1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:06:08.87 ID:gzvQyrFi0

imas-006048-001
 



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:14:12.64 ID:gzvQyrFi0


パラ……パラ……


美希「え……ウソ……」

美希「……」


ウーウー カンカンカン


春香「み、美希! 何やってるの、そんなところにいたら危ないよ!」

美希「春香……」

春香「事務所のビルが崩れてくるから! はやくこっち来て!」

真「……」ゴクリ

美希「……み、ミキね……その……」

春香「いいからはやくっ!」

美希「わかったの……」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:18:15.85 ID:gzvQyrFi0


美希「……」ワナワナ

春香「……」

真「……」


真「美希」

美希「!」ビクッ


真「……いや……ごめん、なんでもないよ……」

美希「……」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:20:44.93 ID:gzvQyrFi0



カンカンカン

危ないので、ここから避難してくださーい


美希「……」

真「……」

春香「……な」

真「え?」

春香「……なんか、こわいね!」

美希「春香……?」

春香「な、なにがあったのかな! えへへ、急にビルが爆発……なんて……」

真「そ、そうだね! アハハ! ガスの元栓でも閉め忘れてたのかも! アハ」

美希「ミキなの」

春香「……」

真「……」

美希「ミキのせいなの……」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:27:29.42 ID:gzvQyrFi0


怪我人が通りまーす 道をあけてくださーい

ウッこれは…… もう原型が残ってないぞ……

かろうじて残ったのは、インカムだけだ……



美希「……」

春香「……な、なに言ってるの? あはは、ミキったら、こんなときに冗談なんて」

美希「春香も見たでしょ?」

春香「……」

真「美希……君は……」

美希「ちょっとしたお遊びのつもりだったの」

美希「ゼンゼン、こんなことになるなんて、思ってなかったの」

美希「でも……、ミキが、おにぎ――

春香「やめて!!!!!!!」

美希「!」ビクッ

春香「あ……えへへ、ご、ごめんね……」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:33:55.40 ID:gzvQyrFi0


春香「……そ、そんなわけないって!」

美希「でも……」

春香「だ、だって! なあに、それ! ど、ドラゴンボールの世界じゃあるまいし」

美希「……」

真「そ、そうだよ美希! アハハ、やだなあもう! それより、ボクたちもはやくここから」

美希「……おにぎ」

春香・真「「やめて!!!!!!!!」」

美希「」ビクッ

春香「あ……えへへ……」

真「ご、ごめんよ! 大きい声出しちゃって! アハハ」

美希「……やっぱり……」

春香「……」

真「……」

美希「やっぱりふたりとも、ホントはそうだって思ってるの」

美希「じゃなかったら、そんなに怯えた顔、してないってカンジ……アハ☆……」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:38:51.82 ID:gzvQyrFi0

春香「……」グッ

真「春香……?」

美希「そうなの……ぜんぶ、ぜんぶミキが……」

春香「美希」

美希「……え……?」

春香「美希はそんなことやってない」

真「……そうだね。キミを疑う人なんて、誰もいない」

美希「ふたりとも……」

真「だって」

春香「私達」

美希「……み、みんな……」

「「「仲間だもんげ」」」


アハハ……
       アハハハ……


しかし、こうやって彼女達が笑っていられるのも、ほんの束の間でしかなかったのである――



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:44:14.52 ID:gzvQyrFi0


春香「私達は、美希を信じるよ」

真「そうだよ! へへ、当然だろ! さ、さっきはちょっと、動揺しちゃっただけ!」

美希「……うん……」

春香「あ、その顔。まだ不安なんでしょ?」

美希「だって……」

春香「じゃあさ、もう一回試してみよ

真「春香!!!!」

春香「」ビクッ

美希「……」

真「……ごめん」

美希「……」

美希「真クンは、悪くないよ……悪いのは、ミキなの」

真「!」

美希「あは……も、もう……ミキは、おまわりさんのところにいくね……」

真「み、美希……」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:48:26.85 ID:gzvQyrFi0


春香「……もう一回、やってみよう」

真「……っ」

美希「え……?」

春香「……それで、何も出なかったら……美希は悪くない。そうでしょ?」

真「……本気かい?」

春香「本気だよ……!」

美希「春香……体が、震えてるの……」

春香「あ、アレ? お、おかしいな……えへへ……」

美希「……」

春香「美希」

春香「大丈夫、ほら、あっちの方向なら……誰もいないから」

美希「……真クン……」

真「……。ごめん、美希。ボク、さっきまで信じてやれてなかった……」

美希「……」

真「でも、今は違う。美希を失いたくないんだ。だから……やってみせて、おにぎり波」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:51:32.45 ID:gzvQyrFi0


ウー ウー ウー

ゴォォォ

火、火の手がまわったぞ! 気をつけろ、みんな下がれ!

いや、でも! まだ中に人が……!



美希「……」

美希「わかったの」

春香「!」 真「!」

美希「……や、やってみるね……」

春香「うん……」

真「美希……頑張れ……」

美希「……」

スゥ

美希「いくの……!」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:54:47.63 ID:gzvQyrFi0




美希「おにぎり波~」




ヒョコ

P「あれ? な、なんだ、この騒ぎ!?」




春香「プロデューサーさん!!! 逃げて!!!!」

真「美希!!! 待つんだ!!! そっちの方向にはプロデューサーが!!!!!」

美希「!!!!!!!!!!!!」




――カッ



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 18:57:12.50 ID:gzvQyrFi0


P「え……なんだこれ、磯くs……――――


imas-006048-044
 


美希「ハニィィィィイイイイイイイ!!!!!!!」



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:03:03.74 ID:gzvQyrFi0


!?

おい……どういうことだ……

あっちでも爆発……?



美希「ハニー!! ハニィィ!!!」

真「待ってくれ美希! 崩れてる、そっちは危ない!!」

美希「どいて真クン!!!!! ハニーが、ハニーが!!!!」

春香「だ、ダメだよ美希!! み、美希まで……」


春香「美希まで死んじゃうから!!!!!」


美希「!!!!」

美希「し……氏、詩……師……」

美希「……死……?」


美希「ミキが……はニーを……死なせ……ちゃった……?」



51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:08:11.83 ID:gzvQyrFi0


美希「」

春香「……グスッヒグッ……」

真「……くそう!!」ガンッ

真「なんで……なんでこんな……美希がこんな目に!!」

美希「……あ……アハ」

春香「み、美希……?」

美希「アハ……アハ……」

真「ど、どうしたんだい? 様子が――」

美希「こっちに来ないで欲しいの」ギロリ

春香・真「「!?」」

美希「きたら……」


美希「撃つよ」スッ……


春香「あの構え……おにぎり波……」

真「美希……本気かい? どうして、そんな……」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:14:55.31 ID:gzvQyrFi0


――最愛の人の死。
それは、まだ15歳の幼い美希の心に消えない傷を残すには、十分すぎる衝撃であった。
ましてや、それを引き起こしたものが、他でもない美希自身であったのだから――



美希「アハ アハ、アハ☆」タッタッタ

春香「美希っ!!」

真「どこにいくんだ!?」


美希「もうこんな世界なんていらないの」

春香・真「「!?」」

美希「ハニーがいない世界」

美希「ハニーを殺したミキがいる世界」


美希「だからミキは今から、それを壊しにいくの。バイバイ、みんな」

ヴンッ……!

春香「!?」

真「美希の髪の毛が……茶髪ショートに……!?」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:19:11.45 ID:gzvQyrFi0


バシュンッ

春香「……っ」

真「消えた……」


春香「美希……あなたは、一体何をしようと……」

真「……春香。ボクたちも逃げよう」

春香「……」



このとき春香の心には、どこか予感めいた感情が芽生えていた。
「私達に、逃げ場はない。どこに逃げたって、結末は変わらない」という……。



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:23:55.19 ID:gzvQyrFi0



ヒュォォ……


美希「……」

美希「がむしゃらに飛んで、ここまできたの」


美希「……アレが、きっと、すべての原因」

美希「そうなの。困ったときは大体アレが悪いってカンジ」

美希「アレを壊せば、きっとみんな……元通りなの」

美希「……」



美希の眼下に映る光景
ところ狭しと立ち並ぶビル群の中で、ひときわ目立つ、ひとつのセレブなビルディング――

961プロダクションであった。



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:29:15.77 ID:gzvQyrFi0



美希「ミキね……もう、迷わない」

美希「アレを壊して……ぜんぶ、無かったことにするの」


グググ


美希「力が溢れてくるの」

美希「あは☆ きっとミキは、今まで無意識のうちにパワーをセーブしてたんだね」


美希「今なら、全力で行けるってカンジ」


美希「――大好きはーにぃ~……」

シュインシュインシュイン

美希「イチゴみた~いにぃ~いぃ~……」

フォォォォ

美希「きたの……パワー満タン……!」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:34:43.41 ID:gzvQyrFi0



美希「おにぎり波~」




北斗「……うん? なんか、外が騒がしいな」

冬馬「ファンが詰め寄せてんだろー。ふぁ~あ……」

翔太「あっ冬馬君、ちゃんと勝負してよー!」

冬馬「でもよぉ、ふたりババ抜きって、ちょっとばかり退屈すぎだぜ」

翔太「じゃあ北斗君も!」

北斗「あはは、ごめんよ翔太。俺は今、エンジェルちゃんたちに手を振るので精一杯だからさ」

翔太「チェッ!」

北斗「……おや?」

冬馬「今度はどーしたんだよ?」

北斗「いや……外のエンジェルちゃんたちが、俺に何か伝えようと……」

翔太「え? なになに? 面白いこと?」

北斗「……逃……げ……て……?」



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:37:07.20 ID:gzvQyrFi0


冬馬「あ? なんだ? 急に、磯くs……――



imas-006048-083
 




美希「……」

美希「終わったの」



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:44:06.71 ID:gzvQyrFi0


美希「……ハニー……」

美希「ミキ、やったよ……褒めて、褒めて?」

美希「ハニーの仇を討ったの……えへへ、スッゴイでしょ?」


美希「……」

美希「……なんで……なの……」

美希「ハニー……なんで」


美希「ハニーの気は……消えたまま……なの……?」

美希「……っ」


美希「ウワァァァアァァァアアン!!!」



美希は泣いた。
彼女が泣いたのは、随分と久しぶりのことであった。
強くあろうと居続けた美希の心は、もうすでに、限界であったのだ。

自分のしてきたことが、すべて無意味だった――
そのことに気付いた、美希の心は今 崩壊していく……



93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:46:33.76 ID:gzvQyrFi0


十年後――


春香「……ふぅ」

真「やあ、春香。精が出るね」

春香「あ、真! えへへ、お疲れ様」

真「少し、休憩にしよう。ほら、これ持ってきたんだ」

春香「! これ……」

真「そう おにぎりさ」

春香「えへへ、美味しそうだね……」



94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:50:15.84 ID:gzvQyrFi0


真「――この街も、随分昔の姿を取り戻したね」

春香「そうだね……私達、頑張ってきたもん」

真「ああ……」

春香「……また、住めるように、なるのかな」

真「……それは」

春香「まだ、何十年もかかっちゃうかな……」

真「……今だって、防護服は外せないからね」



99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 19:57:07.64 ID:gzvQyrFi0


十年前のあの日――

崩壊した“彼女”は、目に付くものすべてを焼き払っていった。
東京のみならず、日本全国、果てはフィリピンまで……

この時代では、それは――『世界滅亡の日』と呼ばれている。


おにぎり波の破壊力は、筆舌にし難いものであった。
しかしながら、残された人々にとって何よりも問題だったのは、海苔である。


海苔――おにぎり波の、痕跡。傷痕。
そう、あの磯臭い海苔のことだ。


防護服を着用せずに外を出歩くと、この磯臭さがうつってしまうのである。
すれ違う人みんなに「磯くせー」と言われることを避けるために、人々は防護服を着る。

そして今日も、



104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 20:01:34.81 ID:gzvQyrFi0


そして今日も、海苔の撤去作業は続くのである――。


春香「今日も……張り切らないとね」

真「ああ!」


??「たーたたーい」タタッ

春香「あっ、ダメでしょ! 外に出たら。磯臭くなっちゃうよ」

真「おや、随分大きくなったね。かわいいじゃないか」

春香「ふふっ、自慢の娘ですから」

真「あはは。すっかり、お母さんだ」

春香「……うん。たとえ血の繋がりは無くても……ね」


春香「さ、もう部屋に戻ろうね、美希」

美希「たーい!」



108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 20:07:48.67 ID:gzvQyrFi0


春香が美希と呼んだ、この赤子。
数年前、近所の赤ちゃんポストに入っていたのを、春香が見つけたのだ。
それ以来女手ひとつで育てているのである。


真「……それにしても」

春香「ふふ、そっくりでしょう」

真「年を取るにつれて、どんどん似ていくね……“彼女”に」

春香「……」

美希「たあい?」


春香はこの子と初めて出会い、初めて目と目が逢う瞬間に――ティンときた。
ああ、この子は――彼女の、美希の……、忘れ形見なんだ、と。



111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 20:11:20.33 ID:gzvQyrFi0


生まれ変わり? それともプロデューサーさんとの隠し子?
真偽はわからない。ただのそっくりさんかもしれない。

しかし――


春香「……そんなこと、どーでもいいんだもんねー?」

美希「た?」

春香「ふふ、なんでもないよ」

美希「……あ、あ……あう……お」

真「?」

春香「も、もしかして!」

美希「……お、お……」

真「しゃ、しゃべるのかい!? ははは、もう言葉を話せるんだね!」

春香「頑張って……美希……!」

美希「う、うう……お、お、おに……」

春香・真「オニ?」

美希「……」



112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 20:12:13.52 ID:gzvQyrFi0


美希「おにぎり波~」



imas-006048-112
 


――歴史は、繰り返す。

END



116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 20:13:44.91 ID:gzvQyrFi0

おわりです
反省はしている


元スレ
美希「おにぎり波~」