1: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)21:53:08 ID:Tu4

(765プロ事務所)

小鳥「よし、お掃除終わりと。あ、社長。おはようございます」

高木社長(以下社長)「おはよう音無君、毎朝ご苦労さま」

小鳥「ありがとうございます。冬は流石に少し辛いですけど、もう慣れましたよ」

社長「なんだか申し訳無いね、本来そんな事はキミの業務に入っていないのに」

小鳥「お気になさらず、好きでやってる事ですから。それにアイドルがたまにこっちに来た時に、汚い事務所を見せるわけには行きませんし」

社長「そうだね。劇場が出来て以来、ここも随分と静かになったものだ」

小鳥「ええ。お仕事には集中出来るようになりましたけど、ちょっと寂しいですよね」

社長「まあ私達はあくまでも見守る側だ、賑やかなのはアイドル諸君とプロデューサーくんに任せておこう。さて、仕事にかかるとするか」

小鳥「はい。あとでコーヒーでも持っていきますね」




2: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)21:54:59 ID:Tu4

(社長室)
社長「うーむ、今日は外に出ないといけない用が多いな。我ながらどうしてこうまとめて予定を組んでしまったのか」

小鳥「失礼します。社長、飲み物でもいかがですか」

社長「おお、ありがとう。仕方ない、片っ端から回ってくるとするか・・・おや、これは」

小鳥「ホットチョコレートです。ほら、今日は」

社長「なるほど、そうだったね。おお、ホイップクリームまで。随分と手が込んでいるね」

小鳥「大した物じゃなくて申し訳無いですけど」

社長「いやいや、わざわざ用意してくれたその気持ちで十分だよ。来月にはきちんとお返しするからね」

小鳥「そんな、大げさですよ」

社長「なあに、ささやかな物にするさ。それならいいだろう?」

小鳥「ありがとうございます、じゃあ期待させてもらいますね」

社長「おっと、プレッシャーだな。さて、それではいただこうかな・・・」


春香「おっはようございま~す!あ、やっぱり二人共ここでしたか。社長に小鳥さん、お疲れ様です」

小鳥「春香ちゃん?お疲れ様、どうしたの急に」
 



3: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)21:56:50 ID:Tu4

社長「お疲れ様。何かあったのかね?」

春香「何ってほら、今日はバレンタインデーですから。はい、どうぞ」

社長「私にかね?」

春香「はい!それとこっちは小鳥さんにです」

小鳥「まあ、私にまで。いいの?」

春香「もちろんですよ。ちゃんと全員分用意しましたから」

社長「音無君はともかく、私の分まで用意する必要はなかったのに」

春香「気にしないでください。せっかくの機会ですし」

小鳥「そうですよ社長、わざわざ持ってきてくれたんじゃないですか」

社長「おっと、すまないね・・・どうもありがとう、しっかり味わっていただくことにするよ」

春香「えへへ。あ、でも昨日急いで作ったから、味の方はあんまり期待しないでくださいね」

小鳥「手作りなの!?うう、嬉しい。今日は人生最良の日だわ!!」

春香「そ、それもちょっとどうかなと思うんですけど・・・」
 



4: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)21:59:54 ID:Tu4

社長「いや、本当にありがとう。これは来月のお返しをしっかり考えておかなくてはいけないな」

春香「ええっ、そんなつもりで作ったわけじゃ」

社長「いやいや、こういう事はきちんとしておかなくてはね。せっかくの機会なんだろう?」

春香「あ、えへへ・・・おっと、そろそろ失礼しますね」

小鳥「あら、もう帰っちゃうの。コーヒーでも飲んでいったら」

春香「すみません、この後お仕事が入ってますので。それじゃあお疲れ様です」

小鳥「お疲れ様、気を付けてね・・・春香ちゃん、良い子ですよね」

社長「うむ、まさか私にまでとはねえ。我が社のアイドル達は皆、本当に良い気分にさせてくれるよ。
これもプロデューサー君や音無君達のおかげだな」

小鳥「何言うんですか。プロデューサーさんはともかく私なんて何もしてませんよ。
そもそもそれを言うならまず、社長の影響が一番大きいんじゃないですか?」

社長「いやいや、私こそただキミ達の頑張りを見ているだけの存在だよ。さて、私もそろそろ外回りに出るとするかな」

小鳥「はい、お気を付けて」
 



5: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:02:26 ID:Tu4

(都内某所・レコーディングスタジオ)
社長「久しぶりにあいつと話したな。しかし私が言うのもなんだがここもいい加減改装すればいいのに・・・おや」

千早「社長?お疲れ様です、どうしたんですか今日は」

社長「お疲れ様。いや何、ここの社長と使用料金諸々についてちょっとね。如月君は今日レコーディングが入っていたかな?」

千早「いえ、矢吹さん達の付き添いです。プロデューサーに見てあげて欲しいと頼まれたものですから」

社長「おおそうか。キミもすっかり良い先輩になったようで何よりだ。」

千早「そんな事はないと思いますが・・・あ、そうだ。すみません、荷物になってしまいますが」

社長「うん?何かな」

千早「その。ご迷惑でなければいいんですが」

 



6: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:04:11 ID:Tu4

社長「とんでもない。ありがたくいただくが、本当にもらっていいのかい?もっと誰か、別の人に配ったほうがいいのでは」

千早「ご心配なく、それはちゃんと社長に渡すために用意しておいたものですので。
元々このあと事務所に寄るつもりでしたから、ついでのようになってしまって申し訳無いですけれど」

社長「いやいや。わざわざそのために立ち寄らせてはかえって悪いよ、むしろ好都合だった。来月お返しをしないといけないね」

千早「そんな、こちらが勝手にしたことですし」

社長「だったらこちらも勝手にやっていいだろう、違うかい?」

千早「そうですか、ふふ。それではよろしくお願いします」

社長「ああ。すまないがまだ予定があってね、お先に失礼するよ。矢吹君たちの事は頼んでもいいかな?」

千早「はい。それではお疲れ様です」


 



7: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:06:19 ID:Tu4

(ラジオ局)
社長「驚いたな。まさか、如月君からチョコを貰えるとは。彼女も変わったという事か」

社長「・・・違うな。元々彼女はこういう気遣いの出来る子だった。それが最近目に見えてわかりやすくなったというだけの事だ。
そういうふうにプロデューサー君が導いていったのだろうな、きっと」

エレナ「チヅル、早く行こうヨ~あれ?」

千鶴「お待ちなさいエレナ、廊下を走っては駄目ですわよ・・・あら。お疲れ様です」

社長「おお、キミ達か。今日は収録かね?」

エレナ「ウン!社長が外にいるナンテ珍しいネ、何かあった?」

千鶴「こらエレナ、社長に失礼でしょう。定期公演の宣伝で参りましたの。これから劇場に戻りますが、社長はどうされましたの?」

社長「なに、ちょっとした用事さ。たまには外に出ないといけないこともあるんだよ」

エレナ「あ、じゃあハイこれ!」

社長「おや、チョコレートかね」

エレナ「ウン、今日はバレンタインデーでショ?チヅルがスタッフさんに配ってたんダ、スッゴク美味しいヨ!」

 



8: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:08:41 ID:Tu4

千鶴「もう、エレナったらこんなところで。ええと、それはとあるデパートで買った高級品でして・・・」

社長「ほほう、そうかね。どれどれ・・・」

エレナ「アレ、もう食べちゃうンダ」

社長「ああ、せっかくだからね。うむ、美味い。素朴だがあたたかみを感じさせる味わいだ」

千鶴「そ、そうですの?」

社長「ああ。なんというか、作り手の優しさが伝わってくるよ。心のこもった良い味だ」

千鶴「あ、ありがとうございます。お気に召したのなら何よりですわ・・・」

社長「これでこの後の打ち合わせも頑張れそうだよ、どうもありがとう」

エレナ「ハーイ、どういたしマシテ。良かったネ、チヅル?」

千鶴「ええ。セレブのおすすめする品に間違いはありませんわ、おーっほっほ・・・ゲホゴホッ。さて、そろそろ失礼しますわ」

社長「ああ、気を付けて。二階堂君、どうもごちそうさま。キミらしさがよく出ていた、素晴らしい品だったよ」

千鶴「へっ!?な、何の話ですの。あれは高級デパートの・・・」

社長「と、私が褒めていたと伝えておいてくれたまえ。それじゃあお疲れさま」

千鶴「あ、ああそういう意味ですのね。分かりました、たしかに伝えますわ」

エレナ「社長、またネ!・・・どうしたのチヅル、なんだか変だヨ?」

千鶴「なんでもありませんわ。社長、やはり侮れない方ですわね・・・」

エレナ「?」
 



9: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:10:43 ID:Tu4

社長「おっと。これで二階堂君にもお返しをしなくてはいけなくなったな。
とりあえずここで定期公演のスポンサーの件と・・・商店街でまたライブを開催出来るよう、頼んでみるか?」
 



10: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:12:30 ID:Tu4


社長「よし、ここでの打ち合わせはおしまいだな・・・おお、四条君に三浦君。今日はここで撮影だったのかね・・・え?」


社長「それでは編集長、今後とも当765プロをよろしく。おや、馬場君達も来ていたのか・・・何?」


社長「参ったな。まるでチョコレートを貰うためにわざと今日を選んで外回りしているみたいになってしまった。

ん、電話か。もしもし青羽君。どうかしたのかね・・・手が空いたら劇場に来て下さい?」



(765プロ事務所)
小鳥「それがこの山のようなチョコレートの理由ですか?」

社長「いやあ、どういうわけか行く先々でウチのアイドル達と偶然出会ってね。
我が765プロのアイドル達の活躍ぶりをこの目で確かめる事が出来た上、皆の優しい気遣いまで受け取れたんだ。いい一日になったよ」
 



11: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:14:39 ID:Tu4

小鳥「それはいいですけど、どうするんですこんなに沢山」

社長「ああ。参ったよ、わざわざ私にまで配らなくたって。プロデューサー君に渡せばそれで十分だろうに」

小鳥「自業自得だと思いますよ、そもそも社長が御自分の誕生日のお祝いをしなかったのが原因なんですから」

社長「どういう意味かね。それは当然だろう、私の為にそんな事をさせるのは申し訳ないし」

小鳥「それですよ。美咲ちゃんが言ってましたけど、あの時皆社長の為に色々計画してたのに、お祝い禁止のお達しが来てがっかりしたそうなんです。
だからその代わりの意味でも、バレンタインデーには必ずチョコを渡そうって話になったらしくて」

社長「な、なんと。そうだったのか、私は幸せ者だな……」

小鳥「というわけですから。それには皆の気持ちが詰まってるんです、きちんと全部食べてあげて下さいね?」

社長「う、ううむ。しかしだね・・・音無君、キミ甘い物は好きだろう?」

小鳥「ダメです。頑張ってください」

プロデューサー(以下P)「失礼します。社長に音無さん、お疲れ様です」
 



12: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:17:51 ID:Tu4

小鳥「あれ、プロデューサーさん。お疲れ様です、どうしたんですか。ひょっとして劇場で何か?」

P「いえ、そういうわけでは無いんですが。先週のバレンタインキャンペーンの結果報告を。ついでにちょっと、いいコーヒー豆が手に入ったものですから」

小鳥「これ今話題のお店のやつじゃないですか。なかなか手に入らないんですよ、一度飲んでみたかったんです。早速入れてきてもいいですか?」

P「ええ、もちろん。その為に持ってきたんですから」

小鳥「ありがとうございます。じゃ、すぐ用意しますね」

社長「いつもすまないね…そうだ。コーヒーには、甘い物がぴったりだろう?」

P「え?ええ、まあ。オレはブラックで飲む事が多いですからね」

社長「ちょうど良かった。そんなキミに相応しい物があるんだよ。実にいいタイミングだ、さすがは我が765プロが誇る敏腕プロデューサーだけのことはあるな」

P「は、はあ。そうですか、いや、実を言うとオレの方でも」

社長「音無君?私の分のコーヒーはけっこう。二人で仲良く甘いひと時を過ごしてくれたまえ」

小鳥「え?あー!社長、ひょっとして逃げるおつもりなんですか?」

社長「あとは若い二人にまかせて、年寄りは退散退散。お疲れ様プロデューサー君、報告はいずれまた。それではな!」

 



13: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:20:54 ID:Tu4

プロデューサー「は、はあ。お疲れ様です」

小鳥「ダメですよ社長、それはずるい……行っちゃった。もう、どうするつもりなのかしら」

プロデューサー「え?うわ、今気付きましたけどなんですかコレ。ひょっとして全部チョコレート?」

小鳥「ええ、そうなんですよ」

プロデューサー「そういう事か。やられた、先手を打たれたな……」

小鳥「え?あのプロデューサーさん。その手に提げてる紙袋、もしかして?」




社長「ふう。残念だったねプロデューサー君、私と同じくチョコを誰かに押し付けようというキミの狙いはすぐに分かったとも。
まだまだ甘いねえ」


 



14: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:23:08 ID:Tu4

社長「……もしもし善澤君。ちょっと付き合わないかね、私の奢りだ。
今日は素晴らしい事があってね、一杯やりたい気分なんだよ。ああ、分かった。それじゃ、いつもの店で」

社長「よし……誕生日の件といい今回といい。私は素晴らしいアイドルに恵まれたな、本当に幸せ者だ。

感謝しているよ、皆。来月のお返しを楽しみにしていてくれたまえ?」


社長「とりあえず、プロデューサー君と音無君には来月と言わず、明日にでも胃薬を持っていってあげるとするかな……」




小鳥「うーん。どうしましょうか、これ?」

プロデューサー「とにかく頑張って、今食えるだけ食う事にします。せっかくのアイドル達からの贈り物ですからね。ところで、音無さん?」

小鳥「はい、お手伝いします。はあ、私達もレッスンしなきゃいけなくなりそうですね……」
 



15: ◆UEry/CPoDk 2019/02/14(木)22:23:57 ID:Tu4

おしまい。お目汚し失礼致しました。ミリシタで社長の誕生日祝いが全く無いのは何故なんですかね。


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765プロのとある一日【ミリマスSS】