1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:16:02.47 ID:/nJVIWEh0

あかり「い、いやだよぉ……そんなに無理やりされるなんてっ!」

結衣「だーめ、私だってあかりが嫌がることはしたくないんだよ?」

結衣「はい大きく口を開けて、あ~ん……」

あかり「あっ、ん……おえっ……」

結衣「んっ……そうだよ、いい子だねあかりは」

あかり「結衣ちゃんっ、に、苦いよこれっ、気持ち悪い!」

結衣「だーめ、お医者さんにトローチ貰ったんだから、早く舐めないと治らないよ」ナデナデ

あかり「うぅぅ……へぷちっ!!」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:16:54.37 ID:/nJVIWEh0

あかり「うぅぅ……」コロコロ

結衣「トローチってなんか嫌な味だよね、分かる分かる」

あかり「うん、なんかね、良薬口に苦しを体現したような感じだよぉ」

結衣「ふふ……とにかく今はしっかり風邪治そうね」

あかり「ごめんね、……せっかくのお休みだったのに」グスッ

結衣「……」フルフル

あかり「いっ、今からでも、遅くないよね、……結衣ちゃんとお約束したから」フラッ

結衣「あかり、ダメだよ寝てなきゃ!!」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:17:57.86 ID:/nJVIWEh0

あかり「けほっ……だ、だって、今日は二人でプール行くって……」ジワッ

結衣「ううん、プールくらいならいつでも行けるよ」

あかり「夏祭りに、二人で行くって……うっ、うぅぅ……」グスッ

結衣「……夏祭りだって、少し遠出をすればきっとまだやってるから」

あかり「そ、そんなの、嘘だよぉ……」

結衣「……」ナデナデ

あかり「うっ、うぅぅ……ぁぁぁぁぁぁ……ごめんねっ、ごめん……」ポロポロ

結衣「……あかり」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:19:25.60 ID:/nJVIWEh0

あかり「すぐに治すからっ、あかりのこと、嫌いにならないで……げほっ!」

結衣「……落ち着いて、咳も辛いでしょ?」

あかり「ゆ、結衣ちゃんに、嫌われる方がもっと、辛い」グスッ

あかり「ゲホッゲホッ、……ケホッ」

結衣「うーん、私があかりを嫌うなんてそんな……」

あかり「……」ジッ

結衣「あ、えっと、あかりに風邪が早く治るおまじないしてあげる」

あかり「……おまじない?」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:21:38.28 ID:/nJVIWEh0

あかり「結衣ちゃん、おまじないってなぁに?」

結衣「私からあかりに元気を分けてあげる意味合いを込めて……」

あかり「うんうん……けほっ、げほ……うぅぅ」

結衣「……ほっぺただけど」チュッ

あかり「っ!?」

結衣「ん、……これであかりをいぢめる風邪の菌は私に移ったかな」ニコッ

結衣「まぁ気休めだけどね、あとは栄養をしっかり取って――」

あかり「……」プシュー

結衣「うわっ、あかりが茹でタコに……!」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:21:50.37 ID:/nJVIWEh0

あかり「……げほっ、顔熱い、な」

結衣「ご、ごめんねあかり、つい調子に乗っちゃった……」

あかり「……」フルフル

結衣「……」ピトッ

あかり「結衣ちゃん……か、顔近いよっ!?」

結衣「あかりのおでこやっぱり熱い……私のよりずっと」

あかり「あわわわわわわわわわ……」プシュー

結衣「あれ、また茹でタコになっちゃった……」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:22:28.91 ID:/nJVIWEh0

あかり「ひえっ、ひぃ、はぁ……!」ドキドキ

結衣「あかり、何かあったらすぐ言うんだよ?」

あかり「あ……結衣ちゃん、あのね……」

結衣「どうしたのそんなに深刻な顔して、やっぱり具合……」

あかり「ううんっ、プカリ飲ませて欲しいな」ニコッ

結衣「……ふふ、それくらいお安い御用だよ」

結衣「さ、ちょっと腰起こすから捕まってね」

あかり「……ん」ギュッ

結衣「……いっぱい汗かいたね、そろそろパジャマも変えなきゃ」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:23:47.14 ID:/nJVIWEh0

あかり「ゆ、結衣ちゃん、あかり汗臭くなかったよね!?」

結衣「だ、大丈夫だよ、気にし過ぎだから落ち着いて……」

あかり「……こんなのもうお嫁にさんに行けないよぉ」グスッ

結衣「何だそれ、はい冷えたプカリだよ」

あかり「うんっ、ありがと……んぐっ、んっ……ぶっひぇ~!」

結衣「……私はあかりの匂い好きだけど、ね」

あかり「えっ?なにか言ったかな、結衣ちゃん」

結衣「あ、いや、何でもないよ」ニコッ



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:24:23.58 ID:/nJVIWEh0

あかり「……」ウトウト

結衣「ふふ、あかりはいい子だから少し寝たらまた良くなるよ」

あかり「やだ、絶対に寝ないよぉ……」

結衣「えっ?」

あかり「だってね、結衣ちゃんともっとお話したいもん……」

あかり「へぷちっ!……うぅぅ……」ズズッ

結衣「……もう、ダメだよ風邪は寝ないと治らないんだから」

あかり「だってぇ……」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:26:01.92 ID:/nJVIWEh0

あかり「……ぜ、絶対に寝ないもん!」

あかり「……」ウトウト

結衣「あかりの言うこと何でも一つ聞いてあげるから、だから今は寝ようね」

あかり「な、何でも……?」

結衣「うん、なんでも聞いてあげるよ、……普段いい子にしてたご褒美」ニコッ

あかり「えっとね、それじゃ、あのね……」

あかり「……」カァー

結衣「そ、そんなに過激なお願いなの……?」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:26:24.50 ID:/nJVIWEh0

あかり「あかりの風邪が治ったら……ほっぺたにちゅー、して」

あかり「……ぅぅぅぅ」バッ

結衣「あぁもう、恥ずかしいからって布団に顔隠したらダメだよ!」

あかり「……」ヒョコッ

結衣「……お願いごとはそれでいいのかな?」

あかり「……や、やっぱり、寝付くまで手を握ってほしいかも」

あかり「でもでも、ちゅーも捨てがたいし……!」

結衣「ぷっ、……ふふ、あはははははは」

あかり「な、なんで笑っちゃうの!?」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:26:48.07 ID:/nJVIWEh0

あかり「も、もう結衣ちゃんってば、笑うなんてひどいよぉ……」グスッ

結衣「ごめんごめん、だってさぁ……ふふ」

あかり「……やっぱり、あかりは悪い子だよね?」

結衣「えっ?」

あかり「だって、お願いごと一つって言ったのに、二つも欲張って……」ジワッ

結衣「……」フルフル

結衣「……あかりのお願いごとなんてお願いごとのうちにも入らないよ」ギュッ

あかり「あっ……ぇへへ、結衣ちゃんの手温かい、な」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:27:50.71 ID:/nJVIWEh0

結衣「あかりはいい子すぎるんだよ、……もっと欲張ってもいいくらいにね」

あかり「……ほ、ほんと?」

結衣「……」スッ

あかり「あ、あのね、ほっぺたにちゅーよりして欲しいことがあって!」

結衣「……えっ?」

あかり「あかりと一つお約束してほしいな、結衣ちゃん」ニコッ

結衣「……うん」

あかり「……ずーっと、あかりの側にいてほしい」

あかり「中学を卒業しても、高校生になっても、……お婆ちゃんになっても」

結衣「……」




20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:28:07.46 ID:/nJVIWEh0

結衣「ふふ、なんでも一つ聞くって約束だからね」ニコッ

あかり「……約束だよ、ずっと一緒だから」

結衣「……うん」

あかり「あかりが起きたら遠くに行ってたなんて嫌、だから……ね」

結衣「……ずっとあかりの手を握ってるよ、安心して」

あかり「おやびん、ちょっと不安だからもう少し強く握って欲しいです」ニコッ

結衣「……了解」ギュッ

あかり「……ぇへへ」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:28:19.79 ID:/nJVIWEh0

あかり「……けほっ、ごほ!」

結衣「熱が引いたら、二人で浴衣でも着てどこかへ行こうね」

あかり「んっ……うん……ぇへ……」

結衣「……」ナデナデ

あかり「結衣ちゃん、ずっと、一緒……だよ……」

結衣「……うん、うん」

あかり「……」zzz

結衣「……」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:30:39.40 ID:/nJVIWEh0

あかり「すぅ……」zzz

結衣「……あかりだって、結衣ちゃんの幼馴染なんだから」

結衣「ふふ、もう耳にたこができるくらい聞かされた」

結衣「……」ツンツン

あかり「……むにゅっ」

結衣「京子とちなつちゃんがそういう関係になってから、毎日遊びにきてくれたよね」

結衣「頼んでもいないのに、毎日毎日私にお家に顔を出してさ……」

結衣「見透かされてたのかな、京子がいなくなって寂しいって気持ちを」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:31:56.40 ID:/nJVIWEh0

結衣「ごめんねあかり……」ナデナデ

あかり「んっ……」

結衣「……八つ当たりでひどい言葉も言っちゃったよね」

結衣「声を上げて泣いたりもした、……みっともないくらいに」

結衣「それでもあかりは毎日私のお家に来てくれた……」

結衣「台風で学校が休校になった日も、可愛いカッパを着てね」クスッ

結衣「……昔は、一人この部屋で嗚咽したんだっけ」

結衣「うす暗い誰も来ないこの部屋で、……布団にくるまって、ただ延々と」

結衣「だって、ここにいると京子との思い出が溢れて止まらかった……」

結衣「……きっと、好きだったんだ」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:33:10.80 ID:/nJVIWEh0

あかり「……」zzz

結衣「あかり、私最近泣かなくなったんだ……」

結衣「……もう、ラムレーズンのアイスを買うこともなくなった」

結衣「代わりにうすしおのポテトチップスを買うようになったけど、ふふ」

あかり「うすしお、うすしお……!」

結衣「ぷっ、……おやつはご飯の後でだよ、あかり」ナデナデ

あかり「はぁ~い、むにゃ……」zzz

結衣「反応が可愛いけど、寝てる人に話しかけたらよくないんだっけ」

結衣「……ふぅ」

結衣「何ヶ月もかかっちゃったな、初恋から吹っ切れるのに……」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:33:31.35 ID:/nJVIWEh0

結衣「……きっと、あかりがいなかったら立ち直れなかった」

結衣「自分だけが一人取り残されたんじゃないか、って」

結衣「……」ウトウト

結衣「……あかり、私強くなれたかな」

結衣「だとしたらきっとあかりのおかげだよ……」

結衣「……」zzz

・・・
・・




31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:35:43.97 ID:/nJVIWEh0


・・
・・・

結衣「……」zzz

あかり「……えっ、……ひっく、うっ……」

結衣「んっ……、あかりどうしたの、怖い夢でも見ちゃった?」

あかり「うっ、ん……結衣ちゃんがね、もう私は立ち直ったよ、もう大丈夫って」グスッ

あかり「だからサヨナラ、って、面と向かって言われて、ひっ……」

あかり「うっ、ぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ギュッ

結衣「……あかり」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:38:12.23 ID:/nJVIWEh0

結衣「私はそんなこと言わないよ、あかりを一人にはしないから」

あかり「うっ、ほ、ほんとっ……?」

結衣「……ずっとここまで支えてくれたよね、私のこと」

結衣「自暴自棄になってご飯も作らなくっても、あかりが代わりに作ってくれたね」ギュッ

あかり「んっ……うん……うんっ……」グスッ

結衣「なれないお料理で、毎日絆創膏を取っ替え引っ替えでさ……」

あかり「い、いまはもう、ちゃんと美味しく出来るもん」

結衣「ふふ……あかり、そこのベランダからの景色をずっと見ててね」ギュッ

あかり「……?」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:43:23.83 ID:/nJVIWEh0

あかり「結衣ちゃん、もう真っ暗だけど電気つけなくていいの?」

結衣「……怖い?」ギュッ

あかり「ううん、だってすぐ側でぎゅーってしてくれてるもん」

あかり「でもこんな暗いのに電気つけない理由って――」


ヒュルルルルルルルルルル……ドォン


あかり「っ!?……は、花火……花火だよぉ結衣ちゃん!」

結衣「今日見る予定だった夏祭りの花火、……可愛い浴衣じゃないけどね」

あかり「わんわんとパンダだもんね、ふふふ」

結衣「……二人だけの秘密の場所、特等席だね」ギュッ

あかり「……ぇへへ、うんっ!」




37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:44:35.38 ID:/nJVIWEh0

あかり「……綺麗だなぁ、赤とかオレンジの光が空一面だね」

あかり「けほっ、けほ……うぅぅぅ、本調子じゃないのが悔やまれるよぉ」

結衣「あっ、無理しちゃダメだからね、……一回横になったほうが」

あかり「……結衣ちゃんの腕の中が、特等席の中の特等席です」トサッ

あかり「ここなら風邪なんてへっちゃらだもん」ニコッ

結衣「っと、ふふ……辛くなったらすぐ言うんだよ?」

あかり「……もっと強く、ぎゅってして欲しいな」

結衣「うん……」ギュッ



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:48:14.25 ID:/nJVIWEh0

ヒュルルルルルルルルルル……ドォン……


結衣「……ほんと、綺麗」

あかり「あかりね、結衣ちゃんがずっと立ち直らなきゃいいなって思ってた」

結衣「えっ?」

あかり「そうすればずーっと、あかりを頼ってくれるから」

あかり「結衣ちゃんの隣にいられる理由ができるから……」

結衣「……」

あかり「でももう結衣ちゃんは大丈夫みたいだね、……ほんと強いなぁ」

あかり「京子ちゃんが何より大切な人ってわかってたのに」

あかり「性格は変わっても、おやびんの強さは相変わらずですぜ……けほっ」

結衣「……私は強くなんかないよ」ギュッ




43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:52:42.32 ID:/nJVIWEh0

結衣「あかりがいたから、あかりが優しくしてくれたから立ち直れたんだ……」

結衣「あの日大声で泣いた時も、ずっと隣にいてくれた」ギュッ

結衣「私のつまらない愚痴を真剣な顔でうなずいて……」

あかり「……」

結衣「いまさらサヨナラなんて言わせないよ、……私はあかりがいないとダメなんだ」

あかり「……うん、うん」グスッ

結衣「だから、私とずっと――」

結衣「あ、えっと……そろそろ花火も終わっちゃうね」ギュッ

あかり「……もぉ~、そこまで言いかけたら言えばいいのに」




46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:58:32.94 ID:/nJVIWEh0

結衣「ねぇあかり、ここの花火大会はね最後に大きな花火があるんだ」

あかり「……そうなんだ」

結衣「大きくて、時間も長くて、とーっても綺麗でさ」

あかり「……ぇへへ、結衣ちゃんと二人きりで見られるなんて幸せかな」

結衣「ふふ、……その花火が終わったら伝えたいことがあって」

あかり「伝えたいこと?」

結衣「とっても大切なことだよ、……あかりに聞いて欲しいんだ」

あかり「ふふ~ん、これはもうプロポーズかなぁ」ニコニコ

結衣「……はぁ、その調子なら明日にはもう大丈夫かな」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:04:52.00 ID:8LGrM6V90

あかり「あかりもね、結衣ちゃんに伝えたいことがあるの」

結衣「……ふふ、大体は想像つくけど」

あかり「むむむっ!……ぇへへ、たぶん想像通りの言葉だけどね」

結衣「……あかり、そろそろ最後の花火くるから静かに」

あかり「……」


ヒュルルルルルルルルルル……ドォン

大空高く打ち上げられた花火は、私とあかりの顔を綺麗に照らす。
惜しむかのようにその火花は尾を引いて、辺りを静寂が包んだ。
遠くでは観客の盛大な拍手が起こり、そして私たちは――――


終わり


元スレ
あかり「あかりだって結衣ちゃんの幼馴染なんだから」