過去作
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
曜「メゾン・ド・モルゲンレーテ・日の出?」鞠莉「ひどいメドレーね」
鞠莉「そのメガネって度、入ってるやつ?」曜「うん、伊達じゃないよ」
曜「巷に雨の降るごとく」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」
鞠莉「So Close, Yet So Far」
【ようまり】鞠莉「コーヒーに付き合ってほしい?」曜「うん!」
曜「鞠莉ちゃん家にお泊まり」
鞠莉「曜ってさ」曜「うん」
1: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:26:20.83 ID:AZE/C1la.net
ようまり。
2: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:27:34.35 ID:AZE/C1la.net
鞠莉『というわけで、これから曜のお宅にお邪魔してもいい?』
曜「えっ、ウチで?急にどうしたの」
鞠莉『言ったでしょ、お料理がしたくなったの』
曜「それは聞いたけど、なんで私の家なのかってこと」
鞠莉『海の家では、私たち同じお料理チームだったじゃない』
曜「いまいち理由になってないような…なら、善子ちゃんは?声かけなかったの?」
鞠莉『誘ったんだけど、遠慮しておくって断られちゃって』
曜「むぅ。善子ちゃん、うまくやったね…」
鞠莉『うまくって、何を?』
曜「なんでもない、こっちの話。いいよ、ちょうど今日はママも出かけてるし、一人でご飯も寂しいなーって思ってたから」
鞠莉『ありがと!材料は揃えていくから、よろしくね!チャオ!』
曜「またねー。ふふっ、元気いいなあ。それにしても、お料理、かぁ…」
鞠莉『シャイ煮、コンプリート…!』
曜「懐かしいな。高級食材をごった煮した、前代未聞の料理だったけど。見た目と調理プロセスとは裏腹に、どういうわけか凄く美味しかったっけ」
曜「おっと、こうしちゃいられない。鞠莉ちゃんが来るまでの間に、色々と準備しておかないと。材料は揃えていくって言ってたけど…んー、大丈夫かな」
……………………………………
ピンポーン
曜「おっ、来たかな。はーい」
鞠莉『シャイニー!』
曜「シャイニー!今行くね!」
ガチャ
鞠莉「曜、こんにちは」
曜「こんにちは!待ってたよ。荷物は、これ?」
鞠莉「そうよ。あ、大丈夫よ。自分で運ぶから」
曜「歩いてきたの?」
鞠莉「車で送ってもらったわ」
曜「なるほど。思ったより荷物が少ないね。てっきり前みたく、食材を満載してくるものかと」
鞠莉「ご家庭のキッチンで、海の家と同じことはしないわ」
曜「あはは、そうしてもらえると助かるよ。さ、入って」
鞠莉「ええ。あ、自分で持つってばー」
――――――――
鞠莉「というわけで、早速お料理開始ね!」
曜「エプロン姿もよく似合うね」
鞠莉「ありがと。曜も素敵よ?」
曜「えへへっ。それで、今日は何を作るの?」
鞠莉「もちろん、シャイ煮よ」
曜「もちろん、なんだ。でも、以前とは食材がだいぶ違うよね。高級食材のオンパレードとは打って変わって、お肉も魚も調味料も、普通に用意できそうなものばかりだ」
鞠莉「今回のテーマは『ご家庭でも簡単に作れて優勝できるシャイ煮』だからね」
曜「優勝?」
鞠莉「とびっきり美味しいって意味よ。食べた人が笑顔になるような、心のこもった料理を目指したいの」
曜「大事なことだよ。料理は心でするもの、ってやつだね」
鞠莉「気持ちだけではどうにもならないときは、フォローよろしくね?」
曜「任せてよ。それじゃ、スタートだね!」
鞠莉「ええ!レッツ、クッキーング!」
曜「おーっ!」
鞠莉「まずは、お鍋にお湯を沸かします」
曜「ご家庭サイズとはいえ、大きめの鍋だね」
鞠莉「シャイ煮の基本は具沢山だからね。お湯が沸くまでの間に、具材をカットしていくわ」
曜「切り方や大きさは?」
鞠莉「フィーリングよ」
曜「う、うーん」
鞠莉「大丈夫よ。真心を込めれば、きっと美味しくなるから」
曜「気持ちだけだと不安だなぁ…あ、でもちゃんと同じくらいのサイズになってる」
鞠莉「お湯が沸いたら、お鍋の中に数種類の調味料をジャボジャボして」
曜「ジャボジャボ?」
鞠莉「粉末調味料もパラパラしたら」
曜「パラパラ…」
鞠莉「いよいよ今日のハイライト!カットした具材を、お鍋の中にヒドゥン・シャドウ・スネーク・ハンズデース!」
曜「ヒドゥン・シャドウ、潜む影…スネークハンズ、蛇の手…」
鞠莉「具材が入ったら、素早く蓋をしてマフーバ!」
曜「魔封波。うーん…」
鞠莉「これでよしっと。後はじっくり煮込んでいくだけね」
曜「えっと、鞠莉ちゃん、もしかしてYouTubeとか見てる?」
鞠莉「あら、よくわかったわね」
曜「やっぱりか。それで料理を?」
鞠莉「ええ。見ているうちに、なんだかやってみたくなっちゃって」
曜「人気だもんね。面白いから私も見てるよ」
鞠莉「それなら話が早いわ。曜も一緒にやりましょう!ヒドゥン・シャドウ・スネーク・ハンズ!」
曜「えっと…あ、私、食器準備しちゃうね!」
――――――――
曜「少し様子見てみようか。蓋開けるよ」
鞠莉「グツグツしてるから、火傷しないようにね」
曜「大丈夫だよ、っと。わ…」
鞠莉「オーウ!ルックスグーッド!」
曜「相変わらず凄いビジュアルだなぁ…」
鞠莉「ルックス、グーッド!」
曜「わ、わかったわかった。でも、いい匂いがするから不思議だよね」
鞠莉「これこそがシャイ煮のグッドコンディションの証よ」
曜「あ、灰汁が浮いてる。取っちゃうね」
鞠莉「ふーむ」
曜「ん、どうかした?」」
鞠莉「手際がいいのね。灰汁だけを正確に掬って、スープや具材を無駄にしていない」
曜「一緒に捨てちゃうのはもったいないからねー」
鞠莉「曜がやると簡単そうに見えるけど、私には真似できそうにないわ」
曜「ちょっとやってれば、すぐ身につくよ」
鞠莉「そうかなぁ」
曜「鞠莉ちゃん、筋は悪くないから、きっとすぐだよ」
鞠莉「ありがとう、信じるわ。なら、これからも曜には練習に付き合ってもらわなきゃね」
曜「んー、いいよ」
鞠莉「え、本当?」
曜「私も別に料理上手ってわけじゃないけど、こういうの、なんか楽しいから。私でよければ付き会うよ!」
鞠莉「曜…ふふっ、やっぱり曜にお願いしてよかった」
曜「えへへっ」
鞠莉「なんて話をしている間に、完成ね!」
曜「おおっ。なんていうかこう、前のものよりコンパクトっていうか、少しシンプルだけど、まごう事なきシャイ煮だ」
鞠莉「後はお皿に盛りつければ、完成!」
鞠莉「私たちは未成年だから、麦茶で乾杯ね」
曜「一応コーラとかもあるけど」
鞠莉「んー…ちょっと迷うけど、まずは麦茶で試してみましょう」
曜「了解ー。それでは、早速」
ようまり「いただきまーす!」
曜「どれどれ…あ、美味しい!」
鞠莉「んー、デリシャス!優勝!」
曜「うん、うん!ご家庭でも用意できる食材を使ってるはずなのに、この味はまさしく優勝だよ!」
鞠莉「ほんっとうに美味しいわ!ウマすぎて、スターブライトになっちゃうわね!」
曜「あはは、すっかりハマってるねー」
鞠莉「言ってみたかったの、ふふっ」
曜「でも本当、箸が止まらないね。このシャイ煮、麦茶とも相性バツグンで」
鞠莉「そんなに美味しそうに食べてもらえて、嬉しいわ」
曜「この美味しさに嘘はつけないよ。これがお家で食べられるなんて、正直びっくりしてるくらい」
鞠莉「まだまだ沢山あるから、お腹いっぱい召し上がれ」
曜「うん!心のこもった料理、ありがとう、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「どういたしまして♪」
曜「今日はこうして料理に挑戦したわけだけど、他にもやってみたいこととかあるの?」
鞠莉「そうね、家事かしら」
曜「家事?」
鞠莉「最近漫画で読んだの。コワモテの専業主夫が、テキパキと家事をこなすってやつ」
曜「ああ、あれかぁ。私持ってるよ。鞠莉ちゃん、意外と影響されやすいんだね」
鞠莉「流行に敏感って言ってほしいわ。料理もだけど、ああいう家庭的なのって憧れるの。曜も結構、家庭的よね」
曜「ん、初めて言われたよ。そうかなぁ」
鞠莉「そうよ。将来、曜と一緒になる人は幸せね」
曜「あはは、褒め言葉として受け取っておくよ」
鞠莉「本気で言ってるのに。ところで、曜」
曜「ん?」
鞠莉「さっき、私が読んだ漫画、持ってるって言ったわよね」
曜「ああ、うん。多分そうだと思うけど、どうかした?」
鞠莉「実は私、ネットでお試し読みをしただけなの。続きがずっと気になってて」
曜「なら、食べ終わったら読もっか。っていうか、もし良かったら泊まっていく?」
鞠莉「嬉しいお誘いだけど、ご迷惑じゃないかしら」
曜「ママなら大丈夫って言ってくれると思うよ。それに、鞠莉ちゃんが持ってきた荷物の中に、ちゃっかりお泊りセットがあるみたいだしね」
鞠莉「あ、バレた?」
曜「まあね。初めから泊まりたいって言ってくれればいいのに」
鞠莉「もしもの時の備えよ。実際、役立つ場面がやって来そうでしょ?」
曜「まぁ、そうだね。『備えあれば嬉しいな』だもんね!」
鞠莉「それを言うなら『憂いなし』よ」
曜「あ、そっか!あっはは!」
鞠莉「うふふっ。私はお代わりよそってくるけど、曜は?」
曜「あ、お願いしていい?」
鞠莉「はーい。二杯目はコーラで乾杯、どうかしら?」
曜「賛成!シュワシュワのやつで!」
……………………………………
翌日、バス停
善子「おはよう。あら」
曜「善子ちゃん、おはヨーソロー!」
鞠莉「シャイニー、善子!」
善子「ヨハネよ。鞠莉さんも一緒なのね」
曜「昨日は私の家に泊まったんだ!」
善子「なるほどね。楽しかった?」
鞠莉「そりゃもう、優勝!な、お泊まり会だったわ」
善子「優勝?」
曜「この上なく楽しいってことかな」
善子「それは良かったわね」
曜「本当に楽しかったよ。善子ちゃんも来ればよかったのに」
善子「言ったでしょ、遠慮するって」
鞠莉「むぅ、つれないわねぇ」
善子「それに、二人のお邪魔するのも、悪いかなって」
曜「邪魔?」
鞠莉「邪魔、って?」
善子「なんでもないわ。朴念仁さん」
鞠莉「ボクネンジン?」
曜「それって、新しい堕天使か何か?」
善子「さあね、自分で考えて」
曜「鞠莉ちゃん、わかる?」
鞠莉「さあ…」
善子「ふふっ。ほら、バスが来たわよ」
終わり
鞠莉『というわけで、これから曜のお宅にお邪魔してもいい?』
曜「えっ、ウチで?急にどうしたの」
鞠莉『言ったでしょ、お料理がしたくなったの』
曜「それは聞いたけど、なんで私の家なのかってこと」
鞠莉『海の家では、私たち同じお料理チームだったじゃない』
曜「いまいち理由になってないような…なら、善子ちゃんは?声かけなかったの?」
鞠莉『誘ったんだけど、遠慮しておくって断られちゃって』
曜「むぅ。善子ちゃん、うまくやったね…」
3: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:28:21.16 ID:AZE/C1la.net
鞠莉『うまくって、何を?』
曜「なんでもない、こっちの話。いいよ、ちょうど今日はママも出かけてるし、一人でご飯も寂しいなーって思ってたから」
鞠莉『ありがと!材料は揃えていくから、よろしくね!チャオ!』
曜「またねー。ふふっ、元気いいなあ。それにしても、お料理、かぁ…」
鞠莉『シャイ煮、コンプリート…!』
曜「懐かしいな。高級食材をごった煮した、前代未聞の料理だったけど。見た目と調理プロセスとは裏腹に、どういうわけか凄く美味しかったっけ」
曜「おっと、こうしちゃいられない。鞠莉ちゃんが来るまでの間に、色々と準備しておかないと。材料は揃えていくって言ってたけど…んー、大丈夫かな」
4: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:28:41.55 ID:AZE/C1la.net
……………………………………
ピンポーン
曜「おっ、来たかな。はーい」
鞠莉『シャイニー!』
曜「シャイニー!今行くね!」
ガチャ
鞠莉「曜、こんにちは」
曜「こんにちは!待ってたよ。荷物は、これ?」
鞠莉「そうよ。あ、大丈夫よ。自分で運ぶから」
5: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:29:27.27 ID:AZE/C1la.net
曜「歩いてきたの?」
鞠莉「車で送ってもらったわ」
曜「なるほど。思ったより荷物が少ないね。てっきり前みたく、食材を満載してくるものかと」
鞠莉「ご家庭のキッチンで、海の家と同じことはしないわ」
曜「あはは、そうしてもらえると助かるよ。さ、入って」
鞠莉「ええ。あ、自分で持つってばー」
6: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:29:56.81 ID:AZE/C1la.net
――――――――
鞠莉「というわけで、早速お料理開始ね!」
曜「エプロン姿もよく似合うね」
鞠莉「ありがと。曜も素敵よ?」
曜「えへへっ。それで、今日は何を作るの?」
鞠莉「もちろん、シャイ煮よ」
曜「もちろん、なんだ。でも、以前とは食材がだいぶ違うよね。高級食材のオンパレードとは打って変わって、お肉も魚も調味料も、普通に用意できそうなものばかりだ」
7: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:30:43.05 ID:AZE/C1la.net
鞠莉「今回のテーマは『ご家庭でも簡単に作れて優勝できるシャイ煮』だからね」
曜「優勝?」
鞠莉「とびっきり美味しいって意味よ。食べた人が笑顔になるような、心のこもった料理を目指したいの」
曜「大事なことだよ。料理は心でするもの、ってやつだね」
鞠莉「気持ちだけではどうにもならないときは、フォローよろしくね?」
曜「任せてよ。それじゃ、スタートだね!」
鞠莉「ええ!レッツ、クッキーング!」
曜「おーっ!」
8: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:31:00.38 ID:AZE/C1la.net
鞠莉「まずは、お鍋にお湯を沸かします」
曜「ご家庭サイズとはいえ、大きめの鍋だね」
鞠莉「シャイ煮の基本は具沢山だからね。お湯が沸くまでの間に、具材をカットしていくわ」
曜「切り方や大きさは?」
鞠莉「フィーリングよ」
曜「う、うーん」
鞠莉「大丈夫よ。真心を込めれば、きっと美味しくなるから」
曜「気持ちだけだと不安だなぁ…あ、でもちゃんと同じくらいのサイズになってる」
9: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:34:37.92 ID:AZE/C1la.net
鞠莉「お湯が沸いたら、お鍋の中に数種類の調味料をジャボジャボして」
曜「ジャボジャボ?」
鞠莉「粉末調味料もパラパラしたら」
曜「パラパラ…」
鞠莉「いよいよ今日のハイライト!カットした具材を、お鍋の中にヒドゥン・シャドウ・スネーク・ハンズデース!」
曜「ヒドゥン・シャドウ、潜む影…スネークハンズ、蛇の手…」
鞠莉「具材が入ったら、素早く蓋をしてマフーバ!」
曜「魔封波。うーん…」
10: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:35:14.13 ID:AZE/C1la.net
鞠莉「これでよしっと。後はじっくり煮込んでいくだけね」
曜「えっと、鞠莉ちゃん、もしかしてYouTubeとか見てる?」
鞠莉「あら、よくわかったわね」
曜「やっぱりか。それで料理を?」
鞠莉「ええ。見ているうちに、なんだかやってみたくなっちゃって」
曜「人気だもんね。面白いから私も見てるよ」
鞠莉「それなら話が早いわ。曜も一緒にやりましょう!ヒドゥン・シャドウ・スネーク・ハンズ!」
曜「えっと…あ、私、食器準備しちゃうね!」
11: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:36:05.42 ID:AZE/C1la.net
――――――――
曜「少し様子見てみようか。蓋開けるよ」
鞠莉「グツグツしてるから、火傷しないようにね」
曜「大丈夫だよ、っと。わ…」
鞠莉「オーウ!ルックスグーッド!」
曜「相変わらず凄いビジュアルだなぁ…」
鞠莉「ルックス、グーッド!」
曜「わ、わかったわかった。でも、いい匂いがするから不思議だよね」
鞠莉「これこそがシャイ煮のグッドコンディションの証よ」
12: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:36:40.81 ID:AZE/C1la.net
曜「あ、灰汁が浮いてる。取っちゃうね」
鞠莉「ふーむ」
曜「ん、どうかした?」」
鞠莉「手際がいいのね。灰汁だけを正確に掬って、スープや具材を無駄にしていない」
曜「一緒に捨てちゃうのはもったいないからねー」
鞠莉「曜がやると簡単そうに見えるけど、私には真似できそうにないわ」
曜「ちょっとやってれば、すぐ身につくよ」
13: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:37:02.88 ID:AZE/C1la.net
鞠莉「そうかなぁ」
曜「鞠莉ちゃん、筋は悪くないから、きっとすぐだよ」
鞠莉「ありがとう、信じるわ。なら、これからも曜には練習に付き合ってもらわなきゃね」
曜「んー、いいよ」
鞠莉「え、本当?」
曜「私も別に料理上手ってわけじゃないけど、こういうの、なんか楽しいから。私でよければ付き会うよ!」
鞠莉「曜…ふふっ、やっぱり曜にお願いしてよかった」
曜「えへへっ」
14: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:37:35.28 ID:AZE/C1la.net
鞠莉「なんて話をしている間に、完成ね!」
曜「おおっ。なんていうかこう、前のものよりコンパクトっていうか、少しシンプルだけど、まごう事なきシャイ煮だ」
鞠莉「後はお皿に盛りつければ、完成!」
鞠莉「私たちは未成年だから、麦茶で乾杯ね」
曜「一応コーラとかもあるけど」
鞠莉「んー…ちょっと迷うけど、まずは麦茶で試してみましょう」
曜「了解ー。それでは、早速」
ようまり「いただきまーす!」
15: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:37:51.21 ID:AZE/C1la.net
曜「どれどれ…あ、美味しい!」
鞠莉「んー、デリシャス!優勝!」
曜「うん、うん!ご家庭でも用意できる食材を使ってるはずなのに、この味はまさしく優勝だよ!」
鞠莉「ほんっとうに美味しいわ!ウマすぎて、スターブライトになっちゃうわね!」
曜「あはは、すっかりハマってるねー」
鞠莉「言ってみたかったの、ふふっ」
16: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:38:28.67 ID:AZE/C1la.net
曜「でも本当、箸が止まらないね。このシャイ煮、麦茶とも相性バツグンで」
鞠莉「そんなに美味しそうに食べてもらえて、嬉しいわ」
曜「この美味しさに嘘はつけないよ。これがお家で食べられるなんて、正直びっくりしてるくらい」
鞠莉「まだまだ沢山あるから、お腹いっぱい召し上がれ」
曜「うん!心のこもった料理、ありがとう、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「どういたしまして♪」
17: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:38:52.92 ID:AZE/C1la.net
曜「今日はこうして料理に挑戦したわけだけど、他にもやってみたいこととかあるの?」
鞠莉「そうね、家事かしら」
曜「家事?」
鞠莉「最近漫画で読んだの。コワモテの専業主夫が、テキパキと家事をこなすってやつ」
曜「ああ、あれかぁ。私持ってるよ。鞠莉ちゃん、意外と影響されやすいんだね」
鞠莉「流行に敏感って言ってほしいわ。料理もだけど、ああいう家庭的なのって憧れるの。曜も結構、家庭的よね」
曜「ん、初めて言われたよ。そうかなぁ」
鞠莉「そうよ。将来、曜と一緒になる人は幸せね」
18: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:39:10.09 ID:AZE/C1la.net
曜「あはは、褒め言葉として受け取っておくよ」
鞠莉「本気で言ってるのに。ところで、曜」
曜「ん?」
鞠莉「さっき、私が読んだ漫画、持ってるって言ったわよね」
曜「ああ、うん。多分そうだと思うけど、どうかした?」
鞠莉「実は私、ネットでお試し読みをしただけなの。続きがずっと気になってて」
19: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:39:33.83 ID:AZE/C1la.net
曜「なら、食べ終わったら読もっか。っていうか、もし良かったら泊まっていく?」
鞠莉「嬉しいお誘いだけど、ご迷惑じゃないかしら」
曜「ママなら大丈夫って言ってくれると思うよ。それに、鞠莉ちゃんが持ってきた荷物の中に、ちゃっかりお泊りセットがあるみたいだしね」
鞠莉「あ、バレた?」
曜「まあね。初めから泊まりたいって言ってくれればいいのに」
鞠莉「もしもの時の備えよ。実際、役立つ場面がやって来そうでしょ?」
20: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:41:30.01 ID:AZE/C1la.net
曜「まぁ、そうだね。『備えあれば嬉しいな』だもんね!」
鞠莉「それを言うなら『憂いなし』よ」
曜「あ、そっか!あっはは!」
鞠莉「うふふっ。私はお代わりよそってくるけど、曜は?」
曜「あ、お願いしていい?」
鞠莉「はーい。二杯目はコーラで乾杯、どうかしら?」
曜「賛成!シュワシュワのやつで!」
21: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:41:50.79 ID:AZE/C1la.net
……………………………………
翌日、バス停
善子「おはよう。あら」
曜「善子ちゃん、おはヨーソロー!」
鞠莉「シャイニー、善子!」
善子「ヨハネよ。鞠莉さんも一緒なのね」
曜「昨日は私の家に泊まったんだ!」
善子「なるほどね。楽しかった?」
鞠莉「そりゃもう、優勝!な、お泊まり会だったわ」
22: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:42:08.61 ID:AZE/C1la.net
善子「優勝?」
曜「この上なく楽しいってことかな」
善子「それは良かったわね」
曜「本当に楽しかったよ。善子ちゃんも来ればよかったのに」
善子「言ったでしょ、遠慮するって」
鞠莉「むぅ、つれないわねぇ」
善子「それに、二人のお邪魔するのも、悪いかなって」
23: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:42:30.40 ID:AZE/C1la.net
曜「邪魔?」
鞠莉「邪魔、って?」
善子「なんでもないわ。朴念仁さん」
鞠莉「ボクネンジン?」
曜「それって、新しい堕天使か何か?」
善子「さあね、自分で考えて」
曜「鞠莉ちゃん、わかる?」
鞠莉「さあ…」
善子「ふふっ。ほら、バスが来たわよ」
終わり
24: 名無しで叶える物語 2020/01/12(日) 09:42:42.27 ID:AZE/C1la.net
元スレ曜「お料理がしたい?」鞠莉『イエース!』