1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:01:37 ID:/VUxCDFM

~ これまでのあらすじ ~



突如、王国に攻め込んできた凶暴な魔物、オーク。

騎士団の奮闘により、かろうじてこれを撃退するが、
オークはさらに強力な仲間が再びやってくると言い残し、息絶える。

今のままでは次の襲撃を防げないと悟った騎士団の面々は、それぞれ修行を開始する。

騎士団の紅一点である女騎士も戦いの道を選び、魔族クッコロに弟子入りするのだった。



それからおよそ半年後、ついに戦いの時が訪れた。

数匹のスライムを引き連れ、二体のオークが攻め込んできたのである。



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:04:52 ID:/VUxCDFM

~ 荒野 ~

王子オーク「騎士どもの数も六匹か……ちょうどスライムと同じ数だな」

王子オーク「どうだ、きさまら! スライムと一匹ずつ戦ってみんか? ゲームだ!」



クッコロ「ゲームだと!? ふざけやがって……!」

ハゲ騎士「まあまあ、いいじゃないか!」

ハゲ騎士「こっちはまだ、団長が到着してないんだしさ!」

三つ目騎士「よし……こっちはオレが出る」ザッ



デカオーク「ぐひひひ……よぉし、お前から出ろ!」

デカオーク「人間の騎士ごとき、とっとと片付けちまえよ!」

スライムA「ピーッ!」



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:07:43 ID:/VUxCDFM

三つ目騎士「……来い!」チャキッ

スライムA「ピィーッ!」ギュンッ

三つ目騎士「はあっ!」



ズバァッ!



スライムA「ピィ……ッ」ドサッ…

三つ目騎士「ふぅ……」



チビ騎士「やったぁ! さすが三つ目騎士さん!」

女騎士「みごとな一撃だった……!」



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:12:16 ID:/VUxCDFM

王子オーク「ほう、なかなかやるじゃないか」

デカオーク「なにやってやがんだ、情けねえ! 人間なんかによ!」

王子オーク「さて、次はどいつだ?」



ハゲ騎士「よぉーし……」

イケメン騎士「オレにやらせてくれ」ザッ

イケメン騎士「ここらでお遊びはいい加減にしろってとこを見せてやりたい」

ハゲ騎士「イケメン騎士さん……」



イケメン騎士「さあ、きやがれ!」チャキッ

スライムB「ピィーッ!」バッ



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:15:28 ID:/VUxCDFM

ドゴォォォンッ!!!





ハゲ騎士「イケメン騎士さぁぁぁん!」

クッコロ「なんて奴だ……自爆しやがった……!」

女騎士(バカな……!)



デカオーク「ちっ、相討ちかよ! 情けねえスライムだぜ!」

王子オーク「おい、汚いから片付けておけよ! そのボロクズを!」



ハゲ騎士「くそったれ……!」ギリッ…



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:19:05 ID:/VUxCDFM

ハゲ騎士「うおおおおおおおっ! ――必殺、四連斬ッ!」

ザシュッ! ズバッ! ザクッ! ビシュッ!

スライムC「ピギャ!」 スライムD「ギャァァ!」

スライムE「グェ!」 スライムF「ピィ!」サッ

ハゲ騎士「ちぇっ、一匹外しちまった!」



スライムF「ピギャアアアッ!」ギュンッ

女騎士(しまった! 外した奴が私に!)



クッコロ「くたばれ!」バッ

ドゴォッ!

スライムF「ピギャア……」



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:21:33 ID:/VUxCDFM

女騎士「ありがとう……クッコロさん!」

クッコロ「勘違いするな。あの二匹と戦う前に、ウォーミングアップをしたにすぎん」



王子オーク「スライムがあっさり全滅とはな、面白くなってきた」

デカオーク「よぉし、オレにやらせてくれ」

デカオーク「一瞬で五人まとめて片付けてみせるぜ」

王子オーク「好きにするがいい」



クッコロ「ここからが本番だ……くるぞ!」



8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:26:08 ID:/VUxCDFM

デカオーク「はああああっ!」ドドドッ

三つ目騎士「!」チャキッ

ボゴォッ!

三つ目騎士「ぐはぁっ!」ドザァッ

三つ目騎士「がはっ、げほっ!」

三つ目騎士「たった一撃で……これほどのダメージを……!」ゲホッ



ハゲ騎士「三つ目騎士!」

女騎士「拳が鎧にめり込んだだと!?」

クッコロ「バケモノめ……!」



王子オーク「ふん、もろい奴らだ……」



9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:31:57 ID:/VUxCDFM

チビ騎士「三つ目騎士さんは死なせない! ボクがあいつをやっつける!」ジャキッ



三つ目騎士「あ、あれは、命と引きかえに放つ必殺剣!」

三つ目騎士「やめろぉーっ!」



チビ騎士「さよなら三つ目騎士さん、どうか死なないで……」

チビ騎士「だああっ!」ブオッ

パキィンッ!

チビ騎士「剣が……!」

デカオーク「なにが必殺剣だ、こんなヘナチョコ技が通じるかよ」

チビ騎士「うぅ……」ドサッ…



10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:34:00 ID:/VUxCDFM

三つ目騎士「許さんぞ! うおおおおおおっ!」

デカオーク「お!? ――なんだこの殺気は!?」



ボゴォッ!!!



デカオーク「ふうっ、おどかしやがって……」

三つ目騎士「む、無念……」ガクッ



女騎士「あの二人が立て続けに……!」

ハゲ騎士「団長ーっ! 早くきてくれーっ!」



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:38:10 ID:/VUxCDFM

王子オーク「団長? そいつはきさまらのリーダーか」

ハゲ騎士「そ、そうだ! お前たちを倒すために修行して、今ここに向かってる!」

王子オーク「ほう、面白い。なら、到着するのを待ってやる」

王子オーク「ただし、三時間だけだ」

デカオーク「なにいってんだ、王子!」

デカオーク「こんなゴミども、とっとと片付けちまおうや!」

デカオーク「オレは今遊ぶぜ!」ドドドッ

王子オーク「デカオーク! オレのいうことが聞けんのかっ!!!」

デカオーク「!」ビクッ

デカオーク「す、すまねえ……! つい調子に乗っちまって……」



女騎士(あの怯え方……! 後に控える小さなオークはさらに強いということか……!)



12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:40:02 ID:/VUxCDFM

王子オーク「……三時間経った」

王子オーク「どうやら、きさまらの切り札は来ないようだな」

デカオーク「ぎひひひ……残り三匹か、たっぷり遊んでやるぜ!」



クッコロ「くっ……!」

ハゲ騎士「なにやってんだよ、団長……!」

女騎士「くそっ……」



13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:45:26 ID:/VUxCDFM

ハゲ騎士「いくぜ!」

ハゲ騎士「でやあああああっ!」スタタタッ

ハゲ騎士「だりゃあっ!」ザシュッ

デカオーク「ぐっ!?」



王子オーク「ほう、動きだけはなかなかのものだ!」



デカオーク「よくもオレに傷をつけやがったな!」ドゴォッ

ハゲ騎士「ぐはっ……!」ドサッ



クッコロ「次はオレが相手だ!」



14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:47:36 ID:/VUxCDFM

ガッ! ドガガッ! バキィッ!

クッコロ「ぐおぉっ……!」

デカオーク「いい気になるんじゃねえぞ、ザコが!」



女騎士(クッコロさんでも歯が立たんのか……!)

女騎士「クッコロさん逃げてくれ!」

女騎士「団長が来るまでは、この巨大なオークは私が食い止める!」



クッコロ「へっ、てめえだけで食い止められるわけないだろ……」

デカオーク「オレを食い止めるだと……!?」

デカオーク「笑わせやがって、このアマァ!」ダッ

クッコロ「しまった!」



15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:50:26 ID:/VUxCDFM

デカオーク「くたばれっ!」ブオッ

女騎士「はああっ!」タンッ



ザシュッ!



デカオーク「ぐわぁぁ……! いてぇぇっ!」



クッコロ「なんだと!?」

ハゲ騎士「す、すげえ……!」



16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:53:20 ID:/VUxCDFM

デカオーク「ぐはっ……ち、血が出てるじゃねえかぁ……!」ポタポタ…

デカオーク「このアマァ……これまでだ! 本気でやってやる!」

デカオーク「死ねぇぇぇっ!!!」ダダダッ

女騎士「う、うわっ!」





ドゴォォンッ!!!





女騎士「…………」

女騎士(あ、あれ……?)



17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/27(月) 23:57:29 ID:/VUxCDFM

クッコロ「逃げろ……女騎士……」ドサッ…

女騎士「クッコロさん!? 私をかばったのか……!」

デカオーク「ん……?」

デカオーク「ちっ、殺す順番が変わっちまったか!」



クッコロ「情けない話だぜ……クッコロ大魔王ともあろう者が……」

クッコロ「女をかばっちまうなんて……最低だ……へへへ……」

クッコロ「きさまら騎士団のせいだぞ……甘さがうつっちまった……」

クッコロ「だ、だが……」

クッコロ「きさまといた数ヶ月……わ、悪くなかったぜ……」

クッコロ「死ぬなよ……女騎士……」ガクッ



女騎士「クッコロさぁん!!!」



18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:00:40 ID:RQuJZ2cs

女騎士「うおおおおおおおっ!!!」



デカオーク「な!?」



ハゲ騎士「うぐ……女騎士、すごい気迫だ……」



王子オーク「ほう」

王子オーク「人間は精神状態によっては大きく力を上げるというが……」

王子オーク「なるほど、大したものだ」



19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:03:44 ID:RQuJZ2cs

女騎士「だああああっ!」ヒュオッ

デカオーク「うおおおおおっ!」ブオッ



ガキィンッ!!!



女騎士「ぐ……!」

デカオーク「女のくせにすげえことやってくれるじゃねえか……」

デカオーク「腕がちょいとばかりシビれちまったぜ……」

女騎士(くそっ、今の一撃で力を使い果たしてしまった……!)ガクッ…

デカオーク「さてと、トドメを刺してやるぜ!」



20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:07:31 ID:RQuJZ2cs

女騎士「クッコロさん……すまない……!」



デカオーク「ぎひひひ……すぐにあの世で会わせてやるよ!」



王子オーク「ふん、ここまでのようだな」

王子オーク「!」ピクッ

王子オーク「この気配は!?」









騎士団長「待たせたな」ザッ…



21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:10:50 ID:RQuJZ2cs

女騎士「団長……!」

女騎士「ついに……ついに来て下さったのですね!」

騎士団長「うむ、遅れてすまなかった」

騎士団長「どうやら力を使い果たしてしまったようだな、女騎士」

女騎士「は、はい……」

騎士団長「もう戦うどころか、立つこともままならんだろう」

女騎士「お、おっしゃるとおり、です……」

騎士団長「つまり、全てシナリオ通りというわけだ」ニヤ…

女騎士「え……?」



22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:13:41 ID:RQuJZ2cs

騎士団長「みんな、もう起きていいぞ!」

女騎士「え……?」



スライムA「ピィ」ムクッ スライムB「ピッ」ムクッ スライムC「ピギッ」ムクッ

スライムD「ピィィ」ムクッ スライムE「ピィィ」ムクッ スライムF「ピィ!」ムクッ

三つ目騎士「よっと」ムクッ チビ騎士「ほいっ」ムクッ ハゲ騎士「じゃあオレも」ムクッ

デカオーク「ぎひひひひ……うまくいったな!」

王子オーク「ああ」



女騎士「え……? え……!?」

女騎士(なんだこれは!? ――どういうことなんだ、これは!?)



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:17:31 ID:RQuJZ2cs

女騎士「これはどういうことですか、団長!?」

騎士団長「全ては演技だったというわけだ」

騎士団長「力を使い果たしたお前を、こうして大勢で取り囲むためのな」

女騎士「そ、そんな……」

騎士団長「ああ、ついでに半年前に騎士団で倒したはずのオークも来ているぞ」

騎士団長「シナリオはあの時からすでに始まっていたからな」



オーク「ちわっす!」ザッ

デカオーク「久しぶりだな、弱虫!」

王子オーク「ご苦労だったな」



三つ目騎士「あの、団長……」

三つ目騎士「イケメン騎士は、ニセの自爆で本当に死んでしまったようですが……」ボソッ

騎士団長「なに? ……仕方あるまい。あいつはもういい」ボソッ



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:21:27 ID:RQuJZ2cs

女騎士「だれだ!? こんなふざけたシナリオを考えたのは!?」

女騎士「団長か!? それともオークどもか!?」

騎士団長「いいや、そのどちらでもない」

王子オーク「オレたちはあのお方のいうとおりにやっただけのことだ」

女騎士「な、なにっ!?」







クッコロ「みんな、ご苦労だったな」

クッコロ「女騎士の驚愕に満ちたその表情……実にすばらしい。すばらしいぞ!」



25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:28:07 ID:RQuJZ2cs

女騎士「クッコロさん!? な、なぜ……!?」

クッコロ「オレのなによりの楽しみは、絶望を味わった女を大勢でなぶることなんだ」

クッコロ「そのために、騎士団とオークたちに協力してもらったのだ」

クッコロ「師匠にも上司にも仲間にも、敵にさえも裏切られ、絶望したお前を」

クッコロ「オレと騎士団とオークで蹂躙するという、一大イベントのためにな……」

女騎士「そんな! ウソだ、ウソに決まっている!」

クッコロ「フハハハ、ウソじゃねーよ!」

クッコロ「オレの死を乗り越え、騎士団長と一緒に王子オークとデカオークを倒したら」

クッコロ「次は宇宙オークだの、人造オークだの、魔人オークだのが出るのを期待したか?」

クッコロ「出ねーよッ! このバカ女が!」

クッコロ「オレは大魔王だぞ!? 下心なしで女を弟子にするわけねーだろ!」

クッコロ「さぁ、皆の者よ! この女をしゃぶりつくしてやるぞ!!!」



オーッ!!!



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:31:33 ID:RQuJZ2cs

クッコロ「おい」

女騎士「え……?」

クッコロ「悔しいだろ? 絶望してるんだろう?」

クッコロ「さぁいったらどうだ! あのセリフを!」

女騎士「く、くくくぅ……」

女騎士「くっ、殺せ!」

クッコロ「よくできました! もちろんいうまでもなく、残念ながら殺しはしない!」

クッコロ「お楽しみの始まりだァ!!!」



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2015/07/28(火) 00:36:30 ID:RQuJZ2cs

女騎士(なんてことだ……!)

女騎士(私はこの大芝居にまんまと引っかかってしまった……)

女騎士(なのに、こんなにも大ピンチだというのに……)

女騎士(これから私が味わわされるであろう苦痛や快楽のことを考えると……)



女騎士(どうしてもワクワクしてしまう……!)







おわり


元スレ
SS深夜VIP:女騎士「クッコロさん!」