SS速報VIP:勇者「魔王!」魔王「……来たか」



1: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 11:25:12.51 ID:E8cJTuV0O

勇者「行くぞ!」

炎の魔神「おう!」

風の魔神「ああ!」

土の魔神「ま、今まで通りに行くんだなー」

水の魔神「ええ。私達は私達の力を信じましょう」

ガチャ

勇者「魔王!」

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2: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 11:27:19.24 ID:E8cJTuV0O

魔王「……来たか」

剣士「勇者!」

魔法使い「魔王様……守る」

格闘家「来るなら来やがれ!」

僧侶「魔王様!」

魔王「……勇者よ」

勇者「貴様が魔王か! 人間ぽい顔つきだな!」

魔王「貴公こそ……青白い顔といい、尖った耳、白い髪……まるで魔族ではないか」



3: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 11:31:25.33 ID:E8cJTuV0O

勇者「ふん! 魔族などと一緒にするな! この魔剣の錆にしてくれる!」

魔王「ならば、我は聖剣の力で……」

勇者&魔王「「……」」

勇者&魔王「「……?」」



4: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 11:34:08.16 ID:E8cJTuV0O

勇者「何かおかしくないか?」

魔王「貴公もか……我もそう思っていた」

勇者「この疑問が片付くまでは休戦ということで」

魔王「良かろう」

炎の魔神「おい! 勇者! 正気かよ!?」

風の魔神「まあ、待て……勇者には勇者の考えがあるのだろう」

土の魔神「だなー」

水の魔神「勇者様にお任せしましょう」

勇者「……すまん。みんな」



5: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 12:26:12.61 ID:v6ceOGieO

勇者「先ずーー先ずは、だ」

魔王「うむ」

勇者「……お前が着ている神々しい鎧はなんだ?」

魔王「代々の勇者が眠っているという聖なる祠に……」

勇者「待て。あそこは勇者にしか入れない筈だ……」



6: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 12:27:24.68 ID:v6ceOGieO

勇者「だとしたらその鎧は……」

魔王「勇者の鎧だ」

勇者「魔王であるお前が勇者の神殿に入れて、勇者の鎧を着れただと? 馬鹿げている……」

魔王「我に言われてもな……我は魔王。そのような常識など通じぬ」

勇者「なるほど……魔王なら仕方ないのかもな」

魔王「貴公の見にまとっている鎧も絶大な闇の力を感じるが?」

勇者「これか?」

魔王「うむ。その禍々しさ……魔王の鎧であろう?」



9: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 13:32:37.67 ID:wcqF0VnjO

勇者「ああ。ある夜……不思議な夢を見てな」

魔王「ふむ」

勇者「夢に出てきた男が。お前は最悪の魔王となる……力を授けようと言ったんだ」

魔王「何と。貴公は勇者だと言うのに」

勇者「だろ? 失礼な話だ」

魔王「うむ……敵とは言え、同情しよう」

勇者「ありがとう」

魔王「……だが」

勇者「ん?」



10: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 13:37:04.56 ID:wcqF0VnjO

魔王「うむ……それは魔王の一族しか身につけられないはず……」

勇者「勇者だからな」

魔王「道理」

勇者「何で魔王が聖剣を?」

魔王「うむ。この聖剣が我を選んでな……聖剣に光を歩む者よ。闇を恐れるな、我は汝と共にあるーーと言われた」

勇者「俺も。魔剣に、魔に属し、魔を超越せし者よ……みたいな事を言われた」

魔王「……面妖だ」

勇者「だな」



13: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 13:48:16.41 ID:wcqF0VnjO

勇者「……装備を変えてみるか?」

魔王「何故だ?」

勇者「いや。違和感を抱えたままじゃ、戦えないだろ」

魔王「道理」ぬぎぬぎ

勇者「ばっ……脱ぐなら俺が見ていない所でしろ!」

魔王「? 良かろう」



14: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 13:49:57.02 ID:wcqF0VnjO

数分後。

勇者「か、体が消えるぅーー!」

魔王「ならぬ、出来ぬ……! 民を手にかけるなど……!」

数分後。

魔王「我に魔王の鎧は着こなせぬようだ……」

勇者「俺も無理だった……何故だ?」

魔王「……これは憶測だが」



15: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 13:52:42.52 ID:wcqF0VnjO

魔王「我が長期に渡って着たことにより、勇者の鎧は闇の力を。魔王の鎧は光の力を得たのではないか」

勇者「? 勇者だから魔王だから大丈夫なんじゃ……」

魔王「魔王や勇者を何だと思っている。無理な物は無理だ」

勇者「なるほど……なら、無理に着ることもないか!」

魔王「うむ」

勇者「じゃあ、返してくれ」

魔王「わかった」ぬぎぬぎ

勇者「だからここで脱ぐな!」



16: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 15:02:47.19 ID:2DbRMz24O

勇者「それで俺の仲間を見てくれ」

魔王「む……?」

炎の魔神「クズどもが! まとめて灰にしてくれる!」

風の魔神「吹き荒れる風には触れることもままならぬ。触れられぬ恐怖にもがき苦しむがいい……!」

土の魔神「大地よ! 震え雄叫びを上げよ!! ……イマイチなんだなー」

水の魔神「身近にあり、生きていく上で必要なのだけれど恐ろしい物。それは何かしら? そう……それは水」

魔王「あそこでエンカウント時のセリフを練習している連中か」

勇者「ああ……なんか他の奴らが連れているパーティメンバーと違う気がするんだよ」

魔王「……そう言えば」

勇者「何だ?」

魔王「数十年前から四魔貴族が跡形もなく行方不明に……ま、考えすぎだが」

勇者「だな」



17: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 15:08:32.50 ID:2DbRMz24O

勇者「後はお前の仲間だ」

魔王「仲間である前に友だ。我の大切な」

勇者「ああ。すまない……」

魔王「うむ」

剣士「……」精神統一中

魔法使い「……」ぼーっ

格闘家「ふっふっふっ!」筋トレ中

僧侶「神を。我らをお導きください」

勇者「随分と人間的だな」

魔王「人間だが?」

勇者「何!?」

魔王「友に人間など魔族など……その様な蟠りは無粋よ」

勇者「……そうだな」




18: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 15:18:31.88 ID:2DbRMz24O

勇者「……だが、魔族からの差別はなかったのか?」

剣士「? いや……」

格闘家「ふっふっふっ! 同じ土地に……ふっふっふっ!住んで同じ飯を食えば……ふっふっふっ! 種族関係無しに仲間だってよ」

僧侶「私は教会を作るのを手伝って頂きました……宗教は個人の自由だそうで」

魔法使い「魔法教えてくれた」

勇者「そう言えば、ここまであまり戦っていないな……むしろ親切にして貰った」

魔王「他人への親切は、いずれ自分の為。皆の為になるからな」




21: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 15:41:04.08 ID:2DbRMz24O

勇者「……話が脱線したな」

魔王「うむ」

勇者「聖剣や魔剣はどう説明をつける?」

魔王「……突然変異?」

勇者「もうそれでいいか」

魔王「うむ」



26: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 18:49:33.13 ID:wcqF0VnjO

勇者「得意な魔法は?」

魔王「光魔法、回復系、治療系が得意だ」

勇者「俺は闇魔法。破壊魔法、消滅魔法だ」

魔王「闇魔法だけは極める事が出来んのだ……何かに飲まれてしまうような気がしてな」

勇者「俺も……何か寄せ付けないんだよなぁ……」

魔王「得意不得意があるのだろう」

勇者「そうか……そうだな」



27: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 18:51:59.23 ID:wcqF0VnjO

勇者「……違和感の正体はわかったか?」

魔王「……もしや」

勇者「何だ?」

魔王「我々は逆なのではないか?」

勇者「……?」

魔王「……我が勇者でお前が魔王ではないか、っと言っている」



28: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 18:57:38.14 ID:wcqF0VnjO

勇者「……」

魔王「……」

勇者「……ははは」

魔王「……ふふふ」

勇者「冗談はよしてくれ」

魔王「我としては上出来な冗談だったのだが」

勇者「ああ……傑作だったよ。何故か悪い気はしなかった」

魔王「うむ……我も自分で言って、違和感がなかった」



29: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:01:09.10 ID:wcqF0VnjO

「……とうとう、話す時が来たか」

勇者「誰だ!?」

魔王「この声は……父上!」

魔王父「まさか……自分達で答えにたどり着くとはな」

勇者「?」

魔王「……?」

魔王父「魔王よ……お前は」

魔王父「私の実の息子ではない」



30: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:04:34.25 ID:wcqF0VnjO

勇者「な……なんだと……?」

魔王「……父……上……?」

側近「魔王様が……前魔王様の……実のご子息ではない……?」

魔王父「……信じられぬか。だが、事実なのだ」





34: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:36:23.13 ID:wcqF0VnjO

「待て……私からも勇者に言っておきたいことがある」

勇者「な……あんたは……父ちゃ……親父!」

勇者父「……勇者よ。お前は」

勇者「……」

勇者父「私の本当の子供ではないのだ」

勇者「……な」

側近「何だって!? 勇者まで……実の子供ではない、だとぉ!?」

魔王「側近。うるさい」

側近「御意」



36: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:39:53.69 ID:wcqF0VnjO

魔王「……皆は……知っていたのか……?」

剣士「……」

僧侶「……」

魔法使い「……」

格闘家「ふっふっふっ!」

魔王「何故だ。何故、何も言わんのだ……何も言ってくれないのだ!」



37: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:43:35.08 ID:wcqF0VnjO

勇者「……お前達もか?」

炎の魔神「……」

風の魔神「……」

土の魔神「……」

水の魔神「……」

勇者「ははは……何だよ……そりゃあ……」



38: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:49:03.21 ID:wcqF0VnjO

魔王父「息子よ。勇者よ……そのもの達に罪はない」

魔王「……父上」

勇者父「ああ……全ては、我々の責任だ」

勇者「……親父」

魔王父「あれは……確か、今日のような雨が降った日であった」

側近「たった今、晴れましたが」

魔王父「……確か、今日のような雨が降った日であった」パチンッ

ザーザー(雨の音)

側近「!?」




39: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:53:09.20 ID:wcqF0VnjO

若き日の勇者父「……」そわそわ

若き日の魔王父「……」そわそわ

勇者父「……おや」

魔王「む……もしや、あなたもお子様が?」

勇者父「はい。今、妻が頑張っているところで……」

魔王父「……無力ですな」

勇者父「……はい」



40: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 19:59:40.22 ID:wcqF0VnjO

魔王父「私はそれなりの魔力と力を持つ者です……ですが、妻が苦しんで頑張っているというのに、何も出来ない」

勇者父「……私も己の無力に嘆いているところでした」

魔王父「妻に何か出来ることはないかと考えたのですが……」

勇者父「私には神に祈ることしか出来ない……」

魔王父「妻を守ることは出来ましょう。ですが、妻を手助けする事は出来ないのです」

バタン!

勇者父&魔王父「「!?」」



42: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:03:47.89 ID:wcqF0VnjO

「勇者様! 元気な男の子です!」

「魔王様! 元気な……」

勇者父「……む」

魔王父「……むむ?」




43: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:09:01.90 ID:wcqF0VnjO

魔王父「魔王と勇者は引かれ会うと言うが……」

勇者父「あんな形で会うことになるとは」

側近(何で同じ所で取り上げてるんだよ)

魔王父「私達の戦いは」

勇者父「何日も続いた」

魔王父「……そして」

魔王「父上。それが我々と何の関係が……」

魔王父「私の戦いのいざこざでな……」

勇者「……?」

勇者父「げ、現場も混乱していたんだ」



44: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:11:12.26 ID:wcqF0VnjO

勇者父「早い話が……」

魔王父「……赤ん坊をな」

「「取り違えたのだ」」

魔王「……な」

勇者「……な」



45: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:18:14.23 ID:wcqF0VnjO

魔王「つまり……我の本当の父は」

勇者父「私だ」

勇者「俺の父ちゃんは……」

魔王父「……私だよ」

勇者「……なあ、魔王」

魔王「……うむ」



46: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:20:33.46 ID:wcqF0VnjO

勇者「これが違和感の正体だったんだな!」

魔王「うむ! まさか、こんな真実だったとは……実に愉快!」

勇者父「……え?」

魔王父「……ふむ?」



47: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:31:11.73 ID:wcqF0VnjO

勇者「つまり後で取り違えに気づいたものの、引き返せない理由が出来たんだろ?」

魔王「うむ……魔族の子だとバレれば勇者は殺されていただろう。我もそうだ」

魔王「今ならまだしも、昔なら……我が人の子などとバレていれば命はなかっただろう……」

勇者「だから、あなた達はそれを突き通すことにしたんだ」

魔王「無論。強引に、我々を返す事も考えただろうが……」

勇者「それじゃ、幼い俺たちにどんな影響があるか、わかったもんじゃない……だからあんた達は」

魔王「我々を育てることにした……違うか?」

魔王父「……」

勇者父「……」



48: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:34:38.96 ID:wcqF0VnjO

勇者「お前達は魔王の方の親父が送り込んだんだろ?」

炎の魔神「……ああ」

土の魔神「だなー」

風の魔神「……隠す意味はないな」

水の魔神「前魔王様にあそこまで頭を下げられたら、ね……断れる訳が無いわ」



49: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:45:54.77 ID:wcqF0VnjO

魔王「……皆の場合は、勇者父殿が我が寂しがらぬよう、歳の近い皆を派遣したのだろう」

魔王「……今思えば出来すぎていたな」

剣士「すまない! 騙してたのは事実だ!」

格闘家「……剣士」

剣士「だが、貴方に剣を捧げたのは嘘でもなんでもない! 心から捧げたつもりだ!」

僧侶「魔王様に全てを捧げたのは、私自信の意思です!」

魔法使い「……私も」

格闘家「……俺の拳はアンタの為に使う。後、筋肉も」

魔王「……それなら良い。それがあるなら……我は何とも思わぬ」



50: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:50:06.95 ID:wcqF0VnjO

魔王父「……そうではない」

勇者父「……ああ」

魔王「……?」

勇者「何だよ?」

勇者父「そんな複雑な事情があったかも知れない……いや。あったのだろう」

魔王父「だが、一番の理由は……同じ時を過ごす内……愛してしまったのだ」

勇者父「離れたくないぐらいに……敵である魔族の子を」

魔王父「憎い筈の……人の子を……ただ、愛してしまった」



51: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:54:49.41 ID:wcqF0VnjO

勇者「……そうか」

魔王「……ならば」

勇者「……過去なんて知らない。俺の父ちゃんは……アンタだけだ」

勇者父「!?」

魔王「確かに、我が尊敬すべき父が他にいるのかも知れない……だが、我が唯一尊敬し、敬愛する父は……貴方だけだ」

魔王父「……魔王」

魔王「……勇者よ。我はどうあっても魔王だ」

勇者「……ああ。俺も偉大な勇者の……子供だ」




53: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 20:59:00.30 ID:u+MBQWl3O

勇者「魔王!」

炎の魔神「へっ……前振りは長くなったが!」

風の魔神「結局はこうなる」

土の魔神「まあ、仕方ないんだなー」

水の魔神「……そうね」



54: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 21:01:48.84 ID:u+MBQWl3O

魔王「……来たか」

剣士「俺は魔王の剣……魔王が戦うならば、何であろうと斬る」

格闘家「拳と筋肉で打ち砕いてやるぜ!」

僧侶「神よ……我らに光を」

魔法使い「……負けるのはあなた達」



55: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 21:06:27.50 ID:u+MBQWl3O

魔族の勇者と

人の魔王。

その戦いがどうなったかは……また別の話。

end



57: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 21:09:45.68 ID:u+MBQWl3O

側近「……ふー……久々の故郷帰りだ」

側近「ん? 手紙……」

勇者&魔王『結婚しました』

側近「何でだよ!?」

ene



58: ◆hEuaFaM4H2 2014/09/15(月) 21:11:01.73 ID:u+MBQWl3O

勇者のギャグ物を一度は書きたかった。反省はしていない。

ありがとうございました。


元スレ
SS速報VIP:勇者「魔王!」魔王「……来たか」