518: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:52:27 ID:NPF

第14話、更新。

Sparks burst on the water surface.



519: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:52:48 ID:NPF

※アウプ湿原で新たな仲間、ガマゲロゲを迎え、新たな街、プロセウタウンへと向かう加蓮達。

彼女達はようやく、プロセウタウンの入口近くである、浜辺へと足を踏み入れていた。

ネネ「浜に出ましたね。あとはまっすぐ歩いていけば、すぐに見えてくるはずです、プロセウタウン。」

未央「4番目のジムリーダーはどんな人なんだろうね~。でも、私達の仲間だって、進化したり技を覚えたりして、ちゃんと強くなってる!負けないぞ~!」

ジラーチ【意気込むのはいいけど、まだキミが参加するかは決まってないじゃないか】

未央「ジラちんはだまってて!こういうのはね、勢いが大事なんだから!」

ジラーチ【勢いね、はいはい】



520: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:53:05 ID:NPF

肇「…………」

加蓮「その石、さっきから眺めてるけど…気になる?」

肇「はい。プロセウタウンに行けば……石の秘密を受け継ぐジムリーダーに逢える…祖母はそう言っていましたから」

加蓮「そか、場所的に、花の街の南でジムのある街ってなると、もうここしかないもんね」

肇「ジムリーダーのアダンさんが、私の為に託してくれた石…その秘密、必ず聞いておかなくては……」



521: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:53:22 ID:NPF

拓海「よう、お前らか!芳乃が言ってた挑戦者ってのはよ」

ネネ「ひゃっ」ビクッ

未央「そ、そういうお主は何者じゃ~!って、よくわかんないノリになっちゃった…」

肇「芳乃さん……どなたでしょう?」

加蓮「さあ?」

拓海「あー…まずはそっから話さねえとなのか……ま、早い話がその芳乃って奴が占いやっててよ」

拓海「この街にもうじきジムの挑戦者がやってくる、数日のうちにはここを通るはずだ、ってんで、挨拶にな」

未央「……むむ、ジムの挑戦者が来ると知って、挨拶…って事は」

肇「あなたがこの街のジムリーダーさん、ですか?」



522: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:53:43 ID:NPF

加蓮「な、何かイメージとだいぶ違うカンジ……もっと何か、いかにも秘密を守ってますーみたいなの想像してた」

ネネ「私もです…」

拓海「待て待て、早まんな、アタシはジムリーダーじゃねえ。ポケモンリーグの四天王だ」

未央「なーんだ、四天王……四天王!?!?」

肇「四天王と呼ばれるトレーナーは…確か、各街でジムバッジを8つ集めないと挑めない、強者揃いの軍団だと聞きましたが……」

加蓮「その四天王さんが直々に、私達を迎えに来た……要件は何?」

拓海「……へェ。お前、なかなか肝が座ってそうじゃねえか」

加蓮「どうも。それなりに色々あったから。話す気はないけどね」

拓海「おう、それでいい。大事なもんは胸にしまっとけ。アタシの用事は……オイ、忍!」

忍「はいっ!」タンッ………スタッ

※浜辺沿いにある道から女の子が飛び降りてきた…。



523: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:54:11 ID:NPF

拓海「ジムリーダーの芳乃と四天王のアタシ、直々の推薦だ。お前ら、5人目の枠、空いてんだろ」

拓海「今からこいつとタイマンで勝負して、気に入ったらでいい。コイツを仲間にして、連れてってやってくんねえか」

未央「えっ、でもバッジが5個ないとユニットの参加人数は増えないから……私達、まだ3つだよ?」

忍「大丈夫です。その間足手まといにならないように、必死で修行して皆さんに負けないくらい強くなります!」

拓海「コイツ、ユニットの仲間がなかなか集まんなくて、ずっと一人旅してたンだよ。故郷からも夢の為にって、家出みてぇに出て来て、そっからずっと努力してきたんだ」

加蓮「努力……ね。昔の私……アタシだったら、真っ先に否定してた言葉だろうな」

忍「?」

加蓮「気合いとか努力とか根性とか、バカバカしいって、ずっと思ってた。頑張っても頑張っても、報われない人間はどうやったっている」

忍「それは……ならもっともっと努力すればいいだけで…!」



524: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:54:33 ID:NPF

加蓮「例えば体が弱かったら? どこかに大怪我を負ってたら? 何かのトラウマを抱えてたら? それでも諦めずに、努力し続けるべきって、アンタ、言える?」

忍「……あ……」

拓海「忍、アタシも視野が広いほうじゃねえけどよ。世の中ってなぁ広いんだ」

忍「アタシの理屈だけが、通る世界じゃない……か」

加蓮「……未央、ネネ、肇」

未央「うん、わかった」

ネネ「もうこうなったら…言っても聞きませんしね」

肇「存分に!」

加蓮「ありがとう。…忍って言ったっけ。」

忍「う、うん………!」

加蓮「さっきはあんな事言ったけど…私、あなたのその目、嫌いじゃないよ」

忍「え……?」

加蓮「今なら、誰かの努力に嫉妬したり、自分の限界に諦めないでいられる……皆と旅をして、私、変われたから」

加蓮「……だから、負けない!」ボウン

ぽて「グマラッシ!」



525: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:54:54 ID:NPF

忍「…アタシも、この旅で……師匠と修行したり、あちこちの街や道を歩いたりして……わかったことがある」

忍「夢を追いかけるのは、楽しくていいことばっかりじゃない。ひとりで泣くことも、才能に凹むことも、たくさんある」スッ……

拓海「…………」

忍「そのことを、ちょっとだけ、知ってるつもりだから……それでも!」ボウン!

オウリン(リオル)「オーリン!」シュタッ

忍「誰が相手でも、どんな困難でも……自分の弱さにだけは絶対に負けない!それがアタシのポリシーだから!」

加蓮「…………」ニッ

忍「…………」ニッ



526: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:55:18 ID:NPF

拓海「…バトル形式はお互い一匹ずつ、どっちかが先に倒れたらそれで終いだ。お前らの覚悟、アタシらがしっかり見届けてやる」

未央「…頑張れ、かれん、しのむー!」

ジラーチ【またキミは唐突にあだ名を……】

ネネ「でも、何故でしょう。何か……お二人には、似たものを感じる気が……」

肇「始まりはまるで真逆で、辿ってきた道のりも、全く違っていて……でも、あの二人は…きっと…」

拓海「始めろ!!」

加蓮「ぽて、火炎車!!」

ぽて「マグマグ……」ギュイイイイ……

ぽて「グーマッ!」ゴロゴロゴロゴロ!

忍「オウリン、『まねっこ』!!」

オウリン「オリリリリン……」グルグルグルギュイイイ…

オウリン「リオーッ!」ゴロゴロゴロゴロ!

未央「向こうも火炎車を!」



527: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:55:38 ID:NPF

肇「やはり……お二人を見ていると……まるで……」

加蓮「いっけえええ!!」

忍「負けるなあああ!!!」

ドゴッ ドゴッ バシッ ドゴッ!

肇「『鏡写し』……私は……そう、思ってしまいます」

ネネ「鏡………」

ぽて「マグ…」ズザザザァ……

加蓮「ぽて!」

ぽて「グマラッシ!」ボウッ

加蓮「うん、まだいけるね!」

オウリン「リオッ……」ズザザザァ

忍「オウリン!」

オウリン「オーリッ」クルッ シュタッ

忍「うん!……まだまだ!!」



528: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:56:00 ID:NPF

加蓮「ぽて、煙幕!」

ぽて「マーグー…」グッ

忍「させない!『フェイント』!」

オウリン「オリン! リオッ」シュッ シュシュッ

ぽて「グママ!?」キョロ キョロ

加蓮「ぽて、動きに惑わされないで!『まるくなる』!」

ぽて「グママ!」クルン

オウリン「リオッ!!」ドゴォ

ぽて「グママ………」グッ

忍「防がれた…!」

加蓮「……よし、ぎりぎり!」

拓海「さぁ、どうすんだ……?」

ネネ「忍さん……強いですね……」

未央「かれんのぽてに必死で食らいついてる……あんな小さなポケモンで……」



529: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:56:20 ID:NPF

忍「小技がダメなら……やっぱ、あれしか……!オウリン、『はっけい』!」

オウリン「リオッ……リオーッ!」ブウウン……

肇「両の掌に波紋……加蓮さん!」

加蓮「なんかヤバめな感じ……何してくるかわかんないけど……火炎車で一気に!」

ぽて「グママママァ」ギュイイイイ……!

忍「その『溜め』…隙だらけだよ!!」

オウリン「リオッ」シュッ

加蓮「! 速っ……」

オウリン「リー……オルッ!!」ブォン!ブォン!

ぽて「グマァ!」バキッ ズザザザァ……



530: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:56:44 ID:NPF

肇「発勁(はっけい)……気を纏った掌打で内部の経絡に衝撃を与える技……」

ぽて「グママ……」バチバチ……

加蓮「…麻痺状態…!」

肇「体内の電気信号の経路を遮断されたんです…一時的ではありますが、かなり厄介な技ですね…」

ネネ「さっきまで、撃ち合いは互角でしたけど……このまま動けなかったら……!」

未央「うぬぬ………ま、麻痺くらいなんだー!私なんかこないだ麻痺になったけど今こんなピンピンしてるぞー!」

ジラーチ【自慢にならないしフォローにもならないよね】



531: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:57:01 ID:NPF

ネネ「マッギョさんの時の…」アハハ

加蓮「……ふふ。そうだよね!」

ぽて「グマァ」ニヤリ バチバチ…

忍「……まだ、笑って……?」

加蓮「麻痺にしたくらいで、私達が諦めるとか、そんなわけないじゃん」

加蓮「私は、もう!諦めない!」

ぽて「グマァアアアアア!」カッ!

忍「な、この光……!」

未央「進化の光だ!」

拓海「……へっ。…マブいじゃねえか、お前ら」



532: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:57:19 ID:NPF

ぽて(バクフーン)「バッフーン!!!」ゴオオオッ

加蓮「さっき貰った麻痺の分……倍返しにさせて貰うよ! ぽて、思いっきり!!」

ぽて「バルルルルウ!」ダッ……バチチチチチ…

オウリン「リオッ…」

忍「怯まないで、オウリン!ここまで来たら、覚悟を決めて受け止めるの!」

オウリン「リオッ!」

忍「耐えきって……カウンターが決まれば!」

加蓮「この新技が……決まりさえすれば!」

二人「「いっけえええええええ!!!」」


バリッ………ドゴオオオオ…………




533: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:57:42 ID:NPF

オウリン「リオッ……」ガクン……ドサッ

忍「オウリン!」タタッ

拓海「……そこまで!!」

加蓮「はぁ……はぁ……っ」ドクンッ!

ぽて「バル!?」

ネネ「加蓮さん!?」

加蓮「…何か…技の反動が……私にも来たみたい……」グッ……

未央「えっ、わわわ、どうしよう!」

肇「あの威力の技なら……確かに……でも、ポケモンが反動を受ける技を、トレーナーにまで伝播させるなんて……」

加蓮「はぁ……はぁ……伝わってきたの……ぽての、『勝ちたい』って気持ちが……」

忍「加蓮ちゃん!」タタタッ



534: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:58:04 ID:NPF

加蓮「ごめん、忍……結局、バレちゃうんだよね……体のこと……」ドクン…ドクン…

スイクン『……乗るがいい』ストッ

忍「スイクン様!」

拓海「タイミングいいじゃねえか。さては、見てやがったな、スイクンさんよ」

スイクン『私の眼であればこの鎮守の浜全体を見通せる…必然的に眼に入ったのだ』

肇「貴方は……この街の、水神様でしょうか」

スイクン『む………ほう、その石は……そうか…そういう事か、芳乃。』

忍「スイクン様、芳乃ちゃんの社まで、加蓮ちゃんを!」

スイクン『心得た。忍、お前も背に乗り、彼女を支えてやれ』

忍「はい。加蓮ちゃん、すぐに休めるところに案内するから…」

加蓮「大袈裟だなもう…ごめん、皆…先に行ってるから」シュウウウウ

※震える手で、加蓮はぽてをボールに戻した…

スイクン『ここからなら数分もかかるまい。行くぞ、振り落とされるなよ』

忍「はい!」

スイクン『はぁっ!』


~~~~~~



535: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:58:18 ID:NPF

※忍との真剣勝負に打ち勝ち、倒れた加蓮を休ませるため、一行はスイクンを追いかけ、プロセウタウンの社へと向かうのだった。


~~~~~



536: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:58:41 ID:NPF

加蓮「……ここは……」パチッ

ハピナス「ハピー♪」フワワワワワ

清良「目が覚めたみたいですね。ハピナス、『癒やしの波導』はもう大丈夫よ、戻ってお休みなさい」

ハピナス「ハピー」シュウウウ…

加蓮「えと……あなたは確か…ジム戦で…」

清良「こうして挨拶するのははじめまして、ですね。清良と言います。ポケモンリーグ協会で、救護、医療を担当しているの」

芳乃「おやー、どうやらお目覚めになられたみたいですねー。それはよきことー。」

加蓮「あなたは……?」

芳乃「私は、この街でとある伝承の秘密を受け継ぐものー。芳乃と申しましてー。」

加蓮「秘密……なら、あなたがジムリーダー…」

未央「かれんが起きたって!?」ガラッ



537: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:59:07 ID:NPF

ネネ「良かった、心配しました…」

加蓮「大げさだよ皆、ちょっと寝てただけじゃん、私」

拓海「いや、ちょっとどころか丸一日だ」

加蓮「えっ…1日?」

忍「あの……」オズオズ

加蓮「あ…忍」

忍「えと、さ。何ていうか…全部聞いちゃったんだよね…体のこととか、さ」

肇「流石に、こうなった以上、きちんと説明はしておかないとと思ったので……ごめんなさい、加蓮さん」

加蓮「いーよ。私もどのみち、自分でちゃんと話はしただろうし」

拓海「加蓮っつったか。お前の根性、確かに見せて貰ったぜ」

加蓮「…根性、か。…いつの間にか私も、そんな熱血キャラになっちゃってたか」

ネネ「いえ、加蓮さんはどちらかと言うと…」

未央「案外、ただの意地っ張り?」

加蓮「そこ2人、後で話あるから」ニコッ

ネネ「えっ」

未央「じょ、冗談だよ冗談!かれんは健気で優しいいい子だなーって話をだね!」

ネネ「ですです!ただ、ちょっとだけ無理し過ぎで、ちょっとだけ突っ走り過ぎで、ちょっとだけ危なっかしいだけです!」

未央「ネネちん!」

ネネ「あ、まって違う!!」



538: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)15:59:40 ID:NPF

加蓮「…いいよ、前言撤回。確かに今回は心配かけました。……ゴメンね、皆…待たせちゃって」

未央「ううん、かれんが無事なら…それで私達、満足だよ」

ネネ「そうですよ、加蓮さんがいなくなったら、私の楽しみもなくなっちゃいますし」

加蓮「う……流石にドリのみタップリグリーンジュースはもう勘弁して……」

忍「………」フフッ

拓海「何ボサッとしてんだよ、忍」トンッ

忍「え、わ、っとと……」

加蓮「あ、転ぶよほら、しっかり立たなきゃ」ヒシッ

忍「あ…ありがと……その……」

加蓮「?」

忍「えと、さ……色々、謝らなきゃ、とか……色んな事考えてたんだ、昨日、アレから…」

忍「でも、皆が…加蓮ちゃんはそんな事気にしたり、怒ったりするような子じゃないからって、笑ってくれてさ」

加蓮「そう? 私…結構執念深いよ?」フフッ

忍「うん。昨日のバトルで、それもわかってるつもりだよ。……加蓮ちゃん」

加蓮「忍。戦い終わったんなら、まずはこれでしょ」スッ

忍「…うん」ギュ

加蓮「私、こんなだけど……何か、あなたには負けたくないし、いいライバルになれそう」

忍「アタシも。喧嘩しないって事だけが友情じゃ、ないもんね」



539: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:00:06 ID:NPF

加蓮「皆も、いいよね」

未央「大歓迎!って言うか、かれんが反対しても私が無理やり引っ張ってきてたし!」

加蓮「それはそれでどうなの」

肇「よろしくおねがいします、忍さん」

ネネ「体の具合とか、優れないときは言ってくださいね。簡単な手当ならできますから」

忍「うん。これからしばらくはジム戦は観戦だけになっちゃうけど……その分、皆に負けないよう特訓するからさ!」

拓海「ナシついたみてぇだな。これで一応は、アタシの役目も終了ってわけだ」

芳乃「拓海さんは、もうここを発たれるのでしてー?」

拓海「あぁ、ホントなら探さなきゃなんねえヤツがいたんだが…ソイツ、本部に戻るなり変なモン作り出しちまったらしくてよ。一応は観に行っておかねえとな」

拓海「……芳乃、お前は大丈夫だと思うけど、魔路架(マジカ)団の奴らの事は気を付けとけよ」ヒソヒソ

加蓮「!?」

未央「マジカ団!?」



540: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:00:36 ID:NPF

拓海「…聞こえてやがったか」

ネネ「マジカ団さんって、あの……」

肇「以前、クシナイの降雪事件の時、付近にラボがあったんです。私達、たまたまその時トーナメントで…」

未央「で、このかれんがラボを爆破させちゃったんだよねー…私らも後から聞いたんだけどさ」

忍「ひ、一人で!?……よくわかんないけど、加蓮ちゃんって…」

加蓮「あ、あはは…あの時は無我夢中だったし……そう、あの時も結局倒れちゃったし……」

拓海(話には聞いてたが……コイツ…マジかよ…)

忍「あの、何ていうか……師匠、アタシだけ置いてきぼりな気が…」

拓海「…つまり、お前らもう他人事じゃねえって事か。いつアイツらに狙われて洗脳されてもおかしくねぇ…」

加蓮「洗脳…!?」

芳乃「すべてをお話したほうが良いかもしれませんねー。今、このグリモ地方全域に、一体何が起きているのかを含めてー」

未央「な、何か急に話大きくなってきた気が…マジカ団って、何?結局アイツらなんなのさ!?」



541: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:01:04 ID:NPF

拓海「そうだな。……じゃあまずこれだけは最初に言っとく。アイツらを敵に回すなら……腹は、括ったほうがいい」

ネネ「……と、言うと…?」

拓海「智絵里が洗脳されて向こうに付いた。アイツはもう……アタシ達の敵、魔路架団だ」

加蓮「な……」

未央「ちえりんが!?」

ネネ「そんな……」

肇「………ジムリーダー程の実力者を、洗脳して味方にしてしまう……マジカ団とは一体、何者なんですか?」

芳乃「今、グリモ地方全域に、異常気象が頻発しているのは、皆さんもご存知だと思いますー」

加蓮(マギアの雨……クシナイの霰……だけじゃ、ない…?)

拓海「奴らはこのグリモ地方全域にラボを作ってる。まぁ、基地みてえなモンだな」

拓海「……正直数があり過ぎて、リーグ側もどこにラボがあるかまで把握しきれてねえ。後手に回んのぁ、趣味じゃねえんだが…」

忍「狙いは……何なんですか」



542: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:01:30 ID:NPF

拓海「わかんねえ。わかってるのは、アイツらが天気操って出たエネルギーをどっかに溜め込んでる事と……強い仲間を集めようと、ジムリーダーに洗脳をかけようとしてるって事と……それくらいだ」

拓海「アタシはアタマがいい方じゃねえからよ、こういうのは他の四天王……泰葉か志希あたりに聞いたほうが早えとは思うんだが」ポリポリ

拓海「とりあえず今言えんのは……奴らの正体は不明で、どこにでも現れることができる、って事くらいだな」

芳乃「何せ、智絵里さんを洗脳してしまう程の手練ですのでー。私も、救い出す策を練ってはいるのですがー、何ぶん、実体のわからぬ相手ゆえー。一度でも、接触がはかれれば良いのですがー。」

忍「それ、芳乃ちゃんも洗脳されちゃうんじゃ……」

芳乃「私は大丈夫なのでしてー。邪な気を祓う心得は、毎朝の修行できちんと培っておりますゆえー。」

忍「…それでも、心配だよ」

拓海「今はお前らも自分の心配しとけ。アタシが鍛えた忍も含めて、全員ジムリーダー相当の実力者なのは間違いねえんだ。いつ誰がどうなったって、おかしくはねえ」



543: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:01:57 ID:NPF

加蓮「……智絵里…」グッ…

ネネ「……あんなに優しい、智絵里さんの心をもてあそぶだなんて……」キュッ…

拓海「…アタシはこれから、リーグ本部で戻ってきた志希も含めて話をしに行く。お前らは各地のジムを勝ち抜いて、力を付けるんだ」

忍「え…?」

拓海「もしかしたら奴らの狙いは、リーグ協会側の人間…ジムリーダーや四天王かもしれねえ。それはまだ、わかんねえけどよ」

拓海「もしそうなっちまったら……アタシらが頼れんのは、お前達しかねえのかもしれねえ」

加蓮「………」ゴクッ

未央「………そ、そう……なっちゃうよね…確かに」

忍「……アタシ達が……戦わなくちゃ…」

芳乃「緊張する事はありませぬよー。私の他にも、強い心を持ち、洗脳に抗えるだけの力を持つ仲間は大勢おりますればー。」

拓海「おう。アタシだって、サラサラ操り人形なんかになるつもりはねえぜ。アタシだけじゃねえ、アタシの仲間達もだ」



544: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:02:21 ID:NPF

加蓮「……!」パンッ!

※加蓮は自分の両頬を引っ叩いた…。

未央「かれん…?」

加蓮「決めたの、逃げないって。もう、ずっと前に、決めたんだ」

加蓮「いつまでもいつまでもやまない雨の中、私は、ずっとオリの中にいた……」

加蓮「まだやまない雨が降っているところがあるのなら。誰かがそれで、何かに挫けてしまう前に」

加蓮「私は、全部の雨を、晴らして見せる」

未央「かれん……」

拓海「…いい覚悟だ。おい、忍」

忍「…はい」

拓海「コイツには……負けんなよ。お前もやるからには、こんくらいのトレーナーになってみせろ」スッ

※拓海は拳を前に突き出した…。

忍「はい。アタシも、負けん気は…師匠譲りですから」スッ

※二人は拳を合わせ、笑い合って……
拓海は満足気な背中で、リーグ本部へと帰っていった……。

~~~~~



545: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:02:45 ID:NPF

~ジム・バトルフィールド~

清良「というわけで、多分明日がジム戦になる筈だから、今のうちにバトルフィールドはしっかり綺麗にしておかなくちゃね。」

紗南「うへー…プール掃除なんて聴いてないよ~……」ゴシゴシ

亜季「ふむふむ……ここの水は外から直接海の水を引いているのですな……とすれば、水ポケモンには独壇場でありますが……それ以外のポケモンはプールサイドから狙い撃ちをかけるよりありませんなぁ……」

亜季「これは、プールの中だけでなく、プールサイドもしっかり舗装しておかなくてはなりません!腕が鳴るであります!」ゴシゴシ

紗南「あたしはお腹が鳴りそうだよぉ……」ゴシゴシ



546: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:03:05 ID:NPF

亜季「む、それはよくありませんな、では向こうに常備してあるレーションを」

紗南「あ、あたしもう少しだけ頑張ろうかな、うん!」ゴシゴシゴシゴシ

亜季「おや…そうでありますか」

清良「ふふっ……こうして皆でお話して、ジム戦で戦いを観戦したりする分には……平和なはず、なんですけどね」

紗南「………うん」

亜季「ですな…」

清良「早く、何とかしなくちゃね……マジカ団の事……グリモ地方の事……」

紗南「きっと、何とかなるよ。」

紗南「そのためにもさ、ほら!」ピカピカ

亜季「おお、ピカピカでありますな!」

紗南「やっぱ、バトルフィールドは綺麗にして、気持ちよく戦って貰わなきゃだし!」

紗南「じゃなきゃ、せっかくあたしが一生懸命実況で盛り上げてもさ…泥だらけのプールとか、絶対皆嫌でしょ……」アハハ…



547: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:03:22 ID:NPF

亜季「紗南殿は実況に命を賭けておられますからな…!不詳、この亜季も、微力を尽くしお手伝いするでありますよ!そーりゃーっ!」ゴシゴシゴシゴシ

清良「元気がいいのはよくわかるけれど……プールサイドは走ったらダメよ、亜季ちゃん?」キュッ

亜季「イ、イエス・マム!」ビクビク

紗南「清良さん……強い……」

※ジム戦前に内部の整備。雑用も3人の大事な仕事なのであった。

~~~~~~



548: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:03:44 ID:NPF

~そして翌日・社の奥~

加蓮「社の奥……ここだけプールになってるんだね」

芳乃「はいー。いわゆる、バトルフィールド、というものなのでしてー。」

紗南『因みに私達でプール掃除はバッチリ終わらせたよ!皆褒めて!』

ワアアアアアア…

未央「さなっち人気凄いなぁ……」

ネネ「別に紗南ちゃんと戦うわけじゃないですけど、ちょっと気圧されちゃいますね」フフッ

加蓮「で、見るからに水のフィールドだけど……誰が行く?」

肇「…では、ここは私が。」



549: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:04:08 ID:NPF

未央「おお、はじはじの初ジム戦、だね!」

ネネ「前回はトーナメントでしたからね…あの時は、付近のラボの爆発や選手の棄権が相次いで、結局無効になってしまいましたけど……」

加蓮「初陣、期待してるよ、肇」

肇「はい。村と、ユニットの名に恥じぬ戦いを、約束します」

紗南『さぁ、朝陽昇る光の街、プロセウタウンジム!ジムリーダーの専門はみずタイプ!鎮守の浜と社とを、産まれた時から守り続けるという宿業を担ってきた芳乃さん!』

紗南『耐久力や攻撃範囲の広さがウリの強力なポケモンに、挑戦者はどう立ち向かうのか!』

肇「ヒュドール村から来ました、肇と言います。芳乃さん、よろしくおねがいします!」

芳乃「肇さん、肩の力は抜いて良いのですよー。大事の時こそ、平常心なのでしてー。」

肇「確かにそうですね。…では、参ります!」ボウン!



550: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:04:45 ID:NPF

ヤド先生「やぁ~ん」ボヘー

紗南『ニューフェイス肇さん、まずはみずタイプのヤドランで立ち向かう~!』

芳乃「では、私はー、このポケモンでまいりましょー。」ボウン

オムスター「ムスタッ!」ウネネ

紗南『趣味が石集めの芳乃さん、まずは化石から復活した古代のポケモン、オムスターで迎え撃つー!』

ワアアアアアア…

肇「先生、作戦は…」

ヤド先生「やぁん」

肇「……成程、確かに……これだけ古い室内のプールであれば……!」

芳乃「オムスター、『げんしのちから』でしてー。」

オムスター「ムスタッ!」グググググ……

紗南『古代の岩の力が呼び起こされる~!特殊な力で無軌道に岩石が放たれていく大技だー!』

肇「あれは…避けきれませんね…先生、耐えましょう!」

ヤド先生「やぁん」コクン

ドゴゴゴゴ………

ヤド先生「……やぁん?」



551: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:05:09 ID:NPF

紗南『クリーンヒット…のはずですが、持ち前の特殊防御で致命打には至らずー!』

肇「……!見つけました、先生、ちょうど敵側のプールサイドに雑草が!」

ヤド先生「やぁん」コクン

肇「先生のパワーアップした念力なら……この距離からでも……!行きます、『草結び』!」

ヤド先生「やぁん…!」ミョワワワワワワ

オムスター「ムスタッ?」シュルルル

芳乃「ほー。死角から攻撃してくるとは、驚きですねー…これは、為す術もありませぬー。」

肇「投げ飛ばしてください!」

ヤド先生「やぁん!」シュン

オムスター「ムスタアアア!」ドゴオン!

オムスター「ムスタ……ムス…」バタン

紗南『岩と水、4倍弱点を効果的に捉えたー!これはたまらないー!!』

芳乃「オムスター、戦闘不能ですねー。よくぞ頑張ってくれたのでしてー。」シュウウウ

芳乃(ふふー。よくぞ背後の草にお気づきになられましたねー。)



552: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:05:31 ID:NPF

~前日~

亜季「後はここの草を刈るだけでありますな!それにしてもだいぶ伸びきっていますな…」

芳乃「亜季さん亜季さん、その草はそのままにしておいて欲しいのでしてー。」

亜季「はて、それはどういう……?」

芳乃「ここは挑戦者を試す場でもありますからー。もしこの長草に気が付いて、利用する程の洞察力の持ち主であればー。私は甘んじてそれも受け入れるのでしてー。」

紗南「けどそれ、かなり難易度高いんじゃない……?相手の方のプールサイドからじゃ、普通気付かないよ、こんなの」

芳乃「であればこそー、気付くことに意味があるのですよー。」

亜季「成程。得心がいきました。明日の試合でこれに気付くかどうかが勝負の分かれ目にもなる……芳乃殿はそう読んでいるのでありますな」

芳乃「はいー。その通りなのでしてー。」フフッ

~~~~~



553: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:05:54 ID:NPF

芳乃「肇さん、ヤドランさん、お見事でございましてー。」

肇「いえ…丁度良いところに、勝ち筋が視えた……それだけの話ですから」

ヤド先生「やぁん」

芳乃「ふむー。勝って兜の緒を締めよ、ですなー。では、油断せずに来てくださいねー。」

肇「…芳乃さんの先鋒は崩しました……次の中堅は、一体…」

紗南『さあ、注目の2匹目!どんな戦いを繰り広げるのでしょうか!』

芳乃「グソクムシャ、出番なのでしてー。」ボウン

グソクムシャ「ソクシャ!」ジャキン

忍「な…何、あのポケモン……見るからに、全然隙がない……」



554: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:06:18 ID:NPF

芳乃「『であいがしら』でしてー。」

グソクムシャ「シャッ」シュン

肇「消えた!?どこへ……」

ヤド先生「やぁん!」バキィッ ズバァッ

肇「先生!!」

グソクムシャ「シャッ」シュン

紗南『グソクムシャの『であいがしら』が決まったー!効果は抜群! この技はフィールドに出た直後、文字通り出合い頭にしか使えない奇襲攻撃で、必ず先制を取れるグソクムシャの必殺技だよ!!』

オオオオオ……

肇「先生、お怪我は……」

ヤド先生「……やぁん」

肇「ぎりぎり、ですね……でも、少しでもダメージを与えて後続に繋げないと………」



555: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:06:54 ID:NPF

肇(あの鎧と、伸び縮みする鋭い爪……私のポケモンでは、有効打は無さそうですね……)

肇「なら、尚の事、仲間に託す時まで……!ヤド先生、例の技で!」

ヤド先生「やああああん……」ミョゴゴゴゴ

紗南『ヤドランの両手に、黒い闇のエネルギーが集まっていくー!この技はー!』

肇「昏迷に逆巻く夜闇の暗念……敵に惑う煩悩を祓う力に!」

肇「参ります!『シャドーボール』!」

ヤドラン「やぁん!」ドシュウ!

忍「速い!」

加蓮「これなら……いける……?」

グソクムシャ「ムシャァッ」シュッ シュッ

芳乃「あー、いけませぬ、あれを切り裂いてはー。」

グソクムシャ「グシャ?」スパァン

肇「…切るのではなく、かわすべきでしたね」

ヤド先生「やぁん」コクン

ボカアアアン!!



556: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:07:23 ID:NPF

紗南『切り裂かれたシャドーボールが爆発したー!とてつもないエネルギーだー!!』

ワアアアアアア……

未央「これなら、キマったんじゃ!」

ネネ「……いえ、煙の向こうを!……いない?」

※シャドーボール着弾地点からグソクムシャが消えている…。

肇「技で巻き上がった土煙が晴れて………敵は…?」

ヤド先生「やぁん…」

芳乃「『不意討ち』攻撃でしてー。」

グソクムシャ「ムシャァッ」シュルルル

ヤド先生「やぁん…?」ガシッ

肇(いつの間に背後に!)

紗南『グソクムシャ、背後から伸びる爪でヤドランを捉えたー!そしてさらにー!』

グソクムシャ「シャァグッ!」ビュン…ズバッ!!

ヤド先生「………………」シーン

肇「先生!」

ヤド先生「………やぁん」バタン



557: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:07:49 ID:NPF

紗南『ヤドランここで戦闘不能ー!見事な耐久力を見せましたが、あくタイプの不意討ちは効果が抜群!変幻自在に伸び縮みするツメの前に、なすすべなく倒されてしまいました!!』

ワアアアアアア……

未央「あの固い守りと爪のスピード、両方を同時に攻略しなきゃグソクムシャは突破できないよ…」

忍「でも、肇ちゃんのヤドラン、凄かった……機転がきいてて、何だか別のポケモンみたいだったよ」

ネネ「肇さんのヤド先生は、特別ですからね。ああ見えて、とってもおりこうさんなんですよ♪」

加蓮「さて………守りとスピード、ね」スクッ

未央「うん、やっちゃって、かれん!」

ネネ「そうか……加蓮さんなら、あの子が…」

肇「先生、ゆっくり休んで下さいね……本当に、お疲れさまでした…」シュウウウ

加蓮「肇」

肇「はい、後を、頼みます」

パシィン!



558: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:08:16 ID:NPF

紗南『ここでハイタッチしてのメンバー交代!対するは加蓮さんとー!』

加蓮「まろ、お願い!」ボウン

まろ「チルルウウ!」バサアッ

紗南『チルタリス登場ー!タイプの相性で、むし、みずタイプのグソクムシャには確かに有利!どんな戦いになるのでしょうか!』

加蓮「…とりあえず、水には落ちないでね、笑い取りに来たんじゃないでしょ」

まろ「チル」コクン

加蓮「わかってるならよし!来るよ!」

芳乃「では、『燕返し』でしてー。」

グソクムシャ「ムシャァッ」シュルルッ!

加蓮「伸びる爪で切り裂いてくる……なら!まろ!『コットンガード』!」

まろ「チルウ」モフモッフ

スパン パフン!



559: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:08:45 ID:NPF

まろ「チルルー」ポテン ポテン

紗南『膨らんだ綿の羽で丸くなって攻撃をガード!もふもふです!見るからにもっふもふ!触りたい!!』

加蓮「いーでしょー。あげないよ♪」

まろ「チールル」バサアッ

加蓮「まろ、わかってるよね。あの鎧を破るには……あの技しかない!」

まろ「チル! チールターリー!」カアアアアアア

忍「眩しいっ!」

未央「この光……!あれが、ラボを破壊したっていう……」

ジラーチ【ゴッドバード。しばらく溜めが入って動けなくなるけど……飛行タイプの最強クラスの技さ】

ネネ「……攻撃が来ます!」

芳乃「『切り裂く』のでしてー。」

グソクムシャ「ムシャアッ!」シュンッ

ズバァッ!

まろ「チルウ……」ズザザ……



560: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:09:11 ID:NPF

紗南『チルタリス、技のチャージに集中していて今は無防備!ぎりぎりで綿羽を使いダメージを軽減しましたが……それでもかなりの深手です!』

加蓮「けど、耐えきった! いけるよね、まろ!」

まろ「チルルウウ」ゴオオオオオ

肇「何て、神々しい光……!」

加蓮「いくよ!煌めけ!『ゴッドバード』!」

まろ「チルルウウ」ビュン!

グソクムシャ「ムシャッ!」

※グソクムシャは両手の爪でガード体制をとったようだ……。

加蓮「その程度のガードくらい………いっけええ、まろっ!!」

まろ「チールールーッ」ギュオッ……


バァアアアアアアアアン!!!



561: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:09:33 ID:NPF

未央「破裂音!?」

ネネ「周りの空気が、音を出すほどに……」

肇「…! 見てください、あちらを!」



グソクムシャ「ムシャッ……ムシャアッ」バタン

紗南『グソクムシャの固い装甲を打ち破ったー!!これはグソクムシャ、戦闘不能です!』

オオオオオ…!!



562: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:09:59 ID:NPF

加蓮「まろー、おいでー!」

まろ「チルルー♪」バサアッ バサアッ

加蓮「あーもう、よしよしよしよし」モフモフモフモフ

まろ「チルウチルウ♪」テレテレ

芳乃「よもや、グソクムシャまで敗れてしまってはー、仕方ありませぬねー。」

芳乃「このバトルフィールドが、なにゆえにプールになっているのかー、その真の理由を今からお見せいたしましょー。」

加蓮「え、何、理由って……単に水ポケモンが有利だからって理由じゃ……」

肇「そういえば……みずタイプでありながら、オムスターもグソクムシャも、地上戦主体で、水には全く入らなかった気が……」



563: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:10:21 ID:NPF

未央「グソクムシャはわかんないけど……カントーのポケモンである、オムスターの事なら! えっとね、オムスターはオムナイトの進化系なんだけど、古代に海中で餌が取れなくて絶滅しちゃったんだよね」

忍「それは、エサが少なかった…とか、そういう理由で?」

未央「いやぁ……進化した時に殻が重くなっちゃって、身動きがとれないまま餓死しちゃったんだって…」

忍「そ、それはまた……何ていうか…」

ジラーチ【まぬけだね】

未央「ジラちんはだまってて」

ジラーチ【はいはい】



564: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:10:48 ID:NPF

忍「ジラちん?」

ネネ「未央さんの故郷の神様だそうです。時々未央さんの心に語りかけてくるみたいで」

忍「へえ……あ、スイクン様みたいな感じなのかな…?」

未央「いやあ、ないない、あんなカッコいい感じじゃ絶対ないでしょ」

ジラーチ【あ、未央の頭に隕石がー】

未央「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

忍(ど、どんな会話してるんだろ……)

肇「話が逸れてしまいましたけど……結局、地上戦主体の2体は、プールというバトルフィールドを利用する事ができませんでしたよね」

未央「そうだった、その話……って事は、よしのんの切り札って……さかなポケモン…?」



565: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:11:21 ID:NPF

芳乃「では、まいりましょー。おいでませー、ギャラドスー。」ポチャン…

※芳乃はプールにボールを投げ入れた…。

未央「ぎゃ、ギャラドス……だと……?」

ネネ「未央ちゃん?」

未央「み、皆耳を塞いで!早く!」

ネネ「は、はい!」

忍「何かわかんないけど、えいっ」

肇「……!」

加蓮「……一体何が……?」

ギャラドス「ギャオオオウ!!!」ザバアアアッ

加蓮「ひっ………」ビクッ

まろ「チルッ……!?」ビクッ

紗南『凶悪ポケモンと呼ばれるギャラドス!降臨と同時に特性の『威嚇』で敵の戦意を削いでいくー!』

ワアアアアアア…!



566: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:11:57 ID:NPF

加蓮「こ、こんなのに……勝てるの……?」

まろ「チルッ チルーチルー!」ワタワタ

加蓮「うん、気持ちで負けるわけには、いかない!いくよ、まろ!向こうが声で怯ませるなら……!」

加蓮「こっちも声で攻撃!!『ハイパーボイス』!!」

まろ「チールーーーッ!!!」ギャオオオウ……

ギャラドス「ギャウッ!」ギャオオオウ……

芳乃「ふむー、逆に力ではなく、音で攻撃を仕掛けるとはー。これでは威嚇した意味もありませんねー。」

紗南『威嚇で下がるのは物理技の威力だけ!知ってか知らずか、加蓮さんのチルタリス、初手からいい攻撃です!』

芳乃「しかしー、ギャラドスの体力を甘く見てはいけませんよー。ギャラドス、『こおりのキバ』でしてー。」

ギャラドス「ギャウッ」モグリッ

加蓮「潜った……!奇襲狙いのつもりみたいだけど、どんなに大きくても相手はサカナ…!」

加蓮「まろ、空中に避難して!」

まろ「チルルー」バサアッバサアッ



567: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:12:30 ID:NPF

芳乃「ほほー。それはそれはー。空中に逃れれば攻撃が届かないという読みなのですねー。ですが……」

芳乃「残念ながら、その読みは外れているのでしてー。」

加蓮「えっ」

ギャラドス「ギャオオオウ!」ザパァ! ビュン……

忍「飛んだ!?」

未央「そう……あれがギャラドスの恐ろしいところ……一見ただのみずタイプに見えて、実はみず、ひこうタイプのポケモンなんだよね……!」

ネネ「ひこうタイプの……じゃあ、空に逃げたのはむしろ……!」

ギャラドス「ギャウアッ」ガブッ パキパキパキ……

まろ「チルー!」パキパキパキ…

加蓮「……っ!戻って、まろ!」シュウウウ……

紗南『これは、ドラゴン、ひこうタイプのチルタリスには4倍弱点、効果は抜群の攻撃…!圧倒的な強さで、チルタリスを戦闘不能にしてしまいました!』

紗南『というわけで医療班、治療治療!』



568: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:12:51 ID:NPF

清良「患者を搬送します!亜季さんはシャワー室で水のシャワーを!お湯で解凍するのは危険が大きいので、水でゆっくり溶かしていきましょう!」

亜季「イエス・マム!早速全シャワーの栓を開いてくるであります!」

清良「ひとつでいいのよ」キュッ

亜季「ちょ、ちょっとしたジョークではありませんか、清良殿……」

加蓮「まろを、お願いします」

清良「確かにお預かりしました。氷の箇所が広いので、以前のマリルより時間がかかりますから、試合は引き続き続行ということで、お願いします」

紗南『了解です!さぁ、ギャラドスに対抗する事ができるポケモンは!? いよいよ3体目同士の決戦となります!』

未央「ここは私がりゅーすけで雷を…!」ガタッ

加蓮「未央、私に任せて!」

未央「かれん……?」



569: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:13:11 ID:NPF

加蓮「前のトーナメント……私、この子達に顔向けできないくらい、ボロボロに負けてさ……」

加蓮「ここは、私達が勝たなきゃ……多分、前に進めない気がするの…!」

加蓮「……ワガママ、かな」

未央「ううん、信じてる。全然ワガママなんかじゃ、ないよ」

未央(それに、雷は命中力が低い……雲もない場所で、雷雲を作る間にこおりのキバなんて使われたら……流石のりゅーすけでも、太刀打ちできなくなっちゃうし…)

加蓮「私のポケモンは……この子!」ボウン

ぽて「バッフーン!」



570: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:13:37 ID:NPF

紗南『え……?ほ、炎タイプのバクフーンです!水には弱いはずの炎ポケモンで、敢えてこの砦を崩そうと言うのでしょうか!』

芳乃「確かに炎ポケモンであるのならー、こおりのキバはつかえませぬがー。お忘れではないのでしょうー?私達の専門は、みずタイプなのでしてー。」

加蓮「相手が悪いのは100も承知!!でも、勝算だってないわけじゃない!」

忍「勝算って………え、まさか、あの技を!?」

ネネ「はっ……そうですよ、確かに、忍さんと戦ったときに出したあの技なら……」

未央「……けど、アレはかれんにも反動が……倒しきれなかったら、負けが決まっちゃうみたいなもんだよ…」

ジラーチ【完全に、賭けだね。それも……「命懸け」】

加蓮を見つめるぽて「バフゥ…」

加蓮「前、向いてなさい。大丈夫だから」

加蓮「アレに勝つなら……私達がやるしかない。それは、わかりきってるでしょ」

ぽて「バフ」コクン



571: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:14:00 ID:NPF

加蓮「芳乃ちゃん、悪いけど私……本気で勝ちに行くから」

芳乃「良い覚悟でしてー。全力で当たらねば、礼を失する事になりましょうー。」

芳乃「例えこの場で互いがどうなろうともー。全力をもって、相対する事でしか、視えぬものもあるはずー。ですから私達も、その意気にお応えして、最大の一撃で迎え撃ちましょうー。」

加蓮「……上等!」

ぽて「バッフーン!」ボオオオウ

芳乃「ギャラドスー。最大出力で「ハイドロポンプ」でしてー。」

ギャラドス「ギャアアア…オオオオオ!」ゴパアアアア!!!

加蓮「ぽて、行くよ…弾けて!」

ぽて「バッフーン!」バチバチバチバチバチチチチ………

紗南『電気技!』



572: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:14:23 ID:NPF

芳乃「ですが、既に捉えましたよー。逃げ場はもはや、いずこにもー。」

加蓮「逃げなきゃいいだけの話でしょ?」

加蓮「ぽて、貫いて!!『ワイルドボルト』!!!」

ぽて「バッフーーーン!!」ダッ!

ザバアアアアア……バチバチバチバチバチチチチ……

紗南『ハイドロポンプの強力無比な水撃と、雷を身にまとったバクフーンの突撃、ワイルドボルト!激しく両者の技が激突しています!…おそらく、この技を打ち破った方が……勝者に!』

忍「……っ!」バッ

未央「しのむー!」



573: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:14:46 ID:NPF

忍「加蓮ちゃん!負けるなーっ!!」

加蓮「忍…」

忍「アタシ達に勝ったそのワイルドボルトで……あんなハイドロポンプ、ぶち抜いて…!勝って!!加蓮ちゃん!!」

未央「そうだよ!あんな水くらい何だー!!ぽてー!!いっけえええ!!」

肇「……どうか……」ギュッ

ネネ「お願い、加蓮さん、ぽてちゃん…!!」

加蓮「……皆の想いが、伝わってくる…」

加蓮「もう、負ける気なんてしない!!全ッ然!!!!」

ぽて「バフウウウウウ」バチバチバチバチバチチチチ…

ギャラドス「ギャウ……ギャアウ」グググググ

加蓮「届けーーーーー!!!!」

ピシャアン!バチバチバチバチバチバチバチバチ!!

ギャラドス「ギャオオオオオオウ!!」バチバチバチバチバチバチバチバチ!!



574: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:15:08 ID:NPF

紗南『……決まった……! 4倍弱点!!』

芳乃「眩い光…なのでしてー。まるで…未来を照らす…希望の灯火のようなー。」

ギャラドス「ギャウ……」プスプス………プカァ

ぽて「バフ……」ジャポーン…!

加蓮「やった……ね……ぽて……!」バタン……

忍「っ! 加蓮ちゃん!」ダッ

紗南『医療班!急患急患!!急いで戻って!!』

亜季「加蓮殿はお社にお運び致します!」タタタッ



575: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:15:23 ID:NPF

清良「ギャラドスとバクフーンをボールに戻します!加蓮ちゃん、モンスターボール、借りるからね」カチッ シュウウウ

芳乃「頑張ってくれましたねー、ギャラドス。ゆっくり休んで、また共に参りましょうー。」シュウウウ…

紗南『芳乃さん、ダブルノックアウトですが、判定は!』

芳乃「バッジを授けるに、相応しい実力だと思いますー。ですので、皆様の勝利かとー。」ニコッ

紗南『ということなので!!勝者、挑戦者となります!!』

ワアアアアアア…!



576: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:15:44 ID:NPF

紗南『最後はアツい技と技のぶつかり合いでしたが、加蓮さんとバクフーンが、見事に意地を見せつけました!』

未央「……アレは、正直負けてもおかしくなかったよ……」ホッ…

ネネ「ですね……もし、私達が戦っていたらと思うと……」

肇「まだまだ、修行不足の感は否めませんね。毎度加蓮さんに無茶をさせてしまうわけにはいきませんから」

未央「だね。…私も、もっと…!」グッ

忍「…アタシ、先に加蓮ちゃんのとこに行ってお手伝いしてくる!皆は先に芳乃ちゃんからバッジを貰って!」スタッ タタタタ……

ネネ「忍さん、私も行きます!」タタタ……

※二人は走り去って行った……。



577: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:16:03 ID:NPF

未央「そっか、忘れてた…バッジ貰わなくちゃジム戦の意味ないや」

肇「私も、頭からすっぽり飛んでいました…」

芳乃「無理もないことなのでしてー。ですが、これでようやく…肇さん、あなた方に授けるのは、バッジだけではないのですよー。」

肇「え?」

未央「よしのん、それどういう……」

芳乃「お忘れですかー? この街のジムリーダーは、代々ある秘密を受け継ぎ、守っていると…そう、聞いているはずですよー。」

肇「……! この石の、事ですよね……」スッ

未央「ヒュドールで村長さんがくれた、あの石だね……これに、一体何の秘密が……」



578: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:16:22 ID:NPF

芳乃「全てを伝えるには、ここでは不適切なのでありましてー。皆が回復し次第、その話をすることにいたしましょうー。ですので、まずは……」スッ

未央「これが……このジムのジムバッジ…」

芳乃「『へオースバッジ』でしてー。水面から顔を出す、お日様を象ったものなのですよー。」

肇「水面の部分に光がキラキラ輝いていて……綺麗……」

芳乃「日の出の風景は、この街の、皆の宝物なのでしてー。」

芳乃「では、私達も社に戻り、夕餉の支度にいたしましょうー。」

肇「あ、それなら私、お手伝いします」

未央「私も私も!おにぎりとか、お野菜切ったりとか!簡単なお手伝いなら!」

芳乃「それはそれはー、頼もしきことー。では、参りましょうー。」



579: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:16:37 ID:NPF

※かくして、4つ目のバッジ、『へオースバッジ』を手に入れた一行。さらなる秘密を知るために、冒険を一時中断し、プロセウタウンに留まる事に。

果たして、それはどのような秘密なのだろうか。

続く!



580: ◆6RLd267PvQ 19/07/23(火)16:18:20 ID:NPF

いつもより少しだけ長めのお話でした。
みずタイプのポケモンに対する有効打がマシン技のワイルドボルトしかなかったのでご都合ではありますが、習得させざるを得ませんでしたね

では、今回もお目汚し、失礼をば。


元スレ
シンデレラガールズ×ポケモンクロス クロノスライトストーリー
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1562165347/