SS速報VIP:モバP「君がいた夏は」



1: ミガサ 2013/07/01(月) 21:12:35.63 ID:PpAPeh660

ぱっ、と思いついた短SS。
よかったら、ホワイトベリーさんの「夏祭り」を聞きながらご覧下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372680755




2: ミガサ 2013/07/01(月) 21:13:16.03 ID:PpAPeh660

―――君がいた夏は 遠い夢の中―――

「……ふぅ」
「夏祭り、というものはどうも私の性に合わないね」
「こっそり抜け出してしまったが……まぁ、彼らなら心配はいらないだろう」
ドーン! ドーン!
「おや……花火が始まってしまったか」
「……思い出してしまうね。君との、遠い、思い出を―――」

―――空に消えてった 打ち上げ花火―――




3: ミガサ 2013/07/01(月) 21:13:44.53 ID:PpAPeh660

―――君の髪の香りはじけた 浴衣姿がまぶしすぎて―――

「はぁ、はぁ、待ったか?」
「私も遅れて来たから待っていないよ。どうしたんだい?」
「親がうるさく、て……」
「……どうした?」
「お前、浴衣……」
「似合うかい?親が折角の夏祭りだから……と、ね」
「……似合ってるよ」
「そうか。ふふ、嬉しいね」

―――お祭りの夜は胸がさわいだよ―――




4: ミガサ 2013/07/01(月) 21:14:16.88 ID:PpAPeh660

―――はぐれそうな人ごみの中 「はなれないで」 出しかけた手を―――

「凄い人だかりだな……」
「そうだね……」
「……な、なぁ、迷子になったら困るからさ―――」
「……射的、か。興味深い」
「えっ?」
「射的、一緒にやってくれないかい?」
「……おう、任せろ!」

―――ポケットに入れて握りしめていた―――





5: ミガサ 2013/07/01(月) 21:15:03.06 ID:PpAPeh660

―――君がいた夏は 遠い夢の中―――

「……何も取れなかった」
「まぁまぁ、元気出せよ」
「君は沢山取ったな。何かコツがあるのかい?」
「あるっちゃあるな……あ、ほら、これやるよ」
「いいのかい?それは君が取ったもので」
「俺には必要ないからな。その髪飾り」
「……ありがとう。大切にするよ」

―――空に消えてった 打ち上げ花火―――




6: ミガサ 2013/07/01(月) 21:15:48.62 ID:PpAPeh660

―――子供みたい金魚すくいに 夢中になって袖がぬれてる―――

「はははっ!見ろよ!沢山取れたぜ!」
「ふむ、私も挑戦してみようかな」
「ならコツを教えてやるよ。ほら来いよ!」
「……ふふふ、可愛いね。君は」
「は?可愛い?」
「なんでもないよ。さ、コツを教えてくれ」
「おう、まずはな―――」

―――無邪気な横顔がとても可愛いくて―――




7: ミガサ 2013/07/01(月) 21:16:19.86 ID:PpAPeh660

―――君は好きな綿菓子買って ご機嫌だけど少し向こうに―――

「綿菓子……不思議な食べ物だね」
「お前はそういうの食べなそうだからなー」
「わ、私だってりんご飴ぐらい知っている」
「そうなのか?じゃあ次はりんご飴食おうぜ!」
「ああ、そうしよう」
「……あれ?あそこにいるのって」
「え?」

―――友だち見つけて 離れて歩いた―――





8: ミガサ 2013/07/01(月) 21:16:50.45 ID:PpAPeh660

―――君がいた夏は 遠い夢の中―――

「やっぱり志乃と楓じゃん!おーい!ちょっと待ってろよー!」
「ちょ、ちょっと待って―――あっ」
「うわっ!?」
「た、助け」
「お、俺の手を握れ!」

―――空に消えてった 打ち上げ花火―――




9: ミガサ 2013/07/01(月) 21:17:22.27 ID:PpAPeh660

―――神社の中 石段に座り ボヤーッとした闇の中で―――

「……」
「はっ、はぁっ、ここにいたのか。探したぞ?」
「あ……」
「はぐれないように手を繋いでおけばよかったな」
「……そうだね」

―――ざわめきが少し遠く聞こえた―――





10: ミガサ 2013/07/01(月) 21:17:49.97 ID:PpAPeh660

―――線香花火マッチをつけて 色んな事話したけれど―――

「俺さ、来週引っ越すんだ」
「……そうか」
「驚かないんだな」
「いつか別れは来るものだからね」
「そうか……」
「一つだけ、いいかい?」

―――好きだって事が言えなかった―――





11: ミガサ 2013/07/01(月) 21:18:20.11 ID:PpAPeh660

―――君がいた夏は 遠い夢の中―――

「……」
「なんだよ。俺の顔をじっと見て……」
「……やっぱりダメだね。私は」
「はぁ?」
「なんでもないよ……それじゃあ」

「どこかでまた会おう、P」
「おう、またな。あい」

―――空に消えてった 打ち上げ花火―――






12: ミガサ 2013/07/01(月) 21:19:03.61 ID:PpAPeh660

―――君がいた夏は―――

「ん、君か」
「どうしてここに、かい?人ごみは昔から苦手でね」
「君があの時、手を握っていてくれてたら、苦手ではなくなっていたかもしれないね」
「……ふふふ、冗談だよ」
「花火を見ていたら、昔のことを思い出してしまってね」
「つい、ここにとどまってしまったんだ」

―――遠い夢の中―――



13: ミガサ 2013/07/01(月) 21:19:37.84 ID:PpAPeh660

―――空に消えてった―――

「覚えているかい」
「あの時、私は君に言いたいことがあったんだ」
「だけど当時の私はヘタレでね、緊張や不安で言うことが出来なかった」
「……だけど、今なら言えるよ」
「聞いてくれるかい、P」

―――打ち上げ花火―――




14: ミガサ 2013/07/01(月) 21:20:12.88 ID:PpAPeh660

―――空に消えてった―――


「好きだよ、P。誰よりも」


―――打ち上げ花火―――



おわり



15: ミガサ 2013/07/01(月) 21:22:08.46 ID:PpAPeh660

お疲れ様でした。
一番はPの心情、二番はあいさんの心情という感じで書かせていただきました。

あいさんの着物姿も見てみたいな、という個人的な思いからこのSSは書き上げられました。

それではここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。


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