの!
特に満月の夜は少し多めに魔力を分けてもらえるの! ヨハネの身体はみんなからのエールで出来ているっ!


善子「どうして私には出来ないのよぉ……」

ヨハネ「あの詠唱が良くなかったんじゃない? お月様が機嫌を損ねたのかも」

善子「まじで!?」

ヨハネ「冗談よ」



5: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:18:20.48 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「でもほら、別に魔法なんか使えなくたっていいじゃない? あれはきっと、あのとき限定だったのよ」

ヨハネ「ほら、そのとき不思議なことが起こった!ってやつ」

善子「え~! いやよ、私も魔法使いたい! この魔力を集める魔法だけでも使えるようになりたい!」

ヨハネ「なんでその魔法にはこだわるのよ? 空飛んだり透明になったり、体内の魔力を全身に効率よく回して身体の動きをよくすることだって立派な魔法よ?」

善子「それはそうだけど」

ヨハネ「そんなのより、もっと堕天使っぽい魔法いっぱいあるのに……なんでそれにこだわるの?」

善子「っ……べ、別にたいした意味はないわよ? ほかの魔法を使うときのために取っておくの!」

善子「言ってみればバッテリーよ! モバイルバッテリーみたいなもの!」

ヨハネ「ふうん……?」

善子「なによ」

ヨハネ「……ま、いいけど」

ヨハネ「さあもーいっかい!」

善子「お月様!満月様! どうかこの鏡に魔力をお与えください~!」<(_ _)>ガバッ

ヨハネ「土下座!?」



8: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:20:16.79 ID:6WMZ26n5.net

・・・


善子「うんともすんとも言わなかった……」

ヨハネ「もういいじゃない……その鏡、もうなんの効果もないわよ? あなたの中の影……私を生み出す時に使い果たしたんだから」

善子「でも、また溜め込むことはできるんでしょ? リカさんだって出来るって」

ヨハネ「そうだけど、なぁに? もうひとりヨハネを生み出すつもり?」

善子「あんたがこれ以上増えたら地獄よ」

ヨハネ「そこまで言わなくたって……」

善子「とにかく、私はこの鏡に魔力を補充したいの! 私に魔法の才能はないけど……」

ヨハネ「……あの人だって言ってたでしょ、あなたは魔法の才能はすごいわ。まだ目を閉じてるだけで」

ヨハネ「だから、そんな無理しないでもいいじゃない? あなたは消えた私を、そのままの状態で呼び戻してくれた」

ヨハネ「それに、魔力をただ使うだけだった私に、魔力を生み出す機関まで」

ヨハネ「あなたはもう、最強レベルの魔法を使った後なんだから」

善子「……もう使えないのかしら」

ヨハネ「かもね……」

善子「……むう」



9: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:22:00.90 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「まあ、少しずつ練習すればいいじゃない! リカさんにも見てもらって」

善子「そうね……うん、私たちが一緒なら」

ヨハネ「そう、私たちが一緒なら無敵よ」

善子「よし! 今日はおわり! ゲームするわよゲーム!」

ヨハネ「受けて立つわ!なにやる?」

善子「そうね……マリオテニスとか?」

ヨハネ「いいわね! スイッチの新作ね!」

善子「負けたら罰ゲームね!」

ヨハネ「いいわよ!」

善子「そうね……負けた方が明日学校で授業を受ける!」

ヨハネ「はあ!?」

ヨハネ「あんたサボりたいだけじゃないの!」

善子「さあどうするの? まさか負けるのが怖いの?」

ヨハネ「は?」カチーン

ヨハネ「ふぅ~ん? そんな子供みたいな煽りに乗るつもりはないけどね……ゲームで挑まれた戦いはゲームで返すわ!」

ヨハネ「行くわよ善子!」

善子「ええ!」

よしヨハ『デュエル!』



10: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:22:42.92 ID:6WMZ26n5.net

~翌朝~


ヨハネ「いってきます……」

善子「いってらっしゃ~い」

ヨハネ「くっ……ギリギリ届かないところばっかり狙って……!」

善子「勝てばいいのよ勝てばぁ~」

ヨハネ「むっかつく~!!」

善子「とりあえずあんた、みんなに迷惑かけないようにしてよね」

ヨハネ「かけないわよ善子じゃないんだから!」

善子「私だって……か、かけてないし」

ヨハネ「ほら自信持って言い返せてない」

善子「と、とにかくあんたがヨハネだってばれちゃダメだからね!」

ヨハネ「なんでよ」

善子「生徒会長に2人揃って怒られたいのかしら……」

ヨハネ「……ひぃ」

善子「ほら行く! バス間に合わないわよ!」

ヨハネ「飛べばすぐなのに……」

善子「私1人なのにバス乗らないっておかしいでしょ?」

ヨハネ「細かいわね……はいはい、いってくるわ」

善子「いってらっしゃい!」フリフリ


バタン


ヨハネ「……なんで私が」



11: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:23:30.20 ID:6WMZ26n5.net

~バス停~


ヨハネ「くぁ……んむ……」←あくび

ヨハネ「はー……いつも飛んで登校してるからこの時間はまだ家にいていいのに。バスって面倒ね」

ヨハネ「なんで学校に行くまで1時間ちょっとバスに揺られなきゃならないのかしら……みんなよくやるわ」

ヨハネ「その点、善子には感謝されてもいいんじゃないの? この私がいるおかげでバスに1時間も揺られる必要ないし、この時間でも寝てて許されてるわけだし」

ヨハネ「……おなかすいた。先にコンビニで朝ごはん買えばよかった……」

『ヨーソロー!』

ヨハネ(この声は……)

曜「おはよー善子ちゃん! 今日はバスなんだね?」

ヨハネ「ヨハネよ……」

曜「いつにもまして眠たそうな顔だね……」

ヨハネ「いつもこの時間はまだ寝てるもの……」

曜「あー、そっかぁ。ヨハネちゃんに送ってもらってるもんね」

ヨハネ「曜センパイも空飛んでみる?」

曜「んー……そうだなー」

曜「ちょっと気になるよね! この沼津の海を空から眺めたら、きっと綺麗なんだろうな~って」



12: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:24:04.13 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「ふふ、とっても綺麗よ! 今度抱えて飛んであげるわ」

曜「ん……? なんで善子ちゃんが?」

ヨハネ「あっ……え、えっと、ってヨハネに頼んであげるってこと! どうせあの子、Aqoursメンバーの頼みなら全部二つ返事でオッケー出すと思うし!」アタフタ

ヨハネ(自分で自分のことこんな風に言うの嫌~!)

曜「ほんと~? 嬉しいな、やった!」

ヨハネ「あ、あは……あははは……」


グー…キュルルル


ヨハネ「……おなかすいた」

曜「あれ、朝食べてないの?」

ヨハネ「ギリギリまで寝てたから……」

曜「仕方ないな~」ゴソゴソ

曜「曜ちゃんセンパイが朝ごはんを提供してあげよう!」

ヨハネ「!」



13: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:25:32.72 ID:6WMZ26n5.net

曜「じゃーん! あくまのおにぎり!」

ヨハネ「悪魔!!」

ヨハネ「……って、ここに来る前にローソン行ったの?」

曜「いきました! 3個買ったから1個プレゼントしちゃうよ!」

ヨハネ「曜センパイ……ううん、もう名前で呼ぶ! 曜!」

曜「お、おにぎりだけで名前呼ばれるくらいになったんだ……」

ヨハネ「大好き!」ガバッ

曜「!?」

ヨハネ「ありがとうありがとうありがとう~!」

曜「ちょ、ちょちょちょっ……///」

ヨハネ「?」

曜「あれ……善子ちゃん胸大きくなった?」

ヨハネ「えっ!?」バッ

曜「……」

ヨハネ(やば……『変身』で色々身体いじったままにしてた……あとで戻さないと)

曜「んー……成長期かな! まだまだ1年生だもんね!」

ヨハネ(助かった……)ホッ



14: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:26:29.26 ID:6WMZ26n5.net

曜「まあまあ、とりあえず食べてみてよあくまのおにぎり。結構おいしいんだ~」

ヨハネ「へえ……じゃあ、いただきます」ガサガサ

ヨハネ「はむ」モグ

ヨハネ「ん~ん~ん~!」

曜「どう!」

ヨハネ「んまい!」

曜「だよね! ほんのり感じる天つゆの味がいいよね!」

ヨハネ「これ、やばいわ……何個でも食べられそう。ちょっと私もひとっ飛びローソンに行こうかしら……」

曜「え、でももうバス来ちゃうよ?」

ヨハネ「大丈夫よ、空飛んでいけば間に合う……」

曜「でもヨハネちゃんいないでしょ?」

ヨハネ「……そうでした」

ヨハネ(ばれちゃダメって難しい~!!)



15: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:27:24.04 ID:6WMZ26n5.net

~バス内~


ブロロロ…

曜「んー……やっぱりコンビニおにぎりは和風ツナマヨに限るね」モグモグ

ヨハネ「わかるわ……しょうゆ味のお米にツナマヨがほんと美味しいのよね」

曜「そうそう! ツナマヨの味が濃いから満足感も高いし」

ヨハネ「おなかすいた……練習終わったらコンビニに行く……」

曜「だから学校の近くにコンビニないって……」

ヨハネ「くっ……」

ヨハネ(空さえ飛べれば……っ)

曜「あ、そうだ」

ヨハネ「?」

曜「千歌ちゃんにお願いしてみる? 千歌ちゃんちのすぐ近くにセブンイレブンあるよ」

ヨハネ「ほんと!?」

曜「じゃあラインしてみるね!」ススッ



17: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:28:36.73 ID:6WMZ26n5.net

【Aqours!】


YOU:おはヨーソロー! ちかちゃん起きてる?


ヨハネ「これグループじゃないの?」

曜「あっ」

ヨハネ「……」

曜「まあいっか!」

ヨハネ「いいんかい」


チカ:おきてるよー


曜「返事きた!」

ヨハネ「さすがリーダー……」


YOU:もう準備できてる?

チカ:全然!

YOU:そっかー


曜「ダメそうだね」

ヨハネ「……まあ予想通りね」


桜内梨子:どうかしたの?


曜「あ、梨子ちゃんがいた!」

ヨハネ「リリー……!」



18: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:30:14.95 ID:6WMZ26n5.net

YOU:あのね! いま善子ちゃんとバスに乗ってるんだけど、善子ちゃんご飯忘れちゃったみたいで! もし時間に余裕があったらコンビニで何か買ってあげて欲しいんだ

桜内梨子:そうなんだ

桜内梨子:いいよ、私が買いに行ってくるよ


曜「梨子ちゃん優しいね」

ヨハネ「リーダーとは大違いね」

曜「いやいや、千歌ちゃんも優しいから……」

ヨハネ「肝心な時に役に立たないリーダーなんて……」

曜「あ、言いつけちゃおう」

ヨハネ「ごめんなさい冗談です」


桜内梨子:何がいいかな? おにぎりとか、パンとか、揚げ物もあるよ


曜「どうする?」

ヨハネ「そうね……おにぎり食べたい。あとお茶ね」

曜「ヨーソロー」


YOU:おにぎり食べたいって言ってるからおにぎりと、お茶買ってあげて!

桜内梨子:わかったよ

桜内梨子:おにぎりいくつ食べるかな?


ヨハネ「んー……3個」


YOU:3個だって!

桜内梨子:はーい

桜内梨子:スタンプを送信しました

スタンプ:https://i.imgur.com/waVf00G.jpg


曜「これで安心だね」



19: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:31:15.15 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「ありがと、曜」

ヨハネ「あとでリリーにお礼言わなきゃね」

曜「いい子だね~」ナデナデ

ヨハネ「き、急に撫でないでよ……///」

曜「あれ? いつもなら『撫でないで!』って怒るのに」

ヨハネ「えっ……そうなの?」

曜「え?」

ヨハネ「え、あ、いや……た、たまたま今日は撫でられてもいい気分なだけよっ」

曜「お、そっか~! じゃあ今日はのんびり撫でさせてもらおうかな!」ナデナデ

ヨハネ(あの子、素直じゃないのね……)



20: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:32:22.40 ID:6WMZ26n5.net

・・・


るびまる『おはようございます!』

曜「おはよー! ……って、あれ?」

曜「ダイヤさんは?」

ルビィ「お姉ちゃんは一足先に学校に……」

曜「あれ……私たちの乗ったバスって始発だったよね……」

ヨハネ「そのはずよ……」

ルビィ「おうちの人に車で送ってもらっていました……」

ヨハ曜『なるほど……』

花丸「ところで」

ヨハネ「?」

花丸「どうしてヨハネちゃんがいるずら?」

ヨハネ「!!」

ようるび『!?』



21: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:33:25.69 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ(な、なんかヤバイ空気! 機転をきかせろ私、ばれちゃダメだとよ私!」

ヨハネ「だからヨハネ! ……って正解じゃない!」

ヨハネ(これはうまくいったでしょ!)

曜「あ、そういうことかー」

ルビィ「び、びっくりした~……」

花丸「ううん、善子ちゃんじゃなくてヨハネちゃん……でしょ? おらには分かるずら」

ようるび『えっ』

ヨハネ「そ……そうよ? 我が名はヨハネ、漆黒の堕天使! 善子などという名前ではないわ!」

花丸「そ、そうじゃなくて~……」

ヨハネ「花丸、ちょっと」グイッ

花丸「うわわっ」

ヨハネ『あとで話すから静かにしてて』※テレパシー

花丸「!」

ヨハネ『わかったら頷いて』

花丸「……」コクン

ヨハネ『いい子ね』



22: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:34:20.99 ID:6WMZ26n5.net

曜「け、結局どういうこと……?」

ルビィ「ルビィ、よくわかんなくなっちゃった……」

ヨハネ「我が真名はヨハネ! 花丸はリトルデーモンとして、あなたたちより一歩先の世界へと進んだのです!」

曜「いやあ、私たち別にそこまで進みたくは」

ルビィ「ルビィはヨハネ様が大好きなので、もっと進みたいなっ」

曜「ルビィちゃんはヨハネちゃん好きだね」

ルビィ「はい! カッコいいです!」

ヨハネ「うふふ、ルビィはとてもいい子ね」ナデナデ

ルビィ「えへへ~」

花丸「じー」

ヨハネ「な、なによ花丸」

花丸「別に、おらは何も言ってないずら」

花丸(……善子ちゃんこれはサボりってことだね)



23: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:35:00.95 ID:6WMZ26n5.net

・・・


千歌「おはよー!」

梨子「おはようみんな。善子ちゃん、頼まれてた朝ごはんだよ」

ヨハネ「ありがとうリリー!」

ヨハネ「はあ~……おなかすいた……」ガサガサ

ヨハネ「いくら魔力製造機関が体内に作られたとはいえ、魔力で出来てる身体だとおなかすいておなかすいt……」

みんな『……魔力?』

ヨハネ「って、よ、ヨハネがね! ほら、私ヨハネと契約してるから、あの子が元気に動き回るだけで私も体力持っていかれちゃうのよ~あははははは」

曜「へー、やっぱ大変なんだねえ」

千歌「まりょくって、どんな風に出来てるの?」

梨子「あ、それ、私もちょっとだけ気になるな」

ルビィ「ルビィも! ヨハネ様のパワー、もっと知りたい!」

花丸「じー」

ヨハネ「ヨハネのパワー?」イタダキマス

ヨハネ「えっと……そうね」モグ



26: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:36:48.29 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「魔力は、言うなれば自然に存在するエネルギーよ。この世界に芽生える全ての生命がその内に秘めている、生きる力……生命エネルギーとでも言えばいいのかしら」

千歌「せーめーえねるぎー……」

ヨハネ「だからどうやって出来てるかと言われると……ご飯食べたり、休んだり、瞑想したりすると効率よく生成される……かしら」

ヨハネ「ドラゴンボールの『気』とか、ナルトの『チャクラ』と同じようなものと思えばわかる?」

千歌「わかる!」

梨子(わかんない……)

曜「ってことは、私たちにも魔力はあるの?」

ヨハネ「ええ、もちろん! でも普通の人間や生物は、その魔力を自分が活動するためのエネルギーでしか活用できないの」

ヨハネ「それを超自然的な現象としてこの世界に具現化させる……えっと、魔力を使って火を起こしたり、空を飛んだりすることね」

ヨハネ「それが魔法と呼ばれるもので、自分の魔力を自由自在に操って色んなことをする人を魔法使いと呼ぶの」

千歌「へー! じゃあヨハネちゃんは魔法使いなの?」

ルビィ「魔法使い……カッコいい……」

ヨハネ「ヨハネは魔法使いではなく堕天使。そこ、間違えるんじゃないわよリーダー」

千歌「お……ご、ごめん」



27: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:39:27.07 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ「まあ……でも今の定義で言えば魔法使いで間違いないわね。空も飛べるし透明になれるしビームも出せるし」

曜「すごいな……」

梨子「ほんとになんでもできちゃうね」

ヨハネ「でも、ヨハネが魔法を使えるのは副産物みたいなものよ」

千歌「ふくさんぶつ……干物のこと?」

曜「それは乾物」

ヨハネ「ヨハネの存在が、そもそも魔法によって生み出された存在だということ。私の身体は普通に人間の身体に見えるだろうけど、実は魔力によって形づくられてるの」

ヨハネ「つまり、ヨハネそのものが魔法なのよ」

ルビィ「魔法で……」

ヨハネ「だからヨハネは、その副産物として魔法が扱える。ただヨハネ自身が魔法だから、ヨハネは普段の生活をするだけで魔力を大量に使ってしまうのよ」

ヨハネ「お腹もすくわ、すぐバテるわ、よく寝るわ……全くえらいご身分よね」

ヨハネ(自分で言ってて辛くなってきたわ……なんかごめん、善子……)



28: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:40:13.57 ID:6WMZ26n5.net

千歌「なるほどねー……だから、その魔力がなくなっちゃって、一回消えちゃったんだね」

ヨハネ「……まあ、そういうことね」

みんな『……』

ヨハネ「でも、よs……私とみんなのおかげでヨハネが帰ってこれたんだもの」

ヨハネ「しかも今度は絶対に消えない保証つき! もう……みんなと離れ離れになるなんてことはないわ。ずっと一緒にいられる」

ルビィ「うん、うんっ! うれしいね善子ちゃん!」

ヨハネ「そうね、ルビィ! でもヨハネよ」

ルビィ「えへへ~」

曜「でも、ちゃんと覚えてるの? 消える前のこと」

ヨハネ「ええ、もちろん。私のきおk……覚えてる限りのことを聞いて確認したもの」

ヨハネ(念入りに確認されたもの……)

曜「なるほどねー」

千歌「じゃあねじゃあね、今度みんなで遊びに行こうよ! 10人で!」

ヨハネ「……いいの?」

千歌「え、なんでダメなの? ヨハネちゃんもAqoursの仲間だよ! ね、みんな?」

ルビィ「うんうん!」

梨子「そうだね……っていうか、消える消えないのときにその話はしたと思うけど……」

千歌「あれ~? そだっけ?」

曜「忘れたの千歌ちゃん……」

花丸「まるも、それはとってもいい案だと思うずら。ね、善子……ちゃん?」

ヨハネ「……ありがとう」

ヨハネ「ヨハネにも伝えておくわ!」



29: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:41:42.33 ID:6WMZ26n5.net

~学校、トイレの前~


花丸「みんなにトイレに行くって抜けてきたのはいいんだけど……」

花丸「それで、善子ちゃんは?」

ヨハネ「……えっと、私がヨハネだってことは」

花丸「ひとめで分かるずら」

ヨハネ「よね……」

花丸「まるには、昔からちょっと不思議なものが見えるのです、えへん」

ヨハネ「あなた、お寺生まれだものね……寺生まれは何か不思議な力を持っててもおかしくないわよね……」

花丸「それで、善子ちゃんだよっ!ヨハネちゃん!」

ヨハネ「えっと、たいした理由はないのよ? ゲームして負けたから、学校に来ることになっただけで」

花丸「……というと、罰ゲームってこと? 学校が?」

ヨハネ「……まあ、そういうこと。負けた方が学校に行くってやつね」



30: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:42:30.47 ID:6WMZ26n5.net

花丸「善子ちゃん……そんなに学校に来るのが嫌だったの?」

ヨハネ「別にそんなわけないんじゃない? 花丸からはそんな風に見えた?」

花丸「見えなかったから悲しいずら~……」

ヨハネ「ま、誰にだって行きたくない日くらいあるでしょうけど……」

ヨハネ「別に、あの子が嫌になったわけじゃないと思うわよ?」

花丸「ヨハネちゃん……」

ヨハネ「だって私はあの子で、あの子も私なんだから」

ヨハネ「考えが違うなんてこと、絶対にないわ」

ヨハネ「だから花丸、お願い。今日は私を善子として扱ってくれる? あの子には明日からちゃんと学校に行かせるから」

花丸「……うん、わかったよ。善子ちゃん」

ヨハネ「ありがと、花丸」



31: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:43:30.57 ID:6WMZ26n5.net

花丸「……ヨハネちゃんはすぐにありがとうとごめんなさいが言える素直な子だけど、善子ちゃんは全然言わないからなぁ……」

ヨハネ「恥ずかしがり屋なだけよ。私だって、自分が分身だって自覚がなかったら多分言わないわよ?」

花丸「どうして?」

ヨハネ「人のふり見て我がふり直せ……ってわけじゃないけど、私は善子を幸せにしてあげたい」

ヨハネ「だったら、素直になれない善子を受け止めてあげられて、さらにあの子の分も素直になろうって思ったのよ」

花丸「ヨハネちゃんはいい子ずら」

ヨハネ「善子と同じ性格だって言ったでしょ? あの子だって素直になればこんな感じよ」

花丸「想像もつかない……」

ヨハネ「ええー……」

花丸「冗談ずら。ふふ、はやく練習いこっ!」

ヨハネ「えー……まあ、いいけど。ちょっと待ちなさいよー」


~その頃の善子~

善子「……あいつちゃんと学校行ってるのかしら」

善子「誰かにバレたりしてない……わよね?」


ヨハネのことが気になっていた



32: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:46:03.28 ID:6WMZ26n5.net

~屋上~


ダイヤ「どうしたんですの?善子さん」

ヨハネ「いやあ、ええと……」※正座

ダイヤ「昨日練習したステップですよ? なぜ全て忘れてるんですか!」

ヨハネ「はい……」

ヨハネ(だってそんなの一言も聞いてないんだもの! いつもは練習見てるけど昨日はたまたま見てなかったし!)

ダイヤ「はい……ではなくて!」

果南「ラブライブまで気が抜けないんだから、しっかりしてよー?」

ヨハネ「すみません……」

ヨハネ(善子のやつ、帰ったらひん剥いてやるからね……)

ダイヤ「まったく……ヨハネさんが戻ってきて嬉しいのは分かりますが、こっちにも気合を入れていただかないと」

ヨハネ「気をつけます……」

ヨハネ(……私の知らない善子の気持ちを聞かされるの照れるんだけど)

果南「よし、じゃあまた最初から教えるから、ちゃんと覚えるんだよ?」

ヨハネ「ありがとう果南センパイ……生徒会長も、ごめんなさい」

果南「……!?」

ダイヤ「……!!」

ヨハネ「えっ……なに?」



33: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:47:15.66 ID:6WMZ26n5.net

果南「い、いや……善子が私に、ありがとうって……?」

ダイヤ「ごめんなさいまで……!」

ヨハネ「私そんな言わない!?」

果南「うん、言わない」

ダイヤ「夢でも見ているのかしら……」

果南「ね……」

ヨハネ「」

果南「でも、善子、そのありがとうっていう顔、とっても可愛いからいっぱい言ったほうがいいよ」

ヨハネ「えっ……///」

ダイヤ「やはり礼節はきちんとすべきですからね。ほら、善子さん、わたくしにも」

ヨハネ「……ありがとうダイヤ?」

ダイヤ「……///」キュン

ヨハネ「……」

ヨハネ(善子、あなた普段どんな態度なのよ……)

ヨハネ(いや分かれる前の私か……あ、そういえばそんなだったかも)



34: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:48:19.81 ID:6WMZ26n5.net

~教室~


教師「私は思うんですよ。であるからして、なんていう教師なんていないって」

教師「でも漫画とかドラマだと、必ず言うでしょ? であるからして」

教師「だから私もちょっと使ってみようと思います」

教師「であるからして、問3は公式2を使って……」

ヨハネ「……」カリカリ

ヨハネ「……」

ヨハネ(数学……前はあんなに嫌いだったのに今はなんか楽しく授業受けられてるな……)

ヨハネ(……結構学校って楽しかったんだ。毎日来てるとわからないけど、しばらく離れると……やっぱり来たくなるものなのね)

ヨハネ(……でも暇)


教師「そういえば昨日、彼女とデートしたんですよ! で、私も彼女も両方女なんですけど~」


ヨハネ(先生脱線多いし……)



35: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:49:15.89 ID:6WMZ26n5.net

ヨハネ『花丸』

花丸「!」

ヨハネ『念じるだけで会話できるわ。おはなししない?』

花丸『念じる……こ、こう?聞こえてる?』

ヨハネ『聞こえてる聞こえてる。ねえ、暇でしょ?』

花丸『授業中だよ……』

ヨハネ『だって先生、脱線多いし』

花丸『でも、まる、まだ問3が解けてないし……』

ヨハネ『問3は公式2を使って、図2のやり方で解けばすぐよ』

花丸『ほんと? これをこうして、こうで……んー……』

花丸『あ、解けたずら~!』

ヨハネ『ね!』

花丸『ありがとずら~』

ヨハネ『じゃあ雑談タイムね』

ヨハネ『昨日、いいお月様だったでしょう? それで善子と夜空のデートに行ったんだけど~……』



36: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:49:42.92 ID:6WMZ26n5.net

・・・


キーンコーンカーンコーン


ルビィ「おひるだよ~!」

花丸「ずら~」

ヨハネ「はー……」

ルビィ「善子ちゃん今日珍しいね!寝てないなんて」

ヨハネ「ま、まあ……たまにはね」

ルビィ「ふーん?」

ヨハネ「それより、お昼でしょ? 2人はお弁当?」

るびまる『うん!』

ヨハネ「じゃあ私、購買に走ってくるわ」

ルビィ「あれ、朝買って来なかったんだ」

ヨハネ「買ってたら朝ごはん、リリーに買ってもらったりしてないわよ」

ルビィ「それもそっか」

花丸「待ってるずら」

ヨハネ「いいわよ、先に食べてて」タッ



37: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:50:57.14 ID:6WMZ26n5.net

~購買兼食堂~


鞠莉「あら」

ヨハネ「マリー?」

鞠莉「ハァイ♪ こんなところで会うなんて奇遇ね善子?」

ヨハネ「何してるの?」

鞠莉「学校の食堂の味を知っておくのも理事長のお仕事でしょ?」

ヨハネ「……そうなの?」

鞠莉「そうなの! lunchを用意してないってわけじゃなくって」

ヨハネ「ふうん、ないんだ」

鞠莉「そういうヨハネこそじゃないの?」

ヨハネ「まあね。購買で済ますなら、私たちと一緒に食べる?」

鞠莉「私たち?」

ヨハネ「ルビィと花丸」

鞠莉「んー……せっかくの可愛いsisterのお誘いだし、お受けしちゃおうかしら♪」

ヨハネ「じゃあ急いで買って行きましょ? あの子たちも待ってるし」

鞠莉「OK♪」



38: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:51:27.93 ID:6WMZ26n5.net

~1年の教室~


鞠莉「ま~る~! るびぃ~!」

るびまる『!?』

ルビィ「な、なんで鞠莉さんが……?」

鞠莉「ひとりは寂しかったから来ちゃった☆」

ヨハネ「捨てられた子犬みたいな顔してたから拾ったの」

鞠莉「ちょっとヨハネ、マリーはそんな顔してないんだケド?」

ヨハネ「似たような感じでしょ」

鞠莉「ふっふっふ……そんなこというヨハネは~」ガバッ

鞠莉「えいっ!」モニュ

ヨハネ「んひゃっ!?///」

るびまる『!!』



39: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:52:15.79 ID:6WMZ26n5.net

鞠莉「あれぇ~? ヨハネ、ちょっと大きくなったでしょ~」ムニッムニュッ♡

ヨハネ「ちょ、ちょっ……な、にしてんのよお~!」

鞠莉「……善子のおサボり、黙っててあげるから♡」ボソッ

ヨハネ「!」ビクッ

鞠莉「そうでしょう?my sister♡」

ヨハネ「……」

鞠莉「はいっ」パッ

鞠莉「それじゃ、ご飯にしましょ♡」

ルビィ「鞠莉さん、教室でそれは大胆です……」

花丸「びっくりしちゃったずら……」

鞠莉「そう? ふたりもやってあげよっか」

るびまる『!!』ブンブン

ヨハネ「……」

ヨハネ(終わったわ善子……)


~その頃の善子~


善子「あーーもーー……なんの連絡もないとか心配するじゃないの!」

善子「ヨハネのやつ、ちゃんとしてるのかしら……?」

善子「……ぐぬぬ」


めちゃくちゃ不安になっていた



40: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:53:44.78 ID:6WMZ26n5.net

~教室~


花丸「今日はあったかいねぇルビィちゃん」

ルビィ「そうだねぇ……」

鞠莉「教室でlunchなんて、2年ぶりデスネ……」

ヨハネ「マリーは……理事長になってから授業は受けてないの?」

鞠莉「受けてないよ? 留学で高校生で習う範囲は終わってるし」

ヨハネ「大学は……?」

鞠莉「それは内緒」

ヨハネ「ええ……」

ルビィ「鞠莉さんしゅごい……」

花丸「ま、まるに数学を……」

鞠莉「いいわよ~! どんな教科もマリーにお任せ!」

ルビィ「ほんと!?」

鞠莉「of course! ルビィは何が苦手なの?」

ルビィ「……ぜんぶ?」

鞠莉「あら、それは腕が鳴りそう」



41: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:55:03.62 ID:6WMZ26n5.net

鞠莉「で、ヨハネはどうなの?」

ヨハネ「え、私?」

鞠莉「うん」

ヨハネ「私は……」

ヨハネ(いや、善子か……善子は……)

ヨハネ「……ルビィと同じかしら?」

鞠莉「ほんとに? 英語とか、国語も?」

ヨハネ「国語と英語が少しマシなくらいね。かっこいい漢字とか言葉の言い回しは、いっぱい調べてるから。それだけは強いと思うわ」

鞠莉「じゃあ理系科目をメインね! まるも理系科目でしょ?」

花丸「はい」

鞠莉「OK♪ ルビィは一緒にやりながら得意と苦手を見つけていきましょ!」

ルビィ「おねがいしますぅ~……」

鞠莉「といっても、マリーが見るって言ったらダイヤが怒りそうだけど」

ルビィ「お姉ちゃん、お勉強見てくれるけど怖いから……」

鞠莉「ふふ、じゃあマリーと一緒にやろうね」

ルビィ「おねがいします!」

鞠莉「やだ~! sisterが4人増えちゃった♡」

花丸「4人?」

鞠莉「まる、ルビィ、善子の3人と、前から sisterのヨハネよ♡」

ルビィ「じゃあルビィも、鞠莉さんのことお姉ちゃんって呼ばなきゃ……」

鞠莉「いっぱい呼んで♡」

ルビィ「お姉ちゃん!」

鞠莉「もっともっと!」

ルビィ「おねえちゃーん!」



42: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:56:32.07 ID:6WMZ26n5.net

~3年の教室~


ダイヤ「……もぐ?」

果南「どうしたの?」

ダイヤ「……ごくん」

ダイヤ「今、ルビィに呼ばれたような……」

果南「1年の教室とどれだけ離れてると思ってんのさ……」

ダイヤ「で、ですよね……お、おほほほ」

果南「ところでダイヤ」

ダイヤ「なんです?」

果南「今日の善子、変じゃない?」

ダイヤ「……いつものことでは?」

果南「そうじゃなくて、様子っていうか……昨日と別人っていうか」

ダイヤ「たしかに……昨日のステップを全く知らない様子だったり、名前の訂正がいつもより多めだったような」

果南「……まさかヨハネが入れ替わったりしてないよね」

ダイヤ「まさか! ……まさか」

果南「ないよね、うん」

ダイヤ「そ、そうですわ! どちらにしたって善子さんですし!」

果南「……」

ダイヤ「……」

果南「お説教かなん?」

ダイヤ「ですわね」

果南「あんま怒んないであげてよ? まだ決まってないし、もしそうだとしても……なんか理由があるのかもしれないし」

ダイヤ「納得いく理由であれば、認めて差し上げます。よほど納得できる内容であれば、ですが」

ダイヤ「ただし、サボる代わりに行かせたなどと言い出したらダイカイガンですわ」

果南「オオメダマね」



43: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:57:09.87 ID:6WMZ26n5.net

~その頃の善子~


シャーッ

善子「ふう、ふう、ふう……」

善子「なんでこの時間バスないのよー!」


自転車で学校に向かっていた



44: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:57:58.06 ID:6WMZ26n5.net

~放課後~


ヨハネ「おわった~……っ!」٩(*´꒳`*)۶

ルビィ「放課後の練習!」

花丸「ずら~」

ヨハネ「さ、部活よ部活!」

ルビィ「善子ちゃん今日は元気だね~」

ヨハネ「そう? なんだか久しぶりに学校来たら楽しくて」

ルビィ「久しぶりに……? 昨日も来てたよね?」

ヨハネ「あ、なんでもない。なんでも」

ルビィ「う、うん?」

花丸『失言ずら』

ヨハネ『わかってるぅ……』

ヨハネ「ま、まあまあ……とりあえず部室行きましょ? 私、飲み物買っていくから先行ってていいわよ」

るびまる『はーい』

ヨハネ「……さてと」



45: 名無しで叶える物語 2018/11/27(火) 23:58:36.32 ID:6WMZ26n5.net

~校門前~


善子「うえぇ……やっと、やっとついた……」

善子「やまみち、きつすぎでしょ……」フラフラ

「大丈夫?」

善子「むりぃ……」

「仕方ないわねえ……ほら、こっちよ」グイッ

善子「あぅ」ポフ

善子「……ん?」

ヨハネ「いらっしゃい」ナデナデ

善子「! よ、ヨハネ!」バッ

ヨハネ「ほら、喉乾いたでしょ。お茶飲む?」

善子「……飲む」



46: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:00:33.60 ID:mM9sqOUe.net

・・・


ゴッキュゴッキュ

善子「ぷはぁ……生き返った……」

ヨハネ「もしかしてアレできたの?」


自転車←アレ


善子「……それ以外ないでしょ」

善子「それより、ヨハネこそなんで?」

ヨハネ「善子が居るところくらい分かるわよ。私はあなただもの」

善子「……へー」

ヨハネ「で、普通に自分で朝から来たほうが疲れなかったんじゃないの?」

善子「ん……1人で家にいたらあんたが心配で不安で仕方ないわもう」

ヨハネ「あら、私の心配? 嬉しい」

善子「違うから! あんたが変なことしてないかとか、みんなにバレてないかとかよ!」

ヨハネ「えー……?」

善子「で、どうなの? バレてない?」

ヨハネ「んー……」

ヨハネ「花丸とマリーにバレた」

善子「なんで!?」

ヨハネ「朝あったら見抜かれたわ。マリーも多分最初から」

善子「うそでしょ……あのふたりどうなってんよ……」

ヨハネ「花丸は寺生まれだし、マリーは本当に人をよく見てるし」

善子「うぐぐ……怒られる……」

ヨハネ「ま、ズルはしない方がいいってことね」



47: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:01:01.09 ID:mM9sqOUe.net

善子「……うぅ、怒られる……」

ヨハネ「ちょ、ちょっと……なんで泣きそうになってるのよ……」

善子「だってぇ~……!」

ヨハネ「もー……」ナデナデ

ヨハネ「ほら、元気出しなさいよ。部活行かないとそれこそ怒られちゃうし」

善子「……わかったわ」

ヨハネ「どうする? 部活だけ自分で出る?」

善子「ん……」

善子「今日、楽しかった?」

ヨハネ「楽しかったわよ?」

善子「じゃあ、あんたが出たらいい」

ヨハネ「そう?」

善子「だから、私だけ先に屋上に送り届けて……」

ヨハネ「はいはい……♪」



48: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:01:40.49 ID:mM9sqOUe.net

~屋上~


善子「ヨハネ、見参!」

ルビィ「ヨハネ様!」

善子「ルビィ!」

ダイヤ「あら、来たのですか」

善子「待たせたかしら、この私の登場を……!」

ダイヤ「うふふ、朝から大変でしたよ? 昨日のステップを忘れていると来たのですからねぇ……ヨハネさん?」

善子「そ、そうなんだ……」

善子(記憶共有しとくんだった……っ)

ダイヤ「ふふふふ」

善子「……」

ダイヤ「あなた善子さんでしょう?」

善子「ひぃっ!? な、なななななんでそうなるのぉ!?」

ルビィ「えっ……ヨハネ様、善子ちゃんなの……?」



49: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:02:13.36 ID:mM9sqOUe.net

ダイヤ「わかっているんです! さあ白状なさーい!」

善子「ち、違うわよー! ヨハネだもん!」ダッ

ダイヤ「こら、なぜ逃げてるんですか~!」ダッ

善子「たすけてー!」

ダイヤ「こらあ!善子さん!」

ルビィ「善子ちゃんどういうことなの~!」

花丸「結局バレてるずら」

ヨハネ「来なきゃよかったのにね」

花丸「でも、ヨハネちゃんのこと心配してたんでしょ?」

ヨハネ「ん……そうみたいね。なんかむず痒いわ」

花丸「ふふふ、仲良しさんずら」

ヨハネ「当たり前でしょ? 私と善子なんだから」

花丸「いいな~? まるも仲良しの姉妹が欲しかったです」

ヨハネ「ふふ、善子はあげないわよ?」

花丸「善子ちゃんは別に結構です」

ヨハネ「……あそう」



50: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:03:13.96 ID:mM9sqOUe.net

千歌「おっはよー……お! ダイヤさんと善子ちゃん……じゃなくてヨハネちゃんかな?! 鬼ごっこしてるの? チカも混ぜてー!」

曜「千歌ちゃん!?」

梨子「たまにほんとに子供みたいになるよね……みんな」

果南「いいんじゃない? 私たちっぽくて」

鞠莉「そうそう! みんな揃ってるし♪」

鞠莉「ほら、善子! とろとろ走ってたらダイヤに捕まっちゃうよー♪」

善子「だ、だからヨハネよ~……」フラフラ

ダイヤ「お、おまちなさあ~い……」フラフラ

ルビィ「ぴぃ、ぴぃ……」グッタリ

千歌「え、もう疲れてるの!? はやいよー!」

果南「……あの3人体力なさすぎない? 今週は体力作りメインにしたほうがいいかな」

曜「じゃあみんなで持久走しようよ! 沼津までマラソン!」

梨子「曜ちゃん、それみんな死んじゃうよ……」

曜「えー? そうかなぁ……」



51: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:03:51.11 ID:mM9sqOUe.net

ヨハネ「……ふふ」

果南「ん、どうしたの?」

ヨハネ「ううん……楽しいな、と思って」

梨子「たのしい?」

ヨハネ「うん、とっても楽しい」

梨子「……ふふ」

曜「そっか!」

ヨハネ「よしこー!」

善子「善子言うなー!」ビシッ

ヨハネ「ありがとー!」

善子「えっ」

ヨハネ「ふふん」

善子「……」

善子「ま、まあ……別に……これくらい、どうってこと……」


ガシッ


善子「……!!」

ダイヤ「吐きましたわね…………善子さん…………」

善子「ぴっ……ぴぎゃぁああぁあああ!!!!!!」



52: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:04:26.32 ID:mM9sqOUe.net

~かえりみち~


シャーッ

善子「……めっちゃ怒られたわ」

ヨハネ「面白かったわよ?」

↑二人乗り

善子「もう学校をネタに罰ゲームはしません……」

ヨハネ「あらあら、すっかり弱気になっちゃって」

善子「うるさいわい……」

ヨハネ「でも、私は楽しかったわよ?」

善子「……」

ヨハネ「久しぶりに学校に行って、みんなと授業受けて、お昼食べて、部活して」

ヨハネ「とっても楽しかったわ」

善子「……そう」

ヨハネ「花丸、心配してたわよ? 学校嫌になっちゃったのか、って」

ヨハネ「ぜーんぜんそんなことないのにね?」

善子「わ、わかったようなこと言わないで」

ヨハネ「分かるわよ。だって私はあなただもの」

善子「……ふん」



53: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:05:38.18 ID:mM9sqOUe.net

ヨハネ「明日も学校行っていい?」

善子「え、あんたも授業受ける気?」

ヨハネ「もちろん」

善子「……まあいいけど」

ヨハネ「明日もバスで行きましょうよ」

善子「えー……ばすぅ?」

ヨハネ「いいじゃない、みんなとおしゃべりしながら行きましょ?」

善子「……あんたなんか楽しいことでもあったの?今日」

ヨハネ「ええ、とっても! 今日の全てが」

ヨハネ「バス停で曜とおしゃべりして、リリーに朝ごはん買ってきてもらって、みんなと喋りながら登校して」

ヨハネ「一緒に勉強して、お昼食べて、ダンスして」

ヨハネ「今日の全てがとっても楽しかったわ!」

善子「……ふーん」

善子「……そっか」



54: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:06:07.88 ID:mM9sqOUe.net

ヨハネ「そんな寂しそうな顔しないで」ギュウッ

善子「ちょ、抱きつくなっ!?///」

ヨハネ「ね、一緒に」

善子「っ……わかった、一緒にバスね」

ヨハネ「やった♡」

善子「っていうか、あんた、いま曜センパイのこと名前で呼ばなかった?」

ヨハネ「そうよ? 朝ね、おにぎりを恵んでもらったの。そんなことされたらもう名前で呼ぶじゃない」

善子「……そう?」

ヨハネ「そうなの! だから明日、あなたも曜って呼んであげるのよ?」

善子「えー……」

ヨハネ「いーいーかーら!」ユサユサユサユサ

善子「ああもう揺らすな揺らすなー!」


シャーッ…



55: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:07:22.28 ID:mM9sqOUe.net

~翌朝~


曜「おはよーそろー! 今日はふたりともお揃いだね!」

ヨハネ「おはよ、曜」

曜「……ヨハネちゃん?」

ヨハネ「そう、我が名はヨハネ! 魔の力を宿す漆黒の堕天使!」ギラン

善子「……」

曜「あはは、エンジン全開だね! 善子ちゃんもおはよ!」

善子「あ、……お、おはよ」

ヨハネ「ほら、善子」ツンツン

善子「う、うるさいわね……///」

曜「?」

善子「……ん、んん」

善子「お……お、おは……よ、曜」

曜「!」

曜「善子ちゃんが名前で呼んでくれたー!」ギュウッ

善子「うわ、ちょっ!?」

曜「やったー! 曜センパイからの卒業だねー!」

善子「ちょ、っこら……重たい! 抱きつくな、こらっ!///」

曜「嫌であります! 今日はもう善子ちゃん離さないぞ~!」ムギュースリスリ

善子「も、もおー!」

ヨハネ「……ふふ」

ヨハネ「ちょつと、私も仲間に入れなさいよ!」ガバッ

善子「なんであんたまで!!?」

曜「よーし! 今日はふたりとも離さないぞ~!」

善子「ぎゃー!」

ヨハネ「あははははっ!」


#1 ヨハネと学校 完



56: 名無しで叶える物語 2018/11/28(水) 00:08:08.87 ID:mM9sqOUe.net

`¶cリ˘ヮ˚)|「第1話、完」

`¶cリ˘ヮ˚)|「のんびり2話も書けたら投稿していくからのんびり待っているのよリトルデーモンたち!」



92: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:38:00.48 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「海!」1カメ

ヨハネ「海!!」2カメ

ヨハネ「海!!!」3カメ

ヨハネ「海ーー!!」4カメ

善子「……」

果南「いらっしゃい、ふたりとも」

善子「……おはよ、センパイ」

果南「また朝から眠たそうだねー」

善子「いちおうエナドリ飲んできてるけどね……昨日、夜中までゲームのイベントで本気出しちゃって」

果南「なにしてんのさ……朝早いよって言ってたのに。楽しみで眠れなかった?」

善子「そういうわけじゃないけど」

果南「でもあっちはすっごく楽しみにしてたっぽいけど」

ヨハネ「善子善子!海、海!」ブンブン

善子「はいはい……」ヒラヒラ



93: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:38:38.84 ID:G+H1hkrF.net

果南「……ヨハネって善子なんでしょ?」

善子「そうよ」

果南「海ってそんな珍しい?」

善子「そんなわけないじゃない……多分あれよ。ヨハネがヨハネとして私から分裂してから、初めて来る海……ってことじゃないのかしら」

果南「でも学校行くとき毎日見てない?」

善子「見るんじゃなくて、来るの」

善子「……まあ、私、結構海好きだし」

果南「ふうん……じゃあ今のそのさっぱりした態度は私の前だから恥ずかしがってるってわけだ」

善子「ち、違うけど!?」

果南「あはは、善子って気難しいと思ってたけど、ヨハネのおかげで分かりやすくなったよ」ナデナデ

善子「な、撫でないで!」パシッ

果南「およ、怒らせちゃった」

善子「別に怒ってもないわよ!」

果南「あはは、そっか~」



94: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:39:00.57 ID:G+H1hkrF.net

善子「そんなことより、バイト、どうしたらいいの?」

果南「ん、ダイビングに来たお客さんの相手だよ。善子とヨハネはライセンスないから、店で雑用って感じかな」

善子「雑用…………」

善子「……筋肉がいるやつじゃ」

果南「もちろん!」d('∀'*)

善子「ひぇぇ……」サアァァ※青ざめる音

果南「大丈夫大丈夫! ちょっと重たいボンベをいっぱい運ぶくらいだから!」

善子「もうなんか気が遠くなりそう……」

果南「へーきへーき! 明日は千歌と曜も来てくれるから!」

善子「……がんばります」



95: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:40:48.68 ID:G+H1hkrF.net

~3日前~


善子「え、日雇いのバイト!?」

果南「そう! 善子、週末の連休空いてないかな……」

善子「べ、別に用はないけど……でも、バイトって……?」

果南「うちのショップの手伝い! 連休で団体のお客さんが来てて……」

果南「私とおじいの2人だけじゃ手が回んないんだよ~……」

善子「それって、私よりマリーやダイヤのほうがいいんじゃ……?」

果南「全員に声かけてるんだけど、梨子と鞠莉とダイヤたちとマルにはもうダメって言われちゃって……」

果南「千歌と曜は2日目3日目は来てくれるからいいんだけど、あとふたり! 善子とヨハネに来てほしいの!」

果南「本当にお願い! ね、給料は弾むしご飯も出すから~!」

善子「わ……わかったからそんな顔しないで……」

果南「ほんと!? ほんとに!」ギュウッ

善子「ほ、ほんとだからそんな強く手を握らないで……」

果南「ありがとう!」

善子「~~っ……」

善子(あんな風に頼まれると、弱い……)



96: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:41:49.86 ID:G+H1hkrF.net

~現在~


果南「じゃ、こっちだよ」

善子「うわ……これ全部酸素ボンベ?」

果南「そだよ。ああ、でも呼び方は注意ね。酸素ボンベだけど、タンクって呼んでるから」

ヨハネ「分かるけど、どうしてボンベじゃダメなの?」

果南「なんか爆弾の意味のボムに聞こえるからってのと、実際に中に入ってるのが酸素じゃないから……かな」

善子「酸素じゃないの?」

果南「酸素じゃなくて、普通の空気をすっっっっっごく圧縮して入れてるんだよ」

善子「へえ……酸素じゃなくて、空気」

果南「そ! ダイビングするには酸素だけより、普通の空気のほうがいいんだってさ。だから酸素ボンベじゃなくて、タンク」

ヨハネ「なるほど……」

果南「わかったかな? えっと、こっちがお客さんが使った後のやつで、向こうが使用前」

果南「お客さんが使った後に回収したタンクはとりあえずここに置いといて、後でまとめてあっちの機械で空気を入れるの」

果南「んで、入れ終わったらこっちに移動って感じ」

ヨハネ「ふんふん」

善子「ウェットスーツも貸してるの?」

果南「そりゃもちろんだよ。それは向こうの部屋で……」



97: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:42:25.54 ID:G+H1hkrF.net

・・・


果南「とりあえずそんな感じかな」

善子「説明だけでくたびれたわ……」

果南「あはは、覚えること多いからね。ま、無理しないでゆっくりやってよ」

ヨハネ「それより善子が憂鬱なのは筋肉の問題でしょ?」

善子「そう、それ!」

果南「えー……そんなにかなあ」

善子「だってセンパイの筋肉って、ここ手伝ってて鍛えられたんでしょ?」

果南「うん」

善子「私そんな筋肉ないわよ!」

果南「大丈夫だって~」

ヨハネ「不安になりすぎよ善子」

善子「あ、あんただって筋肉ないでしょ!」

ヨハネ「ふ、バカね善子」

善子「え……?」

ヨハネ「この私、堕天使ヨハネには必殺の魔法があるのよ!」

善子「……!」

果南「?」

ヨハネ「魔力を使えば筋力、膂力を底上げできるのよ!」

善子「ぐぬぬぬ……」

果南「……どゆこと?」

ヨハネ「初歩的な魔法のひとつよ。身体の一部分に魔力を集中させることで、簡易的な筋力増強ができるの」

ヨハネ「速く走ったり、重いものを持ち上げたりね」

果南「……ドラゴンボールでいうと?」

ヨハネ「ギニューと戦う時にやった殴る瞬間だけ戦闘力をあげる……みたいな?」

善子「ちょっと違うでしょそれ……」

果南「うーん、よく分かんないけどなんとかなるならいいよ! 3日間よろしくね、善子、ヨハネ!」

よしヨハ『はーい』



98: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:43:14.11 ID:G+H1hkrF.net

・・・


果南「善子、タンク!」

善子「は、はい!」グッ

善子「ふ、ぬっ……ぐぐぐぐ……」ギギギギ…

善子「っは……全然持ち上がんない……」

ヨハネ「そっち貸して貸して」ヒョイ

善子「なんであんただけ……」

ヨハネ「魔法ってべーんり♪」

善子「ぐぬぬ……」

善子(やっぱり私に魔法は使えないのかしら……)

ヨハネ「果南センパイ、タンクもってきたわ」

果南「ありがと、そこ置いといて。善子は……そだな、スーツ貸出の方に回ったほうがいいかな! 待ってもらってるお客さんいるから!」

善子「は……はーい!」タッタッ

善子(なんでこんな忙しいのよダイビングショップ~!)

善子「あ、ああえっと……お、お待たせしました! こっちで採寸しますので並んで……」

善子「……はい、それではMサイズの貸し出しになりますので、かけてあるものを取って更衣室へお願いいたします」

善子「次のお客様ー!」

善子(10人1組を果南センパイと、そのおじいちゃんで2組ずつ担当って……)

善子(ダイビングってこんな感じなの……?)

果南「タンク2個おねがーい!」

ヨハネ「ただいまー!」セッセッ

善子(あいつも走り回ってるわね……)

善子(私も負けてられない……)

善子「クックック、少女よ。我に採寸されること喜ぶがいい……」

「は、はあ……?」

果南「そこ、普通にやる」

善子「測りますので動かないでくださいねー」ジャッ



99: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:43:50.34 ID:G+H1hkrF.net

・・・


善子「はあ……午前の部、終了……」

ヨハネ「きっつ……そりゃ2人じゃ足りないわよね……」

善子「果南センパイとおじいちゃんはそれぞれ大型の船でダイビングポイントまで行ったけど……」

ヨハネ「その間に私たちは店の片付けね。タンクに空気を詰めるのは許可がどうとかで私たちにはできないし」

善子「私たちあんまり要らないんじゃ……」

ヨハネ「そんなこと言わないの。一気に20人も来られたら、センパイとおじいちゃんだけじゃ、てんてこ舞いだわ」

善子「……まあそうだけどね」

ヨハネ「ほら、あと30分もしたら帰ってくるんだから片付けするわよ! 次のお客さんも来ることだしね」

善子「そうね……よし、やりましょうか」

ヨハネ「えーっと、次のお客さんはライセンス講習だっけ?」

善子「だったっけ……今日と明日の講習で取れるんだって。意外と簡単なのねダイビングのライセンス」

ヨハネ「さあ、どうなのかしら。実際やってる側はめちゃくちゃ辛いかもよ?」

善子「……ありえるわね」

ヨハネ「って、やばいやばい! のんびりしてられないわよ善子!」

善子「わ、わかってる!」



100: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:44:38.98 ID:G+H1hkrF.net

~16:00~


果南「それでは本日はおしまいです! ありがとうございましたー!」

『ありがとうございました~』


・・・


善子「つかれた……暑い……」グッタリ

ヨハネ「おなかすいた……暑い……服脱ぎたい……」グデーン

善子「ぜったいやめろ……」

果南「おつかれ~」

善子「なんでセンパイそんな涼しい顔なのよ……」

果南「んー? 海に入ってたから?」

善子「そうじゃなくてぇ……」

ヨハネ「全然疲れを感じさせないわね……」

果南「ああ……ふふふ。私はもう慣れっこだからさ」

果南「とりあえず今日のお客さんはさっきの人たちでおしまいだから、あとはもう片付けして明日の準備で終わりだよ」

ヨハネ「え……でもまだ営業時間でしょ?」

果南「ダイビングの道具の販売はしてるけど、潜るのはおしまい。そろそろ陽も沈むし、波も高くなるからね」

善子「そうなの?」

果南「2人くらいなら見れるけど、10人以上になると流石にね」

善子「ナルホド…………って!」

善子「そういえば今日私たち休憩なかったんだけど!?」

ヨハネ「そーいえば……」

果南「うん……それは、本当にごめん! 初日から休憩なしで働かせちゃって……」

ヨハネ「でもまだ営業終了じゃないし、まだ大丈夫でしょ」

善子「……まあそうだけど」

果南「あはは、ありがとヨハネ」



101: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:45:05.80 ID:G+H1hkrF.net

果南「今日はみんな働きっぱなしだったし、休憩がてら、今からご飯作るってことでなんとか……なんない?」

ヨハネ「ごはん……! なに!」

果南「私特製のわかめうどん。千歌と曜も好きなんだ」

善子「ふーん……」

果南「……気に入らない?」

善子「……ううん、たべたい」

果南「ほんと? よかった~!」

果南「じゃあすぐ作ってくるから待っててよ!」パタパタパタ

ヨハネ「わかめうどんだって」

善子「そーね」

ヨハネ「もうほとんど夕方ね」

善子「そうね」

ヨハネ「ちょっと楽しかったわね」

善子「……そう? 私は別に」

ヨハネ「ふふ、嘘ばっかり」

善子「……うっさい」

ヨハネ「ねえ、ちょっと海見よ」

善子「えー……私もう動きたくない……」

ヨハネ「じゃあ抱っこしてあげましょうか? おんぶでもいいけれど」

善子「……されるくらいなら自分で行くわよ」

ヨハネ「ふふ、じゃあ行こ!」グイッ

善子「ああもう引っ張らないでよ……行くから、行くから……」



102: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:47:22.11 ID:G+H1hkrF.net

~デッキ~


ヨハネ「わぁ……だいぶ陽が沈んでるわね」

善子「そうね」

ヨハネ「夕陽が沈む海って……とっても綺麗。私、この景色好きよ」

善子「……私も、まあ、嫌いじゃないわ」

ヨハネ「沖の方まで行けば、もっと綺麗な景色になるのかしら」

善子「まあ……余計なブイとか旗は無くなって見栄えは良くなると思うけど」

ヨハネ「……そうね」

善子「……」

ヨハネ「にしても、よくあなたが果南センパイの頼みを受けたわね。一番面倒くさがりそうなお願いなのに」

善子「それは……でも、断る理由ないじゃない。果南センパイにはいつも助けてもらってるし、優しくしてくれてるし」

善子「力になれるなら……なりたいし、あそこまで必死に頼まれたら断れないし……」

ヨハネ「なんだ、善子、結構果南センパイのこと好きなんだ」

善子「……き、嫌いならここまで来てないでしょ」

善子「Aqoursのみんなは……みんな好きだし。そりゃ果南センパイだって、好きに決まってるじゃない」

ヨハネ「ふーん……妬けちゃうわね」

善子「なっ……///」

ヨハネ「ふふ、なんてね」



104: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:50:40.91 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「……そういうことみたいよ、果南センパイ?」クルッ

善子「……」

善子「えっ!?」バッ

果南「いやあ……あはは、なんかムズムズしちゃうね!」

善子「き、聞いてたの!?///」

果南「うどん出来たよって呼ぼうと思ったら……なんか、喋ってたから声かけづらくて」

善子「うぐ……ヨハネ、あんた気づいてたわね……!!」

ヨハネ「もちろん♪」

ヨハネ「センパイが真っ赤になって善子の話聞いてるの面白かったわ」

果南「も、もお……人が悪いよヨハネ……///」

善子「ほ、ほんとに最悪! わざわざ言わせたわねあんた!」

ヨハネ「さあ、なんのこと? ヨハネ分かんなーい☆」

善子「マリーの真似してんじゃないわよムカつく……」

ヨハネ「ふふん」

果南「ま、まあほら、とりあえずご飯食べようよ。おにぎりも作ったよ」

ヨハネ「ごっはん!ごっはん!」テテテーッ

善子「あ、ちょっと!」

果南「ふふ、よっぽどお腹空いてたんだね」



105: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:51:50.85 ID:G+H1hkrF.net

善子「……センパイ、全部聞いてた?」

果南「……まあ、うん」

善子「うぐぐ……」

果南「ふふ、あんな風に思ってくれてたんだね」

善子「……まあ」

果南「普段から私たちってあんまり話したり一緒に過ごしたりしないから、どうかなってちょっと不安だったりしたんだけど」

果南「思い過ごしだったかな!」

善子「それは……ほら、私がこんなだから……自分から話しかけたりしないだけで……」

善子「センパイにステップ見てもらったり、一緒にゲームしたりするの、好きよ私」

善子「だからせっかくの3連休もここで潰すの! わかった!? わかったらもう恥ずかしいからいいわよね!?///」

果南「う、うん……わかった」

善子「じゃあ私もご飯食べるから!」

果南「あ、私も行くよ」

善子「……」

果南「どしたの?」

善子「……たまになら頭撫でてもいいから」

果南「……!」

☆果南特製わかめうどん☆
1.市販の讃岐うどんの麺をいい感じに茹でます。
2.お汁は和風だしのもと。わかめから塩分がよく出るので味付けはいらないよ!by果南
3.あとは獲ってきたわかめをたくさん入れて、一口大に切った鶏肉をお汁と一緒に火を通します。
4.盛り付けて完成!

☆果南お手製おにぎり☆
1.お米を炊きます。
2.具に焼きタラコと鮭フレークを用意します。
3.愛を込めてにぎります。力加減大変なんだよね~ by果南
4.盛り付けて完成!

3人『いただきまーす』



106: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:52:39.21 ID:G+H1hkrF.net

~浴室~


ザパッ

バシャー…

よしヨハ『はぁあ~…………生き返る~……』

ヨハネ「お風呂さいこう……」

善子「果南センパイの家のお風呂がこんなに大きいなんてね……」

ヨハネ「家族みんなで入りたいっておじいちゃんが作ったんだって」

善子「ふーん……あの全然喋らないおじいちゃんが」

ヨハネ「でもカッコいい感じ」

善子「……まあ」

ヨハネ「暇な日は漁協の人たちと漁の手伝いとかするんだって。センパイがよく干物くれるけど、それで獲った魚使ってるんだってさ」

善子「あんたよく知ってるわね」

ヨハネ「店番の時に喋ったから」

善子「喋ったの!? あの人……」

ヨハネ「面白かったわよ」

善子「……あとで記憶共有しましょ」

ヨハネ「ふふ、はいはい」

『ふたりとも、お湯加減どう?』

よしヨハ『だいぶいい感じ~……』

『よーし、じゃあ』ガチャッ

果南「私も入ろっかな♪」

善子「なーーっ!?」



107: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:53:33.91 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「いらっしゃーい……」ポカポカ

果南「ん、ダメ?」チャプ ザプッ

善子「だ、ダメ……って、いうか……ちょ、見ないで///」ササッ

ヨハネ「……善子、私の後ろに隠れたって無駄でしょ。私とあなた同じなんだから」

善子「自分が直接見られるよりはマシなの!」

ヨハネ「……あそう」

果南「そういえば善子、1年と3年で温泉行った時も出てこなかったっけ」

善子「うぅ……は、肌を見せるのは苦手なのよ!」

ヨハネ「恥ずかしいのよね」

善子「うるさいわね!」

果南「どうして? 真っ白で綺麗だと思うけど……まあ、もう少し焼けたほうが健康的な気はするけど」

善子「焼けたら痛いじゃない……」

ヨハネ「だからわざわざ長袖のローブとかマントとか羽織ってるのよね」

善子「ほんと黙って」

ヨハネ「その点、ヨハネは魔法で日焼けしないように細工できるから全く気にすることはないわ!」o(`・ω´・+o) ドヤァ…!

善子「こいつぅ……」

果南「あはは、羨ましい限りだよ。私も仕事柄よく海に潜るけど、日焼け止めは欠かせないなー」

善子「ん……センパイ、そういうの気にしないタイプだと思ってた」



108: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:54:17.04 ID:G+H1hkrF.net

果南「スクールアイドルやるまではね、全然気にしてなかったよ」

善子「……なるほど、やっぱり人に見せることは意識してるんだ」

果南「そりゃあねー……色々雑な私だけど、そこだけはちゃんとしないとって思うかな」

ヨハネ「センパイも頑張ってるのね」

果南「あはは、ヨハネだってやるんだからね」ギュウッ

ヨハネ「え、私まで!?」バシャ

善子「あ……盾が奪われた……」

果南「ヨハネもAqoursの一員でしょ」

ヨハネ「……でも、私、舞台には」

果南「どうして? 双子ユニットって面白そうじゃん」

ヨハネ「い、いや……でもAqoursは9人で、私はその外の人間だから……そこに入るわけには……」

果南「善子はどう思う?」

善子「……私は、別に」

果南「別に?」

善子「……一緒にいればいいんじゃないの」

ヨハネ「……」

果南「だってさ?」

ヨハネ「……ぅ」

ヨハネ「か……考えとく」

果南「うん、前向きにね!」

果南「さてと、善子とヨハネ、体洗ってあげるよ~」

善子「い、いらないから! なんでいきなり!」

果南「あれ、千歌と曜なら絶対喜ぶのに……おかしいな」

善子「おかしくないから! というか、あのふたり、いつも洗ってもらってるの!?」

果南「小さい頃からいつもそうしてるよ?」

善子「幼馴染怖い……」



109: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:54:40.64 ID:G+H1hkrF.net

果南「まあまあ遠慮しないでさ、おいでおいで」

善子「い、いかないってば……///」

ヨハネ「ふぅん……ふふ、それでは私が洗われてあげましょう」

善子「!?」

果南「お、いらっしゃい」シュコシュコ

ヨハネ「言っておきますけれど、ヨハネの身体はとても繊細で神秘的な神より賜りし究極の造形美。あまり手荒な洗い方は」

果南「素手とめちゃくちゃ柔らかいスポンジで使い分けるから安心していいよー」ヌルッ

ヨハネ「ふひゃっ!」チベタイ…

果南「おお、すべすべだ」ヌリュヌリュ

ヨハネ「く、ふっ……く、くすぐったい……っww」ビクッビクッ

果南「本当に綺麗な肌。私とは大違いだな~」ワシャワシャ

ヨハネ「ゃ、そこは……ぁ、だめっ……んっ……///」

善子「ぁ、あわわ……わ、っ……///」

善子「なにしてんのよーーーーー!」

果南「えー!?」ニュルニュル

ヨハネ「ゃら、っあ……んぁ、っ……♡」

善子「あんたもそんな声出さないで!?」

ヨハネ「だ、っ……て、センパイの手が、良すぎて変な声出ちゃ……っ」

善子「センパイ!」

果南「普通に洗ってるだけなんだけどな……」


※普通に洗ってるだけです!



110: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:55:37.76 ID:G+H1hkrF.net

・・・


果南「はい、目閉じてー」

ヨハネ「んーっ」

バシャーッ

ヨハネ「……んん」ブルブル

ヨハネ「気持ちよかった……センパイ、髪洗う才能あるわ」

果南「あはは、ありがと。喜んでもらえて嬉しいよ」

果南「じゃ、つぎは善子ね」

善子「えぇ……ほんとにやるの……?」

果南「ヨハネはやったよ?」

善子「うー……」

果南「じゃあジャンケンしよ! 善子が勝てば私は何もしないよ」

善子「……サンシャインジャンケンね」

果南「よし!」

かなよし『最初はラブ! サンサンサンシャインでジャンケン……』

善子「ポン!」ヨハネチョキ

果南「ほい」グー

善子「ぁぁぁぁぁぁあぁぁああああ」

ヨハネ「普段からそればっかり出してるからよ」

善子「ハメラレタ……」

果南「はいこっちー」

善子「ぐぬぬぬ……へ、変なことしたらぶん殴るわよ!?」

果南「善子が本気出しても私にあたるかなぁ」シュコシュコ

善子「くっ……」

果南「洗うよー」ワシャワシャ

善子「ぅ、ぅ……ん」

善子(あ、思ってたより良い……)



111: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:56:51.08 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「あら? 善子、あら善子? あらあら善子?」

善子「……なに」

ヨハネ「思ってたより気持ちいい……♡ って顔になってるわよ?」

善子「だまりなさい……!」

果南「ほら、目閉じとかないと痛いよ?」

善子「そっちはそっちで子供扱いしすぎ!!」

果南「妹みたいなもんだし」

ヨハネ「生徒会長の新たな敵ね」

果南「そんなつもりじゃないけど……まあ、せっかく知り合えたならいっぱい仲良くなりたいじゃん?」

果南「私は今まで周りに年下しかいなくて、ずっとお姉ちゃんだったから……こんなやり方でしかコミュニケーションできないんだ」

善子「……不器用ね」

果南「まあ善子には負けるけどね」

善子「なによ!もう!」

果南「あはは、ごめんごめん」ナデナデ

善子「む~……」

果南「今日、つらくなかった?」

善子「めっちゃくちゃ大変だったわよ……」

ヨハネ「でも、結構楽しかったわよね」

善子「……まあ」



112: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:57:15.58 ID:G+H1hkrF.net

果南「ほんと? 明日も平気?」

善子「大丈夫よ」

果南「……そっか、そう言ってもらえてホッとしたよ~」ナガスヨー

善子「でも、これがあと2日……って思うと、少し気が遠くなりそう」ン

果南「昨日も言ったけど、明日明後日は千歌と曜も来てくれるからかなり楽だと思うよ?」バシャー

善子「だといいけど……」ブルブル

果南「明日は子供のお客さんも多いし、うまくやってね?」

ヨハネ「子供……ってことは」

善子「じゃあ堕天使ムーブしてもいい!?」

ヨハネ「したい!」

果南「それはダメ」

よしヨハ『ブーブー!』

果南「あれ、子豚の鳴き声がする。今夜は焼き豚かな?」

よしヨハ『ひぃぃぃ……』

果南「よし終わり」ポンポン

善子「……ん」

果南「さてと、夕飯食べて帰るでしょ?」

善子「えっ……でも」

果南「いいじゃんいいじゃん、せっかくだし」

善子「でも、うーん……」チラッ

ヨハネ「!」←食べたい! という視線

善子「……わかったわ、それじゃあお言葉に甘えてもいいかしら、センパイ」

果南「うん! ありがとう!」

善子「な、なんでそっちが……」

果南「誘いに乗ってくれて嬉しかったから……?」

善子「お、おう……」

果南「じゃ、あがったら晩御飯作るの手伝ってもらうね!」

善子「え、ええ」

ヨハネ「ヨハネの腕前、見せて差し上げましょう!」ザパッ!

善子「た、たちあがるなーー!///」



113: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:58:26.01 ID:G+H1hkrF.net

~台所~


果南「あ、おじい。いまからご飯作るから待っててねー」

おじい「」コクン

善子「なに作るの?」

果南「んー……明日のために力つけてもらわないとだから、中華にしようと思って」

果南「食べれないものある?」

善子「中華……ううん、大丈夫よ」

ヨハネ「餃子に唐揚げ、麻婆豆腐、青椒肉絲……お腹すいてきた」

果南「ふふ、そりゃよかった。んじゃたくさん作るね」

善子「たくさんって、どれだけ作るつもりなのよ」

果南「んー……餃子は冷凍のやつがあるからそれを焼いて、あと唐揚げに春巻き、麻婆豆腐、エビチリ……」

善子「え、なにそれ……めちゃくちゃ多いじゃない……」

果南「ん、あはは、私たちだけならね」

善子「私たちだけなら……?」

ヨハネ「……ああ、なるほど。そういうことね」

善子「え、なに?どういうこと?」

果南「え、わかったの?」

ヨハネ「もう来るわよ」


ピンポーン


ヨハネ「ほら」

果南「あーなるほど」

善子「???」

善子「え、なに?でなくていいの?」

果南「いいのいいの」

果南「勝手に入ってくるから」

ガチャッ

善子「えっ……」



114: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 01:58:55.37 ID:G+H1hkrF.net

『わーたーしーたーちーがー!』


ドタバタドタバタ

バン!


ようちか『泊まりに来たーーー!』ババーン


善子「」

果南「いらっしゃい、来ると思ってたよ」

千歌「さすが果南ちゃん! 連絡しなくてもわかってくれてる~!」

曜「あ、ご飯作ってる。なにするの?手伝うよ」

果南「中華だよ。今日は善子たちもいるからたくさん作るつもり」

曜「おお、ふたりとも頑張ったみたいだね!」

ヨハネ「ええ、まあ……かなり疲れたけど」

曜「あはは、でしょ? GWとかもっとヤバいから覚悟しといたほうがいいよ」

ヨハネ「えっ……GWも頼まれるの私たち!?」

果南「もちろん」

千歌「うちの手伝いも頼むよ!」

ヨハネ「」

千歌「あ、おじーちゃん! お世話になりまーす!」ペコリ

曜「なりまーす!」

おじい「」コクン

果南「千歌もこっち来て手伝ってー」

千歌「うんー!」

果南「豆腐切ってくれる?」

千歌「はーい」



115: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:00:04.39 ID:G+H1hkrF.net

善子「……はっ」

善子「あんまり驚いたから魂抜けてた……」

ヨハネ「……私も」

果南「大丈夫? ちょっと横になっとく?」

善子「そ、それは平気よ。お料理するから」

果南「じゃ、鶏肉の処理お願い」

善子「わかった」

果南「ヨハネはお米8合洗って炊いといて」

ヨハネ「はーい……って8合!?」

果南「おじいと私、千歌、曜に善子とヨハネ」

果南「6人もいたら8合なんてすぐ終わっちゃうよ」

曜「足りるかなぁ」

果南「足りなそうだったら、おひつに移して早炊きしたら間に合うと思うし」

曜「そだね」

千歌「お豆腐切れたよー」

果南「ありがと、そっちの鍋に移しといて。あとで麻婆豆腐にするから」

千歌「おー! ……辛くありませんかね果南ちゃん」

果南「食べれないほど辛くはしないって~」

千歌「ほっ……」



116: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:00:38.62 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「……あ、そうだ」

ヨハネ「曜たちなんで今来たの?」

曜「ん?」

善子「あ、そうよ……明日からじゃないの?」

曜「お手伝いは明日からだけど……もう私も千歌ちゃんも暇だから泊まって朝から頑張ろうって思って」

千歌「果南ちゃんちのお手伝いに来るときはいつもそうしてるのだ! ね、よーちゃん!」

曜「うん!」

果南「早朝から来てもらうのも迎えに行くのも大変だからね」

善子「なるほど……」

千歌「私はただ泊まりたいだけだけど!」

果南「千歌は何もなくても泊まりにくるからね~」

千歌「曜ちゃんもだけどね!」

曜「迷惑じゃない?」

果南「何年続いてると思ってるのさ……私たち、もう家族でしょ」

曜「……果南ちゃんそういうとこあるよ」

果南「え?」

千歌「そう、私たちは生まれながらの家族なのだ!」

果南「うんうん、家族だね~」

曜「……照れ臭いなぁ、もぉ」



117: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:01:09.95 ID:G+H1hkrF.net

善子(天然タラシ……)

ヨハネ『善子もタラしこまれてた』

善子『は!? されてないし!』

ヨハネ『そうかしら? 結構誑かされてると思うけど』

ヨハネ『ふふ、私の善子取られちゃうわね』

善子『だ、だからそんなことないってば! 私はどこにも行かないっての……ずっとあんたといるわよ』

ヨハネ『……善子もそういうとこある』

善子『え?』

ヨハネ『なんでもない』

ヨハネ「お米おっけーよ。コンロ借りるわね」

果南「はいはーい」

善子「……???」

果南「善子、鶏肉の処理できた?」

善子「あ、ああ……うん、できたわ」

果南「んじゃ唐揚げ粉で味付けね」

善子「ええ」

善子(変なヨハネ……)

果南「曜、千歌とエビの殻剥いて」

ようちか『ヨーソロー!』

善子「仲良いわね」

ようちか『もちろんであります!』



118: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:01:52.55 ID:G+H1hkrF.net

・・・


みんな『できたー!』

果南「唐揚げとエビチリ、麻婆豆腐、餃子、春巻き」

果南「今日のごはんは豪勢だよおじい」

おじい「」コクン

曜「私おじいちゃんのとーなり!」

千歌「曜ちゃんおじーちゃん好きだねー」

曜「おじいちゃんと曜ちゃんは仲良しなのであります!」

果南「はいはい、ちゃんと座ってねー」

ようちか『はーい』

ヨハネ「私は善子の隣」

善子「じゃあ私は果南センパイの」

ヨハネ「えっ……」

善子「……冗談よ」

ヨハネ「……♪」

果南「じゃあ私がそっちにいこっかな」

みんな『いただきまーす』



119: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:02:15.67 ID:G+H1hkrF.net

~食後~


善子「はー……お腹いっぱい」

ヨハネ「魔力すごい使ったからすごい食べちゃった……太るかも」

善子「え、マジ?」

ヨハネ「嘘。全部魔力に変換される」

善子「くっ……!!」

果南「デザートあるよー」

善子「デザート!」

ヨハネ「なに!」

曜「それは~」

千歌「もちろん~」

ようちかなん『おいしいみかん!』

よしヨハ『いやーー!』



120: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:02:56.58 ID:G+H1hkrF.net

・・・


おじい「」モグモグ

千歌「んま~」モグモグ

曜「いい感じに熟しててすごい甘いね」モグモグ

果南「いつもありがとー千歌」

千歌「おすそ分けおすそ分け~」

善子「……」モグモグ←もともと持っていたチョコを食べています

ヨハネ「……」モグモグ←善子と同じチョコを食べています

果南「みかんおいしいのに」

善子「昔に食べ過ぎちゃって、もう食べたくないのよ」

千歌「それ言い出したら生まれてからこれまでずっとみかんしか食べてないよ?私」

善子「嘘も甚だしいわ」

曜「でも、そんなに飽きちゃうかなあ?」

善子「まあ、個人差だってあるでしょ?」

曜「まあ、そうだけど」

ヨハネ「まあまあ、トッポあげるからみんな落ち着きなさいよ」

千歌「あ、食べる~」

曜「いただきまーす」

果南「私もいいの?」

ヨハネ「もちろん」

果南「ありがとっ」



121: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:03:54.10 ID:G+H1hkrF.net

善子「あ、やば。もう11時過ぎてる」

ヨハネ「ほんとだ。帰って寝ないと時間ないわね」

果南「ん?」

善子「ごめんセンパイ、明日寝坊できないしもう帰るわ」

ヨハネ「ごはん、美味しかったわ。ごちそうさま、また明日ね」

曜「えーもう帰るの?」

千歌「寂しいよう」

善子「帰らないと死ぬでしょ明日」

果南「泊まるでしょ?」

よしヨハ『え?』

曜「あ、着替え取りに帰るんだ」

千歌「なるほどー! じゃあお部屋に布団敷いて待ってるね!」

善子「ちょっと待って!?」

果南「?」

善子「……泊まるの?私たち」

果南「うん」

ヨハネ「さ、さすがにごはんまで食べさせてもらって泊まるのは……」

曜「え、でも私たちも泊まるよ?」

ヨハネ「それは……曜は沼津から時間かかるし」

曜「ヨハネちゃんたちもじゃん」

善子「私とヨハネは飛べるから」

千歌「ねぇ……ギュッ

善子「な、なによ……」



122: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:05:01.29 ID:G+H1hkrF.net

千歌「……千歌たちとお泊り……やだ?」

善子「ぅっ……そ、そんな目で見るのは反則よ……」

千歌「ヨハネちゃん……」

ヨハネ「……はぁ」

ヨハネ「わかったわかった、泊まらせてもらうわ」

千歌「! やったー!」

善子「ずるいわよ、リーダー……それ」

曜「千歌ちゃん必殺のおねだり攻撃だからね……あれを受けてただで済んだ人はいないと思う」

千歌「えへへ~」

善子「ぐぬぬ……」

ヨハネ「仕方ないわね……でも、一旦着替えだけは取りに帰らせてもらえる?」

千歌「ちゃんと帰ってくる?」

ヨハネ「善子置いてくから」

善子「私を担保にしないで!?」

ヨハネ「ちゃんと迎えにくるわよ♪」

ヨハネ「でも、お部屋大丈夫なの? すごい人数だけど」

果南「ちゃんとみんなで一緒に寝れる部屋があるんだ。安心していいよ」

曜「うんうんっ! あの部屋ならみんな一緒であります!」

善子「あの部屋……?」



123: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:06:14.57 ID:G+H1hkrF.net

~果南の部屋~


善子「ここがセンパイの部屋……」

果南「何もないでしょ」

善子「カエルやイルカのぬいぐるみあるけど」

果南「気にしない気にしない」

善子「でも、ここじゃ無理よ? 5人はつらいわよ」

千歌「心配ご無用だよ! いくよ!」ガラガラガラ

善子「か、壁が……開いた!」

曜「なんと果南ちゃんの部屋はひとつの大きな部屋を壁で区切っているのでした!」

千歌「だから、5人でも全然眠れちゃうんだよ!」

善子「確かにこれなら……しかも、壁……別れる……」

善子「秘密基地みたいでかっこいい……!」

果南「私の部屋なんだけど」

千歌「だよねだよね! ここを私たちはシークレットルームと呼んでいる!」

善子「シークレットルーム!」

曜「実はこの部屋の隅の段ボールに隠れて持ち込んだ非常食のお菓子が……」

善子「非常食……おかし……!」

果南「私の部屋で何してんの……」

千歌「あとね、こっちのクローゼットは果南ちゃんの服がいっぱいあるんだけどー」

千歌「その下着入れの引き出しのそこには果南ちゃん秘密の日記gぐえっ!」グッ

千歌「う、うぐぐ……がなん、ぢゃ……」

果南「ち~か~!!」

千歌「ごべんなざぃ……」

果南「ったく……」パッ

果南「ふたりとも、私の部屋で遊びすぎ!」

曜「えへへ~」



124: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:06:53.15 ID:G+H1hkrF.net

千歌「こっそり教えちゃうけど、果南ちゃんのおっぱいは結構」

果南「ち、ちか! いい加減に……!」

千歌「あはは、ごめ~ん」

果南「もぉ……///」

善子(……結構……何?)

果南「これ以上遊ぶんなら2人だけ帰すからね!」

ようちか『やだ~!』

果南「じゃあ布団敷くのちゃんとやれる?」

ようちか『やります!』

果南「よろしい。さあ取りかかれ!」

ようちか『あいあいさー!』

善子(手懐けてる……これが幼馴染ってやつなのね)

善子(……仲良し幼馴染、かぁ)

善子(…………私には、そこまでの仲って言える人……いるのかな)

善子(自分の中で線引きして、他人とは若干距離あけて……)

善子(偏屈になりすぎてるのかしら……みんな、私に歩み寄ってくれて……)

善子(……そういえば、ここまで仲良くしようとしてくれた子って……初めてなんじゃ)

果南「ほーら、なにボサッとしてんの!」ポイッ

善子「え、わっ……ちょ、っ」ボフッ

善子「……いきなり布団投げないでよ」

果南「1人だけサボろうったってそうはいかないよ~? 善子も布団敷くの手伝ってよ」

善子「わ、わかってる! あとヨハネよ!」

千歌「善子ちゃん一緒に寝よー! 私の隣に布団を敷くのだ!」

善子「え、なんで私と!?」

千歌「ふっふっふ、一緒の布団で寝たらもう仲良しの証……この連休で私たちは親友になるんだよ!」

善子「し、んゆう……///」

果南「あ、いいな~? じゃあ私はヨハネもらお~っと」

善子「!?」



125: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:07:35.97 ID:G+H1hkrF.net

曜「え、ちょっと待ってそれ私ひとりになるやつじゃない!? 誰か一緒に入れてよ!」

果南「どうしよっかな~?」

千歌「かな~?」

曜「いじわるしないでよ~!」

善子「そ、それじゃあ……」



善子
千歌
ヨハネ
果南


善子「この並び方なら……みんなそれぞれ私かヨハネの隣にはなるわよ?」

千歌「あ、私おいしいとこだ!」

曜「端っこかー」

果南「私真ん中になりたいなー? いつも千歌と曜、私を真ん中にしてたし」

曜「……これは、真ん中争奪じゃんけんだね」

千歌「サンシャインじゃんけんだ!」

善子「……場所は好きにしていいわよ」

バサバサバサッ

善子「あ、ヨハネ帰ってきた」



126: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:09:22.52 ID:G+H1hkrF.net

・・・


善子「結局……」


千歌
善子
果南
ヨハネ



善子「こうなったのね」

果南「電気消すよー?」

千歌「いいよー」

曜「はーい」

カチカチ

……シーン

果南「はー……明日は5時起きだから寝坊しないようにね」

善子「うげ……私が寝る時間……」

果南「え、嘘」

善子「ほんと」

千歌「すごい時間まで起きてるねー」

千歌「私、もう眠たくなってきちゃってるよ」

曜「私も~……」

ヨハネ「曜、朝は強いのに夜は弱いのね」

曜「船乗りは早寝早起きが基本でありますゆえ」

ヨハネ「なるほどね……」



127: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:10:32.72 ID:G+H1hkrF.net

果南「明日のスケジュールは……5時起きで、6時にご飯」

果南「7時には店で準備始めて、8時に営業開始ね。あとは昨日と同じ流れでダイビング体験のお客さんがいっぱい来るから、みんなお相手よろしく」

みんな『はーい』

千歌「分かんないことあったら私と曜ちゃんに聞いてね?」

善子「わかったわ」

善子(まあ、今日のである程度わかってるけど)

曜「明日もお泊まりするよね?」

ヨハネ「そう言われると思って、2日分の着替え持ってきてるわ」

曜「さすがヨハネちゃん! 漆黒の堕天使!」

ヨハネ「フッ! やっとヨハネの恐ろしさを理解したようね」ギラン

千歌「真っ暗闇の中で喋ると、どっちが善子ちゃんでどっちがヨハネちゃんか分かんないや」

善子「クックック……見破ることができるかしら? 私たちふたりのヨハネによるブラックサーカスを」

千歌「あ、今の善子ちゃんでしょ」

善子「なんでわかるの!?」

千歌「隣で声が聞こえたから」

善子「ぐっ……」

果南「あはは、ブラックサーカス破れたり~……だね」

善子「そんな罠があったなんて……!」

曜「普通気づくと思うけど……zzz」

ヨハネ「曜は寝るみたいね」

曜「おきてぅ……zzz」

ヨハネ「よしよし、ヨハネが夢の中へと誘ってあげるわね……♡」ナデナデ

曜「ぁぅー……zzz」

果南「……ヨハネと曜が出来てるかもしれない」

善子「は!?」

ヨハネ「なんでよ!?」

曜「ぐぅ……zzz」



128: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:10:57.53 ID:G+H1hkrF.net

千歌「じゃあ善子ちゃんと果南ちゃんは千歌がもらう!」

果南「私たち3人で仲良くしようね~」

善子「えぇ……」

ヨハネ「ちょっとぉ~!」

善子(こんなんで明日起きれるのかな……)

善子(私の不安も心配も虚しく、そんな感じで夜中まで騒いで─────)



129: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:12:37.83 ID:G+H1hkrF.net

~翌朝~


曜「おっはよーー! いい朝だよーー!」

千歌「……よーちゃん元気だね」

果南「ね……」

善子「ねむい……」

ヨハネ「……zzz」

曜「あれ、みんなどーしたの? 元気ないよ、ほら、お腹から声出して! ヨーソロー!」

4人『よぉそろ……』

曜「ありゃりゃ……本当にやばそう」

善子「よはね……もんえなとちょこ……」

ヨハネ「昨日の帰りに買ってきて冷蔵庫に入れてる……」

善子「ありがと……」

曜「そんなのに頼っちゃダメだよ若いのに!」

善子「のまなきゃやってらんないわ……」

千歌「……zzz」

果南「おきてちかー……」ユサユサ

千歌「おきてぅ……」

ヨハネ「昨日寝る前の曜みたいなこと言ってるわよ……」

曜「仕方ないなー……朝ごはん私が作るからね!」

善子「ようそろ……」

果南「よろしくぅ……」

善子「……」

果南「……」

ヨハネ「……」

千歌「……zzz」

みんな「……zzz」



130: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:13:35.05 ID:G+H1hkrF.net

~営業開始~


果南「それでは、スーツの貸し出しと採寸をするのでそっちに並んでくださーい」

千歌「こっちでーす!」

善子「こ、こっちもやってますから並んでくださーい!」

果南「今のうちに私たちは人数分のタンクを移動させるよ」

ヨハネ「ラジャー!」

曜「ヨーソロー!」



131: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:14:59.73 ID:G+H1hkrF.net

千歌「はい、Mサイズですね! スーツをとって更衣室へどーぞ!」

善子「採寸が済んでない方はいらっしゃいますかー?」

善子「まだでしたらこちらへ……ん?」

「……」

善子「どうしたの?」

「ぅぇっ……ぅ、」

善子「!?」

「うぇーん! ままぁあ~!」

善子「ちょ、なっ……ど、どうしたのよ! ママいないの?」

「ままぁ~!!」

善子「ど、どうしよ……よはn……」

善子「りーだー……」

千歌「えっとー……スーツは濡れたら縮むので少し大きいほうがが良くてー……」

善子(ヨハネいないし……リーダーは別の人の接客中……)

善子「……スー……ハー……」

善子「ママが見つからないの?」

「ぅ、ぅゆ……ぐす、っぐす……」

善子「どこではぐれたか分かる?」

「さっきまで、ここ……いた」

善子「そっか」



132: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:16:07.28 ID:G+H1hkrF.net

善子「じゃあ多分、ママはいまお着替えしてるところなの」

「おきがえ……?」

善子「そうよ。あなたも水着でしょ? ママも今から水着になってくるの」

「ぅう……まま……」

善子「んー……そうだわ」ゴソゴソ

スッ

善子「これあげる」

「……なあにこれ?」

善子「チョコレートよ。チョコ好き?」

「すきー!」

善子「ふふ、私も好き。これはね、私が一番好きなチョコレートなの」

善子「ママを待てるいい子に、これをあげる。あなたはママを待てるかしら?」

「まつ!」

善子「よしよし、いい子ね」ナデナデ

善子「それじゃあチョコレート、あげる」

善子「これ食べて待ってたらすぐに来るからね」

「ありがとー!」

善子「うん、よしよし」

「ああ、すみません!」

善子「ん?」

「まま!」

「ごめんね1人にして……すみません、ご迷惑を」

善子「大丈夫です。でも、とっても寂しかったみたいなので、ちゃんと見ててあげてくださいね」

「はい、すみません……じゃ、海行こっか」

「うん! またねーおねーちゃん!」

善子「うん、またね」フリフリ

善子「……ふう」

千歌「じー」

善子「!」ビクッ



133: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:16:35.40 ID:G+H1hkrF.net

千歌「いいなーチョコ」

善子「……見てたの」

千歌「そりゃー、ね? すぐ目の前だし」

善子「……果南センパイたちに言わないでよ」

千歌「なんで? 褒めてくれるよ、きっと」

善子「それが恥ずかしいからよ」

千歌「褒められたら恥ずかしいの?」

善子「……得意じゃないもの、褒められるのは」

千歌「そうかなぁ。私は、褒められたら嬉しいよ? 調子乗っちゃうよ?」

善子「調子は乗らない方がいいと思う」

千歌「てへ」

善子「とにかく、内緒にしてよね」

千歌「どーしよっかなぁ」

善子「リーダー……!」

千歌「私にもチョコちょーだい?」

善子「……はい」

千歌「ありがとー♡」

千歌「これで内緒にしててあげるねっ」

善子「……」

善子(なんかチョコたかられただけなんじゃ……)

千歌「お返しに善子ちゃんにこれあげる」スッ

善子「なにこれ?」

千歌「みかんアメ」

善子「いらないわよ!」



134: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:17:33.53 ID:G+H1hkrF.net

千歌「おいしいのに!? 私の好物なのに!」

善子「みかん嫌いなの知ってるでしょ!?」

千歌「でも食べれるんでしょ?」

善子「食べれる、けど……」

千歌「私は善子ちゃんから、善子ちゃんの大好きなものをもらったから」

千歌「私も善子ちゃんに、私の大好きなものの味を知ってほしいんだ」

善子「私が嫌いなものでも構いやしないって?」

千歌「うん! 遠慮されるの嫌いでしょ?」

善子「……まあね」

千歌「まあ食べてみてよ! おいしいから」

善子「……あとでね」

千歌「えー!!」

千歌「いまたべてよ!」

善子「いや!」

千歌「なんで!」

善子「嫌なものはいや!」

千歌「むむむ……」

カランカラン

ちかよし『!』

千歌「いらっしゃいませー!」



135: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:18:26.62 ID:G+H1hkrF.net

・・・


千歌「はあーちかれたー……」

千歌「あ、今のは疲れたのと千歌をかけたー」

善子「言わなくていいから……いてて……」

善子「……腰が……っ……」

曜「ふはー……久しぶりに疲れたー!」

果南「おつかれさま! 今日はなに食べたい~?」

曜「……すき焼き?」

千歌「カニ鍋!」

善子「……さわやか」

曜「はーい私さわやかに変更!」

ヨハネ「ヨハネもさわやか!」

果南「はい残念でしたカレーライスにしますー」

4人「えー!」

果南「人数多いからカレーライスにするよ。楽だし」

千歌「楽って言った……!」

果南「なぁに千歌?」

千歌「なんでもなーい」

善子「カレー……ならチョコを入れましょう」

千歌「ちょこ?」

曜「コクが出るっていうね」

果南「でも、あったかなチョコなんて」

善子「私の秘蔵のチョコを提出するわ」



136: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:20:22.26 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「あ、それ昨日私が買ってきたやつじゃない! ヨハネまだ食べてない!」

善子「仕方ないわね、1枚あげる」

ヨハネ「あーん」

善子「……は?」

ヨハネ「あーん!」

善子「……はい」

ヨハネ「はむっ……ん~♪」

果南「……仲良いね?」

善子「……そう見えるだけでしょ」

ヨハネ「え、仲悪いの私たち!?」

善子「めんどくさいわねあんた!」

千歌「やっぱり仲良いよね」

曜「うんうん」

果南「とりあえずカレーは1人で作れるしお風呂はいっといで」

曜「わたし手伝うよ」

果南「いいの?」

曜「2人の方が早いって!」

果南「ありがとっ」

ヨハネ「それなら3人の方がもっと早いわ」

果南「悪いね」

千歌「じゃあ私たちはお風呂に行こー」

善子「え、リーダーと?」

千歌「え、嫌なの!?」

善子「嫌じゃないけど……あんまり見ないでよ?」

ヨハネ「恥ずかしいのよ、肌を見られるの」

善子「言わなくていいっ!」

千歌「じゃあ千歌お姉ちゃんが身体を洗ってあげよー」

善子「だから見ないでって言ってるし、洗われるのはもう間に合ってるわよーー!」

ヨハネ「こうして夜は更けていく……」

善子「え、なに? 唐突のナレーション!?」



137: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:21:07.38 ID:G+H1hkrF.net

~夜明け~


善子「……ん」モゾモゾ

善子「さむ……トイレ……」

善子「うぅ……」ペタペタ

善子「……ん?」

千歌「ぐー……」←廊下で寝る千歌

善子「えー……」

善子「ちょっと起きて、ほら……リーダー」ユサユサ

千歌「うー…………んー……」

善子「なーにしてんの」

千歌「果南ちゃんもう少し寝させて……zzz」

善子「いや風邪ひくって……しかも果南センパイじゃないしじゃないし」

善子「……あ、そうだ」

善子「千歌、早く起きないと……ハグしちゃうよ?」(精一杯のモノマネ)

千歌「うー……起きる……」

善子(起きるんかい)

千歌「……あれ、善子ちゃん?」

善子「そうよ」

千歌「今、私のこと千歌って」

善子「言ってないから起きなさいよそろそろ時間よほら行って行って私トイレ入るから廊下で寝ないでほんと邪魔だから(略」

千歌「う、うん……はぁい」ムクッ

千歌「おかしいなぁ……」トテトテ

善子「……ほっ」

善子「……初めて名前で呼んだかも」

善子「……悪い感じはしないわね」

善子「千歌……か」



138: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:21:49.13 ID:G+H1hkrF.net

・・・


ヨハネ「ねえセンパイ」

果南「?」

ヨハネ「3日目、めっちゃくちゃ暇なんだけど」

果南「まあ、連休最後だしね。午前で終わりだよ」

善子「いいのかしら……5人全員、デッキで休んでて」

果南「いいんじゃない? お客さんみんな帰ったし」

果南「もう今日の予約ないし」

曜「あれ、じゃあ私たち帰ってもいいやつじゃないの?」

果南「帰るの?」

曜「帰らないけど」

千歌「泊まるー」

果南「千歌はいいけど、曜たちは帰らないとまずいよね?」

善子「さすがにね」

ヨハネ「ヨハネはやることないから泊まれるけど、善子が帰るなら帰るわ」

曜「私も泊まりたい……けど、泣く泣く帰るしかないのであります……」



139: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:22:09.55 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「曜、帰るなら私が空のお散歩に招待してあげるわよ?」

曜「帰る!」

果南「あはは、そういえば私も飛んでみたいかも」

ヨハネ「果南も言ってくれればいつでも!」

果南「ほんと? 嬉しいな、またお願いするよ」

ヨハネ「ええ、任せといて!」

善子「……ん? いま名前で」

ヨハネ「ええ、さすがに同じ場所で働いてご飯食べて寝て喋れば名前で呼ぶわよ?」

果南「ふふん」

曜「ふふん!」

千歌「あー!果南ちゃんずるーい!」

果南「ヨハネにお願いしてみたら?」

千歌「ヨハちゃんお願い♡」

ヨハネ「リーダーはまだね」

千歌「そんな~……」



140: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:23:53.73 ID:G+H1hkrF.net

善子「……」

善子「……ふん」

善子「別にそいつが呼ばなくたって平気でしょ千歌。私が呼んであげるんだから」

千歌「……ん?」

善子「果南も、私の分身に名前で呼ばれたくらいで喜ぶんじゃないわ!」

果南「……お?」

曜「いま、名前で」

千歌「善子ちゃんいま千歌って!」

果南「果南って!」

ヨハネ「……善子が自分から」

ヨハネ「……ふふ♡」

善子(……こんなに、歩み寄ってくれる人たちだから)

善子(私と仲良くしようって、本気でぶつかってきてくれる人たちだから……)

善子「……そうよ」

善子「私、好きな人のことは名前で呼ぶようにしているの。わかった? 千歌、果南、曜」

ようちかなん『わかった!』

善子「よし! じゃあ帰るわよヨハネ!」

ようちかなん『帰るの!?』

善子「これ以上この場所にいたら恥ずかしくて死ぬッ!!」

ヨハネ「こんな善子をこれからもよろしくお願いします……」

ようちかなん『こちらこそ……』

善子「ちょっと!」

ヨハネ「あと営業終わるまで帰れないからね」

果南「バイト代出さないよ」

善子「ぐぬぬぬ……」



141: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:24:32.92 ID:G+H1hkrF.net

~夜、善子の家~


善子「やっぱり自分の部屋が最高……!」

ヨハネ「……ねえ善子」

善子「ん?」

ヨハネ「あっという間に終わったわね、この3連休」

善子「全然休めなかったけどね」

ヨハネ「あーあ……私もダイビング体験しとけばよかった」

善子「どうして?」

ヨハネ「私、ヨハネとして現世に降臨してから海に入ってないのよ」

善子「当たり前でしょ。あなたが生まれたの、冬だったし」

ヨハネ「うん……」

ヨハネ「夏はAqoursで海の家の手伝いしたり、夏休みは曜センパイに誘われまくって海三昧だったし」

ヨハネ「けっこう海で遊んだ記憶はあるんだけど……この『私』は無いんだなって思ったら、少し寂しくて」

ヨハネ「果南センパイが誘ってくれたの……ちょっと嬉しかったな」

善子「私も……まあ、楽しかったかもね」

善子「夏が来たら、海水浴行きましょ」

ヨハネ「ほんと!? ほんとに!?」

善子「ほんとよほんと。Aqoursのみんなも呼んで」

ヨハネ「やった! 善子大好き」

善子「……軽々しく大好きとか言うな、バカ」



142: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:25:14.75 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「うふふ、2人っきりでもいいのよ?」

善子「私も別にそれでもいいけど……みんな居た方が楽しいでしょ?」

ヨハネ「ふふ、そうね。そういうことにしといてあげる」

善子「……ふん」

ヨハネ「それにしても……2人も名前で呼ぶなんてね」

善子「果南はあんたのせいでしょ」

ヨハネ「どうして?」

善子「あんたは……私の心の中の割と素直な部分なんでしょ?」

ヨハネ「そうね」

善子「そのあんたが名前で呼ぶんだったら、私も呼ばないと」

善子「私の心の素直な部分が認めたってことなんだから」

ヨハネ「ふふ、不器用な人ねほんとに」

ヨハネ「でも、リーダー……千歌はどうして? ふたりきりの時に何かあったの?」

ヨハネ「具体的に言うと、2人で入ったお風呂で」

善子「別になにもないわ」

ヨハネ「千歌の優しさに心を掴まれたの?」

善子「うるさいわよ……」



143: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:26:03.23 ID:G+H1hkrF.net

ヨハネ「ふふ、今更そんなことないわよね。だってあなたはもう、Aqoursに誘われた時から────」

善子「うるさいわよ」

ヨハネ「……ふふ♡」

ヨハネ「ねえねえ」

善子「なに?」

ヨハネ「明日はなにして遊ぶ?」

善子「いや、明日は学校だから」

ヨハネ「……」

善子「あんたも行くでしょ?」

ヨハネ「いくけど」

善子「……ふふ、早く明日にならないかしら」

ヨハネ「……どうしたの善子、なにかあったの? 風邪? 頭悪くなった?」

善子「特になにもないわよ。でも」

ヨハネ「でも?」

善子「早くみんなに会いたい……のかもね」


#2 ヨハネとバイトとお泊りと 完



144: 名無しで叶える物語 2018/12/02(日) 02:27:29.08 ID:G+H1hkrF.net

`¶cリ˘ヮ˚)|「長くなりすぎちゃった」

`¶cリ˘ヮ˚)|「もう少しコンパクトにまとめたいわね」

`¶cリ˘ヮ˚)|「エピソードがありすぎて詰め込みすぎちゃった」

`¶cリ˘ヮ˚)|「我が魔力、今一度あなたたちに捧げるわ」

`¶cリ˘ヮ˚)|「ヨハネが来るまで、待っていてね」



166: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:40:59.81 ID:t0Ln4hGa.net

~ある休日の朝食~


善子「え、1人部屋?」

善子母「そ、ヨハネも善子も同じ部屋じゃ狭いでしょ。いくらあんたたちが同じで細いからって」

ヨハネ「私は平気よ? 2人で寝たらあったかいし」

善子「それはあんただけ」

ヨハネ「えっ」

善子母「うん、まあ……なんていうかね?」

善子母「どんな事情があるとしても、お母さん、女の子が同じ部屋でしかも同じベッドで一緒に寝るのはどうかと思うわけ」

ヨハネ「……まあ」

善子母「だから、小さいけど空いてる部屋あるじゃない?」

善子「半物置になってる部屋ね」

善子母「私の着替え部屋でもあるけど、寝室に姿見買ったから」

善子母「あの部屋片付けてヨハネの部屋にしたらどうかと思ったのよ」

ヨハネ「……なるほど」



167: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:41:30.73 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「1人部屋……」

善子母「元々はあんたも善子……だったわけだし、いきなり2人になって、いきなり1人部屋が2人に……っていろいろ戸惑ったと思うから」

ヨハネ「別にそんなことはないけど」

善子母「……」

善子母「うちも4人家族になったわけだし、ちゃんと部屋くらい用意してあげないと親としてどうかと思ったわけよ」

善子(スルーした……)

ヨハネ「……ありがとうママ」

善子母「だから今からベッド見に行くよ」

善子「今から!?」

善子母「何?なにか用事あるの?」

善子「ないけど……唐突ね」

善子母「今日見て気に入ったのがあれば買って、帰ってすぐ片付けして部屋にするわよ」

ヨハネ「行動早いわね……」



168: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:42:33.89 ID:t0Ln4hGa.net

~某家具屋~


善子「……ひっろ」

善子母「当たり前でしょ、家具屋なんだから」

善子母「ベッドは……2階ね。あんたたち好き勝手に動かないでよ?」

ヨハネ「わかってるわ」

善子「ソファほしい」

善子母「あんた自分のお金でなんか買ってたじゃない。あのクッションみたいな大きいやつ」

ヨハネ「堕天使をも駄目にするソファね。あれはゲームするときに大活躍してるわ」

ヨハネ「取り合いになるけど」

善子「もう一個欲しくない?」

ヨハネ「欲しい」

善子母「え、なんで? 一個あれば十分でしょ」

善子「……ちっ」

ヨハネ「くっ……」



169: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:42:58.15 ID:t0Ln4hGa.net

善子母「2人で仲良く1個を使いなさい」

善子「1人用なのに……っ」

ヨハネ「なんて残酷な仕打ち……」



170: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:44:10.14 ID:t0Ln4hGa.net

・・・


ヨハネ「天蓋付き! 真っ黒なレース! 漆黒のフリル! かっこいい!」

善子母「ダメ」

ヨハネ「なんで!?」

善子母「うちの部屋の高さと広さを考えてみなさい」

ヨハネ「ギリギリ大丈夫じゃない」

善子母「そう、ギリギリね。こんなの入れたらクローゼットもタンスも全部開けられないくらいギリギリね」

ヨハネ「くっ……そんなもの私の魔法で空間をちょこっと歪めれば余裕なのに……」

善子母「家でそんなことするの本当にやめて……」

善子「あ、このサイドテーブルいいかも」

ヨハネ「あ、ママこれ欲しい」

善子「ちょっと!? 私が欲しいって言ってるのに!」

ヨハネ「ふふん」

善子母「ベッド決まったらね」

ヨハネ「むっ……」

善子「ふん」



171: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:45:17.36 ID:t0Ln4hGa.net

善子母「早く選べば他の家具も見る時間できるわよー」

善子「ベッド先に見る必要ある……?」

善子母「まず寝る場所じゃない」

善子「布団でもいいじゃないの」

善子母「布団もないから」

善子「マジで……」

ヨハネ「お客さんとかきたらどうするのよ……」

善子母「その時はその時」

善子「これが教師でいいのかしら……」

善子母「何か言った?」

善子「別に何も言ってないわよー」



172: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:46:54.79 ID:t0Ln4hGa.net

・・・


ヨハネ「あ、リトルデーモンのクッション!」

善子「なんで家具屋にこれが……」

善子母「あら、かわいいわね。部屋に飾る?」

ヨハネ「飾る!」

善子「え、ずるい。私も欲しい!」

善子母「あんたは我慢」

善子「なんで!?」

善子母「あとは……なにが必要かしら」

善子「クローゼットは? そろそろ私の服から卒業しなさいよ」

ヨハネ「嫌」

善子「なんで……?」

ヨハネ「あれ私のでもあるし」

善子「はあ?」

善子母「そういう善子だって、この子が来てからずっと嫌な顔せず貸してあげてるじゃない」

善子「ぐっ……」

善子母「ほんとは嫌じゃないんでしょ?」

善子「い、嫌に決まってるわよ! 当たり前でしょ!」

善子母「ふーん?」



173: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:47:40.39 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「……それなら、クローゼットもお願いしようかしら」

善子母「服も買わなきゃね」

ヨハネ「そうね」

善子「ったく……やっと自分の服を自分だけで着られるわ」

ヨハネ「善子のと全く同じやつ買うけど」

善子「うそでしょ……」

善子母「ちょっとやめてよそれ……洗濯大変なのよ?」

ヨハネ「いいじゃない! ヨハネはあれが着たくて買ったの!」

善子母「外でそれやめなさいってー……ああ、あんたヨハネだったわ」

ヨハネ「ママひどい!?」

善子「ねえ、それよりあっち見ない? 私も棚が欲しくて」

善子母「棚? 本棚にするの?」

善子「それと、あとゲーム用の」

善子母「遊ぶものなら自分で買いなさい」

善子「なんでよ!いいじゃない!」

善子母「というか、あんたそういうの自分で買ってたでしょ? 動画? のお小遣いで」

善子「……むう」



174: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:48:26.22 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「ママ、善子はちょっとママに甘えたいだけなのよ。私ばっかり買ってもらってるから」

善子「は、はあ!? 別にそういうわけじゃないわよ!」

善子母「……もお、本当に……」

善子母「あとで2人揃ってあの……なんだっけさっきのクッション。コウモリ?」

よしヨハ『リトルデーモン』

善子母「ああ……うん、それね。それお揃いで買ってあげるから本棚は勘弁して……」

善子「……ふん、仕方ないわね。我慢してあげる」

善子母「はいはい……」

ヨハネ「ねえ善子、お揃いだって」

善子「だから何? 今までだってお揃いみたいなもんでしょ」

ヨハネ「だから、新しいお揃いが増えるの。嬉しくない?」

善子「別に……何、嬉しいの?」

ヨハネ「当たり前よ! 堕天使ヨハネは常に善子と共にある存在……すなわちパートナー、相棒、バディと言えるでしょう?」

ヨハネ「であれば、あなたが所有する全てを私も所有したいというもの。そう……あなた自身もね♡」

善子「ちょ、っ……ち、近いって……///」

善子母「……その辺でやめてくれる?」

善子母「はあ……うちの娘ってなんでこう……」



175: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:50:20.06 ID:t0Ln4hGa.net

・・・


善子「ふん~ふふん~♪」パタパタ

ヨハネ「ご機嫌ね善子。ベンチに座ってリトルデーモンクッションを抱きしめて鼻歌なんて」

善子「えらい説明口調ね……」

善子「そういうあんただって、すごい笑顔だけど」

ヨハネ「うふふ、そう? だってすっっごく可愛いじゃないこのクッション♡」

善子「……可愛い」

ヨハネ「はー……今日はこれ抱いてゲームする!」

善子「いいわね、私もそうしよ」

ヨハネ「あら、真似するの?」

善子「なに言ってるの? 私はもともとそうするつもりだったわよ」

ヨハネ「私もそうしよ、って言ったと思うんだけど?」

善子「あら聞き間違いじゃないのかしら? ヨハネ、魔法使いすぎて他の機能低下してそうだし」

ヨハネ「なに、喧嘩するの?」

善子「こっちは絶賛大安売りよ」

ヨハネ「いいわね。今日はボコボコにしてあげる」

善子「ふん、私に連敗してるくせによく言うわ」

ヨハネ「まだ2連敗。それに135勝133敗で勝ち越してるのは私。まずは追い越してから言ってもらえます?」

善子「じゃあ今日新たな伝説をみせてあげる。私が真のヨハネだという証明のね」

ヨハネ「ふふ、上等」



176: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:51:51.61 ID:t0Ln4hGa.net

善子「当然罰ゲームあり」

ヨハネ「負けたらどうする?」

善子「そうね、どうしよ……」

善子母「負けたら1週間ゲーム禁止」

よしヨハ『そんな~!!』

善子母「くだらない喧嘩をこんなところでしないでくれる!? 恥ずかしい……」

ヨハネ「ぐぬぬ……負けたらジュースおごりね」

善子「それでいいわ……」

ヨハネ「もう手続き終わり?」

善子母「ええ、あとは家に届けてくれて、組み立てもやってくれるから」

ヨハネ「魔法で簡単に作れるのに」

善子母「こういうのはプロにしてもらうのがいいのよ」

ヨハネ「……まあ、そうね」



177: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:52:54.02 ID:t0Ln4hGa.net

善子母「じゃ、お洋服も見に行きましょ」

ヨハネ「堕天使ヨハネが纏し漆黒の外套を……!」

善子母「えーっと……ユニクロ近くにあったかしらねぇ」

ヨハネ「せめてZARA!」

善子母「どっちでも一緒でしょ……しまむらにする?」

ヨハネ「LOWRYS FARM……」

善子「GLOBAL WORKならサントムーンにあるけど」

善子母「あら、すぐ近くじゃない」

ヨハネ「そこにしましょ!」

善子母「はいはい」

善子「その近くにユニクロもあるし」

善子母「だってさ。ユニクロにする?」

ヨハネ「安く済ませたいようねママ……だけどヨハネはちょっといいものを着たい! ジーンズはユニクロ最強だけど!」

善子母「ところで、善子」

ヨハネ「無視しないで!」

善子「なに?」

善子母「その大きな箱は?」

善子「……私の欲しいもの。自分で買ったわ」

善子母「いつの間に買ったのあんた」

善子「さっきちょっとね」

善子母「あとで領収書渡しなさい。出してあげるから」

善子「大丈夫よ」

善子「私から、だから」

ヨハネ「?」

善子母「……そ」

善子母「じゃあお昼食べてお洋服見にいくわよー」

よしヨハ『はーい』



178: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:53:51.02 ID:t0Ln4hGa.net

~善子の家~


3人『ただいまぁ~……』

善子「つっかれた……」

善子母「じゃ、片付けするわよ」

善子「え、今から!?」

善子母「じゃあいつやるのよ。明日にはベッド来るんだから」

善子「うぇえ……」

ヨハネ「つかれたぁー……」

善子母「は・や・く・や・る」

よしヨハ『はい……』



179: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:54:42.27 ID:t0Ln4hGa.net

よしヨハ『』(´°ω°)チーン

善子母「おつかれさま」

善子母「意外と物多かったわね……」

善子「あとはこれ捨てて……終わり?」

善子母「そうね。明日に家具届くから、それを設置したらヨハネの1人部屋の完成」

善子母「善子の部屋に比べたら少し狭いけど……どうせあんたたち、基本的に一緒にいるんでしょう」

ヨハネ「まあね」

善子「えー……」

ヨハネ「だめ?」

善子「……まあ、いいけど」

善子母「ほんと仲良いわね……」

善子「別に良くはないわよ!」

善子母「嘘でしょ……」

善子母「まあいいわ……お母さん、ご飯作るからのんびりしてなさい」

よしヨハ『はーい』

善子「……さて」

善子「ヨハネ」

ヨハネ「なに?」

善子「……これ、あげる」ドン

ヨハネ「……そういえば気になってたけど、なにそれ」

善子「開けたらわかるわ」

ヨハネ「えー……」ゴソゴソ

バリッ

ヨハネ「……あ」

ヨハネ「これ……」

善子「そう……それは我が家に隠されし宝具のひとつ。荒れ狂う神、魔獣を懐柔させ……我ら堕天使すらも虜にしてしまう魅了の魔」

善子「その名も!」

善子「堕天使をダメにするソファ!!」



180: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:56:15.68 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「これ……さっきママにダメって」

善子「だから自分で買ったの」

ヨハネ「……どうして?」

善子「分かるでしょ!? これで2人でゲームするとき取り合いしなくて済むじゃない!」

ヨハネ「……」

ヨハネ「え、なに、もしかしてプレゼント!?」

善子「そ、そういうわけじゃなくて……その、ほら、あれよ」

善子「私の部屋からの卒業祝い」

ヨハネ「それはつまりプレゼントじゃないの」

善子「……」

善子「いらないならハードオフに売る」

ヨハネ「使う!」モフモフ



181: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:56:41.81 ID:t0Ln4hGa.net

・・・


ヨハネ「ソファを並べて……リトルデーモン抱えて」

ヨハネ「ぼふっと」ボフッ

ヨハネ「はぁ~……快適……」

善子「……いや自分の部屋でやりなさいよ」

ヨハネ「2人で……したいな?」

善子「……いいけど」ボフッ

ヨハネ「ふふ♡」

善子「あんたがきて、どれだけ経ったっけ」

ヨハネ「まあ……数ヶ月?」

善子「えらく雑ね」

ヨハネ「サザエさん時空だから」

善子「メタいメタい……」



182: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:57:41.91 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「……私、幸せよ」

善子「え……なによいきなり」

ヨハネ「あなたから分かれてから、いろいろあったけど」

善子「消えたりね」

ヨハネ「まあ、それもだけど……親も友達も、みんな私を受け入れてくれて」

ヨハネ「善子も、ずっと私といてくれてる」

ヨハネ「すごく幸せ」

善子「なにそれ、またいなくなるみたいなセリフね」

ヨハネ「居なくならないわよ。私を構成する魔力は、自分で作り出せるようになったし」

ヨハネ「食べたり寝たり、あなたに抱きついたりすることで回復もするし」

善子「そうね……食べたり寝たり抱きついたり……」

善子「……」

善子「は? あんた今なんて」

ヨハネ「キスすればもっと回復できるけど……奪いすぎちゃうから」

善子「だ、だから今……抱きついたりって!?」

ヨハネ「……寝てる間に♪」

善子「あ、あんた……!」

ヨハネ「なによ、どうせ気づいてなかったんでしょ?」

善子「……」

善子(気づかないわけないでしょ……)



183: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:59:12.10 ID:t0Ln4hGa.net

善子「まあ……そうだけど」

ヨハネ「ならいいじゃない。翌日に支障が出ない程度にしてるし」

善子「……ったく」

ヨハネ「だから、これからもずーっと一緒にいられるわ」

ヨハネ「ずっとね」

善子「……ふんっ///」

ヨハネ「ふふ、照れちゃって。嬉しいの?」

善子「て、照れてないわよ! 別に嬉しくもないしっ」

ヨハネ「わかりやすいわねー」

善子「うるさーい!」

ヨハネ「……まあ、でもこれから1人部屋だし」

ヨハネ「それも無くなるのかしら」

善子「……ん」

ヨハネ「ふふ、ちょっと寂しいわね」

善子「……別に、隣だし平気でしょ」

ヨハネ「そうね、ゲームはこの部屋でするし」

善子「あんたも自分の部屋にテレビとか買いなさいよ。オンラインでできるわよ」

ヨハネ「私、オンラインあんまり好きじゃないの。分かるでしょ」

善子「まあね」

善子「……ご飯までまだ時間あるでしょ」

善子「ひとっ走り付き合いなさいよ」

ヨハネ「マリオカート?」

善子「勝負よ。負けたらジュース」

ヨハネ「いいわね」

善子「また負かしてあげる」

ヨハネ「ふん、今日で連敗記録も終わり。さあ、振り切ってあげる」

善子「ノーコンティニューで……クリアするわ」

ヨハネ「いやマリオカートの対戦にコンティニューとかないでしょ」

善子「雰囲気!!」



184: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 01:59:42.31 ID:t0Ln4hGa.net

~夜~


善子「……」

ヨハネ「……」

善子「思えば、ずっと同じベッドで寝てたわね」

ヨハネ「そうね……消えそうになってた時とか、善子がずっと私を抱きしめるものだから、夜中にトイレすら行けなくって」

善子「……あの時は若かったのよ」

ヨハネ「つい数ヶ月前じゃない」

善子「……」

善子「だって、嫌だったんだもの」

善子「少しでも目を離したら……あなたがいなくなる、なんて」

ヨハネ「ふふ……そっか」

ヨハネ「なんだか湿っぽい」

善子「誰のせいよ」

ヨハネ「私のせいね」

善子「だから、そうね……明日から出来る自分の部屋への楽しみを話しましょ」

ヨハネ「んー……そうね」

ヨハネ「1人部屋なら何をしても見られる必要はないし」

ヨハネ「……ね♡」

善子「ねえちょっといまエロいこと考えたでしょ」

ヨハネ「考えてないわよ? 苦手なステップの練習をしても誰にも笑われたりしないって思ったの」

善子「嘘でしょ」

ヨハネ「ふふふ」

善子「……」



185: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:00:14.58 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「けれど……」

ヨハネ「……なんだか、2人になる前みたいになるわね」

善子「騒がしくなったからね……2人になって」

ヨハネ「今まで1人だと部屋では動画撮る時しか喋らなかったしね」

善子「儀式の時も喋ってたわよ!」

ヨハネ「……それもそうだわ」

善子「うそでしょ……」

ヨハネ「ふふ、それだけ2人でいた時間が濃かったんでしょうね」

善子「……かもね」

ヨハネ「毎日ゲームしたり遊んだり儀式したり……楽しかったわね」

善子「……ま、楽しくないと言えば嘘になるわね」

善子「まあ遊びに来たらいいじゃない。どうせ同じ家の隣の部屋だし」

ヨハネ「もちろん」

ヨハネ「……本当に部屋別れるだけなのに、なんでこんな湿っぽい空気になるのかしら」

善子「……さあ?」

ヨハネ「これは良くないわね……」



186: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:04:04.04 ID:t0Ln4hGa.net

善子「変にこじれる前に、もう寝ましょ」

ヨハネ「えー、もう?」

善子「今更喋ることないじゃない……」

ヨハネ「むう」

ヨハネ「じゃあ……今日は抱きしめてもいい?」

善子「……だいたいいつも抱きついて寝てるんでしょ」

ヨハネ「じゃあ、今日は善子も抱きしめて?」

善子「嘘でしょ……」

ヨハネ「マジよ」

善子「……ん」

ヨハネ「やったっ」ムギュウ

善子「……あつい」

ヨハネ「我慢して」

善子「あーつーいー」

ヨハネ「がーまーん」

善子「あーーつーーーいーーー」

ヨハネ「我慢してよもう!」コチョコチョ

善子「ひゃわっ!? ちょ、やめっ……あ、っは……ははは! ひ、ゃめっ……こらぁっ!!」

ヨハネ「じゃあ早く抱きしめなさいよー!」

善子「いーやーー!」

ヨハネ「はーやーくー!」

『うるさいわね!何時だと思ってんの!!」ドンドン

よしヨハ『……ごめんなさい』

善子「……あんたのせいで怒られた」

ヨハネ「……ごめん」

ヨハネ「……ぷっ」

善子「ふふっ……あははっ」

ヨハネ「あはははっ♪」

・・・
・・




187: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:04:36.44 ID:t0Ln4hGa.net

~翌日、ヨハネの部屋~


ヨハネ「……これが1人部屋の世界なのね」

ヨハネ「善子の部屋よりは狭いけど……自分のベッドもあるし、机もあるし、クローゼットもあるし……」

ヨハネ「善子にもらったソファも置けるし」

ヨハネ「あと、リトルデーモンのクッション♡」ムギュウ

ヨハネ「……」ボフッ

ヨハネ「んー……」ゴロン

ヨハネ「……」

ヨハネ「天井の景色は同じ……まあ、当然だけど」

ヨハネ「すー……はー……新しいベッドの匂い。買いたての匂い」

ヨハネ「……」

ヨハネ「……クローゼットには、新しい私だけの服」

ヨハネ「善子のやつとほとんど同じだけど」

ヨハネ「……これで双子コーデでお出かけできるのかしら」

ヨハネ「それはちょっと……してみたいけど」

ヨハネ「……ふふ、善子は嫌がるかしら」

ヨハネ「でも、あの子、素直だし……嫌がりながらもしてくれるかも」

ヨハネ「……」



188: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:05:27.04 ID:t0Ln4hGa.net

・・・


善子「……」

善子「……私の部屋ってこんな広かったっけ」

善子「なんか……なんか、こんな広かったっけ……」

善子「……私、今までこんな広い部屋で1人で過ごしてたのね……」

善子「んー」

善子「よし」

バサッ

善子(漆黒のローブ装着)「今宵、やっと1人になれたということですし」

善子「闇の儀式を始めましょうか」

善子「今宵はどのような儀式をする? ふふ、そうね……今日も月は明るく世界を照らしている」

善子「ならば、先日は失敗に終わりましたが……この鏡に魔力を蓄える儀式、それを行いましょうか」

善子「……月よ、古より空に浮かぶ巨星よ」

善子「静かなる闇の魔力を称えし夜の番人よ」

善子「今こそ、その力をこの鏡に……」

善子「……」

善子「……」

善子「……無理ね、なんか気分が乗らないわ」

善子「寝よ」



189: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:07:13.94 ID:t0Ln4hGa.net

カチ

ボフッ


善子「はー……」

善子「……ベッド、広いわ」

善子「はー……こんなに体を伸ばしても邪魔されないって最高!」ノビー

善子「……落ち着かないわね」

ヨハネ「わかるわー」モゾモゾ

善子「ね……いきなり部屋が広くなっても困りものよね。今まで2人で使ってたんだし」

善子「私は別にね。1人になってちょっと寂しくなるくらいなら……分けなくても良かったかも、なんて思うんだけど」

ヨハネ「ほんと、いきなり1人部屋って言われてもね。たしかにプライベートな空間があるのは素敵だけど」

善子「今さら私たちにプライベートも何も……」

善子「なんでいんの!!??」

ヨハネ「……来ちゃった♡」

善子「いや、なんで……」

ヨハネ「なんでって……まあ、あなたが今言った通りでしょ」

善子「……むう」



190: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:08:13.09 ID:t0Ln4hGa.net

ヨハネ「というわけで、今日もここで寝るから」ギュウッ

善子「えぇ……嘘でしょ……」

ヨハネ「嘘じゃないわ」

善子「……まあいいけど」

ヨハネ「やっぱり、一緒がいいわ」

善子「……はぁ、せっかく1人部屋になったと思ったのに」

ヨハネ「ふふ、残念でした。ヨハネと善子は離れることは許されない間柄なの」

ヨハネ「そういう契約なのよ」

善子「……厄介な悪魔と契約したものね、私も」

ヨハネ「そうよ? 片時も離れることは許されない」

ヨハネ「だから今日も朝まで抱きしめて魔力吸い上げるから」

善子「ちょっと……マジで言ってるの?」

ヨハネ「マジよ」

善子「……」

善子「明日、学校あるんだからね」

ヨハネ「はいはい♪」

善子「……ったく」

善子「……結局、1人部屋作った意味ないじゃない」

善子(…………ま、いいけどね)ギュウッ


#3 ヨハネと1人部屋 完



191: 名無しで叶える物語 2018/12/05(水) 02:09:28.69 ID:t0Ln4hGa.net

`¶cリ˘ヮ˚)|「前作のネタあんまり出さないほうがいいわね」

`¶cリ˘ヮ˚)|「気をつけます、ごめんなさいねリトルデーモンたち」

`¶cリ˘ヮ˚)|「またここにヨハネの魔力を置いていきます」

`¶cリ˘ヮ˚)|「ふふ、いつもありがとう♡」



211: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:41:18.34 ID:Wss6tzm2.net

千歌「はー……今日も終わった終わったー!」

梨子「新しいステップもいっぱい入ってきたし、ちょっと疲れちゃったね」

千歌「でも明日はおやすみ! 今夜はみんなでパーっと遊ぼう!」

梨子「いいけど……また千歌ちゃんのおうちでお泊まりする?」

千歌「いいですなぁ……でも、物足りないかなあ」

梨子「物足りない?」

千歌「いっつも私の家じゃん! たまには違う人の……うん、曜ちゃんそして善子ちゃん!」

善子「えっ……なんで私まで」

曜「はい、お呼びでしょうか高海千歌軍曹!」

梨子「軍曹なんだ……」

千歌「うむ!」



212: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:41:52.78 ID:Wss6tzm2.net

千歌「いま桜内二等兵と話していたんだが……渡辺曜一等兵のおうちにお泊まりすることが決まった!」

千歌「津島一等兵も同行を許そう!」

善子「え、なんで私まで」

梨子「私、二等兵なの……? 一番下なの……?」

曜「私の家でありますか、軍曹!」

千歌「うむ」

梨子「さすがにいきなり押しかけるのはやっぱりダメ、だよね……?」

曜「いいよ!」

梨子「いいんだ……」

善子「いやだからなんで私まで」



213: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:43:30.85 ID:Wss6tzm2.net

千歌「よーし!じゃあ一旦家に帰って準備して沼津に向かおう!」

曜「おー!」

善子「無視すんじゃないわよ!」

千歌「えー」

曜「いいじゃんヨハネちゃんいないときはいつも一緒に帰ってるんだから、その道連れってことで」

善子「えらく説明口調ね……」

曜「でも、さすがに5人は無理だよ私の家も」

善子「ほら」

千歌「気合いで!」

曜「私たちの中だと、一番部屋が広いの千歌ちゃんだし」

千歌「……ぐぬぬ」

千歌「じゃあせめて夕飯一緒に食べよう! 沼津のやっすいファミレスあるから!」

曜「ああ、あそこかぁ」

梨子「曜ちゃんちに遊びに行くときによく利用するお店だね」

善子「なんで説明口調なのよ……」

千歌「じゃ、ヨハネちゃんも呼んでおいてね!」

善子「まあ、いいけど……」



214: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:45:16.75 ID:Wss6tzm2.net

~サイゼリヤ~


ヨハネ「なんでサイゼリヤなのよ!」

善子「安いからでしょ」

ヨハネ「私、今日はサイゼリヤの気分ではないんだけど」

梨子「そうなの……?」

千歌「えー! いいじゃんサイゼリヤで!安いし!」

ヨハネ「安けりゃいいってもんじゃないのよ! 味が大事なの!」

千歌「む……なるほど、確かにサイゼリヤは安いけどめちゃくちゃ美味しいわけでも……」

曜「お、美味しいから! 私は結構好きだからサイゼリヤ、よく来るから!」

曜「ね、梨子ちゃん!」

梨子「私は、みんなとお出かけするときくらいしか外食しないから……」

曜「今日の梨子ちゃんは非協力的だ……っ」



215: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:45:42.89 ID:Wss6tzm2.net

善子「文句言うんじゃないわよ、あんたドリンクバー好きでしょ?」

ヨハネ「すきだけど……」

善子「ほら、ヨハネスペシャル作ってあげるから」

ヨハネ「うー……でも……」

千歌「よはねすぺしゃる?」

善子「ミックスジュースよ。ドリンクバーで混ぜるやつ」

千歌「なるほど」

梨子「ヨハネちゃんは他に食べたいところあるの?」

ヨハネ「そうね……いきなりステーキとか行きたいわね。肉!」

千歌「たーかーいー!」

ヨハネ「ステーキよ!? ステーキの値段考えたら安いでしょ!」

千歌「でも学生だけで行くには高いよ! 敷居も値段も!」



216: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:48:20.84 ID:Wss6tzm2.net

梨子「他には、ないのかなぁ?」

ヨハネ「じゃあ魚がし鮨!」

曜「ヨハネ少尉! お言葉ですがわたし、お刺身ダメであります!」

ヨハネ「そうだったわね!」

梨子「ヨハネちゃんがいちばん偉いんだ……」

ヨハネ「じゃあ浜松まで行ってうなぎを」

千歌「遠すぎるよ! 何時間かかると思ってるの!?」

ヨハネ「私が魔法で乗り物作ればすぐよ! ワープスターみたいなやつ!」

千歌「ぐっ……でも、やっぱり高いよ!」

ヨハネ「わがままね……」

千歌「ヨハネちゃんがわがままなんだよ!」

ヨハネ「それは違うわ、千歌。私は美味しいものを食べたいだけよ!」

曜「グルメさんだなぁ……」

千歌「じゃあもうさわやかでいいじゃん! 近いし安いし美味しいし!」

ヨハネ「さわやかいいわね!」

曜「さわやか! ひゃっほー! やった! うれしい!」

善子「はしゃぎすぎよ曜」

梨子「さわやかでいいんだ……」



217: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:48:43.73 ID:Wss6tzm2.net

~さわやか~


千歌「うっわぁ……めっちゃ混んでるよ……」

善子「ヨハネ、名前書いてきて」

ヨハネ「わかったわ」

善子「……にしても、私たちまで誘ってよかったの?」

千歌「え?」

善子「いや、もともと私関係ないじゃない」

千歌「迷惑だった?」

善子「そ、そんなことはないけど」

曜「じゃあいいでしょ! 曜ちゃん先輩と一緒にいたことが善子ちゃんの運の尽きだよ!」

千歌「そうなのだ!」

梨子「みんな、善子ちゃんたちともっと仲良くなりたいんだと思うよ?」

善子「……ありがと」



218: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:50:41.47 ID:Wss6tzm2.net

テクテク


ヨハネ「どうしたの?」

善子「ううん、別に」

曜「ヨハネちゃんなに食べる?」

ヨハネ「ん、そうねえ……やっぱり王道を行くげんこつハンバーグね!」

曜「わかってるねぇ!」

千歌「むしろさわやかに来てそれ以外食べるかなぁ」

梨子「私、野菜ミートドリアにしようかな」

千歌「さわやかに来て食べるかなぁ!?」

梨子「えっ……だ、だめかな……」

千歌「だーめじゃないけどぉ」

ヨハネ「やっぱりさわやかに来たならハンバーグでしょ!」

曜「でしょ!」

千歌「だよ!」

梨子「ぇえぇぇ~……」

善子「いや好きに食べさせてあげなさいよ……」



219: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:51:08.72 ID:Wss6tzm2.net

ヨハネ「あーでも確かにさわやかステーキもありね……」

曜「ステーキ好きだね……?」

千歌「グルメさんなのかそうじゃないのか……難しいお年頃だ……」

梨子「ミートドリアだめかな……安っぽい子って思われちゃうかな……?」

善子「好きに食べていいのよリリー……ファミレスに来てる時点でみんな安い子だから……」

『えー……5名様でお待ちの』

千歌「あ、私たちだ」

『だ、だっ……堕天使ヨハネさまぁ~……?』

よしヨハ『あ、はい』

曜「いや、そこは自分の名前書こうよ……」

おわり



220: 名無しで叶える物語 2018/12/06(木) 21:51:50.49 ID:Wss6tzm2.net

>>219
¶cリ˘ヮ˚)|「最後につけるの忘れてたわ」


#3.5 ヨハネちゃんはグルメさん? 完



227: 名無しで叶える物語 2018/12/08(土) 03:10:55.60 ID:WPok+wCN.net

ねえ、ルビィ────知っている?

わたくしには、とても愛らしい妹がいるんですよ?

わたくしにはあまり似ておらず、昔から本当に姉妹なのかとよく間違えられましたが……れっきとした、本当に血の繋がった妹です。

可愛い可愛い、とても可愛い……大好きな妹。

ええ、あなたよ……ルビィ。

金剛石の名をいただいたわたくしと、紅玉の名をいただいたあなた。



228: 名無しで叶える物語 2018/12/08(土) 03:11:26.41 ID:WPok+wCN.net

わたくしたちは小学生の頃に知ったスクールアイドル……μ'sが大好きで。

ふたりでジュエルシスターズ……なんて、アイドルの真似事をしたこともありましたね。

ふふ、覚えているの? 嬉しいですわ。

しかし、そんなわたくしは……あなたから一時的にとはいえ、スクールアイドルを奪ってしまいました。

わたくしの勝手なわがままで、奪ってしまいました。

そして、何よりも楽しみにしていた出来事も。

────奪ってしまいました。



229: 名無しで叶える物語 2018/12/08(土) 03:14:37.25 ID:WPok+wCN.net

そんなことない、ですか? ふふ、本当にあなたは優しいわね。

……それから2年が経ち、わたくしとルビィは、また互いにスクールアイドルを愛することができるようになりましたね。

とても嬉しいことですわ。

今まで出来なかった分、たくさんのお話をしましたね。

μ'sのライブ映像を見て夜明けまで語ったり、自分の推しで議論をしたり。

けれど……お姉ちゃんはずっと後悔しているんですよ。

ルビィから奪ってしまったスクールアイドルを、取り戻さなくては……って、ずっとそう思っているの。

だって、だってね……一番大好きだったスクールアイドルは、あなたから奪ってしまった直後に、解散してしまったから。

あなたが行きたがっていた最後の舞台を、見られなかったから。



230: 名無しで叶える物語 2018/12/08(土) 03:15:35.39 ID:WPok+wCN.net

今日は9月21日。

あなたの誕生日。

今年は、あなたに……今までで最高のプレゼントを贈ってあげたいの。

そう……これまでの時間を取り戻せるように。

……でも、過ぎてしまった時間はもう戻らない。

それはこの世の真理というもので、神様が定めたことですわ。

けれど……ね、ルビィ。

お姉ちゃん……あなたを連れて行ってあげたいと思ったの。

どんなことをしてもね。

あなたから奪ってしまったものを……改めて、プレゼントしてあげたいの。

それがお姉ちゃんの心からの想い。

だから、受け取ってちょうだいね。お姉ちゃんの気持ち。

愛しているわ、ルビィ。


#ネクストプロローグ 完



240: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:52:37.94 ID:1PJE8z7H.net

~例によって休日~


善子「んぐぅ……zzz」

ヨハネ「すぴー……zzz」ギュウッ

善子「んぅ……」ムギュー

ヨハネ「んー……zzz」


ピンポーン


ヨハネ「んぁ……?」

ヨハネ「……このかんじは」

ヨハネ『せーとかいちょお……ね』

『!!』

ヨハネ『鍵空いてるから入ってらっしゃい。善子の部屋だから。ロビーは……なんか適当に開けるから』

『お、おじゃまします……!』

ヨハネ「……zzz」バタリ



241: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:53:34.80 ID:1PJE8z7H.net

カチャ


ダイヤ「し、失礼いたします……」コソコソ

ダイヤ「善子さん……ヨハネさん……」

ダイヤ「ごめんくださいませ! ええと、黒澤ダイヤと申しますが……ど、どなたかいらっしゃいませんか……?」

ダイヤ「……いらっしゃらないのかしら」

ダイヤ「お邪魔してよいものか……しかし、ヨハネさんはテレパシーでお伝えしてくださっていましたし……」

ダイヤ「お邪魔しますね……?」パタパタパタ

ダイヤ「ええと、善子さんのお部屋は……」ガチャッ

ダイヤ「ああ……よかった、善子さんヨハネさん、おはようg……!!???」

ダイヤ「ピギャぁぁぁあああああああああ!!!!!!」

善子「ぁぁああああああなになになになに!!!???」ガバッ

ヨハネ「ああおはよ生徒会長いらっしゃい」

ダイヤ「ぁ、あわわわっ……ひ、ゃわっ……あわわわわ……///」

善子「えっ……生徒会長……? なんで……」

ヨハネ「なんか来たから入れたのよ……くぁ、む……」

善子「そ、そう……」

ダイヤ「な、なんで落ち着いてるんですか!? ふ、ふたりとも裸……なんですよ!///」

善子「えっ」

ヨハネ「ん?」



242: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:54:19.81 ID:1PJE8z7H.net

善子「……えっ」

ヨハネ「ああ……昨日、ちょっと頑張り過ぎちゃったのよね」

ダイヤ「が、がんばっ……ぁ、ぅう……///」

善子「……あんた、何してんのよーー!!」

ヨハネ「もー……そんな大声出さないでよ……」



243: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:55:10.96 ID:1PJE8z7H.net

ダイヤ「どういうことか説明なさい! い、いくら……そ、その……家庭のこととはいえ、あの、そ……ようなっ……///」

善子「そうよ! び、びっくりしたんだからね!?///」

ヨハネ「昨日はちょっと魔力を使い過ぎちゃったから、肌を密着させて魔力を分けてもらってたの」

ヨハネ「ほんとは……R18な行為まで行けばいちばん効率よくもらえるけど、我慢して裸で同衾するだけで済ませたんだから許してよ」

ダイヤ「ど、どうきっ……ん……///」

善子「あんた、ほんとに……///」

ヨハネ「ふふ、喜びなさい善子」

善子「な、なにをよ」

ヨハネ「寝てるあなたの胸、たくさん揉んどいてあげたからあ痛ーーーーーー!!!?」

善子「な、なな、っ……なにしとんじゃあ!」

ヨハネ「思いっきり殴ったわね!!?」

善子「当たり前でしょ! ひ、ひとを裸にさせてっ……しかも、胸まで……!」

ヨハネ「減るもんじゃないでしょ!? どうせ私たちお互いのこと大好きなんだからいいじゃない!」

善子「それとこれは別でしょ!!?///」

ヨハネ「私は善子だったら全部見せてもいいと思ってるわよっ!」

善子「はぁぁあーーー???///」

ダイヤ「おだまらっしゃーい!!」

よしヨハ『』

ダイヤ「……まず、服を着てくださいあなたたち!」

よしヨハ『……はい』



244: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:56:56.17 ID:1PJE8z7H.net

善子「……」※正座

ヨハネ「……」※正座

ダイヤ「……朝から訪ねたわたくしも、わたくしですわ」

ダイヤ「ですが、ふたりとも……そんな佇まいで迎えられては流石に驚くでしょう?」

ダイヤ「しかもっ……よ、ヨハネさんは今でこそ違う名を名乗っているとはいえ、もともとはと言えば善子さんではないですか!」

ヨハネ「え……それはそれよって感じだけど。生まれた時点で、私と善子は同じだけど違う存在として認識してた。本当に同じ顔で同じ性格で同じ思考で99%同じだけど、私とこの子は圧倒的に1%違うってね」

ダイヤ「は、はあ……?」

ヨハネ「それは私が堕天使ヨハネであり、迷える子羊こと善子を救うために生まれたという事実!」ギラン

善子「……」

ダイヤ「……なるほど」

ダイヤ「では、善子さんはいかがなんですか? あなたもまさか、同じことは言い出しませんよね?」

善子「……」

ダイヤ「……善子さん?」

善子「ぐう……zzz」

ダイヤ「」

ヨハネ「朝は弱いのよ」

ダイヤ「よ~し~こ~さ~ん~!!」ユサユサ

善子「すぴー……zzz」

ダイヤ「……はああ……」

ヨハネ「とりあえずコーヒーでも飲む?」

ダイヤ「ああ、ええと……では、いただきます」



245: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:57:52.85 ID:1PJE8z7H.net

~リビング~


ヨハネ「そこに座ってて」

ダイヤ「はい、失礼いたします」

ヨハネ「朝ごはん食べた?」

ダイヤ「ええ。もう10時ですし」

ヨハネ「まだ10時か……普段ならもう少し寝てるわよ」ジャー

ダイヤ「レッスンのない日こそ体のリズムを整えるべきでは……と思いますけどね」

ヨハネ「まあ……いったん覚醒したら強いから、善子は」ガシャン

ダイヤ「無理をしていないといいのですが」

ヨハネ「ありがとう。あなたが善子を心配してくれるなら、私も安心だわ」カチッ ボボボボ…

ダイヤ「とは言いますが……わたくしだけは、まだ彼女との距離を縮め切れていませんから」

ダイヤ「ルビィを通して心配を伝えることしか……」

ヨハネ「……たしかに」

ヨハネ「私も生徒会長って呼んでるしね」

ダイヤ「ええ……そうです」

ダイヤ「もうあなたはヨハネさんですし……この際、はっきりと言いますが」

ダイヤ「先日、果南さんや千歌さんたちが名前で呼ばれているのを聞きました」

ダイヤ「そこで思ったのです……あれ、名前で呼ばれてないのわたくしだけじゃないの……? と」

ヨハネ「……」

ヨハネ「かもしれない……」

ダイヤ「ですよね……」



246: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 10:58:36.42 ID:1PJE8z7H.net

ダイヤ「結構ショックだったんですからねわたくし。鞠莉さんには堅物と呼ばれ、Aqoursのファンの方々からも硬度10などと言われたりもしますが……」

ダイヤ「わたくし、結構ショックなんですからね!」ガタッ

ヨハネ「わ、わかったから落ち着いて……どうどう」

ダイヤ「ぅ……し、失礼いたしました。わたくしとしたことが……」

ダイヤ「……ともかく、そろそろ、そろそろ出会ってそれなりに時間も経ちますし」

ダイヤ「名前で呼んでほしいなあ、なんて……思うのです、わたくしも」

ヨハネ「ふうん……」

シュンシュンシュン…

ヨハネ「それで……今日訪ねてきた理由はそれ?」

ダイヤ「あ、この話とは全く無関係ですわ」

ヨハネ「関係ないんかい」



247: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 11:05:41.23 ID:1PJE8z7H.net

ダイヤ「……今、何月だかご存知ですか?」

ヨハネ「え……9月でしょ? サザエさん時空だし」

ダイヤ「反応に困ることは言わないでいただきたいのですが……その通り、今は9月です」

ダイヤ「そして再来週は……ルビィの誕生日」

ヨハネ「リリーの誕生日もあるわね」

ダイヤ「ええと、それはそうなんですが……ルビィの誕生日じゃないですか」

ヨハネ「うん」

ダイヤ「それで、あの子への誕生日プレゼントの相談なのですが……」

ヨハネ「え、その相談!?」

ダイヤ「……はい」

ヨハネ「いや……なんで善子? 花丸の方が知ってるでしょ絶対」

ダイヤ「それは確かに、ルビィのことをより知ってる相手となれば、花丸さんに軍配が上がりますよ?」

ダイヤ「けれど、わたくしが彼女に贈りたいもの……それは知っている、知らないの問題ではないのです」

ヨハネ「なんか複雑そうね……分かったわ、ちょっと善子起こして……」

ダイヤ「いえ……それには及びません」

ヨハネ「え?」

ダイヤ「わたくしがご用があるのは……あなたなんです。ヨハネさん」



248: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 11:07:50.74 ID:1PJE8z7H.net

ヨハネ「……私?」

ダイヤ「ええ、そうです」

ヨハネ「……」

ピーーーー…

カチ

ヨハネ「私に用、ね……」コポポポ…

ヨハネ「はい、コーヒー。チョコもあるから食べて」コト

ダイヤ「ありがとうございます」

ギシッ

ヨハネ「私にねえ……」

ヨハネ「……魔法で何かして欲しい?」

ダイヤ「……」

ダイヤ「このような頼り方は……許されたものではないと理解しています。もし、別の方がわたくしがこんな方法であなたを頼ったと聞いたら怒ります」

ダイヤ「……ですが、わたくしは」

ヨハネ「御託はいいわ」

ダイヤ「っ……」

ヨハネ「要件を聞きましょうか」

ダイヤ「……はい」



250: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:24:32.43 ID:1PJE8z7H.net

ダイヤ「……」

ダイヤ「わたくしは……ルビィを……連れていってあげたいんです」

ヨハネ「どこに?」

ダイヤ「……μ’sのファイナルライブ」

ヨハネ「μ’s……」

ダイヤ「はい。覚えていらっしゃいますか? まだあなたがいなかった頃……音ノ木坂学院に訪れたことを」

ヨハネ「ええ、もちろん。リリーがもともと通っていた学校で、昔、そこを卒業した伝説のスクールアイドル」

ヨハネ「あなたとルビィが愛している……でしょう?」

ダイヤ「……はい」

ヨハネ「それのファイナル? どういうこと?」

ダイヤ「μ’sは3年生が卒業したら、そこでおしまいになりました。その……最後のライブ」

ダイヤ「……わたくしは、ルビィに、彼女たちの最後舞台を見せてあげたいんです」

ヨハネ「どうして?」



251: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:25:33.58 ID:1PJE8z7H.net

ダイヤ「……これまで、わたくしはあの子に辛い生活を強いてきました」

ダイヤ「わたくしと果南さんと鞠莉さんのトラブルが原因で……あの子の、スクールアイドルが大好きという気持ちを抑圧してしまった」

ダイヤ「そのせいで……あの子が楽しみにしていた、μ'sの最後の舞台も、諦めさせてしまった」

ダイヤ「……あの頃、まだルビィは中学2年生。とても辛かったと思います」

ダイヤ「今でこそ、あなたたちと共にAqoursで活動しているから、笑顔でいてくれていますが……あの時は本当に、辛そうでした」

ダイヤ「わたくしと……一緒に行こうって楽しみにしていたんです」

ダイヤ「それを見せてあげられなかった」

ダイヤ「今更になって、それがとてもわたくしの胸を抉るんです。あの子に、あの子が何より愛していたものを一時は奪ってしまった」

ダイヤ「その事実が……わたくしを……」

ヨハネ「……要するに後悔してるってことね」

ダイヤ「はい」

ヨハネ「それで、私にどうしろと?」

ダイヤ「あなたは、あらゆる魔法が使えますよね」

ヨハネ「ええ。正直、不可能なことは無いに等しいわ。限界はあるけど」

ダイヤ「では……時間を超える魔法は」

ヨハネ「……あるには、あるわ」

ダイヤ「……」



252: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:26:48.59 ID:1PJE8z7H.net

ダイヤ「もしこの世界に、そんなものがあるのだとしたら……それが使えるのだとしたら、わたくしはルビィを……」

ダイヤ「あの子を、あの子が何よりも見たがっていた最高の景色をプレゼントしてあげられるのではないか……そう、思ったんです」

ヨハネ「……なるほどね」

ヨハネ「じゃあ私が、その、【過去に戻る魔法】を使えばいいと?」

ダイヤ「いえ」

ヨハネ「?」

ダイヤ「……曜さんから聞きました。あなたの……『魔力』というものは、わたくしたち普通の人間にも備わっているものだと」

ヨハネ「ええ……って、まさか」

ダイヤ「はい」

ダイヤ「もしそれを使うことができれば……ルビィを、あの子を……あの舞台に連れて行ってあげられる」

ダイヤ「そう、思ったんです」

ダイヤ「お願いします────過去に戻る魔法をわたくしに教えてください。魔法を、使うすべを……お教えください」ペコリ

ヨハネ「────」



253: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:28:14.59 ID:1PJE8z7H.net

ヨハネ「んー……」

ダイヤ「……だめですか?」

ヨハネ「だめ、じゃないけど……生徒会長」

ダイヤ「はい」


ヨハネ「……あなた、死ぬ覚悟はある?」


ダイヤ「……!!」

ヨハネ「そう簡単に魔法を使う、というけれどね。あなたは魔法をただの便利なものだと思っているの?」

ヨハネ「それは魔法を舐めた発言だからやめたほうがいいわ。簡単に魔法を使いたいなんて言わないで」

ダイヤ「……」

ヨハネ「ひとくちに魔法を使いたいというけどね」

ヨハネ「魔法を使うには、まず体内に魔法を使うための、魔力を自分で作り出す必要がある」

ダイヤ「……」

ヨハネ「誰にも魔力はある、というけどね……まず普通の人にはただの生命エネルギー。魔法使いはそれを『魔力』という別の力に変換させて使っているの」

ダイヤ「変換……」

ヨハネ「魔法使いはまず、その変換するための回路を体内に形成する。その回路自体は誰にでもあるけれど、最初は閉じているの」

ヨハネ「それを修行して開放することで、魔力を通すことができるようになる」

ダイヤ「……」



254: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:30:08.47 ID:1PJE8z7H.net

ヨハネ「わかるかしら……車で例えるわよ」

ヨハネ「魔力はガソリンで、回路がそれを通すパイプ。最初はそのパイプは固く閉ざされているから、バルブを使って開放しなくちゃいけないというわけ」

ヨハネ「魔法使いは魔力を、大気中や体内から集め回路に通し、それを体内のエンジンのような機構で増幅し、力とすることで魔法を扱う」

ヨハネ「……簡単じゃないのよ、魔法を使うといっても」

ダイヤ「……はい」

ヨハネ「ここまでで、まず血の滲むような特訓が必要よ。本当に、キツイでしょうね」

ダイヤ「はい……わかっています。そう簡単ではないことも」

ヨハネ「ええ、そうね……じゃあまずあなたの身体をスキャンさせてもらうわ。手を出して」

ダイヤ「はい」スッ

ヨハネ「……」ギュウッ

ヨハネ「……」

ヨハネ(……ああ、やっぱりそうよね)

ヨハネ「わかったわ」

ダイヤ「……いかがですか?」

ヨハネ「ざっと見積もって3年」

ダイヤ「え……」

ヨハネ「3年は修行をする必要があるということよ」

ダイヤ「そ、それでは間に合いません! ルビィの誕生日まで2週間なんですよ!?」

ヨハネ「ええ、そうね。だから最初に言ったでしょう? 簡単に魔法を使うなんて言うなって」

ダイヤ「では、わたくしは……」



255: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:31:10.32 ID:1PJE8z7H.net

ヨハネ「そんな時間がないあなたに、いいお知らせと悪いお知らせがあるわ」

ダイヤ「え……?」

ヨハネ「いいお知らせは、今すぐあなたに魔法を使えるようにしてあげる」

ダイヤ「……!!」ガタッ

ヨハネ「悪いお知らせは……さっきも言ったわね」

ヨハネ「下手をするとあなたは死ぬ」

ダイヤ「ぁ……っ」

ヨハネ「私があなたにしてあげられる方法は二つ」

ヨハネ「ひとつは……私の知り合いの魔法使いにあなたを紹介し、修行をつけてもらう。私の見立てでも3年は確実にかかるから、かなり大変な修行になるでしょうね」

ヨハネ「もうひとつは、私が魔法であなたの神経を無理矢理こじ開ける」

ヨハネ「これがものすごい賭けでね? どんな熟練の魔法使いだとしても、安全にこじ開けさせることは難しいわ」

ヨハネ「だから被験者にはかなりの負担がかかるの。生きたまま背中を切り開かれて神経を指でいじくられるようなものだもの」

ダイヤ「……ぅ、ぉぇっ」ガタッ

ヨハネ「トイレは廊下に出て右よ」

ダイヤ「っ……ぐっ……」ダッ

バタバタバタ

バタン!!



256: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:32:34.47 ID:1PJE8z7H.net

ヨハネ「……」

善子「脅してどうするつもり?」

ヨハネ「起きてたんだ」

善子「まあね」

善子「それで?」

ヨハネ「まだ序の口よ。そのあとには、過去に戻るなんていう大魔法を使うんだから」

ヨハネ「それこそ、代償がどうなるか分からない。下手をすればルビィごと時間の流れから取り残されてしまうかもしれない」

ヨハネ「これはまだいい方ね。最悪、時間という概念から除外され、老いることも死ぬこともできず、永遠にありとあらゆる時間、世界を彷徨い続けることになるわ」

善子「……ヨハネ」

ヨハネ「わかってる。そんなことにはさせないわよ」

ヨハネ「あなたが一番わかってるでしょ?」

ヨハネ「ふふ、善子にも手伝ってもらうわよ?」



257: 名無しで叶える物語 2018/12/09(日) 12:33:11.71 ID:1PJE8z7H.net

バタン

ヨロヨロ


善子「……大丈夫?」ガシッ

ダイヤ「ぁ……よはねさん」

善子「……ヨハネよ」

ダイヤ「……失礼しました。善子さんでしたか」

善子「顔、やばいくらい青いわよ」サスリサスリ

ダイヤ「すみません……」

ヨハネ「よく考えておいて、生徒会長。あなたの気持ちが本気なら、私はいつでも準備があるわ」

ダイヤ「……はい」

ヨハネ「少し眠ったほうがいいわね。善子、私の部屋に連れてってあげて」

善子「あんたの部屋でいいの?」

ヨハネ「見られて困るものはないもの」

ダイヤ「そ、それには及びませんわ! 大丈夫……もう、平気ですから」

ヨハネ「ダメよ。一度寝て、頭をスッキリさせたほうがいいわ」

ヨハネ「さあ、おやすみ」フッ

ダイヤ「ッ……」クラッ

善子「おわっ……!」ギュウッ

ダイヤ「……すう、すう……」

善子「……催眠術?」

ヨハネ「まあそんな感じ? 少しは疲れがとれるわ、寝かせてあげて」

善子「はいはい……」



273: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:19:26.98 ID:S2a4hxI4.net

~2時間後~


ダイヤ「ぅ、うう……」モゾモゾ

ダイヤ「あ、ら……? ここは……」

善子「起きたのね」

ダイヤ「よしこさん……?」

善子「覚えてる? 生徒会長、朝から私の家に来たのよ」

ダイヤ「……ぁ」

善子「ん、覚えてるようで何よりね」

善子「もうお昼だけど、食べれる?」

ダイヤ「……いえ」グー

ダイヤ「……///」

善子「焼きそばだけど、いいわよね」

ダイヤ「……いただきます///」



274: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:20:14.69 ID:S2a4hxI4.net

・・・


ダイヤ「……」

善子「んー……」ジュー

善子「味付け、薄めと濃いめどっちがいい?」

ダイヤ「では……薄めで」

善子「ん」ジュー

ダイヤ「あの、ヨハネさんは」

善子「スーパーよ。お茶がなかったから買いに行ってもらってるの」

ダイヤ「……そうですか」

善子「……ヨハネから聞いた。魔法を教わりたいんですって?」

ダイヤ「……はい」

善子「そこまでして……ルビィに償いたいの?」

ダイヤ「あの子には、今まで我慢ばかりさせてしまいましたから……」

ダイヤ「今まででいちばんのプレゼントをして、喜んでほしいんです」

善子「……ふうん」



275: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:21:20.03 ID:S2a4hxI4.net

善子「お姉ちゃんしてるのね」

ダイヤ「当然ですわ。お姉ちゃんという生き物はね……常に妹の幸せを願っているものなの」

ダイヤ「だから……そのためなら」

善子「死んでもいいの?」

ダイヤ「……」

ダイヤ「そうですね」

善子「……そう」

ダイヤ「でも、死ぬ気はありません。生き延びます」

ダイヤ「わたくしは生きて、あの子をあの日に連れて行ってあげなくてはいけませんから」

善子「……」ジュー

善子「できたわ」


ガチャッ

タダイマー


善子「ヨハネも帰ってきたみたいね。ちょうどいいからみんなで食べましょ」

ダイヤ「……はい」



276: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:22:47.24 ID:S2a4hxI4.net

・・・


『いただきます』

善子「……で、どうするの?」

ダイヤ「……むぐ?」モグモグ

ヨハネ「それは会長のやる気次第よ?」

ダイヤ「……ん、んく」ゴクン

ダイヤ「先程もお伝えしましたが……わたくし、やりますわ」

ヨハネ「ええ、それも聞いてるわ」

善子「そうじゃなくて……その、時を超える魔法? 簡単に使えるものなの?」

ヨハネ「どういうこと?」

善子「ルビィの誕生日まであと2週間……そんな短期間で覚えられるものなのかってこと」

ダイヤ「……」

善子「回路を開くだけじゃ魔法は使えないでしょ? まず魔力を作れるようにならないと」

ダイヤ「……そうですね。パイプはあっても、ガソリンを作れなければ……」

ヨハネ「善子は数ヶ月練習しても魔力すら作れないもんね」

善子「うるさいわよ」



277: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:23:43.32 ID:S2a4hxI4.net

ヨハネ「2週間……」

ヨハネ「まず3日で魔力を作り出すところまで行くわよ生徒会長」

ダイヤ「3日で……」

善子「……できるの?」

ヨハネ「善子よりは見込みあるし」

善子「ぶん殴ってやりましょうかあんた……」

ヨハネ「ふふふ」

ヨハネ「生徒会長」

ダイヤ「は、はい」

ヨハネ「いつから始める? 今日?明日?明後日?」

ダイヤ「それは……」

ヨハネ「本当にやるなら覚悟が決まるまでいつまででも待ってあげる。そしてルビィの誕生日までに必ず過去に行く魔法を使わせてあげる」

ヨハネ「私はいつでも準備オーケーよ? あとはあなたの覚悟次第」

ヨハネ「さあ、あなたの覚悟はいつ決まるのかしら? 明日? 明後日? それともその焼きそばを食べ終わるまで?」

ダイヤ「……」

ダイヤ「……!」ズルズル

善子「え、なに……」



278: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:25:27.22 ID:S2a4hxI4.net

ダイヤ「チュルン……モグモグ」

ダイヤ「……ごちそうさまでした」

ダイヤ「ヨハネさん」

ヨハネ「なあに?」

ダイヤ「わたくしの覚悟は、すでに決まっています」

ヨハネ「いいわね────それ♡」

ヨハネ「ここでまた選択肢よ」

ヨハネ「死ぬほど痛いし辛いけど一晩苦しめば魔術回路が開くAコース」

ヨハネ「こっちもまあまあ苦しいけど寝てる間にゆっくり開いて3日後には開いているであろうBコース」

ヨハネ「前者は身体が痛みに耐えきれずその場で体内の血液が逆流して爆発四散する」

ヨハネ「後者は体内を異物が、ゆっくりゆっくり這いずり回る感覚に耐え続けなくちゃいけないし、開ききるまでは衰弱し続ける」

ヨハネ「さあどうする?」

ダイヤ「当然Aコースですわ!」

ヨハネ「上等……!」



279: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:26:14.01 ID:S2a4hxI4.net

ダイヤ「どうしたんです?」

善子「いいの? 本当に……そこまでして、やりたいことなの……?」

ダイヤ「……ええ」

ダイヤ「そこまでして、やりたいことなのです」

善子「……そう」

ヨハネ「あなたの覚悟は受け取ったわ。それじゃあ食後、私の部屋で始めましょ」

善子「またあんたの部屋で?」

ヨハネ「ええ、そこで開くための儀式を行うわ」

善子「……」

ダイヤ「わかりました。……ええと、家には」

ヨハネ「そうね。今日は帰れないと連絡したほうがいいわ」

ヨハネ「もしかしたら、明日も明後日も帰れないかもしれないけどね」

善子「ヨハネ、あんた」

ダイヤ「ご心配なく。大丈夫ですわ」

善子「……」



280: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:34:43.96 ID:S2a4hxI4.net

~ヨハネの部屋~

ヨハネ「さてと、始めましょうか」

ダイヤ「……」

善子「こんな狭い部屋でできるの?」

ヨハネ「それには及ばないわ。すぐに広くなる」パチンッ


ズズズズ…


ダイよし『!!』


ググ……ズニューン……


ダイヤ「へ、部屋の壁が……」

善子「伸びて、る……?」

ヨハネ「部屋の空間を魔法で広くしたの。ちょーっといじっただけよ」

ダイヤ「ちょ、ちょっと……ですか、これが」

善子「ね……体育館くらいの広さよこれ」

ヨハネ「平気よ平気。外から見ても普通に何も変わってないから」

ダイヤ「こ、これが……魔法」

ヨハネ「ふふ、この程度は朝飯前だけどね?」



281: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:35:35.31 ID:S2a4hxI4.net

・・・


ヨハネ「さて、着替えてきたわね」

ダイヤ「ええ……と、本当によろしいのですか?」

善子「いいわよ。汚れてもいい服ならいくらでもあるし」

ヨハネ「儀式の道具作るために用意したジャージがわんさかね」

善子「うるさいわよ」

ダイヤ「それで、わたくしは……」

ヨハネ「この石を飲んで」

ダイヤ「……石、ですか」

ヨハネ「ただの石じゃないわよ? 魔力の塊だから」

ヨハネ「これを飲み込んでもらうことで、体内から魔力を暴発させて無理やり回路を開くの」

ダイヤ「……随分と手荒なやり方ね」

ヨハネ「ふふ、言ったでしょう? 死ぬわよ、って」

善子「……会長」

ダイヤ「構いません。わたくしがお願いしたことです」

善子「どうしてそこまで……」

ダイヤ「……2年です」

善子「……え?」



282: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:36:52.27 ID:S2a4hxI4.net

ダイヤ「わたくしとルビィが離れてしまった時間です」

ダイヤ「……果南さんと鞠莉さんとも同じ時間、離れていましたが……」

ダイヤ「誰よりとも近くにいて、誰よりも愛していた妹とこれほど離れてしまっていたんです」

ダイヤ「……それを取り戻したいと願うのなら、命をかけても足りないかもしれません」

ダイヤ「本来であれば……死んだところで取り戻せるものではないですから」

善子「会長……」

ダイヤ「ふふ、ご心配なく。わたくしは黒澤ダイヤですわよ? お任せくださいな」

ダイヤ「善子さん、ひとつだけお願いがあります」

善子「なに……?」

ダイヤ「お泊まりさせていただくので……明日は一緒に朝食を作りませんか? わたくしもお手伝いいたします」

善子「……わかった。じゃあ、絶対一晩で終わらせてよ」

ダイヤ「はい、もちろんですわ」

ヨハネ「……本当にいいのね?」

ダイヤ「もちろん」

ヨハネ「じゃあ……飲んで」スッ

ダイヤ「……」

ダイヤ「……いきます」グイッ

ダイヤ「っ、んく……っ」ゴクッ

ダイヤ「っ……んん、っけほ、けほっ……」

ダイヤ「はあ、はあ……飲めました……」

善子「……」サスリサスリ

ダイヤ「ありがとう、ございます……」

ヨハネ「……確かに飲み込んだわね」



283: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:38:09.90 ID:S2a4hxI4.net

ヨハネ「今から私がその石に込められた魔力を暴走させる。その瞬間からあなたは体内から自分の身体が作り変わる感覚に晒され続けるわ」

ヨハネ「それはとても痛くて、つらくて、気持ち悪くて、きっと死んでしまいたくなるほど苦しい」

ヨハネ「……今ならまだ吐き出せば踏みとどまれる」

ヨハネ「どうする?」

ダイヤ「何度確認するつもりですか」

ヨハネ「……そうよね。しつこすぎたわ、謝る」

ヨハネ「それじゃあ始めるわ。お腹に意識を集中して」ポッ…

バチバチバチ…

ダイヤ「……」ドクッ…ドクン…

ダイヤ「……」

ダイヤ「──────ぁ、」ズグッ!!

ダイヤ「は、っあ……っぐぅぅっ……!!!」バタッ

善子「!!」

ダイヤ「ゔあ、っ……ぎ、ぁ……ッ!!」ズキンズキン

善子「ヨハネ……会長が!」

ヨハネ「……覚えてる? あなたが私を助けようとした時の……あの痛み」

善子「え……?」

善子「あ、ぁあ……覚えてるわ。もう2度と味わいたくない、死ぬほど痛いのに死ねなくて……」

ヨハネ「……この人はいま同じ痛みを受けてるのよ」

善子「……!」



284: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:39:26.14 ID:S2a4hxI4.net

ヨハネ「魔法を使うとはこういうことよ。今はあなたに出来ることは何もないわ……そこに居るか、見るのが辛いなら部屋を出ていなさい」

善子「……」

ダイヤ「ぁ、ぁあぁぁああっ……!! げほ、っ……ぶはっ! ごふ、げほっ……」

善子「!! ヨハネ……血、血が……」

ヨハネ「うるさいわ、こっちだって集中してるのよ……!」

ヨハネ「拒否反応が出てるんだわ……つらい時間はまだまだこれからよ。耐えなさい、会長」

ダイヤ「ぁぁぁあああ──────!!」

善子「っ……」

善子「ねえ……どうして、会長はそこまでするのよ」

ヨハネ「……あなたと同じよ」

善子「え?」

ヨハネ「この人は、何をしてでも取り戻したいのよ。ルビィとの時間を……ルビィとの約束を」

ヨハネ「だからこんなになってまで頑張ってる。それだけのことよ」

善子「……」

善子「バカよ……死んじゃうかもしれないのに」

ヨハネ「ほんとに、あなたが言えることじゃないからね?」

善子「……」

善子「私、部屋を出てるわ」

ヨハネ「……ええ」

ガチャッ

パタン

善子「……はあ」

善子「っ、う……会長…………っ」



285: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:40:44.52 ID:S2a4hxI4.net

ブーッブーッ

善子「!」

善子「すー……はー……」ゴシゴシ

善子「……もしもし」

『あ、もしもし……善子ちゃん?』

善子「ええ、ルビィ」

ルビィ『お姉ちゃんが今日、善子ちゃんのおうちにお世話になるってメールが来てたから』

善子「ああ、そのことね」

ルビィ『びっくりしちゃったよ~! お姉ちゃんと善子ちゃんがお泊まりなんて』

善子「……ふふ、私もよ。いきなり訪ねてくるんだもの」

ルビィ『え、そうなの? お姉ちゃんが……』

善子「びっくりよね」

ルビィ『一体なんのご用事だったの?』

善子「ん、ちょっとした相談よ。あなた関係のね」

ルビィ『……それ、ルビィに言わない方が良かったんじゃないのかな』

善子「あなたにだけ特別隠し事が苦手な会長よ? 私が黙ってたところでいずれバレるわ」

ルビィ『それは……まあ、そうかもだけど』



286: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:41:38.63 ID:S2a4hxI4.net

善子「あなたも心配して私にかけてくるあたり、ほんと会長が好きね」

ルビィ『そ、それは……もちろんだよ。ルビィのたったひとりのお姉ちゃんだもん、大好きに決まってるよ』

善子「ふうん……なら、会長に恋人ができたらどうする?」

ルビィ『えっ!? できたの……? もしかして善子ちゃん……』

善子「違うわよバカ。たとえ話」

ルビィ『……ルビィがその相手の人をテストします』

善子「うわ、こわ」

ルビィ『だ、だってルビィの大事なお姉ちゃんをあげなくちゃダメなんだよ……? ルビィが納得できる人じゃないと、ヤダ』

善子「……ふふ、本当に好きね、あんた」

ルビィ『えっへん』

善子「ま、とりあえず心配しなくていいわ。会長はいまヨハネと二人で仲良く話してるから」

ルビィ『いいなぁ……ルビィも誘ってくれないお姉ちゃんはおばかさんだよ』

善子「だから相談って言ったでしょ? あなたがいたら意味ないじゃない」

ルビィ『まあそうだけど……ルビィも行きたかった』

善子「今度二人で泊まりに来なさいよ。歓迎するわ」

ルビィ『うん! ありがと!』

ルビィ『それじゃあお姉ちゃんのこと、よろしくおねがいします』

善子「ええ、また何かあれば連絡するわ」

ルビィ『うん! じゃあまたね!』


プツ


善子「……」

善子「……終わったらあんたのこと、もっと色々教えなさいよ……ダイヤ」



287: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:42:10.13 ID:S2a4hxI4.net

~夜~


善子「……」

善子「……まだ出てこない」

善子「ダイヤ……」

善子(あの断末魔のような声が、耳の奥でずっと響いてる)

善子(口から、目から、耳からも……血が噴き出して……全身が引き裂かれるような痛みに悶える、あの姿が)

善子「……」

善子(やめさせなければ、と思う)

善子(けれど……あの人の気持ちは、理解できてしまうから……私には、止められない)

善子(なぜなら────あれは私だから)

善子(ヨハネが消え、それを取り戻そうともがき、足掻いた私の姿そのものだから)

善子(私は……人の手助けがあったから、少し上手くいっただけ)

善子(それでも全身を突き刺す痛みで心は折れそうだった。死んでもおかしくないレベルの痛みを受けているのに、死ねない苦しみから逃れられなかった)

善子(……あれは私なんだ)

善子(私と同じ……何かを取り戻すために、自分の全てを投げ打とうとしてる)

善子(それをどうして私が止められようか)

善子(だから……)

善子「……早く終わって、ご飯食べましょうよ。ダイヤ」



288: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:42:57.12 ID:S2a4hxI4.net

・・・


善子「すう……すぅ……」

ガタガタガタ

ガチャッ

バタン

善子「!」ガバッ

善子「……いまのって」

善子「ダイヤ!」ダッ

ガチャッ

善子「ぁ……だい、や」

ダイヤ「……」

善子「ダイヤ、ダイヤ!しっかりして!」ユサユサ

ダイヤ「ぅ、あ……っ」

善子「ぁ……あ、あ……いきてる、いきてる……っ」

善子「よかった……っ」ギュウッ

ダイヤ「よし……こ、さ……っ」

善子「! な、なに!どうしたの!」

ダイヤ「はぁ、っぐ……ぅぅっ……」

善子「ダイヤ!?」

ダイヤ「はあ、ふっ……ぅ、あぁ……」

善子「どうしたのよ! ダイヤ、ダイヤ!」



289: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:43:23.38 ID:S2a4hxI4.net

ダイヤ「……よしこ、さん……」

善子「うん……、うん……ここにいるから! どうしたの、何か言って……」

ダイヤ「……おなかがすきました」グーキュルルル

善子「……」

善子「は?」

ヨハネ「はー……疲れた疲れた」

善子「……ヨハネ」

ヨハネ「大成功! 後遺症もないし怪我も治したし、これで会長も魔法使い見習いの第一歩よ!」

善子「……そう」

ヨハネ「おなかすいたわね。ママは?」

善子「寝てるわよ……今何時だと思ってるの」

ヨハネ「え、知らないわよ時間なんて見てる余裕なかったんだし」

善子「……あそう」

ダイヤ「うう、おなかが……」ギュルル

ヨハネ「私もおなかペコペコ」グゥゥ

善子「……はあ」

善子「コンビニでなんか買ってくる」

ヨハネ「やった!」

善子「その間にダイヤをお風呂に入らせて、それから着替えさせておいて」

ヨハネ「わかったわ。……って、いまダイヤって」

善子「そ、それはいいから! ……あんたも風呂入りなさいよ。すぐに沸くから」

ヨハネ「はいはーい。えっと……だ、ダイヤ? いくわよ」

ダイヤ「は、はぃ……」フラフラ

パタパタパタ

ガチャッ

……パタン

善子「……」

善子「ほんとに、よかった……っ」グスッ



290: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:45:29.18 ID:S2a4hxI4.net

~数時間後、朝~

ヨハネ「ぐう……すう……」

ダイヤ「……zzz」

善子「……zzz」

カチャ

パタパタパタ…

善子母「はぁあ……ん」

善子母「……なにこれ?」

善子母「ちょっと善子、どういうこと? 何この食べ散らかしたゴミ! こら起きなさい善子!」



291: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:56:06.94 ID:S2a4hxI4.net

~さらに数時間後!~


ヨハネ「それじゃあ修業開始────」

ダイヤ「はい!」

ヨハネ「の前に」

ダイヤ「!?」

ヨハネ「ちゃんと回路が通っているか、最後の確認よ」ナデナデ

ダイヤ「わ、わかりました……うう、素肌の背中を撫でられるのはくすぐったいです……」

ヨハネ「がまんがまん」

善子「ダイヤ……本当に身体はもう……」

ダイヤ「ええ、わたくしの身体に異常はありません。むしろ凝り固まっていた部分がほぐされたような感覚ですわ」

ダイヤ「……って、あら? 善子さん、今、わたくしのこと……」

善子「いいの気にしなくてほら続けて」

ダイヤ「は、はあ……」

ヨハネ「……うん、大丈夫ね。これでもかってくらい綺麗に開通してる」

ヨハネ「あとは魔力を生成するやり方を覚えないとね」

ダイヤ「まりょく……」



292: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:56:46.67 ID:S2a4hxI4.net

ヨハネ「まあ、魔力を作るだけじゃ何の実感もできないから……簡単な魔法も覚えましょう」

ダイヤ「ま、魔法……」

ヨハネ「それじゃあ……善子、あの鏡貸して?」

善子「……え、なんで?」

ヨハネ「それ使うの。ほら、善子がやろうとしてた魔力を移す魔法」

善子「…………」

善子「嫌」

ヨハネ「は?なんでよ」

善子「あれは……だって、私のだもの。いくらダイヤでも貸せないわ」

ヨハネ「なにこだわって……」

ダイヤ「な、なぜ喧嘩を……! 落ち着きなさいふたりとも、わたくしは別にそれでなくても……」

ヨハネ「もう……どうしたのよ」

善子「……嫌なの」

ヨハネ「わかったわよ……仕方ないわね。それじゃあモノを浮かせる魔法にしましょ」

ダイヤ「それならばわたくしも知っていますわ! ハリーポッターで拝見したことがあります!」

善子「ダイヤってハリーポッター見るのね……」

ダイヤ「ルビィが、好きなものですから」

善子「……なるほど」



293: 名無しで叶える物語 2018/12/10(月) 23:59:36.36 ID:S2a4hxI4.net

ヨハネ「ふむ、イメージも出来てるってわけね? なら成功率も高いかな」

ダイヤ「そうなのですか?」

ヨハネ「ええ、魔法を使う上で大事なのはイメージ。そのイメージが強ければ強いほど魔法は成功しやすいの」

善子「イメージ……」

ダイヤ「ふむ……そういうものなのですか」

ヨハネ「そういうものなの。まあ得意不得意はあるものだから、イメージすれば誰でもできるわけではないわよ?」

ヨハネ「とりあえず、まず魔力を生成しながら魔法を使ってみましょうか。その羽を浮かせてみるの」

善子「どこから出てきたの羽」

ヨハネ「私の翼からちぎった」

善子「うそでしょ……」

ダイヤ「……ええと、その……魔法を使ううえで、呪文のようなものは?」

ヨハネ「そうね。私は呪文無しでスイッチの切り替えができるから使わないけれど、普通はあったほうがいい」

ヨハネ「呪文は自己暗示のようなもの……要するに、自分に今からこの魔法を使うぞ!って思い込ませるわけ」

ヨハネ「特定の流派に属する魔法使いなら、そこで決められた呪文があるけど……私はそんなのないから適当でいいわ」

ダイヤ「て、適当って……そんなもので大丈夫なのかしら……」

ヨハネ「ようは自分の中でイメージを固められれば問題ないから、そう難しく考えなくていいわよ。計算式のようなものだと思いましょ? 手順を自分の口で唱えながら、魔法としてもその工程を組み立てていく」

ヨハネ「そうやってひとつの魔法を組み上げて、発動する……って感じね」

ダイヤ「……なるほど」



294: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 00:00:16.53 ID:MP72Doy9.net

ダイヤ「では、この羽を浮かび上がらせるためには」

ヨハネ「まず体内の回路をオンにして、魔力を生成、体内を循環させて増幅し、呪文とともに魔法として組み上げ発動」

ヨハネ「簡単にお手本をしてみるわ。百聞は一見にしかずでしょ」

ダイヤ「……はい、お願いします」

ヨハネ「すう、はあ……」

ヨハネ「────闇より出でし究極の絶望よ。堕天使ヨハネの名の下に、今ここに我が望みを現出せよ」

ヨハネ「荒れろ暴風! そして羽を吹き飛ばせ!」ゴオッ!!

ダイヤ「きゃっ……!」

善子「うわっ!?」

羽「」フワフワ~

ダイヤ「……」

善子「……」

ダイヤ「ほんとに浮いてます!?」

ヨハネ「どーよ!」

善子「めちゃくちゃ必殺技のノリじゃないの今の呪文」

ヨハネ「今のは出力を絞っただけ。その気になればほんとに暴風を起こして家ごと吹っ飛ばすなんて造作も」

善子「ママに怒られろ」

ヨハネ「だからやらないって言ってるでしょ!?」



295: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 00:01:23.77 ID:MP72Doy9.net

ダイヤ「……すごいですわ! 今まで何度も魔法を見せていただいたことはありますが……わたくしも本当にこれを……!」

ヨハネ「ええ、やってみて。魔力の練り方はさっき伝えたみたいにね」

ダイヤ「は、はい……」

ダイヤ「じゅ、呪文呪文……」

ダイヤ「……す、すいっちおん……!」

善子「!?」

ヨハネ「……」

ダイヤ「く、黒澤ダイヤが命じます! 羽よ……少しだけでいいのでどうか浮かび上がってくださいまし!」ゴオッ!

羽「」シーン

ダイヤ「む~!」

羽「」シーン

ダイヤ「むうう~!!」

羽「」

ダイヤ「動きませんわぁ……」

善子「……どうだったの?今の、魔力できてたの?」

ヨハネ「……ぜんぜん」

ダイヤ「な、なんですって!?」

ヨハネ「ほんとに教えた通りにやった?」

ダイヤ「やりました!」

ヨハネ「……まあ、善子が数ヶ月練習してもぜんぜん才能開かないし」

善子「うるさいわね……」

ヨハネ「反復練習よ! ちゃんと回路は通ってる、あとは体内のエネルギーを基に、外界からも少しずつ魔力を集めて魔法を組み立てましょう」

ダイヤ「は、はい!」

善子「────」



296: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 00:02:24.28 ID:MP72Doy9.net

・・・


善子「こうして、ダイヤの魔法の特訓が開始した」

善子「何度も何度も、微妙にダサい呪文を唱えながら羽とにらめっこする数時間」

善子「結局、その日は何も起こらずダイヤは家路に着いた」

善子「その翌日からも特訓は続く。学校で、帰り道で、夜の海岸で(私たちが出向いてね)」

善子「繰り返し繰り返し、繰り返し続けるうち────特訓開始から3日後、ダイヤの身体に異変が起こる」

善子「なんと微妙に、少しだけだけど魔力が生成されたという」

善子「その感覚を一度掴んでからの上達は早く、特訓開始から1週間経つ頃には全身の回路を活用して魔力の生成が出来るようになっていた」

善子「さすがは完璧最強生徒会長黒澤ダイヤと言ったところかしら」

善子「私が何ヶ月かけても出来なかったことを1週間足らずでできるようになるなんて忌々s……げふんげふん」

善子「けれど、本当に大変なのはこれからで────」



306: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:25:19.88 ID:MP72Doy9.net

~ルビィの誕生日まで残り1週間、ヨハネの部屋~


ダイヤ「ヨハネさん……わたくし、もう時間がないんですよ!?」

ヨハネ「分かってるわ! だからこれから1週間で急ピッチで固めるわよ!」

ダイヤ「はい!」

ヨハネ「まずは時間の遡行……時間という概念をどのように自分の中で掴むかのイメージから始めなくちゃいけないわ」

ヨハネ「私の場合、時間は縦軸状に存在していて、そのポイントごとに過去の世界、現在の世界、未来の世界として仮定することで異世界として認識している」

ヨハネ「そこを扉のようなもので移り行くことで過去と未来を────」

ダイヤ「ふむふむ……」メモメモ

善子「……私、ルビィと約束あるから出かけるわね?」

ヨハネ「ええ、こっちは進めとくからルビィのことはよろしくね」

ダイヤ「善子さん、申し訳ありませんがよろしくお願いいたします」

善子「わかってるわ」

ガチャッ

パタン

善子「さて……」



307: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:26:19.81 ID:MP72Doy9.net

~沼津駅~


ルビィ「よしこちゃ~ん!」トテトテ

花丸「おまたせずら~」テッテッテッ

善子「ん。私もさっき来たとこよ」

ルビィ「あ、デートのときに言われてみたいセリフのやつだ」

花丸「ほんとだ……善子ちゃんの格好もぱんつるっくだから、ちょっとかっこいい……かも?」

善子「かもってなによ! 可愛いでしょ!?」

ルビィ「うんうん、とっても! 善子ちゃんのカッコいいスタイルにもぴったり!」

花丸「外国人さんみたいずら~!」

善子「だから可愛いって……まあ、いいけど」

花丸「満更でもなさそうだね善子ちゃん」

善子「いちいち言わなくていいわよっ!」

善子「それより早く行きましょ。リリーの誕生日プレゼント選ばないと」

ルビィ「うんっ」



308: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:30:58.62 ID:MP72Doy9.net

ルビィ「でも、なんだか申し訳ないなぁ……」

善子「なんで?」

ルビィ「ルビィが梨子ちゃんと近い日だから、みんなにお手数かけちゃうなぁ、って」

善子「別に誕生日が近いことくらいで迷惑に感じたりしないわよ。むしろ二人のこと、同じくらい盛大にお祝いしないとってみんなで張り切ってるんだから」

花丸「……それ内緒だよ善子ちゃん」

善子「どーせバレバレよ」

ルビィ「あ、あはは……うん、バレバレ……」

花丸「そ、そんな!? うまく隠せてると思ってたのに……」

ルビィ「だってまるちゃんもお姉ちゃんも分かりやすいんだもん」

善子「ほんと、ダイヤもずらまるも、ルビィに対して限定で嘘つくの下手なんだから」

花丸「返す言葉もないです……」

善子「だから、もう開き直ってルビィが喜びそうなものを本人の目の前で選んでやるっていうちょっと恥ずかしくなる遊びをしてやろうって思うわけ」

ルビィ「そ、それほんとに恥ずかしいよ~……///」

善子「ふふ、まあ見てなさいよ。まず仲見世商店街でランジェリーを……」

ルビィ「ほ、ほんとに恥ずかしいからやめて~!!///」ガバッ

善子「あ、こら! 髪引っ張らないでよせっかくセットしてるのに!」

ルビィ「善子ちゃんが恥ずかしいことしようとするからだよぅ!」ポカポカ

花丸「あはは……って、そういえば」

よしるび『?』



309: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:36:06.25 ID:MP72Doy9.net

花丸「今日はヨハネちゃんは?」

善子「ああ……」

ルビィ「お姉ちゃんとお出かけ、なんだよね?」

善子「……そうよ」

花丸「ダイヤさんとヨハネちゃんが……?」

善子「ええ」

ルビィ「何か企んでるみたいだけど……それだけは教えてくれなくって」

善子「聞き出そうとするんじゃないわよ……」

ルビィ「だって気になっちゃって」

善子「私は言わないわよ」

ルビィ「善子ちゃん……」ウワメヅカイ

善子「駄目」

ルビィ「ぷぅ」⌒°(●`ω´●)°⌒プクー

善子「可愛い顔してもダメ」

ルビィ「ざーんねん……」

花丸「さすがのルビィちゃんも善子ちゃんには勝てなかったずら……」



310: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:38:37.42 ID:MP72Doy9.net

ルビィ「善子ちゃん、ヨハネちゃんや千歌ちゃんには勝てないのに」

善子「相手が悪かったわね。ルビィとずらまるには絶対負ける気がしないわ。私がヒロインのギャルゲーは攻略難度高いわよ」

ルビィ「千歌ちゃん呼ぼっか」

善子「待ってそれはダメほんとにやめて」

ルビィ「……弱み見つけたかも?」

花丸「こうりゃくのいとぐち、です」

善子「こいつら……っ!」

花丸「うふふ、とりあえずお昼ご飯にしませんか? やば珈琲の鉄板なぽりたんが食べたいな~」

ルビィ「あ、ルビィも食べたい!」

善子「それならどうせ仲見世商店街の中だし、いいわね。いきましょっか」

るびまる『わーい!』



311: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:40:11.62 ID:MP72Doy9.net

・・・

善子「さてと、お腹も膨れたことだしリリーの誕生日プレゼントを選ぶわよ」

ルビィ「女の子が、膨れるなんて言い方したら可愛くないよ?」

善子「じゃあなんて言えばいいのよ」

ルビィ「んー……おなかがぺこちゃん?」

善子「それお腹空いてるじゃない」

ルビィ「あ、ほんとだ。それじゃあ……ぽんぽこりん」

善子「……幼稚園児を相手にしてんじゃないんだから」

ルビィ「むむむ……」

花丸「お腹いっぱいずら~」

善子「……ふふ」

ルビィ「あははっ」

善子「あれでいいじゃない」

ルビィ「そうだねっ」

花丸「?」



312: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:42:07.40 ID:MP72Doy9.net

・・・

善子「あ、ねえ。Aqoursみんなでお揃いのバングルにするとかどう?」

花丸「梨子ちゃんのお誕生日なのに?」

善子「……もうちょいAqours全体の記念のほうがいいか」

花丸「だと思うなぁ」

ルビィ「ねえねえ、これは? わんちゃんさんのマグカップ!」

善子「ライラプス……」

花丸「あっ」

善子「らいらぷす…………」

花丸「しっかりするずら。もう善子ちゃんには育てるべき大事なお姉ちゃんがいるでしょ?」

善子「ヨハネは姉じゃないし! むしろ私の方が姉でしょ!」

るびまる『えー』

善子「なんで、えー、なの!?

ルビィ「だって、ねえ?」

花丸「ねえ?」

善子「ぐぬぬぬ……」

ルビィ「見た目もヨハネ様の方がおっきいし」

善子「それはあいつの魔法でしょ!」

花丸「善子ちゃんの弱い部分も受け止めて優しく解きほぐしてくれてるところも」

善子「それは……あ、あいつがなんか、達観してるっていうか……」

花丸「それがお姉ちゃんなんだよ?」

ルビィ「うんうん」

善子「……ふん」

花丸「この機会に日頃のお礼とかしたらどうかな?」

ルビィ「そうだよ! いい案だよ!」

善子「そ、そんな余裕はないのっ! いいからリリーのやつ決めてルビィで遊ぶんだから!」

ルビィ「あ~またそんなこと言う~!」



313: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:42:40.78 ID:MP72Doy9.net

花丸「ルビィちゃんはそのマグカップにするの?」

ルビィ「あ、うん。そうしようかなって!」

花丸「ううー……おらはどうしよう……」

善子「私も……うーん」

花丸「とりあえずルビィちゃんにはもう決まってて」

ルビィ「え、なになに? 教えてほしいなぁ♡」

善子「やめなさいって、このサプライズブレイカー」ペシ

ルビィ「あぅ……」

善子「ルビィの誕生日はリアルな犬の置物ね」

ルビィ「ぴっ……ご、ごめんなさいだからやめてください……」

善子「ったく……」



314: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:46:27.52 ID:MP72Doy9.net

花丸「あ、千歌ちゃん」

善子「!!?」ビクッ

花丸「うそだよ~」

善子「ぐぬぬぬ……」

ルビィ「もしかして千歌ちゃんのこと苦手なの?」

善子「は?なんで」

ルビィ「だって、千歌ちゃんの名前出すと毎回そんなだから……」

善子「べ、別に……苦手なわけないでしょ」

ルビィ「ふーん?」

善子「ただ、あの目に見られたら……リズムが崩れるの。堕天使ヨハネとしてのベールを剥がされてしまうのよ」

花丸「つまり素直にならざるを得ないってことずら?」

善子「説明しなくていい!」

ルビィ「かわいいねー善子ちゃん♡」

善子「うるさいわね……」

花丸「まるたちにもそれくらい素直になってくれてもいいのに」

善子「……うるさいわね」

ルビィ「でも意外と分かりやすいよねっ」

花丸「まあ、そうかも」

善子「うるさいってっ……///」



315: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:50:36.28 ID:MP72Doy9.net

・・・

ルビィ「んー……」

善子「ん、まだ悩んでんの?」

ルビィ「あ、ううん。梨子ちゃんのはさっきので決めたよ?」

善子「じゃあ何を探してるのよ」

ルビィ「えっと、お姉ちゃんにね」

善子「……自分の誕生日直前に姉に何かプレゼント?」

ルビィ「プレゼントなんて大きなものじゃないけど……それこそさっきまるちゃんが言ってた……日頃の感謝、かな」

善子「ふーん……」

ルビィ「あ、パワーストーンとかいいかも」

善子「パワーストーン!」ギラン

ルビィ「あ、善子ちゃんのスイッチが」

善子「パワーストーンなら少しかじったことがあるわ。任せて」

ルビィ「んー……おむかいにパワーストーンの雑貨屋さんがあるからそこで聞くからいいよ」

善子「なんでよ!」

ルビィ「だってお姉ちゃんとルビィの気持ちを、繋げる効果ってないでしょ」

善子「繋げる……?」

ルビィ「うん! 卒業しちゃって、離れ離れになっても一緒だよって……」

善子「……じゃあ、キャストライトって石とか」

ルビィ「?」

善子「多分置いてるわ────ほら、早く来て」

ルビィ「あ、待って待って」トテトテ



316: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:51:47.33 ID:MP72Doy9.net

~パワーストーンのお店~

カランカラン…


「いらっしゃいませ」

善子「えーっと……あの、キャストライトってありますか?」

「それでしたらこちらに」

善子「ありがとうございます────ルビィ、これこれ」

ルビィ「ぅゆ……んんん?」

ルビィ「これぇ?」

善子「そうよ」

ルビィ「……想像してたのと違う」

善子「あんた、パワーストーンがみんなキラキラ輝く宝石だとでも思ってたの?」

ルビィ「ちがうの?」

善子「ちがうわ」

善子「パワーストーンは宝石の他に、希少な石がそう呼ばれてる。効果は結局ジンクスみたいなもの……だから、持つ人の信じる心次第になるけど」

善子「ほら、岩塩とかもパワーストーンなのよ?」

ルビィ「ほええ……さすが善子ちゃん物知り」

善子「ヨハネよ」

ルビィ「久しぶりに聞いたかも、それ」

善子「……」

ルビィ「ごめんごめん、そんな顔しないで~」

善子「ったく……で、このキャストライト」

ルビィ「うん」

善子「これは誠実な愛を築くとか、二人の絆を強くする……とか、対人関係を安定させる効果があるわ」

善子(恋愛運に近い方向だけど)

ルビィ「ほんと!?」

善子「ええ、よく知らないけど、この十字に刻まれた模様が、線と線の交わりってことでそういう意味になったのかなって思ってるけど」

ルビィ「……素敵!」



317: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:52:41.93 ID:MP72Doy9.net

「んー……このキャストライト、お嬢さんには少し大きいかな」

ルビィ「え?」

「パワーストーンは、その人にあった大きさがあるの」

「だからいつもお客さんに見てもらって、適正な大きさに加工するんです」

ルビィ「……」

「だからお嬢さんにはふたつ分くらい大きいかな……」

ルビィ「そ、そうなんですか……」

善子「どうする?」

ルビィ「ふたつぶん……」

善子「?」

ルビィ「あ、あのっ」



318: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:54:09.36 ID:MP72Doy9.net

・・・

ルビィ「……か、買っちゃった……!」

善子「しかもふたつ分ね」

ルビィ「だって……ふたつ分なんだもん。片方だけ捨てられちゃうなんて……嫌だもん」

ルビィ「だからふたつに分けてもらって……ひとつはお姉ちゃんで、もうひとつはルビィなの」

ルビィ「ふたりの関係を繋いでくれる石なんでしょ? だったら、同じ石をふたりで持ってる方が効果はあっぷあっぷだよっ」

善子「ふふ、そういうの……私好きよ」

ルビィ「えへへ~」

ルビィ「それで一緒に買ったパーツで頑張って作ります!」

善子「教えてもらえてよかったわね。普通はあの場で作るのに」

ルビィ「よかった~」

花丸「じー」

よしるび『……はっ!!』

花丸「まるを置いてどこ行ってたずら」

善子「え、えっと……そこのパワーストーンの雑貨屋さんに……?」

ルビィ「え、えっとねまるちゃん! ルビィがパワーストーンを見たいなって言ったら、善子ちゃんが色々教えてくれて……」

花丸「なんでまるだけ置いてけぼりにしたの」

善子「ご、ごめんって……そばにいなかったから……」

花丸「すぐ後ろの棚でプレゼント見てたずら!」

善子(そうだったのね……)

花丸「うぅぅ……気づいたら2人ともいないし、びっくりして商店街の端まで探しにいっちゃって……」

よしるび『……』

花丸「まるはお茶が飲みたいです!」

善子「る……ルビィ! 松月いくわよ!」アタフタ

ルビィ「う、うん! ルビィ、まるちゃんに松月で食べてもらいたいケーキがあるんだ~!」アセアセ

花丸「梨子ちゃんへのプレゼントは決まったの?」

善子「……あっ」

花丸「……先にそれ選んでからにするずら」

善子「はい……」



319: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 21:58:40.57 ID:MP72Doy9.net

・・・

花丸「それじゃあまた明日、学校で」

ルビィ「また明日ねー! 夜更かししちゃダメだよ~!」

善子「……はいはい、また明日」フリフリ

善子「……」

善子「さて、帰ろっと」クルッ

テクテク

善子「……」

善子(ルビィとダイヤ)

善子(あの二人の間には……私には想像できないくらい、強い絆がある)

善子(それはきっと、距離ができてしまった2年間くらいじゃ綻びすらできないくらい)

善子(だけど、ダイヤはその過去が怖くて)

善子(ルビィはいつか訪れる未来が怖くて)

善子(お互いがお互い、絆を確かめ合うように……お互いに何かを贈ろうとしてるなんて)

善子(なんか……ちょっと羨ましくなった)

善子(私は……別にそんな相手は、特にいない……いや、いなかった)

善子(もちろんAqoursのみんなは大切だし、ずっと一緒にいたい……いたいわよ、当たり前じゃない)

善子(でも、卒業したからって離れ離れ……今までの絆が消えてしまう、なんて私は思わない)

善子(思わないし、一部のやつらは卒業しても暇があれば遊びに誘ってきそうだし)

善子(千歌とか曜とか果南とかマリーとか、それに引っ張られてくるリリーもね)

善子(だから私はルビィみたいな未来への心配は……)

善子「……」

善子「まったくない……わけじゃ、ないのよね」

善子「はあ……めんどくさいやつね私」ポリポリ



320: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 22:00:18.38 ID:MP72Doy9.net

ガチャッ

バタン


善子「ただいまー」

ヨハネ「ああ、おかえり善子」

ダイヤ「おかえりなさい」

善子「ダイヤ、まだいたのね」

ダイヤ「あら……そうですか、善子さんはわたくしがいることは不満でしたか」

善子「違うわよ……時間、平気なのかと思っただけよ。いたいなら好きなだけいていいわよ?」

ダイヤ「では、本日も泊めていただくかもしれません」

善子「……そうなの?」

ヨハネ「ちょっと間に合わなくなりそうだから……」

善子「……そう」

ダイヤ「ご迷惑をおかけします……」

善子「私は大丈夫……だけど」

善子「ルビィは大丈夫なの?」

ダイヤ「……」

善子「あの子、寂しがってたわよ」

ダイヤ「……そう、ですわね」

ダイヤ「ルビィ…………」

ダイヤ「すみません、ヨハネさん。時間がないのはわたくし自身、理解していますが……」

ヨハネ「ん……今日はここまで。根詰めすぎても良くないわ。早く帰ってルビィを抱きしめてあげなさい」

ダイヤ「べ、別に抱きしめたりなどはしませんが……///」

善子「絶対してるでしょ」

ヨハネ「してるわね」

ダイヤ「そ、そこまで……し、しすこん? というものではないです!」

善子「ふーん……」

ヨハネ「ふーん……」

ダイヤ「な、なんですか……///」



321: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 22:02:54.93 ID:MP72Doy9.net

善子「ダイヤって意外と分かりやすいのね」

ヨハネ「あ、やっと善子も分かった? よく観察してると、すごく分かりやすいのよ」

ダイヤ「あ、ぁぅあぅ……///」

善子「ふふ、ほんとにそうみたいね」

ダイヤ「っ……し、失礼いたします! 明日は……1日、家にいようと思います」

ヨハネ「ええ。でも魔法の鍛錬は忘れないでよ? 慣れ始めたばっかりなんだから、感覚を覚えさせておかないと」

ダイヤ「はい……では、これで」

善子「あれ、荷物は?」

ヨハネ「ある程度はここに置いててもいいでしょ?」

善子「いいけど」

ダイヤ「すみません……邪魔になる前にまた回収に来ます。では、また」

善子「ええ、気をつけて」

バタン

ヨハネ「ふー……」

善子「……どうなの? 進捗は」

ヨハネ「羽を浮かせる魔法は完璧」

善子「肝心の……タイムトラベルは」

ヨハネ「微妙ね。当日は悟られないように私が手伝う必要があるかも」

善子「あんたは出来るの? 過去に戻る魔法」

ヨハネ「できる……のは出来るけど、成功率は低いわよ」

善子「失敗したらどうなるの?」

ヨハネ「私は魔力だけ消費して、何も起こらない」

善子「他にもパターンがあるの?」

ヨハネ「そりゃあね。一番分かりやすいのだと、思い通りの時間に飛べないとか」

善子「……」

ヨハネ「あとは片道だけ……とかね」

善子「片道……」



322: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 22:05:34.43 ID:MP72Doy9.net

ヨハネ「魔法の成功率はイメージの強さに比例する……って言ったわね」

善子「うん」

ヨハネ「私はそもそも過去に戻りたいなんて思うことがないし、そんな執着もないから時間遡行の魔法に対するイメージが弱い」

ヨハネ「だから成功率は低いし、そもそも試す気がない」

善子「でも、ダイヤは」

ヨハネ「そう、ダイヤはその時間に執着を強く持ってる。だから飛びたいポイントへのイメージは問題ない」

善子「じゃあ……」

ヨハネ「肝心の魔法が発動しない……」

善子「……」

ヨハネ「これはそもそも適性がないか、魔力が足りていないか……」

ヨハネ「……こればかりは私にはどうしようもない」

ヨハネ「魔法は時に、術者の力をはるかに超えた効果を発揮することがあるけれど……あなたのようにね」

善子「……」

ヨハネ「だけど、それは本当に賭け。想いの強さで、ダイヤとルビィが二人で過去に行けたとして」

ヨハネ「……もう帰ってこれない可能性だってある」

善子「……そんな、そんな危険なこと……!」

ヨハネ「そうさせないために私がついてるのよ! 一緒に練習して……少しでも成功率を上げようとしているの」

ヨハネ「……だから、あなたはダイヤを信じてあげて」

善子「……ヨハネ」

ヨハネ「大丈夫……堕天使ヨハネは最強無敵なんだから」



323: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 22:07:33.29 ID:MP72Doy9.net

ヨハネ「……」

善子「……」

善子「ヨハネ」ギュウッ

ヨハネ「……善子?」

善子「あんたこそ、根詰めすぎよ。少しくらい落ち着いて、息抜きしなさい」

ヨハネ「でも、私が手を抜いたらダイヤは……」

善子「その時はあんたが手伝うんでしょ? なら、大丈夫……私もついてる」

善子「最強無敵のヨハネがふたりいれば、完全無欠でしょ?」

ヨハネ「……善子」

ヨハネ「……」ギュウッ

ヨハネ「全部、私にかかってるから……」

善子「だからって自分を追い詰めなくていいの。ヨハネはヨハネで全力を出して、ダイヤとルビィのためになろうとしてる」

善子「私がそれを知ってる……もちろんダイヤもね」

善子「だから大丈夫よ。魔法の成功率はイメージの強さなんでしょ?」

善子「それなら……私がイメージしてあげる。ダイヤの成功を、あなたの成功を」

善子「……ね?」

ヨハネ「……」

ヨハネ「善子……」

善子「ん?」

ヨハネ「……キスしていい?」

善子「ん……んん!!?」



324: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 22:09:29.23 ID:MP72Doy9.net

ヨハネ「なんかめちゃくちゃかっこいいこと言ってて腹立つからキスさせて」

善子「い、いやよ!なんでそうなるわけ!?」

ヨハネ「いいでしょ減らないし」

善子「おかしいでしょ!? じ、自分自身じゃないほら!」

ヨハネ「私にその手は通用しないわ」

善子「うがっ……」

ヨハネ「ほら、目、閉じて」

善子「な、なんっ……だ、だめなのにぃ……///」

ヨハネ「はーやーく」ズイッ

善子「っ、ん……」ギュッ

……チュッ♥︎

善子「……」

ヨハネ「……ふふ、残念でした。ほっぺたよ」

善子「……///」

ヨハネ「……」

ヨハネ「え、そんななんかガチ照れされたら私まで照れるんだけど……///」

善子「う、うるさいわね……ば、ばかっ! おなかすいた、ごはん!」バッ

ヨハネ「あっ」

ヨハネ「……///」

ヨハネ「……ヘタレたああ~~!!」

ヨハネ「善子のくせに……ちょっとときめいたじゃない」

ヨハネ「いつか口にしてやるからね……!」

バタバタバタ!!

善子「~!! すんな!///」

ヨハネ「なんで聞いてんのよ!」



329: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 23:29:20.87 ID:MP72Doy9.net

・・・


善子「それから、1週間」

善子「ダイヤは約束のために鍛錬に鍛錬を重ねた」

善子「ヨハネ曰く徐々に成功率は上がってるらしく、リリーの誕生日パーティをするころには、すでに時間遡行は可能性が見えるくらいにはなっているらしい」

善子「私は練習に立ち会っていないからどんな風に鍛錬してるのかは知らないけれど」

善子「可能性が見えるってことは……すごい、ことよね」

善子「私の預かり知るものではないけれど、きっと」

善子「1週間足らずでそこまで来れたのは、ダイヤの想いの強さがそうさせたのか────」

善子「もう心配はない」

善子「ルビィの誕生日前日────最後の鍛錬を終わらせたダイヤは心強い笑顔でそう答えていた」

善子「だから、私は心配しない」

善子「ダイヤを信じる。そしてヨハネを」

善子「あのふたりの頑張りを、私が信じないでどうするのよ」

善子「そう、だから私はただふたりを信じて、ルビィの誕生日当日を迎えるだけ」

善子「そして────訪れる、当日」



330: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 23:30:13.21 ID:MP72Doy9.net

~9月21日、部室~


みんな『ルビィちゃん誕生日おめでとう~!!』

パン!!パパン!パーン!

ルビィ「ぅゅ……え、えへへ……ありがとう、みんなっ///」

千歌「ルビィちゃんもこれで16歳だね!」

果南「おめでとうルビィ」

ルビィ「ちかちゃん、かなんさん……ありがとうございます!」

果南「ふふ、16歳かぁ。千歌も追い越されちゃうかな~?」

千歌「ぬお!? さ、先に私より果南ちゃんに近づくの!? やだよそんなの!」

果南「あはは、千歌も頑張りな~」

ルビィ「どうやって追い越すんだろう……」

善子「やっと私に追いついたわねリトルデーモン4号!」

ルビィ「あ、善子ちゃん! 善子ちゃんは追い抜いちゃうかも~」

善子「え、どうやって!?」

ルビィ「……がんばって?」

善子「アバウトすぎよ!」



331: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 23:30:56.08 ID:MP72Doy9.net

曜「ヨーソロー!」ムギュー

ルビィ「わっ……曜ちゃん!」

曜「ルビィちゃんの若い力を吸収であります……」

ルビィ「ひゃぁあ! と、とらないで~!!?」

鞠莉「Hi ルビィ! 曜とばっかり遊んでないでこっちにもきてよっ」

ルビィ「あ、はい! 曜ちゃんちょっとごめんねっ」

曜「あールビィちゃん取られた……」

鞠莉「sorry☆」

鞠莉「梨子とほぼ同じ時期の誕生にということで飾りつけは使い回し……なんて妥協は一切nothing! 4日前とは違うレイアウトと飾り付けでお迎えだよ~!」

鞠莉「いろんな所変わってるから、その違いも楽しんで☆」

花丸「まると梨子ちゃんと鞠莉さんで考えたずら~!」

ルビィ「まるちゃん、まりさん……りこさん……」

梨子「私の時は素敵な誕生日にしてもらったから、今度はルビィちゃんも素敵な誕生日にしなくちゃって思って……張り切っちゃった♪」

ルビィ「えへへ、なんか、嬉しいけど照れ臭くなっちゃうね……///」



332: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 23:32:35.49 ID:MP72Doy9.net

ヨハネ「リトルデーモンルビィ」

ルビィ「ヨハネ様!」

ヨハネ「これであなたも結婚ができる年になったわね!」

ルビィ「え、えぇぇっ!?///」

ヨハネ「ふふふ、ルビィの素敵な人は誰かしら? あ、善子はあげないから」

ルビィ「と、取りません~!///」

ダイヤ「そうですわ。ルビィを嫁に出す予定など今のところありません!」

ルビィ「お姉ちゃん!」

ヨハネ「む……ダイヤ」

ダイヤ「ふふ、おめでとうルビィ。いいですかヨハネさん、ルビィは私の目の黒いうちは嫁に出すなんてありえません」

ヨハネ「過保護お姉ちゃんねあなた!」

ダイヤ「ぐっ……」

ルビィ「よ、ヨハネ様……!」

ヨハネ「ん?」

ルビィ「お嫁に行くのがダメなら……来てもらえばいいんだよね?」

ダイヤ「!?」



333: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 23:33:22.64 ID:MP72Doy9.net

ルビィ「……ね、ヨハネ様♡」ギュウッ

ヨハネ「……はえ?」

ダイヤ「よ~は~ね~さ~ん~……? それは一体、どういう……」

ヨハネ「え、待って!? なんのこと、知らないんだけど! ちょっとルビィ! ルビィ!」

ダイヤ「こらー!」

ヨハネ「ぎゃー!」ダッ

バタバタバタ

善子|ω・`)チラッ

善子「ちょっと、私を盾にしないでよ!?」

ダイヤ「はぁ……まったく、油断も隙もない方ですわ」

ヨハネ「私、善子以外に手ェ出さないし」

善子「私にも出すんじゃないわよ……」

ルビィ「ふたりは仲良しさんだね~」

善子「ヨハネが擦り寄ってくるだけよ」

ルビィ「嫌なら思いっきり振りほどいて私を怪我させてもいいのよ」

善子「いちいち言い方がオーバーすぎんのよ……」

ルビィ「ふふふっ」



334: 名無しで叶える物語 2018/12/11(火) 23:37:07.55 ID:MP72Doy9.net

~すべておわって~


ルビィ「はあ……楽しかったぁ」

善子「そうね。いいわね、いっぱいプレゼントもらったじゃない」

ルビィ「うん! 善子ちゃんもありがとねっ」

善子「……ふんっ」

ルビィ「それと、お片づけまで手伝ってもらってごめんね」

善子「ん? それは全然……むしろダイヤも酷いわよ。主役に片付けさせるなんて」

ルビィ「祝っていただいたのですから、そのお礼も兼ねて自分で片付けなさい……って、お姉ちゃんらしいけどね」

善子「まあ、そうだけど」

ルビィ「それに、まだ何かあるんでしょ?」

善子「……」

ルビィ「だってお姉ちゃんからプレゼントもらってないし」

善子「……はぁ」

善子「ルビィ、あんた本当によく見抜くわね」

ルビィ「えへへ~」

善子「……そろそろ頃合いかしら。行くわよ」

ルビィ「行くって?」

善子「屋上」

善子「そこでダイヤが待ってるわ」

ルビィ「……うん」



339: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:24:37.67 ID:TepVC2oN.net

~屋上~


ガチャッ

善子「……おまたせ」

ルビィ「お姉ちゃん……?」

ダイヤ「……いらっしゃい、ルビィ」

ヨハネ「待ってたわよ~」

ルビィ「えっと……」

ダイヤ「ルビィのことでしたから……きっと、わたくしが色々と企んでいることも知っていたでしょう」

ダイヤ「すみません、お待たせしました。今から、あなたへのプレゼントを渡します」

ルビィ「……お姉ちゃん?」

ルビィ「その服、何……?」

ダイヤ「えっ……や、何かおかしいかしら? ヨハネさんのローブをお借りしたのですが……」

ルビィ「あ、そうなんだ…………え、どうして?」

ルビィ「お姉ちゃん、もしかして堕天使に目覚めちゃったの!? ぅゅ……ど、どうしよう、お姉ちゃんまで善子ちゃんみたいになっちゃったら……」

善子「それどういう意味よ」

ルビィ「わ、悪い意味じゃないよ! その……でも、お姉ちゃんが……」

ダイヤ「違います、ルビィ」

ルビィ「えっ……」

ダイヤ「お姉ちゃんは堕天使ではなく、魔法使いになったのよ」

ルビィ「もっとヤバい方向だったよーーーー!!!」



340: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:26:41.25 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「な、ルビィ!?」

ルビィ「お、おねっ……お姉ちゃんが魔法使いになっちゃったよーーーー!!」

ダイヤ「ほ、ほんとうなんです! わたくしのプレゼントを贈るためには……ま、魔法を習うしかなくて……」

ルビィ「えっ……どういうこと……?」

ダイヤ「覚えているかしら……わたくしたちがまだ小さかった頃」

ダイヤ「二人でよく、スクールアイドルの真似事をして遊んでいたわね」

ルビィ「……うん」

ダイヤ「グループ名、覚えてる?」

ルビィ「も、もちろんだよ! ……ジュエルシスターズ。今でも、ルビィの宝物」

ダイヤ「……嬉しい」

ダイヤ「けれど、高校生になってわたくしは果南さんと鞠莉さんと本物のスクールアイドルになり……いざこざがあって、半壊」

ダイヤ「その八つ当たりとでも言わんばかりに、あなたに一切のスクールアイドルの話題を禁じました」

ルビィ「……うん」

ダイヤ「一緒に行こうと約束していた、μ'sのファイナルライブにも、結局行けませんでした」

ルビィ「そう……だったね」



341: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:31:28.45 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「わたくし、まだ……あの時のことを謝れていませんでした。本当にごめんなさい、ルビィ」ペコリ

ルビィ「ぇ、えっ……や、やめてよ! お姉ちゃんは悪くないよ……!」

ルビィ「そ、そりゃあ……あの時はびっくりしたし、悲しくて泣いちゃったこともあるけど……今は、事情もわかってるから」

ルビィ「それにね、ルビィ、今はお姉ちゃんと大好きなスクールアイドルのお話がいっぱいできて嬉しいもん! だからもう謝らなくてもいいよっ」

ダイヤ「……でも、わたくしはどうしても後悔してしまうんですよ。あなたが何より楽しみにしていた、何よりも愛していたμ'sの……最後の舞台を観られなかった」

ダイヤ「わたくしの八つ当たりで、あなたに観せてあげられなかった」

ダイヤ「……謝っても許してもらえることではありません。最後を見届けられないほど、悔しく辛いものはないのですから」

ルビィ「……お姉ちゃん」

ダイヤ「これで償いになるとは思ってはいませんが……あなたとの過去を取り戻したくて、わたくしはプレゼントを決めたんです」

ダイヤ「たった2年でも、あなたと心が離れてしまった……それがわたくしには耐えられなくて」

ダイヤ「これで取り戻せたら、と……」

ルビィ「お姉ちゃん……」



342: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:32:37.37 ID:TepVC2oN.net

ルビィ「……お姉ちゃん」

ルビィ「右手、出して」

ダイヤ「え……?」

ルビィ「いいから早くっ」

ダイヤ「は、はあ……」スッ

スッ……チャラ

ダイヤ「……え、こ……これは?」

ルビィ「えへへ……///」

ダイヤ「ルビィ……?」

善子「ルビィから、大好きなお姉ちゃんへの贈り物よ」

ダイヤ「……贈り物?」

善子「ルビィが心を込めて選んだパワーストーンのブレスレット。私だって協力してるんだから」

ダイヤ「……」

ルビィ「その石は……なんだっけ善子ちゃん」

善子「キャストライト」

ヨハネ「ふうん」

ダイヤ「……不思議な模様ですね。十字の線が、石の中で……」

ルビィ「うん! それの効果は────」

ヨハネ「あ、やば! ダイヤ!時間ないわよ!」

ダイヤ「!」

ルビィ「?」

ダイヤ「ルビィ、すみません……その話は後で必ず聞かせてください」

ダイヤ「今はわたくしと……行ってくださいますか?」

ルビィ「い、行くって……どこに?!」

ダイヤ「……2016年の、μ'sのファイナルライブに!」

ルビィ「えっ……え、えぇえぇええぇええええ!!???!」



343: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:35:19.66 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「わたくしが今、ここでこのような格好をしているのはあなたと共にファイナルライブへ行くためです」

ダイヤ「あの、行けなかったμ'sのファイナルライブに、あなたを連れて行きたかったから」

ダイヤ「あなたに……大好きなμ'sの最後の舞台を、観せてあげたかったから」

ダイヤ「だから、ここにいるの」

ダイヤ「……お願いします、一緒に行ってくださいますか?」

ルビィ「え、えっと……でも、ど、どうやって……?」

ダイヤ「ふふ、お姉ちゃん、魔法使いだって言ったでしょう?」

ルビィ「……え?」

ダイヤ「ヨハネさんの力をお借りして、過去へと戻る魔法を学んだんです。この、ただ一度限りの魔法ですが……今日、あなたの誕生日に贈りたくて」

ダイヤ「受け取っていただけますか……? この、チケット」ペラ

ルビィ「……これ」

ダイヤ「……実は、取っておいたんです。あの時のチケット────今まで、綺麗にして」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「……お姉ちゃん」

ルビィ「……ぐす、っ」

ダイヤ「る、るびぃ!?」

ルビィ「お姉ちゃん、おね、ちゃん……ぅ、ぅうう」ギュウッ

ダイヤ「……ルビィ」ギュウッ

ルビィ「ぐ、すっ……いぐ、っ……いくよ、ルビィ」

ルビィ「お姉ちゃんのぷれぜんと……喜んで、お受けします……っ」

ダイヤ「……ありがとう」

ダイヤ「愛しています、ルビィ」



344: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:36:35.36 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「ヨハネさん」

ヨハネ「ええ、今宵は満月────そして今、月は一番輝く天辺に!」

ヨハネ「月の魔力は今が最高潮! ダイヤ、いくわよ!」

ダイヤ「はい!」

ダイヤ「ルビィ……少しの間、目を閉じてお姉ちゃんに抱きついていてね」

ルビィ「ぅ、うん……っ」ギュウッ

ダイヤ「……すう、はあ」

ダイヤ「善子さん、ヨハネさん……あとはお願いします」

善子「……うん」

ヨハネ「楽しんでいらっしゃい」

ダイヤ「……」コクン

ダイヤ「……すいっちおん!」

ダイヤ「────黒澤ダイヤが命じます! 時の扉よ……わたくしたちを、あの場所へ、あの時間へとお導きください」

ダイヤ「わたくしたちの約束の地へ、μ'sの最後の舞台へ────!」

善子「っ……これが、ダイヤの魔法……!」

ヨハネ「いける、これなら……!!」

────────!!!



345: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:39:44.15 ID:TepVC2oN.net

────2016年 3月31日 東京ドーム


ダイヤ「……ルビィ、ルビィ」

ルビィ「ぅ、うー……あたまがぐわんぐわん……」

ダイヤ「着きましたよ」

ルビィ「ほぇ……?」

ルビィ「……ぁ、え……」

ルビィ「ここ、ほんとに……?」

ダイヤ「ええ、そうです────あの日の、東京ドーム。わたくしたちが来れなかった……場所です」

ルビィ「ほんとに、ルビィ……お姉ちゃんとここに……」

ルビィ「ぁ……穂乃果ちゃんのシャツ。凛ちゃんのうちわ……あはは、すごいよあの人。カバンにいっぱいバッチつけてて……」

ルビィ「ルビィも、ルビィも……自分で作った花陽ちゃんのグッズ、あったのに……」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「?」

ダイヤ「これ、どうぞ」

ルビィ「……これ、ルビィのはなよちゃん」

ダイヤ「あなたの応援グッズは全て持ってきています。ついでに、わたくしのものもですが」

ルビィ「おねぇ、ちゃん……っ」

ダイヤ「もうすぐ開演時間ですわ、ルビィ。わたくしたちが、ついに叶わなかった……μ'sの最後が」

ルビィ「……うん!」

ルビィ「あ」

ダイヤ「?」

ルビィ「あの……ぶ、ブレード……買ってもいい?」

ダイヤ「うふふ、もちろんです」



346: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:49:12.56 ID:TepVC2oN.net

~現在~


シュウゥゥ……

善子「……」

ヨハネ「……」

善子「……ねえ、成功したの?」

ヨハネ「……そのはずよ」

善子「こっちからじゃ、もう連絡は」

ヨハネ「取れないわ」

善子「……ちゃんと、帰ってくるのよね」

ヨハネ「ライブが終われば、帰ってくるはずよ」

善子「ちゃんと……この時間に帰ってくるのよね」

ヨハネ「数時間ほど、前後の誤差はあるはず……だけど、帰ってくるはずよ」

善子「過去に飛んですぐに出て来ないってことは……今より前の時間には戻ってきてないってことよね」

ヨハネ「……そうね」

善子「……帰ってくるかな」

ヨハネ「……」ギュウッ

善子「ルビィとダイヤ……帰ってくるかな」

ヨハネ「帰ってくるわよ。私が魔法を教えたんだもの……だから、信じましょ」

善子「……うん」



347: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:50:04.06 ID:TepVC2oN.net

ヨハネ「……あっちは今頃、ライブを楽しんでるわ。μ'sの最後の二日間を……全力で、最後まで」

善子「……そう、よね。きっとたのしんで……」

ヨハネ「そうよ。本気で楽しんでる……だから私たちは待ちましょう」

ヨハネ「私、コンビニまで飛んで夜食買ってくるから。善子はここに」

ギュッ

ヨハネ「……善子?」

善子「ごめん……今は一人になりたくない。一緒にいて」

ヨハネ「……わかったわ。隅に座りましょう」

テクテク

ポスッ

善子「……」

ヨハネ「……」

善子「……もたれていい?」

ヨハネ「え……善子が?めずらしいわね」

善子「こういう時は、いいよって言うの」

ヨハネ「……いいわよ」

善子「……」モフッ

善子「……」

ヨハネ「……よしよし」ナデナデ

善子「だめね、私」

ヨハネ「ん」



348: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:51:47.16 ID:TepVC2oN.net

善子「あの二人にとって大切な時間なのに……私、不安でたまらない。今もダイヤとルビィは、憧れのスクールアイドルを観に行って楽しんでいるのに」

善子「私……怖いの。ちゃんと帰ってくるか、また会えるか……」

ヨハネ「……そうね」

ヨハネ「2016年に行くのは……成功した。必ず、成功してる……私にはその確信があるわ」

善子「……そうなの?」

ヨハネ「ええ。月の魔力を借りることができたからね」

善子「……待ってよ。じゃあ帰りは」

ヨハネ「ライブの日から数日後に満月がある。だから、そこから飛んでもらうしかない」

善子「じゃあ二人は」

ヨハネ「その間は、どうにか過ごしてもらうことになってる。それだけの資金も用意してる」

ヨハネ「あとは……ダイヤひとりで、魔法を発動できるかどうか」

善子「それ、って……じゃあ、万が一失敗したら……!」

ヨハネ「発動すらしないなら、それでいい。ただ……私たちより2年歳上になったふたりが帰ってくるだけ」

ヨハネ「最悪なのは……時間の枠から外れて、死ぬことも老いることも眠ることもできず、永遠にどこにでいるしどこにもいない状態になってしまう」

善子「そんな、そんなの……」

ヨハネ「この説明は最初にしたわよ」

善子「っ……」

善子(そうだった……)

ヨハネ「そうならないためにも補充用の魔力も渡してあるし、何かあった時のために私がまだスタンバイしてる」

善子「……うん」

ヨハネ「大丈夫、大丈夫よ」ナデナデ

善子「……」

ヨハネ「……ルビィが教えてくれた元気が出るおまじない、してあげようか?」

善子「え……?」



349: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:52:48.47 ID:TepVC2oN.net

ヨハネ「……目、とじて」

善子「……またキスするつもりでしょ」

ヨハネ「……ばれたか」

善子「バレバレよ」

ヨハネ「したら……ダメ?」

善子「な、なんでそんな……」

ヨハネ「ちょっとだけよ。味見するだけだから」

善子「も、もお……なんで今日はそんなしつこいのよ……っ///」

ヨハネ「だってさっき、手伝って魔力いっぱい使っちゃったんだもの。だから善子から補充しようかなって」

善子「はっ……!?///」

善子「ば、ばかぁっ……ほんとに、そんな……それ、私、もう……ぅうぅ……///」

ヨハネ「ふふ、冗談。最初からおでこにするつもりだったわよ」スッ

善子「んっ……///」

チュッ♥︎

善子「……ぅー」

ヨハネ「元気でた?」

善子「わかんない……けど、無いよりはマシ」

ヨハネ「少しは出たなら上々」



350: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:54:30.03 ID:TepVC2oN.net

ヨハネ「んー……でも、魔力供給の観点で言うと、おでこじゃまったく吸えないのよねぇ……やっぱり粘膜同士の接触が」

善子「このエロ堕天使!」ベシ

ヨハネ「あいたっ!」

善子「そ、そういうのはしないってあんたが言ってたんじゃないの!」

ヨハネ「でも、善子は私が魔力切れで死にそうだった時、キスでもなんでもするって言ってくれてたでしょ?」

善子「そ、それは……でもあんた、今そこまでへばってないでしょ!?」

ヨハネ「まあね?」

善子「ほらあ!」

ヨハネ「……まあ、今は寄り添うだけで勘弁してあげる。これでも少しは回復するしね……」コテン

善子「……うん」

善子「……星、綺麗ね」

ヨハネ「そうね……ダイヤたちも同じ空を見てるのかしら」

善子「むこう4月でしょ? しかも東京だし……ここまで綺麗に見えないんじゃないの」

ヨハネ「……そっか」

善子「眠い?」

ヨハネ「ちょっとね……」

善子「やっぱり魔力使いすぎたのね」

ヨハネ「まあ……思ってたよりはね。あんまり使いすぎるとセーブモードになるから嫌なのよね」

善子「セーブ? パソコンみたいね」

ヨハネ「本当にそんな感じ……だけど、多分ずっと寝てるだけよ。数日くらい」

善子「……ちゃんと目、覚ますよね」

ヨハネ「当たり前でしょ。寝て魔力回復させてるだけなんだから」

善子「なら、いいけど」

ヨハネ「まあ、そんな事態にはそうそう────」

バチッ

よしヨハ『────!!』



351: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 19:56:24.46 ID:TepVC2oN.net

バチバチバチッ…

バシューン……!!


「ぅあ゛っ……!」ゴロン


ゴロゴロゴロ…


善子「────」

善子「る、ルビィ────!!」ダッ

ルビィ「ぁ、っはあ……はあ、っ……」ググ…

ルビィ「ぉ……ねえ、ちゃん!!!」

ヨハネ「!!」

ルビィ「お姉ちゃん、おねえちゃん! おねえちゃん!!」バシッバシッ

ヨハネ「や、やめなさい! 魔法陣を叩いたって意味は……!!」


バチバチ…

シュウゥゥ……


ルビィ「ぁあ、っ……ぁああ……」

ルビィ「おねえちゃぁああああん!!!」

善子「ルビィ、ルビィ! 落ち着いて、ルビィ……!!」ギュウッ

ルビィ「よ、しこちゃん……おねえちゃんが! おねえちゃんが帰ってこれなくて……ルビィだけひとりで行きなさいって、それでおねえちゃんだけ残って、ひとりでルビィ気づいたらここで……」

ヨハネ「落ち着きなさいルビィ!」ピシッ

ルビィ「ぁっ……」

善子(催眠術……いや、精神安定……?)

ヨハネ「何があったのか教えてルビィ」

ルビィ「……ご、ごめんなさいヨハネ様」

ルビィ「おねえちゃんが、おねえちゃんが戻ってこれないの……!」

善子「……!!!」

ヨハネ「っ…………」



352: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:24:56.38 ID:TepVC2oN.net

・・・


ルビィ「ルビィとお姉ちゃんは、ドームの公演を2日間最後まで見たんだ」

ルビィ「楽しくて、最高の二日間だった。改めてμ'sが大好きだって思ったし、ずっと終わらないで欲しいっていっぱい泣いちゃった」

ルビィ「お姉ちゃんもいっぱいいっぱい泣いてて……ふたりで、お互いの涙を拭いたりして、μ'sみたいに頑張ろうってお話ししたの」

ルビィ「それで……帰るのに満月の日じゃないとダメっていうから、ホテルやネットカフェでその日を待って……」

ルビィ「それで満月の日になった」

ルビィ「お姉ちゃんとルビィは、最初に来た場所……東京ドームに戻って、来た時みたいにお月様がてっぺんに来るまで待ってたの」

ルビィ「その間、ふたりでずっとμ'sのお話をしたり……これからのAqoursのことを話したり」

ルビィ「……ルビィとお姉ちゃんは相思相愛だねって笑ったりしてたんだ」

ルビィ「なのに……帰るのはルビィだけだって」

ルビィ「お姉ちゃんはこっちに残るから、2年後に会いましょうって」

ルビィ「ルビィだけ、ルビィだけお姉ちゃんの魔法で飛ばされて……っ」

ルビィ「おね、えちゃん……っ」



353: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:26:54.19 ID:TepVC2oN.net

・・・


ヨハネ「────」

善子「…………」

ヨハネ「やっぱり、魔力が足りてなかった……? それともイメージが……いや、現にルビィは戻って来てる」

ヨハネ「なら魔力が足りていないと考えるのが妥当ね……」

善子「どう、するの……ヨハネ……」

善子「ダイヤが……ダイヤが取り残されて……っ!!」

ヨハネ「大丈夫よ」

善子「何が大丈夫なのよ!!」

ヨハネ「私を誰だと思ってんの」

善子「……ヨハネ」

ヨハネ「そうよ。私は堕天使ヨハネ、あなたのヨハネよ」

ヨハネ「ルビィ、連れ戻しに行くわよ」

ルビィ「……ほん、と……?」

ヨハネ「ええ。でもそれにはあなたの力が必要なの」

ルビィ「ルビィの命で、お姉ちゃんが助かるなら……っ」

ヨハネ「バカ言わないの。誰も命まで取らないわよ」

ルビィ「……じゃあ……?」



354: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:27:35.69 ID:TepVC2oN.net

ヨハネ「ルビィの、ダイヤへの強い想いがいるの。悪いけど私の時間遡行の魔法は成功率がめちゃくちゃ低くてね」

ヨハネ「あなたの強い気持ち、心、想いがあれば……きっとダイヤのもとまで跳べる。魔力は月と私で賄うから────あなたが魔法を使うのよ」

ルビィ「ルビィ、が……まほうを……?」

善子「……ルビィが」

ヨハネ「お願い、ダイヤのために」

ルビィ「で、でも……ルビィ、魔法なんて使えないし……っ」

ヨハネ「任せなさい! 回路と魔力は全部私がフル活動で賄うわ。だからあなたは魔法に必要な想いの力を貸して」

ヨハネ「あなたのお姉ちゃんへの気持ち、想い……イメージ」

ヨハネ「それがあれば、きっと奇跡は起こるから……!!」

ルビィ「っ……わかった」

ルビィ「ルビィが出来るなら……ルビィが助けられるなら……」

ルビィ「……ルビィ、やるよ」

ルビィ「お姉ちゃんを助けたい! お姉ちゃんがいないと絶対に嫌だもん!」

ヨハネ「よし!」



355: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:29:25.41 ID:TepVC2oN.net

ヨハネ「月がすこし降りてる……魔力の波動が足りないわ」

善子「えっ……どうするの、それ……」

ヨハネ「補充用の魔力を家に取りに戻るしか……」

善子「でも時間が……!」

ヨハネ「……そうね。やりたくないけど、色んなものから魔力を集めるしか……」

善子「…………あっ」

ヨハネ「え?」

善子「……魔力ならここにあるわ!」

ヨハネ「……善子?」

善子「私にキス……すれば、魔力を渡せるでしょう?」

ヨハネ「な、なに言ってるの!? それは、だけど……あなたが嫌がってたことじゃ……」

善子「大事な友達の危機なのよ! ……キスくらいでゴネてられない」

善子「……私は、準備できてるから」

ヨハネ「……」

ヨハネ「……あとから怒らないでよ」

グイッ

ルビィ「ひゃぁっ……!!?///」

チュッ♡

善子「、っ……ん、むっ……」

ヨハネ「は、むっ……ん、ぢゅ……ちゅる、っふ……」

善子「ん、っ……んふ、ちゅ……っむ、ぁっ」

善子「はあ、はあっ……」ヨロッ

善子「っう……こ、こんなに体力持ってかれるものなのね……魔力、とられたら……っ」

ヨハネ「ヨハネのキスは特別なのよ───ごめん、ありがと。これだけあれば……大丈夫!」

善子「……はあ、はあっ……そ、う……れ

ヨハネ「……善子」

善子「?」

ヨハネ「やっぱり思ってた通り、美味しかった。私の好みな味だわ」

善子「ば、ばかっ……///」ゴシゴシ



356: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:33:02.48 ID:TepVC2oN.net

ヨハネ「よし……魔力は充分!これでいけるわ!」ゴオッ!

ヨハネ「ルビィ、手を」スッ

ルビィ「う、うん……」ギュウッ

ヨハネ「私の言葉を復唱して」

ルビィ「はい!」

ヨハネ「……黒澤ルビィが命じます」

ルビィ「く、黒澤ルビィが……命じます」

ヨハネ「時間の扉よ、開け」

ルビィ「時間の扉よ……開け」

ヨハネ「わたしを、お姉ちゃんの元へ」

ルビィ「ルビィを……お姉ちゃんの元に連れて行ってください……!!」

ヨハネ「……!」ゴオッ!!


バチバチバチッ!!


善子「……風が、すごい……っ」

ヨハネ「まだよ、まだ想いが足りてない! ルビィ!」

ルビィ「ぅ、ぅゆ……」

ルビィ「お姉ちゃん、お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん……っ」

ルビィ「お願いします、お姉ちゃんを助けたいの! ルビィはお姉ちゃんが大好きで、お姉ちゃんがいなくちゃ何もできないダメダメな子だけど……っ」

ルビィ「お願いします……! これからはお姉ちゃんを助けられるように、頑張ります! だから、だから……っ!!」


バチバチバチ…


ヨハネ「っ……ダメ、足りない……! このままじゃ変なとこに跳ぶ……!

ルビィ「そ、そんな……っ」



357: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:33:32.13 ID:TepVC2oN.net

ルビィ「ど、どうしたら……こんなに、思ってるのに……もう、どうしていいの……!?」

善子「ルビィ!!」

ルビィ「!!」

善子「あなたがお姉ちゃんに贈ったもの……あれの効果って、なんだっけ……!」

ルビィ「ぁ……キャストライトの、パワー……」

ルビィ「……」ギュウッ

ルビィ「……ルビィの、何より大切なお姉ちゃんの元に連れて行って」

バチバチバチ!!

ヨハネ「……っ!」

ヨハネ「…………行ってくるわ、善子」

善子「!」


バシューン……!!

シュウゥゥ…



358: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:41:48.75 ID:TepVC2oN.net

~???~

ダイヤ「……ルビィは、行きましたか」

ダイヤ「ふふ、まさか……お月様の力を借りて、ひとりが限界とは」

ダイヤ「ヨハネさんに怒られてしまいますでしょうか」

ダイヤ「……わたくしが彼女たちに会えるまで、2年」

ダイヤ「……あと2年ですか」

ダイヤ「短いようで、とても長く感じてしまいます」

ダイヤ「また、ルビィと離れていた時間だけ……みんなと離れてしまうのね」

ダイヤ「出会う頃には、わたくしは……もう、大人になってしまいます」

ダイヤ「それはそれで面白いかもしれません。すこし大人になって帰ってきた黒澤ダイヤの魅力、伝えられるでしょうか」

ダイヤ「……なんて、うふふ」



359: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:44:28.96 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「────ルビィ」

ダイヤ「ルビィ……あなたはちゃんと、帰れましたか?」

ダイヤ「楽しかったわね、μ'sのファイナルライブ。いっぱい声を出して、いっぱい汗をかいて、いっぱい泣いて……」

ダイヤ「ルビィ……あなたに今まで寂しくさせた時間を償えたでしょうか」

ダイヤ「わたくしの罪は……あなたを寂しくさせてしまったことは、償えたでしょうか」

ダイヤ「ルビィ……あなたは未来で、強く生きてください」

ダイヤ「必ず、一番にあなたに会いに行きますから」

ダイヤ「ルビィ……愛しています」

ダイヤ「あなたを、誰よりも……心の底から」

ダイヤ「わたくしの命よりも大切なルビィ」

ダイヤ「……ルビィ、ルビィ……2年、頑張りますから。あなたに会える時……謝れるように、頑張って、大きくなりますから……っ」

ルビィ「ルビィ……ルビィぃい……会いたいですわルビィ~~!! うぅぅぅ……!!」

「お姉ちゃん!!」

ダイヤ「あぁ……わたくしとしたことが、幻聴が……」

「おーねーえーちゃーん!」

ダイヤ「おかしいですわ……幻視まで……これほどルビィを愛していたのね……」

ダイヤ「さっき未来に帰したはずのルビィが目の前に……」

「お姉ちゃんの……おばか~~~!!」ダッ

黒澤家秘伝奥義!

正突
拳き

ダイヤ「ぐふぅっ!?」

ベシャ

ドタバタゴロゴロゴロ……

ダイヤ「い、いたたた……な、何が……」

ルビィ「……」

ダイヤ「え……る、びぃ……?」



360: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:45:31.07 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「ルビィ? ルビィ!? な、なぜルビィがここに!? まさか自力でまたここまで!?」ガバッ

「必殺ァつ!!!」

ダイヤ「!?」

「堕天鳳凰縛ーー!!」ガシッ

ギリギリギリギリ!

ダイヤ「ぴぎゃあぁーーーー!!! いたたたたたたた!!! な、なんですの!!誰ですか!」

パッ

ダイヤ「ぁいたたた……」

ヨハネ「ふん!」

ダイヤ「……善子さん?」

ヨハネ「ヨハネよ!!」

ルビィ「ヨハネ様だよ!」

ダイヤ「ヨハネさん!?」

ダイヤ「な、なぜあなたたちがここに……まさかここはもう2018年でわたくし、気づかぬうちに2年を……」

ヨハネ「ここは2016年だし2年も過ごしてない! 帰ってきたルビィ引っ張って弾丸で迎えにきたの!」

ダイヤ「……」

ダイヤ「えっ」

ルビィ「えっ……じゃないよお姉ちゃん! 勝手に、かってに……るびぃだけ、かえらせて……ひとりにするなんて……!」

ルビィ「そんなの、お姉ちゃんとお喋りできなかった2年間より嫌だよ……」

ルビィ「お姉ちゃんと同じ時間を生きられないなんて……やだよ……!」

ダイヤ「る、ルビィ……」

ヨハネ「ったく……心配してたのよ。ダイヤが失敗する可能性は魔力不足かイメージ不足」

ヨハネ「結局魔力不足で跳べないなんて……だから言っていたのよ補助用の魔力を用意しとけって」

ダイヤ「……言われた覚えがないんですが」

ヨハネ「言ったわよ描写されてないとこで!」

ダイヤ「す、すみません……」

ヨハネ「はぁぁ……もう、ほんとバカねあなた……」



361: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:46:21.39 ID:TepVC2oN.net

ダイヤ「ですが、わたくしはなんとしてもルビィだけは……」

ルビィ「ルビィは……そんなことになるくらいなら、ここでお姉ちゃんといたほうがいいもん」

ダイヤ「な、何を言ってるんですか!? ルビィ、あなた今自分が何を……」

ルビィ「分かってる! 分かってるもん……!」

ダイヤ「ルビィ……」

ルビィ「ルビィは……お姉ちゃんがいないのが嫌。何より嫌、死んでも嫌! ……だからそのブレスレットを送ったんだよ?」

ダイヤ「……あ」チャラ

ダイヤ「……これを持っていたから、わたくしを?」

ルビィ「うん……そうだよ」

ルビィ「その石の名前は、キャストライト」

ルビィ「効果は、誠実な愛……二人の絆をつなぐ」

ルビィ「お姉ちゃんとルビィがずっと一緒に……何があっても一緒に入られますようにってお願いを込めて作ったんだよ」

ダイヤ「────、」

ルビィ「お姉ちゃんの誕生日プレゼント、とっても嬉しかったよ? でも、それは……お姉ちゃんがいたから」

ルビィ「お姉ちゃんがいないと……ルビィはこれからどんな楽しいことも楽しいと思えなくなっちゃう」

ルビィ「お姉ちゃん……言ったでしょ。ルビィのこと、もう二度と突き放さないって! さっきのことは無しにしてあげるから、一緒に帰ろっ」

ダイヤ「っ……」

ダイヤ「……っ、っ……る、び……っ……」フルフル

ルビィ「……大好きなお姉ちゃん」ギュウッ

ルビィ「ルビィは出来損ないで、ぐずで、のろまかもしれないけど」

ルビィ「お姉ちゃんを大好きな気持ちだけは、誰にも負けないの」

ルビィ「ちっちゃなルビィの、ちっちゃなハート……受け取ってくださいっ」

ダイヤ「るっ……るび、ぃ……ルビィ……ぅ、っく……うぁ、ぁぁぁあっ! ぅあああああ!」ギュウッ

ヨハネ「……」

ヨハネ「……一件落着……かなっと」フラッ

ヨハネ「やば……魔力使いすぎ。身体、重過ぎ……」

ヨハネ「……さてと、帰らないとね……」



362: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:50:32.20 ID:TepVC2oN.net

~現代、1週間後~


ダイヤ「……」

ルビィ「……」

千歌「……ねえねえ善子ちゃん」

善子「?」

千歌「なんか、最近あの二人……ダラけてない? 私の気のせいかな……チカがダラけてるからそう見えるのかな?」

善子「……二人は確かにダラけてるし、千歌は毎日いつでもダラけてる」

千歌「そんなー……」

善子「……まさかμ'sロスをこっちで引っ張るなんてね」

千歌「みゅーずろす……?」

善子「うん」

ルビィ「はなよちゃん……」

ダイヤ「エリーチカ……」

ルビィ「お姉ちゃん……」

ダイヤ「ルビィ……」

ルビィ「もう一回見に行けないかな……」

ダイヤ「もう魔法は使えませんわ……」

ルビィ「どうして……」

ダイヤ「ヨハネさんにはもう魔法は使わせないと、言われてしまいましたから」

ルビィ「そんなぁ……」

ダイヤ「そもそもわたくしの手に余る力……持っていてはいけなかったのです」

ルビィ「そっかあ……」

ダイヤ「はい……すみません、ルビィ」

ルビィ「大丈夫……帰ったらライブBD見ようね」

ダイヤ「はい、もちろん……」

千歌「ふたりはいったい何を話してるのやら……千歌には難しい内容なのであった」

善子「なに語り部っぽい喋り方してるのよ」



363: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:52:44.28 ID:TepVC2oN.net

・・・


善子「動乱の9月……誕生日でした、ってね」

善子「ヨハネもルビィもダイヤも帰ってきたし、一件落着」

善子「さっき本人も話してたけど、ダイヤは魔法の力を失ったらしい」

善子「ヨハネに閉じられたとか言うけど、本当は強すぎる魔法を使ったせいで回路が機能を停止しただけみたい」

善子「魔法使いにはよくあることらしくて、普通はそこからリハビリすることで回復、ついでにパワーも底上げされるんだって」

善子「まるでサイヤ人みたいな特性ね、魔法」

善子「でもそれをダイヤに伝える気はないみたい。魔法使いを狙ったエージェントから守るためらしいわ」

善子「私もこれでいいと思う。一度限りだからこそ、ダイヤも強く想いを持てたんだろうし」

善子「で、ルビィとダイヤはμ'sロスを引きずったままだけど、今まで以上に二人仲良くしている」

善子「……姉妹の一線超えたりしてないわよね?」

善子「大丈夫よね、うん……多分。おそらく」

善子「さて、ヨハネはというと……」



364: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:54:09.62 ID:TepVC2oN.net

~ヨハネの部屋~

善子「……帰ったわよ」

ヨハネ「すう……すう……」

善子「……まだ寝てるのね」

善子(……セーブモード、だっけ)

善子(魔力を使いすぎた結果の、充電期間。冬眠って言った方が良さそうだけど)

善子「ほんとに回復してるのかな……」

善子「……」

善子「帰ってきて、もう1週間よ」

善子「……いつになったら目を覚ますのよ、バカ」

善子「いつまでひとりで居させるつもりなのよ……」

善子「……」

善子「……今からやるのは、治療行為だからね。そういう、あれじゃないから」

善子「ねぼすけの眠り姫……そろそろ起きる時間よ」


……チュッ


#4 ヨハネとジュエルシスターズ 完



365: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 20:55:25.79 ID:TepVC2oN.net

¶cリ˘ヮ˚)|「第4話おわり! 長かったわね…読んでくれてありがと」

¶cリ˘ヮ˚)|「はてさて、ヨハネはどうなっちゃうのかしら」

¶cリ˘ヮ˚)|「しれっと次の話では普通に活動してたりして」



369: 名無しで叶える物語 2018/12/12(水) 21:22:23.62 ID:TepVC2oN.net

¶cリ˘ヮ˚)|「ちなみにルビィの正拳突き」

https://youtu.be/wxgdILoBYVM











元スレ
善子「ふたりのヨハネの日常」