1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 20:33:46.19 ID:IAQzbH8y0
櫻子「おーい 向日葵! 遊びにきてあげたぞ!」
向日葵「はぁ…朝から無駄に元気ですわね 遊んであげるのはこっちですわ」
櫻子「ぶー ね!冬服買いに行かない?」
向日葵「え…今頃? ちょうどお店には並んでいる時期ではありますけど…普通10月が11月には…」
櫻子「仕方ないじゃん、私お小遣い少ないんだもん ようやく1まんえん貯まったから向日葵と行こうと思ったのに…」
向日葵「そ、そう いいですわよ、少し待ってて したくしますわ」
櫻子「やったー! …って向日葵と買い物に行けることが嬉しいわけじゃないからな!」
向日葵「はいはい、そのくらいわかってますわ」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 20:37:30.01 ID:IAQzbH8y0
櫻子「どんなのにしよっかなぁ」
向日葵「決めてないんですの? まぁ、私も普通は実際にお店で見てから選びますけど」
櫻子「そっかぁ 向日葵は買う?」
向日葵「私はもう何枚か買ってありますし… むしろ楓に何枚か買っていってあげようかと」
櫻子「ふーん… そっか」
向日葵「…?」
櫻子「…寒いね 鼻が痛い」
向日葵「マフラーくらい捲いてきなさいよ… あげたでしょう?」
櫻子「あ、ああ… あのさ、あれ…」
向日葵「まさか無くしたとか…いいませんわよね…?」
櫻子「大事にしまってあるよ せっかくくれたから」
向日葵「えっ…そ、そう…」
-商店街-
櫻子「うーん 中学生の服ってやっぱりまだ質より量?」
向日葵「人によって違うと思いますけど… 私はそれなりのものを何枚か買いますわ」
櫻子「なるほど 私もそうしよ」
向日葵「1万円だと… 2000円くらいのを4~5枚買えばいいと思いますわ」
櫻子「あ、ねーねー!あの店いい感じ!」
向日葵「私もあそこで買いましたわ 気になるなら見るだけ見てみましょう」
櫻子「みるー!」
-いい感じの店-
櫻子「おぉー!」
向日葵「ちょっと、入り口で止まったら迷惑ですわ…」
櫻子「向日葵が来てたやつがある!」
向日葵「ああ… 入ってすぐに気に入ったものですから」
櫻子「うーん… 私もこのクリーム色の方気にったかも」
向日葵「え… ま、まぁ…ほしいなら買えば…?」
櫻子「うん、決めた」
向日葵「はやっ 私と同じ日に着るのはやめてよ? ペアに見られたら嫌ですから」
櫻子「えっ いやなんだ…」
向日葵「…あ、いえ 別に嫌でもないんですけど… もしかしてペアルックにしたいの…?」
櫻子「うーん… いやさぁ、どっか遊び行ったときに迷うときあるじゃん? 迷ったら、私と同じ服着てる子みませんでしたか?って聞けばすぐ見つかる」ドヤァ
向日葵「そんな理由で… す、好きにしなさいよ」プイ
櫻子「あれ? 怒った…?」
向日葵「…まさか、1つ目のお店で既に3枚も買うとは…」
櫻子「気に入っちゃったんだから仕方ないじゃん」
向日葵「まあいいですけど あといくらあるの?」
櫻子「えーっと 5500えん」
向日葵「なるほど、結構安く済ませましたわね お昼ご飯食べても大丈夫? お腹がすいてしまいましたわ」
櫻子「だいじょぶ あ、でも高いところは無理」
向日葵「私もそんなに持ってないからファミレスにしましょう」
櫻子「いいよ」
向日葵「では行きますわよ
-ファミレス-
向日葵「私は決まったけど 櫻子は?」
櫻子「もちろん決まったよ 和風ハンバーグ」
向日葵「そう、じゃあ呼びま…」
櫻子「私がおすー」ピンポーン
向日葵「…気に入ったの? 和風ハンバーグ」
櫻子「別に? 向日葵がこの前おいしそうに食べてたから気になった」
「お待たせしました ご注文をどうぞ」
櫻子「和風ハンバーグセット1つ!」
向日葵「私はランチの2番 以上でお願いします」
櫻子「えっ」
「かしこまりました 和風ハンバーグセットがお1つ、ランチの2番がお1つでよろしいでしょうか?」
向日葵「はい」
「では、少々お待ち下さい ごゆっくりどうぞ」
櫻子「ねーねー 和風ハンバーグじゃないの?」
向日葵「この前食べましたし…」
櫻子「…そ、そっか…」
向日葵「そうそう あなた赤座さんにいろいろ貰ってるみたいだけど ちゃんと返してる?」
櫻子「え? なんのこと?」
向日葵「割り箸もらったり、制服のボタンつけてもらったり… 友達だとしても何か返さないと失礼ですわよ」
櫻子「私はこの溢れ出る愛情をあかりちゃんにあげてるもん」
向日葵「はぁ… あっそう…」
櫻子「向日葵はいいよなー ちなつちゃんにマフラーの作り方教えてるから あげる側だし」
向日葵「なんですの、そのイヤミみたいな言い方は」
櫻子「別に? 向日葵もいつもイチイチイヤミっぽいよ 気づいてる?」
向日葵「なっ… 私はあなたのことを思って言ってあげてるのに…」イラッ
「お待たせしました 2番ランチになります」
向日葵「あ…ど、どうも…」
櫻子「……食べれば」
向日葵「……待ってますわ」
「お待たせしました 和風ハンバーグセットになります ご注文は以上でおそろいですか?」
櫻子「はい、来ましたぁー」
向日葵「では食べましょう… いただきます」
櫻子「…いただきます」
向日葵「……」モグモグ
櫻子「……」モグモグ
向日葵「……」モグモグ
櫻子「しゃべれよっ!」
向日葵「ぶふっ」
櫻子「うわっ汚い」
向日葵「あ、あなたがとある番組の真似するから…」
櫻子「…? なんのことだよ…」
向日葵「なんでもありませんわ… 早く食べますわよ」
向日葵(まずいですわ 喋り出すタイミングがつかめない)
櫻子「ねね、ピーマン食べてあげるよ」
向日葵「え…? あ、そ、そう…? じゃあ、はい…」サッ
櫻子「うん」モグモグ
向日葵「櫻子もニンジンありますわよ」
櫻子「うん、たべてー」サッ
向日葵「はい」モグモグ
櫻子「……ね、私と遊んでてもつまんない?」
向日葵「え? なんでですの?」
櫻子「さっきから喋んないもん…」
向日葵「今日はたまたまですわよ… いつもは喋ってるでしょう」
櫻子「機嫌悪いのかと思った」
向日葵(…? いつもはそんなこと気にしないのに…)
向日葵「次はどこに行きますの?」
櫻子「向日葵は行きたいところないの?」
向日葵「私は別に… 今日は櫻子に付き合ってるだけですから」
櫻子「うーん そっか… 私は服は満足しちゃったから向日葵が他に行きたいところがあればなーって」
向日葵「本屋とか?」
櫻子「本屋いきたいの? 何買うの?」
向日葵「いいでしょう、なんでも…」
櫻子「ぶー 気になるし」
向日葵「……」
向日葵(今日は妙に突っかかりますわね…)
櫻子「あっ 機嫌悪くなった…? ごめん、ごめん」
向日葵「さっきから櫻子らしくないですわ どうしたの…?」
櫻子「…あ、いや… なんかよーく考えたら私ってワガママばかり言ってるかなーって 今日の朝、いきなり思った」
向日葵「今更…」
櫻子「あっやっぱり! ごめんってば」
向日葵「ですから、別に怒ってはいませんから…」
-本屋-
櫻子「何買うの?」
向日葵「……」
櫻子「あっ わ、私ちょっと漫画でもみてこよっかな えへへ」
向日葵「えっ ちょ、ちょっと」
向日葵(素直に言えばよかったかしら… こんな空気が読める子、櫻子じゃありませんわ…)」
向日葵「えーと… 手袋の編み方… ありましたわ」
向日葵(櫻子の手袋、切れてましたし… でも教えたら何かと…)
櫻子「……」チラッチラッ
向日葵「…はぁ、別に来てもいいですから…」
櫻子「あ…そう?」
向日葵(やりづらい)
櫻子「手袋の編み方…?」
向日葵「ええ どこかの誰かの手袋が切れてたものですから」
櫻子「あーわかった 歳納先輩でしょ 私と一緒でアクティブだから」
向日葵「そう来ます…?」ガクッ
櫻子「ん? でもさ、この本800円もしてるよ 手袋買った方が早くない?」
向日葵「手づくりの方が、あげた感ともらった感がありません?」
櫻子「それは分かるけどさ 向日葵の手袋を先輩が使うのはなんかいや」
向日葵「いえ、これは先輩にあげるのではなくて…」
櫻子「あっでも 向日葵がどうしてもっていうなら…」
向日葵「ですからこれは」
櫻子「ご、ごめんね 邪魔しちゃって… うん、きっと先輩も喜ぶ! よろこぶ…」
向日葵「ですから!これはあなたにあげる手袋を作るために買うんですの!」
櫻子「!」
向日葵「あっ…」
櫻子「私の手袋きれてないよ?」
向日葵「…見なさいよ ここ、ほら 少し切れちゃってるから使ってる間にほつれてボロボロになりますわよ」
櫻子「あっ!ホントだ!」
向日葵「はあ、自分が使ってるものくらい把握しなさい」
櫻子「でも向日葵よく気付いたね 私も気づかなかったのに」
向日葵「えっ…いえその、それは」
櫻子「あーさては勝手に使ったな? いいけどさ!」
向日葵(変なところで空気は読めないんですのね…さすがというか…)
櫻子「じゃあ私に作ってくれるんだ」
向日葵「え、ええ まぁ…」
櫻子「……」キリッ
櫻子(なら私もなんかあげないと…)
向日葵「ど、どうしたんですの 急に真面目な顔をして」
櫻子「いつもは真面目じゃないみたいな言い方だね」
向日葵「そうでしょう」
櫻子「ぶー あのさ、もっかいさっきの服屋さんいこう」
向日葵「あのいい感じのお店ですの?」
櫻子「そうそう」
向日葵「いいですけど… 確かに私も一度見たものを思い出して急に欲しくなることとかありますし」
-いい感じの店-
向日葵「店員さんが「また来た…」みたいな顔してますわ 早くしてよ…?」
櫻子「うん、すぐおわるからそこで待ってて」
向日葵「まったく…」
櫻子「確か向日葵は夜、パジャマ一枚でいたはず…」
櫻子(なんかあったかいやつないかな ちゃんちゃんこ?)
櫻子「どてらって確か服じゃないから置いてないよね…」
櫻子「あ、あったし… 結構やすい! かったげよう!」
向日葵「…終わりましたの?」
櫻子「かえたよー!」
向日葵「随分と大きい袋ですわね どのくらいかったの…?」
櫻子「1つだけだよ?」
向日葵「へ、へえ…」
向日葵(何を買ったのかしら)
櫻子「んじゃまぁ帰ろっか 夕方もっと寒くなるし」
向日葵「そうですわね」
櫻子「帰ったら暇だから向日葵んちいくー」
向日葵「どうぞ 私は手袋編み始めるから邪魔しないでよ…?」
櫻子「私の作ってくれるのに邪魔しないって」
向日葵「…そ、そう」
向日葵(また空気よんだ…?)
-古谷家-
向日葵「楓、帰りましたわ ただいま」
楓「おかえりなさい 櫻子おねえちゃんもなの」
櫻子「うん、ただいま」
向日葵「あなたの家じゃないですけど…」
櫻子「あ、やべ 先に荷物置いてきちゃうよ 邪魔だし」
向日葵「分かりました 部屋にいますから、勝手に入ってきて構いませんわ」
櫻子「うぃー」
櫻子(どてらは持った…!よしっ)ガチャ
向日葵「そこ、毛糸あるから蹴らないでよ…?」
櫻子「あ、うん 早いね もう始めてるんだ」
向日葵「早く作らないと早く使えないでしょう? 冬が終わってしまいますわ」
櫻子「また使えばいいじゃん… サザエさんなんだから」
向日葵「…?」
櫻子「あ、そうそう! ちょっと早いんだけど手袋のお返しにこれ、あげる」サッ
向日葵「さっきの大きい袋… まさか、私に?」
櫻子「うん… あ、あんまりこういうの使いたくないかもしれないけど… えへへ」
向日葵「…あけても?」
櫻子「おっけ」
向日葵「では、失礼しますわ」ガサゴソ
向日葵(これは…布団? いえ、でも服の形…)
櫻子「む、難しい顔しないでよ どてらって言うんだよ」
向日葵「ああ…聞いたことはありますわ 実物を見るのは初めてだけど」
櫻子「向日葵、夜寒そうだから… よかったら寝るまで着てよ 嫌だったら使わなくていいから」
向日葵「いえ、嫌じゃありませんわ 使います あ、ありがとう…」
向日葵(この子なりの気遣いですわよね… ふふ)
櫻子「うんうん! 向日葵に風邪ひかれたら私… 困るからね…」
向日葵「え…」ドキッ
櫻子「テスト勉強教えてもらえないし ノート写させてもらえないし」
向日葵「う…… はあ、やっぱりそうですわよね…」ボソッ
櫻子「?」
向日葵「うとうと……… あっ! そろそろ夕飯の時間ですわ…」
櫻子「すげ、結構すすんだ?」
向日葵「ってあなたずっと見てたんですの!? …む、無言でごめんなさい…」
櫻子「ううん 頑張ってたから ちょっかい出すのやめた」
向日葵「こういう本みたいなマニュアルがあれば、誰でもできますわ…」
向日葵(やっぱりどこか空気読みますわね…)
櫻子「いやぁ…無理だよ ごめんね、私は買ったもので」
向日葵「い、いえ こういうものは気持ちの問題かと」
櫻子「うーん じゃあ気持ちは込めた 向日葵にぃ、プレゼントぉ…」
向日葵「それは気持ちというより、気合ですわ…」
櫻子「夕飯つくんないの? 楓もお腹へったんじゃない?」
向日葵「ええ、ちょっと今は中断するわけに行きませんから… 離したら崩れますわ」
櫻子「そっか…ふむふむ」スタスタ
向日葵「…ああ櫻子、ちょっとそこの輪を… って櫻子?」
向日葵「あら… いませんわね 櫻子ー?」
櫻子「なんだよー 今ご飯作ってるー」
向日葵「キッチンから…? あの子、料理なんて…」
櫻子「まかせとけー おいしいよー」
向日葵(不安ですわ)
向日葵「こうしてっと…よし、結んでおけば崩れませんわね」
向日葵「櫻子の様子を見ないと 何をしてるか分かりませんわ」
櫻子「よーし できた! 麻婆豆腐! と、おにぎり」
向日葵「…あら…? 予想を遥かに跳ね退けて綺麗な麻婆豆腐ですわね…?」
櫻子「いやー さっきの言葉を頼りにこれの裏見ながらやったら作れたよー!」
向日葵「普通、箱の裏って見てからやるものだけど…」
櫻子「まあいいじゃん! 食べて食べてー」
向日葵「なんとも不思議な組み合わせですけど いただきますわ 楓、櫻子がご飯作ってくれましたわ?」
楓「櫻子おねえちゃんのご飯?」オソルオソル
櫻子「そんなやばそうなもの食べるような動きとらないでほしいんだけど」
向日葵「やばい可能性は否定できませんから 楓は正しいですわ」
櫻子「が~ん」
向日葵「お、おいしい…」
楓「おいしいの」ニコッ
櫻子「だろ!? 豆腐は手で崩すって帽子が長いおじさんが言ってた」
向日葵(料理番組か何かかしら)
櫻子「あといつものおにぎり おかか好きなわりに鰹節ないんだもん 梅干しだよ!」
向日葵「え、ええ 今回は塩多すぎなんてことは」パクッ
櫻子「…」グーッ
向日葵「…? ちょうどいいですわ… 奇跡としか」
櫻子「いや、奇跡って…」グーッ
向日葵「…お腹すいてるなら食べたら?」
櫻子「2人の分しか作ってない 今日ねーちゃんが当番だから私は帰って食べようかなって」
向日葵「そう では全部いただきますわ」
櫻子「おにぎり5個食べちゃう向日葵さすが」
向日葵「楓が2個食べますわよ…」
櫻子「でも3個だね」
向日葵「……くっ」
櫻子「…さむ、そろそろ戻ろうかな」
向日葵「寒いかしら…? ストーブつけてますけど…」
櫻子「わかんね… 手が震える」
向日葵「…あなた、豆腐を手で崩したから冷えてるんじゃ…」
櫻子「そうかも やべ、さむい」
向日葵「はあ… しかたないですわね 手、かして」
櫻子「…?」サッ
向日葵「はい」ギュッ
櫻子「おおう あったかい」
向日葵「はーっ… どう? マシになりました?」
櫻子「…ありがと」
向日葵「いえ 櫻子も…ご飯、ありがとう…」
櫻子「…う、うん…」
櫻子「ん、じゃあね… 手袋楽しみにしとく」
向日葵「ええ ってそんなにすぐにはできませんわ… 」
櫻子「また明日もくるよ 完成を楽しみにして」
向日葵「だからそんなにすぐにはできませんわ 来るのはいいけど…」
櫻子「ほいよ じゃね!」
向日葵「さて、どてら?に夕飯まで櫻子が用意してくれたんですし 頑張らないと」
向日葵「頑張れば片方くらいは行けるかしら…?」
向日葵「…ページ数的に厳しいですわよね…」
向日葵「ううん、進めるだけ進めないとダメですわ」
-後日-
櫻子「ふんふ~ん… おーい向日葵!遊びにきたぞー」ガチャ
向日葵「あ、ああ… もうそんな時間ですの」
櫻子「うぉぁっ も、もしかして寝てないのか…?」
向日葵「ええ… 進めよう進めようってやっていたらいつの間にか朝に」
櫻子「ば、バカじゃないの? それで向日葵が身体壊したら意味ないじゃん…」
向日葵「…だ、だって あなたが楽しみだって言うから…」
櫻子「い、いいよいつでも 寝なよ…」
向日葵「すみません ではちょっと… 横になりますわ…」
櫻子「仕方ない、寝るまでいてやろう!」
向日葵「子供じゃないんだから…」
向日葵(布団が冷たすぎて眠れる気がしませんわ)ゴロゴロ
櫻子「ん? どしたの」
向日葵「いえ、ちょっと布団が冷たくて…」
櫻子「どてら着てやらないからだよー!」
向日葵「今着てますわ」
櫻子「いや、逆に布団の中で着るのはおかしい!」
向日葵「…眠いのに眠れない…」
櫻子「しゃーないな! あっためてあげよう」
向日葵「…はいはい… …え!?」
櫻子「昨日の手のお返しだ ほれ、私の熱をやろう」ガサゴソ
向日葵「ちょっ せ、狭いから入らないでよ」
櫻子「いいじゃん」
向日葵「……///」
櫻子「…あのさぁ ホントに手袋、いつでもいいから」
向日葵「いえ、言ったからには早く作って早くあげないと 私の気持ちの問題ですわ」
櫻子「ホントにいいから それで向日葵が不健康なことしてる方がやだから」
向日葵「……そう…」
櫻子「ほら、ねころーりーよー」
向日葵「歌われなくても寝ますわ でもあなたが横にいるのに眠れると思います…?」
櫻子「むぅ じゃあ出るよー」ガサゴソ
向日葵「…あ、ありがと 暖かくなりましたわ」
櫻子「えへへ」
向日葵「…すぅ すぅ」
櫻子「寝たかぁ…」
櫻子「向日葵、たまに無理するからな…」
櫻子「私が見ててあげないとな」
櫻子「向日葵は、私の面倒を見てるって感じてるかもしれないけど」
櫻子「私も、向日葵のこと見てるからな」
おわり
元スレ
櫻子「どんなのにしよっかなぁ」
向日葵「決めてないんですの? まぁ、私も普通は実際にお店で見てから選びますけど」
櫻子「そっかぁ 向日葵は買う?」
向日葵「私はもう何枚か買ってありますし… むしろ楓に何枚か買っていってあげようかと」
櫻子「ふーん… そっか」
向日葵「…?」
櫻子「…寒いね 鼻が痛い」
向日葵「マフラーくらい捲いてきなさいよ… あげたでしょう?」
櫻子「あ、ああ… あのさ、あれ…」
向日葵「まさか無くしたとか…いいませんわよね…?」
櫻子「大事にしまってあるよ せっかくくれたから」
向日葵「えっ…そ、そう…」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 20:40:11.50 ID:IAQzbH8y0
-商店街-
櫻子「うーん 中学生の服ってやっぱりまだ質より量?」
向日葵「人によって違うと思いますけど… 私はそれなりのものを何枚か買いますわ」
櫻子「なるほど 私もそうしよ」
向日葵「1万円だと… 2000円くらいのを4~5枚買えばいいと思いますわ」
櫻子「あ、ねーねー!あの店いい感じ!」
向日葵「私もあそこで買いましたわ 気になるなら見るだけ見てみましょう」
櫻子「みるー!」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 20:45:44.68 ID:IAQzbH8y0
-いい感じの店-
櫻子「おぉー!」
向日葵「ちょっと、入り口で止まったら迷惑ですわ…」
櫻子「向日葵が来てたやつがある!」
向日葵「ああ… 入ってすぐに気に入ったものですから」
櫻子「うーん… 私もこのクリーム色の方気にったかも」
向日葵「え… ま、まぁ…ほしいなら買えば…?」
櫻子「うん、決めた」
向日葵「はやっ 私と同じ日に着るのはやめてよ? ペアに見られたら嫌ですから」
櫻子「えっ いやなんだ…」
向日葵「…あ、いえ 別に嫌でもないんですけど… もしかしてペアルックにしたいの…?」
櫻子「うーん… いやさぁ、どっか遊び行ったときに迷うときあるじゃん? 迷ったら、私と同じ服着てる子みませんでしたか?って聞けばすぐ見つかる」ドヤァ
向日葵「そんな理由で… す、好きにしなさいよ」プイ
櫻子「あれ? 怒った…?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 20:50:50.94 ID:IAQzbH8y0
向日葵「…まさか、1つ目のお店で既に3枚も買うとは…」
櫻子「気に入っちゃったんだから仕方ないじゃん」
向日葵「まあいいですけど あといくらあるの?」
櫻子「えーっと 5500えん」
向日葵「なるほど、結構安く済ませましたわね お昼ご飯食べても大丈夫? お腹がすいてしまいましたわ」
櫻子「だいじょぶ あ、でも高いところは無理」
向日葵「私もそんなに持ってないからファミレスにしましょう」
櫻子「いいよ」
向日葵「では行きますわよ
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 20:59:41.36 ID:IAQzbH8y0
-ファミレス-
向日葵「私は決まったけど 櫻子は?」
櫻子「もちろん決まったよ 和風ハンバーグ」
向日葵「そう、じゃあ呼びま…」
櫻子「私がおすー」ピンポーン
向日葵「…気に入ったの? 和風ハンバーグ」
櫻子「別に? 向日葵がこの前おいしそうに食べてたから気になった」
「お待たせしました ご注文をどうぞ」
櫻子「和風ハンバーグセット1つ!」
向日葵「私はランチの2番 以上でお願いします」
櫻子「えっ」
「かしこまりました 和風ハンバーグセットがお1つ、ランチの2番がお1つでよろしいでしょうか?」
向日葵「はい」
「では、少々お待ち下さい ごゆっくりどうぞ」
櫻子「ねーねー 和風ハンバーグじゃないの?」
向日葵「この前食べましたし…」
櫻子「…そ、そっか…」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:05:00.09 ID:IAQzbH8y0
向日葵「そうそう あなた赤座さんにいろいろ貰ってるみたいだけど ちゃんと返してる?」
櫻子「え? なんのこと?」
向日葵「割り箸もらったり、制服のボタンつけてもらったり… 友達だとしても何か返さないと失礼ですわよ」
櫻子「私はこの溢れ出る愛情をあかりちゃんにあげてるもん」
向日葵「はぁ… あっそう…」
櫻子「向日葵はいいよなー ちなつちゃんにマフラーの作り方教えてるから あげる側だし」
向日葵「なんですの、そのイヤミみたいな言い方は」
櫻子「別に? 向日葵もいつもイチイチイヤミっぽいよ 気づいてる?」
向日葵「なっ… 私はあなたのことを思って言ってあげてるのに…」イラッ
「お待たせしました 2番ランチになります」
向日葵「あ…ど、どうも…」
櫻子「……食べれば」
向日葵「……待ってますわ」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:07:46.86 ID:IAQzbH8y0
「お待たせしました 和風ハンバーグセットになります ご注文は以上でおそろいですか?」
櫻子「はい、来ましたぁー」
向日葵「では食べましょう… いただきます」
櫻子「…いただきます」
向日葵「……」モグモグ
櫻子「……」モグモグ
向日葵「……」モグモグ
櫻子「しゃべれよっ!」
向日葵「ぶふっ」
櫻子「うわっ汚い」
向日葵「あ、あなたがとある番組の真似するから…」
櫻子「…? なんのことだよ…」
向日葵「なんでもありませんわ… 早く食べますわよ」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:11:53.72 ID:IAQzbH8y0
向日葵(まずいですわ 喋り出すタイミングがつかめない)
櫻子「ねね、ピーマン食べてあげるよ」
向日葵「え…? あ、そ、そう…? じゃあ、はい…」サッ
櫻子「うん」モグモグ
向日葵「櫻子もニンジンありますわよ」
櫻子「うん、たべてー」サッ
向日葵「はい」モグモグ
櫻子「……ね、私と遊んでてもつまんない?」
向日葵「え? なんでですの?」
櫻子「さっきから喋んないもん…」
向日葵「今日はたまたまですわよ… いつもは喋ってるでしょう」
櫻子「機嫌悪いのかと思った」
向日葵(…? いつもはそんなこと気にしないのに…)
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:17:26.61 ID:IAQzbH8y0
向日葵「次はどこに行きますの?」
櫻子「向日葵は行きたいところないの?」
向日葵「私は別に… 今日は櫻子に付き合ってるだけですから」
櫻子「うーん そっか… 私は服は満足しちゃったから向日葵が他に行きたいところがあればなーって」
向日葵「本屋とか?」
櫻子「本屋いきたいの? 何買うの?」
向日葵「いいでしょう、なんでも…」
櫻子「ぶー 気になるし」
向日葵「……」
向日葵(今日は妙に突っかかりますわね…)
櫻子「あっ 機嫌悪くなった…? ごめん、ごめん」
向日葵「さっきから櫻子らしくないですわ どうしたの…?」
櫻子「…あ、いや… なんかよーく考えたら私ってワガママばかり言ってるかなーって 今日の朝、いきなり思った」
向日葵「今更…」
櫻子「あっやっぱり! ごめんってば」
向日葵「ですから、別に怒ってはいませんから…」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:21:02.39 ID:IAQzbH8y0
-本屋-
櫻子「何買うの?」
向日葵「……」
櫻子「あっ わ、私ちょっと漫画でもみてこよっかな えへへ」
向日葵「えっ ちょ、ちょっと」
向日葵(素直に言えばよかったかしら… こんな空気が読める子、櫻子じゃありませんわ…)」
向日葵「えーと… 手袋の編み方… ありましたわ」
向日葵(櫻子の手袋、切れてましたし… でも教えたら何かと…)
櫻子「……」チラッチラッ
向日葵「…はぁ、別に来てもいいですから…」
櫻子「あ…そう?」
向日葵(やりづらい)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:25:02.22 ID:IAQzbH8y0
櫻子「手袋の編み方…?」
向日葵「ええ どこかの誰かの手袋が切れてたものですから」
櫻子「あーわかった 歳納先輩でしょ 私と一緒でアクティブだから」
向日葵「そう来ます…?」ガクッ
櫻子「ん? でもさ、この本800円もしてるよ 手袋買った方が早くない?」
向日葵「手づくりの方が、あげた感ともらった感がありません?」
櫻子「それは分かるけどさ 向日葵の手袋を先輩が使うのはなんかいや」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:29:33.50 ID:IAQzbH8y0
向日葵「いえ、これは先輩にあげるのではなくて…」
櫻子「あっでも 向日葵がどうしてもっていうなら…」
向日葵「ですからこれは」
櫻子「ご、ごめんね 邪魔しちゃって… うん、きっと先輩も喜ぶ! よろこぶ…」
向日葵「ですから!これはあなたにあげる手袋を作るために買うんですの!」
櫻子「!」
向日葵「あっ…」
櫻子「私の手袋きれてないよ?」
向日葵「…見なさいよ ここ、ほら 少し切れちゃってるから使ってる間にほつれてボロボロになりますわよ」
櫻子「あっ!ホントだ!」
向日葵「はあ、自分が使ってるものくらい把握しなさい」
櫻子「でも向日葵よく気付いたね 私も気づかなかったのに」
向日葵「えっ…いえその、それは」
櫻子「あーさては勝手に使ったな? いいけどさ!」
向日葵(変なところで空気は読めないんですのね…さすがというか…)
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:32:51.56 ID:IAQzbH8y0
櫻子「じゃあ私に作ってくれるんだ」
向日葵「え、ええ まぁ…」
櫻子「……」キリッ
櫻子(なら私もなんかあげないと…)
向日葵「ど、どうしたんですの 急に真面目な顔をして」
櫻子「いつもは真面目じゃないみたいな言い方だね」
向日葵「そうでしょう」
櫻子「ぶー あのさ、もっかいさっきの服屋さんいこう」
向日葵「あのいい感じのお店ですの?」
櫻子「そうそう」
向日葵「いいですけど… 確かに私も一度見たものを思い出して急に欲しくなることとかありますし」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:36:13.92 ID:IAQzbH8y0
-いい感じの店-
向日葵「店員さんが「また来た…」みたいな顔してますわ 早くしてよ…?」
櫻子「うん、すぐおわるからそこで待ってて」
向日葵「まったく…」
櫻子「確か向日葵は夜、パジャマ一枚でいたはず…」
櫻子(なんかあったかいやつないかな ちゃんちゃんこ?)
櫻子「どてらって確か服じゃないから置いてないよね…」
櫻子「あ、あったし… 結構やすい! かったげよう!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:39:12.62 ID:IAQzbH8y0
向日葵「…終わりましたの?」
櫻子「かえたよー!」
向日葵「随分と大きい袋ですわね どのくらいかったの…?」
櫻子「1つだけだよ?」
向日葵「へ、へえ…」
向日葵(何を買ったのかしら)
櫻子「んじゃまぁ帰ろっか 夕方もっと寒くなるし」
向日葵「そうですわね」
櫻子「帰ったら暇だから向日葵んちいくー」
向日葵「どうぞ 私は手袋編み始めるから邪魔しないでよ…?」
櫻子「私の作ってくれるのに邪魔しないって」
向日葵「…そ、そう」
向日葵(また空気よんだ…?)
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:41:55.82 ID:IAQzbH8y0
-古谷家-
向日葵「楓、帰りましたわ ただいま」
楓「おかえりなさい 櫻子おねえちゃんもなの」
櫻子「うん、ただいま」
向日葵「あなたの家じゃないですけど…」
櫻子「あ、やべ 先に荷物置いてきちゃうよ 邪魔だし」
向日葵「分かりました 部屋にいますから、勝手に入ってきて構いませんわ」
櫻子「うぃー」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:44:45.21 ID:IAQzbH8y0
櫻子(どてらは持った…!よしっ)ガチャ
向日葵「そこ、毛糸あるから蹴らないでよ…?」
櫻子「あ、うん 早いね もう始めてるんだ」
向日葵「早く作らないと早く使えないでしょう? 冬が終わってしまいますわ」
櫻子「また使えばいいじゃん… サザエさんなんだから」
向日葵「…?」
櫻子「あ、そうそう! ちょっと早いんだけど手袋のお返しにこれ、あげる」サッ
向日葵「さっきの大きい袋… まさか、私に?」
櫻子「うん… あ、あんまりこういうの使いたくないかもしれないけど… えへへ」
向日葵「…あけても?」
櫻子「おっけ」
向日葵「では、失礼しますわ」ガサゴソ
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:49:01.93 ID:IAQzbH8y0
向日葵(これは…布団? いえ、でも服の形…)
櫻子「む、難しい顔しないでよ どてらって言うんだよ」
向日葵「ああ…聞いたことはありますわ 実物を見るのは初めてだけど」
櫻子「向日葵、夜寒そうだから… よかったら寝るまで着てよ 嫌だったら使わなくていいから」
向日葵「いえ、嫌じゃありませんわ 使います あ、ありがとう…」
向日葵(この子なりの気遣いですわよね… ふふ)
櫻子「うんうん! 向日葵に風邪ひかれたら私… 困るからね…」
向日葵「え…」ドキッ
櫻子「テスト勉強教えてもらえないし ノート写させてもらえないし」
向日葵「う…… はあ、やっぱりそうですわよね…」ボソッ
櫻子「?」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:54:10.27 ID:IAQzbH8y0
向日葵「うとうと……… あっ! そろそろ夕飯の時間ですわ…」
櫻子「すげ、結構すすんだ?」
向日葵「ってあなたずっと見てたんですの!? …む、無言でごめんなさい…」
櫻子「ううん 頑張ってたから ちょっかい出すのやめた」
向日葵「こういう本みたいなマニュアルがあれば、誰でもできますわ…」
向日葵(やっぱりどこか空気読みますわね…)
櫻子「いやぁ…無理だよ ごめんね、私は買ったもので」
向日葵「い、いえ こういうものは気持ちの問題かと」
櫻子「うーん じゃあ気持ちは込めた 向日葵にぃ、プレゼントぉ…」
向日葵「それは気持ちというより、気合ですわ…」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 21:59:04.62 ID:IAQzbH8y0
櫻子「夕飯つくんないの? 楓もお腹へったんじゃない?」
向日葵「ええ、ちょっと今は中断するわけに行きませんから… 離したら崩れますわ」
櫻子「そっか…ふむふむ」スタスタ
向日葵「…ああ櫻子、ちょっとそこの輪を… って櫻子?」
向日葵「あら… いませんわね 櫻子ー?」
櫻子「なんだよー 今ご飯作ってるー」
向日葵「キッチンから…? あの子、料理なんて…」
櫻子「まかせとけー おいしいよー」
向日葵(不安ですわ)
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:03:11.22 ID:IAQzbH8y0
向日葵「こうしてっと…よし、結んでおけば崩れませんわね」
向日葵「櫻子の様子を見ないと 何をしてるか分かりませんわ」
櫻子「よーし できた! 麻婆豆腐! と、おにぎり」
向日葵「…あら…? 予想を遥かに跳ね退けて綺麗な麻婆豆腐ですわね…?」
櫻子「いやー さっきの言葉を頼りにこれの裏見ながらやったら作れたよー!」
向日葵「普通、箱の裏って見てからやるものだけど…」
櫻子「まあいいじゃん! 食べて食べてー」
向日葵「なんとも不思議な組み合わせですけど いただきますわ 楓、櫻子がご飯作ってくれましたわ?」
楓「櫻子おねえちゃんのご飯?」オソルオソル
櫻子「そんなやばそうなもの食べるような動きとらないでほしいんだけど」
向日葵「やばい可能性は否定できませんから 楓は正しいですわ」
櫻子「が~ん」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:07:40.65 ID:IAQzbH8y0
向日葵「お、おいしい…」
楓「おいしいの」ニコッ
櫻子「だろ!? 豆腐は手で崩すって帽子が長いおじさんが言ってた」
向日葵(料理番組か何かかしら)
櫻子「あといつものおにぎり おかか好きなわりに鰹節ないんだもん 梅干しだよ!」
向日葵「え、ええ 今回は塩多すぎなんてことは」パクッ
櫻子「…」グーッ
向日葵「…? ちょうどいいですわ… 奇跡としか」
櫻子「いや、奇跡って…」グーッ
向日葵「…お腹すいてるなら食べたら?」
櫻子「2人の分しか作ってない 今日ねーちゃんが当番だから私は帰って食べようかなって」
向日葵「そう では全部いただきますわ」
櫻子「おにぎり5個食べちゃう向日葵さすが」
向日葵「楓が2個食べますわよ…」
櫻子「でも3個だね」
向日葵「……くっ」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:10:49.56 ID:IAQzbH8y0
櫻子「…さむ、そろそろ戻ろうかな」
向日葵「寒いかしら…? ストーブつけてますけど…」
櫻子「わかんね… 手が震える」
向日葵「…あなた、豆腐を手で崩したから冷えてるんじゃ…」
櫻子「そうかも やべ、さむい」
向日葵「はあ… しかたないですわね 手、かして」
櫻子「…?」サッ
向日葵「はい」ギュッ
櫻子「おおう あったかい」
向日葵「はーっ… どう? マシになりました?」
櫻子「…ありがと」
向日葵「いえ 櫻子も…ご飯、ありがとう…」
櫻子「…う、うん…」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:18:40.18 ID:IAQzbH8y0
櫻子「ん、じゃあね… 手袋楽しみにしとく」
向日葵「ええ ってそんなにすぐにはできませんわ… 」
櫻子「また明日もくるよ 完成を楽しみにして」
向日葵「だからそんなにすぐにはできませんわ 来るのはいいけど…」
櫻子「ほいよ じゃね!」
向日葵「さて、どてら?に夕飯まで櫻子が用意してくれたんですし 頑張らないと」
向日葵「頑張れば片方くらいは行けるかしら…?」
向日葵「…ページ数的に厳しいですわよね…」
向日葵「ううん、進めるだけ進めないとダメですわ」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:21:37.73 ID:IAQzbH8y0
-後日-
櫻子「ふんふ~ん… おーい向日葵!遊びにきたぞー」ガチャ
向日葵「あ、ああ… もうそんな時間ですの」
櫻子「うぉぁっ も、もしかして寝てないのか…?」
向日葵「ええ… 進めよう進めようってやっていたらいつの間にか朝に」
櫻子「ば、バカじゃないの? それで向日葵が身体壊したら意味ないじゃん…」
向日葵「…だ、だって あなたが楽しみだって言うから…」
櫻子「い、いいよいつでも 寝なよ…」
向日葵「すみません ではちょっと… 横になりますわ…」
櫻子「仕方ない、寝るまでいてやろう!」
向日葵「子供じゃないんだから…」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:25:13.76 ID:IAQzbH8y0
向日葵(布団が冷たすぎて眠れる気がしませんわ)ゴロゴロ
櫻子「ん? どしたの」
向日葵「いえ、ちょっと布団が冷たくて…」
櫻子「どてら着てやらないからだよー!」
向日葵「今着てますわ」
櫻子「いや、逆に布団の中で着るのはおかしい!」
向日葵「…眠いのに眠れない…」
櫻子「しゃーないな! あっためてあげよう」
向日葵「…はいはい… …え!?」
櫻子「昨日の手のお返しだ ほれ、私の熱をやろう」ガサゴソ
向日葵「ちょっ せ、狭いから入らないでよ」
櫻子「いいじゃん」
向日葵「……///」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:28:08.19 ID:IAQzbH8y0
櫻子「…あのさぁ ホントに手袋、いつでもいいから」
向日葵「いえ、言ったからには早く作って早くあげないと 私の気持ちの問題ですわ」
櫻子「ホントにいいから それで向日葵が不健康なことしてる方がやだから」
向日葵「……そう…」
櫻子「ほら、ねころーりーよー」
向日葵「歌われなくても寝ますわ でもあなたが横にいるのに眠れると思います…?」
櫻子「むぅ じゃあ出るよー」ガサゴソ
向日葵「…あ、ありがと 暖かくなりましたわ」
櫻子「えへへ」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/11(日) 22:29:57.31 ID:IAQzbH8y0
向日葵「…すぅ すぅ」
櫻子「寝たかぁ…」
櫻子「向日葵、たまに無理するからな…」
櫻子「私が見ててあげないとな」
櫻子「向日葵は、私の面倒を見てるって感じてるかもしれないけど」
櫻子「私も、向日葵のこと見てるからな」
おわり
櫻子「向日葵とデート」