1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:18:47.77 ID:lL39dDY40


「……ぅん! ……うぅ……でないぃ……くぅ……」


こんにちはー! 私、高槻やよいって言います!
私は今、とある事情があって、765プロ事務所の女子トイレの中にいるんですよー!


「も、もやしすら……食べてなかったからかなーって……ん~~!」


それは、ずばりうんちです!
ちょっと恥ずかしい話なんですけどー、1週間ぶりに、その……
うんちが出そうなヨカンがしたので、こうして閉じこもっていれぅのでしたっ!


「……~~!」


ぷるぷる


「……っくはぁ! で、でない……はぁ、はぁ……」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:26:11.15 ID:lL39dDY40



ゴロゴロゴロ……


「んく……はぁ、はぁ……も、もう20分ー……」


ぜんぜん出る気配がしないのに、さっきからお腹はごろごろ鳴りっぱなしでとーっても痛いですっ!
なんか、“すっごいのがいれぅー!”、ってカンジはするんですけどー、なかなか出てきてくれません。
もー、そんなに外に出るのを恥ずかしがって私を困らせたら、めっ! ですよー!


「……う、うぅ……うー、ぐー……なんで、私、こんなこと……ぁいたたた」


こうして便座に座ってるとー、私のお腹がぽっこり出てきます!
このぱんぱんに張ったお腹の中に、私を苦しませてるものがいるんですね……。
えへへっ、なんだか不思議かもですーっ。私、早くこの子(うんち)をだせるようにガンバります!
どんどんいっちゃいましょうっ!


「ぁ、ちょ……む、むりむりむりむり」 ゴロゴロ



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:31:50.53 ID:lL39dDY40



「……はぁ、はぁ……アイドレゥはうんちしない、なんて……嘘っぱちですー……」


でもでも、実際私はいま、うんちできてないんですよねっ。もしかして私ってー、真のアイドルかもー!
はわ! こんなこと考えてたら、情けなくてちょっぴり涙が出てきましたーっ! えへへっ……。
あ! なんか来そうなカンジがしますっ! ん~~……!


   ぶぴっ!
          ……ぷす~~……


「……お、おならかぁ~……ぅぁ、くちゃいでずぅ……けほ、けほ」


ベンピのときのおならって、なーんでこんなにキョーレツな匂いがするんでしょうねー。
今朝も長介に、ねーちゃんのおならは臭い! って言われちゃいましたっ。
ガガーン!! そうだとしても、言わないでほしいかなーって! ……でも、ホントのことなんですよね。
私、お姉ちゃんとして最低かも……ガンバってお腹の中スッキリさせて、元のやよいに戻らなきゃーっ!


「……う、うぅ……ぁ、なんかまた涙が……えへへ……ぁぃたたたた」 ゴロゴロゴロ…



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:37:55.59 ID:lL39dDY40


「あ、あついよぉ~~……ひぃ、ふぅ……」


いまは夏なんですけど、ここには冷房が効いていないんですよー。
暑さとしめっ気のせいで、私のおでこにはまん丸な汗がいっぱい浮かんでいます。
わきの下もぐっしょりー! はわわ!


「すんすん……」


便座に座ったままうずくまる体勢になってるから、ちょうど私のお鼻がわきの位置にあるんですよねー。
わきの汗が鼻の先っぽに当たるのと同じに……へ、変な香りが飛び込んできましたっ。
なんだろこれー? なんだか不思議な匂いです。……すんすん。


「汗のにおいとは、ちがうようなー? でも、今はそれどころじゃ……ふぅううぅぉおおお!!」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:43:49.24 ID:lL39dDY40


べろべちょになった前髪がおでこやほっぺにくっついて、なんだか気持ちワルイです……。
それに、目の中に汗が染み込むせいでちょっぴり痛ーい……。
でも、負けませーんっ! 長介、かすみ、浩太郎、浩司、こうぞう……お父さん、お母さん! 見ててねーっ!


「伊織ちゃん、千早さん、プロデューサー! 私、ガンバりますっ……ふぅ~~んっ!!」

「ん~~……!!」


   めりっ…


「…………ぷはぁっ! ちょ、ちょっとだけ、前進したかなー……?」


ガンコなうんちさんとたたかうこと30分! ほんの少しだけ、外に出る勇気を出してくれたみたいですっ!
でもあせり過ぎるとまた引っ込んじゃうから……ゆっくり、ちょっとずつ説得していかなきゃですよねー!
よーっし、がんばるぞー! めざせトップアイドルっ!


「ぅ……くあ、うあぁ……ごまえー、ごまえー……! がんばぁって、いきまっしょぃ……ふんぬっ!」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:51:22.02 ID:lL39dDY40


コンコン


「はわ! す、すいませーん! 入ってまーす……」


ここ765プロの女子トイレには、個室が2つしかありません。
気付いていなかったけど、隣のトイレも誰か使ってるのかもー?
できれば譲ってあげたいんですけど、今ちょびっと顔が出てるところだから……
もうちょっとだけ、待っててくださいねっ!


「ご……ごめ、なさぁいぃい……ちょ、今、今だけはゆれぅしてぇ……ぅう、ぁ」

「……高槻さん、大丈夫?」


あ! ドアを叩いたのは、千早さんでしたっ。
如月千早さんはいつでもとーっても優しくて、私のことを妹みたいに可愛がってくれるんですよー!
私は、そんな千早さんのことが大好きなんです! うっうー!!



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 22:58:13.27 ID:lL39dDY40


「随分長いみたいだけど……お腹の調子が良くないの?」

「だ、だいじょうぶです! も、ちょっと……も、もうちょっとだからぁ……ふぅ、ふぅ……!」


千早さんは、ずっとトイレにこもってる私を心配して様子を見に来てくれたみたいです。
やっぱり、優しいですー! 何度も言いますけど、私は千早さんのことだーい好きなんです!
でもでも、うんちの音が聞こえちゃうのは、さすがにやっぱり恥ずかしいかなーって……えへへっ!


「わ、私のことはぜんぜん……心配あ゛りませぇん……だがら、ぞの」 プルプル

「……そう、なら良かったわ。じゃあ私は、みんなのところに戻っているから」

「は~いぃ……私もすぐ、いぎます~……うぅううああ!」 ゴロゴロ…



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:04:23.33 ID:lL39dDY40


千早さんも心配してくれてるんだから、早く済ませちゃわないといけませんね!
さあ、うんちさんっ! おはよう!! 朝ごはんですよー!


「ま、ま・ぶ・たをあけて さ・わ・や・かおめざめぇええ……!」


   ぷるぷる……
             めりめり……


「ララララあさだ……ララララおきようぅうぉおお……!」


今日の朝ごはんは、モナカアイス半分でした!
もしかして、今こんなことになってるのもそのせいかもーっ?
えへへっ、アイドルたるもの、食生活も気をつけるべし! ですよねっ、プロデューサー!



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:10:27.19 ID:lL39dDY40


どんなにかたいうんちさんでも、負けるわけにはいきませんっ!
私だって、これでもアイドレゥ! なんだからー!
いつでも笑顔でガンバって、みんなの前に立たなきゃですよねーっ!


「ぅ~~~ん! ん! ん! …………ふぉ、ふぉぉおお!! ハイ、ター……」


      ……ぷりっ……


「……ーッチ!! いぇいっ!!!」


   ぷりぷり……
            ぽちゃんっ!


で、出ました! ついに最初の子が産まれ落ちてくれましたーっ!
やった……やったよ! 伊織ちゃーんっ!



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:16:07.88 ID:lL39dDY40


「やっ……やっと……!」


ちょっと腰を上げて確認してみると、ころころしてかたそうな、一粒のうんちがそこにありましたっ。
健康なうんちとは言えない、小さな小さな私の赤ちゃん。それでも……笑顔が隠せませーん!
やっと出てきてくれた我が子の誕生を祝って、思いっきり叫んでみたくなりました!


「うっうー!!! ついにやりま……


ヨッシャアッ!!!


「!?」


な、なんだろー……今の歓声……。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:23:45.62 ID:lL39dDY40


はわっ! もしかして……、でもでも、まさかそんなっ!
んんっとー、私がここにいることを知っている誰かがいて……、その誰かが、ずっと近くにいたんだとしたらー?
人の気配は今までしませんでした……でも、そうとしか考えられませーん!


「はわ、はわわ……、まさか……」


はわわわわ……気が付けば、私の背中にはたらり、と一筋の汗が流れていました……。
血の気が引いていきます……この汗は、暑さと湿気のせいじゃありません。これは冷や汗というものですっ。
歯がガタガタ震えてしまいます……だって、こんなのとても信じられません……でも!
やっぱり、そうに違いありません!!


「はぁ、はぁ……まちがいないですっ! この声は……!」

「あなたは……あなたは、もしかしてー……!」




「トイレの神様……ですかー……?」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:28:56.71 ID:lL39dDY40


「……」


声が聞こえなくなってしまいました……。やっぱり、気のせいだったのかなっ?
だけどときどき、ハァハァっていう息が聞こえます。きっとトイレの神様はそこにいるはずですー!
……でもでも、神様じゃなかったらどうしよう? も、もし事務所の誰かだったら!
神様とか言っちゃって、は、恥ずかしいですー!


「……」



「ソ、ソウヨ、タカツキサン! ワタシ、トイレノカミサマ!」

「うっうー! やっぱりトイレの神様だったんですねー! はじめましてーっ!」 ガルーン プピッ



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:35:21.97 ID:lL39dDY40


「んあー、ゴホンゴホン……タカツキサン! アナタマダ、ウンチヲダシキッテイナイデショウ?」

「そ、そうなんですー……まだ、ちょっとしか出てなくて……」


さっすがトイレの神様ですっ!
うんちに悩む女の子の腸内環境のことは、なーんでもお見通しなんですねー!
ちょっと恥ずかしいかもだけど……でもでも神様になら、ばれちゃっても平気かなーって!


「はぁ、はぁ……ゴッホン! エー……ワタシが見守ってイレバ、ウンチはスルスルヨ!」

「ほんとですかー!? じゃあこのまま、近くにいてくださーい!」


トイレの神様の声は、想像していたのよりちょっぴり高めでした。
なんだか裏声みたいな、フシギな声ですっ。
でもときどき、どこかで聞いたことがある声になるようなー……? 気のせいですよねー!



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:41:22.74 ID:lL39dDY40


「ふぉおおお……! ぅんんん~……!」 プルプル

「はぁはぁ、ふんばってる高槻さん……かわいい……ドア越しじゃなくてこの目で見たい……」

「え?」

「ドウシタノ?」

「な、なんでもないでーっす! ちょっと千早さんの声が聞こえた気がして……」

「ち、チハヤサン? ダレノコトカシラ……」


あ、そっかー。トイレの神様は千早さんのこと知らないですよね。
きっと千早さんは毎日たっくさんうんち出してますから、私みたいに神様頼りなんてしないはずですっ。
だって、あんなにすっごーい腹筋なんだもん!


「ソレヨリタカツキサン、ツヅキヲ……」

「は、はいっ! ふぅうううぅん……ふんっ、ふんっ! こなくそぉ……!!」 プルプル



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:47:49.27 ID:lL39dDY40


「フレーフレーガンバレ サァイコッオ! フレーフレーガンバレ サイッコー!」


トイレの神様も、歌を歌って私のことを応援してくれてます!
私の歌を知ってくれているなんて、カンゲキですーっ! それなら、私も頑張らなきゃー!


   キラメキメキメキメキ……


「ぃた、ぃたたたたぃたい! でも、まけませぇんん……!!」


     ……キラリ……!


「はわ! き、来ましたっ!! お尻の穴が裂けそうですー! ぎたーそろ、かもぉんん……!!」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/19(木) 23:56:12.13 ID:lL39dDY40


「頑張って! 高槻さん! わっくわくてかか!」


またどこからか、大好きな千早さんの声が聞こえた気がしました。
えへへ……なんだかちょっと嬉しくなってきたかもー!
たとえここにいなくても、千早さんは私のことを見守ってくれているんですねっ!


「……」 ガタッ ガタガタ…

「あれー? なんか、隣から音がー……」


  ぞくり……


「!?」


……なんだろー。私いま、誰かに見られていたような……?



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:02:31.45 ID:uDVewkgi0


トイレの神様じゃありません……神様は心の中のソンザイですから、目線なんてないです……。
さっきまでとは全然違う、寒気が……これは、上からですかーっ?


「(ど、どうしよー! う、上を見るのは怖いですぅ……とりあえず、トイレの神様に相談しよう!)」

「か、神様……このトイレには、私とあなた以外の人はいますかー?」

「……」


いつの間にか、トイレの神様はどこかへ行っちゃったみたいです……。
もう私のうんちは心配なくなったってことかなー?
う、うぅ……心細いよぅ……。



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:08:23.62 ID:ybpY//270


トイレの神様の代わりに、はぁはぁという息遣いが激しく聞こえてきます。
それにときどき、深呼吸をするような「すぅ~……はぁ~……」という音も……。
うあー! こ、こここわいですーっ!!


「……はぁ、はぁ……!」


大変です……もう、うんちどころではありません! でもでも、せっかく半分くらい顔を出しているのにっ!
括約筋がぷるぷるするのを感じながら、私は穴に埋まった雪歩さんみたいに体を震わせていました……。


「…………ゃょぃ…………ぁ、ゃっべ……」


いま確かに声が聞こえましたーっ!!!!



※ 括約筋:おならやうんちを漏らさないようにする、おしりの穴付近の筋肉のこと



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:13:59.46 ID:ybpY//270


「(ふ、不審者さんだったら大変ですー! 確認しなきゃっ!)」


こ、こここわいけど……勇気を出して!
私、お姉ちゃんなんだから! い、行きまーすっ!


「ワン・ツー・スリー……あ゛いっ!」 クルン




   くるり……と。

   私が上を見上げた瞬間……。

   すべての感覚が、スローモーションになりました……。

   女子トイレの上の隙間、そこには……

   誰も、いませんでした……。

   でも……私は、この目で見た……気がします。





   何かが、サッと引っ込むのを……!!



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:19:39.80 ID:ybpY//270


 ぴちゃっ……!


「!!?」


な、なんですかー!? 何かが、私の顔に当たりましたっ!
ぺろ……これは、汗? どうやらさっきまで上にいたひとの汗が、こっちに飛んできたみたいです。


「……」

「……ぜんぶ気のせいですーっ! それより、うんちうんちっ!」


あれだけ私を苦しめてきたうんちも、今ではこの胸のどきどきを抑えるためにだーい活躍ですっ!
汗と一緒にふわりと落ちてきた、青っぽい長髪の抜け毛も、きっと気のせいですー!


う、うっうー!!!



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:25:33.50 ID:ybpY//270


「よ、よほーし! 今度こそ、出し切っちゃうぞーっ! おー!」


えー? いま、何かありましたか?
私は何も見てないし、何も感じてませんよーっ?


「もし何かあったとしてもー、私が覚えてないんだから、それは無かったことになりましたーっ!」


ところでところで、人間ってフシギですよねー!
なんでも、どーしても信じられないものを見ちゃったとき、
自動的に脳みそさんがその記憶をなかったことにしてくれるらしいんです!

はわ! いっけなーい! 関係ないことを考えてしまいましたっ。
いまは、パンパンに張って重たくなっちゃったお腹をなんとかしないとですよねー!


「今なら、どんな痛みともたたかえる気がしますー! よーっし、いっくぞー!」



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:31:18.68 ID:ybpY//270


「ふお、ふぉお……! べ、べろちょろぉおお……!」 プルプル


私、この場所でいろーんなことを考えました!
私がめざすトップアイドルのこと、みんなのこと。それに……うんちのことですっ。
うんちはこんなにいーっぱい、私のことを苦しめます。でもでも、同じだけ私を強くしてくれるんですーっ!

もうここにはトイレの神様はいません。だけど、神様は私にたくさんの力を貸してくれました。
だから……。


「今度は、はぁ、はぁ……私ひとりで……ガンバらないとっ! って、あれぇ……?」


――ひとつの命が生まれゆく……二人は両手を握りしめて――


頭の中に、ひとつのメロディが浮かんできましたっ。
これはー……。



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:37:58.25 ID:ybpY//270


 ぷりぷり……
            めりめり……


   ひとつの命が生まれゆく
   二人は両手を握りしめて
   喜びあって幸せかみしめ
   母なる大地に感謝をする


これは、876プロの愛ちゃんの持ち歌ですねっ。
そして、あの伝説のスーパーアイドル!
日高舞さんが歌った、アイドル史上最大のヒットソング……。
生まれて来る子どもたちに向けた、祝福の歌です!

……私、すこし勘違いしちゃってたかもです。
うんちはひとりでするものって、決めつけていました。
でも、私にはいつだって! こーんなにつよい味方がいたんですねっ!


    『ALIVE』 Vo.日高愛


それは、歌ですー……!


http://www.youtube.com/watch?v=pBJUOzjvjOQ





84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:43:42.88 ID:ybpY//270


  ぷりぷり……
              めりめり……


   やがて育まれた命は
   ゆっくり一人で立ち上がって歩き始めれぅ
   両手を広げて まだ見ぬ煌(きらめ)き探す

   しかし闇は待ち伏せていた
   幸せ全てのみこまれ
   希望失って悲しみにくれるなか
   空から注ぐ光 暖かく差しのべれぅ


この歌はきっと、今の私のためにある歌なんですねっ。
私の腸内で育まれた命は、いま外の世界へ歩き出そうとしています。
便痛という真っ暗闇にのみこまれそうになっても……
歌という光が、私のことを暖かく守ってくれるんですっ!



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:49:00.45 ID:ybpY//270


         ぷりぷり……
                     めりめり……


   Trust yourself どんな時も命あることを忘れないで
   Find your way 自分の進む道は必ずどこかにあれぅの


「(快便という)未来の可能性を~ぉ信じてぇえ! あぁ~きらむぇないでぇえ! ふぉ、ふぉおおお……!」 プルプル


――いつか、私の大好きな千早さんが、こんなことを言っていましたっ。


『歌っていれば、私はどんなことでも乗り越えられるから』


よく考えたら言ってなかったかもですー。
でも私は今まさに! その言葉の意味を、自分のお腹とおしりの穴を持って実感していますっ。
歌は私に勇気をくれますっ! どんなに痛いことでも、どんなに苦しいことでも……


「歌っていれば、どんなことでも乗り越えられるかなーって!!」



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 00:55:36.63 ID:ybpY//270


    ぷりぷり……
              めりめり……

   あなたはこの大腸(ほし)が選んだ
   大切な子供だから……。


  ぷりぷり……
               めりめりめりめり!!!


「この大腸(ほし)に標(しるべ)はなぁいけどぉ……」

「すばらしぃ~、せぇかいがぁ……あれぅうううううううううううう!!」


      ……にゅるんっ……


「うぅうううううううううううぅううううううううううううううううううう!!!」


  ……ぼっちゃーんっ!!
                 ……たぷ、たぷ……


「うぅうあっしゃぁ! や、やりましたっ!! ついに……」

「大物がでましたーっ!! うっうー!!!」



92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 01:01:02.43 ID:ybpY//270


お見事な一本が生まれましたっ! 自分でも惚れ惚れしちゃいますー……はわー……。
お腹の中もスッキリ! こんなに気分ソーカイなのは久しぶりですーっ!


「なんだか体も軽くなったかなーって! でも……いたた」 フキフキ


えへへ、とってもかたくて太いうんちさんだったから……ちょっと切っちゃったみたいですっ。
トイレットペーパーにちょびっと血が付いてますー……痔になっちゃったらどうしよー?
でもでも! そんなことはもういーんです! 今ならどんなオーディションでも受かる気がしますっ!


「……あれ? なんだろう、このモヤモヤー……」 ジャー


とっても嬉しいはずだったのに、ふと急に、何か……大切なことを忘れちゃってる気がしました。
なんだろー? なんか、とってもこわい体験を、したようなー……?



93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 01:06:23.26 ID:ybpY//270


すっきりしてから事務所に戻ると、そこにはプロデューサーと千早さんしかいませんでした。
他のみなさんはもうレッスンや収録に行ってるみたいですねっ。私もそろそろ準備しないとー!
でも、一応……この胸のモヤモヤを報告しなきゃー。


「なんだって!? 女子トイレに不審者だと……ちょっと確認してくる!」

「プロデューサー、私も行きます。高槻さんのトイレを覗くなんて、許せないわ……!」

「そ、そんなことがあった気がするなーってだけなんですけどー……」


私のぼんやりした記憶のことを話すと、プロデューサーと千早さんが様子を見にいってくれました!
大好きな千早さんとプロデューサー! やっぱり頼りになりますーっ!
なんだかさっきまでの怖い気持ちも忘れて、私は嬉しくなってしまいました!


「あ、そうだやよい。汗かいて喉渇いただろう? そこにあるお茶、残り全部飲んじゃっていいからな」


でもでも……



96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 01:12:09.97 ID:ybpY//270


  ふたりとも……なんで……、

  あんなに、笑顔だったんでしょうか?

  それに、なんで……ふたりとも……、

  あんな風に、汗をかいていたんでしょうか?


「う、うっうー!! お、お茶でも飲んで、気分テンカンしましょーっ! ごくごく……おいしぃーです!」


  事務所の中は、冷房が効いててこんなに……涼しいのに……、

  まるで、今まで蒸し暑いところにいた、私みたいな汗を……。



97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/20(金) 01:17:14.92 ID:ybpY//270


「ふふ……残り香だけで、こんなにも……」


歌とともに成長していく、高槻さんの青春物語はこれで終了です。
まだまだ幼い彼女はこれから一体、どのように成長していくのでしょうか。
それは、私にも、彼にも……きっと誰にもわかりません。


「ああ、そうだな。千早、ナイススメルに……乾杯」

「ええ、プロデューサー。……ナイススメル」 チンッ…


それでも……きっと。
たとえ苦しいこと、つらいことがあっても……きっと。
歌いながら、どんなことでも乗り越えていくことでしょう。
だって高槻さんは……歌ってみんなに笑顔を届ける“アイドル”、なんですから!


おわり


元スレ
やよい「歌っていれば、どんなことでも乗り越えられるかなーって」