474: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:13:27 ID:9Yr
お待たせいたしました。第2部、始まります。
13話目になりますね。アニメなら2クール目。
A glimpse of peace and conspiracy.
475: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:13:57 ID:9Yr
~アウプ湿原~
加蓮「わ……凄いね」
肇「遮るものが殆ど無いからか、視界が開けて見通しが良いですね」
ネネ「でも、草がほんの少し長いですから、足を切ったりしないよう、注意しないと…」
未央「わぁ、あっちもこっちもポケモンだらけ! あ、あっち、ニョロゾがいっぱい!」
加蓮「未央、はしゃぐのはいいけど、ちゃんと前見て歩かないと絶対滑るからね?」
未央「大丈夫だよ、トノカミ洞窟みたいな坂道じゃないんだし、気をつけてゆっくり行けば後ろ歩きでも…」ギュム
未央「ん、何か踏んだ……?」
マッギョ「マギョ……」
未央「あはは……ごめーん…」タラー
マッギョ「マギョー!」バリバリバリ!
未央「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!!!」バリバリバリ
ジラーチ【言わんこっちゃない…】
未央「ジラちんは、だまっ、て、て……」バタリ
ジラーチ【……はいはい】
ネネ「た、大変、麻痺してます!えっと、クラボのみはたしか……」ガサガサ
加蓮「こんな平べったいのもそこらじゅうにいるんじゃ、怖くてマトモに歩けないじゃん…あ、そだ。」
ボウン
ぱん「サン!」ピョコ
加蓮「この子小さいからさ、下を見てもらいながら付いていけば大丈夫じゃないかな」
ネネ「成程、先導役ですね。なら!」ボウン
ハナちゃん「ダネダネ!」ピョコ
ネネ「地面に危ないものがあったら知らせてくれる?」
ハナちゃん「ダーネフシ!」ビシッ
加蓮「2体がかりなら流石に大丈夫でしょ」
肇「ですね。私のポケモンは、あまり速くは動けないので、ここはお二人にお任せしますね」
未央「あー…ひどいめにあった……」ムクリ
加蓮「次は前見て歩かないとダメだよ」
未央「うーい……」
~~~~~
肇「ようやく3分の1、といった所でしょうか……地図に大きな池が書いてありますけど、多分あそこの池がそうだと思います」
ネネ「少しだけ休憩にして、お茶でもしませんか? 景色もいいですし」
加蓮「賛成。先はまだ長いもんね。地図によれば、あと3分の1を歩けば残りはちゃんとした道路になってるみたい」
ネネ「そこから道なりにだと、浜に出ますね。次の街はその先のはずです」
未央「うーん…でもさ、これだけ広い場所だしさ、今日くらいはここでキャンプにしてもいいんじゃないかなあ」
加蓮「どうしたの、突然」
未央「ほら。これだけ広いから、おっきなポケモンでも思いっきり羽根を伸ばせそうじゃん。たまにはリフレッシュ休暇って事で、自然の中で遊ばせてあげたいな~……なんて」
肇「あ、いいですね…素敵な考えだと思います、未央ちゃん」
ネネ「確かに、のどかな景色ですし、のんびりゆったりできそうですね。なら、今日はそうしましょうか♪」
ボウンボウン ボウン!
未央「と、言うわけだ諸君。出発は明日にして、今日は自由行動!食べたくなったら食べて、遊びたくなったら遊ぶがいいぞよ~!」
「メリャメー」「ピーウス」「チルル!」「グマラ!」
「…………やぁん?」
※皆は思い思いの場所に散らばっていった……。
Side まろ
まろ「チルル♪」バサッ…バサッ…
まろ「チル?」クンクン
まろ「チルー♪」バサーッ……
※どうやら木の上に、好物のきのみを見つけたみたいです。
まろ「チルチルルー」アーン
アーボ「シャーボ!」ニュッ
まろ「チル!?」ビクウッ スベッ
池に落ちたまろ「チルルー!」バシャアアアン
アーボ「シャボッ」パクリ ゴクン
※どうやらこのアーボ、先にきのみを狙っていた様です。まろは大丈夫なんでしょうか。
~~~~~
加蓮「………まろ、その羽根どうしたの」
ぐしょ濡れまろ「チルー」
※羽根が、絞った雑巾みたいになっています。
加蓮「……とりあえず、面白いからカメラアプリで撮るね」カシャカシャ
ネネ「いや……風邪ひきますから……」
~~~~~~
Side ぱん ハナちゃん めりゃめりゃ
ぱん「サンサーン!」ピュウウ
ハナちゃん「ダネフシャ!」ブルブル
めりゃめりゃ「メリャ!」バリアッ!
ぱん「サン!」
ハナちゃん「ダーネッ!」シュルル!
丸くなるぱん「サン!」クルン
ハナちゃん「フッシャ!」ピシィ!
ぱん「サンー!」クルクルクルコロコロ
※バトルの自主練中です。丸くなって攻撃を防ごうとしましたが、アローラのサンドは体が硬すぎて、丸くなるとカーリングの石みたい。そのままクルクルどこまでいくのかな?
ぱん「サンー」クルクルクルコロコロ コンッ
※何かにぶつかって、止まったみたいです。
一体これは何でしょう。
ぱん「サン?」ツンツン
ハナちゃん「ダネダネ」トコトコ
めりゃめりゃ「メリャア?」ヌタヌタ
ガマゲロゲ「ゲーロ…」ムクリ
ぱん「サンー!」
めりゃめりゃ「メリャー」
ハナちゃん「フシ ダネダネ」
>>3匹は初めて見る種類の大きなポケモンに、びっくりです。
ガマゲロゲ「ゲーロ?ゲーロゲロ」
めりゃめりゃ「メリャア メリャメーリャ」
胸を叩くガマゲロゲ「ゲロォ♪」ドンッ
ハナちゃん「ダネダネ!」ワーイ
ぱん「サンサーン!」ワーイ
※どうやら、バトルの練習に付き合ってくれる様ですね。優しいポケモンでよかったね、3匹とも。
~~~~~
Side 肇
肇「…無心に……心を……明鏡止水の如くに……」
ヤド先生「……やぁん」ピチョピチョ
※ここはいつも通りですね。二人で釣りをしている様です。
トロちゃん「ピスピース」バサッ
肇「あ、もうご飯の時間なんですね。先生はどうなさいますか?」
ヤド先生「やぁん」
肇「わかりました。釣り、楽しんで下さいね。」
ヤド先生「やぁん……」ピチョピチョ
※肇はトロちゃんに乗ってテントに帰っていきました。
ヤド先生「やぁん……」ピチョピチョ
ヤド先生「……………」
ヤド先生「………zzz」
※寝ました。
~~~~~~
ガマゲロゲ「ゲロォ!」パーンチ!
めりゃめりゃ「メリャア」バリアッ
ハナちゃん「ダネフシャ!」ピシッ!
ガマゲロゲ「ガーマゲロ!」ピョーン
ハナちゃん「ダネッ!」
ガマゲロゲ「ゲーロッ!」ヒューン……
ぱん「サン!」カキィン!
ガマゲロゲ「ゲロォ」スタッ
めりゃめりゃ「メーリャ!」ピョンッ! ノシッ!
ガマゲロゲ「ゲロォ!」バタバタ
顔に貼り付くめりゃめりゃ「メリャ」ヌタヌタ
ハナちゃん「フシャ!フー!」ピシィ!
ガマゲロゲ「ガママァ!」ステーン!
めりゃめりゃ「メリャア♪」
ハナちゃん「フシャ」フンス
めりゃめりゃ「メリャ?」カッ!
ハナちゃん「フシャ!」カッ!
ぱん「サン!?」ワタワタ
ガマゲロゲ「ゲーロッ」ポンポン
ぱん「サン?」
ガマゲロゲ「ゲロゲ♪」
ハナちゃん(フシギソウ)「ソウソーウ!」ワサッ
めりゃめりゃ(ヌメイル)「メイルメ」ヌタヌタ
ぱん「サンサーン♪」ワーイ!
ガマゲロゲ「ゲロロロロロ♪」
※なんと、2匹同時に進化してしまいました。ぱんもガマゲロゲも大喜びです。
~~~~~~
Side ヤド先生
ヤド先生「………zzz」
シェルダー「ダッ?」ピョコ
ヤド先生「………zzz」
シェルダー「シェール!」パクン
カッ!
~~~~~
※で、翌日。
未央「な、何か……見ないうちに……」
肇「随分たくましくなりましたね……皆……」
ネネ「こんな事ってあるんですねー……」
ヤド先生(ヤドラン)「…………やぁん」テレリ
ハナちゃん「ソウソウ」コクン
めりゃめりゃ「メイル」コクン
加蓮「それにひきかえ……うちのまろと来たら……」
まろ「ヘプシッ!……チルー」
未央「や。それ半分は写真撮りまくったかれんが悪いような……」
加蓮「未央だって大笑いしてたじゃん、写真見て」
未央「だ、だってあれは……ねえ」プッ
ガマゲロゲ「ガーマゲロ」ノシノシ
ハナちゃん「ソウソーウ!」
めりゃめりゃ「メルメイル!」
加蓮「あのポケモン……誰?」
ヤド先生「……やぁん やぁん」
肇「ふむふむ……何でも、皆さんのトレーニングをご自分からお手伝いして下さったとか…」
ガマゲロゲ「ゲロゲ」ドンッ
未央「へーえ、優しいポケモンなんだぁ」
加蓮「タイプはみずとじめんなんだ……ふーん、ガマゲロゲ、か」ピポパ
ネネ「なら、これはもう決まりですね、肇さん」
肇「はい。ガマゲロゲさん、もしよろしければ、私達と一緒に行きませんか?」
ガマゲロゲ「ガママァ」ドンッ
肇「はい、よろしくお願いしますね。」トンッ
※肇はフレンドボールを投げずに優しく体に当ててあげた……。
シュウウウ……ユラッ ユラッ ユラッ カチッ
肇「…このガマゲロゲさん、先生が仰るところ、どうやらメスみたいです」
肇「名前は……ガマかみさん、とかどうでしょうか。村に伝わる?神(おかみのかみ)の伝説から、名前をお借りしました」
未央「ガマかみさんかぁ。うん、はじはじらしくていい感じ!」
ネネ「頼りになるお母さんですね、ガマかみさん」
加蓮「これで後は未央だけだからね、3体目を捕まえてないの」
未央「んー、ドラゴンタイプって珍しいからなぁ……かれんがまろを貸してくれるなら、まろも進化してドラゴンタイプになってるんだけど」
加蓮「貸すわけないじゃん、ずっと一緒だよ、私達」ギュ
まろ「チルー♪」モフ
ジラーチ【ごちそうさま、って感じだね。やれやれ】
未央「ふふ。冗談だよ。まろとかれんは相思相愛ですからなぁ」
ネネ「ですね」
ハナちゃん「ソウソーウ」
肇「成程……言われてみると、確かに…」
ヤド先生「……やぁん」
加蓮「何か……皆してそんな見てくると、ちょっとアレなんだけど……」
まろ「チルルー…」
※こうして、一気にパワーアップを果たした仲間達。次の街、プロセウタウンへの道のりは、あと少しだ!
~~~~~
Side 忍
~プロセウタウン隣、マリータ峠~
忍「負けるなオウリン!カウンター!」
オウリン(リオル)「オー……」
ワンリキー「リキッ!」
オウリン「ルー!」バコオン!
ワンリキー「リキー!」ドゴオオ……
忍「はぁ……よし……はい!」スッ
オウリン「オリン!」パシッ
※ハイタッチを交わす2人。どうやら、2匹目のパートナー、リオルの特訓をしている様だ。
忍「峠道と街とを行ったり来たり……朝は芳乃ちゃんの社のお掃除から始まって、昼から夕方までは特訓特訓で」
忍「そろそろユニットの仲間が現れる頃なのでしてー、なんて芳乃ちゃん言ってたけど……ホントに大丈夫なのかな」
スイクン『忍』スタッ
忍「わっ……びっくりした……スイクン様、どうかしたんですか…?」
オウリン「リン?」
スイクン『どうやら、芳乃の水占いに出たようだ。数日後、お前の仲間が街に現れると。』
忍「ほ、ホントに!?」
オウリン「リオッ!」
スイクン『ああ、だが芳乃が言うには、証の数が足りないらしい。芳乃の持つ水のバッジと、更にもう1つのバッジを勝ち取らぬ限り、例え同道したとしても、忍は挑戦権を得られないそうだ』
忍「バッジが……2つも…」ゴクリ
スイクン『これより先の詳しい話は芳乃に聞くといい。背に乗れ、街へ飛ぶ』スッ……
忍「…はい!スイクン様、よろしくお願いします! 戻って、オウリン!」シュウウウ
スイクン『一息に峠を駆け降りる。舌を噛むから口は閉じていろ……行くぞ』
忍「……」コクン
スイクン『……はぁっ!』シュン!
~~~~~~
Side 唯
~メーヴェシティ・地下への隠し階段~
唯「や~、ちなったん元気そうでよかったなー。って、昨日も電話したばっかなんだケド☆」スタスタ
悠貴「…はぁ…」
唯「悠貴ちゃん、あんま気にしないほうがいいって。最初は誰でも初心者なんだし、それよか楽しまないと、でしょ?」
悠貴「はいっ…わかってます……わかってる、つもりなんですけどっ……」
唯(トーナメントで負けたのがそーとーキツかったみたいっぽいなー。けど、アレは相性が悪かったよねー…)
唯「お、見えた。悠貴ちゃん、エレベーター乗るよー」
悠貴「あ、はいっ。すみません、気を遣ってもらって…っ」タタタッ
唯「いいっていいって、唯達トモダチじゃん?そういうのも、トモダチなら当たり前のコトだよ☆」ヨシヨシ
悠貴「あ……えへへっ、頭、撫でてもらうの……ちょっと落ち着きますっ」
唯「悠貴ちゃんのが背が高いから、ゆい、背伸びしなきゃだけどね」ヨシヨシ
悠貴「わ、私ったら気付かなくてっ……しゃがめばいいですかねっ」アワアワ
チーン!
唯「あ、エレベーター来ちゃった。とりあえず、今はここまでかな」
悠貴「…ですね、泰葉さんにも、事情を説明しないとですしっ…行きましょう、唯さんっ」
※二人はエレベーターに乗り込んだ……
エレベーターは海底へと深く深く下っていく………
~メーヴェ港の南・海中ドーム~
※ポケモンリーグの本部は、海中の巨大ドームに作られた街の中にある。
※リーグ開催時期までは船の航行を妨げないよう、街ごと海中に沈んでおり……
※メーヴェシティの、とある場所から入れる地下通路、その先の海底エレベーターを使わないと中には入れないようになっているため、外部の人間は侵入不可能とされている。
※今、グリモ地方の各地で起きている、ある問題について、四天王達は対策会議を始めようとしていた……。
~ドーム内、ポケモンリーグ本部~
泰葉「お帰りなさい。任務、ご苦労さま。」
唯「やほやほ、泰葉ちゃん久しぶり~」フリフリ
悠貴「ご無沙汰ですっ、泰葉さんっ」ペコ
泰葉「うん、悠貴さんもお疲れ様。」
拓海「よし、ひとまずコレで後は志希だけだな……けど、アイツ…どこほっつき歩いてんだ?」
泰葉「きっと志希さんは志希さんで、何か手がかりになるものを掴んでくると思うの」
泰葉「今いる私達だけでも、情報の共有をしておきたいんだけど……いいかな」
拓海「異論はねえぜ。お前がアタシらの頭脳なんだからな。」
悠貴「はいっ。私も、皆さんが精一杯働けるよう、サポートしていきますっ!」
唯「ゆい、ムズカシイ話は全部ちなったんに任せちゃうしなー。後でちなったんにも相談してみようかな。家、すぐそこだし☆」
拓海「ああ、そういやお前と千夏って、一緒に住んでるんだったな。なら、別にいいんじゃねえか、色々手伝って貰ってるしよ」
泰葉「私からもお願いしておきます。協会の所属ではないとは言え、確かな頭脳と腕前の持ち主ですから」
泰葉「今はとにかく、わかっている事を纏めておきましょう」カッカッ
※ホワイトボードに泰葉の綺麗な字が書き連ねられていく…。
泰葉「……グリモ地方の各地に、謎のラボが点在するようになったのは、1年ほど前からの事です。どの場所にラボがあるかは、ほとんどわかっていないけど……」
唯「ゆいが見つけたのはここだけど、色々あってラボが爆発しちゃったんだよね~…」
拓海「アァ?爆発って…」
泰葉「事前に話は聞いてます。加蓮さんという、ジム巡りをしているユニットのメンバーですね。」
拓海「ソイツ一人でラボをフッ飛ばしちまったのか? へぇ、じゃあいずれはこのアタシんとこにも挑戦に来るかもな…」ニヤリ
唯「でね、そのラボはやっぱりコウセツ実験みたいなやつ、やってたっぽい!」
泰葉「降雪、ね。」カッカッ
悠貴「雪、ですか…? でも、雪が降るような天気でも、季節でもなかったですけど…」
拓海「魔路架団ってなァ、天気を操ってんだとよ、ポケモン集めて、オリに閉じ込めてな……ムナクソ悪い話だぜ」
悠貴「天気を……」
泰葉「悠貴さんのヒノヤコマが使う、『おいかぜ』も、似たような効果を持つけれど……天気を日照りにしたり、雨を降らせたり、砂を巻き上げて砂嵐にしたり、あられを降らせたり……ポケモンには、そんな潜在能力が秘められた種類が数多くいる。」
泰葉「天候を彼らが操る時、そのエネルギーをどこかにドレイン……つまり、吸い上げているところまではわかっているんだけど…」
唯「お天気を操るってくらいだから、凄いエネルギーなのは間違いないわね、ってちなったん言ってたっけ…」
拓海「何だ、天気のエネルギー使って、爆弾でも作ろうってのか、奴らは」
悠貴「ば、ばくだん……?」
泰葉「…それは考えにくいかな……爆発力ならわざわざ回りくどい事をしなくても、大爆発を覚えるポケモンのエネルギーだとか、もっと他にも色々……」
唯「……あ、そうだ、これ…皆に話しとかなくちゃなんだけどさ」
泰葉「………例の件、ね…」
唯「うん」
拓海「例の件?……何だ、やけに勿体ぶるじゃねェか」
唯「ゆいね、智絵里ちゃんと……戦ったの。マジカのラボの近くで」
拓海「な……!」
悠貴「えっ……」
泰葉「………」
唯「完全に、正気を失ってた……あれ、多分ポケモンの催眠術とか、それのもっと強いやつで操られてるっぽかった」
唯「力も、四天王のゆいが取り逃しちゃうくらいに強くなってたし……」
拓海「…………ッけんな!!!」バコォ
悠貴「た、拓海さんっ」
泰葉「……………」
拓海「何の為にかは知らねえ……けど、ジムリーダーは協会の……アタシらの身内だ、仲間だ」
拓海「その仲間が操られて、しかも仲間同士で喧嘩になっちまっただと……?」ワナワナ
泰葉「拓海さん、今は状況を。一度深呼吸して落ち着いて」ピシャリ
拓海「………っ、すー………はー………」
拓海「スマねぇ、泰葉。アタシが冷静さを欠いたら……救えるもんも救えねえんだよな」
唯「…けどさ、どうしてこんな事……」
泰葉「考えられるとしたら、やはり戦力。」
泰葉「マジカ団のラボは、各地に点在して、研究者や団員の人数もかなり多い。その割に……纏め役である幹部の人数はかなり少ない」
泰葉「ここまでは、これまでの私達全員の調査活動でわかっている事。リーグの開催期間がまだ先だから、これだけ自由に調べることができた。」
拓海「アタシは…特に何もできなかったな」
泰葉「ううん、拓海さん、あなたはあなたで、重要な任務を果たしてくれました。この先必要になる、世界を守る為の正しい心を持ったトレーナー……」
拓海「ああ、一人だけ、見つけてきた。アタシの認めた大事な弟子だ」
泰葉「それが、拓海さんの仕事。人には向き不向きがあるから、事を荒立てないためにも、拓海さんの力は最後までとっておきたかったの」
泰葉「私が倒れたら、後はもうチャンピオンか、あなたしかいない…そう言い切れるレベルの実力が、拓海さんにはあるのだから」
拓海「…面と向かってんな事言われっと、照れるけどよ。…お前の眼が覚悟決めた奴の眼なのは、よくわかんぜ、泰葉」
泰葉「もちろん、二人もよ、悠貴さん、唯さん。悠貴さんは私が直に見つけた有望なトレーナー。私の飛行タイプの極意を、これから叩き込むつもりだから。」
悠貴「…はい!がんばりますっ」
泰葉「唯さん、千夏さんと連携しての的確な潜入任務、これはあなた達二人にしかできないはず。機動力と小回りが利く手持ちポケモンを持つ唯さんは、これから先も引き続き、マジカ団の動向を探ってもらう事になる。苦労をかけることは承知だけど…」
唯「大丈夫だよ、唯、こう見えてやる時はそれなりに頑張れる子だし☆ ちなったんも一緒なら、どこだって飛んでっちゃうし!」
泰葉「後は……志希さんの帰りを待つだけね。彼女は行動が突飛だから……もしかしたら、とんでもない何かを暴いてくるかもしれない。」
拓海「遊んでっかもしれねえけどな。一か八か、アイツはそういうヤツだ」
泰葉「いいえ。予感がするの。……多分、今回彼女は……途轍もなく重要な何かを持って、帰ってくる。」
泰葉「今は彼女と、いずれ未来に現れるはずの、可能性の子達を信じましょう。」
拓海「だな。アタシもまだまだ、アイツを鍛えてやんねえと」パシッ ニヤリ
悠貴「泰葉さん、私、追い風の戦い方、崩されてしまったんです…それで、つい慌てて…」
泰葉「誰だってペースを乱されれば焦るものだよ。大丈夫、私を信じて、一緒に強くなろう」ヨシヨシ
唯「何か、ここだけ見てるとホントにへーわって感じなんだけどなー。あと、ゆいね、加蓮ちゃんの事ちょっと気になってるんだよね」
唯「またいつか、一緒にバトルしてみたいなー、そしたらきっと、エモいだろうなー」
~~~~~~
※とある、砂漠地帯……。
ポツリ ポツリ……ザアアアアアア
ガバイト「ガバ?」キョロキョロ
イワパレス「パレー!」カサカサカサ
メグロコ「グロッ……」タタタタ……
ガバイト「ガバ……」
※突如、砂漠に降り出した大雨。
逃げ惑うじめんポケモン達。
異常気象の輪は、確実に世界を蝕みつつあった。
~~~~~~
~某所・マジカ団のラボ・資料室~
志希「ん~、あれでもなーい、これでもなーい」ガサガサ
ベベノム「ベノベノー」
志希「おかしいにゃ~、ここのラボにも無いってことは……あ、もしかして、秘密のスイッチとか、あったりするのかな」
ベベノム「ベノ!」ピラッ
志希「ほほーう、ポスターの裏にそれらしきスイッチがあるねぇ……」
志希「押してみよー!ポチッとな!」
ガガガガガガ……ガコン
志希「……にしても流石に不用心過ぎる気がしなくもないけどね~」
ベベノム「ベノ?」
志希「ほら、アレだけラボがあるならたくさん団員がいるはずなのに、このラボなんて資料あるのにもぬけの殻なんだよ?」
志希「もしかして、マジカ団って言うのは皆が無意識下で共有してるところの集団的幻覚作用を利用した一種のホログラムで、洗脳されたポケモンの周りに団員の幻をくっつけてトレーナーに見せかけてる…とか。当てずっぽーだけど」ニャハハ
志希「そもそもアタシ、脳科学とか心理学とかは専門外だしねー。ちょーっとかじったことあるくらいで」コツコツ
志希「さてさて、この地下室には何が眠っているのかにゃ?オープンザセサミー!」ガチャリ
ベベノム「ベノベノー!」
志希「………わお、何あれ」
ベベノム「ベノ!」ヒューン
※ポッドの中にポケモンの姿がある……
ウツロイド「ゴポポ……じゅるるっぷ…」
ベベノム「ベノベノー…」シュン
志希「ははー、もしかして、キミの世界のオトモダチだったり?」
ベベノム「ベノベノー」コクン
志希「……この資料、このポケモンのだね」
志希「ウツロイド…神経に毒を打ち込んで獲物に寄生……道行く人が突然寄生され、暴れだした事もある……神経毒ね。毒ならアタシのテリトリーだ」
志希「ふむふむ、寄生されると度合いにもよるが、極度の興奮作用や快楽から、寄生状態を自分から求めるように……あー………」
志希「これかなりエッチぃのに使えそうなヤツね、はいはい……で、こっちのは……その神経毒の簡易版みたいな奴を作ってるんだ」
志希「しかもご丁寧に解毒薬まであるし。」
志希「異世界から来たウルトラビーストっていうポケモンは、ベベノムもそうだけど基本的に見知らぬ世界に訪れてしまった事で人間を敵と見なして攻撃したり、殺害したりしちゃうんだよにゃー」
志希「本当はいい子達もいるし、仲良くなれる存在の筈なのに、人の都合だけで殺されそうにまでなっちゃったポケモン達。それが、ウルトラビースト」
志希「……アタシには君達が、他人には思えないんだよね……勝手な感情かもしれないし、キミ達とアタシは全然違う存在で、本来なら、出逢うこともなかったはずだけどさ」
志希「…よし、ひとまずこの子を助けちゃお。ほんで、解毒薬のサンプルも拝借して……後はアタシにお任せって事で。べべちゃん、その間はウツロイドと遊んでていいからねー」
ベベノム「ベノ?ベノベノー!」
志希「じゃ、ポチッとな!」
解放されたウツロイド「じゅるるっぷ…」フワフワ
志希「キミ、とりあえずボールに入るよね? このマスターボールでいいかにゃ、住心地は悪くないはずだけど」
志希「昔何かの研究で成果出したときに貰っちゃったんだよねー。使い道なかったから困ってたんだけど」ポイッ
ボウン ユラッ カチッ…
志希「こーゆーのも運命とかって言うのかにゃ~……」ヒョイッ クルクルクル
※指先でマスターボールを回しながら、志希はふと、厳しい目つきをした。
志希「人の脳もポケモンの脳も、誰かが勝手に弄ってムリヤリ従えたりしたら、面白くも何ともないのにね」
志希「実験の対象物って、反応が個々で差があるからこそ面白いのに…ってのは、とりあえず置いといて」
志希「答えがわかりきった数式より、わかってない数式のが志希ちゃん好きなんだよねー」ニャハハ
ベベノム「ベノベノー」
志希「キミとアタシとの関係も、これからどうなるかは未知数。んー、人生はスリルとスパイスと、ほんの少しのDrug in the brain…ま、勘違いも恋のうちだしね」
志希「さてさて。それじゃー早速実験と行きますか。機械はあるからここでやってもいいんだけど、志希ちゃん、ここの図面はもう丸暗記しちゃったしな~」
志希「よし、おウチ帰って同じの作ろーっと!行くよーべべちゃん」
ベベノム「ベノノー」スイーッ
※それぞれの思惑を孕みつつ、事態は静かに、だが確実に動き始めていた。
果たして、四天王、ジムリーダー、マジカ団、そして、加蓮達一行が、どのような形で邂逅することになるのか。
今はまだ、誰も知らない。
~続く~
というわけで、束の間の平穏と、動き出す四天王の話でした。
ではでは今回も、少しずつではありますが、じっくりお話を練り込みつつ描いていきたいと思います。
SNSの方で、メイン以外の合間のシナリオ案やバトルプラン、マップ絵等など支援もかなりいただいていますから、まだまだ止まれないし止まりたくありませんものね。
では、今回も、お目汚し、失礼をば。
元スレ
~アウプ湿原~
加蓮「わ……凄いね」
肇「遮るものが殆ど無いからか、視界が開けて見通しが良いですね」
ネネ「でも、草がほんの少し長いですから、足を切ったりしないよう、注意しないと…」
未央「わぁ、あっちもこっちもポケモンだらけ! あ、あっち、ニョロゾがいっぱい!」
加蓮「未央、はしゃぐのはいいけど、ちゃんと前見て歩かないと絶対滑るからね?」
未央「大丈夫だよ、トノカミ洞窟みたいな坂道じゃないんだし、気をつけてゆっくり行けば後ろ歩きでも…」ギュム
未央「ん、何か踏んだ……?」
マッギョ「マギョ……」
未央「あはは……ごめーん…」タラー
マッギョ「マギョー!」バリバリバリ!
未央「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ!!!」バリバリバリ
ジラーチ【言わんこっちゃない…】
未央「ジラちんは、だまっ、て、て……」バタリ
ジラーチ【……はいはい】
476: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:14:16 ID:9Yr
ネネ「た、大変、麻痺してます!えっと、クラボのみはたしか……」ガサガサ
加蓮「こんな平べったいのもそこらじゅうにいるんじゃ、怖くてマトモに歩けないじゃん…あ、そだ。」
ボウン
ぱん「サン!」ピョコ
加蓮「この子小さいからさ、下を見てもらいながら付いていけば大丈夫じゃないかな」
ネネ「成程、先導役ですね。なら!」ボウン
ハナちゃん「ダネダネ!」ピョコ
ネネ「地面に危ないものがあったら知らせてくれる?」
ハナちゃん「ダーネフシ!」ビシッ
加蓮「2体がかりなら流石に大丈夫でしょ」
肇「ですね。私のポケモンは、あまり速くは動けないので、ここはお二人にお任せしますね」
未央「あー…ひどいめにあった……」ムクリ
加蓮「次は前見て歩かないとダメだよ」
未央「うーい……」
~~~~~
477: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:14:36 ID:9Yr
肇「ようやく3分の1、といった所でしょうか……地図に大きな池が書いてありますけど、多分あそこの池がそうだと思います」
ネネ「少しだけ休憩にして、お茶でもしませんか? 景色もいいですし」
加蓮「賛成。先はまだ長いもんね。地図によれば、あと3分の1を歩けば残りはちゃんとした道路になってるみたい」
ネネ「そこから道なりにだと、浜に出ますね。次の街はその先のはずです」
未央「うーん…でもさ、これだけ広い場所だしさ、今日くらいはここでキャンプにしてもいいんじゃないかなあ」
加蓮「どうしたの、突然」
未央「ほら。これだけ広いから、おっきなポケモンでも思いっきり羽根を伸ばせそうじゃん。たまにはリフレッシュ休暇って事で、自然の中で遊ばせてあげたいな~……なんて」
肇「あ、いいですね…素敵な考えだと思います、未央ちゃん」
ネネ「確かに、のどかな景色ですし、のんびりゆったりできそうですね。なら、今日はそうしましょうか♪」
ボウンボウン ボウン!
478: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:14:50 ID:9Yr
未央「と、言うわけだ諸君。出発は明日にして、今日は自由行動!食べたくなったら食べて、遊びたくなったら遊ぶがいいぞよ~!」
「メリャメー」「ピーウス」「チルル!」「グマラ!」
「…………やぁん?」
※皆は思い思いの場所に散らばっていった……。
479: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:15:06 ID:9Yr
Side まろ
まろ「チルル♪」バサッ…バサッ…
まろ「チル?」クンクン
まろ「チルー♪」バサーッ……
※どうやら木の上に、好物のきのみを見つけたみたいです。
まろ「チルチルルー」アーン
アーボ「シャーボ!」ニュッ
まろ「チル!?」ビクウッ スベッ
池に落ちたまろ「チルルー!」バシャアアアン
アーボ「シャボッ」パクリ ゴクン
※どうやらこのアーボ、先にきのみを狙っていた様です。まろは大丈夫なんでしょうか。
~~~~~
480: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:15:31 ID:9Yr
加蓮「………まろ、その羽根どうしたの」
ぐしょ濡れまろ「チルー」
※羽根が、絞った雑巾みたいになっています。
加蓮「……とりあえず、面白いからカメラアプリで撮るね」カシャカシャ
ネネ「いや……風邪ひきますから……」
~~~~~~
481: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:15:55 ID:9Yr
Side ぱん ハナちゃん めりゃめりゃ
ぱん「サンサーン!」ピュウウ
ハナちゃん「ダネフシャ!」ブルブル
めりゃめりゃ「メリャ!」バリアッ!
ぱん「サン!」
ハナちゃん「ダーネッ!」シュルル!
丸くなるぱん「サン!」クルン
ハナちゃん「フッシャ!」ピシィ!
ぱん「サンー!」クルクルクルコロコロ
※バトルの自主練中です。丸くなって攻撃を防ごうとしましたが、アローラのサンドは体が硬すぎて、丸くなるとカーリングの石みたい。そのままクルクルどこまでいくのかな?
ぱん「サンー」クルクルクルコロコロ コンッ
※何かにぶつかって、止まったみたいです。
一体これは何でしょう。
482: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:16:15 ID:9Yr
ぱん「サン?」ツンツン
ハナちゃん「ダネダネ」トコトコ
めりゃめりゃ「メリャア?」ヌタヌタ
ガマゲロゲ「ゲーロ…」ムクリ
ぱん「サンー!」
めりゃめりゃ「メリャー」
ハナちゃん「フシ ダネダネ」
>>3匹は初めて見る種類の大きなポケモンに、びっくりです。
ガマゲロゲ「ゲーロ?ゲーロゲロ」
めりゃめりゃ「メリャア メリャメーリャ」
胸を叩くガマゲロゲ「ゲロォ♪」ドンッ
ハナちゃん「ダネダネ!」ワーイ
ぱん「サンサーン!」ワーイ
※どうやら、バトルの練習に付き合ってくれる様ですね。優しいポケモンでよかったね、3匹とも。
~~~~~
483: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:16:34 ID:9Yr
Side 肇
肇「…無心に……心を……明鏡止水の如くに……」
ヤド先生「……やぁん」ピチョピチョ
※ここはいつも通りですね。二人で釣りをしている様です。
トロちゃん「ピスピース」バサッ
肇「あ、もうご飯の時間なんですね。先生はどうなさいますか?」
ヤド先生「やぁん」
肇「わかりました。釣り、楽しんで下さいね。」
ヤド先生「やぁん……」ピチョピチョ
※肇はトロちゃんに乗ってテントに帰っていきました。
ヤド先生「やぁん……」ピチョピチョ
ヤド先生「……………」
ヤド先生「………zzz」
※寝ました。
~~~~~~
484: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:16:57 ID:9Yr
ガマゲロゲ「ゲロォ!」パーンチ!
めりゃめりゃ「メリャア」バリアッ
ハナちゃん「ダネフシャ!」ピシッ!
ガマゲロゲ「ガーマゲロ!」ピョーン
ハナちゃん「ダネッ!」
ガマゲロゲ「ゲーロッ!」ヒューン……
ぱん「サン!」カキィン!
ガマゲロゲ「ゲロォ」スタッ
めりゃめりゃ「メーリャ!」ピョンッ! ノシッ!
ガマゲロゲ「ゲロォ!」バタバタ
顔に貼り付くめりゃめりゃ「メリャ」ヌタヌタ
ハナちゃん「フシャ!フー!」ピシィ!
ガマゲロゲ「ガママァ!」ステーン!
めりゃめりゃ「メリャア♪」
ハナちゃん「フシャ」フンス
485: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:17:17 ID:9Yr
めりゃめりゃ「メリャ?」カッ!
ハナちゃん「フシャ!」カッ!
ぱん「サン!?」ワタワタ
ガマゲロゲ「ゲーロッ」ポンポン
ぱん「サン?」
ガマゲロゲ「ゲロゲ♪」
ハナちゃん(フシギソウ)「ソウソーウ!」ワサッ
めりゃめりゃ(ヌメイル)「メイルメ」ヌタヌタ
ぱん「サンサーン♪」ワーイ!
ガマゲロゲ「ゲロロロロロ♪」
※なんと、2匹同時に進化してしまいました。ぱんもガマゲロゲも大喜びです。
~~~~~~
486: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:17:30 ID:9Yr
Side ヤド先生
ヤド先生「………zzz」
シェルダー「ダッ?」ピョコ
ヤド先生「………zzz」
シェルダー「シェール!」パクン
カッ!
~~~~~
487: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:17:54 ID:9Yr
※で、翌日。
未央「な、何か……見ないうちに……」
肇「随分たくましくなりましたね……皆……」
ネネ「こんな事ってあるんですねー……」
ヤド先生(ヤドラン)「…………やぁん」テレリ
ハナちゃん「ソウソウ」コクン
めりゃめりゃ「メイル」コクン
加蓮「それにひきかえ……うちのまろと来たら……」
まろ「ヘプシッ!……チルー」
未央「や。それ半分は写真撮りまくったかれんが悪いような……」
加蓮「未央だって大笑いしてたじゃん、写真見て」
未央「だ、だってあれは……ねえ」プッ
488: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:18:17 ID:9Yr
ガマゲロゲ「ガーマゲロ」ノシノシ
ハナちゃん「ソウソーウ!」
めりゃめりゃ「メルメイル!」
加蓮「あのポケモン……誰?」
ヤド先生「……やぁん やぁん」
肇「ふむふむ……何でも、皆さんのトレーニングをご自分からお手伝いして下さったとか…」
ガマゲロゲ「ゲロゲ」ドンッ
未央「へーえ、優しいポケモンなんだぁ」
加蓮「タイプはみずとじめんなんだ……ふーん、ガマゲロゲ、か」ピポパ
ネネ「なら、これはもう決まりですね、肇さん」
肇「はい。ガマゲロゲさん、もしよろしければ、私達と一緒に行きませんか?」
ガマゲロゲ「ガママァ」ドンッ
肇「はい、よろしくお願いしますね。」トンッ
※肇はフレンドボールを投げずに優しく体に当ててあげた……。
シュウウウ……ユラッ ユラッ ユラッ カチッ
489: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:18:41 ID:9Yr
肇「…このガマゲロゲさん、先生が仰るところ、どうやらメスみたいです」
肇「名前は……ガマかみさん、とかどうでしょうか。村に伝わる?神(おかみのかみ)の伝説から、名前をお借りしました」
未央「ガマかみさんかぁ。うん、はじはじらしくていい感じ!」
ネネ「頼りになるお母さんですね、ガマかみさん」
加蓮「これで後は未央だけだからね、3体目を捕まえてないの」
未央「んー、ドラゴンタイプって珍しいからなぁ……かれんがまろを貸してくれるなら、まろも進化してドラゴンタイプになってるんだけど」
加蓮「貸すわけないじゃん、ずっと一緒だよ、私達」ギュ
まろ「チルー♪」モフ
ジラーチ【ごちそうさま、って感じだね。やれやれ】
未央「ふふ。冗談だよ。まろとかれんは相思相愛ですからなぁ」
ネネ「ですね」
ハナちゃん「ソウソーウ」
肇「成程……言われてみると、確かに…」
ヤド先生「……やぁん」
加蓮「何か……皆してそんな見てくると、ちょっとアレなんだけど……」
まろ「チルルー…」
※こうして、一気にパワーアップを果たした仲間達。次の街、プロセウタウンへの道のりは、あと少しだ!
~~~~~
490: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:19:00 ID:9Yr
Side 忍
~プロセウタウン隣、マリータ峠~
忍「負けるなオウリン!カウンター!」
オウリン(リオル)「オー……」
ワンリキー「リキッ!」
オウリン「ルー!」バコオン!
ワンリキー「リキー!」ドゴオオ……
忍「はぁ……よし……はい!」スッ
オウリン「オリン!」パシッ
※ハイタッチを交わす2人。どうやら、2匹目のパートナー、リオルの特訓をしている様だ。
491: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:19:23 ID:9Yr
忍「峠道と街とを行ったり来たり……朝は芳乃ちゃんの社のお掃除から始まって、昼から夕方までは特訓特訓で」
忍「そろそろユニットの仲間が現れる頃なのでしてー、なんて芳乃ちゃん言ってたけど……ホントに大丈夫なのかな」
スイクン『忍』スタッ
忍「わっ……びっくりした……スイクン様、どうかしたんですか…?」
オウリン「リン?」
スイクン『どうやら、芳乃の水占いに出たようだ。数日後、お前の仲間が街に現れると。』
忍「ほ、ホントに!?」
オウリン「リオッ!」
スイクン『ああ、だが芳乃が言うには、証の数が足りないらしい。芳乃の持つ水のバッジと、更にもう1つのバッジを勝ち取らぬ限り、例え同道したとしても、忍は挑戦権を得られないそうだ』
忍「バッジが……2つも…」ゴクリ
スイクン『これより先の詳しい話は芳乃に聞くといい。背に乗れ、街へ飛ぶ』スッ……
忍「…はい!スイクン様、よろしくお願いします! 戻って、オウリン!」シュウウウ
スイクン『一息に峠を駆け降りる。舌を噛むから口は閉じていろ……行くぞ』
忍「……」コクン
スイクン『……はぁっ!』シュン!
~~~~~~
492: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:20:01 ID:9Yr
Side 唯
~メーヴェシティ・地下への隠し階段~
唯「や~、ちなったん元気そうでよかったなー。って、昨日も電話したばっかなんだケド☆」スタスタ
悠貴「…はぁ…」
唯「悠貴ちゃん、あんま気にしないほうがいいって。最初は誰でも初心者なんだし、それよか楽しまないと、でしょ?」
悠貴「はいっ…わかってます……わかってる、つもりなんですけどっ……」
唯(トーナメントで負けたのがそーとーキツかったみたいっぽいなー。けど、アレは相性が悪かったよねー…)
唯「お、見えた。悠貴ちゃん、エレベーター乗るよー」
悠貴「あ、はいっ。すみません、気を遣ってもらって…っ」タタタッ
唯「いいっていいって、唯達トモダチじゃん?そういうのも、トモダチなら当たり前のコトだよ☆」ヨシヨシ
悠貴「あ……えへへっ、頭、撫でてもらうの……ちょっと落ち着きますっ」
493: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:20:17 ID:9Yr
唯「悠貴ちゃんのが背が高いから、ゆい、背伸びしなきゃだけどね」ヨシヨシ
悠貴「わ、私ったら気付かなくてっ……しゃがめばいいですかねっ」アワアワ
チーン!
唯「あ、エレベーター来ちゃった。とりあえず、今はここまでかな」
悠貴「…ですね、泰葉さんにも、事情を説明しないとですしっ…行きましょう、唯さんっ」
※二人はエレベーターに乗り込んだ……
エレベーターは海底へと深く深く下っていく………
494: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:20:35 ID:9Yr
~メーヴェ港の南・海中ドーム~
※ポケモンリーグの本部は、海中の巨大ドームに作られた街の中にある。
※リーグ開催時期までは船の航行を妨げないよう、街ごと海中に沈んでおり……
※メーヴェシティの、とある場所から入れる地下通路、その先の海底エレベーターを使わないと中には入れないようになっているため、外部の人間は侵入不可能とされている。
※今、グリモ地方の各地で起きている、ある問題について、四天王達は対策会議を始めようとしていた……。
495: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:20:58 ID:9Yr
~ドーム内、ポケモンリーグ本部~
泰葉「お帰りなさい。任務、ご苦労さま。」
唯「やほやほ、泰葉ちゃん久しぶり~」フリフリ
悠貴「ご無沙汰ですっ、泰葉さんっ」ペコ
泰葉「うん、悠貴さんもお疲れ様。」
拓海「よし、ひとまずコレで後は志希だけだな……けど、アイツ…どこほっつき歩いてんだ?」
泰葉「きっと志希さんは志希さんで、何か手がかりになるものを掴んでくると思うの」
泰葉「今いる私達だけでも、情報の共有をしておきたいんだけど……いいかな」
拓海「異論はねえぜ。お前がアタシらの頭脳なんだからな。」
悠貴「はいっ。私も、皆さんが精一杯働けるよう、サポートしていきますっ!」
唯「ゆい、ムズカシイ話は全部ちなったんに任せちゃうしなー。後でちなったんにも相談してみようかな。家、すぐそこだし☆」
496: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:21:20 ID:9Yr
拓海「ああ、そういやお前と千夏って、一緒に住んでるんだったな。なら、別にいいんじゃねえか、色々手伝って貰ってるしよ」
泰葉「私からもお願いしておきます。協会の所属ではないとは言え、確かな頭脳と腕前の持ち主ですから」
泰葉「今はとにかく、わかっている事を纏めておきましょう」カッカッ
※ホワイトボードに泰葉の綺麗な字が書き連ねられていく…。
泰葉「……グリモ地方の各地に、謎のラボが点在するようになったのは、1年ほど前からの事です。どの場所にラボがあるかは、ほとんどわかっていないけど……」
唯「ゆいが見つけたのはここだけど、色々あってラボが爆発しちゃったんだよね~…」
拓海「アァ?爆発って…」
泰葉「事前に話は聞いてます。加蓮さんという、ジム巡りをしているユニットのメンバーですね。」
拓海「ソイツ一人でラボをフッ飛ばしちまったのか? へぇ、じゃあいずれはこのアタシんとこにも挑戦に来るかもな…」ニヤリ
唯「でね、そのラボはやっぱりコウセツ実験みたいなやつ、やってたっぽい!」
泰葉「降雪、ね。」カッカッ
497: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:21:39 ID:9Yr
悠貴「雪、ですか…? でも、雪が降るような天気でも、季節でもなかったですけど…」
拓海「魔路架団ってなァ、天気を操ってんだとよ、ポケモン集めて、オリに閉じ込めてな……ムナクソ悪い話だぜ」
悠貴「天気を……」
泰葉「悠貴さんのヒノヤコマが使う、『おいかぜ』も、似たような効果を持つけれど……天気を日照りにしたり、雨を降らせたり、砂を巻き上げて砂嵐にしたり、あられを降らせたり……ポケモンには、そんな潜在能力が秘められた種類が数多くいる。」
泰葉「天候を彼らが操る時、そのエネルギーをどこかにドレイン……つまり、吸い上げているところまではわかっているんだけど…」
498: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:22:00 ID:9Yr
唯「お天気を操るってくらいだから、凄いエネルギーなのは間違いないわね、ってちなったん言ってたっけ…」
拓海「何だ、天気のエネルギー使って、爆弾でも作ろうってのか、奴らは」
悠貴「ば、ばくだん……?」
泰葉「…それは考えにくいかな……爆発力ならわざわざ回りくどい事をしなくても、大爆発を覚えるポケモンのエネルギーだとか、もっと他にも色々……」
唯「……あ、そうだ、これ…皆に話しとかなくちゃなんだけどさ」
泰葉「………例の件、ね…」
唯「うん」
拓海「例の件?……何だ、やけに勿体ぶるじゃねェか」
唯「ゆいね、智絵里ちゃんと……戦ったの。マジカのラボの近くで」
拓海「な……!」
悠貴「えっ……」
泰葉「………」
499: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:22:24 ID:9Yr
唯「完全に、正気を失ってた……あれ、多分ポケモンの催眠術とか、それのもっと強いやつで操られてるっぽかった」
唯「力も、四天王のゆいが取り逃しちゃうくらいに強くなってたし……」
拓海「…………ッけんな!!!」バコォ
悠貴「た、拓海さんっ」
泰葉「……………」
拓海「何の為にかは知らねえ……けど、ジムリーダーは協会の……アタシらの身内だ、仲間だ」
拓海「その仲間が操られて、しかも仲間同士で喧嘩になっちまっただと……?」ワナワナ
泰葉「拓海さん、今は状況を。一度深呼吸して落ち着いて」ピシャリ
拓海「………っ、すー………はー………」
拓海「スマねぇ、泰葉。アタシが冷静さを欠いたら……救えるもんも救えねえんだよな」
唯「…けどさ、どうしてこんな事……」
泰葉「考えられるとしたら、やはり戦力。」
泰葉「マジカ団のラボは、各地に点在して、研究者や団員の人数もかなり多い。その割に……纏め役である幹部の人数はかなり少ない」
泰葉「ここまでは、これまでの私達全員の調査活動でわかっている事。リーグの開催期間がまだ先だから、これだけ自由に調べることができた。」
500: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:22:47 ID:9Yr
拓海「アタシは…特に何もできなかったな」
泰葉「ううん、拓海さん、あなたはあなたで、重要な任務を果たしてくれました。この先必要になる、世界を守る為の正しい心を持ったトレーナー……」
拓海「ああ、一人だけ、見つけてきた。アタシの認めた大事な弟子だ」
泰葉「それが、拓海さんの仕事。人には向き不向きがあるから、事を荒立てないためにも、拓海さんの力は最後までとっておきたかったの」
泰葉「私が倒れたら、後はもうチャンピオンか、あなたしかいない…そう言い切れるレベルの実力が、拓海さんにはあるのだから」
拓海「…面と向かってんな事言われっと、照れるけどよ。…お前の眼が覚悟決めた奴の眼なのは、よくわかんぜ、泰葉」
泰葉「もちろん、二人もよ、悠貴さん、唯さん。悠貴さんは私が直に見つけた有望なトレーナー。私の飛行タイプの極意を、これから叩き込むつもりだから。」
悠貴「…はい!がんばりますっ」
501: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:23:13 ID:9Yr
泰葉「唯さん、千夏さんと連携しての的確な潜入任務、これはあなた達二人にしかできないはず。機動力と小回りが利く手持ちポケモンを持つ唯さんは、これから先も引き続き、マジカ団の動向を探ってもらう事になる。苦労をかけることは承知だけど…」
唯「大丈夫だよ、唯、こう見えてやる時はそれなりに頑張れる子だし☆ ちなったんも一緒なら、どこだって飛んでっちゃうし!」
泰葉「後は……志希さんの帰りを待つだけね。彼女は行動が突飛だから……もしかしたら、とんでもない何かを暴いてくるかもしれない。」
拓海「遊んでっかもしれねえけどな。一か八か、アイツはそういうヤツだ」
泰葉「いいえ。予感がするの。……多分、今回彼女は……途轍もなく重要な何かを持って、帰ってくる。」
泰葉「今は彼女と、いずれ未来に現れるはずの、可能性の子達を信じましょう。」
拓海「だな。アタシもまだまだ、アイツを鍛えてやんねえと」パシッ ニヤリ
502: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:23:28 ID:9Yr
悠貴「泰葉さん、私、追い風の戦い方、崩されてしまったんです…それで、つい慌てて…」
泰葉「誰だってペースを乱されれば焦るものだよ。大丈夫、私を信じて、一緒に強くなろう」ヨシヨシ
唯「何か、ここだけ見てるとホントにへーわって感じなんだけどなー。あと、ゆいね、加蓮ちゃんの事ちょっと気になってるんだよね」
唯「またいつか、一緒にバトルしてみたいなー、そしたらきっと、エモいだろうなー」
~~~~~~
503: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:23:45 ID:9Yr
※とある、砂漠地帯……。
ポツリ ポツリ……ザアアアアアア
ガバイト「ガバ?」キョロキョロ
イワパレス「パレー!」カサカサカサ
メグロコ「グロッ……」タタタタ……
ガバイト「ガバ……」
※突如、砂漠に降り出した大雨。
逃げ惑うじめんポケモン達。
異常気象の輪は、確実に世界を蝕みつつあった。
~~~~~~
504: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:24:05 ID:9Yr
~某所・マジカ団のラボ・資料室~
志希「ん~、あれでもなーい、これでもなーい」ガサガサ
ベベノム「ベノベノー」
志希「おかしいにゃ~、ここのラボにも無いってことは……あ、もしかして、秘密のスイッチとか、あったりするのかな」
ベベノム「ベノ!」ピラッ
志希「ほほーう、ポスターの裏にそれらしきスイッチがあるねぇ……」
志希「押してみよー!ポチッとな!」
ガガガガガガ……ガコン
505: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:24:25 ID:9Yr
志希「……にしても流石に不用心過ぎる気がしなくもないけどね~」
ベベノム「ベノ?」
志希「ほら、アレだけラボがあるならたくさん団員がいるはずなのに、このラボなんて資料あるのにもぬけの殻なんだよ?」
志希「もしかして、マジカ団って言うのは皆が無意識下で共有してるところの集団的幻覚作用を利用した一種のホログラムで、洗脳されたポケモンの周りに団員の幻をくっつけてトレーナーに見せかけてる…とか。当てずっぽーだけど」ニャハハ
506: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:24:44 ID:9Yr
志希「そもそもアタシ、脳科学とか心理学とかは専門外だしねー。ちょーっとかじったことあるくらいで」コツコツ
志希「さてさて、この地下室には何が眠っているのかにゃ?オープンザセサミー!」ガチャリ
ベベノム「ベノベノー!」
志希「………わお、何あれ」
ベベノム「ベノ!」ヒューン
※ポッドの中にポケモンの姿がある……
507: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:25:03 ID:9Yr
ウツロイド「ゴポポ……じゅるるっぷ…」
ベベノム「ベノベノー…」シュン
志希「ははー、もしかして、キミの世界のオトモダチだったり?」
ベベノム「ベノベノー」コクン
志希「……この資料、このポケモンのだね」
志希「ウツロイド…神経に毒を打ち込んで獲物に寄生……道行く人が突然寄生され、暴れだした事もある……神経毒ね。毒ならアタシのテリトリーだ」
志希「ふむふむ、寄生されると度合いにもよるが、極度の興奮作用や快楽から、寄生状態を自分から求めるように……あー………」
志希「これかなりエッチぃのに使えそうなヤツね、はいはい……で、こっちのは……その神経毒の簡易版みたいな奴を作ってるんだ」
志希「しかもご丁寧に解毒薬まであるし。」
508: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:25:27 ID:9Yr
志希「異世界から来たウルトラビーストっていうポケモンは、ベベノムもそうだけど基本的に見知らぬ世界に訪れてしまった事で人間を敵と見なして攻撃したり、殺害したりしちゃうんだよにゃー」
志希「本当はいい子達もいるし、仲良くなれる存在の筈なのに、人の都合だけで殺されそうにまでなっちゃったポケモン達。それが、ウルトラビースト」
志希「……アタシには君達が、他人には思えないんだよね……勝手な感情かもしれないし、キミ達とアタシは全然違う存在で、本来なら、出逢うこともなかったはずだけどさ」
志希「…よし、ひとまずこの子を助けちゃお。ほんで、解毒薬のサンプルも拝借して……後はアタシにお任せって事で。べべちゃん、その間はウツロイドと遊んでていいからねー」
509: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:25:46 ID:9Yr
ベベノム「ベノ?ベノベノー!」
志希「じゃ、ポチッとな!」
解放されたウツロイド「じゅるるっぷ…」フワフワ
志希「キミ、とりあえずボールに入るよね? このマスターボールでいいかにゃ、住心地は悪くないはずだけど」
志希「昔何かの研究で成果出したときに貰っちゃったんだよねー。使い道なかったから困ってたんだけど」ポイッ
ボウン ユラッ カチッ…
志希「こーゆーのも運命とかって言うのかにゃ~……」ヒョイッ クルクルクル
※指先でマスターボールを回しながら、志希はふと、厳しい目つきをした。
510: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:26:10 ID:9Yr
志希「人の脳もポケモンの脳も、誰かが勝手に弄ってムリヤリ従えたりしたら、面白くも何ともないのにね」
志希「実験の対象物って、反応が個々で差があるからこそ面白いのに…ってのは、とりあえず置いといて」
志希「答えがわかりきった数式より、わかってない数式のが志希ちゃん好きなんだよねー」ニャハハ
ベベノム「ベノベノー」
志希「キミとアタシとの関係も、これからどうなるかは未知数。んー、人生はスリルとスパイスと、ほんの少しのDrug in the brain…ま、勘違いも恋のうちだしね」
志希「さてさて。それじゃー早速実験と行きますか。機械はあるからここでやってもいいんだけど、志希ちゃん、ここの図面はもう丸暗記しちゃったしな~」
志希「よし、おウチ帰って同じの作ろーっと!行くよーべべちゃん」
ベベノム「ベノノー」スイーッ
511: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:26:22 ID:9Yr
※それぞれの思惑を孕みつつ、事態は静かに、だが確実に動き始めていた。
果たして、四天王、ジムリーダー、マジカ団、そして、加蓮達一行が、どのような形で邂逅することになるのか。
今はまだ、誰も知らない。
~続く~
512: ◆6RLd267PvQ 19/07/20(土)01:29:00 ID:9Yr
というわけで、束の間の平穏と、動き出す四天王の話でした。
ではでは今回も、少しずつではありますが、じっくりお話を練り込みつつ描いていきたいと思います。
SNSの方で、メイン以外の合間のシナリオ案やバトルプラン、マップ絵等など支援もかなりいただいていますから、まだまだ止まれないし止まりたくありませんものね。
では、今回も、お目汚し、失礼をば。
シンデレラガールズ×ポケモンクロス クロノスライトストーリー
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1562165347/