1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 01:57:24.62 ID:aE6i5p+A0
P「ごめんな、伊織」
伊織「別にいいわ、私の実力がないからよ…」
最近はアイドルの人気にも陰りが
出始めているのは自分でもわかっていた
竜宮小町を解散した時から三人ばらばらに活動している
今でも亜美とあずさはテレビに引っ張りだこだ
私だけ売れなくなってしまった
アイドル活動していた時間は暇なので事務所に行ってみる
事務所のドアの前に立っても
今までのような、かましい声は聞こえてこない
さみしい気持ちを押し殺しドアを開ける
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 01:58:32.02 ID:aE6i5p+A0
伊織「おはよー」
小鳥「おはよう、伊織ちゃん」
伊織「今日は小鳥だけ?」
小鳥「そうよ、みんなお仕事にいってるの」
伊織「そう…」
小鳥「さみしいわね、こんなに静かだと」
伊織「そ、そんなことないわ」
小鳥「そうよね、みんな忙しいんだから喜ばなくちゃね」
みんなが忙しくなって私だってうれしい
でも私だけが取り残されてるような気がしてる
それにあせってもしょうがない
仕事が来ないんだもの…
みんなで事務所で時間も気にせず話したいな
きっとまたできるわよね
テレビをつけるとやよいが生放送の料理番組をやっていた
がんばれ、そう心の中で呼びかける
届いたかな?やよいまで…
そんな願いも届いたのか届かなかったのか、
わからないけど無事に生放送が終わった
伊織「ねぇ、小鳥」
小鳥「なあに?」
伊織「このあとやよい事務所に来るの?」
小鳥「えーっと、この後は雑誌の取材があるから
それが終わったら直接家に帰ると思うわ」
伊織「ありがと」
つまんないわね…
ひさしぶりにやよいとご飯食べたかったな
おごってあげるから来なさいよ、やよい
しばらく事務所でテレビを見ていると
誰かがやってきた
顔をあげてみると千早だった
千早「こんばんは」
伊織「あら、千早じゃない」
千早「今日は仕事だったの?」
伊織「違うわよ、暇だっただけ」
千早「そう…」
伊織「別に気にすることないわ、あんたは仕事だったの?」
千早「ええ、それで帰りにプロデューサーに相談があってのだけど」
伊織「いないわよ」
千早「そうみたいね、じゃあ私は帰るわね」
伊織「ねぇ、このあとご飯食べ行かない?」
千早「ごめんなさい、
明日朝からレコーディングがあって体調を整えたいから」
伊織「そう、残念、じゃあまたね」
千早「おやすみなさい」
このあとしばらくいたけれど
小鳥が帰るようなので私も一緒にかえることにした
次の日
学校が終わってまた事務所に行った
やっぱり事務所には小鳥しかいないみたいだ
私はソファに座ってシャルルの頭をなでながらテレビをつける
ボーっとしながらしばらくみていた
誰かの呼ぶ声がしたので目を覚ますと
春香と真、雪歩がたっていた
春香「伊織、こんなとこで寝てると風邪ひいちゃうよ」
伊織「春香…、大丈夫よ」
真「ちゃんと小鳥さんにお礼を言っときなよ、毛布かけてくれたみたいだし」
雪歩「風邪ひいたら大変ですよ、伊織ちゃん」
伊織「わかったわよ、あんたたちは何しにきたの?」
春香「私たちの事務所だもん、用がなくても来るよ」
真「そうだよ、小鳥さんの顔も見たいしね」
小鳥「やだぁ、真君うれしいじゃない」
雪歩「みんないなくて、さみしいですね」
春香「そうだね、みんなで集まれないもん、最近は…」
伊織「はぁ、そんなこと言ってないで仕事がんばりなさいよね」
真「伊織に言われなくても分かってるよ」
伊織「ふん…」
このあと三人は明日仕事があるみたいなので寄り道せずみんなで帰ることにした
家に帰るとみんな家族は夕飯をすませていたので
シャルルと二人で食べることになった
最近つまんないわ
ねぇ、シャルル…
そう呼びかけるけど
シャルルは返事をしてくれない
退屈ね…
またそんな言葉が口から洩れた
また次の日も事務所に向かう
今日は中から騒がしい声が聞こえてきた
この声は、亜美と真美かな?
と考えながらドアを開ける
亜美「おっはよー!いおりん」
真美「お、いおりん、久しぶりー!」
伊織「久しぶり、相変わらず元気ねあんたたち」
亜美「あー褒められちゃったよー真美」
真美「やったねーいおりんに褒められちゃったぁ!」
P「おーい、そろそろ行くぞ、亜美、真美」
亜美、真美『はーい』
P「じゃあ先車行ってて」
亜美「じゃあねー、いおりん」
真美「ばいばーい」
二人とも部屋を出て足早に車に向かっていった
P「おっす、伊織」
伊織「忙しそうねあんたも」
P「すまん、伊織の仕事も頑張ってとってくるからさ」
伊織「勘違いしないで嫌味じゃないわ
大体、あんたが気にすることじゃないでしょ
私の力不足よ」
P「そんなことないぞ、
伊織はアイドルとしてすごい力を持ってると思う」
伊織「もういいから、早く行きなさいよ、二人を待たせちゃ悪いでしょ」
P「あ、ああ、じゃあな、絶対仕事取ってくるから!」
伊織「はいはい…」
そう言い残してあいつもすぐに出て行った
また事務所には小鳥と私だけになった
伊織「ねぇ小鳥」
小鳥「どうしたの?」
伊織「私も事務員として働こうかしら」
小鳥「うーん、社長さんに聞いてみないと」
伊織「冗談よ、私はアイドルなんだから…」
そのあといつものようにテレビをみていた
夕方になると扉が開いて
貴音と響、あずさが事務所に来た
貴音「大丈夫ですか?響」
あずさ「大丈夫?響ちゃん」
響「うぅー大丈夫だぞ…」
伊織「ちょっとなにしたのよ!?大丈夫じゃないじゃない」
貴音「実はてれびの、ろけでらぁめん二十郎に行ったのですが
そこで大盛りを食べることになり」
伊織「それで全部たべたの?」
貴音「ええ…ぎるてぃになると放送できないようで…」
伊織「大変だったのね…」
あずさ「そうなの…ごめんなさいね、
私ばっかりレポーターとか楽して」
響「自分どうってことないぞ!」ガバァ
伊織「ちょっと!」
響「おぅっぷ…」
伊織「無理するから…」
響「ぐぅ…」
響が回復するまでの間、貴音とあずさと三人で話していた
響「もう大丈夫だぞ、帰ろうみんな」
伊織「大丈夫なの?」
貴音「無理してはいけませんよ、響」
あずさ「そうよ、ゆっくりしてて」
響「も、もう大丈夫だって、さぁ帰るぞ!」
そう言って立ち上がった響に私達はついていき事務所を後にした
どこかへ行こうと提案したが明日も仕事があるらしく帰ることになる
その日帰るとまた一人でご飯を食べ
お風呂に入った
私は浴槽の中で昔のことを思い出していた
売れたことない時は、みんな必死になって
仕事をとるために努力したっけ…
みんな売れたらあんな時間はもうなくなってしまった
今思えば代えがたい大切な時間だったのに…
のぼせてしまうといけないので
お風呂からあがりベットに入ったが
まだ昔の思い出がよみがえってきて
嗚咽を漏らして一人涙をこぼしまった
気がつくと泣き疲れて寝ていたようで
また次の日が来た
学校終わったら今日も事務所に行こうかな
でもどうせ行ってもみんないないし
テレビ見てるだけなら家でも一緒か…
そう思った私はその日を境に事務所から足が遠のいた
事務所に顔を出さなくなってから半月近くたった
テレビをつければ765プロのみんなが出ていたので
最近ではテレビもつけていない
みんなが前に進んでる中私だけが足踏みしていると思うと
みんなの頑張りをテレビで見るのがつらかった
私は仲間を応援できない
その理由は嫉妬なのか、後ろめたさなのかよくわからないけど
最低な人間だと思えてきていた
そんな心境の変化からさらに半月くらいたっていたある日
携帯が鳴ったので見てみると美希からだった
美希『もしもーし!!でこちゃん!?』
伊織『うるさいわね…声でかいし、でこちゃんって誰のことよ…』
美希『でこちゃん元気ないの』
伊織『はぁ…用件は何よ…』
美希『最近事務所にいないから、いつ来るのかなー?って思ったの』
伊織『別に…行く予定ないわよ
行ってもしょうがないじゃない』
美希『なんで?みんなでこちゃんに会いたがってるのに』
伊織『そ、そんなこと言ったって行かないわよ』
美希『じゃあミキたちがでこちゃんのお家行くね!』
伊織『はぁ?なに言ってんのよ』
美希『ていうか、もう家の前に来ちゃってるの!』
伊織『えっ!?』
そのあとみんな私の家にあがった
ワイワイガヤガヤ
そんな擬音が見えるくらいうるさく、にぎやかだ
春香「久しぶりにみんな集まると楽しいね!」
やよい「はい!みんなに会えてうれしいです!!」
真「最近伊織が事務所に来ないからさみしかったんだよ、もう!」
伊織「あんたたち仕事はいいの?」
律子「実はプロデューサーがみんな今日休みにしてくれてたのよ」
響「プロデューサーもわかってるよなー」
雪歩「ほんと、うれしいですぅ」
亜美「みんな集まんないとつまんないっしょー!」
真美「そうそう、久しぶりの全員集合だよー!」
貴音「みんなで集まるのは、にぎやかでいいものですね」
あずさ「ほんとよねー、うふふ」
千早「プロデューサー伊織が元気ないから心配していたわ」
伊織「べ、別に元気なくないわ!」
美希「でこちゃん、照れちゃってかわいいのー」
伊織「でこちゃん言うな!」
春香「あはは」
伊織「そういえばプロデューサーは?」
小鳥「またみんなの仕事取りに行ってるわ」
響「大変だよなープロデューサー」
伊織「ちょっと電話してくる」
いったんみんなのいる部屋から出てプロデューサーに電話する
P『もしもし伊織?』
伊織『あんたも、うちに来なさいよ』
P『で、でも…』
伊織『でもじゃないわよ…
私以外のみんななら仕事取りに行かなくても勝手に来るでしょ』
P『……』
伊織『あんたの気持ちはありがたいけど、
私の仕事は無理に取ってこなくていいから
今日はうちに来なさいよ』
P『お、俺は伊織の実力があれば、』
伊織『違うの!
私ねアイドルやってて何が大切かよくわかった
一緒にいてくれる仲間が一番大事
だから今日くらいあんたも来てよ
一日くらいいいでしょ?
みんなが売れる前の時間に戻ったって』
P『………わかった、今行くよ!』
言いたいことを言えた私は電話を切る
伊織「ばか…」
春香「ねぇねぇ伊織?」
伊織「ひゃっ!?あんたたちいつから…?」
真「何が一番大事なの?」
伊織「なにみんなしてニヤニヤしてんの!?」
亜美「いおりん照れちゃってー」
真美「かわいいですのぉー」
やよい「うっうー!わたしも伊織ちゃんのこと大好きですよー!」
響「照れるなー伊織」
伊織「う、うるさい!」
美希「やっぱりでこちゃん、かわいいのー」
律子「うれしいわね、伊織からそんな事が聞けるなんて」
伊織「もう、あんたたち好き勝手いって!」
雪歩「私もうれしかったですよ」
あずさ「わたしもうれしいわ~」
貴音「どんならぁめんをだされるよりも美味であります」
こいつら好き勝手言って…
やられっぱなしじゃ悔しいから言い返してやるわ
その日を境に私はより一層レッスンに打ち込んだ
みんながいると思うと頑張れた
それから一年ほどたった今
私は武道館にいる
舞台はソロライブ
765プロでは、初めてのことだった
みんなのおかげで私はここにいられる
ありがとう、みんな
さあ、絶対成功させて次はみんなでここへ来る
そう自分に言い聞かせてステージにあがる
私はスーパーアイドル水瀬伊織ちゃんよ
終わり
元スレ
伊織「おはよー」
小鳥「おはよう、伊織ちゃん」
伊織「今日は小鳥だけ?」
小鳥「そうよ、みんなお仕事にいってるの」
伊織「そう…」
小鳥「さみしいわね、こんなに静かだと」
伊織「そ、そんなことないわ」
小鳥「そうよね、みんな忙しいんだから喜ばなくちゃね」
みんなが忙しくなって私だってうれしい
でも私だけが取り残されてるような気がしてる
それにあせってもしょうがない
仕事が来ないんだもの…
みんなで事務所で時間も気にせず話したいな
きっとまたできるわよね
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 01:59:06.87 ID:aE6i5p+A0
テレビをつけるとやよいが生放送の料理番組をやっていた
がんばれ、そう心の中で呼びかける
届いたかな?やよいまで…
そんな願いも届いたのか届かなかったのか、
わからないけど無事に生放送が終わった
伊織「ねぇ、小鳥」
小鳥「なあに?」
伊織「このあとやよい事務所に来るの?」
小鳥「えーっと、この後は雑誌の取材があるから
それが終わったら直接家に帰ると思うわ」
伊織「ありがと」
つまんないわね…
ひさしぶりにやよいとご飯食べたかったな
おごってあげるから来なさいよ、やよい
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:00:05.62 ID:aE6i5p+A0
しばらく事務所でテレビを見ていると
誰かがやってきた
顔をあげてみると千早だった
千早「こんばんは」
伊織「あら、千早じゃない」
千早「今日は仕事だったの?」
伊織「違うわよ、暇だっただけ」
千早「そう…」
伊織「別に気にすることないわ、あんたは仕事だったの?」
千早「ええ、それで帰りにプロデューサーに相談があってのだけど」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:00:26.49 ID:aE6i5p+A0
伊織「いないわよ」
千早「そうみたいね、じゃあ私は帰るわね」
伊織「ねぇ、このあとご飯食べ行かない?」
千早「ごめんなさい、
明日朝からレコーディングがあって体調を整えたいから」
伊織「そう、残念、じゃあまたね」
千早「おやすみなさい」
このあとしばらくいたけれど
小鳥が帰るようなので私も一緒にかえることにした
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:01:00.04 ID:aE6i5p+A0
次の日
学校が終わってまた事務所に行った
やっぱり事務所には小鳥しかいないみたいだ
私はソファに座ってシャルルの頭をなでながらテレビをつける
ボーっとしながらしばらくみていた
誰かの呼ぶ声がしたので目を覚ますと
春香と真、雪歩がたっていた
春香「伊織、こんなとこで寝てると風邪ひいちゃうよ」
伊織「春香…、大丈夫よ」
真「ちゃんと小鳥さんにお礼を言っときなよ、毛布かけてくれたみたいだし」
雪歩「風邪ひいたら大変ですよ、伊織ちゃん」
伊織「わかったわよ、あんたたちは何しにきたの?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:01:30.68 ID:aE6i5p+A0
春香「私たちの事務所だもん、用がなくても来るよ」
真「そうだよ、小鳥さんの顔も見たいしね」
小鳥「やだぁ、真君うれしいじゃない」
雪歩「みんないなくて、さみしいですね」
春香「そうだね、みんなで集まれないもん、最近は…」
伊織「はぁ、そんなこと言ってないで仕事がんばりなさいよね」
真「伊織に言われなくても分かってるよ」
伊織「ふん…」
このあと三人は明日仕事があるみたいなので寄り道せずみんなで帰ることにした
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:02:42.08 ID:aE6i5p+A0
家に帰るとみんな家族は夕飯をすませていたので
シャルルと二人で食べることになった
最近つまんないわ
ねぇ、シャルル…
そう呼びかけるけど
シャルルは返事をしてくれない
退屈ね…
またそんな言葉が口から洩れた
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:03:09.06 ID:aE6i5p+A0
また次の日も事務所に向かう
今日は中から騒がしい声が聞こえてきた
この声は、亜美と真美かな?
と考えながらドアを開ける
亜美「おっはよー!いおりん」
真美「お、いおりん、久しぶりー!」
伊織「久しぶり、相変わらず元気ねあんたたち」
亜美「あー褒められちゃったよー真美」
真美「やったねーいおりんに褒められちゃったぁ!」
P「おーい、そろそろ行くぞ、亜美、真美」
亜美、真美『はーい』
P「じゃあ先車行ってて」
亜美「じゃあねー、いおりん」
真美「ばいばーい」
二人とも部屋を出て足早に車に向かっていった
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:04:00.98 ID:aE6i5p+A0
P「おっす、伊織」
伊織「忙しそうねあんたも」
P「すまん、伊織の仕事も頑張ってとってくるからさ」
伊織「勘違いしないで嫌味じゃないわ
大体、あんたが気にすることじゃないでしょ
私の力不足よ」
P「そんなことないぞ、
伊織はアイドルとしてすごい力を持ってると思う」
伊織「もういいから、早く行きなさいよ、二人を待たせちゃ悪いでしょ」
P「あ、ああ、じゃあな、絶対仕事取ってくるから!」
伊織「はいはい…」
そう言い残してあいつもすぐに出て行った
また事務所には小鳥と私だけになった
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:04:29.26 ID:aE6i5p+A0
伊織「ねぇ小鳥」
小鳥「どうしたの?」
伊織「私も事務員として働こうかしら」
小鳥「うーん、社長さんに聞いてみないと」
伊織「冗談よ、私はアイドルなんだから…」
そのあといつものようにテレビをみていた
夕方になると扉が開いて
貴音と響、あずさが事務所に来た
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:04:48.41 ID:aE6i5p+A0
貴音「大丈夫ですか?響」
あずさ「大丈夫?響ちゃん」
響「うぅー大丈夫だぞ…」
伊織「ちょっとなにしたのよ!?大丈夫じゃないじゃない」
貴音「実はてれびの、ろけでらぁめん二十郎に行ったのですが
そこで大盛りを食べることになり」
伊織「それで全部たべたの?」
貴音「ええ…ぎるてぃになると放送できないようで…」
伊織「大変だったのね…」
あずさ「そうなの…ごめんなさいね、
私ばっかりレポーターとか楽して」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:05:12.09 ID:aE6i5p+A0
響「自分どうってことないぞ!」ガバァ
伊織「ちょっと!」
響「おぅっぷ…」
伊織「無理するから…」
響「ぐぅ…」
響が回復するまでの間、貴音とあずさと三人で話していた
響「もう大丈夫だぞ、帰ろうみんな」
伊織「大丈夫なの?」
貴音「無理してはいけませんよ、響」
あずさ「そうよ、ゆっくりしてて」
響「も、もう大丈夫だって、さぁ帰るぞ!」
そう言って立ち上がった響に私達はついていき事務所を後にした
どこかへ行こうと提案したが明日も仕事があるらしく帰ることになる
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:10:48.30 ID:aE6i5p+A0
その日帰るとまた一人でご飯を食べ
お風呂に入った
私は浴槽の中で昔のことを思い出していた
売れたことない時は、みんな必死になって
仕事をとるために努力したっけ…
みんな売れたらあんな時間はもうなくなってしまった
今思えば代えがたい大切な時間だったのに…
のぼせてしまうといけないので
お風呂からあがりベットに入ったが
まだ昔の思い出がよみがえってきて
嗚咽を漏らして一人涙をこぼしまった
気がつくと泣き疲れて寝ていたようで
また次の日が来た
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:12:55.83 ID:aE6i5p+A0
学校終わったら今日も事務所に行こうかな
でもどうせ行ってもみんないないし
テレビ見てるだけなら家でも一緒か…
そう思った私はその日を境に事務所から足が遠のいた
事務所に顔を出さなくなってから半月近くたった
テレビをつければ765プロのみんなが出ていたので
最近ではテレビもつけていない
みんなが前に進んでる中私だけが足踏みしていると思うと
みんなの頑張りをテレビで見るのがつらかった
私は仲間を応援できない
その理由は嫉妬なのか、後ろめたさなのかよくわからないけど
最低な人間だと思えてきていた
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:13:15.08 ID:aE6i5p+A0
そんな心境の変化からさらに半月くらいたっていたある日
携帯が鳴ったので見てみると美希からだった
美希『もしもーし!!でこちゃん!?』
伊織『うるさいわね…声でかいし、でこちゃんって誰のことよ…』
美希『でこちゃん元気ないの』
伊織『はぁ…用件は何よ…』
美希『最近事務所にいないから、いつ来るのかなー?って思ったの』
伊織『別に…行く予定ないわよ
行ってもしょうがないじゃない』
美希『なんで?みんなでこちゃんに会いたがってるのに』
伊織『そ、そんなこと言ったって行かないわよ』
美希『じゃあミキたちがでこちゃんのお家行くね!』
伊織『はぁ?なに言ってんのよ』
美希『ていうか、もう家の前に来ちゃってるの!』
伊織『えっ!?』
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:15:14.51 ID:aE6i5p+A0
そのあとみんな私の家にあがった
ワイワイガヤガヤ
そんな擬音が見えるくらいうるさく、にぎやかだ
春香「久しぶりにみんな集まると楽しいね!」
やよい「はい!みんなに会えてうれしいです!!」
真「最近伊織が事務所に来ないからさみしかったんだよ、もう!」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:15:40.92 ID:aE6i5p+A0
伊織「あんたたち仕事はいいの?」
律子「実はプロデューサーがみんな今日休みにしてくれてたのよ」
響「プロデューサーもわかってるよなー」
雪歩「ほんと、うれしいですぅ」
亜美「みんな集まんないとつまんないっしょー!」
真美「そうそう、久しぶりの全員集合だよー!」
貴音「みんなで集まるのは、にぎやかでいいものですね」
あずさ「ほんとよねー、うふふ」
千早「プロデューサー伊織が元気ないから心配していたわ」
伊織「べ、別に元気なくないわ!」
美希「でこちゃん、照れちゃってかわいいのー」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:16:33.35 ID:aE6i5p+A0
伊織「でこちゃん言うな!」
春香「あはは」
伊織「そういえばプロデューサーは?」
小鳥「またみんなの仕事取りに行ってるわ」
響「大変だよなープロデューサー」
伊織「ちょっと電話してくる」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:16:54.91 ID:aE6i5p+A0
いったんみんなのいる部屋から出てプロデューサーに電話する
P『もしもし伊織?』
伊織『あんたも、うちに来なさいよ』
P『で、でも…』
伊織『でもじゃないわよ…
私以外のみんななら仕事取りに行かなくても勝手に来るでしょ』
P『……』
伊織『あんたの気持ちはありがたいけど、
私の仕事は無理に取ってこなくていいから
今日はうちに来なさいよ』
P『お、俺は伊織の実力があれば、』
伊織『違うの!
私ねアイドルやってて何が大切かよくわかった
一緒にいてくれる仲間が一番大事
だから今日くらいあんたも来てよ
一日くらいいいでしょ?
みんなが売れる前の時間に戻ったって』
P『………わかった、今行くよ!』
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:17:42.14 ID:aE6i5p+A0
言いたいことを言えた私は電話を切る
伊織「ばか…」
春香「ねぇねぇ伊織?」
伊織「ひゃっ!?あんたたちいつから…?」
真「何が一番大事なの?」
伊織「なにみんなしてニヤニヤしてんの!?」
亜美「いおりん照れちゃってー」
真美「かわいいですのぉー」
やよい「うっうー!わたしも伊織ちゃんのこと大好きですよー!」
響「照れるなー伊織」
伊織「う、うるさい!」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:18:18.62 ID:aE6i5p+A0
美希「やっぱりでこちゃん、かわいいのー」
律子「うれしいわね、伊織からそんな事が聞けるなんて」
伊織「もう、あんたたち好き勝手いって!」
雪歩「私もうれしかったですよ」
あずさ「わたしもうれしいわ~」
貴音「どんならぁめんをだされるよりも美味であります」
こいつら好き勝手言って…
やられっぱなしじゃ悔しいから言い返してやるわ
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/12(木) 02:26:56.19 ID:aE6i5p+A0
その日を境に私はより一層レッスンに打ち込んだ
みんながいると思うと頑張れた
それから一年ほどたった今
私は武道館にいる
舞台はソロライブ
765プロでは、初めてのことだった
みんなのおかげで私はここにいられる
ありがとう、みんな
さあ、絶対成功させて次はみんなでここへ来る
そう自分に言い聞かせてステージにあがる
私はスーパーアイドル水瀬伊織ちゃんよ
終わり
伊織「アイドルやってる意味ってなんだろ?」