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SS速報VIP:千早「暇だわ」伊織「知らないわよ…」
1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:27:12.43 ID:G2yk7jQLo
千早「ねえ、水瀬さん」
伊織「何よ」
千早「私、今とっても困っているのよ」
伊織「ふーん、そう」
千早「……」
伊織「「……」
千早「何に困っているかというとね」
伊織「別に聞いていないんだけど」
千早「私、とても暇なのよ」
伊織「そんなの知らないわよ」
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:27:47.96 ID:G2yk7jQLo
千早「水瀬さん、どうしてそんなに突き放すような言い方をするのかしら?」
伊織「今のこの状況を考えれば当然だと思うけどね」
千早「考えるな、感じろ」
伊織「考えなさい」
千早「むっ…!この感じ…ピキーン」
伊織「わざわざ口に出してピキーンとか言ってんじゃないわよ」
千早「奴だ…奴が来るわ」
伊織「誰も来ないわよ」
千早「ところで、水瀬さん的には誰だと思う?」
伊織「そうねぇ…って、私に丸投げしてんじゃないわよ!」
千早「私としては高槻さんが来てくれると、とても嬉しいのだけれど」
伊織「そりゃ、私だってやよいが来てくれれば嬉しいけど」
千早「高槻さぁーん!早く来てくれーっ!」
伊織「うるさいわよ」
千早「心を込めて叫べば来てくれるかと思って」
伊織「来るわけないでしょうが、現実を見なさい」
千早「あぁ…高槻さんかわいいわ、たっかつきさぁーんっ!」
伊織「だからうるさいっての!」
千早「さぁ、水瀬さんも一緒に叫びましょう、二人の魂の叫びがあれば、きっと願いは叶うわ」
伊織「一人で叫んでなさい」
千早「水瀬さん、さっきからちょっと私に対する態度が冷たくないかしら?」
伊織「だから、今のこの状況を考えれば当然でしょうが」
千早「このクールビューティー千早ちゃんに冷たさ勝負を挑むとはいい度胸ね」
伊織「話を聞きなさい」
千早「ちなみに私のひんやり具合がどのくらいかというとね」
伊織「別に聞いてないっての、そして私の話を聞きなさい」
千早「聞いて驚きなさい、何と冷えピタと同等のレベルよ」
伊織「結構微妙ね」
千早「冷えピタをバカにしてないでちょうだい、事と次第によっちゃ荒事になるわよ?」
伊織「なんで冷えピタごときでアンタと争わなくちゃいけないのよ!」
千早「冷えピタと言えば普通は額に貼るものだと思うのだけれど」
伊織「今何で私の額をピンポイントで見ながら言ったのかしら?」
千早「そ、そんなことないわよ…!み、みみみ見てないんだからっ!」
伊織「リアクションが分かりやす過ぎるわ」
千早「別に水瀬さんの額だったら冷えピタが2枚は貼れそうだなんて思っていないわよ?」
伊織「ようし分かったわ、ケンカ売ってるってことね」
千早「ごめんなさい、ちょっと言いすぎたかもしれないわね」
伊織「ちょっとどころの話じゃないような気もするけどね」
千早「そうよね、水瀬さんの額だったら2枚と言わずもっと貼れそうだものね、評価を見誤ってたわ」
伊織「今ならアンタを殴っても許される気がするのよ」
千早「それで、私が水瀬さんの楽屋にお邪魔しているというこの状況だけれど」
伊織「ちゃんと聞いてんじゃないの!何なのよこの時間差は」
千早「失礼ね、私は人の話はちゃんと聞く人間よ」
伊織「説得力皆無よ」
千早「ただ自分に都合の悪いことはスルーするだけよ」
伊織「タチ悪すぎでしょ!」
千早「ちなみに今のは『スルー』と『する』を掛けたわけじゃないのよ?」
伊織「分かってるわよ」
千早「スルーするー…ふふっ、自分で言っておいて何だけどすごく面白いわ」
伊織「伊織ちゃんは苦笑いしか出来ないわ」
千早「ところで水瀬さん、今のこの状況のどこに問題があるというのかしら?」
伊織「あんたそれ、本気で言ってるの?」
千早「私はいつだって本気よ、本気と書いてマジよ」
伊織「自分の胸に手を当てて聞いてみなさいな」
千早「……」
伊織「どうしたのよ、急に黙っちゃって」
千早「ごめんなさい、よく聞こえなかったわ」
伊織「はぁ?」
千早「どこに手を当ててと言ったのかしら?もう一度言ってもらえると助かるのだけれど」
伊織「だから、自分の胸に手を当てて聞いてみなさいって」
千早「わー、わーっ」
伊織「……」
千早「突然の騒音でよく聞こえなかったわ、もう一度言ってもらえるかしら?」
伊織「自分の胸に手を」
千早「はっくしょん!」
伊織「……」
千早「偶然くしゃみが出てしまって水瀬さんの声が聞き取れなかったわ、もう一度お願いできるかしら?」
伊織「もういいわ、聞かなかったことにしてちょうだい」
千早「水瀬さん、そういう中途半端なのは良くないと思うわ、気になるじゃない」
伊織「えぇぇー…」
千早「改めて、水瀬さんは一体何がそんなに不満なのかしら?」
伊織「あのね、私は今テレビ番組の収録を控えた状況なのよ」
千早「どうやらそのようね」
伊織「それで私は収録に備えて台本のチェックをしていたわけ」
千早「仕事熱心な水瀬さんらしいわ」
伊織「そうしたら突然楽屋に何の許可も無く転がり込んできた無礼な輩がいたってわけよ」
千早「それはひどい話ね、そんな無礼な輩がいるだなんて驚きだわ」
伊織「アンタ、今すぐ鏡で自分の顔見てみなさいな」
千早「とてもかわいいちーちゃんが写っているわ」
伊織「そんな返しが来るとは完全に予想外だったわ」
千早「でしょう?私だって伊達に芸能界で経験を積んでいるわけではないのよ」
伊織「アンタがあんな返しするだなんて思ってもいなかったわ…いやいや違う、そうじゃなくて」
千早「あら、私の回答は間違っていたのかしら?」
伊織「間違うも何も的外れもいいところよ」
千早「だったら水瀬さんの答えを聞かせて欲しいわ…あの場合、どういう答えが一番笑いに繋がるのかしら」
伊織「えっ、笑い?」
千早「そう、どういう答えが最もお笑い的なのか、水瀬さんならば分かるのでしょう?」
伊織「私が言っているのはそういう事じゃないわよ」
千早「違うの?…水瀬さんが何を言いたいのか、私にはイマイチよく分からないわ」
伊織「私にはアンタの考えが何一つとして理解出来ないわ」
千早「ひょっとして水瀬さんは私がこの場にいることに不満を感じているのかしら?」
伊織「ひょっとしなくてもそうよ」
千早「あら、意外と小さい事を気にするタイプだったのね、水瀬さんって」
伊織「小さくもなんともないわよ」
千早「ちっちゃいことは気にしない!…続きは何だったかしら、思い出せないわ」
伊織「ワカチコ、ワカチコー!…じゃなかったかしら?」
千早「……」
伊織「ちょっと何で黙るのよ」
千早「水瀬さんってば、そんな寒いギャグを惜しげもなく披露するだなんて結構神経が図太いのね」
伊織「むっきぃー!何なのよもうっ!」
千早「ふふっ、どうやら大きいのはその額だけのようね」
伊織「ケンカ売ってるのね」
千早「ごめんなさい…謝るからビームだけは撃たないで」
伊織「んなもん撃てるかっ!」
千早「と見せかけてー?」
伊織「撃てないっての」
千早「そう、分かったわ」
伊織「分かればいいのよ」
千早「今はエネルギーを充電中だから撃てないと、そういうことなのね?」
伊織「言葉を伝えるのってこんなにも難しいことだったかしら」
千早「そんな…それじゃあ水瀬さん、本当にビーム撃てないの…?」
伊織「撃てるわけないでしょうが」
千早「そう…だったの…なんてこと」
伊織「なんなのその顔は、何でそんなに残念そうなのよ」
千早「私、てっきり水瀬さんにはそういう特殊能力があるものだとばかり思っていたわ」
伊織「アンタ、私のこと一体どういう目で見ていたのよ?」
千早「そうね…強いて言うなら、765プロ随一のツッコミキャラかしら」
伊織「さっきまでのビームの件全然関係ないじゃないっ!」
千早「水瀬さんってば、15歳にもなってビームだなんて…まるで子供ね」
伊織「もし私がビーム撃てたとしたら、躊躇わずアンタを撃つわ」
千早「やっぱり撃てるんじゃない」
伊織「撃てないわよ」
千早「でも今ハッキリと言ったじゃない、私を撃つって」
伊織「もしもの話よ、もしもの!本当に撃てるわけないじゃない」
千早「本当かしら…?そんなこと言って私を油断させて、後ろから…なんて考えているんじゃ」
伊織「あら、それはいい考えね」
千早「や、やっぱり私を撃つ気なのね?水瀬さん…恐いわ」
伊織「あぁ、もう鬱陶しいわね!いい加減ビームから離れなさいっ!」
千早「うっ、眩しい…!今、水瀬さんの額から微弱ながらビームが…」
伊織「本当に撃てるものなら今すぐ撃ちたいわ、こいつを今すぐ撃ち抜きたいわ」
伊織「今更だけど千早はどうして私の楽屋に来ているわけ?」
千早「あら、気になるのかしら?」
伊織「そりゃ急に押し掛けてこられたんだもの、気にはなるわよ」
千早「そうね、敢えて理由を挙げるとするならば…」
伊織「挙げるとするならば?」
千早「……」
伊織「……」
千早「答えはCMのあと」
伊織「早く言いなさい」
千早「水瀬さん、目が恐いわ、落ち着いてちょうだい」
千早「そうね、敢えて言うなら暇つぶし…かしら」
伊織「帰りなさい」
千早「ひどい言い草ね、とても傷つくわ」
伊織「あのね、さっきも言ったけど私は今番組の収録を控えているのよ」
千早「そのようね」
伊織「そして収録に備えて台本のチェックをしていたところなのよ」
千早「そういえばそんな事もしていたわね」
伊織「分かる?伊織ちゃんはアンタと違って暇じゃないの、忙しいのよ」
千早「そんなこと知ったこっちゃないわ」
伊織「いい加減ぶっ飛ばすわよ」
千早「実は私もね、今日はこの局で番組の収録があったのよ」
伊織「あらそうだったの、奇遇ね」
千早「でももう収録も終わっちゃって、あとは事務所に帰るだけのつもりだったんだけれど」
伊織「うん」
千早「ふと思い出したのよ、水瀬さんも確かこの局で番組の収録があったはずだって」
伊織「まあ、ホワイトボードに予定も書いていたしね」
千早「そこで私はピンときたのよ…いいえ、ティンときたのよ」
伊織「それ、わざわざ言い直す必要あったの?」
千早「どうせこのまま帰っても暇なんだし、折角だから水瀬さんで暇つぶししましょう、って」
伊織「ちょっと待ちなさい、今おかしな発言があったわ」
千早「あら、私何かおかしな事を言ったかしら?」
伊織「アンタ、今はっきりと暇つぶしって言ったわよね?」
千早「ええ、言ったわ」
伊織「事もあろうにこの伊織ちゃんを暇つぶしの道具扱いしたわね、失礼にも程があるでしょう」
千早「ごめんなさい、言い直すわ…収録を控えた水瀬さんの激励に」
伊織「もう手遅れだっての!」
千早「でもね、同じ日に同じ事務所の仲間が同じ局で収録しているっていう偶然、中々無いと思うのよ」
伊織「確かにそうね」
千早「だったら暇つぶしとか別に、少しくらい顔を見に行きたいと思うのも当然だと思うのよ」
伊織「そうね…言われてみればそうかもしれないわね」
千早「そうでしょう?ふふん、そうでしょう?」
伊織「何なのよ、そのドヤ顔は」
千早「というわけで水瀬さんの楽屋に冷やかしに来たわけだけれど」
伊織「ちょっと待ちなさい、ストップ」
千早「何かしら?」
伊織「今冷やかしって言わなかったかしら?」
千早「気のせいよ」
伊織「いいえ、間違いなく言ったわ」
千早「ごめんなさい、つい本音が漏れてしまったようね…気にしないでちょうだい」
伊織「アンタ、さっきからちょいちょい人を小ばかにしてないかしら?」
千早「ごめんなさい、水瀬さんってすぐツッコんでくれるからついボケが進んでしまうのよ」
伊織「人を勝手にツッコミキャラにしないでちょうだい」
千早「さすが水瀬さんね、ツッコミだけはいつだって一級品だわ」
伊織「ツッコミ『だけ』って何よ、『だけ』って!」
千早「まあ、冗談はさて置き…そんな感じで水瀬さんの楽屋にお邪魔しに来たわけなのだけれど」
伊織「上手くまとめたつもりかもしれないけど、私はまだ納得していないわよ?」
千早「中々頑固ね…裏のおじいさんもビックリの頑固っぷりだわ」
伊織「例えがイマイチ分かりにくいわ」
千早「いい加減に諦めて私の暇つぶしに付き合ってちょうだい」
伊織「付き合うわけないでしょうが!」
千早「どうして水瀬さんは私との憩いのひと時を頑なに拒もうとするのかしら?」
伊織「今のところ憩いでも何でもないっての」
千早「あら、これでも私は765プロの中ではどちらかと言うと癒し系なのよ?」
伊織「全然癒されてないしむしろ疲れてるわよ」
千早「きっと水瀬さんと私では相性が悪いのね」
伊織「そんな問題じゃないと思うけどね」
千早「水瀬さんも中々諦めが悪いわね」
伊織「伊織ちゃんは収録に備えてまだやらなきゃいけない事が沢山あるのよ、そんな暇は無いの」
千早「大丈夫よ、水瀬さんだったらそんな事しなくてもバッチリ収録に臨めるわ」
伊織「ま、まぁ当然よね!伊織ちゃんは天才だもの…いやいや、そんなんじゃ流されないわよ!」
千早「だったら私が水瀬さんの台本チェックを手伝ってあげるわ」
伊織「全力でお断りさせてもらうわ」
千早「あら、私が相手では不満だと言うの?」
伊織「不満に決まってんでしょうが!」
千早「このトップアイドル、如月千早のどこに不満があるというのかしら?」
伊織「自分でそういう事言わないの、今日のアンタに限って言えば不安要素しか無いわよ」
千早「それでも私は水瀬さんの力になりたいのよ」
伊織「結構よ」
千早「お願いよ、私に水瀬さんの手伝いを…!水瀬さんの力にならせてちょうだい!」
伊織「しつこい…!何なの今日の千早の面倒くささは…」
伊織「とにかく、千早には悪いけれど暇つぶしに付き合ってる時間は無いのよ」
千早「そう…残念だわ」
伊織「大人しく事務所に戻ってなさい」
千早「分かったわ、そうするわね」
伊織「やけにあっさり引き下がるのね、それはそれで拍子抜けだけれど」
千早「とぼとぼ…」
伊織「自分で口に出して『とぼとぼ』とか言わないの」
千早「ちらっ、ちらっ」
伊織「だからわざわざ口に出して…あのね、そんなアピールしても引き止めないわよ?」
千早「なんてこと、私の目論見が見破られてしまったわ」
千早「私ね、ふと思ったのよ」
伊織「何がよ?」
千早「私って最近、水瀬さんと二人っきりでお話したことあったかしら、って」
伊織「そういえば無いわね、そもそも千早と二人っきりっていうシチュエーションがあまり無いけれど」
千早「そうよね、思い返してみれば私もあまりそういった覚えが無いもの」
伊織「っていうかそれがどうかしたの?」
千早「正直に言わせてもらうと、私…水瀬さんともっと仲良くなりたいって思ったのよ」
伊織「えっ…」
千早「ずっと思っていたわ、水瀬さんともっと仲良くなりたいって、もっと沢山お話したいって」
伊織「ち、千早…?急にどうしちゃったのよ、変なこと言い出しちゃって」
千早「だから今日のスケジュールを確認した時、ひょっとしたらチャンスなんじゃないかって思ったのよ」
伊織「……」
千早「例え少しの時間でもいい、水瀬さんと二人でお話出来る時間があればいいなぁ、って」
伊織「千早…」
千早「でもごめんなさい、水瀬さんからしてみれば迷惑だったわよね…私、自分のことばかりで」
伊織「ち、違うのよ…別に私はそういうのが迷惑だなんて」
千早「いいのよ、私なんかの為に気を使ってくれなくても……ぐすっ」
伊織「ちょっと千早!?そんな泣くような事じゃないでしょ…」
千早「私、帰るわね…水瀬さん、迷惑掛けちゃってごめんなさい」
伊織「ま、待ちなさいよ…!」
千早「水瀬さん、どうしたのかしら?」
伊織「ち、千早がそこまで言うなら…少しくらいなら相手してあげても…いいわよ?」
千早「でも水瀬さんにだって色々とやる事があるのでしょう?」
伊織「この伊織ちゃんと仲良くなりたいって言っている子を、無下になんて出来るわけないでしょうが!」
千早「水瀬さん…本当にいいのかしら?」
伊織「いいのよ、冷たくして悪かったわね…収録までの短い時間だけど、ゆっくりしていきなさいな」
千早「ありがとう、それではお言葉に甘えてゆっくりさせてもらおうかしら」
伊織「…あれっ、随分と変わり身が早くない?」
千早「そうとなれば早く水瀬さん!早く私に構って!さぁっ、さぁっ!」
伊織「ひょっとしてさっきまでのは演技だったって事…?ふ、ふふふっ…してやられたわ」
千早「水瀬さん、人聞きが悪いわ、水瀬さんと仲良くしたいと思っていたのは本当よ?」
伊織「本当かどうか怪しいもんだわ」
千早「本当よ、水瀬さんと仲良くなれば必然的に高槻さんと接する機会が増えるんだもの」
伊織「最悪じゃない!動機が不純極まりないわね!」
千早「人間なんて所詮は欲望の塊よ、自分第一、自分大好きなのよ」
伊織「アイドルが言うような台詞じゃないわね」
千早「ともかくこれで遠慮なく、水瀬さんとお話が出来るわ」
伊織「出来ることなら、今すぐにでも帰って欲しいわ」
千早「イヤよ、折角水瀬さんの許可を貰ったんだもの、このまま居座るわよ」
伊織「どうしてあんな事を言ってしまったのかしら…数分前の自分を叱ってやりたいわ」
千早「ところで水瀬さん」
伊織「何かしら?」
千早「私、喉が渇いたわ」
伊織「あら、そうなの」
千早「ええ、喉がカラッカラよ」
伊織「ふーん」
千早「……」
伊織「……」
千早「水瀬さん、お茶が飲みたいです」
伊織「知らないわよ、飲みたきゃ自分で淹れなさい」
千早「水瀬さん、私は客人なのよ?」
伊織「無理やり押し掛けてきた無礼な客人ね」
千早「普通は客人にお茶の一つくらい出すものだと思うけれど」
伊織「イヤよ、何でこの伊織ちゃんがそんな使用人みたいなマネしなくちゃいけないのよ」
千早「あぁ…そうか、水瀬さんはお嬢様だから自分でお茶を淹れられないのよね」
伊織「はぁ…?はぁぁっ!?」
千早「ごめんなさい、そうは気付かずに…そういうのは庶民たる私の仕事だったわね」
伊織「ちょっと待ちなさい、聞き捨てならならないわね!そういう言い方気に入らないわ!」
千早「いいのよ水瀬さん、無理しないで、出来ないものはしょうがないわ」
伊織「お茶くらい淹れられるっつーの!待ってなさい、すぐに美味しいお茶を用意してやるわっ!」
千早「…」ズズズッ
伊織「どう?この伊織ちゃんの淹れたお茶は格別美味しいでしょう?」
千早「至ってシンプル、普通な味しかしないわ」
伊織「腹立つわね…お世辞でもいいから褒めなさいよ」
千早「わぁー、このお茶、何だかすっごく高貴な味がしますぅー」
伊織「余計腹立つわ」
千早「伊織お嬢様の淹れてくださったお茶が飲めるだなんて、とても光栄でございますわぁ」
伊織「やめなさい、今すぐに」
千早「まあ所詮は楽屋に常備されてる安物のお茶だものね、期待はしていなかったけれど」
伊織「分かってて淹れさせられた伊織ちゃんの身にもなってみなさい」
千早「ところで水瀬さんはお茶飲まないの?」
伊織「私は持参してきたこのオレンジジュースを飲むわ」
千早「ワンパターンね」
伊織「何か言ったかしら?」
千早「いいえ別に…わぁ、オレンジジュース、とても美味しそうね」
伊織「白々しいわね…アンタも飲む?少なくともそのお茶よりはマシだと思うけど」
千早「私はこのお茶で十分よ、あまり水分を取りすぎるのも何だし」
伊織「それじゃあ失礼して、私はオレンジジュースをいただくわね」
千早「はい!はい!はいはいはいっ!」
伊織「えっ?」
千早「いおりんのー!ちょっといいとこ見てみたいっ!」
伊織「えっ…えっ?」
千早「あっ、そーれいっき!いっき!いっき!いっき!」
伊織「……」
千早「いっき!いっき!いっき!……飲まないの?」
伊織「こんな状況で飲めるかっ!」
千早「私の事なんて気にせず飲んでくれて構わないのに」
伊織「アレを気にするなという方が無理だと思うわ」
千早「ふふっ、水瀬さんってば結構神経質なのね」
伊織「これで神経質だったら世の中の人間の大半は神経質になるわよ」
伊織「っていうかさっきのアレは何よ、何でいきなりあんな事やったの?」
千早「普段の私だったら絶対言いそうにない事を言ってみようと思って」
伊織「確かに、まず言いそうにない台詞だったけれど」
千早「でしょう?」
伊織「でも、どうしてよりにもよってあのタイミングで?」
千早「水瀬さんが飲んだオレンジジュースを吹き出すんじゃないかと思って」
伊織「えぇぇー」
千早「けれどもタイミングを見誤ったわ、飲む前に言ってしまっては意味が無いものね」
伊織「正直に言いすぎよ、少しくらいは隠す素振りを見せなさい」
千早「私、ウソが嫌いだから」
千早「ところで水瀬さん」
伊織「何よ」
千早「私、お腹が空いてきたわ」
伊織「それこそ私の知ったこっちゃないわよ」
千早「ねえ水瀬さん、何か食べるもの持ってないかしら?」
伊織「何も持ってきてないわよ」
千早「だったらお前を食べちゃうぞー」
伊織「……」
千早「ちょっと水瀬さん、黙ってないで何か反応してちょうだい」
伊織「もうヤダ、何で今日の千早こんなに絡みづらいのよ」
千早「食べちゃいたいと言えば、私は高槻さんを食べたいわ」
伊織「その発言にはさすがの伊織ちゃんもドン引きよ」
千早「よく言うじゃない、食べてしまいたいくらいかわいい、って」
伊織「確かに言うわね、そういう意味ではやよいはそうかもしれないわね」
千早「えっ?」
伊織「えっ?」
千早「水瀬さん…そういう発言、私としてはちょっと引くわ」
伊織「つい数秒前のアンタの発言はどうなるのよ」
千早「私はアレよ、高槻さんへの愛がバーストしてしまっているから問題ないのよ」
伊織「バーストしているのはアンタの頭よ」
千早「それはそうとこれは風の噂で聞いたことなのだけれど」
伊織「何かしら」
千早「水瀬さんはそこの詰め物…失礼、ぬいぐるみの中に」
伊織「詰め物!?ちょっとアンタ、人のうさちゃんに何て事を!」
千早「ちょっと水瀬さん、今は私が喋っているのよ、話の腰を折らないで」
伊織「いやいやいや、今のは聞き捨てならないわ!」
千早「そんな、綿を布でくるんだだけの物体なんて私にはどうでもいいのよ」
伊織「はぁぁっ!?人の相棒にそんな失礼なこと言わないで!ちゃんと立派な名前だって付けてんだから!」
千早「そういえばそうだったわね…ええと、何ていう名前だったかしら」
伊織「シャルルよ」
千早「シャルル…えっ…ブ、ブリタニア?」
伊織「シャルル違いよっ!あんないかつい声したうさちゃんなんて願い下げよ!」
千早「ぬぁんたる愚かしさかぁぁっ!」
伊織「うるさい」
千早「まあ、それはそれとして…実はそのぬいぐるみの中に非常時に備えて食糧を隠しているとか何とか」
伊織「天地がひっくり返ってもありえないレベルの噂なんだけど、発祥はどこなのかしら」
千早「つい今しがた、私が思いついたのだけれど」
伊織「……」
千早「こんな感じの噂を都市伝説として世に広めようと思うのだけれど、どうかしら?」
伊織「却下」
千早「それはそうと水瀬さん、時間は大丈夫なの?」
伊織「ん、時間…?あーっ!もう時間無いじゃないの!」
千早「あら、それは大変ね」
伊織「一切そんな風に思っていないでしょう」
千早「急がなくていいの?時間、ギリギリなんでしょう?」
伊織「そうよ、もう行かなくちゃいけないから千早も楽屋から出てちょうだい」
千早「ふっふっふ、ここを通りたければ私を倒してから」
伊織「邪魔、さっさと出てちょうだい」
千早「あぁん、水瀬さん冷たいわ」
伊織「時間無いって言ってんでしょうが、お願いだから手間掛けさせないで」
千早「それじゃあ水瀬さん、台本は持った?」
伊織「バッチリよ」
千早「うさちゃんは持った?」
伊織「問題ないわ」
千早「明日への希望は?」
伊織「大丈夫、持ってる…ん、今なんて?」
千早「明日への希望よ、これが無くては大変よ?ちゃんと持ったかしら」
伊織「はいはい持った、持ったから早く行かせてちょうだい、お願いだから邪魔しないで」
千早「とか何とか言いつつ名残惜しそうにその場に留まり続ける水瀬伊織なのであった」
伊織「もうヤダ、疲れた…収録前なのに何でこんなに疲れなきゃなんないのよ…」
――――
―――
千早「ただいま戻りました」
春香「あっ、千早ちゃんおかえりーっ!」
千早「あら、春香…どうして事務所に?今日は直帰だったはずじゃ」
春香「そうだったんだけどね、千早ちゃんとお話したくて戻ってきちゃった」
千早「そうだったの」
春香「でも千早ちゃん中々戻ってこないから結構待っちゃったよー」
千早「ごめんなさい、少しばかり寄り道をしていてね」
春香「そうなんだ…そういえば、この間も戻りが予定よりちょっと遅かったね」
千早「そうだったかしら?よく覚えていないわ」
春香「むぅー…なんだか怪しいなぁ」
春香「まあいいや、ほらほら早く座りなさい!春香さんと語らおうぞっ!」
千早「春香、それでもいいのだけれど、外結構暗くなってきてるわよ?」
春香「あれっ、本当だぁ…あんまり事務所に長居してたら遅くなっちゃうね」
千早「それじゃあどうする?もう遅いし、とりあえずどこかでご飯でも食べて帰る?」
春香「うん、そうだね、何か食べに行こっか!」
千早「そんなわけで今回も結局こういう形に落ち着いてしまったわけだけれど」
春香「あれ、千早ちゃん?またひとり言?」
千早「水瀬さんとの会話も中々新鮮で面白かったわ、普段あまり喋らないだけにね」
春香「おーい千早ちゃーん?だから誰に向かって話しかけてるんだよー?」
千早「今度の暇つぶしの相手は誰にしましょうかしら、楽しみだわ」
おわり
はい、こんな感じでまたも暇つぶしに書きました
ありがとうございました
>>34
4~5日くらい前に立てた奴だったら自分です、一応続きな感じで
元スレ
千早「水瀬さん、どうしてそんなに突き放すような言い方をするのかしら?」
伊織「今のこの状況を考えれば当然だと思うけどね」
千早「考えるな、感じろ」
伊織「考えなさい」
千早「むっ…!この感じ…ピキーン」
伊織「わざわざ口に出してピキーンとか言ってんじゃないわよ」
千早「奴だ…奴が来るわ」
伊織「誰も来ないわよ」
千早「ところで、水瀬さん的には誰だと思う?」
伊織「そうねぇ…って、私に丸投げしてんじゃないわよ!」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:28:17.96 ID:G2yk7jQLo
千早「私としては高槻さんが来てくれると、とても嬉しいのだけれど」
伊織「そりゃ、私だってやよいが来てくれれば嬉しいけど」
千早「高槻さぁーん!早く来てくれーっ!」
伊織「うるさいわよ」
千早「心を込めて叫べば来てくれるかと思って」
伊織「来るわけないでしょうが、現実を見なさい」
千早「あぁ…高槻さんかわいいわ、たっかつきさぁーんっ!」
伊織「だからうるさいっての!」
千早「さぁ、水瀬さんも一緒に叫びましょう、二人の魂の叫びがあれば、きっと願いは叶うわ」
伊織「一人で叫んでなさい」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:28:51.78 ID:G2yk7jQLo
千早「水瀬さん、さっきからちょっと私に対する態度が冷たくないかしら?」
伊織「だから、今のこの状況を考えれば当然でしょうが」
千早「このクールビューティー千早ちゃんに冷たさ勝負を挑むとはいい度胸ね」
伊織「話を聞きなさい」
千早「ちなみに私のひんやり具合がどのくらいかというとね」
伊織「別に聞いてないっての、そして私の話を聞きなさい」
千早「聞いて驚きなさい、何と冷えピタと同等のレベルよ」
伊織「結構微妙ね」
千早「冷えピタをバカにしてないでちょうだい、事と次第によっちゃ荒事になるわよ?」
伊織「なんで冷えピタごときでアンタと争わなくちゃいけないのよ!」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:29:21.91 ID:G2yk7jQLo
千早「冷えピタと言えば普通は額に貼るものだと思うのだけれど」
伊織「今何で私の額をピンポイントで見ながら言ったのかしら?」
千早「そ、そんなことないわよ…!み、みみみ見てないんだからっ!」
伊織「リアクションが分かりやす過ぎるわ」
千早「別に水瀬さんの額だったら冷えピタが2枚は貼れそうだなんて思っていないわよ?」
伊織「ようし分かったわ、ケンカ売ってるってことね」
千早「ごめんなさい、ちょっと言いすぎたかもしれないわね」
伊織「ちょっとどころの話じゃないような気もするけどね」
千早「そうよね、水瀬さんの額だったら2枚と言わずもっと貼れそうだものね、評価を見誤ってたわ」
伊織「今ならアンタを殴っても許される気がするのよ」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:29:53.31 ID:G2yk7jQLo
千早「それで、私が水瀬さんの楽屋にお邪魔しているというこの状況だけれど」
伊織「ちゃんと聞いてんじゃないの!何なのよこの時間差は」
千早「失礼ね、私は人の話はちゃんと聞く人間よ」
伊織「説得力皆無よ」
千早「ただ自分に都合の悪いことはスルーするだけよ」
伊織「タチ悪すぎでしょ!」
千早「ちなみに今のは『スルー』と『する』を掛けたわけじゃないのよ?」
伊織「分かってるわよ」
千早「スルーするー…ふふっ、自分で言っておいて何だけどすごく面白いわ」
伊織「伊織ちゃんは苦笑いしか出来ないわ」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:30:34.76 ID:G2yk7jQLo
千早「ところで水瀬さん、今のこの状況のどこに問題があるというのかしら?」
伊織「あんたそれ、本気で言ってるの?」
千早「私はいつだって本気よ、本気と書いてマジよ」
伊織「自分の胸に手を当てて聞いてみなさいな」
千早「……」
伊織「どうしたのよ、急に黙っちゃって」
千早「ごめんなさい、よく聞こえなかったわ」
伊織「はぁ?」
千早「どこに手を当ててと言ったのかしら?もう一度言ってもらえると助かるのだけれど」
伊織「だから、自分の胸に手を当てて聞いてみなさいって」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:31:08.39 ID:G2yk7jQLo
千早「わー、わーっ」
伊織「……」
千早「突然の騒音でよく聞こえなかったわ、もう一度言ってもらえるかしら?」
伊織「自分の胸に手を」
千早「はっくしょん!」
伊織「……」
千早「偶然くしゃみが出てしまって水瀬さんの声が聞き取れなかったわ、もう一度お願いできるかしら?」
伊織「もういいわ、聞かなかったことにしてちょうだい」
千早「水瀬さん、そういう中途半端なのは良くないと思うわ、気になるじゃない」
伊織「えぇぇー…」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:32:21.93 ID:G2yk7jQLo
千早「改めて、水瀬さんは一体何がそんなに不満なのかしら?」
伊織「あのね、私は今テレビ番組の収録を控えた状況なのよ」
千早「どうやらそのようね」
伊織「それで私は収録に備えて台本のチェックをしていたわけ」
千早「仕事熱心な水瀬さんらしいわ」
伊織「そうしたら突然楽屋に何の許可も無く転がり込んできた無礼な輩がいたってわけよ」
千早「それはひどい話ね、そんな無礼な輩がいるだなんて驚きだわ」
伊織「アンタ、今すぐ鏡で自分の顔見てみなさいな」
千早「とてもかわいいちーちゃんが写っているわ」
伊織「そんな返しが来るとは完全に予想外だったわ」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:32:54.93 ID:G2yk7jQLo
千早「でしょう?私だって伊達に芸能界で経験を積んでいるわけではないのよ」
伊織「アンタがあんな返しするだなんて思ってもいなかったわ…いやいや違う、そうじゃなくて」
千早「あら、私の回答は間違っていたのかしら?」
伊織「間違うも何も的外れもいいところよ」
千早「だったら水瀬さんの答えを聞かせて欲しいわ…あの場合、どういう答えが一番笑いに繋がるのかしら」
伊織「えっ、笑い?」
千早「そう、どういう答えが最もお笑い的なのか、水瀬さんならば分かるのでしょう?」
伊織「私が言っているのはそういう事じゃないわよ」
千早「違うの?…水瀬さんが何を言いたいのか、私にはイマイチよく分からないわ」
伊織「私にはアンタの考えが何一つとして理解出来ないわ」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:33:26.58 ID:G2yk7jQLo
千早「ひょっとして水瀬さんは私がこの場にいることに不満を感じているのかしら?」
伊織「ひょっとしなくてもそうよ」
千早「あら、意外と小さい事を気にするタイプだったのね、水瀬さんって」
伊織「小さくもなんともないわよ」
千早「ちっちゃいことは気にしない!…続きは何だったかしら、思い出せないわ」
伊織「ワカチコ、ワカチコー!…じゃなかったかしら?」
千早「……」
伊織「ちょっと何で黙るのよ」
千早「水瀬さんってば、そんな寒いギャグを惜しげもなく披露するだなんて結構神経が図太いのね」
伊織「むっきぃー!何なのよもうっ!」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:33:54.73 ID:G2yk7jQLo
千早「ふふっ、どうやら大きいのはその額だけのようね」
伊織「ケンカ売ってるのね」
千早「ごめんなさい…謝るからビームだけは撃たないで」
伊織「んなもん撃てるかっ!」
千早「と見せかけてー?」
伊織「撃てないっての」
千早「そう、分かったわ」
伊織「分かればいいのよ」
千早「今はエネルギーを充電中だから撃てないと、そういうことなのね?」
伊織「言葉を伝えるのってこんなにも難しいことだったかしら」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:34:42.90 ID:G2yk7jQLo
千早「そんな…それじゃあ水瀬さん、本当にビーム撃てないの…?」
伊織「撃てるわけないでしょうが」
千早「そう…だったの…なんてこと」
伊織「なんなのその顔は、何でそんなに残念そうなのよ」
千早「私、てっきり水瀬さんにはそういう特殊能力があるものだとばかり思っていたわ」
伊織「アンタ、私のこと一体どういう目で見ていたのよ?」
千早「そうね…強いて言うなら、765プロ随一のツッコミキャラかしら」
伊織「さっきまでのビームの件全然関係ないじゃないっ!」
千早「水瀬さんってば、15歳にもなってビームだなんて…まるで子供ね」
伊織「もし私がビーム撃てたとしたら、躊躇わずアンタを撃つわ」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:35:15.49 ID:G2yk7jQLo
千早「やっぱり撃てるんじゃない」
伊織「撃てないわよ」
千早「でも今ハッキリと言ったじゃない、私を撃つって」
伊織「もしもの話よ、もしもの!本当に撃てるわけないじゃない」
千早「本当かしら…?そんなこと言って私を油断させて、後ろから…なんて考えているんじゃ」
伊織「あら、それはいい考えね」
千早「や、やっぱり私を撃つ気なのね?水瀬さん…恐いわ」
伊織「あぁ、もう鬱陶しいわね!いい加減ビームから離れなさいっ!」
千早「うっ、眩しい…!今、水瀬さんの額から微弱ながらビームが…」
伊織「本当に撃てるものなら今すぐ撃ちたいわ、こいつを今すぐ撃ち抜きたいわ」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:35:44.25 ID:G2yk7jQLo
伊織「今更だけど千早はどうして私の楽屋に来ているわけ?」
千早「あら、気になるのかしら?」
伊織「そりゃ急に押し掛けてこられたんだもの、気にはなるわよ」
千早「そうね、敢えて理由を挙げるとするならば…」
伊織「挙げるとするならば?」
千早「……」
伊織「……」
千早「答えはCMのあと」
伊織「早く言いなさい」
千早「水瀬さん、目が恐いわ、落ち着いてちょうだい」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:36:12.65 ID:G2yk7jQLo
千早「そうね、敢えて言うなら暇つぶし…かしら」
伊織「帰りなさい」
千早「ひどい言い草ね、とても傷つくわ」
伊織「あのね、さっきも言ったけど私は今番組の収録を控えているのよ」
千早「そのようね」
伊織「そして収録に備えて台本のチェックをしていたところなのよ」
千早「そういえばそんな事もしていたわね」
伊織「分かる?伊織ちゃんはアンタと違って暇じゃないの、忙しいのよ」
千早「そんなこと知ったこっちゃないわ」
伊織「いい加減ぶっ飛ばすわよ」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:36:46.65 ID:G2yk7jQLo
千早「実は私もね、今日はこの局で番組の収録があったのよ」
伊織「あらそうだったの、奇遇ね」
千早「でももう収録も終わっちゃって、あとは事務所に帰るだけのつもりだったんだけれど」
伊織「うん」
千早「ふと思い出したのよ、水瀬さんも確かこの局で番組の収録があったはずだって」
伊織「まあ、ホワイトボードに予定も書いていたしね」
千早「そこで私はピンときたのよ…いいえ、ティンときたのよ」
伊織「それ、わざわざ言い直す必要あったの?」
千早「どうせこのまま帰っても暇なんだし、折角だから水瀬さんで暇つぶししましょう、って」
伊織「ちょっと待ちなさい、今おかしな発言があったわ」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:37:18.25 ID:G2yk7jQLo
千早「あら、私何かおかしな事を言ったかしら?」
伊織「アンタ、今はっきりと暇つぶしって言ったわよね?」
千早「ええ、言ったわ」
伊織「事もあろうにこの伊織ちゃんを暇つぶしの道具扱いしたわね、失礼にも程があるでしょう」
千早「ごめんなさい、言い直すわ…収録を控えた水瀬さんの激励に」
伊織「もう手遅れだっての!」
千早「でもね、同じ日に同じ事務所の仲間が同じ局で収録しているっていう偶然、中々無いと思うのよ」
伊織「確かにそうね」
千早「だったら暇つぶしとか別に、少しくらい顔を見に行きたいと思うのも当然だと思うのよ」
伊織「そうね…言われてみればそうかもしれないわね」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:37:54.84 ID:G2yk7jQLo
千早「そうでしょう?ふふん、そうでしょう?」
伊織「何なのよ、そのドヤ顔は」
千早「というわけで水瀬さんの楽屋に冷やかしに来たわけだけれど」
伊織「ちょっと待ちなさい、ストップ」
千早「何かしら?」
伊織「今冷やかしって言わなかったかしら?」
千早「気のせいよ」
伊織「いいえ、間違いなく言ったわ」
千早「ごめんなさい、つい本音が漏れてしまったようね…気にしないでちょうだい」
伊織「アンタ、さっきからちょいちょい人を小ばかにしてないかしら?」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:38:33.00 ID:G2yk7jQLo
千早「ごめんなさい、水瀬さんってすぐツッコんでくれるからついボケが進んでしまうのよ」
伊織「人を勝手にツッコミキャラにしないでちょうだい」
千早「さすが水瀬さんね、ツッコミだけはいつだって一級品だわ」
伊織「ツッコミ『だけ』って何よ、『だけ』って!」
千早「まあ、冗談はさて置き…そんな感じで水瀬さんの楽屋にお邪魔しに来たわけなのだけれど」
伊織「上手くまとめたつもりかもしれないけど、私はまだ納得していないわよ?」
千早「中々頑固ね…裏のおじいさんもビックリの頑固っぷりだわ」
伊織「例えがイマイチ分かりにくいわ」
千早「いい加減に諦めて私の暇つぶしに付き合ってちょうだい」
伊織「付き合うわけないでしょうが!」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:39:09.03 ID:G2yk7jQLo
千早「どうして水瀬さんは私との憩いのひと時を頑なに拒もうとするのかしら?」
伊織「今のところ憩いでも何でもないっての」
千早「あら、これでも私は765プロの中ではどちらかと言うと癒し系なのよ?」
伊織「全然癒されてないしむしろ疲れてるわよ」
千早「きっと水瀬さんと私では相性が悪いのね」
伊織「そんな問題じゃないと思うけどね」
千早「水瀬さんも中々諦めが悪いわね」
伊織「伊織ちゃんは収録に備えてまだやらなきゃいけない事が沢山あるのよ、そんな暇は無いの」
千早「大丈夫よ、水瀬さんだったらそんな事しなくてもバッチリ収録に臨めるわ」
伊織「ま、まぁ当然よね!伊織ちゃんは天才だもの…いやいや、そんなんじゃ流されないわよ!」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:40:07.91 ID:G2yk7jQLo
千早「だったら私が水瀬さんの台本チェックを手伝ってあげるわ」
伊織「全力でお断りさせてもらうわ」
千早「あら、私が相手では不満だと言うの?」
伊織「不満に決まってんでしょうが!」
千早「このトップアイドル、如月千早のどこに不満があるというのかしら?」
伊織「自分でそういう事言わないの、今日のアンタに限って言えば不安要素しか無いわよ」
千早「それでも私は水瀬さんの力になりたいのよ」
伊織「結構よ」
千早「お願いよ、私に水瀬さんの手伝いを…!水瀬さんの力にならせてちょうだい!」
伊織「しつこい…!何なの今日の千早の面倒くささは…」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:40:38.55 ID:G2yk7jQLo
伊織「とにかく、千早には悪いけれど暇つぶしに付き合ってる時間は無いのよ」
千早「そう…残念だわ」
伊織「大人しく事務所に戻ってなさい」
千早「分かったわ、そうするわね」
伊織「やけにあっさり引き下がるのね、それはそれで拍子抜けだけれど」
千早「とぼとぼ…」
伊織「自分で口に出して『とぼとぼ』とか言わないの」
千早「ちらっ、ちらっ」
伊織「だからわざわざ口に出して…あのね、そんなアピールしても引き止めないわよ?」
千早「なんてこと、私の目論見が見破られてしまったわ」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:41:07.98 ID:G2yk7jQLo
千早「私ね、ふと思ったのよ」
伊織「何がよ?」
千早「私って最近、水瀬さんと二人っきりでお話したことあったかしら、って」
伊織「そういえば無いわね、そもそも千早と二人っきりっていうシチュエーションがあまり無いけれど」
千早「そうよね、思い返してみれば私もあまりそういった覚えが無いもの」
伊織「っていうかそれがどうかしたの?」
千早「正直に言わせてもらうと、私…水瀬さんともっと仲良くなりたいって思ったのよ」
伊織「えっ…」
千早「ずっと思っていたわ、水瀬さんともっと仲良くなりたいって、もっと沢山お話したいって」
伊織「ち、千早…?急にどうしちゃったのよ、変なこと言い出しちゃって」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:41:39.30 ID:G2yk7jQLo
千早「だから今日のスケジュールを確認した時、ひょっとしたらチャンスなんじゃないかって思ったのよ」
伊織「……」
千早「例え少しの時間でもいい、水瀬さんと二人でお話出来る時間があればいいなぁ、って」
伊織「千早…」
千早「でもごめんなさい、水瀬さんからしてみれば迷惑だったわよね…私、自分のことばかりで」
伊織「ち、違うのよ…別に私はそういうのが迷惑だなんて」
千早「いいのよ、私なんかの為に気を使ってくれなくても……ぐすっ」
伊織「ちょっと千早!?そんな泣くような事じゃないでしょ…」
千早「私、帰るわね…水瀬さん、迷惑掛けちゃってごめんなさい」
伊織「ま、待ちなさいよ…!」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:42:14.18 ID:G2yk7jQLo
千早「水瀬さん、どうしたのかしら?」
伊織「ち、千早がそこまで言うなら…少しくらいなら相手してあげても…いいわよ?」
千早「でも水瀬さんにだって色々とやる事があるのでしょう?」
伊織「この伊織ちゃんと仲良くなりたいって言っている子を、無下になんて出来るわけないでしょうが!」
千早「水瀬さん…本当にいいのかしら?」
伊織「いいのよ、冷たくして悪かったわね…収録までの短い時間だけど、ゆっくりしていきなさいな」
千早「ありがとう、それではお言葉に甘えてゆっくりさせてもらおうかしら」
伊織「…あれっ、随分と変わり身が早くない?」
千早「そうとなれば早く水瀬さん!早く私に構って!さぁっ、さぁっ!」
伊織「ひょっとしてさっきまでのは演技だったって事…?ふ、ふふふっ…してやられたわ」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:42:52.74 ID:G2yk7jQLo
千早「水瀬さん、人聞きが悪いわ、水瀬さんと仲良くしたいと思っていたのは本当よ?」
伊織「本当かどうか怪しいもんだわ」
千早「本当よ、水瀬さんと仲良くなれば必然的に高槻さんと接する機会が増えるんだもの」
伊織「最悪じゃない!動機が不純極まりないわね!」
千早「人間なんて所詮は欲望の塊よ、自分第一、自分大好きなのよ」
伊織「アイドルが言うような台詞じゃないわね」
千早「ともかくこれで遠慮なく、水瀬さんとお話が出来るわ」
伊織「出来ることなら、今すぐにでも帰って欲しいわ」
千早「イヤよ、折角水瀬さんの許可を貰ったんだもの、このまま居座るわよ」
伊織「どうしてあんな事を言ってしまったのかしら…数分前の自分を叱ってやりたいわ」
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:43:20.38 ID:G2yk7jQLo
千早「ところで水瀬さん」
伊織「何かしら?」
千早「私、喉が渇いたわ」
伊織「あら、そうなの」
千早「ええ、喉がカラッカラよ」
伊織「ふーん」
千早「……」
伊織「……」
千早「水瀬さん、お茶が飲みたいです」
伊織「知らないわよ、飲みたきゃ自分で淹れなさい」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:43:56.21 ID:G2yk7jQLo
千早「水瀬さん、私は客人なのよ?」
伊織「無理やり押し掛けてきた無礼な客人ね」
千早「普通は客人にお茶の一つくらい出すものだと思うけれど」
伊織「イヤよ、何でこの伊織ちゃんがそんな使用人みたいなマネしなくちゃいけないのよ」
千早「あぁ…そうか、水瀬さんはお嬢様だから自分でお茶を淹れられないのよね」
伊織「はぁ…?はぁぁっ!?」
千早「ごめんなさい、そうは気付かずに…そういうのは庶民たる私の仕事だったわね」
伊織「ちょっと待ちなさい、聞き捨てならならないわね!そういう言い方気に入らないわ!」
千早「いいのよ水瀬さん、無理しないで、出来ないものはしょうがないわ」
伊織「お茶くらい淹れられるっつーの!待ってなさい、すぐに美味しいお茶を用意してやるわっ!」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:44:28.78 ID:G2yk7jQLo
千早「…」ズズズッ
伊織「どう?この伊織ちゃんの淹れたお茶は格別美味しいでしょう?」
千早「至ってシンプル、普通な味しかしないわ」
伊織「腹立つわね…お世辞でもいいから褒めなさいよ」
千早「わぁー、このお茶、何だかすっごく高貴な味がしますぅー」
伊織「余計腹立つわ」
千早「伊織お嬢様の淹れてくださったお茶が飲めるだなんて、とても光栄でございますわぁ」
伊織「やめなさい、今すぐに」
千早「まあ所詮は楽屋に常備されてる安物のお茶だものね、期待はしていなかったけれど」
伊織「分かってて淹れさせられた伊織ちゃんの身にもなってみなさい」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:45:08.68 ID:G2yk7jQLo
千早「ところで水瀬さんはお茶飲まないの?」
伊織「私は持参してきたこのオレンジジュースを飲むわ」
千早「ワンパターンね」
伊織「何か言ったかしら?」
千早「いいえ別に…わぁ、オレンジジュース、とても美味しそうね」
伊織「白々しいわね…アンタも飲む?少なくともそのお茶よりはマシだと思うけど」
千早「私はこのお茶で十分よ、あまり水分を取りすぎるのも何だし」
伊織「それじゃあ失礼して、私はオレンジジュースをいただくわね」
千早「はい!はい!はいはいはいっ!」
伊織「えっ?」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:45:37.95 ID:G2yk7jQLo
千早「いおりんのー!ちょっといいとこ見てみたいっ!」
伊織「えっ…えっ?」
千早「あっ、そーれいっき!いっき!いっき!いっき!」
伊織「……」
千早「いっき!いっき!いっき!……飲まないの?」
伊織「こんな状況で飲めるかっ!」
千早「私の事なんて気にせず飲んでくれて構わないのに」
伊織「アレを気にするなという方が無理だと思うわ」
千早「ふふっ、水瀬さんってば結構神経質なのね」
伊織「これで神経質だったら世の中の人間の大半は神経質になるわよ」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:46:11.38 ID:G2yk7jQLo
伊織「っていうかさっきのアレは何よ、何でいきなりあんな事やったの?」
千早「普段の私だったら絶対言いそうにない事を言ってみようと思って」
伊織「確かに、まず言いそうにない台詞だったけれど」
千早「でしょう?」
伊織「でも、どうしてよりにもよってあのタイミングで?」
千早「水瀬さんが飲んだオレンジジュースを吹き出すんじゃないかと思って」
伊織「えぇぇー」
千早「けれどもタイミングを見誤ったわ、飲む前に言ってしまっては意味が無いものね」
伊織「正直に言いすぎよ、少しくらいは隠す素振りを見せなさい」
千早「私、ウソが嫌いだから」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:46:39.23 ID:G2yk7jQLo
千早「ところで水瀬さん」
伊織「何よ」
千早「私、お腹が空いてきたわ」
伊織「それこそ私の知ったこっちゃないわよ」
千早「ねえ水瀬さん、何か食べるもの持ってないかしら?」
伊織「何も持ってきてないわよ」
千早「だったらお前を食べちゃうぞー」
伊織「……」
千早「ちょっと水瀬さん、黙ってないで何か反応してちょうだい」
伊織「もうヤダ、何で今日の千早こんなに絡みづらいのよ」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:47:25.62 ID:G2yk7jQLo
千早「食べちゃいたいと言えば、私は高槻さんを食べたいわ」
伊織「その発言にはさすがの伊織ちゃんもドン引きよ」
千早「よく言うじゃない、食べてしまいたいくらいかわいい、って」
伊織「確かに言うわね、そういう意味ではやよいはそうかもしれないわね」
千早「えっ?」
伊織「えっ?」
千早「水瀬さん…そういう発言、私としてはちょっと引くわ」
伊織「つい数秒前のアンタの発言はどうなるのよ」
千早「私はアレよ、高槻さんへの愛がバーストしてしまっているから問題ないのよ」
伊織「バーストしているのはアンタの頭よ」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:48:00.39 ID:G2yk7jQLo
千早「それはそうとこれは風の噂で聞いたことなのだけれど」
伊織「何かしら」
千早「水瀬さんはそこの詰め物…失礼、ぬいぐるみの中に」
伊織「詰め物!?ちょっとアンタ、人のうさちゃんに何て事を!」
千早「ちょっと水瀬さん、今は私が喋っているのよ、話の腰を折らないで」
伊織「いやいやいや、今のは聞き捨てならないわ!」
千早「そんな、綿を布でくるんだだけの物体なんて私にはどうでもいいのよ」
伊織「はぁぁっ!?人の相棒にそんな失礼なこと言わないで!ちゃんと立派な名前だって付けてんだから!」
千早「そういえばそうだったわね…ええと、何ていう名前だったかしら」
伊織「シャルルよ」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:48:34.18 ID:G2yk7jQLo
千早「シャルル…えっ…ブ、ブリタニア?」
伊織「シャルル違いよっ!あんないかつい声したうさちゃんなんて願い下げよ!」
千早「ぬぁんたる愚かしさかぁぁっ!」
伊織「うるさい」
千早「まあ、それはそれとして…実はそのぬいぐるみの中に非常時に備えて食糧を隠しているとか何とか」
伊織「天地がひっくり返ってもありえないレベルの噂なんだけど、発祥はどこなのかしら」
千早「つい今しがた、私が思いついたのだけれど」
伊織「……」
千早「こんな感じの噂を都市伝説として世に広めようと思うのだけれど、どうかしら?」
伊織「却下」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:49:08.24 ID:G2yk7jQLo
千早「それはそうと水瀬さん、時間は大丈夫なの?」
伊織「ん、時間…?あーっ!もう時間無いじゃないの!」
千早「あら、それは大変ね」
伊織「一切そんな風に思っていないでしょう」
千早「急がなくていいの?時間、ギリギリなんでしょう?」
伊織「そうよ、もう行かなくちゃいけないから千早も楽屋から出てちょうだい」
千早「ふっふっふ、ここを通りたければ私を倒してから」
伊織「邪魔、さっさと出てちょうだい」
千早「あぁん、水瀬さん冷たいわ」
伊織「時間無いって言ってんでしょうが、お願いだから手間掛けさせないで」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:49:48.60 ID:G2yk7jQLo
千早「それじゃあ水瀬さん、台本は持った?」
伊織「バッチリよ」
千早「うさちゃんは持った?」
伊織「問題ないわ」
千早「明日への希望は?」
伊織「大丈夫、持ってる…ん、今なんて?」
千早「明日への希望よ、これが無くては大変よ?ちゃんと持ったかしら」
伊織「はいはい持った、持ったから早く行かせてちょうだい、お願いだから邪魔しないで」
千早「とか何とか言いつつ名残惜しそうにその場に留まり続ける水瀬伊織なのであった」
伊織「もうヤダ、疲れた…収録前なのに何でこんなに疲れなきゃなんないのよ…」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:50:23.87 ID:G2yk7jQLo
――――
―――
千早「ただいま戻りました」
春香「あっ、千早ちゃんおかえりーっ!」
千早「あら、春香…どうして事務所に?今日は直帰だったはずじゃ」
春香「そうだったんだけどね、千早ちゃんとお話したくて戻ってきちゃった」
千早「そうだったの」
春香「でも千早ちゃん中々戻ってこないから結構待っちゃったよー」
千早「ごめんなさい、少しばかり寄り道をしていてね」
春香「そうなんだ…そういえば、この間も戻りが予定よりちょっと遅かったね」
千早「そうだったかしら?よく覚えていないわ」
春香「むぅー…なんだか怪しいなぁ」
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:50:55.72 ID:G2yk7jQLo
春香「まあいいや、ほらほら早く座りなさい!春香さんと語らおうぞっ!」
千早「春香、それでもいいのだけれど、外結構暗くなってきてるわよ?」
春香「あれっ、本当だぁ…あんまり事務所に長居してたら遅くなっちゃうね」
千早「それじゃあどうする?もう遅いし、とりあえずどこかでご飯でも食べて帰る?」
春香「うん、そうだね、何か食べに行こっか!」
千早「そんなわけで今回も結局こういう形に落ち着いてしまったわけだけれど」
春香「あれ、千早ちゃん?またひとり言?」
千早「水瀬さんとの会話も中々新鮮で面白かったわ、普段あまり喋らないだけにね」
春香「おーい千早ちゃーん?だから誰に向かって話しかけてるんだよー?」
千早「今度の暇つぶしの相手は誰にしましょうかしら、楽しみだわ」
おわり
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/15(月) 00:53:09.06 ID:G2yk7jQLo
はい、こんな感じでまたも暇つぶしに書きました
ありがとうございました
>>34
4~5日くらい前に立てた奴だったら自分です、一応続きな感じで
SS速報VIP:千早「暇だわ」伊織「知らないわよ…」