1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:06:34.61 ID:0RwKI+SQO

喪黒「私の名は喪黒福造。人呼んで、『笑ゥせぇるすまん』」コツ...コツ...

喪黒「ですが、ただのセールスマンじゃございません。わたしの取り扱う品物はココロ…」コツ...コツ...

喪黒「人間の、ココロでございます。ホーッホッホッホ…」コツ...コツ...

―――
――




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:07:25.70 ID:0RwKI+SQO

喪黒「この世は老いも若きも男も女も…心の寂しい人ばかり」コツ...コツ...

喪黒「そんな皆さんのココロのスキマをお埋め致します」コツ...コツ...

喪黒「いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます」コツ...コツ...

喪黒「さて、今日のお客様は…」コツ...

―――
――




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:08:51.58 ID:0RwKI+SQO

「はぁ…。どうしたらみんなみたいに個性が出るんだろ…。こんな私…イヤだなぁ…」
【天海春香(17):アイドル】

―【コセイコウ】―

喪黒「ホーッホッホッホ…」

―――
――




7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:10:21.45 ID:0RwKI+SQO

――レッスンスタジオ

ボイストレーナー「春香ちゃん?私の勘違いならいいのだけれど…ひとつ、聞いてもいいかしら…」

春香「はい!なんですか?」

ボイストレーナー「春香ちゃん、何か悩み事とか…あるんじゃない?」

春香「へっ?」ドキッ

ボイストレーナー「あっ!私の勘違いだったらいいの!忘れて?」

春香「は、はい…」ドキドキ

ボイストレーナー「じゃ、じゃあ私は次のレッスンの準備をしてくるわね?」タッタッタッタッ...

春香「…」

春香「…」ハァ...

春香「悩み事、かぁ…」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:11:37.02 ID:0RwKI+SQO

春香「私…そんなに個性が無いのかな…」

春香「千早ちゃんには歌、あずささんはおっぱい、伊織はお嬢様…」

春香「765の皆って…凄く個性的だよね…」

春香「私の個性って…なんだろ…もう何もない私なんてイヤだよ…」ハァ...

――
喪黒「…」コツ...
―――
――





9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:12:38.26 ID:0RwKI+SQO

次の日
――レッスンスタジオ

P「春香!もっと自分を出すんだ!歌に自分の想いを託すように!」

春香「はっ、はいっ!」ハァ、ハァ

春香「はぁ…はぁ…」ハァ...ハァ...

P「よし、じゃあひとまず休憩にしようか。頑張ったな」

春香「あ、ありがとうございます…」

P「けどな、春香」

春香「?」

P「今のままじゃお前は…平々凡々なアイドルで終わる」

春香「…」

春香「えっ?」

P「特筆すべきものが、無いんだ。今のお前には」

春香「…」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:14:11.89 ID:0RwKI+SQO

P「自分らしさ…春香らしさを、もう少し自分の中で見つめ直してみたらどうだ?」

春香「…はい…」ギリッ

P「喉、渇いたろ?何か飲み物でも買ってくるからさ、さっき俺が言った事、考えてみてくれ」スタスタスタ

春香「…」

――ガチャッ、バタン

春香「また…」

春香「また!」

春香「また個性!!」

春香「個性!個性!個性!みんなそればっかり!」

春香「そんなに個性が大事?じゃあ今の私はなんなの!?」バンッ

――ガチャッ

春香「だれっ!?」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:15:52.34 ID:0RwKI+SQO

??「ホーッホッホッホ。これは失礼。少々、驚かせてしまいましたかな?」コツ...コツ...

春香「だ、誰ですか?」

??「ホーッホッホッホ。私は、こういう者です」スッ

春香「喪黒…福造…さん?」チラッ

喪黒「ホーッホッホッホ。そして貴女は、天海春香さん…ですね?」ニヤニヤ

春香「ど、どうして私を?」

喪黒「ランクが下であるとはいえ、アイドルである貴女を、私が知っていても不思議ではありませんよ」

春香「えへへ…」テレテレ

喪黒「時に、天海さん」

春香「は、はい?なんですか?」

喪黒「貴女、何か悩みがありますね?」

春香「えっ?」ドクン



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:17:15.21 ID:0RwKI+SQO

喪黒「そうそう。申し遅れましたが、私はセールスマンをしております」

春香「…私に、何を売ろうっていうんですか?」

喪黒「ホーッホッホッホ。私が取り扱う品物は、ココロ」

喪黒「ニンゲンの、ココロでございます」

春香「ココロ…?」

喪黒「そう。例えば今の貴女のココロがそうであるように…ココロのスキマをお埋めさせていただきます」

春香「ココロの…スキマ…」

喪黒「ホーッホッホッホ。天海さん?」

春香「は、はい…」

喪黒「貴女は今、自分を見失っていますね?」ニヤニヤ、ニヤニヤ

春香「えっ?」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:18:46.30 ID:0RwKI+SQO

喪黒「同じ事務所のニンゲンは、個性派揃い。けれど、自分には特筆すべき物がなにもない」コツ...

喪黒「と、」スッ

春香「!?」ドキッ

喪黒「そう、考えているのではありませんか?」

春香「あっ…あっ…」ドクン...ドクン...

喪黒「ホーッホッホッホ。よろしい!」ニヤッ

春香「…えっ?」ドキッ

喪黒「ここに、こんな物があります」ゴソゴソ

喪黒「さぁ、どうぞ」スッ

春香「あの…これは?」チラッ

喪黒「【個性香】」

春香「こせい…こう?」




17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:20:47.14 ID:0RwKI+SQO

喪黒「その昔、中国の仙人が焚いていたという伝説があります。これを焚けば、きっと貴女は【今の】貴女を捨て去る事が出来、個性を身に付ける事が出来るでしょう」

春香「個性を…」ドクン

喪黒「さぁ、焚くのです」コツ...

春香「いや…でも…」

喪黒「焚くのです」ジリッ...ジリッ...

春香「えっ?えっ?」

喪黒「焚くのです!」ジリッ...



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:22:11.79 ID:0RwKI+SQO

喪黒「ドーーーーーーーーーン!!!!!!!」ドーーーーーーーーーン!!!!!!!

春香「きゃあぁぁあぁぁあ!!」グルグルグルグル...

―――
――




22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:24:02.82 ID:0RwKI+SQO

次の日
――レッスンスタジオ

春香「ほらほら!プロデューサーさん!ガンガン行きますよー!?」ニコニコ

(イヤ!)

P「おぉ!春香!なんだか【いつも】の春香じゃないみたいな感じだな!」

(ワタシジャナイ!)

春香「あはは!もうあんな昔の、無個性な【天海春香】なんてポイしちゃいました!
今の私は、新しい天海春香です!」

(ウソ!)

P「そうかそうか!うん!これなら、今度のオデも受かるよ」

春香?「そう…【あんな】天海春香はポイしちゃった」クスクス

(チガウ!)

P「?」

春香「ふふっ。何でもないでーす!」ニコニコ



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:25:29.44 ID:0RwKI+SQO

P「そうか?じゃあ俺は、トレーナーさんと打ち合わせしてくるから」

春香「はい!じゃあ私は休憩でもしてます!」ゴソゴソ

(ッ!ッ!)

春香「うるさいな…」ボソッ

P「ん?春香、そんなお香なんか持ってたか?」

春香「これがないと、私が私じゃないんです」クスクス

(ヒッ!)

P「?」

春香「ふふっ。私の事は気にしないで、プロデューサーさんは打ち合わせに行ってきてください!」ニコニコ

(マッテ!マッテ!)

P「あ、あぁ…じゃ、また後で」スタスタスタ

――ガチャッ、バタン



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:26:17.53 ID:0RwKI+SQO

春香「ふふっ…」シュッ

(…)

春香「これからは…私が、」

(アレ…)

春香「天海」

(ワタシッテ…)

春香「春香」

(ナンダッケ…)

春香「うふふふふ」

―――
――




26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/05(金) 02:27:23.00 ID:0RwKI+SQO

喪黒「ホーッホッホッホ。自分が自分じゃない、今の自分に満足出来ないというのも…贅沢な悩みなのかもしれませんねぇ」

喪黒「ホーッホッホッホ」コツ...コツ...コツ...

おわり


元スレ
春香「ココロの…スキマ…」