1: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:36:15.19 ID:lewcACqP.net

土曜日の深夜

その日私はなんだか眠れなくて、家の中をウロチョロしていた

普段の私はよく眠れるほうだ

運動たくさんするし、布団に入ったら2分で寝息を立てる

でもその日は何故だか眠れなくて
そういう時は身体を動かすのが一番なんだけど、いかんせん深夜だし外に走りにも行けない

だから家の中を目的もなく、鬱陶しくウロチョロしていたのだった

そのうち居間のテーブルあった、お父さんが読み散らかした本が目に入った

読書なんてそうそうしない私だけど、その時はなんだか手持ち無沙汰だったから

「うわっ、つまんなそ……」

……なんて言いながらペラペラページをめくって視線を怠く左右に走らせた

それは哲学書だった



2: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:39:49.94 ID:lewcACqP.net

~翌日~

果南「ねえ千歌ー」

千歌「ん?」モグモグ

果南「生きる意味ってさあ、なんだろね」

千歌「……」モグモグ

千歌「んー?」???


千歌はキョトンとした顔で、まるで突然お経でも聞いたかのように、目を丸くして首を傾げた


千歌「なんて?果南ちゃん。もっかい」モグモグ


聞き返してきた
焼きそばパンを頬張ったまま
そりゃ何気ない食事中に突然そんなこと言われたら聞き返すよね、誰だって


果南「だからさぁ」

果南「生きる……意味っ、てさあ……な、なんだろね……って」


二回言うのは恥ずかしかった



3: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:42:50.60 ID:lewcACqP.net

千歌「……」モグモグ

千歌「んんー」モグモグ


顔をしかめた
焼きそばパンを頬張ったまま
本当に考えてるのかな


千歌「……ていうかなんで急にそんなこと?なに、哲学?の話?」モグモグ


ギクリ
まさにその通り
昨日の夜、文庫本からの付け焼き刃な哲学

生きる意味ってなんだろう

正直、あの本に書いてある内容なんて9割がた理解できなかったけど
でもなんとなく言いたいことは伝わってきて
そんなことを考えてしまっているんだ、私は


果南「ま、まあ」

果南「そんな難しい話じゃなくてさ、とにかく聞いたまんま!その質問に答えてみてよ、千歌」

千歌「んー、生きる意味ねー、んー。難しいなー」モグモグ



4: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:46:35.45 ID:lewcACqP.net

千歌「千歌はね!」モグモグ

果南「ん」

千歌「生きてるからぁ~……生きてるんじゃないかな?……って」

果南「……」

千歌「思うよ!!」モグモグ


あ、こいつ適当言ったな
もー
それなりに真剣な話題のつもりだったのに

なーんか、単なる思い付きの一言って思われたような……
茶化された!


千歌「?どしたの果南ちゃん。焼きそばパン食べたいの?食べる?」

果南「……貰うっ」パクッ

千歌「あ、食べすぎ!」



6: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:50:53.05 ID:lewcACqP.net

そもそもこういう話は、まず真剣に取り合ってくれる人じゃないと話にならないね
千歌はお気楽だからダメだ

……でも、なんか恥ずかしいなぁ
そんな話題振るの


果南「……生きる意味、かぁ」

梨子「?なにか言いました果南さん?」

果南「うわぁ!?梨子ちゃん!?」

梨子「えっ、なんですか急に!?そんな驚いて」

果南「あ、あ~……///いや、その……い、いたんだ?」

梨子「ええ。廊下歩いてたら果南さん見えたんで。話しかけようと思って」

果南「あー」

果南「……聞いた?」

梨子「?何がですか?」

果南「あ、いやその……」



7: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:53:55.43 ID:lewcACqP.net

……
梨子ちゃんなら、うん
そういう話とかすごーくできそう
できそうだけど……


果南(いや~、やっぱりさっきは……千歌は幼馴染だからなぁ~……!できたけど……)

梨子「……?なんか挙動不審ですね」ジトー

果南「!いや、そのね……?」

果南「な、なんでもないんだけど……」


……
まあいいや
ちょっと冗談っぽく、言ってみよう
真剣に考えるから恥ずかしくなっちゃうんだ
まず気楽に、気楽に
それとなく


果南「……梨子ちゃんってさ」キリッ

梨子「は、はい」ビクッ

果南「生きる意味って……なんだと思う?」キリッ

梨子「へぇ?」



9: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 01:56:50.64 ID:lewcACqP.net

梨子「……」


あれ?


梨子「ん~」


あれあれ
なんか……


梨子「生きる意味、ですか……」ムムム


果南(結構考え込んでるなぁ~……っ!)

梨子「……ふふふ」クスクス

果南「!?」

果南「な、なに?」

梨子「いや、果南さんもそういうこと、やっぱ考えるのかなぁ~っ、て」クスクス

果南「や、やっぱってなにさー」

梨子「そういう年頃じゃないですか、私たち」

果南「え、そうなの?」

梨子「はい」

梨子「……そうですね~、その手のことは、私も人並みに考えたことはあると思うんですけど……」



10: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:00:40.84 ID:lewcACqP.net

なんだか気はずかしい
やっぱり気はずかしい
そういう年頃って……思春期ってことかな

これが?これが思春期……
……
鞠莉やダイヤも、なんかそんなようなこと、考えたことあったりしたのかな


梨子「まあ、あれですね」

果南「!ん」

梨子「私はピアノでしたね」

果南「……ピアノ?」

梨子「はい」

梨子「ピアノ『でした』」

果南「……今は?」

梨子「Aqoursです」

果南「え……」

果南「じゃ、じゃあ」

果南「いつまでもAqoursやってる訳じゃないよね?その先は?」

梨子「そうですねー、それはその時また見つけます」

果南「……」


なんだか呆然としてしまった
それでいいのか……


梨子「あ、ていうかトイレしたくなってきちゃった。私ちょっと行きますね」トテテテ


果南「う~む……」



11: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:04:28.29 ID:lewcACqP.net

生きる意味が『今打ち込んでること』でいいなら
私も今の生きる意味はAqours、ってことでいいのかな
それでAqoursが終わったら、その都度探せばいいと……

つまり梨子の言ったことはそういうこと

……で、いいんだよね?

……

釈然としない!
確かにAqoursは楽しい
スクールアイドルやってて良かった
でも
それをこう……なんかこう……生きる意味とかとこう……結び付けていいものなのかな……って

……ダイビング?
私の他に力を入れてることと言ったらダイビング?
ダイビングは『生きる意味』になるのかな



12: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:08:16.02 ID:lewcACqP.net

でもそれって


曜「あ、果南ちゃん!」

果南「!曜」

曜「どしたの。廊下で壁にもたれかかって」

果南「いや~、ちょっとね」

曜「さっき梨子ちゃんと話してたよね。もう部室行くの?」

果南「あ、うん。さっき千歌とそこの空き教室で朝ご飯食べててさ」

曜「日曜の朝から皆集まって偉いよね~!今日も頑張ろうね~!」グググ


曜は伸びをしながら今日も元気そうに生きている
……そういえば、曜もスポーツに打ち込んでるっけ
私と同じだ


果南「ねえ曜」

曜「んー?」

果南「曜にとって高飛び込みとは?」

曜「ええっ?インタビュー!?」



13: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:11:29.32 ID:lewcACqP.net

果南「趣味?」

曜「趣味……うーん」

曜「てかなんで急に……」

果南「まあまあ、なんとなく聞きたいなって」

曜「そんなこと考えたこともなかったなあ……」ムムム

曜「……」ムムム

曜「まあ、強いて言うなら」

曜「生きがい?かな?」

果南「!あー!」

曜「わっ、なになに?」

果南「なるほど!」ポン

曜「……???変なの」

曜「果南ちゃん、私先に部室行ってるよー?」

果南「うんうん。分かったよ。後でねー」


分かった分かった
どうしてダイビングが、私の『生きる意味』だとしたら
なんとなくそれに違和感があるかが



14: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:14:36.07 ID:lewcACqP.net

曜と同じなんだ
ダイビングは私にとって『生きがい』
まあ、『やりがい』って言ってもいいかもしれないけど
とにかく、『生きる意味』じゃないんだ

『生きる意味』と『生きがい』
これは似てるようで違う
……違うんだと思う
どこがどう違うかは分からないけどとにかく、違うのは分かる

さっき梨子が言ってたことも、あれは『生きがい』なんだ
でも梨子がそれを『生きる意味』って言ってたのは、それは梨子にとって『生きがい』を持つことこそが『生きる意味』で

そのところに、引っ掛かってたんだ


果南「……」

果南「難しいことを考えすぎた……」

果南「頭使ったら甘いもの食べたいなあ」



15: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:19:09.32 ID:lewcACqP.net

ガララ


果南「あ、やっぱりー!」

ルビィ「ピギッ!?」

花丸「あ、果南ちゃん」モグモグ

善子「うわぁ!急に扉開けないでよ!びっくりするじゃない!」

果南「やっぱり甘いもの食べてたー!1年生組は練習の前おやつパーティしてるの知ってるんだからね」フフン

善子「な、なによ!いいじゃない!身体使う前には糖分が必要なのよっ」

花丸「あ、もしかしてたかりに来たずらー?」

果南「せいかーい!なんかちょうだいよー」

ルビィ「あ、じゃあこのクッキーとか美味しいよ……?」

果南「お、ありがとルビィ。いただきまーす」モグモグ

果南「んー、美味しい!」モグモグ

果南「~♪」モグモグ

果南「……」モグモグ

果南「あ」

善子「ん?」

果南「あ あ あ」

善子「え、なに怖い怖い」

果南「いやダメじゃん!」バンッ

ルビィ「ピギィ!(最大出力)」

果南「結局生きる意味が何なのかはよく分かってないままだよ!」



17: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:22:39.79 ID:lewcACqP.net

善子「……」キョトン

果南「何を解決した気でいたんだろ~!私!」

花丸「とりあえず机バァン!ってして散らかったそこのお菓子片付けるずら」

果南「あ はい」


サッサッ


果南「んで……」

果南「私実は今生きる意味を模索しててね!」

善子「はあ?」

ルビィ「生きる……意味?」



普通にもう言っちゃった

まあもういいか……
どうせ他の人にも聞いたんだし
この3人にも聞いちゃえ



18: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:28:55.90 ID:lewcACqP.net

善子「クックックッ……」

善子「そんなの決まっているでしょう?」



善子、なんかふざけそうな雰囲気!


善子「天界に生を受け白き翼が黒に染まった存在であるこの堕天使ヨハネ!生きる意味などとうに見失っているわ!しかし元よりそんなものは人間を、人生を超越した存在であるこの私には

果南「いや、やっぱりいい。シャラップ」

善子「なんでよ!!」


やっぱりふざけたなこいつ


花丸「生きる意味……それは弘法大師空海によれば……いや、そもそも仏教の世界において人生、生きることとは苦であり、その煩悩にまみれた人生を繰り返す輪廻転生から解脱することこそが仏の本願であるから……生きることに意味を見出すのは仏教、それもあらゆる宗派において有り得ないことで……

果南「いや、マルもやっぱりいい。シャラップ」

花丸「なんでずら!?」


宗教的な話は求めてないんだ……



19: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:33:22.65 ID:lewcACqP.net

ルビィ「あ、あのぅ……」

果南「!ルビィ」

ルビィ「ルビィ、難しいことはよく分かんないんですけど……」

果南「私もだよ」

ルビィ「そういうなんか難しい話は、お姉ちゃんとかに聞くのが早いと思います……」

果南「!」


う~ん……
確かに、ダイヤは教養がある
こういう、なんか形のない問い?みたい?なことにも、それなりの考えを持ってるんだろうなあ


果南「でも……」

ルビィ「?」


それ聞くの、恥ずかしいんだよなあ
特に同い年には


果南「ちなみにさあ」

ルビィ「はい」

果南「ルビィは?ルビィの生きる意味ってなに?」

ルビィ「えっ」



20: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:37:22.49 ID:lewcACqP.net

ルビィ「う~……ゆ……」


考えてる
腕組んで
似合わない難しい顔して


花丸「ルビィちゃん真剣ずら」

善子「ね。似合わない難しい顔しちゃって」

ルビィ「……ルビィは」

果南「うんうん」

ルビィ「美味しいもの食べること!」

果南「……」


なんだそりゃって思ったけど
それをなんだそりゃって言えるほど私は答えを持っていなかったから
あと、ルビィが屈託のない、それ以外ないって感じの笑顔で言うから

一概にそれを、くだらないなんて
一瞬思ったけど、思うべきじゃないんだと思った


善子「なんだそりゃ……くだらない……」



21: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:42:41.10 ID:lewcACqP.net

果南「それじゃ、邪魔したねー」

善子「あーい」

ルビィ「もう少しで練習行くってお姉ちゃんにも言っといて下さい!」

花丸「おいしいずら~」モグモグ


ガララ


結局答えは出なかったなあ

なんで私はこんなに生きる意味を探したがってるんだろう

でも、昨日読んだ本のせいなんだけど
本当はそれだけじゃなくて
今までずっと、そういうことは考えたかったのかもしれない

し、考えるべきだったのかもしれない
ただ私はいつも運動とかしてたし、それに加えてスクールアイドルも始めたから
頭はいつも『今』のことで精一杯だった

昨日のふとした気まぐれの時間に、脳の奥で眠ってた片付けなきゃいけない議題が
一気に湧き上がってきて
それが今日ずーっと頭の中に満たされてる

だってそうじゃない?
私は多分これから先、高校を卒業して
家業を継いで、ダイビングで食べていって
そうやって毎日毎日暮らして
結婚とかするのかもしれないけど

それって何のため?

最後は死んじゃうのに
人間は、何のために生きるんだろう
答えを出さなきゃダメじゃないかなあ



23: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:45:37.34 ID:lewcACqP.net

鞠莉「んで後ろからドーン!」


!?


果南「!?」

果南「鞠莉!」

鞠莉「えへへー、果南おはよ」

ダイヤ「おはようございます、果南さん」

果南「あ、二人ともおはよ……」

ダイヤ「今部室に向かうところで?」

果南「ああ、うん……」

鞠莉「皆早いねー、私達は今来たとこなのに」

ダイヤ「ちょっと、一緒にしないでくれます!?私はもっと早くに来て生徒会室で業務をやっていたのです!」

果南「あっ、あのさ!」

鞠莉「ん?」

ダイヤ「?」



24: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:47:40.67 ID:lewcACqP.net

言っちゃおっかな

……

言っちゃおっかな~……?

……

後で恥ずかしくなんないかな~

……

でもまあ……

二人なら……


果南「まあ、いっか」

鞠莉「なにが?」

果南「あのさ、二人とも」

ダイヤ「はい?」

果南「生きる意味ってさ……なんだと思う?」



25: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:50:02.60 ID:lewcACqP.net

ダイヤ「……」

鞠莉「」キョトン

果南「……」ドッドッドッ

鞠莉「……」

鞠莉「うわはははははははwwwwww」

果南「ちょ、ちょっと鞠莉ー!」

ダイヤ「……ふっ」プルプル

果南「え、ダイヤも笑ってない……?」

ダイヤ「いえ……まあ……その……」プルプル

鞠莉「だってどうしたの急にー!wwwww」

果南「み、皆それ言うね……」プイッ

鞠莉「ごめんごめんwあ、皆に聞いたんだ?w」

果南「まあ……」



26: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:53:11.33 ID:lewcACqP.net

鞠莉「フゥ……フッw……ん゛っ、んん゛っ!!Sorry Sorry?別にバカにするつもりはないのよ?」

果南「……」ジトー

ダイヤ「まあそういうこと、大体の人は考えるものですわ。特に私達ぐらいの年だと」

果南「それも梨子が言ってた……」ブスッ

鞠莉「ただまあ、果南もそういうこと考えてたっていうのはまあ……なんというか、意外というか?ねぇ?ダイヤ」

ダイヤ「まあそうですわね。それでつい……笑ってしまったのですわ」

果南「ふんだ。なーんかバカにされてる気がする」

鞠莉「してないよー」クスクス

果南「……」

果南「……で?」

鞠莉「ん?」

果南「鞠莉達は?どう思うのさ?」



27: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 02:56:58.94 ID:lewcACqP.net

鞠莉「んー、そだねー」

鞠莉「ま。なんというか一言で言うと」

鞠莉「ないかなあ、そんなもの」

果南「ない!?」

鞠莉「正確に言うと結論を出す気がない」

果南「それは鞠莉自身が?」

鞠莉「そ」

鞠莉「今考えたって出るわけないわよ、そんなこと」

鞠莉「たかだか17,8年生きてきただけの私達なんかが」

果南「……」

鞠莉「でもね」

鞠莉「考え続けることはムダじゃないと思うよ、それ」

鞠莉「いつかはひょっとしたら結論が出るのかもしれない……でもね」

鞠莉「もしかしたら、それを考え続けることが、生きる意味そのものなのかもね」

果南「……」

果南「ダイヤは?」

果南「ダイヤの考えを聞きたい」



28: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:00:16.96 ID:lewcACqP.net

ダイヤ「私は残念ながら鞠莉さんとは違う考えですわね」

鞠莉「あら、そうなの?」

ダイヤ「私は生きる意味とは、つまり自分を探すことだと思います」

果南「自分を……?」

ダイヤ「自分らしさとは何か、本当の自分とは何かとはよく言ったものですが」

ダイヤ「他人よりも自分の方が、ずっと見えづらく、分かりにくいものです」

ダイヤ「人生は……まあおおよそ80年、くらいでしょうか。その時間が長いのか短いのかは分かりませんが」

ダイヤ「ともかくその限られた時間の中で、この世にたった一人の自分を探す」

ダイヤ「本当の自分を知ることが、生きる意味なのではないかと思いますわね」

果南「……」

果南「凄いなあ……」



29: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:04:14.31 ID:lewcACqP.net

果南「二人ともいつそんなこと考えてたの……?」

鞠莉「いつって……まあ」

ダイヤ「まあ……」

鞠莉「いつだろね」

ダイヤ「いつなんでしょう」

果南「……」

果南「私……なんか自分が思ってたよりずっと適当に生きてたのかもしれない」

果南「二人とスクールアイドルやって、ダイビングして、それでなんか生きてきた」

鞠莉「そんなことはないと思うよ」

果南「え?」

鞠莉「私もダイヤも偉そうなこと言ったけど、結局考えてたことが正しいかなんて分からないもの」

鞠莉「こんなこと、考えるだけ時間のムダ……っていうのは言い過ぎかもしれないけど」

鞠莉「果南は楽しく生きてきたんでしょ?ならそれでいいじゃない」

ダイヤ「こういう話題は暇のある時にたまに考えればそれでいいのですわ」

鞠莉「今みたいにね」

果南「……」


そっか



30: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:06:57.44 ID:lewcACqP.net

それでいいんだ

なんか、私
途中から深く考えすぎてた

生きる意味って考え出したら
それについて皆に聞き出したら

なんか皆、色々考えてるんだなって思って
私だけ、何も考えれてないのかなって思って

でも

千歌も曜も梨子も善子も花丸もルビィも鞠莉もダイヤも
そして、私も

それぞれがそれぞれ、とりあえず生きて、何かを考えながら、今を良いものにしようとしてるんだ

とりあえず生きて、生きて、生きているんだ



31: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:07:56.09 ID:lewcACqP.net

ガララッ


果南「千歌!」

千歌「あ、果南ちゃんやっと来たー」

果南「人間っていうのはね!生きてるから生きてるんだよ!」

千歌「それ朝私言ったやつ!」



32: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:09:25.22 ID:lewcACqP.net

その日、海に潜った

魚達はいつものように泳いでいた

この魚達は、生きる意味を考えたことはあるのだろうか

きっとないだろう

それでもとりあえず生きている魚は、群れを作って泳いでいて、それはいつものようにとても綺麗だった

だからダイビングはやめられない

私は明日も海に潜るし、スクールアイドルをする

それでいいんじゃないのかなん



33: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:09:47.55 ID:lewcACqP.net

おしまい



34: 名無しで叶える物語 2019/06/09(日) 03:11:26.17 ID:lewcACqP.net

書きながら展開考えてたのでとりあえず丸く収まってマジでよかったです
HAPPY PARTY TRAINで果南ちゃんが物思いに耽ってるとこ可愛いと思います
ちなみに私の生きる意味はストロングゼロを飲むことです


元スレ
果南「生きる意味ってさあ、なんだろね」