1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:32:37.97 ID:ijx+Dv+d0

中1になった頃。


京子がごらく部を作ると言い始めた。


本当はバレー部に入りたかったけど


京子と同じ部活が良かったので


私も入ることにした。


京子と過ごした1年間は楽しかった。






2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:35:06.35 ID:ijx+Dv+d0

中2の頃。


あかりとちなつちゃんが部に入った。


さらに、この頃から綾乃や千歳とも仲良くなりはじめ


私達の周りに人が集まることが多くなった。


それで、京子が楽しそうだったので


私も楽しく、みんなと過ごした。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:37:29.81 ID:ijx+Dv+d0

この頃から、私は一人暮らしを始めた。


あかりやちなつちゃんも、よく遊びにきたけど


京子が1番遊びにきた。


京子が常にラムレーズンを用意して欲しいと言ったので


ちょっと家計は苦しかったけど常に用意した。


京子がおいしそうに食べる姿を見て、私は幸せな気分になった。






10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:40:37.21 ID:ijx+Dv+d0

中3の頃。


卒業だ。京子は常にトップ。私は中ぐらいの成績だった。


なので、違う高校になりかけたけど


私はそれが嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌でたまらなかったから


死ぬほど勉強した。


中3になってから卒業1ヶ月前までに


10キロ痩せた。





13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:45:07.67 ID:ijx+Dv+d0

あかりやちなつちゃんは、私達が1年はやく卒業することを悲しんだ。


綾乃や千歳、千鶴も違う高校だったので、一緒に居られる時間は減る。


京子も、学校が変わることを悲しんでいた。


私も、綾乃達やあかり達は好きだったので、悲しかった。


でも、京子と同じ高校なので、泣きはしなかった。


卒業式で京子は泣いていたけど


私は


ずっと笑顔だった。




17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:49:19.17 ID:ijx+Dv+d0

高校1年生の頃。


京子が生徒会に入った。


私も入った。


幸い同じクラスだったし、トイレ登下校休み時間ヒマな時間あらゆる時間を


京子と過ごせるように徹した。


さらに、高校に入って勉強がグッと難しくなったので


大学受験に備え、早々に勉強を始めた。


もちろん京子と一緒の大学に行くために。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:52:37.12 ID:ijx+Dv+d0

高校2年生の頃。


私は偶然にも日直で京子と一緒に帰れない日があった。


とても嫌で、京子に待って欲しかったけど


「同人誌の締め切り近いから…ごめんね結衣!」


怒りは湧いてこなかった。ひたすらに悲しかった。






20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:54:54.28 ID:ijx+Dv+d0

同じく当番だった人とは一言も交わさずテキパキと掃除を終わらせ


京子の家へ向かった。


頼まれてはいなかったけど、同人誌の作業を手伝うためだ。


…今でも忘れられない。


この日、事件が起こったのだ。



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 21:59:09.92 ID:ijx+Dv+d0

「うっ…や、やめてよ!」
「あぁ?…ついてこいってんだよ!」
「…ったぁ……」


京子が不良に絡まれていた。
殴られていた。


ここまでは鮮明に覚えている。


その先は、激しい怒りで目の前が真っ白になって…あまり覚えていない。


気づいた時には病院だった。
私は奇声を上げて不良に対して暴れていたらしい。


自分でもビックリだった。
いつのまにか体がジンジンと痛かったから。






24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:03:07.39 ID:ijx+Dv+d0

横に親が居た。


心配そうだった。


でも、まず私が考えたのは


京子の居場所だった。


親の言葉を無視して携帯をふんだくり、電話をかける。


私は、京子が家にいる事を確認すると


痛む体を、ムリヤリ起こして家へ向かった。


途中、親や色々な人に止められたけど


私の顔を見ると、みんな逃げていった。
親でさえも逃げるのだから


スゴイ顔をしてたんだと思う。



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:06:44.28 ID:ijx+Dv+d0

家に着き、勝手に家に入る。


京子の親が心配そうに私に声をかえる。


それを無視して、京子の部屋へ向かう。


京子は驚いた。


「は、はやく病院に戻りなよ!結衣、ヤバイって!!」


京子は少し怯えた目で言った。


ひたすらに悲しかった。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:10:55.66 ID:ijx+Dv+d0

高校3年生の頃。


あの事件以来、京子とは少し疎遠気味になってしまった。


クラスも運悪く同じになれず、あらゆる時間を共有することが不可能になった。


生徒会もあるので、毎日話す時間はあったけれど、悲しかった。


1番悲しかったのは


京子が私の家に遊びに来なくなったことだ。


でも


私の家の冷蔵庫には常にラムレーズンが入っていた。



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:17:18.42 ID:ijx+Dv+d0

受験が近づいてきた。


京子は、確かに頭は良かったけど、流石に高校の勉強は努力なしではキツく


私の志望校より下の偏差値の大学を選んだ。


親の反対を押し切り志望校変更。


卒業式で京子は泣いていた。


私はずっと笑顔だった。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:21:11.91 ID:ijx+Dv+d0

大学に入った頃。


京子はバイトを始めた。


怯えられると思ったが


私も同じバイトを始めた。


けど、怯えるどころか


イキナリ京子は私に優しくなり始めた。


何か裏があるとは感づいたけど


どうでもよかった。


一緒に居れる時間が増えたので、とても幸せだった。






35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:24:34.87 ID:ijx+Dv+d0

さらに


「結衣、同棲しない?」


もちろん、快諾した。


私の家に毎日京子がいる。
大学には一緒に通い、
バイトもシフトを合わせて一緒に行った。


冷蔵庫に残っていたラムレーズンを見せると


「賞味期限ヤバイんじゃないの?」


と、京子は苦笑いした。




38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:28:41.26 ID:ijx+Dv+d0

京子は私のマンションに泊まった。


私が洗濯して
私が料理を作って
私が掃除して
私が買い物をして
私が色々な手続きをして
私が家賃を払って


京子は大学勉強に専念する。
京子はバイトの金を貯める。

大体、京子の狙いは分かっていた。
でも、甘えられるのが嬉しかった。


時折、京子が見せる笑顔が


私の疲れを全て消した。



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:34:08.50 ID:ijx+Dv+d0

大学2年生の頃。


京子はバイトと同時進行で、仲間達とバンド活動を始めた。


そこに私が入る隙間は無かった。


一緒に居る時間が減る。


悲しかった。


でも、耐えた。


暴れたら


また、高校2年生の時のように疎遠になってしまう気がしたから。


捨てられてしまう気がしたから。


とにかく、同棲できて幸せだった。



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:38:19.42 ID:ijx+Dv+d0

ある日、京子が二万円欲しいと言い出した。


渡した。


「いつもありがとう、結衣!愛してるよん☆」


笑顔で京子は言った。
すぐに家から出て、どこかに行ってしまった。


でも、もう慣れていた。
もちろん、もっと一緒には居たかったけど


耐えた。


京子の力になっているか?
京子は幸せか?

この頃には、そればかり考えて行動するようになっていたから。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:42:32.39 ID:ijx+Dv+d0

大学3年生の頃。


ある日、とても遅い時間。
私は京子が帰ってくるまで起きるつもりだった。


すると


京子が何かに取り憑かれたように家へ帰ってきた。


「うぅ……あぁあ!!虫が!!大きい虫が私に襲いかかってくる!!助けて結衣!」


フラフラと歩き、ヨダレをたらし、目の焦点は定まっていない。


少し怖かったけど


「助けて結衣!」


この言葉だけで、何かをしてあげたいと思った。



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:46:32.48 ID:ijx+Dv+d0

「あぁぁぁあ!!もうソコにいるってぇ!!ほら、キッチンんんんん!!!」


「気持ち悪いぃぃいい…!!どっかに追い出してよあの虫…!!!」


京子が指差した先には何も居なかった。


私は焦った。


それは、怖かったからじゃない。


京子が見えているものが私には見えていない。


それが嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で


とても落ち着かない気分になったのを覚えている。






59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:50:56.33 ID:ijx+Dv+d0

見たいよ。私も見たいよ京子。


でかい虫が居るんだよな?


「嫌ぁぁぁ…!!!」


なぁ、指差した先には何も居ないよ?


どんなに目を凝らしても見えない。


私はイライラし始めた。


京子を助けることも忘れて


私は棒立ちになっていた。


京子は座りこんで叫ぶ。
私はずっと目を凝らす。


そんな状態のまま、1時間が過ぎた。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:55:19.12 ID:ijx+Dv+d0

京子はずっと叫んでいたため


耐えかねた隣の住人がずっとインターホンを押していた。


私達はその音に気づかなかった。


一時間たった時



過度の近所迷惑ということで警察を呼ばれてしまった。


警察で事情聴取をうける。


私は、精神状態が正常ということで、厳重注意で済み


すぐに釈放された。






67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 22:59:51.82 ID:ijx+Dv+d0

だが京子は


いわゆる「クスリ」に手を出していた。


とても重く深く手を出していて、警察の手に負えないところまで進行していたそうだ。


そういう人達のための特殊な病棟があるらしい。そこに京子は緊急入院する。


警察には、そう聞かされた。


私はすぐに面会を申し出たけど


流石に断られた。


家に帰ったあと、
とても怒りを感じたのを覚えている。


警察と…


何より、自分に対して。



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:04:36.69 ID:ijx+Dv+d0

「なんで気づいてやらなかったんだよ船見結衣!!!」


アルバムの中の自分の写真めがけて包丁を突き立てる。


京子の写真は全て切り抜いて保管してあるので、京子の写真に傷が付く心配はない。


「おまえだろ!?おまえが京子の唯一の味方だろ!?」


ドスッ、ドスッ…と鈍い音が響く。
この程度の音なら近所迷惑にならないはずだ。


「このっ、このっ、このっ…」


死んだら京子に会えなくなるので


自分への怒りは、写真にぶつけた。



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:08:34.98 ID:ijx+Dv+d0

「はぁっ、はぁっ…」


怒りが治まると、次はキッチンの前で正座する。


目を凝らす。


1時間たつ。ひたすら目を凝らす。


2時間たつ。ひたすら目を凝らす。


3時間たつ。ひたすら目を凝らす。


4時間たつ。流石に諦める。


京子の全てを理解できない情けない情けない自分にまた怒りが湧く。


また包丁を握る。


この日は、それを繰り返して終わった。



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:11:33.59 ID:ijx+Dv+d0

日にちが変わり、朝10時までそれを繰り返していると


警察から電話がかかってきた。
場所を教えるので、面会に行ってはどうか、ということだった。


めちゃくちゃになったアルバムをゴミ箱に突っ込み


私は、京子の居る病棟に向かった。


今から行くよ。


待ってろ。


私は唯一の味方だからな。



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:15:56.24 ID:ijx+Dv+d0

病院に着く。


周りから大声で叫ぶ声が聞こえる。
看護師さんがあたふたと動いている。


私が受付で面会を求めると


今は精神状態が荒れていて危ないときなので、後日来るように言われた。


もちろん、そんなの嫌だったので


看護師から病室番号のリストをふんだくり、病室へ向かった。


あの日の…高校2年生の時のように。


あの日と同じく、私を止められるものは誰も居なかった。



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:20:09.58 ID:ijx+Dv+d0

123号室。


入るやいなや、聞こえたのは


京子の怯える声と


医者の大声。


京子はヒモで縛られて、必死に体を動かしていた。


「ちょっ!!ほら!!もう刺さってる!!おぇぇ……!!!!」


「落ち着いて下さい!!!何も刺さっていません!!気を確かに!!!」


その光景が…私には


高校2年生のあの時と同じく


京子がイジメられているようにしか見えなかった。



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:24:11.71 ID:ijx+Dv+d0

でも、暴れるのはグッとガマンする。


なぜか自分の成長を感じた。


ここで暴れたら、また疎遠になるぞ。また京子の側にいれなくなるぞ。


そう判断した。


「…結衣!?結衣だぁあぁぁ!!!助けてぇぇ!!ほら、刺さってるよね!?」

「ここに人は来ないんですよ…!!ほら歳納さん…!!」

「…いえ。いますよ。面会にきました」

「え…?こ、ここは今…ヒッ」

私の顔を見ると医者は逃げていった。






90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:27:21.17 ID:ijx+Dv+d0

「結衣!!抜い…抜いて!!これ、これ!!」

「?」

「ぐぅぅ…い、し、死ぬっ…!」


ジタバタと京子は暴れる。


しかし、何も刺さってない。


どういうことだよ、船見結衣。


京子の力になれって。


ほら、さっさと京子に刺さってるはずのものを抜いてきなよ。


見えないのか?
京子には見えてるんだけどな。


また棒立ちになる。



94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:32:17.61 ID:ijx+Dv+d0

また怒りが湧いてくる。

「はぁっ…はぁっ…ぬ、抜けたぁ…」

「あれ…大丈夫なのか?」

「う、うん…何とかね…」


どうやら抜けたらしい。


京子は少し落ち着き始めたけど、まだソワソワしている。


おい、京子は自分で解決しちゃったぞ?
力になれよバカ。

「ねぇ、結衣…ちょ、暖かいもの買ってきてくんない?」

「!…分かった!」


やっと、京子と自分が繋がった気がした。


京子に貢献できる。
とても嬉しかった。




96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:35:33.40 ID:ijx+Dv+d0

近くの自動販売機で買ったコーヒーを持っていく。


多分、顔は笑顔だった。
何か出来るのがたまらなく嬉しかった。

「え…冷たいもの頼んだんだけど…」

「え?そ、そうだったっけ?」

「うん。冷たいもの買ってきて」


京子が言うならそうなんだろう。


私は自動販売機で冷たい飲み物を買う前に


トイレに駆け込んだ。



98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:39:24.31 ID:ijx+Dv+d0

即座にカバンから包丁を取り出す。


「このっ、役立たず…冷たいものだろ…!?」


少しずつ腕に、一本の切り込みを入れていく。


数年前から、京子の期待に答えられなかった時はこうすることにしていた。


バカか。

スー…

間違えるな。

スー…

絶対に京子の期待に答えろ。答え続けろ。


気が済んだので、自動販売機で冷たい水を買って、病室へ向かう。



101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:45:09.13 ID:ijx+Dv+d0

「買ってきたよ。ほら、水」

「ひっ…ま、また来た…!!!」

「?…どうしたの?」

「離れろ!!!離れろ!!!気持ち悪い…この虫はどこまでついて来るの…!?」


また虫と格闘してるらしい。


私も見たいな…と思いながら目を凝らす。


そうして、1時間たった時。


「…うわっ!!帰って下さい!!!!!」


私を指差しながら京子は言う。


「えっ…私?」

「なんで警察が居るんですか!!!!事情聴取は終わったって言ったじゃないですか!!!!!!」




105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:50:23.26 ID:ijx+Dv+d0

「ちょ、待て。結衣だよ。船見結衣」

「はぁ!?警察みたいな無理矢理な人が結衣なワケないじゃん!!また幻覚とか言うの!?」

「そうだよ。船見結衣」

「結衣をバカにすんのもいい加減にして!!!!結衣は優しい人だよ!!!」


うれしかった。


なんだかんだで、京子は私を優しい人だと思ってくれていたんだ。


「目の前から消えて!!!」


…嬉しさに浸ってる場合じゃなかった。


京子が言うなら私は警察なんだろう。


その日は帰った。


「優しい人」と言われたのが嬉しくて
ますます京子が好きになった。



110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/16(水) 23:54:29.13 ID:ijx+Dv+d0

ますます京子が理解したい。
どうすればいい。


私は虫が居ることも


京子が冷たいものを頼んでいたことも


自分が警察であることも


気づかなかった。


京子が好きだ。全部好きなんだ。
全部好きなんだ。全部好きなんだ。

全部好きなはずだろ。
京子の全てを知っても好きでいられるよな?


自分が京子を嫌いになることはありえないと分かっていても


やっぱり知らない部分があるのは、とても落ち着かなかった。





112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/17(木) 00:00:11.27 ID:HIAZwc9a0

翌日。


今日はわりと落ち着いているらしい。
怯えられながらも、スムーズに面会を取り付けた。


「京子ー?調子はどう?」

「ん?あぁ、すっごく良いよ!」

「えっ、ホントに?」

「うん!最後の使ったからさ!へへ…パンツに隠してたんだ…ガマンできないわぁ」

「ん?どういうこと?」



117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/17(木) 00:04:18.69 ID:5AL916DU0

「これこれ!この袋に白い粉が入ってて、それを吸うだけでOK!」


「今の京子ちゃんはテンションMAXだよん☆」


そうだったのか。


「クスリ」って、そういうことか…


「ごめんねー結衣ぃ!!迷惑かけてるみたいでぇ!!」


「でもぉ!!これ吸うとぉ!!全部ラクになるんだよねぇ!素敵なものがいっぱい見れるしぃ!?」


「結衣もやってみればぁ!?」


一つ、京子を理解できた。


しあわせだ。




119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/17(木) 00:08:38.79 ID:HIAZwc9a0

「やり方はぁ!ネットにいくらでも転がってるかさぁ!!」

「私もぉ!最初はバンド仲間にムリヤリ吸わされてさぁ!!」

「ホント、勘弁してよって感じだったんだけどね!」

「む、ムリヤリ!?バンド仲間って誰だ!?」


殺してやる、と言いかけるのを京子が止める。

「でもさぁ!一回吸うと止められないんだよね~!!私も止めたいとは思ってるよ!?でも、ムリムリ」

「気持ち良すぎ!!」


ケラケラ笑う京子。


幸せそうだな。


ほっこりと心が満たされる。


心の中で少しバンド仲間に感謝した。



122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/17(木) 00:11:29.28 ID:HIAZwc9a0

「んーでさぁ~…」


久しぶりの京子と過ごす時間。


帰ったら私も試してみよう、なんて思いながら京子と話す。


私にとって、とても大切な二人の空間。


とても早く時間が流れる。


ずっとこうしていたい。


京子、大好きだぞ。





124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/17(木) 00:14:09.03 ID:HIAZwc9a0

「くっ…!?…うわぁぁぁぁぁぁ!!!」


また、虫が見えるのか?


でも、全部クスリのせいなんだよな。


分かってる、分かってるよ。


もう焦らないよ。
私は京子の全てを理解した。


その上で、お前が大好きなんだ。


それが確認できて、よかったよ。


「はぁはぁはぁはぁ!!!ぁぁあ!!ストップ!!ストップ!!!」



126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/17(木) 00:18:15.37 ID:HIAZwc9a0

「来ないでぇぇぇぇえええぇええ!」






私は微笑む。
ったく、しょうがないな。





「あっあっ…結衣ぃぃ!!」







一生、そばで守るよ京子。


~完~


元スレ
結衣「依存」