1: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/01/22(水) 09:36:41 ID:+D2i5yQR.net

冬休み

理亞「どうしたのその子……?」

赤ちゃん「あー、あー」

聖良「従姉妹のお姉さんの子ですよ」

聖良「私達も去年生まれた時お祝いに行ったでしょう」

理亞「そうだった、あれから会ってないから忘れてた」

理亞「この子、名前なんて言ったっけ」

聖良「えりちゃんですよ」

理亞「えりちゃん……」ジーッ

理亞「生まれた時は小さかったのにもうこんなに……」

聖良「赤ちゃんの成長は早いですからね、8ヶ月だそうです」

理亞「ふーん」

理亞「それで、なんでこの子がうちに?」

聖良「お姉さん、子育ても少し落ち着いてきたから新婚旅行に行くみたいで」

聖良「一週間、うちで預かる事になったんです」

理亞「そう、うちで……」

理亞「……ん?」

理亞「えぇっ!?うちで!?」

えりちゃん「!!」ビクッ

えりちゃん「うわぁ~ん‼」

聖良「こら、理亞。脅かしちゃダメ」

理亞「ご、ごめんなさい……」



4: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 09:53:15.87 ID:+D2i5yQR.net

聖良「お~よしよし、びっくりしましたねぇ~」ユサユサ

えりちゃん「う~ん……」

理亞「姉様にすごくなついてる……」

聖良「理亞も抱いてみますか?」

理亞「えぇ……なんか、怖い……」

えりちゃん「ふぅぅ……あぁ~」グズグズ

理亞「あ、また泣きそうに……」

聖良「おっと、いけませんね」

聖良「このくらいになるとそばにいる相手の気持ちが赤ちゃんはわかるようです」

聖良「だからあまり不安を与えたり怖がらせちゃいけません」

聖良「理亞の不安な気持ちがえりちゃんにも伝わってそれで泣いてしまうんです」

理亞「そんな事言ったって……」

聖良「ーふふ、しばらくは私が面倒見た方がいいですね」

聖良「これから一週間、一緒に過ごす訳ですから少しでもえりちゃんと仲良くなれるよう頑張ってみましょう」

理亞「う、うん……」



10: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 10:13:57.87 ID:+D2i5yQR.net

聖良「いないいない……せいら~」

えりちゃん「きゃははっ」

聖良「えりちゃんはかわいいですねぇ~」チラッ

理亞「……」ジーッ

聖良(ふふ、理亞もえりちゃんに興味はあるみたいですね)

聖良(理亞は人見知りなところがあるのでもう少し慣れればえりちゃんと触れ合えるはず)

聖良(まずは理亞の方からえりちゃんに近づいてもらわないといけませんね)

聖良「理亞、もっと近くに来てみませんか」

理亞「え、でも……」

えりちゃん「ふん……」

聖良「大丈夫、少しづつでいいです」

聖良「えりちゃんも、あのお姉ちゃんは怖くないですよ~」ナデナデ

えりちゃん「ふあぁ……?」

理亞「……」

理亞「……」ジリジリ

聖良「目を合わせて、顔をよく見てあげてください。えりちゃんは喋れませんが私達の気持ちはわかっています」

聖良「名前を呼んで、あなたも自己紹介して」

理亞「……」ジッ

理亞「……えり、ちゃん」

理亞「私は、鹿角…理亞…」

理亞「よろしく……」

えりちゃん「あぁ?」

理亞「ひっ……」

聖良(いい調子です、理亞)



12: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 10:28:53.00 ID:+D2i5yQR.net

えりちゃん「うぅ~うぅん……」

聖良「お、おむつがだいぶ膨らんでますね。交換しますか」

理亞「姉様、そんな事出来るの?」

聖良「お姉さんに一通りの事は教わりましたから」

理亞「すごい、さすが姉様」

聖良「いや、そんな大した事ではありませんよ」

聖良「理亞にもやってもらいますからね、見ててください」

聖良「まずはテープを剥がして、ゆっくり取る」

聖良「丸めたらまたテープでとめて、新しいおむつをお尻の下にあてがい」

聖良「包み込むように穿かせたら両端をテープでとめる」

聖良「ね、簡単でしょう?」

理亞「なるほど、これなら私にも出来そう……」マジマジ

聖良(理亞、いつの間にかえりちゃんのすぐそばまで……)

聖良(えりちゃんも理亞を見つめてる、お互いに興味を持ち始めれば仲良くなるまでもう少し)



16: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 10:44:04.49 ID:+D2i5yQR.net

聖良「そろそろミルクの時間ですね」

理亞「ミルク……姉様、まさか……?」

聖良「……私があげる訳ではありませんよ、粉ミルクです」

理亞「そ、そうだよね……あは」

聖良「哺乳瓶に決められた分だけ粉ミルクを入れて」

聖良「お湯を入れたらだまが出来ないようによく混ぜる」フリフリ

聖良「理亞、これもよくやりますから覚えてくださいね」

理亞「うん、わかった」

聖良「ほぅらえりちゃん、ミルクですよ」

えりちゃん「んぐ……んぐ……ちゅぱちゅぱ」

理亞「すごい勢いで飲んでる……」

聖良「いい飲みっぷりですね、元気な証拠です」

理亞「……」

理亞(なんか、おいしそう……)

理亞「姉様、ミルクっておいしいのかな?」

聖良「赤ちゃん用に作られた物だから私達が飲んでもおいしくないと思いますよ」

理亞「そう、なんだ……」

聖良「理亞は牛乳を飲みなさい」

理亞「うん、そうする」



えりちゃん「んぐ…んぐ…ぷぁ~」

理亞「ごく…ごく…ぷは~」

聖良「うふふ、理亞もお腹すいてたんですね」



20: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 11:06:33.80 ID:+D2i5yQR.net

聖良「お姉さんはいつもミルクの後にお風呂に入れてると言ってましたね」

聖良「三人でお風呂に入りましょうか」

理亞「三人で?姉様とも今は一緒に入ってないのに……」

聖良「たまには一緒に入ってもいいじゃないですか、恥ずかしいですか?」

理亞「そりゃ……私はもう高校生だし……」

聖良「えりちゃんもいるから今回は特別です、ほら入りますよ」

理亞「わ、わかった……」



聖良「ーうん、お湯の温度もえりちゃんにピッタリ」

聖良「えりちゃん、お風呂に入りますよ~」

えりちゃん「わぁ~」バタバタ

理亞「ちょ、急に暴れ始めた」

聖良「暴れてるんじゃなくてこれは喜んでいるんですよ。えりちゃんはお風呂が好きなんですね」

えりちゃん「あぁ~い」バッシャバッシャ

理亞「うぶっ!?お湯かけないでよ……」

聖良「理亞、仲良くなるチャンスです」スッ

聖良「えりちゃんのお気に入りのこのじょうろを使って一緒に遊んであげてください」

理亞「う、上からかけてあげればいいのかな……?」シャアァァ

えりちゃん「きゃはっ、きゃっきゃっ」

えりちゃん「わあぁ~」

理亞「か、かわいい……」

聖良「理亞お姉ちゃんにあそんでもらえてよかったですね~」

えりちゃん「あぁ~い!!」



24: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/01/22(水) 11:25:52 ID:+D2i5yQR.net

えりちゃん「あぁ~ん!!あぁ~!!」

理亞「こ、こら。暴れないで……」フキフキ

聖良「湯冷めしないようによく拭いてあげてくださいね」

理亞「難しい、これ……」

えりちゃん「やーやー‼」ジタバタ

聖良「ふふ、えりちゃんもっとお風呂に入っていたかったんですね」

理亞「あのまま入ってたらこっちがのぼせちゃう……」フキフキ

理亞「姉様。これで、いい?」

聖良「どれどれ……もう少し拭きましょうか」フキフキ

聖良「これでよし、と」

聖良「あとは着替えて眠くなったら寝ましょうか」



えりちゃん「あー、あー」ハイハイ

理亞「この子、はいはい出来るんだ」

聖良「8ヶ月にもなればはいはいして段々活発になるようですよ」

聖良「えりちゃんこっちにおいで~」ガラガラ

えりちゃん「あ?あぁ~」ハイハイ

聖良「よく出来ました、いい子いい子」

理亞「……」

理亞「えりちゃん、ちちちちち……」

えりちゃん「あぁ?」

聖良「理亞、そんな小鳥じゃないんだから……」

理亞「ーはっ?」カァァ

理亞「……姉様、そのおもちゃ貸して」

聖良「はいどうぞ」

理亞「お、おいで」ガラガラ

えりちゃん「あぁ~い」ハイハイ

理亞「こっちに来てくれた……」

理亞「うふふ……」



25: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 11:45:05.97 ID:+D2i5yQR.net

えりちゃん「ん……ふぁ……んん」

理亞「なんだか眠そう」

聖良「そろそろおねむの時間ですかね、私達も寝ますか」

理亞「私達はまだ早いと思うけど……」

聖良「えりちゃんがいる間だけでも同じように過ごしてあげましょう」

理亞「わかった、姉様がそう言うなら」

理亞「それじゃ、おやすみなさい」

聖良「どこに行くんです?あなたも一緒に寝るんですよ」

理亞「わ、私も……?」

聖良「当然でしょう、寝食を共にして更に仲も深まるというものです」

理亞「お風呂といい寝るのといい……まるで私も赤ちゃんみたい……」

聖良「私も理亞も両親から見たら大きな赤ちゃんですよ」

理亞「そ、そうだったんだ……」




理亞「姉様と一緒に寝るなんて小学生以来……」

聖良「ふふ、懐かしいですね。あの頃と違って理亞も大きくなったから少し窮屈ですが」

聖良「えりちゃんがベットから落ちないよう真ん中に入れてあげますか」

えりちゃん「……すぅ…すぅ…」

理亞「えりちゃんの寝顔、かわいい……」

聖良「本当ですね、お姉さんもこの時間だけは心が休まると言っていました」

聖良「明日からまた忙しくなりますよ、理亞」

理亞「うん、私も姉様ばかりに負担をかけないように頑張ってみる……」

理亞「私も、寝る。おやすみなさい、姉様」

聖良「頼りにしてますよ」

聖良「おやすみなさい」



31: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 12:30:38.56 ID:+D2i5yQR.net

翌朝

えりちゃん「うわぁ~ままぁ~あぁ~ん!!」

理亞「いたっ‼」ベシッ

理亞「えりちゃん……?どうしたの?」

聖良「ふわぁ……おっと、えりちゃんお目覚めですね」

聖良「おはようえりちゃん、ママがいなくてびっくりしたんですか~?」ダッコ

えりちゃん「あぁ~ん‼」

聖良「はぁ~いよしよし、聖良ママですよ~」ユラユラ

えりちゃん「ひっ…ひっ……あぁ……」

理亞「ママがいないなんて今更なんじゃ……」

聖良「寝起きで状況がわかっていなかったみたいですね。やっと落ち着きました」

理亞「そういう事もあるんだ」

聖良「おむつもパンパンになってますね。理亞、交換してあげてください」

理亞「えぇ……大丈夫かな」

聖良「昨日教えたようにやれば心配ありません」

聖良「私はえりちゃんの朝ごはんの用意をしてきます」

理亞「……」

理亞「……よし。えりちゃん、いくよ……」コワゴワ

ペリ…ペリ…

理亞「よし、おむつは取れた。あとは……」

えりちゃん「う……」ピクッ

理亞「う……」

えりちゃん「うわぁ~、やぁ~」バタバタ

理亞「あぁ、ごめん……」

理亞「お願いだからおとなしくして……」

えりちゃん「あぁぁ~ん‼」ビュン

理亞「うわぁっ!?」ベチャッ

聖良「ー何事ですか?理亞、大丈夫ですか?」

理亞「えりちゃんの蹴飛ばしたおむつが、私の顔に……」

聖良「おや……それは災難でしたね」



32: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 12:47:30.09 ID:+D2i5yQR.net

理亞「うぅ……朝からひどい目にあった……」フキフキ

聖良「でも最後まで諦めずに交換出来ましたね、えりちゃんも喜んでますよ」

えりちゃん「あー、あぁ~」

理亞「それならよかったけど……」

えりちゃん「あぁー、まんまぁー」

聖良「お腹すきましたね、朝ごはんにしましょうか」

理亞「そういえば用意したって……ミルクじゃないの?」

聖良「お姉さんから少しづつミルク以外の物も与えるように言われて」

聖良「離乳食を作りました、私達も朝ごはん食べましょう」



理亞「これが……離乳食」

理亞「これ、バナナ?」

聖良「そう、バナナをペースト状にして食べやすくしました。えりちゃんの大好物みたいですよ」

えりちゃん「まんま、まんま~」バンバン

聖良「はいはい。それじゃ、いただきます」

えりちゃん「あ~ん」パクッ

えりちゃん「うぅ~ん!!」

理亞「おいしそうに食べてる……本当に好きなんだ」

聖良「気に入ってもらえてよかったです」

聖良「理亞も食べさせてみますか?」

理亞「う、うん……それじゃ」

聖良「不安を出しちゃいけませんよ」

理亞「えりちゃん、あ~ん」

えりちゃん「あ~ん」パクッ

理亞「……やった、食べてくれたよ姉様」

聖良「いい感じです理亞、優しい顔をしてましたよ」



33: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 13:13:21.78 ID:+D2i5yQR.net

3日目

聖良「今日は天気がいいので外におでかけしましょうか」

理亞「でも、外は寒いよ」

聖良「えぇ、だから暖かい格好をしていきましょうね」

えりちゃん「あぁ~、あ~」

理亞「えりちゃんもこもこ……雪だるまみたい」

聖良「赤ちゃんは寒さに弱いからこれくらい着込ませないとね」

聖良「それじゃ、出発しますよ~」

えりちゃん「あ~い」

公園

聖良「えりちゃん、お友達がいっぱいいますね」

えりちゃん「あ~、あぁ~い」

理亞「えりちゃんに公園はまだ早いんじゃない?」

聖良「そうですね、まだはいはいしか出来ませんから」

聖良「抱っこして一緒にブランコでも乗りますか」

聖良「ーぶ~らん、ぶ~らん~」

えりちゃん「きゃっきゃっ‼あ~い」

理亞「楽しいってわかるんだ……」

聖良「丁度今頃は周りに興味が出始めますから」

聖良「公園に連れてきてよかったですね」



34: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 13:24:56.78 ID:+D2i5yQR.net

聖良「さて、次は理亞お姉ちゃんと滑り台をやってみましょう」

理亞「滑り台……」

聖良「上まで付き添いますから、えりちゃんをしっかり抱いて滑ってくださいね」

理亞「わ、わかった」



理亞「……よし。姉様、えりちゃんを」

聖良「気を付けてくださいね」

理亞「行ってきます」

シューッ

えりちゃん「わぁ~!!」

聖良「お~上手に滑れましたね。えりちゃんもご満悦のようです」

えりちゃん「あぁ~、あぁ~」グイグイ

理亞「え、なに……もしかしてもう一回?」

えりちゃん「あ~い」

聖良「ふふ、またよろしくお願いします」

理亞「もう……しょうがないな」



えりちゃん「うぁ……あぁ~ん」グスグス

理亞「えりちゃん、どうしたの?」

聖良「遊び疲れて眠くなってきたんでしょう、帰ったらミルクを飲んでお昼寝しますか」

理亞「私にはまだ姉様のようにえりちゃんの考えてる事がわからない……」

聖良「その内わかるようになりますよ」



36: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/01/22(水) 13:41:26 ID:+D2i5yQR.net

4日目

聖良「理亞、今日はあなた一人でえりちゃんをお風呂に入れてください」

理亞「私、一人で……?」

聖良「大丈夫でしょう、えりちゃんはお風呂に入ってる間は機嫌がいいんだし」

えりちゃん「あ~、あぁ~」

理亞「なにかあったら……助けてね」

聖良「頑張ってください」ニコッ



えりちゃん「あ~い!!あ~い!!」

理亞「えりちゃんお風呂だと本当暴れん坊……逃げないで、体洗えないよ……」

理亞「なら、このアヒルのおもちゃで」ブーブー

えりちゃん「あ?あぁ~」ブーブー

理亞「よし、今の内に……」ゴシゴシ



理亞「はぁ~やっと洗い終わった……」

えりちゃん「はぁ~」

理亞「私の真似してるの?こっちの苦労も知らないで……」

えりちゃん「あぁ~い」バシャ

理亞「きゃっ、もう……やったなぁ、お返し!!」パシャ

えりちゃん「きゃははっ!!やぁぁ~」

理亞「……ふふっ」

理亞(私や姉様も赤ちゃんの時はこんな感じだったのかな……)

理亞(お母さんって、大変なんだな……)



38: 名無しで叶える物語(東日本) 2020/01/22(水) 13:56:46 ID:+D2i5yQR.net

5日目

近所の散歩中

同級生「か、鹿角さん!?」

聖良「あ、こんにちは。お元気ですか?」

えりちゃん「あ~い」

同級生「どうしたのその赤ちゃん……?」

同級生「ーはっ!?まさか鹿角さんの?」

聖良「いやいや……そんな訳ないでしょう」

聖良「この子は親戚の子供です。事情があって私の家で預かっているんですよ」

同級生「なぁんだそうだったの」ホッ

同級生「ごめんなさい、変な誤解して」

聖良「いえ、わかっていただければいいんです」

同級生「それにしてもかわいいわねぇ」

同級生「鹿角さんも大人びてるから本物のママみたいよ」

聖良「それは……高校生には見えないという事ですか?」ヒクッ

同級生「あ、違う違う。そういう意味で言ったんじゃなくて」

聖良「それならいいのですが……」

聖良(私、年相応の見た目してますよね……?)

同級生「とにかく。子育て、頑張ってね」

聖良「はぁ、ありがとうございます」

聖良(妙な噂が立たなければいいのですが……)



39: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 14:16:37.18 ID:+D2i5yQR.net

6日目

理亞「えぇ!?私とえりちゃんだけで留守番!?」

聖良「ごめんなさい。今日私は学校の冬季講習に行かなくてはならないのです」

聖良「お母さんお父さんもでかけます。理亞、今までやってきた事を思い出してお願いします」

理亞「そ、そんな……」チラッ

えりちゃん「あぁ?」

聖良「講習が終わったらすぐ帰ります。なんとか夕方まで頑張ってください」

理亞「でも、姉様……私……」

聖良「いいですか、あなたは一人でも十分えりちゃんの面倒を見る事が出来ます」ガシッ

聖良「自信を持って、不安にならないで、えりちゃんに寄り添って接するのです」

理亞「えりちゃんに、寄り添って……」

聖良「離乳食は作っておきましたからお昼に食べさせてください。それじゃ、行ってきます」

理亞「ー行っちゃった……」

えりちゃん「あぁ~ままぁ~」

理亞(えりちゃん、姉様をママだと思って……)

理亞(やっぱり、私じゃ……)

えりちゃん「う、うっ、うぅ~」グス

理亞「はっ、しまった……待って…泣かないで……」

えりちゃん「うわぁぁ~ん‼」



40: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 14:34:18.70 ID:+D2i5yQR.net

えりちゃん「あぁぁ~ん!!」

理亞「あぁ……えりちゃん落ち着いて」アタフタ

えりちゃん「ぎゃあぁぁ~!!」

理亞「ほ、ほらおもちゃだよ……」ガラガラ

えりちゃん「いや‼やぁ~!!」バシッ

理亞「なんで姉様がいなくなった途端こんな事に……」

えりちゃん「うわぁぁ~‼あぁぁ~ん‼」バタバタ

理亞「……」

理亞「……うっ、ぐすっ」

理亞「姉様……やっぱり私には無理だよ……」

理亞「姉様がいないと……私、なにも…」


聖良『理亞の不安な気持ちがえりちゃんにも伝わってそれで泣いてしまうんです』

聖良『自信を持って、不安にならないで、えりちゃんに寄り添って接するのです』


理亞「……」

理亞(なにやってるんだ私)

理亞(今えりちゃんのそばにいるのは私だけじゃないか)

理亞(私まで一緒に泣いて……どうする‼)

理亞「……」グシグシ

理亞「……よし、不安になるな鹿角理亞」

理亞「私はママ……えりちゃんのママ……ママになるんだ私」



43: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 14:56:41.63 ID:+D2i5yQR.net

理亞「えりちゃん」

えりちゃん「あぁぁ~ままぁ~」

理亞「……」ダッコ

理亞「えりちゃん、いい子だね。泣かないで」

えりちゃん「ふぁ?」

理亞(よし、落ち着けば大丈夫……このまま泣き止ませよう)

理亞「う、歌を歌ってあげる」

理亞「せかいは~きっと~しらないぱ~わ~で~かがやいてるだっからいつま~で~も~ゆめ~のとちゅう~」

えりちゃん「あぁ?」ポカーン

理亞(やった、泣き止んだ!!)

理亞「そういえばちゃんと抱っこしたのってこれが初めて……」

えりちゃん「あぁ~」カオペタペタ

理亞「なに……?私の顔、なにか付いてる?」

えりちゃん「きゃあぁ~」ニコッ

理亞「わ、笑った……えりちゃんが」

理亞「よ、よし……それならあの日姉様がやっていた……」

理亞「いないいない……りあ~」

えりちゃん「きゃっはっはぁ‼」パチパチ

理亞「ウケた……姉様がやってた時は正直つまらないと思ってたけど」

理亞「えへへ……えりちゃん」ユラユラ

えりちゃん「あ~い!!あ~い!!」

理亞(こうしてなついてくれると、かわいいな)



44: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 15:14:35.00 ID:+D2i5yQR.net

聖良「はぁっ、はぁっ……」

聖良「理亞、ただいま帰りました」

聖良「ごめんなさい、予定よりも長引いてしまって遅くなりました」ガチャ

聖良「理亞……ん?」

理亞「すぅ…すぅ…」

えりちゃん「すぅ…すぅ…」

聖良「これはこれは……なんという光景でしょうか」

聖良(おもちゃはあちこちに散らかり哺乳瓶や食器もそのまま)

聖良(えりちゃんが元気いっぱい遊んでいた事がわかりますね)

聖良(理亞、私がいない間一生懸命えりちゃんのお世話をしてくれたんですね……)

聖良「ふふ、仕方ありません。片付けくらいは私がやりますか」セッセセッセ

聖良「そうだ、かわいいのでせっかくだから二人の写真を撮りましょう」ピロリロリン



理亞「ん……うぅん……」

聖良「理亞、目が覚めましたか?」

理亞「姉様……?え?なんで私、姉様に膝枕されて」

聖良「今日1日頑張ってくれたご褒美ですよ」

聖良「理亞、よくやってくれました。顔つきも立派になりましたね」

理亞「うん、えりちゃん……やっと私に笑ってくれた。頑張って、よかった……」

聖良「あなたもえりちゃんのママになれましたね」

聖良「最後に皆で楽しくお風呂に入りましょうか」

理亞「うん……えりちゃん、お風呂好きだもんね」



45: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 15:28:39.72 ID:+D2i5yQR.net

えりちゃん「ままぁ~」

理亞「もう、そんなにくっついたら体拭けないよ」

えりちゃん「きゃはっ」ギュウ

聖良「すっかりママらしくなりましたね」

聖良「それなら、ママの役目は理亞に譲りますよ」

えりちゃん「ままぁ~」ダキッ

聖良「おっと」

理亞「姉様、そのまま抑えてて」

聖良「えりちゃん、私の事もママと呼んでくれるのですか」

えりちゃん「あ~い!!」

理亞「私達、両方ママだって言ってる」

聖良「いつの間にかえりちゃんの考えがわかるようになったんですね」

理亞「なんとなく、だけどね」




えりちゃん「すぅ…すぅ…」

理亞「えりちゃんと寝るのもこれで最後……」

理亞「1週間、早かったね」

聖良「そうですね、あっという間に過ぎましたね。長いようで短い1週間でした」

理亞「えりちゃん、明日帰るんだよね?」

聖良「はい、お姉さんが迎えに来るはずです」

理亞「そう……」

理亞「わかった、おやすみなさい」

聖良「……おやすみなさい、理亞」



46: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 15:44:38.08 ID:+D2i5yQR.net

7日目

理亞「えりちゃん、最後のミルクだよ」

えりちゃん「んぐ……んぐ……」

理亞「えりちゃん……」

「……」

理亞「ねぇ、姉様」

聖良「なんですか?」

理亞「私、えりちゃんと離れたくない……」

聖良「理亞……」

理亞「わかってる、えりちゃんはお姉さんの子供だって。わかってるけど……」

理亞「せっかく、なついて仲良くなれたのに……もうお別れだなんて……」ジワァ

聖良「ーふぅ……理亞、大げさですねあなたは」

聖良「お姉さんは北海道にいるんだからえりちゃんとはいつでも会えるでしょう」

聖良「また、近い内に会いに行きましょう」

理亞「わかった……」

理亞「えりちゃん。私、また必ず会いに行くから」

理亞「私の事、忘れないでね」

えりちゃん「ーけっぷ……」

えりちゃん「あ~い!!りぁ~、せぇりゃ~!!」

理亞「え?」

聖良「今、私達の名前を?」

えりちゃん「あ~い!!ままぁ~!!」

えりちゃん「きゃははっ!!」



47: 名無しで叶える物語 2020/01/22(水) 15:47:06.56 ID:+D2i5yQR.net

終わりです。SaintSnowの話を思いついたので書いてみました。μ'sの絵里ちゃんは関係ありません。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


元スレ
理亞「姉様、その赤ちゃんは……?」聖良「ふふ、かわいいでしょう」